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60回国会参議院1968/12/19

農林水産委員会 第2号

発言数
264
登壇者
26
会派数
5
開催日
1968/12/19

会議録

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  農林水産政策に関する調査を議題といたします。  この際、長谷川農林大臣及び玉置農林政務次官から発言を求められておりますのでこれを許します。長谷川農林大臣。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) このたびの組閣によってはからずも農林大臣を拝命いたしました長谷川四郎でございます。  農林行政をになうことになりましたが、なかなか農業をめぐる内外の諸情勢がまことに容易ならざる昨今ではありますが、私は常日ごろから農業の健全な発展なくしては日本経済の豊かな繁栄はあり得ないと考えております。今回農政の責任者となるにあたって全力をあげてこの重責を果たしてまいる覚悟でございます。何とぞ委員皆様方の理解ある御協力をお願い申し上げます。  申すまでもなく最近における農業をめぐる諸情勢の変化には激しいものがあり、そのため、種々の面で困難な問題が生じているところであり、とりわけ重要な問題は米の問題であります。日本農業は伝統的に米中心であり、農家の生産意欲と政府の政策と相まって米の生産が今日のように増加したことはたいへんけっこうなことと存じますが、食生活の向上に伴う米の需要の減退もあっていまや米は過剰という事態になり、米対策や米の管理問題で困難な局面になっていることも事実であります。このような新しい事態に対処して農業を営む方々にいたずらに不安を与えないようこれを打開していくとともに、畜産、園芸等需要の伸びるものの生産を一段と振興して、農業及び農家経済を一そう発展させていくことが今後の農政の使命であると考えます。  そのため、先般農産物の需要と生産の長期見通しを公表したところであり、これに基、つき需要に応じた農業生産を進めるとともに、農業所得の増大をはかるため、農業の生産性を向上させることを基本として各般の施策を充実してまいりたいと考えております。  以上のような考え方に立って農政全般にわたり新たな展開をはかるため、今年の夏以来総合農政の展開の転換のための努力を重ねてきたのであります。今後ともさらに検討を深めてまいる所存でありますが、これはなかなかむずかしい問題でありまして、私といたしましては、十分熟慮を加えて、近代的な農業経営を育て、将来に希望の持てる明るい農村をつくりあげるため最善の努力を重ねてまいる所存であります。各位の御理解と御協力を賜わりたいと存じます。  林業、水産業につきましてもそれぞれ最近の需要及び資源の動向や従事者の所得の面から考えますと問題が多々存在しておりますので、これらにつきましても施策の強化を期したいと存じます。  現在、明年度予算編成の時期を間近に控えているわけでありますが、予算編成にあたりましては、以上の考え方に立って所要の財源を重点的に確保してまいる所存であります。  今後とも本委員会及び委員各位の御支援、御協力をお願い申し上げて私のごあいさつといたします。

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) 玉置農林政務次官。

玉置和郎自由民主党農林政務次官

○政府委員(玉置和郎君) このたび農林政務次官に就任をいたしました玉置和郎でございます。よろしくお願い申し上げます。

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) これより質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 ただいま長谷川農林大臣から所信表明があったわけですが、私はきょう最初のことでもありますので、そうしてまた最近総合農政の問題について農林省が大筋の見解を発表した時点でもありますので、それを中心にしてお尋ねしたいと思います。したがって、これからの議論の進め方というのは、私はやはり農政を主管する大臣との間の議論を中心に進めてまいりたいと思いますので、そのおつもりでひとつ御答弁をいただきたいと思います。  今日、日本農業が国内にあっては米価、食管に視点を合わせて財政、物価の立場から財政硬直化の元凶、物価値上げの元凶のように財界からの強力なテコ入れのもとに、大蔵省あるいは経企庁をはじめとする政府自体の攻撃にさらされておりますし、また国外からはアメリカを先頭としてきびしい自由化の攻撃にさらされておるという危機的な重大な局面に立たされております。こうしたときに農林大臣になられた長谷川さんには、日本農民はもとより、いま所信表明でありましたように、日本経済の健全な発展を願っておる人々の大きな期待がかけられておるはずであります。しかるにただいま所信表明であなたははからずも農林大臣に就任したとおっしゃいましたが、まさにそれを裏づけするように就任早々、どうせ私は一人歩きはできない、福田さんに蔵相と農相をやってもらって私は使い走りだ、こういうようなことを言われたということが伝えられております。もしこれが事実であるとするならば、私はあなたに大きな期待をかけておる人々の期待を裏切ることがはなはだしいばかりではない、日本の農業、農民にとっても、また日本の多くの国民にとってもきわめて大きな不幸であるといわなければならぬと思うのであります。農政を財政の立場からだけものを見がちな大蔵大臣の福田さんにまかしておいたのでは、農業は財政硬直化是正の犠牲にされてしまいます。内外からの不当な攻撃にさらされておる農業と農民を守るという立場から、ただいまあなたが正式にこの場でおっしゃったような固い決意と自信を持って大いに私はがんばってもらいたい、このことを冒頭希望いたします。そうして質問に入らしていただきたいと思います。  農林省は去る十三日に、長谷川農相を交えて幹部会議を開き、懸案の総合農政の具体的内容についてその大筋をきめたという発表がありました。そこでこれを中心に私は大臣の所見を伺ってまいりたいと思うわけですが、まず第一に伺いたいことは米の過剰という問題です。いま米が過剰であるということが盛んに宣伝されております。ところが私はこの米が過剰であるというその現象を起こした裏づけというものをしさいに検討してみる必要がある。これからの米の行政、食管行政を進めていく上には特にその点を痛感するわけです。  そこで、一、二の点を指摘してみたいと思うんですが、いま盛んに米の過剰といわれておりますけれども、米の輸入の面を考えてみますと、三十九年に四十三万五千トン、四十年に九十八万トン、四十一年に六十万二千トン、四十二年に二十六万五千トン、これだけのばく大な米の輸入があったということが政府資料で示されております。さらに食用小麦について見ますと、三十九年に二百四十六万トン、四十年に二百五十二万トン、四十一年に三百六万トン、四十二年に三百三万トン、このようなばく大な量が輸入されております。こういう背景の中で米が過剰といわれておる。私はこういうような状態を考えたときに、ただ単にいま米が余っておる状態をつかまえて、それだけに限って米が余っておる余っておるということを宣伝するのが、はたして将来の国の食糧行政を確立していく上において正しいことかどうかということに大きな疑問を持つわけです。いろいろな調査を私は調べてみましたが、米はきわめてすぐれた栄養価を持った食品である、小麦に比べてもはるかにすぐれた食品であるということがいわれております。また厚生省がかって畜産物との結びつきをパン食と米食との両方にわたってどちらがよいかということで調べた統計が出ております。それを見てみますというと、乳とパン以外は米食のほうが畜産物との結びつきはよいというふうに発表されております。これらの状態から見て、しかも米を主食にしておるということがわが国の気候、風土から長年の間につくり上げられてきたということを考えてみるときに、米を過剰過剰といって先ほど指摘しましたような過剰になった原因というものに目をつむって、ただ単に財政的な面からだけこれをとらえていこうという考え方が正しいのかどうか、私は非常に疑問を持っておるわけです。パン食を増加させ、そうして米の消費増大に冷ややかな態度をとっておるいまの主食に対する政府のやり方、これが正しい政策であるのかどうか、私は米の消費という問題をもっとやはり考え直してみなきゃならぬのじゃないか、こういうふうな感じを抱いておるわけです。これに対しての農林大臣のお考え方を伺いたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) まさに御指摘のように四十一年、四十二年までの輸入、こういう面が現在米の余っている点に多少なりとも影響のあるということだけはそのとおりだろうと考えますし、またパン食と米食という点につきましても御承知のようにいままでが、私はどうも矢山さんや皆さん方の前で説明申し上げるというのはまことに何で、しろうとが専門家の前に出て申し上げるのですから間違いがたくさんあるだろうと思いますが、ひとつ間違いの点は御了解願いたいと思います。私の考え方でいうならば、まさに米が不足していたからいままでというものは粉食奨励という点に重点も置かれてあったろうと思うんです。しかしきょう今日になってわが国において自給体制というものが確立をし、もって過剰というような状態になっている以上は、まずこれらの御指摘の点についてはごもっともであり、そうしてこれらの粉食から米食への切りかえということ、こういう点に今後農林省としてはさらに普及を考えていかなければならぬだろう、このように私は考えておりますし、したがって御指摘にはございませんでしたけれども、たとえば学校の給食だとかいうような面にございますように、こういう面についても、米を何とか利用する方法を考えてみてもらいたいというようなことを指示を申し上げておるわけでございまして、今後におきましても、米食、米が現在のような農業の生産状態からみていっても、減少するとは考えられませんで、これらの点についてはそのような措置を講じていきたいと考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 私の申し述べたことに大体御賛成いただいたと思うのですが、私は米が余った余ったという議論をするときには、やはりいま主食として一般的に考えられておる米と麦との問題をやはり総合してものを考えたほうがよいだろう、こういうふうに思うわけです。この点についてはただいまの御答弁で私は基本的には大体意見が一致したと思うのです。  そこで考えなければならぬのは、米の過剰をことさらに宣伝をしていく、そういうような雰囲気がどうも最近あらゆる方面に充満をしておるようです。そして日本人の健康状態までが米食に責任があるような宣伝をことさらにやる学者や知識人すらあります。ところが、これらの点についても私は厚生省の資料をいろいろ調べてみましたが、米食が粉食に比べて、ことさら日本人の健康状態の上で悪いのだというような結論は出ておらないようです。先ほど言いました栄養価の点でも、消化、吸収の点でも、米食は粉食にまさるとも劣らないという結論が出ておるようです。そうであるならば、私はこれからの米の消費というものは、あなたがおっしゃったように、いままで米が足らなかったからそういうものを補う手段として粉食を奨励し、小麦をたくさん食べたのでしょうから、米があなた方が余ったとおっしゃるとするならば、私は粉食をあなたのおっしゃるように米食に切りかえる、そのために積極的な努力をあなたもすると言われたから、私はぜひともそれをやっていただきたいと思う。  そこで、それではどういうふうに具体的にそれを進めていくかということなんですが、私はそれを進めるのに、なかなかむずかしい問題がたくさんあると思うのです。たとえばあなたがいま一つの例としておあげになった学校給食の問題一つをとってみましても、文部省との間でいろいろな困難があるようであります。それらの問題を財政的あるいはその他の面で解決をして、いわゆる学校給食を小麦から米を主体にした方向へ切りかえていくだけの成算がいまお立ちになっておるかどうか、またそれをやるためにいままで政府部内でどういうような議論をされたか、文部省との間でどういう詰めをされてきておるか、その実情というものをこの際お話し願いたいと思います。これを承ることが、あなたがいまおっしゃった粉食から米食に切りかえていくというそのことに対して、どれだけ熱意をもって取り組んでおられるかという一つの証左にもなろうと思いますので、ぜひとも伺わせていただきたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 私が、就任まだ短いときでありますけれども、就任後二、三日のことでございましたが、学校給食に回したらどうだという意見もあるのだが、その意見はどういうふうに検討をしておりますかということを私が質問をいたしました。その詳細は、細かい点はいま食糧庁長官からお話をいただきますが、何とかして学校給食のほうに転換することはできないだろうかというような点に十分ひとつ今後検討してみてくれないか、研究してみてくれないかというふうにしてこの間もお話をしたばかりでございます。前からもそういうようなことは検討しておるそうでございますので、その点については長官から御答弁を申し述べさします。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 私どもも米の消費の促進、また米食のすぐれた点を児童に理解をさせるという意味からも、学校給食に米が提供されるということが好ましいということで、文部省の事務当局には、私どものほうから、学校給食に米食を提供するという方向で検討願いたいということを申し出ております。ただ文部省のほうでは、米を給食する場合の炊飯の施設あるいは父兄の負担という点、それから児童の食事に対する嗜好の点、そういう問題もあるので、簡単にはなかなかいかないという返事でございます。  大蔵省ともこの問題について、農林省としては学校給食に米を提供するという方向でものを考えたいと、食糧庁としてできますことは、学校給食の行政それ自身をやっているわけではございませんので、何らか米を県の学校給食会等がまとめて給食用に払い下げを申請するというような場合にはできるだけの便宜を供与するというようなことは考えてまいりたいということで大蔵省にも話をしておるのでございますけれども、最終的に、これは文教の問題でございますので、大蔵省として文教当局と学校給食に米を充てるということの方向で詰めをしたいということでございまして、現在まだ最終的にどういう措置をとるかということは結論が出ていない段階でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 いまのお話を伺いますと、米食を進めていくということについては、学校給食一つの例をとってもなかなか厚い壁があるようです。したがって、私はこの際、少なくとも学校給食の問題ぐらいは、米の消費を増大するという面から全力を上げて取り組んでいただきたいと思うわけです。  さらに、米の過剰の背景には、私は今日まで過大な輸入が行なわれておったということにも一つの原因があろうかと思います。私が過大な輸入だと言いますというと、米の生産量が少なかった時点で過大な輸入をしたのであって、必ずしも過大な輸入ではないんだというような、こういう言いわけをされるかもわかりません。しかしながら、あなたのほうからいただいた資料で調べてみますというと、輸入米の持ち越しが相当量にのぼっております。しかも米の管理は全部政府がやっておられるわけでありますから、大体持ち越しがどの程度出るのかということ、需給事情というものは政府が一番よくつかんでおられるはずなんです。それにもかかわらず、需給緩和のきざしが大きく見えてきたその時点においても、なおかつ輸入を進めておられるということに私は大きな問題があろうかと思います。特にことしのように、十月末に二百六十五万トンの古米が持ち越しがあると言われつつも、そういうさ中になお三十万トンをこえるような米の輸入を考えるに至っては、まさにこれは言語道断と言わなければならぬと思います。この点についての私はお考えを聞かしていただきたいと思うわけです。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 政府が従来相当多量の外国米を輸入してまいったことは御指摘のとおりでございます。四十一年までが輸入量が非常に多かったのでございますが、当時までは需要量が国内生産を上回ったいわゆる米不足の状態にあったわけでございまして、四十一米穀年度の末、つまり四十一年十月末の内地米の繰り越し在庫量は二十万五千トンという少量のものでございまして、むしろこの繰り越しは需給調整の上からいえば寡少でございます。でございますから、それ以前に輸入いたしましたものは国内の需要の不足を補てんをしてきたという役割りで、内地米の繰り越し米増大には影響はなかったと見るべきと私は思うのであります。ただ御指摘のように四十二年、四十三年も輸入をいたしておりまして、この中には特殊用と加工用等の特殊な用途に砕米あるいは普通外米等を合わせて約十万トンくらいのものが加わっておりますが、それにいたしましても四十二年に四十五万トン、四十三年に二十九万トンというものの輸入を予定いたしておりまして、これが本年の去る十月の古米の繰り越し三百万トン——玄米で約三百万トンに影響しているということは、私はいなめないと思います。ただその数量を差し引きましても、相当大きな繰り越しであることは間違いないと思います。  なお、この少なくとも四十三年の輸入につきましては、私はざっくばらんに言って国内の需給操作それ自身からは輸入をどうしてもやらなければいけない輸入ではなかったと私は思います。特殊用途のものは別といたしまして、どうしても入れなければどうにもならぬという輸入ではなかった。むしろ国全体としての貿易政策といいますか、そういうことの必要性というものから、また長期にどういうような需給状態になるかということがなお明確でない段階で、将来の米の需給の安全性というようなことも考えて輸入に踏み切った数量が大部分であるというふうに私は思うのでございます。ただ今日の段階になりましては、少なくともうるち米についての輸入が全く必要のない状態であるということは、これは明確であると思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 先ほどのお話のように少なくとも四十三年の輸入二十九万トンについては、需給操作上は全く不必要だ、特別の政策的な理由に基づいて輸入されたのだろうと思うのでありますが、少なくとも米が余ったということの中で、日本農民、農業に対して非常に大きな影響を及ぼすような政策をこれから展開していこう、その政策のもとで日本の農民に対しての大きな影響どころではない、へたをすると日本農民は農業から外に放り出されることになるかもしれないというようなきびしい情勢にあるときに、どういう政策的な理由があるか知らぬけれども、需給操作上必要のない米を輸入するということは、私はこれは大きな間違いだと思う。それは私は厳重に反省をしてもらわなければならぬと思います。  たとえばあなた方が言い抜けとして言われるのは、中国との関係を考えて、いわゆる貿易上の理由から米の輸入をせざるを得ぬのだ、こういうふうなお話が出るかもしれません。しかしながら、この問題については私は米だけを考える必要はない。現在非常に問題になっている食肉輸入という手もあるはずであります。ただ食肉輸入については、いままで農林省が三回にわたった調査をやっておるのにもかかわらず、どういう理由があるかわかりませんが、表向きの理由は、衛生上の理由と言われております。しかしながら少なくとも三回にわたる調査結果を見るならば、私はそういうような衛生上の理由でなしに、政治的な理由からして、その食肉輸入を許さないという方針をいまだに農林省がとり続けているのだろうと思うのですよ。そういう問題をからみ合わせても私は解決のつく問題だと思う。それを国内で牛肉が足らない、高騰も続いておる。中国肉の輸入については、大きな国民の要望があるのにもかかわらず政治的な理由でこれを押えておる。しかも米については、中国との貿易政策上必要であるということで米を輸入する。このことは悪く言うならば、中国との間に日本の国民感情を阻害するような宣伝的要素を含んでおると私は言ってもあるいは見方によっては言い過ぎでない面も出てくるだろうと思う。そういう点を私は厳重に反省をしてもらいたいと思うのです。  しかもそういうふうに米が余っておる最中に、伝え聞くところによれば、この前日本とタイ国との間で貿易合同委員会が行なわれている。その際にタイの米の買い付けをやって、そうしてそれをインドネシアの援助に回すのだというようなことがきめられたと聞いております。こういうことを聞くに至っては、まさに私どもは理解に苦しむのです。なるほど米については国際価格と国内価格との間に開きがあるということは私も承知しております。しかしながら、海外援助にどうせ米を使うのであるならば、なぜ日本の国内においてあなた方が余っておると称する米を向けないか。なぜ日本に国内の米が余っておるのにわざわざ外国の米を買い付けて海外援助に回さなければならないか。ケネディラウンドにおける穀物協定にも見られるように、アメリカのごときは、国内の自国の農民を保護するためにきわめてきびしい独善的な態度をとってこれを日本をはじめ諸外国に押し付けている状態、それほど国内の農業、農民保護のためにはアメリカをはじめとして力を入れている。そのアメリカの要請のままに動かされて穀物協定をあやふやな状態でのまされ、そうして海外援助に対しては先ほど言ったような外国の米を買い付けてそれをやる。こういうようなことがはたして許されるのでしょうか。私はこういう点をひとつ取り上げてみても、日本の農政のあり方というものがきわめて矛盾に満ちておるといわなければならぬと思う。この点について長谷川農林大臣の御所見を承りたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 中共からの肉の輸入の問題なんですが、私の代になったからといって決して政治的なものは何もありませんから、その点だけはだれからも示唆されませんし、ただそういう話があったもんですから、それはひとつ考えてみたらどうだ、やれないか、やれない理由はどこにあるかということをいろいろお聞きしただけであって、なるべく前向きでもってその方向を見つめてもう少しやってみたらどうだ、中共と相談してみたらどうなんだという話はしましたけれども、政治的意図だけは全くないことをこれだけはひとつ御了承願います。  それから私しろうとだから、よくわからないけれども、外国等の米の、インドネシア向けの、タイから買い付けてインドネシア向けの援助なんですが、そういうのを何とか日本の米で……、あなたのおっしゃることと私も同じことを申し上げたわけですけれども、それにはやはり向かないのだということなんです。米の質が向こうへ持っていって合わないというか、変質をしやすいという、そういうことで向こうで好まないので、そのような処置をとらなければならぬのだ、こういうようなお話、こまかいことはひとつ長官からお聞き願いたいと思います。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) インドネシア向けの食糧援助につきましては、ケネディラウンドで日本が留保をいたしまして、小麦による援助ということはのめないが、ある程度の比率をもって食糧援助を行ない、またそれにかわる農業資材の援助を含めてやるというようなことがきまりました。したがってわが国としては国際協定、国際的な了解のもとにおける義務を負っておるのでございます。インドネシアに相応の援助をするということになったのでございますが、私どももできるならば日本の米を充てたい。あるいはまた当時台湾からの積み出しが、日本が買い付けて積み出しの際のものを振り向けるというようなものを考えたいということで折衝を外務当局を通じましていたしたのでございますが、インドネシアでは非援助国の希望という問題がどうしてもあるわけでございまして、その間に価格の問題の処理、それから御案内のように東南アジア諸国はロングタイプの米を常食といたしておりまして、ラウンドタイプに対する日本米、ジャポニカに対する嗜好というものが非常に低い、いやがるわけでございます。そういうことがありまして、ことしはこの協定の実施というものがその問題の解決に時間的に余裕がないということでタイ国とインドネシアの間に現実の供与関係の約束があるというようなことから四十三年度、一九六八年の援助についてはタイ国からの輸入米でもって充てるということにいたしたのでありますが、今後の問題としては私どもも内地米、日本米で比較的南方の国民の嗜好に合うようなものをできるだけ選んで食糧援助に振り向けるというようなことを考えてもらいたいというふうに思っております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 中国肉の問題はきょうの質問の重点で聞いたわけではないのですが、せっかく大臣のほうから政治的な考え方でこれをとめている意図はない、前向きで積極的に解決するという御答弁ですから、私はそれに対して大きな期待をかけておきます。特に牛肉の国内における価格暴騰の問題だけでなしに、これは米との問題も先ほど指摘しましたようにからみ合っている。米とのからみ合いにおいて中国貿易の問題とも関係が出てくる問題ですから、ぜひともこれは前向きに解決をしてもらいたい、このことを強く要望しておきます。  さらに海外援助の問題なんですが、これはなるほど米の質の問題もあるでしょう。おれのところは細長い米を食っているので丸い米はいやなんだということもあるかもしれぬ。しかしながら考えなければならぬのは、それが食べて害のあるもの、食べられないもの、そういうものであるならばこれは許されないと思います。しかしながら、ただ単なる嗜好上の問題だけであるならば、私はこれは援助として出せると思うのですから、できるだけ相手の国の方にも了解してもらって余っている米を出していくということが、現在のあなた方の余っている余っているという宣伝をなさるとするならば、その上に立っての当然の態度だろうと思いますので、ぜひともこの問題についても私は解決をしていただきたいと思います。     —————————————  次に進ましていただきますが、まず畜産物の生産には、生産物の十倍といわれる飼料のカロリーが必要である。このことは私が言わぬでも皆さんのほうがよく御承知だと思う。そこで私一つ考えますのは、国民一人当たりの農用地面積を国際的に比較してみますというと、わが国は七アールにすぎません。西欧諸国はわが国の数倍に達しております。こういうような狭い農用地で国民食糧の大部分をいままで供給することができた。これはなぜか。一つには土地単位当たりの収量が高いという農業生産力による面もあるでしょう。しかしながら、より大きな原因は食糧消費の内容の相違であります。つまりわが国の食糧消費は西欧諸国のそれと大いに違っている。特に畜産物消費の差は決定的に大きいのであります。植物性の食糧から直接に熱量を摂取する場合は動物のからだを通して生産されたものから熱量を取る場合に比べて生産に要する土地資源がはるかに少くて済む。わが国の食糧自給度が比較的高い水準に維持されたのは、こういうような事情からであります。わが国の食糧消費の高度化、多様化の傾向というのは近年めざましいものがあります。西欧水準に比べればまだ開きがありますけれども、その差は今後も縮小していくだろうと私も考えます。そうすると、農用地資源の制約などからして食糧自給度を現水準に維持することさえきわめてむずかしくなるであろうと思う。ちなみに四十二年の農産物自給率は総合で三十年の九〇%に比べると一〇%落ちて八〇%になっております。その大きな原因の一つは畜産部門の拡大による濃厚飼料の輸入の増であります。四十二年度の濃厚飼料の輸入は一千二万トン、金額にして五億ドルというばく大な額に及んでおります。食糧小麦の輸入は先にも言ったように、四十二年度では三百三万トンにのぼっております。畜産の拡大による飼料供給の点ということから考えても、主食である米の認識というものを私は改めていかなければならぬのではないかと思う。食糧自給度を維持するためにそう思うのですが、その点からも私は米に対する考え方というものを、ただ単なるここ一、二年の現象にとらわれて余った余ったというそういう考え方は改めてもらいたいと思うのです。そういうことだけでやっておりますというと、日本の食糧自給度は一そう急激に落ちていくおそれすら私は出てくると思う。これに対する御見解を伺いたいと思います。

大和田啓気農林大臣官房長

○政府委員(大和田啓気君) いま御指摘になりました問題は、私ども今後の農業生産及び消費の動きを考えます場合に、きわめて重要な点に触れておるわけでございますが、私ども先ほど公表いたしました農産物の需要と生産に関する長期見通しでも申し上げておりますように、ここ数年の動きで申し上げますと、国民消費の供給量で申し上げて大体毎年二百カロリー程度の食糧消費の一人当たり一日の増がございますが、米を含めてでん粉質食糧は相当減り、動物質の食品あるいは油、油脂それから砂糖等々の消費がふえて、全体としては日本の消費の姿は相当変わっておるわけでございます。現状でもいま御指摘がございましたが、肉の消費は西欧諸国に比べてまだ七分の一程度でございますし、牛乳は五分の一程度でございますから、今後十年間の見通しとしてそれらが現状の倍になるといたしましても、私はまだ西欧型の食事というふうにはほど遠い。そうして私ども見通しによりますれば、現在大体米の一人一年当たりの食糧消費は百三キロでございますが、それが九十一・六キロ程度になるという見通しを昭和五十二年で持っておりますが、それもアメリカ、イギリスその他西欧型の穀物の消費に比べますと、相当多いわけでございます。しかし米は今後も日本  の食生活にとってきわめて大きいものであることはお説のとおりでございますけれども、米の消費が大勢として少しずつ減りながら動物質の食品あるいは砂糖、油脂等の消費がふえて総カロリーは増加しながらでん粉質の摂取の割合が減るというのが、これはやはり趨勢として私は動かしがたいというふうに思います。そういう消費の動向を見ながら今後の農業生産をやはり見ていかなければならないので、確かに畜産物の需要が高まりそれに応じて生産を伸ばすということになりますと、草地あるいは飼料作物の増産につとめながらも、一方においてトウモロコシ、マイロ等の濃厚飼料の輸入というものはやはりふえる傾向にございますから、おしなべて、食糧の自給率というものは少しずつ減らさざるを得ないという大勢でございますけれども、私は国民の消費生活の規制ということも不可能でございますし、いま申し上げたような動向で、国民の消費が変わっていくということもこれもまず動かしがたいといたしますれば、農業生産もそれに応じてできるだけ自給率を維持する方向で生産につとめるというふうに考えることが、やはりすなおな考え方であろうというふうに思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 私も農産物の需要と生産の長期見通しはもらっておりますが、これだけを論議するとなるとですね、これは非常な私は欠陥をはらんでおるように思うのですよ。こんな見通しを立ててね、一体これが実現できる可能性の上に立っておるのか立っておらぬのかということも問題だし、さしずめいま大問題になっている貿易自由化の状況なんというのは、ほとんど私は考慮されておらぬだろうと思う。だからこういう長期見通しで私は議論をしようとは実は思わなかった。しかしながらここに見通されておるような畜産物の消費がふえるということは、それは私も認めます。ふえていくでしょう。それでそういう前提を踏まえて畜産物の消費がふえる。そうすると濃厚飼料もたくさん要る。粗飼料もたくさん要る。そうすると農用地もたくさん要る。そういう状態の中で米は余ったと一方に言われながら、一方に食用小麦がばく大な数にのぼっている。ここらを考えたときに米に対する認識のしかた、食糧行政全般を考え直さなければならんのじゃないかということを乱は申し上げたんです。きわめて抽象的な言い方ですが、専門家である大臣や事務当局にはわかると思う。長谷川さんもしろうとしろうとと盛んに言われるのですが、そんなことをあなたがあまり強調されておりますと、事務当局があなたをたよりないと思いますから、そういうようなことを言われないで、ひとつ自信を持って、きわめて抽象的な言い方ですが私が申し上げたことに対してお答えを願いたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 食料全体の上に立って食生活の構造が変わってきたということだけはいなめない事実だと思います。したがってやはり何といっても食料が高級化してきたのだと、高級化してきているから、カロリーを摂取する分というのがでん粉質、いままで米からとった部分というものが他に変わっていっているという。そうなってくるとやはりその構造の中に立って、今度は食料が高級化してきますから、それによって今度は摂取するものが生理的に変わってくるだろう。というとやはり果樹とかあるいは野菜類とかあるいは生野菜というようなものが、これは必然的に要求するようになってくるだろうと、こういうふうに私は考えます。でありますから、それによってのやはり総合した面での農業の指導ということは、今後さらに一そう考えていかなければならないだろう。であるから作付の面におきましても、先ほども長官が申し上げたように、何かやはり三十八年をピークとして、人間の数はふえていきますけれども、一人一人の米を食う量というものは減退している理由というものは、実はそこに起因するものだろう。こういうふうにいま考えます。でありますから、そういう上に立ったやはり今後の農政というものは、それに基づいた、それを基本に置いてやはり農政というものは考えていかなければならないだろう。こういうふうに考えるわけであります。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 私の言い方が少し抽象的なんで、はっきり私の言わんとするところをつかんでいただけないのだと思うのです。私はこの問題をほとんどずばりと言うことについては、いろいろ問題があるだろうと思うから、抽象的な言い方をしたわけですが、こういうことなんです、要するに畜産が拡大されていく。そうなるというとですね、これは日本の農用地の数量が非常に少ないという状態から見て、そこに飼料確保の上で非常に問題点が起こってくる。したがって、そういう問題を踏まえて全体として見るならば、食糧自給率が大きく落ちていくことがあるのではないか。そこで私は先ほど米が余っておるということ、盛んに言われておるので、米食を大きく奨励することによって、一方においては濃厚飼料、粗飼料の確保対策というものが進められていくことが考えられていいんじゃないか。それを進める上については、それだけの政策的な裏づけが必要である。こういう考え方を申し上げたいと思ったわけです。どうなんですか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 御指摘のとおりだと私は思います。濃厚飼料をふやすばかりというか、ふやすだけで解決できない問題である。粗飼料というものを、いかに草地を開拓していかなければならぬか、そういう点についてはまだまだ今後かけられた大きな問題が残されておるのではないかと思いますし、先日来いろいろお話を承ってあれでございますが、まだまだそういう御指摘の点については完全にそれに対応するだけの措置は講じられてはおらないだろう、はっきり申し上げられると思います。今後さらに、申し上げたように、食糧の構造が変わってくるにしたがって、それにのっとった方途をとるというならば、その粗飼料をいかにどういうようにして求めて、どういうふうにして奨励し、どういうところの用地を与えていくか、こういう点にやはり重点が置かれていかなければならないだろう。でなければ、そういう問題は解決つかないだろうというような問題を、この間うちちょっとお話を申し上げたわけでございますが、先生のただいまのお話を承りまして、さらに十分検討を加えてまいる考えであります。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 これはあとで詳しくお話を伺いたいと思います。作付転換にも関連をしてくる問題です。そういうような問題の解決というものについては、私は非常に政策的な配慮というのが先行しなければならぬと思っておりますが、この問題はあとで議論をさしていただくことにして、次の質問に移りたいと思いますが、関連質問がありますのでそのほうを先にやっていただいて、それから次の質問に移らしていただきます。     —————————————

