農林水産委員会 第2号
- 発言数
- 215 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1968/12/17
会議録
○足立委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。美濃政市君。
○美濃委員 最初に、農林大臣にお伺いいたしたいと思うのであります。 最近、総合農政ということを非常に売りことばにしておるわけですが、予算の編成中でもございますし、総合農政の基本的な考え方というのはどういうふうになっておるのか、まず最初にその全貌を聞かしていただきたいと思います。
○長谷川国務大臣 総合農政という考え方は、前西村農相がお考えになりまして、これによって現在の難局を打開していこうというような考え方のようでございまして、したがって、私もそれを踏襲しつつ、さらに私は私なりのまた味を加えながらこれの推進に当たってまいりたい。 基本方針は、御承知のように、もういままでずっと、どの法律を見ましても、米作というもののみにウエートが置かれて今日まで進んできております。その関係上、消費と生産のバランスが合わなくなってきているということは申し上げるまでもないわけでございまして、大体三十八年をピークとして、一人一人の消費というものがだんだん下り坂になってきたけれども、逆に生産は非常に高まっておる。これは、いままで農民がいかに苦労をし、いかに努力をした結果のたまものであるかということだけは見のがすことのできない現実でございますが、さりながら、これをそのままほうっておくということも政府としてはでき得ないので、そこで総合農政という、たとえば、お米ばかりでなくて、畜産だとか、果樹園芸、野菜というような、食生活というものの構造がおのずから改善されてきていますから、したがってそれに沿ったような食糧生産に今後当たってもらいたい。そうして価格のみにとらわれずに、さらにそれにはそれだけの、つまり安定するまでの方途を考えていこうというようなことが基礎となって、総合農政といわれておるのだと考えております。
○美濃委員 最近いわれておることで、たとえば四十四年度で思い切ってこういうことをやるというような、従来やってきた農政と違うもの、総合農政というただいまお話しのような状況の中で、全部でなくてもよろしゅうございますが、大幅に四十三年度農政と大きく変わるだろう、変えるのだ、こういう点があったら、ひとつ聞かしていただきたいと思います。
○長谷川国務大臣 他の鉱工業ならば、おっしゃるようにほんとうに思い切って、今年はこうだったけれども来年はこう変わっていくということがはっきり申し上げられると思うのでございます。農業は、御承知のとおりそう簡単に転換はできない。そういうような点になまぬるいというような感じもございましょうけれども、まず方針の上に立って話し合いつつ、そうして指導をし、いろいろなつまり助成といいましょうか、そういうような面もあわせて徐々にその方向に向かっていくというよりほかに、農業の振興策というものは、どうも腹が減ったときにめしを食うというようなわけに簡単にいかないところに、その苦しさといいましょうか、おくれがちなように感じられるのでございますが、実情はそのようなことだと考えます。
○美濃委員 一面そういうこともあろうと思いますが、それでは具体的にお聞きいたしたいと思います。 まず、農業政策を総合的に考える場合、一番先に、国内の需要に対して国内生産確保をどう位置づけするか、これが第一だと思うのですが、いわゆる、国内生産で需要を確保するということに対する基本的な位置づけはどうお考えになりますか。
○長谷川国務大臣 国内で生産をし、そうして国内の需給を完全にまかなう、そうして安定した点にまで持っていかなければならない、それは申し上げるまでもなく当然なことでございますので、その基礎の上に立って、作付を転換できる地域といいましょうか、そういうような地域に対してはなるべくそういうような方向に向かって進めていきたい、こういうふうに考えております。
○美濃委員 それではお聞きいたしますが、それを基本としてこれから農政を進めるということになりますと、最近、経済新聞等でも非常ににぎやかに書いておりますが、残存輸入制限の撤廃、この場合特に農産物ですね、農産物に限ってお尋ねいたしたいと思いますが、残存輸入制限の撤廃についての日米交渉、これは二十七日ころからですか、二十七、八日の両日、アメリカ側は二十八、九日を希望しておる、こう新聞等には出ておりますが、この差し迫った残存輸入制限の撤廃、特に農産物に対する全般的な考え方、それからもう一つは、二十七、八日ころ行なわれるといわれております日米交渉に、どういう姿勢で臨むという結論を出しておるか、これをお伺いいたします。
○長谷川国務大臣 まだ結論は出ておりませんけれども、現在、農林省の中で七十三品目、通産省で四十二品目、大蔵省で四品目、厚生省では二品目で百二十一品目、これらは御承知のように、当然自由化すべきものではないかというような御意見等もございます。したがって、けさほども経済閣僚協議会というのを開いて、ぜひこれらの要求が——これはアメリカという問題ではなくて、先進国といいましょうか、そういう十カ国の平均から見ましても、あまりにも日本は多過ぎはしないか、こういうような点についていろいろ話し合いもございました。二十七日とおっしゃったようでございますが、なるべく早い機会にこれらの問題に対して、どれをどう自由化するような方向に持っていこうかというような話し合いはございましたけれども、現在のわが国の実際は、御承知のように作付転換もしなければならないというようなときに当たっておりますので、いますぐこれのうちのどれを考慮するというようなことは、非常に困難性があると思います。 したがいまして、よくいわれることばでございましょうけれども、両三年中ぐらいの間に十分考慮に入れてでき得るものから徐々に自由化をしてまいりたい、こういうような点について、けさほど話し合いをしてまいりましたのでございます。
○美濃委員 ただいまのお話では、今度交渉に臨む姿勢としては、両年中というぐらいの弾力姿勢で臨んで、直ちにということはやらないというようなお話でございましたが、前段の農政の基本、これは国内でできるものは国内で確保する、それからいま大臣からお話しのように、生産事情とかそういうものが違うから直ちにはできないのだということで、この問題は両三年という考え方ですが、そうすると、いまのガット協定の趣旨で貿易を続けるということになると、いずれは避けられぬという考え方ですか。
○長谷川国務大臣 ガット十一条によりまして、なかなか避けがたいものも将来は出てくるだろうと思います。けれども、それまでには何とか日本国内の農業の振興をはかるように大いに努力をして、そうしてそれに万全を期してまいりたいというのが私の考え方でございます。
○美濃委員 そこで将来の方向をお尋ねいたしたいと思うのですが、大体避けられない事情に追詰められてくるだろう。その場合一例を、果樹類もバナナ等の問題が出ておりますし、あるいは将来——今回の二十七、八日の会議の中にこれは出ておりませんけれども、この中で出ておる対象品目を見ても、向こうからいってきておる品目の中には、牛肉を自由化せいということは入っておるようでありますが、将来、たとえば乳製品も話題になってくるというふうになった場合、いまいろいろ政策はやっておりますが、もっと内政措置で、輸入によって過剰にならないように、国内生産とダブらないように、需給と価格調整をする機能を持たなければ、私は大臣が、これからいろいろやって国内農業の国際競争力、いわゆる生産性を高める、こう言ってみても、これには限度があると思う。たとえば牛乳、乳製品等であれば、あの条件に恵まれたニュージーランドやオーストラリアの経営構造に日本はもうなりっこないですから、これは農民の努力といったって基本条件が違うわけです。 それからまた、もう一つ別の角度から見ると、日本の農産物が、たとえば西欧六カ国等と比べてみて、もういまのコストが世界的に例のないきわめて高いコストではないと私は思うのです。現行の農産物価格でも、いろいろ国際価格、それぞれの国の消費価格等をとって私は検討しておりますが、日本の農産物でも、西欧諸国とか世界全部の価格水準と比較すると、そんなにびっくりするほど高い水準のものではない。ただ、自由化というのは、やはり余る国が、その国の最も得意とするものを、おれのところのものを買えという条件が起きてくるわけですから、これはもう世界一コストの安い最高条件のものが要求されてくるわけですから、それと対応さすということにはならぬと思う。 それらの総合農政といいますか、総合的な検討の中で、いわゆる両三年というような表現で今回は残存品目を切り抜けるといたしましても、いまお話しのように、いつまでもガット協定で日本が貿易を続ける以上、これはいつかは断わり切れぬ、そういう抽象的な表現では乗り切れない時期が来るだろうと大臣も言われておるわけです。それを想定して、その前に、いわゆる国内措置で需要と供給の調整をとるということ、そういう避けられない基本条件を、国内措置をもって量の調整と価格調整をする機能というものを確立しておかなければならぬと思うのです。そういうものがきちっと、国内農業に不安のない政策が確立をしておれば、両三年というような表現でいいと思うのですけれども、それを確立しないで両三年に避けられないという事態、その農政を放置しておいて避けられないという状態に追い込まれて自由化した場合、これはもう前段の国内生産で需要を満たすのだという表現はから表現になってしまうわけです。単なるアイデアになってしまう。それが起きた場合には国内農業は滅亡してしまう。せっかく資金投下をして中途はんぱな構造改善やなにかやっても、それは間に合わない。もう基本的な条件の差は避けられないのだ。この点をどう処理していくのか。 〔委員長退席、草野委員長代理着席〕
○長谷川国務大臣 両三年と申し上げましても、いま要求されているもの全般を両三年と申し上げるのではないのでございまして、その中で可能のものから両三年中に幾つでもやっていこうではないか、こういう意味でございます。 したがって、ただいまのお話にあったような大農、そうして大きな機械で生産をし、そうしてその国が国是としてそれを振興させているような農産物資というものがございまして、一方わが国のほうを考えてみたときに、その土地はそれが適地であって、だうしても他に作物を変えることができないという品物もあるであろうと考えるのであります。特に皆さんのお国のほうはそういう事態の生ずる部面もあるだろうと思います。そういう面を自由化していくという場合に、じかに何でも自由化させて、そうして、ただ政府が見ているというわけにはまいらないだろうと考えます。ですから、そういう面については、また私のことばで言うならば、血の通った行政を行なうような方向に持っていかなければならない、こういうふうに考えておるのでございます。
○美濃委員 そうすると、今回対象になっております——まあ全部は要求されてはいないようでありまして、その両三年というのは全部でないというのですが、今回自由化せよと要請されておる対象品目は、新聞その他では見ておりますけれども、政府の皆さん方から、きちっとこれこれの品目が要請されておるということを聞くのはきょう初めてなんです。何々の品目が要請されて、そのうち少なくとも両三年を要する、三年以内にはどうしてもこれはできないのだ、交渉のいかんによっては、まあ一品目もしないというわけにはいかぬから、これこれの品目はあるいは今度の交渉でもやらなければならぬのじゃないか、こういうお考え、すでにこの時点になれば、そういう検討をしたと思うのですが、その内容を聞かせていただきたいと思います。
○長谷川国務大臣 先ほど申し上げたように、七十三品目要求されているわけです。これはあとでお回ししてごらんいただくことにいたしますが、その中でどれをやるかというようなことは、それはまだこれから、先ほど申し上げたように、省と省とのいろいろな折衝の上に立ち、さらに内閣に協議会というものを持ちまして、それの上に立って決定をしていくのだ、こういうことでございますので、どれをやるかというような点については、まだ決定を見ておらないのでございます。
○美濃委員 その協議会の日程をお知らせいただきたいと思います。
○長谷川国務大臣 協議会は、けさほどそういうふうなことが指示されたばかりでございまして、いつ開くかというようなことは、まだきまっておらないのでございます。
○美濃委員 この協議会というのは、どういう構成になりますか。閣僚ですか。
○長谷川国務大臣 閣僚全体ではないのですけれども、経済に関係した閣僚、そのほかに官房長官、副官房長官がお入りになりまして、そして協議会を開こう、こういうことでございます。
○美濃委員 新聞で見ると、二十七、八日の日米交渉では、特にアメリカ側から——この場合も農産物だけでよろしゅうございますから、ほかのほうはまたそれなりに考えてもらえばいいので、農産物で特に要請されておる品目があるように新聞は書いておるわけですが、この実際はどうなんですか。たとえば牛肉、雑豆、オレンジあるいはトマトジュースというように、品目を経済新聞あたりでは書いておるのですが、これは新聞どおりなのか。百二十一品目あるということは、手元に資料もいただきましたが、これを全部要求されておるのか。二十七、八日の日米交渉というものは、新聞に出ておるように、いま私が申し上げた品目は、特にこれを重点に考えろという内容で向こうからきておるのか、そういう内容でまた交渉に臨むのか、このいきさつをひとつお聞かせ願いたいと思います。
○長谷川国務大臣 私、まだその内容はよくわかりません。経済局長が来ておりますから、経済局長に答弁させます。
○亀長政府委員 アメリカといつ交渉するかは、まだ決定をいたしておりません。二十七、八日ごろという話もございましたが、いろいろな都合でまだ決定をいたしておりません。向こうの都合もございますし、こちらの都合もございますので、場合によっては来年になるかもしれません。目下向こうと話し合いをしておる段階でございます。 それから品目につきましては、現在の非自由化品目は七十三品目でございまして、そのほかにもちろん国家貿易に属するもの、すなわち米麦あるいはバターというようなものは、七十三から除外をされておりますので、これはまず問題にならない。七十三につきましては、相当数がアメリカその他の国からも従来要求がございます。先ほど御指摘の、アメリカから、新聞に出ておるようないろいろな要求があったかというお話でございますが、率直に申しまして、工業品を含めて三十五くらいの品物がアメリカからいってきております。そののち農産物も相当含まれておりまして、いま美濃委員から御質問の際に御指摘された物資もその中に入っております。 ただ、全体的に明らかにすることは、目下私どもの立場としてできませんが、ただいま言及されましたものは入っております。しかし、これがどの程度の強さ、どの程度の重要さをもってアメリカが主張するかという問題は、まだ未知でございまして、これは実際に話をしてみなければ、その程度に関しては、私どもとしていまのところ何とも申しかねるような状況でございます。
○美濃委員 もう一回お尋ねいたしますが、品目その他は大体わかりました。それから、交渉の日程も新聞には年内と出ておるが、年を明けるかもわからぬ、こういうことですが、これは重要なことですから、これからの作業の中でその推移を見ていかなければならぬが、協議会できまった内容というものはある程度国民に——生産者も国民ですが、生産者を含めた国民に、何らかの方法で公表されるのか、それとも、従来抜き打ち自由化というのがありまして、やらぬやらぬと言っておってぼかんときめることがあるのですが、どういう方法をとろうとしておるのか。これからやるのは、いつまでも機密主義を保って——基本はある程度煮詰まっておると思うのですよ。だから、これをもう少し聞かしてもらいたいと思うのです。従来もそうですが、なかなか言わぬことを、どうなんだどうなんだと聞いても平行線になりますので、時間の空費をいたしますから避けたいと思いますけれども、私は、こういう重要な問題は、もう少し方針というものを検討しておることは検討しておるというように、やはり打ち出してもらいたいと思うのです。一面、私の考えでは、これは国会軽視じゃないかとも思うのですが、ある程度のことは勇気をもって言ってもらって、われわれも判断するという必要があるわけです。ただもう従来は、自由化はやらぬのだということを言っておって、残っておる物資の自由化が行なわれる場合、ほとんど抜き打ちじゃないですか。ぽんと自由化しちゃうわけですね。あっというようにですよ。前日まではさも両三年だとか、やらぬようなニュアンスを出しておいて、決定するとなればほんときまる実例が従来多いわけですね。今後はどうするのか、ああいう方針をやはり貫くのか、それとも内閣に協議会を持ったというのですから、こういう態度で日米交渉に臨むという協議会の態度がはっきりした場合は、それを公表して臨むのか、あるいは、相手方もあることですから、公表して臨まぬのか聞かしてもらいたい。 それからまた、協議会で内閣の姿勢は一応こういう方針で臨むということがきまっても、相手方のあることですから、相手方の意見を聞いて、抜き打ちでなしに、相手方の意見は大体こうだからどうしてもこれだけは避けられぬということは、あらかじめ国民や生産者に予告して、大体そういう予備観念を与えて自由化に踏み切るのか。従来はほとんど、特に残されておる品目が自由化される場合は抜き打ちですね。やらぬようなニュアンスを出しておってぼかんとやるわけです。どうしてああいうことをやるのか。これは国民に対しても、一つの表現で言えば無礼ではないかと思うのです。やらぬようなニュアンスを出しておいてぼかんとやる。この点はどういうように今後扱っていこうとするのか、それをお聞かせ願いたい。
○亀長政府委員 自由化の問題は、国民にとっても非常に重要な問題でございますので。過去に御指摘のようなことがあったと言われたのでありますが、今回の自由化に際しましては、対外的交渉ということもございますので、その辺の交渉のしかたにも関係をしてまいることでございます。具体的にどういうふうに取り扱うかは、先ほど大臣からお話しのございました閣僚協議会で、実際のやり方についても十分御検討をいただいた上で進めていきたい、そのように考えております。
○美濃委員 大臣はどうですか、いまの問題。抜き打ちにやるのか。これは事務当局よりも大臣だと思うのです。どういう姿勢でこれをやるのか。どういう協議会をつくるというのですか。
○長谷川国務大臣 どういう姿勢といっても、それをやるのが協議会だと思うのでございまして、協議会においてどういうふうなものをどういうふうにやっていくかというのが協議会の役割りだと思いますので、それをどうこうということは、ちょっとまだ申し上げられないと思います。協議会をやってみて、それからでなければお答え申し上げられないと思いますが、全部それだけのものをやれという要求は来ております。それはいま閣議でいただいたものなのですが、それを皆さんのところへごらんに入れたわけなんですけれども、それをどうやって最小限度に食いとめて、そしてまず安定をはかっていくかということが、これからの問題になるわけでございます。全般にかかっているものですから、一つか二つを保護というのだったらあれですけれども。そのときに至って、これは最終的にこれだけでひとつ何とかしてくれませんかという段階になるのだと思うのですけれども、まだ協議会は開いておりませんからそこまでしぼられておらないので、途中で抜け出してきてどうだろうなんということは、ちょっとこれも不可能だと思います。ですからできるだけがんばって、不安のないような方向に持っていきたいと考えております。
○美濃委員 農林大臣、あなたとしてはどう考えますか。従来抜き打ち自由化で、私どもはあっと言わされたことがたびたびあるのですが、ああいうしかた——それは抜き打ち自由化を発表する何日か前には方針も煮詰まっておるわけです。煮詰まっておるからできると思うのです。政策ですから、瞬間に人間が心臓麻痺かなんかで死ぬようなものじゃない。ある程度煮詰まってちゃんとしておるものを、その前日までは違うというニュアンスを出しておってぼかんとやるのですから、こういう政策は農林大臣としてはよろしいと思うかどうか、そういうことはよろしくないと思うか、これは私的見解でよろしゅうございますからお聞かせ願いたい。
○長谷川国務大臣 どの省にしても、ほんとうに一つでも少なく、最小限度にとどめたいという気持ちは変わらないと思うのです。 〔草野委員長代理退席、委員長着席〕 農林省が、自由化をいかに要求されても最小限度に食いとめなければならない。これは、その気持ちはどなたでも同じだと思うのでございます。しかし、折衝にあたって、初めてそこで結論が出るのでございますから、前もって公表しろというと、それだけのものがいわれておりますということを公表するよりほかに道がないのであって、それは、前もってこれとこれならばと言って皆さん方に御相談申し上げて、いろいろ議論をしたそのあげく、やむを得ないからという結論が出たからこうやるという、それもまたけっこうな話ですが、とても持ち帰って御相談申し上げるまでの余裕は、おそらくないんじゃないだろうかというように私も考えるのです。 まあいずれにしても、私もできればそんな方向にやりたいけれども、なかなかそれだけの余裕がないというように思っております。まだそういうところに一回も出席したことがないのでよくわかりませんけれども、私が体験しているいままでのわずかな期間だけれども、いまそんなような感じがいたします。
○美濃委員 次に、ただいまの問題に派生いたしまして、きのうの日本経済新聞の夕刊で見たのですが、私どもとしては非常に了解できないようなことを大口農林次官が言っておるわけです。冷たい風に日本の農業をさらしていかなければならぬのだとか、あるいは過剰保護がかえって長期的に見て保護にならないとか、こういう非常に重要な表現を新聞でしておるわけです。過剰保護なんかということを農林事務次官が言うわけですが、一体、農林省内部ではいまの農業政策に過剰になるほどの保護をしておると考えておるのかどうか。あるいは社会保障的な保護だとか言っている。 保護といえば、農業はこういう種類ですから、一番いろいろの政策を必要といたします。ですけれども、いわゆる課税特別措置にしてもあれはりっぱな保護でしょう。勤労者や一般大衆には当然税法上かけるべき税金もかけないのでありますから、これもりっぱな保護ですよ。国で集めた国民の税金で上置きをするか、大きな企業にかけるべき税金をかけないで免税するというのは保護でないですか。社会保障的な保護といえば全部やっておると思うのですよ。あるいは郵便貯金とかああいうもの、私ども考えれば大蔵省の資金運用部会計というものは、やはり国の行なう保険や何かであるから心配はないんだろうという国民の信頼の上に立って、国民は国に金を預けておるでしょう。それを大蔵省資金運用部会計にまとめて、安い金利で使わしておるんでしょう。これだって保護でないですか。そうして金利コストを安くして企業の健全化をはかる。私はそれが悪いというのじゃないのですよ。なぜ農業だけに社会保障的な保護だとかあるいは過剰保護だとか——私は過剰保護なんかないと思うのです。農業政策はまだまだ足りないと思う。それを農林省の内部から、過剰保護だとか社会保障的な政策だとか、どういうことなんですか、これは一体。こういう思想で農林省内部は取り組んでおるのですかということですよ。これをお聞かせ願いたいと思います。こういう考え方で取り組んでおるのなら、これはたいへんですよ。私は農林省は要らぬと思うのですね。これは新聞が社説や何かで書いておるのではなくて、事務次官の名前入りで国民に発表しているわけです。大口農林次官と名をいっておるのです。
○大和田政府委員 大口事務次官の新聞紙上の対談の内容をつまびらかにいたしておりませんけれども、私ども農林省で仕事をしている者といたしまして、一致した見解は、農業について保護が必要であること、さらに日本の農業を強くする方向で保護しようという、この二点でございます。
○美濃委員 先ほど私が申し上げたけれども、農業政策は、それは政策をやれば保護的になるでしょう。いかなる政策も保護的になると私は考えておるわけです。転業だけではありません。中小企業に対しても大企業に対しても、その振興政策をやれば、それは保護的なものになるわけですね。保護的なものであるから、その政策でそこがよくなるのですから。これはもう価格政策であるとか、金融政策であるとかあるいは減税政策であるとか、いかなる政策も、保護というならばみな保護だと思うのですよ。なぜ農業だけを過剰保護と言うのか。 それから一面、言われたように強くする保護もそれはやはり計画に入れるべきでしょう。国際競争力を持たすような金融政策やあるいは基盤政策で生産性を高めていく、これも私は一つの保護政策だろうと思うのです。そういう政策は、もちろんそれがいけないの言うのじゃない。二つだろうといま官房長官は言われますけれども、私がさっきから言っておるのは、二つだけではだめだということを言っておるわけです。基本的な立地条件差は、いわゆる需給調整なり価格の調整措置をとらなければ、ただ強化保護だけでは、世界各国の中には、あなた方がどんな強化保護措置をとったって、基本条件をそうすることのできない要素というものがあるわけですから、その格差だけはやはり需給調整、価格調整をやらなければ、強化保護だけでは日本の農業の達成、あるいは農林大臣が前段に答弁した、国内で調達できるものだけは調達するんだというこの政策と現実とが合わなくなるわけですよ。それはどう考えるか。それを保護の行き過ぎだとか、こういうことを言っておるのではないかと思うのですが、ここは大口さんいないからいいけれども、場合によってはこれは質問を保留して、やはり大口さんに来てもらって聞こうと思うのですよ。これは大切だと思うのですよ、いやしくも事務次官がこういう表現をすることになると。
