沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第19号
- 発言数
- 165 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/07/03
会議録
○中村委員長 これより会議を開きます。 沖繩及び北方問題に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。大村襄治君。
○大村委員 沖繩の返還が近づくに従いまして本土との一体化を進め、また、沖繩の産業開発をはかって住民の福祉の向上に資する必要が大でございます。当委員会はこの問題をかねて検討しておるのでありますが、五十余りの島々に百万人近い人口が住まい、また全体の面積がわずか二千三百八十八平方キロ、こういった沖繩の立地条件を勘案した場合には、それぞれの地域に応ずる適切な計画をすみやかに樹立し、そしてまた、できるものからその実施にかかる必要があると思うわけでございます。 そこで、今回当委員会で審議中の米穀の売渡しについての特別措置に関する法律案におきましても、沖繩における産業の振興開発等に要する資金の財源を確保するということを明確にうたっているのでありまして、この点は、いま申し上げました方向から見ましても適切であると私は考えるのであります。 そこで私は、この沖繩の今後の長期計画を考える場合には、沖繩の本島のみならず、各離島の振興をはかる必要が大であると思います。その観点からいたしますると、最近におきまして現地におきまして——宮古群島の下地島、所在は伊良部村でございますが、そこにおきましてSSTの訓練飛行場の問題がだいぶ話題になっておるようであります。 そこで、この飛行場の設置問題についてのこれまでの経過の概況を、政府当局より御説明を願いたいわけであります。総理府並びに運輸省の当局から、概況をまず説明をお願いしたいと思います。
○山野政府委員 ただいま御質問がありましたジェット機のパイロット訓練飛行場の設置問題でございますが、これは専門的な分野におきましては運輸省から御答弁願うことにいたしますが、わが国としましても、かねてからこういう訓練飛行場の設置について相当強い関心を持ってきたわけでございまして、先般硫黄島が返還になりましたときに、硫黄島においてそういう訓練基地は求められないかということがいろいろ議論になったわけでございます。しかし、現地調査その他の結果は、どうも適切ではないということになったのでございます。 そうしますうちに、私ども昨年一体化調査団で沖繩へ参りましたときに、たまたま運輸省の方も参加しておられ、そうしてそういう訓練飛行場等についての関心もあったものでございますから、若干そういう見地から現地を見られた。特に昨年の十月でございましたか、運輸省の担当官が現地に行かれまして、実は那覇空港の民間飛行場の拡張問題で行かれたのですが、それにあわせて、一体ジェット飛行機の訓練基地の適地があるかどうかというような観点から、宮古、八重山、西表、離島全体にわたって調査をされたのであります。ところが、いま御指摘いただきましたような伊良部村の下地島が、そういう訓練基地としては最も適切ではないかということに調査の結果がなったようでございます。 たまたま、いま沖繩は本土復帰を迎えまして、経済の振興施策をどうするかということが、いろいろお話がありましたような見地から、琉球政府が強い関心を持っていろいろ交渉しておるわけでありますが、なかんずく離島においてそういう訓練基地ができるならば相当多額の投資が行なわれる、それに付帯してまた関連経済活動も盛んになる、これがひいて先島の経済開発にもつながるのではないかということで、現地の下地島の村長はじめ関係者の方々が強い関心で協力されたということでございまして、この間には、日本航空その他関係のそういう航空会社等においても、いろいろ協力的な関心を示してきたというのが現在までの経緯でございます。
○大村委員 運輸省の経過を求めます。
○鮫島説明員 ただいま特連局のほうからお話がありましたことに特につけ加えることもございませんけれども、現地調査に参りました時点が十月ということでございますけれども、実際には十二月に行っております。それだけでございます。
○大村委員 あらましの経過はわかったのでありますが、現在沖繩はアメリカの施政権のもとにありますので、この問題については、直接的には現地では琉球政府が関心を持っている、これは当然だと思うのであります。 そこで、これまで琉球政府からこの問題について、日本政府に対して何らかの公式連絡なりがあったかどうか、また、あったにせよ、なきにせよ、日本政府としてこの問題にどう取り組もうという考えなのか。この訓練飛行場の内容とか、そういった点につきましてはまた担当官に詳しく聞きたいと思いますが、経過の概況に関連して、琉球政府並びに日本政府の態度と申しますか、そういった問題につきまして特連局長に御答弁を願います。
○山野政府委員 この訓練飛行場設置の問題が表に出ますと、現地においても非常に大きい関心が示されまして、新聞、テレビ、そういうマスコミにも現地では非常に大きく取り上げられたのであります。地元におきましては、この飛行場の誘致促進の期成会のようなものもできまして、ぜひこの訓練場を下地島に誘致したいという動きもあります。また、これに反して、一応地元の原水協あるいはまた教職員会の一部等におかれては、これか将来、非常に大きな公害を及ぼすんじゃないかとか、あるいはまた、軍用に使われるんじゃないかというような批判的な面から一部反対運動もあるように聞いております。立法院で先般この問題が取り上げられまして、通産局長はその答弁においく積極的に誘致する方向で地元の人たちに了解を求めたいというような答弁をされておるようであります。日本政府としては、実は公式にまだ琉球政府の見解を得ていません。いませんが、この通産局長の立法院の答弁にありますように、またごく最近通産局長は現地へも参りまして、いろいろその構想を説明して、そして反対者に対してもいろいろ説得をしておられるようであります。したがいまして、総理府の立場といたしましては、できるならば一なかなか新しい産業も見つからない沖繩の先島開発のために、こういうかっこうの訓練施設ができることが先島開発の非常に大きな力になるというような見地から、琉球政府が積極的にこれを受け入れられるような方向で、あまりおそくならないうちに、正式な態度を表明してもらうことを期待いたしておるわけであります。
○大村委員 外務政務次官がお見えになりましたので、いずれこれはやはり外務省の関係も出てくると思うのでありますが、政務次官に対するお尋ねはちょっとあと回しにさせていただきまして、中身をお尋ねしたいと思います。 伝えられるところによりますと、この訓練飛行場は、将来はSSTの訓練場にしたいというふうにも聞いておるのでありますが、このSSTのわが国における導入というのは一体いつごろになるのか、こういった問題もある。また、それが導入されなかったとしますと、訓練飛行場におきましては何を訓練するのか。最近アメリカのモーゼスレークですか、わざわざアメリカまで行って日本の航空会社の要員が訓練中に事故が起きた、こういうようなあれもありますので、さしあたりやるとすれば、現在使用されているジェット機の訓練ということも当然予想されると思うのです。 そこで、運輸省にお尋ねしたいのは、現在調査中ではっきりしたことは言えぬのかもしれませんが、現在予想される範囲でこの訓練飛行場を設置するとしたならば、どの程度の規模のものが必要とされるか、またその飛行場の運営方式、いま内地で行なわれておりますような各種の飛行場、これは民間飛行のもとであると思いますが、そういった点にかんがみまして、現在沖繩は特殊な地位にありますが、いずれは返ってまいりますので、そういった場合の運営方式、あるいはわかれば、役に立つものをつくるにはおよそどのくらい金がかかるのか、そういった点につきまして運輸省のお考えを説明してもらいたい。
○鮫島説明員 まず初めにSSTの導入についての御質問がありましたが、現在予想されておりますところでは、昭和四十七年もしくは四十八年、早ければ四十七年の秋くらいに現在英仏で開発されておりますコンコードのほうが入ってくる可能性がある、こういうふうに考えております。 次に、この訓練飛行場でどういう訓練がさしあたり行なわれるかという御質問でございますが、これにつきましては、現在国際線の使用機材になっておりますDC8、国内線の使用機材になっておりますB727あるいは最近入りましたB737というようなものが、ジェット機といたしましては当面対象になるかと思います。 なお、そのほかに国内の地方航空に主力として使われておりますYS11、これはプロペラつきでございますけれども、そういうようなものの訓練をあわせ行なうことができるかと考えております。 将来に向かいましては、先ほどお話のありましたSSTあるいはボーイング747というようなものの訓練が可能であるかと考えております。 次に、こういう訓練をいたします場合の施設の規模ということでございますけれども、訓練飛行場というものにつきまして、いろいろ規模というものは考えられるわけでございますが、いままで申し上げましたような機材の訓練として使われるためには、最小限その場合滑走路を三千五百メートル、あるいはできたら四千メートルの滑走路一本が必要ではないかと考えております。それに付随いたしまして、いろいろ誘導路あるいはエプロンあるいは整備地域というような敷地が必要になってまいります。その面積がおおむね百万坪程度で最小限の要求というものが満たされるのではないかと考えております。しかし、これをさらに望ましい形としてどのくらいまでが考えられるかというふうに考えてまいりますと、滑走路が四千メートルグラス一本のほかに、さらに三千メートルグラスのものが一本あることが望ましいと思われますし、さらに、先ほど申しました誘導路あるいはエプロンというものは、当然それに伴って相当数増加させる必要がありまして、空港の必要面積、これは地形その他によりまして非常に変わるものでございますから何とも申し上げられませんけれども、おおむね二倍程度の敷地は必要になるのではないかと考えております。 建設に要します費用につきましては、何ぶん先ほど申しましたように十二月に現地を視察したということでございますけれども、これは技術的に測量したわけでもありませんし、非常にむずかしい問題を含んでおりますので、何とも申し上げかねるわけでございますけれども、現在利用できます五万分の一の地形図というものから一応判断いたしますと、空港の基本施設として必要なお金は、先ほど最小限ほしいと申し上げましたもので大体四十三億円ぐらい。三という数字は全く意味がないと思います、四十億程度のものがかかるのではないか。さらに、それを望ましい形にまで持っていくというような場合には、費用はざっと三倍程度にまでなり得るのではないかというふうに、机上ではございますけれども、大体の感覚として考えている次第でございます。 それから、運営方式でございます。これは非常にむずかしい問題で、いろいろ考慮しなければいけない問題がございますので、実際に話が具体化いたしました時点でさらに追及していかなければいけないと思いますけれども、私どもの最初の考えの出発点といたしましては、これは琉球政府が管理される飛行場として設置をする。それが復帰後になりますと県の管理する飛行場という形になりますことが、そこであがります収益は直接入っていくというような面から考えまして、最も単純であって、そういう面の効果が大きいのではないか。したがって、その辺を考えのもとにいたしまして、さらにこまかく管理体制を考えていく必要あるいは価値があるのではないかと予想しているわけでございます。
○大村委員 関連して重ねて運輸省にお尋ねいたしますが、いまのような性格の訓練飛行場を沖繩の適当な場所があれば設けるとした場合、現在内地に航空大学というのがあります。宮崎ほか、もう一カ所、二カ所あるそうです。そこにもおそらく訓練飛行場というのがあると思うのですが、それとの関連はどうなるのか、使用目的とかそういった点がどうなるのか。それから現在の航空大学の訓練飛行場というのは、運営方式はどうなっておるのか、ちょっと関連がありますので御説明願いたい。
○鮫島説明員 航空大学校につきましては、ただいまお話しのございましたように、現在本土におきまして宮崎及び仙台の二カ所に国の大学校として設置されております。飛行場の基本施設といたしましては、もちろん民間航空に使用しております宮崎空港及び仙台空港の基本施設、すなわち滑走路その他は民間航空と共用して使用しているということでございます。当然、敷地その他につきましては、別個のものを飛行場の一角に持っているわけではございません。
○大村委員 先ほど御説明の経費ですが、これはいろいろ条件があって、現在仮定ですから数字は条件によって動くと思うのですが、最近の現地の新聞あたりを見ますと基本施設六十四億、そんな数字もあるのですが、こういった問題は運輸省が関係された数字であるのか、それとも何か民間の航空会社あたりが試算をしたものであるのか。かなり詳しい数字も出ているようなんですが、その辺はどうなんですか。
○鮫島説明員 ただいまおっしゃいました六十四億という数字でございますが、これは先ほど私が申し上げました四十三億円という数字に、民間関係の資本投下が別に予定されますので、それを合わせまして大体六十四億というような数字が一応計算されるかと承知しております。 先ほど航空大学関係のことで御質問にお答えしなかった面がございますけれども、現在、航空大学校におきましてはYS11までの実地訓練をいたしまして、それ以上につきましては各航空会社のほうで実施しているのが現状であります。したがいまして、現時点では、航空大学校をこの訓練飛行場にどうするかということにつきましては、考えがまだきまっておらないのが実情でございます。
