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61回国会衆議院1969/04/24

科学技術振興対策特別委員会 第9号

発言数
119
登壇者
7
会派数
4
開催日
1969/04/24

会議録

石田幸四郎公明党

○石田委員長 これより会議を開きます。  宇宙開発事業団法案を議題として、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。近江巳記夫君。

近江巳記夫公明党

○近江委員 この前に宇宙開発の問題についてお聞きしたわけでございますが、きょうはちょっと開発事業団法案の内容のほうに入っていきたいと思います。  まず初めにお聞きしたいことは、宇宙開発の意義ということ自体がはっきりしておらないわけでありますが、その辺のところを科学技術庁として煮詰めない段階でこの法案を出してきた。そこで、現在の段階でこの宇宙開発の意義というものをどのようにお考えになっておられるか、把握しておられる範囲。それから、それを正式に法律にうたわなかったその理由をまずお聞きしたいと思います。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 お答えいたします。  宇宙開発と申しますのは、考えるべき点が多々あるわけでございますが、開発の意義といたしましては、まず、宇宙空間におきます真相を究明いたしまして学術の進展に役立てるということがございます。これはいわゆる学問的に検討していくということでございます。  その次に、宇宙開発の実用化ということでございますが、これの実用化によりまして国民の福祉とかあるいは産業経済の発展というものに寄与したいということでございまして、これは例をあげますと、たとえば通信衛星とかあるいはその他の航行衛星、気象衛星、こういうふうな実用的なものでございます。  それからその次に、科学技術の水準向上並びに新技術の開発に寄与するということでございます。これは私たち通称波及効果と称しておりますが、宇宙開発を行なうにあたりましていろいろな新しい技術が発展していくわけでございます。これによりまして科学技術の水準も向上いたしますし、また、新しい技術がどんどん別の方面にも発展していくということが期待されるわけでございます。  さらに、この宇宙開発によりまして、各国に劣らないだけの宇宙開発を行ないますと、これによりましてわが国の国際的な地位が確保されるという点があるわけでございます。  このようにいたしまして、宇宙開発の意義というものは非常に大きいものだと存じておる次第でございます。  なお、その開発というものをどういうふうなスケジュールによって行なうかということにつきましては、現在宇宙開発委員会におきましてその点を十分検討を進めておりまして、近くその計画に対する意見が出てまいることになっております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 この宇宙の利用という点ですが、いろいろ話も出ておりますけれども、宇宙の利用ということについてどのように把握しておられますか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 宇宙の利用と申しますと、いろいろ解釈があるかとも存じますが、まず、宇宙空間をどのように利用するかという問題だろうと思います。これには先ほど申しましたように、衛星によります実用的な利用もございますし、また、その宇宙空間における物体というものに対する学術の究明をいたしまして、さらにその成果をいろいろな面において利用していくという、そういうような意味もあるかと存じます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 確かにその点は今後もいろいろな範囲が出てくると思うのですが、こういうことは結局定義というか、その辺をもう少し煮詰めるべきだったと思うのですね。ですから、それを、たとえ抽象的であってもこの法律にうたうべきでなかったか、このように思うのですが、その辺の見解はどうですか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 宇宙の定義でございますが、この点につきましては、先般の国際会議におきましてもいろいろ検討されたわけでございますが、この内容につきまして、物理的な見解からの定義並びにそれの利用面から見た定義というものがいろいろあるわけでございます。その点につきましても、国際会議でも結論を得ませんで、現在まだ国連の宇宙空間平和利用会議におきましても検討を進めているわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それから、この法律の第一条において、「総合的、計画的かつ効率的」と述べられておるわけですが、それはどういう意味であるか、詳細に答えていただきたいと思います。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 お答えいたします。  この「総合的」と申しますのは、将来わが国における宇宙開発というものを一元化の方向に持っていきたいという意味合いにおきまして、「総合的」ということばを使っております。  また「計画的」と申しますのは、やはり宇宙開発というものは相当多額の資金も必要といたしますし、また、日本における宇宙開発における頭脳の結集といいますか、そういう技術水準のハイレベルのものを総合的にやっていきたいということもありますので、これを計画的にやっていきませんと、非常に効率的にこれを行なうことができないというわけでございます。  あとの「効率的」と申しますのは、これは、資金面あるいは人材面におきましてそのようなむだを省いて、宇宙開発を効率的に、しかも短期間に実施していきたいという意味で、「効率的」というふうに使っているわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それから附則の第三条の規定により出資されたものとされる財産というのは何をさしているのですか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 出資は、大体現在予定しておりますのは、事業団ができましたときには政府からの出資ということになるわけでございますが、その内容といたしましては、現在科学技術庁の宇宙開発推進本部にございます財産を政府の出資として事業団に出すわけでございます。さらにこの事業団には、郵政省の電波研究所の電離層観測衛星に関する開発業務を引き継ぐことになりますので、それに必要といたしますいろんな諸施設がございますが、そういうものも出資としてこの事業団に出すということになっておるわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 その内容ですけれども、もう少し明細に、どういうものがあるか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 内容をこまかく申し上げますと、科学技術庁の宇宙開発推進本部にかかわる財産といたしましては、種子島宇宙センター等の土地、建物、装置、機器等がございます。また、郵政省の電波研究所にかかわる財産といたしましては、衛星開発の実験庁舎、それに付属する工作物、それから電離層観測衛星開発用の各施設、機器、たとえばスペースチェンバーというようなものもございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それから、政府以外のものから出資を求める理由、それからまた、実際上いかなるものから、どの程度の資金を期待しておるか、この辺を少し詳しく聞きたいと思うのです。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 宇宙開発の目標を達成いたしますためには、非常に広範多岐にわたります高度な技術を総合的に駆使するというような問題もございますし、また、短期間に多額の資金を投入するということも必要でございます。これは国の総力を結集して行なう大事業でございまして、いわゆる政府と、それから学界、民間というものが一致協力いたしましてその開発を進める必要があるわけでございます。この場合におきます民間の協力のあり方というのは、ただ単に今度の宇宙開発の委託者として協力するということもございますが、さらに事業団に対して民間の人材を供給する、いわゆる供給源になるというような意味もございます。したがいまして、事業団を設立いたします際に出資いたしまして開発に積極的に協力するという態勢も、われわれとしては望まれるわけでございます。  「政府以外の」と申しますのは、いま申しました関係産業界からも何らかのかっこうで資金面においても若干の出資をして、積極的に宇宙開発に協力するという態勢を示していただきたいとも思っております。また、四十四年度には、いまのところ予定しておりませんけれども、今後通信衛星が上がります時点におきましては、いわゆる通信関係の事業体からの出資というものも望まれるわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 ですから、この民間が参加するということはわかっておるのですが、いかなる人からどの程度の資金を考えておられるか、この点です。もう少し具体的に、やはりまだ全然白紙ということはないと私は思うのです。もうすでにこの法案が通れば、十月から発足でしょう。そうすれば当然そういう点は計画なさっていると思うのです。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 お答えいたします。  ただいまの件でございますが、この出資の大半は国から出るわけでございまして、ただいま先生のお話の民間からの出資といいますものは、現時点におきましては大体協賛程度の出資ということになるかと存じます。  どのようなものからの出資が期待されるかというお話でございますが、この点につきましては、まだ未定でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 だから、本筋は政府であるということはわかっていますが、その協賛という程度はどのくらいであるかという問題です。ですから、へたをすれば、この民間の出資のそういうウエートによって——今後当然事業団が膨大なそういう仕事を発注していくわけです。そういう点で、今後の結びつきの問題においても非常に公平を欠くような状態も出てくるのじゃないか、心配なんです。その辺のところをもう少し、まだいまはっきり考えておりませんということでは、現実ここに、法律にうたってあるのです。うたってある以上は、大体の計画というものがなければ、大体の協賛程度、そんなぼかしたようなことではだめです。もう少しはっきり言ってください。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 この宇宙開発の実施でございますが、事業団におきます事業といたしまして、これは宇宙開発委員会が計画いたします開発計画によりまして内閣総理大臣が基本計画を立てまして、それによって事業団が行なうということになっているわけでございます。したがいまして、事業団の仕事が民間の意思に支配されるということはさらさらないと確信している次第でございます。ただいまの協賛出資でございますが、これはほんとうに協賛という意味合いのものでございまして、それによって受注がどうなるというような、そのような金額はわれわれも考えていないわけでございます。したがって、そのような懸念はないものと存じております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それは、計画の点とか、そういう点においては確かにそれは総理大臣であり、宇宙開発委員会ということはわかりますけれども、それじゃ国のいろいろな施策にしたって、何もそんな民間がこうだああだと正面切って計画を立てるという、そんなことはありませんよ。みんな政府が計画してやるのだ。ところが事実は、そういう見えないところの力というものが非常に大きく作用しているわけです。そういう点、これは直接の政府直轄ではなくして、やはり事業団という形をとるわけですから、そういう点がこれから非常に心配になってくるわけです。少なくとも何百億の金を投じて、国民の税金でやっていくわけですから、その辺の点を、ただ計画に参画しないからだいじょうぶだということは通らないと思うのです。要するに、それはその計画に基づいて発注をする、そこに問題があるわけですよ。それを民間が入っておるところがどうしても大きな作用をするということは考えられるわけです。その点を私は心配しているのです。その辺の心配はありませんか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 いま近江委員からのお話、まことにごもっともですし、これから事業団の運営については十分注意していかなければならぬと思っております。そういう点は私どものほうでも監督を厳重にしまして間違いのないようにいたしたい、かように思っております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 運営については間違いないようにしていただくことはけっこうなことです。当然してもらわなければ困るわけですが、しかし、やはり十分にそういうことを考えた上でやっていかなければいけないと思うのですね。非常にそういう懸念があるわけですよ。ですから、具体的に、たとえば、どういうような会社なり人に入ってもらうのか、大体のことは、やはりいまの段階において考えていなければうそでしょう。それをまだ協賛程度だ、そういうことじゃだめですね。大体どういう人を考え、どういう会社を考えているか、ある程度は言ってもらわないと困りますよ。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 この附則の二条にございますが、この事業団が設立いたします際には、内閣総理大臣が設立委員を命ずるわけでございます。その設立委員に事業団設立に関する事務を処理させるわけでございますが、その設立委員が政府以外の者に対しまして事業団に対する出資を募集するということになっておりまして、その設立委員におきまして、その出資の内容というものが決定されるわけでございます。したがいまして、先ほど申しましたように、私たちが現在出資というものの内容を確定することは困難かと存じております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それじゃ全面的に事業団にこれが——法案が通った上においてそういう事業団の中枢メンバーがそういう点を決定する。