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61回国会衆議院1969/07/24

沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第23号

発言数
107
登壇者
10
会派数
2
開催日
1969/07/24

会議録

本名武自由民主党

○本名委員長代理 これより会議を開きます。  本日は、委員長が所用のため出席できませんので、委員長の指名により、私が委員長の職務を行ないます。  沖繩及び北方問題に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。小渕恵三君。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員 本日は、沖繩問題に関しましての政府の対米広報活動につきまして、若干お尋ねをいたしたいと存じます。  まず最初に文章を朗読いたしますが、これはその中に出てくる人の地位や人格について、それを否定するためでないことをお断わりしまして読みます。これは、昭和四十二年の「自由」という雑誌の八月号の中の文章であります。筆者は松山さんであります。「ジョンソン大統領があるパーティで「日本のシャストリ首相に……」と口にしたのをきいてゲンナリした、とその場に居あわせた日本人特派員が私に嘆いていた。昔ハーディング大統領が軍縮会議の公式席上で、何度注意されても「日本半島」とやった、との伝説を思い出させる話である。」というのであります。私は、これを読みまして、何か日米間における意思疎通の問題を象徴的にあらわしておるような感じがいたしたのであります。  そもそも、歴史的に考えまして、第二次世界大戦が行なわれ、日米間に不幸な戦争が行なわれたその大きな原因は、両国の間のお互いの国に対する認識が欠除しておったことが、その不幸な結果を招いた大きな原因だというふうに私は考えます。そういったことを考えましたときに、いよいよ日米間の重大な課題であります沖繩の返還の問題が、最後の場面に来たりまして、なお両国の間に相互に理解が深まらないようなことがありますれば、まことに残念な結果を招致するという気がいたしまするので、それを避けるためにも、お互いに両国の立場をより深める努力をしていかなければならないと思いますし、日本政府としてもその努力をやってまいるべきだというふうに考えております。  もちろん、今日まで相当の努力を積み重ねられた結果、両国間における沖繩問題に対する認識は、きわめて深くなっておるということを認識はいたしまするが、同時に、まだまだこれからさらに深めていかなければならないという感じがいたしております。  その認識と相互理解を深め、日本の立場を明らかにしていくために、過去、政府におきましても、あるいは民間あるいは議員同士の交流も深くなっておりますが、この点につきましては、先般アメリカを訪れました民社党の訪米議員団長の書かれた文章の中にも、きわめて適切な表現として書かれております。その印象としては、「日本人はアメリカを意識し過ぎて、それが盲目的な追随や片思いとなったり、逆にざせつ感から一途に反米に走ったりする。」こういうことがないようにしなければならないということを言われておるわけであります。  そこで、先般当委員会におきまして、永末委員から外務省に対して要求をされました資料、私ども配付されまして、読んでみました。政府としても、今日までの対米広報活動を重要視されて、努力されてきたことはわかるのでありますが、さらにその密度を濃くしていかなければならないと考えております。  私は戦後の日米関係を考えましたときに、かなり日本の要求する点については、アメリカ側もこれを認めてきた経緯があるというふうに考えております。そのよって来たるところは、私見でありますが、一つは、第二次世界大戦によってアメリカが勝利をおさめましたが、しかし、現在では勝利をおさめたものがある種のコンプレックスを持つことによって、願いを聞いていくという方向にありますし、また、日本の戦後の外交として特徴づけられる吉田外交というものがかりにあるとするならば、思うに、私は日本の国の世論の分裂を一つの手段として対米交渉をしてきたという感じも、しないでもないのであります。  しかしながら、これが可能であった大きな原因の中には、アメリカにおきまして日本に対してのシンパサイザーが多かった、すなわち親日派があったということであります。しかしながら、今日アメリカ国内におきましては、ただ親日派のみならず、日本に対してきわめて高い現状分析のできるところの知日家というものが台頭してきた現状を考えますると、ただ同情とかシンパとか、そういう方だけをたよりにする外交ではいけない。ほんとうに相互の、両国がお互いの国の実態と、その国民感情というものを熟知した上で外交を展開していかなければならないと考えるわけであります。  そこで質問に入りますが、今日沖繩問題に関する広報活動は、外務省としてどこに向かってやってきたかということ、アメリカのどの層、どういう方々に最もその重点があったかということを、まず最初にお伺いしたいと思います。

東郷文彦外務省アメリカ局長

○東郷政府委員 ただいまの先生のお話のように、沖繩問題に関しましては、アメリカの中で沖繩問題をまずどのくらい知られておるか、また、沖繩ということを聞いておる人がどのくらい問題を理解しておるか、こういう点を考えますと、これはわが国とはだいぶ様子が違っておると思うのであります。これは国情も違いますし、アメリカという国も大きな国で、特に地方の新聞などになりますと、海外の記事というものがきわめて小さくしか扱われないというような感覚もございます。  いずれにしましても、最近まで沖繩問題というものの存在は、率直に言って、あまりアメリカの一般の人たちには知られていなかったというのが実情かと思います。しかしながら、沖繩問題というものは日米間の最大の問題でございます。われわれとしては、そういう状態をそのまま放置はできませんので、まず沖繩問題を、存在を知らせる、それから理解を高める、これが御指摘のようにたいへん大事な問題でございます。  そこで、どういう方面に向かってまず重点を置くか。アメリカ政府の、これは広報という面は別でございますけれども、やはり一般に広く周知理解をさせるという点では、米国内のマスメディアと申しますか、広報機関と申しますか、そこがおのずから重点になろうかと存じます。そういう観点から、ワシントンあるいは東京あるいは米国内の各地におきまして、機会あるごとに報道関係のものに対してこの問題の存在、その意味するところ、これを説明し、かつ、わからせるように努力の重点を置いているわけでございます。言論界、同時にまた、もう一つの階層といたしまして、いわゆる世論形成の面で非常に有力なる知識人とか学者とか、こういう人たちがございます。この人たちに対して日本の考え方、これを周知徹底するということが非常に有効であり、大切であると考えておるわけでございます。広報活動と申せば、今日まで主としてそういう方面に向かって努力しておるわけでございます。  最近になりましては、少し問題がわかった人たちは、沖繩は日本の領土であるから、これは返還が当然である、こういう認識は非常に広まってきておると考えてもいいかと存じますが、さらにそれを進めて、しからばどういう形でやるかということになりますと、まだまだいろんな意見がございまして、広報の面でも努力がたいへん必要だと考えております。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員 特に沖繩問題を重要視されまして、外務省としては特別の大使の職を設けて、アメリカに派遣してその活動を推進しているわけでありますが、一体具体的にどういう手段を講じて、たとえばマスコミ関係はマコミ関係でけっこうですが、具体的な広報活動というものはいかなることをやっておるか、それを列挙していただきたいと思います。

東郷文彦外務省アメリカ局長

○東郷政府委員 先生御承知のように、広報活動というものは、またあまり目立ってやるのもかえって逆効果の面もあるのではないかと思います。ことにアメリカの中には、たとえば在郷軍人会のような方面では、沖繩返還自体についても、これはよく考えてどうということよりは感情的なものかもしれませんが、いろんな抵抗もある。そういうところに持っていって、日本政府の名においていろいろはでにやるということは、場合によっては逆効果ということもあり得るというような事情も考えなければならぬと思います。  具体的にそれではどういうことかと申しますと、先ほど申しましたような言論界の人、マスメディアあるいは世論形成に直接力のある知識人、こういう人たちに対して政府の関係者が直接いろいろな機会をつかまえて懇談する、われわれとしてはこれが一番有効な方法であろうかと考えております。それからまた、大使館、領事館出先におきましては、いろいろ広報資料を出しております。そういうものの中に、できるだけ沖繩問題について、先ほど申しましたような趣旨で、その存在及びその意味をよくわからせるような材料を加える努力をする、主としてこういう形で考えております。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員 いまアメリカの世論の中に、日本の態度を称してフリーライダーだというような意見がいろいろ出てきております。いわば日本を、敵ではありませんけれども対抗者として考え、あるいはその行為について義務を果たさない権利の主張者である、こういうような考え方が出ていると思うのです。そういうような考え方ができてくるゆえんというものも、そのよって来たるところは、現在の日本の国内における世論の一部がそのままアメリカに反映して、そうしたことが全体であるがごとき考え方をアメリカ人が把握をして、それがまたアメリカの世論になってくる、こういうような経過を経ていると思うのです。したがって、政府としては、日本の国内における政府の立場あるいは国民の世論の総体的なところ、これをしっかり把握して、アメリカに対して政府の立場をいま少し宣伝し、周知徹底せしめるような努力を要望しておくわけでございます。  その次に、今後の努力について要望を交えながら、私の考え方を交えながら質問をいたしていきたいと思いますが、日本の世論については、総理府その他で沖繩問題に対しての調査ができておるのだと思うのです。ところがアメリカの中においては、一体沖繩問題についてどう国民がとらえておるかというようなことについて、大かたの識者についての意見は聞いておるようでありますけれども、一般の国民の考え方については把握しておらないような気がするのですね。ですから、できればごく普通のアメリカ国民の考え方というものが那辺にあるかということを、世論調査等の手段を講じて私はしてもいいのじゃないかという気がするのです。特にアメリカにはハリスとかギャラップとか、そういう調査する機関がありますので、一度試行的にでもしてみたらいかがかという気がするのですが、いかがでしょう。

東郷文彦外務省アメリカ局長

○東郷政府委員 ただいまの日本政府の考え方をアメリカにいろいろな形でもう少しわからせなければいかぬ、まことにそのとおりと考えております。  それからアメリカの知識人でない一般の方の沖繩問題に対する考え方はどうであるか、これは先ほど申しましたように、わが国におけるとはだいぶ事情が違いまして、世界の問題、特に日本あるいは沖繩の問題についてほとんど知らないという人が多いかと思います。そこで、先ほど申し上げましたような形の広報をしなければならぬと思っておるわけでございますが、アメリカにおける日本に関する世論調査ということも、特に経済面、日本の貿易面等に関しましては従来もやったことがございまして、これが日本の貿易面あるいは輸出についての考え方の示唆を与えるということもございましたが、沖繩問題についていまどう考えるかということはまだやったことはございませんが、これもひとつ先生のおっしゃるような意味におきまして、やることを考えてみたいと思います。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員 世論調査というのは、その出てきた結果も重要でありますが、調査をするという行為もこれまた重大な影響を持つことでありますので、これは世論を喚起するという意味からも、そう多額の費用も要さないと思うので、実践してみたらいかがかというふうに考えます。  それから二番目ですが、アメリカの世論についてごく最近の新聞論調を見ますると、たいへんきびしいというようなことも出ておるわけであります。ところが、その意見が日本の国内においては比較的取り上げられておらないというきらいもなきにしもあらずだと思います。いたずらにそういう悲観論に杞憂することは必要ないかと思いますけれども、しかし、お互いほんとうの相互理解をするためには、悲観的な意見のあることもわが国民としては知っておくべき必要があろうかと思います。そういう観点に立ちますと、これは外務省の外国に対しての広報活動ですが、国内向けの対象国家の中の実態というものに対するPRがなされておらない。おそらくこれは外務省がやることじゃなくて、政府の中では総理府その他がやることだろうと思いますけれども、もう少し政府間のコンビネーションをよくして、外務省が取り入れた資料とか感覚というものを政府間で話を煮詰めて、日本国民にもその真意というものを知らしめておく努力が必要だと思います。私の感じではややその点が欠けるきらいがあると思いますので、その努力を期待いたしますが、外務省いかがですか。

東郷文彦外務省アメリカ局長

○東郷政府委員 先ほど申しましたように、沖繩問題について、アメリカの中での少し知識もあり、わかった人たちの間には、とにかくこれは返還すべきだという認識は非常に深まっておると思うのでございますが、それから一歩進んで、それではどういう形で返すかというところまでいきますと、やはり今日も非常に問題がむずかしい。私も四月に参りましたときに壁の厚いのは、アメリカの壁は厚い、しかし日本の壁も厚くて、両方とも壁が厚くて非常にまだむずかしいという印象を受けまして、住民の方に申し上げたわけですが、ただいま先生の御指摘の日本の国内に問題の実態をより理解させるという点におきましては、まことに御指摘のとおりでございまして、今後ともさらに一そう総理府その他関係方面と連絡を密にしまして、問題の実際のところをよく国内においてもわかっていただく、こういう努力をしたいと思います。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員 要望の第三点といたしましては、過般アメリカの議会におきましてバード上院議員が演説をされました。その内容を読んでみますと、いわゆるアメリカのタカ派と称する人の意見であって、きわめてきびしいことを言っておるわけですが、その内容となる引用された文書の多くは、沖繩における英字新聞、そういうものから素材を求めておるために、どうしても沖繩のほんとうの実態というものが、そういった上院議員の頭の中に入ってこないというようなこともあると思うのです。したがって、アメリカの議員に対しては、わが国の議員も行かれまして頭の転換を求める努力はかなりされておられるようでありますけれども、外務省としても、もう少し日本の新聞とかあるいは現地沖繩の世論をすくい上げたそういった文書を英語にリライトして、そして少なくとも外交に関係するような議員、願わくは全議員とかあらゆる識者に送付すべきであろうというふうに思いますが、そういった努力をされておられるか、おられなかったら、今後する意思があるかについてお伺いいたします。