○大村委員 大体構想はわかったのでありますが、そういったものが実現しました場合における地元に与える影響これがやはり地元の方々としても重大な関心事であると思うのであります。そこで、予想されるような影響、これにはもちろんいい影響もありましょうし、また心配な点もあろうかと思うのでありますが、二、三気づいている点をお尋ねしたいと思います。 まず第一に、ジェット機にせよ超音速機にしましても、離着陸するということになりますと、いかに離島であるといいましても、爆音とかあるいは訓練によるいわゆる航空公害が心配の対象になるということは、まず常識だと思うのであります。そこで、現在調査中の段階ではっきり言えぬと思うのでありますが、この下地島は、いままでの調査段階において、この航空公害の問題ははたしてどのようにお考えであるか、最初にお尋ねしておきます。
○鮫島説明員 ただいまの騒音の問題でございますけれども、これまた詳細な現地調査をしませんと何とも言えない点がございますけれども、先ほど申し上げましたような五万分の一の地形図で判断する限りにおきましては、滑走路の位置とそれから人家のあります位置との間が、どれくらいとれるであろうかどいうことが一応見当として考えられます。それをもとにいたしまして、先ほど申し上げましたような訓練機が離発着するということを計算いたしますと、人家の付近におきまして、大体七十あるいは七十五というような騒音レベルになるという一応の計算が出てまいります。ちなみに申し上げますが、七十ホンといいますのは、騒々しい事務所あるいは静かな工場の中で測定されるような数字でございます。
○大村委員 いまの騒音の点なんですが、地図を見ますと、この下地島というのは狭い海峡で伊良部島と相対しております。私の聞くところによりますと、下地島に実際いま住んでいる人は数軒というふうに聞いておるのです。伊良部島のほうには、地図を見ましても部落、家も相当あるようですが、いまの騒音の七十ホンにしましても、これはどこがその程度だということですか、具体的に御説明願いたい。
○鮫島説明員 ただいま、地形図で考えられる滑走路の位置ということで、最小限その水路に沿っております人家から千五百メートルは離すことは可能であるはずであるということを申し上げました。それはもし詳細な調査ができましたならば、さらに離して、さらに軽減することも可能性があると思いますが、一応危険側に考えますと、千五百メートルぐらい離れたところに滑走路を建設するという可能性がある。その場合は七十ないし七十五ホンぐらいのものが計算されるということでございます。
○大村委員 滑走路で七十ですか。
○鮫島説明員 滑走路がございまして、滑走路の進行方向が非常にやかましいわけでございます。これは幸い両側とも海に入るはずでございますが、滑走路から横のほうにどのくらい距離がとれるかということによりまして、騒音の度が非常に減じていくわけでございます。その横の間隔が最小限一・五キロくらいはとれるはずでなかろうかということでございます。
○大村委員 SSTが採用されますと、いままでの騒音のほかにソニックブームとかいう衝撃波の公害がさらに予想されるといわれておりますが、この問題はどうなりましょう。
○鮫島説明員 SSTにつきましては、確かに超音速の飛行機でございますから、おっしゃいましたようなソニックブームというのを出すことは間違いございません。しかしながら、これは非常に高空に行きましていわゆる超音速という速度を出す飛行機でございます。したがいまして、飛行場の付近において、そういうことが直接発生するということはないのではなかろうかと思われます。現在でもときたまそういう音を聞くことがございますが、これは軍用機などが、たとえば急降下をするというような場合には、当然超音速の速度が出るわけでございます。これは低空においてそういう超音速の飛行が行なわれたときにそういう現象を体験することがあるということでございまして、これはSSTの場合とは全然別の問題ではなかろうかと考えております。
○大村委員 次にお尋ねしたい点は、この訓練飛行場が軍事目的に使用されることはないか、現地の住民の方々の間でそういう心配が現にあるようでございます。承る限りにおきましては、民間訓練の飛行場であるということでは軍事目的と何ら関係はないようにも見受けられるのでありますが、この辺はどのように受け取ったらいいのか。これは運輸省ですか、総理府ですか、関係御当局の見解をお尋ねいたします。
○田中(六)政府委員 大村委員にお答えいたします。 このジェット機の訓練場を設ける動機からいたしまして、これは日本でやったほうが経費の面でもいろいろな面で節約できるというような観点から、民間の練習飛行場としての発想から出発したものでありまして、政府といたしましては、あくまで民間用のジェット機の練習場として使うという方針には変わりなく、将来ともこれを軍事目的に利用するという考えは全くございません。
○大村委員 次にお尋ねしたいのは、こういった構想の訓練飛行場ができましたならば、現地の住民にどういう影響があるか、はっきり言えば、どういう利益があるか、この点も、現地の方々としてできる限り明確に知りたい点ではないかと思います。この点、ひとつ特連局長、代表して説明願いたい。
○山野政府委員 これは非常に予測がむずかしい問題でございますが、この下地島は、いま御指摘になっているように三、四戸しかない、無人島に近い島でございます。それからまた、それに続いた伊良部島、宮古島は、全く砂糖しかできないところでございまして、例年砂糖の問題で、そのときの糖価その他で経済が非常に不安な土地でございます。そこへ先ほど来話のありますような相当大がかりな投資をして、そしておそらく日本のみならず、アジアにはないようなジェット機の訓練飛行場をつくるということになりますれば、これは当然琉球政府が何らかの形で運営に関与していくわけですが、固定資産税その他の諸税が相当増収になっていくことは当然考えられます。また、この訓練飛行場の設置に関連します諸産業、関連産業も、ある程度は期待できるんじゃないかということが考えられますし、また、雇用の問題についてもやはり相当なプラス面があるんじゃないかということを考えますと、将来の先島開発の一つのよりどころになっていくというぐあいに考えるのでございます。
○大村委員 伺っていますとだいぶいいことが多いようなんですが、六月末の現地の新聞の記事によると、経済効果として直接的な投下資本百七億七千万円、設置後の年間経済効果二十二億五千七百万円とかいう数字がありまして、その内訳を見てみますと、いま局長の言われた税金の収入であるとかいろいろな点の項目があがって、かなり詳しい数字があるのです。これはどこで調べた数字なんですか、それは現地で調査機関があればそういうこともできるのかもしれませんが、あまり詳し過ぎるものですから、このとおりであればいいと思うのですけれども、もしその点につきまして何かお気づきの点があれば伺いたい。
○山野政府委員 これは、いまの段階で正確にこの経済効果が金額にしてどの程度になるかということは非常にむずかしい問題で、おそらくその新聞に出た記事も、関心を持った人のつくった資料じゃないかと思うわけでございます。しかし、いずれにしましても相当の経済効果はあるというぐあいに考えられます。
○大村委員 そうすると、この数字は、あなた方ごらんになっても、全然荒唐無稽だということでもないような感じがされますか。
○山野政府委員 私どももある程度の推測的な数字を持っておるわけですが、まあそれと比較しましても、全く基礎のない架空的な数字ではないというふうに考えます。
○大村委員 設置計画につきまして、ちょっとお尋ねを漏らした点がありますから運輸省にお尋ねいたしますが、これができ上がりますと、滑走路一本の第一次計画でもいいのですが、直接関係の職員とか訓練の人とか常駐する人が、大体何人くらいこの島にふえるようになるのか、もし見込みがあれば参考に……。
○鮫島説明員 これも非常に大胆な推定でしかお答えできないのが現状でございますが、直接飛行場に関係する雇用というものが、おおむね三百名程度になるのではないかと考えております。なお別に、訓練生といたしまして滞在をする者は、百数十名というのが出てくるかと思います。
○大村委員 なお関連して、これは訓練飛行場で、訓練生もふえ、訓練の飛行機もふえて訓練の回数がふえれば、それだけで一ぱいになるということも予想されますけれども、あと、なお余地があれば、せっかく離島に飛行場ができるんだから、もちろん民間航空の範囲内で、定期あるいは臨時便のあれをやるというふうなことも可能でございますか。離島開発との関連もありますから、見通しをお尋ねいたします。
○鮫島説明員 おっしゃるとおりでございまして、これは先ほどのような考えに基づきますと、空港の管理者が琉球政府なりあるいはそれに近いものといたしますと、その管理者がお考えになりまして、そういうようなものを誘致といいますか、十分に御利用なさることは、同じ資本の効率をあげるという面からも非常にけっこうなことではないかと考えております。
○大村委員 予定の時間が近づきましたからそろそろ締めくくりにいたしますが、今後の進め方でございます。特に関係当局に要望しておきたいのは、いまお尋ねいたしました限りにおきましても、公害その他の問題があるにいたしましても、相当なメリットも予想されるわけでございます。また、いままでの経過を見ましても、現地住民の間にもかなり積極的な機運もあるように承っております。しかしながら、現時点におきましては沖繩がアメリカの施政権下にある、こういう点もありますので、現地の琉球政府と日本政府は緊密な連絡を保ちながら、住民の納得と理解のもとに、計画の策定なりあるいは実施が進められることが望ましいと思うのでございます。なお、施政権下にあります以上、やはりアメリカ政府、あるいは現地の民政府等ともまた緊密な連絡をはかる必要があると思うのでありますが、この辺の問題につきまして、総理府並びに外務省の考え方、御方針をお尋ねしたいのであります。
○田中(六)政府委員 政府といたしましては、もちろん琉球政府と緊密な連絡を現在もとっておりますし、仰せのように、現地の住民の感情というものはやはり何よりも大切でございますし、それも含めまして検討し、先ほども申し上げましたように、これが基地になるんじゃないかという懸念も大いにあるようでございますので、そういう点も含めまして住民の納得のいく線でこの問題を解決したい、かように考えております。
○山野政府委員 御指摘の点はごもっともでございまして、私どもも、民政府とは絶えず緊密な連絡をとって、現在調査もいたしておるわけでございます。 それから、さきに行なわれました沖繩経済振興懇談会、日本と沖繩の両経済界の合同会議におきましても、この訓練飛行場の設置をすべきであるということで、政府のほうへ正式の意見として出ておるようなわけでございます。いずれにしましても、いま田中政務次官からお話がありましたような方向で、ひとつ琉球政府とも今後十分連絡をとりながら円滑に進めていきたい、かように考えております。
○大村委員 いま外務政務次官並びに特連局長が述べられましたような基本線に沿いながら、強力に進められんことを強く要望しまして、私の質問を終わります。
○中村委員長 美濃政市君。
○美濃委員 私は、北方問題で若干の質問をいたしたいと思います。 まず最初に、この委員会で、さきに三木外務大臣がソ連を訪問した際、そのときの状況報告といったものがあって以来、その後の外交経過の報告が行なわれたことがないのです。三木外務大臣が行ったときの中間的措置云々ということと、それに基づく現地大使を通じての外交折衝をするという報告はあったわけですが、その後ナシのつぶで何にもないのですが、その後現在までどういうふうな状況にあるか、あるいは、外務大臣もかわったわけですから、さらに政府として今後どういう方針で進めようとしているのか、スケジュール等をあわせて一応現況の報告を求めたいと思います。
○田中(六)政府委員 御指摘のように、三木前大臣が中間方式ということを向こうで折衝されましたが、中間方式というのは、御承知のように、いままでの問題点を洗いざらしにしておるということだけで、具体的にそれをどうするこうするということまで言っていないわけでございます。 現在の状況を申し上げますと、その後政府といたしましては、北方領土問題をこのままにしておくということはもちろん政府の方針ではございませず、機会あるごとに、現地の大使館、つまり中川大使を通じまして、領土の問題はどうなったのだ、わがほうとしては北方領土の返還を強く要求するということは、たびたび向こうの政府に伝えておる現状でございます。
○美濃委員 このスケジュールその他について。
○田中(六)政府委員 具体的なスケジュールといたしましては、いまのところ、率直に申し上げまして公式にはございませんが、きのう向こうの大使から——わがほうといたしましても一度外務大臣がモスクワをたずねて向こうの要人に会いたいということを申し入れておりまして、また、向こうの大臣もぜひとも日本に来てほしいということを申し入れております。ところが、きのう、正式に日本の愛知大臣にどうぞ来てくれということで、大臣といたしましては、ちょうどブラッセルで欧州公館長会議がございますので、それを利用と言うと語弊がございますが、その際にモスクワをたずねて、親善を含めましてお話をしたいというふうに考えています。したがって、その際、北方領土問題が一つの議題の一部になるであろうということは御報告できると思います。
○美濃委員 次に、北方協会の法律が今度できましたが、基金関係についてお尋ねをいたしたいと思います。この北方協会の基金は、まず最初に十億の公債をもって貸し付け業務を行なっておりますが、これはたしか四十六年が年限であったと思いますが、協会には国債は渡っていない。たしか日本銀行の保管証か何かが渡っておる。これは四十六年に、十年後に現金十億を渡すのかどうか、これをまず最初にお聞きいたしたい。
○山野政府委員 十億円の保管の方法、それから四十六年に償還になるということについては、御指摘のとおりでございます。一体、その時点でこれを全く現金化してしまうのか、あるいはまた、こういう形でさらに継続していくのか、そういうことを含めまして、これからひとつ政府部内で十分検討してきめてまいりたい、こういうように考えております。
