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61回国会衆議院1969/02/19

運輸委員会 第3号

発言数
69
登壇者
9
会派数
4
開催日
1969/02/19

会議録

砂原格自由民主党

○砂原委員長 これより会議を開きます。  この際、理事辞任の件についておはかりをいたします。  理事川野芳滿君から理事を辞任いたしたい旨の申し出がありますので、これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

砂原格自由民主党

○砂原委員長 御異議なしと認め、さように決しました。  つきましては、その補欠選任をいたさなければなりませんが、これは先例によりまして、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

砂原格自由民主党

○砂原委員長 御異議なしと認めます。よって、理事に細田吉藏君を指名いたします。  この際、暫時休憩いたします。    午前十一時一分休憩      ————◇—————    午後二時四十五分開議

砂原格自由民主党

○砂原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案を一括議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。原田運輸大臣。     —————————————

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 ただいま議題となりました国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  日本国有鉄道は、近年におけるわが国経済の急速な発展に伴って増大する輸送需要に対処するため、第一次及び第二次五カ年計画に引き続き、昭和四十年度を初年度とする第三次長期計画を策定し、大都市通勤輸送の改善、幹線輸送力の増強、保安対策の強化等のために必要な工事を進めてまいりました。その結果、前期工事が一応の進捗を見た昭和四十三年十月を期し、画期的な輸送改善を実施いたしましたが、今後もさらにこれを推進し、国民経済及び国民生活における要請にこたえることとしております。  一方、国鉄財政の現状は、昭和三十九年度以来大幅な欠損を続け、昭和四十三年度におきましては、同年四月一日から定期旅客運賃の改定を行なったにもかかわらず、なお一千四百億円に及ぶ膨大な欠損が見込まれ、このまま推移すれば、一両年度中には償却前赤字を生じ、自後、赤字は加速度的に増加し、遠からず破局的な状態に立ち至るものと憂慮されるのであります。  このような現状にかんがみ、政府といたしましては、各界の学識経験者からなる国鉄財政再建推進会議を開催し、抜本的な国鉄財政再建の諸施策について鋭意検討を進めてまいりましたが、昭和四十三年十一月一日、同会議から「国鉄みずからの徹底的な経営の能率化、合理化、国及び地方公共団体の財政援助と並んで運賃改定を行なう必要がある。」とする意見書が提出されたのであります。  政府といたしましては、同意見書の趣旨にのっとり、国鉄の能率化及び国の財政措置に関し、日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案を本法律案とあわせて提案いたしており、また、昭和四十四年度予算案におきましてもこの点につき十分の配慮を行なっております。  これらの諸点にかんがみ、国鉄財政の再建をはかるためには、この際国民各位の十分なる御理解と御協力を得て、必要最小限度の運賃改定を行なうこともまことにやむを得ないものと決意した次第であります。  この法律案の提案にあたりましては、運輸審議会の答申を尊重したのはもとよりでありますが、運賃改定の国民生活に与える影響も十分考慮いたしました。  次に、運賃改定の具体的内容について申し上げます。  まず、鉄道の普通旅客運賃の賃率につきましては、現行では、営業キロ一キロメートルごとに、四百キロメートルまでの部分については三円六十五銭、四百キロメートルをこえる部分については一円八十銭となっておりますが、これをおおむね一五%引き上げるとともに、遠距離逓減制を一部是正いたしまして、五百キロメートルまでの部分については四円二十銭、五百キロメートルをこえる部分については二円五銭に改定することといたしました。なお、鉄道の普通旅客運賃は、この賃率によって営業キロの区間別に定めることとし、この営業キロの区間を定める場合には運輸大臣の認可を要することといたしました。  第二に、航路の普通旅客運賃につきましては、近傍または類似の民営航路の運賃等を勘案して改定することといたしました。  第三に、旅客運賃の等級につきましては、現在二等級制となっておりますが、最近における一等車と二等車との設備格差の縮小、旅客の利用の実態等を勘案し、ひいては業務の能率化に資することともなりますので、この際等級を廃止することといたしました。これに伴いまして、従来の一等車を利用する場合には特別車両料金を要することとし、この料金につきましては運輸大臣の認可を要することといたしました。  以上がこの法律案を提案する理由であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。  続いて、日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  日本国有鉄道は、近年におけるわが国経済の急速な発展に伴って増大する輸送需要に対処するため、第一次及び第二次五カ年計画に引き続き、昭和四十年度を初年度とする第三次長期計画を策定し、大都市通勤輸送の改善、幹線輸送力の増強、保安対策の強化等のために必要な工事を進めてまいりました。その結果、前期工事が一応の進捗を見た昭和四十三年十月を期し、画期的な輸送改善を実施いたしましたが、今後もさらにこれを推進し、国民経済及び国民生活における要請にこたえることとしております。  一方、国鉄財政の現状は、昭和三十九年度以来大幅な欠損を続け、昭和四十三年度におきましては、同年四月一日から定期旅客運賃の改定を行なったにもかかわらず、なお、一千四百億円に及ぶ膨大な欠損が見込まれ、このまま推移すれば、一両年度中には償却前赤字を生じ、自後、赤字は加速度的に増加し、遠からず破局的な状態に立ち至るものと憂慮されるのであります。  このような現状にかんがみ、政府といたしましては、各界の学識経験者からなる国鉄財政再建推進会議を開催し、抜本的な国鉄財政再建の諸施策について鋭意検討を進めてまいりましたが、昭和四十三年十一月一日、同会議から「国鉄みずからの徹底的な経営の能率化、合理化、国及び地方公共団体の財政援助並びに運賃改定を行なう必要がある。」とする意見書が提出されたのであります。  政府といたしましては、この意見書の趣旨にのっとり、本法案により、政府が決定する国鉄財政再建の基本方針及び国鉄の定める再建計画の実行を通じて日本国有鉄道の近代化、能率化の推進を確保するとともに国の財政措置を規定し、別に本国会に提案いたしております国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案とあわせ、国鉄、国及び国民の三位一体となった抜本的財政再建施策の推進をはかることといたした次第であります。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一は、財政再建の趣旨及び目標でありますが、本法による財政再建は、国鉄に将来とも国民経済及び国民生活におけるその使命を遂行させることを趣旨とするものであり、また、その財政再建の目標は、将来にわたるわが国の交通体系において国鉄が果たすべき役割りに応じ得る近代的経営体制を確立しつつ、少なくとも今後十年間の財政再建期間の最終年度には黒字が生ずるよう財政の健全性を回復することにあることを明らかにいたしております。  第二は、財政再建策の樹立とその実施でありますが、財政再建期間中における国鉄の財政再建に関する基本方針、及びこの基本方針に基づき国鉄が運輸大臣の承認を得て定める財政再建に関する経営の基本計画にのっとって諸般の施策を推進することといたしており、また、その実行の担保についても遺憾なきを期しております。  第三は、国の財政措置についてでありますが、昭和四十三年度末現在で資金運用部、簡易生命保険及び郵便年金特別会計及び国債整理基金特別会計が日本国有鉄道に対して有する償権にかかる利子に相当する金額の範囲内で、再建期間中の毎年度、政府が政令で定める特別の融資条件により長期資金を日本国有鉄道に貸し付けるよう特別に配慮すること及び再建期間中この長期資金にかかる利子を政府が利子補給すること並びに昭和四十三年度予算から実施されました国鉄財政再建補助金を昭和五十年度工事までを対象として交付することといたしております。  以上が、この法律案を提案する理由であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。      ————◇—————

