内閣委員会 第3号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1968/12/19
会議録
○三池委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、以上の各案を一括して議題といたします。 質疑の申し出がありますので順次これを許します。鈴切康雄君。
○鈴切委員 総務長官にお伺いいたしますが、私どもはどこまでも人事院勧告の完全実施をやるのはこれは当然の政府の責任である、このように主張しているものでありますけれども、一昨日以来、当委員会、国対のいろいろの折衝の過程を重ねて、八月実施という政府から提案されたことに対しての前進の意味をもっての話し合いがなされている。その結果、心配された十八日の公務員共闘会議の第二波、実力行使が回避されたということは国民としてまことに喜ばしい次第だと思うわけでありますが、それだけに、いよいよ来年は完全実施するに対しては見通しも非常に明るくなってきたんではないかと思うのです。来年度において、政府は人事院からの勧告が出された場合にはどのような態度で臨まれるかお伺いいたします。
○床次国務大臣 来年度以降の処置につきましてはまだ十分に検討を尽くしておりません。今後、予算審議と相まって具体的な方針をきめてまいりたいと思う次第であります。
○鈴切委員 実は、たしか十二月十三日の閣僚会議での確認事項として、今後の公務員給与の取り扱いについては人事院勧告を尊重し、その完全実施に努力するという基本方針を再確認した。いままでの政府の考え方から一歩も出ていない。当委員会におきまして同僚議員が質問をされたことに対して田中総務長官が、来年は人事院勧告は完全実施するという考えに立った上で、どの勧告方式がよいということでなければ全然話が進まないので、そのことで話し合っていますということから比べると、むしろずいぶんと後退しておりますが、尊重ということは、田中総務長官と同じ考えをとっている、そのように受け取っていいかどうか、そのことについてお伺いいたします。
○床次国務大臣 ただいまのお話でありまするが、過般の関係閣僚会議の決定いたしました方針にいたしましても、今後の公務員の給与の取り扱いについては人事院勧告を尊重し、その完全実施に努力するという基本方針を再確認したというわけであります。 なお、いかにして完全実施をするかというやり方等につきましては、いまの勧告方法その他にも関連いたしまして検討中でありまして、まだ具体的の結論は得ていないのでありまして、これはやはり予算の決定をいたしますまでの間に結論を得るように努力したいと思っておるわけであります。
○鈴切委員 いやあなたがいまおっしゃったことは、私はよく承知をしていま申し上げたとおりであります。しかし前任者の田中総務長官は、同僚の大出議員からの質問に対して、来年は人事院勧告は完全実施をするという考えに立った上でどの勧告方式がよいかということでなければ全然話が進まないので、そのことで話し合っていますというふうに言われたということは、これは国民のほうから言うならば、完全実施をするという一つの公約に受け取れるわけであります。それに対して今度は大臣がかわられて、給与閣僚懇談会において話し合ったところが、また従前どおり、人事院勧告を尊重する、そういうことばでお茶を濁されているという状態なれば、これは私は大きな後退だと思うのです。その点について、田中前総務長官が言われた人事院勧告を尊重するという意味、このことについてあなたと同意見であるかどうかということ、このことについてお伺いいたします。
○床次国務大臣 総務長官といたしましては、これは公務員の給与を担当する立場でありますので、できるだけ完全実施をしたいという考え方でありまして、この点は田中前総務長官のお話と私同じ考え方を持ちまして、努力を続けてまいりたいと思う次第であります。先ほど申し上げましたのは、関係閣僚会議としてさような形を本年度におきましてはとってまいる。まずさしあたりの方針としていまその程度まで進んだわけであります。最終的にはまだまだ総務長官といたしましては大いに努力をする余地が残っているのだと思います。
○鈴切委員 どうもそこのところがはっきりしないわけですけれども、総務長官がおかわりになるということは当然それに対する引き継ぎというものはあるわけであります。その中において、少なくとも当内閣委員会においては再三給与問題についての論議がかわされており、また重要な発言というものについては少なくとも政府の中においてその引き継ぎがなされておるということは当然だと私は思うのです。そうした場合に、そのときに言われた田中前総務長官の公務員に対するところの完全実施という約束、公約に受け取れるそのことばというものは、重要な一つの発言であるわけであります。それに対して今度は床次長官がおかわりになりますと、また従前どおり、人事院勧告を尊重する、いつもやらない人事院勧告の完全実施のほうにまた一歩後退をするという考え方、これでは公務員は納得がいかないわけであります。ゆえに、その点について田中前総務長官の考えとあなたの考えは全く同じである、そういうふうに現在思われているかどうか、そのことをお伺いします。
○床次国務大臣 完全実施の方向に努力するという基本方針ですが、この点につきましては私も前田中総務長官も変わりありません。田中前総務長官の方針を引き継ぎまして、私も努力いたす覚悟でございます。
○鈴切委員 それは来年度ですよ。来年度完全実施をする、こういうことは入っているのですからね。それに対して、あなたはそのとおりですね。完全実施をするということを公約されますか。
○床次国務大臣 田中前総務長官は来年度の予算に対しまして実現に努力するという決意を述べられたのだと思います。私どもこれから予算編成に当たるわけでありますが、今後の予算編成の際におきましてできるだけ努力いたしたいと思う次第であります。