○美濃委員 これは最初はどうだったのですか。国債を発行すると、償還のときには十億、これは現金で渡すということがたてまえになっておったのではないですか。最初の出発点は、そういうふうに私は聞いておるのです。それが何か中間で話が変わって、いま相談するとかなんとかいうふうに言っているが、あるいはこういう性格のものですから、当時の記録等があれば——これは最初のときにどうなっておるのですか。
○山野政府委員 実は、急な御質問だったものですから、当時の詳しい資料は見ておりませんが、当時償還期限十年の国債ということできまったわけですが、十年後に全く現金化して償還してしまうというぐあいにきまっていたのかどうか、これは私、必ずしもはっきり記憶しておりません。しかし、現金化することがいいのか、あるいはまた、現行のようなやり方を続けたほうがいいのか、そういうことはやはり北海道側の北方協会の関係者の方々の意見も十分聞かなければいけませんし、もちろん道庁の意見も聞かなければなりませんから、そういう関係者の方で十分話し合いをしてきめるべきものだ、こういうぐあいに考えるわけであります。
○美濃委員 大蔵省の方は来ておりますね。大蔵省側の見解はどうですか。この種の国債の性格は、どういうふうに解釈すればいいのですか。国債を発行すれば、年限が到来したときには償還するのがたてまえになるのではないですか。
○秋吉説明員 御指摘の意味を私、誤解しているかもしれませんが、国債の償還期限が来れば、償還をすることには間違いございません。ただ、先ほど申し上げましたように、本国債は特別な目的を持った国債でございます。つまり、いわば貸し付け業務の財源に充てるため国債十億円を交付するという形になっているわけですから、その目的自体を踏んまえつつ、四十六年十二月の償還期限が来た場合には、先ほど特連局長が申しましたように、従来どおり貸し付け業務を遂行するのがいいかどうか、また、その場合には原資として、はたして従来の資金をそのまま続けたほうがいいのではないかという問題もございます。そういった時点、つまり四十六年十二月の時点においていろいろな角度から検討いたしたい、こういうことでございます。
○美濃委員 北海道側の総合意見というのはまだ聞いておりませんが、北方協会側としては、やはり約定どおり償還年限到来のときには現金化してもらいたいという意見に、私は聞いておるわけです。 そこで、これは交付公債でも国債を発行した以上、請求されれば政府側は支払いの義務があるのか。よく相談しなければならないと言っておるけれども、何か大蔵当局や何かが、これは特別の交付公債であるから償還はできませんよというような意図があるのか。そういう意図は、国債という性格上拘束力があるのか、それとも行政的にそういうことを言っておるのか。あくまで現地側が約定どおり四十六年に十億償還してもらいたいと言えば、これは政府の義務として果たさなければならぬのかどうなのか。その点の見解をはっきりしておいてもらいたい。
○秋吉説明員 御指摘のように十年後、つまり四十六年十二月になりますれば償還しなければなりません。しかしながら、その場合に現金で償還するか、あるいはまた、別途借りかえ措置によるかということで、またその時点において検討の余地があるかと思います。
○美濃委員 その余地があるというのは、どちら側の言い分ですか。政府側の言い分ですか。現地側があくまで償還してくれと言ったときには償還するのですか、それとも政府側の意図で、現地側が償還を要求しても押える場合があり得る、そういうことなんですか。
○秋吉説明員 問題は、この基金の性格が、御指摘のように、いわば貸し付け業務の財源に充てるということが目的になっております。その目的に照らしつつ、その際においてどちらがいいかということを検討いたしたいと思います。
○美濃委員 次に、発足当時、貸し付け資金が少ないから一億を借り入れしているわけですね。これは現地側に言わすと、特連局や大蔵当局と十分相談の上である。この償還が一年早いのですね、四十四年度において五千万円、四十五年度において五千万円。ところが、実際に十億出したわけではないのですから、そういう最初の資金は北海道の全漁連から、漁信連から借り入れをしておると私は聞いておるのですが、この償還をしなければならぬ。その償還にあたって交渉をしても、大蔵省側は新規借り入れば認めないので困っておるのだと言っておるのですね。借りかえは認めぬぞ。それから果実の運用でこの一億を償還するということになりますと、貸し付け残が四十四年三月末において二億八千万円、それから四十四年度の貸し付けする資金量が一億三千万円というような内容になっております。そうすると、この一億三千万円は明年度になってもこんなものだと思うのです。この中から一億を払えば、単年度貸し付け運用ができない。また、先ほどからお話しのように、引き続き十億は償還しないで、いまの形で管理して果実をもって運用しなさいなどということになると、その一億を何とかしなければ、年賦で貸しておりますから、貸し付け運用が一年くらいストップしてしまう。こうなるのですが、これをどういうふうにするのですか。何ぼ交渉しても、現地側の話では——最近は聞いておりませんが、さきの法案を審議する時点で聞いたわけですが、北方領土問題の対策協議会、その前だったから、たしか四月下旬か五月ごろだったと思うのです。私は現地を調べておるわけですが、困っておるのです。再借り入れは承知しない、償還の態度も明確にしない。しかし、借り入れ約定があるから、借り入れた金融機関には一億円返さなければならない。ですから、北方協会はその約定に迫られて追い詰められておるし、政府側の態度は、これに対して強化しながら借り入れもして、資金運用もしてきたのに、その措置に対して明確な態度をとらない。これはどういうことですか。
○山野政府委員 いま御指摘の一億円の買い戻しの問題ですが、これは御指摘のように、来年買い戻すことになるわけでございます。こういうことに対しまして、かねてから協会のほうでも、運営上四十四年度には買い戻さなければいかぬということをよく頭に入れて運営もやってきております。したがいまして、今度は新しい協会がその責任に当たるわけでございまして、もちろん大蔵省とも今後よく相談しなければいかぬ問題でございますが、私どもといたしましては、いま御指摘のような貸し付け金がストップになるとか、あるいは著しくワクが小さくなるとかいうようなことがないような方法で買い戻しを実施してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○美濃委員 そうすると、残余の償還は別としても一億は買い戻す、そういうふうに受け取ってよろしゅうございますか。
○山野政府委員 そういう方向で処理したいと考えております。
○美濃委員 では次にお尋ねをいたしますが、この前、本委員会で昨年現地調査をしたときに、歯舞、色丹、国後、択捉は固有領土だという定義に立つのであれば、本籍地を島へ戻したいという意見が出たわけですね。これはどうですか。これは終戦処理で何か戸籍簿や何かも十分持ってこられなくて、戦後つくって、全部本人の意思にかかわらず戸籍は島から離してしまった、せめて戸籍だけでも復帰させておきたいというのですが、この調査にはそれぞれ政府側も一緒に同行しておったわけでありますが、検討の結果、そういう要請があれば、旧島民の希望どおり戸籍復帰ができるかどうか、これをお伺いしたいと思います。
○山野政府委員 この北方地域のもと居住者の戸籍を四島に復籍したいという問題でございますが、この問題は法務省と十分連絡をとり、法務省にも検討を願っておるわけでございます。しかし、現在は御承知のように、引き揚げたあとでそれぞれ本籍地を転籍し、あるいは就籍しておりまして、現実には何ら生活上の不便はないわけでございます。そこでこの問題は、現実の生活上の問題というよりか、むしろ感情的な面からの要請が若干あるように聞いております。法務省のほうでも、国会でしばしば答弁されたこともあるようでございますが、何ぶんにも沖繩の問題と違いまして、法律を改正して、たとえば現在四島には市町村がございませんから、戸籍は市町村長が取り扱うたてまえになっておりますので、したがって、市町村長にかわって戸籍事務を取り扱う特別な機関を設けないとできないわけでございます。そういうような問題もございますし、現実の生活上の不便はないということもありまして、法務省では鋭意検討はされておりますが、この問題については、なおひとつ慎重に検討させてもらいたいというのが法務省のお考えのようでございます。
○美濃委員 次に、この問題の解決の見通しはどうですか。はっきり何年になるかということは言えない、早期解決の見通しを政府側として持てるかどうか。どういうお考えですか。千島の返還解決ですね、どういうお考えですか。
○田中(六)政府委員 委員御承知のように、日本側はあくまで固有の領土であるという強い主張を毎年毎回繰り返しておるわけでございますが、向こう側はフルシチョフ以来、領土問題は解決済みであるという態度を現在も変えておりません。しかし、政府といたしましては、この問題が解決しなければ日ソ間の懸案の諸問題の解決にもならず、両国間の親善にもひびが入るという見解から、もう一つは日本の国民感情からも、あるいは歴史からも、日本の固有の領土であるということは、変わりなくこの主張を押し通すという方針でやってきております。したがって、現状では平行線でございます。しかし、努力が実りまして、向こうからも外務大臣に来てほしいという返事もございましたし、私どもはそういう点に明るい希望を抱き始めておるというのが現実でございます。
○美濃委員 しかし、このソ連側からの外務大臣の訪問申し入れに対する要請を受けるという姿勢には、いろいろ経済関係もあるだろうし、明るい見通し——明るいとか暗いとかいうことはあえて論争はいたしません。そういう点には、重要な外交問題ですから私も触れませんけれども、とにかくかなりの日限は要すると思うのですね。その場合、いま引き揚げ島民の所得は、昨年の調査時点でそれぞれ資料が提出されておりますけれども、かなりいまだほんとうに貧困な生活、低い所得内容である。それからもう一つは、かなりの年限が推移しなければ、いますぐ短年月で的確な返還の見通しが立たないということになれば、旧漁業権ですね、時代は推移していきますから、漁業権関係あるいは所有権関係を一ぺん補償して、そして現況の苦しい生活を一応——これは島民の意思でこういうことが起きておるわけではないのですから、これを強く要請してきているわけです。それを一ぺん補償して、そして返還が行なわれた場合には新たな、たとえば島が全部返還された場合には、国有地として新たな開発に向かって用途を定めていく、あるいは漁業権関係についても一回失われたものは補償して、返還が行なわれた場合には新たな角度で、その時限に最も有効適切な方法で漁業権は許可し、あるいは開発を進めていくということが必要ではないかと思うのですが、そういう点は検討されておるかどうか。
○山野政府委員 これはむずかしい問題でありますけれども、総理府といたしましては、やはりこの四島がわが国固有の領土である、そしてそれを強く返還を求めていくという姿勢を少しでも弱めるような措置は、現段階ではとるべきでないではないかというぐあいに考えるのであります。しかし、実現の漁民の生活なりあるいは関係北海道民の気持ち等からいいますと、先生のような現実的な解決の方法をあるいは希望される向きもあると思いますけれども、何ぶんにもこの領土問題というのはわが国のかかえた非常に大きい問題でございますし、わが国の固有の領土であり、そしてできるだけ早く返還してもらいたいという姿勢に影響を及ぼすような国内の行政上の措置はとるべきじゃないというぐあいに、私どもは考えております。
○美濃委員 これは弱まりますか。そういう措置をとった場合どうですか。こういう要求はやはり日ソ間の重要な懸案要件で、国と国との話し合いですが、それを一時的な措置でそういう——時代も変わるし、また引き揚げた島民がいま非常に貧困な生活ですから、そういう内政的な措置をすることは返還の姿勢を弱めますか。私はそうじゃないと思います。そういう内政措置をとったら、そういうことで外交問題が弱まるとは解釈しないのですが、どういう理由でそれは弱まるとすれば弱まるのですか。やるやらぬは別として、その弱まるという解釈はどういう解釈に基づくのですか。
○山野政府委員 それは、いま申し上げましたのは基本的な考え方でございまして、いま御指摘のような解決方法が弱まるか強まるか、いろいろ議論があろうと思います。いずれにしましても、たとえば例示して指摘されましたような漁業権補償問題にいたしましても、これはよく御承知のとおり、非常に複雑な法的な解釈もございますし、なかなか解決することに困難性もございます。したがいまして、私どもとしましては、北方領土返還の方向に向かって、たとえば歯色、舞丹、国後、択捉の面積を北海道の面積に交付税算定上挿入するとか、あるいはまた、わが国の地図の地籍の中へはっきり明示していくとか、そういうような国内上の措置をとっておるわけでございます。現実の経済的な諸問題はいろいろあろうかと思いますが、国内的にも相当複雑な法律上、政治上の問題もありますので、現在まではっきりした政府の方針はきまらないままに今日に至っておるというのが実情でございます。
○美濃委員 いまの問題は、ひとつもう少し掘り下げて検討してもらいたいと思います。いまここで結論を出してもらうといっても無理であります。 いま交付税の問題が出ましたが、これはかなり弱い財政で、御存じのように経費を使って一生懸命にいろいろやっておるのは根室市ですが、しかし、ああいう状態になったときは、根室市でなくて村があったわけです。あとは、これは根室市がいまかなりの経費を使ってこの運動を続けておるわけです。この交付税は、どういう基準でどこを対象に交付するようにきまりましたか、これをちょっとお伺いしておきたい。
