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61回国会衆議院1969/04/03

科学技術振興対策特別委員会 第7号

発言数
116
登壇者
6
会派数
2
開催日
1969/04/03

会議録

石田幸四郎公明党

○石田委員長 これより会議を開きます。  宇宙開発事業団法案を議題として、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。近江巳記夫君。

近江巳記夫公明党

○近江委員 きょうは、宇宙開発事業団法の質問に入りたいと思うのですが、その前に、宇宙開発の基本的な問題についてお聞きしたいと思うのです。  まず最初にお聞きしたいことは、宇宙基本法を提案をしないで、宇宙開発事業団法を先に提案をしてきた、これは理事懇等においてもいろいろな話が行なわれておったわけでありますが、その点、われわれとしては、あくまでも宇宙開発基本法というものを先につくって、それから宇宙開発事業団なり、そうした具体的な構想に進むべきだ、こういう点は常に主張してきたところです。その点、宇宙開発基本法をいつごろ国会へ提出される準備をされておるのか、この辺のところをお聞きしたいと思います。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 お話しのように、宇宙開発基本法は宇宙開発の基本になるものでありますし、なるべくすみやかにこれを提出、制定すべきだという御意見は、先般、宇宙開発委員会の設置法御審議の際にもいろいろ出ておりました。また、こういう御意見が出なくても、まことにごもっともなことだと思うのですが、この宇宙開発の問題は、御案内のように、最近は非常に急速に発展してきております。その宇宙開発の範囲あるいは分野というものも非常に急速に拡大していく。こういうようになっておりまして、この基本になる宇宙開発基本法というものをつくるとなると、宇宙の定義あるいは宇宙開発の定義、これなどは実は現在まだ、宇宙条約というものができました今日においても、定義がきまっておらないのでありまして、国連の宇宙平和利用の委員会におきまして、もっぱらこの定義について検討を加えておるというようなわけであります。こういう問題につきましても、基本法をきめるとなれば、その中に入れなければならない。それから、この前に委員会設置法を御審議の際にお述べになりましたいろいろな御意見なども、どう盛り込まなくちゃならないか、あるいはまた、国の基本的施策をどういうふうに織り込むかというような問題があるわけであります。こういう問題につきましては、いま申しましたように、最近の発展は非常に急速なものですから、いま直ちにここで宇宙基本法にいう宇宙開発の対象とか定義とか、そういう問題を固定させてしまうということは、どちらかというと、無限の発展の可能性のあるその可能性に対して、これを閉ざすというようなことになりはしないかという点もありますので、いろいろなことを検討しておるのですが、これにつきましては、原子力基本法などのように、できれば超党派的に各党派の意見をまとめておきめを願うほうがいいのじゃないかというふうにも考えられまするし、現在すでにこの特別委員会においては、超党派的にいろいろ意見の交換などもしておられるような様子でありまするので、それはなるべくすみやかに御意見がまとまりまして、そうして、宇宙開発基本法というものがすみやかに制定されることを私どもは非常に期待いたしておるような次第でございます。  しかし、さればといって、宇宙開発自体をおくらせるというわけにはまいりませんので、かねてこの委員会においてもいろいろ御意見があったように、宇宙開発の体制の整備ということは非常に大事なことだと思っております。  そこで、宇宙開発のかなめといたしまして、昨年宇宙開発委員会を設置していただきまして、この宇宙開発委員会におきまして、今後十年ぐらいを展望して、そして、さしあたり五年間の計画を立てていただく、こういうことになっておるのですが、この企画調整の機関ができたのでありますが、その実施体制のほうはばらばらになっておる。これをなるべくすみやかに一元化しなくちゃならぬ。少なくも一元化の方向に持っていき得るようにしなくちゃならぬというので、今度この開発の実施機関として事業団法案を提出して、事業団の設置ということをお願いしたような次第でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 そうしますと、宇宙開発委員会のほうで、どの程度宇宙開発基本法の検討をしておられるか。ただ、宇宙の定義すらもまだきまっていないとか、それがきまってからやるのだ。しかし、やはりそれをいつまでも、はっきりきまらないからということで、基本法をそのままにしておくということは、私は、この開発委員会発足のときにも附帯決議でもつけておりますし、そういうことでは非常にまずいと思うのですね。ですから、そういういろいろな問題が確かにチェックされなければならないし、検討待ちという点もあるかもしれないけれども、やはりそれと並行して、国会でもあれだけの附帯決議をつけておるわけですから、どの程度それを具体的に検討しておるか。そういう姿勢がなかったらいけないと私は思うのですね。この開発委員会で大体どの程度基本法の検討をしておるか、これを聞きたいと思うのです。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 ごもっともな話でございまして、宇宙開発委員会におきましては、宇宙開発の基本的な態度、この問題につきましてはすでに三十七年に宇宙開発委員会の前の宇宙開発審議会におきまして、平和目的に限る、これは民主的にやらなければならぬ、こういうような基本的の方針を宇宙開発審議会がすでに総理大臣に答えております。その方針によることはもちろん、そういうことを含みまして、平和利用その他を含んだ基本的な姿勢をどういうふうに織り込むか。それからさらに、さっき私が申しました宇宙開発の対象、これをどういうふうにすべきか、あるいはまた、宇宙開発にあたって行なうべき基本的の施策をどうすべきか、こういうようなことを、この基本法に関してもっぱら研究しておるのがいまの現状でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 大臣もいろいろといま御意見をお述べになったわけでありますが、ニュアンスとしては、基本法ができることを非常に期待しておる。それを、基本法をつくっていく科学技術庁が何か他人待ちのような、そういう感じを私はしたのですけれども、やはりそういう点で積極性が欠けると思うのですね。ですから、その辺のところをもう少し煮詰めて、やはり具体的にもうこれだけの事業団法も出ておるわけでありますし、もっと熱を入れて、この基本法をほんとうにつくっていこう、もう少しそういう積極性が私はほしいと思うのです。その点がどうも何か、だれかがやってくれるだろうというような、情勢としてはまだまだつくるべき段階じゃない、しかたがないという、何となしに客観情勢に押されてしまってやむを得ないという、そういう感じがするわけですよ。ですから、いろいろなことがあるにしても、積極的にむしろこちらからいろいろな問題点を何とかひとつ解決していく、そして、基本法の制定に持っていく、こういう態度が私はほしいと思うのですね。その辺のところはどうなんですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 いま近江委員の御説、まことにごもっともでありまして、科学技術庁におきましては、もちろん宇宙開発委員会と協力いたしておりますので、積極的に、先ほど申しましたような問題に取り組んでおりまして、そして、承るところによると、こちらの委員会におかれましてもいろいろ御意見の交換などをしておられるそうでありますが、そういうことに対して積極的に私どもも御協力を申し上げて、なるべくすみやかにこの基本法ができるようなふうに持っていきたい、かように思っておるのでありますが、それにしましても、さっき申し上げましたように、宇宙の定義、宇宙開発の定義、こういうものにつきましても国連の宇宙平和利用の委員会におきましてもっぱら検討いたしておるような段階でありまするので、そういう情勢等も特に見て、そして、進めていかなければならぬ、かように思っております。そういういろいろな問題があるにしましても、なるべくすみやかにそれが解決されて、そうして、宇宙基本法というものが各党派を越えて意見がまとまって、一日もすみやかにこれが制定されるようになることを私どもは期待いたしておる次第でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 そういうような情勢であるということも、ある程度理解できるのです。しかし、国会においてすみやかにこの基本法を制定すべしと、この開発委員会が発足のときに、あれだけ各党一致して附帯決議をつけたわけです。そういう点、いろいろな情勢から、やっておるけれどもしかたがないという状態に流されておる。その点、われわれとしては、国会で附帯決議をつけるということについて、これはやはり何回もこういうケースが起きてきますと、こういう状態だからやむを得ないという状態であれば、附帯決議としての意味が失なわれてくるのじゃないかと私は思うのです。そういう点、国会におけるこの附帯決議について、大臣はどのようにお考えになっておりますか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 私はもちろんこの附帯決議を尊重しまして、その御趣旨に沿ってやらなければならないと思っておりますし、私だけではありません、前の大臣なども、もちろんそうだと思います。ところが、やはり、この基本法というようなものをつくる段階になりますと、なかなかいろいろな点を考慮しなければならぬと思います。たとえば、一つ極端な例をあげてまことにすみませんけれども、科学技術基本法につきましても、なるべくすみやかにこれは制定すべきものだということでありましたけれども、やはりこれをいよいよ出してみると、なかなかいろいろな問題があって、そう簡単にはいかない。結局、この原子力基本法のように、こういう基本的な施策を織り込むような法律は、超党派的に御意見がまとまっていくことが非常に望ましい姿ではないか。そうすれば、もうこの原子力基本法のときなどは、まとまって、すぐに法律になってしまったのですから、私どもはそういう点も大いに御期待を申し上げておる、こういうような事情もあるわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 長官のおっしゃることはわかるのですが、それで、その態度は、積極的に今後つくっていこうと、いま表明されたわけですから、それは了解いたしますが、それでは具体的に基本法を実際につくっていく作業として、長官として、いま具体的にこういうよなう作業の政策段階といいますか、こういう段階を踏んでやっていきたい。ただ早くつくりたいという気持ちだけでは私は前へ進まないと思うのです。ですから、たとえば四党一致してこうやっていくべきだ、そういう点については、どういうように科学技術庁と四党とその辺の具体的な施策を進めていくとか、やはり長官として何らかの構想をお持ちだと思うのです。その作業の進め方についてお考えがあれば、お聞きしたいと思うのです。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 私は先ほど来申し上げましたように、この法律をつくるとなれば、これに対して盛り込む基本的な姿勢、たとえば平和目的に限るとか、民主的にやっていくとか、その他三原則というようなものがありますが、そういうものをどういうふうに盛り込むか、あるいはまた、さらに、宇宙開発の対象をどうすべきか、すなわち、宇宙空間の開発の定義、あるいはまた、宇宙開発委員会の御審議の際にお述べ願った御意見をどういうふうに盛り込むか、あるいはまた、国の基本的の施策をどういうふうにすべきか、これは宇宙開発委員会においても研究しておりまするし、また、私どものほうにおきましても、事務的にこれを研究しておるのですが、私は、今回こちらの委員会において、さらに宇宙関係の小委員会をお設けになったような関係もありますので、そういうところにおきましても十分御意見の御交換を願って、そうして、私どものほうで準備しておる資料はいつでも喜んで積極的に出しまして御協力申し上げますから、それで皆さん方のほうで御意見のおまとめをお願いできれば非常にしあわせじゃないか、かように思っております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 私は、最も根本的なこういう基本法を制定しないで、実施機関だけがどんどん進んでいく、そういう点、非常に不安を持つわけですよ。いま長官もおっしゃったように、平和の目的に限るとか、いろいろな基本的なことをおっしゃったわけですが、この原子力基本法などにおきましては、はっきり平和目的あるいは民主、自主あるいは公開、そうした原則というものは織り込まれてあり、うたってありますし、そういう点で安心してわれわれもいろいろなそういう実施機関のあり方についても見ていけるわけなんです。ところが、肝心のくくっておくものがない、それで、実施機関だけがどんどん先行していく。当然、各国の状態を見ても、ロケット開発なんかは全部軍事につながっておりますし、そういう点、そうした平和目的、あるいは民主、自主、公開、あるいは国際協力、そういうものは何によって保障されていくのか、この点が非常に心配なんです。この点、どういうふうにお考えになっておりますか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 この点は、私、先ほどから申し上げているのですけれども、三十七年に宇宙開発委員会の前の宇宙開発審議会におきまして、総理大臣の諮問に対して一号答申というのを出しております。そこで何と書いてあるかと申しますと、わが国の宇宙開発は、平和利用の目的に限り、自主性を尊重し、公開を原則とし、国際協力を重視することを基本原則として行なうものとするという答申がはっきり出ております。そうして、これに基づいて歴代の科学技術庁の長官は、もちろん平和目的に限る、こういう方針でやるということを申しておりますし、先般、宇宙開発事業団法案を衆議院の本会議におきまして、私が趣旨の説明をしました際の松前議員の質問に対して、総理大臣もはっきり、きわめて明確にこのことをお答えしているというようなわけでございます。さらにまた、昨年設けられました宇宙開発委員会というものは委員を任命するにあたりましても国会の承認を要する、こういうことでありまして、この宇宙開発委員会におきましては、今後におけるところの宇宙開発の基本的な線をこれからきめてまいります。宇宙開発委員会の議決を経た基本方策に基づきまして総理大臣が基本計画を定めていく。こういうことになりますからして、私は平和の目的が何重にもすでに確保されているものだと思いますし、また、民主的にこれは行なっていかれるものだと思います。また、宇宙開発事業団におきましても、宇宙開発事業団の役員というものは、宇宙開発委員会におきましてこれを承認しなければならぬということになっております。そうして、宇宙開発事業団のやることは、宇宙開発委員会がきめた基本の方針に従ってやっていく、こういうことでありますので、私はもうこの五原則といいますか、四原則といいますか、これは十分に守っていかれるものと、かように考えている次第です。

