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60回国会参議院1968/12/16

予算委員会 第1号

発言数
439
登壇者
39
会派数
6
開催日
1968/12/16

会議録

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  議事に先立ちまして、この際、一言ごあいさつを申し上げます。  私、このたび予算委員長に選任をされ、まことに光栄に存じます。何分ふなれ、かつ非才でございまするが、円滑かつ効率的な議事の運営につとめ、本委員会の使命達成に努力をいたしたいと存じます。政府側並びに委員各位の御協力を切にお願い申し上げます。(拍手)     —————————————

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) それでは、議事に入ります。  まず、理事三名が欠員になっておりますので、この際、その補欠選任を行ないます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 御異議ないと認めます。それでは、理事に江藤智者、二宮文造君、片山武夫君を指名いたします。     —————————————

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 次に、調査承認要求に関する件についておはかりいたします。  今期国会におきましても、従来どおり、予算の執行状況に関する調査を行なうこととし、この旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じまするが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 次に、派遣委員の報告に関する件を議題といたします。  第五十九回国会閉会中、当委員会から、東北、中部、近畿、山陰及び九州方面に、四班に分かれ、委員派遣を行ないましたが、各班から委員長の手元にその報告書が提出されておりますので、これを会議録に掲載することに御異議がございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     —————————————

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 次に、予算の執行状況に関する調査を議題といたします。  本調査を行なうにつきましては、過般、理事会におきまして、その運営等につきまして協議を行ないましたので、その要旨について御報告いたします。  質疑は、本日一日間とし、質疑総時間は百六十分、各会派への割り当ては、自由民主党及び日本社会党はそれぞれ六十分、公明党二十分、民主社会党十分、日本共産党及び第二院クラブはそれぞれ五分といたしました。質疑順位は、日本社会党、自由民主党、日本社会党、自由民主党、公明党、民主社会党、日本共産党、第二院クラブの順といたしました。  以上、御報告いたしましたとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  それでは、これより質疑を行ないます。秋山長造君。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 いきなり総理大臣に本論に入ってお尋ねいたします。  日米共同声明から早くも一年以上たったわけでございますが、この共同声明で合意された継続協議なるものは今日までに何回ぐらい行なわれて、どういうお話し合いの段階にあるのか、お答え願います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ただいまお尋ねの日米間の協議につきましては、一部に報道されておりますように、五月に三木前大臣とジョンソン米大使との間で会議が行なわれておりました。これを第一回協議というふうに一応言われておるわけでございますが、双方が、何と申しますか、形式ばって協議をしたのはそれが一回だけでございました。それから以降そういうふうな会議は行なわれておりません。そこで、私、十一月末に就任いたしましてから一回、さような形式的なものではございませんけれども、大使との間に会談を持ちましたのが、いわば第二回目ということも言えるかと思いますけれども、さような状況にございます。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 その話の内容について。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 私が去る十一日に行ないました内容は、日米間に持っております問題、その中には緊急のものもございますし、比較的長期のものもございますが、それらの全部にわたりまして、主としてこれからどういう段取りで話を運んでいこうかと、こういうことを内容に話し合ったわけでございます。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 結局、この一年間、沖繩の返還問題について相互の間には何ら実のある話し合いは行なわれていなかったということになると思うのです。共同声明に言うところのこの両三年、この両三年のうちの第一年目です。きわめて貴重な一年目だったと思うのですが、少なくとも双方の主張の基本線くらいは出し合われて話し合いがある程度進んでいなければうそだと思うのですけれども、どういう事情でこの一年間ほとんど空白に近い状態で経過したのか、御説明願いたい、総理大臣。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 御承知のように、この間におきましてはジョンソン大統領がやめるという、そういう問題があり、アメリカ自身も大統領選挙、そういう問題にぶつかったのであります。この点が両国の間に非常な支障を来たした。まあ大体言われるように、御承知のように、次の大統領、それを縛ることはなるべくしないようにというのが普通のあり方でございます。したがいまして、私ども日米間できめました事柄、それは、その方向ははっきりいたしておりますけれども、その中身について、さらにやめていく大統領と相談するよりも次の大統領の出てくるのを待つ、これが大体の考え方でございます。また、そういう意味でアメリカ自身もほとんど政治的にはこういう問題と取り組んでおらない、これが実情でございます。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 ただ、ことしの十一月に大統領選挙があるということは去年の共同声明のときにわかっておったわけなんです。だから、いまおっしゃるようなことならば、初めから両三年とは言いながら、第一年目というものはもう何も話し合うつもりはなかったということになるんですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 大統領選挙は御説のとおりでありますが、しかし、大統領が、ジョンソンがやめるという、そういうような事態が起きたことはその後でございます。御了承いただきたいと思います。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 むしろ逆に言えば、政権交代が行なわれて、またどういう情勢の変化がないとも限らない。だから、むしろいまのうちに、せっかくジョンソンさんと佐藤さんとでやられたんですから、いまのうちに、いまのジョンソン政権のうちに返還実現のための確実な足がかりというものをある程度つくっておく必要があるんじゃないか、あったんじゃないかというように思いますが、その点いかがです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) これは当方から言えばそういうような気持ちもいたします。しかし、アメリカ側から申せば、当時、ラスク長官も申しましたように、次の大統領でこれをきめる、かように申しておるわけです。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 じゃお尋ねします。アメリカ側に近く政権交代が行なわれるわけですが、政権交代はあっても、あの共同声明の効力というものには何ら変わりはないものと受け取っていいんですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) さように受け取って差しつかえないと思います。ことに、御承知のようにニクソン氏が大統領に選挙された後に、朝日新聞と会談しておりますが、そのときもはっきりジョンソンと私との共同声明、その線は守ると、かように申しております。その点では御心配はないと思います。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 総理のおっしゃるのは選挙の後じゃなしに、選挙中の朝日新聞の記事じゃないんですか。まあ朝日新聞の記事に出ておることはともかくとして、ニクソン政権のすでに顔ぶれも決定されたわけなんです。したがって、これらについて何らかの日本政府との間の接触が行なわれた上での、ただいまのような御答弁なんでしょうか、どうでしょうか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) まだ、顔ぶれはきまりましたが、就任まではニクソン氏は外国とは会わないといいますか、できるだけこういう問題に触れない、かように申しておりますので、まだ接触はいたしておりません。ただ、この機会に申し上げ得ることは、日米閣僚協議会、これが昨年日本で行なわれる予定でございました。これが昨年はいまのような選挙の年でもあるために行なうことができなかった。したがいまして、当方といたしましては、ことし、ぜひともこれを早急に開くように、こういうことでただいま米政府にも申し入れをしている、こういう状況でございます。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 政権交代があっても共同声明の効力には何ら変わりはない。したがって、今後、新政権になって何らかの意味で再確認をする必要に迫られるというようなことは全然考えられない、こういうことでしょうか。  それから、ついでにお尋ねしますが、第二点としては、両三年以内、こういうことをしばしば断言されてこられたんですが、そのうち一年は終わったわけですから、今日の段階では一両年以内、こういうことになる。この点も間違いはないのかどうか、この二点。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私は再確認する必要はないと、かように考えております。  もう一つは、両三年と言いましたことは、ただいま言われるように、すでに一年たっているじゃないか、そういうことをも含めて、できるだけ早く私は会談を持ちたいと、かように考えております。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 先ほど外務大臣から、いわば第二回目の継続協議を先だってやったというお話があったのですが、この沖繩の返還交渉の今後の、大体一両年内にめどをつけるという、そのめどをつけるまでの見通しですね。スケジュール、日程表といいますか、それを大体の筋を御説明願いたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) この点につきましては、総理が前にも言っておられますように、大体来秋、来年の秋、しかるべき時期に総理も自分で訪米ということを言っておられますが、これは先ほどもいろいろお話が出ましたように、向こうの新政権のこれからのいろいろの仕事ぶりもございましょうし、こららの希望がそのまま実現できるかどうかというようなこともございますが、心組みとして、われわれとしては総理が来年の秋しかるべきときに訪米をされる。そこでできるだけ最後の詰めをしたいということを一つの標目といたしまして、それまでにできるだけスムーズに事が運びますようなレールをつくりたいというのが私の考えでございまして、ただいま総理もお触れになりましたが、その間には、日米貿易経済閣僚会議も予想されておりますし、また、場合によりましては、私が出かけることもございましょうし、また、先ほど申しましたような、これからの東京におけるいろいろの話し合いも、これも先ほど触れましたが、会議体というような形だけではなくて、それ以外にもできるだけ双方の自由な討議の機会を持ちたいと思いますので、あらゆる機会を通じてできるだけの努力を進めてまいりたい、こういうふうに考えておりますから、何月何日ごろ何を、あるいは何月何日ごろこうやってこういうことをというような、そこまでこまかい具体的な日程というものはまだ私の頭にもございません。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 次へまいります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 関連を一つ。来秋訪米される前に、国民の声を聞く意思はないのかどうか、つまりアメリカへ行って相談をされた結果を国民に問うのか、国民の声を聞いて、それを参考にして渡米されて新大統領と交渉をされるのか、交渉した結果を持ち帰って国民の声を耳くのか、その辺はどういうお考えですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 国民の声を聞くと言われますが、私、絶えず国民の声を聞いておるつもりでございます。また、皆さん方とこうして国会を通じまして、それぞれの国民の代表であられる皆さん方の御意見も聞いておりますから、ただいまそういう意味の声は聞いております。もしも解散というようなことをお尋ねでございますれば、ただいま解散は考えておりません。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 恐縮ですが、もう一点。総理がいつも沖繩返還については三条件をあげられて、その中の一つに、国民の声、世論ということがありましたですね。ですからお尋ねしたのですが、それは必ずしも解散をいっているわけじゃないけれども、たとえて言うならば、新聞に出るいろいろな声とか、国会での野党の発言とか、そういうことを言っておるのか、それなら特に三条件にあげるほどのことでもないと思うのですが、その辺はいかがですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) これは大事なことでございます。私は国民の世論、その動向、その支援のもとにおいてこういう問題を交渉いたします。したがいまして、各党、また新聞その他あらゆる機会にその声が出ている、かように私感じております。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 今後の交渉のスケジュールとして、一年間やって、来年の秋に総理がワシントンを訪問されて最後の詰めをするというようなお話です。そこで沖繩の早期返還ということが合いことばになっている。総理大臣も、残された二年間のというのは、総裁の任期という意味でしょう。二年間の政治生命をこの早期返還にかけると、こういう決意を繰り返し述べておりますが、これはまことにそれはそれでけっこうですが、問題はやはり返還方式、軍事基地の取り扱いということにしぼられてくると思うんですね。もう端的に言えば、基地抜きか基地つきか、そして万一基地つきとしても本土並みか、本土並み以上か、核つきか、核抜きか、こういうことでいま国論が沸騰しておると思うんですね。で、肝心の総理大臣が、あるいはそれについては白紙だと、あるいは一歩出ると、あるいはまた、すでに一歩出たらしいと、あるいは、いやまだ出てない、こういう諸説紛々で、結局佐藤総理の真意がつかみかねるので、非常に問題が混乱していると思う。事態を必要以上に混乱さして、国民を迷わしておると思うんですが、どうですか、もうここらではっきり総理の見解を国民の前に提示されたらどうですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 衆議院でもお答えしたことでございますが、祖国復帰、沖繩の祖国復帰、これにつきましては、もう国民の世論といいますか、国民一致した願いだと思います。しかしその基地につきましては、いろいろ問題があろうかと思います。ことにもう非常にはっきりしておりますのは、皆さん方は無防備中立論を言っておられる。もう最初から基地を否定していらっしゃる。これはもう私どもの党と真正面からぶっつかる。こういう点にですね、まだ国論を形成するものがなかなかできにくいものがある、かように思います。いまそろそろきめられたらどうか、かように言われますが、なかなかそう簡単なものじゃないと私は思っております。  私は祖国復帰を実現することをこの上とも努力するつもりでございますし、できるだけ早くするつもりでございます。また、そういう意味では基地のあり方につきまして、そのいかんということがたいへんな私問題だと思います。国論が対立しないように一致する方法はないか、そういう意味でいろいろのくふうをしておる。かようにひとつ御了承いただきたい。泉議院におきましても、この点についていろいろお話がありました。別に衆議院と参議院で別な意見を述べるわけじゃありません。この点は私は重大な問題として取り組んでいる、かように御了承いただきたい。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 結局やっぱり白紙ということになるようですが、ただその私ども、総理大臣はこの期に及んで、しかも今後のこのスケジュールということを考えますと、いま白紙だと、いまこの段階で白紙というのは、ちょっとおかしいと思うんで、やはり総理大臣自身としては一つの目標に向かって、こう世論操作を暗黙の間にやっておられるんではないかという感じさえ受ける。総裁選挙のときに三木さん、前尾さんが本土並みということに対して、これは相当どぎつい言い方で、頭からこれを否定されたわけですね。それからまたこの国会でも、基地の問題の返還方式については、いまのおっしゃるようにお触れにならぬけれども、しかし一方では、もっぱら沖繩基地の安全保障上の役割り、重要性ということは繰り返し強調されておるわけです。そこでそういうところからこう帰納していきますと、これはもうすでに核つきか、それとも核抜き自由使用かというぐらいなことを、ひそかに総理大臣の腹の中では固まってきておるんではないかという感じがするわけです。いかがです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) まだ固まっておりません。私が白紙だと言うと、いかにも何にも考えてない、かように誤解を受けるんですが、私はそういう意味で白紙と言っているわけじゃない。ものごとがはっきりきまっておれば、その方向を示しますが、きまっていない状況、しかし私はいろいろなことを考えておる。いま一つの例を申しました。これも皆さん方の考えどおりかどうかは別といたしまして、いままでしばしば言われておる、まあその点から申しまして、また民主社会党も駐留なき安保というようなことも言っておりますし、また公明党も言っておりますし、また私どもは、核三原則につきましても、すでにそれは一つの国民の世論として考えておる、いろいろなことございます。そういうことを考えながら、いまは沖繩は、何といいましてもアメリカの施政権下にある。この施政権を日本に返してもらう、そこで沖繩は日本に帰ってくるんだ。そういう場合に、日本の安全は一体どうなるのか、沖繩を含む日本の安全はどうなるのか、さらにまた、日本の安全に非常に関係の深い極東の安全はどうなるのか、そこまで思いをいたさなければ、この問題に簡単に断を下すわけにはいかない。そのことを私は国民の皆さん方にも訴えておるわけであります。皆さんとともどもに考えよう、かように申しておるわけです。  それをいま言われるように、何か世論を形成するために、何か都合よくこういう問題を適当に扱っているんだ、かように言われることは、私はまことに心外であります。私は、沖繩の復帰、そのことを実現するためにも、私は真剣にこのことは考えなきゃならないことだと、かように考えますので、私は皆さん方とともどもにこの問題と取り組んでいきたい、こういうことを申しておるわけです。私が別にこれを特に白紙だとか、あるいは答弁技術上でこういう問題を逃げておる、かように考えられないように、この問題がまことに真剣なポイントだと、かように考えるがゆえに、皆さんともおはかりしておる、かように御了承をいただきたい。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 関連。沖繩返還の問題で総理に。この夏の臨時国会であなたにこの問題で質問したことがございますが、佐藤・ジョンソン覚え書きをずっとつぶさに調べますと、やはりアメリカの意志としては核つき——現在のアメリカの基地の状態を持てば返還が早いが、本土並みというような条件を出すと、やはりおくれるというきらいがある。総理が白紙、白紙と言われる中には、アメリカのやはりそういう考え方というものをくんで白紙と言われておると思うんです。日本の国民の意志といえば、わが社会党が言っていることは別といたしましても、おそらく、少なくとも本土並みで返してもらいたいという希望というものは一致しておると思うんですよ。したがって、ここでアメリカの意思がどうあろうとも、日本の政府の責任者としてこうだという意思表示をされたほうが、ニクソン政権にかわる場合に、やはり今後の交渉上非常に有利じゃないかと思う。有利というよりも、日本の国民の意思を総理がはっきり言われるほうが、私は今後の沖繩返還の交渉に非常にいい方向に行くと思うんですが、また白紙だ白紙だと言われる中に、アメリカのほうをそんたくして言われていると思うんですが、その点どうですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私は別にアメリカの考え方を云々する、あるいはアメリカがどう思うからどうだというようなことを言っているつもりはございません。これはもう先ほども秋山君にお答えしたように、祖国に沖繩が返ってくる、これはもう無条件で一日も早く返る、もうこれに日本国民の考え方は一致しておるだろうと思います。ただそのときにやっぱり考えなきゃならないのは、わが国の安全は、はたしてどういう状態で望ましいのか、ここに皆さん方と私どもとの間に相違がございます。私どもは自衛隊を持っておると、自衛隊を否定するような考え方、もう皆さんもないだろうと思いますけれども、自衛隊を持っている、自衛隊だけでは不十分である、そういう意味で日米安全保障条約を結んでいる。そういうところのもとにおいてわが国の安全を保障しておるというのが私どもの考え方なんです。ただいまの基地のあり方につきましても、これは日本の私どもが考える基地のあり方、またアメリカが考える基地のあり方、おそらくそれは違いましょう。しかしそこに、日本に都合のいいことはアメリカにときには都合の悪いことでもある、アメリカに都合のいいことは日本に都合の悪いことでもある、ここに外交のむずかしさがあるんですね。そういう問題をよく理解していかなきゃならない。私は、皆さん方とともどもに自主的な外交をしたい、日本独自の主張を貫きたい、かように私考えておりますから、アメリカがどう思おうとちっとも差しつかえない、日本の安全に支障がないというなら、これは私は強く主張いたします。問題はそこなんです。そこを、私が別にアメリカに追随している外交じゃございません、日本独自の外交ですから、そうして日本の国の安全だ、それより以上のものをアメリカが必要とするといったって、そんなもの必要じゃないじゃないかと、これはもうはっきり申します。だからこそ、私がしばしば皆さん方に申すように、そう心配したものじゃないんだと、科学技術は進歩します。これはできるだけ近いところになきゃならないといわれた基地が、遠くでもいいじゃないか、こういうようなこともございましょうし、あるいは陸上だけの基地じゃなくて、空からも、あるいは水中からも、そういう基地はその十分目的を達するものがあるだろう、かように私は考えますので、そういう点はよく相談をすればいいんじゃないだろうかと思います。  私は、ちょっとよけいな話のようですが、公明党さんが日本の全国の基地を総ざらいしておる、その中には、ずいぶん不要なものもできておるようだ、これはまた占領当時のその状態からごらんになって、基地の態様はよほど変わっている、そういうこともふんまえまして、これから先も交渉したらいいんじゃないかと、かように思うのであります。したがいまして、私、皆さん方と別に考えが違っておるとは思いません。しかし、私は、日本のために、また日本の安全のために、日本の平和のために、必要なものはやっぱり必要として考えざるを得ないんじゃないか、かように思っておる次第でございます。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 佐藤総理のお話を聞いておりますとね、これは今後一両年内に返還のめどをつけるというようなことでなしに、何か相当ゆうちょうな話に聞こえるんですね。いまもう一年たった今日ただいまの段階で、これだけ衆、参で、院内だけでも議論を繰り返えしておりながら、依然として、総理が何を考えておられるのか、われわれはわからぬですね、わからぬ。そこらをもうちょっとでも、われわれまあ大体こういう方向だというぐらいなことは言ってくださらなければ、これはますます議論がもう沸騰し、混乱するだけでね、急がなきゃだめでしょう、これ。来年の秋にはもう総仕上げに行かれるんでしょう、まる一年ないですよ。私は、実際総理の考えておられることが、これはつかみかねるんですがね。直接話を聞いてつかみかねるんですからね、直接話を聞かぬ大多数の国民は、それはもうてんでわからぬですよ。チンプンカンプン、佐藤総理がどっちへ向いていかれるかわからぬ。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いま沖繩の早期返還、これを私どもは実現しようとしている。これはまた秋山君もそのとおりだと思う。ときに私ども、これは衆議院でも私指摘したのでありますが、私がジョンソン大統領と話をしたのは、両三年のうちに返還のめどをつけようということを言っておる。だからまだその返還のめどがつく、これは何年になるかという、できるだけそのめどを早くしょうというのがいまの気持ちでございます。ところがもうすでに、この国内においても議論を聞いておりますと、いまにも返還、もうすでに返還しておるかのような議論がときどきある。返還して  いる、その状況のもとにおいて、基地は一体どうするのか、いまの状態ではいかぬじゃないかというような話が出ておる。私は、ときどきそういうようにも聞けるのであります。そこで、まあ急いでおられる気持ちはわかりますし、国民が急いでおることもわかりますが、これだけ大事な問題でございます。平和のうちに問題を解決しようとするこの大事な問題、そこに時間的な問題のあることも了承してもらいたいのです。両三年と言った、一年たった、あと二、三年じゃないか、その間に一体片づくのか、もうあと二年だと、こういうように言われますが、その間にこれ返還のめどがつくのですよ。返還が実現するのじゃございませんよ。だから、もういかにも返還がついたような言い方で、その基地は一体どうか、これは私は少し、皆さんの気持ちもわかりますが、もっと落ちついて考えていただきたい。  現にですよ、小笠原返ってきたんです。小笠原返ってきたんです。だから私、これ返ってこないと、かようには心配をしません。小笠原のまた基地等についていろいろなことが前もって言われた。しかしながら私ども、いま自衛隊がこれにかわって、そうして特別な通信施設はありますけれども、それ以外はなくなっておる。それらのことも考えると、小笠原の例も現にあるのですから、いま非常に急いで、次はどうなるかということをおきめになることもさることだが、これは円滑にこういう交渉が進むようにひとつ御協力を願いたいと、これは私の言うことであります。それはなるほど国民の皆さんにいま何年、これから三年後に返ってくる、そのときにはこういう形になる、そこまではまだ説明できません。説明できませんけれど、おそらく国民の皆さんは、この両三年のうちに話をつけると言ったと、それでもうすでに一年たっておる、新しい政権もできる、ことしは必ずそういうことで政府は出かけて、そうしてこれにめどをつけてくれるだろう、かように私は期待しておると思う。私はその期待にこたえたい。それをただいまから、もうほとんど返ってきたかのような前提のもとにいろいろなことを議論されること、これはちょっと無理じゃないだろうか、もうちょっと時間をかしていただきたい。これを実は申し上げたい。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 時間が足りないのにそういう議論をふっかけられると困るのですが、すでに返ってきておるというようなことをちっとも思ってもいなければ言うてもいない。それはそういうような論法をやっているのは、あなたのほうがやっておられるのです。これは返還だけは先にやって、墓地はあとから相談したらいいというような言い方は、あなたのほうがしておられる。われわれのほうは、それではいかぬ、これは同時解決でなけりゃいかぬから、しつこく言っておるのですよ。一両年以内に返ってくるとだれも言っていないわけです。またわれわれは、あなたが去年の段階では両三年、いまの段階では一両年、一両年以内には返還のめどをつけるのだということをあなたが確信に満ち満ちておっしゃったからこそ、われわれ国民はそれに大きな期待をかける、これが順序でしょう。だからあなたのほうに原因があるのですよ、あなたのほうに。それをあなた一両年、しかも来年の秋には総仕上げに総理大臣みずから行くつもりだというスケジュールがありながら、いまこの段階でまだそんなことを言うては、これはとても事実上間に合わぬじゃないかということを憂えるがゆえにしつこく言っておるのですからね。だからその点をあなたこそ誤解のないようにしていただきたい。腹をたたいて、そこでたたいてもらってもわからぬから、国民を安心させるようなことをもう一度言うてください。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま申しますように、両三年、一両年のうちに返還のめどをつけます、そのことをはっきり申し上げます。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 まあこれまたあらためて議論したいと思いますが、この問題でもう一点伺っておきたいのですが、安保の年がもういよいよ明後年に辿ったわけですね。それで、これぐずぐずしておると、安保の改廃の問題、これについても何らかの相互の間で話し合いがこれから行なわれざるを得ぬでしょうが、これとちょうど時期的に重なってくるわけですわね。そこで、これ扱い方いかんでは沖繩返還問題と安保の問題とが重なり合いからみ合ってきて非常に問題が紛糾してくるということは当然予想される。あなたも予想しておられる。そういう中で、あなたが再々言われておるような軍事的な側面、役割り、重要性というようなものが過度に故意に強調をされるということになれば、これは沖繩返還というものと引きかえにとんでもない大荷物をあなたが背負わなければならぬ、日本が背負わなければならぬということになるおそれがあるのじゃないかということを私は非常に憂えておる。いかがですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、日米安全保障条約、これは必要だと、これはまた今後も堅持すると、かように申しております。また、その形はどういうようにすべきかということについてはまだ検討しておるということを申しております。社会党の方も安保に賛成していただければ、私はたいへんにしあわせだと思います。この安保のもとにおいて私どもの安全は確保されておる、私はかように確信をしております。この点についての社会党の独自の考え方、これまた意見を交換するときもございましょうけれども、私は多くを申しません。そういう意味で、沖繩返還について安保の中身でも変わるかのような言い方をされることにつきましては、これは私御意見として伺っておきます。と申しますのは、沖繩の返還についての、その後の基地、それについてのあり方については、私どもははっきりした考え方を持っておりませんから、ただいま御心配なさいますような点はよく伺っておきます。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 明後年の六月二十三日になって、突然政府の安保条約に対する態度がきまるわけじゃない。やっぱりそれまでに至る間に、日米双方の間でいろいろ話し合いがある。また政府自身も方針もきめなきゃならぬ。一体、安保の期限が来る今後の扱いについての外交的なスケジュール、これはどういうことになりますか、これから一年間。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 日米安保条約のいわゆる期限の問題というような点についてのお尋ねでございますが、期限というのは、いろいろの説もあるようでございますが、御案内のように、終局の目標というものは、国際的な平和が確立されるということが終局のいわば期限になっておるわけでございます。これらの点については御説明をするまでもございませんが、私はどうも、一九七〇年というのは条約改定の時期であるとか、あるいは期限を更改する時期であるとか、そういうふうにとらえることは、条約の法理論としても若干どうであろうかと、こういうような感じがするわけでございますが、実態的に言えば、ただいま総理がお話しになりましたように、われわれとしては、この体制を継続していく、こういう考え方でやっていきたい、こういうふうな考え方でございますから、いま仰せになりましたが、特に事務的にスケジュール的にこの問題をどう取り上げるかというふうな考え方は私は考えておりません。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 この問題は、また次の機会にもっと掘り下げて質問したいと思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 いまの、外務大臣ね、あなたのおっしゃることをそのまま率直に受けると、いわゆる自動延長になってそのままいくのだという印象にとれるのですがね、一九七〇年というのは別に更改の時期でない、したがってそのままいってしまうのだというような印象を受けるのですが、その点だけひとつ解明してください。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) そのまま自動的に継続するということも可能な一つの方法でございます。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 次は大学問題についてお尋ねします。  去る十日に総理府で開かれた青少年問題全国会議、これ総理がお出になって、あたかも全学連の学生は日教組の責任だと言わぬばかりの御発言があったと伝えられております。まさか私そういうことを総理がおっしゃるべきものではないとは思いますが、しかし、なかなか今日の事態での総理の発言としてはきわめてこれ影響が大きいので、この際真意を一応総理からはっきりさせておいていただきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いまの全学連の動き、あるいは反日共−反佐々木派等の行動、これ私全部日教組の原因だ、かように申したことはございません。しかし、私が申し上げるまでもなく、先生、教師というものが、これはやっぱり教育そのものが、ただ単に知識、あるいは読み書き、あるいは算術、算数、そういうものを教えるだけではございません。教育そのものが人間形成の場だ、私かように考えております。したがいまして、人間形成について十分責任をとっていただきたい、こういうような意味から、私が教員諸君に大きな期待をかける、これは私は当然じゃないだろうかと思います。私の考え方間違っておれば、御指摘をいただきたいと思います。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 そういう意味でおっしゃったのですか、間違いないですか。その点はね、総理大臣はいまはそうおっしゃるのですがね。ニュースの報道なり何なりでは、そういうニュアンスではおっしゃっておらぬのです。あたかも、いかにもあのあばれておる連中は、あれは日教組が悪いのだというような言い方に伝わっておるのです。私は直接聞いておらぬのですからね。これ非常に重大ですよ。総理大臣の発言ですからね、この紛糾した中で。だから、もう一ぺん明確にあなたの真意をここで、そういう報道は間違いなら間違いということをはっきりしておいてください。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) この席は、申すまでもなく、権威のある国会の委員会の席でございます。われわれがその席ではっきり申しますことについて、りっぱな速記も残っておりますし、これは私が責任をもちろん負うのは当然であります。また、秋山君もそういう意味で私の意見を聞いていただきたい。先ほど申したとおりでございます。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 いまの紛糾している大学問題の原因等についていろいろな議論が行なわれておることは、もう私は繰り返しません。それらの中で、今日までの教育の大きな欠陥として文部大臣がおあげになっておる重要な項目に、マル・バツ式の試験というものがよろしくない。これは具体的には、あなたが中心になってまとめられた自民党の中間報告にもはっきり書いてある。また、「自由」という雑誌の中のアンケートにも、考えることを忘れておるマル・バツ式の試験がいかぬということをはっきり書いておられる。これはもう私も全く同感なんです。ただ私どうも、あなたのほうからこういうことを言われると、そのこと自体は同感ですけれども、非常な抵抗を感ぜざるを得ぬ。今日まで一体マル・バツ式をやってきたのはどなたの責任ですか、これ。たとえば、文部省が、毎年現場の教師の反対を押し切ってですよ、マル・バツの学力テストを強行してきたじゃありませんか。それに反対したといって、教員をあなた処分してきたじゃありませんか。ことしは何かの都合で中止した。一体今後どうするのですか、これ。それからさらに、高等学校の生徒に対して能研テストというものをこれまたやっておる、押しつけておる。いやがるのを押しつけているのですよ。これはもう実態は御承知のとおりです。時間がないから詳しくは申しません。おわかりだと思う。こういうことに対して一体文部当局自身がどれだけ反省されておるのかということなんです。自分が強行しておいて、押しつけといて、あれは欠陥だというようなことを言われても、私はすなおにすっと受け取りがたい点がある。いかがですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) 秋山さんにお答えいたしたいと思いますが、私が参議院で申し上げました意味は、およそ今日の学生紛争を見ました場合に、学生たちがどうも一般的に見まして自立的な人間形成ができておらない。それにはいろいろの原因があるだろうということです。たとえば六・三・三制度にそれがあるのか。あるいはまた、民主主義というものが二十年間制度としてあるいは法律的には確立はしておりますけれども、それを運用しておるわれわれおとなの側にも原因があるんじゃなかろうか。あるいはまた、家庭におきまして父親や母親が、戦争の結果価値観念が転換をした、著しく転換したような気持ちになっておる。すべての価値がくずれ去ってしまった、崩壊してしまったというふうに自信を失ってしまった。そのために、むしろ逆に過保護になってきた、甘やかしてきた、そういう点もあるのじゃなかろうか。あるいはまた、今日大学に入学をする場合の入学試験制度、その入学試験制度におけるいわゆる大学人の受けとめ方というものがいかがか。たとえば、いろいろお話を聞いてみますと、高等学校の校長先生方のお話を聞いてみますと、むしろ三年間の高等学校の教育、その評価、成績というものをある程度重視をして、そうして入学試験をやっていただいたならば、やはりある程度そういうものは改善できるんじゃないだろうか。どうも入学試験制度そのものに問題があるんじゃないかと。そこで、やはりこういう入学試験制度について、大量な入学者を、ある時間が限定されておって、そうしてこれを採用——採用といいますか、入学させなきゃならないという一つの現実もありますから、その場合にどうやるのかということをいろいろ検討された結果、やはりこの能研テストというようなものをやる、つまり、主観的な判定でなくって、客観的なその判定で、多量に、しかも短時間にやるという場合には、心理学的な、あるいは社会学的な、あるいは教育学的な、いろいろの方面からそういう研究も行なうことがいいんじゃないかということで、おそらく能研テストというものが始められたと思いますし、その効果はやはりあったと思います。一応成果をあげておると私は思うのでございます。それからまた、人間形成につきまして、マル・バツ式という学力調査というものも、一体日本の全体の教育を見まして、過疎地帯と、あるいは過密地帯と、僻地と、あるいは都会と、どういうような傾向が出るのかということを大量的な一つの観察をするために、一つの目的を持って学力テストというものが行なわれたと思うのでございます。抽出も一つの方法、しかしながらそれを全部の人たちの調査を試みるということも方法、これですべてを割り切るという意味じゃなくって、一つの方法としてやった成果はやはり私はあったのじゃない力と思います。また、高等学校、あるいは中学校、小学校の各段階においていろいろの先生方のテストがありますけれども、このテストの場合には、むしろ思考能力を養うような、あるいはものを考えるような、あるいは作文教育というものを課するとか、そういうようなことによって思考を深める、あるいは情操教育、徳性の教育というものをやることによって全人格的な形成というものがだんだんできていくのじゃないだろうか、こういうふうなことを考えましてお答え申し上げた意味でございます。どうぞひとつ御了承いただきたいと思います。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 今後どうするのですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) 一応能研テストは、追跡調査をやはり続けてまいりたいというふうに思っております。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 学力テストは……。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) 学力テストは、去年やりませんでしたから、しばらく、これは終わった、一応終わったというふうに考えております。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 あなたが書いておられることとちょっと逆なような説明をくどくど言われたのですが、こういうものは、もうあなたがずばり、戦後教育の欠陥の大きい一つだということを言っておられるのですから、ずばりおやめになったらどうですか、あっさり、そのほうがすっきりしていいですよ。  それからもう一つ、この機会に私は文部当局のあり方について謙虚に、真剣に反省してもらいたいということは、一体今日までのこの二十年間の文部行政というものは何をやってきたのかというと、極端に言えば、一口で言えば、日教組の対策以外に何があったんですか、日教組対策ばかりに熱中してきている。あとの大学行政とか社会教育、こういうふうなものはいいかげんにやってきておる。これはそう言われてもしかたがないと思うのですよ。こういう文部行政そのものの今日までのあり方というものも、これは真剣に大臣がかわった機会ですからあなた反省してください。再検討してください。第一、文部省の人事関係を見ておりましても、初中局で腕を振わなかったら、日教組対策に腕をふるわなかったら出世できぬじゃありませんか。これは極端な言い方ですけれども、事実じゃありませんか。ずっと見てごらんなさい、歴代の。それは日教組対策に腕をふるった人が出世するのだ、抜てきされるのだ。例はたくさんある。これは、このあり方は根本的に変えてくださいよ。日本の一国の文部省ですから、文教行政ですから、これは大学の問題、学術の問題、こういうものをもっと真剣にやっておったら、あるいは今日の大学問題というものも多少態様は変わっておったかもしれない。いかがですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) 教育の問題というのは常に反省をもって考えていかなければならないというふうに私は思います。それから、教師自身といたしましても、単に環境、施設設備、待遇、それだけで教育が成り立つのじゃない。教育環境がいいのには越したことはございませんけれども、牧師としましては日々生徒児竜に対しております。したがいまして、自分のこういう行動あるいはこういう考え方というものがどういう影響を子供たちに与えるだろうかということを真剣に、また良心的に反省をいたしまして、そうしてこの教壇に立つべきものだと考えております。そのことについて教師の側にもやはり反省さるべき点は幾多多かったのではなかろうかと思います。また、秋山さんが御指摘になりましたように、われわれのとってまいりました文教行政も完全無欠だと言う勇気は私もございません。大いに反省いたす覚悟でございます。しかしながら、六・三・三・四の制度をとりましたために、今日、たとえば農民の子供やあるいは労働者のたくさんの方々が高等教育機関に学んでおられる、このことが今日の日本の繁栄をささえておるということも一方において考え、また、今日イギリス、フランス、ドイツにおきまして高等教育機関に学ぶ数が少ないがために、その経済成長その他の面において壁に突き当たっておるということも踏まえまして、これから先は、私たちは量の拡大はあまり急がなくて、そうしてむしろ質的充実という方面に全力を注ぐ覚悟でございます。したがいまして、大学問題につきましても、今後新しい大学、国民のための大学という長期構想というものを真剣に、また慎重に取り上げたいと思いまして、中央教育審議会にも諮問をわずらわしておるというわけでございます。どうぞ御了承いただきたいと思います。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 去る七日に、日教組のほうから文部大臣に対して、この給与問題、超勤問題等について話し合いをしたいという申し入れがあった。こういう問題に限らず、先ほど総理大臣もおっしゃったように、今日の大学問題だってやはり教員の努力に期待するところ非常に大きいということを総理大臣も繰り返しおっしゃった。そういうときに、問題が何であっても、それはサザエがからを閉じたようにびしゃっと、戸を締めてしまって、てんで話し合おうとしないという態度を続けておるということは限界が来たと思う。坂田さんは特にそういう点については十分御理解をされておる方だと思うんですが、この際ひとつ率直に日教組ともこの諸般の問題について話し合うという腹をきめられたらどうですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) ただいまのところ一応前大臣のお考えを踏襲いたしたいと考えております。しかしながら、秋山さんの御指摘にもありますように、小林さんをはじめとしまして日教組出身の方々が御面会を要求されまして、私もお会いいたしました。私のほうだけではなく、日教組の方々におきましてもいろいろの事情があるかと思います。でございますから、直接小林さんと、日教組と会うということはいまは考えておりません。しかし、そういうような情勢というものをひとつお互いに醸成し合いまして、何かそういうような機会があるならばまた考えてみたいと思います。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 時間がないですから、東大問題について端的にお尋ねします。  総理大臣も文部大臣も繰り返し、東大当局の自主的な努力にもっぱら期待するということをおっしゃっておられます。その期待する厳密なタイムリミットはいつですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) 大体十二月一ぱいだと考えておりますが、私たちの気持ちから申しますと、この二十日前後というふうに考えております。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 一般学生の立ち上がりで、とにもかくにもきょう公開予備折衝が持たれる運びになったわけですけれども、しかし、相変わらず一部の連中の妨害で予定どおり開かれるかどうかわからぬというのははなはだ遺憾だと思う。しかし、まあ、いずれにしても、こういう暴力ざたが繰り返されて、いまおっしゃるタイム・リミットまでにどうしても解決がつかぬという状態になった場合、文部大臣は思い切った手を打つだとかあるいは法的措置を考えなきゃならぬとかいうようなことをおっしゃってきた。具体的に文部大臣は何をされるんですか、二十日過ぎたら何をおやりになるんですか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) いま私は何をやろうというふうには考えておりません。せっかく加藤代行をはじめといたしまして各教授たちが一生懸命になって努力いたしております。そのことをしばらく注視いたしたいと思います。同時に、その時点になりましたならば、おそらく加藤代行から御協議があるだろうと思う。その際にいろいろのことを考えて決定をいたしたい。また、御案内のとおりに、衆議院の文教委員会におきましては超党派的にこの大学問題について御心配になっておられます。こういうような動きをも考えまして、私はあらゆる場合に対して対処できるように準備はいたしておきたいと思っております。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 超党派の調査団云々ということもけっこうですが、ここまで来たら、私はやっぱり行政の責任者——直接には文部大臣さらにまた大きい意味では佐藤総理大臣——まず総理大臣にお伺いしますが、総理大臣ひとつ、どろをかぶってもやる、勇断をもって実行すると、こういう強い決意を言明してきておられる総理大臣みずからこの大学紛争の解決にこの際乗り出されてはどうですか。ドゴールなんかパリでやっておるでしょう、ぴしゃっととまったじゃないですか、いかがですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ドゴールさんを出すまでもなく、先ほど来文部大臣のお答えしておるとおりでございますが、私はいま直ちにとは言いませんけれども、私どもの政治の最高責任者としての責任は果たすつもりでございます。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) やっぱりドゴールさんみたいなやり方も一つの政治態度であるし勇気の要ることだと思いますけれども、黙っておるということも勇気の要ることだと思います。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 まあ、勇気があって黙っておられるのか、ぼう然自失して黙っておられるのかちょっとわからないんですよ。だから、とにかくいずれにしても、総理大臣、それはもう少しはっきりしてくださいよ。文部省のほうからやれやれと言う、加藤さんに遠方からやれやれと言うことだけではだめですわ。やっぱりこれは一国の総理大臣の責任ですからね、やってくださいよ。やりますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) たいへんにこにこ笑っていて、どうも何だか茶化したように思われて申しわけございません。私はこの問題はただいまの当面する政治上の一番の重大問題だと思っております。ことに私がしばしば申しますように、父兄の心情に思いを至すときに、これはたいへんなことだと。そればかりじゃございません。わが国の教育制度そのものから見ましてもたいへんなことだと、かように考えております。しかし、ただいまは、先ほど文部大臣も申しますように、加藤代行その他がせっかくいまやっている。まあ、そういう際に、問題を取り上げまして政府がさらに紛糾さしてはいかぬ、かように思っております。政府の出る幕、これは最後のものだと、かように考えておりますから、私は最高責任者としての責任は必ず果たしますと、かように申しましたことは以上の点でおくみ取りをいただきたいというふうに思います。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 この大学紛争に関連いたしまして、卒業予定者の採用予定の取り消しをやっている会社がぼつぼつ出ている。まあ、民間会社もさることながら、一体官庁における採用予定者というものが相当あると思うのですがね。この官庁の採用予定者を一体どうされるのか。特に大量留年、卒業延期、こういうことになった場合の採用予定者の扱いを一体政府はどうされるのか、このことをひとつ参考に聞いておきたい。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(床次徳二君) お答えいたします。  この点につきましては、今日東大におけるところの留年その他の状況のありさまを見まして対応いたしたく、それぞれ内部的におきましては検討いたしております。各省の人事関係者等々とも慎重に対策を準備いたしておる次第でございます。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 そういう意味じゃなく、具体的なことを答えてくれにゃだめですよ、卒業できない場合にはどうするという。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(床次徳二君) ただいままだ東大における処遇が、卒業させるとか、あるいは留年させるとか、試験をどうするかということが具体的に決定しておりません。その決定を待ちまして私どもは態度を明らかにすることがよろしいと思いまして、内部的におきましては、それぞれの場合を考えまして検討いたしておる次第でございます。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) ただいまの問題は、採用をなさる各省側の問題と、採用候補者を送り出します人事院の問題と両面ございます。採用側の問題は、ただいま総務長官がお答えしたとおりであろうかと思いますけれども、私どものほうから申しますというと、御承知のように、問題は上級職の公務員試験に関係するわけです。で、上級職の公務員試験は大体大学卒業程度という基準で試験をやっておりますけれども、それに合格すれば、大学卒業であろうとなかろうと、合格者という意味において公務員たる資格を十分お持ちなわけでございますから、人事院側の問題としては、ただいまの問題はそう深刻な問題にはなりませんわけでございます。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 時間の都合で、次の給与問題に進みます。  これはもうわかり切ったことなんですけれども、人事院勧告がスト権、団交権の代償措置として創設されたわけですが、一体、公労協の仲裁裁定と同様に、これを完全実施しなければこれは制度の意味がないと思うのですが、総理大臣いかがですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま御指摘のとおりに、片一方で、スト権はない、人事院勧告をしてその実施をするのが当然だと、かように言われますが、政府としては、毎度申し上げておりますように、人事院勧告は尊重する、そうして尊重する結果、できるだけこれの線に沿うようにあらゆる予算その他の措置をとってきておるということでございます。私どもは、人事院勧告を予算上、資金上、許す限り尊重していくということでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 関連。総理大臣、これはもう昨年もいろいろ問題になりましてね、いろいろお話したこともあるのですが、完全実施のとらえ方ですがね、人事院は五月から実施せよという勧告をしておるのですね。ところが、昭和三十五年から私はやっておりますけれども、一度として人事院勧告の実施をしたことは政府はないのですね。これはもう御承知のとおりです。そこで総理は、予算、資金その他の関係上できないんだとこうおっしゃるのですが、この前の臨時国会で申しましたように、資金については、これは大蔵大臣おられますけれども、おそらく自然増収はことしは三千億を下らずにあると思うんです。その使途については、政府は政府なりのお考えはあると思うのでございます。これは政府としての考えもあると思うのですが、少なくとも今日の状態から見て、おそらく本年こそ完全実施は、資金の関係から言えばですよ、私はあると思うんですね。ただ、政府はその資金をどう使うかということについてはいろいろお考えがあるでしょう、いま申しましたように。しかし、いま秋山委員も言われましたように、公務員の労働三権はすでに昭和二十三年以降奪っておるのですね。そういう状態から人事院ができたというのを唯一に、公務員の諸君は人事院の勧告のみによって自分らの生活の保障をされておる実態は認めるでしょう。それに昨年は一カ月繰り上げて八月から実施されたということは誠意は認めます。それから、本年はあれほどの論議になっておるのに、閣議では昨年どおり八月からという御決定になったのですね。われわれとしてはわからないのは、これから言うのは、総理のひとつ腹を聞かしてもらいたいのですが、公労協も最初から仲裁裁定は完全実施されたことはございません。あの公労協の諸君は何年にもわたるストライキなり、処分を受けながら実はあれを獲得したのですね。もちろん、仲裁裁定は四月から実施することはもうこれは当然のことになっておる。そこで私は聞きたいと思うのですが、そういう実力によってやらなければ政府は認めないのか、それとも政府がそういう点を十分考えて、公務員の置かれている事情をよく考えて、政府みずからそういうことの処置をとられることがいいのかどうか、この点をひとつ総理のほんとうの腹を聞かしてもらいたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 秋山君といい、山本君といい、その間の事情はよく御承知のことだと思います。ただいまもことわりを分けて御説明でございまするが、別に私ども実力を奨励しておるわけじゃありません。実力でなければそういうものは解決しない、かような問題じゃございませんし、実力はどこまでも避けたい、さようなことをしてはならないという、だからこそ人事院ができておるわけであります。したがいまして、実力云々は、ただいまのことばのまあ走りとして山本さんついお話しになったのかと思いますが、その実力によってこういう問題を解決するということではない。したがいまして、私どももできるだけこの人事院勧告、これを忠実に実施に移す、こういう努力をしなければならない、かように思います。ただいまお話しになりましたように、資金的にはことしは増収があるじゃないかと、かように言われます。しかし、予算というものは、あらゆる使途につきましてそれぞれの均衡がとられておるわけでありまして、ある方はぜひとも社会保障をふやせと言われる、またある者は給与をふやせというようなお話が出ておりますし、それぞれの均衡をとった措置が予算の実際のあり方でございます。  そこで、今回の問題にいたしましても、どうも昨年同様、これでは公務員もなかなか納得してくれないだろう、われわれの努力のあとがないのじゃないか、かようにも言われるだろう、こういうことで、ことしは通勤手当だけは五月にさかのぼらそうじゃないか、この辺でひとつわれわれの苦心のあと、これはひとつ理解してもらおうじゃないか、こういうような努力をいたしたわけであります。しかし、この問題につきましては、皆さん方のほうからも強い要望が出ておりますので、来年度予算編成等におきましては、さらに私どもはくふうをこらして、そして完全実施ができるようにさらにさらにくふうしたい、かように実は考えております。どうか、政府自身、これがただ単に弱い者いじめ、あるいは公務員は自分たちの仲間だから、弱い者いじめをすると、こういうような考え方ではなしに、あらゆる努力をした結果が今回のような措置になった、この点を重ねて説明いたしまして、もうすでにお聞き取りだと思いますが、どうかそういう意味で御理解をいただきたいし、いまの実力云々だけは、どんなことがありましてもこれはぜひ避けていただきたい、よろしくお煩いをいたします。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 若干、総理の答弁に何か意味深長なニュアンスもあるとも聞こえますが、通勤手当を五月から実施するからといって、これはちょっと取りかえっこにはあまりに問題にならぬ。したがって、私は、これは実力は現実の問題なんですよ。過去十数年間の経過を見ますると、公労協の諸君が実に大きい犠牲を払ってやられたのですね。そのあげくあれができたのです。四月実施というものが完全にできたのですね。この経過から見ると、たとえあなたが実力行使はいけないのだと言われても、これをやらなければ公務員の諸君はならないのだということはだれでも考えるのじゃないのですか。その意味において、昨年は一応一カ月程度あなたが延ばすということで、いろいろ問題は、ありましたが、不満であるけれどもおさめたということもあるのですね。本年はもうすでに八月のときに、まだ参議院の内閣委員会の開かぬ前に、閣議で八月、実施だ、院の意向も聞かないうちに実は八月実施だということをきめちまうのですね。もう腹の底がわかっておりますよ、政府は。しかし、私は、あなたはそうでないと見ております。佐藤さんはそうでないと思っております。だから、私は、まだ法律審議の日も残されておりますし、いろいろの打つ手はあると思うのです。私は特に大蔵大臣にも言っておきたいのでございますが、増収はもう認められていた。この前の夏の臨時国会では、水田大蔵大臣とかけをしょうかと言ったら、かけはかんべんしてくれと逃げましたが、私は二千億以上の自然増収があるがどうか、もしなければ、私は、社会党はあやまりましょう。しかしあれば、政府はあやまるかと言ったら、それはかんべんしてくれと逃げたことは議事録に載っております。それが現実にああいうことになったのですが、水田さんはそれがためにやめられたとは申しませんが、そういう経過もあって、この問題は相当私はいま慎重に考えていることでありますから、金がないとは言わせません。あるが、いま総理が言われましたように、あるいは減税に回して、あるいは国債の減額に回すのだということについても、政府の方針として私はいいと思うのです。悪いとは申しませんが、しかし、何がしかはその中からさいて、少なくとも人事院勧告が出た、あれに沿うような実は措置ということはこの際必要じゃなかろうかと思うのです。私はこれ以上この委員会で申しません、総理の腹の中を私は信じておりますから。どうかその意味において、今度は大蔵大臣からちょっと希望のある答弁をお願いしたい。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 希望のある御答弁できないことはまことに残念でございますが、確かに自然増収はあるのです。千億円をかなり上回る状況かと思います。しかし、公債を抱えておる財政でございます。もう何とかしてこういう際に公債の額を減らしておきたい。将来、不況時に公債発行という手段をもちまして景気調整、こういう余地を残しておきたい、こういう考えもあるわけでございます。  それから総合予算のたてまえから、本年度はあらゆる経費の均衡をとりまして、いままでにないたてまえをとっておるわけであります。そのたてまえをくずすというわけにはまいりません。そういうような状態で、八月、実施、さようにきめてあるが、前向きで今後はひとつ検討してみたい、かようなことで、ひとつ御希望をつないでいただきたい、かように思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 もう一つだけ、これで終わります。一日の委員会ですから、なかなか十分言えないのですが、大蔵大臣、あなたの言われることは、水田さんよりもちょっと何か幅のあるような感じを受けるのです。これは感じの問題ですね。そこで問題は、私の言うのは、もう補正予算は一応やらないのだというような方針ですが、現実にはもう時間がございませんから、ほかの問題に触れられません。いろいろ財政法の問題も触れて言いたいのですが言えませんが、私は一応、来年の通常国会の半ばあるいは終わりごろにも補正予算をしなければならぬ段階がくると思っておる。これは、もしそれがこないと言われるならば、またあなたとかけをしてもいいと思う。やらなかったらあなたが勝ちだ、やったら私の勝ちで、そこでまたかけをしてもいいと思いますが、これはよしましょう。こちらのほうが断わりますが、その際もありますから、いま予算云々の問題でなくて、今度の給与ベースのアップの問題につきましても、考えようによっては補正予算をせずともやり得る方法があるということですね。したがって、これは総理大臣をはじめ、各閣僚の意見によって、せめて、もう十八日にいろいろ計画もあるようでありますが、私の心情からいけば、そういう実力行使をやるということは反対です。総理もおっしゃったとおり反対です。反対だけれども、このまま推移すれば、やらざるを得ないところに押し込めてしまうのじゃないかというのが私の考えなんですよ。それを避けるかどうか。大学問題も先ほど言われましたけれども、いわゆる現象面だけを問題にせずに、本質的なものをとらえていただきたい、政府において。いわゆる皆さん方の温情ということは、ことばは当たりませんけれども、そういう深い考え方というものもあるかないか。この点を私は言いたいのであります。答弁は要りません。今後まだ一日、二日ありますから、皆さん方で十分その点を考えてもらって、あの実力行使を避ける措置を政府は考えてもらいたい。もしその考えがないときには、政府がその責任をとるべきであるという考え方であります。もしこの私の考え方にあやまちがあるならば答弁をしていただきたいが、私の言うことにあやまちがなければ答弁は要りません。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 関連。

