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61回国会衆議院1969/06/11

運輸委員会 第31号

発言数
120
登壇者
11
会派数
4
開催日
1969/06/11

会議録

砂原格自由民主党

○砂原委員長 これより会議を開きます。  道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  これより本案に関して、参考人から意見を聴取することといたします。  本日御出席の参考人は、日産自動車株式会社取締役社長川又克二君、日本大学講師副島海夫君、トヨタ自動車工業株式会社取締役社長豊田英二君、以上三名の方でございます。  参考人各位には、本日御多忙中にもかかわらず御出席を賜わりまして、まことにありがとうございました。本日は、本法案の審査上、自動車の構造上の欠陥等について、参考人各位からそれぞれ忌憚のない御意見を承り、もって本案審査の参考に供したいと存ずる次第であります。  御意見の開陳は、おおむね十分程度におまとめいただくようにお願いいたします。御意見の開陳は、委員長の指名順に御発言を願うことといたします。  なお、御意見の開陳のあと、委員から参考人各位に対し質疑を行ないますから、あらかじめ御承知おきを願いたいと存じます。  それでは、まず川又参考人にお願いいたします。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 御指名をいただきました川又でございます。  ただいま自動車の構造上の欠陥についてということでございましたが、先般来、日本の自動車、私のほうの自動車につきましても、新聞紙上で報道せられるような欠陥があるということで、実は毎日紙面をにぎわしておる次第でございますが、こういうことの内容をお話し申し上げてみたいと思うのであります。  まず、新聞紙上で指摘されました点を申し上げますと、米国においては、こういう欠陥を生じた車について、あちらのことばではリコールといっておりますが、リコールをしておる。「ニューヨーク・タイムズ」の記事等によっても、アメリカの国産の車、また、アメリカに輸入されている車、これはすべてリコールをされておるが、これはアメリカの安全基準局とでも訳しますか、ナショナル・ハイウェー・セーフティー・ビューロー、こういう文字であったと記憶いたしますが、そこへ届け出をすることになっておるわけでございます。なお、届け出て、その上にその車の第一次の使用者に、日本語で申しますと書留というふうな文書で、どういうことを基準局に届けました、どういう対策をいたしましたという内容を届けなさい、そしてユーザーにも早く知らせて、これが安全に寄与するように、こういうことになっておるわけであります。  ところで、「ニューヨーク・タイムズ」で指摘されましたのは、日本の車はこういうことについて公表していないではないか、これはフェアな態度ではない、こういう記事であったように記憶いたしておりますが、同様なことが日本で行なわれていない、日本のメーカーは欠陥のある車について公表していない、これはやはり公表すべきではないか、現に事故が発生しているではないか、こういうことであります。  日産自動車の場合について申し上げますと、私どもで昨年発売いたしましたブルーバードという名称でございますが、それの気化器のパイプの接合部分、あるいは燃料ポンプへのパイプの接合部分からガソリンが漏れて、そこでディストリビューターの火だと思いますが、それに引火してエンジンルームに火災が起こる、こういうことが起こっておる。にもかかわらず、これをメーカーは隠しておる、こういうことであります。実際に公表という手段はとっておりませんでした。そしてそういう車に対しましては、販売店を通じまして点検し、あるいは巡回サービスあるいは文書によって修理をしたい、こういうことをいっておるわけでありますが、そういう手続が非常に不十分である、こういう御指摘であると思います。  そういうことが起こりましてから、監督官庁であります運輸省からも通達をいただきまして、従来は「自動車型式指定規則(昭和二十六年運輸省令第八十五号)第十一条第一項の変更の承認を必要とする場合には、遅滞なく所定の手続をとること。」これは従来ともやっておりますが、第二項で「前項の変更の承認を必要としない場合にあっても自動車の構造又は装置について変更をする場合には、速やかに運輸大臣に対し届出を行なうこと。」第三項としましては「前二項に係る自動車の構造又は装置の欠陥及びその改善措置については、早急に自動車使用者に対し周知徹底を図るための適切な措置を講じること。」、こういう御指示をちょうだいしたのであります。この第二項の「前項の変更の承認を必要としない場合にあっても」と申しますのは「構造もしくは装置の不良に基づく事故が発生し、又は発生するおそれがある場合には、この種事故の発生を防止するため、」という冒頭の記載がございますので、これが適用されまして、従来、設計変更はそのつど指定車両につきましては運輸省に届け出、御承認をいただいてやっておるわけでありますが、それ以外の、従来はそういうことをやらなかったものについても、今後は「事故が発生し、又は発生するおそれがある場合には、」この種の事故発生を防止するために、構造を変更するその内容を全部運輸省に届け出なさい、こういう御指示でございまして、私どももさっそく従来の点を種々調査いたしまして、実は本日の午後になると思いますが、運輸省に私どもの車についての改善を考えたい点、これらを列挙いたしましてお届け出をすることになっておる次第であります。  自動車の構造その他について、従来とも私どもは、品質管理なりあるいは工程検査、いろいろの手段を講じまして、十分にはやったつもりでございますが、こういう申せば不注意の面もあったといえる面もないではございませんが、そういう御指摘を受けるようになりましたので、今後は工場その他の製造あるいは外注部品の検査等につきましても、なお一そう厳格にやらなければいけないだろう、これはすでに工場、下請の各位には通達済みでございます。  なお、万一そういうおそれのある車両につきましては、今後すみやかにユーザー、現に使っておられる方々に対して、いち早くその内容をお知らせ申し上げ、また、場合によっては新聞紙上を拝借して、紙上によってこれをあまねく通達したい。早く知っていただいて、早く不安を取り除いて対策を講じたいということでございまして、実は今日運輸省にお届けいたします内容につきましても、たぶん明日の新聞に私どものほうから各紙を通じまして、紙上報告をいたす予定でございます。  以上、かいつまんで御報告申し上げます。

砂原格自由民主党

○砂原委員長 ありがとうございました。  次に、豊田参考人。

豊田英二トヨタ自動車工業株式会社取締役社長

○豊田参考人 今回私どもの車両の問題につきまして、いろいろ御心配をわずらわしましたことを、申しわけないと考えております。  いま川又社長からもお話しがありましたので、私どもと若干重複する点があろうかと思いますが、一応申し上げさしていただきたいと思います。  当然のことではありますが、新しい製品の企画から設計、発売という各段階におきましては、私どもが発売しようという製品の信頼性につきまして、可能な限りの確認を行なった上で販売を開始いたしておるのであります。しかしながら・はなはだ遺憾でありますが、市場で予測せざる故障が発生した場合には、迅速な情報連絡と対策実施をはかり、事故を未然に防ぐように努力を続けてまいったのであります。しかしながら、新聞等で御指摘もございましたように、若干遺憾な点もありましたので、今後はさらに一そう安全性を確保するために、最大の努力をはかっていきたいということを考えておるわけであります。  今回問題になっておりますトラブルは、私どもで三十九年に発売を始めましたコロナ乗用車のブレーキチューブに関する問題であります。ブレーキチューブが床下にありますので、飛び石を防ぐというためにビニールホースを被覆いたしまして、プロテクターとして使ってあるのであります。ところが、福岡の販売店より異常の連絡がありました。私どもは、市場における車両四十台につきまして調査をいたしましたところ、その結果、海岸地帯のような、さびに対して条件の悪い地域で使われる車においては、ブレーキチューブにさびを発生する。そしてこれを長期に放置いたしますと、ブレーキチューブに穴があくおそれがあるということがわかりました。なお、この原因による故障は全国で三件ほど発生いたしましたが、幸いにも大事に至ってはおりません。  そこで私どもといたしましては、これに対してどういう対策をしたかということを申し上げたいと思います。  四十三年八月以降の生産車に対策を講ずるということをまずきめまして、次のような実施をいたしました。ブレーキチューブのメッキを、従来使っておりましたのは鉛すずメッキでございますが、これを亜鉛メッキに変更する。被覆として使っておりますビニールチューブを廃止いたしまして、飛び石対策といたしましては、コイルバネをチューブの外へ巻きつける。それから必要なところには特殊なペイントを塗布して、防錆処理をいたしますというのがこの対策でございます。そして、この対策をユーザーに連絡をいたしますには、四十三年八月に全国のディーラーに対しまして対策依頼の文書を発送いたしまして、積極的に進めることにいたしました。  その実施状況もチェックをいたしておる。特にやりましたのは、特別サービス班を編成してユーザーを訪問する。また、定期整備等、入庫の場合には徹底的にこれを利用して直す。あるいはダイレクトメールまたは電話によって工場へ来ていただく、セールスマンを動員して工場へ入れていただく。中古車につきましては、中古車部と協力をして対策をするというような対策をいたした次第であります。対象の車両約五十三万台程度であります。そのうち二十八万台がすでに対策を終わりまして、その実施率は約五四%でございます。  そういった方法で従来はやってまいりましたが、それだけでは不十分であるということで、今後はさらにユーザーへの連絡の徹底をはかるために、次の対策を実施して進める方針であります。  まず、明日の六月十二日付の新聞紙上を通じてユーザーへの周知徹底をはかる。それから第二は、登録原簿によりまして、第二次、第三次のユーザーの調査を進める。第三は、販売店を通じて未実施車両保有者、第二次、第三次ユーザーにダイレクトメール、電話、セールスマン連絡等によって、指定の整備工場に入っていただくように勧誘する。各都道府県にございますところの整備振興会の協力を得て、傘下の整備工場に未対策車が入りました際は、トヨタ販売店と連絡をとっていただくようにお願いをする。中古車業者に対しましても、上と同じようにお願いをする。さらに各車検場におきまして各販売店から係員を派遣して、未対策車に対して対策の指示をするというような手をとって、万全を期したいと考えておる次第であります。  以上、はなはだ不行き届きの説明でありますが、これで終わらしていただきます。

砂原格自由民主党

○砂原委員長 ありがとうございました。  次は、副島参考人にお願いします。

副島海夫日本大学講師

○副島参考人 私は、社会人あるいはもっと狭くいいますと、使用者として毎日自分でハンドルを持っておりますけれども、その使用者としての立場から五つばかりのことを、ふだん考えておりますことを、この機会に申し上げさしていただきたいと思います。  まず第一ですけれども、いろんな事故とか、それから不都合が自動車によって起こっておりますけれども、こういったものを防止するには、三者が共同して防止に当たらなければ、結局は効果があがらないと思います。この三者というものは、まず自動車のメーカー、それからその次は取り締まり官庁、これは取り締まりというものは何をどういうふうに取り締まるか一ささいなことは取り締まってもらわぬでもいいんですけれども、大事なことは、われわれが安心して車が使えるようにしていただかなくては困るわけでございます。それから第三者としてはユーザー、個々の車の使用者もやはり責任が十分ございます。そのために、いろんな法規もできておると思いますけれども、第三者が、われわれ自身がやることをやらないでおっては、これは話にならないのじゃないかというふうに考えます。いつもそのように万事考えておりますけれども、そういう面から、どうしてもこの際、改善をしていただきたいということが四つばかりございます。  まず、そのうちの一つは、悪いところがあったときには、なぜすぐ公表してくれないのか。われわれは、車を使っている上に公表してもらわなくては非常に困る。これはさっき申し上げました、使用者も責任を分担するという当然の責務だと思います。  ごく簡単に申し上げますけれども、第二番目には、大体現在の、あえて世界の自動車といってもいいと思いますけれども、部品に非常に均一性がない。いいのもあれば悪いのもある。きょう出てきたものと、きのう出てきたものと、違うのだ、均一性がございません。一体メーカーは、部品は下請に出しておつくりになるのでしょうけれども、それを受け入れるときに、どういう検査をしておられるのだろうか、一ぺん行って見てみたいと思います。幾らでこの部品をつくれということをおっしゃるのでしょう。下請は、それに対していろいろ生産工程を考えて、一円でも安くできるように努力する。これが現状でありますけれども、しからば、そういうふうにして出てきたものをメーカーさんは一体どういう方法で、どういうふうに検査をして、これならよろしいということで受け付けておられるのだろうか。それを組み立てて自動車というものができますので、基礎となるものは、外から持ってきた部品を組み立てるときに、その部品が妥当であるかどうかということの検査、これを十分やっていただいて、われわれ使用者の納得のいくようにしていただきたいという考えが、われわれ非常に強いわけでございます。  それからその次は、よく最近ものがゆるんだり破れたりします。破れると、油が漏ったりガソリンが漏れたりします。これは実際は、別にたいした問題ではございません。飛行機でも、それから戦争中なんかは、戦車なんかでも、そういう点は非常に配慮をいたしました。配管をどうするか、特にコネクションをどうするか、接触する部分がないかどうかということをよく検査をしたものでございます。最近また、そういうことが起こっておるようでございます。あまり詳しく事故の車を見たことはございませんけれども、接触することがいまでもあるんだ、また、コネクションのところがすぐいたんで亀裂が生ずるんだとか、それからパイプ自身が腐食したり破れたりするんだ、パイプを取りつけているところがちょっとはずれてしまうのだ、そういったことは私どもから考えると、言語道断じゃないかというような気がいたします。そういう締めるものがゆるんで困るようなところは、やはりゆるみとめというものの処置、これはいろいろ方法がございますけれども、最低限そういうことはやっておいていただかなくては、飛行機なんかでも、途中で油が漏れることになるわけでございます。絶えずそういう長距離に行きますときには、特に山なんかに行くときには、われわれは朝、点検をします。点検しますけれども、あまりこまかいところまではわかりません。非常に危険なところに自分が行くとしまして、いまお話にございましたような事故を、朝の点検で自分が発見できたかどうか、非常に疑問だと思います。やはり初めからそういう心配がないように、できるだけのことはしておいていただかなくては、幾ら点検といっても、虫めがねで洗って調べるというところまではいきませんので、そういう点は問題が残るかと思います。  それから次には、不都合が起こった、事故が起こったと申しますけれども、その解析が非常に不十分でございます。こまかく言うと切りがございませんけれども、非常に解析が不十分でございます。原因——なぜ起こったか、それから燃えてしまったものは、どこからどういうふうに火が出た、どこのトラブルが直接原因であったかということがどうもわかりません。文書で書いたものでは、われわれどうも納得がまいりません。そういった事故の解析、耐久試験をやりまして、その間にどういうことが起こるというようなことも、もっと組織的に、また、学理的に、実験的に、もっと詳しく自動車についてはやらなければならぬ時代だといまは思います。  以上が、現時点におきまして、ぜひ改善をしなくてはならぬとわれわれが考えておるところでございます。  簡単でございますが……。