東郷文彦外務省アメリカ局長

○東郷政府委員 アメリカの国会議員の中に、沖繩問題に関しては特に軍事委員会その他軍事面を非常に重視する委員が多いことは、これは御指摘のとおり事実でございます。この人たちの理解を深めて満足なる解決に合意させるというのは、これは率直に申して、もっぱら米国政府が話をする、そこへもってきて、われわれのほうから特に日本政府としまして直接議員にどうこうするというのは、場合によっては非常に機微な問題もあり、逆効果ということもございます。今日の段階で、政府が議員に直接言うことはいかがかと存ずるわけでございます。そういう点におきまして、特に最近二、三年、議員間の交流というのを深めておられること、まことにこれ、われわれといたしましても、たいへん建設的なことだと思って横から拝見しておるわけでございます。しかしながら、今後の事態の話し合いの進展その他の事情をにらみ合わせまして、御指摘のような点も大いに検討したいと考えております。

小渕恵三自由民主党

○小渕委員 政府としてできないというようなお話ですけれども、外務省はきわめてりっぱなスタッフを持っておるわけでありまして、アメリカの議員が日本の新聞を素読できるわけはない、やはり英語に直さにゃいかぬわけです。ですから、私は政府の機関を通じても、してもかまわないことだろうというふうに考えます。重ねてそうした努力をされて、先ほど、沖繩の施政権の返還という基本的な課題に取り組む場合に対処しなければならない相手方は何かということでお尋ねしたのですが、私もそれにはやはりワシントン、すなわち政府ですが、それとほんとうに駐日大使やあるいは沖繩高等弁務官、こういう方々の認識をさらに深めていただきたいと思いますけれども、同時に、議会筋の方々の理解力というものが非常に影響するところ大であろうと思いますので、政府としては、議員は議員間でなどと言わないで、資料を作成し、どしどしと送付して、日本の立場を明らかにする必要があろうと思いますので、強く要望いたしておきたいと思います。  時間が参りましたのでやめますが、私は率直に考えまして、まだまだこの沖繩問題を含めて、日米相互の間の理解力というものは、敵も知らずおのれも知らない点が多分にあるような気がするわけであります。したがって、さらに理解を深めて、円満な形でわが国の希望が満たされるというふうな形に持っていかなければならないと思いますので、今後とも広報活動の局に当たる外務省として、責任の重大性を感じ、努力されることを要望して終わります。

本名武自由民主党

○本名委員長代理 細谷治嘉君。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私は、沖繩の経済的側面から一体化問題について若干質問したいと思うのでありますけれども、残念ながら副長官は見えておりますけれども、大臣も見えておらぬようでありますし、山野局長もいらっしゃらぬし、私の要求した人はほとんど見えておりません。そこで、特に一体化の基本的な姿勢、沖繩の経済の開発、工業開発等も含めた問題点から財政援助、そういうものについて質問をしたいと思うのでありますけれども、きょうはしりのほうから入りまして、主として沖繩の財政問題から質問をしてみたいと思うのであります。  そこで、まずお尋ねをいたしたいのは、一九六九年度の沖繩の財政状況はきわめて深刻な状態に立ち至ったと報ぜられておるのでありますが、どういう状況になっておるのか、まず御説明をいただきたいと思います。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○鯨岡政府委員 沖繩問題について、特に私どものほうの感じでは、やや等閑視されているのではないかとしばしば心配されるわけでありますが、特にこの問題をとらえて御質問いただいたことについて敬意を表する次第であります。そこで、きょうは、まことに申しわけありませんが、長官は他の委員会に出ておりますし、山野局長はまさにいま御指摘のような問題で沖繩に渡っておりますので、私どもかわって御答弁申し上げたいと思います。  去年の暮れごろからことしの初めにかけて、沖繩の財政並びに沖繩の経済一般について心配される状態になりましたことは御指摘のとおりであります。特に財政の状態については税収入等についてそごを来たしたのでありまして、それらのことについては、ここに加藤君が来ておりますから、加藤参事官から詳細な説明をいたさせたいと思いますが、経済のほうも非常に沈滞ぎみであります。特に民間の投資が非常になくなりました。ために沖繩の経済はやや心配される状態に立ち至ってまいりましたことは、御心配のとおりであります。これについて逐次御質問もいただけると思いますが、どういうふうにして経済を立ち直らせるかという当面の問題、それからなお、恒久的な問題について私どものほうとしては苦慮いたしておる次第でございます。  財政の問題については、加藤君から詳細にお答えをさせます。

加藤泰守総理府特別地域連絡局参事官

○加藤(泰)政府委員 いま副長官から御説明がありましたように、去年、経済上の動きがやや鈍ったといわれまして、その結果として、租税収入が相当予定よりも少なくなるのではないかというようなことが、ことしの一月の初めごろからいわれたわけでございます。琉球政府の一般会計の補正予算がきまるときの数字で申し上げますと、租税収入といたしましては千四百八十九万一千ドルの減収ということでございました。その他印紙収入とかあるいは油脂販売納付金の減とか財産収入減とか援助額の減というようなものを含めまして、二千九十三万五千七百七十四ドルの減少になっております。ただ、日本政府のほうの援助金、アメリカ合衆国から、ほかの面からの援助の問題と雑収入の増等から、実際問題といたしましては千五百七十万ドルの収入減ということで、この点は借り入れ金でまかなうという補正予算を組まれたわけでございます。その千五百七十万ドルは、実際問題といたしましては、運用部資金から六九会計年度におきまして八百万ドルの借り入れをいたしまして、さらに残りの七百七十万ドルにつきましては特別立法をいたしまして、本年、七〇会計年度において特別に借り入れる授権が認められまして、合計千五百七十万ドルは、事実上は運用部資金から借り入れるという形で六九会計年度における一般会計の歳入減を補ったわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 いまお聞きいたしますと、税収が激減をした、そういうことで八百万ドル程度は借り入れにまって、残りは七〇年度から、言ってみますと繰り上げて流用した、こういうかっこうになっておるわけです。たいへんな赤字財政ということになったわけでありますが、いま例を税収のことにとってみますと、税収は当初たいへん過大見積もりをしておりますね。私の調査したところでは、租税収入は八千四百九十二万ドル当初に計上しておるわけです。これは前年比大体二五%の伸びになっておるわけです。従来の税収の伸びというものを前年比で見てみますと、一九六五年度は一割の伸び、一九六六年度は二四%の伸び、一九六七年度は二四%、一九六八年度は二〇%、こういうことであるにかかわらず、経済の実態を見ないで、動向を見ないで前例のない二五%の伸びを当初に期待した。そして補正段階で七千二万五千ドルと補正をしたはずですね。言ってみますと千五百万ドル近い補正を行なっておるわけです。そうしますと、税収というのは、前年比二・五%補正では伸びたという形になるわけですね。こういう前例のないような過大見積もりをしたところに私は問題があると思うのであります。いろいろ新聞に書かれてあるのでありますけれども、どういうことでこういう過大見積もりをしたのですか。

加藤泰守総理府特別地域連絡局参事官

○加藤(泰)政府委員 数字の点につきましては先生御指摘のとおりでございます。ただ、昨年度において、一昨年の経済的な発展の度合いというのは、沖繩におきましては本土よりも高い発展率を示していたという事実があるわけでございます。そういう事実をもとにいたしましてその八千四百九十一万六千ドルという税収入を予定したわけでございますが、御指摘のとおり、この数字は、その前年と比較しますと二五%程度ですか、多いように見積もっておりますが、それはさっき申し上げましたように、その前の年の経済発展が非常に大きかったので、それを一応見込みまして、さらに去年の予算編成時におきまして、その前の年との関係においてそれよりもやや伸びるのではないかというような見通しを立てたのは、実は具体的な結果から見ますと誤りであったということになるわけでございます。昨年におきましては、ベトナム戦の関係等の軍需も相当多くなりましたし、その他復帰が近づくにつれてのいろいろな経済的な投資抑制といいますか、そういうものが具体的にあった関係で、非常に大幅な減収になったものというふうに考えているわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私の質問にお答えいただいていないのですけれどもね。先ほど私が申し上げた六六年度、前年比二四%、これは決算額で伸びているわけですね。六七年度は二四%伸びておる。この場合は、ベトナム戦争によりまして、沖繩の経済成長率というのは、六六年度が名目で一七%、六七年度が一九・五%といっておるわけですね。ところが、六八年度は一五%くらいに下降しておるわけでありますから、したがって税も落ちておるわけですね。一九六九年度の国民所得の見通しあるいは国民総生産の見通しというのは、大体八・八%か九程度しか見込まれなかったわけですね。そうでしょう。それにかかわらず二五%なんという税収を見込むことは、これは非常識ですよ。これはいかがなんですか。