○長谷川国務大臣 強化政策を行なうのには、さらに一そうの保護政策というものが伴わなければならないと承知しております。特にわが国のような農業生産を行なう上に立っては、強化政策を行なえば行なうだけ裏づけというものが当然必要になってくることは、これはもう争うことのできない事実でなければならない、こういうふうに考えております。
○美濃委員 これはちょっと大臣にお尋ねいたしますが、事務次官というのはこんな放言をするために置いてあるのですか。どうなんですか、事務次官という立場は。一体こういうわれわれが了解できないようなことを新聞の記者会見で言う職務なんですか。どうなんです、事務次官というものは。
○長谷川国務大臣 どうも弱りましたけれども、事務次官は事務統括者として、行政の間違いのないように監督をしていく役目だと思っておりますが、何かことばのあやにそんなようなことが出たのでしょう。新聞もうそを書くはずがございませんから、どうもそんなように考えられますが、私は、事務次官でなくて事務次官の上にあるわけでありますから、強化政策を行なうのならば、強化政策を行なう度合いによってはさらにだんだんと保護政策は高めなければならないのだ、これが私の方針でございます。
○美濃委員 しかし大臣は総括者ですから、事務次官はあなたの指揮下に入らなければならぬでしょう。あなたに事務次官の任務を聞いておるわけです。事務次官が言うたのをどうなんだと聞いておるわけではない。政府委員でもないので、国会に出てきて答弁もしないし、いま大臣が言われたように事務統括者でしょう。事務統括者がこういう重要な政策を——ちゃんとこれだけ書いてあるのですよ。これを上げてもいいですよ。見てください。事務次官はこういうことを言う職務なのかどうなのかということを聞いておるのです。
○長谷川国務大臣 農林省にいれば、農民を保護し育成し、生産を高めてもらう、そして消費者の安定をはかる、これが根本の理念でなければなりません。何かのあやだと思うのです。大口事務次官もおそらく私たちの気持ちと同じで、今日まで三十年も農林省で皆さん方と一緒にやってきたのですから、何かことばのあやがそこに出たのだと思うのですが、以後十分注意申し上げます。
○美濃委員 これは大臣に上げておきますが、大臣のきょうの答弁とある程度食い違っておりますから、今後そういう行き過ぎを言わないように、厳重どころか、厳罰くらいにしてください。 次に、米の作付転換について若干お尋ねいたしたいと思います。この政策は、四十四年度予算的にどうなっておるか。
○大和田政府委員 米の生産事情及び消費の事情からいって、米の作付のある程度の調整が必要ではないかという見地から、現在稲の作付を、強制によらないで自由な形で、いわば農家あるいは農業団体の協力を得て、転換することができるかどうかということについて検討中でございます。したがいましてまだ予算案として農林省として正式にきめておるわけではございませんので、一切検討中でございます。
○美濃委員 具体的にこういう質疑をするのは、この問題で私としてはきょう初めてなんです。新聞なんかに出ておりますが、二万円ずつ三カ年で六万円転換奨励金を出すとか、二十五万ヘクタールとか新聞にはちらほら出ておるのですが、これはまだあくまで新聞情報で、あの線がきちっと煮詰まって、その予算が大蔵省に要求されたということじゃないのですか。
○大和田政府委員 私どもが現在検討いたしておりますことは、新聞関係にも説明いたしておりませんから、私ども検討しておることと新聞紙上で出ておりますことと、若干の食い違いがございます。いずれにいたしましても、まだ農林省として正式にきめておるものではございません。
○美濃委員 転換すると想定した場合、一体いま転換する作物があるのかないのか、どういうふうに考えておるか。
○大和田政府委員 この稲の作付転換の問題を私どもが検討に至りました過程を申し上げますと、米の需給がことし、来年相当な持ち越し量があるということ以外に、当面の問題としてはもちろんのこと、今後数年、私どもが最近公表した「農産物の需要と生産の長期見通し」によりますれば、昭和五十二年におきましても、おおむね百八十万トン程度供給が需要をオーバーする。そういう可能性にかんがみまして、徐々に、あまり無理のない形で将来米の作付転換をすべきでないかということから出発したことでございます。したがいまして、短期に相当一面積を、いわば強制力を用いて一挙にという構想は全然初めからなかったわけでございます。 ただ、そうはいいましても、稲の作付転換を考える場合に、作付転換の相手先は何かという問題が当然出てくるわけでございますから、相当な期間をかけて、徐々にといいましてもその方向としては、私ども牧草を植えることによる輸作、あるいは若干の果樹、野菜、北海道におきましてはてん菜、南西諸島におきましてはサトウキビ等々のものが転換作物として考えられるのではないかというようなことを、現在検討いたしておるわけでございます。
○美濃委員 これはあとの質問者も触れると思いますし、政策はもうちょっと煮詰まりが先だと言うから、いずれまた別の機会で御質問申し上げる機会もあろうかと思いますから、きょうはこの程度にしておきます。 次に、聞くところによると、何かこれもいろいろ米の問題が出ますからそういうことが起こるのではないかという杞憂から起きておるのか、あるいは現実に農林省内部でそういう考え方になっておるのか、たとえば米作地帯の区画整理をそろそろやめるとかいわれている。前段でも、米重点に政策が行なわれてきておると言うが、米の急激に余った原因の中に、二百六十五万トンに輸入というものがはね返っておるということも私どもは計算しておるわけです。また、食糧庁からいただきました資料を具体的に計算しても、その数字はおおよそどのくらいと出てくるわけであります。輸入なかりせばと、こういうことになる。もちろん、いま残った米の全部が過剰輸入だと言っているのじゃないが、残ったものを全部計算すればちゃんと出てくる。 そういうことを考え合わせると、やはり、前段で大臣の答弁されました、国内でとれるものは国内でできるだけそれでやっていくのだということを農政の原則とする、これは私ども同感です。それを原則とすると大臣は言われるのですから、私どもは原則でものを申すわけですから、原則でないのだと大臣が言うならこれは別なんです。大臣の答弁の趣旨に従って私は質問をしておるわけですから、それからはずれていないわけです。そういうふうに考えると、そんなに米が余るといっても過剰輸入や何か、あるいは六十年来の豊作がたまたま出て米が余っておるので、こんな速度で米がどんどん余っていくという計算にはならぬ、天候事情や従来の冷害による凶作やその他を勘案すれば。やはり米の生産地域が重点だったから、もうそろそろ予算は引き揚げてもいいのだというようなものの考え方は、総量八百万トンくらいの消費のある米を、一時的な現象で急激に後退するような政策をとるということは、許されぬと思うのです。 そこで、田の区画整理やあるいは土地改良や、こういうものに対してある程度予算的にも後退しようとしておるというニュースが入るのですがこれは単なる杞憂的なものなのか、実際に予算上そういう動きを示してきたのか、これをお伺いしたいと思います。特に大蔵省の側の動きはどうなのか、これを聞いておきたいと思います。
○長谷川国務大臣 いままで奨励してまいりました土地改良、これらは当然推進いたしてまいります。ただし、現実に米という問題が大きく問題になっておるのでございますから、その水田に対しては、考慮を払ってもらえるところは考慮を払ってもらえるような方法で指導してまいりたい、こういうような考え方でございます。
○美濃委員 ちょっと、いまの大臣の水田と言われるのは……。
○長谷川国務大臣 開田でございます。失礼いたしました。
○美濃委員 次に、同じくそういう対策の中で、開拓者の全国開拓者大会が過般も持たれて、農林大臣も出席されたと思うのですけれども、この負債を調査して開拓対策をやろうとしておるのですが、これは私は自創資金ではだめだと思うので、やはり要請しておるような、特別立法をつくって一ぺん総たな上げをしてやる必要がある。私どもの見ておるところでは、いま経営収支の足を引っぱっておる負債を、思い切った長期低利でたな上げをしてやれば−現在の農家は特別に何の措置もない。自由化でもやってしまえばどうか知らぬが、大臣のきょうのお話を聞いてもいろんなことをやろうというわけでありますから、そういう政策をあわせていけば、いま営農をやっておる開拓農家は、構造的、技術的には自営できると私は思っておるのです。ただ、その足を引っぱっておるのが過去の開拓建設当時から引き続いておる負債なんだ。これは、自作農維持資金というあの約定に縛られた資金じゃだめだ、思い切った特別立法措置が必要だ、こう思うのですが、この立法措置その他について、次の国会に提案するような準備が行なわれておるかどうか、お伺いしたいと思います。
○長谷川国務大臣 この間大会のあと農地局長が、いろいろと質疑応答がありお話し合いも進めたようでございますので、農地局長から答弁をさせます。
○中野政府委員 戦後の開拓農家の問題につきまして、先生御承知のように、第二次振興対策をやりまして、その融資その他の農林省の助成も来年度で大体終わるわけでございます。いま御指摘のように、確かに一般の農家に比べまして負債が多いわけでございます。営農実績調査によりますれば、たしか七百数十億、そのうち延滞が二割程度あろうかと思っております。 そこで、本年三千万円程度かけまして、全国の開拓農家の負債の調査をいたしました。その調査は一年かかるわけでございますけれども、それを待っておれませんので、中間報告を一部の組合からとりまして、その様子を見まして、現在どういうふうに持っていったらいいかということを検討しておるわけでございます。近く開拓営農振興審議会も開いて、そこにもおはかりしながら対策を講じたいというふうに考えておるわけでございます。
○美濃委員 簡単でよろしゅうございますがその見通し、対策は通常国会に出せるかどうか、そこまで進められるかどうか。
○中野政府委員 いまそういうことで調査をいたしまして案を練っておるわけでございますが。われわれといたしましては財政当局と、負債の問題がございますからいろいろ問題がございますが、極力折衝いたしまして、できますれば次の国会に出すように準備を進めたいということで努力中でございます。
○美濃委員 次に、先ほどから話のありました日本農業の構造改善、いわゆる体質強化をやるためには、それを進める資金が要るわけです、これは何回も言っておるのですが、限度額等については若干緩和されましたけれども、土地取得資金は、この前の国会中は三百万にするというようなニュアンスも出ておったのですが、それは消えてしまった。その中で、農地法が廃案になったからだめなんだということが地方庁あたりに流れておるわけですが、どの農業委員会を見ても、主として自家労働の範囲ということで、農地法三条二項三、号の上限面積にこだわっておる農業委員会は今日ないと思うのです。自家労働の範囲を、機械を入れて自家労働で消化できると認めたものは、農地法三条二項三号の限度面積にこだわっていないというのが現実だと思うのです。現実はそうなっておるのに、農地法が改正されないから三百万にならないと、これはやはり農林省内部から出ておると私は何回も聞くのです。それを、社会党が反対して農地法が改正にならぬからあれだという逆宣伝をするわけです。あれは農林省が流しておるのか。どこから出ておるのか。あなた方も聞いたと思うのですよ、あれだけ言われておるんだから。この関係は、農地法なんか改正しなくたって、次官通達ですか、あの通達の上限面積にこだわって、許可しませんといっておる農業委員会は全国どこにもないのですから、すみやかに土地取得資金も、少なくとも三百万くらいにしなくてはならない。 特に、総合資金を去年つくったのですが、ことしはどういう方針で総合資金を流していくのか。全体的な資金ワクですね、どの程度の規模でこれを流していくのか。ほしいという需要もあるようであります。需要もあるが、何といっても今年の資金ワクが全国で一千戸、三カ町村で二戸でしょう。三カ町村で一戸ではどうにもならないのです。これはどういう規模で、どういう構想で、どのくらいの資金ワクでやっていくのか、これらをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○中野政府委員 土地取得資金を農地法と関連させたお話でございますが、実は、昨年構造政策の基本方針を立てました際に、今後の農業といたしまして経営規模の拡大をはかる、その場合に土地の所有権を取得して拡大をはかるということ、賃借権の緩和のもとに拡大をはかるということとかいろいろあるわけでございます。その場合に、所有権の拡大をはかるということのためには土地取得資金が必要である。そうしますと、現在は百万円しか貸さないということになっておるわけであります。 そこで、われわれといたしましては、当時農地法を一方立案すると同時に、あわせまして公庫の取得資金の限度を引き上げようということで努力したわけでございます。最近まで内容についていろいろ議論があったわけでございますが、ようやく話がまとまりまして、北海道、内地を含めまして全国二百万円まで、そこまでの限度で貸そうということにいたしまして、現在業務方法書の改定を進めております。近くできまして、ことしから百万円を二百万円、倍に上げるということでやれると思っております。
○亀長政府委員 総合資金につきましてのお尋ねでございますが、お答え申し上げます。 本年度の公庫予算は、御承知のとおり千戸、二十億という考え方でございます。申すまでもなく近代化資金あるいは運転資金を総合的に貸すという考え方でございまして、具体的な方法といたしましては各県に融資協議会というのをつくりまして、自立経営の目標は、具体的には各県でそれぞれの地域の実情に応じて立てていただく、かような考え方で推進をいたしております。同時に、個々の農家の経営総合改善計画というのを立てていただく、これに従って総合資金を貸すという考え方でございます。 貸し付けの対象といたしましては、実質的に経営者が比較的若年であって自立農家の意欲と技術があるとか、あるいは規模拡大に対応する家族労働力が確保されるとか、各種の要件を考えております。 明年度の計画といたしましては、もちろんこれは農林省で要求中のものでございますけれども、従来の千戸に引き続いて新しく二千戸くらいは計画をしたいというふうな農林省の希望を持っております。
○美濃委員 何戸くらいになりますか。進め方のアィデァでございますが、私の聞いておるのでは、今年は千戸で三町村に二戸くらいだが、あれではどうにもならない。何戸くらいになるか。また、資金ワクはこの面にどのくらいつくのか。
○亀長政府委員 長期的な計画というものを、実はまだ持ち合わせておりません。これは将来の資金需要というようなものとも関連もございますので、なおしばらく模様を見て私ども考えたいと思っております。 来年度の資金ワクとしては、先ほど申し上げましたような前提で計算をいたしますと、今年度の二十億に対しまして大体四倍の八十億くらいであろうと思います。これは公庫資金だけでございます。以上でございます。
○美濃委員 時間がございませんので、最後に二、三お尋ねしたいと思うのですが、これはもう簡単にひとつお答え願いたいと思います。 共済制度ですが、米の共済制度を報復的に後退しようという動きがあるというニュースを聞いたわけですが、このニュースは単なる私どもの杞憂と考えてよろしいか。実際に米の収量を減らすために、報復的に米の共済制度の後退を考えておるのかどうか。それがあるのかないのか、これをひとつお聞かせ願いたいと思います。 それから、ついでに畑作共済ですが、総合的によくするというのでありますし、畑作共済は実験が終わったのでありますから、保険設計はいつから入るのか、これをお尋ねしたいと思います。 それと農民年金の現況、この農民年金はおおよそどのくらいのものか、次の国会に提案する意思があるのかどうか、されるのかされないのか、これをお聞かせ願いたいと思います。
○亀長政府委員 農業共済につきまして、いろいろ新聞等で多少誤解を招いておるような感じもいたすのでありますが、御指摘のようなことは全くございません。ただ、農業共済につきましては、将来これをどういうふうに農民に喜ばれるような制度にしていくかというような研究はわれわれもいたしておりまして、団体の会長さんにも参加をしてもらいまして、基本政策懇談会というものもつくっております。しかし、これは御指摘のようなものとは全く違うものでございまして、もう少し現在の実情に応じて、今後どういう方向に持っていったほうがよりよいかというような懇談をいたしておるわけであります。 それから、総合農政に関連をして米の引き受けを抑制するというような御質問でございましたが、現在、総合農政全般につきましていろいろ官房を中心に検討いたしておりますが、農業共済につきましても、新しく開発されたところで収量の不安定のものが、従来引き受けられておるような点もございますので、これらは、農業共済自体の運用の観点から、今後共済制度の目的なりあるいは危険負担の相互分担というような精神に立脚したような方式を十分研究してまいりたい、かように考えております。 それから畑作共済につきましても、四十一年から三カ年計画で北海道で実験事業を実施してまいりました。これが本年度終了いたしました。現在、現地で検討の結論の結果を整理いたしておりまして、今年度内には一応専門家の検討会の結論が出るという段取りになっております。これを受けまして、農林省の手でこういう検討の結果を取り上げて、制度化するかどうかということについての最終結論は明年度じゅうに出したい、かように考えております。
○大和田政府委員 農民年金の問題についてお答えいたします。 農業関係のサイドからの検討は、大澤融さんを会長にいたしましてのお集まりで一応の報告が出ております。現在その報告を一つの素材にいたしまして、国民年金審議会に特別の専門部会をつくりまして鋭意検討しておるわけでございます。できるだけ作業を急いでおりますけれども、国民年金の改正が四十五年度を目途として現在作業を進めておる関係上、それと歩調を合わせて作業をできるだけ早くやるようにいたしておるわけでございます。
○美濃委員 そうすると、その基本的方向はどうですか。国民年金は四十五年実施ということで法案は次の通常国会に出すという準備で進めておるのでしょう。それが一つと、この農民年金は、いま進めておる方向というのは単独年金なのか。農民年金というものは単独で年金をつくろうとしておるのか。国民年金の流れの一部として、国民年金に農民年金といういわゆるアイデアを多少入れて、国民年金の中で消化しようとしておるのか。審議会なんかで検討しておる、その最終結論でなくてよろしゅうございますが、大体どういうニュアンスで検討されておるか。決定は、わからぬならわからぬでいいのです。最終結論は出ていないけれども、どうなのか、単独年金で検討を進めておるのか、これをひとつお伺いしておきたい。
○大和田政府委員 担当の農政局長がおりませんから、詳細はお許しをいただきたいと思いますけれども、国民年金の改正と関進して鋭意検討いたしておりますけれども、農民年金に関する法案を次の通常国会で出すというところまでお話しできるところまでは、まだ問題が煮詰まっておらないわけでございます。 それから農民年金の内容でございますが、検討のさなかでございますから、まだ詳細申し上げる段階ではございませんが、私どもの考え方といたしましては、農民の老後保障と、それが農業の構造改善にどれだけ役立つかという二つの視点を目安にいたしまして、国民年金と当然ある程度連関を持たせながらこれを実施するという点について考えておるわけでございます。
○美濃委員 最後に、これは意見として申し上げておきますが、特に共済制度の説明をお聞きしておりまして感じたわけですが、最近皆さん方の言うことは、改善、改善、よくすると、こう言うのですね。よくするというアイデアで、最近の米の対策だって全部悪くなっておりますね。等外米、買い上げ拒否、あるいは作付転換は、きょうもいろいろ現在進めておる状況は聞きましたが、米の対策は全部改悪をしようとしておるのです。よくするなどというものはないわけです。そうすると、共済も悪くするというようなことは考えておりません、よくしようと思っております、これもおかしいと思うんですね。何か最近、私どもは少し神経がとがって皆さん方を疑い過ぎるのかもしれぬけれども、疑い過ぎたら、お互い見解の相違で御容赦願いたいと思いますが、どうも私どもの判断は、改善などということは考えられません。何かいじくったら全部改悪ですよ。よくなったものがありますか。私の疑いだけじゃないでしょう。等外米を買わぬというのから、最近の米の対策でよくなったものはないということです。 この間もある米に関する大会に行ったら、農地報償をやったのだ、こんなことをいまごろ言われ るのなら、米がやみ米でうんと高かったときに、食糧管理法で縛らぬで思い切りもうけさせてもらえばよかった、あのときの補償ももらわんならぬと大会のときに意見が出ておりましたが、そこまで農民としては意見を言いたくなると思います。ああいう強権発動されて、そうしていま米をかたきにして、最近米の政策で改善なんか見たことないですよ。よくするのだと言って、全部改悪ではないですか。せめてよくせぬでもいいから、絶対悪くしないように米を守ってください。いまごろよくするなんて言ってもらいたくないですよ。何がよくなりましたか。よろしくお願いいたします。 以上、意見として申し上げておきます。
○足立委員長 稲富 稜人君。
○稲富委員 私、与えられた時間に制約がありますので、農政の問題について大局的な問題だけにつきまして、まず農林大臣にお尋ね申し上げたいと思うのであります。 最初に、農林大臣に対してお伺いしたいと思いますことは、私たちは、常に農林大臣はわが国の農政に対して、自分の政治的な生命を賭してでも農村のために最善の努力をするだけの決意が当然あらなければいけないと、かように考えます。しかしながら、最近のわが国の農林大臣を見ておりますと、はたして農政問題に対して、それほどの政治生命をかけてまでやろううというような決意のある方があるかどうか、最も私たちが遺憾に存じておったのであります。 今日、長谷川農林大臣を迎えまして、あなたこそはわが国の農林行政に対しましても、政治生命をかけて断行しようという御決意があるだろうと思うのでございまするが、まずこれに対する農林大臣の御決意のほどを承りたいと思うのでございます。
○長谷川国務大臣 現在の農林行政というものは、どちらを向いても全部行き詰まって、にっちもさっちもいかないというのが現実の姿だと思うのでございます。米ばかりではないと思う。したがって、私もこういうまことに歓迎すべきときに拝命を受けましたので、みずからの能力のある限り、また健康の続く限りこれに努力を傾けまして、何とかして打開策を一日も早く見出したいと思います。 まず、農民の安定ということが第一条件でなければならない。農民よ安心しなさい、われわれはあなた方の味方となってほんとうに血の通った農政をやる、お互いが苦しい中にあってはともに苦しんでいこうではないか、こういう考え方をもって今後の農政に携わる決意でございますから、さよう御了承のほどお願い申し上げます。
○稲富委員 決意のほどはわかりましたが、それにはあなたの持たれる政治生命をかけてでも、この際ひとつ日本の農政の確立のために、また、農民が安心して農業経営のできるような農村をつくるために戦い抜きたいという考え方がおありになるならば、それによって私の質問もまたやっていきたいと思いますので、その点を伺いたいと思うのでございます。
○長谷川国務大臣 もちろん、政治生命といいましょうか、打ち込んでこれを打開するのには、政治生命をかけなければおそらく打開することはでき得ないと私は考えております。御期待に沿うか沿わないか別にいたしまして、御期待に沿うように必ず努力を傾けてまいるつもりでございます。
○稲富委員 長谷川農林大臣の決意のほどを承りまして、私は、今後長谷川農林大臣のその決意に期待して質問をいたしたいと思うのであります。 日本の農業が非常に行き詰まっているということは、もう前から言われておる。そういう点から、かつて農業基本法の成立を見たのであります。おそらく農民は、農業基本法が成立したことによって日本の農政というものが非常に好転し、農村というものが安心して農業経営のできるような農村になる、そのような期待をいたしておったと私は思うのでございます。ところが、農業基本法が成立いたしましても、おそらくその農民の期待は非常にはずれておる、かように私は考えます。これに対して農林大臣は、いかなる観点をもって農業基本法の成果というものをお考えになっておるか、まず承りたいと思うのでございます。
○長谷川国務大臣 農業基本法はお話しのとおりでございましょう。したがって、先ほど申し上げたように、このように行き詰まった問題を、まず基本法を基本として行なっていかなければならぬ。これは与党だから、大臣だから、農林省だからそれをやれと言ってもなかなか行なえるものではなくて、農林省も与党も野党もほんとうに一体となった姿によって、この打開策を考えていかたければならない。野党の皆さん方におかれましても。与党の方々にしても。農村の経営をよくし農民の豊かな生活を希望してお互いの意見というものを出し合っておるのでございますから、その目的はただ一つである。その一つの目的に立って、そしていまの窮乏し混乱している、曲がり角にきたこの農政だけは、お互い一体となった姿によって切り抜けていきたい、こういうような考え方でございます。したがって、やはり基本法を基本として、その方向の行政に移っていきたいと考えます。
○稲富委員 それで、農林大臣に率直にあなたの考えを−私は何もあげ足をとったり何かしようという考えはございませんが、率直にあなたの気持ちを聞かしていただきたいと思いますことは、農業基本法が成立して、農業基本法の示すがごとくほんとうに歴代の政府が責任を持って取り組んでき、あるいは財政的な措置等もやってきたとするならば、私は、ここに至って日本の農業が、いま大臣みずからが意思表示をされるように、これほど行き詰まった情勢にはなり得なかったと、かように考えます。こう考えるときに、農業基本法が成立はしたけれども、これは十分その農業基本法の趣旨に沿うた施策をやらなかったということが大きな原因であるということは、私は、お互いに率直に自己批判してもいいのではないか、かように考えますが、これに対する大臣の率直な気持ちをまず承りたいと思うのでございます。
