逓信委員会 第1号
- 発言数
- 83 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1968/12/20
会議録
○古川委員長 これより会議を開きます。 この際、理事補欠選任の件についておはかりいたします。 理事坪川信三君が去る十一月三十日委員を辞任されました結果、理事が一名欠員となっておりますので、これよりその補欠選任を行ないたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古川委員長 御異議なしと認めます。それでは、佐藤孝行君を理事に指名いたします ————◇—————
○古川委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。 すなわち、 逓信行政に関する事項郵政事業に関する事項郵 政監察に関する事項電気通信に関する事項電波 監理及び放送に関する事項 以上の各事項について、議長に対し国政調査の承認方を申請いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 なお、議長に提出すべき国政調査承認要求書の作成並びに手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 ————◇—————
○古川委員長 この際、河本郵政大臣及び木村郵政政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。郵政大臣。
○河本国務大臣 私はこのたび郵政大臣を仰せつかりました。 しかし、郵政業務につきましては全くのしろうとでございますが、郵政行政というものは非常に重大であるということをよく知っておりますし、ことに、国民生活、文化、経済、各般にわたりまして非常に重大な役割りを果たしておりますので、その責任を痛感をいたしております。 懸命に努力をする所存でございますので、委員各位の御指導と御協力を切にお願いを申し上げまして、ごあいさつにかえます。(拍手)
○木村(睦)政府委員 このたび郵政政務次官を仰せつかりました木村睦男でございます。 しろうとでございますので、格別の御指導、御支援をお願いいたしまして、ごあいさつといたしたいと存じます。(拍手) ————◇—————
○古川委員長 逓信行政に関する件について調査を行ないます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。森本靖君。
○森本委員 新しい大臣になられましたので、実は電気通信関係、電波放送関係、郵政各方面にわたっていろいろお聞きしたいことがありますけれども、もう今次臨時国会は終わりのほうになっておりますので、そういう重要な点についてはあらためて通常国会において詳しくお聞きしたい、このように考えますので、本日はきわめて簡単に、私は二点のみにしぼってお聞きをしたいと思います。 ただ、その前に一応次の通常国会にどういう内容の法案を新大臣としては提出の予定をせられておるか、前大臣のものをそのまま踏襲せられるのか、あるいは、次の国会には新大臣として考えておるのか、次期の通常国会に郵政省として提案をせられる法案の内容を一応羅列をしていただきたい、こう思うわけです。
○河本国務大臣 現在すでに提出の確定しておりますものが数件、検討中のものが数件ございますが、詳細は官房長より報告させます。
○溝呂木政府委員 現在まだ確定しておりませんが、一応予定しております法案を申し上げますと、まず郵政省設置法の一部を改正する法律案、これは公務員給与法適用の職員の定員の増員でありますが、総定員法が成立すると要らなくなりますが、一応現段階では給与法適用職員の定員の増員が予算で成立すればこの法案を出すことになります。 それから、公衆電気通信法の一部を改正する法律案、これはいま問題になっております電信電話料金の問題、それから農村集団電話とか団地自動電話、あるいは集合電話等をいま試行役務でやっておりますのを、本実施のための内容としたものでございます。 次に、簡易郵便局法の一部を改正する法律案、これは毎国会いろいろ御審議いただいておるわけでありますが、受託者の資格に個人も加えること、委託事務の範囲を広げるという内容でございます。 それから、簡易生命保険法の一部を改正する法律案、これは新たに傷害保険、学資保険を創設したいということと、保険金の制限額、こういったものを法律から政令に委任してはどうだろうか、これは民間の保険等との関係も考えて、そういうことをいま検討しております。 それから、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案、これも長年宿願であります保険年金の余裕金も積み立て金と同様に郵政大臣が管理できるようにしたいというようなこと、それから運用範囲に公益事業社債を加えたいというようなことを検討しております。 それから、公衆電気通信法及び有線放送電話に関する法律の一部を改正する法律案、かつてこれもだいぶ問題になりました有線放送電話の今後のあり方について郵政審議会の答申がございました。その答申中、法律を改正しなければならない点がございますので、そういう点を見込んで提出したいというふうに考えております。 それから、定額郵便貯金等の契約維持に関する特別措置法、これは定額郵便貯金の据え置き期間内のものについて、預金者に低利で簡単に貸し出せる道を講じたいということで検討いたしております。 それから、有線放送業務の運用の規正に関する法律の一部を改正する法律案、近時問題になっております高層建築化等によるテレビ受信障害に伴っていろいろ有線テレビ事業がだいぶできつつあります。これをほうっておくことがいいか悪いか、やはりこの辺で法的規制を加えるべきではなかろうかということで、これは非常に問題がありますので、いま全く検討中のもので、どのような内容のものになるかいまのところわかりませんが、いずれにしろ、こういったものを検討しなければならないのではないかというふうに考えております。 それと、電波法、放送法の問題がございます。これももし間に合うならば、いま一生懸命で検討しておりますが、通常国会に提出したい、こういうふうに考えております。
○森本委員 そういたしますと、前から前大臣が言っておりました例の管理局法案については、これは取りやめましたか。
○溝呂木政府委員 管理局構想そのものを取りやめたわけではございませんが、とりあえず通常国会に提出することは、現段階ではちょっと無理だということで、一応考えておりません。
○森本委員 そうすると、管理局の問題については、将来にわたってやるということでありますから、これは郵政公社化その他の問題ともかみ合わせて考えていっても間に合う問題であって、これは次の通常国会に出ないということははっきりしたわけであります。 そこで、電波法と放送法については検討して出したいといっておる。これも出すか出さぬかおそらくわからぬと思いますが、それ以外の法律については、おそらく全部出すことになると思います。 そこで私が新しい大臣に申し上げたいと思いますことは、このいわゆる有線放送に関する問題、それから公衆電気通信法に関する問題、これは料金を値上げする問題ということになりますと、与野党がまっこうから対立することになると思いますが、ただ、有線放送電話に関する問題あるいは有線放送の規正に関する法律、こういう問題については、従来、当委員会としてもかなり与野党が折衝して、一つの超党派的な形において法案が成立をしてきたという過去の経緯があるわけでありますので、そういう点については、この立案過程において十分に措置をしていただきたい。 それからもう一点は、簡易郵便局法の一部改正案については、当委員会でもう三回廃案になっておるわけであります。これまた同じものを提案して、また、同じように激突する——まあ、名委員長がおられますので、そう激突することはないと思いますけれども、いずれにいたしましても、これはいわば与野党がまっこうから対立をした問題なんです。だから、この問題については、いま少し十分に再検討を加えまして、そうして無理のないような形においてできるというふうな形を考えるか、あるいは簡易郵便局にいま直ちにやらなくとも、将来の郵政公社化ということについて、いませっかく郵政省の中で審議会をつくって検討しておりますし、また、各方面においてもこれは非常に重要な問題でありますので検討しておりまするから、本日、大臣にすぐ回答を求めるということは無理かと思いますけれども、これを提出するについては慎重な配意を郵政大臣としてはやるのが、私は、ひとつの政治的手腕、力量の見せどころだ、こう思うわけであります。この点について、ひとつ大臣の御所見を承っておきたいと思います。
○河本国務大臣 有線放送電話につきましては、従前のいきさつ等を十分考慮いたしまして、善処したいと思います。 それから簡易郵便局法の一部を改正する法律案につきましては、これは御意見がございましたが、内容はよく検討いたしますけれども、これはぜひひとつ御審議をお願いしたい、かように存じております。
○森本委員 重ねて申し上げておきますが、これは過去何回も出して廃案になっておるという問題でありますので、なるべくなら郵政公社化の際に一緒にやるという考え方に立って、郵政事業全般を討議するその中において、その一環としてこれを考えていくということについては、これは私も考えていくという点についてはやぶさかではありませんが、しかし、いままでのような法案を、もうあほうの一つ覚えみたいに同じ法案を何回も何回も出して廃案になるということよりは、やはり話し合いに持っていくという形が一番望ましいのでありますので、きょうはこれ以上私は申し上げませんけれども、おそらく賢明な大臣でありまするから、今度通常国会においてこれを出す出さぬ、どういう形において出すかという点については、やはり慎重な政治的な配慮を加えながらひとつ考慮を願いたい、こう思うわけであります。重ねて聞いておきたいと思います。
○河本国務大臣 御趣旨はわかりましたので、御趣旨の点は検討いたしますが、しかし、先ほどお答えいたしましたとおりでございまして、この法案につきましては、ぜひ御検討をいただきたい、かように存じております。