砂原格自由民主党

○砂原委員長 次に、久保三郎君外九名提出の日本国有鉄道の鉄道施設の整備に関する特別措置法案を議題とし、提出者より提案理由の説明を聴取することといたします。久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保議員 日本社会党提出、日本国有鉄道の鉄道施設の整備に関する特別措置法案について、提案者を代表し、その理由を御説明いたします。  戦後、国鉄は他産業の発展に著しく立ちおくれ、安全性さえ疑われるに至り、その整備をはかるため、昭和三十二年度より二次にわたる五カ年計画が策定されました。しかし、いずれも中途で修正を余儀なくされ、ただいまは昭和四十年度より始まった第三次長期計画の四年目を終わろうとしております。しかし、この計画もその半ばにおいて三たび修正せねばならない羽目におちいっております。  いま、その経緯を振り返ってみまするに、国鉄は戦後しばらくの間、民生安定、経済復興の名のもとに荒廃した施設を酷使してまいりましたが、昭和二十四年マッカーサー指令によって、労働問題処理のため、従来の国営事業に独立採算性のワクをはめ、公共企業体となりました。しかし、公共企業体に移行はしたものの、経営に何らの改善を加えられないまま、引き続くインフレの中で老朽施設を食いつぶし、ついに桜木町、あるいは洞爺丸等の事故を引き起こすに至りました。ここにおいて、もはや老朽施設も限界に達し、昭和三十二年度を初年度とする第一次五カ年計画が、老朽施設の取りかえを中心として実施に移されたのであります。しかし、この第一次五カ年計画は、資金計画に行き詰まりを来たし、かつ、計画が経済の伸展に即応し得ない小規模のものとなり、四年目で打ち切り、昭和三十六年度から第二次五カ年計画として出直したのであります。この計画は東海道新幹線を完成させ、鉄道経営に新しい分野を切り開いたものの、全体の計画はこれによって制約を受け、一方、都市における過密化は急速に進み、既設線区の輸送力は質、量ともに立ちおくれ、輸送需要を満たすことが困難となり、昭和四十年度から第三次長期計画に移行し、今日に至っております。  昭和三十二年度第一次五カ年計画発足以来ここに満十二年、施設整備が意のごとくならぬまま、いまや国鉄は経営の危機に直面し、抜本的な対策を必要としております。三次にわたる長期計画がいずれも成功せず、中途挫折した原因は、すでに申し述べたとおり、計画が経済の伸展に即応しない小規模なものであったこともさりながら、計画の実行を裏づける資金が、硬直した運賃の値上げと資金コストの高い一般からの借り入れ金によってまかなわれ、財政の悪化を一そう深刻ならしめたからであります。また、施設の不備と相まって国鉄の陸上交通における独占性は失われ、輸送分野は伸び悩み、この面からの自己資金の調達は困難となり、政府は政策実行のためのいわゆる公共負担を国鉄に背負わせながら積極的な財政援助を与えぬまま今日に至ったからであります。  特にこの際指摘しておきたいことは、国鉄が去る昭和三十九年度予算要求にあたり、政府に強く財政援助を要求しましたが、いれられず、政府は国鉄基本問題懇談会を設置し「責任をもって国鉄経営の抜本的再建のための計画と資金確保について検討する」との約束とすりかえたのであります。しかし、昭和三十九年度一ばいかかっての検討の結果、数多くの対策案が打ち出されはしたものの、結局、昭和四十年度から七カ年間に約三兆円の資金投入が必要であること、その資金調達は相変わらず運賃値上げと借り入れ金によることが実行されたにすぎません。まさに、国鉄をして今日の事態に立ち至らしめた責任の一半は政府にありといっても過言ではありません。  いま国鉄をしてその本来の任務を遂行させることが国民経済上いままで以上に必要であるとするならば、経営の安定と将来の発展が期待できる内外の条件を整備するための基本的な施策が実行に移される必要があります。  それはまず第一に、国鉄をして陸上交通に確固たる地位を占めさせることであり、それに即応した施設の増強と近代化を行なわせ、経営安定の基盤をつくることであります。すなわち、国鉄が担当すべき輸送分野は、その特性からして、主として中長距離貨物、都市間旅客及び通勤輸送でありますが、それぞれについて国鉄はその能力を欠いておりますから、これが増強、をはかることであり、また、総合交通政策によって他の交通機関との調整をはかる必要があります。  その第二は、現に経営の重圧となっている財政的、制度的諸要因を取り除き、再建を容易ならしめることであります。  この二つの基本的な方針は、いわゆる企業性のみを強調し、その公共性を失わせるものであってはならず、また、国鉄の全国一体的運営による国民経済上の利益をそこなうものであってはなりません。  以上申し述べたところに従って、制度を確立し、国鉄の施設を整備するとともに、その財政の健全化をはかり、国鉄経営の再建をはかるため本法案を提案した次第であります。  次に、法案の内容について御説明いたします。  まず第一に、鉄道施設についてであります。  国鉄が受け持つべき輸送分野は、すでに申し述べたとおり、主として都市間旅客輸送、中長距離大量貨物輸送及び通勤輸送でありますが、国鉄の現状はその責任を果たすことが困難でありますので、それぞれの施設を計画的に整備しようとするものであります。そのためには、非能率な幹線及び亜幹線の輸送力増強をはかることであります。これらの線区はいまだに単線部分を多く持ち、軌道強化も行なわれず、近代的輸送機関としての能力を欠き、そのすべてがいわゆる赤字線であって、経営の重圧となっておりますので、これらのそれぞれに対し、線区別の増強計画を立て、改良を加え、本来の任務を遂行させるとともに、経営の改善をはかろうとするものであります。  また、国鉄の貨物輸送は、経済の発展に即応する輸送力増強、近代化がおくれ、国鉄が果たすべき役割りを果たし得ないものがあります。よって、これを増強し、近代化することとしたのであります。これは国鉄の経営を好転させるばかりでなく、その使命達成上必要なことであり、特に最近における陸、海、空を通じて進みつつある輸送革命の中でとらねばならない当然の措置であります。  次は、通勤輸送の増強であります。  都市における路面交通の渋滞を緩和し、通勤地獄を解消するため、都市高速鉄道の建設促進を含む鉄道輸送力の農は、都市交通全体の立場から進める必要がありますが、特に国鉄が果たすべき役割りは大きなものがあります。この輸送力増強は、経営の再建という観点よりは、むしろその特性による固有の任務として取り上げる必要があります。よって国鉄以外の私鉄、公営交通の改良資金については、道路並みに政府が助成すべきものとして、すでに都市鉄道整備促進法案を提案しておりますが、国鉄の改良資金については、全体の中で考慮することとし、後に述べるところによりました。  次は安全対策の事業でありますが、これら施設は従来以上に計画的に整備する必要があります。特に最近における事故の傾向にもかんがみ、人間工学的、医学的な安全対策をも推進しようとするものであります。  以上の鉄道施設整備事業は昭和四十四年度以降七カ年間に実施しようとするものでありまして、総額二兆八千億円の経費を見込み、その三分の一に相当する額約九千三百三十億円を政府が助成するものといたしました。もっとも、この計画とその経費の中には、山陽新幹線の関係は含まれておりません。新幹線及び通勤高速鉄道の整備は、別途策定さるべき総合国土計画の中で措置しようとするものであり、現在進行中の山陽新幹線については、この七カ年計画とは別ワクとし、新幹線建設からくる既設線区へのしわ寄せを遮断しようとするものであります。また、この七カ年計画は、その事業が的確に遂行されるよう、道路や港湾と同様、政府において承認され、責任を持つものにしようとするものであります。  次は、国鉄の長期負債に対する利子負担の軽減措置であります。  国鉄は、昭和四十三年度末において、政府関係の長期債務の残高は約六千三百四十億円、その他のものの残高は約一兆三千七百二十億円に達し、これに対する利子負担も昭和四十四年度支払い見込みは約一千五百億円となり、経営悪化の大きな因子となっておりますので、施設整備を進め、国鉄本来の任務を果たし得る形態になるまでの七カ年間、既往の債務について、政府関係のものに対しては利子相当額、その他一般のものについては年利五分をこえる相当額を政府がそれぞれ助成することとし、この面からも再建を促進しようとするものであります。  以上が法案の概要でありますが、最後に運賃問題について付言させていただきます。  本法案による国鉄の施設整備と財政再建は、運賃値上げ等を含む運賃制度の改正を考えておりません。なぜなら、今日国鉄経営の悪化の原因の大きなものは、すでに述べましたとおり、戦後経済復興のため資産を食いつぶしてきたことと、独立採算制のワク内での公共負担でありますから、これを利用者である旅客、荷主に運賃値上げという形で負担さすことは公正妥当なものではありません。また、物価安定が至上命令であるにもかかわらず、一向にこれを鎮静できない政府がみずからの手によってさらに物価上昇の主導権をとることは許されぬことであります。かつ、便乗値上げを安易に認めようとするその態度は絶対に容認できません。いま政府が国有鉄道運賃法改正によって企図しております運賃値上げは、運輸収入実収一〇%の増収をはかろうとしましたが、貨物運賃の値上げは、他の輸送機関に荷物が逃げ、かえって収入減を来たすとして、旅客運賃に上積みをいたし、平均一五%の値上げを実施しようとしておるわけであります。かくては、将来にわたって国鉄の正常な発展を期待することができないおそれもありますので、われわれのあえてとらざるところであります。  また、政府提案の日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案は国鉄の経営権に大幅な制約を加えようとするものであって、問題の解決にはなりません。  本法案は、政府が提案する以上二つの法案に対し、われわれの主張を明らかにしたものでありますので、何とぞ慎重御審議をお願いし、説明を終わります。