○長谷川国務大臣 農業基本法というものの中に立って、いろいろな部面において選択的拡大等もやってきたようでございます。けれども、やはり何といっても中心というものが米作にあった。それのみに専念をして他は顧みないということではないけれども、幾分かずつそちらのほうが薄らいでいったような感が今日持てるのではないだろうか、こう思います。それは現実の上に立って、米作というもののみが非常に奨励されておったという点が一つの答えになってあらわれているようにも考えられ得るのであります。でありますから西村前農林大臣が、これだけではいけない、やはり総合的に考えなければいけないのだということを言われたと思います。もちろん、基本法においてもすべてのものが総合的にはできておるのでございますけれども、ウエートというものが米作中心になったということだけは争えないことであった、その結果がこのようになったと私は考えるのでございます。 でありますから、さらに今後の農業に対する総合政策というもの、こういう面につきましては米だけではなくて、申し上げたように畜産、果樹、野菜、そればかりではなく流通の面もしかりである。これにあわせて、金だけで問題が解決するものでもない。収穫を得るのが目的ではあるけれども、いま経済力がこれだけ高まってきて、経済力が高まれば高まるほど米を食う量が少なくなっていくということです。食糧構造というものの現実の上に立って、うまい米をつくれば収穫が少なくなるとするなれば、それはそれだけのものをやはり見てやるような方途だけは切り開いていかなければならないだろう、このように考えております。
○稲富委員 私は、あえて農業基本法が米作のみに主体を置いたとは思いません。これはやはり選択的拡大といい、あるいは果樹園芸、畜産というものにも取り組まなくちゃいけないということは、農業基本法のときに政府がはっきり言ったことなんです。ところが、そのやり方において偏重したというような、あるいは偏在したということはあったかもわからない。これは私はこの政治をやる上において、農政の上において、そういうような完全な農業基本法の方針に沿うたような施策が行なわれなかったところにも大きな原因があるということは、私たち見のがすことはできないと思うのであります。 それで、昨年から西村農林大臣が言われました総合農政の問題でございますが、私がどうも感ずるところは、政府は農民の期待のもとに農業基本法を成立した。農民は期待したけれども、期待はずれしておった。いまになって今度また立場を変えて総合農政ということを言うてきた。何か行き詰まれば新しいことを編み出して、そして農民に期待を持たして、また期待はずれになる、こういうようなことになることをわれわれは今日非常におそれるわけです。 今回の総合農政に対しましても、農林大臣は先般の所信表明の中においても、総合農政というものが非常にむずかしい問題であるということを言われております。しかし、あなたは西村農林大臣の主張した総合農政はどこまでも継承してやっていく、こうおっしゃっております。ところが、私たちが最近総合農政というものを見ておりますと、また新聞等の発表によりまする具体的施策を見ますと、何か米がだぶついて米の問題が起こってきたから、総合農政でこれを切り開こうとしている。先刻も美濃君の質問に対しまして、農林大臣は、総合農政は現在の難局を切り開くためにあるのだということをおっしゃっております。 私は、総合農政というものが単に米価そのものを、米そのものをもたすための総合農政であったならば、これまた行き詰まると思う。やはりわが国の農政というものがいかにあるべきかということを考えることが、総合農政であらなければいかないと私は思う。その総合農政を樹立して、日本の農業というものを健全な姿になしてこそ総合農政の目的が達せられるのであって、私は、今日のこの行き詰まった米の問題を打開するための総合農政であっては、総合農政の意義というものはない、かように思います。この点、農林大臣の所見を承りたいと思うのでございます。
○長谷川国務大臣 農政ということばは、私は決して新しいことばだとは思っておりません。今日の基本法というものはやはり総合農政でなければならぬ、基本法自体は総合農政であろうと私は考えます。ですから、別に新しいことばではないけれども、その基本法の中にも申し上げたような一つの偏重というか、そういう政策があったとするならば、これをまず考えてみる必要がある。そして、さらに総合的な面に考えを向けてその推進を行なっていきたい、こういうような考え方なんでございます。
○稲富委員 その総合農政というものは新しいことばじゃないんでございましょうけれども、わが国の農政の中において、農業の将来の長期見通しの上に立った総合的な農政がなかったということだけは、みんながそう思っているしわれわれもそう思っております。従来やってきた農林行政を見ますると、何でも思いつき行政なんです。目の前にぶつかって何か切り開くという思いつきの農政なんです。一つも長期見通しの上に立った総合的な農政がなかった。ここに私は日本農業の大きな行き詰まりがあった、かように思います。そういう点を切り開くために、総合農政というものが意義があると私は思う。ことばとしては新しいものじゃないけれども、 いままで総合的な農政がなかったという事実だけは否定することができない。その上に立って、今度はひとつ総合農政を樹立しようというふうに思いつかれたものであろう、かように思います。それで、こういう点から私は日本の農政の将来というものを考えなければいかないのじゃないかと考えるわけなんです。 今日の日本の一番大きな問題は、今後における日本農業の基本的な姿勢はどうあるべきか、しかも、日本経済の中における農業をいかに位置づけるかということが、今後の置かれております日本の大きな農業問題に対する課題であると私は思う。これと取り組むための総合農政であらねば、私は総合農政の意義はないと思う。ことばの問題を言っているのじゃございませんが、それが従来なかった。ところが、今度はそれに取り組んでいくのだと、こういうことであるならば、それに対してまたわれわれは進言もし、いろいろ考えなくちゃいけないと思うのでございます。私は、そういう考え方の上に立って日本の農業の将来をどうするか、こういう姿勢の上においてやることによってのみ総合農政の意義があるのであって、ただ米の問題をいじるための総合農政であるならば、私はその意義がない、かように考えます。この点、私は農林大臣の決意を承わるわけです。
○長谷川国務大臣 かつて食管法をつくられるときに、まさに最上、最高のものであり、それがまた消費者に対して一つの安定感を与え、農民の維持、育成といおうか、保護の上に立った育成ができるんだ、これ最古同なりと考えて、われわれも賛意を表してまいった。ところが、たまたま今日のような事態にもなってきておるわけでありますけれども、食生活というものは、わが国の経済というものに大いにすべてのものが支配されていくだろうと思われます。でありまするから、やはりそういうような見通しを立てる上には、十分将来の経済の実態というもの、世界経済がどうであるか、わが国の経済はそれに伴ってどのような進歩状態を示していくか、このようなものを基礎に置いた上に立っての総合政策というものが樹立されていかなければならないのだろう、そういうふうに考えます。稲富さんのお考えも、そのおことば等も十分心の中にとめまして、もって総合農政というものに万全を期してまいりたいと考えております。
○稲富委員 それでは私は申し上げますが、これはいま美濃君も触れておられたのでありますが、総合農政に対する具体的な方策というものを承りたいと思うのでございます。
○長谷川国務大臣 具体的といえば、先ほど申し上げたように、まだ総合農政は具体的にどうだという案ができておらないのです。農林省としては総合農政をやろうというのだから、素案というものは幾らかのものはあるだろうと思う。しかし、これは農林省だけで考えて、それだけでそれを推進するということは、私は賛意を表するわけにはまいりません。これには党もあり、生産団体もあり、また野党の皆さん方もおありのことでございます。その中身の良否は別といたしましても一、応そういう点についてはお話しだけは申し上げてみたい、こういうように考えております。総合農政は党のほうへもまだ何も発表しておりませんし、また、私のほうにもこれぞという案、私が納得するような案もまだできておらないようでございます。まだよく承っておりません。ですから、総合農政ということばは先に出ておりますけれども、これに対して具体案というものはないのでございます。 ただ、申し上げられることは、畜産物だとか野菜とか果樹だとか、こういうようなものを総合的農業生産ということに持っていきまして、またその価格政策だけでなくて、流通政策等も十分この中に織り込んで、そうして総合的なものをつくり上げていくべきだという考え方でございます。
○稲富委員 私は、このことを農林大臣に特に腹に入れてもらいたいと思うことは、総合農政に対する農民の期待というものが非常に大きいんですよ。農業基本法で農民に期待を持たせて、これがほんとうの結果というものは農民は期待はずれになっておる。今度は総合農政ということであるから、ほんとうに政府は政策の上において、農村全体に希望を持たせるような農政の確立ができるだろうという期待を持っておる。ところが、総合農政ということを非常に口はばったく政府は言われますけれども、その内容たるやいま言われたように具体策がない。一体総合農政というもの、これは総理大臣の施政方針演説の中にもあったけれども、どうなっておるかわからぬという、こういうような状態であるということは、私はあまりにも農林行政に対して不親切ではないかと思う。政府は、総合農政ということを国民の前に示した以上は、われわれはこういうような具体策を持っておる、日本の農政を確立するのだ、こういうことを示すことが親切なゆえんだと私は考えます。ところが、これは具体策はないのだ。ことばのあやだけで農民に期待を持たせるということは、日本の将来の農政に最も思わしくない結果をもたらすと考えます。 新聞発表を見ますると。農林省は米の生産調整と米の管理制度の改善。こういうことを非常に言われている。こうなりますと。総合農政というものは、現在の米の問題に対処するための総合農政じゃないかという。私はこういう感じを国民に持たせるのではないか。かように考える。こういう点から、私は、政府としては総合農政というものをもっと大きくほんとうに責任をもってやらにゃいかぬのじゃないか。かように思います。私が農林大臣に申し上げたいことは、米の問題が起こってくると、米の問題を取り上げることだけで右往左往されて、現場をどうしてぬぐい去ろうかという、あまりそういう問題に走り過ぎていらっしゃるのじゃないか、かように考える。 先日の農林大臣の所信表明演説を承りますと、その中で大臣は、「食生活の向上に伴う米の需要の減退もあって」かように言われておる。米の需要の減退があったことは、食生活の向上があったから米の減退があったと、農林大臣みずからが米を食わないことが食生活の向上であると考えられているのかどうか。私は、食生活の変化があったことは認めます。しかし、これをもって食生活の向上があったのだとは思わない。農林大臣みずからが、米の需要の減退は食生活の向上があったからという、こういうことを考えておられることは、私はあまりにも農政に対する自信がなさ過ぎる、かように考える。こういう点から、私はもっと農政に対しては自信を持ってやっていただきたいということを特に申し上げたいと思うのでございます。
○長谷川国務大臣 専門家の稲富さんの前でまことに申しわけございませんけれども、私は総合農政は米の問題ばかり、つまりそれをカバーするために行なうべきものではなくて、食生活構造というものが変わってきているので、この上に立っての総合的なものを考えていかなければならない、これが私の基本の考え方でございます。ですから、ただいまおことばにございましたように、食生活が向上して高級化してきた。だから、その分は米の一人一人の食べる量が少なくなってきた、これだけは争うことのできない数字の上に出ている現実だ、こう考えます。ですから、そういう現実の上に立って、そういうして食生活そのもの自体の構造が改善された以上は、それに沿ったところの、今後さらにそれが高級化していくであろうとするならば、それに対するところの総合的な施策を講じていくということが、当然なるわれわれの役目であろうと思います。 ただ、これがいままでのように、農林省だけで考えたからそれが万全だというような考え方だけは今後は持ってはならないだろう、そういうふうに私は考えるから、まず党のほうからの御意見ももちろんしかりであり、また皆さん方からの御意見も十分承って、そうして完全なものとはなかなかいかないであろうけれどもつくり上げて、そうしてまず農民に対する安定感を与えていきたい、こういうような考え方でございます、次期通常国会までには何とかこれらをまとめ上げて、そうして御提案を申し上げ、御説明が申し上げられるような程度にまで進んでまいりたい、そういうように念願をしております。
○稲富委員 私は、ことばじりをとらえるわけではございませんけれども、食生活が変化したということは認めますよ。しかしながら、米の需要が減退したことが食生活で向上したからだという、こういうようなことを言われるということは、いかにも米を食べることは向上ではないような感じを与えるので、こういうような考え方を持つこと自体が農林大臣としてはおもしろくないのだ、こういうことを言っているわけなんです。私はその点をひとつ十分考えていただきたいと思う。 それから、私は農林大臣に希望したいことは、マスコミが、今日米が非常にだぶついているのは、農民が米をつくり過ぎているのだと、いかにも農民が悪いことでもしたかのように宣伝する。私は、農林大臣がほんとうに農民のための農政をやろうとするならば、一言ぐらいは、米が今日余ったということは、外米を輸入したこともその一つの原因であるぞというぐらいのことは、農林大臣の口から発表してもらいたいと思う。また農民もこれを期待すると思う。こういう問題に対して歴代の農林大臣は一口も触れない。私は、これでは農民があまりにも気の毒だといわなければならないと思う。少なくとも農林大臣は、農林行政をやる者は、もちろんほかの経済、ほかの産業筆をいろいろ勘案しなければいけないだろうけれども、少なくとも農林行政をやる者は、農民のため、いかにして農民が安心して農業経営ができるかという、この気持ちをくませるような考えでおらなければいけないということだけは忘れてはいけない、私はかように思います。こういう場合に、いろいろ問題があった場合には、やはり一応農民の立場に立ってこれを弁解し、農民の立場に立ってこれを擁護するという、この心がまえだけは農林大臣として持っておらなければいけないと思いますが、いかがですか。
○長谷川国務大臣 御指摘の点につきましては、まさに四十二年ですかに輸入米が幾らか余ってきた、それが幾ぶんなりとも影響していることは見のがすことのできない事実でございまして、きょうはそれを長官に説明をしなさい、かようなことを申しつけてまいりましたから、ただいま説明いたします。
○檜垣政府委員 過去におきます米の輸入につきましては、昭和四十一年までの経過では、これは相当多量の輸入をいたしておりますけれども、これは需給上国内産米をもって需要に対応できないというので、不足量の補てんをしてまいった数量でございます。でございますから、四十一年の十月の国内産米の持ち越し量は、玄米でわずかに二十万五千トンでございますから、これはむしろ正常在庫ともいえないような少ない数量でございます。 でございますので、その後輸入されました四十二年の四十五万七千トン、四十三年の二十九万三千トン、この中には年々特殊用途に充てられます砕米あるいは普通外米等が約十万トンずつございますけれども、これが四十三年十月末の二百九十八万トン、約三百万トンの古米在庫に影響しておるということは否定できない。ただ、四十一年までの輸入は完全に国内産米の不足の補てんに充てられたものであるということだけは御理解をいただきたいと思います。
○稲富委員 食糧庁長官はそう言われるが、今回の総合農政の計画の中で、米の生産調整の問題は、さっき美濃君から質問がありましたのでこれは省きますが、米の管理制度の改善をやると言われているが、それではいままでの管理制度が悪かったということになる。そうなると、私はさっきの美濃君の御意見のとおりになるのですが、こういう管理制度の改善をやることが総合農政の一端である、こういうような考え方を持っておられるところに、われわれは総合農政に対して非常に疑いを持たざるを得ない。こうなりますと、どの辺が悪かったかを言わなければならないのでありますが、こういう問題に対してこういう軽率なことばを使わないでもらいたい。やはり食糧管理制度というものが必要であるということだけはお認めになっているだろうと思うのでありますが、この点どうでございますか。
○長谷川国務大臣 食糧管理制度を廃止するとか撤廃するというような考え方は、毛頭持っておりません。ただ、こういうようないろいろ総合したものの上から考えてみて、たとえば流通の面とかこまかい面について、御協力願える点があるならばこれだけは御協力願っていきたい、こういうような考え方を持っております。食管制度を変える考え方は毛頭持っておりません。
○稲富委員 時間がありませんから、最後に一点だけ承ります。 総合農政をいよいよ樹立するということになりますと、これに対しては相当の国家としての財政措置というものが当然行なわれなくてはいけないと私は思います。農業基本法が実施され、農業基本法がその実をあげなかったということは、やはりその財政措置を十分やらなかったというところに大きな原因があると私は思う。私は、ちょうど農業基本法ができました直後ヨーロッパに参りまして、西ドイツの農林大臣に会いました。西ドイツの農林大臣は、農業基本法を制定して西ドイツにおいては農政が非常に実績をあげたのだと自慢しておりました。その理由として、従来の農林財政措置、予算というものを三倍に政府は組んだのだと言っておりました。そういうようにほかの国におきましては、農業基本法を制定してから財政措置というものが相当に農政に対して行なわれておるけれども、日本は一つもこれが行なわれていない。ここに私は農業基本法の実施にあたって、十分その成果をあげ得なかった大きな原因があると思う。その点から考えましても、総合農政を樹立する以上は相当な財政措置が必要であるということを私たちは考えるのでありますが、これに対して農林大臣はいかなる考え方をもって総合農政の実現をはかろうとされておるのであるかということが一つ。 さらにいま一つは、最近御承知のごとくだんだん兼業農家がふえてまいります。この兼業農家がふえるということが、はたして健全な農政を確立するためのものであるかどうか、この点に対する農林大臣の考え方をともに承りたいと思うのでございごます。
○長谷川国務大臣 もうそろそろ予算の折衝の時期に入ってまいります。いままでも、ちょうど食管赤字があるから云々というようなお話があってなかなか予算もとりにくかったそうでございます。私は食管予算等とは別個に、申し上げたような方向に向かって今後推進するとするならば、相当の予算の必要は当然だと思います。こういう点について、大いにその意気をもってがんばって獲得してくる考えでございます。 それから兼業農家のほうは、そうあまりこまかいことは考えておりませんものですから、ひとつ事務当局のほうから御説明いたします。
○大和田政府委員 兼業農家の問題は、そう単純に割り切れない問題なんですけれども、私ども今後の農業を考えます場合に、相当数の自立経営農家と申しますか、とにかく農業をやればそれで生活ができるのだという農家が、やはりある程度いなければ日本の農業というものは産業として確立できない、そういうふうな確信を持っております。したがいまして、現在私どもの統計資料によりますと、自立経営農家というのは調査農家の約九%でございます。まあ四十二年度の一番新しい資料によりますと、四十二年というのは農業にとってきわめて好況の年でございましたから、自立経営農家というのは、おそらく農業所得だけで百万円を少しこえる程度のものになると思いますが、従来ずっと九%程度でございましたのが初めて一〇%の大台を相当こえるのではないか、まだ集計中でございますから正確には申し上げられませんが、まあ一二・三%ぐらいになるのではないかという感じを持っております。さらにそれを相当程度、一五・二〇%というふうにできるだけ伸ばしていくことが一つでございますが、日本のように相当工業が盛んであって、しかも国土が狭くて工場が分散しておる、そういう国においては、たとえば、アメリカなどでは見られないような兼業農家がやはりある程度まで成立し、兼業農家となることによって農家自体の所得がふえる、生活が楽になるという事実は、私は無視できないと思います。 兼業農家が所得、生活水準の面できわめてすぐれておるわけでございますが、農業の面からだけで考えますと、それは必ずしも望ましいものでないということも、これも事実でございます。しかし、多くの兼業農家がいるのを、それをすぐ少なくするということもできないわけでございますし、また、零細農家の土地を無理に売らせるということあるいは貸させるということも、これも現状ではできないわけでございますから、私ども、一つは農地法を改正してとにかく農地の流動化を促す、そうして兼業農家で若干は土地の保有を望む、あるいは土地を自分で耕したいと思う農家にはそれができるようにするけれども、それができない者は、とにかく農業を一生懸命やろうとする者に売ったり貸したりするような事態を促進することが一つ。もう一つは、兼業農家のままで農業生産が衰退するという事実もあるわけでございますから、いわゆる三ちゃん農業、二ちゃん農業、そういう人たちに対しては農協あるいは部落等々が中心となり、またその村における自立経営農家が中心となって、機械の共同利用によってそれらの者を、いわゆる生産の集団化といいますか、集団生産といいますか、そういうものに組織して、兼業農家がとにかくいますぐその地位を変えないということであれば、できるだけ機械の力によって共同化の方向に導き、そうして農業生産を維持向上していくという、その二つのことが私どもとして現在考えられておるわけでございます。
○稲富委員 私たちは兼業農家の問題について——農業基本法においても自立経営農家を育成するということをうたってある。ところが、事実は逆に兼業農家がふえてくる、しかも、兼業農家の中においても第二次兼業農家がふえてくるという現象は、あまりにも私は日本の政治というものが産業資本にくみし過ぎて、故意に兼業農家をふやしているのじゃないかというふうに思わざるを得ない。なぜかならば、兼業農家がふえることによってうちに飯米を持った労働者、いわゆる低賃金労働者をたくさんつくるということなんだ。低賃金労働者をたくさんつくるということは、労働に専念しておる労働者の生活までも脅かすことになってくる。これは、あるいは産業資本家、経営者のためにはいいかもしれないけれども、私はあまりにも農村というものが無視された結果になるのじゃないかと思う。こういう点を私たちは、見のがすことができないと思うのでございます。ほんとうにいまおっしゃるように、農業基本法で自立経営農家を育成するといいながらも、その実は逆な現象になってきているということは、やはり農政の貧困だといわなければならないと思う。 こういう点から申し上げて、総合農政ということをうたう上において、こういう問題も十分に考えて農政の確立をやろう、こういう考え方があらなければいけない、かように考えます。従来のおざなりのことではいかないと思うのでございますが、これに対する意見をひとつ承りたいと思うのでございます。
○大和田政府委員 私は、農業基本法以来の一つの事実として、日本で自立経営農家というものが相当数とにかく現実に定着してきたということ、これははっきり申し上げられると思います。決して自立経営農家が衰退し、あるいは数が減ったのではなくて、むしろ徐々たる勢いでございますけれども、とにかく自立経営農家として現実に定着してきたということがあると思います。しかし、それと同時に兼業農家が非常にふえていることも事実でございまして、これは表面的にはいかにも矛盾したようなことでございますが、事実として自立経営農家もふえ、兼業農家もふえ、要するに、中間的な農家が両極にだんだん分解してきておるのだろうと思います。 いま先生がお話しになりましたように、自立経営農家をつくること、それから兼業農家を巻き込んで協業の促進をすること、私どもこれを構造改善というふうにいっておりますけれども、構造改善を一そう進めるべき現在重大な時期にあるというふうに考えるわけでございます。
○稲富委員 私、まだいろいろ具体的にお聞きしたいことがありますけれども、私の時間がありません。また関連しまして小沢君から質問するようでございますから、私の残余の質問に対しましては、また時期をあらためましてお尋ねすることに いたしたいと思います。
○足立委員長 関連質問を許します。小沢貞孝君。