加藤泰守総理府特別地域連絡局参事官

○加藤(泰)政府委員 経済の見通しといたしましては、ここ数年沖繩経済の発展が非常に大きかったので、大体一九%ぐらいの発展を見ておったわけでございます。ところが、具体的に一九六九年度におきましての税収の見込みといたしましては、その前の年が約一千万ドルの減税をいたしたのでございますが、六九年度におきましては五百万ドル程度の減税という方針を立てておりましたので、そういう関係でいきますと、発展率との関係等からいえば、前年度よりも多く見積もっても当然であったというふうに考えられるわけでございます。そういう関係がございますが、実際問題といたしましては、先ほどから申し上げておりますように、いわゆる経済の不況といわれる事態から税収が千四百万ドル、千五百万ドル近い収入減という状態が発生したわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私は、当初予算に計上した金額を千五百万ドル、言ってみますとおおよそ一八%も落とすなんという、これはちょっと常識では考えられないのですよ。いろいろ経済成長率等を議論しておりますと、あなたのほうの数字と私の数字とあるいは違うかもしらぬけれども、いずれにしても非常識ですよ。  そこで、なぜそういうふうに組んだのかということになりますと、油脂納付金が減ったとかいろいろありますけれども、巷間やはり政治的な意味においてこういう予算が組まれた、こういわれておりますね。世席公選を控えてそういうふうにいわれておりますが、そういう要件はありませんか。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○鯨岡政府委員 お話の問題は、私どもも重要な問題ですから検討はいたしておりましたし、現在もまた考えておらないことではないのですが、要は沖繩政府のことでございますので、こまかくそれらの点について、思惑等についてお答えをする立場にないわけであります。  先ほどから加藤君もお答え申し上げたように、非常に経済の高度な発展が見込まれたということがこういう過大な予算を編成した原因であろう、こう考えております。政治的配慮がそこにあったかなかったかについては、われわれのお答えする範囲ではないと思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 まあ政治的な点については、私、常識的にどこでもあることでありますけれども、ただ、当初予算を税収において一八%も削るなんということは、これは全く異常だ、その異常な原因というのは、どうもやはり選挙の前年という異常な条件があったのではないか、これはやはり新聞等に書いてあるように、副長官といえども否定できないことであろうと思うのです。  これはその程度にいたしまして、しかし沖繩の財政は、そういうことで翌年度のなけなしの金を前年度の赤字に充当したわけであります。一九七 ○年度、現在の年度になるわけでありますけれども、たいへんな財政危機、財政難におちいっておるようであります。山野さんがそういうことで今度沖繩においでになったようでありますが、お尋ねいたしたい点は、今年度の財政援助というものについては、総務長官なりが沖繩に行って言っておること、あるいはこの国会等で答えた構想とはたいへん減額された形で援助が行なわれているのじゃないか、私はこういう感じがいたします。この点についていかがですか。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○鯨岡政府委員 ちょっと質問の趣旨がよく理解できないのですが、本年度、これから私どもが来年組まなければならぬ予算の中に組まれる沖繩の援助金額についてお尋ねでございますか。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 ことしの援助は、総務長官が沖繩に行って言った金額より、あるいは国会等でそういう方向を言っておったよりも少ないのじゃないかということをいま申し上げている、そうじゃないかというのです。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○鯨岡政府委員 必ずしもそう考えておりませんけれども、何かお感じになっていることがありましたら、具体的に御質問いただきたいと思います。  総額といたしましては、われわれが沖繩の方々と話をして、私どものほうは沖繩の県民の立場に立ってものを考える役所でありますから、私どもの長官も常にそう言っております。そういう立場でやや希望的な話し合いをしたことも事実ございます。それと比べてどうかと言われれば、必ずしも十分であったとは思いませんけれども、そう過大なことを言っておって、それは羊頭を掲げて狗肉を売った形に結果的になったかというと、私どもはそう考えておりません。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 ことしの援助の内容、性格等については問題がありますよ。とにかく金額の問題をまず言ってみますと、財投を加えて二百三十億円くらいでしょう。たとえば沖繩から要求された金額というのは、三百億を上回っておったわけですね。それから予算編成期、ことしの一月早々の段階では、復活要求として二百五十数億円というものが要求されたわけでしょう。さらには、長官も参議院等で、一九七〇年——会計年度が日本のやつは二つに分かれ、会計年度が違いますから、二百七十億円というものが最低必要だというような答弁もしておるわけです。そういう点から見ますと、かなりこの援助について値切っておるじゃないかということが言えるのじゃないか、こういう質問なんです。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○鯨岡政府委員 ずっと前のことは、あるいはここにおる加藤君のほうには資料があるかもしれませんが、私の頭の中にあるものの中では、二、三年前からのことでありますが、ずっと前には二十何億から五十何億、一昨年ですか、先生御承知かと思いますが、百三億ばかり、去年が百五十三億、ことしが二百二十七億、こういうふうに伸びてまいったのでございます。いま先生は二百三十億ぐらいあると言われましたが、その中には五十三億の財投を含んでおることはお話のとおりであります。ただ、百三から百五十三、二百二十七、こう伸びてきた数字の伸び方をそれなりに見ますと、かなり勉強して伸ばしてきていただいた、こう感じておるわけであります。もちろん琉球政府のほうからの要求は、これよりも多かったことは言うまでもございません。またわれわれも、その要求にできるだけこたえてあげたいというので、努力したことも言うまでもないことでありますが、総体から見て、事業量等からも見て、それから例年、御案内の三カ年計画というものを立てた第一年度であるということから見て、私どもは、もうすでに御決定をいただいたこの数字は、必ずしもえらい過小なものではないというふうに考えておりますし、これがきまりました時点における琉球政府のこれに対する評価も、これはえらい期待はずれであって、全然問題にならないというようなものでもなかったように感じておる次第でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 再要求したのは二百五十億円でございまして、その差というものは三十億前後ということなんですが、そこで援助の絶対額という問題よりも、六九会計年度の赤字を踏まえて、沖繩の財政問題というものは、とにかくアメリカの援助も日本の援助もピックアップなんですね。それに当然自主財源をプラスしていかなければならない、こういうことでたいへんな手持ちの財源がない、こういうことになって、いま総理府なり大蔵省なりで自主財源方式というものが検討されておるようでありますけれども、ちょっと見ますと、一九七〇年度の予算を見ても、日本政府の援助が四千八百五十万ドルばかり、米国政府の援助が千七百五十万ドルばかり、合わせて六千六百万ドルくらいなんですね。これに対応する経費というものは、四千六百万ドルくらい要るようですね。そうしますと、人件費などを加えました義務的経費を加えますと、最小限一億二千六百万ドルくらいの自主財源がなければならぬ、こういうふうに見積もられております。ところが、琉球政府自体が持っておる自主財源というものは、一万ドルちょっとくらいであります。もはや一人立ちできる財政構造になっておらぬ、こういうふうに申さなければならぬわけです。これは認めになりますか。

加藤泰守総理府特別地域連絡局参事官

○加藤(泰)政府委員 先生御指摘の点につきましては、確かに琉球政府の一般会計における日政援助及び琉政援助の比率が、約三割程度になろうかと思います。そういう意味におきまして、それに対応する費用も相当ございますので、いわゆるいろいろな費用も相当必要でございますので、琉球政府自体が現時点におきまして琉球政府の財源で自由に使える額というものは、相当少なくなっているということは言えると思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 自分で使える金が少ないというよりも、私がいま申し上げた数字でいきますと、どうしても二千万ドルぐらい足らないんですね、自主財源が。そこで、山野さんが今度行ったのもそういう意味も含んでいるのでありまして、どういう方向で総務副長官は解決するおつもりですか。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○鯨岡政府委員 これから申し上げることは、必ずしも先生の御質問に対して、そのものずばりお答えをすることになるかどうか疑問でありますが、従来は、御案内のとおり、つかみで百三億とか、百五十三億であるとか、二百二十七億であるとかきめてまいったことは御承知のとおりであります。ことしはそういうようなやり方でなしに、一体化二年目でもございますので、一体琉球政府がいま行なっている仕事の中で当然国がやる仕事は何か、それから当然県がやる仕事は何か、それから普通本土であれば市町村にまかせるべき仕事は何か、そういうように分けて、それで国がやるべき仕事としてはこれだけなんだから、これはできれば別に考える。考えの中では別に考えてみるというようなことにして、県でやる仕事の中でこれだけ要るんだというように分けて、ことしはひとつ援助の方式も考えてみようじゃないかというようなことをいま考えている段階であります。できればそういうような形で援助総額金というものをきめたい、こう考えておるわけであります。これには琉球政府のほうにも作業してもらわなければなりませんし、いろいろ相談も詰めなければならない。そればかりではございませんが、事ここに至りました原因は何かといえば、先ほど先生からもお話がありましたように、民間の経済が沈滞したことであります。なぜ沈滞したか、それはいろいろ政治上の問題もございましょうけれども、それらを克服して民間の企業をもう少し活発にする方法はないか。それができなければ、いつまでたってもこの状態は、すべり台を落ちるように財政のほうも悪くなる。むしろわれわれとしては、民間の経済をいかにして活発にするかという方面にいま重点を置いておるわけであります。しかしながら、財政のほうをほうっておくわけにもまいりません。これはもう申し上げましたように、琉球政府がやることですから、こちらからいろいろ差し出がましく言うことも、ある意味では差し控えなければならぬ面もありますけれども、そうかといって、こういう状態のときに相談に乗らないということはできません。その相談に乗る方法は、いま申し上げたようなやり方で乗っていったらどうか、こんなふうに考えておるわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 きわめて抽象的で、最初のおことばにありました琉球政府の予算のおおよそ三割というのは、大体政府関係の仕事と見られるわけです。その他の七割というのは、大体県の仕事に相当するものなんですね。そこで、先ほど私が申し上げたように、いままでの援助というのは補助金方式でありますから、必ずそれに自己財源というのが裏づけされる。それがもはや底をついてしまっておる、こういう状態でありますから、国の仕事、それから県相当分の仕事、あるいは市町村相当分の仕事と、こういうふうに分けることは当然でありますけれども、いままでの援助方式というのはもう抜本的に改めなければならぬのじゃないか。地方交付税方式を四十五年度から採用しなければならぬのだ、こういうふうに政府のほうでも考えておるように新聞等に書いてあるのでありますが、そういう方向で四十五年度はやるおつもりかどうか。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○鯨岡政府委員 御指摘の地方交付税方式は、十分に考えなければならぬことは言うまでもありません。言うまでもありませんが、本土の県とこれまた言うまでもなく違うことは、国税も全部琉球政府が取っているわけでありまして、税の体系が全然違うわけであります。そういう体系の中で交付税方式というものが採用できるかどうか、きわめて疑いなきを得ないわけであります。地方交付税方式というようなものを考えなければならぬことは言うまでもないのですけれども、こういう税の体系が全然違う、それに手をつけないままで地方交付税方式を採用するということはいかがなものであろうか。もちろん新聞などにも書いてありますように、いずれはそういうふうになっていかなければならぬことではありますが、その前に、それならば税の体系というようなものもいろいろ考えていかなければならぬのではないか。したがいまして、結論的には、いまの段階では私どもはそういう方式が本年度採用されるというふうには考えておらないのであります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 税の体系が違うことはおっしゃるとおりであります。したがって、そういうものを直さなければ交付税方式がとれないのだ、あくまでもこちらが選択した補助金方式だということになりますと、先ほど私が申し上げたように、なけなしの自主財源が底をついておるわけでありますから、補助金をもらったってどうにもならない、こういうところに来ているわけですね。仕事ができないわけですね。ですから、私は、一体化の問題については後ほど質問に入りたいと思っておるわけですけれども、少なくともそういう一体化を進めていく一つの重要な柱というのは、やはり財政にあるということは申すまでもないと思うのですね。ですから、補助金方式じゃなくて、自主財源として本土政府から付与してやる、こういう形をとらなければ、先ほども申し上げました一九七〇年の会計年度の予算を見てもはっきりしているわけですから、これが補助金がふえればふえるほど、援助がそういう方式でふえればふえるほどいよいよ自主性を失ってしまう、どうにもならない、こういうところに来るわけでありまして、六四年から三カ年計画でやるというのならば、税に手をつけない限りはどうにもならないのだという形じゃなくて、援助のしかたについて、自主財源方式というのを基本的に採用すべきではないかと私は思うのです。いかがですか。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○鯨岡政府委員 おっしゃられるとおり、交付税方式は、現在の段階では先ほど申し上げましたことで御了解をいただきたいと思うのですが、しかしながら、おっしゃられるとおり、いままでの方式でやっていったのでは、その金に対応して自主財源を出さなければならぬ、その金がないのだからだめではないかと言われることでございますが、それは私どもも理解できます。そこで、どういうふうな方式でやっていったらいいか、それが、対応する金がないのだったら、こちらのほうは元金は出しませんよというようなことはできることではございませんので、先生御心配の点も踏まえて、琉球政府のほうとせっかく協議を重ね、琉球政府のよい施策ができるようにわれわれは努力いたしていきたい、こう考えておるわけであります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私はマクロに言って、そういういろいろな前提条件もあります。政府の派遣した一体化の報告書にもそういうことが書いてあります。ありますが、少なくとも一体化の基本的な出発点としては、たとえば沖繩の類似県、代表的なものは佐賀県といわれております。その佐賀県が現在国からもらっておる補助金、国からもらっておる地方交付税、そういうものを類似県に一体化するという以上は、佐藤・ジョンソン会談での一体化というのはそういう意味なんですから、三カ年のうちに財政面からこれをなし遂げてやるということが必要ではないか。沖繩に行きますと、私どもの類似県は、人口からいっても、いろいろな点においても、佐賀県が類似県だ、こういうふうにおっしゃっておりますが、そういう本土の類似県に相当したものを三カ年のうちに税の問題は総括してむろん直していく、と同時に、並行的に補助金なり交付税というのをやはり与えてやらなければ、とてもとてもそれは本土並みへのレールに乗らないのではないか、こう私は思うのです。基本的な出発点、いかがですか。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○鯨岡政府委員 佐賀県を例にとれば、ほとんど類似県だということはお話のとおりでありますから、どういう方式をとるかということは、税制なども違いますからこれから考えていかなければなりませんが、根本的なものの考え方としては、先生御指摘のとおりであるとわれわれは考えておるわけであります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 税もそうでありますし、交付税の配り方も、日本の本土の交付税方式というのは、自治省に言わせれば精緻、巧緻な点においては世界に冠たるものだと自画自賛しているくらいなんですけれども、沖繩の交付税の配り方、いわゆる基準財政需要額のとり方あるいは収入額のつかみ方には、かなりずさんなものがあるということは私も承知しております。そういうものは、やはり三カ年のうちに直していかなければならぬのであります。出発点としては本土の類似県に相当する補助金、それと交付税、そういう財源を与え、なおかつ過去の大きな落ち込みの集積をプラスアルファをしてやるというたてまえをとらなければ、とてもとても一体化なり沖繩の再建というものはあり得ないのじゃないか。これは私の意見ばかりではなくて、いろいろな沖繩問題についての会合において、たとえばかつて自治省の事務次官をされた小林さんあたりも、かなり積極的な私案なり発言をなさっておることは御承知のとおりであります。これは副長官、そういう観点に立たなければ、一体化なんて、ことばだけですよ。これはどうなんです。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○鯨岡政府委員 全く御指摘のとおりでありまして、その点もまさに格差是正ということでわれわれは取り組んでいることは、あるいは不十分のおしかりを受けるかもしれませんが、お認めをいただきたいと思う次第であります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 そこで、そういう原則点については認めていただいたのですが、それでは事務当局御存じでしょうか。かりに一九六九年度なり一九七 ○年度なりに、沖繩の補助金なり交付税なりを本土の類似県に置きかえたとしたならば、いわゆる沖繩が日本の沖繩県であった場合ならば行くであろう補助金なり交付税というのは、税も日本本土並みに引き直した形においてどのくらい行かなければならぬものなのか。試算か何かされておるでしょう。当然しているでしょう。お示しいただきたい。

