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60回国会参議院1968/12/20

産業公害及び交通対策特別委員会 第2号

発言数
218
登壇者
24
会派数
4
開催日
1968/12/20

会議録

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) ただいまから産業公害及び交通対策特別委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について報告いたします。  去る十三日、櫻井志郎君が委員を辞任され、その補欠として佐藤一郎君が選任されました。  昨十九日、杉原一雄君が委員を辞任され、その補欠として加瀬完君が選任されました。  また本日、大和与一君が委員を辞任され、その補欠として瀬谷英行君が選任されました。     ―――――――――――――

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) 産業公害及び交通対策樹立に関する調査を議題といたします。  まず、関係各大臣から所信を聴取いたします。最初に床次総理府総務長官。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(床次徳二君) 私は、このたび総理府総務長官に就任いたしました床次でございます。総理府に設置されておりまする交通対策本部の本部長もつとめておりますので、よろしくお願いを  いたします。  就任に際しまして一言ごあいさつを申し上げます。御承知のように、わが国の交通事故は依然として増加の趨勢にございます。本年一月以降十一月末までの交通事故の状況を見ますと、死者数は約一万二千八百人、負傷者数は約七十三万五千人でありまして、昨年同期に比べ、死者数において三・八%、負傷者数において二四・七%とそれぞれ増加いたしており、死傷数を合わせますと、すでに十一月末現在で、史上最高であった昨年を上一回るという、まことに憂慮すべき状況にあるのであります。  このような交通事故の趨勢に対処いたしまして、政府におきましては、ここ数年来人命尊重、特に歩行者保護の見地から、交通安全対策を政府の最重点施策の一つに取り上げ、交通安全施設の整備拡充を中心とする道路交通環境の整備。二、学校における交通安全教育の推進、地域社会における交通安全思想の普及徹底、運転者に対する再教育の強化等を内容とする交通安全活動の推進。三、交通暴力の排除に重点を置いた交通秩序の確立、並びに四として、救急医療体制の整備及び損害賠償の確保を主たる内容とする被害者救済対策の強化の四本の柱を中心として、総合的な交通安全施策を強力に推進しているところであります。  私も、交通安全対策の強化につきましては、今後最善を尽くす決意でございますので、何とぞよろしく御協力賜わりますようお願い申し上げます。  以上、簡単ではございますが、就任のごあいさつといたします。(拍手)

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) 次に、荒木国家公安委員長。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私は、先般の内閣改造に伴いまして、国家公安委員会委員長に命ぜられましたが、その責務の重大さを深く痛感いたしております。  委員各位には、平素から交通警察行政につきまして多大の御尽力をいただいており感謝にたえないところでございますが、今後とも格別の御指導と御協力を賜わりますようお願い申し上げる次第でございます。  この機会に、所管いたします警察行政における交通施策につきまして、所信の一端を申し述べたいと存じます。御承知のように、近年わが国におきましては、自動車の普及、利用の著しい伸展に伴い、自動車等の保有台数及び運転免許取得者が急激に増加いたしておりまして、本年は特にその傾向が強く、交通事故による死傷者数は八十万人をこえ、また事故による死者数は一万四千人を突破することが予想され、いずれもこれまでの最高記録となる状況にあります。  このような憂慮すべき状況に対処するため、警察といたしましては、交通事故の処理を直接担当しているものとして交通事故防止の施策を推進するため、関係省庁に常に問題の提起をしながら交通事故防止対策の重点的な推進と大都市等における交通渋滞緩和対策の積極的な推進をはかる観点から、次の対策を推進してまいる所存であります。  まず、交通安全施設の整備充実につきましては、本年度は、「交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法」及び「通学路に係る交通安全施設等の整備及び踏切道の構造改良等に関する緊急措置法」のそれぞれの最終年度にあたりまして、総額約八十七億円の事業を実施しているところでありますが、今後は、最近における交通事故の発生状況等にかんがみまして、新たに昭和四四年度から始まる交通安全施設整備事業三カ年計画を策定いたしまして、その整備をはかりたい所存でございます。  次に、運転者に対する指導取り締まりにつきましては、さらに酔っぱらい運転、無免許運転等の悪質な違反者をきびしく取り締まるとともに、他方軽微な違反者に対しましては、適切な指導取り締まりを行ない、運転者の自発的な交通法令の順守を促すことによりまして、交通秩序の保持につとめてまいりたいと考えております。  次に、交通安全教育につきましては、運転者の交通安全に対する自覚と実践が交通事故防止上きわめて重要であると思われますので、運転者に対しましては、私どもといたしまして、交通安全に携わる民間団体等と協力し、あるいは事業所等における安全運転管理者を通ずる等、あらゆる機会を活用してその安全教育につとめるとともに、春秋の全国交通安全運動の機会を通じ、あるいは民間団体等の活動を通じまして、地域社会における安全教育の強化につとめる所存であります。  また、最近の都市における交通混雑の激化は、都市の機能を著しく阻害するに至っておりまして、この問題の解決は、根本的には都市行政、道路行政、運輸行政等の総合的施策の推進にまたなければならないところでありますが、警察としては、当面合理的な交通規制の徹底、交通信号機の機能の高度化をはかるとともに、これが解消策につきまして鋭意検討を加えてまいる所存でございます。  以上、当面の施策の概要につきまして申し上げたのでありますが、委員各位の格段のご協力によりまして、その実をあげることができますよう、一層の御鞭撻と御指導を重ねてお願い申し上げまして、私のごあいさつにかえさせていただきます。(拍手)

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) では次に、大平通商産業大臣お願いいたします。

大平正芳自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(大平正芳君) 先般、通商産業大臣を拝命いたしました大平正芳でございます。  本委員会の御審議にあたりまして、産業公害問題につきまして私の所信の一端を申し述べさせていただきたいと思います。  公害問題を解決し、国民の健康の保護と生活環境の保全をはかりますことは、経済の発展の推進とともに、通商産業行政の重要な課題であり、通産省といたしましては、公害対策基本法を軸として、産業及び生産技術の実態に即した実効のある公害対策を、今後一段と積極的に推進する所存であります。  第五十八回通常国会におきましては、大気汚染防止法、騒音規制法及び公害防止事業団法の一部改正法が成立し、公害対策基本法に基づく公害対策強化の第一歩が踏み出されたのでありますが、今後は、特に次の点に重点を置いてまいる考えであります。  第一は、公害防止技術の開発促進の問題であります。公害問題を解決するには、何よりもまず優秀な公害防止技術を開発しなければなりません。この点につきましては、従来に引き続き、大型工業技術研究開発制度により脱硫技術の開発を強力に推進するほか、各種の公害防止技術の開発を一段と促進することといたしております。  特に、脱硫技術のうち、排煙脱硫技術につきましては、本年度から明年度にかけて大型工業技術研究開発制度による研究計画が終了する予定となっておりますので、そのあとをうけて、できるだけ早くその実用化が行なえるよう必要な対策を講ずる考えであります。  重点を置く施策の第二は、公害の未然防止対策を徹底いたしますとともに、公害に対する法的規制を着実に実施することであります。  通産省は、以前から、公害の発生を予防するための対策として、新規の工業地帯について、産業公害総合事前調査を実施し、適切な公害防止措置を講ずるよう関係企業等に指導を行なっておりますが、今後は、調査地点の増加、調査方法の充実など、産業公害総合事前調査の徹底をはかることといたしております。また、公害対策基本法に基づく公害防止計画についても、とりあえず四日市など三地域について策定し、計画的な公害防止対策を進めていく考えであります。  さらに、十二月一日より施行されました大気汚染防止法、騒音規制法をはじめ、法律に基づく規制措置についても、着実にその実施を進めてまいる考えであります。  第三の課題は、公害防止施設等に対する助成措置の拡充であります。その中心となる公害防止事業団につきましては、本年に引き続き金利の引下げを行なうとともに、事業規模の拡大をはかることといたしております。さらに、大気汚染防止対策の緊要性にかんがみ、重油脱硫装置の建設に対する開銀融資を大幅に拡大するほか、公害防止施設に対する税制上の優遇措置を強化することといたしております。  以上の対策のほか、政府として、当面特にその実施を急がれている問題に環境基準の設定と被害救済問題とがあります。  硫黄酸化物に関する環境基準につきましては、現在政府部内で早期に設定するよう検討を行なっておりますが、通産省といたしましては、人の健康の保護をはかるため、積極的にこの問題を処理すべきであると考えております。  また、紛争の処理と被害者の救済制度の創設につきましては、すでに中央公害対策審議会から意見の具申がなされ基本的方向が示されております。したがって、今後は、関係省庁と協力して、この線に沿って一日も早く新たなる制度を発足せしめるべく努力する所存であります。  以上、通産省の今後の公害行政の重点について申し述べましたが、委員各位におかれましても、一層の御支援と御協力を賜わりますようお願い申し上げる次第であります。(拍手)

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) 次に、斎藤厚生大臣。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 私もこの際、ごあいさつかたがた所信の一端を申し述べたいと存じます。  私は、このたび厚生大臣を拝命いたしまして、公害行政を担当することと相なりました。各般にわたり各位の御指導と御協力を賜わりたいと心から念ずる次第でございます。  今日、公害問題が当面緊急な解決を必要とする重要な政策課題でありますことは、申し上げるまでもございません。  公害問題の解決にあたりましては、企業の努力、国、地方公共団体の施策はもちろん、国民のすべてが一致して公害の防止のために対処することが不可欠であると存じます。私は、国民の健康と生活環境を守るため、公害を防止するための諸対策を積極的に推進し、国民すべての理解と協調のもとに、公害のない住みよい社会を実現するよう努力してまいる所存でございます。  昨年の第五十五回国会におきまして、このような理念を具体化いたしました公害対策基本法が制定せられましたところでございますが、その際の附帯決議におきましても御指摘がありましたように、今後は、基本法に定められた方向に従い、基本法に基づく施策の具体化等、諸般にわたる公害対策の拡充強化をはかってまいる所存でございます。このため、当面特に次のような施策を重点的に進めてまいる考えでございます。  まず、環境基準の設定でございます。先般亜硫酸ガスに係る環境基準につきまして生活環境審議会から答申があり、目下これに華づき、早急にその設定を図るべく努力をいたしております。  次に、公害の紛争処理及び被害救済の制度の確立でございます。本制度の具体化に関しましては、先に中央公害対策審議会から意見の具申が行なわれたところでございます。これをもとに現在関係省庁間で成案の取りまとめを急いでいるところでございますが、公害問題の迅速かつ的確な解決に資するため、早急にその実現をはかるよう努力いたしてまいる所存でございます。  このほか、公害防止計画の策定、公害防止施設の設置の助成、監視測定体制の充実、有機水銀その他微量重金属の排出規制の検討等、各般にわたる施策を総合的、計画的に実施することによりまして、今後とも公害対策の一そうの推進をはかりたいと存じます。  私は、このような施策を通じまして、公害問題の解決をはかるため誠意をもって十分努力する所存でございまするので、委員各位におかれましても、よろしく御指導、御鞭撻、御協力を賜わりますようお願いいたす次第でございます。(拍手)

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) 以上をもちまして、各大臣の所信聴取を終わります。  これより質疑に入ります。質疑のある方は、順次、御発言を願います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 私は、千葉県袖ケ浦海岸の養殖ノリに対する油被害について質問をいたします。  この被害状況を各新聞は、たとえばノリに黒い油べったり、インド船の衝突被害さらに広がる、あるいは、ノリ被害広がる、木更津でも被害、このように連日掲載をされたわけでございますが、以上の報道は大体間違いないとお認めになりますか。

猪口猛夫海上保安庁警備救難監

○説明員(猪口猛夫君) ただいま先生からお話がありましたノリの被害状況に関しましては、私のほうにまいっております報告と大差ないと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 すると、油は十二月の六日、七日、八日の三日間にわたってノリ漁場に流入したということでございますね。

猪口猛夫海上保安庁警備救難監

○説明員(猪口猛夫君) さようでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 油による被害地域は蔵波、奈良輪、金田、江川、この漁業組合の漁場と見てよろしゅうございますね。

猪口猛夫海上保安庁警備救難監

○説明員(猪口猛夫君) さように承知いたしております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 原因の油は、重油ですか。その重油の原因は、ア号と富浦丸との衝突によったものと見てよろしゅうございますね。

猪口猛夫海上保安庁警備救難監

○説明員(猪口猛夫君) 厳密に申し上げますと、油の成分の分析等をやらなくてはならないと思いますが、客観情勢から見ますると、そう判断せざるを得ないと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 油の流入状況でございますが、十二月八日現在で蔵波は二回、奈良輪の漁場には三回、金田には一回流入しておると見てよろしゅうございますか。