○小沢(貞)委員 稲富委員の総合農政に関連して、若干御質問をいたしたいと思います。 きわめて具体的な質問でありますが、その質問に入る前に、実は先般大臣室に、若い青年が大臣に陳情に参りました。わずかな時間でありましたが、大臣から激励を受けた若い青年は、その後も果樹代表者として大臣のところに陳情に行ったようであります。そのはね返ってくることばは、今度の大臣はほんとうに百姓のことをわかってくれる大臣だ、農民代表のほんとうの大臣だ、たいへんありがとうございました、こういうはね返りがまいりました。私からあらためてお礼を申し上げます。 〔委員長退席、森田委員長代理着席〕 先ほど稲富先生、たいへんおしかりのような御質問でありましたが、そういう意味においてきわめて好感を持てる大臣だ、こういうはね返りがまいりました。 一体それは何だろうか、こういうように私は私なりにいろいろ想像してみたわけであります。大臣のからだのあらゆるところから、ほんとうに土の中からはい上がって、まるで百姓像をシンボルしておるような、そういうところを若い青年諸君はくみ取ったに違いない、私はそう思います。それからまた、先ほどの質問にお答えして、からだを張って、政治生命をかけてこの困難な中でひとつ農民のためにやろう、こういう御発言もありましたけれども、多分そういう体臭というものが、からだのにおいというものが陳情者にうつっていったのではないか、こういうように私は考えるわけです。そこで、実は農民像とは何ぞや、こういうように私は考えてみました。 最近、たいへん科学技術が進歩して、情勢の変化といいますか、それが目まぐるしく変わっているわけです。聞くところによると、徳川時代ですかあきんどということばが出たのは、秋の人と書いて、年に一回米がとれてそれを商いする、こういうことからあきんどということばが出たのだそうです。当時は給料も年俸、こういうことだったそうです。ところが明治になって月給になった。月々金の勘定をしなければならない、こういうことになってまいりました。しかし、最近は週給だと主張する、あるいは雑誌等も週刊雑誌、こういうぐあいになってきたから、一年間何十サイクル移り変わるというような情勢になってきました。ところが農民というものは、春夏秋冬年一回の自然を相手の仕事をしておって、そういう産業に携わっておって、こういう目まぐるしい情勢に対処することがなかなか困難な産業ではないか、こういうぐあいに考えます。つまり情勢の変化になかなか適応できない、こういうのが、ごく簡単に言うと農民の姿じゃないか、こう思います。 私は、これから一つ二つのきわめて具体的な質問をいたしますが、そういうこの目まぐるしい情勢に対処できない農民を、何とか対処できるようなぐあいに引き上げてやる、これが農民に対する責務ではないか、こういうように実は考えるわけであります。そういう観点から具体的な質問を一つ二ついたしたいと思います。 実は、農林省の取り組んでいる大きな開発事業の一つに、私の地方に中信平の開発があるわけであります。これは昭和三十二年ごろから地元の農民が取り組んでまいりました。大体受益面積一万一千町歩、国の事業だけで約九十億近いような事業であります。何年か地元の農民は、これに将来の農業をかけよう、こういうことでやってまいったわけであります。 ところが最近、情勢は非常に変転をしてまいりまして、一体この開発というものは予定どおり進むだろうか、こういうような下安を持っているわけであります。昭和四十年から具体的な着工を行ないまして、昭和四十三年までに八十八億、予算の大体三割近くを費やしてやってまいりまして、昭和四十七年に完成する、こういうことであります。一万一千町歩で、もう非常に大規模な開発事業であります。こういう情勢の変化に対して、長い間検討してきたのだが、これは必ず遂行するのだ、しかもきわめてすみやかにこれを完成するのだ、こういうことを実は地元の農民は期待しているわけです。 そこで、もののずばりと質問をいたしますけれども、大臣は、この計画というものは長い間の計画である、省をあげての計画である、大臣がかわろうと情勢がかわろうと、この計画を一日もすみやかに完成するするのだ、こういう力強い御発言を、ひとつこの席からいただきたいわけであります。 そうしていま一点、今日までの状況は、大体昭和四十三年度で二割八分から三割くらいであります。あと四十四、四十五、四十六、四十七年に完成する予定であるわけです。しかし、長い間かかっておると資金の効率も悪い。こういう計画は、資金を集中的につぎ込んですみやかに完成する、こういうことが資金の効率上もきわめていい結果をもたらすわけであります。一般に民間でやっている発電所等の建設については、計画は長い、準備は長いが、着工したらたちまちに仕上げてしまう。それが金利のかさむのを防いで効率をよくするゆえんであろう、こういうように考えております。来年度の予算及び将来の予算において、これを集中して一日も早く完成するのだ、こういうようなぐあいに地元は期待をしているわけです。 以上の二点について大臣から力強い言明をいただきたい、こう思います。
○長谷川国務大臣 率直に一言で申し上げます。御期待に沿うようにやり抜きます。
○小沢(貞)委員 ありがとうございました。私の第一点の質問は、大臣のもののずばりの御答弁によって終わりといたします。 次は、きょうの委員会の冒頭に質問がありました農産物の貿易自由化の問題であります。これは具体的な例をとりながら、これに対処するのにいかに農民は悩み、苦しんでおるかという点を申し上げつつ御質問いたしたい、こういうように考えるわけです。 その前に、通産省の通商局事務当局から、日程について、私はお尋ねしたいと思うわけですが、大臣ですか経済局長かからの御答弁にあたりましたように、新聞では決定的だと思われるような、二十八、二十九日ごろあるいは二十七日ごろ日米交渉が開始されるんだ、こういうように伝えられておりましたが、先ほどは、あるいは来年になるかもしれないと、こういう大臣だか局長の言明がありましたが、通産省の通商局の事務当局としてはどういう日程であるか、それをまず説明をしていただきたいと思います。
○楠岡説明員 年内に日米間の交渉が開かれる公算が大きいと考えておりますが、具体的な日にちは、ただいままでのところまだきまっておりません。
○小沢(貞)委員 そうすると、年内に開始される公算が大きい、こういうことはわかりました。 そこで、先ほど大臣の言明にもありましたように、けさの閣議において、官房長官、官房副長官等を含めて、経済閣僚でもって構成をする協議会、この協議会の具体的なスケジュールは、どういうようにやっていったら二十八、九日の日米交渉に間に合うだろうか、事務当局としてのスケジュールをお尋ねしたいと思うわけです。
○楠岡説明員 きょうの閣議で、輸入の自由化に関します方針がきまりましたので、今度は各省事務当局におきまして、その方針によりまして作業をするわけでございます。その作業が進んだ段階で各省また、相談をいたしまして、政府としての具体的な交渉方針をきめるということでございますが、まだ具体的な日程はきまっておらない状況でございます。
○小沢(貞)委員 きょうは十七日です。二十七、八日ごろ開始されるのにあと十日間しかなくて、具体的な日程がなくて、どうして日本側の態度をまとめて臨めるのでしょうか。事務当局としてどうですか。
○楠岡説明員 これは、私どもの省について申しますと、具体的なものについてはいろいろ勉強中でございます。具体的なものについて、やはりその省としての結論が出ませんと、具体的な政府としての方針というものはきまらないかと存じますが、そういうことで、おそらく各省それぞれの所管物資について御検討中のことと存じますので、その結果をもちまして方針をきめる、こういうことに相なるかと思います。
○小沢(貞)委員 それじゃ農林経済局長は、いつまでに農林水産物について日米交渉に臨む態度をきめようとしていますか。日程です。
○亀長政府委員 私どもとしましては、現在、非自由化になっておりますすべての品目について、各種の問題点を検討いたしております。具体的に何をどういうふうに扱うかという問題につきましては、もちろん、日米交渉の日取りもまだ十分確定いたしておりませんので、できるだけ早期に検討は進めたいと思っておりますが、現段階では、まだどれがどうという結論が出ていないのが実情でございます。
○小沢(貞)委員 私は、その六十八品目か七十三品目ある農林水産物の中で、ひとつ代表的な問題を取り上げます。これも先ほどの委員から御発言がありましたが、「農産物自由化〃寒風〃も覚悟」と、事務次官がそう言っているわけです。大臣はそうではなくて、農民を保護育成するのが、からだを張って政治生命をかけての覚悟だ、こういうように言っております。 そこで、私は具体的なものを取り上げて、いかにこの自由化に対処して農産物というものは適応性がなかなか困難であるか、こういう問題についてお尋ねをしたいと思いますが、その代表的なものの一つとして、トマトの加工品、こういうものも、伝えられるところによると一つの品目にあげられているようであります。これは事務当局でいいのですが、これは若干輸入割り当てをしているが、この両三年来どういう割り当てをしてきておるか、それをまず質問いたします。
○小暮政府委員 トマト製品につきましては、加工貿易用に魚のトマトづけのかん詰め等をつくります際に必要な原料としてのペースト、ピューレ、これにつきましては、多年にわたって所要量の輸入を認めております。それ以外のびん詰めされましたトマトソースと申しますか、ケチャップ類あるいはジュースにつきましては、昨年までは、ホテル用ワク等の流れで若干の数量が雑割り当てということで、過去の継続で入っておりました。本年からは、先般のケネディラウンドの際の貿易拡大の議論等との関連で、年にたしか五百トンというように記憶しておりますが、半期二百五十トンという形での輸入割り当てをいたすことになっております。
○小沢(貞)委員 トマトの生産については、大臣も重要な産地の一つの県の御出身ですから御承知だと思いますが、大体年に九十万トン、二百万人からの人が携わっており、二万町歩という、これはこれから、先ほど来総合農政が論じられているときに、成長産業として非常に重要な作物であることは御承知のとおりだと思います。そこで、加工用はどういう状況になっておるかというと、これまた成長中の成長として、国内の消費もまた伸びつつあるんだが、問題は、国内の生産量がたった二十三万トンで、それに対して、いま日米間交渉をしようというアメリカは六百万トン、これはもうたいへんな大きな違いであるわけです。それから加工の企業、これはまた零細な企業が百社以上ある。もっとも。この中にはカゴメ等国内のシェアの五割を占めているものもありますが、その他群小百社以上が加工に携わっておるというのが加工の状態です。片方、生産のほうはまだ規模も小さくて、零細で、それから技術も、最近ようやく研究をし始めた、こういう技術的な問題こういうような情勢の中にトマトはいるわけであります。 そこで、最近の例を見ると、昭和三十七年のときには、百六十社から加工に携わっていましたが、いまは約百社ばかりになりました。六十社ばかりが淘汰されたんだ、こういうふうに思っていただけばいいと思います。昭和三十七年にデルモントが入ってきて、それでデルモントが今日、ゼロから十数%のシェアになりましたが、六十社ばかりつぶれたものがデルモントに肩がわりしたんだ、こういうように見ていただけば、大体加工業の趨勢というものはわかるのではないか、こう思います。それほど加工業というものは零細な規模の業者が携わっているんだ、こういうようにまず第一点として御理解をいただきたいわけです。 ところが、私は、通産省や何かの自由化をやっているところを見ると、これは私は専門家じゃないからよくわかりませんけれども、たとえば自動車の自由化等につきましては、日本の自動車産業は、トヨタと日産と二つのものを日本を代表する大きな企業として育てて、そうして国際競争に耐え得るようにだんだん生産も上がっていった状態において徐々に自由化しようじゃないか、こういうようなぐあいに見えるわけです。これは通産省の自動車産業に対処するやり方だと思います。一方、トマトの加工のほうは、先ほども申し上げましたように、日本の二十三万トン対アメリカの六百万トン、百何社のものがこれに携わっている。デルモントが五、六年前からきたらば、日本のシェアをたちまち十数%も占めてしまった、こういう現実の中におるわけです。したがって、これは企業の立場からこの自由化に対処するには、一体どういうような主として構造政策、近代化政策を進めていったらいいか、こういう問題について、経済局長にお尋ねをしたいわけです。
○亀長政府委員 中小企業、特に食品加工業には中小企業のものが非常に多いのでございまして、私どもも中小企業庁とともに各種の中小企業政策を進めております。現在、農林関係で中小企業の近代化促進法の指定を受けているものも二十三業種にのぼっておるような状態でございます。いろいろ外国から物的輸入あるいは資本の導入が最近非常に盛んになってまいりましたが、今後とも資本自由化等の面におきましても、国内の中小企業政策との調整を十分に配慮しながら考えていくつもりでおります。 現在、トマト加工業が特に中小企業の指定を受けているというわけではございませんけれども、各種の加工業の中で特に重要なものにつきましては、今後とも近代化促進法その他の手を打ってまいりたい、かように思っております。
○小沢(貞)委員 大臣、聞いておいていただきたいのだが、中小企業の問題については、加工業に十分配慮しながら今後近代化をまだ進めていかなきやならない段階だ、こういうように私は理解できるわけです。その点、加工する企業のほうは現実はそういうことである。これは大臣が腹の中にしっかり入れておいていただきたいと思います。 それで、時間がないから次の質問に移りますけれども、そうすると、生産のほうはどうだろうか、こういうように見ると、われわれが好ましい姿として考えるのは、もっと集団化して大規模生産の団地を形成して、やはり機械化に取り組んでいかなきゃいけない、こういうような状況ではなかろうかと思います。これは最近の統計によると、最初は平均十二アールくらいの規模でやっておったのが、大体いまは十八アールから二十アール規模くらいに、これは個々の経営規模なんですが、上がってきつつあるような状況です。規模はそういう状況です。 それから栽培の技術の問題、これがまた私は、日本の国の農業技術というのは米中心ではなかったか。米にかけては世界屈指の技術を持っているが、果樹、蔬菜、畜産、こういうものについてはおくれをとっておるのではないかと思うのだけれども、品種の改良とか栽培技術の研究とか、こういうものは最近ようやく緒につき出したばかりです。有支柱栽培から無支柱栽培に最近転換してきました。両三年ということばがはやるのだけれども、この両三年来ようやくそういうように転換してきましたけれども、この状況をちょっと見ますと、昭和三十五年くらいは一〇〇%が有支柱、無支柱ゼロ、三十九年あたりは九一%が有支柱、無支柱九%、四十二年は四四%が有支柱、無支柱が五六%、ことしは二九%が有支柱で、七一%が無支柱、こういうように変わってきて、無支柱栽培というものが最近ようやく定着し始めたわけです。この無支柱栽培の労働の生産性はきわめて上がっているわけです。有支柱だと一〇〇かかるものを、無支柱だと三五ないし四〇くらいな労働日数でやっていける、一〇〇対四〇くらいな労働生産性を上げる、こういうようなぐあいに、最近そういうような技術がようやく定着し始めた、こういう現実だと思います。これは、ようやく最近トマトの品種改良あるいは栽培技術、こういうものが定着しつつある現実ではないか、こういうように考えるわけです。これは園芸局長ですか、この現実はいいわけですか。
○小暮政府委員 御指摘のように、園芸局ができました年、たしか、昭和三十九年から、原料用のトマトの生産の改善につきましては特段の努力を農林省としてもいたしております。先ほど御指摘のような無支柱栽培の普及、あるいは梅雨期等の関係で必ずしも無支柱だけがよいというわけにもまいりませんので、地域によりましては有支柱栽培ということでそれぞれ生産の改善につとめておりまして、年々その効果を発揮しておるとは思いますが、なお改善の努力を継続中でございます。
○小沢(貞)委員 大臣、技術的にもようやくそういうように定着し始めたばかりです。これは大臣の県の群馬県のことを言って申しわけないのですが、大臣の県においては、生産量においてはベストシックス、六番目、それから昭和三十九年対四十三年のその伸び率を見ると、全国で一番なのが岐阜だとか岩手なんですが、三番目が群馬県です。これはどのくらい伸びているかというと、三六〇%です。そういう栽培の伸び率であります。いまこういう上昇の過程にあるというこの現実を大臣は考えて、以上三つ、加工の企業においては中小企業の実態で、先ほど経済局長が言明されたようにこれから近代化をしていかなければならない過渡期にあるのだ。片方栽培技術の関係においては、園芸局長の言われるように、いまこの技術がようやく定着しかけ、これから大いにやっていかなければいけないという過渡期にあるわけです。 そこで、こういう実態の上に立って大臣は、閣僚協議会なり何なりで、トマトの問題について、こういう過渡期にあるものは両三年後から始めるか、両三年後になってようやく自由化のめどをつけるか、こういうことについては、私はここで問いませんけれども、今日においては、これを直ちに自由化するようなことになれば、総合農政で米からようやくほかの産物に転換をしようとする、その最も有力な産業の芽をつんでしまう、企業も農民も行くえに困ってしまう、こういう実態ではなかろうかと思いますので、この問題について、大臣から自由化に対処する御決意を最後に承りたい、こういうように考えます。
○長谷川国務大臣 けさほども話が出まして、トマト製品の中では輸出の部分もかなりふえているではないか、こういう話が出てまいりました。私はこれに対しまして、いま農政の上でお米云々からせっかくトマトという面もここまで育て上げてきたものを、これの輸入を自由化するなんということはとうていできるものではない、皆さん方に悪いけれども、トマトの加工についての自由化だけは一切やりませんという話をけさもしてきたわけでございます。 ただ、そういうような面で、あなたのいまおっしゃる数字からいいましても、もう国内だけではとても消費し切れない事態にもだんだん入っていくであろうし、そうなってまいりますと、やはり栽培技術だとかあるいは優良品種だとかというような点に重点を置いて、やがていつかは——いま私がやっているうちなんかは絶対そんなことは避けますけれども、いつかは国際競争力の中に立って、そして日本製品というものがかくのごときもので歓迎されるという事態もないとは私は言い切れない。そのときには、日本のトマト加工品は世界の中から歓迎されるような技術を養成することが、この際必要であろうとも考えますので、小沢さんにおかれましては、おくにに帰りましても、決していまのところは御心配をさせませんけれども、将来の上に立ったそういう点については、国際競争力にかち得られるだけのものは心の中にとめて、そうして生産に当たり、加工の努力をせよということだけは、ひとつ申し伝えていただきたいと存じます。
○小沢(貞)委員 時間も参りましたし、大臣の言明もありましたので、質問を終わりたいと思いますが、工業製品は対外競争力もついているし、また向こうに与えてやればわがほうの有利な点も出てくる。農産物は不利なことばかりです。そこから対応する適応力というものは容易に出てこない。こういう現実を踏まえて、ひとつ自由化問題にしっかり対処していただきたい、こういうお願いをして質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○森田委員長代理 午後二時再開することとし、これにて休憩いたします。 午後一時一分休憩 ————◇————— 午後二時十三分開議
○足立委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 午前の会議に引き続き質疑を続行いたします。樋上新一君。
○樋上委員 私は、昨今の新聞紙上をにぎわしており、国民が割り切れない気持ちでこの成り行きを注視している二つの問題、一つは韓国ノリにからむところの不正リベートの件、二つは中国食肉の輸入問題について、大衆のために、こういう二つの問題について、新しく農林大臣になられた長谷川農林大臣に、明快なる御回答をお願いいたしまして、そして国民の疑惑を晴らしていただきたい、そして、今後の農政に明朗な、納得のいく政治を行なっていただきたいということを、まずもってお願いしておく次第であります。 まず最初に、韓国ノリの問題でございまするが、一般新聞紙上に報ぜられており、すでに御承知のことかと思いまするが、その概要を振り返ってみますると、こういうことではなかろうかと思う。正月の食卓に欠かせないノリの値段は、いま年末の食品市場では一じょう十枚で三百円前後、もはや庶民の食品とはいえないほどに高値を呼んでいる。 ところが、この秋の日韓閣僚会議で追加輸入がきまった。一じょう百二十円か百三十円程度の安い韓国ノリ一億枚は、激しい世論の批判にもかかわらず、業界の値段のつり上げ手段として、数ケ月倉庫に凍結されていた。さすがに政府も見かねて、ノリ業界に放出を指示した結果、ノリの生産者団体と問屋で構成するのり協会は、今月に入って全量放出を決議した。しかし、現物が一般の店頭に出回るのは二十日以降になるという。これでは、年末の物価高を押えるのに何の役にも立たないのではなかろうか。 ところが、ノリ業界は自分たちの利益のために一億枚の放出を渋っただけではなくて、これまでの輸入にあたって、のり協会の代表一業者を通じ、取引商社から約六千六百万円のリベートをとっていたという事実が明るみに出た。あわてた協会は、これまでのリベートを差し引いて安く販売するといっている。しかし、もしこの事実が表ざたにならなかったら、その分を消費者に高く売りつけて、知らぬ顔の半兵衛で通したに違いない。 私は、佐藤首相は改造後初めての経済閣僚協議会で、正月用品を中心とした年末、年始の物価対策に万全を期するよう各閣僚に格別の配慮を指示したと聞いております。しかし、ノリの例を見るだけでも、一体政府は本気で物価対策に取り組んでいるのかどうか、私は疑わざるを得ないのです。バノコンということばが生まれたほど、これらの物資の輸入をめぐって不当な利権が取りざたされているわけですが、韓国ノリの場合も、輸入利益の一部は政治資金に流れているといった黒いうわさもないではない。物価安定推進会議は、食糧の価格安定と輸入のあり方について提言しております。そして、輸入効果を阻害するような流通機構や輸入体制を改善すべきだと主張してきた。ノリは、輸入相場で換算すれば、年間国民消費は九億六千万円も安くなる勘定であるともいわれている。輸入に利権がからみ、消費者に不当な負担をかけているケースは、決してノリの場合だけとは限らないと思うのです。長谷川農林大臣は、まず手始めに、いま問題になっているノリがどうして安くならないのかについて、その輸入から流通機構まで徹底的にメスを入れて、そしてこれから手をつけるべきであると私は思うのですが、大臣はいかがでございましょうか。 なお、政府自民党は、従来の経過にかんがみて、昭和四十一年八月に韓国ノリの輸入に関して基本方針を決定し、強力に業界を指導して、いわゆる黒い霧をなくするために努力しているはずでありますが、当時の基本方針も一緒に明らかにしていただきたいと思います。
○長谷川国務大臣 韓国ノリの問題につきましては、私が就任をいたしまして二日後ですか、いろいろのお話の中に、韓国ノリが、日は忘れましたけれども、十一月の何日かに到着をしておるのだという話を聞きましたが、これはどういうことになっておるのかというと、いろいろの協定、生産者との協定等がありまして、大体三月ごろにそれを放出するような予定になっているというようなお話もございました。それで、いま年末や来年の正月を控えてそんなことではというようなお話も申し上げたのですが、たまたま新聞紙上で、何か六千六百万円よけい金をいただいておるというようなお話を伺いまして、とにかく、いずれにしてもすぐ放出をしなさい、そして、年末を控えて消費者に幾らかでも安いものを供給するということが、すなわちこれが親切なやり方なんだ、ですから、もうあすを待たずにすぐやってもらいたいというように申し上げまして、そして十二月の五日でございましたか、その日に、何か理事会を開いて、それを決定する段取りになったような次第のようでございます。 しかし、そこで六千六百万円というお話は、私、初めて承りましたので、それを取り扱う業者の代表者を呼びまして、あなた方は六千六百万円という金を消費者からお借りをしているのだ、預かっているはずですから、その金ばお返し願わなければならない。古来ノリというものは、われわれ日本人にすればお茶づけの味というか、おかあさんの味といおうか、そういうような親しまれた食料であり、お歳暮にやるにしても、一銭でも安いものをさがして歩いてお歳暮をやらなければならぬし、正月を迎えるのですから、その気持ちを買ってもらわなければならないということで放出をするのであるが、いずれにしても六千六百万円という金をあなた方は借りてある、この金はこの際全部返してもらいたい。返すということは、消費者への、最末端の小売り価格をそれだけ安くしてもらいたい。安くするのには、あなた方がそれだけのものを出して安くしてあげなければならないのだ。もしこれが履行できないとするならば、ここ三年間くらいの間はあなた方は不必要だから、業を休んでもらうようになるかもしれません。したがって、最末端の部分に対しましては、われわれもいろいろな手を回して、幾らくらいの小売り価格で販売されているかということを見届けます。もしそれが、実際私たちのその意思が通じておらなかったときには、その処置をとることを御了承願いたいというようなお話を申し上げましたところが、必ずそのような御期待に沿うようにいたして、そして最末端の小売り価格は御期待に沿います、こういうような御返事でございました。 したがって、そのままそれが今回放出をされたということでございますが、不正事件の起きたという経路、また経緯、てんまつにつきましては、私はまだよく——幾らか聞いておりますけれども、こまかくは水産庁長官からお話を申し上げさせていただきます。
