地方行政委員会 第1号
- 発言数
- 225 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1968/12/17
会議録
○吉川委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。 すなわち、本会期中、地方自治行政の実情を調査し、その健全なる発展に資するため小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本委員会の所管に属する 地方自治に関する事項 地方財政に関する事項 警察に関する事項 消防に関する事項 以上の各事項について、国政に関する調査を行なうため、衆議院規則第九十四条の規定に基づき、議長に対して承認を求めたいと存じます。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○吉川委員長 この際、野田自治大臣及び荒木国務大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。野田自治大臣。
○野田国務大臣 私は、このたび自治大臣を命ぜられました野田でございます。所管行政の各般にわたり複雑多様な問題をかかえております時期にあたりまして、その責務の重大さを痛感いたしております。私は、かねてから地方自治は国政の基本であると考えておりましたので、これを機会に地方自治の発展と国民福祉の向上のため、さらに努力する所存でありますが、この際、当面する諸問題の若干について所懐の一端を申し述べ、各位の御理解と格別の御協力を賜わりたいと存ずるものであります。 わが国社会経済の最近における急速な発展に即応して行政運営の広域的処理の必要性は一そう強まっていると私は考えております。そこで、府県段階においては、広域的地方公共団体としての府県の自治能力を充実強化するため、前国会で成立を見なかった都道府県合併特例法案を次期通常国会に再度提出し、各位の御協力を得てぜひその成立をはかりたい所存であります。市町村段階においては、事務の共同処理方式など現行制度の積極的な活用をはかるほか、地域住民の生活圏の広域化の傾向に即応するため、都市的地域及び農山村地域を通じ一体として形成されつつある日常生活圏を広域市町村圏として把握し、所要の行政財政上の措置を講じてその特性に応じた地域の形成、振興につとめてまいりたい考えであります。 また、地方行政の簡素化、合理化につきましては、さきに地方公共団体から聴取した結果によりまとめました地方行政の合理化に関する行政改革の意見に基づき、その推進をはかっているところでありますが、引き続き、なお一そうの努力を重ね、各省庁の協力を得て行政改革の実現につとめてまいりたい所存であります。 公務員行政につきましては、今後一そう公務員秩序の確立と正常な労使関係の樹立につとめるとともに、地方団体に定年制を採用し得る道を開き、あわせて適正な給与制度の確立及び運用、地方公務員の福祉の増進などを通じて、公務能率の向上をはかってまいりたいと考えております。 次に地方財政について申し上げます。 最近の社会経済情勢の進展に伴い、地方団体の財政需要は、質量ともに大きく変動してまいっておりますが、地方行政水準は、まだきわめて低く、地方財政の体質もこれらの財政需要に対処するには、まだはなはだ脆弱であると考えられます。このため、当面の地方財政対策は、過密過疎対策に対処しつつ新しい町づくり、地域づくりの計画的な推進と地方公営企業の経営基盤の強化にその施策の重点を置く必要があると考えます。これらを実施するためには、きわめて多額の財源を必要としますので、地方財源の一そうの充実確保につとめてまいりたいと存じます。また、地方団体においても、事務、機構の簡素合理化などにつとめ、地方財政の体質改善になお一そうの努力を払うよう指導してまいる所存であります。 地方税制につきましては、ここ数年来、困難な地方財政のもとにおいて、あとう限りの減税を行ないながら、税負担の合理化、均衡化を進めてまいりましたが、今後においても、税制調査会の長期答申の趣旨に沿って、地方税源の充実をはかるとともに、地方財政の状況を考慮しつつ、住民負担の一そうの合理化をはかってまいりたいと存じております。 次に、消防行政について申し上げます。 最近における火災その他の災害の多発と多様化の傾向にかんがみ、消防行政の充実強化については、積極的に施策を講じてまいる所存であります。そのため、まず消防体制の常備化と広域化、消防財源の充実による消防施設の増強をはかってまいりたいと存じます。 さらに、近年火災による死傷者が増加する傾向がありますが、この際、高層建築物、地下街等不特定多数の者を収容する施設における予防査察及び煙対策その他の予防規制の強化につとめるとともに、交通事故等の激増している状況に対処するため、救急業務の拡充についても引き続き力を入れてまいりたいと存じます。なお、消防職員及び消防団員の教養訓練と処遇の改善につきましても一段と努力をいたす所存であります。 以上、所管行政の当面の諸問題について所信の一端を申し述べたのでありますが、委員各位の格段の御協力によりましてその実をあげることができますよう、一そうの御鞭撻と御指導をお願い申し上げる次第であります。
○吉川委員長 次に、荒木国務大臣。
○荒木国務大臣 私は、先般の内閣改造に伴いまして国家公安委員会委員長を命ぜられ、その責務の重大さを痛感いたしておるのであります。 委員各位には平素から警察行政につきまして多大の御尽力をいただいており感謝にたえないところでございますが、今後とも格別の御指導と御協力を賜わりますようお願い申し上げる次第であります。 この機会に、警察行政をめぐる当面の諸問題につきまして所信の一端を申し述べたいと存じます。 私は、警察行政の目的は、国民が安んじてその生活にいそしめるようにすることにあり、治安の確保なくしては、民主政治の発展も国民生活の向上もあり得ないと存じておるのであります。 このような観点から見まして、最も憂慮にたえないのは、最近における一部学生集団による相次ぐ暴力事案の発生であります。各位御承知のように、これら集団は、暴力をもって学園の自治を破壊しつつあるばかりでなく、各地で集団的暴力行為を敢行し、国民生活に重大な不安と損害を与えるに至っております。 私は、このような事態にかんがみ、警備体制の確立その他所要の措置を講ずるとともに、さらに関係省庁とも相はかって総合的な施策の推進につとめてまいる所存であります。 次に、最近の犯罪情勢において注目されますのは、拳銃による連続射殺事件、金融機関に対する強盗事件、列車等に対する爆破事件などの異常、凶悪な犯罪が各地で続発していることであります。警察といたしましては、これら事件の早期解決に全力をあげているところであり、幸い横須賀線電車爆破事件については国民各位の御協力により解決を見たのでありますが、今後このような情勢に対処するため、広域捜査体制を一段と充実強化し、捜査方法の科学化、合理化を促進してまいる所存であります。 次に、最近の自動車の目ざましい普及に伴いまして本年の交通事故は異常な増加を示し、その被害者数は八十万名をこえるのではないかと見られておるのであります。このような状況に対しましては、関係省庁と密接な連絡のもとに交通安全施設の整備、悪質運転者に対する取り締まりの徹底等を期するほか、地域社会における事故防止体制づくりを促進してまいりたい所存であります。 また、最近の都市における交通混雑の激化は、都市の機能を著しく阻害するに至っておりますが、当面合理的な交通規制の徹底、交通信号機の機能の高度化をはかるとともに、抜本的なこれが解消策につきましても、鋭意検討を加えてまいる所存であります。 なお、昨年の国会で御審議いただきました交通反則通告制度は、国民各位の理解のもとに順調に発足いたしており、また、かねてお話し申し上げておりました運転免許の行政処分の合理化、適正化をはかるための点数制度につきましては、去る十月一日関係政令を公布し、明年十月一日から実施の運びとなりましたことをここに御報告申し上げておきたいと存じます。 以上当面の問題の二、三について申し上げたのでありますが、現在の困難な情勢に対処して警察がその使命を十分に果たして国民の期待にこたえられるかどうかは、一にかかって警察職員の素質の向上と士気の高揚にあると存ずるのであります。 このような観点から、警察職員の採用、教養につきましてはもちろん、待遇改善その他の士気高揚方策につきましても積極的に配慮してまいる所存であります。 重ねて皆さまの御協力をお願いして、私のごあいさつにかえさせていただきます。ありがとうございました。