猪口猛夫海上保安庁警備救難監

○説明員(猪口猛夫君) ただいま先生がおっしゃいました、どこそこに何回ということは、私たちのほうで報告を得ただけでございますので、私たちもはっきり確認したわけではございませんが、そういう地元の話を承っております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 水産庁に伺いますが、いまの油の流入状況は私が申し上げたことで間違いございませんか。  それからもう一点、被害さく数は、あるいは被害者の員数はどうなっておりますか。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 流入をいたしました回数は、先ほど言われたことと同じだと思いますが、私ども組合のほうからの報告だということで県から伺っておりますところでは、蔵波が二回、奈良輪が三回、金田が一回と、こういうふうになっております。  それから被害のさく数ということでございますが、その三組合を通じまして一万二千さく、それから被害者の数としては八百十九人の漁業者。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 よくわかりました。  そこで蔵波、奈良輪、金田の現在のさく数は何さくですか。それで油による被害は何%ということになりますか、そのさく数の……。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 蔵波と、それから奈良輪のほうは、それぞれ立て込みましたさく数の一〇〇%が何らかの形で被害を受けておるというふうに組合は言っておるようです。それぞれの立て込みましたさく数は、蔵波が四千五百四十五、それから奈良輪が五千九百六十七、それから金田のほうは何らかの被害を受けましたのが全体の一〇%、その数が千五百ということを組合から県に報告をされておるようです。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それは結局四千五百四十五、五千九百六十七あるいは千五百というものは、現在被害を受けたさく数ですね。で、そのほかにも例年ならば立てられるさくがあるわけですけれども、結局全部油の被害によって種までだめになってくるわけでありますから、これから立てなければならないさくまでに影響があると、これは認めてよろしゅうございますね。現在の油におかされたものだけではなくて、おかされたことが原因で次の新しいさくまでにこれは影響をするものであると認定してよろしゅうございますか。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) その点は、私どもでは必ずしもよく確認はできません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 あとでも触れますけれども、ノリの網は一回だけではないでしょう、三回くらい使うわけでしょう。ところが、網そのものがだめになってしまえば、あとの二回は使えなくなってしまいますね、そうじゃないですか。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) ちょっと、さくというのは、さくですから、大体そのさくの数は変わらないと思います。ところが、そのさくに網をかぶせますから、その網からとれる収穫が年に三回くらいとれるというふうなことだろうと思いまするが、先生の御質問の趣旨がちょっとよくわかりかねますが。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 蔵波の例をあげれば、蔵波では例年七千さく以上をたてておるわけですよ。いまたてておった四千五百四十五が被害を受けたということなんです。その被害は、あと例年ならばふやすことの可能な七千さくに近いものにまで影響があると、これは認めてよろしいではないかと、こういうことなんです。それはそうですよ。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 実際の被害状況によって、あと立てられる場合もあるし、また立てられない場合もあるそうですから現地の現実の実態を見ませんと、ちょっと私どものほうで、どういうふうなことになるか判断がいたしかねます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 立てられるかもしれないし、立てられないかもしれないということは、結局将来のノリ養殖についても影響があると、こういうことも認めてよろしいということでしょう。これは、将来にも影響があるものだ、四千五百何がしという現在の被害だけにはとどまらないじゃないかということを聞いておる。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 状況によって判断しなければならぬと思いますけれども、可能性はあり得るというふうに思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そこで、昨年の一さくの生産枚数は、平均何枚でしたか。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) ちょっと現地の具体的なあれはわかりませんけれども、通常四千五百枚程度のものがとれると思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 千葉県水産部が、昨年は四千五百枚から五千枚と認定しておりますが、大体これは間違いございませんね。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 通常の状態では、そういうふうなことのようであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 本年、あるいは来春ということになりますか、本年作のノリですね、ノリ相場の推定はどういうことですか。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) ノリの価格の推定はなかなかむずかしいのでありますが、ところによりまして、また、これから以降の作柄によりまして、推定はむずかしいと思いますが、私どもの持っておりますのは、実は全国平均でございますので、あるいは現地によって違ってくると思いますが、昨年の全国平均の販売価格というものはたしか十五円か十六円くらいというふうに承知しておりますが、本年の現在までの状況では、多少前年よりも平均的な販売の単価が下がってきているというふうに見ております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 一番の生産地である有明海は七〇%から八〇%の減収ではないかと言われるほど不作ですね、これは認めますか。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 本年は非常に天候があたたかいということで、有明海その他でかなり被害を受けておるという報告を聞いております。ただ現在までのところでは収穫――収穫というとあれですが、取りあげておりますところの数量は、実は前年同期よりも多いのであります。それで、ただそういうかっこうでありますから、網を早くあげておりますので、これから以降どういうふうなことになりますか、気象条件、海況その他によって影響はあることと思いますが、いまのところでは順調な今後の条件が期待されれば平年作ではないかというふうに、私どもは見ております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 私が水産庁の担当の方から伺ったら、有明海は七〇%、八〇%と、そういう減収が予想されるので、東京湾の養殖ノリの値上がりということは、自然的にこれは上がると見なきゃならないと思われるというお話を伺ったのですが、そうじゃないんですか。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 私は、ただいま、部内でつくってもらいましたところの資料をもとにして申し上げておるわけでありますが、その資料によりますれば、先ほど申し上げましたようなことで、一月中旬以降の条件が通常でありますれば、全体としては平均作程度と見込まれる。こういうふうにしるされておりますので、お答えを申し上げておるわけであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 東京湾のノリは現状で平均作ということになりますか、全体を見れば不作な状態にあるんじゃないですか。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 場所場所によって、よくとれておるところもございますし、また、ぐあいの悪いところもございますから、全国おしなべて見た、あるいは年間を通じて見た推定を申し上げておる、それが平均作程度である。だから場所場所によってはいいところもあるし、悪いところもある、そういうふうに思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 養殖ノリ場では養殖技術というものが非常に進歩をしておりますので、暖冬がありましても、昔のように暖冬のためにノリが全然とれないということはないわけです。これはお認めになりますね。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 御指摘のようなことがございますから、冷凍網の技術的な開発によって、そういった気象条件の影響は緩和されておると思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 昨年に比べて――こういう特殊の養殖ノリ技術を持っているが、先ほどあげましたような油の被害を受けたような漁場は別として、一般的にはことしの天候というものは必ずしもノリの収穫には好条件ということではありませんね、一月以降の場合は別ですよ、いままでの気象条件は。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 一概に言いますとあれですが、十一月まではわりあいによかった、十二月に入りましてからは、こういう暖冬なものですから、気象条件が例年よりは悪かったと、こういうことだと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そうすると、昨年の入札価格よりも、ことし非常に入札価格が下がるということにはならないのですか。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 先ほど言いましたように、そういった気象条件がございましたので、いつまでも置いておきますと非常にノリとしては品質の低下なり被害を受けるということで、急いで引き揚げをしてつくって、販売をしておるという関係がございますので、前年の同期に比べては、現在までのところは生産数量といいますか、販売数量が多くなっておる、逆にですね。そういうこともありまして販売の単価は昨年より落ちてきておる。現在までのところはそういう状況でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 私が問題にするのは、いままで幾らで売られておったかということではなくて、現在養殖中でこれから製品になって出る来春以降のノリ相場ですよ。去年は一枚二十二円か二十三円でございましたね、東京のいわゆる浅草ノリ。そうじやなかったですか。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 消費者価格……。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 入札価格は……。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 入札価格は産地産地のことは私いま記憶ございません。全国を平均して通年のベースでは確か十六円ぐらいというふうに記憶しております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 私たちは有明海を問題にしているのじゃない。袖ケ浦沿岸のノリが一体幾らであるかということが問題なんです。幾らですか。二十二円か三円じゃないですか、昨年は。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) ちょっと私いまそこの現地の販売価格が昨年幾らであったかということは、資料を持っておりませんので、先生のおっしゃるような価格であったかとも思いますけれども、私ちょっと持っておりませんので、その点はわかりません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それ、わからないはずないでしょう。調べて答えなさい。――じゃ、それではいわゆる千葉県ノリというものは例年全国のノリの平均価格より高いのか安いのか、これはわかるでしょう。――そんなぽうっとしているから油ばかり入られちゃうのだよ。しっかりしなければだめですよ。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 全国平均に比べて千葉のほうはどうかという、私実は明確な知識はございませんけれども、先ほど言われました昨年の平均の当該三組合の値段というのは二十円程度というふうに承知しております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そうすると、三組合の被害調査の基礎の数字に奈良輪は十七円、蔵波は十七円、それから金田が二十円という数字を基礎に被害額を算定したわけですけれども、この基礎数字というものは過大であるということにはなりませんね。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 県からの数字では三組合が、十七円、十七円、それから金田が二十円ということで計算をされておるようです。 なお最近の……そういうことです。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 何ですって。最後、わからない。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 県からの報告では蔵波と奈良輪が十七円、それから金田が二十円ということで計算をされております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それはお認めになるのですね。それを水産庁はお認めになるかどうか、適当な価格としてお認めになるかどうか。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 私どもとしては、適当な価格であるかないかは、いまのところはちょっと確証する材料はいま直らに持っておりません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 あなた方の保護下にある組合が、油の被害でノリがとれなくなってしまって、これから補償を要求しようとするわけです。その補償の単価は、結局ノリ被害の場合は一枚幾らということを押さえて計算の基礎をとらなければならない。その基礎はいまいったように、十七円、十七円、二十円としたわけです。去年は二十円以上であったわけだから、ことしはノリが不作で、ノリの値段が高くなるという想定ができるときだから、十七円、十七円、二十円というのは、そう高いということではないだろう、こういう質問をしているわけです。それを水産庁は妥当であるとか、低いとか、あるいは高ければ高いとおっしゃっていい。その判定ができないというのはおかしい。あなた方は、ノリ被害に対する補償というものに対しては、水産庁は責任がない、保護なされない、そういう御態度、それならそれでまた質問も別だ。どうです。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 何も回避をしておるわけではございませんけれども、ノリの値段をいかように評価するかということになりますと、もちろんその地域によるノリの品質といいますか、従来のそういったものもございますから、ここに書いてありますところの数字が、そういった意味で本年の当該地域におけるノリの値段の評価として適正であるかないかは、ちょっといま私どものほうとしてはお答えをすることができないということをお答え申し上げておるわけであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 千葉県の水産部も、これが妥当として一応組合の要求というものを認めているわけですれ。千葉県の水産部の認定なりあるいは判定なりというものは、お認めになるのか、ならないのか。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 先ほど申し上げました数字は、十二月の報告のありました当時における当該組合の現実の入札価格をもとにした数字であるという注釈がついておるようです。したがいまして、この値段で、先ほど来お話がございました全体のさく数、それに基づく被害の数量、それに対する評価として適正であるかないかは、私どもとしては今直ちに断定を下すことはむずかしいのではないかというふうに申し上げておるのであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 適正であるかないかではなくして、それならばこれは取引価格でしょう、現実の。十七円、十七円、二十円でそれを押さえたというのでしょう。それは適正も適正じゃないもない、現実に行なわれておった。現実に行なわれておった取引の価格という認定はなさいますね。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 県からはそういった当時における現実の入札価格であるというふうに報告を受けております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それじゃ、そういう計算で被害金額は幾らと認定しておりますか、水産庁は。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 県からは、そういうふうなことで全体の推定被害金額として組合から報告を受けたということで、私どものほうには四億四千万円という、全体でそういうふうな数字が出ております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 どうもどこの国の役所だかわからないような感じを受けるのですけれども――もっとしっかりしてくださいよ。今度は具体的なことですから……。ガマゾールなどの油中和剤はノリに着いた油を除去することができますか。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 油が海面に浮かんでおりますときに、それを分散するといったような目的で、処理剤としてはかマゾールとかあるいはネオス等の薬剤が現在一般的に使われておる。で、現実にノリに付着いたしました際に処理をする方法なり薬というのは、やや実験室的にはある程度やられておりますけれども、実際の実用可能な形というところまでには必ずしもいっていないというふうに承知をいたしております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 ノリに油の斑点がつきますと、商品価値としてのノリはもうゼロになりますね。これはお認めになりますか。  具体的に言うと、こういうことです。ノリにどっか油の斑点がつくと、火にあぶれば油が全部流れちゃってノリとして使えないのですよ。こういうことなんです。したがってノリのどこでも、一部分でも油のついたノリは、ノリとしての価値がないということになっておりますが、これはお認めになるのでしょうね。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 油が付着をいたしますと、御承知のああいうにおいが発しますので、大体の場合は商品として販売することはできないものだというふうに承知をいたしております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それでは補償金額を算定する対象を何と何に押えますか。これをひとつ明らかにしていただきたい。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 一般的に補償を当事者間でやっております。しかし、どういう対象についてどういう金額を計算されて補償額が出てきたというのは、なかなか個々のケースを調べてみましてもむずかしいようでございます。したがいまして、実際の実例からどういったものが対象になっておるかというふうには、なかなかどうしても算定がしにくいような状況でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 具体的に聞きます。ノリの油の被害による減収額、これが対象になりますか。  次に、養殖用の器材とか用具というものは、油によって再度使用ができなくなる。こういう器材、用具の欠損が対象になりますか。あるいは油の排除のために人件費あるいは薬剤費、こういうものがたくさんかかっておりますが、これが対象のワクになりますか。  それから、これからノリの作業というものができなくなるわけですから、全然休業をしなければならない。こういう休業の補償というものは、対象のワクになりますか。  以上四点、なるかならないか、お答えいただきます。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) 損害がありました際の補償をどういうふうにするか、これは原則的にはやっぱり当事者間の話し合い、あるいは最終的には裁判といったことにもなり得るかと思うわけです。そういうことですから、私どもとして何々が対象になるならないということは、いまのところ水産庁としてもなかなか研究が進んでおりませんので、いま直ちにお答えはいたしかねます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 裁判で相対できめるものではないでしょう。水産庁としては、これは対象になる、これは対象にならないという一つの基準というものが当然なければおかしいですよ。これは後日はっきり、その基準というものがなければ、つくって示していただきたい。  あなた方、非常に認識不足だと思いますが、この地域のノリの一戸当たりの収穫というものは――所得金額というものはどのくらいと認定しているのですか。それで生活費にどういう比率を占めているか。それがわからないから、どうも答えがはっきりしない。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) この辺におきますところの漁業の実態は、大体漁業者としてノリ養殖の漁家が大部分、しかも、そういった漁家は漁業にどう所得を依存しておるかということになりますと、ほとんど全部がノリであるということは承知しております。また千葉県におけるノリ養殖漁家の一戸当たりの状態は、所得金額、にして見れば、四十二年度では百十六万円ぐらいの所得規模であるというふうに承知しております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 純所得が百十六万八千九一円、この三つの組合の平均が出ております。八〇%以上です。そういう被害だということを認識して、いろいろ対策をお考えいただきたい。  時間がございませんから、海上保安庁のほうに伺いますが、結局、油のもとは、醤油丸とア号の衝突が原因と見てよろしゅうございますね。