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 簡単に願います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 いまの山本委員の答弁については、要求のあったようにしていただきたいと思います。  私は、総合予算だからむしろ給与の完全実施などの問題を考えるべきだと思う。お話しのように、私は、総合予算のたてまえの上に立って、国債の償還の金額あるいはその他の予算の配分というものをきめてきたと思うのです。ところが、自然増収が予定したより二千億多くなったのだから、したがって、国債償還についてもある程度増額していかなければできない。しかし予定していた予備費の中の千二百億ではまかなえないような事情の出てきた食管会計の問題とかあるいは勧告の問題なども、当然このバランスの上で考えていかなければできない。ところが昨日の答弁等でも、予定をされている経費を節約してまで、つまり増収をされた二千億には手をつけないことが総合予算なんだという、こういう御説明なんです。組みかえはやるけれども、補正はやらないという考え方なんです。それが正しいんだという考え方は私は間違いだと思うのです。つまり二千億の増収が出てこない、自然増収が伸びない状況の中で、国債償還のバランスや、あるいは予備費の千二百億や一般の予算をきめてきたわけです。ところが、二千億以上の増収が出てくるという状態の中で、これを国債償還に回して、あとは繰り越しなんだという考え方で、しかも、なおかつ食管会計の赤字などは一般会計の節約や、それを取ってきてそこに回していくという考え方であるとすれば、これは総合予算のたてまえからおかしいじゃないか。何も総合予算は、国債償還に全部回さなきゃできない筋合いではない。国債償還も大事だけれども、予算のバランスの上で当初そういうことを考えてきたのであって、総合予算という考え方から言えば、こういうときこそ追加補正をして、いままでできなかった完全実施の点についても、全部できないにしても、また一歩前進することを考えていくというならば、ここに総合予算のたてまえも成り立つし、また、こういうことについての公務員の行動などについても、私はやはり公務員自身の善処が求められると思うわけなんです。私は、大蔵大臣のこの考え方の総合予算、総合予算だからできないのだ、国債償還に回さなきゃできないんだと。何も国債償還に、自然増収があれば全部回すなんということを、私は、最初の予算の立案のときに、政府の態度だなどということを確約してあの千二百億を組んだわけでは私はないと思う。ほかの予算もそうだと思う。全く私はこれは間違いだと思う。この点について、大蔵大臣の、非常にほかの問題については筋を通してきちっとやられるのに、この問題については全く筋の通らない、組みかえ予算だけでやっていこうという、この考え方は間違いだ。このときこそ私は善処をすべきときだと思うのです。それも、お話のように、一歩前進ということも要求もされているように私たちも聞いているので、この際やはりこの問題を真剣に内閣としても考えてもらえば、総合予算の中で相当な額を国債償還に回すというような予算措置の必要は私たちはあると思うけれども、を回す、そうしてまた、一般会計の節約をしてまで食管に回して、それでこの総合予算主義が成り立つものだという説明には、どうしても私たちは納得ができないので、特に大蔵大臣に、私の申した考え方に間違いがあるならば、どこに間違いがあるのか、ひとつお聞かせをいただきたい。なお、総理大臣には、山本君の言われたような問題について、ぜひひとつ善処をしていただきたいということをお願いをしたいと思うのであります。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 一つ問題があると思うのですが、国債の償還は考えていないのです。国債の発行を減額をしよう、こういうことを考えているわけなんであります。そこが違うのですけれども、予算は一年間の経済変動、そういうものを見通しまして、税収なんか見積もるわけでございますが、いかなる変動がありましても、これに対処し得るという状態でなければならぬ。ことに、ことしは増収でございますが、減収があった場合に一体どうするか。こういうようなことで考えますると、総合予算主義というものは非常に大きな進歩である、私はそういうふうに考えているわけであります。ことしは逆に増収でございまするが、公債を抱えた財政でございますので、この際はこの公債を減らしたい。これは、皆さんからも公債は出すな出すなとまで言われた公債でございますが、だからそれに全力を尽くしてみたい、こう考えている点と、もう一つは、総合予算主義でございまするから、あらゆる一年間の財政需要というものを見通してやっているわけです、バランスをとりながらやっているわけです。そのバランスから見まして、公務員の給与だけがこれは追加補正、増額補正になる、これもいかがであろうかと、かように考えている次第でございます。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(床次徳二君) 関連して一言お答え申し上げたいと思いますが、先ほど、今回の給与が完全実施でない。そのためにストが起こっているけれども、これに対しては、完全実施しない政府の責任ではないかというような御意見だと思うのでありまするが、この点に関しましては、やはり現行におきましては、ストをいたしますことは違法でございまして、すでにこの点に対しましては、総務長官から、ストに対しまして警告書を発している次第であります。  なお、このスト権を含む公務員の労働三権の問題につきましても先ほどお触れになったようでありますが、この点はきわめて重要な問題でありますので、慎重に取り扱うべきものであります。今日、公務員制度審議会におきまして御審議を願っておる最中であることをつけ加えたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 山本君あるいは松永君等からいろいろお話が出ております。今回、いま予算を皆さんに御審議をいただいている最中でございます。この問題は、いかにも簡単にきまったかのように皆さん方はとっておられる。実は前内閣におきましても、またこの内閣におきましても、この問題で数回会議を開いたのでございます、いわゆる給与担当大臣、そういうようなものの仲間が。これはもちろん大蔵大臣も入っているし、ただいま申しました総務長官も入っている、また労働大臣も入っている等々で、あらゆる機会に——面においてことしはたいへん資金もあるじゃないか、そういう意味でことしこそやったらどうか、こういうようなことの意見も閣僚の中にございました。また、予算というもの、金の使い方は、ただそれだけでは困るのだ、全体のバランスもとらなければならない、また非常に困っている問題もあるじゃないか等々の議論で、一回だけできまらないで、おそらくこれ三回、四回か、したと思います。そういうような意味で、これは慎重にした結果でございまするし、そうしてただいま、将来これから先一体このままじゃなかなか通せないから、来年についてはさらに完全実施の方向で努力しようじゃないか、こういうような申し合わせまでしている、この事情を一応皆さん方に御披露いたしまして、今回のきめ方はやむを得なかったということを御了承いただきたい。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 とにかく、一応この八月実施ということをおきめになったけれども、そのあとにまた衆参両院の内閣委員会で完全実施すべきだという決議が行なわれたということも、これは事実です。それに対して政府が全然そっぽを向く、無関心でおれるという性質のものじゃないと思う。それからさらに、千二百億円の予備費にいまのところで相当の剰余が出るということも、これはほぼ確実なんです。それからまた、税の自然増収が相当見込まれるということも、これは確実な事実なんです。そういういろいろな条件が八月実施ということをきめられたあとに出てきているわけですからね。だから、なにも総合予算というようなことは、私どもはまあいわば亡霊だと思うのです。そういう亡霊のようなものにこだわって、そうして十八日のこの問題については、ただ警告をしておけばいい、やったら処分するといったような、通り一ぺんのことだけでこれをやり過ごすということは、どうですか。先ほど大蔵大臣は、今後は前向きで検討したい、こういう、非常にとりょうによっては意味慎重な、微妙な響きも持った発言をされた。今後というのはいつのことですか、今後というのは。年度末ということですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 昭和四十四年度予算以降はという意味であります。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 とにかく一度ぐらいは労働行政の筋を通して完全実施をしてくださいよ。われわれも毎年々々これは同じ議論を繰り返しておるわけです。この十年来。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) わかりました。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 わかりましたか。——とにかく一年延ばしの態度はもうここらが限界じゃないですか。許されぬと思うのですよ。池田さんが毎年毎年、来年は来年はと言うてこられて、佐藤さんがまた来年は来年はと去年もおっしゃった。そうして、いままた来年はと、こうおっしゃる。もう今度はきちっと、もう先には延ばさぬということをはっきりきめてくださいよ。どこかで歯どめを。来年になったらまたその次と、こういうのは——その点の約束できるのですか、来年は考えるというのは。いかがですか、総理大臣。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いま言い得ることは、来年度以降と、こういうことにしかいま言えません。しかし、私どもが、いま言われるような先ほど来の皆さん方の——まあ社会党の方ばかりではございませんが、おそらく黙っていらっしゃる民社、また公明党、それから共産党も、同じように完全実施をやれという強い御要望だと思います。もうすでに決議もあったことでもありますし、そういう点を十分に尊重していく、これより以上は申し上げかねますが、どうかそういう点で御了承をいただきたい。言外の意味もお含みくだすって、どうかよろしく。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 じゃ言外の意味も十二分に受け取りましてその点はもうやめます。  最後に、人事院勧告制度というものについて、政府の部内でもこれを今後どうするかという議論がいろいろ出ておるやに聞きます。というのは、たとえば予備勧告制度というようなものもその一つの案として伝えられておるのですが、この点について人事院総裁、あなた自身のことですが、人事院総裁はどういう所見を持っておられるのか、この際伺っておきたい。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 私どもの基本的な態度は、かねがねあらゆる席上で申し上げてまいりましたように、現在の勧告のやり方をもってしても完全実施は可能であるということが基本であります。たとえば、ことしの場合にいたしましても、あと二百億くらいあれば完全実施は可能であるという意味で、その点については疑いを持ちませんけれども、しかし、従来いろいろな批判がございまして、年度半ばに多額の勧告をされては困る、しかも、予算の編成上困るという批判もあるわけです。私どもはそういうことに何らか考慮することによって、これが完全実施がなお一そうやりやすくなるということであれば、御協力申し上げることにこれはやぶさかではないという立場から、従来いろいろな案を示されたのでありますが、その中で、いまおことばに出ました予備勧告というようなことによって、予算の編成時に、一種の概算あるいは予測に基づいての勧告なり何なりの申し入れをする、それによってこれが完全実施できるという確証を得られれば、それはそこまでわれわれも同調しても差しつかえないというところまでは踏み切ったということでありまして、結局は、いかにすれば完全実施が十分確保できるかということに尽きるわけでございます。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 政府のほうの御見解を伺います、人事院勧告制度を今後どうするつもりなのか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(床次徳二君) お答え申します。  先般来、数回にわたりまして給与関係閣僚会議を開きまして、この点につきまして検討しておりました。新内閣になりましても引き続きこの問題を検討いたしまして、そうして結論を得たいと思っておる次第でございます。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 最後に米の問題について若干お尋ねをしたいと思います。  まず第一には、最近、急に総合農政、総合農政ということを言い出したわけですね。一体、総合農政というのはどういうことを言っておるのか、いままでの農政は何だったのかということについて、農林大臣、御説明願いたい。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) いままでも総合的な施策は加えておりましたけれども、いずれにいたしましても、食糧——米というものに重点というか、ウエートが置かれまして、そしてまず米の生産、そして消費者の安定をはかろうというところに重点がありました。ところが、御承知のように、最近に至りましては米の消費量というものが、人口は増加してまいりますけれども、米の消費量というものが逆に減退をしてきておる、こういうような上に立って、今後は、食糧という一人一人国民の食べる量というものが少なくなってきているゆえんはどこにあるだろう、それはやはり食糧というものが高級化してきた原因にある。そうするならば、それに消費者の要求するような方途をさらに切り開かなければならないだろう、そういうような点につきまして、まず畜産あるいは果実、野菜、その野菜も高級化したものに合うようなものを作付をしてもらうように方法をとらなければならない、そういうような点を重点に置いて総合的な施策を加えるときに来たと、このように考えております。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 それを総合農政というのですか。まあいいです。いかにも何かいままでの農政と全く変わった新機軸を出したような宣伝と、感じを与えておられるのですが、聞いてみれば別に何のことはないので、いままでもそういうことでやってこられたはずなんですがね。そうすると、そのいままでやってこられた農政というものは、結局これは落第だったということですか。  それで、時間がもうありませんからついでにお尋ねしますが、米が余る、米が余るということをずいぶんいわれておる。まあ宣伝も相当入っておるのでしょうが、いわれておるのですが、一体この二十年間、歴代の農林大臣というものは何を考えてこられたのかと思うのですね。また、どういうことを言うてこられたか。ついこの間まで米をつくれ、つくれということを言うてこられた。ところが今度は急に手のひらをひるがえしたように——米が足りぬ、足りぬと、どこやらスペインから緊急輸入するとか、中共米をどうするとか何とかいうようなことを聞いたのはつい一、二年前ですね。それが今度はもう手のひらをひるがえしたように余る、余るというて、まるで太平洋の中にはうり捨てなければどうにもならぬような話をされる。しかも農民にはつくれつくれというて号令をかけておいて、今度はつくったらけしからぬような話で、まるで悪者のような話に変わってきておる。ずいぶん人を小ばかにした話じゃないですか。一体、それほど農林省、農林行政というものは無計画だったのですか、見通しかなかったのですか。その点、新農林大臣は新しく農林省に入られたわけで、それだけに農林省のやってこられたこと、農政のあり方というものに対しては比較的客観的に冷静にごらんになれる立場じゃないかと思うんで、率直な御意見をお伺いしたい。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 農政というものは、御承知でもございましょうけれども、他の工業製品とは違いまして、すぐ、これが生産過剰だから、今度は機械を入れかえてこの生産に変わるという、それがわずかの間に転換できるものではないんであって、やはり食糧が供給不足である、それにはいろいろな施策を加えたのが、まあたとえば土地基盤から始まって、その上に農業技術の向上と相マッチいたしまして今日のような状態になってきたわけなんでありまして、したがって今日になって、決してその生産ができ過ぎたからそれはいけないとかなんとか言うのじゃございませんので、そうしてできたものを、しからばそういうような状態になった上に立って、それを今後どのように処理し、どのような指導方針に変えていくか。申し上げるまでもなく、三十八年度の時期を見ましても、三十八年度をピークといたしまして千三百四十一万トンでございましたものが、人間が増加し、あるいはまた酒類等の加工用に使われるもの、これらもまた非常な増加をしておる。したがって、そして四十二年になりますと、これが千二百四十八万トン、こういうように百万トン近くも減少をしていっておる、こういうような事態に即応しまして、その即応した農政をやはり行なっていかなければならない。でありまするから、申し上げたように、ただ農民が今日まで御苦労し、そしてまさにおっしゃるとおりでございまして、米づくりということに専念してもらい、米をつくる人が、反収たくさんとる人が農業のチャンピオンと今日まで申し上げてきたわけでございますが、そういう事態にやはり即応した行政を新たに行なっていかなければならない。それにはいろいろな御協力と相まって、そして申し上げたような総合農政的のものに推し進めてまいりたい、こう考えておるわけでございます。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 構造改善事業が始まって何年になりますか。そうしてその選択的拡大というようなことがずいぶん叫ばれて、そしてやれ酪農をやれ、畜産をやれ、やれくだものつくれ、野菜をやれということでやってこられたわけでしょう。結局こういうことは、全部これは今日の立場から振り返ってみると、これは失敗だったということになるのでしょうか。一体なぜそれだけかね、太鼓をたたいて、号令をかけてやってきたにもかかわらず、農民が米から離れがたいのか、米に執着するのかというところを、私は真剣に政府としてお考えにならなければいけないのではないかと思うのですよ。やれやれやれやれ言うだけで、うっかり鶏を飼った、うっかり豚を飼った。その結果はみんなどうなっていますか、どういう目にあっていますか、農民は。豚はとんとん鶏はけっこうという話があった。そういうことになってしまってあぶないのですよ。相当大きなリスクを覚悟せなければならない。それはうっかり農林省の呼びかけにこたえて作付転換をやったら、それはとんでもない目にあわされる。だからもう一番いまのところあぶなげのない米さえつくっておけば、とにかくあまりもうけもないがあぶなげもなかろうと、こうなっておる。これが実情じゃないですか。だから作付転換というようなことをほんとうにおやりになるつもりなら、ただ一反について二万円の奨励金を出すとか何とかいうような場当たりなことでなしに、もっと国として計画的におやりになることがあるのじゃないだろうか。しかも畜産を奨励し、果樹を奨励し、野菜を奨励すると言いながら、外国からどれだけ入ってきておるのですか。  私はちょっと調べてみましたがね、まあ通産白書にも詳しく出ておるのですが、これは膨大な額ですよ。年々外国から入っているこの同種の農業生産物ね、これだけ、六千五百億円、日本の金にしていまざっと。ますますこれは手放しでふえていこうとしておる。一方でそういう貿易政策、輸入政策をとりながら、他方で幾ら転換しろ転換しろと言っても無理ですよ。保障がない、価格について。その点いかがですか。米の問題もっと場当たりでなしに、長期的な視野に立って真剣にやってくださいよ。米と塩というものは、これは米塩とこう昔から言うのです。府だってそうでしょう、五百万トンから外岡から輸入しておる。国内の塩業はどんどんつぶされて九十万トンでしょう、いま。ますますこれは開いている。これはもう少し真剣に考えてください。ほかに資源がありますか、日本に。米以外に資源があるですか、日本に。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 貿易の面にいたしましても、なるべく国内の農産物に影響のないような、また競合をなるべく避けられるようなもの、こういうような点に重点を置きまして、まず輸入を考えておったのであります。たとえば十カ国、先進国とよくことばに出ますその十カ国の水準を見ましても、OECDの中だけを見ましても、日本は農産物に対する輸入というものは一番下でございます、数字からまいりますと。しかしそれがいいというのではございません。今後もなるべく競合しないもの、したがって日本の農業に対するところの保護政策は十分行ないつつ、できる範囲内においての貿易の拡大はしていかなければならないと考えております。したがいまして、輸入または貿易、さらにそのお米の問題でございますけれども、まさに本日まで政府は奨励したと言われても、決してこれは私は無理だとは申しません。そのとおりだったと思います。それはやはりいかにして消費者に安定を与えるかというところに重点がまずあった。食管法一つ考えてみましても、昭和十七年に食管法というものができまして、そして今日までずっと引き続いてきているわけでございまして、ただそれを米が余ったから、余るようになったから、急に四十二年、四十三年余るからすぐこれをというわけにはなかなかまいらないのでございまして、これらに対しどのような措置をとったらよろしいか。そして農業、農民のまず安定をはからなければならない。農民の安定をはかるためと同時に、消費者に安定した価格を維持できるような方途をし、そして食糧が高級化していくに従った、それに対する要求に応ずるようなものの生産に当たってもらわなければならない。そういうような点に対しまして、決してただ作付転換をすればおあしをやる、ただ金の問題だけでものの解決がつける問題ではないだろう、私はそう考えます。したがいまして、ただ金を一反歩幾ら上げるからそれでやれと、こういうような強制を申し上げるのではなくて、都市周辺なら都市周辺はもう少し考える余地はないだろうか。それには都市が供給不足のもの、また物価高でいろいろ困っている面等々も御存じのとおりでございますので、それらに相マッチした、それに相合うような生産にかわってもらう。それには農業というものは一年こっきりというわけにはまいりませんから、ある一定の安定した生産ができるまでは、すなわち政府がある程度めんどうを見るといいましょうか、保護を行なうということが当然なる政府の義務だと私は考えて、そのような政策を行なってまいる考え方でございます。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 何だかよくわからない。総理大臣、大蔵大臣からもう少しちゃんとしたお答えを願いたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いま農林大臣から総合農政について詳しく説明をいたしました。私はいまそういうことを考えながら、秋山君の出ておられる岡山県、これなどは今日も総合農政を現にやっているところじゃないか。そしてその作付なども順次、もっと収穫の多い方向に移っていく、かように私考えます。ずいぶんと畳表をつくっておられたが、最近はそういうものが変わっている。それで新しい、米、同時にまたくだもの、それなどがどんどんつくられている。また高梁川の川岸などには牧畜も行なわれている。いわゆる総合農政をやられている。そこで、私いま言われていることを考えてみまして、米くらいただいままで手厚い保護をしているところはないんじゃないだろうか。したがいまして、総合農政と言いながら、やはり米をつくっていることが一番農民には安心されている。その他の点についてやっぱり総合農政を指導し、そうして他に転換していくというためにも、さらに私どもは国家的な支援が必要じゃないだろうかと思います。ことに、まあ昔は一人一石、非常に米の計算が楽だった。最近の統計を見ると、わずかに六斗八升、六八%に、かように米の消費量は変わっておるようであります。それにかかわらず、米のできはたいへんいいんだ。そこらにどうしても私ども考えなければならないものがあると思います。そういう場合に、転換が容易なように、そういう方向でやはりこれから指導が必要だろうと思います。作付転換と、かように申しましても、かんがい用水一つとっても、米づくりにはそれがやられるけれども、畑の場合はかんがい用水も十分の整備ができていない、こういうような現状では、なかなか作付転換もできないんじゃないだろうか。総合農政を主張する以上、それぞれにふさわしい具体的な政策をこれから盛らなければいかぬ。そういう点で、さらに私どもも努力をいたします。また皆さんからもそういう意味の知恵をかしていただきたい、かように存じます。