加藤泰守総理府特別地域連絡局参事官

○加藤(泰)政府委員 類似県との関係におきまして、副長官が言われたように、三カ年計画におきまして各種の点について格差是正を推進するというたてまえでやっておりますので、そういう点についても、そういう面からいろんなことを考えてはいるわけでございますが、いま先生御指摘のような、何しろ制度そのものも違いますし、三カ年でそういう制度の一体化をやっていこうという努力中でございますので、いま沖繩県という形でいろんな計算をしてみたらどうかという正確な試算——正確なといいますか、そういう試算そのものはしておりません。ただ、考え方といたしまして、そういう格差是正を三カ年でやっていこうというたてまえでございますので、大体の見当づけはいたして、それに従っていろんなことを考えてやっているわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 試算してないと言うけれども、一体化のことを考えるという場合に、一体化の一つの柱というものは財政問題でありますから、考えておらないといかぬはずですよ。類似県並みにいった場合には、佐賀県には現に交付税はこれだけ行っている、補助金はこれだけ行っている。ですから、本土の沖繩県であるとするならば、沖繩にはこの程度の援助額をやらなければならぬ。それでなければ一体化は前進しませんよ、過去の落ち込みがあるわけですから。試算しているでしょう。

加藤泰守総理府特別地域連絡局参事官

○加藤(泰)政府委員 先ほど申し上げましたように、試算そのものはいたしておりません。ただ、沖繩のレベルが類似県に対してどの程度の格差があるか、そしてそれを是正するにはどういうふうにしたらいいかという意味合いにおいて、目安としていろんなことを考えておるわけであります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 これは事務当局じゃなくて、私だって概算できるのですよ。  それで、いまちょっと例をあげて申し上げましょう。一九七〇年度を例にとりますと、類似県でありますと、沖繩県に支出されるものとしては、地方交付税として県分として四千三百四十一万ドルくらいやらなければならぬということになるわけだ。市町村分として千八百九十万ドルぐらいやらなければならぬ。そうしますと、合計六千二百三十二万ドルぐらいのものをやらなければならぬという勘定になるわけですね。ところが、補助金方式でいっておる日本の援助というのは、七〇年度では四千七百二十二万ドルでありますから、国庫補助金も類似県に対して八千百二十四万ドルぐらい行っておかなければいかぬわけだな。ですから、補助金にしてもおおよそ半分強ですよ。それに交付税が行っていないわけですね。むろんそれにいま申し上げた数字は本土に税制を引き直した場合——これは引き直してもらわなければならぬ。しかし、一ぺんに是正はできるわけじゃありませんからね。少なくとも本土に引き直しますと、いまの税制よりも一九七〇年度で千七、八百万ドルぐらいはおそらくふえるでしょう。あるいはそれを差し引けという理屈があるかもしれぬけれども、たいへんな落ち込みなんですから、そういうぐらいの数字はできるわけですね。その辺のことを見てみますと、私が先ほど鯨岡副長官にお聞きした二百二十七億円なんというのでは、とてもとてもこれは一体化と名づけるようなものではない。倍々という形で毎年増加してきたことは認めますけれども、一体化に値するものではない、こういうふうに沖繩の人がとり、これはあめにむちである、こういうふうに言われるのも一面の理があると私は思うのですよ。ですから、あなた専門でしょう。一体化というならば、前提は先ほど副長官が答えたことなんですから、少なくともそういう線に乗って、プラスアルファを与えてやらなければならぬじゃないか。それでかりに本土の税法を適用したとしても、二百三十億円ぐらいでは、これはまだまだ差別待遇されているという数字上の結果になるわけですよ。もう少しこれを明らかにしていただきたいのです。

加藤泰守総理府特別地域連絡局参事官

○加藤(泰)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、先生御指摘のような試算そのものはいたしておりませんが、佐賀県とかあるいは高知県とか徳島県とか、いわゆる類似県と称するものに対して国庫からどの程度の金が支出されているかということは、もちろんこれは自治省の資料で明らかでございますので、そういうものはわかっているわけでございます。ただ、そういうものだけでは、ちょっと実際の沖繩に対してどれだけ援助していいかということは出ないわけで、さらに沖繩において国税相当分が相当徴収されておりますので、そういう国税相当分の額の問題等を考えるということになりますと、これは実際問題としては制度が違いますので、なかなか具体的な相当自信のある数字というものはつかめないわけであります。そういう意味から試算をしていないわけでございます。  ただ、いずれにいたしましても、目安として、われわれとしては先ほどあげましたような県の財政規模等を考えて、その財源をどうするかということをいろいろ検討しているわけでございますので、目安としてそういうものを一応使っていくつもりでおります。ただ、一気に一〇〇%の援助をすればそれでいいということではないと思うわけです。やはり実際問題として、琉球政府におけるいろいろな行政、財政制度の運営の面におきましても、いろいろなことを考えながら具体的にもっと効率的な援助ができるように、そして三カ年の間に格差がほぼ本土並みになるように、そういう配慮のもとにこの財政問題を検討しておるわけでございますので、先ほど申し上げましたような類似県に対する国庫支出分即沖繩援助というようなことにはならないし、また、そういうことが直ちには多少無理があると思う。いま言うような目安として考えながら、それを十分活用していくようにしておるわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 目安目安と言ったって、三年のうちには達成しなければいかぬでしょう。そういうことでしょう。ですから、一体化計画の中にはそれが具体的に入っておらなければならぬ。後ほどちょっと質問したいと思うのですが……。そういう点で沖繩の援助のしかた、それから性質、質と量、いずれも問題がある。こういうことが私は言えると思うのですよ。質と量に問題があるわけでありますが、さらにお尋ねしたい点は、沖繩の税制というのは、大体政府のほうに税収が九割入る、市町村には一割しか入らぬわけですね。そして政府のほうから、政府税の六税に対して二三・何%かの交付税が来るわけですね。ですから、いままで私は沖繩の政府の財政に主として触れたわけですけれども、その財政がたいへんな事態になっておる上に、本来沖繩の一体化あるいは開発のにない手である市町村の財政は、またそれ以上のものがあるわけですね。本土ですと、大体において税収の三二%くらいが県、市町村に入ってくる。そのうちの一五%というのは市町村の税ですね。沖繩はたった一割しかないわけですから、市町村を例にとったって、これは五%の違いがあるわけです。その上六税の二三・何がしのパーセントでありますが、交付税も少ない。こういうことでありますから、末端の住民に一番関係の深い市町村の財政というのは、たいへんな事態にあると私は思うのですよ。政府の援助の中に若干の市町村財政強化費というものが、一九六八年度あたりから組み入れられ始めておるようでありますけれども、これは副長官、文字どおり焼け石に水です。市町村制度の問題もありますが、きょうは財政問題にしぼりますが、これは一体どういうふうにしてやるつもりですか。私が試算しましても、一九七〇年あたりで、本土に引き直して、そして本土の中にあるとするならば市町村に行くべき交付税というのは、援助もありますけれども、やはり六、七十億円くらいは市町村にやってやらなければ、本土の市町村並みの行政を期待することは不可能である、こういうふうに見ておるわけでありますが、どんなものでしょう。

加藤泰守総理府特別地域連絡局参事官

○加藤(泰)政府委員 町村財政につきましては、先生御指摘のように、財源が乏しいという指摘ができるかと思います。ただ、本土と比べた場合に、沖繩の市町村は本土の市町村がやっておるような事務を完全にやっておるわけではないわけで、そういう意味におきまして本土の市町村とそのまま比較することはできないと思います。その部分は全部琉球政府がやっておるわけでございますので、そういう点を考えながら、市町村財政の強化ということは当然われわれとしても関心を持っておるわけでございます。そういうことから昨年度におきまして十億、本年度におきまして十八億の、琉球政府から市町村に交付されるべき交付税に対する援助ということで考えておるわけでございますますので、その点、市町村財政についての強化という問題につきましては、今後税制の改正等を通じまして徐々にそれが行なわれていくというように考えるわけでございます。そういうふうになっていきますれば、現在のような行政レベルとは比較にならぬほどレベルが上がってまいろうかというふうに期待しておるわけでございますが、現時点におきましては、いまさっき申し上げましたような事情でございますが、いずれにいたしましても、交付税を通じての市町村財政の強化という点は、三カ年計画の中においても大きなウエートを持たしてやっていきたいというふうに考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 鯨岡さん、四十四年度を例にとりますと、沖繩がもし本土に返ってきて本土の一県であるとすると、沖繩にある六十ばかりの市町村は、大体概算しますと、おそらく総理府でも計算しておられるのだろうと思うのですが、七十億くらいの地方交付税を市町村だけでもらっておらなければならぬわけですね、差し引いてですよ。それがわずかに七億か八億でしょう……。

加藤泰守総理府特別地域連絡局参事官

○加藤(泰)政府委員 琉球政府を通じて十八億……。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 それにしても少ないな。話にならないじゃないか。

加藤泰守総理府特別地域連絡局参事官

○加藤(泰)政府委員 琉球政府から全部で千八百万ドル、そのうち五百万ドルが本土政府から出ております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 そこで私は、市町村の財政というのが沖繩の財政上にきわめて貧弱だ。行ってみますと、公民館を建てるのに弁務官資金なんてもらって、そして随喜の涙を流しておるのだな。日本の魂を忘れるようなそういう財政状況にしておいて、そして金一封という弁務官資金で、ことばは適切じゃありませんけれども、頭をなでておる。こんな姿は一体化とはほど遠いものですよ。異質のものです。ですから、私は、三カ年計画でやるとすれば、制度のいろいろの問題はあります、市町村に移管すべき事務というのが多々ありますけれども、この辺のことは十分考えていただかなければならぬ。市町村財政の強化というのは非常に重要な問題だ、こう私は思うのです。ひとつ長官、そういうことを十分考えてやっていただきたいと思うのですが、一言お願いしたい。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○鯨岡政府委員 一言と言われると、全くそのとおりに私も思います。この問題につきましては、前々からわれわれも非常に意を用いているところであります。先ほどもお話がありましたように、千八百万ドルの沖繩の予算の中で——これは六十四億ですが、その中で五百万ドルというもの、すなわち十八億、おととしは十億だったと思いますが、それだけ市町村に行っているわけです。これが本土の市町村と比べてどうかといえば、やはり私は少ないと思います。だが、先生も沖繩にお渡りになって市町村をごらんになってよくおわかりのように、本土の市町村とはまた格段の事務能力、事務の範囲、仕事の範囲が違うわけであります。ですから、すぐに置きかえて、これじゃ少ないではないかということはしばしばあやまちをおかすことにもなると思いますが、いま先生も御指摘のとおりそういうことも早急に改めて、そうして市町村が、自治体ですから、もっと仕事がやれるようにしていかなければならぬということは、結論としては全く同感であります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 そこで一体化についての重要な一つの柱は、そういう財政援助の量と質の問題だ。こういう点については、とにかく量だけふやしてもいかぬ、質の問題を十分考えて、方式を抜本的に変えていただかなければならぬということを申し上げたいわけであります。  そこで、佐藤・ジョンソン会談に基づいて一体化政策というものが進められているわけでありますけれども、一体化政策というものの基本は、やはり沖繩の人権が守られなければならぬ。基地からいろいろなものが出ている。最近はまたGBガスとかなんとかいう問題がたいへん世間を騒がしているわけですから、あるいはいろいろな問題点があるわけであります。一体化というのが六九年から三カ年間で進められておるのですが、この計画はぴしゃっとでき上がっておるのですか。