砂原格自由民主党

○砂原委員長 ありがとうございました。     —————————————

砂原格自由民主党

○砂原委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。細田吉藏君。

細田吉藏自由民主党

○細田委員 参考人に若干の御質問をいたしたいと思います。  その前に、当委員会では道路運送車両法の一部改正法案についての審議を先般来続けておるわけでございますが、この審議の最中に、今回の車両欠陥の問題が大きく世上に取り上げられることになりました。たまたまそういうことで先般来、当委員会におきまして、非常に大きな問題として取り上げておるわけでございまして、本日参考人においでいただく、こういうことになったようなわけでございます。  私、感じますことは、今回の問題は非常に大きな国民的、国家的意味を持っておると思います。これはもう申し上げるまでもございませんが、何と申しましてもモータリゼーションの時代でありまして、国民がもう数人に一人、自動車を持つ、こういう時代でございまして、自動車の構造的な欠陥が国民に大きな不安を与え、さらにまた実際の実害を与える、こういうことでございますから、国民的関心事といわなければなりません。  また、もう一つ私どもが考えなければならぬことは、日本における自動車工業の地位でございます。これはもう何と申しましても、あすの産業であるといわれ、また、輸出産業といたしましても花形で、自動車工業自体はもとよりそうでございますが、これに関連をいたしました産業に従事しておる数というものは、これはもう他産業に比類を見ないような、非常に幅の広い大きな分野を占めておるわけでございまして、そういう点から考えまして、日本の経済自体に大きな問題をもたらすものであろうと思います。  そこで私どもは、今回の問題については、これが原因を探求することは、もとより厳重にやらなければならぬこと、これはもう国民的立場、国家的立場から当然でございますが、と同時にあわせまして私たちは、今回の問題をやはり前進する方向といいましょうか、前向きの方向といいましょうか、今後の問題解決のための一つの契機としてつかまえるということが大切であろう、かように信じております。ただ批判をし、ただ誹謗するということではなくて、将来にわたって建設的な結論をここから見つける、災いを転じて福とする必要があろう、かように考えておるような次第でございます。以上のような前提で若干の御質問を申し上げたいと思います。  まず第一に、両社の社長さんにお伺いしたいのですが、今回の問題は、非常に大きく新聞紙上等で取り上げられておるわけでございますが、これまでには、この種のことはあまり起こっておりませんか、どうですか。そして、ことばが足らぬかもしれないけれども、隠微のうちに、世間からあまり知られないうちに解決してしまったというようなことなんでございましょうか。その辺、私はしろうとでございますので、お聞かせいただければと思います。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 お答えいたします。  従来とも車につきましては、いわゆる私どもはアフターサービスということでやっておりますが、それからもう一つ、クレーム対策、これは、もっとこの辺をよくしたらどうかというようなクレームもありますし、このところが折れやすいというクレームもございます。そういうふうに、決して一〇〇%クレームがなかったということを申し上げるわけにはまいりません。むしろクレームはたくさんある。それを一々販売店のサービス機構を通じましてユーザーへ、修理をする、部品の交換をし、あるいは、ところによりましては設計変更して新しくする、こういうことを繰り返し繰り返しやってきておるのが現状でございます。でございますから、今日運輸省に届けます内容でも、すでに新聞紙上で報ぜられておるケースばかりでなく、ほかのものもこのような状態であるということを率直に御報告いたす予定でございます。

豊田英二トヨタ自動車工業株式会社取締役社長

○豊田参考人 川又社長から話がございましたこととほとんど同じでありますが、私どもといたしましても、クレームについては従来ともいろいろの問題を持っておるし、また、その中には、安全に対して多少の問題があるというようなものも含まれてきておるわけであります。その点は運輸省からの御指示もありまして、本日運輸省に御報告をする予定でおるわけであります。  簡単でありますが、お答え申し上げます。

細田吉藏自由民主党

○細田委員 先ほどの副島先生のお話にもございましたけれども、先般来の当委員会の質疑応答を聞いておりまして非常に感じますことは、自動車の安全性に対する官庁側の機構そのものも、それから能力も、メーカーの技術、メーカーの持っておられるスタッフ、そういうものと比べて問題にならない弱さではないか。したがって、官庁側でえらそうなことをいって規定をつくってみたり、いろいろ設計を見たりするようなことをやっておりますけれども、実際は技術的にも、何もそれは問題にならぬ程度にメーカーのほうが高くて、官庁の側はこれを見るといいましても、どこまで見ているんだろうか。メーカーに——大体メーカーの技術陣に信頼するということ以外ないんじゃなかろうかというような感じを実は持つわけでございますが、これをどうしたらいいかという問題もあとから出てくると思うのですが、実情を率直に言うと、どうもそういう点があるんじゃなかろうかと思いますが、この点は副島先生、いかがでございましょうか。

副島海夫日本大学講師

○副島参考人 自動車に関するそういった技術というものは、非常に多方面にわたりまして、官庁がやることは、官庁がやるにふさわしいことをやる範疇だと思います。それから研究所とか、われわれ学者関係がやるものもまた、それにふさわしいことでなくては効果があがらないと思います。個々のことは、これは当然メーカーがやらなくては、また、そういう体制にしなくてはスムーズにものが運んでいかないのだろうと思います。それぞれの持ち分を守らなければいけないんだろうと思います。いま御指摘にありましたように、私も官庁の技術が十分だとは決して思っておりません。ですけれども、これは何でもかんでもやるというのではなしに、当然国民がこの点は官庁がやってくれるから安心だというところにしぼられるべきじゃないかと思います。それ以外のものがもしありとしますれば、それはやらぬでもいいんじゃないかと思います。  以上でございます。

細田吉藏自由民主党

○細田委員 そこで、もちろん官庁はそんなスタッフを持つということは、言うべくして不可能だ、弱いことは事実だ、おっしゃるとおりだ。しかし、メーカーはたくさんのりっぱな技術陣を持っている、それ以上のものを持つなんといったって、むだなことですし、そういう必要があるとは私は思わない。しかし、現在弱いことは事実だ。だけれども、それではそれにかわるべき方法というのは、たとえば先生のような有力な方、学者もおられれば実務家もおられるんだから、動員するという体制というものはできるわけだ。そういう点につきまして、広い意味での官庁の機構というか、やり方というか、自動車の安全性に対するやり方については、不十分な点が非常に多い。これは通産であろうが、運輸であろうが、警察であろうが、いろいろなところがあろうかと思います。たまたま官庁がばらばらになっておりますが、非常に弱い。これは何とかしなければいかぬというふうに強く考えるわけですが、その点について、副島先生どういうふうにお考えですか。

副島海夫日本大学講師

○副島参考人 技術の分担といたしましては、自動車をつくるときと、それからできた自動車を使うときと、両方に分かれるわけでございますが、私どもは、つくるほうのことはよくわかりませんというか、非常に接近が遠いのでございますけれども、使用の面——われわれが安心して使えるんだ、そして輸送の効率があがるようにする、これは運輸省が当然やっているんじゃないかと思います。そういう法律ですか何かになっているんだろうと思いますけれども、そういうことにあまり私は関心がないのでございますが……。  以上でございます。

細田吉藏自由民主党

○細田委員 いまの点について、両社の社長はどういうふうにお考えでございましょうか、役所に対しまして。いまのところ、きょう午後ですか、あしたですか、運輸省に行かれるとか、あるいは通産省にもいままで行っていらっしゃるとか、いろいろあると思うのですが、たいへん言いにくいことだと思うのですが、メーカーの側から役所に対して言い分もあるのではないかと思うのです。役所はこういうふうにしてもらいたいというような点もあるんじゃないかと思うのですがね。いま副島先生に伺いましたような点も含めまして、何かこの際、特にございますれば承っておきたいと思うのです。これは今後のためにも必要なことだと思います。なかなか言いにくいところもあるかもしれませんが、通産、運輸その他各官庁に対しての御要望等があれば、この際、承っておきたいと思います、この問題に関連いたしまして。

豊田英二トヨタ自動車工業株式会社取締役社長

○豊田参考人 私の知っておる範囲におきましては、日本の運輸省で示されておりますところの保安基準というものは、なかなかしっかりできておる、欧米諸国に比すれば、相当しっかりできたものであると考えておるのであります。私どもメーカーといたしましては、この保安基準を満足するのは当然でありますが、それ以上に私ども独自で考えた点を加味して車をつくっておるつもりでございます。たまたまモータリゼーションの進み、あるいは高速道路の開通等の事情の問題もございますので、技術的な面におきましては、あるいは修正をしたほうがいいという場合もあり得るかと思いますが、私どもそういった場合には、運輸省と御連絡を申し上げて、従来はスムーズにまいっておると思うのでございます。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 いま豊田参考人からお話がありましたように、日本の運輸省の車両の保安基準あるいは車両の整備に関する諸規定、それから定期検査、こういうものは世界的に見ましても、非常にこまかい規定になっておりまして、特に指定車両と申しまして、一々車を陸運事務所へ持っていかなくても、書類だけで審査を、車両検査を受けられてナンバーがいただける、こういうのを指定車両と申しておりまして、大かたのメーカーの多数つくる——一台、二台の車は指定車両の免許は受けられませんが、私ども、トヨタさんその他のメーカーのように、何千台とつくる車両は運輸省の指定車両、認定車両ということになっておるわけであります。これは新しく車を発売するときに、すべての設計の細部にわたりまして、全部お届けいたしまして検査を受けるわけであります。それから自家用は二年ごとに定期検査を受ける、営業関係の車は一年ごと、中古車の場合は一年あるいは一年未満でも受ける、こういう規定は、私は非常に充実したものをお持ちだと思います。  それから、私どもでも、運輸省の船舶技術研究所あたりに研究を御依頼申し上げる点もあるのでございまして、私どもといたしましては、もちろん指定車両ということになっております限りにおきましては、満足すべき車をつくるということは、運輸省から信頼されておるわけでありますので、その限りにおきましては、メーカーが十分責任を果たしてやらなければならないことだと考えております。  ただ、今回の問題につきまして、若干所見を申し上げさせていただきたいと思いますことは、アメリカにおける安全の問題でございますが、アメリカには、たぶん三年くらい前だと思いますが、それまではデパートメント・オブ・トランスポーテーション、つまり運輸省というものがなくて、他の省と御一緒にやっておられたのでありますが、アメリカで排気ガスと、それから安全という問題が非常に取り上げられて、安全基準というものが多数示されておるわけでありまして、USデパートメント・オブ・トランスポーテーション、その中にナショナル・ハイウエー・セフティ・ビューロー、こういうものがあるわけでありますが、そこでいわゆるリコール車——欠陥が生じた車についての届け出を明確に規定いたしておりますが、従来は設計変更という点でわれわれが運輸省に図面その他をお届けすることだけで、欠陥車についての明確な規定はなかったと記憶いたしておるわけであります。  御参考までに米国におけるナショナル・トラフィック.アンド・モーター・ビークル・セーフティ・アクトというものの第百十三節を申し上げますと「自動車メーカーは、安全に関連ある点において欠陥を発見した場合には、第一番目の購入者及びディーラーに対してその旨を通知すること。」第二番目は「通知は受け取り人指定郵便で行なう。」第三番目は「通知内容は欠陥の詳細な内容、欠陥の与える危険度、この種の欠陥を修理是正させるための方法を含まねばならない。」第四番目は「自動車メーカーは同上通知書、報告書、ブレティン、通信文のすべてに対する写しを運輸長官に提出する。」第五番目は「運輸長官は提出情報のうち長官の判断によって本安全法の目的遂行上有用と思われる部分のみ公表すること。ただし、長官が特に有用と思われる場合を除いては、公益上の秘密あるいはこれに類する事項を含むか、関連する情報は公表しない。」こういうふうに明確にリコールの内容について規定されておるわけでございます。  ここにお持ちいたしましたのは、ことしの一月から三月まで、セーフティ・ディフェクト、これは安全に欠ける車ですが、モーター・ビークル・セーフティ・ディフェクト・リコール・キャンペーン、こういうものがアメリカの安全基準局から発表されておるわけであります。これに多数のリコール内容が全部盛られておるわけでありますが、今後どのように運輸省のほうで御規定になるか存じませんけれども、こういう規定がアメリカにございましたが、私どもの従来の慣行でこういうことになっておりませんものでしたから、公表ということについて非常に御指弾を受ける事態に立ち至ったわけでありまして、この点は今後十分考えてみたいと思っております。

