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60回国会衆議院1968/12/20

地方行政委員会 第4号

発言数
48
登壇者
12
会派数
2
開催日
1968/12/20

会議録

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 これより会議を開きます。  閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。  地方自治に関する件  地方財政に関する件  警察に関する件  消防に関する件  以上の各件について、閉会中審査の申し出を議長にいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ————◇—————

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 地方財政に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。太田一夫君。

太田一夫日本社会党

○太田委員 自治省の政務次官、いらっしゃいますようですから、大臣にかわってお答えをいただきたいと思います。きょうは時間がないそうでありますから、重点を特に教育費の問題にしぼりましてお尋ねをいたします。  義務教育は、憲法二十六条の規定によって、これは国民の義務であると同時に、国もまたその教育は無償でなくてはならないという義務づけがあるわけですが、現実には授業料を取らないということ以外に、無償というのは、最近教科書無償が追加された以外に見るべきものがありません。そして校舎は市町村立でございます。そして教職員の身分も、市町村に所属しながら、その給与は都道府県の負担ということになっておるわけです。校舎の設備費用は中学校が二分の一で、小学校が三分の一、こういうふうに補助率のバランスがとれておりません。こういうことについて私は非常に奇怪に思うのでありますが、何か御所見はありませんか。

砂田重民自由民主党自治政務次官

○砂田政府委員 太田委員のいまお述べになりました義務教育に関連していろいろなでこぼこがございますことは、たいへん残念な現状だと心得ております。政務次官就任早々でございまして、あまりこまかく詰めてまだ検討するだけの時間の余裕がございませんけれども、事務当局の話を就任早々聞きましたときも、私は非常に奇異に感じました。これから取り組んでまいらなければならない問題点の一つと承知しております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 ただいまの次官の御答弁でありますが、やはり所管として見ると岡目八目と申しますか、そういうことになりますが、砂田政務次官はしろうとだけに奇異に感じたということで率直に感じておられる。これが大蔵省あたりになりますと、あたりまえじゃないかということになるのだろうと思いますが、秋吉さん、いらっしゃいませんが、大蔵省は常に矛盾を正当だと言い、間違っていることを正しいと言うことにかけては非常にたけていらっしゃる。それを私は残念だと思うのでありまして、砂田政務次官がアンバランス補助率についてまことに奇異にお感じになったことに敬意を表します。今後徹底的にこれに取り組んでいただきたいと思います。  現在、教育費というのは御承知のとおりでありますが、地方団体の経費といたしますとたいへんな費用でありまして、教育費がまずトップ、その次が土木費でありますが、県、市町村の負担割合等から見ますと、県におきましても、市町村におきましても、ともに教育費がトップになっているわけでございます。その次が土木費、はるかに下がって教育費ということになるわけでございます。したがって、教育費は県が三割、市町村が二割、これくらい予算の中に割合を占めているのでありまして、これはたいへんなことになります。それで私は、今度の賃金の七月遡及の問題が解決いたしまして、一応の前進と思いまして、敬意を表しますが、これは地方財政計画の補正なんていうことは、いままで前例がありませんから、補正はないでしょうけれども、教職員の給与費という点にしぼって考えても、都道府県の教育費が非常に多いのは、そのほとんどが給与費でございますが、これに対して二分の一負担である、国が五割、地方が五割、まさに五分五分でありますから、国と地方が同格であるということでありましょうけれども、五分五分というのは理論がわからない。法律にはあるけれども、私は全額国が持つのが憲法二十六条の精神からいっても正しいのじゃないかと思う。現行法があるからということじゃなしに、それを抜きにしてもう一度振り出しへ戻って考えた場合においては、教育費は全額、給与、施設費ともに国が持つべきだという理論が正しいのではないか、こう思うのです。秋吉さん、ひとつあなたからお答弁をいただきたい。