近江巳記夫公明党

○近江委員 そうしますと、長官が今後ずっと大臣を続けていかれれば別ですが、どういうようなことがまた途中であるかわからないわけです。そういう点において、これからいろいろ大臣がかわられることも考えるわけですが、そういう場合においても、いまの長官の発言というものは、これはどの大臣も必ず確約できることなんですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 あとの人の確約を私がするわけにはまいりませんけれども、いま申し上げましたような宇宙開発の審議会における第一号答申というものは、今後だれが科学技術庁長官になろうとも、だれが総理大臣になろうとも、これはもう動かすことのできない方針でありまするし、また、宇宙開発委員会とこの事業団の関係、そういうものは、だれが総理大臣になっても、だれが科学技術庁長官になっても、私は動かすことのできないものであると思いまするので、法律において規定されておらなくても、これはあくまで確保されていくものだ、かように私は確信いたしております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 しかし、いままでの政府のやり方を見ておって、これは科学技術庁だけのことを私は言っているのと違うのですが、いろいろな答申が出されても、政府はむしろ実行したことのほうが少ないわけですよ。たとえば、選挙制度審議会なんかからもいろいろなそれが出ておる。そういうことだってなかなかやっておらないし、社会保障の問題にしたってそうだし、なかなかそういうことは実行されておらない。そうすれば、審議会の答申なんというものは、それではどこまでそれを尊重して、また、われわれが信頼していけるかという問題もあるわけですよ。あるいはまた、大臣がかわればそれによってどうなるかわからない。答申を尊重していかれると思いますと言われましたけれども、確実ということは言えないわけですよ。そういうようないろいろな不安な要素というものはやはりあるわけです。ですからここで——原子力基本法においては、あれだけのことをはっきりうたってある。だからこそ、いろいろなことはありますけれども、しかし根本的にはわれわれも安心して原子力のそうした行政について見守っていくことができるわけです。ですから、そういう点からしても、すみやかに基本法を制定して、そういう内容をはっきりとここでうたわなければ、はっきりとかぎをかけておかなければ、私は非常にあぶないと思うのですね。その点を私は申し上げておるわけです。その点は、大臣、どう思われますか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 もちろん法律で規定するというのも確かに一つのかぎであると思うのですけれども、いま申し上げましたように、宇宙開発委員会というのがいまありまするけれども、この委員の任命にあたりましては、これは国会の承認を要するわけなのであります。この点において、その委員会の人たちは、そうかってに基本の方針を変え得るような委員会ではないということは、御了解願えると思います。その基本方針として、宇宙開発審議会で、さっき私が読み上げましたような第一号答申ではっきりこの五原則というものをうたい込んでおります。宇宙開発委員会は、さらに今後の基本方針をきめるにあたりましては、この基本方針に基づいてやっていく、これはもう当然のことであるし、それを逸脱するということは私はできないと思います。それからさらに、宇宙開発事業団も、宇宙開発委員会がきめた方針にそむいて運営することはできない。主要役員というものは、宇宙開発委員会の承認を要するというようなことになっておる点を考えましても、その点は十分に確保できるものだ、かように私は考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それから、附帯決議のことですが、先ほども、この基本法をすみやかに制定すべしという附帯決議に対して、現実にまだ実際いろいろ検討しておる段階にある、こういう事実がありました。さらにわれわれは、委員の常勤化ということを早くやるようにという附帯決議をつくったわけです。ところが、その常勤化もはからずして、宇宙開発事業団法を先に提出してきている。それでは国会の附帯決議なんて全然無視している。これは一体どういうことなんですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 宇宙開発委員会設置法を御審議の際に附帯決議として、いまのような常勤制にしろという御意見が出たことは私ども承知しておりまして、もちろん、できればことしそれを実現いたしたいと思ったんですが、この点につきましては、行政簡素化の強い要請もありまして実現することができなかったんですけれども、宇宙開発体制の整備、常勤化の問題もその一つであると思うのですが、宇宙開発体制のうちで最も大事なのは、宇宙開発の企画調整のかなめとして宇宙開発委員会を設けるということであったと思うのですけれども、それは去年設けていただいた。それに引き続きまして、今度はいま申しましたような問題もやるけれども、何としても宇宙開発の実施機関の整備ということが必要でありましたので、そのために、今回は宇宙開発事業団ということをまずお願いしたい、かように相なった次第であります。

