運輸委員会大蔵委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 163 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/03/20
会議録
○砂原委員長 これより運輸委員会大蔵委員会連合審査会を開会いたします。 先例によりまして、私が委員長の職務を行ないます。 これより国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案、日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案及び日本国有鉄道の鉄道施設の整備に関する特別措置法案を議題として審査を進めます。
○砂原委員長 各案につきましては、お手元に配付してあります資料によって趣旨は御了解願うこととし、直ちに質疑を行ないます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。只松祐治君。
○只松委員 本法案につきましては、運輸委員会においてそれぞれ専門的な立場から論議がかわされております。本日は合同委員会でございますので、私は若干角度を変えまして、財政問題あるいは首都圏の交通対策、そういう面から討議を深めていきたいと思います。 人口の増大あるいは年間実質一〇%前後の日本経済の急速な拡大、いわゆる経済の成長、こういういろいろなことによりまして、わが国の通信あるいは輸送業務もまた急速に整備、拡大を迫られております。そういう中におきまして、この運輸行政あるいは運輸関係のいろいろな資金需要もきわめて旺盛になってきております。 そこで、いま申すまでもなく資本主義社会でありまして、若干のコントロールは行なわれておりますけれども、ある意味では放任的にこういう面に対する財政の投資、融資等が行なわれております。過去五年前後におけるわが国のそういう輸送業務への財政の投資状況について政府当局からお答えをいただきたいと思います。
○村山(達)政府委員 お答え申し上げます。 過去五年における運輸関係の投資についての御質問でございますが、昭和四十年から四十四年までの五カ年間について手元に資料がございますので、それについて申し上げます。鉄道関係、それから道路関係に分けて申し上げます。 鉄道関係は、国鉄、鉄建公団それから私鉄の大手十四社、地下鉄、このように分けて申し上げます。国鉄が昭和四十年から四十四年までの累計で一兆八千百一億でございます。鉄建公団が二千百五億円でございます。私鉄が三千七百九十一億、地下鉄が四千八百八十五億、合計いたしまして二兆八千八百八十二億。これに対しまして道路関係は五年間で四兆八千四十四億。合計いたしまして七兆六千九百二十六億、かようになっております。
○只松委員 いまお示しになりましたように、軌道関係すべてを合わせまして二兆八千億、それに対して道路は四兆八千億、約倍近くになっております。特にこの国鉄の中には、当然に新幹線のものも入っておるわけでしょう。そういたしますと、この新幹線を除きますと、いわゆる軌道に関する投資額はまだ大幅に減ってまいります。参考までに、新幹線を除いた投資額は幾らになりますか。
○村山(達)政府委員 ただいまの数字から、新幹線約三千八百億くらいだと思っておりますが、その程度を除いていただければけっこうだと思います。
○只松委員 三千八百億を除くと、文字どおり軌道関係のものはちょうど半分になる。道路関係がいかに大きいかということが明らかになってまいります。軌道を中心にわが国の運輸行政を進めていくか、あるいは無軌道、すなわち道路を中心とするバス、トラックあるいは自動車等を中心としてわが国の運輸行政を進めていくか、なかなか議論の分かれるところだろうと思います。どちらがというベター論はありましても、絶対論というものはなかなか容易ではない。しかし現在とっておる運輸当局のお考えはどういうお考えでございますか。
○村山(達)政府委員 いまの御質問にお答えする前に訂正させていただきます。新幹線はオリンピックの年にできておりますので、いまの数字には入っておりません。 ただいま只松委員御指摘の点は非常にむずかしい問題でございまして、いま日本におきます再開発の一番の隘路が交通になっておることは御承知のとおりでございます。しかも都市交通あるいは都市間輸送、貨物輸送、いずれも非常に軌道面におきましても、また道路面においても混雑をきわめているわけでございまして、これからこれの総合的な推進をしてまいらなければならぬと思うわけでございまして、そのうちで特に目立つのが実は国鉄なんでございます。海運につきましても、あるいは道路輸送につきましても、なるほど利用者の面からいいますと、問題はまだ非常に残っておりますけれども、国鉄につきましてはそれだけでなくて、もう国鉄の経営自体が非常にあぶないということになっておるわけでございます。そういう意味からいたしまして、今後各輸送機関別の輸送分野をある程度長期的の視野に立ちまして確立してまいる必要があろうと思うわけでございます。 そういうことから申しますれば、国鉄はもう当然のことといたしまして、第一には、旅客につきまして、都市間の幹線輸送を受け持つということ、第二は、大都市付近における通勤、通学、これはどうしても国鉄にたよらざるを得ない。第三には、貨物輸送におきまして、中距離程度の大量輸送、これが将来国鉄の使命になってくるのではなかろうか、こういうふうに考えまして、それを中心に今後推進してまいるわけでございます。 一方、トラック等につきましては、現在のところトラックの貨物におけるシェアがどんどん上がっております。これはどうしても運賃は比較的高いわけでございますけれども、迅速に行く、それからまたドア・ツー・ドアで行く、これが一番大きな利点になっておると思いますが、将来国鉄との一般輸送の関係を確立いたしますれば、おのずから中距離分野については鉄道のほうにゆだねていくことになりはしないか。 また内航関係におきまして申し上げますと、これはどうしてもスピードはおそうございますが、大量の輸送ができる、運賃が安い、こういうことでございますから、いろいろな原材料であるとかあるいはかさの高い工業製品がそれに適することは当然でございます。おそらく今後出てまいりますのは、長距離フェリーによりまして、もう陸上交通が一ぱいでございますから、そういうものが今後内航方面に移るのではないか。 航空につきましては、これは長距離の旅客輸送が本命でございまして、だんだんこれから世の中が進歩するとともに、おそらく国鉄で三時間以上かかるようなところ、まけても五時間くらい、それ以上のところでは、やはり将来は航空輸送にゆだねざるを得ないんじゃなかろうか、大体そのくらいの荒っぽい考えでおるわけでございます。 なお、いろいろな構想がございまして、たとえばいま企画庁でやっております全総計画といわれるものは、昭和六十年を目標年次とするビジョンにしておるわけでございますが、これはなかなかたいへんでございます。とてもその辺までは、構想の段階でございまして、資金手当てその他の点ではなかなかむずかしいと考えております。
○只松委員 石田総裁もお見えでございますから、いまの問題に関連してお聞きしておきますが、運輸行政の中で、あなたの前の経験のお苦しみから、軌道を中心としたいわゆる鉄道とか私鉄とかそういうものを含むわけでございますが、輸送を中心としたほうがいいのか、あるいは無軌道道路開発等を中心にしたほうがいいのか、お考えを聞いておきたいと思います。
○石田説明員 お答えいたします。 これは輸送需要の性質いかんによることだと思います。たとえば旅客輸送のごとき長距離のものはやはり飛行機によるのがほんとうじゃないか。たとえば東京から北海道へ行くのはやはり飛行機だ。貨物につきましても、長距離についてはやはり船舶だ。しかし、国内における中、長距離の問題はやはりどうしても鉄道によるほかはないんじゃないか。それから通勤輸送のごときについては、これはやはり大量のものでありまして、とてもこれは自動車や何かじゃだめだ。都市に対する通勤というものは鉄道によらざるを得ない。これは日本でもアメリカでも同じことだと思います。要するに輸送需要の性質により、飛行機によるか、船によるか、鉄道によるかということに分かれておるんだというように考えております。
○只松委員 いまのこととうらはらをなしまして、それでは今後いまから五カ年あたりの運輸行政についての財政投融資の計画見通し等がありましたら、お答えをいただきたい。
○村山(達)政府委員 今度の国鉄財政再建促進法によるおおよその輪郭が出ているわけでございますけれども、国鉄の投資が十年間で三兆七千億くらいでございますが、これにつきましては、できるだけ財政投融資でまかなってまいりたい。ことしの例でいいますと、約七二%を財投でまかなったわけでございますが、来年以降もぜひこういうことでやってまいりたい。それから新規工事に対しまして、補助金を昨年度からもらっているわけでございますが、今度の予算編成にあたりまして、工事対象を昭和五十年度まで拡大してもらったわけでございまして、合計で約千二、三百億を再建期間に利子補給金をもらうことになっております。 なお、現在政府から借りております利払いに要する資金がこの十年間で二千六百億だと思いますが、それを十年間据え置き、二十年均等償還という最も長い財政再建債で借りることにいたしまして、それに要する利子、総額で十年間九百七十億くらいでございますが、これも一般会計から補給してもらうことにしているわけでございます。 私鉄その他につきましては、それぞれ開銀のワクがございますし、また海運につきましては、外航船舶についてことし九百十億円という財投をもらっているわけでございます。今後六年間で二千五十万トンくらいを計画して、それぞれおおよその資金の手当てはその限度においてはついていると申し上げて差しつかえないと思います。
○只松委員 建設省か経済企画庁はお見えになっていますか。私鉄あるいは道路関係の今後の投融資状況をお答えいただきたい。
○町田政府委員 私鉄について申し上げますと、四十二年から五カ年で四千四百億の計画をいたしております。それでその事業規模の達成率は四十三年度で九〇数%、一〇〇%程度達成いたしますので、今後あと残ります四十四、五、六の三年間でその残りの分を投資いたしたい、こういうふうに考えております。
○只松委員 道路関係についてどなたかおわかりになる人はおられませんか——おらなければあとでひとつお答えをいただきたいと思います。 こういうふうにいままでの五カ年あるいは今後の投資状況というもの、あるいは政府の融資状況を見てまいりますと、約倍近くがこの道路に投ぜられております。先ほどからお聞きしますように、道路が絶対であるとか軌道が絶対であるとか、この論はむずかしいと思いますけれども、あとでおいおいお話しいたします。たとえば首都圏近郊の過密地帯に対する対策というものを考える場合、私はもっとこの軌道に対する投資を多くしていかなければならないという説を持っておるものでございますが、それはそれとしてあとで聞きますが、こういう中から出てくる効率と申しますか、たとえば東名高速道路ができましてまだそれほど走っておりませんが、あるいは第三京浜国道等を例にとって一つのデータが出ておりますが、この投資に対する効率について、新幹線と対比したものがあったらひとつお答えをいただきたい。
○磯崎説明員 私、国鉄でございますので、一応新幹線のことだけとりあえず御返答申し上げます。 御承知のとおり、新幹線は昭和三十九年の十月一日に開業いたしまして、つい数日前にちょうど二億人の旅客を運びました。投資効率で申しますと、三十九年度、四十年度は一応利子を払い償却費を計上いたしますと赤字でございましたけれども、四十一年度から黒字に転じまして、すでに四十四年度予算まで加えますと約千五百億の償却後黒ということになっているわけでございまして、投資効率といたしましては、私どものほかのあらゆる投資効率に比べまして、数字的に申しましても格段にすぐれている投資効率を持っております。 道路のほうは私どものほうは所管しておりませんので、それに対した数字を申し上げる能力を持っておりませんです。
○只松委員 私もちょっと出がけに急いできて、いろいろな資料を置いてきたわけですが、いま国鉄は特に新幹線の場合非常に効率がいいというお答えがありました。地下鉄もこれに近い一つの数字が出ている。ただ工事費が非常に高くかかる。道路の場合は、たぶん一車に一・五人平均くらい乗って、一時間に一車線千五百台くらいですか、ずっと効率は下がってくるわけなんです。これはきわめて明確な一つのデータが出ておりますから、私がここで申し上げなくてもほぼ御承知のことだと思います。したがいまして、私がさっき言いましたように、基本的に輸送業務に、軌道を中心にするかあるいは道路を中心にするか、この問題は論争のあるところとしてさておきまして、現在のように国鉄が赤字に悩む問題あるいはあとで順次進めていきますが、近郊首都圏等の交通緩和の問題、こういうものをいろいろ総合して考えてまいりますと、私は、国はもちろんですが、開発銀行その他一般の財政の投資ももっと軌道を中心にすべきだと思うわけでございます。我田引水で、石田総裁あたりは特にそうお考えになろうかと思いますが、石田総裁いかにお考えでございますか。あるいはそういうものを総合的に判断される経企庁のほうはどういうふうにお考えになるか、お答えをいただきたいと思います。
○石田説明員 国鉄の立場を申し上げます。 御承知のとおり、終戦後輸送需要というものはえらい勢いでふえていくのにかかわらず、国鉄のこの輸送力の増強というものはそれに沿わなかった。これは私は国会の悪口を言うわけでも何でもありませんが、要するに国鉄が独立採算でもって経営していかにやならぬ。ところが運賃というのはしょっちゅう物価問題をたてにして安く押えつけられる。そこにおいて自己資金がない。そこで輸送力増強がうまくいかなかった。それで輸送需要というものは一方においてしんしんとしてふえてくるにかかわらず、国鉄はその間どうしてあったかというと、路線というものの増強をはからないで、要するに路線の酷使をやったわけだ、同じ路線の上に列車の数をふやす、その列車も車の数をふやす、それでスピードアップというようなことで、非常な稠密ダイヤというものになってきたのです。ところが三十二、三年ぐらいになってくると、もうこれではとてもいかぬ、こういうことで頭をかえまして、そこで年に一千億の予算であるとか、それも三十六年までやって、とてもだめだということで、今度は三十六年から一年に二千億くらいやる。しかもその間に東海道なんというものはもう輸送需要に対する輸送力というものがふん詰まりになる、にっちもさっちもいかぬということで、それで思い切って三千八百億の金をかけて東海道新幹線をつくる、こういうことでやってきたのでありますが、しかもとてもそれでもいかぬということで、四十年から第三次計画として思い切った輸送力の増強をやろうということでやったのが第三次計画で、二兆九千七百二十億ということをやったのでありますが、その間に経費というものはえらい勢いでふえていく、大部分は人件費だ、これは日本の大勢であると私は思うのです。国鉄だけの問題じゃない。それに比べて収入の増というものは、自動車そのほかの競争の結果、増の割合は非常に弱い。たとえば四十三年から四十四年の間のあれを見ますと、収入の増というものはせいぜい七%ぐらい。それに対して経費の増というものは一割二分もふえていく。そこへもってきて、四十年から第三次計画でやりましたこの大きな増資、それは四十年から四十四年までで一兆四千三百億くらいと思いますが、その利息の負担でにっちもさっちもいかなくなってしまった。これは第三次計画をつくった時分の輸送とすっかり変わってしまったものですからして、今度はさらにそれを立て直しまして、四十四年度から向こう十カ年にわたって第三次計画の継続、さらにそれに対する継ぎ足しをやろうということで、三兆四千億でもってやるということで、国鉄というものはいままで輸送力をふやすということはいろいろの関係でできなかったために、今度は思い切ってやらなければならぬ、こういう事態になっておりまして、これをすることによって初めて国鉄というものが正常の形になるのじゃないか。ことに通勤輸送のことについては、これはたとえば三十七年、三十八年、三十九年の三カ年で、たった三百億しかやっていません。これは御承知のとおり都会における人口の集中の結果、その傾向はどういうことになったか、全くこれは交通地獄。それでもう四十年からは、国鉄の独立採算というものに対しては少し無理なことでありますが、思い切って第三次計画においては五千二百億でやった、それでなおかつ——だから、たとえば四十年、四十一年、四十二年で二千六百億ばかりやったのですが、さらに四十四年からにおきましては五千五百億かける、結局八千億程度かける。とても国鉄としては今度は収支が合わぬのですが、そこにおいて財政措置を講じてもらうとかあるいは運賃の値上げをするというようなことになった次第でありまして、これをやることによって国鉄というものはうまくいくのじゃないか、こういうことに考えております。
○只松委員 石田総裁が老骨にむちうって国鉄の再建のために努力しておられることにたいへん敬意を表します。しかし幾ら石田総裁が努力をされましても、いま少し不平、不満の一端を申し述べられましたように、これは運輸委員会ですでに論議を尽くされておりますように、過疎地帯の赤字線その他をかかえる中で、国鉄だけにこの問題を——あとで聞きますが、独立採算制のもとで、しようと思っても限度があることは当然でございます。 それで私は、わが国経済の全般的な問題からではなくて、道路との問題だけでも若干比較していま話を進めようとしておるわけですが、自動車そのものにも、これ以上生産を増大したり、あるいは自動車産業を中心にわが国の経済を伸ばしていくべきかどうか、大いに問題のあるところだし、生じてきつつあるところだと思います。それはそれとして、とにかく道路に対してだけ非常にばく大な投資が行なわれておる。そうして国鉄をはめとする軌道に対しては、新幹線というものができ、東海道から山陽道にかけては、いわゆる西日本にかけては新幹線で幾ぶん緩和が行なわれる。しかし東北のほうなり首都圏近郊というものに——あとで首都圏の問題を論じますけれども、目を転じてくると、極端に言うならば、ほとんど明治以来のまま、いま言われたように、線路をそのままにして線路を酷使しておる、こういう状況だと思うのです。こういう状況は当然に日本の資本主義制度に基本的な欠陥があることはもちろんですが、そういうことを言っても始まりませんから……。歴代の政府特に高度経済成長を行なってきた池田、佐藤政府、経済だけは発展しながら、いま言うように若干の道路はつくっておりますが、それに対応する人員の輸送や貨物の輸送、そういうものをほとんど——一生懸命にやったとお思いでしょうが、私から見るならば、無計画的にある意味では放任されたままできておる。事実東北のほうに目を転じて、どこに新しい路線が一本でもできましたか。東北線の複線化がやっとできて若干列車が増強された。これでも貨物輸送、長距離輸送の増強にはなりますが、近距離通勤者はかえって不便を感ずる、こういう結果になってきておるわけなんです。こういう中で、もっと軌道関係特に国鉄に対して——私鉄の場合は大体過密地帯のもうけるところに発達してきておりますし、つくられております。よほどの例外を除いて赤字というものはないわけでございます。国鉄の場合は全国的なそういう観点から輸送業務をになっておる。そうすると当然に国鉄にもっと独自の財源措置を講じてやる、あるいは投資をすべきだと思うのです。これも答えは、大蔵省においでになった村山さんでございますけれども、次官としては荷が重過ぎるかもしれませんけれども、きょうは原田大臣も来ておりませんし、当然にあなた以外答える人がないわけでございますが、いかなるお考えをお持ちでございますか。
○村山(達)政府委員 ただいま道路と鉄道との問題で、やや鉄道のほうが従来の投資からいって投資不足ではないか、そのことが今日のような結果を招いていることではないかということでございますが、われわれも率直に申しましてそういう感じがするわけでございます。それで、先ほどの道路と鉄道との比較の問題に直接答えることになるかどうかわかりませんが、ちょうど手元に資料がありますので、それについて申し上げますと、これはラッシュ時における首都高速道路の四号線と国鉄中央線の上りのやはりラッシュ時の一時間当たりの輸送人員の比較でございますが、中央線におきましては輸送人員が十六万九千人でございます。これに対しまして四号線のほうは車の台数で三千三百三十七、大体一・五人くらいで計算いたしますと、輸送人員ではラッシュ時において三十分の一以下ということになっておるわけでございます。 なお、採算関係で見てみますと、私の手元にある資料では昭和四十三年度予算でございますが、道路公団は、これは予算数字でマイナス八十四億、それから首都高速道路公団でマイナス五億、阪神高速道路公団マイナス十八億、帝都高速度交通営団でマイナス三億。これに対しまして日本国有鉄道はマイナス千二百二十九億、こういうことになっております。こういったことから考えられる今日の混雑率から言いましても、むしろ通勤通学輸送等を考えます場合、もっと鉄道部門に力を入れるべきじゃなかろうか。幸い今度十カ年計画で国に従来になく補助措置を拡大してもらったわけでございますが、今後ともこの線に沿いまして研究してまいりたい。またお願いすべきものは財政当局にやはりお願いしなければいかぬじゃないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○只松委員 石田総裁、こういう状況の中でも依然として国鉄は独立採算制を貫いていかなければならないのか、また行く考えでありますか、どうです。
○石田説明員 これははっきり申しまして実にむずかしい問題です。通勤輸送のごとき四十年から今後八千億もかけようというのですが、これなんか工事費ばかりかかって、収入というのは御承知のとおり非常に大きな割引をやっているというようなことで、とても引き合った仕事じゃない。さらに国鉄というものが、これまでいわゆる公共負担と称して政府の政策を国鉄の犠牲において公共負担でやってやった。二十四年から四十二年までの間に一兆もの投資をさせられているというようなことで、これは私は始終泣き言のように申し上げるのですが、運賃というものを安く押えつけられておる、自己資金の流入はきわめて貧弱だ。ちょうどこれは慈愛のないおやじが子供に飯を食わせないようなものだ。そこへもってきてこのやせこけた子供に大きな公共負担をかけておる。これではとても国鉄の仕事をやっていくということはできない。そこで私が総裁になりましてから五年になりますが、しょっちゅう言っておることは、公共負担ということで、しかも大きな荷物をやらなければならぬ国鉄に対しては、政府はもう少し考えてくれたらどうかということで、大蔵省もようやくわかってくれたと思うのですが、今度の四十四年度の予算においてはずいぶん思い切った予算措置を講じてくれた。これは表面から言うと四千五百億ぐらいになっておるが、実際の価値は六、七千億になるのではないか。これは先物ですからね。独立採算をしていく上においては、そういうことをやってくれる上において初めて独立採算でやっていくことができるのではないか。いずれにいたしましても公共事業というものに対しては、能率を上げる上からいったら、やはり独立採算というものをどこまでも維持していかなければならぬ。ただそれについては政府がもう少し慈愛の目をもって国鉄を見てくれるということなのであります。
○只松委員 運輸当局はどうです。やはりあくまで独立採算でいくということですか。
○村山(達)政府委員 国鉄は公共企業でございますから、全体としてはやはりみずからの体系でその経費を支弁する、そういう独立採算というものを一つの基準として経営すべきだと思っております。