○吉川委員長 この際、砂田自治政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。砂田自治政務次官。
○砂田政府委員 このたび自治政務次官を命ぜられました砂田重民でございます。おりから地方自治各般にわたりまして重大な局面を迎えておりまする時期でございますだけに、その責任の重大さを肝に銘じております次第でございます。懸命に大臣を補佐いたしてまいる決意はいたしておりますが、何ぶん未熟者でございまして、先生方の御指導、御協力、御鞭撻を切にお願いを申し上げましてごあいさつといたします。 —————————————
○吉川委員長 内閣提出にかかる昭和四十二年度における地方公務員等共済組合法の規定による年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
○吉川委員長 政府から提案理由の説明を聴取いたします。野田自治大臣。
○野田国務大臣 ただいま議題となりました昭和四十二年度における地方公務員等共済組合法の規定による年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案について、その提案の理由とその概要を御説明申し上げます。 恩給の年額の増額につきましては、第五十八回国会において、恩給法等の一部を改正する法律の御可決をいただき、本年十月から実施されているところでありますが、これに伴い地方公務員の退職年金制度についても、恩給法等の改正内容に準じてすみやかに所要の措置を講ずる必要があります。このほか、退職年金条例等の適用を受けた組合員の退職年金の受給資格の特例につき所要の改善措置を講ずる等の必要があります。これがこの法律案を提出した理由であります。 次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。 第一は、昭和四十二年度において実施いたしました地方公務員等共済組合法の規定による退職年金等の年額の引き上げ、すなわち、いわゆる二万円ベースの給料により算定した額の三二%増額の措置につきまして、今回その率を改め、四四%とすることにいたしたのであります。なお、地方公務員等共済組合法の施行日前の期間を基礎として算出する部分につきましては、七十歳以上の者は五四・二%から六二%へ、六十五歳以上七十歳未満の者並びに六十五歳未満の妻、子及び孫は四四%から五四・二%へ、それぞれ増額した額に引き上げることにしております。 第二は、増加恩給の額が引き上げられたことに伴い、地方公務員等共済組合法の規定による公務上の廃疾年金及び遺族年金の最低保障額を引き上げることとしております。 第三は、退職年金条例または恩給法の適用を受ける職員としての前歴を有することなく外国政府等の職員として昭和二十年八月八日まで在職し、その後、退職年金条例または恩給法の適用を受けた期間を有する地方公務員共済組合の組合員のその外国政府等の職員であった期間については、現行法上退職年金の最短年限に達するまでを限度として組合員期間に通算し、それ以上は通算しないこととされておりますが、恩給制度の改正に準じ、その全期間を通算することとしております。 第四は、地方公務員等共済組合法の施行の日の前日である昭和三十七年十一月三十日に退職年金条例の適用を受けていた地方公務員共済組合の組合員が退職した場合において、当該退職年金条例の適用を受けた在職年数に通算されない旧軍人の加算年その他の恩給法上の在職期間及び他の退職年金条例上の在職期間があるときは、これらの在職年数を含めて組合員期間が二十年未満であっても、国家公務員共済組合の取り扱いに準じ、退職年金の受給資格が得られるよう所要の措置を講ずることとしております。 第五は、本邦復帰前の奄美群島における市または町村の議会の議員としての在職期間を有する地方議会議員共済会の会員について、その期間を市または町村の区分に応じそれぞれの共済会の会員であった期間に通算することとしております。 以上がこの法律案の提案の理由及びその概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 —————————————
○吉川委員長 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口鶴男君。
○山口(鶴)委員 今回、野田自治大臣、荒木国家公安委員長、砂田政務次官の御就任に対しましてお祝いを申し上げたいと思います。ただ残念に思いましたのは、たいへんに法と秩序を強調されます荒木国家公安委員長がだいぶ時間をおくれて御到着になりまして、法と秩序を守る委員長が時間を守るということも必要ではないかと存じますので、この点は一応御注意を申し上げておきたいと思う次第でございます。 お尋ねいたしたいと思いますが、まず国家公安委員長に先にお尋ねいたしたいと思います。荒木国家公安委員長が就任直後の記者会見で、次のようなことを発言されたということを新聞で拝見をいたしました。私の立場は、行管長官、国家公安委員長の辞令は並列で、一方が兼務ということではない、しかし総理の話では、本籍は国家公安委員長、行管は寄留先だということだ、まあ仕事の量と質が自分の仕事の重点を決定してくれるであろう、かように述べたと伝えられておるのであります。以上の御発言は事実でございますか。
○荒木国務大臣 いま御指摘になりましたようなことを申し上げました。
○山口(鶴)委員 それではお尋ねをいたしたいと思うのですが、国家公安委員長の仕事の質と量と、行管長官としての仕事の質と量は、法律その他の規定からいって、どちらが重たい、かようにお考えでございますか。
○荒木国務大臣 どちらが重い、軽いの問題ではないと心得ます。設置法に基づきまして、国家行政を通じまして、国民に奉仕します意味合いにおいては、同じことだと心得ております。
○山口(鶴)委員 同じことであるのに、本籍は国家公安委員長で、寄留先は行管だ、そして、仕事の質と量が自分の重点をきめてくれるだろうということは、いまの御発言と矛盾はしませんか。
○荒木国務大臣 反論する気持ちはございませんが、何ら矛盾はないと私は考えております。 ついでながら、その新聞報道になりましたときの記者会見のいきさつを簡単に申し上げさしていただきます。就任早々、記者会見をいたしまして、記者のある人から質問が出ましたのは、公安委員長と行管の長官と、これはともに忙しいようだが、主として本拠はどっちですかという質問でございました。そのとき、冒頭に、設置法に基づいた順序だという注釈は加えておりませんけれども、総理からは、公安委員長の辞令をいただいた、次に行管長官の辞令をいただいた、総理からは治安行政は大事だからしっかりやれと言われた、続いて行管の担当も、行政改革をはじめ重要な課題だからしっかりやれと言われた、先に言われたからそっちのほうが本拠地かなというようなことを、いま思えばよせばよかったと思うのですが、私は逃げないで、一つのジョークを申すような気持ちで言ったのであります。私としては、まあプロローグのつもりで言ったわけですけれども、その直後に、いま御指摘のように、どっちを主としておるかどうかということは、そのときどきの質と量によってきまるものと心得えておりましたから、そういうものがきめるであろう、事務当局によく相談させて自分の行動をきめたいと思う、こういうことを申しまして、直ちに行管庁の次官に依頼しまして、警察庁の次長とよく相談してくださいということで、新聞記事以前にきまりましたのが、月水金が行政管理庁、火水土が公安委員会ということに確定いたしまして、直ちにその線に沿って行動しております。一週間を完全に二分いたしまして勤務いたしておるわけでありまして、その現象から、あえてへらず口みたいなことを言わしていただけば、月水金の本籍が行管、火木土の本籍が国家公安委員会、かように心得て今日までまいっておる次第であります。
