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60回国会衆議院1968/12/18

物価問題等に関する特別委員会 第2号

発言数
201
登壇者
17
会派数
4
開催日
1968/12/18

会議録

八百板正日本社会党

○八百板委員長 これより会議を開きます。  この際、経済企画庁長官より発言を求められておりますので、これを許します。菅野経済企画庁長官。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 今回、はからずも二度目の経済企画庁長官を仰せつかったのでありますが、最初経済企画庁長官をつとめたときと今日とは非常に事情が違い、また、ことに問題は物価という点において重要さを増し、また、物価問題というものが今日の日本経済政策の主軸になっておるように考えるのであります。幸いこの国会で物価対策特別委員会ができておりますので、この物価対策特別委員会で物価の問題について皆さんの御審議をお願いをし、そして物価の安定について皆さんとともに努力をしたい、こう考えておる次第でありますので、この上ともひとつ皆さん方の御支援、御鞭撻を特にお願い申し上げたいと存ずる次第であります。(拍手)

八百板正日本社会党

○八百板委員長 次に、経済企画政務次官より発言を求められておりますので、これを許します。登坂経済企画政務次官。

登坂重次郎自由民主党経済企画政務次官

○登坂政府委員 このたび、内閣改造によりまして、経済企画政務次官を拝命いたしました。  皆さま方の御協力を得まして、国民の関心事でありすところの物価政策について、今後、御指導、御鞭撻を賜わりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)      ――――◇―――――

八百板正日本社会党

○八百板委員長 次に、物価問題等に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武部文君。

武部文日本社会党

○武部委員 きょうは、いろいろ時間の関係がございまして、同僚の他の委員からも大臣に対して質疑がございますので、私は、大綱的に、五、六点について見解を求めたいと思います。  消費者物価は御存じのとおり、たいへん上昇を続けておりますし、卸売り物価は強含みの状態であります。そこで、今年度の消費者物価の見通し、この問題については、前宮澤長官と当委員会でいろいろ政府の四・八%という目標について意見を戦わしてきたところであります。  最初にお伺いいたしたいのは、本年度の四・八%という目標を変える必要はないと、前長官は、しばしば当委員会で言明をされ続けてきたところでありますが、一体、新しい長官は、今年度の消費者物価の見通しをどのように見ておられるのか、どういう程度に落ちつこうとしておるのか、また、それを何%ぐらいと見ておられるのか、この点を最初にお伺いしておきたい。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 お尋ねの、本年度の消費者物価の問題でありますが、なるほど、最初は四・八%とかいう見通しを立てておったのでありましたが、現時点のもとでは四・八%に押えることは困難だと考えます。しからばどのくらいになるかということにつきましては、目下、経済企画庁のほうでいろいろ調査材料を集めておりますから、その具体的な数字については、まだ見通しがつきません。

武部文日本社会党

○武部委員 日本勧業銀行の発表によれば、本年度の消費者物価の上昇の見通しは六・五%、他の銀行の予測も大体これに近い線が出ておったのであります。当委員会で前長官がしばしば、五・五%以上消費者物価が上がったときには、時の経済政策は失敗だということをここで言明を続けてこられたわけです。本年度の上半期は、御案内のように、五・七%の上昇になっておる。もしかりに四・八%という政府の見通しを持続するということになれば、十一月以降の消費者物価の値上がりを三・七五%に食いとめなければ、四・八という数字は出てこぬのであります。一体、三・七五%というような数字がいまの現実に即してどんな数字かということは、私が言わなくてもわかっているところであります。かりに十一月以降の消費者物価の値上がりを、前年の下半期の傾向、この数字と並べて、この程度のものだったといたしますと、政府の方針にのっとった計算からいっても、実は五・六%という数字になる。先ほど私が申し上げた五・五を突破しているのであります。去年の十一月以降の消費者物価の値上がりの数字をかりにことしに当てはめてすらこういう数字になる。去年とことしとは内容が違っておるのであります。こういうことを考えると、五・六や五・七というような数字でことしの物価がとどまるというようなことはとても想像できない、そういう状態だと私は思うのであります。  しからば、これから年末にかけていろいろ物価の上昇等が考えられるわけでありますが四・八の目標についてはあなた方のほうではあまり自信がなさそうだ。これはたいへん固執をされておったけれども、変わってきたわけであります。それならば、一体何%程度に本年の物価の上昇を食いとめていこう、こういうふうにお考えなのか。そのためには、これから来年三月までの約四カ月間にどういう物価政策をおとりになろうとしておるのか、これをひとつお伺いしたい。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 消費者物価の対策についての御質問がありましたが、この物価の問題につきましては、即効的な対策というものは、これは非常な困難であります。したがいまして、この本年度の消費者物価を幾らにするということにつきましては、各方面の材料を集めて見通しを立てていこうとしておるのでありまして、できれば五・五%以内になることをわれわれは念願いたしておりますが、目下調査中でありますからして、しばらくひとつその点についてば御猶予をお願いしたいと感ずる次第であります。

武部文日本社会党

○武部委員 そういたしますと、これからの問題について長官の見解をひとつお伺いしておきたいと思いますが、あなたは今度の長官に就任をされた直後の十日の日に閣議後の記者会見で、来年度の消費者物価の値上がりは五%に押えたい、こういう発言をしておられます。きょうの新聞報道によりますと、大蔵大臣は五・二%以下にとどめたい、こういうことが載っておるのであります。さらにあなたは、長期的にはもっと安定させる経済政策をとりたい、こういう発言をされておるのであります。また別な面で、物価問題は公共料金など個別物価を押えるだけでは解決しない、より根本的な問題を追及する必要があるということをお述べになっておる。ところがついこの間まで、当委員会で宮澤長官はどういうことを言っておったかといいますと、公共料金にストップをかけて、国の財政負担を強くすべきである、そういう対策を立てるべきだ、こういうことを当委員会でお述べになっておったのであります。なぜそういうことを言ったかということの背景に、宮澤長官は、政府みずからが物価抑制の姿勢を示して、政府主導型といわれるような物価値上がりに待ったをかける、そういう政府の政策をとるべきだということをお述べになっておる。その根本は、公共料金をまず国の財政によってまかなって、政府主導型といわれるような、そういう物価上昇を押えるべきだということをおっしゃった。あなたの言明は、公共料金など個別物価を押えるだけでは問題は解決しない、こういう御発言をなさっておるわけですが、めじろ押しに並んでおるこれからの問題について、公共料金の問題を一体どういうふうにお考えになっておるか、これをひとつお伺いしたい。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 いまのお尋ねの中に、私の言う基本的、長期的な対策と当座的な対策とを混同してお尋ねがあったと思います。  基本的な問題としては、産業構造の問題、日本の経済が急激に発展し、ことに生産性の高い産業が発展してきたということ、それがために生産性の低い産業というものが立ちおくれておる、ひずみができたというところにこの物価の問題があるのでありまして、そういうような問題については、これから基本的にひとつそのひずみの是正をやりたいということを考えております。  そこで当座的な問題としては、たとえば公共料金の値上げをやるというような問題がいま起こっておりますから、これについてはそれの対策を考えなければならないということになるのでありまして、公共料金を押えるだけではこの長期的な物価の引き下げには直接効果がないという意味のことを私は言ったのでありまして、宮澤長官の言われたことばは私はやはり妥当と考えております。宮澤長官の公共料金を押えるということ、政府が主導的に価格をやるという、その方針はやはり私も踏襲していきたい、こう考えておる次第でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 そうしますと、これからの通常国会でいろいろ論議するところでありますが、いま問題になっておる国鉄運賃、これは消費者物価にはね返りは〇・二、電報電話料金は、いま計画になっておるところだけ見て、はね返りは初年度が〇・一六、次年度から〇・三二、こういうようなことがいわれております。あるいはまた小麦の価格、こうした問題についても、逆ざやを解消するために国内産の小麦の価格を約二〇%上げる、こういうことがいわれておる。前回も私ここで申し上げたわけでありますが、輸入の硬質小麦が一・二%上がった、そのときに、これはパンの値段に影響するのだから、こういう点について政府が財政的措置を講ずることが必要ではないか、こう言ったところが、いやその値上がりはたいした影響はないのだ、一斤のパンにしてもわずか十二銭の影響しかないとおっしゃった。現実はどうでしょう。パンが一斤五円から十円上がっておるのです。今度の二〇%の国内産の小麦の値上げをかりに政府が考えておるようにやったとすると、一斤について二円六十銭の――前は十二銭で五円上がっておるのです。今度は一斤について二円六十銭影響するということを政府みずからが言っておる。こういう点について、国の財政的措置を講ずることによって、そうした非常なる波及の値上がりというものを食いとめていかなければならぬ、われわれはそういうふうに主張してきたわけであります。残念ながら今日までこの国の財政負担ということが行なわれないままに、来たるべき四十四年に国鉄の運賃や電報電話料金や小麦の問題やあるいは国立大学、地下鉄、私鉄、こういうようなものがこのまま推移すれば、来年の物価の上昇というのは、とてもじゃないが大蔵大臣の言っておるような五・二以下、こんな数字にならぬのです。一体、来年度の物価上昇をどの程度にお考えになって、これから公共料金の問題についてはどういうふうに大蔵省のほうと御折衝になって、物価の担当大臣としてはどういう決意を持っておやりになろうとしておるか、それをちょっとお聞きしておきたい。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 来年度の消費者物価につきましては、私個人の希望としては五%以内に押えたいということを私はしばしば言明しておりますが、しかし、来年度の消費者物価の見通しについては目下計算しておりますから、やがて発表することになると思います。  そこで問題は、公共料金がやはり主役を演ずるのでありますから、この公共料金をどうするかという問題で、いまお話しのとおり、公共料金の値上げが他の物価に波及するということは当然考えられる問題であります。そこで、これはしばしば本会議、予算委員会でも私申し上げたことでありますが、公共料金は公共料金なるがゆえに、その価格決定については政府が深甚の注意を払わなければならぬということ、公共料金が値上げしただけの分についていえば、それは国民生活にそう影響ないかもしれませんが、しかし、これが公共料金であるがゆえに国全体の政策として考えなければならぬ。たとえば国鉄で生鮮食料品の運賃を安くするということは、やはり物価対策の意味から特別そういうように安くするということが考えられるのであります。同時に公共料金は、ことに物価上昇のおりには他の物価に波及するということを考えなければならぬ。ただ公共料金だけでいえばそれは問題ないかもしれぬが、他に波及するということを考えなければならないので、したがって公共料金の値上げについては慎重に扱わなければならぬという態度をとっております。この公共料金の問題については、大蔵大臣と話し合ったことはまだ一度もありません。これは臨時国会が済んだあとで話し合うということにしておるのでありまして、したがいまして、公共料金の問題については、それをどうするかという最後的の決定はまだ見ておりません。大蔵大臣と話し合ってきめたい、こう考えておる次第であります。

武部文日本社会党

○武部委員 なおこの際ひとつお伺いしておきますが、いまガソリン税と軽油引取税の問題が巷間ちょっとにぎわしておるわけです。ガソリン税は一〇%、軽油引取税は二〇%、これを上げますと、ガソリン税でキロ約二千八百七十円、軽油のほうで三千円上がります。軽油のほうは御承知のようにバス、トラックの運賃にはね返る危険性を非常に帯びておるわけです。ガソリン税のほうは全般的に非常に大きな影響を与える。あなたは通産大臣をおやりになっておったし、いろいろそういう御経験もおありでしょうが、これは相当消費者物価に影響を与えると思うのですが、この点についてはあなたはどういうお考えでしょうか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 税金の問題自体につきましては、これは大蔵省の所管でありますが、しかし、その税金を上げることによって諸物価に影響を及ぼす場合には、私のほうからもまた意見を述べなければならぬ、こう考えております。ガソリン税の問題もまだ全然相談を受けておりません。が、しかし、物価を安定せしむるという意味においてはすべての価格を上げたくないというのが私の希望であります。

武部文日本社会党

○武部委員 きょうはこの問題はこれだけにして、あらためてまたお伺いをいたしたいと思います。  そこでもう一点、就任後、去年の三月に発表になった経済社会発展計画の修正についてお述べになっておる。これは去年の三月なんですね。それをいま急に修正を言明されてきた。四十六年には物価は三%上昇だ、こういう目標だということが載っておりますね。就任後最初にお述べになったのはこれなんですよ。ですからよほどお考えになっておると思うのですが、何か基本的な構想がございますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 昨年の三月に決定いたしました経済社会発展計画というものは、大体その材料は昭和四十年の不景気の数字を基礎といたしておりますから、したがいまして、すべて計算が控え目な計算になっております。したがって、その後における日本の経済というものは、御存じのとおり非常な発展をしてきたのでありますから、その計画の内容と実績とは非常に違っております。そこで私といたしましては、事情がかくのごとく変わってきたのであるから、したがってもう一度、最近までの実績を基本として、この計画自体を再検討する必要があるのじゃないかということを申したのであります。その意味において補正する必要があるのじゃないか。いつまでも最初にきめた計画どおりのことを墨守せずして、材料が変わっておれば、また経済事情が変わっておれば、それによって計画も変更すべきじゃないかという考え方を私はいたしておるのであります。

武部文日本社会党

○武部委員 では先へ急ぎまして、大型合併です。富士と八幡の問題については当委員会でもいろいろ論議を呼んだところでありますが、これまた長官は、就任直後、記者会見において、大型合併、特に八幡、富士の合併は必要であるという談話をお述べになっておる。いまの段階は、きょうも公正取引委員会はこの問題で委員会を開いております。公取の結論は非常に微妙な段階であります。その段階に――あなたは去年通産大臣をおやりになって、もうこのことはよく御承知のとおりです。ところが就任後早々、まだこういう非常な微妙な段階なのにかかわらず、企画庁長官として、大型合併、特に八幡、富士の合併は必要であるというふうにお述べになっておる。私はそういうような先制攻撃をかけるような発言はおかしいと思うのです。あなたの考えは産業優先主義ではないかといわれるのはそこにあるのですが、どうでしょうか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 大型合併の問題につきましては、私は通産大臣時代からこれは言っておることばでありますが、私の経済理念からいうと、国際市場を持っておる産業は、これは外国の大企業と競争する意味において、日本の企業をもう少し大型にしなければならぬという考え方で、私は通産大臣時代からそういう方針でやってきたのであります。でありますから、国内市場だけであると、これは独占価格というようなことで問題になりますが、国際市場でありますから、外国との競争上どうしてもやはり大型になって、コスト、生産費を下げて、そして売り値を安くして外国商品と競争しなければならぬという意味において、日本の産業を維持する、発展せしめる上において、私は大型合併というものは必要であるという意見を前から持っております。しかし、いまの八幡、富士の製鉄の問題は、これは公正取引委員会が決定することでありますから、これは公正取引委員会の決定にまたなければならぬと考えておりますから、それを私が支配するような意味を言うておるのではない。私の経済理念を言うておるのでありまして、これはお互い、皆さん方もいろいろ意見があるし、われわれも意見があるし、これはやはりみんな各人意見を持っておる人はどんどん意見を発表されたほうがいいと思うのです。公正取引委員会は各方面の意見を参酌して、公正な決定をされるのじゃないかということを期待しておる次第であります。

武部文日本社会党

○武部委員 あなたは、聞くところによると経済学博士だそうでございまして、経済専門だそうでございますから、あなたの御意見を聞いておきたかったのでありますが、八幡、富士の合併がシェアの関係から寡占であり、管理価格に非常に大きな影響を持つのだという点から、この合併については賛否両論あるのです。それは御存じのとおり。それをあなたが就任早々に、大型合併賛成だと言うのは、やはりいま前にある八幡、富士を意識して言っておるとだれも思うのですよ。そういうふうに非常に微妙な段階にある際に、物価担当大臣が合併大賛成というようなのろしをお上げになることについては、おかしいじゃないか。ですから、これから先は、物価担当大臣なんですから、ひとつ慎重に御考慮願わなければならぬ、このことを申し上げたかったのであります。  さらにそれに加えて、これまたあなたが通産大臣のときからの問題ですが、再販維持契約の問題であります。御承知のように、昨年再販の新法の提出は見送られました。これにはいろいろ事情があった。当時私は、通産から相当な圧力がかかったということをここで発言したところが、そんな事実はないということをおっしゃったが、あれが廃案になったという背後に通産の圧力があったことは否定できないと思うのです。いま再販の問題をめぐっていろいろ意見が戦わされておりますが、一体物価担当大臣として再販制度についてはどのようにお考えになっておるか、これをひとつお伺いしたい。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 再販制度は、これは私の記憶では石橋通産大臣のときにきめられた法律ではないかと思っておる。そのときの説明は、中小企業保護というか、小売り商人保護というような目的でこの再販制度が必要だというような説明を聞いたと思うのでありますが、しかしそのときと今日とは事情が違っております。再販制度自体については、それは再検討すべきではないかと思うのであって、私の通産大臣時代も、決してこれを圧迫するとか制度をなにするとか、そんなことを言うた覚えはありません。再販制度自体は再検討すべき時期になっておるのじゃないかということを私はしばしば言明しておったのであります。