○樋上委員 では、水産庁長官にお伺いしますが、ノリは投機性が強く、業者の思惑が激しい。ことしは、そのために倒産した例もたくさんある。そういった業者の思惑買いを助けるために、在庫を凍結して値段をつり上げてきたのだ。業界の判断で行なった場合は、当然独禁法違反であります。ところが、水産庁当局も、十月ころは凍結を適当とし、最近になって放出を励ましてきた。そうでしょう。年末の物価対策を考えるならば、現物が十二月早々に出回るように処置をするのが当然でなければならぬ。また、不正なリベート分は、それだけ安く問屋におろし、小売りにも安く売らせるように追跡調査をすると協会はいっていますが、いま農林大臣が言われたように、高く売ったものを安く売るようにすると言っていますが、そんなことが実行できるかどうか。そういうことは国民をばかにしているのだ。そういうことは受け取れない。 もっとも、生産者と問屋を合わせた協会の組織そのものにも疑問がある。政府は、水産庁は、国民の疑惑を解くためにも、もっと積極的な態度で、ノリをめぐる諸問題については、その態度をはっきりしなければならないと思うのですが、そういう高いノリを売っておいて、あとで一億枚を放出するのだから、それによって消費者に安くするのだということをいっていますが、そんなことはできることですか。
○森本政府委員 一億枚の追加輸入の取り扱いの問題につきましては、前々から委員会でお話をしておるかと思いますが、八月の末に日韓の閣僚会議で追加輸入の問題が出てまいりまして、善処を約して帰ってきたということになっております。あと若干日にちがたちまして、九月の末に追加輸入の発表をいたしました。 御案内のように、従来からノリの輸入につきましては、生産期には輸入ないしは放出をしないというふうな不文律といいますか、慣行がございましたので、農林省としてもあるいはのり協会としても、一応新ノリの作柄がわかるまでは、そういった従来の原則を踏襲した考え方でいってはどうかということで、のり協会のほうでも原則はそういうことにする。ただ、新しいノリの作柄なり需給状況を見た上で最終的に決定するのだということを、理事会できめておったわけであります。 一方、輸入の手続につきましては、実際に向こうから到達したものを見まして値ぎめをするという輸入行為を片方進めておりまして、値ぎめをして最終的に輸入手続が終わるということになりましたのが、たしか十一月の末ごろであったと思うのであります。そこで、そういった手続が終わりましたので、最終的に新ノリの状況を見て十二月の五日に放出を決定する、こういう経緯になっております。 ただ、その間に、御指摘がございましたいわゆる不明金というものが出てまいりましたので、一億枚を放出する値段をきめる際にそのものを織り込みまして、のり協会としてはそれだけ値引きをして放出するということにいたしたのであります。それが、簡単に申し上げますといままでの経過の要約でございます。 お話がございましたノリの流通につきまして種々問題があるということは、従来からいわれておりますし、また、それを解決する一つの手段としてのり協会といったようなものができたわけでございますけれども、なお、その運営等につきましても今後改善を要する点があろうかと思います。農林省としても、そういう点については十分調査をして改善を命じたいと思います。 また、国内のノリを含めましたノリの流通問題全般についても、種々問題ありと指摘されております。これはなかなか複雑な問題であります。私ども十分その実情を調査いたしまして、改善すべき点については改善を強く指導していきたい、そういう考えでございます。
○樋上委員 いま、水産庁長官はいろいろ複雑だと言われましたが、輸入ノリの取り扱いについて、昭和四十一年八月十三日に自民党の五者会談で、この取り扱いのなにができたのですが、そこの第四番目に、この取り扱い機関の輸入ノリの国内販売は、流通機構の合理化をはかりつつ、適正かつ明朗な方法によって行なうものとするということがございますね。ところが、これは決して明朗でない。先ほど私が申しましたように明朗ではな いのです。この不正リベートが起こったのは八月であります。しかるに、十二月に一般新聞で取り上げる直前まで黙っていたという、これは一体どうなんです。この四十一年の基本方針を決定し今日まで至ったにもかかわらず、それは明朗な方法ではないじゃないですか。黙っておったら、八月にできたものが十二月まで知らなんだ。のり協会はそういうことはわからなかったのですか。
○森本政府委員 今回の事態は、一口に言いますと、輸入組合のほうからのり協会が韓国ノリを買い入れることになっております。それで国内に放出をするわけですが、その買い入れ価格の構成のうちに、これは、特に四十三年度の当初決定をいたしました四億八千万枚のうちの第二回目の輸入の分についてでありますが、実質上価格構成の中に上積み分があったということに端を発しておるのであります。そういったことでございまして、表面上あらわれてまいりますのは、そういったことの結果が何かの動きになって出てくるということによってわかってきたという経過でございます。たしか十一月の初めごろであったかと思うのですが、輸入組合のほうから韓国ノリの流通の問屋さんの組合のほうへ、御指摘のような金額の金が払い込まれたというふうなうわさが私どものほうにも伝わってまいりました。そこで、実態を調査し、また、関係方面をよく呼んで取り調べをするということによって、大体実相がわかってきたということであります。 そこで、最も近いのり協会の理事会の開催の際に、それについての是正措置を私どもとして監督上命じた、そういう経緯になっております。
○樋上委員 私が尋ねておりますのは、のり協会というのは学識経験者並びに卸売り業者、輸入ノリ関係者というものが携わっておって、その代表者であるそういう人たちがリベートをとっておって、言うまで黙っておった。それで、一般に騒ぎ出してからそれを返してくる。それでは指導監督不行き届きである。農林省また水産庁は、何らそれに対して責任はないとおっしゃるのですか。
○森本政府委員 私どもとしても、のり協会の監督の責任を持っておりますし、また韓国ノリの輸入、流通全般について、むしろ国内流通でありますが、全般について農林省として監督の責任がございますから、こういった事態が今回起こりましたことについては、たいへん残念なことであると思っております。その点、われわれとしても責任を感じておることは申し上げるまでもございません。 ただ、実際の経緯は、先ほど申し上げましたようなことで、私どもとしても実態がわかってまいり、また、それに対する善後措置というのを、とりあえずいま申し上げましたような形でやったということでございます。
○樋上委員 韓国輸入ノリの輸入業者とのり協会、問屋との各段階別の価格はどうなっているのか、四十二、四十三年度分を明らかにしてほしいのです。
○森本政府委員 先ほど申し上げましたように、韓国ノリの流通の形態は、輸入商社のほうで割り当てを受けて輸入をする、それから、それをのり協会が買い入れまして、さらにのり協会が国内の問屋さんに販売をする、問屋さんのほうから小売り、消費者というふうな形で流通をするわけでございます。段階別の価格は、実はのり協会の販売価格までは、これは端的に材料がございますが、問屋それから小売り業者、消費者といったような段階についての調査は、実は必ずしも十分にないわけでございます。一般的にいいますと、そういう状況になっております。 そこで、とりあえず、いま私の手元にございますのは、四十三年ののり協会の購入価格、それから販売価格というのがございますので、それを申し上げますと、先ほど申し上げました四億八千万枚のうちの第一回に到着いたしました分は、のり協会の買い入れ価格は、束当たりでありますが千二百五十円、それから放出価格が千二百七十五円、売り渡し価格です。それから後期の分が、買い入れ価格が千三百八十円、放出の価格が千三百八十七円。それから追加の一億枚の分につきましては、買い入れ価格は一千円、放出価格が九百五十五円で、逆ざやになっておりますが、これは先ほど申し上げましたような金額が差し引かれておる関係でございます。それ以降の段階については、正確な調査資料はちょっと持ち合わせておりません。
○樋上委員 水産庁長官にもう一ぺんお尋ねしますが、のり協会、これはほんとうにガラス張りの商売をやっておるのか。不正というものは、絶対にのり協会の裏にはそういうものはないのか。学識経験者、理事、監事、みんな寄ってやっているのだが、このような不明朗な平作が起こったこと自体がガラス張りとはいえない。今後このようなことが起こらないようにするためにも、当然その機構については改善をすべきである、こう思うのですが、長谷川農林大臣は、この点はどうお考えになりますか。こういう問題が起こってくる、こののり協会の存続意義があるかないか。流通機構の問題ですね。農林大臣はどうです、これを存続させておいていいと思うか悪いと思うか、その点ですね。
○森本政府委員 のり協会ができますまでに、御承知のように、韓国ノリの輸入はかなり問題を含んでおったといったようなことになっております。そこで、数年前にのり協会というものを、関係者がその当時の知恵をしぼりましてつくって今日に至っておるというわけで、そういう意味からいきますと、こういった機構ができたことが、かなり取引上明確化するといいますか、ガラス張りといいますか、そういった形に前進をしておるというふうに思います。 ただ、今回のこういった事態が起こりましたので、そういった機構そのものについても、検討すべきであるという御意見もあり得るかと思うのでありますが、私どもの感じとしては、機構そのものは、そういった形で当時最古の知恵をしぼってつくった。ただ、その運営の問題として、今回のこういった事態に対して、反省をすべき点があるのではないかというふうに思っております。端的に言いますと、直接的な問題としては、先ほど言いましたようなことで、輸入業者とのり協会との価格の交渉上の方法について、何らかの改善を加える必要があるのではないかというふうに思っておるわけでございます。
○樋上委員 のり協会も組合も、要は消費者に安いノリを出そう、先ほど農林大臣おっしゃったように、庶民がお茶づけの味というそのノリを安く放出するような機構であってこそ当然であるにもかかわらず、こういうようなややこしいところのリベートをとるような協会は、運営上においてそれは必要かも存じませんが、だれのための協会であるか。 話は進みますが、追加ノリの一億枚を年内に放出した、十五、六日に放出したと聞いておりまするが、その価格は一体どのようになっておるのか。一億枚のノリが百枚九百五十五円で放出されたそうですが、それではこの放出により消費者が現実においてどれだけの恩恵を受けられるのか、また受けておるのか、その点について御説明していただきたいと思うのであります。
○森本政府委員 先ほど申し上げましたような考え方で、一億枚についての売り渡し価格がきめられております。そういった趣旨について、大臣からもお話がございましたように、問屋に対して十分その趣旨を体して、そういったものの扱いをしてもらいたいという旨の指示をいたしております。そういうことでありますから、私どもとしても、そういった売り渡し価格に盛られた精神を体して流通機関が扱ってもらうことを、強く期待いたしておるわけでございます。 また、現実に全部について追跡調査をするということはもちろんできませんけれども、できるだけ、人員の許す限り追跡調査を各段階について行ないまして、そういった形でものごとが運ばれているかどうか、十分ひとつ検討する材料をつかみたいというふうに思っておるわけであります。計算をして消費者に全体で幾ら利益になるかというふうに言われましても、これは生きた経済でございますから、そういう形ではなかなか表現はいたしかねるというふうに思いますけれども、私どもの指導の精神としては、いま申し上げましたようなことでやっていきたいと思っておるわけでございます。
○樋上委員 放出価格が十枚九十五円ぐらいであれば、私は、小売り価格はせいぜい百二十円か百三十円のはずである、こう思うんです。しかし、いままで韓国ノリは放出されていましたが、安いノリを売っているということを聞いたことがない。韓国ノリが出ておるのに、どの店に安いノリが行っておるのか。あなたは、なかなかそれはむずかしいとおっしゃいますけれども、国民は、韓国ノリが一億枚放出されて、お正月までに要るんだが、どこにあるんだろうというので店頭を捜してみても、韓国ノリはないじゃないですか。私どもには、韓国ノリだか何だかわからない。新聞等によりますと、加工されてしまったり、国内産のノリと巧みにまぜられておる。堂々と国産ものに化けておる。そうして、韓国との値ぎめの交渉では安かったはずの放出ノリが、二倍以上もの値段になって消費者に届いておる。そういったことがいままで多かった。放出したものの、消費者は少しも恩恵を受けていないのが現実である。もしあなたが追跡調査をして、業者が、これが韓国ノリだ、これが内地ノリだといっているところがあるんだったら教えていただきたい。そういうものは放出しておるけれども、あとはもう関知しない。そんなのだったら、新聞にでかでかと出て、みんなが期待している放出ノリがどうして渡るか。特に、今回の一億枚の放出は、正月を前に安いノリが手に入ると消費者は待ち望んでいるのに、その大衆の願いを私は無にしていると思うのですが、この点はどうですか。
○森本政府委員 従来から、韓国ノリを韓国ノリと末端において表示をして販売するよう指導してはどうかというお話が実はございました。これは、なかなか実際問題としてはむずかしいというふうなことをいわれております。たとえば、加工をされてしまうと、技術的な話でありますが、消費者なり専門家が見ましても、韓国ノリであるかどうかということは見分けがつかぬといったようなこととか、あるいは、はたしてそういった表示をすることによって、そういったものの売れ行きがどうであろうかといったようなこととか、専門家で議論をしていただきますと、なかなか一長一短というふうな形になっておりまして、また役所としても、実際問題として表示を強制するというふうな手段方法もないというふうなことで、従来、なかなか踏み切りがつきにくいような議論も行なわれておったわけであります。 ただ、私の感じとしては、やはりいま御指摘がありましたようなことで、こういった問題についてもできるだけ技術的な問題その他を解決しながら、韓国ノリについて適正な形で国民の評価にまかすというふうな方向、つまり、韓国ノリは韓国ノリとして販売されるような形に持っていくということが、理屈としては正しいのではないかという感じがいたしております。したがいまして、そういった考え方でもって今後十分、実際問題でありますから、関係の方々に検討していただいたらどうかというふうに思っておるわけであります。
○樋上委員 この問題はどこまで追及しても、あなたがそこまでいろいろとおっしゃって、消費者が望んでいるように確答を得られないけれども、その表示をするということは、価格が安かったらそういう心配はないんではなかろうか。韓国ノリは安いんだ、また韓国ノリは味がいいのがあるんだということになる。それが、小売りのところに行けばごちゃごちゃになってしまっている、せっかく安く韓国のほうでは出しているのに。この間も韓国に行ってきましたが、どんどん日本は買うてくれ。ところが、日本は流通機構が多くて、中間マージンが高くて、せっかく韓国で安く出しても、消費者は高い高いノリを食べさせられておる。全く日本の流通機構も考えなければならぬ。 私たちは、韓国ノリばっかりを入れて、国内産の業者を守らぬというわけにいかない。やはり日本は、国内のノリを製造しておる漁民の人たちの、その生活も考えねばならぬというので、韓国のいうように、何も韓国のものを全部入れるというわけにはいかない。今後ますますノリの需要がふえてくる。しかし、それを無計画でやってはならない。年間五十億枚くらい内地においても確保できるような生産基盤にすることに力を入れるべきではなかろうか、私はそう思うのです。 ノリの需要は、今後ふえてくると考えられますが、現在のようにノリの価格が高値を続けておれば、もうノリはすし屋に行かなければ食べられぬ、こういうように考える。第二のカズノコだ、そういうぐあいに心配されておるのであります。せめてどんなに高くても、十枚百五十円までにノリはとめたい、こう念願するのは私一人だけではなかろうと思うのです。昔の人はよく言いました。卵一個にノリ一枚、いいこと言いましたな。昔の人はそう言うた。そういう価格が言われたものです。そういうところまで持っていかなければならないと私は思うのでございます。 最後に、長谷川農林大臣にお願いするのですけれども、あなたは魚屋農相といって庶民に親しまれ、また、大衆が期待しておる農林大臣でいらっしゃいます。農林大臣は、いま私と水産庁長官がるる述べました経過をお考えになりまして、今後、消費者が求めておる韓国ノリについて、また国内の増産、そういうものの計画についてどうお考えになるか、最後にお伺いしたいと思います。
○長谷川国務大臣 国内の生産の奨励、また保護政策を行ないつつ、韓国ノリの輸入については十分検討してまいりたいと考えております。
○樋上委員 韓国ノリはそれで終了いたしまして、まだ持ち時間がございますので、今度は、中国肉の輸入につきまして農林大臣にお伺いいたします。 公明党といたしましては、この中国食肉につきましては、もう私も三回も当委員会でやっていますし、また物価、商工両方で今日まで、中国肉の輸入を促進して、そして物価対策においても、国内における因の品不足のために、中国肉を安く入れたらどうかというのですが、いままで何回討論いたしましても、畜産局長は口蹄疫、口蹄疫とそれにこだわって、なかなか一歩も譲らない。 ところが、中国側が防疫体制について全面的に協力するならば、輸入を許可するという基本方針を固めたと、きょうの新聞に報道されていましたが、この点について、その具体的な内容について農林大臣にお伺いしたいのです。
○長谷川国務大臣 中国からの肉の輸入問題につきましては、私もお話を承りましたので、この際何とかできるならば、前向きでもってひとつ検討をしていくべきであるというお話を申し上げまして、いろいろお話を承ったのでございましたけれども、口蹄疫というのは、私が申し上げるまでもなく、よく話を伺ってみますと、一昨年ですか、英国では口蹄疫のために六十万頭の牛、豚というようなものを、焼却しなければならない事態まで巻き起こしたという問題があるわけでございまして、やっと日本でも、その口蹄疫というものがなくなったところだというようにいっております。 ですから、そういう問題さえ解決つくならば、おっしゃるとおりに、ぜひ中共から輸入することもやぶさかではないのでございます。であるから、こちらから前向きの姿勢をもって、これとこれとこれとをやっていただけないか、そうすれば、私のほうではお引き受けしようではないか、どれとどれとがどういうところに欠陥があって、どういうところになにしなきゃならない点があるのかということを十分向こうへ伝えて、そうして交渉してみたらどうなんだろうかというようなお話を申し上げたわけでございまして、目下鋭意その点については、これとこれがなにすればということで、折衝に入る段階になっておるだろうと考えております。
○樋上委員 農相は、これまでの輸入条件として、中国側に要求された口蹄疫の根絶状況などの五項目を、受けてくれるならば入れようじゃないか、こういうことなんですけれども、今度、いままでに出しております五項目というようなものを中国に出したら、感じ悪くしてしまう。こんなことは問題にならない。日本におきまして、もう三回も調査団が派遣されておる。それで口蹄疫というものはだいじょうぶだというぐあいに、三回も調査団が派遣されて帰っておるにもかかわらず、この五項目にこだわって、この五項目をやってくれるならばということを突きつけて、そしてできもしないような、相手を感じ悪くさせるようなことをしている。 現在まで中国肉が入らなかったのは、政治的圧力があると私はたびたび申し上げておるのですけれども、この五項目はあくまでも堅持し、この五項目がなければやはりいけないのか。そうではなしに農林大臣は、それはたな上げをしておいて、別な方法で衛生上の安全が保障されるならば、早く輸入ができるように前向きで検討すると指示されたということが報道されていますが、それは事実ですか。また、別な方法とはどういうことなのか、具体的に教えていただきたい。
○長谷川国務大臣 私のほうは、何の政治的意図もありませんし、だれからも圧力を加えられておりません。これだけははっきり申し上げておきます。その点だけお間違いないように。私は何の圧力も加えられておりませんし、何の注意も受けておりません。ただ、もし口蹄疫というのが、この小さい日本に入った場合に、この小さい日本に蔓延するのはわずかな期間であります。そのときに至って、私が大臣を辞職するくらいのことで解決がつく問題ではない。その点だけ考慮に入れておりますし、それだけは十分お互いが考える必要があると思う。 口を開けば、お互いがいまの農村をどう持っていくかということ、こういうことについては、みんな同じ意見であろうと思うのであります。ですから、それがもしできないとすれば、他の方法もあるのではないか。たとえばアルゼンチンでは、煮沸したものをという話もあったじゃないか、そうしたならばボイルをして日本へ持ってくるというような方法もあるのじゃないだろうか。それならば、そのときに日本からの条件というものも、煮沸するのには日本の技術者をその中に立ち合わせてくれないかというくらいのことは、当然向こうも認めてくれるだろう。ですから、そういうような点について、もし生肉でなんならば、その場合には一歩進んでそのようなこともお話し合いをしてみたらどうなんだ、こういうようなことは指示しておるのでございます。
○樋上委員 それでは、農林大臣は、いままで数回調査団が派遣された報告書を読んでいただいているのでしょうね。
○長谷川国務大臣 いままでの報告書も見せていただきましたけれども、完全に口蹄疫がないと言明しているものは一つもございませんです。そういう上に立って、私もいろいろのお話を承っておるわけでございます。
○樋上委員 完全に口蹄疫が撲滅されているということは、政府が派遣した調査団の報告にもちゃんと載っておるのです。私は、岡田畜産局長にもたびたびそれを言うて、あなたは日本の権威である田中獣医がだいじょうぶであるという報告書を信じないのか、だれの報告書を信じるのだと何回も申し上げているのですけれども、向こうのほうでワクチンの注射を見せてくれないとか、こちらが立ち入りしようとしても見せてくれないとか、こう言っておりますけれども、それでは中国肉はどこも買うておらないのかといえば、欧州のほうでは中国肉を買うておる。口蹄疫も何も出ておらぬ。口蹄疫を日本ではこわがっておる、こわがっておるというけれども、それは私たちも、そういうものが入ってきて、日本全国の牧場が全部、いまの牛肉が少ないときに牛を撲滅するというようなことがあってはならないということは、農林大臣と同じように考える。そういう危険なことをして、自分が辞職しただけでは済まぬ、それはごもっともです。そういうことは考えておらぬのですけれども、坂田大臣から松野農林大臣、西村農林大臣、今度はあなたと、四代にわたって、この中国肉の輸入については、大臣のかわるたびに、いいだろうとこう言われ、今度また大臣がかわられたらだめだ。かわられるたびに、いいだろう、悪いだろう。それは調査団の言うことを信じなかったら、その調査団を派遣する必要はなくなってしまう。中国のほうでは、日本はおかしいぞ、欧州のほうでも買うておる肉を日本では入れない、こう思うだろう。それから、煮沸した肉だったら入れる。中国では、煮沸よりもっと完璧な衛生設備ができておる。それを見てきて報告しておる。それも信じられないということだったら、今度調査団を派遣して、今度の調査団を信用されるのか、そうしたら前の調査団は全然だめなのか。私は、そこにいつまでたっても割り切れないものがあるので、この点をはっきりしていただきたい。
○長谷川国務大臣 樋上さんと同じような意見を私も申し上げてみたのです。そうしますと、口蹄疫の発生しておる地区と口蹄疫の発生しておる地区ということになるとそれはなんですけれども、日本のような口蹄疫のほんとうに皆無になったという国になってくると、その抵抗というものがないために、非常な被害をこうむる率が大きいのだというようなお話も、いろいろ技術屋からも承っております。これは間違いないようにしてもらいたいのは、何か中国から入れるのがいやでそう言ったとか、政治的にどうとかという意味でない観点に立って、私もそういう点についていろいろ伺ってみたのでございますが、そういうようなお話も承りました。 いずれにしても、いませっかく通産省ともお話をいたしまして、前向きでひとつ検討を十分加えて、お望みのような方向に進もうではないかということで、そこまで進めておるところでございます。
○樋上委員 それでは、今度は長谷川農林大臣は、もう極力積極的にこの中国食肉問題について輸入に努力していただきたい、こう思う次第でございます。 私は老婆心ながら、日中漁業協定と日中覚書貿易協定がともに今月末で期限が切れるようになる。この間も水産庁長官に言ったんですが、業者間のその漁業協定が切れる、それに対して、業者は何とか政府間交渉をしてほしい、そうしないとあの漁業の宝庫といわれているところは——もう日本の民間の漁業者と中国の民間漁業者との協定はやめだ、こういっている。そのこれからの協定を継続するための日中間の交渉においても、この中国肉の輸入が禁止されているということは、これが私は大きな障害になっているのであろう、こう思うのですね。この間も私は森本水産庁長官にお伺いしたんですけれども、この日中の漁業協定を、なぜ政府がもっともっと側面からも、何か政府間交渉をして成功するようにしておらぬのか。それは業者間にまかしてあるのだ、業者間を絶対に信用しているんだ、こういうぐあいに答えられたが、十二月二十二日ですから、もう数日しかないのです。まだ協定が結ばれておらないのでしょう。 ところが、今度中国との協議書というものがあって、日中友好商社代表、それから中国糧油食品進出口総公司との間に、この中国肉輸入の協議書というのを協議してきたんですね、民間で。民間で協議をして、もう二万トンを入れる、冷凍牛肉を入れる、冷凍豚肉を入れるというぐあいに交渉してきた。この協議書はちゃんと調印をしてきた。ところが今度は、いや政府のほうでちょっと待った、こうなっている。日中漁業協定においてもそういう一とんざを来たしており、業者間が早くそれを結びたいと思っているにかかわらず、政府においてストップをかけておるから、両方ともがうまくいかない。だから、いわゆるこの協議書というものは何ぼ契約してきても、政府、農林省は入れぬのだと言われたら何にもならぬ。ほごになってしまう。私はそういうものが大いに影響しているんじゃなかろうかと思う。これから民間協定を延長するかいなかは、関係の漁民や業者にとっては死活問題である。聞くところによりますと、先日も九州においては漁民大会をやって、政府に日中漁業協定の延長を訴えていたともいわれておるんです。 このような現状を見ましても、政府は前向きの姿勢で積極的に推進していくべきであると思うのです。なお、生産農家に対しては圧迫を加えないように、何とかこの点も考慮をして、農林大臣が今度の中国牛肉に対しては積極的な努力をされて、さすがに長谷川農林大臣はわれわれ庶民のために、物価高に対して、牛肉といい、ノリといい明快なる指導を与えられたという印象——印象じゃない。一段と消費者を喜ばす行政を私はとっていただきたい。長谷川農林大臣の手始めの仕事として、この中国肉輸入と韓国のノリの問題について、国民が期待しているように、納得のいける姿勢をもって私はやっていただきたい、かように思うのですが、確答お願いできますか。