近江巳記夫公明党

○近江委員 先ほど私が平和あるいは民主、自主、公開あるいは国際協力、そうした点で非常に心配だと言った点について、委員はあくまで国会の承認を得るのだ、その委員というところにウエートが非常に置かれたわけですが、それほど委員というのは大事な立場です。そうしたときに、非常勤の人でどれだけ、いろいろな点にチェックもまた力が入ってくるか、そういう点、非常に不安な感じがするわけです。そういう点で、宇宙開発委員会の委員を常勤化して、そうして、これを強化しなければ、宇宙開発の民主的な運営というものはほんとうに保障されないと思うのです。いまの委員の方々を別に悪く言うわけじゃありません。ただ、制度の上から、現実に時間的な点、物理的な面から考えても、私はなかなかそこに集中して全力投球するということはむずかしいと思うのです。やはりこれだけの大きな構想でスタートする以上は、常勤化することが第一番じゃないですか。だから、それをただ政府のそうした方針のもとに、なかなかうまくいかなかった、それじゃあまりにも弱過ぎるじゃないですか。これだけの予算を伴う大きな構想をスタートさせるのなら、科学技術庁としてなぜもっと総理にも、政府に対しても強い姿勢でそれを言って実現することができないのですか。あまりにも弱過ぎるじゃないですか、科学技術庁として。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 いまお話しの点、まことにごもっともな点もありまするし、もちろん、宇宙開発委員会の常勤化という問題は大事な問題でありまするので、今後におきましては、できるだけ実現に努力いたしたいと思っておるのですが、現在非常勤ではありまするけれども、有能な方々にお集まりになっていただいて、毎週二回ぐらいずつ会合して、また、いろいろな部会もあるというようなわけで、非常に活躍しておりまするし、この委員会は基本的なことをおきめ願うのでありまして、そう毎日常勤しておられませんでも、委員会として十分に働いていただいておる、かように思いますが、いま申しましたように、大事な問題でもありまするし、委員会の御意見もありまするので、今後におきましては、できるだけその実現に努力いたしたい、かように思っております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それは長官のそういう意向のほうが、——国会の附帯決議で常勤化すべしというわれわれのそうした要望よりも、長官のそういう考え方のほうが強いですよ。いまの常勤化でなくたって十分やっていけるのだ。だから、そうせかなくてもいいじゃないか、それじゃまずいと思うのです。それでは国会の附帯決議なんかばかにしておるということになりますよ。われわれが常勤化しなさいということをいっておるじゃないですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 私は別に、いま申しましたように、その附帯決議を軽視しているわけではありません。非常に尊重しておるのですけれども、本年は行政簡素化の非常に強い要請もありまして、実現することはできなかったのでありますが、しかし御趣旨の点はまことにごもっともでありまするので、今後できるだけすみやかにこれを実現するように努力したいということを申し上げておるのであります。ただ、しかし、現状を申し上げますと、宇宙開発委員会というものはあまり働いておらぬじゃないかという御意見もありましたので、その点を、私はちょっと釈明いたしたような次第であります。

近江巳記夫公明党

○近江委員 予算の大ワクというものはきまってしまったわけでありますけれども、予算の面とか、あるいはそうした行政の簡素化とか、いろいろな点はあるわけでありますが、これは今後考えていきたいと言っても、現実に今年度から開発事業団はスタートしょうとしているわけですよ。そうすると、将来——将来といったって、これは一年先か何年先になるかわからない。そういう点において、今年度においても早急にもう一回それを閣議にかけるとかなんとかいう形で、国会のこれだけの附帯決議で要請されているのだから、何とか常勤化をやってもらいたい。そこまでの熱意は、大臣、あるのですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 そういう点も一つの考え方ですけれども、とにかく、御案内のように、予算はそういうふうになっておらないわけですね。そこで、予算が済んでしまったのに、いまここで直ちに予算にないものを実現するというわけにはまいりませんけれども、しかし、この委員会で、いまお話しになったような点を補い得るように大いに働いてもらいたい、かように私は考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 大いに働いてもらいたいとおっしゃっても常勤化でないのに——みんなやはり仕事をかかえているわけですよ。物理的にそんなことは無理があるわけです。事業団が発足すれば、それに伴って宇宙開発委員会でいろいろ処理をしなければならない非常にこまかい問題も私は出てくると思うのです。また、検討しなければならないいろいろな点もあると思うのです。そういう点で、どうしても常勤化をやっていかなければならぬ、私はこのように思います。そういう点で、いま大臣おっしゃったように、あらゆる手段、方法を講じて一日も早く常勤化を、この国会の附帯決議もあるわけですから、やっていただきたい。この点、もう一ぺん確約をとりたいと思うのですが、どうですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 私どもを非常に鞭撻していただいて、私は非常にありがたく思っております。御趣旨に沿いまして、できるだけひとつ常勤化の実をあげるようなふうに努力をいたしたい、かように思っております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それから、先ほど私、原則的な点の保障ということについてお聞きしたわけですが、特にもう一ぺんだけ念を押しておきたいのですが、宇宙開発の成果が軍事に利用されるおそれというのは絶対ありませんか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 この点は、先ほど来繰り返して申し上げましたように、宇宙開発審議会が三十七年に第一号の答申をしております。そのときに、平和目的に限る、はっきりこれを明示しております。それからさらに、総理大臣が、この間の本会議におきましても、その点をはっきり申し上げておるのでありまして、私どもはこれを軍事目的に利用されるということは決して考えておりません。