武部文日本社会党

○武部委員 よくわかりました。  それでは時間の関係で通産大臣に対して最後になりますが、御承知のように、本年、四党共同提案で消費者保護基本法というものをここで成立をいたしまして、私どもはこの消費者保護基本法が名実ともに実のあるものにするために、これからの通常国会で法律改正あるいは新法の制定、こういう問題に取り組むことを四党で約束いたしておるのであります。さらに消費者関係の予算面についての質問等もいたしまして、各省からそれなりに消費者保護の予算についての説明を受けました。そこできょうはお願いになるわけですが、内容を見ると非常に微々たるものであります。まことに少額であって、これで消費者保護行政ができるだろうかと思われるような面もあります。また定員の増にしても、輸入食品の監視員あたりはたったの九名くらいしか増員を要求しないような、そういう厚生省内部の事情もあるようであります。しかし、この保護基本法を先ほど申し上げるような名実ともに実のあるものにするためには、予算面で、あるいは法律の改正で、相当な改正をやらなければ、あるいは増額をやらなければ、これは実のあるものにならぬと思うのです。そういう意味で、ひとつ消費者保護の立場から、この基本法が名実ともに実のあるものになるために、予算面で、法律改正の面で、企画庁長官が指導的な立場に立っていただいて、来たるべき通常国会ではそういう問題についての解決が前進するように、とくと御配慮をいただきたい。これを最後に要望して、同僚議員と一応交代いたします。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 消費者保護の基本法が成立したということは、私はまことに喜ばしいことだと思っておるのであります。もともと、私が最初経済企画庁長官を仰せつかったときに、消費者行政ということを今後の経済政策の基本にしなければならぬということを申し上げたのであります。それまでは生産者本位の経済政策をやっていたと思いますが、それはもう申すまでもなく、当時は戦後の物のないときでありますから、したがって物をつくるということが日本の経済政策の基本であったと思います。しかし、いよいよ物ができ上がってきますると、今度は物というものは結局消費者のためのものでありまするから、したがって消費者に利益をもたらすようなものをつくらなければならないということであります。先般も私が大臣就任の際には、量の経済から質の経済に変わらなければならないということを申し上げたのでありますが、それはひっきょうするに消費者保護の立場から申し上げたのであります。皆さんのお力によってせっかくこういう基本法ができ上がったのでありまするから、今度はこれを具体化することに経済企画庁が率先してまた指導役をしなければならぬ、こう考えておりますが、いまは来年度予算について私はまだ全然聞いておりませんから、具体的なことを聞いてまた前進したい、こう考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 ぜひひとつ努力を願いたいと思います。  それでは一応……。

八百板正日本社会党

○八百板委員長 村山喜一君。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 今度長官になられた菅野さんは経済企画庁は二回目であるし、また通産大臣としてのキャリアもお持ちでございます。そういう意味においてはきわめて有能な大臣に物価対策に取り組んでいただくことに対して、私は敬意を表したいと思います。しかしただ、大臣に就任をされまして、五%以内に物価を押えたい、それが単なる願望であっては、政治をつかさどる、しかも国に対して責任を持つ経済企画庁長官としては、やはり責任を果たし得ないと私は思うのです。そういうような立場から、きょうはマクロ的な立場であなたのお考えをお聞きをいたしまして、個別的な政策論やあるいは個々の問題については、後日また質疑をさせていただきたいと思っております。  まず初めに、私はいまの日本の経済の体質を見ますと、高度成長をやらなければやっていけないような企業体質というものがあるのじゃないだろうか。実質一二%くらいの高度成長をたどっていかなければならない、そういう企業の体質というのがあるところに一つの問題点があるのじゃないか、このことを考えるわけです。そういうような立場から問題をながめてまいりますと、その五%という目標は一体どこに次元を置いてお考えになったのかという基本から入らなければならないと思うのです。というのは、経済社会発展計画の中では、御承知のように最終年度の四十六年度においては三%にするのだという形のものが打ち出されておる。昨年、四十二年度の場合には四・二%でおさまりました。しかしことし、四十三年度は四・八%でおさまることは不可能であります。シビアーな見方をいたしますと五・五%程度はいくだろう、こういうふうに見なくてはなりません。そうすると、来年度は五%に押えるということになりますと、いまの財政主導型の物価値上げ政策がとられようとしている中において、きわめてむずかしい問題を大臣がお考えになっていると思うのであります。ですから、五%という目標を設定されることはけっこうですが、これを具体的に裏づけていくためにはどういう所信をお持ちになっていらっしゃるのか、政策をお持ちになっていらっしゃるのか、これをやはり構想の中に抱きながら――あなたは構造政策的なものをお持ちになっていらっしゃるだろうと思うのです。そういうような意味においてお尋ねをいたすわけですが、どういうような具体的な政策構想というものをお持ちでございますか、お答えをいただきます。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 日本の物価を考える場合に、どうして日本の物価が特に高いかという、そこに特殊の原因があると思うのですね。ことに本年度は四・八%で押えられないというところに、初めの見通しよりも高くなったというところに、そこに何か原因がなければならない。そこでその原因をきわめて、したがってそれの対策を考えなければならぬということがまず基本的な考え方です。  そこで、物価というものは、四十六年度には発展計画では三%ということになっておりますが、あるいは四十六年度は三%になるかもしれない、それはいまから予測はできませんが、なるかもしれない。しかし、私はことしは、あなたも五%以上だというようにお考えになっておられるようでありますが、私も大体四・八%では押えられない、ひょっとしたら五%以上になるのではないか。しかし五・五%以上になるということになってくると、日本の経済の今後の発展に対しては非常な支障を来たす。国策として物価は五・五%以下に押えなければ、すべての経済計画というものは不可能になるのではないかという心配を私はいたしております。そういう点から、せめて五%以内に何とかしてできないかというのが、私の前からの考え方であったのでありまして、そこで五%以内でひとつ来年度は押えるというような方針で経済企画庁は今後いろいろの計画を立ててほしいということを、経済企画庁の局長にみな私からお願いをしておるわけです。  そこで具体的にどうするかという問題、これは先ほどもお話がありましたとおり、基本的な問題とそれから当面の問題と二つあると思います。  基本的な問題については、これはもう申すまでもなく、村山委員も御承知のとおり、一言で言えば経済のひずみと申しますか、構造的ないろいろの問題、あまりにも生産性の高い工業が非常な発展を遂げたというようなことによって、そこへ労働力も集まる、したがって生産性の低い産業には労働者が集まらぬというようなことで、ますますそこにひずみが出てくる。そういうように基本的な問題はいろいろ問題がありますが、これはこれでやはりひとつ対策を講じていかなければならぬ、こう考えております。  そこで当面の問題としては、先ほどもお話がありました公共料金の問題があると思います。公共料金というものは、単に値上げ自体については、先ほど申し上げましたとおり、われわれの生活に関してのパーセンテージはそれほど高いものではありませんけれども、しかしこれが他の物価に波及するということをわれわれ心配いたしておりますから、公共料金については、これは慎重に考えて決定しなければならぬということで、いまわれわれのほうでもいろいろと公共料金をどうしたらいいかということについて調査研究中であります。またわれわれのほうも成案ができれば、これはどうせ大蔵大臣と話し合わなければならぬ問題でありますし、また他の各省大臣とも相談しなければならない問題でありますから、したがいまして目下私のほうでも鋭意、どういう対策を講ずることによって公共料金を押えることができるかということについての理論的ないろいろの根拠も見出して、そして各省大臣と折衝したい、こういうのがいまの私の心境であります。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 具体的な基本的な政策に関する問題については、これからいろいろ検討をして当たるということでございますから、どういうような構想か、いまのところ基本構想と当面の問題とに分けて、非常に抽象的に御答弁をいただきましたが、いまの段階ではそれ以上の答弁を求めるのは無理かもしれません。  そこで、大臣が、成長率は一〇%程度に押えたい、それ以下を目ざしておられるような意味の発言も見えるのでありますが、それは具体的には計量モデルを使って、そして民間の設備投資はこの程度にしたらそこまでいけるのだ、あるいは政府支出部門についてはこういうふうにやればそういうふうになるのだ、あるいはまた個人消費の総需要の中に占める割合をこういう数値で置きかえたらこのようなものになっていくのだという、そのような基本的な考え方で推し進められるのでありますか。それとも、先ほどちょっとお触れになりました、今日の物価のいわゆる構造政策というものをあわせてやりながら、両方の計量経済学と経済政策とを合わせながら一つの目標を設定していくというお考え方なのですか、どちらなんでしょうか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 来年度の成長率についてはまだ確定した結果が出ておりませんが、本年度の成長ぶりから見て、私は大体一〇%内外になるのじゃないかという予想をいたしております。しかし、来年、あるいはベトナムの和平の問題、アメリカの政策の問題などから考えてみますと、日本の経済成長に対していろいろと影響があると私は思っております。そこで、いま私のほうでは、お話しのとおり、民間設備投資が一体どのくらいになるか、公共の支出がどのくらいになるかというようなことを、それぞれみな数字でいろいろ計算しております。単にこれだけにしたらいいという計算ではありません。みな基礎に基づいて計算しております。いま計算の最中でありますから、まだ結果が出ておりませんが、しかしこれは予算を編成するまでには大体の見通しはつけたい。民間設備投資はどれだけにするとか、公共支出はどれだけにするとかというようなことを予算編成までにはつくって、政府もそれに基づいて予算を編成していただくというつもりで目下鋭意やっておる最中でありますから、いましばらくお待ちを願いたいと思う次第であります。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 外貨収支が非常によくなった。ことしの末においては二十八億ドル、年度末においては三十億ドルになるであろうといわれておる。いままで設備投資を規制する政策というのは、金融政策やその他の政府の行政指導等によりましてやっていましたけれども、何といっても、消費者物価の上昇のいかんにかかわらず、設備投資は行なわれてきているのです。しかし国際収支が悪化した場合には、それが一つのコントロールの役割りを果たしてきたことは事実であります。ところが、こんなに国際収支が貿易収支の改善の結果よくなってきた、そうなるとなかなかその歯どめがきかないようになる、それを説得する力が今日ないような気が私はするのです。それと、税制の改正やその他によりまして、企業の内部蓄積の資本が非常に大きくなってきております。だから、景気調整政策を財政と金融だけではやっていけない時代が来ているのじゃないかと私は思うのです。そうなってまいりますと、今後の成長率をある程度にとどめる、安定成長を目ざしておいでになると思うのですが、その有効な手段というものは、大臣としていま財成金融のほかに何かをお持ちでございますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 民間設備投資につきましては、法的には抑制することができませんが、しかし財政金融上での対策は、お説のとおりあります。銀行が貸し出しを渋るとか、金利の引き上げとかということでありますが、それ以外にやり方はないかというと、これは行政指導でやる道はあると思います。私の通産大臣時代にもそういうことをしたことがあるのでございましてこれはやはり業者が理解して、それじゃひとつこの際は設備投資をお互いに控えようじゃないかということで業者が決定することでありますが、そういうようにしてもらったら非常に都合がいいとか、されたらどうですかというような行政指導は、私はやっていいと思うのです、必要であれば。そのほうが業者に対しても親切であると思っております。だから、そういう行政指導は今後はやるべきであると私自身は考えておりますが、これはそれぞれ通産省あるいは農林省、そういう各省の所管大臣の考え方でありまして、私としては、行政指導は必要であれば、またそれが業者のために有利であれば、ひとつしてあげることが親切だ、私自身はそういう考えを持っております。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)委員 もう時間もあまりないようでございますが、その問題については、私は行政指導だけで、はたして財界の諸君が設備投資を自重していくであろうかどうかということについては疑問があります。というのは、経済社会発展計画をあなた方がおつくりになった。これは一つの指針でありますね。それがもう二年目には最終年度の昭和四十六年度と同じ程度の実質におけるところの設備投資がなされてしまっているんですよ。そういうのが今日の状態であります。だから、それが政府の行政指導によってコントロールがきくようであれば、これはきわめて有効なのですが、なかなかそれがうまくいかない。特に国際収支がああいうような状況の中にあって、これを説得する力というものは私は失われてくると思うのです。おまけに、単なる設備更新じゃありません。労働力不足時代を見越しての省力投資が中心になってきているんですよ。そういうようなのを見てまいりますと、これを押えるということは、私はなかなかむずかしいと思うのです。しかし、押えなければ安定成長路線に乗りません。そのための有効な政策は、私はほかにあると思います。それはやはり内閣自体が、これから私たちも物価政策については意見を申し上げますから、その野党の主張を大いに取り入れてもらって、そうして政策を遂行願いたいと思います。というのは、その中身はこの次に申し上げることにして、きょうは時間がありませんから、この程度で終わりますが、もう一つ最後にお尋ねしておきたいのは、物価対策にはやはり目標をお持ちでなければならないと思うのです。どういうような目標を設定して、それを具体的に政策の中で実現をしていくのだという――これはひとつ宿題として残しておいてもけっこうですから、この次あたりに、施政方針の中で物価政策の目標を、しっかりしたものをおつくりいただいて、そうしてさっきの五%というものも、それを裏づけする資料と同時に、こういうふうにやるのが物価政策の目標なんだ、だから今後はこのような政策目標のもとにこういうような具体的なものをやります、それについては責任をとります、というような内容のものをお出しいただきたいと思いますが、それはよろしゅうございますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 今度の予算編成までには大体の方針を決定して予算を編成してもらい、こう考えておりますから、次の通常国会には皆さん方に、大体具体的な問題について御説明ができるのじゃないかと考えております。また私の方針としては、物価に取り組むことが私どもの使命だと考えておりますからして、私としては、物価問題については私の力の及ぶ限り努力したいと考えておりますが、なおその点については、皆さん方委員各位のお知恵をひとつお借りして、そして万全を期したい、こう考えておりますからして、どうぞ今後とも御支援をよろしくお願いいたします。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 先ほどの武部委員の質問に関連して、一言伺いたいと思いますが、欧米の国に比べて、日本には消費者行政がほとんどなかったと思うのです。あったとしても、やはり消費者をほんとうに守るという形ではなかったと思いますけれども、そういうような観点から消費者保護基本法というものがここで通ったということは、私は意義が深いと思います。また、それをこれからどうやって守ってやっていくかということが、非常に重要な問題ではないかと思います。これをあたたかく守っていかなければその意味はないわけでございまして、そういう意味で一番関係のある予算、こういう問題と取り組んでくださるというお話が先ほどありましたので、私も喜んでいるわけです。  もう一つは、やはり消費者行政というもので消費者が一番困るのは、あっちの省へ行けばこっちの省、こっちの省へ行けばあっちの省で、いろんなものが違うわけですね。たとえばかん詰めの内容の問題は厚生省の問題だとか、あるいは通産省の問題はこうだとかというふうに、消費者行政が一元化されておらないところにまたむずかしさがあるわけで、これが企画庁なら企画庁でやってもらえるというところまで一応いけばいいのですけれども、なかなかそこまでいかないにしても、ある程度積極的に責任を持って、今後消費者行政の推進のためにがんばっていただけるかどうかということをひとつ伺いたい。  それからもう一つの点は、この消費者保護基本法の中にも、そしてまたあの法案が通りますときの多くの方々の御発言の中にもありましたように、消費者科学センターというようなものをつくっていくべきであると、こういうふうなことが述べられているわけでございます。そこで、いままで経済企画庁として、消費者科学センターをこういうふうにもつていったらいいのじゃないかというような指導をなさったかどうか。それから今後そういう指導をしていただけるのかどうか。それから、いままでどのくらいの県でそういうふうな動きがあるかどうか。大臣のお答えになれない面もあると思いますので、お答えになれる面だけをお答えいただいて、あとは係の方から答弁していただきたいと思います。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 消費者保護基本法、これは皆さんのお力によって法律ができたものですからして、これをいかにして実行するかというところに、今後の法律の値打ちが出てくるわけでございます。でありますからして、われわれといたしましては、せっかく皆さん方のお力ででき上がったこの法律が、その目的の達成するようにひとつ極力努力したいと考えております。  なお、消費者行政が不統一であるというお話ですが、これは私自身が痛感いたしておることでありまして、私が通産大臣のときに、消費者物価のことをひとつ経済企画庁で統括してやってほしいということを宮澤長官にもお願いしたのでありますが、宮澤長官は私と多少意見が遠っておりまして、これは通産省でやってくれというようなことになったのであります。これはやはり役所のセクショナリズムと申しますか、消費者行政のことについてはみんなそれぞれの役所で課を設けてやっておりますが、できればこれを一つにまとめるようなことでいくべきではないかと思います。しかし、各役所でやっておる仕事自体はみんなそれぞれ違っております。たとえば商品の鑑定などは、これはやっぱり通産省がやるべきじゃないか、こう思ったりいたしておりますが、とにかく消費者行政というものはどこかでまとめる必要があるんじゃないかということを、私自身が痛感いたしておりますので、この点についてはまとめるように、ひとつ各省大臣の了解を得て今後は進めたい、こう考えておる次第でございます。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 生活センターにつきましては、先生御承知のように、兵庫県等で自発的にでき上がったのが全国的に広がっているというような経過もございます。私どもといたしましても、そういうパイオニア的な施設等を頭に置きながら、しかもああいうことはぜひやるべきであるというようなことで、県からいろいろ御相談がございまして――もちろん、そういう府県は現地等へも調査に行かれるわけでありますが、一方、私どもといたしましても、やはり御相談に応じて、こうあるべきであろう、あるいは財政上この程度であればまずこれは必要であろうというようなことで、いろいろ御相談に応じ、かつ指導をいたしておるつもりでございます。  なお、ただいまの大臣の御答弁に関連しまして申し上げますが、御承知のように、私どものほうも生活センターの来年度予算を出しているわけででございます。その際も、各省と協調いたしまして、私どもでは建物ないしは場所の関係の予算を、通産省なり農林省はその中の設備について要求するというふうに、大臣の目からごらんになりますとまだ不十分かもわかりませんけれども、私ども事務当局といたしましては、各省の消費者行政と十分調整をとってやっていくというふうな態度で進めておるのでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 来年度は大体何カ所ぐらいのことを予定して予算に組もうとされているのですか。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 現在四十四年度の予算といたしまして要求しているのは五カ所というふうに考えております。ただ、それは、ただいま申し上げましたように、経済企画庁は、上屋と申しますか、場所といいますか、そういうものについての個所数でございまして、たとえば通産省はそういうものを含めて十カ所、商品テストの施設を要求しているというようなことでございます。  なお、どれくらいの府県でそういうことをやっているかというお尋ねがございましたが、ちょっといま手元にはっきりした数字はございませんが、現在すでに兵庫県には三カ所、あるいは東京にも最近できましたし、それから横浜あるいは大宮、長崎というふうにできつつございますし、なお、現在、私どもで今後つくりたいというような府県は、要望だけから考えますと少なくとも五カ所以上はありまして、私どもとしてはお客さんが多くて若干喜び、かついささか困っておるというような段階でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 いろいろな問題についてこの次に伺いたいと思いますが、大臣、いまの局長のお話しのように、多ければ困るということがないように、どうぞ御協力をお願いしたいと思います。