秋吉良雄大蔵省主計局主計官

○秋吉説明員 途中で御質問の趣旨をはき違えたかもしれませんが、憲法二十六条の義務教育無償の原則というのは、私どもといたしましては授業料についてのことをいっておるものだというふうに解釈しておるわけでございます。その意味は、つまり、昭和二十六、七年でございましたか、義務教育の教科書の問題については国と地方がそれぞれ五割負担しておったという過去の実例もございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 秋吉さんは何もかもよく御存じだし、あなたの腹の中もわかっておるような気がするから、別にあらためて聞かなければならぬことではないのですけれども、このごろ世の中には無責任な議論があって、地方のほうは何か非常に財政が豊かであるというようなとんでもない議論が流布されておるわけです。そこで、大蔵省が流言に惑わされて妙なことを言いますと、どうも自治省は大蔵省に頭があがらぬ何かがあるような気がして、どこか一歩譲歩、二歩譲歩というような色を最近見せていらっしゃるような気がするので心配をするわけです。あなたは間違わないこと、正しいことをおっしゃっていただかなければならない。憲法二十六条の無償の原則というのは、授業料を取らないということもそれでもちろんいいでしょう。同時に、今度教科書も無償になった、それもいいでしょう。給食費も無償でなければならぬ。それから運動場で遊ぶならば運動場をつくる費用も無償でなければならぬ。教育を受けるためには、教室を建てる施設のほうも住民に負担をかけないということでなければならない。私はそういうふうに思うのですよ。そこまで行くのが理想である。しかしいまは、現行法体系のもとにおいては、施設については中学校は二分の一を補助する。小学校は三分の一、これは少ないですね。それから給食費については半額だ、こうなっておるわけです。これには矛盾がありはしませんか。非常にバランスがとれておりませんし、これはおかしいのではないか。ここにメスを入れなければ二十六条の精神というものは光を放たないであろう、こういうことをすでに申し上げておるのです。

秋吉良雄大蔵省主計局主計官

○秋吉説明員 教科書の問題について現在国が全額負担をいたしておるわけでございますが、これを義務教育費国庫負担法と同じ趣旨に従いまして、二分の一地方負担の制度を採用したらどうかということで、私ども現在検討いたしておりますが、無償であるということ、父兄負担がないということについては現行と変わりないわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 だからあなたのほうの考えはおかしいと申しておるのですが、あなたが自治省の地方財政についての関係で一番いまのところよく現状に精通していらっしゃる方だということになっておるわけだから、あなたが間違ったことをおっしゃっていただいては困るのです。教科書無償というようなも一のが、また二分の一地方負担ということに相なるなら、一歩も二歩も後退であります。私は施設だけに限定をして申し上げて意見を聞きたいのでありますが、小学校の施設、中学校の施設になぜ二分の一と三分の一の差があるのか、これは在来ずっと議論のあるところでしょう。少なくとも小学校の施設についても二分の一にすべきだという長い間の懸案じゃありませんか、これはどうなんですか。

