運輸委員会 第6号
- 発言数
- 193 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1969/02/26
会議録
○砂原委員長 これより会議を開きます。 日本国有鉄道の経営に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。神門至馬夫君。
○神門委員 私は、これから国鉄における触車事故、列車に職員が触れまして死亡した事故、この原因の追及と今後の対策、こういう点について質問をいたしたいと思います。 実は、この月の、二月の十三日に伯備線におきまして、戦後初めてといわれる六人の死傷者を出すという重大事故を起こしました。これは全国に新聞あるいはテレビ等をもちまして警告をされたものであります。ところが、きょうの新聞を見ますと、またまたこの触車事故を起こしておるのであります。それは群馬県の長野原線の小野上―市城間、ここにおいて国鉄職員を含みます三名の者が、一名は即死、二名は橋の上から落ちまして川に転落をする、そして行くえ不明になっておるのであります。けさ尋ねますと、七時何分ですかに一名の請負業者の職員が見つかったようでありますが、まことにたいへんなことであります。と申しますのは、二月の十三日に伯備線におきまして六名の殉職者を出し、その同じ日に天王寺管内におきまして二名の同じような施設関係の職員の殉職者を出しております。そして二、三日たった十八日に、大分におきまして、また一名の施設関係の殉職者を出しておる。そして先ほど申しますように、昨日またまたこの三名の殉職者を出しておるのであります。まことに痛ましい事故であります。でありますから、この根本につきましては緊急に私たちが追及して、この根絶をはからねばならない。こういう意味におきまして、国鉄当局の責任は非常に重大だと思うし、なおかつ、この対策は緊急であります。そういうような観点に立ちまして、少し時間をいただきまして、この問題について、この原因あるいは今後の対策、遺族補償、そしてそれらの事故責任は一体どこにあるのか、こういう四点に分けて順次質問し、お答えを願いたい、このように考えるのであります。 それで、私の主たる質問の焦点は、二月十三日の伯備線における事故に置くのでありますが、たまたま昨日起きました長野原線における事故、これがきょう朝刊のトップに大々的に報じられておりますから、まずこの原因についてひとつお尋ねをしたいと思いますが、その原因をお尋ねする前に、概況について、どのような状態であったか、そして二名の行くえ不明者のうち現在一名発見されたと聞いているが、その後どのようになったのか、この概況をお知らせ願いたい。
○磯崎説明員 ただいまの神門先生の御質問に対しまして、つつしんで殉職者に哀悼の意をささげつつ概況を御報告申し上げます。 まず、昨日の長野原線における事故でございますが、ただいまお示しのとおり、昨日十三時二十一分に群馬県の長野原線、小野上-市城間におきまして、鉄橋と申しますか、コンクリート橋の上に、私のほうの工事関係の職員、それから工事を請け負う会社の職員二名、合計三名がコンクリート橋の上で電車に触れて川に落ちてなくなったのでございますが、幸い、きょうの時点までで遺体は全部あがりました。それだけはせめてもの慰めだと思っております。 その原因、概況等につきましては、実はまだお手元に資料をお配りするほど詳しいことはわかっておりませんが、大体の概略を申し上げますると、この三名は、近日中に長野原線の堰堤を直します工事を群馬県の南波という建設会社に入札いたしました結果、その現場を見に行こう、そしてどういうふうな足場をつくるかというようなことの調査のために現地に出かけたものでございますが、現地に参ります際に、規定に従いまして、私のほうでは線路の巡回、線路を回ります場合には、原則として必ず来る列車に対して対面交通と申しますか、逆のほうから行かなくちゃならぬ、こういう指導はきつくいたしておりますので、その点は、この責任者の工事技術係の小林君という三年三カ月たちました四十六歳の職員でございますが、規定どおり先の駅まで参りまして、そこから車に乗りまして、下り列車に対して対面交通になるような形で歩行しておったようでございます。そこで橋梁上に差しかかりました際に、この辺は三百メートルの曲線でございますが、電車運転士の発見が、見通し距離が大体五十メートルございましたが、電車運転士の供述によりますと、三十メートル手前で発見した、こういうふうに申しておるのであります。非常ブレーキをかけましたところ、橋梁の幅が三メートル八十ございますが、逃げおくれまして、たぶん不幸にして三人がもつれ合ったんじゃないかと思うのでございます。時間的に申せば、十六メートルの距離でございますので、大体まあ五秒か六秒あれば逃げられる距離でございます。でございますので、電車の音――これは静かなところでございまして、作業中ではございませんので、電車の音に気づけば逃げられた時間じゃないかと思いますが、残念ながら三人でございますので、何かもつれたりしたんじゃないかというふうな気がいたします。したがいまして、逃げそびれまして川に転落いたしたのであります。そういう事情でございまして、いわゆる作業中の事故でなしに、歩行中の事故でございます。 それ以上まだ、現地から詳細な情報を何とか手に入れたいと思いましたが、遺体の捜査のほうに力が回りまして、はっきりわかりませんが、自動車で駅から現地の橋梁のところに参りまして、そこで車をおりまして、そして規定どおり対面交通でもって行った。なぜ橋の手前でおりたのか、そこがはっきり――橋の先でおりればよかったのに、線路に上がりにくいところであったと存じますが、橋の手前で車をおりて線路上に上がったということになっておりますが、これらにつきましても、もう少し時間がたてばはっきりわかると思いますが、なぜ橋の手前でおりたのか。橋の先で車をおりて行けば――橋の工事ではございませんで、橋のもう少し先のところの工事でございますので、手前でなぜおりたのかということにつきましては、はっきりいたしませんが、非常に不幸にしてそういう事態になり、なくなったものでございますので、その人の過失等を言うにしのびませんが、歩行中の問題でありまして、あるいはもう少し注意しておってくれたらと思います。その他の規則は、きちっと対面交通を守っておりますし、本人も相当年齢もいっておりますし、経験も三年以上たっておりますので、そうむちゃな職員でございませんで、三人おりましたので、何か、そう言っては死者に対して非常に失礼でございますけれども、あるいは話でもしておったんじゃないかというふうにも考えられますが、しかし、何といたしましても非常に残念な、まことに申しわけない事故でございます。 それからもう一つの、去る二月……
○神門委員 いや、そのことはあとでよろしゅうございます。 いまのような概況につきましてわかりましたし、不幸中の幸いにして、二名の行くえ不明の方も発見されたようでありまして、まことによろしかったと思うのでありますが、しかし、いま副総裁がおっしゃいましたように、この見通し距離が五十メートルしかない。反対も、たしか上下とも見通しが五十メートルから八十メートルぐらいしかないはずであります。けさの各紙の朝刊を見ますと、「また保線の事故」というふうに毎日新聞が出しておりますし、これは伯備線の事故に次いでまた起こした、こういう非常に――どういいますか、悲憤をあらわした表現でありますし、また、この鉄橋が「魔の鉄橋」だ、こういうふうに書いてございます。それは両方の見通しが悪い。それで、いまおっしゃいましたように、橋の幅が三メートル八十しかない、そうしますと、列車の幅と大体一緒であります。両方に見通しが全くないところに、歩行する、作業するにかかわりなく、列車が来ますと、発見して何秒かかろうと、そのときの速度が六十キロだとするならば、おっしゃるように、五、六秒という時間も一ぱい一ぱいであります。 ここで、それではどのようにして安全を保ち得るかということになりますと橋側歩道をつける以外にないのであります。橋の両側にいっでも待避できるような歩道をつける、これのみがこの場合にとり得る常識の線であります。でありますから、そこに歩行者なりあるいは作業をしている者が注意することによってのみこの危険を防ぐ、こういう精神主義的なことでは、どうしても解決できないことは、もう明瞭であります。でありますから、この場合、このような橋側歩道というようなものについて、いままで当局の間に問題になったことはないのか。 それから私がけさ直ちに国労本部のほうに尋ねましたところが、そういうことは相談しているというのであります。その資料をけさ取り寄せました。その内容といたしましては、四十三年の九月三十日、昨年の九月三十日であります。その九月三十日に、「保線関係従事員の労働環境改善整備に関する了解事項」というのが、お互いの間に約束をされておるのであります。そしてその中に、環境整備の問題について、橋側歩道は、単線区間には片側に、複線区間には両側に設置するという、こういう案が当局と労働組合の間に約束をされている。これは昨年の九月であります。これは、ただ単に当局の案として、それが組合側に提示された模様ではあるけれども、その締結をされたその後に、全くと言っていいですが、下部におろされていない、こういう事実が明瞭になっております。でありますから、昨年の九月にこのような危険をあらかじめ予測して、橋側歩道をつけるということを明確にあなたのほうから約束をされて、案もつくりながら、なぜ下部におろさないのか、こういう経過的な措置。 もう一つは、これについて、現在単線の場合には片側につける、複線の場合には両側につけるという対象の個所が何キロぐらいあるのか。個所、キロ、その点についてお知らせを願いたい。
○磯崎説明員 実は、保線作業の問題につきまして一番危険なのは、いまの橋梁の問題とトンネルの問題でございます。この問題につきましては、私どもも、いわゆる作業環境の整備ということで、数年前から相当積極的にやってまいりました。その結果、昨年組合とも、いまごらんくだすったような協定を結んだわけでございまして、私どももぜひこの問題は積極的にやってまいりたい。と申しますことは、大体この触車事故は、昭和三十四、五年ごろを頂点として、ずっと減ってきておりますけれども、まだまだ全体の殉職者の中で、保線関係の殉職者が一番多いという実態から照らしまして、何とかこれを減らしたいということで、組合ともそういう約束を締結いたしまして、四十三年度七億の予算をおろしております。 基準キロ程につきましては、担当の局長が参っておりますので答弁いたさせますが、私どもといたしましても、こういうほんとうに私どもの身を切られるような不幸な事故につきましては、何と申しましても人命にかかわる問題でございます。最優先にやってまいりたいというふうに思っておりますが、橋梁が非常に多いことと長いということで、列車回避等の関係から逐次つけてまいっておりますが、もう少し詳細に担当局長から数字について御説明いたさせます。
○北沢説明員 担当の施設局長でございます。 今回の事故にかんがみまして、遺族の方その他に哀悼の意を表したいと思うのです。 ただいま御質問のありました橋梁に対する橋側歩道の問題でございますが、私どもといたしましては、やはり橋梁等の作業におきまして、橋側歩道が必要であるということにつきましては、先生のおっしゃるとおりでございまして、それにつきましては、鋭意努力してまいっておるわけでございます。 この橋側歩道と申しますと、長い橋梁につきましては、橋梁のかけかえのつど、あるいは新設のつど、全部つけてまいっております。また、昨年来そういうお話がございましたので、特に四十三年度は本社指定といたしまして、橋梁並びに隧道の待避所を含めまして、約七億円の本社指定をいたしました。そのほかに支社の項別工事と申しますか、支社として計画されておるものもありまして、それで推し進めてまいっておるわけでございます。今後もこういう施策を推し進めて、逐次整備してまいりたいと思っております。 それから片側、両側のお話でございましたが、現在の橋梁は、単線区間においては片側の長い橋梁につける。それから見通しの非常に悪い橋梁、それから長い橋梁につけるということになっておりまして、これは逐次改良のつどということと、それからどんどん整備をするという、両方とも二面立てでやっております。 それから複線区間においては両側というお話がございましたが、これは必ずしもそうではございませんので、複線の間に待避所ができる場合には、橋側歩道ができる場合にはまん中に置く。それから線が離れておりまして、あるいはまん中にできない、あるいは片側だけでは安全な作業ができないという場合に両側につけるということになっておるわけでございます。 以上でございます。
○神門委員 そういう考えはわかったが、こういうような緊急に、早急に橋側歩道をつけなくちゃいけない個所はどのくらいあるのか、あなたのほうでどういうふうに把握しておいでになるのかということなんです。
○北沢説明員 現在、橋梁というものは約千二百キロ国鉄にございます。その中で高架橋等もございますので、確実に、現在までついている、ついていないというお話はちょっといたしかねるのでございますけれども、その中で高架橋を除きまして、いわゆる橋梁、鉄道橋というようなもののうちの約三割くらいが、現在ついておるというふうに理解していただいてけっこうだと思います。
○神門委員 そうすると、あなたのほうで、昨日起きました長野原線ですか、この事故のあの鉄橋と同じような危険な個所というものは明確に把握されておらないのですね。全体の中で橋側歩道が何割程度ある、こういう概要のみであって、危険な個所がこれだけある、ここは緊急にやらなければならぬということをあなたのほうは明確に把握されていない、こういうふうに確認してよろしゅうございますか。
○北沢説明員 私どもは、本社におきましては、もちろんある順位をつけてやるわけでございますけれども、それは大きな橋梁を新築する場合あるいは改良する場合にいたしますが、その他の橋梁につきましては、管理局段階で十分調査いたしまして、つけたいというような橋梁について、逐次つけてまいっておる次第でございます。本社は、何といいますか、マクロ的に現在どのくらいついているというふうに把握しておるわけでございます。
○神門委員 そうすると、あなたのところと本部との間で、本社、本部間で環境整備に関する協定というものが昨年九月に締結されておりながら、ただマクロ的に把握しているだけで、具体的には一切の対策を立てておいでにならない、こういうことですね。
○磯崎説明員 その点は、協定に基づきまして各局長と各地方本部において、これは主として橋梁の長さの問題と見通しの問題が一番問題だと思います。したがって、たとえば、このように曲線が三百だとか、あるいは四百だというところにつきましては、やはり具体的に現地で労使双方で話し合って、ここがあぶないということをきめるのが最も適当だということで、やはり同じ橋梁、たとえば十六メーターの橋梁でございますが、非常に見通しのいいところと見通しの悪いところという、線形などを全部本社でチェックしてやるということも少しオーバーになりますので、これも管理局長と地方の組合との協議によって具体的に場所をきめていく。むしろ、大体組合のほうからは各管理局側に対して、まあ順位はつけないまでも、この橋梁とこの橋梁はあぶないということを言ってきておりますし、また、管理者側もそれは十分知悉しております。ただ、長野原線の場合には、これは十六メーターで、正直な話、ちょうどボーダーラインぐらいだと思います。あの辺ですと大体二十メーター、列車回数がわりあい少のうございますので、二十メーターくらいで話をしておったんじゃないかと思います。その点、たとえ十六メーターでも二十メーターでも、いざというときには、同じ問題でございますので、結局、方針としては、ほんとうに短いものは別として、これは極力全部につけたい、歩道ができなければ、中間の待避所でもいいからつけたいという方針で今後進めていくのが最も適当な方法か、こういうふうに考えております。