政府としても、この法律をつくった以上は、やはり好ましいとか好ましくないとか指導するわけですから、その辺のところはある程度煮詰めた案を私は持っていると思うのですよ。そうでしょう。その点はどうなんですか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 先ほど申しましたように、この事業は国が主体になって開発する問題でございますので、民間からの多額の出資ということは期待できない内容のものでございます。したがいまして、先ほども申しましたように、出資自体といたしましては、ほんとうの協賛程度ということでございますが、しかし、その内容そのものにつきましては、やはり設立委員会ができまして、それによって検討していただくということになるかと存じます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 これは平行線になると思いますから、ここでこの問題はやめますけれども、その辺はある程度あなた方が、私たちとしては設立委員がきめることであってはっきりしたことは言えないけれども、政府としては、大体こういうような人、会社が協賛すると考えられるという、そのくらいのところをすぱっと明確に答えてもらわないと、何か知らぬけれども、その辺にもやもやとしたものを感ずる。もやを残すようなことばかりではだめですよ。何もあなた方がそういうような変なことを考えていないにしたって、そういう答弁を聞けば、何かまた考えているのと違うか。あなた方が損するのじゃないですか、政府が。そういう点、もっとはっきりしなければいけないと思うのですよ。だから、また、ある程度煮詰まった段階でその点は話しますけれども……。  それから、非常勤の理事制度を設ける必要があるかどうかという問題なんです。宇宙開発委員会のときにも、常勤にするようにということは国会において附帯決議をやっておる。ですから、私たちとしては、やる以上は常勤で、そこに常駐をして、そして力を打ち込んでもらいたい。そうでなければ中途はんぱになるわけです。ですから、そういう非常勤の理事を置くということは、責任体制をかえって不明確にするのではないか、こう思うわけです。その辺は、どういう考えで設けたのですか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 ただいま先生のおっしゃいましたように、理事の方がすべて常勤でこの事業団の仕事に専念していただけば非常にけっこうなわけでございますが、しかし、やはり従来従事している職業を離れてこれに専念していただけないが、事業団としてはぜひ協力をお願いしたいという方があるわけでございます。たとえば、大学の先生のように学識経験の非常に高い方でございますが、大学の職を離れてこの事業団に専念していただくということが非常に困難なわけでございますので、そのためにこの非常勤という制度をつくりまして、そういう方にもこの事業団の計画に参画していただきまして、そうして、この宇宙開発の成果をあげたいという趣旨で、この非常勤の制度を設けたわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それじゃあくまで骨子としては常勤とする、ただしやむを得ない場合はこのくらいの程度なら認める、そういう行き方が私はほうとうだと思うのです。最初から非常勤だ、そんなことをきめることはないじゃないですか。これはどうなんですか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 先ほども申しましたように、原則としてはやはり常勤が望ましいわけでございます。したがいまして、常勤としての役員の数が多いわけでございますが、先ほども申しましたように、やむを得ない場合の措置として非常勤をとったわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 やむを得ない場合なんということは書いてないですよ。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 それは書いてはございません。それは私の説明でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 だけれども、事業団がほんとうに運営ということを考えていくならば、やはり常勤ということが望ましいわけでしょうですから、これだけ学者の方もおられるわけですし、それはわからぬこともないわけです。しかし、やはり将来はできるだけそういう常勤の形に切りかえていく、こういう考えで出発するのがほんとうではないかと思うのです。その辺はどうなんですか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 なるべく常勤の理事の方がたくさん参画していただきまして成果をあげていただくということが非常にけっこうなことでございますが、非常勤を常勤に切りかえましても、どうしても非常勤でなければいわゆる宇宙開発事業団の業務に専念するということは困難な方もあると思われるわけでございます。その点、やはり非常勤の制度というものがあったほうが、やり方としては非常に便利なんじゃないかというふうに私たち考えているわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それから、この事業団の役員として大体どういう人を予定しておりますか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 この事業団の役員といたしましては、事業団の業務の運営を円滑にやっていきたい、それに十分責任をもって遂行していただきたいということでございますが、特にこの事業団は非常に高度な技術を利用するわけでございます。また、多額の資金も必要でございますし、短期間にこの大規模なプロジェクトを完成するというような仕事もございますので、この役員の人選は非常にむずかしいものだと思っております。したがいまして、そのようなことがございますので、私たちこの役員としてやっていただきたいと思っております方は、非常に事業経営にたんのうな方あるいは計画管理とかあるいは研究開発管理、こういうような仕事については豊富な経験を持っておられる方が広く各界から来ていただきまして、トップマネージメントのかっこうをとっていただければ、この事業団の運営は非常にうまくいくのではなかろうかというふうに存じているわけでございます。したがいまして、そのような観点からこの選考が行なわれるものと私たちは考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それは幾ら言ったって、私がもっと具体的にある程度の考えをただしたいと思っても、あなたは言わないと思うのです。しかし、いずれにしても、役員については、特にいままでそういう公社、公団というものについては、われわれも非常に問題にしてきた。なぜかというと、あまりにもそういう役人の天下りというものが多過ぎたし、また、これからの事業の内容、結局発注等のそういう関係会社と非常に濃い役人が送り込まれるということが往々にしてあったわけですよ。そういう点で非常に不明朗にしてきた。そういう点を非常に心配するわけです。その辺、たとえば、天下りの問題とか、そういう点はどういうように考えておるのか、非常に重大な問題だと思うのですね。これはどうなんですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 近江委員のいまの御心配もまことにごもっともですが、私どもは、この事業を遂行する幹部、すなわちトップマネージメントに当たる人々の選考にあたっては、十分に気をつけてまいりたい。いま政府委員から御説明申し上げましたように、事業経営あるいは計画の管理、そういう能力の十分にある人、そうして、この国家的事業を遂行するに足る、十分なトップマネージメントを確立し得る人々を任命いたしたい。ことに理事長につきましては、各界の信望の厚い、またこの大事業を遂行するに足るところの経験の豊富な人を選びたい、かように思っておるのでありまして、天下りその他についのて御注意は十分に気をつけてまいりたい、かように思っております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 結局この事業団は、役員は九名ですね。それには非常勤の役員を二名含んでおりますが、このほかに顧問がおるわけです。ですから、この事業団の規模から見て、一つは非常に数が多いという点、それから、先ほどの天下りのために何となしにそういうスタッフを多くしておるというようにも考えられるわけです。実際天下り等は考えていきますと言うけれども、では役人は一人も入れないですか。大体のスタッフにしたって、ある程度考えているわけでしょう。役人は一人も入れませんか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 御案内のように、今度の事業は、多額の資金を要する国家的の大事業でありまして、これを短期間に遂行しなくてはならぬ非常に困難な事業だと思う。したがいまして、政界、財界、学界、各方面の協力を得て、十分にこれを遂行していき得るような機構をこしらえなければならぬと思うのです。したがいまして、中には役人の経験のある人のその役人の経験を利用することも必要な場合があるのでありまして、必ずしもこれを絶対に排除するということは、私はかえっていいことじゃないと思っております。ただ、それが乱に流れるというようなことがあれば、これはよくないのでありまして、そういう点を頭に置きながら、各界の総力を結集してやっていくというような体制を整備してまいりたい、かように考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 この事業団の設立については、公社、公団というものについては国民みんながそう思っているわけですよ。ですから、どういうつながりがあってどうだということは、相当みんな関心を持っているわけです。ですから、ああまたかということで、政府のやり方について国民がそういう不信を助長しないように、厳正公平なる立場で役員等についてはやっていただきたい。一たん役員に入ってもらえば、よほどのことがなければやめさすわけにいかぬわけでしょう。ですから、その辺の人事というものは、いままで政治的の配慮というか、そういうことできめられることがあまりにも多かった、その点を私は心配するのです。それが公正を欠くために——たとえばチェックの段階としてどういうことを考えていますか。確かに法的にいけば、何もその役員については国会の承認を得る必要とかそういうことは別にないと思いますけれども、公正を期すために、法律的には盛られていないけれども、われわれとしてはこのように配慮していきたいとか、何らかの納得させる段階というものを考えていると思うのです。その辺、考えておりますか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 いまのお話の点もまことにごもっともでありまして、私どもはそういうことのないように、非難のないように十分に気をつけていくと申し上げるよりほかないと思うのでありますが、まあ人事院におきましてもこれを十分に管理していますし、また、責任者である私といたしましても、御趣旨の点は頭に置いて十分に注意してやってまいりたい、かように思っております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 これも平行線になりますからこれでおきます。  それから、法律の第十四条で教育公務員を役員にする道を開いておるわけですが、それはどういうわけですか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 教育公務員を役員として迎えます場合には、従来でございますと、大学の教授などの場合は、一たん教授をやめて、教授は教育公務員でございますので、大学をやめて、そうしてこの事業団へ入るというような形式をとらなければいけないわけでございます。したがいまして、教育公公務員をこの十四条の一号で除きましたのは、教育公務員の場合は、先ほど申しました非常勤の役員として迎えることができるようにした規定でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それから、顧問を置く理由ですね。また、どういう人を考えておるか、その点をお聞きしたいと思うのです。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 顧問を置く理由でございますが、この宇宙開発の分野といいますのは非常に広い分野でございますし、しかも、わが国としてはまだ歴史が浅いということがございますので、こういう点につきましての学識経験のすぐれた方の英知を結集したいということでございます。そうして、さらに、この事業団の運営が硬直化したりあるいは独善化するということを避けるために、やはり顧問というものが必要なのではないかというふうに考えて、このような規定を設けたわけでございます。  この事業団がやろうと思っております人工衛星なりあるいは人工衛星打ち上げ用のロケットの開発、さらにそれを打ち上げる事業、追跡する事業というものは、いままでにわが国にたくわえられております研究の成果と、それから技術的な経験、こういうものを十分に活用しながら、いろいろな意味におきましてそういう関係の方々の総力を結集しないと、この事業は遂行を期し得ないというふうに考える次第でございます。  そのような意味におきまして、この顧問制度を設けたわけでございますし、この顧問の持っておられます知識とか経験というものが、さらにこの事業団の中に生かされるということを期しているわけでございます。このような趣旨で設けられておりまして、民間企業とかあるいは国の機関あるいは大学、そういうような関係する各界から学識経験のすぐれた者を、できましたら十名程度お願いできたらというふうに存じておる次第でございます。  なお、具体的にはまだ全然進めていない状況でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 この顧問については、いま大体十名程度とおっしゃったのですが、大体どのくらいのワクという、それはきまっていないのですか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 法律的にはきまっておりませんが、この事業団の認可予算を申請いたしますときに、予算として決定されると思いますが、大体ただいま申しましたように、十名程度でいいのではなかろうか。これは前後することもあるかと思いますが、はっきり確定したものではございません。