○森本委員 しいて私はこれ以上のことを申し上げませんけれども、こういう点については、十分に政治的な配慮を加えながらひとつ話を進めていってもらいたいということを特に申し上げておきたいと思います。 それから、新しい大臣として、最初に電波放送関係についての談話を大臣はあちこちで発表せられておりますが、その中で、小林大臣がかなり猛烈なスピードでどんどん進めてまいりましたので、ちょっとひずみができておるというような形にもあるわけでありますが、いま残されておる問題として、やはり超短波放送の問題が一つの大きな焦点になっておると思います。そこで、私が前に小林郵政大臣にも申し上げましたら、大臣としては、私の意見どおりであるということを言っておりながら、現実には免許の進め方を進めていこうとしておるというのが、要するに今回のFMによるところのこのチャンネルプランであります。 ここで、私が前から言っておりますように、この現在のいわゆる各県域放送の中波放送というものをFM放送にかえていく、そして、中波放送については、別個に、いわゆる広域圏における大電力放送に切りかえていくというこの方針については、私は、一つの放送政策としては、ある程度うなずける点があると思います。しかしながら、今回のこのFM放送のチャンネルプランを見てみるに、各地域におけるこの周波数の割り当てというものが、NHKには全部割り当てをいたしておりまするけれども、現実に各民放に対しては全然これは割り当てがない。単に東京と大阪とそれから愛知と北九州、いわゆる福岡、この四つだけを一つのチャンネル局による周波数の指示をいたしておるわけであります。 そこで、これはもうだれが考えましても、ほんとうをいえば、この各県における民放に対する割り当てというものも、現実に周波数の割り当ても行なって、そしてさらに、最終的には広域圏の中波放送のいわゆる電力を強大にしたもの、そういうものも全国で大体十五なら十五、二十なら二十どことどこに置く、その周波数は、外国の混信をしないところの周波数をこういうところに置く、こういう総合的なビジョンを発表してから、その上において、とにかく免許ができるところから順次免許していくということであるとするならば、話はある程度これはわかってくるわけであります。ところが、方針はそういう方針だということで一応出しておりますけれども、それじゃ具体的に、今後中波の広域圏、大電力放送というものは一体どこでどういうふうに放送するかというこまかい問題については、全然出ておりません。さらに、各県に対するところの、いわゆる民放に対するFMの割り当ても全然出ておらぬ、出ておるのは、単に東京と大阪と愛知と福岡、いわば一番もうかるところだけ出しておるわけであります。そうして、それを一月ないし二月に早急にやっていこうというような形になっておるわけでありますけれども、私は、この点だけはひとつ河本郵政大臣としては、新しい見地からもう一ぺん再検討して、そうして、そうあわてて免許をおろしていくということではなしに、じっくり腰を落ちつけて検討して、その上に立って、私がいま申し上げましたように、全国的な一つのビジョンというものを持ってから免許していくということがほんとうのやり方ではないかというふうに考えるわけでありますが、この点についての大臣の御意見を聞いておきたいと思います。
○河本国務大臣 音声放送全体についての御意見は、大体賛成でございます。 しかし、FM放送の問題につきましては、NHKにつきましては御指摘のとおりでございまして、民放につきましては、四地区につきましては特に需要が非常に多うございます。希望が非常に多うございまして、この四地区だけは全体と切り離しまして早くしたい、あとの分につきましてはどうするか、目下検討中でございます。
○森本委員 それは大臣、私は一つの大きな間違いだと思います。 四地区については早急にやって、あとは検討するということは、全国的なものを検討して、全国的にこういうように進めていく、その一環として東京、名古屋、大阪、北九州だけを先にやりますということなら話はわかるけれども、あとの分については一応全部検討する、一番多くもうかるところで、一番あんこのあるところだけは早急にやるということについては、これはもう常識的に考えても、だれが見てもおかしいわけであります。それで、現に東京、名古屋、大阪、福岡にFM放送が全然ないというなら別として、これはNHKが現にやっておるわけでありますから、それだけ波が出ておるわけでありますから、そういう点では、FM放送の受信機の普及その他については、何らその他の地区と変わらないわけであります。 そういう点を考えた場合に、私は、やるなということを言っておるわけではありません。やるくらいならば、全国的なビジョンというものを明らかにして、その第一段階としてこの大きいところをやっていく、その次にはここもやっていく、こういうことでないと、全くこれは筋が通らぬ。痛くない腹を探られてもやむを得ぬということが私は言えると思います。 そういう点で、まだ大臣におなりになって一カ月程度でありますから、私は、こういう点については、いま少し腰をじっくり落ちつけて検討してから、そうして大臣が腹に入ったならば、新大臣としても、おれはこういう考え方だからこういうふうにやっていくのだということになれば、それは通常国会でもそのお考え方を私はお聞きいたしますけれども、いまこれをやっておるのは、前の大臣がそそくさとなったことをそのまま踏襲していくということでは、新大臣としての権威にかかわる。それは、私の意見が全然間違っておるということを大臣が言われるなら別ですよ。これは前大臣も、私の言っていることは一応了承ができる、現大臣も了承ができる。だけれども、ここだけはやるということは、それなら、何かうまいことがあるからやるのかというふうに、痛くない腹を探られてもこれはやむを得ない。だから私は、ここでこのFM放送の問題については、全国的に音声放送のあり方については一つの大体のプランができておる、それをさらに肉づけをするようなプランをつくって、それから順次、東京なら東京、名古屋なら名古屋、九州なら九州をやって、次にはまたさらに人口の多いところをやっていく、こういう形にするのが、私はほんとうでないかと思う。いま少しこの点については大臣が慎重に検討しながら責任を持っておやりになるということであるとするならばそれはまた別でありますが、まだ私は、大臣におなりになってから今日までのレクチャーだけでは、ほんとうに腹に入って、おれの考え方でこうやるのだということにならぬと思います。やはり何といっても郵政省の官僚諸君の意向を聞いて、なるほどこの辺ならということだと思いますけれども、しかし、それをもっと深く考えたならば、大臣としての考え方が違ってくるかもわかりません。 だから、私が言っておるのは、いま少し慎重にじっくり腰を落ちつけて検討してやっていただいたらどうか、こういうことであります。どうか、その点については大臣としてもう一回お聞かせを願いたいと思う。
○河本国務大臣 御趣旨はよくわかりました。慎重に検討いたしますが、四地区についての最終決定をいたしますときには、ただいま御指摘の、全部のビジョンを明らかにいたしまして決定をしたいと考えております。
○古川委員長 金丸君。
○金丸(徳)委員 河本大臣、御就任になられまして、党内の輿望をになって、時局重大なときに、たいへん問題をかかえた郵政省の事務を主管なさることにつきましては、心から敬意と祝意を表するものであります。 私はこの際大臣から、実は新任早々ではありましょうが、今後の御方針などについて詳しいお考えが承れるのではないか、かように思いまして、つきましては、私も久しぶりに質問の機会を得たものですから、時間をちょうだいして、これからのお考えなどについてお尋ねをいたしたい、こう思っておったのであります。きょうのごあいさつは、きわめて簡単でありました。まだ御就任早々でありますことも、また、予算編成期をかかえておっておせわしいこともあろうと思いますので、それらのことにつきましては、また後日機会を得ましてお伺いいたすことにいたします。きょうは部屋の関係もあって、時間もきわめて短くというような委員長からのお話もあります。さような意味におきまして、きわめて当面することにつきましてお考えをお尋ねしておくことにとどめたいと思います。 私は、実は大臣が御就任になられまして、非常に大きな期待を持ったのであります。と申しますのは、郵政省はこのところしばらく部内出身の大臣を迎えておったようであります。部内出身の大臣になりますと、非常に事務が明るいという意味においては、仕事もスピーディーにいく点もあったかもしれませんけれども、同時に、何となしに新鮮味が失なわれてくるのじゃないかということと、もう一つには、職員のうち、ことに最高幹部の者が、あまりに事務に詳しい大臣を持ったがために、自分たちの自主性なりあるいは意見なりを申し出るとか、計画を立てるとかいうことについて、つい遠慮がちになりはしないか。はたから見ておりますと、どうも意気消沈しているような感なきにしもあらず、そういう点からいたしまして、今度新しく大臣を迎えられた。しかも、これにつきましては、全く御無礼な言い方でありますけれども、しろうとでありますという意味においては、今度大臣がきわめて清新な気持ちを持って、はつらつたる気分の中で、職員が活動されるようにお導きなさるのじゃないか、こう思ったからであります。 これについて大臣は、就任早々ではありましょうが、どういうふうなお考えを持っておられるか。実は、あらためて申し上げるまでもございませんが、郵政事業は、電波行政などを別にいたしまして、多くの人的要素のきわめて強いところであります。したがって、職員が大いに張り合いを持って働く、この大臣のもとにあるならば、もう何ものをも打ち捨ててこの仕事のために尽くそうというような意気に燃えてくるというと仕事の能率はあがってまいりましょう。もしそうでなくて、上役の顔ばかり見ておる、世間の顔よりも上役の顔のほうが大切だというような気分の中で仕事をされるということになると、これはいかに大臣がハッパをかけられましても能率はあがりません。もしかすると、事故を起こすというようなことにならぬとも限りません。 そこで私は、大臣がこれからお仕事をなされるにつきましては、おやじのために大いにがんばるぞという気分を末端の一人一人まで起こしてもらうような方針をもっておやりくださるよう——これから現場へ御視察なさると思いますが、大臣の顔を見たら、おやじ来たるというような意気に燃えて、大臣の手を握り、大臣とともに仕事をしょう、末端の、外部の人たちにまでそういう気を起こすような方針をとってくださればありがたいと思うのでありますが、この際、ひとつしょっぱなに大臣のお考えを承っておきます。
○河本国務大臣 御激励を賜わりまして、ありがとうございます。 私は、就任いたしまして、省内の幹部の者を集めまして、こういうことを言ったんでございます。自分はしろうとであるから、省内の専門家の意見はもう徹底的に聞きたい、しかし、徹底的に意見を聞いた上で、しろうととして良識ある判断を下し、勇断をもって実行したい、こういう決意を述べたのでございますが、そのとおりまいりますように努力していきたいと考えております。 それから第二の問題でございますが、郵政省は省内及び外郭団体に六十万になんなんとする大きな現場の人をかかえております。しかもその仕事が、先ほども申し上げましたように、文化、国民生活、経済、もうありとあらゆる分野に直結した非常に重大な仕事でございます。したがって、郵政省及び外郭団体の仕事がうまくいくかどうかということにつきまして、これはたいへんな影響があると思います。特に、上に立つ者の心がまえということが要求されるわけでございまして、その心がまえがすなわち末端にまでぴりぴりと浸透する、そういう形にしなければ、とても能率があがるものではございませんし、そういう方向に努力をしていきたいと思いますので、どうかよろしく御指導をお願いしたいと思います。