○神門委員 えらいしつこく言うようですが、問題は、管理局でなくちゃ具体的なことはわからぬ、それはそのとおりだと思います。しかし本社、本部間で、非常に緊急性があるとして環境整備を約束された以上は、そのような危険な場所を本社は管理局から吸い上げて、それぞれ把握しておらなかったら、対策は立てられるはずはないじゃないですか。七億という金をおろしたというけれども、七億というのは何を基準にしておろしたのか。そのような危険な個所が幾らくらいあるか、どのくらいの予算がかかるということを前提にしてその七億の金をおろさない限り、適切に対策を立て得るとは言われないのじゃないか。こういう意味で、いまのお話によると、概念としては何とかやろうという気持ちはあるけれども、具体的に把握をしていないということは、何ら対策が立っていない、これにひとしいということ以外にないと思います。
○磯崎説明員 いまの御質問は、まさにそのとおりでございますが、私どもといたしましても、地方から具体的にどの橋梁という名前はとっておりませんが、自分の管理局には、これだけの作業上危険と思われる橋梁があるということをとりまして、それを基礎にしてキロ当たり幾らということで、七億というようなものを管理局ごとに実は――ひもつきというとまことにおかしいことばになりますが、本社で指定いたしまして、この七億だけは絶対ほかに使ってはいけない、橋側歩道だけでなければいかぬということを、組合との約束によりまして各地方に流したわけでございます。その結果は、やはり各局からあがってまいります長さ、具体的な橋梁の名前でなしに、大体うちの管理局は何キロある、何メートルあるというようなことによって配分をしたというように私は承知いたしております。しかし、お説のとおり、やはり危険な橋梁あるいは非常に見通しの悪い橋梁、長い橋梁等につきましては、もう少し本社において具体的に把握すべき必要があるというふうに痛感いたしますので、今後十分指導監督してまいるつもりでございます。
○神門委員 この問題につきましては、直ちに管理局から、危険な橋梁あるいは危険な場所において橋側歩道とか待避所、こういうふうなものを早急に設置する具体的な資料を集めることを約束をされた、こう確認してよろしゅうございますか。
○磯崎説明員 よろしゅうございます。
○神門委員 続きまして、最大の事故を起こしました去る二月十三日の伯備線における事故であります。この事故というのは、先ほど申しますように、たまたまその日、天王寺管内でも二名死んでおりますし、また、五日後の十八日には大分で死んでいる。また、その六名の殉死者を出しました米子の局では、その十三日のあくる日にまた触車事故を起こしまして、負傷者を出しておるのであります。こういうふうに、触車事故というものが非常に多発している。先ほど申しましたように、全体の触車事故によるところの減少傾向の中にあって、施設関係はむしろ数字は維持しているかもしくは増加している、こういう状態にあるのであります。でありますから、これらの問題について根本的に、また、具体的に事故原因を究明する、そうしてこれを根絶するということを目的として、これからいろいろお尋ねしてみたいと思うのです。 二月十三日の伯備線における災害の状況でありますが、私が概況について説明しますから、大体それに間違いないか、お答え願いたいと思うのです。 二月十三日に、国鉄職員の後藤という軌道掛の職員以下七名――職員が三名、臨時雇い四名が上石見-生山間八十九キロ四十三メートル付近で、タイタンパーによって枕木移動後の突き固め作業を行なっていた。九二一列車が約三十二分おくれていたので、列車状況については十分注意していた。当日の列車見張り員の斉木国鉄職員は、十三時四十分、午後一時四十分であります。上石見駅の田中当務駅長に列車運転状況を問い合わした。ところが九四三列車は約五十分おくれており、四九四列車と上石見駅で行き違いをする、こういう連絡を受けたので、付近の作業員に伝達して、約四百五十メートル後方で働いておった作業中の者にも連絡して、そして自分の作業位置に帰って、今度来る列車は上り貨物列車四九四列車であることを再確認して、自分は見張りをやめて、タイタンパーの自分の作業に従事した。ところが、十四時十八分、午後二時十八分、駅に連絡してから三十八分後のころ、道床かき上げ作業を行なっておりました後藤軌道掛は、異常な風圧を感知したので、顔を上げると、起点のほう約二十五メートルくらいに下り列車が接近していた。だから「列車」と叫んで待避したが、他の者は待避がおくれて列車に触れ、作業員六名が即死してしまった。こういう概況でありますが、なお、この機関士は、この事故を起こしました触車位置の手前四十ないし五十メートルくらいの手前で発見したと言っている。そして急停車をしたが、事故を起こしました。六名の者が死んだ位置から三百六十メートル過ぎて停車をしていた。また、その辺の地理的なものでありますが、その事故が起きました現場のすぐ岡山方面、これは三百五メートルの曲線、米子方面は、ちょっと中間に直線がありますが、三百六十八メートルの曲線があって、岡山方面にはなお千分の二十の勾配がある。こういうような非常に地形が悪条件の中にありますから、列車の来ました方向の見通しは八十メートル、そして後方は二百五十メートル、こういう見通ししかなかった。こういう地形的なもの、立地条件、こういうような点のものについても、大体間違いございませんか。
○磯崎説明員 概況はいまおっしゃったとおりでございます。
○神門委員 ところで、この事故が起きました原因はどういうことであるのか、お答え願いたいと思います。
○磯崎説明員 ただいま先生のおっしゃったとおり、当日ちょうど桜井線でも同じような事故がありましたが、大阪地方が非常に濃霧でございまして、当該山陽線が相当列車がおくれておりました。そのために伯備線の列車が乱れておるということで、この松原という作業責任者、これは作業軌道長でありますが、これが十名ほど連れてまいりました。いま先生のおっしゃった後藤軌道掛はそのうちの一人でございますが、この十名のものを連れてまいりましたときに、十分駅と打ち合わせいたしまして、きょうは列車が乱れているからということも知って現地に行ったというふうに報告に参っております。また、現地の環境等につきましては、お説のとおり、片方は半径三百、片方は半径四百というような相当な曲線の中の直線百六十八メートルという直線にかかる前の、直前の切り取りの過ぎた場所でございます。私どもといたしましては、この事故は当時の列車の乱れ、ことに列車の乱れの際の保線作業と駅の運転取い扱い作業との連絡の不十分――原因はともかくといたしましても、結果的に見ますれば連絡の不十分にあったということを痛感いたしております。
○神門委員 米子鉄道局管内では、昨年の九月十九日に、御承知のとおり、山陰線小田-田儀間におきまして、三名の同じような触車事故を起こしております。そして二名の職員が殉職し、一名が重傷を負っている。私もちょうどそのときに参りましたが、たいへんな悲痛な状況でございました。この事故が起きて間もなく、また、同じ管理局管内でこの六名の不幸な惨事を起こしたのでありますが、この九月十九日の事故の概況を御説明願いたいと思います。
○北沢説明員 九月十九日の出雲線区における殉職事故についての御説明を申し上げます。 当日は、軌道作業長以下十八名が、臨雇七名を含めまして作業に行くわけでございます。それで四頭タイタンパーというものを使用いたしまして、甲修繕という作業を作業中でございましたが、下り列車を見張るために、作業班の近くを移動中の列車見張り員が上り列車の接近を発見いたしました。大声で「待避」と叫んだので、近くにおりました軌道長がかけつけまして、この四頭タイタンパーを取り片づけて待避いたすはずでございましたが、時すでにおそく、二名が受傷いたしました。直ちに病院に収容いたしましたが、残念ながら一名即死、一名が当日十三時四十五分に死亡したという事故でございます。 それから、軌道作業長が二十五日の十五時に死亡いたしておりますが、これはやはり、貨物列車が当日闘争等のために百二十三分、実に二時間というおくれを出しまして、駅と打ち合わせた場合に、駅のほうではやはり連絡の不徹底から、保線区員のほうに連絡が十分でなかったということで、保線区員はその他のダイヤによって作業にかかったところ、たまたまおくれている一二三列車がその間に入ったというようなことで、両者の打ち合わせ不十分、それからダイヤの乱れというものが原因でこういう事故を起こしました。まことに痛ましい事故であると私は考えております。
○神門委員 事故の概況につきましてはわかりましたが、同じように、やはり列車の確認あるいは連絡の不十分、これが直接の原因である、こういうふうにおっしゃっております。この点につきましては、あとからもう少し触れてみたいと思いますが、ただ、この伯備線の問題にいたしましても、山陰線の問題にいたしましても、もし、そのときに、使命感の薄い国鉄職員が自分の身の安全を守るために、そのタイタンパーをそのままほったらかして逃げたとするならば、どれくらいの惨事が起きたかということです。伯備線の場合でも同じことです。まず、事故を起こすまいと思って、それを線路外にほうり出して、そうしてみずからが殉職をしている。だから、これが一般に国鉄内部の問題になっておるけれども、このときに、職員がこの事故のことを考えずに、もしタイタンパーをほったらかして逃げたとするならば、これはどれだけ大きな事故が起きているかということなんですね。この辺の問題等が世論の中にはまだ大きく残って、内部の問題として起きているというところに、実はこれまでの施設関係の職員に対する国鉄当局の取り組みの非常な不足があるのではないか、こういうふうに思うのですが、この点につきましてはあとからまた聞きたいと思います。 その、九月の十九日の事故を起こしました直後、出雲の保線区事業所を管理している出雲基準監督署長が、出雲保線区に対して三項目の指導事項を出しております。「列車運行状況の照合について」「四頭タイタンパーの使用について」「見張りについて」という三つの項目についての指導事項を出しているのを本社は御承知でございますか。
○磯崎説明員 存じております。
○神門委員 その指導事項に対して、出雲の保線区長が十月三十一日に、「死傷事故に対する指導事項に対する回答」という回答を出しているのも御承知でございますか。
○磯崎説明員 存じております。
○神門委員 この中で特に問題がありますのは、この見張りのことについてでありますが、回答の中で、3のイに、両方に見張りをつける場合「見通し距離五百メートル以内又は隧道有道床橋りょうの上等で、四頭タイタンパーを使用して集団作業する場合」、これ以外は両方につけない。それからロとして、その他の場合は一方に見張りをつける。ハとしては「見張りは概むねダイヤ見張りであるから」と、この見張りの任務を明確にしております。ホでは、作業責任者は列車が現場を通る時間をあらかじめチェックして、その数分前に一斉に待避する、その中の「概むね」という中で、特に「諸車、四頭タイタンパーの使用の場合は五分前、その他の場合は概むね三分前」、こういう回答をしておるのであります。この回答は、直ちにこのような触車事故に対する保線区の指導とし、この出雲保線区は、米子管理局長の了解のもとに出したものであることは間違いないと思います。そうしたときに、ここで問題になってまいりますものは、五百メートルという見通し距離であります。五百メートルという見通し距離の場合に、六十キロで進んできた場合には、これは五十秒しか時間の余裕がありません。八十キロであった場合には三十五秒ぐらいしか余裕がない。この日の事故によりましても、半径が三百、四百という非常に悪い切り取りのところである。なおかつ、下りの場合は、列車が来ましたのは非常に大きな勾配です。そういうようなところで、制限速度いっぱいいっぱいに来たときに、五百メートルの見通し距離、それと制動距離との関係ですね。そういうような事故が、ブレーキをかけて四百メートルも制動距離があったというこの事実からいって、この五百メートルというような見通し距離と四頭タイタンパーという重たいものを持って逃げる場合、こういうようなものは適当だとお思いになりますか。
○磯崎説明員 その点は先生のお説のとおりでございまして、出雲保線区長から労働基準監督署でございますか、そこへ出した書面では、若干不十分であるというふうに米子の鉄道局で考えまして、十月二十三日、「四頭タイタンパーの使用について」という通達を出しております。これは、いま先生のおっしゃったおことばを実はそのまま拝借してもいいようなことでありまして、むしろ四頭タイタンパーは非常に重いものでございますので、この場合には線路閉鎖と同じような取り扱いにしろ、むしろ列車間合いをきちっときめて、列車をとめて作業すべきだというような、相当きつい通達に直しております。したがいまして、いま先生のおっしゃいました現場から出しました書面では、やはりそういう事故のあとから見れば心もとないということで、もう少し運転上きつい制約にいたしまして、十月二十三日に運転指導第三十二号として、四頭タイタンパーの使用についての通達を別途出したというふうに報告が参っております。
○神門委員 四頭タイタンパーの使用については、確かに局報号外をもってなされております。しかし、それが不十分だというならば、たとえば、このおおむね数分、五分、三分という待避時間であります。これは運転取扱基準規程、三十九年十二月の通達第三十三号、これを見ますと、この四十七条に、「(列車の遅延回復)」「機関士は、列車が遅延したときは、許された速度の範囲内でこれを回復することに努めるものとする。」こうあります。そうしますと、この回復時間というものは、おおむね運転時間をチェックするその前、五分、三分前に逃げなさい、こうなっておるわけです。この回復時間を、貨物列車等においては早発が認められておりますね。これらとの関係において、この辺の問題については不十分ではなかったのか、その点はまた本社のほうとしてはどういうふうにお考えなのか。
○北沢説明員 列車の乱れ等におきます回復運転等につきましては、この列車発車時刻等に対する列車待避を現在規定できめておって、何駅を何時何分に発車する、何分前にはずすということになっておりますが、回復等におきましては、大体列車がおくれておる状態、列車が乱れておる状態でございますので、その点については、乱れておる場合には何分前という時間が一々変わってまいりますので、そのつど駅に問い合わせて作業にかかるというふうに指導してまいっております。したがいまして、定期的に参っておって、しかも回復するということはございませんので、列車が乱れたという場合、非常事態のような場合が適用されると思います。その場合には、十分駅と連絡して作業にかかるというふうに指導してまいっております。
○神門委員 だから、これから言えば、そのあらかじめ予定されるときの五分前、三分前までは仕事をしなさいということなんでしょう、反対に言えば。それまでは仕事をしなさいということなんですから、列車の回復というようなものを考えるならば、あらかじめチェックする――回復しないで来る場合と回復して来る場合とは非常に違うわけです。この五分なり三分というようなものが、むしろ逆に重大な事故を起こす大きな原因になりはしないか、この点についてはどうお思いになりますか。
○磯崎説明員 その点は先生のおっしゃったとおりでございまして、あまりきわどい芸当をやらせることは確かに危険でございます。私どもといたしましては、やはり列車の乱れの多いとき、あるいは霧の深いときはもう保線作業をやめろ、そうして後日に延ばせという指導をもっと積極的にやらなければいけない。こういうふうに考えておりまして、あまりこまかい芸当をいたしましても、必ずしも連絡のとれない場合もございますし、また、駅によりましては、電話の場所と人の場所と違うとか、一、二分の時間はすぐたってしまいますので、ある程度列車ダイヤが乱れたときは通常保線作業はやめろ、やるのならば線路閉鎖をしてやれというふうな指導をするのが、私はこれからの方法だというふうに、まだ具体的に事務にのせておりませんが、やはりこれからこういった不幸な事故をなくすためには、ある程度そういう天候の状況、あるいは列車の乱れ等の状況によりまして保線作業を中止する、あるいは後ほど申し上げますが、思い切った機械的な措置によって保護するということでもって、ただ両者の連絡だけでやるということに少し無理があるような気がいたします。まあ責任者がこう申しますのはたいへん申しわけございませんが、何かそういう角度からこの問題は考えないと、やはり漸減の傾向はとっていても絶滅はできない、こういうふうに私自身、過般の事故等を考えまして痛感いたしている次第でございます。