○鈴切委員 田中前総務長官はむしろあなたより決意を新たにした答弁を実はされているわけです。それはあなたが委員会議事録をごらんになればよくわかるわけでありますから、よくごらんになってください。その受け継ぎが一番大切な問題でもあるし、少なくとも公務員は田中前総務長官のことばは来年度の公約だ、そのように受け取っておるわけでありますので、もう一度よくごらんになっていただきたい、こう思うのです。 そこで政府は、口では人事院勧告を尊重すると常に言っておりますけれども、完全実施されないということはもう二十回にも実は及んでいるわけであります。それでは決して尊重ということには実はならぬと思うのです。完全実施を尊重するということは、これはやはり完全実施ということに対して少なくともその努力の実相というものがあらわれてこそ初めて完全実施を尊重したということになるのです。今年度の給与勧告については、国の諸施策のバランスを考慮に、既定方針どおり処理するほかはないといっても、政府が実際にやる気になればやれるということが、もはやだいぶ煮詰まってきている時点であります。そうなってきますと、裏を返しみると、人事院勧告の完全実施ができないということは、いままで政府・自民党の政策というのは所得政策の何ものでもなかったのだというふうに公務員にはとれるわけでありますけれども、その点について……。
○床次国務大臣 先生も御承知のごとく、政府が完全実施をいたしますにあたりましては、今日までの予算の編成過程から申しまして、年度の途中において勧告を受けるために多額の財源を必要とするというところに実施上非常に困難があり、これを、何とかその困難性を少なくしたいという意味におきまして、人事院勧告のあり方あるいは予算編成のあり方等から検討したいという研究を別途にやっておるわけでございまして、この点はやはり今後も検討を続けてぜひ結論を出すようにいたしたい、そういう問題が一つあるわけです。 それから、ただいまお話しの本年度の予算におきましては、すでに総合予算主義もとってあります。したがって、勧告を受けまして、従来よりも一歩前進したところの通勤手当は五月に実施するという、従来よりはかなり改善のあとが見えるわけであります。しかし、給与全体に対する完全実施につきましては、すでに申し上げましたごとく、政府の諸施策のバランスというものがありますので、五月からは実行できない。やむを得ず八月でもって処理せざるを得ないという態度を今日とっておる次第であります。 なお、政府が法案を出しました後にいろいろと動きがあるように承っておりますが、まだ具体的な形において私ども承っておらないのでありまして、具体的な御意見等が出ましたならば、これが政府の諸施策にどういう影響をするかということも考える余地があるのかとも思いますが、この点はまだ私ども承知しておりませんので、いずれ皆さま方国会のお動き、御意見等も具体化したものを伺いまして、それについて意見を申し上げたいと思います。
○鈴切委員 政府は、いつも給与の問題になりますと財源がないということを理由にして不完全実施ということになっておるのですけれども、給与というものは要するに財源があるとかないとかいうことだけできめられる問題であるかどうか、そういう性質のものであるかどうか、それについてお伺いします。
○床次国務大臣 この点は、御承知のごとく年度初めにおける予算編成におきまして、給与も考えまして予算を組むわけでありますが、何ぶんにも年度途中からの勧告でありますために、その財源というものに非常に困るというのが実情なのであります。この点はいろいろと各方面のことを考慮しなければならない。今日政府において考えておりますのは、先ほど申し上げましたように政府の諸施策のバランス、均衡を考えてやってみたのですが、何とも給与の財源が出なかったと申しますか、既定方針どおり実施せざるを得なかったという結論になったわけであります。
○鈴切委員 人事院総裁にお伺いします。給与というものに対しては、要するに財源がないからできないというふうな性質のものであるか、少なくとも給与に対してはどのようにして財源を捻出するものであるかということに政府は意を尽くすべきであるか、そのことについて、私はどうもいまの総務長官の話では納得がいかない点があるのです。その点がまず一点。 それから、現在のこのいまやっている人事院勧告の制度で、はたしていま総務長官が言われるように完全実施ができないものであるかどうか。私はやる気があればできるというふうに感ずるのです。その点ひとつ人事院総裁のほうからお伺いしたいのです。
○佐藤(達)政府委員 財政との関係については、私どもの立場としてはこれは当然のことでありますけれども、国の財政が極端な破綻に瀕しているというような場合はこれは別でありますが、そうでない限りはできるだけといいますか極力いまのあとにお話しいただいたような形で最優先的にこれを扱っていただくのが当然のことであろうという気持ちで臨んでおるわけでございます。 第二段の現行制度の関係は、これは他の機会にも申し上げたと思いますけれども、私どもは、現行の勧告のやり方をもってしても完全実施は可能であるということはもうたびたび申し上げてきております。その一番手近な例として公労委の仲裁裁定はいかがでございましょう、公労委の仲裁裁定は御承知のとおり年度半ばの五月に入ってから例年なされております。しかも、その裁定による経費は、ちょうどわれわれ一般職の公務員について、それ以外の者も含めてでありますが、われわれの勧告が五月にさかのぼって実施されるに必要な額と同じような程度の多額の経費を伴う仲裁裁定が下された。それが原則として、ほとんどもう補正などおやりになった例はないのであります。みな当初予算のやりくりだけで四月にさかのぼって完全に実施されておる。仲裁裁定の予備裁定なんというものは聞いたことがございません。そういう意味で、あれができるのならばわれわれのほうもどうしてああいうふうにいかぬものでございましょうかというのがかねての念願であり、財政当局にもかねがね申し上げてきたところでありますけれども、それはそれとしていま総務長官のおことばにもありましたように、とにかく年度半ばは迷惑だというおことばはこれはこれとして、われわれも謙虚に承っていいのじゃないか。そういうことからいきますと、予算編成時に何らかの行動をとり意思表示をしてもらうという方向へ話が進んでまいります。これとてもわれわれは前からそういう案を伺っておりましたけれども、これはまたいろいろ欠点がございます。したがって、人事院としてはそれはとても踏み切れないということで、実は現状維持の立場をずっと貫いてまいりましたけれども、いよいよ最近になりましてわれわれもやはりできるだけの反省はして、そしてできることなら政府側の要望に沿った形をとって、それによって完全実施が保証されるというならば、これは公務員諸君のためにもそれでいいのじゃないかというところまで踏み切って、ある意味の予備勧告というようなことをやることもやぶさかではないというところまで心境が進んできて、それが御承知の前回の閣僚協議会の議論の最後の段階まで出てきた問題点ということになっているわけであります。