猪口猛夫海上保安庁警備救難監

○説明員(猪口猛夫君) 先ほども申し上げましたように、東京湾内には、たくさんの油を使用する船舶が通航いたしておりまして、それらの船舶から若干の流出油というものは、違法ではないものがあるわけでございます。でありますので、ついている油を詳しく分析等をしてみなければ、にいま問題になっております被害の対象、原因となる油がア号のものであるということは、厳密にははっきり言えないと思います。しかし先ほども申し上げましたように、、客観的な条件は、今回の事件によるものと判断されてもやむを得ないような状況が整っていると判断しております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そういうことをおっしゃるなら、保安庁の責任も追及しなければなりません。衝突するまでは油が流れていなかった。衝突をして油が流れたことは、あなた方も確認しているわけです。そうして、その船が別のほうに移動をして、途中は流さないというけれども、そのまたシーバースに停泊したところで油を流しておることを認めているじゃないか。そんな持って回ったような言い方はやめてもらいたい。  時間もありませんから、先に進みます。衝突前の航行状態を伺いますが、普通航行常識は、これは港則法の十四条にもありますように、ブイの右側を進行するということですね。

猪口猛夫海上保安庁警備救難監

○説明員(猪口猛夫君) 事件がありました浦賀水道の第五番浮標の付近の航行につきましては、制度的にははっきりしたものがございませんが、当庁におきまして行政指導しております通航方法は、ブイに関する限り先生のおっしゃるとおりでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 港則法の十四条の三項に「船舶は、航路内において、他の船舶と行き会うときは、右側を航行しなければならない。」とありますね。これは港則法ですから、いずれの船も守らなければならないわけでしょう。これは守るべきものと考えていいですね。

猪口猛夫海上保安庁警備救難監

○説明員(猪口猛夫君) 先ほど先生のおっしゃるとおりだと申し上げましたが、ブイの左側を通るというのが本来の私たちが指導している航行でございますので、訂正しておきます。  それから、ただいまの浦賀水道付近は、港則法の適用を受けない水域でございますので、この点も御了承願いたいと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 ア号はどういう航路をとっておりましたか。

猪口猛夫海上保安庁警備救難監

○説明員(猪口猛夫君) 先ほど申しましたように、ブイの……ちょっと訂正いたします、ブイを左に見て通る。それでア号はほんとうはブイを左に見て通らなければならないのを、三番ブイあたりからブイを右に見て入って行ったということでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 こっちも専門家じゃないから驚かさないでください。それで港湾内の航行は、適度の速度を保持するということが要求されておりますね。

猪口猛夫海上保安庁警備救難監

○説明員(猪口猛夫君) 視界の悪いときは海上衝突予防法によりまして適当な速力に落として通るということになっております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 視界が悪いときだけですか。「他の船舶に危険を及ぼさないような速力で航行しなければならない。」というのは港則法の十六条にある規定でしょう。

猪口猛夫海上保安庁警備救難監

○説明員(猪口猛夫君) 港域内におきましては港則法に示すとおり、先生のおっしゃったとおりに港域内では衝突を防ぐ意味におきまして適度の速力に落とすことがきめられております。しかし、先ほど申し上げましたように、問題を起こしました浦賀水域におきましては、浦賀水道は港則法の適用のない、いわゆる一般の領海でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 だからといって、適度の速力を保たないで自由に行動していいという、あすこは地域じゃないでしょう、衝突した場所は。どうですか、幾らスピードを出してもいいという地域ですか。

猪口猛夫海上保安庁警備救難監

○説明員(猪口猛夫君) 衝突しそうなときに、あえて全速力で走っていいという地域ではないと思います。しかし、そういうことが制度的にきめられているかどうかという問題につきましては、現在確定した制度はございません。つけ加えておきますが、現実に当時の両船の速力を申し上げておきますが、ア号は十ノット半、富浦丸は八ノット半でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 適度の速度というのは、どういうことですか。

猪口猛夫海上保安庁警備救難監

○説明員(猪口猛夫君) 現在の一般の常識で申し上げますと、十ノットぐらいが大体適度のスピードと申してもいいと思います。過去におきましては六ノットぐらいという時代もございましたが、現在のようにおおむね十七、八ノットないし二十ノットのハイスピードで運航する状況になりますと、十ノットあたりが適度ではないかと思います。しかし非常に濃密な霧の状況になりましたならば、衝突予防法にも書いてありまするように、やはり一応停止をするなり、あるいはデッドスローと申しますか、一、二ノットの非常にゆるい速力で運航すべきだと、私たちは感じております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 この日は大体、視界が千二百メーターぐらい、相当荒天ですね。そうすれば、いかなる場合でも衝突を避けられる速度、これが適度の速度でしょう。この適度の速度というのは具体的にいうと十ノット。富浦丸は八・五ノットだったのですけれども、ア号は一〇・五ノット。運航通念からすれば航行には相当注意をしなければならない気象条件であったにもかかわらず――これは、適度の速度を守っておらなかったという認定が一応下せますね。

猪口猛夫海上保安庁警備救難監

○説明員(猪口猛夫君) 適度の速力という点につきましては、一がいに先ほど申しました速力が適度の速力ではないとは申し上げにくいと思います。と申しますのは、先生もおっしゃいましたように、海面の状況は荒天状況でございますので、自分の操船を保持するためにはある程度その風向、風力に対しまして操船するための必要な速力が要るわけでございますから、無風状態におきますような非常に速力のおそい、低速で操船ができるかと申しますと、一がいにはそうは申しにくいと思います。そういうような気象、海象の状況から判断いたしまして、追手を受けている富浦丸は八ノット半、向かい風で走っているA号は十ノット半というのは、速力の点では必ずしも適度のスピードでないということは申し上げにくいと思いますが、いずれにいたしましても適度の速力等につきましては後日海難審判庁で裁決があるものと、私たちは信じております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それは当然そうでしょう。そうですけれども十ノットというのは最高限ですね。荒天の場合は危険を感ずるならばもっと低い速度で走らなければならないというのが、適度の速力ということになりましょう。それを一〇・五ノット出しておったのだから、これは妥当な、適度な速力を保っておったとはいえないのじゃないかと思うのです。  そこで、この船が出光石油のタンクに油を揚げようとしたけれども、天候不順で操作ができなかった間に油の流出をさせてしまわれたと保安庁は見ているようですが、そうですね。

猪口猛夫海上保安庁警備救難監

○説明員(猪口猛夫君) 予定どおりシーバースに到着いたしまして、すみやかに油を揚陸、荷揚げすれば原因となる油がなくなるのでございますが、その時間を要しただけやはり原因となる油を出すことになったと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そのア号は、先ほど申しましたとおり出光の注文したものを打ってきたわけですね。その航海中の事件なんですね。ところが海水が油に混入して質が低、下したために出光は油の受け取りを拒否しておりますね。そのために港に同船が停船をしているうちに、結局、油が流れ出さざるを得なかった。それで漁民から強い要求があって、二昼夜たってから水の入った油を出光のタンクに入れたわけですね。油を流したのはたしかにア号かもしれませんけれども、出光の企業責任というものはないか、あるいは保安庁の一体指導というものは、この間にどうしていたか。二昼夜も放賢していて、油を流しっぱなしにしておいて、それからその塩水の入った、質の下がった油を出光のタンクに入れるならば、初めから入れることも可能じゃなかったか。この間の措置は一体どうなっておりますか。

猪口猛夫海上保安庁警備救難監

○説明員(猪口猛夫君) 本件に関する衝突地点から揚げ荷地に至る間並びに揚げ荷が終わるまでの間におきまする問題につきましては、ただいま先生がおっしゃいましたような企業責任等の問題もございます。しかし、海上保安庁の立場といたしましては、それらに関しまして強制的に云々する制度的な権限もございませんので、指導的にはそういう意思表示はいたしましても、それを強制する方法はなかったわけでございます。またA号の措置につきましても拱手傍観して何もしなかったというわけではございませんので、その間企業とのやりとりの間におきましても、油の流出を防ぐために防水蓆等を荒天をおかし数回試みて失敗し、あるいは海面の静かになるのを待って展張する等の努力もいたしております。また、衝突以後シーバースに着きまして、からタンクの操作によりまして衝突場所の充満タンクの油を、すみやかに、からタンクのほうに移動させる等の措置も講じておりまして、私たちが調査した範囲におきましては、A号としてはやり得べき措置は十分講じておったと判断せざるを得ないわけでございます。もちろん、もう少しA号自体がオイルヘンスなりあるいは油除去剤を事前に持っておりまして、直ちにその場でオイルヘンスを展張するなり、あるいは油除去剤を少量流出の際の範囲内で散布する等のことがありますれば、被害は少なかったと思います。また、そういうことが好ましいのでございますが、残念にもア号はそれを持っておりません。また、それを強制するような国内法規もございませんので、先ほど来申し上げましたように、A号は、現段階においては、なし得るだけの努力はしたものと判断しているわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 時間がきましたので、これ一間でとどめますが、一体海上保安庁なり水産庁なりというものには次のような認識があるのかと疑いたくなる。出入港の東京湾へ出入する船の油量は四十二年が一億百六十八万トンですね。四十七年になれば一億四千万トンをこえる。艦船の隻数は四十二年度九百六十五隻、六千五百九十一万トンの船が出入りをしているわけです。しかも油による被害は三十九年から四十年各一件、四十一年二件、四十二年四件、四十三年四件と累増しているわけですね。しかも金額も三十九年は四百万そこそこ、こういうのが四十二年には十四億になっておるわけです。しかも油の一体出る量というのは、どういうことになりますか。一千総トンで四百トンから六百トンぐらいの廃油が出るでしょう。これが全部東京湾に出るとは限りませんが、その処理の対策というものがありますか。たとえば千葉県の水産部が提唱して「東京湾をきれいにする会」というのを東京と神奈川でやりましたが、政府は何もバックアップしません。回収船は何隻ありますか、廃油処理施設は幾らありますか、全然なっていないでしょう。こういうものを根本的にやらないで、ア号の措置はよかったとかなんとかいっていたら、限りなく廃油は沿岸に押し寄せて、これは単にノリ被害ということではなくて、大きな公害問題にもなると思う。あなた方は、一般の方からあまり政府のやり方がひどいじゃないかという投書があったのを御存じですか。「澄んだ海、我々に返せ」ということで、十二月九日の朝日新聞に、この湾の回りには二千万人が住んでいる。これが重油だったからいいけれども、原油があふれて、それに火がついたときには一体どうなるのだ。これは原爆以上の被害ということになるんじゃないか。しかもタンカーが何百隻とひっきりなしに入ってくるこの実情というものを一体認めないのか。対策はどうしたのか。これが投書の内容です。私たちは、何もノリ被害をどうこうという問題じゃなくて、大きな公害の問題として、いまに対策を立てなくて一体どうなるという点を指摘したいわけでございます。そこでお願いいたしておきますが、この油の回収船というものは一体いまのような状態でいいのか。回収船が行けば簡単に解決できる問題じゃないですか。中和剤をやったって中和剤じゃどうにもならない。あるいは廃油の処理施設が完備しておれば問題は解決するのじゃないか。そういう点についてひとつ各関係の政府機関として対策を立ててもらいたい。この点はどうでしょうか。