八百板正日本社会党

○八百板委員長 和田耕作君。

和田耕作民主社会党

○和田委員 菅野長官に御質問申し上げます。  宮澤長官から菅野長官へと、日本の経済指導のかじとりのバトンが引き渡されたわけでありますけれども、私どもは菅野長官の腕前にたいへん期待しているわけであります。  そこで、宮澤長官はたいへんユニークな指導をなさってこられた。それについて、私は大部分賛成なんですけれども、二、三の重要な点について問題があると思って、いままでしばしば御質問申し上げていたわけであります。その点を菅野大臣にお導ねしたいのですけれども、まず第一に、公共料金の問題につきまして、先ほど大臣は武部君の質問に答えて、宮澤長官と違った意見ではないのだというお答えがございました。また、公共料金は他の物価にも影響するので、慎重に今後は対処していきたいということだったのですが、先ほどの武部君の発言の中にも、宮澤長官の公共料金に対する一番あとのほうの見解では、やはり公共料金はある一定の期間、相当無理でもストップをする、その間に物価全体に対しての施策を考えてやっていくようにしなければいかぬじゃないかというお考えを持っておったようですけれども、そういうお考えについて菅野長官はどういう見解をお持ちでしょうか。このことをひとつ……。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 宮澤長官もおそらく、物価上昇をしておるときにはこれは一定の期間ストップして、そしてその他の物価上昇の原因に対する対策を講じていくという考えだろうと思います。私も同じ考えます。物価が上昇していないときに国鉄の運賃を上げるということだったら、これはもう問題ないと思います。だから、今日物価問題が一番やかましいときに――私は、国内問題としては大学生の問題と物価というものが一番大きな問題だと思っておるのでありますし、おそらく佐藤総理もこの二つの問題に取り組むために三選されたのじゃないか、こう思うのであります。したがって、この物価問題については私自身も取り組んでいきたいと考えておりますから、一般物価を上げないような方向ですべてを解決したい、こう考えておる次第であります。

和田耕作民主社会党

○和田委員 つまり、その問題で宮澤長官が、ストップをしている間に必要な施策をしたいという、その必要な施策の一番の核心は、最近企画庁でお出しになった所得政策の問題の内容が含まれおったと思うのです。それは賃金の問題もありますし、あるいは寡占価格に対するコントロールの問題もありましょうけれども、ストップをしている間に必要な政策という、その内容として、宮澤長官は所得政策の必要性を――どのような形で適用するかは別に示唆しなかったのですけれども、その必要性だけは述べておったように私も記憶するのですが、長官、所得政策の問題をいまの問題と関連してどういうようにお考えになっておられますか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 所得政策の問題については、その引き継ぎは宮澤長官から受けておりません。しかし、この所得政策自体については、これは熊谷報告書が出ておるのでありますが、これは、こういう問題があるという問題を提起をされたので、また政府としても、経済企画庁としても、報告書の内容のとおりやるとかやらぬとかいうことも考えておりませんし、また所得政策自体の概念も一定しないと私は思うのです。だから、この所得政策自体については、もう少しわれわれも研究して、そしてこれに対していかに処すべきかということをきめるべであって、いまここでいいとか悪いという批判は私は差し控えたい、こう存じております。

和田耕作民主社会党

○和田委員 所得政策の内容については、まだはっきりした基本的な概念が確立してないということはそのとおりだと思います。その問題については今後なおお尋ねしたいと思います。ここではその問題には深く入ってまいりません。ただ、所得政策というものが経済政策の中でどのような価値を持っているかというと、つまり政府が法律などによって統制するというのでもなく、自由市場にまかすというのでもなく、政府がその経済の行くべき道を示すことによって、そしてその方向に指導していくという、そういう性格を持っていることは確かですね。そういう性格の行政指導というものを長官は必要と思われるのかどうか。内容は別ですよ。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 大体日本の経済は自由経済主義で今日きておりますが、しかし自由経済主義にも、これもまた一方では弊害があります。そこで私は、通産大臣時代には官民一体ということを申しておったのでありまして、民間人だけで考えてやると行き過ぎる。過当な設備投資をやったりするから、やはり政府とタイアップしてやるべきじゃないかということを私は唱えて、私は通産大臣時代に至るところで官民一体ということを講演してきたのであります。ですから、これは民間人だけにまかすわけにはいかない。やはりこういう時代でありますから、また経済活動自体が、今日政府の援助というか力というかをまたなければやれない経済活動がたくさんあるから、従前のような、戦前のような調子にはいかないと思います。だから、その点についてはやはり民間人自身も自覚してもらって、そうしてすべて日本全体の利益のために行動してもらうというように指導していくべきではないか、こう考えております。

和田耕作民主社会党

○和田委員 所得政策への長官の意欲は、大体七割くらいの意欲を持っておるというようにいまの答弁で理解するわけですけれども、それに関連しまして、宮澤長官に私、しつこく質問したことは行政指導の問題でございます。行政指導の問題について、いま長官から、自分も必要だと思うという趣旨の答弁がありましたので、その点了解するわけですけれども、重ねて申し上げておきたいのは、つまりいままでの宮澤長官の指導の骨格は、合理的な価格の設定を自由市場のメカニズムにまかしていくという基本的な態度があったと思うのです。政府が行政的にチェックするというようなことをしないで、自由な価格形成のメカニズムに頼っていくのが正しいということがあったのです。その場合に、つまり最近のような異常な経済成長が行なわれ、需要が非常に強い、そして国民の消費性向も非常に強いという状態のもとで、自由な市場にまかしては、はたして物価の安定あるいはその引き下げが得られるかどうか。私は得られないと思うです。成長率が非常に高い、そして需要が非常に強い、この条件の中で、自由な価格市場にまかすだけでは価格の安定は得られない。もう一つは寡占の構造があり、あるいは販売市場でも寡占の体系がある中で、自由な価格市場というものは事実上存在し得ない。そうであるのに、自由な価格形成の市場に政府として頼っていくことは、実際上政府の行政的な責任の転嫁だというように御質問したことがあります。そういうふうな意味で、行政指導というもののやり方は確かに問題があるし、悪い点があったけれども、それだからといって行政指導そのものをはずすということはいけないのだという趣旨の御質問をしたのですけれども、先ほどの大臣の、行政指導も必要なことがあるという意味はそういうふうな意味でございましょうか、あるいは違ったあれがあるのでしょうか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 公正な価格は、自由競争が行なわれておれば、これは需要供給の法則によってきまると思います。その点についてはそれにまかして、私は公正な価格が出てくると思っております。しかしながら、実際は完全なる自由競争というものはないのです。それはありませんから、したがって、多少いろいろのエレメントが加わって価格というものはでき上がっておる、こう思っております。そこで、不当なエレメントと申しますか、買い占めとか何とかいうようなことがあれば、それに対してやはり取り締まりということは必要であります。その点は、公正取引委員会などができたのもそういう意味だと思いますから、その公正取引委員会の活動をまって公正な価格が成立するようにやってもらうということであります。  それから私は、民間人の企業能力というもの、企業心というもの、これはわれわれ尊重しなければならぬと思います。最小の労力で最大の効果をあげようと彼らが一生懸命やっておるということは、われわれ大いに尊重していかなければならない。その点において、私は通産大臣時代も、この民間人の企業能力、これは政府としては尊重していくべきであるという考え方をしておりましたが、しかしその企業能力は、これがまた一面からいうと過当競争になったりして弊害が起こってくるというので、そういう場合にはやはり政府がこれに対して指導する必要があるのじゃないかということを言ってきたのでありまして、そういう意味で、問題の主体はやはり民間人の活動にまつということ、そこに弊害があった場合には、政府が公正な立場で、国家的な立場でこれを指導していくということによって初めてりっぱな経済活動というものができるんじゃないか、私は、こう考えておる次第であります。

和田耕作民主社会党

○和田委員 そこで、最後の質問に移るわけですけれども、先ほども武部君の質問に対する大臣のお答えの中に、八幡、富士の大型合併の問題について、国際市場に大きく寄りかかっておる産業では大型化して競争力を強めなければならないという御発言がございました。そのときに加えて、国内市場では独占等の問題もあろうけれども、ということばがあったのですけれども、私どもはいま非常に問題にするのは、国内市場において独占的なあるいは寡占的な現象が起こり得るということですね。可能性があるということですね。おっしゃるように、国際市場においては大型の強い企業力でもって対抗しなければならないということは、私もその必要があると思います。しかしその場合に、国内市場における寡占あるいは独占的な弊害が生ずるということも、大臣、先ほどお認めになっておられるとおりですね。とするならば、そういう可能性があり、起こり得る弊害に対して、政府としてこれに対してチェックする、あるいは監視の機構でもよろしいし、あるいは何というのですか、価格委員会とかいうふうな特別の行政組織も考えられるでしょうし、そういうふうな特別な一つのチェックする主体を必要と思われないかどうかということですね。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 大型の企業の合併自体については、和田委員もそう反対ではないという御意見だと思いますが、私もその意味でそういう意見を持っておりますし、ことに国際商品は、対多競争上どうしても大型にしなければ日本の企業は負けるという心配を持ちますので、その意味においての合併にいいという私は考えでおります。  そこで、海外では安く売るが、国内では高く売る危険がないかということです。これはそういう場合にはダンピング法でやれると思います。カラーテレビがその一例だと思います。でありますからして、そういう点においてやはり国内的な世論というものが起こってくるし、そういうときには公正取引委員会などが出動して、そして価格の調整をやってもらうということが必要だと思うのでありまして、この点はやはりわれわれ国民も監視して、そしてことさら国内に高く売って外国へは安く売る必要はない。私から言えば、外国には高く売って国内には安く売ってもらいたい、私自身はそういう希望を持っておるのでありまして、そういうことでもって今後ともやっていきたいと考えております。

和田耕作民主社会党

○和田委員 それはちょっと虫のよ過ぎる話でして、理論的にも矛盾することになるわけですね。つまり競争力を強めるから大型化が必要だということですから、安い価格で売れるような企業をつくるということですから、外国に対して安い価格で競争するということですね。それは大臣もよくおわかりになっておられると思います。そういうふうなことを言おうとしておられると思いますけれども、国民が監視しなければならない、公取が監視しなければならないと申しましても、公取の場合は一つの警察的なものですね。起こった事態に対して調べて、そして半年くらいかあとに結論が出て、しかも一年か二年たっても効果がなかなかあらわれてこないというのがいままでの実績ですね。こういうふうな機関でこのような問題がチェックできるかということですね。先ほど申し上げたとおり、これはつまり新しい統制の型なんですね。法律でもって取り締まるというのではなく、あるいは自由にまかしておくというのでもなく、起こり得る問題に対して政府が時期を失せないで指導していくという問題と関連した機構だと思うのですね。これはつまり新型の機構ですね。あるいは寡占時代といいますか、あるいは最近の技術革新の時代において、新しいタイプの政府の統制組織だと思うのですね。菅野大臣、非常に賢明な、経験豊かな方でございますけれども、そういう新しい統制の型をお考えになろうとしておられるのかどうか、ひとつ最後に御質問いたします。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 私は、大型合併については、国際競争上販売価格を安くする意味において必要だということを申し上げたのであります。私があとで冗談みたいなことを申し上げたのは一般商品のことです。海外へは高く売って国内には安く売りたいということを言ったのでありまして、大型合併とは違いますから、その点はひとつ誤解のないようにしていただきたい。  そこで、いまお話しのとおり、私は、生産性を高めることによって出てくるところの余剰価値というものは、それは労使が分けると同時に、販売価格を安くするということ、消費者も利益を受けるということ、これは三者が公平に均てんしなければならぬという、そういう考えをしておりますから、したがって、これは企業者自身もその点についてはやはり考えて今後企業をしてもらわなければならぬ。そういう点については、私は、成功したのは松下さんじゃないかと思うのでありますが、そういうことで、やはりそういうことを考えてやる企業家は私は成功すると思うのです。だからして、単に自分だけもうければいいというような人々は、私から言うとほんとうの企業者じゃないという考えをしておりますからして、そういうようなりっぱな企業者が出るように、これはひとつわれわれ国民も監視するし、教育もしなければならぬ、こう考えております。

和田耕作民主社会党

○和田委員 まあ話をそらされたようですけれども、きょうはあとの質問者が控えておりますのでこの程度にしまして、また通常国会で御質問することにします。ありがとうございました。     〔委員長退席、竹内委員長代理着席〕

竹内黎一自由民主党

○竹内委員長代理 武部文君。

武部文日本社会党

○武部委員 農林省にお伺いをいたします。  昨年の四月二十日、当委員会で、乳価安定に関する決議というのを四党で満場一致決定をいたしました。昨年暮れ、物価安定推進会議は牛乳調査団を派遣して、その報告書で、流通の合理化並びに諸対策について提案をしたわけでありますが、この問題について農林省はどういうような措置をおとりになったか、最初にそれをお伺いしておきたいと思います。