細田吉藏自由民主党

○細田委員 私、もう時間があまりありませんし、野党の諸君からもいろいろ質疑がありますので、最後に御要望というような点を申し上げておきたいと思います。  今回の問題が起こりましたことを契機に、私たちは将来の問題をよくしていくということを考えなければいけません。それには、きょうの参考人のお三方は、両社長はもとより、副島先生も、立場は違うわけですが、非常にリーダーの方であります。私たちはこの機会に、今回の問題のあと始末というものは非常に明確にしてもらって、国民のみんなが納得がいくように明確にしていただく、これは申し上げるまでもありませんが、それをしていただくということとあわせて、うしろのほうに政府委員もおられますけれども、一緒になって——いまお話がありましたように、政府は非常にごりっぱだなんという話を承っても、私どもはあまりごりっぱでないと思っておるので、自動車産業がこれだけ伸びてきておりますから、また、モータリゼーションが伸びてきておりますから、必ずしも怠慢だったというふうにも私どもも思いませんけれども、時代が変わってき、事情が変わってきておりますので、そういう新しい時代、新しい事態に対応するようなものを考えていかなければならない、国として、全体として考えていかなければならぬ、こういう時期が来ていると思います。先ほど副島参考人のお話もございましたが、役所側、メーカー側、ユーザー側、これがみんな一緒になって、どうやっていくか、考えていかなければならぬことなんでございまして、そういう点については、きょうはあまりいろいろずけずけおっしゃるわけにもまいらぬと思うのですが、御遠慮なく三者それぞれの代表で話し合っていただいて、今後このような事態が起こらないように、特に指導的なお立場におられる参考人のお三方でございますので、私からお願いを申し上げたいと思います。  なお、関連して福井君が一問あるそうですから、お願いいたします。

福井勇自由民主党

○福井委員 御了解を得ましたので、関連したお尋ねを一、二、ごく短時間、お尋ねをいたしたいと思います。  今度の問題は、新聞紙上や、また、ユーザー側、いろいろな方面で波を打ちましたが、私、運輸委員の一人としての考えでは、技術者的な立場からの私の感想では、両社とも非常に早く良心的に、非常に熱心にその善後策を講じられたということは、その誠意については、私は深く感じておるところでありますけれども、ただここでお尋ねしておきたいことは、自動車の製造にしても、また、一般機械の製造にしても、まず素材と検査機構と、そしてあとは工作技術、この三つが基本になると思います。そこで、現在日本の自動車工業に工作技術の重鎮をなすものは、歯切りとグリーソンなどを中心とした一番むずかしいところが、今度の欠陥は別といたしまして、こういう日本の工作機械が進歩してきたやさきではありますけれども、現在トヨタとか日産自動車において、いまでも歯切りなどについては、どのくらい外国マシン等に依存されておるか。大ざっぱでよろしゅうございますから、エンジニアの豊田さんにひとつお尋ねしたいと思います。

豊田英二トヨタ自動車工業株式会社取締役社長

○豊田参考人 お答えいたします。  いまお話のありましたグリーソン関係の機械と、その他若干の歯切り機械は輸入品であります。大部分の工作機械は、現在国産で全部間に合っております。

福井勇自由民主党

○福井委員 川又さんも大ざっぱにひとつ。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 グリーソンというのは、世界の自動車会社全部がアメリカのグリーソン会社のものを使っております。私どもも同様でございます。  その他の件については、豊田参考人と同意見でございます。

福井勇自由民主党

○福井委員 もう一つだけ。  こういう技術面で、私は素材と検査と工作機械が最も大事だと思いますので、これらの点について、運輸委員の各位は非常に勉強しておられますけれども、私もあらためて両社の技術陣営の方と話をして、その資料の提供を求めたいと思います。また、現地の視察も、時と場合によってお願いするかもしれませんから、トヨタさんも日産さんも、その節はよろしくお願いします。  以上であります。

砂原格自由民主党

○砂原委員長 久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保委員 限られた時間でありますから、簡単に二、三、参考人の皆さんにお伺いします。  まず第一に、御承知のように欠陥車があったという事実でありますが、従来、欠陥車というものが指摘される過程は、どんなふうに欠陥車というのが見つかってくるのか。たとえばユーザーの申告があってか、あるいは御承知のように、運輸省に事業者からの事故の報告、そういうものに基づいてあったのか、それは、そのほかにもあると思うのでありますが、どういうことで発見されたのか、この点、川又参考人にお伺いしたいと思います。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 欠陥の発見の種類でございますが、ユーザーからいわゆるクレームとして起こる場合、事故が発生した場合、それから社内におきまして発売中の車について部品テストを繰り返してやっておりまして、自分自身が発見する場合、この三つがございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そうしますと、事故という場合は、たとえばついきのうもどこかでテスト中に、ある会社の車が燃えたという事故がありました。それから今月に入ってからも、東京のどこかにもそういう車があるわけであります。事故というのはそういう事故から発見されたということでありましょうか、いかがでありましょう。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 御指摘の件は、確かに使っておる人、あるいは先日のケースは北海道でありますが、これは当社の北海道販売店の修理部門に入っておりまして、そこで手入れをしたのですが、パイプにはめるゴムを一たんはずしてみて、中のパイプを打ち込んで、またゴムを入れて、正規の方法はその上をクランプする、バネの強いもので、ゴムの入ったその上からまた締めるようになっておりますが、それを抜かして修繕してみた、こういうケースから起こったようでありまして、これは明らかに作業上のミスと判定いたしております。もう一カ所の分は、確かに使用者の発見したものでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 いま具体的にあげたのは、その例に当てはまらぬかと思いますが、いわゆる欠陥車を発見した動機というものは、お話によりますれば事故、こういうことも一つあるということでありますから、そうしますと、事故というのはどういうケースかということで一つ例をあげてお尋ねしたわけであります。私が聞きたいのは、たとえば官庁側、運輸省なり警察庁、そういうところからの通報によって欠陥車を発見したためしがございますか。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 歩道に乗り上げたとか、あるいは分離帯に乗り上げたというようなこと、こういう事故、これは警察から通報を受けることもございます。しかし、乗り上げたということは、相当運転上の問題もございますので、そういう場合には、いろいろ綿密な調査をいたしますが、運輸省あるいは警察庁のほうから、特に警察の場合は、事故に関係しての報告をいただいております。運輸省の場合は、車検の場合にたまに発見される場合もございます、まれでございますが。大体は  ユーザーのほうからのクレームの内容を販売店を通じて承知し、なお、社内の検査によって発見する場合があるわけであります。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そうしますと、ユーザーのクレーム  による件数との比較論でありますが、これは両社の社長さんにお伺いしたほうがいいかと思いますが、そういうクレームによる欠陥車の発見が多いのか、それとも社内の検査によるものが多いのか、いままでの経験ではどうなんでしょう。

豊田英二トヨタ自動車工業株式会社取締役社長

○豊田参考人 社内において発見されるものとクレームによるものとは、ただいま統計を持っておりませんので、ちょっとお答えいたしかねますが、私の記憶では、社内のものは統計に載らないといいますか、そういった問題にならないで終わっておるものがかなりあるものでありますから、比較はちょっと困難かと思います。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そこでお尋ねしたいのでありますが、ユーザーに対して車を販売されるときに、言うならば依頼するというか、クレームを依頼するというのはたいへん変な話でありますが、重大な事故あるいは摩詞不思議というか、しろうとには判断できないような事故が発生した場合には、通報してほしいとかいうような制度を一つは取り入れたらいかがかと思うのでありますが、川又参考人、いかがでしょうか。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 これはユーザーさんからのクレームは、もちろんそういう火が出たというようなことはまつ先に言ってきてくださいますので、通報を御依頼するまでもないことでございます。また、クレームは非常にこまかい点でもたくさんあるわけでありまして、安全その他には全然関係のないものでも、たくさんあるわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 ユーザーからは当然言ってくるだろうというのでありますが、ユーザーそのものは、それはたくさんおりますから——事業を営んでおる者もおりますし、あるいはいわゆるマイカーもおりますから、そうなりますというと、なかなかそういうふうに徹底したことにはいかないのではなかろうかと私は思うのでありまして、それから販売品に対する責任というか、そういうものからいけば、そういう念には念を入れての、いわゆるだめ押しをしておくことも一つではないかというふうに思うものでありますから、ぜひ考えてみたらどうか、こう思います。——時間もありませんから次に参ります。  いまのお話だと、言うなら事故報告その他からは、欠陥車の発見は通報というか、そういうものはなかなか出てこぬということでありますので、これは制度的にやはり考えていく必要があると思う。そこで副島参考人にお尋ねしますが、先ほどお話しのとおり、事故の解析が非常に不十分であって、というお話がありました。昨日の運輸委員会でも、私どもからそういう同じような趣旨の質問をいたしたわけであります。たとえば正面衝突をしたということ、それは運転者の不注意とかいうこと、あるいは正面衝突して瞬間的に車が燃え上がった、それは電気まわりのショートである、そのために燃えたのだというような簡単な結論を得て、そのまま処理されているのが現状であります。  そこで、特殊な事故については、てまえどもでいま党内で策定中でありますが、きのうも皆さんにも御協力をお願いしたのでありますが、事故審理制度というものを確立したらどうかということであります。それは言うならば、第三者といったら語弊がありますが、学識経験者が中心になりまして、一つの裁判制度といってはおかしいが、審理機関を持ちます。そこにユーザーも、それからメーカーも、あるいは監督官庁も来て、十分に意見を戦わして、事故のほんとうの原因を糾明していくというような制度をつくってみたらどうか、こういうふうに思っているわけなんでありますが、お考えはいかがでしょうか。

副島海夫日本大学講師

○副島参考人 そういうことが絶対必要だと考えます。それで、現在のところはそこまで参りませんけれども、学界では部分的にはそういうことをやろうということで、その変形の変形みたいなことを始めておりますけれども、たとえば自動車の扱いであるとか、なかなか満足するようなところまで、まだ始めたばかりでございますから、行っておりません。非常に解析がむずかしゅうございまして、特に裁判所とか、それから地検などから、しょっちゅういろいろなことを聞いてまいります。特に最近では、原因がどうもはっきりしないというので、その車についてメーカーさんの御意見を聞くわけにはいかないので、第三者としてよく聞かれますけれども、どうもそのときの実地検分書の信憑性、あるいはどこまで必要なことを詳しく調べたか、また、現実にそういうことを要求するのは無理だと思いますけれども、データ不足で、結局、いろいろ不安がうしろに残りまして、非常にいやな思いをいたしておりますけれども、そういう状態であります。

久保三郎日本社会党

○久保委員 いずれ機会を改めまして御協力をいただきたいと思うのでありますが、言うなら、海難には海難審判制度というのがございます。これとやや似たようなかっこうで、いまの先生のお話のようなことも取り入れながらやっていったらどうか、こういうふうに考えています。  それから次には、安全技術というか、それぞれのメーカーがそれぞれの技術を研さんしまして、優秀な車をつくることをおやりになっていると思うのでありますが、やはり問題は安全技術。その他の性能の技術の公開というのはなかなかむずかしいと思うのですね、そこまではまた今日われわれ要求する必要はないと思うのです。これは、それぞれの各社において技をみがいておやりになることが一番いいと思うのであります。ただ安全技術だけは、技術の公開が必要じゃないかと思うのですね。これは、なかなかむずかしいというふうにもとれるかもしれませんが、やっぱり最低限の保障だけはメーカーの責任でもあろうかと思うのであります。これはどういうふうになっておりますか。お二人の参考人からお聞きしたほうがいいと思うのでありますが、安全技術の公開について、もう一歩進めた制度なり態度というか、体制を築いてみたらどうかと思うのですが、いかがでしょうか。

