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60回国会衆議院1968/12/18

地方行政委員会 第2号

発言数
161
登壇者
14
会派数
4
開催日
1968/12/18

会議録

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 これより会議を開きます。  地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小濱新次君。

小濱新次公明党

○小濱委員 本日は、二点について御質問を申し上げたいと思います。  最初に、自治大臣とそれから内海刑事局長にお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いします。  最近、公務員汚職が日本全土をおおっているといっても過言ではないと思います。それは今回発行されました犯罪白書で明らかであります。これは法の番人といわれる最高裁のあの殿堂にもその捜査の手が伸びていった、その他の事実においてもたくさんございます。こうした問題が頻発いたしまして、国民は非常に憂えているわけでございますが、この問題について、保谷の市長が逮捕された事件の概要について刑事局長から御説明を求めたいと思います。

内海倫警察庁刑事局長

○内海政府委員 保谷の市長の汚職事件でございますが、ただいまなお捜査中でございますし、また検察序のほうに送致いたしまして、起訴された者等もありまして、公判前の状態でもございますので、詳細を申し上げることは控えさせていただきたいと思いますが、一応公になっております点等を中心にして現在までの捜査の概要を御説明申し上げたいと思います。  逮捕いたしましたのは、昭和四十三年十一月十五日でありますが、逮捕いたしましたときの犯罪の事実は、ある建設会社の社長から、保谷市で施行いたしております下水道工事あるいは道路工事、市庁舎前の広場の舗装工事などにつきましての入札、落札契約あるいは業者の指名というようなことに関しまして、四十二年から四十三年にかけて二回にわたってわいろを受けた、こういうことでございます。その後逮捕いたしました上で捜査を進めましたところ、さらに四名ほど関係の業者を検挙いたしました。十一月二十六日に二人、十二月六日に一人、それぞれ建設会社の役員を逮捕、十二月十一日に一名任意取り調べをいたしております。  容疑となりましたのは、いずれも保谷市施行の道路工事あるいは小中学校の新築工事等をめぐる請負契約あるいは業者指名等に関して、保谷市長にわいろを贈ったものでございます。  以上が現在までの捜査の状況でございますが、なお贈収賄のほかに、御存じのように公職選挙法に「(特定の寄附の禁止)」ということで、当該地方公共団体と請負その他の特別の利益を伴う契約の関係にある者は寄付をしてはならない、あるいは受けてはならないというのがありますので、その点につきましても容疑をもって捜査をいたした次第でございます。  以上、たいへん簡単でございますが、概要を御説明申し上げました。

小濱新次公明党

○小濱委員 聞くところによりますと、起訴されまして、供託金を積んで一両日中にまた出所するという話でありますが、また再起訴の資料もそろっているとも聞いているわけです。こうした事件を通して、保谷の市民は公務員不信を起こし、政治不信と化しているという市民の声を私は聞いてまいりました。これはやはり何といっても自治省の責任ではないかと、こう私は感ずるわけでございます。野田自治大臣は新任ではございますけれども、やはりその要職についたからには責任をお感じになっていただかなければならないと思いますし、これにどう対処をしようとされていくのか、その方針が示されなければならないと思いますので、ひとつお考えをお聞かせいただきたいと思います。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 ここに犯罪白書がございますけれども、私も目を通しておりますがいま小濱さんの御指摘のとおり、特に最近の傾向で、国家公務員のほうは疑獄事件が少ないのに、地方公務員のほうが増加しておると見ております。そのとおりであります。これはもう許しがたいことであって、まことに遺憾の至りでございますが、どうすれば綱紀粛正が徹底するか、つまり犯罪が絶滅するかということに私たちとしましては全力を傾倒してこの問題に当たらなければならぬと思っております。一々の事件の内容はもう御承知のとおりでございまして、これは地域住民が地方公務員に対する非常な不信感を持つのはもとより、いまお話しのとおり、ひいては国全体の政治に対する国民の信頼を失う、これはもう一人二人の公務員の綱紀の問題じゃありませんで、国家全体から見てもきわめて重大なことでございます。  そこで、自治省といたしましては、去る十二月九日にも事務次官名で厳粛な通達を出しておりますが、さらに公務員部でもってその内容を精査いたしておりますのは、その原因、結果、いろいろなものの検討をしなければこれが絶滅は期せられないというので精査いたしております。何といたしましても、人事の管理面に非常に欠陥があるのではないかとまず考えなければならない。それから、特に地方団体における人事管理面が非常に欠陥が多い、同時に公務員の倫理の低下しているということ、これがもちろん基本でございますが、よって起こった原因の一つとして、やはり地方団体における急激な都市化、地域開発に伴う土木建築、上下水道等の環境衛生施設等の工事にからんで発生しているということから見ますと、この実態の上に立って、自治省といたしましては、さらに内部の監査機構の充実、職務権限の配分の適正化、査察機能の強化、公務員研修の充実等、人事管理面と事務管理面の両面にわたりまして、不祥事犯の発生を防がなければならぬ。これはいままで相当地方公共団体には注意を促し、警告を発しておりますが、残念ながらますます増加の傾向にあるということを考えまして、一そうこの面に配慮を加えまして、これを絶滅するという方向に向かって力を注がなければならぬ、こう考えて、私ども役所の者といたしましても、心から反省いたしおる次第でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 最近特に流入人口がふえまして、いま大臣の言われましたように非常な勢いで発展をしておる町でございますので、業者も群がって、そうしてその仕事をとろうとしている。もちろん金も少ないようであります。予算が少ないのでそうなるのであると思いますけれども、まあ大臣の言われましたような、そういういろいろな理由によってこういう問題が起きているわけでございます。全力を尽くしてこれが絶滅をはかっていきたいという大臣の決意でございますが、ただいまお話の中に、十二月に事務次官の通達を都道府県に出されたということですが、その内容についておわかりならば、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 政府委員から内容を申します。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 この十二月九日の前に、実は最近におきまして、昨年の十月六日に「地方公務員の綱紀粛正および服務規律の確保について」という詳細な通達を出してございます。これが最近におきまして公務員部発足という一つの契機もございましたし、特に汚職の絶滅という趣旨から精細な通達を出したわけでございます。この内容は、一つは研修の充実、それから、的確な勤務評定、信賞必罰の励行、こうした適正な人事管理の確立、それから、特に管理監督の地位にある者の責任の自覚、第三に内部査察制度の確立、第四に、特に許認可あるいは補助金の査定、交付、指名入札、こういった権限の行使を伴う事務処理の全般について権限の再配分、運用面での内部統制、人事配置の適正、こういったことを特に留意されたい。最後に五といたしまして、職場の環境の改善、あるいはカウンセラーの設置等、職場の実情に即した不祥事案の未然防止の体制づくり、こういう五点にわたりまして通達を出したわけでございます。にもかかわりませず、ただいま御指摘になりましたように続発の傾向にありまして、ことしは十二月三日に内閣官房長官名をもちまして官庁綱紀の粛正についてということで各省庁に示達を出されますと同時に、地方公務員についてもそれぞれの当局に対してこの趣旨に準じて措置するよう指示ないし要請されたいということで、閣議の意向としまして、一つは公務員が全体の奉仕者としての本分を十分に自覚して服務規定を忠実に順守する。二が常に公私の別を明らかにし職務上利害関係のある業者等との接触にあたっては特に慎重を期する、こういった趣旨の官庁綱紀の粛正についてという通達が出されました。それを受けまして十二月九日に事務次官名をもちまして、先ほど読み上げました通達の趣旨をさらに強調しつつ、さらに、今回別紙のとおり内閣官房長官から要請があったので、この趣旨に沿って措置をされたい、あわせて市町村に対してもすみやかにその趣旨の徹底を期せられたい、こういう趣旨のことを伝えてあるわけでございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 各省の公務員及び自治省といたしましては、地方公務員に対して厳重に綱紀粛正を行なうようにということの通達を出された。私がもう一つ伺いたいことは、特別職にあるそういう重要な職責を持っておられる市長がいままでにも汚職事件を起こしたという例はたくさんあるわけです。東京においても区長の事件がございました。あるいは、自治大臣も御存じであろうと思いますが、前に大和市の市長が、これも留置場へ入れられました。そして起訴され、事件になってまいりました。それからもう一つは、相模原の市長が、これも汚職で留置場へ入れられて不信任案を可決されるときに議会解散を指令した。これも大きな問題になって、前に発表されたことがございますけれども、こういうことから推して、今度の保谷市長の汚職事件については、これも何らかの徹底した善後策を講じていかなければ、今後またこういう問題が起こるであろう、こういう懸念を持つわけでございます。だいぶ前のそういう汚職事件ですと、いろいろ金に困った、あるいはまたいろいろな苦境の中に立って、やむにやまれずに汚職事件を起こしたというようなそういう事例はございます。これはもう徳川時代から非常に汚職がはやってきた、わいろがはやってきた、このことの事実が述べられておりますけれども、最近の汚職ばそうでないのですね。今度の事件では、酒が飲みたい、女遊びがしたい、そしてやはりその名聞名利にとらわれて、別荘を持ったり、そしてはでな生活をやってきたところに原因があるわけです。これは心情としては許せないわけであります。まあそういう立場から、特別職に対してはどういうふうなお考えをお持ちになっておられるか、大臣お答えをいただきたいと思います。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 いま御指摘の数々の特別職についてでございますが、やはり事故、事件としては、特別職であっても、一般の公務員であっても、犯罪としては同じでございましょうが、いまお話しのとおり、特に特別職というものは重大な責任も持っているし、権限も持っていることでございますから、しかもこれは公選された特別職の者は、これはみずからその職責、身分を顧みまして、一般の者よりも自分の出処進退と申しますか、自分の身を遇するにあたっては一般の範となる、そのくらいの見識を持ってかからなければ、いやしくも特別職としまして、みずからの挙措に対してこういう不始末をするということにつきましては、犯罪そのものの内容のいかんにかかわらず、まことに言語道断なことだと私も御同様に考えます。今後、これらの幾つかの例を見まして、これは公選された方でございますが、やはり地域住民の方もこういう点をよく頭に置いていただいて、その人格というものに対してひとつ厳重な自戒と判断を持って、そして、自分の地域の住民の繁栄ということを希望するなら、まあ私は決して地域住民の責任と言うのじゃございませんが、みんなお互いにひとつこういうことに対して反省して、そうして今後こういう不祥事件が起こらないように心がけてもらいたいし、また、私ども自治省といたしましては、これに対するいわゆる行政の監督をやっております関係上、その特別職に対しては一そうの自戒を望みたい、こう思っております。     〔委員長退席、古屋委員長代理着席〕

小濱新次公明党

○小濱委員 もう一つ伺いたいのですが、先ほども話が出ましたけれども、市民期待の市長がこういう事件を起こしたことについては、もう市民はがく然としているわけです。こんな人か、 これからはもうそういうことは絶対やらない市長を選びたい。そしてまた、二重人格でない人を選びたい。ほんとうに政治の使命の上に立って生涯をささげてくれるようなそういう人をぜひ選ばなければならぬ、こういうふうに申しております。  こういうふうに市民に疑惑の念を持たして、不安を抱かしたこの問題について、保谷の問題でありますが、どうやって大臣は手を打っていこうとされるのか、そして、住民にどうやって、指導、監督の任に当たる自治省として、その態度を披瀝していこうとされるのか、その点をもう一ぺん伺いたいと思います。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 いまの保谷市長のお話、市民の声をお聞きになったそうで、市民のその叫びはもっともだと思っております。おそらく市民の皆さんは、ひしひしとそういうことを一人一人感じておられると思っております。  そこで私は、先ほど申しましたとおり、特に特別職にある人は、その任務の重大、責任の重いこと、少なくとも特別職につこうという方でございますから、当然そういう心がまえでもって選挙に臨まれたと思う。そこで私は、先ほどからも言っておりますとおり、別に犯罪の内容に甲乙はございませんが、やはり特別職という職責から、本人の自省はもとより、 また願わくは市民の皆さま方——これは私、ひとり保谷市を言うのではございません。全国の地方公共団体においてのこういう問題をお互い全部が反省し合って、やはり選ばれるにあたりましても、見識はもとよりでございますが、人格の点において、いまお話しの二重人格とか、あるいは言うこととやることと違うとか、そういう不道徳な方がその職につかれないように、市民の皆さまも十分ひとつお考え願うと非常にいいと思っております。  また、自治省といたしましては、これらにかんがみまして、先ほどから申しましたとおり、一片の通達でもって済むことではございませんで、実態をさらに精査いたしまして、あらゆる手を打ってその絶滅を期したい、こう心がけております。