近江巳記夫公明党

○近江委員 この事業団の設立でどの程度開発というものが一元化されるかという問題なんです。今後のそういう宇宙開発の体制というものをどのように持っていくのか、できるだけ詳しくその辺の構想を述べてもらいたいと思うのです。  それからまた、非常に問題になってくるのは東大との関係だと思うのですね。この東大の関係はどうなるのですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 今度のこの宇宙開発事業団は、宇宙開発をできるだけ一元化の方向に持っていこうという趣旨でできたのでありますが、東大の関係あるいは各省との関係などはこまかな点でありますし、また、なるべくこまかに説明するようにという話でございますので、政府委員のほうから御説明をさせたいと思います。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 お答えいたします。  この一元化の体制につきましては、ただいま大臣からお話ございましたように、従来、四十一年にもこの小委員会におきまして宇宙開発に対しては一元化の方向にいけというような御趣旨もございまして、それが今度の一元化の体制に続いてきたわけでありますが、これにつきましては、まず企画調整面の一元化ということにつきまして、去年の八月宇宙開発委員会というものを発足したわけでございます。その宇宙開発委員会のかさのもとに、各省庁並びに各機関が協調いたしまして、宇宙開発を行なってきたわけでございますが、それに引き続きまして、さらに開発実施体制の一元化というような観点からいたしまして、この四十四年度におきまして宇宙開発事業団というものを設置するという方向に進んだわけでございます。  この宇宙開発事業団を設置するにあたりましては、従来、科学技術庁にございました宇宙開発推進本部、主としてこれは人工衛星打ち上げ用のロケットの開発を行なっていたわけでございますが、この宇宙開発推進本部を解消いたしまして、この事務をこの開発事業団で引き継ぐということになったわけでございます。  さらに、宇宙開発体制の一元化という方向に沿いまして、やはり四十四年度におきましては、従来、郵政省で開発を行なっておりました電離層観測衛星というものの開発もこの事業団で行なうことになったわけでございます。  今後、この開発段階にありました人工衛星あるいは人工衛星打ち上げ用ロケットというもの並びにその打ち上げ及び追跡というものは、逐次この事業団におきまして一元的に実施されることになるわけでございます。  ただいま御質疑のございました東京大学の件でございますが、東京大学の宇宙航空研究所におきましては、現在ミューロケットの開発を行なっているわけでございます。このミューロケットにつきましては、やはり現在開発を行なっておりますので、この開発途中で新しい宇宙開発事業団に引き継ぐということは、これは相当段階まで進んでおりますので、かえってこの開発をおくらせるおそれがあるということでございましたので、この信頼性が得られる段階までは東京大学の宇宙航空研究所で行なおうということにしたわけでございます。しかし、現在やはり東京大学で開発を行なっております科学衛星につきましては、学術研究の目的のために、今後とも、原則として、東京大学の宇宙航空研究所で行なうということにしているわけでございます。  以上でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 東大のことで文部省と科学技術庁と非常に対立をしておる、そういうことは巷間いろいろうわさに流れておるわけです。その対立はどういう点なんですか。たとえば、委員会をやろうとしても、何か文部省が断わったとか、いろいろなことが伝えられていますが、その辺のところを、どういうような対立点があるのか、そのようなところをお聞きしたいと思うのです。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 いまお話がありましたけれども、文部省と対立しているというようなことは私はないと思っております。なお、御質問につきましては、こまかな点は政府委員からお答えさせますけれども、対立というようなことは全然ありません。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 ただいまの大臣のおことばに補足いたしますが、ただいま大臣からお話がありましたように、対立という状態はないものと考えております。ただ、東京大学が十年来ロケットの開発並びに衛星の開発も行なっているわけでございまして、確かに研究的には東京大学のほうが科学技術庁よりも先行していたわけでございます。しかし、科学技術庁におきましても、今後の実用人工衛星の打ち上げにつきまして、三十五年来開発を進めてまいりまして、ようやくそれが軌道に乗ってまいったわけでございます。今後は、東京大学の成果と、それから科学技術庁におきます開発研究の成果と、こういうものをあわせて日本の宇宙開発を進めていかなければいけない、こういうふうに考えておりまして、それが今回の開発事業団によります一元化の方向というふうに私たち考えておるわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 そうすると、あくまで今後はそれが両立した体制で進んでいく、こういうことですね。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 お答えいたします。  先ほども申しましたように、東京大学におきますロケット開発につきましては、現在ミューロケットを開発いたしておりますので、そのミューロケットの開発が信頼性ができる段階になりました時点におきましては、東京大学におきましては、それ以後の開発は行なわないということになっております。その以上のものにつきましては、この宇宙開発事業団において開発を行なうということになっております。  ただ、先ほども申しましたように、科学衛星そのものにつきましては、学術研究というような目的もございますので、原則として東京大学で開発していく、こういうふうになっているわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 その辺の点は、いまもトラブルはないというようなことを言われましたけれども、現実にわれわれはいろいろなことを聞くわけですよ。具体的にどうということはここでは言いませんけれども、そういう点、やはり外部にまでそういうことがいわれるようなことのあり方ではまずいと思うのです。したがって、基礎的な研究あるいはその実施機関、相まって初めて大きな効果を出すわけです。その辺のところの調整ですね、どちらもそうした効果をあげ得るようなこれからの持っていき方というものをやはり考えてもらう必要があると思うのです。そういうようなところを念を押しておきますが、その点どうなんですか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 ただいまの件につきましては、私たちもその点十分了解いたしまして実施しているわけでございまして、この宇宙開発委員会の中で、将来のビジョンというものを含めまして現在計画を立てているわけでございますが、これにも東京大学の先生に参加していただきまして、内容的にも十分検討していただいておるわけでございます。したがいまして、協調的な姿勢というものは十分とれているものと私たちは考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それから、郵政省の所管業務のうちで電離層観測衛星の関係だけを引き継ぐ、このように聞いておりますが、それは一体どういうことかということ、それから、実験用静止通信衛星の関係は、そうすると、どうなっていくか、この辺のところを聞きたいと思います。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 お答えいたします。  従来郵政省で研究しておりました電離層観測衛星につきましては、ようやく開発段階に到達したわけでございます。すなわち、プロトタイプの試作を行なうという段階までになったわけでございますが、それによりまして、四十四年度に郵政省に電離層観測衛星の開発に対する予算も認められたわけでございます。したがいまして、私たちとしましては、これはもう開発段階に到達したということで、これを事業団で今後の開発を一元的に実施しようというたてまえで、事業団のほうにその業務を引き継ぐことにしたわけでございます。  もう一つの実験用の静止通信衛星でございますが、これは、現段階におきましては、まだ開発段階までに至っていないわけでございます。現在はまだ研究段階というふうに考えていいのではなかろうかというふうに考えておりますので、今度はこれを引き継がなかったわけでございますが、これが開発段階になりました時点におきましては、事業団に引き継ぐということになっているわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 電電公社、あるいは国際電電、あるいはNHKのそういう研究開発と事業団とのそうした関係ですね。この辺が何か非常にぼけているように思うのですよ。この辺はどうなっているのですか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 お答えいたします。  電電公社、それからNHK、それから国際電電、こういうところで開発研究を進めております通信衛星でございますが、これにつきましては、郵政省が通信衛星開発本部というものを設けておりまして、その中でNHK、電電公社、国際電電、さらに郵政省の電波研究所、この四者が集まりまして、実験用静止通信衛星の研究開発に対する体制をつくっているわけでございます。したがいまして、そこにおきまして実験用静止通信衛星の計画ができ上がりまして、それが開発段階まで進みました時点におきましては、この事業団に移管されるというふうになっている次第でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それから、政府の計画でいきますと、四十六年に電離層観測衛星を、四十八年度に実験用静止通信衛星を打ち上げることを骨子としている、このようにいっておるわけでありますが、それは実際上そんな計画どおりいくんですか。実験可能なんですか、どうですか、その点。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 お話しのように、まず、私たちといたしましては、宇宙開発委員会で計画を立てられました開発計画に従いまして、電離層観測衛星をまず開発して、その打ち上げをいたしまして、そのあとで実験用の静止通信衛星を打ち上げるということを目標にして進んでいるわけでございます。この目標を達成するために、今回宇宙開発事業団を新設いたしまして、十分な人材と資金というものを確保いたしまして、さらに開発体制を弾力的にできるように私たち強化をはかったわけでございます。この計画の進行につきましては、宇宙開発委員会においては十分検討いたしまして絶えず強化をいたしているわけでございまして、私たちといたしましては、最善の努力を払いまして、この計画が実現するよう努力している次第でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それは、目標を目ざして努力されているのはよくわかるのですが、現段階でチェックしてみて、確実に実現が可能なんですか。その辺のところをもう少しこまかく答弁してもらいたいと思います。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 その点につきまして、現在、宇宙開発委員会の中に部会をつくりまして、その計画が達成できるように計画を作成中でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 まあ一〇〇%できるかどうか、これから先のことですから、これは何とも言えませんが、あなた方の確信としては、絶対できるのですか、どうですか、その点は。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)委員 達成できるように十分努力したいと思っております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 これは平行ですから次にいきますが、実験用の静止通信衛星を打ち上げたあとの開発目標というものをどのようにいま立てておりますか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 お答えいたします。  現在、宇宙開発委員会におきまして部会を三つつくりまして、総合計画部会、ロケット計画部会、衛星計画部会と、この三つをつくりまして、今後十年間のビジョンを見まして最近五カ年間の計画を立てているわけでございます。したがいまして、この実験用の静止通信衛星を上げた後の計画も現在検討中でございます。いずれ近いうちにその計画ができ上がるものと存じております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 もちろん、これから計画を立てるわけでありますが、大体の構想というものは立てているんですか。発表できる段階であれば、その構想の一端をここで発表してもらいたいと思います。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 お答えいたします。  その時点におきましては私たちも発表するつもりでおりますが、現在具体的に出ておりますのは、実験用静止通信衛星のほか、気象関係の衛星、航行関係の衛星、あるいは科学的な学術研究用の衛星、こういうものが具体的に現在問題としてあがっているわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 当然、そうした現在の計画を達成していくために技術の導入ということは不可欠であるというような意見が相当強いわけです。宇宙開発というものの効果、これはいろいろありますが、本来、あくまで自主技術の開発を主眼として進んできた、私はこのように思うのです。私は、技術導入と自主技術の開発、そういう点を考えていくと、何か効果だけを、成果だけをあせって、そういう本来じみちにやっていかなければならない問題その行き方というものが忘れられているように思うのです。その点、いま政府はどういうようにやっているのですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 先ほど来申し上げておりまするように、自主技術、自主的の開発を主眼とすることはもちろんであります。現在、いまも申し上げておりますように、計画どおり目的を達成するためにはなかなか容易ならないいろいろな困難も伴ってくると思うのでありますが、それにしましても、官、学、民、これが総力を結集しまして、そうしてやればその実現が可能である、かように考えております。  そこで、この自主技術を主体として進めていくべきことはもちろんでありますけれども、今日まで世界の各国がある程度われわれよりも進んできておる。その間には幾多の失敗も繰り返しておると思うのです。しかし、そういう失敗を無用に繰り返さないように、そうして、開発を効率的に行なうというためには、どうしても必要な技術は導入しなければならない。