猪口猛夫海上保安庁警備救難監

○説明員(猪口猛夫君) ただいま先生がるるおっしゃいましたとおり、私たちもこの問題の重要性は十分認識しておるわけでございます。私たちも一にがい経験を二回ばかりしておりまして、一つは御承知のように川崎運河におけるタンカーの大火災、それから室蘭港におけるヘイムバード号の大火災、あるいは昨年の三月にはトリー・キャニョンのごとき国際的の大きな事件もございまして、十分対策を立てるべきだということで大型タンカー対策を充実して、四十三年度からはその一部は予算化もされておるわけでございます。何はともあれ、先生の御質問に対してお答えしておる段階でもお話し申し上げましたように、浦賀水道のような狭い水道で何ら交通規制も行ない得ないような現状では、またこのような事故を惹起するかもしれませんので、それらの狭水道におきましても、港内における港則法のごとき一つの交通規制もあえてできるような制度の確立をはかりたいと、私たちは念じておるわけでございます。事実それらを次の通常国会にはぜひとも出したいというようなことで、目下勉強しておる次第でございます。また、先ほど油のくみ取りをやればいいじゃないか、回収船をやればいいじゃないかというお話もございましたが、回収船もさることながら、揮発性の油を積んでおる十万トンくらいの大型タンカーでもし事故が起きますと、予想もつかない大きな事故が起きますので、四十三年度で大型の化学消防船を建造することにいたしておりまして、明年の二月には竣工することになっております。全国で三笹。そのうちの手始めといたしまして、来年の二月には東京湾に大型化学消防船が姿をあらわしまして、大型タンカーが入るたびに、そのつどこの化学消防船がエスコートいたしまして、一たん事故が起こりました際には三十分以内であらゆる措置を講じたいというようなことで、若干整備をはかっておるわけでございます。その他オイルヘンス、あるいは油除去剤等の整備につきましても、応急的なものは国、それから時間がかかりまして拡散したような場合をも考慮いたしまして、民間側で残りの四分の三を負担していただくというようなことで、官民一体となりました協議会で、それぞれの対策を整えていただいておるというような現状でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 関連質問。森本長官にお尋ねいたします。私、加瀬委員と一緒に現地を見て回った。そのあとであまりに被害がひどいので、これはひとつ水産庁にも、みんなに見ていただいたらと、こう思いまして、お会いしたときに、水産庁でいままでこういう被害のあった場合には視察に行ったことがありますかと聞きましたら、そういうことはありませんと、県その他各セクションで調べたのをもとにして対策を立てると、こういうことをおっしゃった。私も、そういう機構を知りませんから、なるほどそうかなと思って聞いておりました。しかし、きょう長官がお答えになったのを聞いておりまして、やはりこれは実際に見ていただかなければ、ほんとうのことはつかめないのだというようなことを考えたわけです。これからこういう場合には視察に行く用意があるかどうかということ。  もう一つ、つけ加えますと、先ほどの御答弁の中で――まあ油のついたものは、ノリを焼いてもすぐ燃えてしまうからだめだと加瀬委員が質問したのに対して、油がつけばたいていは使えなくなるとおっしゃったのですが、たいていどころか、ちょっとでもだめなんだそうです。私、ノリのつくだ煮屋さんへ行って聞いたんです。これは焼きノリにならなければ、つくだ煮に少し混ぜたら使えるんじゃないでしょうかと言ったら、とんでもない、油がちょっとでもついておったら全体のつくだ煮が全然だめになってしまうんで、全然これは使えませんという、こういうことでした。そのものに油がついていなくっても、その周囲ににおいがついたものは――ノリというものは、いわゆるかおりで食べるものですから、これはもう全部だめだといって――私、自分の無知を笑われたという、こういう実情でございます。そのように考えていきますというと、やはりこの補償についても、ノリの被害の算定等については、十分な配慮がなされなきゃならないのであって、私どもの行きました日には、もうすでに、これはどこからか、私確かめませんでしたが、外人の方が仲間をつれましてすぐ実地検証に来ておりました。そして海岸に上げられたノリの網を見ましても、網についておったノリが、青いままずっとありました、網ごと。油でくさくて、そばに寄れないようになっておって、それからさくの竹のところにも――重油というものがあんなにひどいものとは思いませんでした。べっとりとなって、竹筒の中でも何でもすごいものなんです。油が波で寄せてきたのが波打ちぎわのところへきて、石のところヘべったりついたのが、これが全然取れないんだそうです。こうして、まあはっきり言えばくさいわけですね。それで、これは洗ったら使えるんでしょうと、私簡単に、しろうとだから申し上げましたら、いや、これは洗って取れるようなものじゃありません。これは使えません。ノリや網は使えない。竹のさくのごときは、間にゴムみたいな、何といいますか、私名前は忘れましたが、あの中にも油がしみ込んでしまってだめなんです。竹のさくも使えない。それじゃ海をお掃除したらすぐ次、張れるんでしょう、こう言ったところが、これも私、幼稚な質問で笑われたんですが、海を掃海しても今期はだめだ。今期というのは来年の春まででしょう。できないわけです。そうすると、その期間中の補償ということもまたあるんじゃなかろうかと考えていけば、たいへん大きな損害をこうむっているわけです。しかもノリの値段については、県の申請を見ればそうなんだと言う。それじゃあなたは、それを認めるか、認めないかと言っても、私、聞き取れませんでしたけれども、やっぱり確信を持って、自分たちは見に行かないけれども、県の調べられたものを信用して、それに基づいて、それを根拠として対策を立てるとか、何かがなければ――何かいまだにあやふやで幾日たつとお思いになりますか、、ずいぶん長いわけなんです。それでは、その日の生活に困る漁民は浮かばれないわけです。水産庁というところは、そういうことをなさるところではないんですか。別に国鉄にやれと言ってるわけじゃないんです。加瀬さんは水産庁にノリの質問をしてるんだから。やっぱり水産物としてのきちっとした対策がないんですか。一枚十七円とか言ってましたね、全国のノリの平均の価格。それから私、速記録をずっと全部見たんですが、和歌山のノリの被害は外材の防虫剤のせいとか、ずいぶんありますね。そうした場合に、それじゃこのノリの価格はどうなっている、千葉県のはいままでどうだとか、今度の見通しはどうだとか、暑い寒いも関係あるでしょうから。そういう対策がいままで何も立てられていないのでしょうか。要点は、私は実際を見に行くといった手だてを講じてもらいたいということを――やる気持ちがあるのですか、ないのですかということ……。

森本修水産庁長官

○政府委員(森本修君) お尋ねがございましたように、従来までは大体、私どものほうでは現地を拝見するといったようなことは実はなかったわけであります。ただお話がございまして、こういったかなり大きな事故といいますか、事件が起こっているといったようなことで、実際に現地を拝見しなければ、十分私どもの感じとしてもまとまり切れないというようなことがございますれば、そういった現地を拝見して、漁民の実情なり、また、それに基づく私どもの援助のし方なりというようなことについても、十分配慮をしてまいりたいと思っております。     ―――――――――――――

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 きょうは大臣も御退席でありますし、会期末でもございますので、交通問題の根本的なことは次の機会に譲りまして、この間から国会におきましても、また国会の外部におきましてもいろいろと問題となっておりますいわゆる交通遺児の問題について、御質問をしたいと思うのであります。  いろいろ数字も私ども拝見いたしておるのでありますが、本年五月一日でございますか、その数字をお示しいただいて、その後また新しい数字でもありましたら、それをまずお聞かせ願いたいと思うのです。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○政府委員(宮崎清文君) ただいま御指摘の交通遺児の数でございますが、本年の五月一日付で総理府におきまして、全都道府県にお願い申し上げまして、五月一日現在で全国の国公私立の小中学校と、それから特殊学校に在校しております児童生徒であって、親等を交通事故で失った者の数を調査いたしたのであります。この親等と申しますのは、母親、父親、またさらには、すでに両親がおりませんで、たとえば祖父母等が実質的に親がわりでめんどうを見ていた場合に、その祖父母が交通事故でなくなった者の数もすべて含んでいるわけであります。この調査をいたしたわけでございます。この調査の結果を過日の新聞にも発表いたしたわけでございますが、実はごく一部の府県に調査未済分がございまして、過日発表いたしました数は確定数ではございません。一応その過日発表いたしました数を申し上げますと、中学生については約一万一千名、それから小学生が約一万六千七百名ございまして、合計いたしますと二万七千七百名ちょっとおります。繰り返し申し上げますが、ごく一部に未済分がございまして、これを待っておりますと、非常に時間が長くかかるということで、とりあえず発表した数字でございます。現在その未済分の集計を早急にいたすつもりでおりまして、これは推定でございますが、全部集まりました場合に、ただいま申し上げました二万七千七百名にさらに三、四百名程度ふえるのではないかと考えております。  以上が、いわゆる交通遺児の概数でございます。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 この数字は、先般来からいろいろと国会の中でも明らかにせられておりますし、新聞等においても発表になっている数字であります。二万七千七百六十六というこれに、さらに追加分として三百から四百ぐらいふえるかもしれないということなんですが、最終の集計というものは、いつごろになると、はっきりいたしますか。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○政府委員(宮崎清文君) 先ほど申し上げましたように、ごく一部の府県に未済分がございまして、現在その集計の督促をやっている段階でございます。いついっかということをちょっといま申し上げかねますが、できるだけ早く最終集計をいたしたいと思っております。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 さらにその中で、父を失った者といわれておりますのが合計で二万三千二百六十五人、そのうち小学生が一万四千百四十五人、中学生が九千二百二十人、この数字は間違いございませんか。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○政府委員(宮崎清文君) この二万七千七百六十六名という数字の内訳といたしましては間違いございません。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 それから問題は、こういう保証占なりあるいは父を失ったために、まあ学校に行かれないといっても、義務教育でありますから無理してでもいかなければなりません。さらにこの数字を分析して、前から貧困な家庭の方もあるでしょうし、あるいは保護者あるいは父を失ったために貧困な生活をしなければならないという子供たちもあるかと思いますが、家庭の内情というようなこと、経済的な事情というようなものは、分析されたものがございますか。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○政府委員(宮崎清文君) 私のほうでは、これらの児童生徒の家庭につきまして、生活保護法の適用を受けております要保護家庭、それと「就学困難な児童及び生徒に係る就学奨励についての国の援助に関する法律」、 これの適用を受けておりますいわゆる準要保護家庭、このパーセントを調べたわけでございます。で繰り返し申し上げますが、合計がまだ未確定でございますが、先ほど申し上げました二万七千七百六十六という数字を基礎にして、これを見ますと、いま申し上げました要保護者がこのうち九・三%、それから準要保護者が二九%でございます。両方合計いたしますと三八・三%という数字が出ておりまして、この三八・二%に該当いたします家庭におきましては、何らかの意味において生活が困窮、もしくはそれに準ずる困り方をしていると、このように考えております。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 いまの三八・三%という数字は、先ほど私が申しましたように、前から生活保護を受けているとかあるいは準生活保護家庭であるとか、前からの人と、それから保護者を失ったためにそういう事情になったというようなことは区別できませんか。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○政府委員(宮崎清文君) 実は、この問題は調査をいたしますときもちょっと問題になったわけでございまして、率直に申しますとあまり家庭生活の中身まで立ち入って調査をするという印象を与えるのは、いかがかと思いましたので、ごく形式的に五月一日に調査をした時点におきまして要保護家庭であったか、準要保護家庭であったかを調べたにとどまっております。したがって御指摘のように、要保護あるいは準要保護の原因が直接交通事故によるものであるかないかということについては、私どものほうで資料を持っておりません。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 交通事故そのものが、まあ重大な経済的――新しい社会問題だと考えられますけれども、自後の問題としましては、やはり交通事故そのものとともに、たとえばむちうち症の問題であるとか、あるいはこの交通遺児の問題とか、これに対して政府が何らかの手を打たなきゃならぬ、それで衆参両院の予算委員会等におきまして、この問題につきましていろいろと総理との間に委員と質疑応答があったわけであります。速記録を拝見いたしますと、総理も非常に熱心に交通事故を国全体として解決しなきゃならないし、また質問の中に明らかにされた交通遺児の問題についても、何らかの方策を考えなきゃならないというふうに言っておられまして、まあ一見すると非常に前向きの姿勢でありますし、私もそうあってほしいと、こう考えますけれども、調査室としまして、それでは具体的にどういうふうにするかということについて、お考えがございますか

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○政府委員(宮崎清文君) 御指摘のように、この問題につきましては、過日の当院の予算委員会におきまして総理及び総務長官が答弁いたしておりますように、私たちもできるだけ積極的に取り組んでまいりたいと考えております。ところで、それでは具体的な方策はどうかという御質問でございますが、これはいろいろな御意見もございますし、また、いろいろの考え方もあるかと存じますが、当面私たちとして、すぐ何ができるかという観点から考えますと、最近におきましてこの種のいわゆる交通遺児の将来進学した場合の奨学資金等の貸し付けを行なうというようなことを目的とする財団法人を設立しようという機運が、醸成されつつあるように聞いております。したがいまして、そういう民間の団体ができますとすれば、これに対しましていろいろな形で援助をいたしまして、交通遺児が将来高校あるいは大学に進学する場合に、できるだけ進学をしやすくするように、こういうようなことを考えたいと思っております。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 交通遺児の進学に対して、小、中は義務教育でありますが、また義務教育であっても家庭が貧困であるということから、何らかの援助をしなければならないと思いますが、これもおそらく調査室のほうにはそういう数字がないと思いますけれども、中学を終えて高校に進学したいというもの及びまあ貧困のために進学ができない、貧困の中において保護者を失ったために進学ができないといったような分析は、お持ちではないだろうと思いますけれども、それはいかがですか。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○政府委員(宮崎清文君) 先ほど申し上げましたように、まあいろいろのいきさつもございましたので、さしあたっては、いわゆる交通事故の数と、その大ざっぱな生活程度を調査いたしたわけでございまして、今後私たちのこれに対する対策がだんだん煮詰まってまいりました場合には、あるいはそれに応じた、必要な調査をいたさなければならないかと思っております。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 かりに、総理府においてそういう立ち入ったような調査が非常に困難であるとすれば、そういう意味で遺児を守る会とか励ます会というものがあるわけですから、そういうところから入る材料なり、もしくはそういうところに依頼して、その貧困状況とか、あるいは進学困難な状況――それは原因が一般の貧困によるものか、あるいは交通事故で保護者を失ったために進学ができないのであるかというような分析は、もし政府のほうにその考えがあればできるんじゃないかと思いますけれども、そういうことはおやりになったことがありませんか。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○政府委員(宮崎清文君) いわゆる交通遺児についてだけ申し上げますと、いまも申し上げましたようにやっておりません。ただ一般の交通事故被害者につきましては、現在私のほうでこれは十ばかりの県に調査を委託いたしまして、サンプル調査でございますが、いろいろな調査をいたしておりますので、これが来年集計されるわけでございますが、来年の年度末までに――三月までに集計されるわけでございますが、その過程でいま御指摘のような点もある程度わかってくるかと存じます。それはまた、そういう民間の団体等がだんだん育成されてまいりました場合に、そういう団体等に委託してやらせたらどうかという御意見でございますが、ごもっともな御意見だと思いますので、その実施するかどうかは別といたしまして、早急に検討いたしてみたいと思います。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 総理府が何か役所という、そういう建物の中からいろいろ指揮命令するという形でなくって、そういう人たちとよくお話しくださり、あるいはそういう団体の方々は宮崎室長のところにいろいろ陳情にお見えになると思うのですが、そういう交通遺児なりそれを守る会なりの人人と率直にお話しいただいて、どういうところに問題があるのか、どういうふうにすれば解決へ進んでいくのかというようなことを、ぜひともやっていただきたいと思います。そういうようなお話し合いをなさった経験がございますか。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○政府委員(宮崎清文君) 率直に申しますと、従来まではまだ政府のこの問題に関する取り組み方もはっきりしておりませんでしたので、やっておりません。しかし申し上げておりますように、今後は積極的に検討しろということになりましたので、さっそくそういう方々ともよく御相談申し上げまして、今後の解決に臨みたいと思っております。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 冒頭に申しましたように、きょうは交通事故とかあるいは交通災害というものの根本とかあるいは全体的なものは見送りまして、実は私、衆議院でもこの問題について交通対策特別委員会ですか、そういうところで決議をしようという話を聞きまして、衆議院でそういうことをおやりになるならば参議院でもぜひやりたいと考えておりましたが、衆議院の決議の案を拝見いたしまして非常にむずかしいと申しますか、非常に多岐にわたったようなことがございますし、あまり拙速というようなことでもどうかと思いまして、委員長にも、他の理事の皆さんにも私おはかりをしませんでした。いずれ通常国会におきましては私ども十分に検討いたしまして、政府に対して要請し、また督励するような決議を皆さんの御了解を得て、この委員会でやっていこうと、こう思っておりますので、もしそういうことになりましたら、ひとつ総理府総務長官なり宮崎室長のほうによろしくお願い申し上げたいと思います。