○神門委員 それからもう一つは、両方に見張りをつけるのはこれこれの場合であって、あとは一方にしなさい、こうあるのです。ところが、伯備線の事故を見ますと、ちゃんと打ち合わせをして、それで、ジャクボックスも相当遠方にあるのですね。遠方にあるから十名が分散している。一応連絡をして行き違い変更をします。それをみなに連絡をして、自分の受け持つ場所に帰って作業をする、それでは三十八分という時間はやむを得ない、どうすることもできない時間だったと思う。ところが駅のほうで連絡をして、中間の保線作業員には全然連絡なしにまた行き違い変更した。来ると言った反対方向から来ている。八十メートルの見通ししかない。しかもそれが勾配であって、結局、来ないと言ったほうから列車が来ておるから、そのまわりの者は、あれはうしろからやみ討ちにされたんだ、こう言っているのです。ところが、そこで作業している連中にとってはどういうことになるかと申しますと、来ないと言うから一生懸命仕事に追われる、追われるから見張りは片一方で、その以外の者は仕事をしなさいと言っているから、見張りをとっている、まさしくこれはやみ討ちだと思うのです。ですから、このような場合に、当然一方でなしに、見通しが悪い場合には両方につけるべきだとお考えになりませんか。
○磯崎説明員 私のほうも、あまり詳しくは存じませんが、何も一人見張りにさいたからといって、困るほどの作業はなかったようでございます。したがって、当然、こういう危険が予測されるならば両側に見張りをつけてやる作業だと存じますが、不幸にして、その駅に問い合わせて――その問い合わせた人がなくなっておりますので、どういう問い合わせをしたか、あるいは、駅のほうの助役はどういう受け答えをしたか、その辺がまだちょっとはっきりしておりませんが、それがなければ平常どおりでございますので、たぶん片側の見張りを逆につけておったと思うのです。したがって、こういう場合には、やはり突然の変更は運転上やむを得ないと存じますので、そういうことがあってもやっていけるような体制をとるのが根本的な絶滅の道だと思います。 それで、見張りにつきましては、実は労働科学研究所等でいろいろ調べてもらいました。見張り業務的なものは非常に単調でもって、必ずしも絶対に安心というわけにはいかないというふうな労働科学的な研究も出ておりまして、そういうことからいたしまして、やはりある程度列車回数の多い、しかも、単線区間で、列車が乱れるならば、どちらから列車が来るかわからないというときに、それを人の目で見張るということは、やはり少し原始的過ぎるのではないかというふうにも考えて、また、後ほど、御質問の考えられます問題につきましては御答弁申し上げるつもりでおりましたけれども、そういう古い時代のやり方はやはり変えるべき時代にきていると私は思います。この際も、駅側と問い合わせた保線側と、あるいは運転者と――運転者にしましても、これは安全旗が約一キロぐらい手前にありましたので、それは運転者だって注意すべきじゃないかという議論もあるかもしれません。しかし、そういうことを言っていてもこれはむずかしいことで、まあ、最小限、助役のほうで、来ている運転者に、いま作業しているから気をつけて行ってくれという程度のことは、これは規則以前の問題であったかとも存じますが、そういう繰り言を言いましても人命は返りませんので、やはりこういう貴重なとうとい経験を基礎といたしまして、私は、こういう単線区間の、わりあいに列車回数の多いところでは、もう旧時代的な見張りによる保線作業の防衛ということは、時代おくれじゃないかというふうに実は痛感しているわけでございます。
○神門委員 結局、そういうふうな場合には、痛感はしておいでになったとしても、やはり両方つけることについて、どうなんですか。
○磯崎説明員 その点、こういう列車が乱れましたときは、電話が一方的にしか通じないようになっておりますので、駅側から現場を呼ぼうとしてもよく通じない、こういう電話のシステムになっておりますので、やはり列車が乱れたときには、駅に照合しても、あるいはすぐもう一ぺんやり直すとか、何かそういうこまかい配慮をすると同時に、絶対に安全でない限り、見張りをつけておくということが必要だと私は思います。この際も、実は、駅に問い合わせしなければ、当然、こちら側に見張りがいたと思いますので、とりあえず、後ほど申し上げます機械が全国的に整備されるまでは、こういう区間につきましては、両側見張りということを厳重にやらせますし、見張りには、現在、腕章をきちっと巻かせております。複線区間はそれほど危険はございません。単線区間につきましては、十分そういった方向につきまして、さしあたりすぐ即効的なことは、やはり見張りしかないと思います。したがいまして、そういう方向で今後進めてまいりたい、こういうように考えております。
○神門委員 いま副総裁がおっしゃいました、片側しか電話は通じないのですね。駅のほうから現場に話す方法がない、片側電話なんです。片側電話がいかに危険であるかということは、前から言われて、もう久しいのです。久しいのですが、片側電話しかないんだから、駅のほうからは連絡しようがない。しようがなく、働いている従事員は、可能な範囲で連絡をした、その辺がまだはっきりしないとおっしゃるけれども、田中駅長は生きておるのですから、その事実は認めておるわけですね、そういう何分前にやったということは。そうしますと、この場合、もうそのような事故が、行き違い変更して再変更すれば起こらぬのがふしぎだ、起こるのは当然だというふうにお考えになりませんか。
○磯崎説明員 その点は、現在の電話のシステムのいい悪いは別といたしまして、現状の片側電話でありますが、駅から通報する方法がなければ、ただ一つ残された道は、とにかく列車はそこに行くわけでございますから、必ず作業の最初には安全旗という――最近は安全旗では非常に不明確だということで、作業現場標示板というものをいま建植しつつございますが、そういった大きな掲示板をつくってございます。運転者に、作業をしているから気をつけて行ってくれ、徐行してくれということだけが残された方法だと思います。
○神門委員 そうすると、その片側電話とか、残された方法だとかいうようなことをおやりになってないということは、この安全の確保に関する規程、昭和三十九年四月一日、総裁達第一五一号で出されておるその「綱領」の3を見ますと、「確認の励行と連絡の徹底は安全の確保に最も大切である。」これが「綱領」にもうたってあるのです。そして九条に、「作業の連絡」として「従事員は、作業をするときは、関係者によく連絡をとって互いに協力しなければならない。作業に変更のあったときは、特に注意しなければならない。」――ならない、ならないということがあるし、「綱領」には書いてあるけれども、そのような、閉鎖工事以外は片側電話ですることもできないようなものを出して、そうして片一方には、片方に見張りをつけなさい、こういうような、反対に言えば、両方につけなさぬなというような指導をしておって、やったこと自体は、この安全の確保に関する規程の精神に、あるいは規定に、直接違反しはしませんか。
○磯崎説明員 実は、昨年の九月の出雲における事故の直後の米子の管理局でいたしましたいろいろな現場に対する指導を、全部こちらに取りまして精細に検討いたしました。少なくとも字句にあらわれている点につきましては、もちろん、あらゆる場合を予測しての規則ではございませんが、多少応用動作的なことも入っておりますが、一応、たとえば駅側に対しては、できるだけ知っている範囲の運転状況をあらゆる方法で現場に知らせろ、こういうふうなことも指示して――活字に残って指示してございますが、結局、そういったことがほんとうに励行されていたかどうかという問題であったと思います。しかしながら、同時に、私といたしましては、そういう現場に対する連絡協調の指示をしておきながら、それが完全に守られていなかったということは、やはり指導監督者の責任であると、私はそういうふうに考えます。表面は、紙の上では指導監督が一応できている。しかしながら、ほんとうにそれが現場に行なわれているかどうか、あるいは緊急の場合にその応用動作ができているかどうかということは、たとえば演習をしてみるとか、訓練をしてみるとかということをしていなかったということにつきましては、どうも指導監督の責任は免れない、こういうふうに私は考えております。
○神門委員 そういうペーパーの上でも完全ではないじゃないかと私は言うのですよ。たとえばこの列車のときに、来ました方向は、見通しは八十メートルしかありません、切り取りです。見張り員は、完全に連絡をしようとすると三名必要といたしますね、あの地形は。三名置かないと中継ができません。そうして、いま当局が連絡用の合い図としているのは手旗と笛程度です。タイタンパーを使って、ものすごい騒音がしておる。そうして三人が中継、中継にいたしましても、タイタンパーを使って突き固め作業をしているその人間の耳にそれが聞こえるかどうかということについては、これは当局もすでに昨年末、組合と話をして認めておいでになるとおりなんです。そうしますと、これらのあらかじめ事故が発生すると予測されることについてのペーパー上の指導も、精神主義的なことを言ったとしても、これはできないのじゃないか。もしできるとすれば、これは非人間的な軽わざをもってしない限り、一名の監視で来たのを発見して、どうして連絡するのか、する方法はないじゃないですか。私はこういうふうに思うのですが、どうですか。
○磯崎説明員 その点は、普通の状態でございますれば、保線関係の職員はダイヤを持っておるわけでございます。したがって、その当日の運転状況は、必ず保線作業員は駅から現場へ参りますので、駅でもってきょうの運転状況はどうだと聞いてまいっておりますので、ダイヤが普通に動いている場合には、ダイヤ面をよく見て作業したりいたしますから、これはだいじょうぶです。しかしながら、こういったダイヤの非常に乱れる場合、あるいは天候の見通しが悪い場合等につきましては、やはりそれなりの応用的なことがなければいけないということを考えます。したがって、場合によっては見張りが一人で足りないことがあるかもしれないというふうなことに対する周到な注意が十分でないということは、私は率直に認めざるを得ないと思っております。
○神門委員 そうしますと、先ほどおっしゃいました、十月二十三日に米鉄局は触車事故防止のために号外を出して、「四頭タイタンパーの使用について」ということのみを指導しておる。いま申しましたようなたくさんな問題が、あの事故を契機として予測されたわけですね。その辺に対しての指導が全然なされていない、四頭タイタンパー以外には指導がなされていない、こういうようなことについての指導上の責任というものは、私はたいへん重大なことだろうと思うのです。先ほどおっしゃいましたように、機関士に連絡するとか、機関士が注意を払ってやれば、そこに標識があったのだろう、何があったのだろうというような期待可能というようなものはあったにいたしましても、この辺の対策というものがなされていなかった、九月十九日の事故に対する完全なる触車事故防止対策というものがなされていなかったというふうに私は考えますが、いかがですか。
○磯崎説明員 その点は、事故を起こしましてこういうことを申し上げてはたいへん申しわけないのでございますが、先ほどの四頭タイタンパーにつきましては、運転作業そのものを規制するという意味で、別の号外で通達を出しております。それ以外の全般的な問題につきましては、十月十九日に施設部長から米施第一八六号という書面をもちまして、各保線区長に対しまして相当詳しい、約六ページぐらいのこまかい通達を出しておるわけであります。それには電話の用語例まで出しまして、こういうふうにして問い合わせなさいというふうな、いま私、手元に持っておりますが、非常にこまかい通達を出しております。また一方、駅のほうに対しましては、九月二十六日に運転部の保安課長から現場の駅長に対しまして、四項目にわたりましてやはり通達を出し、運転部から駅に出しました通牒を、さらに施設部長が先ほどの一八六号の中でもう一ぺん繰り返しているという形でございまして、これは手元にございますのでお目にかけますが、形としては一応こういう形をやっておったということは、私のほうの報告に上がってきております。
○神門委員 そういうことがなされたとおっしゃっているけれども、外部である基準監督署が、しろうとの目で見ても、これは非常にあぶないと思ったことに対して、なされてないでしょう、ないのが事実ですね。その三つの中で、一つほど管理局長は号外をもって出している。しかし、そういうような具体的な、たとえば電話をしたときの用語とか照合のしかたとかいうものはあったにしても、私がさっきから順次申しましたようなことについては、これはなかった、副総裁も残念ながらそういう点の欠陥があると認めておいでになる。これは局といわず、本社といわず、その辺の欠陥がある、してなかったということは事実じゃないですか。
○磯崎説明員 ただいま手元にございます運転関係、保線関係の通達等を見ましても、あらゆる場合を想定して書いてないことは事実でございます。しかし、相当長文にわたるものでございまして、大体起こり得る可能性を書いてあると思いますが、この場合の例のごとく、一たんきまったことが取り消された場合、もとへ返った場合ということまでの通牒が具体的に書いてなかった。ばく然たるその他の応用動作的なことで書いてあったということにつきましては、私は指導上の欠陥があった、こういうふうに考えております。
○神門委員 私のほうでも、これだけ各管理局なり保線区のものを集めているのです。すべて同じように精神主義的なことは書いてあるが、具体的な触車事故防止のことが、いま私が本社の皆さん方とこうやって応答したようなことについては、ほとんど触れてないのです。これは、おそらくどこの管理局のものを持っておいでになってもそうだろうと思う。ですから、その辺の欠陥というものについては、私は、先ほどから副総裁のほうでもお認めになっておりますから、完全になされてない、こういうふうに考えざるを得ません。 ところで、今度六名中四名が臨時でしたね。九月十九日の場合には、十名中七名が臨時でしたか、そうでしたね。
○北沢説明員 前日の場合は十八名中七名でございます。
○神門委員 そうしますと、この六名中四名が臨時職員であった。それからその前、九月十九日の事故を見ますと、十八名中七名が臨時であった。この触車事故という非常な危険作業に臨時の職員が充当されている。この死にました四名の臨時職員の内容を見ますと、なくなりました宮本さんは三十二歳ですが、昭和三十二年から四十三年まで十二年間も継続して千五百二十九日、一年に平均いたしますと百二十七日もこの宮本さんは恒常的に保線作業に従事しておるわけなんです。それから赤木さん、四十二歳ですが、これは四十一年から四十三年まで、これも一年に平均しますと五十日、嶋川さん、五十二才が同じく五十日、藤原さんが同じ期間で四百四十日、一年にして百四十七日、こういうような作業を臨時の職員でやっておるわけですね。非常に臨時の充当率が多いのです。いま言いますように、見張りを十分にするとかなんとかいいましても、定員がない限り、仕事の割りでできないはずなんですね。見張りというものは、定員の中にきっちりと完全張りつけがなされているのかどうか。もう一つは、施設関係の欠員状態は現状においてどうなのか、その米鉄局管内にどういうような欠員状態があったのか、こういう点をお知らせ願いたい。