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 以上をもちまして秋山君の質疑は終了いたしました。  午前の質疑はこの程度にとどめます。午後一時再開することとし、これにて休憩をいたします。    午後零時十一分休憩      —————・—————    午後一時十一分開会

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  午前に引き続き質疑を行ないます。田中寿美子君。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 最初に総理大臣にお考えを伺いたいと思うのです。昭和四十四年度の予算編成にあたって、政府は、警戒型予算だとか、次には警戒中立型予算だとかと言っていられますが、やはり成長率は相当高いものになって、それも名目一五%以上をこえるだろうと思われます。そして、税の自然増収も相当額ある。これは余分にあるものは調整にとっておくというような、解散含みでございますから、どういうふうにお使いになるのか、非常にいろいろと心配でございますが、当初の見込みと、いつも成長率と違ってくるわけですね。ことし、四十三年度は一二・一%だったのが一六・八%、たいへん景気過熱したわけです。で、ことしはいざなぎ景気なんて言われまして、二兆円ボーナスが流れているというような、たいへんな景気が一方に見える。総理はたいへん繁栄の面を強調なさいますけれども、しかし、歳末には非常に谷間にあって苦しむ者がいっぱいいるわけなんです。連日の新聞やテレビで不幸な生活の報道がございます。たとえば心身障害者あるいは労働災害を受けた人たち、貧困者、身寄りのない、生活保障のない老人、あるいは交通事故で親を失った遺児や家族、こういったひずみがあまりに大きいと思うのですけれども、この点を総理大臣はどのように認識していらっしゃいますでしょうか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) まあ、まんべんなくすべての者がしあわせであることが望ましい、かように私考えますが、いま御指摘になりましたように、経済成長、もちろん繁栄の中に取り残される方、いわゆる積極的にみずからが働けないような事情、働かないというのじゃなくて、働けないような事情にある、そういう方々に対する社会保障もやっぱり考えてまいらなきゃならぬ。そしてそれによりまして成長のひずみといいますか、ひずみを解消するように努力していかなきゃならぬと思います。まず考えていただきたいのは、私どもが戦後あの生活の非常に苦しいとき、三百万人の餓死者さえ出ると、食糧が不足で。そういうことを考えると、やっぱり経済は成長し、繁栄をもたらさなければならない。だが、繁栄する、その結果が近代的ないろんな社会悪まで生じてくる。社会的な構造の面から見ますと、都市化、過密、過疎、それに基づいての住宅、交通、公害、その他あらゆる問題が生じておりますが、それらの点で、特に物価の問題が一つ大きく出ております。積極的に収入のふえる諸君は、ともかくも物価の上がる以上やはり所得がふえるということで、困りながらも、とにかく一応問題は解決しつつある。しかし、老人あるいは心身障害者、ただいまのように扶養の責任者を失った児童あるいは母子家族等等、物価上昇には非常に悩み抜いてる、こういう方もあることを忘れてはならない。そういう者に対しても、社会保障、そういうものと均衡がとれていく、これが望ましいんじゃないかと思います。ただいまの、簡単なお尋ねでありまするが、あるいは答弁が的をはずれているかわかりませんし、要領を得ていないかわかりません。重ねて、そういう点がありましたら申し出しを願いたいと思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 時間が少ないので、たいへん質問する時間を節約しているわけです。いつもひずみを是正するということをずっと言ってこられたわけですが、経済企画庁長官にお伺いいたしますけれども、国民所得が、国民生活白書でたいへん平均的になってきた、平準化の点を非常に強調していらっしゃるのですが、実際どのように平準化しておりますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(菅野和太郎君) 国民の生活が平準化しているかということについてのお尋ねであったように思いますが。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 経企庁が白書の中で、国民の所得は平準化していると言っているので、その根拠です。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(菅野和太郎君) ただいま月収三万円以下の階層者が二〇%以下ということになって、前から見ますと半分以下に減っております。そういうことで大体国民生活は一般的に見て平準化してきたということが言えるのではないかと、こう考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 月収三万円以下というのは、ボーダーライン層、生活保護のラインから以下なんです。低所得者層というのは、もう少し上の層を言うのだろうと思うのですけれども、経企庁ではどれくらいに計算していらっしゃいますか。平均以下の所得、そうして低所得層。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○政府委員(八塚陽介君) ただいま長官のほうからお答え申し上げましたように、私どもの出しました国民生活白書では、三万円というものを目安にしまして、経済成長と低所得者層との関係を一応検討いたし、平準化しているという結論を出したわけでございますが、ただ、私どもその三万円を取り上げました理由といたしましては、これ以下が低所得者層である、それ以上はもう低所得層ではないという意味で、実は取り上げたわけではございませんで、当時作成の過程におきましても、そういう数字を上げること自体がいろいろ問題があろうかということを検討いたしたのであります。そういう関係を作業する過程の目安として、三万円というものを一応とったということでございます。したがいまして、具体的に低所得者層あるいは高所得者層がどれくらいであるということは別の問題であるというふうに考えておるわけであります。特に、現在ただいま私どもの考え方として、幾らを低所得者層と見るというふうなことはいろいろ価値判断の問題等もございまして特にきめておりません。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 平均所得以下は幾らと言いましたか。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○政府委員(八塚陽介君) 大体ただいま御指摘になりましたように、三万円以下というのは平均よりはるかに下のところをつかまえております。ほぼ、国民所得の分位で申しますならば第一分位のところにあると思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 国民生活白書はたいへんその点意図的だと思うのですね。三万円というのは生活保護二万九千三百九十一円をちょっと上回ったボーダーライン、これは貧困層なんですね。ですから経済成長率が上がるのにつれて低所得層が二〇%に減ったという言い方は非常に貧困層のことだけを言っているわけで、たいへん意図的だということを私は指摘しておきたいと思います。  次に、先ほどから議論になりました四十三年度補正予算についてのことを伺いたいと思います。時間が実はないので、こちらに入っていきたいと思いますが、補正予算を組まざるを得ない、組み替え予算を組むということを大蔵大臣はおっしゃいました。千二百億の予備費を使い、さらに一般の項目の中から組みかえていくということですが、この組みかえの内容はどんなふうになっておりますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 社会保障費なんかで、たとえば国民健康保険でありますとか、その他もろもろの問題がありますが、年度末になりますると、おそらくそれらに不足するものが出てきやしないか。もとより予備金を使いますが、それでもまかない切れないと、そういう際には例年不用額なんていうものもありますし、あるいは節約すべきものは節約する、そうしてそういう必要な方面に向けると、こういうふうに考えておるのでありますが、その際にはいわゆる組みかえ補正という形で御審議をお願いしたいと思っております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 その予備費一千二百億の使い方、内訳はどうなっておりますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいまの一千二百億円のうち大体五百億円ぐらいはもうすでに支出済みでございます。使用済みでございます。七百億円残っておりますが、五百五十億円ばかり給与の引き上げに使う。それからあと残ったものがただいま申し上げましたようなものに使われますが、それでもなお足らない、こういうので組みかえ補正をお願いしなきゃならぬと、かように考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 米の買い入れですね、九百万トン以上になることは必至だと思うのです。九百六十万トンないし一千万トンになった場合に、これはどういうふうにしてそれを捻出されるわけですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 当初八百万トンを予定したのです。ところが九百六十万トンになりそうだと、こういうのであります。ですが、この夏、消費者米価を八%引き上げた。生産者米価の引き上げが五・九%であったと、こういうので大体やりくりがつくんじゃないかと思いまするが、場合によると多少足を出すかもしらぬ。その場合には組みかえ補正でまたこれもお願いしなきゃならぬ、かように考えております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 関連。いまのお話ですが、こういう数字は間違いですか。あるいはどこに間違いがあるのかお尋ねしたいと思います。生産者米価の買い上げの当初食管会計で予定したものが八百五方トンであった。買い上げ予定がこれから九百六十万トンぐらいあるだろう、あるいは一千万トンぐらいにのぼるかもしれぬ。大体一トンについて消費者米価と生産者米価の赤字が大体三万円だと考えていくと、一千万トンとすれば、この百万トンについては、お話のように生産者米価と消費者米価の値上げをするときの差額の二%で大体三百億浮くのでそれでまかなえるだろう。しかし、あとのものについてはこれはまかない切れるものではない。これが三百億になるか、あるいは二百五、六十億になるか、二百億になるかは別として、これはもうどうしても一般会計やよそのほうから持っていかなければできない。それから、昭和四十二年度の義務的な経費の清算の残ったものが百七十億ばかりある。本年度、四十三年度についてそういうふうな義務的経費の不足が約二百七十億あるだろう。災害の予定したものよりも増加が約五億あると考えられて、所要の金が約八百四十億程度は不足するのではないか。その中の三百億を一般会計の赤字でまかない、あるいはまた予備費の残ったもので義務的経費やあるいは災害増を払うとしても、なおかつ二百億ないし三百億の当然これは赤字が出てくるのではないか。したがって、組みかえの予算をするということは、不可雄になるのではないか。もし無理に組みかえをするというならば、当初予定した一般会計に相当な無理をしてはね出しをしなければできないのではないか。したがって、自然増収の二千億余をそれに回すことは一番妥当な考え方ではないか。こういう数字的なものはどこに間違いがあるのか、御指摘をいただきたい。  もう一つは、先ほども質問いたしましたけれども、先ほど国債償還と言ったのは問違いでありまして国債減額でありますけれども、こういう事情のあるときに、二千億どころか二千億余のいわゆる自然増収の伸びがあるのに、当初総合予算という形でバランスをとって国債の発行の金額、あるいは手術費の金額、一般会計における各省予算を決定をしておいた。そうであるのに、この二千億の自然増収の伸びを全部国債の減額に回すことが総合予算のたてまえだというこの理屈についてあなたの御説明を聞きたいのであります。  この二点について問かしてください。なぜ自然増収が出てきた場合にその自然増収を国債減額に全部回すことが総合予算なのか。私は無理をして一般会計にまで配分をされている、そういうものを無理に引き出してくるということ、あるいは予備費の中で法律的に規制をされているところのつまり給与の勧告の改良費用、給与改善費、しかも、それは当初見込ができないから予備費に入れてあるわけだから、勧告が出た以上、これではまかなえないとするならば、それを増額することは基本的な私は法律的な役務だと思う。全部これを国債減額に回すことがこの法律的な義務を果たす以上に重要なんだという理屈はどこから出てくるのか。それがまた総合予算のたてまえだと、こういうならば、それのわかるようなひとつ理屈を私たちに聞かしてもらいたいと思うのです。この二つの点について、前の私の申しました数字は間違いなのか、どこに間違いがあるのか。あなたは見通しはこういう形で、それはその理屈はおかしい、その数字はおかしいというならば、その数字を教えてください。その二つの点を関連して質問いたします。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まずあとのほうから申し上げますが、総合予算主義というのはその年度間の全体の需要を見通しまして、これに必要な財源を整える、そしてかりに税収の減少がありましてもこれに対処し得る、こういうような形でありますが、今回はその税収が余ったわけであります。余りましたが、いま二つの理由でお話に食い違いが出てくるのですが、一つは、公債をかかえておる財政であると、これはもう皆さんもしつこくおっしゃられるように、これはどうしてもこういう景気のいいときには減少しなければならない。これは私は国家的要請だと、こういうふうに思います。  それからもう一つは、全部の経費をバランスをとって見ておりまするものですから、かりに税収があるからといって、給与だけがひよこっと出るというと全体のバランスを害すると、こういうふうに考えますので、どうしても総合予算主義の当初の目的はひとつ貫いていきたいものと、こういうふうにいま考えています。   (「節約のほうのバランスをくずしてもいいん   ですか」と呼ぶ者あり)そう無理はしないで節約をしていきたい、そういうふうに考えるのであります。  それから、第一のお考え方につきましては、筋は私はそのとおりだと思います、大筋、話の筋は。しかし、数字になりますると、これはこれからの財政需要というようなもの、これもよく見なければなりませんから、これは的確にお答えするわけにはまいりませんけれども、全体総合いたしまして、かなりの赤字が出る。そこで、私としては何とかこの総合予算の、既定経費の範囲内においてまかなって、増額、増ワク補正はいたしたくないとただいま考えておる次第であります。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 増ワク補正はしたくないとおっしゃいますけれども、それでは、追加補正を絶対になさらないとおっしゃることですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は本会議でも申し上げたのですが、組みかえ補正はあり得る。それから、増ワク補正につきましては、なるべくこれはしないように努力していきたいのです。しかし、異常な事態でありますとか、非常な問題が起きたという際におきましてこれを排斥するか、これは高度の政治判断としてきめなければならぬ、かように考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 そういう場合は、総合予算主義というのはもうくずれるということになるんじゃないですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 総合予算主義が立ってどうも国が行き詰まったというんじゃ困りますから、これはそういう際の高度の政治判断としては、私はこれは増ワク補正もやむを得ない場合があると、かように考えておる次第でございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 もうそれで総合予算主義というのは、ことばにたいへんこだわっていらっしゃいますけれども、くずれたということになると思います。  それで、公務員給与のことなんですけれども、これを予備費、まあ五百億くらい計算していらっしゃるわけですね。予備費から出すということは、これは違法ではないんですか。大体、予備費というものはどういうものですか、御説明ください。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 予見しがたき国の費用に充てるため予備費を置くと、こういうことでありまして、米価が上がるのか、給与がどういう勧告が出るのかどうか、そのまた背景として民間の給与水準がどういうふうになるのか、これが予見できませんものですから、まさに予備費に該当すると、かように考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 私の考えでは、人事院勧告というものは、公務員の労働基本権、ストライキ権を奪って代償としてなされるもので、それを完全実施しないという、その財政上の余裕を見越したそういう配慮で予備費を組むというのは、これはたいへん違法じゃないかと思うのですが、いかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まあ完全に数字を予見することはできないが、どうもそういう給与引き上げについての勧告がありそうだ、しかし、どんなものになるかわからない。そこで予備費として流動的な形で財源を留保すると、かような方針をとったわけでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 予想できる勧告案よりは少な目に見積もっておいたということ、今後もそういうことがあるとすると、これは所得政策になると私は思うのですが、いかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただ私は考えて見まして、どうも予備費から五百何十億もの予算を出すというのも、これも少しバランスが悪いような感じもするのです。この辺は昭和四十四年度の予算といたしましてはよく考えてみたいと、かように考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 先ほど午前中からのお答えなども勘案しますと、来年度からは完全実施するつもりだというふうに伺いとれますけれども、そうでございますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 財源をお預かりする大蔵大臣としてお答え申し上げますれば、人事院の勧告は極力これを尊重いたしたいと、かように考えております。しかし、残念ながらことしはそういうわけにいかなかった。しかし、何とかくふうをこらしまして、来年度以降これを実現するようにいたしたい、さような心持ちでおります。(「以降じゃなしに来年度はと聞いている」「以降というのは来年度も入るのだよ」と呼ぶ者あり)ただいま四十四年度の予算をこれから編成しようという際でございますので、ここではっきり来年は五月実施だというところまで言い切れないのです。ただ気持ちとしては、何とかしてなるべく早い時期に完全実施というふうにいたしたい、かように考えまして、よく検討をいたしてみたい、かように考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 この際四十三年度の自然増収額、もう一ぺんはっきり伺いたいのですけれどもね、成長率の最初の見込み一二・一%、そうして現在二八・八くらい、そうして弾性値は幾らに計算していらっしゃいますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まあ実績は、弾性値は幾らという見方をしておりませんで、まあ税の実際の徴収が幾らになるかということから主として判断をしております。実績はどうかというと、二、三ポイント方昨年よりはいいようであります。まあ直接税のほうでかなりいいのです。ビールだとか、そういう間接税のほうで悪い、そういう状態でございますが、まあこれから年度最終時期までどういうふうになりますか、下期の法人の申告状況、それから暮れのボーナスの支給状況、こういうことが大きく影響してくると思うのであります。ただいまのところは千億円はかなり上回ると、こんな感じを持っている次第であります。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 どうも私たちの計算では三千億ぐらいになりそうな気がいたします。で、国債減額だけでなしに、食管の繰り入れにも、それから公務員給与の完全実施にも充てられるはずだと思う。余しておいて繰り越したりするようなことにしないようにしてほしい。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まあこれからの自然増収、ただいま申し上げたように不確定要因がたくさんありまして、ここでまあ荒検討までも申し上げることはできないのでありますが、とにかく私の考えとしては、こういう際に自然増収があれば、なるべくこの際国債の発行額を減らしておく、これが私は大きな意味において国益につながってくる、かように考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 次に社会保障の問題に入りたいと思うのですが、大体、最近社会保障に受益者負担の原則を非常に振り回していられる。この問題でまず経済企画庁長官に、これは社会保障じゃないけれども、公共料金などで盛んに受益者負担の原則を振り回していられるわけなんですが、受益者負担の原則というものをどのようにお考えですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(菅野和太郎君) 公共料金も価格でありますからして、したがいまして、この価格を決定する場合は、受益者負担ということは当然考えられるべき問題だと思います。しかし、公共料金でありますがゆえに、したがって、これは国の全体の政策からその公共料金をきめなければならぬ場合があると思いますし、また、公共料金をきめることによって、ほかの物価に波及する場合もあり得るのでありますからして、そういう点を勘案して公共料金をきめたい、受益者負担というだけではきめられないと、こう考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 受益者負担とはどういうことだと思いますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(菅野和太郎君) たとえば汽車賃が、汽車に乗る人がその運賃を払うという場合です。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 そういう通俗的な考え方を経済企画庁長官がお持ちになるのでは非常に情けないことです。受益者負担というのは、たとえば都市計画事業なんかによって地価が値上がりした、そういう際に特別の利益を受ける者が公益事業、あるいはその事業の一部あるいは全部を負担するというのが本来の原則なんですね。それをだんだん拡大解釈していらっしゃると思うのです。それで財政硬直化の一つの打開策として、受益者負担という原則をお使いになりますと、公共料金を引き上げてみんなに負担させる。そうすると、ほかの物価もどんどん上がっていく、物価が上がればいわゆる硬直化のまた原因になっていくので、たいへんそれは貧弱なやり方だ、いかがですか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(菅野和太郎君) 受益者負担の問題についてお話がありましたが、大体、受益者負担という場合は、土地の評価の場合など公共事業を行なった場合に、地価が上がりますからして、したがいまして、そのときに受益者負担をするという問題が従来からあったのであります。しかし、また同時に、この公共事業について、これを利用する人もまた利益を受けるのでありますからして、したがって、その人もまた負担しなければならないという問題が拡大されてきたのであります。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 拡大したのですね。大蔵大臣いかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 受益者負担金というのがありますが、これはお説のとおり、公共事業なんかやったその利益に均てんした人から負担金を取るということです。いまお話で、公共料金なんかに関連して問題になっているのは、正確にいうと受益者負担主義という問題なんですね。つまり国家サービス、公共企業体の与えるサービスに対しましては、そのサービスを受ける人がその負担に協力をする、こういうことなんです。これは大体、私は財政経済を通じての基本的な考え方の大きな一つの柱になっておる、かように考えております。   〔「関連」「関連」と呼ぶ者あり〕

