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61回国会衆議院1969/04/11

沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第9号

発言数
37
登壇者
8
会派数
3
開催日
1969/04/11

会議録

中村寅太自由民主党

○中村委員長 これより会議を開きます。  この際、理事辞任の件についておはかりいたします。  理事永末英一君から理事辞任の申し出がありました。これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村寅太自由民主党

○中村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村寅太自由民主党

○中村委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は理事に吉田泰造君を指名いたします。      ————◇—————

中村寅太自由民主党

○中村委員長 これより沖繩及び北方問題に関する件について調査を進めます。  この際、おはかりいたします。  本件調査のため、本日、琉球政府立法院議長星克君、琉球政府立法院議員太田昌知君、伊良波長幸君、金城英浩君、安里積千代君、古堅実吉君及び岸本利実君、以上七名の諸君を参考人として出席を求め、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村寅太自由民主党

○中村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  この際、委員長より参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。  去る四月七日、現地立法院におきまして、沖繩の施政権返還及び沖繩県民の国政参加に関しそれぞれ決議がなされたと承知いたしておりますが、両決議について、立法院を代表して立法院議長並びに議員諸君が国会、政府関係当局に要請のため上京されました機会に、本委員会といたしましては、沖繩の当面する諸問題について親しく御説明を伺い、御高見を拝聴し、もって本特別委員会の使命にこたえたいと存ずる次第であります。  本日は、特に立法院において決議のありました施政権返還、国政参加に関する問題並びに当面の諸問題について、参考人より御意見をお述べ願います。  なお、念のため申し上げますが、御発言の際は委員長の許可を得ていただくことになっておりますので、さよう御了承願います。  これより参考人に御意見の開陳をお願いいたしますが、本日は、特に立法院において決議のありました施政権返還及び国政参加に関する問題等につきまして、参考人を代表して星克君に御意見の開陳を願い、その後委員の質疑に応じてお答えいただきたいと存じます。星参考人。

星克琉球政府立法院議長

○星参考人 たいへんお忙しい中をわざわざ会議を開いていただきまして、陳情に参りました私どもの陳情の要旨をお聞き取りくださいますことを、心から感謝申し上げる次第であります。  簡単に決議の要旨を御説明申し上げます。  去る七日、沖繩の立法院におきましては二つの要請決議を行ないました。  その一つは、施政権を早急に返還できるよう御配慮願いたいという趣旨の決議でございます。この決議は、過去においてすでに十六回も決議を行ない、ほとんどそのつど超党派で満場一致の決議をもって行なっております。今回も恒例に漏れず、満場一致の決議でございます。  ところで、私ども沖繩県民が、敗戦の結果祖国のもとから分離されまして、米国の施政権下に置かれて今日まで二十四年、まさに四分の一世紀になんなんとしておるのでございますが、その間、日がたてばたっほど、祖国に帰りたいというのが国民的願望でございました。これは九十余万の県民ひとしく願っている大きな基本問題でございます。今日まで遅々として進まず、半ば焦燥ぎみでございましたが、昨今ようやく復帰の気配が身近に感ぜられ、近いうちに返るぞというムードを見ましたことを県民は非常に喜び、かつ胸をふくらまして期待をいたしております。  そういうさなかにおきまして決議が行なわれましたが、今回の決議の従来に変わる点は、単に返してもらいたいという願望だけじゃなく、方法論に及んだ点であります。つまり返るからには一番大きな問題が基地の問題でございまして、現地をごらんの先生方はよく御承知のように、沖繩に基地があるのではなく、基地の中に沖繩の県民が住んでおると言うても過言ではない実情に置かれております。そういう中にあって、本土に返ってから後でもこういった基地の態様が継続するのであれば、返る意味をなさないというのが偽りのない県民の感情であります。したがいまして核基地、米国の自由使用にゆだねるという基地のあり方であってはならないという文言を挿入してございます。  もとより、各党にはおのおの基地に対する考え方がございます。これは本土も同様で、早く申しますと、安保体制には反対するという勢力と、安保体制のあることは万やむを得ないとする考え方の相違がありますが、この考え方の相違を越えて一致できた点は、核基地の容認あるいは自由使用容認ということは絶対にできないという点でございます。これもいよいよ復帰が近づいてみれば方法論が論議になるので、この点が従来に見られない決議文の内容でございます。  次に、国政参加の決議を行ないました。これは沖繩県民が日本国民であるということは、公式の声明によってすでにアメリカでさえも認めております。沖繩県民は日本国民であり、沖繩は日本領土の一部であるということが堂々と申し述べられております。ところで、国民でありながら自分の国の国政に参与することができないということがあるだろうか、これが沖繩県民の抱いている国政に対する大きな疑義でございまして、国民というのは目録ばかり七ある、何ら国民としての処遇をされていないではないかというのが偽りのない現状でございます。  そういう中におきまして、過去においても国政参加方を幾たびとなく要請いたしました。特に今国会が沖繩国会とまでいわれるほど沖繩問題が与野党間に真剣に論議されておる今日において、肝心の地元の代表の声が国会に反映しないということは許されてはならないと思う。そこで早急に、それこそ一日も早く国政参加を実現してほしいと願っておりましたところ、現地に伝わる情報では、どうやら今国会では見送られそうであるという情報を聞きまして、これではたいへんである、かように考えまして、急遽各党派間話し合いの結果、満場一致の決議を行なって、それをひっさげて参ったような次第でございます。  この決議の中に具体的に挿入した点は、国政に参加するのであるから、これまた沖繩県民が差別されることのないように、国会議員と全く同様の資格でお願いしますという点を挿入してあります。私どもが国政に参加するゆえんのものは、日本国民であるという権利に基づくのと同様、また二十四年間も分離されておりました沖繩がまさに国土に帰ろうとする今日、こういう大きな問題を県民代表の声として国政に参加、反映する必要を痛感いたしてのことでございます。それにおいては憲法との都合、施政権とのかね合い、いろいろ問題のあることは十分承知でございます。そこを十分御判断願いまして、早急にこれを解決していただきたい。  現地におきましては、この二つの決議は超党派で行ないました。特に超党派で従来行なったことより変わる点は、三十二名の立法院議員が全部発議者になったのであります。  こうして超党派で参っております。どうぞ国会におかせられましても、各党派ひとつ協力されまして、日本国が戦後という処理を最後になさる沖繩の施政権回復でございます。どうぞこの問題だけは党利党略を離れ、ひとつ大同団結してアメリカに対処してもらって、一日も早く国政参加が実現できるよう、ひいては大事業である施政権回復がスムーズに運びますように念じ上げておる次第でございます。どうぞ諸先生方の格別なる御配慮をお願いいたします。(拍手)