中村波男日本社会党

○中村波男君 いわゆる十一月一日に持ち越します古米二百六十五万トンというのがいわれてきたのですが、もう大体正確なものはつかめておるのじゃないかと思うのでありますが、二百六十五万トンというのはほとんど狂っておらぬのか、多いのか少ないのか、一言お聞きしておきたいと思うわけであります。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 多少、今後ごくわずかな変動はあると思いますが、十月末日の国内米の持ち越し量は精米トンで二百七十万四千トンということで、当初見込みました二百六十五万トンよりはややふえております。これを玄米の形で表示いたしますと、約三百万トンということになるわけであります。

中村波男日本社会党

○中村波男君 先般予算委員会で配付を受けました財政制度審議会報告というのを見ますと、「昭和四十三米穀年度末には、政府の需給見通しと農家の手持在庫量から推計すると、約千二百四十万トンと、総消費量のほぼ一年分に達するものと見込まれ、さらに今後毎年百万トン以上の在庫量の増加が続くことは確実である。」、百万トン以上の在庫量がふえるということについては、われわれも大体いままでの報告その他で理解をしているところでありますが、いま長官から御報告にございました二百六十五万トンをやや上回るといたしましても、千二百四十万トンあるということは、約九百五十万トンくらい農家が手持ちをしている、こういうことになるわけでありますが、この数字はいろいろな従来の統計等から見て、全く過大な推計のような感じがいたしますが、こういう答申を出した根拠、食糧庁としてはこの数字に対して間違っておらぬと、こういうことが言えるのかどうか、この機会にお聞きしておきたい、こう思うわけです。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 私ども財政審の答申は拝見をしたのでございますが、財政審が四十三米穀年度における古米繰り越しの量は、私どもがかねて予測をいたしておりました精米トンで二百六十五万トン、それから玄米に直しまして約二百九十万トン、二百九十二万トンというものからスタートをしていると了解をしておりましたので、千二百四十万トンというのは、これはナショナルベースでの消費量としては財政審もそういうふうにつかまえておったと思います。四十三年の古米持ち越しをスタートといたしまして、将来毎年百万トン以上の古米の累増があれば、十年後には千四百万トン以上の古米が累積するようになるのではないかというような推測をしておったと思うのでございますが、四十三年に古米在庫が千四百万トンあるというようなことは私どもは承知をいたしておりませんし、もしそういう記述があるとすれば、何らかの間違いであると思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 総合農政の中で、米の生産調整という立場から、開田の抑制ということが言われている。この開田の抑制と、これまで進められてきた土地改良十カ年計画、これとの関連について簡単に御説明いただきたいと思います。

中野和仁農林省農地局長

○政府委員(中野和仁君) お答え申し上げます。  土地改良長期計画によりますと、昭和四十年から四十九年までの間に、大体長期計画といたしましては、壊廃をカバーをして、三十九年度の田の面積三百三十九万ヘクタール、これを維持したい。畑はもうちょっと詳しく申し上げますと、十三万ヘクタール……。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 簡単でいい……。

中野和仁農林省農地局長

○政府委員(中野和仁君) 畑は二百六十五万ヘクタールを維持したい、こういう考え方でできておるわけであります。その後この数年開田が非常に進みまして、現在ここ数年足しますと、約四万ヘクタールすでに壊廃をオーバーしてふえておるような状況でございます。それで、その中ではもちろん国営事業、県営事業、あるいは団体営事業、国の施策あるいは三分五厘の融資ということでやりましたものもありますし、事実開田が非常にふえております。そういうようなことでございますので、そういうことが一つありますことと、それから先ほどから説明があります今後の十カ年の長期の需給として見ましても、たとえば水田の開田はある程度抑制をするということを考えるにいたしましても、主産地を中心での圃場整備を拡充していかなければならぬという問題もございますし、畜産なり果樹なりの拡大ということも必要でございます。そういうようなわけでございますので、これは積み上げた作業でございますので、いますぐ土地改良長期計画を変えるというふうにはなかなかまいらないと思いますけれども、いまから準備を始めまして、できるだけすみやかに、新しく、できる限り長期見通しを前提としますような長期計画の改定ということも考えていかなければならないのではないかというふうに考えておるわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 現在の段階ではこまかいことを言えないだろうと思うのですが、ごく大ざっぱに聞いておきますが、これまでの土地改良十カ年計画というのは、あなたもおっしゃるように、三十九年度の農用地面積、それを四十九年度においても維持すると、こういうたてまえでいろいろきめられておった。この立場はどうなんですか。いわゆる全体としての農用地面積はどうしていくつもりであるのか。中のこまかいことはよろしい。この土地改良計画改定の場合にどういう考え方を持っているのか、それを言ってください。

中野和仁農林省農地局長

○政府委員(中野和仁君) 先ほど長期見通しの話がございましたときにも、こういうように十年先のこの長期見通しによりますれば、水田は計算上四十万ヘクタール余るということ、四十万ヘクタール転換といいますか、余るということになっております。と同時に、壊廃も非常に進みますので、差し引きはそんなに余るわけではございませんけれども、長期の見通しにより、これを前提にいたします限りは、水田の面積は多少減らなければならないのではないかというふうに思います。  それから畑のほうは……

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 だからね。ちょっと……。  時間の関係があるから、三十九年度の農用地面積を維持するということで十カ年計画を立てられたわけですね。今度の改定にあたっては、いわゆる、あなた方がつくられたこの長期見通しに照らして、その基本的な立場はどうなるのかというのです。つまり、三十九年度の農用地面積を依然として維持していくのか、拡大していくのか、縮小していくのか、それだけを言ってください。

中野和仁農林省農地局長

○政府委員(中野和仁君) 十カ年の今度の長期見通しによりますれば、田畑合わせまして五百七十五万ヘクタールという見通しを持っているわけでございますから、現在が六百万ヘクタールをちょっと割っておるところでございますから、多少減るというふうに見込まれると思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 食生活の高度化と多様化とともに、自給率を現状で維持することがむずかしい——この問題については、私は先ほど指摘したところであります。したがって、自給率維持のためには、積極的に、私は農用地の開発が進められなければならぬと、特に畜産の拡大ということをもし志向されるとするならば、特にそのことが重要であるはずであります。しかるに、いまの話を聞くというと、土地改良十カ年計画の改定にあたっては、むしろ、三十九年度における農用地面積よりも縮小するという計画が立てられようとしております。それを裏書きするように、この総合農政の大筋の中にも、農用地の転用を促進するというようなことがいわれております。私は、この点は全くうなづけない。自給率を落とすということを原則に踏まえて、海外に食糧を依存するのだということを原則に踏まえて、総合農政というものは展開されていく所存なんですか。大臣、この点はどうです。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 海外からの輸入を極力押えて国内自給でまかなっていきたいと、こういう計画の上に立って、いろいろ需給計画及び開発計画が立てられておったわけであります。しかし、ただいまもお話があったように、その中に立って、ただ米の問題が、米の需給事情から見て、当分の間は、新規開田だけは少し差し控えてもいいじゃないか。抑制してもいいじゃないか。しかし、それは全体的にそのバランスの上に立って、ただ抑制すればいいという意味でなくて、いま開発しておるその地については、一方先ほどの矢山さんのお話のような飼料という、えさという点にもあるいは草地というような点についても、これを転換して——ただ、転換ということはむずかしいから、その地については十分こちらでも配慮してやりつつ、そういう方向に指導をしていったらどうなんだ、こういうようなことを私は省内にも申し上げておるのでございますが、まだ総合農政とはことばで申し上げましても、その総合農政という基本的なものがまだでき上がっておりませんので、早急、これらは作成をして、そうして御判断を待ち、そうして御支持を仰ぎたいと考えておる次第でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 私は、これは、この農産物の需要と生産の長期見通しをそのまま達成できるように保障するための農用地というものはどういう姿であるべきかと、こういうことで私はおそらく土地改良十カ年計画というものも立てられていくだろうと思う。また、この長期見通しが裏づけになって、総合農政というものを展開されようとしているのだろうと思う。そうするならば、生産抑制のために、米の生産調節のために、いわれておる作付転換の具体的な内容というものはわかりませんので、農用地の総ワクというものがどれだけあったらいいのかということを直接この爼上にのせて論議することが残念ながらできません。それは私の責任じゃない。あなた方のほうで作付転換の内容がわからぬから、それが議論できないのです。ところが、ただ言えることは、ごく大ざっぱな議論ではありますが、言えることは、この長期見通しに従っていこうとするならば、畜産の拡大というものはきわめて大きいということは言えるわけです。それをそのままに達成しようとするのであるならば、農用地というものは私は減るよりもふえてこなければならぬだろうと推察をいたします。しかるに、土地改良十カ年計画で農用地が縮小されるようなことが考えられておる。また総合農政の中でも開田の抑制といっておりますが、同時に農地の転換促進がありますから、農地の転換促進というときには、ただではない。全体の農地の転換促進をも私は含んでおると思うわけです、常識的に。そこに私は疑問を持つ。疑問を持つわけです。農用地の転換を促進する、土地改良の十カ年計画、この改定については農用地は将来減らしていく、しかも長期見通しによるこの食糧供給だけは達成しようとするのだ。そうすると、どうも私はうまが合わぬ。この長期見通しを達成するためには農用地は大きくなければならぬ。もっとふえてこなければならぬ。その点はどうなんですか。

大和田啓気農林大臣官房長

○政府委員(大和田啓気君) いまの御質問の点で、先ほどの農地局長の説明を補足いたしますと、耕地面積はなるほど五百七十五万ヘクタール、五十二年の見通しとして若干減るわけでございますが、一方におきまして、草地は四十一年十七万ヘクタールがたしか五十二年六十一万ヘクタールにふえるわけでございます。したがいまして、耕地と草地とを含めましてのいわゆる農用地の面積というのは当然ふえるわけでございますし、さらに畜産振興につきましては、この見通しも相当大規模な生産額を考えておるわけでございますが、それに必要な粗飼料といたしまして、飼料作物の面積は四十一年五十二万五千ヘクタールを八十九万六千ヘクタールというふうに、相当大規模に開発計画を当然立てておるわけであります。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 いまの問題について、具体的にそういう考え方が固まってくるのはもっと先だろうと私も思います。固まった段階、さらに作付転換の具体的な内容がきまった段階でなければ、この問題はより一歩突っ込んでの議論は不可能であります。したがいまして、そのときにまでこの問題は残しておきたいと思います。  次にお聞きしたいのは、農林省の事務当局はこの総合農政の具体案を四十四年度から実施するためには、生産者米価を引き上げないことを前提にしなければ、政策の一貫性が失われると、生産者米価の据え置きを農林大臣に強く主張したといわれております。これはそういわれておるのですが、はたして事実かどうか、知らない。  そこで農林大臣にお伺いしたいのは、生産者米価についてどうお考えになっておるかということであります。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 生産者米価は私が申し上げるまでもなく、基本法にりっぱに書かれてありますから、基本法は矢山さんのほうが専門家ですが、しかし、現実の上に立ってみて、まだ——そのとおりに農林をあずかるわれわれとしては行なっていきたいけれども、現実の上に立って、なかなかそのとおりに価格の面を要求していくことがはたして実現するかどうかという点については、少し疑問があるだろうとは考えます。ですから、私ははっきりまだ申し上げられませんけれども、いろいろ先ほど冒頭のお話にあったように、大蔵省から、大蔵大臣からというようなお話がありましたけれども、まあいろいろなそういう点は米価についてのいろいろなお話もございますけれども、米価を引き下げるというわけにはいかぬだろうということだけは、これはもう常識的にわれわれにおいてもそのように考えておりますし、ただいまどういうふうにやるかと言われましても、今後の総合予算の上に立って主張すべきところは主張し、そうして需給に見合う価格がその御期待に沿う価格にいけるかどうか知らないけれども、十分その点を勘案して折衝に当たっていく考え方でありますが、まだはっきり申し上げられませんが、まことに申しわけありませんけれども、そのようなつもりで今後進めてまいるつもりでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 私は、長谷川さんは非常にいい人ですから、あまりこの問題で突っ込んであなたをいじめようとは思わないのです。しかしながら、私は少なくとも生産者米価がどうなるだろうかということについては全国民、全部の農民が非常に大きな関心を持っておる。しかも予算編成を目前に控え、生産者米価をどうするかということはもう結論を出さなければならぬときだ。すでに政府内部でも話し合いが進んでおるということをぼくは聞いておる。いろいろ打ち合わせも行なわれておるわけですよ。そうすると、私は生産者米価について基本的に農林大臣はどういう考え方を持って折衝に臨もうとするのか、それがはっきりせぬというと、主張すべきものは主張すると言われましても、生産者米価の引き下げを主張されたのではとんでもないことになります。据え置きを主張されても、現在の物価高の中では生産者農民にいわゆる賃金引き下げを押しつけるのと同じような結果になりますので、これもまた大問題だと思う。そこで生産者米価についてはあなたは今後具体的にどういう立場に立った生産者米価の要求をやるんだということをここではっきり言っていただきたい。そうしないとこれはどうにもならない。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 生産者米価は現在価格よりも引き下げるようなことは絶対にいたしません。これだけははっきり申し上げておきます。ただ御要望のあった点については今後極力折衝をいたしてまいりたい、このように申し上げておきたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 総合農政の中の米の管理制度の改善ということの中に生産者米価の決定にあたっては米がダブついておる需給事情を大幅に反映させると言っております。そして米の需給事情を十分に反映させたその生産者米価というのは財政制度審議会によると消費者米価から適正に算定をした流通諸経費を控除した金額であるといって、大体二割近い生産者米価の引き下げを考えておるようです。さらにまたこの昭和四十三年産米の生産者米価決定の際に政府は限界反収を用いないで平均反収によってこれを算定して米審に諮問をしております。そしてそういうやり方が需給事情を米価に反映さす上からはいいんだ、こういう主張が前西村農林大臣並びに政府部内にも強くあります。こういう情勢の中でいまあなたがおっしゃった現在米価より引き下げないということ、これは農林大臣としての、また農林省としての最低の主張であると私どもは理解をいたします。しかしながらそれでは農民に対しては非常に酷な犠牲を強いることになるとはお考えになりませんか。私は最近の賃金の上昇、物価の上昇その他から見て現在の水準に生産者米価を据え置くということは農民にとっていわば賃金を引き下げたと同じような結果になる。そういうことは私は許されないと思うんですが、その点どうなんですか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 申し上げましたとおり、現在米価は絶対引き下げません。しかしいろいろなものを勘案して、これからの折衝でございますので、でき得る限り、おことばにあるような点についても十分頭の中に入れて、そして折衝に当ってまいりたいと考えます。ただ残念ながら、いまこういたしますということだけはちょっと申し上げかねるので、申しわけないと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 私は農林大臣がそういうどうもあやふやなことでは困ると思うのですね。生産者米価を現水準に据え置くということが、これは農民に大きな犠牲を強いることにならぬとお考えですか、どうですか。そこのところの考え方が私は一番大切なところだと思うので、重ねてお伺いしたい。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 先ほども申し上げましたとおり、食管法の中にはっきりと書かれておるのでございますから、それを基準として今後の折衝をいたす考えでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 もし生産者米価を現在の状態で据え置いたとするならば、これはやはりいままでとられておった米価決定についての限界反収による計算を平均反収による計算のほうへ近づけるというような操作ぐらいは最低限度やることになると私は推察をいたします。そうなると、いままでその生産者米価で生活を維持しておった農民が、生活を維持できないような、そういう生産者米価が押しつけられていくことになるのです。この点はどうなんですか。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 生産者米価についてどういう考え方をとるかということを、実は私どものほうとしては当局が軽々に口にすべきことでないのでありますが、生産者米価は従来御案内のように、評価がえ反当生産費を反収のばらつきから求めた標準偏差だけ差し引いたいわゆる限界反収というもので割って計算をしておるということでございますが、絶対額がかりに据え置かれるということになりますれば、おそらく反当生産費というものは、これは現在の経済事情のもとでは上昇をするでございましょうから、生産者が、四十三年産米の米価による所得と比べますならば総体的に有利でない米価を受け取らざるを得ないということに私はなると思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 農林大臣、いま食糧庁長官がおっしゃったとおりなんです。事務当局でこの生産者米価の問題はどうするかということは軽々に口にはできぬとおっしゃる。そのとおりだと思う。長官の立場は。ところが長官も言明されたように、現在の水準で生産者米価をそのままで来年産米についてもきめていくとするならば、農民の所得については明らかに有利でないということになってくる、これは言明があったわけです。そういうような農民切り捨てを強行してまでも現在水準よりも生産者米価は農林大臣として上げられないのですか。私は少なくとも現在この生産者米価で所得を確保されておる、それだけのものは依然として来年産米についても確保するような生産者米価がきめられなければならぬと思う。この点やはりこれはもう食糧庁長官では言えないことでしょうから、大臣に言ってもらいたい。生産者米価をことしの水準で維持するのではだめなんです。物価の上昇、賃金の上昇その他を考えて引き上げていかなければ、農民の所得は非常な不利をこうむるということは、食糧庁長官も言ったとおりです。あなたは農林大臣、農民は農林大臣が唯一の頼りなんです。残念ながらそこのところを踏まえて、再度生産者米価について御考慮がいただきたい。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) もちろん価格の面については今後に待つことでございますが、精神はそこに置いて、そして極力今後努力をいたします。これよりちょっとただいまのところでは申し上げられないのですが、もちろん矢山さんのおっしゃるとおりでございます。精神はそこに置いて今後の折衝に当たる考えでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 これ以上農林大臣に言いましても生産者米価はことしの水準より引き下げないという答弁以上には出ないだろうと思います。しかしながらあなたは少なくとも農民所得確保の立場から、私が言ったような生産者米価で当然従来守られておった農民の所得は確保するという、そういう精神で生産者米価の折衝をやるというのですから、私はあなたの良心を信じます。ぜひともことしの生産者米価で据えおかれることのないよう農民をあなたが守るという立場に立つならば、財政制度審議会やあるいは経済企画庁や大蔵省のようなただ当面の財政処理というような短見的な立場から問題を考えるのでなしに、将来の長い日本の経済を安定させる食糧確保、その中の重要な主食である米の確保という立場に立って生産者米価の折衝をやっていただきたい、このことを再度お願いをしておきまして次の質問に移りたいと思います。     —————————————  総合農政の中で生産調節のために作付転換が考えられております。その内容を見ますと、四十四年度から三年間に二十五万ヘクタールの水田を他の作物に転換する。その転換は農民の自主性によることとし、反当たり二万円の作付転換奨励金を三カ年間支払う云々ということが言われております。そうしてこの作付転換に当たっては農林大臣は農民の自主的な立場から進めていくのであって、決して強制はしないと言われておる。いまの農業環境の中で作付転換を農林省が期待をするがごとくに進めていこうとする場合に、はたして強制しないという、そういう表向きのことばだけで作付転換がやれますかどうか。やれるとおっしゃるならば、そういうことがやれるその具体的な根拠というものを農林大臣に示していただきたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 作付転換は強制はいたしません。しかしながら現実の上に立ってみて当然考えなければならない面も幾ぶん作付転換という面が当然あらわれてくるだろう。しかし、これも農林省だけの考え方によって行なうべきではないのではないか。もっと生産者団体もあり、またいろいろな面もあるのだ、そういうような面とも十分に連絡をとりつつでき得る範囲内のところはぜひ御協力を願うようにしていこうではないか。しかし、ただ作付転換しろといっても他の工業用品とは違いまして、機械を入れかえればすぐ違うものに転換できるというようなわけにはいかない。したがって、ためしをするのには一年間かかるのですから、それが軌道に乗るまでの間というものはある程度みてやるという、やはりそのような親切味がなければならぬじゃないかといいましょうか、そういうような点について転換は強制はいたしませんけれども、ぜひとも協力は願いたい、こういうようにお話を申し上げているのでございますけれども、そのことにつきましても基本的なものがまだ固まっておりません。先日お話の中でそのように申し上げたのでありまして、作付転換するにしましても、もちろん強制的には絶対いたしませんということだけは、この際はっきり申し上げておきます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 米作偏重から将来の成長作物である畜産、果樹、野菜への転換ということはすでに三十六年制定の農業基本法によって明確に方向づけがなされているものであります。ところがそれがはかばかしく成果をあげておらないどころではありません。むしろ畑から逆に田に転換をする、水田に転換をするという傾向さえ認められます。農林省の調査によりますというと、三十七年から四十二年までに開田面積の六五%は畑地からの転換であります。こういうことになったというのはその原因は何だとお考えになりますか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 御指摘のように、しかし果樹、畜産は統計から見ると伸びているということだけは間違いないのですね。その点は、ただしそれより以上、所得といおうか収入といおうか、そういうような点に対してより有利であったという点と、もう一つは消極的に考えていってお米のほうが有利であったという点もあるだろうし、自来御承知のように、基本法ができようとも、何をつくろうとも、全部総合的なものが考えられて総合施策には間違いなかったけれども、ただそのウエートというものがどういうところにあったかというと、やはり米を中心に考えられてきたという結果があらわれているのじゃないだろうかと私は考えたのでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 もう一つお伺いしたい。  成長部門といわれている畜産、果樹、野菜の選択的拡大の進まぬ理由はあなたもいまお触れになりましたが、一言にしていえば、米作にくらべて収益性がきわめて低いというところにあるわけです。農林省の生産費調査によりますと、四十一年に一日当たり家族労働報酬を調べてみると、米が二千三百一円、キウリが千五百二十一円、タマネギが四百八十七円、ネギが千五百四円、ナシが千七十六円、リンゴが千六百八十円、ミカンが二千八百六十一円、乳牛すなわち酪農が八百七十一円、肥育豚が八百四十四円、こうなっております。これで見ると米を上回わっているのはミカンぐらいのものです。ところが、実はそのミカンもことしは昨年の四割の増産といわれております。そうして値くずれが表面化してきております。おまけに九州方面などを中心にしてこれからどんどん木が育ってたくさんのミカンができようとしてきております。値段が下がるということは当然予測できることです。そういう状況の中でリンゴも安値が続いているわけです。リンゴの木を切り倒して田に転換をしているという東北のほうには農家がたくさんあると聞いております。さらにそれに追い討ちをかけるようにバナナを中心にして輸入果実の問題もあります。また、これからの本命といわれている乳牛、酪農に至っては米の三分の一程度の労働報酬しかありません。しかも一方では脱粉を初めとする乳製品が野放しに近いような状態で輸入をされております。この大量の乳製品の輸入のために酪農が乳価の低迷のためにいま停滞を続けております。こういうふうに見てくるというと、転換すべき作物というものがいまの状態では見当たらない。生産者にとって所得が補償されぬ限り米作から転換できるわけはありません。こういう事情を踏まえた上で私が先ほど聞きましたように、作付転換を強制しないとおっしゃるけれども、強制しないで三年間に二十五万町歩というような作付転換が、この総合農政に打ち出されているような微々たる施策ではたして達成されるのか、これが大きな問題です。そこのところを踏まえて私はもう一度あなたに御答弁をいただきたいと思う。協力しろといっても協力のできる態勢というものがいまつくられておらない。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) まだ総合農政といいましても農林省からもこれでいくのですということが、農林省の総合農政でございますというような基本的なものもまだ発表してはないのでございます。御承知だろうと思いますが、そういうような点、また二十五万ヘクタールといいましょうか、二十五万ヘクタールというような点につきましても、必ずしもそれがそのような目的のとおりいくかどうかという点についてもまだ十分検討を加えられなければならないところがたくさんあると思います。おっしゃるように、しからば転換するのには何に転換するのか、どの地区にはどういうものがいいだろうか、どの地方ではどういうものが奨励できるだろうか、どういう地区へ行ったらどれが将来性を持つだろうか、たくさんのものがあるであろうと考えるのであります。ただそれらの具体的な面についてはまだ検討を加えているだけであって、これが確固たる不動たるべきものであり、これならまさに将来性がありますというような確実なものが農林省としてもまだでき上っておらないのでありまして、目下それらの点について十分検討を加えて、そしてやや目的に達せられるような方向に向かうようなものを生み出していきたいと、こういうふうに考えております。   〔委員長退席、理事任田新治君着席〕