○山口(鶴)委員 土曜日が半ドンでありますから、勤務時間をやかましく計算をすれば、どうも云々ということがあるかと思いますが、しかし、まあそれは別といたしまして、ただいまのお話では、国家公安委員長が本籍で、行管長官は寄留先だという当初の記者会見での御発言は、これはその後訂正なされて、ともに本籍であると、こういうことで勤務をされておるということでありますから、その点は了解をいたします。 ただ、私は、このような御発言をされた国家公安委員長のお考え方に若干危惧を持つものであります。国家公安委員長の職務というものは、これは警察法によってきまっております。国家公安委員長は、決して全警察を指揮する立場にはございません。職員の人事権等につきましても、これは警察庁長官が握っておられる、国家公安委員長のいわば職責ではない、かように理解をいたしております。これに対しまして、行政管理庁長官のほうは、法律的に申しましても、内閣法なりあるいは行政組織法の規定によりまして、いわば大臣がこの行政管理庁を統督するお立場に立っておられる。したがって、法律の上からのいわば権限ということになれば、行政管理庁長官の任務のほうが法律的にはむしろ重たい、こういうふうに言って差しつかえないと私は思うわけであります。したがって、先ほどのような大臣の御発言があったということは、現在の都道府県警察を、戦前のいわば国家警察といったような思想で、国家公安委員長が全警察を指揮する、何かこういうようなお考え方があったのではないだろうかという危惧の念を持つものであります。 そこでお尋ねをいたしますが、警察職員の中で国家公務員が一体何%で、地方公務員の率が一体何%でありますか、お答えをいただきたい。
○荒木国務大臣 お答え申し上げます。 警察法の条文そのままでは申し上げかねますけれども、御指摘のように、国家公安委員長という立場は、五人をもって構成される国家公安委員が会議をいたしますときの議長の立場にあり、表決には加わらないということだと常識的には承知いたしております。同時に、私の国家公安委員長の立場というものは、お示しのとおり直接指揮監督権を持っているわけじゃないということは心得ております。記者会見でも、その後の国会の御質問に対する答えにいたしましても、私もとっさの場合、レクチュアを受けるいとまもなしに出席したわけでありますけれども、常識的に御答弁を申し上げてまいっております。それは、警察の使命というものは、私の立場から申しましても、あくまでも法にのっとり、法の範囲内において、不偏不党、公正な立場に立って警察行政が行なわれるように、それを通じて全国民に奉仕するのが私の立場であり、責任である、かように存じますと申し続けてまいりました。ここに答弁資料を書いてもらっておりますけれども、趣旨は大体似たようなことでございます。御懸念のようなことはあってはならないし、そういうものではないと心得ておるつもりでございます。
○太田委員 関連してちょっと荒木さんにお尋ねをいたしますが、私は、あなたのきょうの就任のごあいさつというものを、プリントを見ないで聞いておりました。そうすると、一番最初のところで、あなたは、責務とおっしゃったのか、義務とおっしゃったのかわからないのでありますが、私は義務と聞きましたが、プリントを見たら責務と書いてある。あなたはどういうふうに御発言になりましたか。
○荒木国務大臣 プリントをお配りしたとおりに考えます。
○太田委員 ひとつ速記録を調べていただきたいと私は思う。私は義務と聞えましたから、これはたいへんな御発言であったなあと思いました。義務と責務とは違う。プリントとあなたのことばが違うということがもし今後もありとすれば、私は、これはどちらが正確であるかわからない。プリントのほうを読んで、あなたの言うことを聞かぬでおらなければならぬ。これは速記録を調べればわかると思うのでありますが、あなたは速記録をプリントに合わせられるかもしれませんが、聞く者には義務の重大性というように聞えたわけです。あなたの発言は、あなたの生まれつきですからいまさら直らないでしょうけれども、口の中でころがして言っておられる。したがって、聞くほうでは、そのことばを誤解して聞かれることが多いのではないかと思う。ですから、先ほどのことばは確かに責務とおっしゃったのですか。私は義務と聞きましたよ。
○荒木国務大臣 このあいさつ原稿どおり、お配り申し上げたとおりに読んだつもりでおります。もし御疑念があるとしますれば、私の発音が悪かったのじゃなかろうか。速記がもし間違っておりますならば、責務と訂正させていただきたいと思います。
○太田委員 けっこうです。
○山口(鶴)委員 どなたでもけっこうですが、警察官の国家公務員並びに地方公務員の比率はいかがでしょうか。
○浅沼政府委員 お答えいたします。 現在の定員法によりまして地方に置かれまする都道府県の警察官の数は十六万五千三百五十人でございます。地方に置かれまする同じく国家公務員の数は三百六十人でございます。もちろん、このほかに警察庁あるいは管区警察局に職員がおりますが、地方警察職員は、そのような状況になっております。
○山口(鶴)委員 地方公務員であります警察官の方が十六万五千三百五十人、それから地方におります国家公務員である警察官の方が三百六十人、そのほか警察庁あるいは管区警察局に若干の国家公務員の方がおられるということですね。
○浅沼政府委員 そうでございます。
○山口(鶴)委員 そうしますと、圧倒的大多数の警察官は地方公務員であるという実態だと思います。私は、今日まで自治大臣が国家公安委員長を兼ねておられたということは、理由があったと思うのです。警察官の方の大多数は地方公務員である。しかも給与につきましては、国家公務員を除いて都道府県、地方自治団体がお支払いになっておられる。それからまた警察の姿も、現在の警察は都道府県警察であります。しかも昭和二十二年の警察法の際に自治体警察ができ、わが党の反対にもかかわらず、昭和二十九年に現在の警察法ができましたが、しかしそのときでも、なおかつ警察を国家警察ということにはできなかった。都道府県警察です。したがって国会で議論をいたします場合も、地方行政委員会が警察問題を所管をするということになっている。私は、これは現在の法律の体系からいっても、従来の慣例からいきましても、また財政の実態からいっても、きわめて妥当な姿だったと思うのであります。ところが今回の内閣改造によりまして、どういうわけか知りませんが、自治大臣は国家公安委員長を兼ねるという形式ではなくなった。前にも一、二例があったそうでありますが、最近はずっと自治大臣の国家公安委員長兼務が続いておられる。それが今回、突如として切り離されて、そうして先ほど私が質問いたしましたのは、そのように切り離された国家公安委員長が、何か警察を指揮するような印象を国民に与えるような発言があるというところに、私は非常に危険な感じを持ったのであります。大臣を任命されたのは佐藤総理大臣でありますから、兼務をされたことについてどうこうということをお尋ねするのは、これは佐藤総理にお尋ねすることであって、野田自治大臣あるいは荒木国家公安委員長にその感想を求めることは私は無理だと思いますけれども、しかし少なくとも今回の内閣改造は、警察の現在の法律の体系、財政の実態等からいきまして、きわめて異例の措置であり、好ましからざる措置であるということを私どもは考えざるを得ないのであります。当然予算委員会その他におきまして、わが党としてこの問題について総理にお尋ねする機会はあろうかと思いますから、私はここではあえてこの答弁を求めませんけれども、とにかく私どもとしてはそういう感じを持っている。従来までの慣例からいって、今回の内閣改造はたいへんこの点においてまずいということをこの際申し上げておきたいと思います。それだけに私は、行管庁長官としてのあなたのお仕事をぜひとも積極的に進めていただきたいと思うわけです。何かさっきの蒸し返しになりますけれども、国家公安委員長だけが私の任務であるかのような御発言は、今後とも十分戒めていただきたい。このことを強く要請いたしておきます。 そこでお尋ねいたしますが、都道府県警察に対して警察庁が直接国の資金を出しておられます。数字等については私はここで申し上げませんが、都道府県が警察の人件費等を持っておりますが、警備関係の経費等につきましては、これは国が直接都道府県警察に支出をいたしている。したがって、都道府県が人件費を持っている職員が警備関係その他の仕事に従事いたしておりましても、予算の面から都道府県の議会がこの問題について議論をすることが非常に困難な状態にございます。私は、このことはたいへんおかしいと思うのです。 そこで大臣にお伺いしたいことは、国が都道府県警察に支出しております経費等については、私は国会に明確に資料を提示していただきたい、かように思うのですが、この点はいかがですか。
○荒木国務大臣 ちょっと聞きとれなかった点のあったのは恐縮ですが、いまおっしゃった資料提出の件でございますが、資料がございましたら提出することは当然だと思います。
○山口(鶴)委員 この点は、資料の提供を大臣は積極的にお約束した、かように受け取ってよろしいわけですね。