加藤泰守総理府特別地域連絡局参事官

○加藤(泰)政府委員 一体化三カ年計画とわれわれが言っておりますのは、昨年の十一月の五日に閣議決定をいたしまして、一応一体化計画の大体の方針をきめたわけでございます。その方針できめられたことは御承知のとおりだと思いますので触れませんが、その閣議決定に基づきまして、われわれとしては、どういうことを三カ年でやっていくかということをいろいろ検討したのでございます。第一年目は、たまたまもうすでに現時点におきましては入っておりますので、その部分はことしの予算で触れている事項及び予算に関係のない事項について一体化を進めていくということにいたしておりますが、第二年目、第三年目にどういうことをやっていくかということを、昨年の暮れからことしにかけまして、いろいろ各省とも打ち合わせをしてまいってきております。琉球政府等とも十分具体的な問題について、何を次年度に取り上げていったらいいかということを検討しておりますけれども、ただこれは、どこまでもわれわれといたしましては援助費を算定するにつきまして、この三カ年計画の第二年目の計画をどういうふうにやっていくかという目標といたしまして、各省の御協力を得て具体的な問題を取り上げたわけでございますので、そういうような意味合いにおいて、第二年目の問題及び第三年目の問題はそれぞれ具体的に移管策定の段階において決定してまいりたいというふうに考えておりますが、一応の考え方としては昨年の十一月にきめた方針の中に盛り込まれている、その具体的な問題をそれぞれ来年、再来年の問題として取り上げていこう、そういう意味合いでございますので、そういうふうに御了解いただきたいと思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 そうしますと、これはドルが出たり、円が出たり、西暦が出たり混乱するのだけれども、四十四年度から三カ年でやるというわけですが、いまのお話でありますと、そのつど大蔵省の予算査定と関連して一体化計画というのは進められるということであって、年次計画、第一年目はこういう制度をこういうふうにするのだ、事務配分はこういうふうにするのだ、こういうふうな財政的な裏づけをしていくのだとか、あるいは産業についてはこういう対策をとっていくのだとか、こういう総合的な年次計画というのはないのですか、でき上がってないのですか。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○鯨岡政府委員 おっしゃられるとおりなんです。そういうふうに何年に幾らかけてこうやる、その次の年には幾らかけてこうやるというのはまだきまっておらないのです。やらなければならぬことを網羅したものは、いまの段階ででき上がったわけです。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 四十四年といいますと、すでに七月の終わりなんですね。新聞等では、年度に入るけれども、六月ぐらいには閣議決定に基づいてそういう計画が固まるのではないかといわれていた。ところが、まだできてない。お聞きしますと、まだ骨組みすらも、試案程度のものは発表されておるようでありますけれども、あるいは長官が主席に示されたようでありますけれども、固まっていない、いわんや年次計画においておや、こういうかっこうなんですね。それでは心細い限りじゃないかと思うのです。すでに初年度の四十四年度は八月を迎えようとする段階に来ているわけですから、これはやはり早急につくっていろいろ総合的に進められなければならぬわけでありますから、これはやはり早く確定する必要があるのではないか。それは事務的にできないですか、どこかに抵抗があるのですか。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○鯨岡政府委員 御承知のとおり、初年度はもうすでに金額もきめ、先ほどからあまり多くないという御指摘をいただいたのでございますが、それは終わっているわけです。残りましたのは二年度と三年度であります。そこで、申し上げましたように、この三カ年間にどういうことをするのだということは、ほとんど詳細に網羅されてきまっております。そこで、二年度にどこをやるかという問題は、これは当方だけできめることではございません、琉球政府とも綿密に連絡をとって、残されたものの中から二年度にやらなければならぬものは何か、それは財政の関係もありまするから、そういうようなこともこちらの要望も伝え、先方の意向も聞き、そして二年度をきめていく、残されたものは三年度でありますから、これは三年目には全部やらなければならぬ、こういうことになっておるわけであります。したがいまして、ほんとうならば、本土だけでやり得ることでしたら、三年間に幾らかかる、それを一年目には何をやって幾ら、二年目には何をやって幾ら、三年目には残り幾ら、こうやるのですけれども、とにかく琉球政府と話し合いをしながら、しかもいまの段階では、御案内のとおり諸般の関係もありますから、やらなければならぬことは何かというと、これはほとんど全部でき上がりました。そのうちから、一年目にはすでにお金をつけて終わったことがあります。二年目にこの残ったうち何をやるか、それには幾らぐらいのお金がかかる、それはこちらの財政もありますから当方の考えも伝えて、そして残ったものは三年目、こういうことでございますので、御指摘のような形でないことはまことに遺憾に思いますけれども、何かずさんで何もきまってないようなことではないことを御了承いただきたいと思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 いろいろむずかしい点はありましょうけれども、少なくとも三カ年計画という形で進めていく以上は制度的にはこうだ、こういうふうにしていく、その裏づけとしての財政はこうなっていくのだ、そういうものは、ある程度年次的な青写真、骨組みは示さなければ、これは計画にならないのじゃないか。一体化計画、そういうふうにはならないのじゃないか。ただ、予算編成期にまあ行き当たりばったりといいますか、そういう形では、それこそ沖繩も何をめどにしてやっていっていいのか、どうにもならないじゃないか、こう思うのです。ですから、もうすでに初年度の、このままいきますと間もなく半ばを迎えようとする時期でありますから、そういうものは早く具体化すべきではないか、こう思うのです。  ところで、それにつきまして、政府の一体化政策について現地の日本政府の事務所長である岸さんから、最近一体化についての意見書が出ておるでしょう。新聞によりますと、その岸所長の意見書についてはたいへん冷淡だ、こういうふうに書かれてございますね。この辺のいきさつはどうなっておるのですか。