田渕哲也民主社会党

○田渕哲也君 関連して。ただいまの交通遺児に関する松澤委員の質問に関連しまして、お尋ねしたいと思いますけれども、この遺児育英資金、奨学資金の助成にしましても、問題はかなりの金額が要ると思います。先ほど民間の財団法人等でそれをやる場合、政府として援助を考えておると言われましたけれども、これは財政措置を伴う援助を考えておられるのかどうか、その点お聞きいたします。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○政府委員(宮崎清文君) 実は、まだ具体的な作業をいたしておりませんので御確答はいたしかねますが、私の気持ちといたしましては、できればそういう点も何らかの形で御援助したいと思っております。しかし何ぶん、財政当局ともこの点は十分まだ打ち合わしておりませんので、私自身としてはそういう方向で努力いたしたいと考えております。

田渕哲也民主社会党

○田渕哲也君 現在、自動車の強制賠償の自賠法の政府保障事業分というものを積み立てるわけですけれども、これは現在どのくらいありますか。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○政府委員(宮崎清文君) 問題は運輸省の所管でございまして、運輸省がお答えすべきところでございますが、来ておりませんので……私の承知しておりまする限りでは、自賠責の保障勘定に約五十億程度の剰余金があるということを聞いております。また、その保障勘定の剰余金につきましては、昨年からその果実――利息分を若干補助金として、たとえば弁護士会でございますとか、あるいは法律扶助協会でございますとか、あるいは医療機関等に支出をいたしておるようでございます。

田渕哲也民主社会党

○田渕哲也君 ただいま五十億余りの積み立て分がありまして、利子の運用で救急センターや弁護士会の支出に当てておるということを聞きましたけれども、これの中で遺児に関する奨学資金の一つの助成策というものが考えられないかどうか、この点いかがですか。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○政府委員(宮崎清文君) これも、私がお答えいたすのはちょっと筋違いかと存じますが、結局いま御指摘になりましたように、現在すでに二億数千万円の利息分を先ほど申し上げたように遺児に補助いたしておりますので、それらに対する補助と、かりにいわゆる交通遺児等の奨学事業を行なう団体ができました場合に、それらの団体に対する補助とが質的に同じであるかどうかという問題がございますが、そこら辺でできるか、できないかということがおのずからきまってくるものと思われます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 私も一言だけ要望しますが、予算編成期前ですから、交通関係で一言だけお願いしておきたい。  遺児の問題が出ましたが、たとえば車庫規制がございますが、十分に活用されておらぬと思う。あるいはパークの規則等がございます。それから駐車場の問題等があります。それから、いま出ました強制保険の問題に対して、自賠法の問題、それとともに交通裁判等、何かいろいろとこれに対して、私は新しい制度と申しますか、いまあるものを強化しなければとてもたいへんだと思うのです。あるいは排気ガスの問題も重大な問題です。  そこで、いま予算編成の前ですから、四十四年は何を重点的にやっていくのか。どうやったらこういうことが防いでいけるかというような問題について、十分ひとつ検討された上でやってもらいたい。また、事故を起こした人もいろいろな点であると思うのです。そうしますと、免許の問題とからんでまいりまして、何か集約されて、こういう欠陥のある人に事故が非常に多いとするなら、免許のときにそういうようなことを加味されても、私はいいと思う。ですから、交通刑務所等もございます。その刑務所に服役するとか、あるいは事故を起こした人に関しても何かやって、そこからも科学的にメスを入れて、免許者に対するチェックを考えていくとか、いろいろなことを私はひとつやってもらいたい。そうでないと、いま数字だけ聞いておって、一万四千とか八十万とかいいますが、これは年々ふえるばかりで、減るということにならぬと思う。ですから十分そういう点を御検討願って、そうしてこの次、今度の通常国会等に入りますれば私は全貌等が明らかになると思いますから、そのときに、ひとついろいろまた質問もし、あるいはお答えしていただきたいと考えております。  そこで質問なんですが、たった一言ですが、自治省にお願いしたいのですが、市町村が条例をつくりまして、騒音防止で、あなたはひとつそとへ出ていきなさい、こういうことを条例に基づいて勧告をします。そのときに一番ネックになるのは、自分は立ちのきましょう、しかしあと地をどうしてくれるのか。たとえば税の問題で申しますと、取得をいたしますと、取得したところに対しては取得税を取られるわけです。ところが片方では税の恩典は、交換には認められているわけですね。それすら認められないわけです。売ったら認めますというが一年以上前にやらないと、これはたいへんなことになってしまう。そこで、せっかく条例等をつくり、そうして条例に基づいて、みんなのために――おれはなるほど騒音を発生しておるし、悪いことだから、自分はひとつやりましょうという善意の人に対して、救済の手と申しますか、促進の手を私は行政的にやるべきだと思う。そのためには、どうしたって制度上そういう土地を市町村が買い上げていくということを確立せなければ、意味がないと思うのです。ですから、公害防止はやるんだ、やるんだと言っても、その裏づけができるかできないかが、きめ手だと思うのです。ですから、それに対する自治省の態度をお聞かせ願いたいと思います。

宮崎剛自治大臣官房参事官

○説明員(宮崎剛君) お答えいたします。  いま先生が言われましたように、公害対策を進めてまいります場合に、工場のあと地を地方公共団体等が確保していくことが大切なことでございます。工場等がそとに出ます場合には、地方公共団体はいろいろの助成金等も――政府等も設けておるのでございますが、あと地を一般的に地方公共団体が買い取る場合の国全体の制度というものは、現在のところございません。ただしかし、首都圏、近畿圏の工場制限区域につきましては、都市開発資金というものもございますし、それからもし、そのあと地を地方公共団体が後で公共事業等に使用するというふうな場合におきましては、起債が認められておるのでございます。しかし、いずれにいたしましても、これは部分的なものでご、ざいまして、必ずしも十分ではないのでございます。そこで、われわれ自治省といたしましては、今後こういうふうな工場あと地を含めて、公共用地をできるだけ地方公共団体が適時に確保いたしておくのがよいと考えまして、現在のところ土地開発基金というふうな制度を検討して、明年度実現に持っていきたいと考えておるのでございます。この制度は簡単に申し上げますと、大体人口十万以上くらいの市、それから都道府県指定市、こういうもので地方自治法に基づきます基金制度を設けまして、その積み立て金によって、いま申し上げました公共事業のための用地並びに工場あと地等を買収しておく制度でございまして、その財源といたしましては、大体起債で二百億円程度。それからさらに一般財源、これについては、まあある程度交付税の裏打ちも考えておりますが、そういうもので、いま申し上げました団体で基金制度を設けまして、工場あと地等の買収にも充てたい。現在こういうようなことを検討して、実現を期しておる状況でございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 宮崎さんのお話を聞きまして、御努力の方向は出てきたと思うわけです。私は、手落ちだと思うのです。条例はつくった、その条例ができても、それを施行するという段階になれば、あと地対策というものが当然出てくるわけです。お聞きしておりますと、公共事業等の土地の先行投資のために、ひとつ土地開発基金制度というものをつくろう、努力しようじゃないか。けっこうだと思いますが、私は欲の深いことを言えば、ほんとうに、あと地だけのプロパーの起債をつくるということがなければ、このいまの公害防止等の条例がほんとうに活用されるとは思いません。ですが、しかしまあ、自治省のほうでは、そうじゃなくて、なんかわけのわからないような、いろいろなことを言ってまいります。いま言ったような近畿あるいは首都圏の、建設省所管になっておる都市開発資金との関係は一体どうなるのか。いままでやっている先行取得の公共事業の起債との関係はどうなるのか。そういうことを明確にして――いや、あの制度がございますよといい、やりましょうと言ってみたら、実は何もなかったということになっては、私は意味がないと思うのです。ですから、もう絶対に、そういう条例の裏打ちとしてやるのだ、やった人には御迷惑をかけませんよ、善意の人なんですから、何らかの対策を立てなければ、それは促進になりますけれども、善意の人が被害者になるわけです。あと地が売れないことには税は毎年払っている。ところが片方は、亜硫酸ガスの問題などについて、脱硫装置については開発の金利はまけるわ、税の恩典はやるわ。同じことだと思うのです、被害を受けている人から言えば。そういうアンバランスにならないように、しっかりやってもらいたいということを申し添えまして、私の質問を終わります。

田渕哲也民主社会党

○田渕哲也君 交通事故に関連しまして、お尋ねしたいと思うのですけれども、交通災害は本年度において件数、死者、負傷者数において、すでにもう昨年を上回ったということが報ぜられております。現在、この政府の交通安全に関する対策なり研究を行なっておる機関、部署そういうものはどういうふうになっておりますか。その点お答えいただきたいと思います。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○政府委員(宮崎清文君) 御承知のように、広い意味の交通安全対策は、現在非常に多くの省庁の所管するところになっております。たとえて申しますと、警察庁でございますとか、建設省、それから運輸省、いろいろございます。したがいまして、交通事故防止、交通安全に関しまして科学的な研究もそれぞれの省庁におきまして、それぞれの分野において研究をいたしておりますのが現状でございます。     ―――――――――――――

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 砂利の採掘の問題でちょっと質問をしたいと思います。これはもう前々から砂利の乱掘については、建設委員会とそれから商工委員会等で、埼玉県の砂利の乱掘の状況を視察をしてもらったことがあります。それで、これはちょっと日にちを忘れましたけれども、埼玉県の大里郡江南村というところ、ここを視察をした際に、村長か出てまいりまして――非常に大きな穴をあけられて、村道がそれによって分断をされている。こうなるまでどうしてほうっておいたのだということを村長に、当時の建設委員長だったかと思いますが、質問をしましたら、やくざ風の若い衆が出てきて、「四の五の言うと、ただ置かないぞ」と言っておどかされたので、そのまま逃げ帰ったというような話があったのです。こういうことでは話にならぬということを言われて、採石法、砂利採取法についてもいろいろ審議が行なわれました。採石法については、砂利採取法と一緒に改正にならなかったのですけれども、砂利採取法の改正だけで、はたしてこのような暴力的な砂利の乱掘というものが取り締まれるものかどうか。きょうの新聞・地方版に出ておりますが、砂利を盗掘をした十九歳の学生が逮捕された、こういうふうに出ております。もう四十年の十一月から今日まで、金額にして約三千六百万円相当の砂利を盗掘していたということなんですけれども、こんなに盗掘をされて、あちこちに大穴をあけられて、その大穴をあけられたために、夏になると水がたまる、それから田植えの時期には水がみんなかれてしまう。こういう被害を受けておりながら、どうにもならなかったというのは、まことにこれは遺憾なことだと思うわけです。こういう不法なことがいままで放置されていたということは、一体どこに原因があるのか。この砂利採取法の改正だけでなお足りないとすれば、現行法についてもっと検討をして、さらに改正をする必要があるのではないかといったようなことが考えられるのですけれども、この点についての通産当局のお考えをお伺いしたいと思います。

倉部行雄通商産業省化学工業局窯業建材課長

○説明員(倉部行雄君) ただいま瀬谷先生から御指摘がありました砂利採取の、特に盗掘の問題でございますが、ことしの五月に御承知のように新しい砂利採取法が制定されまして、八月の二十九日に施行になっておるのでございますが、これまでに約一万近い業者が登録を受けており、かつ、登録を受けた業者から採取計画の認可の申請が出まして、現在その認可の手続が行なわれておるわけでございますが、こういった形におきまして、新しい採取法によりまして、全体として見ますれば、砂利の災害の防止体制というものが逐次整備されつつあるのじゃないかというふうに私ども考えておるのでございます。しかしながら、場所によりましては、従来からの盗掘が続けられておるもの、あるいは最近になって盗掘が出ておるものというような問題があるようでございまして、その問題につきましては、それぞれの土地の状態、あるいは取り締まりの法規の状況によりまして、私どものほうに連絡のありましたものについては、逐次指導をいたしておるわけでございまして、先ほど御指摘がありました埼玉県の例につきましては、調べましたところ、これはいわゆる河川保全区域にあたっておるわけでございまして、河川法の問題としまして問題があるわけでございます。また最近、この件につきまして、埼玉県におきましても、砂利管理課が視察をいたしまして現地を見ましたし、農業委員会等に対しても農地法の問題もあるようでございまして、したがいまして、この件につきましては当面は河川法でございます。あるいは農地法の問題、また同時に砂利採取法の問題、そして措置がとられるものと考えております。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 竹村窯業建材課長は、あなたの前の、前任者だったですね。竹村さんはこの前、建設委員会で視察をする際に一緒に回って、現地を見て、そうして砂利の採取法の改正については、いろいろと骨を折ってもらったわけなんですけれども、今度担当者がかわったわけですね。