○鈴切委員 長官、私は社会通念としてひとつ考えたい、常識論として考えたいと思うのです。たとえて言うならば、商店にしたって会社にしたって、人を使うという場合においては、当然それに対しての給料というものが約束されて入るわけであります。そして働いた、働いたけれども、その働いた後に、おまえどうもおれのうちは少し金がないから値切るのだ、こういうことで、はたして社会通念としてそれができるかどうかという問題、それを考えたときやはり公務員諸君だって私は同じじゃないかと思うのですよ。国民のために公僕として一生懸命働いておられる、完全実施はもう当然のことだと思うのですよ。それに対していまあなたが、財源が途中半ばにして組み込まれるためにどうも完全実施ということに対して問題があると言う。それに対してまた人事院総裁が、完全実施ということばを約束されるなら私どもはどんな困難をも克服して、その確約があるならばやろう、こう言うのですから、どうですか来年度は踏み切ったら。ぼくはいいと思うのですが、その点どうですか。
○床次国務大臣 ただいまのいわゆる予備勧告とでも申しまするか、事前に勧告いたしまして必要額を予算に計上するという方法、これはいろいろの案がいま出ておるのでございまして、人事院総裁からもいろいろ御意見を承っておりまするが、まだ最後的に結論に到達しておらないのでありまして、これが円満なと申しますか実行ができる話し合いになりましたならば、私は非常な進歩が期待できるんじゃないかと考えておるわけでございますが、現在のところこの各種の案につきまして検討中でございまして、いずれこれは予算の編成とともに並行して審議を進めてまいりたい、今日ちょっと中断している形でありまするが、さらに議論を詰めてまいりまして、そうして結論を得るようにいたしたいと考えておる次第であります。
○鈴切委員 公務員のスト権あるいは交渉権も認めていない、完全実施も尊重するという、そういう名の隠れみののもとにおいていつも実行されていない、人事院というのは御承知のとおり政令二百一号によって公務員、労働者から団体交渉権と争議権を奪うその代償として中立的な第三者機関として設立された以上、公平かつ公正に公務員の給与を決定するためにも、また勧告が当然全面的に実行されなければならない、これはぼくはあたりまえだと思うのですが、その点についてあなたはどのような御見解をお持ちになっておるか。
○床次国務大臣 人事院の働きにつきましては、御意見のように私どもも十分これは尊重すべきものと思うのでありますが、何ぶんにも人事院の勧告が予算を執行しました後に出てまいりますために穴埋めをしなければならぬ、当初から払うべき人件費を値切って予算を計上しているわけではないのであります。そこへ現実と勧告との間に現実的において差ができて、その差をどうやって調整するかということがいま問題なんです。したがって、今後はなるべくそういう摩擦というものが生じないような方法がとれないものかという意味におきまして、勧告のあり方等につきましても御相談をしているという段階であります。人事院の御主張になるように勧告が出れば必ず予算でどんどん出せばいいじゃないかというような予算の状況であるといいのでありますが、なかなかそうはいかなかった、したがって両者が歩み寄りまして予算編成のときに何とかうまくいく方法はないかといって、その案を研究しているのが現在の一つの時点でございます。
○鈴切委員 どうも勧告を出されてもさっぱり完全実施をされない、こうなるとやはり公務員というものは決してそれに満足するものではないと思うのです。それが勧告制度に問題があるというならば、私はこの勧告制度というものに対して大いに考えればいいと思うのです。どうですか、スト権、交渉権、認めるつもりですか。
○床次国務大臣 今日さようなことは考えておりません。ただ公務員制度審議会等におきましてもこの点は検討の問題であると考えておりますが、現在におきましてはそういう状態でございませんので、むしろ勧告のあり方、予算との関係を調整することが一つの現在の時点の問題点である。私はまだまだこの問題は詰めてみる必要がある、現在はちょうどその話が途中まできて最終的な詰めができてない状態である、かすにもうしばらく時間をいただきたいと思う次第であります。
○鈴切委員 一方先ほど人事院の総裁から話がありましたように、公労協職員は仲裁裁定どおり本年四月一日から完全実施をされております。それはやはりそれなりの努力を払っているということですね。総務長官すでに御承知のとおりであります。かなりの努力を払ってこの完全実施に踏み切っている。要するにこの現在の公務員の場合においては、完全に差別的な取り扱いを行なわざるを得なかった、そういう理由について当然公務員に納得さすべき責任が政府にあると私は思う。その点、それについて政府は今後どのような努力と説得を行なっていくか、お伺いします。
○床次国務大臣 ただいまお話しになりましたように、公共企業体と政府とは若干差があるのでございまして、同じような経理方針にはまいらないところに悩みがあると思いますが、今後におきましては、やはり先ほども申し上、げましたように、完全実施をするということは私どもの大きな努力目標だと思います。この努力目標に向かってあらゆる機会をとらえて前進してまいりたい。ことしも通勤手当につきましては前進しておるわけでありますが、機会あるごとにこれを前進させて、そして完全実施に沿うようにいたしたいと思うのです。しかしなお、完全実施をするためには、現状のままにおきましては案外壁が少なくない。したがって、人事院のほうとも話し合って、この壁をもう少しスムーズに乗り切る方法はないかという点を相談中でございまして、私どもの気持ちにおきましては完全実施の方向に向かって努力しているという点につきましては十分に御理解をいただきたいと思います。
○鈴切委員 公労協にしても公務員諸君にしても、要するに親は同じじゃないかと私は思うのです。親は同じで子供が差別待遇をされておって、それに対して子供は満足がいくわけはないじゃないですか。その点どうですか。
○床次国務大臣 同じ親、同じ子供で同じように扱ったらどうかという御趣旨だと思いますが、今日公共企業体と国家公務員との間には、やはり予算等の仕組みがだいぶ違っておると思います。この点に関しましては、どういう努力をして完全実施しているか、また公務員のほうはどういう関係でできないかという理由もいろいろあるかと思います。この点につきましては、他の政府委員のほうからお答えいたしたほうが適当であろうと思います。