○只松委員 私は、こういう状況の中で完全な独立採算、企業を独立して責任を持っていくということ、これは当然でございますね。だけれども、財政の面までこういう状況の中で国鉄だけが独立採算制を貫いていくべきかどうか、私は問題があると思う。それならば、本来はもっと私鉄なり何なり、いわゆる軌道だけでも、あるいは都市近郊の運輸行政というのはもっと一元化しあるいは総合化していく。そうでなくてもうける、そういうところは私鉄にまかして、開発や何かも私鉄にまかして、国鉄は単に輸送だけをやる。特に過疎地帯の問題もそこでかかえていかなければならない。といって独立採算制だけを貫けというのは、あとでお尋ねをいたしますが、社会党の場合は今回の運賃値上げ必要ない、こういう論拠があるわけですが、にもかかわらず当局側は運賃を一五%値上げしなければならない、こういうことを言う。この基本は一つは独立採算制ということに論拠を置いておるわけです。しかしそのことはもっと大きな角度から大蔵省当局に慈愛ある態度でひとつというような、石田さんにしては情ない。もっと蛮勇をもって借金するところは幾らでもやって、急速に首都圏の交通緩和や何かはかっていく、そのかわり、財政は財政で、おまえらめんどう見ろというようなことで、ここまできた石田さんとしては、もう少し蛮勇をふるったお答えをいただきたかったし、その仕事をしてもらいたい、なかなか、あなたみたいな形でする人は少ないだろうと思いますから。ひとつ、お答えは要りませんが、ぜひそういう勇気を持って当たっていただきたい。そうでないと、ここまできた国鉄の問題を抜本的に解決することはなかなか困難だろうと思います。 そこで次に、これは単に輸送問題だけではなくて、いろいろな社会問題として問題になってきておりますわが国の過密過疎の問題がある。そういう中で、過密地帯の一つの一番典型的な問題である首都圏の問題について、交通問題を若干討議をしたいと思います。 首都圏の人口が急速にふくれ上がってきておることは御承知のとおりです。たとえば昭和四十年度二千七百万人だったのが、いま二千八百六十四万人、五十年になりますと、三千三百万人をこす、こう言われております。私の埼玉県に例をとりますならば、二百万をちょっとこえておったのが、いまでは三百三十万になる。昭和七十年ごろは、とにかく七百万をこすであろうというふうにいわれております。かつての三倍以上の人口が稠密する県になります。それではそれに対応してどういう路線が引かれたか。京浜線が三複線になりました。しかし急行が通ったわけでもなければ、何にも別に増強されたわけではない。これもあとでお尋ねしますが、いま武蔵野西線ができかかっておる。私鉄として、西武鉄道が一部秩父まで延びている、こういう、全く部分的な問題はありましても、この人口が三倍化したものに対して、輸送、特に軌道の新設というようなものは、抜本的に何らなされておらない。明治の人がよっぽどしっかりしておったわけですね。老骨にむち打って、明治の気骨があると言われておる総裁にしては、私は気骨は壮とするけれども、実際上は明治の人のほうがかえって先見の明があった。やはりもう少し、こういう急増してきておる首都圏に対してはそれなりに、新幹線をずっと遠くまで引くというような計画もさることながら、当面こういうふうに急増する地帯に対しては、一複線増加するということだけでなくて、やはり抜本的な路線対策をしていく、上野駅の移転なり改造なり何なり、そういうことも考えていく、第二上野駅をつくる、こういうことをしない限りは、人口だけ二百万、しかもその当時は貨物の輸送が少ないわけですね、これだけ工業生産が発達してないわけですから。人間がふえておるということは工場もたくさんできて、貨物も増大してきておるということを意味するわけなんです。にかかわらず、道路だけは何本かできております、しかし軌道は昔のままということは、長年運輸行政をやっておる運輸当局あるいは国鉄当局は、単に当面なんとかいたしますとか、いたさないとかいう問題だけではなしに、たいへん大きな責任があると思う。運輸当局、国鉄はそういう点はどうお考えになりますか。
○村山(達)政府委員 お答え申し上げます。 おっしゃるとおり、都市への集中、特に首都圏への人口の急激なる膨張は、実は予想を絶しているくらいでございまして、首都圏の交通の打開につきましては、国鉄、地下鉄、私鉄、全力をあげて最近は投資をいたしておるのでございますが、ようやく混雑率が従来よりも若干緩和される程度でございまして、なお言語に絶するほどの混雑率を示しておるのは御承知のとおりでございます。現在やっておりますことは、先ほど申しましたように、国鉄としては五方面作戦として京浜、中央、東北、常磐、総武の複線化あるいは複々線化、車両の増強あるいは駅の延長あらゆることをやっておるわけでございます。それから地下鉄につきましても、すでにもう十二線まで計画ができまして、昨年におきましても二線着工しておりますし、なお計画中のものが二線あるということでございます。私鉄もまた御指摘のとおり相互乗り入れをやって懸命な努力をしておるわけでございますが、何ぶんにも普通の経済成長をはるかに越えて人間の輸送がふえておるという関係で、なかなか追いつかないのでございますが、今後さらにこういう方面に対する投資をできるだけ拡大するとともに、特にその効率をあげることに全面的な力を入れていかなければならぬと思うのでございます。同時にまたこの問題は、他方は都市計画とやはり密接の関係を持ってまいりますものですから、その方面とも連携をとりながら都市計画の推進に進んでいきたい、かように思っておるわけでございます。
○石田説明員 只松さんから、ただいま言われるようなおこごとをちょうだいすることは、私は当然だと思います。ことに埼玉県の場合においてしかり。とにかく国鉄は通勤輸送というものにつきましては、いままではさっき申しましたように三十七年、三十八年、三十九年、三カ年に対して、たった三百億しか使っておらなかったのを、四十年から五十三年までの間に八千億以上使って思い切ってやる。これは独立採算なんていうものは眼中に置かないでやった最も勇敢なことなんです。ただ埼玉県に関する限りは、どうしたってあれはもう二線なんて、あんなばかなことはないのだ。こういうことはあなたから言われるまでもなく、私は盛んに言ってきたことなんだが、結局、あれは複々線にするというのは、どうも上野駅の関係でできぬ。あそこで首根っこを締められておる。唯一の方法は、いまの十二両編成の列車を十五両編成にするというようなことで、これは近く実行することになっておりますが、それ以上のことは、上野駅にかわるもう一つのターミナルをつくらなければできない。これに対しては、もう費用なんていうものは考えないで、思い切って案をつくってみたらどうか、こういうことにやっておるのでありまして、これはもう言われるまでもなく、できるだけの努力はしておるんだということを御了承願いたいと存じます。
○只松委員 せっかくおいでになっていますから、首都圏整備委員会で、首都圏近郊における交通網、特に軌道の今後の計画、整備状況、それに対応する人口の急増状況をお示しいただきたいと思います。
○鶴海政府委員 首都圏におきます人口の増加趨勢につきましては、先ほど先生からお話のありましたとおりでございまして、昭和四十年に二千九百万程度の人口がありましたものが、今後昭和五十年には三千三百万くらいに増加するであろう。さらに昭和六十年には約三千八百万程度にふえるであろうというふうに考えられております。ただこのふえ方が問題でございまして、このふえる人口の大部分が南関東でふえておる、北関東は過去十年間、トータルで六百万前後で推移しておりまして、最近に至りまして、やっと人口が逐次ふえ出したという趨勢でございます。首都圏におきましては、昭和五十年に三千三百万あるいは六十年に三千八百万人の人口を定住させるためには、やはり人口の配置構造を根本的に考え直さなければいかぬということで、現在の施策といたしましては北関東の開発に力を入れておるわけでございます。そうすることによりましてこの増加人口の配分を少しでも多く北関東に持っていきたいという努力はいたしておりますけれども、しかしながら、そういう努力をいたしましても、昭和五十年の時点を考えますと、やはり大勢は南関東に人口が定着するという趨勢は、現在とそれほど変わらないであろうというふうに見通しをいたしております。 そこで首都圏内の輸送をどうするかという問題になるわけでございますけれども、一つは東京に人口が集まってくるあるいは東京周辺に集まってくるということは、東京を中心といたしましていろいろな産業機能、都市機能が集まっておるということに原因があるわけでございますので、この都市機能の中で地方に分散できるものは分散したいという施策をやっています。これによって通勤交通需要なりあるいは貨物の動きの需要等につきましても、構造は変わっていくものと期待いたしておりますが、特に物的な生産面、具体的にいいますと工場等でございますが、そういうものにつきましてはできるだけ遠隔の地に立地をしてもらうということで、北関東につきましては相当規模の工業団地の開発をやっておる次第でございますが、そのほか物的な流通機能につきましてもできるだけこれを外まわりに持っていこうということで、具体的には現在国道十六号、東京環状といっておりますけれども、その周辺に流通団地といいますか、そういうものの造成を考えておりますし、それから将来は国鉄の武蔵野線等の沿線にそういう施策も考えてまいりたいということで、物の動き、人の動きをできるだけ分散するような方向を考えております。 しかしながら人の動きそのものをとってみましても、昭和四十年の国勢調査では東京区部に区部外から流入する通勤通学人口、これは約百四十万でございます。これは昭和五十年には二百七十万程度にふえるのじゃないかということを予想いたしまして、それに対応するだけの交通施設をつくっていかなければならぬというふうに考えておりますが、通勤通学につきましては、御承知のように道路輸送にたよるということはほとんど不可能でございます。これは首都圏整備委員会といたしましては、鉄道による通勤通学を原則といたして計算をいたしておるわけであります。現在通勤通学人口に対します輸送力が非常に不足いたしておりまして、路線によっては混雑率三〇〇%前後という路線も出てまいっておるわけでございますが、逐次国鉄その他の方針によりまして、混雑率は緩和の方向に向かっております。首都圏整備委員会といたしましては昭和五十年に混雑率を二〇〇%くらいまで下げたいということで検討を進めておるわけでございます。それでいきますと、現在国鉄の長期計画、あるいは私鉄の計画、地下鉄の計画等でいろいろ予定ができておりますが、これができ上がりますれば、かなり緩和されます。ただ北方面につきましては、いま持っております計画だけでは二〇〇%以下に下げるということは困難でございますので、北方面につきましてはさらに増強を五十年度までに考えなければならぬということを考えておるわけでございます。
○砂原委員長 只松君に申し上げますが、申し合わせの時間でございますから結論をどうぞお急ぎください。
○只松委員 いま首都圏の話を聞きましても、短い時間ですから抽象的にならざるを得ないでしょうが、きわめて抽象的で、これといって見るべきものはない、こういう考えがあるという程度ですね。しかし実際上、たとえば京浜東北線に乗りまして、朝乗っても、とてもではない、殺人的です。これが八時までではなくて、八時半、九時、九時半までずっと続いております。帰りも六時前後のラッシュだけじゃなくて、七時、八時までほとんど立錐の余地がない。しかもこれはいままでは都内とか近距離で、荒川を越すとすいておったわけですが、急速な団地造成——埼玉や千葉に人口が急増しておるのは、自然増ではなくて社会増だ。社会増ということは、いまいわれますように、大体通勤者が非常に多い。東京通勤者です。子供も何とか東京の学校に入れたいということやら、施設が東京にあることと相まって、東京への就学率が非常に高まっておることも御承知のとおりです。やがて日本も大学進学率が四〇%をこす、アメリカと同じようになるだろう、こういうことがいわれております。そういうことをいろいろ考えますと、これはとてつもない通勤通学者の数字になってまいる。上尾や越谷程度だったのが、今度は春日部だ、あるいはもっと北のほうまで団地を造成する。これは公団といえども大体政府の意向をくんでそういう形でやっております。またいまの土地政策の失敗からそういうところでないと安い土地が求められない。こういうことで、勢い遠いところに行く。ところが京浜東北線の電車は大宮までだ。したがって今度は大宮から北は全部鉄道にたよらなければならない。さっき言われますように、バスでの運搬というようなものはしれております。 〔委員長退席、大竹委員長代理着席〕 こういうことはとかく通勤がたいへんだ、混雑している、こういうことで済まされておりますけれども、私はこれは別な意味でたいへん重大な社会問題だと思っております。このままにしていくならば、昭和五十年どころか、あと二、三年を待たずして朝晩の乗りおりはどうしようもないという状態になってくる。上尾でも間もなくまた三千戸からの団地がつくられます。こういう状態に対応して、今度京浜東北線が三複線になったわけですが、しかし三複線になって便利になったかといえば、急行列車をよけい通すというようなダイヤ改正によって——これは総裁のところにも磯崎さんのところにも瀬谷君らが持っていったと思いますが、世論調査をやりましても、前よりも不便になった。不便になった原因として、ダイヤの本数も通勤列車が減っておる、こういうことになっておりますね。これはさっき言いました独立採算制からくるもうけ主義というものの一つの典型的なあらわれで、ほんとうに勤労者のことを考えたり、国民のことを考えて、単なる混雑というよりも殺人的になってきておるという問題に対応しようとする国鉄当局なり運輸当局の姿勢がないということだと思うのです。 単に人の問題や社会問題ではなくて、こういう問題に関しては、さっき採算を度外視してやるということをおっしゃいましたけれども、ぜひそれを実行していただきたいと思います。もっと早急に抜本的な対策を立てていくこと、それから当面のそういう抜本的な対策とともに、こうやっていまの三百三十万の人口が埼玉では七百万、千葉でも二、三百万ふえるということになってまいりますならば、どうしても新線を考慮して、上野駅がさばき切れないならば尾久かどこかへ第二上野駅をつくっていく、こういうことを考慮しなければ——とにかく人間だけどんどんふえるのはいたし方ない。いたし方ないだけじゃなくて、社会増的に公団なんかも政府の方針として持ってくる。あるいは筑波学園都市の問題等を考えましても、これが熱海や小田原のように三、四十分で行ける新幹線なりそういうものがあれば、この移転もそう困難ではないだろう。しかし、旧態依然たるままの、二時間も二時間半もかかるというような状態の中で、とにかく研究員や大学の先生に行けといっても、これは無理な話だ。政府のこういう施策を見ておると、首都圏の開発あるいは北方の開発というようなことをいわれましたが、そういう考えやなんかわからぬわけではありませんが、それに対応する交通機関の整備というものは、ほとんどなされておらない。諸外国では、これがもっと合理的で、その都市を開発しようとするならば、先に道路をつくる、あるいは下水道やその他を整備しておいて、それから住宅地域をつくる、こういうことをやっております。日本では、先に何とはなしに学校を持っていったり、あるいは住宅をつくっておいて、どうしようもなくて悲鳴をあげてくると、間に合わせにあちらこちら継ぎはぎのそういうことをやる、こういうことだと思うのです。しかしこれでは、ぼつぼつ人口がふえたりあるいは生産が伸びていっておった間はいいけれども、工場がどんどん郊外へ移動したり、あるいはこれだけ急速に人口がふえるということを考えた場合に、これはたいへんな問題だと私は思うのです。 時間がありませんから、それからこれだけがきょうの主題ではありませんから、私はこの問題はこの程度にとどめますけれども、独立採算制ということもさることながら、運輸行政をつかさどる皆さん方としては、あるいは首都圏の整備その他をつかさどる皆さん方としては、もう少し抜本的にこういう問題に取り組んでいただきたい。ひとつその所信だけをまずここでお伺いをいたしたいと思います。
○村山(達)政府委員 おっしゃるとおりでございまして、首都圏の通勤通学の緩和は、これから全力をあげてやらなければならぬと思っているわけでございます。私は、都市計画、輸送力の増強とともに、真剣に時差出勤というものを考えていかないとなかなかうまくいかぬのじゃなかろうかという気もいたしているわけでございまして、今後は、そういうことの可能性についても十分検討する必要があると思っております。
○石田説明員 ただいまの御質問は、私はごもっとも千万だと思う。 ただ、御参考までに申し上げておきまするが、国鉄は独立採算制であるからといって決してもうけ主義でやっているんじゃないんだ。とにかくさっきから繰り返し申し上げますように、ことに通勤輸送の問題なんかについては、独立採算なんというものはすっかりたなに上げて勇敢にやっておるんだ。ただ一番困るのは、私は埼玉県だと思うのですが、この問題につきましても、いまのような頭ではだめなのでございます。これはやはり全然頭を変えてやるということにおいて初めて解決つくと思いますので、この点はひとつ、きょうお話もありましたので、国鉄の係の者に聞かしまして、どうしたら抜本的に解決できるか、こういうことに、もう少し深くこの問題を掘り下げまして、御要望に沿うようにいたしたいと存じます。 なお、この問題につきましては、これは国鉄だけの力ではだめなんです。やはり道路それから地下鉄というようなことがぜひ必要なんですからして、この方面に対してもぜひひとつ馬力をかけてくださるようにお願いしたいと存じます。
○只松委員 次に、そういうふうで一生懸命苦しい中で通勤をしてまいります。さっきから言いますように、だんだん北のほうは開発されます。首都圏も北のほうを開発したい。そういたしますと、通勤費がたいへんたくさんかかってまいります。ところが、いまの非課税措置は若干上がりまして、三千六百円でございます。三千六百円以上は非課税措置がとられません。したがって、会社でもよほどのところでない限り、大体三千六百円で、この非課税措置の限度内で通勤費が打ち切りになっております。これも税制面だけではなくて、そういう通勤対策なりいろいろな面、私は大蔵委員会ですから、税制面でも、これは別な角度からほんとうは時間があれば述べたいのです。時間がないからその面は述べませんが、どうです。これは国鉄当局ももっと動いて、こういう首都圏の問題や交通問題、いろいろなことを、私がいまほんの二、三申し述べましたそういうことをお考えいただいてもおわかりのように、よほどインチキがなくて——私は定期券でインチキする人は少ないと思うのですが、定期券を買う分は非課税にする、こういうことぐらい国鉄も働きかけておやりになったらどうです。これを私たち社会党が埼玉県で調査をいたしておりますそれを見ましても、通勤者の中の半数、五〇%をこす人々が何らかの形で半分自己負担をしておりますね。これは三千六百円で打ち切られておるから……。中小企業で交通費も出さない、それは少なくなりましたけれども、そういうところから、あるいは三千六百円で足らないものですから、自己負担をいたしております。私たちは、所得税が一番多くて、給与所得者が課税負担が一番重い、そういうことを言っておりますが、その中で交通費の自己負担というものはあまりまだ出されておりませんが、とにかく基礎控除というものをもつと引き上ぐべきだということをいっても、大蔵省がなかなかそう簡単にいかないわけです。そういう中で私たちが今度調査して初めて明らかになりました、いま言うように五〇%をこす通勤者の自己負担というのがあります。そういうことを考えると、思い切って、とにかくこれが四千円になろうが五千円になろうが——交通費が一万円もかかるところはあまりないわけですから、ひとついわゆる基礎控除というものとは別な角度から、通勤費には課税をせず、こういう形で非課税措置をするように、国鉄や運輸当局が努力されるお考えがあるかどうか、どうです。
○村山(達)政府委員 通勤、通学の範囲が漸次拡大してまいりますと、やはり交通費がだんだん上がってまいることはもう当然でございまして、おそらく税制当局もその点を見ているのだろうと思いますが、今後実情に沿うように、無理がかからないように、できるだけわれわれのほうからも通勤費非課税限度の引き上げについて努力してまいりたい、かように思っております。
○只松委員 国鉄当局どうです。もう課税やめたらどうです。
○石田説明員 お答えいたします。 国鉄が運賃値上げをする、そのために利用者の負担が多くなるというふうなんで、その反面において大蔵省がそういう措置をとってくれるということは、国鉄としては運賃値上げの要望を達成する上においては非常な力になるのでありますが、ひとつこの点は大蔵省のほうに極力談判をお願いしたいと思います。 さらに、御参考までに申し上げますが、国鉄が通勤、通学というものにどのくらい一体犠牲になっているか、こういうことなんですが、それは一年に二千二百億ですよ。その点はどうぞひとつ頭に置かれてお考えくださるように特にお願いしたいと思います。
○只松委員 大蔵当局、いま運輸当局が言っているようなことをひとつ抜本的に考えるとともに、とりあえず、これは委員会でやるべきことですが、公務員に対する勧告がなされないとその措置を講じないし、民間もこれに準じていかない。多少遡及することがあっても、その間自分で払わなければならない、こういうことになるわけです。国鉄当局が四月一日から値上げを強行しようとしております。しかし、大蔵省のほうはそれとは別に、おれのほうはおれのほうだというようなことではたいへんな片手落ちなんです。抜本的な考えと、すぐ非課税措置の限度額を引き上げる考えがあるかどうか、ひとつお聞きしておきます。
○細見政府委員 先ほど来お答えいただいておりますように、通勤費の免税措置は、一般の通勤着が通常必要とする交通費は非課税だということにしております。その場合……。(「一般が多くなったんだよ」と呼ぶ者あり)ですから、そういうふうに一般の通勤者が通常必要とする通勤費は、おそらく運賃が値上がりすればその分が上がってくるだろうと思います。ただしかし、国鉄のほかにも私鉄を利用しておる方もありますし、いずれにいたしましても、どの額が一般に妥当な額かというのは、私ども税務当局が判断するのは非常にむずかしいことでございますので、これはそうしたものの専門家である人事院のような権威ある機関の裁定に従いたい、かように考えております。
○只松委員 何か言うと、すぐ委員会だとかどこかの裁定とかなんとか言うが、そういうことを言っているのじゃなくて、大蔵省当局の考えを聞いている。時間がありませんから、私はこの問題は自分の委員会でまたやることにいたします。 最後に運輸当局と、せっかく社会党の久保さんもお見えになっておりますから、お答えをいただきたいと思います。私たちのあるいは国民の強い反対にかかわらず、皆さん方が強硬に運賃値上げをされようといたしておる。かりにこの国鉄の運賃が上がるとするならば、待ってましたとばかり私鉄なりバスなりあるいはタクシーなり運送トラックなり、いろいろなものが値上げを申請してくることは必然であります。もう現に行なわれております。皆さん方はそういうものに対していま何とかかんとかことばを濁しておられますが、実際上は国鉄に準じた措置をとる、こういうふうにお考え、あるいはやむを得ないというふうにお考えでございます。それに対応して社会党のほうでは、当面いろいろな冗費の節約や、こういう計画をすればとにかく値上げを必要としないのだ、物価の値上げはこうやって阻止することができるということを、具体的に対案としてお持ちでございます。これはきわめて対照的なものでございます。社会党の値上げをしない明碓な理由をひとつお示しいただきたいと思います。 いまの点については、経済企画庁でだれか責任者がお見えになっていたら、あわせて運輸当局ともにお答えいただきたい。
○村山(達)政府委員 私鉄その他の国鉄以外の運賃の値上げ問題でございますが、目下申請が行なわれ、それを集計し、その内容分析をいたしているのでございます。今度の予算編成の方針にもありましたように、最近における消費者物価の高騰にかんがみまして、できるだけ抑制の方向で考えたいということは間違いございません。ただ、何ぶんにも私企業でございまして、そしてまた私鉄にいたしましてもその他にいたしましても、やはり利用者の便益をはかるあるいは国民経済上与えられた使命があるわけでございます。したがいまして、今後その使命を遂行してまいる上におきまして、はたして企業の財政的の見地から可能であるかどうか、こういう点は十分考えねばなりません。そしてまた競争線がある場合に異なる運賃ではたして経営を、しかも赤字を強要しながらやらせることができるであろうかどうか、こういう点も考えねばならぬと思うのでございます。まさに問題は、その具体的な解決をどうするかということでございまして、目下そういう点、各方面に配慮いたしまして慎重に検討している段階でございます。