砂原格自由民主党

○砂原委員長 これにて提案理由の説明聴取は終わりました。  三案に対する質疑は、後日に譲ることといたします。      ————◇—————

砂原格自由民主党

○砂原委員長 次に、陸運、海運、航空及び海上保安に関する件等について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。小川三男君。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 私は運輸大臣の先日の所信表明に関連してお伺いいたします。  いま久保議員からの趣旨説明の中にも、交通革命の時代である、こういうぐあいに強調された。運輸省が陸運、海運、航空のこの三つの動脈について、行政の最高の責任者であり、また総責任者であることは、そのとおりです。  ところで、運輸省は交通事業全体に対して運輸省自体の自主性を欠いていると私は思う。その一つの例をあげれば、きのうも本会議で問題になったように、私鉄、バスあるいはタクシーその他の運賃の問題に触れて、経済企画庁は反対という立場をとって、明確にこれを表明している。これらのものの所管を握っている運輸大臣として、こういう問題についてはどう考えられているのか。一体、当然握るべき運賃の認可権というものは運輸省にあるわけです。ところが、それが経済企画庁が大きな発言権を持っているということは、自主性の喪失ではないかと考えられる。その点について、まず一点伺っておきます。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 前段の、運輸省が陸、海、空にわたっての行政を推進していくのについてどういう考えを持っておるかということでございますが、これはそのとおりでございまして、私は就任以来このことについて所見の一端を皆さま方に開陳をしてまいったのでございますが、これからの運輸行政というものが、いわゆるはんこを押した認許可というような、そういうような行政であってはならない、こういう意味から、一貫した国民経済の中で国民の生活の中に何を果たすべきかということを、運輸省の中でまず参謀本部というべきものをつくって考えていかなきゃならぬ。今度の予算でも、この間お願いいたしましたように、これは内閣委員会で別途お願いを申し上げておるのでございますが、機構の改編を行なって対処していこう、こういう形をとっておるわけでございます。そしてそれぞれ政策を打ち出していこう、こういうことを考えておるわけでございますが、いま後段にお尋ねの件は、具体的に運賃の問題を取り上げて、その認可権を持っておるのに経済企画庁の長官に横やりをいれられているんじゃないかというようなお尋ねでございますが、そうではございません。経済の問題について、やはり経済企画庁長官としての任務があるわけでございます。私はこの運賃という問題につきまして権限を持っておりますけれども、小川さんも御承知のように、物価の安定ということは経済の安定ということに非常に影響が強うございますから、これらの問題をきめるときに、権限は私に法律的にございますけれども、閣議を開いて、こういう物価の問題に対しては物価関係の閣僚協議会の議を経てきめようではないか、それが経済の安定した伸長になる、こういうことで、このいわゆる公共料金と申しますか、政府がタッチしてきめます料金の中で種類を分けまして、運賃に関しまして協議をするという形をとっておることは御存じのとおりでございまして、昨日も本会議で申し上げておりますが、これらの国鉄の運賃についてはいま御提案申し上げております。そのほかのことについてはどうかというお尋ねでございましたので、それらの問題につきましては極力抑制する態度でいく、こういうことを申し上げておるのでございます。それについて、私は、経済企画庁長官も同じことを申されておるし、総理大臣も同じことを申されておる、このように了解いたしておるのでございます。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 いま運輸大臣そうお答えになりましたが、少なくとも物価全体の上から見ても、経済企画庁はあなたのほうへ参考資料あるいは参考意見を述べる立場にある、運賃その他について経済企画庁がまるで自分に認可権があるかのような態度で臨んでくることに対して、運輸省自身の自主性をもっと確立すべきではないか、私はそれを聞いているわけです。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 私は自分の自主性を大いに発揮していきたいと思っております。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 では次に伺いますが、陸運の主要な機関は、これは国鉄はもちろんそのとおりでありますが、あと、陸上交通としては自動車が主要な役割りを占めているわけです。  この自動車の問題について、言いかえれば、バス、タクシー、ハイヤー、一般乗用車、トラックにしても、これらの生産された原価、その他の生産の機構については全部通産省が握っている。特に自動車の場合には、車両と燃料とタイヤ、こういうようなものは全部通産省が握っている。運輸省でタッチしている部分は何もないんじゃないか。動かすことについて、どこからどこまで動かすか、だれが営業をやるかという認可権をあなたのほうで持っている。けれども、その持つと同時に、少なくとも自動車全般を掌握しなければならないと私は考える。そういう点について、これは逆に通産省やその他に対してあなたのほうで十分な意見を述べる立場であっていいと思う、先ほどの経済企画庁とは逆の面で。ところが、燃料やタイヤや、そういうものについてあなたのほうで通産省に対してどんな発言権を持っているのか、どういうことをいままでやってきたのか、その点を伺いたい。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 具体的にどうやっておるかということについて、政府委員から答弁させます。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住政府委員 自動車を動かしますためには、運輸省で所管いたしております車両法という法律がございまして、これで保安基準がございます。この保安上の面から、自動車行政といたしましても新車の生産に対してタッチして適切な指導行政をやっているつもりでございます。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 私が伺っているのはそうじゃなくて、それはあなたのほうで車両法やその他についての問題で、そうでなくて、自動車の生産工程、生産価格や燃料などについて価格を掌握しているか、その原価計算をあなたのほうが握っているかどうかということです。