○山野政府委員 この交付税の問題は、御承知のように、いま自治省で北方問題各省連絡会議の結論に基づきまして検討中でございまして、普通交付税はたしか八月の末に決定されることになっております。その場合に、この四島は市町村がございませんから、北海道の面積に算入されて、北海道の普通交付税の算定基礎になるということに相なるだろうと思います。 それから根室市につきましては、従来、この北方関係の活動費に対して特別交付税をもちまして措置をしてきたわけでございます。したがいまして、これは根室市に対して従来どおりさらに充実した特別交付税を措置してもらうように、私どものほうから十分自治省に連絡いたしたい、かように考えておるわけでございます。
○美濃委員 そうすると、普通交付税は北海道に交付する。そうすると、これから先どうなりますか。こういう協会もつくりますけれども、北海道あるいは根室市としては、根室市は特別交付税で措置をしたいと言うが、しかし、特別交付税も、ほんとうに根室市がこの運動に使った金から見ると微々たるものなんです。これは普通交付税を道にやると、国が見たほか、必要に応じて道が見るということもあり得るという解釈になりますか。根室市が返還運動に一生懸命あのとおりやっておるわけですから、決してむだ経費を使っておるとも思わないのです。節約をしても、ぎりぎりの所要経費はこの運動にかかりますね。国から行っておる特別交付税は少ないですね。その使った所要経費に対する特別交付税はきわめて少ないわけです。しかし、今度領土として普通交付税が北海道に交付されるということになると、国から普通交付税が道に入るわけです。国から見ろとか見るなとかいう性格のものではないと思うけれども、道が見るということはあり得る、こう解釈していいですか。
○山野政府委員 この問題は、私は実は専管ではございませんので、自治省に連絡しておるところでございますが、市と道との関係は、従来から協力してこの北方領土問題に対処してこられております。たとえば道も、歯舞色丹返還同盟、居住者連盟のほうへ補助金も出しておられるようでありますし、その他北方領土問題については、根室市と道と協力されて、領対本部を中心にして運動されておるわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、一方では根室市の特別交付税の増額を十分要請する、同時に、今度できます対策協会なりあるいは北海道なりと協力して、根室市にそんな過重な負担がかからないようにできるだけ努力いたしたいと思います。
○美濃委員 以上で北方関係の質問を終わりますが、沖繩に対する、いま審議中の米の現物をもって売り渡し援助をする、この法律審議のために必要な資料をお願いしたいと思います。 まず第一に、沖繩の国際収支の現況ですね。それから貿易の状況、輸出輸入品目と国別、これをひとつお願いしたいと思います。 それから土地改良を進める行政能力、現在の事業量、現在沖繩でどの程度の基盤整備が行なわれておるか。それから技術体系が整っておるかどうか。それから、おそらく沖繩で土地改良をこれから本格的に進めるとしても、本土でもやっておるように、大きなものは直接琉球政府直轄のものもできると思いますけれども、具体的な土地改良——具体的といいますか、たとえば本土でよくやっておる明暗渠を入れるとか、こういうような具体的な圃場整備、圃場にわたる部分はやはり事業団体が必要だと思うのですが、こういう団体が整備されておるかどうか。土地改良事業団体、いわゆる団体営と本土では言っておりますけれども、こういうものが必要になってまいると思います。そういうものまで直轄で工事を進めるということは、どっちかというと事務経費に食われてコスト高になりますから、そこに団体営というような事業体が必要になるわけです、土地改良を具体的に進めていくということになると。これが整備されておるかどうか。またこういう部面、そういうものをすぐ援助資金で担当して大幅に農業開発を、かなりの金額になりますから進めるとする場合、技術陣容、そういうものが整っておるかどうか。 その次には、甘蔗の作付面積と、十アール当たりの収量、それから沖繩における糖業の現況。この糖業の現況は、工場数、各工場の原料処理量、それから工場名。工場数は、やはり合理化を進めると書いてあるわけですから、これは略図でよろしゅうございますから配置図がほしいと思います。配置図をひとつ。あの全島の中にたしか十二ぐらい工場があると思いましたが、やはり製糖コストを下げるためには、大規模工場ということが原則になってまいりますから、配置図。それから糖業者の糖業の資本系列、それから、たしか糖業法と言ったか、砂糖の法律を琉球政府がつくっておると思うのですが、この法律と同時に、沖繩の砂糖の日本本土との取引状況、現在どういう取引状況になっているか。 〔委員長退席、本名委員長代理着席〕 それから草地牧野の開発予定面積と山林として経営する面積。現在農地あるいは宅地以外の沖繩領土で、これからそれを分類して草地牧野に開発する予定面積と山林として維持経営する面積。これはああいうあたたかいところですから木の生長率はいいと思うのですけれども、終戦後の混乱で、あった木は全部復旧材に切ってしまって、植樹というものは——全部歩いて見ていないのですけれども、この間行ったときも山に木を植えて木材の資源をつくろうというところまでいっていないのですね、やはり基地問題や何かにからんで民意騒然として落ちついていないですから。これはどういう計画であるか。 それからもう一つは、そういうことを総合的に判断する場合、この間行ったときも沖繩の地図をもらいましたが、これはやはり点在しております島を区切ってくっつけたああいう地図ですから、全貌の距離だとかそういうものがわからない。そこでひとつ、大きい地図でなくて小さい地図でいいですから、各島間の距離や何かよくわかる地図、これは沖繩でさがしたけれどもないですね。ある程度わかる地図ももらったけれども、たとえば宮古島とかあるいは石垣島とかいうのは地図を寄せて書いてありますから、沖繩群島がどういう点在状況にあるか。先ほどもいろいろの話があったようですが、そういうものを総合的に考える場合、距離関係やその他がよくわかる地図を——沖繩でも求められなかった、しかし、ここは本土の一部でありますからここにはあると思うのですが、私さがしておるけれども地図屋にも売っておりません。政府当局にはあると思いますから、それをひとつお願いしたいと思います。 これは全部出していただけますかどうですか。
○山野政府委員 いろいろ多様な資料でございますので、私のほうは誠意をもってできるだけのものをつくって提出いたしたいと思います。中には私のほうでできない資料があるんじゃないかと思うわけでございますが、できるだけ整備して提出したいと思います。
○美濃委員 おくれるものがあっても、とにかく法案審議に必要な資料ですから、まとまったものがあれば、できるだけ火曜日に出してもらいたい。火曜日に間に合わぬものはそのあとにずれることはやむを得ないけれども、できるだけ火曜日の朝までにお願いしたい。 以上で終わります。
○本名委員長代理 永末英一君。
○永末委員 沖繩における米軍基地の取得の原因別に法律上の根拠——法律がない場合もありますけれども、そういうことをこの際一応明らかにしていただきたいと思うのです。 そこで第一に、平和条約第三条で沖繩は米国の施政権下にあるといっておりますが、施政権下にあるいまの沖繩は、それ以前における占領状態とは法律上完全に変わっている状態だと思いますが、まずそれからお答え願いたい。
○山野政府委員 占領が続いて、それから平和条約が締結された。そこで、平和条約締結前と締結後とは法的には違うんじゃないかということでございますが、それはそのとおりだと思います。
○永末委員 占領中には個人の所有権、つまり個人の権利ですね、これは占領中のゆえをもってあたかも当然かのごとく、占領軍がこれをじゅうりんしておった。いまおっしゃったように、違うところというのは、特にその個人所有権、個人の権利と関連しつつ見ていくならば、やはり施政権下における沖繩の土地については、そういうアメリカ軍以外のものが全部所有しておったわけですから、そういういわば土地の権原に基づく差異——同じようなアメリカの軍事基地といわれても、そういう差異がやはりそれぞれの法律関係上明確になっているはずだと私は思いますが、いかがですか。
○山野政府委員 これは平和条約締結までのいろいろ軍用地その他に民有地を接収したものにつきましては、たしか昭和二十五年の十月と記憶しますが、十月以降平和条約締結時までのそういう接収その他の土地についての米側の補償は行なってきておったわけでございます。終戦後から昭和二十五年の十月までの分につきましては、一昨年でございましたか、約二千二百万ドルの講和前補償でこの補償が行なわれておるわけでございます。平和条約締結後は、賃借権の設定という布令に基づいて、きちっと賃貸借契約によって私有地の賃借料が支払われておるということでございます。法的に申しましては、私有地については現在賃借権の設定という布令が法的な根拠であり、国県有地につきましては平和条約三条そのものから米国に権原があるというぐあいに私どもは考えております。
○永末委員 愛知外務大臣は訪米から帰りまして、ともかくめどをつけることができるならば、返るまでにいまのような沖繩における米軍基地の態様と本土における米軍基地の態様とはまさしく一体化せらるべきである、完全にそうしたいのだ、こういうことを言っておりました。であるならば、そのことについて交渉を——佐藤総理が十一月に行くということはさまっておるわけであります。その前に何らかの方向づけをやっていくことが必要だと思います。そうして私は、いまおっしゃったように国県有地、つまりわが国の場合には、国有地であろうと県有地であろうとあるいは私有地であろうと、窓口は一本にしてアメリカ側にいわゆる貸与している、そういう法律構成をとっている。沖繩がそうなっていないため、なっていないところを国有地、県有地、私有地別にそこに琉球政府が介入している、介入のあり方、それをひとつ説明していただきたい。
○山野政府委員 軍用地につきまして、国県有地につきましては約九千七百五十二平方メートルが軍用地とされておるわけでございます。この軍用地につきましては、私どもその基地としての使用のあり方等については詳しくは知っておりませんが、米軍の工兵隊のほうに国県有地のそういう取い扱いをきめる担当がありまして、各軍から来る要請をその担当官のルートを通じて使用しておるというのが実態であると考えるわけであります。それ以上の詳細なことにつきましては、私どもは知っておりません。
○永末委員 国県有地の場合、本土ではやはりちゃんと施設庁を通じてそれが貸与されておる、そういう形になっていますね。目的ははっきりしないけれども、使用するのは大体こんなことだということは、契約書には書いてある。ところが、個々の場合には、一体琉球政府やわれわれのほうで何ら知ることはない、こういう形ですか。
○山野政府委員 現在、言うまでもなく米国に施政権がございまして、したがって、琉球政府と申しましても、厳密に法的に見ましたら、やや機関的なものでございます。したがいまして、本土における日本の国有地を米軍に貸与するという形態とは、おのずからこれは違ってくると考えております。したがいまして、私どもは、この米軍基地として使用されておる国県有地について、直接日本政府としては何ら関与はしていないというのが実態でございます。
○永末委員 先ほど申したのは、これは占領と違うのですね。つま平和条約三条以後は、やはりあの三条によってアメリカは施政権を持っておるというように変わっているのです。しかも残存主権潜在主権はある、こういわれているわけで、残存主権、潜在主権とは何か。それは領土権である。領土に対する処分権というものはあくまでも日本国にある、こうなっておる。ところが、沖繩全体としてはそういうかまえであっても、その一部分についてアメリカが使用している場合に、日本国政府が、いまの条約の立て方上、全然これは手につかぬものかどうか、ここに疑問が一つございます。 〔本名委員長代理退席、委員長着席〕 さらに一歩を進めて、もし日本国政府がそれほど手がつかないというならば、琉球政府は、県有地というのはあるわけだから——何も現在の琉球政府と前の沖繩県とは同格ではございません。現在の法律の立て方では同格でございませんが、全然これに発言権がないということで放てきしていていいのか。何らかの方法で、たとえば日本国政府が相手方に立たぬのなら、琉球政府はアメリカ軍当局との間に何らかの契約関係で、いま彼らが使っている昔の国県有地の軍事基地使用についての何らかの契約を成立せしめる、こういうことはできるはずだと思う。お答えを願いたい。
○山野政府委員 この国県有地につきましては、従来は米国が施政権に基づいて管理しておるというたてまえから、実態の把握もなかなか十分できなかったわけでございますが、先般、大蔵省のほうから調査団を派遣しまして、国県有地の実態の調査を行なったのでございまして、まだまとまっておりませんけれども、したがいまして、その報告によりますと、国県有地は適正に管理されておるように私どもは聞いております。 それから、国県有地の使用につきまして、この琉球政府の関与のしかたでございますが、国県有地のうちでも相当部分は、琉球政府の管理にまかされている部分もあるわけでございます。軍用地につきましては、これは、先ほど来話の出ています、いわゆる賃借権の設定についての布令に基づきまして、琉球政府に委員会が設けられておるわけでございます。したがいまして、この賃借料の決定等については、当然琉球政府も関与していく。それからまた、接収等につきましては、琉球政府がこの個々人の賃借される土地をまとめて、琉球政府が軍の工兵隊のほうと相互契約を結ぶことになっておりますので、そういう面から琉球政府も、ある程度は軍用地にかかる国県有地等も十分承知しておるというぐあいに考えて一おります。