中村寅太自由民主党

○中村委員長 これにて参考人の御意見の開陳は終わりました。     —————————————

中村寅太自由民主党

○中村委員長 参考人に対する質疑の申し出がありますので、これを許します。西風勲君。

西風勲日本社会党

○西風委員 このたび、沖繩の立法院が三十二名全員の発議をもって、沖繩の国政参加に関する要請決議並びに施政権の返還について、非常にりっぱな決定をされたことに対して敬意を表するとともに、これを全面的に支持する立場から二、三の問題について御質問申し上げたいと思います。  まず第一は、いま本土の政府・与党の中では沖繩の復帰の方式についてまだ公式な態度表明はしておりませんけれども、最近岸元総理大臣がアメリカに行きました結果、あるいはそれと前後する外務省を窓口にした、あるいはその他のさまざまな形を窓口にした折衝の経過の中から、本土の政府が核つき自由使用に大体沖繩の返還方式を統一するのではないか、アメリカの要求に従ってこの方式にまとめるのではないかというようなことが伝えられております。私どもは、沖繩が、主席や市長や立法院の選挙で若干の政治的見解の違いがあったために不団結の要素はあったと思いますけれども、選挙が終わった後、B52問題などの発生を契機にして、沖繩は、このような返還方式については全県民があげて反対しているというように私どもは認識しておるわけですけれども、そういうふうに認識して差しつかえないかどうかということをまずお伺いしたいと思います。

星克琉球政府立法院議長

○星参考人 お答えいたします。  決議にもございますとおり、復帰したあとでも沖繩県だけがよその県と変わるような立場があってはほんとうの復帰ではない、さように考えております。あくまでもこれは、決議にありますとおり、核基地、そしてアメリカの自由使用、こういうものが許されてはならないということは一致した見解でございます。

西風勲日本社会党

○西風委員 私どもも全く同じ意見でありますけれども、それでは次に、国政参加の問題についてお尋ねいたします。  私どもは、今度の国会で、本土と同じ形において、全面的に同じ条件で国会が国政参加を決議すべきであるというふうに考えておるわけであります。しかし、最近、これもまた正式な態度表明ではありませんけれども、新聞紙上その他によりますと、今度は当分見送るのだ、佐藤総理がアメリカに行ってアメリカから帰ってから、アメリカに行った感触の結果によって国政参加の問題を論ずるのだというようなことが政府筋から流されております。私どもの聞くところでは、アメリカ政府は、これも公式、非公式は別にしまして、いままでの折衝の過程では、国政参加の問題については本土政府と沖繩現地との問題であるから、したがってアメリカとしては、国政参加の問題については干渉しないというようなアメリカ側の意向だというように私どもは聞いているわけであります。したがって、国会と本土の政府が決意をし、誠意さえ持てば、国政参加の問題については、本土と同じ形において国政参加の状況をつくり出すことは決して不可能ではないというように私どもは考えておるのですけれども、皆さんのほうで何かこれに似たような情報その他がありましたら、この際教えていただきたいと思います。

星克琉球政府立法院議長

○星参考人 私からお答え申し上げます。  アメリカが施政権を持っておるということは、これは好むと好まざるとにかかわらず、事実として認めざるを得ません。ところで、法的にこの施政権があるがゆえに国政参加ができないかどうかという点については、私どもはさようには考えておりません。そこで、これを方法論としてどういうふうに立法するかということは、これは国会でなさることなのでかれこれ申し上げようとは思いませんけれども、アメリカの従来とってきた施政権の行使は、少なくとも次のことは言えると思います。  十年前くらいは、彼らは、立法院議員が本土に陳情に行くのに、君たちには外交権はないから、行くことまかりならぬと差しとめたものであります。本土政府が沖繩に援助の手を伸べようとすると、内政干渉であるから許されぬと言ったことは事実ございました。今日はどうかと申しますと、さようなことは全然ございません。一口に申し上げますと、アメリカが握っておる施政権は、質的にずいぶん変わってまいっております。具体的に申し上げますと、私どもがこちらに来てどういう交渉をしようと、一言の差し出がましいこともございません。そこで、私どもから考えますというと、国会で決定をされてこういう権限を沖繩代表に与えるということになるならば、おそらくアメリカは文句を言わないであろう、さように観測いたしております。  憲法とのかね合いでありまするが、私どもも、本土に帰ろうという基本的な願望の上から、いろいろ国会で憲法を無視するようなことをしてくださいとは申し上げません。憲法に違反する、憲法に抵触するというものがあるならば、これは慎重を期していただきたい、かように申し上げるのであります。ところで、沖繩代表が全面的に国会で発言し、採決を行なうことがどういう面で憲法に抵触するかということは、できるのであれば県民に差し示してもらうならば、やはり無理なことは申し上げまい、かように思っております。いまの段階では、少なくとも私どもの要求が憲法に抵触するということはまだ考えておりません。

西風勲日本社会党

○西風委員 憲法その他の法律問題については、私どもの同僚で専門家である中谷議員があとで質問されますので、そのほうに譲りたいと思います。  私どもとしては、いまの星議長の御意見に全面的に賛成でありますけれども、いま伝えられておるような国政参加に関するオブザーバー方式あるいは間接選出の方法というような点については、沖繩立法院としては、あるいは沖繩側としてはこういう方法での国政参加を認めることができない、それでは真の国政参加ではない、こういうふうに考えておると理解して間違いありませんか。

星克琉球政府立法院議長

○星参考人 この案をつくる時分に、各派の話し合いで次のような文句を挿入しようという意見が出ました。それは、制限され、あるいは国会議員と大きく違うような権限を与えられる国政参加であれば、いっそのことこういうものはお受けしません、こういう文言を入れようという意見まで飛び出しました。しかし、あくまでも要請し、推進する立場であるから、こういう文句を入れることは穏当でないということで、これをはずしたのであります。単刀直入に申し上げますと国会議員となる、これを要請するだけでありまして、そのほかには次善の策を受け入れるという考えはまだ持っておりません。