秋吉良雄大蔵省主計局主計官

○秋吉説明員 これは実は文部省担当の主計官がお答えすべきが筋合いでございますが、現在小学校については三分の一、それから中学校についてはたしか二分の一でございましたか、負担になっておると思いますが、これは歴史的な、経過的な問題がございまして、やはり急増対策の一環といたしまして、特に中学校については手厚い負担がなされているという経過的な問題としてこういう形になっているわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 細郷さんにお尋ねをいたしますが、自治省は教育施設の法定の補助率はどれくらいのつもりでいらっしゃるのですか。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 まあいろいろ考え方があるだろうと思いますが、どうも補助率のようなものは、多分に沿革的なものを持っておりまして、現状の補助率ということも私は一つの意味があるのではなかろうか、こう考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 あなた、そんなことを言っていて、かりにこの次になって、来年度の予算が提示されて、財政計画を出したときに、さあこういうものはなくなりました、こういう歳入は消えました、こういう歳出がふえましたというようなものをお出しになるとするなら、そのときはあなたに責任をとってもらわなければならない。これは大臣がここにいらっしゃいませんけれども、参議院の予算委員会におきましてわが党の田中氏が質問いたしましたことに対する地方財政の好転化あるいは地方財政の窮乏化という、好転論と窮乏論との争いがあり、自治大臣は窮乏論であった、ところが大蔵大臣のほうは好転論であったという点において完全な意見の不一致を来たしておる、こういうときでありますがゆえに、そのときに、自治省なら自治省が特に地方公共団体の財政のめんどうを見る当事者として、あなたのほうがいまの補助体系なら補助体系、補助金の計算のしかた、あるいは負担のあり方というものを是認されたり、あるいは大蔵省がおっしゃるように、教科書の半額負担もやむを得ないだろうというようなことに後退されるということになると、これはもう地方財政の全面崩壊につながるという気がする。そこであなたに、いまの補助率というものはいかなるものが正しいと考えていらっしゃるのかとお伺いしておるわけですが、どうなんですか。いいですか、いまのままで。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 具体的に個々の補助率をどうするかは、やはりその補助金の持っております意味とか、あるいはその補助金施策によります時代的な意味とか、そういったようなものを考えてきめるべきだと思うのです。したがって私は、一応はいまの補助率というものはいろいろな積み上げで安定をしておるけれども、新しい施策をやるような場合にこれを上げなければいけないというものもありましょうし、あるいはこれを下げてもいいんだというものもあってもよいと思います。ただ、先ほど文教の問題でどうなんだということで、なかなか私もその率が幾らであるべきかということは一律的に申し上げかねたもんですから、先ほども申し上げなかったわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 建設省の関係の道路等におきましては、四分の三、三分の二等、高率の補助があるわけですね。ところが、文教の施設に対しては最高が二分の一なんです。非常に低い。したがって、貧弱団体におきましては、いい建物はできないわけでありますから、そこの児童、生徒は、非常に貧弱な建物の中で勉強しなければならない、こういうことになるわけです。少なくとも教育を受ける義務を国民に課し、それを権利として認めておる立場からいいまして、そういうアンバランス、不均衡を認めるということは妥当なことではないと思うのです。だから、本来言うなら国が全部出したらいいじゃないですか。なぜ二分の一や三分の一の少額の補助で甘んじて地方財政は圧迫されてきゅうきゅういっておらなければならぬのかわからない。少なくとも、法律は法律として今後改めるという場合にはこれは全額国庫で負担すべきである。負担金なら全額出すべきだ、十割負担を主張なさるべきだと思うのですが、その必要はないのでありましょうか。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 やや現実と離れた議論になって恐縮でございますが、私どもの基本的な考えは国と地方の間でそれぞれ仕事の分野をきめて、国のやるべき仕事は全部国でやってもらう、地方のやるべき仕事は全部地方の財源でやる、これが負担区分の基本として一番大事なことではないかと思っております。ただ、現実には、御承知のように地方財政法にもございますように、まだ地方団体の行政事務として同化しきっていない、溶け込んでいないようなものについては、負担区分で何分の一持つというようなことをやっておるわけであります。