○荒木国務大臣 はっきり御質問を聞きとれなかった不届きをおわびしなければなりませんが、国会で御要望になります資料は、あります限りは提出する、それは一般的には当然だと思います。ただ、それがまだ事務段階で責任をもって提出できない課題につきましては、責任のもてる段階において御要望に応じて提出する、これまた当然そういう理解のもとに、いまの御要望には沿わなければならぬというお答えでもって御了承いただきたいと思います。
○山口(鶴)委員 都道府県警察というたてまえからいけば、あらゆる経費が都道府県の議会で議論をされる、そうしてこれが執行されるという姿が私は当然じゃないかと思うのです。警察法の規定の中の、一部の経費については国が支弁するという規定は、私は誤りだと思います。しかし、そうはいいましても、はいそうですかというふうには、お宅のほうではなかなか御訂正にはならぬだろうと思います。しかし、国がこういう経費についてはこの程度各府県に支出をしましたということくらいは、これは国会に提出をしてもらわなければ、一体警察活動全体でどうなっているのか私どもにはわからぬということになります。こういうことでは、やはり理屈が通らぬと思います。そういう意味で、いま申し上げました警察庁が都道府県警察に対して支出しておりますものについては、その内容の明細の度合いは、これはお宅のほうの御判断もあろうかと思いますから、ここでは問いませんが、こういう経費に対してはこの程度出しているというくらいの報告は、国会になされて当然ではないかと私は思います。そういう意味でいかがですか。
○荒木国務大臣 相当具体的に分析して申し上げなければならぬ課題でございますので、正確を期する意味におきまして、政府委員からお答え申し上げます。
○浅沼政府委員 お答えいたします。 もう先生御承知のように、地方警察の費用は原則として都道府県が負担しておりますけれども、特に国家的な事務につきましては直接国費で支出をしております。それからなお、地方の業務についての一部を補助するという補助金の制度もございますが、ただいまお尋ねの直接国費の点でございますが、これはいまお話しのございました国家的な警備事案あるいは災害等に対する経費はもちろんでありまするけれども、そのほか教養、鑑識、通信、犯罪統計、装備というような、そのような費用もこれは直接国費で担当いたしております。たとえば、その犯罪捜査、警備実施に要する費用は幾ら、あるいは教養なり装備なりに要する費用は幾らというような点は、御承知のように予算要求書に出ておりまして、なおお尋ねのようなさらにその細目につきましては、いま大臣がお答えされましたような線で私どもも考えておるというふうに感じております。
○山口(鶴)委員 いま官房長が申された程度の経費の内訳で各府県別にはこの程度を出しておるということは、それじゃお示しをいただくということですね。
○浅沼政府委員 そうでございます。
○山口(鶴)委員 なおこれらの問題を都道府県の議会で議論をいたしますと、結局都道府県の警察本部長さんは、これは都道府県議会に明示すべきものでない、こういうような答弁で、それから先一歩も進まぬ、こういうのが全国の都道府県議会の実態だそうであります。で、私は自治大臣にお尋ねしたいと思うのでありますが、少なくとも地方公務員であります警察職員の活動の経費は、人件費は自治体がこの交付税で算定されておりますが、都道府県が支払いになっておるわけですね。その都道府県の警察の職員の活動状況、これに対してどういう経費がきているのかという程度のことが都道府県議会で議論できなくては、都道府県議会の任務は果たせぬじゃないかと私は思うが、この点は地方自治という観点から、自治大臣としてはいかがお考えでありますか、お尋ねをいたしたいと思います。
○野田国務大臣 山口さんの御意見ごもっともと思いますが、やはり地方自治体として、もちろん地方公務員のことでございますから、地方の議会においていろいろの質疑が出る。これに対してその内容を明らかにするという、いわゆる原則的な意味はよく了解いたしますが、おそらく、私は想像するに、地方自治体が負担してない財政上の措置ということで、やはり地方議会においては、これに対する、何といいますか、説明が地方自治体の執行部でも非常にむずかしいんじゃないか、こう考えて、そういうような運営をしておるんじゃないか、これは想像でございますからわかりませんが、私はそう感じます。
○山口(鶴)委員 行政局長もお見えのようでありますから、私はここで答弁を求めるわけじゃありません、宿題を出しておきたいと思うのですが、国がこういう形で支出するのは、警察に限らず、そのほか幾つか項目がございますね。こういう支出経費に対して都道府県議会としてはどの程度の議論をすることができるのか。当然私はこまかい議論まですべきだと思いますが、これに対する自治省としての考え方をひとつまとめておいていただきたいと思います。 それでは次に進みたいと思いますが、十二月の十二日ですか、警察庁で、「治安の回顧と展望」と題した治安白書とでも言うべきものを公安委員会に報告したと新聞で伝えられております。こういうものが公安委員会に報告されただけであって、国会のほうに資料として提出されないということは、私はいかがかと思うのです。こういったものはひとつ国会には積極的に提出をいただきたい。この点はいかがでしょうか。
○荒木国務大臣 御指摘のように、最初の国家公安委員会の席上であったと記憶しますが、口頭で事務当局からの説明がございました。そこでその資料を、説明するくらいなら出したらどうだということでございますが、もうちょっとお待ちいただけば差し上げる印刷物ができ上がろうかと聞いておりますが、もちろん差し上げねばならぬと思っております。
○山口(鶴)委員 どうも警察の関係につきましては委員会に出します資料がたいへん少ない。何か国会をつんぼさじきに置いてやっておる。警察法のたてまえでいけば、警察は中立であって国民に奉仕しなければならぬということである。でありますならば、資料につきましては積極的に警察関係も国会に御提示をいただきたい。このことを強く要望しておきます。委員長におかれても十分善処されたいと存じます。 それでは次に進みたいと思いますが、第一次行政改革につきましては一局削減というような形である程度仕事が進んだようでありますが、問題は第二次の行政改革、これにつきましては全く行き詰まっておる。新聞の報道によりますと、十二月十五日には第二次行政改革の案がまとまる予定である。しかるにさっぱりこれが進んでいない。どうも大臣が、行管は寄留先だというようなことがあるので、このせっかくの行政改革がとんざしているのではないかというような感じもいたすのであります。第二次行政改革につきましては、かねがね当委員会が議論してまいりました地方事務官制の整理の問題という大きな懸案事項も含まれておるはずであります。第二次行政改革については、いつごろこれはおまとめになる予定でございますか。
○荒木国務大臣 前長官が国会で、十二月中旬を目途として第二次行政改革のめどをつけたいという答弁をされたことは、就任のときも承っております。もうすでに中旬になっておりますが、まだ結論まで到達しておりませんことは、おくれているとごらんになってもいたしかたないかと思います。ただ、少し弁解させていただきますと、十月の初めに第一次の閣議決定がございました。御案内の第一次行政改革を中心に、第二次につきましては、第二次案をなるべくすみやかにとりまとめて推進するという、行政改革の目標でやるんだということが付言された閣議決定が、十月のたしか初めに行なわれております。それを受けまして、たとえば地方事務官制度の問題あるいは観光行政等の問題、これに関しましては前長官と関係大臣の間に覚え書きができまして、それが十一月の末に閣議報告されておりまして、その閣議報告の線に沿って自治省あるいは厚生省あるいは運輸省等との間に事務的に詰めつつあるわけであります。その相手あっての折衝だものですから、なかなか希望どおりにまいらないという意味合いもございます。これはあるものは立法措置を必要とし、あるいは予算との関連もございます。そうしますための事務的な詰めがないことには何とも結論的に国会に御提出申し上げる、御審議願うという段階にまいりません筋合いであることは申し上げるまでもないところでありまして、御理解いただけるかと思います。思いますが、事務当局は懸命に努力をし続けまして、できることならば次の通常国会に第二次の行政改革に関しましても御審議願えるようにという気がまえをもって努力中でございます。