西風勲日本社会党

○西風委員 いま申された点も私どもと同じ意見でありますけれども、次に、私どもとしては、沖繩立法院がかつてない、先ほども発言されましたように、三十二名全員が発議者になってこの二つの決議をやられたという点から考えまして、もう立法院としては、国政参加の問題については、今度の国会で解決してもらいたいというのはぎりぎりの要求であるというように私どもは考えておるわけであります。どんなことがあっても、最低今度の会期が終わるまでに国政参加の問題については具体的な内容をきめてもらいたい——私どもとしては、皆さんのお考えとして、現地でこれ以上大きな紛争が起こるというようなことを喜んでおるわけではない、私どももそういうことを期待しておるわけではありません。しかし、解決するルールが正しく敷かれなければ、どのような紛争が起ころうとも、そういうルールをつくらなかったものの責任になるわけですから、そういう点では、皆さんは今度の国会でどうしても本土並みの方法で国政参加をきめてもらいたい、まさにぎりぎりの要求としてお見えになった、こういうふうに理解しておるわけでありますけれども、そういうふうに理解して間違いありませんか。

星克琉球政府立法院議長

○星参考人 間違いございません。

西風勲日本社会党

○西風委員 次に、二つの決議の中におそらく含まれておると思いますけれども、B52の問題について若干お尋ねしたいと思います。  B52については、屋良主席が本土に来られて、六月ないし七月にこれが撤去されるのではないかというような感触を得られて、この間の沖繩のゼネストが回避されたわけであります。ゼネスト回避のよしあしについては、これは別な問題ですからおくとしましても、屋良主席があれほど善意に基づいて六月ないし七月という感触を得られたわけですから、これは当然本土の政府は、屋良主席がやられた行為に対して政治的、道徳的な責任を持つべきではないかというふうに私どもは考えるわけであります。屋良主席がかってに感触を受けてやったんだ、そんなことは沖繩の現地の問題なんだというような態度ではなくて、むしろ屋良発言が、あの感触が事実であったんだということを示すような積極的な行為を、本土政府がアメリカとの交渉の中で示すことが必要ではないかというふうに思うわけです。そういう点について、立法院としては、B52の撤去について、少なくとも最悪の場合でも六月ないし七月までに撤去せよというような強い御意思を持っているというふうに考えて差しつかえないかどうか、これまたお伺いしたいと思います。

星克琉球政府立法院議長

○星参考人 これは先般、決議に基づきまして陳情申し上げましたその場合の感触として、永久にB52が駐留するのではなく、たぶん五、六月になればおのずから用事が済んで帰るであろうというような楽観的観測も聞き及んだのであります。心ひそかにその時期を待望いたしております。なお、これが早期に帰っていくことについては、日本政府の強力なる対米折衝をお願い申し上げております。

西風勲日本社会党

○西風委員 B52の問題については、最近、これまた政府筋を通す情報だといわれておりますけれども、ベトナム戦争をめぐるパリ会談がどうも予想どおり進展していない、したがって、六、七月どころか、まだかなり長期にわたってB52が滞在するのではないかというような情報が流されているわけであります。これは私どもまことに遺憾だと思うわけです。もしこういうふうな事情が続きますと、この前、嘉手納の飛行場で起こりました二つの事故ですね、あのときには幸い核弾頭に関する事故に発展しなかったために、沖繩では今日大事件にならずに済んだわけですけれども、もっとあれより大きな事故が起こるし、事故が起こらないにしても県民の間の不安というのはどんどん広がっているわけですから、そういう点では、いまのまま放置しますと予測のつかない大きな事件が沖繩の現地で起こるというふうに、私どもは残念ながら予測せざるを得ないわけですね。そういう点では、そういうふうな予測される事態を回避するためにも、本土政府がもっと積極的な態度でB52の撤去の問題について働きかけをすべきであるというふうに思うのですけれども、私どもの考えでは、どうも本土政府の努力が不十分ではないか。皆さんに本土政府の努力をどう思うかなどという質問はあるいはお答えになりにくいかもわかりませんけれども、現地側としてもたいへん歯がゆい思いをしているのではないか。本土政府のしりをもっとたたきたい、もっと積極的にやってもらいたいというような血の叫びをあげたいくらいの気持ちを持っているのではないかというふうに思うのですが、その点どうですか。

星克琉球政府立法院議長

○星参考人 全くそのとおりでございます。

西風勲日本社会党

○西風委員 この二つの決議については、私どもは、単に社会党一党の問題ではなくて、野党が一致して、あるいは自民党に積極的に働きかけて、皆さんの血の叫びともいうべきこの二つの決議が、今度の国会で踏みにじられるとまた次の国会で皆さんが同じことをやらなければならぬというようなことがないように、積極的な努力を払いたいと考えております。これはもう日本国民として、党派を越えた使命でなければならぬと思うわけです。これは何党が核つき何とか、あるいは国政参加についてどういう考えを持っているというような点ではなくて、沖繩県民に対する、長い間にわたって差別を続けてきた本土におる者の当然の義務ではないかというふうに考えるわけであります。そういう点で、あと同僚の中谷委員が質問されますので私はこれでおきますけれども、私どもは、皆さんが決議されました点が今度の国会で通るように積極的な努力を払うことをお誓いして、御質問にかえたいと思います。  どうもありがとうございました。