○永末委員 戦争のために土地台帳の原本までがわからぬようになって、国県有地なんて言っているけれども、それと私有地等が一体どうなっているのか。つまり戦争のときに、あの当時の日本の軍隊がいろいろなことで使用しており、そしてそれが砲火のためにくずれて、境界もわからないし、あるいは所有権者すら、民有地の場合、その権利関係がよくわからない。一切の処理は承知していない。そこで、アメリカ軍が占領して、そうして国県有地であるとみなして使用している。その周辺の地域についていろいろ問題があっても、それを論証する方法がないというところが現実にあるわけですね。読谷地区等々でございます。だとすると、もしこれが、早急に施政権返還が行なわれて、外務大臣が明言されたように返還されるときには、少なくとも安保条約がある状態のときには、本土で行なわれている米軍の基地使用と同じようにしていこうというならば、まさにその点が整理されなければなりませんね。そこで、いまからそういうことを手がけて、彼らが使用している土地というものが、その淵源は一体どこでどうなっておったのかということを明確にしていかなければ、施政権返還のときに非常に混乱を来たすと私は思う。その御用意があるかどうか、伺いたい。
○山野政府委員 この沖繩の土地関係の実態はいま御指摘になったとおりでございまして、ああいう大戦争のあったあと地でございますから、当時とは相当変動してまいっておるわけでございます。しかし、現状を前提にしましてこの前、国県有地の調査をいたしましたところ、軍用地等についても相当はっきりしたものがつかめております。それからまた、私有地で軍用に借り上げられたところについては、これは毎年——五年ごとでございますが、はっきりと貸借関係はわかっておるわけでございます。問題は、たとえばそういう私有地が国有地になってしまったり、あるいはまた、これはどこのだれのものかわからなくなったり、あるいは形状が全く変貌してしまったり、使用にたえない土地、そういうものがある程度あることも事実でございまして、これらにつきましては、私ども、今後、いま御指摘のあったような点も十分考えながら、琉球政府とも十分連絡をとって違算のないように準備を進めたいと考えます。
○永末委員 総務長官、いま質問しておる趣旨おわかりだと思うのです。政府として、沖繩の現在の米軍が使用している法律的な淵源はそれと違うわけですか。少なくとも国県有地と称して彼らが使っているこの中には、いま特連局長が答弁いたしましたように、琉球政府がタッチしている部分もございますが、そうでない部分もある。そういうところはやはり早目に整理をして、そうして本土並みというのが政府の主張であるならば、本土並みの整理の準備をしていくべきだと私は思います。たとえばそれを諮問委員会にかけるならば、日本国政府側の意見として諮問委員会にもかけられましょうし、また、こちら側の日米琉の協議委員会でやればストレートでやれる問題だが、その御用意があるかどうか、伺いたい。
○床次国務大臣 ただいま御指摘の事柄、先ほど以来局長からもお答え申し上げましたように、非常に複雑なものがあるわけであります。この点は十二分に備えなければならないと思うのであります。したがって、復帰ということのめどがつきました以上は、それに対しまして、返還の際におけるいろいろな問題をすみやかに解決しなければなりませんので、すみやかに調査を進めてまいりたいと思います。
○永末委員 もう一つは、海洋水面の使用の問題です。わがほうでは、アメリカ軍が使用したい海面水面は、日本国政府側と協議して使用している形になっている。どうも沖繩海域におけるその使用を、一方的な設定をやってそのまま使っている節が見られる。だとしますと、これはわがほうのやり方とは全然違うのではないか。そのために、たとえば沖繩の漁民が、近海漁業についてもきわめて手ひどい打撃を受けている面もあると私は思う。その辺の法律関係について御説明願いたい。
○山野政府委員 水面の使用でございますが、これは国有財産に準じまして、琉球列島米国民政府が原則として海岸から三マイルまでの部分の海面、海底の管理を行なっておるわけでございます。民政府の布令三十四号というので「干潟の管理について」という布令がございまして、軍用地の在設している沖合い以外の普通の民有地の海域、こういう部分は琉球政府の管理にまかしておるというのが現状でございます。
○永末委員 軍用地の設定は、占領したときには大体占領政府というか——政府かどうか知りませんが、軍政府がきめたのであって、そして平和条約三条ができて民政府みたいなものができまして、それからしばらくたって現在の民政府の機構ができました。ところが、施政権があるからといって、民政府が軍用地以外の海面使用については管轄権を持っておる。これは一番大きな法律上の話で、私の申し上げているのは、それでもやはり軍用地が陸上にある場合には、水面についてはあそこの軍部が認定した一〇〇%の権利を認めておる。それはアメリカの内部の話であって、私が言いたいのは、一体水面というのは、管轄権、施政権が彼らにあるからといって全然野放しでいいのかどうか。先ほどの話と合わせましたら、琉球政府が、自分たちの沖繩県民の漁業という面その他の面いろいろあると思いますけれども、やはり水面使用についてももっとこれにコミットをしていく、そういう面を私は開くべきではないかと思う。いまのように水面全部をあっちの使いほうだいであるということは、きわめて好ましくない。したがって、そういう面をいまどこかで、固有の権利はむしろ琉球政府側にあるという発想に立たねばならない。それは先ほど申しましたように、残存主権がわがほうにあるからです。そうでなければ、これは変えられなければならない。この辺の見解を伺いたい。
○山野政府委員 御趣旨につきましては私ども十分了解できるわけでございますが、現在の体制を申しますと、軍用地の地先の水面については軍のほうで管理しておる。しかし、その問題につきましても、いま御指摘のような漁業上の漁労その他の面で住民との関係は十分あるわけでございますので、そういう問題も今後の課題として残されると思います。一部この面につきましては諮問委員会等でも若干の話も出ておるように私どもは聞いております。
○永末委員 軍用地という名前でわれわれ庶民の眼に映るのは、広々とした、軍用でもないようなきれいな海岸に数名くらいの者が海水浴をしておる、その横のごみごみしたところで、わが同胞がイモの子のごとく海につからざるを得ないというようなところもあるわけでございます。したがって、一体水面使用なり、これは海岸ですけれども、水面使用と関連のある問題をもっと合理的に解決していかなければ、無用な疑いというものを与えておると私は思う。その一番の根源は、やはり施政権返還を目途にして交渉が始まるというならば、先ほどの国県有地の軍事使用の問題と同様に、水面使用についても基本的に琉球政府側に管轄権を大幅に認めていく方向においていまのような使用方法は切りかえていく、この準備をしないと、これまたむずかしい問題が残ると私は思う。これはひとつ長官からお答え願いたい。
○床次国務大臣 いままでの琉球政府の事態というものと返還後の沖繩県の事態というもの、この点におきましては明らかに相違が出てまいると思います。したがって、いままでアメリカ側の法制において実施してまいりましたこと、これが直ちに返還後においてそのまま移行ができるかどうかということにつきましては、御指摘のような問題が確かにある。この点につきましても、十分検討して処置いたしたいと思います。
○永末委員 防衛施設庁施設部長が見えられておるようでありますが、施設庁としては、日本の本土で安保条約、地位協定に基づいてアメリカ軍に基地を貸与しておりますが、そういう貸与のやり方から見て、沖繩の基地使用が本土でやっておることと全く違っておる点というものはどういうものであり、これを合わせるならばどうすべきだ、もし御検討があったならばお答え願いたい。
○鶴崎政府委員 沖繩にあります米軍基地の問題は、防衛施設庁の所管外ということになっております。しかしながら、沖繩返還も近いというようなことから、これが返還になった場合一体どうなるだろうかということも研究はいたしておりますけれども、まず沖繩における米軍基地の現状がどうなっておるかということを把握しなければいけないということで、まだそういった実態を調査しておる途中の段階でございますので、それについての今後の構想をどうこうと言うようなことは、ここでお話し申し上げるほど進んでいない状態でございます。
○永末委員 外務大臣は、先ほど申し上げましたように、要するにきれいさっぱり本土並みにするという目標を持っておられるようですが、外務省は一体そういう実態を知っておられるのですか。
○田中(六)政府委員 そういう実態と申しますのは、随時総理府とも協議してよくわかりますので、事務当局は十分心得ておると思います。
○永末委員 田中さん、それはほんとうですか。私が聞いておるのは、総理府と協議じゃない、アメリカ側とストレートに交渉するのは外務省の立場だから、総理府が承知しておるのは、先ほどの答弁でもあったとおり承知してない点があるわけでございます。なぜかならば、外交問題にはかかわらぬ点がある。総理府単独でやれない面がある。そこで、外務省として独自に承知しておる点があるとするならばお答え願いたい。知っておられるからこそ、外務大臣はああいうことを議会で発表したと思う。その点を聞いている。総理府と相談するではなくて、そこをお答え願いたい。
○田中(六)政府委員 問題点があるということを承知しておると私は思っております。
○永末委員 担当の局長も来ておられませんから、問題点があるということを知っておるということは承りました、内容は別として。 そこで長官、この問題は政府のどこの窓口になるか、私は政府の問題だと思うが、いろいろな問題についてのアメリカとの間の期間もございます。一つには、一番早い機会に、沖繩における米軍基地のいまのような使用の権限、期限がどうであって、そこに本土の基地作用とどこが違うか、これくらいははっきりできると思う。彼らの軍事基地の使用の内容についてというと、彼らは彼らなりの機密保持を要求してくるかもしれませんが、そんなことは別問題ですからね。たとえば、この前問題になりました基地のゲートの外にまで守備兵が銃剣を突きつけて出てくる、そうして、道路は軍事基地かもしれませんが、道路の横はそうではないと思う。そこにおる沖繩県民の同胞に向かって銃剣を向けて押し寄せてくるということ、が、一体いいのかどうかという判断も私は気になると思う。その意味合いでは、そういう角度で一番早い機会に、沖繩の軍事基地の態様というものをひとつこの委員会にお示し願いたい。総務長官、お答え願いたいと思います。
○床次国務大臣 この問題は、いよいよ復帰に対する日米の態度というものがきまりました際におきましては、当然そういうことを検討しなければ今後の手続ができなくなります。この返還の手続等に対しましては、これは非常に広い問題があると思いますので、この点につきましては十分ひとつ検討いたすように、むしろ積極的にいたさなければならないと私は考えておる次第であります、
○永末委員 これから十一月の総理大臣の訪米に向けて、この沖繩基地問題というものはいろいろな角度から検討しなければならぬ問題である。だから、施政権返還後の問題でなくて、施政権返還に至るまでに、一体わがほうがアメリカ側に対して、どういう要求を世論として固めていくかということが私は重大だと思う。その意味ではのんびりしておるのではなくて、きわめて早い機会に一応の日本政府側がつかんでおる態様というものを国民に示し、それによって国民が一体どうすべきかを考えていく、こういう手順を経て、私は十一月に臨むべきではないかと思います。もう一度お答え願います。
○床次国務大臣 心がまえとしてはまさしくそのとおりでございまするが、やはりこの点は、米側の協力を得なければ調査が進まない点が非常に多いと思います。現在の状態におきましては、出先におきましてはまだまだ施政権の返還ということに対しましての権限を持っておらない。この点は、やはり日米の両政府間におきまして返還をするというめどがつきましたときが、私は交渉し始まる時期ではないか、かように考えておるものでありまして、今後の日米交渉を待ちたいと思いますが、しかし、そういうことでいろいろ検討すべき問題があるということにつきましては、私どもといたしましても、心がまえとしてできるだけ今日からいろいろと検討してまいりたい。そうして、その際におきまして遺憾のないようにいたしたいと思います。
○永末委員 基地問題はその程度にしまして、いまのようにひとつぜひ進めていただきたいということを申し上げておきます。 いま一点、気にかかっていることがありますのでお聞きいたしたいのでありますが、沖繩の問題について、アメリカ側で出版せられているものと、わが日本国で出版せられているものと比べましたら、全然問題にならぬほど分量が違うわけですね。それを土台にしつつこれから交渉を行なわれるわけでございますけれども、もう少し、わが沖繩県民が考えておる沖繩問題また、日本国民が考えている沖繩問題というものを、アメリカの世論にも訴える必要があると私は思うのです。アメリカ人が見た沖繩や、あるいはまた、極東の軍事戦略下における日本と沖繩をひっくるめたような形における沖繩の意味合いというようなものばかりアメリカ人に示しておったのでは、解決がつかないと思う。 そこで、一番早い方法としては、沖繩県民が沖繩をどう思っているかということをアメリカ人が読めるような姿にして、やはりこれをアメリカ人に読ますということは、私はきわめて必要だ。そうでなければ、彼らは彼らなりの情報に基づいて、そうして彼らなりの判断で迫ってくる。交渉はきわめて困難だということになると私は思う。ひとつ、それをやることがこの時点できわめて必要だと私は思いますが、総務長官はどうお考えですか。
○床次国務大臣 沖繩の実情というものをはっきりとアメリカで認識するということ、まことに御意見のとおり必要だと思うのであります。したがって、今日までにおきましては、南方同胞援護会その他の形におきまして努力をしているわけでありまするが、なお今後外交折衝等が予想されますので、十分その点は外務省とも連絡をいたしまして、世論の啓発と申しますか、アメリカ側の世論の啓発に資する努力をいたしたいと思います。