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 私はいまの大臣の御答弁はきわめて遺憾だと思います。というのは、すでに農林省は予算の概算要求をやられておるわけですし、さらに最終的な詰めをやって来年度の予算の決定を目前に控えております。そのときに予算の編成上最大の問題の一つになっておるのは米をめぐる問題です。それに対して生産抑制という立場から生産者米価の問題や作付転換の問題等々が一つの大きな中心の柱として据えられておるのに、その作付転換に対しての具体的な内容がきまっておらぬというのでは、これは一体今後どうして予算を獲得して農政を進めていくのですか。そういうようなことでは作付転換を口にすることによって農民に不安と動揺を与えるだけです。財界の農民切り捨ての意向を受けて踊らされておるだけということになるんじゃありませんか。ほんとうに作付転換をやる。しかもその作付転換が農民に不利益をもたらさないように、しかも国内の食糧自給度を下げることのないように総合的な食糧確保という立場を踏まえてやるとするならば、もうその作付転換を打ち出した以上は、内容は具体的にきめられておらなければならぬのです。きめられておらぬというに至っては、これは無責任きわまるといわなければなりませんが、どうでしょう。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 矢山さん、まだ打ち出していないのですよ。ただし予算要求をする段階にもう入ってきておることはそのとおりでございます。でありまするから、もっと農民が、予算を打ち出していくときには、それが全国の新聞紙上にあらわれて農民が動揺をしないような程度まで詰めておいて、そして予算要求の折衝に当たるということが、これが親切なやり方だろうと思います。私は一日も早く何といってもいま農民が動揺しているこの事実をひとつ落ちつかせてもらいたい、落ちつかせなければいかぬ。落ちつかせるには、ただいま矢山さんのおっしゃったとおりでございます。でありますから軽々にそれを申し上げるわけにはいかぬだろうと思っているのです。ですから、それに対しての最も慎重な態度をとり、そして申し上げたような地区的、日本全体の分布図の上に立っている、かくすべきではないかというようなものができた上でないと、発表するとやはり動揺というものが静まるわけにいかぬのじゃないか、このように考えます。何としても農民の動揺していることは事実でありますから、われわれの想像以上のものがあると思うのです。それをいかにして落ちついてもらうようにするか、こういうところに重点を置いて、ただ作付転換、作付転換と口だけでなくて、こうやってもらえぬだろうか、こういこうではありませんか、これでいいんだという面もはっきりとあらわしてこそ、初めて落ちつきを取り戻すことができるだろう、こういうふうに考えるわけであります。でありまするから、ただ軽々に私のほうは実際問題としてこれでいいんだという、こうなんだというものはまだできておらないというのです。素案はあるだろうけれども、まだ自信をもって発表する段階にまでなっておらぬというのが現実でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 作付転換は打ち出しておるでしょう。ということは、米が余っておるというあなた方は立場を踏まえて生産調整ということを言っておられる。その生産調整をやっていく大きな柱としては、一つは価格の問題を取り上げておるはずです。生産者米価の抑制というということ。一つはいわゆる米の生産反別を減らさなきゃならぬということで作付転換を打ち出された。私は打ち出されておると思う。打ち出した以上、それを受け取る農民のほうは、どういう形か内容はわからぬが、とにもかくにも作付転換はやられるのだという印象を受けておる。問題は、そうだとするならば、作付転換をどこの地域に何をどういうふうに具体的にやっていくのだということが打ち出されてこなければもういけない。そうしなければ、予算要求の段階でもすでに問題になってくるじゃありませんか。もし作付転換の具体的な内容について成案を得ておらぬのに米の生産調整という立場から作付転換というものを抽象的に打ち出したとするならば、それは行政担当者として私は無責任きわまる態度だと思う。そういうことは許されない。あなたがあくまでもそういうことで言い抜けをされるとするならば、結論として出てくることは、あなた方が腹案として持っておる作付転換をやっていくためには、無為無策の中で農民に再び強制力を行使して作付転換をやる以外には方法はないというところに立ち至るおそれがある。理論的にいってそうなるわけです。そこのところをあなたも十分踏まえて御答弁をいただきたい。事務当局の話だけ聞いておってはだめです。現在の経済環境というのは、経済企画庁といわず、大蔵省といわず、農林省すら農民と農業のことは考えておらぬ。財界の一方的なてこ入れを受けて農民と農業を犠牲にするような政策の遂行しか考えておらぬ。それを押しとどめて、農民と農業の立場に立ち、日本経済のほんとうの健全な発展の立場に立ってものを考えていくのは直接の農政担当者であるあなたなのです。そのことを自覚して御答弁をいただきたい。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 私は就任して以来いろいろなお話を承って、ただいまのお話でも触れられたような作付転換の面にも触れてのまた素案というものも見せていただきましたけれども、なかなかそれだけによって農民の安定を得るという段階にまでいかないだろう、これでは。もう少し考えてみてもらわなければならぬ。こういうような点で検討をさらに加え直してもらいたい。こういうようなことによっておくれているということだけは事実だと思います。私も一応は見せてもらいましたけれども、これで日本の農民が安定をして、そうしてさらにあすの楽しみ、あすの喜びを迎えるというわけにはいかぬだろう。とするならば、もう少しこういう点については考えてみてもらいたい、ということによってさらに検討を加え直していくという、これだけははっきり申し上げられるのでございまして、ただ予算を間近に控えていてそんなざまでどうするのだというお話でございますが、予算をいかに控えようとも、はっきりしたものが出ていなくって、そうして予算折衝では、先ほどのお話にあったように、この折衝を、自分の、みずからの自信なくしての予算折衝というものはでき得ないだろうと思う。そういう上に立って再検討を加えてもらっておるのであって、私も再検討を加えてくださいと言ってからというものは、まだその後の話は聞いておりませんけれども、もちろんそれらがいろいろなものが勘案されて出てくるならば、私のほうも自信をもって財政当局との折衝に当たる考えでございますが、そこまで進んでおらないということはまことに矢山さんのおっしゃるとおり、もう時期おそいじゃないかと言われても、これだけの大きな重大な問題を控えておりますので、慎重にこれらには当たっていくのが当然だと、私はおくれていても決して不利になるような方向には向かないように進んでいきたいと、こう考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 米の作付転換ということは、おっしゃるがごとくにきわめて私はむずかしい問題だと思うのです。ちょっとやそっと、一カ月や二カ月でこれはここをこうすればいいんだというような結論は出るはずはないと思う。あなたは正直にそれをお感じになり、そういうような確信のもてないままで作付転換を強行することは非常な混乱を起こす、こういう考え方から再検討を指示さわたと思います。私はその農林大臣の良識に敬意を表しますが、そのことは同時にですね、そういう段階であるならば、事、来年度の問題については作付転換ということをやめるというところまでいくのが私はほんとうだと思う。成案が得られないならば、作付転換を引っ込められますか引っ込められませんか。これはあなたの良心に期待して御答弁をいただきたい。   〔理事任田新治君退席、委員長着席〕

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 現在の需給の事情から見て作付転換は強制いたしませんけれども一、御協力を願わなければならない需給状態にあるということだけははっきり申し上げられると思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 ところがですね、私はこれまでのいわゆる協力を求めるための行政指導というものがどういうものであるかということを、農民の立場から私は見てきておる。あなた方は、協力を求める、強制するのではない、農民の御判断をいただいていいと思えばやっていただけばいいんだとおっしゃいますけれども、農民にとっては行政の立場からこうしてもらえぬかということ、その一言が強制に聞こえてくるのです。ましていわんや、自主的な立場で協力を求めるために努力をするという姿勢をとった場合には、それは明らかに農民にとっては強制になってしまうのです。そのことを理解しておらないというとですね、こういう確信も何もない、裏づけも何もない作付転換をやっていく場合に、農林大臣としての責任は済まなくなります。したがって私はですね、そういう不確実なものであるならば、確信のもてないものであるならば、大事をとって作付転換ということを打ち出すことはやめなさいというわけです。どうなんですか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 作付転換をやる、しかしたとえばですね、地方によって一年に一度か、米作だけで一年に一回の収穫しかない米作地帯がある。大都市周辺というものも、まただいぶの相違がある。二毛作のところもある。こういうような土地の事情、適地適作ということばもございますけれども、こういうように御協力願える範囲内というものは、求めるところが全体に一応は求めるであろうけれども、そういうような面も十分に考慮に入れた上に立って作付転換の御協力を願いたい。こういうことがおそらく私いま申し上、げたのですが、基本となってあらわれてくるのではないか、こういうふうに考えるのですけれども、まあ作付転換もたびたび申し上げるように決して強制的ではないので、そういうような面も十分考慮の中に入れて御協力をお願いしなければならない。需給事情から見て協力を願わなければならないのだと、こういうことでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 これ以上議論を繰り返しても、おそらく押し問答になって、これから進むことはむずかしいだろうと思います。しかしながら農林大臣も行政指導というものが農民に対して与える影響というものについては理解をしておられるはずです。あなたが幾ら農民の立場に立って強制はしない、ほんとうの意味の農民の自主判断に基づく協力だとおっしゃっておっても、末端の指導というものは強制に走りがちになります。その点は農林大臣としては強制をしないということにこだわりつつ、作付転換ということを引っ込めようとなさらないという責任において、今後の行政指導に対しては全責任をもっていただきたいと思います。御所見を伺います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 現在の申し上げるように需給の実際の状態、現実の上に立ってみて申し上げるのであって、私はただ単に農業を、農民を苦しめようとか何とかというようなことは、苦境におとしいれようというような考え方があるわけでも何でもないのであって、要は農業を行なうもの自身も、現実にこの需給という上に立ってのアンバランスがあるというようなことだけは認識してもらいたい。その認識の上に立って、でき得る範囲内の協力をしてもらいたいというのが、作付転換のゆえんでありますので、もちろんそういう点については私どもただいま申し上げたように一年こっきりでどうだということではなく、ある一定の軌道に乗るまでというものは、もしお願いできるならば、責任を当然これは政府がもつべきものであるというふうに考えておるのでございまして、ただ単に作付転換をしろというだけではないんだということを耳に入れておいていただきたいと思うのであります。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 まだ作付転換の問題については具体的にそれを推進していく場合のもろもろの環境整備の問題があります。たとえば米以外の農産物についての価格の問題をどう考えるか、これらの問題が残されているわけですし、さらに総合農政の立場から米の管理制度の改善の問題、さらにいま非常に強く解決を迫られておる残存輸入制限品目の自由化の問題等々で質問を予定しておりましたけれども、私に与えられた時間が終わりましたので、きょうはこれで私の質問を終わります。  残された問題については、また他日の委員会でお伺いしたいと思いますが、要するに私は新しく就任された農林大臣にいままでの行きがかりにあまりとらわれない、ただお役人に一方的に引き回されるようなことのないようにしていただいて、現在の農業と農民というものに対して、それが日本経済の中で占める位置というものに対しての十分の御認識をいただき、そして日本経済の中で十分な位置づけをするんだという立場に立って、今後の農政の推進に当たっていただく。特に食管、米の問題についての解決については全力を注いでいただきたいということをお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。     —————————————

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) 委員の異動について報告いたします。  本日、宮崎正雄君が委員を辞任され、その補欠として内藤誉三郎君が選任されました。     —————————————

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 私は先般来世上を騒がしておりますところの社団法人のり協会の内部におけるいわゆるリベート問題についてですね、この際内容を明らかにするために農林省とりわけ水産庁を中心にして質問をかわしてみたい、こう思うのであります。伝えられるところによりますと今年度の韓国ノリの輸入に当たって、とりわけ第二次の配分に当たって、六千六百七十万円にわたるきわめて不明朗な金の授受が行なわれたということを新聞は報じておるのであります。この内容については監督指導官庁であるところの農林省及び水産庁はすでに関係者を呼びまして問題の解明をはかっておるということが伝えられておるのでありまして、そういう意味でまず私が水産庁にお尋ねをいたしたいというのは、一体この金はどういう性格の金であるのかお答えをいただきたいということと、時間が非常に少ないので、また長官の御回答は回りくどいですから、ひとつきょうは端的にやっていただきたい、こう思います。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 御指摘がございました事態は、今年の韓国から輸入をいたしましたノリ、これが当初は四億八千万枚、それが二回にわたって入ってまいりましたが、そのうちのいわゆる後期分と言っておりますが、その分ののり協会と輸入業者との取引の価格の中に、私どもが関係者から聴取いたしましたところでは、実質上二十五円上乗せになっておったということでございまして、それに相当する金銭が輸入組合から韓国海苔輸入問屋協同組合連合会のほうに一たん振り込まれたという事実がございます。その後それについての是正措置は指導をいたしたのでありますが、そういう事態が一たん存在したということであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 だから、この金の性格は、性質は一体どういう性質だ。それからもう一つ重ねてお伺いしておきますけれども、この金は一体適当な代価なのかどうか、その点水産庁がお調べになった上での事実に基づいて——判断を加えないで事実に基づいてひとつ御説明をいただきたいと思うのです。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 私どもが聴取いたしましたところでは、それは輸入業者と問屋協会……のり協会との間の売買価格の中に性質としては上乗せされるべき性質のものではない金であるというふうに理解をいたしております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そうなりますと、適当な金ではないという御説明でありますが、では一体韓国海苔輸入問屋協同組合連合会に東食からお金がすでに振り込まれているというのですが、その場合に代価ですね、どういう内容の代価としてこれが支払われているのですか、これはどういうように把握されておりますか。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 問屋組合のほうとそれから輸入組合のほうとの間に実務委託契約という契約がございまして、それに基づいてその代金を一たん振り込んだのであるという説明を受けております。ただ私どもが聞きましたところでは、実務委託契約なるものの実体上の内容が何であるかということは必ずしも明確にはできませんでした。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 長官私は何でもわかっておるのだ、いまあなたがいう契約の内容、それからこの金の性格がどういう理屈づけをして東食から韓国海苔輸入問屋協同組合連合会に振り込まれたのか、それはわかっておるのだ。私がわかっておるのにあなたがわからないということはないのだ。あなたが勧告指導の立場にある人だし、しかものり協会の定款それから業務方法書、これを見てごらんなさい。すべてあなたが一つ一つ目を通さなければのり協会の運営はできないことになっているのですよ。また定款の変更についても、監督官庁である農林大臣は、これに対してその変更の承認を認めるかどうかという権限まで持っておるのです。そういう監督官庁にある、特に水産庁長官がすべての問題についてタッチすることになっているわけですから、そのあなたがいまのような回答では、私は納得ができません。私のほうから言ってもかまわないんです。  それからもう一つ、いまお触れになったから言いますが、東食と韓国海苔輸入問屋協同組合連合会とかわされたこの契約、これは正式な契約として水産庁お認めになっているのですか。のり協会と契約をしたのではないのですよ。あくまでも韓国海苔協同組合連合会と東食との間に契約が結ばれているのです。これは、定款はあなたが知らないということはないわけであります。定款の内容によりますと、明らかにのり協会と、それから東食との間に、これは東食は代表でありますから、これと締結することが筋でありますね。それに対して別に契約が結ばれておる。その契約の内容にはどういうものがあるから金が出されたということが明確に出てこなければならぬのです。そこを明確にしてもらわないと、問題の本質究明になりません。いいですか。だからそこを明確に御説明願いたい。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 韓国ノリの売買の契約は、のり協会と輸入商社との間に結ぶ。それでただいま御指摘のございました実務委託契約といいますか、そういうものが輸入商社と韓国海苔輸入問屋協同組合の間にあったということでございますが、その後者のほうの契約が実体的にいかなる内容の契約であるか、そういうことについては、必ずしも私どもは内容自体が明確を欠いておるのではないかというふうに理解をいたしております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 では、二十五円のこの上乗せされた金額はどういう名目の金ですか。また輸入問屋協同組合連合会は、どういう名目で東食との契約の中でこれを受け取ったと言っているのですか、はっきりしてもらいたいと思います。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 私どもは、実は二十五円の積算の基礎なりあるいはその内容なりというものをかなり、二日にわたりまして関係者から聞こうとしたのでありますけれども、必ずしもこれは残念ながら中身は明確にはできませんでした。ただ明らかに、こういうことはノリの売買の先ほど申しました輸入商社からのり協会が買い入れる際の売買の代金の中にそういうものが実質的に加算さるべき性質のものではないということははっきりいたしました。そういう関係で、今回の是正措置を指導したということでございます。それで輸入組合のほうで、輸入問屋協同組合連合会のほうの売買じゃなしに、委託契約の関係が実はよく内容的に実体としては明確さを欠くそのものを根拠にして、どうも先ほど来御指摘がございましたような金額が輸入商社のほうから問屋協同組合連合会の口座に一たん振り込まれた、こういうふうな形になっております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 これは不適当な金である、そういう性格のものではないというのであれば、どういう性格のものとして受け取ったのかわからなければそういう判断は立たないのです。説明しにくいということであるならば、のり協会の決算書にしたって予算書にしたって、あなたの承認なしにはこれは動かせないのです。だからそういう状態にあるのり協会の内部問題であるし、またこういう実態をつかんだ上での最終的な判断として、全体として今回の一億枚の韓国ノリの中に六十六円を値引きして、結果として消費者価格をきめる、こういうことになったわけでしょう。でありますから、その内容をあなたはきちんとつかんでおるはずです。つかんでおらないとするならば、私のほうからあとで申し上げてけっこうです。それに対して一つ一つあなたが答えていただければけっこうですけれども、一応あなたが調査をしているわけですから、その上に立ってきちんとした答えをいただきたいと思います。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 私どもは、主としてのり協会の、これは一手の買い取り販売機関でありますから、この協会の売買価格なり取引に、先ほど来御指摘のございました金がどういう関連を持つかということで調べてまいりました。そういう観点からいきますと、のり協会のほうの買い入れ価格が、その分だけゆえなくして高くなっておるということが判明をいたしたわけであります。そういうことでありますから、のり協会としては、その分だけ、問屋の輸入業者からの買い入れ価格をそれだけ下げまして、それでその金がのり協会のほうに回収をされた、こういうかっこうになっておるわけであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 それでは、まあ長官は、わかっておって言わないようでありますから、私は、そういう立場をとられる限り、これは徹底して問題の究明をしなければならぬと思います。  あなたは、監督官庁ですから、のり協会や業界のそういうあやまった取引関係、あやまった運営、あるいは機構上の問題があるとするならば、率直に私は、監督官庁として国民の前に明らかにして、問題を解明していくという立場でなければならぬと思うのであります。それがわかっておりながら問題を伏せていくという立場は、私はこれは許すわけにはまいりません。  そこで申し上げておきますけれども、さらにこれも質問でありますけれども、この問題が起きまして、いわゆる全のり、それから漁連全国漁連、さらにいま言った輸入問屋協同組合連合会、こういうところが、おのおの新聞記者を通じまして、声明を発表しているのであります。この中には、韓国協同海苔連合会からも声明が発表されておりますし、さらには全国のり連からも発表されておるのであります。で、この発表とそれからおのおのの団体の発表は非常に食い違っております。同時に一致して言えることは、水産庁のノリ行政に対する不信と不満、こういうことが同時に声明の中には盛られておるのであります。  そこで、ひとつお伺いをいたしておきますことは、この輸入問屋協同組合の声明の中に、昨年ののり協会の決算書の中に、七百二万という金がのり協会の運営費の中から、本来これは協会全部の金として処置すべきものが、一部の生産団体の関係団体に、この金が、配分されたといえば語弊があるのでありますけれども、使用されておる、こういういわゆる領得をされておるので、そういう非を是正をするために、今回六千六百七十万円という金を問屋協会が東食と直接話し合いをして、これをもらうようにしたんだという声明があるのであります。そっちが悪いことをするならばおれのほうもやるんだ、悪いことをやるんだということに、結果は尽きるのであります。ここに六千六百七十万円の金の本質があると、実は私は見ておるのであります。そのためには何らか理屈をつけなければなりません。そこで、十円と十五円という上積みの理屈をつけたのです。一つは分荷費であり、一つは価格調整費という形で十円と十五円というものが上積みされ、それが一億枚、二億六千何ぼの枚数にあてはめてまいりますと約六千六百七十万円ということになるのであります。問題は、ここに本質があるのです。そういう本質のあなたは説明もしないで、不適当だということはきわめて私はけしからぬと思う。私がいま言っていることの中で、十円と十五円の上積みされた名目というものが分荷費と、それからもう一つは価格調整費であるということを、これはのり協会も認めておる。理事会でもそういう説明がなされておるではありませんか。どうですか、その点。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 私どもが調査を——調査といいますか、関係者から二日にわたって聞き取りをいたしました概要は先ほどお答えを申し上げたとおりであります。したがって、当時ののり協会の理事会においては先ほどお読みになりましたようなことは御説明にはなかったと私は記憶をいたしておるのであります。しかし、その後輸入問屋連合会のほうから報道機関等に対してしかるべき解説の文書が配られたということは私も聞いております。しかし、その真偽のほどは私自体、あるいは水産庁自体、実は直接に聞くという機会にはまだ恵まれていなかったのであります。  それからなお、従来から四十三年の前期までは調整費なり分荷費といったものは、価格とは別個にのり協会のほうで、放出をいたします際に、放出価格とは別個に関係団体にかわって徴収をするといったようなことはあったようでございます。しかし、その中でも特に調整費というのは取りっぱなしになる金ではございませんで、品質、銘柄等によってそれぞれ価格が違いますので、それを代金決済上調整を便宜的にするために一時預かるような金の性格でありますから、これは結局最終的には買い受け者に返済されることになる金であるというふうに私どもは理解をいたしております。  分荷費のほうは、十円そういうことで従来加わって取ってきておりましたけれども、そういうことはそれぞれの団体で必要な経費は直接のり協会とは別に処理されるのが適当であろうという理事会の意見がございまして、そういう金はのり協会としては扱わないということに理事会の申し合わせでなったというふうに私どもは理解をいたしております。したがいまして、そういう名目で、先ほど来の価格構成の中に、たとえ入れたということでありましても、輸入業者とのり協会の売買代金の中にさようなものが入るということは、趣旨としては適当ではないと私どもは判断いたしております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 ではお尋ねをいたしますが、四十三年の放出ノリの中で前期の分ですね、前期の分の価格は御承知のとおりに最終的には千三百円ということになっておりますね。で、後期の分が千三百八十七円ということになっているのであります。こういうように八十七円高くなっていますね。前期の分の中には、いまあなたが指摘されたように価格調整費、分荷費というものが十円、十五円という形で上積みされているのであります。認めていないと言いながら、前期の分にはそのことが入っている。後期の分にそのことが入ったということが問題になって、それは不適当であるということで、今回六十六円の値下げになったのです。はっきりしているじゃありませんか。これはどう説明しますか。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 私どもの理解では、四十三年度分の前期の放出価格は千二百七十五円。ただ先ほど来申し上げましたように、分荷費なり調整費なりというものをのり協会がしかるべき形で代理をして徴収をするといったようなことがございますから、あるいは価格調整のために一時預かるということはございますから、徴収をいたしますのはそれを加えました千三百円ということになるわけであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そうすると、千二百七十五円に分荷費十円、それから調整費十五円というものが上積みされて千三百円ということで徴収をされると、こういうことになるわけですね。今回問題になっておるのも千三百八十七円ということになっておる。これの中には明らかに十円の分荷費と、それから価格調整費が加わっておるからこういう値段になっておると私は思うんです。そうなってまいりますと、なぜ今回はその分荷費と価格調整費というものが加わっていけないのか、ここをもう少し明確にしてください。あなたはいけないからこれはだめだと、こう言っている。ですから、それがなぜなのか。これは反対ののり連の声明によりますと、これは韓国輸入海苔組合の組合費なんだ、これを取っておるということを言っておるのであります。組合費なのか、分荷費というものに名をかりて組合費を取っておるのか、これも私は監督官庁として明らかにしなければならぬと思うんです。で、私が先ほど言っているような内容について、あなたは知らないと言うのであれば再度関係者を呼んで監督官庁としてこの点を明確にしてもらいたい。明確にした上に立って私に国会で報告をしてもらいたい。どうですか、その点。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 先ほど申し上げましたように、四十三年度分の前期の価格の関係あるいは調整費の関係は先ほど申し上げたとおりであります。したがいまして二十五円というのはのり協会の買い入れ価格の中にも放出価格の中にも入ってはおりません。ただ同時に便宜的に徴収されるという指貫はとられておったことは事実であります。したがいまして後期の分についてさような金が価格構成の中に入ることは適当ではない。特に輸入業者とのり協会の価格の関係の中に入る理由は全然見当たらないというふうに私どもは理解をしております。なお細部の点につきまして、もちろん監督官庁として今後調査を要する点もあろうかと思います。十分その点は調査いたしたいと思います。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 前期の分については十円と十五円の分荷費と調整費は入っておりますよ。二期の分についても、いま申し上げたような、先ほどあなたが指摘したような東食とそれから輸入海苔問屋協同組合の配分に関する実務を委託する契約に基づいて契約をし、その代金として六千六百七十万円というものが渡されているのであります。ですから、これは技術的なことは私はいろいろ聞いておりますけれども、いまは電算機を使うように今回はなり、したがって十五円という調整費は要らない。価格を、いわゆる暫定価格できめたのでなくってきちんとした価格をきめて、今回は第二期分は配分しておるわけですから、その意味ではいま申し上げたように価格調整費は要らないのですよ、これは。十円の金についても組合費であるから、前回取って、今回は要らないのですよ。これが本質ですよ。そういうものがあるから、六千六百七十万円というものが東食のほうから渡されておるというのが実情であるわけですよ。それは価格決定に対してのり協会以外の問題であるとあなたはおっしゃるけれども、では聞きますがね、この六千六百七十万円の金が東食から韓国輸入……のり協会のほうの口座のほうに金が渡されておる。これはいつですか。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 十一月四日のようであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 それは間違いでしょう。それはのり協会に振りかえられたのが十一月四日でしょう。それ以前に韓国輸入海苔協同組合に金が入っているのですよ。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 輸入業者のほうから問屋協同組合のほうに振り込まれましたのが、十一月の四日、それからのり協会のほうの口座に振り込まれましたのが十二月四日ということでございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そうしますと、その金がのり協会のほうに振り込まれたということは、本来この金はのり協会に帰属するものか、それとも韓国輸入海苔問屋協同組合に帰属するものか、振り込まれた理由は一体どうなのか、ここら辺はどうですか。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 最終的な処理といたしましては、先ほど来申し上げておりますように、一十五円の値段が高かったということで、輸入商社のほうからのり協会のほうに返ってまいった、こういう処理になっております。ただ間接的に輸入商社のほうから海苔問屋協同組合のほうに金が行っておりましたから、便宜上それをのり協会のほうに保全的な意味で受け入れをしたというふうに私どもは聞いております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そういう、抽象的に言わないで、便宜上保全的にやったというのだけれども、その理由があったから便宜上の保全措置をとらなければならなかったのでしょう。元来東食と韓国輸入海苔問屋協同組合との間に契約がかわされて、その代価として払われておれば、のり協会に関係すものではないのです。のり協会に帰属する金でもないのですよ。そうしてみれば、それがなぜのり協会にこれが振りかえられなければならないのか、それを明確にしてもらいたい。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 先ほど来言っておりますように、のり協会の買い入れ価格がそれだけ高くなっておった。したがって輸入組合のほうからそれだけ買い入れ価格を二十五円だけ下げるという措置をとることによって、のり協会のほうにそれだけ返ってくる、かような構成であります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そうなってまいりますと、のり協会が高いものを買わされておった、そうすると輸入協同組合はそれだけ安いそういう裏契約をして六千六百七十万円というものを不正に領得をしておったその時点においてこれはいかぬというので、のり協会その他から、内部から問題が出てきたので、あわてて十二月四日ですか、六日ですか、振りかえた、こういう経過ですね、こういう経過と理解していいんですか。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) まずそういうことであろうと思います。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 こういう経過でございますけれども、これは一体監督官庁として水産庁は、これはあなたは予算、決算についても監督されているわけです。農林大臣はまた定款の中でも強い監督指導の位置づけがなされておるのであります。そこで私はこれは十分解明していかなければならぬというのは、協会の機構、運営それから今回とられた処置、こういうものについて、私は非常に疑問を持つのです。とりわけノリの問題というのは、この前から私が触れておりますように、バノコンといわれて利権行政のこれは最大のものです。いまの輸入業者は、眠り口銭といって、単に外貨割り当てをとるだけでばく大な利益を得ているのですよ。電話一本で商売ができる、こういう状態にあるということも、これまた私は機構上非常に問題があるところだと思うのです。  そこで一つ、資料の要求をいたしておきますけれども、四十年から今年までののり協会の予算、決算書をひとつ委員会に提出していただきたいと思うのです。どうですか。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 承知しました。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 私はそれをいただいて、あともう一つ要求をいたしておきますけれども、協会の定款それから業務方法書ですな、それをひとつ御提出をいただきたいと思います。その上に立ってまたいずれ、時間がきょうございませんので、この委員会かあるいは決算委員会で、問題の究明をしていきたいと思います。  ただ最後に一点だけ言っておきますけれども、今回の措置ですね、私は必ずしも前回は二億六千余枚の韓国輸入ノリの枚数に対して六千六百七十万円のいわゆる適正でないお金が出てきているわけでありますけれども、それを今回の追加ノリ一億の中にそれだけ価格を差し引いて配分をしている。これは私は適当な措置では必ずしもないと思います。それからこれが必ずしも末端、小売店で長官が思っているような形で値引きされて消化されていくかどうかについても私はこれまた疑問だと思うのです。ただそのための調査要項なんというものをおつくりになってやっておられるようでありますけれども、形はなるほどそういう形で追跡調査ができるようでありますけれども、実際的には、これは私は思うような結果で消費者に販売されないという結果をつくっているというふうに考えております。さらに問題なのは、生産団体や生産漁民の皆さんからもいろいろ私のほうに御意見がきておりますけれども、この結果、今回の放出を含めて生産漁民や生産地では値くずれが非常に強いと言うのです。ところが消費者の、小売り店やあるいは問屋筋の状況によりますと必ずしも卸し値というものは下がっておりません。生産の値段、生産地のいわゆる地場の値段は相当たたかれておるけれども、問屋筋の値段はそう下がっていない。しかも今回の六十六円値引きをするというので、これが目玉商品の役割を果たしまして、いま非常に安いノリがあるぞというので購買力をそそっているという状態であるのであります。これはある関係業団体の人の話によると、泥棒に追い銭をやったようなもんじゃないか、こういうことを言っているのであります。こういう行政は私はきわめて不適当な行政であろうと思います。消費者行政の立場から見ても、あるいは農林省としての生産者行政の立場から見てもきわめて不適当だと思うのです。したがってこういう措置についても私はまだ十分配慮した措置をしなければならなかったんではないかというような気もいたすのであります。いずれにいたしましても、時間がきましたのできょうはやめますけれども、それらの資料を御提出いただいて別途の機会に十分問題の解明をしていきたいと思います。  以上できょうは終わります。

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時四十四分休憩      —————・—————    午後一時四十七分開会

