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61回国会衆議院1969/04/25

運輸委員会 第23号

発言数
17
登壇者
4
会派数
2
開催日
1969/04/25

会議録

砂原格自由民主党

○砂原委員長 これより会議を開きます。  外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。野間千代三君。

野間千代三日本社会党

○野間委員 二、三、質問をいたします。  これは局長さん、大体日本の造船の費用は、先進的な海運国といわれている英、米、仏、西独などから見ると安いと思うのです。資料によると、大体一〇%くらい安いんじゃないか、こういわれている。それから、あと船員費というのもだいぶ安いんじゃないかと思うのです。しかも、今日までの助成の度合いは、世界的に見て一、二を下らないと思うのです。そういう状況にあって、なおかつ自立体制というのが今日までおくれてきている、これは事実ですね。それから最近、それぞれ立ち直ってきている海運会社の傾向を見ると、かつて問題になった償却不足あるいは借り入れ金の延滞、そういうものが最近ほとんど解消されている。ただ、解消されている内容を見ると、利子補給や利子の猶予などの金額と照らし合わせてみると、償却不足や借り入れ金の延滞が解消されてきた要素の七〇から八〇%くらいまで助成の要素ではないか、こう思うのです。そういう条件を考えてみると、自立体制は今日なおおくれていて、これからもなお一〇%の自己資金を持つようにしたといいながら、なおこういう手厚い援助をしなければならぬという真の原因はどこにあるのかということが、私は問題になると思うのです。それはどういうふうに御判断ですか。

澤雄次運輸省海運局長

○澤政府委員 まず日本の造船費用でございますが、アメリカは非常に高くて問題にならないわけでございます。英国はじめヨーロッパの造船費用と日本の造船費用は、かつては日本の造船費用が安かったことは事実でございます。しかし、ここ二、三年来、ヨーロッパの造船費用と日本の造船費用はほぼ同じに相なりまして、昨年などは、日本のほうが若干高いんではないかということまでいわれた次第でございます。  それから船員費も、これは再建整備の期間を通じ、ずっと上がってまいりまして——船員費の正確なヨーロッパ諸国との比較は非常に困難でございます。というのは、向こうでは未開発国の人をずいぶん船に乗せて、インドであるとか、香港であるとかというようなのを乗せておりますので、正確な船員費のコストの比較は困難でございますが、現在の日本の船員費の水準は、ヨーロッパ諸国の船員費の水準に非常に近づいているということがいわれております。従来の再建整備期間中の助成の度合いは、世界的に見ましても非常に高かったということは、先生御指摘のとおりでございます。しかし、お話しのように、償却不足も解消しましたし、延滞もなくなりましたので、今後は従来のような企業助成ということではなしに、今後できていく一ぱい一ぱいの船が国際競争力のあるようにということを主眼にして、この法案をお願いしているわけでございます。  それで、ヨーロッパ諸国の海運企業の体質というものは、日本に比べまして非常によろしゅうございます。これは、自己資本比率も、ヨーロッパ諸国はほとんど五〇以上でございます。日本は全体的に見ましても、まだ一五に達していないという状況でございますので、こういう優秀なヨーロッパの海運企業に対しましても、ヨーロッパ諸国は海運助成をいま行なっております。そうして、その建造コストが四%ないし六%になるような助成を各国で実施いたしております。これらと同じ競争条件を持つようにしていただきたいというのが、今度の法案でお願いしている趣旨でございます。

野間千代三日本社会党

○野間委員 そうすると、簡単に言えば、西欧の海運会社と日本のを比べてみると、やはり国力の相違もあるでしょうが、企業力にまだ相当格差がある、これが原因だということですね。——わかりました。  それで、そういうことで、この企業力をつけていきたいということで今日までやっておったわけです。それで今後も大量建造、計画造船を続けていくわけですね。そうすると、たとえ一〇%の自己資本を持つにしても、相当多額の借り入れ金が行なわれてくる。やはり利子補給も、あくまでも補給ですから、補給の限度にある。五厘と二分二厘ですかの範囲にあるということになると、やはり相当借財ということは積み重なってくるわけですね。したがって、金利負担なりあるいは償却費の増大なり、そういうものは大量建造ということから見ると、やはり毎年相当ふえていくということは、当然だろうと思うのです。そういうものがやはり今後も相当会社の財務に圧力を加える、財務負担になるということは、これはもう必然だろうと思うのですね。そういうものがなお自立をおくらしてくるように想定される。しかし、やはり積み取り比率をふやすためには、大量建造、計画造船でなければならぬ、こういう形ですね。これにぼくは多少自己矛盾というか、そういうものが存在すると思うのです。  そこで考えるべきことは、したがって、大量建造、計画造船の方針でいくのだけれども、金利負担なり利子補給とか、そういう援助の方法だけでは、やはり今日までの行き方とそう変わってないから、企業力の増大、自立体制をつくっていくということについてやはり問題がある。そこで、何かほかに国が援助をする、基本的に企業力を強化していく援助の方法が必要なのじゃないか。たとえば、いま航路がどうなっているのか。極端にいえば、もうかる航路であるとか、そうでない航路であるとか、いろいろあると思うのです。そういうことなど、国のほうで海運政策として援助をすべき手段、政策というものがあり得るのじゃないかというような気がするのですが、その辺はいかがですか。