導入して、それにさらに自主開発を加えていいものにして、そうして、この目的を達成していくということが必要だと思うのです。宇宙開発委員会におきましてもそういう点を考慮しまして、今後開発を進めていく際には、国際協力ということも大いに考えて、そうして、必要な場合には自主的に外国技術の導入もして、失敗を繰り返していかないように、こういうような意見も述べておるわけであります。  そこで、私どもは、要約して申しますれば、自主技術を主とするが、必要な技術はこれを導入して、それにさらに自主的開発を加えて、しかし、その必要な技術を導入するにあたりましては、わが国の宇宙開発の自主性をそこなわないようにするということはもちろん大事ですが、さらに、宇宙開発がわが国の工業の技術水準の向上の原動力になるという意義を失わないように、そこなわないようにする、そういう二つの点は十分に考えていかなければならぬと思いますけれども、いま申しましたように、諸国の失敗をいたずらに繰り返すことのないように、できるだけ効率的にやっていくためには、ある程度の技術導入はやむを得ないもの、かように考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 これは技術面になるわけですが、そこでこの必要な技術導入を現段階において、いま何とかして、立てた計画を実現していきたい、このように言われましたが、そういう最終のゴールというものは大体きまっているわけですよ。そうすれば、いまの技術段階から考えて、これとこれとこれは必ず導入しなければ所期のそれだけの目標のところには到達しない、そういう点は当然チェックできると思うのですね。その点、具体的に、どういうような技術導入をどういう部門でやっていくのか、それをひとつできるだけきめこまかに、この時点で聞きたいと思うのです。それは政府委員からお聞きします。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 お答えいたします。  ただいまの件につきましては、現在宇宙開発推進本部におきましてシステムデザインを行なっておるわけでございます。これができますと、その時点におきまして相当詳細な、具体的なものが出てくると思います。フェーズゼロのシステムデザインを終わりまして、現在第一次のものにつきまして検討しておる最中でございます。この結果が出ましてから、いろいろ具体的な問題について進めていきたいというふうに存じております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 そのシステムデザインというものがはっきりとできなくても、あなた方は専門家なんだから、大体どの技術を、どの部門を導入しなければならぬかということはわかっておるはずだと思いますよ。その辺のところはどうなんですか。それをぼくは聞いている。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 技術導入になりますと、これは多分企業間におきましての技術導入の問題になってくると思いますが、その時点におきましては、詳細な、どういうものが必要だということが出てこなければこれは契約ができませんので、やはりその点は、現時点においてはまだお答えいたしかねるわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 そういう微妙な隠れみのというか——別に言ったってかまわないでしょう。こういう点が特にいまから、四十六年、四十八年の実現までにはどうしても——もう四十四年ですよ、ことしは。それは、研究はそれぞれの部門でやっておられると思いますけれども、どうしてもこれは時間の関係で無理だという点があるでしょう。特に、それじゃ、一番おくれておる部門は何ですか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 現在までに私たちの検討しております段階におきましては、やはり誘導制御の部門が日本においてはおくれておるんじゃないかというふうに思われるわけでございます。この点につきまして、ただいま申しましたように、詳細に現在詰めておりまして、開発事業団が発足いたします時点におきましては、その点を相当明らかにできるように現在努力しておるわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それは大体いつごろ出るのですか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 大体夏ごろになると思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員 次に進みますが、種子島周辺の漁業対策の点なんですが、地元ではトラブルが絶えないわけです。この現状、それと事業団との、今後そうした補償等の関係ですね。その辺のところは、いまどういうように考えていらっしゃいますか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 御案内のように、種子島の打ち上げに伴いまして、その周辺の漁業対策が非常に大事なわけでございます。そこで政府におきましては、種子島漁業対策本部を設けましていろいろやりました結果、今回は一応おさまったわけです。昨年は三億七千余万円というものを出しましてあの漁業の問題がおさまりまして、そして一月から二月にかけてロケットを打ち上げしたわけです。そこでまた本年度におきましても三億五千万の予算を要求しておりまして、この問題は順調に進んでいるわけでございますが、今度事業団でこれが打ち上げを実施するということになりますれば、この仕事は当然事業団に引き継ぎまして、事業団において責任をもってこの問題を解決して推し進めていく、こういうことになると思うのです。——対策のほうは政府でやるのですけれども、打ち上げは事業団でやりますが、対策は政府の予算を計上しております。その範囲において行ないたいと思っております。  なお、詳細は政府委員から御説明いたします。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 ただいまのお話に補足して申し上げますと、この対策の要綱というものをきめたわけでございますが、この対象といたしましては、ロケット打ち上げ期間中におきます種子島周辺漁場にかわるべき新しい漁場の調査事業ということ、それをやりまして、それともう一つは、効率的な出漁というものを確保するためのえさでございますが、餌料の対策事業というものがございます。それからもう一つは、生産性向上ということを考えまして共同利用施設の設置事業、たとえば冷蔵庫であるとか冷凍設備、こういうようなものでございますが、そういうような、大きく分けまして大体三つの事業に対しまして国が補助金を助成しようというふうに考えておるわけでございます。こういうふうにいたしまして、この関係漁業者がロケット打ち上げによります影響を自分で克服できるというような体制を整備いたしまして、今後とも宇宙開発に対しての協力体制というものをとっていただきたいというふうに存ずる次第でございます。  ただいま大臣からお話がありましたように、政府といたしましては昨年度は三億七千万円というような予備費を支出いたしましたし、本年度は三億五千万円という予算でこれらの仕事を続けていきたいと思っておるわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 いずれにしても、政府の対策というのはいつも後手後手になって、地域住民にも非常に迷惑をかけておりますし、また、計画推進の上からいっても、こうした点は地域住民も納得していける、そういう万全の体制をとっていく必要がある。そういう配慮というものが——何かつつかれてからあわてふためいておる。そういうことじゃまずいと思うのです。もう四十六年、四十八年というゴールはすでにきまっておるわけですし、そういう点あくまでも地域住民の納得できるそういうような対策を持ってやっていただきたい。この点を強く要望しておきます。  それから、種子島の宇宙開発センターの建設状況、これを具体的に聞きたいと思うのです。それから今後の計画、今後どのように発展していくのか。また、東大の所管である内之浦の打ち上げ場は今後どのような取り扱いをしていくのか、この辺をお聞きしたいと思うのです。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 お答えいたします。  種子島の宇宙センターでございますが、これは四十一年の九月に始まったわけでございます。これは小型ロケットを打ち上げるのに必要な最小限の整備を行ないまして、打ち上げの実験をやっておるわけでございますが、今後の計画を申し上げますと、まず小型射場と申しまして、小さなロケットでございますが、これは先般打ち上げましたLSICロケットとか、あるいは今後打ち上げますXロケットというような小型ロケットの射場でございますが、これはできましたら本年度中には完成させるというような予定を組んで実施しております。  それから次に、中型射場でございますが、これはQロケットを考えておりますが、Qロケットのような中型ロケットに対する射場は四十三年度から建設を進めております。  次に、大型射場でございますが、これはNロケットを考えておりますが、これは四十三年度から大型ランチャーの設計研究を行なっております。そのほか、Qロケット及びNロケットの開発のための地上燃焼試験設備の整備も四十三年度から開始いたしております。  次に、内之浦の鹿児島宇宙観測研究所でございますが、これは全国の大学の共同利用研究施設というかっこうで、今後とも科学観測用各種ロケットの打ち上げを行なうというようなことになっておりまして、この研究所におきまして管理されるのではないかと思っております。  なお、将来ミューロケットで信頼性が得られたという段階におきましては、これに関する業務が事業団に引き継がれるわけでございますが、しかしMロケットの打ち上げ施設の利用につきましては、文部省と十分協議するということになっております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 この事業団の将来の施設、そうした点は計画されておると思います。それから人員、そうした規模は将来どういうような構想を描いておるのですか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 お答えいたします。  設備につきましては、ただいま申し上げました種子島の宇宙開発センターができますと、これによりまして衛星の打ち上げができるわけでございますが、追跡関係につきましては、現在勝浦、それから沖繩、この二カ所に追跡センターをつくりまして、追跡設備ができるわけでございます。  なお、その本質的なシステムデザインあるいはロケット開発、衛星開発、こういうものにつきましては、宇宙開発事業団本部において実施することになっておるわけでございます。  それから、その規模でございますが、当面、四十四年度におきましては、約百六十人の人員によりまして宇宙開発事業団を構成していきたいと存じておる次第でございます。今後開発が進みます段階におきましては、規模に応じまして所要の増員を行なわなければならないだろうというふうに存じております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 だから、どのくらいのそうした構想を事業団の——規模に応じてやっていくというのはわかりますよ。大体の将来のそうした見通しというか、それはやはり描いているわけでしょう。その点はどうなんですか。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 お答えいたします。  将来の構想につきましては、現在、宇宙開発委員会におきまして、将来の開発計画というものを策定いたしているわけでございまして、それによりまして規模が相当変わってくるのじゃないかというふうに考えております。したがいまして、この宇宙開発委員会からの答申が出ました時点におきまして、やはり将来の構想というものについてさらに確定したものをつくっていきたいと存じております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 あまり時間がないようですから、できるだけ簡単に終わりますが、事業団と宇宙条約、これの関係はどうなんですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 この宇宙条約は、日本の政府とまた非政府団体を拘束するものでありますが、この事業団に対して適用される条文が数個条ございますので、その内容につきましては政府委員からお答えいたします。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 宇宙条約の中で、この事業団と関連して考えられることがあるわけでございますが、それはまず宇宙条約の第六条にある内容でございますが、条約の当事国は、宇宙空間における自国の活動につきまして、それが政府機関によって行なわれるか、非政府団体によって行なわれるかを問わないで、国際的な責任を有している。宇宙空間におきます非政府団体の活動は、その国の許可及び継続的な監督を必要とする、これが第六条になっております。  それから次に、第七条に記載してございますが、条約当事国は、宇宙空間に発射した物体が他に損害を与えた場合には、その損害について国際的に賠償責任を有しているというのが第七条でございます。  それから、第九条でございますが、条約の当事国は、宇宙空間の有害な汚染等を避けるよう、宇宙空間の研究及び探査を実施し、かつ、必要な場合には、このための適当な措置をとるということでございます。  それから次に、第十一条でございますが、条約当事国は、宇宙空間における活動に関する情報を国連事務総長に提供するというようになっているわけでございます。  この今回設置されます宇宙開発事業団は、ここに述べております非政府団体に該当するものというふうに解釈されるわけでございます。したがいまして、これに対する国の許可とか、あるいは継続的な監督というものが必要になるわけでございますが、これにつきましては、事業団の業務自体が、総理大臣がきめます基本計画に従って主務大臣の監督を受けるということになっております。特に、打ち上げにつきましては、主務大臣の認可した基準で行なわれるということになっているので問題はないと思いますが、この損害の賠償という点につきましては、宇宙条約では、一般的な原則を定めているだけでございます。そうして、現在、国連の宇宙空間、平和利用委員会におきまして、請求権の発生要件とか、あるいは損害の範囲とか、あるいは賠償額等に関する事項を検討しているわけでございまして、それを宇宙損害賠償協定というものにおきまして別途具体化されるものというふうに聞いております。したがいまして、その結果を見まして、必要があれば別途損害賠償に関する民法等の特例規定とか、あるいは事業団に対する国の求償権の規定というものを設けるように現在検討を進めているわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それから、主要諸外国の宇宙開発の実施のためのそういう組織ですね、こういう点、どうなっているか。また、諸外国において、わが国のこういう事業団のような組織をそのように設けているというようなケースがあるかどうか、こうした点、ひとつ実情を知りたいと思うのです。