○山口(鶴)委員 十一月二十六日に覚え書きが取りかわされた。陸運行政、あるいは労働省関係、厚生省関係につきましても一応の覚え書きが取りかわされた。ところが、その後各省間の権限争い等もありまして、当初予定をされた十二月中旬というのが大幅におくれている。私はこの点は非常に遺憾だと思います。特に大臣は自民党の行政調査会の会長をせられておりまして、この問題については非常に詳しいはずであります。特に地方事務官の問題は、当分の間ということで二十数年間放置をされましたいわば因縁つきの問題であります。こういった問題をこの際において解決をしなければ、私は行政改革というのはたいへん意味のないものになってしまうのではないかということを懸念する次第であります。そうしますと、次の通常国会には提出をされたいというお話でありますが、その内容、それから取りまとめをいたします時期、これについてはもっと明確なひとつお答えをいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○荒木国務大臣 別に逃げるわけじゃございませんが、先ほども申し上げますような相当錯雑した覚え書き内容の実践に関連する事柄がございますので、何としてもこれは厳密に事務的に詰めた上でなければ御審議の段階に至りませんので、極力努力いたさせ、私も努力をいたしますけれども、通常国会のいつごろ出せるか明確に言えとおっしゃいますと、ちょっと自信を持った見当はただいまのところ申し上げかねるというくらいのめんどうさと承知いたしております。
○山口(鶴)委員 大臣は文部大臣の際、きわめて勇断をもっていろんな問題に対処をせられた大臣と伺っておりますが、どうも行管長官になりまして、いわば荒木さんとしての持ち味がさっぱり出ないような感じがいたすのであります。そうしますと、ちょっと先ほどのお話でないが、どうもやはり土曜日の半ドンを削っておるような意味で、仕事の軽重に差があるような感もいたすのでありますが、ひとつどうですか、時期はなかなか言えないということでありますが、少なくとも次の通常国会には、地方事務官制の問題については覚え書きの線に沿って必ず通常国会に提出はすると、これだけは明確にお約束はできますか。
○荒木国務大臣 意気込みは、そう思います。
○山口(鶴)委員 荒木さん、行管長官についてはどうも荒木さんらしいお持ち味がない、非常に慎重であるということは残念に思います。むしろ国家公安委員長については慎重であって、行管長官としては大いにかつての荒木文相当時の意気をもって突進されるように私ども強くお願いをいたしておきます。 それでは次に、給与の問題について自治大臣にお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、先ほどお述べになりましたおことばを拝見いたしましても、正常な労使関係の樹立につとめたい、こういうことを言っておられるわけであります。現在国家公務員、地方公務員と政府の間におきましていろいろ紛争があることは大臣も御存じだと思うわけでありますが、この原因は一体どこにあるかといえば、ストライキ権、団体交渉権が公務員から取り上げられておりながら、その代償措置としての人事院勧告が完全実施されておらない、ここにやはり正常な労使関係と違った形が出ている原因があると思います。 そこでお尋ねしたいことは、人事院勧告に対するお考え方であります。国会におきましても、人事院勧告は完全実施すべきである、こういう趣旨の決議も委員会等で行なわれておるわけでありますが、大臣としてはこの人事院勧告は当然完全実施すべきだというお考えだと思いますが、念のためにひとつお答えいただきたいと思う次第であります。
○野田国務大臣 公務員給与は、御指摘のとおりスト権がなくて、国家公務員は人事院の勧告に基づいて措置する。この意味からいたしますと、私は山口さんの御意見、全く同感でございまして、人事院勧告を尊重するという態度を歴代内閣がとっております。尊重する以上は完全実施するということが入るのが常識だと思っております。先般、数日前に給与関係の閣僚懇談会を開きました。その際も相当そういう意見が出ましたし、私も全く同様な見解を持っておったのでございますが、その閣僚懇談会の結果を一般に御報告してあったのでありますが、その中に、来年度の給与については財政上の諸般の均衡上どうしてもやむを得ない、八月実施をする以外にない、しかし今後はいわゆる完全実施を目標として財政措置を考慮する、こういうことで閣僚懇談会の申し合わせとして残しております。これはひとり今度の新内閣だけの申し合わせでなくて、前内閣におきましても大体同様の申し合わせをしているようでございまして、これを引き継いで、やはりその意思を尊重してやる。重ねて申し上げますが、その目標はあくまでも人事院勧告を尊重し、これを完全実施にいくのだ、こういう意味でございます。
○山口(鶴)委員 衆議院の内閣委員会あるいは参議院の内閣委員会におきましては、「人事院勧告を尊重し、これを完全に実施すべきである。右決議する。」ということで、両院とも決議を行なっているわけです。ただいま大臣は、今後の問題としましては完全実施を目標として財源措置に努力をするのだということであります。そうしますと明年度は、現在予算編成の段階で、この財源措置のやり方につきましては、たとえば四月において一号俸上げる財源を給与費にとっておいて、残りの分を予備費でとるとか、いろいろ議論はされておるようでありますが、形はいずれを問わず、明年は完全実施をする、そのための財源措置はきちっとする、かように受け取ってよろしいわけでございますか。
○野田国務大臣 完全実施を目途として財政措置をする場合のやり方は、いまお示しのとおり、一、二、三と四とか、いろいろの案が出ております。したがって、それを御説明いたしましても、よくおわかりのことでございますので省きますが、そこで、そのときの閣僚懇談会におきましても、やはり来年度において完全実施までいこうじゃないか、いくようにひとつみんな力を合わせようじゃないか、こういう話をいたしておりましたが、それに対して財政当局はまだはっきりした回答を与えておりません。しかし、私、というよりもその給与関係の閣僚はこぞって、もうここまできたのだから来年度に実施するようにひとつ努力しよう、こういう申し合わせばいたしております。
○山口(鶴)委員 七人委員会としては大蔵大臣も入っておりますので、まあ財政当局が難色は示したが、しかしこの七人委員会のまとまった方向としては、明年は完全実施するように努力をしようということだということですね。それでは大臣、七人委員会の一員である大臣としては、これはもう完全実施すべきである、努力をするというようなことでなくて、すべきであるということで対処をする、こう受け取ってよろしゅうございますか。
○野田国務大臣 私は多年、公務員の給与の実施内容について、山口さんと同様な考え方を実は持っております。かつて総理府におりましたときも、当時十月のときでございましたが、私ども労働大臣とも打ち合わせまして、一カ月、九月まで繰り上げた、こういうことは、その基本はやはり一日も早く完全実施に到達したいという考え方でありまして、私自身といたしましては、できるだけ完全実施が実現するように努力したいという心がまえを持っております。
○山口(鶴)委員 明年につきましてはひとつただいまの御決意で対処いただきたいと思いますが、問題は本年のことであります。これは主としまして内閣委員会で議論がされるだろうと思いますから、こまかい点につきましては私は遠慮したいと思っておりますが、やはり昔から、来年のことを言えば鬼が笑う、こういうことがあるわけです。来年は完全実施をするという、そういう来年のお話だけでは、やはり公務員諸君も納得しないのじゃないか、これは昔からのことわざにもあるとおりだと思います。そうしますと、ことしの分につきましては、残念ながら八月実施の従来の閣議決定を再確認ということでありますが、聞くところによれば、本年の総合予算主義、補正なし予算といいましても、二月へ参りました場合は、食管会計との関係で、これは福田大蔵大臣も補正予算を組まざるを得ないということは言明しておられるわけですね。そういたしますと、今後補正予算を組む条件がないかといえば、補正予算を組む条件というものはある。それから現在ございます千二百億円の予備費、これにつきましてもわが党の華山代議士が決算委員会等で詳細な議論を展開をいたしたのでありますが、結局現在十六億ないし二十六億円というものが余る見通しである。しかも公務員の給与改定に必要な六百一億、これは五百九十六億くらいだそうでありますが、従来の経験でいきますと、およそ四十億円くらいは節約でもって措置をする、したがって当初六百一億といわれ、現在五百九十六億といわれているけれども、これよりも四十億円ぐらい少ない経費で、従来の例からいえば給与改定は実施できるはずだ。