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き農林水産政策に関する調査を議題といたします。  この際、委員長の発議により、農林畜水産関係物資の国鉄貨物運賃等に関する決議案を提案いたします。  案文を朗読いたします。    農林畜水産関係物資の国鉄貨物運賃等に関する決議(案)  一般に重量容積が大きく輸送距離が長い農林畜水産関係物資の運賃の上昇は、農林畜水産業のみならず、直接物価に反映する等国民生活上もきわめて重要な影響を及ぼすことが明らかである。   よって政府は、これら物資に対する国鉄貨物運賃、通運料金等の改訂に当っては財政援助を行なう等特段の措置を講じ、以て国鉄貨物運賃にかかる公共政策割引等の維持存続を図るべきである。   右決議する。  それではおはかりいたします。  農林畜水産関係物資の国鉄貨物運賃等に関する決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、長谷川農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。長谷川農林大臣。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 国鉄運賃に関する件につきましては、ただいま御決議のありましたとおり、御趣旨を尊重いたしまして、国鉄等関係方面と十分折衝いたしてまいりたいと存じますので、御了承願います。     —————————————

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) 次に、請願第二号、果実等災害に対する救助措置に関する請願外三十四件を議題といたします。  本委員会に付託されております三十五件の請願は、一応専門員のもとで整理してもらい、本日の理事会において審査いたしました結果、請願第二号、果実等災害に対する救助措置に関する請願。第百二十四号、第四次漁港整備計画策定促進に関する請願。二百二十一号、真珠産業不況打開に関する請願。第二百四十四号、バナナ等輸入果実の抑制に関する請願。第三一五号、漁港の整備促進等に関する請願。第一二九号、農民年金制度確立に関する請願及び第三三二号以下三二九号の食糧管理制度の改悪反対に関する請願。以上十四件の請願は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付することを要するものとし、一七号、卵価安定基金への加入に関する請願外二十件の請願は、保留とすることに意見の一致をみました。つきましては理事会の審査のとおり決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) 再び農林水産政策に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 農林大臣が御就任なさいまして、誠実を信条とされているということをお伺いいたしております。私どもも意を強うしている次第でございますが、大臣の所信表明なるものを先ほどお伺いいたしましたが、農業をめぐる諸情勢の変化には激しいものがある、と言われ、約三ページにわたって状態を述べられておりますが、林業及び水産業については三行で表明されております。一番最後のところにございますが、「林業、水産業につきましてもそれぞれ最近の需要及び資源の動向や従業者の所得の面から考えますと問題が多多存在しておりますので、これらにつきましても施策の強化をしたいと存じます。」このようにわずか三行のことですべてをおっしゃられようとしておりますが、これだけでは、私は、直接林業に携わっている方が、水産業界に携わっておる人々、その人たちが大臣の所信を非常にさみしく思っているのじゃなかろうかと思うわけであります。言うまでもありません、国民生活を左右している重大な影響性があることから考えましても、当然農林水産と一口に名称されているように、この点から考えましても、とかく林業とか水産業の対策がおざなり、あるいはつけ足り的なきらいがあるように、私はこの面からいきましてもとれるわけでございますが、そんなことはないと思いますが、今後の所信表明等につきましても、施策等につきましても、大臣のお考え方を、その点やはりどういうところに視点を置いておられるか、まずお伺いをしておきたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 申し上げるまでもなく、わが国においては動物性たん白をどこに求めるかというのはもうおそらく水産物一本に頼ってまいったような次第でありますけれども、近時近海魚類等の不足もあり、また食糧のいろいろな需給関係等の上から見て、これらの動物性たん白が他の畜産物のほうにも移行している点も考えられますけれども、何と言ってもわが国の国民全体の上に立って一番求めるのは漁業であり水産物であることは議論をするところではないと思うのでありますが、こういうような点において、漁業がいかに重要性を保っておるかというのは、米麦と相並んで非常に大いなる役割りを持っているということは当然でございます。したがって、本日所信表明の中にその点が少なかったという点については、たいへん私も申しわけないと思っておりますが、精神には何ら変わりがないことを一応御了承のほどお願い申し上げておきます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 いまの大臣のお心を私は将来とも尊重していってもらいたいと思います。いまお話がありましたように、水産物が国民栄養食糧としてのわが国の食糧政策上きわめて重要であるということは、大臣もおっしゃられたとおりであります。近年の漁業生産の動向は労働力の減少、あるいはまた沿岸漁業の衰微、資源の制約、国際規制の強化、たとえて申し上げればワシントンで行なわれた日米漁業交渉が緒因となりましたが、あのタラバガニと漁業水域、この協定は二つのこれは内容であったと思いますが、タラバガニでは日本側の漁獲量が今後二年間八万五千箱と、これまでと比べて半減してきているわけであります。また漁業水域も米国の沖合の公海における日本漁船の操業区域及び操業の期間が制限されるなど、事実上米国の意のままに終わったと私は思うのであります。米国だけから締め出されておるのでは決してありません。前々から私は当委員会で申し上げておりますが、ソ連からも、昨年の日ソ漁業でカニに関し三年間の長期協定が結ばれました。ことしの交渉で確認された漁獲量は二十三万二千箱、五七年の三十四万四千箱より十万箱から少なくなっております。しかも一九六九年には二十一万六千箱に減るのであります。わが国はカニ漁業で、ちょうど言うならば米ソ両国のはさみ打ちにあっておるような状態におかれておると私は思うのであります。こうした関係からも、また資源制約についても、大陸だな条約からいっても排他的な管轄権を持たされて制約されようとしておることは、これは多くの事実が語っております。こういうものを起因としたり、あるいは漁獲量の伸びは停滞ぎみとなって、増加するのは需要の増加であり、そしてまた輸入が漸増しておるということを考えますというと、まことに将来を危ぶむものであります。こうした現実に立って、大臣のこの漁業に対する労働力の減少をどうするか。また沿岸漁業をこれまたどうしていこうとするのか。資源の確保をどうしようとしていくのか。激動していきます国際市場の上からの遠洋漁業をどう方向ずけていかれようとするのか。この点についてお伺いをしておきたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 対外国との漁業問題に対しては御指摘のとおりでございまして、さらに新しく海洋漁場をいかに見出し、そしてその漁業に当たるかという点については、たいへん御苦労をなさって、各社とも御苦労をなさっており、相当な研究が進められているようでございますが、一方私たちといたしましては、漁業労働力の不足に対しては、省力機械等の導入をまず推進しまして、労働力の節減及び労働の環境をよくしなければならぬ。そうして船舶の安全というこれをまず確保をはかりたい、このように考えます。したがって、伺いますと、青少年に対する各種の研修等を通じて必要な労働力の確保につとめておるというような次第でございますので、今後さらに遠洋漁業につきましては特段の金融等の措置を講じなければならないのではないかというように考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 お答えの中には沿岸漁業の問題等も、それからそのほかのことも、だいぶん私としてはお答えが不十分であると思います。一つ一つきょうは究明したいのでありますが、一つ一つについては後日に譲りまして、その中で私きょう取り上げてまいりたいと思いますのは、漁業生産の基盤であります流通機構の問題が基点になったり、あるいは漁業諸施策の推進上の拠点となります。また、漁民の職場である漁港のことについて特にきょうはしぼってまいりたいと思っております。つきましては、漁港の修築事業及び漁港の改修事業、第三次整備計画事業の年度別実施港の現況をまずお伺いしていきたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 三十八年度から第三次漁港整備計画を進めておりますが、こまかい点につきましては、長官から御説明を申し上げます。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 漁港の整備につきましては、昭和三十八年から修築事業について、第三次計画というのをやっておるんです。  なお、それとの関連において、改修ないしは局部改良事業を計画的に推進をしてきておるわけでございます。修築事業のほうは八カ年計画でございますので、第三次計画はまだ実行の途中ということになっておりますが、計画といたしましては、修築事業のほうは三百七十七港、改修事業は四百四十港、局部改良事業は千六十四港というのが一応の計画でございます。  なお、四十三年度末現在における予定進度は、それらを通計いたしまして約六六%という進度になる予定であります。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 簡単に、大づかみに、それこそおっしゃられましたけれども、各地域における今日まで計画立てられたものが、第一種のものにしぼりまして、どれだけ工事が完了しておりますか。完成した港数といいますか、それを知らしていただきたいと思います。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) ちょっと改修事業の中の第一種、第二種、第三種別の内訳はございませんが、全体、先ほど申し上げましたように、四百四十という中で九十六が完成ということでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 内訳がないということはちょっと私解せないんですが、これは資料として報告をしていただきたいと思います。  時間の関係等が制約されておりますので、一つの漁港を取り上げまして、こういうふうな漁港が日本全国にあるんだということを頭の中に入れておいていただいて、そして御答弁を願いたいと思います。私はまた、日本全国の第一種漁港が現実の点においてどういうふうになっているかということを知っていながら申し上げるわけでありますので、やはりその面を踏んまえてお答えを願いたいと思うんであります。  例を一つ取り上げてみますと、仙台のほうの松ケ浜漁港改修工事がございます。この工事についておわかりでしたら御説明願いたいと思います。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 御指摘の松ケ浜漁港、これは先ほど申し上げました分類でいきますと、改修事業をやっておるのでございます。昭和四十年度に着工いたしまして、現在やっておりますが、全体の事業費の計画としましては七千四百万円ということで事業をやっております。四十三年度までに事業費としては三千万円ということになっております。したがいまして、全体の計画に対する事業の進捗率は四一・四%。概略以上のとおりでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 これは昭和三十八年からかかっておりますけれども、その点どうなんですか。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 着工は昭和四十年度と承知をしております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 実は、この漁港に自分たちの生活を託している漁民の人たちが、この工事の進捗状態が非常におそいので、こんな状態でいけば五年先あるいは六年先になるんじゃないか、予算上の措置の面からいきましても、そういうふうに危ぶまれているというこの声を聞いているわけであります。しかも、この付近の海水は、下水等の汚染によりまして、非常に海水がよごされる、それで魚が生息しなくなってきているという事情があるわけであります。したがいまして、この工事はなぜしなければならないのかといえば、沿岸で作業ができない、操業ができないために一本釣りでもしていかなければならない、そのために船のたまり場としても、どうしても早急にほしいのであるという切実な叫びなんであります。ところが、この刺し網なんかをいたしますと、下水の汚物がその網の中にかかってくるわけです。その刺し網の状態と、それからその海水を汲み上げましたその濁っている海水を持ってしばしば仙台市等にも陳情に行って、こういう問題について何とか対策を講じてもらいたいということを数回にわたって陳情にも行っているわけであります。ともかくもこうした実情下にあるという事情を私は知らなければならないのじゃないがと思うんです。そこから今年度の予算をどうする、来年度の予算をどうしてやらなければならないかということが計画の中に織り込まれていかなければならない、こういうふうに思うわけなんですが、どうですか。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 私ども、実は必ずしも御指摘の漁港について、詳しくは存じませんが、先ほど来御指摘のような事情があるということは聞いております。したがいまして、そういった差し迫った状態でありますから、できるだけこういった港の修築事業については促進をはからなければいかぬということは、御指摘のことと同感でございます。ただ、全国的に見ましてかなりな数の漁港がございますし、それぞれ一つ一つ検討いたしますと、やはり相当な緊要度をもって整備すべき事情にあるというふうにも思います。したがいまして、予算の配賦に当たっては、できるだけそういったことも県当局とも相談いたしまして配賦をすることに努力をいたしているのでありますが、全体的なバランスといったようなことも考慮しなければなりませんし、現在のような状況で推移しているわけでございます。  なお、今後漁港の修築事業につきましては、新しい計画等もつくりまして促進をはかるというふうなことで政府部内で検討いたしているところでございまして、漁港の整備についてはできる限り努力してまいりたいと思っております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 そのほか漁港の幾つかを取り上げてもっとほかの面から申し上げておくつもりでおったんでありますが、時間がありませんので、きょうは建設省の人も、厚生省の人もお呼びしている関係で、そちらのほうに問題を移していきたいと思っております。     —————————————  この沿岸に与えています汚水の状態でございますが、これは厚生省のほうではおわかりになっているんでしょうか。

石丸隆治厚生省環境衛生局環境整備課長

○説明員(石丸隆治君) ただいま御指摘のございました点につきまして調べておるわけでございますが、仙台市漁業協同組合、それと七ケ浜の漁業協同組合から仙台市に対しまして、ただいま先生の御指摘のようないろんな問題につきまして苦情の申し出あるいは市議会に対します請願が行なわれておるわけでございます。仙台市におきましては、その請願に基づきまして、原因を究明するために昭和四十二年三月より東北大学の松本教授に放流先の海域の水質調査を委託いたしまして調査を行なっておるわけでございますが、その調査結果によりますと、これはまだ途中でございますけれども、この海域の汚染は仙台市の下水処理場の影響と、それとその放流口の北二キロのところに河口をなしておりますところの七北川という川があるわけでございますが、この両者の水質が関係しているとの一応の報告が参っておる状況でございます。  なお、下水処理場の放流水の水質の状態をわれわれ作業日誌のほうから調べてまいりますと、昭和四十年度中におきますこの放流水の、これは汚染度をはかる一つの指標でございますけれども、BODという単位ではかっておりますが、それで見ますと、最大一〇五PPM、最小三三PPMというふうな状況になっておりまして、現行下水道法に定めてございますこの種の処理場の一二〇PPM以下という基準には一応この放流水の水質基準は当てはまっておるわけでございますが、さらに今後これらの点につきまして、できるだけBODの少ないような放流水を出すように指導してまいりたいと思っております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 お聞きになったそのままをおっしゃられておりますので、実際の点はおわかりにならないと思うんです。お行きになりまして、その汚水を自分でおくみになって検査をなさってみればよくわかると思うんです。申し上げるまでもなく、これは簡易沈でん槽でありまして、もろに出ちゃうわけです。そこへもってきまして、このごろは下水もいきなり浄化槽になっておりますし、河口工場等の薬品が一緒にまじり込んで流れておりますし、昔の状態とはまるで異なってきております。こういう面から考えてみましても、これから将来の日本を、沈でん槽をこういうお粗末な形のままで過ごしていいのかどうか、運営とか管理とかは厚生省のほうでおやりになっておりまして、お困りになっているのは厚生省の方で、建設省のほうは予算がないから、他方団体もない、こちらのほうも予算がないからこの程度やる以外にないといってやられてきた姿が私は今日の状態だと思うのであります。こういう面から考えましても、これは将来大きな私は禍根を残すことになってくると思うのであります。いまお話がありましたけれども、差しつかえないようなお話がありましたけれども、大いに差しつかえがあります。その証拠が、魚が生息をしていないということが一つであります。それから、調べられたならデータもそこでお持ちになっておわかりだと思いますが、五百メートルまでは砂地であります。五百メートル先はどろの底であります。底は調べていないわけです。そういうところに大きな水質検査の欠点がある。こういう点におきましても、厳重に私は管理の上からでも、行政面の上からでも当然水質検査をしてやるべきじゃないか、このように思うわけですが、いかがでございますか。

石丸隆治厚生省環境衛生局環境整備課長

○説明員(石丸隆治君) この放流水の検査につきましては、ただいま先生の御指摘のとおりでございまして、ここの仙台市の下水処理場というのは、先生御指摘のように簡易沈でん放流という、こういう方法をとっておるわけでございまして、そういう方法における下水道といたしましては、一応その基準の中に入っておるわけでございますが、やはり将来の姿といたしましては、下水というのは高級処理をいたしまして現在の下水道法に定めてございますように、二〇PPM以下のような良質の放流水を放流するということが理想だと思うわけでございまして、その点につきましてはまた建設のほうからもお話があろうかと思うわけでございますが、われわれといたしましては、現在ある簡易沈でん放流という方法の中で、できるだけ良質の放流水を出すように努力してまいりたいと思っておるわけでございます。さらにこの検査でございますが、ただいま先生御指摘のように、われわれのほうで調査いたしておりますのは、海水の調査でございまして、海底までは実はやっておりませんので、ちょっとわれわれのほうといたしましても、その海底の状況は今後の問題かと思っております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 海の水はどこにあるんでしょう。——海底の上にないんでしょうか。

石丸隆治厚生省環境衛生局環境整備課長

○説明員(石丸隆治君) 先生御指摘のとおりでございまして、この検査の難易度ということから、われわれとりあえず表面の海水の検査を行なっておるわけでございまして、やはり海底の検査等につきましても、その必要は十分認めておるわけでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 ことばじりをとらえるわけじゃございませんけれども、海底のところにあります海水をお調べになればよくわかると思います。そういう意味を含めてお聞き及び願いたいと思います。いずれにいたしましてもいま工事中だと思うのですが、この点につきまして建設省の方……。

久保赳建設省都市局下水道課長

○説明員(久保赳君) 仙台市の下水道の処理場のことでございますが、ただいま厚生省の課長さんのほうから御説明のあったとおり、現状は簡易沈でん放流ということで実施をいたしておりますけれども、全体の計画といたしましては、これを高級処理、さらに高度の浄化をする処理施設で計画がなされております。すでにそれに必要な用地等はもう手当済みでございまして、その中にただいまの簡易沈でん放流に付加をいたしまして高度の処理をする計画になっております。ただし、下水道は御承知のように処理場に集まってくる汚水に見合いながら、これに調和を保ちながら施設を順次拡大をするというような方向に実施をいたしておりますので、現在先生御指摘のように、過去における処理場への流入水質と現在の水質が非常に大きく変化があるというふうな現状であれば、それに見合って処理施設を拡大する予定にいたしております。ただし、いま私どもが手持ちの材料で見ますと、放流水の水質が平均的にBODにして六五PPM程度のものでございますので、高度の処理を要する時期はあと一、二年先にするほうが適当でないか、こういう判断を持っておりますけれども、なお、十分しさいに調査した上、下水処理場の増設強化をはかってまいりたい、かように考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 いまお持ちになっているデータでおっしゃると思いますが、実際上は毎日悪化しているということだけは事実であります。したがいまして、いまお話がありましたけど、高度のものに変えていかれようとしている計画なんですが、どの程度のことにされようとしておられるんでしょうか。

久保赳建設省都市局下水道課長

○説明員(久保赳君) これは仙台市だけのことではございませんが、わが国の都市の大部分の下水は一番高度の現在処理として開発をされている。この技術的に開発されている処理技術のうち一番高度の活性汚泥法による処理を考えております。その処理が実現をいたしますとBODであらわしまして二〇PPM、二十ミリグラム・パー・リットルの放流水が処理から出る、こういうことに相なるわけでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 時間がございませんので、全国の沈でん槽のことも聞きたいと思ったんですが、いまの活性汚泥法、ステップ・エアレーション、そういったような行き方を将来やっていくのは、これは当然だと思います。この点に力をまた意を大いにそそいでいただきたいと思います。  もう一点だけお伺いしておきたいのは、家庭雑排水についてそれをどういうふうに法的な処置を、水質規定といいますか、法的な水質規定そんなようなことをどういうようにお考えになっておりますか。

久保赳建設省都市局下水道課長

○説明員(久保赳君) 先生御指摘のは、主として市街地内部における家庭排水、こういうふうに理解をした上で答弁さしていただきたいと思うんです。市街密集地におきましては結局は下水道を整備することによりまして、下水道の中に各家庭排水を導入をする。それに接続してもらうということが通常の姿であろうかと思いますが、それにつきましては下水道が整備されますと、現在の下水道法の第九条によりまして下水道が整備された区域を公示をするわけでございます。どこからどこまでが下水道ができた区域であるかということを公示をいたします。その公示がなされますと、同じく下水道法の第十条によりまして、その公示をされた区域の住民の方々は下水道にこれを接続をして汚水を排出しなければならない、こういうことに相なっておりますので、そのような形の下水道を整備すること自体が問題でございます。整備されない区域におきましては、この区域の中で一般の家庭排水の水質を何かの形で基準をきめたり、あるいは抑制をするというような法律的な手だてが現状ではございませんので、私どもといたしましてはできるだけ早く下水道の整備区域を広げまして、それを告示をして住民の方々に御利用いただくという方向で努力をしているところでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 そこが私は問題だと思うのです。一般家庭等、市内の家庭等から出ていきますその家庭雑排水が非常にいろんな混合物といいますか、いろんなものがまじり込んで今日では流れております。それがそのままの姿であるかどうかは私も分析はしませんからわかりませんけれども、仙台に行きまして、貞山堀のそばまで行きますと、約一町ぐらい手前あたりからぷんぷんにおうわけです。このにおいは何のにおいであるかと車の中で言いましたら、ちょうど貞山堀のところを通りかかった、このにおいですよ、ということではじめてわかったわけです。これは一つの私の見聞したものだけにしかすぎませんけれども、普通の市街地にあります家庭から流れていきますその排水というものが、どういうふうな水質規定等がどういうふうに下水道に持っていかれようとしているのか。そういうことがまだまだ手が入っていないというふうに思うわけであります。いまお話がありましたように、水質規定等の方法もまだないということでありますけれども、この点も文明国家の文明人の住むそのわれわれの付近が一番いやな感じが起きますのは下水の処理であります。こういう点につきまして十分にお考えおきいただき、すみやかに実行に移していただきたい、こう思うわけであります。  いずれにいたしましても、時間が来ておりますので、最後に申し上げたいことは、一つの例をとりまして、私どもが排出していくものが海水に流れていく、その海水で生息している魚を今度は逆に私どもが食生活として食べていかなければならない、こういうふうな観点から考えていきましても、その魚を取ってくる漁民の労働力の減少、沿岸漁業の衰微というものは、そういう面からも大きく左右してきているわけであります。こういう点から考えていきましても、このまま全国的に放置していきますと、私たちが魚が食べられない、沿岸漁業の浅海漁業に対するその魚が食べられなくなってしまう、貝類が食べられなくなってしまうということも将来大きく取り上げれば考えられてくるわけであります。したがいまして、そういう事情等を勘案して、第四次計画等も私はどういうふうにお考えになっていかれようとするのか、大臣から最後に四次計画についてのお考えを承っておきたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 先ほど冒頭にちょっと申し上げたんですが、今度四十四年からの計画がございますので、相当その面についての修復あるいは御承知のように改善等には重点を置いて、誤りなきをはかるつもりでございます。     —————————————

沢田実公明党

○沢田実君 私は土地改良区の事件について質問いたします。  農林省は、農業生産の基盤の整備開発をはかり、農業の生産性の向上、農業生産の増大、農業構造改善のために、土地改良法により、農用地等の改良開発等の事業を行なっておるわけであります。その規模の大小によって農林省直轄あるいは県市等が指導の責任のもとに事業を推進しているわけであります。農林省の直轄の大規模な土地改良区である岐阜県大垣土地改良区に二、三億円と推定をされる公金の流用事件が発生したわけでありますが、この事件について農林省当局はどのように責任を感じておられるか、お尋ねをいたしたいと思います。

中野和仁農林省農地局長

○政府委員(中野和仁君) 御指摘の事件は、岐阜の大垣で起こりまして、その組合員と申しましょうか、組合員でありますけれども、その下に工区というのがあります。工区の工区長が公金横領——土地改良区の償還金等を持ち逃げしたというような報告を岐阜県庁から受けておりますが、証拠書類その他がいま警察に行っておるようでありまして、それ以上のことは私どもにもわかりかねておるわけでございます。ただどういう責任を感じているかというお尋ねでございますが、まさにいまお話がございましたように、農業生産基盤の整備をやるためにできております農民全体のための土地改良区でこういう事件が起きましたのははなはだ残念なことだと存じております。それにつきまして、現在土地改良法によりますと農林省なりあるいは都道府県の知事が検査をするということになっております。その検査、あるいは検査だけでありませんで、もっと指導を徹底しなきゃならぬのじゃないか、こういう事件を起こさないようにいたしたい、こういう気持ちでおるわけでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 大垣の土地改良区は地域が膨大でありますので、改良区の中に三十数個の工区を設けて、実際その工区が事業をやっておったということは、ただいまのお話で農林省も御存じなわけです。それで、検査、指導の面において土地改良区とその下部組織の工区との関係についてもっと明確に責任及び権限を規定しておくべきではないかと思いますが、その点についてのお考えを承りたいと思います。

中野和仁農林省農地局長

○説明員(中野和仁君) 御指摘のとおりでありまして、実は私たち、少し古くなりますけれども、三十八年にこの土地改良区を農林省で検査をいたしたわけであります。その場合にもいろいろな事務の改善措置の一つといたしまして、個人に賦課金の徴収を委任をしたりするようなこと、それからまた、その工区長が契約文書を取りかわすようなことは不祥事件のもとになり、また不測の損害が生ずるということがありますので、その辺を明確にするようにという改善の指摘事項を出しているのであります。それが改まっていないのははなはだ残念なことでありますので、今後ともその辺の末端まで、どういうふうに土地改良区の一環として仕事がやれるかということについて気をつけていきたいと思います。

沢田実公明党

○沢田実君 先ほど農地局長は県庁で検査をするというようなお話でございましたが、土地改良の検査規定によって、また農林省の内規によって五千町歩以上は本省が直轄でやると、こういうふうにきまっているようでございます。そういたしますと、大垣の土地改良区は五千町歩以上でございますので、農林省の直轄で検査を行なわなくちゃならない、こういうところだろうと思います。で、県庁等の農務部長等の答弁においては、国の直轄であるからわれわれの責任範囲ではございません、こういうふうに県会等で答弁をしております。ところが、農林省ではいまもお話があったように、昭和三十八年にこれの検査を行なったのみで、その後検査を行なっていない。ほかの一万二千三百に及ぶ土地改良区についても四年ないし五年に一回しか検査が行なわれない。こういうような状況を聞いておりますが、それではまことに不十分ではないか、こういうふうに思うわけでございます。農林省の直轄事業でありますので、そういう点において私は農林省に責任があると思うのですが、その点いかがでございましょうか。

中野和仁農林省農地局長

○政府委員(中野和仁君) 検査の問題につきましては、御指摘のように、五千町歩以上は本省直轄でありまして、千町歩から五千町歩の守備面積のところは地方農政局、それ以下は都道府県知事ということにしておるわけでございます。今度の事件は、農林本省の検査をする組合になっているわけでございます。御指摘のように、三十八年にやりましたあとやっておりませんのは申しわけないわけでございますが、何分、予算との関係もございますし、人員配置等の関係もございまして、予算的には三年ぐらいという気持ちでやっておりますけれども、実際は約百ある中で、年にやれますのは十五から二十ということでございますので、五年に一ぺんぐらいということになっております。その場合に、一律に平均いたしますとそういうことになるわけでございますが、国営事業を起こしました際とか、あるいは国営事業が済む際、これから負担金の徴収に入るというようなところに重点を置いているものですから、平均三年に一ぺんとか、四年に一ぺんとか考えまして、やはり手を抜いているわけではございませんけれども、国営事業に直接関係のないようなところはあと回しになるというのが実情でございます。こういうことがないように、来年度は少なくとも三年に一ぺんはやれるように予算をいま現在要求中でございます。

沢田実公明党

○沢田実君 そういうところに今度の事件が起こったもとがあるわけですので、三年に一ぺんなんて言わないで、もっとできるように予算の要求をしてもらいたいと思います。  それから今回の事件は、どういうところに原因があって起こったのかというふうにお考えでしょうか。

中野和仁農林省農地局長

○政府委員(中野和仁君) その辺は、警察の調べが終わりまして、それからもう少しわれわれも調査して見ないとわからないので、詳細にはわかりませんけれども、どうもいままでの報告等から判断をいたしますと、先ほど先生からも御指摘がありましたように、工区長に権限を委任し過ぎているのではないか、工区長に事業実施を、今度の事業の場合も二つの事業をやっておりますけれども、それに施工を一任している、土地改良区の経費の全額を工区長の出し入れでやっているということは、いわば工区長の独裁といいましょうか、そういうことになっておりまして、内部の牽制組織というものが行なわれていないところに一番問題があるのではないかと思います。

沢田実公明党

○沢田実君 いま申し上げた三十幾つの工区の中に、大垣の土地改良区と同じような、いろんな役員を置くことになっておりますが、問題の起こった安井工区については、監査役さえきまっていなかった。こういうようなことは、三十八年検査のときにはっきりしておったわけなんですが、その点についてはどうでしょうか。

中野和仁農林省農地局長

○政府委員(中野和仁君) 御指摘のように、三十八年にそういう指摘もしておるわけでありますが、そのあともそういう事態になっておるのははなはだ何と申しますか、残念なことだと思います。また、この事件が明るみに出ると同時に、われわれもできるだけの注意をいたしたいと思います。

沢田実公明党

○沢田実君 補助金を受けて行なった区画整理及び埋め立ての事業までは四十一年に全部完了しております。それについては検査を行なっておるかもしれませんが、本換地に関してはまだ終わっておりません。したがいまして、共有の土地が相当たくさんあるわけです。その土地が本換地完了し、登記が終わらない間に売却されたその代金がどうかしてしまったというようなところに問題があるわけですので、五年に一ぺん検査をして、ちょっと注意した程度では、こういう問題について土地改良区の役員に悪い人がおりますと、もっともっと起こる危険性もあります。あるいは、ここまで至らなくとも起こっているところがあるかもしれません。そういう点から考えまして、やっぱり本換地が終わってしまわないことには、どんなことが起こるかもわかりませんので、その点についての検査、指導ということが本省において私は必要だと思います。それで本省では検査官が少ないと言っておるわけですが、地方農政局に検査官もおるわけですし、その点はもっと増員をする、あるいは県では責任ないなんて言わせないで、県でも補助金出しているわけですから、県でももつとしっかりさせるというような行政指導によって、そういう問題が二度と再び起こらないようにしていただきたいと思うわけですが、その点についてどうでしょうか。