石川晃夫科学技術庁研究調整局長

○石川(晃)政府委員 諸外国における組織の実例でございますが、現在主として主要国といいますのは、アメリカ、ソ連、フランス、西ドイツ、こういうところだと思います。ただし、ソ連につきましては、現在の時点におきましては、ソ連の国家そのものでやっておりまして、中の様子はちょっと私たちのほうでは資料をとりかねますので、アメリカ、フランス、それから西ドイツについて御説明申し上げたいと思います。  アメリカにおきましては、非軍事的な宇宙活動の実施機関というものは、御存じのように航空宇宙局、いわゆるNASAと称するものがございまして、これが昭和三十三年に設けられたわけでございます。これを大別いたしますと、本部と、それから実施機関というふうに分かれるわけでございますが、本部では計画、管理というようなことをやっております。実施機関には宇宙センターというものが十一ございます。そのほか、研究所とか、あるいは追跡網というものも設けられております。人員数といたしましては、大体六万をこえるというふうになっております。  次にフランスでございますが、フランスは、実施機関といたしましては、特殊法人といたしまして宇宙研究本部というのがございます。これは通称CNESと称しておりますが、三十六年の末にできたわけでございます。ここにおきましては、本部の活動計画とか、あるいは投資計画というものを審議するために理事会がございます。さらに専門的な立場からこの理事会に対して助言をする機関といたしまして、科学計画委員会と応用計画委員会、こういうものがございます。それから実施機関といたしましては、宇宙センターが三カ所ございます。そのほか、大西洋の沿岸に追跡局を六カ所持っているわけでございます。このCNESの経費は全額政府予算から出ているわけでございます。その人員は現在七百名というふうに聞いております。  それから、ドイツでございますが、ドイツは三十七年八月に政府が九五%出資いたしまして、ロケットと衛星の開発製造と、それから技術者の教育ということを目的といたしました宇宙研究有限会社というものを設立いたしたわけでございます。GFWといっておりますが、そういう会社をつくりまして、この機関が宇宙開発の実施に関する産業界との契約というものをすべて処理しているわけでございます。これは、人員は大体三百三十名というふうに聞いております。  いずれにいたしましても、各国とも、この宇宙開発を本格的にやろうというためには特別に組織をつくってやっているという実情でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 もう時間がないようですから、あとまたお聞きすれば相当問題が出てきますので、保留をしておきたいと思うのです。一応、きょうはこれで終わりたいと思います。      ————◇—————