○久保議員 お答えします。 お尋ねのいわゆる社会党案、これは国鉄の再建に対して運賃値上げは含んでおらない。その理由を明確に述べろというお尋ねであります。たいへん長時間かかるかもしれませんが、かいつまんでお話を申し上げたいと思うのであります。 すでに御案内のとおり、国鉄の経営悪化の原因は外的な条件あるいは内的な条件、大まかに分けて二つある。そのうちの外側のほうでありますが、一つには国鉄が独占性を失ってきた。失ってきたというのは、陸上交通機関としてまず第一に輸送力の不足が訴えられているということ、もう一つは積極面に欠けている、いわゆる近代化がおくれているという二つの面が輸送力の面からはあると思うのです。これはいまさら申し上げるまでもなく、只松委員御承知のように、いまもお話の中にありました輸送力の不足という問題があります。通勤輸送一つとっても、もう一つ通勤輸送ばかりじゃなくして、最近における列車の込みようを見ますと、長距離のほうでもなかなか完全に座席を確保して行くなんというのはそうやさしいものではないというふうになっている。それから貨物輸送でありますが、貨物輸送は車扱いと込み扱いと二つございますが、たとえば車扱いのほう一つ見ましても、荷物を送りたいから貨車を回してくれという要求をしましても、きょう要求したらあした来るかと言ったら、そんな手早くは今日来ていないと思うのです。この現象は、言うなら終戦直後から今日まであまり改善されていないということだと思う。もう一つ、貨物そのものをとりますれば、両端における結合輸送というか、そういうものにも問題があるし、あるいは途中におけるダイヤの組み方あるいはヤードの作業、こういうものも近代化していない。そのために現在の経済機構の中でその要件を果たすことができなくていると言っていいと思うのです。 もう一つ大きな問題は、国鉄ならずだれでもよく知っているとおり、いまも御論議がありましたように、一口で言うと公共負担の問題があります。これは言うまでもなく、通学の定期を安くしているということを一つとりましても、文教政策上必要なことでやっておるのであります。あるいは通勤定期にしても社会政策上の問題がある、あるいは産業政策上の問題でしょう。あるいは農林水産物資の暫定割引その他にしても、これはいうなればそれぞれの国家の政策実行の手段として国鉄の機能を使っているわけなんです。これは決して非難すべきことでなくていいことだと思うのであります。そのためにこそ国鉄が国鉄たるゆえんでもあるかもしれません。しかしながら、お述べになったとおり独算性のワクでこれをやるというのはどういうことになるかというと、いうなら普通の切符を買って乗る人が貨物の赤字やあるいは定期の赤字、国家の政策実行のための税負担というか、そういうものを負担していくということになるわけであります。 そういうことでいいのかというとこれはだれもいいとは言っていないと思うのであります。その解決の道はというと、解決の道はちょっとも示さぬ、そこに問題があると思うのです。今度の九百十億かそこらの運賃値上げも、御承知のようにゆがんだままで値上げしようとする。これはもちろん物価政策上問題があります。お述べになったように、これは国鉄がいわゆる機関車となって私鉄その他の交通機関の値上げを引っぱっていく、その牽引力になろうというかっこうですね。当然そうなると思う。そういうことははたして今日の物価政策上いいのかどうか。 もう一つは、もしも上げぬというなら、経済企画庁長官のようにこれは押えますというきつい決意でいるとするならば、総合交通政策上ゆがんだままで、特に都市交通はこの先矛盾をはらみながら進んでいくということなんです。そうなった場合には収拾がつきません。残念ながら輸送力の適正な配分じゃありませんから、そういう総合交通政策上からもかかる運賃値上げはすべきでない。 国鉄内部だけの問題ですが、貨物運賃は値上げができないから、いわゆる総収入の一〇%上げようとしたのだが、貨物ができないから、旅客だけ平均して一五%上げよう。そうなりますと、これはなるほど当面通用はするかもしれませんが、私の予想では一五%値上げが完全に目標どおりいくかというと、実際はいかない。そういう国鉄の体質にいまなっているのです。企業内の相互補助という作用、いわゆる運賃の弾力性は硬直化しているのですね。そういうものを考えないで、算術計算で貨物が上げられないから、一五%旅客だけ上げるというのはごまかしであるということを反面考えるわけであります。 それからもう一つは、貨物運賃が上げられないということが、国鉄企業のいわゆるいびつな、歪曲した曲がった姿なんだ。そのままでこの問題を処理することはいわゆる国鉄の再建ではないということになる。再建じゃありませんよ。これはちっとも再建にはなりません。国鉄が撤退作戦をとるための一つの便宜作戦ならば聞いていきましょう。しかしながら、いままで提案理由その他でお述べになったとおり、国民経済的に将来ともそういう見地から国鉄は発展させるんだというならば、これはうそであります。だからそういう観点からいってこれはやるべきじゃない。 それから公共負担は年間約九百億くらいあります。これはいままで、国鉄の計算でいわゆる公共企業体になってから今日までで、昭和二十四年以来約二兆円公共負担があると思うのです。これは国鉄が背負うとか一般の乗客が背負う筋合いのものじゃないのです。だからいままでの背負い方をどうするか。背負ってきたから現在国鉄では近代化もおくれ、輸送力の増強もできないという一つの理由になっていると思うのです。いわゆる資産食いつぶしで今日まできたのであります。資産を食いつぶしたのはだれかというと、日本経済なんです。日本経済はだれが持っているのか。これはもういわなくてもわかるとおりであります。そのものがまず第一にこの日本の国鉄を整備する義務があります。これから乗る一般のお客が負担する義務はどこからいってもありませんよ。だからそういう負担の側からいっても、この際は運賃値上げじゃなくて、一般財源から当然とるべきじゃないかというのが私どもの考え方であります。 舌足らずでありますが、それじゃ財源はどうするのかというお尋ねがあると思うのですが、なるほどいままさに参議院予算委員会で予算は審議中であります。自然成立という法律の規定もありますから、遠からず成立するでしょう。そうなった場合には、四十四年からわれわれは大体五十年まで七カ年間で再建をはかろうということであります。新規の投資は大体二兆八千億、年間四千億、新幹線の建設は別ワクであります。御承知のように、先ほどお述べになったように、政府当局の口頭での御説明は十カ年間で三兆七千億、これは新幹線を含む、新幹線はおそらく八千億くらい入っております。その中に一般のいわゆる都市間旅客輸送などということが四千億から五千億、一年間に四百億か五百億しか投資しない。ところが、都市間輸送で国鉄は赤字になっているのです。閑線、亜幹線が赤字の大半である。赤字の計算からするならば、いままさに国鉄を再建する、経営の問題からいっても赤字を黒字にするのはどうしたらいいか。いま赤字であるところの、たとえば山陰線もあるだろう、あるいは日豊線もあるだろう、そういう長大な線を近代化する、そして黒字に転化させることですよ。そうすることが経営を好転すると同時に、国鉄が国鉄たる使命が達成できる道なんです。だからそういうところへ投資しなきゃいけません。だから新幹線をわれわれは否定はしませんが、過去において御承知のように第二次長期五カ年計画で、新幹線完成のために、既設線区の近代化、いわゆる輸送力増強のおくれたことは御案内のとおりであります。そのしわ寄せが今日きているわけです。だから新幹線は新しい国土計画の中で十分考えていかなきゃならない。ただむやみやたらに新幹線を引っぱればいいという問題ではありません。総合交通政策をまず第一に樹立して、その中で新幹線を考えていかなきゃならぬ。ところが、いまだに政府は新幹線を中心とするところの総合国土計画というのは立てておりませんよ。文章には書いてあります。しかし、それは確たるものではない。 御承知かもしれませんが、昭和三十九年池田内閣は、いわゆる交通基本問題調査会に対して、日本におけるところの総合交通政策はいかにあるべきかの諮問をしています。そして答申が出ました。いま論議しているのはみんなそれと同じなんです。政府は全然やっていないということなんです。だから今度の提案にしても財政再建促進特別措置法案にしましても中身は何もありません。何のための運賃値上げであり、何のための再建であるかわからぬ。基本方針は法律が通ってから運輸大臣が国鉄総裁に示す、具体的に計画は国鉄総裁がきめて運輸大臣に出す、まずかったら大蔵大臣その他から異議を申し立てて修正を求める、これだけの話なんだ。中身はちっともわかっていませんよ。そんなものを目標にして運賃値上げを含むところの再建計画を認めるわけにはいかぬと思う。だから私は十分論議してほしいと思う。私の話は発展したようでありますが、まだたくさん言いたいことがあります。しかし、限られた時間でありますから私はそう長くは述べませんけれども、真剣に考えてほしいと思うのです。 それから先ほどの財源につきましても、途中から話がおかしくなりましたが、財源はいまの体制の中でもやろうとすればできるんですよ。われわれは何もばかの一つ覚えのようなことは言いません。国民のためになり、しかも目的がきっちりしているものならやむを得ません。建設公債でも何でも発行して助成するのがあたりまえだと思うんです。われわれはそう思っておるんです。それをやろうとすればできるんですよ。ところが、ある政府委員あるいは説明員の中には、あの運輸委員会における自民党委員の質問に答えて、金は天から降ってくるものではないというように答弁をしている。ふざけるんじゃない、まじめに答弁しているのかと言いたいんです。なるほど金は天から降ってくるものではない。ところが、この運賃値上げに反対して、国家から金を出せというのは一部少数の意見だというが、これは国民に聞いておるのかどうか。大半の者はわれわれの主張どおりだと思う。決して矛盾はない。そういう勇気がなければ物価一つ押えることができないと思うのです。真剣にやっているのかどうか。これは時間にとらわれることがあるでしょう。しかしながら、真剣に考えてやるべき筋合いのものであって、単にたてまえや筋だけでいくべきものではないというふうに私は思います。明確さを欠いているかもしれませんが、どうぞ御了解をいただきたい。 国鉄経営が悪化していることは現実でありますから、国鉄経営の現実についての認識はこの部屋におる者全部が同じだと思うんです。その原因もわかっておる。原因がわかっていてなぜこういうふうにその方法が違うかというところに問題があると思うんです。これがこれまでの政治でない政治が行なわれてきた原因であります。明確さを欠いています。どうかそういう意味でわれわれの案を十分御検討いただきたい。運輸委員会における自民党の質問はもう終わったようなかっこうでありますが、まだ自民党の諸君からは一言もお尋ねがございません。残念でたまりません。私は決して私どもの案を固執するものではありません。しかしながら、真剣に取り組むならばほんとうに質問してほしいと思うのです。そういうことを要望しながらお答えにかえます。
○只松委員 短い時間ですから久保さんの発言は具体的な問題に触れることができなかったと思いますが、対案として、値上げの必要はないというわけでございますから、運輸省当局も国鉄当局もそれをひとつ十分御勘案いただきたい。ことしの税の自然増収を見ましても、一兆二千億のうち所得税が五千八百億で約五〇%近く、年末の自然増収はおそらく二千億くらいあるでしょうが、こういうものを含めますと五〇%をこすが、ほとんど勤労者による税の自然増収です。こういう中でいまお話しがありましたように、国鉄運賃を値上げして九百十億くらいのものは——これもまた国鉄に乗るような人は大体ほとんどが勤労者というふうに見ていいと思うのです。こういうことを考え合わせますならば、財政投融資がいいのかあるいは直接国家財政予算の中から組み入れていくのがいいのか、いろいろ論議があるといたしましても、とにかく予算の組み方というものもあると思います。時間がありませんからそれ以上は申しませんけれども、ぜひひとつ社会党の久保さんの言っていることも勘案して運賃値上げをやめ、さらに、いま中途はんぱな答弁がありましたが、最後に一つ聞いておきます。 かりに国鉄運賃が上がっても、そういうバスや私鉄や何かは——がしかしというような、そういう中途はんぱなことは要りませんが、上がっても絶対に上げないのか、そういうことならば上げるのか、久保さんの意見を十分取り入れられることを要望するとともに、最後にそのことを重ねて運輸当局にお聞きしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○村山(達)政府委員 政府の今度の国鉄十カ年計画遂行の考え方といたしましては、現在におきます運賃のレベルそのものがどれくらいであるか、及ぼす影響も考えまして、もとより国鉄も合理化をはかってまいり、また一般財政からもできるだけの援助を仰ぐとともに、利用する人にも一部負担していただきたい、こういう考えでいっているわけでございます。 なお財投につきましては、只松先生御案内のとおり、全体の中で三兆七百七十億でございますか、非常に苦しい。それで各方面やっているわけでございますが、国鉄がその中で約一割に相当する二千九百億を使わしてもらっているのでございます。この辺がまさに各方面を考えてのバランスの問題であろうと私は思うのでございます。 それから最後に、私鉄その他についてはどうかと申しますと、上げる必要がないかどうかをいま検討していると申し上げる以外にないのでございます。
○大竹委員長代理 広瀬君。
○広瀬(秀)委員 運輸大臣がまだ来ておりませんので、若干数字の問題について聞きたいと思いますが、その前に、今度の国鉄運賃法の改正を、まず閣議決定をしてしまったあとで公聴会をやられて国民の意思を聞いたという、こういうべらぼうなことが行なわれている。これは今度の国鉄運賃の基本的性格を物語るものだと思うのですが、その中でほんとうに家庭の主婦なんかが、これ以上物価が上げられてはたいへんだ、国鉄運賃が上がれば必ず物価に響いてくるということで、家計のやりくりももうつかなくなりますよということを涙ながらに訴えたということが、漏れ伝えられておるわけであります。しかもそういう庶民、国民大衆の気持ちというものを聞いてから閣議決定するならいいけれども、閣議決定をしてしまって、もう出すんだという前に形だけそういうことを整えたというようなやり方でやったということを、私どもは伺うわけでありまして、今回の運賃値上げというものは国民大衆の気持ちを無視しているんじゃないか。国民大衆はいま物価の問題も当然のことながら、さらに国鉄に対して要求していることは、やはり楽に乗れるような国鉄にしてもらいたい、朝夕の通勤ラッシュなんかでほんとうに国鉄の職員があと押しをしてやっとこ詰め込むというような形、あるいは安全な輸送でありたいということ、安い料金で乗りたいということ、これはもう国民が国鉄に対してずっと持ち続けてきたきわめて素朴な要求だと思うのです。これは切実な要求なんですね。国鉄にそれを期待する、国鉄は国鉄の名においてそれを実現をしていく、こういうのがたてまえだろうと思うのですが、今度の運賃値上げはそういうものが全く無視されているんじゃないか、こういうことをまず感ぜざるを得ないわけです。これは大臣が来ておりませんから、政務次官からその点について一体基本的にどういうようにお考えなのか、お答えをいただきたいと思います。
○村山(達)政府委員 閣議決定とそれから公聴会の時間の順序を無視したと言われますとまことに困るわけでございますが、もとより国鉄はもうけ主義でやっているわけではございません。いわば一種の国営でございます。ただ事業の性質上、独立採算制をたてまえにしておるということでございます。利用者の長い目で見た利益を十分考えましてやっていることには違いありません。なお閣議決定は、国鉄運賃の物価に及ぼす影響あるいは利用者に及ぼす影響、こういう点がございますから、まずその点をはかったにすぎないわけでございまして、所定の手続で公聴会をいたしておることはもう当然でございます。
○広瀬(秀)委員 そういうことで時間を多くとりたくないのですけれども、しかし、真に国民の願いというものを運賃問題について聞きたいというのなら、まずきまらぬうちに——もう閣議決定されればそのまま国会に出されるというのが、今日の政治の姿からいって既定の事実みたいなものです。既定の事実をつくっておいて、あとで形だけ国民の意思も聞きましたというようなことをやったって、そんなものは国民の意思を聞いたとは——絶対にそういうもので出た貴重な意見というものだって、取り入れられる余地のない段階でということになるわけですから、こういうばかなことはまさに今度の国鉄運賃値上げを非常に強行するという印象を、国民すべてに与えていると思うわけであります。いまの答弁では満足できませんが、その点はあえてこれ以上質問はいたしません。そういう政治のあり方については反省を願いたいということだけ言っておきます。 それから、先ほど国鉄整備法案に関して提案者の社会党の久保委員からいろいろお話もございました。それで、国鉄の赤字が非常に大きく出ている。三十九年に赤字に転換をして三百億、四十年に千二百三十億、四十一年度六百一億、四十二年度九百四十一億、四十三年度では大体千四百億出るだろう、こういうようになっておるわけであります。したがってこういうことについては、これは国鉄の財政がきわめて悪化している、こういうことは数字の上でもはっきりいたしておるわけです。累積赤字が昭和四十二年度で千四百七十七億円あるというのですが、これは四十三年度ではこの累積赤字はどのくらいになる予定でおりますか。これは副総裁でけっこうです。
○磯崎説明員 経常の累積赤字はいわゆる償却後の損益になりますが、四十三年度末で約千三百億というふうに推定されております。
○広瀬(秀)委員 この赤字が出た原因については、先ほど只松委員の質問に対して総裁も答えらたわけです。こういうように国鉄財政が悪化した理由については、財政再建推進会議などでもいろいろなことを申しておるわけであります。まず輸送構造が変わって、国鉄の輸送に占める独占的地位がかわった。モータリゼーションであるとかあるいは内航船舶輸送が非常に活発化したとか、航空機が国鉄の有力な競争関係に立ったとか、いろんなことがあります。しかし一番問題なのは、国鉄が戦争時代にはほとんど投資がなくて徹底的に、先ほど総裁もおっしゃいましたけれども、いまある線路を百何十%も使って、線増などをやらずに酷使に酷使をした、こういうことがあって、そういうものに対する復興というようなものもほとんど国鉄の自力でやってきたというようなこともあったり、そうしてまたそういうようなことでそれが非常に不十分であった。しかも今後新しい時代の要請にこたえてどうしても国鉄を近代化しなければならない。いわゆる近代化投資、合理化投資というようなものを巨額な金でやらなければならぬということになった。しかもそれが自己資本ではやれないということ。したがって他人資本に依存した。こういう問題に対する今度は元金の償還、利子の負担というようなものが加速度的に強まってきた、そういうように考えられるわけです。最も大きい国鉄財政悪化の原因は、やっぱりそこだと思うのです。しかもそれに対しては財政援助もなかったということ、こういうことだと思うのですが、その点ひとつ総裁から……。
○石田説明員 御承知のとおり国鉄は、四十年までというものは輸送力の増強などもきわめて貧弱であった。投資などろくすっぽやれぬ。結局どうしてもやらなければならぬという、せっぱ詰まって始めたのが四十年からの問題でありますが、その間、収入の増というものはきわめて鈍い。そこへもってきて、三十九年から始まった人件費の増というものが大きな原因をなしまして、経費のほうは非常にふえていく。その結果、収入からいえば一年に七%ぐらいの増。しかも経費は一二%以上の増ということで、収支が償えなくなってきている。そこで自己資金をもってしては輸送力の増強というものはやることができませんので、借金でやらなければならぬ。借金をやれば利子を払わなければならぬということだ。どうしたって国鉄では、通勤輸送のごときに対しては思い切ってやらなければいかぬということでやった結果、借金が非常にふえる、利息がふえた。いかに利息がふえたかということを数字で申し上げますが、三十九年においては三百八十六億。それが四十年においては六百四十六億、二百億以上のふえ方だ。それから四十一年においては八百三十五億にふえる。四十二年においては千十二億、四十三年においては千三百億以上にふえる、四十四年においては千五百億以上にふえる、こういうようなことで、利息の負担というものは非常な大きな問題だ。 それでさっきから運賃の値上げという問題について非常に御意見がありましたが、経済企画庁などは、運賃の値上げということによって〇・二%の物価アップになる、だからけしからぬ、こう言うのですが、私はこれはあまりにも考えが簡単明瞭じゃないかと思うのだ。ということは、それはなるほど数字からいけばそうだけれども、何もわれわれは運賃値上げをやってその金をたらし込むのではない。それはみんな輸送力の増強に使われる。輸送機構の強化ということは、それだけ物資の流通というものが円滑、活発になるということにおいて、需給の上において貢献するところ相当のものがあるのではないか。経済企画庁あたりのいうところによるというと、つまりこれによって生産の増加ができる、こういうことになればサプライがふえる、物資の供給がふえる、こういうことなんだから、私から言わせれば、この運賃の値上げによる物価に対する影響というものは、〇・二%からXを引いたものだ。ところがこのXというものは、ことによると二%より上かもしれない。いずれにしても二%そのままでなくて、少なくともこれより少なくなるのだ。これによってさらに輸送力が増強すれば、通勤輸送なんてああいう交通地獄というものが改善されるということになれば、これは目に見えないところにおいて非常に大きなプラスじゃないか。だからして運賃値上げ即物価問題に影響するというようなことは、これはもう少し深くひとつ考えてみる必要があるのじゃないか、こういうのであります。 さらにこれはあなたからの質問ではありませんで、久保さんの御意見だが、運賃値上げなんてやらぬで大蔵省に出してもらったらいいじゃないか、こう言われるのだが、大蔵省はいまだかって見ざるような非常な恵みの手をくださった。これは私はさいふのひもを締めることにおいてきつい大蔵省が、よくあれだけ思い切ったことをやってくれたものだ、今日までこれをするについての公共負担だとか何とかいうことはありますが、これについては一体国鉄というものは弱かったのだ、なぜこういうことを初めからいわないのか。そこに国鉄というものの非常に考えなければならぬ弱点がある。そういうことは自分の怠慢というか弱いというか、そのことによってやらないでおいて、そして大蔵省にひとつさらに出してくれ、いま以上に出してくれというようなことは、いかに厚顔な私といえどもちょっとこれはちゅうちょせざるを得ない。いずれにしてもこれについては利用者というものも相当に利益を得るのですからして、利用者も負担したらいいじゃないか、こういうところにほんとうの公平というものがあるのではないか、考え方はこういうふうに考えますので、運賃値上げというものに対しては、社会党がずいぶん声を大にして御反対のようですが、この点はひとつお手やわらかに願わなければならぬ、こう思います。
○広瀬(秀)委員 総裁の答弁をお聞きしたわけですけれども、総裁になってから、総裁がいまおっしゃったような立場で常に強硬な発言をなさりながら、政府に要求をしてこられた。このことはりっぱであったし、私は敬意を表するのです。しかし三方一両損ということばが昔からございますが、今度そういう大岡さばきみたいなかっこうで、受益者、国民も負担しなさいということで運賃値上げをやる、これは九百十億ですよ。国民大勢いるのだから九百十億くらい何だというお気持ちかもしれぬが、九百十億です。政府は一体昭和四十四年度で幾ら出すのですか。孫利子というようなややこしいことまで含めてわずか八十何億、三億くらいのものじゃないですか。政府はそれくらいのことだ。そしてもうこれくらいの措置をやっていただけば、国鉄の財政推進会議がいったような十年間——いいですか、これ以上運賃値上げは十年間にやらないで、そしていまの大蔵省のやり方、ことしそういう財政再建交付金だとか、あるいは孫利子の十三億だとかそういうようなもので、その程度の補助金がこれからついていくということで、国鉄財政はほんとうに立ち直るという確信がおありなのですか、そこらのところをひとつ聞かしてください。