中野和仁農林省農地局長

○政府委員(中野和仁君) お話のとおりでございまして、われわれ今後できるだけ検査を強めていく。また、そういう事業との関連のところに重点を置いてやっていきたいと思うわけであります。ただ、ちょっとつけ加えさしていただきたいのは、県がわしは知らぬと言っているかどうか、私は実は知らないのでございますけれど、われわれ検査をいたしましたあと、改善事項につきましては県知事に通達をいたしまして、県知事から指導を願うというふうなことでやってきておりますので、ただ、確かに検査そのものは農林省でございますけれども、土地改良区そのものの指導監督と申しましょうか、そういうものは農林省、同時に県知事にも一あるというふうに考えております。

沢田実公明党

○沢田実君 これは地元のまだうわさでして、はっきりした証拠もわれわれは握っておりませんけれど、そのお金は知事選挙に流用されたというようなうわささえ起きているわけですので、県にまかせたらそれでいいというようなことでは、本省が直轄事業だという必要はないわけです。その点、もう一歩突っ込んで指導、検査をしっかりしていただきたいと思います。また、農林省は土地改良事業に国民の税金で大幅な補助金をしておきながら、事業の指導がほとんど放置されているということ、このことについての責任をどういうふうにお感じになるか、あるいは制度上の欠陥があると思われますが、それについて改めるお考えがあるかどうか。

中野和仁農林省農地局長

○政府委員(中野和仁君) 国営事業でありますと、農林省本省にも内部監査の機構をつくっております。それから県営事業につきましては県が責任を持ち、団体事業につきましても直接は県が補助金を出しますから県が事業の指導あるいは監督をやっております。そして竣工検査等も県がやるわけでございます。それからまた農林省の仕事のみならず県営事業につきましても、事業そのものにつきましては会計検査院もずっと本省それから各県を通じて検査をいたしておるわけでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 私申し上げているのは、その補助金を使った段階においては、おたくでも検査して、問題がなかったとなっているのです。それは四十一年に終わったんです。ところが本換地が終わってない、登記がされていませんので、登記がそのもとのまま続いているのです。実際の土地はみんな仮換地してありますので、共有の土地が出ました。その共有の土地を売っちまっているのです。登記はどうかというと、もとの土地でやっているのです。そういうところに問題があるわけです。それで土地改良は、最初に申し述べましたように、農業生産性の向上のために国の補助金を多額につけて行なっているのでありますので、区画整理された土地あるいは埋め立てをされた土地等が農地以外に使用されるということは、私は目的に反すると思うのです。今度の場合も、問屋街の建設用地それから市民会館、市の給食センターあるいは市の美容学校、理容学校等々の公共施設、また工場も建っております。こういうようなふうに、土地改良で区画整理された土地が、都市の近郊にあるために、非常にいい条件でその土地が今度は農用地以外の目的に使用されている、こういうふうな現状なんですが、そういう現状についてどういうふうにお考えでしょうか。

中野和仁農林省農地局長

○政府委員(中野和仁君) 土地改良法本来のたてまえからいいますと、そういうことはないわけでございます。ただ、いまもお話がございましたように、都市近郊にあります土地の有効利用と申しましょうか、総合的な利用と申しましょうか、土地改良をやりまして区画整理が済んだあと、土地を売るということはどうもあるようでございます。その辺はかなり法律上からは問題があるかと思いますけれども、どうも実体問題としては共同保有地的なものをつくるということが若干のところではあるというふうにわれわれ聞いておるわけであります。

沢田実公明党

○沢田実君 そういうことは三十八年の検査で十分おわかりになったはずだと思うのですが、そういう点の注意はなかったんでしょうか。それともう一つ、それは何もいまの問題だけじゃなしに、最近はそういう都市の近郊については、土地改良についても最初から注意をしていらっしゃるようですが、前は全然そういうこと関係なしにやってしまっておりますので、いまのような問題がたくさん起こるわけです。そういう問題について、本換地が終わるまで土地の売買を禁止するというような考え方をお持ちであるかどうか承りたいと思います。

中野和仁農林省農地局長

○政府委員(中野和仁君) ここの場合は、われわれ三十八年検査いたしましたときは、そのことはまだ行なわれていなかったようであります。どうもそのあとではないかというふうに思われるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、本来土地改良法でやりますのは、保留地といわれますのは、道路になるとか農業上の土地として残すということはありましても、宅地を初めから造成して売るということは望ましくないというふうに考えておりますので、今後そういう面からの指導は強化したいというふうに考えます。

沢田実公明党

○沢田実君 三十八年に検査したときにそうでないといっても、都市の近くですよ、都市の近くが土地改良区に入っているのです。そこのところに共有地ができるのはさまっているのですよ。そういうことに対して皆さんは、三十八年にぼやっとして行って見ているものだから、何にもわからないで帰ってきてしまったわけです。その点もう少ししっかりしてもらいたい。それについて今後農林省はこういうふうにしていくという方針をひとつはっきりしていただきたい。

中野和仁農林省農地局長

○政府委員(中野和仁君) 確かに従前は土地のそういう都市周辺についての無秩序な利用ということがあったわけでございますが、最近はその辺を十分注意をしておりまして、採択をします場合にも、用途指定をかけておるような地域は初めからもう採択をしないということで十分気をつけてやっておるつもりでございますけれども、今後とも都市計画法も順次施行になってくるときでございますから、都市近郊については十分注意をいたしたいと思います。

沢田実公明党

○沢田実君 時間の都合もありますので、もう一点だけお答えをいただきたいのですが、事業が完了して本換地が終わるまで、その間、現在のやり方ですとおたくの検査はないわけです。ですからそれを改めて、そういうふうに共有地が売買される危検もありますので、そういう点にまで農林省として今後直轄事業については検査をしていくかどうか、その点を承りたいと思います。

中野和仁農林省農地局長

○政府委員(中野和仁君) 先ほど申し上げましたように、この検査は、土地改良区の運営なり事業計画がそのとおりいっているかというようなことなり、それから負担金の徴収状況その他を見ておるわけであります。工事中だけ検査するというわけではもちろんございません。したがいまして、事業を実施しておる最終段階にやるということも、先ほど申し上げましたように必要かと思いますので、今後はそういう事業との関連も考えまして、換地処分のまだ十分済んでいないようなところもその中に入れましてやっていきたいというふうに考えます。

沢田実公明党

○沢田実君 そういうふうに最後まで検査をやるんだということであれば、今度起こった大垣の事件については、農林省どういうふうに責任を感じておいでですか。

中野和仁農林省農地局長

○政府委員(中野和仁君) 本件につきましては、すでにこういうことになった、事態が起こったわけでございますので、はなはだ土地改良区の運営を、農林省から見ましても、こういうことではいけないというふうに感じますので、今後はこういうことがないように努力をしたいと考えます。

沢田実公明党

○沢田実君 今後ほかにないようにしていただかなくちゃなりませんが、大垣の問題についてはどういうふうになさるのですか。

中野和仁農林省農地局長

○政府委員(中野和仁君) これは先ほど申し上げましたように、まだ全貌を承知しておりませんので、その辺詳細に調査した上で、農林省として処置すべきことがあればやりたいと思います。

沢田実公明党

○沢田実君 そうしますと、うわさには二億数千万といわれておりますが、その金が実際問題は土地改良の組合員が被害を受けるかもしれない、こういう状況下にあるわけです。そのことについて、その状況がはっきりわかれば、そういう被害を受けないように何とか考えてやろう、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

中野和仁農林省農地局長

○政府委員(中野和仁君) まだ仮定の問題でございますので、ちょっとそこまではお答えできかねるわけでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 時間の関係でそれ以上申し上げても同じようでありますから、その点はこれで終わりにいたします。     —————————————  次に開田の問題について承りたいと思います。  去る十二日の朝日新聞の報ずるところによりますと、十一日午後三時から首相官邸において政府・自民党の首脳の話し合いが行なわれた。その際食糧庁の説明によりますと、現状のままでいけば十年後には二年分の古米が在庫となる、こういうふうな記事が載っておったわけでありますが、そこで財政負担が多額になるという理由から、あるいは消費者米価を値上げしようとか、生産者米価を値下げしようとか、あるいは作付転換をしようとか、休耕しようとか、いろんなことが論じられているわけであります。私は作付面積の問題についてお尋ねいたしたいわけですが、消費者米価の値上げは物価を上昇させ、国民生活を圧迫します。断じてやってはいけません。また生産者米価の値下げについては、先ほど大臣も絶対やらない方針だ、こういうわけですので、これはけっこうですが、作付転換、休耕等も、農林省の無計画の責任を農民に転嫁することになります。その対策として、すでに開田した分についてはたんぼはつくりなさい、そのかわり新しい開田はやめようじゃないか、こういうことであれば農民も私は納得するんじゃなかろうか、こういうふうに思います。そこで、四十二年度の開田の総面積を見ますと、四万五千八百ヘクタール、減の面積の合計を見ますと二万八千七百ヘクタール、これは農林省の統計が示しております。したがって、開田をストップすれば約三万ヘクタールの減になります。十ヘクタール当たり四百五十キロといたしましても、十年間には三十万ないし四十万の減ということになるわけですので、百三十五万ないし百八十万トンの減、こういうふうになるわけです。したがって開田のストップということができないものかどうか。開田のストップというようなこともちょっとお話は出ているようでございますが、先ほどのお話から考えまして、それさえきちっとすれば、私は、現在すでにたんぼをつくった農家を犠牲にしなくても、食糧については十年後に二年分も余る、そんなような計算にはならないと思うのですが、その点についてお答えをいただきたい。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 現状から見て現状の水田面積に余剰がある、これは御承知のとおりでありますが、開田を今後全面的にストップするという考え方は持っておりません。

沢田実公明党

○沢田実君 それで、農家がせっかくたんぼをつくってある、そのたんぼを休耕しろとか、あるいは作付転換をしろと、米より収入のいいのは、農林省の統計によるとミカンしかありません。これ以上ミカンつくったのでは、ミカンは豊作貧乏になってしまいます。そう考えますと、何に作付転換していいのかわからないのが農家の実情です。それよりも、いまつくったたんぼはつくってよろしい、あとこれ以上たんぼをつくることはちょっとやめようじゃないかと、こういうことのほうが農家はどれだけ被害を受けないかしれないと私は思うのですが、なぜそういうようにできないのでしょうか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) いま申し上げましたとおり、現状の水田面積には余剰があるけれども、それを今後絶対開田は全面的にストップだ、こういうわけにはなかなか困難性が伴っていくだろうと考えるのであります。現在それでは何をつくったらばいいのかというような御質問でございますけれども、その点につきましては適地適作ということばもございますので、そういう点を十分に考慮に入れて、もしそういう面の部分があるとするならば、その面の、つまり指導面には十分意を尽くして行なってまいりたい、こういうふうに考えております。いまおことばの中にありましたようにミカンの次は米なんだと、それに匹敵するというわけにはまいらないだろうと思いますけれども、十分それに意を尽くしていく考え方でございます。

沢田実公明党

○沢田実君 そういうお考えですので農民は本気になって農林省の言うとおりにできないわけですよ。作付転換しろ、休耕しろといっても、そんなことしないで米をつくったほうが一番収入がいいのですから米をつくりますよ。それでいいなら文句ありませんけれども、それでは困る困るといって一生懸命皆さん新聞紙上で騒いでいらっしゃる。そんならもっといい方法があるじゃないか。開田をストップすることはどうしてできないのですか。

中野和仁農林省農地局長

○政府委員(中野和仁君) 大臣からお答えになりましたとおりでございますが、もうちょっと補足させていただきますと、先ほどお話がございました四万何千ヘクタール開田が済んでおるわけでありますが、その中で国営事業、あるいは県営事業、それから団体営事業でやっているもの、あるいは融資を受けてやっているもの、そのほか銀行関係その他から借りるなり自分の貯蓄で開田しているもの、いろいろあるわけであります。しかも、いま申し上げました国営事業なり県営事業合わせまして、すでに農家の申請によりまして事業を着工しておるものと、それからそういう申請がありまして現に設計なり調査をやっているものが約十万ヘクタールをこえておるわけであります。これを一ぺんにぼしゃっととめるということは、その地域農にとっては重大な産業経済の影響になるかと思います。したがいまして、お気持はわかりますけれども、一律にこの段階で全部とめるということは非常に困難だと思います。

沢田実公明党

○沢田実君 あしたからすぐとめろと言っているのじゃないのですよ。いま計画中のものをこれを開田するのはけっこうでしょう。だけれども、今後開田についてはこういう状況だから見合わしてくれ、計画中のものはよろしい、こういうふうにしただけで私は、十年なら十年で皆さんの見通しによると三十五万ヘクタール減れば大体需給がちょうどよくなりそうだ、こういうふうにおっしゃられておりますが、いままでの統計を見ますと、ふえたほうが四万五千八百ヘクタール、減ったほうが二万七千七百ヘクタール、こういうふうになっておりますから、四万五千八百ヘクタールふえるほうがストップになれば、約三万ヘクタールずつ減っていくわけです。それを四十二年の統計では約二万七千八百ヘクタール、四十三年は二万八千九百ヘクタール、こういうふうに減っているわけですから、これはもっともっと都市の近郊では宅地のためにつぶれるでしょう、あるいは工場がもっとできるでしょう、いままで以上に土地は減っていくでしょう。そういうことを考えますと、開田を差し控えれば、何も農家を犠牲にしなくても私はいいのじゃないか。そういうことについては皆様方の見通しについてもはっきりいっていいわけですよ。そういう点で申し上げているわけですよ。その中で補助金をもらっている分、あるいは融資で開田している分は四十二年においては一万四千ヘタタールであります。それから自己資金のが三万一千八百ヘクタールということです。四万五千八百ヘクタールの中で自己資金で開田しているほうがほとんどです。ですから補助金や融資をストップしても一万四千ヘクタールしか減らないですから、三万一千八百ヘクタールについては何かの手を打たない限り自分で勝手に開田してしまう、自己資金で開田する方法について何か皆さん考えていらっしゃらないのか、こういうことなんです。

中野和仁農林省農地局長

○政府委員(中野和仁君) 数字的にはいま御指摘ございましたとおりであります。自己資金でやるものについてこれを強制的にやめさせるということは困難かと思います。しかし、こういうふうな米の需給状況でありますから、たとえば農協なり銀行なりにはそういう方面の融資は差し控えるようにというふうな開田の融資についてのいろいろな指導は必要かと思いますし、またそういうふうにやっていかなければならないと思います。

沢田実公明党

○沢田実君 一生懸命これから皆さんに作付転換を指導するより、たんぼをふやすことはこういう状態だから差し控えてくれということのほうが楽じゃないですか、それをやらないで、ここで一生懸命たんぼは勝手につくれ、また作付転換しろ、こういうことは大きな農業の単位をつくっていこう、八郎潟を埋めて理想的な農家をつくっていこう、一町以下のような小さな農家については、おまえのところ作付転換しろと、こういわれても実際困るのじゃないですか、小さい農家は。その辺の考え方はどうなんですか、基本的には。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 作付転換については全国的に全部一応お願いはいたしますけれども、まず都市周辺というようなところとか、あるいは先ほど申し上げたような一年一回一毛作のところの、それだけでもって生活をしているというか、その所得だけというようなところもたくさんあるわけでございまして、そういう地区に向かってそれを作付転換をせいといってもなかなか無理な点があるだろうと思います。ですからなるべく御協力願えるように、その近くの、都市周辺というような、そうような点については転換をする作物もないとは限らない。したがって、それらについての指導をしつつ、それらの補償といいましょうか、意のあるところを、先ほど申し上げたんでありますが、それらを尽くして、そうして転換ができる範囲内で転換をしていただきたい、こういうのがいまわれわれの持っている考え方であります。

沢田実公明党

○沢田実君 時間がまいりましたのでこれでその問題についてはやめますが、これから総合農政の実態について検討するのだと先ほど大臣がお話されました。私の申し上げた点も御参考になさって、総合農政が進むように計画を進めていっていただきたいと思います。

園田清充自由民主党

○園田清充君 ただいま矢山委員、宮崎委員その他から詳細な御質問がございましたが、私も総合農政について新大臣のいろいろな考え方についてお伺いしてみたいと考えております。  午前中質疑の中で、いまだ固まっていないということでございますので、持ち時間一時間いただきましたけれども、これは省略をいたします。  そこで、実はきょう大臣から御就任のごあいさつなり、所信の表明をいただいたわけでございますが、その中で私は非常に実は聞きたかったことで、大臣が率直に言っていただいたことが一点ございます。これはやはり矢山委員あるいは宮崎委員から大臣に御質疑があったとおり、大臣の人柄の問題、誠実さの問題これが所信表明の中に私は出ていたんじゃないか、こう思うわけでございます。いま率直に申し上げて大臣自体農政が危機にある、この危機と不信の農政を突破するのはいわゆる国会内切っての誠実なおれ以外にないのだという、こういうことで私は強い御決意の中に御就任いただいたと多大な期待を持っているわけでございます。あわせまして、いま政務次官が立っておりますが、実は政務次官もこれは全国区で宗教界の代表、常に円満を旨として政治活動をなさっていらっしゃる方でございますが、誠実と円満の中にこの危機を打開していただくことを私は大いに期待をいたしたいと思います。  そこで、大臣が率直におっしゃったことばでございますけれども、いわゆる今日の日本経済の基礎というものはやはり農業ということに置かなければならない。しかも農業自体が米作中心から脱却をするような方途を見出すことに困難さはあっても、ひとつこれを打開していかなければならない。今日寄せられている農政に対する不信ということばをお使いになった。私が聞きたかったのは、この不信ということばでございます。これは与野党問わずして、少なくとも今日の五百五十万の農家の方々が不信といわないまでも不安を持っていることはいなめない事実だと思うのです。そうした中で、危機なだけに大臣がこの不信ということばをお使いになったということに、私は異常な決意を見出すのでございます。  そこで実はいろいろ政策上の御質問があったのですけれども、まず大臣にお伺いをしたいことは、やはり政策以前の問題として、私はこの不信除去ということが、今日総合農政をお進めになる——いま御指摘があったように、食管の問題、あるいは米価の問題等に触れようとしても、この解決なくして私は先へ進むことは非常に困難である、また成功もおぼつかない、こう考えておるわけでございます。  そこで私の考えから申し上げます。私自体やはりこの不信感の除去ということは、ともすると今日、西村前農林大臣が総合農政ということばをお使いになった。ところがその時点でたまさか使われたことばが、私はことばが先に出過ぎたんじゃないかという気がいたします。ということは、やはり今日、米の需給のバランスがこわれた。だから米が余ったんだ、余ったんだということで、檜垣長官、これは持てるものの悩みでいろいろ頭を悩ましていらっしゃる。ところが総合農政ということばが、持てるものの悩みの中からこれを解消しようということで生まれたかのごとき印象が、の私は生産農家の受け取り方だと思うのです。そこで、やはりこれは農家の所得を向上させ、生活を安定させるんだ、こういう意思が強く農家に通じたならば、私は受け取り方もまた不信も生まれてこなかったんじゃないか。こういう実は気がいたすわけでございます。  そこで大臣にお願いを申し上げたいことは、農林省自体が独走という考え方で受け取られないようなことでひとつ事後措置をしていただきたいと思いますが、そのためには、やはり私どもは行政の第一線をあずかっている知事会、あるいは市町村会、あるいは農業団体、こういうものに現在の農政の危機を打開するためにはひとつ知恵を貸してくれという姿勢こそ、私は今日の農政危機突破の最大の要因ではなかろうか、実はかように考えておるわけでございます。大臣のお考え方があったら、ひとつお聞かせを願いたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) お答え申し上げます。園田さんのおっしゃっているそのモットーは私のモットーと全く同一でありまして、いままで総合農政という素案が皆さんの前にお配りできないという理由もそこにあるわけでございまして、いままでのように、農民と農林省と相対立しているようなことで、日本のこの農業の危機と称するものを突破することはでき得ないと私は考えます。したがいまして、野党とか与党とかという問題ではない、野党の方々も、農民のより以上の幸福を念願し、もって日本の農政を最高ならしめんと考えておられる方々ばかりでございます。私たちも同様であります。目的が一つであるとするならば、これらに向かって何らかの打開する道が私はなければならないと確信をいたします。こういう上に立って今日までいろいろ総合農政という、なるほどことばは新しいかもしれませんけれども、いままでの中に、どの法案を見ましても全部が私は総合農政だったと思うのであります。しかし総合農政の中で、ただそのウエートというものが米に重点があったというところに、今日のような片びっこのものが生まれ出てきたのではなかろうか、このようにも考え得るのでありまして、しかし何といっても、今日のこの現実を見た上に立って、われわれはぼう然と、ただ米をどうする、米をどうすると、これだけにこだわった騒ぎをしているときではない。まず生産を行なう方々の御意見も十分拝聴しながら、また野党の方々の御意見も十分尊重し、もってよりよいものをつくっていかなければならない。そして現在のこの危機を突破していきたい。こういうような考え方を持っておるために、ただいま申し上げたような素案もお配りしなければならないのですが、もう予算の時期がまさに迫っている。先ほど矢山さんのおっしゃるとおりで、まさにそのとおり、私はそれが御無理だとも何とも思わない。それが当然であり、それを基本として、そうしてこれから大蔵省と折衝しなければならない。その基本となるべきものが今日作成されていないということは、まことにもって怠慢だという先ほどお話がありましたが、そのとおりだと私も考えております。しかし、まだおそくはない。大いにこれらの問題と取り組みまして、そうしてその問題のこれからの折衝が一日も早くできるような方途を切り開いていきたい、かように考えているわけでございます。

園田清充自由民主党

○園田清充君 大臣から非常に熱意のほとばしる実は決意のほどをお聞かせいただいたのでありますが、そこでもう大臣にはお尋ねいたしません。事務当局において、大臣の決意をそのままひとつへ、後の農政の推進にあらわしていただきたい。これはたとえは悪いかもしれませんけれども、いわゆる農民丸の艦長である長谷川船長のもとで、昔の古いことばで悪いかもしれませんけれども、艦と運命をともにするというようなことで、この危機を打開する当局の決意をひとついただきたいと思います。そこで、新聞だけからこれは拾った問題で、私がいまから申し上げることが適切であるかどうかはわかりませんけれども、ひとつそれぞれの局長さん方から御答弁をお願いいたしたいと思います。  まず今後の総合農政の進め方として、三つの柱を立てていらっしゃる。いわゆる畜産、果樹、野菜という三つの問題をお立てになっておりますが、実は私の郷里は熊本だけに、いまいろいろ熊本県の畜産振興の問題でお世話になっているのですが、ところが今日、現実の時点を申しますと、たとえば昨年まで草地改良その他いろいろお世話になってきている。ところが、畜産局長にこれはお尋ねいたしますが、小牛が去年まで市場で大体平均十二万から十三万していた。ところがことしの市場価格では、これが半分になっている。なぜ半分になったかと申しますと、大体ことしの平均は六万五千円、これはいままで生産地帯から肥育地帯に移していって、かなり肥育地帯の購入が激しかった。ところがばったりこれが絶えた。絶えたということは、二年間肥育をして出しますと、その時点で大体売れるのは十三万から十四万、二年間を計算してみますと、繋留期間というのは、暖地畜産であってもやはり四カ月間自宅繋留しなければならない。そうして放牧をやっております。ところが、これを計算してみると、約七百日の中で計算すると、一日百円にしか当たらない。だからこういうことでは、一日百円では畜産は成り立たない。こういうことが、肥育地帯が実は逃げた原因なんです。そこで私は、これは私案ですけれども、内容的にどういう構想を畜産局長がお持ちになっているかは別ですけれども、やはり出していただくならば、草地改良に対しても、飼料対策としてもう少し手の届く、よりきめのこまかい助成、ないしは融資制度というものを配慮していただきたい。たとえば阿蘇の国営の草地改良事業、この間私は委員会で行って見てまいりました。ところが見てきたけれども、その中で出てまいっておることは、草地改良が一応終わるまでには確かに国の援助がございます。ところが、これは肥育に耐える、放牧に耐え得るようなところまで持っていくには三年ないし五年かかる。ところがその間の投資というものについてはめんどうを見てもらえないために、残念ながら赤字、借金で、牛はごらんのとおり、これだけの草地にこれだけしか実は入っていないということの説明を承ってきたわけでございます。そういうことを考えあわせてみると、まず生産地帯に対しては、やはりいまの草地改良に対して、もう少し長期にわたる私は何らかの行政措置が必要であるとともに、肥育地帯に対して、肥育がうまくいくようにこれはやはり奨励措置なり助成措置なりを講じていただかなければ、日本の畜産というものは行き詰まってくるのじゃないかという気がいたします。そういうことで何か畜産局長、新しい構想をお持ちになっていらっしゃるかどうか、まずこの点ひとつお聞きしてみたいと思います。

太田康二農林省畜産局長

○政府委員(太田康二君) 先生お尋ねの肉用牛の対策でございますが、御承知のとおり昭和三十一年がピークでございまして、二百七十二万頭いたのでございますが、戦後特に耕うん機の導入によりまして、いわゆる役使用がなくなりまして、いわゆる肉中心の経営になっていったことは御承知のとおりでございます。ところが、従来の経過を見てまいりますと、実は旺盛なる内需に対しましてやや輸入を押え過ぎたというような関係で、非常に屠殺をされまして年々減じまして、一番底が昭和四十二年の百五十五万頭というところまで落ち込んだのでございますが、実は昭和四十一年から肉用牛の振興対策ということでかなり思い切った対策を講じたのでございまして、その結果もちろん牛肉価格の高値ということが、先生おっしゃいましたような子牛の値段にもはね返りまして、子牛もかなり高い価格で取引されるというような、ふうな結果、繁殖、育成部門におきましてもかなり積極的な何と申しますか、増産意欲も出てまいりまして、昭和四十三年の二月現在では百六十六万六千頭というふうに、この中にはもちろん乳用牡犢も一部入っておりますが、回復を見ておるような次第でございます。  そこで、われわれといたしましては、やはり子牛の価格の安定ということが一番大事であろうと思いまして、現に本年度から畜産振興事業団がたしか出資をいたしまして、しかも生産県に子牛の価格安定基金をつくりまして、これらにつきまして生産農家の方が安心して生産に励めるようにつとめておるのでございまして、特に肉牛の問題につきましては、草地造成等におきましても、新しく野草地利用というような形で特別の助成もいたしておりまして、こういった価格面における安定対策ないし生産面における対策によりまして、今後旺盛なる内需に対しまして、安定的に肉牛を供給できるようよつとめてまいりたいと、かように考えております。

園田清充自由民主党

○園田清充君 いま具体的にたとえば肥育奨励金を出してください、どうだということは私は申し上げません。しかし、ひとついまのような実態にあることを御承知になって御検討を願いたいと思います。  それから政務次官がおすわりになったから、政務次官の足元の問題をこれはひとつお尋ねをいたしますけれども、実は私のところもミカン地帯ですけれども、生産者から東京の市場に運ばれたミカンが市場でどう処理されて、そして果物屋の店頭に並ぶだろうということで、幾らの価格で出回るかと、こういうことで私は夕べ歩いてみた。東京の新宿だとか渋谷だとか。ところが、その中で私は場所は知らないけれども、和歌山県のたしか有田という農協があるはずだ。ここの五キロ詰めのミカンが出ておるのだが、これを神田市場で調べてみると、大体五キロで二百円。ところが、これが渋谷の店頭で八百円で売られている。そこで、いま私のところのやはり旗本のミカンですけれども、これが神田市場で十五キロ詰めですけれども、五百二十円から五百三十円です。ところが、やはりミカンの限界価格というのはキロ三十円というのが限界価格。これを割ったらせっかく制度融資を入れて経営してみても成り立ちません。成り立たないから、おたくの政務次官の足元でもミカンを川原へ持っていって捨てている事実がある。ですから、そういうことで、十五キロの段ボールで限界価格で計算をしましても限界四百五十円、それから今度は段ボールが六十五円、私の熊本から神田の市場に届ける、それが百二十円、だから六百三十五円です。売れた場合に百姓としてはこれは手を打って分かれる。もうけもなければ何もない。ところが、いま言うように五百二十円で売られているようですが、夕べ私はやはり同じ熊本ミカンを調べてみると、店頭に千八百円で出ておる。こういうことをはたして農林経済局長が御承知になっているかどうかということです、問題は。ということは、やはり生産者の手取りはこれだけ落ちてきた。去年の三分の一しかありません。にもかかわらず、消費者の玄関先まで届けられたミカンがいまのような値段で取引をせられておる。ですから、これはやはり農家の生産者には高いもので買ってやる、そうして消費者には安く供給してやる、これが私は農林省の役目じゃないかと思います。しかし夕べ私の歩いた印象では、これは農林省の経済局は、私は与党だからこう言うのはどうかと思うが、いわゆる中間業者のために努力をしていると言うほかにないというふうに、私は夕べ印象を受けて、実はきょうこの委員会に臨んでいるのであります。  そこで抜本的なこの流通機構の改善というものに対して農林当局は重大な決意をなされない限り、立てられた三本の柱の総合農政というものの成果を得るということは非常に困難じゃないかという気がいたします。そこで総合農政の窓口は私はまず流通機構の改善以外にないという信念を持って夕ベ帰ったのですが、その点について農林経済局長はどういうお考えを持っていらっしゃるか。そういう流通機構の改善についてもし具体的なお考えをお持ちならばお聞かせいただきたいし、いまあなたが具体的なものを持っていなかったら、やるぞという御決意を御披瀝願いたい。