石田幸四郎公明党

○石田委員長 引き続き、科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  原子燃料に関する問題について質疑の申し出がありますので、これを許します。齋藤憲三君。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 原子力局長に、これはちょっとお願いをしておきたいのですが、昨日、石川委員の質問に関連して私もお尋ねを申し上げました原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定、これを私、帰って、この条約文はよくわからぬのですが、読んでみたのであります。そうしますと、その第七条の第一項に、どうもやはりきのう私が御質問申し上げたようなにおいがするのです。それで、外務省と第七条第一項の実質をひとつよく突き詰めて、そうして御回答を願いたいと思うのです。これは即答を要求するのじゃありません。  これはこういうことを書いてあるのです。まず、第七条のAには「同位元素U−二三五の濃縮ウランの日本国のすべての必要量を供給する。」これは供給する意思ははっきりしているわけです。ところが、その第一項に「合衆国委員会は、日本国政府又は前記の認められた者のために、千九百六十八年十二月三十一日後に同位元素U−二三五の濃縮ウランの生産及び(又は)濃縮を行ない又は行なわせることにより、必要とされる同位元素U−二三五の濃縮ウランを供給する。」これもいいのですね。ところが、その次の「(合衆国委員会は、日本国政府又は前記の認められた者がこのような役務取極に基づく同位元素U−二三五の濃縮ウランの特定の引渡しのために必要とされる天然ウランを合理的に入手することができない旨の通知を適時に行なうときは、合意される条件により、必要とされる天然ウランを供給する用意がある。)」これを読んでみると、やはり原料は日本から供給するというのが前提であって、もし、そういうことができないということを適時通告しておけば、アメリカでは原料も供給する用意がある、だから、原則的には日本から持ち込むのだ、持ち込んでいく場合には、向こうは濃縮するだけの保証はする、だけれども、原料が持ち込めない場合には、またある一つの合意条件を必要とするというような、何かここになるというと、条約が、何もしなくたって、百六十一トンのウラン二三五を二〇%以内の濃縮度においていつでも確定的に日本はアメリカから供給を受けるんだということにはどうもならぬように思うのです。そうすると、条約による一まつの不安が残る、こういうことが考えられるのです。その第二項には、「A(1)の規定にかかわらず、日本国政府又は前記の認められた者が要請するときは、合衆国委員会は、自己の選択に基づき、合意される条件により、同位元素U−二三五の濃縮ウランを売却することがある。」これはもうほんとうの不確定条件ですね。向こうが自分の選択で売ることがある。ですから、この条約の骨子をどうしても確定しておくには、この第七条第一項のカッコのところは心配ないんだという専門的な解釈をひとつしておいていただきたい、これをお願い申し上げておきたいと思います。  それから、この機会に、大臣もおられますから、二、三お尋ねを申し上げておきたいのですが、核原料物質、いわゆる原子力の平和利用に対する燃料政策というものは、日本のエネルギー対策の一環として考えられておるのか、あるいは、これは従来の関係上から、エネルギー対策の一環の中には入っているけれども、総体的なエネルギー対策としての責任から分離して、科学技術庁における責任としてこの対策が考えられておるのか。ということは、核原料の取街及びそれを加工精製し、あるいは日本に必要なものは外国から輸入をする、そういうような権限というものは、エネルギー対策の一環としては考えられるけれども、責任の所在というものは科学技術庁にあるんだ、原子力局にあるんだ、原子力委員会にあるんだ、こういうふうになっているのか、これは一体どうなっておるのか、ひとつお答えを願いたい。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 いまのお話のように、これは非常に大事な問題であります。この問題につきましては、原子力委員会におきまして核燃料の対策というものを審議しまして、そうして、これは原則として民間の業者に入手をまかせる、こういうことになっております。そういうような点から考えまして、これはもちろんそのことがなくても、核燃料政策の一環であることは間違いないと思うのですけれども、主として電力業者ですが、今度は船のこともあるでしょう、そういう民間の業者が輸入する、こういうふうなたてまえになっておるわけであります。それとともに、補完的に動燃事業団におきましても、こういう問題に対してこういう処置をとらなくちゃならぬということで、私どものほうでは、動燃事業団において必要なものは輸入する、そしてまた、探鉱の問題などにつきましても、動燃事業団の予算におきまして補助金を出す、助成の金を出す、こういうふうなことになっておるのでありまして、これは今後の運用をいろいろ考えなければならぬと思うのですけれども、やはりこれは燃料政策の一環であることには間違いないと私は思います。しかし、原子炉の問題につきましては私どものほうにおきましても責任がありますので、そういう問題を非常に重視しまして、そして、原子力委員会にいろいろ御研究願っておる、こういうようなわけでございます。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 原子力委員会設置法によりますと、原子力の平和利用に関する企画、審議、決定——その原子力委員会設置法の第二条ですか、第一項に、政策に関すること、原子力全般に関して原子力委員会は政策を企画、審議、決定する、その決定したことは総理大臣が尊重しなければならない。その政策という中には、もちろん燃料問題が入るわけですね。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 もちろん入ります。エネルギー政策の中でどの分野を原子力でいくかということの政策がございます。そういう政策でいきますと、それには当然燃料が必要でございますから、その燃料分野も重要分野として燃料政策として考えられるということになると思います。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 そうしますと、従来の、原子力委員会が原子力平和利用、燃料政策に関する企画、審議、決定という線は、ただいま大臣が仰せられたように燃料政策はいろいろ審議し、計画をした結果、民間電力会社にその大半をゆだねる、こういうことですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 原子力の政策として考えまして、原料のウラン獲得等につきましては、国としては当然その基礎調査といいますか、開発の調査というものをいたしますが、その開発につきまし観ては民間にできるだけゆだねていくという考え方でございます。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 それで、燃料の開発、入手というものは、主として民間電力会社だろうと思いますけれども、それにゆだねるというのは、これは国策として決定しているのですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 現在の考え方では、委員会としてそういう方向でとりあえず考えていったほうがいいという了承の形になっております。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 それで、一体、将来に対する日本のエネルギー対策から、昭和六十年度までには三千万キロワットないし四千万キロワット、もしくは五千万キロワットに及ぶであろう膨大な発電に対して、電力会社にその燃料の入手一切をゆだねて、それを国策として考えて万違算なきを期し得られるという考え方によっておきめになったのでしょうか。それはどうなんでしょうか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 いま申しましたように、原子力委員会は電力——船も含みますけれども、そういう必要な燃料は民間に輸入させるという方針できている。しかし、国の燃料政策として考えるべき問題は、いろいろまだこれはあると思うのです。ですから、いまは輸入をやらせる、こういうふうに原子力委員会はきめておる、そういう方針を打ち出しております。しかし、そうかといって、政府はそれにまかせっきりでいいというわけではなく、その輸入を助長し、また促進するような施策を講じていくというのがいまの考え方ですけれども、これは今後非常に重要な問題ですから、単に燃料政策自体全部を民間にまかせるというわけにはいかない。やはり政府としてこの問題を大いに研究し、打つべき手は打たなければいけない、かように思っております。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 そうしますと、ただいま読み上げました協定ですか、協定の附表に書いてありますA、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、考慮中のものは五百メガワット、この日本国の動力用原子炉計画、これに必要な濃縮ウラン百六十一トンは、この協定でもろて確約されたわけですね。そうすると、これ以後に計画するところの原子力発電に対しましては、その許可条項として、確実に燃料の入手というものが確定しなければ許可しないということになるのですか。それは漫然と燃料を発電会社にまかせて、そうして、発電会社が発電計画を打ち立てて当局に許可を求めてきたときに、必ず燃料の入手というものが確立していなければ許可しないということになるのですか。その点、どうなっておるのですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 こちらで許可いたします場合に、その計画を全部見ます。その計画を出す資料といたしまして、その中に当然燃料計画というものが入りまして、それで十分だということで許可になりますから、当然向こうからの申請許可条件としては燃料計画が含まれてまいるわけでございます。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 そうしますと、昭和六十年までに三千万キロないし四千万キロワットの原子力発電に必要なU3O8九万トンという膨大な入手確実なウランというものをどこから求めるのですか。それは当てずりぽうで言っておるのですか、その計画はどういうふうにして立てたのですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 現在のところは、確かに米国にゆだねられております。その関係から、さしあたりのおもに四十六年までの十三基、これの建設をもとにしての結びつきかたでこれができておるわけでございます。これで将来このあとふやしてまいります場合には、当然これに乗ってこれを改定していく、これをふやしていくということの条件は残してございます。したがいまして、今後やはりアメリカからもらうという場合には、これをまたふやしていくという考え方が必要だと思います。しかし、そればかりあれできませんので、結局先生からはおしかりをこうむっておりますが、動燃の一千万でございますが、何とか各国のほうにおけるウランを日本で開発するという方向でささやかながらやっておるわけでございます。これは各国での条件がございまして、カーボーンその他はなかなか無理でございますが、いまのところは、カナダだけでやっておりますが、やはりこれから先はそういう海外の探鉱というものを進めて、自分で開発して輸入していくという形にしなければならないということは考えられると思います。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 私が要求してあります資料が出たら、また私も勉強して御質問申し上げようと思うのでありますけれども、いまの御答弁から承りますと、とにかく、エネルギー対策として、日本の発電量というものは水力、火力というものは頭打ちである、どうしても将来は原子力発電にたよらなければならぬ、しかも、それが最低に見積もって昭和六十年には三千万キロないし四千万キロ、現有の日本の発電力に匹敵するだけの原子力発電を求めていかなければならない。それにはU3O6で九万トン以上の燃料を必要とする、しかし確実にいま日本の手中にあるウランというものはきわめて少量である、そういう立場において、エネルギー対策としてそういうことを打ち出し、また、原子力局及び原子力委員会においても、そういう長期計画を打ち立てて、そうして、燃料の確保は民間にまかせておく、国家はあずかり知らぬのだ——あずかり知らぬといっては語弊があるかもしれませんが、そういう体制では、われわれはああそうですかと言って引き下がるわけにはいかないのです。国家の責任において、昭和六十年までに積算量九万トンを入手する、これには最大の国家的努力を払わなければいかぬのだということであれば、われわれとしても国会を通じ、国力の伸長をその方面に期することができるのですけれども、国策として民間の電力会社にまかせてあるのだといったら、もう国会は私企業に対して介入する何らの力はないわけであります。また、そういうことは憲法上許されることではないと思うのであります。一体民間会社にまかせておいて、そうして、政策、企画、審議、決定という線で原子力委員会も満足してしまうということであったら、これはたいへんなことになってしまうのではないかと思うのですが、その点に対しては、委員長として大臣はどうお考えになっているのですか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 いま齋藤先生から、ずっと将来を見通しての御意見でございます。まことにごもっともだと思うのですが、原子力委員会におきましては、当面すでに計画されておるものに対することを言っておるのでありまして、それに対しましては、日米原子力協定、これによって確保してやっていける、しかし、その輸入については、ひとつ民間のほうでやっていけ、こういうことでございます。将来、これが業界の見積もりのように、四千万キロワットとか、あるいはまた、それ以上にふえるというような情勢もありますので、そういうことを頭に入れると、将来の燃料の入手の問題については、政府は、これを確保するために、とくとまた考えなければならぬ、これは国の燃料政策として非常に大事なことである、かように思いますので、この点につきましては、いま御指摘のように、われわれとしても十分にこれは注意してやっていきたい、かように考えております。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 動燃事業団法の第二十三条の第一項の五号で「核原料物質の探鉱、採鉱及び選鉱を行なうこと。」ところが、その第二項で「事業団は、次の場合には、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。」その第一は「海外の地域において前項第五号の業務を行なおうとするとき。」これは海外において核原料物質の探鉱、採鉱及び選鉱を行なうときには、総理大臣の認可を受けなければならないのです。しかし、この総理大臣の認可は、科学技術庁長官に委任事項ですね。四十三条で「内閣総理大臣は、次の各号に掲げる権限を科学技術庁長官に委任することができる。」これは委任してあるのですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 この件につきましては、委任してございます。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 委任してあるとすれば、これは科学技術庁長官の責任として、御所信をはっきりしておいていただかなければならない。日本のウラン鉱の埋蔵量というものは、いままでに数十億の金を費して、十年に余る探鉱をやって、そして、一体何ぼっかんだかというと、U3O8でわずか五千五百トンというておるのです。しかし、われわれから言わせると、実際はわずか三千トンか四千トンです。これは認定方法によって食い違いがあるのですが、これではものにならないのです。どうしても海外の資源を探鉱して、採掘していかなければならぬという運命に置かれているわけです。