加藤泰守総理府特別地域連絡局参事官

○加藤(泰)政府委員 先生御指摘の点につきましては、事情を述べますとこういうことになるわけでございます。  われわれといたしまして三カ年計画の大体の項目を拾い上げまして、具体的に琉球政府それから沖繩事務所、諮問委員会の日本政府代表等の意見を聞きながら、これを詰めていきたいということで作業をしてまいったわけでございますが、沖繩事務所との関係につきましては、ことしの四月に総務長官が沖繩へ行かれたときに大綱を持参いたしまして、琉球政府それから沖繩事務所にも示して、こういうことを大体考えているということを連絡しているわけでございます。そして、さらに五月に至りまして、沖繩事務所及び諮問委員会の日本政府代表の関係者を呼びまして、いろいろ検討、打ち合わせをやったわけです。その段階で沖繩事務所としては、こういうことを、私のほうから示しました三カ年計画のあれについての意見があるのだという意味の、事務的な打ち合わせの事項として意見を述べてきたわけでございまして、それ以上のものではないわけでございます。ただ、もちろん、この三カ年計画だけの問題ではなくて、復帰までにいろいろやらなければならないことがあるわけでございますので、そういうようなものを含めまして、復帰準備としてこういうようなこともひとつやっていこうじゃないかという意味の建設的な意見を述べてきたことは事実でございます。そういうような意味合いでございますので、御指摘のような本土政府が冷淡ではないかというような意味合いのことは、事実に反するというふうに申し上げておきます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 これは、岸所長の提言というのは、私はかなり貴重なものだと思いますけれども、新聞はこう書いてあるのです。岸現地事務所長沖繩一体化策で提言、これは読売新聞でありますけれども、復帰体制づくりと裁判権移行の必要、政府の計画と対立と見出しが書いてある。新聞に書いてあるのです。そうして、ちょっと読んでみますと、「政府が作業を進めておる「一体化計画」では、人権問題の取り扱いは困難で、返還後の問題であるとしている考え方と、真っ向から対立する形」、こういうふうに書いてあります。政府の一体化政策というのは、ややもするとあめにむちだという形におちいる内容になる懸念がある。そういう点で基地から出るいろいろな人権問題というものを、復帰までに一体化の重要なる柱として打ち立てていくという岸所長の提言というのは正しいと私は思うのだ。これがまっこうから政府の計画と対立ということになりますと、一体化政策は基本的に固まっていないというさっきの答弁でありますけれども、どうも一体化政策については、基本的な姿勢に問題なり批判が投げかけられるのではないか、私はこう思うのです。その辺、副長官いかがですか。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○鯨岡政府委員 現地にしばしば——私どもも長く沖繩問題を担当しておりますと、沖繩県民の立場に立ってものを考えるのは当然だという考えがだんだん濃くなってまいりまして、ややもすれば少し本土政府のほうに——これは私の立場でそういう言い方はどうかとも思いますが、本土政府のほうに無理を言うて、ひとつこれだけのことはやってもらわなければというような気持ちにだんだんなってくる、これは人情で、当然だと思うのです。岸君のように沖繩に住まいして、そうして向こうで沖繩県民に会ってやっていると、われわれよりももっと沖繩県民の立場に立ってものを考えるようになることは当然であって、非常にいいことだ、こう思うわけであります。ですから、そういう意見がえらい対立というようにおとりいただいたり報道されたりするとしばしばあやまちをおかすのですが、決して対立というのではなしに、そういうような考えを現地の責任者が持って、沖繩県民のためにこれだけのことをしてやりたいと思うというようなことがあっても、これは別に対立でも何でもない、われわれとしては重要な参考として、もしそういうことがあったとしても今後もわれわれはそれを聞いて、できるだけのことをそれに沿ってやっていくという考えでなければならないのではないか。そういうことを言こうとが何か本土政府と対立するようになりますと、憶病な者は言えなくなってしまいます。もっと気軽に言えるような形でなければならないと思いまして、私どもは決して対立とも何ともとっていないわけであります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 否定はなさっておるので、私はそうあるべきだと思うのですが、新聞を読みますとたいへん気にかかるのです。鯨岡さん、こう書いてあるのです。「この岸見解に対し、総理府などはきわめて冷淡である。」と書いてあるのです。ですから、言ってみますれば、「総理府は、この意見がアメリカ統治の問題をあまりにもずばりつき過ぎているため、取り扱いに苦慮しており、内容も極秘にしている。」やみからやみに葬ってしまう、こういう総理府の姿勢である。こういうふうに新聞は指摘しておるのです。これは沖繩の基地から出てくるいろいろな問題、あるいは沖繩県民の人権問題を忘れて、そうして少しずつ援助費をふやしていけばそれで一体化になるのだ、こういうような姿勢では、これは一体化は一体化じゃない、こういうふうに申さなければならぬわけであって、この六月十四日の読売新聞の記事は、たいへん重要な問題として国民には受け取られると思うのですよ、沖繩の人たちには。それは岸さんは現地の人でありますから、おっしゃるように、現地の意向をくんで、そういうふうにしてもらわなければいかぬ。言ってみますれば、裁判管轄権のうち、米軍人軍属に属する者以外は琉球政府裁判所に移せ、米軍人軍属の犯罪に対する琉球民警察官の逮捕権をつくれ、あるいは米民政府の布令、布告のうち米軍基地機能とかかわりのないものは廃止しなさい、米民政府の管理下にある水道、電力関係公社の琉球政府への移管とか、あるいは農地制度、租税制度、食管制度——食管制度もこの間ここで議決しましたけれども、アメリカのほうから横やりが入っておるようでありますね。食管制度を復帰の時点で適用する際に暫定措置をとれ、いろいろな貴重な提言が入っているわけだ。これが政府の計画と対立するんだ、総理府は全く冷淡だ、こういうことになりますと、私は、政府が考えている一体化というのは一体何をやろうとしておるのか、あめにむちの姿勢ではないか、こういうような感を強くするわけです。いかがですか。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○鯨岡政府委員 先ほども申し上げましたように、私どもの受け取り方としては、現地におる責任者が、沖繩県民と日常接していて感じたことを本土政府に対して、こうもやってやりたい、ああもやってやりたいという意向を漏らすのは何ら差しつかえないばかりでなしに、今後も積極的にあってしかるべきだ。それが全部できるかできないかということになれば、これはまたアメリカのほうとも折衝しなければならぬことでありますから、本土政府は、それはもっともなことだし、聞くにたえることではあるけれども、しかしながら、これをすぐにアメリカのほうと折衝するということはどうであろうかというような、いろいろな配慮もあり得ることであります。そうかといって、対立するというような表現、考え方はあってはいけないことだと私は思うのです。対立するというようなことになりますと、憶病な者は言えなくなります。相当の勇気をふるって、これが通らなかったら首になってもしかたがないみたいな気持ちで、現地の責任者が言わなければならぬとすれば、その制度に誤りがある。ですから、対立するように受け取ったり何かすることは、私は断じていけないことだと思う。考えたことはもっと気楽に言ったらいい、通らなかったら通るように努力したらいい、私どもはそんなように考えておりますが、岸君の考え方、いま詳細に言われたこと、私は全部承知しておるわけではありませんが、かりにそういうふうに言われたとしても、それは岸君の考えとしてこちらに言ってきたことであって、こちらはそれを正当に受けて、現地にいる者はそう考えるかなというふうにして、それでとるべきものはとったらよい、何かこれを対立というふうに考えることは間違いだ。そこで、対立というふうに出たものですから岸君のほうも驚いてしまいまして、新聞を見て驚きました、私は決してそんなつもりではございませんということを私のほうへ言ってきておるのです。ですから、私どものほうは、そんなことはないよ、新聞にはそう書いてあったけれども、従来そんなふうにとられていることはわれわれの努力の足らないせいなんで、対立でも何でもない、驚かないから今後もどんどん言ってきてくれ、こうわれわれは言っておるのであって、先生、そのように理解をいただきたい、こう思うわけであります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 鯨岡さんの言うとおりであって、大体現地の事情を一番知っている、気持ちを知っている人がものを言うのに、総理府が冷淡に扱ったり対立——ということばを私が使ったのじゃなくて、新聞がそういうふうに書いておりますから、総理府と対立しているんじゃないか、そうなりますと、官僚はどうも心配になってものを言わなくなる。新聞が書いて逆に提言した人が驚く、こういうことではいかぬのであって、これは非常に正しい前向きのことを言っているわけでありますから、それは副長官、積極的に取り入れていただく。対立するほうが悪いんだ、私はそう思うのですよ。ですから、総理府は冷淡であってはならぬし、対立してはいかぬのであって、岸所長の提言には正しい方向があるわけでありますから、これを積極的に受け入れて、一体化計画を前向きでつくり上げていく、こういうことが必要ではないかと思いますので、副長官の言う気持ちでひとつやっていただきたい、こう思います。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○鯨岡政府委員 御指摘のとおり、この前私沖繩に参りましたときに岸君に会いました。そのことを言っておきました。憶病になることはないよ、何でも自分が考えたことを言っていらっしゃい。ただし、君の言っていることが全部通らないということだってありますよ。通らないからそれは冷淡だというふうに受け取ることは、これも間違いだ。えらい勇気をふるわないで——岸君は勇気のある人ですから言ってきたかもしれませんが、勇気のない者だったら何か決死の覚悟で言わなければならぬということではいけないことで、岸君にもそのことはちゃんと先生の御意思のとおり伝えてあります。われわれは対立するつもりも何もない。現地の者がそれくらいのことを言ってくるのはあたりまえで、何も言ってこないやつは不勉強だと思う。そんなふうにさえ考えているわけでございます。どうぞひとつ……。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 時間もあまりありませんから……。  そこで一体化の問題として、大体沖繩というのはこれからどういうふうに経済の復興をはかっていくのか、その一つの柱としてどういう方向で工業開発をしていくのか、あるいは農業開発をしていくのか、産業開発をしていくのか、いろいろな問題点があろと思いますし、これに関する調査報告も多いのでありますけれども、ひとつこの点について関係者からその基本的な構想を伺っておきたいと思うのです。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○鯨岡政府委員 こまかい点は加藤君から、御要求があればお答えをすることにいたしまして、その概要について私からお答えをいたしたいと思います。  御指摘のとおり、沖繩の財政が逼迫いたしましたのも、すべて沖繩の経済が停滞したからであります。そこで、現在沖繩の経済が停滞したということは、当面起こったいろいろのベトナムの問題とか、そういうことに関連するのでしょうが、これから沖繩の復帰というものを考え、かなり長い目で見て沖繩の経済はどうあるべきかということ、基地が縮小されることをわれわれは望むわけでありますが、それならなおさらのこと、基地経済にいま依存している沖繩経済にかわって沖繩をささえていくものは何か、これはきわめて重大な問題として、私どもの日夜心配するところであります。したがいまして、先生がいまお話しのように、いろいろな専門家にあらゆる面から御検討いただいて、そのレポートは山のように積まれております。それで、その山のように積まれたレポートのうちから見るべきものをとっているのですが、残念ながらこれというものはないのです。そこで、いろいろなものをやりまして、一番最後に沖繩の工業開発計画基礎調査報告書というものが最近出たのですが、それにはまず沖繩の埋め立ての問題、工業用水の問題あるいは道路の問題、港湾の問題、さらには電力の問題、そういうような問題をかなり詰めてやりました。現在あります産業では、御承知のとおりパイナップル並びにサトウキビ、この二つの産業があります。これはいまいずれも労働集約的であり、きわめて能率がよくない。ですから、先生方にもお願いをして、過般パイナップルに関する税の措置等についても御心配をいただいたようなわけです。そこで、そういう御心配をいただかないでもやっていけるようなパイナップル工業にするにはどうしたらいいか。これまた先般お願いをいたしましたお米のお金、もし三万トンということになれば二十億ほどになりますから、そういうようなお金を使って基盤を整備し、そしてパイナップル工業並びにサトウキビ工業を興していく。そのほかに牛を飼うというようなことはどうであろうか。さらには、このごろ天然ガスが出ます。このガスを利用する方法はないだろうか。さらには、ガラス工業のようなものは興らないだろうか。プラスチック工業のようなものは興らないだろうか。あるいは石油精製というものはどうであろうか。いろいろのことをいま考えている段階でありますが、いま言えることは砂糖とパイナップル、それから牛の問題が考えられ、ガスの問題が考えられている。その程度のことでございまして、これが決定的でございます、このために何ぼお金をかけても見込みはありますというようなお答えのできないこと、まことに残念に思いますが、そのような線で進んでおることを御了承いただきたいと思う次第であります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 おっしゃるとおり、いろいろな報告が出ておりますし、最近工業センターの、おっしゃる報告書も出ておるわけでありますが、なかなかこれといったきめ手はないようでありますが、これは非常に重要ですね。基地経済からどう脱却していくのか、そして自立的な経済をつくり上げていくのか、たいへん重要なところであります。これは菅野長官が見えておるわけですが、企画庁あたりは——もう一体化に入りまして初年度の八月になろうとしておるわけですから、残念ながら計画もできておらぬのでございますけれども、どういう御構想をお持ちですか。新全総計画というのを書き上げて、それを沖繩に適用するとかせぬとかいうことでありますけれども、こんなものではどうにもならぬわけでありますから、企画庁あたりがどういう基本的な構想で経済の開発をしていくのか、工業を開発していくのか、この点についてまとまったものがおありでしたら、通産省もお見えになっておるようでありますから、ひとつお聞かせいただきたい、こう思うのです。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 この沖繩の問題を今後どういうふうにするかということは、その前提条件としていまの施政権が返還される、それが全面返還であるかどうか、基地の問題もいろいろあると思いますが、それらが具体化されなければ具体的な対策は講ぜられないと思います。しかし、われわれのほうでもこれは返還されるものという一応の予定をいたしておりますから、したがって、この全総計画の中にも、そういう沖繩の問題については、今後についてはその対策も考えるということを書いてあるのであります。しかし、具体的なことについてはまだ私のほうも対策を持っておりません。施政権の外交の内容については、われわれ全然まだ関知しないので、外務大臣がやっておられることでありますので私たちにも一切漏らされておりませんから、どういう交渉をしておるのかわからないのでありますが、そういうことで、いよいよこの施政権が全部返ってきたということであれば、日本の国土の一部ですから、日本の全体の国土開発の中の一地域としてこれは考えていく、そして沖繩の発展のために、開発のために政府としてもできるだけの努力をするということは、これははっきり申し上げてよい、こう思っておる次第であります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 長官からも具体的な方法をお聞きできなかったわけでありますけれども、計画を立てる場合に、均衡的な発展をするような形の計画でいくべきなのか、あるいは何かの戦略産業というものを設けまして、そういうものを中心として中央突破を試みるのか、まあいろいろあると思うのですけれども、そういう意味で工業センター等のあれでは、私は後者の方向をとって、石油産業というのですか、非常に波及効果の多い、前にもうしろにも波及効果の多い産業が一つの問題としてあげられておるのではないか、こういうような気がいたします。この辺についての検討等も——まあいろいろな調査報告書もあるわけですけれども、定まった方向というのは、一体化政策もできておらぬわけでありますが、全然その構想等のまとまりというものはおありでないというか、それは返還後だということでありますけれども、三カ年計画、四十四年からと言っていてまだそれもできてない、一九七二年には返してもらうのだ、こういうふうにいま交渉しておるようでありますが、かいもくその辺の構想もないということではたいへんさびしいのじゃないかと思うのですけれども、この辺いかがなんですか。総理府はまとめ役ですからね。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○鯨岡政府委員 先ほどお答えを申し上げましたとおり、この問題は非常に重要な問題ですから、毎々私どものほうは、そういう言い方はどうかと思いますが、いろいろ沖繩問題でむずかしい政治上の問題を議論されているさなかにも、そのことに耳をふさいで経済問題にだけ取り組んできた部門もあるくらい。ですが、お話し申し上げましたとおり、いままで出てまいりましたのは、いろいろなことは言いまするけれども、先生の表現をかりれば中央突破するような産業は何かということが、実際言ってまだ見つからないのです。それは何をぐずぐずしているのだとおしかりを受けても、そうあわててやるべきことではないし、お話には出ませんでしたけれども、九十七万余の人口がいまあるわけです。戦前は沖繩は一口に県民六十万と言いましたけれども、六十万人口があったためしがありません。五十七万二千名がピークであります。御承知のとおりです。それがいま九十七万の人口があって、それが本土並みとは言いませんけれども、本土の約六割くらいの経済生活がある。ものによっては本土並みの高度の経済生活をしているわけです。こいつを下げないで、この人口を減らさないで、この生活程度を下げないでやれるようなそういう産業基盤というものは何か。とてもサトウキビや。パイナップルでもってそれができるというふうには考えません。一時アルミニウム工業はどうであろうかというようなことも——話が長くなりますから詳細は申し上げませんが、取り組んだことがございます。ところが、一千億も二千億も金をかけて千五百人しか人を使わないのです。それではちょっと困る。金をかけることは驚きませんけれども、千五百人くらいしか人が助からないことでは、これは沖繩を助けるということにはならない。そう考えてくると、何をやったらいいだろうかということがまだきまっておらないことはまことに残念でありますが、鋭意衆知を集めて、われわれだけの衆知じゃなしに、国じゅうの経済の衆知を集めて、経済企画庁にもお願いしてこれを検討しているのだということをひとつ御認識、御了解をいただくとともに、これに対して御協力、アドバイスをしていただきたい、むしろお願いを申し上げたいくらいでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 まあ全然その辺の構想も固まっておらないようでありますが、私はやはり、その基本構想というものをできるだけ早く固めなければ、基地経済の中に生きておる九十七万の沖繩県民が非常に不安があると思うのでありますから、そういう経済の中において本土並みの生活がやはり保障される、そういう姿が早急に描かれなければならぬと思うのですけれども、むずかしい問題でありましょう。そういう点で調査というのは、これは枚挙にいとまないほどあるようでありますけれども、調査ばかりが能でない、それをまとめ上げることが私は大切だと思う。そういう段階に来ておると思うのですが、それで決定的なものになるとは思いませんけれども、その一体化政策の中でも明らかにしていただきたい、基本だけは明らかにしていただきたい、こう私は思います。  時間が来ましたから、きょうはこれで終わっておきます。