亀長友義農林省農林経済局長

○政府委員(亀長友義君) いまミカンの例をとられて御指摘がありましたが、生産者価格と末端の消費者価格との間の開きが非常に大きいということはしばしば私も聞いております。過去に農林省において数回追跡調査をしたことがありますが、問題は生産者価格あるいは市場における卸売り価格、末端小売り価格の間の開きが大きいということでありまして、私ども流通改善というものを考える場合にまず第一番に組織ということがございます。現在の中央市場、仲買い人、小売りというこういう組織がいいか悪いかということがあります。そういうことはやめて生産者が直接消費者と結びつくのがいいかという組織の問題がございます。もう一つは物の形の問題であります。こういう問題につきましては、最近でも青果につきまして非常に改善をみてきております。流通する物の形を合理的であるように変えていく、この二つの問題があると思っております。本質的にはやはり価格の形成は、現在の経済組織のもとでは、自由経済でございますので、いろいろ御指摘がございますが、私どもが直接商業機構に触れるということはむずかしいのでありますが、できるだけ中間の流通組織は簡単にするということが一つの方向だろうと思います。もちろん大量の荷物を一挙にさばくというこの生鮮食料品の場合には、どうしてもある程度の時間的処理ということが必要でありまして、その間の中間の業者は単なる取り扱い業者でない場合が多いのであります。普通の電気製品を売るとか衣料品を売るとか、こういうふうに単に右から左に売るという機能のほかに、大量の物を分割する、さらに処理するというような段階が生鮮食料品の場合には入ってきますので、自然普通の商工物資を扱う業者とその面において経済的にも中間マージンといいますか、そういう面においても変わったものがあるということは御理解いただけると思いますが、いずれにしてもそういうものをできるだけ合理化するということでいままでもいろいろの施策を講じてきているわけであります。本年も御承知のように中央市場の市場整備等にも相当の予算をいただいております。さらに小売り段階におきましても国民金融公庫から設備改造その他に大幅な融資を今年度からしていただくことになっております。ただ問題が非常に商業に関することでありますので、われわれ政府としてできることといいますのは、一つには先ほど申し上げました流通組織というものをできるだけ簡易化する方向に持っていく、それから物のあり方をなるべく規格化あるいは均一化というふうな、合理的な方向に持っていく、かような面で各種の融資、予算、法制等の措置を講じてまいりたい、かように考えております。

園田清充自由民主党

○園田清充君 いまあなたに具体的な案を出してほしいということを申し上げておいたんですが、幸いこの間「朝日」に出ておるのを見てみると、流通機構の問題にも総合農政の中では積極的に取り組もうという姿勢を出していらっしゃるので、私はその面に期待をいたしたいと思います。ただ 私が強い決意をしていただきたいというのは、たとえば食肉関係にしてからが、芝浦はかつての実績からするならばこれは全国のパーセンテージから驚くべき取り扱い量を持っていながら、中央市場法の適用を受けたのはこのわずか前だと思うんです。そうした点から考え合わせると、やはりおっしゃるとおり、これは都市流通経済だからということでなくして、やはり皆さん方の積極的な——農林省というのはやはり生産者と消費者のためにこれは努力をされるのが私は真摯な姿であり、本然の姿であると思う。そういうことから考えるならば、やはり皆さん方がこのけわしい道を破るという熱意と努力というものがなくてはならぬと、こう思います。  それから野菜について一つ提案をいたしますけれども、やはり安定的な供給というものが生産者にとっても消費者にとっても望ましいことは申すまでもございません。そこで、そのためにやはりこれは格納、貯蔵庫、そういうこともあわせこれはお考えいただかなければ、野菜を奨励なすっても、価格のこれは暴落が激しかったり急上昇したりして、なかなか安定的な供給はできないとともに、野菜というのは、やはり消費地近郊がどうしてもこれは生産地になってこなければならぬ。その面からその地域に対する何らかのこうした安定供給をするということで、保温ないしは貯蔵という問題についてお考えになっていらっしゃるか。これは園芸局長。

小暮光美農林省蚕糸園芸局長

○政府委員(小暮光美君) 御指摘のように、かなり気象条件によって豊凶の差は激しいものでございますから、何らかの調整手段が必要だというふうには考えておりますが、他面実は生鮮野菜の場合には、御承知のように、四季とりどりの野菜が実はきびすを接して次から次へと出てまいるという生産の仕組みになっておりますので、これを貯蔵してしかるべく売りさばく時期を待とうといたしますと、そのときにはそのときのしゅんのものが出てまいるといった要素がございまして、その点が他の農産品とやや事情が異なるかと思っております。しかし、北海道のバレイショとか、あるいは全国各地のタマネギのように、ある程度の貯蔵性がございまして、しかも、出荷時期のあと相当長期間にわたってこれを売りさばくというようなものにつきましては、私どもも野菜の貯蔵の問題について真剣に取り組んでまいっております。すでに共同集出荷、貯蔵施設の補助というようなものを、ささやかでございますが、タマネギについては助成も始めております。明年度北海道のバレイショ等についても、何か冬場の交通途絶する前に立地のよいところまで持ち出してこれを貯蔵して、有利に売りさばくというようなこともくふうしてみようと思っておりますが、御指摘の、西日本の場合のなま野菜の場合には、なおいろいろ研究はいたしてみたいと思います。当面は、むしろコールドチェーンその他でいろいろ実験的なことを積み重ねておりますが、短期的な調整のための冷蔵というようなものを加味しながら、いろいろくふうしてみたいというふうに考えております。

園田清充自由民主党

○園田清充君 時間がございませんから、私自体の考え方はあまり突っ込んだことは申し上げませんが、ただ、今後総合農政を進めていただくという姿の中で、一つ冒頭にも申し上げましたが、地域性をひとつ十分配慮していただきたい。ただ米の転作をしろ転作をしろということだけでは、私は、さっき沢田委員からも御指摘があっていたとおり、やはり農民というのはついてこない。だから、そういうことで地域性を生かしながら、かつまた行政体系を生かしながら、あわせてみずから耕しつくっている農業団体の意見というものを十分参酌しながら、ひとつ誠実と和の長谷川農政を進めていただきたいと、かように念願をいたすわけでございますが、時間がございませんから、いろいろ申し上げたいことはございますけれども、この問題ではもう触れませぬ。     —————————————  そこで食糧庁長官にお伺いをいたしたのが適切かどうか、大臣もお見えでございますけれども、一番農家が、一体今度の食管法の改正案を出されるか出されないかということに私は異常な関心が寄せられておると思うのです。これは官房長でもどっちでもけっこうです。食管法の改正を今国会ないしは次期通常国会に御提案になる意思はないとは思いますけれども、ないというふうに私どもは受け取りたいと思いますが、その点、いかがお考えでございますか。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 食糧管理法は、御承知のように、現在の農業政策の中で非常に重要な意味を持っておる基本的な法制でございますので、これの改正は軽々に手をつけるべきではないという考え方を持っております。なお、前大臣、現大臣からも食糧管理法の改正についての指示は全く受けておりませんし、また私どもも食糧管理法の改正について検討あるいは研究は、現在までのところ全くいたしておりません。

園田清充自由民主党

○園田清充君 私はなぜこの問題についてきょうお伺いいたしたかというと、さっき冒頭、大臣にお願いをしたいわゆる農林当局と農業団体その他との、生産者との間の不信感の除去ということにつとめてほしいということをお願いをいたしたわけでありますが、幸い、いま何らの指示を受けていないということを承りまして非常に幸いだと思います。というのは、私はやっかみは申し上げない。しかし、たとえば公務員の給与の引き上げの問題は、八月実施期が七月に繰り上げられた。だから、そういうものは、これはいいことはやったってけっこうだ、ところがいま困難な農政の問題で、皆さん方が四苦八苦なすっていらっしゃる。こういう時点の中で、食管法まで改正するぞと、こういう追い打ちをかけられたら、農民心理として、やはりこれは皆さん方は同じ岸に立って苦労は共にするぞという長谷川農政の、大臣の気持ちというものを、すなおに農家側に受け取ってもらえない。そこで食管法の改正というものは慎重であってほしいと思いますとともに、過去の歴史から考えてみても、これは三十六年に、私の郷里で河野農林大臣が移動農政までおやりになった。ところが全九州の一万五千の農家から、これは絶対反対だということで、これが流れたという事実があるということは、皆さん方も御承知のとおりだと思います。それが三十九、四十、四十一年と、一北陸から北海道に冷害が続いた。そこで米の緊急輸入をおやりになった。これは事実がございますが、そういうことからしても、やはり米の、国民の主食である食糧というものの扱いというものは、どこまでもこれは慎重にひとつ御検討願いたいというのが私のお願いでございますので、ひとつさようなことでこれを措置していただきたいと思います。あわせまして米価の問題については、さっき大臣から、最悪の事態据え置き、しかし物価その他に合わしたもので、適切な大臣としての努力をするぞという、矢山委員の質問に対しての決意の披瀝がございましたので、これは私からこれ以上触れようとは思いません。ただいま私が申し上げた一連の中から、ひとつお考えいただくならば、作付転換とかいろいろなことを口に出されなくても、農家の生産所得がほかのものによって上がっていくという農政が実現できるならば、今度皆さん方が米づくりの奨励をされなければならぬ時点がくると私は確信しておるのです。また私が言うとおりおやりになったら、私はできる、こう信じておるわけで、さようなことでひとつ善処を期待いたします。なお食管法の問題、米価の問題について申し上げたいと思いますが、先輩が関連質疑をする、こうおっしゃいますから、先輩に譲って私の質疑はこれで終わりたいと思います。

温水三郎自由民主党

○温水三郎君 ちょっと場違いの質問で、かつまた与党としてはあまり質問したくないのですが、大臣に、政策以前の問題としてお尋ねをいたしたいのでございますが、米価審議会の委員構成は改正される意図がありますか、どうですか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) これはまだ米のほうにばかり追い飛ばされていて、さっぱりそのほうに回っておりませんが、一応慎重にこれは検討しなければならぬと思いますし、また、いままでのように、ことしやった方法でいいというなら、その方法でもけっこうでございましょうし、また他に、結果がこうだから、こうしなければならぬだろうという意見があるなら、それもまたけっこうだろうし、私はこれから十分検討を加えまして、近いうちというか、まず第一にことしのやり方でどうでしょう、結果はどうだろうという、これがいいとするならば、そのやり方もいいでしょうし、また、そのやり方でなくても結果はこうだったから、こうやったほうがいいと言うんだったら、そのやり方を選ぶべきだ、まだその点については伺ってもおりませんけれども、十分検討を加えさしていただくことにいたします。

温水三郎自由民主党

○温水三郎君 倉石農林大臣が中立委員と称する米価審議会の構成をされたわけでございますが、私はそのときに倉石農林大臣に対して、これはほんとうの中立委員ではない、もし中立委員というならば、飯米農家が中立委員の資格があるだけである。かように私は申し上げたのでありまして、かつまた、この米上審の構成をなさるならば、米の問題はベトナム戦争に発展いたしますぞという警告を申し上げたわけであります。直ちにこれは生産者、消費者を代表に加えるように改めなさいということを申し上げたわけでありますが、はたしてこの問題は私の見ましたところ、今日ベトナム戦争に発展いたして、かつ、パリの講和会議もまだ開かれてないという状況に私は見ておるのであります。長谷川農林大臣の出現によって、私は農業政策が大きく変わっていくことを期待するのでありますが、というのは、かねてからのお人柄といい、先ほどの御発言といい、政治不信をなくするということをすでに言明をされておりますので、まことに心強く私感じますけれども、今日の農民ほど政府、かつまた農林省に対して不信の念を抱いておる農民はないと私は思うのであります。農林省は事実生産者、農民のためにあらゆる努力を払っておりますることはわれわれは承知いたしておりまするが、このことをもって農民諸君に対して説得いたしましても、容易にこの政治不信をぬぐい去ることはできないというのが現在の状態であるので、私はこの政治不信があるところ、いかなる知恵をしぼっても、いかなるりっぱな農業政策をやっても、その効果は全然あがらないのではないかと思うのであります。例を申し上げるまでもないのでございまするけれども、一例をあげれば、自主流通という文句を一言言っただけで、これはなしくずしの統制撤廃である、自主流通の陰に隠れているものは食管法の撤廃である、こういうふうに考えまするし、品質改善のために等級間格差をもう少し広げようということを言いまするならば、これは等級間格差に名を借りた米価の値下げであると、こういうふうな感じで受け取っておるのが現況でございます。そしてまた、これを裏書きするように、財界まで米価の値下げを主張しておるような現状でありまするし、政府部内におきましても、経済企画庁の官房長という高級官僚ですら、農民の所得は過去よりも二倍になっておる、あるいは農民の労賃は都市の最高労賃をとっているというような、全く的はずれの議論を国会議員を相手にして堂々としておるような現状でございまするし、かような現状、かつまた、財政当局、これは食管の赤字を目のかたきといたしておりますことは御承知のとおり。外交関係におきましては、農産物の自由化等いろいろな問題を遠慮会釈なく持ち出しておる現況でございます。しかも、果樹、園芸、畜産といいますけれども、酪農は楽農にあらずして苦農であるということは農民の間の定説でございますしミカンにおきましては、いまやこれ以上絶対ミカンをつくることには二の足を踏んで、あとずさりをするというのが農民の心境でございます。園芸は、これまたその所得が補償されていない。変動が激しい。私の現に知っております身近な開拓農民も、カンランの値下がりによって本年の償還金が払えないから、もう涙を飲んで離農せざるを得ないというような事例もあるのでございます。すでに御承知のように麦、なたねは全滅をいたしております。カンショ、ジャガイモは危篤の状態にございます。そこへもってきて、米もまた過剰であるからこれをつくるのは罪悪であるというふうな感覚で農民は今日受け取っているのであります。かようなときにおきまして、私は長谷川農林大臣が農林大臣に御就任になったことは、まことに私はお気の毒だと存じますけれども、しかしながら、かような困難な情勢のもとにおいて、総理に対しても一歩も譲らず、また、農民に対しても激論でも大衆団交でもするというかたい信念を持って打ち当たっていただきますならば、われわれまた国会議員の中におきましても、いろいろ農業関係の団体がたくさんございますので、こういうものを十分に活用していかれますならば、私はこの困難な農政を打破して、農家に対して、今後何をしたら、どういう方向を持っていったならば子や孫の代まで安心して農業が営めるかという指針を与えることは私は長谷川農林大臣ならおできになると信頼をいたしているのでございます。どうかひとつ長谷川農林大臣がかような信念において、職を賭してということはもちろんのこと、政治生命をかけてこの難局の打開に当たっていただきたい、かように考えるのでございます。農林大臣の所信のほどをお伺いいたしたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 先ほど園田さんに申し上げたとおりでございまして、まさにお説のとおりの方向に向かって進まなければ、この難局を打開することもできないであろう。しかし、そのおことばの中に、子や孫の代までこの作物ならというようなものは、なかなかこれは困難性が伴うであろうと思います。それはなぜならば、人間というものが現在は経済の状態によって常に食料も支配されます。でありますから、食料が高級化していく場合と、逆転した場合というのは、おのずから嗜好するものに相違があるだろうと考えられます。でありますから、百年、子、孫の代までこれならばというようなものというものはなかなか困難性があるだろうと思いますけれども、これから十分に皆さん方の御意見も伺いまして、もって御主張のような点に重点をおいて進んでまいる考え方でございます。

温水三郎自由民主党

○温水三郎君 私は、百年後の末まで安泰である作物を指示してもらいたいと申し上げたのではございません。今日農民は一体これは農業をやっていていいのか、子供の職業はやはり農業を継がしたほうがいいのか、あるいは農業を継がしたらたいへんなことになるのかということで迷っているのでございますから、この際、農民または農業に対して指針を与えるという一つの大きな方向を打ち出していただきたいと申し上げているのでございます。  ただいま大臣の決意の御披瀝を願いましたので、われわれも、求められなくても大いに協力を申し上げるつもりでございますから、どうかひとつこの農民の不安をぬぐい去るために最大の努力をいたしていただきたいと思うのでございます。また、わが参議院からは、有能な政務次官も出ておりますから、大いに発奮をしていただきたいと思う次第でございます。     —————————————  それから最後に、矢山委員の質問の中で気がついたことでございますが、中共の牛肉輸入の問題でございますが、矢山委員の質問の要旨は、中共との関係のことでございますから、これは賛成でございますけれども、私は中共肉に対しましては、非常に大きな不安を持っておるのでございます。それは口蹄疫の問題でございますが、口蹄疫というのは予防もすることができない、また、治療法も発見されていない、これは非常に大きな被害をもたらすほどの有名な伝染病でございます。メキシコにおいて過般発生いたしましたときは、アメリカは軍隊まで動員いたしましてこれが水ぎわにおける撃退作戦をいたしましたことは御承知のとおり。イギリスにおける大発生に関しましては、巨大な国費を投じて何万頭かの牛を焼却したことは御承知のとおりでございます。この口蹄疫の知識を十分に把握された上での農林大臣の御発言であるかどうか、過般の農林大臣の、中共肉輸入に関しては前向きの姿勢で取り組むということを解釈いたす場合に、このことが心配になりましたので一つだけお尋ねをいたしたいと思う次第でございます。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) おことばにありましたように、一昨年でしたか、英国において六十万頭の牛、豚、こういうものを焼却したというお話も承っておりますし、その病菌がいかに伝染力があるかという点も十分伺っております。こういう点も考慮に入れまして、前後三回視察に行っておる方々の御意見も、さらに今後もこういう点には十分気をつけていただきながらできるならば進めてもらいたい、こういうことでございまして、まずその伝染病の口蹄疫の問題については十分考慮の上これらの処理に当たらなければならないだろうということはよく自覚をしております。     —————————————

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 衆議院要覧を見ますと、長谷川農林大臣は明治三十八年一月、群馬県大間々町生まれと書いてあります。私はそれより一年先に呱々の声を上げておりますので、一年だけ私が先輩でありますが、衆議院に私は当選して出たのは昭和二十四年ですから同期生というふうにいま初めてこの要覧を見て気がつきました。つまり、われわれは明治百年の間を約三分の二生き抜いてきておる、そういう立場のようであります。そういう立場から午前中も矢山君から御質問がありましたこの食糧政策をひるがえってみますと、本土、つまり北海道を入れた本土で米が自給される余裕が出てきたといわれるのは去年が初めてのことであることをあらためてもう一ぺんお互いが再認識をする必要があるのではないかと思う。しかるに、往往にして一部の報道機関やあるいは評論家やあるいは政府の内部にもあるいは財界はもちろんのこと、この昭和四十二年において初めて百年目に自給ができたことを何か渋面をつくり、やっかい者を抱え込んだようなことを言っておる向きもありますが、私はその前に、この百年にして達成された陰の営々たる農民の努力と血のにじむ今日までの姿に対して率直に感謝するということがまず農政の出発点でなければならぬと考えますが、大臣のこの点についての明治に生を受けた者としていかような御感想をお持ちでありますか、お伺いいたしておきたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) さかのぼってのお話でございますが、当時私も農政については足鹿先輩に十分と教育された野人の一人でありまして、よく農民の今日まで苦しみの中に、あらゆる手段とくふうをこらして、そうして今日のこれだけの生産ができるようによくもこぎつけていただいたという点については感謝のほかはありません。ただ経済事情というそのものもまさに大きな相違を来たしておりますので、やはり農民もわれわれもともに経済の実態の上に照らして、私は食料というか、嗜好というものもおのずから相違を来たしてくるであろうと考えておりまして、そういう点についてはまさに今日まで農民が苦労に苦労を続けてきたという、これには感謝を申し上げ、今後将来に対しましても農民というものがいかに重要なる地位を占めていくかということは異論を申すものでもありません。ただ人間が経済的に嗜好が変わっていくということになるならば、やはりそれに相マッチした生産に当たってもらわなければならないことも、これまた当然な事実と考える次第でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 率直に感謝の意を表明して農政に当たらなければならぬという御所信を聞きまして、私もこれが日本産業経済における日本農村というものがどういう位置づけをされるかということを、ぜひ大臣としてこの際難局でありますが、こん身の勇をふるってもらいたい。期待をいたします。そういう見地から明治後半期の五十年を振り返ってみますと、大正十年の米穀法は数量調整といわれ、政府買い入れ、売り渡し数量調整方式によって、結局その増産時代を迎えたときに無力を暴露してつぶれたのであります。この法律はさらに昭和八年米穀統制法、つまり数量の調整だけでは解決がつかぬと悟って、価格調整方式に切りかえたのが昭和八年の米穀統制法であります。昭和六年前後の米の大暴落で米の減反問題が起きましたときに、私は系統農会におりましたが、当時後藤文夫農林大臣が減反問題を持ち出したことがございますが、つまり米ができ過ぎて自由経済においては減反をしなければならぬという方式を後藤文夫氏が提案をし、これまた失敗に終わった。このときの統制方式は上限と下限をつくって基準米価を定め、直接的価格統制の方式に乗り出してきたことは注目に値すると思うんです。これがまた戦時体制に突入をして、昭和十七年食糧管理法、すなわち現行方式がとられ、食糧確保のため全量買い入れ、売り渡し、二重米価方式が採用されて、戦後最も食糧事情の困難なときにはアメリカ占領軍がジープとピストルで農民に向かって米の供出をしい、わずかな保有米のみを残して農家の飯米としてだけ認めてこれを供出せしめた歴史を持って今日に至っているのであります。しかるところ昭和三十一年、現行予約売り渡し方式、当時の河野農林大臣がこの方式を編み出され、農家はその年の出荷予約量の八〇%を政府に売ることになっております。予約制度を今後どういうふうにあなた方はこの問題を取り扱っていこうとしておられるか、もし構想があるならば長官にもひとつ伺っておきたい。  現在の流通方式は予約制度なんです。ところが、一方において米の自由流通を認めようという説をなすものがありますが、これは売り買いともに自由にしていく方式であって、現行方式には反するものであります。農家は予約数量に達しなくても、実情からいいますと一俵五十円の違約金を払っても自由米として集荷業者に売ったほうが得だという考え方を持っておると言うものもありますけれども、等級間格差を縮小された現在、特にこの傾向に拍車がかかり、食管制度は自壊作用すら起こしかねない状態になっており、政府の一部にある——財界等につながる一部にある自由米構想は、暗にこの傾向を期待しておるかのごとく見受けられるのであります。すなわちそれを実証するものは、最近の公然たるやみ米の横行であります。たとえば私が見たものは、紙袋にくだものの名前を付して堂々とこの東京に入ってきておる。しかも大量に入ってきておる。政府はこの事実に目をおおって、買い入れ数量の減少を考えておられるようでありますが、このやみ米は実際は配給米価格よりも二〇%も高い。物価問題から考えてみても、これを放任していくということは、物統令の存続しておる限り許されないと思う。しかし、これに対して手をこまぬいておるのが現在の食糧庁の態度だと言って差しつかえない。これらが悪循環を始めますと、いよいよ配給米が残ってきます。そうでしょう。そういうことになる。で、この自由流通を半ば黙認しておるところに私は大きな問題点があると思いますが、制度の存続する限りは、いま少し良心的な態度をもって臨むべきではないか、私はかように思います。昔のように、親戚に一升の米を持っていくことも禁じられたという段階ではございません。しかし公々然と、テレビにも新聞にも公々然と出ておるのにもかかわらず、食糧庁当局がどのようなこの対策をとっておるかということについては疑いなきを得ない。このことは政府手持ち米をさらに大きくしていく要因になっておることに気づくべきであると思いますが、この点についてどのように措置されようとしておりますか。あまり買い上げ制限や転廃作のようなことにのみうつつを抜かさないで、現実を直視してあなた方は少なくとも大臣がいま所信を表明された線に沿って対処されるべきだと思うが、食糧庁長官いかがですか。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 御質問のうち、政府の買い入れは現在まで予約制度でもって買い入れをいたしておるのでありますが、それについてどういう考えかということの御質問であったと思います。食糧管理法による政府の買い入れは、法律制度としては農家からの強制買い上げ方式でございます。ただ昭和三十一年以来ある程度の需給の均衡状態、もちろんその中には、一時といいますか、時期によりまして相当の外米の輸入ということによって需給を均衡させたということもございますが、ともかく米の需給は比較的平穏な経過をたどったのでございまして、そういう情勢のもとでいわゆる行政的割り当てというのが非常に困難だと、また実情にそぐわないというようなこともございまして、事前売り渡し予約制度というのをとったのでございますが、今後、食糧管理制度の大筋といいますか、食糧管理制度の本来の機能を存続するというたてまえのもとでは、やはり事前売り渡し制度というのは私はどうもとらなければ現実に行政的な割り当てということは不可能であろうというふうに思うのでございます。  それから次に、世間に自由流通というような風説があるがということでございますが、私は完全な意味の自由流通——だれがだれに売ってもよろしい、あるいはだれがだれから買ってもよろしいということまでいくならば、これは食糧管理制度の質的な大きな変化といいますか、であって、いわゆる食糧管理制度の根幹は維持をしていくのだという現政府の態度とは違ったものになるのではないかというふうに思うのでございます。ただ、まだ最終の結論が出ておるわけでもございませんが、これだけ需給が緩和をいたしまして、数字の上では明らかに供給過剰という状態でございますれば、消費者の段階では、すべての消費者というわけではございませんけれども、数量についての不満がすでになくなり、米についてそれぞれの嗜好に基づいた購入をしたいという意欲が出てくるのも私は自然の勢いであろうと思うのでございますが、そういうような流通にこたえるような方式が、何らか現行制度の基本をくずすことなく考えられないかということは、確かに私ども現在検討中でございます。しかし最終的に結論を出しておるわけでもございませんし、また、そのことにはいろいろな関係方面の協力を必要とする問題でございますから、慎重に結論を得たいというふうに思っておるのでございます。  それからやみ米の話でございますが、確かに私ども一の統計から推測されるところでも、年々農家の段階から政府を通じないで流通をしておると思われる米の数量は七十万トンないし八十万トン程度あるというふうに推定をされております。で、物統令があり、また食糧管理法、あるいは食糧管理法に伴う諸法規があります限り、政府を通さないで、そうして規定の価格と違った価格で取引がされておるということは明らかに違法であることは、私どももそのように理解をいたしております。またそういうような違法が少なくとも現にあるということは、私ども好ましいことであるとは考えておりません。おりませんが、ただ今日の正規ルート以外の米の流通というものは、かつて食糧不足時代における反社会性というものとは私はよほど違ったものになっておるというのが常識ではなかろうかというふうに思うのでございます。ただ、それが公然と大量に行なわれるということになれば、それは食管制度の問題であるというふうに考えておりまして、目に余るようなものについては法務当局でも取り締まりをするということを約束をしてもらっておりますので、食糧庁自身は警察権があるわけでもございませんし、そういう意味での検査、捜査というようなこともできませんが、目に余るような違法行為については、私どもも法務当局、警察当局と協力をいたしまして、しかるべく措置をするようにいたしたいというふうに考えております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 まことに不満な御答弁ですが、ほかの問題もありますので……。  要するに、先ほど述べましたように、明治後半期におけるこの米の問題は定着した、食管法というこの姿において。また予約米制度という一つの集荷販売方式というものは全く定着しておるわけです。要するに生産者も消費者も一応いろいろな体験を通じて到達した日本国民の五十年間の努力の結実だと言えましょうし、言いかえますならば民族的な遺産、財産とも言っても私は過言でないと思います。したがって、過去の米穀統制法の例を私先ほども持ち出しましたごとく、苦い経験を経てきておるわけでありますから、この経験を再び繰り返すようなことないようにしていくことが私は現在課せられた課題だと思うのです。この点について、天候に支配されやすく、価格は常に自由化すれば変動し、需給は不安定になる。こういう実情というものを踏まえて、そして今後の食糧政策を一時的な米の過不足によって誤ってはならないと確信をするものでありますが、農林大臣の的確な御答弁を承りたい。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 一言に申し上げまして、まさにそのとおりであるとお答え申し上げます。     —————————————