ですから、こういう科学技術庁長官に対して委任されておる重大問題を、いまの、民間にまかせておくのだというような御答弁があったとするならば、われわれとしては、これはどうしても承服できないということになってしまうのです。なぜ一体こういう重大な委任事項に対して、動燃は積極的な政策をいままでとらなかったのですか。わずかに探鉱はやっているらしい、しかし、これも何か世間に発表しないで、こそこそしたような探鉱の状態だと思いますが、いま一体これは、どのくらいの予算で、どういうことをやっているのか、簡単でよろしいですから、ひとつ御説明を願いたいと思います。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 これは確かに科学技術庁長官にまかされておりますが、先ほど業界にまかせると言いましたのは、アメリカで開発されているものを輸入する、あるいはまた業界は、カナダから、鉱山業者との関係で開発しているものもありますので、そういう輸入のことを言っているのですが、この動燃事業団の海外の探鉱、これは総理大臣の認可でございまして、私にまかされておりますけれども、総理大臣の認可事項というのは、これは日本の国内のことではなしに、外交の関係もあります。向こうの制度の関係もあります。向こうが、外国から来て探鉱することはいかぬとか、いろいろなこともあります。そうなると、向こうの業者と連携してやらなければならぬ、いろいろなことがあると思います。そこで現在は、カナダの鉱山業者とこちらの電力業者と単独でやっているのもあるし、こちらの電力業者と向こうの鉱山業者と共同でやっているのもあるし、こちらの電力業者と向こうの鉱山業者と連携してやっているのもある、こういう状態ですが、動燃事業団の海外探鉱につきましては、四十四年度は一千万円の助成金を動燃事業団はそういう探鉱をやるものに出して、そうして海外の探鉱をやるということになっているわけです。ところが、これはやはり外国のことであって、私がまかされても、外務大臣との連絡なしにぽかぽかと許可をするというわけにいかない。それで、外国の探鉱というのは、なかなかむずかしい問題だと思いますが、しかし動燃事業団では一千万円の予算をことしは予定しております。その範囲でやっているというようなわけです。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 動燃事業団におきましては、四十一年から海外の探鉱をやっております。いま大臣がおっしゃいましたように、ことし一千万円、去年も約一千万円、その前は少し減っておりましたが、大体少しずつ増加をしております。それで現在まで南米、北米、南ア等を調査いたしました。ことしは続きまして、カナダのブリティッシュコロンビア州を調査するという予定でございます。  それから、いま先生がおっしゃいました極秘といいますか、もやもやというお話でございましたが、確かにそういうことはございます。と申しますのは、カナダ等で鉱区をある程度取っておりますが、しかし、鉱区を取りましたものをあまり発表いたしますと、やはりよその国あるいはその他でねらっておりますので、動燃としてはもう少し鉱区も広げたい、そのための調査もしたいということもございまして、あまり積極的にはものを言っていない点がございます。しかし、それがある程度おさまりますと、早急に公表するということでございますが、そういう点でごちゃごちゃという感じが出ていると思っております。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 私は動燃の南ア、カナダ、アメリカあるいはその他の調査報告書というものを読んだのですが、これは悪口を言いますと、幾らも悪口の言える調査報告書ではないかと思います。向こうへ行って調査報告書をもらってきて、翻訳をして印刷をすると、ああいうものができるのです。ああいうものは探鉱にはならないのです。先方で調査したものを翻訳して作文にしたということだと思うのです。いまバンクーバーの近くに鉱区を設定しつつあるということも聞いたのでありますが、そうなると、少しカーボーンでも走らせて、表土のシンチレーションの感度によって、あるいはあるかもしれないという認定のもとに鉱区を出願したかとも思うのです。しかしそんなことでウラン鉱をつかむことができるなどと考えたなら、これは大間違いだと私は思う。だから、今後一体どういう角度から海外のウラン鉱の入手を本式にはかるか、これは後日お考えがまとまったらお知らせを願うことにいたします。  もう一つ、これは原子力局長にお願いいたしたいのは、この核原料物質開発促進臨時措置法というのがあるのですね。これは時限立法で、国内の核原料物質を探鉱するためにつくったわけなんですが、この核原料物質開発促進臨時措置法によって地質調査所が概査をやる、それから燃料公社が精査をやるということで推し進めてきたのですが、これの第三条に「内閣総理大臣は、通商産業大臣又は動力炉・核燃料開発事業団が行う核原料物質の探鉱の合理的な実施を図るため、毎年、原子力委員会の議決を経て、核原料物質探鉱計画を定めなければならない。」それから二項には「内閣総理大臣は、前項の規定により核原料物質探鉱計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。」この核原料物質開発促進臨時措置法の第三条というのは、海外のウラン探鉱にも当てはまるのですか。これは国内だけですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 この措置法でいきますと、国内だけでございます。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 そうしますと、ウランの探鉱というものは、通産大臣とは関係なしに、科学技術庁長官が総理大臣の委任事項として単独にやれるのですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 国内ですか。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 いや、全般です。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 措置法の中でいきますと、国内では当然地質調査所が通産省にございます、それで、通産省と協議してわれわれのほうが進めていくという体制をとっております。  それから、国外の問題につきましても、現在、当然、海外のものを、先ほど民間と申し上げましたけれども、やはり民間で鉱山会社とあるいは電気会社とくっついて開発する等ございます。そういう関係の所管ということもございまして、十分こちらとは連絡をとりまして、その開発計画は両方で進めていくという形を考えております。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 通産省関係の海外鉱物資源開発会社ですね、あるいは海外技術協力事業団、これは外務省所管ですか、そういうようないろいろな機関がございますが、前に、通産省でも、ウラン鉱の開発というものを海外資源開発会社をしてやらしめようというような予算をとらなくてはいけないというような話もあったのですが、私のお尋ねしたいのは、一体どこが責任を持ってこのウラン資源の開発を統一的にやるのか。常に通産省、通産大臣と相談をしてやるような体制になっているのか。ただ、科学技術庁長官が、総理大臣の委任事項として、長官の責任においてこれをやることができるようになっているのか、その点をはっきりひとつ伺っておきたいと思うのです。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 ただいまの事業団法の中からいきますと、事業団ができたときに、そういうものを認可するのは確かに長官の委任になっております。しかし、そういうものを判断して長官が考えるという場合には、当然、通商産業省との関係で、もちろんそこで協議して進めていくことになります。  そこで、いま先生おっしゃいました事業団等の定款等にございます事業団の問題でございます。あそこには金属鉱物探鉱促進事業団というのがございます。そこでウランの開発等を融資の項目の中に入れたいということで、われわれのほうも入れていただきたいということで、現在検討中でございます。それで、そういう向こうの所管といいますか、監督しています機関との連絡等との関係も、これは非常に各省にまたがりますので、その点については、調整をわれわれのほうでしながら進めていくというのが現状でございます。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 あまり長くなりますから、やめますが、あれですか、金属鉱物探鉱事業団というのは、海外資源には手は伸びないのでしょう。あれは国内資源の開発でしょう。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 金属鉱物探鉱促進事業団は海外にも手が伸びます。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 じゃ私は、御即答を要求するわけじゃありませんけれども、そういう点が、重大問題に対処して今後どうあらねばならぬかという国策的な見地からいうと、きわめてどうもあいまいもことして重点的な施策が行なわれないような感じがするのです。どこの世界に、大きな原子力発電の要望を掲げておいて、お手持ちはといったら、その燃料は民間会社にまかせてあるんだ、じゃ国家は一体どこが責任を持ってやるのだということになると、これまた、あいまいとしてつかみどころがない。わずか一千万円の金でもって、そうして、海外の探鉱をやっていく。国内で一千万円使うということになれば、これはまた一千万円の価値はあるかしらぬけれども、海外に行って、広漠たる土地に、どうして一体実質的な探鉱の手を伸べるのですか。まず第一にわれわれが考えることは、飛行機を雇って、低空飛行をやらなければならぬでしょう。低空飛行をやるというそのことが国際的にどういう関係を持つのですか。また、低空飛行でもやって、シンチレーションカウンターに感度を及ぼすようなところでなければ探鉱してもむだでしょう。そうすると、いままで一千万円の金を使って調査したということは、先ほど私は悪口を言いましたけれども、諸外国に行って、調査報告書をもらって、翻訳したということなんだ、あれは。そういうことで漫然と一年、二年を経過しておる間に、あの調査報告書を読みますと、世界各国がウラン原鉱に対してどれだけの熱意を燃やして探鉱しておるかということなんだ。そういう点からいうと、日本は何にもしていないということなんだ。それで、ここで御質問を申し上げるというと、国家の責任というものはほとんどないということじゃないですか。それじゃもうわれわれが希望して考えておるところの、現在の日本の原子力平和利用の一番大きな発電計画というものが根本的にめちゃくちゃということになりはせぬですか。めちゃくちゃと言っては語弊があるかもしれませんが、何か砂上の楼閣みたいなもので、要するに、燃料の入手なくして大きな計画を立てておる、さあやれといっても、さいふには一文の金もございませんということと同じようなことになりはせぬかと私はおそれるのです。そういうものじゃないと思うのですね。やはりエネルギー政策というものが国家の重大な基本的な政策である限りにおいては、国家があくまでもこれに対して責任を持って、そうして、一番大切な燃料の確保は、国家の責任においてこれをやるという体制があって、初めてここに原子力発電計画というものが、私は、長期計画としてあらわれてくるのじゃないかと思うのですが、こういう点に対しまして、科学技術庁長官、原子力委員長として十分ひとつ御勘考の上、いまのような薄弱な計画でなく、国家の責任においてわれわれが納得するような原子力平和利用政策を確立していただきたい、こうお願いを申し上げておきたいのです。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○木内国務大臣 いま齋藤先生のお話しになった点、まことにごもっともです。そこで、私はさっきも申し上げましたように、国家は何もしていないというのじゃありませんで、当面計画されておる発電所の原子炉に必要な燃料については、日本にはないからアメリカから輸入する、カナダあるいはイギリスの関係もありますけれども。そこで、政府はその基本を確保して、その輸入は業者にやらせる、こういうことになって、燃料政策全部を民間会社にまかせておるという意味じゃないのであります。  なお、遠い将来を見通しての燃料政策、これは確かに大事な問題でありまして、これについては、お話しのように、国としても基本の点は国がきめて、民間にまかせるものはまかせる。基本の点は国がきめて、そうして、それを実際やらせるものは、だれにやらせる、かれにやらせるということはありますが、基本は国において責任をもって計画していくべきものだと、かように思っておりますので、今後通産大臣などともよく連絡をとりまして、最善の処置を考えてまいりたい、かように思っております。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 昭和四十五年度の予算要求の際に間に合わせて、海外における原料、ウラン、トリウム鉱——トリウムは別としても、ウラン鉱の探鉱を大々的に展開するという準備は、そういう計画は可能かどうか。それは、原子力局長でもけっこうですが、どうですか、できますか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 先生のおっしゃいますように、われわれのほうもウラン対策というのは非常に気にしております。ただ、いまの動力炉事業団のほうで、わずか一千万でございますが、なかなか海外に入っていくということの問題が一つございます。  それから、現在までの調査のやり方と申しますと、基礎調査と申しますか、概査と申しますか、それを事業団がやりまして、そのあとはそこを会社に開発してもらっていくという体制で、できるだけ会社がやりやすい場所をさがすという形で事業団が進んでおります。そのために、できるだけ基礎調査でさがそう、そういうことの方向の努力をできるだけさせていただきたい、こう思っておりますが、ただ、現在、事業団のほうでも、どこの調査をするか、具体的に検討中でございますが、ただ、あまりにもこれは、われわれのほうで予算化いたしまして、さあ行くという場合に、これはなかなか行けないという状態もございます。それから、飛行機を飛ばすというのも、なかなか飛ばせないという状態もございますので、計画はできるだけ早く立てますが、予想といたしまして、相当多額な金額でぱっと出られる体制に実際的に持っていけるか持っていけないか、その辺のところをもうしばらく検討さしていただきたい、こう思っております。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 長官にお願いをしておきたいのですが、日本国内のウラン鉱の探鉱というものは、これは日本国内は逃げないのですから、永久に日本国内にあるのですから、いま貧鉱を目がけてボーリングをやるとか、あるいは坑道を切るとかいうことはしなくたっていいのじゃないかと思うのです。人形峠から東郷地区あるいは岐阜県の地帯に対して数十億の金をかけている、その価値の評価は、あそこでもって技術を習得している、人間が養成されているということなんです。その人間及び地質調査所の人、民間会社において有能な探鉱をやり得る人がたくさんおるだろうと思うのです。ですから、国家の必要によって海外のウラン鉱の探鉱を開始するというときには、やはり相当膨大な計画を立てて、これは予算獲得ができるかできないかは別として、とにかく、ウラン鉱獲得の探鉱を極度に世界の有望な地帯にまで及ぼしていくという構想だけは至急にひとつ打ち立てて、それの実現に総力をあげて努力していくということが、やはりわれわれとしてもやらなければならないつとめではないか、こう思っておるのです。そういうことを、何か表に出ないでこっそりどこかで計画をされて、そして、内容をあばいてみると何もないんだ、非常に日本の原子力政策というものは空論に近いような部分が残されておるのじゃないかという心配があるわけですから、ひとつこういうことに対しては熱心に作業をやられまして、遺憾のないような段取りをとっていただきたい、これだけお願いを申し上げておきます。

石田幸四郎公明党

○石田委員長 次回は来たる九日水曜日午後一時より理事会、一時三十分より委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十五分散会

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