科学技術振興対策特別委員会 第8号
- 発言数
- 171 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/04/22
会議録
○石田委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 動力炉及び核燃料開発に関する問題調査のため、本日、動力炉・核燃料開発事業団副理事長清成迪君及び原子力船開発に関する問題調査のため、日本原子力船開発事業団理事長佐々木周一君を参考人として、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
○石田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石川次夫君。
○石川委員 私は、科学技術庁長官の一般施政方針に対する質問を実はしたいのでありますが、きょうは質問者がたいへん詰まっておるようでありますので、ただ一点だけ、これは前から何回も私が申し上げておる核燃料確保の件について質問をしたいと思います。 この点については、商工委員会のほうで私も相当強調をしておきました。どうやらその気持ちになりかけたというところじゃないかと思うのですけれども、通産省だけの考え方だけではまずい。したがって、どうしても科学技術庁のほうはこれとタイアップをして、何らかの目標を立て、何らかの組織をつくる。そして、何とかその資金を確保する、この点を確約してもらわなければ、将来とんだことになるのではないかということを非常に心配しておるわけです。これは何回も言っておりますから、もう繰り返して申し上げませんけれども、アメリカと原子力協定を結んで、三十年間の原子力というものは大体確保されたというふうに、原子力局長をはじめ、錯覚しておるのではないか。この前の齋藤憲三委員の質問に対しまして、確保されておるかのような答弁がありましたので、実は私もその点を確認をしようと思って、いろいろ資料を見てまいったわけであります。ところが、アメリカのAECの公表された文書によりますと、一九六七年十一月でありますけれども、賃濃縮がたてまえです。原料はその国において供給をするというのがたてまえになっておるわけです。ただし、現在の百五十四トンというものについては、大体半分ぐらいは長期安定計画の中に入ろうかと思うのでありますけれども、残り半分は少なくとも最低限日本で原料を確保しなければいかぬ、こういうことになっております。したがって、原子力協定を結んだからこれで原料はだいじょうぶ確保できるんだというような安易な考え方におちいっておりますと、とんでもないことになるであろう。また、将来、御承知のように、銅、鉛、亜鉛も当然海外探鉱を進めなければならぬ重要な金属鉱物であることは間違いないのでありますけれども、しかし、何といっても、将来のエネルギー源としてのウランというものは、これはウランの濃縮技術もさることながら、その原料のウランを日本の国でもって相当程度確保するという態勢をつくらなければ、将来とんだことになるのではないかということを、これは科学技術庁長官もその事情はよくおわかりのようでありますから、別に強調する必要はないのでありますけれども、そこで、これは何回も言っておりますが、現在のアメリカの生産能力は一万五百トンだけれども、将来一万五千トンになるであろうといわれております。しかし、これは一九七三年になれば、アメリカ自体が原料の供給不足という事態になる、そういうことで、海外に対しましては、全部で大体三十万トンから四十万トンぐらい出そうということをアメリカの原子力委員会でいっておりますけれども、世界の需要に対して見るときに、とてもこんな量では日本に対して十分な供給があるとは考えられない。 それで、現在はどういう体制になっておるかというと、これは申すまでもないのでありますけれども、日米合同で、カーマギー社とやっておりまして、カナダのエリオットレーク地区でもって発見される可能性があるということになっておりますけれども、これはまだ、どのくらいあるかということを確認される状態にはなっておりません。 それから、そのほか、カナダのデニソン社と協定をして、アメリカのコロラド州と、それからブリティッンユコロンビア州、これはカナダでありますけれども、ここで一生懸命探鉱をやっておるという状態ですが、全部あなたまかせなんですね。こちらが行ってつかまえているということではない。あなたまかせになっている。技術も何も持たない電力会社が海外と協力をして、そちらに全部まかせ切っている。自分で行って自分で加工するという体制ではない、きわめて心細い状態です。 それから、これは公表できないのでありますけれども、動燃団のほうでやっている非帯に有望な鉱区がある。八十ばかり鉱区は設定をしたといわれておりますけれども、実際のウランの鉱区というのは千くらいはつくらなければいけない。ところが予算は、驚くなかれ一千万円です。これではとても思い切った、先駆的な役割りを果たす基盤的な技術を提供するといっても、こんな予算じゃどうにもならぬ。それで、御承知のように、通産省のほうでは金属鉱物探鉱促進事業団というものがありますけれども、銅、鉛、亜鉛それ自体も六割くらいしか確保できないという、非常にきゅうきゅうとした状態でございます。そこにウランという項目を一つつけ加えたところでとてもウランまでは手が出ません。 それで、一体どうしたらいいんだという、将来を見渡した場合には、ウランを制するものは世界を制するなんということばもあるわけですけれども、銅、鉛、亜鉛も重要でありますが、何としても将来の動力源のウランだけは自分の手でもって確保しておかなければとんだことになる。これは、ことしの年度内においてもすぐに手を打ってもらいたい、こういう切実な気持ちが私はあるわけです。これを商工委員会で申し上げましたところが、通産省にもどうやらその重要性は理解してもらえたのではないかと思うのですけれども、ぜひ科学技術庁長官もタイアップをして、これは、清成さんがおいでになっておりますから、ちょっと燃料のほうの関係ではないのですけれども、ひとつぜひお伝え願いたいと思うのですが、最近フランス、それからドイツからいろいろ申し込みがあるそうです。共同でもってやろうではないかという話があるのですが、これは、フランスのほうは原子力庁から来て、アフリカのニジェールを一緒に開発しようじゃないかという話も来ておるそうであります。西ドイツでも、ひとつ一緒に提携してカナダのほうの探鉱をやろうじゃないかというふうな話がありまして、非常に有望な鉱区もあるわけですね。それから、動燃団で最近開発したものも、先ほど申し上げたようにあるわけです。あるけれども、一千万円の予算じゃ、向こうと一緒にやりましょうととてもいえないでしょう。もうみすみすその話は全部お断わりをしなければならぬという現状なんです。これはとんだことだと思うのです。 それから私、一気に全部申し上げてしまいますけれども、ドイツでは、大体四割は自分で確保しよう、四割は長期安定計画でもって契約をしよう、それからあとの二割はスポット購入というかっこうで、そのつど購入するということにしようという体制をつくったというように聞いておりましたけれども、最近はそうじゃないのですね。四割なんてけちなことを言っておらぬようです。日本に対して働きかけたその内容は、全面的にドイツと日本はとにかく同じ事情だから、もう五割でも八割でも、できるだけひとつ海外探鉱をやろうじゃないかという申し入れがあるようです。これは当然だと思うのです。 そこで、私はお伺いしたいのでありますけれども、金属鉱物探鉱促進事業団のほうに一項目入れるというふうな体制では、とうていこの将来の需要に追いつかない。したがって、どういう組織でもって、この海外探鉱をやろうとするのかということが質問の第一点、組織の問題です。 それから、目標として、将来の必要量がきょう何かここに出ておるようでありますが、私、まだ見ておりませんけれども、この所要量の見通しに対して、少なくとも何割までは日本で確保するのだ、こういう目標を立てる必要があるだろうと思うのです。その目標をどう立てるのか。 それから、ことしわずか一千万円なんて、こんなけちなことではもう乗りおくれてしまいますね。世界の大勢にとてもついていけない。早くこの大勢についていけるような予算措置というか、資金措置といいますか、それをすぐにひとつやらなければならぬと思う。そのためには金属鉱物探鉱促進事業団の中に一項目入れてやるんだという程度のことでは、とてもそういうことにならないのではないか。それから、さしあたっては動燃団のほうで海外探鉱をどんどんやるという必要があるのですけれども、この一千万円じゃもうおそらくとても手が出ないと思うのですよ。 そういうような三つの点、これは早急に対策を立ててもらわなければならぬということを商工委員会でも強調しておきましたけれども、これはぜひ両方で打ち合わせて、実際の先駆的な役割り、技術提供、こういうものは動燃団でいいと思うのですけれども、実際の仕事は通産省が中心にならざるを得ないと思うのです。それをどう結びつける組織をつくるか、その点をひとつ早急に、これは科学技術庁ベースあるいは通産省ベースでなしに、政府ベースといいますか、内閣のベースといいますか、そういう立場で早急に対策を立ててもらわなければならぬ緊急な課題だと思うのです。その点ひとつ決意のほどをお伺いしたいと思うのです。
○木内国務大臣 石川委員からきわめて重要な問題について御質問がありました。私どもも実はこの問題は日夜心を砕いておる重要な問題です。 そこで、いままでのことはよく御案内のところでありますが、私どものほうとしては、エネルギー調査会の報告、あるいは原子力委員会の核燃料懇談会の報告などによりまして、民間を中心として長期の契約、あるいはまた短期の契約によって入手する。そのほかに、さらに共同の開発の方途を講じていく、そういうことをやるという方針で今日までやってまいったのでありますが、もちろん政府としても、さらに民間の活動も積極的に支援する意味で、技術的にあるいは資金的にこれを援助しまして、この活動を促進しよう、こういうことでやってまいっておるのでありますが、それについては、動燃事業団を中心にして、千万円はわずかでありますが、これは開発自体ではなくて、事前の調査という意味の千万円でありますので、これによりまして事前の調査をして、そうして、通産省とも緊密な連絡をとって、政府機関の緊密な連絡のもとにこれを進めてまいるという方針にしてまいったのでありますが、問題がきわめて重大な問題でありますので、ただいま原子力委員会のほうでもせっかくこの問題を検討中でありまして、お話しのように、早急に計画を立て、そうして、通産省と私どものほうと、あるいはまた動燃事業団その他と緊密な連絡をとって、この確保をはかってまいりたい、かように思っておるわけです。 なお、詳細のことにつきまして御質問があれば、政府委員のほうからお答えいたします。
○石川委員 どうもいまの程度の答弁では、私、きわめて不満足なんであります。いまの段階では、個人としてはなかなか結論的なことは言えない現状だろうと思うのですけれども、たとえば、いまフランスの原子力庁から一緒にやろうという申し入れがあるわけですね。ドイツにいたしましても、きているわけですよ。しかし話に乗れないのですよ。いまそういう話に一千万円の予算なんかでは、とてもそんな相談には乗れないといって、帰ってきてから相談をして御返事しましょうといったってどうにもならぬ。オーストラリアなんかは、これは海外輸出禁止になっておりますけれども、行って掘って探し出すならば、半分は出してもいいというようなことで、オーストラリアにはいま各国とも殺到していますよ。ゴールドラッシュみたいなかっこうになっているのです。そういうときに一千万円の予算ではどうにもなりませんからどうにもなりませんでは、これはちょっと無責任じゃないかと思うのです。政府としては、それははっきりこたえ得るような体制をすぐつくっていかなくてはいかぬじゃないか。それから、いま言ったように、海外促進事業団だけでは、これは民間はとても自分のところでも、銅、鉛、亜鉛だけで精一ぱいですよ。ウランなんという、山のものとも海のものともつかないものに手を出す余祐は全然ありません。政府ベースでやらなければ、民間ではだめだと思うのです。どこの鉱山会社へ行って、ウランをやりませんかと言ったって、そんな冒険はとてもできませんよ。電力会社は一番積極的でありましょうけれども、これまた全然技術は持っておりません。これはここでよほど腹を据えて政府が責任をもってやるのだという体制をつくらなかったら、悔いを千載に残すと思うのですね。そういう点で、たとえば、いま、フランスから来ている、ドイツから来ている、あるいはソマリアというところから話が来ているようでありますけれども、そういう話に応じて、では、とにかく行ってやりましょうというくらいの体制がすぐできないようでは、私はお話にならぬと思うのですね。ひとつぜひそういう体制をつくってもらいたいし、また、アメリカは、御承知のように、民間に濃縮を移譲しようという話も出ております。そうなりますと、なおさら、政府間の協定でありましても、民間ベースとしてはこれは高くなるという可能性もあるし、原料もなおさら責任をもって出すという確約ができない情勢もより多く生まれてくるのではないかという懸念もあるわけです。そういういろいろな情勢の変化などに対応して、政府ベースでも何としても将来のエネルギーを確保するのだという体制をいまのうちにやらないと、高くつくものは、それは見つかるかもしれませんよ、ウランは海水からだってとろうと思えばとれるのですから。そういうことじゃなしに、採算の合うベースでもって有利な鉱山をいまのうちに確保しておくということを考えないととんでもないことになるという心配があるわけであります。ここで御答弁できなければやむを得ないと思いますけれども、年内にでもその体制と見通し、資金の手当、そういったものをやるというこの決意でひとつ臨んでもらいたいと思います。この点、どうですか。決意だけひとつ伺わせてもらいたい。
○木内国務大臣 まことにごもっともな話でありまして、その点につきましては、先ほどもお答えいたしましたように、原子力委員会においても、ただいませっかく検討中でありまするので、それとよく相談しまして、お話しのように、通産省だけにまかせておくということでなしに、政府として適当な施策を講ずるようにいたしたいと思います。
○石田委員長 次に、三木喜夫君。
○三木(喜)委員 科学技術が非常に進歩してまいりますと、それだけに災害が大きいと思うわけなんです。この四月に入って「科学技術週間」だといわれておりますが、この「科学技術週間」を一つの契機にしまして、あまりにも災害が多いわけであります。これは非常に皮肉な現象でありまして、科学技術が進歩してまいりますと、どのように防災計画を立て、今後どうやっていくかということについて、これは国として十分考えなければならないと思います。したがって、この間うち起こりましたいろいろな災害について、各方面からきょう来ていただいておりますので、それぞれに、どういうことが原因で、それに対してどう対策を立てようかということをお伺いし、そうして最後に科学技術庁として――防災センターもあります。これは自然災害だけを対象にしておるようでありますけれども、これから科学が進歩するのに人災ともいうべき災害に対するところの対策を立てなければならないと私は思いますので、そういう点について、長官もおいでいただいておりますから、お考えを最後にお伺いいたしたい、こういうように思うわけであります。 最初に、建設省からお伺いしたいと思うのです。 三月の二十日に板橋のガス漏れ、ガス管が割れて爆発事故で一家親子五人が焼死した、まことに痛ましい事故であります。これについては、地下鉄工事埋め戻しの手落ちで、東京瓦斯と都交通局の責任のなすり合いがあって、原因がはっきりしていないようであります。この問題が一つ。 続いて四月一日、荒川放水路の鉄脚工事でシートパイルが倒れて八人が生き埋めになっております。その生き埋めになった中には出かせぎ労務者が入っておって、非常に気の毒なことになっておりますが、これは一つの過失致死であります。これについてはすでに衆議院の建設委員会で社会党の井上普方君や民社のここにおられる吉田さんが取り上げておられます。工法に問題があるのか、安全対策訓練ができていないのか、ここに問題を提起しておりますので、私はこの二つの問題、これは建設省に最初にお伺いしたいと思うのです。