一例をあげれば、ブリヂストンタイヤはブリヂストン美術館をつくって、あれがまるで自分の私財を投じたかのごとくに世間一般には考えられているけれども、あれはタイヤによって自動車業者を搾取した上に成り立っているんですよ。そういうものについて、少なくともタイヤの原価計算について関与し、介入して、供給の面や値下げやその他の点についてあなたのほうが関与しているかどうかということです。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住政府委員 自動車関係の生産行政につきましては、これは通産省が所管いたしておりますので、通産省が直接の責任を持っている次第でございます。しかしながら、そのユーザーといたしまして、それらの価格その他につきまして適切なる意見は申し述べておりますけれども、最終的な決定は通産省で行なうというふうなたてまえになっております。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 自動車局長、私が伺っているのは、自動車の生産原価などはあなたのほうでは掌握しているのかどうかということなのです。そうして、そういうものに対して、もっと値下げの余地をあなたのほうは発見して、通産省に向かって指導上の意見を申し入れるべきじゃないのか、タイヤにしてもそのとおり、油にしてもそのとおり、陸運の上でもって非常に重要な部面を占める自動車について、車両や燃料やタイヤや部品や、そういうものについて全く運輸省が関知していないということは自主性の喪失である、したがって、自主性を確立するためにあなたのほうではどんな対策を持っているのか、こういうことです。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住政府委員 法律上通産省が所管でございます。したがいまして、もう少しわれわれといたしましてもその主管省に対しまして適切な意見を申し述べるということは心要であるかと思います。従来もそれらの点につきましては意見は申し述べておりましたけれども、先生が御指摘のように、さらに適切な意見を申し述べて、ユーザーとしての関係をよくしていくというふうなことは必要かと思いますので、今後十分それらにつきまして適切な意見を申し述べるというふうに努力したいと思います。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 道路の問題にしてもそのとおりです。あなたのほうでは、走る自動車についての、たとえば車両の問題、認可の問題、そういう問題は持っている。道路について建設省なり道路公団なりにあなたのほうで、陸運全般の上からいって、ここは最必要である、ここはこういう路面が必要であるというような意見を言った例があるかどうか。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住政府委員 道路につきましてはいろいろ法律がございます。たとえば全国を縦貫いたします縦貫自動車道につきましては、その法律がございます。高速道路につきましても法律がございまして、内閣に諮問の委員会がございます。それに運輸大臣が委員となっております。また、運賃の認可あるいは路線につきましても、高速道路の全体の計画、整備計画等につきましては、共管ないしは協議を受けるというふうなことになっておりまして、これは具体的に意見を申し述べておりますし、協議、共管の問題につきましても、十分両省で協議いたしました上、処理いたしているような次第でございます。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 運輸大臣、私の知っているここ六年の間に運輸大臣のかわること八人なんですよ。綾部さんから、計算としては七名ですけれども、数えると八人目なんです。六年にならないのですよ。この七月にいって満六年、こういうような中で八人も運輸大臣がかわっている。こういうようなことでは、このいまのいわゆる交通革命に対処することはとうていできない。したがって、少なくとも運輸省は交通省としての考え方——それから交通裁判、いま交通事故やその他についての交通裁判は独立すべきではないかとまでいわれている状態の中で交通運輸を失ったら日本の経済は成り立たないのです。この非常に重要な、いわば日本の経済を握っているといっても差しつかえない運輸省、その運輸省が、これはあなたの責任ではもちろんないが、少なくとも六年間に八人も大臣がかわっているというようなことでは、これはまじめな、完全な行政はできない。  したがって、そういう点で、だれが大臣にかわろうが、少なくとも交通総合政策としての根幹、これから十年あるいは二十年の大計をきちんと立てて、その場合には、少なくとも建設省に対しても通産省に対しても、そういう面で運輸省自身が自主的に大きな発言権を持つべきではないのか、総合政策を確立して、これこそが日本の運輸省が確立した交通政策だというものを確立して、これを推進するためにはもっと自主性というものを確立すべきではないのかという点を私は伺っておるのであります。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 小川さんのおっしゃることはそのとおりでございまして、私は不敏でございますが、大臣に就任いたしまして、できるだけあなたのおっしゃることを私の代に確立をしておきたいと思います。  なお、六年間に八人も大臣がかわった。あんまりかわらぬほうがいいじゃないかというようにも受け取れますので、佐藤総理にそのようにお伝えをいたしたいと思います。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 あなたがかわるかかわらないかという問題ではなくて、少なくとも自民党佐藤政権は今日まで場当たりなんですよ、陸運にしても海運にしても。  それから、最後に伺っておきますが、日米航空協定あるいは日ソ航空協定その他について、運輸省は一体主導権を持ってこれに当たっているのかどうか、その点伺います。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 日ソ航空協定に関しましても運輸省は主導権を持ってやっておりまして、前の大臣の中曽根大臣が去年十月ソビエトにおもむきまして交渉をし、先般、御承知のように向こうからロギノフ航空大臣が参りまして向こうの団長、私がこちらの団長となって交渉をいたしたのでございまして、運輸省が主導権を持ってやっておるわけでございます。