○久保議員 先ほどの国鉄総裁の答弁には提案者である私の意見にも触れております。一応誤解があるといけませんので一言申し上げておきたいと思うのであります。 いま広瀬委員おっしゃるとおり国鉄総裁がおっしゃるほど大蔵省——大蔵省というのは政府の一機関であって、われわれはもう政府というものを頭に置いて考えなければいかぬと思うのですね。どうも国鉄総裁は近来まれな名総裁でわれわれも常日ごろ敬服しているのでありますが、どうもこの問題になってからは少しくスケールが小さいのではないかというふうにも私は考える。これはいろいろ御苦労もあるのでたいへんだと思うのでありますが、しかしいまのおことばで、大蔵省はずいぶんよくめんどう見てくれたなんていうのは、国鉄総裁という立場があまり軽過ぎるのではないかと私は思うのであります。そういう軽い重いは別にして、大蔵省がめんどう見てくれたなんてばかな話はないですよ。いま広瀬委員おっしゃるように孫利子は十三億ですね。ことし全部やったって一千億ちょっとくらいです。結局財投は最初予算の概算要求の際に、一応きまったワク内から四百二億をそれに振り当てただけなんです。だから決して前進でも何でもないです。しかしないよりはましだという程度です。十年間、いわゆる再建期間据え置きだ、これは前進かもしれませんが、それ以後二十年間これは払っていくのですよ。やはりそのころお互い国鉄に関係したり国政に参加しているかどうかわかりませんが、払っていくのでありますから、これはあとのことまで計算できますかということであります。これは生きものでありますからなかなかむずかしい。だからわれわれは、いまの世界においてなすべき最大の努力をやはりしておいて、次の世代に引き継ぐという心がまえがなければ政治じゃないと思うのです。あとは野となれ山となれ式ではいけません。金さえつじつまが合えばいいなんという経営はだめです、国鉄では。それが証拠に、金さえめんどう見てくれればいいのだという話もあったのでありますが、めんどう見てもらったというが、財投はだんだん少なくなって、一般の借り入れ金が多くなってきた。最近やや反省してきて、それを逆転しようとするのでありますが、毎年の利子の払いが約千五百億ぐらいありましようか。このうちの大半は一般金利ですよ。 それで今度は、建設資金に対して去年から、いわゆる六分五厘を超過するものについてのみ利子補給をすることになっております。海運再建ではどんな程度であったでしょう。海運と国鉄では比べものにならぬかもしれませんけれども、いずれにしても、ものの判断の一つの基準にはなるわけですね。これは四分あるいは五分ですよ。しかも、六分五厘を超過するもの、これは、いわゆる財投並みに扱おうというだけのものです。そんなものは前進でも何でもないです。ただ、ないよりはましだろうということです。七十三億と十三億と合わせて八十六億かそこらが、ことしの政府からの純然たる出資であります。国民は九百十億の値上げに甘んぜざるを得ないということです。私さっき言ったように、物価政策ばかりじゃなくて、交通全体、国鉄全体からいって、好ましい姿じゃないというのですよ。いろいろ総裁のおっしゃることもよくわかりますけれども、ただ、当面たいへんな進歩だと言う、進歩でも何でもないのですよ。だから、その辺をひとつ考え直していただきたい。国鉄総裁に私のほうからもお願いしたいのです。 以上、お答えになりませんが、誤解のないように一言発言を求めたわけです。
○石田説明員 まずもって久保さんに申し上げますが、あえて大蔵省の代弁につとむるわけじゃありませんが、私は、久保さんはちょっと間違っておるんじゃないかと思うのです。四十四年における補助というのはきわめて貧弱ですよ。しかし、大蔵省が国鉄に補助してくれるということは、何も四十四年だけのものじゃないんだ。向こう、つまり十カ年計画においてどのくらいの補助をするということなんで、これを計算してみると、九百八十億、それからそのほかに、六分五厘にするということによるやつが千二百五十億、それから毎年払う利息をたな上げする、これが千四百七十億。しかもこれは、私は大蔵省は実によくやってくれたと思うのですが、十年据え置きですよ。そうして二十年払うということなんです。だから、実際、千四百七十億というのは、計算してみれば、利息を勘案しますと倍以上の価値があると思うのですよ。ということで、これは決して小さな問題じゃない。いわんや大蔵省のような、これまでさいふのひもを締めることについて強かりし大蔵省が思い切ってこれまでのことをやったということは、私はよほどのことだと思う。きのう経済企画庁長官が、大蔵省はこれだけのことをやってくれたんだから今後もさらに見てくれるだろう、こういうことを言っておるのですが、私は決してそれほどは期待しませんよ。期待しませんが、とにかくこれまでやってくれたということは、私はこれはほんとうにへきれき一声、かみなりさんじゃなくて天から降ってきたのだ。そういうことをやってくれたんですからして、利用者もこの際一部負担するのがいいんじゃないか。(「国民の税金だよ」と呼ぶ者あり)そこで——国民の税金ということばは、国民の税金の犠牲において利用者がうまくやるということだ。これはつまり利用者も負担し、税金も負担する、両々でいくということに公平の原理があるのじゃないですか。 そこで私はさらに広瀬君に申したいのですが、実は一体兼業ということはこれは国鉄ばかりではないのですよ。私鉄だってそうなんだ。これはある時期がくれば運賃値上げをするというのは宿命的のことですよ。いわんや、いまのようにだんだん経費というものが人件費等でうんと上がっていくという場合に、この運賃というものは上げざるを得ぬでしょう。たとえば私鉄なんというのはいま不動産ですからね。デパートなんというものは、これはもうけが大きいのです。たとえば去年あたり見ると、そのサイドラインのもうけというものは百五十億以上ある、鉄道のもうけというものは百三十億ぐらいしかない、こういうのですからね。あの不動産にしたって、デパートのもうけだっていつまで続けられるかこれは問題だ。そういうのが国鉄と同じような立場になったら、それから何年の間苦労して、どうしたってこれは運賃値上げをさざるを得ない。いわんや新しい線を敷いて輸送力を増強するなんという、こういうことは私鉄ではたいへんな問題ですよ。私は私鉄の弁護をするわけじゃないが、これはやはり国鉄の身になって考えてみると、私は私鉄の要求するのはあたりまえだと思うのだ。 それで、さらに一つ広瀬さんに申し上げたいのは、国鉄というものは赤字線の経営だとか、いわゆるずいぶん公共性のことをやっておる。そのめに生産性というものに比べるとたいしたものではないのだ。 〔大竹運輸委員長代理退席、徳安運輸委員長代理着席〕 しかもベースアップというものは生産性以上のことをやらなければならぬ。ここに国鉄総裁としての悩みがあるのですよ。私なんか私利追求の会社じゃないのだ。こういう公共の仕事をやっておって、生産性というものはきわめて鈍いのだ。それ以上の人件費の増というものがある。これをどうしたらいいか。要するに忌憚なく言えば、原価が上がれば値段を上げるというのは当然のことじゃないか。原価が上がるのにその値段を上げないでやるなんといったら、このしりをどこへ持っていくか。(「それは貨物なんか上げればいい」と呼ぶ者あり)貨物もこれからはうんとやりますよ。やるのだが、一つ申し上げたいのは、それには輸送力の増強が必要だ。これをやるにはどうしたって六、七年かかりますよ。あなた言うように手っとり早くいかぬ。それには輸送力の増強をやる。まずもって土地の貸し付けをやる、どうしたって二年かかりますよ。ということで、あまりそう気を短くして考えられちゃ困るのだ。これはもう少し気を長くしてひとつ見てもらいたい。要するに、国鉄の運賃値上げということは、ただもらって、運賃値上げをして、その収入をどぶの中に捨てるわけじゃない。ちゃんとそれでもって輸送力の増強をやることによって大きなプラスがあるのだから、値上げが物価にそれだけかかるというような簡単明瞭な結論を下さないで、もう少しひとつ深く掘り下げて考えていただいて結論を出していただきたいと思います。
○広瀬(秀)委員 総裁の御高説を拝聴したわけなんだけれども、私の質問には遺憾ながら答えられておらないわけですね。それは、この財政再建期間、十年間といわれておりますよね。で、その間に、今回だけで運賃値上げはやめて、あとはもうしなくても、まあ大蔵省が非常によくやってくれたと、こう総裁はおっしゃるのだけれども——まあ財政再建補助金がついた、さらにこの財政再建債の利子補給金という十三億、いわゆる前のやつは六・五%以上の超過利子の分を政府が肩がわりしよう、こういうもので、総額で一般会計から受け入れるのがようやく四十四年度予算で八十七億だ、こういうことですね。しかもこの再建債、利子補給金四百八億、これに対する利子は政府がみんな見ましょうということで十三億だ。まあこの十年間据え置くというようなことで九百七十五億ぐらいになるということも承知しております。そういうものを持ってもらったところで、この政府関係の資金運用部特別会計から借りている六千三百四十二億円の元金はちっとも減らないと思うわけですね。やはりこれは返さなくちゃなぬ。なるほどそれは長期にもなりました。その点はけっこうですけれども、そういうことでしょう。そうして、そのほかにこれを引いても約一兆四千億に近い長期負債というものがあるでしょう。これがまあ六・五%だとかあるいは高いものになると八%ぐらいの利息もついているという、そういうようなものに対して、あまりにもこれは——まあ三方一両損のうちの市町村の納付金なんかも、自治省関係もう少し引っ込めというようなことでこれも若干減額されましたけれども、この程度のことで、国鉄の財政は七年なり十年なりの期間でもう完全に再建されていく、これはもちろん国鉄の強度の合理化というようなことも言っているようでありますけれども、そういうことでまた運賃値上げをやらなくても、この程度の大蔵省からの、いわゆる一般会計からの援助というものが国鉄財政に加えられるということだけで、国鉄の再建はもう可能なんだ、こういう確信がおありなのか。そしてまた二、三年たったらもう一ぺん運賃値上げをやるんだということにならないのか。このことを聞いているのですよ。
○石田説明員 国鉄は今度一割五分の値上げをやる、それで、この十年計画というものはあと運賃値上げをやらぬで済ねか、こういうことなんですが、財政再建推進会議のあれとしては、やはりもう四年たったらまたやる、さらに八年目にまたやる、こういうことなんですが、いまの情勢からいいますと、やはりやらざるを得ないと思うのですよ。そこにおいて初めてあの数字が出ておるのでありまして、さらにこの点は、さっきも申し上げたように、これは鉄道というものの宿命だ。国鉄のような非常に大きな公共負担というものをしょって——公共事業であります。赤字線というようなものを持っている以上は、どうしたってこれはやらざるを得ない。私は私鉄もそうだと思う。ということで、今度の運賃値上げというものは今度限りのものではないんだ。今後の情勢がどう変わるかわかりませんよ。わからぬが、いまの情勢を土台にして考えると、やはり四年ごとにやるということに持っていかざるを得ぬ、こういうことでお答えにいたします。
○広瀬(秀)委員 この問題については若干保留しておきまして、経済企画庁長官がお見えになりましたが、非常に忙しいから途中で出なければならぬということでございますので、企画庁長官にお伺いいたしたいのですが、まず最初にお伺いしたいのは、国鉄運賃値上げに一番強力に抵抗されたのはほかならぬ企画庁であったわけであります。その立場から御所見を伺いたいことと、それからことしは物価上昇率は五%以内にとどめる、これが何かどうやらおかしくなってきて、参議院では五・五%以内には何が何でもとどめるんだという発言に変わったというようなことも新聞等で散見したわけですけれども、それはそれとして、国鉄運賃を上げれば、いま国鉄の総裁も言っておりましたけれども、受益者負担、利用者負担、そうして原価が上がればこの人たちが負担して当然だという原価主義、独立採算、そういうような立場で大手の私鉄、バス、こういうようなところから値上げが、八十何件か、もうすでに出ているということも聞いておるわけであります。そういう中で、今年度中にそのような値上げがあるかないか、企画庁としてはどういう立場でこの問題に対処されていくか。運輸省は少しぐらつき出して、もう大手のある程度の要求は認めざるを得ないんじゃないかというふうになっているということを聞いているわけなんですが、これはあとで原田運輸大臣が来たら運輸省の態度は聞きたいのですけれども、企画庁としてこの問題について一体どういうように対処するおつもりなのか、まずこの点をお伺いをいたしたいと思います。
○菅野国務大臣 この問題につきましては、この間運輸委員会ではっきり申し上げたことでございます。経済企画庁といたしましては、物価に影響の大きいところの大手私鉄の料金値上げは認めない決意であるということをこの間申し上げたのであります。 それは、私どもでは物価の上昇ということを非常に心配しておるので、国鉄の料金だけは、この前もたびたび申し上げたように、国鉄を救うがためにはこの程度の料金の値上げはやむを得ないが、しかしそれが他に波及してはいかぬということで、便乗的な値上げは認めないという条件で国鉄の料金の値上げを認めたのでありますからして、交通関係の公共料金を極力抑制するということをしばしば総理が発言されておるのでありまして、したがいまして、大手の私鉄の料金は、いま申し上げましたとおり物価への影響が非常に大きいから、私といたしましてはこれを認めない決意でおるということをはっきり申し上げておきます。
○広瀬(秀)委員 国鉄以外の私鉄等については値上げを認めない方針であるということを再確認してよろしゅうございますね——それじゃ、そのように了解をいたします。 ところで、この運賃値上げの背景になっている国鉄財政の赤字というような問題の中で、さらにそういうものが出てきた条件といいますか、背景といいますか、そういうものは、経済の非常にテンポの早い高度成長の中で、それに見合う輸送構造というものが非常に変わってきた。あるいは、そのことは一面では都市化現象、過密化現象、一面では過疎現象というようなことを生み出して、地域の非常にアンバランスというようなものも出ておりますが、国土全体の総合開発の立場において、国鉄財政再建推進会議では、国鉄の任務というものは、大都市間の旅客輸送、中・長距離の貨物輸送、大都市内における通勤輸送、これが中心なんだということを示しておるわけです。それはそれで正しい一面も持っていると思うのです。しかしながら、今日、やはりそういう立場でいっても、それを培養する路線というものも当然必要だし、それから過疎地帯はどこまでも過疎にしてしまって、そこは無人の野にしてしまうのではなくて、やはりバランスのとれた国土の総合開発という見地から、国鉄が非採算線区とかあるいは赤字線区とか、そういうようなもので新しい地域開発というものが現地にたくさん出てきておる。そういうものの中で果たすべき役割りというものは、もう国鉄はそういう点では完全に使命が終わっているのかどうか、交通体系全体の問題として、企画庁のお考えをひとつ聞かしていただきたいと思うのです。
○菅野国務大臣 国鉄が今日の窮状を来たした原因は、広くいえば経済の成長ということでありますが、これを小さくいえば、私は一種の交通革命だと思うのです。そこで、国鉄は従来から日本の交通の動脈でありますが、しかし国鉄の持っておったその動脈の重要性というものが順次薄らいできておるというところに赤字が出てきておると思うのです。これを数字で申し上げれば、たとえば国内の旅、客輸送量だけでも、昭和四十年度のパーセンテージは四五・五ですが、四十四年になりますと三七・四に減っております。そういうことで、こういう点について交通革命というと少しことばがオーバーになるかもしれませんが、この根本的な問題をまず考えなさいということを申し上げておるのです。この交通がどうなるかということ、したがってそれに対して国鉄がどういう重要性を持っておるか、それを根本的に考えずに、ただ料金だけ上げてくれ上げてくれと言うのでは話は聞こえませんということを私は総裁に申し上げたのであって、少なくともまず国鉄の体質改善をお考えなさい。その上でなお、従来大蔵省がとってきたところの独立採算制——これは先ほどもお話がありましたとおり、赤字路線も地域開発のために国鉄が敷かなければならない場合があったと思うのです。それは当然赤字なんですが、いままでは幸いいろいろの旅客運賃や貨物輸送で国鉄は利益をあげておりますから、そういう中において十分てん補ができたのでありますけれども、今日ではそれがてん補できない。したがって私は独立採算制という制度をやめなさいということで大蔵省に交渉して、大蔵省が臨時の立てかえをするということになったのでありまして、これは先ほど石田総裁からも申されたとおりであります。そこでなおかつその上に赤字であれば、経営が立っていかぬのであればそれは運賃の値上げもやむを得ないということで、料金の値上げを認めた次第であります。でありますから、根本は国鉄がこの事態に対していかに善処するかということ、これが私は基本だと思うのです。その点は国鉄のほうに私のほうから十分お考えくださいということでお願いしている次第であります。 そこで、過疎地帯の問題、これも国鉄でやるのがいいのか、国鉄のかわりにそこへバスの路線を設けるのがいいのか、そこはわれわれのほうでも検討したいと思うのです。何も国鉄だけが輸送手段ではないのですから、こういう新しい時代においては、そこに新しくバスとかそういうものを設けたほうがかえっていいのか、トラック線を設けるのがいいのか、そういうこともひとつ考えてみて、そして赤字線もひとつ考えてみてくださいということをお願いしておるのでありまして、要するにそういう基本的なところから再出発して国鉄をどう生かすかということを考えてみたい、こう考えておる次第であります。
○広瀬(秀)委員 続いて質問いたしますが、過密地帯における通勤通学輸送という問題については、この財政再建の中でかなりの投資をやられるという考えはあるわけでありますが、しかしいわゆる過疎地帯、そこにはかなり将来地域開発の余地があるんだ、そういうようなことを経済企画庁でも国土総合開発の見地から認められておる。そういうものを十年間に大体八十三線区、二千六百キロ切り落としてしまえというような推進会議の答申が出ている、こういうようなこともあるわけでありますが、企画庁は事前にかなり運輸省なり国鉄なりからそういう地域開発の問題、過疎地帯対策というような問題と、国鉄のあり方、国鉄の役割りというようなものについて相談を受けてやっておりましたのですか、そのことを伺いたいことと、それからいまちょっと触れられましたけれども、企画庁としての立場で国土総合開発という立場においてこの問題を検討されたということを言いましたけれども、どういうような形でその問題を進められていくか、このことの考えを明らかにしていただきたいと思うのです。
○菅野国務大臣 いまちょっと私お答えしたのでありますが、赤字路線だから直ちによしたらいいという考は持っておりません。その地域開発のためには現在赤字路線であっても、将来それが発展性のある路線であれば、それはもちろん存続する必要がある。現在赤字だからみんなやめてしまえ、そんなやぼな考えはいたしておりません。だからその点においては将来の開発ということを考えて、この路線の問題を考えてみたいという考えをいたしておる次第です。 それから国鉄の問題でも、やり方によっては、たとえば新幹線のようなもの、ああいうことをやったおかげで国鉄の収入が非常に増してきたというようなこと、貨物の輸送でももう少し考え方があるのじゃないかとわれわれは考えておるので、今日貨物輸送がほとんどトラックにとられてしまっておりますけれども、国鉄として貨物の輸送は国鉄がやったほうがいいという問題も別に考えられるのじゃないか。そういうことも考えてひとつ国鉄の再建を考えてほしいということをお願いしておるわけです。
○広瀬(秀)委員 経済企画庁としても国鉄が非常に財政が苦しい、赤字だからというので、もうからぬところはもう切ってしまえ、そういう簡単なやり方というようなものに対して、これは地域の総合的な開発、格差の解消、これもやはり経済社会発展計画では十分重要視されている答申の項目でありますから、そういう角度において十分この点は検討をしていただかなければならぬと思うわけでありまして、そのようなことを要望いたしまして、企画庁はよろしゅうございます。 質問を前に戻しますが、先ほど総裁のお話を伺っておりますと、いままでとにかく国鉄は独立採算ということで、これを強力に押しつけられてきて、ほとんど見るべき財政援助というものは何もなかった、こう言っていいくらいなのであります。昨年約五十四億になり、四十四年度は八十七億、その程度になったわけですけれども、そういうことの中でやはり原価主義という考え方、それから利用者負担という考え方が非常に強く出ておる、こういうことなのであります。かつては国鉄は、いわゆる国民の運賃負担能力というようなことを考えながら運賃もきめてきたということがあるのでありますが、いまや今度の運賃値上げということから、そういう考え方というものがかつての考え方というものをまるっきり転換して、原価主義を徹底的に国民に強制するといいますか、利用者に負担をさせるという考え方が非常に強く出てきたと思わざるを得ないわけであります。そういう点で国の財政負担というものが——これはもうすべての国民が利用する交通機関であることに間違いないわけです。これは総裁にも数字をあげていただきたいのですが、国鉄を利用している人が年にどれだけいるか、これは延べでけっこうでございますから、それも言っていただきたいのです。おそらく延べでは三十億や四十億という数字になっていると思いますが、そういう国民の交通機関だという立場から、やはり国が当然かなりの国民の足を確保するという立場において援助をするのは当然だと思うのですが、先ほども申しましたけれども、この程度でいいのか。新しい投資、新しく国民の足を供給する場をつくっていく。線増をやっていく。先ほど久保委員が言われましたけれども、亜幹線、これなんかも赤字なんだということを考えて、その輸送力増強というものにもっと重点を置かれなければならないのに、そんなことにかまわないで、採算のいい新幹線方式ばかりやろうとされるということにも問題があるわけであります。そういうことも含めて、やはり国民全体にその利益が及ぶような施設の改良なり、新しい投資なりというものをやる場合には、当然これは国にそれに対する出資を求むべきだろうと思うのです。そういうような点についてのお考えはどうですか。
○石田説明員 御承知のとおり、国鉄はかつては独占性の上にあぐらをかいて余裕しゃくしゃくだったのです。その後だいぶ情勢が変わってきた。道路ができ、自動車が発達するということで、非常に大きな強敵ができた。その結果もう終戦前といまとは情勢がすっかり変わってしまつて、そこで一方にさっき申し上げたように生産性というものが一向上がらぬ。それ以上に経費というものは上がっていくということで、要するに原価と収入というもののつり合いがとれぬ。そこに今日の悩みが出てきたわけなんですが、私が国鉄総裁になりましてから、大蔵省に対して援助を求めた根本というものは、公共負担の問題とさらに通勤輸送の問題です。これは先ほど申し上げたような非常に大きな投資をする。それに対する収支の状況というものはきわめてもういけない。しかもこの通勤輸送の改善なんというものは私は住宅政策の一端じゃないか。政府というものは団地というものを盛んにつくる。そうするとそこに通勤、通学者というものが出てくる。その足を見るのが国鉄だ。これはとても引き合った話じゃないということが大蔵省の援助を求めた一つの原因であります。 さらにさっきお尋ねの、一体国鉄というものがどのくらい利用されているかということでありますが、大体四十二年度においては乗車人員は七十三億ということに考えております。そのうちで定期と定期外というものが一体どういうことになっておるかというと、人キロでいきますと定期が四五、定期外が五五、こういうふうになっておりまして、その収入からいきますと、定期が一割五分、一五、そうして定期外が八五、こういうことになっております。大体それでよろしゅうございますか。
○広瀬(秀)委員 いま七十三億というような数字も出たわけでありまして、これだけ国民に利用されているわけです。したがって、公共負担、これがいまどれだけあるかわかりませんが、四十二年の四月現在で、公共負担が通勤通学定期で七百十四億、学生割引二十二億、その他十一億、旅客関係で七百八十六億、そのうち荷物関係で特別扱い、新聞、雑誌などで三十九億、貨物関係が百四億、そのうち貨物の政策等級等によるものが三十九億、暫定割引二十三億、特別措置四十二億、貨物、旅客で合計八百九十億にのぼる公共負担というものがあるわけです。せめてこういうものくらい政府に要求して、政策によってそういうものを——国鉄が独立採算だといわれながらほとんどそのとおり、ここで八十七億出たということなんかは、この公共負担の八百九十億の一割にも達しない。これは去年現在、四十四年のあれではこれがもっとふえていると私は思うのですけれども、あるいは定期運賃の値上げによって若干減ったかもしれませんが、大体一割程度しか見ないというようなことでは、公共負担を政府が見るということにはなってないと思うのです。そういうものを堂々と要求するなり、あるいはまた新しい設備投資に対しては政府が出資をすべきだと思います。そういうような点についてのお考え方を聞きたいわけだし、それから運輸次官にもその点は答えていただきたいのです。そういう問題があるわけです。 それから、新しい資本金、いま国鉄の資本金というのはお粗末で、八十九億一千六百万でしょう。これは同じ公共企業体で見ましても、これは端数は切り捨ててありますが、規模としてはまだまだ国鉄よりは小さい専売ですら二百三十二億五千九百万、電電公社が百八十二億三千七百万、こういうような点にも私は大きな問題があるんじゃないかと思うのです。資本金がいかにも小さい。今日の国鉄の総資産はおそらく四兆円に近いだろうといわれているわけです。そうしてまた売り上げを一兆一千億もあげようという企業が、わずか八十九億の資本金、こういうような点についても、国がもっと、あの発足の当時でもあるいはあとからでも、この利子のつかない出資金、国鉄資本金の増額をはかるというような点について、しっかりやるべきであったと思うのですが、この点お伺いしたいと思います。