小濱新次公明党

○小濱委員 いろいろと大臣から非常に憂いをお持ちになられて、そしてかたい決意に立たれたお話を承りまして、私も安心いたしました。  そこで、ひとつ行政面で少しお尋ねしたいのですが、これはほかの方でけっこうであります。いまから何年ぐらい前でしたか、七、八年ぐらい前に、非常にふしだらな、もうわがままほうだいの、そういう市長としての生活をしておられた。したがって、いろいろと議会でも問題になって不信任案を出された。これが可決されまして、議会は解散していったという事例があります。七、八年ぐらい前です。  それから、これは言いたくないのですが、どうしても言わなければなりませんのでお尋ねしいたのすでが、吉祥寺方面に二つのキャバレーがある。名前もわかっておりますが、ここのキャバレーの女給というのですか、その女性が市長の秘書になられた。しかも、その方は市長の二号さん。そして、半年ぐらいたってこれが週刊誌に書かれて、事件が明るみに出た。これも不信任案の一つになっておるわけです。  それから、私はここに、持ってきておりますが、市長が——これは町長時代でありますが、市長が警告書を吏員の方々に間々出しておられました。その警告書の内容が、まことにもう権力の座にあぐらをかいていばり切っているという、ワンマンそのものの内容であります。こういう警告を見ると、市に働いている要職の方々は、あの市長ににらまれたのではもうしかたがない、やむを得ない、こういうことから、ほんとうにおそれおののきながら、顔色を伺いながら仕事をやっていた、こういう事例も私は持ってきております。  それから、たいしたものではないそうですが、軽井沢に別荘も持っておる。それから、交際費の問題ですが、隣の田無の交際費と比べてみますと、約倍近い金額になっております。それから、市長は非常に酒が好きで、キャバレー通いが特に趣味だ。そして酒が強くて、最後にはウイスキー。これは全体の話なんですね。だれでもこのことは知らない人はいない。  それから、先ほど大臣の言われました人事管理の問題、これでも、私もきょう事実を持ってきておりますが、まことに一方的な、もうワンマンそのものの人事をやっておられました。  それから、枝豆会、純金会、親衛隊というのがある。枝豆会というのは、課長級で固めておる会、グループであります。純金会というのは、情報班といって、役所の中ではスパイなんだ、こう言っているのですね。スパイ行為をできる近親の者が集まって純金会というのをつくっている。そのほかに親衛隊がある。俳句あるいはスポーツ関係もそうでありますが、いろいろな会をつくってそこへ金を出しておる。こういう諸経費がたいへんな金になっている。はっきりしているわけです。  まだございます。市有地の払い下げでありますが、これは新聞にも出ておりましたけれども、千代田区に住むK社、こういっておりますけれども、これが地元ではトンネル会社だというのですね。幽霊会社だというのですね。そしてこの民間会社に私有地を払い下げた。ところが、議会を愚弄するような、取りきめを守らない払い下げをやって、そしてその人は転売をして、すぐに金を持って市長の顔を立て、またまいない金を贈っている。こういうことで、転売するとすぐにその人が、全額納めていないのですから本登記はできないはずですが、それが本登記されて、そして転売また転売されている。そういう会社をつくってその会社に払い下げをしている。こういうことで非常に疑惑が起こっているわけです。  いろいろ申し上げたいのでありますが、こういう問題は現地へ行きますとだれでも語ってくれます。こういう事実が、先ほどのお話のようにもう五年も八年も前からずっと続いてきた。そして自治省には大きく指導権も監督権も監査権もある。こういう立場にありながら、なぜこういう事件がこのような事態になる前にわからなかったのか、あるいはまた手を打つことができなかったんであろうか。自治省の責任を私は感ずるわけです。  この問題については、大臣はこれから一生懸命やっていただきますので聞いていただいているわけでありますが、これは行政局長に聞こうと思ったのですが、いないそうでありますから鎌田部長にお伺いしたいと思います。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 公務員部の所管をはずれるところもあろうかと思いますが、いまお伺いいたしておりまして私感じましたことは、一つは、そういう自治体の実情というものを、終局的に是正してまいる力というものはやはり市民の力であり、あるいは現在の間接民主政治のもとにおきましては市議会の力であるというふうにいわざるを得ない。ただいまおことばを返すようで恐縮でございますけれども、自治大臣に非常に大きな権限があるという御発言がございましたけれども、御案内のとおり地方自治法上自治大臣に留保せられておりますところの権限というものは、助言と申しますか、指導、助言ということにとどまっておりまして、いわゆるそういうことがあるがために、たとえば保谷の市長を罷免するとか、あるいは市長の行なった行政処分に対しまして処分停止を命ずるとか、そういったいわゆる行政法上の監督権限というものは御案内のとおり一般的にないわけでございます。そういう中で、自治大臣として行ない得ますところの行使といたしましては、自治法第二百四十五条の規定によりますところの指導、助言あるいは一般的な監視権、こういうものがあるわけでございますが、そういうものを通じまして市民あるいは市議会あるいは市吏員、こういった方々の理解と協力を得て市政の粛正と申しますか浄化ということに進んでまいらなければならない。  もう一つございますことは、これは都道府県の場合でございますと、自治大臣が直接そういう指示なり指導なりあるいは助言をするということでございますけれども、市町村の場合には、行政上の慣例といたしまして都道府県を経由して行なう、こういうことになっておりまして、東京都知事を通じてそういう指導なり助言なり、あるいは調査なり、こういったことを行なうということにいたしておりまして、先ほど御指摘になりました、そういうことがありながら、どうして自治省が知ることがおそかったか、こういうことにつきましては、私ども自身の努力不足は十分痛感いたしておりますけれども、また東京都の分野としてどういう情報を得られ、どういう指導をしておられたかという点も私ども知りたいと思うところでございます。ただ、何と申しましても自治法のもとにおきまして、健全な地方自治というものが円満に円滑に進んでまいる。住民福祉の向上のために草の根の民主主義を育ててまいる。これは何と申しましても自治省に負荷せられました最高の使命でございます。そういった意味合いにおきまして、私ども行政局あるいは自治省全体といたしまして、こういった腐敗した市政の浄化のために、行政面、財政面いろいろ講じてまいる手が多いだろうと思います。  特に、問題になりました保谷市のように、東京都周辺に急激にふくれてまいりますところのいわゆるベッドタウンのところにおきましては、一方におきまして住民の自治意識というものが、何と申しますか、まだ疎開地的な感じと申しますか、といっては語弊があるかもしれませんが、おれは東京都民だという意識のほうが強くて、保谷市民としての意識というものは希薄な階層の方々が多いようでございますし、地方におきまして、学校なりあるいは上下水道なり、そういった住宅関係施設、環境衛生施設というものは急激につくってまいらなければならない。勢い町づくりというものに非常な金がかかる。しかも住民のそういった強い自治意識にさきえられた批判監視の目も行き届かない。こういった点もありまして、長年市長の座にあられるということになりますと、ついそういった汚職の発生する温床をつくりがちだ。こういう面も感ぜられるわけでありまして、大都市周辺の急激に膨張してまいりますところの市町村の行財政の運営ということにつきましては、現行法上自治大臣に与えられました権限というものは最大限に発揮いたしまして、そういう面も含めて適切な指導をしてまいらなければならないだろうというふうに考えておる次第でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 部長、あなたも行政局の部長で、したがってわからないわけはないわけですね。ところが、いまの話でみますると、この責任は住民の力あるいは地域住民の力、責任転嫁のように私には聞こえるわけです。したがって、私の伺っているのは、あなたの言われた地方公務員法五十九条「(自治省の協力及び技術的助言)」というそのことをあなたは言っておられたのだろうと思うのですが、そのことにあわせてもう一つ、自治法の「財務監視」あなたは二百四十五条と言われました。これには二百四十六条になっている。この中にやはり「事務を視察し若しくは出納を検閲することができる。」これは自治大臣に与えられた使命です。こういう問題から、長い間続けられてきたいま私がいろいろと申し上げましたそういう事実が、どうして自治省の耳に入ってこなかったのか、わからなかったのか、そこを私は聞いている。あなたに、まるで市民に責任を転嫁するような、そういう答弁を求めているのではありません。もう一ぺんお答えいただきたいと思う。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 あるいは釈迦に説法めいたことを申し上げたきらいもあったかと思うわけでありますけれども、現行の地方自治制度におきましては、いわゆる国の力によって自治を導いていく、あるいは育てていく、こういうことではございませんで、地域住民なりあるいは地域住民の代表でありますところの議会、こういったものによって地方自治を守り育てていく、こういうことを基盤にしている。自治大臣に強い昔の内務大臣にございましたような指揮監督権限がないという意味のことを申し上げたのでございまして、決して責任を転稼する、そういう真意ではないということをはっきり弁明させていただきたいと思う次第でございます。自治省といたしましても、後段申しましたような趣旨で十分責任を痛感いたしておるわけでございますし、また今後特に大都市周辺の人口急増地帯の行財政の実態調査、こういったものを通じましての指導というものも行ないたい、こういうことでその点は御理解いただけるのではないかというふうに存ずる次第でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 大臣、いまのような事実がまだこのほかにも枚挙にいとまのないほどたくさんあるわけです。そういう点で私は自治省としてもわからなかったわけはないと思う。これは警察が今度はうわさを取り上げて、そして調査に入ってこの問題を取り上げてくれたわけです、私はその経過について伺って非常に敬服しているわけでございます。そういう点からもこれはわからないわけはなかったが、はたしてそれに対してはどのように感じていたのか、対処せられたのか、私は実はそこが聞きたかったわけであります。しかしながら、いま公務員部長の話ですと、何かこううまく取りまとめられてしまったような感じを受けるわけでございます。どちらにしても、こういう事実があった。しかし手は打てなかった。じゃ今後ないのか。大臣は絶滅を期したいと言われましたけれども、そうなることを私も心から願いますけれども、こういう事件が再び起こらないようにするためにも、これは手を打っていかなくてはならない、こう思うわけであります。そういう点でいろいろとお尋ねしたわけでございますが、この点について大臣のお考えをひとつお聞かせいただきたいと思います。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 私は小濱さんのお話を聞いておりまして、実はまことに大それたことをやった市長さんだと思って驚いているのです。一応新聞紙上なんかではわかっておりましたが、そこまではわからなかったのです。  そこでそれまでに至る間、そういうことに対して自治省のとった態度に対してお尋ねがございましたが、それは、小濱さんが私と同様にこういう不祥事件がないようにしょう、やはり同じように絶滅するようにお互い努力しようというお気持ちだということを私は非常に感じました。     〔古屋委員長代理退席、委員長着席〕  そこで、いま公務員部長からも申しましたとおり、行政面から申しますと、これは弁解でも何でもございません、率直に申しますと、やはり市町村は府県を通じての——行政法上そういう形になって、すぐ直接手を打つというのも府県を通じているというような、これは行政法上のことですから、それがいい悪いは別として、しかしそうかといってそういう情報があった場合には、まず直接指導監督する責任はありますから、直接市町村に自治省が乗り出してどうだということの前に、やはり府県を通じてやる手がありますから、必ずしも全然ないというわけではありません。それはお話のとおりであります。したがって、今後はやはりそういう情報をキャッチし、またそういう風評があれば、一応市町村のことは府県を通じまして厳重な監査と申しますか、あらゆる情報に基づいて自治省としての対処方は、小濱さんがおっしゃるとおりあると思いますけれども、いま部長が申しましたのは、これは責任回避じゃなくて、行政の運営の内容が大体そうなっておるものですから、直接市町村に乗り込んでどうということはできない。できないというよりも、府県を通じてやることになっておりますから、重ねて申しますが、今後はそういうような風評や情報がとれましたらば、これは当然府県を通じて自治省としてのそういう対処する方法を講ずべきだ、こう思っております。

小濱新次公明党

○小濱委員 ここには、二百四十六条の財務監視、これには「自治大臣又は都道府県知事は」、こう書いてある。これは自治大臣はやらないことになっておるのでしょうか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 それはやらないことになっておりませんが、慣習上そうなっておるわけでして、やはり府県と協力いたしましてやります。やりますけれども、いままでの慣行と申しますか、行政上の運営面からそうなっておったようですから、それは法規上からいえば当然大臣も府県知事と同じようにやれます。しかし、これはいま申しましたとおり、府県と協力してそういう対処する方法を講ずる、こういうことに御了解願いたいと思っております。

小濱新次公明党

○小濱委員 反論するつもりはございませんが、「自治大臣又は都道府県知事」、こう書いてあるのに、これは慣例、慣行でやってないということは改めなければならぬと思いますが、その点はどうでしょうか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 それは法規上そうなっておることですから、いままでそういうような運営をしておった。私はそれが正しいと言うのじゃございません。それはお話のとおり必要によっては、府県を通ずる必要がございません場合には情報によっては直接対処方法を講ずる、これは当然でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 大臣はそこに犯罪白書をお持ちになっておられますのでおわかりかと思いますが、今度えらい努力をされたと思いますが、過去十年間にわたってわいろを取った、そういう公務員は公団、公社の職員を含めて約五千三百人、こう出ております。またこの五年間につかまったもののうちで一番多いのは土木建築関係の地方公務員である。二番目が自治体の議会の議員であると出ておるのですね。これはまことに驚く次第なんでございます。また、四十二年を例にとってみますると、収賄でつかまった公務員のうちで七七・六%が地方公務員であった。あとの残りが国家公務員だ、こういうふうに出ております。こういう公務員に対する犯罪白書が今度出されたわけでありまして、私は心から驚きを感じておるわけであります。  そこで、四十三年度、本年の一月から九月までにはどういう結果が出ているかと申しますと、汚職の検挙件数は千三百七十八件、これは記録破りになるであろう、こういうふうにいわれておりますが、その多くが地方自治体、公共団体の役人によるのだ、こういうふうにも書いてあります。こういうこともくんで、これから大きな使命をになわれる大臣でございますから、これは決意のようにしていただきたいことを心からお願いしたいと思います。  それからもう一つ伺いたいのですが、これもやはり保谷市の問題でございます。きょうは社会党にはちゃんと断わっておいたのでお許しいただいてありますが、この市長の所属する政党、それに助役も教育長も入っている。それから課長は二十三名中私の調べですと十一名が入っておる。それから係長が約五十名中半数が入党しておる。課長以上は市長がこれを勧誘する。それから課長が課長以下の人を勧誘する、こういうことになっております。そこで、この三役は党費も一割は取られているそうですが、そういうことから非常に生活に不安を覚えている、こういうことでございまして、ボーナスの時期にはこれが倍額になっているのだ。ところが、この党費は全部給料袋から差っ引かれて出てくる。表面に書いてございます。しかも、中には小さなメモ的な領収証が入っている。これはやはり三十六条の違反になるのではないか、こう思うわけでございますが、この点は公務員部長いかがでございましょう。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 三十六条よりも二十五条の二項の規定が問題であろうと思うわけでございます。「職員の給与は、法律又は条例により特に認められた場合を除き、通貨で、直接職員に、その全額を支払わなければならない。」という、直接払い、全額払いというこの条文との関係が問題になるのじゃないかと思います。「法律又は条例により特に認められた場合」ということございまして、法律または条例に特別の定めがない限りはそれはできない。例のチェックオフのときに問題になったこの条文の問題がございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 全額現金で支給されなければならない。私見ました。しかしながら、そうなっていない。このことについてはどういうふうにこれからは対処されようとされますか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 実情を調査いたしまして二十四条二項違反の事実があれば注意いたします。

小濱新次公明党

○小濱委員 これは大臣聞いていただきたいのでありますが、人事管理の面であります。これは原因が何もない、落ち度は何もなかったというのですが、離職させられていった課長がおります。それから二、三年前でありますか、やはり課長以上の人が一人なくなりました。この人が臨終のときに見舞いに来た課長の手をとって、ほんとうに市長を心からうらんでいた。いろいろ項目はございました。私がこの取り扱いを受けたことに対して、ほんとうに冷たい市長といわざるを得ないということを言ってこの人は死んでいきました。ある課長は党費を納めなかったということで市長に呼びつけられまして、三回にわたってやめろと言われました。そしてその人は、町時代からの吏員でございましたのでやめるわけにはいきませんので、しかたなく三カ月分の党費を払って現職にとどまっているという、そういう問題がございます。こういう姿があの市役所の中にあったわけであります。したがって、係長以上がそういう姿でありますから、それ以下は推して知るべしだと思いますが、こういう姿が公務員部長の話にありましたような違法行為になるとするならば、このことが許されているならば、日本全土にもこれに類似するそういう内容のものがたくさんあるのではないか、こういうふうに私は考えるわけであります。これはもう入党も自由です。法の規制もありません。しかしながら、市長室へ呼び、また課長が呼びつけて入党勧誘をする、そして給料袋から天引きをしていく、こういう姿が行なわれておったことについては、今後やはり何らかの対策を施していかなければならぬと思います。その点について大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 御指摘の内容をお聞きしますと、きわめて不穏当なことであるようでございます。これらも、公務員部長の申しましたとおり、この際ひとつ精査しまして、その結果を待ちまして、自治省としてもできるだけの対処方法を検討したいと思っております。

小濱新次公明党

○小濱委員 保谷の問題につきましてはこれで終わります。  消防庁長官にお尋ねしたいのですが、十二月二日に堺港で大型タンカーが火災を起こしまして、はしけ二隻が燃えて、一人の船長が行くえ不明になりました。十二月五日には浦賀水道で鉱石運搬船とタンカーが衝突しまして、油が流出して沿岸漁業あるいはその仕事に従事するものはたいへんな被害を受けた、こういう事実があります。それから十一月二十六日には羽田沖でタンカー同士の衝突事故がありました。それから、これは古い話であります。大型タンカーが事故を起こせばどういうことになるかということの事例がありますが、四十年の五月に室蘭港で五方トン級のタンカーが爆発をいたしました。これは二十八日間燃え続けまして住民はえらい恐怖のどん底に突き落とされた、こういう事例があります。いまはもう五万トンではありせまん。十万トン、十五万トン、二十万トン、より以上のタンカーができているわけでありますが、どれも一つ間違えれば大火災となり大惨事となるような内容のものでございます。そこで長官からは堺港での火災の概要とこれの消火対策についてお答えいただきたいと思います。

佐久間彊消防庁長官

○佐久間政府委員 堺港の事故の概要でございますが、原油タンカーであります和泉川丸と申しますのが、イランから原油を十一万五千トン積載いたしまして、十二月一日十五時に接岸をいたしました。同日十七時五十分に荷揚げ作業を開始いたしたのでありますが、一方、このエンジンオイルを抜き取りますために、昭和丸、大福丸、これはいずれも十五トンの小さなはしけでございますが、これが抜き取り作業を始めたわけでございます。その後、どういう状況でございましたか、和泉川丸の第五番ホールから原油があふれ出まして、これをさっそくバルブを閉じてそれ以上流れ出ぬような措置は取ったようでありますが、それが海面に流出をいたしました。それがはしけのほうに、これもまたどういう関係で火災が生じましたか、なおはっきりいたさぬ点がございまするが、火事を起こしまして、そして一隻は船長もろとも沈没してしまった。他の一隻は流されまして、そこで大阪市からかけつけました消防艇によって消火した。船長は重傷を負って救出をされた。こういうのが概要でございます。  なお、これに対する対策はどうか、こういうことでございまするが、このとき地元の堺消防本部のほうから二十四台消防車が出動いたしております。また、この石油会社の自営消防隊から化学車一台、大阪市の消防局から消防艇が一隻、海上保安署から六隻それぞれ出動をいたしております。覚知をいたしまして出動いたしましたのもたいへん迅速でありました。これの流出の拡大防止並びに消火活動、おおむね適切な処置がとられたものと考えております。  ただ、幸いにして、今回のものはタンカーの事故によりまする被害といたしましては、先ほど先生がおあげになりましたいろいろな事例と比較をいたしますると、不幸中の幸いと申しますか、比較的小被害にとどまったわけでございまするけれども、このような石油コンビナート地帯におきまするタンカーの事故によりますと、状況によりましては相当大きな被害が起こるということが予想されまするので、このような事故が起こりました機会に、私どもといたしましてもコンビナート地帯における防災対策につきましてはさらに十分に検討し、また、とるべき措置をとってまいらなければならない、かように存じておるわけでございます。また堺港につきましては、港湾の都市といたしまして消防力の点でなお不十分であると存じております。堺消防本部では化学車が二台出動いたしただけでございますが、さらに化学車を増強する必要があると思いまするし、それから堺につきましては、これまで消防艇がなかったのであります。  今回の場合も、大阪市の消防局から消防艇が応援にかけつけたわけでございますが、私どもとしては、堺のような場合におきましては、水上消防力も整備をしなければならぬというので、今年度の予算をもちまして、すでに堺市に話をいたしまして、消防艇を一隻購入することにこれは決定をいたしております。  それから企業の自衛消防隊でございますが、これにつきましても、全体としてもう少し強化をする必要があるであろう、かように考えているわけでございます。そのような関係の消防力の増強をはかると同時に、いわゆる石油コンビナート地帯におきましては、何社かの企業が隣接いたしておりますし、また市町村につきましても、数市町村の地域にわたる場合が多いわけでございますし、また関係いたします行政機関も、消防のほか海上保安関係の機関もございますし、また対象によりましては、通産省、労働省、それぞれ監督指導の権限を持っているわけでございます。  そこで、私どもとしては、都道府県が中心になりまして、関係の市町村、関係の行政機関、関係の企業、これを全部包含をいたしました防災対策のための連絡協議会をつくるようにということを指導をいたしているわけでございます。この地域につきましても、なおこれらの点については不十分な点があるようでございますので、現在さらに現地の状況をよく見ましてそうした指導もいたしている次第でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 いま消防庁長官のお答えですと、堺港には一隻の消防艇もなかった。ところがあの堺北臨海工業地帯には大型タンク施設が百五十四基あるという。もちろんこの基地内にはパイプラインが張りめぐらされている。こういう危険なあの何百万坪という埋め立て地にそのコンビナート地帯ができているわけです。ここに一隻の消防艇もなかったということはこれは責任問題だと思うのですね。あそこについていまのようなお答えですと、全国的には相当海防艇のない港があるのではないか、こういう懸念を持つわけでございます。おわかりでしょうか。