○長谷川国務大臣 もう先ほど申し上げましたとおり、あなたのお考えと私の考えはちっとも相違しておりません。民間の方があちらへ行って御相談してきたそうでありますし、いまお話を初めて承るのでございますが、それに沿って、こういうふうにしていただきさえすれは——今度の五項目といっても、私はきょうちょっと見たのですけれども、この五項目は向こうが腹が立つような五項目じゃない。向こうが腹が立つような五項目でしょうか。私はそういうようないろいろな衛生的というか、そういう菌の問題についてのお話で、これだけは少なくともやらしていただきたいという折衝にまず第一段階として入るという、これはまことに積極的、積極性を持った前向きなやり方だと思ってやっておるわけです。 先ほども申し上げましたとおり、何といってもわが国はこんな小さい国で、その菌が国内に蔓延したということになったら、ほんとうにたいへんだろう。ですから、そのことだけを向こうにも御協力願えるならば、私のほうはいつでも、近いのですから、隣から持ってきていただくのが当然のように私は考えておるから、積極性を持って、なるべく早目に、前向きにやってみてくれないかということを申し上げてあるわけなんでありまして、そういう点だけはひとつ御了解願いたいと存じます。
○太田政府委員 ただいまの大臣の答弁で尽きていますが、実は、先ほど先生のお話にありましたように、前後三回の調査によりまして、確かに中共が非常に家畜衛生上きれいな国になっておるという事実は、いずれも報告はいたしておるわけでございます。田中報告がいままでの調査報告の最終報告になっているわけでございますが、この報告をもとにいたしまして、日本の家畜衛生技術者が集まりまして種々検討いたしました結果、なお五項目については再確認する必要があるであろうということで、今日まで実は五項目、五項目ということで、五項目についての資料を得るべく努力をいたしてまいったのでございます。これが、必ずしも中国側のほうは、もうそういったものについては全部調査が済んでいるはずというようなことで、回答が得られないまま今日に至ったのであります。 先ほど来大臣のお話もありましたとおり、ぜひ五項目を知りたい、そういったことについての回答をぜひわれわれはほしいわけでありますが、どうしてもそういったことで回答が得られないというような場合には、これにかわる何らかの有効適切な措置が考えられないものかどうか、そういった点について検討してみろという大臣の指示がございましたので、目下、これは純技術的な問題だと私どもは理解をいたしておりますので、まず、日本政府の内部の事務当局間でよく話し合いをいたしまして、さらに、問題が問題でございますので、大臣等にお話を申し上げて、最終的な案をできる限り早く確定いたしたい、かように考えて、現在事務当局で進めておる段階でございます。
○樋上委員 わかりました。いまの二つの問題につきまして十分な検討と、一日も早くこの問題を解決していただきたいことをお願いいたしまして終わりたいと思います。
○足立委員長 児玉末男君。
○兒玉委員 ただいま、中国に関係する問題が出ましたので、まずこの点を最初に私も再度お伺いしたいと思います。第一点の漁業関係の協定が今月二十二日に切れる。この点につきまして、先般日中漁業協議会の代表からわが社会党のほうにも正式に申し入れ、要請があったわけでございますが、この点について、去る十二月十日、西日本地区の漁業関係者が総会を持ちまして、期限が切迫をする、この点について早急に締結ができるように格段の御協力を願いたい。特に、この協定が失効いたしますと、西日本関係の漁民にとりましては死活問題でありますし、戦後二十年間、特にこの協定が平等互恵、友好協力を原則に締結されている非常に重大な問題でありますので、この点について、農林省当局としてはどういうふうな要請を受け、これに対してどういう具体的な対策をとろうとされておるのか、この点、まず第一にお伺いしたいと思います。
○森本政府委員 先ほど来お話がございましたように、昨年の十二月に一年の期限で暫定的に延長をして、本年の十二月二十二日まで有効、そのあとは両者の協議の上でということになっております。従来、昨年もそういうことでありまして、期限のまぎわまで、種々延長問題が微妙な形になっておりました。本年としてもできるだけ、まず延長するのに支障のないような形で日本側としても操業をしなければならぬということで、若干向こうからそういった問題を指摘されたこともございましたので、業界がそういった協定を十分内容を順守するように指導をいたしまして、また、監視船等も出しまして、そういう体制をつくってまいりました。 ただ、延長問題は、現在のところは、向こうに業界のほうから連絡をいたしましても、なかなか確答が得られないというふうな形で期限が迫ってきております。私どもとしても、ああやったらどうか、こうやったらどうかというようなことで、業界に対して延長できるような何らかのうまい措置がないかということでやっておりますが、政府としても、この問題が円満に延長がされていくことを、実は強く希望してやってまいった次第でございます。
○兒玉委員 農林大臣として、いま長官が答弁されましたとおり、きわめて期間は切迫しているわけでございますし、もちろん民間の協定でありますけれども、政府側の誠意ある態度が、私はこの締結を促進するきわめて重要な要因となろうかと存じますので、積極的な御努力を要望したいと思います。 次に、これは畜産関係で、先ほど大臣も答弁されましたが、中国食肉の輸入問題が毎年毎年政治課題として提起をされるわけでございますが、問題は、国内における口蹄疫に対する免疫性といいますか、こういうふうな防疫対策なり国内の牛等に対するところの免疫対策というものが、現在どの程度研究され——そういうふうな食肉輸入に対しての大きなネックは、国内におけるいわゆる防除体制が全くないというところに、私は原因があるように聞いておるわけですが、この点はどういうふうな対策と検討をしておられるのか、あるいは研究をしておられるのか、まずこの点、畜産局長にお伺いしたいと思います。
○太田政府委員 先ほど来申し上げておりますように、かつては口蹄疫があったわけですが、日本は完全にこれを撲滅いたしまして、今日口蹄疫は日本にないわけでありまして、それだけに非常に神経も使っておるのでございます。先ほど来大臣の申されましたように、日本はそういった意味で免疫性が非常にないという意味で、もし一たびこれがはやるとたいへんなことになるということで、慎重な態度で処しておるのでございます。 現在、口蹄疫の問題につきましては、家畜衛生試験場に研究室を設けまして研究いたしておりますと同時に、実は口蹄疫の撲滅の事業に現実に当たった技術者が、いまの畜産技術者にはほとんどおりませんので、わがほうの担当の技術者をイギリス等の口蹄疫の出ている地域に派遣をいたしまして、現実に口蹄疫の撲滅の処理の方法等につきましての実地の勉強等をやらしておるのでございまして、こういった経験者を数多くふやしてまいりまして、将来そういった問題が出てまいりました場合に、どう対処してまいるかというようなことの体制整備を、いまから徐々に固めてまいりたい、かようなことで進んでおるのでございます。
○兒玉委員 いまの局長の答弁を聞いておりますと、もう少しそのような対策を以前からとっておくべきではなかったか。この食肉輸入というのは、先ほど樋上議員も指摘されたとおり、毎年外交上の、日中友好関係の重要な問題になっておるわけです。ですから、国内における防疫体制なり免疫対策等をもう少し事前にとられておるならば、このような問題の処理というものは、もう少しスムーズにできたのではなかったかというように、私はしろうと的に考えるわけですが、その辺の将来の展望といいますか、その対策はどういうふうにお考えになりますか。
○太田政府委員 先ほども樋上先生の御質問にお答え申し上げましたとおり、従来の中国に行きました調査団の前後三回にわたる調査報告によりますと、確かに中国それ自体が、昔と比べまして非常に家畜衛生上正常になっておるという事実は、これは率直に認めざるを得ないと言っておるのでございますが、牛疫等につきましては、すでに中共自身で撲滅宣言をいたしておりますが、口蹄疫についてはまだ撲滅宣言もいたしておらないというような実情もございまして、先ほども申し上げたのでございますが、田中さんを中心に日本の家畜衛生の技術屋さんが集まりまして、田中報告あるいは従来の報告等を中心に種々検討会を開催いたしまして、その結果、われわれがよく申し上げております五項目につきまして、やはり回答をぜひ得たいということで、それぞれの関係方面を通じて、われわれはそのことを中国側に申し入れをいたしておったのでございます。 しかし、今日まで残念ながらこれにつきましての回答も得ていないままになっているわけでございますが、大臣がいままでの経緯等をお聞きになりまして、こればかりにこだわっていたのではあるいはあまりにも硬直的に過ぎるのではないか、したがって、これは純技術上の問題でございますから、もし五項目にかわる有効適切な方法によって、いまわれわれが問題にいたしておりますようなことが知り得るようなことになり得ますれば、これもまた一つの方法ではないかということで、そういったことが考えられるかどうか検討してみろという指示を受けまして、いま、事務段階におきまして検討いたしておる段階でございます。 そこで、事務段階におきましてまとまりますれば、問題が問題でございますから、上に御説明を申し上げまして、これで話し合いの糸口をつけてみたらというふうに考えて、せっかく努力中でございます。
○兒玉委員 農林大臣にお伺いしますが、いま局長も申されたとおり、中国側におきましてもまだ口蹄疫の撲滅宣言はしていない、このことは、中国側としても私はきわめて良心的な立場に立っての措置じゃないか。そういう点で、今後の友好促進等の上からも、いま局長から、技術的な問題として処理も可能であるという旨の答弁があったわけですが、大臣としての御所見を最後に承りたいと思います。
○長谷川国務大臣 ただいま答弁があったように、私が指示したとおりに今後推進をしていくだろうと考えております。
○兒玉委員 水産に関係して、特にこの際、科学技術庁長官がお見えでございますので、漁業に関連する問題としてお伺いしたいのでございます。 まず第一点は、御承知のとおり種子島ロケット基地の発射に伴いまして、今日まで長い間紛争が起きておったわけでございますが、先般、一応解決がついた形になっておるわけでございますけれども、その中で、漁業者が一番問題としておりますところの今後の実験、打ち上げに伴って生ずるところの、いわゆる漁業関係の損失補償について、科学技術庁としてはどういうふうな具体策をとっていこうとするのか。それから、この解決の一番ネックとなりましたところの打ち上げ機数四十一機というものは、確実にこの機数を厳守できるのか。過去におきましても、東大の内之浦ロケット打ち上げに伴いまして、この制限により漁民の漁獲が減るということで、相当きびしい抵抗もあったわけですが、この際も、当初約束された打ち上げ機数というものが、四倍、五倍にふくれ上がったという過去の事実もあるわけであります。この機数の問題、それから今後漁船等の大型化、こういうことが覚え書きの中に明示されておりますけれども、なかなか困難を伴う問題ではないかと思うし、漁民としてもこれに対しては、この水域が将来ロケットの回数がふえ、大型化されることによって、必ずこの漁場を失うであろう、そうした場合に、やはり生活を求める場所は、この沿岸漁業から近海、遠海に出なければいけないという宿命的な立場に置かされている。これらの点について、科学技術庁としては、特に漁民の側に立ってどの程度の誠意と具体的なお考えをお持ちなのか、明らかにしていただきたいと存じます。
○木内国務大臣 木内四郎でございます。このたび科学技術庁長官を拝命いたしまして、微力短才かつ老骨でございますが、どうぞよろしくお願いいたします。 ところで、いま兒玉委員御心配の点、まことにごもっともでございまして、私どもはこのロケットの打ち上げによるところの漁民に対する影響を、もちろんなるべく少ないものにいたしたいと思いますし、影響がある場合には、これに対して適切な対策を講じて漁民の不安を解消してまいりたい、かように存じております。これは基本的な問題でございます。 いまお話がありましたまず一つ、あるいは逆かもしれませんけれども、ロケットの打ち上げの数の問題、これは私ども科学技術庁といたしましては、昭和四十六年におきましては、通信分野の電離層観測の衛星を一つ打ち上げて、それから四十八年におきましては静止通信実験衛星を打ち上げたい、こういうことを目標にいたしまして、今日までロケットの開発をいたしてまいっておるのでありまして、そのためにこの一月から二月中旬にかけまして、科学技術庁としては八機を打ち上げたい、こういうふうに考えております。それと同時に東京大学のほうにおきましては、同期間におきまして、科学観測ロケット及び気象観測のロケット、さらに科学衛星打ち上げ用のロケット開発のために合計十七機の打ち上げをいたしたい、かような計画をいたしておることは、すでに新聞等にも発表になっておりますし、御案内のところだと思うのですが、これ以上に機数をむやみにふやすおそれがありはしないかというようないまお話でありましたが、そういう考えは毛頭持っておりません。漁民の方々からもそういう話がありましたけれども、一年以内に四十一機ですか、それを限度としてやってもらいたいというようなお話があったことを、私は伺っておるのであります。 そういうようなわけでございまして、これは科学技術庁は八機、東京大学の場合は十七機、これを一月から二月中旬までに打ち上げる、こういう計画でありまして、これをむやみにふやすというようなことは考えておりません。そういうことはないと申し上げて差しつかえないと思うのでございます。 それから、この対策の問題ですけれども、さっき損失の補償というお話がありましたけれども、今度の対策は、損失の補償という意味、いままで使われているような意味の損失補償ということではありませんで、種子島周辺の漁場におきましてロケットの打ち上げをする、そうすると、燃えがらが落ちたりして、その漁場にいろいろな影響がある。あるいは音響のこともあるでしょうが、そういうことによって漁業が影響を受ける、それに対する対策を、私ども科学技術庁としては講じておるのでございますが、この問題につきましては、科学技術庁のみならず、昨年三月以来関係各省の次官をもって種子島周辺の漁業対策協議会というものをこしらえまして、そこにおきまして、各県からこの漁業対策について要望されました事項をもとにいたしまして、それに基づきまして、種子島周辺漁業対策の大綱というものをきめました。その大綱の趣旨はどういうことかと申しますと、ロケットの打ち上げによってその漁場が影響を受ける、したがって、その漁場のほかに新しい漁場をひとつさがしたらどうかということで、新しい漁場の調査事業、それからまたこの漁業の効率的な運営を確保するためにえさの対策の事業、さらにまたもう一つは漁業の能率、効率化それから漁価の安定を確保する、こういうような目的のために共同利用施設を設置する事業、こういう事業がありますが、これらの事業につきまして、各県から出された要望をもとにしまして、そしてそれに対して政府は補助金を出す、そうしてこれを助成するというのが、今回の対策の基本でございます。 それにさらにつけ加えまして、種子島周辺の漁場が影響を受けて、打ち上げ期間中よそへ行かなくちゃいかぬという場合には、漁船の大型化をしなければいけないということもあるし、そこで漁船の近代化、これに対する建造資金の利子の補助、こういうこともやろうと思いまして、政府に来年度の予算として要求しておるというようなことが、この対策の根本であり、大筋でございます。 なおまた足らぬ点がありましたりしましたら、私はなったばかりでありますので、説明の不十分な点もあるかもしれませんし、また足らぬ点がありましたら、政府委員または説明員が参っておりまするから、そのほうから補足させたいと思っております。
○兒玉委員 もう一点お伺いしたいのですが、打ち上げ機数については、いま長官が絶対に四十一機を上回ることはないということを断言されましたが、現地の計画を見ますと、これから相当規模に大型化されるというプランがあるように聞いておるわけです。四十一機ということをここではっきりと私のほうで確認をしてもようございますか。
○木内国務大臣 私は、先ほど申しました年間四十一機というのは、これはかたく守っていきたいと思うのであります。 それから年々の打ち上げの機数、規模、そういうものにつきましては、地元と事前に打ち合わせをする、こういう方針でおりまするし、地元の方々も、大体そういうことで御了承を得ておるように聞いております。
○兒玉委員 問題が非常に重大でございますのでさらに伺いますが、結局、そのつど協議をするということは、一つの実績の上に立ってますます打ち上げの機数が拡大されていく、こういうところに漁民の非常な心配があるわけです。長官は十分御承知じゃないかとも思うのですけれども、この地域は、リマ水域あるいは内之浦、それから佐多の辺塚、陸上自衛隊の射撃場あるいは航空自衛隊など、次々に漁場が失われて、しびはえなわあるいはカツオ・マグロのこの漁場が最後のよりどころであるわけです。この点から考えましても、これは昨年法律改正がありまして、漁船の大型化ということは、これはなかなか問題があるわけであります。そう簡単に、字句の上では近代化、大型化といわれているけれども、現実にはなかなかむずかしいのじゃないか。この点、水産庁長官としてはどうなのか。さらにまた、現実的な漁獲補償というものに対する調査を、先般の当委会員においても進めるということになっているわけですけれども、大型化の問題と、それから今後のこのロケット拡大に伴うところの漁獲補償について、水産庁としては科学技術庁との間においてどういうふうな取りきめがなされておるのか、この点、長官の御所見を承りたいと思います。
○森本政府委員 まず漁船の近代化、大型化の話でありますが、確かにこういった事態でありますから、私どもとしてもできるだけ漁船の近代化たり大型化について、希望をかなえる方向で処理々いたしたいというふうに思っておりますが、御指摘がございましたように、昨年指定漁業につきましては、資源との見合いで一斉更新をいたしまして、それぞれ新しく許可を更新をいたしております。そういう関係から、すぐさま指定漁業について許可隻数をふやしてまいるということは、全国的な問題ともからみましてなかなかやっかいでございます。したがいまして、私どもはそういった二つの要請をどういう形で調和してまいるかということに、実は苦心を要するわけであります。そういうことで、指定漁業の隻数の増加ということはなかなかむずかしい関係がございますので、それぞれの、たとえば二十トンから七十トンが近海カツオ・マグロということになっておりますが、その範囲内におきまして漁船を近代化する、大型化するというふうな点については、極力配慮をいたしてまいりたいというふうに思っております。 それから、調査等のことでございますが、一応ロケットの打ち上げに伴いまして、漁場が一定の期間制約をされるということについての受け方として、先ほど来お話がございました漁業対策というのを講じて、それに対処していくということになっておりますけれども、なお、それ以外にいろいろな影響があるいはあり得るというふうに思いますので、打ち上げの過程におきまして、そういった問題についても調査をしていただくということを、科学技術庁のほうにも打ち合わせをいたしておりまして、検討をされておるように伺っております。私どもも、そういったことで水産庁として協力できることがあれば、十分前向きに協力をしてまいりたいというふうに思っておるわけであります。
○兒玉委員 この問題は、ではあと一点だけ科学技術庁のほうにお伺いしたいと思います。あとでまた同僚の工藤議員からも御質問があろうかと存じます。 特にロケットに関する問題では、過去において、漁民としては、政府がいうことは信用できない、いつもうそをいっている。しかも、リマ水域の場合におきましても、昭和二十七年に日米安保条約に関連する国内法として、制限に関する法律があるわけでございますけれども、それが十六年間たった今日まで、一ぺんも客観情勢、すなわち農林省等のいわゆる漁業近代化等によりまして、構造改善によって相当船の装備もよくなっているにもかかわらず、十七年前のそのときの状態でしか補償がされておらない。これは私は重大な問題だと思うのです。しかも、先ほど長官が言われた四十一機の打ち上げ機数におきましても、結局私は結束の弱い漁民の側に立つならば、政府のやることだからおまえたちは文句を言わずについてこい、こういうことでもって、次々に事前協議の中で打ち上げ機数が拡大されていくであろうことは、過去の例を見ても明らかに読み取れるわけであります。 その点で、先ほど長官が言われました漁政対との事前協議ということは、いわゆる漁協側がこれ以上は不利であるという場合に、拒否権というものがあるのかないのか。この点は、事前協議の内容としてどういうふうな確認がなされているのか。その相手側の拒否権について、この際明確な御答弁をいただきたいと思います。
○高橋説明員 お答えいたします。 ただいまの件につきましては、事前協議におきまして、打ち上げの年間の機数につきまして合意を得ない場合には、科学技術庁並びに東大の打ち上げは行なわないということに相なっております。 なお、付加して申し上げますが、先ほど児玉先生御質問の機数の増加に対します推測でございますが、お知り置きのとおり、東京大学におきましては科学観測ということでございますので、ただいま実行いたしておりますところの機数と大差はないと思いますけれども、当方の開発につきましては、お知り置きのとおり、人工衛星を打ち上げますまでの開発段階でございますので、ある一定のロケットができまして、その次のステップに入りました際には、前段階のロケットは不要でございます。したがいまして、数が倍加するということはない。Aの段階のもの二機をまず打ち上げまして、次の段階にその技術的開発の段階でBというロケットをつくります場合におきましては、Aはもはや発射をする必要はないわけでございますので、全体の趨勢というものは、当庁のロケット開発の段階におきましては、ただいまの数よりも増すということはございません。むしろ逓減いたすかというふうな見通しをつけております。 以上でございます。
○兒玉委員 高橋審議官にお伺いしますが、ただいまの御説明は、同意に達し得ない場合は打ち上げはしないということは、結局、漁民側がこれに反対をした場合は打ち上げしない、いわゆる自主的な拒否権と見ていいかどうか。この点、念のために確認をしたいと思いますが、いかがでございますか。
○高橋説明員 従来の交渉の経緯、並びに宮崎、鹿児島両県の知事及び漁連の会長と関係の三大臣との覚え書きの趣旨に沿いますれば、先生の御示唆のとおりだと思います。
○兒玉委員 次に、それでは農林大臣にお伺いします。大臣のこの前の所信表明の中におきまして、大臣は、「農業の健全な発展なくしては日本経済の谷かな繁栄はあり得ないと考えております。」と、こういうことを所信表明をされておるわけでございますが、 〔委員長退席、森田委員長代理着席〕 いずれにいたしましても、現在の日本農業の実態を見ておりますと、いわゆる農村の労働力の流出あるいは農畜産物の価格の不安定、そして過疎問題、こういう多くの問題が今日提起されております。そういう点からも、もちろんこれは通常国会におきましても、関係法案、予算等を通じて論争するわけでございますけれども、これからの日本農政の位置づけというものを農林大臣としてはどういうようにとらえてこれに対処していこうとするのか。 また、これに関連しまして、日本の農業の最も中枢を占める米の問題等を中心としてお伺いたしたいと思いますが、先般の大臣の所信表明に対する日本農業の位置づけということについて、この際お伺いしたいと思います。
○長谷川国務大臣 先ほども御答弁申し上げましたとおりでございまして、 いままでの米作中心——もちろん、日本国民として米作は最も重きを置かなければならない問題でございますけれども、食糧構造が改善され、変わってきている。こういう上に立って、やはり畜産、果樹、蔬菜、その蔬菜の中におきましても野菜の高級化したというような点について、それらを総合的にまず判断をして、その作付の方向を指示してまいりたい、また、協力を願いながらその方向に向かってまいりたい、こういうふうに考えております。