近江巳記夫公明党

○近江委員 その辺のところ、確かにこの法案もまだ通っておりませんし、これからの具体的な作業として考えられますけれども、まだ、しかし、その辺のところは、政府の中で何か煮詰まっていないように思うのですね。何か言われたから大体このくらいだと、ぽっと考えて答えたような、そういう感じに受け取れるわけですよ。ですから、すでにこれだけの法案を出す以上は、この辺のところまでにおいても、このくらいのことは話し合いの上で決定しておるという、その辺の歯切れのいい、大体こういう——学界といってもこの辺のクラスからこうだという、ある程度われわれが納得できるようにやってもらわなければ、何かまだぼやけているような感じがするわけですね。そういう点、もう少し煮詰めていろいろと考えてもらいたいと思います。  それから、事業団法の第二十四条で基本計画をうたっておりますが、いかなる内容のものになるか、これについてお聞きしたいと思います。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 この二十四条できめておりますように、事業団の業務は、宇宙開発委員会の議決を経まして内閣総理大臣が定めます基本計画に基づいて行なわれるわけでございますが、この内容といたしましては、現在、宇宙開発委員会におきまして、今後十カ年程度将来を展望いたしまして、向こう五カ年程度の開発計画というものを現在進めているわけでございます。この事業団法に規定されております基本計画は、これに基づいてきめるわけでございますが、大体内容といたしましては、開発の目標、それから研究開発を行なうべきおもな項目、それから開発スケジュールというようなものを予定しているわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 だから、その開発項目、スケジュールは、大体具体的にどういうように考えておりますか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 現在宇宙開発委員会におきまして、十カ年を展望いたしまして、五カ年程度の開発計画を策定しておりますので、それが出てまいりますと、この具体的な問題にも入れるかと思いますが、現在、まだその宇宙開発委員会の審議が最終的な段階まで進んでおりませんので、それが出ましてから、この問題について検討を進めるということになると存じます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 少なくとも十月から事業団は発足するわけでしょう。すなわち、計画がちゃんと策定されて、それから準備が整って実施、これは実施機関ですよ。もう四月も末じゃないですか。そういう段階で、まだ開発委員会でいろいろと考えておる。そういう段階でいろいろな諸準備等を整えて、目標も定まらぬ、どっちへ行っていいかわからない。そういうことじゃ「効率的」とか「計画的」と法律でうたっていたってできていないじゃないですか。大体、委員会は少なくともあなた方と密接な関係があるわけでしょう。大体どの程度やっておるか、そのくらい把握できてあたりまえじゃないですか。これはどうなんです。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 ただいま宇宙開発委員会において進めております基本的な考え方といたしましては、四十四年度の予算の見積り方針を出すときに決定いたしました、昭和四十六年には電離層観測衛星をQロケットによって打ち上げる、さらに四十八年度においては実験用の静止通信衛星というものをNロケットによって打ち上げる目標があるということで進んできているわけでございます。現在の宇宙開発委員会におきましても、この線に基づきまして種々具体的な検討を進めているわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それから、宇宙開発に関する基本計画を策定するということは、二十四条で初めて出てくるわけですが、こういうような権限の創設規定というのは、事業団法ではなく別の法律で行なうべきではないか、こういう一部の意見もあるわけですが、その辺についてはどう思っておりますか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 この二十四条におきましては、総理大臣が宇宙開発に関する基本計画を策定するということをきめているわけでございますが、これはこれで創設的にきめたものではございませんでして、大学をも含めました関係の行政機関におきます宇宙開発の基本計画というものは、総理府の持つ総合調整権限に基づいて本来内閣総理大臣が策定し得るものでございます。したがいまして、この規定は、今後策定される、あるいはすでに策定されております基本計画に従いまして事業団が業務の運営を行なうということを規定しただけでございます。  なお、総理大臣がこの計画をきめるにあたりましては、宇宙開発委員会の議決を経るということになっておりますが、これは、業務といたしましては、委員会設置法の二条一項一号にございますが、「宇宙開発に関する重要な政策に関すること。」というものに含まれるものでございまして、この事業団法案によって委員会の権限として創設的に付与されたものではございませんが、総理大臣が基本計画を定めるにあたりまして、特に委員会におきます審議、決定を義務づけたという点におきましては、あるいは創設的な規定ということがいえるかとも存じます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 この宇宙開発に関する基本計画と、現在策定を進めている宇宙開発計画との関係性、これについてお聞きしたいと思います。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 宇宙開発委員会におきましては、現在、今後十カ年程度のわが国の宇宙開発をどういうふうに持っていくかということを展望しながら、今後五カ年程度におきます宇宙開発につきまして、宇宙開発計画の策定を現在鋭意作業中でございます。この委員会におきまして、この計画が決定しました場合は、これを総理大臣に意見具申することになっております。内閣総理大臣に意見具申をいたしまして、そうして、この事業団法に規定されております宇宙開発に関する基本計画は、宇宙開発委員会で策定いたします宇宙開発計画をもとにいたしまして国のプロジェクトとして組み直すことになっております。そうして、宇宙開発委員会の議決を経まして内閣総理大臣が決定するということになっている次第でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 この事業団の業務の範囲、これは第二十二条において「人工衛星」といっておりますが、各種人工衛星を全部開発するのか、あるいは科学衛星等の取り扱いを今後どうしていくかという問題があるわけですが、その点はどうなんですか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 人工衛星の開発につきましては、いま申しましたように、宇宙開発委員会の議決を経まして、総理大臣が基本計画を定めて、それによって行なうわけでございますが、当面、人工衛星につきましては、郵政省で開発を行なっております電離層観測衛星につきましての開発を進めるということになっております。現在はこの郵政省が中心になって研究に着手しております実験用の静止通信衛星につきましても、開発段階に入りました時点におきましては、この事業団が引き継ぎまして開発を進めるということになると思われます。  なお、科学衛星につきましては、科学衛星の開発でございますが、これは学術研究の目的のために宇宙科学の研究に非常に密接に関連して開発されるという趣旨のものでございますので、原則として東京大学の宇宙航空研究所で行なうというふうに考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 この主務大臣は郵政大臣になっているわけですが、これからのそういう計画を考えていくと、確かに大きな関係があるわけです。しかし、少なくとも、この宇宙開発については、先ほどの意義のところで述べられたように、科学技術の向上とか、いろんなそういう非常に広範な分野があるわけです。だから、そういう点からいって、科学技術庁長官が主務大臣になってもおかしくないんじゃないか。確かに、政令でほかの関係大臣はきめるとなっておりますけれども、これは主じゃないわけですよ。主は郵政大臣となっている。どういうわけでそうなったのですか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 主務大臣といたしましては、内閣総理大臣と郵政大臣がなっているわけでございます。科学技術庁長官は、内閣総理大臣から、四十条によりまして権限を委任されているわけでございます。したがいまして、実質的には科学技術庁の長官に相当な仕事の内容につきましての委任が行なわれておるわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 権限が委譲されるとかなんとか言ったって、それはあくまでわきの意味じゃないですか。主をどこに、柱をどこにするかという問題なんですよ。少なくとも宇宙開発事業団の性格からしても、広範な技術の結集ということが大事になってくる。そうでしょう。しかも、科学技術庁の宇宙開発推進本部が発展解消されて開発事業団になっている。郵政省は、いまの段階では、電波研究所の業務の一部をこうやるにすぎないのです。実際に衛星を打ち上げられてから、利用とかそういう面については確かに関係が深いことはようわかりますよ。だけれども、宇宙の定義もきまっておらない。これからさらにどこまで宇宙開発というものが広がっていくかわからないでしょう。それを、単なる郵政大臣を主務大臣にしていくということ自体のあり方ですよ。これは当然、科学技術庁長官が主務大臣になるのはあたりまえですよ。いまの答弁では納得しませんよ。わかっている人、全部答えてください。最後は長官。