○村山(達)政府委員 お答えいたします。 まず出資のほうでございますが、おっしゃるとおり四百億と四百八十億、全体で八百八十九億くらいだと思います。これをふやすかどうかという問題でございますけれども、確かにふやせばそれだけ効率はあがりますが、何ぶんにも年間約四千億に及ぶ工事量でございます。したがって、その出資の問題はごく微々たるものだと思いまして、実際の問題としては、むしろ今度お願いいたしました利子補給とか、あるいは建設資金の実際の金利負担をある程度に押えるという措置のほうが、はるかに効果が大きいことは当然でございます。 それからもう一つ。出資はなるほど八十九億くらいでございますけれども、例の再評価積み立て金がございまして、これが約一兆二千億くらいでございますから、それも出資であると考えても、ある意味では差しつかえないわけでございますので相当なる出資になっていると思うわけでございます。 次に公共負担の問題でございますが、これは四十四年度ではおっしゃるようなことで若干減りまして、われわれの計算では六百十億くらいになると思います。もちろんこの公共負担の計算の場合は、定期定額につきましては法定されております最低割引率、それと現行の割引率との差でもって計算しているわけでございますから、そこは現在の法律の制度と、実際の割引率の差額を公共負担として計算いたしますとさようになるということでございます。これにつきましては、われわれは将来漸次機会を見てやはり解消すべきではないかという感じを持っておるわけでございます。通勤、通学がほとんど大部分でございますが、特に通勤につきましては漸次解消すべきではないかと思います。 貨物につきましては、なかなかむずかしい問題がございまして、貨物運賃の立て方全体との関係もございますので、この辺は国鉄当局もよく御検討いただかなければならぬのではないか、かように思っておるわけでございます。
○広瀬(秀)委員 先ほどから問題になりました原価主義というような問題、あるいは利用者負担ということ、特に原価主義の問題を非常に強く総裁は言われたわけだけれども、七十三億の人を運んでおる。そして貨物も相当運んでおるのですが、一体旅客運賃と貨物とどっちに赤字があるんだということは、いわずと知れて、これは逐年、昭和二十一年以降貨物が黒字になったことはほとんどない。たった一年、三十六年にちょっぴり黒字が出たことはありましたけれども、それ以外貨物は全部でかい赤字なんです。そして旅、客のほうはほとんど全部ずっと黒字でしょう。この点ひとつ副総裁にこまかい数字で言っていただきたいと思うのです。
○磯崎説明員 旅、客運賃と貨物運賃の原価との関係でございますが、お察しのとおり、昭和三十六年に運賃改定をいたします際に、貨物関係は多少黒になりました。その後ずっと逐年投資がふえてまいりまして、この投資の利子の客貨の配分等につきましていろいろ問題がございますが、現在におきましては旅客も貨物も両方とももちろん赤でございます、全体の収益が赤でございますから。しかし絶対額から申しますれば貨物運賃の赤のほうが大きいことはお察しのとおりでございます。ただ同じ旅客と申しましても定期と定期外、いわゆる定期と普通運賃との原価を比較いたしますと、定期のほうは最近の通勤投資の関係からいって非常な赤でございます。定期外、いわゆる普通運賃のほうは黒でございます。先ほど只松先生の御質問にもございました東海道新幹線などは、償却費をまかなってもさらに大きな黒が出ているということで、本来ならば、原価的に申しますれば、新幹線なんかうんと安くしなければいかぬ、あるいはローカルの赤字線にうんと赤字が出ておればうんと高くしなければいかぬということですが、いわゆる原価主義的な運賃、しかも原価主義的な個別的な線路別の運賃というものは、現時点においては鉄道企業としてはとれないという実情でございます。逆に外国の例を見ますれば、アメリカなどでは旅客運賃は非常に大きな赤でございます。貨物は非常に黒を出しております。ヨーロッパでも大体貨物の黒で旅客の赤をカバーしているということで、いまや鉄道企業というものは、個別原価あるいは線別原価ではやっていけない。やむを得ず総括原価と申しまして、総体の支出というものと総体の収入とのバランスで見る、こういう考え方にかわりつつあるわけでございまして、この点は、非常に収益力の多かったときには確かに客貨別の原価によって運賃をきめるということでございましたけれども、現時点においては、世界のいかなる国の鉄道においても客貨別に原価を計算して、それに基づいて運賃をきめるということは不可能な時代になっているわけでございます。
○広瀬(秀)委員 総合原価主義でいかなければならぬという説明は聞いたのですけれども、それについては私どももこれは反論があるわけでして、とにかく今度の運賃値上げというのは利用者負担だ、それから原価主義だということを、これは先ほど総裁もそのことをちゃんと言っているのです。しかもその原価を大きく割って赤字を出しているのは貨物なんだとすれば、貨物運賃になぜ手をつけられなかったのか。これは特別な措置も、軽減の賃率をつくったり何か政策的に非常にやられているわけでしょう。そういうようなものなどを本則に戻していくというようなことをやっていかなければ、これは理屈も通らぬわけです。しかも総原価主義だというので旅客運賃にその分まで乗せてしまって、一〇%で済むものが一五%にもなるというようなことにもなったわけですから、そういう考え方というものを当然とるべきであって、そういうような考え方からいえば、貨物運賃こそ上げるべきであって、旅客運賃を上げるべきではなかったのだということが当然いえるわけですね。これは筋としてそうだと思うのです。これは政務次官にお答えをいただきたいのですけれども、その点についての考えをひとつ明らかにしていただきたいということです。 それから次に、時間がないからもうそろそろやめろということを言われておりますので……。
○徳安委員長代理 広瀬君、時間が来ておりますから結論を急いでいただくように。
○広瀬(秀)委員 大蔵次官も来ておりますから。国鉄の通行税がございます。この通行税もいまや七十何億になってまいりました。これを一般財源にするのでなくて、国鉄に関連して取る税金でございますから、これは当然国鉄の財政赤字に対して幾分でも寄与する——そんなものは小さいといえばそれまでだけれども、しかしそういうものを積み上げながらあらゆる方面からやっていかなければ、これは一つのことだけではなかなかできないわけだから、そういう面で通行税を目的税化して、国鉄の、たとえば保安施設あるいは安全設備というようなものに限定をしてもようございます、そういうようなものにこの通行税を目的税としてつぎ込んでいく、ストレートに国鉄に交付していくということが考えられないかということであります。 それからもう一つの問題点は、この市町村納付金が百三十一億から二十五億ぐらいことし減額をされた。これは一体どういう方向に行きましょうか。これも赤字線区なんかで二千六百キロもとられてしまうなんということになったら——そういうところでこの財源を確かに期待しております。国鉄からの納付金を期待している点もあるけれども、こういうものだって地方財政全体を通ずれば、国に六百九十億も金を貸すほど楽になったというわけですけれども、これについてはいろいろ問題はあります。これはまだまだ行政水準が低いのにかかわらず、そういうわりに地方税収が伸びてきたということでそういうことになっているけれども、そういうようなことで今日来ているのならば、地方財政計画全体のワクの中で百億やそこらの金が補てんできないはずはないのです。だから、別途そういうものは一般会計から見てやるにしても、国鉄からのそういうものは、少なくとも国鉄が財政が立ち直る期間中くらいは一時たな上げして、別途の方法で市町村を困らせないようにこの分の財源手当てをするという方法は当然とるべきだと思うのです。そういう点の国鉄からの支出というものは避けられていく。こういうようないろんな手をやっぱり打たなければ、国鉄財政は、先ほど私はずばりで総裁に聞いているのですけれども、この程度の、ことしやった程度の政府の国鉄に対する援助では、また三年たったらおそらく運賃値上げだろうと思うのですね。そういうようなことには絶対なりませんという確信があるならば——これも運輸大臣が来てからと思ったのですが、予算委員会が終わらないであれなので、運輸大臣の代理として責任を持って答えていただきたいのですが、そういうことは絶対ないのかどうかという確信をひとつ聞かしてもらいたい。
○村山(達)政府委員 まず納付金のほうから申し上げますと、御案内のとおりに現在市町村に納付金を出しておりますが、これは評価が大体いまの固定資産の半分でやっているわけでございます。ですから地方団体といたしましてはそれでまずいいのじゃないか、こういうことでおったわけでございますけれども、最近におきます国鉄が非常に苦しい状況でございますので、さらにその半分ということを前提にして、現在私鉄に講じておりますような、たとえば線増の場合に何年間かは課税標準を三分の一にし、また続く五年は三分の二にするという措置を講ずるとか、あるいは高架あるいは地下鉄等によりまして新しい線ができた場合には五年間何分の一にするというような措置を講じてもらったわけでございます。それによりますものは、大体いまきまっておりますのは四、五年間でございますが、全体で百六十億くらい軽減になるわけでございます。これはそういうことをやらないで一般会計からと申しましてもなかなかお互いに苦しいさいふの中でございますものですから、御案内のとおり一般会計、地方財政、国鉄、相相談いたしましてぎりぎり決着のところ御勉強願った、こういうことでございます。 それから貨物運賃をなぜ上げなかったかと申しますと、幾つか理由はございます。一つは、戦前に比べまして現在まだ貨物運賃のほうが何といいましても高いのでございます。旅客運賃のほうがやや低位に保たれておる。今度の値上げによりまして戦前の倍率はほぼ同じくらいの水準になるのではなかろうか。第二は、これは増収のためにやるわけでございますが、いまの貨物運賃体系でございますと、単純に上げますれば一方においては減収、利用減がかえって出てまいるというのが実情でございますし、また他方におきまして第四等級につきましては、生活必需物資についての政策割引をやっております。これはまた農林漁業物資に相当の影響があり、旅客運賃の引き上げ以上に大きな波紋を描く、こういうことでございますものですから、今度は見合わせた、こういうことでございます。 最後の、これで最近十年間もう値上げはやらないのかどうかということでございますが、先ほど国鉄総裁がお答えになったとおりだと思います。ただ、前提といたしまして、もし消費者物価が上がらなければ、これは仮定の問題、計算上の問題でございますが、あるいはこのままでいけるかもしれないということは計算上出てまいるということだけでございます。しかし、実際の問題といたしまして、これだけ高度成長が続き、そしてまた労働力が逼迫しておりますから、すべての企業が生産性の向上に見合っただけ賃金が上がるという以上に上がっていることはもう皆さん御承知のとおりでございます。そういうことでありますと、労働集約型の企業であります運輸企業におきましても、やはりそういう意味の消費者物価の高騰分だけはどうしてもやらなければつじつまが合わない計算になる。国鉄総裁が先ほどおっしゃったのもそういう趣旨であろうかと思うのでございます。
○上村政府委員 広瀬先生が先ほどおっしゃいましたのは、通行税につきまして目的税としてはどうかというような御趣旨と、もう一つは国鉄納付金の問題、二つかと思います。先ほど国鉄総裁がいろいろとお話をなされておられるのを承りましても、結局国鉄を再建するという意味におきまして、最高責任者としての自主性と申しましょうか、自分で力強くやっていくという御意思と思いまして、心強く思いますが、しかし大蔵省のほうといたしましては、国鉄の重要性と果たしておる使命のきわめて重大性というものを考慮しますれば、あらゆる部面からこれの再建がしやすいように協力をしていくということは、私は当然かと思うのでございます。そういう意味から取り上げますというと、いま広瀬先生のおっしゃったように、二つの問題ということは一つの検討の問題になるかと思います。が、通行税の問題につきましては、実はこの目的税とした場合に、それを一つの国鉄再建の財源のほうへふり向けていく、こういうふうな考え方は十分検討する要はあるかと思います。しかし目的税というものの創設ということにつきましては、いろいろと慎重に検討すべき必要があると思いまするが、先生のおっしゃるような御趣旨はよくわかるわけでございまするから、慎重に検討いたしてまいりたいと思うわけでございます。 また納付金の問題でございますが、先ほど当委員会へ参る際におきましても、地方行政委員会に呼出しを受けまして、そして地方財政のいろいろな充実、現在十分であるのかどうか、いま窮迫しておるのだからもっと十分考慮すべきだというような御意見がずっと出ておるわけでございまして、いろいろと地方財政とのにらみ合わせもございましょうし、いろいろと関係の方面とも協議しながら前向きに検討いたしてまいりたいと思うわけでございます。
○広瀬(秀)委員 最後に、先ほど私が申したことは貨物運賃を上げろと言っているわけじゃないのです。ただ、原価主義というようなこと、それから国鉄の財政悪化の原因というものからこういうふうになっているのだというならば、筋としてはそういくのが当然じゃないか、こういうことなんです。しかしそれは物価との関係もあって、生鮮食料品というようなもの、私はそれをむしろ言うのじゃなくて、大企業の使う素原料というようなもの、石炭だとかあるいは亜鉛鉱だとかいうような、そういうものがきわめて低率に割り引きをされている。むしろそういうようなものに目をつけてやるべきだろうということを言ったのでありまして、その点誤解のないように。だから、もしそういうようなことで物価に悪影響が及ぶのだ、しかも生鮮食料品というものに対して低運賃の制度を取れるというなら、そういうものくらいは公共負担をどうしてもそういう面についてはやりなさいということが私言いたかったわけなんです。その点についての見解を最後にひとつ次官に聞きたいわけです。 それから国鉄当局に聞きたいのですけれども、一体この国鉄の再建の中で、再建十カ年計画というものがいずれできるわけでしょうし、また合理化、近代化ということは進められているわけでありますが、従業員は十年先に一体どのくらいの規模にする予定があるのか、そしてそういう場合に、国鉄の安全輸送という面が、これによって十六万五千くらい減らすのだということもちらほら承っておりますが、そういう事態になって、一体安全というものがそういう中で非常に犠牲にされていくのではないか、これは安全対策ということが非常に国鉄にとって——そのための事故防止委員会というものなども副総裁が陣頭に立ってやられたわけですけれども、民間人も、ずいぶん有力な方も集まって——そういう問題との関係について一言承っておきたいというように考えるわけです。 これで私は終わります。
○村山(達)政府委員 国鉄は何と申しましても公共的な機関でございますものですから、可能と可能でない範囲を考えますが、やはり全体としては、旅客については、それから貨物についても、最後には総合原価主義をとらざるを得ないという点が一つと、それから、上げますれば、現行の体系のもとでは、私は、かえって収入が減るような結果にもなりまして、上げ得ないという実情があると思うのでございます。
○広瀬(秀)委員 だから公共負担をやりなさいと言うのだ。
○村山(達)政府委員 公共負担の問題につきましては、今後いまのを漸次解消してまいるつもりでございますが、将来は、これはやはり運賃体系そのものを改定する時期が来るのではなかろうかと思っておるわけでございます。
○磯崎説明員 いま予定いたしております十カ年計画の当初の二兆七千億の中で、大体機械化、近代化に伴う投資、これは電化を入れまして約七千四百億、機械化、近代化の投資をするつもり、いわゆる労働装備率を高めるという投資をする予定でございます。これによって自動的に約六万人程度の人員が減ってくるということになりますので、大体四十万前後になるというふうな試算をひとついたしております。 また安全対策につきましても従来非常にやっておりましたが、これも大体従来どおり年間百五十億ないし二百億程度の投資をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
○徳安委員長代理 本会議終了後再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時二十七分休憩 ————◇————— 午後四時五十八分開議
○大竹委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。河村勝君。
○河村委員 企画庁長官に初めにお伺いを申し上げます。 国鉄運賃値上げの問題が今日これほどの問題になっておるということは、一にかかって政府の物価政策が貧困である、そういうことに原因するものだといわなければなりません。大体、公共事業といえども一般物価の上昇と無関係にはあり得ないし、また同時に、その経営体としての存立の条件があるわけでありますから、今日国鉄の問題にいたしましても、国鉄の財政から考えて、通常の状態であるならば運賃値上げは当然あってやむを得ない問題だと私は思います。でありますけれども、例年六%近い消費者物価の上昇が続いておる今日、物価問題というのは非常な緊急性があるわけでありますから、この際一年間国鉄運賃の値上げをたな上げをいたしまして、その間に政府が抜本的な物価政策を立てる。もちろん物価問題はそう簡単な問題でありません。広い範囲の構造対策がございますから、一年間やったからといってそれが即効的な効果はないかもしれないけれども、少なくとも今日まで政府は物価対策らしいことをやってきていないわけです。ですから、少なくとも国民に納得できるだけの、今後の消費者物価の抑制をどういうふうに持っていくのだという納得できるだけの、そうした全体の方向を打ち出していくということが、私は一番今日の正しいやり方ではないかと思うのですが、企画庁長官いかがお考えでございますか。
○菅野国務大臣 いま河村委員の御質問は、物価対策に対する政府の基本というものに関連して、国鉄の運賃は一年先でもいいじゃないかというお尋ねであったと思いますが、国鉄の料金の問題につきましては、たびたび申し上げましたとおり、消費者物価を大体五%で押えようと思うと、国鉄の料金は上げないほうがいいというわれわれの考え方でずっと進んできたのでありますが、しかし国鉄の実情を聞くと何とかしなければならぬということで、結局国鉄自体がまず体質改善をやってもらわなければならぬということを踏まえて、政府も地方自治体も援助する、その上でなおかつ足らぬ場合には料金の値上げということで、そこで料金の値上げを認めることにしたのであります。それが物価に波及するということについては、私どもも非常に心配いたしておるのでありまして、したがってこれに便乗しての私鉄などの値上げはこの際認めぬということで、国鉄だけは上げるが、せめてほかの私鉄の便乗の公共料金は極力押えるという方針で、物価をできるだけ押えるという方針をとってきたのであります。これは国鉄の料金の値上げと同時に、便乗の公共料金の値上げを認めますと、それはとても五%ではおさまらぬと思います。それ以外の方法でこの五%で押えたいということで、実はきょうも物価対策閣僚協議会を開きまして、そしてこの際佐藤内閣の物価に対する基本を国民に示す必要があるということで、けさ決定をいたしたのであります。これはきょうの夕刊に出ると思いますが、大体それによって政府がどういう態度をとっておるかということを一応ここで申し上げておいたほうがよいかと思いますので、申し上げておきたいと思います。 そこで、最近の消費者物価の動向でありますが、季節商品が値下がりしましたので、したがいまして四十三年度は五・四%というように予想しておりましたが、大体五%内外でおさまりそうな情勢であります。したがいまして、それが五%以内でおさまるということになりますと、外国の例を見ても、消費者物価の値上がりは大体米国よりも低いというような状態になるのじゃないかというようなことになりますけれども、これもまだ三月たってみないとはっきりしたことはわかりませんから、大体五%内外になるということを発表いたしたのであります。 そこで当面の物価対策の重点事項でありますが、これはいろいろありますが、まず第一に食料品の価格の安定対策、二が公共料金の抑制と安定対策、三が労働力の流動化対策、四が流通機構の合理化対策、それから五が競争条件の整備、これは輸入政策を含んでおるのでありますが、これが当面の政策であります。 そこで、その他なお政府としてとるべき問題といたしましては、社用消費の節減、個人消費の健全化、合理化及び貯蓄の増強を推進すること、二といたしましては、国際経済の動向も先行ききわめて流動的であるので、この際各企業はその経営についてできるだけ慎重な態度をとってもらうこと、第三番目には、生産性向上による利益の一部をまず価格、料金等の引き下げに振り向ける、経営態度を積極化して物価の安定についての労使の協力を求めることという方針をきめて、これを今後各方面に働きかけて、来年はぜひ五%にとどめたいということを考えておる次第であります。
○河村委員 御努力はたいへんけっこうでありますが、五%以内でおさまればアメリカより低いというのはうそで、アメリカは昨年ずいぶん上がりましたけれども、下半期だけで四・八%ぐらい上がりそうだということなんです。しかし通算すればもっとうんと低いのです。ですからそれはちょっとおかしいのでありますけれども、それは別として、大臣、いまでも、もし何らかの財政措置によって国鉄が一年運賃値上げを延期をしても、その財源の不足がカバーできて、それで少なくとも一年はしのげるのだという態勢ができるならば、上げないほうがよろしいとお考えになっているだろうと思いますが、いかがですか。
○菅野国務大臣 先ほども申し上げましたが、国鉄はいままで独立採算制をとっておりますが、もう独立採算制をとるべき時期じゃない。これは国策として地方開発のために赤字路線の経営もやっておって、いままでは、旅客運賃あるいは貨物運賃で相当の収入をあげておったから、赤字路線の損も補てんができましたけれども、もう補てんができないとなりましたから、この際は独立採算制を変えなければいかぬということを極力大蔵省に主張しまして、政府としてはできるだけ財政的の支出をすべきじゃないかということを盛んに唱えて、私としては料金値上げするよりも財政的支出をお願いしたいということでお願いしたわけでありますが、大蔵省としてはあの程度の財政的支出、地方市町村も納付金の二十五億円の引き下げということで、あとは鉄道料金の値上げということでおさまった次第であります。
○河村委員 大蔵事務当局に質問するのもちょっとあれでありますけれども、いま企画庁長官が言われたように、長期にわたっての財政措置で運賃値上げをカバーすることはできないでしょうが、しかし一年たな上げしてその間をカバーするという程度なら、昭和四十四年度予算は成立はしていないが、ある程度進行していますけれども、そう大きな変更なしに一年間の何らかの財政措置でカバーすることは可能であるというふうに私は考えますが、大蔵省はどうお考えですか。
○海堀政府委員 お答え申し上げます。 今度の運賃改正で予定しております増収額は九百十億円と承知いたしております。これを一般会計で補てんすると、一年ぐらいではどうかというふうな御質問でございますが、御承知のように一般会計自体が、現在、たとえば国債にいたしましても、この非常な高度成長を遂げている財政におきまして、まだ相当額の公債を持っているというふうな状況でございますので、今回国鉄からの要求に応じまして、実質的にできるだけ国鉄の要請に応じた措置をとるように努力した結果が、現在提出しております予算案に示されているとおりのところに落ちついたわけでございます。たとえ単年度でございましても、九百十億円を一般会計で措置をとるということは、現在の一般会計の状況から見まして非常に困難であったのではなかろうかというふうに考えます。
○河村委員 私は別段一般会計で補てんしろと言ったのじゃなしに、何らかの財政措置、こう言ったのであって、かりにいまからだって資金運用部資金、三兆何がしという、窮屈だとはいっても、これは絶対弾力性のない性質のものじゃないので、一年をしのごうというなら、その間国鉄債を運用部に持たしてもよかろうし、運用部の借り入れ金もよかろうし、何らかの方法でしのごうということは、政府が決心すればできない相談じゃないと私は考えるのですが、いかがでしょう。