○兒玉委員 きわめて抽象的で要を得ないわけでございますが、それでは、いろいろこれから具体的な点において大臣並びに長官の御所見を承りたいと存じます。 まず第一点は、国民に関係の深い食糧の点を見ましても、とにかく昭和三十年に九〇%の自給率があったのが、昭和四十一年では八〇%、特に小麦等の場合は四〇%から二〇%、大豆等につきましては、同じく四〇%が八%に低下をしております。さらにイモでん粉類にいたしましても、六〇%を割ろうというような状況にあります。こういうふうに年をふるごとに国内の一番基本をなす食糧の供給体制というものが後退しているこの現状は、何と申しましても、日本経済の発展の中枢をなす農業に対する政府の姿勢、取り組みというものがきわめて放漫的であり、無計画的であったことの証左ではないかと思うのでございますが、まず、食糧の自給体制がこのように後退しているという現状について、どういうふうな御所見をお持ちか、お伺いしたいと思います。
○長谷川国務大臣 農産物は、自給率をできるだけ高めてまいりたい。したがって、その水準を維持、向上できるようにつとめていかなければならないと考えておりますが、いまお話しのございましたように、どうもいままでというか、振り返ってみて、米作中心主義というような点に重きが置かれておったようにも考えられます。でありますからこそ、今度これらの総合的な判断の上に立って、そしてすべての面の解決といいましょうか、これらに向かっての推進をしてまいりたい、このように考えておるわけでありますが、具体的な案につきましては、官房長官からただいま御説明申し上げさせます。
○大和田政府委員 大体は大臣が申し上げたとおりでございますが、昭和三十年あるいは三十五年以降日本の食糧消費が、よく高級化、多様化というふうに申し上げておりますけれども、この質と量とが相当ふえてきましたことは、先進国の中でも目立って大きいわけでございます。ここ数年あるいは十年間の農業生産の伸びも大体三%ぐらいでございますから、農業生産の伸び自体は、どこの国に比べましてもそれほど見劣りするものではございません。しかし、それだけの速度、あるいは実質的に農業生産が増大しながら、やはり消費の増大あるいは高級化が著しいものでございますから、昭和三十五年ごろ八四・五%の自給率が、現在八割程度ということになっておるわけでございます。 しかし私ども、米は当然といたしまして、畜産物、果樹あるいは野菜等々、日本の農業の基幹的な部分で、しかも、努力によっておおむね自給が可能であるものについては、今後においても当然自給を達成できるように努力をして、国全体としての自給率をあまり落とさないようにして進んでいきたいというふうに考えておるわけでございます。
○兒玉委員 この際、特に食糧庁長官にお伺いしたいのでございますが、ただいま官房長も、自給度は高めていくということを御説明されたわけでございますが、現実に主食である米の問題が、たまたま昨年異常な豊作であった。しかし、過去十年間の歩みを見ましても、ほとんど米が余ったという例がないわけであります。このような状況において、食管制の廃止なりあるいは一部自由化、こういう問題が盛んに取り上げられておりますけれども、本年は、たまたま二百六十五万トンの米が持ち越しになったということがいわれておりますが、では、毎年さらに同じような状態が続くという確信があるのかどうか、この点、今後の米の見通し等について、いま新聞等で報道されておるような問題を含めて、長官の御所見を承りたいと思います。
○檜垣政府委員 米の需給の事情につきまして、昭和四十一年までわが国は、米の総消費量に対して生産が追いつかないということで、その不足を輸入によってまかなってきたという歴史を持っておることは、御指摘のとおりでございます。昭和四十一年産米が千二百七十四万トンということで、いわゆる平年作に復したという、生産が初めて上向きの傾向をとった年でありますが、この昭和四十一年産米で初めて国内需給にほぼ見合うものが生産されるようになったのでございます。 なお、国内の消費は、昭和三十八年が総消費量としては最高の年でございまして、千三百四十一万トンという消費総量を見たのでございますが、これが年々人口の増あるいは加工需要の増にもかかわりませず、一人当たり消費量の減退ということから、昭和四十二年には総消費量は千二百四十八万トンということで、約四年の間に百万トン近い消費の減退があったわけでございます。 一方、御案内のように、昭和四十二年産米は空前の豊作を見まして、総生産量千四百四十五万トンということで、その結果、今年の十月末に、精米で約二百七十万トン、玄米にいたしまして約三百万トンの繰り越し在庫が出たのでございます。昭和四十三年産米は、十一月一日の予想収穫高で千四百四十三万トンということでございますから、昨年に比べて約二万トン程度生産が落ちた程度ということで、やはり四十二年産に匹敵する豊作である。最終予想量もおそらくこの数字はたいして動かないというふうに見込まれるのでございます。 現在の消費水準は、先ほど四十二年の総消費量で申し上げましたように、千二百四十万トン前後というふうに見込まれますから、したがって来年の十月には、現在の玄米で約三百万トンという繰り越し在庫は、五百万トンをこすというような事態に相なろうと考えております。ここまではほぼ現実の問題でございます。 四十五年以降どういうことになるかということは、先ごろ農林省が公表いたしました「農産物の需要と生産の長期見通し」によって、昭和五十二年には、もし現在の水稲の作付反別が不動であるという前提で平年反収を見込みまして計算をいたしますれば、生産量が千四百二十五万トン、消費量が現在の千二百四十万トン前後というような見通しであって、その際の需給関係は、約百八十万トン程度の過剰になるという見通しが立てられたのでございますが、その先まではともかくといたしまして、現段階で平年収量を推定いたしますと、大体千三百六十五万トン程度というふうに見込まれるのでございます。でございますので、かりに消費水準を千二百四十万トンというふうに見込みますならば、昭和四十四年産米の需給関係でも百万トンないし百二十万トン程度の供給過剰になるという状態にあるわけでございます。それ以後の問題は一応の推定——一応といいますか、農林省が作付反別不動という形で計算いたしました五十二年の見通しということが、農林省としての考え方でございます。
○兒玉委員 長官の御説明もわかるわけでございますが、現在、本年度外米輸入は二十七万トンでしたか。来年は米が余っておるわけですから、輸入する必要はないと思うのですけれども、輸入米についても、本年度はどういう実績なのか、来年はどうするのか、この点お聞かせをいただきたい。
○檜垣政府委員 本年といいますか、昭和四十三米穀年度の輸入量は約二十九万トンでございます。会計年度の見通しにいたしますと、御指摘になりました二十六万六千トンということで、約二十七万トンということでございます。私どもこの段階に相なりますれば、先ほど申し上げましたように、米については一〇〇%自給の自信があるわけでございますが、国内生産の事情で、若干本年度もモチ米については不足が考えられますので、少量の輸入をせざるを得ないかと思いますが、ウルチ米については、外国からの輸入は全く必要はないというふうに考えております。
○兒玉委員 長官は、モチ米を輸入しなければいかぬと言っておりますが、実は先週の土曜日でございましたか、食糧庁の総務部長も出席のもとで、全国の代表から意見が出された中で、現在農協に予約を申し込んでおったモチ米が実は一割から二割程度削られた、たとえば、十俵出しておるのが七俵か八俵しかとらぬ、こういう実態が出ておるわけですが、いまの長官の答弁とは全く実情が食い違っておるように思うのですが、その辺はどうですか。
○檜垣政府委員 モチ米につきましては、正月用の一般家庭への配給の所要量のほかに、モチ米を原料として使います加工需要の業界があるわけでございます。そういう実需者と農業団体との間で、実は現在でもモチ米の需給調整協議会というものを持ちまして、一種の契約生産的なことを推進をしてまいったのでございますが、四十三米穀年度について業界の需要見込みというものにマッチする生産が行なわれましたならば、実は国内での需給は均衡したはずでございますが、本年の生産の模様並びにその後の政府売り渡しの状況を見ますと、国内での推定所要量二十三万トンに対しまして、国内の生産がそこまでいっていないということでございまして、モチ米については、若干の不足を感ずるような状態でございます。
○兒玉委員 私がお聞きしたいのは、現実にモチ米の予約をしたのに買い入れ制限をして、それで、買い入れ予約数量外として一俵当たり大体六百円ですか、私も具体的数字はちょっと忘れましたけれども、そういう形で農協が受けている。ということは、少なくとも食糧庁なり何なりの何らかの指示によって制限をしているものとみんな訴えているわけですが、その辺、これはあとでひとつ調査してお聞かせいただきたい。 次に、特に米の問題でございますけれども、これは国際連合関係でも指摘しているわけでありますが、大体一九七五年前後になりますと、長官は外米を輸入するということを言っておりますが、アジア地域においても、約七百六十五万トンの不足を来たすであろう。これは米国の農務長官も「世界の食糧」という本で書いておるわけでございますが、こういう現実を踏まえていく場合に、いま食糧庁長官が言われたような一〇〇%供給体制ということも、あとで小麦等の関係にも触れますが、こういう国際的な情勢というものも踏まえながら対処していかなければ、これは重大な食糧危機が到来するであろうということが予測をされるし、またウ・タント国連事務総長においても、災害救済用として、国連におきましても、こういう災害に対応するための食糧準備制度の創設ということを強調している情勢等について、特に長官としてあるいは官房長としては、今後の日本の食糧事情に対する長期の見通し、そうしてまたアジア地域における全体的な食糧の供給体制、こういうもの等を踏まえながら対処していくべきだと思うのですが、これに関連しての御所見を承りたいと思います。
○大和田政府委員 相当長期的な世界の食糧の見通しとしては、いろいろな人が各種の意見を述べておるわけでございますが、その中で比較的、いわば権威のあるものと考えられておりますのは、まずFAOの見通しでございます。FAOの見通しといたしましては、一九七五年で、小麦で申し上げますと、世界全体で千万トンないし三千百万トンの生産が需要をオーバーするわけでございます。それから米で申し上げますと、百十万トンの不足ないし五百九十万トンの過剰といいますか、まず見方によっては多少余るけれども、見方によっては多少足らないかもわからぬということでございます。 しかし、このFAOの見通しについては、やや悲観的だという意見が最近多うございまして、OECDのクリステンセンという事務局長が主催して長期見通しを現在やっておりまして、まだ結論が出ないわけでございますが、このOECDによる農産物の長期見通しによりますと、FAOの見通しに比べて相当余裕があるわけでございます。 それから、ここ二、三年くらい前に、アジア、特に東南アジアにおける食糧の不足問題というのが相当深刻に議論されましたけれども、この二、三年の間に相当事情が変わりまして、たとえば、インドにおける破局的な凶作というのがだいぶ好転をいたしましたこと、それから米の生産国におきます、たとえばフィリピン等におきましては、国際稲研究所がつくりましたIR八号という新しい多収品種の作付面積が相当多く植えられまして、フィリピン等におきましては、いままでの輸入国から輸出国に転じようとするという勢いを示しておるわけでございます。一九七五年といいますと相当先でございますから、いろいろな見方もできるわけでございますが、二、三年前によくいわれた、世界の食糧は非常に不足の状態であろうという見通しは、最近におきましてはだいぶ改められて、むしろOECD等におきましては、率直にいって過剰の危険があるというふうにいわれておるわけでございます。
○兒玉委員 米に関連しまして、これは官房長にお伺いしますけれども、きょうもらったばかりの資料ですけれども、昭和五十年には米は、先ほど食糧庁長官が言われたとおりに千二百四十四万二千トンで、需要、生産ともにパーで一〇〇%の供給ができる。ところが小麦、大麦、裸麦等、この中の大半が実は食糧だと思うわけでございますけれども、この数字から見ましても、供給率はわずかに小麦の場合で一三・六%、大麦・裸麦で四三・八%、こういう状況です。数量にしましても、国内の生産量はわずかに小麦が七十九万五千トン、大麦・裸が九十万二千トン、結局、需要に対して不足は、小麦が五百万トン、大麦・裸が百万トンという非常にきびしい条件に置かれているのが日本の食糧じゃないかと思うのです。ですから、先ほど農林大臣も言われたが、国内における自給体制を強化する、こういう発言等とはおよそ逆の傾向にこの数字は出ていると思うのですが、これにどう対処していこうとされるのか。日本の農耕地を荒らしていくのか。あとで触れたい作付転換の問題等もございますが、この辺の推移というものはどういうふうに理解をされているのか。カナダやアメリカがいつまでも日本に対して小麦を無条件に供給してくれるかどうか。また、アジア全体におきましても、将来を見ます場合に、そうやすやすとアジア地域からの輸入に依存することもなかなか困難ではないかという見方も立つわけですが、これらについて御所見を承りたいと思います。
○大和田政府委員 私ども、食用農産物の自給率をできるだけ高くしたいという念願につきましては、先ほど大臣からも申し上げたところで、私どももそのとおりであると確信をいたしております。したがいまして、この長期見通しにおきましても、米の一〇〇%自給ということは当然といたしまして、畜産物、果樹、果実、野菜等々、先ほども申し上げましたけれども、重要な農産物で日本において施策よろしきを得、また、農家の努力によって大体自給できるというものは、私どもぜひ自給をいたしたいと思っております。しかし、この需要と生産の見通しが示しておりますように、麦類さらになたね、大豆、それからトウモロコシその他の濃厚飼料につきましては、とにかく日本のような小規模生産で、しかも集約的な栽培をいたしておるところでは、国際価格にやや近いところで生産をあげるということがなかなか困難であるわけでございます。 それで、私どもあらゆる農産物について自給率を高めることは理想でございますけれども、その中で、何が自給でき何が輸入に依存せざるを得ないかという、いわば戦略的な決定をせざるを得ないというふうに考えておるわけで、大豆等々の需要が片方で強いけれども、生産がなかなかむずかしいというものにつきましては、これも私ども決して生産政策を放棄いたすつもりはございません。麦にいたしましてもその他の作物にいたしましても、生産の合理化をはかるための相当な手段を講じるつもりでございますから、この生産の見通しにつきましても、実は、いままでの傾向で減るというふうに考えませんで、この見通しの年度の後半におきましては、減り方が相当ゆるくなるという想定をいたしておるわけでございます。これは適地といいますか、主産地において相当生産性が向上されて作付の減少が食いとめられる、そういうことを念願し、また、施策としてそれを期待をいたしておるわけでございます。
○兒玉委員 少なくとも小麦五百トン、これに大麦と裸合わせて六百万トンの不足、主として食糧はその八割近くだろうと思うのですけれども、これは私は異常な状態だと思うのであって、国内における食糧の自給対策についてもう少し農林省としては積極的な取り組みをすべきであろう。しかも、食糧の管理制度にいたしましても、戦前から終戦のあの困難なときには、強権発動によりまして、農民はまずいものを食っていい米は全部国の政策に従って供出をしている、こういう農民の立場ということを、もう少し農林省は真剣に考えて対処すべきでないか。かってに大蔵省なり経済企画庁に振り回されて、やれ三%の値下げだ、いや生産者米価は三年間据え置きだ、言語道断だと思うのですよ。日本の食糧をまかなってきた農民の立場に立って、農林省はもう少し強気に立っていくべきではないかと思うのです。 そういう点において、予想されている二十五万町歩ですかの作付転換ということで農民は戦々恐々としているわけですが、一体作付転換をやって、それでは何をつくらすのか。また、それは現在の米以上の価格、補償の見通しがあるのか。大臣の所信表明では、果樹園芸、畜産等という抽象的な表現がとられておりますけれども、今日の農政を見ていると、米以外の農畜産物は何ら価格の補償がないではないですか。 〔森田委員長代理退席、委員長着席〕 これらについて、特にこの際大臣として、こういう重大な作付転換の問題についてどういう御所見をお持ちなのか、伺いたいと思います。
○長谷川国務大臣 作付転換につきましては、私たちは強制的にこれを押しつけようという考え方は毛頭ございません。しかし、現実は御承知のようにお米が余っているという、こういう上に立って、都市周辺といった方面についてはある程度こちらからも指導し、そして、まず転換できる範囲内のものにはぜひ転換をしてもらいたい。それに対しては、農業は、いつも申し上げるように一度ためしをするのにも一年かかり、それが軌道に乗るまではなかなかたいへんな期間を要するであろう。お米にしてみましても、昭和十七年から今日にかけて、これだけの長い期間たってみて初めてその努力の結果といいましょうか、品種、品質の改良といおうか、こういうものが結局努力の結果あらわれて今日のような生産を高めることができたと同じことでありまして、鉱工業のようにすぐ変えるわけにはまいらないのであります。でありまするから、そういう点については、ある一定の軌道に乗るまでは少なくともめんどうを見ていくといおうか、助成といおうか——私は金の問題で解決をつけようとは毛頭考えておりません。しかし、何といっても転換するにはある限度のものは見てやるべきである。それを一年こっきりであるといってはならない。少なくともある一定の軌道に乗るまでは、安定感を保つまではめんどうを見るべきではないだろうか。こういうように考えております。 いま生産者米価というようなお話もございましたが、生産者米価は食管法に基づきまして、「生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨」とすると書いてあるのでございますから、このように定められている中において、これを基本として、やはり適正な米価というものは考えなければならないだろう。ただ、その反面に、いままでの事情と今日の事情というものはまた変わった面もあるから、御協力願える面だけは御協力を願ってこれらの決定にあたってまいりたい、こういうふうに念願しております。
○兒玉委員 もう時間がないのであと二点にしぼります。 食糧庁長官にお伺いします。いま大臣から御答弁ありましたけれども、この統計によりましても、昭和五十二年までに約四十二万町歩の米作の反別が減らされる計画になっております。それできのうでしたか、二、三日前の新聞だったかと思うのですが、反当たり二万から三万程度の金を出す。こういうことで農民がはあそうでございますか——政府のやることに反対をしたほうか農民はいいといつも言っておるわけですよ。いや豚だ、鶏だ、卵だ、いやミカンだ、奨励されるものをつくると豊作でとんとんたたかれる、そういうふうに農民は考えております。ですから、こういう四十二万町歩の作付減反等の問題について、それならば具体的に畜産をやり、ミカンをつくって、米と同等以上の補償ができるのか。その辺に私はやはり具体的な裏づけがなければ、決して簡単に皆さん方の考えているとおりは事は運ばないであろうと思う。この点が私は一番重大な点じゃないかと思うのですが、特に食糧庁長官として、これに対する御所見を承りたい。 次に、一ぺんに申し上げますが、食糧庁長官同様に農林大臣にお伺いしたいわけですけれども、作付転換ということで、青森県等をはじめリンゴの生産地では、おととしから去年にかけて米つくりに切りかえた。また、私の地方においても畑かん等にばく大な投資をして、これから畑に陸田をつくるわけですけれども、そういうふうに切りかえておる。そういうやり方と、この作付転換は全く逆行する行き方じゃないのか。畜産なり果樹等について裏づけとなる具体的な価格政策というものがなければ、簡単に作付転換はできないと思うのですが、その辺はどう対処していかれようとするのか、この二点について、それぞれ御所見を承りたいと思います。
○檜垣政府委員 御質問について責任を持ってお答えする立場で実はないのでございますが、私ども食糧行政を担当しております限り、米の需給の問題と生産の調整の問題には関心を持たざるを得ないのでございまして、私ども米穀の需給調整を任務といたしておる者から見ますれば、長期に見まして、わが国の米については、完全な自給の体制を確立するということが最も大事なことであると思うのであります。 ただ、多少私見にわたりますが、、わが国の耕地面積が六百万ヘクタールを割っており、人口は一億ということになりますれば、人口一人当たりの耕地面積は六アール、古いことばで六畝を切るわけでございますから、六畝の耕地の上で一切の農産物を自給するということは、現在の農業生産技術では私はとうてい不可能であるというふうに思うのでございます。その上で、できる限り総食糧の自給をはかるということが食糧政策また農業政策の努力の方向であろうというふうに思いますので、米の需給の事情が先ほど申し上げましたような事情でございますれば、ある作目について過剰があり、ある作目について非常に不足状態が深刻化していくということは、放置すべきものではないだろうという意味から、私はいろいろな政策の準備、条件の整備ということが必要と思いますが、米についての生産の調整を、農家、農業団体の理解も得られるような形で、強制すべきものではございませんでしょうが、努力をするということは、私は正しい方向ではないだろうかというふうに思っておるのでございます。 全体としての政策に何を考えるべきかという点は私から申し述べますのはいささか越権にわたりますので、官房長あるいは大臣からお答えをしていただきたいと思います。
○長谷川国務大臣 作付転換は、先ほども申し上げたとおり、決して強制的に行なわしめようという考え方はないのでございまして、畑地かんがいにしても同様であります。でありますから、御協力願える点からは御協力を願ってその方向に持っていきたい。それには、ただ作付転換をするというわけにもまいらないから、申し上げたように、その裏づけとして何らかの方法を考えなければならないのだ、こういうふうに申し上げておるわけでございます。 ただ、今日まで、足らぬ、つくれつくれというのでせっかくつくり上げてきて、お話しのとおりの状態になっておるのでございますから、もちろん、責任のあることを十分承知の上で、私はそれらの問題に処してまいりたいと考えております。
○足立委員長 関連質問を許します。工藤良平君。
○工藤委員 最初に、一点だけ農林大臣にお伺いをいたします。 先ほどから、総合農政なり食管の問題についていろいろと見解が述べられておりますが、四十四年度の予算編成にあたりまして、特に補助金の打ち切りの問題が出ておるようでございます。その中で、農業改良普及事業に対する補助金の問題も一応爼上に乗っておるようでございますが、今日まで農業改良事業が果たしてきた日本農業の中における役割りは、きわめて重要であったと思うわけでありますが、この点について、農林大臣の確固とした考え方を伺いたいと思います。
○長谷川国務大臣 先ほどからもお話し申し上げておるとおりに、作付転換をしなければならないという事態にまで追い込まれている今日でありまして、普及員は、さらに知識を新たにしてその指導に万全を期していただかなければならない時代をいま迎えようとしております。その人に対して、いろいろなお話はありましょうけれども、私は農林大臣として、それは聞き入れるわけにはまいりません。
○工藤委員 まことにそのとおりでありまして、特に、多様化してまいりますこれからの農業に対処していくためには、より一そうこれらの仕事け充実されなければならない、こういうように考えるわけでありまして、ぜひともこの問題については、農林省として全力をあげて取り組んでいたかきたい。 それからもう一つは、特にこれからの農業にありましては、財政的な問題も確かにありましょうけれども、しかし、農業の基本というものは、農民の所得、生活をどう上げるかという基本に立ってものを考えていく。しかもそれは、経済企画庁がかつて申しましたように、農外所得によって農家の所得を上げるということではなくて、やはり農業は農業の所得によって生計を立て、しかもそれを向上する、こういう原則に基づいて、次の予算編成にあたりましてはぜひ取り組んでいただきたい。こういう要望を申し上げまして、一応大臣に対する質問を終わりまして、科学技術庁のほうにロケット問題でお伺いをいたしたいと思います。 先ほど、兒玉委員の御質問に対しまして、いろいろ回答が出されているわけでありますが、今後も引き続いて四十一機の打ち上げをやる、こういうことでございます。これに関連をいたしまして、この種子島周辺に出漁いたしております漁民の所属しておる県はどの程度になりますか、お伺いをいたしたいと思います。
○木内国務大臣 所属の県その他につきましては、いままで取り扱ってまいりました高橋審議官からお答えいたします。
○高橋説明員 お答えいたします。 宮崎県鹿、児島県、大分県、愛媛県、広島県並びに高知県、以上六県でございます。
○工藤委員 先ほど、今後の種子島の周辺における漁業問題に関連をいたしまして、鹿児島、宮崎県との間において合意に達しない場合には打ち上げは行なわない、こういうような御答弁があったようでございます。そういたしますと、これらのロケット発射に伴います漁民との話し合いは、以上の二県によって代表されるのかどうか、その点を長官にお伺いをいたしたいと思います。
○木内国務大臣 先ほどの打ち上げ機数の問題は、私の承知しておるところによりますと、宮崎県と鹿児島県との交渉の際にそれが出た問題でありますので、そういう説明をしたと思うのでありますけれども、決して両県だけではございません。関係各県の漁民の方々の十分な了解を得てこれを進めてまいりたい、かように存じておる次第でございます。
○工藤委員 そういたしますと、両県を除きまして、他の県につきましてはどのような形式でおやりになるわけでございますか。宮崎、鹿児島にならいまして、すでにそういうような協定が結ばれているのか、全然別個におやりになるのか、今後結ばれるのか、明らかにしていただきたいと思います。