○金丸(徳)委員 大臣のお考えを承りまして、たいへん安心をいたしますとともに、私どもも大臣のお考えを体して御協力申し上げたいと思うのであります。 実は、これもあらためて申し上げるまでもないことでありますけれども、郵政事業は、郵便事業といわず貯金事業といわず、また保険事業におきましても、保険、貯金におきましては若干の違いがあるにいたしましても、どうしても受け身になりがちであります。いうところの縁の下の土台石的な、力持ち的な仕事でずっときておるのであります。したがって、ともすれば消極的になりがちでありますが、それであってはならないと思います。現場のほうの空気を見てみますと、何か、自分たちも一生懸命張り合いの中で積極的な態度で世間のお役に立ちたい、こういう熱意に燃えておるようであります。しかし、仕事が仕事なものですから、とかくどうも、受け身あるいは消極的になりがちである。ただ、現場のほうではそうであってはならぬので、機会をねらっておるという気持ちは、先般前大臣が郵政公社化案というのをお出しになりまして、これは目下郵政審議会のほうで審議に付されておるようでありますが、この案が出されたときにも、これで何か新生命が開けるのではないか、新しい自分たちの働く方針なり力の源泉が生まれてくるのではないかというような気持ちを持ったようであります。実際にはその内容がはっきりいたしておりませんから、ただもう看板だけをかいたというようなことになることもあると私ども心配いたすのでありますが、しかし、そういうことについても非常な関心を持って見ております。願わくは、自分たちの仕事、職場の中で、もっと積極性のある、張りのある空気というものを出してもらいたい、こういうことがあの郵政公社化案に対して現場で期待を持った一つだと思います。今後あの案を御処理なさる場合におきましても、それらのような方向でお進め願いたいと思うのであります。 そこで私は、あまり時間がありませんから具体的なお尋ねに入るのでありますが、現場のほうでは、非常に、何といいますか、干天に慈雨を待っているような気持ちで大臣の方針を待っております。ところが、従来ずっととかくに消極的であったがために思うようにいかない点があります。郵便のことなんかにつきましても、幾ら号令をかけましても、たくさん出せというようなわけにもいきますまい。それが貯金、保険というようなことになりますと、積極的に働くと働かないとではずいぶん違ってまいります。おりから、いま来年度予算におきましては、これはどうなるかわかりませんけれども、相当財政投融資の原資を必要としてくると思います。そして、財政投融資の原資の一番大宗は、やはり大臣が所管なさっているところの貯金、保険であることは申し上げるまでもございません。来年はそういうことで、国全体の計画が財投に依存するところ多しと見なければなりませんし、その財投の原資の大宗が大臣のお力いかんによって変わってまいります。したがって、貯金事業におきましても保険事業におきましても、そういう方面において現場に相当の苦労をかけなければならないと思うのであります。予算要求の場合において、大臣はこれに対してどういうお考えで処しておられますか、承っておきます。
○河本国務大臣 郵便事業をどうすれば最も能率的に運営できるかということについて、先般諮問機関をつくりまして、それに諮問中であることは御承知のとおりでございます。私は、先般特に出席をいたしまして、委員の皆さま方に、できるだけ早く答申をしていただきたいということと、それから、答申の内容というものは、郵政事業が迅速で正確で、しかもどうすれば能率よく安くいくかということが主眼であるから、そこに主眼を置いてわかりやすい答申をしていただきたい、この二点をお願いをしてきたのでございます。ことに、先ほど御指摘のように、郵便貯金の残高は来年の二月には五兆を突破いたします。簡保資金の純資産も二兆になんなんとしておりまして、わが国の財政投融資の半分以上をこれで占めておるわけでございまして、来年度予算、来年度の国の建設計画におきましても非常に重大な役割りを果たすことはもう当然でございます。幸いに、ただいままでのところ成績は非常に順調に進んでおりますが、なおこの上とも、この仕事が一そう順調に進展いたしますように、予算面におきましても十分配慮をしていきたいと考えます。
○金丸(徳)委員 確かに、ここのところずっと順調に貯金、保険の事業とも進んでおるようであります。しかし、現場においていろいろの実際苦労しております人たちの話を聞いてみますと、その順調の情勢を維持するのにはたいへんな苦労をいたしておるようであります。したがって、何か新しい力づけというものを必要とするのじゃないかと思いました。前大臣は、これはあまり遠くない——大臣をおやめになる直前だったように思うのですけれども、これは新聞記事でありますが、郵便貯金については、貸し付け制度を考えなければなるまいというようなことを言っておりました。それから保険につきましては、新種保険を出したいというようなことであります。先ほど承りますと、その法案の準備もされておるようであります。そういう何かの力づけを必要とすることは、大臣もお気づきだと思うのです。ただ、そういうものにつきましては、いままでの経験によりますと、とかくどうも大蔵省方面から何かの故障が起きてくるのが例でありました。これから大臣がそういうことについていろいろ折衝なさる場合においても、大いに心しておいていただかなければならぬと思うのであります。どうも大蔵省あたりでは、郵政省をまるで働きバチのごとくに見て、どんどん働かして、うまい汁は持っていってしまうということでありまして、現場の人たちの意気の上がらざる原因というものはそこらあたりにあろうと思いますので、これもさっきのごあいさつの中にもありましたが、大いにひとつ力づけをしながら——がんばるからというお話でございます。この予算折衝過程においてひとつがんばっていただいて、働きバチに終始するということから現場が意気消沈するようなことのないように、今度こそは一発やれるぞというような意気が上がる形において仕事を進められるようにしていただきたいのであります。 貯金についても、貸し付け制度であるとか、保険については特に新種保険、傷害及び学資保険などについては法案の準備をなさっておられるようでありますが、これは大臣、重大な決意をもって当たられる必要があろうと思うのでありますが、いかがなものでしょう。
○河本国務大臣 現在の貯金契約者の中から、ぜひ貸し付け制度をつくってもらいたい、もし貸し付け制度があるならば解約しなくても済むケースが非常に多いのだ、こういう強い要望が出ておりますし、現に、いろいろ調べてみましたところ、やはり解約された方々の中でも半分以上の方が、もしそういう制度があれば自分は解約しなくてもよかったのだ、こういう意見を言っておられます。そういうことでもございますので、一部には強い反対があるようでございますが、銀行業務とはおのずから違った観点に立ちまして、たとえばオーバーローンにならないようにするとか、そういういろいろな配慮を加えながらこれはぜひ実現をしていきたい。 それから保険の新種保険につきましては、これは御指摘のような新種保険はすでにほとんど全部の機関がやっております。保険会社はもちろんのこと、それから最近は損害保険会社、あるいはまた銀行、農協、地方の公共団体、こういうところに至るまでやっておりますので、ぜひこれも実現をいたしまして、現場が仕事がしやすいようにいろいろ配慮を加えていきたい、かように存じます。
○金丸(徳)委員 とかく世間の反対は、国営事業が民営事業を圧迫してはいけないというような一般的な考え方に立って、こうした新しい方向で進もうとする場合に抵抗してくるようであります。しかし、従来の経験によりましても、国営事業、特に郵政大臣が管理なさっておる郵政貯金にいたしましても、簡易保険にいたしましても、郵便年金事業にいたしましても、民間事業を圧迫する以上に、民間事業の先導をし、応援をし、あるいは補完をしながら、貯蓄あるいは保険思想の涵養、向上に役立っておったわけであります。それにもかかわらず、とかく現象的なものによって抵抗されてくるのがいままでの経験であります。大臣は、こういうことにつきましては、十分過去の郵便事業の功績をたたえながらおやりになっていただきたい、私はこう思います。大臣がそういうふうな強いお気持ちでおられるといたしますれば、私はこれ以上お尋ねすることは御遠慮いたします。ただ、ひとえに大臣の御熱意が現実となってあらわれる日をお待ちする次第であります。その他のことにつきましては、後日また法案提案のされた場合において承ることといたします。 時間がもうあと五分ばかりありますので、電電公社関係のことにつきまして、きわめて簡単にお伺いいたします。 新聞によりますと、料金値上げ反対というようなことが閣内においても行なわれておるようであります。私どもも、この世相の中において料金値上げということは賛成するわけにはまいりません。ただ、電信電話料金制度が十数年間据え置かれた形の中で、いまの実情にそぐわないものがあることも考えなければならないわけでありますから、大臣の勇断をもって、この機会において電信電話事業における一番大事な問題としての料金体系の根本的なる検討は、これは勇気を持ってお進めになっていただきたい。 そこで、いま問題になっておりますのは、電電公社の経営がだんだん苦しくなってきて、来年は相当の赤字を予想しなければならぬというようなことでありますが、その経営困難の大きな原因の一つに、私は、いま電電公社が借りておる借金の利息が相当高いのじゃないか、こういうことも数えたいのであります。先般調べたところによりますと、国鉄と比較いたしましても大体一%近い高利子を払っておる、しかも、今後その高い利子で借りる率はますますふえていくと見なければなりません。これはたいへんなことだと思います。そういうことにつきまして、たとえば、財投原資でありますとかその他によって高利率の借金を減らしていくということも、まず最初に考えていかなければならぬことではなかろうか。その他に建設、保守工事関係において相当の考慮を払わなければならぬというような問題もあるようでありますが、しかし、一番端的に考えられますのはこういうことだろうと思うのですが、大臣、これについてはどうお考えですか。
○河本国務大臣 ただいま御指摘の、電電公社の料金体系をどうするかという問題でございますが、これはもう御承知のように、非常に古いものでございまして、不合理な点がありますので、ぜひこれは合理的なものに是正をしていきたい、かように考えております。同時に、あわせまして、昭和二十八年以降料金は据え置きになっておりますので、これまた料金の若干の修正をしていきたい、かように考えておるわけでございます。しかし、物価問題その他重大な問題がございますので、政府全体として来年の経済成長率をどう押えるか、あるいはまた、消費者物価をどうするか、そういうふうな問題との関連において最終決定がされるものだ、かように存じておりますが、私といたしましては、電電公社の言っております料金の体系の修正及び一部料金の値上げをぜひ実現さしてやりたい、かように存じております。 金利の問題につきましては、現在公社の借り入れ金の残高が一兆数千億にも達しておるという状態でございますが、一%違いましてもたいへんな金額になります。よく検討いたしまして、引き下げられるものがあれば直ちに引き下げるようにしたいと思います。 なお、建設コストの問題についてのお話もございましたが、これまた来年は六千数百億という建設をするわけでございますから、わずかの建設コストの引き下げでも相当な金額になります。ぜひ、これも慎重に検討いたしまして、建設資金がかさばらないように配慮していきたい、かように存じます。