馬場一也科学技術庁長官官房長

○馬場(一)政府委員 これは行政組織上の関係がございますので、私がお答え申し上げます。  ただいま調整局長から申し上げましたように、三十九条の主務大臣というのは内閣総理大臣、この内閣総理大臣と申しますものは、いわゆる総理府の長という意味での内閣総理大臣でございます。御承知のように、国家行政組織法上、科学技術庁は、総理府に属しておる行政組織上の庁ということになっておりまして、その長が科学技術庁長官でございますので、ここの三十九条では、形式的には内閣総理大臣と書いてございますが、実質的には、先ほど御説明しましたように、次の条文で、大部分の権限を科学技術庁長官に委任されることになっておりますので、この三十九条の内閣総理大臣というのは、科学技術庁長官と読みかえていただいても、実質的にはほとんど誤りないわけです。ただ、行政組織上、科学技術庁というのは総理府の中にある役所でございますので、三十九条の主務大臣は内閣総理大臣と書いてある、これだけのことでございます。実質的には、科学技術庁長官が郵政大臣と並ぶ主務大臣と言っていただいて差しつかえないと私は思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それは、説明をすればそういうことになるかもしれませんけれども、それじゃ、法において、科学技術庁の長官の立場はどういう立場にあるかということも、そこでうたうべきですよ。実際の今後の事業団、いろいろ国会でも論議されるでしょう。当然、科学技術特別委員会とも関係があるわけですから、いろいろ論議されると思いますけれども、しかし、少なくとも主務大臣が郵政大臣となれば、当然これは逓信委員会が主になってくるように思うのです。そういう点において、やはり何としても、実際それを監督し、やっていくのは科学技術庁長官なんですから、はっきりと、これは主務大臣は科学技術庁長官である。あくまでも郵政大臣というのはサブに置くべきである。その点は、もう少し法的に煮詰めることはできなかったのですか。それはどうなんですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 私に直接関係があることですから、私からお答えするのを差し控えておったのですが、官房長が御答弁申し上げましたように、実質上は私が主管するわけですけれども、いまの行政組織上、科学技術庁というものは内閣総理大臣、行政官庁の長としての内閣総理大臣の所管に属しているというたてまえになっておるものでありますから、そのたてまえをくずさない限り、また、そのたてまえをくずすのはちょっと困難じゃないかと思いますが、そのたてまえをくずさない限り、ここは内閣総理大臣というふうに書かざるを得ないわけです。ただ、しかし、実質上は、官房長から御説明申し上げたように、科学技術庁長官がその大部分の仕事を行なう、こういうことになっております。その点、御了承願いたいと思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員 そういうところで責任というものはぼけるんですよ。はっきりとした責任体制というか。それに実質上携わっている人が責任を持つ、これが運営としては一番効率的にいくようになると思うのですよ。法律も「計画的」、「効率的」ということをいっているでしょう。結局、現実に携わっておらない者が権力を持っている。そこに大きなずれがある。その点で、この点は実質的に私だ、しかし問題が起きたときに、主務大臣は郵政大臣だ。そういうふうに、責任の点で私はもうはっきりと、実際に一番監督をしてやっていくのは科学技術庁長官なんですから、あなたが、この法律を出される前においても、この点は私も責任を持っていきたい、その点、私の立場も実質はそうだということになるにしても、はっきりと法律的にも規定してもらいたい。そこまで意見が出せなかったのですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、いまの行政組織のたてまえから言うと、そうはまいらないのです。したがいまして、次の条文において、総理大臣は大部分の権限を私に委任しておるということによって、私は、非常に権限と責任の限界というものは法律上はっきりしておる。ただ、科学技術庁長官という名前を総理大臣と置きかえて書き得なかったというだけのことで、実質においては同じことであります。その点、御了承願いたいと思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員 これは、管轄は違いますけれども、私はこの間の分科会で万国博のことを聞いたことがあるのですよ、そうすると、菅野さんは、経企庁長官で、そうして万博担当大臣になっておる。万博担当大臣というのは一体どういう権限があるのですかと私も法制局からとってみたら、調整大臣ですよ。あの人には直系の部下というのはないのですよ。万博に対しては。調整するだけの大臣ですよ。これはまあちょっと管轄が違う話ですけれども、そういう権限も伴わぬような名前だけのそれではあかんわけですよ。実質上は科学技術庁長官が事業団を握っている。郵政大臣がなったって、そういう広範な技術の推進とか、あらゆる部分におけるそういう効率的な事業団を通じての国民に対するメリットということを考えていった場合、やはり郵政大臣じゃまずいですよ。主務大臣としておくには。当然はっきりと、実質的には科学技術庁長官であるにしても、その辺のところをもう少し、責任はこうだという、その辺をはっきりとすべきじゃないでしょうか。実質的な責任は科学技術庁長官にあって、主務大臣は郵政大臣だというのはおかしいじゃないですか。ただ、行政組織がそうなっているからというだけで流されていいのですか。あなたは少なくとも、これだけの国費を投じて行なわれる事業団じゃないですか。それは、どういう事情があったにしても、私としてはこうしていきたい。流されたんじゃだめですよ。その辺のことをはっきりとすべきじゃないですか。その点、いまから総理に対しても、長官として、私はこのようにしていきたいという御意見をお持ちですか、このままで流されるのですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 お答えいたしますが、先ほど来申し上げておりますように、いまの行政の組織のたてまえから言うと、さようにはまいらない。そこで、この責任者として内閣総理大臣、こういう名前を出しているわけです。これは所管大臣として内閣総理大臣、これは科学技術庁は、行政官庁の長としての内閣総理大臣の所管に属しておりますから、そこで内閣総理大臣という名前を出しておるわけであります。  そこで、しからば実質上どうかというと、次の条文で科学技術庁長官に内閣総理大臣はこれを委任しておるという形になっておりまするので、法律のたてまえからいってもきわめてはっきりしておるものだろう、私はかように考えております。