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) お二人からの要求ですが、関連でございますので、簡単に御発言を願います。山本君。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 簡単にやるのですけれど、答弁がああいう答弁だから簡単になるかどうか。どうも国鉄の運賃は受益者負担、じゃ、私鉄の運賃は受益者負担なんですか。ぼくは経済企画庁長官、そういう公共料金を引き上げる一つの腹を持ったような考え方で答弁をしてもらいたくないんです。そこで田中さんがいま尋ねられているのは、結局、物価が最初四・八%ということで押えるということから、今日六%近く上がるじゃないか。それが公共料金に非常に響くからということを言っておられるわけなんですね。したがって、これは総理大臣、私はこの一問だけで終わりますが、ほかの問題は別として。この前の予算のときに経済社会発展計画で、ちょっとあなたと物価の問題でやりました。あなたは四・八%でおさめるということで相当意気込まれたが、実はならない。そこでひとつ疑問だけ解明してもらいたいと思うのです。御存じのように、先ほども総理は高度経済成長による物価の値上がりというのは、これはいわゆる大きい条件になっておるように言われておるし、ほかにも条件があると思いますが、日本の場合は非常に消費者物価の上がり方がひどいですね。これはもう全部言いません。国連の数字見ますと、米国は三十四年を一〇〇として、四十二年までのこの十年間で一五・七%、西独は二三・四、英国、フランスは除きます。日本は五四・七%という上がり方をしておるのですね。この米国とか英国は別として、西独とは日本の経済成長の状態、国民総生産の実情からよく似寄っている国なんですね、敗戦国として復興した過程も。それが西独の場合より日本の場合は倍以上消費者物価が上がっている。ところがそのほかの経済指標を見ますと、たとえば卸売り物価を見ますと、西独と日本とはあまり変わらない、八・四%しか西独は上がっておらないし、日本も同じく八・八%なんだ。同じ実は経済指標は他のものを見ると大体似通っておるのに、消費者物価だけ日本が非常に上がっておるということは、私は総理並びに経済企画庁長官にはっきり答えていただきたいのは、なぜこれだけ日本が、消費者物価が十年間で五割以上上がるという要素がどこにあるのだろうか。言いかえれば、政府は消費者対策に対してきわめて冷淡であるという断定を下さざるを得ない。したがって、こういう数字をはっきりと解明してもらわぬと、毎年四・八%とか、あるいは五%程度で押えると言われますけれども、それ以上上がっておる。国民生活がここに追い詰められている、また公共料金上げるでしょう。私鉄も申請したでしょう。国鉄も上げるでしょう、電信電話も上げるでしょう。これについて、一体消費者物価はどこまで上がるか。しかも、西独と日本と比較すると、これほどの差がある。片っ方は二四%しかこの十年上がっておらない、年間二%程度なんです。日本の場合は五%以上上がっている。こういう実情はどこにあるのか、これを解明していただきたい。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 関連。私は簡潔に言いますが、経済企画庁長官が受益者負担は価格だというのはこれは間違いだと思う。受益者負担は価格と租税の中間のものだということだと思いますね。したがって、公共料金そのものが、非常に公共性があればその租税的なものがずっと多くなる。そうして価格的なものが少なくなる。受益者負担は価格だと考えているから、赤字が出れば漸次負担をさせればいいということになるわけです。だから、いわゆる公共性を持っているから、経済的なそういうものについても国として租税的な負担をするということになるわけです。したがって、いまの国鉄料金が上がるとか、いろいろな公共料金について赤字が出た場合でも、価格だと考えるならば、それに、買ったものに負担をかけるのは当然だけれども、公共性があるというなら、租税で負担をすべき性質のものが多い場合には、租税的な部面を多くして財政的な負担を多くさせなければならないと思う。したがって、いまあなたがおっしゃったように、受益者負担は価格ですという考え方、そういう考え方になると、公共料金の赤字はもう全部赤字の出てきているものについては利用者に負担をさせていくというのが筋ではないかという議論になるので、この点について受益者負担は価格であるのか、価格でないのか。あなたは価格と、こう言ったけれども、私はそうではないと思うので、この点について御答弁を願いたいと思います。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(菅野和太郎君) 私は先ほど受益者負担は価格であるということは申しておりません。公共料金は価格である。したがって、公共事業を利用する人はやっぱり受益者負担という意味において負担しなければならぬということを申し上げたが、しかし、公共料金であるがゆえに、したがって、これは国全体の政策から料金をきめなければならないし、また、それが他の物価に波及するおそれがあるからして、したがって、その点からも公共料金をきめなければならぬということを先ほどはっきり申し上げたつもりであります。でありますからして、いまあなたがおっしゃったことは、私を誤解しての御質問であったと、こう考えます。  なお、山本君からの御質問ですが、日本だけ消費者物価が特に上がったじゃないかというお話、これはごもっとものとおりでありますが、そこで問題は、日本の経済成長率と成長が、他の国よりも成長が激しいというところに大きな原因があると思います。それで、西独などと比べましても、日本の経済成長率が非常に高いのでありまして、したがいまして、それに関連して物価が上がるということは、これは消費者物価とは私は言いません。物価が上がるということは、これは当然に考えられる問題でありますが、特に日本において消費者物価が上がったという点においては、これは特別な理由が私はあったと思います。それは生産性の低い生産が伸びなかったという点、生産性の高い工業生産は年々伸びてあるのでありますからして、したがって、成長率が高くなったのでありますが、生産性の低い生産、たとえば農業、中小企業、その他のサービス業などもそうですが、したがって、そういうような生産が伸びなかったところに消費者物価が上がってくるということは、たとえば工業生産がにわかに盛んになりましたからして、にわかに労務者が必要になってくる。したがって、労務者が必要になりますからして、労務者が不足する。したがって、労賃が上がるというような問題、そういうようなことで、それに応じて農村では労務者が足らぬというような問題、そういうようなことで日本の特別な事情によって消費者物価が上がってきたのでありますからして、したがって、この消費者物価が上がったことは決していいことではありません。で、これをいかにして消費者物価を上げないようにして物価を安定さすかというような点において、佐藤内閣成立以来非常に苦心をされておるのであります。また、今回もこの物価の問題については、物価本位で予算をつくろうというようなことも大体内々話し合っておるのでありまして、したがいまして、この消費者物価を上げないような方法、たとえば公共料金もそういう意味においては押えるというようなことも考えられると思います。あるいは生産性の低い産業については特別にその生産性を高める方法を講ずるとか、中小企業などでは特別に中小企業事業団などを今度幸いつくりましたからして、あれによって特別の資金を融通するとかいうようなことで、とにかく生産性の低い生産を高め、そうして生産性を平均化していくというようにすれば、おのずから消費者物価が安くなるというように考えておるので、いまいろいろ構造、あるいは労力、あるいは流通過程というようなことについて再検討をして、そうして、ひとつ円満な経済の発展をはかりたいと、こう考えておる次第であります。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 ぼくの質問時間でないから、この時間内にそう反駁できませんが、ドイツ経済の成長の状態、若干の相違はありますけれども、今日第二位か第三位を争っておる西独と日本の経済の伸びておる各経済指標を見ましても、あなたの言うようなそんな大きな変わり方はない。特に卸売り物価においては変わっておらないということであります。そこで、それは反論は時間がないからやりませんが、政府は、いつもあなたの言うことはいつも言っておるでしょう。生産性の低い中小企業とか、農業については改善をしていく、やるということをいつも言っておるでしょう。過去何年間言っておりますか。池田さんが内閣の当時から、おそらくもう七、八年それを言い尽くしておる。しかも上がるでしょう。これをどうするかということを聞いておるのですよ。そうしたいということを何も国民はそんなに期待しておりませんよ。するということを、どうするかということを聞いておる。毎年同じことを言っておるでしょう。特に前の宮澤さんもそういうことを言いましたね。そういうことを言って、毎年そういう物価が五%以上上がるということについてきめ手がないかというと、あなたの言うことを聞いておると、政府にはその力がないということだ。日本の経営者に理解を求めなければできないということでしょう。しからば、生産性の上がっておるこの品種については一体どうなっているのでしょう。これは相当下げられる、生産性の向上をしておるところは下げたいし、まあ管理価格のようなもので抑えておる、しかも、生産性の低い農産物なんか上がっておることは事実でしょう。それに対する手を打っていないじゃないですか。一体、来年はどれだけ上がるということを言われるのですか。大蔵大臣は衆議院では五%ぐらいはと、こう言われるでしょう。五%程度上がるということを初めから言うということについては大きい問題がありますよ。経済企画庁長官は山本君と言われるから、ぼくも菅野君と言いたいのですが、一体、菅野君はどういう考えを持っておるのか聞いてみたい。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(菅野和太郎君) お話のとおり消費者物価はずっと上がっております。まことにこれは遺憾だと思いますが、しかし、この消費者物価を上げないようにするがためには、相当、政府も思い切った施策を講じなければならないかと考えております。そうして、また、いまの価格が昔のように総需要と総供給によって自然的に価格がきまるような世の中ではなくなってきたのでありまして、それにはいろいろ他の要素が加わって価格が定まってきておりますが、その中に政府の施策も含まれております。また同時に企業者の行為も考えられる。また、消費者の運動も考えられるのであります。したがって、そういう点からして、政府としてとるべき処置は今後思い切ってとりたいというのが私の考え方であります。なお、企業者の問題につきましてはお話がありましたが、企業者も、まあ大体卸売り物価が上がらないというところに、企業者としての努力が私はあると思いますが、できればもっと下げたい、下げてもらいたいものもあると思います。しかし、幸い企業者の努力によって下がっておるものもあります。たとえばテレビなどは数年来下がったのが、その一例であります。そういうことで企業者にも価格を下げてもらうということは、これはできるだけ政府として奨励しなきゃならぬ。こう考えておるのでありまして、要するに、この問題は、政府、企業者、また一般消費者も、皆さんひとつお互い協力して、この問題を解決しなきゃならないのではないか。それでまた、私は五%以内にとめたいと考えております。それでいまの状況であれば、このまま推移すれば来年はもうあるいは五%以上になるかもしれないという危険がありますので、五%以下に消費者物価をとめたいということで、いまいろいろと施策を考えておる最中であります。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 物価の問題でも、もういろいろと議論したいところですけれども、私も時間を節約いたしまして、ただ、いま経企庁長官が成長率が高いから物価が上がるとおっしゃいますと、当分、成長率を高くする政策をとっておられるのですから、物価安定を一番基本政策にすると言われている佐藤内閣では物価が安定する見込みがないような気がいたします。それから、生産性の高いものはいいけれども、低いもののほうで上がるような言い方がありましたけれども、これは最近、公正取引委員会が白書を出されましたね。大型合併、寡占化する段階で、コストが下がっても、むしろそれは管理価格を形成しつつある、その心配があるのじゃないですか。その点は、通産大臣が、むしろ大型合併は歓迎するようなことばがありましたけれども、どうでしょう。これ、公取の方にひとつお答えいただきたいのですが。

山田精一公正取引委員会委員長

○政府委員(山田精一君) お答え申し上げます。  ただいま管理価格というお話ございましたが、管理価格という概念は、どうも学者の間でも必ずしもまだ定説がございません。それから、すでに御承知のとおり、数年前、アメリカの上下両院合同の委員会で、いろいろ膨大な調査をいたしたのでございますが、こんな厚い報告書が出ておりますが、あれの中でも、管理価格ということは、どうも適切な定義がないわけでございます。で、私は、なるたけ管理価格ということばを使わないようにいたしておりますのですが、公正取引委員会といたしましては、一定の取引分野における有効競争が制限されることは、これはどこまでも排除しなければならない、かように考えております。まあ管理価格と競争制限と、その範疇が相当部分が重なり合うことは事実でありますけれども、少し観念が食い違っておるように思います。私どもといたしましては、有効競争を確保いたす、この点に十分努力をいたしてまいりたい、かような考えでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 この間の白書の……。

山田精一公正取引委員会委員長

○政府委員(山田精一君) これは、白書には非常にかいつまんで書きましたものでございますから、管理価格ということばは使っておりますけれども、法律の運用上は、一定の取引分野における有効競争の確保と、こういう考えで運用をいたしておるわけでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 物価の問題に入ってしまったのですけれども、これはあとにしたいと思います。時間があればしたいと思いますが、いま社会保障の問題の途中でそれたわけなんですけれども、その受益者負担ということの考え方ですね。大蔵大臣、先ほど財政学上、行政学上とおっしゃいましたけれども、私も少しそういう本を読んで調べてみました。そうして、やはり受益者という意味は、公共の便益のためにする公共財の設置または改良によって特別な利益あるいは著しい利益を受ける者という意味なんですね、これは。そうして、負担義務者というのは、たとえば保険——社会保険の場合でも、被保険者の使用者に義務があるんだというような解説に——田中二郎さんなんですけれども——なっているわけなんです。この点についても、議論をしていきますと時間がなくなるので、私は、厚生大臣の立場ですね、社会保障にこの受益者負担の考え方を非常に拡大して持っていくことについてどうお考えになるか、お聞きしたいのです。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 社会保障の場合におきましては、受益者負担という考え方ははたしていかがなものであろうかと思います。本来ならば、自分で生活をしていく、あるいは医療保険ならば自分で医療を受ける。それを保険なり、あるいは国がどの程度見ていくか、どの程度保険に依存していくか、どう程度国が援助するか、こういう問題でありまして、社会保障関係の仕事において、受益者負担という考え方はいかがなものであるかと考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 さっき一つ聞き落としましたが、経済企画庁長官、公共料金を押えるものもあるとおっしゃったのですが、消費者米価を押えるという方針だそうですが、そうでございますか、据え置きの。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(菅野和太郎君) 物価を上げない、物価の安定というのが佐藤内閣の施政方針でありますので、そういう意味においてできるだけ消費者物価は押えたいと、こう考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 いや米価です。消費者米価を据え置きという方針だそうですが。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(菅野和太郎君) 消費者米価のことは、委員会のほうでいろいろいま研究しておりますので、それを押えるかどうか、まだはっきり私のほうはわかっておりません。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 先日、国民生活局に伺いましたときに、参事官が、消費者米価は据え置く予定であると言われたのですが、それは事実ですか。三年間据え置く、消費者米価を。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○政府委員(八塚陽介君) 私どもの参事官が、田中先生からのお話に対してそう答えたということについて、私まだ聞いておりませんが、そう答えたと思います。その参事官の考え方は、宮澤前長官の消費者米価は据え置くという考え方を申し上、げたのだと思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 消費者米価を据え置いて、同時に生産者米価を押えるということだと思いますが、その問題はいまは追及しないことにしまして、老人福祉対策のことを伺います。私ども各地で社会党と後援者との対話集会を開いて、たいへん切実な問題が出されました。いま六十歳以上の人口一千万、やがて二十年後になりますとこれが二〇%をこえる。人口の二〇%をこえる。二十一世紀へのビジョンとよく佐藤総理おっしゃいますけれども、二十一世紀に入りますときには、二人半で一人の老人を支えなきゃならないという状況になる。その中で老後の生活の保障のない者、年金の保障、医療、特に寝たきり老人が六十歳以上で四十万、これは厚生省の調べです。それから定年制が五十五歳ですから、働きたくても働けないという問題、あるいは老人の住宅の問題、ホームが完全に足りないし、その施設の内容が悪い。その職員の待遇、それから心身障害児をかかえた老人というのは、もうその老い先のこと、自分が死んだあとのことを非常に心配しているわけなんです。いま、こういう問題は単に厚生省とか社会保障の問題じゃないと思うのです。国民の生活全般に関する問題だと思うので、どういうふうに取り組まれるおつもりか。まず総理からお伺いし、それから経済企画庁長官に、これは国民生活審議会が老人問題で答申を出しております。そのポイントをお知らせいただきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) せんだっても社会党の方と懇談をいたしました。その席でこのお話が出ておりますが、いままでもしばしば議論されましたのは、幼児あるいは少年、そういう問題については比較的論議が尽くされたと思いますけれども、老人についてどうも論議が十分かわされておらない、まあ自分が老人になったから言うわけでもありませんが。これから先の家庭が核化する、そういうことを考えると、なおさらこの老人問題とは真剣に取り組まなければならない、かように思っております。ただいまも御指摘になりましたように、施設が足らない。老人にしてまだ働ける人に再就職の場がない等々、いろいろあると思います。それらの具体的な問題については直接この席でお答えはいたしませんが、これからはひとつ老人問題、これと十分取り組んで、そうして老い先の、もう短いとは申しませんが、その期待、希望が十分持てないような方に対しましても、十分期待の持てるようなそういう生活設計を与えるべきだ、かように私考えております。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(菅野和太郎君) 大体私がお答えしょうと思ったことを総理がほとんどおっしゃったのです。したがいまして、国民生活審議会でこの老人問題を取り上げまして、そうして今後この問題については大いに対策を講ぜよということはきめたのでありますが、これは一応、国民生活審議会の決議案でありまして、経済企画庁としてまだ確定したものではありません。したがいまして、この国民生活審議会の報告に基づきまして、今後、老人年金を高めるとか、あるいは老人に職業を与えるとかいうような、いろいろのことを具体的にこれから考えてみたいと、こう存じておる次第であります。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 問題の認識が問題なんでして、つまり国民生活審議会で取り上げているということは、単にこれは社会保障とか福祉とかいう問題じゃなくて、国民全体の問題になるという意味なんでございますから、もっとちゃんとこの答申の趣旨ぐらいはよく知っていていただきたいと思うのです。  それで厚生大臣、それでは、ことし四十四年度の厚生省重点施策に老人福祉対策がなっておりますね。どういうことを構想として持っていられますか。また、その予算などを伺わしてください。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) ただいまも田中さんからお話がありましたように、また総理もお答えをいたしましたように、これからの老人対策というものは、非常に大事な問題だと考えております。厚生省といたしましても、できるだけ予算の許す範囲で老人対策の充実を期してまいりたい、かように考えております。  まず、年金の問題もありまするし、また特殊な老人ホームを増設をいたしたいという問題もあります。また老人の医療対策の問題もあります。また老人の方でも働ける方はできるだけ働いていただけるように、そういった施策も必要であろうかと考えております。非常にたくさんございますが、いずれまた委員会その他適当な機会に御意見を伺いながら、意のあるところをお答えいたしたいと思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 いま大臣のあげられた項目は、私が最初にあげた項目と同じなんです。その具体的な対策をもう少し聞かしていただきたい、予算も特別の対策を立てていらっしゃるのでしょう。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 具体的な対策と申しましても、まだ財政当局と折衝を始めようといたしておる段階でございますので、ここで厚生省はこの次にはこれだけを必ずやりますということを申し上げる段階ではございません。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 要求の内容発表されていますから、ちゃんと言ってくださいませんか、要求の内容を。特に何に力を入れているか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 予算要求の詳しい数字は政府委員からお答えいたします。

今村譲厚生省社会局長

○説明員(今村譲君) お答え申し上げます。  年金の問題、医療問題、いろいろありますが、第一点、社会福祉の問題につきましては、先ほどもお話ありましたように、施設整備の年次計画に基づきまして、ことに寝たきりの老人の特別の老人ホームといいますか、それを中心にして相当急速に整備をするという施設整備費を出しております。  それから第二点におきましては、老人の医療費の問題でございますけれども、これは本来ならば医療保険の問題で全部ケリをつける、給付率を変えるとか、あるいは特殊な方法を考えるということでございますが、その抜本対策の検討が現在進行していて、相当時間がかかるということでございますので、現行の制度のもとにおける老人、七十歳以上の自己負担の部分について一定の所得制限がありますけれども、その負担を軽減する方法を考えたいということで予算を要求いたしております。それからそのほかに、寝たきりの老人というのが全国に約四十万人おられます。それでそのうちで半分はほんとうに全部他人の介護がなければならぬという状態でありますが、こういう寝たきりの人に対するお医者さんの派遣とか、家庭奉仕員の派遣とか、そういう居宅対策の要求、これをいたしております。社会福祉としての大きい問題はこの三つの柱でございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 いま言われた七十歳以上の老人の医療費の自己負担分を国家が負担する、これはぜひ実行していただきたい。これは非常に強い要請でございまして、それからまた、その老人福祉法によって健康診断ができるはずになっているのですけれども、健康診断したために病気が発見される、そうするとその医療費に困るという心配から、検診を受けない老人がたくさんいるという問題、その他いろいろ寝たきりの老人の中で、特に東北の農村などで寝たきりの老婦人がたくさんいる、まことにみじめです。そうして日本では女の老人の自殺率は世界一でございます。ですからこういう不名誉がないようにぜひ手を差し伸べていただきたい。そのほか年金の保障、これは福祉年金の制限を撤去してほしいということです。この点については厚生省はどんな考えを持っていらっしゃいますか。わずか千七百円の七十歳以上の老人のもらう福祉年金です。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 福祉年金、年々増額をいたしておりますが、本年もさらに増額をお願いをしたいと思って、財政当局と話し中でございます。なお御質問の点は、老人夫婦二人になった場合の減額の措置の改善を考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 所得制限。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 所得制限もできるだけ今後緩和をしてまいりたい、かように考えて、これまた折衝中でございます。それから二人の老人夫婦がもらうようになった場合に減額をされるという問題も、これは御承知のように先般第一審で政府が負けましたが、しかし私はこれは憲法違反ではないと思っておりますけれども、しかしながら何ぶんにも福祉年金の額は低いわけでありますから、できるだけそういうことのないように改正をいたしたい、かように思って、これまた財政当局といま話し中でございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 これは大蔵大臣に聞いておいていただきたいんですけれども、老人福祉対策の厚生省のこれまでの四十二年度の予算六億五千万ですね。いま要求しておられるのが四十八億五千万です。これでも全く足りないのですから、こういう予算は削らないようにしていただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 所管大臣ととくと相談をいたします。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 そういう答えはだめです。  もう一点、社会保障に関連して、これはもう児童手当というのは完全に欠けているのですが、児童対策が欠けておりますが、その問題以外に、実は一昨日の朝、私がテレビを見ておりまして、交通遺児を励ます会の人が出てこられました。そうして交通事故で命を失っている親の遺児二万七千四百六十六人、これを救うために若い人たちが一緒になっていま一生懸命やっているわけですね。これに対して衆議院のほうの予算委員会で横山委員が、奨学金のための財団をつくることを提唱された、総理大臣も考えましょうというふうに言われたようでございますけれども、これはほんとうに哀れな状況ですね。私はあのときに出てきた夫を失った妻が、自分はおとなしい妻として生涯を送りたいと思っていたけれども、夫を失って子供をかかえているのでたくましい母となったことが悲しいという意味の歌を歌っておりました。女がたくましくなることに私は反対じゃないのですけれども、こういう状況にある子供たちを救うために青年たちが、二十億あれば奨学金ができるのだ、だから国民一人一円を拠金してほしいというような訴えをしていたんですけれども、こういうのは国家に責任があると思いますが、いかがですか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(床次徳二君) ただいまお尋ねの交通災害によりまして生じました遺児の問題でございます。全くお話のとおり、この問題に対しましては毎年人数がふえてまいりますので、大きな社会問題として検討すべきものだと思うので、われわれも検討いたしておる次第でございますが、なおこの関係におきまして、すでにいわゆる自動車賠償責任保険におきましては、金額を三百万円から五百万円に上げたいというふうに検討しております。なおあわせて母子福祉法とか、あるいは生活保護法等によりまして、一そうその措置を拡充強化いたしたいと思うのであります。なお民間において今日組織せられておりまするところの育英等、遺児を励ます会に対しましては、なお積極的にひとつ援助をいたしまして、その発展を促したいと思うのであります。  なお、国からこれに対しまして相当積極的な育成方法といいますか、事業に参加したらどうかという御意見のようでありますが、この点はなお十分検討いたしたいと思っておるわけであります。この措置を講じてまいりたいと思うのでありますが、たとえば交通安全対策等の特別交付金とか、あるいは自動車損害賠償責任保険の保険金勘定あるいは保険勘定の剰余金等を国から財源に充てたらどうかということ等も考えられるわけでありまするが、なおこの点につきましては、さらに市町村の行なう災害共済による援助等の問題もありますので、これを含めてひとつ検討をいたしたいと思っておる次第でございます。  なお、ただいまの交通事故に対しましては、直接加害者と申しまするか、責任者がありますので、今日の処置においてはとられるのでありまするが、そういう責任者のないところの事故によりまして発生した遺児の問題もありまして、同じようにまことにお気の毒な状態なんでありまして、こういう問題等も関連いたしまして、国のほうにおきましては、不公平のないようにと申しますか、漏れのないようにひとつ努力いたしたいと、今日検討中でございます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いま床次君から詳細にお答えいたしましたので、御理解いただけたかと思います。  交通事故につきましては、これを国民総ぐるみ運動、これを防止しよう、なくしようということで、せっかく努力しております。なかなかしかし自動車はどんどんふえる、交通量がふえますために、事故は、施設等がどんどん進んだにかかわらず、ますます事故の数がふえております。これはどうしても国民全体で総ぐるみでこの問題と取り組まないと、なかなかこれは絶滅はできない、減少することもむずかしい、かように思います。いろいろただいまもお話がございましたが、法制、その他教育の問題等、各般にわたりまして政府は総ぐるみ運動を展開しておりますから、それらのことを通じ、ただいまの交通事故による遺児ばかりでなく、その他の遺児につきましても、これが救済に青少年室等におきましても取り組むつもりであります。それらの点をただいま床次君が答えたとおりであります。最も時節柄私ども頭を悩ましておる交通事故の問題でありますだけに、皆さん方の御協力のほどをお願い申し上げます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 総務長官からいろいろと対策を出されましたこれ、実行していただきたいし、なお交通反則金なんか、あれ道路開設するのに使っている、ああいうものからも財源を充ててやってほしい。あるいは記念切手を発行するとか、いろいろ考え方があるんじゃないかと思う。この際私は大蔵大臣にひとつ要望しておきますけれども、もし奨学金のための特殊法人あるいは財団法人をつくる場合、これを指定寄付金の指定を受けられるように、そのものには配慮していただきたいということを申し述べまして次に移りたいと思います。  次に、地方財政の問題なんですが、たいへんいま大蔵省は、財政硬直化の打開策として、地方財政に圧迫をかけているという感じでございます。地方交付税の税率、つまり三二%から二%切りたいという考えがあるようですが、それはそのおつもりでございますか、大蔵大臣。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これは御承知と思いますが、地方財政は最近非常に改善をされてまいってきておるのであります。昭和四十年のあの不況ですね、あの影響を受けまして、地方財政はどん底状態というような状態でありました。そのとき交付税率を引き上げますとか、その他もろもろの地方財政対策をとった。ところがその後その対策の影響もあり、また経済の成長の影響もありまして、地方財政はとみに改善を見てまいりまして、今日になって見ますると、中央と地方との財政の状況のバランス、これが逆転をしてきたというようなかっこうになってきておるのであります。たとえば四十三年度について見ましても、公債依存率ですね、これが地方財政では当時七%もあったのが、四%でこと足りるというようなことになってきておる。国のほうは一一%負担だと、こういうようなことになるわけであります。まあ中央、地方の財政は非常に交錯をしておりまして、あるいは交付税の問題もあり、補助金の問題もあり、その他いろいろな問題があるのでありますが、この際中央、地方の財政全体としてのバランスを考え直してみようじゃないか、こういう時期に際会をしておるわけであります。御指摘の交付税率の引き下げという問題が、そういう調整の一つということで提起をされておりますが、これはまあ自治大臣ともよく相談をいたしまして最終の結論を得たい、かように考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 地方財政は豊かになった、黒字が出てきたということですが、自治大臣、この点についてどう思っていられますか、お伺いいたします。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) ただいま大蔵大臣から地方財政が非常に好転したというようなおことばがありました。それはおそらく大蔵大臣、多少ことばの使い方が少しオーバーじゃないか、決して非常に好転しておりません。したがって、ただいまの地方交付税の引き下げ問題につきまして、私にお尋ねございませんから、ここでは申し上げませんが、私ども自治省といたしましては、現在の地方行政の水準を引き上げるという前提からいたしますと、この問題はよほど大蔵省、特に大蔵大臣とひとつ御懇談をしてわれわれの態度をきめたい、こう思っております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 私も地方財政審議会の答申を読んだのですが、それでいろいろ問題があると思うのですね。一体その地方団体の超過負担の実情、これはどんなものでございますか、自治大臣に。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) ただいまやはり地方財政と関連して、いま御指摘のありました超過負担という問題が出ておりますが、これは地域住民にとってまことにまあ困ったことでございまして、しかしながら、現実は超過負担はまだ増す傾向でございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 どのくらいありますか、超過負担。

細郷道一自治省財政局長

○政府委員(細郷道一君) 今年の調べがございませんが、大体千億くらいあるのではなかろうかと見ております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 地方財政の状況をもう少し……。それからどうして、大蔵大臣は中央と地方、まるでアンバランスで、地方のほうが豊かだと言われましたけれども、それに対する反論がもっとしっかりあってもいいと思う、自治省のほうに。もう少しはっきり具体的にどういうものですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) 地方財政が好転しているということでございますが、事実黒字を出しているものもありますが、しかし内容はやはりたいへん苦しい。たとえば黒字を出したと申しましても、まあ県によっては八億か九億、市町村によっては八百万円か九百万円で、木橋一つつくっても、とても足らない。その原因はどこに、しかも都道府県のうちの半数近い二十二県か三県は赤字になっておる。その原因はどこにあるかと申しますと、まず地方の、つまり地域住民に対して行政水準を上げようとかかりましても、つまり地方といたしましては、やりたい仕事をやらないで手控えている。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 たとえばどんなもの。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) それは地方債の関係、交付金の分配関係で、各地域によりましては、まあ一つやっても赤字になって、また非常に借金がふえるから、やらぬでじっとひとつ見ておろうというので、非常に消極的なんです。だから実態を見ますると、たとえば市町村道一つ取り上げましても、いま舗装しているのはどのくらいの舗装率かといいますと、わずかに五%。これを一%上げるにも一千億かかるという、とてもやれないんです。御存じのとおり、最近は過密とか過疎というこの問題はたいへんなことで、これはもう内容は御存じのとおりと思います。これらの施設をどうするか。村によってはお医者さん一人もおらない、学校の先生も来手がないというところで、どう対策をすればいいか、これも金がないから手が出ないのです。過密地帯にいたしましても、もうこれは御存じのとおり、交通対策から公害問題その他を控えておりますから、とてもいま、いわゆる現状においてほんとうに仕事をやるとなれば、黒字どころでなくて、たいへんな借金をしなければできない。しかし、国家財政の現状から、交付金をこれ以上上げるというのは、なかなかこれは、引き下げ論まで起こっておるのですから、ひとつ引き上げてくださいと言ってもなかなか応じませんから、こういうことから勘案いたしますと、これは今日のいわゆる国民生活という大きな意味から考えましても、地域住民の生活水準というもの、これらをいわゆる社会政策的に考えましても、これはたいへん現状におきましては不足数が多いのです。こういうことでございますから、だんだんだんだん、いわゆる地域によりましては、もう仕事をしても金がない、そして借金をするにも苦しむから、いいかげんにほうっておこうという消極的な態度が見えているということも事実でございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 私も地域住民の立場に立ちまして、上下水道からし尿処理、道路、学校その他、ほんとうに過密、過疎対策あるいは住民税の軽減、そういうことから考えましても、地方交付税率を下げるということは非常に困ると思っております。  で、なお、地方交付税率を下げることはどうも抵抗が強いというので、国庫補助金の打ち切りを考えていらっしゃるようですね。自治省、どういうものが打ち切りされようとしているか、ちょっとお述べいただきたい。