○高橋説明員 ただいまの御質問の第一点の板橋のガス爆発事故について最初御説明したいと思います。 三月二十日の板橋のガス爆発事故は、ただいま通産省におきましてガス導管防護対策会議というものを組織いたしまして、そこへは建設省から道路管理者として道路局長、それから東京都の建設局長が同じく道路管理者として出席いたしておりまして、そこでいろいろ討議がされております。この防護対策会議そのものは、事故の原因を究明するのが主目的ではございませんでして、こういう事故の防止をたてまえとしております。なお、この対策会議の中には二つ分科会がございます。一つは導管防護工事分科会、もう一つは共同溝分科会、この二つになっております。 この会議におきまして、事故につきましての、東京瓦斯からの御説明によりますと、大体地下約八メートル五十のところに地下鉄が掘られて、そこに地下鉄のコンクリートのボックスができております。その上に長さが七メートルある、ちょうどはしごのようなものができまして、その七メートルのはしごの一番上部にガス管がずっと縦に通っておるようなかっこうになっております。そのはしごは一メートル三十のピッチでちょうど林のように並んでおりまして、その上にガス管が平らに通っておるわけでありますが、そのうちの一部が沈下いたしまして、したがいまして、まっすぐなガス管が沈下したためにこういうように山形になりまして、ここで約七ミリの亀裂が生じまして、そこからガス漏れがして爆発事故の原因になったというふうに報告されております。 なお、そういうふうなはしご状のものがなぜ沈下したかということについては、まだ現在詳しくわかっておりませんが、新聞紙上によりますと、東京瓦斯側では、施工上の問題があった、つまり、鹿島建設が請け負っておるようでございますが、施工上の不手ぎわがあったのではないかという見解を持っておりますし、鹿島建設のほうでは、それはすでに検査されたあとやっているのだというふうな水かけ論になっているようであります。なぜなったかという原因は、まだつまびらかになっておりません。いずれにしましても、原因は、はしご状と申しますか、そういう木柱でつくった構造物が、施工のときにすでに下がっておったのか、あるいは施工したときにはよかったのでありますが、その後砂を埋め戻すことになっておりますが、その砂を埋め戻す際に曲がったりして、部分的にある部分が低くなったのか、あるいは埋め戻したあと簡易舗装をやって一応表面の上のほうの道路は交通に開放しておりますけれども、これの振動等によって沈下したのであるか、その辺の原因はまだはっきりわかっておりません。 以上が大体先日の対策会議におけるディスカッスの内容でございます。 第二点の、四月一日に起きました荒川にかかります新四ツ木橋のリングビーム工法による事故のことでございますが、このリングビーム工法と申しますのは、昭和四十年に特許が認可されておりまして、すでに約三百程度の実績があるようでございます。建設省といたしましては、三年ほど前から、いまの事故を起こしました新四ツ木橋のすぐ四キロほど下のほうに通称千葉街道といっておりますが、国道十四号線の新小松川橋の橋脚工事にリングビーム工法を使って成功いたしております。ですから、初めての工法ではございません。 今度のリビングビーム工法と申しますのは、ちょっと簡単に御説明申し上げますと、鉄の板、シートパイルと申しますが、鉄の長さ二十数メートルの板でございますが、それを地中に縦に打ち込みまして、それをリング状に打ち込むわけでございます。そうしますと、たとえば、その中の水あるいは土を取ってからっぽにしてあとコンクリートに打ち込むわけでございますけれども、そうしますと、外側から力がかかってこわれそうになりますので、それをささえるために、ちょうどおけのたがのように、おけのたがは外側に回しますが、これは内側に一種のたがを入れまして、一種のアーチアクションと申しますか、そのたがによって外圧に耐え得るような構造にしてあるわけでございます。 今度の事故は、非常に悲惨な事故でございますが、現在建設省の中に事故調査技術委員会というものが設けられておりまして、すでに数度の会合を開いております。それから、別に労働省におきましても、調査団をつくりまして調査をされておるようでございますが、そのいままでの委員会の中間的なことを申し上げますと、原因はまだ完全にはつかめておりませんが、幾つかの原因が考えられているようでございます。 一番問題なのは、リングそのものが理論的には真円、全くまるい円であることが望ましいわけでございますが、施工上なかなかそういうことがむずかしいようでございます。そういうふうな施工上どの程度の真円になっていたかどうか。それから、これは必ず水平でなければいけないわけでございますが、やや曲がったりする場合もあるわけでございまして、その場合には計算と違った応力が働くようでございます。そういうような問題点の究明もしておるわけでございます。 それから問題になりますのは水圧、水圧はわりあい単純に出るわけでございますが、土質によって異なります土圧がどのように作用したか、これらにつきましての検討がいまなされております。 それで、いまの段階ではいろいろな調査を進めておりますけれども、結局、いまのこわれたリングビームを、まだ川の中に入っておるようでございますが、これを完全にドライにしまして、そのドライにしたものを直接調査しないと、最終的な結論が出ないのじゃないかというふうなことになっているようでございます。 なお、鉄の材質等につきましても、いろいろ調べておりますが、これらについては、あまり不手ぎわはないようでございます。 したがいまして、現在の段階では、きめ手になるような原因はまだつかめていないというような状態でございます。
○三木(喜)委員 あとでまたお聞きしたいと思います。 続いて四月の二日に茂尻鉱の爆発事故を起こしておりますが、これはガス爆発です。採炭開始以来六件、百九十人の命が奪われておるということであります。これについては、何とか科学的な対策とかあるいは保安の対策というものが、もう六回も七回も起こすということになれば、立てられなければならぬと私は思うのです。これだけ科学が進んできておるのですからね。それからまた、同じく空知炭鉱の五人の生き埋め事故等、相前後して炭鉱の事故が起こっております。これについて、いまと同じような立場で、これは通産省からおいでいただいていると思うのですが、御答弁をいただきたいと思います。
○高木説明員 ただいま御指摘の、四月二日に発生いたしました茂尻炭鉱の災害でございますが、すでに御承知と思いますけれども、当日準備坑道でハッパをかけておりましたところ、第三回目のハッパにおそらく火がついたのではなかろうかということで、当日十八名のとうとい罹災者を出したというような結果でございます。この十八名の罹災者を出した後、一名入院されております方がなくなられまして、十九名という多くの死亡者を出しております。なお当日、二十五名の入院の罹災者がいたわけでございますけれども、現在は十七名の方が入院しておられるような状態でございます。 災害の原因といたしましては、ただいま申し上げましたように、ハッパによる引火ではなかろうかということが想定されるわけでございます。当日、係員が第一回目のハッパのときに、検査いたしまして、ハッパをかけたことは確実でございますけれども、その本人が現在罹災しておりまして、まだ供述もとれぬというような状態で、二回目、三回目のハッパをかけたときに、はたしてそこのガスの測定をやっていたかどうかということは、確実に押えておりませんけれども、おそらく二回目、三回目のハッパのときに、測定その他に手抜かりがあったのではなかろうかというのが現在推定せられている実情でございます。 先ほど先生からも御指摘のように、当鉱は、たしか昭和三十年であったと思いますけれども、六十名に及ぶ、同じような大きなガス爆発の災害を起こしております。その後、山といたしましても、係員の充足、あるいは、これは保安法規でもきめられておりますけれども、ハッパ前後のガスの測定あるいは爆発防止のための岩粉散布あるいは散水というようなことで、極力ガス爆発あるいは坑内火災、炭じん爆発というものに対する防止をはかってきたところでございます。幸いにしまして、三十年から四十三年度までは、大きな災害もなく過ごしてきたわけでございますけれども、本年の四月の二日に不幸にして大きな災害を起こしたというのが現状でございます。 なお、四月の七日に起きました空知炭鉱の出水でございますけれども、これは四月七日坑内で出水がありまして、新聞紙上をにぎわしましたように、五名の当時行くえ不明者を出したわけでございますけれども、翌々日無事五名とも救出されております。 ただし、この坑内出水にあいました現場といたしましては、何が出水の原因になったのかということで、原因を調査中でございます。災害を起こしました近くには、昔掘りました、いわゆる鉱山業用語では古洞というような表現を使っておりますけれども、炭鉱に備えてございます図面上では、そういう古洞、いわゆる昔の採掘あとということも明記されておりませんし、これは空知炭鉱が引き継いでから、はっきりそこは掘ってないというような事実もございます。ただし、出水の状態から見まして、おそらく明治の初期ではなかろうかと思われますけれども、露頭を掘ったところの掘りあとに水がたまったのが災害発生時に坑内から坑外のほうに風道の切り上がりをやっておりましたので、そのハッパをかけた瞬間に天盤がくずれまして、古洞の水が坑内のほうに流出したということで、いまのところははっきりした原因はわかりませんけれども、いま取り明けその他で、山のほうあるいは監督局のほうで現場で作業をやっておりますけれども、近いうちに原因ははっきりすると思いますけれども、ただいま想定されますのは、明治初期におそらく採掘したであろうと思われる古洞の水が流出したのではなかろうかというふうに想定しております。
○三木(喜)委員 文部省からおいでいただいておると思うのですが、続いて四月四日の東大附属病院の高圧タンクの事故、これは四人が焼死しております。そして、新聞によりますと、「実行されぬ”防災手引”」ということが書いてありますが、いままでにも高圧酸素タンクの事故は起こしておるようなのでありますね。なぜ二度三度とこういう事故が起こるのかということについて、非常に私は遺憾に思うわけです。これについてお聞きいたしたいと思います。
○吉田説明員 お答え申し上げます。 事故発生の直接の原因につきましては、現在警察当局におかれまして、現場検証に基づきまして究明中でございます。ただいままで、まだその直接の原因が那辺にあるかという発表はございません。また別に、東大当局におきましても、高圧酸素タンク爆発事故調査委員会、その長は医学部の樫田教授でございますけれども、この調査委員会を設けまして、独自立場から事故原因のの究明を行なうとともに、今後の改善策等につきましても、目下鋭意検討中でございます。 高圧酸素治療装置は、御承知のとおり、危険性の高い設備でございまして、東京大学においても、その安全確保につきましては、相当注意を払ってきたものと私ども考えておりますけれども、不幸にしてこのような事故が発生いたしまして、まことに遺憾に思う次第でございます。 高圧酸素治療装置の安全確保のための基準等につきましては、厚生省で御検討されているものと思いますけれども、文部省といたしましても、今後大学がこの種の危険な設備の維持管理等に万全を期するように、指導を徹底したいというふうに考えている次第でございます。
○三木(喜)委員 四月の三日、原電の使用済み核燃料棒貯蔵プール付近で配線の工事をやっておって放射能に汚染された者が町に出ていった。下請け会社の作業員三人が、何といいますか、不感症みたいなやり方をやった。これはすでに当委員会で近江委員からお尋ねがあった問題ですが、これについて科学技術庁としては、総点検をやり、作業届けを制度化するというようなことをいっておられるようでありますが、ここにも安全性の問題があると思うのですね。これについて、その後どうされましたか、お聞きしたいと思います。
○梅澤政府委員 三月三十一日に三名の者が原電で仕事をしまして、外へ出て、そこでひっかかりました。それで私たちのほうはさっそく四月の二日に原電の幹部の方に来ていただきまして、その調査を十分徹底することと、それから、これから先の保安管理のやり方について十分徹底するよう申し入れました。しかし、その後調査をしておりまして、下請会社の相当多数の人が入っておりますので、四月の五日にあらためて文書をもちまして安全体制の徹底化ということを申し入れまして、それに対しての報告書が間もなく出てまいる予定になっております。その後、その事件に基づきまして、約二百名の、そのころ入っておりました下請会社の人たちに対して十分な調査をいたしております。それで着ていましたものについては、約三千点くらいのものを現在測定いたしております。そういうふうにいたしまして、大体二、三日前に約九〇%程度以上のものについての調査は終わったというふうに聞いております。
○三木(喜)委員 いまお聞きいたしましたように、いろいろの例の中で常にいわれておりますことは、いまもお話がありましたように、事故が起こると、非常に時間をかけ、いろいろな労力をかけて、そして調査検討を進めます、そしてまた事故を起こしていく。起こしたときには非常に遺憾である、再びこんなことを起こさないように注意いたします、こういうことが繰り返されておるわけなんですが、幾らこんなことが繰り返されても根っからやまない。こういうのにはどういうところに原因があるんだろうということを、各省庁を乗り越えて、科学技術で起こったようなものは科学技術で防ぐことができるんだというたてまえに立って検討する必要があると思うのです。 きょうはもう時間もございませんから、簡単に、いまお伺いしました各省の責任者に来ていただいておるわけなんですが、お考えをお聞きしたいと思う。どなたからでもひとつ言っていただいて、もしお話がないようでしたら、科学技術庁長官、ひとつお考えをお聞きしたいと思う。
○高橋説明員 先ほどの板橋のガス爆発事故につきましては、先ほど申しましたように、通産省ではガス管の事故を二度と起さないように、防御についての検討を始めております。 なお、もう一つの分科会としまして、共同溝の分科会をつくったわけでありますが、実は電気、水道、それから電電等は、地下鉄の建設と同時にほとんど共同溝に入っております。したがいまして、ほとんど道路を掘り返すこともございませんし、事故は起きないわけでございます。ところが、ガスは、従来何度も国のほうから慫慂いたしましても入っておりません。一、二例がございますけれども、銀座通りだけは入っておりますが、あとはほとんど入っておりません。これらにつきまして、なぜガスが入らないのか。なるべく入るようにこれは通産省、建設省両省でいま盛んに働きかけておるわけでございます。共同溝は道路のうちの一部でございまして、必ずしもガス爆発がこれで全部防止できるとは考えておりません。われわれ道路の側といたしましては、道路管理者の立場から、ただいまのような検討を別途に加えておりまして、たとえば、先ほど申し上げましたはしごのような支柱で、はたしていいかどうか、そういうふうな検討も加えております。 それから、埋め戻しにつきましても、砂で、ほとんど転圧もできません。締め固めることもできませんので、埋め戻したあと、沈下のおそれが当然考えられますので、はたしてああいう構造でいいかどうか、そういう検討も別途に道路管理者として加えております。したがいまして、ガスに対する道路管理者の規制をきびしくするようにと、いま検討中でございます。 それから、先ほどのリングビーム工法につきましては、すでに国会におきましても、総理大臣も御発言がありましたし、また、建設大臣もたびたび新聞紙等に発表されておりますように、直ちにリングビーム等の再点検を行なうべく、全国の工事中のものに中止命令をかけまして、一本一本につきまして現在チェックをやっております。先ほどの説明のように、理論的には正しいのでございますが、はたして現場にアプライした場合に、理論どおりになっておるかどうかというのが一つの問題点かと思います。そういう点についてのチェックを始めておりますのと、通常の施工をやりさえすれば事故はないというふうにわれわれも確信しておるのでございますけれども、その点の検討を十分加える必要があるということで、もう一度設計等についても再検討を加えております。 そういうことで、この事故を二度と起こさないような万全の手当てを現在講じつつあります。以上でございます。
○高木説明員 炭鉱のことでございますけれども、御承知のように、炭鉱は、ほかの産業と違いまして、地下で作業をやっておるということで、災害率の高い産業ではございますが、いままでの災害を二度と繰り返さないように、たとえば、炭鉱の保安面につきましては、保安法に基づきまして、石炭規則というものでいろいろ坑内の作業その他について規制してございます。その点を強く規則改正というものを行ないまして、山のほうで手抜かりのないように実施さすべくつとめております。 そのほか、坑内での仕事でございまして、これはおそらく地上でいいますと煙突の中で作業しているということで、一カ所で坑内火災あるいは爆発が一人の不注意のために起こりますと、全作業員に及ぶという特殊事情もございますので、この点に特に注意いたしまして、保安機器の開発という点に力を入れております。これは人力だけでかなわないところを、機器をもちましてチェックの意味で事前に防止するというたてまえをとりまして、二年前からでございますけれども、保安機器の開発ということで補助金として約二千二百万円でございますけれども、年々投じまして保安機器の開発のほうにつとめておるような次第でございます。