石田幸四郎公明党

○石田委員長 関連で、井上普方君。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 ただいまの件でお伺いしたいのですが、「主務大臣は、内閣総理大臣、郵政大臣及び人工衛星等の開発に係る事項を所管する大臣で政令で定めるものとする。」三十九条にはこうあるのですね。ところが、おたくのほうの科学技術庁設置法の第四条の十五の二には「宇宙の利用を推進すること。(他の行政機関の所掌に属することを除く。)」とある。としますと、この科学技術庁設置法とこれは大いに食い違ってくると思うのです。どうでございますか。あるいは科学技術庁設置法を削除するおつもりですか。どういう関係になりますか。大臣、どうでございますか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 これはこまかな法律論になりまするので、官房長からお答えいたします。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 大臣、あなた、科学技術庁設置法に基づいてあなたの大臣もあるのです。いいですか。あなたの権限ですよ、第四条というのは。権限の十五の二に「宇宙の利用を推進すること。(他の行政機関の所掌に属することを除く。)」こうあるのですよ。そうしてきますと、あくまでも宇宙開発事業団法の主務大臣は、この法律からいくならばあなたの所管でなければならない。どうでございますか。

馬場一也科学技術庁長官官房長

○馬場(一)政府委員 大臣からお答えがあるかと思いますが、法律上のことでございますから、私から事務的に御説明申し上げます。  科学技術庁設置法の第四条で、ただいま御指摘になりましたように「宇宙の利用を推進すること。」というのは、科学技術庁の所掌事務になっております。それから一方、宇宙開発事業団法の第三十九条は、この法律に基づいてできます宇宙開発事業団というものの所管をどの大臣が持つかという所管権限を創設した規定でございます。その所管権限の面では、ただいま申しましたように、国家行政組織法上の関係で一応内閣総理大臣ということになっておりますが、しかし、一方内閣総理大臣は、おっしゃるとおり自分で手足を持っているわけではございませんし、科学技術庁が宇宙の利用を推進する役割りを持っておりますので、その役割りを持っておる科学技術庁長官に、この法律に基づく大部分の権限を内閣総理大臣から委任したという規定が第四十条にあるわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 国家行政組織法の第何条の規定によってそういうふうなことがきまっておるのですか。

馬場一也科学技術庁長官官房長

○馬場(一)政府委員 国家行政組織法の第三条に行政機関の設置云々という事項がございますが、その第三条の第二項に「行政組織のため置かれる国の行政機関は、府、省、委員会及び庁とし、その設置及び廃止は、別に法律の定めるところによる。」「委員会及び庁は、府又は省に、その外局として置かれるものとする。」ということで、別表第一に総理府に置かれる庁ということで科学技術庁というのが他の企画庁、防衛庁等と並びましてあるわけでございます。したがいまして、科学技術庁は行政組織法によって総理府の外局になっておるわけでございますから、行政組織的に申しますと、総理府の長は内閣総理大臣でございますので、内閣総理大臣の管轄のもとに科学技術庁があり、その長官が科学技術庁長官である、こういう関係でございまして、ちょうどその関係は、たとえば、通産省に中小企業庁という外局がございまして、その長官である中小企業庁長官が行政組織上は通商産業大臣の所管に属しておるというのと大体同様であろうかと思います。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 だから、あなた方、科学技術庁の権限というものを設置法で規定しているわけなんですよ。設置法には、先ほど申し上げますように、第四条の十五の二で「宇宙の利用を推進する」と、かっちりと権限が定められておる。この事業団というのは、宇宙の利用を推進することじゃないのですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 御了解願えないのでたいへん残念に思うのですけれども、いまの行政組織のたてまえからいいますと、官房長から御説明申し上げたように、総理府のうちに科学技術庁もありまするし、企画庁もありまするし、防衛庁もありまするし、そういうところを書く場合には、所管大臣はいずれも内閣総理大臣ということになるわけです。そして、その下と言っては悪いですけれども、その各庁を担当しておるのが科学技術庁長官であり、企画庁長官であり、防衛庁長官である、こういうふうにやるたてまえになっておるものでありますから、行政組織法のたてまえからそういうふうに書いてあるのですが、実質上は、いま官房長が申し上げたように、科学技術庁長官が所管しておりますので、次の四十条で実際上内閣総理大臣は私にまかせるというふうに書いてあるわけでございますから、法律上も非常にはっきりした規定になっておる、かように思います。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 私は、科学技術庁長官というのは、時代の最先端を行く日本の科学技術の大将だと思う。ところが、あなたのお話を聞いていると、大臣にもだいぶ格差があるようですね。郵政大臣はこの主務大臣としてはっきり出ておるし、あなたのほうは下げられて内閣総理大臣から委任せられていくということになると、大臣でもだいぶ値打ちが下がるのですね。どうなんですか。中小企業庁と科学技術庁の長官と同じじゃないですよ。あなた、大臣でしょうが。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 いま中小企業庁は、ただ所管大臣の説明から官房長が申し上げたのですが、大臣としては経済企画庁長官も総理府の所管です。防衛庁長官も総理府の所管です。科学技術庁長官も総理府の所管ということになっております。それは行政組織法上そういうふうになっておる。だから、それをいますぐに私ども変えて、そこのところに科学技術庁長官と郵政大臣と並べるわけにはいかない。いかないから、それで次の条でそれを委任しているというのがいまの書き方であるということを御説明申し上げておるのでありまして、その点はひとつ御了承願いたいと思っております。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 それじゃ、郵政大臣がなぜここに入ってくるのですか。

馬場一也科学技術庁長官官房長

○馬場(一)政府委員 国家行政組織法の第三条に、国の行政機関の組織はこの行政組織法で定められることになっておりまして、「行政組織のため置かれる国の行政機関は、府、省、委員会及び庁」であるという規定がございます。それから第五条に行政機関の長という規定がございまして、第五条を読みますと、「総理府及び各省の長は、それぞれ内閣総理大臣及び各省大臣とし、」というふうに書いてございます。それで、先ほど御説明申し上げましたように、科学技術庁は総理府の中にある一つの庁でございますので、総理府という一つの行政機関の長は内閣総理大臣であるわけでございます。それから、郵政省というのは各省の一つでございますので、それの長が郵政大臣ということになるわけでございまして、国家行政組織法上郵政大臣と並びますのは総理府の長である内閣総理大臣ということに、行政組織法上なるものというふうに考えております。ただし、科学技術庁は外局でございますけれども、それの長官である科学技術庁長官は、言うまでもなく国務大臣でございますから、その意味で、先ほど私が例に引きましたように、中小企業庁長官というようなものとは、その長である中小企業庁の長官は普通の公務員でございますけれども、科学技術庁の長官は大臣でございますから、中小企業庁を例に引きましたのはたいへん不適当かと存じますが、行政組織法上は総理府の長は総理大臣というので、総理大臣が各省の長である郵政大臣と対に書いてある、こういうことでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 だから、わからないのは、郵政大臣がなぜこの法律のここに頭を出すのかということです。