佐久間彊消防庁長官

○佐久間政府委員 消防艇の問題でございますが、全国的に見ますと、お話のように、かなり整備されているところもございますが、全体といたしましてまだ十分でない状況でございます。実は従来から港湾内の消防業務につきまして、市町村の消防機関と海上保安庁との間でどのような責任の分担と申しますか、守備範囲をどう分け合っていくべきかというようなことにつきましていろいろいきさつがあったわけでございます。そこで従来、接岸をいたしております船舶につきましては、これは市町村の責任であるけれども、陸から離れているものについては、むしろ海上保安庁に主たる責任があるのじゃないかというような考え方がとられておったわけであります。しかし、私ども現状をいろいろ検討してみますと、海上保安庁の装備も至って貧弱でございまするし、むしろ接岸地域だけではなしに、港湾内の船舶が停泊をいたしておるような区域につきましては、市町村の消防が主たる責任を持って、これに対して海上保安庁も協力をするというような形のほうが実情にマッチしており、現地の防災体制を固めます上からも適切であると思われるような状況が少なくないのでございますので、その後海上保安庁のほうといろいろ折衝をいたしまして、本年の四月に海上保安庁と私どもとの間でこれらの問題についての業務協定というものを改定いたしたのであります。その趣旨といたしまするところは、港湾の実情に応じまして消防機関が単なる接岸船舶だけでなくて、停泊している船舶につきましても主たる責任を持つことができる、それぞれの港湾所在の市町村と現地の海上保安署との間の協定によって具体的にはきめられるわけでありまするが、従来のように接岸船舶しか市町村の消防機関は主たる責任はないのだというような考え方を改めまして、実情によって港湾内に停泊しているものにつきましても消防機関が責任をもっていこう、こういうような協定をいたしたのであります。そこで、それらの措置と呼応いたしまして私どもも現地の市町村の水上消防力を整備をしていかなければならぬ。それには、お話の消防艇につきましても国庫補助の対象といたしましてひとつこれを促進をしていこうということで、四十二年度から新しく消防艇を私どもの国庫補助の対象にすることにいたしたのであります。  そこで、四十二年度は大阪、名古屋、横浜、千葉の四港に配置いたしました。さらに本年度は堺のほか川崎、八戸、倉敷、福岡にそれぞれ一艇ずつ配備するというようなことにいたしたわけであります。東京などはすでに十数隻の消防艇を持ちまして、湾内の相当広範囲を消防が責任をもってやっておるわけでございまするが、御指摘のように全体といたしましては、いまのような考え方で水上消防力の整備にとりかかったという段階でございまするので、現段階においてはまだ貧弱なところが少なからずあるということはそのとおりでございます。ただいま申しましたような考え方で、できるだけ早く必要な海上消防力の整備をいたしたいという考え方でおるわけでございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 大臣にお尋ねしたいのですが、本委員会で港湾及び海上火災等に対する決議をいたしております。四十一年の十一月には運輸大臣の通達が出まして、タンカー大型化に伴う災害対策というのが出ており、これが努力をなさっておられると思いますが、当面する問題として、四十四年度予算要求で私は石油コンビナート地帯における防災対策が特に必要だと思うのです。御存じのように京浜地帯のあの石油コンビナート地帯、これはもう林のごとくにタンクが立っている。施設がたしか五千カ所以上になっている。それから五百トン以上のタンクが二千六百くらいあるようです。たとえば川崎港には大小合わせて二千隻からの船がありますが、消防艇は一隻です。いま堺の港にも船がなかった、これは消防庁としては非常に大きな悩みであろうと思うわけであります。こういう点でコンビナート対策に思い切った処置をしなければならぬと思うのですが、今度新任されました立場からぜひとも自治大臣の決意を聞かせていただきたいと思います。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 御指摘になりました石油コンビナートの一帯、これらはもうお話しのとおり、タンカーが十万トン、二十万トンの大型化になっておりまして、そして、それを受け入れる石油タンクですが、これが全体どのくらいか知りませんが、非常に大量を受け入れる体制をつくっております。いまのお話のように、従来海上、港湾の消防力というものは非常に弱い。川崎にも一隻しかないというような状態。四十一年十一月に決議があったようでございますが、決議ありましたということは当然のことでございます。いずれにしましても、実情からして今日の水上消防力では非常に劣弱でありますので、お話しのとおり来年度の予算編成にあたりましても、これら海上の消防力について相当増強をするという心がまえでひとつ対処したいと思っております。

小濱新次公明党

○小濱委員 これは私のほうの調べですが、日本近海には二十万トン級までの大型等大小のタンカーで年間一億トンを輸入している。重油量は二カ月分です。東京港だけでも年間二万隻のタンカーが出入りしている。海上保安庁の話では、昨年は百五十七隻が事故を起こしており、うち七隻が火災を起こしている、こういうことで非常に驚くべき数字が示されているわけでございますので、いまから真剣にこれが対策を練ったとしても、ほんとうに完全な体制ができるまでには相当年数がかかるのではないか、こういう危惧を感ずるわけでございます。どうかひとつこういう実情をよく知っていただいて、力強い対策をお願いしたいと思います。  これで消防庁関係は終わります。  最後に、荒木国家公安委員長が来ておられますのでお尋ねしたいと思います。  ゆうべもいろいろと話が出ましたが、東京方面あるいは近県には警察官になる人がまことに少ないという話が出ました。その理由は何かといったら、ああいう乱闘騒ぎのない静かな県に行きたいという声が圧倒的だという。私は警視庁のデモ警備のけが人対策についてちょっとお尋ねしたいのですが、非常に多くの人がけがをしているようであります。本年十二月八日現在で、治安警備による負傷者は史上最高の四千二十八人、入院が百八十四人、それから戦後殉職をされた人がたしか百名少し、百十三名です。こういうことですが、東京都ではこうしたけが人の後遺症治療施設もない、あるいはまた、家族の不安を取り除く対策が足りない。殉職しても、若い人たちは、一時金は、災害保険はわずか二百万円程度、しかも戦後殉職をされた方々の家族の中には、非常に物価高に追われて生活難にあえいでいる家族が十軒近くあるということです。これからまたいろいろと忙しくなる、そういう見通しでありますけれども、こういう問題に対する対策はどのようなお考えをお持ちでしょうか。まだ新任の大臣でございますので、ひとつ決意といいますか、抱負といいますか、こういう問題に対するお考えをお聞かせいただきたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 御指摘のとおり、警察官の職務が、やむを得ない場合のことではありますけれども、命も落とすこともあり重軽傷を負うこともある。それをあえて乗り越えまして、法秩序の維持のために努力しておる警察官諸君の真摯な努力に対しまして、御理解あるお立場からの御質問、まことにありがたいことに存じます。  現状及び今後についての具体的施策につきまして一応の考え方はございまするし、努力もいたしておりますが、その具体的詳しい事情は、うろ覚えにはレクチュアを受けて存じてはおりますけれども、不正確でございますから、それは後ほど、要すれば政府委員からお答えをさせていただきます。さしあたり、お尋ねに応じまして、私なりにお答えしたほうがよろしかろうと思うことを簡単にメモしてまいりましたから、それに基づいてお答え申し上げます。  毎年相当数の殉職者を見ておりますことは、いま御指摘のとおりでございます。もっと具体的に申し上げてみれば、昭和四十二年中の殉職者数が全国で四十三人、昭和四十三年は今日現在で三十三人となっております。これらの殉職警察官の遺族に対しましては、むろん、私も先ほど申し上げましたように、できる限りの補償をしまして、後顧の憂いなからしめるという施策を講ずることは当然と存じておりますが、御案内のとおり、補償などには、公務災害補償、警察庁長官の賞じゅつ金、内閣総理大臣特別ほう賞、さらには各地方自治体における県警本部を中心とします何がしかのこれにプラスすべき制度があると承知し、運用しておると承知しておりますが、先ほど申し上げましたように、要すれば政府委員からさらに補足答弁をすることをお許しをいただきたいと思います。

浅沼清太郎警察庁長官官房長

○浅沼政府委員 それでは、殉職もしくは負傷をいたしました警察官及びその家族に対しまする処置の概要につきまして御説明をいたします。  ただいま大臣からお話がございましたように、昨年にいたしましても殉職者が四十三名、公務による受傷者が一万四千名に及んでおります。特にけがをする者のうち、治安警備活動中にけがをする者が昨年は一昨年より四割もふえておるというように、非常にふえてきております。これらの殉職者あるいはけがによりまして不具廃疾ということになりますると、公務災害補償に基づきまして、一時金あるいは年金が支給をされますが、一つの標準的な例を申し上げますと、勤続十五年で妻子が二人の場合に、退職手当が百二十万円、年金が約四十万円ということになります。これは一般の公務員と同じ災害補償の分でございますが、それから、ただいまお話がございましたように、警察の内部措置としまして長官から二百万円以下の賞じゅつ金を出します。それから内閣総理大臣が、犯人の逮捕あるいは制止等に当たった警察官がけがをする、あるいは死亡をするというような場合におきましては、特別ほう賞金を三百万円以下で出すということになっております。さらに、ただいまお話もございましたけれども、各県で中央の賞じゅつ金に準じまして救慰金制度を設けて、最高四百万円まで出すという例になっております。そのほか昨年の四月に、これらの殉職者の子弟等につきまして警察育英会をつくりまして、現在大体子弟六百十人に育英資金を支給しておる。最高は大学生の場合で年額十二万円ということにこの育英会から子弟に育英資金を出しておるというような事情に相なっております。最近の例で見ますると、たとえば日大紛争で殉職をされました警視庁の西条警部の場合におきましては、一時金が約一千万円、年金が年額四十八万円ということでございました。  なお、私どもとしましても、殉職後期間がたちまするとどうしても目が届かないというような点がございまして、先ほど御指摘のようなことが起こりがちでありまするので、最近におきましては、各県を督励をいたしまして、殉職者の遺族あるいは長期療養者の実態を詳細に把握をするように、各都道府県警察に指示及び監察を行ないました。その結果によりますると、各府県ともおおむね終戦後の殉職者の御遺族の方につきましては大体把握をしておるということでありますが、終戦前の殉職をされた人の御遺族については若干把握が不十分であるというふうな結果が出ておるようでありますので、私どもといたしましては、今後もこれらの措置を進めまして、常に御遺族と連絡をして、実態を承知をいたしまして、積極的に御遺族の生活相談、その福祉の増進ということをこれから進めていかなければならないというふうに考えておるところであります。

小濱新次公明党

○小濱委員 公務災害補償退職金については最高二百万円、いろいろ述べられました賞じゅつ金であるとか、特別救慰金であるとか、これは都のほうで持っておるようでありますが、あるいは功労賞、功績賞、勇敢なその活動の内容によってこの最高まではもらわれる、あくまでもこれは最高額なんだ、そういうことでございまして、殉職された公務災害補償の退職手当が二百万円が最高だというところがぼくはちょっと——これは何か法改正をしなければならないのか、あるいはこうだから改正ができないからいま並べましたようなこういう補償の制度ができている、こういうふうになるのか、ひとつ官房長にもう一ぺんお伺いいたしたいと思います。

浅沼清太郎警察庁長官官房長

○浅沼政府委員 ただいま御指摘のありましたように、私どもといたしましては、これらの一時金なり年金の算定の基礎になっております平均給与、この平均給与額についてこれをふやす必要があるのではないか、あるいは特に危険な業務に従事をいたしまして、その結果このような災害にあいました者につきましては、率を一般よりも高くする必要があるのではないか、そのような観点から人事院等にも折衝をいたしております。ただいま御指摘のように、もしこれを実現するためには法律の改正が必要だというように考えております。そのような要望を出しまして人事院とも事務的には話をいたしておるところであります。

小濱新次公明党

○小濱委員 最後に、荒木国務大臣にお尋ねしたいのですが、先ほども申し上げましたように、近県に比べれば東京都の警察官の数は大体倍くらいになっておるようであります。しかしながら、近県では非常に警察官が少ないということで定員数も欠いているようであります。これは何の原因によるのかということは、いろいろと問題があろうかと思いますけれども、先ほど申し上げましたようなほんとうに安心して職務に従事できるような、あるいはまたどういう間違いがあっても安心して治療、養生ができるような制度を早くつくっていかなければならないと思うのですが、東京都では後遺症の治療施設が全然ない。したがって、近県と話し合いをつけて治療、養生に当たっているようでありますが、こういう点からも、これからまた新しい企画を立ててこれが実現のために努力をしていく問題点はたくさんあるんじゃないか、こういうふうに思います。そういう情熱を傾けてやるべきだ、私はこう思うわけですが、どうかひとつ大事な立場にあります国家公安委員長でありますから、最後にお考えをお聞かせいただきたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 いまお話しのような心がまえは、私自身の職責を果たす上に非常に示唆を受けるわけであります。いま政府委員からもお話し申し上げたような従来からの検討事項はもちろんのこと、さらにお話しのような趣旨に沿うような課題を拾い上げまして微力を尽くして——後顧の憂いなく、国民の生活を安穏に守りますために、法秩序の維持のために警察官諸君がその責任を果たし得るように微力を尽くして私は努力する責任者であると心得ます。一生懸命やります。

小濱新次公明党

○小濱委員 長時間ありがとうございました。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 林百郎君。

林百郎日本共産党

○林委員 最初に荒木国務大臣に質問したいと思います。  あなたも御承知のとおり、警察法には第一条に、警察法の本来の趣旨は「民主的理念を基調とする警察の管理と運営を保障し、」云々、こういこうとが書いてある。それから第二条の二項には「警察の活動は、厳格に前項の責務の範囲に限られるべきものであって、その責務の遂行に当っては、不偏不党且つ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあってはならない。」これは御承知だと思います。第三条には「この法律により警察の職務を行うすべての職員は、日本国憲法及び法律を擁護し、不偏不党且つ公平中正にその職務を遂行する旨の服務の宣誓を行うものとする。」こう書いてある。あなたは国家公安委員長として当然警察法にうたわれておるこの精神を厳守される、こういう決意をお持ちだと思いますが、どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 お話しのとおり、私の当然の責務は、警察法一条、二条、その趣旨に従っていささかも逸脱することがあってはならない、そう考えて、辞令を受けました日からその心がまえでおります。いつまで続きますかわかりませんが、終始一貫してそういう心がまえでまいるつもりでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 いつまで続くかわからないじゃ困りますね。  それから第三条には「すべての職員は、日本国憲法及び法律を擁護し、不偏不党且つ公平中正にその職務を遂行する旨の服務の宣誓を行う」、これはもちろん国家公安委員長のあなたもこの宣誓を行なうということには御異存ないわけでしょうね。そう三条に書いてある。あなたはその最高責任者ですから、あなたも当然——形式はどういう形式にしろ、憲法を擁護し、不偏不党かつ公平中正にその職務を遂行することをわれわれ国会に対して宣誓されることは間違いないんでしょうね。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 宣誓の形式があるかどうかは存じませんけれども、宣誓するまでもなく、当然の私の立場からする、御指摘のような心がまえこそが絶対脱線して相ならぬ、自分にも言い聞かしておるわけであります。