○梅澤政府委員 先ほど申し上げましたように、私のほうから指示事項をいたしております。現在までのところは作業員の下に着ます洋服等もすべて原電のほうで支給して着かえさせるという措置をとっております。くつもそういたしております。 それから、管理区域のさくその他でございますが、これについてはっきりと明示することになっておりますが、明示のしかた、それから、さくの強化等についても十分な措置をとるという形にいたしております。 その他、下請業者のことでございますので、入ってくる人そのものの観念がしろうと的でございますので、その普及徹底として教育制度も行なうという措置をさしあたりいまとっておりますが、現在、そのほか、全般の管理規程の見直しをしておりまして、間もなくそのやり方についての全体的報告がくることになっております。
○三木(喜)委員 長官、いまお聞きのとおり、いろいろ原因なり対策をお聞きしてみますと、十分注意するとか、取り締まりをちゃんとやるとか、あるいは規則をちゃんときめてやるようにするとか、こういうことなんですが、原電のごときは、もうむぞうさにどんどん出ていくという、いわゆる無知からきておるわけですね。そういう点も私あると思いますし、それから建設関係の場合は、技術的には、あるいは理論的には正しい方法でやっておっても、それにふなれなために、あるいは責任者が責任を持てないような下請、下請に仕事をさしていく、こういうようなところからこういう事故が起きてくるのではないか。最高幹部なり直接工事を請け負った技術者は、これにはよくなれておる。そういうふなれなためではないかと思うわけなんです。特に出かせぎで東北から来ておった人なんかは、そういう点についてはあまり訓練を受けていなかったような気がするわけですね。産業がこういうぐあいに高度に発達していき、そして、技術も革新されてまいりますが、そういう設備をあまりやると金がかかるというような面が私はあるんじゃないかと思うのです。だから、言うならば、企業体が保安設備に金をかけない、こういう面が、私はいまのお話をずっと総括してみて考えられる。生産には力を入れるけれども、そういう方面は二の次になっておる、あるいは訓練も二の次になっておる、こういうことが大事故を起こす原因になっておるのじゃなかろうかと思って、私は非常に遺憾思うわけです。これだけ科学技術が進み、人類が幸福になるべき、国民が幸福になるべき仕事をやってもらって大切な人命があくたのように散っていく、こういうことは非常に矛盾したことだと思いますので、そういう一つの反省を持つわけですが、長官のほうでは、これは単なる各省庁の問題として考えるのか、あるいはまた、科学技術庁としてこういうような防災計画というものを持たなければならぬ、自然災害だけでなくしていわゆる人災、科学技術の進歩によるところの災害、これにどう対応するか、こういう問題を含めて御感想をお伺いしたいと思います。
○木内国務大臣 いろいろな人災が連続して発生しまして、私ども非常に遺憾に思っております。ところで、いまお話のありましたところを伺っただけでも、あるいは建設省、あるいは通産省、あるいは文部省、また原子力関係、そのほかにも交通事故関係なんというのは頻発しておるわけであります。ところが、それに対して、しからば科学技術庁として科学的にこれをどうしたらいいかというお話であろうと思うのですが、いまここで関係各省から御説明申し上げましたように、この人災というものはきわめて複雑多岐なんですね。この各省にわたっているということだけでもあれですし、また、これも設備について、いまお話しのように、あるいは意識的に手を抜いておるのがあるかもしれぬし、あるいは間違えてやっているのもあるかもしれぬ、あるいはまた、設備その他は完全であっても、それに対する無知、危険に対する無知、また、これに伴うところの不注意、こういうようなことで、いろいろ事態も複雑ですし、その発生の原因についても、これを見るときわめて複雑多岐にわたっております。しかも、これは、科学的にこれに対処し得るものと対処し得ないものと両方あるというようなことで、きわめて複雑多岐なんです。そこで、これを一律に科学技術庁が処理するということになると、これは非常に困難だと思うのでありまして、いまのところは、各省庁がそれに対する安全性を確保するためにいろいろな研究をしておられるようでありますが、それについては予算を計上しておると思います。予算のない場合には、私どものほうの特調費というものを出しまして、そして科学的にいろいろのことを研究してもらっているというようなわけであります。防災センターで扱っております自然災害のほうと違って、いま申しましたように、あまりにも複雑多岐でありますので、これを一律に科学技術庁において取りまとめて対策を講ずるということはちょっと困難じゃないかと思うのです。しかし、科学技術の非常に進歩してきた今日ですから、科学的にこれを避け得るようなものは、これは科学技術のほうの防災センターでない他の方面において十分に研究して対処すべきものだと思っております。
○三木(喜)委員 文部省からおいでになっておりますが、こういう御答弁をいただけるかどうかと思うのですが、私、科学評論家の相島敏夫さんの説を聞いて、同感、賛成の意を表しておるわけなんです。外国では、こういう科学的な問題によるところの災害がわりあいに少ない。それから、炭鉱の事故も、日本の炭鉱の事故に比べると十分の一くらいの比率の災害であります。この防止できる原因はどこにあるかということを言っておられたので私も非常に感心しましたので、いま長官にお伺いしたのですが、外国では五つの大学院、百の大学に安全工学という科目を持っておる。そこで専門家を養成する。それで官庁、会社に入りますと重要なポストを与える。都合によっては社長より強い権限を持たせる。そして、命令権さえもこれを持っておる。こういうようなシステムにしておるところに、安全について非常な関心と責任を持っておるというわけであります。その一つは、産業界、企業の中における責任の持ち方がそういう持たせ方がしてあるし、もう一つは、国家の責任としまして、こういう安全工学に対するところの養成が国家の意図によって行なわれておる。ここに私は大きなポイントがあるのじゃないかと思うわけであります。 文部省からおいでいただいたのでお伺いしておきたいと思うのですが、横浜大学に安全工学科というのがあるようですが、そのほかにはないと聞いております。文部省では、こういう専門家の養成の問題について、どう考えておりますか。専門の立場ではないと思いますけれども、しかし、きょうは文部省を代表して来ていただいておるのですし、病院課長でもありますし、そういう問題がまのあたり起こっておるのですから、相島敏夫さんの説等をどういうぐあいに思われるか、お伺いしておきたいと思います。
○吉田説明員 ただいま、安全工学につきまして、横浜国立大学のほかにどういう大学にこの種の学科なりあるいは講座等があるかという御質問でございますけれども、私、いま突然のことで正確に記憶しておりませんけれども、横浜国立大学以外の工学部等においても安全あるいは防災ということについての研究が相当行なわれていることは間違いございませんけれども、正確にいま記憶しておりませんので、その点は差し控えさしていただきます。 なお、この安全工学あるいは安全なり防災について国家として専門家を積極的に、計画的に養成すべきであるという先生の御趣旨だと思いますので、この点につきましては、よく上司に伝えまして――私個人として考えてみましても、こういう安全工学あるいは安全なり防災についての専門家を養成するということは、いまの社会あるいは経済社会において喫緊のいわば社会的要請であるというふうに考えますので、上司とも十分相談して、そういうような方向で検討させていただきたいと思うわけであります。
○三木(喜)委員 ぜひこれは、話としてでなくて、いまおっしゃったとおりにしていただいて、将来こういう人材の養成のしかたを持ってもらいたいと私は思うわけであります。 それで、大臣、そういう観点に立ちますと、公害というものが非常にやかましくいわれだしました。そこで公害事業団をつくって、そこで仕事も理論的なものもいろいろ一つにまとめてやりかけたわけでありますね。これは、どちらかというと、企業側が最近非常に必要を感じ、国民も必要を感じ、国も必要を感じたためであります。しかし、この人災ともいうべき科学技術の進歩によって起こるところの災害というものについては、この際勇断をもって、科学技術庁としてはそういうものにどう対処していくかひとつ検討をしてもらう。そうして、でき得べくんば、防災センターからきょうはおいでいただいておりますが、防災センターにも今度は人災のほうを研究するセンターをつけ加える。それから、文部省と連絡をとって、そういう人材の養成をやる。唐突としてそんなことを押しつけることはできませんけれども、お考えを聞くこともまた唐突かとも思いますけれども、感想としてお述べいただいて、それから、防災センターからおいでいただいておると思いますが、大臣の御答弁をいただくまでに防災センターからひとつそういうことについてのお考えをお伺いしておきたいと思います。
○寺田説明員 お答え申し上げます。 いま人災についても防災センターのほうで何か考えたらどうかというようなお話でございますが、防災センターでやっておりますのは、設置法にありますとおり、自然災害が主でございます。しかし、自然災害から離れているのを全然やっていないわけでもないのでありますが、自然災害によりまする災害を見ましても、実はそれがはたしてほんとうの自然災害なのか人災なのかということがはっきりわからないのがずいぶんあるわけです。私のほうでも、災害研究室の中でこの問題をいろいろ討議いたしましたが、結局、ある先生方は、むしろ日本に起こる災害は全部人災だということを言われる方もございます。それから、御承知のように、日本は地理的に非常な災害を受けやすいところであります。その上に人口稠密なところがたくさんある。そういうところでちょっとした異常現象が起こりましても非常に大きな災害になる、これはむしろ人災ではないかということも言っておるわけであります。それからもう一つは、たとえば防波堤一つつくるにいたしましても、あるいは堤防をつくるにいたしましても、これが近ごろのように都市開発が進みますと、堤防のところ自身が地盤沈下をしてきております。これは人災とはいえ、またそこに豪雨がなければそういうことは起こらないわけであります。現在私どものところでやっておりますのは、都市開発に伴う水害の問題を取り扱っておりますが、これなんかも非常に人災面に関係をしているわけであります。そういう意味で、全然人災をやっていないのでありますが、現在でも、自然災害という立場でもなおかつ人災の問題が非常に入ってきておるという点があるわけでございまして、ただ、きょういま先生がお話しになりましたようないろいろな例につきましては、はたして私のほうでそれができるような状態かどうかというのは問題でございます。一つには、科学技術というのは、御承知のように、決して少ない人間ではできないのと、それから、相互に緊密な連絡を持ってやらなければならぬという状態がございますものですから、私のほうも幸い科学技術庁の特別調整費を使わせていただいて、各省と連絡の上にこういう問題を逐次取り上げております。 また、私のほうといたしましても、科学技術という立場から、防災という点ではかなり基本的な問題もやっておるわけであります。たとえば、現在建設中の大型耐震実験装置のようなものは、将来の土木、建築その他の耐震構造に対して非常に寄与するようなものになると考えておりまして、これは堤防をつくり家をつくるというときにある程度の大きな地震が来れば、自然災害とはいえ、やはり人災にも関連するものでありますから、そういう意味でこの問題を検討しているのが現状であります。
○木内国務大臣 いま防災センターのほうからも御説明申し上げましたように、一般的の科学技術の進歩によって防ぎ得るようなものは当然研究すべきものだと思うのですが、先ほど来申し上げておりますように、人災のほうは対象が非常に複雑であり、多岐にわたっておる。しかも、原因も、さっき申しましたように、非常に複雑多岐で、科学の面を離れた面もずいぶんあるわけであります。そこで一律に、科学技術庁においてそういう防災のセンターをこしらえて、画一的にその安全性を確保できるかというと、私はこれはなかなか困難だと思うのです。しかし、産業の発達、経済の発達に伴いまして、あらゆる面で、原子力などについても、安全性ということは何としても非常に大事だと思うのです。 そこで、そういう面については、さっきお話がありましたような安全工学の専門の人を養成して、そうしてこれを配置して、これに強い権力を与えたらいいじゃないかという示唆は、これは非常に有益であって、私どもとして大いに考えなければならない問題だと思うのです。そういう点については今後大いに深く検討をいたしてみたい、かように思っているわけです。
○三木(喜)委員 大体時間が限られておりますので、これでおきますけれども、大臣、いま私、二つのことを申し上げたのですが、防災センターで人災の科学的な方面をやったらどうかという点は、これは設置法を変えなければいけません。そして人員もふやさなければいけません。そういう立場に立って、二本立てで研究していただいたらどうかということを申し上げたわけです。 それから、いま大臣がおっしゃいました問題ですけれども、前の大臣のときだったと思うのですが、阿賀野川の調査の問題があったわけです。これは、究極するところ、どこへ焦点がいってしまうかというと、しまいには科学技術庁で取りまとめをせいということになったわけです。これは通産省も一枚かみましたし、それから厚生省もかんだし、農林省もかんだ。結果、最終的には科学技術庁。だから、科学技術庁で一つ一つの事例について取り扱えということをいっておるわけじゃない。そういう問題が起こったときにはどういうように対処しようかというところの基本方針を、いまの人災計画のように立ててもらうべきではないだろうか、私はそう思うので、御感想を承ったわけであります。これはまだまだいろいろ問題を多岐に持っておることでありますので、簡単にはいかぬと思いますけれども、ひとつ今後、来年度あたりの一つの研究の材料として予算化してしまって、検討してもらったらどうか、それについての御答弁だけをいただいておきます。
○木内国務大臣 先ほども申しましたように、対象も多岐であり、原因も非常に複雑であります。また、それは科学的な問題でない問題もいろいろあるわけでありまして、画一的にこれを扱うということは非常に困難だと思うのですけれども、いまお話しのような点、しかも、科学的に究明し得るような問題は、科学技術庁としても、これに対して適当な対策を講じなければならないと思っております。 ただ、阿賀野川の問題は、あれは、厚生省とか農林省とか、いろいろな諸官庁が幾つもあったものですから、そこで取りまとめ役としてやったというようなわけにすぎないのでありまして、やはり所管の各省庁自体も、安全性という問題について、いま係官のほうからいろいろ説明がありましたように、非常に心を砕いておるわけなんでありまして、そこで、いろいろな複雑な問題は、これは各省庁において十分にやっていただいて、そして科学的に統一的に見得るような問題は、私どものほうでもできるだけこれに対して対処してまいりたい、かように思っておるわけです。
○三木(喜)委員 そうなってくるとぼくも一言言わなければならないのです。阿賀野川の問題でも何でも、最終的には科学の権威という立場に立たなければならないと思うのですよ。科学技術庁はそれくらいのプライドと権限を今後持ってもらいたいという願望を込めて私言うたつもりなんです。そういう意味合いにおいて、大臣に皮肉な言い方をして申しわけないですけれども、大蔵大臣の答弁なら、そのくらいなことでいいですし、あるいはまた、官房長の答弁なら、それくらいの答弁でいいと思うのですけれども、科学の権威を高めようという立場から、そういうことは今後科学技術庁で調整費をちょびっとつけてかっこうだけやっておらぬと、やっぱりたくさんつけてやってもらいたいなという願望を込めてきょうは言うたつもりなんです。これでおきます。
○石田委員長 続いて、山内広君。