また、公共事業のようにむしろ国の均衡ある発展という立場から力を入れるというような意味で、道路などの負担率が現在国道について四分の三でございますか、県道についてもものによって四分の三というのが出ておるわけであります。したがいまして、国と地方の間で一方は高くて一方が低いのはおかしいということになりますと、むしろ私どもは、原則に返って、国のやるべきものは国で、地方のやるべきものは地方でというような考え方のほうが理屈の上では徹しているのではないだろうかという気持ちを持っておるわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 いい御意見じゃありませんか。国がやるものは国がやる、地方がやるものは地方がやりましょう、したがって国道の維持、補修も改良もすべて国がやる。建設省の直轄でおやりになればよろしい。それから府県道は府県が、市町村道は市町村がやればよろしい。それは私は正しいと思うのです。そこまで踏み切る努力をすべきだと私は思うのです。そうすれば教育はだれがやりますか、これは義務教育です。少なくとも財源は国家が保障すべきだ、そういう理屈になるじゃありませんか、これはどうですか。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 義務教育は国の仕事か地方の仕事かというと、これはなかなか議論があってきまらない問題でございます。過去何十年間義務教育の負担についてはいろいろな方法が考えられ、いろいろな変遷をたどってきておりますことは御承知のとおりでございます。国のやるべき仕事だといえばそういう面も多分に持っておりますし、反面、自治体の住民として次の世代を背負うものをわれわれの負担でやっていこうというような考え方に立てば、非常に自治体的な仕事でもあるというようなこともございまして、これはやはり一つ一つの補助金についていろいろ議論をして考えていくべきではないかというように考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 細郷さん、ちょっと腰が弱いじゃありませんか。あなたがおっしゃったことが自治省関係の全部の意見とは思いませんし、大臣の意見と合致しておるとも思いませんからいいのですけれども、少なくとも、いま九州なら九州の過疎地帯に行ってみなさい。小中学校は義務です。小中学校の義務教育を終えてあの生徒はどこへ行くのですか。その地方の発展に貢献しますか。全部東海道ベルト地帯なんかの大工業地帯に参りまして国家経済の繁栄のために貢献しておるじゃないか、そういうことなんです。この実態からいいましても、教育は義務教育だ、その財源は国が見るべきだ、その簡単な理屈はだれが聞いても当然じゃありませんか。日本は連邦国家じゃないのですよ。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 そういうことで一つ一つの補助金なり負担金を見てまいりますと、単に財政の問題だけでなくて、やはりそのものの持っておる性質とか仕事の内容とかによって判断をしていくべきだろうと思うのでございまして、そういう意味で補助率がいかにあるべきかということは非常にむずかしい議論でございます。おっしゃるように、私どもよく聞くのでありますが、近ごろは金をかけて教育をするとみんな都会に出てしまう、この金が返ってこないというような議論も聞いております。また反面では、都会で働いて国税を納めた分が交付税で戻ってくるという見方もできないわけではないでありましょうし、また過疎地帯には特に国土開発という面からウエートをかけるべきだというようなことで、離島振興でありますとか山村振興でありますとかいうものについては、他にない補助金を置いたり、あるいは補助率を高めたり、そういうことをいろいろやっているわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 あまりどこやらのいい子になるようなお答えでなくて、あなた、ゆうべ徹夜されたようだから、きょうはいささか気分が乗らないように見えますが、あなたのほんとうの腹というのは一番最後におっしゃっていただけばいいでしょう、大事な決定的な段階において。  先ほど次官は、補助率の差異については非常に奇異の感に打たれておるとおっしゃったが、そのとおりなんです。教育費というものを全体に分けてみると、国家はどれくらいめんどうを見ているかというと一四%しか見ておらない。地方が八六%見ておる。財政的な見地からいうとそれくらいの割合になる。だから教育というのは地方がやっておる。そういう膨大な負担を地方にさせていて、それで地方のほうの住民には、過疎地帯には金がないから標準税率を越えたぎりぎり一ぱいの超過課税をしておるというような気の毒な立場に置いておるわけです。ですから私は、地方自治の発展ということを考えた場合に、来年度は三千億くらい交付税がふえるであろうからまあまあいいわ、少々くらいは何か減ってもいいわというような無責任な考え方で大蔵省と妥協してもらっては困ると思う。大蔵省と無原則に妥協することはあるかないか、これをひとつ大臣がいらっしゃらなければ次官から答えてください。時間がないからこれで終わります。