倉部行雄通商産業省化学工業局窯業建材課長

○説明員(倉部行雄君) はい。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 あなたは、やっぱり竹村さんからそういったような事情は聞いておられましたか。

倉部行雄通商産業省化学工業局窯業建材課長

○説明員(倉部行雄君) 埼玉県には、他の県と比較しまして災害地域があるということ、また、飯能地区につきまして前課長が視察したということを聞いております。ただいまの江南村の件につきましては、そのような話は聞いておらないわけでございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 これは、江南村の場合は盗掘の学生が逮捕された。それで、十九歳の学生が逮捕されたということなんですけれども、逮捕されたあとで、この逮捕された学生の父親、これは前の村長なんですね。村長が出てきて、自分がやらしたのだというようなことを言っているわけです。それで、その十九歳の者が当事者であれば刑が軽く済むのじゃないかというようなことで、その学生を表に出したのじゃないかという気もするわけなんですけれども、いままで四十年からなんですからね。三年もの間、毎回のようにもうひんぴんと砂利の乱掘による被害が訴えられてきているけれども、さっぱり手が出ない。もっとも砂利採掘事務所長が砂利汚職で逮捕されたというようなことなんですから、まことに、村長だとか、砂利採掘事務所長だとか、こういう職にある人が砂利の汚職に関係していたのじゃなかなか取り締まりがうまくいかないと思うのですけれどもね。こういう問題は、やはり容疑者が逮捕された時点でやっと解決したなんというものじゃないと思うのですね。やはり取り締まりをするためには、どうしたらいいかということを考えなきゃいかぬと思うのですよ。それで部分的な砂利採取法の手直しぐらいじゃ片がつかないと思う。根本的に一体いかにすべきか、きょうは時間の都合もありますから、この採石法の問題やら、いろいろ間口を広げないで、きょうの新聞に出た砂利盗掘の問題だけを取り上げてみますけれども、こういう問題を防止するための根本的な施策というものを、これは立法的に検討してみる必要があるのじゃないかと思うので、その点をお伺いするわけです。

倉部行雄通商産業省化学工業局窯業建材課長

○説明員(倉部行雄君) 先ほども申し上げましたように、新しい砂利採取法がそういった災害に対しまして防止するという立場から、登録制あるいは採取計画の認可、こういったものも含めまして、でき上がったところでございまして、これに応じまして、登録あるいは採取計画の認可というものが進んでおりますし、また他方、県におきましても、埼玉県におきましては、砂利管理課というふうな課も特別に設置するというふうな例もありますように、各県とも、この新しい砂利採取法の成立を機としまして、取り締まりあるいは指導体制というものを強化しつつある段階でございますので、私どもとしましては、この法の運用というものは、さらに整備されていくように当面は考えて、その中で、いま御指摘の問題の解決に当たりたいというふうに、現段階におきましては考えておるわけでございます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 きょうのところは、新しい担当課長だけで、大臣もおみえになっていないし、この程度にしますけれども、この問題はずいぶん長いのですね。それで県のほうの担当者が逮捕されたりあるいは県会議員が、これまた砂利の汚職で逮捕されたり、まことにどうも芳しくない歴史があるわけです。だから、こういう問題は、やはり根本的に手入れをする必要があるのじゃないかと思うから、その点で通産省のほうで検討をするということと、それから、これはちょっと通産省なり、ここの委員会の問題とは違うかもしれませんけれども、逮捕された砂利の販売業者なるものが十九歳であるために、名前を伏せてAとしてあるわけですよ。それで、どこのだれだかわからない。もっとも地元じゃ前の村長のせがれだからよくわかっているわけです。だけれども村長といったような顔役が、十九歳の未成年のせがれを利用して、砂利の採掘をやる、盗掘をやる。こんなことが放任されていて、いいものじゃないと思うのです。だからまた、こういう盗人に対して――十九歳といえども、三千六百万円相当の砂利を盗掘していたという現行犯なんですが、これがAだというようなことで保護される――刑法上まあ未成年だからということで保護されるということは、どうも感心しないと思うのですよ。十九だろうと十八だろうと、どろぼうはどろぼうなんだし、そういうものは何も保護する必要はないと思うのですがね。これは、まあ警察庁関係の、あるいは法務省関係の担当だと思うので、もしいらっしゃったらその点についてお答え願いたいと思うのですが、関係者おりますか、警察庁関係。

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) どなたかいらっしゃる……きょうはあいにく……。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 いいです。まあそれは、ここの問題とは直接の問題ではありませんから、またあらためてそこの点はやります。  それじゃ砂利の問題について、ひとつ、お答え願って、次に移りたいと思います。  いまの問題について……。

倉部行雄通商産業省化学工業局窯業建材課長

○説明員(倉部行雄君) ただいま御指摘がありました点につきましては、従来の、特に埼玉県におきます砂利の採取につきましての問題につきまして、新しい砂利採取法の運用の面も考えながら調査し、善処いたしたいと、こういうふうに考えます。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 では、次の問題に移りますが、科学技術庁……。  大宮市にある三菱原子力工業の臨界実験装置について、昨日、衆議院の科学技術振興対策特別委員会で、畑和委員から質問があって、木内科学技術庁長官が、住民の反対に対して、要するにこれは安全である、安全審査に合格をして安全である、審査は終わったという考え方について答弁があったということで水かけ論のようになってしまったわけです。そこで、現に、大宮のこの三菱の原子力研究所周辺の住民が、不安感を持っているということは間違いないのですね。始末が悪いのです、こういうものは。目に見えるものではないから。煙突から黄色い煙が出ているといったふうな具体的な問題ではない。原子力といったって、一般の人間にはわからぬわけです、しろうとには。それで、放射能の脅威といっても、これまた目に見えるものじゃないし、具体的にどういうものだかわからぬわけですよ。だから、安全だと言われても、ほんとうに安全かどうかわからぬ。一体、その安全を住民に納得させるということが可能なのかどうか、そういう自信があるのかどうか。私らもしろうとで、このしかけの問題についていろいろ言われてもわからない。要するに、不安感は確かにある。その不安感を解消するための方法というのはあるのかどうか。その点をお伺いしたいと思うのですが……。

田中好雄科学技術庁原子力局次長

○説明員(田中好雄君) お答えいたします。  この原子炉につきましては、先生申されますように、私のほうへ申請が三菱原子力工業から出てまいりまして、それで、私のほうは、これを原子力委員会に回しまして、原子力委員会は安全審査会――原子炉安全審査会というのがございますが、そこに権威のある先生方がそろっておられますが、そこで審査をしていただきまして、これは安全であるという報告書が出てまいりまして、それを受けて許可をした、こういう件でございます。  そこで、いまの、住民に納得させることができるかどうかという問題でございますが、この原子炉の設置につきましては、三菱原子力工業は四十一年の十月、ちょうど二年くらい前になりますが、そのころそういう意向を公表いたしまして、以来三菱自身も相当熱心に地元のPRをやってまいりましたし、役所のほうにおきましても、この反対の方々が数回にわたって参っておりますし、それで役所のほうといたしましても、その際は熱心に内容をお話ししたりしたのでございますが、まだ十分一部の方々に御納得いただけないというのが現状かと思います。申請が出ました以上は、審査をして、安全であれば許可をするのが法のたてまえになっておりますので、それに従ってやっておりますが、なお現地の納得につきましては、三菱側に努力をさせるとともに、役所といたしましても、特定の地区に対してどうこうということはできませんが、一般的なPRの費用もいただいておりますので、これを大いに活用して実施してまいりたいと、かように考えておるわけであります。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 まあ、ここのは小型のものだから心配はないといったような説明もあったようでありますけれども、そんな小規模なものであるならば、この町中でことさらに住民が不安感を持っているところでやらなくても、人気のないようなところに持っていくといったようなことは簡単にできないものか、どうかですね。これはそういうことができるならば、何も無理に安全だ安全だといって、わけのわからないしろうとを説き伏せるようなことをしないで、場所を変えればまた問題を解決する方法があるのじゃないかという気がするのですけれども、そういう点は、はたしてどんなものか、この点もお伺いしたいと思います。

田中好雄科学技術庁原子力局次長

○説明員(田中好雄君) これは二百ワットくらいしか出ませんリアクター――臨海実験装置でございますが、それだけに非常に安全にできているわけでございます。  そこで御質問の点でございますが、したがって、そういうものであるから、場所を変えたらどうかというお話でありますが、そういう安全なものでございますので、技術的に見てそういう場所に置き得ると、こういうことになるわけでございます。そこで問題は、われわれの役所の立場から申しますと、先ほど申しましたように、原子炉等規制法というのがございまして、それによりますと、申請を受けましたものは、審査をし――幾つかの許可条件がございます。たとえば平和利用の問題だとか、技術的あるいは経済的な能力があるかどうかというチェックなどがございます。それから安全性の問題は当然でございますが、こういう点をこの基準に従って見ました場合に、それが可能であれば許可をするというたてまえになっておりますので、そのたてまえに従ってやったわけでございます。  そこで、移転が可能かどうかということになりますと、これはむしろ会社側の問題になるかと思いますが、会社側のほうでどういうふうに考えているかは、ちょっと私のほうとしてはつかんでおらないわけでございます。     ―――――――――――――

内田善利公明党

○内田善利君 経済企画庁の方にお伺いしたいと思いますが、水質審議会が十七日に、メチル水銀排出のおそれのある工場五十工場、その水域として三十七水域を水質保全法による指定水域に答申したわけですが、その問題について御質問したいと思いますが、この中に阿賀野川が指定されていないのですが、この点についてお伺いしたいと思います。

宮内宏経済企画庁国民生活局参事官

○説明員(宮内宏君) 阿賀野川につきましては、先般来非常に問題になりまして、メチル水銀中毒のまあ本家のようなかっこうになっておるわけでございます。非常に御心配だと思いますけれども、現在のところ工場排水規制法に基づく施設がございません。撤去している。それからなお、生産に伴いまして生じますスラッジ、そういうものも一切ございません。したがいまして、法律上かけることもできませんし、またこれ以上問題があとに尾を引くということもない、かように考えた次第でございます。

内田善利公明党

○内田善利君 昭和電工だったと思いますが、あれだけ第二水俣病として騒がれました工場ですが、その被害というものがその川の流域に残っていないかどうか、その点について私ども心配するわけですが、この点はどうでしょうか。事業場が閉鎖になったからといって安心できるかどうか。この点が心配なんですが、いかがでしょうか。

宮内宏経済企画庁国民生活局参事官

○説明員(宮内宏君) まあ、くどいようでございますけれども、水質保全法としてはそこまでしか動けないと。これは御心配になっておるのは、まあ土の中とか、そういうところにあるかどうかとか、あるいはお魚の中に残っておるかどうかという問題だろうかと思いますか、これはもう厚生省のほうにおいて十分監視していただけるというふうに考えています。

内田善利公明党

○内田善利君 厚生省のほう、国民健康上安全でございましょうか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○説明員(武藤琦一郎君) 現在、阿賀野川の問題につきましては、私どもとしましては全国一般に水銀の暫定対策要領というものをきめまして、それによりまして、現在県を指導しているわけでございまして、私はまだ、全面的には規制をといてもいいというような段階になっていないというふうに考えております。

内田善利公明党

○内田善利君 経済企画庁のほうにお伺いしますが、無機水銀に対しては、どのように考えておられますか。

宮内宏経済企画庁国民生活局参事官

○説明員(宮内宏君) まあ、十年以上かかりまして阿賀野川あるいは水俣病が解明されてきたわけでございます。まあ非常に水銀の問題はむずかしいわけでございます。それでトータル水銀につきましては、まあわれわれしろうとのようなことを申し上げて申しわけないんですが――事実しろうとでございますので、薬品の中にも水銀は入っておる、たとえば赤チンのようなものも水銀でございます。したがいまして、そういうふうに、すでにからだの一部にも使っておるようなものでございまして、非常にむずかしゅうございます。それで、その辺は厚生省のほうに十分調査願いまして、必要あればかけるような段階になるかもしれませんけれども、当分の間、そういう心配は起きないんじゃないかということで、早急に必要なメチルだけをかけたという次第でございます。

内田善利公明党

○内田善利君 カドミウム、その他重金属類ですけれども、こういったものについて、将来規制する考え方があるかどうか。

宮内宏経済企画庁国民生活局参事官

○説明員(宮内宏君) 重金属類につきましても、当然厚生省のほうの御支持といいますか、必要だというふうな見解が明らかになりますれば、かけていく所存でございます。

内田善利公明党

○内田善利君 通産省にお伺いしたいと思いますけれども、工場の水域の指定ということでありますけれども、私は、工場から排出してくる水を追跡して調査していくことは当然ですけれども、どこからそのメチル水銀が出てきて、どういうふうな経路を経て出てくるのか、そういったことについて科学的に究明していったならば、そこを未然に防いでいったらメチル水銀禍ということは起こらないのじゃないかと、かように思うのですが、通産省の見解をお聞きしたいと思います。