○磯崎説明員 見張りの定員につきましては、一応各管理局の中の通常の作業を基準として見張りをつけております。したがって、逆にいえば見張りの要らないときもございますし、また、見張りが二人要るときもあるということで、一つの基準によって定員を配置いたしております。 それから、保線関係の臨時雇用員の問題でございますが、大体全国で現在、ごく季節的なものを除きまして約三千から三千五百ぐらいの職員がいると思います。この臨時雇用員の問題は、常に非常に問題になることでございますが、やはり保線作業と申しますのは、ことに積雪地帯になりますと、夏冬通じて仕事ができない、どうしても雪のない季節にまとめて仕事をするということになります。逆に、雪のある季節は失業対策手当でやっていてもらうというふうなことで、こういう積雪地帯になりますと、臨時雇用員は百日前後になりますか、五十日ないし百日の臨時雇用員がふえるのは、どうも地域的に見ていたしかたない現状じゃないかというふうに考えております。
○神門委員 施設関係の職員の欠員状態、どのくらい欠員があるのか。
○磯崎説明員 ちょっと地域別のものを持ってまいりませんでしたので、後ほど調べてお答え申しますが、欠員はほとんど都市付近でございまして、施設全体から見れば五百人ぐらいでございます。
○神門委員 五百人ぐらい……。
○磯崎説明員 さようでございます。詳細なものは、いずれすぐ調べて……。
○神門委員 先ほど副総裁がおっしゃいましたように、全体としては国鉄の事故は確かに減少傾向をたどっております。ところが、施設関係においては、むしろ増加するような傾向をたどっておるんじゃありませんか。私が手に入れておりますこの数字を見ましても、たとえば施設関係は、十年間のものをとりますと、昭和三十二年は国鉄職員のみで三十四名、そして三十三年から四十二年までの十年間に二百八十三名が殉職しております。そのうちの四十八名が部外の臨時雇用員ですね。昭和三十二年に、単年度そのものを単純数字で比較することはできませんが、三十四年から四十三年、きのうの事故を含めますと、四十三年は二十六人になります。その間に、三十三人、三十三人というのがたくさんあります。最近の例を見ましても、昭和三十九年に、新幹線で五名死亡して一名重傷。四十一年に、新幹線で四名死亡して五名重傷。予讃線で三名死亡。四十三年、信越線で三名死亡して一名重傷。四十三年に新幹線で四名死亡して八名重傷。こういうふうに、最近、触車事故というものはむしろ増加の傾向が見られます。こういう状態から見て、一般的な国鉄の殉職事故発生率というものは減少傾向をたどっておるのに、保線関係従業員のみが増大か、または現状維持、こういうような傾向になっている。これはいかなる原因に基づくものと思われますか。
○小泉説明員 ただいまの御質問の点でございますが、国鉄全体として、もちろん傷害事故も殉職事故も減っております。施設系統の事故も、本年度は、最近続発する事故によりまして、成績が対前年度横ばいというような形になってまいりましたけれども、ずっと、この過去昭和三十四年あたりから十年間とってみますと、漸滅傾向になっております。
○神門委員 漸減しているということですが、この数字を見ますと漸減してないですね。どういうことで漸減しておるとお考えになっておるのか。たとえば、四十三年が二十六名、四十二年を見ますと二十二名ですね。四十一年が二十三名、四十年が二十二名、三十九年が三十名、三十八年が二十七名、こういうふうにその単年度単年度をとりまして漸減しているという、こういうものはジグザグがあって、少なくなったときもあるが、あなたがおっしゃるように漸減しているという、こういう確言はできないはずなんですね。それなら、ことしはなぜふえたのか、漸減していないじゃないか。この点についてはどうお考えになりますか。
○磯崎説明員 ただいま先生のおっしゃったとおり、一番多かったのが昭和三十四年の三十七名でございます。それから、ごらんのとおり上がったり下がったりいたしました。三十八年にはまた下がり、また上がり、また下がり、ことしはまた上がってきた。こういう傾向で、全体としては下がっておりますが、確かに四十三年度、本年度は、昨年、一昨年よりもふえております。これはおっしゃるとおりでございます。
○神門委員 ここで問題になりますのは、あの鶴見事故以来、この事故の根源について対策を熱心に当局でもおとりになった、この点は認めます。そして、労使間でこの点の話し合いをされて、事故の根絶に精力を尽くされたことは認められる。それらのものが全体としては減少傾向をたどり、成果をもたらしました。しかし、施設関係のみそれがあるいはジグザグの状態をとりながら現状維持している、この点に何か一つ問題があろうと思う。その要因というものは、やはり運転の安全というものを第一義的に見る、こういうこと。これはお客に直ちに対外的な損害を及ぼし、世論制裁を受けるという点に集中はされるけれども、やはりひょっとすれば、先ほど申しましたように、施設職員がタイタンパーを線路の中にはうり投げて出るようなことがあったりすれば、たいへんな事故を起こす。しかし、この何十年の間にこれだけ施設職員が死んでおるけれども、そのような死に方をしてないんですね。全部列車の安全を考えて、器物は線路の外にほうり投げて、そしてみずからが殉職している。言うならば、人柱となってこの安全を保っているといってもいいだろうと思います。そういうような数字が歴史的に示しますように、この数字の減少しないという傾向、列車の密度とかスピードというものは全体的に上がっている。上がっている中で減少するように対策は練っているけれども、率としては少なくならないんだ、こういう言い方をされるとしても、総体的に見て、これはなぜ減少できないかという、この辺のなにとしては、やはりこの保線作業施設職員というものは、何か従属した職員であり、あるいは保線安全というもの、施設の安全作業というものは、全体に従属したものだというふうなお考えがあるのじゃないか。私は昨年夏、ふん尿問題でも質問したんですが、あのふん尿を浴びながらやっている、こういうような事実。そういう非常に労働環境の悪いところで作業しているこの施設関係従業員に対する軽視と申しますか、そういうものがあるいは原因ではないか。もしそのようなことを考えておられるとしても、国鉄財政は現在赤字だ、赤字だが、見張りの定員はさっき副総裁がおっしゃるような言い方で、張りつけはしてあるとおっしゃるけれども、これは積算基礎の取り方によってどうでもすることができます。しかし現場としては、さっきも伯備線の事故の中であったように、結局、少しでもひまを見て仕事をしなければ仕事に追われるんですね。特に施設関係職員というのは、こういうことを言ったらどうかと思うのですが、非常にまじめな、純粋無垢で使命感にあふれている、こういう保線魂ということをよく言われるのです。こういうような職員を犠牲にして――国鉄財政再建というものが、そういうものを無視して行なわれておるところにその原因があると私は思うのですが、どうですか。
○磯崎説明員 国鉄全体の殉職だけにとりましても、全体が減っているのに、この保線関係が横ばい、ないし、たとえばことしについては上がっているということにつきましては、確かに全体のスピードアップあるいは全体の列車密度の増加等に対するそういった考え方が十分でないという御指摘を受けても、やむを得ないと存じます。したがって、私といたしましては、先ほど申し上げましたとおり、一方しか通じない携帯電話でもって短い列車の間で作業すること自体に、もう十九世紀的な非常に古い遺物が残っておるというふうに、私は率直に言ってそう考えます。したがいまして、新しい輸送体制に即応した保線作業ないしその線路を保持する作業であると同時に、それをやる人間を守る機械設備というものも同時に開発できなかった。これはいろいろな理由があるにいたしましても、同時に開発できなくて、ただ昔の一方的な携帯電話だけでカバーしようとして、あとは見張りという、やはりこれもきわめて原始的なものでカバーしてきた、そのこと自体に確かに問題がございました。その点は今後全力をあげて前向きの姿勢で、こういうとうとい犠牲を無にしないようにというのが私の責務と考えております。
○神門委員 いま副総裁のほうから、まことに謙虚に今後の対策について、本社としてのお考えが出されましたが、先ほどもおっしゃっておりますように、安全諸規程が現在の近代化の中でもう立ちおくれになっている、ここにやはり一つは問題があろうと思うのです。そうして、運転、車両の構造、保線、いわゆる軌道ですね。この三位一体があってこそ輸送の安全が確保される、こういうような観点に立ってのいわゆる総合的な、抜本的な制度の改正というふうなものについてはかる必要があると思います。その場合に、やはり多様な諸条件がある。この多様な諸条件を本社としてどのように把握していくかということになってくると、従事している職員の意見をお聞きになって、それを制度の中に取り入れていく、こういうことが必要になってくると思うが、そういうような抜本的な制度の改正、それにはそれに対応するところの職員の意見を聞く、あるいは労働組合の意見を聞く、こういうような点についてどのようにお考えになりますか。
○磯崎説明員 国鉄全体の輸送の近代化というものは、一部の車をきれいにしたり、スピードを上げたりすることだけではないと私は思います。やはり国鉄では、輸送するお客さん、荷物並びにそれらを動かすいろんな立場にいる人が、総合的に安全に働いてこそ初めて輸送が近代化される、私はそれを根本的に考えなければならないと思います。その意味で、確かにアンバランスがあったことは、いなめない事実だと思います。したがいまして、私といたしましては、今後はこういったおくれている、と申しては非常に残念でございますけれども――この事故のあと、ある労働組合員が私どものところに参りまして、率直な話でお許し願いたいのですが、乗務員は寝ていても、とまるようにできているのだけれども、おれたちは目をさましていても殺されるということを、非常にきついことを私自身に言われました。私は正直な話、返すことばがなかったのでございます。まじめなことばで、決していやみでも皮肉でもない率直な意見を、私、ある保線関係の現場職員から言われまして、全くもっともだと思いました。その意味で、確かにこの方面の技術開発がおくれていた、いつまでも古いやり方にたよっていたということは、まず私ども自身が反省すべきだというふうに思っております。
○神門委員 そのような抜本的な検討いたします、検討いたしますでなしに――私が見てみましても、そういうような事故が起きたときには、当局はそういうような対策を立てようということで相談をなさるが、実行がなされないわけですね。ここに問題があるので、きょうは国民に回答する――これがもしか大事故になった場合、先ほど申しましたように、タイタンパーをほうりぱなしにして列車が大転覆するというような大事故になった場合、これはたいへんなことです。ですから、これは国民に約束されるという立場で取り組んでいただきたい。 それからもう一つ、私はこのような事故を見まして、抜本的になされなくても、いま直ちに行ない得ることがあると思う。それは、非常に小さいことのようですが、行き違い変更を打ち合わせしたあとの再変更は、本社の通知によって直ちにやることはさせない。それから、駅と保線区員との運転照合の方法ですが、閉鎖工事の場合はありますが、その他の場合には一本のものがないのです。この辺のものをやはりきっちり基準を出される。それから列車が乱れて前がつかえているときは、タイタンパーは使わない。これは四頭タイタンパーのみでなしに、タイタンパーを使わない。騒音というけれども、むしろ個人個人でもってやるほうが騒音が高いのではないかと思います。 〔委員長退席、大竹委員長代理着席〕 こういうことは使用を禁止する。それから、連絡不能な場合には、これは副総裁もおっしゃっておりましたように、何らかの方法で駅長が機関士に通知書を出すという方法で先行列車に連絡をするとか、あるいはその位置を示して、そこで注意運転をさせるとか、こういうような措置を直ちにとってもらう。それから、作業表示標の様式ですが、これは管理局でおのおのやっております。管理局でありますから、安上がりにやる。これを統一をして、そうしてよく見えるように近代的に、遠方から確認できるようなものにしてもらいたい。これくらいのことは直ちにできるのじゃないかというふうに私は思うのですが、やっていただけますか。
○磯崎説明員 ただいまお示しの数点につきまして、順序不同になりますが、作業標識は、やはり従前の安全旗が必ずしも明確じゃない。相当薄よごれているものもございますので、これを本社では全部形を統一いたしまして、作業表示盤という大きな板にいたしまして、それはスコッチライトをつけまして、多少暗がりでもヘッドライトで見えるようにする、これはすでに各局に通達して、現在そういうものをつくっている最中でございます。 それから駅と保線作業との連絡につきましても、もう少しきちっとしたいろいろな具体的な例を明示いたしまして、単に抽象的な応用動作だけでやるということでなしにやりたい。これは来月の三日に関係者を集めまして、そこで具体的に相談いたす予定にいたしております。大体私どもとしては案を一つ持っておりますが、あまりこまかくなりますので省略いたします。 ただ、一たん行き違い変更をしたあとは絶対しないということになりますと、これは全国的に大きな問題になりますので、これは何とか、先ほどの駅と保線作業との連絡ということと、後ほど申し上げます機械の開発によって防いでまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
○神門委員 それで、直ちにそういうことをやっていただくと同時に、この事故から直接感じますことは、やはり携帯電話が一方通行である、この携帯電話の開発をしていただかなくてはなりませんね。そうしないと、いまの行き違い変更後の再変更は、そこまでできないということになりますと、これはやはり両方から通ずるということにならない限り、やみ討ち的な伯備線の事故は防げない、こういうことになります。 それから携帯電話を打ち込むジャックボックスですね。これが電柱に五百メートルごとということになっておりますが、電柱は路盤よりかはるかに遠くのところにある。この事故なんかの場合も、これはまさしく――それから再度工事をしているその者から連絡することは、不可能な状態ですね。ですから、立地条件によってはそれを短縮して、それでそれぞれの想定をしてジャックボックスを設置する、こういうようなものを路盤内に設けるというようなことは、この事故からしてどうしても必要だと思います。 それからもう一つ、きのうの事故を考えてみましても、普通検査班には二名の配置なんですね。二名の配置で行なう場合には、二名で作業するのはほとんどなんです、作業班は。そうすると、線路班というものをどうして一名ずつ配置するかということは、たいへんな定員上の問題ではあろうけれども、何とかこれについてひとつ検討して、このような事故をなくするために、線路班の三名配置をひとつ検討してもらいたい。こういうふうに思いますのと、もう一つは、五百名の欠員補充ということでありますが、私の手元に持っているのは、もう少し多いようであります。これは抽象論になりますから、この欠員補充をしていただくとともに、臨時雇用員を――日本国有鉄道職員勤務及び休暇規程の第十八条、「経験のない職員又は必要な技能を有しない職員には危険な業務に就かせてはならない。」という、この規程から考えて、これだけ多く死ぬる作業に臨時職員をどのように使うかということは、根本的には私はこれはつかすべきじゃない、職員をもって充てるべきだ、こういうふうな考え方を持っております。これらの問題について、これは若干いまから長期に定員の問題について検討しなければならないということなんですね。これは予算の伴うことなんです。こういうことについてはいかにお考えになりますか。