○海堀政府委員 先生御存じのように、今回の料金の改定を行ないましても、国鉄の赤字欠損は六百億円程度だと存じます。したがいまして、もしこの料金改正を行ないませんと、欠損は千五百億円程度に相なろうかと存じます。そうしますと、その額というものはほとんど償却前多少の黒字を残す程度のところに相なるのじゃなかろうかと思います。それを単年度たとえば借り入れ金とかというふうなものでしのいだといたしましても、何ら将来に対する対策にならなくて、たとえば四十五年度にそれを料金なりで措置しようとすれば、さらに急激な料金の改定を行なわなければならないとか、あるいは破局の事態に立ってのドラスチックな措置をとらなければならないというふうなことに相なるのではなかろうかと思います。したがって、そういった損益面の悪化を借り入れ金で一時的にしのぐということは、国鉄の財政の再建の将来にとって決して好ましい措置ではないのではなかろうかと存じます。
○河村委員 この段階になって事務当局にこういう話をしてもどうせむだでしょうから、きょうはやめます。 企画庁長官にお願いしたいのですけれども、物価もほんとうにいま政府の状態を見ていますと、どこに責任の所在があるか一つもわからないのです。総理大臣は本来リーダーシップをとるべきものなんでしょうけれども、総理大臣もあまり御熱心でないし、リーダーシップをおとりになるようなこともない。そうしますと、企画庁長官の責任というのは非常に大きいわけです。ほんとうに企画庁長官ががんばらなければ、企画庁というのは単なる景気予測官庁か作文官庁であって、ほんとうの機能を果たさないわけです。ですから、ひとつこの辺でもって企画庁長官は、物価政策上どうしてもこれじゃいかぬという問題に直面して政府全体がそういう姿勢にならなかったら、おれはもう閣僚のいすにはとどまるわけにはまいらぬのだと言って、ほうり投げるくらいの決意がなければいかぬものだと思いますが、大臣どういうふうにお考えでしょうか。
○菅野国務大臣 今度の佐藤内閣は物価の安定ということを重大施策の一つにしております。したがいまして総理をはじめ各大臣ともに物価の問題については熱意を持っております。先ほど申し上げました本日の物価対策閣僚協議会において決定したようなことは、これはもう全閣僚の同意を得ておるのでございます。それから自民党の党三役も出席しておりますし、みなの同意を得てやったのでありまするから、全大臣がみんなこの問題については非常に熱意があるし、そしてお互いに自分の分野においてやるべき仕事をやりますということをきょうきめたような次第でございますから、私はいまの勢いでもってすれば、物価問題については世間の皆さま方の御期待に沿うようになるのじゃないか、こう考えておる次第でございます。
○河村委員 ほんとうに大臣にひとつ、からだを張ってというのは古いことばですけれども、いざとなったら大臣のいすを投げ出すぐらいでやっていただきたいと思うのです。大臣お一人がおやめになってそれで済むかどうかわからない。しかしそういう大臣が二人ぐらい続けば、日本の物価政策というのは大いに転換するだろうと思いますので、大いにがんばっていただきたいと思います。何かお急ぎのようですから、大臣に対する質問はこれでやめます。 運輸大臣がお帰りになりましたので、政務次官にお伺いいたします。 今度の国鉄財政再建促進特別措置法案では、国鉄再建の目標を将来にわたるわが国の交通体系の中で、国民経済、それから国民生活における役割りに対応できるだけの近代的な経営体制をつくるということと、一方で昭和五十三年度までに損益計算において利益が生ずるようにするんだということを言っておられるわけですね。そこでこうした再建のための特別措置法をつくるのですから、単に五十三年までに損益計算が黒になるというようなことだけでなしに、ほんとうに国鉄がいままでいろんな制約を受けております。やりたくともやれない、あるいはやりたくないのにやらされるというような種類の公共負担をはじめ、各種の制約をこうむっております。こういうものを取り払って、国鉄が経営体として自立体制をつくって、それで他の交通機関と完全に対等な条件で競争できる、そういう状況をつくり出して、その上で国鉄にも徹底した近代化合理化努力を要求する、そういう性質のものであろうというふうに考えておりますが、どうお考えですか。
○村山(達)政府委員 いま河村委員のおっしゃったことと同じことを考えておるわけでございます。 ただ今度の措置では大きなワクをきめまして、先ほど申しましたように、いままではほとんど国鉄の合理化だけにたよっておったわけでございますけれども、これにはある限度があると思いまして、一方におきまして利用者の方にもある程度の負担をしていただくということで、今回の値上げをするとともに、一般の納税者にもぜひ応援してもらうように財政措置を講じたのでございます。これによりましておおむねこの十年間の最終年あたりで収支がとんとんになるというだけでなくて、その後ずっと引き続いて経営が安定してまいる、こういう線をねらったわけでございます。もとより国鉄自体の再建の努力はこれから大いにやらなければならぬのでございますが、いま河村委員御指摘の、国鉄にはいろいろな制約があるということでございますが、これも、まずこれを第一のスタートにいたしまして、いずれ基本計画に基づく再建計画が出てまいると思いますが、それと歩調を合わせながら逐次いまのあらゆる桎梏を克服して、国鉄自体が生き生きとした、そしてまた今後利用者の方に喜んでいただけるような企業体になるように努力してまいりたい、こういう構想でできておるわけでございます。
○河村委員 一応計算上は五十三年で損益計算の黒が出るだけでなしに、その先もそう悪くはないんだということになるらしいのですけれども、それにはいろいろな前提条件が一ぱいあるので、それがたいへんなことなんですね。いまやっておりますのは、単に政府がやることは一部の利子補給と金利の支払い猶予、これだけであって、それ以外にはない。もっと本質的な国鉄の体質改善については、今度の特別措置法を見ましても、さっぱり政府がそれをやろうという、あるいはやることを義務づけるとまではいかなくとも、やることの方向をはっきりさせるような文句もない。ただ抽象的に国鉄の近代的な経営体制をつくるということだけなんですね。そういう点で私は、今後の再建のための基本の法律としては非常に足らぬところがうんとあると思うのです。もう少し国鉄のいままでのいろいろな制約を払って、ほんとうの競争条件を整えるという意味の方向づけをすべきであると思うのですが、いかがですか。
○村山(達)政府委員 財政措置でございますが、そこに出ておりますのは、ほんの初年度だけ出ておりますが、十年間では大体二千三百億くらいでございます。さらに三十年という償還期限のものが二千五百億くらいございますから、もちろんその経済効果は同額くらい、損益効果は金利を計算いたしますれば、目の子でございますが、おそらく同じ程度になるだろう。そういたしますと、損益のほうでおそらく四、五千億の財政援助ではないかというふうに思うわけでございます。それがまだ少ないといわれれば、ここは見方の問題でございますが、私は、財政当局としてはずいぶん思い切ったことをやってもらったということでございます。運輸当局といたしましては、なお実はお願いしたい点もあるわけでございますが、予算のことも、事情もよくわかっておるものですから、また逐次お願いしてまいりたい、こう思っておるわけでございます。 一方、それだけではとてもおさまりませんで、問題は、やはり運賃のある程度のリーズナブルな引き上げということを利用者にごしんぼういただくとともに、合理化に最後は問題が来るわけでございます。その点では、法案では実は隠れておりまして、いずれ運輸大臣が示します基本方針、特にそれを受けて立つ国鉄側の再建計画の中に、先生のおっしゃったようなことはくまなく出てまいると思いまして、今後その実行が、真に国鉄が再建できるかどうかということにかかると思うのでございます。これは運輸省も一体になりまして、いまの不合理と思われる点を逐次解消してまいりたいと思うのでございます。
○河村委員 どうもあなたは両棲動物みたいなもので、両方にぐあいのいい答弁をされるようでありますが、先ほども公共負担の問題に触れて、公共負担は運賃の中で処理するという意味のことを答弁しておられたけれども、それは一体、旅客、貨物とかの各種の公共負担、これは運賃体系をいじって解消しようという意味で言ったのか、それとも公共負担は公共負担として、運賃値上げをしていって、それで解消しようという意味であるのか、いずれであるのか、返事をしてもらいたい。
○村山(達)政府委員 まず第一に考えるべきは、私は、運賃体系の中で是正すべきだと思うのでございます。実際、その場になりまして、なかなかむずかしい問題もあるかもしれませんが、しかしまず第一、考えるべきはやはり運賃体系の中で是正すべきである、かように思っております。
○河村委員 実際問題としてなかなかいままでも政治的な圧力がいろいろあってできなかった問題ですね。今後も非常にむずかしい障害が一ぱいあると思います。それで今後五十三年までに再建をするという中には、やはり公共負担というものを何らかの方法で解決するということは織り込んであるのですか、ないのですか、これは国鉄にお伺いします。
○石田説明員 お答えいたします。 一体この公共負担だとか赤字線だとかいうようなものは、国鉄がかつて独占制の上にあぐらをかいて収支の状況がすこぶるよかった時分の頭で国鉄に課せられたものだと思うのです。しかしいまや情勢はすっかり変わっちゃった、もうこういうものを負担しなくても、国鉄の収支を合わせ、そして積極的に輸送力を増強していくというようなことは非常にむずかしい。要するに、昔のままで独占制時代のひずみが、つまり、公共負担だとかなんとかというようになったのですからして、これはやはりそういう頭で、国鉄からひとつはずしてもらう。お荷物はひとつ取ってもらう。それでまた余裕ができたときにやればいいんだから、まず取ってもらう、こういう根本方針だけは私はきめていただきたいと思うのです。
○河村委員 これは副総裁でもけっこうですけれども、私がお伺いしたがったのは、五十三年までにとにかく損益計算上黒字になるということを目標にやるわけで、いま運輸政務次官の説明で聞きますと、国の財政措置はあのくらいの程度で、それをもとにいろいろな施策を講ずればそれが達成できるんだ、こういうお話だった。そこで、一体その中にどういうものが含まれて、そういうものが前提になって黒字になるというものがあるはずですね。私はその中にいろいろなむずかしいものがあると思うのです。それを明らかにして初めてほんとうの国鉄の再建の措置というものが成立するはずだと思う。そういう意味で、今後五十三年までに黒字に持っていくためには、こうした公共負担というものはやはり全部何らかの形で是正して、それが織り込み済みになるのかならぬのか、そういうことを伺いたいのです。
○磯崎説明員 その点につきましては、午前中も御質問がございまして、一体今後運賃をどうするんだというお話がございましたが、財政再建推進会議におきましても、この点非常に議論されまして、そして一応推進会議の結論としては、今後公共負担の是正を含みつつ、運賃改定を行なっていくんだ、こういうことになっております。しかも、公共負担につきましては、これもいろいろ論議の結果、できる限り受益者負担の原則による、二で割ったような話になっております。といいますのは、委員の中で一部絶対国で持てという議論と、やはり受益者負担というふうな議論と両方ございまして、結局白か黒かということは現状におきまして無理じゃないか、したがって、そのときの財政状態その他に応じてできる限り受益者負担の原則によって是正していくんだ。逆に申しますれば、受益者負担の原則によらないこともあり得るんだ。委員会に私も出席しておりましたが、委員の中でこういう議論が続出いたしまして、両者を折衷したような説で、やはりそのときの国の財政状態あるいは国鉄の収入状態、先ほど総裁が申し上げましたように、国鉄自体の収入状態の問題も考えるということで、必ずしも絶対に公共負担を全部国でめんどう見るとか、あるいは絶対に見ないとかいうことについての最終的の結論は出せないままにこの結論が出されている。しかし、これを含んで大体運賃改定というものは実収一〇%くらいに考える、こういうような結論になっております。
○河村委員 受益者負担がどれだけで、国の負担がどれだけ、それはけっこうなんです。ただ将来の計画を達成するための要件の中にそれが織り込まれておる、何らかの形での是正分が織り込まれておる、そういうことでいいわけですね。 そこで、いま部分的に入ってしまいましたけれども、そうしたいろいろな多くの問題があろうと思いますので、今後国鉄自体で近代化、合理化の努力を相当大幅にやらなければならないはずでございます。それには増収もあろうし、節約もあろうし、そのほかいろいろあろうと思うのですが、具体的なことはけっこうでございますから、大体の構想はもうすでにまとまっておるんでしょうかどうでしょうか。総裁いかがでございますか。
○磯崎説明員 政府の御援助と国民の御協力と、それから、やはり何と申しましても国鉄自体の企業努力ということは一番大事でございます。積極的な面といたしましては、収入の増加、これはもう申すまでもございませんが、これにつきましては旅客、貨物についてあらゆる努力を尽くしていきたいと思っておりますが、反面、機械化、近代化による合理化ということによって相当な経費を捻出したいということも、これは当然考えなければいけないことでございまして、大体けさほども御答弁申し上げましたが、一応現在考えております全体の投資の中で、機械化、近代化あるいは要員の合理化等に資する全体の投資総額が約七千四百億、三兆七千億のうち七千四百億くらいのものを見込んでおるわけでございます。 その内容にいたしましては、もう特に申し上げることございませんが、やはり営業のやり方の近代化、運転作業の近代化、あるいは保守の近代化、あるいは事務の近代化という各方面にわたっての機械化、近代化ということをぜひ進めてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○河村委員 やや具体的に各項目についてお伺いしたいのでありますけれども、増収対策ですね、通常運賃収入の自然増、これはおそらく経済成長率か何かではじいて見込みを立てられるのだろうと思いますけれども、それ以上に収入を増加する道というのはなかなか骨の折れることでありますが、何らか特別の施策によってどの程度の増収を考えておられるか、それを伺いたい。
○磯崎説明員 将来の収入の増加の問題でございますが、いろいろ見通しもございますが、一応私どもといたしましては、経済企画庁でつくられました、五十三年度までの国内輸送における鉄道、自動車、船舶、各交通機関の輸送のシェアというものを一つ頭に置いております。しかしこれだけではとても将来の収入の見込みを全部カバーするわけにいきませんので、まず旅客の面におきましては、まず第一に鉄道プロパーの仕事といたしまして、新幹線の岡山までの開通を昭和四十六年度一ぱい、それから博多までの開通を一応昭和五十年度というふうに見ております。しかしこれは、私どもといたしましては、できればもう一年くらい繰り上げられれば繰り上げたいというふうに考えております。もちろん東海道の場合のように、すぐ非常に大きな収益を期待するわけにはまいりませんが、岡山開通あるいは博多開通によりまして、相当旅客収入の増加を期待できる。一般の伸び率に対しまして、約二%ないし三%の上積みができるというふうに考えております。それから全般的な在来線につきましても、極力——最近おかげさまで全国の幹線に電化、複線化が相当できましたので、線路の輸送力にも余力ができました。したがって、この余力を使って、特急、急行等の増発をしてまいりたい、こういう料金収入の増加も考えております。 貨物におきましては、何と申しましても、いま私どもの一番の問題は、石炭の減送でございます。御承知のとおり、石炭の減産によりまして、すでに国鉄は、一千万トンくらいの貨物輸送の減を来たしております。これが残念ながら将来とも減っていくだろうという推定のもとに、石炭の減送の穴埋めをまずしなければならない、同時に何とかプラスをしなければならないということで、まず現在やっておりますことは、いままでの荒っぽい貨物輸送の考え方をやめて、極力きめのこまかい各物資別の輸送をやっていく。それからもう一つは、コンテナを中心とした速度の早い貨物輸送をやっていく。けさも企画庁長官おっしゃいましたが、現在トラック輸送に対して鉄道輸送が劣っている一番大きな問題は、ドア・ツー・ドアでないということが一つと、あと速度が非常におそいということ、不確定だということでございます。これにつきましては、何とかコンテナ輸送を明確化して、いわゆるフレートライナー、イギリスでいま非常に一生懸命やっておるようでありますが、フレートライナー輸送を徹底的にやっていくということによりまして、将来の貨物輸送の自然増——自然増と申しますのは、石炭輸送の減を埋めた自然増なんでございますが、そのほかにやはり数パーセントの貨物輸送のコンテナ化による増送ということをぜひ考えていきたい、こういうふうに考えているわけでございまして、四月の下旬から、東海道にはコンテナ列車をとりあえず四本だけ動かしてみたい。これは国鉄の責任におきまして、ドア・ツー・ドアの輸送のお引き受けをする、こういう形で、時間も東海道のトラックよりも早い。夜中に集荷して朝配達する、こういう形式でもってフレートライナーをとりあえずやりますが、これを全国的に広めてまいりたい、こういう程度の増収対策を現在考えております。
○河村委員 今後新しい増収対策を考える場合に、従来の国鉄が許される事業、それ以上の事業範囲の拡張をやって収入を得ようという計画は、今日のところはまだないわけですか。
○磯崎説明員 ただいまその点を申し落としましたが、いわゆる事業範囲の拡張といたしまして、旅客と申しますか、旅客面ではターミナルにおける事業、せいぜい不動産事業でございますが、ターミナルにおける不動産事業程度のものはせひやりたいというふうに考えております。 それから貨物におきましては、いま倉庫事業等いろいろやっておりますが、そのほかにいま考えておりますことはパイプラインの輸送でございまして、これはすでに部内にパイプラインの調査委員会をつくりまして、ごく最近欧米に人を出しまして、相当慎重にパイプラインについて具体的な検討をしてまいるつもりでおりますが、これは石油類の輸送が今後ふえるということと、最近いろいろ石油輸送につきましての公害の問題等が起きておりますので、それに対する一つの防止対策という意味におきましても非常に意味があることでございまして、そういう程度の付帯事業と申しますか、事業範囲の拡張ということをいま考えているわけでございます。
○河村委員 その次に要員合理化のことで、もうすでに総裁が運輸委員会等でもある程度言明されているようでありますけれども、今後十年間における要員の合理化についてどの程度のスケールのことを考えておられるか、それを伺いたいと思います。
○磯崎説明員 この点につきましては、すでに総裁から運輸委員会で御説明しておる点でございますが、ただいま申しました約七千四百億くらいの投資をすることによりまして、自然にいままで人力でやっていたものが機械化されるということで、相当数の人が浮いてまいります。同時にわれわれが考えなければならぬことは、国鉄で必要とする新規労働力、これの供給力がどんどん減っ てまいることでございまして、御承知のとおり、昭和四十年度をピークとして、高校卒の供給力がどんどん減っていっております。したがいまして、たとえ国鉄が人をほしいと申しましても人が得られない。国内産業のバランスから申しまして、国鉄が必要とする人間を全部得られるかどうかということは将来相当疑問になってまいります。そういう労働力の需給の問題と、国鉄自体の近代化、機械化の二つの点から考えまして、いまの計画でまいりまして、大体昭和五十三年度に四十万人程度の人間で仕事ができるような機械化、近代化をしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○河村委員 この十年間くらいの国鉄の、金額でなしに業務量で見た生産性の伸び率、それからそれに対応する人件費の伸び率、これはどのくらいになっておりますか。
○磯崎説明員 過去昭和三十年から四十二年までの十三年間の統計でございますが、労働生産性の伸び率といたしましていろいろ見方がございますが、一応の換算客貨車キロによって見ますと、昭和三十年度を一〇〇といたしますと、昭和四十二年度におきましては一七〇、一人当たりの換算客貨車キロは一七〇、すなわち一応これを労働生産性といたしますと、七割くらい生産性がふえております。一方賃金でまいりますと、名目賃金が昭和三十年度を一〇〇といたしますと昭和四十二年度は三〇一でございます。これは物価換算いたしまして実質賃金に直しましても、昭和三十年度を一〇〇といたしますと、昭和四十二年度は一八九、いわゆる生産性の上回った実質賃金、名目賃金はもちろんのこと、実質賃金のアップもなされている、こういうことになっております。
○河村委員 いま将来目標四十万ということを言われましたが、それを指数に引き直しますと、大体労働生産性の伸びを何%に持っていこう、そういう計画になりますか。
○磯崎説明員 この問題は非常にいろいろ要素がございますが、一応こまかい前提を省略いたしまして、私どもだけで推定いたしております数字で申しますと、過去の生産性の伸びが、大体いま申しました一〇〇から一七〇になります過程で、平均の伸び率が四・五%、これは日本の産業全般に比べまして非常に低うございますが、一応四・五%という実績でございます。それを今度は一応六・二%に引き上げたい。もちろんこれは先ほど申しました七千四百億の設備投資をいたしまして、労働装備率が上がるということによりまして、いままでの四・五%の伸びが六・二%に伸びるであろう、また伸ばさなければいかぬ、こういう考え方でございます。
○河村委員 こまかいことを伺っているひまはありませんけれども、大体鉄道事業というのは本来サービス業であり、また断続的な業務であり、一般的にいって労働集約的な仕事であります。そういう意味で、一般の生産業に比べると省力投資も困難だし、生産性の上げ幅はなかなかむずかしいのでありますが、そういう意味で、今日までやってきたような通常の作業の簡素化、合理化という方法だけではもはや大体合理化が底をつきつつあるように思われます。いま七千五百億の設備投資をおやりになるという話でありましたけれども、そうした裏づけを持って、ほんとうに自信のある——自信のあるという言い方もおかしいのでありますけれども、要員合理化問題でありますから、今後当然労働組合その他と相当大きな問題になることは間違いないので、そうした場合に、対応する組織、労働組合、職員等が、初めから絶対反対で全然受けつけないというなら別でありますけれども、そうでなしに、積極的に近代化、合理化に取り組むという姿勢を前提としての話であります。そういう場合にほんとうに労働組合なり職員なりが消化し、そしゃくができるだけの裏づけを持った計画をお持ちであるかどうか、そういう自信がおありであるかどうか。
○磯崎説明員 その点は、過去一年半のいわゆる五万人の合理化問題というときにおきまして、いろいろ組合とも折衝いたしました。しかし何人が見ましても、現代の企業で、機械化、近代化をしないで新しい世代に生き残ることか困難なことは明らかなことでございます。一方、ただいたずらに労働を強化するという考え方でやることも、これはまた私は間違いだと思います。したがいましてあくまでも設備投資をして、機械化、近代化をして、そしておのずから人が浮いてくるということの結果、その全体の人間が減ってくるという形にならなければいけないと思います。この点につきましては、今回の法案を御承認いただきますれば、さっそくに組合のほうにいろいろ具体的な内容を説明いたしまして、そしてほんとうに相携えて国鉄の再建に力をいたしてまいりたいという強い決意を持っておるわけでございます。
○河村委員 聞くところによりますと、旅客、貨物両方とも駅を整理して、相当駅を減らすことによって、人件費ばかりでもないでしょうけれども、人件費、物件費とも大きな合理化を計画しておられるという話でありますが、それは事実でありますか。
○磯崎説明員 けさほど社会党の久保先生のお話もございましたが、現在一番人をよけいかかえておりますのは長大赤字線区と申しますか、非常に大きな赤字線区の問題でございまして、この駅の配置が昔と同じように、人力車あるいは荷馬車時代の駅の配置になっている、大体四キロに一つというふうな配置になっております。これではとても自動車の発達した今日、旅客、貨物輸送にも適当いたしませんので、私どもといたしましては、貨物につきましては徹底的な集約をやって、そして自動車と鉄道との結合輸送に重点を置いてまいりたい。また旅客につきましても、駅はやめるわけにはまいりませんが、なるべく車内の営業等をやりまして、駅の無人化をはかっていく。しかし乗降はもちろんしていただくという形でもって、極力新しい形の、自動車と鉄道という時代にふさわしい駅の配置に直してまいりたい。そういう意味で、小駅の整理ということは当然行なわれてくるというふうに考えております。