中村寅太自由民主党

○中村委員長 中谷鉄也君。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 私は、西風委員の質問に続きまして、立法院のほうで御決議になりました決議第二号の沖繩県民の国政参加に関する要請決議のほうからお尋ねをいたしたいと思います。  要するに私が、特においでいただきました立法院の皆さん方の御意見を承りたいのは、全面的な国政参加、この問題については、われわれ野党の議員といたしましては、あらゆる資料を集めましてそのような全面参加が今国会において実現することについていろいろな面から検討いたしました。要は、国会は国権の最高機関である、その国会において与野党が一致して沖繩県民の代表、沖繩からも全面的な権限を持ったところの国会議員に国政に参加してもらおう、こういうふうなところの立法をすればそれでいい、そういうことはできるのだ、憲法問題としては私はこの一点に尽きるだろうと思うのです。ところがいわゆる政府筋においては、法律問題において、何らかのその点についての問題点があるなどというふうなことが言われております。社会党といたしましては、これらの問題については、当委員会において全力をあげてそのような法律的見解については反論を加えていく、粉砕をしていく、そういう決意でありまするけれども、特に私は、本日御出席いただきましたところの立法院議員の中に、法律の御専門家でありますところの安里議員がお見えになっておられますので、私はこの機会に、政府が言うておる何か全面参加ができないのだと称するような、とにかく新聞で伝えられているところの意見がございますね。たとえば、ひどい意見によると、税金を沖繩県民から本土政府はいただいていない、そういうようなことが一体権利義務との関係でどうなるのだろうなどというようなこと。何も税金を納めたくないから税金を納めないでいるんじゃございませんが、そういうようなことがある。不逮捕特権の問題について、施政権下にある場合の不逮捕特権が一体どうなるんだというようなところの疑義というものを提出する人がいる。そういうような点について、憲法の精神のもとにおいて全面的な国政参加ということは当然だ、この二百に私は尽きるだろうと思いますし、沖繩県民の気持ちはまさにその一点に結集されていると思いまするけれども、いわゆる伝えられておりますところの政府筋の、全面的な国政参加は法律的に困難などと称する、安里先生のほうで御承知になっておられるそれらの見解について、この機会に御反論をお加えいただきたい。この点をひとつ最初にお尋ねいたしたいと思います。

安里積千代琉球政府立法院議員

○安里参考人 私どもが今回の陳情に参りまして各派の皆さま方にお会いをいたしまして受けましたおことばは、沖繩の国政参加というものを差別すべきじゃない、私はむしろこれを一致した意見として承りまして、たいへん心強く実は思っております。これが単に、はるばる沖繩から差別ないところの国政参加ということをわれわれが訴えているので、この訴えておる者に対して答えるのに、差別しなければむずかしいぞというお答えがわれわれに冷たい感じを与えるという配慮から、いやいやそれは差別すべきじゃないのだというふうにお答えになったとは受け取りたくはございません。正直に差別ないところの立場、これが大原則であるのだ。その立場をとって各党の方々も一致しておられると私は承りまして、まず第一に心強く思っておるわけであります。ただ、伝えられておりまするいろいろの問題がございまして、われわれとして若干憲法論と申しますか、いろんな問題、これにかこつけられまして方法論とかあるいは法技術上の問題とかいったようなことにすりかえられまして、これがまた片づかないので、参加の問題の根本問題が見送られはせぬかという心配を実はいたしておるわけであります。憲法論争というようなことを、この場で私どもの意見を申し上げる必要もないと思っておりますが、ただ、私たちの基本的な考えは、沖繩をこのように切り離してアメリカの統治に持っていっておるということ自体が、独立国として憲法の精神に合致するものであるかどうかということを、まず第一にわれわれは考えております。  私たちが今度の決議の中を見ますると、復帰問題でございましても、沖繩の復帰問題というものをわれわれ主張しておるのは、単に民族的感情からでないということであります。これは、われわれは三つの大きな柱があると考えております。  一つは、民族分離という不当なあり方、これは許せないことですから、民族的要求が基本でありまするけれども、二番目には、反戦平和の線というものが、われわれの沖繩の復帰を要求する大きな問題であると考えております。戦争否定の日本国憲法のもとにアメリカの軍事基地が自由に使用されるという、しかも現実にベトナム戦争その他にも使用されておる、こういうことは、これは憲法違反でありますとともに、反戦平和の精神に反するのだ。反戦平和の立場から、われわれは祖国復帰を主張しております。三番目の大きな柱は、そのような軍事優先の中において沖繩の県民の人権というものが阻害され、侵害されておる、人権の回復の要求としてわれわれは主張しております。  そうしますと、この三つの問題とも、沖繩の置かれております現実は憲法に違反する立場である。沖繩県民の要求は、あくまでも憲法の精神を保持するという立場においてなされておると思っております。  そこで、国政参加という問題につきましては、むずかしい問題は抜きまして、私はこう考えております。  憲法の前文にございます主権在民ということは、われわれ沖繩県民を含めての日本国民である、このように私たちは考えております。アメリカでありましても、沖繩県民が日本国民であるということは、これは認めておりまするし、争えないことでありまして、その場合の日本国民の主権者は、われわれを含めての主権者でなければならない。国民主権ということは、具体的にこれがあらわれてくるときはあくまでも選挙を通じて国政に参加するということ、これは私は国民主権の具体的問題であると思いますので、憲法の精神から言えば、沖繩県民がやはりこの国政に参加することをはばんじゃいけない、はばむことが憲法違反であると考えております。  もう一つ大きな柱は、憲法上国民は平等な扱いをしなければいかぬ、平等であるという大原則があります。したがいまして、そのような原則から申しましてもわれわれは差別されるものでない。あとの小さい問題なんというものは、われわれは問題ないと考えております。  ただ、常に現実の問題として沖繩の施政権がアメリカにあるということがいつでも壁になっておりますが、先ほど議長も言いましたように、施政権の壁というものはどうかしなければならぬ問題でありまして、この問題に関する限りにおきましては、国政参加の実現にいたしましても、それはあくまでも日本国内の問題であって、アメリカがくちばしをいれるべき問題ではございません。沖繩県民を国政に参加させた場合に、同様の権利を与えてはいけないという国民はおそらく一人もいないと思う。この全国民の意思こそ大きな憲法の精神を貫くものではないかと思うのです。個々のいろいろな法律論はあるかもしれませんけれども、どんな法律論でも異論があることでございましょうが、本件の問題につきましては、大きな政治の立場、ことに権利を剥奪するということは——憲法に違反するものは拡大してはいけませんけれども、権利を回復する、権利を与えることは、端的に申しまして幾ら拡大してもかまわないのではないかというような、ひとりよがりかもしれませんけれどもそういった気持ちもいたします。そして権利を剥奪すること自体がいけないのであるという立場でございますので、その点、国会におきましてはどうぞ大きな立場から、われわれの失われた権利を回復する立場におきまして前向きの解釈のもとに、ほんとうに国政参加、平等な差別のないところの扱いをしていただくようにお願いしたいと思っております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 憲法の問題についての非常に切実な、そして基本に触れるところの御意見をいただきまして、私も一そうこの問題についての精進をいたしたいと思います。  そこで、あらためてお聞きするまでもないことでありますけれども、これは私のほうから申すべきことであるかもしれませんけれども、いわゆる昭和四十三年十月九日の沖繩に関する日米協議委員会第十五回会合の開催について、そのとき次のようなことが文書の中に出ております。「沖繩の代表の権限は、沖繩が米国の施政権下にあるという事実の下で、日本国内法上認めうる最大限のものとすることが望ましいとの見解を表明した。」云々、以下省略しますが、このような協議委員会の協議行為の事項というものも、私が先ほどから申しておりますように、国会が国権の最高機関であるという前提に立ちますならば、全面国政参加の実現を何らはばむものではないということを私は考えております。これは当然、沖繩の立法院の皆さん方もそのような御見解をお持ちだろうと思いますが、安里参考人あるいは議長さんのほうからひとつその点についての御見解、これは簡単でけっこうですから、御答弁をいただきたいと思います。