○海堀政府委員 先生もう御存じと思うのでございますが、一般職の公務員は、給与については人事院の勧告に基、つきまして政府が法案を国会へ提出して処理いたしております。特別職の職員につきましては人事院の制度もないわけでございまして、政府は人事院勧告に準じまして、一般職の職員と均衡を保持して法律上処理をしておるわけでございます。公共企業体等職員につきましては、それに関する労働法規がありまして、当事者間での交渉、その交渉がまとまらなかった場合に仲裁裁定によって一応給与が決定されるわけでございますが、予算上、資金上不可能な場合には国会にその旨を御報告することになっております。ただ先生御存じのとおり、その給与を処理するために必要な金額につきましては、片方は税金という形の国民負担でございますし、片方はそれぞれの料金なり、要するに受益者の負担によって処理がなされているわけでございます。したがいまして公社等につきましては、その年度の経済見通しに基づく事業計画なりに基、、つきまして妥当な予算を編成してあるわけでございまして、その範囲内において仲裁裁定が必ず実行できるという保証があるかどうかという問題は、その仲裁裁定のいかんと業務運営の見通しによるわけでございまして、仲裁裁定が完全実施できているから今後とも必ず完全実施ができるかどうかという問題になりますと、これはたとえば収入がそれだけ出るか、あるいは経費の節減ができるか、あるいは工事費をある程度——たとえば損益から工事費へ繰り入れている分をそれだけ削減することによって工事に支障を来たさないか、そういうふうな問題を全部考えまして、現在のところ完全実施ができているということでございまして、将来とも必ず完全実施ができる保証があるということではなかろうと存じます。
○鈴切委員 国民は、そんなあなたのような理論については聞こうとしないわけです。むしろ、たとえていうなら、お隣は公労協の職員だ、こっちは国家公務員だ、ところが片一方は完全実施をされているし、相当喜びを笑顔にあらわしている。ところが隣の公務員のほうは、いまだに何ら誠意ある回答を得られないままに不完全実施というふうな状態でずっときているということ自体、これはやはり国民感情、少なくとも親は一人で子供はそういうふうな状態で、おのおのの立場は違うにしても、その点においては私はどうしても差別はなくしていかなければならないものであるというふうに思うのです。その点についてどう思いますか。
○床次国務大臣 ただいまも政府委員から御説明申し上げましたように、企業体の会計と国の予算とは若干差があります。また身分等におきましても差がありますので、いわゆる広い意味の親心から申しますならば、全く同じように、片方が上がりまするならば、片方も勧告によりまして完全実施するというふうにそろえること、これは全くごもっともだと思うのでありますが、現在の状態におきましてはなかなかその差を詰めることが困難であります。だんだん詰めてはきておりますが、依然としてその間の差が残っている状態であります。できるだけ早くこれを詰めるように努力するということにつきましては、御意見のとおり私どもも詰めるように努力をしてまいりたいと思う次第であります。また具体的に詰め得る、従来以外の方法等を考慮している、検討しているということは先ほど申し上げたとおりであります。
○鈴切委員 あなたもそうおっしゃるのですが、このような不完全実施を繰り返しますと、世論の動向は、政府は悪いというふうになってきます。そして法律の権威も事実なくなってしまうような結果になる。政府の権威を落とし、政府を悪とする、そういうところに学生等の反体制運動のムードを政府みずからがかもし出す結果となっている。その影響というのは私は非常に重大だと思うのです。この問題は単に財政問題というのでなくて、国全体の政治問題として考えていかなければ ならない時点になってきたと私は思うのですが、もう一度その点について……。
○床次国務大臣 公務員給与の完全実施ということに関しまして、政府といたしましても、もっともっと国民の方々に、なぜそうなっているのか、またどういうふうに行なりておるのかということに対しての徹底を求めるという努力におきましては、私はまだ国民が十分その点を理解しているとは思わないのであります。絶えず政府が弁明をしておる、そうして政府が完全実施しないのだからストはやむを得ないのだというような形になりますことは、私どもは絶対に避けたいと思っておるわけであります。この点は国民の理解の程度でございますけれども、私どももできるだけ現状を理解していただくように、さらに努力をいたしたいと思っておる次第でありますが、もとより公務員に対しましては、その趣旨において十分に理解を求めておりまして、今回の際におきましても、ストを行なうことに対しましては、私から警告を発しております。十分に公務員の立場、身分を自覚いたしまして、情重な態度をとるように反省を促したのでありますが、幸いにして今回はストの中止が行なわれましたことは、お互いにこの点はよかったと思います。しかし仰せのとおり、いつもそういう現実から政府がよくないのだからというような感じ、これが政治不信につながるようなことにつきましては、私どもも厳に慎しまなければならないと思う。したがって、先ほど申し上げましたような方法論になるわけで、すぐに端的に完全実施まで行き得ない。しかし別の角度で完全実施がうまくできる方法を検討して、今後はさらっと国民にも理解できるような方法はできないだろうかということを検討しているわけであります。今後ひとつその検討を続けまして、できるだけ国民に対しましても信頼を得ると申しますか、なるほどもっともだという形、また働くほうの公務員自体も不満を持たないようにいたしたいと思う次第であります。
○鈴切委員 いまの総務長官のおことばを聞いていますと、やる気があればできるのだ、しかもやる気なんだというふうにとっていいですか。
○床次国務大臣 やる気の内容が幾つも方法論があるわけであります。私どもは、従来の勧告というもののあり方そのものにつきまして、もう少し政府に完全実施しやすいような方法でもって行なわれれば、これは完全実施もそう困難ではないと思う。ただ現状のままでもって全部五月までさかのぼって実施しろといわれると、現状ではまことに困るのだという状態でございまして、何とかその点の歩み寄りと申しますか妥結策というものを今後努力をいたしたいと思っておる次第であります。