そういたしまするならば、約六十億程度の経費というものは、予備費の現在の状況においても余っているということが言えるはずだ。一カ月国家公務員の給与改定を繰り上げた場合、その必要経費は約六十億円と言われています。とすれば、当然われわれの立場からいえば完全実施すべきだと思います。五月実施をすべきだと思いますが、しかし予備費の現状からいえば、最低一カ月繰り上げ実施をするということは決して不可能ではないはずだ、かようにも思うわけであります。地方財政につきましても、これはあとで議論があると思いますが、決して大蔵省の言っている三二%の交付税を減らして済むような状況でないことは私ども承知をいたしています。むしろ交付税率を引き上げるくらいな財政事情が自治体にはあると存じます。しかし本年度の景気の動向から申しまして、地方税につきましても若干増収というものを考えられると存じますので、国家公務員が繰り上げ実施いたしまするならば、当然地方公務員に対してこれを実施するということも不可能ではないだろう、特に食管会計で補正予算を組むということになれば、三二%は交付税として当然今年度に地方自治団体に配られなければいかぬはずだ。もし二千億円の自然増収が本年あったとすれば、この三二%ですから、六百億円程度のものは本年度交付税として自治体に交付されなければならぬはずであります。ところが補正予算を組まなければ、この六百億というものは昭和四十五年で精算をするということでありますから、むざむざこの地方自治団体に入るべき交付税が昭和四十五年度に繰り越されてしまうということは、私は地方自治団体の財政からいって決していいことではない、むしろたいへん遺憾なことだ、かように思うわけでありまして、そういう意味でも、私は地方自治団体に対する財源のやり方というものは幾らでも方法はあると思うのです。そこでどうでしょうか。国家公務員、地方公務員を通じて、本年度はもう八月しかだめだということでなしに、何らか誠意を政府が示す、そういう意味で御努力をなさるおつもりが七人委員会の一人として自治大臣におありであるかどうか、この点をひとつお聞かせをいただきたいと思う次第であります。
○野田国務大臣 先般の給与関係の閣僚懇談会におきましても、いまお話しの、せめて一カ月どうだという話も実は出ました。これは内容を別に秘密にするということもなかったのですが、これは当然出る話であります。そのとき、つまり国家公務員の給与を、現内閣できめておった八月実施を七月まで一カ月繰り上げるとなると、これはやはり補正予算の問題であるとか、いま山口さんのお話の補正を組むかどうかということですが、これは財政当局ではありませんからはっきりしたお答えはできませんが、やはり事態によってでありますが、補正を組むのじゃなくて、ことばは、これがどういう内容になるかわかりませんが、組みかえ補正はあり得る、こういう財政当局の答弁でありまして、食管関係会計で直ちに補正を組むということは必要はないと、こういうことを言っております。そこで、もう御承知のとおり地方公務員の給与も国家公務員の給与に準じてやっているわけでございますから、国家公務員の給与のまたさらに改定がありますれば、これは地方財政が非常に苦しくとも、やはり何かその間の考えをしなくちゃならぬと思いますが、いまのお話しのとおり閣議でも、来年度の完全実施の問題は別として、本年度においては八月を目途として実施するということを再確認いたして決定したものですから、私として、さらにあらためて閣議の決定をくつがえすような努力はどうだとおっしゃいますが、よくわかりますけれども、それはちょっとなかなかむずかしいのではないか、実は残念ながらそうお答えする以外にはございません。
○山口(鶴)委員 昨日、参議院の予算委員会がございまして、地方財政の問題につきまして、わが党の田中寿美子議員が質問をされたようです。特に交付税率の問題、さらには補助金整理の問題等につきまして議論がございました。大蔵大臣の御答弁と自治大臣の御答弁はたいへん違った御答弁だったということが新聞にも報道されております。これは当然だろうと思うのです。したがって、閣議で八月実施ということはございましても、しかしやはり地方公務員の問題を扱う主管の自治大臣として、交付税率あるいは補助金整理等の問題と同じように、大蔵大臣と見解が違ってあたりまえだと私は思うのです。最後の予算編成のときには内閣として統一した予算案が出るのでありましょうが、その過程においては意見が違うことはむしろ当然である。したがって、同じような意味で、閣議決定があったわけでありますけれども、しかしここで言明をすることはどうかという大臣のお話でありますから、それは求めませんけれども、何らかの形で地方公務員の立場に立って御努力をするということは、私は自治大臣としてはできるのではないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○野田国務大臣 ただいまお答えいたしましたとおり、閣議で再確認をして八月実施ということになりました。これはお話しのとおり全体の予算の編成の最後の閣議でございませんから、それはいろいろな事情によりましては、給与問題だけではなくて、またその間の操作もあり得ることも、それはあり得るわけであります。ただ私に、努力してそれをやれとおっしゃった場合に、なるべく実現のためにひとつ努力しますということを申し上げたいのですが、私はあまりはったりを言いたくないから申し上げているのですが、つまり閣議でこれを確認したという点まできております。しかし私といたしましては、自分の政治的な感覚、信念からして、やはり完全実施に近いものに一歩でも進めたいという考え方はいまでも変わっておりません。したがってそういう機会がございましたら、自治大臣として地方公務員についてそれは発言をいたしますが、ただ見通しとしてこれがどうかということまで突き詰めた質疑でございますと、私もやはり責任がございますから、いいかげんなことをお答えすることはできませんから、先ほどのようなお答えをしたわけでございます。
○吉川委員長 細谷君の関連を許します。細谷治嘉君。
○細谷委員 大臣、時間的にはたいへん詰まっておりますから、一言お聞きしたいのですが、今度の公務員給与を八月実施にした理由は、財政上の理由ということですが、大臣の感覚として、財政上の理由というのは成り立つ、こういうふうにお考えですか。
○野田国務大臣 財政上の理由でございますが、その財政上の理由というものは、やはり財政当局の財政措置に対する考え方、また給与ばかりじゃございませんが、各省所管の仕事の内容、これらに対しましても、必ずしも財政当局の見解と一致しない点が相当あります。そこで、ちょうど給与の関係閣僚会議におきましても相当その問題が出たのでございますが、やはり財政当局としては、本年においてはこれ以上の操作はできないと、しきりにいろいろな弁解といいますか説明をいたしておりました。それが、全部の関係閣僚がその財政措置がはたして妥当であるかどうかという点におきましては、私どもは必ずしもそれが全部妥当とは思わない人もあったと思っておりますが、しかし、その給与関係の財政措置に対する態度というものはどうかというと、他の、つまり財政上の均衡といいますか、バランスをとるために、どうしても給与財源としては八月実施する以外にない、こういうのが財政当局の説明でございました。つまり、全行政の需要にあたる財政のバランスと申しますか、こういう点から財政当局がそこまで主張するのでございますから、財政当局の基本的な財政計画からいたしてやむを得ないだろう、こういうことで一応関係閣僚はこれを納得した次第でございます。