小川三男日本社会党

○小川(三)委員 最後に私は伺いますが、この間東京湾におけるタンカーの衝突事故がありました。あの点についても、運輸省はああいう問題について単に海上保安庁が捜査や対策や、そういう点にのみ当たっていて、ああいう事故が起こった場合に、通産省、特に石油関係の業者に対して、もっと自主的に自分のほうで災害を防止する体制をとるべきである、そういう点について運輸省の広範な自主性を確立してもらいたい、そういう点をあなたに申して、私の質問を終わります。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 海上交通法、これは仮称でありますが、この国会でお願いをいたしまして、かかる事故に対する対策について万全を期したいと思っておりますが、具体的な問題、この前の国会でも小川先生から発言がございまして、私どもは海上保安庁が係でございますが、お説のように、各方面にできるだけの手を尽くして万全を期していくように今後注意をいたしたいと思います。

砂原格自由民主党

○砂原委員長 山下榮二君。

山下榮二民主社会党

○山下(榮)委員 時間がきわめて少ないようでございますから、二、三運輸行政の基本方針についてお尋ねいたしたいと思います。  さきに原田運輸大臣の就任のときに運輸行政に関する基本方針についての御説明があったのでございます。これを拝読いたしますと、およそ国鉄の経営の合理化を中心とした値上げの問題、あるいは海運行政に関する問題、航空に関する問題等があげられておるのであります。  私がここで伺いたいことは、近代の交通輸送というものは、これは国民生活、ことに文化生活に切り離すことのできない重大な問題であると思うのであります。その際に、国鉄は国鉄、あるいは一般陸運は陸運、海運は海運、各個ばらばらの姿のように見受けられるのであります。これは行政指導の任にある運輸省としては、ことに運輸大臣としては、これをどう連絡統一せしめるか、こういうことがきわめて近代的な輸送計画として必要ではないか、こう思うのでありますが、これらに対する大臣の所見を伺いたいと思うのであります。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 ただいまも冒頭にお答えを申し上げたのでございますが、山下さんのおっしゃるとおりであろうと思います。国鉄問題を一つ具体的に取り上げられたのでございますが、国鉄を見ましても、国鉄だけでは問題の解決にならない、国鉄の果たすべき任務はどこにあるか、陸、海、空一体の行政ということを考えなければならないのじゃないか、こういう御指摘でございますが、そのとおりでございまして、私は先般所信の中にも申し述べておりますが、具体的に申しますと、運輸省の行政の中で今後それらの行政の参謀本部とも称すべきものを中心に行政を行なっていく、一例をあげますと、こういうことを今度お願いをいたしておるわけでございまして、万全を期してまいりたいと思っております。

山下榮二民主社会党

○山下(榮)委員 万全を期すると言われると、ばく然たることで理解に苦しむのであまりすが、たとえば、一例をあげてみますと、一番海上交通のひんぱんである瀬戸内海の四国と本土との連絡旅行船あるいはフェリーボートその他の船と鉄道との時間的な関係、あるいはその他の輸送計画というのが何らなされていないのではないかという感を持つのであります。これはひとり瀬戸内海の問題だけではなく、広くわが国の陸運あるいは海運あるいは航空等々の関連というものが、時間的にももっと密着した体制というものを確立すべきときではないか、これが近代的輸送計画の根幹ではなかろうか、私はこう思うのであります。こういうことに対しまして、今後大臣はいかなる指導をされようとお考えになっておるのであるか、この点をもう一つ突っ込んでお伺いをいたしたいと思うのであります。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 ただいまも申し上げましたが、それらの全般を動かしていくのには、運輸政策の会議というものを持ちまして、行政の一貫性というものを貫いていかなければならないと思うのでございます。  なお、いま瀬戸内海の海上交通という問題についてもお尋ねがございましたが、これはこれで、もし具体的にお尋ねがございましたらお答えをいたしたいと思います。

山下榮二民主社会党

○山下(榮)委員 時間もございませんからあまり具体的に伺うこともできないんですが、瀬戸内海等の旅客船と国鉄の時間等との関係がもう一つ密着していない、ばらばらの姿であります。これらがもっと連絡をとって、乗客、国民の便宜をはかるべくもっとサービスを高度に強化されるべきものではないか、こういうことを実は伺っておるのであります。時間がありませんから次に進みたいと思います。  次に、私は交通事故問題について伺いたいと思うのであります。交通事故は、御承知のごとく交通安全対策特別委員会がございまして、交通事故それ自身については同特別委員会のほうで御審議を願っておることであろうと思いますから、この席上では、私は特に交通施設に関してのお伺いをいたしたいと思うのであります。  最近、国鉄においても方々でいろいろの事故が起きておることは御承知のとおりでございます。あるいは航空関係におきましてもいろいろの事故が起きてまいってきております。これらはただ単に交通事故としてのみ考えるわけにはまいらないのであります。交通事故防止に対する施設ということが完ぺきを期しているかいなかということに問題はかかってくると思うのであります。国鉄並びに陸運あるいは海運、これらに対して運輸省は行政上あるいは指導監督をされる任にあると思うのでありますが、これらに対する交通安全上の施設等に関する指導監督というものはいかようにしておられますか。新しき時代の進歩とともにいろいろ安全対策も新しい施設を行なってまいらなければならぬことは当然であると思うのであります。これらに対する大臣の所見を伺いたいと思うのであります。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 山下さんは、さきに交通対策の特別委員長として国会で御活躍になり、交通災害から人命を守るということについて御奮闘になられたことに対して敬意を払っております。  これは陸、海、空それぞれ問題がございますので、簡単に陸、海、空の政府委員から現在やっており、またこれからみなさんとする具体策について答弁をさせたいと思います。