本名武自由民主党

○本名委員長代理 中谷鉄也君。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 長官にお尋ねをいたしたいと思います。  二十九日から三日間にわたる日米経済閣僚会議がありますが、この中で自由化の問題、繊維の問題、いろんな問題が論議されるわけですが、沖繩の経済問題、この問題についてはどのような形で議題にされますか。長官、この点についてひとつ最初にお答えいただきたいと思います。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 この問題を議題にするかしないかについては、私はまだ詳細なことは聞いておりません。いま外務省のほうで折衝、考えておられるのではないかと思いますが、私は、おそらく沖繩返還後の沖繩の経済の問題は今度の議題にならないのじゃないか、こう考えております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 そうすると、おそくとも七二年までには沖繩の施政権の全面的な返還を求める、そういうことの見込み、これは政府の基本的な方針であり、確信だというわけでございますね。そうすると、今度のわずか三日間の会議の中において議題になるならないということは、私はそれほど大きなことではないと思うのですが、経済閣僚としまして菅野さんのほうで、日米間において今後継続して返還後の沖繩経済の問題、沖繩の経済のあり方について議題とさるべき問題、折衝さるべき問題、ことに経済計画を立案される所管の大臣として、どのようなものが論議され、交渉され、煮詰められねばならないか、これらの点についてひとつ御所見を承りたいと思います。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 施政権が全面返還したあとの沖繩の経済の問題については、これは私は日本だけで考えていいのじゃないかと思います、アメリカにたよらずに、アメリカに相談せずに。だから、施政権の返還の内容によってまたそれはどうなるかわかりませんが、全面的に即時に返還されるということであれば、あとの問題は、これは日本の問題ですから、われわれのほうでアメリカと交渉する必要はないのじゃないか。日本だけで考えて、沖繩県人が生活の安定のできるようなことをわれわれとしては考える。あるいは、産業もどういう産業を興すかということは、これは日本だけで考えるべきじゃないか、こう考えております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 こういうふうに説明をさせていただきたいと思います。おそくとも七二年に施政権の全面的な返還を受ける、こうでございますね。そうすると、七二年には日本の主権が沖繩の県に全面的に適用になる。日本が沖繩の経済開発にまで、すべての責任を持つことは言うまでもありません。ところが、突如ある日、七一年から経済企画庁が経済開発、経済復興についての立案をするというわけではございません。そういたしますと、先ほど細谷委員のほうからも指摘をいたしましたけれども、新総合開発の中の総論部分に、沖繩の問題について四、五行お書きになっておるけれども、要するに、おそくとも七二年までに返還をされるのだから、沖繩をどのようにして復興させ、どのようにして開発をするかということについては、いつから作業に着手されるか。要するに、返還される何年か前に、これは、だから大急ぎでこの段階において、経済企画庁が沖繩開発の問題について立案の作業に着手されねばならない。これは私の考え方なんです、当然のことであろうかと思いますけれども、その点についてひとつ御見解を承りたい。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 かりに七二年度から全面返還ということが、佐藤総理が渡米されて決定したということであれば、それから直ちに計画を立てます。しかし、そのときの日米交渉の施政権の返還の方法と申しますか、何か私たちもいまのところ逆睹しがたいのでありますが、全面というてそれがどういう内容を持つものか、それらがはっきりいたしませんから、したがいまして、佐藤総理が行かれればおそらくそれははっきりすると思いますから、それによって直ちに計画を立てて、七二年度に返還されたときの沖繩県人に対する生活安定あるいは産業ということをやはり計画を立てて順次やるべきである、こう考えております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 こういうことでございますね。佐藤総理が訪米をされて、返還のめどが明確になった、その日から沖繩経済開発についての立案の作業に精力的に取り組まれる、これはよくわかりました。ただ、施政権の全面返還ということについては、もはや日米間においてこの点についての食い違いはないという前提にわれわれは立っておるわけです。そうすると、長官非常にお詳しいわけですけれども、結局基地の使用の形態、この問題についてかなりわれわれも関心を持ち、注目もし、見解も今日まで述べております。そうすると、基地の使用の形態ということが、経済企画庁が立案をされようとする、着手される経済計画にいろいろな影響を及ぼすというふうに、われわれのほうで理解をしてよろしいのでしょうか。施政権の全面返還ということは、これはもう既定の事実で、そういうコースをわれわれは進んでいるわけです。ただ、問題になるのは基地の使用の形態、基地のあり方でございますね。そのあり方が、経済開発、経済復興について何らかの影響を及ぼし、あるいは計画そのもののあり方を規定するファクターになってくるのか。だとすれば、たとえば自由使用だとすればどういうことになるとかいうような、経済に及ぼす基地の態様、あり方というようなことについては、長官はどのようにお考えなんでしょうか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 お話しのとおり、基地の返還の態様によっては、また沖繩の今後の開発という問題が変わってきます。だからして、基地が全面的にも即時に返還されるということであれば、それに応じて、たとえば基地のあとに農作物なんかをつくるというような計画も立てられるわけであります。その基地の問題は、全く私自身はわからないのでありますから、今日ああするこうするというようなことは言えないと思います。まあ佐藤総理の訪米の結果、その点もはっきりするのじゃないかと思います。その上において、その訪米の結果によってわれわれ案を持ちたいと考えております。もちろん案を立てると言うたところが、問題は、農業の問題であれば農林省でひとつ考えてもらう、あるいはその他の産業、第二次産業であれば通産省のほうで案を立ててもらって、その上で私のほうで総合的に案を立てるわけです。その点は、やはり第一線的な農林省、通産省でいろいろまた考慮されることと存じておる次第でございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 長官に対する質問がまだあと二、三点残っておるのですが、先ほど同僚委員が総務副長官とかなり議論をいたしまして、それで私のほうからもう少し長官にお尋ねする問題点を引き出す意味においても、総務副長官は沖繩問題には非常にお詳しいのでひとつお尋ねしておきたいと思いますが、先ほどから基地経済ということばが何べんも出ましたね。基地経済からの脱却ということが沖繩経済問題における一つの大きな目標でございますね。そこで、政府のお考えの中において、基地経済などというふうなものはデメリットがある、それは全然メリットなんというものはないのだというお考えをお持ちいただいておるのかどうか。要するに基地経済というものは一体何か。これはひとつこの機会に明確にしておいてもいいのではないかと思うのです。副長官、いかがでしょうか。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○鯨岡政府委員 私は沖繩問題別に詳しいわけではありませんが、沖繩問題に取り組んで長うございますから、現実の問題として考える風習がついております。  基地経済は何かといえば、学問的にいえばいろいろむずかしいこともあるかと思いますが、現在私の中における沖繩の基地経済は、かなり多くの人があそこで雇用されております。それから基地の中をお得意さまとして商売が営まれていることも、先生御指摘のようにたくさんあります。それらをひっくるめて、基地あるがためにそこから収入を得ている。たとえば家賃を取って、兵隊さんを入れている家がありますね。それからまだあります。土地を軍部のほうが使って、高い安いは別として、地代収入というものがありますね。そういうものを全部ひっくるめてみて、沖繩の経済に及ぼしている基地からの収入の割合というものは、もうかなり大きいことは先般来御承知のとおりであります。そういうものをひっくるめて基地経済と、われわれは今日的には考えているわけであります。ですから、いまもしも基地の形態が変わって非常に縮小されるとかあるいはなくなっちゃうとか——そんなことはありますまいけれども、基地が必要であるかないかということはいまわれわれのほうの問題ではありませんから、それを抜きにして、そういうふうに基地が縮小されたりなくなっちゃったりしたらすぐに困るから、もしそういうことがあっても沖繩経済をささえるものはつくっておかなければならぬ、少なくとも用意しなければならぬ、そういう考えで先ほど来お話を申し上げていたわけであります。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 そこで、副長官のほうから先に詰めていきたいと思いますが、基地がかりになくなってもというふうな他動的なものではなしに、沖繩の返還を求めるということ、これは基地が縮小されていく、逆に言いますと沖繩の総生産、沖繩県民の総所得のいわゆる三分の一、約二億ドルというのが米国政府機関とその要員からの支出、こういうふうな状態、それから軍雇用者の比重の大きさというのは大体五万六千人ないしは七万人といわれておる、こういうふうな状態の基地経済というものは、経済本来の姿から見て不健全なものである、そういう基地経済というふうなものが、かりにその基地が縮小されたとしてもではなしに、基地を縮小するという方向に、基地経済に依存しないという方向に沖繩返還あるいは沖繩経済のあり方についての努力というものが集中されねばならない。これは経済企画庁あるいは通産省が今後大いに沖繩経済の問題に乗り出していただかなければいかぬのだけれども、現に所管であるのは特連局、そうして総理府でありますけれども、そういうふうに私は思っている。要するに人さまに寄生しておこぼれをもらっておる、基地というふうなものからのおこぼれをもらっておるという経済は経済それ自体として不健全だ、こういう考え方が前提になければ、沖繩経済の復興というものは私はあり得ないと思う。この点はいかがでしょうか。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○鯨岡政府委員 不健全であるかどうかというふうには考えておりません。(中谷委員「経済として」と呼ぶ)経済でも不健全であるかどうかというふうには考えませんけれども、少なくともノーマルではない。これはもういつまでもこの状態で続いていくべきものとも考えられませんし、理想的なことを言えば、そんなものはないほうがいいでしょう。そういうことを考えると、不健全ということばに賛成はできませんが、ノーマルな状態ではない。ノーマルな状態を考えてわれわれは準備しなければならないというふうには考えておるわけであります。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 ノーマルでないということはアブノーマルでございます。異常ですよ。不健全よりもまだひどいことになる。ですから、長官に私はお尋ねいたしたいと思うのですけれども、施政権の全面返還を受けるということは、逆に言いますと日本政府の意思としては、これは日本国民の気持ちもまさにそうだと思うのですけれども、要するに基地に依存しておるような経済から脱却をする、そういう経済でなければならないと思うのです。逆に言いますと、産業構成からいうと基地経済のほとんどは第三次産業に入ってくるのではないかと思うのですけれども、こういうようなもののウエートがあまりにも高過ぎる。したがって、第二次産業のウエートというものをふやしていく、こういうふうなものでなければならないと私は思うのありますけれども、そうすると、その前提として、どのような第二次産業というものが適地あるいは適当な産業であるかという問題については、非常にむずかしい問題ですけれども、何といたしましても前提として水道と電力、この二つがとにかく第二次産業というものを発展させるところの基礎だと思うのです。ところが、現に電力等については米軍の管理下にある。こういう状態については、先ほど大臣御答弁の中で、佐藤総理が訪米をされて、そうしておそくとも七二年には全面返還を受けるということになれば、要するに経済計画の立案に着手されるということなんですけれども、むしろその経済計画の具体的な計画だけでなくて、具体的な実施、実行の中においては、施政権の全面返還を待たずに少なくとも電力、水道等については返還を——詰まった日程の中ではあるけれども、それについての返還をとにかく先取りするというふうな中において経済計画というものが立案されねばならないのじゃないか、こういうように私は考えますけれども、長官いかがでしょうか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 水道、電力は、全面返還より前に先に返還してもいいじゃないかという御意見だと思いますが、水道、電力を、全面返還のときに同時にもう日本がこれを使用することができるということであれば問題ないと思うのです。ちゃんとそれだけ現にあるのですから、それをそのまま使ったらいいのです。しかしながら、あなたはあらかじめそういうものを、重要な問題だから、ちゃんと日本のほうで支配権を持っていたほうがいいじゃないかということですが、これは私は、全面返還をしたあとでの外交交渉になるのじゃないかと思います。それで、そのとき水道や電力というものが有償あるいは無償で返還されるのか、そういうようなこともまた起こってくると思います。おそらくこれは外交交渉になるのではないか、こう考えておるのでありまして、したがいまして、日本が使用権を先にもらうというようなことは第二次的な問題ではないか、私はこう考えておるのであります。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 長官に私あと二つだけ質問をいたしたいと思います。  一つは、沖繩の現地におきましても、経済開発審議会等を設けて長期ビジョンを策定いたしたい、そうしてその出発年度を、七一年の初年度から十カ年計画をつくりたいというようなことをいっております。そこで、その中で一つ私は企画庁の御見解を承っておきたいのは、長期計画はあくまで琉球政府、要するに現地がその主体となって策定をして、本土政府はこの計画に基づいて沖繩施策を打ち出すようにしてもらいたいのだ、こういうふうにいっているわけなんです。これは一つの考え方だし、現地としてはいろいろな特殊事情がありますから、私はそういう考え方もあると思うのです。新総合開発計画等の立案に至る過程、経過等もいろいろな問題がありますが、各県にいろいろな案を出させて、沖繩についてはこれは沖繩経済の脆弱性、それから今日までの非常な落ち込み、空白、こういうようなものがある。現地のそういう考え方は、長官はどのようにお考えになりますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 お話のとおり、もちろん現地の希望、要請というものは極力尊重すべきである、こう考えております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 もう一点です。  実はこの点については、大蔵省等においては、それは奇抜なアイデアであってというふうな程度の対応あるいは受け答えしかしていないのですけれども、沖繩の経済人、それから沖繩に参っておりますアメリカ人を中心とするところの経済人の懇談会などで、自由貿易港構想というのがあるわけなんですね。要するに沖繩の経済振興をはかるについては、自由貿易港を早急に実現したいというようなことをいっておる。これは全体としての日本経済のあり方、そして施政権の返還を受けた沖繩のあり方の中において、こういうふうな構想というものは検討に値するのかどうか。この点については、あまり沖繩の現地の人にもいろいろな幻想を持たせ過ぎてもいけないと私は思うのです。ひとつこの点についての御見解を承りたい。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○鯨岡政府委員 確かに沖繩の人たちの中に、そういうことを言う人が一部にあることは承知いたしております。しこうして、そのことについてはそんなに詰めて考えたわけではありませんが、いままで私が当たっていた範囲では、とても考えられないことであるということでございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 そこで、これは長官と副長官——通産政務次官、ちょっと恐縮ですが、もうしばらくお待ちください。あとで肝心な質問をいたしますから。長官と副長官に私はお尋ねしたいのですけれども、一体化政策というのは、制度の一体化ということでずっと来ているわけですね。ところが、おそくとも七二年には施政権が全面返還されるという中において、この一本化政策だけではもはや行き詰まってきたのだと私は思う。要するに、幾ら財政面あるいは行政面におけるところの格差の是正ということをやったって、本来の沖繩経済自体の自立性というか、沖繩経済自体のエネルギーというものがなければ、沖繩経済が復興もしなければ、発展もしないと私は思う。だから一体化政策というものの意義をかりに認めたとしても、一体化政策を沖繩経済発展計画にどのようにつないでいくか、これは私は一つの今日の課題だと思うのです。この点について、長官のお話では、佐藤訪米の結果そのめどがついたならば直ちに計画の作成に着手するというお話ですけれども、総理府としてはこの点についてはどういうふうにお考えなんでしょうか。