○磯崎説明員 ただいま御質問の数点について申し上げますと、まず第一の、現在持っております携帯電話でございますが、これはあのままにしておきまして、私といたしましては、やはり無線でもって列車の到着を知らせる、これ以外にないと思います。これは非常に不幸でございますが、ごく最近やっとできまして――私らの技術者も非常に慎重なものでございますので、万が一、百万回に一回でも、ミスがあってはいやだという、非常にきつい感じを持っておりまして、絶対に間違いないというものでなければ使ってもらっては困るということで今日までおくれましたが、やっとごく最近そういう無線によって列車の接近を知らせるというものができ上がりました。私は、とりあえず単線区間の、しかも列車の回数の多いところから緊急に年度内につけるということで、メーカーの能力のある限り、さしあたり年度内に三億でも四億でもいいから、とにかくあるだけ買ってこいと言って、メーカーを督促してつくらしておる次第でございます。これは伯備線とか高山線とか、そういう単線区間で、しかも列車回数の多いところから至急に取りつけるつもりでございます。一応これは電気関係者のことばをもってすれば、百万回に一回のアウトもない、必ず鳴る、こういうものがやっとできたと言っておりますので、それを即刻実は採用いたしまして、すでにメーカーに製作を開始させておるわけでございます。年度内にたとえ十個でも二十個でもいいから、せめてもおわびの意味でつけたい、私はこういうふうに考えております。 それから、ボックスのほうは、たぶんある場所にはそういうふうに引っぱってきているところがあると思います。これは三日の会議でもう少し具体的に指示いたしたいと思います。 それから、臨時雇用員の問題は、御承知のとおり、三年ほど前に約八千八百人の臨時職員を、大蔵省の了承を得まして、非常に全体の人員縮減の中でございましたけれども、二年間にわたりまして四千四百人ずつ二回、本職員に直しました。それがまた若干ふえておりますので、これらの処置につきましては、全体の人員の問題と考えあわせまして、ことに充当する作業その他について十分考えてまいりたい、こう思っております。
○神門委員 具体的にお考えになっているようで、非常にありがたいと思いますが、これを継続して、ひとつ完全に接近警報――これが第一だと思いますので、接近警報装置をどう開発していくか、早く全体に備えつけるか、この点について、すぐまた事故が起きないように、早急に手配していただきたい。 それともう一つは、財政が赤字だということでその犠牲を、いまのような人柱的な犠牲にさせないで――これはどうしても防ぐことのできない事故なんです。もうそれをしなければならない、これはもう理屈でないのですから。こういう事故の内容ですから。これは重ねて言うようですが、列車転覆というような事故が起きないように、ひとつ早急にやっていただきたい。 それから、この場合、特に六名の中で四名が外部からの臨時雇用です。これに対する内規を見ますと、非常に不十分な補償内容しかございません。すでに現地の新聞等はいろいろいっておりますが、これはだれが見ても、この内容については、外部の者の臨時雇用について、少なくとも国鉄職員並みの補償措置はとる、こういうことがまず第一になされなければならないことだと思うのです。 それから、国鉄職員につきましても、このような殉職というのは、本人の不注意というようなことではございません、やはり何らかの方法をもってそれに償いをすべきだ、私はこういうふうに考えるわけです。特に、このときの新聞記事を見ますと、遺族は非常に悲憤慨慨しております。その地域は、先ほどお話があったように非常に積雪の多いところで、冬になりますと、消防団がもう毎年同じように鉄道の除雪に協力しておったわけですね。ところが、臨時雇用員が死んだ、その雇用員に対して、むしろがいつまでもかけっぱなしにされて、寒いのに毛布一枚かけてくれなかった、こういうことが新聞に載っていて、よく皆さんが御承知のとおりなんです。こういうような一つの、どういいますか、遺族の感情そのものに対する償いのためにも、手厚い補償対策というものが必要だと思うのですが、どのようにお考えになっていますか。
○磯崎説明員 なくなった方々のうちの臨時雇用員の御遺体の取り扱いにつきまして、何か欠ける点があったというふうに私も聞きまして、非常に私も現地をしかりまして、まあ多少の誤解もあったようでございますが、万が一そういう誤解を生んだといたしましても、これは非常に私として申しわけないことで、現地の管理局長には深くその点をおわびするように、私から直接局長に申し伝えた次第でございます。 それから補償の問題でございますが、これは私といたしましては、臨時職員も鉄道職員にできるだけ近い補償をいたしたい、新聞に出たようなものとはわけが違う、と申しては失礼でございますが、けたの違うような補償をいたしたい。ただ金額につきましては、申し上げるといろいろ御迷惑のかかる点がございますので、金額は失礼いたしますけれども、私としては、もうなるべく職員に近い補償をいたしたいということを申し上げておきます。
○神門委員 臨時雇用員がたくさんおるのですが、この雇用契約というようなものについて非常に不備な点があると思うのですが、この雇用契約の内容というようなものを具体的に今後明示する、こういうこともひとつ考えていただくことが補償的なものにも一つなると思うのです。私のほうで四十二年度の臨時雇用員数を人工的に調べてみますと、何と三百四十四万人にもなるんですね。ところが、先ほどおっしゃった積雪時の除雪人夫ですね、この除雪人夫を除きましたもの、これを入れますと、一日当たりの不足数というのは一万二千五百十二人、積雪時の除雪人夫を除きましても六千七百人という数字が出るのです。この六千七百人もの人数の臨時を使っているというものが具体的に四十二年度出ております。こういうような多くの欠員を臨時で補充して、ようやくいまの保線作業がなされておるというようなことからいって、率直にいって、一ぺんで解決してもらいたいのですが、直ちに解決というのも無理だろうと思うのです。そうすると、その辺の雇用契約というものを明確に補償措置も今後あわせてしていただく、この辺についてはどうでしょう。
○磯崎説明員 現在の臨時雇用員の中に、先生御承知のとおり、非常に種類が多いことが一つの問題点だと思います。ほんとうに除雪のように一年間に数日という人もあれば、あるいは忙しいときだけアルバイト的に来る者もあれば、あるいは相当長期間にわたって来る者もある、その種類は非常に多いものでございますので、臨時雇用員として一本で規定することは、なかなかむずかしい点があることは、おわかりくださることと思いますので、これらについて、これからどういうふうにやってまいりますか、何日以上の者はどうするというようなことをきめましても、そのときどきの状況によって変わってまいりますので、現在いる臨時雇用員につきましては、これは実態が大体わかっておりますが、今後ほんとうに季節的に必要とする人をどういう形、どういう契約内容で使っていくかということにつきましては、もう少し検討しなければならない問題がある、こういうふうに考えます。
○神門委員 その点は、また今度の事故の対策の中でもひとつ検討していただくことにして、善処をお願いをしておきたいと思います。 それから四番目の事故責任の問題ですが、日本国有鉄道就業規則、二十四年十月二十四日に出されたものですが、この第六十六条を見ますと、「懲戒される行為」の中に、「職員に次の各号の一に該当する行為があった場合は懲戒を行う。」「事故の防止等に関して有効な助言、諌止又は援助をなさず、よって事故発生又は損害を拡大せしめたとき。」と、こうあるわけです。そうしましたときに先ほど、昨年の九月十九日、この事故を起こした後の措置と二月十三日の事故の関連、こうやって――こういうような場合の米子管理局長の責任というようなものは、この第六十六条にも私は当然該当すると思うがどうかということと、もう一つは、この日本国有鉄道の組織規程、これによりますと、いまのように、いろいろ副総裁にお尋ねしたように、本社としてなさなければならないことがたくさんあると思うのです。確かに各管理局に一任されることも――立地条件、そのときの運転状態、このような多様性に対応するような安全対策を整える。こういうことは、もちろん理屈があると思うのですが、もう一つ、根本的に見張りの定員を十分に充足するとか、あるいは先ほど申しましたように、共通して出されるものがたくさんあるはずなのですが、このようなものが出されていないとすると――日本国有鉄道の組織規程の中の第十四条によると、職員局の事務としては、(2)で「職員の需給及び定員に関すること。」これが定員不足だということで見張りがつけられないとするならば、ここにも一つ関連してくるのではないか。それから厚生局の事務としては、これに関連するのは十六条で、「職員の安全衛生及び医療に関すること。」この「安全」ということが生活環境安全ということのみでなしに、このような仕事上の安全というものもあるのではないか。そうすると、この辺の厚生局長の責任というものは、これとの関連でどうなるのか。あるいは施設局のほうは、当然直接の担当局になると思うのです。それから監察局の事務として、「部内規律の確立及び不当又は不適正な事項の監察に関すること。」とあります。いまの各管理局なり各保線区のための安全規程というものを取り寄せて見ましたが、全く私が先ほど質問いたしましたような内容なのです。大体似たり寄ったりなのです。非常に精神的なことがたくさん書いてありますが、具体的なものとしては大体同じなのです。こういうことから考えて、監察局としては一体どうなるのか。それから監察局の事務としては、やはり「輸送の安全の監査に関すること。」というのがありますが、この「輸送の安全の監査に関すること。」ということになりますと、先ほど申しましたように、ものすごく触車事故が多発している、それが一触即発に列車の運転事故に点火する、このようなことからいっても、この責任は免れないのではないか。鉄道管理局の場合もそうです。それから職員管理規程の第十章「労働」の中に「労務監査の実施」というのがあるのですが、「労務監査は、職員の労働条件、作業環境等を適正に維持し、もって労働能率の向上をはかるため、労働関係法令、規程、通達等の実施状況、日常の労務管理の実態等について行うものとする。」こうなっているのです。そうすると、当然この労務監査の実施が、この職員管理規程の規程上の任務として行なわれねばならない。そうすると、これらのものが重なって、先ほど申しましたような第六十六条の「懲戒される行為」の中の「事故の防止等に関して有効な助言、諌止又は援助をなさず、よって事故発生又は損害を拡大せしめたとき。」こういうことになる。これは明らかに二月の事件で十二人死んでおるのです。そうすると、触車事故という同一の事故種別によって当然これに該当すると思うのだが、このような規程違反なり懲戒処分の対象になるような者について、どのような事故責任をとられるおつもりか、お答え願いたい。
○磯崎説明員 過般の事故に対する責任につきましては、先ほど申しましたとおり、現場における責任はまだ不明でございますので、これは御答弁の範囲外になると思いますが、管理、監督の任に当たる者の責任でございますが、つぶさに私どもも二月以降の米子管理局の仕事のしかた等を見ておりますと、先ほど申しました通達あるいは現場長会議等、相当念には念を入れてやっておったように報告が来ておりますし、私自身、局長を呼びまして話を聞きましても、総点検あるいは年末年始の輸送点検等、なみなみならない努力を払ってやったと私は一応認識いたしました。しかしながら、結果的にこういうことが起きた以上、これは責任をとらせるべきだというふうに考えまして、米子管理局長あるいは総務部長――これは先ほどおっしゃった安全責任者でございますので、総務部長、施設部長、運転部長等につきましては、おのおの十日ほど前に処分をいたしました。いわゆる米子管理局長は懲戒処分ではなくて、訓告ではございますが、いろいろ実際やったことを私自身チェックいたしまして、地方局長としてやるだけのことをやったけれども、やはり徹底していなかったという責任をとらせるという意味で訓告、あとは戒告等の処分をすでに発令いたしました。並びに課長につきましても、運転部の保安課長並びに施設部の保線課長について、おのおの責任をとらせました。ただ本社につきましては、関係局が非常に多く、本社は何と申しましても企画の面でございまして、そういう点につきまして、先ほど来るる申し上げましたように、欠ける点があったことは事実でございますが、これを総合的に把握し得なかった私自身の責任というふうに考えておりまして、本社の局長連中に対する戒告は、今回はいたさないということにいたしております。しかし、それと将来の問題とは別でございまして、今後、来月三日にやります事故防止委員会においても、特に保線関係の人間を呼びまして、趣旨が十分徹底するように、二度とこういう不幸な悲しみが起きないように、私としても全力をあげてまいるつもりでございます。
○神門委員 米子管理局長は、聞いてみますと、人間的に非常にいい人で、職員も信頼しているようです。施設部長にしても同じようです。しかし、そういう人間性の問題を超越してこの場合は私も言わざるを得ない。どのような方法で責任を追及するのかということで――私も聞いてみましたが、平素も信頼状態は非常に強いようであります。しかし、このように大きな事故が連続して発生したときに、訓告、戒告――たとえば職員の場合、ビラを一枚張っても、これは戒告ですね。減給なんです。そうすると、ビラを一枚張ったことと、人命がこのように二回にわたって十名近くも失われたということが、訓告、戒告として同じように扱われるということ、この辺については、ちょっと次元の違うところであって、お答えはむずかしいとは思うが、やはり職員の感情なり住民の感情なり――私たちとしても、これを客観的に比較した場合に、何かあまりに形式的に糊塗的に責任をのがれているような気がいたします。これは、やはり全体の気持ちなんですが、この点についてはいかがお考えになりますか。
○磯崎説明員 私も、そういう御意見があることを承っております。ただ処罰につきましては、私自身の責任でいろいろ考えてやったことでございまして、従来例のない処分をしたことでもございますが、今後のことを考えまして、将来を戒めてあれにとどめたということでございます。しかし、だからと申しまして、今後もこういう事故を起こして、あれで済むという意味ではございませんで、従来とも、こういうことについて管理局長の責任を必ずしもきびしくといっていなかったということを、私は非常に残念に思いまして、今回厳重に即刻処分をした次第でございます。 なお先生のおっしゃった、確かに軽重については若干問題があるかもしれませんが、これは、しばらく私におまかせ願いまして――私どもとしては、将来いつでもこれで済むということではないことを十分徹底させますし、また、本人を呼びまして、私から直接話をしておりますので、しばらく御容赦を願いたい、こう考える次第でございます。
○神門委員 副総裁としては、非常に誠意をもって対処されるお心持ち、心境というものを十分伺いましたが、ひとつ期待にこたえて対処していただきたい。 問題は、具体的に事故が起こるか起こらぬかということは、これは実証として出るわけでございますから、そういうことが起きないように一つ問題を申し上げた。私の質問の趣旨もそうでございますので、よろしくお願いいたします。 それから運輸大臣にお尋ねしておきますが、いまつぶさに質問の過程でお聞きになったような内容であります。終戦直後、施設関係の職員が一千五十名ばかり死んでおります。こういうようなことが続いております。にもかかわらず、施設関係の職員というのは、大臣も御承知のとおり、大きな保安道具を持ってやっております。その道具が原因で列車が転覆したというようなことが、ほとんどないのであります。この点は、国鉄職員はいかに責任を強く感じているか、施設関係職員が強く認識している結果であるということを御理解いただきたいと思いますが、しかし、いまのような放任された形におきましては、いつどのような重大事故が発生するかわからない、こういうことであります。あの突き固めますタイタンパーをそのまま置いて職員が飛んで逃げたとすれば、列車は完全に転覆いたします。何十人、何百人の人命が失われるわけであります。そういう点で、これは国鉄当局の内部の問題でもありますが、所管大臣として、これについてはやはり責任は痛感されるべきだと思うし、今後ともこの対策について監督督励をしていただきたいと思う。これについていかがお考えでございますか、抽象的でなしに、心境というものをお聞かせ願いたいと思います。