林百郎日本共産党

○林委員 先ほどのあなたの答弁の中で、いつまで続くかわからないがということばがあって、それがひっかかるわけですけれども、それはどういう意味ですか。途中でかわるという意味ですか、

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 いつ首切られるかわからないけれどもということを申し上げました。公安委員長としての命の続く限り当然のことであるという趣旨を申し上げたつもりでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 わかりました。そうすると、あなたがそういう精神で警察行政の最高責任者として今後指導なさるとして、もしこの警察法一条、二条、三条に違反するような行為のある警察官がいた場合には、あなたはどのような処置をなさいますか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 もちろん、これまた法の趣旨に従って処断さるべきものはすべきであると考えております。

林百郎日本共産党

○林委員 これは昨日私のほうで調べておくように言ったのですけれども、昭和四十二年当時、鈴木警備部参事官という人物がいたかどうか、そして、いまこの人物はどういう職責を負っているか、これは大臣でなくて官房ですか、答えてください。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 警視庁の警備部の参事官で鈴木という者がおりました。現在は警察大学校の教授をやっております。

林百郎日本共産党

○林委員 この鈴木君が、昭和四十二年の四月十五日に、自動車警ら隊合同教養という集会で次のような講義をしているわけです。今日の常識という中でこういうことを言っているわけです。各党の書記長のテレビ会談が行なわれたそのときのことを引用して、大体国会を無視する議決のしかたや政府・与党のやり方は強引ではないか、ファッショではないか、もっと少数党といえども野党の主張を聞くべきである、与党の田中幹事長に対して野党側がいろいろの攻撃をしてこう言った。各野党が一せいに攻撃の矢を田中幹事長に向けたわけである。そこで田中幹事長が、共産党からそういう質問があった後にマイクを向けられて、共産党はそういうことを言うが、あなた方は国会を認めていないのではないか、そういうものが国会を尊重しろと言うのはおかしいではないかというところを突っ込んだ。なかなか田中幹事長いいことをやったなと思って私は聞いていた。そこが一番大事なところだと実は言いたいくらいの気持ちで聞いていたところ、宮本幹事長——宮本幹事長なんというのはないのです。書記長ですけれども、宮本幹事長がやおら向き直って、田中さん、あなたは共産党を知らないですね、それは戦前の共産党だ、いまの共産党は国会を非常に重視しいると言った。そこで田中幹事長はへえと言って笑って、その場面は終わってしまった。あすこをもう一歩どうして突っ込まないのか。私が田中幹事長だったならば、冗談言うな、あなた方が国会を認めるのなら共産党の看板をおろせと言ってやるところだった、こういう講演をしているわけですね。それからあと、いまの共産党はてんぷら党員が八割くらいで、マルクス・レーニン主義なんか知らない者が多いのです。だから何も心配することはない。諸君とどこが違うかと思うくらいの知識しかない者もあるのです。てんぷら党員が八割だということを言っているわけですね。さらに私のほうの党の最高幹部である松本三益君が占領軍から追放されたときのことですが、このとき逮捕されて警察から調べられたときのことですね。私は開口一番、彼に、君は共産党の農民部長をやった松本三益だろう、おまえのような共産党を知らざるチンピラが共産党の中央委員とはおそれ入るぞ、おまえたちはほんとうに革命をやる気があるのか、見ろ、前線の若い共産党員たちだけがビラ張りをやってつかまって豚箱に入れられて、おまえたちは木の陰に隠れて涼しいところでビールを飲んでいるじゃないか、そういう金はどこから持ってきたんだ、そしてプロレタリアートのために争うと言いながら、プロレタリアートのために革命をやると言いながら、実際は地下にもぐってビールを飲んで好きなことをしているじゃないか、そんなことで犠牲になるのはほんとうのプロレタリアじゃないか、前線の共産党員がかわいそうではないか、おまえみたいなやつが日本共産党幹部をやっている間は日本で革命なんかできるものかと頭からどなりつけてやったら、ぶるぶるふるえて、たばこを吸うにもふるえている。松本三益君はたばこなんか吸わないのですよ。こういういわれのない誹謗を共産党に加えている。しかもこれを講演している。  また共産党の書記長をやっている宮本顕治だってそうです。ろくろく小学校も出ていない。彼は土方をやっておった。もちろん共産党は、共産党員がどういう職業についていたかということについてわれわれは云々するわけじゃないけれども、しかし宮本書記長が東京大学を卒業した人物であるということは、だれでも知っていることでしょう。それを悪意に満ちて、共産党の書記長をやっている宮本顕治だってそうだ。ろくろく小学校も出てない彼は土方をやっておった。誹謗に満ちた、悪意に満ちた非難をやっているわけです。  それから、さらに戦前における特高警察という欄を見ますと、暴行や拷問をしたという数でいうならば、日本の刑事警察のほうがはるかに大きい。要するに警備警察よりは刑事警察のほうがはるかに大きい。同じ警察内でこういうことを言っている。大体当時の日本の警察は、いわば警察国家的なものなんだ云々と言って、つまり封建性の強い社会の時代なんで、だからどろぼうでもつかまえてくると、なぜおまえは悪いことをしたんだと言って、ばかと、こうやることも往々にあったわけですね。それから何か取り調べで、うそを言ったというので樺でパカッとやる。どうも申しわけありません、実はこうこう、そうかというわけで調書をとる。     〔委員長退席、大石(八)委員長代理着席〕  だから、なぐったり人権じゅうりんをしたりした数を調べたら、刑事警察のほうがはるかに多い。ところが民衆をなぐった数からいえば、特高は全部で二千から三千、刑事警察は何万と、はるかに刑事警察のほうが多いんだけれども、なぜ刑事警察のことを悪く言わないで、わずか一握りの特高が悪く言われたかというと、相手が違うからだ。相手はどうか。特高の相手はみんな思想活動をし、政治活動をする人間である。これをほっておけばいつでも国会議員とか町会議員とか市会議員とか政治運動をやる革命家なんです。だからこれが大衆をひきつけるためには、私は前科者だ、治安維持法を犯したために懲役何年を食ったんだと言ったんじゃ、どうも一般民衆は、そんな前科者に投票するということはできない。そこで彼らは、われわれは無実の罪なんだ、思想活動なんちゅうのは罪にならないやつを罪になると、でっち上げられてたたかれたんだというようなことを言うんです。自分の犯罪性を抹殺することはできない。自分が正しい人間だと主張することができない。そして自分は何も悪いことをしないのにさんざん特高にいじめられたために自分はひどい目にあったんだということで同情を買って同情票で当選しようとするやからが多い。治安維持法に対して批判を加えることは、それによって当選しようとする意図だ。こういう新しい憲法によって天皇が主権者でなくなり、人民が主権者になったという新しい情勢の中で、かつての特高をこのように擁護し、治安維持法に対し批判した者は選挙に出たい口実だ、こういう講演をしているのですよ。これは社会党の皆さんにも実は聞いていただきたいことを言っている。「社会党の中には共産党も入っているし、いろんなのが入っている」社会党員の中に共産党がどうして入っているんです。こういう共産党、社会党というような野党をひっくるめて露骨なへんぱ的な立場に立って、しかもこれを次から次へと講義をしている。「先般第二方面、第三方面の警備隊にも二度ばかり参りました。同じような話を申し上げました。」それがいま聞くと警察大学の教授だという。こういう警察法の第一条、第二条、第三条、あなたがいまその公正さに対して忠誠を誓うと言ったその精神を全くじゅうりんしたような者を警察大学の教授でおくことをあなたは許されますか。どう考えます。人の経歴を詐称し、要らざる誹謗をし、おれが田中幹事長だったら、こういう共産党が国会を尊重するというなら共産党の看板をおろせと言う、これは一体どういうことですか。どう考えますか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 そういうことを言ったかどうか事実問題でもありますので、政府委員からお答えをさしていただきます。

林百郎日本共産党

○林委員 荒木さん、もしこういうことを言っていることが事実だったらあなたどうなさいます。先ほど何か警察官の生活の擁護とかいろいろなことがあったようですが、われわれどうして協力できますか。日本共産党は警察官に対してちゃんと勤労者としての組合組織も認めて、そして生活の向上も考えるべきだという警察官に対する一定の政策を持っています。しかし、こういう不届きな幹部はわれわれ断じて許すわけにいかないと思うのですよ。もしこういう幹部が依然としてこんなことを方々へ行って講義をしているとしたらどうしますか。私は、社会党の皆さんのことについては、この中でいろいろ言ってますけれども、それはよその党のことですから、いろいろ言いませんけれども、たとえば佐々木さんが委員長のころ「佐々木さん、このごろいろいろなことを共産党も言っているようですが、今日の社会党と共産党と違うことを話してくださいとマイクを向けて言ったら、そうですよ、このごろは共産党もわれわれと同じようなことを言うので、実際どこが違うかわからない。共産党に聞いてみないとわからないと言った」。これも社会党に対するいわれもなき批判ですよ。もし警察の幹部が依然として警察大学校の教授としてこういうことを言っていることが事実だとすれば、あなたはどうなさいますか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 私自身は、事実そのものを存じませんので、林さんはそうおっしゃいますが、私は私なりにその事実の有無ということを知り得た後にお答え申さなければお答えにならないと存じます。  ただ、先ほど申し上げましたように、そういう事実に関して事務当局というか警察当局として知っておるかどうかということも存じませんので、そういうことにも関連しまして、もし何らか申し上げることがありせば政府委員から申し上げさしていただきます。

林百郎日本共産党

○林委員 大臣も就任されたばかりですから、あなたが国家公安委員長になる前にどんなことがあったか知らないということもわかります。ですからあなたにこれを調べていただいて、いずれまた私はあなたから直接このことをお聞きしたいと思います。これは昭和四十二年四月十五日付のものです。「自動車警ら隊合同教養における鈴木警備部参事官講話要旨というものです。警視庁の警ら課の自動車警ら係が発行しております。政府委員でもし何か答弁があったら聞いておいてもいいです。私は事実を調査した上、大臣から責任ある答弁を聞きたいと思います。何かありますか。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 私もただいま初めてお聞きいたしましたので、お尋ねがございましたことについて後刻調べてみたいと存じます。

林百郎日本共産党

○林委員 その次に昭和四十五年に備えて、いわゆる第二安保闘争に備えての対策を含めて、最近の諸情勢に即応し、公安関係資料業務の運営についての要綱を、昭和四十二年の四月当時資料業務の整理のしかたについての要綱、扱い方を改正された。要綱の全面改正を行ない、昭和四十四年四月一日から実施することにしたので、警視庁のほうも——これは警視庁のほうですか、本改正の趣旨を関係者に十分周知徹底させるとともに、関連する諸作業を誤りなく推進し、さらに公安関係資料の充実整備のために特段の努力を払いたいというのが警視庁の公安部長から方面本部長と警察署長に出ていますが、四十五年というと日米安保条約の再検討期、一九七〇年ですけれども、これに備えて公安関係資料業務の運営の要綱を改正された事実がありますか。これは大臣にお聞きして、大臣がお知りにならなければ政府委員から伺います。まず大臣、そういうことを御存じですか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 何かそういうものがあるようなことは、レクチャーを受けますときにちらっと聞いて、うろ覚えに覚えております。私の聞かされました範囲内においては、それは従来やっておりましたことを再確認するような意味合いで、警察当局としての国民に対する当然の責任を果たす上からの必要事項を記載されておるものだ、こう承知しております。

林百郎日本共産党

○林委員 大臣がその程度のことをお知りなら、それではお聞きしますが、新たに警備虞犯者関係を新設した。これは最近の各種大衆運動の場で、従来要綱上対象にしでいない団体の構成員なり個人が先鋭的な行動に出たりそのほかの事態が出たときに備えてやるんだということで、警備虞犯者関係というものを新設した、こういうことは御存じですか。しかもそれは最近の各種大衆運動の場における事犯に備えて新設したんだ、こういう事実は知っていますか。大臣どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 そのことについては、先ほどお答えした以上のことは存じません。中身につきましては、必要ならば政府委員から申し上げます。

林百郎日本共産党

○林委員 それでは政府委員から……。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 ただいまお話がございましたように、われわれ警察といたしましては、いつと限ったわけではございませんけれども、いつかなる場合にも有効な警備対策を確立をし、あるいはまた犯罪を未然に予防するというような立場から、各種の資料を整備してまいっておるわけです。したがいまして、いまお尋ねの警備虞犯者につきましても、お尋ねのとおりに、私のほうとしては項目を設けまして必要なる資料を収集整備をしております。

林百郎日本共産党

○林委員 これはここにも説明があって、「ここで警備虞犯者とは、過去において警備犯罪を犯した者、または今後警備犯罪を犯すおそれのある者をいい、具体的に分類基準を示すと次のとおりである。」こう書いてあります。どのぐらいの人員がこの対象になっているわけですか。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 正確な数字は覚えておりませんけれども、それぞれ関係の警察におきまして、自分の管内なり、あるいはまた自分のほうで知り得た範囲内において整備をする数字でございまして、極左極右すべてを含めまして、御指摘のように犯罪のおそれのあるという認定はきびしく認定いたしておりますから、私の記憶で正確でございませんけれども、全国でおそらく二万名前後のものになるのではなかろうか、こういうふうに思っております。

林百郎日本共産党

○林委員 極左極右関係だけですか、その対象になっているのは。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 いまのは例示的に申し上げたのでございまして、それだけではございません。各種の犯罪を犯すおそれのあるものを全部一切含むわけでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 この中に、今後警備犯罪を犯すおそれのあるものとは次に掲げるものをいう、労働団体と書いてありまして、総評の全国オルグ並びに特に虞犯性が強いと認められる幹部及び事務局員、中央単産のオルグ並びに特に虞犯性が強いと認められる幹部及び事務局員、地評のオルグ並びに特に虞犯性が強いと認められる幹部及び事務局員。この総評の全国オルグ、中央単産のオルグ、地評のオルグが全部今後警備犯罪を犯すおそれのあるものの対象になるのですか。ちょっと大臣、これは重要な点ですからあなた答えてください。一九七〇年に備えて新たに犯罪関係の対象者の資料を再整備した。その中で整備虞犯者関係というものを新設した。警備虞犯者関係というのは警備犯罪を犯すおそれのあるもの、この警備犯罪を犯すおそれのあるものとは次のものをいう、イ、ロ、ハ、といろいろありますけれども、特に重要な点は、私の聞きたいことは、日本の国で認らられている最もたくさんの労働者を組織し、最も権威のある総評の全国オルグ、これが警備犯罪を犯すおそれのあるものとして、そして写真をとったり、指紋をとったり、動向を調べたりする。そしてファイルにそれを備えつけておく。中央単産オルグ、これは極左極右なんという範疇じゃないじゃないですか。日本の民主勢力じゃないですか。こういう労働運動全体を警備犯罪を犯すおそれのあるものとして新たに設けたこの警備虞犯関係者として入れることは、これはあなたの言われた警察の不偏不党、日本国憲法で規定されている、保障されている個人の権利、自由の干渉にわたる等その権限を乱用することがあってはならないという、この警察法の精神に反しませんか。そんなことを警察はやっているのですか。どう思いますか。まず大臣答えてください。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 冒頭に警察法を引用して御指摘になったように、国家公安委員長はもちろんのこと、現場の警察官に至りまするまで、すべて法に基づき法の範囲内において法の命ずる国民に対する責任を果たすために必要であるから、いまお読み上げになりましたようなことを内部心得として定めておるということかと存じます。その基本的な不偏不党、公正な警察職務の執行ということを脱線しているとは思いません。

林百郎日本共産党

○林委員 それではどうして総評の全国オルグや中央単産のオルグや地評のオルグを犯罪の可能性のあるものとしてこれの資料を集めなければならないのですか。警察官職務執行法の第五条を見ますと、「警察官は、犯罪がまさに行われようとするのを認めたときは、その予防のため関係者に必要な警告を発し、又、もしその行為により人の生命若しくは身体に危険が及び、又は財産に重大な損害を受ける虞があって、急を要する場合においては、その行為を制止することができる。」要するに、警察官が予防措置ができるのは「犯罪がまさに行われようとするのを認めたとき」ですよ。それを総評の全国オルグや単産オルグや地評オルグまでを警備犯罪を犯すおそれのあるものとしてスパイ行為をするなんということは許されますか。国民のために警察が警察権の万全を期するということはいい。しかし、それにはおのずからちゃんとその精神がきまっているわけでしょう。そして具体的にその権利を行使する条件がちゃんとあるわけでしょう。それを逸脱して、全国的な組織である労働組合のオルグまでを、新たに一九七〇年、昭和四十五年に備えて犯罪を犯すおそれのあるものとしてスパイしなければいかぬということは許されるのですか。大臣どうお考えになりますか。いままでなかったのを新しく設けたのですよ。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 新しく設けたとしましても、そのことが、先ほど申し上げたように国民のために必要であり、法の許す限度内である限りは、おしかりを受けることはなかろうと私は思います。同時に、それが具体的に何ゆえにそうであるかにつきまして私はお答えする能力がございませんから申し上げませんけれども、いやしくも宣誓をした警察当局が、法を無視して法を逸脱したことを考え、かつ行なわんとするはずがない。警察当局を私は一〇〇%信頼いたしております。