細郷道一自治省財政局長

○政府委員(細郷道一君) 私どももまだ正式な話を伺っておりませんが、各省と連絡をとってみますと、職員設置費の補助金でありますとか、あるいは保育所の補助金でありますとか、教科書無償配布に要する負担の変更でありますとか、そういったようなものを承っております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 大蔵大臣、そういう指示をされているわけですか、各省に。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まだ私は着任早々でありまして、指示はいたしておりませんけれども、事務方がいろいろ勉強しておるところを見ておりますと、交付税の引き下げということも検討はしておりまするが、御説のようなことも考えながら、補助金ですね、これをかなり整理したらどうだろうか、こういうことも検討いたしておるようであります。もっともそれとは別に零細補助金の打ち切り問題というのがありまして、一県に配付される金額が百万円以下、市町村一単位に支給される補助金が十万円以下、こういうものは意味がないのじゃないか、こういうので、これが整理につきましては具体的に検討いたしております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 こういうものは意味がないと言われたので、たいへん重大だと思いますが、まず、その職員設置費補助金の廃止の方針が出ておるわけですね。四十四年度予算はもう最終段階に編成されつつあるわけで、とぼけていただかないほうがいいと思いますけれども、その職員設置費補助金の廃止の中に、われわれにとって非常に重大だと思うものがたくさんあります。たとえば農林省の農政局にある農業改良普及員並びに生活改善普及員、これが補助率が三分の二、一万一千二百七十七人、この人たちの補助金を切り、それから保健所の職員に対する補助、こういうものを切ってもらいますと、これは地方交付金になった場合に必ず残るという保証はないわけです。これは農林省あるいは厚生省はどうお思いになりますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) いま補助金を切るというお話がありますが、誤解がないように明らかにしておきますが、これは補助金は減らしますが、地方交付税の中で配分もする、こういうたてまえでありまして、その事業がやまるとか、その人が削減を受けるとか、そういうような性格ではないのです。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 それはよくわかっております。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 中央、地方財政の調整の一環の問題である、こういうことなのでありますが、これはまだ予算の編成の具体的な段階に入っておりませんけれども、臨時国会が済みましてから、関係各省とよく協議をいたしまして結論を得たいと、かように考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 農林大臣。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 昭和四十三年度末の普及職員の定数は、農業改良普及関係で一万一千二百七十七人、生活改善関係で二千五百七十名、計一万三千八百四十七名であります。  また、普及職員設置費補助金の総額は、農業改良関係で約五十一億七千万円、生活改善関係で約十億五千万円、合計いたしまして約六十二億二千万円程度でございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 補助金を切られることはどうかと言っているのです。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) これは職員も、いま総合農政を行おうというときにあたって、指導的な立場に立たなければならない重要な役割りをなさっておる方々ばかりでございますので、これらに対してはまだ正式にお話がございませんので、今後の折衝に待ちたいと考えております。大いに努力を傾けてみたいと思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 さっき大蔵大臣がこれをなくすのではない、地方交付税で見るのだと言うのですけれども、地方交付税はひもつきではないわけです。ですからどういうふうにこれがなっていくかということは、地方の政治情勢に関係がある。その点で心配しているわけです。特に生活改善普及員というのは、人数は少ないけれども、戦後の農村の生活に非常に大きな役割りを果たして、二千戸を一人が受け持つというような形で、ことに最近は農業においては主婦農家と言われるようにほとんどが主婦でございます。そうしますと、そういう方々の出かせぎに行ったり、いろいろな家族問題もたくさんあるわけです。それからたいへん病気が多い。こういうものを指導する役目を持っているわけです。これがもしも地方交付税になった場合に、保証がないと非常に心配しておりますので、こういうものについては職員設置費の打ち切りということを一ぺんにどれもこれも同じようにしないようにということを要望したいと思います。  それからなお厚生省関係ですけれども、厚生省関係では、ことに保健所の問題がありますが、零細補助金、保健所職員の補助と同様の意味で私は切ってもらっては困るということを申し上げておるわけです。  それからさっき言われました零細補助金、これに該当するものはどういうものがあるかということをちょっと厚生省からお話し願いたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 厚生省には零細補助金が非常にたくさんありますので、しかもそれは非常に大事な意味を持っておりますから、ぜひそういうものは増してこそもらいたい、そういうように大蔵大臣と折衝してまいりたいと思います。ほとんど厚生省はそういった零細補助金の集りでございますから、どうぞよろしく御支援のほどをお願い申し上げます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 大蔵大臣が先ほど、そんな零細なものはあってもしようがないというような言方なすったのは、たいへん私は心外でございます。児童家庭局関係なんか、つまり僻地の季節保育所の補助とかそれから社会局関係では老人福祉関係がみんなございます。寝たきりの老人を見る人はたった千三百人なんですね。こういうものは小さいから切るというのではなくて、今後ふやすという方向に、一々これは数え上げるひまがありませんので、人間の生命を守る、福祉を守るという観点から、こういうものに対しては特別な配慮をするというふうにしていただきたいのですが、大蔵大臣、厚生大臣、総理のまた御意見を伺いたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 百万円、十万円未満の補助金は整理しようというのは、すでに閣議でその大方針はきめておるのです。そういう次第もありますが、これはこれから実情もよく調べまして、また関係各省ともよく協議いたしまして扱いをきめたい、かように思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 少額補助の整理、こういう方針をとっておりますが、金がどういうように使われておるか、その効果を十分考えまして、私どもこの問題と取り組んでまいります。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 関連、もう一つ。次の国会では予算編成に間に合いませんので、地方財政について、これは当時総理大臣にお願いをしておったやつですが、実は私あなたの御委嘱で地方制度調査会のメンバーになっておるわけです。いろいろその調査会のメンバーの方々の言われることを聞きますと、大蔵省と自治省が同じ政府部内で対立しているような触感がするのですが、これはそうであってはいけないと思う。やはり地方財政の問題も国政の一部でありますから、したがって、総理はどういう認識でおられるかということで非常に疑っておる点がある。いま大蔵大臣と自治大臣との答弁を聞いておりますと、全く食い違っております。交付税率を引き下げる問題については、自治省は反対、それから大蔵省はややそういう引き下げをしたいというような意向があるようでありますが、これは地方財政の実態——私は予算委員に属しますから国の財政も若干知っておりますが、いまの地方財政の現状という認識を私ははっきり持ってもらいたいと思う。大蔵大臣は田中委員の質問に対しいろいろ答えられておりますが、私は福田大蔵大臣は、もう少し地方財政について十分認識してもらいたい。しかし、自治大臣はまた国の財政にも認識なきゃいかぬと思いますが、現在の地方財政といいますか、地方行財政の実態というものは、あなたのいま言れたような実態じゃないのですよ。たとえば学校建設にいたしましても非常に問題がございます。現在、学校は地方公共団体が建てたいといっても、実は先ほどちょっとありましたけれども、超過負担で実は建てられない状態なんです。川崎市あたりではもう土地を買うだけでも、とても手がつかないという状態がいま現出しておるわけです。小中学校建設費の超過負担の状態、これは昭和四十一年、ちょっと古うございますけれども、補助基本額が一万八千九百五十六円、これは平米でございますが、それに対して決算額は二万四千二百九十一円でありますから、補助金をそのままかりに出したところで七八%の要するに補助額の基礎の相違があるのですね。こういう状態でありますから、もう少し地方財政を認識しなければ、この問題は解決しないと思うのですよ。したがって、国の財政硬直化という名において地方財政にしわ寄せされると思いますけれども、それが即住民にはね返って大きく犠牲がくるのでありますから、この点はさらに慎重に私は大蔵省は考えていかなくちゃいかぬと思う。地方交付税率については大蔵省は、何か財政制度審議会の意向によって引き下げようという方向に向いておるようでありますが、おそらくこれは問題にならぬと思っております、私の考えでは。ただいまはしなくも言われましたように、保健所の補助金とか、あるいは保育所とかその他の補助金を、地方交付税が非常に増収であるという見方から、基準財政需要額のほうにそれを盛り込んで、それでこれを運用さそうという考え方が私は出ておるんじゃないかとも思うのですよ。それでは大きいものの筋違いでありますから、地方交付税は御存じのように一般財源でありますから、それを国庫負担金で実はこれを肩がわりさそうということは、これは財政形態から間違いでありますから、そういうことは絶対に考えないようにして、現在の東京、大阪、その他過密都市、いなかの過疎地帯の実態を十分考えられて、予算編成に私は大蔵、自治両省が地方住民の今後犠牲のないようにひとつやっていただきたいと思うのでありますが、その点ほかの大臣に聞いてもしかたがございませんので、佐藤総理大臣にその点の御意向だけ聞いておきたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま山本君が言われますように、同じ地方自治体と申しましても、大都市があるし、またいなかの府県があります。これらの小さな県と話してみても、それぞれの県でそれぞれの理由があるので、どうも大県、富裕な県に何もかもみんな持っていっているんじゃないか、あらゆるところにいかないのじゃないか、われわれの行政水準はまことに低い、むしろ大都市は押えてもというような意見すら出ております。そういうところに予算編成のむずかしさがあります。また私が主宰しておる内閣におきましても、それぞれの省においてそれぞれの仕事はしたい、また大蔵省はそれらをまかないたいと思いましても、なかなかあり余る財源ではございませんので、そこにちゃんと限度がある。こういうところで、私自身がそれらの主張を聞きながら、公正妥当なところをきめるのが実は私の仕事でございます。また各省もそういう意味で公正妥当な結論、これに皆さんが最後には協力していただいております。  ただいまもお話ありました超過負担の問題、これは私毎年毎年少しずつでも超過負担にならないように是正はしつつあります。また四十四年度の予算編成におきましても、そういう問題に取り組むだろう、まだまだ十分ではございませんが、皆さん方の御意見を十分拝聴し、そういう線におきまして公正妥当な予算をつくりたい、かように考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 時間がありませんので次に進みます。  地方労働基準局及び婦人少年局の地方委譲の問題で、労働大臣にまずお尋ねしますが、今回労働省の機構改革案の中に、労働基準局と婦人少年局とをどのように改革されようとしていられるのか、そのポイントをわかるように御説明いただきたいと思います。

原健三郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(原健三郎君) 今回の労働行政の機構改革案においては、都道府県労働基準局を廃止して、その事務を原則として都道府県知事に委任し、各都道府県に労働部を新たに新設することといたしております。労働監督面においては、すでにわが国が批准しておるILO第八十一号条約の条項を順守することはもちろんでございます。また監督の実施については、全国的統一性、それから公正性を維持しつつ、厳正に行なうことといたしております。そのために二つのことをやりたいと思っておりまするが、すなわち第一は、労働基準監監官制度についてはこれを堅持いたします。第二は、第一線の労働基準監督署がございますが、この労働基準監督署は、現行どおり国の機関として存続せしめるなど、労働基準の筋を通してまいりたいといま考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 まだ不十分です。もう少し……。まだ改革のポイント全部じゃないと思います。

原健三郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(原健三郎君) それから婦人少年課につきましては、これを都道府県に労働部というのを新設していただきまして、その労働部の中へ婦人少年課あるいは婦人少年室というのを設置していただく、そういうふうにいま話を進めておるところでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 まだ不十分だと思いますが、もう少し補足していただけますか。改革案全部じゃないと思います。

原健三郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(原健三郎君) それからさいぜん発言の中に、各都道府県に労働部があるというお声もございました。各府県にはございません。わずか都道府県の中で八都道府県だけが労働部というのを、独立した部を持っておりますが、今度は全国の各都道府県に労働部というのを新設することになろうと思います。それから各ブロック別と申しますか、地方に地方労働局というのを新設いたして、労働行政の中央からの統一的運営等をいたしたい、こう思っておる次第でございます。  大体そういう程度でございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 まだ補足することないですか、政府委員。

岡部實夫労働省労働大臣官房長

○政府委員(岡部實夫君) お答えを申し上げますが、ただいま先生おっしゃった御質問に対します大臣の御答弁で、基本的な改革の点は盛られておると存じます。あと、そのほか新しく労働関係の保険の適用の拡大に伴いまして、地方に保険の徴収機構を一元化するための保険事務所を設けるとか、あるいは地方事務官をいまの改正に伴って廃止するとか、そういう事項が関連の機構改革として考えておりますが、機構改革全体といたしましては、ただいま大臣が申し上げました大綱の線に沿って目下検討を進めておるところでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 労働大臣にお伺いしますけれども、この改革案がつくられた手続を説明してください。いつごろ、どういう順序を通ってやられたのかということです。

岡部實夫労働省労働大臣官房長

○政府委員(岡部實夫君) 従来からの経緯に属しますことでございますので、私から御説明を申し上げたいと思います。  前内閣のときに、二月以降、政府全体の行政機構改革に関しまして閣議決定がございまして、その後六月ごろから具体的に行革本部に対しまして各省の改革の線が出されまして、その後関係各省の間で話し合いが進められてまいったわけです。そこでお尋ねの点は、前内閣の最後の段階におきまして、労働大臣、自治大臣及び行管長官、三大臣の間で労働省関係の出先機関の改革に関しましての話し合いについて、その段階までにまとまった点につきまして三大臣がそれを確認する意味で覚え書きを交換いたしました。それが、その中身が、ただいま大臣がお答え申しましたような線で、それをその確認の線に基づきまして、今後さらに検討して、最終成案を得るという段階でございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 この改革は非常にドラスチックな改革なんですね。それで第二次佐藤内閣の一番最後の夜、こういう覚え書きを三大臣がするということは、非常に私は不思議に思うのですが、なぜそのように急がなければならなかったのかということを伺いたいのです。内閣辞職の前夜なんです。

原健三郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(原健三郎君) さいぜん労働省官房長からお答えをいたしましたように、急にやったわけでございませんので、ことしの二月、三月ごろからだんだん話を進め、政府の行政機構改革等にものりまして、だんだん煮詰まってきて、十月ごろに各閣僚間において大体話し合いができた、こういうふうに承っております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 この案をつくる際に現場の地方の労働基準局あるいは婦人少年室、あるいは本省の基準局あるいは婦人少年局、あるいはそのまた労働省の組合員にお聞きになったかどうか、意見を求められたかどうか、実際に携わっている人たち。それからなお、労働基準法ができます当時、公聴会を開いて、一般の労働者の意見を聞いてできたのです。ですからその一般労働者の意見を聞いたかどうか。

岡部實夫労働省労働大臣官房長

○政府委員(岡部實夫君) 御説明申し上げます。  御質問の労働省の出先の機関の意見を徴したかどうか、これはそれぞれ最終的な法案をこれからも得ることになっております。その段階にいきますし、ただいまの覚え書きをかわすまでの段階の線におきましては、関係局長並びに婦人少年室長の会合を招集いたしまして、意見を聞いてまいりました。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 いつですか。

岡部實夫労働省労働大臣官房長

○政府委員(岡部實夫君) 十一月の十八日及び十一月の二十五日……。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 一週間前ですね。

岡部實夫労働省労働大臣官房長

○政府委員(岡部實夫君) はい。それからなおそのほか今日まで引き続きましては各審議会その他の御意見を承り、目下もさらに引き続いて承っているところであります。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 案ができてからみんなに聞いているようですね。非常に少数高級幹部の間で極秘にできたんじゃないかという感じがいたします。一体労働基準行政あるいは婦人少年行政の任務、役割りというものはどういうものかということを労働大臣から御説明願いたい。

原健三郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(原健三郎君) 田中委員は労働省の大先輩でございまして、十分御了承のことと存じますが、労働基準行政の使命、あり方でございますが、労働基準行政は労働基準法、最低賃金法、労災保険法等、関係法令の定める賃金、それから労働時間等の最低労働条件の確保、労災補償を行なうことを主たる任務とするのでございますが、国民経済の高度成長、技術革新の振興に伴いまして、社会経済の実情に大きな変革が見られる中において、次の三つのことが考えられます。労働災害の防止、第二は最低労働条件の確保、第三は中小企業労務管理の近代化の問題を処理してきたところでございますが、今後ともこれらの問題について監督行政を中核として、労働者の保護及び福祉の向上につとめてまいる処存でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 関連。官房長の先ほどの答弁ですがね、私どもが聞いた範囲では、地方の出先についてもそれぞれ意見を聞いた、こういうことのようですけれども、実際はそうじゃない。いつであったか、ちょっと日にちをはっきり記憶しておりませんが、全国の基準局長あるいは関係の部課長あたりが総まとめにして、こういう機構の改革ということは関係諸法及び諸規定を名実ともに否認するものであって困る、こういうことで強硬に本省段階に申し入れがあったと聞いております。その事実を本省では承知されているのか。また、どの程度までその辺の話し合いがまとまっているのか。少なくとも労働省内においてかなりの意見の対立があるという事実を私どもは聞いておりますので、その辺がどう調整されているのか、大臣から御説明願いたいと思います。

岡部實夫労働省労働大臣官房長

○政府委員(岡部實夫君) ただいま御質問の点でございますが、地方の機関の責任者からは、先ほど申しましたように、十八日及び二十五日の両日にわたって会合により私どものそれまでの案を説明するとともに、意見を承りました。それからなお地方の基準局長並びに婦人少年室長の間に反対の意見が強いというおことばでございました。これは目下のところ私どもも一部の基準局長、婦人少年室長の間にこの案に対しまして非常に先行きが不安である——まだ実は大綱だけが示されておりまして、具体的に今後さらに詰めてまいる点がだいぶ残っております。そういうこともありましょうし、この案が必ずしも将来その意図するようなことで十分運営が確保されるかどうかという点について不安があり、そのためにこれに対して反対があるという意向があることも承知しております。それらの点につきましては、目下さらに関係の責任者と話し合いを詰めて、十分意思の疎通をはかってまいる所存でございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 何か総理おっしゃることありますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いま官房長がお答えしたとおりでございまして、ただ私いま官房長に聞きましたのは、私自身が皆さん方から直接陳情を聞いておりますので、その陳情の線に沿うてなお考究しておるというその点を確めたのでございます。したがいまして、十分皆さん方の御意向は私がみずから聞いておりますので、その点はよく伝えたつもりでございます。なおまた結論が出てないようでございますから、その点……。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 先日、婦人議員で陳情しましたときは、総理大臣よくおのみ込みにまだならなかったと思います。労働基準行政というのは、労働者の最低基準を守る労働基準法を、どんなふうにほんとうに実行していくかということを日本全国にわたって監督していく行政です。それから婦人、少年行政というのは、それと表裏一体となりまして、特に婦人労働者、少年労働者、また農村の婦人、家庭の婦人をも含めまして、そういう基準行政が円滑にいくように調査をしたり、宣伝をしたり、手足となって働く仕事でございます。こういう仕事は地方の政治勢力あるいは国の政治勢力あるいは企業に偏してはいけない。そういう意味の行政でございますので、私たちは国の機関としてこれのあることが正しいと考えております。そういう点でどうお思いになりますか、総理大臣並びに労働大臣から。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま田中君からさらに詳細に御説明がございまして、もう私自身は誤解はしておらないつもりでございます。また労働省官房長もそういう点はよく理解した上で十分目的を達するようにしたいと、これが先ほど来の話だと思います。まだ結論が出ていないというのは、その行政目的を達すること、それが大事だと、かように思いますので、なお研究をひとつさせていただきたい、いただかせてもらいたいと思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 いま総理大臣たいへん巧みなことばをおつかいになりましたが、行政の目的を達する方針、これは労働大臣がさっきILO条約に反しないようにして、四十六都道府県に労働部を置きますとおっしゃいましたけれども、置きますという保証がどこにございますか。

原健三郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(原健三郎君) 大体そういうことの線に沿うて大筋の合意がこちらのほうにできております。さいぜんからいろいろ御質問ございましたが、今回の行政改革案は、いま総理大臣のお話もございましたが、労働行政の発展のために考えておるものでございまして、御期待に反することがないように十分慎重審議して最終結論に、また皆さん方の陳情も私たくさん聞いておりますので、陳情、意見をも参酌し、皆さん方の委員会における御意見も参酌して最終結論に到達したい、こう思っております。よろしくお願いいたします。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 いままでの案で一体どういう保証があるんですかということを伺っているわけなんです。

原健三郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(原健三郎君) いままででもよろしいといえばよろしいのでしょうが、このほうがより効率的に労働行政を進めていけるものであろうと考えておる次第でございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 いまのはっきりしないのですが、どういう意味ですか。どういう意味でございますか、もう一度。

岡部實夫労働省労働大臣官房長

○政府委員(岡部實夫君) ただいま大臣のお答えになりましたのは、ここで関係主管の大臣との間で約束をされまして、都道府県には労働部を置くということを主管の自治大臣もそういう方向で進められるということでございますので、所要の法律改正をいたしまして、労働部を置くということで進めることになると思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 それは義務的に必ず設置されるという保証がありますかということです。

岡部實夫労働省労働大臣官房長

○政府委員(岡部實夫君) 申しましたのは、都道府県にいかなる部を必置部として置くかは自治法がきめることになっております。その自治法に労働部を置くというための所要の改正を行なうということを三大臣が御了解になったと、こう理解しております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 了解ではだめです。婦人少年室は。

岡部實夫労働省労働大臣官房長

○政府委員(岡部實夫君) 課の設置は都道府県の条例にまかされておりますので、ここでいきなり法律で規定するわけにはまいりません。そこで三大臣の間では、課ないし室を設けるよう特段の配慮をするということで、三大臣といたしましては今後こういう方向で課ないし室の設置をしていくということを合意されたものと解釈しておりまして、その線でできるだけ条例によってこれを定めてもらうようにしてまいる所存でございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 特段の配慮というだけでは私たちは承服できません。労働基準法に基づく監督制度、これはILO八十一号条約並びに二十号勧告、そういうものについて御説明ください。抵触している。

和田勝美労働省労働基準局長

○政府委員(和田勝美君) ILO八十一号条約におきましては、労働監督につきましてその第四条で、「加盟国の行政上の慣行と両立しうる限り、中央機関の監督及び管理の下に置かなければならない。」、こういう規定がございまして、ただいま考えている案につきましては、法律の解釈としては大体抵触をしない、かように考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 八十一号の六条と三条と二十号勧告について。

和田勝美労働省労働基準局長

○政府委員(和田勝美君) ILOの二十号勧告につきましては、これは勧告でございますので、条約のように抵触問題は出てまいらないと思いますが、その勧告におきましては、「監督機関は、国の中央機関の直接且専属の管轄の下に置かるべく、且其の職務執行に関し地方機関の管轄の下に置かれざるべく、又之に対し何等責任を負わざるべきこと。」と、かように規定をしております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 日本はILOの常任理事国なんですね。八十一号条約にある趣旨をさらに進めた勧告、これを守るのは当然であると思います。で、監督行政というのは地方の政治勢力あるいは企業に支配されてはならないという意味で、どこまでも中立の国家機関であるべきだと私は信じておりますが、婦人少年室について、この仕事をどのように評価していらっしゃいますか、労働大臣。

原健三郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(原健三郎君) 婦人少年室は、各都道府県で、非常に少数の人員でございましたが、非常な御尽力をいただきまして、婦人の地位の向上、少年の保護等々、目ざましい活動をされまして、今日この職責が各方面から認識せられておりまして、私どもも高く評価いたしておる次第でございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 社会が変化してきまして、婦人少年局設置当時と問題はいろいろ違っておりますけれども、新しい問題が非常にたくさん出てきております。働く婦人の問題でも、共かせぎが非常に多くなって、またそれは国家の要請でもあるわけなんですが、そういう人の家庭を守ったり、それから働けるようにする、パートタイマーの問題、中高年層の問題、内職の問題、そういうものをみんなやらなければならないわけですが、特段の配慮をするということで地方ではたして確保されるか、非常にその点は疑問で、私どもは現在の機構をさらに強化するという形で国の行政として進めてほしいということを強く希望いたしております。  要するに、労働基準行政あるいは婦人少年行政というのは、本来、資本に対して労働者を守る行政です。これは資本を守るほうは、通産省その他すべての省がそうですからですから、せめて労働省くらいは、働く者の労働条件を守ったり、それから特にこれからふえていく婦人労働者というものを守らなければならない。だから、家庭持ちの働く婦人を守るためのILO百二十三号勧告もあるわけですね。総理大臣はよく二十一世紀へのビジョンということをおっしゃるのですが、人間を労働力と考えないで、ほんとうに働く人の立場を守るという意味で、私どもの主張しております労働基準行政、婦人少年行政を国家機関として残すということについてぜひ御考慮をいただきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど来、私も経過を知らなかった点はございますが、しかし労働省官房長も詳細に報告いたしましたが、私もなお最終的決定をいたすことになります際に、十分ただいまのようなお話も念頭に置いて最終的結論を出すことをこの際申し上げておきます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 時間がなくなりましたので、公取の方にわざわざおいでいただきましたけれども、独占価格その他化粧品その他の問題は大蔵委員会であらためてさしていただきますので、おわび申し上げます。(拍手)

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 以上をもちまして田中君の質疑は終了いたしました。     —————————————

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 次に、二宮文造君。

二宮文造公明党

○二宮文造君 申し合わせの時間も短うございますし、あらかじめ通告をさしていただきましたけれども、その順序があるいは変わらなければならぬようなことになるかもわかりませんが、御理解をいただきたいと思います。  まず私は最初に、日本近海、特に日本海におきます米軍の演習あるいは行動と、それから漁船の安全操業、こういう重大な問題につきまして従来どういうことになっておりますか、まず政府の見解をお伺いしたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 日本海における米艦船等の行動につきましては、たとえば公海上の問題と、それから特定の水域内における行動と、いろいろの場合があろうかと思いますけれども、全般的に申しますと、日本の漁業の安全操業につきましては、従来から十分の配慮をしておるつもりでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 抽象的な外務大臣の答弁をいただいたわけですが、日本海は日本の漁業にとりましては重要な漁区でございます。したがって、農林省もこの安全操業については従来とも心を配ってこられた、こう私は思うわけでありますが、従来どういうふうな方途を講じて安全操業をはかってこられたか、担当の大臣からお伺いしたいんですが。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 他にお答えもあろうかと思いますが、外務省といたしましても関係方面とは常に十分の連絡をとっておるつもりでございまして、農林省はもとよりでございますけれども、その他の関係機関とも密接に協力をいたしております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 私思いますのは、やはり何らかの事前に通報をいただいたほうが何かと便利じゃないか、こういうことについて政府のほうでも米軍のほうに申し入れをしたんではないか、こう思うのですが、具体的な内容についてお伺いしたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 先ほども申し上げましたように、公海の場合と、それから特定の水域の場合とございます。特定の水域の場合におきましては、最近におきましても、十二月一日から十二月一ぱい、こういうような訓練をすると、特定の水域につきましては事前にアメリカ側からも連絡を受けております。これは十一月の十五日であったと記憶いたしますが、直ちに外務省からも先ほど申しましたような関係機関にすぐ連絡いたしまして、十分措置をとっておるつもりでございます。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 私は、事後報告を聞きまして、それを御報告申し上げます。  海上保安庁から米国空母バンコックの訓練について通報を受けて、直ちに外務省に対して連絡し、そしてより具体的な内容について私ども照会をしております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 ちょっと待って、それはまだその次の答弁です。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) ちょっと私おらなかったものですから。

二宮文造公明党

○二宮文造君 いいですか。日本海における漁船の安全操業について、農林省は従来とも心を配ってこられたと思いますが、どういう方途を講じてこられましたかとお伺いしたわけです。大臣いらっしゃらなかったから連絡がまずかったと思うんですが。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) その点につきましては、ただいま長官が来ておりますから、水産庁長官に答弁させます。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 日本海におきます日本漁船の操業の安全につきましては、本年の二月におきましてもああいう事件がございましたので、外務省を通じまして、米国に対しまして日本漁船の操業の安全についてできるだけ配慮をしてもらいたいということを従来から申し入れてございます。また、何らかの情報が入りましたならば、われわれとしても、できるだけ迅速に漁業者に対して通知をいたしまして、操業上の安全が確保されるように努力してきたところでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 具体的にお伺いをしたいと思うんです、何らかの情報をつかんだ場合という答弁がありましたので。去る二日に、御承知のように、山口県の萩市の沖で米空母バンコックほか艦船の演習があったと聞きますけれども、この件について具体的に米軍のほうから何らかの通報がありましたかどうか、これをお伺いしたい。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) バンコック号につきまして、特にアメリカから事前の通告があったということはございません。

二宮文造公明党

○二宮文造君 運輸大臣どうですか、海上保安庁のほうにありましたか。

原田憲自由民主党運輸大臣

○国務大臣(原田憲君) お答えいたします。  海上保安庁といたしましては、一両日前に本件に関する情報は得ておりまして、その可能性を推定しております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 農林省はどうです、水産庁。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 私どもは十二月の二日の午前に海上保安庁から先ほどのような連絡を受けまして、直ちに西日本方面の関係の漁業者に対しまして連絡をいたしました。

二宮文造公明党

○二宮文造君 海上保安庁は一両日前に情報をつかんだ、水産庁は当日の午前中に情報をつかんで漁船に流して、その事前の措置が完ぺきだとお思いでしょうかどうでしょうか、運輸大臣。

原田憲自由民主党運輸大臣

○国務大臣(原田憲君) お答えいたします。  いま日本海の海面、公海上で、アメリカの船あるいはソビエトの船が公海上を行動しておるということは、いまこの場合に始まったことではございません。そのために、漁船が出ておりますから、海上保安庁としては十分用意をいたして誤りなきを期したいと考えておりまして、この件に関しましては、第七、第八管区に極力確実にキャッチするようにという指令を出しておりまして、その当日朝七時に確認をいたしましたので、さっそく、いままでずっと経路があるわけでございますから、あるいは漁業協同組合その他に通告をいたしまして、万全の措置を講じておりましたので、この際には何ら危険なこともなく、漁船に影響はなかったと、こういう報告を私は受けております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 ずいぶん大臣も確信を持った答弁ですが、現地ではどういうことが起きているか報告を受けておりますか。

原田憲自由民主党運輸大臣

○国務大臣(原田憲君) 私は三十日に拝命をいたしまして、二日にこの事件が起きております。私は大臣を拝命いたしまして、この問題につきまして各私の所管に報告を受けている中に、海上保安庁もあるわけでございますが、海上保安庁から特別大事件があったということは報告は受けておりませんで、逆に、いろいろよく問題が起きますけれども、今度の場合は何もなかった、こういうふうに報告を受けておるのでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 そういうことではいけません。第一、私がお伺いしたことに答弁がないんです。一両日前に運輸省が、海上保安庁が持たれた情報はどういう内容の情報であったか、具体的にお伺いしたい。

原田憲自由民主党運輸大臣

○国務大臣(原田憲君) 海上保安庁としては、いろいろなところでいろいろな情報を得ておると思います。事実問題でございますので、保安庁の長官から答弁をいたさせます。

河毛一郎水産庁長官

○政府委員(河毛一郎君) ただいま大臣からお答えのございました情報につきましては、演習区域、演習期間等でございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 もう少し親切に答弁したらどうですか。私はつかんだ情報を具体的にお教え願いたい。時間の問題が非常に大事になってくる。何日の何時につかんだか。

河毛一郎水産庁長官

○政府委員(河毛一郎君) 私どもの情報としてキャッチいたしました点は、二日から五日まで演習が行なわれる、その演習が行なわれる区域は朝鮮半島の東の海岸と隠岐島の間である、こういうことでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 それはいつです。いつつかんだのですか。

河毛一郎水産庁長官

○政府委員(河毛一郎君) これは情報の日時その他につきましては、まことに申しわけございませんが、御容赦をいただきたいと思います。

二宮文造公明党

○二宮文造君 私が問題にしますのは、冒頭に断わりましたように、安全操業という問題です。海上保安庁は三十日に情報をキャッチしております。そのときに流していただけば、山口県、鳥取県、島根県、あるいは兵庫県、この沿岸の漁民の方はあれほどの心配はなかったんです。また、従来の系統を通して流したと、こうおつしゃいますけれども、具体的に単位の漁業組合にはどういう連絡になっておりますか。たとえば山口県の——総理も御関係あります——大井港の漁業組合に連絡のありましたのは三日の午後三時であります。演習はすでに二日の午前十一時十五分から始まるぞと向こうからは情報をつかんでいるにもかかわらず、末端がつかんだのは午後三時。中小畑の漁業協同組合にはついに情報の連絡なし。大井浦の漁業組合にはやっと二日の午前十一時です。ところが、漁船は前日から出発しております。海上保安庁が漁船の安全操業というものを考えるならば、三十日に流しておけばこういう問題はなかった、これを私は言うわけです。いかがでございますか。