豊田英二トヨタ自動車工業株式会社取締役社長

○豊田参考人 安全の問題につきましては、私どもの技術能力をあげてその方面に力を入れております。そのために、多額の投資も行なっておる次第でございます。  なお、自動車工業会におきまして共同の研究機関を設けるということで、現在進行中でございますことを申し上げておきたいと思います。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 安全技術という御質問の内容が明らかでないように私は感じますけれども、安全技術という特別の範囲ではなくて、全部だろうと思うのでございますが、特にこれが安全技術であるというのは、運輸省できめられました速度標示灯とか、それからバックミラーとか、あるいは光りものが反射しないようにとか、いろいろ項目が多数ございます。そういうことは共同で公開していくことは、一向差しつかえないのでございます。  なお、ただいま豊田参考人から申し上げましたのは、実は矢田部に財団法人で高速試験場というものを両三年前から設立いたしておりますが、本年四月一日から自動車研究所と改組いたしまして、権威ある先生方を多数理事に御就任いただきまして、安全及び公害、それは排出ガスの規制でございますが、両方について積極的に取り組む用意ができております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 私の用語がちょっとまずかったと思うのでありますが、安全技術というのはおかしいので、安全についての研究は共同でおやりになつたらどうか、こういうように思うわけであります。別に御答弁は要りませんが、ただ、そういうものまで何か公開できないというか、オープンにできないというのは、たいへんまずいのじゃなかろうかと私は思っているので、せめてそういう技術だけは、自動車工業会というのがございますから、そういうものが中心で十分おやりになったらどうか、こういうふうに思うわけであります。ある新聞の社説はこの問題に言及しまして、言うならば、社内において性能のいい車をつくるほうの技術屋は日の当たる場所にいるけれども、安全のほうはどうも日陰におるというようなことが、それぞれの会社にあるのじゃなかろうかというふうなことまで言っておられる。それは事実かどうかわかりませんけれども、これは新聞の報道でありますからなんですが、いずれにしても、そういうことがあってはならぬと私は思うのでありまして、ぜひ御検討をいただきたい、こういうふうに思います。  時間もありませんから、最後に、公表については従来、何かどうも隠しだてしたようにとられていることは、業界にとっても残念だろうと思うのでありますが、事実はそうなっております。そこで信用を回復することは、やっぱり日本の自動車工業界にとって災いを転じて、と言っては語弊がありますが、福となす大きな発展の土台になるのではなかろうかと思うのであります。そういう点からいいますと、公表の問題を先ほどは新聞までひとつやっていきます、こういうことでありますが、公表についてはきちんと業界で一致して、もはや今度は公表をオープンにして、前広にして、そしてこの安全を期していこう、あるいは完全を期していこう、こういうことでありますのかどうか。  それともう一つ、川又参考人はアメリカのいわゆるセーフティアクトに言及されまして、それを一々お読みになりまして、アメリカではこの程度だ、こうおっしゃいましたが、アメリカ程度のことをお考えで公表とおっしゃっておられるのでしょうか、いかがでしょう。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 公表の制度——制度と申し上げるようになっておりませんが、公表しろ、こういうことにつきましては、先般自動車工業会でも協議いたしまして、運輸省に届けると同時に、必要なものは新聞紙上等、これは時間が非常に惜しいと申しますか、緊急を要すると申しますか、その範囲はまだ明らかにされておりませんが、内容といたしましては、緊急を要するものは新聞紙上等で公表する、こういうことになっておるわけであります。  それからアメリカのことを申し上げたわけでございますが、どちらかというと、アメリカの安全技術というものを、私どもは参考にいたしたいという気持ちがあったからであります。

久保三郎日本社会党

○久保委員 いずれにしても、本問題はやはり日本の自動車工業界というものにとっても、あるいは安全問題にとっても、一つの大きな転機のような考えが私はいたします。だから、いまの運輸省や通産省が持っている制度そのものも、根底からやはり一ぺん洗い直してみたらどうか。たとえば、きのうも申し上げましたが、なかなか容易でないということです。型式証明を出しているものは、もう一ぺん型式証明をやり直してみたらどうか、型式証明、検査を……。こういうふうなくらいの気がまえでなければ、やはり世間の信用を回復することはむずかしいんじゃないかと私は思うのです。だから、モータリゼーションがいいか悪いか、これはどうかわかりませんけれども、少なくとも時代の趨勢でありますが、やはり人命尊重というか、人間の命がまず第一だということでありまして、これは皆さんに申し上げる必要はないことでありますが、われわれ国民の代表といたしましては、やはりそのことを重点にぜひお考えをいただきたい。こういうふうに思っているわけでありまして、どうか、自動車工業会においてもいろいろおやりかと思うのでありますが、運輸省がやっていること自体も、あるいは通産省がやっていること自体も、一ぺん業界の安全確保の問題から逆に見直してみる必要もありはしないかと私は思っております。そういう意味で、ぜひ今後の前進をお願いしたいと思うのです。  以上で時間がありませんから、終わります。

砂原格自由民主党

○砂原委員長 板川正吾君。

板川正吾日本社会党

○板川委員 主として自動車工業会、両社の代表に伺いますが、申し上げるまでもなく、自動車が非常な勢いでふえておる、しかも高速道路が開発をされておる、その上に事故が続発をしておる。こういう事態の中で、自動車メーカーが安全に対する国民の要求を果たすという意味で、非常にきびしい要求を国民がすることは、私は当然だと思うのであります。このメーカーの安全に対する取り組み方がなまぬるいという気持ちが、今回の米国内における欠陥車公表問題、この問題を契機に、それでは同車種の国内車をどう扱っているのかということで非難が集中しておることも、私は国民の立場からいって当然であろうかと思います。  で、従来メーカーには、私は過保護政策に甘えて、安全に対する取り組み方がなまぬるい、こういう感じがいたすのであります。業界、メーカーの中には、こういう話を聞きます。われわれは車をつくるのだ、使うのはドライバーである、使って事故を起こすのはドライバーであって、したがって、事故の責任はメーカーにはない、これは正式に、正当に運転すれば事故はないはずなんだから、事故の責任はメーカーにはないのだという考え方で、安全に対する責任の回避をする考え方があるようでありますが、現在の社会通念は、御承知のように、その事業で利益を受ける者が責任を負うというたてまえに立っておるのであります。そういう意味から、メーカーの代表をされる二社の社長さんは、いかなる交通安全というものに対しての責任感を持っておるのか、それをまずひとつ、心がまえを承っておきたいと思います。

豊田英二トヨタ自動車工業株式会社取締役社長

○豊田参考人 事故に対する原因は、先ほどもお話が出ておりましたように、非常に複雑な場合が多いわけであります。その中に、メーカーによるものが絶無とは申し上げませんけれども、私どもの知り得る範囲では、相当少ないというふうに認識をいたしております。いろいろ世間で申されておりますけれども、メーカーといたしましては、できるだけ安全な車、また、できるだけ事故を起こしにくい車ということに全力をあげて取り組んでおるつもりでございます。  で、事故の分析に関しましては、いろいろ御意見がございますが、私どもが直接関係しておるものは、それほど多くはないという認識で現在はおります。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 安全につきましては、先ほども安全という問題の技術の問題も出たわけでありますけれども、すべての機構がすべて安全に関するわけでありますので、自動車の製造技術、設計あるいは外注品検査、あらゆる点につきまして、綿密にやっていることは事実でございます。また、特に安全基準としてあげられておる項目等につきましては、実験設備等も十分整えておるつもりでございまして、なお一そう努力いたしたいと存ずる次第であります。  それから、事故というものはいろいろの原因がございますので、十分原因を調査して、メーカーの責めに帰するものはメーカーの責任ということにしていただいたらいかがかと存じますが、事故につきましての原因究明は、先ほどお答えがありましたように、非常に困難な状態の事故もあるわけであります。事故率は、私もここに明細な資料を持っておりませんけれども、非常に少ないというふうに聞いております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 トヨタの社長に伺いますが、トヨタのキャッチフレーズで、安全はトヨタの願いだ、こういうことを言われておるようであります。いま私が聞いたのは、たとえば自動車を無謀運転して、そうして事故を起こしたから、その責任はトヨタにありという音一味、あるいはメーカーにあり、こういう意味ではないのですよ。交通事故というものが非常な勢いで増加しておって、ことし一万八千人から死亡し、百万人以上の人が負傷する、こういう社会的な現象に対して、メーカーとしての安全に対する責任というのを感じて、もっと積極的に取り組むべきじゃないだろうか。それは交通事故の中に、運転手の間違い等があるでしょう、それをメーカーの責任だと言っているわけじゃない。そういう意味で、業界の中には、運転さえ正当にやるなら事故は起こるはずはないのだ、こういう思想があるところに、私は従来の過保護政策に甘えたこの安全問題の取り組み方に対するなまぬるさというのがあるのじゃないだろうかという感じがするわけであります。  そこで伺いますが、私の資料によりますと、米国においてリコールの届け出をした資料がありますが、ここでは六七年以降、日産では五件、トヨタでは四件あります。たとえば六七年六月に、トヨタのコロナがブレーキ管の腐食だということでアメリカにリコールの届け出をしておりますが、さらに六八年十月には、同じコロナのキャブレターチョークのハウジングねじのゆるみ、あるいは六九年一月にはコロナのマスターシリンダーキャップのオイル漏れ、六九年三月にはランドクルーザーのワイヤーハーネスの焼損。さらに日産においては、六七年一月に、これはブルーバードと思いますが、ステアリングシャフトの曲がり、六八年二月にはトルク・ロッド・ブラケットの溶接不良、これはフェアレディ。六八年五月にはブレーキ・セフティ・スイッチの作動不良、ブルーバード。十月にはキャブレターの燃料チューブのひび、フェアレディ。六九年三月にはブルーバードの燃料ポンプチューブはずれ、こういうリコールの届け出を、両社でもってアメリカにしておられるようであります。それでアメリカにおきましてそういう届け出をした場合に、国内では一体どういうような措置をとられてまいったのですか、その点をお伺いしたいと思います。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 国内におきましては、販売店を通じましてユーザーへ参って直す、あるいは巡回班を組織して、ユーザーのところへ行って直す、こういうふうな手段をとってまいりました。

豊田英二トヨタ自動車工業株式会社取締役社長

○豊田参考人 国内におきましては、先ほど申し上げましたブレーキチューブの例のように手配をいたしております。なお、いまアメリカでリコールをいたしましたブレーキチューブ以外の件につきましては、私の記憶に誤りがなければ、アメリカにおける車の仕様に関するものでございまして、国内の車とは仕様は若干異なって、該当しない関係にあると記憶をいたしております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 ブレーキのパイプの腐食というのは、これはアメリカの特殊な道路の構造上から基因したかもしれませんが、しかし、アメリカでこういうリコール届け出をして改善をしておるならば、私は国内車においても同様の措置を早急にとる、こういう取り組みがあってほしい、そういう点がなかった。あるいは、あっても非常になまぬるいという点に、今日国民の批判が集中されておるのじゃないだろうか、こう思います。  そこで日産の川又社長に伺いますが、ブルーバードが最近エンジン火災が続発しております。この間、日産関係者の話では、日産のブルーバードが米国では確かに火災があったが、これは大気汚染防止施策として装置した部品が振動したのが原因であって、日本の国内ではそうした大気汚染防止装置をつけてないから、したがって、事故が起こる心配はない。しかし、万が一を考えて回収しておるという話が、これは六月七日の朝日新聞に出ております。しかし、この発表された直後、あるいはその後、滝野川でも、あるいは北海道でも、エンジンにおけるガソリン漏れが数件あり、それがエンジンの過熱か何かの原因で爆発をする一おそらくこれは、いままでも処置があったことですが、事件になったからこういうふうに報道されておるのではないかと思うのでありますが、アメリカでは大気汚染防止に基づく装置があったから、その振動でゆるんでガソリンが漏れたのだ、日本じゃないのだと言いながら、最近、日本で続発しておるというのはどういう理由でありましょう、どこに原因があるのでしょう。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 アメリカにおいての事故はどういう説明がなされたか存じませんけれども、確かに大気汚染、つまり排出ガスの装置がついておりますので、気化器のところが、内地で販売されておるものとは違っておるという報告は、私も受けております。しかしその後、やはり内地でガス漏れがあったということは事実であります。