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 次に、農政推進の方式はいろいろあると思いますが、二つの問題といま大臣は現実的に直面しておられると思うのです。それは、一つは農林漁業団体の農政推進の上に果たす役割りというものを大きく評価される必要があろうと思う。これはきわめて重要な問題でありますが、にもかかわらずここらで働いておる人々は給与等の面、いろいろな面から見ましても、他産業の労働者に比して著しく恵まれておらない。これを何とか打開するためにつくられたのが現在の農林年金制度であります。これは私衆議院の大蔵委員長をしておりますときに、無理無理この制度を発足いたしました経過を振り返ってみまして、発足の当時から不十分であったが、漸次これを改善していくという附帯決議をつけて通したことの記憶も新たなものでございますし、その後も幾たびかの改正を経てこれは今日の段階に達しておるのであります。で、来年は厚生年金の掛け金率が改定になりますし、また農林年金法が発足してから十年を迎えるわけであります。このときにあたりまして、農林年金制度についてどのような基本的姿勢で現在農林省は取り組んでおられますか。その基本方針を、以下述べる次の特に重要と思われる点について伺いたい。  一つは、公務員関係共済との実質的な格差を解消するため完全通算の要望が強いことは大臣も御承知のとおりであります。形式的な均衡論にとらわれないで、すみやかに措置されるべきであろうと思うがどうでありましょうか。  次に、掛け金負担が厚生年金や他の共済に比べて重い。補助率は現在一六%でありまして、厚生年金を四%も割っておる。これに対して財源措置が講ぜられてまいりましたが、財源調整費としておととし四千万円、去年六千万円、合計定額つかみ金として措置が講じられました。ところが、それは農林省は積み立てておけという大蔵省の圧力によって積み立てておるのだ。これではせっかく支出されたものが給付改善のための掛け金率の引き下げに役に立ちません。したがって、定額補助を廃して定率補助にこれを切りかえる、他の年金並みの補助率にテンポを合わせることが最大の急務と考えます。いたずらに農政推進を大声をあげましても、政府が一から十まで手取り足取りするわけにはまいりません。やはり関係農業団体が心から理解し合って、農民もまたこれを信じてその指導に従う、そこに初めて農政推進の意義があると思います。しかるに大型農協ができ大型漁協ができましても、この給与体系といい、あるいは退職年金の悪さといい、掛け金の高さといい、こういうところから人材は他の有利な方向へ方向へと流れてきておるのが残念ながら今日の実情であります。人なくして、人材なくしてほんとうの農政の推進あるいは農業の発展ということはあり得ないと思いますが、この問題は事務段階においては解決のつかない基本的な問題であり、私ども長年この問題に取り組んでおりますが、大臣はどのような決意でこの問題を解決されようとしておりますか。簡潔でよろしい、決意のほどを大綱的にひとつ御答弁願いたい。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 農林年金の問題につきましては、組合員の給与水準が低い、こういう点にもかかわらず掛け金率が他の組合よりも高いという点はよく承っておりますし、これに対しての国庫補助の増額は本年何とかしてとりたい、こういうことでいませっかくこれから努力を傾けるつもりでございますし、後半の点につきましてはどうもあまりようわかりませんので、ひとつ専門に研究いたしておる方に答弁をさせていただきまして、最も重要な点だけは私がそれによって折衝する部面のある点については私が折衝を十分いたす考えでございます。

池田俊也農林省農政局長

○政府委員(池田俊也君) ただいま足鹿先生が御指摘になりました二点でございますが、最初の完全通算の問題につきましては、私どももただいま先生がおっしゃいましたような方向に沿いまして極力努力いたしたいということで考えているわけでございます。  それから次に、掛け金の負担が非常に多い、給与水準が低いにもかかわらず掛け金の負担が重いという点が非常にこれは問題でございますので、ただいま大臣から御答弁がありましたような線で国庫補助の増額を要求しているわけでございますが、具体的に申し上げますと、給付費の補助につきましては現在一六%でございますが、これを厚生年金並みに引き上げたい、二〇%まで引き上げたい、こういうことで大蔵省に要求をしているわけでございます。  それから次に、財源調整補助の問題でございますが、これもいろいろな従来経緯はあったようでございますが、御指摘のように従来つかみ金的なものが二年間にわたりまして交付をされているというだけでございまして、内容としてははなはだ不十分でございます。そこで私どもといたしましては、考え方としては国家公務員並みに財源調整補助をしていきたい、こういうような考え方から、農林年金の掛け金率は御承知のように千分の九十六でございますけれども、国家公務員は千分の八十八ということで、千分の八の開きがございます。まあ農林年金は御承知のように、給付費の補助というかっこうになっておりますので、給付費の補助というようなことで換算をいたしますと、六%、百分の六相当額を財源調整補助として計上する必要があろう。金額で申し上げますと、約三億ぐらいになりますが、そういうような観点で現存大蔵省に要求をしておるわけでございます。なかなかむずかしい問題でございますが、極力そういう線が実現しますように努力をいたしたいと考えております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 農林大臣、いまお聞きのような方針だそうですが、私はこの問題は数えあげると十数項目あるわけでございますけれども、多くは申し上げません、時間も一ありませんから。ただ、いまの御方針に私は異論を持つ者ではありませんが、少なくとも先ほど申し上げました四十三年度の六千万円、四十二年の四千万円、合わせて一億円をつかみ金で出しておきながら、これが定率化され、法改正を伴っておりませんから、そのままに積んでおる。これはきわめて不合理なことであり、矛盾した措置といわねばなりません。極端な言い方をすれば、税金のむだ使いだと言われても弁明の余地はないと思う。したがって、この問題を大臣が政治力にものを言わせられて、そしていかに財政当局とこの問題を処理解決されるかということが私はまず試金石じゃないかと思う。これなくして、これが解決しない程度では、私はこの問題は解決しないと思う。いわゆる農林省の案に終わっちまう。これでは何にもなりません。全国の三十一万を越す人々への期待としては薄い。総合農政と言われましても、とても私はその人々の、推進する人々の期待にこたえずして何をかいわんやだと思います。人あってのまず施策でありますから、この点については万全の対策と具体的処理が必要だと思いますが、重ねて、いま言いました一億円の金だけ出して使わせもせず積んでおくというこの不合理の解決をまず突破口として、ことしの財政当局その他との折衝に当たっていただきたいと思いますが、これに対する所信をいま一度お聞かせをいただきたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) この農林年金の問題につきましては、大いに努力を傾けまして、そして御期待に沿うように努力をしてまいります。いずれにしても財政当局との折衝でございますから、大いに努力をするということよりほかに言いようがないと思うんですが、いずれにしてもよく承りましたし、十分努力いたします。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 それではもうしばらく時期を待ちましょう、その結果があらわれることを。われわれは傍観するのでありません。大臣一人を戦わして傍観するのではありません。大臣のかまえによって私どもも多年の懸案を一挙に解決したい。そのためにはときに蛮勇をふるっていただきたい、そういう御決意であると解しまして、同じような問題ですでにこれは本院の予算委員会で取り上げましたが、改良普及員、それから生活改善普及員の地方交付税への移管という問題が起き、財政当局は一ないし二%の地方交付税率の引き下げを地方財政好転を理由に強く推しておりますが、今朝の地方財政制度審議会の答申によれば、引き上げの必要ない、こう答申をしており、官庁間のセクトを私は見るかのような気持ちだけでは済まされなく感じたわけでありますが、だからこの答申があったからといって必ずしも私は一、二%の引き下げが阻止できるとは考えておりません。  私は大臣に一例を申し上げますが、昭和三十七年、構造改善事業が始まって、当時五割の政府補助、国庫負担。そこで国会の努力によってこれを八割までにすべきであるという目標で、全国五十数カ所にわたって調査をして、われわれもそれぞれ努力をいたしました。そして十五項目の決議をし、政府に迫まり、財政当局を説得して、遂に二〇%の地方交付税によってかさ上げをするということをかちとった、これが現在の構造改善事業の実情であります。ところがある県で、私は名前をあげますとその県知事に恥をかかせることになりますから申し上げませんが、ある県では、その二〇%の構造改善事業のかさ上げ分に対し、一〇%を天引きして一般農政費に使う。つまり七割補助を出さなければならないものを六割やっておった。私はそれを指摘して、それは間違いじゃないですか、はっきり目的を指定しておるじゃありませんかといったら、いや交付税そのものの性格は目的指定ではないんだ、本質はこれは地方交付税なんだから、地方財政拡充のための交付税なんだから、本質は違うんだといって反省の色がない。これを国会でとり上げようとしたとたんに県会からの指摘を受けて態度を変えられた事例がある。ですから、改良普及員の国と地方自治体とが共同して行なうこの事業に対して、地方交付税に一これを切りかえた場合には、いかような事態が各県の実情によって起きるか予測できないと思います。そういう意味からも、私は大臣が、先ほどは農政推進活動の面から、団体職員に人並みの年金をということを申し上げましたが、少なくともこの改良普及員や生活改善普及員の諸君は、戦前は系統農会、次には農業会、戦後はモデル農場勤務、そして現在の改良普及員制度と、四転、三転しているんです。身分がいつも不安定である。それがいまやっと普及員制度というものが定着してきているにもかかわらず、これがまたさらに地方自治体へ交付される交付税へ切りかえられる。県の自由裁量によってどのようにもなる種の財源になったときの前途が危ぶまれますが、この点は今後農政を推進していく上において、先般も私は当委員会で、前西村大臣に申し上げて、かつ農林水産技術会議の事務局長にきつい叱責を込めた質問をいたしました。技術なくして今日のような近代科学の精粋を集め、他産業においては飛躍的な高度の技術が発達しつつあるときに、農協にわずかに……。営農指導としてこれではとても弱い。だれが背負っておるかといえば、改良普及員や生活改善普及員が、その地区によって、構造改善事業をすれば公民館に寝具を持ち込んで、五十日六十日と、政府が要求する膨大な資料はほとんど、市町村の第一線の役場にその力がないために、普及員の仕事であります。そういう実情を私どもは一緒に苦しんでおるわけであります。人ごととは思えません。動揺常なく、この技術に携わる人々が不安におののくようなことで、一体今後の農政が地についた推進ができるとは私は考えません。この点について大臣はえらいときに大臣に就任されたと思いますが、それだけに、この難局を切り抜けられることは、私は本懐とお考えのようだと察しますが、当面起きておるこの問題は、年金の問題と改良普及員交付税切りかえの問題は双壁であろうと思うんです。切り離すことができない問題であると思うんです。地についた農政推進の人的な資源をいかに今後守り、向上せしめていくかということにおいて重大な意義があると思いますので、これに取り組む根本姿勢をこの際明らかにしていただきたい。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 御質問は長いけれども、答えは簡単で申しわけありませんけれども、現在農地の転換をやろうとか、あるいは構造改善をやろうとか、さらには総合農政をやろうとして今日に至っているときに、常識的に考えていって、この普及員を先頭に立てて、そしてその実をあげさせなければならない重要な役割りをしているものを、これを切りかえて地方交付税のほうへやるから、そちらのほうでというような簡単なわけには絶対にまいらないと私は確信をしております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 力に満ちた御答弁を受けましたので期待をし、ぜひがんばっていただきたいと思います。     —————————————  次に、先ほど御決議をいただきましたが、農林畜水産関係物資の国鉄貨物運賃等に関する決議がなされました。私は本委員会において取り上げられた歴史を調べてみますと、八回目であります。この問題の歴史と重大性がいかにあるかを再認識せざるを得ないのでありますが、最近新聞等の伝えるところによりますと、明年度の国鉄運賃値上げに関連をいたしまして、貨物運賃の値上げが計画されておるやに聞きます。前回の引き上げで相当量の貨物がトラックに荷をとられることになったことは御承知のとおりであります。予期したほどの増収をあげることができないということを国鉄当局も御反省になっておると思います。今回の値上げ問題においては、貨物運賃については、国鉄当局の方針が十分わからないうちに、いつの間にか以下述べるような事態がすでに実施寸前に去ると聞いて私は驚かざるを得ないのであります。したがいまして、本日これから伺いたいことは、関係当局であります国鉄はもちろん、農林省、通産省、経済企画庁、この四者からそれぞれ御答弁を願いたいと思いますが、貨物運賃の基礎賃率が現行よりどの程度引き上げられていこうとしておるのか、これを一応承りたい。たとえば昭和四十一年に実施された前回の運賃引き上げのように、基礎賃率の引き上げに加えて貨物等級制度の改正、運賃計算、重量制度の改正等が実施されますならば、平均値上げ率よりはるかに大幅な値上げ率となる貨物が農林水産関係物資に出てくるおそれが強いのであります。このような立場から、本日満場一致の決議が行なわれたわけでございますが、関係当局の方針を聞きたいのでありますが、国鉄から方針を伺う前に、農林省、通産省、経済企画庁は、物価引き下げの見地から重大な影響をもたらすこの問題について、国鉄ないしは運輸当局から事前に協議を受け、あるいは何らかの形で相談ないし打ち合わせ等を受けられておりますかどうか、これを国鉄を除く各省から最初に御答弁を願いたい。

亀長友義農林省農林経済局長

○政府委員(亀長友義君) 国鉄の貨物運賃の引き上げ、特に政策割引の廃止という問題につきましては、いま具体的なお話がいろいろございましたが、現在の段階におきまして、われわれとしまして具体的に申し入れば全く受けておりません。ただ、御承知のように国鉄財政再建推進会議というのがございまして、国鉄財政の問題につきまして意見書をまとめられております。その意見書の中に、貨物運賃の割引を含めまして、いわゆる公共負担の是正という提案がございます。この公共負担の対象となっておりますものといたしまして、農林物資は御承知のように非常に多いわけでございまして、もしこの公共負担の是正ということのあり方いかんによっては、非常に影響を受けるというふうに考えますので、この是正の方策につきましては、特に慎重に取り扱うべきであるという見解を財政推進会議の審議の過程におきましても、運輸省に対して申し入れてきたわけであります。この問題が農林物資に及ぼす影響ということにつきましては、われわれも十分認識をしているつもりでございますので、今後とも十分関係各省とも連絡をとりつつ対処してまいりたいと考えております。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○政府委員(後藤正記君) ただいま農林省から御答弁ございましたように、通産省といたしましても、本件に関しまして事前の御協議を受けておりません。しかしながら、農林省の御答弁もございましたが、国鉄財政再建推進会議が意見書を提出以来、その後のことをいろいろ仄聞いたしておりますので、今後とも関係各省と十分に連絡をとりまして、本問題に対処していきたいと存じます。申すまでもなく工業化学製品のコストに国鉄運賃は非常に影響をいたしておりますので、極力このコストは低廉であることが望ましいことは申すまでもございません。慎重にこの問題を取り扱っていきたい、かように考えている次第でございます。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○政府委員(八塚陽介君) 経済企画庁でございますが、私ども昨年来国鉄の財政再建の問題につきましては、何らか結局実現を見たわけでございますが、国鉄財政再建会議のようなもので交通政策の全体の体系、あるいはその中における国鉄の占める受け持つべき役割りであるとか、あるいは今後の財政上の問題であるとか、総合的な判断の上で方針を出されることが望ましいということを企画庁も運輸省に対して申し入れをいたしておりまして、したがいまして、私どもの気持ちといたしましては、先ほど来話が出ております国鉄財政再建推進会議というのは、いわば生みの親であるというふうな考え方もいたしておるのでございます。したがいまして、先ほど農林省からお話がありましたように、各省の意見をこの答申がきまります過程で求められました際には、私どもといたしましては、基本的にこういう申し入れに賛成であるというふうに申し上げております。ただ、来年具体的に運賃をどうするかということについては別でございますが、基本的な方向としてはこの答申の線に賛成であるということを申し上げております。その答申の中には、公共負担というものについてはいろいろ国鉄が負担をいたしておるのでありまして、そのそれぞれの理由は社会政策的あるいはただいま問題になっておりますような経済政策的な観点からのものでございますが、やはり国鉄という立場から見ますと、国鉄の競争力を弱めておる、あるいは財政上の大きな負担になっておるというような点もございますので、公共負担というものについては、国鉄に負わせるという形でいくのではなくて、必要があればそれは私どものそれぞれの負担すべき理由のある観点で負担をしていって、漸次国鉄の肩を軽くするのが、長い目で見て国鉄の役割りを十全に果たさせる一歩であろうというふうな考え方であるわけであります。ただ、その程度なり具体的な取り扱いとしては、段階的にその是正をはかることが適切であろうということでございますし、それから来年のことを考えますと、来年は物価政策上の一つの天王山でもあろうと思います。かつまた国鉄の運賃というものもそのうちの大きな問題でございますので、まあ慎重にこれは検討しなければならない問題であると思います。ただ、各省すでにお話になりましたように、まだ運輸省等からは、運賃の具体的な体系について正式に伺っておりませんので、ただいま申し上げました以上の検討には入っておりません。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 念のために申し上げておきますが、私がこれから言います公共政策割引とか、あるいは特別措置割引とか、政策等級割引というような三つのものを総括して公共政策割引等ということばを使うというふうに御了解を願っておきたいと思いますが、私の手元の資料によりますと、現在の特別措置の例外品目を一応あげますと、肥料が大体今度国鉄当局がもくろんでおられるもので計算をしてみますと、一袋について十五円以上上がるようであります。農畜産物について見ますと、大豆、なたね、なまカンショ、切り干しカンショ、なまバレイショ、玉ネギ、肉牛、カンショでん粉、バレイショでん粉、なま大根、下級鮮冷凍魚、魚肥、焼きちくわ、こういったようなものが、公共政策割引では大体七%から多きに至っては一九%くらいの間で、国鉄さんはこれを暫定割引と言っておられるそうでありますが、こういうふうになっている。特別措置割引は大豆からいま申し上げました焼きちくわに至るまで、大体四%から玉ネギでは一六%と、対象になっている。政策等級割引は大豆の一三%をトップに最低が一〇%で、これは大体均衡——大きい差はございません。こういうふうに見てきますと、さなきだに物価の値上がりで国民はあえいでおるときに、すぐ言論報道機関が取り上げるのは、生鮮魚介類の値上げあたりが結局台所に直結しておるためにやり玉に上がりますが、もしこれがそのままなまで行なわれた場合には、受益者負担をする立場でいけば農家やあるいは魚を取り扱う人々がこれをもろに受けるか、それができなければ消費者がこれをかぶる。肥料のごときは臨時肥料需給安定法第二条の規定に基づきまして、市場占有率五〇%以上の団体が自主的に企業者と生産者と協議をし、きめたものに対して通産、農林両大臣が認可をするということになる。現在硫安一かます六百九十円程度であると思います。これに従来かます代金——容器代を含んでおる。今度値上がりになりますと、これははみ出てまいりますが、現在のわれわれが知る限りにおきましては、現行制度が明年三月四日が有効期限だというので、国鉄総裁の権限による割引制度を撤廃しようというところに問題があると思うのであります。これは非常に重要な問題でありまして、少なくとも肥料に例をとりましても、法律に基づいて独占禁止法の適用除外を受けた協定価格であるというならば政府公定価格である。それは容器代も含んでおる、こういうわけであります。でありますから、合理化が進んだとはいえ、業界がおいそれと十五円の値上がり分の容器代をのみ込むはずがない。みんな農民にはね返ってくる。一体こういう政策をいかに国鉄が赤字とはいえ、いま聞けば農林、通産、経済の各関係省はつんぼさじきに置かれておる。そうして事がぐんぐん進むというようなことで、一体内閣の統制力いずこにありやと私は疑いたい。物価がこれだけ上がって困っておるときに、このような事態を放任するわけにはまいりません。国鉄当局は本日を含めて前後八回にわたる本委員会の決議を無視し、独断専行をされる御所存でありますかどうか。また私がいま提示いたしました例も一例にすぎません。品目は多数に上がっておりますが、大体今回行なわんとする公共政策割引等について増収を期待しておるのはどの程度であり、いつから、どの品目に対して主として行なわんとしておるか。またそれが今後各省とどういう協議を行ない、あるいはこれを関係団体に協議をするとか、慎重におやりにならなければ、国鉄そのものが二万二千キロあるといわれておりますが、十三路線しか採算のとれる路線はないと私は聞いておる。あとは全部赤字路線である。頭から赤字の出る路線なんです。そこに国鉄の公共的な使命があるのでありましょうが、それをこの生鮮魚介にじかに負わせておる。あるいは重要な生産資材である肥料にもろにぶっかけておる。関係当局には何らの連絡もしないということは私は許すことができないと思う。もはや時間もございませんので、最後に国鉄当局のこれに対するいま考えておられることの大要と今後の取り扱い、また関係三省の今後これに対するところの対処される方針を承りたいと存じます。

長瀬恒雄日本国有鉄道理事

○説明員(長瀬恒雄君) お答え申し上げます。  国鉄の問題に対しましては、先ほどのお話のとおり、財政的に非常に危機に立っておりまして、三十九年以来赤字に転落いたしております。四十四年におきましては、償却で赤字になる。と申しますことは、利息なりあるいは人件費を払うのに借金をしなければならないというような状況に立ち至っております。この原因は何かと申しますと、申すまでもなく収入の伸び悩み、あるいは人件費の上昇、その他国鉄といたしましては、どうしてもこれは国民の要望としてやらなければならない通勤輸送とか線増というような工事をしなければならない。それを借金でやっておりまして、その借金の額が現行におきまして約二兆円になっております。そういうような現状におきまして、先ほどのお話のとおり、国鉄の財政再建推進会議が、先般公共負担を含めて一〇%の運賃改定をするということを意見書として出されております。この額は、四十四年度におきましては九百五十二億に当たるわけであります。そのような観点からただいまいろいろと検討いたしておりますが、国鉄の役割りというものから考えますと、大いにこれから貨物輸送につきましても輸送力をふやさなければならぬ、あるいはコンテナ等の近代化をしなければならないということは申すまでもないわけでございます。しかし、この資金を調達するという立場におきまして、この一〇%というのを——貨物の現行におきます運賃が約二千六百億でございます。したがいまして、一〇%をかりに上げるといたしますと、二百六十五億というものが今後の問題になるわけでございます。しかし、現在の段階におきまして、私どもとして検討いたしておりますものは、まず第一に貨物の輸送力というものをもっとふやさなければならない、あるいは近代化をしなければならないということにつきましては、まだ緒についたばかりでございます。  それから運賃の制度につきましては、先ほどのお話のとおり十等級になっておりまして、これは前回の改定によりまして十四等級から四等級引き下げてあります。それが一つの緒についたと申しますか、やったばかりであるというのが一つの問題です。  それから第三には他運輸機関、特に自動車、船舶というような運賃の動向からいたしますと、むしろこれは低下ぎみであるというような点から考えますと、かりに一〇%の運賃の改定をいたしますと、これは輸送量が減ってしまう。先ほど御指摘のとおりでございます。そういうような点から、先ほどの御質問の基礎運賃、貨物の基礎運賃につきましては、ただいまのところでは引き上げる意思は——引き上げることにつきましてはいま考えておりますが、現在の段階では引き上げられないだろうというふうに判断いたしております。そうした事情から、あとの約九百億、九百五十二億というものにつきましては、勢い旅客の運賃の改定によらざるを得ないという点について、われわれはいま検討いたしておるわけであります。  しかし、運賃水準の引き上げを行なわないといたしましても、所定賃率より引き下げております暫定割引あるいは特別措置割引につきましては、その割引を適用されております品目につきましては、所定の賃率を適用したいということをただいま検討いたしております。したがいまして、この問題につきましては目下種々検討いたしておりまして、御質問の品目なり、あるいは増収額なり、あるいは各省との問題につきましてはまだ固まっておりません。したがいまして、近々のうちに方針を打ち立てまして、その点につきましては、運輸省を通しまして各省に申し上げたいと考えておりますが、御参考までに申し上げますと、暫定割引、これは現在割引額が約二十億でございます。それから特別措置割引につきましては三十二億でございまして、これが目下のところ検討の対象になっているということを申し上げます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 もう時間もありませんが、先ほど本委員会は国鉄の常務理事の御出席にならないうちに決議をいたしておるのです。この趣旨をよく尊重されまして、各関係当局とも連絡をとられ、いやしくも独断百行、物価値上げに拍車をかけ、国鉄みずからが貨物輸送の仕事をそっくりとは申しませんが、奪われておる現状も反省されまして、また原始産業の農林漁業畜産等に対して現在の基礎運賃の値上げはもちろん、政策等、運賃割引制度は現行制度を保持せられるよう強く要請をいたします。決議は委員長のお手元にありますから、お持ち帰りをいただき、総裁にとくと本委員会の趣旨を御伝達願い、かつ運輸大臣にも十分御伝達をいただきまして、対処されんことを期待いたします。同時に通産並びに経済企画庁におかれては、本委員会のこの決議に対する意思表明が行なわれておりません。先ほど農林大臣からは御意思の表明がございましたが、私の持ち時間がまいりましたので、はなはだ遺憾に思いますが、まだ内容等についてずっとただしたいことがございますが、この程度で本日の質疑を打ち切らしていただきます。それぞれ国鉄、通産省、経済企画庁の意思の御表明をお願いいたします。

長瀬恒雄日本国有鉄道理事

○説明員(長瀬恒雄君) 先ほどの当委員会におきます決議は拝読いたしました。総裁並びに運輸大臣にはよくお伝えいたしたいと思います。ただ、国鉄の立場というものも十分ひとつお考えいただきたい。国鉄財政もさることながら、交通機関といたしましての使命というものを達成する方途を今後考えなければならぬということにつきましては、お考えいただきたいと存じます。

後藤正記通商産業省化学工業局長

○政府委員(後藤正記君) 当委員会の御決議に関しましては、至急私は省内に持ち帰りまして、大臣にもその旨をお伝えいたします。  なお肥料の価格は、メーカーにおきまする合理化努力の結果、特にアンモニヤ系肥料の場合は年々引き下げられてまいりました。その他の肥料につきましても大きな値上がりなく推移しております。農産省といたしましては、肥料が農家経営上の基礎資材であることにかんがみまして、運賃改正問題につきましては、特に政策的見地から慎重に取り扱いまするよう、関係方面と折衝を行ないたいと存じます。なお肥料価格の低位安定のために、通産省といたしましては生産分野におきまして、現在スクラップ・アンド・ビルド方式によります第二次の合理化計画を推進しておりまするが、今後さらにこの要請にこたえますために最大の努力をいたしたいと存じます。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○政府委員(八塚陽介君) 私どもの考え方は先ほど申し上げましたので、重ねて申し上げませんが、ただいまの御決議は、大臣に伝えるようにいたしたいと思います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 伝えますということがありますか。あなたはきょう政府委員としまして、経済企画庁を代表しておいでになっているのでしょう。大臣に伝えるというような、そういう不見識なこと、軽いことを言わないで、あなたが先ほど述べた趣旨に従い、本委員会の決議の趣旨を体して、大臣に報告し、善処いたしますと、こういう答弁をしてこそ八塚君の八塚君たるゆえんじゃないですか。経企庁の——農林省におるような気持ちでおったんじゃだめですよ。経企庁の課長じゃありませんよ。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○政府委員(八塚陽介君) 私のまあ何といいますか、不十分な知識で、こういう決議、院の決議に対して、正式の意見を申し上げるのは、やはり大臣でなければならないというふうに考えたものでございますから、そういう意味でただいま発言いたしましたので、手続上の慎重を期して申し上げたのでございます。いまの足鹿委員の御注意もございましたので、よくいままでの御審議の意義、あるいはここにあります中身について大臣に伝えて、企画庁といたしましても善処いたしたいと思います。     —————————————