澤雄次運輸省海運局長

○澤政府委員 御指摘のように、海運企業がその企業力を強化し、自立体制を確立いたしますためには、単に財政援助を行ない、あるいは利子補給をするだけでは足りないわけでございまして、先生御指摘のように、あるいは運賃同盟における日本船の秩序ある進出をはかるために、いろいろと政府が陰になって援助する、あるいは未開発国と申しますか、開発途上にある国、これは非常に極端な国旗差別主義をとりまして、自分の国の船でなければ荷物を積ませないというようなことを申しておりますが、これらにつきましても、政府間でいろいろと折衝して、民間の海運企業がその航路に入りやすく、荷物を取りやすくしてやるというような問題、あるいは邦船間で不当な競争をしないように行政指導をする、このようなことが非常に重要なことであろうと考えております。

野間千代三日本社会党

○野間委員 いまの局長の御答弁は、そういう要件があるということですが、それは毎年のことで、そういう要件をどういうふうに解決をしていくかということが、きわめて重要な問題なんですね。これは大臣、そういう問題がある。そこで、そういう方面について、今後どういう政策で対処をされていくかということが一つ。  それからもう一つの重要な問題は、海運会社がどうしているのかということです。ぼくらの気になるのは、政府のほうでは、それだけ一生懸命やっているが、それぞれ体質改善をしたり企業努力をして、日本の海運業として昔のように立ち直ってくるというふうにするために、企業、業界のほうではどういうふうに努力しているのだろうか、これが多少心配ですね。したがって、そういう方面に対する業界の対策と、それから運輸大臣として、いま局長の答えられたいろんな条件に対する国の対策とあわせて、業界に対する指導力といいますか、そういう方面も必要じゃないかと思うのですが、その辺はどうお考えでしょう。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 わが国海運が国民の期待にこたえて、これから発展していくための業界の基本的なあり方はどうだ、それに対する運輸大臣の指導方針はどうだ、こういうお尋ねでありますが、新海運政策におきましては、再建整備期間中に回復をいたしました企業体力を活用いたしまして、企業の自己責任体制を確立して、その自主性を発揮させながら、国民経済上必要な外航船舶の建造を推進していくことを基本理念といたしてお吟ます。したがって、今後は再建整備期間中における金業救済的な助成措置を改めまして、企業の自主性を発揮させるため、計画造船において全額借り入れ方式の廃止、一定量の自己資金を投入させる等の措置を講ずるとともに、競争秩序の維持等について適切な行政指導を行ない、かつ国際競争力を確保するための必要な助成措置を実施することによって、この基本理念を実現したいと考えております。  わが国の外航海運がきびしい国際競争に耐えていくためには、今後とも徹底した経営の合理化と邦船間の過当競争の排除が必要でございます。再建整備期間終了後は、法律上集約体制の維持義務はなくなるのでありますが、過当競争を避け、国家資金の効率的使用をはかるため、外航海運における集約体制は、基本的に維持する方針であります。特に、巨額の投資と配船調整を必要とするコンテナ船の運営体制については、企業の自主的判断による業務提携その他の協調体制の強化を強く期待いたしております。

野間千代三日本社会党

○野間委員 ただいま大臣からたいへんごもっともなお答えがございました。けっこうなんですが、ちょっと時間がないものですから、また別の機会に御質問しますけれども、この機会に、かねてから私どもが念願をしております日本の海運企業そのものの自律調整、これをとにかく確立することが急なんであって、それに必要な援助をすべきだという考え方。どうも今度のこの新海運政策も、一〇%の自己資金を持ったにしても、まだなお方針としては、従来のそれを踏襲されているという気がしますので、この辺を十分にひとつ御検討いただいて、なおこの法律が行なわれている期間であっても、切りかえられるものならば、企業努力、業界の努力等あわせて十分な御指導をいただいて、海運の発展のために、運輸省のほうの適切な御指導をいただきたいと思います。  以上申し上げて、もう一言お答えいただいて終わります。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 ただいまの野間委員の御意見、ごもっともであります。私も微力でございますが、全力を尽くして御要望にこたえたいと存ずる次第でございます。

野間千代三日本社会党

○野間委員 終わります。

砂原格自由民主党

○砂原委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

砂原格自由民主党

○砂原委員長 これより討論に入りますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  これより採決いたします。  本案に賛成の諸君の御起立を求めます。   〔賛成者起立〕

砂原格自由民主党

○砂原委員長 起立多数。よって、本案は原案どおり可決いたしました。  おはかりいたします。  ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

砂原格自由民主党

○砂原委員長 御異議なしと認めます。さよう決せられました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

砂原格自由民主党

○砂原委員長 原田運輸大臣より発言を求められております。原田運輸大臣。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 ただいま外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法等の一部を改正する法律案について慎重御審議の結果、御採決をいただき、まことにありがとうございました。(拍手)

砂原格自由民主党

○砂原委員長 次回は、来たる五月七日水曜日午前十時理事会、午前十時二十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時二十八分散会

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