○山内委員 実は、御承知のとおり、いま宇宙開発事業団をつくろうとしております。私はまだこれの賛否も実はきめておらない段階にあります。ぜひこれはあなたのほうの現在おやりになっている状態を参考にきめたいというのが私の気持ちであります。 と申しますのは、事業団、公社、公庫、いろいろ政府出資の機関がありますけれども、最近、このあり方について私はいろいろ疑義を持っておる。佐々木さんのほうでいまおつくりになっている船は、もう名前もついて、あとはすこやかに育つことを念願する段階でありますから、私は、過去のことや、そういう育つことにじゃまになるような質問はいたそうとは思っておりません。ただ、これから生まれようとしておる宇宙開発事業団の運営についてぜひ参考にしたい。そういうことで、どうぞひとつ科学技術庁や原子力委員会のほうの顔色をうかがわないで、率直に御答弁いただきたい。 実はもう古いことで、いまも申し上げたような状態にありますから、お聞きするものもどうかと思いますが、これはぜひひとつ触れておかなければならぬ。それは、いまつくっております原子力船は、御承知のとおり、最初は海洋観測船ということで私ども国会も承認をしたわけであります。ところが、これがいつの間にか特殊貨物の運搬船という使用目的の重大な変更を来たしておる。私はこれを国会の軽視であるという立場から、もう一年ほど前になりますけれども予算委員会で強くこれを取り上げました。政府は逃げ切っているわけじゃないのですが、どうも質疑応答の時間が制約されて中途で終わっているわけです。大蔵省からも来ていただいておりますから、この問題を少し詰めてみたい。 大体、特殊法人という独立した機関ですから、いろいろお考えを自由におやりになるのはけっこうですけれども、こういう重大な使用目的の変更を国会に、かりに決定の前に承認を得なくても、あとでも報告なさる義務がある。これが何らなされないで隠されていた。このことは国民を偽っておる、外国までもうそを言っておる、こういうことであります。実は事業団で発行しておりますこのパンフレット、これは外部の初歩の方にPR用に配ると思うのです。これを見ましたら、最初に出ているのは、海洋観測船という使用目的を明らかにしております。ところが、同じパンフレットをまた刷り直して、この目的は、貨物運搬及び乗員の訓練に利用できると書いております。これだけの相違がある。もちろん船体も少し変わってきております。こうしますと、これは国民にもうそを言っておることになる。 それからもう一つ、私、のがせないのは、外国の科学技術の関係者に対して、結果的に非常なうそを言っておることになります。海洋観測船ということで原子力を利用する商船をつくるという発表をしましたときに、外国から非常な賛辞が出た。このことは「原子力船」という本の五号に載っております。これを私はずっと目を通してみたのですが、外国の賛辞はたいへんなものです。ちょっとだけ読んでみます。これはフランスの賛辞でありますけれども、「実験船としての対象として、商業目的でなく科学的なものが選ばれたということも大いに慶賀するところである。」前から少し長いのですが、そういうことで、フランスでも今度日本のまねをして計画をする、そうして、やはり海洋観測船までの計画を立てているわけです。これが商業ベースに乗らないで、ほんとうの平和利用である。この精神が、国会も最初事業団をつくるときに、海洋観測船なら最も適当であろう、地球上何回も歩けます。これを今度貨物船に変えたことによっていろいろな問題が出てまいります。これはあとで少し掘り下げてお聞きしたいと思うのですが、こういうことで、私は、これは原子力委員会の責任も非常に重大だと思うのです。このときの経緯は一体どういうことでそういうことになったのか。私も手元にある参考書類は一通り見ましたけれども、みんな書いておらないのです。これはいろいろな事情で、前の石川理事長も、国会に出された文章ではほんの一行か二行しか書いていません。そういうことである。これは過ぎたことですからそう詳しいことも事情は要りませんけれども、ほんとうのところ、どういうわけでこういう無理をされたのか。その点をちょっぴりこの際聞いておきたいと思います。
○梅澤政府委員 原子力第一船につきましては、当初、先生のおっしゃいましたように、海洋観測船として計画されたものでありますが、その後おくれておりまして、船価がその間に大幅に上昇いたしました。それから、原子力船の実用化の見通しというのがある程度明らかになったこと等の事情が起こってまいりました。そういう関係から、昭和四十二年三月でございますが、原子力委員会でその再検討をしていただきまして、実はその貨物船というものに変えていったほうがいいのではないかということで、貨物船になったわけでございます。その点、観測船でいくかどうかということについては相当の検討をいたしまして、そういう貨物船でもっていったほうがいいという形で決定されたわけでございます。
○山内委員 これは予算の組まれる前、国会に提案される前なら、そういう検討も私はわからぬわけではない。しかし、一たん海洋観測船という最も平和利用に徹したいい構想のもとに予算は通ってしまったが、国会で一度議決すればその目的はどう変えてもいいんだという、このことの国会の軽視ということを私は考えておるわけです。なぜ承認を得られなかったのか、どういう形で報告すらもなされなかったのか、その点の事情はどうですか。
○梅澤政府委員 原子力委員会で変えましてからは、国会の科技特で、私もそのとき担当者ではございませんでしたが、こういうものが変わるということの御議論、いろいろな御意見に御説明等をした機会があったと思います。 それから、予算的措置といたしましては、三十六億円の建造費が最初の観測船としてきまったわけでございます。それが五十五億六千七百万円に実はその間変更されたわけであります。これに伴って、昭和四十二年の予算において、基本計画の変更にかかわる建造費の変更として、五十五億六千七百万円のうち十三億九千二百万円を民間出資に期待しまして、それで残りの五億というものを出資金の増加をするという形を国会でとっていただいたわけでございます。
○山内委員 予算のことは私も承知しておるんです。三十六億で足りなくなった。それで貨物の運搬船にすればずっと単価も安くなるから、それに合わせるために余儀なくやったというならわからぬでもないんですよ。ところが、予算は六十億にふくれ上がった。そうして船体は六千トンから八千トンという大型のものにしてしまった。高くなるのはあたりまえでしょう。そうして、予算が足りないから契約もできないで随意契約をやってしまった。競争入札もできなくなってしまった。この経過を聞けば聞くほど非常に無理が伴う。しかし、もう過ぎたことですから、これはあまり追及しないことにします。 ただ、この間の予算委員会で、けしからぬ答弁を大蔵省は出しておるんですよ。というのは、あなたはそのときのことをいろいろ陳弁されておるけれども、当時の政府委員の村上さんはそういう答弁はしていない。気象観測船であれば毎年四億らぐいの運航費や経常費ががかかる、赤字が多いから何とかこれをなくしようという考え方から、いわゆるほんとうの気象観測船からコマーシャルベースに乗りかえて――もうかるところまではもちろんいきません。政府委員といえども、それでも二億円ぐらいは赤字は覚悟しなければいかぬけれども、赤字は半分ぐらいは減るのだ、そういう答弁で、赤の観点からこういう使用目的を全然変更してしまった。この考え方がけしからぬというのです。いまこういういろいろな原子力の研究というものにはあげて国も予算をつけよう、赤字とか、そういうことなんか考えていない。こういう商船をつくって収支バランスのとれるような計画は、サバンナ号だってもうもてあましておるでしょう。とてもコマーシャルベースに乗らぬことはわかっておる。それよりもはっきりと平和に徹するならば、その使用目的は初めにきめたとおりに気象観測にやっておけばいい。いまになれば、今度は海洋開発が日程にのぼってやかましくなってきた。これがもし海洋観測船のそのままに建造されておったら、この船はそういう点では非常に威力を発揮したであろうと私は思う。そういう特殊物資ですね。そうして今度はわれわれの目から見れば、燃料の燃えかすを運ぶとか、ウラン鉱を運ぶとか、そうなるというと、これまた軍事利用につながる、一歩そちらのほうへの前進だと国民はみなそう思いますよ。そういう点では、これははなはだ遺憾な措置であったと思うのです。 そこで、私、これは参考までにお聞きしておきたいのですが、そのとき――一年前になりましたけれども、貨物運搬船になってから、どういう運航をさせ、どれくらいの運搬をし、収入はどれくらい上がって、支出はどれくらい経費がかかるという計算は一応お立てになっておるだろうと思うのですが、それはどうですか。
○梅澤政府委員 よく判然とはいたしませんが、そのときの試算として計算をいたしております。
○山内委員 それをあとで御提示いただきたいと思います。
○梅澤政府委員 ちょっと簡単に申し上げますと……。
○山内委員 いや、ことばで聞いてもちょっと書き取れませんから……。 それからもう一つ、これは大蔵省の方に聞いておきたいのですが、その予算委員会で、私は、国庫債務負担行為というものは財政法によって五年以上はできないことになっておる、これは八年もかかっておるが、どういうわけだ、こういう質問をしましたところが、これは国会の承認を得ているから間違いないのだ、手続を踏んでおるように言っているのですが、これは手続はなされていないでしょう。これはどうですか。
○藤井説明員 国庫債務負担行為は、御指摘のとおり、五年が限度であるということになっておりますけれども、財政法第十五条の規定は、さらにただし書きがございまして、ただし国会の議決により年限を延長するものはこの限りでない、こう書いてあります。
○山内委員 ですから、そうなれば、そこの四項を一ぺん読んでごらんなさい。「国会に報告しなければならない。」という義務を課しているでしょう。ところが村上さんもずるいのだ、三項までより読まないのです、これを読んでみろと言ったら。そして四項の報告の義務を怠っているということですよ、そうでしょう。
○藤井説明員 そういう第十五条の三項の規定によりまして、三十九年度に三十六億円とった国庫債務負担行為につきまして、四十二年度予算におきまして議決をいただきまして三年間の延長をお願いしたわけでございます。
○山内委員 いや、それは違うのです。最初のときは五年よりしていませんよ。最初から延長して八年の国庫債務負担行為なんか出すわけないじゃありませんか。
○藤井説明員 三十九年度の国庫債務負担行為は、御指摘のとおり五カ年間ということでやっております。しかし、その後、原子力船のほうの建造計画の変更その他がありましたので、四十二年度の予算におきまして、三十九年度から五カ年ということを、さらに三年間延長するという議決をいただくようにお願いしたわけであります。
○山内委員 どうもそれはお役所の答弁なんで、これは入札ができないために事業が延びたのでしょう、二年、三年と。それで延びた瞬間にいって、また五年という国庫債務負担行為の議決をとったということなんですよ。そうしたら前後延びたにせよ八年になるじゃありませんか。そうしたら、五年のときに、こういう事情でこれだけの額を、国庫債務負担行為として八カ年になりましたということを、国会に報告せいというのがその十五条の四項の規定ですよ。
○藤井説明員 四十二年度におきまして、その延長をお願いいたします際に、財政法の規定によりまして、二十八条の参考書というのがございます。その参考書のほう、その年割り額の――年割り額といいますか、延長の関係をお示ししてあったと思います。ただいま持っておりませんけれども、そういうふうに処理いたしております。
○山内委員 わかりました、これも過ぎたことですし。ただ、御注意いただけば、あまり国会を軽視しないで、こういうことは慎重にひとつやっていただきたいことを希望しておきます。 次に、原子力委員会の決定されました原子力第一船開発基本計画というのは、これは三十八年七月三十一日の決定であります。これは可能な限り国内技術を使え、こういうことになっております。これは舶用炉、原子炉も含めて国内技術を使え。ところが、これが行き詰まってしまって、改定がなされたわけであります。ところが、改定なされたのも、この部分は変わっていないわけです。やはり可能な限り国内技術を使え。 そこで、私お尋ねいたしますけれども、どれだけ国内技術がこの原子炉の中に導入され、外国から買い入れる部分はどれくらいになるのか、金額で表示できれば一番けっこうですが、できなかったら大体の見当でもけっこうです。
○梅澤政府委員 御答弁になりますか、ちょっと心配でございますが、実は基本計画をつくります場合には、国内でつくりましたその基本計画を確認と申しますか、そういう形でウエスチングハウスに聞いております。それに基づきまして出たものを国産で使っていくという形でございまして、初めから向こうの設計で全部いったわけではございません。したがいまして、事業団がつくりました設計に基づいて、ウエスチングハウスでそれを見てもらったことはございます。それからウエスチングハウスのものが技術導入されて入っております。それを消化いたしまして日本の国産でつくっていくという形をとっております。ただ、金額的にそれがどの程度までというのは、私もちょっとまだ、これから調べさしていただきます。
○山内委員 これも、あまりあげ足をとるようで悪いのですけれども、そういうことになっていないのですよ。これは原子力年報の六五ページの中ごろですけれども、長いですから、ここの最後の部分だけ読めば「米国の関連メーカーから輸入することとなっている。」こういう報告が四十二年度に出ています。 それからもう一つ、値段がどれくらい差があるかと思ってちょっと見たのですけれども、四十一年七月十四日の原子力委員会の決定では、国内だろうが輸入しようが値段に変わりはない、五十億をこえることは事実であるけれども、大差はないのだという原子力委員会の報告があるわけです。これに基づいて、外国から入れても国内でつくっても金額も同じだから、買ったほうがいい、むしろりっぱなものが買える、いいものが手に入る、そういう一つの道を与えておるわけです。そうして、これは、事業団からお出しになっている年報の中を見ましても、時間がありませんから、この文章を読むことはできませんけれども、最後だけ見ますとこう書いてある。「昭和四十年十二月二十八日契約内示書の調印を行ない、昭和四十一年一月二十九日正式契約を締結した。」と書いてある。こっちの希望する設計、これは、船はこれくらい大きいのだ、これに積む原子炉はこれくらいなければならぬ、そういう意味で発注されたかもしれませんけれども、機械そのものは全部正式に調印して、向こうから買うことにちゃんとあなた方の報告書の中に書いているのですよ。これでは、国内のこういう技術を振興させる、もっと勉強させる、そういうことから非常に遠のいておるのです。もしこの点で何か佐々木さんのほうからお話がありましたら聞いておきたいと思います。
○佐々木参考人 原子炉のほうは、基本設計を事業団でいたしまして、そうして、その基本設計に従って三菱原子力工業に請け負わさしました。そうして、いまその原子炉をこしらえておるようなわけでございます。三菱原子力工業が、原子炉につきましてはアメリカのウエスチングハウスと技術提携をしておるものですから、三菱とウエスチングハウスとの間には技術的の交渉があるわけでございますが、事業団といたしましては、きめられました原則に従いましてどこまでも技術は公開するそういうつもりでやっておりまして、事実、二月か三月に一回は日本の産業界のそのほうの専門家をお呼びいたしまして、現場に案内したり、また、できたことを報告書を出しましたり質問を受けたりしてやっておるような次第でございます。
○山内委員 はしょって聞きますが、この基本計画の三十八年の七月の決定によりますと――この原子力船が完成しますと、「適当な機関に譲渡し、前記事業団は解散するものとする。」とあります。ところが、今度改正になりました基本計画になると、そうはなっていない。この部分が改正になっています。「実験航海終了後における原子力第一船の運航主体、陸上付帯施設等の利用については、慎重に検討の上、別途具体的に措置するものとする。」これは非常な変更になっているわけです。前の構想であれば、海洋観測船であればおそらく運輸省気象庁ということになるのでしょうが、そういうところにその船を引き継げばそれで足りた。ところが、これはどういう措置をおやりになることになっているわけですか、考え方をちょっと……。これは委員会の決定ですから、原子力委員会のほうの御答弁でけっこうです。
○山田説明員 初めの決定は確かに行き先がわりあいわかりがいい形であったと思います。しかし、あとのものはやや商業ベース的な意味も含まれてまいりました形になりますので、実際にこの実験航海が終了したあとで、これを運航する主体、あるいは陸上付帯施設の利用につきましては、まだはっきりと具体的な決定はいたしておりませんが、その時点におきまして慎重に検討したい、このように考えております。
○山内委員 そういうことだから、使用目的を初めから明らかにしておけと言うのですよ。これはたいへんなことですよ。どこへやりますか。金はかかる。これを運航したって採算はとれない。どこの商社だってこれは買いませんよ。この船は特別な船ですから、乗り組み員も特別な訓練をしなければならぬ、操作から何から。金はかかる。廃船にしますか。せっかくつくって二年たったらもう要らなくなったといって港につないでおくわけにもいかないでしょう。これはどういうふうな扱いをするか早くおきめにならないと、百億から以上の金をかけたこの施設、船、私は国民に対しても申しわけないことだと思うのです。いかがですか。長官どう思いますか。
○木内国務大臣 先ほど来いろいろ御質問もありました。初めは観測船であるという、それを今度は特殊貨物船に変えた。それに対していろいろ御批評もありましたけれども、当時のことを私はよく存じませんけれども、私が考えますに、村上主計局長が答弁したことは、国費多端のおりから国の負担をなるべく少なくしよう。しかし原子力第一船というものは原子力船の建造の一つの見本みたいなもので、そこでつくることにしたけれども、それからあとの経費はなるべくひとつかからぬようにしよう、こういうことで特殊貨物船に変えたものと私は思っておる。財政負担をなるべく軽くする意味でですね。そこで、特殊貨物船にいたしました以上は、どこかの運輸業者にこれを払い下げるなりあるいは貸し付けるなりしてやらなければならぬ。しかし、さっき原子力局長が説明したように、そろばんはとれない。したがって、これに対しては国庫は何らかの補てんの措置を考えなければならぬ。これは当然のことだと思う。しかし、それにしても、補てんの措置を講じても、観測船として全額を国庫が負担するよりも安くいくからそれにしよう、こういう考えが多分にあったと思うのです。それから、今後におきまして、そのまま一億八千万円ですか、あるいは二億円近くの欠損を覚悟で借りるというところはないでしょう。しかし、それに伴っては財政上の適切な措置を講じてそういう負担を補てんすることにして、私は、どこかに貸し付けるなりあるいは払い下げるなり、こういうことにするよりほかしかたがないと思っております。これは財政上私は当然の措置だろうと考えるわけです。