○細谷委員 大臣のおっしゃったことは、何を言っているかわからないのですよ。財政上の理由ということは、大臣はそれは理由にならない、こういうふうにお考えを持っておるかのごとくお聞きしますと、次には全体的なバランスのことということで、財政支出のバランスのことという形で逃げておりまして、大臣は一体何を考えているのかわからないのですよ。先ほど来ちょっと議論がありましたけれども、千二百億という予備費、やはり公務員給与を予備費から出すということはおかしいのであって、本来ならこれは組みかえなければならぬ筋合いのものですよ。しかし、予備費も大体において六十億程度は余るだろう、こういわれておる。ですから、いわば一カ月程度はさかのぼることは現在の予算の範囲内でもできるのじゃないか。むろんバランスということで食管会計等への問題というのがあるでしょう。ところが、大蔵省おりますけれども、ことしは税の自然増収というのが三千億前後に達するだろうということはもう既定の事実でありますね。大蔵省がすでに二千七百億円程度の自然増収があるということを認めているわけですね。現に、現在の予算というのは経済成長が一二%という形で組んだのが、事実は一六%になるというわけでありますから、税の弾性値をかけてみましても三千億円程度は間違いなく自然増収がある、こういうことになっております。税の自然増収、国税において三千億の増収がございますと、大体においてそのうちの二割ないし二割五分、二割といたしましても大体六百億円程度、あるいは二割二、三分としますと六百億円をこす交付税というのが地方に配られなければならぬ、こういうことになります。そうしますと、人事院勧告どおり完全実施をいたしましても、地方公務員の必要額は千九十五億円である。七百五十億円というのはすでに措置しておりますから、あとは三百五十億円程度の財源があれば完全実施ができるということになるわけです。そうしますと、国家公務員についても地方公務員についても、財源上の理由というのは成り立たないですよ。バランスというのは何ですか。食管会計にさらに追加しなければならぬということは必至のようでありますね。大蔵大臣自体も、米の供出量は八百五万トン、実際は九百五十万トンをこえて一千万トンに買い上げ量はなるだろう、こういうことを言っている。差し引き一トンについて三万円くらいの赤字が出ますから、三百億円くらいはどうしても追加補正をしなければならぬ、こういうふうに言っておりますよ。これは必至のようでありますね。そういうことでありますから、そういうものを含めても財源上の理由というのは、あるいはバランスのことを考えても、大臣、これは理由がないですよ。交付税のことは、交付税で六百億円ありますと、大体つりがきます、完全実施しても。その上、国税が大体において三千億伸びたとしますと、地方税というのは大体その四割二、三分くらい伸びますから、大体において一千二百億くらい地方税も伸びてくるわけですから、理由がないですよ。それを、いや財政上の理由、それもどうも納得できないし、バランスのこともあるだろうということになりますと、どうも私が描いておりましたいままでの大臣の政治家としての行動あるいはイメージ、それがずいぶん違ってきているようですがね、大臣になったために。自主性を失ったのじゃないかと私は思うんですよ。この点をひとつ大臣、あやふやじゃなくて、すきっとおっしゃったほうがいいんじゃないでしょうか。
○野田国務大臣 いや、細谷さんの御意思よくわかります。ただ、この自然増が大体三千億という見込みとおっしゃいます。それは、大蔵省もここに来ていると思いますけれども、財政当局のだれが二千七百億か三千億かと言ったか知りませんが、大蔵大臣はやはり一千億を相当こすだろうということでがんばっております。私は財政当局じゃございませんから、大蔵大臣の言う一千億を相当こすだろうというのと、いまお話しの三千億が正しいか、私はここで実はわかりません。はっきり申し上げます。いろいろそろばんをはじいてみますと、いろいろ出ましょう。そこで、大蔵大臣としては一千億を相当こすだろうという算定のもとにいろいろ財政上のバランスのことを考えておるのですが、その点の見込みと申しますか、そういう点も一つある。 それからもう一つは、その自然増のために地方財政に相当回ってくるだろう。それはその多寡によって変わってまいります。現にこの八月実施にいたしましても、御承知のとおり地方財政で七百五十億は用意しております。あとはやはり五十億近く捻出しなければならぬことになっております。しかしいま私も冒頭申しますとおり、これが一カ月延びた場合に地方財政上この措置ができないかというと、これはもういろんな方法によって措置すべきは当然で、そんなことで逃げるのじゃございません。ただ、先ほど申しますとおり、すでに閣議で確認いたしました。その立場からいたしますと、やはり地方公務員の給与は国に準じてこれを措置することが原則となっておりますので、その意味におきましても——私自身もいろいろ考え方はありますけれども、少なくとも閣議で決定したものでございますから、本年度はやはり八月にきめる以外にないだろう、こう考えております。
○細谷委員 閣議の決定というのは九月の下旬なのです。九月の下旬のときは法人関係のものが確定していない、こういうふうにいつも大蔵省は言っているし、事実そのとおりです。それは認めます。しかし、今日、十二月の中旬、もう後半なんですね。もう法人税もはっきり確定しておるのです。新聞でも、所得税なり法人税というのは予算に計上したよりも徴収歩どまりがはるかに上がっていることははっきりしているのですよ。ですから大臣、いまごろになって三千億になるのか一千億になるのかわからぬというのは、これはやはりとぼけですよ。野田大臣らしくないです。これははっきり御存じでしょう。 では、聞いてみましょう。財政当局、大蔵省がおるけれども、国税と地方税は大体どのくらい伸びるとつかんでおるのですか。
○細郷政府委員 私も数字をつかんでおりません。法人についてはいろいろ九月決算といったようなものが出てまりまして、国税において相当自然増収があるということは考えられます。しかし、国はそれ以外に、たとえば所得税でいえば年末のボーナス、ことしはだいぶ出るようでありますが、それがどういうふうにはね返ってくるかというふうなことはちょっとまだ見通しがついていないようであります。したがって、私も国税の伸びについて承知をいたしておりません。
○秋吉説明員 財政局長の御答弁のとおりでございます。
○細谷委員 一言。これは逆に言いますと、もう知っていて知らぬふりというのは国会軽視もはなはだしいと申さなければなりません。そんなばかなことはないですよ。そんなことだから、地方財政は裕福になったなんということで、きのう、あなた、参議院の予算委員会で大蔵大臣にかぶせられているでしょう。細郷さん、あなたはきのう日本経済新聞に「私の意見」ということで大々的に書いています。あれだけの論文を書く人が、いまごろになって税収を知らぬなんてとぼけるのは、これはけしからぬことですよ。ほんとうに知らないのなら、あんな意見を書きなさんな。日本経済新聞の第一ページの「私の意見」なんて、あなたは堂々と書いてあって、私ども傾聴に値する意見だと思って読んだ。そんなことで——私の言っていることがほんとうであることは、皆さんもお認めになっていると思う。 そこで大臣、大臣でありますから総合予算のワクに縛られてものを申せないかと思うのですが、少なくとも自治大臣、総合予算主義というのは日本でも取り上げ、西ドイツもやっておるが、これは国民のためにそういう方式がとられるのであって、総合予算、そのために国民を犠牲にするということは許されないと思うのですよ。本末転倒もはなはだしい。総合予算主義を守るために食管制度は破るんだ、人事院勧告は財源的にはできるのだけれども、財源を理由にしてやらないんだ、こんなこと、けしからぬことですよ。総合予算主義というものは、やはり国の財政の安定なり国民のためにあるのであって、総合予算主義は目的じゃないですよ。これは、これに没入しきっちゃっているのですよ。ですから、私は多くを申したいのでありますけれども、大臣はそういう人でなくて、やはり総合予算主義は何なのか、今日の地方財政というのはどういう立場にあるのか、そういう中においても公務員の労働基本権というものを奪った代償としてできておる人事院の勧告そのものは完全に尊重し守っていかなければならぬのだ、こういう観点で検討することが正しい姿勢ではないかと私は思うのです。大臣になる前の野田さんにこんなことを言うのは釈迦に説法であったようでありますけれども、大臣になってからどうもことばが少し消極的になったようですし、ごまかしを始めたようでありますから、姿勢は変わってないだろうと思うのですが、ひとつ警鐘の意味で申し上げて、大臣の最大限の努力を要請しておきたいと思うのです。
○野田国務大臣 細谷さんが私に政治家として御期待いただくのは非常にありがたく感じますが、私はごまかしの答弁は一切しておりません。たとえば閣議決定と申しますのは九月でございますが、それを新内閣になって再確認したわけでございますから、やはり閣議決定と同様でございます。それから関係閣僚会議におきましても、これは本年度に完全実施ということではございませんで、せめて一カ月間くらい考えてはどうかということで、これは内輪のことでございますが、はっきり申し上げておきます。 それから、今後完全実施に対して最善を尽くすということもごまかしでございません。私は前にも申しましたとおり、国家公務員にしても地方公務員にしても同じでございますが、いま細谷さんの御指摘のとおり、スト権がない、しかも人事院の裁定によって給与がきまる、こうなってまいりますと、やはり国としても地方公共団体といたしましても、まあ地方公務員は国に準ずるのでございますが、少なくとも人事院の勧告は尊重ということばを使う以上は完全実施であることは、これは当然のことでございます。私は、自治大臣としてはもとよりでございますが、政治家の一人といたしましても、やはり今後、つまり来年度を目標として完全実施にできるだけの努力を傾けるということは、はっきりお約束申し上げておきます。