砂田重民自由民主党自治政務次官

○砂田政府委員 ちょっといま太田委員の御質問を一部聞き漏らしたところがあるかもしれません。正確なお答えになるかどうかわかりませんが、補助金の問題につきましては、たとえば零細であるからといって、それが打ち切りの要因になっては相ならない。やはりその補助金そのものの持っております性格、これが地方自治の行政に及ぼすいろんな影響等を相当きめこまかに一つ一つ検討した上でなければ結論は出せないのではないか、そういうふうに私は考えております。ただ、いえますことは、一般論としては地方自治の自律性と申しますか、そういう意味合いもまた加味して考えていかなければならぬかと思いますけれども、やはり相当きめのこまかい検討をした上でなければ答えが出せない、そういう感じを持っております。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 山口鶴男君の関連質問を許します。山口君。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 時間もありませんから、また関連ですから、ごく簡単にお尋ねしたいと思います。  先ほど秋吉主計官の御答弁を聞いておりましたが、教科書無償給付費の半額地方負担をお考えになっているようであります。そのほか、新聞等で伝えられるところによりますと、昭和四十三年度ベースでおよそ六百六十一億円、四十四年度ベースでは七百六十億の補助金の整理というものを考えておられるようであります。しかし、いまの財政局長のお話で、自治省のほうとすれば国、県、市町村の事務というものを明確にする、そしてそれに対する財源というものを完全に見る、こういうお考えもいま出ておったわけであります。  そこでお尋ねしたいのは、伝えられるような四十三年度ベース六百六十一億、四十四年度ベース七百六十億というような補助金、文部省所管、厚生省所管、農林省所管、通商産業省所管、労働省所管、それから自治省所管、さらには自治省所管の中で私ども非常に遺憾だと思うのは、市町村民税の臨時減税補てん債の元利補給をやっていますね、四十三年度ベースで百十一億、それから特別事業債の償還交付金百三億、それから交通安全対策の交付金、これは自治省にも大いに関係があると思うのですが五十五億、こういうものの整理を大蔵省は考えておるのですか。

秋吉良雄大蔵省主計局主計官

○秋吉説明員 大筋として御指摘のとおりでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 まさにおそるべきことだろうと思うのです。私は財政局長にお尋ねしたいと思うのですが、こういう補助金の整理を自治省としては一体許すおつもりですか。もしこういうものが行なわれるということになれば、かりに交付税率三二%が確保されたとしても、結局六百六十億なりあるいは四十四年度ベースで七百六十億というような交付税が減ると同じ効果になるじゃないですか。実質的には約二%です。三二%から三〇%に切り下げられる、こういうことと同じになると思うのですが、自治省の考え方、決意というものをお聞かせいただきたいと思います。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 先ほども申し上げましたように、いろいろな補助金について整理をしたいというお考えがあるように承っておりますが、私どもはやはり個々のものについて内容を検討して判断をすべきであろう、かように考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 どうも日ごろ大論文を発表して地方財政の危機を訴えておられる細郷財政局長の御答弁とは受け取れませんでしたね。しかも巧緻、精緻な交付税ということをあなたは看板にしておられる。こういうものがなくなれば——これはもうみんななくなることには反対だということのようですけれども、ある程度、かりに四百億なら四百億整理されたということになれば、これは交付税率一・五%あるいは一%切り落とされたと同じことじゃないですか。そういうことでも自治省はよろしいというおつもりなんですか。私はそんなことでは自治省はつとまらぬと思うのですが