○金丸(徳)委員 高利率のものを直ちに切りかえるといっても、なかなか容易なことじゃないと私には思える。しかし、その努力を重ねていきませんと雪だるまはますます大きくなっていくということだと思いまするので、それらを協議して、これからの御処置を願いたいということであります。 そこで、今度私どもが料金値上げについて反対をいたしておりまするのは、例の住宅電話についての値上げが加重されておるようであります。そして、その上げるという理論は、負担の公平であり、あるいは利用効果を見ながらということであります。日本ばかりでありません、全体でも私はそうだろうと思うのでありますが、住宅電話というのは、業務電話の積極的に対して非常に消極的なパッシブなものじゃないかと思うのです。住宅電話が引けることは、業務用の電話の利用効果をあげるということになりますので、むしろ、住宅電話などにつきましては、基本料にいたしましても、あるいはその他の利用度数料にいたしましても、架設料にいたしましても、安くしながらということは、業務方面、事業電話方面でもってもそれを負担してやってもいいのでわないか、これは考え方の基調として持っておるのであります。これがいまどうも逆に考えられておるものですから、したがって住宅電話の値上げということに重点が置かれている、したがって、それはどうも大衆生活面への響きが大きいというようなことになるのではないか、こう思っておるのであります。私は、全体として日本の経済あるいは産業面における通信料の負担というものは、あまりにも十何年間据え置かれておったものですから、もっと負担してもしかるべきものが負担されなかったんじゃないか、こう思います。それを数字的に証明できればいいんでありますが、私の乏しい知識をもってしては証明できません。できませんけれども、全体として大ざっぱに考えてみまするというと、一般物価が上がっているのに対して、十何年も据え置かれた料金でやっておるとすれば、日本の経済、産業関係の通信費の負担というのは、料金がほかの物価にスライドするような形で考えられておったならば、もっとよけいに負担してもよかった状況の中に置かれておるんじゃないか、こう思うのであります。 では、日本の産業形態がこれ以上通信料として負担できないかというと、私はそうは思わない。その一つの例として、日本の産業界は、いま問題になっておるところの交際費八千億というようなものを支払っております。広告費六千億というものを支払っておる、しかも、この広告費の増高、交際費の増高というのは、いまの産業生産費の中で一番よけいな伸び方をしているんじゃないか、そして、それがとかく日本の産業経済を不健全ならしめているもとじゃないかと考えるのです。それだけの余裕があるとするならば、なぜ通信費に対して産業電話がもっと負担できないのかと私は言いたいのです。その分を住宅電話のほうを下げておいたほうがいいのではないか、それであってこそ初めて全日本の電話通信網が理想の域に達する近道をつくり出すのではないかと思うのであります。この点について私はお答えをいただこうとは思いません。これから大臣が折衝なさる場合においてお考えの基調の中に入れておいていただければありがたいと思って申し上げておるのであります。
○古川委員長 島本虎三君。
○島本委員 まず、河本郵政大臣並びに木村政務次官の就任に対しまして、心から敬意を表しますと同時に、他の委員会には見られないような大ものぞろいの当逓信委員会を通じまして、今後逓信行政の円満な運営を期してもらいたいことを心から希望し、御健闘を祈ってやまない次第であります。 まず私は、いま金丸委員が申しました電信電話料金の件について、それの足りないところについて、今後順次大臣と総裁に聞きただしてまいりたいと思う次第であります。 その第一点は、公社のほうでは、いまいろいろと各方面に対しまして発言し、また説明をしておるようでありますが、いまだ国会に対しては説明らしい説明もないようでございます。しかし、自由にその意見を表明したくないということであるならばこれは別だと思いますけれども、その内容や中身はわれわれは十分知悉しなければならない要素を持っておるのであります。ことに、資金計画についてはまだまだ多くの問題点もあることを見のがすことはできません。第四次五カ年計画——この五年間の中でもうすでに当初の二二%の値上げ案が十二・五%あたりになり、二千三百億の見込み違いさえもいわれておる状態であります。そうなりますと、やはりこの経営自体、まだまだ考えてもいい点が十分あるのではなかろうか。ことに、もし昨年その資料をもとにして二二%の値上げをしたというようなことであるならば、これはたいへんな黒字を得たことになる。公社ほくほく独占にこにこ、国民はまさにその困難、苦難のどん底にある、こういうようなことになっておったのではなかろうかというふうに思うわけですが、あくまでも、この資料そのものは確実な、確定した根拠によってやるものでなければならないというふうに思うわけでございます。この点には大臣としても全然異議はなかろうと思う。 この四十三年度につきましても、この概計要求は七千五百十億円だったと思いますが、大蔵省査定は七千七百二十億円で、もうすでに二百十億円、これだけの差があったのでございますけれども、もう四十三年度は百億前後の増収がまた見込まれるという状態であります。そうなりますと、やはりいかにこの資料が完ぺきなものであるといって出したにしろ、いままでのこの計画を見ますと、収入のほうが上回っておったというようなことは当然言えるのでありまして、今後そういうような資料の上に立って、また来年度は赤字であるとか、またその可能性があるとか、料金の是正を要するとか、合理化を要するとか、いま金丸委員に対していろいろ大臣が申し上げておったようでございますけれども、そういうようなことについても、今後は信憑性という点、確実さという点で、もっと厳密な査定を要するのではないかというふうに思うわけであります。 したがいまして、今後こういうような場合に対して、私どもは現在の状態の中で運営を無視するものではございません。困っておる状態はやはりわれわれも理解できる点は十分理解しておるのであります。そして、いま値上げしないでもできる方法があるじゃないかという一つの提言も社会党としては持っているのであります。これを今後立案の過程においては社会党側の意向も十分聞き届けていただいて、国民のためのいわゆる電信電話の運営の実をあげてもらいたい。そして、値上げしなくても十分やれる点はどこにあるか、こういうふうな点があるならば、すべてこれを取り入れてやりたい、この気概の上に立って運営してもらいたい、こういうふうに思うわけでございますけれども、新任の河本郵政大臣、私の考え方に対して、もし間違いがあるならばその点を指摘し、もしそれを取り入れてやってもらえるならば、社会党としても、この提案もございますから、その中で国民のためにという意識の上に立って今後十分御検討を願いたい。その意思ありやなしや、まずそれを伺っておきたいと思う次第であります。
○河本国務大臣 値上げしなくて済む方法があれば、もうそれにこしたことはないと思います。よくその御提案を検討さしていただきます。 ただしかし、私も就任いたしましてから、この値上げ問題に対して結論を出しますまで二十日近くかかりました。連日のごとくいろいろ話を聞きまして、そしてようやく一昨日、やはり電電公社の言うとおりしてやらなければいかぬのじゃないか、こういう結論に達しまして、最終の腹をきめたわけでございます。また、御指摘のように、本年度の最終の予想見込みの数字から、およそ百億近い増収があるということも事実でございます。しかし、これは電電公社全体の収入がだんだんふえまして一兆近くなっておりますし、そういう一兆近い収入の中で百億近い増収が予定よりも出てきたということは、これは私は、そう非常に大きな違いではないし、喜ばしいことではないか、かように考えております。その一番大きな原因は、やはり経済の成長見通しが当初の予定よりも数%も上回った、景気が非常によくなった、これも一つの原因じゃなかろうか、かように考えておる次第でございます。 そういう若干の要素はありまするけれども、しかし、経営状態はだんだん苦しくなってまいりまして、このまま放置いたしましたならば、郵政省並びに電電の計算では、四十七年までの四次五カ年計画の最終段階では三千億になんとする経常収支の赤字が出る、こういう見通しも出ておるような次第でございますから、先ほど申し上げましたように、われわれのほうといたしましてはさように考えておりますけれども、これは国全体の経済の運営、こういう高い次元に立っての最終決定がなされるわけでございますので、そういうことともにらみ合わせながら今後関係方面とも折衝してまいりたい、かように存じておる次第でございます。
○島本委員 大臣の意向はわかりました。なお、私どものほうもその資料を準備してございますから、参考に十分それをお使い願いたい、また、それに基づいて修正すべき点は十分修正してもらいたい、これは心から要請しておきたいと思うわけです。 まず、いまの金丸委員からも申し上げましたが、私の手元にも十八日の各社の新聞があるわけでございます。これはそれぞれまちまちでございまして、十九日の郵政大臣の所信の表明もあったようでございます。それも私は十分読ましてもらいました。ただいまの答弁も聞かしてもらったわけであります。それで、公共料金として電信電話料金の占めている地位、こういうようなものに対しましては、あえていまさら言う必要はないと思います。 ただ、この中で大臣は、国務大臣といたしまして、当然財政硬直化打開のための総合予算主義であるというような現在のたてまえ——企画庁では、長期的には正しいが、現在は電電公社の場合にはこれは望ましくないということも同時に発表しておるようであります。そうして、来年十月一日からこの改正をもし行なうとして、七円、十円、そうして十二・五%の増収というもくろみ、これによって消費者物価の押し上げ率は四十四年度で〇・一六%になる、それから四十五年度で〇・三二%になる、そうして財政主導型のいわゆる物価値上げになる、こういうようなこともいわれておるのでありますけれども、予算並びに財政、それから閣僚としての郵政大臣の立場から見ますと、財政主導による物価値上げになることは、これは極力避けるべきではないだろうか、そうして、そのためにも、前に述べましたように、この根拠がまだまだ十分じゃない、あいまい性がある、こういうようなものに対してはやはり踏み切るべきじゃない、私はそういうふうに思うわけです。もっと慎重にすべきである、そうして、それに対しての対案があるというのですから、その対案も十分聞いた上で、国民の立場に立ってこれは決定すべきである、こういうように思うわけであります。大臣も所管事務はほんとうに並みたいていでないことは私も千分理解いたします。それと同時に、国民的な、国家的な立場から、いま私どもが申しましたこの立場も間違いではないと思います。やはりもう国務大臣としてこの点は慎重に考えるべきじゃないか、こういうように思うわけでございますが、大臣、いかがでございますか。
○河本国務大臣 電信電話料金の値上げが消費者物価にどの程度影響を及ぼすかということにつきましては、おおよそただいま御指摘の数字のとおりだと思います。非常な大きな影響がありますし、来年度はそれ以外にも物価を押し上げる要因がたくさんあるわけでございます。したがいまして、これを五%前後に押えるためには、たくさんの物価押し上げ要因のどれとどれを押えていくかということは、公共企業体のこれまでの運営の基本方針であった独立採算制あるいはまた受益者負担、こういう基本原則をもある程度無視しなければならぬ、こういう場面が出てくる可能性もなきにしもあらずでございまして、われわれといたしましては、先ほど申し上げました独立採算制、それから、そういうたてまえからぜひ値上げを実現したい、かように存じておりまするけれども、しかし国全体としての政策の関連におきましてどう決定するかは、これは今後しばらくの間に最終結論が出るのではなかろうか、かように存じます。
○島本委員 したがいまして、これが合理化案であっても、値上げ案のほうはもう避けるという今後の組み方、考え方、当然これに立たなければならないような状態ではないかと私には思量されます。そうだといたしますと、結局、七円を十円にすることが合理化案だとして出され、また、いま金丸委員が質問されましたように、事務用と住宅用との統一をはかるということになりますれば、とたんに三倍にもなるという点、これは合理化という名前の著しい値上げということになるのじゃないか、こういうように当然思量されるわけであります。これはもう合理化という値上げ案ではいけないのであります。あくまでも合理化案ならば、どのように合理化するか、国民のためにどのようにするかという、これでなければならないと私は思うわけであります。私はそういう点からして大臣の説明は納得できました。しかし、その中で、合理化案を実施するといいながらも、いま言ったような点は完全に値上げ案であると思考せざるを得ないわけです。これはもう大臣、このとおり実施するということになりますと、大臣のその言い方そのものも少し私はあいまいになってくるのではないかと思うわけでございますけれども、これは合理化案ですか、値上げ案ですか。