河毛一郎水産庁長官

○政府委員(河毛一郎君) ただいまの点でございますが、先ほど私どもが申し上げましたように、一応情報は得ておりましたが、私どもといたしましては、これを私ども自身の手によりまして確認する必要があったわけでございます。で、先ほど大臣が申されましたような手段を尽くしました結果、二日の七時に米艦隊が対馬海峡を北上することを私どもの巡視船が視認いたしたわけでございます。そこで、私どもといたしましては、間違いないものと判断いたしまして、先ほどお話がございましたように、私どもは平生津波その他の警報につきまして漁船にこれを知らしめるルートを定めております。このルートに従いまして伝達いたしましたということでございます。  それからもう一つは、私どもの巡視船を直ちに先ほど申し上げました地域に出動さしております。したがって、両方の手段によりまして、少なくとも現場におる漁船についてはこの点が徹底いたしたと、こういうふうに私どもは考えておる次第でございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 農林大臣、いまのような連絡のルートで安全操業が確保できると確信をお持ちでしょうか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 安全操業ということになりますと、なかなか大いな疑問がありますので、農林省としては県庁等へはすぐ連絡を申し伝えておいだそうでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 県庁に連絡をしたのは当日の十時半です、水産課から。それでは実際に漁船には生きた通報にはならないわけです。  私はなおもう一点海上保安庁に伺いますが、海上保安庁が持つ情報というのは、そんじょそこらのいいかげんな情報じゃない、的確な場所からつかんだ情報。それを現地のおたくの出先のほうへはその情報を流しておきながら、当日の午前八時に発表するようにというただし書きをつけるのは、一体漁船の安全操業というものを考えての上か、私は疑問になってくる。なぜこういうただし書きをつけて、事前につかんだ情報を早く漁船に知らしてやろうとする配慮がなかったのか、この辺私は疑問に思う。もう一度答弁いただきたい。

河毛一郎水産庁長官

○政府委員(河毛一郎君) ただいまの情報を前広に漁船に連絡する方法についてでございますが、ただいままで御説明いたしましたように、私どもといたしましては、この情報を確認する必要を当時考えておりました。したがいまして、それを確認後直ちに連絡をした、こういう次第でございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 安全操業の問題の答弁がない。

河毛一郎水産庁長官

○政府委員(河毛一郎君) どうも失礼いたしました。  安全操業につきましては、私どもといたしましては、海上保安業務の中の最も重要な任務であると、こういうふうに考えております。従来ともこの点については努力をしてまいったわけでございますが、今回もそのような線に従って最善の努力を払った所存でございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 答弁になっておりませんがね。どうですか、今後、こういう三十日につかんで当日に発表するような、どろなわ式な漁船に迷惑をかけるような発表ではなくて、事前に漁船の出漁にじゃまにならないように配慮をする意図はありますかどうか。それを変えてくれませんと、漁民の方は安心して操業できないです。何のための海上保安庁かと、現地では怨嗟の的です。この点は改められる気持ちがありますかどうか、あるいは従来どおり当日でなければ発表しないんだとおっしゃるかどうか、これをお伺いしたい。

原田憲自由民主党運輸大臣

○国務大臣(原田憲君) お答えいたします。  二宮さんの御質問の中には、そういう情報を得たならば、公表できないんなら、できるだけ早く内々にも知らしておいて、そして実際確認したらすぐに出動して間違いがないことを期したら親切じゃないかと、なぜそれをやらないのか、こういうことであると思います。もしそれが、情報が間違っておった場合を考えて、役人さんは確認をした上でないと行動しないというような点があるかとも思いますので、よく検討いたしまして、今後の体制に万全を期していきたいと思います。

二宮文造公明党

○二宮文造君 時間がないので、こういうことにこだわりたくないんですがね。確実な情報をキャッチされてるんです。北緯何度・東経何度、何時から何時まで、きちっと握っていられる。そうしてその艦船の名前まで握っておられる。にもかかわらず、なぜ事前に漁船に親切に教えてやらないのかというのが問題です。現地ではそのためにたいへんな迷惑が起こったわけであります。二月のプエブロのときには、漁網が損傷する、こういう事件がありました。今回は事件がなかったからよかったものの、何か漁船に損害がありますとたいへんな問題であります。ですから、運輸大臣の先ほどの何かそらぞらしい答弁ではなくて、もっと漁船の安全操業というものを考えた立場でもう一度答弁いただきたい。

原田憲自由民主党運輸大臣

○国務大臣(原田憲君) お答えいたします。  私決してそらぞらしいことを言っているのではなしに、逆に二宮さんに激励をしてもらっている、そう受け取っておるのです、私は。そこで、私もしろうとでございますから、いま就任したところで、大臣になったところでございますから、いまの話を聞いておりまして、確実な情報ではないかと言われますが、やはりこれはあくまで情報でございますから、わが日本の海上保安庁の船が確認して初めてこうなるのでございますから、私は十分おっしゃっているところを心の中に踏んまえまして今後善処をいたしたい、こういうことを申しておるのでございます。どうぞ御了解賜わりたいと思います。

二宮文造公明党

○二宮文造君 これは総理にお願いしたいのですが、なるほど米軍の行動ですから重要でしょう。しかし、日本の政府としては、あくまでも漁船の安全操業ということに重点を置いて、こういう場合はやはり事前に何らかの情報をつかむとか、そういうふうなアメリカ側との交渉のルートというものを残しておいていただきたい、こう思うのですが、総理の答弁を伺って次の問題に入ります。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 大体私も話の要点はわかりました。別に機密を要することのないような、そういうものは早く知らすようにいたします。

二宮文造公明党

○二宮文造君 次に、例の基地の問題に入りたいと存じます。総理も御承知のように、わが党では基地の総点検をいたしました。そのあらましにつきましては、矢野書記長の代表質問もありましたし、また総理も先刻御承知のとおりであります。国民の皆さんが驚かれたのは、この基地の総面積が三億六千百万平方メートル、何と一億一千万坪に当たる。これは赤羽台の団地で三千四百戸ありますが、これをつくるとすれば、何と八百二十九万戸住宅が建つだけの地域に相当する。こういうふうな膨大な面積の基地があると、しかもそれが一部使用だとか目的外の使用だとかいうことの実態が明らかになりました。これは非常に——我田引水ではございませんけれども、基地問題の今後の方向づけとして重要なデータになってまいると私どもは自負をしております。そこで、いろいろ段階はありましょう。総理も答弁がありました。この不用なもの、利用してないもの、あるいは目的外に使っているもの、そういうものについては政府としても順次返還の交渉を進められると思うのですが、まず総理の大局的な答弁を伺って問題に入りたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 公明党さんがたいへん総点検をされまして、衆議院でも申したんですが、私は熱意と努力に敬意を表しております。しかし、ただいまも、その土地に家をつくるならこういうことと、仮定のもとにおっしゃいますが、しかし、ずいぶん中には、九州の日出生台のような場所もございますから、そういうような表現をされると、国民は、たいへんなことだと、かように思います。あまりに国民に無用の誤解のないようにやはりしてやりたいものだと思います。  そこで、そういうよけいな話は別といたしまして、二宮さんいま御指摘のように、基地のあり方が占領後からずいぶん変わってきております。まだまだ今日、不用な土地、使われておらないもの、これは全部が全部返れると、私はかように思いませんけれども、できるだけわが国に返すように、基地のあり方についてもうすでに交渉が始まっておりますので、こういう意味では、公明党さんの総点検、それが一そうただいまの米軍との交渉を促進しておる、かように思いまして、感謝の意を込めて、今後の扱い方として、一ぺんには解決はしないと思いますが、引き続いてこの問題を解決するように努力してまいるつもりであります。  ことに都市周辺におきましては、その不安あるいは不便はたいへんなことでございますので、この都市周辺の問題は十分に実情に即した解決をしたい、かように私考えております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 久しぶりに総理の考えと意見が一致いたしまして、非常にうれしい面もあるわけでありますが、そこで、いまお話がございました考え方に基づきまして、防衛施設庁では、とりあえず米軍基地の三分の一ぐらいは当面整理が可能ではないかという方途のもとに、種々案を練られているというように伺っているのですが、その考え方を施設庁のほうからお伺いしたいと思います。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(有田喜一君) 日本における米軍基地は、これは日本の安全という立場からいってたいへん大事なことであります。したがいまして、地区住民の考えどおりにはなかなかまいらない。しかしながら、一方、基地の周辺の住民の立場を考えますと、毎日騒音のために眠れもしないというようなところもある。また、いろいろな事故が起こったり、その他の公害のために非常に迷惑もされている。また、都市の発展の上からいって、基地が疎外されている面もあります。まず、その後の情勢の変化によりまして、基地の内容を見ますというと、比較的利用度の少ないところもあるし、また場合によれば移転をしてもらったらいいようなところもある。そこで、政府としましては、去る九月にアメリカのほうに要請をいたしまして、その後の状況の変化によって、そうして返還できるものは返還してほしい。また、ときと場合によっては日本の自衛隊に移管してもらったほうがいいものもあるのじゃないか。また、たまには自衛隊に移管されてそれを米軍に使用してもらう場合もある。いろいろな場合もあるので、ひとつアメリカ側としても基地に対して深い解理を持って検討していただきたい、こういう要請をいたしまして、アメリカ側におきましてもその問題を真剣にいま検討されている。また、わがほうの施設庁におきましても検討を続けております。しかし、その日米協議会の最高メンバーといいますか、たまたま過般の内閣改造によりまして、外務大臣も防衛庁長官もかわりましたので、不日最高のいわゆる日米協議会を開いて、また公明党さんの総点検された資料も十分検討いたしまして、そうしていま申したような考え方の上に立ちまして、最高のレベルで一応話してみたい。それから、まあ一つ  一つのことにつきましてはまた事務レベルに落とすことがあると思いますが、とにかくメンバーも変わったので、ひとつ日本の事情もよく考えていただくように、外務大臣と私がともどもにアメリカの委員と折衝を重ねてまいりたい、こういう考えの上に立ってこの基地問題にいま臨んでおるところでございます。御了承願います。

二宮文造公明党

○二宮文造君 長官の答弁でございましたが、九月にその日米協議の上で、三十基地にも及んで返還とかないしは移転と、こういうようなことを話をされたようでございますが、差しつかえなければその代表的なところを、地域を示していただきたいのです。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(有田喜一君) いま申しましたような考え方によって、アメリカのほうも検討を続けておりますし、また日本側も検討を続けておるのですが、三十とか、五十とか、そういう数を限って検討しておるのじゃありませんです。それで、いま申しましたように、もう一度日米協議会の最高のメンバーで、いま言ったようなことも、政治的判断も加えながら、また日本の国土の安全ということを確保しながら、その辺の調和をうまくはかりたいと、こういうのでありまして、いま具体的にどことどこということをここに明示するわけにもいかないし、双方でお互いにこういうところはどうだろうという検討はしておりますけれども、この場所とこの場所、あるいは三十カ所を要請したのだとか、五十カ所を要請したというような、そういう段階ではいまないのであります。まあい、ずれそういう段階に行くときがあると思いますが、現段階におきましてはいま申したような事情であることを御了承願いたいと思います。

二宮文造公明党

○二宮文造君 くどいようなんですが、全部が全部内容はまだ発表を願えないだろうと思うのですが、まあ大体これなら米軍は返還に応じてよろしいという話し合いは今日までに行なわれたはずなんです。そういう地点があれば明らかにしていただきたいということです。

有田喜一自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(有田喜一君) いま申したようなことでですね、たとえば例示程度のことは、それはこの九月あるいはそれ以来の話し合いでやったかもしれません。私はその一々を存じておりませんが、こういうようなことは話ししたというようなことがあるかもしれませんが、それは施設庁長官をして答弁させます。   〔委員長退席、理事江藤智君着席〕

山上信重防衛施設庁長官

○政府委員(山上信重君) 去る九月におきまして日米間の基地問題に関する事務レベルの協議をいたしたのでございますが、その際におきましては、ただいま防衛庁長官から御説明を申し上げましたように、基地の検討方針という考え方を主として説明いたしたのでございまして、それに伴いまして若干の事例をあげて説明はいたしたのでございます。たとえば自衛隊の使用転換できるものあるいは移管できるもの、一部についてあるいは全部についてその施設が返還できるものとかいったようなことについて、例をあげて説明はいたしております。返還できるものの例といたしまして、たとえば私のほうであげましたものといたしましては、調布の飛行場であるとか、あるいは広の弾薬庫の一部であるとか、また自衛隊に使用転換できるものといたしましては、たとえば木更津であるとかその他数カ所、あるいは自衛隊に移管できるものというようなものといたしましては、朝霞の南キャンプであるとかそのほか数カ所、またそのほかに、政治的な面、あるいは運用上の面、地方との関連の面等から運用上の規制が特に望ましいもの、たとえば騒音の問題につきましていろいろ配慮してほしいというようなことを含みまして運用上の規制、たとえば横田の飛行場における騒音の規制を十分にしていただきたいというような例、そういった例も数カ所あげております。またそれ以外にも、いろいろ問題になっておりまするような米側の施設要求につきましても考慮を求めたいというような説明もいたしております。ただし、これらはいずれも例として申し上、げたのでございまして、それらの個所は相当の数にはのぼりますが、それがすべてであるとか、またそれで検討が終わったともいう段階ではございません。今後、いままでの基地の実情等を勘案いたしまして、逐次委員会等において検討を要求いたしたい、かように考えておる次第でございます。ただいま、その前提といたしまして、いろいろ事務レベルの協議会に引き続きまして、大臣レベルのまたいろいろ基本的な考え方の打ち合わせを済ました上でやってまいりたい、かように考えておる次第であります。

二宮文造公明党

○二宮文造君 その最高レベルの会談というものは、協議というものは、年内に行なわれましょうか。その点は、外務大臣。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど防衛庁長官からもお答えがありましたように、私どもの姿勢としては、なるべくすみやかにこの協議会を開きたい、年内を希望いたしております。しかし、向こうも、御案内のように、米国大使は東京におるわけですけれども、もう一人の委員が、これも新任と聞いておりますが、太平洋司令官でハワイにおります。   〔理事江藤智君退席、委員長着席〕 そういうふうな都合もありますから、まだ確たる日取りを決定するまでに至っておりませんが、できるだけすみやかに、そして年内に、こういうふうに私どもは強く希望いたしておりますし、向こう——向こうといいますか、米側ももちろんこれに賛成してくれております。日取りは決定次第お知らせすることにいたします。

二宮文造公明党

○二宮文造君 問題を次に運びます。  総理は、例の児童手当でございますが、これは口を開くたびに、懇談会の結論を待ってから対策を講じたい、こういうことでありますが、児童手当懇談会の結論の目安を総理自身どの辺に置いてこういう答弁をされてきたのでありますか、お伺いしたいのであります。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) こういうものは、すいぶん急いではおりますけれども、やはりそれぞれの手続を経て、しかる上でなければ、うまく円滑に実施に移すというわけにいかないと思います。御承知のように、児童手当はいままで部分的に出ておるものもございますし、それらの整理統合等が一つの問題だろうと思います。したがって、いまの児童手当の答申を待ってということを実は申しております。どうもただいままでのところ、非常に急いではおりますが、この予算編成にはたして間に合うだろうかどうだろうか、私は実は心配をいたしておるような次第であります。

二宮文造公明党

○二宮文造君 予算編成に間に合うかどうかという答弁でございますが、もし年度内に結論が出ましたら、追加してでも、あるいはまた大蔵大臣のおっしゃる組みかえても四十四年度に間に合わすおつもりはありますかどうか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) これはどうも大蔵大臣にお願いしなければいかぬことですが、一応財源見て、その財源分配した後に、途中でさらに財源をふやしたり、支出をふやしたり、そういうようなことはなかなかむずかしいだろうと思います。私が大蔵大臣でも、なかなかできにくいのじゃないかと思います。  なお、それらの点については大蔵大臣からお聞き取りを願います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 根本的な考え方は総理から申し上げたとおりでございまするが、児童手当と申しましても、そのやり方によりましてはたいへん金がかかる。第一子ですね、それから三千円も出すということにしても、これは九千億円もかかる問題なんです。これを踏ん切るか踏ん切らないか、これはかなり大きな問題でございます。ですから、これはちょっとそう簡単に結論が出ない問題かと思うのです。社会保障体系の中の位置づけ、そういう角度の検討も必要かと思うのです。がしかし、前向きで鋭意検討して、総理もかねがね何とか処置したいのだというお考えでありますので、その方向で努力してみたい、かように考えております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 厚生大臣にお伺いしたいのですが、その児童手当の考え方として、拠出制にするのか、あるいは無拠出でいくのか、こういうふうな議論があるわけでありますが、大臣のお考えはどうですか、方向としてまたお伺いしておきます。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 児童手当懇談会がこの二十日に開かれますので、おそらくそこで最終的な答申を出してもらえる、こう思っているわけであります。しかしながら、その内容はきわめて複雑でありますし、私自身も、児童手当についてさらにどういう構想で発足をするかということも、その答申を待ってきめてまいりたいと、かように思っております。したがって、拠出制にするか、あるいは拠出制を加味するか、あるいは全然それを加味もしないということも、内容との関係をいたしますので、いまここでどうという御返答はいたしかねるわけでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 それで、まあ四十四年度は実情として間に合わない。しかし、地方では、あの乏しい財源の中で、府県とかあるいは市町村におきまして、条例をもって児童手当を出しているところもあるんですね。地方でそういう児童手当に類するようなものを出しているところ、その実情はどうなっておりますか、厚生省のほうから少し説明をいただきたい。

近藤功厚生大臣官房参事官

○説明員(近藤功君) ただいま地方でやっておりますのは全部で八団体でございまして、これはどちらかと申し上げますと、大体金額等も一人月額千円程度、それから子供も四人以上あるいは五人以上という場合もあります。どちらかと言いますと、多子家庭で、しかも低所得の方々、こういったものに出す額でございます。大体所得の限度は、国民年金におきまする所得制限の例によっておりまして、たとえば若干の市町村によって差がございますけれども、家族五人で年所得九十万円前後というのが多いようでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 どうでしょうか、国のほうで間に合わないとしますと、地方のほうでは、零細な財源の中からこういう新機軸を出して児童手当に類するものを支給していこう、こういう考え方を持っているわけですが、総理のほうでそういうことを少し応援して若干でも進めさせるというふうなお考えはありませんですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) まあ現在地方自治体で行なっているそういうものは、自由にやられることはいいだろう。しかし、制度としてやっぱり考えるとなりますと、そのときどきに、またそれぞれの場所においてそれぞれにやらすというのも、いかがかと思います。私はやはり、制度として考えていくという、そういう意味で、この児童手当懇談会、それなどが結論を出されることを希望するのです。いまやっておることを、それは不徹底だからおよしなさい、さようなことは絶対に申しません。たいへんけっこうなことだと思いますし、またこういう制度を進める上から申しましても、やりいいところから始まると、こういうことだろうと思いますので、歓迎すべきことだと思いますが、政府自身がそういうものにつきましていかに扱うかといえば、政府はやはり本格的に問題に取り組んでいくというのが筋ではないか、かように思っております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 思わぬ時間を食いまして、十分な進み方ができないわけでありますが、ここでちょっと問題を変えます。  政治姿勢の問題についてお伺いをしてまいりたいと思うわけであります。もう総理も、お目にかかるたびに私のほうからこういうことを申し上げるわけでありますが、最近の一連の情勢は、まだまだ国民が大きく疑惑を持っております。そこで、問題を具体的にお話をしてまいりたいと思うんですが、法務大臣にお伺いしたい。  去る十月の一日に東京都在住の三田某という人から東京高検に対しまして告発がなされておりますが、報告を受けておるかどうか。

西郷吉之助自由民主党法務大臣

○国務大臣(西郷吉之助君) お答えいたします。  十月一日、いま御指摘の人物から、東京地検の内部から漏れた容疑があるといたしまして、この会食の事実を報道いたしました雑誌、新聞発行人並びに東京地検の検事それがしに対しまして、国家公務員法違反の告発が同人からなされておりますので、いまお話しのとおり、東京高検で目下関係者を取り調べ中でございますが、まだ結論が出ておらない状況でございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 ただいまの答弁ですが、関係者を取り調べましたか。

西郷吉之助自由民主党法務大臣

○国務大臣(西郷吉之助君) 関係者多数につきましてすでに取り調べておりますけれども、まだ完了しておらない状況でございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 そうでしょうか。私が伺った範囲内におきましては、氏名のあがった人については、被告発人については、まだ取り調べが行なわれてないという話ですが、くどいようですがもう一度確認しておきます。

西郷吉之助自由民主党法務大臣

○国務大臣(西郷吉之助君) ただいま申し上げましたとおり、告発人からは、東京地検から漏れたという容疑が出ておりますから、東京地検の者につきましても取り調べをやっておると思いますけれども、まだ完了しておらないわけでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 ちょっと違うんですが。地検は某になっておる。そうじゃなくて、被告発人としてはっきり氏名のあがった人について取り調べをなされておりますかということです。

西郷吉之助自由民主党法務大臣

○国務大臣(西郷吉之助君) あがっております者に対しまして、取り調べをやっておるようでございます。しかし、まだ結論に達しておりません。

二宮文造公明党

○二宮文造君 結論は聞いてない。取り調べをやりましたか。

西郷吉之助自由民主党法務大臣

○国務大臣(西郷吉之助君) やっておるということを聞いております、報告では。

二宮文造公明党

○二宮文造君 これは、ようでは困るんで、途中で確認をしていただきたいと思うわけであります。  それから、法務大臣にもう一点お伺いしたいのは、確かに、この告発の全部を私認めるわけじゃありませんが、公給領収証、あの金額、ナンバー、こういうものが漏れたということについては、どうでしょう、法務大臣の見解として、これが好ましいことかどうか、こういう点でもお伺いしておきたい。

西郷吉之助自由民主党法務大臣

○国務大臣(西郷吉之助君) 調査の内容にわたりますので、私でなく、刑事局長から答弁させます。

川井英良法務省刑事局長

○政府委員(川井英良君) いままでの調査の結果によりますと、内部から漏れた形跡はございません。

二宮文造公明党

○二宮文造君 当時、新聞におきましては、そういうことが非常に遺憾だということで、法務省の省内におきましても相当に神経を高めたことは、私もよく仄聞しております。ですから、いま刑事局長が横を向いておっしゃるような、そんなことではなかったと思うんです。当時は、法務省としては相当に神経を使われた、こういう事件であったと思うんです。  もう一点、法務大臣にお伺いしたいんですが、去る十二月の五日、衆議院議員池田正之輔氏から、検察官適格審査申立書、こういうものが出ておると聞いておるんですが、報告を受けていらっしゃいますか、どうですか。

西郷吉之助自由民主党法務大臣

○国務大臣(西郷吉之助君) 私も承知いたしておりまして、検察官適格審査委員会のほうに正式に書類が出ておるようです。いずれ審査がされるものと思います。

二宮文造公明党

○二宮文造君 どういう趣旨でしょうか。

西郷吉之助自由民主党法務大臣

○国務大臣(西郷吉之助君) 内容にわたりましては、十分によく詳細にわたっては承知いたしておりませんので、川井刑事局長から答弁させます。

川井英良法務省刑事局長

○政府委員(川井英良君) 検察官適格審査委員会がまだ正式にこの問題を取り上げて審議をするということを決定いたしておりませんので、その段階におきまして法務当局のほうからその内容について詳細を申し上げることは、この際適当でないと思います。しかし、せっかくのお尋ねでございますので、ごく概括的に申し上げますと、あの事件をめぐりましていろいろこまかいことが外部に出ておる、これは地検の内部から出たものではないだろうかというようなことで、そうだとするならば、その担当したところの地検の検事というものはおのずからその範囲が限定されてまいりますので、それらの人について、職務上知り得た秘密を漏らしたということで、国家公務員法違反の疑いがあるではないか。そうだとするならば、そういうふうな検察官につきましては、その資格の適格について審査をしてほしい、こういうような趣旨であると思います。

二宮文造公明党

○二宮文造君 刑事訴訟法の第百九十六条に、捜査関係者に対する訓示規定というものがあったと思うんですが、その内容をちょっと教えていただきたい。

川井英良法務省刑事局長

○政府委員(川井英良君) 捜査に関係する者は、他人の名誉を害するようなことをすることが——他人の秘密に関係することが多いので、したがいまして、他人の秘密を外部に出してその名誉を棄損するというようなことが多いので、捜査の内容あるいは捜査にタッチしたいろいろな事柄については秘密を守るようにと、こういうふうな捜査関係者に対する訓示規定でございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 それで、先ほどの審査申立書の被申し立て人はだれになっておりますか。

川井英良法務省刑事局長

○政府委員(川井英良君) 河井信太郎検事でございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 河井現最高検の検事と伺いますと、この方は、検察官としてはそれこそ硬骨であり、剛毅であり、清廉である、こういうふうに私どもは認識をしておるわけでありますけれども、それで、たまたま私も添付書類というのを見ました。で、刑事局長も、あるいは法務大臣も、雑誌「現代」に寄せられました河井氏の論文といいますか、あるいはエッセイといいますか、そういうものをお読みになったと思いますが、その書き方と、それからただいま説明をいただいた百九十六条の関連、これはどうでございましょうか。私も、少し脱線してるんではないかな、こういう感じなんですが、法務大臣ないしは刑事局長の考えを聞かしていただきたい。

川井英良法務省刑事局長

○政府委員(川井英良君) 雑誌「現代」に河井君が書かれた内容、私も読んでおります。それから、それについての池田正之輔議員の出されたいろいろなものも読んでおります。すべて総合いたしまして、感じといたしましては、河井君の書かれましたものは、あの事件の捜査をめぐりまして、世上に、地検の態度、捜査の方法というようなものについていろいろうわさ、取りざたされておるというようなことで、あの事件を主宰しましたところの検察官の一人として、検察に何らかの疑惑があるがごときことが世上に広がるとするならば、それは検察のためにも国のためにも適当でないというような考え方のもとに、あの事件をめぐりまして、検察はほんとうに身命を賭して公正妥当に捜査をしたのだということを強調したいためにああいうふうな文章が出たものと承知いたしております。もとより、河井信太郎検事個人の名前におきまして個人の責任において書かれたものでありますので、私ども法務当局といたしましては、その趣旨なり内容なりに応じまして、その考え方を、先ほど申し上げましたように、推定するよりほかいたし方がないわけでございます。そうだといたしましたらば、捜査の関係者は内容を外部に漏らしてはいけないという百九十六条の訓示規定がございまするけれども、あの論文の趣旨全体を勘案いたしまして、百九十六条の趣旨と、それから先ほど申し上げましたような趣旨において河井検事があの文章をものしたものだというふうにいたしまするならば、私はその趣旨と法文の趣旨というふうなものとの間には必ずしも抵触はないのではないか、かように考えております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 時間がありませんけれども、私は今後も非常に問題になってまいると思いますので、ちょっと引用させていただきたいと思います。「現代」の十一月号八八ページ、「命を賭けたわが東京地検生活−河井信太郎」と、こういう署名になっております。で、八九ページですが、「池田被告は、その事柄を自分の都合のいいようにすりかえて責任を免れようと、騒ぎ立てて世間の目をごまかそうとしているとしか思えない。  第一、四月十九日といえば、池田被告は当時日通から疑惑のある三百万円の金をもらっており、そのことが捜査当局に知れているかどうか、ハラハラしていた時期であったはずだ」云々ということでございますが、こういうふうな表現は、これはいま説明のありました百九十六条、いくらそれが投げられた石に対する反発であろうとしても、一方は私人です。被疑者です。一方は捜査官です。こういう表現はどうでしょうか。全体としてという刑事局長の御意向ですが、部分部分によって全体が構成されるわけです。したがって、全体はいい人だ。しかし、部分部分においてこの捜査の内容にわたるようなことを書いておけば、これは当然この百九十六条の解釈によって何らかの反省がなされなきゃならぬと思うのですが、どうでしょう。

川井英良法務省刑事局長

○政府委員(川井英良君) 確かに、ただいま御指摘になりましたような部分だけを取り上げて検討いたしますと、必ずしも情勢から考えてみて適当でない文言があるやに思います。先ほど申し上げましたとおり、非常に一生懸命にやっておったというようなことから、かなり河井検事といたしましても、世上に投げかけられた疑惑に対してこれを払拭したいというふうな強い気持ちがありましたために、ところどころにただいま御指摘になったような個所があらわれたものだと、こういうふうに私は善意に解釈いたしたいと思います。あの文章全体を読んでみまして、確かにその底に流れておる精神というものは、私が最初に申し上げたような精神のもとにできた文章ではないかと、かように考えております。それから名前が書いてございますので、もちろん責任がございますけれども、一応談話の形式を文章にいたしまして、あとからあるいはそれを点検したものだろうと、こう思いまするけれども、自分みずから初めから筆をとって文章の形にして雑誌に掲載したというふうなものではないようでございますので、あるいはこれは弁解になるかもしれませんけれども、その辺のところも多少、筆で自分で書く場合と口でしゃべる場合とでは、おのずから表現の中に強く表現するということが間々あることでございますので、そういうふうな手続の関係も、ただいまおあげになりましたような、かなり聞いてみましてどうだろうかと思うような個所が出たのではなかろうかと、こういうふうに思うわけでございまして、私やはり文章全体として、またその文章が譲かれたときの背景というものを加味されまして、文章全体の底に流れた精神をくみ取っていただくようにお願いしたいと思います。

二宮文造公明党

○二宮文造君 情としてはわかります。情としてはわかりますけれども、私は、検察官、こういう立場から好ましくない、また、検察の威信に関する問題だと。ならば、法務省があるではありませんか。個人が恨みを晴らすようなやり方ではなくて、やはり正々堂々と法務省なり最高検なりが見解を発表されれば、世間に対するそういう検察の威信に対する証明はできる。こういうどろ仕合いみたようなことを演ずる、それをまたあなたが弁護される、こういう風習が残りますと、今後同じように何回も何回も繰り返してまいると思いますが、今後の考え方をお伺いしておきたい。

川井英良法務省刑事局長

○政府委員(川井英良君) ただいまのおさとしは非常に肝に銘じてこれから注意しなければならないと考えております。確かに検察官とか裁判官とかいうのは、要するに司法に従事する者は、起訴とか不起訴とかいうふうな最後の決断あるいは判決というものをもって世上にその考えておる真意を明らかにすべきものであろうと思います。そのあらわれた結果についてああでもない、こうでもないというふうなやはりあとからの批判はすべきではないと思います。ただ、この問題はああいうふうに非常に騒がれたさなかにああいうふうな背景のもとにいろいろやりとりがあったことでございますので、法務当局といたしましては、今後は確かに御趣旨のほどもよく十分考え合わせまして、なるべくそういうふうなことのないように処置をしてまいりたい、こう思います。