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 先ほど申し上げましたように、ものによって判断すべきである、かように考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 ものによってというお話がありますから、各省にお尋ねしたいと思います。  文部省にお尋ねしますが、学校栄養職員設置費補助金、それから義務教育費国庫負担金のうちの指導主事の人件費、こういう補助金の整理をしようとしておられるが、文部省のお考えはいかん。  以下、時間がありませんから、ずっと聞きます。  厚生省研管。保健所運営費補助金、精神衛生費補助金、婦人保護費補助金、児童保護費補助金、一時保護所費補助金、保母養成所費補助金、特別保育事業費補助金、保健婦及診療施設整備費補助金、こういったものを厚生省では整理しようと大蔵省は考えておるようですが、厚生省はその考え方に賛成ですか反対ですか。  農林省。いろいろありますが、特に大きいのは農業改良普及事業費補助金、全国一万三千八百五十人ほどおられる農業改良普及員の三分の二の補助金、これを整理するというようなことは、いま総合農政というようなことをうたっているときに、私はきわめて問題だと思うのですが、その考え方はどうか。蚕業技術員の補助金あるいは林業指導員の補助金、同様、だろうと思うのですが、お考えはどうですか。  通産省のほうでは、中小企業の振興ということがいわれておるのに、中小企業指導事業費補助金、特に診断指導費補助金等を削減するというようなことを通産省としてはお認めになるのか、あくまでも反対なのか、お答えをいただきたいと思います。  労働省につきましても同じようなものがございます。お考えをお聞きしたいと思います。  さらに文部省にお尋ねをしたいと思うのですが、先ほど秋吉さんも触れられましたが、義務教育の教科書については全額国が今日まで持っておる。これを今度半分地方負担にするというようなことは、先ほどの太田委員の御議論ではありませんが、まさに憲法二十六条がちょうど日食か月食のように光を閉ざしてしまうというようなおそれが十分あるわけでございます。こういうことに対するお考えはいかがですか、お聞かせをいただきたいと思います。

岩間英太郎文部大臣官房長

○岩間政府委員 ただいま大蔵省のほうでそういうものを検討中だという話は聞いておりますが、まだ別に内示を受けた段階ではございません。大蔵省も良識のあるところでございますし、また日ごろの実績を無視してやることもなかなかむずかしかろうと思います。  人件費の補助につきましては、国としてそういうような絶対的な方針がある場合はともかくといたしまして、そういうふうな一貫した方針があってやるのでないという場合には、私どもは賛成しかねるということでございます。  また、教科書の問題につきましても、検討中だというお話がただいまございましたが、私どもは現行の制度で別に差しつかえない、またそのほうがよろしいのじゃないかという考え方を持っております。いままで円満に大蔵省と予算につきましては話し合いをしてまいりましたが、この点につきましても円満な話ができるもの、こういうふうに考えております。

横田陽吉厚生大臣官房会計課長

○横田説明員 お答えいたします。  厚生省関係の補助金で整理対象になっておりますものにどういう補助金があるかという点につきましては、実はまだ正式な話が全くございませんので承知いたしておりません。先生、か御指摘なさったような補助金がもし整理の対象であるといたしましたならば、厚生省といたしましては反対をせざるを得ないということでございます。

池田俊也農林省農政局長

○池田政府委員 農林省の所管でそういう職員設置費補助金等の対象に考えられるものは百三億補助があるのでございます。その中で大きいのは先ほど御指摘いただきましたような普及員の関係でございますけれども、私どもは、ただいま先生が御指摘になりましたように、今後農政を新しい観点から浸透していかなければならない、こういう段階に実は来ているわけでございます。その場合に、一番よりどころになりますのは、この普及員でございますとかあるいは農業委員会の関係の職員でございますとか、そういうような現地における担当者が非常に重要なわけでございます。これがかりに打ち切られまして地方交付税の対象になるというようなことになりますと、私どもといたしては、そういうような組織の維持とか、あるいは的確な能力を持っている人たちを維持するというような観点から、非常に困る事態になるのではなかろうかということを実は心配をしているわけでございます。したがいまして、もしかりに、そういうようなことが具体的に大蔵省から御相談がありましても、私どもといたしましてはそういう線に参るということについてはとうてい承知ができない、こういう考えでございます。

黒部穣中小企業庁指導部長

○黒部説明員 お答えいたします。  中小企業庁といたしましても大蔵省からまだ正式の話はありませんが、たぶん先生御指摘のように診断指導員の設置費の補助金の打ち切りかと思います。これにつきましては、御承知のように資本の自由化とか、あるいは低開発国の追い上げとかいうような問題で中小企業が今日置かれている環境が非常にきびしいわけでございます。われわれといたしましては、従来にも増して中小企業の診断指導を強化してまいりたい、かように考えております。特に診断指導は人の資質の確保が大切でございます。この面で補助金制度があるわけでございます。もしこれが打ち切りということになりますと、資質の確保あるいは府県間のアンバランスということが憂慮されるわけでございます。賛成しかねると考えております。