○木内国務大臣 聞くところによりますと、従来、この宮崎、鹿児島両県と同じようなふうにして、事前協議を進めてまいっておったそうでございます。
○工藤委員 そういたしますと、両県と同じようなということになりますと、もしも、たとえば大分県なら大分県の漁民が了解をしない、話し合いが合意に達しない、こういう場合には、ロケットの打ち上げは中止をされるわけでございますか、明らかにしていただきたいと思います。
○木内国務大臣 お答えします。 両県との話し合いは進行しておるのでありまして、私は両県とともに他の県も御了解を願えるもの、また願いたいもの、かように存じておる次第でございます。
○工藤委員 そのようになっていきますとたいへんけっこうでございますけれども、必ずしもそうはまいらないようであります。これは私は行政的な指導の方針として、後ほど長官にもお伺いをいたしたいと思いますけれども、現実に大分県では、保戸島漁協を中心にいたしまして、大島、佐賀関あるいは大入島、突きん棒漁協、こういった漁協が一斉に一月三日以降出漁する、こういう固い決定をいたしたようでございます。昨日も、私、急遽大分に帰りまして、この点で漁民の代表から強い要請を受けたわけでありますが、どうしているのか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
○木内国務大臣 お答えいたします。 おそらく私は、それは大分県に対することしの対策費の配分金額が少ないということに原因があるのではないか、かように存じております。
○工藤委員 科学技術庁は、昨年の三月以来今日まで、各県に対しまして、このロケット打ち上げの実施計画にあたりまして、各県に対する強い要請というものがなされたようでありまして、その際にもいろいろな条件というものが、具体的にはまだ示されておりませんでしたけれども、たとえば、事前協議並びに被害の補てんの漁業振興対策には万全の措置を講ずる、したがって打ち上げに協力をしていただきたい、こういうことで各県を説得しているように私は聞いているわけでありますが、その点について間違いございませんか。
○木内国務大臣 先ほども、実は兒玉委員に対して申し上げたのですが、この三月以来漁業対策について協議するために、関係各省の次官クラスをもちまして、種子島周辺漁業対策協議会というものをこしらえまして、そこにおきましていろいろ検討しまして、各県の御要望もそのときいろいろ伺いました。それを基礎にいたしまして、種子島周辺漁業対策の大綱というものを次官の会議できめました。それに基づきまして、各県に対して、ひとつ各県のこの対策事業、さっき私は三つ申し上げましたが、新しい漁場に対する対策、それから餌料の対策、それからまたさらに共同利用施設の設置事業、こういうものを講じまして、そうして種子島周辺におけるところのロケット打ち上げによる影響を、関係漁業者が克服し得るような体制をひとつ整備してまいろうというのが、この対策協議会の対策の大綱の要旨でございます。 したがって、それに対して各県からいろいろな御要望がありまして、それを見まして、それに対して、最近、私が任命を受けますちょっと前でしたが、十一月の二十九日の閣議の決定によりまして、さっきも申し上げましたのですが、三億七千二百八十二万八千円という予備費の支出をいたしまして、それを各県のほうに、その大綱に従いまして配分する、こういうことになったわけであります。それで、私が申し上げましたように、各県の要望を十分に考慮に入れましてこれを配分する、こういうことになっております。 これは、私が先ほど申し上げましたように、種子島周辺漁業の対策というものは、関係漁業者がロケットの打ち上げ実験に伴う影響を克服し得るような体整を整備しようというのが目的であります。したがいまして、当然の結果として、各県の漁業者の方々はこの種子島周辺の漁業にどれだけ依存しているか、その依存度というものが、資金の配分の結果になるものだと私は思っておるのです。そこで、その依存度をはかるにあたりましては、魚の種類、船のトン数あるいはまた漁獲高に関する農林省の統計、こういうようなものを基礎といたしまして、あるいは漁業の種類あるいは船舶の大小、それから種子島周辺の漁場に出漁していく場合の距離、小さい船ならそこまで行けないが、大きな船ならそこまで行ける、その距離等を勘案して算定してまいるべきものだと思います。 私は、かつて大蔵省の主計局長などもやっていたことがありますが、こういう資金を分けるような場合には、やはり一定の基準というものを設けて、その基準に従ってやるのが最も適当だと思います。政治的の考慮もいけません。政治的な圧力はもちろんいけませんが、それを考慮してそういう基準を設けて、その基準に従って分けていくというのが、私は最も正しい方法だと思います。 そこで、それのみならず今度の場合におきましては、これは三年間にやろうということになっておりまするので、本年度におきましては、特に年度も押し詰まっておりますので、県の要望、各県からいろいろ要望が出てまいりましたが、そのうちから、事業の内容とかあるいはその準備状況、こういうものを勘案しまして、今年度実施可能と見られるようなものをまず選定してやらなければならぬじゃないか。いろいろいい計画がありましても、年度が迫っている、準備状況から見ても今年度はできないといえば、これは来年に回してやる、あるいは再来年に回してやる、これは当然考慮される。そこで、いま申しましたような依存度を測定する基準をきめて、それに従ってやっていく。しかも、本年度は本年度の準備状況、事業の内容等を考慮に入れてきめていく。したがいまして、それによって本年度の分として配分した結果、私の聞くところによりますと、二つの県につきましては、その一定基準ではじきばなしにした数字の半分近い額ことしはやる、しかし、来年、再来年はその足らぬところをふやしていくのだ、こういうふうにしてやっていく県が二つもあるという説明を私は聞いております。 そんなようなわけでありまして、この依存度の標準をきめて、それに従って配分していくというのが最も公正妥当な方法である、かように私は考えております。しかも、それはことしだけではない。来年、再来年ということを頭に置きながらやっていくというのが最も妥当な方法である、かように考えておる次第でございます。 ところで、先ほど大分県は、ことしは絶対額が少ないじゃないか、こういうお話があったようでありますが、いま申しました基準によりますと、大分県ははじきばなしです。減らしもしてない、ふやしもしてないというのが大分県の計算です。ほかの二つの県では半分近くも減らして、よろしい、ことしは減らしても来年、再来年はふやしていこう、こういう計算になっているやに数字を見て私は思っております。しかし、詳細につきまして御説明が必要ならば、今日まで担当しております高橋審議官から、詳細に説明させることにいたしたいと思います。
○工藤委員 いま長官が御答弁をいたしましたように、具体的に船の種類なり数なり、あるいは出漁回数なり漁獲高、あるいは漁民のいわゆる就業人口とか、さまざまな要素があると思いますから、そういう要素を総合的に検討して具体的に示されて、その結果というものがこれこれの数字であるということであれば、私はそれぞれ納得するだろうと思います。ところが、その数字が、現実に今度の配分の際に明らかにされているかどうか、その点がそれぞれ各地方行政の段階まで明らかにされているかどうか、その点をお伺いいたしたいと思います。
○木内国務大臣 お答えいたしますが、私は大体されておるものと承知いたしております。また、そうすべきものであると私は思っておるんですが、詳細なことにつきましては、私は実はその交渉に当たったわけじゃありませんので、大体のことは、私が任命を受けたときに済んでおったことでありますから、詳細なことは、高橋審議官から御説明させることにいたしたいと思います。
○高橋説明員 先ほど申し上げました各県におきます事前協議の際に、ただいま長官から述べましたような、今回の漁業振興費の各県に対しますところの配分比の基本的な考え方、並びに四十三年度予備費におきまして取り上げました事業につきましての取り上げの理由、こういうようなものにつきましては、各県と事前協議いたします際に御説明申し上げました。なお、県当局とは別個に、数値等につきましても、それよりも詳細なものにつきましてお話はいたしております。
○工藤委員 積算の基礎になった具体的な資料が明らかにされていないわけであります。私は、この前、科学技術庁の課長をお呼びいたしましたところが、四十一年の農林水産統計に基づきましてやりましたということをおっしゃった。きょうは各県の報告に基づいてやりましたとおっしゃる。私はまことにけしからぬことだと思うのです。明らかにされるものは明らかにしていただきたい。その上に立って、これこれの数字になったということであれば私は了解をいたします。漁民もそういうことを言っておるわけです。県もそういうことを言っておるわけです。明らかにされていないじゃありませんか。 さらに、高橋審議官は、この予算配分の以前に、私ども現地に行ってまいりましたが、大体これこれの配分くらいになるであろうということを漁民の代表の間で明らかにしているわけです。しかも、このたび、十二月に出てまいりました金額というものはそれをはるかに下回っている。あらかじめそういうことを示唆しなければいいのですよ。そういうことが問題をこじらせ、収拾のつかないものにもつていくわけであります。事前協議なり補償の問題について、誠意をもって話し合おうという姿勢があるとするならば、なぜその点を明らかにしないのですか。私はまことにその点について心外であります。明らかにしていただきたい。
○木内国務大臣 いまお話しになりました農林統計を基礎にするということと、各県の要望を聞いて、今年事業が実行可能であるか、あるいは来年に回したほうがいいか、そういう点について事業を各県から出して、そしてその事業に対する要望を聞いたということを申し上げたのでありまして、農林統計とかそういう基本について、各県の要望を聞いたという意味ではないのでございますから、その点は混同されないようにお願いいたしたいと思います。 私が申しましたのは、依存度をはかる基準というものをきめるにあたりましては、とる魚の種類、あるいは船のトン数別、階層別、あるいはまた漁獲高、この漁獲高については農林統計、こういうものをしんしゃくして、そうしてこの一定の標準をきめた。それで大体のワクがきまっておる。その範囲内において、そして各県が、さっき私が申しましたように、このロケット打ち上げによる影響を克服し得るような体制を整備するための事業を大きく三つあげました。それでその三つの事業について、おれの県ではこういうこと、こっちの県ではこういうことでやりたいという要望を聞いたということを私は申し上げておるので、統計の基礎になる数字について要望を聞いたという意味じゃないから、その点混同されないようにお願いいたしたいと思います。
○工藤委員 私は混同しているわけではないのです。科学技術庁のほうから、説明を求めたときにそういうことを説明したと私は言っておるんです。各県の報告で積算をいたしまして、こういう結果になりましたということは、いまここで初めて私はお伺いしたわけです。配分の基礎は何で配分をいたしましたかと、私がお呼びして聞いたときに、係官は、四十一年の農林水産統計を基礎にいたしましたと言った。そこで、それでは種子島周辺にどのような船が行ってどのような漁獲高があったかということは、農林水産統計に出ておるかということを私は調べたけれども、それは載っていないわけです。したがって、おそらくこれは各県から報告をしたものに基づいて積算をしたものであろう。私も農林省の出身でありますから、統計の見方くらいはわかるわけであります。私は決して混同しておらないわけです。ですから、積算の基礎を明らかにしなさい。農林統計なら農林統計で出したものでもいい、県の報告なら県の報告でもいいから、これに基づき農林統計で実はいろいろ検討しまして、最終的にこういうような配分の基礎を算出したということであれば筋が通るわけです。私は長官のおっしゃることはわかるのです。しかし、現実の問題としてその点がよくわかるように説明をしないし、資料も示されていないからこそ私はそれを明らかにしていただきたい、こう言っておるわけです。
○木内国務大臣 別に混同されたのではないということを伺いまして、私は非常にけっこうだと思うのですが、私の申しましたのは、この依存度をはかるものさしとして、そのときに農林統計も用いたし、船の種類も用いたし、魚の種類も用いたし、漁獲高も用いたし、船の大きさも用いたということで、それはいろいろな表にしましてやってあることを私が見まして、おおむね妥当だと私は判断しました。私はあとから見たのですが、それは大体妥当だと思ったのです。それではじいた数も、大体いまお話しになった大分県についてはこの金額ぐらいになる、その範囲内においていろいろな事業の要望を伺ってそれを調べ、この事業はけっこうな事業だけれども、ことしはあなたのほうは準備が足らぬではないか、ことしは間に合わぬではないか、来年に回したらどうか、こういうようなことを各県ごとについていろいろやって、事業の要望を出してもらって、それに基づいてそういう検討をしたということを申し上げたのであります。そうしてある県においては、それはことしできないなら来年に回そうということで、さっき申しましたように、その依存度によってはかった金額よりもはるかに下で半分近い金額までことしは下がっておるが、来年はふやす、またある県についても、そうやってはじきっぱなした依存度の計算よりも少ない金額でことしはいいが、来年はこうしてもらいたい、こういう要望などが出ておるような状態です。 なお、詳細なことは、交渉の任に当たりました高橋審議官から説明をさせることにいたしたいと思います。
○工藤委員 それでは、先ほど長官が補償といいますか、漁業振興対策費の配分についての三つの条件といいますか、餌料対策事業、新漁場の調査事業、共同利用施設、大きくこの三つの要素に分けて調査して配分をいたした、こういうことをおっしゃったわけでありますが、その点について……。
○木内国務大臣 ちょっと補足させていただきたいと思いますが、そのほかに、先ほど申しましたように、新漁場に漁船が行くためには漁船の近代化をはからなければならぬが、それに対する利子の補助というものは、来年度の予算要求として大蔵省のほうに出しております。これは、先ほど兒玉委員に対して御説明申し上げたと思うのですが、そのこともつけ加えておきたいと思います。
○工藤委員 その点で、配分の際に、たとえば餌料対策事業あるいは新漁場の調査事業とそれぞれの項目に分けまして要請が出ておる。しかし、本年度は共同利用施設だけでよろしいというようなことが、折衝の過程の中でお話があったのかどうか。私の聞いておる範囲では、大分県の場合には、三つの最小限これだけは何とかしてほしいという要請を出して、ロケットの打ち上げに協力しましょう、こういうことを申し上げた、こう聞いているわけであります。しかし、最後的に今度示された内示というものは、残念ながら共同利用施設の七百三十何万円という程度に終わってしまった。そういうことが、漁民に非常に大きな反感を買い、たいへんな事態を起こそうとしているわけであります。そこら辺、ほんとうに誠意をもって話し合ったとするならば、その誠意を具体的に数字をもって示していただかないと、まあ来年度何とかしましょうということでは、おさまらないわけであります。その点を明らかにしていただきたいと思うのです。
○木内国務大臣 いま私が御説明申し上げましたことによりまして、必然的な結論として出てくることは、私は二つあると思うのですが、一つは依存度の測定です。いろんなものの依存度の測定によってそろばんをはじいた金額がここに出てくる。大分県の場合は、はじきっぱなしそのままの金額でまっておる。それが一つの制約で、これは各県ごとですよ。ある県については、はじきっぱなしの金額でもことしはいいということがある。それはなぜかというと、第二のものさしといいますか、ワクがあるわけです。その範囲内においていろいろ事業の希望ばあるけれども、それは事業の準備状況、事業の内容等から見て、ことしはどうもこれはできないじゃないか、年も迫っておりますから。そういうものも除く。この二つの要素がかみ合って、そして金額が出てくる。 ところが、大分の場合には、初め申し上げた依存度のものさしではかったそのままいっているわけです。ですから、故意に減らしたわけじゃありませんけれども、絶対額が少ないというので、御不満な点は私はあると思うのですが、この計算の基礎を申し上げますと、そういうふうになっているように、私はあとからこれを調査しまして、さように感じておるわけです。 なお、詳細のことは高橋審議官に御説明さしていただきたいと思います。
○高橋説明員 長官から基本的な考えを申し述べましたので、それでは、本年度大分県に対しまして、私どもが漁業振興費を一応内示いたします際に考えました考え方の基準というようなものを申し上げたいと思っております。 先ほど長官から御説明のございましたように、私ども考えます場合には、第一は、当該水域に対しますところの依存度の問題、それから予備費の性格上、事業の内容やあるいは準備状況等を勘案いたしまして、本年度内に実施可能であるということ、それから集団操業施設につきましては、共同利用のたてまえから、これは各県当然一律でございますけれども、一定の基準、たとえば御要望が、全隻につきまして、例示して申し上げれば、方探等をつけるということにつきましては、五隻に一台の配分というような基準をとったわけでございます。 大分県からは、九月の十二日に県知事の名をもちまして、県の漁連のほうでおまとめになりました各県傘下の単協の漁業振興に対するところの要望の事業内容のお示しがございました。申し上げますれば、一つは餌料の運搬船三十トン級三隻の建造並びにこれの運航費でございます。それから無線機の設置、方向探知機の設置、魚群探知機の設置、これは、いま申し上げましたような共同利用施設でございます。それから救命いかだの設置、それから六番目といたしまして新漁場開発の調査、以上でございます。 その中で、私どもが今回の査定につきまして考えました点は、先ほど申し上げましたように、年内におきますところの完成を考えました場合におきまして、餌料の運搬船の建造ということの時期的な問題と、それから、餌料の運搬船を建造いたしますのにかかわりませず、県内におきますところのいわゆる餌料の需要供給体制というものが制度的にでき上がっているかどうか。たとえば、いけすを設置いたしましたり、あるいはなまえさを買ってきたりするような、この流通というような点の県内におきますところの需給制度というものが確立しているかどうか、そういう点。それから共同利用施設につきましては、先ほど申し上げましたような基準でいたしたわけでございます。それから救命いかだのような、いわゆる救急的な施設につきましては、これはお知り置きのとおり、ロケットの発射と申しますものは、事前に告示をいたします。あるいは水路通報等でも示します。打ち上げの際には、海上保安庁その他によりまして十分に警戒水域を警戒いたしまして、漁船が一隻たりとも当該落下水域におります際におきましては、発射はいたしません。そのような観点に立ちました場合におきまして救急施設というものが、ロケットの打ち上げと直接関連をつけるということを、財務当局が十分に理解し得なかったわけでございます。これは、高知県等からも同様な強い御要望がございましたけれども、今回におきましては、これにつきましては見ておりません。それからなお、新漁場の調査につきましては、突きん棒の漁場転換のために、東シナ海のほうに県の調査船以下十一隻でございましたか、調査をするということでございます。私どもも漁場を制限いたしますために、漁民の方が新しい漁場をお求めになるということにつきましては、これは積極的に考えておりますけれども、九月の段階にお出しいただきました基本計画等につきましては、なお不明確な点がございまして、私どもはその内容につきましては十分に承知することができなかったのでございます。 繰り返しになりますが、したがいまして、今回内示をいたしましたものにつきましては、共同利用施設につきまして全国一律の基準、たとえば五隻に一台というようなことにおきまして魚探、方探等の補助を考えました。以上のような考えからいたしまして、今回の補助額が、先生お示しのとおり七百万円程度になったものでございます。 なお、先ほどの御質問の際に、私が現地に参りまして、事前に予算のワクと申しますか、そのようなものを示唆したというお話がございましたけれども、私どもが大分へ参っておりますのは、たしか八月の二十八日だと思いますけれども、予備費が決定いたしましたのは十一月の二十九日でございますし、先ほど申し上げました一般的な漁業振興に対しますところの見解を述べましたけれども、金額につきまして申し述べましたことはございません。 なお、今回は十二月の四日に現地に参りまして、県並びに漁連の方々とお目にかかる機会を得ましたわけでございますが、その時点におきまして初めて、先ほどお示しの七百五十万円という数字を示したわけでございまして、なお事務的には、閣議決定を経ました十一月の二十九日の現時点におきまして、県のほうにその金額は内報いたしたものと思いますけれども、その事前に、私どもから、一定のワクなりあるいは見込み額というようなものを、特に私が現地に参りまして、そういうようなお話を申し上げた点はございませんので、御了解置きを願いたいと思います。
○工藤委員 それでは、この問題について先ほど私が申し上げましたように、この積算の基礎になった数字というものをぜひ明後日の委員会までに出していただきたいと思います。もうすでに配分を終っているようでありますから、その点はぜひ明らかにしていただかないと、私どもが県なり漁民を説得する際にも非常に困るわけでありまして、その点は、ぜひ委員長そのように取り計らっていただきたい。 それから、先ほど長官からお話がございましたが、この合意に達しない場合、発射をしないということでありますけれども、これが鹿児島、宮崎県の場合には、知事との間にいろいろな協定が結ばれておるようでありますが、他の県の場合にどうされるのか。その点を明らかにしておいていただかないと、一月の三日からはすでに保戸島の漁協は出漁するということが総会でもきまっておりますけれども、他の漁協もそれにならって一斉に九日、十日あたりから出漁いたしますので、そういう問題が提起をされておりますから、その点、今後どうなさるのか明らかにしておいていただきたいと思います。
○木内国務大臣 お答えいたします。 私どもは、いま御要望のありました計算の基礎などをよく御説明申し上げて、そうすれば十分に御納得がいくことだろうと思うわけでございます。そうして御納得を得て円満にロケットの打ち上げが行なわれるように、ひとえに御協力をお願いしたいと思います。 何ぶんにも、先ほど兒玉委員に対し申し上げましたように、こちらのロケットの打ち上げがたいへんおくれておる。そこで、四十六年度までには電離層観測衛星、四十八年度までに実験用静止通信衛星、それに対する開発のために、一月の初旬から二月の中旬まで、これは閑漁期といいますか、そのときに打ち上げるのが最も適当だろうと思って、そういうふうに下相談いたしまして、そうしてこれによって打ち上げまして、いままでのおくれをひとつ取り返していきたい、かように存じておりますので、工藤委員におかれましても、ことに地元と密接な御関係があるようでありますから、ひとえに御協力をお願いして、円満に打ち上げが実行できますようにお願いいたしたいと思います。 なお、私からこの際特に申し上げておきたいと思うのですが、さっきからも繰り返し申し上げたことで御了解願っておるかと思うのですが、現在の配分根拠、事業の性格などいろいろありますから、ことしはこうですけれども、来年度以降については、私は御要望の趣旨を十分尊重いたしまして、ことに絶対額も少ないのでありますから、できるだけ御要望に沿うように努力いたしたい、こういうお約束を申し上げることを決してはばからないのでありますから、どうか工藤委員におかれましても切に御協力のほど、地元の御説得にひたすら御協力を賜わらんことをお願いいたしまして、私のお答えを終わりたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
○工藤委員 この問題については、まだまだ私ども現地を説得するだけの実は了解を得るまでには至らないわけでありますが、特に一月になりますと重要な段階が起こってまいると思いますし、各県漁協に非常に大きな行き違いもあるようでありますから、これはやはり行政指導の問題として私はきわめて重要な問題だ、こういうように考えているわけであります。したがって、この問題については、たとえ小さい漁協であろうともこれをおろそかにしてはいけない、こういうように思うわけでありまして、今後宮崎あるいは鹿児島等と同様な、やはりいろいろな協定等も必要になってくるのではないか。県に対して了解を求めて、それで漁民を説得するという段階は、この問題をもって容易なことではないということを私は察知するわけでありまして、この問題については、ぜひとも今後ともより積極的な取り組みというものをやっていただかないと、ロケットの問題につきましても重大な段階を迎える、こういうことを私は一言申し上げまして、今後時期を見まして、またその資料等の提示を見まして検討してまいりたい、こういうように思うわけであります。
○木内国務大臣 工藤委員のお立場と御要望よくわかりますので、私もこれが円満に遂行されるように最善の努力をいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○工藤委員 終わります。
○足立委員長 なお、先ほど工藤委員から御要求がありました資料は、明後日の委員会に科学技術庁より御提出を願います。 次回は、来たる十日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十三分散会