矢島嗣郎通商産業省企業局立地公害部長

○説明員(矢島嗣郎君) おっしゃるとおりに、メチル水銀かとういう機序――メカニズムで出てくるかということは、関係の業界を所管している通産省によって、まずもって十分研究してやることであるし、これが今後における防止措置あるいは必要な規制措置につながるわけでございます。そういう関係で、御指摘の阿賀野川の事件もございましたし、さらには、ことし初頭において小矢部川の事件もありましたようです。たしかことしの六月ごろでしたか。通産省は関係の工場全部について実態調査を行ないました。  以上のようにメカニズムの問題、防止措置の問題その他調査したわけであります。  そこで、さらにそういう実態調査の結果もありましたし、他方、たしか七月上旬ごろでしたか、大牟田川について初めて水銀について、水質保全法における規制というものが始まりました。そういたしますというと、とりあえず、大牟田川についてやったのはいいけれども、同様なポジションにある工場がやはり全国に五十工場くらいあるものですから、とりあえず、そういうものについては、大牟田川におけるメチル水銀の排出規制と同様なことをやるように、その他の工場について通知を出しまして、行政指導によりまして、水質の基準を守るように指示したわけであります。

内田善利公明党

○内田善利君 厚生省にもう一度お伺いします、か、カドミウムその他重金属についても非常に憂慮するわけですが、メチル水銀だけを規制するということについての厚生省の考えをお聞きします。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○説明員(武藤琦一郎君) 現在の段階では、メチル水銀についての規制を通産省のほうでおやりになるのはけっこうでございますが、先生御心配のように、トータル水銀等につきましても、いろいろ学問上わかっいていない点もありますけれども、私どもとしては、やはり、トータル水銀の関係、たとえば魚の中の水銀量が相当程度ある、あるいは関係地域の住民の頭髪の水銀量が高い、あるいは極端に高いものが出てくるというようなことにつきましては、やはり慎重な調査をする必要があるということで、先ほど申しましたように、七月に暫定対策要領というものをきめまして、問題地については特に追跡調査を行なうように指示したところでございます。いま先生おっしゃいましたように、カドミウムその他につきましても、やはりその点が水銀と同様、排水のときのいわゆる限度というもの以外に、やはり天然にも存在することもありましょうし、その他いろいろの事情で、あるいは水ゴケあるいは植物等によってそういう重金属が蓄積する場合も考えられますので、現在、たとえばカドミウムにつきましては、来年の三月の調査結果を待ちまして、水銀同様一般的な対策等もきめる必要がある、かように考えておるわけでございます。  なお、経済企画庁でおやりになっておりますのは、工場から川に流れます場介の排水の問題だけでございますが、そのほか、たとえばスラッジの処理とか、いま私が申しましたいろいろのものについて直金属が蓄積することがございますので、そういう点はやはり総合的に重金属についての規制を考える必要があるのではないかということで、そういう点も研究を進めているわけでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 もう一度、経済企画庁にお伺いしますが、長官は年内にこれを告示して七月一日から適用すると、このようにおっしゃっておりますが、水質基準設定について各都道府県にはもうすでに既存の条例があると思いますが、その既存の条例を殺すといいますか、死なすことのないように、よく生かしていくような水基質準をきめていただきたいと、このように思うわけです。この点についてお聞きしておきたいと思います。

宮内宏経済企画庁国民生活局参事官

○説明員(宮内宏君) まあ二つ問題があると思います。  一つは期日の問題でございますけれども、これはお説のように七月一日から――実は七月一日というのは猶予期間を置いているわけでございます。いま審議会の答申を得まして、実はこまかい事務的な作業が残っております。たとえば何々川のどこからどこまでというふうな指定を官報によって告示するわけでございます。その作業を鋭意進めております。大部分のものは年内に告示が済むというふうに考えております。  それから、第二点の条例が死ぬのでないかと……。

内田善利公明党

○内田善利君 下回らないように……。

宮内宏経済企画庁国民生活局参事官

○説明員(宮内宏君) 御心配でございますが、これにもあるいは二つ問題があるかと思います。一つはメチル水銀についてだけで申しますと、これはどこの県もまだ条例にかけておりません。したがいまして、少なくともメチルについては何ら弱体化するというようなことは考えられないわけです。それから第二についてでございます。一般論でございますけれども、この三十七水域の中にはいろんなケースがございまして、一つはいままで調査が全然水銀だけについて行なわれたというようなケース、これは水銀だけについてかけますので、全然問題ございません。それからすでに、いろんなBODとかSSというふうな項目がきまっておりまして施行されておるケース、これはメチル水銀を加えるだけでございます。こういうのも問題ないわけでございます。問題のあるケースはいわゆる条例だけがあって、今度メチル水銀が新たに加わるというふうなケースが一部あるわけでございます。しかしながら、一般論に戻りまするけれども、水質保全法におきまして、水域を指定して水質の基準を設定するという場合には、あらかじめ都道府県知事の意見を聞くことになっております。これは法律上です。したがいまして、その際には当然関係地方の知事と十分意見を交換する場がございまして、条例を尊重するということで、従来やってまいっております。したがいまして、御指摘のように条例の規制よりも弱いものになるということは、まず考えられないわけでございます。  以上でございます。

内田善利公明党

○内田善利君 話題を変えまして、環境基準についてです。大気汚染防止法に関する環境基準ですが、七月に生活環境審議会が亜流酸ガスの環境基準を答申いたしております。十二月一日から大気汚染防止法が施行されて、国民の健康を公害から守るという、前向きの姿勢で非常に形が整い始めた姿でございますが、厚生省としてはこの環境基準の設定に当たって、どのように現在考えておられるか、聞きたいと思います。   〔委員長退席、理事菅野儀作君着席〕

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○説明員(武藤琦一郎君) 生活環境審議会の答申どおり一日も早く制定いたしたい、かように考えております。

内田善利公明党

○内田善利君 当然十二月一日から亜硫酸ガスの環境基準は設定されるべきではないかと、国民は一日も早くこの基準の設定を望んでおるわけですが、一体どうなっておるのか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○説明員(武藤琦一郎君) 私どもとしましては、環境基準につきましては、できれば大気汚染防止法の施行期日であります十二月一日から同時に発足させたい、かようなつもりで関係方面と折衝を続けておりましたけれども、いろいろの事情で今日まで延びているわけでございます。ただ環境基準と大気汚染防止法は直接的なつながりはございません。だから十二月一日にどうしても施行しなければならなかったという法律的なタイミング等はなかったわけでございますけれども、やはり政策の中心でございますので、私どもは努力したわけでございます。その間の事情につきましては、通産省のほうがいろいろ御事情がおありだと思いますので、お聞き願いたいと思います。

内田善利公明党

○内田善利君 せっかく設けることになった環境基準なんですが、聞くところによりますと、産業界の反対で、まだきまらない、こういうことですが、これでは新しい大気汚染防止法が十二月一日から発足しましても意味がないと思うんです。この公害対策を早く軌道に乗せないことには産業界にとってもむしろ損ではないかと、このように思うわけですが、通産省の見解をお聞きしたいと思います。

矢島嗣郎通商産業省企業局立地公害部長

○説明員(矢島嗣郎君) おっしゃるとおりに、産業界が環境基準の設定に対して反対していることは追憶でございまして、厚生省の答申が出て相当日数もたっておるこの際、通産省としては人の健康の保護をはかるという観点から、なるべく早い機会に環境基準が設定されなければならないと思っておるわけでございます。ところが、そういうように産業界の意見が強く、いわば厚生省と産業界とが非常に対立しているその間の距離が非常に大きいというような事態を見ましたので、通産省としては、これは何とかして収拾しなければならぬということで、先般十一月ごろから通産省が積極的に乗り出しまして、産業界を強力に説得して、できるだけ厚生省の案の線に近づけようと思っておるわけでございまして、現在も鋭意精力的に産業界の説得につとめている次第でございます。

内田善利公明党

○内田善利君 どういう点で説得ができないのか、御説明を願いたい。

矢島嗣郎通商産業省企業局立地公害部長

○説明員(矢島嗣郎君) これは、産業界がいろいろ反対している理由を述べますというと長くなるわけでございますが、一、二の例をとって申し上げますというと、    〔理事菅野儀作君退席、委員長着席〕  やはり今回は亜硫酸ガスの関係ということでございますから、何らかの方法を用いて硫黄分を取り去ればいいわけでございまして、その方法には簡単に一言えば二つありまして、一つは重油そのものから流質分を除く方法、もう一つはガスの段階で、一たん燃してガスになった段階で煙突の途中でもって除くという二つの方法がございまして、前者はもっぱら石油業界に依存するわけで、石油業界の非常なる努力を期待するわけであり、後者は大きな淵源である火力発電所を持っている電力業界に期待するところが多いわけでございますが、ともにその脱硫の技術というものは開発途上であって、まだ自信のあるものができてない段階でございます。それから前者の重油脱硫、すなわち石油業界のほうはすでに緒にはついておりますが、膨大な資金を要する。こういうようなかってなことを言っておるわけで、なかなか通産省の説得に当初は応じてないわけでございますが、精力的な説得を重ねておりますので、逐次われわれの言っている線に近づいてくるやに見えるわけであります。なお一そう説得をすれば、必ずわれわれの期待する線に向かってくるんではないかと確信しておる次第でございます。

内田善利公明党

○内田善利君 厚生省は、この環境基準は国民の健康を守るために最低の基準であると、こういうことで現在設定されておると思うのですが、これは可能な線であるのかどうか、この点についてお伺いしたい。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○説明員(武藤琦一郎君) 経済界の反対の理由に達成不可能ではないかというような御意見がございます。この点につきましては、私どものほうとしては従来も通産省のいろいろな調査指導その他現在いろいろいま矢島部長のほうから御説明がありましたような、いろいろな産業政策の動向等から見まして、漸進的にやれば可能なことだと、かように考えております。この産業界の反対の理由に、この環境基準が事実上いろいろな許可の基準とか、あるいはその他直接的な規制に結びつくことを非常に御心配になっておるわけですが、これは基本法をお読みになればわかると思いますが、維持されることが望ましい基準でございまして一つの行政上の目標でございまして、決して普通の排出基準等のように罰則がかかるとか、そういった性質のものではなくて、この一つの基準をつくって、たとえばいろいろな排出基準の強化であるとか、あるいは燃料政策、あるいは立地政策、いろいろなことを総合的にやる一つの基準でございますので、御心配の点はないと、かように私どもは説得を続けておるわけでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 通産省のほうでは、産業界がうんと言ってないということでありますが、ひとつもっと強力に国民の生活を守るという、健康を守るという立場からもっと強力に説得していただきたいと、このように思います。環境基準は、何といいましても、これは国民の健康を守ると、人間第一主義でいっていただきたい、このように思います。こういうことを言ってはどうかと思いますが、業界の一年間の交際費は約七千億円と言われておりますが、しかもこれは無税にひとしいと、こういう状況であります。どれだけ公害対策に費用がかかるのか、重油から脱硫する、あるいはガスから脱硫するという場合に一体どれだけかかるのか、これと人間の健康と比較した場合に早く実現したほうがいいのじゃないかと私は思うわけですが、通産省はもっと国民の健康の立場に立ってこれの実現に努力していただきたい、このように思います。この点についてお伺いいたします。

矢島嗣郎通商産業省企業局立地公害部長

○説明員(矢島嗣郎君) 先生の御指摘を待つまでもなく、通産省といたしましては国民の健康保護をはかるということが第一義である。それは公害対策基本法にも明示されておるわけでありまして、この点は十分念頭に置きまして従来から施策を進めておるわけでありますが、本件の環境基準につきましても、そういう観点から先ほどるる御説明いたしましたように、強力に業界の説得につとめておりまして、さらに一そうの努力を要しますけれども、この努力を強力に続けていけば必ず説得できるものと私は確信しております。

内田善利公明党

○内田善利君 最後に大臣がいらっしゃいませんが、厚生大臣は去る九日堀越経団連の副会長に硫黄酸化物の基準の設定は今月下旬の閣議で決定する、このように言っておられるわけですが、新聞にも、今月二十日過ぎの閣議で決定する予定である、このように載っておりますが、この点について見通しがわかっておりましたら教えていただきたいと思います。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○説明員(武藤琦一郎君) 私どもとしましては、当初十一月中に設定したいと、かような考えでございましたし、新しい大臣も十二月中にぜひ設定するように私ども事務当局を督励しておられまして、なお、そのお考えについては現在も変わらない、かように考えております。

内田善利公明党

○内田善利君 いつの閣議かわからないわけですね。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○説明員(武藤琦一郎君) 日にちの点については、現在のところ、まだわかりませんけれども、一日も早くやる方針には変わりございません。

内田善利公明党

○内田善利君 最後に、環境基準について公害行政が十分な効果をあげるために、ひとつ通産省、経企庁並びに厚生省、関係機関は有機的なつながりを持って、これを推進していっていただきたい、このように思います。  それから最後に、公害による紛争処理制度と被害者の救済制度の見通しはどうなっているか。これについては一体障害になっているのは何なのか。このことについてお聞かせ願います。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○説明員(武藤琦一郎君) 御指摘の二つの問題につきましては、十日の十八日、中央公害対策審議会から政府に意見具申がなされまして、その線によって現在政府部内で調整しております。いろいろ問題がございますので、今後調整次第ではいま考えております問題についても、必ず各省間の合意をはかりまして、ぜひ次の通常国会には提出したいと、かように考えております。どういう点が問題かという御指摘でございますが、大ざっぱに申しますと、たとえば紛争の問題でありますと、中央と地方の反発の問題をどうするか、それから調停に入った場合も、あるいは仲裁の場合のいろいろ調査権をどういうふうな程度まで認めるかというような問題がおもな問題であります。  それから、救済の問題につきましては、いわゆる業界あるいは国、地方等の関係の負担区分をどうするかというようなのが、一つの問題点であります。  その他、こまかい点につきましては省略させていただきたいと思います。