安里積千代琉球政府立法院議員

○安里参考人 この問題でこちらへ参りまして、やはり施政権の壁と、しかも国会の中で沖繩代表ということばが非常にひっかかっている。もう一つは、施政権の存在を確認する前提のもとにという趣旨のことばと、二つがひっかかるものを非常に感ずるわけであります。  あくまでも全国民を代表する国会議員というものが、沖繩を代表するというそれとは違うというようなことでございまして、その沖繩代表ということで、もしアメリカとの間に制約された了解をつけているものだとすれば、つけたものが悪いと思います。あるいは私の不足かもしれませんけれども、この問題は高度の政治性を持つところの対米の外交上の問題だと思いますが、政治的な問題の解決の前に、事務的段階において事なかれ主義に終わったのではないかという感じを受けるわけでございますけれども、しかしまた、それも俗にいう沖繩代表であって、やはり純然たる国政参加をアメリカが認めたのだというふうに私は解してもいいのではないかと思う。  それから施政権があるという前提のもとにだけれども、国政参加によってアメリカの施政権を否定する意味のものではないという注意的な立場である、こう解釈してもいいのではないか、こう思っております。  このような交換文書というものが、もしアメリカの了解というものに制限があったということになりますれば、このような制限をアメリカがつけること自体が国内干渉的な問題になって、国政参加を認めるならばあとの問題は日本の国会にまかすべきである、日本政府にまかすべきである、こういう考えを持ちますし、たとえばアメリカの意向がどうでありましょうとも、国政参加をするということを認めた以上は、これが日本の国の決議下におきまして、政府におきまして差別なきところをもし与えた場合に、アメリカは決してこれに対して干渉しないであろう、また、させないだけの力をひとつ持っていただきたい、このように念願をいたしております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 決議第一号について岸本参考人にお伺いをいたしたいと思います。従前からも岸本参考人からはいろいろなお話を承っておりますので、質問順序があとになりましたが、私がぜひこの委員会において岸本参考人から御意見をいただきたいのは、次の点です。  決議第一号の中には、「沖繩はアメリカの核兵器基地とも言われ、またベトナム戦争の前進作戦基地となり、土地問題、軍事演習、米軍関係の犯罪等による県民の被害が後を絶たず、県民の不安はつのるばかりである。」こういうふうな切々たる県民の怒りと、そうして不安と悲しみが述べられている。そこで、この土地問題あるいは軍事演習あるいは米軍関係の犯罪等による県民の被害等の問題につきましては、当委員会においてもわれわれ、できる限り取り上げまして、今日まで政府にいろいろの問題の措置を要求してまいりました。あらためてひとつ、こういうふうな土地問題、軍事演習、米軍関係の犯罪等による県民の被害の現況について、お述べをいただきたい。二十何年にわたるいろいろな問題があります。したがいまして、これらの問題の象徴的な問題について、御意見を述べていただければきわめて幸いである、こういうことでお尋ねをいたしたいと思います。