○河本国務大臣 合理化案であると同時に、値上げ案でもございます。
○島本委員 この中で、私はもう名答弁を得て残念だと思うのであります。というのは、昭和二十二年に業務用と住宅用とが分離されましたときに、政府は料金値上げに対しまして、はっきりこう言っているわけです。「当時におけるわが国の電話の需給状況からみて、米国と同様に利用種別の制度を設けることは、時期尚早と認められ反対の意向も相当強かったのであるが、四倍値上げという大幅な値上げに対する世論の緩和策としても有意義」であるからこれを分けるのだ、こういうようにしてやったわけであります。 そうすると、昭和二十二年にこの事務用と住宅用と分離されたときの政府の考え方、これは料金値上げ反対の意向を押えるためである、そういうようなことが電信電話事業史の中にも書いてあるのでございますから、それをいま引き上げるということになりますと、やはり自己撞着におちいり、国民に対しての背信行為と認めざるを得ないことになりはせぬか、こういうように思います。この点はいかがですか。
○河本国務大臣 かりに公社の出しております案がどうなりますかわかりませんけれども、当然折衝の過程においてはある程度の修正があろうかと思います。個々の内容につきましては、十分よく検討いたしまして、かりに合理化案であり、値上げ案でありましても、できるだけ国民の方々から了解をしていただけるような形でまとめたい、かように存じます。
○島本委員 国民に理解されるということばには、私どもはほんとうにその意味の深さを認めます。国民は現在の物価高のために、もう相当苦しんでおります。この苦しみの中から国民に理解してもらう値上げ、それがほんとうにことばのとおりならば、私はここで賛意を表したいと思うのであります。いまの国民にほんとうに理解してもらえるやり方、それは社会党が持っている案であると理解してもらえる、こう私ども思いますから、それまで待って、急がないでやってもらいたい、こういうように思うわけでございます。 しかし、大臣、いま私が申し上げましたのは、電信電話事業史の中に書いてある一節を読み上げたものでございます。こういうようなことで立案の根拠にしていくということになると、やはり今後の国民に対しての国会の立場から、背信行為と思われるようなことをしてはならないのでございまして、この点について総裁の意見も伺っておきたい、こう思うわけでございます。
○米澤説明員 お答えいたします。 電電公社といたしましては、ことしの八月に経営委員会を開きまして、料金体系の合理化ということを含んだ昭和四十四年度の概算要求を八月末に郵政大臣のところへ提出いたしました。 その中身は、数字につきましては、後ほど時間があれば詳しく申し上げますが、これは昨年の一月の時点におきまして、経済審議会が政府に答申いたしました経済社会発展計画——これは閣議決定になっておりますが、その中で、電電関係といたしまして三つの大きな柱があるというように考えております。一つは、料金体系の合理化をはかることが必要である、第二は、独立採算をもってやっておる政府関係事業等においては、受益者負担の原則を貫きなさい、第三は、電話の需給をこの際改善しなさい、この三つが電電公社関係の大きな方針としてあったわけでございます。公社といたしましては、この三つの方針を受けまして、第四次五カ年計画というものをことしの八月に決定いたしました。 これは経営委員会できめたものでありまして、どういうことかといいますと、一つは、経済の効率化をはかるということ、第二は、地域開発と格差の是正をすること、第三は、国民生活の向上と近代化をはかるということ——大体三世帯に一つの電話機がつくことを予定しております。第四は、たとえば北九州のように、市が合併いたしましても、なお市外通話になっておるようなところを逐次計画的に市内通話に統合していくということ、この四つを柱にしておりまして、経費といたしましては、最初三兆五千億円というふうに推定いたしたのでありますが、先般前国会におきまして設備料の改定を審議議決していただいた過程におきまして、建設投資についてもさらに節約しろというような御意見が国会方面でもしばしばありましたので、これは事務当局がかなり反対したのでありますが、特に建設投資額の五%削減ということを実は私が指令いたしまして、五%減らしまして三兆三千七百億円ということで投資額をきめた次第であります。 このようにしてやったのでありますが、先ほどの住宅用と事務用の問題でありますが、これは定額制というような形をとっておる場合には当然差があるべきだというふうに考えます。といいますのは、電話料金というのは、いわゆる使わないでもいただく分と、それから使った分に比例する分と、こういうふうに二つに分けたのが大正年代でありまして、大正年代にそういうふうに分けたのであります。もしこれが定額制であるということならば、当然住宅用のほうを下げるのでありまして、電電公社といたしましても、今回の料金体係合理化におきまして、定額制局におきましては、たしか七割とか六割というふうに住宅用のほうが下がっておるわけであります。しかし、これが度数制ということをとった限りにおきましては、いわゆるビジネス等はうんと使うのでありますから、それらからは使った使用料というものをいただく、こういう原則になっておりまして、したがって、基本料につきましては、今回公社の案では、事務、住宅を一体にしたのであります。それからまた、イギリス等におきましては、一時、基本料について事務と住宅の差をつけたのでありますけれども、最近聞きますと、事務当局が調べますと、これは一本化するというふうになっておりまして、いまアメリカ以外——アメリカというところは大体かなり大きな基本料をもらっておるようでありますし、それからまた定額制というところが非常に多いわけであります。したがって、ヨーロッパにおきましても、少なくとも度数制をとっておるところは事務用と住宅用の基本料を一本化するという傾向にあります。そのようなふうにいたしまして、公社といたしまして案を組んだのであります。
○島本委員 大臣もお聞きのとおりなのですが、根本的な考え方のいわば主流をなしているのは、経済社会発展計画に即応する。大臣御承知のとおり、経済企画庁長官から、これはだいぶ訂正を要する、手直しをしなければならない状態に相なったという本会議での答弁があったわけです。そういたしますと、これに基づいてやるいまの計画も相当手直しを加え、その上に立って慎重に出すようなことに相なっている、こういうふうに理解せざるを得ないわけでございます。大臣もその点は十分お考えおき願いたい、こういうふうに思うわけですけれども、大臣いかがですか。
○河本国務大臣 その点は当然考えなければなりませんし、御指摘の書物に出ております二兆数千億という電話の計画、これは五年計画と一年ずれておりまして、数字が若干違うと思うのですけれども、しかし、根本的に考えられますことは、ただいま御指摘の書物に書いてあるその経済見通しよりも日本の経済のほうがはるかに急速なスピードで大きくなりつつある、こういうことでございますので、実は、電話のほうの需要もその計画よりもはるかに多くなっておるのでございます。したがいまして、むしろ現在の計画は少ないくらいでございまして、積滞数も非常に多くなってきておる、こういうことでございますので、参考にはいたしますが、ただいまのところ計画を変更する意思はございません。
○島本委員 大臣の立場からいろいろ答弁がございました。それを私は理解した上に立って、ひとつこの点を申し上げておかなければなりません。 それは、大臣は国民のためにいろいろ行政を施行する。そして昨年までの間に——いまもそうですけれども、電信電話に対しまして要求が一番多かったのは、加入区域と基本料金がいわば不可分の関係にあって、加入区域を同一行政区域内に合わせてこれを施行してもらいたい、こういうことであったわけでございます。しかし、やはり基本料は加入区域と不可分の関係にある、この矛盾を毎年国会で私どもが質問しておったのです。大臣はそのときは大臣ではございませんでしたけれども、それを修正する考えをやはり公社も明らかにしておったようであります。しかし今回、仄聞するところによりますと、やはりランクの統合と事務、住宅用の統一等、一般大衆に対しましての大幅な値上げを行なう、こういうようなことにして、いわゆる修正案を考えておられるようであります。そうだとすると、やはり問題があるじゃございませんか。 加入者の不満というのは、まず現行加入区域の不合理を直してもらいたいということなんです。直上げせよと言っておるのじゃないのであります。だから、この点は十分考えて実施しないといけないと思います。これは総裁も大臣も十分考えてもらわないといけません。通信サービスの料金については、このサービス価値に応じて総括原価を配賦決定するという原則に立つ、こうするならば、いま総裁が若干答弁されましたけれども、イギリスでこういうようなやり方を合理的に実施しているようであります。最近いろいろ問題になってきておりますところの私がいま申し上げました加入区域の統合と拡大の要求、これは大きいものがあるのです。しかしながらこれは大都市と地方都市、この間の通話区域の不平等、また、いろいろ市内通話にしてあるところと、してないところ、こういうようなものに対する一つの不満なんです。この批判に対しては、ただ無原則にこれを統合や拡大してやる、こういうようなことでは何にもならないではありませんか。したがってこれは、あまりにも拡大し過ぎて、通話料金の市内化、こういうようなことをやってやると、矛盾はまた一そう大きくなって、将来再び料金の是正をせざるを得ない、こういうようなことになってしまう。したがって、これに対しては、合理的に一つの案を十分検討した上で実施しなければならない。いわゆる抜本的な、いまの制度にこだわらないで、一つの再編成、もうこういうようなものを考えないといけないことに相なっている段階であります。そうなりますと、幾つかの収容局をまとめて、東京なら東京のような区域を一つにして、またその同じようなグループをまとめて、そして幾つかのグループにして、いわばカメの甲型、こういうような一つの方法もあるようでございますから、そういうふうにして、同一グループ及びその隣接グループ内の各局との通話を市内料金並みにしてやる、そのほかは市外通話にしてやる、こういうふうにしてやる方法だってあるのであります。合理化というのは、やはりそういうような考え方の上に立ってやるのでなければ、やってもまたすぐ値上げをせざるを得ないようなことになってしまう。これでは、行政あって政治なし、こういうようなことになってしまうわけであります。政治あって国民なし、こういうようなことになってしまったらたいへんなのであります。したがって、ここは大臣、十分検討してもらわなければならない。私はこれを聞きたかったのですけれども、委員長は、もう時間だからやめろというそぶりが見えるので、ですから私は、自分で言って、それに対する賛意を求めざるを得ない。しかし、これは重要なことなんです、大臣。これは大事なことなんですから、これもひとつ十分検討願いたいわけです。 それともう一つは、国務大臣としても、総合開発に織り込んだ、これは加入者と地域住民の生活権及び地域経済の発展性、このことを考えていまのような発想のもとにこれに対処していかなければならない、こういうふうに思うわけなんであります。私どももそういうような点からしてこの幾つかの試案もできておりますから、これを十分検討した上で、現在大臣が国民のために考えるならば、いま実施しようとするこの案に対して、もう一回考えて、そして、そのままに実施するのじゃなく、慎重に、もう一回検討して、国民に合意されるような状態でこれを出す、こういうことにまで当然踏み切る時期であり、そういうような考えが良識である、私はそう思うわけであります。 これは委員長、ほんとうに大事なことなんですよ。だけれども時間がないという。これはいまの私の考え方が間違いでありましょうかどうか、大臣と総裁の御意見を伺っておきたいと思います。