太田康二農林省畜産局長

○太田政府委員 だたいま先生のお尋ねの四十二年四月二十日の乳価安定のための決議の処理の状況でございますが、まず、第一が「酪農振興の基本対策」ということでございまして、四項目ございます。  一つが「草地の改良、造成、国有林野の活用及び飼料作物の裏作奨励等酪農適地の効率的利用を進めること。」この点につきましては、先生も御承知のとおり、わが国の酪農の基盤を整備いたしますためには、何と申しましても、飼料の基盤を整備しなければならぬのでございまして、御承知のとおり、草地改良事業につきましては、土地改良長期計画により、昭和四十年度から四十九年度までに四十万ヘクタールの草地を造成するという計画で予算を取り、進めておることは御承知のとおりでございます。  それから、既耕地における飼料作物の導入の問題でございますが、この点につきましても、できる限り良質粗飼料を大家畜については供給するということが至上命令でございますので、これも予算措置を講じまして、毎年二万ヘクタール以上の飼料作物の裏作の導入事業を実施いたしておるのでございます。  それから、国有林野の畜産的利用の問題でございますが、この点につきましては、すでに構造改善事業等におきまして、国有林野を積極的にその活用をはかるということで、現に草地改良事業なんかも、国有林野の開放を受けて実施いたしておるという状況でございます。  それから、第二番目が「飼料の自給基盤を確立するとともに」……

武部文日本社会党

○武部委員 ちょっと待ってください。四項目ありますね。その中の第二の「牛乳及び乳製品価格安定のための緊急措置」、このことがちょっとこれからの問題になりますので、この点だけに限って御答弁を……。

太田康二農林省畜産局長

○太田政府委員 わかりました。  「牛乳及び乳製品価格安定のための緊急措置」で、まず第一が「販売組織の合理化、販売方法の改善等を積極的に進め、集団購入、店頭販売等の奨励策を講ずるとともに店舗の改装等に低利・長期の資金を確保すること。」この点につきましては、御承知のとおり、私のほうで四十二年度から飲用牛乳小売り改善モデル事業というものを実施いたしまして、一定地域の消費者、販売業者、乳業者等が、その地域の牛乳流通合理化につきまして協議をいたしまして、消費者または販売業者の共同組織、共同受乳施設――大型冷蔵庫でございますが、これを設置する場合に、これに対して助成をするという事業を実施いたしておるのでございます。また、販売店の規模拡大あるいは協業化、さらには営業施設の近代化など、販売店の体質改善のために、四十三年度から国民金融公庫の中に百三十億円の融資ワクを設けまして、長期、低利の資金を融通するという制度を創設いたしたのでございます。  それから第二は「現在の家庭配達の慣習は、これを再検討すべきである。」こういう決議がなされたのでございますが、現在のところ、先生も御承知のとおり、家庭配達を希望する消費者が非常に多いのでございまして、いま直ちにこの慣習を変えるということはなかなかむずかしいと思うのでございますが、われわれといたしましては、月ぎめの店頭販売等につきましての値引きの奨励を指導いたしまして、こういったことによりまして漸次決議の御趣旨を助長してまいるというふうに考えておるのでございます。  それから第三が「大型容器の採用をも含めて、新容器の開発普及に努めること。」という決議でございますが、この点につきましては、大型びんの容器は徐々に普及をしつつあるのが現状でございますが、さらにこれを推進するために、大型びん容器等の割引について販売者を指導いたしておるのでございます。それから新容器につきましてはコスト面において問題があるのでございますが、今後ともその開発につとめていきたいと考えておりまして、このほどその対策の一環といたしまして、新容器の充てん装置につきましては、租税特別措置法を一部改正いたしまして、本年十一月から特別償却等の制度を実施することにいたしたのでございます。  それから第四が「いわゆる色物加工乳については、その成分を表示せしめ、牛乳と乳飲料との区別を明確にすること。」こういう決議であったわけでありますが、この点につきましては、四十三年の六月に「牛乳、加工乳及び乳飲料の表示に関する公正競争規約」が認定されまして、表示の適正化がはかられることに相なっておるのでございます。  それから第五番目が「前各項の実現のため必要な場合は、中小企業団体法による合理化事業を検討すること。」という御決議でございますが、この点につきましては、われわれも牛乳の小売り業者の団体等とも話し合いをいたしたのでございますが、特に考えられますことは、中小企業団体によりますところの合理化事業の形で隔日配達を一斉に実施するようなことが考えられるということで、その点の検討を進めているというふうに小売り業者に聞いておるのでございますが、実際の問題といたしましては、すべて足並みそろってこういったことをやるということが、まだ必ずしも現在の消費慣行になじんでいないというようなこともございまして、いまだにその結論を得ていない、こういう段階でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 そこで、前回の当委員会で牛乳の三円の値上げの問題が取り上げられました。その際にいろいろ農林省の意見を聞いたわけでございますが、最初にお伺いしたいのは、この末端の小売り業者の段階における三円の値上がりの全国的な現状は、いまどのようになっておるか、それをお伺いしたい。

太田康二農林省畜産局長

○太田政府委員 先週末、各農政局を通じまして入手いたしました資料によりまして、いま先生お尋ねの飲用牛乳の小売り価格の値上がりの状況につきまして御報告を申し上げます。  御承知のとおり、今回の飲用牛乳の小売り価格の値上がりは、十月中旬に東京の下町方面で始まったのでございますが、その後都内全域に及びまして、十二月に入りましてから、茨城、群馬、埼玉、神奈川県等の関東の近県、それから北陸の三県、これは富山、石川、福井でございますが、七県下に及んだようでございます。なお、栃木、千葉、静岡、岐阜、愛知、三重、大阪等におきましても局部的に値上がりが表面化しておるという現状でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 その金額はすべて三円ですか。

太田康二農林省畜産局長

○太田政府委員 これらの値上げの幅はおおむね三円というふうに聞いております。

武部文日本社会党

○武部委員 そうしますと、三円の値上がりになる前の二十円の牛乳の酪農農家、メーカー、小売り販売人の手取り、これをちょっと説明してください。二十円の内訳……。

太田康二農林省畜産局長

○太田政府委員 御承知のとおり、関東近県におきましての末端価格が一合二十円であったわけでございますが、その際の手取りを申し上げますと、生産者の手取りが九円五十四銭、四七・七%、それからメーカーは三円四十六銭でございまして一七・三%、それから小売り業者の手取りは七円、三五%、こういうことでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 その際に、末端の販売小売り人の百八十CC一本当たり七円、これで大体販売人と称する配達人に対する賃金といいますか、これは大体平均一日何本で、これに対する配達賃は一体どのくらいであるというように見ていますか。

太田康二農林省畜産局長

○太田政府委員 四百五十本配達で、一人の配達の方の手取りが二円六十銭というふうに見ております。

武部文日本社会党

○武部委員 私も前回の委員会で、一人二百五十本、単価一円五十銭、こういうことを申し上げたわけでありますが、いまお述べになった一人四百五十本の単価二円六十銭という金額は、一カ月にして三万五千円程度になりますね。そうするとこれは純然たる常雇い、こういう人たちの配達の本数であり、手取りであるというふうに理解できます。私が先回の委員会で言ったのは、大体いなかでパートタイマーでやれば平均二百五十本ぐらいで、その賃金は一円五十銭ぐらいが単価になっておって、一日大体三百七十五円ぐらいになる。そうすると一カ月一万一千二百円ぐらいだということを言ったわけです。いまのは純然たる常用の人は三万五千円ぐらいになっておるのですが、そうだとすると、今回値上げになった理由はすべて人件費配達賃の値上がりに基づいて三円上げるのだ、こういうチラシが配られておるわけです。三円という金額を、いままでの慣例を全く破って小売り段階だけが上げてきた、この点について、一体農林省はこのような三円値上がりの実態をどのように見ておるのか。去年と全然違うのです。畜産局長も新しくかわられたわけですが、これをどういうふうに見ておるか、それをちょっとお伺いしたい。

太田康二農林省畜産局長

○太田政府委員 先ほども申し上ましたように、従来一合の小売り建て値が二十円で、メーカーの卸売り価格が十三円でございましたので、小売りの取り分というのは七円であったわけでありますが、今回三円値上げということになりますと、小売りの取り分が十円になる。     〔竹内委員長代理退席、委員長着席〕  そこで、いま先生が御指摘のとおり、労賃のアップあるいは福利厚生費等が非常にかさみまして、労働環境の改善の経費が今後相当かかるだろうというようなこと、 こういったことをしないと、現在の配達労働力を確保することが非常にむずかしいというようなことがその理由になっておるかと思うのでございますが、現実の上げ幅といたしまして、はたして三円ということがそのまま認められるかどうかということでございまして、この点につきましては、消費者団体といいますか、消費者との話し合いも行なわれておりましょうし、また集団飲用の牛乳につきましての値引きというようなこともございまして、必ずしも三円というものがそのままネット実現を見ておるというふうには考えていないのでございます。先生もおっしゃいましたように、従来の乳価の形成の論理からいいますと、やはり生産者価格が上がって、それが末端の小売り価格に反映するというような形で値段の形成が行なわれてきたと思うのでございますが、まさに本年度の場合は小売りの主導型で値上げが行なわれた、非常に変質的な事態であるわけでございます。そこでわれわれといたしましては、来年の生産者乳価の問題を含めまして解決せしめるということを基本にいたしまして、乳業メーカーのほうも卸売り価格の交渉に小売り業者との間で入っているようでございますので、この三者間の配分というものはやはりこれを認めざるを得ないだろうということで、三円値上げの問題は、その多寡につきましては一がいにここでとやかく言えないというふうに考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 いまおっしゃったことはたいへん大事なことですが、来年の乳価問題を含めて解決する方向だ。御案内のように、三円末端が上がったということについて、メーカー側から小売り段階に対して卸値の値上げを通告しておるという新聞記事がずいぶん出ております。その金額は大体二円、こういう金額が出ておるようであります。小売り段階の値上げの理由は人件費だということ以外にはないのであります。そうすると、メーカー側からの卸の二円の通告を小売りが受ける場合に、三円プラス二円というようなことすら考えられるわけですが、そうなってくると、去年の二円に比べて五円という金額になる。これはたいへんな数字になると思うです。こういう点について、メーカーから小売り段階に二円の通告が相当あるようですが、現実に三円プラス二円というようなそういう値上げをして、いわゆるメーカーの卸値段をプラスした小売り販売業者が全国におりますか。

太田康二農林省畜産局長

○太田政府委員 そういったことは全然聞いておりません。

武部文日本社会党

○武部委員 問題はこれが一番重大だと思うのです。そこで、先ほど畜産局長は、配分をめぐっていま三者の間でいろいろ相談があるようだ、こういうことをおっしゃった。私の聞いておるところでは、ある地域の総卸売りが小売りに対して三円の値上げを要請した。その内訳は原乳が五十銭、メーカーが一円四十銭、小売りを含めて卸は一円十銭、これで三円になりますね。この最後の、卸は小売りを含めて一円十銭というのは、両方で五十五銭ずつ折半をしたらどうだ、こういう内容を持っておるのであります。この内容を見ると、いま折半の交渉が進んでおる内容ではないかと思われるのです。五十銭を酪農農家の皆さん、一円四十銭をメーカー、一円十銭が大体小売り、こういう分け方をすればちょうど三円という形になるが、これでどうだという話があって、そこではそれをけって、従来どおり二十円で売っておる、こういう事実があります。一体この三円の問題は、いま畜産局長がおっしゃったように、これからメーカーなり生産者、小売り者、三者が協議をして、またそれに農林省がタッチをして、二円以上は上げさせない、その配分によって問題を解決する、そういう方針でこの乳価問題を解決しようとしておるのか、その点はどうでしょう。

太田康二農林省畜産局長

○太田政府委員 先生も御承知のとおり、本年度の生産者乳価の決定の経緯もございますし、生産者としてはある程度やむを得ずということで、泣き泣き価格五十銭上げというようなことをのんだ経緯もあるわけでございます。それで、ちょうど小売りの業者の方々がいっておると同じような事情が生産者の段階にもございまして、労賃アップによる生産費の値上がりというような事情もあるわけでございますし、まあこの点につきましてはメーカー側段階にも同様の問題があろうかと思うのでございます。そこで、三円値上げというようなことが小売りの主導によって行なわれたのでございますが、これをまるまる小売りが全部取るということは、いままでの乳価形成の過程におきまする三者の話し合いと申しますか、そういったことも従来ルールとしてほほ確立をいたしておることでもございますので、現在三者間でいろいろ話し合いも行なわれておるようでございますが、私も就任早々、それぞれ代表の方々にお会いをいたしまして言い分を聞いてもみたのでございますが、まだ先生がおっしゃったような具体的な数字の問題として、たとえば生産者が五十銭、乳業メーカーが一円四十銭、小売りが一円十銭というような形で三円を分けるというような話は具体的には聞いておりません。現実の解決の問題としてどういたしますかということになるわけですが、やはりわれわれとしては三者間での話し合いの妥結に一番期待いたしておるわけでございますが、われわれといたしましても、十分将来の問題も考えまして、適当な機会がございますれば、その配分の適正化の問題につきまして指導はいたしてまいりたい、かように考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 私は末端の三円の値上げを肯定しているわけではないのであります。きょう申し上げるように、去年の価格形成と全く違っておる。末端を上げてしまってからあとのほうの配分をやる。末端の上がったのを既成事実としてしまう、こういうようにすら思えてならぬのでありまして、こういう点で三円の値上がりを肯定できぬのであります。  しからば、いま東京近辺なり北陸で起こっておるこの三円の値上がり問題が全国的に波及をしないかというと、これは波及するおそれが非常にあると思うのです。農林省としては、この三円の値上がり問題を全国的に波及することをどうしたら食いとめることができるか、何かお考えがあるか。  もう一点は、去年も当委員会で問題にした価格指導の問題ですね。これを撤廃したわけです。あれは国民生活審議会の答申の中にあった事項です。あった事項ですが、それは一つだけ飛び抜けて価格指導だけを廃止しろというのではなくて、そのあとにはいろいろ施策があったはずです。四つも五つもあった。それを全部やらないでおいて、農林省が一つだけ価格指導を撤廃したからああいう形になったのじゃないかということを、私どもはあの際に指摘をしたのであります。今後農林省としては、この価格指導という面について、このあり方をどうしようと考えておるか、これをひとつ……。

太田康二農林省畜産局長

○太田政府委員 先ほども御報告申し上げましたように、今回の関東地域の飲用牛乳の値上がりは、東京を発端といたしまして実は全国に、先ほど申し上げたような地域にも及びつつあるのでございますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、本年度の生産者乳価決定の経緯もございまして、実は生産者団体は全国の乳価対策協議会を開きまして、生産者乳価の引き上げを要望いたしております。また小売り業者の側におきましても、各地におきましてそれぞれ程度の差こそあれ、基本的にはやはり先ほど来御説明申し上げたような事情にもあると考えられますので、やはり事柄の性質上この問題の解決は広域にならざるを得ないだろうというふうに考えておるのでございますが、先生御指摘のとおり、地域によりまして事情の異なることでもございますので、今後の事態の推移を注視いたしまして、指導等にあたりましては十分そういった点も考慮いたしまして対処してまいりたい、かように考えております。  それから指導価格撤廃の問題でございますが、御承知のとおり昨年の春の値上がりの際には、指導価格というものがはたしてよろしいかどうかというような議論もございまして、指導価格を廃止したほうが公正な競争が行なわれるのではないかというような考え方に立ちまして指導価格を廃止したことは御承知のとおりでございます。そこで、今回の場合に指導価格を出すべきではないか、特に小売りがかってに三円上げて、しかもそのあと追っかけてメーカーが取りたいと言い、さらにそのメーカーのふところに手を突っ込んで生産者団体も取りたいというようなことであれば、この際政府が積極的に介入すべきではないかというような議論があることは承知いたしておりますが、われわれは、昨年の経緯にもかんがみ、特に昨年の四月に指導価格を廃止したというようなこともございますので、いま直ちに指導価格を復活してみるというようなことは考えていないのでございます。いましばらく自由な価格形成にまかせたほうがいいのではないかというふうに今日の段階では考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 私も別に指導価格制の復活をあなた方に求めておるわけではないのです。これはたいへん重要な問題なんです。簡単に復活というようなことはできないと思います。またすべきじゃないと思います。三円の値上げの中で一体それでは――あなた方は最初二円六十銭とおっしゃったが、三円値上げしたが配達の人はどのくらい賃金がふえたかと言ってあなた方聞いてごらんなさい。五十銭だというのですよ。三円のうち五十銭しか配達人の手取りはふえていないのです。これはお調べになればわかるとおりなんです。そうすると残り二円五十銭はどこへいったかというと、大きな店では事務員も雇っておるでしょう、たとえば冷蔵庫もあるでしょう、厚生福利も必要でしょう。しかしそれはちょっと金額がおかしいですよ、二円五十銭、一本で上がるなんということは。だからここをいろいろ考えると、思いたくないけれども、その間に何かあったんじゃないか。これは思いたくないけれども、メーカーなりそういうものが三円上げておけ、いま絶好のチャンスだ、新聞代も配達賃が上がっておるのだから、それと同じような配達賃なんだから絶好の際だ、上げておけ、あとはまた何とかなるというようなことがあったとすると、これはたいへんな問題なんですよ。そういう点についてもう少しやっぱり私は農林省は調べていただきたい。そうして、この問題について行政指導を行なうということを前農林大臣はここでおっしゃったのだから、波及しないように、また三円の問題はほんとうに国民が納得できるような内容でなければならぬと思うのです。いま言ったように五十銭しかいってない、こういう段階なんですから。次回にこの問題についてもう一回詳しく私どもも資料を取り寄せますが、農林省としての適切な指導をやっていただきたい。  この機会に公正取引委員会事務局長にお尋ねしますが、何回か言うようですが、今度の問題であなた方のほうで摘発したのは、報道されるところによると八王子における小売りの協定ですね、これを摘発したということは聞いておりますが、それだけですか。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 さようでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 それで、去年の牛乳審判、これは一年半かかっておる。審判の結果はいつごろですか。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 昨年の値上げの際に調査をいたしました兵庫県、愛知県及び東京杉並につきまして、現在委員会として結論を出す最終段階に参っております。