林百郎日本共産党

○林委員 荒木さん、あなたの信頼というのは合理性を持たなければならないのですよ。いやしくも憲法で規定されている個人的な利益を侵害することはない。しかも「日本国憲法及び法律を擁護し、不偏不党且つ公平中正にその職務を遂行する服務の宣誓を行うものとする。」みな宣誓しているわけですね。あなたは、国民の利益のために法で許される範囲のことを新たに設けても非難されるはずはないと言いますが、そうすると、総評の全国オルグとか中央単産のオルグはスパイしなければならない、これは国民の利益とどのように対立があるからスパイしなければならないのですか。しかも警察官が予防措置ができるのは、具体的に、職務執行法の五条にあるように、「犯罪がまさに行われようとするのを認めたとき」でなければならないでしょう。だから、あなたの確信の基礎である国民の利益という点と、それから法で許されている範囲のことだということは、いずれも逸脱しているじゃないですか。荒木さんは信念だけを言われているので、その信念の基礎になる条件はすべて違法じゃありませんか。違法であるにもかかわらず、信念だけをあなたが言われるということは、荒木さんにも似合わないことじゃないですか。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 私は全警察官を信頼しております。法治国において、警察法の定めるところの法のらち内において国民のために行動すべき使命感を現実に持っていることを宣誓しているはずでありまして、その宣誓の趣旨に逸脱するようなことはあり得ない。いま御指摘の一々の具体的な問題について、それがなぜそうであるべきかという法的解釈なり具体的な裏づけ等に根拠を持った説明は私にはできませんけれども、その説明を含めまして、警察当局は国民のためにこそ警察の職責を果たさんとしておる、国民のための心覚えである、かように存じております。

林百郎日本共産党

○林委員 そうすると、総評の全国オルグや中央単産のオルグや地評のオルグは警察がスパイをしなければ国民の利益にならない諸君である、こう警察は考えておるのだ、だから警備虞犯者としてこれを新たにスパイするのだ、こう聞いておいていいのですね。要するに、新たに設けた警備虞犯者の中に、総評の全国オルグや中央単産のオルグや地評のオルグを警備犯罪を犯すおそれのあるものと掲げたのは、この諸君が国民の利益と相反することをする、そういう可能性があるから新たに設けた警備虞犯者関係の中にこれを入れるのだ。要するにあなたは、総評というような労働団体は、これは国民の利益と相反する可能性があるのだ。だから警察はスパイするのだ。これは決して国民の利益に反するものでもないし、法律にも反するものではないと確信すると、あなたがそう言うなら、私はこれから方々の労働組合に行って、今度公安委員長になった荒木という人はこういう人だ、あなたたちどう思いますかと、私は公然と言いますよ、それでいいですね。

荒木萬壽夫自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○荒木国務大臣 いままで申し上げたとおりに信じております。御指摘のことが法律に違反するということは、あえてなさんとしておるとは存じません。それで、なぜ合法的な範囲内であるかということを、具体的にいま私が申し上げる能力はございませんから申し上げませんけれども、いやしくも宣誓した者が、林さんのおっしゃるような憲法の趣旨なり、法の趣旨に反することをするはずがないと固く信じております。

林百郎日本共産党

○林委員 それじゃ警察関係に聞きますが、大臣は新任されたばかりでこまかいことを知らないと思いますが、新たに設けられた警備虞犯者関係の中に、労働団体として、総評の全国オルグや中央単産オルグ、地方オルグが入れられている、これは事実でしょうね。あなたのほうから出した文書に書いてある。

川島広守警察庁警備局長

○川島(広)政府委員 その文書がどこから出ているか、私も存じませんけれども、いまお話しの総評オルグなり、中央単産オルグなりのお話でございましたが、そういう方々のすべてが虞犯者であるなどとは毛頭考えておりません。われわれの考えの基本を申しますならば、おそらく、いま申しましたようなことで、過去にさまざまな集団的な犯罪あるいはは組織的な犯罪が起こっております。地方公務員なり、国家公務員も同じでございますけれども、そういうものの犯罪が起こっておる。そういうものをそそのかす人もおられる。そういうことで、そういう資料を集めておるわけであります。たまたま、いまのお話の中に、スパイ、スパイというお話がございましたけれども、われわれはそういうようなことはやっておりません。現実に、いま申されましたようなことがかりに事実といたしますれば、中央のオルグの方々なりあるいは地方のオルグの方なりのことにつきましては、いろいろな雑誌なり、あるいはいろいろなところにもいろいろなことが書かれておられますし、巷間の資料からも十分収集できるのでございますし、また、そういうところからも取って集めておるわけでございます。いずれにいたしましても、大臣がお答えになられましたように、すべて公安の維持のために、必要な限度において収集いたしておる次第でございますので、そのように御理解願いたいと存じます。

林百郎日本共産党

○林委員 あなた、ここでそんな弁解をしてもだめですよ。あなたのほうが出した書類の中にちゃんとそういうことが書いてあるのですよ。あなたのいま言ったような、特にそういう大衆行動の中で常軌を逸したような行動をする者、こういうのは別の条項にあるのですよ。新たに警備虞犯者関係を新設した。これは最近の各種大衆運動の場で、従来要綱上対象としていない団体の構成員なり個人が先鋭的な行動に出たりいろいろするから、全国のオルグだとか、単産オルグだとか、地方のオルグ、こういうものを資料としてちゃんと備えておけと、こう書いてあるじゃありませんか。だから、この点をお調べくださって、いずれこの点について大臣の責任ある答弁を求めたいと思います。  私は、国家公安委員長に対する質問はこれで終わりたいと思います。  自治大臣にお尋ねしますが、地方行政について重要な問題の一つは、憲法で規定されている地方自治体に対する民主主義を保障する上に、どのように地方財政を保障するかということが重要な問題だと思うのですね。そこで大蔵省案が示されているわけですね。まず第一は、地方交付税三二%を三〇%か二九・五%に下げるということが大蔵省案として出ている。これは目下折衝中だとあなたは言うけれども、あなたが責任をもって言える範囲は、これはどうなんですか。現状は維持できるのですか。率は下げられるのですか。交付税率の大蔵省との関係はどういう見通しですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 まだ私は直接折衝に当たっておりません。大蔵省の一部にそういう意見があるということは聞いております。この国会が終わってからひとつ折衝しようということを大蔵大臣から申し入れを受けております。  私の立場は、いまあなたがお話しのとおり、地域住民の福祉を基本とする地方行政、その行政の水準を上げなければならぬ。それにはやはり地方財政の確保がなくてはならぬ。現在の地方財政の財源として、地方交付税というものは非常に大事な財源でございますから、この削減については、私は大蔵省の案に同意しかねるという態度でございます。

林百郎日本共産党

○林委員 大臣、きょうの新聞を見ますと、年内に、二十八日には大体予算の政府案が内示できると書いてあるのですよ。それだのに、地方自治体の財政で最も大事な交付税の税率を含めて、まだ大蔵省と何の話もしないというのは、あなた無責任じゃないですか。     〔大石(八)委員長代理退席、委員長着席〕

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 いや、無責任ではありません。それは、予算編成の方針を二十八日ごろまでにきめたい。予算編成の方針がきまりませんと予算の編成はできません。年内にできるか、来春に持ち越すか、そこでいま事務的な折衝をやっておりますが、これはどうしても折衝をやりたいというので——これは大蔵大臣の段取りもありますし、私のほうの段取りもありますが、まだ正式に折衝をやっておりません。事務的にはもちろんいろいろの折衝をいたしております。

林百郎日本共産党

○林委員 これは細郷財政局長が新聞に書いておる点ですけれども、地方財政が豊かになった、だからこの際中央の財政的な方針に協力をして交付税率を下げるべきであるとか、あるいは黒字が出てきているではないかとか、あるいは公債への依存率が中央より地方が低いではないかというような、いろいろのことを大蔵省側は言っておる。しかし、これに対して、きのう、自治大臣も、いや、黒字が出たと言うけれども、それは単独事業をほとんどやらない、何も事業をしないから出た黒字であって、これは実際の黒字ではないのだと言われ、また細郷財政局長も、環境衛生、住宅、道路、下水というような問題については、やらなければならない仕事が全く山積しているのだ、こういう中から固有の財源である交付税率の引き下げなんてとうてい許されないことだ。国の仕事は、国、都道府県、市町村の三者がやっているのだから、三者がそれぞれの仕事の分に応じて独自の財源を持つのは当然だというような意味のことを言われているわけであります。  そこで、いま地方財政は豊かになっておる、だから、中央のいう、いわゆる財政硬直化に協力すべきだと、こういう意見に対して、大臣自身はどうお考えになっておりますか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 地方交付税というのは、これは地方財政の固有の財源という立場をとっております。したがって、国でいう財政硬直化というものとのつながりはない。これをもっとはっきり申し上げますならば、地方交付税はいまの一般会計からきているので、いかにも財政硬直化に関連のあるようなことをいっておりますが、本質的にいえばこれは地方の固有の財源でありますから、むしろ大蔵省の予算のとり方としても、これは特別会計に入れて、そうして地方交付税を地方のいわゆる固有の財源として確立すべきものだ、だから、いわゆる国の財政硬直化とはなじまない、こういう考え方を持っております。

林百郎日本共産党

○林委員 私のほうは、同じ自民党佐藤内閣の中の自治大臣と大蔵大臣とのお互いの見解の相違について無条件であなたを支持するというわけではありませんけれども、実は地方財政が豊かになったと大蔵省側のいうその背後にある地域住民の実態が、地方財政の事実上の窮乏のためにどのような状態に置かれておるかということがこの問題をきめる、そしてあなた方が大蔵省と折衝される有力な資料の一つになると思うのです。これは細郷さんも日経の論説の最初でそのことに若干触れておりますけれども、私のほうの調査を見ますと、たとえば四十一年度の公営住宅の状況を見ますと、募集戸数に対する申し込みの競争率は、横浜市営の一種が五四・四倍、名古屋の市営の一種が五五・二倍、京都の市営の一種が九七・一倍、神奈川県営住宅が六四・四倍、全く地方自治体としては住宅問題については住民の要望をほとんど入れておらない。  それから道路の整備状況、これは四十一年四月現在で改良率を見ますと、高速自動車国道は一〇〇%、もと一級国道は七七・二%、主要地方道が五〇・五%、一般都道府県道は二五・八%、市町村道は一二%という状態です。これは道路問題についてもとてもとてもやらなければならない仕事が山積しておる状態ですね。  それから都道府県道にかかわる橋梁の状況は、総数が十万一千三百二橋あるのですけれども、このうち交通不能になっている橋が一・八%、荷重の制限を受けている橋が一〇・三%、木の橋が一八・六%、要するに橋とは名ばかりで、実際は橋梁の実体を備えていないものが三〇・七%。  それから下水道の整備状況を見ますと、市街地面積に対する比率、これは四十三年三月三十一日現在ですけれども、人口百万人以上の都市で下水道の整備状況が四四・八%、三十万以上の都市は二四・五%、十万以上の都市が二二%、一万人未満の都市に至っては七・二%、しかも下水道整備については国の財政的な補助がなく、地方自治体の財政も窮乏のために受益者負担という形で地域住民に大きな負担がかかってきている。  それから清掃設備の状況、これは四十二年三月現在で、特別清掃地域における衛生処理率、総排出量に対する衛生処理量を見ますと、し尿処理の衛生処理率は六四・九%、ごみの処理率に至っては四六・七%という状態です。  それから義務教育施設の整備状況を四十三年五月現在で見ますと、公立小中学校の校舎の不足率及び要改築率は、不足率は小学校が一五・六%、中学校が一八%、要改築率は小学校が基準未満のものが一四・一%、基準以上のものが一二・三%、中学校は基準未満のものが一〇・四%、基準以上のものは五・一%。公立小中学校の屋内運動場の不足率を見ますと、小学校が基準未満のものが五四・九%、中学校が五〇・四%という状態ですね。  地域住民がこういう状態に置かれているときに、地方自治体の財政は豊かになり余裕があるから、財政硬直化の中央財政に協力するために地方交付税の税率を下げるべきだというようなことがいえるとお考えになるかどうか。このことをまず大臣にお聞きしたいと思うのです。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 林さんの御指摘どおりでございまして、地方自治体の実態というものはまさにそのとおりでございます。私も各般の資料によりまして承知いたしております。また実際、私のいなかに帰りましても、もうまのあたりに見るのは御指摘のとおりで、下水一つできていない。道路はもとより、舗装率のごときは市町村道路は五%ぐらいで問題にならない。何をやっているかわからないという状態です。住宅は都市において特にそうです。学校もそうでしょう。各般の地方自治体の施設というものは、林さんの御指摘のとおりと私認識しております。したがって私の考え方は、国の繁栄はどこから出てくるのか、国民の幸福はどこにあるのか、私は地域住民の幸福がなければ国の繁栄はないと思う。だから、ただいたずらに、少しばかり黒字を出したからといって——これも御承知と思いますが、百何十億か出しております。これは県によりますと八億か九億、市町村によると九百万円前後です。九百万円あたりという、いま御指摘の橋一つつくることもできない。だからやらないのです。金がないから地方は全部仕事をやらない。しかも赤字を出している県でやはり都道府県のうちの半分近い、二十二か三出ている。これは年度の赤字ですが、そういうことでありますから、結論において、やろうと思っても、借金もできないし、金もない、だからやれないのです。そういう意味からしますと、いま御指摘のとおり、交付税率を引き下げて、そうして地方の財政から少し国のほうに引き揚げてやろうとか、これから何か捻出しようとかいう考え方は、私はどうしても同意できない。したがって明年度予算におきましては、現在のところ事務的折衝をいたしております。しかし、結局は大臣折衝その他の具体的な折衝に入ってまいりましょうから、私は地方自治の健全な発展のためには相当決意をもって当たらなくちゃならない、こう考えております。

林百郎日本共産党

○林委員 大臣、国会ではなかなかかたい決意を表明されているが、これが具体的に大蔵省との交渉その他で現実に実らなければ意味がないと思います。  もう一つわれわれの考え方を申しますと、あなたも言われるように、国の行政事務というものは国、都道府県、市町村という三つの公共団体のいずれかの段階で執行されるわけです。ところが、その行政を実際に執行する部分は、都道府県市町村自治体の手で行なわれていることが非常に多いわけです。たとえば、私のほうの調査で見ますと、国土保全開発事業等を具体的に国でなくて都道府県、市町村自治体が行なっておるのは七四%、それから社会保障関係の仕事を国の委任事務として実際行なっておるのは地方自治体が九二%、教育が八五%、産業経済が六五%、こういう形で、実際の行政事務は、国、都道府県市町村の三つの公共団体が行なうのだけれども、しかし実態は、窓口ともなり事務の執行をしておるのは都道府県、市町村で、このような高い率の仕事をしているということですね。これだけの仕事を行なっておるわけでありますから、国の委任事務その他の形で財政的な保障があるのは当然だと思いますが、その点は大臣どうですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 いま林さんの御指摘のとおり、国、都道府県、市町村おのおの事務の配分をきちんとやっております。それで、ただ国のほうの考え方で、それでは事務を市町村やらぬでいい、都道府県やらぬでいいが、財政面でこれを圧迫しますと、配分できる事務が渋滞します。これはたいへんな行政上の欠陥が生まれてまいります。林さんの御意見のとおり、どうしてもこれらを円滑に、しかも合理的に進めるには、地方財政を確立しなければいかぬ、こう思っております。