○河本国務大臣 十分検討さしていただきます。特にサービスの改善になること、あるいは合理化になること、こういうことはもうどんどんやっていきたいと思います。
○古川委員長 総裁、簡単にお願いします。
○米澤説明員 じゃ簡単にやります。 ただいまの御意見につきまして、グループ料金制につきましては公社の中でも検討いたしましたが、今回はこれを採用しないということにきめてございます。その理由はまた詳しく申し上げますけれども……。 それから、イギリスの場合をさっき申し上げたのでありますが、これは従来基本料につきまして、事務用と住宅用の差があったものをなくしたというふうに申し上げたのであります。その点、何かお聞き取り間違ったような感じがいたしましたが、従来差があったものを今度は一本化したのだということをもう一回申し上げます。
○古川委員長 中野明君。
○中野(明)委員 きょうは非常に時間がないようでありますので、私のほうからはいまの電話料金問題について一点だけ申し上げておきたいと思います。 それは、河本大臣が就任されましてその後の初めての閣議のあとでの記者会見等においても、物価の値上がり等について相当見識ある談話も発表されました。私どもも非常に期待をしておるわけでありますが、たまたま電話料金の公社の十二・五%案はそのまま認めるべきだというようなきのうの新聞を見まして、実は私どもも意外に思っているわけであります。いまいろいろ議論がなされまして、だんだん幅が出てきたような感じは受けておりますけれども、いずれにしましても、先ほど大臣が申されたように、国民の理解の上に立った値上げということになりますと、いま公社で改善案が出ております内容は、一般の大衆と中小企業者その他に非常に負担が多くなるやに私ども理解をしております。このような原案を——前回の小林大臣も郵政関係には非常に見識のある人で、何回か大臣をおやりになりまして、この委員会においても、委員会の意向もよく聞いて、検討の余地があるというような答弁もなさっております。そういう状況でありまして、諸般の情勢から、私どももこの値上げにつきましては強い反対の意見を持っております。 そういうことで、特に大臣が、十六日の新聞にもちょっと出ておりますが、電話料金のことについては「公共料金だし、国民生活に密着しているので、単に数年ごしの懸案ということだけでは簡単にはいかない。ただし昭和四十七年までに新たに一千万個の電話をつけるのに三兆五千億円もいる。このうち五千億円はどうしても足りなくなり、これは国がめんどうをみてやらなければならない」というようなお話もなさっております。また、経営の合理化ということについては、さすがに現在りっぱな経営手腕を持っておられる大臣で、この点についても非常な決意を持っておられるように私どももこの記事を見たわけであります。そういう点から考えまして、また電話経営の基本理念からいいましても、建設資金を料金値上げでまかなうべきでないというこの根本問題、こういうこともよく検討されまして、そうして、あらためて検討した内容をお出しになることを私どもは特に期待するわけであります。 なお、時間がないようですから、この前、私質問しておきました地域格差の是正に対しても、公社に解決策を立てるようにというような大臣のお話があったわけでありますが、これは時間がございませんので、この点につきましては、その後公社のほうでどういうふうに考えておるかということを、後ほどでけっこうでございますから、書面でお出し願ったらと思います。特に、そのときに問題になりました三多摩方面の東京都内二十三区との格差、これにつきましても、具体的にお考えがあれば一緒に示しておいていただければ、次の機会に検討さしていただきたい、このように思っております。 それで、大臣のほうでは、いま私の申し上げました点につきまして、今後この値上げ案に対する検討これを重ねて検討して、あらためて審議の場に臨む、このようにお考えであるかどうか、お伺いしておきます。
○河本国務大臣 公社の独立採算制を堅持する、あるいは受益者負担、こういう基本原則からいえば、当然私は、今回公社で出しております十二・五%は認めてやらなければならぬ、かように思いますもしかし、先ほども申し上げましたように、いま物価問題が一番やかましいときでございまして、国の経済運営を来年度はどうするのか、物価政策をどうするのか、こういうふうな問題との関連におきまして全然違う角度からこれを取り上げるということであれば、おのずからまた違った結論も出てくるわけでございますが、公社の独立採算制を堅持するのだ、こういう基本的な原則に立って、私は、ただいまのところはどうしても一二・五%の値上げは必要である、こういうことを考えておるのでございます。
○中野(明)委員 その内容につきましていま議論が出ておりましたが、内容の個々については、まだまだ検討の幅を持っておったようであります。そういうふうに理解してよろしいですか。
○河本国務大臣 かりに今回の案が原則的に認められたといたしましても、この案がそのまま通るとは私たちは考えておりません。ある程度はやはり修正があるものと思います。したがって、その過程におきまして若干変えなければならぬと思います。
○中野(明)委員 それでは、時間がございませんので、料金値上げの問題についてはこの辺で終わりたいと思います。 きょう私、どうしてもお尋ねしておかなければならなかったのは、簡易保険の犯罪の問題でございます。大臣が就任早々にまことに不祥な事件の話で残念なことなんですが、最近非常にショッキングな事件として騒がれております長崎県の平戸局の悪質保険犯罪についてお尋ねしたいわけなんです。 まず、監察当局から、時間がありませんので、要点をよくまとめて事件の概要を説明していただきたい。
○西原説明員 簡単に御説明申し上げます。 長崎県平戸局の職員二名及び部外の者四名が共謀いたしまして、平戸市居住の病弱者、これは二名でございます。及び老齢者十一名、その承諾を得ずに被保険者として、また契約者、保除金受け取り人を架空名儀にいたしまして保険契約を申し込み、昭和三十八年一月三十一日、合計十三件、保険金六百五十万円の保険契約を締結いたしました。なお、被保険者が死亡した三件につきましては、死亡保険金合計百五十四万五千三百円を詐取いたしました。この契約中、二件につきましては十一月二十六日、残りの十一件につきましては十二月十二日に長崎地方検察庁に書類送検いたしました。被疑罪名は詐欺、文書偽造等でございます。
○中野(明)委員 いま簡単に申し述べられた事件の概要でございますが、そこで疑問に思いますのは、三十八年の一月に不正契約がなされているにかかわらず、今日まで数年間この事件が発見されなかった。職場には局長、課長、そういうような管理職の人もおられるわけですが、全然これに気がつかなかったのかどうか、この点について非常に私ども郵政の業務の上から懸念を持つわけです。この点、局長、課長がほんとうに全然気がつかなかったのかどうか。
○西原説明員 まことに御指摘のとおり非常に申しわけないことでございますが、私どもいま知っているところでは、局長も課長も、実はこの事件はことしの八月十七日に至るまで管理者は少なくとも知らなかったというふうに聞いております。
○中野(明)委員 知るに至ったそのときの状態はどうだったでしょうか。
○西原説明員 平戸局の職員が平戸の局長に対しまして、架空契約があるように聞いておるという申告をいたしたというふうに聞いております。
○中野(明)委員 非常に残念な話なんですが、三十八年から席を並べて同じように仕事をしておった人が、数年間も気がつかないで、そしてことしの八月ごろになってそのようなことに気がついた、こういうことは、内部の業務に対するあらゆる点で非常にずさんなところがあるのではないかと、私どもはこの事件を聞いて直感したわけでございます。 きょうは時間がありませんので次に進んでいきたいと思いますが、どの事件を考えてみましても、一番問題になるのは、やはり犯行の動機でございます。これが今後の犯罪を未然に防ぐ一つの重要な材料になってくると思いますので、この事件の動機についてどのように掌握しておられるか。部内者と部外者とがあります。両方に分けて説明してください。
○西原説明員 部内者につきましては、この局員両名とも非常に仕事熱心な人でございまして、保険募集の成績をあげるためにやった。それから保険金、これは部外者の受け取った保険金でございますが、これについては、リベートを受けたり、山分けにあずかっておりません。 それから部外者四名でございますが、この動機は、実は私ども首をかしげているところがあるのでございますが、もし被保険者が早く死亡すれば保険金がそれだけ早く入る、言うならば、うまくいけばぼろもうけ、またそうでなくても、いずれ人の死というものはございますので、必ず保険金は入手できる、言うならば、手がたい一つの利殖方法であるというふうに聞いております。またもう一つは、この六人は非常に仲のいい仲間でございますので、局員二人が保険募集を一生懸命やっている、これに対して少しでも応援してやるといった友情というようなものも見られます。
○中野(明)委員 私の聞きました範囲では、部内の被疑者の一人である大浦という人の勤務状態でありますが、この人は過去二回も郵政省におり、結局三回の再雇用をされている、そのような経歴を持っておるような人であります。つまり、十五年に入って二十二年にやめて、二十五年に再び採用されて二十七年にやめ、また三十四年にあらためて採用されている。こういうような、三べんも出たり入ったりしているような人物をこういうお金を扱う危険性を伴うような仕事に採用することがあるのかどうか、そういう例があるのかどうか、ここら辺にも私は問題点があると思うのですが、この点どうですか。
○西原説明員 一般的に申しますと、まさに中野委員御指摘のとおり、何度も出たり入ったりするしりの軽い者を採用するということは、決していいことではないと思います。再採用するにあたりましては、もちろんその前に、退職したいろいろの事情を十分精査いたしまして、特別非難すべき理由でなければ、場合によれば再採用ということも考え得るわけでございますが、最近ちょっと数字をとってみましたところ、再採用は非常に減っております。昭和二十九年度におきましては、再採用者は全体の採用総数の六・五%でございましたが、三十五年度におきましては一・三%、三十八年度におきましては〇・七%というふうに、再採用者の数は非常に減っております。ただ、本件の場合は、大浦という人は前に保険の仕事をしたこともあり、保険募集について相当有能な腕を持っ持っているということ、たまたま従事しておった商売が不振であったということ、また、欠員があったというような事情で三十四年の二月に再採用したというような事情にございます。