藤繩正勝労働大臣官房会計課長

○藤繩説明員 私どもも正式な連絡は受けておりませんけれども、おそらく、たとえば職業訓練等を中心とする経費が対象になってまいるかと思いますが、御承知のように人手不足ということが強く叫ばれているおりから、私どもにおきましては、できるだけ質のよい労働力を豊富に供給するということが大切な仕事だと考えておりますので、そのようなことにつきましては強くわれわれの立場を主張してまいりたいというふうに思っております。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 御質問にはありませんでしたが、建設省粟屋会計課長。

粟屋敏信建設大臣官房会計課長

○粟屋説明員 公共事業にかかわります補助金の削減につきましては、私ども新聞紙上で仄聞する程度でございまして、まだ大蔵省から正式な連絡がございません。したがいましてはっきりした御返事はできかねると思いますけれども、いずれにしても公共事業は、各種五カ年計画に基づきまして国の計画のもとに計画的に実施すべきものでございますので、その計画の達成が阻害されるような補助金の削減でありますれば、私どもは賛成をいたしかねるということでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 この分でいきますと、社会党内閣ができましても、政府はみな私どもの主張に賛成するからりっぱにいくのじゃないか。ただ大蔵省だけがどうもまずいのですね。政府というのは何も大蔵省だけではないと思うのです。各省あって、大蔵省を加えてなおかつ政府だろうと思うのですね。そうすれば、大蔵省を除く各省はみんな反対だというものを押し通すというようなことは、これは私は大蔵省としてはなさるまい、かように考えるわけです。  そこで、財政局長さんにお尋ねしたいと思うのですが、特に私どもが非常に関心を持っておりますのは、市町村民税を減税したことに対して補てん債を発行し、これに対して元利補給をやってきたわけですね。これが打ち切られるというようなことは、私は自治省としては断固反対されるだろうと思うのです。そのお考えはどうですか。  それから特別事業債の償還交付金についても同じだと思うのですね。百三億、これはいかがですか。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 いまあげられましたようなものは正式に話がありますれば私どもはその経緯から考えて反対します。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 私はこの際、特に政務次官もおられますから強調しておきたいのですが、太田委員も言われましたが、現在大蔵省のサイドでは、地方財政が豊かになった、そういう中から交付税の交付金を下げよう、あるいは補助金の整理もしよう、あるいは国鉄の納付金についてはこれを打ち切ろう、いろいろなことを放送しておるようであります。自治省とすれば一番守りたいのは交付税率三二%だろうと思うのであります。しかし、かりに交付税率三二%を守ったからといって、七百六十億の補助金が整理されたということになれば、七百六十億円に相当するだけの交付税率というものを当然上げなければ、私は地方財政を守ったという形には絶対ならぬと思うのですね。したがって、自治省の内部にもねらわれている予算があるわけでありますが、そういうものを守り抜くと同時に、これは補助金全体廃止に断固自治省としても強硬に反対をされるべきだろうと思うのです。そうでなければさっき私が言いましたように、この交付税率をその分だけふやさなければ地方財政自体はへっこんだということになるのでありますから、その点に対する政府としての、自治省としての御決意を次官から承りたいと思います。