武部文日本社会党

○武部委員 くどいようですが、去年の二円の値上げの問題であなた方は三つの摘発をして審判にかけておられる。一年半かかっても結論が出ない。ことし再び三円の値上げで八王子をまた摘発された。ほかに私たち協定の事実をたくさん持っておりますよ。この三円はほとんど協定の事実があるのですが、あなた方の人員の不備からいってもなかなか困難でしょう。八王子にその中心を持っていかれたこともわからぬではない。問題は国民がこれを一体どう見ておるか。牛乳審判で大きなことを言って摘発をして、審判にかけて一年半もかかって結論が出ぬじゃないか。結論の出ぬうちにまた値上がりした。またそれに協定違反があった。一体、三つの事件の審判が出て、価格協定の事実あり、こうしてあなた方が審判を下されて、それじゃ一年半払っておった牛乳代が戻ってくるか。そんなことは現実の問題としてないでしょう。それだから私どもはあなた方に要請したように、なぜ高裁に申し出ないか。これはどうですか。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 独占禁止法六十七条に基づく取り消し命令権につきまてしは、昨年の値上げの際も御質問をいただきまして、その際、公正取引委員会といたしましても東京高裁とも連絡をとって、この条文の適用についていろいろ検討いたしたわけでございます。で、近年相当長い間緊急停止命令というものの発動をいたしておりませんので、これがいつでも発動できるようにということは公正取引委員会としてもきわめて重要なことでございます。その検討の結果、必要がある場合にはこの緊急停止命令が発動できる体制を整えることができたわけでございますけれども、カルテル行為に基づく物価の値上げは、一般的に申しましてこの緊急停止命令の対象にそぐわないのじゃないかという結論でございまして、本件については発動するに至ってないわけでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 緊急停止命令については山田委員長もここで言明されましたが、くどいようですけれども、あのときの御発言を私思い出しますけれども、どうも私自身納得できないのです。あのときのことはあなたも御承知のように「なじまない」ということばをおつかいになった。きょう申し上げるように、二年連続してこういう事態が起きておるのです。そして現実に消費者は高い牛乳を飲まされておる。そしてその間には価格協定の事実がある。あなた方はその事実をつかんでおるからこそ摘発し審判にかけておるのです。そういう事実があるにかかわらず、どうも緊急停止命令を出すところの体勢にない。これでは国民は納得しないと思うのです。二年連続なんですよ。そこで、きょうあなたにこのことをこれ以上申し上げてもしかたがないと思いますが、公正取引委員会としてはこれこれしかじかの理由で牛乳問題については緊急停止命令は出せないのだという、はっきりとした見解をひとつ資料としてお出しいただきたい。それによって私ども納得できるなら納得いたします。その点はひとつ資料提出をお願いしておきたい。  次に国税庁にお伺いをいたします。前もってきのうお見せをいたしました文書から御見解を承りたいと思います。四十三年十一月二十二日付、足立税務署長の名において公式文書が各消費団体に送られております。これはすでに間税部長も新聞で御存じだろうと思いますが、このことは具体的な事実が東京周辺で起きている。そのことに関連をしてこの文書が出ておるのではないかと、内容を見ると思われます。足立税務署長が出した「会社事業場等における酒類の販売行為について」というこの文書は、国税庁の指導によって各税務署長が所轄の団体に流したものであるかどうか、最初にそれをお伺いしたい。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤(健)説明員 お尋ねの件ですけれども、足立税務署長が十一月二十二日付で公文書を出しておりますことは事実でございます。これは国税庁あるいは国税局のほうで指示をいたして出しておるわけではございません。毎年暮れになりますと、いろいろな販売方法で売られる場合があり得るわけでございまして、そういう事態に対処するという気持ちで足立税務署長が独自の判断で出したものでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 あと順を追ってお伺いしますが、この内容をお読みになりましたか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤(健)説明員 読んでおります。

武部文日本社会党

○武部委員 この内容について国税庁は妥当だと思っておりますか、行き過ぎだと思っておりますか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤(健)説明員 この文書の中で、酒類の売買取引のいろいろな紹介でありますとか意思の伝達でありますとか、あるいは取引内容の折衝というようなことが他人間の取引に関連して行なわれます場合は、酒税法第九条によりましてやはり販売業の免許を要することになります。具体的に申しますと、これは酒類の販売の媒介業ということに該当するわけでございます。そういう点につきましての足立税務署長が出した文書の表現を検討してみますと、そういう媒介のような行為が継続的に行なわれる場合にやはり販売業ということになるわけでございまして、これは免許を要することになるわけでございます。そういう継続的にやるというような表現はちょっと落ちておるわけでありますが、その他の点につきましては、大体において私どもが現在販売業免許に対して取り扱っております趣旨と同じようなものであります。

武部文日本社会党

○武部委員 それでは、これからお伺いをする前にお聞きいたしますが、酒のマージン、これをちょっと私のほうから読み上げますので、間違っていなかったらそのようにお答えいただけばいいです。  いま酒のマージンは、蔵元から卸、小売りを経て消費者に渡るわけですが、二級酒については卸と小売りのマージンを合わせて百四十一円、一級酒については百七十五円六十銭、特級酒については二百五十円六十銭、これだけのマージンが蔵元から小売りの段階までの間に取られておる、このように理解してよろしゅうございますか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤(健)説明員 仰せのとおりでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 そこで今度は具体的にお伺いいたします。  いま間税部長は、この足立税務署長の文書を国税庁の方針として大体お認めになったようであります。新聞で報道されておるところによりますと、横浜のある生協でメーカーと直接に配送の計画を結んで、非常に高い酒を、いま私がマージンのことを申し上げたのですが、大体三割引きぐらいで蔵元――蔵元だけれどもこれは小売りの免許を持っておる、その小売りの免許を持っておる生業者とタイアップして安く売ろうとした、こういうことについては御承知ですか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤(健)説明員 何かそういう関係のチラシが配られておるというようなことは聞いております。

武部文日本社会党

○武部委員 このことについて、何か国税庁から国税局を通じ、あるいは税務署長を通じて、そういうことはいかぬというような通達ないし指導をした事実がありますか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤(健)説明員 現在のところまだ具体化しておるようには聞いておりませんので、いまのところ指導という形でやっておることはございません。

武部文日本社会党

○武部委員 それならば具体的にお伺いをいたしますが、あなたはさっき、そういう行為は酒税法第九条にいう媒介業に話当する、したがって、媒介業は販売の免許を取らなければならぬ、許可が必要である、こういうことをおっしゃったわけです。いま私が申し上げておるのは、生協の組合員であるところの消費者が、自分たちで相談をして共同購入をする、こういうことですね。これをやろうとしておる。これが酒税法第九条にいう媒介業に触れるとお考えですか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤(健)説明員 具体的な内容がよくわからないわけですが、もしも酒類の製造者と組合員との直接の話し合いといいますか、そういう取引によりまして契約ができ、それで直接に製造者から配られているというようなことになりますと、これは間に仲介するといいますか、媒介するものがないということなりますと、いまの媒介業の関係には当たらないということになろうかと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 その中に媒介するものが生協だというふうにお考えですか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤(健)説明員 これは具体的なケースによっ  て判断すべきものだと思いますけれども、もし生協がその間に立ちまして取引内容についてのいろ  いろな行為が行なわれる、補助行為が行なわれ  る、こういうことになりますと、やはり販売業の免許が必要となろうと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 そこで、ちょっと法律論争になるのですが、商法第五百二条十一号、これに基づくと、媒介業の規定があるのです。「媒介業とは当事者の間に立ってそのものの間に法律行為を締結  せしめることに尽力する活動である。すなわち媒介業は事実上の行為であるから、「媒介をなすを業とする」というのは、媒介行為をなすことを引  き受ける法律行為を営業とすることであり、これ  によって仲立人は商人となる。」これが商法第五  百二条十一号の規定なんですよ。これは媒介業で  す。さらにその「業」ですね。国税庁はおそらく業ということをおっしゃる。業というのは、大審院の判例にこういうのがある。「業トスルトハ営業トスル意味デアッテ利益ヲ得ル目的即チ営利ノ  目的ヲ以テ同種ノ業務ヲ継続的二集団的二為スコ  トヲ云フ」、これは営利を目的なんです。今回と  られておることは営利を、マージンも何も一つも  取ろうとしていない。ただ単に生協の組合員であ  る消費者一人一人の意思を伝達すること、それだけのことなんです。これが媒介業に該当いたしますか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤(健)説明員 酒税法第九条に免許を要するものとして規定をしております販売業の規定でありますが、これはあくまでも酒税保全を目的といたしまして、需給の適正な調整をするために免許制度ができ上がっておるものでありますので、この当時のこの法律の成立の趣旨からいたしまして、その行為が営利を目的としない場合におきましても、これを継続的に行なう場合には、私どもは免許につきましては業として扱っておるわけであります。

武部文日本社会党

○武部委員 それはどこの条文に書いてあるのですか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤(健)説明員 これは酒税法にこの免許制度が導入されました当時の立法の考え方でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 それはちょっとおかしいじゃないですか。酒税法のどこに書いてあるのですか。私が読んだのは、商法の中にはっきりと媒介業というものの規定がある。さらにきょうあなた方は媒介を業とする者とおっしゃった。業とする者とはさっき言うように、「利益ヲ得ル目的即チ営利ノ目的ヲ以テ同種ノ業務ヲ継続的二集団的二為スコトヲ云フ」、これは判例なんですよ。商法に基づく判例なんですよ。あなたは酒税保全というようなことをもってかってにそういう解釈をして、それが業だと言う。営利を目的としておらなくても、それは媒介業だから酒税法第九条によって免許が必要だということはかってな解釈じゃないですか。そういうことはどこに書いてあるのです。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤(健)説明員 そういう立法当時の趣旨からいたしまして、現在公開しております基本通達の「酒類販売業の意義」という規定がございますが、これを読んでみますと、「本項に規定する「酒類の販売業又は販売の代理業若しくは媒介業」のうちの「酒類販売業」とは、酒類を継続的に販売することをいい、営利を目的とするかどうかまたは特定もしくは不特定の者に販売するかどうかは問わないものとする。」そういう規定がございます。さらに「酒類の販売の媒介業の意義」というところに、「本項に規定する「酒類の販売の媒介業」とは、他人間の酒類の売買取引を継続的に媒介することをいい、営利を目的とするかどうかは問わないものとする。」という規定になっております。

武部文日本社会党

○武部委員 その規定は何ですか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤(健)説明員 これは酒税法に関しますところの通達でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 その通達は国税庁長官の通達でしょう。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤(健)説明員 さようでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 そういうかってな通達を、かってな考え方を独断的にお流しになることは私はおかしいと思うのですよ。ここが問題なんですよ。少なくとも生協というものは、生協法第九条で「営利を目的としてその事業を行ってはならない。」と規定されて、生協というのは非営利団体として位置づけされておるのです。そういうものがはっきりと生協法というものによって位置づけされておる。それをあなた方のほうは、媒介業というようなものを長官の通達というものによってかってな解釈をしてお流しになる、こういうことが許されますか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤(健)説明員 これは先ほど申し上げましたが、酒税法に免許制度が導入されました当時の、これは古い話でありますが、第七十三回帝国議会衆議院委員会記録の中にいろいろ質疑応答がございまして、そういう趣旨であるということを了解した上でこの酒税法が成り立っておるというふうに解しております。

武部文日本社会党

○武部委員 帝国議会といいますと、われわれ初めて聞きますが、昔のことですね。現実の姿というのはそんなものじゃないですね。生協法というものも制定されて、はっきりとそうなっておる。そういう帝国議会当時のことを持ち出して、国税庁がただ単に酒税保全だ、それだけのことで、消費者が自分たちの手で少しでも安い酒を手に入れよう、こういう行為をすることを、足立の税務署長に至っては、一年以下の懲役または二十万円以下の罰金だ、こういうようなおどかしの通達を流しておるのですよ口少なくとも、あなた方と私どもはここで論争したけれども、酒類の免許をめぐってなぜ生協に免許を与えないのか、こう言ったところが、国税庁長官は、生協だからといって一律的に免許を与えない、こういうものではない、できるだけ幅広く免許を与えたいという答弁を当委員会でされました。あなたもお聞きになったとおりです。ところが現実問題としては、いまだに各生協からそういう申請があってもほとんどこれは却下されておる。しかたがないから、その生協の組合員である一人一人の消費者で集まって年末年始に酒は高いのだが、さっき私が申し上げたように非常にマージンも高いので、何とかこれを三割引きで買うことはできないかというような相談をしてやろうとすると、あなた方は通達をかってに自分でつくっておいて、それは酒税法違反だ、免許が要るんだ、それに違反したら懲役一年以下、二十万円の罰金だ、こういうばかなことは私は許されないと思う。今日やろうとしていることはこの法律の上からいって決して違法ではない。すでにこの消費組合の人たちは当該の税務署の人たちと相談をして、当該の税務署の人は大体オーケーを与えておるのです。そういう面があるにもかかわらず、あなた方のほうの国税庁としては、こういう行為はあくまでも違法行為として罰する考えですか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤(健)説明員 現在のところ、税務署関係にそういう申し出があったというふうに私聞いておらぬのですけれども、足立税務署長がああいう公文書を出しましたのは、やはり年末に先ほど申し上げましたようにいろいろな販売方法がややもすれば行なわれがちなものですから、それで御注意をするということで出したようでありますけれども、その中に罰則のことまでいろいろ触れておりますことはどうかと思われる点もあります。いろいろな誤解をもし招いたとしますと、これはまた私どもとしても遺憾に思うわけでありますが、趣旨といたしましては、現在販売業の免許というものにつきましては、酒税保全のための需給調整ということが主眼で行なわれておるものでございます。足立税務署長が言っておりますようなことは、不穏当な点も中にはありますけれども、私どもとしては大筋におきましては、趣旨としては同じように考えておるわけであります。