○鈴切委員 そうなってくると、勧告のしかたに対していちゃもんがつくようなかっこうになるわけでありますけれども、それについて人事院総裁は、現行勧告制度であってもやればできるのだ、こういうふうにはっきり言っているわけですよ。総務長官はいまの勧告の制度がどうも思わしくない、こう言うのですけれども、人事院総裁、あなたは、もしも完全実施を約束されるというなら、あらゆるどんな苦労をしても、その勧告に対しては今後その方向に向かって進んでいく御決意ありや、それについてお伺いします。
○佐藤(達)政府委員 何が何でもという気持ちは確かに持っておりますけれども、筋が通らぬことだけは絶対にしたくない。筋の通る範囲内において何とかいたしたい。また政府の御便宜になるようなことなら協力いたしましょうという気持ちでありますけれども、ただし、勧告のやり方を変えたために、いままでわいてこなかったお金がわいてくるというならば非常にいいのでありますが、実はその保証はないものですから、大きな根本問題がそこにあるのじゃないか、私はそう思います。
○鈴切委員 勧告の時期、実施時期の問題について人事院の基本的態度をどのようにお考えになっておりますか。
○佐藤(達)政府委員 ちょっと御趣旨がはかりかねましたけれども、勧告をいたしました以上は、その責任者といたしましては、これはぜひ勧告どおりに五月にさかのぼっていただきたい、これに尽きるのではないかと思います。
○鈴切委員 給与関係閣僚会議におきますところの人事院の立場はどのような態度でお臨みになっておるか、その点についてお伺いいたします。
○佐藤(達)政府委員 従来、同様の会議が二、三回前にも行なわれたことがありますけれども、実はそういう機会においては、われわれは現状維持の立場を貫いてきたわけでありますけれども、先ほども申し上げましたとおり、最近の閣僚協議会においては非常に柔軟な態度に変わっております。これも完全実施を念願するあまりのことであるというふうに御了解願ってよろしいと思います。
○鈴切委員 本年度は総合予算主義を堅持していきたいという政府の考えはどこにあるのですか。これは大蔵省のほうに……。
○海堀政府委員 本来、予算というものは国民負担との関係で年度間の政府のやるべき施策を彼此勘案いたしまして、全体を国会の審議に仰ぐ、そしてそれを国民負担としてこれだけの負担を国民にお願いいたすというものが財政の本来あるべき姿で、総合予算主義ということは、そういう予算の本来あるべき姿を口にあらわしたものだろうと思います。 現在の昭和四十三年度予算は、昭和四十三年度の経済見通しに基づきまして編成したものでございますが、その財政というものは六千四百億円という、一般会計予算に占める割合が約一一%にものぼる巨額の公債をかかえた、どちらかといえば、体質的には脆弱な予算と申してもよかろうかと思います。で、経済が当初見通しました以上に伸びまして相当の自然増収が見込まれる事態になったことは事実でございます。ただそういう経済情勢であればあるだけに、しかも財政の体質が先ほど申し上げたように脆弱であるだけに、自然増収がありました場合には、その増収分は優先的に国債の減額に充てることが至当だと考えます。その自然増収をさらに財政需要の拡充に充てるということは、経済運営並びに財政運営という点から見て、決して好ましいことではないんではなかろうかというふうに考えております。
○鈴切委員 当初、総合予算主義といわれるものの方式の中で、人事院勧告があったらこれをどういうふうにこなしていくか、予備費における給与改善費の扱いについてはどういう考え方をするのかという点について、前大蔵大臣は、今後は自然増収は年度内においてとうてい見込まれない、ゆえに見込まれないとすれば、予備費の範囲内で行なわれますと、確かに大体そういう意味のことを答弁されております。そういうふうな状態であって、いまあなたは自然増収が非常に見込まれる時点になったというふうに言われたのですが、本年度は自然増収はどれくらいの見込みですか。
○海堀政府委員 私は、実はことしの自然増収を見込むほうの担当ではございませんのですが、十月までの租税の実収割合が出ております。これは前年度の税収の決算に対する十月までの割合に対しまして、約二・三%程度上回った進捗割合を見ております。それ以上のことは、私は担当でございませんので、どの程度のものが見込まれるということについてはちょっとお答え申し上げることができないのでございます。
○鈴切委員 私はパーセントはあまり強いほうじゃないのです。いまあなたがそのようにして二・何%ということをおっしゃっているのですが、率直に言って、今度の自然増収については大体何千億くらい見込まれるか、それは当たらなくても近い線は出てくると思うのです。少なくもそれでなければ次への予算の問題あるいは給与の改善の問題等のことが考えられないわけですから、主計局次長という立場であるならば、当然それくらいのことはおわかりだと私は思うのですが、その点お漏らしを願いたい。
○海堀政府委員 四十三年度予算の一般会計に計上いたしております税収は四兆六千九百七十八億五千二百万円ということに相なっております。これは年度間を通じて収納される見込みでございますが、前年度の割合よりも少なくとも十月末までで二・三%だけ収納割合の進捗を見ているということは、今後同じ割合で税が収納されていくとすれば、約四兆六千九百七十八億に対する二・三%程度は少なくとも増収になるであろうということを意味するだろうと思います。ただ先般、前大蔵大臣が、税の自然増収があれば一千億程度の国債の減額を行ないたい旨を閣議で御発言になっていらっしゃいますので、その程度のことは前大臣はお考えではなかったかと存じます。
○鈴切委員 いまあなたがそういうふうに言われたことから推測していきますと、自然増収というのは大体幾らになりますか。
○海堀政府委員 それは掛け算の問題でございますが、約一千億程度になるのじゃなかろうかと思います。
○鈴切委員 それでいいのですか、あなたはそれで責任を持った答弁ですか、その一千億という線は。それで一千億の線で一千億の減税をやるということですか。
○海堀政府委員 いまの御質問はちょっとわかりかねるのでございますが、ことしの予算に対する増収割合はいままでで二・三%でございまして、それを予算の見積もり額に掛けますと約千億程度のものになりますと申し上げましたので、来年度の減税云々の問題は来年度の問題でございまして、これはちょっとまた来年度の経済見通しとの関連にかかるのであろうと思います。 それから税収の一千億程度というものに責任が持てるかという点につきましては、先ほど何度も申し上げましたように、私は主計局の担当でございまして、税収見積もりについては主税局の担当者をお呼びいただければ幸甚に存じます。