馬場一也科学技術庁長官官房長

○馬場(一)政府委員 郵政大臣がここで総理大臣と並びまして、いわゆる共管大臣ということで出てきておりますのは、この宇宙開発事業団で当面取り上げます電離層観測衛星、この電離層の観測ということが郵政省の所管に属しておりますので、そういう意味で、宇宙開発に関係の深い大臣ということで郵政大臣が出てきておるわけでございます。同様に、その次に将来この事業団が、たとえば気象衛星あるいは航行衛星というような別の衛星を開発し、それをやることになりました場合には、その気象を所管する大臣、あるいは航行を所管する大臣等が、その段階では、政令で定めまして、ちょうど郵政大臣と同様に次々入ってくる、こういうことで共管になるわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 いや、将来のことを考えるから、私は郵政大臣のことが出てくるのはおかしいじゃないかと言っている。将来気象衛星を打ち上げる際に、これまた運輸大臣も出てくるでしょう。あるいはまた、学問的なことになってくれば、文部大臣も出てこないとも限らない。それを総合企画するのが科学技術庁じゃないですか。であるから、ここのところに科学技術——しかも、あとあとは政令で定めるとあなたはおっしゃる。運輸大臣が頭を出してきたときには政令で定める、あなた、いまそういう答弁だった。だから、おかしいじゃないか。だんだんだんだんふえてきたときには、一体総括するのはだれだということになれば、私ら常識的に科学技術庁の長官だと思っている。ところが、どうも話を聞いていると、格差のあるような大臣が出てくるということになると、下の者がこれを統括するということになるとおかしいので、この際、これは総理大臣でほっておいていいじゃないですか。総理大臣はストレートに科学技術庁の長官にくるのだそうですから、何も郵政大臣が頭を出す必要はないじゃないですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 お説のような見方も一つ考えられると思うのですが、この事業団というものは、科学技術庁といいますか、総理府の所管だけではない。郵政省の所管している仕事もこれはやる。あるいはまた、今度建設省のものがあれば建設省もやる。いろいろな役所の仕事を集めてみんなでやろうということでありまして、科学技術庁とか総理大臣ですか、総理大臣だけの所管というものじゃないのですね。ですから、やはりいろいろな所管事務があるから、それの名前をここへあげる、こういうことになっているわけでありまして、この事業団というものは科学技術庁だけの所管の問題じゃないです。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 いま電離層が郵政大臣の所管だとおっしゃいますけれども、電離層の観測なんというのは、ちゃんと気象庁でやっていますよ。現に気象庁でやっていますよ。私は潮岬の測候所に行って調べてみますと、やっているのですよ。そういうようなこともすでにやっているんだから、電離層の観測が郵政省の所管であるからといって、郵政大臣が顔を出すのはおかしいじゃないか。ここらあたり、そこに官僚同士のセクショナリズムのかち合いをやって生まれた産物がこの法律じゃないのですか。だから、日本の科学技術なんというものがなかなか進まないのも、お役所同士のセクショナリズム、これが権限の奪い合いをするところに日本の科学技術というものがなかなか進まないし、今度のロケットの打ち上げにいたしましても、東大と科学技術庁とがけんかして、どうも横の密接なる関係ができないから失敗に失敗を重ねているのだと私らは思う。そういうようなおそれがあるからして、私はこの際、入れるなら気象庁の長官ぐらいまで、文部大臣もこの下に入れたらどうですか、現にやっているんだから。大臣、どうですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 いまのお話のように、あるいは電離層のことを、ほかでもやっているところがあるかもしれませんが、そういうのをここの事業団のほうに入れてくる場合には、やはりその所管の大臣を入れて包容してやっていこうというのが今度の事業団の趣旨なんです。そこで、そういうものは別にするということになれば、これは入ってこないことになりますから、そういういろいろな各省でやっているものをだんだんにここへ一元化していこう、それにはそれらの所管大臣も所管大臣として加えてやっていこうというのがここのたてまえですから、それは名前を抜いたらいいだろうと言われても、そうはいかない。これは別にセクショナリズムという意味ではありませんから、各省のやっているものを広く包容していこうというのがこの事業団の趣旨なんですから、その点はひとつ御了解願いたいと思います。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 大臣、あなたの論法でいくならば、電離層をすでに研究され、観測もされておる運輸大臣も、これも入らなければならぬじゃないですかと言って聞いておる。いま研究しておるんだから……。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 いまお話しのように、共管の事項というものはできるだけ少なくしようということは、もちろんです。運営していくためには少ないほうがいいのですが、ほかでもやっておるもの、それをこちらのほうに引き継いでくるようになれば、その大臣は当然所管大臣に入るわけです。気象の観測、いろいろなことがあります。あるいは航行の関係もある。それですから、あとの条文の続きがあるわけです。いまはさしあたりは、法律の上では郵政大臣、今度はほかに入ってくれば、それはまた政令で所管大臣を加える、こういうことを書いてあるわけですから、それで十分だろうと思います。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 大臣、政令で今度は入れてくるということ自体がすでにおかしいのですよ。これは片方は法律できめているのですから。これが政令であれば、これはまた話はわかりますよ。この事業団自体が法律なんですから、そこへ行政の、いかに役人の権力が強いといったって、あとあと運輸大臣も入れてくる、あるいは文部大臣も入れてくるというようなこと、これはおかしいです。そのことが第一点です。  第二点としては、すでにあなたの先ほどの御答弁によると、郵政大臣は電離層の観測、それと研究をやっておるからこの中に入れる、こうおっしゃったのでしょう。しかしそのことは、事実いまもすでに気象庁におきましても行なっておるのです、観測と研究とを。しかも、将来気象衛星も打ち上げる計画が、これはもう四、五年先にあるのでしょう。そうしますと、これらも含めてくるか、あるいは除いてしまって科学技術庁の長官で一本でいくのか、あるいはまた、いますでにもう研究しているところは含ましていいじゃないかという議論を私はしている。どっちをとるのですか。ただ一つ郵政大臣という強いやつが出てきておるから、セクショナリズムでどっちをとるかというのでけんかしたから、その産物でここに郵政大臣が出てくるのはおかしいじゃないかと私は言っておるのです。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 いまたびたびお話がありましたが、郵政省で所管している電離層観測衛星の開発、これはこの事業団に引き継ぎますから、そこでこれは郵政大臣が当然所管大臣ということになる。ほかにやっているものはあっても、それを引き継いでくれば、そのときにはあとの条文で当然これは所管大臣に入ってくる。  しからば、ここで政令によってそういうことをするのはけしからぬじゃないかというお話ですが、その点については政令で加えることにして差しつかえないということをこの法律できめてもらうわけです。差しつかえないということを法律でおきめ願えば、その法律に従ってこれを行なうのですから、これは別に法律を無視してやったことになるわけでも何でもない。法律の規定に従ってやるということです。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 どうもいまのお話では、政令で定めるそうですから、そんな政令は反対でございます。たとえば、いま現にその電離層の同じようなことを気象庁でやっているのですよ。あるいは科学技術の研究内容が少し違うかもしれませんけれども、現にやっておるのですから、運輸大臣も入れるなら入れたらいいじゃないか、のけるのなら郵政大臣ものけてしまえという議論を私はしているのですよ。どうなんです。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 この事業団におきましては、人工衛星の開発と人工衛星打ち上げ用ロケットの開発ということをやっていくわけでございますが、郵政省で開発しております電離層衛星と申しますのは、電離層観測をやりまして、これによりまして短波通信の電離層の状況というものを把握することによっていろいろデータを出すという衛星でございます。したがいまして、これは従来から郵政省の電波研究所でやっておりました電離層観測というものを衛星に乗せてやるという業務でございます。気象庁のほうからは、現在宇宙開発委員会に出ております計画におきましては、電離層観測を衛星によってやるというような計画は出ていないわけでございまして、現実にいま地上においての電離層観測というものはあるいはやっておるかもわかりませんが、私たち承知しておりませんが、内容的には全然違うわけでございます。したがいまして、この電離層観測衛星というものは従来郵政省の所管でございましたが、今回電離層観測衛星が開発の段階になってまいりましたので、この事業団の中に吸収するようになったわけでございますが、先ほど大臣からもお話しのように、共管事項につきましては、そういう意味合いにおいて最小限にしぼるということになっておるわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 実は私は、科学技術庁というのは一体何のためにあるのか、疑問に思いだしたのですよ、お話を承っておりまして。大臣は二流大臣だということをお話の中から承ったのでございますが、現在郵政省が電離層の研究をやっておる、これは認めます。しかし、現在衛星なんというのはまだ打ち上がっていないでしょう、打ち上がっているのですか。私は不敏にして郵政省が人工衛星を打ち上げておるということを聞かないのです。それを事業団へくっつけるという。これから開発していくのでしょう、どうですか。もう打ち上げているのですか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 お答えいたします。  電離層観測衛星につきましては、四十三年度からプロトタイプの開発にかかっております。本年度プロトタイプの開発が進みますと、(井上(普)委員「プロトタイプというのは何だ」と呼ぶ)プロトタイプというのは原型の衛星でございますが、これができまして、四十四年度これの試作、試験、こういうものを完成いたしまして、実際に打ち上げる衛星へつなぐということになっておるわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 あなた方のお話を聞いておりますと、まことにオーバーなお話も多いし、私らとしましては、どこまでがどうなっているのか、ほんとうに雲をつかむようなといいますが、宇宙をつかむような話ばかりされまして、まことにわれわれ学のない者には迷惑しごくなんです。  そこで、この宇宙開発事業団法の提案理由の説明で、「国民生活に画期的な利益をもたらすとともに、」というのは、一体どんなメリットがあるのです。画期的な利益というと、よほどわれわれ国民生活に重要な影響を与えるものだと思うのですが、事業団というのはそんなに力があるのですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 宇宙開発につきましてはきわめて長足な進歩をしまして、私どもはこれがどこまでいくかわからないくらいだと思っているわけであります。現在におきましては、あるいは通信の問題、あるいは航行の問題、あるいは気象の問題、そういう方面において国民生活にきわめて密接な関係がある、今後これがだんだん開発されるということは、一般にあまり感じませんけれども、われわれは非常に大きな利益を得ていく、かように考えています。その点については、さっき私どもの政府委員から、そのほかにもこれによって科学技術の水準の向上に非常に役立つ。ヨーロッパ各国——ヨーロッパだけじゃありませんが、このごろは宇宙開発に関係しておらぬ会社の技術水準というのは非常に立ちおくれるということさえいわれているくらいでありまして、これによる波及効果は非常に大きい。したがって、また、これが国民生活に重大な影響を持つ、こういうことだと思います。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 「国民生活に画期的な利益をもたらす」というのは、大臣がいまおっしゃった理由は、すべてこれは運輸省所管じゃないですか。航海にしても便利になる、あるいはまた気象測定ができる。一番重要な通信なんていうのはあなたのいまの御答弁の中に一つも出てきはしない。結局、気象衛星が打ち上げられることによって、われわれ気象の重要性というものを認識せられるのだと思うのです。にもかかわらず、運輸大臣が入っておらぬというのはおかしいですよ。先ほどの議論になりますが……。このメリット、この宇宙開発は「国民生活に画期的な利益をもたらす」、画期的といって、事業団ができるとどんなに国民生活が豊かになるのかと思って私は期して待っておるのでございます。その期しで待っておる一番重要なものは、何といいましても気象だろうと思うのです。気象予報が十分できるということだろうと思うのです。あるいは航行が測定できることだろうと思うのです。これがまず第一番じゃありませんか。大臣どうです。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 先ほど来たびたびお答えしておりますように、気象関係の衛星を開発する段階になってこちらのほうに移すということになれば、当然これはいまお話しの各省もこれに入ってくるということになってまいりますが、いまその仕事はこちらに移ってきておりませんから、その役所の名前はここに入っておらぬ、こういうことでありまするので、その点は一つこの法律の趣旨をよく御了解願いたいと思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員 私は時間がありませんので、最後に一問だけお聞きしたいのは、この前の委員会でも私は質問させてもらったのですが、要するに、この事業団というのは、あくまでも宇宙開発の推進をしていくための実施機関、それの法案でありますが、われわれが一番心配なのは軍事転用、そうした宇宙開発というものが両刃のやいばになってくるという点を非常に心配するわけです。そこで、原子力基本法に自主、民主、公開、国際協力、平和、そうしたことが明白にうたってある。結局そうした実施機関ばかりが先に進んで、それの歯どめになるものはないわけです。ですから、われわれとしては、あくまでも基本法を先につくって、そうして、この事業団をスタートさせるべきだ、このように申し上げたのです。基本法は、時間的に事実上無理だという意見もいま出ております。それで、どうなるかわかりませんけれども、基本法でそれを盛り込んで、この基本法を今回通すということが最悪無理な場合、歯どめとして、長官としては、国民の皆さんはこのように心配しているわけですが、先ほど審議会の答申を尊重するとか、いろいろな前の委員会で話がありましたけれども、しかし、その歯どめとして何らかの形をとらなければいけないと思うのです。そういう点、長官としては、いま宇宙小委員会等でもいろいろと議論がされておりますけれども、前の時点から事態がだいぶん変わってきたのですが、長官としては、いまどういうような形で、最悪基本法が無理とした場合、その歯どめを考えておられるか、その点のあなたの構想を聞かせてほしい。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 この問題につきましては、先般来たびたび申し上げておるのですけれども、宇宙開発委員会の前の審議会において、第一号答申でこの宇宙開発の基本方針として、宇宙開発は平和目的に限る。また民主的にやれ、公開しろ、あるいは国際協力を主眼としてやれ、これははっきりしておるわけなんです。それから、これを引き継いでいま基本計画、開発計画を審議しておりまするところの宇宙開発委員会の設置の際、昨年ですね、両院におかれましても、その趣旨はきわめて明確にされておる。そして、また、それを受けて今度内閣総理大臣は、この間の衆議院の本会議でも、この提案理由を説明しました際の質問に対してもきわめて明確に、これは問題ない、そういうことは法律に規定するとかなんとかいうことでなしに、自分たちはそれに徹しておるのだということを答弁しておるのであります。それから、私自身も、その問題をたびたび御答弁申し上げております。私はそれで歯どめ以上の歯どめだ、かように考えておるのです。