岸本利実琉球政府立法院議員

○岸本参考人 御指名をいただきましたので、ただいまの中谷委員の御質問にお答えをいたしたいと思います。  御質問の点は、最近のB52、土地取り上げその他の軍人犯罪等についての現況ということでございますが、御承知のように、B52が一九六八年の二月五日に駐留いたしまして、もう一年以上を過ぎたわけでございます。六八年の十一月十九日に爆発事故を起こしまして、嘉手納村民はもとより、その付近の住民は、全く戦時中のことを思い出して、自家用車を持っているものは自家用車で、あるいははだしで遠くへ逃げ惑うという戦争中さながらの情景を呈しましたけれども、さらに十二月二日にまた事故を起こしております。このような状況の中で県民は一致いたしまして、すべての階級、すべての階層が命を守るという一点にしぼりまして、生命を守る県民共闘を組織いたしまして実力でこれを撤廃させよう、何回となく本土政府に要請に参りますけれども、どうも前進を見ないということで、県民共闘を中心とする二・四のゼネストが組織されたわけでございますが、先ほど来の御質問の中にもありましたように、本土政府が、これは常駐ではなくて六、七月ごろには撤去されることもあり得るという発言がございまして、これが現地にはね返りまして、二・四ゼネストにつきましては回避の契機をつくったような形になっておりますけれども、その後の本土政府等の御努力のあとというものは、残念ながら現地においては評価いたしておりませんで、パリ会談が続行されておるけれども、沖繩現地から毎日依然として爆撃を続行いたしております。したがいまして、不安というものは日に日につのるばかりで、何らこれは日本政府の感触が鎮静剤にはなっておりません。  それから原潜寄港のことでございますが、那覇港に、あるいはワイド・ビーチに以前からアメリカの原子力潜水艦が寄港いたしておりましたけれども、最近現地の沖繩における原水協を中心とする調査活動の結果、日本学術会議が那覇港の海底にはコバルト六〇の多量の蓄積があるという発表がありまして、ますます沖繩におけるわれわれ県民の生命に対する不安を増大さしていると同時に、漁民が生活の上で、お魚が売れないという非常な悩みをさらにかき立てられている次第であります。  それから土地取り上げについてでございますが、新規の接収はともかくといたしまして、終戦以来不要にして緊急でない土地を広く囲って、そこに一時的に農民に農耕を許しておったいわゆる黙認耕作地域を取り上げていって、どんどん施設を拡張するというのが最近の土地取り上げの特徴となっておりまして、これは具体的に読谷、美里あるいは宜野湾等におきましてこのことが進行中でございます。さらに、軍工事関係では久志の大浦湾、金武村の金武湾などにおきまして、大型の油送船が発着する港湾施設が進行いたし、大部分完成に近づいている次第であります。  さらに、沖繩県民のこれまでも人権を奪っておりました米軍が、二・四ゼネストがたくらまれている最中に、御承知のとおり総合労働布令を公布いたしました。これは日付は一月十一日でございますが、これまでも布令百十六号で団交権あるいはスト権を奪われておりました軍労働者はもちろんのこと、全県民の大衆運動を抑圧してしまう総合労働布令を公布いたしまして、非常な反撃を食らい、一時、一月二十三日にこの施行の延期を発表いたしまして、その間、具体的な要求があれば米国政府が検討するから意見を出せということで、現在まだ延期中でございますが、これにつきまして立法院といたしましても、県民の側で全面撤回を要求しておるにかかわらず、本土政府は、残念ながら一部の手直し、修正案をもって米国政府に折衝中のようでありますが、これにつきましても、何ら目新しいわれわれにいい情報は届いておりません。  さらに、軍人犯罪も依然としてあとを断たす、二、三年前、渡ケ次キクさんという沖繩のメードの方が、米軍施設内で昼日中、まっ裸にされて殺害をされた事件なども迷宮入りになっておりまして、依然として犯人もあがっておりませんが、最近また那覇の辻町、そこでもホステスが米軍人らしいものに殺されたということでございますが、依然として犯人はあがっておりません。その他こまかい交通事故は日常茶飯事として起こっておるので、交通事故関係につきましても、運転手殺し、そういったものが多発いたしておりますけれども、米軍施設内に軍人軍属が入っております場合に、捜査権も与えられておらない民警察の壁が、こうした問題を迷宮入りさせるような原因となっておる次第であります。  時間がありませんので、もっと言及したいところでございますが、この辺で最近の実情をお答えいたしておきます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 あと一点だけお尋ねをいたしたいと思います。  星議長さんのほうからお答えをいただきたいと思いますが、決議第一号の中に、次のようなことばがございます。「長い間忍従を強いられている。」こういうふうなおことばが見えます。それから決議第二号の中には、基本的権利が無視された、そして再びこのようなあやまちを繰り返すようなことをしてはならない、こういうふうな趣旨のおことばも見えておるわけです。私は率直に申しまして、この要請決議を単なる要請決議ではなしに、沖繩百万県民の日本国民に対するところの要求、血の叫びである、こういうふうに私は承りたいと考えております。  そこで、この決議第二号は、この六十一国会、会期五月の何日かでございますけれども、この六十一国会において、何らの差別のない沖繩県民の国政参加を実現するための措置を講ずる、こういうところの要求、要請であります。そこで私がおそれるものは、これは先ほどから何べんも申しておりますように、国会は国権の最高機関である、沖繩県民の国政参加を実現するための措置を講じようと思えばできるのだ、もしかりにこれをしないというふうなことがあったならば、沖繩県民の本土政府に対するところの不満、そして失望あるいは疎外感と申しますか不信感というか、こういうようなものが沖繩県民の中に生じたとしても、これは私は何人も責めることはできないだろうと思う。そういうふうな決意をもってこの要請決議がなされたと私は考える。だから私が憂えるのは、全面的な国政参加がもしなされなかったとするならば、将来の沖繩問題についても、私は非常な悪い影響を与えると思う。そういうふうな点について、立法院を代表する議長さんから率直な、端的な御意見を承りまして、私の質問を終わることにいたします。

星克琉球政府立法院議長

○星参考人 お答えいたします。  長い間忍従をしいられたということの具体的な事例は省略いたしまして、その趣旨は、いわゆる近代的な民主国家として、一番基本的な国民的権利といわれているのは参政権であります。自分で自分の代表を選び、自分の運命を託してみずから政治を行なっていくというたてまえからするならば、沖繩の現行の基本法規は、すべて県民の意思とは無関係に公布されるアメリカ大統領行政命令、そしてそれに基づく現地の高等弁務官の発する布告、布令、これが基本になって、選ぶということはずいぶん制限なされております。これが少なくとも形式上の沖繩の与えられている自治権でございまして、この点が非常な大きな犠牲でなかろうかと思います。それに引きかえ、民主的、りっぱな平和憲法のもとに、本土の自治は、戦後、わざわざ憲法の中に自治団体の一章が加えられて、「地方自治」という章によって保障されております。本土では、聞き及びますところによると、自分の自治団体でまかなう経費が三割、そして残り七割は国庫に依存している、これをひっくり返して三割自治ということばがあるくらい——沖繩は全くその逆でありまして、自分でまかなう政府予算の経費は七割、アメリカ、日本の国庫から援助を受ける依存財政は三割というのが現状でございまして、この点でも非常な制約を受けております。したがいまして、社会福祉面においては大きな格差が生じてまいりました。沖繩県と本土の国民とを比べてみまするに、非常な差がついておることはすでに御承知のとおりであります。それを端的に表現しておるのが、二十数年間に及ぶ忍従の生活でございます。  それから、今国会において本土国会並みに国政参加ができなかった場合にはどうなるかという質問でございますが、これには正直な話、お答えするにかえまして、私どもが今日まで本土国会、各党派の要路の方に陳情した結論は、君たちの要求をいれるために一生懸命いまやっているんだというおことばであります。これを額面どおり持ち帰りたいと思って、それの実現されるのをひたすら心待ちにいたしております。ぜひとも今国会をのがすことなく——これがのがれたらもう時期おくれでございまして、これは意味をなさないと思います。施政権返還という重大な時局に県民の声を国会に反映するというのがあくまで趣旨でございますので、もう実現してしまって、あとは当然のことでありまして、憲法や選挙法に基づいて国会は参加されるのであります。そういうわけで、一足先に国会に代表を送ることをぜひともお願い申し上げたいと思います。