武部文日本社会党

○武部委員 ちょっとわからぬのですが、あなたは継続的にということを何べんもおっしゃるわけですが、これはたまたま正月を前にして年に一ぺんそういう行為があった。それから酒税法九条には「販売場ごとにその販売場の所在地」というようなことがいろいろありますね。これは販売場は足立区に一定していない。継続的にとおっしゃるけれども、一年に一ぺん、こういうようなときにも触れますか。それからさっき言うように全然マージンも取らない、営利性も何もない、こういう点はどうですか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤(健)説明員 営利性があるかどうかという点につきましては、これは営利性があるなしにかかわらずということになっておりますので、そういう趣旨に御理解を願いたいわけですが、ただ一回だけというようなことになりました場合には、相当多数のものに何かあるということでなければこれは問題にはならないのではないか、こういうふうに考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 これは何べんも言い合ってもしょうがないですが、営利を目的としないということは、法の趣旨からいって媒介業の基本なんです。その媒介業というものの趣旨を、たまたまあなたのほうは酒税法の通達で、酒税保全の立場からさっきから言うようにかってに解釈をして、そういうふうな解釈のもとに指導しておる。これは私は法律をねじ曲げた考え方だと思うのです。商法のほうが優先すべきであるのに、あなた方はかってにねじ曲げて自分に都合のいいような通達を出しておる、こういうふうにしか思えないのであります。きっきから読み上げたとおり、媒介業についてははっきりとした法律根拠があるわけです。ですからあなた方の通達は誤りだというふうに私は思います。これは国税庁長官とやらなければ話が追っつかぬようであります。  時間の関係がありますが、あなた方のほうはもう少し具体的に知りたいようであります。様子がわからぬようでありますから、具体的に様子をお知らせして、それでもなおあなた方が違反だとおっしゃるのか、その点はこの委員会が済んだあとでも具体的な事実をあなた方のほうに申し出て、これでもあなた方は違反として取り締まるお考えなのかどうか、これをもう少し詳しく述べてみたいと思います。  それから、私はきょうおいでいただいたわけですが、酒税課長おいででございますか――あなたがおっしゃっていることが納得できぬのです。あなたは新聞にこの問題が出たら、こういうことをおっしゃっておる。これは新聞の記事ですがね。「あまり安く売られると混乱を招くので、メーカーにも〃安くしないよう〃行政指導する。だいたい、こうした方法が知れ渡るのは消費者に知恵をつけることになるので困る」、あなたはこういうことをおっしゃっている。事実ですか。これは事実だと思うのですよ、新聞にちゃんと書いてあるのですから。そこで私が申し上げるのは、消費者保護基本法を制定したときに、少なくとも消費者は今日まで無視されておった、消費者は賢くならなければいかぬ、こういうことで基本法に消費者の役割りということで一条を四党でつくったわけです。その中には「自主的かつ合理的に行動するように努めることによって、消費生活の安定及び向上に積極的な役割を果たすものとする。」これが消費者の役割りですよ。あなたのおっしゃることは全くこれと逆なんです。少なくとも年末に、あなた方の政府は年末対策として緊急対策を打ち出すような姿勢を持っておるわけでしょう。むしろこうした、消費者がほんとうに困って、何とかいい方法はないかという知恵をしぼって考え出したこと、これはあなた方はほめるべきことであって、消費者が知恵をつけられるようなことでは困るというこの裏に、消費者はばかでいい、とにかく酒税さえ取り立てればいいという国税庁の姿勢があるとすれば、これはたいへんなことだと思います。どうですか。

玉置明男国税庁間税部酒税課長

○玉置説明員 最初に申し上げたいことは、日刊紙の報道が本人のしゃべった真実をそのまま伝えておるかどうかということでございますが、きわめてこれは間違いだらけのことで、私の真意をねじ曲げておるということを最初に申し上げておきたいと思います。  まず第一に、「消費者に知恵をつける」云々、これが一番刺激的な表現になっておりますけれども、実はこの方式自体につきまして、ただいま間税部長からも御説明を申し上げましたが、新聞記事によりますと非常に内容が不明確であります。はたして媒介業に該当するかどうか、あるいは販売業そのものに該当するか、これはやり方によっては非常に該当する危険性が高いわけであります。たとえば生協が介入いたしまして意思の伝達、取引の相手方の紹介、その他の補助行為をやられた場合には、明らかに媒介免許がなくてやった場合には無免許行為になるということでございますが、それが媒介者がなくて、消費者が自発的な意思に基づいて直接メーカーに発注し、品物の受け渡し、代金の決済を直接やる、こういうことであれば、これはもう合法的であるということは明らかであります。そういういろいろなケースにわたりまして詳細な知識を与えた上で、これならば合法的であるという、そういう消費者教育というのは日刊紙の使命として適当かと思いますけれども、遺憾ながら読売新聞の二回の記事は非常に不明確があります。あの記事によりまして、一般消費者なり生協がこれならだいじょぶだということでやった結果が、どうも違反になる危険性が非常に生ずるというふうに私どもは理解をしたわけでございますので、あの記事はそういう意味においてはむしろ消費者を誤らしめるというおそれがあります。もっとその内容について正確な記事を出してもらわないと、不正確な、しかも仮定に基、つく――現にそういう事実は発生しておりませんので、仮定に基づいていかにも事実であるかのような報道をされるということは、消費者を誤らしめるおそれがあるから好ましくないということで、私は「知恵をつける」という表現はとりませんでしたけれども、そういうミスリーディングなことはやめてもらいたいというふうに言ったわけであります。

武部文日本社会党

○武部委員 あなたの真意がそうであればけっこうなことで、そうでなくてはならぬのです。ところがこれは全国的に報道されているのですね。これを見た者は、どうも国税庁はたいへんなことを言う、消費者はばかでいい、何のことはない、税金だけ取り立てればいい、こういう姿勢に思えるのです、これを見ますと。もしあなたのほうで、こういうことが全く国税庁の品位を傷つけるということならば――ここにはっきりどこどこの生協と書いてあるのですよ。どこどこの生協がどういうことをしようとしているということが書いてある。ですから、こういうことは即刻お調べになって、誤りなら誤りとしてやはりこれは訂正をお出しにならぬと、国税庁はそういうふうに見られる。私もこれを見てそう思いました。  それからいまのお話の中で、この媒介業についてなかなか解釈が困難なようですけれども、ただこういう安いメーカーがありますよというようなことを知らせるだけでもいけませんか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤(健)説明員 ただこういう製造者がおるということを知らせるだけでございますと、これは別に媒介にはならないと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 私もそうだと思います。ですから、こういうメーカーがこういう安い値段で酒を売ろうとしておりますぞ。そのときに、消費者の一人一人がたまたま生協の組合員で、十人ほど集まって、それではひとつ私のほうでは五百本、あなたは何本ですか、こうやって集めて、それを注文して配達で持ってきて売った。代金も自分たちで当番をきめて払う。これは違法じゃないでしょう。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤(健)説明員 具体的なケースになりますとなかなかいろいろな問題がございまして、これはまた後刻委員のように私から申し上げます。

武部文日本社会党

○武部委員 時間の関係で、いまの答弁でよろしゅうございますから、あとでもう少し具体的に――これは非常にあとに影響する問題であって、国税庁の見解なり私どもの見解が食い違うと影響いたしますから、具体的にひとつ相談をいたしたいと思います。見解を求めたいと思います。  それでは時間が経過をいたしましたので、最後に公正取引委員会にお尋ねをいたします。  十一月十三日、当委員会で私はA社、B社という名前をあげてリベート、現品添付、この非常に膨大な内容を申し上げて回答を求めておりました。十二月五日に回答がありましたが、それは口頭による回答でありました。なぜ文書回答というものをおやりにならぬのか、最初にそれをお伺いしたい。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 本件について、御指摘いただいた件の事情を調査いたしまして、その結果を口頭で御連絡申し上げたわけでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 少なくともここでそういう資料の要求、回答を求めた以上は、当委員会の要求と同じことでありますから、文書をもって回答するのが私は妥当だと思うのですよ。それをただ単に口頭でこうこうしかじかだというようなことについては、私としては非常に遺憾だと思います。ひとつ即刻文書で回答をいただきたい。それが一つです。  そこで、公正取引委員会の取引課長に最初にお伺いをいたします。  あなたが御回答になったこのA社、B社、その他の現品添付、マージン、特別報償、こういう点について御回答がありましたが、この回答はどういう調べ方をおやりになったのですか。

佐藤洋公正取引委員会事務局取引部取引課長

○佐藤(洋)説明員 先般先生から御指摘がございまして、さっそく調査をするというふうなことにいたしたわけでございますが、時間がございませんでした結果、私どものほうに法律に基づきまして再販売価格維持契約が出ております、その契約の内容を検討いたしまして、それで御指摘になった点が間違いであるかどうかというのをはっきり対象につきまして御報告申し上げたわけでありまして、そのほかの諸調査をいたしてからというような御報告ではないわけでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 十一月十三日に申し上げ、回答は十二月五日にいただきました。いまお聞きいたしますと、公正取引委員会に届け出をされたその書類によって回答した、こういうことでございました。そこで、メーカーを呼んで調べたとかいうことじゃないわけですね、そうですね。

佐藤洋公正取引委員会事務局取引部取引課長

○佐藤(洋)説明員 先ほど御説明が若干不十分でございましたが、メーカーも呼びまして、若干その点は聞いてはございます。

武部文日本社会党

○武部委員 そうすると、届け出と実際との間に食い違いがあるというふうにお考えではございませんか。そんなことはございませんか。

佐藤洋公正取引委員会事務局取引部取引課長

○佐藤(洋)説明員 メーカーを呼びまして聞きました結果、届け出と実際とは、特売のときにどうこうというふうなことについては届け出がございませんでしたので、その点は御指摘のときとメーカーから聞きましたときとは、書類による届け出がなされておりませんでしたので、その点だけは違ってございますが、そのほかについては御指摘と同様でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 結局、届け出がない特売等については、メーカーの言い分を信ずる以外にないのだ、こういうことでございますね。

佐藤洋公正取引委員会事務局取引部取引課長

○佐藤(洋)説明員 それらの点につきまして、メーカーの一方的な言い分だけでははっきりいたしませんので、今後なお調査をいたしたいというふうに考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 取引部長にちょっとお伺いいたします。  あなたは十一月二十八日、公正取引協会主催で名古屋の商工会議所で行なわれました独禁法運用ゼミナールというものに出席されたわけですね。その席上でこういうことをお述べになっておりますね。公取に届け出の中には、マージン、リベートが小売り価格の八〇%のものもあるというふうに言われたそうでありますが、おそらくそれは事実だろうと思うのです。八〇%の内容についてつかんでおられると思いますから、これをひとつ文書で回答をしていただきたい、資料を提出していただきたい、これが一つ。  それから、大体通常、マージン、リベート、特別報償あるいはお礼金とか現品添付とか、いろいろなものがありますね。リベートの中には単品リベート、総合リベートあるいは対売り上げ高リベート、対売り上げ数量リベート、こういうものがありますね。特別報償とか、それから新製品の発売時のマージン、リベート、現品添付、それから季節特売時、非常にたくさんあります。これはたいへんな数だと思うのです。これだけあって、ただあなたのほうでは届け出だけを受けてこれを認めておるということについては、私はたいへん疑問に思うのですが、これはどうでしょう。

吉田文剛公正取引委員会事務局取引部長

○吉田説明員 なるほどリベートは先生御指摘のとおりいろいろな形態のものがあると思います。私どものほうへ届け出として出てくるのはリベートという形で――これは届け出に関する規則に「リベートその他」と書いてありまして、届け出を出してくるわけでありますが、一応現在届け出られた書面で、リベート、マージンがあまり大き過ぎるものはないかということを至急検討いたしまして、さらに詳しく突っ込んで、そのうち特別多いじゃないかと思われるものがあれば、さらに実態をもう少し掘り下げてみたいということで検討をしております。これは至急結論を出したいと存じております。

武部文日本社会党

○武部委員 事務局長、二十四条の二のただし書きに「一般消費者の利益を不当に害することとなる場合」という規定がありますね。これに該当すれば当然独禁法の適用を受けるわけですね。この独禁法の適用を受ける二十四条の二のただし書きの「一般消費者の利益を不当に害することとなる場合」、こういう点が十五年間の運用を通じて一度も発効したことがないと思うのですが、事実ですね。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 御指摘のとおりでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 この点は、先ほど私が読み上げた面から見て、また、先般六五%のマージン、リベート、現品添付ということを言った、あるいは先ほど取引部長は八〇%だと言った、こういうことから見ると、二十四条の二のただし書きというものは非常に問題があるのです。それが十五年間一回もこの問題について発効していないということ、これは私は非常に疑問があると思うのです。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 ちょっといまの点を補足させていただきます。  実は二十四条の二のこの部分を適用するということではないわけでございますけれども、不公正な取引方法といたしまして、特殊なかっこうのリベートを一般指定違反ということでいたしました審決はございます。

武部文日本社会党

○武部委員 それはわずかな数字でしょう。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 はい。

武部文日本社会党

○武部委員 わかりました。  そこで、先を急ぎますが、先ほどの八〇%をまた例にとるわけですけれども、八〇%というようなマージン、リベート、こうしたことは二十四条の二のただし書きに触れると思うのですが、どうでしょう。不当に消費者の利益を害することとなる、こういうふうには思いませんか。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 もし事実だとすれば問題があろうかと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 取引部長がおっしゃっているんだから間違いないのですね。これは八〇%というようなものがあるとおっしゃっているのですから。それから、私は前回A社、B社で申し上げましたね。こういう面から見ると、このような不当なリベート、マージン、現品添付、こういうものが「一般消費者の利益を不当に害すること」、こういうことに当てはまるんじゃないですか。

吉田文剛公正取引委員会事務局取引部長

○吉田説明員 先ほど申し上げましたように、いまその実態を調査しておりますが、八〇%から八〇%をこすような――何%からそれじゃ不当ということは私としてはまだきめておりませんけれども、あまりそれが過大なリベートということになりますと、消費者利益を不当に害するおそれが出てくるというふうに考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 いまそれを聞きたかったんですよ。一体それじゃ何%で線を引くのですか。そこが問題なんですよ。一体どのくらいのリベート、マージン、現品添付というものが、二十四条の二のただし書きの、消費者の利益を不当に害するというふうに公正取引委員会は考えているわけですか。事務局長、御答弁ください。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 これは具体的なケースについて、具体的に委員会の判断を仰がなくちゃならない問題であると考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 そうだろうと思っておりました。そこで、そうならば次の資料をお出しいただきたいのです。現品添付というものはおそらく正しくつかんでいないと思うのです。つかめないようになっているんですね、届け出の様式の中では「その他」に入っているから。その他の様式というのを変えなければならぬ。だるすると、マージン、リベートと同じ性質のものだと私どもは思う現品添付は、再販の成立、変更届け出、年一回の実施状況の報告がありますね、その様式に「その他」じゃまずいのですから、これを改正して、現品添付というものがわかるような書式にするべきだと思うのです。それはどうですか。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 現品添付につきましては、これは景品の問題として相当長期間にわたる議論のある問題でございます。その取引の対象になる当該商品と同種類のものを添付する場合に、それが一体値引きであるのか、それとも付録であるのかという議論が景表法の運用をめぐりましてしばしば議論になっておるわけでございますが、たとえば店頭でみそを買うとか、それからミカンを買うとかというような場合には、これはむしろ付録ではないという解釈が公正取引委員会で従来とられていた解釈でございます。ただ、それと違いまして、ある程度その消費の対象になっている物資の需給関係等から見まして、簡単に値引きと解釈するのがむずかしいようなケースが最近は間々出てきておりますので、その極端なものにつきましては、やはりこの段階で当然検討してみなくちゃならない問題であろうかというふうに考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 私は手元に四十三年十一月十六日付、「小売薬業協議会調査のレポート」というものを持っておるのですが、これを見ますと、累進リベートでは六万円で三%とか、九万円で三・五%、これをC社にしておきます。D社では単品リベートで、二万円で二〇%、三万円で二三%、十五万円で三六%という、これは単品リベートですね。こういうものがとられております。もしかりに、単品リベートの二万円の二〇%というものにマージン三〇%とすれば五掛けになりますね。こういうようなことで、そのほかに特別報償とか現品添付があればたいへんな数字になるのです。こういう点についてはやはりあなた方のほうが的確に調べなければならない。このことが二十四条の二のただし書きと非常に大きな影響を持っておるのですよ。こういう点がいままで、公正取引委員会は手が足らぬのかどうか知りませんが、やはりやられていない。私はたいへん問題だと思うのです。ぜひひとつこの点について調査をしていただきたい。  そこで、時間が経過をしましたので、最後にもう一つ資料を要求いたします。化粧品、医薬品、――医薬品は新薬と直販とに分けていただきたい。石けん、洗剤、歯みがき、以上四業種分のおもなメーカーの何万円以上買わなければ再販契約を解除する、これはノルマ制です。マージン、リベート現品添付の実態及び景品の具体的な例、これを調べて、ひとつ資料としてお出しをいただきたい。  もう一つ最後にお伺いをいたしますが、例の洗い直しの進捗状況をこの機会にお述べいただきたい。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 先ほどの点については検討いたしまして、――それから最後の資料は、若干の時間をいただきまして提出するように整理いたしたいと考えております。  それから再販の告示の洗い直しの作業につきましては、医薬品及び化粧品につきまして、現在一応その作業の最終段階に入っております。十二月におきまして二回ほど委員会にかけまして結論をまとめる段階に入っております。

武部文日本社会党

○武部委員 以上で終ります。

八百板正日本社会党

○八百板委員長 この際、午後二時まで休憩いたします。     午後一時四分休憩      ――――◇―――――     午後二時十分開議

八百板正日本社会党

○八百板委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  物価問題等に関する件について質疑を続行いたします。有島重武君。