○鈴切委員 少なくとも一千五百億から二千億以上はあるであろうということが大かたの見方になっておるわけですけれども、自然増収が大幅に見込まれるとなるとまた話は別になってくるわけです。水田前蔵相が年度内においては補正を組むような財源はとうてい見込まれない、自然増収の見込みが立たないので、総合予算主義の中で予備費の中に給与改善費を組み込んだといわれている。すなわち総合予算主義が年度当初からとは様相を異にした結果になってきたとすれば、何もこれに固執する必要は毛頭ない。すなわち総合予算主義をくずして補正をもって完全実施をしてもかまわない、こう私は思うのですが、その点はどうですか。
○海堀政府委員 先ほども申し上げましたように、経済が見通しより伸びておりまして、そういう際の経済運営、財政運営といたしましては、財政の側からさらに財政需要を追加するということはさらに経済の成長に刺激を与えるということでございまして、経済政策、財政政策としましても、これ以上経済に刺激を与えるような措置を財政の面からとることは好ましくないということが一点あろうかと存じます。 それからもう一点は、現在の財政というものが一般会計予算で一一%弱、六千四百億円もの公債をかかえた脆弱な体質を持っておるということでございます。したがって、将来不況期に備えるためにはどうしても国債を減らして、財政の体質を柔軟にしておく必要があろうかと存じます。 そういう観点に立ちますと、この際やはり増収がありました場合には優先的に国債の減額に充当いたしまして、財政需要をさらに拡大するような政策をとらないということが最も適当な措置ではないかと存じます。
○鈴切委員 いよいよ来年度の予算編成期に来ているわけでありますけれども、財政政策として物価安定政策をとるのか、また財政改善策をとるのか、どちらにどういうウエートを置くのか、その点についてお伺いします。
○海堀政府委員 来年度の予算編成の方針につきましては、現在政府等で検討中でございまして、いまだどういうふうに持っていくかというふうな点について何ら結論を得ておりませんので、私からはお答え申し上げかねます。
○鈴切委員 大蔵省にお伺いいたしますけれども、本年度の予備費の計上千二百億円の現在までの支出は、災害復旧費その他の国庫負担を除くと残額はどれくらいありますか。
○海堀政府委員 現在まで支出したものが四百八十六億円でございまして、残額は七百十四億円と相なっております。
○鈴切委員 公務員給与の改定費は幾らで、人件費の節約は幾らになっていますか。
○海堀政府委員 一般会計負担の給与改定費は五百九十五億でございまして、人件費の節約ではなくて、現時点におきます不用の見込み額が三十九億円でございます。したがいまして、それを差し引きました予備費を使用しなければならないと見込んでおります。額は五百五十六億円でございます。
○鈴切委員 ちょっとお尋ねしますけれども、公務員給与をもし七月にさかのぼり一カ月分上積みするとすれば、その所要経費は幾らになりますか。
○海堀政府委員 一般会計の負担の分で約五十三億円でございます。
○鈴切委員 その他の経費は幾らですか。一般会計以外の分です。
○海堀政府委員 特別会計は十二億円でございます。それから地方公共団体は、これは相当推算が入りますが、約七十四億円でございます。ただし特別会計には一般会計の負担増の五十三億円との重複がありますので、国の特別会計、一般会計を合わせました負担増の合計、いわゆる純計と申しますか、純計は五十六億円でございます。
○鈴切委員 そうしますと、この範囲ならば要するに一カ月分の上積みというものは総合予算主義をくずさなくとも組めるという御確信はありますか。
○海堀政府委員 いま一カ月繰り上げ云々ということがございましたが、私のほうでは閣議の決定に基づきまして八月から実施するという前提で予備費の使用見込みを立てておるわけでございまして、現時点における予備費の使用見込み額を申し上げますと、災害におきまして三百八十億円、現在までの使用済み額が二百九十九億円、したがって今後使用を要する分が八十一億円、それから公務員給与を除きます一般で総使用見込みが三百五億円、いままでに予備費を使用しました分が百八十七億円、今後の使用見込みが百十八億円、公務員給与につきましては総使用見込み額が五百五十六億円、いままでは一銭も出しておりませんので、これは全額予備費で五百五十六億円出さざるを得ない。そうしますと、今後の予備費に対する使用見込みは七百五十五億円になりまして、現在の見込みでは四十一億円の不足と相なっております。したがいまして仮定の問題として一カ月さかのぼるというふうなことになりますと、現在のところで四十一億円の不足が見込まれている分が、それだけ不足見込みが増大するということに相なろうかと存じます。
○鈴切委員 予備勧告とかあるいは二回勧告というようなことが言われておりますが、その性格及び内容について人事院総裁にちょっとお聞きしたい。
○佐藤(達)政府委員 そこに至ります考え方は先ほど申し上げたとおりでございまして、要するに予算編成に間に合うようにという一点にしぼられていると思います。したがって、勧告の形になりますかどうかは別として、人事院としての意思の表示は二段階になる。すなわち、最初に予備勧告ということが行なわれれば、本勧告というのが必ずあとに続く。主眼はあくまでも本勧告でございます。この本勧告は、やはり従来どおり四月現在で民間給与を調べて、公務員給与と突き合わせて、その格差を求めて大体八月の中ごろにはっきりした勧告を申し上げるというのが本体でございますが、いまの予算その他の関係を考慮して、もう一段階前の段階において、予測に基づく予備的な行動をとるというのが普通予備勧告と言われております。この二段階はどうしても必要だということで御了承願いたいと思います。
○鈴切委員 いまこの予算編成の新しい時期にきて、新しい方式は時間的に可能なんでしょうかね、この点勧告されても。
○佐藤(達)政府委員 これならば完全実施は確約するというおことばがあれば、これは夜を日に継いでもわれわれは奮起してやらねばなるまいという気持ちでおります。
○鈴切委員 四十四年度予算は、本年度に引き続いて総合予算主義を堅持して、公務員給与は予備費に計上するつもりであるかどうか、その点について大蔵省に伺います。