近江巳記夫公明党

○近江委員 歯どめ以上の歯どめといっても、いままで総理大臣や大臣がおっしゃったことは、それはケースが違うにしても、われわれとしては非常に疑問に思う点、守られておらない点があまりにも多過ぎるわけですよ。そういう点で、あなたが歯どめ以上の歯どめとおっしゃったのは、すでに刃がこぼれた使いものにならない歯どめですよ。そういう点で、はっきりと何らかの形でそれをすべきである、私はこう思うのです。実はこの点は、さらに宇宙小委員会等で煮詰めてわれわれとしてもやっていきたいと思っております。その点、大臣もそんなかたい、いつまでも変わらないことじゃなくして、皆さんがこれだけ心配しているのですから、何とか確実な、だれから見ても納得のできる歯どめを考えなければならぬ段階に来たのじゃないかと思うのです。その辺も考えなければならない。いままでおっしゃった一号答申とか、総理大臣あるいは大臣のおっしゃったことでは当てにはならぬということを言っておるのですから、それでは一応そういう考えを捨てて、大臣としては何らかの対処をしていきたいというお考えはいまありませんか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 どうも私どもの言うことを御信用願えないとあれですが、そういうことでありますれば、これはまたこの委員会あるいは懇談会その他でいろいろ御協議願って、適当なものであれば私どもは十分その御趣旨に沿いたいと思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それでは、私の質問を終ります。

石田幸四郎公明党

○石田委員長 関連して、吉田之久君。

吉田之久民主社会党

○吉田(之)委員 先ほどからお二人の委員が事業団の監督の問題で主務大臣項でいろいろの質問をされております。私もどうもこの点でふに落ちないのです。と申しますのは、二年前に動燃事業団ができたわけです。この動燃事業団法と今度できる宇宙開発事業団法とは、われわれの考え方からいえば、きょうだい姉妹みたいなものだ、同じ科学技術庁が取り組んでいく二つの重要な事業団であり、したがって、その法律の組み立て方、タイプというものは全く同じ趣旨から似通って構成されるべきものだというふうにわれわれは考えております。  ところが動燃事業団のほうは、「第五章監督」のところで、第四十条「事業団は、内閣総理大臣が監督する。」というふうに明確に書いてあります。ここには通産大臣が——しかも、その主務大臣の中に、宇宙開発事業団のように主務大臣は内閣総理大臣と郵政大臣及びあとで政令で定めるものとするというふうな並列的な書き方は、動燃事業団法には全然ございません。動燃事業団では最も関係あるべき通産大臣との協議については第四十五条において通産大臣に協議しなければならない。ただし、その協議はこれこれにかかる事項に限られるものとするというふうに、非常に限定して明確に書いてあります。いわば動燃事業団の監督、そして主務大臣は厳然として内閣総理大臣である。したがって、それの命令を受ける科学技術庁長官である。そして、部分的に限定して関係大臣と協議するというふうに書かれております。この書き方というものが、これから科学技術振興に取り組んでいくその事業団の法律の立て方としては非常に明確であり、責任体制が非常にはっきりしているという点で、非常にすぐれたものだと私は解釈しておる。ところが、わずか二年間で同じような性格で発足すべき宇宙開発事業団の事業団法が全然並列形式で大臣全部関係あるごとにずらっと主務大臣に入ってくるのだ、科学技術庁長官というものは何か調整役をしておる程度のものだという感じを受けやすくなる印象を与えようといたしております。いわば人工衛星のほうは、NHKや電電公社など、そういうところから資金を集めなければならない。したがって、その意味で郵政大臣をうんと前面に出しておこうというような考え方があるのかないのか、そんなことは知りませんが、何か非常にしり込みをしたような感じをわれわれは受けるのです。事情は動燃事業団と宇宙開発事業団、全く一緒だと思うのです。動燃事業団といえども、いま申しましたような資本金を集めるためには、通産大臣が大いに走り回り、また、業者にも協力要請を求めなければならぬという点では全く同様だと考えます。なぜわずか二年間に、しかも、同じようにつくらるべき二つの事業団法の監督の項目について、このように違いがはっきりと出てきたのかという点、ひとつ明確にお答えいただかないと、われわれはどうも納得ができません。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 いろいろ御疑問の点もあるだろうと思いますが、いま郵政大臣を入れたのは、資本金を集めるとか、そういうことでないことだけはひとつ御了解を願っておきたいのです。  そこで、動燃事業団と今度の場合とを比べてみますと、動燃事業団でやりますことは、いずれも科学技術庁の所管の問題だけなんですけれども、いまの宇宙開発の場合には、御案内のように、先ほどお読みになりましたように、他の省の所管に属するものを除くと書いてあるのです。他の省の所管に属するものを除くということがありますから、その他の省のものをこちらのほうに入れてくる場合にはどうしても、郵政省の所管のものを入れてくる場合には郵政大臣も主管大臣になる、こういうことにせざるを得ないために、両方の間には違いがある、こういうわけです。