○山内委員 長官、私は、大蔵省が財政の立場から言うことはわからぬわけでもないのですよ。しかし、あなたの方の任務からいって、そんな財政の一カ年に二億やそこらの助成を国がしたっていいじゃないですか。損覚悟でやるべきですよ。そのために科学技術が進歩し、日本でも原子力船がどんどんできるのだ。平和目的のためなら外国の船もどんどんつくってあげます、そういうためにこれはわざわざ初めから計画したものなんですよ。それを用途目的を変えたものですから、海洋観測船ならば海だけ、それこそ何カ月でも何周でもできるけれども、今後は運搬船となれば、相手の外国へ行って一々入港するから何から繁雑な手続をして入港の許可をとらなければならぬ。それでも許可を得られればいいけれども、危険ですから私のほうでは入港をお断りしますと言ったらどうしますか。これは商売成り立たないですよ。サバンナがいま苦境に入っているのは、そういう点も一つあるわけです。安全性の立場から非常に規定がやかましくなってきた。事故が出たらすぐ港へ引っぱっていかなければならぬ。そういう引き船までも用意せよというのですから、もうお手あげしておるのです。私はこの貨物運搬船の将来というものはきっとあなた方が苦しむと思うのです。その点だけは御注意申し上げておきます。 それからもう一つ、私が気になることは、この船の設計を変更しまして六千トンの計画が八千トンという大きな船になったのですけれども、これの乗り組み員の数が非常に減ったのですよ。乗り組み員は最初は六十五名、それに養成のための実験員というものを四十五名、計百十名だった。ところが、船が大きくなりながら、人員は六十五名が五十六名に減り、その養成のための実験員も四十五名を二十名に減らした。やはりこれだけの原子力船なんですから、乗り組み員をどんどん養成するということが基本です。それをなぜ、こういう乗り組み員を養成するのに、初めは四十五名はまあ必要であろうという設計をしたところが、二十名に減らした、その根拠はどこにあるのか。それだけ必要がないのか。将来船の建造というものがずっと減っていくのか。ところが、いろいろ先ほどの答弁もありましたけれども、これから第二船、第三船とどんどんふえていくという御答弁もあったわけです。そうしたら乗り組み員の養成をふやすというならわかるけれども、それを半分以下に減らすというのはどういうのかよくわからぬのですが、どなたかこれについての見解があったら……。
○梅澤政府委員 予算的に計画いたしました場合に、前は観測船でございました。観測船というときには観測員を出そうということでございました。今度は貨物船になりましたので、貨物船の運転要員として計算してございます。 それから養成でございますが、当然これを試験運転していきます場合等で養成がございまして、養成の任務はやはりあらためて考えなければいけない、こう思っております。ただ、現在とっておりますのは、この船を運航するに足る人々の数だけはとっているつもりでございます。
○山内委員 そういう御答弁があるとちょっと困るのですがね。というのは、この五十六名、二十名というのは、それでもって船員の居室や何かみなもう設計に入っているのでしょう。それを急に必要があるからといってぐんとふやしたって寝泊まりするところもできないでしょう。直すというわけにはいかないのじゃないですか。
○梅澤政府委員 私が養成と申し上げましたのは、二船、三船が参りますので、この船の任務といたしまして、養成する人間を乗せまして養成はやります。ただ、この船の運航につきましてはこの人間の数で十分やれる、こう思っております。
○山内委員 そうしますと、あれですか、青写真の中にちゃんとそれだけの訓練をする養成所は見ておるのですか。
○梅澤政府委員 養成用の場所は見ております。
○山内委員 では、時間も来たようですからこれで終わりますけれども、ひとつ長官、今度生まれるであろうところの宇宙開発事業団も、これと同じように轍を踏まれては非常に困るのですよ。 そこで、ちょっとだけ私、御注意申し上げておきたいのは、原子力船開発事業団法の第一条は、原子力基本法の精神にのっとれとはっきりうたっておるわけです。そうして「原子力船の開発を行ない、もつてわが国における原子力の利用の促進並びに造船及び海運の発達に寄与することを目的とする。」原子力基本法というそういうワクの中でちゃんとそのとおり、その精神をくんでやれと書いてある。ところが、今度のやつはまだできていないのですよ。だから、宇宙開発基本法でも何でも必要なんだということは、こういうワクをかけてすらも、事業団ということになると、国会審議の対象にならない。やってもいいけれども、文書というものは参考資料にとどまる。そうして理事長さんの御出席も参考人としておいでを願わなければならない。非常にこれは独立したものになってしまう。ですから、こういう事業団はもちろん国会の審議の対象にすべきであるし、これは少し目を離すとこういうあやまちが出てくる。あやまちをおかさないように、これから宇宙開発事業団の賛否の決定にも十分にひとつ配慮していただきたい。急ぐことだけが能じゃありません。このことだけ申し上げておきます。
○石田委員長 続いて、吉田之久君。
○吉田(之)委員 時間がずいぶん経過いたしておりますので、ひとつ簡潔に質問を申し上げ、また答弁をお願いいたしたいと思います。 私はきょう、特に動力炉の問題、中でも新型転換炉の問題にしぼりまして若干の御質問をいたしたいと思います。 そこで、まず、政府は去年、昭和四十三年の四月八日新型転換炉に対して次のような基本計画を立てておられます。それは、原型炉を微濃縮ウランまたはプルトニウム富化天然ウランを用いる電気出力約二十万キロワット程度のものを昭和四十九年度ころ臨界に至らせるものと想定して第一次及び第三次の設計研究を実施する、こういうことでございますね。その研究開発の成果を見て、さらに海外における技術の動向等の評価検討を行ない、原型炉建設の具体的計画について結論を得た場合には引き続き建設に着手する、こういうふうに迷べられております。承りますと、第一次の設計をすでに電力産業グループに委託されまして、いま第二次設計を委託しようとしておられるということのようでございます。そろそろ新型転換炉の問題の将来につきましても、非常に重要なポイントにかかってきたと思うのです。 そこで、私が特にお聞きいたしたい問題は、この第二次の設計の場合に、メーカーとユーザーにそれぞれ分離して必要な設計を委託されようとしているように私は感ずるのです。その点につきまして若干の内容を御説明いただきたいと思います。
○清成参考人 私、清成でございます。 いまお話がありましたように、転換炉、これをATRと申し上げさせていただきますが、ATRは、いまお話しのとおり、第一次設計を終わりまして、第二次設計をいまやっておるところでございます 話の都合もありますので、ちょっと申し上げますが、実はこの事業団ができます前に、推進本部というのがございます。その当時に――これは昭和四十一年度でございますが、原子力委員会の決定に従いまして重水減速沸騰軽水冷却型の炉をつくるということになりまして、それのデザインフィロソフィーを推進本部で決定をしたわけでございます。その決定に従いまして、原子力五グループに概念設計を命じたわけです。それができましたときに、ちょうど四十二年の十月に事業団が設立されまして、事業団は推進本部からすべての仕事を引き継ぎまして、五グループが独自にやりました概念設計のアイデアの長所を取り入れまして、そうして、これを一本化するための一次設計というものを五社にやらしたのです。それが第一次設計。この第一次設計は、五社にいろいろ各部分部分を分担させまして、幹事会というものを置いて調整に当たらしたということでございます。これは、いまのような形でございますので、原子炉部分だけのことです。そこで、四十三年度にはこれをもとにいたしまして第二次設計を五社にやらしております。第二次設計は四十二年度から四十三年度にかけてわれわれが入手しましたところの英国のSGHWR、カナダのCANDU、これのデータを参考としまして、さらに実際に今度は製作をするというときのことを考えたエンジニアリング的な設計をやっておる。それからさらに、第二次設計では、もうサイトを敦賀地区ということに定めたというこの条件を織り込みまして、そうして、いままでのように原子炉だけではなくて、これにタービンサイトあるいは発電機、変圧器というようなコンベンショナルパートも含めまして、実際に設置許可申請ができるだけの設計をやるわけでございます。したがいまして、第一次設計のときと違いまして、そういう形で電力会社方面にも、サイトの問題その他コンベンショナルパートの問題なんかがありますので、五メーカーの原子炉をやるというだけでなくて、電力会社方面にも御参加を願う、実はこういうことにしたわけでございます。それが第二次設計の概要でございますが、いまのような形でどうしてもコンベンショナルパートを含めますというと、電力会社という形の考えから発電所全体の計画をやらなければいかぬということになりますので、これを織り込んで原子炉部分は五社、それから電力会社的な考え方のところは目下原電と電発さんにお願いをしておる、こういう形になっております。
○吉田(之)委員 そこで、お話を承りますと、英国のSGHWRをモデルにして相当具体的な、最終に近い第二次設計にいよいよ入られるというようにわれわれは受け取るわけなのです。しかも、地区までもすでにおきめになっておる。ところで、たとえば原電と電発の二社にユーザーとしての関係部門を委託しておられるように承りましたけれども、そういうふうな設計段階を経ていよいよ原型炉がつくられた場合に、それを運転委託されるのはやはりこれらのユーザーというか、これらの会社でございますね。そうだと思います。そうすると肝心の原子炉自身の設計については、第一次設計においても第二次設計においてもユーザーのほうはいわばノータッチの状態だとわれわれは判断いたします。原子炉自身については全然ノータッチであるけれども、今度、原型炉が組み立てられてでき上がったその原子炉の重要な部分を含んでの全体的な運転というものは、こうしたユーザーがやらなければならない。そのユーザーの人たちは、原子炉自身については、先ほど申しましたように、何ら当初の設計からタッチしていないわけです。はたしてそれで完全な運転ができるであろうかどうかという点に若干の懸念を感ずるわけですが、いかがですか。
○清成参考人 いまお話しのように、かりに――かりにと言っちゃ非常にまずいのですが、必ずですけれども、これは、結局、原型炉というものはでき上がると思います。でき上がりましたときには、いまおっしゃったように、これは運転をしなければならぬ。しかも、先ほどお話がありましたような、これは原子力船と違いまして、かりにも二十万キロに近い発電をするものでありますから、どうしてもこれは特定のユーザーに運転をお願いすることになると思います。 これはまあわれわれは、臨界に達しまして、そうして今度は必要な実験研究をその炉でやりまして、それがやって終わりますというと、事業団のほうは、これはもう任務終了ということで、それからはその原子炉は政府のほうで、どういうふうに処置なさるかは、そのときにいろいろお考えになると思いますが、まあ、私が簡単に想像しても、いまおっしゃるように、どこかの電力会社に払い下げるということにおそらくなるんじゃなかろうかというふうに思いますが、そのときには実際にやっていただかなければならぬ。 そこで、われわれ、これをつくりますときから、おっしゃるように、原子炉部分に対しても十分知識を持っていただきたいというふうに考えますので、われわれが第二次設計をやりますのに設計会議というのをもちまして、そうして、メーカー、それから事業団、原研、こういうようなところが集まって設計会議をやりまして、連絡調整をやりますが、これには必ず原電、電発の方にも御参加を願う。そうして、実際の原子炉部分がどうなっているかということは始終知っておっていただくという方法をとっております。そういうようなかっこうで、原子炉に対しましても後々十分運転ができるというかっこうに持っていけるというふうに考えております。 ただ、これに対しまして、これはユーザー側のお考えを全面的に取り入れるわけにはまいりません。それは、事業団としては、あくまでこれは原型炉なんです。実用炉ではないということでございますので、ある程度の御不便というか、実際に営業をしていく上については多少の御不便はあっても、あくまで原型炉としての役目というものを曲げるわけにはいかないというふうに考えておりますので、この点は、原電、電発さんもよく御承知のはずで、われわれこの原型炉のフィロソフィーというものを三者でよくお話し合いをしたわけでございます。
○吉田(之)委員 三者で話し合いはなさった。ところが、設計そのものは、やはりメーカーに委託すべき部分はあくまでも炉心であるとか、そういう部分、心臓部である。そうして、ユーザーにはその他の部分を設計させる、これはまあ委託でございますけれども。したがって、いろいろ協議はするけれども、具体的にその設計の細部にわたってまで立ち会っているのかどうかという点がやはり心配なんですね。立ち会っていないままに、今度は、オーソライズされたいわゆる事業団の設計に従って原型炉が組み立てられていく。これはもうそのとおり忠実に組み立てられなければならないと思うのです。ところが、実際運転をしてみると、いろいろと性能やコストの面で計画どおりにいかない問題が非常に多く出るはずなんです。これはひとり原子力発電に限らず、われわれの知っているところでも、いままでのおよそ発電所というものは、絶えず運転していく中で思わざる性能の誤算が出たりいろいろな変化が出てきておって、それが絶えずトラブルの種になっているわけなんでございます。こういう場合に、この原型炉、それからやがてさらにもう少し大きい実証炉がつくられるだろうと思うのですけれども、そういう過程において生じた誤差であるとか見込み違いであるとかいうようなことに対する一切の責任は、当然事業団自身が持たれなければならないですね。その辺のところをよほどいまの間に委託すべきメーカーやユーザーにもはっきりと、責任の所在はこうだ、その間、しかし、相なるべくは、あとでそういういろんなトラブルが生じないように事前にどのような協議をするか、また、設計段階においてお互いにどのような交流をするか、また、組み立てていく中で事業団自身がやはり中に入って十分監督し、チェックしておかないと、設計どおりと約束が違うではないかというふうなことで責任回避が起こったり、非常につまらない問題が起こりますと、これは動力炉の将来の開発に非常に当初に大きな支障を来たすことになりはしないかという点をわれわれは非常に案ずるわけなんですが、その点、いかがでございましょうか。
○清成参考人 おっしゃるように、このATRの建設にあたりましては、先ほど述べましたように、このATRというものは、推進本部でデザインフィロソフィーをきめたものであります。したがって、それを引き継いだ事業団でデザインフィロソフィーというものをきめたものなんであります。したがって、メーカーが自主的にきめたものではございません。それからまた、従来炉のように、導入ベースでやっているものとは違いまして、これは自主開発を主眼にしておりますので、未知の分野の研究開発、こういう要素は非常に多いわけであります。したがって、このATRにつきましては、システムとして、またプラント全体としての性能並びに未知の開発については、事業団が全責任を負うことになります。これはもうはっきりいたしております。それからまた、この事業団は建設費、それから工程の関係、こういうふうなものについても、これはもう当然政府に対してオーバーオールの責任をとらなければならぬということははっきりいたしておるわけでございます。 そこで、事業団は、まあこういうところでだいぶ言われましたけれども、いわゆる参謀本部というような性格を議論されましたが、参謀本部的性格で、少数精鋭をわれわれ目的とはしておりますけれども、重要問題の判断や決定はどうしても自分で責任を持って行なわなければならぬというだけのかっこうで、キーメンバーはそろえておるつもりでございます。したがって、事業団としてはこれらに対しては十分責任をとります。 それから今度は、メーカーは、いまのようなかっこうで、システムやプラントとしての責任はとりませんけれども、しかし、製作設計を含めた製作技術については、あくまでこれは責任を持ってもらわなければ困る。これはもう当然のことでございます。まあこの製作にあたっても、いろいろ未知の開発でありますから、設計会議等を持ちまして、メーカー、事業団、それから原研あるいは原電、電発、こういうのが集まって、メーカー相互間の調整をやっていくということにこれはなるわけでございます。 それで、いまのユーザーとしての電力会社の方が、実際問題として原子炉ができてしまいますというと、思ったとおりにいかぬというようなことは、これはもう十分われわれが責任をとりますが、おそらくこれの処置はどういうふうになりますか、これはまだきめてありませんけれども、たとえば、性能が非常に違ってくるというようなことが起これば、あるいは払い下げの値段がどうなるというようなことにおそらく影響してくるんじゃなかろうか、これは私の想像です。そういうふうなことでもしなければこれはおさまりがつかぬわけで、多分そうなるんじゃなかろうかという、これははなはだ私的なことでございます。 それから、先ほどちょっとお話がありました、一一の設計に立ち会っていないというお話、これはボイラーでもタービンでも、一々の設計には電力会社はお立ち会いにはなってはいない。当然これはメーカーを信頼して、でき上がったものの実際の組み立てのときにいろいろお立ち会いになる、あるいは据えつけのときにお立ち会いになる。そうして順序もお考えになるし、運転方法もマニュアルで御習熟になるということで、私は十分目的は達せられるというふうに思いますので、そこら辺の意思の疎隔というものは起こり得ないと考えております。