中村寅太自由民主党

○中村委員長 臼井莊一君。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員 沖繩の県民の方の最も強い御要望の一つである国政参加につきまして、先般立法院で新たに要請決議をされて、各党を代表されて陳情においていただきまして、いろいろ先ほど来から切々たる御真情を申し述べられまして、私も皆さま方のお気持ちはよくわかるのでございます。これは何もきょうわかったわけではございませんで、前々からわかっておりますから、私どももその線に沿って今日まで微力を尽くしてまいったわけでありますが、そこでただいまいろいろ当委員と皆さま方の間の御質疑によって、いまさら私、それを繰り返して御質問申し上げるあれはほとんどないのでありますが、ただ、私どもも、皆さま方の御趣旨に沿って何とか本土並みの国会議員の資格において御参加を願うような方法はないものかというので、実は長い間それで苦労をしておったわけです。先ほど安里立法院議員のお話でも、各方面に会ったところがみなそういうような気持ちだということをお話しになりましたが、これはひとり私どもばかりでございませんで、各方面ともに、何とか沖繩の方々——ひとりこれはかりに限らず、そういうふうにしたいという気持ちでは一致しているのでありますが、何せいかんせん、憲法上の問題の疑義があるのであります。私は、これは個人的な見解を述べることは御遠慮をいたします、時間もございませんが。ただしかし、昨年の十月九日の沖繩に関する日米協議委員会第十五回の会合の際に、日本側の三木外務大臣と田中総務長官、さらにはジョンソン駐日アメリカ大使の出席のもとで外務省で開かれた日米間の合意書によりますと、これはちょっと参考のために、先ほど中谷君も引用されていましたが、全文はこうなっていますね。その問題について、2は、「日米双方は、これまで両政府間で行なわれてきた協議の結果に基づき、一体化関係施策を含む日本本土の沖繩施策に沖繩住民の民意を反映させるため、選挙により選ばれた沖繩の代表が日本本土の国会の審議に参加することが望ましく、かつ、有益であることに合意した。さらに、「沖繩住民の国政参加の実施のために必要な措置について、日米双方が、沖繩住民の要望を考慮しつつ、相互に協力することが合意された。」だからこれで見ましても、まだ日米双方で話を進めていく余地がここにあるわけでございます。さらに、その合意書には、「日本側は、本土衆参両院における沖繩の代表の数が、本土相当県の衆参両院議員の数と同様に定められること、及び沖繩の代表の権限は、沖繩が米国の施政権下にあるという事実の下で、日本国内法上認めうる最大限のものとすることが望ましいとの見解を表明した。日本側は、また、沖繩の代表の資格、選出方法及び法的地位を定める琉球政府の法律の規定が、本土国会議員に関する日本本土の法律の規定にそったものとなることを期待する旨表明した。米側は、日本側の上記発言に異議なき旨述べた。」こういうことになっております。  そこで、国内法上許す最大限というと、要するに憲法ということになるのであります。この点一点にしぼりますと、実は学者の間でもいろいろあるのでございます。私どもも憲法を無視してもやれということはいえない。憲法を守らなくちゃならぬという、特に議員、公務員等はその点において厳重なあれがありますが、しかし、その点についての解釈につきましては、実はスタンフォード大学の沖繩地位研究会議討論会、これは一九六八年五月三日に、政治問題分科会及び総括討論で大浜信泉氏が述べておるのがあるのです。この大浜先生が沖繩の理解者であり、また法律家であることも、学者であることも御承知のとおりですが、その大浜先生は、やはりオブザーバー方式より現憲法下においてはしかたがないではないかという議論をされているわけなんです。それは、第一には、日本に税金を払っていない、これはさっき論議になったのですが。それから二は、やはり日本の憲法のもとに置かれていないということなんですね。しかし、これに対して反論もあるわけで、赤嶺教授は、これはオブザーバー方式でなく、完全な代表となることを住民が願っている、税金を払わないことも、憲法下にないことも沖繩人の責任ではない、これもそのとおりであります。ただ、しかし、確かに沖繩県民の責任でないことはあれでありますけれども、御承知のとおり、いやなことを振り返るわけですけれども、一九四五年に無条件降伏した結果、サンふらンシスコ平和条約第三条によって現在の沖繩の立場になられたわけで、も一ちろん社会党さんのように、これは無効だといってしまえばそれまでですが、しかし、われわれとしては、条約は存する以上は守らなければならぬ。しかも、アメリカは、これはすでに十一月に総理が行けば何とか返還のめどがつく段階までになっているわけで、そこで、その内容についていろいろ検討中でありますが、ただ問題は、いまもいろいろ冒頭にあったように、皆さんの御希望のように、全然本土並みならば一番文句はなし、われわれも喜ぶのだが、それ以外のオブザーバー方式となると、これは非常な失望を、沖繩の方ばかりでない、われわれも得ることになると思う。  そこで問題があるのと、もう一つは、十一月には施政権の返還のめどを総理が行ってつけるという、これが一番大事な際であるので、決してこの国政参加小事とは言いませんけれども、しかし、施政権返還に比べれば、大事の前の小事ともいえる点で、そこで、この問題でアメリカと交渉にあまり強い態度でもってやっていることについての問題点も一つ実はあるわけなんで、それと憲法の問題と、こういうようなことを実は勘案いたしまして、各党間で、議運においていろいろ調整をはかっている段階でございます。  そこで、そういう問題ですから、野党の諸君が全面というのに、われわれがオブザーバー方式よりしかたがない、ベストでなくてもベターでというようなことでやっても、これが不満になるようなことはかえって望ましくないというところに、何とか本土並みにやっていきたい、こういうことの道を一生懸命に私どもは探り、努力をしている、こういうことでございます。したがって、もし本土並みにしなかったときにはどういう御感覚かという御質問をする前にも、中谷さんからもいろいろお話がありましたので、皆さまからも御答弁があって、よく私どもわかっております。まあ、いままでもわかっておりますが、そういうわけで、一番沖繩に対する理解者である大浜先生も、やはり学者として、法律家となると、いま申し上げたようなことを残念ながら言わざるを得ないというようなこともひとつ頭に置いて、われわれが決してないがしろにしているのでないということだけは、十分御了承いただきたいということを、この機会に私から、むしろ与党の立場といいますか、そういう立場から申し上げておきまして、今後とも一そう努力をすることを、なおこの機会に申し上げておきたいと思います。