○原田国務大臣 去る二月十三日、ただいま神門委員からお尋ねがございました伯備線の保線従業員六名の方々の殉職、そしてまた、昨日は長野原線工事関係者三名の殉職、これらの事故につきまして、殉職された方々に対して心から哀悼の意を表するとともに、遺族の方々にも、あわせてお慰めと哀悼の意を表すものでございます。 私は昨日、この引き続いた事故というものにかんがみまして、さっそく鉄管局長を通じまして、この際、列車の運転と保線現場との連絡を密にすること、線路上での作業は列車の運行に細心の注意を払うこと、列車接近警報装置、橋側歩道等安全施設の整備につとめること等により、この種の事故の絶滅を期するよう通達をすることを命じまして、本日、国鉄に対して通達を発した次第でございますが、それらのことについて、いまあなたからの質問を通じて、国鉄側は非常な決意を述べるとともに、具体的にこうしたい、そうして事故を絶滅したいということを申し述べておるのを聞かしていただきいた次第でございます。私は、これらの事故が、ここ数年大体二十名くらいであった、ところが、ことしのこの二月に入りまして、一ぺんに今度のような事故が発生したということについて、たいへん遺憾に存じております。しかも、二十名という事故は、絶滅を期し得る数字であろうと私は考えておりまして、ただいま国鉄のほうに対して指導をすることを決意いたしておりましたが、非常に具体的に副総裁からあなたに答弁をいたしておりますので、われわれも協力をいたして、今後事故の絶滅を期してまいりたいと存ずる次第でございます。
○神門委員 それでは、大臣及び国鉄当局の答弁の実現を期待して、質問を終わります。
○大竹委員長代理 質疑を続行いたしますが、本日は本件調査のため、参考人として日本鉄道建設公団副総裁篠原武司君、理事壷井宗一君の両君が出席されております。 参考人からの意見聴取は質疑応答の形式で行ないたいと存じますので、御了承願います。井上泉君。
○井上(泉)委員 まず最初に、日本鉄道建設公団の用地買収にからむ不正事件について、運輸省の当局からその内容についての報告を求めたいと思います。
○町田政府委員 ただいま御質問のございました日本鉄道建設公団の用地買収にからむ不正事件について、現在まで運輸省が調査しております実情を御説明申し上げます。 まず、捜査の概要でございますが、二月二十四日十時ごろ、日本鉄道建設公団の大阪支社の用地部の第一課長河西二郎、同課の第二係長津田覚及び同課の第一係尾方計祐の三名が、大阪地方検察庁へ任意出頭を命ぜられ、虚偽有印公文書作成、同行使詐欺容疑で取り調べを受けまして、二十四日の夕方、逮捕状を執行されました。また、同日十時三十分ごろ、同地検検事等の関係官が大阪支社に来社いたしまして、用地関係書類の家宅捜査を求め、証拠書類を押収されたということでございます。 以上が経過でございまして、この虚偽有印公文書作成、同行使詐欺容疑の内容につきましては、実は現在取り調べ中でございますし、証拠書類等も、ただいま申しましたように押収いたされましたので、具体的な内容については、はっきりしたことがわかっておりません。ただ、新聞等の報ずるところによれば、現在建設中の四国の阿佐線の用地買収にからみまして、架空の名義により移転補償等の支払いをいたしまして詐欺をいたした、こういうふうに聞いておりますが、ただいま申しましたように、具体的内容についてはつまびらかにいたしておりませんので、御了承いただきたいと思います。 関係者の経歴並びに概要でございますが、ただいま申しました河西二郎、用地第一課長、副参事でございます。次に、津田覚、用地第二係長、主査、それから三番目の尾方計祐、用地第一課の課員、主事でございます。 次に、これに対する措置でございますが、運輸省といたしましては、公団の業務の執行にあたりまして、かねてから厳正な綱紀の維持について指導してまいったところでございます。また、公団におきましても、特に用地取得等の業務遂行に当たる職員の執務態度、綱紀の粛正については、機会あるごとに注意を喚起し、こまかな指導をいたしてまいりましたが、このような事件が発生いたしましたことは、まことに遺憾に存ずる次第でございます。この事件にかんがみまして、公団といたしましては、総裁からとりあえず全職員に対し綱紀粛正を促すとともに、管理者が部下職員の指導管理について一そうの適正を期するような示達をいたしました。運輸省といたしましても、今後かかる事件の再び生ずることのないよう、業務方法等についても十分指導をいたしていくつもりでございます。 以上が現在までに判明いたしております事件の経過でございます。
○野間委員 ちょっと関連。これは運輸省になると思うのですが、詳しい内容の質問はあとから同僚の井上委員からありますが、この書面なのでありますけれども、公団の職員がどこかへ氏名を報告する場合にはすべて、鉄建に限らず、どこでも公団に就職する前の身分を全部書くものなんですか、どうですか。
○町田政府委員 別にそうきめたことはございませんが、私のほうで略歴に関連いたしまして書いた次第でございます。
○野間委員 その略歴をどうせ書くのならば、ある程度詳細に書けばいいんですね。これだけをひょっと一見してみると、何か書き方がそういう意味でないようにとれないとは限らないと思うのであります。これはまあ国鉄だからかまわないけれども、国鉄に限らぬと思うのですね。ですから、身分を明らかにする場合に、明らかにする範囲の限界なりをきちっとしておいて、もし一切を出すのならば、生まれたころは要らぬけれども、相当程度きちんと経歴を書いておくというふうにすべきじゃないかと思うのですね。いかがですか。
○町田政府委員 そうそうの間でございましたので、略歴の書き方について若干適切でない点があったかと思いますので、今後十分注意いたしたいと思います。
○大竹委員長代理 井上泉君。
○井上(泉)委員 これは何ですか。この不正事件の報告というものについては、まだその調査、取り調べが始まったばかりだから詳しい内容はわからぬ、書類はわからぬ、ごう言っておるのですが、この場合には、職員の身分は、まだそのまま公団の職員として置いてあるんですか。公団の職員として、休職にも何にもしてないんですか。
○篠原参考人 起訴になりましたときに休職にいたしまして、それまではそのままでございます。
○井上(泉)委員 それではこの用地第一課というのは、課員が何人おるんですか。
○篠原参考人 課長を含めまして七名でございます。
○井上(泉)委員 それで用地第一課と用地第二課とは、仕事の区分はどういうふうに区分してあるのですか。
○篠原参考人 担当理事であります壷井理事にお答えさせたいと思います。
○壷井参考人 その前に、今回かかる不祥事件を起こしまして、国民の皆さまに御迷惑をかけまして、用地担当理事といたしまして、まことに残念でございます。深くおわび申し上げる次第でございます。 ただいまの御質問にお答えいたしますが、区域ごとに第一課、第二課、第三課と分けておりまして、第一課は、現在、阿佐線、窪江線、中村線、湖西線、内山線、阪本線、智頭線というような担当区域を持ってやっております。
○井上(泉)委員 そうすると、この事件があったのは四十一年の三月というわけですが、四十一年三月当時には、この課長はやはり河西課長であり、津田は第二課に所属しておったのですか。
○壷井参考人 四十一年当時は、課長は河西二郎でございますし、係長は津田覚でございます。それから平課員として尾方計祐、そのままでございます。
○井上(泉)委員 そうすると、この四十一年当時には、この河西二郎が第一課の課長であり、いま第二課係長の津田も第一課の係長であった、こういうわけで、その七人の職員の中には――これはどういうふうな職務の、業務の分担になっておるのか。三人が組めばどんなことでもできるような仕組みになっておるのですか、七人の一つの課で…。
○壷井参考人 組めばどんなこともできるということでございますけれども、私たちは、用地買収あるいは家屋移転その他の交渉をするときは、必ず複数で行けということを指示しておりまして……。(井上(泉)委員「これは複数でやっておるじゃないか」と呼ぶ)この河西と津田、それから尾方、この三人は――まあ課長でございますし、係長でございますので、複数で行っておるということになるわけでございます。その点は前のことでありますので、はっきりいたしませんが、ほかの連中がついていったかどうかということは、いまのところ、どうもはっきりいたしませんでございます。
○井上(泉)委員 第一課は、何ですか、河西課長とか係長の津田ですか、もう一人の係は職務は何係になっておるのですか。
○壷井参考人 現在のところ……。
○井上(泉)委員 現在ではない、当時ですよ。事件の発生した当時の課の構成を言わぬで何になりますか。
○壷井参考人 当時は、用地第一課長のもとに用地管理係長、用地審査係長、それから用地第一整理係長、用地第一係長、用地第二係長、用地第三係長というふうに、みな事務取り扱いも兼ねておりますけれども、そういうふうな分担でやっております。
○井上(泉)委員 それじゃ、何ですか、用地第一課は、課長と係長――課員は尾方一人ということですか。あとは全部係長ですか。
○壷井参考人 四十一年当時はまだ人数が非常に少ない時代でございますので、係長が津田になりまして、その下に主事、主事補、尾方を含めまして主事補、副主事でしたか、六人おります。
○井上(泉)委員 いや、この当時には課長の下では係長は津田一人だった、こういうわけですね。それであとに主事、主事補ということでその六人だった、こういうわけですか。
○壷井参考人 当時の阿佐線の用地買収関係の担当職員としては、係長は津田でございました。そういう意味でございます。
○井上(泉)委員 そうではないのですよ。阿佐線の買収にかかって、阿佐線の買収の係長は津田であったということですか。それとも用地第一課の中の係長が津田であったということですか、どっちですか。
○壷井参考人 用地第一課の中の係長が津田で、阿佐線を担当しておるのがこの津田係長でございます。
○井上(泉)委員 それで、その津田係長の下には――当時は、係長はこの津田一人だったと、こういうわけですね。
○壷井参考人 阿佐線関係につきましては、そのとおりでございます。
○井上(泉)委員 それで尾方は当時、阿佐線関係の用地係をやっておったんですか。
○壷井参考人 当時はそうでございます。
○井上(泉)委員 そうなるというと、この尾方と津田と河西の三人がこれをやれば、もうどんなことでもできるような仕組みになっておるんじゃないですか。この通達で、「運輸省としては今後かかる事件の再び生じる余地のないよう業務方法等についても、十分指導していくつもりである。」こう言っているのですが、業務方法がこういう業務方法だったら、もうずっと当然なし得るような状態じゃなかったか。それは阿佐線だけじゃないです。この間われわれが内山線のほうの視察に行ったときも、この買収価格の問題についてずいぶんいろいろな話を聞かされたわけです。それで阿佐線にしても、あるいは窪江線にしても、中村線にしても、用地買収についてのこの黒いうわさというものは、地元ではかなりあったわけです。そうすると、そういう業務方法というものは一貫して河西の課の決裁の中で――その上はとうなっておるのですか。
○壷井参考人 上は用地部長です。それからその上が支社長でございます。
○井上(泉)委員 それで、新聞の伝えるところですから、正確にはわかりませんけれども、河西と尾方とが用地買収に関して不当に水増しをして六十八万円ピンはねをした。それから今度、河西と津田とが四十一年の十一月に同様百五十万円ピンはねをした。この二つだけがわかっておるわけですが、こういうふうな用地買収についての責任というか、これを決定をして――課長以上は一切めくら判で通すような仕組みになっておるのですか。
○壷井参考人 この点につきましては、用地買収事務の流れにつきまして簡単にちょっと触れてみなければいけないと思います。用地買収にあたりましては、不動産鑑定機関の鑑定評価、近傍類地の取引の実例あるいは公共機関の意見、これは県、市、町、村でございますが、そういう意見を参考といたしまして金額を決定いたしまして、この契約書を契約担当役である支社長までの決裁を受けて、そして土地の所有者と折衝させるということにしておるわけでございます。 今回の事件は、私どもの想像するところによりますと、建物等の移転補償という問題のようでございますが、これもその契約書を作成して契約担当役に出すためには、物件の確認ということを確実に厳重にやりまして、そうして、特にその確認には建築担当職員がこれに当たりまして、契約担当役の決裁を受けるということにしておるわけでございますので、最後に決裁をするのは契約担当役ということになると思うのであります。
○井上(泉)委員 担当重役ですか。
○壷井参考人 契約担当役でございます。これは支社長でございます。
○井上(泉)委員 これは用地の場合、家屋の移転補償とかいろんなことになれば、印鑑証明とか本人の印鑑とかいうものが当然要るわけですが、鉄道建設公団は、買収にあたっては、そういうふうな補償の金額を支払う場合、あるいは本人から補償の請求書を出すとかいう場合に、それが本人であるかいなか、それを受領されている者が本人であるのかどうかという確認をする措置は全然とってないですか。どこの役所でも、そんなだれやらわからぬ者に払ったりしませんよ。
○壷井参考人 お答え申し上げます。 支払いの点につきましては、書面審査の段階で物証的な書類をできるだけ添付させまして、それが決議書とともに経理の要求のほうへ参りまして、それで簡単に申しますと、最後の出納命令役の印をいただきまして、出納役から支払いの手続をとるわけでございますが、これは私のところでは全部銀行送金ということにしておりまして、本人に直接現金を渡すということは、原則としてないことにしておるわけでございます。
○井上(泉)委員 現金で本人に渡さない、それで銀行送金。これは役所の支払い形式ではそういうことになっておりますが、いまあなた、できるだけ本人であるということの確認の処置をとるというようなことを言われたが、どういう方法でこれが本人であるか、現金送金する場合に井上泉に送金した、井上泉から請求が来た、井上泉なる者が実在であるのかどうか、そういうものが確認できる書類というものは何にもとらないのですか。できるだけというのは、どういう書類をできるだけ集めたのか。その証拠書類というか、そういうようなもの、どんな書類。
○壷井参考人 支払いをする場合には、いわゆる本人が契約書に判こを押しておりますので、その判こと……。
○井上(泉)委員 支払いをする場合に、だれが判を押す。
○壷井参考人 地主なら地主ですね。その所有者が契約の判こを押しておりますから、その判こと同じ判こであるかどうかということを照合いたしまして、その判こを持ってきた人を本人とみなすということで支払いをしております。
○井上(泉)委員 補償額が決定をして、それから本人の手元まで金が行くまでの手続をひとつ説明してもらたい。
○壷井参考人 先ほど申し上げましたように、金の支払いは銀行送金をしておりますので……。
○井上(泉)委員 補償額がきまってからですよ。順次言ってください。まず、あなたと補償交渉が成立した……。
○壷井参考人 契約書の作成ができまして、それで契約担当役のほうで決裁をして額が決定するわけでございますが……。
○井上(泉)委員 その担当役の決裁、支社長が決裁するまで段階があるでしょうが、段階を言いなさい。壷井さんなら壷井さんという者にこれこれの補償額をやることにきまった、尾方と話し合いできまった、それから上の手続ですね。尾方とかりに壷井さんという方と補償額で何かきまった、きまった段階でどこまで上へ行くのか。