○海堀政府委員 今後の公務員給与の取り扱いについては、現在給与関係閣僚会議におきまして検討されておりますので、予算編成の過程でその議論も煮詰まってくると思いますが、その結論に従いまして処理することになろうかと存じます。
○鈴切委員 それじゃ総合予算主義は四十四年度も引き続いて行なうつもりであるか。
○海堀政府委員 現在予算編成方針につきまして、政府与党におきまして種々検討を続けておるところでございますけれども、本来総合予算主義と申しますのは財政のあるべき姿でございますし、現在の財政制度審議会におきまする議論におきましても、総合予算主義を将来ともとっていくのが妥当であろうというふうな論議が行なわれておりますので、ここからは私の予測になるのでございますが、やはり総合予算主義がとられていくものというふうに推測いたします。
○鈴切委員 最後に総務長官に。来年度の完全実施に向かってのあなたの決意、当然総務長官は担当大臣でありますので、その点について七人委員会の中でも最も大きなウェートを占めるわけでありますから、その点についてあなたの御決意のほどをお伺いいたします。
○床次国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたように、七人委員会におきましては、その基本方針のもとに検討するということで中断されておりまして、引き続き再開するはずでございますので、やはり再開後におきましても、私の立場に立ちましてできるだけ完全実施ができますように努力する考えでございます。
○三池委員長 暫時休憩いたします。 午後二時十五分休憩 ————◇————— 午後十一時三十七分開議
○三池委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続けます。大出俊君。
○大出委員 総務長官に一つだけ御質問を申し上げたいわけでありますが、人事院ができましてからちょうどことしは二十年目でございます。つまり人事院の勧告制度ができて、これは二十年ということになるわけでございまするけれども、いまだかつて、実施時期に関しまして議会側、つまり国会の側で修正をした、前に進めたということは一度もなかったわけでありますが、今回はたいへんな苦労を与野党ともにし合いまして、一応結論を得た結果として、政府提案の八月一日実施を七月一日実施にしよう、こういうことに合意をしたわけであります。つまり、これは代償機関でございますから、人事院勧告は本来完全実施すべきものである。にもかかわらず、おやりにならないというところに、実は今回たいへんな苦労をしたという現実があるわけでありまして、ざっくばらんに言わしていただけば、どうも政府の皆さんに、あんまり国会の側に苦労させていただきたくない、あんまり苦労させなさんな、こう申し上げたいわけでありまして、その意味で附帯決議を後ほど満場一致でつけていただこうと思っておりますけれども、四十四年度につきましては、どうかひとつ完全実施に向かって全力をあげていただきたい、全力投球をしていただきたい。 このことを申し上げて、総務長官、給与担当の責任ある大臣というお立場で、明確なひとつ御回答をいただいておきたい。私どもの苦労の結果でございますから、その趣旨をひとつおくみ取りをいただいて、しかと御答弁を賜わりたいわけでございますが、いかがでございますか。
○床次国務大臣 ただいまの大出委員の御趣旨に対しましては、かねてから公務員給与の完全実施の基本方針を持っておりましたが、政府といたしましては、でき得る限りの努力をいたしたいと存じます。
○大出委員 でき得る限りの努力をなさる、こういう御答弁でございますので、その趣旨を了といたしまして、質問を終わります。 —————————————
○三池委員長 この際申し上げます。 本日まで各党委員各位と十分協議いたしてまいりましたが、ここに意見が一致いたしましたので、委員長の手元において、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案の三案に対しまして修正案をそれぞれ起草いたしました。 案文はお手元に配付してございますので、朗読は省略させていただきまして、その内容を簡単に御説明申し上げます。 —————————————
○三池委員長 御承知のとおり、今回の各給与改正法案は、本年八月十六日付人事院の給与勧告に基づいて、その実施のため提案されたものでありますが、実施期日が通勤手当を除いて八月一日となっておりますのを、この際、諸般の事情を勘考いたしまして、七月一日に改めようとするものであります。 この際、国会法第五十七条の三の規定により内閣の意見を求めます。床次国務大臣
○床次国務大臣 ただいまの修正案につきましては、院議をもって決定される以上、政府はこれを尊重する所存でございます。
○三池委員長 ほかに質疑もありませんので、これにて各法律案並びに各修正案に対する質疑は終局いたしました。
○三池委員長 これより一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案並びに同案に対する修正案、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案並びに同案に対する修正案及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案並びに同案に対する修正案、国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案の各案を一括して討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、順次採決に入ります。 まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案並びに同案に対する修正案について採決いたします。 まず、修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○三池委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいまの修正部分を除いて、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○三池委員長 起立総員。よって、修正部分を除いては原案のとおり可決いたしました。 これにて、本案は修正議決すべきものと決しました。 