向井長年民主社会党

○向井長年君 実は私は三十分時間をいただいているのですが、若干ほかの委員会もございますので、基本問題について大臣に質問いたしたいと思います。  実はたびたび大臣が交代して就任した際には、常にこういう所信表明がなされます。この所信表明は、ほんとうにこれはもう簡単であって、同じようなことを常に言われるんです。しかし、私は所信であるから取り組む姿勢、あるいはまた心がまえと、まあこういう形で言われたものであるということで、私は一応了解しておるわけでございますけれども、しかし、先ほども言われましたように、またここにも書かれてあるように、「日本の経済の豊かな繁栄は」と、まあこういうことが書かれております。わが国の経済並びに国民生活のまず基本となるものは、これからの農業政策、いわゆる俗にいわれる総合農政と、こういうところに大きな基本があると思うのです。そういうことについて、特に長谷川農林大臣は今回新しく就任されて、今後の心がまえがこの所信に述べられておりますけれども、非常に責任は重大だ。なおまた、政治家としてもこれは本懐であろうと思うんです、これを推進されるということは。そういう中で私はただ文章だけじゃなくて、この取り組む姿勢について、先ほど蛮勇をふるってという意見がございましたが、ほんとうに身命を賭してやると、こういう気概があるかどうか、私はまずお聞きしたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) みずからの能力のある限り、体力の続く限り取り組んで、その実をあげてまいりたいと思っております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 そこで、大体総合農政というものについては、これはいろいろと各党からも、あるいは各委員からも言われておりますけれども、大体総合農政というものは何だということなんですよ。私から考えれば、これは少なくとも生産者あるいはまた消費者、市場、こういうところが行政的にいかにこれが利益を守り、開発展開するか、ここに私は総合農政の基本があると思うのです。そうなってくるとするならば、その基本は何であるかというならば、この柱となるものは国の財政投資、いわゆる財政措置だと思う。この財政措置というものが長期的に、計画的にこれが農林省で立案されて推し進めなければ、実行に移していかなければならぬ。ここに私は総合農政の基本があると思うのです。これに対して、先ほど聞いておりますと、何だかまだビジョンができておらないようでございますけれども、私のいま考えた基本的な考え方について大臣はいかに考えておられるか、あるいはまた一応ビジョンをどういう方向でつくろうとしておられるか、この点を私はお聞きしたい。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 財政だけでというわけにもまいらないので、やはり企業努力、これらに対しましても努力は並行していかなければならないと考えます。現在はそのような考え方でございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 先ほど私が一番最初に所信表明に対する質問をいたしましたが、からだの続く限り大臣はやりましょう、こういうことになってくると、これは何といっても国の財政のすべてにかかってきますよ。そういう場合に、その気概がやはり実行に移す一つの方向となってくると思うのですよ。これは少なくとも政府部内の大蔵に対しても農業政策を推し進めたり、あるいは総合農政を、実現させるという一つのビジョンの中から、これが私はやはり他の問題よりも優先しなければ、実際問題としては進められないのじゃないか。こういう意味から私はこの問題を取り上げているわけですが、やはり大臣としてはそういう立場でものを判断してもらう必要があると思う。この点いかがですか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 新たに総合農政の中に展開あるいは指導、こういう面もございますので、この面等々におきまして、財政力も相当必要であることはもちろんであります。でありますから、それに向かってこの目的を達するために、その援助といいましょうか、獲得いたしたいと考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 少なくとも大臣がそういう心がまえで進めるのであれば、各国会議員の諸君も、あるいはまた消費者も、あるいは生産者も全部大臣に対して信頼と、また大臣の政策に対するプッシュというものは、国民的な立場で出てくると思うのです。常に言うように、農業政策とかこういう問題はイデオロギーの問題でもなければ、あるいはまた政党の中の違った問題でもないと思う。先ほど言った消費者なり生産者、あるいは流通機構をつくるところの市場、こういう諸君の利益を守り、同時に国民生活を安定さしていく、こういうところに基本があるから、国の取り組む姿勢、態度としては、やはり総合農政の基本、柱というものをそこにひとつまず置くということでなければならぬ。そういう一つのビジョンを描いてひとつ取り組んでもらいたい。これは私の希望なりあるいはまたお願いになるかと思いますが、大臣はそういう心がまえをまず持っていただきたい。  そこで、そういう中から総合農政の支柱というものを今後具体的に考えますならば、構造政策になってくると思うのです。しからば構造政策というものは、現在の経営対策というものがいかにあるべきか、それから経営の規模というものがどの辺にあるか、こういう問題にこれから具体的に取り組まなければならぬのじゃないか。現在までは構造改善事業とか、あるいはまた技術革新とか、こういうところで部分的にいろいろとやられてきたと思うのですよ。しかし、これからはやはり農業のいわゆる規模というものをいかに求めていくか、それに対してはいかにこの開発を行なっていくか、こういう問題がこれからの基本になってくると思う。したがって、こういう問題について、まだおそらく大臣就任以来日は浅いですし、十分な御検討がなされていないかと思いますけれども、私はこういう点について大きくやはり取り組む姿勢がなければいかぬと思いますが、その点についていかがでしょう。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 全く私は御指摘のとおりだと考えます。でありますから、構造改善というものはこれは今後大いに奨励をすべき段階にもある。したがって、今後さらに協業等々も推し進めながら、そうして農業の近代化を高めるように進めていくことは、すなわちその中に立った総合農政でなければならない、このように確信しております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 そこで大臣、こういうことじゃないですか。現在までの農業構造というものについては、一度これは改革をしなければなぬということになってくると思います。そういう中から転換が必要である、いろいろ問題点があるようでございますけれども、まず農業生産者の所得という問題も先ほど言った中でかかってくるわけです。そういうときに、やはりいかにその兼業農家の問題にどう対処していくか、われわれからいうならば、特にただいまの平均耕作面積というものが〇・九九ヘクタール程度、こういうようにわれわれは解しておるわけですが、これでは所得自体を考えても全くわずかなものなんですよ。年額六十五万円程度になるんじゃないですか。それでは農家の諸君は十分な生活ができない。そういう中からやはりあくまでも米価問題も出てくるし、したがってやはりその基本から考えて、どれだけが農家としてのいわゆる標準耕作面積であるか。われわれ考えるならば、現在の四倍程度はここにおかなければならぬ、こういう考え方を持つわけであります。そういう問題も私はきょうは質問というよりも、これからの総合農政に対して取り組む一つの方策としての意見具申のようなかっこうになりますけれども、こういう問題をやはり大きく考えてもらわなきゃならぬじゃないか、この点について大臣きょうは答弁できないかと思います。したがって私は無理に答弁を求めません。そういうことで一つの基本というものが具体的にやはり持たれて、本来ならばきょうの大臣の所信表明の中で、具体的にそういう問題もあらわして所信表明されることが望ましいんだけれども、実際はまだまだ日も浅いし、これから取り組むということだから、まだそこまで至っておらぬと思いますけれども、先ほど申しましたような基本の上に立って、ひとつ今後総合農政のビジョンをまずつくっていただきたいと思うんです。それをわれわれに示していただき、われわれはそれに対して実際それが先ほど申しました日本経済の発展、国民生活の基本に合致しているかどうか、こういう問題を今後私たちは検討し、いろいろと推進していきたい、こう思うわけであります。何かひとつ答弁がございましたら……。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) お答え申し上げますが、農業でございますから、農業でりっぱに食ってというか、生活がりっぱにできていく農業家をつくっていかなければならない。それなくして今後の農業の繁栄も発展もあり得ない、私はそのように考えております。     —————————————

向井長年民主社会党

○向井長年君 私の時間はあるんですけれども、ちょっとほかの用でどうもなりませんので、これぐらいにいたしますが、最後に一つ、これは畜産局長、特に西村農林大臣当時に私が提起した問題について、まだ処理がなされておらない、鶏卵の価格維持の問題があるわけであります。いわゆる価格安定基金に対する団体の加盟問題についてどういう経過になっておるか、これをひとつ説明を願いたい。

太田康二農林省畜産局長

○政府委員(太田康二君) 全国卵価安定基金の問題でございますが、御承知のとおりこの基金は卵価の異常な低落に対処いたしまして、生産者団体によりますところの自主的な生産、出荷の調整を前提として相互扶助の仕組みによりまして保険金を交付するという目的によって昭和四十一年に設立いたしたものでございまして、そのために、できる限り基金の機能を発揮するためにすべての生産者団体が加入することが好ましいということで、われわれが指導いたしておることは、先生御承知のとおりでございます。  そこで、従来の経緯は先生御承知だろうと思いますが、農林省といたしましては、こういった考え方に立ちまして、実は私就任する以前でございますが、本年の十一月二十一日に基金の理事会に対しまして新しい角度からの加入問題の再検討を求めたのでございまして、この要請に応じまして、基金は去る、十二月九日に再度理事会を開催いたしたのでございます。当日私は出ませんでしたが、担当の課長からの報告によりますと、加入問題につきまは全鶏連の加入問題につきまして全体の空気は非常に好転をいたしている。ただ、残念なことには、当日出席理事の数が非常に少なかったということでございます。  それからこれは先生も十分御承知の組織の問題だというようなことで、さらに再度検討しようということで、当日は一応会議を閉じたようでございますが、実はこの点につきましては、新大臣からもできる限り前向きで至急に解決しろという御指示もいただいておりますので、われわれといたしましては、すみやかに加入ができるように、最善の努力を尽したい、かように考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 それは新大臣に報告されておりますね。長谷川大臣に報されておりますね——それでは了解されておりますね、現在までの経過も。

太田康二農林省畜産局長

○政府委員(太田康二君) むしろ大臣のほうから前向きに検討して、すみやかに加入ができるようにしてやってくれという指示を受けておりまして、われわれもできる限り早くまた理事会を聞きまして、そういったことになるよう最善の努力を尽したい、かように考えております。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) お話ですが、私のところへ陳情がありまして、陳情を伺いましたらば、まことに妥当なりと私は考えましたので、すぐ何とかこれをそのように、希望のとおりにやってくれないかということをお話し申し上げまして、折衝は進めておられるだろうと考えます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 畜産局長なり大臣の答弁で大体わかりますが、非常に皆さん方が努力されていることについては、私は多としたいと思います。  ところで、外から考えますと、現状はなかなかまだそういう予断を許す状態ではないように思うのです。したがって、私は西村農林大臣当時から、少なくとも生産者が公平にその基金が利用できて、価格安定ができる、こういうことは一つの大きな目的であるし、一つの手段でもあるのだから、農林当局としては少なくともこれは一日も早く実現さす、こういう気がまえがまず必要だと思うのです。その立場から今日まで努力されたと思う。ところで、まだ現状の中ではいつ加盟ができるか、まあいろいろな方策があると思いますけれども、こういう問題については未定でしょう。私は、この問題については強い態度で勧告をやりなさい。場合によっては引き揚げなさい、ここまで私は言ったのです。引き揚げた場合においては、これは加盟したいというところも納得するでしょう。そういう不公平な取り扱いがいけない、こういう立場からこの問題を取り上げてまいったのですが、いまの見通しとしてはいかがでしょうか。一応一日も早くということを言われておりますけれども、見通しとしてはどうであるか。

太田康二農林省畜産局長

○政府委員(太田康二君) この基金といたしましては、御承知のとおり加入を決定いたしますためには総会を開きまして定款変更が要るわけでございますが、この基金の通常総会は二月ということになっております。そこでその前に少なくとも加入の可否を検討するためには、一月くらいに理事会を開いてそこで検討をしてもらわなければならぬだろうということで、われわれは今後指導を進めてまいりたいと、かように考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 ひとつそういうことで私が、この委員会でこの問題を再び取り上げることのないように、大臣も少なくともこの問題については当然だから早く推進しろ、こういう態度のようでございますから、再び三たび私がこの委員会でこの問題を取り上げて言わなければならぬというようなことは、ひとつ皆さん方の努力でやめてもらいたい。したがって、私は場合によれば基金の理事長なりあるいは関係者を参考人に委員長の了解を得て来てもらってただしたいということをたびたび言っております。しかし、皆さん方の努力が今日進んでいるのだから、今日そういうことをせずしているわけでございますから、今度の委員会では、一月の通常国会の委員会ではこういうことはもう再び言わないように、ひとつ大臣なり局長が責任をもって処理する、こういうことを約束していただきたいと思います。いかがでしょうか。

太田康二農林省畜産局長

○政府委員(太田康二君) 最善の努力を尽くしたいと思います。     —————————————

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 時間もおそくなりましたので、ごく簡単に二、三の質問をしたいと思います。  きょう初めて大臣から所信表明がありましたが、御承知のとおり、十二月になりまして農協は全国から二千五百人の代表者を集めて会議を開きましたし、また民主的な農民団体も各府県でちょっといわば百万人集会をやるということで、十三日には約七、八千名の全国から代表が集まって、各地で示威行動も起こしました。また農業新聞を見ますと、農協がまたやはり中心になってこの二十三日には一万人の集会を全国から集めて開くということを伝えております。このように今日農民の多くの方々が、しかもこれらの農民団体が中心になって十二月になってこのような農業の、特に食管制の問題や、あるいは米の転換の問題、こういう問題について非常な不安のもとにおこることはこれは事実なんです。したがって、そういう要求を掲げていま農林省に辿っているわけなんですが、この本日の所信表明の中にもう少し具体的にいまの、これからたどる農業政策は、ビジョンはともかくとして、当面しておる問題についてはっきりとした態度をとられるならば、こういう大きな要求運動も起こらないんじゃないかと、この年末を控えて現に今日そういう事態になっております。それほど切迫した問題があるわけです。御承知のとおり、いまから資金の手当もしなくちゃならぬ、あるいは転換するにしても何をつくるかを考えなくちゃならぬ、資材も用意しなくちゃならぬ、種も用意しなくちゃならぬ、こういう問題がありますので、これは前から私が西村農林大臣にこのことを早く、政府のほうでどのような方向で今後農政を指導するかの問題を訴えましたけれども、これはなかなかきまっちゃおりません。したがって、先ほどおそらく他の議員の質問にお答えになったと思いますが、若干、私中座しましたので、この点で大臣にひとつお伺いしたいと思うんです。いろいろの新聞が伝えますと、十三日に農林省で委員会が開かれたと、あるいはまた自民党との農政懇談会も開かれたと、十八日ですか。そして、新聞がいろいろ伝えておりますが、どうも新聞ですから早く伝え過ぎてきまってないことも書かれたり、あるいはまた農林省自体の方針でないものも書かれたり、いろいろそういう不便もありますので、この際主要な問題として食管の問題特に米の問題について第一年度には五万ヘクタールのいわば作付の転換をすると、そのうち四万五千ヘクタールが牧草に、あと五千へクタールが果樹というふうに新聞では報じておりますが、これは事実でしょうか。

大和田啓気農林大臣官房長

○政府委員(大和田啓気君) 新聞に十三日に大臣のところで農林省の案がほぼ固まったというふうな報道がございますが、実は私ども事務当局がかねて検討いたしておりました問題を大臣に御説明をいたし、大臣から関係者の意見もとくと聞き、さらに検討を進めるようにという御指示があったわけでございます。したがいまして、十四日の新聞に出ております農林省の案というものは、実は私どもが多少事務的に検討いたしておりますものもございますけれども、それが相当形が変わったものとして新聞に出ている部分もあるわけでございます。ただいま御指摘になりましたように、四十四年度で転換面積五万町歩で、そのうち四万五千町歩牧草、あとは果樹というようなことも、実は私どもそのとおりには現在のところ考えておりません。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 同時に十八日に、これもまだちょっと早目の新聞になるわけなんですが、十七日の新聞ですから。自民党の農政調査会ですか、ここでやはり農林省から出て行かれて、そしてかなりここでも具体的な内容になっておるわけですね。作付転換もやはり何ですか、開田の抑制と、それからあるいはまた四十四年度から三カ年間に合計一千五万の水田の牧草地を転換するとか、こういうことも書かれているんですが、その内容というものはまだ全然きまらぬのですか。

大和田啓気農林大臣官房長

○政府委員(大和田啓気君) 十八日にたしか与党の会議に出かけて参りましたことは事実でございますけれども、農林省で総合農政として何をやるかということについての説明は一切いたしておりません。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 そうすると、まだこの作付転換についてですね、どのような方向で、大体何を指向して、たとえば日本のまだ農畜産物等の自給率をどう高めるかというふうな方向でまだ一切検討はされていないですか。

大和田啓気農林大臣官房長

○政府委員(大和田啓気君) 先ほどから申し上げておりますように、私ども米の生産及び需要の体制からいたしまして、ある程度まで米の生産調整をすべきではないかという観点からいろいろ検討いたしておることは事実でございます。その場合にもまず政府が法律その他の手段によって強制的に作付転換はしないということが大方針でございますことと、ある程度の面積の水稲を相当な期間かけて徐々に転換を進めていったらどうであろうかということを検討いたしておるわけでございます。そうして、稲がかわっていく転換の先といたしましては、今後の農産物の需要の動向から見まして、牧草、あるいは牧草による輪作、果樹、野菜、あるいは地方によりましててん菜、サトウキビ等々のものがございますけれども、まず転換政策をやるかやらないかという問題を含めまして、そのやり方、あるいはどの程度ということが現在検討中でございまして、そのうちの何一つ結論としてきまっておるものはまだないわけでございます。せっかく検討中でございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 先ほど申しましたように、農民団体は、農民の方が今日どのように来年は何をつくるかとか、どのようなものに転換するとか、あるいは米を従来どおりつくっていいかということに不安を持っているわけでしょう。そうだとすれば、一日も早く農林省がそういう問題で案を出して、多少の批判があるならばその批判にこたえるだけの自信をもった案をつくる。そうしてもちろん閣内での論議もあるのでしょう、予算の問題もあるでしょうけども、そういう問題にやはり農林省が率先して、さっき大臣が日本の農民のために私の生涯をささげる、努力をささげると言っておられるのですから、そういう問題をやらない限りはこの押し辿ったときに全国から一万の人々を集めたり、農協がやるというような事態をあなた方どう認識されておるのですか。のんびりやっていいというのですか。来年の三月か四月か、その点はっきりしてください。

大和田啓気農林大臣官房長

○政府委員(大和田啓気君) 作付転換の問題一つ取り上げましても、やるといたしますれば当然四十四年度の予算にかかわる問題でございますから、現在、今年中に予算の編成が終わらないといたしましても一月早々に予算は編成することになるわけでございますから、ここ近々のうちに私どもも結論を出すと、結論を出すためにはいろいろな準備も当然必要でございますし、いろいろな各方面の意見も聞いて調整する必要があるわけでございますけれども、結論は近々に出さなければならないというふうに考えております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 つまり予算との関係でその編成の中にいろいろな農林省の考え方を入れてもらうと、それがきまるまでにはまあここで発表はできないし、まだ十分案も固まっていないというふうに考えていいわけですね。そうしますと、御承知のとおりこの前西村農林大臣もたくさんこれから牧草をつくらなくちゃならぬと言われた。確かにいま日本では食肉あるいは乳牛その他畜産物はかなりまだまだカロリーの点から申しましても必要なんですが、たとえば北海道で農林省や、おそらくこれは農林省が一番指導的な立場に立っておるのじゃないかと思いますけれども、畜産振興のモデルにして畜産のパイロット地域の指定を受けたのが根室の畜産ですね。あそこではいろいろな基盤整備やその他あらゆる可能な生産の援助や営農指導を受けたけれども、現在は頭数がふえ乳量も多少はふえた、粗収入もふえた、ところが今日、六十数戸の畜産農民が一戸平均四百七十万円の借金をかかえている。そしてまさに破綻に瀕しているということを、これは直接そこからは聞きませんでしたけれども、その近所に住んでいる農民の方が来て私にこういうことを話したわけですね。ですから、結局、日本の農業がこれまで米作中心であったと、してみれば、他の作物に、あるいは果樹その他いろいろな不均衡がありますけれども、これらに対して農林省が当然その指導を米と同じように引き合うようなそういう価格の補償を今日のように安定価格帯を設けてやっておりましても、これは輸入の差益金であるとかいうようなことで、たとえば食糧庁で麦の差益金を出して多少でも減らして、しかも外国から麦はどんどん入れると、こういうことをやっておられるわけですね。ですから、この問題についての、基本的に米価の問題、あるいは畜産物の価格の問題、そういう価格の補償がなければ、私たちは、この問題は進まぬじゃないか。したがって、農林省でも二万円の作付転換の補償金を出すというようなことがしばしばいわれておりますけれども、いずれにしましても、こういう価格の補償をしていくような方針で、今後、農政指導を新しく、米が過剰ならば他の作物あるいは他の農産品に対する方針を持ってやろうとしているのかどうか。その辺をひとつ大ざっぱでけっこうですが聞かしていただきたいと思うのです。

大和田啓気農林大臣官房長

○政府委員(大和田啓気君) 私ども、稲の転換の問題としてだけでなく、当然畜産物の振興をはかるために価格体系その他について政府として十分努力すべきであると考えております。ただ、冒頭で御指摘がございましたが、設備を相当投下しなければなりませんから、相当な負債で悩む向きも確かにあるわけでございますけれども、しかしここ二、三年乳価の不足払いによって北海道において酪農家らしい酪農が相当多数定着してきたことも私ども間違いない事実だというふうに考えております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 米価の問題では、先ほど物価が上がれば若干は上げなければならぬが、最悪の場合には据え置きにするというふうな表明があったときょう聞きました。御承知のとおり、公共料金やその他はどんどん上げておりますし、ことしも企画庁の四・八%が六%近くにも上がっておる。おそらく来年になればもっと上がると思うのですね。こういう場合でも、生産者米価は大体において現在の方向でもしんぼうしてもらうというようなお考えなんですか。特に、御承知のとおり、米の生産農家にしましても、二ヘクタール以上あるいは三ヘクタールあたりというところは確かに生産費もある程度安くできる。しかし一町前後のいわゆる小農におきましては、これはかなり限界農家といわれるところも含めて生産者米価は生活保障米価には……引き合わぬという事態になっておるわけですね。大体、政府のきめます米価でほんとうに引き合うのは三割だといわれておる。こういう場合にも、一方において物価が上がった場合に、農林省としてはこの問題についてどの程度に今後考慮をして、米審その他がおそらく開かれるでしょうけれども、そういう問題に処するか、この際ひとつお考えを伺っておきたいと思います。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 生産者米価を来年度どういうことにするか、これは農政全般との関連においてきわめて重大な問題でございますので、この段階でどういうふうにするということは私は申し上げられる段階ではないと思うのでございます。いわんや私ども事務当局が言うべきことでもないと思いますが、ただ先ほど農林大臣が他の委員の方にお答えを申し上げましたように、食糧管理法に米価の算定の考え方は明記されておるのでございます。その精神にのっとりつつ最近の米の需給事情等を考慮された価格が決定さるべきであろうしそうなるであろうというふうに思っております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 米価の問題はおそらく政治的な問題ですから言いにくいと思いました。それではこの転換がきかない場合に、たくさん農民がやはり米にしがみついて生産するわけですが、そのときに食管法の根幹は改正しないと、したがってその場合には全量やはりお買い上げになるかどうか、この点をはっきり聞いておきたいと思います。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 先ほどもちょっと触れたのでございますが、総合農政の推進を検討いたしておる中で、米の買い上げの方式について、現在の需給事情のもとで何らか改善の方途はないだろうかということも考えておりますので、全量買い上げという意味の受け取り方いろいろあると思いますけれども、少なくとも生産者の事前売り渡し申し込みにかかる規格内の米につきましては私は政府が責任をもって買い上げをするということはどうしても必要なことであろうというふうに思っております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 私が心配しましたのは、財政上の理由で、大体八百万トンくらいということがよく新聞にも出ているわけですね。そうなればおそらく百万トンあるいはことしのように九百六十万トンということになれば百四、五十万トンの、やはり従来政府が買い上げたものが買われないとなれば、やはり農民はさっきの話じゃありませんけれども、いやいやながらでもやみに流さなくちゃならぬ、ここでまたやみ商人が大いにばっこするでしょうし、そういう問題から私は聞いたわけなんです。ですから、どうぞこの予約方式をとられて、そうしてそれで全量買い上げるということがはっきりするならば、これはまた農民がこれに対して何らかの処置をとるでしょう。こういう点はやはりはっきりしてもらうことが大事だと思うのです。  ところで、ことしずいぶんと検査がきびしくなっております。大体等外米というのは、ことしは自然災害あるいは局地災害ですか、そういうところ以外はお買いにならぬのですか。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 本年度の産米の買い入れ条件を示します際に、従来から政府が予約に基づいて買い入れる米の規格は五等以上の米である、規格内の米であるということをずっと原則としてまいったのでございますが、需給の事情によりましては規格外あるいは等外の米を事実上買い入れたということもございます。で、本年はこういう需給事情でございますので、災害等による大量集団的な等外米、規格外米が発生した場合には、農家として予約を遂行するために非常に困難であるということが起こりますので、これは例外的に買い入れをいたしますということにいたしまして、一般にどうしても等外、規格外というのが普通の生産にも付随して出るものでございますので、一般に災害等の理由なしに発生する等外、規格外米については原則どおり今年は買い入れいたしませんということにいたしたのでございます。ただし、水分過多、水分だけが多いということで規格外になりました米につきましては、これは災害のいかんにかかわらず全量政府が買い入れるということに措置をいたしております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 それは大体いつごろなされたでしょうか。これは、農民が収穫期直前にそういうものを出されたら、これは米が余ったので政府が買わなくなったということにとるでしょう。従来は不足だったから買っておった、今度は余ったから買わぬ、これまでは米だったけれども今度は米でなくなったということになるのですね。もしもあなたがほんとうに農民のことを考えるならば、これは作付するときとかあるいは稲の若干の生長期にずっと早目にこういうことは知らせるべきである、いよいよ取り入れて政府に納めようかという直前にこんなものを出されても面くらうでしょうから、これは決して農民の立場に立った私は農政じゃないと思うんですが、この点はいかがですか。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) この買い入れ条件は米穀の毎年度の買い入れのためにいわゆる予約政令ということで政令を出すわけでございますが、七月に政令を出します際にそういう原則を明らか・にいたしたのでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 政令を出すというのはいつですか。米の成熟期か、あるいは植え付けのときに出されるのか、収穫のあるときか、ちょっとそのことを……。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) これは予約を開始するために必要な政令でございますので、毎年七月に政令を出しております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 では、ひとつ食管制の問題から離れまして、御承知のように、いま残存輸入の問題です。これは御承知のとおり、アメリカと一九六〇年に安保条約が改定され、同時に日米経済協力ということでこれが発足しまして、IMFだの、あるいはガットと、こういうものに日本も入りまして、そうしていよいよ最近になってアメリカがことしの二月でしたか、百数十品目の自由化を要求してきて、ついこの間はいよいよ三年以内に政府としては大体めどをつけると、農林省もこの関係で十五品目ですか、これを大体検討するということになっておりますが、これは新聞が伝えておりますが、事実でしょうか。

亀長友義農林省農林経済局長

○政府委員(亀長友義君) いわゆる自由化問題につきましては、御承知のとおり、日本はガット協定の加盟国でございます。現在いわゆる八条国に移行しまして国際収支上の理由がない限りは輸入制限はできないというたてまえになっておるわけでございます。しかしそうは申しましても農産物等に関しましては、その規定はあるけれども、相当数の輸入制限が残っている。これがいわゆる残存輸入制限であるのでありますが、いわゆる先進国の中で日本が一番多い事情にあります、日本の残存品目は百二十一品目でございまして、そのうち、農林関係が七十三品目でございます。その他は工業品でございますが、ほかの国のフランスであるとか西独に比べますと非常に多い数にのぼっております。しかし一方日本の外貨収支というのは他の国が通貨不安その他で、ドル防衛とかいろいろ騒いでいる中で非常に外貨収支がいいという状況からこの間のガット総会でもニュージーランドの提案を中心としまして三年以内に自由化の推進をする、もしできないものについてはガットの正式の手続で三分の二の同意を得たもののみ自由化を認めるべきであるという簡単な決議案も出るようでございまして、アメリカとの関係は全体的なガット会議の一環として出てまいったものでございます。最初に行なわれるのがアメリカとの協議でございまして、単にわれわれとしてはアメリカだけではなくて、全世界的な日本に対する要求であるとかように考えております。  それからアメリカからの要求品目は三十五品目でございます。そのうち、農林物資が十三品目含まれておるということは事実でございますが、私どもの検討の対象といたしましては、アメリカから要求されておるかどうかに関係なく、現在残っております農林物資の非自由化品目七十三品目全部につきまして一応これが自由化あるいは非自由化あるいはどういう措置が必要であるかということを検討しておる段階でございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 御承知のとおり、日本農業のいろいろな構造、その生産性、これらがおくれておることは事実なんです。したがって、この輸入の自由化ということは日本農業に大きな影響を与えるわけです。ところが、御承知のとおりこの問題については新聞でも農林省はもうこのところこの自由化要求の対象品目に取り上げられておる関係生産者業界から連日のように自由化反対の要請を受け、あわただしい空気に包まれておる。その窓口である農林経済局の内村国際部長は、関係生産者業界からは地獄の使者のように思われ、外務、通産からは頑固一徹な保護主義者だとこづき回わされ、自由化はしないという政府の方針がきまれば特攻隊長として一戦を交えるのだということを語られておると書いてある。頼もしい私は部下を大臣は持っておられると思う。ですからこれは政治の一つのやり方いかんによって、断わればそれによってこれを防ぐこともできるし、またこれをやることが——しかも、アメリカは来年の早々と言っておる、これが実施を。そうだとすればこれに対する対応策はどのようにして農民を保護するかということがなくてはならない。おそらく日本の国内の米の問題ですらまだ十分どういうふうにしてこれをやるかということがないのに、このあわただしい外国からの輸入について、おそらく個個の生産品についての保護政策やあるいはどのようにこれを受け入れて輸入して、しかも日本の農業を守っていくかということについては、大体お考えがまとまっているんですか。この点をちょっと伺っておきたい。

亀長友義農林省農林経済局長

○政府委員(亀長友義君) 自由化の問題は農業としても非常に大きな問題でございますが、政府全体の問題ということで先般両三年内に自由化をかなりはかるということが決定されております。巨体的に農林省所管物資をどうするかという問題は目下検討中でございます。また農林省所管物資と申しましても、これは日本の農家の方がつくっておられるものと直接に関連があるもの、あるいはつくっておられないもの、いろいろ農林省所管にもございます。いろいろ現在総合農政その他いろいろな問題が論議されておることでもあり、私どもとしては具体的品目の決定につきましては十分慎重な検討を重ねた上で対処してまいりたいと考えております。

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) ほかに発言もなければ、本調査に関する質疑は本日はこの程度にとどめます。     —————————————

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) 次に、継続調査要求についておはかりいたします。  農林水産政策に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十八分散会      —————・—————

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