○永末委員 総務長官のお答えをいただきましたが、田中次官、あなたは外務省を代表して、アメリカ側の世論を日本に伝えるようなことじゃなくて、われわれのほうの世論をアメリカに伝えるということを、あなたのほうも真剣になってやっていく。これはやはり沖繩返還を実現せしめる重要なかぎになると私は思う。ひとつ外務省を代表して、外務省の意見を伺っておきたい。
○田中(六)政府委員 永末委員の御指摘になるまでもなく、わが国のことでございますし、ナショナルインタレストという観点から、百万沖繩県民の意向並びに本土の国民の意向を体して私どもはアメリカ側と折衝していっているつもりでございますし、今後もそういう方針は少しも変わらないわけでございます。
○永末委員 あなたがそう言われると、ひっかかるんだな。やっていないよ。やっていたら言いやしませんよ。私は、やっておるなら、もっとアメリカの世論というものが、この沖繩のことについて認識があると思うのです。やってないから、われわれは苦労しているんじゃありませんか。従来どおりやるというのならやってないということだから、これからもやらぬということですよ。やってほしいんだよ。従来どおりやっておったんじゃ、彼らはわかりはしませんよ。沖繩のことなんかも、もっと大がかりでやらなければだめだ。何人かの人間がアメリカに行って、少数の人間にしゃべったりしていてもわからない。戦争の結果ああいう状態になった沖繩です。やはり外務省としてはもっと真剣に取っかかっていただきたい。従来やっているけれどもこれからもやります、そんな答弁はいただけません。もう一ぺん御答弁願います。
○田中(六)政府委員 まあ永末さんもアメリカに行きまして、向こうの要人や国会の上下両院の人たちにお会いになって、ちょくちょくこの問題を討議されたあれでございますが、実は私も昨年の春、直接三十二人の向こうの議員に会って、輸入課徴金の問題で直接折衝した結果、あの問題が当面片づいているわけでございますが、そういうふうに思っておりまして、やはりあなたと同じように、私どもは自分たちのからだをぶつけてこの問題を解決しない限り、ほんとうの意味の解決はないと確信しております。政府も、したがって外務大臣も、私たちと少しもその方針や心持ちは変わりありませんし、私はそのように考えております。
○永末委員 あなたが昨年、輸入課徴金問題でアメリカへ行かれたときに、私も行っておりました。どういうことをやられたかよく承知いたしております。外務省は沖繩問題について、一体どういうような実情をアメリカの政府なりあるいはまた民間に知らしたか、その努力のあとがあるならば、これは当委員会に報告願いたい。これは委員長、要求しておきます。何をしたか。そうすれば、これから何をしなければならないかもわれわれとして判断がつきます。何をしてきたかということをぜひ御報告を願いたい。要求いたします。 これをもって質問を終わります。
○田中(六)政府委員 できるだけその資料をまとめて御提出したいと思います。
○中村委員長 中谷鉄也君。
○中谷委員 沖繩の施設について買い取り義務が存在するのかどうか、この点について私はきょう法制局の見解をただしたいと思いますが、法制局がまだおいでになっておりませんようですので、昨日の外務委員会における戸叶委員の質問に対する外務省の答弁について、問題点をただしておきたいと思います。 政務次官にお尋ねいたしたいと思いますが、地位協定の第四条、この精神に基づいて、要するに施設及び区域についてはその補償の義務がないのだから、したがって、結局買い取りの対象にはならない、こういう趣旨の答弁があったように伺うのですけれども、そういうふうにお伺いしてよろしいでしょうか、お答えをいただきたい。
○田中(六)政府委員 これらの問題は、返還交渉のときの具体的な問題でございますし、現在はっきりどうだというふうに答えられる私の立場にはないということを申し上げておきます。
○中谷委員 実はおそくとも七二年には施政権が返還されるんだということで、ここもう三週間ですね、買い取り義務の存在の有無について論議がされているわけです。前々回の本委員会において私が外務省に対し、この問題についての法的な根拠をすみやかにやっていただきたい、こういうことを要求したわけです。昨日の新聞の報道によりますと、地位協定の四条によれば、買い取り義務がないのだから、したがって沖繩の純軍事施設についてもそのような取り計らいをいたしたいという趣旨の答弁があったというふうに新聞が報道している。だから、その点について政務次官、昨日の外務委員会はどのようなやりとりがあったのか、これをお聞きしているわけです。あらたまっていまここであなたからの特別な見解を承ろうとしているのではない。昨日どんな話があったのですかと聞いている。
○田中(六)政府委員 実は、昨日の外務委員会ですか、私ちょっと私用がございまして出席しておりませんが、新聞に載っておるのは事実であるというふうに思います。
○中谷委員 ちょっとこの点に問題がありますのでお答えをいただきたい。どんなことが新聞に載っているように政務次官は御理解になっていますか。何が載っていたか。
○田中(六)政府委員 実ははっきり理解してなくて申しわけないのでございますが、一つは、軍事基地については何ら問題なく無償で米国から返還を受ける、その他につきましてはそのつど考えるというように私は聞いております。
○中谷委員 そこで、政務次官にばかりお尋ねして恐縮ですが、では、その問題なしに返還を受ける、無償で返還を受けるとおっしゃるその法律的な構成は、地位協定四条の趣旨というところにその根拠を求められるのですか、それともそのほかの法律構成を外務省としておやりになっておられるのですか。断定しておられるのですね、あなたのほうは。純軍事的な施設については無償なんです、これははっきりしております、こうあなたのほうはおっしゃっているわけですから、外務省としてはどういう法律構成をしているのですかと聞いている。わかりますね、私の申し上げていることが。お答えください。
○田中(六)政府委員 地位協定第四条の義務免除の原則のことを言っておられると思いますが、先ほど私が申し上げましたように、これはあくまで返還交渉の問題であって、そのときに私どもは正式に討議できるというふうに考えております。
○中谷委員 問題意識をもう少し明確にしていただきたいし、私のほうから、じゃお答えしていただきやすいようにお尋ねいたしましょうね。 こういうことでございましょう。沖繩には現在日米安保条約の適用がないわけですね、当然。したがって、地位協定四条の適用ももちろんないわけでございますね。そうでございますね。ところが昨日の外務委員会のやりとりを聞いておりますと、地位協定の四条二項だと思うのですが、によれば、施設及び区域については補償の義務がない、こういうふうなことになっている。この精神でいくんだ。それは適用がないんだけれども、その精神でいくんだという趣旨に私はお伺いをして、そういうふうに新聞報道を読んだし、外務委員会においてはそのようなやりとりがあったんだろうと私は思うのですけれども、地位協定四条の原則、精神で、当然そういうようなものは相手方も納得するだろう、こういうふうに外務省としてはお考えになっているのかという趣旨なんです。簡単にお答えください。
○田中(六)政府委員 きのうの答弁、私直接聞いておりませんが、それは一つの考え方だけを言ったのであって、やはり返還交渉の今後の問題から発展していくんじゃないかと思います。ただ一つの大臣の考え方、あるいは事務当局と大臣と御相談なさったのかよくわかりませんが、私は、やはり大臣の考え方だけを申し上げたのじゃないかという気がするわけです。
○中谷委員 そうすると、いずれにしても純軍事施設については買い取る義務はないというのは、もう外務省の明確な方針でございますね。それはもう間違いありませんね。
○田中(六)政府委員 これも法律的には買い取りの義務があるかないか、そういうことも私は実際はきまっていないんじゃないかと思います。
○中谷委員 きまっていない、いるじゃないのです。外務省としての腹がまえ、法律構成はもうすでにきまっているのですよ。従前からの委員会のやりとりできまっているのですよ。だから、そういうことになっているからそれの精密な理論構成が要りますよ、こういうふうに私たちは政府を激励しているわけです。そうですね。そうしたら、昨日たまたま戸叶委員の質問に対して四条というものが持ち出されたから、この考え方でいくのですか、こう聞いているのです。ほかに法律構成、理論構成があるならば述べていただきたい、こう聞いておるのですよ。それはもうきまっておるのですよ。それは外務省としては当然きまっておるのです。純軍事施設に金を出すなんというばかげたことを一そんな、率直に言って三週間も四週間もさかのぼったようなことを言ってもらっては困るのですよ。その点いかがなんですか。
○田中(六)政府委員 飛行場のような全く……(中谷委員「理論構成をしてくださいと言っているんです」と呼ぶ)理論構成と申しましても、たとえば先ほど申しましたように、法律的には買い取りの義務があるあるいはないということが、あなたはずいぶん前にきまっておるというふうにおっしゃいますが、私は、法律的には買い取りの義務があるとかないとかいうことは、はっきりしておらないという見解です。しかし、その中にさらにあなたが理論構成を求めるならば、買い取り義務があるとした場合、それは純粋な軍事基地、たとえば飛行場、そういうものはそういう義務はないだろうというふうに私は考えておるわけです。
○中谷委員 ですから田中さん、義務があるとか義務がないというのは、買い取りたくないとか買い取ってもいいという話じゃない。義務という以上は、これは法律論ですね。義務とか責任という問題になってくると法律論なんですよ。だから、純軍事的な施設については買い取り義務がないのだというその義務がないとおっしゃる以上は、それはきわめて粗雑であっても、それはこういうわけでございますという理屈が出てこなければいけないんです。ところが、昨日四条論が出てきたから、それは四条論に基づいてそういうことをおっしゃるのですか、ほかの理論なんですか。義務がないとあなたはおっしゃる。あなたというか外務省がおっしゃっておるのだから、それはどんな理屈なんですか、こう聞いておるわけですよ。
○田中(六)政府委員 法律論と実体論をちょっとごっちゃにしたようなお答えしかできないわけでございますが、第一に、国際的にこういう例が非常にまれだということが、私はやはり頭の中に浮かぶわけでございます。したがって、これを法律論として持ち出した場合に法律的に一つに割り切ってしまっていくことはどうか、しかもこれは相手のあることでございますし、そういう観点からお答え申し上げておるわけでございまして、一がいに法律的に義務がある、ないというふうに断定できないのじゃないかという見解を申し上げておるわけであります。
○中谷委員 これは少し政務次官と打ち合わせておいたほうがよかったかもしれませんね。昨日からの質疑のやりとりの継続として私申し上げておるのだけれども、どうも昨日のお話を聞いておられないというのじゃ話が進みません。問題点を総務長官に私は指摘をしておきます。 昨日、四条論というのが出てきたわけです。地位協定の四条については、長官御承知のとおり、要するに補償の義務がない、二項でございますね、出ておる。おそらくその四条の精神に基づいて、施設及び区域については補償の義務がないのだという考え方でいくのだというのが、外務省のお考え方のように私は理解するわけなんです。それはそれで私は非常にいいと思うのです。安保条約は適用ないけれども、四条にこう書いてあるじゃないか。しかし、四条というものを持ち出すと非常に危険な面が一つございますね。四条の一項には、逆に次のようになっております。こんなことを一々長官に申し上げるのは恐縮ですけれども、要するにアメリカのほうが、「施設及び区域をそれらが合衆国軍隊に提供された時の状態に回復し、又はその回復の代りに日本国に補償する義務を負わない。」こうなっていますね。要するに、日本のほうもいわゆるいかなる補償をする義務も負わないかわりに、アメリカが返してくる場合についても補償しなくてもいいんだということが地位協定の一項と二項でございますね。そうすると、返還にあたっていまクローズアップされているのは、施設について日本が買い取り義務があるんだとかないんだとかいうことが論議されておりますけれども、問題は、先ほど同僚委員のほうからも別の角度からの質問がありましたけれども、軍用地といわれているもの、これは土地収用に関する布令、賃借権の取得についてという布令、その他によりまして、一四%の軍用地というものが沖繩においては収用されている。これが四条の考え方でいくんだというようなことになりましたら、施政権が返還されたときに沖繩県民に補償しなくてもいいんだという考え方になってくる。これは私は非常におかしいと思うんです。長官にお尋ねいたしたいんですけれども、施政権返還に伴って、どのような権原、どのような理由にしろ軍用地が収用された。それが、その布令は施政権の返還によって全部失効してしまう。そういう状態の中において、県民に対するアメリカ合衆国の補償は一体どういうふうにあるべきか、どういうふうな立場において政府は交渉に臨むのか。何か金を払わなければいかぬのかどうかという議論ばかり出まして、沖繩県民のためにとにかく金を取ってやるんだ、取ってやらなければたいへんなんだという議論が少しも出ない。これは私はたいへんおかしいと思うのです。これは長官、いかがですか。
○床次国務大臣 ただいまの問題は非常に重要な問題でありまするが、本来、沖繩の問題につきましては今後の施政権の返還問題なんでありまして、これをどういう形でもって返還してもらうかということの折衝であります。安保条約の行政協定というものが、すぐそのまま適用になるかどうかということにつきましては、やはり返還の問題と関連して考えなければならないわけであります。いわんや、先ほどお話のありました民有地あるいは国有地等の問題がいろいろあります。これは占領後の推移というものについて、非常に複雑なものがあるのであります。これは簡単にお答えすることができない。施政権返還の態様におきまして十分慎重に調査いたしたいと思います。