林百郎日本共産党

○林委員 さて、そういう中で、いま来年度予算にからんで二、三の問題について若干見解をただしたいのですが、一つは国鉄納付金の廃止の問題ですけれども、廃止をすることによって影響を受ける市町村が約二千十九団体といわれているわけです。しかし、国鉄納付金は通常の固定資産税相当額の二分の一に軽減してやっている。それから第三次長期計画に基づく新幹線の部分は、昭和四十二年度からは普通の固定資産税相当額の三分の一に減額してやっている。昭和四十三年度の国鉄納付金の総額はわずか百二十五億円、これが国鉄経営の全体に影響するなんということは考えられない。ところが、この国鉄納付金の廃止をいま大蔵省側が要求してきているわけですけれども、これに対しては大臣はどういう態度で臨む考えですか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 このの国鉄の納付金は、一年前から、去年の予算編成でも問題になっておりますからよく承知しております。いまお話しのとおり、これは地方公共団体としては、公共性を認めて、いわゆる二分の一とか、新計画は三分の一とかでやっておりますが、いわゆるできるだけの配慮を加えた納付金でございますから、これらにつきましても、具体的にひとつ財政当局の意見を私、直接聞いた上で、これらの説明をして、地方公共団体の財源の一つでございますから、これらに対してもひとつ私どもの考え方を述べたい、こう思っております。

林百郎日本共産党

○林委員 そうすると、あなた自体としては、国鉄納付金の廃止については反対の意思で臨むつもりだ、こう聞いておいていいですね。  それから、交付税の算定の基礎を国税三税だけでなくて、国税全体に拡長して、そしてその割合を二〇%程度にする、こういう案が大蔵省側から示されている。しかし、いまの三税、所得税、法人税、酒税ですか、これは一般的な税財源ですけれども、他の税財源というのはそれぞれ目的がきまった財源であったりして、これを一つにひっくるめることは性格上できない税の性格を持っているものなんですね。こういうものを全部ひっくるめて交付税算定の基礎を国税三税だけでなくて国税全体に広げて、その一定の割合、こういう意見があるのですが、これについてはどう考えておられますか。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 国税全体にリンクしてはどうかというような話が出ておりますけれども、実は直接私も聞いておりません。ただ、御承知のように、財政制度審議会等においては議論になったことを承知しております。  私どものほうの考え方としては、やはり現行の三税にリンクするほうがよい、こういうふうに考えております。三税のほうが、同じ地方の共有財源を持つ上においては、地域的にも普遍的であるし、そういう意味からも、ほかのいろいろな国税全部を入れまして、ただ財源的にものを考えるよりはいいのではないか。また、交付税ができましたときにも、どの税にリンクするかずいぶん議論がございましたが、いろいろな議論の末、慎重性と安定性をかみ合わせて三税になっておる。こういういきさつから見て、現行のほうがよいと考えております。

林百郎日本共産党

○林委員 交付税の年度間調整勘定を設ける、こういう意見もあるようです。景気の動向に応じて交付税額を増減するというわけですね。あなたの持説である、交付税は本来国有の地方自治体の財源であるということを非常に不安定にさせる要因になると思うのですけれども、交付税の年度間調整勘定を設けて、景気の動向に応じて交付税額を年度間調整していく、こういう意見があるようですけれども、これは具体化しているのか。また、具体化しているとすれば、それをどのように処理していくお考えですか。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 これもいまの段階では具体的な話にあがっておりませんで、やはり財政制度審議会等で非常な議論があったところであります。この点については、私どもは、地方団体の自主的な年度間調整ということによって処理すべきものであろう、こう考えております。

林百郎日本共産党

○林委員 最後に二点ほどお尋ねしたいのですが、大臣にお聞きします。  実は昨年もこの地方交付税の税率の引き下げという問題は、大蔵当局と自治省当局との間にいろいろ問題があったのですけれども、これは結局四百五十億の借り上げという形になり、それを三年間で返還するということになったのですけれども、ことしはこういう方式は絶対にとらない、それから四百五十億の三年間返還ということは必ず確約できるのかどうか、この問題をひとつ聞いておきたいのです。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 いま申し上げましたように、私まだ具体的な折衝をいたしておりませんのと、大蔵当局のそれらに対する操作その他考え方を直接聞いておりません。ただ、事務的折衝に入っておりますから、事務的にはあるいはそういう話が出ておるかもしれませんが、私は私の立場として申し上げておくことは、去年のやり方は前例にしたくない、しない、そういう態度をとるつもりでおるのであります。したがって、いま事務的な折衝の段階ではいろいろ出ておるかもしれませんから、一応政府委員から内容を聞いていただきたいと思います。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 百五十億の三年間返還は法律できめてございますので、それを守りたいと思います。

林百郎日本共産党

○林委員 それを新たに何らかの形で借り入れる、そういうことはことし必ずやらないという確約はできますか。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 ことしやりました二百五十億の借り入れというのはむしろそれだけ地方財源として……。

林百郎日本共産党

○林委員 四百五十億です。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 四百五十億は先ほど大臣が申し上げたとおりでございます。

林百郎日本共産党

○林委員 そういう形で繰り返さない……。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 はい。

林百郎日本共産党

○林委員 最後に、こういう考え方も出ておるようです。要するに、基準財政収入額の算定に用いられる基準税率を実質上あるいは数字上下げる、そうして基準財政需要額を実質上切り下げていく、こういう意見があるようなんですけれども、これと超過負担の問題ですが、昨年以来この問題については当委員会でも論議されておるわけです。あるべき一定の水準をきめて、そして三年間に超過負担を解消するという答弁なんですが、しかしこの超過負担のあるべき水準というのが実情に合わないような水準をきめられるとすれば、事実上解消の対象になるべき超過負担がかえって合法化されるという可能性が出てくるわけですね。したがって超過負担をさせないためのあるべき水準というものを民主的にきめるべきである。地方自治体の要望に沿って民主的にきめるべきであるというのがわれわれの立場なんです。この問題と基準財政需要額の算定を実質上切り下げるというような方向を含めて、これは超過負担の問題が非常に重要なものになると思うのですが、この線についてどう考えられるかという点の一点。  それから、地方債が現在高一兆六千九百十一億、一般財源の八〇%という数字がわれわれの調査では出ておるわけですけれども、これはほとんど国の行なう事業に伴って地方自治体がしょい込んでいるいわゆる借金なわけですけれども、この膨大化された一兆六千九百十一億円というような地方債の処理、この二つの点についてどういう処理をしていく考えか。超過負担の問題と、それからますます膨大化されてくる地方債の増大、これに対して何らかの手を打つべき時期がきておるとわれわれ考えるのですけれども、これはどう考えられますか。まず大臣、どう考えられますか。超過負担の問題についてこれを解消していくということ。解消するために三年なり一定の期間で解消していく。そのためには一定の水準を設けてこれまでは見てやる、しかしこれを越えるものは超過負担としては認めないんだというあるべき水準をきめて、その水準によって三年間で漸次解消していくということを、われわれはいままでの自治省側の回答と聞いておるわけです。しかし、これまでは認めるが、これ以上は超過予担として認めるわけにはいかないという、そのあるべき基準のきめ方が民主的でなければ、実質的な超過負担を超過負担として認めない道をかえって開く危険があるので、その基準を民主的に決定する方法をどうするか。もう一つは、この膨大化されておる地方債ですね。一般財源の八〇%にも達しているこの地方債の膨大化に対してどういう手を打たれるのか、これを聞いて私の質問を終わりたいと思います。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 超過負担の問題は、先ほど財政局長がお答えしましたとおり、三年間で解消すると法律できめてありますから、いま御指摘の水準をどこに持っていくか、これは非常に考えなくちゃならない、当然のことだと思っております。これはやはり合理的にきめてまいりませんと、そこに超過負担というそのものに対してのきめ方が違ってまいりますから、できるだけ合理化してこの水準をきめたいと思っております。その他につきましては財政局長からお答えいたします。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 超過負担は御承知のように、ことしから三年間で解消をはかるということで政府方針をきめております。  それから水準をどれくらいにするかということは、その方法が民主的であるかどうかという方法の問題ではなくして、実質の問題であろうと思っております。したがいまして、どの程度でやるのが最も合理的であり、内容も納得でき得るものであろうかということの判断でいきたい、かように考えております。  それから旧債の残高につきましては、非常に多いので、将来のこともいろいろ考えますと、できるときには繰り上げ償還をさしておくというようなことも考えなければいけませんし、非常に公債費の多い団体については、私どもも多少財政措置を考えながら指導をしてまいりたい、こういうふうに考えております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 これで終わります。超過負担の問題について私が特に聞くのは、私たち地方を回りまして、市町村に行って聞きますと、たとえば統合中学など建てるときに、教育施設に関する超過負担が非常に大きな負担になっておる。たとえば実際は二億くらいかかる建築に対して、国は一億でできるんだという査定をし、そして、その五〇%で五千万円だ。ところが実際は、近代的な教育をするためには、とてもとても中央の言うような財政的な措置では学校らしい学校もできない。やむを得ずそれは起債なりあるいは実質的な超過負担になる。また学校の庭は財産になるのだから、これには国の補助が出ない。ところが、学校の庭を買うことは、学校を建てる非常な基礎的な条件ですから、校庭をどうするか。買うなり借りるなりしなければならぬ。しかし、これには一文も、ほとんど補助金が出ない。プールに対してはやっと若干つくそうですが、学校は建っても校庭には補助金がつかない。地方へ行くと六十名以下では保育所をつくることができないということで、それで過疎地帯では六十名の人を無理して集めて保育所をつくる。また東京都の場合は、どう見ても一つの保育所の建築物だけでも二千万くらいかかるのが、百四十万でできるはずだ、その半分の七十万の補助でやれというような、これは現実に沿わないも沿わない全く非現実的な基準で押えてきて、そしてあとはおまえのほうでやれというようなやり方が非常に多い。自治省から言わせれば、それはデラックス過ぎるのではないかと言うけれども、どこの自治体でもそんなにデラックスなと非難されるようなものをやるのではなくて、よその学校と比べて学校らしいものをつくりたいという熱意でやっておるのであってこの点についてもう少し実情に沿った基準をきめなければ、超過負担や地方債の累増というものは避けられないと思うのです。ことに学校の建築問題、一つの統合中学を建てれば、再建団体にどうしてもならざるを得ないような財政的な措置をとらざるを得ない。こういうことに対してどう考えられますか。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 小中学校の施設の整備費補助金につきましては、実は昨年実態をかなり広範にわたって調べました結果、国の補助基本額と、実際に出されておりますものとの間に約一四%ほど金額にして開きがございました。内容をいろいろ精査しました結果、その一四%のうちの半分は、地方団体が自分が持ってしかるべきものではないかというふうに考えられましたので、残りの部分につきまして、これを三年間で措置をするということで、ことしから少しずつ単価を上げております。少しずつと申しますのは、三年間で漸次解消するという意味で、三分の一ずつ上げておる、こういう意味でございます。  小中学校の建設費自体につきましては、調査の結果では、比較的超過負拒は小さかったのでございます。むしろ問題は用地費だと思うのです。用地費は、いろいろな場所によりますし、またその時期によっても値段が違っておりますので、これをどうするかという問題は、単にこれは補助をすれば足りるという問題ではないんじゃないか。むしろ実態に合わせるように起債なり交付税なりをめんどうを見ていくという行き方のほうが本筋ではないか、こういうふうに考えております。  なお、償還費につきましては、先ほどもお答えしましたように、公債費が非常にある団体に片寄っておるというような事例も二、三見られますから、そういうものについてはそれとして個別の問題として取るべきように考えております。

林百郎日本共産党

○林委員 私の質問はこれで終わります。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 午後二時四十分に再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後一時十一分休憩     —————————————     午後二時二十七分開議

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  内閣提出にかかる、昭和四十二年度における地方公務員等共済組合法の規定による年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。依田圭吾君。

依田圭五日本社会党

○依田委員 数点御質問をいたしたいと思います。  第一点は、臨時職員の期間の年金期間への通算制度についてお尋ねをいたしたいのですが、国家公務員の共済制度に準じまして採用六カ月から通算するように法律改正をしてもらいたいというようなことについて何回か陳情があり、また、それについて当局側の考慮をわずらわすようにお願いをしてあるわけでありますが、これは十二月十四日の政令によって片づいた、こういう理解に立ってよろしいかどうかを御答弁願いたいと思います。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 御指摘のとおり、臨時職員として在職しました期間の組合員期間への通算措置の改善につきましては、十二月十四日付地方公務員等共済組合法施行令の一部を改正する政令をもって国家公務員並みに改善をいたしました。

依田圭五日本社会党

○依田委員 国家公務員は六カ月ということになっておるわけなんですが、実は六カ月に満たない場合における通算制度については非常に問題も大きいし、なかなか重大な問題でありますが、臨時職員諸君にとってはまた非常に重大な問題であります。従来、ところどころとぎれてやっておりまして、それが継続をしないような場合に、これを一体どういうように救済していくのか、そのことについて御意見を聞きたいと思います。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 技術的な問題でございますので、福利課長からお答えすることをお許しいただきたいと思います。

佐野政一自治省行政局公務員部福利課長

○佐野説明員 臨時職員間期につきましては、施行日は昭和三十七年の十二月一日でございますが、その施行日に引き続いておる期間につきましては、いま御質問のように、六カ月カットいたしまして残りの期間を通算いたしております。ただ、その臨時職員期間が、一たん退職しまた臨時職員として再就職したような場合には、最初の在職期間につきましては六カ月カットいたしまして残りの期間、次に再就職いたした際には、また最初の六カ月をカットいたしまして残りの在職期間というものを通算するようにいたしております。それから、とぎれとぎれの場合には、合算いたしまして十二カ月をこえた場合、これはすべて通算するようにいたしております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 ちょっと念を押しますけれども、そうすると、わずか二、三日、あるいは極端に言うと一日でも任命の日がずれて、要するにとぎれたわけですね。その場合に、六カ月未満でも合算して一年ということで救済方法があるわけですね。

佐野政一自治省行政局公務員部福利課長

○佐野説明員 いまの任命のとぎれた場合の扱いでございますが、これは、月に二十二日以上勤務した日が一定期間続いた場合の通算措置でございます。そうした点で、そののぎれ方の問題につきましては実態によって判断したい、このように考えております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 その実態について判断をしたいというところから私は御質問を申し上げて、ぜひ聞きたいのですが、十二月十四日の政令で六カ月までの解決は一応ついた。それから先の問題なんです。期間的にはそれ以下の問題なんですが、実態に応じて判断をするという判断の基準について御答弁いただけませんか。