中村寅太自由民主党

○中村委員長 門司亮君。

門司亮民主社会党

○門司委員 私は、もうお帰りになる時間だそうでございまして、無理におとめするわけにいかぬと思いますが、質問は一点だけ質問することがよかったと思いますが、それはこういうことです。  いろいろ議論はありますけれども、きわめて精神論になろうかと思いますが、この二つの要請の問題があります。これはものの考え方の上に立って、私の意見として聞いておいていただければよろしいのでございますけれども、すでに講和条約の三条というものはとっくに失効しているということなんです。沖繩が国際連合の委任統治になるまでの間の施政権、あるいは委任統治になったときの施政権がアメリカにある。そうなると、信託統治にならぬでしょう。そうすると、いまあそこに米軍がいるということ自身が誤りである、私はこう解釈することが正しいと思っております。それを踏まえて議論をすれば、そうむずかしい議論じゃないということに日本国民としてはならざるを得ない。これは私の考え方として御了承願っておきたいと思います。  それからもう一つは、私は、委員長に少し言いたいことがあるのであります。この委員会は非常に大事な委員会でありまして、しかも沖繩の立法院の代表が見えているときに、与党が一体これでよろしいかどうかということ、同時に、政府の当の役人がいないということです。総務長官もいなければ、副長官もいない。こんなことで一体沖繩の問題が解決つくとお考えになりますか。私は何もそのことを言いたくて来たわけじゃありません。私もちょうど出られるわけでございますので、沖繩問題に関する限りは委員が出席しないわけにいかない。ことにきょうは、皆さんに来ていただいて意見を聞くことになっておりますので、非常に大事な委員会であります。単に発言する者だけが発言すればよろしいということならば、何も私はこの委員会に出てこなくとも、ほかの委員会に席が二つもあるからそれでよろしいのでありますが、私はそういう配慮をすべきだと思うのです。委員長もひとつ今後は、この沖繩の問題について真剣に、ぶざまなことがないように、日本の国会で、本土の国会で私がこういうことを言うことは、いかにもわれわれの顔にどろを塗るような気持ちになるかもしれませんけれども、しかし、おいでになっている諸君の気持ち、沖繩百万の住民の気持ちからすれば、もう少し日本の委員会も、私は真剣になってほしいと思うのです。この点は将来、委員長において配慮してもらいたいと思います。その熱意と誠意というものが、やはり問題の解決のかぎであると思う。きょうは、半までにという約束でございますので、あと一分しか時間がありませんから私はこれ以上言うことはできませんが、しかし、いずれにいたしましても、委員長に気をつけてもらうということ、それから与党の理事さんにもそういう配慮をしていただくということ、これは単にゼスチュアだけじゃありません。日本の国会が真剣にこれに取り組んでいくということが非常に大事なことであります。その点だけをひとつ委員長に、忠告というと言い過ぎますが、御要請を申し上げておきます。

中村寅太自由民主党

○中村委員長 門司委員の御意見は、私も拝聴いたしまして、そのとおりに納得するのです。本来、私も門司委員と同じように、沖繩問題に対しては沖繩県民の気持ちになって処理していく、委員会の運営もそういう気持ちでやっておるつもりでございます。しかし、不敏にして至らぬところがあると思いますが、その点はひとつ御了承願いたいと思います。今後は、門司委員が仰せられたように、政府・与野党を問わず、この沖繩の問題につきましては名実ともに誠心誠意事に処してまいりたい、かように考える次第でございます。  以上で、参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人には、貴重な御意見を承りまして、まことにありがとうございました。本委員会を代表して、委員長より厚くお礼を申し上げます。  当委員会といたしましては、ただいま拝聴いたしました御意見等を十分勘案の上、今後とも一そう沖繩問題の解決に真剣に検討を進めてまいる所存でございます。  長時間にわたり、ありがとうございました。御退席くださってけっこうでございます。     —————————————

中村寅太自由民主党

○中村委員長 この際、おはかりいたします。  すでに委員長まで提出され、委員各位のお手元に配付いたしております立法院の決議につきましては、会議録の末尾に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村寅太自由民主党

○中村委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  本日はこの程度にとどめ、次回は公報をもってお知らせすることといたします。  これにて散会いたします。    午後四時三十一分散会      ————◇—————   〔参考〕  決議第一号    沖縄の施政権返還に関する要請決議  沖縄が県民の意に反し米国の施政権下におかれてから既に二十四年の歳月が経過した。  その間、沖縄県民は絶えず祖国同胞と共に施政権返還をあらゆる方法をもって訴え、また本院においても過去十六回にわたり要請決議をしてきたが、その要求がいれられず今日なお世界に類例のない変則的な地位のままに長い間忍従を強いられている。  沖縄はアメリカの核兵器基地とも言われ、またベトナム戦争の前進作戦基地となり、土地問題、軍事演習、米軍関係の犯罪等による県民の被害が後を絶たず、県民の不安はつのるばかりである。  軍事基地の保有を目的とする米国の施政権下においては、県民の基本的人権の完全な保障を期待することはできず、このような統治の継続はもはや容認できるものではない。  沖縄県民は、施政権の返還こそが県民の生活と権利を守る唯一の途であるとの考えのもとに今日まで要求し続けてきた。  また、沖縄の施政権返還の意味するは、民主的平和憲法の下に沖縄の地位を回復する全面返還である。従って核付き返還、基地の自由使用を認めるようなものであってはならない。  よって本院は、沖縄県民の総意を体し、ここに日米両政府が沖縄県民をこれ以上犠牲にすることなく、県民の切実な要求にこたえ、直ちに施政権返還の具体的計画を確立して、その時期を明確にし、すみやかに施政権返還を実現する積極的な措置を講ずるよう強く要請する。  右決議する。   一九六九年四月七日               琉球政府立法院    —————————————  決議第二号    沖縄県民の国政参加に関する要請決議  国政に参加することは、国民の基本的権利である。しかるに、われわれ沖縄県民は、戦後二十四年の長期にわたりその基本的権利が無視され、国政に参加する機会が与えられなかったことは、日本国憲法の精神にももとるものであり誠に遺憾である。  今や沖縄の返還問題は、日米間の最重要な問題となり、国会においても絶え間ない論議がくりかえされている。このような重要な時期に沖縄県民の国政参加なしに沖縄問題を決定することは、県民の意思に反してアメリカの不当な支配に合意したあやまちを再びくりかえすものである。  沖縄県民の国政参加については、日米両政府の合意に達し、すでに国会に提案される段階にある。  県民の国政参加については、国会議員としての資格権限に差別的制限を加えることがあってはならない。  よって本院は、国会が第六十一回通常国会において、何らの差別のない沖縄県民の国政参加を実現するための措置を講じ、もって県民の要求にこたえるよう強く要請する。   右決議する。   一九六九年四月七日               琉球政府立法院

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