二宮文造公明党

○二宮文造君 もう一点、刑事局長にお願いしておきたいことは、内部の機密漏洩という問題について、最高検なりあるいは法務省なりの正式の見解はございません。したがって、検察の威信という問題については、先刻の正示代議士の不起訴の問題もございました。まだ国民はその疑惑が払拭できておりません。したがって、そういう検察庁内部のことについて、法務省としては正式にこの井本検事総長の会食事件について、その機密が内部から出たものでないと正式に見解を発表されて終止符を打つ予定、考えがあるかどうか、お伺いしておきたいと思います。

川井英良法務省刑事局長

○政府委員(川井英良君) いずれ法務大臣が私ども事務当局の資料が整った段階におきまして御判断をされることと思いまするけれども、当面の責任者である刑事局長である私といたしましては、今日まで部内におきましていろいろ手を尽くしましてその辺の真相を調査をしてまいっております。たまたま、また先ほど冒頭に御指摘がありましたように、三田某からこの問題について告発が出されまして、正式に東京高等検察庁が事件として立件をいたしまして、司法処分としてこの問題の捜査が始まっておりますので、東京高検からの捜査の結果を待ちまして、その上において法務当局としていかなる判断をするか、またどういうふうな発表をするかということについて考えてみたいと、こう思っております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 この件につきまして総理の見解をお伺いしておきたい。というのは、検察と政界の癒着ということに対する非常によろしくないことばがある。それに対する総理の見解をはっきりここで出していただきたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) かねてから裁判は、私が申し上げるまでもなく、独立でございます。同時にまた検察も、検察当局もまた政治家の関与する筋ではないのであります。これまた独自の立場におきまして検察当局は犯罪の捜査をいたしております。また、ただいまお話しのありましたように、いろいろ職務上知り得た事柄、これが名誉に関する事柄でもあり、また、いろいろの影響がございます。そういうものが軽々しく扱われることは、これは厳に戒めなければなりません。したがいまして、私はひとり検事、検察当局といわず、警察におきましても、犯罪捜査等にあたりましては、これは独自の立場において、その所信においてその職責を果たしてもらいたい。これは私がいつも訓示しておるところでございます。御了承ください。

二宮文造公明党

○二宮文造君 総理に前もって、去る十一月二十九日の当院の決算委員会における議事録を御参昭願いたい、こういうふうに秋もお願いしてあったのですが、見ていただきましたか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私の資料があれなのか、あるいは秘書官のほうの手違いか、そういうものまだ参っておりません。

二宮文造公明党

○二宮文造君 それでは的確に総理に短い時間で御説明がし終えるかどうか私も疑問でありますが、実はこれは明後日の決算委員会にまた場所をいただけるようでありますので、そこでもう一度詰めてみたいと、こう思っておりますが、例の高輪の御用邸の問題であります。この高輪の御用邸は、御承知のように、ことしの二月の末に等価交換をいたしました。総額、価額に評価しますと三十数億円になります。しかし、国税庁が把握したところによりますと、この東久邇氏及び関係人が総額七億円に及んでこの交換の相手方である京浜急行から金を受け取っております。三十数億が等価交換分、そして七億の現金が等価交換を受けた会社から当該の関係の人たちに出されているということ、これは国民の側からいいますと、この価額の評価に非常に疑問を持つわけであります。これは七億円というのは国税庁がつかんでおります。あいまいな数字ではありません。たとえば東久邇氏は四億五千万円まだ税金を払っておりません。それから中央労働福祉センターは七千万円、東亜開発という会社は一億四千三百万円、これも税金を払っておりません。こういうふうな背後関係を持った等価交換を、総理は聞いていただいてどういうお感じで受けとめられるか、これを一点伺いたい。  それからもう一つ、もう時間がありませんので続けて申します。葉山の御用邸、それから沼津の御用邸は総理も御承知のとおりであります。非常にざっぱくになってまいりました。御用邸としてのその存在価値があぶなくなってきた。高輪の御用邸もこのように普通財産に切りかえられまして、そして払い下げを受けました。そこで新たに皇室に対して非常に環境のいい下田方面に新しい御用邸を差し上げようと、これは私国民としてまああまり非難もないことだと思う。しかし、せっかくつくって差し上げるその御用邸がかっこうな場所に立たないとしますと、これは問題であります。こういう御用邸の新設は、たとえ担当が宮内庁であろうとも、最高責任者は総理でございますから、立地条件なり、あるいは下田町の今後の発展の問題なり、あるいは天皇御一家がいい環境に住んでいただくために、よりよい場所を選ぼうという努力があっていいと思う。現在は宮内庁にまかしきりであります。この前用地を買いましたけれども、非常によろしくない、環境が。したがって、ここで新たに、総理からの御発議でもけっこうですが、何かそういう審議会みたいなものをつくられて、せっかくつくるものであれば、よりいいものを、そして天皇のみならす、天皇御一家の、あるいはまた、天皇が外国の元首などを招待されて、そうして誇るべき日本の模様というふうなところも勘案されながら、りっぱな御用邸を建設すべきではないか、そういうふうに道をお開きになるつもりがあるかどうか、この二点をお伺いしたい。それで終わります。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 第一点、高輪の御用邸の問題、これは私はただいまお話しになりましたようないきさつを知りません。したがいまして、いずれ私が決算に呼び出されましても、当時の事情あるいはその後の事情をよく知っておる大蔵当局から説明をよく聞かないと、私、いきなり答えられないだろうと思います。  もう一つの問題、これは下田の御用邸、これにつきましては私もたいへんいい場所だ、かように聞き、それについて御意見もあるようですが、私どもは現在のところが最もいい場所だ、かように考えましてそこに決定をいたしたのであります。しかし、ただいまも、おそらくいま言われますのは狼煙崎の話だと思いますが、それと比べまして、現在の場所のほうを選んだ。また過去におきましても、新宮殿などは、各方面の意見を徴して、新宮殿、の設計その他でつくり上げたのでございますから、私は、今回の御用邸ができるにつきましても、そういう点はいま御指摘になりましたように、りっぱな設計のできるように相談をしたらよいのじゃなかろうか、あるいは委員会を設けるなどいたしまして、そうしてりっぱな御用邸をつくりたい、かように私は考えております。ただ、いま言われますように、場所自身はどうもいまのところがいいんじゃないか。しかし、そのときにその委員会におきまして、もちろんその議論を封ずると、こういう意味ではございません。十分審議してみたいと、かように思います。

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 以上をもちまして二宮君の質疑は終了いたしました。     —————————————

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 次に松下正寿君。

松下正寿民主社会党

○松下正寿君 総理大臣ば過般の所信表明において、「政府は、引き続き、日米友好関係を維持し、世界の平和とアジアの安定という共通の目的に向かって協力して」いく、こういうふうにおっしゃいました。ところで、私のお伺いしたいのは、日米友好関係を維持するということと、現行日米安全保障条約を維持していくことは同じ意味であるか。つまり、それ以外に日米友好関係を維持していく方法をお考えになっておられるかどうか、その点を総理大臣にお伺いしたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 松下君も日米安全保障条約即日米友好親善、かようには考えておられないでしょう。私どもが日米友好親善関係を考えておりますのは、同じような共通の目的を持っている。自由を愛し、世界の平和に貢献しよう、そういう立場で同じような考え方、この関係を、一そう親善友好を深めたい、同時にまた、日本自身の安全を確保する。これにはどうもいまの状態では、日本自身力が十分でありません。そういう意味から日米安全保障条約を結んでわが国の安全を確保したい。そういう実情であります。前者の日米友好親善関係、さらにまた必要により日米安全保障条約を結ぶ以上、さらに両国の関係が一そう親善友好でなければならぬことは、これは当然であります。かように私は考えます。

松下正寿民主社会党

○松下正寿君 現在の日米安全保障条約で一番特徴的なのは、米国の軍事基地があるということでございまして、これは、総理が言われるとおりに、現在日本の安全にとって必要である、これも私は同感でございますが、しかし、どういう理由がありましても、外国の軍事基地があるということは、国民の心理に望ましからぬ影響を与える。特に、日本の場合のように、NATOやSEATOなどと違いまして、敗戦、無条件降伏、長期占領というようなことの遺物になっておるわけであります。ここから、アメリカに対する屈辱的な感じであるとか、その裏返しとしての反感、反米思想というものが生ずることは、これは自然の勢いではないかと思うわけであります。したがって、こういったようなこの不健全な考え方というものが、現在の大学騒動などにも相当大きな影響を及ぼしておるのじゃないか。さような点を考えますが、もう少し現在の安保条約というものを再検討しまして、直ちにということは不可能であるとしても、ある程度まで予測し得るようなとき、日本におけるところの基地を撤廃する。そういう目標と前提をもって新しく外交政策並びに防衛政策をお立てになる。つまり、駐留なき安保ということを目ざして政策を再検討される。こういったようなことを考えておられるかどうか、お伺いいたします。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 松下君の「駐留なき安保」、どういうことを考えていらっしゃるのか、これはもっと説明を要するように思います。いわゆる有事駐留というようなことが「駐留なき安保」にはしばしば言われることですが、どういうときをもって有事と言われるのか。そうしてその有事は日本だけがきめるのか。いろいろもっと私は説明を要するように思います。  そこで、いまお話がありました基地についての考え方でございます。この基地、これは、今日は親善友好を続けておるアメリカ——かつては戦った国であります——アメリカと戦い、そしてアメリカは日本を占領した。その関係は、敵味方であったわけであります。しかし、それ以前、もっと昔のことを考えれば、明治初代において、やはり日本に開国をしいたのもアメリカであります。それから、たいへん友好親善関係は結ばれてきた。まあ不幸にして、さきの戦争で敵味方には分かれた。そして日本の各地が占領された。この占領が基地になって残った。そういう状態ではございます。しかしながら、その基地も、占領当時から見ればたいへん減ってまいっております。また、わが国に駐留するアメリカ兵の数は、これはもう当時とは格段の相違、非常に兵隊の数は、駐留するものは減ってきた、かように考えております。私は、そういう点をも考えながら、わが国の安全の確保に必要なアメリカの積極的な援助が望ましいのであります。そういう点から、先ほども公明党にお答えしたのでありますが、現在の基地のうち、もう必要でないものはないのか、あるいは、基地として存続さす意義のないものもあるのではないか、そういう意味で、それらのものも整理したらどうか、こういうことを言われておりました。私は公明党の提案について、先ほどは賛成し、ただいま日米間ですでにその協議に入っていることも申しました。しかし、ただいま言われる、アメリカについて、民社の言われる「駐留なき安保」、そういう内容については、これも、もっとよく伺えば私にも理解ができるかと思いますけれども、ただいまのところ、それは民社党の案であり、私どもは賛成しない。そういう形でございます。今日の安全保障条約、しかも、それはいわゆる反米思想、こういうもののない、相互信頼のもとにおけるこの日米安全保障条約を続けていく。また、そういう意味で、この日米安全保障条約がわが国民に誤解されないように、また米軍自身もそういう点に十分注意してもらうというようなことで、これを続けていくつもりでございます。したがいまして、いわゆる「駐留なき安保」——これはどういう点をお考えになるか。しかし、非常に長い将来を考えますと、いろいろだ事情は変わっていくだろう、かように思います。しかし私は、ただいまの現状のもとにおいて、今日の日米安全保障条約はこれを堅持していく、かような考え方をしておりますし、また、この態様はどうあるかということ、そういう点についてはまだきめておりませんが、とにかく、日米安全保障条約、それは続けていこう、かように私は考えております。

松下正寿民主社会党

○松下正寿君 まだ総理にたくさんお伺いしたいこともございますが、時間があと八分きり残っておりませんから、文部大臣にお伺いいたします。  現在日本の大学が非常に大衆化しておることは、これは文部大臣自身がしばしば御指摘のとおりでございます。ところで、学校教育法によりますというと、「大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を」云々、省略いたしますが、そういうふうに目的が規定されてございます。これは、前の、旧大学令のように、学問の「蘊奥」といったようなえらそうなことばを使っていない点ははなはだけっこうでありますが、しかもなお、現状にあまり即していないのじゃないか。特に、現在の大学教授は、研究という点にはある程度まで関心を持っておるようでありますけれども、教育者としての自覚を欠いておるのじゃないか。そういう点を考えまして、この現在の学校教育法を再検討され、そうして、まあ、これはたとえばですが、この大学の目的というものを、専門課程、一般教育課程及び体育を通じ、広く国民に高等教育を授け、社会に奉仕することを喜び、充実した生活を営む人間を形成すること、かりにこういったようなふうに目的を規定して、そうして、この大衆化されつつある大学に正当な理念を与えるということを文部大臣として考えておられるかどうか、お伺いいたします。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) お答えいたします。  今日、大衆社会の大学に変貌してきているという御指摘は私も同感でございます。昔、大学が、知識を獲得するという研究、そうしてまた、その獲得しました研究というものを学生たちに伝達をする教育の面という、その二つの本質というものは、今日の大学、大衆化した、国民のための大学にあっても本質は変わっておらないというふうに私は思います。しかしながらまた、第二次大戦以後、この量的な拡大に伴いまして、質的な変化が大学に行なわれたことも事実でございまして、むしろ、獲得した知識、研究した成果というものを、この進展いたしますところの社会に還元する機能というものが新たに大学の使命になったのではなかろうかというふうに私は考えるのでございます。学校教育法を直ちに変えるかどうかは別といたしまして、ただいまお説のような趣旨で中教審に諮問をいたしまして、十分検討をしていただいておるところでございます。特に一般教育の問題は、現在のカリキュラムでよろしいかどうか。あるいはまた、全学的意思というものが、なかなか、学部自治のためにできなくなっておるということに対しまして、その全学的意思をどうやってきめることが適当であるかどうかという点。あるいはまた、学生の意思をどういうふうにくみ取りそうして大学運営をやっていったならばいいかという、新しい、国民のための大学の、いわば大学自治というものが、大学人によっても、また、われわれ政治家においても、そしてまた、広く社会の人たちによってもこれから考えられ、そして創造されなければならないのじゃないかというふうに考えております。

松下正寿民主社会党

○松下正寿君 大学が大衆化してまいりますというと、研究のほうがいろいろむずかしくなってまいります。同時に、大学の数、大学教授の数がふえてまいりますと、教授の養成ということが問題になってまいります。これについて私は、大学のほかに新たに大学院大学を設けて、大学教授の養成機関と研究とを兼ねる、こういう機能を持たしたらいかがかと考えておりますが、文部大臣いかがでございますか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) その点もまことに私はけっこうな御指摘だと思うわけでございます。  一面におきまして、大衆化の中の大学という高等の職業教育あるいはまた一般的な教養を身につけた国民、市民というものを、人材を送るという役目がありますと同時に、やはりこの世界の中の日本として躍進しておりますわれわれといたしましては、やはり学問の水準というものを維持していく、あるいは発展させていくという使命があるというふうに思います。その点に対しまして、特に自然科学系における科学技術の進歩に伴いまして、はたしてそれに対応するだけの研究体制が国としてでき上がっておるかどうかというところにつきましては、私、しばらく研究をさせていただきたいと思います。同時に、今日、産業界が非常に好況であるがために、なかなか学問研究に専念する大学院の生徒というものが少なくなってまいっておるわけでございます。また、その学生一人当たりに対する経費も、諸外国に比べますときわめて低いというような事情もございます。こういうような意味合いにおきまして、やはり各大学におけるところの教授の養成あるいはまた研究体制の整備、あるいはまた、大学院大学の学生あるいは教授たちがほんとうに学問研究に専念できる教育環境というものをつくっていかなければならぬということは、先生のおっしゃるとおりだと私たちは考えておるわけでございまして、この点につきまして私は努力いたしてまいりたいと考えております。

松下正寿民主社会党

○松下正寿君 文部大臣、ありがとうございました。  それで、治安当局にお尋ねしたいのでございますが、現在の大学紛争に関して治安当局の見解として伝えられているところによりますと、現在の大学紛争はいわば学園内の紛争という域を越えて、いわば反体制運動、もっと率直に言えば、革命運動の準備であるというようなことが、いろんな機会で伝えられております。それに関する真偽を治内当局の立場から、つまり、学生運動の実情、実態というものをはっきりとしていただきたいと存じます。詳細にお願いいたします。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、大学紛争というものが単なる学園内の論戦という状態を越えて、暴力事犯等が続発しておりますことは御指摘のとおりでありまして、過激派学生の中には、七〇年闘争は革命の突破口であるという考えをみずから明らかにし、さらに、大学を七〇年闘争の陣地に転化しなければならないという主張をしておる一部の者もおるようであります。まあ、警察当局としましては、暴力行動などは当然これを取り締まるという考えに立っております。学園の占拠などといわれる、あるいは大学に侵入する、占拠するというふうな事態につきましては、何と申しましても、国立大学であればもちろんのことでありますが、その大学当局自体がまず第一義的にはいかに阻止するか、いかに判断するかということが大学の自治の裏づけたる管理権、管理責任者の立場として当然配慮さるべきものと心得ておるのであります。まあこういう過激派の学生の今後の動向につきましては、いま直ちに予測することは困難でございますけれども、この暴力的行動に対しましては、何よりも暴力否定の国民的な世論ないしはマスコミの暴力を許すまいとする報道等に期待いたしまして、できることならば、一九七〇年でありましょうとも、八〇年でありましょうとも、いやしくも法治国である日本におきましては、そういうことが起こらないような国民的な理解を高めるということに期待もいたしたいと存じます。でございますけれども、現実に御指摘のような危険性があると推定される根拠はございますので、国民のために、万一そういう場合が起こりましたときに、国民の不安を除き法秩序を維持するための心がまえと対応すべき準備に万全を期するという責任も私どもに課せられていると存じておる次第であります。  なお、御質問の具体的な事柄につきましては、政府委員からお答え申し上げることをお許しをいただきます。

川島広守警察庁警備局長

○政府委員(川島広守君) ただいまお尋ねの大学紛争の現況でございますが、現在、短大を含めまして日本には八百四十五の大学があるわけでございます。在籍学生総数が百五十一万と称されておりますが、この中で、現在何らかの意味で紛争を起こしております学校数が六十五校ございます。しかも、その中で、東大あるいは日大など、御案内のとおりに、バリケード封鎖をいたしております学校数が十二校に及んでおるわけでございます。彼ら過激派の学生と申します者の中で、いわゆる、ただいま国家公安委員長がお答え申し上げましたように、七〇年に向けまして、学校そのものをいわば治外法権的な拠点にしようと、こういうふうな意図を持って動いておるわけでございますが、これらのいわゆる職業的な活動家の総数は、私のほうで把握しております数は約二万名というふうなことに相なっておる次第でございます。

松下正寿民主社会党

○松下正寿君 私のお伺いしたいのは、ちょっと簡単に触れられましたけれども、もうちょっと詳細に、現在の学生騒動のうちに革命的な準備をしておる者があるかどうか、もしあるとするならばそれを具体的に御説明願いたい、こういう意味でございます。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先ほどお答え申し上げましたように、具体的な事実、根拠等につきましては政府委員からお答えを申し上げさしていただきます。

川島広守警察庁警備局長

○政府委員(川島広守君) 先ほどもちょっと申し上げましたわけでございますが、いわゆる過激派の学生と申しますものは、それぞれ巷間いわれておりまするように、五派十三流などという分類のしかたもございますけれども、いずれにいたしましても、さまざまな派閥に分かれておるわけでございまして、これらの学生がそれぞれ主張しておりますことは、現在の社会体制そのものを否定をし、したがいまして、法律そのものを認めておらない、こういうふうな考え方をとっておるわけでございます。したがいまして、お尋ねの中にもございましたように、彼らの関心と申しますのは大学そのものにあるのではなくて、社会体制そのものに関心がある。そういうような観点から彼らは革命を行なおう、こういう意図はきわめて明白だと考えております。

松下正寿民主社会党

○松下正寿君 それでは、こういうように理解してさしつかえございませんか。現在の大学紛争、これはいろいろな原因もある。学校当局側その他に責任があると思いますが、根本において、それよりかもっと大事なことは、過激学生が革命を目ざした行動をとっておる、そこに今度のこの紛争の一番根本的な原因がある、それが治安当局の御見解でございますか。

川島広守警察庁警備局長

○政府委員(川島広守君) そういうことができるかできないかは別ものといたしまして、彼らが主観的にそのように考えておりますことは、彼らの言っておること、あるいはまた機関紙等に発表しております内容からも明らかである、こういうことでございます。

松下正寿民主社会党

○松下正寿君 一昨日、衆議院の予算委員会におきまして、小平委員の質問に対して荒木公安委員長は、建物の不法占拠があろうとも、大学当局しか確認できないから、その要請がなければ警察は出動しない、しかし、暴力によって身体に障害を及ぼすことが顕著である場合、法に基づき、法の範囲内において、法の命するところに従って行動することが警察の責任であるとおっしゃっておられます。これは大学の建物の不法占拠ということが、学内の紛争の結果学内的に起きた場合のみをさすものであるか、あるいは革命運動の拠点として大学の建物の一部が占拠された場合においても暴力行為云々が行なわれなければ警察権は発動しない、そういう意味でございますか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。おおむね御指摘のとおりの趣旨に心得ておるわけでございます。先ほどのお答えの中にもちょっと申し上げましたように、たとえば東大でありましても、安田講堂が占拠されておるという事実は、新聞報道写真、テレビ等を通じましてもわかりますけれども、それが不法占拠であると断定することは、警察が独断で断定して、大学当局の管理者としての責任に立った明確な意思表示——それを排除すべきものである——そういうことが表示されませんことには、その現象だけ、結果だけを見ましておっ取り刀で飛び込むべき課題ではないと思います。それがその大学の学生でありましょうとも、いわゆる外人部隊でありましょうとも、それは明らかに管理責任者の意思表示に基づいてこそ初めて確認される。警察官の出動を要請するということで、大学当局責任者と一緒になって協力するということでしか警察権の発動の機会はあり得ない、かように理解すべきものと存じます。また、軟禁事件等とよくいわれますけれども、具体的には、東大でいいますれば、林文学部長の数日——一週間以上に及ぶ、新聞によれは軟禁されておったということですけれども、そのこと自体、被害者がどういう意思にあったかをみずから明確に表示されないことには、見た目だけでは警察権が出動すべき人権じゅうりんざたであると断定はできない。以前にも類似のことがございましたけれども、被害者みずからが、実はどうもなかったのだ、被害意識はないのだというふうな考え方に立った場合もございまして、本来独断的に警察権出動の対象であるとすることは適当でない、こういうことを申し上げたわけであります。ただし、生命身体に危険を生ずるであろうことがきわめて明確である場合、具体的に似たような状態が起こって重軽傷者を出したなどという事案と酷似するような場面におきましては、大学の要請なくても、生命身体の保護に任ずべき国民に対する責任を持っている警察としては、当然出かけていって保護すべきであるということに考えておるのであります。現実にそのことが知り得ませんで重軽傷者が出たとする。十三日の駒場の事件におきましても、さる助教授の方が一カ月半の重傷を負われたということは結果的にわかりましたけれども、本来ならばそういうことの起こらないように保護すべき立場にあることは万々承知いたしますけれども、大学がみずからの考えで会合を開いておられる状態、しかも、約二千名の警察官を駒場の付近に念のため配置いたしまして万一に備え、大学とはよく連絡をとりながら、大学の要請あれば直ちに保護に任ずるということをいたしておりましたけれども、不幸にして重傷者が出たということをはなはだ残念に思いますが、むろんそういう事件が起こりますれば、その原因といいますか、犯人が何者であるかを捜索することは当然と心得まして、そのための手配はいたしておるような次第であります。  以上で、はたしてお尋ねにぴたりはまり得ましたかどうか、お答えにいたしたいと思います。

松下正寿民主社会党

○松下正寿君 少し問題がすりかえられているような感じがする。私は暴力問題のことについていま触れていない。当然のことであります。そうでなくして、いま公安委員長のお話しのようでありますというと、不法占拠であるかないかの認定というものは、これは公権でやるのでなくして私人がやる、こういうことなんでございましょうか。もしそうであるとするならば、これははなはだ重大な御発言ではないか、さように考えておるわけでございますが、もう一ぺん公安委員長の御所信をお尋ねいたします。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 繰り返し申し上げますが、学内の学生同士の乱闘、これはさっき申し上げましたとおり、見てもわかります。ただ、大学の施設が閉鎖された姿がそこにあるということだけでもって不法占拠と断定するわけにはまいらないと思います。そこには大学自治のたてまえに基づく自治を守るためにも、あるいは不法事案が起こったならば、みずからの管理権、管理能力、営造物の管理権に基づく警察権は、守衛その他を使って、国立大学でありまするならば不法占拠を排除すべき、未然に防止すべき責任があるわけでありますから、そういうことで、自分たち本来の能力では不可能になった場合には、当然占拠されつつある状態を排除するために警察権の出動を要求する権利があり責任があるという課題と心得ます。したがって、建物の占拠等が、警察だけが、大学と無関係にみずからの独断でもって、占拠されておる、不法占拠であるに違いないからというので乗込むということは妥当ではない。いわんや、大学自治のたてまえを尊重されながら緊密な連絡をとりつつ今日まで来ておる間柄でもございます。したがって、大学当局の治安当局に対する要請、同時に、さっき申し上げたように、その明確な協力意思がはっきりしませんことには、ただいたずらに風景だけを見まして飛び込むべきものでない、かように心得ております。(発言する者あり)

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 傍聴席は御静粛に願います。

松下正寿民主社会党

○松下正寿君 はなはだ私は不安でございますが、私は実は保守党には反対の政党に属しておるわけでありますが、少なくとも治安問題については非常にはっきりした御見解を持っておるものと考えておりました。しかるに今日の御説明を伺いますというと、大学当局が不法占拠と認めなければこれは何らの手が打てる方法はない。たとえば現在の安田講堂、これは不法占拠でないか、あるか、この点をはっきりとしていただきたいのでありますが、私が特に一つの問題よりかもつと非常に不安に思いますのは、何とかかんとか言いながら、大学自治、大学自治ということばを使いながら、だんだんに大学というものに治外法権的な性格が加わってきておるのじゃないか。このことを非常に私は心配いたしております。もう一度、はっきりと御答弁を願います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。  大学の建物が占拠されておるということにつきましては先刻申し上げたとおりに存じます。繰り返し申し上げますけれども、大学当局がたとえばバリケードで講堂なり教室が封鎖されておるという形になっておる。そのことを、使う必要がないから、そうなっておることを大学の責任において放任しておることもあり得るわけであります。それは、町の店屋にいたしましても、よろい戸が締まっておるから不法占拠だと断定するわけにいかない。あるいはよろい戸が下がっておりましても、それは店員と一緒にレクリエーションに出かけておる姿かもしれない。実は、そうでないならば、その店主が、管理権者たる店主が、主人公が暴力によって封鎖されておりますから自分たちはどうにもならないから、一一〇番かけて、来てくれと言うことによってその事態が確認されるときに警察は出動すべきもの、協力すべきもの、その考え方と同じだと申し上げるだけでございます。革命の意図を持って、暴力革命の考え方に立って学生集団が何とかやっておる、革命であるがゆえに飛び込んでいくということも、私は、警察としてはそれだけでは越権であろうと思います。あくまでもそこに、学内の秩序が暴力によって乱され、あるいは生命、身体の傷害が起こるという危険性があるから、現にまたそういうことが行なわれておるときに警察権が出動するのは、これは当然といたしまして、それすらもが大学当局の被害者側の明確な意思があるのでなければ、これは警察の出動の効果をあげることは困難な事例はいままでに数件ございましたから先刻のように申し上げました。無法は断じて許さない、無法は国民のために排除するということは、大学でありましょうともどこであろうとも同じである。そのための責任を負っておるのが警察当局であると存じます。

片山武夫民主社会党

○片山武夫君 関連。  学校紛争についてちょっとお伺いをしますが、いまの御答弁ですと、一軒の中でどんなもんちゃくが起きて近所に迷惑をかけてもそこの御主人が申請しなければ手を出せない、こういったような問題に通ずるわけなんですけれども、どうもこれは私はちょっと治安当局の態度としては手ぬるいと思うんです。そういう意味でちょっとお伺いいたしますが、この前、東大の加藤学長代行が警察を導入した。こういう問題について非常に反省をした中で今度の提案がされておる。これは御承知のことと思うんです。このことは結局将来に大きな禍根を残すかと思います。なぜこういうことを申し上げるかと申し上げますと、今日まで文部大臣の答弁の中で、学校内のことは学校内で処理をされる、そうしていま東大は紛争中であるけれども、学校のいわゆる行動をいま静観をしておるのだ、こういうことを終始言われて静観の態度をとっておられるわけでありますけれども、国民全体から見るならば、これは静観どころではなくて、これはもう傍観をしておるというふうに国民の多くは感じておると私は思うのです。そういう感じを除去することが、これが私は政治だと思う。したがって、いまここでこの紛争が解決しなければ、いわゆる留年だとかあるいは入学ができない。そういったような重要な時期にありながらいまなお傍観の態度をとっておるということは、私はちょっと政府としては手ぬるい、文部大臣としては手ぬるいと思います。したがって、そこで何らか根本的な指導的な方針を打ち立てることが一番大切な時期ではないかと思うのであります。したがって、この東大の解決のために学長代理が出された提案の内容について二、三ちょっと問題点がありますのでお尋ねしたいと思うのですが、先ほど言いました警察権を導入したことによって反省をしておられる、こういう態度がいいか悪いか、それは一つの問題だろうと思います。いままでの論争を聞いておりますと、何か学園内は治外法権的な一つの区域にするのだというような印象を強く受けるわけであります。  それから第二の問題は、学生のいわゆる暴力行為の処分を撤回しようという提案をされておるということも聞いております。  それから第三の問題は、抗議の方法としていわゆるスト権を認める、こういうような立場をとられておりますが、いわゆる不法占拠や暴力事件、こういうことを排除することなしにスト権を認めるということが、立場が、将来ともこれでよろしいのかどうかという問題を私は残そうかと思います。したがって、そういう問題に対する政府としては方針を具体的にいまこそ打ち出さなければ将来に大きな影響を、また問題を私は残すのではなかろうか。そういういろいろな問題について文部大臣として国民に対する明快な一つの見解、所信を私は表明してもらいたい、そう思うのです。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) お答えをいたしたいと思います。  加藤提案を私も熟読いたしました。いろいろやはり皆さん方で御批判があるような多少あいまいな点もあるやに思います。しかしながら、一面においては、当面の大学紛争を収拾する当事者といたしましては多少の幅を持たなければならないという事情もわからぬではございません。私はしかしながら、あの提案を読みました場合に、確かに前の執行部におきまして警官を導入したことについて反省の気持ちを述べられておると思うのでございますが、しかし、そのことは同時に、いかなる場合でも警察官の導入がいけないのだという認識ではないというふうに私は思っておるわけであります。暴力行為あるいは生命の危険にさらされた場合、あるいはまた不法監禁の状態あるいはまた不法占拠の場合におきましても、私は考え方としては決してそれを認めておるというふうには思いません。しかし、警察官を入れることがただいまの状況においてよろしいかどうかという、この判断は別だというふうに私は考えるのでございます。また、処分等の問題につきましても、いろいろのこれはやり方と思いますけれども、加藤代行といたしましては、一応その非は非として認めながらも、ただいま紛争中であるから、それを道徳的な意味において本人の自覚に待つというような意味でああいうふうにあいまいになっておるのじゃないかというふうに思います。  それからスト権確立云々の問題は将来の問題でございまして、そこまでいっておるのかないのか。私はそうではなくて、参加の問題等についていろいろ議論があるが、ひとつみんなで研究してみようというふうに将来に問題を投げかけておるというふうに私は読み取ったのでございます。しかしながら、私たち、責任者といたしましては、いかに大学が、自治とは申しながら、学外、学内を問わず、暴力というものは民主主義の敵であるという認識を、私は持っておるわけでございます。ことに、学問の研究というものが憲法で保障されておるという意味はどういう意味かというならば、教授、学生の研究の自由、そしてそれに伴って生じるところの大学の自治、研究したところのものを発表する自由、あるいはまた、その研究した成果というものを教育する、教授する自由というものが憲法に保障されておる。ただいまの状態というものは、一般学生がみずから勉強をし、研究をしようとしておるにもかかわらず、これができない状態になっておる。言うならば、大学の自治がまさに危機に瀕しておるという認識でございます。ただ加藤執行部といたしましては、この一週間を山として精一ぱい努力をいたしておる最中でございます。この中において、警察官を入れることがいいかどうかという判断は、もう少し加藤君の立場になってものを考えていただきたいというふうに私は思うのでございます。