有島重武公明党

○有島委員 ここ数年来問題になっております中国の肉の問題でございますけれども、これが最近、今度は輸入を促進していく方向に変わるというような新聞記事が出ておりますが、この経過についてちょっとお話しをいただきたいと思います。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○平松説明員 中共から食肉を輸入するという問題につきましては、日本の牛肉の需給事情が多少不足ぎみであるということで、中共から食肉を輸入したらどうかという話が四、五年前から起こっておることは、先生御指摘のとおりでございます。中共につきましては、御承知かと思いますけれども、戦争前から口蹄疫なり牛肺疫という偶蹄類の激しい伝染病が蔓延しておったという過去のことがありますし、一九六二年までは口蹄疫が発生しておったという中共側の発表がございますので、わが国が口蹄疫の処女地であるということにもかんがみまして、前後三回にわたって民間から調査団が出て調査をしたわけでございます。その調査団の報告によりますと、中国大陸は戦前に比べまして家畜衛生上は非常に改善されたあとが認められるということは出ておるわけでございますけれども、その最後の田中調査団の報告をもとにいたしまして、畜産の技術屋さんにお集まり願いましていろいろ審議をしていただきましたところ、中共から食肉を輸入するについては家畜衛生上の問題として検討を要する事項がまだ五項目ほどあるから、その項目について検討したらどうだという話がございまして、一昨年その五項目について中共側にMT貿易の事務所を通じて質問を発しておるというのが現状でございまして、その家畜衛生に関する五項目についてまだ中共の返事をいただいていないというのが現在までの経過でございますが、大臣が就任されまして、中共側の回答が来ないということでそのままにしておくということではあまりにも硬直的になりがちだと考えられるから、その点について何らか五項目の問い合わせにかわるような方法で、家畜衛生上は安全だというような方法がないのかどうか検討してみろという話がございました。事柄は非常に技術的な問題でございますので、そういう大臣の指示を受けまして目下検討をいたしておるという段階でございます。

有島重武公明党

○有島委員 私は田中さんとも前にお目にかかりましたし、大体五項目が相当、ひどくいえば難くせをつけたような、答えようもないような形であるという認識に立っております。それで今度その態度を改められるという方針にしっかりと変わったのかどうか、その点だけはよく確かめておきたい。それじゃ、これを前向きに検討し直すということは、この前の五項目があまりにも、表面上は論理的かもしれませんけれども、実情に即していないということをはっきりと認められたのかどうか、そのことをひとつ伺っておきたいと思います。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○平松説明員 五項目につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、畜産の技術屋さんにお寄りを願いまして、これだけのことを知らないと専門的に検討することはむずかしいのではないか、安心できないのではないかという話で、五項目についての質問をいたしておるわけでございますが、その点について先方から回答がない。先方から回答がないということでこの問題をほうりっぱなしにしておる、まあ外から見てそういうふうに見える状況でいいのかどうか。五項目について畜産局がそれを聞きたいという気持ちはわかるけれども、もしそういうことを、五項目について回答を求めるということでなしに、畜産振興上といいますか、目的が達せられる方法が別途ないのかどうか。ですから、そういうことを前向きだと申しますならば、そういう意味では前向きである。ただ五項目についての回答を求める、それを待っておるということでは事柄がちっとも進まぬじゃないかということと、他方、畜産業という立場から申しますと、やはり口蹄疫なりその他の偶蹄類の病気というものは急性、悪性の伝染病が非常に多いものでございますから、そういう点についての安全性だけは確保するという点は必要だ。そういう安全性を確保するということが、五項目についての回答ということでなしに、何らかの方法で得られるのではないか、そういうことについて検討しろという大臣からの御命令でございます。

有島重武公明党

○有島委員 そういたしますと、五項目を引き下げる用意があるのかどうか、その点を伺いたいのです。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○平松説明員 五項目につきましては、五項目の中に盛られているものが、先ほど先生のお話しのように、論理的にはそういうことだろうとおっしゃったわけでございますが、五項目で聞いておりますことも畜産上安全であることを確保しようという意味で聞いたことでございまして、そこらのところは今後検討いたしまして、五項目の中に盛られていることが最大漏らさず必要であるのかどうか、また五項目という質問の形式のままでやるのかどうかということは、検討してまいりたいというふうに考えております。

有島重武公明党

○有島委員 五項目そのものを今後も改善ないしは緩和する弾力的な考えがあるのだ、そういうふうに私は了解いたします。  それで、フランスのほうは口蹄疫はどういうふうになっておりますでしょうか。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○平松説明員 フランスは口蹄疫の汚染国でございまして、これは国際的な防疫機関であるOIEでもフランスは汚染国であるということを明示いたしております。

有島重武公明党

○有島委員 アメリカではフランスからは入れておりますか。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○平松説明員 フランスにただいま申し上げましたように汚染国でございますから、アメリカはフランスからの生肉は輸入いたしておりません。

有島重武公明党

○有島委員 日本ではどうですか。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○平松説明員 わが国でも、フランスは汚染国でございますので、家畜伝染病予防法によりまして、肉につきましては輸入禁止国になっております。

有島重武公明党

○有島委員 シャロレーというのは日本にどれくらい入っているのでしょうか。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○平松説明員 シャロレーは種牛として輸入いたしておるわけでございますが、年によって増減がありますけれども、百頭前後というふうに承知いたしております。

有島重武公明党

○有島委員 シャロレーについてはアメリカではどうですか。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○平松説明員 ここで確定的に申し上げるほど知識はございませんが、私が承知いたしておりますところでは、シャロレーはアメリカ政府でも輸入していないというふうに承知いたしております。

有島重武公明党

○有島委員 その辺のことは何か不公平な感じがいたします。あの五項目というのは確かに、あれは絶対安全を確保するにはどうしたらいいか、そういうきびしい感じを受けるわけですね。これは田中さんなどの御意見を伺っておりましても、自然科学という立場であっても絶対ということはこれはいつも言い切れないのである、この程度のワクの中でやる、これ以下である、たとえば年限にいたしましても、一九六二年からすでにもう六年たっておる、そういうような一つの限度を考えていくのがより科学的な行き方なのではないかと御自身で言っておられましたけれども、いまのシャロレーの話を伺っても、片方には非常にゆるい感じを受ける、こちらだけはきびしい感じを受ける。そういったことについて率直に考えて、五項目についてもっともっとゆとりが相当ありそうかどうか。やってみたけれども全然だめだったというのか、あるいはやらない前からゆとりがあるのじゃないかという想定のもとになされたのだと思いますけれども、この可能性の問題ですね。それから、調べておりますといって一年も二年も三年も調べているんじゃしょうがないのです。大体いつから始めて、いつごろまでには報告を出すというようなめどを立ててもらいたい。それについてはいかでしょうか。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○平松説明員 シャロレーにつきましては、日本で輸入いたしておると申し上げたわけでございますが、これは家畜改良の見地から生きた種牛を入れるということで、そのことにつきましては、先ほどお話を申し上げましたように、フランスは汚染国でございますから、フランスとの間に協定を結びまして、フランスへ参りまして清浄区域というものをはっきり確認いたしまして、その清浄区域で、たしか五十マイルだったと思いますけれども、五十マイル以内に患牛がいないというところの牛を一定期間隔離いたしまして、そこでフランス政府の検疫を受けまして、また出港する際に検疫をして、日本に輸入する際にも検疫をするという両方の政府の合意のもとに輸入をいたしておるわけでございます。これは非常に数が少ないものでございますから、そういう念入りの検疫ができるということで、輸入をいたしておる。これは家畜改良上の見地と、それからそういう病気の確率の問題と均衡をとりまして、これならだいじょうぶだろうということでそういうふうにやっておるわけでございます。  それから、中共肉につきまして、五項目は論理的に正しいということであろうけれどもというお話でございますが、三回の報告なり、あるいは私どもが承知いたしております範囲では、通常の清浄国でございますと、口蹄疫にかかった牛は全部殺しまして、焼くとか埋めるとかいうことで処置するということでやっておるわけでございますけれども、中共では隔離してそのまま自然治癒を待つということで、なおった牛はそのまままた使用するやり方をやっておるということでございます。口蹄疫は御存じのようにビールスによるものでございますから、そのビールスによるという口蹄疫の特性からいたしまして、私どもとしては、ちょうど銀座でレストランのコックが健康であるけれども赤痢菌を持っておるというような状態も考えられるということもございましょうし、そういうようなこともございまして、撲殺して埋めたり焼いたりするというような手法で撲滅していないというふうに考えておるものですから、そういう意味においてより慎重に取り扱う必要があるのではないか。大体口蹄疫につきましては、ヨーロッパ大陸あたりでも十年周期くらいで爆発的に流行する。これは牛の更新期が大体十年くらいだということで、一ぺん大流行いたしますと残った牛はたいてい免疫を持つというようなことで、その十年くらいの間はわりあい出ないであろうというようなこともございますので、そういうようなことも勘案いたしまして五項目についての回答を求めたという経緯でございます。  それから、大臣から検討を命ぜられていつまでも長く引っぱるということは困るじゃないかというお話でございますが、これは大臣からそういう御命令が出たわけでございますから、私ども至急検討いたそうということで作業いたしておる段階でございまして、これについていつ終わるということを申し上げるわけにはまいりませんけれども、長く引っぱるということでなしに、これは大臣も短期にそういうような形できめていこうという御意思だろうと思いますので、私どもその意思を体して作業を進めてまいりたいというふうに考えております。

有島重武公明党

○有島委員 いま伺いましたのは、中間報告のめどを立ててもらいたいということですが、たとえば一月中にはどうか、二月中にはどうか。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○平松説明員 御承知のとおり、今回の問題につきましては、覚書貿易の協定書の問題で結論が急がれておるということでございますので、そういうことも考え合わせまして、検討の結論は急いで出さざるを得ないだろうというふうに考えております。

有島重武公明党

○有島委員 これはしろうと考えでございますけれども、この前も問題になったときに、フランスのシャロレーの方式をそのまま用いることはできないものだろうかというような話が出ておりました。これは物価問題としていま取り上げているわけでございますけれども、検討のつき次第、その方向をもう少し正確に発表を早められますと、それだけでもって国内の肉の値段というものに敏感に影響してくると思うのです。どうぞそれを急がれるように要望いたします。肉の問題はこれで終わります。  それから、公正取引委員会が急がれるというようなお話がありましたので伺いますが、コカコーラの調査の問題はどういうふうになりましたでしょうか。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 コカコーラの販売が独占禁止法第十九条違反になるのではないかという疑いに基づきまして、日本コカ・コーラ、それから東京コカ・コーラボトリング、それから東京近辺の若干のボーリング場その他につきまして事情を調査中でございます。

有島重武公明党

○有島委員 これはリベート販売方式の評価、判定の問題だと思いますけれども、景品戦術であるとか、商品を買わなくても応募できるような宣伝方法に対しての規制が現行法でもってできるかどうか、そのことについて伺いたい。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 景品の規制につきましては、不当景品類及び不当表示防止法でいたしておるわけでございますけれども、その法律の対象は、取引に付随して行なわれた景品の供与についての取り締まりをいたしておるわけでございます。ただ、現在実際に行なわれております取引の中には、ぴしゃりと取引に付随するというかっこうでなしに、何か取引に密接な関連を持たせて現在の告示には違反しないというケースが相当見受けられますので、現在の告示をもう少し範囲を拡充いたしまして、何らかの関連があるようなものについて景品の取り締まりができますように、現在告示の改正について検討中でございます。

有島重武公明党

○有島委員 いまの、商品を買わなくても応募できるような広告のしかた、それについての取り締まりが現行法でできるかどうか、その問題ですが、告示のしかたでもってそれができるといま言われたのですか。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○柿沼政府委員 ただいま私が申し上げました告示の改正を検討中のものは、品物を買うことを条件にして景品を添付するのではないのですけれども、やはり品物を買うことと非常に密接に結びついた行為がある場合の取り締まりをしようということで、告示の改正を検討いたしておるわけでございます。全く商品の売買と関係のないようなものについて現行法で取り締まりができるかできないかという点につきましては、現在まだ研究中でございまして、現在の規定ではその辺はやはり非常にむずかしいのじゃないかというふうに考えておりますが、なお研究中でございます。

有島重武公明党

○有島委員 これは結論をどんどん出されて、改正すべきものは改正しなければならないのじゃないか。特にそういった外国からの上陸をどうやって防いでいくかということは重大な問題じゃないかと思うのです。だからあまりぐずぐずしないで、見通しをつけて、改正をしなければならないものであったら早くそれをやらなければならないのじゃないか、そう思います。それはそれでけっこうです。  それでは続いて、菅野企画庁長官には御就任おめでとうございます。国民がみんなでもって期待しておる重大な物価の問題でございますから、御健闘を祈るものでございます。  私は、非常に素朴な立場でもって、とにかくいま物価が上がって困る。それできょうは大体三点くらいにわたって伺いたいと思うのですが、生産性がぐんぐん上がっているといわれているにもかかわらず、物価が相変わらず上がるわけでございます。たとえばビールの場合もそうでございます。それから自動車なんか極端だと思うのですけれども、テレビの問題もしばしば論議されました。それから特にビタミン剤なんかの問題もございます。こうした問題について、これは諸般の事情でいたしかたないと思っていらっしゃるか、あるいはこれは断固として検討を加えて値下げに踏み切るべきものは踏み切っていかなければならないとお考えになっているか、その辺の御所見を承っておきたい。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 具体的ないまのお話、私も事情をよく知らぬものですから、具体的なことについてはようお答えいたしませんが、物価問題一般について私の方針を申し上げておきたいと思うのです。  お話しのとおり、いま日本の国内の問題として大きな問題は物価問題と思います。これを解決しなければ国民生活は不安定だと思っております。そういう意味で、佐藤総理も物価ということについては所信表明の中にもはっきり、最重点策として物価問題に取り組むということを言われたのであります。でありますから、物価を安定させるということ、物価をこれ以上上昇せしめないようにするということ、それについては全力を注いでやりたい、こう考えておるのであります。それが私の任務だと考えております。経済企画庁としては、それが私どもの最も大きな仕事だと考えて、いま経済企画庁を総動員してこの物価の問題について調査研究をいたしておる次第であります。

有島重武公明党

○有島委員 それで、いまの生産性の向上という点について伺いたいわけなんですけれども、生産性がどんどん上がるものと、それからサービス料金のようなものは一つの限度があるということは、もうはなからわかっているわけでございます。そういたしますと、生産性の向上率の高いものについては相当いろいろな配慮をして、それで値下げのほうに指導していかなければならない。にもかかわらず、従来は値下げに対する指導というものがあまり行なわれておらなかった。それで、菅野長官がその点については、物価の安定は非常に大切だといま言っておられる内容には、当然そこまで含まれないと画竜点睛を欠くのじゃないか、そう思うわけでございます。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 生産性が高いことによって得られたところの付加価値は、これは経営者にも利益を受けさすし、また労務者も賃金の値上げによって利益を受けるし、もう一つは販売価格を安くして消費者にも利盛を得させる。この労使、消費者がこれを公正に三分して利盛を受けるということが私は生産政策の基本だと、こう考えておるのであります。それが、いま生産性が高いにもかかわらず下がらないというところに何か原因があると思うのでありまして、その点については原因をよくきわめて、そうしてひとつ販売価格を安くするような方法を考えなければならぬ。しかし、幸いそういうものについて販売価格が安くなった例は、たとえばテレビなど数年前から比べますと非常に安くなりました。これは生産性が高まったために安くなったのでありまして、したがってまた同時に一般大衆がテレビを買うことができるということにもなったのでありまして、そういう例もあるのでありますからして、どうして売り値が下がらないかということは、やはり具体的に調べて対策を講じなければならぬ、 こう考えております。

有島重武公明党

○有島委員 ただいまのお話で、労使、消費者、三者について利益が分配されていくようにならなければならない。全般的に申しまして、従来は労使というか、労のほうにはなかなかこれは回らなくて、それ以上に潤ってこないのが消費者である。それは一番消費者が力が分散されていて、文句を言わないせいであると考えられるわけでございますけれども、その点について、そのために経済企画庁なんかが控えておって、あるいはは公取さんが控えておって、そこでもって目を光らして、一つの指導力を発揮していただきたいと、そう国民は願っておるわけです。そこでカラーテレビの問題でございますけれども、あれはそのときに生産性が高まってきたので安くなったのじゃなくて、まさにあれは、いま話しております強力な一つの指導があって下がった一つの実例であると思うのです。ですから、いま品目にわたってとおっしゃいましたけれども、さっそくにビタミン剤なんかの問題はどうでございましょうか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 いまビタミン剤については実情をわれわれ知らないものだから、どれだけ生産性が上だったのか、どれだけ売り値が下がっていないのか、それをちょっと私知らないから、それに対してどう処置していいかということは私もいま見当がつきません。そういう点についてよく御存じであればあるいは教えていただいて、またそれによって考えていきたい、こう考えております。