板川正吾日本社会党

○板川委員 そうしますると、六月六日と思いますが、日産の石原さんという方が発言されたことは事実と違いますね。この石原というのはどういう人ですか、石原俊常務ですね。いま一回言いますと、「日産は米国では確かにブルーバードの火災があったが、これは大気汚染防止策としてつけた装置の部品が震動したのが原因。」エンジンが焼けたのはですよ。「日本の国内用の車には、こうした装置はつけていないから、事故は起る心配がない。ただ、万一を心配して回収している」のだ、こう言っておるのでありますが、これは問題が起こってからですよ。石原常務がそういう発言をされて、その直後エンジンの爆発事故が頻発をしておる。これは、おそらくいままでも全国でそういう例が多かったのだと思う。大気汚染防止の装置をつけてない車で、最近こう爆発事故が頻発しておるのはどういうのだろう。これは販売店の一係員が言ったのなら別ですが、石原さんという常務が言っておるのですから、その辺はどういう理由なのか、社長さんわかりませんか。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 先ほど私の説明に不十分な点がございました。内地における気化器の接続部分とアメリカの接続部分とは違うという報告は聞いておりますが、なおそのほかに、この間、火災事故がありましたのは、燃料パイプのはずれということがあったと報告されております。先ほどの説明が不十分だったことをおわびいたします。

板川正吾日本社会党

○板川委員 そういう重要な人の発言と事実が違うということだけは、承知しておいていただきたい。  時間の関係がありますから、次を質問いたします。  国内の車について欠陥の内容を発表するということについては、日産とトヨタの両社の間で若干差があるようであります。これは新聞報道を通じてのニュアンスでありますが、トヨタはやや前向きに公表していこう、日産ではできるだけ公表を差し控えたい、こういうような思想の発言があります。私は、これはやはり原則として公表すべきだと思うのですが、ただ、ここで新聞で報道されておる発言でちょっと問題の点があるのです。これはトヨタの山本専務の話ですが、「欠陥が重要なものであり、緊急を要する場合、公表手段も採用する。」これはけっこうです。「ことの重要性の判断についてはわれわれの良心にまかせてほしい。場合によっては公表が無用の不安感を与えることもありうる」この最後のほうが、考え方として、思想として若干問題があるだろうと思います。もちろん、重要な欠陥は公表するという取り組みですから、前段はいいのでありますが、重要でない欠陥を発表すると無用な不安感を与えるといいますが、車のどこかに欠陥があるかもしれないという気持ちを持って車を見、車を扱うということは、安全上プラスであってもマイナスではない、こういう考え方に私は立ちます。ですから、この山本専務の発言の最後は、業者としての考え方かもしれませんが、私は、そういう点にやはり一つの問題点があるだろうということを指摘をいたします。原則として公表すべきだ、しかし、公表の内容については業界にまかしてほしいというのが、いまのところ業界の大勢のようであります。しかし、これは届け出をして、そして監督官庁でそれが緊急でない、あるいは二年に一ぺん、一年に一ぺんの車検のときに十分取りかえられるということであれば、何もすべてをあえて公表する必要はないでしょう。しかし業者だけの、メーカーだけの考え方でこれを公表しないというのはまずい、あくまでも官庁の一つの指導のもと、指示のもとに公表を原則にして、欠陥の是正のために努力をすべきではないか、こう思います。  時間がありませんから、もう一つ、二つ、これは工業会の会長としての川又さんに伺いますが、マツダ自動車の社長さんの人柄は非常に紳士かと思うのですが、人柄について一言だけ伺っておきたい、どういう人柄でしょう。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 東洋工業と日産は、ただいまフォードと自動変速機の国内における合弁会社を設立するようにいろいろ計画中でございまして、松田東洋工業の副社長さんでございましたか、社長さんでございますか……。

板川正吾日本社会党

○板川委員 松田恒次さんです。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 松田恒次社長は、目下足がお悪くて自宅に引きこもりがちで、ここ両三年来お目にかかっておりませんので、申し上げかねます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 実は、松田恒次社長のこういう発言が新聞にある。そこで私は、人柄をまず伺っておいてから申し上げたいと思ったのですが、これは四月一日の朝日新聞にあります「人間ルポ」という見出しで、記者が質問しておるのですが、自動車公害といわれるものについて、メーカーとしてどういうお考えですかという質問をしておる。ところがこれに対して「排気ガスの多い交差点なんかに、大きなエントツを取付ければええやないか。ちょっと暖めてやれば上空へ上がってパーや。ハッハ」こう書いてあります。次が問題です。「一から十までメーカーは責任持てん。自動車については先進国のアメリカだって何もしておらせんで。キミ」「ひたすら売りまくればよいのだ、という経営者の肉声がひびく。自動車排気ガス中の一酸化炭素の許容限度についても、現在の規制は三%なのに、三PPMと単位を誤って覚えているのも気になった。」こういっているのですが、これはメーカーの、さっきちょっと言った思想と非常に共通しておるのであって、つくればいいんだ、アメリカだってメーカーは何もしてやせぬ、排気ガスでうるさいことを言うなら煙突でもつくれ、そうして事故はメーカーの責任じゃない、こういう思想の中にこの発言が生まれておるのではないだろうか、こういうふうに私は思います。これは、業界の代表者として川又さん、こういう発言についてどういう感想をお持ちですか。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 どういう席上でどういう状態で御発言か、私は存じませんので、批判は差し控えたいと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 メーカーのモラルとして、こういう発言は……。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 そういう御発言は、たいへんな誤りであって、私としては遺憾に存じます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 そうですね、私もそうだと思います。メーカーが社会的な責任を持つというそのモラルからいって、私はこういう発言は大きな間違いだろうと思いますね。先ほどの発言にもありましたように、自動車の輸出は、鉄鋼に次いで日本の輸出の第二の位置を占めました輸出産業であり、戦略産業である、こういう自負のあまり、国の経済発展に大きな役割りを果たしておるんだという自負があって、そこで一方、国家のため、日本経済のために、われわれは大いに活動して利益をあげておるんだからという気持ちがあって、事故防止等に比較的関心が薄いのではなかろうかという感じがします。メーカーの繁栄、自動車業界が非常な繁栄を続けておる、その繁栄の陰には、百万人以上も年間に死傷者が出ている。その死傷者を含めて、百万人以上の家族や遺族や遺児や、そういう人たちが自動車というものによって被害を受けておる、こういう社会的な現象というものも考えていただいて、自動車業界としても交通安全、事故防止、車両の安全性の向上というものにもつと積極的な取り組みをしてもらいたいと思いますが、川又さんから御意見を承って終わりましよう。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 御意見は十分拝承いたしまして、今後一そう注意、努力いたします。

砂原格自由民主党

○砂原委員長 野間千代三君。

野間千代三日本社会党

○野間委員 二、三——二、三というよりも一点だけでいいのですが、御質問申し上げますが、その前に、参考人には御多忙中たいへん御苦労さんです。  今回の欠陥車の問題のあらわれ方を、新聞紙上なりあるいはわれわれが知り得る限りで見た経路から見ると、どうもやはり自動車メーカーのほうで、自分の製造した車の欠陥についてあらわれることを非常に秘密にしてきておるということ、これはいなめない事実だろうと思うのです。しかも、あらわれたところも、やはりアメリカのほうの法律の関係からあらわれてきておる。その後もなお、秘密裏に処理しようという努力が見られるというふうに思うのであります。たとえば、新聞紙上で報道になったマークの問題などもそうだ。したがって、マークの問題なども、実際に直接人命に関すると考えられると、自動車の製造会社から見れば、いち早く、いまとられているような手段、あるいは公表をして使用者に対する注意を喚起する、そういう措置がもっとすみやかにとられる。つまり、いま日本の自動車産業は世界第二位まで生産量が伸びている。しかし、それほどの生産量にもかかわらず、不幸にして国内における信用が非常に失墜をしている、これが実態だろうと思うのですね。ここに問題があって、そうしてその原因は、ちょっと参考人には表現がきついかもしれないけれども、やはり根底に流れているのは、残念だけれども、車両メーカーのもうけ主義にある、生産第一主義にあるというふうに私はいわざるを得ないと思う。したがって、この機会に、やがて自動車の自由化が目前に迫っている時期でありますから、国際競争場裏に出ようという時期ですから、この世界的にも及ぼうとしている日本の自動車産業の信用を回復をする処置を、自動車工業会でも、あるいはいま日本の自動車産業は、それぞれ日産にしても、トヨタにしても、日本の生産工場では非常に大きな力になっているわけですから、それぞれの会社においても、信用を回復するための具体的な手段をとるべきである。ただ単に公表をするとか、そういう程度の問題ではないというふうに思うのですね。そういう気がまえをひとつ持っていただきたい。これはいま大ぜいの方々の質問で、そういう気がまえでやっていくというふうにはお答えになっている。そこで、それではこのいままでやってきたもうけ主義、あるいはわれわれは見るのですが、大きな資本の蓄積、こういうものを自動車の品質、安全に基本を置いた品質の改良、そういう方面に大きく力を入れるべきだというふうに思うのですね。そういう意味で、今回のこのいま表明になった反省を、具体的にどういうふうにそれぞれあらわしていくのかということをお尋ねしたいのであります。  そこで、まず欠陥車というものを全くなくさなければならぬ、欠陥があって、それを回収をして直していく前に、欠陥をなくさなければならぬということ、これは自動車メーカーとしては当然立脚すべき点だろうと思うのですね。こういう意味で、それぞれ日産なりあるいはトヨタさんの会社の組織、社内の組織の中で、現在まで安全のための材質の管理あるいは部品の管理、自動車の構造上の安全について分析をすべき部署、あるいは事故が起きた場合に、それが自動車の安全構造から見られるような、特に事故の場合にそれを解析をするというような、以上のような研究機関が現在まで社内の組織においてどういう組織づけがあったのか、社内にどういう組織があるかというのが第一点です。  第二点として、それに付随して、これを契機にして、その組織をどういうふうに拡充強化をされようとしているのか、予算的にもあるいは人員的にも、会社の組織の中でどういう位置づけをしようとしておるのか。これは当然、今回のことを契機にしてお考えになっていると思う。したがって、現在までのそういうあり方、今回を契機にしてそれを改善しようとする具体的な考え方、これについて川又社長、それから豊田社長に続いてお答えをいただきたいと思います。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 社内体制でございますが、私のほうには追浜に研究所が設けられております。そこで公害の問題と安全の問題について、あらゆる点から研究を進めておるのは事実でございます。製造関係におきましては、品質管理部を設けております。   〔委員長退席、阿部(喜)委員長代理着席〕  なお、各工程では検査をするようになっておりますし、下請から納入される外注品についても、外注品検査制度というものがございます。一般の車の製造基準につきましては、設計から示された設計基準、工作基準によってやっております。

豊田英二トヨタ自動車工業株式会社取締役社長

○豊田参考人 私ども、先ほど申し上げましたように、新しい車を開発してこれを出す場合には、徹底的に試験をいたしまして、十分その性能、安全性を確認したものを発売いたすことにいたしております。今後も御指摘のとおり、外へ出て欠陥を起こさないように、より一そう努力をいたしたいと考えておる次第であります。  なお、私どもといたしましては、私どもの本社に技術部を持っておりまして、ここにあらゆる試験装置を備えておりますが、それと同時に東富士——御殿場の近くでありますが、そこに高速試験の可能な試験装置並びにこれに関連した実験装置を備えて、十分努力を続けておるつもりでございます。

野間千代三日本社会党

○野間委員 現状についてお答えがあったのですが、これは副島先生に御質問したいのですが、追浜の研究所あるいは東富士の高速試験の研究所、そういう点について、いま両社長からお答えがあったわけですが、いま会社にあるこういう研究所の構成、そういうもので自分の会社でつくっている安全上の欠陥、そういうものが具体的に研究されているというふうに第三者としてお考えですか、あるいは将来この研究所で研究を進め、検討を進め、試験をすることによって、現在のような欠陥が社内で相当指摘ができるというふうに、学者の立場でお考えになっていられますか。