○吉田(之)委員 いろいろとこれからも実際実施していく中で、なかなかに微妙な問題が出てくるだろうと思います。断じて責任は事業団がとるという決意、覚悟のほどを承りました。 そこで、私は清成副理事長にちょっといやみを申し上げたいのですが、確かに責任はとられそうだ。これは事業団結成の当初から法的にもはっきりいたしております。しかし、はたしていまできて動き出した事業団が責任をとる、とるというけれども、ほんとうに責任をとってくれるような体制にあるのだろうかというふうな懸念がいささかわれわれの中にあるわけなんです。一つの例を申し上げますと、たとえば、この事業団ができる前、国会でいろいろわれわれが審議をいたしておりましたとき、当時の原子力局長は村田さんでございましたね。そのとき、わが党の佐々木委員が、ところで村田さん、あなた、事業団へ行くのじゃないんですか、原子力局としてしっかりこちらのほうで見守るのですかなどと、いろいろ言っておられたのです。さっそく、事業団ができて、そして今後はその事業団のほうの、たしか理事になられたわけですね。まあまあいいわと、こう思っておりましたら、今度は一年もたつかたたないうちに、そのいわば中心人物である村田さんが原研の副理事長になっておられるわけなんですね。このようにして、いわば中心になってつくった人たち、つくった当初から大に責任を持ってくれるであろうとわれわれが想定している人たち、それが一年、二年の間にどんどん、どんどんとかわっていかれる。それは何も人がかわったから全部だめだろうなんて言ったら、たいへんそれは幹部の方々に失礼ではございますけれども、やはりこの当初を見守っているメーカーやユーザーや国民の側から見ますと、何かお役人の方が、つい普通どおりにすらすらっと通ったり、くぐり抜けたりしていかれるにすぎないものなんだろうかというふうな気がするわけなんです。非常に長期にわたって、非常に大きなビッグサイエンスと取り組んでいかなければならない中核的な事業団が、このような人的構成や配置でいいんだろうかというふうな気がいたしますが、いかがですか。
○清成参考人 いや、どうもおそれ入りました。あまりおそれ入りもしないのですけれども……。(答声)これは確かに事業団としては、村田さんは生みの親でもありました。ほんとうに村田さんはこれに取り組んでもらえるものと私は信じておったのでございますけれども、たまたま原研の理事長、副理事長の任期の問題がありまして、どうしても日本の原子力界のために村田氏を割愛してくれという、これはお役所からのたってのお話なんです。そういうふうなお話なんで、これはやむを得ずして割愛をいたしました。しかし、これは村田さんも原研に行かれて、原研がほんとうによくなるということでございますならば、われわれもこれはきん然として出さなければしようがないというので思い切ったわけでございますが、いまおっしゃるような点も十分考え合わせましたので、私は局にも非常な御無理を申し上げ、大臣その他にたいへんなお骨折りを願いまして、村田さんと実質上ほとんど一緒に推進本部のときからこの問題に専心に取り組まれた武安局長を後任の理事として迎えたわけでございます。したがいまして、私はそのために事業団のいまの力が弱まったとは考えておりません。 なおまた、増殖炉の担当の理事としましては、最初から実は大山教授を予定しておったのですが、これは文部省の関係と事業団法の関係で、なかなかこちらに勤務をするということができなかった。それで本年の四月からはいよいよ実験炉の段階に差しかかって、増殖炉というものをこういうふうな片手間でやるわけにはどうしてもまいらぬという、それは大山氏自身の決意もありまして、東大を退官されまして、四月一日からは事業団の専任理事として増殖炉を担当されるというような形にもなっております。ますます、実は御指摘のように責任をとる体制が弱まったのではなくて、私は逆に強まったと考えておるわけでございます。
○吉田(之)委員 まあ個々の人事の問題につきましては、われわれもとかくのことは申しません。ただ、われわれしろうとから見れば、あるいは一般国民から見れば、やはりそういう気もしないではありませんよという程度のことを申し上げておきましょう。大臣もその点お聞きのようでございますから、今後そういう点でさらにひとつ格段の配慮をしていただくべきであろうと思います。 ところで、新型転換炉については三年目にチェック・アンド・レビューをやるということにきまっておりますね。そういたしますと、事業団ができ、新型転換炉に着手されて、そろそろ三年目に近づいてきていると思うのです。この三年目とは昭和四十四年となるのか、四十五年となるのかという問題が一つ。 チェック・アンド・レビューをいよいよ実際ことしからやられるとするならば、だれがチェック・アンド・レビューをやる主体なのか、それから、どういう項目にわたってやろうとしておられるのか、その辺のところを、時間がございませんので、簡単でけっこうですから……。
○梅澤政府委員 最初のチェック・アンド・レビューの時期でございますが、これは四十四年、ことしやることになっております。六月ごろかかりまして、十月か十一月ごろにはしたいと思っております。 やります方法でございますが、これにつきましてはいま検討中でございますが、科学技術庁といたしましては、原子力委員会としてやっていただきたい、こういうふうに思っております。 なお、やります項目につきましては、当然新型転換炉の現在から見た経済性、それから核燃料資源の有効利用の寄与度あるいは技術的進歩の可能性等、現在そのチェック・アンド・レビューとしての項目を整理中でございますが、大きく言いますと、そういう点についての評価を原子力委員会でやっていただきたい、こう思っております。
○吉田(之)委員 長官にお尋ねいたしますが、いまお聞きのとおり、まだ第二次設計を委託した段階でございます。しかも、チェック・アンド・レビューをこの六月からやらなければならない。まあちょっと言いにくい表現ですが、まだほとんど緒にもついてないと言っても言い過ぎでない段階で一体、何をチェックしようとすのるか。 それからもう一つは、そのチェックをする当事者は原子力委員会であると聞きましたが、それでは科学技術庁みずから、あるいは通産省みずからはこのチェック、アンド・レビューには参画しないのかどうか、あるいは原子力委員会がチェック・アンド・レビューをやったあとでそれが関係各省庁にどのように協議されるのか、初めてのことでございますので、長官のお考えをお伺いいたしたいと思います。
○木内国務大臣 お話がありましたが、ただいま原子力局長が申しましたように、原子力委員会においてやってもらうということは、同時に、これは科学技術庁においてそれに対して責任を持つということでございます。
○吉田(之)委員 それでは、動力炉の将来について非常に関係の深い、また、総合エネルギー政策として一番責任を負わなければならない通産省というものは、この種の問題には何らチェック・アンド・レビューに参与しないのですか。
○本田政府委員 通産省としては直接参加はいたしませんが、電力業界からは参加いたしまして、検討に入るということになります。 ただ、その際、われわれといたしましては、これが実用化されるということを最終の目的といたしております。実用化のためには、先ほど原子力局長からも話がありましたが、経済性、技術性の観点から実用炉に進む可能性というものを冷静に、客観的に判断して、そしてチェック・アンタ・レビューの結論を出すべきである、こういうふうに考えておる次第でございます。
○吉田(之)委員 ちょっと、いま公益事業局長、何とおっしゃったのですか。直接はチェック・アンド・レビューには参加しない。それから、原子力委員会が参加されるし、また、電力業界も参加されるから、その意見を聞いて、そしてチェックするというのですか。どうも私はわからない。 電力業界と通産省とは一緒じゃないですよ。全然別の立場なんです。電力業界はむしろ、非常にリスクの伴うであろうこれからの新しい動力炉の開発、しかも、それに協力しなければならないけれども、まだこの第二次設計の緒につきかかっている今日の段階で、実はいろいろと戸惑いがあるはずなんです。協力したいという気持ちと、しかし、やはり株式会社としての限界がございまして、その辺で一体通産省がこのチェック・アンド・レビューに対してどういう態度で臨んでくれるのであろうか、どういう心がまえ、バックアップの姿勢をもって臨むのであろうか、臨まないのであろうか。ただ冷静なる第三者として客観的にながめているだけなんだろうかというふうな問題が一番のかぎになってくると私は思うのです。しかるに、いまの御答弁では、それは何らそういう心配に対して解決を与える態度にもならないし、参画する姿勢をとろうとする意欲も感ぜられない。初めてのことでございますので、まだ結論は出ていないと思いますけれども、どうですか、清成さんのお立場から一言――いろいろ、長官もみんなお答えいただきたい。
○本田政府委員 少しことばが足りなかったようでございますが、今回の新型転換炉の自主開発につきましては、基本方針にもございますように、関係業界の総力をあげてやろうという考え方でございます。通産省としては、これの実用化が実現することを大いに期待しておるわけでございます。そういう意味で、この転換炉のチェック・アンド・レビューに際しましても、実用化できることを期待し、推進するという考え方で、しかも、技術的、経済的な観点から十分実用炉にまで進めるという可能性を、冷静な判断をして評価を行なう、こういうふうに考えております。
○清成参考人 私をお名ざしでございましたけれども、実はチェック・アンド・レビューはわれわれのほうは願い奉ってやるのじゃないのです、正直に申しまして。これは、われわれは総理大臣のきめられた基本方針、基本計画に従ってどんどん作業を進めてまいります。そうしまして、いまのところ四十五年度から着工しなければ、基本計画できめられた四十九年度の臨界というところにはいかない。したがって、現在は四十五年度着工ということで、諸種のもの、研究なりあるいは設計なりその他のものを進めておりますけれども、そうなりますと、四十四年度にどうしてもあの法律できめられたチェック・アンド・レビューを済ましてもらわなければ困るというのが事業団の立場でございます。 そこで、チェック・アンド・レビューは、先ほどちょっとおことばの中に、まだ緒についたばかりで、何をチェックするんだというお話がございましたが、原型炉に着手するときにはチェック・アンド・レビューをするということで、原型炉にほんとうにかかるときにもう一ぺん、最初に総理大臣が決定した時点から、いままでの間に諸外国の進みぐあい、それから国内の情勢、こういうようなものを振り返ってみようじゃないか、ばく大な金を使うのだから、もう一ぺん振り返ってみるべきだというのが趣旨だと思います。したがいまして、先ほどちょっと局長から触れられましたような項目、現在の時点では、私は、もしチェックする重要な基準、適切な基準ということになりますれば、私はやはり、在来型炉ですね、軽水炉商用の軽水炉と、こういうATRを、商用程度の炉をつくったときにどういう経済性があらわれるかという、この比較だと思います。 それからもう一つは、ATRはおくれますと問題にならない。したがいまして、われわれが所望の時期に、ちょうど四十九年臨界というような形でできるかどうかというチェック。それからもう一つは、自主開発をやっていきますのに、これは原子力の産業に非常な底力を与えるという、この技術基盤の確立ということは私は非常に大事な問題であると思います。 それからもう一つは、自主開発をやります結果、これは輸出産業として非常に大きなメリットが国として考えられる、そういうふうな見通しが期待できるかどうかというチェック。 それからもう一つは、先ほど局長からお話のありました核エネルギーと申しますか、最終的な考え方、利点。 こういうものがチェックの要点だろうと思うのでありまして、現在でも十分チェックができると私は考えております。
○吉田(之)委員 チェックのしかたについて、いま副理事長からいろいろ承りました。技術的な面、あるいはこの研究開発を促進しようとされる事業団の立場からいえば、これは実に明快です。私どもは、事業団はそうなければならないと思うのです。 しかし問題は、断固進めるんだ、おくれていれば取り返し、間違っていれば直して進むんだ、これは事業団のほうは簡単ですよ。長官のほうもわりと簡単です。しかし、ほんとうのチェックは、そういうほうだけのいろいろな修正やチェックだけではなしに、この新型転換炉はいわゆる経済性の面で十分成り立っていくであろうか、将来日本において電力業界がどんどんこれを使用していくであろうかというのが一番大きな問題なんです。これをチェックするのは、原子力委員会ではどこまでやるかという問題ですね。われわれから考えれば、原子力委員会が総合的に全部見ておられるはずですけれども、やはり意欲としては前に進みたいという気持ち、このほうがうんとウエートがかかってくるだろう。通産省のほうは、できるものがほんとうにコマーシャルペースに合うのだろうか合わないのだろうか、これが非常に気になるだろうと思うのです。この辺でやはり通産省と科学技術庁とが、原子力委員会を頂点として、どのようにお互いに衆知を集め、調整をしながらチチェックしていくか。また、現段階においてなお進めなければならないとするならば、メーカーやユーザーにも大いに協力してもらわなければならないけれども、通産省自体もどういう態度で臨まなければならないか。この辺がはっきりしないと、民間だってついていけないですよ。損でも得でもいいんだ、やらなければならぬ。日本のためだといっても、そんなわけにいかないですよ。長官、どういうふうにお考えですか。
○木内国務大臣 お話しの点、ごもっともな点もあるのでありますが、この炉型を選ぶにあたりましては、原子力委員会は非常に慎重な検討を加えたわけです。内外の開発の状況などを見まして慎重に検討した結果、先ほど清成参考人がお話し申し上げたような、いまの形を選んだわけであります。そこで、私ども、いまにおきましても、また原子力委員会におきましても、国内の状態あるいは外国の新型転換炉の開発の状態などから見まして、私どもはこの形が経済的に見ても断然優位であるということを確信して疑わないのです。ただ、念のために三年ごとにチェック・アンド・レビューするということであるので、一応これをひとつチェックしてみよう、こういうことでありまして、私どもはあくまでもこの優位性は確信いたしており、また、事業団においてもかたくそれを信じておられると思います。通産省においても同様だと思うのです。
○吉田(之)委員 確信する点では、われわれも人後に落ちません。成功を祈るという気持ちでは、お互い人後に落ちません。しかし問題は、これでもチェックしようというのは、それはそれとして、やはり冷静にいろいろと判断しなければならないというのが科学の精神なんですよ、長官。 そこで、通産省のほうにお聞きいたしますけれども、長官のごとくわれわれも信じて疑いませんけれども、しかしやはりいろいろ多少のおくれや見込み違いが出てまいります。少しは民間のほうもこれについてくるのはなかなか苦しい点があるかもしれない。そういう事態が起こったときに、それでもひとつ通産省も大いにバックアップするからやりなさいというぐあいの気持ちをもって臨むのか、いや、われわれはあくまでも原型炉ができ、実証炉ができ、そして実用炉に変わっていったその段階で、よければお手伝いをしますよ、どうせいろいろとリスクを伴ってなかなかにおくれるようなら、通産省としてはストップをかけてもいいですよというふうな態度なのか、お考えはそろそろきまっておらなければならないと思うのです。公益事業局長、いかがでございますか。