砂田重民自由民主党自治政務次官

○砂田政府委員 ただいまの御議論の、地方財政が豊かになったからということでの交付税率をいじる等のこと、一切私どもはそういう考え方をいたしません。地方財政が豊かになってないという観点に立ってすべてのことに対処してまいりますので、交付税率の問題も、補助金の問題も、その基本的な姿勢は断じてくずさずにいきたいと思います。  ただ、補助金の問題については、先ほども太田委員にもお答えをいたしましたが、補助金の打ち切りのあとの財政的な問題がどういうふうに地方行政に影響してくるか、そういうこともあわせまして、地方財政の自主性を高めるということも加味しながらこれは個々に検討させていただきたい、かように考えます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 もう少しはっきり言っていただきたいのですがね。それは、補助金を整理させない、しかも交付税率も必ず守る。確かに、地方自治体の側からいって、あえて私はここでいえば、いま私があげたような補助金は、これは超過負担の対象だったろうと思うのです。そうして昨年、超過負担については、大蔵省と自治省とが共同で調査されたはずです。その上で、たとえば農業改良普及員の人件費等は超過負担が非常に多い、したがって、これについては三カ年計画で充実をしていこうということになっておったのじゃないですか。これは自治省、大蔵省ともにそうだったろうと思うのですね。せっかくそういう三カ年計画で、これは総理大臣も答え、当時の自治大臣も明確に約束をして、超過負担を解消する、いわば補助金を減らすどころかふやしていくという方向での約束ができたはずじゃないですか。そこへもってきて補助金を減らすということは、これは私は、佐藤総理大臣、あるいは当時の藤枝自治大臣が、われわれ国会議員に対してこの委員会で約束をしたことに対して、全く公約違反だろうと思うのです。この点だけを最後に私は承って、そういう国会を無視するような態度は大蔵省としても、あるいは自治省としてもとれぬだろうということに対するお考えを聞いて、これでやめておきたいと思います。

秋吉良雄大蔵省主計局主計官

○秋吉説明員 ただいま各省からそれぞれ職員設置費補助金について消極的な御答弁がございましたが、やはり補助金の整理ということは、各省の縦割り行政の弊害というようないろいろな問題からいきましても、これは強力に進めていかなければならぬというふうに大蔵省としては考えておるわけでございます。先ほど超過負担の御指摘がございましたが、確かに昨年そういったことで三カ年計画で超過負担の解消に着手いたしましたことは御指摘のとおりでございます。これはいつも先生方から、いわゆる国と地方の財政秩序が乱れておるのではないかという御指摘も受けまして、そういった意味からいたしまして超過負担の解消に努力をしておるわけでございますが、問題は、その基本になる補助率がどうであるか、そういった問題を今度新たに検討したいということでございますから、超過負担の解消は一定の補助率を前提として、その上で財政秩序をなるべく回復するという意味でございますから、今度の場合はその根本となる補助のあり方がどうかということで検討されているわけでございます。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 超過負担の解消は三年間でいたしたいということは、従来どおりの方針を堅持してまいりたいと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 自治省の考えはわかりました。いま秋吉さんは縦割り行政云々というようなことを言いましたが、予算編成権という権限を握って縦割り行政、しかもなわ張り根性の一番はなはだしいのは大蔵省じゃないですか。そういう大蔵省が、他の各省を批判するのは筋が通らぬ、私はおかしいと思うのです。しかし、まあそのことは議論し合ってもあれですし、時間もかかるから私はやめようと思いますが、次官、とにかくいま指摘しましたように、四十三年から四十五年まで三カ年で超過負担は解消する。農業改良普及員の人件費等はもっとかさ上げしていかなければいかぬ、こういうことを政府は国会に約束しているのですよ。そういう約束があるにもかかわらず、補助金を整理するなどということは、これは国会に対する冒涜だと私は思うのです。それだけにひとつ決意をもってこの問題には対処をしていただきたいと思うのですが、重ねて御決意を承っておきましょう。

砂田重民自由民主党自治政務次官

○砂田政府委員 個々の補助金の問題につきましては、いまお聞きのとおりに、各省でもまだ大蔵省から話もしてきてないというところすらございます。自治省として、そのほうの補助金のことを明確に今日のこと時点では、率直に申し上げて、たいへん御答弁がしにくい時期でございますが、基本的な姿勢は、国会にお約束をしてまいりましたことは、前内閣の約束したことであろうと、前々内閣の約束したことであろうと、大臣、政務次官はかわりましても、国会でのお約束は守ってまいります。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 これにて散会いたします。     午後一時三十分散会

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