次に、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案並びに同案に対する修正案について採決いたします。 まず、修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○三池委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいまの修正部分を除いて、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○三池委員長 起立総員。よって、修正部分を除いては原案のとおり可決いたしました。 これにて、本案は修正議決すべきものと決しました。 次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案並びに同案に対する修正案について採決いたします。 まず、修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○三池委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいまの修正部分を除いて、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○三池委員長 起立総員。よって、修正部分を除いては原案のとおり可決いたしました。 これにて、本案は修正議決すべきものと決しました。 次に、国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○三池委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました、
○三池委員長 この際、ただいま修正議決いたしました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案について、受田新吉君外三名より、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 趣旨の説明を求めます。受田新吉君。
○受田委員 ただいま議題となりました自由民主党、日本社会党、民主社会党、公明党、四党の共同提案にかかる附帯決議案につきまして、提案者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。 まず案文を朗読いたします。 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、人事院勧告制度の本旨に基づき、昭和四十四年度は、これが完全実施に努力すべきである。 右決議する。 そもそも人事院制度は、昭和二十三年十二月三日に誕生いたしまして、自来満二十年、労働基本権を持つ公務員に対しましては、その団体交渉権及び罷業権に国民全体の奉仕者という立場から肩がわりしたのが、この人事院であります。その人事院の公務員の給与改定に関する勧告を、すなおに政府及び国会は受け入れるべきであります。 しかるに、この二十年間、人事院の勧告を完全に実施したという歴史がまだ生まれておりません。この二十年の歴史を持つ人事院制度の本旨に基づきまして、本委員会における質疑応答を通じて明らかになりましたこの附帯決議の趣旨を十分に生かしまして、いまこそ、昭和四十四年度より完全に人事院勧告を実施して、公労法の適用を受くるところの、仲裁裁定をすなおに実施されておるところの現状におけるこれらの職員と十分バランスをとるような、りっぱな成果をあげる段階にきておると思います。 したがって、ここに昭和四十四年度より人事院勧告を完全に実施すべきであるというこの趣旨に基づきまして、十分政府が努力すべきことを誓わなければならないという趣旨の提案理由でございます。 何とぞ御賛同を仰ぎたいと思います。
○三池委員長 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○三池委員長 起立総員。よって、本動議は可決いたしました。 この際、国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案について、鈴切康雄君外三名より、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 趣旨の説明を求めます。鈴切康雄君。
○鈴切委員 ただいま議題となりました自由民主党、日本社会党、民主社会党、公明党、四党共同提案にかかる附帯決議案につきまして、提案者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 積雪寒冷地帯に優秀な公務員が定着しがたい実情にかんがみ、給与水準の引上げに伴い、今後における寒冷増嵩費の実態等について調査し、新定額分について人事院が増額することを適当と認めるときは、その額を増額するよう措置すべきである。 なお、寒冷地域間の級地区分には、多くの不均衡な地域が認められるのですみやかにその是正の措置をも講ずべきである。 右決議する。 本附帯決議案の趣旨につきましては、昨日の本委員会における質疑を通じまして明瞭でありますので、よろしく御賛同をお願いする次第であります。
○三池委員長 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○三池委員長 起立総員。よって、本動議は可決いたしました。 この際、政府から発言を求められております。これを許します。床次国務大臣。
○床次国務大臣 ただいま議決されましたところの二つの附帯決議につきましては、その御趣旨に沿って十分努力いたしてまいりたいと存じます。
○三池委員長 佐藤人事院総裁。
○佐藤(達)政府委員 ただいま御決議いただきました寒冷地手当に関します附帯決議につきましては、私ども人事院といたしまして、御決議の趣旨を十分に尊重いたしまして、今後に臨む所存でございます。
○三池委員長 なお、ただいま議決いたしました四案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三池委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 〔報告書は附録に掲載〕
○三池委員長 次回は、明二十日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後十一時五十一分散会