○本田政府委員 御指摘の点がどういう程度かということも問題であろうと思います。しかしながら、先ほども申し上げましたように、自主開発による新型転換炉の実用化というのは、日本の技術水準あるいは原子力発電の態様、燃料サイクルの確立の一助になるというような点からいきますと、これが成功するというのはきわめて重要だ、そういう意味で、問題がありました点は解決をしつつ前進するという態度であるべきだ、こういうように考える次第であります。
○吉田(之)委員 いろいろとこれから具体的にそういう段階に入ってくると思いますので、またその機会をとらえて、皆さま方の検討のされ方に対して、国会としてもいろいろと御意見を申し上げさせていただけると思いますので、一応きょうのところは、チェック・アンド・レビューにつきましては、ごく大まかな皆さま方のお考え方だけを聞くにとどめておきます。 ところで、いま燃料サイクルの問題が出ましたので、だいぶ時間がございません、いろいろ予定いたしておりますけれども、ちょっとこの問題だけ触れて終わらしていただこうと思うのです。 実は四月七日の朝日新聞によりますと、ウラン濃縮でアメリカが民有化を早めるというような見出しで、アメリカはいまガス拡散法によってウラン濃縮を進めているようでございますけれども、これがアメリカにおいても、当初の計画よりも原子力発電の需要がうんと伸びそうだ、それに対応していく意味でも、また、ガス拡散方式による濃縮ウランの製造工程においても多少の成果をすでにおさめて、あとは民間にまかせられるであろうというような見解から、こういう措置に移ってきたのではないかというふうにわれわれは憶測いたしております。 そこで、問題は、こういう動きが日本のこれからの濃縮ウランを確保していく点において何らかの影響を与えてこないであろうかという問題が一つ、それから、日本においても、まだ少し先の問題ではございますけれども、濃縮ウランの加工の進め方においてはこのような形をだんだんとらなければならないのではないかという問題が一つ出てまいるわけでございます。アメリカの、このウラン濃縮の技術を公開して、そして、その製作を民有化させていこうではないかというような考え方が、今後の日本の、いま申しましたような問題にどのように関連するであろうかという点につきまして、どなたかお考えになっているはずでございますから……。
○梅澤政府委員 最初のウラン濃縮から起きます燃料問題でございますが、これにつきましてはいろいろ御質問をいままで受けておりますが、まず、これからできます十三基の発電炉、これの必要としますウラン百六十一トンにつきましては、一応政府との打ち合わせでこれは入り得るという考え方でございます。しかし、その後昭和六十年代に四千万キロワットというぐらいになるという予測がございますが、それに伴いますウランの量につきましては、当然これから先、獲得策と申しますか、その点についての検討を十分進めなければいけないという点が残っております。 それから、濃縮ウランの研究でございますが、これにつきましては御存じのように拡散と遠心分離と二つの方法がございます。この二つの方法につきましては、現在まだ基礎研究の段階でございますが、四十七年ごろには何とか実用化に持っていく方針が立てられるのではないか。四十七年ごろにその決定をさせていただきまして、できるならばどちらか一つの方法で進んでいくという方向にいきたい、そういうふうに考えております。
○吉田(之)委員 四十七年あたりでウラン濃縮の方法については一つにしぼっていこうということは、昭和四十三年六月二十日にきまっているようでございますが、日本の場合考えられる三つの方法、隔膜濃縮と申しますか、ガス拡散法、いま一つは遠心分離法、それからノズル分離法の中で、日本の国情を考えても比較的小型のプラントでも始められる方法は、むしろ遠心分離法やノズル分離法なのではないかというふうなこともわれわれは承っております。いろいろといま理研のほうがガス拡散法で多大の成果をあげられた点もわれわれは注目いたしております。アメリカのこのような動きもございます。ひとつ長官といたされましても、この辺のところ、さらに早急に一つにしぼっていく方法にたどりつくように一そうの御努力をお願い申し上げたいと思うのです。 同時に、最後に、アメリカにおいても原子力の需要というものは予想以上の異常な伸びを来たしております。日本においても、おそらく同じことが言い得るだろうと思うのです。これから三十年間に、日米協定によりますウラン二三五の量百六十一トン、そしてプルトニウム三百六十五キログラムだけでは、とてもまかない切れないのではないか。いろいろと民間のほうで自主的に進めろという指示もなさっておりますけれども、そうした点で一言聞いておきまして、あと近江委員がお待ちでございますので、またの機会に譲らせていただきたいと思います。
○木内国務大臣 いまお話のありました濃縮の方法、これは原子力局長から御答弁申し上げましたように、また、先般もここで御答弁申し上げたと思うのですが、ガス拡散法、それか、あるいは遠心分離法ですね、これはいま基礎研究ですけれども、四十七年ごろまでには大体の目鼻がつくだろう、そのころにできれば一つにしぼって、そしてやっていきたい、かように思っております。 それからウランの確保の問題、これは、先ほど石川委員にもお答えいたしましたように、私どもも非常に心を砕いておるわけなんです。そこで、通産省とも十分に連絡をとりまして遺憾なきを期してまいりたい、かように考えております。
○石田委員長 次に、近江巳記夫君。
○近江委員 四月二日に私は本委員会におきまして原電の汚染の問題を取り上げたわけでございますが、その後もいろいろと、三名の汚染者が発見されたとか、そういう事故が起きておりますが、放射能に汚染された作業員がノイローゼのようになって、近所の人も非常に避けておるとか、あるいは婚約がこじれたとか、これはうわさだと思いますが、そういうような話も出ておりますし、一般の住民も非常に不安がっておる。われわれとしてもその点をさらによく原因等を調査したい、こういうことで、昨日公明党として調査団を送ったわけでありますが、きょうは時間があればいろいろな点でお聞きしたいと思ったのですが、時間の関係もありますので、ごく一部分になると思いますが、お聞きしていきたいと思います。 私の前の質問で、安全管理を私は特にお聞きしたわけでございますが、それにつきまして、総点検をやって不備な点があればさらにそれを改善したい、こういう御答弁がございました。その後、どういう点検をやり、どうなったか、それをまず初めにお聞きしたいと思います。
○梅澤政府委員 まず最初に四月二日に原電の幹部の方に来ていただきまして、総点検するような指示をいたしましたし、それとまた、今度の問題で十分調査をするようにと申し上げました。それで調査中のところに、追っかけ四月五日に、やはり大臣から書類をもってこれはやったほうがいいということで、四月五日に書類をもって、総点検してその報告を早急に出すようにということで、現在向こうがそれに対する処置をとっているところでございます。間もなくその報告が参りまして、われわれのほうもそれに対す措置をとりたい、こう思っております。
○近江委員 それでは向こうから報告があるのを待つという態勢でありますね。 ここで一つお聞きしたいのは、一般の人と職業人といいますか、その辺の区別というものはどうなっておりますか。あの事故のときに、しろうとのような作業員にプールのペンキ塗り作業等をさせた、いろいろなそういうことがあったわけです。一般人と職業人と、この基準というのはどうなっておりますか。
○梅澤政府委員 一般人と職業人につきましては、ICRPにおきましても、職業人のほうの十分の一が一般人に規定されております。それはなぜかと申しますと、一つ考えられますのは、一般人の中には子供等がおります。したがいまして、そういう感受性の強い子供がいるということが一つでございますし、それから、一般人の場合には健康管理を受ける保証がなく、また、被曝のモニタリングを受けておりませんので、そういう関係から十分の一という考え方をとっております。
○近江委員 その一般人は五百ミリレム、職業人は五レム、これは一年間でありますが、この数値は間違いありませんか。
○梅澤政府委員 これは分けてまいりますと非常にいろいろございますが、職業人の中に従事者と随時立入者とございます。その職業としての従事者につきましては三カ月で三レム、これは全身でございます。それから皮膚で見ましてハレム、三カ月でございます。それから随時立入者、これにつきましては、年で一・五レムでございます。これは全身のほうで、先ほどの三レムに対照してございます。それから、皮膚のほうにつきましては三レム、年でございます。それから一般人につきましては、先生のおっしゃいましたとおり、〇・五レム、年でございます。
○近江委員 この職業人の定義というのは非常に不明確である、このようにいわれておりますが、職業人を一応どういうように定義されておるのですか。
○梅澤政府委員 職業人として考えました場合に、従事者というのは当然きまっております。「「従事者」とは、原子炉の運転又は利用、原子炉施設の保全、核燃料物質又は核燃料物資によって汚染された物の運搬、貯蔵、廃棄又は汚染の除去等の業務に従事する者であって、管理区域に常時立ち入るものをいう。」ということで規定しております。 それから、随時立入者につきましては、時に応じてその管理地域に立ち入りする者をいっております。そのほかの者は一般で取り扱っております。
○近江委員 そうしますと、この太平電業の人が事故を起こして汚染したわけでありますが、大体この下請者は約百人、このように聞いておりますが、この人たちは職業人なんですか、その辺のところを明確にひとつお聞きしたいと思います。
○梅澤政府委員 労働基準法の問題でございますが、これは職業人として扱っております。ただ、全員と言われますと、その点は、向こうで雇用しております人間が管理地域に入るその度合い等で、一般人で扱う場合が一部にあると思います。しかし、その管理地域との関係から主として職業人で扱われていると思います。
○近江委員 まあ一応職業人、しかし実際この作業員は何の仕事をやるかわからないうちに回されたというような、そういうあきれるようなことを言っておる人もおるわけですよ。先ほど定義をおっしゃった、これだけの内容を訓練も受けやっておる人であるならば、そんなことはたとえ冗談でも出てこないはずです。だれだということは私は別に言いませんけれども、そこに一つそういうずさんな問題がある。そこで職業人であれば被曝線量の通知をしなければいけませんが、これは個人別にやっておりますか。 〔委員長退席、石川委員長代理着席〕
○梅澤政府委員 職業人でございますと、やはり仕事の関係から管理地域に入ります。したがいまして、計画被曝と申しますか、被曝は受ける形になります。それについてはフィルムバッジ等をつけまして、常にその個人の被曝の量というものははかられて記録されているわけでございます。
○近江委員 これは、それを個人に知らさなければいけないんでしょう。個人に知らされていますか。
○梅澤政府委員 下請者の場合には、その下請者の会社、この場合は太平電業でございますが、そこにその通知は出しております。
○近江委員 会社から個人に知らされておりますか。
○梅澤政府委員 その点につきましても、私のほうで注意いたしておりまして、先般もそういうことを十分徹底して通知するようにということを申しております。 それからもう一つは、そういうことを自分でも考えなければいけないということで、指導を十分やるという研修体制を整えるということをいま進めております。
○近江委員 それは、事故があったからこうしなさいという指導でしょう。実際その時点で知らされておったかどうかということを私は聞いておるのです。
○梅澤政府委員 実はあのとき、やはり問題として、不注意と申しますか、さくを越えて入ったという例もございまして、そういう点から考えますと、個人の方が非常になれて、そういうことをあまり気にしなかったという点があると思います。それから、会社の中でも、会社も個人に十分それを普及徹底していたかどうかという点にはある程度の疑問がございます。そういう点、今度の場合、管理規程に基づきます、こまかい実施要領と申しますか、その点にある程度の問題がございますので、その点を十分これからはかっていくという考え方で進みたいと思っております。
○近江委員 そうすると、知らしてなかったという事実もあるととっていいんですね。 〔石川委員長代理退席、委員長着席〕
○梅澤政府委員 その点については、私も、知らせなかったという事実があるという明快なるあれはできませんが、私たちがいまこの場で考えますと、確かにそういう徹底がなされていなかった点があるのではないか、そういうふうに考えております。
○近江委員 それから、この太平電業の作業員のセーター等まで汚染されておった、そういうわけで、それを原電が引き上げた、洗たくしたところがぼろぼろになってしまった、そういうような事実も明るみに出たわけでありますが、あのときにほんとうはセーターとか一部しか出なかった。実際、原電がその六名の汚染者から――あるいはその後も私は新事実はあると思うけれども、それはあなたのほうから聞きましょう。どういうものを引き上げましたか、これは回収したリストを言ってください。
○梅澤政府委員 ちょうどあのころに下請業者から入っていました外部の人たちの数が約二百名ございます。その二百名につきましては、十分これを徹底するということで、太平電業にも通じまして、できるだけその衣服を出すようにということで、現在約三千点の衣服、くつ等が出ております。それをいま検査中でございます。
○近江委員 現在検査中で、中間の報告等はできませんか。
○梅澤政府委員 もうすでに大体九〇%程度は調べ上げております。 なおまた、この三千点のほかのところについても、まだ出していないところについては十分とるようにという努力をしております。現在のところでは、まだそのあと続けて、どういうものがあったということはございません。
○近江委員 それで検査でありますが、先ほど二百名とおっしゃった、それは作業員でしょう。この原電の職員等は検査をしましたか。また、検査をすれば、その結果を聞きたいと思います。
○梅澤政府委員 この二百名の中にも原電の職員は含まれております。ただ、原電の職員につきましては、作業場に入りますときに、前々から従業員は全部着かえて入るという形で、その管理地域へ入る前から作業衣に着かえるという形で進めております。その関係で、原電の従業員については、前々からの管理は十分にいっていると思っております。
○近江委員 二百名の中に原電の職員は全部入りますか。それじゃ作業員も含めて数は合わぬですよ。その点、もう少しはっきりしてください。
○梅澤政府委員 二百名中には、その当時原電の従業員でそこへ入ったというのが、現在確実な数字をとっておりませんが、数十名その中に含まれておるはずでございます。
○近江委員 これだけの汚染事故を起こしておいて、原電の職員全部を検査しなかったのですか。それはどうなんですか。そういう事実は報告を受けておりませんか。
○梅澤政府委員 原電では、汚染区域に入っておる場合は当然調べます。あと定期検査をいたしております。入っていない者は定期検査だけでございます。そういう関係としては、定期的検査を進めております。
○近江委員 そうすると二百名、あなたがそうおっしゃったから、そうとっておきましょう。そのうち約九割調査したわけでしょう。その結果はどうなんですか。詳細に答えてください。
○梅澤政府委員 正確な数字はまだ持ってきておりません。しかし、現在私が聞いておるところでは、この中でわずかでございますが、ある程度の汚染的疑義があるものが百点くらいあるというような様子を聞いております。
○近江委員 職員の中で汚染した者はおりませんか。聞いておる、それがあれば言ってもらいたいと思います。
○梅澤政府委員 職員の中でだれかという区分はいたしませんでした。もう間もなくそれははっきり出てまいりますが、現在のところ、職員の中で特に汚染がひどかったということは聞いておりません。
○近江委員 それはあとでもう一ぺん聞きます。 それから、破損燃料を取り出して冷却をどのように行なっていったか。これの作業工程というものを簡単に答えてください。わかりませんか。
○梅澤政府委員 これは、一番問題は燃料の温度が上がらないことでございます。したがいまして、出しますとすぐそれを器に入れまして、それを密閉しておいて、それを池の中に入れて保管するという形をとっております。
○近江委員 そうしますと、燃料を厳重に密封した容器に入れるわけでしょう。それが今回の汚染の場合において、ストロンチウムなどが入っているということは、これは結局破損燃料は裸で入っておったということが一つは推定されるのですけれども、この辺はどう考えますか。
○梅澤政府委員 いま原電で使っております燃料につきましては、保管には非常にむずかしい燃料でございます。したがいまして、それを池に入れましてためます場合に、ある程度出るということはあると思います。したがいまして、池の水を常に循環させまして、それからイオン交換樹脂等でその汚染量を除いているわけでございます。
○近江委員 それから、水でありますけれども、これは千五百トンあったわけでしょう。この水は、どういうようにして処理したのですか。
○梅澤政府委員 水につきましては、当然これはフィルターにかけまして、そのフィルターで汚染度を取りまして、それで一般の放出と同じように放出しているわけであります。