内田善利公明党

○内田善利君 最後に、これの被害者もやはり国民である。一番因っているのは被害者でございます。この点については通産省は企業に対してどのような指導をしていらっしゃるか、これをお聞かせ願いたいと思います。

矢島嗣郎通商産業省企業局立地公害部長

○説明員(矢島嗣郎君) 公害一般ですね。

内田善利公明党

○内田善利君 紛争処理もです。

矢島嗣郎通商産業省企業局立地公害部長

○説明員(矢島嗣郎君) この被害者の救済制度、紛争処理も含めまして――これは先ほども厚生省から話がありましたように、十月に中央公害対策審議会で答申が出て、そこに基本的な考え方、やり方が全部出ているので、この線に沿って早急に法制化して出したいと――実現したいと思っておるわけでありまして、業界におきましてはすでにその中央公害対策審議会に委員が二、三人おりまして、審議の過程にも参画すると同時に、最終的にも産業界は応分の負担をするということを明示して、これまで通産省はそういうふうにいくように努力をしたいと、こうはっきり一つ出たわけでありますから、その線に沿ってこれを完成するように、さらに必要な指導があればやっていきたいと思っております。     ―――――――――――――

田渕哲也民主社会党

○田渕哲也君 まず初めに、交通災害の安全対策に対して質問したいと思います。  現在、政府で交通安全に関する対策研究を行なっておる機関、部署、そういうものについて、まずお答えいただきたいと思います。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○政府委員(宮崎清文君) 先ほど申し上げましたように、現在交通安全行政は非常に多くの省庁にまたがっておりまして、それぞれの省庁におきまして、当該行政目的に必要な試験研究を行なっておるわけであります。たとえて申しますと、運転適性の問題、あるいは信号機によります交通規制の合理化というような問題につきましては、庁に科学警察研究所というものがございまして、ここで試験研究をいたしております。それから自動車の構造、装置の安全性の問題、この点につきましては、運輸省の船舶技術研究所、これは船舶技術研究所という名前になっておりますが、もちろん自動車を専門に研究いたす部門でございます。それから工業技術院の機械試験所等においても同様に試験研究を行なっております。それから道路構造の問題につきましては、これは申し上げるまでもなく、建設省の土木研究所においてこれらの問題を試験研究いたしております。それからさらに、最近問題になりました、いわゆるムチウチ症等につきましては、これは労働省の系統でございますが、労災病院等においても試験研究を行なっておりますし、また一般の国立の大学、大学病院等においても行なっております。

田渕哲也民主社会党

○田渕哲也君 これは、それぞれのところでそれぞれの専門の研究を行なっておられるわけですけれども、これを総合して、総合的にこれの指導なりあるいは調整をやっているのが総理府ですか。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○政府委員(宮崎清文君) 率直に申しますと、過去におきましては、これらの省庁の研究機関の相互間の連絡が必ずしも十分でなかったという点も若干ございました。したがいまして、この国会等でもそういう御指摘を受けておりますので、最近におきましては、私のほうでできるだけ関係省庁と連絡を密にいたしまして、少なくともこれらの研究機関がダブって研究をするこがないように、つまりむだな研究をすることのないように心がけておりますし、また、それらの研究の成果につきましては、何よりもこれが具体的な対策に役立ちませんと意味がございませんので、そういう試験研究の成果につきまして、これをなるべく総合的に取りまとめていく、こういうことは私のほうで現在努力しておるところでございます。

田渕哲也民主社会党

○田渕哲也君 交通災害も年々増大して、非常に大きな社会問題となっているわけですけれども、交通安全に対する研究、こういう機関を総合的にまとめ、あるいは調整をする部門というものをもっと強化する必要があるのじゃないか。できるならば、これは総合的な一つの機関として、こういうものをつくって、また予算措置においても、現在の状況は、全体ひっくるめても非常に少ないものだろうと思います。特にアメリカ等に比べた場合には、この予算が大体十分の一程度だということを言われておりますけれども、確かにアメリカは日本に比べて国土も広いし、自動車の台数も多いということが言われておりますけれども、日本においてもすでに非常なスピードで近づきつつあるわけです。したがって、早目早目に交通対策に対するこういう機関の充実というものを促進する必要があるのじゃないか。この点お聞きしたいと思います。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○政府委員(宮崎清文君) 関係省庁の試験研究機関を一緒にした総合的な研究所を設けるべきではないかという御質問でございます。まことにごもっともな御意見だとは思いますが、現、実にこれを統合するということは非常にいろいろむずかしい問題がございまして、ちょっと早急にはなかなか困難ではないかと考えております。したがいまして、総理府といたしましては、先ほど申し上げましたように、あるいはこれは御意見によっては次善の策とも言われるかとも存じますが、相互の連絡調整を十分に行ないまして、できるだけむだのないように、効果的な試験研究が実施されるという体制を今後もとってまいりたいと、このように考えております。  それからなお、これらの試験研究機関の予算でございますが、現在、直接交通安全に関係、があると思われる事項につきましての予算といたしましては、先ほど申し上げましたように、各省庁の試験研究機関を合計いたしますと、大体年間三億円程度使っているわけでございます。しかし、これは試験研究機関の予算でございまして、それ以外にも一般の、建設省あるいは運輸省、その他の行政部局がそれぞれやはり試験研究をやっておりまして、これは経常の予算でまかなっているわけでございますが、これらの分につきましては集計はいたしておりませんが、相当額がやはり使われていると思っております。

田渕哲也民主社会党

○田渕哲也君 それでは次に、自動車賠償保険の問題についてお尋ねしたいと思います。これも運輸省のほうになるのじゃないかと思いますけれども、交通災害が非常に激増している状況から見まして、現在の三百万という限度を引き上げることを考えておられるかどうか。

岡田茂秀運輸省自動車局参事官

○説明員(岡田茂秀君) 御指摘のように、鋭意目下資料を集め、検討中でございます。

田渕哲也民主社会党

○田渕哲也君 これは社会的な一つの趨勢から見まして、当然引き上げなければならんというふうに考えておりますけれども、ただこれに関連して、自動車を使う人が払う保険料もだんだん上がってくるわけで、自動車を使う人の意見としては、こういう保険料に対しても、生命保険とか、そういうものに認められているような所得控除の制度というものを認めてもらいたいというふうな意見が出ておりますけれども、これは一理あると思いますけれども、この点はいかがでしょうか。運輸省並びに大蔵省、両方にお聞きしたいと思います。

岡田茂秀運輸省自動車局参事官

○説明員(岡田茂秀君) 御指摘のように自動車の保険料を所得控除していただきたいという点につきましては、運輸省といたしましても、四十四年度の税制改正について要望いたしているところでございまして、われわれといたしましては、ぜひそれが実現できることをこいねがうわけでございます。  まあ、理由といたしましては、先生からただいま御指摘いただきましたように、保険の限度額の改定をやろうとしている矢先でございまして、改定すれば相当の保険料の上げ幅になるのではないかということが目下予想されているときでもございますし、片やわが国における自動車の保有率も漸次高まりまして、企画庁の昨年の消費、貯蓄等の動向の調べによりましても、原動機付き自転車等を加えれば約三〇%強の者が保有するというような状況になってまいりましたので、この際、ぜひそういうことが実現できれば幸いだと、かように思っています。

松永正直大蔵省銀行局保険第二課長

○説明員(松永正直君) 保険は、実は大蔵省の中では税の問題につきましては主税局のほうの担当になっておりまして、主税局の小泉課長補佐からお答えいたします。

小泉忠之大蔵省主税局税制第一課長補佐

○説明員(小泉忠之君) 御質問の御趣旨は、所得税の納税者の所得控除に自動車の損害賠償保険料を入れるように、こういう御趣旨だと存じますが、現在営業用の、事業の用に供されている自動車に関連いたします保険料等の経費は、経費といたしまして損金に、事業の経費として控除されているような状況でございまして、御質問の趣旨はおそらく営業用の、事業の用に供していない自動車の保険料の控除という御趣旨かと存じますが、これは現在、明年度の税制改正等におきまして鋭意検討中でございますが、一般の所得税の納税者の一般的な負担の軽減ということに重点を置きまして、課税最低限、たとえば基礎控除、配偶者控除、扶養控除等の一般的な控除の引き上げとあわせて税率の改正――軽減を検討いたしておるところでありまして、趣旨といたしましては、やはり一般的な減税に重点を置いて考えるべきではなかろうか。  第二点といたしまして、いわゆる事業の用に供されていない自動車につきましての保険料と申しますと、これが他の関連経費というものと区別が非常にむずかしい技術的な問題もございまして、ここら辺のやはり問題解決の重点は税制ということでなしにお考えいただくべきじゃなかろうかと、かように考えております。

田渕哲也民主社会党

○田渕哲也君 自動車強制賠償保険というのは、この名前のとおり強制的に入らざるを得ない保険だと思います。自動車を保有する者は全部入らなければならない。これは本来なら、その自動車で事故を起こした場合に賠償能力は自分が持っておると考えておる人は入らなくてもいいのではないか。しかし、入らなければならないというのは、この自動車事故、交通事故というものが非常に社会的に大きな問題である、したがって保険そのものも非常に社会的な意味を含めて強制保険ということになっておると思いますけれども、その点はどう考えられますか。

小泉忠之大蔵省主税局税制第一課長補佐

○説明員(小泉忠之君) 自動車の保有につきましては、必ずしも強制という要素はないわけでございまして、保有している者にかかわります問題につきまして保険の制度が強制というふうに理解してよろしいかと存じますので、一般の税負担の問題といたしましては、やはりその強制の面が税制上の負担ということでお考えいただきますと、強制要素というものはやはり一般の社会保険料といった保険料の問題とは別かと存じます。

田渕哲也民主社会党

○田渕哲也君 これはいかに自動車を保有するのが自由であっても、自動車を保有している人が、賠償責任は自分がとると思うなら入らなくてもいいというのが、自動車で事故を起こした場合の賠償あるいは傷害賠償に対する基本的な考え方ではないかと思います。これは保険を強制する一つの理由というのは、交通災害というものが非常に社会性を帯びておる。まず第一に、不特定多数の歩行者というものが対象となっている保険である。それから、その場合の賠償責任の遂行ということは公益に合致するという点がある。それから、交通災害の被害者救済の場合に、これは原因とか理由とか、いろいろ調べてみれば非常に複雑なものがあると思います。加害者が一方的に悪くて被害者に全然過失がない場合、あるいはその逆の場合もあろうかと思います。また、どちらとはっきりしない場合も非常に多い。特に日本の道路状況から見まして、非常に狭いところを自動車と歩行者とが混雑しながら動いておる。このような状況の中では、状況としては不可抗力の事故というものもかなりあるのではないか。そういう場合もやはり被害者の救済という、こういう意味があるからこそ強制保険となっておるのではないかというふうに解釈しておるのでありますけれども、この点どう考えられますか。

小泉忠之大蔵省主税局税制第一課長補佐

○説明員(小泉忠之君) 繰り返すようでございますが、自動車の保有に伴う経費といたしまして保険科の控除という問題をお考えいただく場合には、これは維持費の一種としてお考えいただくわけでございますが、これが事業の用に供されている自動車にかかわる保険料ということでございますれば、先ほどお答え申し上げましたように、事業用の経費ということになるわけでございまして、事業の用に供されていない自動車、しかもその取得については強制の要素がない、こういうことでございますので、保険料の控除によって一般的な負担を軽減するという理由は乏しいと存じます。

田渕哲也民主社会党

○田渕哲也君 もう時間もあまりないようでありますので、この論議はいいかげんに打ち切りたいと思いますけれども、ただ、これは交通災害というものの特性が、いわゆる片っ方が加害者であり、片っ方が被害者である、こういうことがはっきりできない場合もかなりあると思います。また、そういう場合の被害者は、それならほうっておいていいかというと、そうはいかない。そういうような非常に大きな複雑な要素を含んでいるという点、それから保険というものの性格にしましても、特定の商品に強制保険をかけるということ自体、ほかにはあまり例がないと思うのでありますけれども、そういう点から考えて、税制の理論上からは、いろいろ疑義がある問題ではないかと思います。この点については、ぜひ来年度の予算編成にあたって大蔵省のほうでも再検討いただきたい。  以上要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) ほかに御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめます。     ―――――――――――――

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) これより請願の審査を行ないます。  第五一号・むちうち症等交通災害者の治療の保障等に関する請願外二十四件の請願を一括して議題といたします。  これらの請願につきましては、先刻の理事会におきまして慎重に検討いたしました結果、請願第五一号、第五二号、第五三号、第五四号、第五五号、第五六号、第五七号、第五八号、第五九号、第六〇号、第六一号、第六二号、第六三号、第六四号、第六五号、第六六号、第六七号、第九〇号、第一〇一号、第二〇一号、第二〇二号、第二五三号、第二五四号、第三二二号、及び第三二九号は採択することに意見が一致いたしました。  右理事会一致のとおり、これらの請願は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものと決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) 継続調査要求について、おはかりいたします。  産業公害及び交通対策樹立に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤シヅエ日本社会党

○委員長(加藤シヅエ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十七分散会      ―――――・―――――

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