○河村委員 そういう場合に、単純に駅の廃止ということはほとんどできないにひとしいわけですね。当然いま副総裁も触れられたけれども、自動車との共同輸送をやらなければならぬ、そういう場合に現在の国鉄が許された事業範囲でそれはできるのですか。
○磯崎説明員 自動車との共同輸送につきましては、実は現在の法規では非常にむずかしい点がございます。鉄道が直接あまり鉄道と関係のない路面輸送をやることは不可能でございます。しかし場合によっては、国鉄バス自体を動かすという問題もございますし、またできるだけ民間のバス会社、トラック会社と協力して自動車と鉄道との共同輸送をやってまいりたい。今般のフレートライナーにつきましても、いままでのように通運業者しか使わないという体制を改めまして、できるだけ一般のトラック業者と協力してやるという体制を新しく開いてみたいというふうにも思っておりますが、そういうことを端緒といたしまして、今後一般のトラック業界、バス業界あるいはタクシー業界とタイアップして共同輸送の実をあげていきたい、こういうふうに思っております。
○河村委員 運輸政務次官、いまの問題ですね、私がさっき国鉄の自立体制をつくらないで再建ができるかと言った中には、単なる財政措置を言ったわけではなしに、いろいろな種類のやりたくともできないような仕事も一ぱいあるわけですね。この問題なんかおそらくやりたいというよりも、合理化をやるためには片一方でもってバスもトラックもやらなければならぬ、そういう時期が必ず来るはずだと思うのですね。そういうことに対して運輸省は今回の再建措置を考えていく場合に一体どういうふうにお考えですか。
○村山(達)政府委員 いま国鉄副総裁が答えられたような各方面の経営改善のための合理化も当然考えてまいらなければならぬと思っておりまして、この財政再建法第三条においてもそのことが出ているわけでございます。業務範囲の拡大とかあるいは通運制度の改善、こういうことをうたっているのはそういうところをねらっているわけでございます。
○河村委員 ほんとうにこういうのをはっきりやらせようと思ったら、法律的に国鉄の事業範囲を確定するというようなことまで運輸省としてのスケジュールに入っていなければおかしいのです。そうでなければ、単なる利子補給や何かでは、再建計画が勘定合って銭足らずで、ただ毎年の出入りを計算していけば黒になるというだけのことで、十年たってみたら結局赤字はいままでよりも大きかったということに必ずなるにきまっているのです。 きょうは時間がえらい催促されておるものですから、あまりやっておるひまはないのですけれども、赤字線の問題についてもう一つ伺いますが、赤字ローカル線についても相当大きな合理化計画をお持ちのようであります。これも非常に大きな問題でありますけれども、一体いまいわゆる赤字ローカル線の今後の計画の中で、廃止あるいは自動車転換、こういうものを予定されておるキロというのはどのくらいでありますか。
○石田説明員 大体諮問委員会の案としましては八十三線、こういうことになっておるのでありまして、その八十三線の現在の状態を見ると、約百五十億のマイナスになっている。これをどのくらい実際にやるかということについては、今後これを徹底的にひとつ調査しなければいかぬ。その上でひとつよく地元の諸君と相談して、ほんとうに納得を得た上で鉄道審議会にかけ、運輸大臣の許可を得てやる、こういうことでありまして、八十三線全部やるかどうかということは今後の調査、それから地元との折衝ということできまるわけであります。
○河村委員 運輸政務次官、これは先に国鉄にお聞きするのがほんとうでありますが、片一方鉄道建設公団で、これから廃止あるいは自動車転換しようと考えておられる赤字ローカル線と同じ程度のものを、いまどんどんつくっているわけですね。そういう状態を前提にして一体転換計画が進められると、運輸省ではお考えになっておられるかどうか。
○村山(達)政府委員 赤字路線の問題につきましては運輸委員会等でもお話し申し上げているわけでございますが、国鉄諮問委員会で赤字線の廃止を検討してみてはどうかということで八十何線にわたって出たわけでありますが、これは推進会議のほうでは、それはなるほど一つの問題点ではある、しかし国鉄というものは同時にまた実質上の国営みたいなものでございまして、公共の利益にやはり奉仕しているわけでございますから、単に赤字だということで廃止されては困る、とにかくその場合にはどうしてもその代替機関がまず第一なければならぬだろうし、また代替機関があるにいたしましても、そこにおけるいわゆる赤字路線がその地域の開発に非常に役立っているとかなんとかいうことになりますれば、その面からもまた維持を考えてみなくてはならぬ、要するに一つの検討材料として考えるべきであって、要は国鉄の、採算性ももちろんでありますけれども、公共性の面から考える必要があろうということを言っているわけでございます。 鉄建公団の問題につきましてもわれわれはさように思っているわけでございまして、鉄建公団の営利性につきましては、収益はなかなかむずかしいと思いますけれども、しかしこれは国土の総合開発のために必要であり、また住民の利便とかあるるいはその地域の開発のために必要であれば、これはたとえ赤字でもやらなくちゃいかぬのじゃなかろうか、つまり企業性と公益性と申しますか、その両面から考えてやってまいらねばならぬので、単に赤字だからすぐ廃止ということにはつながらぬのだろう、かように思っておるわけでございます。
○河村委員 私はそんなことを聞いているのじゃないのですよ。一般論を聞いているのじゃなしに、国鉄のこの五十三年までのスケジュールには赤字ローカル線を自動車転換するというようなことによっての合理化、節約あるいは増収というものを織り込んで、それで計画が立っているわけですね。ところが片一方で鉄道建設公団では同じような赤字をつくっている。そういう状態を前提にしていて片一方で同じものが一体やまるかどうか、そのことだけを端的にお聞きしているのです。
○村山(達)政府委員 いま申したことで大体あれだろうと思いますが、要はその具体的な事情によるわけでございますから、たとえば国鉄において赤字線を廃止するということがこれはあり得ると思うのでございます。ですからそれはもちろん五十三年までの中に計画しているわけでございます。しかしまた一方鉄建公団におきましては、赤字であっても全体から必要なものについてはこれは建設せざるを得ないわけでございます。ですからそこはやはりその路線路線の持つ使命の具体性に応ずるわけでございますから、一律にはいかないと思うのでございます。一方で廃止するものがあるのなら一方は建設というのはおかしいじゃないかという議論には、直ちにならないと思うのでございます。(「苦しい答弁だね」と呼ぶ者あり)
○河村委員 苦しいどころじゃなしにそれは理屈にも何にもなりやせぬので、国の施策というものがいかに支離滅裂であるかという証拠がここに一番端的に出ているのです。きょうは私はもうさっきからやいやい言われているからそうそうじゃまをしてもいけませんからやめますけれども、いま私が申し上げたところでもおわかりのように、これからの再建計画というのは、いま伺った限りでは、勘定合って銭足らず、いろんな前提条件が政府の施策によってとられない限り、十年たって——まだ十年先は生きているはずでありますから、お互いに検討してみれば、完全にこれは失敗であったと言うにきまっているのです。その前提条件をそろえることが今度の再建計画の心棒だが、それが一切欠けているところにわれわれの一番不満なところがある。きょうは時間がありません。なおまた時間をみてもう少しお伺いしたいと思いますので、きょうはこれでやめます。
○大竹委員長代理 広沢直樹君。
○広沢(直)委員 せんだっての予算委員会で大体物価の観点から国民に与える影響について私は質問いたしました。きょうはちょっと観点を変えて具体的ないろんな問題でお伺いをしておきたいと思います。 委員長、運輸大臣はあとからですね。きょうは来ますか。
○大竹委員長代理 六時ごろ参議院が終わったらすぐこちらへ入るそうですから、御了承いただきたいと思います。
○広沢(直)委員 それじゃ運輸大臣がいらっしゃる前に具体的にいろんな面をお伺いしておきたいと思います。 まず、国鉄の財政が十年計画で黒字に好転するという一つの案が出ているわけでありますが、この試算に基づいて若干お尋ねしておきたいと思います。 まず今回の赤字の原因については種々論じられたところでありますけれども、第一次計画においての運賃値上げあるいは第二次計画、第三次計画とそのたびごとの運賃値上げについては、それぞれ合理化をはかるだとかあるいは東海道新幹線ができるということで、利用者に対するサービスになるということが一つの大きな柱になっておったわけであります。今回の値上げにつきましては、前からの委員会でも種々論じられているように、国鉄の財政がこのままではどうにもならない、再建のためだ、こういうことになっているわけですね。そういうことになりますと、今回の運賃値上げによって、いつ黒字に好転して、いつ再建できるか、国民の側に立ってみれば、先日の委員会で指摘したとおり非常に大きな値上げになっているわけでありますから、当然その点を明らかにすべきだろうと思うのです。ただ赤字だから値上げをしてくれというだけでは国民としては納得できない。そういう面で推進会議のほうにおいても長期的な十年間の計画というもので大体試算はこうなるだろうという案を立てられているわけでありますが、まず次官のほうにその点についてお伺いしておきたいと思います。
○村山(達)政府委員 今度の再建会議でやるべきことは、先ほど申しましたように、まず国鉄側におきまして収入の増加施策あるいは近代化投資あるいは省力投資その他新たに事業拡張等も含みますし、なお駅の無人化であるとかそういった各種の方面の合理化を進めてまいるのは当然でございますが、一方財政におきましても、先ほど申しましたように一般会計から十年間で約二千三百億、そのほかに二千五百億程度の借り入れ金につきましては十年据え置き、二十年均等償還ということでございますから、その金利効果がおそらく二千億程度にのぼると見ているわけでございます。そういう財政的な、つまり納税者の側からの協力を得まして、また最小限度の運賃の値上げを利用者にも負担してもらいまして再建を推進してまいるわけでございますが、これでおそらく計画年度の最終年度ぐらいに収支がとんとんかあるいは若干黒字ぐらいのところで落ちつき、自後はずっとその状態で安定するのではなかろうか、大体そういうところを想定いたしまして先ほど申しました各種の方法を講じてまいったわけでございます。
○広沢(直)委員 抽象的にはそういう先の見通しということも考えられるわけでしょうけれども、具体的にこの国鉄財政再建推進会議のいろいろな提案があるわけであります。この提案だけではやっぱり理論的なものであって、具体的にそうするとどういう柱に沿ってやっていくかは、やはり数字で示していきますと、明らかになってくると思うのです。ところが、御存じだろうと思いますが、これに試算というものがついておるわけです。これによって見ましても、十年後には一応黒字になるという御試算が出ておるわけでございますが、いま運輸省としてもこの点を基準として考えていらっしゃるのかどうか。いま申されたような抽象的な話ではちょっと納得しかねる問題があるんですが、どうですか。
○村山(達)政府委員 何しろこれは試算でございますし、それに十年という期間を見通しているわけでございます。一年でもずいぶん経済見通しの変わってくることは御案内のとおりでございまして、もしわれわれが前提にした条件が変わらなければこれくらいになるであろうというのでございます。特に一番心配しておりますのは、実は消費者物価が一体どれぐらい上がるかということは、おそらくここで一つのきめ手になってくるのじゃないかというふうに考えておるわけでございますが、およそ四、五%ということを前提にいたしておるわけでございます。しかし、計画をまたねばやれないことでございますから、そういう性質のものといたしましてはできるだけこまかく積み上げたつもりでございます。
○広沢(直)委員 今度の財政の再建にあたっては、大体三つの柱を立てておられます。この中ではまず第一に国鉄の徹底した合理化、近代化ということ、もう一つは国及び地方公共団体の財政措置、それから再建期間初期における一〇%程度の運賃改定、その後の適切な是正ということを柱にしておるわけですね。それに基づいての表であろうと思うのです。したがって、一応試算であることは私たちもよくわかるのです。しかし、一つの図面に沿って努力していくということでなければ、変わるかもわからぬということで数字の羅列ではしようがないと思うのです。予算委員会等でも、こういう問題がいまの物価上昇のおりから問題になっておる。昨年においては、企画庁は絶対に今年はストップをさせようという感覚があったが、ことしになってから、赤字だから再建しなきゃならないから国鉄だけは何とか値上げを認めてもらいたい、こういうふうに聞いているわけです。ほかの物価は絶対に上げないと何回もここで公約されているわけです。ところが、国鉄がどうしても再建しなければいけないから、こういうふうに値上げを認めてくれということになりますと、やはり率直にいって、具体的にはどうすれば黒字になっていくのか、こういったものが理論的には出ているけれども、具体的な数字として並べられたとすれば、やはりそこに確固たる意義づけというものがなければならないと思うのです。それでなければ、赤字だから認めてくれといえば、赤字になるといつでもそうなってしまう、いつでも利用者負担にはね返ってしまうのだという感覚にもとれるわけです。ですから、ここに出ておるような「施策による増収額」によって、大体こういう数字が並んでいますが、この「施策による増収額」というのは、どういうようなことを見込んでこういうものが立てられたものか、またその次には、その「合理化による経費節減額」とありますけれども、これについても、どういった面でこういうふうな数字の試算が出てきたものなのか。「財政措置等」についても、いろいろいわれておりますから大体わかりますが、その点どうでしょうか。
○町田政府委員 お答えいたします。 先ほど政務次官が申し上げましたように、いろいろの前提条件を置いた数字でございまして、そういう意味の参考資料とおとりいただきたいと思います。 まず現状のまま推移した場合にどういうふうになるかというところの前提条件でございますが、一応輸送力につきましては、定期について年率四・一%から三%くらい上がるという前提でございます。それから普通の貨物につきましては、五・三%くらい上がるであろう、それから貨物につきましては四・四%くらい伸びるだろうということでございます。それから賃率は四十三年度の横ばいということで考えております。それから補助金につきましては、現在やっております第三次長期計画中の工事に対して交付されるもの、これだけを考えております。 それから次は支出でございますが、経営費につきましては、要員については現状のとおり不減不増ということで考えております。それから給与につきましては、四十四年度以降定昇を含む九%のアップを見込んでおります。物件費につきましては、先ほど政務次官のおっしゃった三、四%の増を見ております。それから市町村納付金については、現状のまま推移する。それから工事規模につきましては、再建会議で考えております三兆七千億というのを一応考えております。その他外部資金については、利率七・一%、償還七年、出資は現状のまま、こういうような一つの前提をつくりまして、そうして現状のまま推移したらどうなるかということを試算いたしましたものが、この試算表の一番上にございます「現状のまま推移した場合の長期収支」ということでございます。 それから次は、それを事項別にどういうふうにしたらどういう勘定になるかということでございますが、これは三つに分かれておりまして、「施策による増収額」、それから「合理化による経費節減額」、それから「財政措置等」、こういうふうに分かれておりますが、「施策による増収額」は、今後の計画というところで、先ほど副総裁からかなり詳細に述べられましたが、要するに、旅客につきましては、新幹線等を含む急行列車、優等列車等の増強ということ、それから貨物につきましては、フレートライナーを中心とする貨物の近代化というものを織り込みまして考えておる次第でございます。それから「合理化による経費節減額」につきましては、先ほどの物件費の増を大体一%ぐらい毎年減らしていくという考え方でございます。それから要員の合理化、ローカル線等につきましても、大体先ほど副総裁が述べられましたようなものが数字として入っておる次第でございます。それから「財政措置等」につきましは、これも前々述べておりますけれども、財政再建補助金のこの期間中の増額ということ、それから再建利子補給金は、今度再建債に相当しますものが政府管掌資金のこの年度間のたな上げということで入っております。それから市町村納付金につきましては、大幅な節減ということで大体三分の二節減するということで数字が入っております。それから鉄建公団の出資を削減すること、あるいは鉄建公団に国鉄が払っております借料を現在は七年間で払っておりますが、これを償還ベース二十五年ということに延ばしたというふうに考えております。こういうようないろいろな前提を置いてつくりましたのがこの試算表でございます。
○広沢(直)委員 そうしますと、この合理化による経費の節減の中にいまローカルの赤字線の問題も出ておりましたが、これはいま問題になっております二千六百キロですか、これの廃止を含んでいると伺うわけであります。そういたしますと、これは十年間でありますから、十分の一にして毎年二百六十キロぐらいずつの整理が含まれているわけですか。
○町田政府委員 試算としては二千五百キロということで平均二百五十キロということで含んでおります。
○広沢(直)委員 それから五十年にはいま鉄建公団がやっております六十二の新線建設ができる予定になっておりますが、一ぺんにできるわけではなくぼつぼつできるわけですけれども、そういったものもこれは含まれておるかどうか、どうですか。
○町田政府委員 お答えいたします。 鉄建公団の新線につきましては、御承知のようにまだペースがだいぶおくれておりますし、具体化しておりませんものですから、数字としては入っておりません。
○広沢(直)委員 そうしますと、一応われわれがいろいろ伺っている中で、今回の運賃値上げあるいはその後の是正というような問題で、この表を見ますと、大体四年ごとに、十年間にあと二回運賃値上げがある、こういうふうに見込まれるわけですが、どうですか、その点は。四十八年そして五十二年に運賃値上げがあるということになっているわけですね。
○町田政府委員 試算表では注に書いてございますように、一応いままでの経過に従って四年に一ぺん一〇%上げたとしたら、こういう試算表になっております。ただし、先生御承知のように、本文では今後の物価上昇等に応じてしかるべくやりなさい、こういうことでございます。
○広沢(直)委員 そうしますと、いま御説明いただいたように、ローカル線の赤字の問題も、先ほどお話がありましたとおり、赤字だからといって廃止するわけにはいかない、しかし極端な二千五百キロについては、何とかしたいという国鉄側の意向も報道等を通じて知っておりますけれども、その面に関しましてもやはり地域開発の問題とか過疎、過密対策の問題とかいろいろな問題がございますから、これを一がいに赤字だから全部はずすわけにいかないと、先ほど次官もお答えのようでございました。そういうことになりますと、これが大体含まれているということになりますと、試算とはいえ、初めからそういった面にかけては、これはもう全然将来十年後には運賃上げで黒字になるということを言い得ないということなるのですね。
○村山(達)政府委員 これは先ほど鉄監局長が言いましたように、ある前提で計算いたしておるわけでございまして、赤字線の廃止につきましては、一つ一つ検討いたしまして、その妥当性の上に廃止するかどうかをきめるわけでございますので、いまの試算とは違ってくるかもしれないのでございます。しかし、いずれにいたしましても、たいした金額にはならぬであろうという想像でございます。
○広沢(直)委員 それはこの表を見て私もいま話しているわけですけれども、たいした金額にならぬ、やはり赤字線の廃止は、いまさっき申し上げました六十二線の鉄建公団の新線の建設、こういったものを含んでいない、こういうお話でありますと、見通しが変わってくるじゃないかと思うのです。六十二線できたとしても、四線くらいが黒字で、あとは赤字線ということになるんじゃないか、そういうふうなことですから、やはり今回の値上げの一つの問題が、過去にありましたように、第一次、第二次あるいは第三次計画にありました電化をするだとか、あるいはまた保安対策を強化するだとか、新幹線をつくるだとか、こういった合理化や近代化をはかる上で、どうしても長期計画に基づいた資金需要のためにこれは上げなければならないという趣旨が入っておったと思うのです。ところが今度は赤字だということなんですから、再建しなければならない。これはほっておいていいということは、私もないと思うのです。何とかしなければならない。何が何でもほったらかしておいても、物価のためにはどうなってもいいというわけじゃございません。しかしながら、この赤字で上げるということになれば、国民に対してはやはり運賃値上げによって将来こういうふうにして黒字になっていくのだ。ですから、この際はどうあってもこの程度のことをしなきゃならないという説得がなければ、いま言う試算が出てもあいまいな試算である。十年後には一応はこれは黒字になることになっているのですね。しかし、その中にはいろいろ千変万化するものも含まれたままになっている。そういうことであれば、これは運賃値上げをしてくるということが無理じゃないかと思うのです。この原因については、これは現在の交通体系、運輸体系が変わってきた、あるいはそれに投じた投資の不足といいますか、これからもどんどん投資はしていかなければなりませんでしょうし、これは基本的な財政の問題に触れると思いますけれども、しかしながら、要するに、いま運賃値上げをどうあってもこれはしなければどうにもならないのだ。それも初年度において運賃値上げを言ってくるくらいであれば、当然この見通しというものはある程度的確なものを、これは多少は変わったとしても、的確なものを持って、十年間の中でこういうふうに再建いたしますという一つの図面ができなければ、赤字だから、これだけ平均一五%の運賃改正をするのだということは、ちょっと納得しかねると思うのですよ。その点、どうですか。
○村山(達)政府委員 計画がその試算どおりいくかということになりますと、さき言ったように、幾つかのまだこれから具体的に変化をする事情はあると思いますが、全体の試算の上での計算から申しますと、そう大きな影響のある要素ではないというふうに考えておるわけでございます。一方、利用者にお願いいたしているのは、赤字ということもさることでございますが、むしろ積極的に今後これから国鉄に要求される輸送力の増強あるいは近代化という問題は、即利用者の利便につながる問題でございますし、またそれをほっておきましたら、ずいぶんまた利用者のほうで何をやっているかということにもなると思うのでありまして、われわれのほうではむしろ利用者につきましては、そういう国民が将来望むであろうサービスを遺憾なくやりたい、こういうことで実は御協力をお願いいたしているわけでございます。赤字の問題というのももちろんございますけれども、それも突き詰めて考えれば、そのまま赤字をほっておけば、国鉄が国民から負託された使命を達成できない、利用者から期待されております役割りを果たすことができないというところにつながるわけでございます。利用者には特にその点をひとつ御理解を願って御協力いただきたい、こういう気持ちでございます。
○広沢(直)委員 大臣が七時までかかるそうでありますので、時間内にお越しになれそうにありませんから、一応総括的な問題も聞いておきたいと思います。 まず総合輸送政策の問題ですが、これもせんだって私、総理にも伺ったわけでありますけれども、やはり具体的な総合輸送政策というものが今日まで立てられていなかったところに、部分、部分にはあったと思いますが、そういったところに国鉄の場合にも高い利子で借りて投資をしていった。しかしそれが過密、過疎という急激な変化によってこれもまたむだになった。——むだと言ったら語弊があるかもしれませんが、ある程度所期の目的より変わった面が相当あるんじゃないか、ですから、いま一番考えなきゃならぬものは、やはり国の総合輸送政策というものを樹立することが大事じゃないか、こういうことなんですがね。その点についてどうでしょうか。