佐野政一自治省行政局公務員部福利課長

○佐野説明員 これは政令、省令等運用方針で、一カ月通常の職員が勤務したと同様な勤務時間を勤務したのが二十二日以上続いた場合にその月を一月と考える、こういうようにしておりまして、具体的には個々の地方公共団体によってその取り扱いが非常にまちまちでございます。そうした点からいたしまして、私どものほうとしては、通常の常勤の職員と同様に勤務した場合、こういうように考えておりまして、具体的な取り扱いにつきましては、個々の地方公共団体のそうした取り扱いによって判断したい、かように考えております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 第二点を御質問申し上げます。  それは、職員の住宅建設について何回か要望をいたしておるわけでありますが、大体二百三十二万人といわれております職員の中で、これは府県と市町村とあるわけでありますが、市町村のほうはともかく——ともかくといいましてもなかなか困窮している人が多いと思いますが、府県の百三十八万人、これにつきましても、最近の都市化現象の中で、住宅難で高い家賃を払って非常に苦労いたしておると思います。それに対して年間の職員厚生費の負拒の単価は一人当たり、四十二年が千円、四十三年は千三百円ということで、これはレクリエーションか何かに回るのであって、住宅というところまではとうてい手が届かない、こういうように理解をいたしておりまして、たくさんの公務員が住居に困っておるのではないか、そういうように考えますときに、非常に大事な問題でありまして、これを何とか解決をしてやらぬと、温情あふれる行政にはならぬ、こういうように思います。  そこでお聞きしたいのは、現在二百三十二万人おるといいますが、住宅の充足率、これについてお手元に資料があれば明らかにしていただきまして、職員の住宅不足は大体どのくらいになっておるか。また、それに対して千三百円程度の単価ではどうにもならぬのでありまして、これについて何か方法を講ずる用意があるかどうかをあわせてお聞かせを願いたいと思います。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 まことに恐縮でございますが、地方公務員の住宅の充足率につきましての正確な資料は現在手持ちがございません。資料の整備を早急にはかってお示しをいたしたいということを約束いたしたいと思います。  第二点といたしましては、地方公務員の住宅につきましては、御案内のとおり公費負担をもちましてそれぞれの地方団体が財政支出において行なっておりまするものと、それから御案内の地方公務員共済組合資金を引き当てといたしましてつくっておるものとございます。地方公務員共済組合の資金を引き当てといたしておりますものにつきましては、一つは、例の僻地校の教員宿舎、それから警察官の待機宿舎、こういったものにつきまして公立共済、警察共済の資金を引き当てといたしまして地方債の発行を認めまして、それによって住宅をつくる、こういうものと、それから一般職員に貸与をいたしますためにいわゆる不動産投資という形で住宅を建設いたしております。それから持ち家対策といたしまして、職員に共済組合資金の貸し付けを行なう、長期経理資産の運用の中で貸し付けを行なう、こういう方法において行なっておるわけであります。かたがたこのワクの拡大につきましては、昨年の長期の財源率の改定の際の経過もございまして、資金運用のワクを、ただいまの貸し付け資産、それから不動産投資の資産、いずれもワクの拡大をはかりますとともに、貸し付け利率につきまして府県市町村分は六分を五分七厘六毛程度に、都市共済分にかかわりましては六分四厘八毛を六分程度に引き下げる、こういうことを行ないまして、共済資金の運用の面において住宅の建設を促進いたしております結果、昭和三十八年度に四万四千戸、三十九年度四万七千戸、四十年度において六万四千戸、四十一年度に六万八千戸、四十二年度七万六千七百九十八戸、四十三年度は見込みでございますけれども、九万六百四十九戸、こういった戸数の家屋を建設いたしておるわけであります。  なお、これを先ほど御指摘になりました職員の福利厚生費という形で見ますか、あるいは別途の形で見ますか、いわゆる不動産投資にかかわりますところの元利償還と申しますか、この費用を交付税の基準財政の需要中に織り込む、こういうことも引き続いて財政当局と相談をいたしてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 大体共済の資金といいましても、ほとんど貸し付けの制度か何かであって、そうゆとりもない。また各府県が県営住宅や公営住宅をつくっておりますけれども、これは自分でつくるわけですから、そういうところへ——大体そういう部局は同じ県庁の中でも一番パイプのような庁舎でもってがまんする、自分が家を建てておるわけでありますから、住宅に縁のない一番悪いそういう建物の中でがまんをして、県民の住宅を建てるなりなんなり努力すべきであって、また自治省はそのように指導していると思います。それから、建てました県営住宅なりなんなりに対しましても、県の公務員はあまり積極的に申し込みなんぞせぬように、自分が一生懸命に建てました建物に自分が入るのじゃ話にならぬので、そういうように法律の上からも、また、道義的にも、非常にハンディキャップを持っておるわけであります。しかも人事院勧告一つを見ましても低給になかなか苦労いたしておるわけでありますが、せめて住宅くらいひとつ取り組んでやっていただかぬと、執務意欲といいますか、勤務意欲も落ちるし、能率も下がると思いますので、住宅の充足率の最新の資料を要求しておきます。  第三の質問は、市町村の共済組合などの短期の掛け金率が政府管掌健保に比較いたしまして高い部分を共済小委員会において現在検討いたしておりますが、これは非常に貧乏な県、と言うと失礼でありますが、比較的富裕でない県のほうにおいて、過疎の地域におきましてたいへん重要な問題でありまして、非常に負担をかけておる。これはどうしても緩和させなければならない。こういうわけで、財源率が一割をこえるようなところが十カ所近くあるわけであります。これに対してもちろん給付水準があるでありましょう。しかし、それをインクルードして、当然中で消化して、そしてそれでもなお負担がふえるわけでありますから、これについてひとつ抜本的な改善をしてもらいたいと思いますが、最近の取り組みの姿勢について御質問申し上げます。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 問題は、長期的なといいますか、根本的な問題と、それから当面の応急措置という問題と二つあるように思うわけであります。  根本的な問題といたしましては、御案内の健保特例法の期限切れというものとの関連で、現在いわゆる医療保険制度の抜本改正という問題がございます。この問題の成り行きもひとつ見きわめて、それとの関連において基本的な対策を打ち出してまいらなければならないだろうと思うわけでございます。  他方におきまして、当面の問題といたしまして、御案内のとおり短期の共済の掛け金率の高いところがあることは事実でございます。また、ただいま依田委員御指摘になりましたように、実は全体的な傾向、趨勢ということで、たとえば受診率なり、あるいは一人当たり、あるいは一件当たりの金額を見てみますと、やはり掛け金率の高い市町村共済組合の場合でございますと、受診率も全国平均よりも高い、あるいは一件当たりの金額なり一人当たりの金額も高いようでございます。そこらのところの原因も私どもなりに一応の分析をいたしておるわけでございます。その分析の上に立ちまして、先般私どもが出しましたいわゆる補給金制度と申しますか、プール財源をつくりまして、その中から補給をしていく、こういう形、これは、実は自治労あたりから反対がございまして、まだ前進をいたしておらないわけでございますが、私どもといたしましては、やはり共済制度の基本に流れておる相互扶助といいますか、お互いに持ち寄って給付水準を高めていくという考え方からすれば、捨てがたい味があるのではないかということで、引き続き検討いたしたいと思っておるわけでございます。  なお、また小委員会等の機会におきましても、私どもの考え方を具体的にお示しをいたしまして御批判、御検討いただきたいと思う次第でございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 もう、ほんとうに五%以上の負担をしているところがたくさんあるということは、それはたいへん重大な問題でありまして、全力をあげて取り組んでいただきたいと要望しておきます。  次に、退職年金条例の給料年額の算定につきまして、いま引き上げ制限があるわけでありますが、これを少し緩和していただきたいということが長い間要望になっております。これについて最近の取り組みを御質問申し上げます。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 この点につきましては、昨年の三月に地方公務員等共済組合法の施行法の改正におきまして今日のような姿になったわけでございまして、これは私どもといたしましても一つの考え方に基づきまして法律案を出し、国会の御審議をいただいて成立をした形に相なっております。  その考え方と申しますと、恩給公務員なりあるいは府県の職員あるいはば大多数の都市、町村の職員というものとの権衡ということが一つ大きな理由になっておったわけでございまして、これ一を、法律改正後一年もたたない段階で再びまた元へ戻す、あるいは緩和するということは、非常に大げさな言い方になっておしかりを受けるかもしれませんが、国家意思として一ぺんきまったものについてどうだ、こういったような論議もあり得る余地でございます。他方ににおきまして、いわば長年そういうことで退職給付を受けてこられた、そういった人たちのいわば期待というものに対する配慮というものが全然なくていいのかということになりますと、そこのところも気持ちとしてわからないではない。実はそういった意味のジレンマにおちいっておる段階でございまして、これにつきましても、なお私ども関係各省等との意見の調整もとりまして、これまた小委員会等の席上におきまして、さらに突っ込んだ御検討をお願いいたしたいと思っておる次第でございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 ちょっと関連して質問しますが、大体四十二年の改正後、退職を予定しておる公務員、旧法のときに何号ぐらい上がったかという問題があるわけですけれども、かりにそれを三号なり四号なり総平均で掛けまして、二百三十二万人つかみであるといわれておりますが、対象人員は一体何人ぐらいになるのか。それから、それに必要な予算は何ぼぐらい、あるいはもっと下になるか、それとももっとたいへんなものなのか、それを試算されたことがあるかと思いますが、それについて数字をちょっと聞かしてもらえませんか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 ちょっと試算をいたしますのに時間の余裕をいただきたいと思うのございますが、試算をいたしまして御返答申し上げたいと思います。

依田圭五日本社会党

○依田委員 その試算をしている間に、ちょっと次の質問に入りますが、それは公務員の掛け金や給付額の基礎になる給料の最高限度額が長いこと据え置かれておるわけです。十年以上だと思うのですが、これを若干考えないと、あまりにも現実離れしてくるのではないかということですね。これについての御意見を聞きたいと思います。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 おっしゃるとおりでございます。私どももこの十一万円という額につきましては、方向といたしましては、ある程度長期間据え置きになっておるわけでございますので、改善の方向で努力をいたしたいと思っておるわけでございます。  ただ、御案内のとおり、共済制度につきましては、国家公務員あるいは地方公務員軌を一にいたしてこういう制度が成り立っておりますし、地方公務員だけ単独の立場でこれを改めるということにつきましては、共済制度のいわば縦の均衡という面もございまして、改定をするときは時期を同じくして改定をいたしたいという気持ちを持っておるわけでございます。  それから給与の最高限度を上げるということになりますと、年金の最低保障額、これが現在八万四千円でございますけれども、八万四千がいまのままでいいかという点がございまして、この最低保障額を上げる、そこでまた最高限度額も上げるというバランスの問題も一つ考える必要があるのではないだろうか。そうなりますと、かなり財源率にも影響する問題が出てまいりますので慎重にならざるを得ない、こういう実情にございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 現在各府県におきましても、大体古参課長あるいは少なくとも部長は全部頭打ちになっておるわけですよ。こういうことになると、一方では恩給審議会あたりから相当いろいろ積極的な答申が出ておる。また、それについて法律改正も準備いたしておる。政府もそれに対して姿勢をきめざるを得ないし、きめる気持ちがあるであろうと思います。そういうときに、十数年前の古典的なあれを据え置いたまま、一方と均衡をとるためにというようなことばかり言われておったのでは、現実に働いておる何百万という人の、その全部が対象ではありませんけれども、それについて何らか措置をしてやらぬと非常に不親切になるのではないかと思うので、重ねてそれをお聞きいたします。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 私どももおっしゃるとおりの気持ちでおります。ただ、ただいま依田委員御指摘になりましたように、最低保障額の問題とは別にこれだけ切り離して先にやってもいいではないかということにつきまして、もう少し私どもも考えを詰めてみたいと思います。結論的には全く同じ気持ちであるということを申し上げておきたいと思います。

依田圭五日本社会党

○依田委員 それに関連しましてもう一点聞きますが、これは前から地方議会の議員の在職期間について都道府県と市町村との通算ができるように処置をしてもらいたいということが何度か陳情なり附帯決議が行なわれております。これについての自治省の取り組みをお聞かせ願いたいと思います。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 この点につきましても、前々国会でございますか、附帯決議をいただいておるところでございますので、検討いたしておるところでございます。ただ、問題は、都道府県の議員、それから市の議員、町村の議員、それぞれ歳費といいますか、報酬の水準も区々でございます。それから都道府県の議員から市、町村の議員になられるという例は少なくて、市なり町村の議員から都道府県の議員におなりになるというケースが非常に多いものでございますから、これを通算するということにいたしました場合に、都道府県の議員共済会の財源率というものが高くなる。財政負担が高くなる。したがいまして、当然個人の掛け金率も高くなるわけでありますが、そういった面で負担の均衡ということでいかがであろうか。私ども仄聞いたしますところによりますと、都道府県の議員さん方の間では、そういった点も御勘案で、必ずしも積極的でないやに、これは私の聞き違いかもしれませんけれども、そういう空気もあるやに伺っておる次第でございますので、もうしばらくこの点につきましては私どもの検討を続けさしていただきたいと思う次第でございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 現在の都道府県の共済制度は還付制度をつくっておりますから、たしか四年未満か五年未満は七〇%、それから八年未満は八〇%、十二年未満は九割ですか、そういうような制度をつくっておりますから、それまでの、制度ができてから、あれは四十年ですか、四十年までの掛け捨て分をプールして、それでどうにかやりくりしているわけです。しかし、早晩、経費とそれから一時金の支払いとで赤字になることは目に見えておるわけです。ともかく七割返し、八割返し、九割返すわけですから。そうすると、何らかの形で公営負担も考えなくちゃならぬし、これらに対する抜本的な改正もやる。四十六年ごろから赤字に単年度では転化していくのではないか。五十年ごろには全くどうにもならぬ、使い尽くすというような点が見通されるわけです。ですから私は、この際都道府県議会議員なるものが非常勤の職員なのか、過密過疎の状態もあるでしょうけれども、現在の定数と人口増の中で扱ういろいろの事務、事業の問題からいって、自治省は一体どういう考え方を持っておるのか、その規定のしかたを一点。  それから、その赤字になっていくことを見通して一体どういうような措置をとるのか。それとこの通算制度の問題とをひとつ関係さしてはっきりした御答弁をいただきたいのです。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 たいへんむずかしい問題でございますが、赤字になっていくという見通しがあるから公営負担になる。公営負担になるということから考えると、通算しても同じじゃないかということには、ちょっとならぬという気が実はいたすのでございます。要するに、議員の通算ということ自身はいろいろ考え方があると思いますが、結局、議員共済会というものの考え方は、やはり共済制度として議員だけの負担で発足したという沿革も私どもは十分考えてみなければならないと思いますし、また同時に、通算という御要求がございますが、そうすることによりまして年金化していくということになりますから、その負担増というものは一そう著しい問題になると思うわけであります。したがいまして、まず共済会そのものの先生のおっしゃいましたあり方、将来当然赤字になるというところ、そこの見きわめをまず考えていくこと自身のほうが大切であって、それぞれの議員の共済というものの一応かっこうがついたところまでが第一段階、議員間の通算というのはこれは第二段階以降にどうもならざるを得ないのではないかというふうに思っておるのでございます。その辺、鋭意検討いたしますが、いまのままの考え方を援用いたしますと、どうしても議員の通算をして一時金を年金化していくことになりますと、どうしてもほとんどすべて府県にかぶさっていくという形にこれはならざるを得ない。どういう計算をしましても、そこで府県の負担が起こる。それから共済といういまのたてまえでやります限り、議員の掛け金が非常に高くなるという問題にもなってしまいます。そこのところがございますので、根本的に各議員共済の制度自体の問題を解決するということが先決であって、その次にそれぞれ考えていく、こういうことになるのじゃないかと私は思っております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 私は地方議会議員の基本的な性格についてこの際行政局長の御意見をこれらの制度に関係してひとつぜひお聞きしたいと思います。もう一ぺん御答弁いただけませんか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 地方議会の議員につきましては、先生も先ほどおっしゃいました非常勤で特別職であることはこれは間違いございません。実際上の議会運営について、行政事務はどんどん量が増加しておりますし、議会活動も非常に煩瑣になってきておるという現実はございますけれども、いまの形態からいいまして、非常勤の特別職だということは、これはそうだろうと思います。しかし、それだから名誉職であるというふうなことは、もういまは姿が変わったというように私も考えておりますけれども、そこから先をどういうふうにこれから位置づけていくかというところまでの考え方がまだまとまっていない、学界とかいろいろなところの意見もありますけれども、まだまとまっていないのではないだろうか。おっしゃるとおり非常勤の特別職ということから先のところには行っていない、こういうふうに思っております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 名誉職ではない、非常勤の特別職だというような御意見だと思うですが、それで一つの答弁にはなっていると思いますけれども、これは私も何度か自治省に地方議員団の陳情のときに一緒に行きまして局長の御意見を聞いたりいろいろするわけなんですが、そのときに、長野さんのお話なんですが、何といいますか、国の立場から地方を見て、非常に冷淡と言ってはあれなんですが、理解というものが、たとえば定数一つ、あるいはそれを取り巻くいろいろの情勢、それらについて非常に否定的な理解、消極的な理解をしておるわけですね。民主主義の基本は地方分権であり、そして、あとう限り地方行政を充実させること、これこそほんとうに世論政治として国のあり方の基本にかかわるし、国を安定させる最も堅実な、しかも最短コースであると私は思うから、そういう意味で地方議員なり地方議会を理解しようと私は思っております。どうもそういう点で若干局長とニュアンスか違って、中央官庁——旧内務省とまでは私言いませんけれども、何か自治省はそういうことになると、自治省がよってもって立っておる自分が一番大事にしなければならぬ地方議会に対する指導、理解というものが、かゆいところに手が届くような同情というか、そういう措置をしないし、ひいて地方議会もそれに対して自治省に対する不信を持っておりますので、この歳費の問題一つ取り上げましても、適当な指導を全国的に見てしてくれという要求もしなければ、また、どうしても自治省がその統制力がきかないというようになっておると私は思うのですよ。それらを含めて長野局長さんの御意見をひとつぜひ聞きたいと思っております。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 議会について理解が足りないという御指摘を受けたのでございますが、その一つの例として、たとえば特別職の報酬問題等につきまして自治省の態度は非常に消極的であるというお話のようでございます。これについて、あらわれたケースが非常に多様でございまして、府県、市町村、その規模もそれぞれ違うわけでございますが、私どもできれば議員の報酬につきまして、何らかの筋も通るし実態にも即するというような一つのものさしというか、基準というものはできないだろうかというので、実はせっかくいろんな面から検討中でございます。ただし、これはなかなかむずかしゅうございまして、容易に結論に達しないというのが現状でございます。その間に先ほどの特別区の議会のような報酬問題が出てくるわけでございますけれども、これも考え方がいろいろあると思います。しかし、あの報酬の上げぐあいというものは、どうも四〇%一挙に引き上げるというふうなことでございまして、その点は、これはまた先生と御意見が違うかもしれませんが、他との均衡その他からいってもどうだろうかというようなことが実はあったわけでございます。そういう意味で、私ども自身、議会というものの重要性は決しておろそかに考えているつもりもございませんし、議会の権威が高められるような方向で地方自治行政の中心としての議会の機能を十分確立するように努力はしなければならぬということをいつも肝に銘じておるつもりでございますが、議会の実際の運営におきまして、報酬問題とか待遇問題等につきまして十分な基準をまだ求め得ないでおるというのが実情でございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 次の質問に移ります。  共済組合の給付に要する費用の公的負担の問題は、毎回附帯決議に入っておるのですが、それから短期給付における医療費の増加に伴う財政の悪化、これは組合員の負担増加も非常にひどくなっておる。これについてもうこの辺で、ともかく物価も極端に上がってきておりますし、それから医療制度も抜本的な改正がいわれておるわけですが、何らか措置をしてもいい時期じゃないか。来年度の予算の提案の前に、私もう一ぺん、一体四十四年度についてこの問題について何らか具体的な案をお持ちでないのかどうか、これを聞きたいと思います。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 毎回同じような答弁を申し上げて、私どももものごとができ上がるというのは非常に手間あるいはひまがかかるものだという感じを持つわけでございますけれども、四十四年度におきましても、地方財政計画におきまして当然一五%を二〇%に上げるということで財政計画は組む予定でおりますし、また文部省なり地方財政が負担をいたしますところの、国が財政支出をいたしておりますところの公務員につきましては、それぞれの各省で五%アップするという形で予算要求をしておるわけでございます。かたがた昭和四十四年におきましては、国家公務員の長期給付につきましても財源率の改定の年に当たっておるわけでございまして、国家公務員におきましても当然一五%を二〇%にするという問題が国家公務員自身の問題としても出てまいるわけでございます。そういった中で、冒頭に申しましたように、私ども今度こそははっきりさせたいという気持ちを持ってがんばってまいりたいと思っておる次第でございます。  短期の補助の問題につきましては、率直に申しまして、現在市町村の掛け金率の高いものにつきまして、ただいまお話しのございました公費負担の問題もひっくるめまして検討をする、その問題がまず現在の段階においては第一段階と申しますか、先に検討すべき問題ではないだろうか。短期給付につきまして国庫補助を求めるということにつきましては、先ほども申しました医療保険制度の抜本改正という問題とのからみ合いにおいて検討する段取りに相なるのではないかというふうに考えております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 どうもお聞きしていると、もうやるのだという決意表明のように聞こえるのですが、そのとおり期待をして四十四年度の通常国会をお待ちしてよろしいのかどうか。さらにひとつ決意をはっきりさしていただいて——もうここまでインフレが進んでおりまして、百分の十五も百分の二十も一体どれだけの差があるのだと言いたいぐらい物価は上がる情勢になっておるわけです。あなたのおっしゃるのは、儀礼的なことばではなくて、やりますぞという意味に聞いておいてよろしいですね。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 私どもそういう決意で当たりたいと思っておるわけでございます。ただ、御案内のとおり、これも国家公務員の共済、公共企業体の共済、地方公務員の共済、いわば三共済が同一の制度という形で進んでおるものでございますから、私どもその決意で国家公務員の共済なり公共企業体の共済とお互いに激励し合いながら実現に努力したいと思っておるわけでございますけれども、統一的な社会保障制度の一環としての共済でございますので、他との関連という留保はどうしてもつけさしていただかなければならないというふうに考えておる次第でございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 それに関連をしますが、具体的に遺族の範囲について何か前進の御返事はいただけませんか。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 遺族の範囲につきましては、御案内のとおり厚生年金法に申しておりますところの遺族と共済制度に申しておりますところの遺族の範囲が違うということは御指摘のとおりでございます。厚生年金の遺族の範囲と遺族の範囲を合わせたいということで、これまた、共済制度全体に共通する問題でございますので、現在関係各省話し合いを進めておる状況でございます。何とか実現に努力はいたしたいと思っておりますけれども、これも先ほどの一五%の問題と同様に、他の共済制度と制度改正を時期的に同じにしておる、こういう形になっておるものでございますので、そういった留保のもとで実現に努力いたしたいということをお約束いたしたいと思います。