松下正寿民主社会党

○松下正寿君 ちょっとさっきからすっかり問題がすりかえられておるわけです。私は、現在の東大の紛争に直に警察官を入れたらいいか、そういうふうにしてくださいということを言っておるわけじゃございません。また第二には、暴力行為、つまり身体とか生命にかかわることだけが暴力行為であるか、あるいは建物の不法占拠も暴力行為であるか、この点を追及しておるわけでありますが、どうも問題が、からだに危険があったらやるぞ、それから、現在の東大でせっかくやっておるところへわれわれが入ったらじゃまになるだろう。その点はちょっとぐあいが悪いだろうと思いますが、もう一ぺんはっきりと文部大臣から御答弁を願います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) お答えいたしたいと思います。  安田講堂はああいうような形で、不法占拠をされておるということは、私は常識だろうと思う。そしてまた同一時に、加藤学長も、そういうふうに認識しておると思うんです。ただ、いま紛争中の中において、せっかく加藤代行が一生懸命になってこの紛争を一日も早く解決しよう、国民のために、また父兄のために、そう考えてやっておる。その際に、いま不法占拠であるからといって、隊を導入することがいいかどうかという判断はまた別だということであります。おそらく、しかしそれはそれ以上私はもう申し上げられないんです。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私の答弁が輪郭がはっきりしないことから、時間とっておりまして申しわけございません。補足さしていただきます。お尋ねの不法占拠ということがまずあったものですから、そのことを中心にまず申し上げたわけであります。ですけれども、大学が治外法権の場であるとは、治安当局としては全然考えておりません。大学といえども、不法事案があるならば、当然警察の責任を、国民に対する責任を果たすべきであることは当然と考えておるのであります。そこで、不法占拠につきましては、幾らか理屈ばって申し上げさしていただけば、刑法第百三十条の建造物侵入罪、または不退去罪というものに関連する現象だと思うのであります。このいずれかが考えられるわけですが、前者、すなわち建造物侵入罪、これはゆえなく侵入したものでなければならないということが要件であり、後者の不退去罪は、要求を受けても退去しないものでなければならないということがまた要件でもございます。すなわち「故ナク」あるいは「要求ヲ受ケテ」という構成要件を満たすためには、管理者の明確な意思表示が必要とされるわけでございまして、そのことなしに、姿だけを見て、警察権がいきなり入っていくべきものじゃないことは、大学であろうと、町の個人の場合であろうと、銀行、会社であろうと、同じだと、こういう考えに立って、私どもは、大学の側から、管理者側から御要請があるならば、警察官としての警察の当然の責務として御協力申し上げねばならない課題であることを申し上げたつもりであります。いわんやまた御指摘のように、生命身体に関するものでなければ、暴力でなければ、それ以外の、刑法犯罪その他の不法行為が問題外であると考えて申し上げたんじゃなくして、大学紛争というお立場からのお話でございましたから、学生同士が——よそ者も入っておるかしれませんけれども、集団的な何かをやっておるというときには、一種のこの教育的な立場からの催しも当然連想されることでございまして、表現のしかたは非常識でございますけれども、理屈はそういうこともあるわけでございますから、できることならば大学側から、この集団の動きというものは生命身体に重軽傷を出しそうだから、心配だから入ってくれと言われて行ったほうが不当にエスカレートしないで済むはずだという大学側の認識もあるようでございます。そういう意味で、紳士的な立場をとって待機しておったにすぎないということでございまして、もしこれが当然重軽傷者続出の事案であることが確認されます限りにおいては、大学の要請なくしても、学生であろうと、大学教授だろうと、第三者だろうと、生命身体の危害から守るという行動をなすべきことは当然と心得ております。

片山武夫民主社会党

○片山武夫君 関連。先ほど私が御質問申し上げた文部大臣の答弁、ちょっと的をはずされておるようだと思います。ということは、不法行為ということは一体どのようなことかということについての認識の問題、これがまず第一の問題であります。これがやはり客観的に立証されれば、これは不法行為とみなされるわけでありますが、これを一体、不法行為というものをどういうふうに考えておられるかという点と、いま一つは、加藤学長、いわゆる代行が提案をした解決案、この中に、この学校の紛争を解決するにあたっての問題点がありやなしや、こういう点を私はお伺いしたのでありますけれども、決して警察権を導入しろとか何とか、そういうことを申し上げたんではないのでありますから、誤解のないように答弁を願いたい、これは総理からひとつこの問題御答弁をお願いしたい。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) お答えをいたします。あるいはトンチンカンなお話を申し上げたかもしれませんが、加藤代行のやつは、解決案というよりも、あの提案を通じて学生たちと話し合いをして、そうしてその解決の案を実らせようという意図だというふうに思うんでございます。まあそういうわけです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど来お話を伺っておりまして、いまの安田講堂を占拠している点をどう考えるか、こういうお話でございます。私は、まずこういう問題について、管理者である大学当局はどう考えるか、この大学当局にまかす、いままでの大学の紛争をそういう処置で一貫して秩序立てていまやっております。したがいまして、先ほど来、どうもいままで不法占拠をやっているのだから、警察は当然出るべきじゃないかという御意見があったようですが——そういう意味ではないといま手を振っていらっしゃいますが、ただいまのように、私どもが大学当局、それにまかした、それをまず第一にまかした、そうしてしかる上で、ただいまの早期解決を望んでいる、この大学全般について説明したとおりでございますから、先ほど来文部大臣が答えているとおりでございます。誤解のないようにお願いします。

松下正寿民主社会党

○松下正寿君 先刻来だいぶしつこくお伺いしておるのですが、まことに残念ながらいままでの御答弁は一切はなはだ不満足で、ピントが全部はずれていると思います。  そこで、私は根本の原因は、やはり大学自治ということについての基本的な理念がはっきりしていない、あるいは混乱が政府のほうの側にもあるのじゃないか。そこで私は御提案申し上げたいのでありますが、昭和三十八年、東大劇団ポポロ事件に関する最高裁判所の判決がございます。私は詳しくそれを申し上げるもう時間が切れました、ございません。それは文部大臣がよく御承知のとおりであります。あれは私は憲法第二十三条の解釈としてきわめて権威のあるものであると考えております。文部大臣は、あのポポロ事件に関する最高裁判所の判決の趣旨に基づいて、大学自治に関する理念、特に大学自治と治外法権とがどう違うか、また大学自治と警察官導入のその限界、理由、あるいは拒否すべき場合はどういう場合であるかということをよく御研究の上に、もう一ぺんはっきりと政府の御見解を近い将来にお示しになるお気持ちがありますかどうか、これをお伺いいたしまして私の質問を終了いたします。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) 十分お答えをいたしたいと思います。

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 以上をもちまして松下君の質疑は終了いたしました。     —————————————

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 次に、春日正一君。

春日正一日本共産党

○春日正一君 私は、日本共産党を代表して、大学問題について総理に質問いたします。  初めに、現在東大はじめ五十に近い大学で紛争が続いておるわけですけれども、このように長期かつ深刻化しておる原因、これについて総理がどうお考えになっているか、これをどういう方向で収拾していったらいいとお考えになっているか、その点お尋ねしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 春日君、これはいまの一番大きな政治課題であります。また各党は各党なりにそれぞれの考え方を持っていらっしゃるようであります。この起こりというか、それがいかにも、たとえば東大は医学生の問題から、あるいは慶応大学では外国の援助、そういうようなことが問題になったといわれておりますが、そういうような問題を動機として、私総体として、かつての八、九万、その程度の大学の学生が、いまもう百四、五十万になっておるということ、非常な変化ですね。この変化を十分各方面で認識しておらない、その結果ではないだろうかと思う。かつてのような象牙の塔だとか、あるいはエリートだとかいわれたものが、今日はもう大学こそ、これはもう全部の国民に開放されておる、またその必要があってただいまのような開放された時代がきたのですね。したがって、大きくなったことが不都合と私は思いません。これは時代の要請だと思う。しかしこの大きくなった、これに対して、先生も、生徒も、父兄も、はたしてこれに対応するだけの十分の用意があるかどうか、いまだに昔のような象牙の塔を考えていないか、たとえばそれが、私が申し上げるまでもなく、いまの就職の場合にやっぱり学閥によって差別される、しかしもうそんな時期じゃないんだ。またこういうような多数の人が行けるような大学になりましたために、最も大事な、どうも人間の疎外、こういうふうなことが各方面で行なわれておるのじゃないだろうかと思います。そこで、大学の機能は一体何なのか、これは人間形成の場と言われておる。そういう意味における教授、授業といいますか、そういう意味の勉学を一つしいるものもある。もう一つは、大学自身もっと専門的になって、そうしてより深く研究をするものである。それからもう一つは、これだけ大きいものでございますから、管理を、昔のような千人や五百人というような大学とは違うから、管理体系におきましてもたいへんな力が入らなきゃならない。まあ、いろいろの問題が重なり合って今日の問題を起こしている。私は、その原因がまことに簡単なところにあるが、全国的な学生運動になったこの様相を見ますると、この大学の変貌に対して十分の心がまえができておらないその結果ではないだろうか。私はいま政府の責任を他へ転嫁するつもりはございません。ただいま皆さん方からしばしば指摘されるように、教育基本法その他の法が、はたして今日のようなこの膨大な学生を持つそういうものに適応するかどうか。そういうような法制上の問題もある。施設が不十分であること、先生の数が足りないこと、また、それらについて十分の待遇をされておらないとかいろいろな問題があり、一朝一夕にはこれはなかなか解決ができないだろう。したがいまして、いま文部大臣は、当面する問題、これを何とか早く片づけなきゃならないが、同時にまた、二十数年続いてきた六・三制のあり方等についても基本的に考えていかなきゃならぬ、実はかように考えております。これについて、いまさら調査でもないだろうと思いますが、民社から共同調査したらどうかと、かような提案も出ておりますし、また文教委員会等におきましては、いわゆる質疑応答でなしに、建設的な意義を持つというために、やっぱりテーブル会議を持たれるとか、円卓会議を持たれる、かように聞いております。私は、この問題について、みなさんもともども、りっぱなものをつくりたいものだ、かように思っております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 非常に複雑な原因を持っているんですけれども、新聞の世論調査によると、いまの政治社会に対する不満が原因だと、こう答えている人が七〇%を占めているんですね。この点について、総理の反省といいますか、所感といいますか、聞かせていただきたいと思うのですが。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私が政治家の最高責任者、そういう立場におきまして、政治不信もその一つだと、かように言われておる、そういうことについても私十分反省しておるつもりでございます。これはただ私だけが最高責任者だからがんばるんだというだけでは不十分のように思います。また皆さん方に、皆さん方にも責任がありますよ、かように申すわけではありませんが、どうかみんなして政治に対する信用を高めるように、こういうことを一そう努力しなきゃならぬ、かように私反省しております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 この大学自体の問題についても、学生の要求の中には、東大紛争の発端になった医学生や研修生の登録医法案反対とか、あるいは研修生がいろいろ要求出しております。そのほか学生の勉学条件の改善、教職員の労働条件の改善、研究費の増額、まあその他総理も先ほどいわれたようにいろいろ要求があって、しかも政府が法的、予算的に措置をとらなければ解決できない、そういう問題が解決されてないために問題がこじれていくということも、こじれる一つの重要な原因じゃないかと思うのですけれども、この点についての所感をお伺いしたいのです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) もちろん予算的措置を必要とするもの、これもございます。それが、全部皆さんが要求されるような多額なものが出るかどうか、それは別といたしまして、やはり予算的にも現状のままではよくない、そういうことに改善のメスを入れるということ、これは必要だと思います。しかし、どういたしましても、暴力ざたが行なわれることは私は納得ができない。また、学問の場所でありながら教育を放棄する、そういう状態は私どうもいけないように思います。私どもも、ただいまのようなあらゆる点で改善を加えていく、したがいまして学生諸君も、とにかく教育の場だと、ひとつ勉強しようと、こういうことに踏み切ってもらいたい、そういう意味の私は加藤代行がただいま取り組んでいるそれを、いま私の政府としてもこれに応援しているというような現状でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 ただいまの暴力の問題に総理触れられましたけれども、まあ大学紛争を民主的に解決することを妨げておる一つの大事な要因として、いわゆる三派系全学連その他のトロツキストの集団が暴力をふるっている、これがあると思います。共産党は、御承知のように、彼らのこういう暴力に反対している。問題の民主的な解決というために努力もしております。ところが、坂田文部大臣は、自民党文教制度調査会の会長ということで、十月十六日の「教育学術新聞」ですね、これに、三派系全学連よりも一そう警戒すべきは日共系民青である。だから東大などでも妥協を急ぎ過ぎてはいけないというように語っております。こういう政略的な態度、しかも政府与党の有力者である方がこういう政略的な態度をとっておるということが、トロツキストの暴力集団を増長させ、紛争の解決を妨げておるということになるんじゃないだろうか。特に坂田文部大臣は、現在でもこういう考えでもって大学問題を処理しようとしておいでになるのかどうか。これ詳しくひとつ説明願いたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) お答えをいたしたいと思います。  実は「東洋経済」でおたくの広谷さんという青年学生対策部長と対談をいたしました。これは発表されております。そこで、ちょっと気がかりになりましたので、その点を指摘をいたしました。共産党は一体暴力を否定なさるのかいなか。そうしましたら、いまだかつて否定したことはないと、こうおっしゃったわけです。私どもはこの民主主義社会、現在の憲法下におきまして、やはり暴力は肯定すべきじゃないという考え方を持っております。今日の膨大な紛争を眺めますと、ただいま松下先生から御指摘がありましたように、いろいろ問題がございます。社会的な原因もあります。学生の意識の変化もございます。それからまたこの学生を受けとめております大学人におきましても、旧態依然たるものの考え方ということもございます。  それからもう一つは、いま御指摘にありましたような事件の発端となりました臨床研修医の問題です。これなんかも私調べてみますると、東大といわず、国立大学に今日学んでおりまする三十万の学生というものは、その階層は、年収百万円の中から大体六〇数%の人たちが入ってきておるわけです。言うならば、非常に低所得者の人たちが、高等教育機関、ことに国立大学のいい大学に学んでおられる。これはヨーロッパ諸国に比べまして、日本の教育制度というものは、いかに進んできたかということを私は物語るものだと思っておるのです。したがいまして、この臨床研修にいたしましても、普通ならば四年制で学部を出て、そうして初任給三万円かそこらをもらうわけでございますが、医学部は御承知のように学部が六年制でございます。しかもその上に臨床研修の二年というものをやらなければならない。そういたしますと、もうそのころになりますと、フィアンセもおるでございましょう。あるいはまたお嫁さんをもらっておる人もございましょう。ところが、今日では文部省の予算では、謝礼金として一万五千円、それから国立病院につとめますこの研修する者は二万五千円、これではどうだろうかと私は思ったので、この辺はやはり御指摘のとおりに、われわれ政府といたしましても、少なくとも三万円程度の予算要求はしなければならぬということで、今度の概算要求にもいたしておるわけでございます。そういう二回はございますけれども、先ほど松下先生がおっしゃいましたように、今日内外の一部政治主張というものを、暴力をもあえてしてでもその実現のために大学を利用しておる、あるいはこれに学生たちが呼応しておるというところに大きな問題があるのじゃないだろうか。私は、大学の自治、ほんとうの意味における学問の自由というものを守るということであるならば、歴史的に見て単に国家権力からこれを守るということでなくて、学外、学内を問わず暴力からこれを守るということが、大学人自身もしっかり考えてほしい、意識統一してほしい、そして学生に対してもらいたいという切なる私は願いを持っておるわけでございます。  そういう意味合いにおきまして、私は外部からの政党の一部主張というものが、暴力というものをあんまりいろいろと言うことは考えなきゃならぬのじゃないかというふうに私は思いました。そういう意味におきまして、学問の自由を守るため、またこの民主主義というものを守るために、暴力というものはお互いにやめようじゃないかということでいかなければ、日本の民主主義というものは発展しない、かように考えておる次第でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 それほど暴力が悪いなら、まさに三派系全学連そのものに対して痛烈なる批判をされなきゃならぬ道理だと思うのです。  共産党について言えば、共産主義者は暴力革命  一般を否定するという態度はとっておりません。しかし、日本のいまの制度のもとで、わが党が暴力革命をやるとはっきり断定した方針を出しているのか、綱領をごらんになっても、大会の決定をごらんになっても、そういうものは出ていないし、特にあなたは七〇年をめざして暴力革命をやろうとしておると言っているけれども、そういうことを立論する根拠がどこにおありになるのか。そういう無責任なことを言うことはよろしくないと思います。根拠があるならあげていただきたい。ないなら取り消していただきたい。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) 私は国会におきまして申し上げるわけでございますけれども、確かにこの東大紛争におきましても、三派系が暴力をふるった。その場合に、民青系が同じように暴力をふるった。私は三派系の暴力はいけないけれども、民青系が使うところの暴力はよろしいというような論理構造は、どうしても理解ができないのでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 それは暴漢と正当防衛を混同するものだと思います。しかしこの議論やっておると、時間ありませんから、私は次に移ります。  そこで、学問の自由と大学の自治を尊重するという立場からすれば、大学紛争は当事者の努力によって民主的に解決されるということが、一番望ましいと思います。現に十三日の東大教養学部の代議員大会に見られるように、たくさんの学生がこの問題を民主的に解決するために立ち上がり始めておる。そういう努力が進められておって、この努力を通じて問題が解決されたときに、学生たちは自分たちでこういうものを解決したんだということに自信も持ち、同時に大学に対する学生の愛情とか自覚というものもそこから育ってくるし、教師と学生との一体感を強めることになると、そういう意味で政府はこういう努力をむしろ激励し、尊重して、留年問題とか、入試問題などについていろいろ差し迫った問題はありますけれども、やはり一方的な措置をとるのではなくて、各大学の学生、理事者も含めて当事者が自主的にきめる方針というものは尊重していただきたいと思います。  もう一つ、私は時間がありませんから、ついでに全部やってしまいますが、それから東大の場合、医学部の学生の処分、警官の導入、八月十日の学長の告示、こういうふうな大学側の一方的な処置が紛争を拡大させ、激化させる一つのモメントになっておる。このことは、少数の理事者や教授会だけの判断では、先ほど総理の言われたようなマンモス化した大学の状態では、十分管理運営問題を処理できないということを証明しておると思います。そこで私どもは、今後の大学運営については、教員、職員、大学院生、学生など、大学内の構成しておる各層から民主的に選ばれた代表で構成する全学協議会というようなものを設置して、大学における教育、研究にかかわる重要な事項を協議し、大学の管理運営に多くの人々の要求や意見が十分反映できるように制度的にも保証する必要があるだろうというふうに思います。この二つの点について御意見を伺いたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) お答えいたしたいと思います。  第一段の問題は、これはもう総理も、私もともに申し上げておるように、今日大学当局に精一ばい御努力をして、第一義的に解決していただきたいというふうにお願いをしておるのであります。  それから第二点の問題について、三者協議会その他いろいろな協議会でやっていけと、大学というところは一種の共同体だから。しかし私は、学生とそれから大学当局とはおのずと——構成員であることには変わりがございませんけれども、大学がいかに変貌したとはいいながら、学生は教育される者であるということは私は変わりないと思います。これから先も変わらないと思います。そこで、同質同等の権利を主張できるかどうかというところは、私はそうではないのじゃないかというふうに思っております。しかしこれはやはりもう少し将来のことでございますから、中教審等において御検討を願わなきゃならぬというふうに思っております。  それからまた、大学が何でもやってよろしいという、まあ大学の間で話し合いをしてやっていく、そうしていい慣行をつくるということは賛成でございます。しかしながら、一方、私は、大学自治といいながら、大衆のための大学、国民のための大学というふうに変貌したからには、税金を納めておる、特に国立大学三十万の人たちに対しては一人当たり七十六万円も出しておるということを踏んまえまするならば、国民の意思の反映を踏まえて、大学当局、学生たちがその大学自治を考えていただかなければならないのじゃないか。単にそれを構成しているいわゆる学生、教官、事務職員だけでかってにやるというならば、それは中世のいわゆるボローニャ大学みたいな世の中と隔絶した象牙の塔になってしまうのでございまして、ほんとうの意味の国民のための大学というからには、国民の意思を反映するような大学にわれわれがひとつ協力をしてつくり上げていかなければならぬのじゃないかというふうに考える次第であります。

春日正一日本共産党

○春日正一君 ちょっともう一つ、制度的保証という問題、私の質問に対して、必要があるかないかと、それだけお答え願いたいと思います。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) 制度の問題につきましては、やはりこの制度の問題でございますから、きわめて基本的な重要な問題でございます。したがいまして、中教審に諮問をいたしまして、その答申を待って考えたいと思います。

春日正一日本共産党

○春日正一君 じゃこれで終わります。

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 以上をもちまして春日君の質疑は終了いたしました。     —————————————

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 次に、山田勇君。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 榮ちゃんと呼んでほしいと総理はかつて申されたことがありますが、現在もそのお気持ちにはお変わりありませんか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) どうも場所によりますね。私はやはり大衆性を持ちたい、こういう意味でかようなことは申しましたが、しかし場所だけは選んでください、お願いします。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 私は、総理が自分のことを榮ちゃんと呼んでほしいと申しておられるのを聞いて、あ、この人はわれわれ国民の中に飛び込んできてくれるほんとうの政治家だと私は思いました。ところがどうやらそれは完全に私は裏切られているようでございます。いま総理は、一般大衆、庶民から縁遠い存在となっているように私は見受けます。政治というものは、弱い者を助け、貧しい者を救うのが一つの大きな目的だと私は思っております。そういう点について、総理はどういうふうにお考えでしょうか、お答えをお願いします。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私の政治モットーは人間尊重にございます。このことはよくたびたび申しておりますから、ただいま御指摘になりましたような点、十分に考えてまいりたいと、かように思います。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 わずか五分の持ち時間でありますので、質問の意の足らぬところは答弁なさる各大臣のほうで御賢察を願って、国民によくわかるように親切に詳しくお答えを願いたいと思います。各大臣のほうには制限がございません。  そこで、まず初めに、政治不信が問題になっておりますので、一つの提言をしたいと私は思います。  政府はときたま一日内閣を開きますが、これに似たものを各自治体においても開くようにしてはどうでしょうか。また、総理と国民、知事と県民、市長と市民、町長と町民、村長と村民といったふうの対話集会を数多く開催し、住民の声を直接聞くという制度を考えてはどうでしょうか。民主政治は、あらゆる階層の人々が一人でも多く政治に参加することだと私は思っております。選挙を通じてだけではなく、多くの機会に政治に参加できるようにするのが政治不信をなくす一つの道だと思いますが、総理はどういうふうにお考えになっておりますか。こういうような自治体の開催する対話集会、県政だよりとか市政だよりだけじゃなく、何かそういうものを法制化した場合、そういう気持ちがあるかないかをひとつお答え願います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私ども一日内閣、これは実はあまり回数が多くない。つとめてそういう回数をふやしたい。また、一昨年でしたか、私、内遊というか、外遊の前に内遊、いろいろ国内の施設を見て回りました。同時に、自治体、これは府県ばかりではございません、各市町村等におきましても、適当に地域住民と対話の形でものごとを進めておるように聞いております。また、ただいまもそういう御指摘がございますから、さらにその趣旨が徹底するようにこの上ともしたいと思います。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 それでは、次に税金について大蔵大臣にお尋ねいたします。  税金が高いと言われております。特にサラリーマンは源泉徴収されるのがほかの者と比べて不公平だと言われております。必要経費も認められておりません。サラリーマン・ユニオンが結成され、圧力団体となり、減税についても要求すると新聞には報道されております。国民は税金を納める義務があるのに、なぜ税金に対しこういう大きな不満があるのでしょうか。税金の使い方にも関連すると思いますが、国民が税金を喜んで納められるようにするのにはどうすればよいのか、大蔵大臣はどういうふうにお考えになっておられますか。サラリーマン減税を含めての財政についての基本的な考え方をわかりやすくお話し願いたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私どもは毎日毎日生活をしておるわけですが、そのために家計を持っているわけですね。しかし、同時に一人一人の家庭だけではできない問題がある。警察だとか教育とかやっておるわけです。共同してやっている施設ですね、これが私は財政というものになっておると、こういうふうに見ておるわけです。つまり共同の家計である、これが財政だと。ですから、全国民一人一人が自分の家の家計について関心を持つと同様に、この共同の家計につきましても関心を持つ、出づるにつきましても入るにつきましても関心を持つ、こういう状態になることが財政が理想的に運営される根本であると、かように考えます。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 では、公害問題についてお尋ねいたします。いまや公害は大きな社会問題となってきております。私は、さきに大阪の神崎川の汚濁、臭気について、異例でしたが、総理に手紙を出して訴えました。その手紙は確かに秘書さんを通じて総理のほうに渡りました。総理のほうからも丁重な御返事がありました。そのときに、必ず異例の措置として処置をしたい、万博視察に行くんだから、そのときに県知事なり市長に会って、神崎川の状態というのをよく詳しく聞いて、その上善処するということでございましたが、その後三選の問題もございまして、総理も忙しかったと思いますが、その後いまだにどういうふうに措置をなされるのか返事も来ておりませんが、そういう点についてお尋ねいたします。また同時に、公害基本法は制定されても、こまかい施策の面がどうも地区住民の要求からほど遠いものになっております。大気はますますよごれ、ひどくなり、河川からは魚も姿を消していきます。このままで放置しておりますと、日本からは人間がいなくなるのではないかと心配いたしております。経済の発展を優先させるのか、人間の命を守るのが先決か、この際はっきりとした総理並びに厚生大臣の決意をお伺いしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 神崎川の臭気について山田君から手紙をいただいたことは記憶に残っております。私は、中馬市長にそのことをよく話をして、そうしてそれを特に注意を喚起したつもりでございます。  ただいま何にもできていないということですが、私は、さらにこういう問題について取り組む姿勢であるということだけ申し上げておきます。  また一口に公害と申しますが、大気汚染、水質汚濁、騒音あるいは振動等々ございますが、東京の隅田川の水質汚濁、これに改善を加えたことはもうすでに御承知のとおりだと思います。神崎川につきましても、隅田川でできることだからと、こういうような意味で中馬君にも話をしたわけでございます。大気汚染について公害基本法ができておる。それが産業面と私どもの考え方としばしば問題を起こすようであります。しかし日本で新しく大気汚染度等を認定する基準について、やはり思い切ってつくるべきじゃないかということでせっかく努力しておる最中でございます。私はこういう問題は新しい経済発展の結果もたらされる社会悪と、かように考えておりますので、そういう点について真剣に取り組んでいく。いまの汚染の問題、さらにまた住宅問題あるいは交通の問題等々、いろいろ最近にないことでありますから、経済が幾ら繁栄いたしましても、この種の問題で人間性がそこなわれる、人間疎外の経済発展ではいかぬということをよく私も気をつけてまいるつもりであります。  お答えいたします。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 簡単ですから……。どうも。  私は最近恵まれない子供や身障者の施設によく参りますが、そこに見られるのは、まだまだ政治の恩恵に浴していないほんとうにみじめな現実です。もう寝たきりの重症患者、身障施設を数たくさんタレントの時代からよく回ってまいりました。しかし、実際に税金が高い、物価は上がる一方、公害は命まで脅かす、そういうような実情でございます。先ほども社会党の田中委員からも申されたとおり、福祉関係に対する国庫補助金を切り上げる、また八割から五割に減らすというようなこともうわさに出ているようでございますが、どうかひとつ、総理、私はそういう恵まれない子供にほんとうに会ってきたのです。そのとき、精薄の児童なんですが、私を見て「あっ衆議院」こう言うのです。そんなに小さいわからない子供でも、私が政治に打って出たということはよくわかっているのです。そうしまして、私が、じゃ日本で一番えらい人はだれかと子供に聞きますと、総理大臣、佐藤さんだと答えるのです、その子供が。ほんとうです。ですから私はそのときに言うのです。たとえ寝たきりであろうが、重症患者であろうが、この世に生を受けた以上は絶対に生きる権利があると思います。また、国はその人たちを守る義務があると思うのです。どうかそういう福祉施設のものだけは打ち切らないように、婦人議員に聞きましても、せっかく一生懸命法制化してやっとできたのに、もう五年たったからいいだろうとか、もうこれは僻地の問題だからいいだろうと絶対打ち切らないように、総理からひとつお願いいたします。厚生関係だけでも五十三億整理されようとしている。それから防衛費——今度買うジェット機というのは一機二十億です。どうか一機でよろしい、ほんとうにお願いいたします。そういたしますと、五兆何千億のうちの重症患者の施設に対する〇・五%、三十億は少しでも上回るわけです。どうか総理よろしくお願いいたします。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま心情を吐露してお願いしますと言われるから、お答えしなくてもいいのかと思いますが、これは確かにただいま言われますように、日本の施設としてはまだまだ不十分であります。最近コロニーができるとかいうことで予算を計上し、その方向につとめておりますが、しかし全国の心身障害児のことを考えると、まだまだこの程度では不足であります。ただいま言われるように、私どももさらに予算の許す限りにおいてそういう方向に努力していかなければならぬと思います。私は、山田君だから申すわけではありません。ただいまも小さな子供が参議院議員、衆議院議員だとか、こう言ったというように、私はやはり慰安も必要じゃないか、かように思いますし、金ばかりでなしに、われわれもそういう施設のところへしばしば顔を出すことが必要じゃないだろうか、かように私は思います。ありがとうございました。

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 山田君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして質疑通告者の発言は全部終了いたしました。     —————————————

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 次に、継続調査要求についておはかりをいたします。  予算の執行状況に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後五時五十八分散会      —————・—————

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