○壷井参考人 本人との契約がきまりましたら、そこで金額が確定するわけでございますので、これで用地部の用地課で支払いの決裁の書類を作成するわけでございます。これを契約担当役であるところの支社長というのが支払いの要求をするわけでありますが、これは事実上は用地部の用地課で支払いを要求をするわけでございます。それで総務部の経理課にそれが行きまして、経理課長が支払いの要求者となっておりますので、その出てきた支払い要求の書面、決議文書、契約履行完了のいろいろな証拠書類、それから本人の請求書、その他必要なと思われる書類の提出を受けまして、支払い手続をやりまして支払い伝票を作成するわけであります。それは経理課長が支払い伝票を作成するわけでございます。そして次は認定の段階に参りまして、支払いの伝票が参りますと、またここで支払い伝票と関係の証拠書類、先ほど申しましたような書類と照合いたしまして支出の決定をするわけでございます。調定をやりますと、これで支出が調査確定したということになりまして命令印を押します。これは出納命令役、総務部長ということになっておりますが、これが命令印を押しまして出納役に回す、出納役がここで支払いをやりまして、この支払いの方法といたしましては、先ほど申しましたように、取引銀行を支払い人といたしますところの小切手によることを原則としておる次第であります。まあ支払いをするときには、相手方から領収書を受け取らなければならないことは、申すまでもないことでありますが、出納役が支払いをしようとするときは、銀行振り込みの方法によるのでございますけれども、まあその他そのときの都合によりまして、受け取り人の実情によりまして窓口払いをすることも許されております。そして、ただいま先生が申されましたように、はたしてその受け取り人が正当なものであるかどうかということが、支払い人を確認することが一番の責務でございますので、この請求書の印形と契約書の印形と受け取り人持参の印形の照合、確認をいたしまして、これを本人と確定いたしましてお払いするわけであります。
○井上(泉)委員 そういう段階の中で、こういう事件がどこに一番問題があると思うのですか。こういう犯罪が発生をする原因というものは、あなたは業務改善をするとかということを言っておるのですが、そういう過程の中でどこに一番その問題があるのですか。
○壷井参考人 私たちもいままで機会あるごとにこういう不正事故の防止等を厳正にやるということを言っておりまして、こういうふうに、いま申しましたようなチェックシステムもとっておりますので、実は通常な考え方では、どうもどういうことでこういうことが起きたのか、想像ができないというのが実情でございます。しかし、事件としては発生しておるわけでございますので、現実な問題として証拠がございますので、想像したりいろいろ考えておるわけでございますが、ただいま運輸省からお話がありましたように、捜査令状に示された容疑でありますところの虚偽有印公文書作成、同行使詐欺というようなことから想像いたしますれば、いずれにしてもどうもほんとうに申しわけないのですが、元来チェックすべき管理者、課長、そのほかその次の補佐である係長、それから課員、この三名の職員が共謀した被疑行為であるということは、まあ想像できるわけでございます。公文書偽造というようなことをいたしまして、ほんとうに残念でございます。ただいまのところは検察庁のほうで、本人はもちろん帰って来ませんし、話も許されておりませんし、四十二年から四十三年にわたる一切の書類も全部押収されておりますので、いまのところは真因はわからないのですけれども、虚偽の文書をつくって上司を欺いたのではないかということが想像されるわけでございます。
○井上(泉)委員 その虚偽の文書をつくってやったということ、そういう疑いでやられておるのですけれども、 〔大竹委員長代理退席、委員長着席〕 実はこれは非常に極端に言えば、公団相対になってこの用地買収によっていろいろな金を浮かしておって、それがたまたま河西あるいは津田はその金を自分のふところへ入れておったというようなことを、いろいろな方面からそういう話を聞かされるわけですが、一体、建設公団というものは交際費が幾らあるのですか。
○篠原参考人 お答えいたします。本年度三百万程度。
○井上(泉)委員 四十一年度は幾らですか。
○篠原参考人 四十一年度も同じでございます。
○井上(泉)委員 その三百万円で十分まかなってきたという――問えば、まかなってきたと言うと思いますが、どうですか。別にこの三百万は大きいとも少ないとも思わぬ、ちょうどと思っておりますか。
○篠原参考人 十分まかなってまいりましたし、それでいいのじゃないかと思っております。
○井上(泉)委員 これは、公団の交際費にこういう用地買収費で吸い上げてやらせておったとかいうようなことがあればたいへんなことですから、問えば、ないと、これはもう答えるに間違いないと思うわけですが、一体、阿佐線で用地買収費は幾ら要ったのか、その点をひとつ説明してください。
○壷井参考人 お答え申し上げます。 年度別に申し上げますと非常に時間をとりますので、四十一年度を申し上げます。四十一年度を申し上げますと、四十一年度は阿佐線の用地補償費その他一切含めまして七千六百六十二万三千五百八十円でございます。
○井上(泉)委員 ついでに、それでは四十二年、四十三年と言ってください。
○壷井参考人 四十二年は八千九百九万九百八十九円でございます。
○井上(泉)委員 四十三年。
○壷井参考人 それから四十三年度はまだ決算が確定しておりませんので、確実にできるだろうという決算見込みも含めまして、まあ一億一千四百六十九万三千円というふうに推定しておりますけれども、これはまだ未契約で残るか、あるいは契約の繰り越しがあるか、この辺はどうも不分明な点もございます。
○井上(泉)委員 これは、四十一年度の監事の監査報告というものは、公団の監査報告というものについては、それは異議なしということになっておると思うのですが、阿佐線の用地補償その他工事勘定については遺漏のないものと、こういうふうな報告がなされておるのですか。
○篠原参考人 そのとおりでございます。
○井上(泉)委員 そうなると、その監事としては十分な責任を果たしていない、こういうことになるのですが、副総裁は、これは立場が違うのですが――監事と理事との立場が違うわけですが、やはり今度監事を呼んでもらわなければいかぬな。これは、この三人のやったことは単に阿佐線の関係だけでなしに、新聞の記事では他の新線工事にも波及しやしないか、こういうことが載っておるのであります。ここで説明せよと言っても、説明はなかなか困難だと思うのですが、阿佐線の工事計画書というか、これはどういうものであるのか、これはひとつ鉄建公団の施行規則の中で業務内容というか、工事の実施計画を出さなければいかぬことになっているわけです。特に四国に関係しておるのですが、いま新線工事の進んでおる阿佐線、中村線、窪江線等の工事の実施計画というか、これが出されておると思うのですが、これを次の委員会には提出してもらうことができるかどうか、公団の副総裁の答弁を願いたいと思います。
○篠原参考人 御提出いたします。
○井上(泉)委員 次の委員会に提出していただくということで、その提出の内容によって、またあらためて質問をしていきたいと思います。 まことにいまわしい事件が発生して、これは運輸大臣の就任前のことだからといえばそれまでですけれども、監事の任命は運輸大臣に任命の権限があるわけですが、いまその監事はどなたがやっておられるのか、その任期等はどうなっておるのか、これをひとつ答弁願いたいと思います。局長のほうから……。
○町田政府委員 監事は二名でございまして、川合さん、平松さんでございます。任期につきましては、調べまして御答弁申し上げます。
○井上(泉)委員 常任ですか。
○町田政府委員 常任でございます。お二人とも来年の三月三十一日までということでございます。
○井上(泉)委員 それから、用地の買収費が四十一年度では七千六百六十二万円、四十二年約九千万円、四十三年一億というのですが、この阿佐線の関係については、篠原副総裁なんか、高知に来たときに非常に調子のいい話をされておるわけですが、地元としては、調子のいい話が実現すればけっこうだと思っておるわけですけれども、同じ人が各線を担当しているのですから、こういうふうな汚職事件が発生をしているというところが相当範囲にあると思わなければならぬわけですが、これについて、こういうふうな措置をということでなしに、もっと内部監査を厳格にするようなことを考えてないのかどうか、その点を副総裁……。
○篠原参考人 お説のとおり、内部監査は十分に私どもしているつもりだったのでございますが、こういうような事態になりまして、まことに申しわけないのですが、あらゆる点でチェックシステムをとっておりますけれども、こういうことになったので、なお一そう内部監査をどうするかということを検討して実施したいと思っております。
○井上(泉)委員 運輸大臣、いまの監事の方なんかは、これは実に怠慢もはなはだしいわけです。四十一年の内容がいまの監査の報告では不正がない、りっぱなものだ、こういうことになっておるのですが、一体これは監事といいましても、いわゆる公団の中には、その監事を補佐するところの職務体制というものがあろうと思うのですが、こういうふうないわば、職務、義務の遂行を怠る監事についてはこれを解任をする、これはあなたの権限ですが、そういう御意思はないのですか、運輸大臣。
○原田国務大臣 いますぐに解任をするということをここで申し上げることはできませんが、今度の事件に関しまして、鉄建公団のほうでは、内部において再びこういうことがないようにするということを、特に昨日総裁から皆さんにお話があったようでございます。まことに私としても遺憾でありまして、疑わしきは罰せずで、罪人になってない者を罪人扱いすることはいかがかとも思いますけれども、しかし、こういうことで検察の手にかかってやられるということは、これは私は非常に残念でなりません。綱紀粛正の叫ばれておるおりから、まことに遺憾きわまりないことでございまして、今後とも私はこういうことのないように、より一そうの指導をしていくつもりでございます。
○井上(泉)委員 それは今後とも厳にやるというお気持ちですが、要するにこういうふうな事件というものは、買収費を、たとえば十万円の補償費を十五万円にして、そして五万円のリベートをもらうというようなことであれば、それは一人の単独犯ということで考えられるわけですけれども、こうして三人が組んで、しかも、その補償関係の仕事の一切の権限をこの三人が持っておる。ところが説明を聞けば、なかなかその上にいろいろな支払いまでのややこしい条件がある。そういうふうなややこしい条件があるにもかかわらず、これがすんなりと通ってきたということは、これは目に余る補償関係における汚職状態があった。これが結局、検察庁の手によってあばかれた、こう思うわけで、これは公団支社全体が、極端なことばでいえば、ぐるになっていなければできない仕組みだと思う。これは単に用地部長だけ、用地部内だけでできる問題じゃないと思うのですが、その点について、公団としてはどういうお考えですか。
○篠原参考人 御指摘のように、まことに残念なことでございますけれども、私は公団の職員を信頼しておりまして、三人はこういう事件に関連いたしましたけれども、ほかの職員は絶対にそういうふうなことはないんだというふうに確信しておる次第でございます。
○井上(泉)委員 絶対ないだろうといっても、これは河西からずっと上のほうに責任が出てくるわけです。仮定のことを言ったらあれでありますけれども、これはかなり犯罪事実というものがあったことは、今日までの段階で裏づけられるわけですが、この場合における責任者の処置というものは、一体これはどこがやるつもりか、その点ひとつ……。
○篠原参考人 これはまだ捜査の段階でございまして、はっきりきまらないと、どういう仕組みになって、どうなっているかわかりませんけれども、書類も全部持っていかれまして、いまのところまだ見当もついておりませんので、見当つき次第、正すべきものは正すということをしたいと思っております。
○井上(泉)委員 もしこれが課長以上の上部の人がやはりこの事件に関係ありという、そういう事態になってきた場合においては、これはあなたも公団創設以来の副総裁だが、当然責任をとらなければいかぬと思うのですが、どうですか。
○篠原参考人 その筋をよく調査いたしまして、総裁ともよく相談いたしまして考えたいと思っております。
○井上(泉)委員 総裁の任免は運輸大臣の権限にあるわけですから、あなたの身分は総裁、運輸大臣が処置をされると思うのですけれども、やはり私は尾方あるいは津田、河西、この三人だけでこの問題が仕組まれたものではない、こういうふうにいろいろな点から想像されますので、今日建設公団の業務の内容というものに根本的な検討を加えなくては、今日これだけ国鉄の赤字問題が世間を騒がせておるやさきに、新線工事に、しかも用地買収にはこういう地域の人々は泣く泣く協力している。つまり、四十一年ごろに三万円金を出すと言っておったのに、四十三年が来ると一万円あるいは七千円、こういうふうな話までされてきておるのです。そういうふうな事態については、この間われわれが調査に行ったときに、内子線か宇和島線かどこかの線で、三年前は三万円と言っておったのに、今度は一万円でやってきた。これは、公団の職員のさじかげんで変わるというわけのものではないと思うのです。必ず上のほうから一連の措置がなされておるのではないかと思いますので、特に私はこの点を、今後資料が提出されました場合に、その資料に基づきまして、この用地買収に関連する新線建設の不正事件を追及をしていきたいと思うわけですが、用地買収の事件についての報告、これは運輸省から出された報告ですけれども、鉄建公団の首脳部としては、あまりにも誠意がなさ過ぎる感がなきにしもあらずです。四十一年から始まったこれらの路線の資料が出された暁において、再びこの問題について質問をいたすことにして、私の質問を終わりたいと思います。
○砂原委員長 沖本泰幸君。
○沖本委員 だんだん時間がなくなってきまして、私の時間になると早くやれ早くやれということになって、前からの質問のしわ寄せがこの辺に来るらしいのですが、もう少しおつき合いしていただきたいと思います。 それで、先ほどからこの鉄建公団の事件の内容については捜査の途中である、こういう御発言がありましたとおりであって、結論的なことは、責任者の方々としては当然言えないとは思いますけれども、その点につきまして、先ほど井上議員のお話にもありましたとおり、相当黒い問題もからんでおるというような内容がありますから、私も今後この点については時間をかけてゆっくりと追及していきたいと思います。 そこで、現段階までわかりました内容についてお伺いしていきたいわけですけれども、国鉄のほうもある程度御関係がありますので、もう少しおつき合いしていただきたいと思います。 先ほど、書類をずいぶん押収されたので、何ぶんわからないという御答弁があったわけですけれども、どの程度、どこの何々のどういうふうな書類を、どれくらいの数量押収されたのでしょうか。
○壷井参考人 お答えいたします。 大阪支社の用地部長からの連絡でございますと、四十年度以降の買収書類四百八十五件ございます。これを一切押収されました。その中でも、四十三年度といいますと本年度でございますので、事務上困る場合には、必要なときに閲覧をさせるから来いというようなことでございます。どういう書類が押収されているか、詳細はまだ連絡が来ておりません。
○沖本委員 新聞によりますと、「同支社はいま手がけている工事の予算だけでも千百億円を越えるマンモス経理を抱えているのに、帳簿整理が十分でない――など、不審な点も多いので、今後、押収品の検討を急いで、追及する。」こういう取材記事が出ているわけです。そうすると、経理関係の書類も持っていかれているということになるわけですが、この点いかがですか。