○村山(達)政府委員 おっしゃるとおりでございます。一番最近の事情を見ておりまして、立ちおくれていることの一つは、この経済あるいは社会の急激な変化に対応し切れない輸送事情ということが目につくわけでございまして、今後これを充足してまいらなければならないことはこれはもう当然でございますが、そういった意味で国鉄の受け持つ分野、あるいはトラックはどうなるであろうか、あるいは海運はどういうところを受け持つであろうか、こういう全体の構想を描きながら今度の国鉄の役割りをはっきりさせて、それに焦点を当てて、これから三千七百億余に及ぶ投資をやっていこう、こういう考えでございます。
○広沢(直)委員 描くのはけっこうですけれども、もちろん私が申し上げているのは、その具体的な計画を立てるべきじゃないかというわけです。もちろん経済企画庁における新国土開発計画というものも昨年できておりますし、あるいはまた運輸省も昨今輸送長期計画というのを発表していますね。しかしこれが全体じゃない。いろいろ内容を見てみましても、新幹線を主軸とした一応の理論的なものはそれぞれ書いてあるわけですが、しかしながら、私たちが言っているのはそうじゃなくて、それももちろん大事だけれども、やはりいまの道路の行政、建設だとかあるいは産業育成を考えていくなら通産省も当然入るでしょうし、産業の育成をはかる上においてのパイプラインがいまの鉄道なりあるいは道路なりということになるわけですから、そういった総合的にミックスしたもので計画を立てて、そうしてまた私鉄だとかあるいはトラックだとかあるいはバスだとか、こういう輸送分野がずっと体系的にできていくと思うのですね。そういったものを合体した考え方でひとつ樹立していく必要があるのじゃないか、こういうわけなんです。いまのところを見ますと、経済企画庁はマクロ的に大きな分野に立って経済発展の上から国土総合開発計画というものを立てているわけですね。それからまた運輸省においては輸送長期計画ですけれども、これはやはり鉄道を主体として、あと具体的な分野がどういうようになっていくかという体制がはっきりしてないわけです。あるいはまた鉄建公団なら鉄建公団も、この間新聞に載っておりましたけれども、それ自身もやはり長期の新幹線構想というものを主軸にしてかいてあるだけ。また、いま自動車化の時代が来ているわけですから、諸外国におけると同じように日本もいま四十五人に一台の自動車を持っているんですか。それがだんだんヨーロッパ並みになってくる。そうするとこれから販売もふえていくということになってまいりますと、またその構想が変わってくるんじゃないかということも考えられるし、これから十年先あるいは二十年先ですか、その見通しに立った一つの交通総合対策というものを立てるべきじゃないか。たとえば一昨年ですか、ドイツなんかに樹立しているレーバープランというものですね。ああいうふうな総合的なものを具体的に立てていくべきじゃないか、そういうふうに考えるのですが、その点はどうでしょうか。
○村山(達)政府委員 いま交通分野で十カ年計画あるいは五カ年計画というのがそれぞれ設けられておることはもう御承知のとおりでございまして、国鉄については今度の十カ年計画がございますし、私鉄についても五カ年計画がございます。また海連についてもことしから新しく海運新六カ年計画が始まるわけでございますし、また航空についても五カ年計画をいま実施中でございますし、港湾についても昨年から五カ年計画をいまどんどん進めているわけでございます。また道路については御案内のとおりに六兆六千億という計画がいま進められているわけでございます。それぞれ計画は進めてまいっておりますが、それらの結びつきが今後大きな問題になって具体的にどうするかというようなことで、先ほど副総裁が申されたように、フレートライナーであるとかあるいは複合ターミナルの構想であるとか、そういったものを織り込んでいきまして、海陸一貫輸送あるいは鉄道と上フックの一貫輸送、高速化あるいは大量化という、おのずからなる分野を考えつつ連携をとっていく、そういうことによりましていまありますそれぞれの何カ年計画というものを結びつけていくということでございます。さらに大きく申しますれば、いま企画庁を中心にしてやっております新全国総合開発計画、こういうところに結びつくわけでございますが、これは何ぶんにも目標年次が六十年でございますし、しかも都市計画から産業構造からあらゆる好ましい変化を予想した青写真でございますので、それはそれとして長期の見通しとして持っている。われわれのいま考えておりますのは十年ないし五年くらいのところでそれを結びつけていく、こういうことをやっているわけでございます。
○広沢(直)委員 国鉄にお伺いしたいのですが、第一次五カ年計画あるいは第二次五カ年計画も中途から挫折しているわけでございますけれども、こういった投資のほうが相当大幅に、今日まで累積すると約二兆円くらいの投資をやってきた。ところがそれは国鉄債券というのを発行しますと非常に高い利子、七分から七分五厘ですか、こういうふうなことで、昨年からその利子補給はある程度やってもらうということになっていたようですが、そういったところに今日の赤字をつくっていく原因があったのじゃないかということなんです。四十二年度単年度だけを見ましても、営業収入においては黒字が出ている。決算書を見ましたら黒字になっているわけです。旅客収入は黒。貨物は赤ですが、これはプラスマイナスしますと黒字になっている。どうしてこういうふうに財政が悪化してきたかというと、いま言うような投資が大きな借金をかかえてやってきたというところに問題があると思うんです。これは何も国鉄ばかりを責めるわけにはいかぬわけなんですけれども、そういう面にかけてはやはり当然いろんな面からの努力はしていかなければならないと思います。こういった計画をやる場合においての借入金の場合など鉄道債券を発行して高額の利子で借りる、こういう体制の中にやはり問題があったのじゃないかと思うのです。 それからもう一点、具体的にお伺いしておきたいのは、この監査報告をちょっと見ておりますと、国鉄の資材購入も二千億をこえる資材購入をやっているわけです。この資材購入の契約のあり方は三通りありますけれども、ほとんどの契約は随意契約になっておるわけですね。これは一般的に公共的な立場においてはよくいわれておりますように公開競争入札、これが会計原則になっているわけです。ところが随契のほうが非常に多くなってきておる。こういうところにもやはり、随契というのはあくまでも例外規定であって、たてまえは一般公開競争入札でやっていくべきじゃないかと思うんです。これは諸官庁の場合においては公開か指名か、公開を原則としておりますから、国鉄さんにおいてもそういうふうなことは当然なされてしかるべきじゃないかと思うのですが、この経緯についてちょっと説明していただきたい。
○石田説明員 初めのほうの部分を私から、あとは副総裁からお答えいたします。 御承知のとおり国鉄はこの三十二年から第一次五カ年計画を一年に約一千億の投資でやったのですが、それも四年で打ち切った。ということは、第一次五カ年計画というものは修理というものを主にしておったのですが、そのうちに輸送需要というものが非常にふえてきた。だからこんなことじゃだめだということで、修理とともに輸送力をふやそう、こういうことで、第二次五カ年計画としては二千億円というものを投資するということでやったのです。三十二年に運賃値上げをやりまして、その後も三十六年、三十八年ですかやった。大体三十二年から三十八年までの国鉄の収支はプラスなんです。三十九年になってマイナス三百億になった。その一番大きな原因は何かというとベースアップなんです。ということは、御承知のとおり国鉄の職員の給与というものはあとの二公社に比べてきわめて不公平に安かった。これはひとつ是正してもらうということで国会に訴え、さらに仲裁裁定に持っていきましてベースアップを他の二公社以上にやっていただいて、いままでは一人について四千円くらい給与が少なかったものを、それを是正してもらうということでもって、結局これが三十九年の損の一番大きな原因。それから四十年度に千二百三十億の損を出しましたが、これは第三次計画をやるについては通勤輸送ということに非常に大きな金がかかる。しかもこれは自己資金がないために借金をもってやらなければならぬ。借金をもってやった場合にはとても通勤輸送の増強なんというものはたまらぬということで、運賃値上げを要求いたしまして、大体においていいだろう、こういうことになっておった。それがまた物価というものにぶつかって、結局十一カ月延ばされた。それがために国鉄の収入というのは約千三百億ミスした。今日は運賃の値上げは一割五分ということなんだが、その時分には旅客運賃は三割一分ですか、相当大きなものだった。国会のほうでもさほどに反対がなかった。それでまあ千三百億の収入は得られるということで大いに喜んでおったところが、最後の間ぎわになってから十一カ月延ばされて千三百億ミスした、それが千二百三十億の損の一番大きな原因だと私は思うのです。その次は、つまり四十一年、四十二年でありますが、それからは本問題に入ったわけなんです。これはつまり四十年からあの二兆九千七百二十億の出資、それに対して四十年から勇敢に投資をやった。その投資の一番大きなものは通勤輸送、そのほかに幹線の輸送力というようなもので、一カ年に三千三百億とか、三千五百億とか、最後には四千億ということをやったために、その利子が非常に大きな負担になった。たとえば四十年なんというのは、三十九年に比べて二、三百億ふえまして、六百五十二億になっている。四十一年にはそれが八百五十三億にふえ、四十二年にはそれが千四十七億にふえる。それで四十三年には千三百二十六億、四十四年は千五百億というこの利子の負担、これがくせものなんです。ここで国鉄の収支状態というのは非常に悪くなってきた。こういうことで今日の財政の再建、建て直しをやらにゃならぬ、こういうことになっているのでありまして、この運賃の値上げなんというものに対しては、要するにそうむずかしく考えないで、コストが高くなったがゆえにやはり値段を上げなければならぬ、こういう簡単、明瞭な経済原則で、収支を合わせるためにはどうしてもそれをやらにゃならぬ。ただ、しかし、その合わせるために利用者に持たせるものはできるだけ少なくせにゃいかぬ。それには国鉄というものはまずもって徹底的な収支の合理化をやる。収入をふやし、経費を減らす。同時に政府のほうでも国鉄に非常に大きな合理化、公共負担というものをしょわせておった。そしてまた通勤輸送なんというものは、これは全く住宅政策の一環である、こういうことで、これはやはり政府は持ってもらわにゃ困るということで、財政措置、こういうことになっているのでありまして、その結果どうしても持ってもらわにゃならぬというところで、私どもは最少額の九百十億というもの、一割五分を持ってもらう、こういう形であります。 あとの公開その他につきましては副総裁から……
○磯崎説明員 国鉄の契約問題につきましては、去る予算委員会におきまして広沢先生から御質問ございましたときにお答え申し上げましたが、いわゆる随意契約と申しますもの、これは正確に申しますと、私のほうでは見積もり合わせ競争契約というふうに申しておるのであります。いわゆる随意契約ということばからくる印象とはちょっと違っておりますが、これは大きく分けまして二種類ありまして、一つはいま問題になっておりますレールあるいは車両、まくら木、橋げたというふうに、一種の政策請負契約でございます。これは事柄の性質上、運転保安と非常に密接に関係がございますし、いわゆる安ければいいという性格のものではございません。これは業者を非常に限定いたしまして、個別に見積もりをとりまして、そして競争さして契約している、これが一種の本社でやっております随意契約でございます。 それからもう一つは、地方で買っておりますもの、これは雑品と申しては非常に語弊がございますが、雑品類でございまして、これが全体の資材の購入が二千二百億くらいございますが、地方でいわゆる見積もり合わせ競争契約で買っております金額は約百七十億ぐらい、全体の七%ぐらいに当たっております。これにつきましては規定上は御承知のとおり国鉄法四十九条によりまして、ただし書きで、政令でもっていわゆる公開競争入札によらなければならない場合がたくさん限定されております。その中で一件六十万円以下のものについては公開競争入札でなくてよい、こういう規定がございますが、実は私のほうは部内的にこれを押えまして、一件三十万円以下でなければいかぬというふうにしております。したがいまして、いま申し上げました地方で買っておりますいわゆる雑品類、これは約四百種類ございますが、それの購入高百七十二億、これは件数から申しますと約七十八万件ぐらいございますが、一件二十万円前後のものでございます。非常に小さい品物でございまして、これも決して一軒の店からだけしか買わないという意味の随意契約ではなしに、必ず複数以上の業者から見積もりをとりまして、その見積もりの競争によって安い者から買っている、こういうことでございまして、大きく申しまして随意契約の全体の金額の中で、ほとんど大部分が本社で買っております。二千二百億のうち千六百億の車両、レール、橋げた等の重要資材が大部分でございまして、あといまのお話しの地方調達のものにつきましては、いま申しましたように一件一件の金額が小さいものでございますので、公開競争入札に非常に手数がかかりますから、一応部内の規定で政令を下しまして、三十万円でやっているわけであります。
○広沢(直)委員 いまいろいろ御説明ありましたけれども、やはり随意契約にはいろいろある、こうおっしゃっておられますが、こういう資材二千億というのは相当大きな金額なんですね。会計の原則からいえば、これはもう一般公開の競争入札でなければならぬ、こういうことになっているのです。例外としては指名ないしは随意契約、こういうことになっているわけですね。十年前から見ますと相当随契がふえているわけですよ、件数にしましても、金額にしましても。ですから、やはりこれは極力そういった公開競争入札という方式をとるほうが安く買えるということになる。節減という上から考えていけば当然じゃないかと思うのですね。それが特殊な事情や、いろいろ理由をつければ、何においてもそれは理由はつくと思うのです。しかしこの会計原則を守っていくということが大事なことであって、この面に関して考えてみましたならば、どうしても一般競争をさせていくということが、こちらは仕様書を出すわけですから、単に一般から何でもいいというわけにはいかないわけであって、五社あったって二社あったって、これはやはり競争入札をさせればいいと思うのです。そういう方法をとっていくのがたてまえじゃないかと思うのですね。それがずっと推移を見ていると、ほとんどが随契になってしまっている。これは変な考え方かもしれませんが、三十七、八年ごろから急激に鉄道債券というのがふえているわけです。高い利子なんですが、そういった問題は、債券を受けている会社、これと随契とは何か関係があるのじゃないか、こういうように考えられるのですよ、その点どうですか。
○石田説明員 大体購買するときに、大勢の者にいわゆる入札させるというようなことは、これははなはだ安く買えるようで必ずしもしからずである。これはやはり競争は非常に激甚になる。その結果生じたものだと思うのですが、いわゆる談合というのがある。だからして一般入札するということは決して安い方法ではない。それよりも、最も信頼できるような者だけに指定して、そうして出さして、国鉄はそのうちで最低の者をとるというわけじゃない、最低の者とさらに談判する。それでこっちの積算に適合するようにできるだけ安くさせる。こういうことなんで、まあ悪いことばですが、一般の入札によってやるということは、これはしろうとの買い方で、ほんとうのエキスパートというのは決してそういうことをやるべきものじゃない。国鉄のつまり体験から生じた購買方法である、こういうことに説明いたしておきます。
○広沢(直)委員 それで、国鉄再建の特別債にしましても、引き受けがやはり車両会社だとか建設会社だとか、関連会社、こういうことになっているわけですね。当然、だからこれだけの大きな投資をしていかなければならない。その資金需要のためにこの債券を発行して高い利子になっているわけですから、これは、政府からの利子補給がかりにないとした場合においてはたいへんなことだと思うのですね。ですから、やはり随契という形とこういう形が何か関連があるんじゃないかとどうしても思われるかっこうになるわけですよ。これは時間がございせんから具体的に聞いているひまはないのですけれども、やはりセメントにしてもまくら木にしても、あるいはレールにしても、あるいは燃料等々の大きな品目、相当量使うものですね、これはやはり随契になっているはずなんです。これはやはり指名競争かあるいは公開でできると思うのですね。緊急の場合だとか、どうしてもそこへしなければ損害をこうむるんだとか、会計規程の中には随契をする場合の規定はあるわけですよ。それがない場合においては、これは当然需要として要るものについては初めからわかるはずなんですね。ただ、随契にするんだったら、検査していく、あるいは原価計算がこちらでできなければならないと思いますから、そういうようなことで、公開にしますと、やはり非常に違ったものが納入されたとか、いわゆるややこしい手続もあったかと思いますけれども、やはりそれを的確にチェックしていくという手段を講ずることは当然のことじゃないかと思うのですよ。聞くところによると、国鉄さんが買っているこういう主要な品目というものは一般の建て値みたいなものになっているというふうに一般にいわれているぐらいですから、その点はやはり考えて、こういう公共性のあるものについては競争入札をしていくというような方法をおとりになるほうが当然、何割か何分かしりませんけれども、余裕が出てくるんじゃないか、こういうように考えられるのですよ。それが逆行したような、ほとんど全部、九四%まで購入資材は随契ですからね。これはちょっと考えてみるべき問題があるんじゃないかと思うのですが、これはどうですか。理由はいろいろあると思うのですけれどもね。
○石田説明員 これは、さっきも御説明申し上げましたように、初めは国鉄は一般の購入方式でやっておったのでありますが、その結果すこぶるよろしからず。ことに工事の請負なんという仕事は、必ずそこに談合というものがある。だからして、入札によってその最低の値段をとるということは必ずしも安くない。だから、ある業者を指定してそして入札してそれで契約をする。われわれの積算もありますからして、やはりその最低のやつを貫いてわれわれの積算に合わせるようにする。こういうことなんで、これは、国鉄が多年いかにしたら安くいいものを買えるかと苦心惨たんした結果がここに至ったのでありまして、その間に何ら汚職があるわけじゃない。汚職がないなら、やはり指名入札か随意契約にすることが一番最低の値段になる。こういうことで、これはいろいろ体験の結果ここに至ったのでありますから、その点はどうぞひとつ御信用くださるようにお願いしたいと思います。
○広沢(直)委員 別に、いまの経費の節減という面からこれを御指摘申し上げたわけですけれども、それじゃ後日、これは資料として要求申し上げておきたいと思うのです。いま、石炭だとかセメント、まくら木、普通レールあるいは車両、燃料、電線ケーブルとか、そういった大きな品目でいま随意契約している会社ですね、これを資料として一ぺん提出願いたいと思います。 じゃ引き続いて今度は、先ほどから問題になりました独立採算制の問題なんですがね。これは種種論議がかわされているようにもうやはり限界が来たのじゃないかと思う。来たのじゃないかというより、来ている、こういうふうに言わざるを得ないわけです。どうしても国鉄が独立採算制をもっていかなければならないという理由が何かあるのですか。
○村山(達)政府委員 公共企業でありますから、当然いわゆる独立採算制の中で扱うというのが原則だと思います。そしてまた今度の計画でやられたようにやってまいりますれば、先ほど担当局長からるる御説明申しましたあの線でやっていければ、何とかこぎつけてやれるのじゃないかと思うのでございます。もしこれを一ぺんはずしますと、まあ言ってみますと限度がないわけでございまして、そのことは結局合理化意欲もなくなりますし、また国民の税金をむだに使うということにもなりましょうし、広い意味で考えますと、やはり独立採算制というものは堅持するというたてまえでいくべきだ、こういうふうに思っております。
○広沢(直)委員 それは確かに独立採算制をとるという一つの大きな意味もあると思うのですよ。しかしながら独立企業的な場合に、たとえば専売公社のようにそれだけやっているという場合には、そのワクの中でやりなさいと言うこともできると思うのですが、国鉄のような公共企業体の場合においては、あくまで営業収支だけを考えて、あるいは利益だけを考えてやるというわけにはいかないわけです。それは私鉄においてはあるいは私企業においては、独立採算制で赤字を何とか消していくためには線をぶち切ることもあるでしょうし、あるいはいろいろな面で節減をしていかなければならない面もあるでしょうが、国鉄のような場合においては、やはりこれは国の施策の上にのっとって赤字の線も進めなければならないという問題も出てきましょう。そうなりますと、営業収支のほうは、先ほど申し上げたように、四十二年度決算においても黒字が出ている。ところが、いま言うような資本勘定のほうにおいては利子が大きな借金をかかえて利子を生んで、たいへん赤字になってきた、それが大きな原因になってきたんだ、こういうことになってきますね。そうすると、政府のほうは独立採算制できちっと限ってしまって、いままでよく言われておりまするように、出資にしても最初の四十九億ですか、それから四十億、対日の見返り資金ですかね、あれの肩がわりをした分だとか、大体四十九億ぐらいしか出資していないのじゃないか。ですから、政府の施策としてやっている文教政策だって、通学の割引だとかあるいは通勤の割引の問題にしてもあるいは学生割引の問題、いろいろそういうような政策面からやっていかなければならない問題、あるいは産業政策上の問題からやっていかなければならない問題等々があるわけですね。福祉あるいは文教、産業、そういう割引の分も全部そちらへかぶせてしまってやっていけば、当然赤字になるということはわかり切った話ですよ。ですから、以前にも新聞に出ておりましたけれども、ずっとそれを累積していくと、石田総裁は指摘しておりましたが、一兆円ですか、一兆円ぐらい政府に貸していることになっているのだというようなことを伺ったことがあるように記憶しているのですけれども、結局そういうようなところからやはり無理が来ているのじゃないか。他国のやっているように、やはりある程度の政策面を生かしていく上から考えていくならば、当然政府の財政援助をやっていくべきじゃないか、こう思うわけですがね。
○村山(達)政府委員 これはやはり何といっても国鉄が公共的であるということはもう当然でございまして、その意味である部分から言いますれば、赤字を覚悟でやらなければならぬということもございます。しかし、一方におきまして、利益を上げたりあるいは配当負担がないわけでございますし、また税金がかからぬわけでございます。したがって、それを考えてみましても、先ほど御指摘のように、政府の出資が八十九億、そのほかに再評価準備金が一兆二千億ぐらいあるわけでございますから、まあ一兆三千億ぐらい出資をしておる勘定になるわけです。それについて何の配当負担も要らないわけであります。そしてまた黒字を出す必要もないわけなんでございます。したがいまして、やりようによりまして独立採算というのは可能であり、またそれを目ざさなければ一体どういうことになるのか。公益性をたてまえにとって幾らでも税金をつぎ込めということでは不公平なんだと思うのでございます。やはり利用者にもその受益の限度においてできるだけ——それは低いにこしたことはございませんが、しかしやむを得ない場合はある程度は負担していただくということでなければ、やはり企業としての合理化をはかれない、かように思っております。
○広沢(直)委員 それでは一言言って終わります。 とにかく、推進会議においても、国鉄は公共的な性格を持っているんだから、公共的不採算の輸送の維持を行なうのが本来の使命で、独立採算制の原則にとらわれる必要はないんじゃないか。ですから、収支相償わない場合は国が援助すべきじゃないか、こういう意見も出ているわけですよ。当然これは基本的な問題として、全部国鉄にそういうふうに押しつけてしまった。その赤字が出てきた分は、今度は国民に押しつけていくんだ。政府は知らんふりしているんだ。こういう形は今後考え直していくべきじゃないかと思いますよ。これは他国の例が、各国全部そのように是正して、一般財源からこれをカバーしていっているということは例を見るまでもないわけですから、これは十分考えていただきたいと思います。 時間がありませんから、以上で終わります。(拍手)
○大竹委員長代理 本連合審査会は終了いたしました。 これにて散会いたします。 午後六時五十二分散会