鯨岡兵輔自由民主党総理府総務副長官

○鯨岡政府委員 先ほど菅野長官から御発言があったとおり、佐藤・ニクソン会談がまとまった時点でスタートをするわけですが、総理府は、スタートをするということになればそのスタートの準備をしなければなりませんから、その意味でつとにこの問題について研究をいたしまして、一体化三カ年計画の中にも経済の振興という部門でそれをとらえて検討をいたしておるわけであります。  以上で終わりですが、それじゃどんなことを考えているかといえば、先ほどもちょっと申し上げましたが、農業生産性の向上、畜産業、漁業、林業の振興をはかる、あるいは糖業、パイン産業の合理化を促進する、それから天然ガスの問題、それから工業立地、これは先ほども問題になりましたが、工業立地の調査をし、それに有効な産業の立地について検討を加えていく、中小企業の近代化、共同化、観光の振興をはかる、海運業の振興をはかるというようなこと、それから、パイロット訓練飛行場の沖繩誘致をはかるということ、並びに産業資金需要に対し財政投融資を中心にした金融の充実強化をはかるとともに、特に前段申し上げましたようなことに対する資金需要に対処するため、本土の米穀売り渡し代金を原資とするところの、例の御心配いただいた開発資金を創設する、そんなようなことを考えておるわけであります。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 わかりました。ですから、私は率直に言って、聞いておりまして結局何もないということなんです、逆に言いますと。特連局としては、ちょっと肩の荷が重いんじゃないか。経済の専門官庁じゃございませんから、あれもやりたい、これもやりたい。プラスチックの話までさっき出たけれども、とにかく特連局としてはいろいろなことについて非常に苦しんでおられる。模索をしておられる。しかし、なかなかきめ手がない、こういう状態だと私は理解する。そして努力は非常に多としますけれども、非常にむずかしい問題だと思うわけですね。  そこで、通産省にお伺いいたしたいと思うのですけれども、要するに基地経済というものは非常にいびつなものである。そういうものを脱却して、克服して健全な沖繩の経済というものをつくり上げなければならぬ、こういう課題にわれわれは迫られておると思うのです。だから、特に通産行政の最高責任者であるところの政務次官のほうからの御答弁をいただきたいと思うのは、要するに沖繩の産業というものは、先ほどから申しておりますように、第一次、第二次、第三次産業のウエートの中で、第二次産業というものが非常に低い、ここに私は問題があると思うのです。だから、通産行政の中において、第二次産業の将来というものを具体約にはどのように構想されるか、どのようにして第二次産業というものを伸ばしていかれるか。先ほど副長官のほうからお話がありましたけれども、たとえば石油のみならず、鉄鋼等についても通産省のほうにおいては模索をしておられる。しかし、そういうような中においてどのように、全体的なあれもこれもという業種を並べ立てるのではなしに、どういう構想をお持ちになるか、この点を、ひとつ私はお考えをお述べいただきたいと思うのです。  それから、長官のほうから御答弁がありましたけれども、水と電力の問題、これは非帯に重要だと思う。これについての通産省の御見解を承りたい、この点を御答弁いただきたいと思います。

藤尾正行自由民主党通商産業政務次官

○藤尾政府委員 私どもは、前提からひとつ申し上げなければならぬと思いますけれども、基地経済からの脱却をいたさなければならぬ、こういう私どもの希求といいますか心がけ、そういうものはわかります。当然そうあるべきだと思います。しかしながら、この沖繩の問題につきましては、今後どのような形で施政権の返還が行なわれていくのかという、具体的なあらゆる条件といいますものがまだきまっておりません。そこで、基地経済が健全であろうとなかろうと、そこに基地というものが現在まで存在しておった。そして、われわれは過却二十五年間そこに手が届かなかった。しかしながら、沖繩九十七万の方々は、何らかの意味でめしは食わなければならなかった。したがって、そういう意味合いにおきまして、基地における収入を当てにせられなければならなかった。こういう事態は、現実は現実として私は認めていかなければならぬのじゃないか、かように思うのです。したがいまして、私どもといたしましては、今後この沖繩の返還といいまするものがどのような形で行なわれるかという具体的な前提条件、それが明確になりませんと、その明確になりましたものに基づきます立地計画あるいは産業計画あるいは貿易政策というようなものはなかなか出てまいらない、かように申し上げたほうが正直であろうと思います。  そこで申し上げなければなりませんのは、たとえば、産業にとりまして水と電力というのは基本的なものではないかというお問いでございます。当然であります。しかしながら、水と電力だけで産業ができるわけではございませんので、その前に土地が必要である、あるいは人が必要であるというような問題も当然これに伴ってまいるわけでございまして、こういったものが総合的な観点において取り上げられませんと、私どもだけが、たとえばここで石油産業をこのような形でやりたいのだ、あるいはここで鉄鋼の計画をこのようにして打ち立てたいのだというようなことを申し上げましても、それが絵にかいたもちに終わってしまうというようなことでは、一体化された沖繩の方々に対しましても、また沖繩を含めた日本全体の経済計画からいたしましても、まことに事態に即しないことになってしまう。そういうことでは私どもは困りますので、まずそういったものを正確に条件を握る、そういった条件の上にいろいろなものを考えていく、こういうことでなければなるまいと考えております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 これで質問を終わりますが、政務次官にもう一点質問があるのです。というのは、沖繩の経済人の中には優良な外資を誘致したいという動きがかなりあるのです。御承知のとおり、外資に関する法律の適用をとにかく沖繩の場合受けませんね。それから、先ほど副長官は、アルミに  一千億ぐらいの投資をしてもと言うけれども、これはもうからなければ投資をする人はありませんよ。これは資本の論理でございましょう。外資だって沖繩がもうかればとにかく来るけれども、沖繩がもうからなければ来ませんよ。だから外資の誘致とかなんとか言ったって、外資はもうからなければ来ないし、本土の資本ももうからなければ行かない。これは厳然とした、冷厳とした経済の原理だと思うのですが、やはり考え方としては、優秀な外資を誘致するという考え方について、全面的にはたしてそれがいいのかどうかという問題は、やはり通産省としてひとつこの機会に御見解をお示しいただかなければならないだろうと思うのです。もうとにかく何でもかんでも誘致しなければ、五万六千あるいは七万といわれている軍労働者の諸君が基地縮小という中において失業者になることはいけない、何らかのそれに対する再雇用の機会を与えなければいかぬという問題もあると思います。しかし、だからといって、無条件に外資が入ってきていいかどうかという問題は、これはまた別個の問題として考えなければいかぬ。この点についての通産省の御見解を私は承りたい、これが一点。  それから農林省の方にたいへん長くお待たせしたのですけれども、要するに第一次産業の中におけるところのパイン、キビのウエートというものは非常に現在高いわけですね。この高さというのは一体どの程度のものなんだろうか。これは本委員会においても常にこの問題については論議されておるのですけれども、あらためてひとつ簡単に御見解を述べていただきたい。同時に、私は農林省から御見解を承った上で、沖繩経済というものを健全な形で、あるいはとにかく施政権返還後沖繩経済というものを、急激な変化をなるべく避けた中において発展させていくという点においては、自由化の問題というのも私は非常に重要な問題だと思う。こういうような点についての通産省の御見解を、ひとつ簡単でけっこうですから承っておきたいと思います。  これで私の質問は終わりますから、御答弁のほうもひとつ要領よくお願いいたしたいと思います。

藤尾正行自由民主党通商産業政務次官

○藤尾政府委員 外資の問題でございますけれども、沖繩が返還せられました暁におきましては、沖繩も日本の領土でございますから、これは日本の同じ法令のもとにおいて考えていかなければなるまいと思います。しかしながら、現実に四十三年  一月にはカイザーでございますとか、ガルフ、カルテックスあるいはエッソというような石油を主といたしまする資本というものが、私どもの手の届かないうちに入ってきております。したがいまして、この入ってきておる外資というものに、われわれが返還を受けた暁に一体どのような待遇をするのかというような問題が一点ございます。これは返還に際しまする日米間の交渉の一つの対象になり得るだろう、私はかように思うのであります。しかしながら、返還後におきまする外資の問題につきましては、これは当然日本の本土の一環といたしまして考えていくべき問題でございまするから、当面沖繩であるからかくかくでなければならぬというような差別をいまつける考えはございません。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 六九年から七二年までの間にどんどん入ってくるかどうかの問題について、ひとつ見解を言ってください。

藤尾正行自由民主党通商産業政務次官

○藤尾政府委員 それはもう当然入ってまいりましたものつにきましては手がつかないのでありますから……。  それから、これから先はできるだけ一体化された暁における姿というものを目ざして、それに沿うように私どもは提言をいたすつもりでございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 いまのは私、ちょっとむずかしい問題だと思いますので、長官の御見解も承っておきたいと思うのです。現にもう入っている外資については政務次官に御答弁をいただきましたが、ただ六九年から七二年までに外資が入ってくるか入ってこないかも、率直に言いまして測定できないと思うのです。ただ、考え方として、一体沖繩の経済立地条件がどうなのか、私は経済のことはとても長官の足元にもいきませんけれども、外資だってもうからないところへ来ないわけでしょう。もうかればどんどん来るわけですね。それだけははっきりわかりますね。しかし、そうなってくると、六九年から七二年までの間に外資がどんどん入ってくるというふうな——六九年から七二年までの外資に対する考え方、これは法律的に施政権が向こうにあるのだから、それはどうとも言えないけれども、外交交渉の問題になり得ますね。それについてはどういうふうにお考えになるか、いろいろなむずかしいファクターがありますので、私は検討していただきたいということでひとつお願いしたいと思うのです。これは政務次官のほうからもひとつ御答弁をいただきたい。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 六九年から七二年までの間に外資が入るかどうかということも日米交渉の内容になると思います。しかし、私は入らないと思います。それは施政権が日本へ返らないという前提のもとにおいて現在外資が入っておるのですから、施政権がいよいよ日本へ全面返還ということであれば、私は外資は入らないと思います。あそこへ外資で石油業というものを興したのは、日本には民族資本で石油は大体やるという方針を定めましたから、そこで外資の石油業というものを日本ではできるだけ抑圧する方針をとりましたから、そこで沖繩へ製油所を設けたわけである、これがいよいよ返還されれば本土並になるわけですから、したがいまして、私は、六九年以降はまあ十中八、九までは外資が入らないという見通しを持っておるのです。

藤尾正行自由民主党通商産業政務次官

○藤尾政府委員 私ども政府でございますから、すでに長官がお答えになったことと違うことを私は申し上げるはずがございません。そのとおりであると思います。しかしながら、私ども、かりに入るといたしましても、その間といいまするものは、当然本土のある種の発言権が認められてしかるべきだと私自身としては考えます。したがいまして、私どもの考え方といいまするものを、琉球政府を通じてよく相談をしながら、相手側との間にぶつけ合って、そうしてしかるべき結果を私どもがおさめてみたい、さように思います。

内村良英農林省農林経済局国際部長

○内村説明員 御答弁申し上げます。  沖繩における砂糖の農業生産における重要性でございますが、作付面積の六割がサトウキビでございます。  次に、パイナップルでございますが、これは面積じゃなしに、沖繩の農業収入に占めるウエートは約二三%でございます。したがいまして、沖繩の農業はサトウキビとパイナップルヘの依存度が非常に高いということは事実でございます。

本名武自由民主党

○本名委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次回は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。     午後一時三十分散会

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