○中野(明)委員 そういうしりの軽いような人を採用して、その後、管理者もあまりその人の行為、そういうことについて気をつけておらなかったというところにも事件が起こった一つの原因があるかもしれない、このようにも私は思うわけであります。 先ほどから話が出ておりますように、この事件というのはほんとうに悪質な事件でありまして、他人の不幸を食いものにするような、まことにとんでもない犯罪であろうかと私ども考えております。しかし、顔見知りの近所の人たち、しかも対象に選んだ人が高齢者であり、病弱者であり、中には重症の身体障害者等が入っております。これを本人に無断で保険をかけて、そして架空名義の受け取り人をつくって保険金をだまし取った、こういう姿、これはまことに人権無視の上からいっても許せない問題じゃないか、社会的にも道義的にもこれはたいへんな事件だろうと私も考えております。このために、地元では新聞紙上を相当にぎわしておるようでありますが、その上に加えまして、事件に関係した部外者の人たちも、全部、区長をしたりあるいは町内の世話役をしたりしまして、平戸市内では中堅の名士と、このようにいわれておるような人たちであった。それだけに一般のショックも非常に大きかったようであります。それに加えて、保険金を取った中から、事件の発覚をおそれて二十万円を遺族に持っていって、もみ消しをはかろうとした問題もあったようでありますし、あるいは被保険者の家に脅迫電話がかかる。いまは警察が調べておるようでありますが、もういずれも、この事件にまつわりまして、保険業務の信用を非常に傷つけるようなことが起こっております。そしてまた部内者も、先ほどお話がありましたように、保険業務に非常に精通しておるそういうベテランの職員で、その人たちは過去に表彰まで受けているいわば模範職員であります。これが共謀して簡易保険の盲点を突いて起こした知能犯である、こういうふうなことが言えるわけでありまして、このままで対策を考えなければ、簡易保険に対する不信、そしてまた、それはそのまま郵政当局への不信になってくるのじゃないかと私どもも懸念いたします。 そして、私が一番案じますのは、局員が四十名内外の中小都市の平戸局長でこういう事件が発生して、数年も未発見で今日までずっと来て、保険金が何件も詐取されておる。このままでいけば、幾らも詐取される可能性があったわけでありますが、そういう事件について考えますと、ほかの類似局ですか、平戸局によく似たような状態の局でもそういうことが起こり得る心配、また現にそういうことがなされているかもしれないというような疑いを持つのは、これは一般的な常識であろうかと思います。 それで、今後の防犯対策について監察当局の意見をまず最初にお聞きしたい、こう思うわけであります。
○西原説明員 監察当局といたしましては、今回の事件にかんがみまして、何といっても、この主事と申しますか、職場の実力者だけにすべてをまかしたというようなやり方、こういうことについて十分反省をして、その上には課長、局長というチェック機関もあるし、また主事以外の人間もいるはずでございますので、そういう人たちがさらに別の角度からこれをチェックするといった方法をとっていきたいと思います。 それからまた、書面探問あるいは実施探問、これは事業局のほうでございますが、こういうことも、もし予算その他が許すならばもう少し回数をふやしまして、単に平板的な監査ばかりではなしに、もう少し事の実態に即したやり方をとって犯罪を未然に発見するというようなことに持っていきたい。また、監察当局が行ないます特別考査といったものを活用いたしまして、特に怪しいと思われるものにつきましては徹底的にこれを防止する、こういった方法をとっていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○竹下説明員 防犯意識を高揚するということ、それから業務の正常運行を心がけるということは、今後さらに徹底してまいりたいと思います。 また、防犯のための具体的な措置といたしましては、ただいま監察官が申し上げましたように、書面調査、実地調査の件数をもう少し増加するということ、これをやりたいと思います。それから平戸事件にかんがみまして、この場合は防犯の仕事に当たるべき責任者であるところの主事が事件の共謀者の一人であったということからこういう犯罪が出たわけでございますので、重要なる事故の予防措置の調査につきましては、契約の受理と審査を扱う者と、それが正しいかどうかを調査する者とは別の人にするというふうに、いわば相互牽制の仕組みをとってまいりたいと思います。したがいまして、平戸局のように局幅が非常に小さくて、主事以外はもうすぐに課長しかいないというところは、いま申し上げましたような相互牽制の仕組みがなかなかとりにくいのでありますけれども、この場合はやはり保険課長にこの面に重点を入れる、責任を持たせる、こういうことで、今後その方向で現場を指導してまいりたいと思います。
○中野(明)委員 保険局長は、この事件が起こったということについて、いまいろいろ答弁がありましたけれども、あまり責任を感じていらっしゃらないように私感じたわけですが、保険局の中で起こっているのですから、当面の局長であるあなたが一番に責任を痛感して、そして真剣に今後の対策ということを考えられるべきである、私はこのように思うわけであります。やはりあれは監察当局が調べているのだから私は知らないという、そういう他人の事件のような感じをいま受けたわけでありますが、おそらくそんなことではないと思いますけれども、もっともっと保険局長は真剣に考えていただきたい。 そして、一番問題になるのは、他人の死亡の保険契約の危険性、これはもうあらゆる学者も言っておりますが、この危険を防ぐためには同意主義をとっているようであります。ですから、本人の同意を確認するということ、この点についてどのように今後本人の同意を確認する面接を実行しようとしていくのか、そういう点についても真剣なお考えがないようですし、もう一度御答弁をお願いしたいと思います。
○竹下説明員 このような事件の発生は、事業の信用の上から申しましてまことにゆゆしいことでもありますし、申しわけなく存じております。かつてこういうことはなかったのでありまして、再びこういうことを繰り返すということは、絶対にやってはいけないということを心に誓っておる次第でございます。決して軽く見ておるわけではございません。 いま御指摘がございましたように、この事件の根底には、保険をかけられた人の同意を得てないという問題、それから、局員が面接をしておらないという重大なる欠陥がひそんでいるわけでございまして、そのほうの予防ということは、今後十分徹底してまいりたい、そのためには、先ほど申しましたように、書面調査、実地調査の件数を増加するということ、それから、実際契約事務を取り扱う者とそれを監督する者と、別々の者がこの調査をやるという相互牽制組織をとるというようなことを盛り込みまして、近く、このための防犯の通達をなるたけ早い機会に現場に対して出す予定で、目下文案をつくっておるところでございます。
○中野(明)委員 いま、このような事件はかつてなかった郵政部内での不祥事である、このようなお話でありましたが、それにしては、これは監察当局にも問題があるのですが、私のほうで、参考資料として事件の概要をお尋ねしたときに、最初に持ってこられた書類には、保険金の詐取された合計は二百五万、四件、このようになっております。それからわずか二、三日の間に、実はあれは三件で百五十四万何がしでございました、このような書類を持ってこられております。事件の捜査には九月十二日から入っておられるのですから、十二月に入って、そして監察当局のほうに報告があったのがわずか二日か三日で基本的に違ってくるという点についても、監察当局がこの事件に本気で取っ組んで、ほんとうにたいへんなことだというように考えておったというようには私は受け取れぬわけであります。この点、何かわけがあったのですか、そこのところ……。
○西原説明員 たいへんおしかりを受けて恐縮でございます。もちろん、監察当局としてこの問題に対して軽視するなどという気持ちはさらさらございません。ただ、理由と申しますと、実はこの十三件のうちの二件は、これは弱体者を健康者と偽って契約を結んだ、これは明らかな詐欺罪でございます。しかし、他の十一件につきましては、これは老齢者ではありましたが、別段弱体者ではない。したがって、この十一件を刑事事件にするかどうかといった点につきまして、いろいろ現地の検察側とも打ち合わせをしておりましたために若干時間がかかったということでございます。率直に申しますと、ちょっと私どもの現地のほうも、この二件だけの問題だというふうに最初は信じ込んでいた点もございまして、調査に粗漏の点がありまして、議員に対しましてたいへん失礼いたしました。深くおわびいたします。
○中野(明)委員 地元では非常に大きな問題で、監察当局ではどうもたよりない、警察にも要請すべきじゃないかというくらいに極端な意見も出ている様子でありますが、いまの答弁では、私非常に不満でございまして、地元の人たちの気持ちを考えたときに、それは慎重に、個人の名誉にかかわることですから、なさるのはわかりますけれども、三月もたって、しかも東京の中心へ報告されてくるのに、最初が四件であったのに、今度は三件でございました、こういうようなことになってくる、その監察の手ぬるさというのですか、こういうことについても、今後事件が皆無というわけにまいらないようですから、監察当局も職責を全うするために真剣になっていただいて、いやしくも部外の人から、監察当局は同じ部内だから、なれ合いで、調べても信用できぬのだというような声の出ないように、これは非常に大事な問題だと思いますので、お願いをしたい、私はこのように思います。 きょうは時間が非常にないものですから、その点を強く要望いたしまして、最後に、ほかにもいろいろありますけれども、これはまたの機会にいたしまして、大臣にお願いをしたいと思います。 こういうことで、簡易保険の募集目標の割り当てというのですか、そういうことを達成し、あるいは表彰でも受けたい、そういうようなところがら出たのかもしれませんけれども、いずれにしても、こういう人たちに利用された、自分たちの全然知らぬ間に自分の寿命の縮むことを、いわば願われておったというような被保険者、知らぬ間に被保険者にされておった人及びその家族、こういう人たちに対して、郵政大臣としてどのような考えをお持ちになるか。それから、今後大臣の部内における悪質犯罪、こういうことについての防止の決意、このことを最後にお伺いして、終わりたいと思います。
○河本国務大臣 今度の事件はまことに遺憾でございます。しかし、先ほども局長が申し上げましたように、この種の事件はこれまでもございませんでしたし、今後も私はこんな事件は起こらぬのではないか、こう思います。 しかし、それにいたしましても、内部におきましてこういう事件を起こすことに関連した者が二名も出るということに対しては、今後十分気をつけまして、あらゆる角度からこういうことの起こらぬようにいろいろ対策を立て、配慮していきたい、かように存じます。
○中野(明)委員 犠牲になった被保険者にされた家族あるいは本人、この人たちは非常な精神的なショックを受けておりますが、その点について、郵政大臣としてはどういうふうな処置をとろうとなさっているのか、その点、答弁が漏れております。 それからもう一点、この種の事件は今後絶対に起こらないというふうに、非常に確信のあるお話なんですが、私どももそれを望みます。しかしながら、現実にいままで起こってなかったことが起こって、しかも、郵政省に入って十数年、二十年近くつとめた主事というような立場におる人がこういう事件を起こしております。しかも、平戸で起こったということは、これはよそで起こり得る可能性がある。大臣のおっしゃるように、絶対にそういうことが起こらないと断言する裏づけは、私は何もないと思います。それだけに、今後こういう事件が起こらないというふうに、はっきり確信を持ってしまえば、また予防対策も手ぬるくなってくるのじゃないか、そういうような気がする。ここで起こったことは、よそでも起こる可能性がある、だからこれは気をつけなければならぬ。未来のことですから、言い切ってしまわれると、今後起こったときに大臣がお困りになるのじゃないか、このように私は思います。ですから、その二点、もう一度お願いしたいと思います。