副島海夫日本大学講師

○副島参考人 研究所で基本的な研究をやる、これはまあ当然で、研究所としては一番やりやすい研究だと思います。効果も一番あがる研究だと思います。しかしながら、実際の事故というものは、こういうものとだいぶかけ離れたような結果が起こっております。たとえて例をあげますと、パイプライン、ブレーキとか、あるいは燃料とか、そういったもののパイプラインの配列、こういうものが現状でいいかどうか、もう一ぺん再検討し直さなければいかぬのじゃないか。これからもし欠陥車——現在の欠陥車ですが、そういったものをなくする、これをゼロ化するということになりますと、パイプラインとか、それからそのコネクションのところ、そういう締めつけのところ、取りつけですね、そういったところを再検討しなくちゃいかぬ。そういったことを研究所が、そういう現在のトラブルの面から実際にやっておられるかどうか、疑問に思います。それが一つでございます。  それから二つ目は、自動車は一ぺん社会に出ますと、非常に使用条件が違います。たとえば海岸地帯で私は車を使うのだという場合も、車にとって非常に条件のいいところで使う場合も、出てくる車は同じなんですね。   〔阿部(喜)委員長代理退席、委員長着席〕  ところが、私は自分で車を持っていますので、わかりますけれども、最近、いわゆる巡回サービスというものが非常にいいのです。場合によっては、うるさいくらいでございますが、巡回サービスというものがメーカーといいますか、代理店といいましょうか、非常にいいのです。ただその場合に、非常に形式的な面が多くて、実質的ではないように考えられる。たとえば毎日お魚を積んで走る車、これは私は、その事故を目撃しましたので、非常に印象に焼きついておりますけれども、こういうものは当然いたむところがきまっております。そういったものは、やはり巡回サービスでよく注意をしてやるということが必要ではないかと思いますね。そういったものの実際的な研究という点に不十分な面があるのではないかと思います。  以上です。

野間千代三日本社会党

○野間委員 私も実は会社の持っておられる研究所等に、多少そういう意味で欠陥がありはしないかというふうに思っておるわけです。それでいま川又社長から、たとえば追浜の研究所で品質の管理、安全上の管理もしておられるというふうにお答えがあった、それはまた事実だろうと思う。ただ、どうしても研究の主点は製造上の合理化ですね。あるいは人に受けやすい型式といいますか、型といいますか、そういうものの研究あるいは能率、そういう方面の研究に重点が移っている、これはもう否定できないと思うのです。  そこで、いま副島先生もお答えのように、そういうあり方を日本の国土に即応ができるように、事故をある程度想像ができる、あるいは現在までたくさんの事故がある、そういう事故例を、これは十分にとれますから、そういうものから研究体制をきちっとっくり上げるということが、いま焦眉の急じゃないかというふうに私は思うのです。したがって、いまお答えのこの研究所を拡充強化することによって、そういう目的は相当達せられる。もちろんこれは、自動車のようにあらゆる条件のところを疾走するわけですから、なかなか万全とはいかぬと思うのです。万全でない部分は、いま問題の回収をしたり、公表をしたりして、使用者に注意を喚起したり、あるいは、つまりメーカーと先ほど言われた使用者が協力をし合って、事故の絶滅をはかっていくという経路になるのでしょうが、その前の体制をつくる必要がある。そういう意味では、いまお答えの研究所なりの重点について、ひとつ安全構造、品質の改良、材質の改良、あるいは事故の解析、そういう方面に重点を志向した研究所の内部の組織改良、そういうものが必要じゃないかと思うのですが、両社長、いかがですか。

豊田英二トヨタ自動車工業株式会社取締役社長

○豊田参考人 私どもは、ただいま御指摘になったような趣旨に沿って努力をいたしておるつもりでございます。  なお、ちょっと付言さしていただきますと、製造上の研究という問題につきましては、私どもとしては全然別の組織を持っておりまして、自動車の設計をし、これの性能を確認する部署と製造上の合理化をするための部署とは、全然違う部署を持ってやっております。また、スタイル等のお話がございましたが、スタイル等に関係しておるものは比較的少数でございます。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 先ほど申し上げました追浜の研究所は、たとえが当たるかどうかわかりませんが、医者でいいますと、細菌学の研究をしているようなわけではございませんで、臨床医学というような感じ、つまり車に密着したものをやっておるわけであります。もっとも、研究所でありますから、将来計画というものについて材料、それから構造、各種機関の将来、そういうものもやっておることは事実でございます。  なお、その研究所と設計との関係でありますが、設計には実験部というのがございまして、エンジン実験、車両実験、この二つの部署が実験に当たっております。高速テストは、周回高速テストしか利用できませんが、実際の使用状態に合ったような実験、これは構内ではできませんので、社外に出て、かなりの距離の走行実験をするわけでございますが、従来の走行実験、これは何十万キロとはできませんので、十万キロ、十五万キロぐらいの走行実験をしておるわけであります。  それから生産に入りますれば、先ほど申しましたような品質管理部、あるいは各工程における検査、こういうものを経て完成車に仕上がるわけであります。御指摘の、実際の車の使用状態というものは、予測できないような各棟の条件に遭遇いたすわけでございます。残念ながら、全部遭遇し得るという実験がなかなかすみずみまで行き渡っていないかと存じます。

野間千代三日本社会党

○野間委員 時間がないようですから、これは運輸委員会として、将来にわたってきわめて重要な問題なので、そういう意味で、できれば機会を見て研究所を拝見させていただいて、今後われわれが運輸行政を担当する面での参考に供したいというふうに存じますので、そういう機会が得られれば、そういう機会になお御意見を承っておきたいというふうに存じます。  次に、私が最初指摘した問題の一つなのですが、価格の中に占める利益の割合なんですね。これはいまこの国会の席上で、どのくらいもうかるかというように言っても、なかなかお答えがないと思うのですが、ただ私は自分の経験で見て、新しい車を買う、その場合に下取りに出す。新しい車を買う価格はなかなか変わらぬのであります。これは、極端なことばでいえば、いわゆるそれぞれ協定をされておる値段、これは変わらない。しかし、下取りに出す車の値段が非常に変わるのであります。したがって、これが大きな利潤の中で非常な影響を受けて左右されるということになっておるのじゃないかと思うのですね。そういう意味で、しかも販売店に対するメーカーのサービス、たとえば何台売るというと香港に行ける、何台売るというとマカオに行ける、正直に申し上げて、そういう組織になっておる、そういう形になっておりますね。それから買ったほうの、たとえば運送会社が買いますと、その買った量によって、今度は販売店のほうからいろいろなサービスが行なわれる。社会における事実はそういうことであります。やはりこういうあり方を変えなければ、会社のほうで、いま私が申しましたような安全なり、品質なり、材質の改良をしていくということが、なかなか重点に移っていかないように思うのですね。したがって、そういうあり方を検討をして、もっと公正な販売をする、公正な競争をするというふうにしなければならぬと思うのですね。  この点について、ひとつ両社長から最後のお答えをいただきたいのと、それから、これはこの機会に運輸委員長にお願いするのですが、基本になっておる製造価格、こういうものぐらいは、運輸委員会としてこの機会にそれぞれの会社から資料を提出してもらって、われわれとして十分つかむといいますか、そういう必要があるのじゃないかというように思うので、基本的な原価の資料を運輸委員会として求めていただきたいというふうに思いますので、以上について、社長さんのほうから順次お答えをいただきたいと思います。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 販売の秩序の維持ということにつきましては、業界多年の問題でありまして、実は通産省からも割賦販売条件の維持とか、下取り車の高値取りとか、こういう問題について厳重注意するようにという御注意をいただいておるわけであります。私も工業会長でございますので、販売店の連合会等を通じてその方面に努力はいたしておりますが、販売秩序の維持というものは、考えはいいんでございますが、実際には、なかなか理想どおりにはいっていない。よくいわれる下取りの高値取りというようなものもあるということは、否定することはできないように思います。  なお、どのぐらいもうけているかというお話でございますが、これは、ただいまちょっと資料を持っておりませんので、申し上げられません。

豊田英二トヨタ自動車工業株式会社取締役社長

○豊田参考人 ただいま工業会長の立場で川又さんがお話しになりましたので、私も同じ意見であります。

砂原格自由民主党

○砂原委員長 委員長として申し上げますが、製造価格の資料提出の問題でありますが、許される範囲内の資料提出は要求してみたいと思います。ただ、企業でございますから、その企業者の秘密に属するような書類まで提出せいということの要求は困難であると思います。ですから、許される範囲内の資料提出は、私から要求をいたしたいと思います。

野間千代三日本社会党

○野間委員 以上で終わります。

砂原格自由民主党

○砂原委員長 山下榮二君。

山下榮二民主社会党

○山下(榮)委員 時間もないようでございますから、簡潔に二、三、お伺いをいたしたいと思うのであります。  欠陥車の問題につきましては、いま問題になっておりますブルーバードとかコロナだけではないと思うのであります。過般来の新聞を見ましても、昨年からことしにかけまして、日産のマイクロバスが名神国道でシャフトが折れて、死傷者を出したという事件もございます。こういう事件に対して、会社当局といたしまして、なぜシャフトが折れたのか、あるいはその原因がどこにあるのか、これらが究明されておるかどうか。シャフトが折れるということは、地金の性質にもよるのであろう、製鉄所の配合にも基因するところもあるでありましょう。いろいろあろうと思うのであります。これらに対して、いわゆる業界として精密な検査、テストをして使用されるに違いはないと思うのですが、その後のこれらに対する研究のほどをお伺いいたしたいと思うのであります。  さらにもう一つ、日産だけを申し上げるとぐあいが悪いですから、トヨタのほうを伺ってみますと、四十三年度型のクラウンが、きょうの新聞ですか、七万五千台ごっそり回収されている、こういう記事も拝見をいたすのであります。そういうことになりますと、これは一番国民が買い安くて一番使用しやすいコロナ、あるいはブルーバード、こういう小型車に工程上の欠陥がいろいろあるものか、こう考えておりますと、それだけでもない。大型にも同じような欠陥がある、こういうことを発見せざるを得ないのでございますが、これらに対して一体どうお考えになっておるか、両社長からお伺いをいたしたいと思うのであります。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 ただいまお尋ねいただきましたマイクロバスの事故でありますが、私が受けております報告によりますと、一件は変速機——エンジンからギアがありまして、プロペラシャフトがございますが、そこのところの油の焼きつけが原因であるというぐあいにいわれております。もう一件は、中央分離帯に乗り上げて、シャフトが折れて、それがエンジンからのトランスミッションの接合部分からはずれておる。こういうことで、はずれたのが先か、中央分離帯に乗り上げたのが先か、これは原因を目下究明中であります。そこで、私どものほうでプロペラシャフトが高速、と申しますのは、法規では百キロ以下でありますが、百キロ、百十キロ、百二十キロと実験をいたしました。高速回転になるに従いまして、プロペラシャフトが回転が早くなりますと、中央部が遠心力でどうしても大きくなります。そういう実験の結果では、シャフトが抜けることはないということでございますが、なお、事故防止のために、後車軸にあります最終ギアの比率を下げるだろうと思いますが、これは上げるのかもしれません。そこは技術的に私ちょっと解明できませんが、ギアダウンをして、プロペラシャフトの回転数と後車軸のギアとの比を調節すればいいのではないか。いまギアの取りかえ中でございます。なお、これはプロペラシャフトの材質には関係はないように報告されております。

豊田英二トヨタ自動車工業株式会社取締役社長

○豊田参考人 御指摘のありましたクラウンの問題は、フロントブレーキのフレキシブルホースがスプリングと接触して損傷するおそれがある。これは寸法の誤差の範囲で接触するものとしないものと生ずるのでありますが、かようなおそれがありますので、取りつけ方法等を変更することにいたしたのであります。御指摘のとおり、七万五千台ほどのものにつきまして、昨年の七月から対策をいたしておりまして、現在七二%完了いたしております。

山下榮二民主社会党

○山下(榮)委員 そこでちょっとお伺いをいたしますが、両社ともあるいはメーカーそれ自体たくさんあるのでございますが、自動車が完成いたしますと、これはテストを行なうと思うのであります。そのテストの方法、これは一体どういう方法で行なっておられるのか。ただエンジンだけを何時間かかけて、故障がなければそれでパスだ、こういうことになっておるのでありましょうか。そのほか車体一切かけて、いかなるテストを行なって、そのテストの結果パスしたものは販売ルートに乗っける、こういうことになるだろうと思いますが、このテストの方法について——社長さんにこういうことを伺うのはこまいことであって、少しおわかりにくいのではなかろうかとも思いますが、一応会社の責任者として、テストの方法についてお伺いをいたしたいと思うのであります。

豊田英二トヨタ自動車工業株式会社取締役社長

○豊田参考人 日々生産しております車につきましては、あらかじめ決定をいたしてあります規格に従って、品質管理上のチェックをいたしておるわけ干てあります。また、新しい車をつくる場合には、これは車をあらゆる考えられる条件に従って、できる範囲の広範囲に試験をし、また、耐久テストをいたしておる次第であります。私どもが売り出すまでには、十分自信をもって皆さまに使っていただくというつもりで出しておるわけでございます。