町田直運輸省鉄道監督局長

○町田政府委員 鉄道事故の防止対策につきましては、御承知のように、従前から特に施設面に力を入れまして、国鉄、私鉄を通じて指導をいたしております。御承知のように、鉄道事故は踏切事故、鉄道の保安施設の整備をはかること、こういうようなことが中心でございますが、特に自動列車停止装置の緊急実施、あるいは車両の不燃化対策等に力を入れて進めておる次第でございます。

河毛一郎海上保安庁長官

○河毛政府委員 海上関係について御説明申し上げます。  海上関係は主として海難ということで事故が発生するわけでございますが、現在の船舶の施設その他に関する関係につきましては、船舶安全法その他によりまして法律的な規定がされており、またそのために必要な検査制度も確立されておるわけでございますが、私どもは、実際運航されております船舶につきましてそのような法律的な基準に基づく施設が十分であるかどうかという点について、常時法令の励行について措置をいたしておる次第でございます。

山下榮二民主社会党

○山下(榮)委員 いまの海上輸送の問題について、もう一つ伺っておきたいと思うのでありますが、瀬戸内海は申すに及ばず、方々にフェリボートがだんだんふえてまいることは皆さん御承知のとおりであります。まだこれらにおける大きな事故が起きていないからいいのでありますが、これと陸上の輸送との関連というものの完ぺきを期するためには、道路の整備も必要でございましょう、いろいろな交通上の規制も必要であろうと思うのでありますが、これらに対して、一体陸運と海運との連絡、今後の安全対策に対する考え方というものをどういうところに置いておられるのでありますか。事故がないからこれでいいというものではないと思うのであります。これからだんだんふえてまいりますから、これらの事故も予想しなければならぬ、これらに対して万全を期さなければならぬというのが今日の急務ではなかろうか、かように思うのであります。これらに対するお考えを伺いたいと思います。

河毛一郎海上保安庁長官

○河毛政府委員 ただいまの陸、海の安全対策を総合的に行なう点につきましては、交通安全対策基本法案その他の計画も現在進められておる次第でございますが、私ども海の交通を担当いたします者といたしましても、積極的にその点につきまして陸上関係のほうと連絡を密にいたしまして、ただいま御指摘になりましたような点についてさらに改善が行なわれるよう努力いたしたいと存じます。

山下榮二民主社会党

○山下(榮)委員 もう一つ伺いたいと思うのですが、おそらく今期国会中に法案が提案になることでありましょうから、そのときに深くはいろいろお伺いいたしたいと思うのですが、海上交通法が提案される予定のようでございます。これは最近のタンカーの大型化あるいはタンカーの往来のひんぱん等から考えてきわめて必要不可欠の法律案であると私は思っておるのであります。なるべく早急に法案の提出をお願いすると同時に、これらの法律の適用区域というものを一体いかようにお考えになっておるか、それだけをこの機会に伺っておきたいと思うのであります。

河毛一郎海上保安庁長官

○河毛政府委員 ただいまお話のございました海上交通法案につきましては、現在事務的に準備をいたしまして、関係各省と折衝いたしております。  ただいまお話のございました適用区域の問題でございますが、これにつきましては、わが国の主要湾内、内海、狭水道を具体的に明らかにいたしまして、そこに法律を適用するという方向で考えております。

山下榮二民主社会党

○山下(榮)委員 それでは、時間がないそうですから最後に運輸大臣に伺いたいと思うのですが、最近交通事情はだんだんひんぱんになってまいりまして、タクシー業者というものに対する考え方について大臣の所見を伺いたいと思うのであります。  個人タクシーの営業許可をされることが最近いろいろ問題になって、一昨々年ですか、その規制等も相当緩和されてまいったようであります。東京都の陸運局等を見ますと、まだ昭和四十一年度の申請者の分も処理されずに残っておるやに伺っておるのであります。大阪におきましても相当数の申請者の書類が滞っておるように伺っておるのであります。こういうことはなるべく早く事務上の処理を行なってもらわなければならぬと思うのでありますが、運輸大臣は、一体タクシー業者、こういう乗用車というものの将来の認可というものを個人許可に中心を置こうとお考えになっておるのであるか、それとも企業会社というもの、あるいはタクシー業というものに中心を置かれようと思っておるのであるか、その辺を伺いたいと思うのであります。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 ハイヤー、タクシーに対する利用の実態は各地各地で異なっておりますので、これら各地の実情に応じて適切なサービスと必要な輸送力を確保して利用者の利便をはかるよう努力しておりますが、タクシーには個人タクシーと法人タクシーがあります。個人タクシーは、サービス、安全運転等について好評を博しております反面、営業時間が短い等の問題がございますし、法人タクシーは、昼夜の別なく営業して、深夜、早朝の都市輸送には不可欠の交通機関となっております。このような状態で一長一短もございますので、両者の長所が十分発揮されるよう考慮して、個人タクシー、法人タクシー双方の健全な育成をはかっていきたいと存じております。  なお、免許申請の処理状況につきましては、個人タクシー免許申請事案の処理促進等のためにほかの免許申請事案の処理がおくれておる状況にございますが、今後とも、できる限り処理の迅速化について努力をいたしたいと存じます。

山下榮二民主社会党

○山下(榮)委員 それでは、時間が来ましたから、まだ国鉄の赤字路線の問題、あるいは国鉄自体の事故防止の施設等の問題について突っ込んで伺いたいと思いますけれども、いずれ他の機会にこれは譲ることといたしまして、これで質問を終わります。