有島重武公明党

○有島委員 きょうはその方向だけをはっきりとお約束いただいて、そのかわりこれは菅野長官の任期中に幾つかの実績を必ず残していただきたい。そのことをお約束いただきたいと思うのでございます。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 先ほどもちょっと、生産性が高まったことによって労使並びに消費者に利益が均てんするような生産政策をとるべきだということを私申し上げましたが、その点においては、いままでは実際消費者が弱かったのですね。というのは、戦後の物の足らぬときですからして、したがってすべて値段というものは売り手値段なんです。少なくとも買い手は、物をほしいというときは高くても、質が悪くても買うというのが、戦後私は十年以上続いたと思うのです。それがやはり今日まで残っております。生産者本位な経済政策というか……。そこで私はこの前経済企画庁長官になったときに、これではもういかぬ、生産は相当伸びたんだから、これから消費者本位で経済政策を立てなければならぬというので消費者行政ということを言い出したのでありまして、幸いその後消費者行政ということを各省ともにみな考えていただいておるのでありますが、同時に消費者自身が――まあ労務者は労務者として団結力がありますし、資本家側も自分でどうでも値段ができますが、やはり消費者が団結して、そしてこの値段は不当に高いんじゃないかというような、そういう団結運動ということは私は非常に好まいと思っておるのです。幸い皆さんの御尽力によって消費者保護の基本法ができ上がりましたからして、あれなどによってひとつ今度は消費者の力を強めるということ、消費者がもう少し商品に対する知識を高めて、そしてこの品物であればこのくらいで売るのがあたりまえの値段だというような知識を持ってもらえば、消費者としては強くメーカに要望することができることになると思うのでありまして、そういう意味で消費者教育というようなことも今後考えていきたい、こう思っております。  いまのビタミン剤のことについては、私自身事情を知らないものですからして、これは具体的にあとで教えていただければ、それについてまた御相談したい、こう存じております。

有島重武公明党

○有島委員 ただいま消費者保護行政の一番の先祖であられるというようなお話でございました。で、ことしでございましたか、基本法が通りまして、一歩前進の基礎ができたという段階だと思いますけれども、ただいまの長官のお話によりますと、戦後十年は需給関係の中でもって需要が非常に高かったので、これはいたしかたなかったのだというお話でございましたね。それが潤沢になってきたんだから、その可能性はあるということでございます。消費者保護基本法の一つの成立の現状認識というものはもう一つ、そこに大量に供給されていると同時は、非常に多様である。そのために消費者の判定というのがもうまくできない。それに対しての情報をしっかり交換できるような体制をつくらなければ不可能である、そういうことが一つあったわけでございます。  それからもう一つは、いま長官が消費者が団結することが望ましいとおっしゃいました。これはまた非常にむずかしいことでございまして、へたに団結するとこれはかえっておかしなものが起こる。それで、あの中には消費者団体という問題も出ておりますけれども、もう一つ、現在一番合理的に消費者との対話ができるような体制というものがあるんじゃないか。それは苦情処理じゃないか。苦情処理機構をあるいはもっとネットワークのような形でもって一元的にすることができれば――具体的に申しますと、ある窓口にきた苦情処理を、その場のエキスパートが答えるだけでなしに、その中枢であるエキスパートのところに問い合わせがどんどんできるということになれば、これは多少見当違いな問題が持ってこられても処理できる。しかもそういった全国の処理が、あるいは持ってこられた苦情が、全部トータルされ公表されるということになりますと、消費者大衆が全部でもって経済全体を監視している姿がここにできるんじゃいなか。そういう体制を組み上げていくことが一つの大きなキーポイントになるんじゃないかと思うのでございます。その点についていかがでございましょうか。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 いまのお話は私も非常に同感でありまして、、消費者がもし不正なものを買うた場合に、苦情を申し出るというような制度をつくることが絶対必要だと考えております。またあるいは、消費者が抗議したときに公正に、こういうものを買うたらいいじゃないかということを指導するような制度とかいうようなこと、その点では率直に申し上げて、私は日本の消費生活というものは合理性が欠けておると思うのです、外国人に比べて。私も外国で生活しておりましたからよくわかるのですが、その点合理性が欠けておる。この点を、いろいろの制度をつくったり教育したりして、ひとつ一般国民がもう少し合理的な消費生活に入るということを指導することが、ひいて物価をまた引き下げることにもなるんじゃないかというように考えておりますから、そういう点においてひとつ、いろいろの必要な制度は今後設けていきたい、こう存じておる次第でございます。

有島重武公明党

○有島委員 それに関しまして、消費科学センターというものが構想されているようでありますけれども、それのさらにまた中枢をどこにきめるかということが、もう時の問題ではないかと私は判断しているわけでございます。さっきおっしゃいましたように、各省庁の中で消費者行政が行なわれ出している、その結集した力を今度は全部国民に還元していかれるような、そういうようなシステムが現在の科学技術を用いればどんどんできる。技術的にはもうできるような段階になっております。それほんとうのセンターを早くおきめになることが、これが具体的な一歩になるんじゃないかと思うのでございます。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 この消費者行政を統一するというか整備するというか、そういう必要性は私も痛感しております。先般も私が通産大臣のときに宮澤長官に、この消費者行政をひとつ経済企画庁でまとめてほしいということをお願いしたのですが、宮澤長官は、これは通産省でやってもらったらいいなというようなことで、そのままになってしまったのであります。大体消費者行政というのは、先ほど申し上げましたとおり、経済企画庁で始めたもので消費者行政課というのを設けたのが最初でありますが、同時に私は、いまお話しのようなことで、国民生活研究所というものをつくったのです。いまの国民生活研究所は少し私の考えとは違ったものになっておりますが、そういういろいろの問題を国民生活研究所でひとつ研究して、そうしてこれをまた国民生活の指導に資したいというつもりで国民生活研究所をつくったらいいじゃないかという案は、私が前の時代に出したので、でき上がったのは数代後の長官のときでありまして、私から見ると、私の考え方とは違ったものができておりますが、これもひとつ再検討してみて、いまのお話しのとおりどこかでまとめて、それによって各省が動くというような機構をつくりたい、こう考えております。

有島重武公明党

○有島委員 そういたしますと、大体基本法は現行法を消費者側に有利なように推進し、ないしは改定していく、そういうような面が一番強く出ているわけでございますけれども、いまの長官のお考えを伺いまして、これを推進していく新たな機関を、これは企画庁内かどうか知りませんが、そういった御構想をお持ちになっておる。それで、これはまあ今度というわけにはいきませんけれども、通常国会ではそういった法案が出される、そういうことを期待してもよろしゅうございますね。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 そういう点につきましては、先ほど申し上げました国民生活研究所が、そもそもそういう意味で私はつくってもらいたいと思ったのが、いま違った性格になっておるようでありますので、そういう点でいまの国民生活研究所ももう少し再検討してみたい、こう思っておる次第でありまして、御希望に沿うようにひとついろいろ考えてみたいと思っております。

有島重武公明党

○有島委員 大いに期待しております。  それから次の問題でございますけれども、これは先日の佐藤総理の施政方針演説の中にございました年末の物価安定のことでございますけれども、これについては国民も、ああいうふうにおっしゃったんだから何かやってくれるのかと思うわけでございます。これについてはどういう手をお打ちになるのか、それを伺いたいと思います。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 さっそく、と申しますより、私どももいずれ年末に対してそういうことをやらなければならないということを考えてもおりましたので、総理からの御発言もございまして、さっそく対策のスタートを切ったのであります。正直に申しまして、その前から体制をつくっておったのでございますが、スタートをしたわけでございます。たくさんございますが、一つはやはり年末に対して供給――急に種をまくというようなわけにはまいりませんけれども、供給をできるだけ円滑にするという意味で、野菜等につきましては、例の野菜指定産地等の協議会を通じて冬野菜の出荷を調整する。それから牛肉も年末を一応頭におきまして、九月、十月ごろに一万一千トンの輸入割り当てをした。水産物もやはり東京、大阪の冷蔵庫にあります冷凍魚というようなものを放出するように、いろいろ指示をして対策を講じた。特に一番問題になりますのは、年末にあたりまして物的輸送を円滑にするということでございますが、これは、たとえば貨物につきましては増発をするとかスピードアップをするということで、国鉄、運輸省のほうで対策を整えてくれております。なお特に、生鮮食料品等の要するに購買が盛んになるわけでございますから、一方では厚生省のほうで食品衛生監視の強化をその期間やると同時に、別に通産省におきましては量目の一斉取り締まりというようなことをやっておるわけであります。そういうことで現在の段階では、単にそれだけではございません、結局長年の結果でありますが、ミカン等もかなり値下がりをいたしております。野菜も一応順調でございます。残念ながら豚肉はかなり水準が高いわけでありますが、それにいたしましても一応鎮静し、かつやや緩和する傾向にあるのではなかろうかというようなことで、もちろん中には正月用の特定のカズノコ等が非常に高いというようなこともございますが、できるだけ正月を暮らしやすくするということに対して、かなりの効果をあらわしておるというふうに考えておるのであります。

有島重武公明党

○有島委員 いまのお答えですけれども、毎年やっている年末処置と何か変わったことが一つでも二つでもあるかというと、これはほとんどないわけであります。では、いままでやったのが非常に効果をあらわしたか。やはりあまり効果をあらわしてないわけであります。御承知のようにミカンとゴマメを除くほかは、ほとんどみな一〇%ぐらい上がっております。大体物価の値上がりは五%がどうのこうのと言っていますけれども、現実には一〇%以上上がっているというのが主婦の実感なのです。物価の安定が最重点であると言い、また年末については安心のいくようにする、そういうふうに言われて、しかももういま年末なんでありますから、まごまごすると、これでもってやろうと思っているうちにおしまいになっちゃって、何にもやらなかったのと同じことになりはしないか、あるいは単なる口先だけであったということになりはしないか。どうなさるおつもりなのか、それを伺いたいのです。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 毎年のことであるというお話でございますが、当然正月というのは毎年まいりますし、それに対するいろいろな経済条件、たとえば特にその時期に購買力がふえる、あるいはその時期がちょうど冬にかかって、物によっては供給が不足しがちの時期であるということで、大体正月というのはシーズナブルなものでございますから、対策も御指摘のように特に新規なものは比較的ないわけであります。ただ、やはり青果物等につきましては、昨年はこれは逆の意味で、たとえば干ばつというようなことがございましたから、必ずしもことしの豊作が手柄ではございませんけれども、しかしミカンというものはかなりな期間正月用として需要されておりますし、それに対する施策というものも、ある意味で実ってきたということでもございます。それからまた、ミカンのみならず、バナナの輸入等につきましても、なかりな程度にふえておる。リンゴも安くなった。あるいは野菜等につきましても、白菜その他、これも単に年末だけを目当てにして作付があったわけではございませんけれども、やはりそういう時期の、特につけものにたくさん仕込むというようなものを目ざした生産が行なわれ、供給が行なわれる。これはやはり政府として努力をしてまいった一つの成果ではなかろうかというように考えられる。そうは言いましても、決して全部が全部いってはおりません。中には依然としてもう少し考えればよかったというようなものがあるわけであります。その点は、かりにことしの段階で、たとえばカズノコ等について間に合わないにいたしましても、来年はそういう面も考えて措置をしたいというように考えております。

有島重武公明党

○有島委員 いまのお答えなんでございますけれども、何を言っていらっしゃるのか、ちょっと私にはわかりにくいのですけれども、毎年正月はやってくる、だからどうだ、というわけなんです。正月の前、その前後に対して高くなるのだ、それはあたりまえだというようなお話なんでございますけれども、それならそれで、ことしも手を尽くしましたけれども、例年のとおりもう大体物価は上がるから覚悟してくれ、そのかわりまたこういうように再来年は……、そういうのが政治の言い方じゃないかと思うのです、ほんとうのことをいうと。それを、あたかもことしはだいじょぶみたいなことをこの施政方針演説では言っている。しかも、これはうわさでございますけれども、菅野長官が特に物価のことは一言言うようにという御建言があったかに承っておりますけれども、これは単なるゼスチュアであったのか。これはまるで例年どおりなんですから。やっていることも例年どおりだ。また上がるのも例年どおりだ。毎年正月はやってくる、しょうがないのだ、国民にあきらめさせるのだ。これは物価安定の上から見ますと、人の心に、上がるのはあたりまえだというようなことをだんだん植えつけていくということは非常にまずいことである。ことしはこうやって一つの例外をつくっていくのだ、そういう積極的な姿勢がほしかった。そう思うのですけれども、もう手おくれですかね、大臣。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 この年末の物価の騰貴を総理が特に心配したのであります。それほど総理は物価ということについては非常に頭を使っておるわけであります。年末には特に物価が上がらぬように何とかしてほしいという総理からのことばでああいう声明をいたしたのでありまして、幸いことしは気候の関係もありますが、野菜類は相当できておりまするし、ミカンもたくさんできておる。そういうものはそれほど上がっていないと思います。カズノコとかなんとかいうのは間に合わぬそうです。これも私が聞いたときには、何とか手を打てぬかと言ったら、もうことしは手の打ちようがありませんということであったのでありますが、私はそれほどまでに上がっていないと思うの  です。いつもはもっと年末のものに対する不平が出てくると私は思うのですが、いまもうすでに年末です。上がればいままでに上がっておるのであって、何も三十日、三十一日が年末ではないので、この十二月が年末ですから、上がればもっと上がって、もう少し国民からの不平が出ると思うのですが、ことしは幸いミカンは安いし野菜も安いというようなことで、私はそれほどの不平は出ていないと思うのです。だから、いままで各省がいろいろ研究して、年末の、たとえば輸送の関係、貯蔵の関係、そういうことにいろいろとくふうをして、年末には物資をより多く出すということについての宰領、あるいは私は将来、まだ実用化していませんが、コールドチューンなどで生鮮食料品を、ことに野菜類はなまと同じというものを食べさすような方法も――いまこれは科学技術庁のほうで試験中でありますが、そういうことも考えて、年末にはみんなが、たとえば高知なら高知でできた品物と同じ新鮮味を帯びたものを食べるというようなことを考えることも、一つの対策じゃないかというようなことを考えております。そういうことで、ことしは天候のおかげといえばおかげですが、それほどいままでの不平はない。幸い暖冬で繊維類も安くなったおります。だからそう一般からの不平は、私自身は聞いていないつもりであります。

有島重武公明党

○有島委員 じゃ最後に、いまの御認識は非常に甘いというか、何か雲の上といいますか、まずいと思います。国民からはあまりこういうのはあらわに出ていないからいいだろうでは、先ほども言いましたように、年末はしょうがないのだとだんだん飼いならしてきたみたいで、これはまずい。それでは一番最初に長官が言われましたところの、ほんとうに物価の安定ということとまじめに取り組んでいくことにつながらないような話じゃないかと思います。今年はお天気のせいもあって少しは助かったけれども、これが悪かったならばほんとうにたいへんなことになるところであった。新しい手というのは一つも打っていなかった、これはお認めになって、せめて、それじゃいまの時点から来年に対しては、より安定した方策を立てるということを国民に約束していただいたほうがいいのじゃないか、そう思う次第でございます。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 正月用品については、野菜や何かの点についてはそれほど私はことしは不自由をしていないと思いますが、あるいはカズノコとかそういうものが不足しております。そういう点はもう少しあらかじめ用意する必要があるんじゃないかということ、正月に必ず国民が食べたがるものでありますから、そういうものはやはりあらかじめの用意しておくべきではかったかという気が私はしますので、来年はひとつそういう正月用品は用意できるように、あらかじめ準備をさせたい、こう存じております。

有島重武公明党

○有島委員 それじゃこれでもって質問を終わりますけれども、公正取引委員会の予算のことでございますけれども、これはうんと応援してつけてもらいたいと思うのです。あれは並みの三〇%の上がりなんというのは、これはうんとおくれておるところでございますから、もっと出し直して十分に活動できるようにしてもらいたい。そう要望いたしまして、これで質問を終わります。      ――――◇―――――

八百板正日本社会党

○八百板委員長 次に、閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。  本委員会といたしましては、堀昌雄君外九名提出の物価安定緊急措置法案、及び物価問題等に関する件の両案件につきまして、閉会中もなお審査するため、議長に対し閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

八百板正日本社会党

○八百板委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。      ――――◇―――――

八百板正日本社会党

○八百板委員長 次に、本委員会に参考のため送付されました陳情書は、物価安定に関する陳情書外一件、物価等の抑制に関する陳情書外二件及び公共料金の値上げ反対等に関する陳情書の三件であります。  以上念のため御報告申し上げます。  本日は、これにて散会いたします。     午後三時八分散会

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