山下榮二民主社会党

○山下(榮)委員 自動車が完成いたしますまでには、いろいろと下請工業あるいは系列工場等々の部分品工場等の多くの手数を経てでき上がることは、御承知のとおりでございますが、この下請業者に対する対策が、きわめて重要ではなかろうかと私は思うのであります。しかも、部分品をつくるのでございますから、欠陥車の生ずるのも、おそらくこの辺に問題が生じておるのではなかろうか、こう想像をいたすのであります。その下請工場に対する親工場たるメーカーの対策というのが万全が期せられておるかどうか、ここに大きな原因を発見せざるを得ないのであります。  私が知る範囲によりますると、ちょうど昨年の九月から最近までの間に、三%から五%に及ぶ値下げを要請されておると、こう伺っておるのであります。下請業者は弱いのでありますから、これは親会社から言われますると、言われるままに苦労をしなければならぬことは当然であると思うのであります。こういうところに私がいま申し上げる自動車事故あるいは欠陥車、こういうものの原因が多くあるのじゃなかろうかと、こう思っておるのでありますが、これらに対する対策、これらに対するお考え——最近は労賃も上がってまいりました。なかなか下請工業では、人員の確保は容易なことではないのであります。これらに対する親会社たるメーカーたるものの配慮がなければならないのじゃないか、こう思うのでありますが、これらに対してあるいは自動車工業会として、自動車メーカーとしてどういうお考えを持っていらっしゃるか、お伺いしたいと思うのであります。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 自動車につきましては、ほかに重要な問題をかかえておるのであります。それはいわゆる資本自由化、貿易自由化であります。この辺は、国際競争という面から私どもは対処をしておるわけでありまして、アメリカにおけるビッグスリーというものとどういうふうに対抗していけるか、また、そうなれるだろうかということにつきましては、日夜努力をいたしておるわけであります。したがいまして、部品工業の方々に対しても、決して甘い線は出してはおりません。原価の低減、それから性能向上、あらゆる面で国際競争に太刀打ちできるような体制になってほしいという要請はいたしております。しかし、そういう口の上ばかりでございませんで、購買部に技術指導部というような——技術管理部でございましたか、ございまして、下請の方々のところへ行って技術的な指導もし、場合によっては借り入れ金の保証もして、どうしたら合理的な線で原価が低減し、かつ量産が可能になるかということについては、いわば必死の努力をいたしておるわけであります。そういう点でございますので、ときどきメーカーが下請を、ことばは悪いのでありますが、しぼるというような世評が間々お耳に入るのでございますが、決して下請の方々がつぶれてしまうとか、経営ができなくなるというようなことになっておるわけではないと私どもは考えております。自動車に要する部品は、数多くのものが社内でつくられるよりは、むしろこういう関係会社から納入されるものが多いのでありまして、われわれが国際的な立場が獲得できる、そういう力を持つことになりますためには、われわれ車両メーカーだけではとてもできませんので、大衆の方々のほんとうの協力をお願いいたしておる次第であります。それが間々、製品の安かろう悪かろうということに結びつくのじゃないかということも御指摘を受けておるわけでありますが、そういう点につきましては、私どもは決して過去においてそういうことをやったつもりはございませんが、今後そういう状態で一件でもあるのか、ないのか、十分検討いたしてまいりたいと存じます。

山下榮二民主社会党

○山下(榮)委員 いまお話も出ましたように、日本は元来、商売というのは、昔から安かろう悪かろう、こういうことばで表現をされておるのですが、自動車のような人命に関する重要なものに対しましては、いわゆる高かろうよかろう、こういうことでも、安かろうよかろう、こういうことでもなければならないのじゃないかと思うのであります。  時間がありませんから、固めて質問を申し上げますが、これは自動車工業会か、あるいはメーカーのほうから出されたのかわかりませんが、VA提案と称して、価値分析を行なうという方針を打ち出されておるようでございますが、その結果、あるいはその結論というものが出たのであるかどうかを伺いたいのが一つ。もう一つは、工程と短縮、改良、材質の改良、改善等に関する対策を樹立する、こういうこと等もお考えになって指令が出ておるようでありますが、これらの提案に対する答えが、すでに出ておるものであるかどうか、その答えが出ておりましたら、お答えを伺いたいと思うのでございます。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 VAはヴァリュー・アナリシスでございますが、現在はこのヴァリュー・アナリシスの段階からヴァリュー・エンジニアリング、VEの段階に進んでおるようでございます。これは決していつ結論が出るという問題ではないのでございまして、絶えずそういう手法を追及していくという毎日毎日の仕事でございます。

山下榮二民主社会党

○山下(榮)委員 それでは次に伺いたいと思いますのは販売方法と販売業者、このことについてひとつ伺ってみたいと思うのであります。  御承知のとおり、販売の方法が、いわゆるその会社の中古品の下取りというものを行なっておるようであります。その下取りをできるだけ高く取ってもらわないと、なかなか新車を入れない、こういうところでいろいろの取引が行なわれている、こういうのがいわゆるいまの自動車販売業の実情である、こう私は思っておるのであります。この間にあって、あるいは値引きの競争があったりいろいろなことがあるので、これが業界に及ぼす影響というものが、これまた重要な部分を占めておるのじゃなかろうか、こう思うのであります。こういうことに対して、一体メーカーとしては、あるいは自動車工業会としては、いかなる指導をしていらっしゃるものであるか。ただ販売業者がなすがままに放置されておるものであるか、それとも一定の方針を定めて指針を示されておるものであるか、ちょっと伺いたいと思うのであります。

豊田英二トヨタ自動車工業株式会社取締役社長

○豊田参考人 先ほどもお話がありましたが、私どもといたしましては、傘下のディーラーに対しまして、適正な販売を行なうように常に督励をいたしておるのでございます。御指摘のような点が、あるいは若干あることもあろうかと思いますが、私どもは常に適正販売をしてもらいたい、そうして適正に事業を運営して利潤を得ていただきたいということをお願いしておるのであります。

山下榮二民主社会党

○山下(榮)委員 時間がないようでございますから、まことに急いで恐縮だと思うのですが、今後競争が激しくなる車種というものは、私は超小型になってまいるのじゃなかろうかと想像をいたすのであります。たとえば千CCから千二百CCのトヨタのカローラあるいはパブリカ、日産のサニー、こういう車が今後非常に国民の好む車になってまいるのじゃなかろうか、こう思うのであります。そういう小型になるほど粗悪品になりがちに、おちいる危険が伴うのではなかろうか、こう想像いたすのであります。したがって、これらの車が粗悪品にならないように、あるいは自動車の事故が起こらないようにするためには、一体どういう対策を立てなければならぬか。これらに対しては、メーカーとして深い今後の改良をいただかなければならぬであろうと思うのでありますが、これについてひとつお考えを伺いたいと思うのであります。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 今後乗用車の需要が小型に、いわゆる大衆車に向いていくであろうというのは一般の予測でございますが、米国あたりの傾向を見ますと、国民所得の上昇に従って、その需要層は漸次上層に移行する傾向もあります。また、いまお尋ねの小型車は、原価的にもむずかしかろう、粗悪品ではないかということでございますが、絶対にさようなことはございません。小型車は中型車、大型車に比較して備えている持ちもの、アクセサリー等において十分なものを持っておりませんけれども、機能上あるいはデラックスなものもつくっておりますので、大衆車であるからといってそういう手抜かりをいたしていることは、絶対にないことを御理解いただきたいと存じます。

山下榮二民主社会党

○山下(榮)委員 そう絶対にないようにお願いを申し上げておきたいと思うのであります。  最後に、私はお伺いをいたしておきたいと思うのであります。この欠陥車の回収は、先ほどもお話がございましたように、できるだけすみやかに各業界ともひとつ責任を持って回収されるように心からお願いを申し上げる次第でございます。こういう結果から生じる社会的ないろいろの事故、こういうことに対しましても、やはり社会的な責任をメーカー自身も考えてもらわなければならぬ、こういうふうに考えるのであります。  そこで最後に伺いたいと思うのは、いま自動車が完成されまして、先ほど申し上げました一つのテストを経て販売ルートに乗るわけでございますが、そのテストが——自分の会社でつくった、メーカーでつくったものを自分の会社がそのテストを行なっておる、これが今日の自動車業界の実情であると思うのであります。幸い川又さんは自動車工業会の会長をしていらっしゃるのでございますが、財団法人自動車工業会でもって一つの技術陣というものを集めて、その協会のほうで一つの検査を行なう、そしてこの協会検査をパスしたものでなければ販売ルートに乗っけることはできない、こういういわば第三者的立場の者が自動車の完成検査を行なう、こういうようなことを行なうことが今後きわめて必要ではなかろうか、こうも想像いたすのですが、そういうことはお考えになっていないでありましょうか。また、検討される余地もないでございましょうか。最後にこれだけを伺っておきたいと思うのであります。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 自動車工業会が各メーカーの車両を全部検査する機構を持つことは、第三者的な検査のほうがより正確ではないかという御趣旨かと存じますけれども、現状においては、私は非常に困難なことだと存じます。

山下榮二民主社会党

○山下(榮)委員 困難だけではなくて、そういうことを今後ひとつ御検討をお願い申し上げておきます。  終わります。

砂原格自由民主党

○砂原委員長 沖本泰幸君。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 私で最後でございますが、できるだけ簡単にお伺いしますから、お答えも簡単明瞭にしていただきたいと思います。  さて、これは運輸省のほうの十七項目の改善の指導の中にはないのですが、日産のほうの三十七年型UP二八のパプリカで、けさ私たちの公明党のほうに電話が入ってきまして、パプリカの日立でこれを買ったのですが、三十九年に買って、四十一年までの間に三回ブレーキパイプの割れを発見した。最後にはパプリカ茨城で整備してこれを直した。その三回目には踏切のところでブレーキを踏んだけれども、ブレーキがきかずに、そのまままん中まで突っ走って、もし電車が来ていたらたいへんだった、こういうことで青くなった、こういうことで最後のところのディーラーのほうでは、これは改良することになっている、こういうふうに言って取りかえてくれた。それまではパプリカの日立では黙って取りかえてくれたけれども、二度とも全然きき目がなかった、こういうことがあるわけですけれども、この点について、川又社長は御存じでございますかどうか。パブリカについてこういう内容があったかどうか、この点についてお答え願います。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 パブリカでございますと、当社の製品ではございませんで、トヨタさんの製品でございます。

豊田英二トヨタ自動車工業株式会社取締役社長

○豊田参考人 御指摘のようなことは、現在私どもは承知いたしておりません。至急調べさせていただきます。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 それで今度は日産のほうになるわけですが、先ほど山下先生からマイクロバスのエコーについて御質問があって、お答えでは、焼きの点と、それから抜けた点について現在大いに原因究明中だ、一度は分離帯のほうに乗り上げた、こういうお答えなんですが、これは私の調べたことになるわけですけれども、このことに関しましては日産のほうでは、この製品自体はトラックのシャフトを持ってきてマイクロバスのシャフトに当てた、そのシャフトを引き伸ばして長くしていったので、結局、回転数が早くなると、おっしゃったとおり、遠心力によってぶんぶんふれてくる、こういうことのために抜ける、こういうことで、昨年の六月の第一回の事故のあと、七月四日に設計変更を社内で決定した。その後、このシャフトの回転数を落とすために、二種類のデフを開発した。ところが、これはユーザーに知らせなかった。ディーラーのほうは希望車だけをかえておる。そういうことで、レンタカーのほうでも部品が変わったということは、社内決定だけであったから全然知らなかった。こういうことが調査した結果わかっているわけなんですが、この点について、結局そのシャフトはトラックのシャフトをお使いになったのでしょうか、どうでしょうか。私の調査が間違っておるかどうか、お答え願いたいと思います。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 マイクロバスのシャシーは、トラックのシャシーであることは間違いがないと存じます。しかし、御説明申し上げますが、乗用車は現在全部フレームレスでございます。つまり、こういうはしご状態のフレームを持っておりません。したがいまして、バスは小型であろうと大型であろうと、全部フレームがなくては構造上問題になりませんので、私のほうのキャブオールというトラックのシャシーを使っておるのでございますが、それはそれなりにバス用に使っておるわけでございまして、トラックを使っておるからまずかったのじゃないかというのでは決してございません。フレーム構造というものは、トラックも、バスも——ハスの大型になりますと、キックアップというのがございますが、そういう構造の変化はありますけれども、フレームを使うという点でトラックのフレームを使い、同時にそれに使われているプロペラシャフトを使っているわけでございます。  先ほどの件で御説明申し上げましたが、一件はミッションとプロペラシャフトの接合部分の油の潤滑の不足でございますから、潤滑油が十分回っておればよかったのではないかという報告を受けております。もう一件のシャフトのほうにつきましては、先ほど御説明申し上げました、ギアを変えたが通知はないじゃないかとおっしゃいますが、マイクロバスの走行実験では、百キロをこえなければ、シャフトが万が一にも抜けるということはないのじゃないか、こういうぐあいに実験のほうで見ております。したがいまして、平たん路あるいは普通の市街地で走るのには安全だと私は思いますが、たまたま名神高速道路で事故が起きたということで、高速性能あるいは高速の回転時におけるプロペラシャフトのふれ、そういうものを問題にしてギアを変えたわけでございます。でございますから、高速で走るという条件がない普通の状態で走る方々は、しいてお取りかえにならなくてもいいのではなかろうか、こういう見解を持っておるのでございますが、なお検討いたします。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 それから、このエコーについては非常に風速に弱いという点で、風速の実験をなさったかどうかという点も疑問がありますし、それから運転している人に聞きますと、高速道路で百キロぐらいまでスピードを出すと異常音が出てきて、それをまだやっておると、ひっくり返るような事態も起きる、こういうふうな話も出ておりますが、この点についてはいかがですか。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 風圧ということは、一般に乗用車全部に考えられる条件でありますので、走行時におきましての風圧は、かなり実験が進んでおります。マイクロバスは風圧という点で強度が保てるかどうか、これも追い風であるか、向かい風であるか、あるいは横風であるか、各種の条件によって違います。今後、向かい風は問題ありませんが、横風、追い風の点でなお検討させていただきます。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 これはトヨタの社長さんにお伺いしますが、先ほどのお話ですと、ブレーキパイプのメッキについて、いままでの鉛とすずのメッキを亜鉛にかえる、ビニールで被覆しておった、この点については、塩害が相当関係したというお話なんですが、私の調べたところでは、塩はあまり関係ないのじゃないか、結局、すずと鉛のメッキのところをビニールでかぶしてあったところに水が入ってきて、そこのところに腐食が起きている、こういう点なんですけれども、それではメッキについてですけれども、すずと鉛のメッキのコストと亜鉛のメッキのコストと、どちらが安いのでしょう。