砂原格自由民主党

○砂原委員長 松本忠助君。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 去る二月十二日、運輸大臣は運輸行政の基本方針について当委員会において述べられました。その基本方針の中にいろいろございますが、特に交通公害問題、海上警備、救難対策、この二点についてのみきょうは質問をさせていただきたいと思います。  まず、海難救助体制でありますが、最近相次いで海の事故が発生しております。一月十二日の第八漁吉丸、同じくタンカーの第八東洋丸等、沈没事故が続いて起こっております。そして多数の船員が貴重な生命を失っておるわけでございます。特に第八漁吉丸につきましては、またしても問題の三九型であります。御承知のように三九型は、海上保安庁の調査によりますと、昨年一年間で漁船の遭難事故が千百五十件あるそうでありますが、そのうち死者を出した例はほとんどがこの三九型であるということを伺っておるわけであります。御承知のように、三九型は出港時には食料、燃料、水、えさ、そういうものを限度一ぱいまで積み込み、帰りには帰りで、また十分に魚をとって喫水線が下がっております。したがいまして、横波をかぶったり強風を受けたりいたしますと転覆をするわけであります。  そこで伺いたいことは、運輸省は四十四年度の予算要求におきまして、巡視船艇二十一隻、この代替の建造は認められたようでありますが、新造計画の六隻は全部削られたということを聞いております。  このように重大な事故が次々と発生するおりから、このような予算の要求で、またそれをのんでしまったというようなことは、まことに人命軽視もはなはだしいと思うわけであります。昨年度の数字を見てもわかりますとおり、この遭難事故によって人命を失う率が一番多いことを考慮して万全の救助体制をとらなければならない、こう思うわけであります。運輸大臣はなぜこの程度で承認したかについて、まずお伺いするわけであります。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 海上警備救難対策のために万全を期するためには、おっしゃるとおり、予算があってもあっても足りないくらいだ、私もそう考えますが、御案内のように、現在海上保安庁でもってやっております第一の施策としては、いままでの古い警備船艇を代替建造して新鋭にしなければならぬ、これに主力を注いでまいっておるのでございまして、今度の予算につきましては大体これを全うし得た。今後、御指摘のように新鋭の整備をいたしたい、そして万全を期したい、このように考える次第でございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 大臣は十分とは思ってないわけですね。いずれにしましても、巡視船艇の建造年次が相当古いものがある。言うならば、二百八隻中に耐用年数を過ぎたものが百二十八隻もある、こういうことを伺っております。しかも、この巡視船艇はいずれも荒天時に出動することが多い。こうなりますと、耐用年数を過ぎたものは非常に危険だと思うわけであります。中には、使用にたえなくて係船してあるものもあるそうでございますが、救難に行った船があべこべに遭難してしまった、こういうことにならぬように、代替建造については大臣はもっと積極的にすべきではないか、そして、しかも新しい船艇については、スピード性のある、凌波性のあるものを建造すべきでないかと思いますが、この点についての大臣のお考えを聞きたいと思います。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 具体的な内容につきましては海上保安庁からお答えを申させますが、私はあなたの考えておられることと同感である。今後、代替建造は終わって、新しい船も持ち、先ほども申し上げましたことを重ねて申し上げますが、ますます救難対策に万全を期していきたい、このように考えております。  足りない点がありましたら、保安庁長官に答弁させます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 こまかい点については、後日またあらためて保安庁長官から伺うことにいたしまして、先へ進めることにいたします。  海上保安庁に配置されております航空機、救難飛行艇、ヘリコプター、こういうものについても、たびたびの質問に対して不足もはなはだしいものがあるという答弁が出ております。たび重なる海上事故や、最近ではソ連の船が近海に来て漁をしておる、また、アメリカの海軍の演習等のために漁民の安全操業が危険におちいることが予想されておる現状は大臣も御承知と思うわけであります。去る国会におきましては、倉石発言も漁場の安全操業に関して問題になったのでありますが、救助船といい、航空機といい、海上保安庁がその業務を全うするためにはとても足りない予算措置であろうと思います。大臣はいかなる方途においてこれを解決なさろうとするのか、また、将来についての見込みはどうか、この点について伺っておきたい。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 今度の来年度の予算では、御指摘のありました飛行機についての要求もいたしてまいりました。この三月にはYS11が入ることになっております。御指摘のように、航空機においても今後とも力を入れて実現をしていきたい、このように考える次第でございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 次は大型タンカーの港内火災の問題であります。  大型タンカーが港内で火災を起こしました場合には、これに対する消防体制が完ぺきでないと思われるわけであります。何となれば、消防船が一隻、消防艇が七隻、これで完ぺきでございますか。この程度ではとうていできないということがおわかりのゆえと思いますが、相当の消防船を三隻建造する計画があるそうでございますが、これはいつできるか、この点を伺っておきたい。

河毛一郎海上保安庁長官

○河毛政府委員 ただいまお話のございました大型消防船は、昭和四十三年度予算から三年計画でとりあえず三隻建造することになっておりますが、このうち、本年度分のものはこの三月に引き渡しを受けまして、東京湾に配属されるということでございます。さらに四十四年度には伊勢湾に配属する大型の化学消防船の予算が政府原案の中で認められておる次第でございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 あと一隻はどこに配属する考えですか。

河毛一郎海上保安庁長官

○河毛政府委員 第三船は四十五年度予算で検討いたしまして、大阪湾に配属する予定でございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 海上保安庁では消防艇、消防船が足りないところは地方の自治体の援助をまつ、こういう考えがあるのじゃなかろうかと思うわけです。これはまさに責任回避ではないかと思うわけであります。  ここで実例を一つ申し上げたいのでありますが、昨年の十二月二日に堺の臨海工業地帯でタンカー火災が起きました。このときには、係船してありました船でございましたし、大事に至らなかったわけでございますが、湾内あるいは港内等で岸壁から遠く離れたところでは重大な事態になりかねないと思うわけであります。あのときも堺に消防艇がなくて、大阪市の消防艇がかけつけて消火に当たりました。まことにお寒い現状でございます。こういうことでございますと、たいへんな事態になると思います。いま保安庁長官から伺いまして、三カ年計画で、それが問題のあった大阪には最終年度に配船になるというようなことは、非常に残念に思うわけであります。  そこで、すべての石油コンビナート、こういうところに対しては同じようなことが起きるのではなかろうかと思いますので、これに対する対策はどうなのか、お答えを願いたいと思います。

河毛一郎海上保安庁長官

○河毛政府委員 私どもの海上における消防体制でございますが、確かに御指摘のとおり、具体的な堺の場合におきましては、大阪市に大型の消防船がございまして、これによって相当協力を得、また事なきを得たという事態でございますが、私どもといたしましては、ただいま申し上げました大型の三隻以外に、昭和三十七年以来建造いたしております十五メートル型の巡視艇はすべて化学消防能力を保有さすようにいたしております。四十四年度におきましても十数隻の十五メートル型が建造されますので、これの阪神方面への配属につきましては特段の配慮を払っていく所存でございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 一月十二日に第八東洋丸というタンカーが沈没いたしまして、積載しておりました重油が流出いたしまして、沿岸一帯にノリひびと真珠の養殖のいかだ等無数にあったために、これが汚損されますと大きな被害になるわけでありますが、海上保安庁は中和剤のほかに、あめ状の薬品を重油の帯の外側に流して接岸防止につとめた、こういう新聞記事が載っておりました。これらの資材はいつも完全に保有されているのか、どこにどれくらい保有されているのか、その状態をお知らせ願いたいと思います。