○壷井参考人 お答えいたします。 経理関係では、支出関係の証拠書類全部を押収されております。
○沖本委員 じゃ、用地買収だけの書類じゃないのですね。経理関係もですね。
○壷井参考人 さようでございます。
○沖本委員 本庁の経理部長はどなたですか。
○壷井参考人 経理部長は安富と申します。
○沖本委員 運輸大臣、ちょっとお伺いしますが、安富さんは冷房料金の問題で検察庁のほうから処分を保留して、ということになった、問題のお方なんですが、そのお方が鉄建公団の経理部長にお越しになっているわけです。そういうふうに無理にこじつけて言っているというようにとられては困るのですが、その辺に運輸大臣としてある程度の御責任とか、何らかのことをお考えになっていただかなければならない。また、この新聞に出ております、経理の帳簿整理が不十分だ、こういう記事内容、あるいはいま御答弁になりました、経理の支出関係の書類を持っていかれている――大体トラック一台ぶん持っていかれているらしいのですが、そういうところでおわかりにならないということが出ているのです。そういうことになると、事件の範囲は相当大きくなってくる。こういう点を考えなければならなくなってくるので、先ほど井上議員が御指摘になったように、これは相当上までいくのではないかということは、私たちも想像にかたくないということになるわけですけれども、こういう関連性について大臣はどういうふうにお考えでしょうか。処分というものは別にして……。
○原田国務大臣 いまお尋ねの安富君ですか、鉄建公団の経理担当責任者であるということは、私は任命しておるわけでございませんから、あなたから言われて、そういうことがあったなということをいま感じたのですが、しかし安富本人は、いまあなたのほうが正確だと思いますけれども、処分をされなかったのだと私は記憶しておりましたので、処分をされなかったということは、人間として罪はなかったということだから、そういう人事が行なわれたのだと私は想像いたしております。 しかし、いずれにいたしましても、先ほども申し上げましたように、検察庁も何もないところへ、あなたが言われるように自動車一ぱいの書類を押収していって、犯罪者を無理につくるというようなことはあるわけがないのでございまして、まことに遺憾千万であります。現在の鉄建公団の総裁は、本院の議長もされた方であり、昔は、末は大臣、大将かと言われ、文学で菊池寛氏と交わりを結び、なかなかの人格者である。(「落選した」と呼ぶ者あり)落選することは、選挙でありますから、勝ったり負けたりいたします。しかし、綾部さんとしましては、今度の事件で自分の責任も非常に痛感されておりましょうし、再びこういうことがあってはならないと考えて、きのう強くそのことを公団で申されたということでございますので、私はこのことにつきまして、今後ほんとうに再びこういうことのないように指導していきたいと思っております。
○沖本委員 先ほど井上議員が盛んに追及なさっておったわけですけれども、買収関係だけでかかる事件が起きるわけではない。何か関連したことがある。こういうことなんですから、お金が支出されるということは、チェックされながら経理部門に入っていくということになります。経理関係の帳簿が非常に不十分である、整理が不十分だ、こういうような内容が新聞の中に十分出ているわけです。そういうところに、公団の中の内部機構そのものに大きな欠陥があるんじゃないか、こういうふうに考えられるわけですが――いま考えもつかないというように首をかしげていらっしゃいますけれども、そういうふうにとらざるを得ない。こう考えるわけですけれども、こういう点について、先ほどの答弁から伺いますと、もうチェックするようになっているから、そういうことが起きるとは考えられない。こういうことではなくて、もう一度洗いざらい内部の機構を洗ってみて、問題を抽出してみて、再びこういうことのないようにしなければならないと思うわけです。 それで、先ほど私の聞き違いかわからないのですが、チェックの管理者の被疑行為、こういうふうに壷井さんの御答弁の中で聞こえたんですが、この点をもう一度御説明いただけないでしょうか。
○壷井参考人 お答え申し上げます。 先ほど申しましたように、こういうチェックシステムをとっておりまして、公団発足以来五年目を迎えますが、いままで一度もこういうことがなかった。こういうことでわれわれも非常に自慢にしておったわけでございますが、今度こういう事件が起こりまして、はたしてどういうふうなことでこういう忌まわしい事件が発生したのかということをいろいろ考えてみましたけれども、全く書類もないし、本人の話も聞けないので、わからないのでございます。 ただ、私が先ほど申しましたのは、捜査令状に示された容疑でありますところの虚偽有印公文書作成、同行使詐欺というようなことから想像いたしますというと、この河西外二名が共謀してした被疑行為じゃないかというふうに考えられるわけでございます。いずれにしても、きわめて残念で申しわけないことだと思っております。
○沖本委員 これはある方面から聞いたことなんですが、こういう点について問題として考えられることは、公団自体が時代に逆行していることを一応やっているんだ。そういう点について、用地買収で常に公団に疑惑を持っている人たちの国鉄部内の人からこういう問題を提起したんじゃないだろうか、こういう話も出ているわけです。そういうところにまた言えることは、先ほどいただいた資料の中にありますとおりに、国鉄の用地関係の方々がこのポストに入っていらっしゃる、あるいは運輸省の、たとえば陸運局長が経理部長にお入りになっている、こういうように、いわゆる国鉄とか運輸省の天下り人事のポストが、やはりこういう問題を生んでいって、いわゆる官庁でない、一段下がったところにあり、一つの腰かけ的な考え方から、しかも、やすく考えやすいようなことになっていく。あるいは国鉄のほうで用地関係に携わっておる人が公団に来てまた用地関係をやっておる、こういうふうな関連性のところに一つの疑惑点が出てくるわけであります。こういう人事問題にやはり大きな問題があるんじゃないか、こういうふうに考えるわけですけれども、磯崎副総裁、こういう点についてお考えを承りたい。
○磯崎説明員 建設公団ができましたときから、技術者並びに用地関係と申しますのは、非常に特殊な技能を要する事務の仕事でございまして、そう簡単に人を得られる仕事ではございませんので、相当多数のと申しますか、ほとんど大部分の建設公団の職員は、私どものほうの土木並びに用地関係の人間を割愛して建設公団ができた、こういうことになっております。決して天下りとかなんとかということではなしに、むしろ、天下りどころじゃない、同格以上の建設公団でございます。結局、いまの世の中にこういう用地とか土木とかやる人がいない、ぜひくれというようなことで行ったのであって、私のほうから天下ったとか、また、そういう話が赤字線問題とからんで国鉄から出たなんということは、これは全く考えられないことでございまして、そんなに恩讐のある仲でもございませんし、そういうことは一切御懸念ないようにお願いいたします。 私たちといたしましては、先ほど建設公団の資料を拝見しまして、なぜ前歴に、いかにも国鉄の前歴だけをお書きになって、私は個人としては非常に憤慨して鉄建の副総裁にも言ったのでございますけれども、そういうことはもうやめて、三年も四年もたっている人で、全く関係ないことでございまして、その誤解だけはひとつお取り願いたいと思います。
○沖本委員 こういうふうな人事関係にもやはり問題があるんじゃないか、いろいろの点から私たちはこう考えるわけですが、運輸大臣、いかがでしょうか。
○原田国務大臣 天下りというか、そういうことに触れてくる問題だと思いますが、私は役人をした人の中にも、民間へ来て優秀な人があると思うのです。ですから、役人をしておったから、それが行ったからすぐ天下りでいかぬということにはならないと思うのであります。国会でも、役人やめて国会へ出てきて、そしてあの人は役人離れしておるなあというりっぱな議員である方もおるし、役人でない中にも国会議員――いまの国会議員はみなりっぱでありますが、何だというようななにもありますから、私、一がいに前歴をもって人を批判するということはどうかと思うのであります。だから、いま磯崎副総裁が、たまたま全部国鉄のかつての職員であったということを経歴の中に書かれて、何だかあなたが言われるようなことを揣摩憶測されることは、かえって迷惑だから、ひとつその懸念を晴らしてくれと言い、野間君も先ほど発言されたのは、そうじゃないかというような気が私はするのでありますけれども、前歴をもってすべて律することはできないんじゃないか、私はこのように思います。
○沖本委員 そこで、前歴だけではないと言えるとおっしゃるんですが、たとえば鉄建公団がほとんどの赤字路線を建設している。その辺に前向きの希望を持ったものになっていかない、こういうようなところにやはり用地買収であるとか、あるいは路線を建設していくような内容のところに、それ自体の中に、簡単に言えば弛緩した考え方の内容があって、そういうことがやはり事件につながっていくというようなことになりはしないか。調べてみますと、現在まで六十幾つの線をやってきたけれども、黒字になっているのは武蔵野線と四つだけだ、そのほか全部赤字を持っている。国鉄のほうではもうほとほと困って、鉄建公団はもうけっこうですと、こういうふうなのが国鉄のほうのお気持ちだ。そういうところから、財政制度審議会のほうも鉄建公団はもうやめたほうがいい、あるいは国鉄の財政再建推進会議のほうからも答申案が出ている。こういうことで、赤字路線をかかえ込むような鉄建公団に出資はやめてしまいなさい、こういう意見書が出ている。こういうふうな鉄建公団の将来性というようなものが、やはり中にいる人たちの気分の中に影響してくる。こういうところがやはり事件に反映して、仕事の量あるいは仕事の進み方、全部にかかってくるんじゃないか、こういうふうに考えるわけですけれども、磯崎副総裁は将来についてどういうふうにお考えですか。
○磯崎説明員 いまの御質問は、私がお答えするのは適当でない、鉄建公団内部の問題でございますので、私、適当でないと思います。
○篠原参考人 赤字の問題、黒字の問題、これはなかなか議論があるところでございまして、たとえば赤字といいましても、横須賀線なども赤字なのでございます。そういうようなことで、赤字、黒字という問題は、別の機会に十分御議論いただくべき問題じゃないかと思います。 公団の将来とかなんとかいうことは、私は非常に明かるく感じているわけでございますが、今回の不祥事件はこういう問題じゃなく、ほんとうに容疑を受けた個人の問題と思います。公団の職員がどうこうということでなく、ほんとうに三人の個人的な問題じゃないかと私は思います。体制その他についても、私はいまのところまずいようなことはないんじゃないかと考えております。
○沖本委員 それじゃ、たとえばこれは阿佐線ですが、牟岐駅から七町くらいのところで三年前に山くずれがあったのです。たんぼが五反歩ほど被害を受けて、約一反歩は上砂をかぶって、三年間放置したなりなんです。これは工事所長が二人かわったのです。そこへ地元の町会議員が盛んに交渉をやったわけですが、一つもらちがあかない、こういうことで地元から相当な批判が出た。それで工事所長のほうはやりましょうと言ったのですが、姫野組というのと、その下請の谷井組が水かけ論をやって、工場現場の所長と三つどもえになって、はねかけ合いをやってしまって、らちがあかないので、国会議員が大阪の支社のほうへたずねて、こういう事情だけれど、こう言ったら、すぐ善処しますというお答えがあったきりほっぽらかしなんです。この被害にあった方は中田義雄さんという方ですが、三年間このままほってあるわけです。これは一例ですが、いま副総裁がおっしゃったことに対して、現場ではこういう問題があるわけです。先ほどの井上委員の御質問にもやはり同じような内容のことをおっしゃっておるわけです。聞くところによると、あっちでもこっちでも問題点が一ぱい出てきている。これは現場からつかんだ問題なんです。そういうところに気持ちの上の問題、仕事の上の問題があるんじゃないか。監督の不行き届き、三人だけでは終わっていない。やはり鉄建公団自体に大きな欠陥がある、上から下まで考えて、こういえるのじゃないか、こう考えられるわけですが、副総裁、いかがですか。
○篠原参考人 そういう話は私まだ聞いておりませんで、はなはだ申しわけないのですが、どういうことか、ポイントがつかめないのですけれども、地元の方のそういう御不満があれば、それをよく調べまして善処したいと思います。
○沖本委員 調べて、私の言ったとおりだったら善処しますね。
○篠原参考人 善処いたします。
○沖本委員 私が言っているのは、善処していただくのはもちろんだけれども、そういうことではないんだ、三人だけの責任だ、全体的な問題じゃない、こうおっしゃったから、引っぱり出して申し上げただけなんです。それとあわせて、井上委員のさっきからの質問でも、ほかのところを回ってみても同じような問題点を指摘されておったと、こういう点があるわけですから、そういう点については、鉄建公団の管理者として十分なお考えをもってこれと取り組んでいただかなければ、あっちこっちからやはり問題が出るということになるのじゃないかと思うのです。トラック一台ぶんも押収されて、さっぱり何かわからない。先ほどお聞きしたら、書類は買収問題だけの書類であった、こうですけれども、経理じゃないですかとお伺いしたら、経理のほうもだということだったのですが、そういうことになると、大阪支社の関連書類的なものはほとんど持っていかれているということになります。総ざらいで大阪支社はいま調べられている、こういうことになっていくわけです。こういう点について、もっと真剣な取り組み方をもって――これは一カ所だけじゃないんだ、全体にわたって、それこそ国鉄の再建じゃないけれども、鉄建公団の再建をはかってもらう、私はこういう前向きな御答弁があってしかるべきだと思いますが、いかがですか。
○篠原参考人 ただいまいろいろ御推測のお話が出たのですが、押収されました書類は、買収に関する経理関係の書類でありまして、そういう容疑事項に関するものだけでございます。
○沖本委員 さっき御質問したら、買収に関係のある書類だとおっしゃったのですが、経理関係もじゃないですか、こう言ったら、経理のほうの支出に関係のある書類もみな持っていかれた、こう言ったでしょう。
○篠原参考人 これは買収に関する経理、阿佐線の用地関係の書類であります。
○沖本委員 そうすると、ほとんどということになるのじゃないですか。買収に関するということになれば、ほとんどの書類ということになると私は考えるわけですけれども、そういうふうに、そうじゃないとおっしゃるなら、別にそれを問題にするわけじゃありませんけれども、私がお伺いしたいことは、指摘することがオーバーであるかわかりません。しかし、指摘されたことを受けとめて真剣に考えていこう、こういうような御発言があってしかるべきだと私は考えるわけです。その点いかがですか。
○篠原参考人 御指摘の点はほんとうに真剣に私どもも考えて、よく検討して善処したいと思っております。
○沖本委員 時間も参りましたから、あとはまたもう少しよく調べてからいろいろと問題点を追及していきたいと思います。運輸大臣におかれましても、先ほどお聞きになってショックだったと思うのですけれども、別に大臣を困らすつもりで言ったわけじゃないのですが、私自身も、これを見てびっくりしたわけなんです。そういうことで人事関係の問題、こういう内容についてはもう少しよく御検討いただいて、今後こういうことのないように善処していただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わります。
○砂原委員長 次回は、明後二十八日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時三十八分散会