○河本国務大臣 今後起こらないように、万全の措置を講じたいと思います。 それから、御迷惑をかけた方々に対しましては、関係機関を通じまして、おわびをしたいと思います。
○中野(明)委員 以上で終わりますが、知らぬ間にそういうふうなことで迷惑をかけた家族に対しても、今後郵政あるいは簡易保険、そういうことについて感情を害さないように、いまの大臣のお話で、丁重なおわびがなされると思いますけれども、その点は、特に精神的に大きなショックを受けておる人たちで、大臣自身がその身になられてもおわかりのように、病気でいつ死ぬかもわからぬというような人たちが知らぬ間に保険に入れられてその保険金をねらわれておった、しかも、その保険金を詐取した人が葬式にはのこのこと出てきて世話をしておった、こういうふうな非常にショッキングな事件なんです。ですから、その点については十分の配慮をされまして、そうして当人たちの気持ちを慰めるようにしてあげていただきたい。また、監察当局にも、先ほど申し上げましたように、地元ではそういう点で事件の調査が長引いたことについていろいろと憶測がされておりますので、そういう不信のないように今後ともつとめていただきたい。これだけ申し上げまして、終わりにしたいと思います。
○古川委員長 小沢貞孝君。
○小沢(貞)委員 いま委員各位から御質問があった中で、私、大臣の答弁の中で気になることがありますから、大臣及び次官に特に要望をかねて御質問申し上げますから、二点について大臣の御決意をお伺いしたいわけです。 その一点は、十二・五%の電話料金の合理化、値上げ、こういうものは、大臣として認めざるを得ない、しかし、物価体系その他の全体的な立場から修正もあり得る、こういうような御答弁がありました。その修正にはどういう点に着目したらよいか、こういう問題について、私は前の小林大臣時代からるる申し上げてきた点の一部だけを申し上げて、修正時点にはこれを十分考えていただきたい、こういうふうに考えるわけであります。 今度の料金体系の場合には応益主義、受益をする者からひとつ料金はいただこうじゃないか、こういう合理性のあることについては私は賛成であります。したがって、もし十二・五%をあるいは五%に押えろあるいは六%でとどめろ、こういうようなことになった場合には、単にいままでの料金、度数料七円を十円にするというのを、七円を八円にしておこうじゃないかというような考え方でなくて、もっと別な立場からひとつ考えていただきたいということを一、二具体的に申し上げます。 たとえば、こういうことにしたならばどうだろうか。設備料は、ことし五月だと思いましたが、従来一万円であったものを、単独は三万円にし、二共同は二万円にし、農集等は一万円据え置き、こういうことでありました。これをまた来年改定するということになれば、これは朝令暮改式じゃないかというような反対が、あるいはあるかもしれません。しかし、三万円取られた人は一回こっきりであります。だから、次に、単独のものは五万円、二共同は三万円、農集等、一番電電公社で赤字を出しているこういうものについては、この間は据え置きでありますが、これを二万円、こういうようにするならば、きのう電電公社に私が聞いたところによると、数%、四、五%になるらしいのです。そうすると、これによって三分の一はまかなえる、しかも、この利点というものは、積滞があっていま困っているその積滞を押えることができる、つまり需要が抑制できる、こういうことであります。それから赤字部門の需要の抑制ができる。特に、農集や多数共同等もいままでは据え置きなんです、赤字部門はどんどんやっていけというように。この設備料が据え置きであるということは不合理であるわけです。したがって、この農集等についても、当然やはり上げるべきだと、当時から私は主張してまいりました。 それからいま一点は、朝令暮改にはならないのだ。一回三万円納めた人は、次は五万円になりましたから差額を納めろ、こういうことにはならないわけですから、単独、単独で、こっきりでやっていきますから、これはちっとも朝令暮改ではありません。こういうような点を考えて、もし修正をするということになるならば、電電公社からの申請でなくて、そういうように視野を広めてひとつ検討していただきたいという点が一点であります。 第二点は、私はこれは前の郵政大臣のときから口をすっぱくして言ってまいりましたが、お役所、電電公社もそうだと思いますが、そこには企業性がないのだ、私はこう思います。聞くところによれば、大臣は企業の出身だとも聞いておりますが、一般民間においては、売り上げが倍になっても人員は減らしていくのだ、つまり生産性をどんどんあげてやっている。電電公社の過去の予算を審議する過程にはそれが見られないわけです。来年十二%も上げようというのに人員は一万二千人もふやそうとしておるわけです。こんなことを民間の企業者に相談したら笑われちゃうわけです。労働装備率を高めることは当然ですが、やはり人員を減らしつつ売り上げをふやしていく、こういうことをもっとぴしっとやる。大臣がしろうとであるというから、私は非常にいいと思います。役人というものは、高級の人であろうと下の人であろうと、現状維持派なんです。このダイナミックに変わっていく産業社会の中においては、大臣がそこに目をつけなければだれもっける人がいないわけです。役人のための国会ではないと思う。今度の国会もベースアップをしようということきりで終わっているわけです。いまの日本というものは産業社会、産業社会人が築き上げていく社会だ、それに役所も順応しなければいけないのだ、こういうように私は強く考えるわけです。そういうことからいうと、まだこういうことをやっているわけですが、民間なんか、こんなものはとうになくなっている。みずから電話機の修理をやり、自動車の修理もやる、こういうことが電々の中では行なわれているわけです。あるいはまた、通信局と通信部と、同じ仕事を重複しているだろうと何回も私は言うが、それにメスを加えようともしないわけです。そういうことをしていくならば、この設備料を上げる、数%上げるというようなことや、あとわずかなことをすれば当面切り抜けていくことができるのだ、こういうように信じて疑わないわけです。 こういう立場から、ひとつ企業性のある経営をさせるのだ、大臣はひとつきびしくそこに着目をしていただきたい、これが一点で、これは抽象的な御返事だけでけっこうです。 いま一点は、一般郵政のことについてもそうであります。先ほど来の質問で、何をふやしましょう、これもふやしましょうというように大臣は答弁をされておりました。しかしこれも、いまの社会はダイナミックに変わっていきますから、その変わっていく中で、相変わらず役所の仕事をふやしたり、生産性をあげることに反対したり、現状を維持したり、権限をふやそうとしたり、これが私は役人の基本的な考え方だと思いますから、それを打破していかなければならない、それを打ち破っていかなければいけない、こういうように考えますから、一般的な郵政の仕事についても、そういう目から、ひとつ大臣は大所高所から民間の人の立場に立って目を光らせて、チェックすべきものはチェックしていく、こういう態度が必要だと思います。産業人として産業社会に対処する政治でなければならない、こういうように私は考えます。 以上二点、これは主として要望ですが、ひとつ、大臣のお考え方をお聞きして質問を終わります。
○河本国務大臣 まず最初に、値上げの問題でございますが、これは、私は繰り返して恐縮でございますけれども、公社の独立採算制を堅持させるためには、絶対に十二・五%の値上げが必要である、かように私はかたく信じております。ただし、それ以外の要素で独立採算制を一時的にでもくずせ、こういうふうな議論がかりに出てきても、それは困るというような談判をいたしまするけれども、交渉はいたしまするけれども、しかし、交渉の過程におきまして、やはり大所高所から判断をしなければならぬ場合もあろうかと思います。かりにそういう事態が出てまいりまして、一部原案を修正をして対策を立てる、こういう場合におきましての非常に貴重な御意見を拝聴いたしました。 私はもともと、なぜこの電電における赤字が出たかということについて考えてみたのでございますが、大きく分けまして二つの理由があると思うのです。 その一つは、過去十数年間の設備投資の大半がサービスの改善に使われておるわけなんですね。それから一銭の増収もない。非常に大きなサービスの改善がされております。 それからもう一つは、新しく電話を引く場合に、公社の言い分によりますと、一個三十六万円かかる、それに対して三万円の設備料をいただくわけでございますが、そうすると、一応三十三万円の赤字が出ます。しかし、赤字は赤字として計上されるのではなくして、これは設備として、固定資産として一方で残るわけでございますが、しかし、これがたまりたまりますと、先ほど来御指摘のような大きな金利の負担になってまいります。それから同時に償却もしなければなりません。この金利負担と償却と、これがめちゃくちゃにふえてまいっておるということ、この二つが公社が非常に困難な経営状態に追い込まれた大きな理由でございます。 つきましては、その一つである三万円の設備料というものをある程度上げて、せめてまあ、三十六万円かかるものならば二割にするとか、そういうふうな意見は、当然私は有力な意見として各方面から出ておると思うのです。非常な貴重な、傾聴すべき御意見として、今後の問題として検討さしていただきたい、かように考えます。 それからもう一つ、公社といえども一つの企業である、自主性を持って運用しなければならぬ、企業者精神を持って運用しなければならぬ、こういう御指摘でございますが、全くそのとおりでございまして、私は、まだまだ合理化すべき点が多々あるのではないか、また機械化すべき点も多々あるのではないか、非常に大きな経済でございますから、わずかな創意くふうを生かしましても、その結果は何百億というふうにはね返ってまいりましょう。ですから、できるだけ自主性を持たせながら、それぞれの経営者に十分自覚してもらって、御指摘のような点を生かしていきたい、かように存じます。 ————◇—————
○古川委員長 この際、閉会中審査に関する件についておはかりいたします。 すなわち、 逓信行政に関する件 郵政事業に関する件 郵政監察に関する件 電気通信に関する件 電波監理及び放送に関する件 以上の各件について、議長に対し閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 なお、閉会中審査案件が付託されました場合、その調査のため、委員派遣を行なう必要が生じました際の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 —————————————
○古川委員長 なお、本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付いたしましたとおり、全部で八件でございます。 右、参考のため御報告申し上げます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十九分散会