依田圭五日本社会党

○依田委員 実現に対してのお約束はたいへんありがたいし、ぜひ全力をあげてもらいたいのですが、せめて最低の話として共かせぎをしておる世帯に対して、一応夫婦の所得が違う場合、相手方が多かった場合にはもらえないわけですね。掛け捨てになるわけです。市町村の共済法の、昔の三十七年以前の時代には最小限一時金が出たわけです。これもなくなっておるわけです。せっかく長いことを期待をして掛けてきたのだから、そのくらいは考慮してもいいのじゃないかと私は思うのですが、これについての御意見を聞きたいと思います。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 遺族者一時金の制度につきましては、これはすでに現在の共済制度からはずれてしまったわけでございますので、これを復活するということは困難だと思いますが、ただいま申しました遺族の範囲を拡大する方向で御要望の趣旨に沿いたいと思っております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 次に、先ほどお願いをしておる数字が出ましたらそれを最後に入れたいのですが、年金のスライド制の問題であります。一番大きな問題でありますが、これは恩給審議会のほうで一応出まして、国公のほうでもこれについて政府のほうは、審議会の答申も出ておるし、予算要求もしておる。ともかくオールマイティの大蔵省も、これを受けてひとつ立ち上がらざるを得なかろうと私は思うのですが、それについて地方公務員関係のスライドの問題を今月の二十七日から始まる通常国会において一体どのように御提案になっていくのか、それをひとつお聞かせ願いたいと思います。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 御案内のとおり、恩給審議会におきましては、恩給のスライドにつきまして、五%以上消費者物価が値上がりした場合にはスライドをするといういわゆる物価スライドという一応の線を示されたわけであります。ただ、御案内のとおり、この物価スライド一本だけではございませんで、それに賃金スライド、すなわち公務員給与のアップ率というものもまた加味する、こういうスライドを行ないます場合のスライディングスケールの両方にやはり足をかけたようなかっこうに相なっておることは御案内のとおりでございます。公務員の場合におきましては、前々から内閣の審議室が主宰をいたしておりますところの——関係各省庁の代表でつくっておるわけでございますが、公的年金制度調整連絡会議で検討をいたしてまいりました。  結論的に申しますと、この通常国会に法案を出すところまで実は議論が煮詰まっておらないのでございます。議論が煮詰まっておりませんと申しますのは、結局共済年金、厚生年金、こういった公的年金を全部一本にいたしまして、共通のものさしを使うか、共済制度については、そこに公務の特殊性、したがいまして、公務員の特殊性というものを加味して、公務員共済独自のスライドのシステムをつくるかどうかという基本的なところにおきまして、実は政府部内の意見が最終的に必ずしも思想統一を見ておりません。したがいまして、たとえば一つの試案、たたき台的な考え方として出されましたところの厚生年金の中におきまする定額部分をいわゆる最低限度の生活保障部分なりと見て、その部分について物価スライドをかけていく、こういう一つのたたき台的な考え方も一部から出されたわけでありますけれども、公務員の共済年金の場合に、そういう定額部分に相当するものと報酬比例部分に相当するものとが必ずしも明確でない、そういったこともございますし、かたがた先ほど申しました公務の特殊性、公務員は在職中の営利活動はできない、あるいは厳重な勤務の制限があるわけでございますし、そういったもろもろの要素を加味して、ある程度公務員外の方々とは違ったスライドのシステムというものをつくるべきじゃないかという考え方もまだございまして、最終的にすっきりと割り切れた結論というものは出せない、こういう状態でございます。ただ、これは当委員会をはじめ内閣委員会、大蔵委員会、いずれも附帯決議のつけられた条項でございますし、何らかの結論をすみやかに出したいということで鋭意努力中でございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 委員会も何度も何度も附帯決議をつけておるわけなんで、すべて国家公務員関係が出てこなければ時期が尚早だということなのでは困る。もう少し自治省としてたまに一つぐらいはクリーンヒットを飛ばすように、ともかく地方公務員の共済なのですから、独自の方法をとったって法律的にはかまわないのじゃないかと私は思う。たとえば物価の五%変動ということもありますが、賃金にスライドさせたっていいのだから、そういうような独自の方法をとるならとるようにして、しかも、たまに一つぐらいは自治省のほうでイニシアをとってやっていただかなければ、率直にいって、国家公務員の方もたいへんどうもあれなんですが、地方公務員はまた地元の住民と密着して非常な激務にさらされておるわけですよ。二百何十万という公務員の士気を鼓舞する上からいっても、また執務意欲といいますか勤務意欲を高揚させる面からいっても、もうこの辺ですべて国公の後塵を拝さずに、自治省がイニシアをとって、まず地方公務員の問題を取り上げて、大ホームランまではともかくとして、ひとつ自治省ここにありということを言ってもいいのじゃないか。そういうくらいの気概を持っていただいて、地方公務員何百万に対して温情のある行政をして、そしてそれを住民奉仕に指導するのだというような方向へ意欲的に取り組んでもいいのじゃないか。すべて大蔵や他の官庁や他の制度の後塵を拝してそのあとについていかなければならぬという、根拠法規が何かあるのですか。あればそれをひとつ明らかにしていただいて、私はそういうことを要望しておきたいと思います。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 非常に力強い御叱正をいただいてありがたく思っておるわけでございます。国の制度なり他の省庁なりの後塵を拝するという意味ではございませんで。共済制度ということが統一的な公共部門の公務員の共済制度という形で発展をしてまいっておりますし、また共済制度をいじります場合にも、御案内のように社会保障制度審議会でその大綱については法律を国会に提案する前に御審議をいただく、こういった形で制度間のいわば平仄が合っておるということを要求されておるものでございますから、そういう案をつくるまでの過程におきましては、私どもも及ばずながらイニシアをとり、あるいはいろいろと積極的な主張もいたしておるつもりでございますけれども、出てくる形といたしましては、それぞれの法規が時間を同じくして出てくるという経過にあるということもひとつ御理解いただきまして、ただいまの御叱正の点につきましてはなお努力をいたしたいと思っております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 それから、さっきの数字出ましたか。

佐野政一自治省行政局公務員部福利課長

○佐野説明員 先ほどの給料年額の算定方法の改定に伴いますところの影響を受ける人は一年間に約三千人でございまして、金額は一年間約六千万円程度と推定できます。これは一年間の分でございますので、次の年度にはまた新たに発生する人が三千人、金額が六千万円くらいということになりまして、逐次これは増加していくように思われます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 そこでお聞きしたいのですが、毎年三千人、それから六千万円だということでありますが、その金額が実際の現実の数字としては問題になってくるわけなのですが、旧法の時代に、ともかく退職時に何号俸かアップいたしまして、それが慣例として、そして一つの既得権として保護されてきた。何十年か働いている間はそれに対して期待を持って安心して公僕として励んでまいってきておるわけです。それがある日突然に新しい法律が出て、過去何十年間にさかのぼってそういう権利を法律という名前において剥奪されておるわけです。これは国法に地方公務員も公務員の一部でありますから従わなければならぬ、むしろ優先して従わなければならぬから不平一つ言わない。こういう状態の中で、これは自治省みずからが親心を持ってそういうところに慎重な配慮をしてやってこそ親切な行政になり、親切な指導になるわけなんです。  そこで、私聞きたいのは、三千人、六千万円という金額は、二百三十二万人という何十倍、何百倍かの人にとりまして、比較してみて金額が小さいのじゃないか。少なく払って、全体の信頼を自治省がつなぎとめることができるし、政府がつなぎとめることができるし、またその執務の勤勉さといいますか、努力をいい方向に刺激することができるということになれば、これは安い投資である。まあことばは悪いのですが、そういうようにも考えるわけなんです。ですから、ともかく長いこと当てにしておって、ある日突然に剥奪されたのでは、しかもその保障、救済方法がないのでは、これから先一体どういう法律がある日突然に出てきて、自分たちが一生懸命こうやって恩給を当てにし、こうやって働いておればこれで生活がやっていけるのだという、それを剥奪しないとも限らない。御承知のように、国家行政組織法の上における公務員の賃金は権利でなくて義務である、これはもう差し押えその他からも保護されておりますし、これは拒否することができる。それに当然身分と地位に見合った生活を保護をしなさい——人事院勧告の現在の実行の段階ではなかなかできませんけれども、少なくともアイデア、理念としてはそういうようになっておるわけであります。ですから、そういうような中に国家公務員が置かれておる、地方公務員が置かれておる、その人を四十二年の新法によって、法律の名前で、国民の名前でその既得権を一挙に否認する、しかもその救済方法については考えない、しかもその犠牲というか、それに振り当てらるべき財源はたいしたことはない、たいしたことはないというのは何も六千万円の金が少ないということではございません。これも国民の血税でございますから、そこはまあ均衡の問題であり、財政、政治の問題でありますから、私はそれがとてつもなく膨大な金額になるというならば考えざるを得ませんけれども、それを十年倍にしてごらんなさい、あるいは二十年倍にしてもまあたいしたことないというか、いまの七兆円の国家予算に比べればたいしたことないわけです。そういうところを考えますと、この際この問題を前向きの姿勢で、しかも急速に取り上げていただいても十分理由があることだと私は思うわけなんですが、それに対して局長の御答弁をいただきたいと思います。

鎌田要人自治省行政局公務員部長

○鎌田説明員 主管部長ということで私からお答えすることをひとつお許しいただきたく思いますが、先ほど答弁を申し上げましたことで実は尽きておるわけでございますけれども、この二百三十二万人の公務員の中で現在六大都市の職員が十四万人、市の四十八万人の職員の中で、かりに六大市と同数ということになりますと約二十八万人程度、二百三十万人のうちで二十八万人程度の人は退職年金条例については退職時の給与そのままで退職年金が受けられる。残りの二百万余りの職員につきましては、退職時一年前の一号アップでございますから、おおむねは退職時の給与というものが基礎になる。前者のほうでございますと、これは極端な例ということでおしかりを受けるかもしれませんけれども、極端な場合でございますと七号アップという例がございます。それから六号、五号、四号、三号、こういうことになっておるわけでありますが、やはりその二百万と二十八万人との不均衡という問題が昨年の法律改正の基礎にあった考え方であろうと私も思うわけでございます。その点は先ほども私申しましたように、政府として一つの考え方に基づいた法律改正であり、それが案を出し、それが国会において成立をしたわけでございますが、他方におきまして、ただいま先生も再三御指摘になりましたように、私どもこれを既得権というべきかどうかということについては疑念を持つわけでございますが、期待利益があることは間違いない。それをどういうふうに調和するかということで現在検討し、苦慮しておるという段階でございますので、検討するということにつきましては、私どもははっきりお約束を申し上げておるわけでございます。ひとつそういうところで御了承いただきたいと思います。

依田圭五日本社会党

○依田委員 さらに突っ込んで聞きますが、検討をするというのですが、うしろ向きの検討ということは常識として考えておらないのですが、現在共済小委員会でだいぶ議論しております。それについて進んでおると思うのですが、七号もアップしたという極端な例をとって、私もそれをスタンダードにしてやってもらいたいというようなことを言っておるわけではないのであります。しかし、そういう期待権ですか、これをネグってよろしいということにはならないんで、それをどういう形でもってあなたのおっしゃるように調和させるかということについてもう少し、共済小委員会でも議論しておるのですから、それに触れてもいいですから、若干具体的な答弁を聞かしてもらえませんか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 この問題につきましては、共済小委員会で御検討をいただいておるわけでございます。と申しますのは、先ほど来公務員部長も申し上げましたように、非常に著しい例だという話もありますが、著しい例もございましたものですから、一応法律改正をしてしまっておるわけです。そこで、法律改正をしてしまっておりますが、実情と申しますか、私は期待権とはなかなか言いがたいと思いますけれども、期待権ではないにしても、そういう期待があったことは事実でございます。そこで、それをどの程度の間で調整をしていただくか、つまり、もちろん前向きのわけですが、調整していただくかということについては、やはりこれは共済小委員会等でひとつ御検討いただきまして、その際に私どももそれぞれいろいろな考え方を調整していただく意味におきまして御協力を申し上げたい、こういうことでひとつ御了承いただきたいと思います。

依田圭五日本社会党

○依田委員 どうも、部長は期待権だと言って、局長になると期待権とも言えないが、そういうような意味合いもあるような何か説明をして、だんだん上にいくとだんだん取り組みの用語の理解でさえ消極的になってくるわけですね。政務次官にはきょうはお聞きしませんが、これでは次官なり大臣にくるとまるでなくなってしまうのではないかと心配するのでありまして、きょうはたくさん質問いたしましたので、このくらいにとどめておきます。どうか前向きの姿勢でしっかり御協議いただきたいということを要望いたしまして質問を終わります。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。  次回は、明十九日午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時三十四分散会

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