河毛一郎海上保安庁長官

○河毛政府委員 ただいまの事故にもございますように、最近におきまして、特に沿岸付近でタンカー事故によりまして油が流出する事態がしばしばあるわけでございます。そこで、私どもはこの対策といたしまして、四十三年度予算以来、流出油の拡散防止及び処理に必要な資材の整備を海上保安庁の予算としても行なうという方針を立てまして、本年度及び来年度におきまして総計二千五百万円程度の除去剤、オイルフェンスの整備を行なっております。四十三年度におきましては東京湾、四十四年度におきましては伊勢湾と、逐次その範囲を拡大してまいりますが、このほか、別途港における船会社あるいは荷主等、油関係の主要業界を組織いたしまして流出油対策協議会を設け、その関係者におきましてもオイルフェンスの用意あるいは油除去剤の準備等を指導いたしておる次第でございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 それでは、時間もございませんので次に移ります。  交通公害について伺っておきたいと思います。  このたび厚生省から亜硫酸ガスの環境基準が発表されました。一酸化炭素の基準も年内にはまとめるということでございますが、一酸化炭素を大量に排出するのは、何というても自動車の排気ガスであろうと思うわけであります。現在のこの一酸化炭素の基準は、運輸省の告示にきめられた新車は三%以下という規制がございます。これを強める考えがあるのかないのか、この点について大臣にお考えを聞いておきたい。

原田憲自由民主党運輸大臣

○原田国務大臣 自動車の排出ガスによる大気汚染の防止については、お話しのように昨年の十二月一日から大気汚染防止法等に基づいて、新車について一酸化炭素の濃度三%以下ということにしておりますが、さらに今後規制の強化、防止技術の開発につとめ、自動車排出ガス対策の万全を期したいと考えております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 自動車の排気ガスの中の一酸化炭素は、御承知のように人間にとっては一番健康を害するものでありますが、去る四十年の厚生省の調査によりますと、東京の世田谷の大原交差点、この周辺におきましては、地域住民の血液中の一酸化炭素ヘモグロビンが、汚染の少ない地区、世田谷の用賀でございますが、これと比べますと二倍近くにもなっているわけであります。大原交差点の一酸化炭素の平均濃度は年々増加しております。四十三年にはかりましたときには、一時間単位で一一・六PPMとなっております。二年前の四十一年におきましては五・四PPMとなっております。したがいまして、四十一年からわずか二年間に二倍以上にもなっている現状から、それがさらに今後高くなることも予想されるわけであります。一般的に人間のからだへの許容の限度というものが一〇PPM、このように伺っているわけでありますが、許容限度を越えている現在の状態を放置しておくことは問題であろうと思います。これに対して至急対策を講ずべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住政府委員 大原交差点につきましては、立体交差になりましたけれども、交通の渋滞関係が必ずしも解消しておりませんので、それの排出ガスの関係が期待どおりになっておりません。排出ガスの規制につきましては、おのおのの自動車の構造上の規制をいたしましてそれの排出量を規制する、同時にまた、交通全体の渋滞を防止いたしまして交通環境を改善するという二方面から迫るべき問題であると思います。  したがいまして、前段につきましては、ただいま大臣から答弁がありましたように、さらにこれの規制を強化するということでございます。後段につきましては、関係の各省と連絡を密にいたしまして、この種の非常に交通の混雑しておるところにつきましては、すみやかにこの渋滞を解除するような方向について努力をしてみたいと思います。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 厚生省では、年内に一酸化炭素の基準がきめられたといたしましても、これを実施するまでには相当な時間がかかると思うわけであります。その間にも車の増加が停止されるわけではなし、依然としてふえていくわけであります。一酸化炭素の大気汚染を防止するためにも、現在の運輸省の告示を厳重に守らせるほかにはないと思うわけでありますけれども、特に問題になるのが中古車であります。中古車につきましては、全く放置されたままになっております。運輸省が四十二年に整備工場に出した通達でも、それに強制力がないために野放しの状態でございます。  この通達の内容を強化するか、あるいはまた、違反車に対する罰則等を設けるようにするか、何らかの方法をとるべきではなかろうかと思います。  また、この規制について法制化する考えがあるかないか、この二点についてお答え願いたい。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住政府委員 運輸省といたしましては、まず新車につきまして、これを三%以下にするということで規制をいたしております。同時に、御指摘のように、定期点検整備の基準を設けまして、それの励行をはかっておるわけでございますけれども、御指摘のように、中古車に対する規制というものをやらなければ十分でないというふうに考えます。したがいまして、来年度におきまして、東京、大阪あるいは名古屋等の主要な検査場におきまして所要の設備をいたしまして、これの実施の準備をいたしたい、四十五年度からは、中古車の検査の際に検査の対象として規制をするように実施をしていきたい、さように考えております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 自動車の排気ガスのほかに、もう一点交通公害としてあげられるのが騒音でございます。  この騒音につきましては、全く規制されていない状態でございます。四十三年十二月に施行されました騒音規制法は、工場騒音あるいは建設の騒音、これについてのみ規制されておりますが、都市部における騒音のほとんどが自動車またはオートバイ、これらから起こす騒音でございます。この規制は早急に行なわなければならないと思うわけでございます。特に車両整備の段階で車のマフラー等の騒音基準を強化するか、または道交法等、関係法案の検討を加えて走行中の車両の騒音なども規制すべきではないかと思うわけでありますが、この点についてはどのようにお考えになっているか、伺っておきたい。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住政府委員 自動車の騒音につきましては、道路車両法におきまして、一定基準、すなわち八十五ホン以下になるように規制をいたしております。現在の新車の走行騒音を見ますと、おおむねそれ以下になっております。たとえば乗用車におきましては六十四から七十三ホンくらいになっております。しかしながら、自動車の高速化あるいは高密度化に対処いたしまして、さらに規制を強化していきたいと思っております。それには技術上の検討ということも必要でございまして、技術の開発等と相まちまして規制を強化していきたいと思っております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 大臣の運輸行政の基本方針につきましては種々お尋ねしたい点がございますが、きょうは一応時間の関係もありますのでこの二点にとどめておきまして、次回にいろいろとまた問題についてお伺いしてみたいと思います。  きょうは以上で終わります。

砂原格自由民主党

○砂原委員長 次回は明後二十一日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後四時三分散会

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