○近江委員 結局、排水の問題につきましては、千五百トンもの水を流すわけでしょう。ですから、イオン交換樹脂方式の放射能のこういう吸着能力というものにも当然限界が出てくる。ですから、放射能を十分に消さずに放水された疑いが非常に濃いわけですよ。その点、科学的にこのようにしてやりましたと、あなたはおっしゃっておりますけれども、あなたはその千五百トンの水についてはっきり確認をとりましたか。その点はどうですか。
○梅澤政府委員 こういうものにつきましては、当然初め原子力発電をするときには安全審査というもので検討されておりますし、それからあとは管理基準がございまして、この管理基準で、これ以下でなければ放出してはいけないということを守っております。その関係としては十分だいじょうぶである、私はそう信じております。
○近江委員 ところが、局長、安全管理にしても何にしても、このように徹底しておりますというしりから事故がいろいろ出ているわけですよ。したがって、あなたも、この規程に従ってやっているから安全と思いますと言っても、いままでのそういういろんなケースがあるから、われわれとしては非常に不安なんです。こういう点は厳重にもう一回追跡調査をしますか、その点はどうですか。
○梅澤政府委員 先ほど申し上げましたように、先般四月五日にわれわれはその安全管理全体に対しての見直し等にいっております。その中に当然含まれておりますので、その点においてこれは検討したいと思っております。
○近江委員 それから、個々に聞いていきたいと思っておりますが、作業員の終業時における汚染チェックというのはどのようにしておりますか。
○梅澤政府委員 作業員が管理地域に入ります場合には、作業衣を着ます。その作業衣にはポケットチェンバーがついております。そのポケットチェンバーで線量をはかります。それから、出ます場合には、作業衣を脱ぎまして、それからカウンターがございます。カウンターではかって出ていくという形をとっております。
○近江委員 測定器ですけれども、ハンドフットモニターですね、これで要するにオーケーだったものがチェックポイントでひっかかっている例というのはありませんか。
○梅澤政府委員 今般の問題が、実はそこにございます。というのは、初めハンドモニターで簡単にはかった場合と、十分ゆっくりはかった場合と、ああいう精密なものについては違ってきます。したがって、なれた形でいって通ってしまった、それが原研のモニターでひっかかったというのは、事実上どこかのチェックがのがれたわけでございます。それが一部にあります。それから、もちろんチェックしないで出た人もいたわけでございます。そういう関係からいきますと、ハンドモニターでやるときに、いささかルーズであった点は認めざるを得ないと思っております。
○近江委員 ですから、結局そういう放射線の測定器が非常に当てにならないということが、そういう事実でもはっきり出ているわけですよ。そういう環境の中で職員が働き、作業員が働いているわけです。私は、いまなぜこういう個々のことをずっと言っているか、私はいまそういう事実のごく一部のことをあげて、そういう事実の積み重ねで、いかにそういうずさんなことをやっているかということを言うために、これを出しておるのです。こういうことは幾らでもあるのですよ。 それから、使用済み燃料の冷却液の排水中の放射性の核種と濃度、それから煙突から排気中の核種と濃度、これは調べておりますか。
○梅澤政府委員 三月三十一日にこの点が出ましたので、さっそくその翌日、ポンドその他のそれを全部実態調査いたしました。これは私のほうではございませんで、もちろん向こうの原電で実態調査をしていただきました。それで、その点においては管理基準の中に入っているということを聞いております。
○近江委員 いまちょっとあとのほうが聞こえなかったのですが、もう一ぺん言ってください。
○梅澤政府委員 そのデータからまいりますと、一応向こうの管理規程に入っています安全基準の内であったということを聞いております。
○近江委員 これも、私は何もかも疑うわけじゃないのですけれども、いままでのことがいままでですから。では、私は、この委員会としてこのデータを要求します。委員長、いまのこのデータを要求したいのです。それについて……。
○梅澤政府委員 至急原電と相談しまして、出せるものは出したいと思っております。
○近江委員 出せるものは出したい――ここは国会なんですから、それじゃわれわれの言うている公開の原則に反すると思う。どうなんですか。都合のいいものは出して、悪いものは出さぬ……。
○梅澤政府委員 そういうことではございませんで、いま先生は核種その他とおっしゃいましたので、あるものは全部出します。ただ、先生の御希望の核種までとっているかどうか、その点がございますので、さように申し上げたわけであります。
○近江委員 それで結局きのうは多田副書記長を団長として行ったわけですが、そのときに、この事故の汚染度を明らかにせよ、データを提出してもらいたい、こう言ったところが、原電はそれを断わった。科学技術庁に全部これを提出しております、科学技術庁に聞いてもらいたい。ところが、いま私が聞いた一部分でもデータが届いていない。ほんとうのごく簡単な報告しかきていない。それではまるでこの原電というのはほんとうにベールに包まれてしまって、どこが完全に監督して、チェックをやるのですか。これはたいへんなことですよ。ですから、原電のそういう非常に秘密主義――これからどんどん民間でそういう発電所ができるでしょう。都合の悪いことは、全部隠して報告しない。そして、科学技術庁に聞いてくれ。聞いたってわからない。そんなことではわれわれは安心できませんよ。その点、今後どうするつもりですか、そういう問題について。
○梅澤政府委員 今回の問題につきまして、原電がいまのようなことを言ったというのは、私、初めてでございますが、原電自身としてやはり法的な根拠に出たものというものについては、原電としてもどんどん出す。ただ、今回の場合、幸いに安全基準の中であったというところで、しかも初めてのこととて、その公開をするのに、どの程度、どういうところに申し上げたらいいかという点に不安感を持って、科学技術庁に、できるだけそういう点について指導してくれ、そういうことを言っております。そういう関係から、そういうふうに、科学技術庁に聞いてもらいたいと言ったのだと思います。当然原電自身もそういうことで、決して秘密主義でそういうことを断わったということではない、こう私は解釈さしていただきたいと思います。
○近江委員 この被曝について、安全基準、安全基準というけれども、これは結局バランスの上で許されるものであって、ここまで浴びてもよい、そういうものではないと私は思うのです。放射能みたいなものは、浴びたらだめなんですよ。ですから、その数値が示されたその基準を、あくまでも大きい顔をして、ここまではもういいんだというような、そういうようなニュアンスのように私はとれるのです。これは人体に重大な影響もあるわけですから、あくまでも安全性に徹する。この点は、浴びてもいいのと違うのですから。 ここでもう一つ、きのうの発表では、原電側は、汚染度は十マイクロレムで、許容量を大幅に下回り、人体に影響はない、データは科学技術庁にあるのでそちらで見てほしい、このように言ったわけです。この十マイクロレムというのは間違いありませんか。私が委員会でやったときは一ミリレムとおっしゃった。これはたいへんな違いですよ。
○梅澤政府委員 私が前に申し上げたときに、時間でいいますと〇・〇一ミリレム・パー・アワーと申し上げたはずでございます。それを、実はそれから時間がたって受けておりますので、約百倍として計算しますと、一ミリレム・パー・アワーになるのではないかということを申し上げたことは、私は記憶しております。それで原電でいっております十マイクロレムというのは、これは〇・〇一ミリレムですから、それをマイクロであらわした形で、この原電でいっております十マイクロレムもほんとうのことでございます。
○近江委員 十マイクロレムと一ミリレムはは一緒ですか。
○梅澤政府委員 それには一時間当たりの、一時間がつくと思います。
○近江委員 そんなことは技術庁で言っていないのですよ。私が持ってきたのだ。
○梅澤政府委員 私のほうで報告でとっておりますのは、一時間当たり十マイクロレムというのが正しい数字と思っております。
○近江委員 ですから、いままで事故にしても何にしても、ひた隠しにしてきているのですよ。こんな数字でも、それはそのまま受け取っていいかどうか、われわれは実際当惑をするのですよ。ですから、秘密主義というのは非常に濃いのだ。だから、これから開発しなければならない原子力について、国民はみな暗い気持ちを持っていますよ。もっとはっきりとすべきことはして、それに対する対策はどうする。何か言われたから、こうしよう、ああしょう、後手後手の、そういうありありと何かひた隠しにやっているような、そういう態度に思うのです。こういう点は非常によくないと思うのです。 それから、この太平電業の作業員は、原電で汚染されて、原研でチェックされたでしょう。そうしますと、太平電業というのは、これは原電と原研で仕事をしているから、原研でチェックされた。そうすると、原電だけで仕事をしているころは原研ではチェックされない。そこにも大きな事故が発生するかわりませんよ。どういうところがあって、調査しましたか。調査したら、その結果を言ってください、どういう会社があってと。
○梅澤政府委員 現在おもに下請として入っていますのに、太平電業、千代田保安、興研工業、関東電気工事、それがおもな会社でございます。
○近江委員 富士電機というのもあるでしょう、どうですか。
○梅澤政府委員 チャージのほうに富士電機というのが入っております。
○近江委員 そこの会社で働いている人には、そういう汚染はなかったのですか。どういう手続を踏んでチェックしましたか、ないというなら。
○梅澤政府委員 その当時一番危険なところ、そういうことがあり得るというところに入った人間を全部調べるということで、約二百名調べておりますが、その二百名の中で、もしもそういうところに入っているとすれば、当然調べられていると思います。
○近江委員 ですから、原研では発見されて、原電では発見されていない。ですから、原電のそんな不確実なそういうようなチェックで、異常なかかったということがいえるのですか。いままでの体制から何らかの体制をとってチェックしたのですか。
○梅澤政府委員 管理地域に入ります場合には当然作業衣を着ております。それにポケットチェンバーがついております。それを脱いで出て、しかも自分の私服を調べるということのその自分の私服を調べるときに、ちょっとルーズといいますか、そういうやり方をやったという点でございます。したがいまして、出ます場合にも当然フィルムバッジで調べておりまして、その関係としては、こういうシャツや何かにくっついたというのは非常によくないことでございますが、そのくっついた度合いというものはそこでチェックされるようになっております。
○近江委員 これから、まだまだいろんな問題が出てくるんです。そうしたときに、ただ向こうの報告を一方的に待っている。そうすると、都合の悪いことは報告しないし、できることはやる、少なくともそういうような傾向にあるわけです。いままでのことは次々といままで出てきたんですから。ですから、こういう点において、ただ向こうに、こういうように安全体制をチェックせよとか、ただ命じて向こう側にやらせるだけじゃ、これはほんとうの重大なところはチェックできないと思う。ここで私は政府として調査班を設けるべきだと思うのです。そうして、完全に国民の皆さんが、なるほど政府の権威ある調査班がそういう結果であったかそれに対してこうするという安心、納得のいけるそういう方針を出してもらって、そして、それを処置してもらう、こうしてもらわなければ、もう相当な不安もみな覚えておりますよ。先ほど私が申し上げたように、そういうすでに汚染された人は、個人的にもいろいろな点でそういうような被害を受けておる。町の人だって、放射能を浴びていた、いろいろなことで、これはノイローゼになる者も出ていますよ。ですから、そこで、徹底的に一切の点を調査するために、私はそれは科学技術庁が中心になるかどこか知りませんけれども、一応政府として調査班を現地へ向けるべきだ、私はこう思うのですけれども、まず局長と大臣と、お二人にお聞きしたいと思う。
○梅澤政府委員 原電につきましては、原電は初めての発電所でございます。したがいまして、管理規程その他で、先ほどのような初めてのことと、下請のやること等の実際の要領といいますか、こまかいいろいろの点について非常に欠けた点はあります。その点について、現在はどうやったらいいだろうかという考え方を当然とっておりますが、それを私たちが見て、私たちのほうもそういう点について現在いろいろ検討中でございます。それをあわせて、もちろんそういう徹底した調査が必要とあれば、われわれも当然そういうことをやることにやぶさかではございません。ただ、やはりそれが十分うまくいくということになれば、こういう調査班を出すか出さないかはその検討したところで考えさせていただきたい、こう思っております。
○近江委員 長官、同じ意見ですか。
○木内国務大臣 ただいま原子力局長の申しましたとおりであります。
○近江委員 それから、これからどんどんと発電所もできてくるわけです。そういう点、民間になってくれば科学技術庁としてどこまでチェックができ、監視ができるか。こういう点になってくると、現実にこの一つのケースを見ても、不安な要素がたくさんあるわけです。これから将来民間の発電所がどんどんできていく。こんなもの都合の悪いことは全部ひた隠しにしていく、そういうことが予測されるわけです。これは非常にみんなが不安な気持ちを持っています。そういう点、第三者によるそういう監視機構とか、この前にも話が出ましたけれども、これは絶対私はつくらなければいかぬと思う。これに対して、その後相談されましたですが。局長と大臣と二人にお聞きします。
○梅澤政府委員 この件につきましては大臣からも御下命がございまして、私たち相談中でございます。もちろん前にも大臣から御説明いただきましたように、福島の東電関係、それから福井県につきましても一応地方公共団体で中立的な監視体制というものがつくられております。それにつきましては、われわれのほうもできるだけ御援助いたすという形で、行政指導的にもそういうものをなるべくつくってもらいたいという形で進んでいるところでございます。
○木内国務大臣 先般来、放射能の安全性の問題、これはたびたび私が申し上げているとおりで、これから発電所がだんだんふえていく、それにつきましては安全第一ということであくまでいきたい。そうして、科学的な安全性だけでなく、地元の人々が理解し納得し、安心できるような体制にしたい、かように思っております。 ところで、いろいろな規制の法律や、あるいは制度をつくりましても、何としても守ってくれるのは担当者、業者なんです。これがやはり主になってやってくれないと、私どもどんな機構をつくりましても、朝から晩までそれについているというわけにはいきませんので、あくまで業者が安全性の規則をよく守ってくれる、また従業員もよく理解して守るようにしてもらいたい、これが私どもの願いでございます。そういう方面についても、私どもは最善の注意を払うように、ただいま原電、原研その他に注意をいたしておるわけです。
○近江委員 もうこれで時間がないから終わりますが、先ほどの汚染の百点の件、局長、あれの汚染の経路、それ等も十分に追跡していただいて、私のほうに、委員長のほうにお願いしておきますから、データをひとつ出してもらいたい、これをお願いいたします。 それから、今後特に要望しておきたいことは、こういう点、不安な点が次々出てきます。だから、そういうところで働いておる人、他の一般住民あるいは日本国民全部であります。こういう安全性という点を一番、開発と同時にこれは両立して、大臣、掲げてもらわなければならない、こういう点で非常にずさんな点がいろいろありますし、一そうこの点を今後強化していただく、あらゆる体制をとっていただく、この点を特に要望しておきまして、今度また後日こういった問題についてお聞きしたいと思います。できるだけ、また科学技術庁としても詳細に現地の調査あるいは確認、把握をひとつやっていただきたい、このように思います。また、新事実があれば報告していただきたいと思います。 以上をもって終わります。 ――――◇―――――
○石田委員長 この際、連合審査会開会に関する件についておはかりいたします。 ただいま本委員会において審査中の宇宙開発事業団法案について、去る四月十六日逓信委員会より連合審査会開会の申し入れがありました。この申し入れを受諾し、連合審査会を開会いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、連合審査会は、明二十三日水曜日午後三時より開会いたしますから、さよう御了承願います。 次回は来たる四月二十四日木曜日午前十時より理事会、十時半より委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後七時四十一分散会