吉田之久民主社会党

○吉田(之)委員 どういう意味なんですか。いわゆる宇宙開発事業団と動燃事業団とは似たような名前のものであるけれども、性格は全く違う。動燃事業団はあくまでも科学技術開発オンリーのものであって、そして、宇宙開発事業団というものは、概念としては、むしろそういうものからはるかに大きな、いわゆる実施部隊を含んでやっていくものだ、いわゆるボード的という性格においてこの二つは大きく性格が違うのだ、こういう意味ですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 そういう意味ではないのでありまして、動燃事業団のほうは原子力関係、原子力関係は私のほうの所管に属しておるわけです。原子力関係は科学技術庁の所管に属しておるわけですから、原子力の開発の問題は科学技術庁の所管に属しておるから、科学技術庁の所管大臣であるところの総理大臣というものを表に出しております。それから一方のほうは、先ほどお読みになったことによって、私どもの宇宙開発については科学技術庁の所管に属しておるが、ただし他の省の所管に属するものを除くと書いてあるところをお読みになったと思うのです。その他の省の所管に属するものを除く、すなわち郵政省に属しておるものをこちらの事業団のほうに入れますから、そこで所管大臣の郵政大臣も一枚加わってくる、こういうことになるわけです。

吉田之久民主社会党

○吉田(之)委員 原子力開発は一〇〇%科学技術庁の所管である。宇宙開発というのは、一部分だけが科学技術庁の所管なんですか。そういうことですか。そうしたら、宇宙開発の主たる所管というのは、先ほど近江さんや井上さんが心配しているように、宇宙開発事業団というのは郵政大臣なんですか。こちらはお手伝いするだけですか。科学技術庁というのは、みずからがいわゆるメインとなって、主体となってやるのでなしに、サブでいいんですか。そういうものと了解していいんですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 条文に関する限りは、宇宙開発は科学技術庁の所管になっているが、ただし他の省に属するものを除くと書いてある。ここが重大なところで、私どものほうですべてを所管しているわけではないのです。郵政省で所管している部分もあるし、文部省で所管している部分もあるし、あるいは運輸省で所管している部分もある。そういうものを入れる場合には、その所管大臣を入れざるを得ないということに、行政の組織法上なるわけですね。その点を御理解願いたいと思います。

吉田之久民主社会党

○吉田(之)委員 そうしたら動力炉というのは通産省が所管しているものじゃないですか。その辺、どうもよくわからぬのですが。

馬場一也科学技術庁長官官房長

○馬場(一)政府委員 原子力の場合には、御承知のように、原子力の行政と申しますものは、科学技術庁ができまして以来、原子力の利用開発というのは科学技術庁の専管になっております。したがいまして、それの開発を行ないます動力炉開発事業団は、ほかの省の所管に属する部分がないわけであります。したがいまして、形式的に申し上げますと、先ほどの議論で、科学技術庁長官、それの長である総理大臣の専管になっておりまして、ただ動力炉を開発しますと動力炉の将来の利用その他につきましては、当然公益事業を所管しております通産省と関係が出てまいりますので、必要な部分について協議をする、こういうことで動燃事業団法の規定ができておるわけでございます。  それから、宇宙開発の場合におきましては、科学技術庁の設置法にもございますように、従来科学技術庁で宇宙開発のことをやっておりました機関は宇宙開発推進本部でございますけれども、これはいわゆる宇宙開発を全部、つまり打ち上げ用ロケットと、それから人工衛星、何から何まで全部宇宙開発推進本部でやっておったわけではございませんで、大ざっぱに申し上げますならば、ロケットの開発は宇宙開発推進本部、それから、その上につけます各種の衛星、具体的に申しますと、いま開発段階に入っておる電離層衛星あるいは静止実験衛星等の通信衛星の部分は郵政省の電波研究所でやっておったというぐあいに、どっちが一部分で、どっちが大部分かということは別にいたしまして、宇宙開発の仕事が二つの省にまたがっておりましたので、今度それを事業団で一元化いたします際には、両方の大臣が共管で入ってくる、こういういきさつになっておりまして、原子力の場合とは、そこのところの事情が違うわけでございます。

吉田之久民主社会党

○吉田(之)委員 いよいよ私どもは納得できません。それは結局、ただいま官房長がおっしゃっている説明はいきさつが違う、いままでのいきさつの違いによってこういうふうに違いが出るのだという説明でしょう。私どもは、これからのビッグサイエンスと取り組んでいく日本の科学技術庁のあり方というものは、そういう過去の創世紀の、それからまだ創世紀にも入らない前の段階のいきさつにこだわって、そうして前も寄り合い世帯だから、これは監督の主務大臣は寄り合いでいかなければいかぬのだ。これはたまたま前から科学技術庁の所管であったから、これは内閣総理大臣、すなわち科学技術庁長官が責任監督大臣としてやっていくのだ、こういうふうな行き方というものはよくないと思うのです。こういうことこそこの際に一元化して、いわば旧来の陋習を破って、ほんとうに科学技術庁が前に出て取り組んでいくということでなければ、将来大きな問題を残すのではないかという点を憂えます。その点、長官、私の考えは間違っておりますか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 まあいろいろ御意見がありまして、確かに政府としては、いろいろ考えるべき点もないことはないと私は思うのでありますが、しかし、やはり郵政省なら郵政省で所管しておる研究、郵政省の仕事に密接なる関係のあるものを、郵政省を除外して私どものほうだけでやるというわけにはいかないのですね。それからまた、今度は運輸省なら運輸省に関係あるものを、君のほうは黙っていろ、おれのほうだけでやるというわけにはいかないのですね。やはり他の各省の所管の点は十分に尊重しながらやっていかなければならぬものだと私は思います。

吉田之久民主社会党

○吉田(之)委員 大臣のそういう、他の省庁に対するそんたく、配慮、そういう気持ちでいくならば、いつまでたっても科学技術省というものはできないということになりますよ。われわれはやはり、日本がこれからほんとうにアメリカやソ連に追いつき追い越していく科学技術日本をつくろうとすれば、将来は科学技術省をつくらなければならぬと思う。心がまえにおいて、いままでのような官僚的な、いままでのような旧態依然たる発想法でものごとを判断し、これからいろいろと処理されていこうとされるならば、これからのそういう飛躍的な発展というものは考えられないというふうな気持ちがいたします。この点、私どもとは違いますので、われわれもいまの論議で急にそんな気になったわけであります。さらにもう一ぺんわれわれもよく考えますし、後日の機会にまた御質問を申し上げたいと思います。ひとつ長官のほうも、われわれの言わんとするところをひとつこの機会によく考えておいていただきたいというふうに思います。まだ法案は通っていないですからね。

石田幸四郎公明党

○石田委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

石田幸四郎公明党

○石田委員長 速記を始めて。  次回は来たる五月七日水曜日午後一時より理事会、理事会散会後委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時十九分散会

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