○中谷委員 施政権の返還の一つの条件として、施政権返還に伴う一つの事情といいますか、小さい条件であろうけれども条件といいますか、そのときの一つの項目として、施設の買い取りということがアメリカから持ち出されるであろうということがいわれているわけでしょう。私のほうから問題点を申し上げたほうがよかったかもしれませんけれども、地位協定は現在適用がないわけですから、そうすると、当然別個の法律の構成によってその問題は処理しなければならぬだろうと思うわけです。そうでございますね。ただ四条の精神を生かすんだ、ということは四条の二項だと思いますけれども、補償義務がないんだということ、しかし、四条の一項には逆に日本のほうも補償が受けられないことになっていますけれども、これではおかしいじゃないですか。では外務省にお尋ねいたしますけれども、四条の一項のような場合、四条の一項は沖繩に適用はございませんね。沖繩県民が何千万坪という土地を収用されているこの補償問題については、当然返還に伴う外交交渉の問題になり得るわけですね。政務次官いかがですか。
○田中(六)政府委員 ともかく地位協定は、現状としては沖繩には適用されてないわけですね。したがって、やはり交渉の過程でやる以外にないんじゃないですか。
○中谷委員 地位協定が適用されてないことは、あたりまえのことなんです。そうすると、現在沖繩県民の土地をアメリカが収用しているのは一体どのような法根拠に基づくのかということになりますと、私のほうから申し上げましょう、要するに軍用地域内における不動産の使用に関する補償という布令、さらにまた、先ほど質問にも出ました賃借権の取得についてという布令、その他米合衆国土地収用令も関係が出てくるでしょう。その他の土地関係の布令によって収用されたわけですね。そうしてきわめて安い、たしか十四セントでしたね。本土であれば、たしか六九年現在で百六十五円の平均ですよね。たしかそうだと思います。そういう安いもので収用されている。施政権が返還されたら、それらの布令というものは全部失効しますね。その場合に私がきわめて危険だと思うのは、昨日四条論というようなものが出てきた。何か外務省は四条というものを出してきて、それを返還にあたって、純軍事施設について金を払わなくていい理由の一つの根拠にしていられたのかどうか、同調されたような雰囲気の報道になっている。四条の適用がないということを前提に言われますけれども、布令が全部失効になってしまうのだから、その県民の土地補償について、施政権返還に伴う土地補償については、アメリカが施設を買い取ってくれなんてことを要求してくる以上に、返還交渉にあたって、沖繩県民の大部分が関係をしている沖繩県民の土地についての補償をしてもらいたい。先ほどから言っているように、占領下とにかく布令もなしに事実上の収用をしたという土地もある。それから土地収用令によって無理やりに収用した例もある。あるいは賃借権の契約を結んだものもあるけれども、それが全部失効するのだから、それについての補償交渉こそ、返還にあたっての一つの重要な課題になるでしょう。現在新聞で米軍施設の買い取りということだけがクローズアップされているけれども、むしろ県民の立場から言うと、国民の立場から言うと、その点が重要な外交交渉の課題になるでしょうと私は聞いているんです。当然のことを聞いている。いかがですか。
○田中(六)政府委員 これは、もちろん非常に重要な外交交渉の課題になることは確実でございます。しかし、何度も言いますように、きのうのことを読まないのが私の落ち度でございますが、もしも四条のことを言ったとすれば、それは法の精神を言ったんじゃないか。したがって、今度は実体論といたしまして、交渉の過程でこの実体を中心にしていかなければならないと思うのです。だから、そのつどその実体に応じて解決をしていかなくちゃいかぬのじゃないか、こういうふうに考えます。
○中谷委員 そこで長官にお尋ねいたしますが、先ほど私くどくど申しましたけれども、結局、施設の買い取りの義務の存否についてかなり委員会で論議されていますけれども、県民が収用されている土地についての取い扱いを施政権返還のときにどうするのか。これはもうとにかくむちゃくちゃにというか、理由なしにというか、法的根拠なしに収用されたものもある。そして現在安い賃借料で使用されている。これは当然、施政権返還に伴って各県民に返還さるべきものだ。あらためて契約を結ぶなり何なりは別個の問題だ。さらに、その補償問題というものが出てくるだろう。これをどうするのかという問題ことに国県有地については、国の財産について施政権返還のときに一体アメリカはどう措置をするのかという問題、これは施設を買い取ってもらいたいというアメリカの要求に対応してというんじゃなしに、当然こちら側の要求としては、施政権返還に伴って、現にアメリカが使用しておる土地についての処置はどうするのかという問題が外交交渉として出てくる。こういうことについては当然のことであろうと思いまするけれども、長官の御意見を承りたいということです。
○床次国務大臣 ただいまの問題は、日米交渉の問題と、なお返還後におけるところの本土と地元との関係、いろいろ複雑な面があると思う。しかし、事民間の問題に関しましては、施政権の行使として行なわれた部分も確かにあるわけです。その部分が十分に処理されていなかったものもあるかもしれぬという、この点はよく調査してみないとわからぬと思いまするが、そういう問題につきましては、これは十分調査してからでなければ、私はいま具体的に申し上げることは困難であると思っております。
○中谷委員 施政権の行使として土地使用をしているというふうに理解いたしますと、その施政権が返還されたということになってまいりますと、日本国政府のほうで賃借権の継続の意思を持たない以上、その賃借権は消滅しますね。そうでございますね。当然そういうことになってまいります。いずれにいたしましても、賃借権が承継するのだという議論があるようですけれども、私はそういう議論をとらないのです。だといたしますと、その土地の問題について、これはむしろ日本国政府が声を大にして主張すべき外交交渉の問題ではないのですか。いろいろな個人の対アメリカとの関係という問題はありますよ。しかし、それらは一括して問題にすべきことではないのでしょうか、こう聞いているのです。
○床次国務大臣 事、外交交渉でありますので、外務当局からお答えすべきものだと私は考えておるわけでありますが、しかし、いままでの権利関係は非常に複雑なものであります。しかし、大綱は、私は日米交渉によってきめられるべきもので、そうしてその趣旨に従って処理できるのじゃなかろうかと思っております。やはりこの問題は外務当局が今後処理すべきものであると思います。
○中谷委員 それでは政務次官にお尋ねをしておきますが、昨日は四条論というのが出たのですね。補償しなくてもいいという議論の中で、日本がアメリカに補償しなくてもいいということで四条論が出た。しかし、土地の問題について、四条一項の、アメリカが日本に対して補償しなくてもいいのだなんということつにいて、その法の精神を生かすのだとか、そういう原則にのっとるのだというようなことは断じてあってはならないし、そんなことはまさか外務省はお考えになっていないでしょうね。
○田中(六)政府委員 現在のところ、そういうことをきめておるわけではないと思います。今後はそれぞれ実体に応じて処理していく方針でございます。
○中谷委員 そうすると、こういうことですね。何か昨日四条論が出て、日本がアメリカに補償することについて、補償しなくてもいいということは四条の精神にのっとるというようなことがもし出たとすれば、四条の二項の精神にだけ私はとにかく従うのです、四条の一項の精神には従いませんというようなことでは、これは理屈は通りませんよ。そうでございましょう。日本がアメリカから補償をもらわないというのは、四条の一項なんですね。その四条の一項は、とにかく返還交渉のときにはその精神や原則にはのっとらない。日本がアメリカに銭を払わないというその四条の二項論は、返還交渉のときに持っていくなんと言ったって子供の使いですよ。もしそんなことで四条論を持っていって向こうと交渉すれば——ですから、私はしつこく、これで三回くらい申したと思うのでありますけれども、買い取りをしなくてもいいのだという理論構成は、早く外務省において構成するというのだけれども、やはり交渉の前提としては、そういう買い取りをしなくてもいいという理論構成がなければいかぬのだから、外務省においてはそういう理論構成はすみやかにやってください、こう言っておるのです。現在そういう作業は進んでおりますか。これは総理府のほうにも関係があると思うのですが、政府ではこういうふうな構成作業は進んでおるのかどうか、この点をひとつ長官と政務次官のほうから御答弁を願いたいのです。
○床次国務大臣 今日返還を前提とした議論というものは、日米間においていま返還交渉というものが行なわれておりますので、今後の処置につきましては、私はめどのつきました後において正式に扱わるべきものだと考えております。なお、さような態度によってアメリカ側も積極的にいろいろと資料の提供その他もできるのではないか、私はさように想像しておるわけであります。しかし、この問題に関連しましては、いわゆる軍用地に限らずいろいろの問題が、私は、未解決と申しますか、明瞭でないものもあると思う。明瞭なものもありますが、そうでないものもあるのではないか。それに対しては、やはり問題を今日においてできるだけ拾い上げておくということが、今後の業務を円滑にするゆえんであろう、受け渡し事務を含めまして、私は大事なことではないかと思います。その点につきましては、でき得る限り問題を私どもは拾い上げて、検討を続けてまいりたいと思います。
○中谷委員 政務次官の御答弁をいただく前に、特連局長、あなたにも質問があるのですよ。長官のほうでいろいろな問題を拾い上げるとおっしゃいましたけれども、権利の関係は確かに複雑ですね。ですから、拾い上げなければならない問題点、私が言った当然県民に対して施政権返還に伴ってアメリカは補償しなければならない、そういうことは、私は確固とした一つの考え方で持っているのです。それは当然だと思う。そういうことに伴うもろもろの拾い上げなければならない問題点というのは、特連においてはどんな点があるか。ひとつ拾い上げなければならない問題点、調査しなければならない問題点それを簡単にお答えになってください。
○山野政府委員 これは突然の御指名でございますが、復帰に関連して、将来の復帰を予想して返還時の困難を縮小するために事前に調査をしておかなければいかぬ問題というのは、非常に広範囲にあるわけでございます。それから基地の問題あるいは基地に関連する土地の問題も含まれると思いますが、あるいはまた、ドルの切りかえの問題とか、あるいは国内万般の諸法をどう適用するか、たとえば農地制度の問題とかあるいは教育関係の問題とか、非常にたくさんございます。そういう問題につきましては、私どもできるだけ問題点を整理して、可能なものは事前にも調べていきたい。いまここで全体の問題を御報告するまでにはまとめておりませんけれども、相当広範な問題があることは事実でございます。
○中谷委員 法制局、もう少しお待ちいただきたいと思います。その前に、政務次官にお尋ねをいたします。 どうも準備をあまりせずにおいでいただいたようで非常に残念なんですけれども、純軍事施設については買い取る必要はないというふうな趣旨の答弁が昨日あったのです。それから、この沖繩問題特別委員会では軍用地ということばを盛んにわれわれ使うわけです。それから軍事基地というようなことばも使いますね。外務省がおっしゃっている純軍事施設なんということばは、法律的に言うと、一体どんなものをおっしゃるのですか。たとえば、それは地位協定の関係においては、これは本土の場合ですね、地位協定のどこかにそういう純軍事施設というものが出てくる、法律的にはここにあらわれているのだということになるのですかどうですか、それをひとつお答えいただきたい。
○田中(六)政府委員 まず第一点の、純軍事施設というのは法律的にはどういう問題なのかということですが、純軍事施設というようなことは、法律上には私はないと思うのです。したがって、法律的な解釈というものは満足のいくような解釈はできないと思います。 それから第二点の問題ですが、いずれにしても国際的にもこういう問題は前例が、私が何度も言っておりますように、ありませんし、私どもは、原則的には返還交渉の一環としてこれらの話し合いを進めていくという方針を立てております。いま具体的にあなたのおっしゃるようにきちっと仕分けをして、かくっとしたようなお答えができない現状であります。
○中谷委員 地位協定には施設及び区域ということばがございますね。施設及び区域というのは、先ほどから同僚委員なども発言をしておられる軍用地というものと、イコールで結んでよろしいかどうか。同時に、施設及び区域というものは、外務省の考え方では買い取る義務のないものなんだ、施設及び区域の区域内における施設というものは買い取る義務はないのだ、これは私は当然そうだと思いますけれども、何かふわふわした、あまりにも常識的な議論ばかりしておられるような気がする。この点、ひとつお答えいただきたい。
○田中(六)政府委員 施設及び区域というものが同じかどうか……。
○中谷委員 施設及び区域の中にある施設ですね。それはもう純軍事的施設と考えてよろしいかどうか、こう聞いております。
○田中(六)政府委員 それは必ずしも純軍事施設だというふうには考えられない場合もあると私は思います。
○中谷委員 たとえば、具体的な例を言ってください。
○田中(六)政府委員 具体的な例を言えとおっしゃいますが、常識的には、アメリカの軍の基地の近くにある——これは当たっておるかどうか疑問ですが、従業員の住んでおる施設、アメリカ人の施設、そういうものがはたしてそういうものに該当するかどうかということは、常識的には疑問ではないかと思います。