豊田英二トヨタ自動車工業株式会社取締役社長

○豊田参考人 コストの問題につきましては、いま私ここでお答えできませんのですが、なぜ、すずと鉛を使ったかということは、アメリカでもそのパイプが使われておるものですから、われわれは一応それを採用して使ったという次第でございます。  なお、さびは、やはり私どもの調査では、塩によって非常に影響が大きいという結果が出ております。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 これは副島教授にお伺いするわけですが、先ほどいわゆるねじ込みとか、そういうところの接合点の接点が非常にもろい、こういうことは言語道断の問題だということなんですが、私たちがいろいろ勉強した結果では、結局、メーカーのほうが安全度ぎりぎりに部品の業者のほうに仕事を出すために、その接合点が非常に弱い、こういう点がどうしても出てくる、こういうふうに勉強しておるわけですが、そういう点についての御意見を承りたいと思います。

副島海夫日本大学講師

○副島参考人 二つあると思いますが、一つは、いまおっしゃいました強度の問題、それからもう一つは、そういった部品を本体に取りつける、たとえば枝が出ておりますけれども、その枝を取りつける方法でございます。この二つの問題であります。両方とも再検討の要があると理解しております。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 それでは工業会の会長としての川又社長さんにお伺いします。  新聞によりますと、工業会の岩越委員長は、メーカーはかねがねきびしい品質管理規則のもとに、高度の技術水準と誠意をもって事故防止をはかってきた、こういうことをおっしゃっておるわけなんですけれども、この品質管理規則というのはどういうものなんですか。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 手元に資料がございませんので、品質管理がどうであるかということは、ちょっとおわかりにくいと思いますが、これは私どもでは、もうかれこれ十年ぐらい前になりますが、アメリカの手法によるデミング博士の提唱した品質管理仕様でございまして、これは材料、いわゆる工場における品質検査とは違います。品質管理と申しますのは、こまかく分けていきますと、抽出検査の方法とか、あるいは検査によって摘発された材料は次の部分には送らないとか、あるいは工程上に欠陥が発見された場合には全工程をストップするとか、そういう現場的な手法もございます。会社には明細な解説がございまして、それで全社員が教育を受けたのでございますが、もうかれこれ十年も前になりますので、品質管理については品質管理部を設けて、日常訓練をしておる状態であります。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 この部品につきましては、朝日の記事によりますと、ある技術者は、外国の部品をスケッチしてきて日本流にくふうして、やっと現在の外国に合うような水準に達して、それから現在の世界で一、二を争うようなところまで持ってきた。こういう点については、欧米のように技術開発力あるいは企業規模などの面で組み立てメーカーに接近し、対等にものを言える部品メーカーが少ないのではないか、こういうことを朝日ではいっておりますけれども、これは全く温室育ちでこういうことになったのじゃないかという点があるわけですが、川又社長さん、この点について、現在の部品メーカーの技術とか、現在の段階はいまの自動車の発達についていっているのかどうか、こういう点についての御意見を伺いたいと思います。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 歴史的に見ますと、日本においてはシャシーメーカーのほうが先行いたしまして、部品メーカーがあとからついてきた状態であります。自動車工業が近代的になり、このように盛んになってまいりましたにつれまして、大企業の方々でも、あるいは中規模の方々でも、部品工業に非常に興味をお持ちになって、部品工業の中に入ってきてくださる方もございます。部品工業と下請工業が対等にものが言えないというのは、過去における歴史をさしているのかと存じます。  なお、部品工業の発達がなくてはシャシーの発達はございませんので、いまは大企業の方々が相当自動車部品を製造いたしております。また、きわめて中立的な立場に立って各社に納入しておる部品メーカーも出現してまいりました。こういう歴史的過程は過去のものでございまして、現在において——もっともメーカーから材料の支給を受けて、単に加工して納める、あるいは半加工品をそのメーカーに納めるという方々は、依然として下請関係のような状態にはなっておりますが、単一部品については、もはや下請というような名称でその方々をお呼びするのは失礼かと存じます。このような状態になっておりますので、日本においても、漸次独立したメーカーが多数出てくる、こういう状態が期待されます。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 時間がなくて突っ込んだ質問ができないのが残念ですけれども、それにつきまして、最近、電気洗たく機がいま販売ブームに乗っておる、買いかえ時期が来ておる、こういうことが新聞に載っておりました。こういうことは、多量生産の工程の中に入ってきて、そのために、いわゆる多量生産型が一ぺんにその製品に時期的にガタが来る、こういうために買いかえ時期が来ている。修繕するよりも買いかえるほうが早い。これと同じように、現在の自動車メーカーは、アメリカ方式を使って一ぺんに多量生産の工程に入っておる。これは非常にコストを安くする、いろいろな利点もあると思うのです。そういう観点から、結局、ある年数がくると、すぐガタが来るのじゃないか。そうすると、一カ所、二カ所直して使うことよりも一そういうことで修理に金をかけるよりも、いっそのこと買いかえたほうがいい、こういうことになってくるのではないか。私の発言は、皆さんの事業を助けるような発言になるかもわからないのですけれども、それが高速道路の上をガタガタの車に乗って危険一ぱいで走るよりも、むしろそういう点を明らかにしたほうがいい、こういうふうに考えるわけです。そういう観点から、皆さんのほうで、何年ぐらいからもうこれはガタがくる車だ、こういうふうな点の製造工程がそういうものではないか、こういうふうに考えるわけですが、その点について、現状をお聞かせいただきたいと思います。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 一般的に申しまして、自動車部品の性能、品質は非常に向上をいたしております。したがいまして、いわゆる販売の中には、車それ自体の販売とサービス部品の販売とがございますが、一般的に申しまして、最近は部品の売り上げが非常に少なくなってきた。少なくなってきたというのは、絶対値ではございませんで、比較的でございます。車の数量がふえますから、絶対量はふえてまいりますけれども、昔のように部品が、ああだこうだといって、たくさん出ていくようなことはなくなった。特にタイヤとかいうものは、もうずいぶん寿命が長くなった。また、ほかのユニット部品でも、きわめて寿命は長くなっておるのでございます。したがいまして、先般来のような問題は起こりましたけれども、車それ自体の寿命というものは、もし非常に綿密なメンテナンスを行ないますれば、決して、二年や三年でガタがきたり、それがもう廃車にならなければならないような運命ではないと思います。もっとも、あらゆる条件で走りますので、常にメンテナンス——不良部品は取りかえる、あるいは疲労をした部品は取りかえるというメンテナンスの対策は必要でございますけれども、もしそれが十分に行なわれたといたしましたら、これは私の個人的な見解でございますけれども、おそらく十年くらい走ってもまだ十分走れる状態だと思います。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 もう一点と、あとは締めくくってお伺いしたいと思いますが、先ほど川又社長さんは、運輸省の般舶研究所のほうに研究を依頼している、こういう点がありますが、現在そういう御依頼をなさって、御信頼に足りるだけの研究所の内容を持っていらっしゃるかどうか、そういう点についてどういう問題をお出しになったか、あるいは今後そういう問題を広げてもらいたいかどうか、こういう点についてお伺いしたいと思います。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 船研のほうに御依頼申し上げたケースの明細は、手元に資料がございませんが、これはたしか排出ガスの件で、研究あるいはそちらのほうに設備がおありというふうなことでお願いしたケースがあるように聞いておるのでございます。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 それでは、まとめて最後にお伺いいたしますが、これはある投書なんですけれども、交通事故のために、今日数十人が毎日死に、数千人が傷ついていく、かかるときに、その数万の危険車が町に村に気違いのように走るのではないか、国民の不安はこの上ないと言わなきゃならない、こういう点、投書がたくさんあります。そういうところで、ある新聞では、簡単に申し上げますと、自動車工業会は必要なとき、欠陥車を報道機関を通じて公表することにきめた。公表には緊急度の高いことその他の条件がついているが、その判定はメーカーにまかされている。緊急度が低いとして公表されぬこともあり得るわけで、たてまえは公表、本音は秘密処理にもなりかねない。こういう点は、その欠点の公表が利用者によけいな不安を与えるという説もある。アメリカでは欠陥車の公表が慣行になっているが、秘密処理が不安と不信を与える公算のほうがはるかに大きい。最後に、知らしむべからず寄らしむべしは、これは、かごと馬の時代だ、こういう批判を加えております。  そこで申し上げたいことは、トヨタのほうは、もう欠陥車は六二%も回収して、事故は起こしてないのだから、いまさら公表しなくてもと、これはだいぶ日にちが前で、六日のことですが、こういうふうにあなたのほうの松尾常務はおっしゃっているわけです。あと一カ月内には残りの三万台を回収しますから、川崎での火災事故は、原因不明で欠陥車とは関係ない、こういう発言を石原常務はしていらっしゃるわけです。関係ない、こういう御発言があるわけです。  この二つについて、両方の社長さんからお答えいただきたいのですが、こういう内容から見ていくと、初めは、やかましいから、はからずも各紙があえて公表してくださったわけです。いままで運輸省は公表してなかった。今度公表するような形に持っていったわけです。今度、はからずもこの問題は各紙が取り上げて公表してくださった。今後は、こういうことになるかならないか、わからないわけですけれども、こういう点に、こういう皆さんの首脳陣の中に御発言があるわけです。こういう点を考えていきますと、熱さを忘れて次第になしくずしになるのではないか、こういう考えがあるわけですけれども、この席上は、私たちは国民の代表でございますから、各社の報道機関も来ていらっしゃるわけですから、その前で今後の問題に対する御決意を、両社の社長からはっきりお伺いしたいと思います。

豊田英二トヨタ自動車工業株式会社取締役社長

○豊田参考人 先ほど御説明申し上げましたように、今回の問題につきましては、いろいろユーザーに御心配をかけた点も多い関係上、明日新聞に載せることにきめた次第であります。今後の問題におきましては、先ほど来話が出ておりますように、必要によって公表をするというたてまえで進ましていただきたいというふうに考えております。

川又克二日産自動車株式会社取締役社長

○川又参考人 いわゆるリコール車の公表問題でございますが、これは、三日前ですか、自動車工業会の常任理事会の各社の申し合わせがそういう結論になったということでございます。  きのう私は、別な件で記者会見をいたしましたが、緊急とはどういうことかという御質問がございました。緊急というのは、もし危険があるということの前提であれば、全部緊急であろうと私は考えるとお答えいたしておきました。これは、私どもといたしましては、拡大解釈でいくべきだという判断でございます。  なお今後、時がたつにつれて忘れていくのではないかという御心配でございますが、今回を契機といたしまして、リコールということが皆さんにも御理解いただけるようなふうになることを、私どもは強く希望いたしておるわけでございます。そういうことになりますれば、むしろ進んでリコールを積極的にやって、そしてユーザーの方々にも、どこがどういうぐあいになっているかということをよく御承知いただくことが、不安を除き、事故の防止に役立つわけであります。したがいまして、私どもは、このリコールということが、だんだん日本においても、今回の問題を契機といたしまして定着して、進んでリコールが行なわれるようになることを私は希望いたします。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 長時間ありがとうございました。

砂原格自由民主党

○砂原委員長 参考人各位に一言申し上げます。  本日は、御多忙中のところ御出席をいただき、長時間にわたってきわめて貴重なる御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。  次回は、来たる十三日金曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時十九分散会

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