○中谷委員 軍用地の返還を受けるわけなんでしょう。施政権の返還に伴って、軍用地というものについての処理がされるわけなんでしょう。日米安保条約の適用を受けるんだということで、それに基づいて地位協定も適用される、そうでしょう。軍用地の中にゴルフ場があろうが、キャバレーがあろうが、全部ともかくそういうようなものに金を払う必要は全然ないじゃないですか。軍用地外のものについては問題はありますよ。軍用地内にあるものは、相手さんが何に使おうが、軍事施設以外の何ものでもないじゃないですか、従業員の宿舎とか家族の宿舎というものは。従業員宿舎とか家族の宿舎というものが、軍と別に契約をして、アメリカ軍人個人がそういうものを建てたというなら別ですよ。アメリカ軍が建てたのは全部軍事施設じゃないですか。純軍事施設ということを言うから話がおかしくなる。軍事施設は全部無償なんです。野党の私が言うのはおかしいが、はっきりしている。純なんて言うから、ミサイル基地だけしかささぬのかという誤解を世間に与えますよ。軍用地内にあるのは全部そうだ。軍用地ということばは、はなはだ不確定概念だから、これはとにかく地位協定にいう区域ということばとイコールで結んでいいのですね、こう聞いているのです。
○田中(六)政府委員 何度も水かけ論みたいになりますが、純軍事施設は法律用語にはないわけでございまして、したがって、それを法律で割り切るというようなことはできないわけです。したがって、私どもは、一つ一つ具体的な例、あるいは具体的な実体に伴って、返還交渉の一環として話し合おうという以外に答えられないわけです。
○中谷委員 そうすると、外務省としては、少なくとも概念的には、軍事施設の中に純軍事施設と純でない軍事施設、そんなものがあるんだというふうな考え方をお持ちになって交渉に臨むという態度なんですか。純軍事施設なんというものはないというのが私の考えなんです。外務省は、純軍事施設というものがあって、軍事施設というものは純粋の軍事施設と純粋じゃない軍事施設に仕分けができるとおっしゃるのですか。
○田中(六)政府委員 交渉の過程あるいは将来の問題でございますし、どれが純軍事施設か、純じゃない軍事施設かということもいま具体的に答えられませんが、いずれにいたしましても、その仕分けさえむずかしい状況で、これは一つ一つやはり返還交渉の一環として話し合う以外に、いま私ども、国会ではっきり国民の前にこうだというようなことは言えないと思います。
○中谷委員 むずかしいことを聞いているのじゃないのです。あなたの答弁が不明確だから聞いているのです。何が純軍事施設で、何が純軍事施設でないかということを答弁してくれと聞いておるのではないのです。あなたのほう、外務省は純軍事施設なんて答弁されるから、じゃ、一体純軍事施設とそうでないものがあるのですか、あるとすればその基準は何なのですか。たとえば、何が何だという具体的な例を示せと言っておるのではない。そんなものがあるのですかと聞いておる。あなたのほうがそういう答弁をされるから、昨日純軍事施設についてはという答弁をされるから、純軍事施設というものがあるのですかと聞いておる。何もここで、具体的な例をあげて仕分けしろと言っておるのではないのです。あなたのほうが昨日、わざわざ純軍事施設ということばをお使いになるから、純でない軍事施設というものがあるのですかと聞いておるのです。
○中村委員長 中谷君にちょっとおはかりいたしますが、委員長が横で聞いておって、田中君はきのうの外務大臣の答弁を聞いていないらしいし、それで次の機会に外務大臣を呼んで、その点ただされたほうがいいんじゃないかと思うのですが、どうですか。
○中谷委員 せっかくの委員長のお話ですから、そういうふうにいたしますけれども、私は率直に言いまして、この施設の買い取りの問題というのは非常に重要な問題ですよ。だから前々回の沖繩特別委員会で、この問題を何べんも今後聞きますよ、だから外務省としても急いで理論構成してください、こう頼んであった。何も、とにかく私自身の個人的な関心で頼んでおるのではない。外務省としても努力しますと言っておる。それで、とにかく外務省を代表して出てこられて、何も昨日の答弁がどうこうでなくて。考え方を聞いておるのですから、私は非常に遺憾です。きょう、そういうことについてお答えがあったことについては遺憾です。大体きのう打ち合わせしてきたらいいじゃないですか。そういうことを聞くということは私は前から言っておるのだから、だから私は委員長おっしゃるなら質問はやめますけれども、とにかく問題は、昨日の外務委員会におけるやりとりを新聞報道で見る限りは、両刃のやいばの危険性を持っておるような新聞報道に見れるから、この委員会においてただしておかなければいかぬ、国民のためにただしておかなければいかぬと思ってさっきから聞いておる。きわめて遺憾であるということを申し上げておきたい。委員長のお話がありましたから、政務次官に対する御質問は終わります。御退席いただいてけっこうです。 そこで、法制局にお尋ねをいたしたいのですが、結局施政権の返還に伴う処理の問題でございますね。そこで、いろいろなことを言う人がいるわけです。外務省としては外務大臣を先頭に、買い取り義務は少なくともないんだという理論構成をされることについて努力しておられることを、私は強く支持したいと思うのです。当然のことだと思うのです。そこで、これは法制局にきょうここで精緻な法律論をお聞きすることは、私自身も、政府のほうで理論構成ができていないような状態の中でなかなかむずかしいと思うのですけれども、きわめて常識的に考えてみまして、施政権下における、とにかくいろいろな施設、それが軍事施設にしろ水道にしろ電力にしろ、そんなものについてアメリカのほうが施政権を返すから銭を払え、買い取れというふうなことを言うのは、法条理上はなはだ納得がいかない感じがするわけです。一応今日の段階において、それは固定的な最終的な御見解でなくてけっこうですから、法制局として、法律の専門家としてこの問題についてはこういうふうに思われるという一つの御見解を私は承りたい。私はきょういろいろな方にお尋ねをいたしましたけれども、あなたにその点を特にお尋ねしたいというのが私のきょうの質問の中心点なんです。お答えいただきたい。
○真田政府委員 お答え申し上げます。 初めにおことわりいたさなければならぬと思うのですが、沖繩の施政権の返還に伴う、返還の際における在沖繩アメリカ資産の買い取りの問題につきまして、実はまだ具体的に私のほうで、外務省なり大蔵省なり、関係当局から相談を受けたことはございませんので、今日の段階で詰めて検討したというような形の結論を申し上げることはできないわけでございますが、ごく概括的に一般論としてお話しいたしますと、法律的には、その際のいわゆる買い取りの義務があるとかないとかいうことを、はっきりきめるきめ手はないのだというふうに感じるわけでございます。先ほど来御議論がございました地位協定の四条には、御指摘のような規定がございます。これは安保条約の六条によって提供された施設、区域が、その後解除された場合における処理の方式を実は特別の取りきめとして解決している規定に当たるわけでございますが、先ほども御発言ございましたように、地位協定の第四条は、将来返還されるであろう沖繩の施政権の返還の際の米資産の処理には適用される条文ではございません。ただ、そういう精神がどうかということになりますと、それはまた別の御議論もあろうかと思いますけれども、法律的には、沖繩の返還の際に適用される規定ではございません。したがいまして、そういう米資産の処理について、これを解決することを内容とする特別の取りきめはないというのが実情でございます。 そういう特別の取りきめがなければ、一般国際法といいますか、そういうものをさがしまして、そういうものが見つかればそれに従って法律上の判断をするということに相なりますけれども、これもまた、御承知だろうと思いますけれども、施政権の返還が行なわれた場合に、返還する国の財産を返還を受ける国で買い取るべきであるかどうかというようなことをきめた一般国際法もないといわざるを得ないのじゃないかと思います。それはもちろん外務省にお願いしていろいろ研究をしてもらうつもりでおりますけれども、おそらく、そういう平和のうちに協定によってある地域の施政権が返ってくるというようなことは、そうざらにあるわけじゃございませんので、そういう場合に適用される一般国際法があるとも思えないというのが私の感じでございます。 そういう特別の取りきめもなく、また一般国際法もございませんものですから、沖繩の場合のいわゆる買い取りの問題はどうなるかということになりますと、これは施政権の返還をする側及び施政権の返還を受ける側、両当事国の間の協定の際に、ネゴシエーションによってきめていくということにならざるを得ないだろうと思います。その際ずばりと適用される規定がなくても、何らか近いものがあればそれをよりどころにするとか、なお足りなければいろいろ条理を働かせるとか、あるいは両当事者間のそれぞれの具体的な状況に応じて、それこそ外交交渉によって妥当なところに落ちつかせるということになろうかと思います。今後返還の協定の交渉が進むにつれまして、外務省のほうで日本の国益、それから沖繩に住んでいる人の福祉というようなことも十分念頭に入れて交渉に当たられるという段取りになるだろうと思います。 中谷先生の先ほどの御注文で、そういう法律的なことはともかくとして、常識的な感じはどうかというようなことでございますので、そういうことをここで私が申し上げていいかどうか、はなはだ疑問でございますけれども、ごく概括的な一般常識論から感じを申しますと、施政権をアメリカが平和条約の発効後現地において行使しておったわけでございますから、施政権者として当然住民の福祉も考えて施政を行なわなければならぬ責務があるわけでございますから、そういう施政権者として当然行なった民生上の行為といいますか、そのためのそれに用いられた財産というものについては、それはガリオアとかなんとかいう特別な要素があればまた別でございますけれども、一般的にいえばそういうものこそむしろ無償でといいますか、すなおに引き継いでしかるべきものではなかろうというふうに、これは常識的な感じでございますけれども、感じるわけでございます。
○中谷委員 どうも皆さんになんですから、あと一点だけで質問を終わりますが、要するにすでに決着がついているかどうかは別として、法律問題としては——ガリオア援助による問題については、私きょうはお尋ねするつもりはないのです。ただ、どの部分がガリオアで、どうなっているかということについては日を改めてお聞きいたします。これは法律的に無償であるという問題ですが、そうすると私は部長にお尋ねします。常識だとおっしゃってもなかなか精密なことを言っていただいたと思うのですが、国際法上のいわゆる取っかかりはないのかもしれない。しかし、結局御答弁の最後の部分、条理的に言ってという、この条理というのは法条理ですね。施政権というものがあって、施政権というものを行使をした、そういう法条理上の立場からいって、すなおにといいますか、すっきりとというか、とにかく無償で引き渡すというのが法の条理にかなうのではないか、こういう趣旨の御答弁、いまの最後のところをもう少し補足していただきたい、それで私の質問を終わりたいと思います。
○真田政府委員 先ほど私が常識論と申し上げましたのは、全く私の常識的な感じを申し上げたわけでございますが、もう少し私がそれを申し上げたときの気持ちを申し上げますと、施政権を行なっている間に施政権者として当然住民の福祉のための施策をしなければならぬわけですから、そこで特別に投資をしたとか、そういう特別の事情があればまたそれは一応考慮の対象になるかもしれませんが、まずごく普通に施政権者として行なった、たとえば道路事業をやったとか河川工事をやったとかいう、その貸しが残っておるから返せというようなことは、どうも常識からいってもおかしいのじゃないかという感じを申し上げたわけごでざいます。ただ、それは一般論でございまして、先ほど申し上げたようにガリオア資金の話がまぎれ込んできたり、その他の特殊な事情がからんでくれば、それはまたそれとして考慮しなければならぬという保留づきで常識論を申し上げた、こういうふうにお聞き取りを願いたいと思います。
○中谷委員 これで質問を終わります。 要するに、ガリオア援助というようなものの場合においては当然無償だという理論構成はできる。そういうようなものがまぎれ込んでないものについての法制局の見解を私も支持したいと思う。 長官、そういうことですみやかに返還交渉をおやりになるわけですから、政府として一たん買い取らなくていいのだという理論構成がまずあってしかるべきだと思うのです。その決着がどうなるかは別としまして、そういう理論構成といいますか、法律論というか、それはひとつその委員会ぐらいには政府として御答弁いただけるように、こういうふうな考え方、現在の段階ではこう思っているというような御準備をいただきたいと私は思うのです。その点についての御方針について、私は御答弁をいただきたいと思います。 それから特に特連局にお願いをいたしたいと思いますけれども、ガリオアというものが一体今日まで累計で幾らになって、それが水道電気その他の施設にどれだけ使われておるか。現在水道、ガスなんというのはずいぶんもうけているわけでしょう、一体どれだけもうけているか、別の非常にどぎついことばで言えば、県民が収奪をされておるというふうな言い方も私たちはするわけなんです。そういうふうなバランスシートというものの中で、こういうふうな問題も論議されなければならぬと思う。そういうような点についても資料を御準備いただきたいと思います。ひとつ長官からその点について御答弁をいただいて、質問を終わります。
○床次国務大臣 ただいまの御質問でありまするが、これは外交交渉を担当しております外務省におきまして検討すべきもので、私ども総理府としては私どもなりの研究をいたしたいと思いますが、これは外交交渉と関係がありますので、よく御要望の点は外務省に伝えたいと思います。 なお、関係資料等の特連局長に対する御要望につきましては、わかりますものにつきましてはこれを作成してお目にかけたいと思います。
○中谷委員 終わります。
○中村委員長 本日はこの程度にとどめ、次回は来たる八日、火曜日、委員会を開会することとし、これにて散会いたします。 午後一時三十分散会