○山口(鶴)委員 ただいま細谷委員から発言のございましたように、私どもとすれば、税の自然増収等を見込みますならば、国家公務員、地方公務員につきましても、本年度において完全実施も可能である。したがいまして、一カ月程度を繰り上げることについては、よりこれは可能であるというふうに判断をいたしております。閣議におきまして、つい先日九月の閣議決定を再確認された点は、私ども非常に遺憾に思うわけでありますが、しかし、いま大臣御発言のありましたように、責任ある立場で明確にここで約束をすることはできないけれども、しかし地方公務員を所管する大臣として、努力できる面においては努力をしたいという御熱意は私どもわかりますので、その熱意に大いに御期待を申し上げたい、かように考える次第であります。 そこでお尋ねをいたしたいことは、せっかく大臣が人事院勧告に対して非常な理解ある態度をとっておられる。完全実施すべきである、そして明年度においてはこの完全実施のために大いに努力をされるということであります。ところが、自治省の内部に、この人事院勧告に対して非常に誤った見解を持っておる公務員がおるということは、残念ながら事実であります。前の赤澤自治大臣の際にも、この点私は議論をいたしたのでありますが、新しい野田大臣にも一応注意を喚起しておく意味でも申し上げたいのでありますが、次のような論文を書いておられる方があるのであります。「不思議なことは、相変らず人事院が八月勧告、五月実施という、我が国のみならず近代的憲法をもつすべての国において、予算制度の本質を無視しなければ通常は不可能な勧告を繰り返し、そのことをめぐって毎年トラブルがあるにもかかわらず、これを改善しようとしない態度である。」したがって人事院はできないような勧告を毎年やっているじゃないか、こういう人事院の態度はおかしいということを書いておるのであります。しかも「完全実施できないような勧告を出して政府や国会を困らせ、公務員の組合の不満を政府に向けさせ、勧告後は涼しい顔をしていられる人事院は、役者が一枚上」だというようなことを書いておるのであります。しかもこの問題を議論いたしました際、この論文を書きました本人は、国会は、完全実施は誤りである、こういう議決をしているではないかというような——私ども国会が一致して完全実施をすべきである、ただ与党の皆さんにおいては財源の事情もあって昨年は完全実施できなかった、しかし気持ちとすれば、完全実施すべきであるという形で衆参両院とも決議をしている。こういう決議の実態があるにかかわらず、国会は、人事院勧告は誤りだった、こういう決定をしたというようなことを当地方行政委員会で平然と発言をしておられる。こういう事実があるのであります。以前の自治大臣もそうでございましたが、より一そう野田自治大臣は人事院勧告に理解ある態度をとっておられる。しかるに、こういう公務員の方が、一方では大臣のそういう御見解と全く違った、人事院勧告制度に対してけちをつけたり、また国会の議決についても誤ったような見解を堂々と発表しておられるということでは困ると思うのです。こういうことに対しましては赤澤自治大臣が、誠意をもって善処をしたいと当委員会でお答えになったわけでありますが、内閣改造でおやめになりました。野田自治大臣として、かような論文を書いたり発言をするというような者が自治省におるという場合に、これに対するお考え方というものをひとつ率直にお聞かせをいただきたいと思う次第であります。
○野田国務大臣 いま山口さんのお話、私初めて実はお聞きしたのです。内容はお読みになったことでわかっております。赤澤前大臣が、内容を詳細に調べて善処すると申したということでございます。私も同様な考えでもって、内容を少し調べてみたいと思っております。
○山口(鶴)委員 ここにそのときの議事録があるわけなんですが、四十三年十月十一日、金曜日、地方行政委員会第四号(閉会中審査)という議事録がございます。自治省にも当然あると思いますが、この議事録並びに自治省が出しております「地方公務員月報」本年の九月号でございます。そこにいま申し上げた方の論文が載っております。どうかこの論文並びに地方行政委員会の第四号の議事録を十分ひとつ御検討いただきたいと思うのです。そうして、大臣の完全実施に対する御熱意に対して、自治省の公務員の諸君によって相反するようなことが喧伝されるということではたいへん残念に思いますから、この点についてはひとつ至急にお調べいただきたいと思います。
○野田国務大臣 わかりました。
○山口(鶴)委員 以上、いろいろお尋ねをいたしてまいりましたが、特に私はこの際残念に思いますのは、昨日の参議院の予算委員会の質疑でもあったようでありますが、大蔵省当局が地方財政に対して非常に誤った見解を持っておられる。実は今度就任されました福田大蔵大臣は、私と同じ群馬県の御出身でありますが、去る十五日、群馬県に福田大蔵大臣並びに長谷川農林大臣就任の祝賀式がございました。そこへ両大臣お出かけになりまして、記者会見をされて、福田大蔵大臣は地方財政についてもいろいろと述べておられるのであります。地方紙でありますから、大臣ごらんにならないと思いますから、ここで御紹介をしておきたいと思うのですが、「中央財政と地方財政のバランスを調整する方法として地方交付税率の引き下げ、地方公共団体に対する補助金の整理、国鉄納付金制度の廃止などが考えられている。大蔵事務当局は地方交付税率の引き下げを希望しているが、臨時国会が終わってから地方財政の状況をみて検討する。」のだということを言っておるわけであります。したがって、私ども群馬県の県民が受け取った考え方としては、この交付税率の引き下げもする、それから補助金の整理もする、納付金も打ち切るのだ、こういう考えが大蔵事務当局にはある、それに沿って福田大蔵大臣も検討するのだ、こういうことでは、いかにも大蔵省というところは、地方財政に対して認識を誤っているのではないか。特に補助金の場合なんかでも、きのうも予算委員会で議論があったようでありますが、この改良普及員に対するところの補助金を切るとか、あるいは保健所職員の補助金等を整理をするとか、こういうような社会保障あるいは農業政策を充実するという観点からいっても間違ったことをやろうと大蔵省が考えておることが、非常に本県においても心配をされているのであります。昨日も大臣は、大蔵大臣とは全く異なった御見解を発表したようでございますが、これらの詳細の問題は、あとの太田委員ないしは山本委員からお尋ねがあると思いますから、私は多くは触れませんけれども、とにかくこのような大蔵省の態度というものに対して、細郷財政局長は、先ほど紹介もございましたが、日経新聞の「私の意見」というところで堂々たる論説を発表されまして、御検討をいただいておることは非常にけっこうだと思いますが、大臣としましても、大蔵省が抱いておる考え方、私が紹介いたしましたような考え方に対して、自治大臣としての御見解なり御決意というものをお伺いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○野田国務大臣 昨日の参議院の予算委員会でも同様な問題が出たのでありまして、私の態度を明らかにしておきました。 今日の地方財政の実態は、大蔵財政当局のただ形式的な見方とは違うのであります。特に交付税の問題は、これは私が御説明せぬでも山口さん百も御承知のとおり、これは決して大蔵省からただ配分してもらうお金でなくて、原則的に、地方交付税というものは地方財政の固有の財源だという見解を持っております。したがって、大蔵当局の言うように、財政硬直化とすぐに地方交付税と一緒になって論議をしているのは私どもは筋違いだ。ことに、多少地方公共団体に黒字が出たが、その黒字の内容というものは、御承知のとおりきわめてわずかな黒字が出ておりますけれども、これは仕事をせぬで、ただその日暮らしをしておれば、これは別に金はかからない。それでは、これが黒字になろうが赤字になろうが、地方行政の水準というものは一歩も前進しないのです。まあ、いろいろな要因がございまして、今日の地方財政の内容というものは、私どもは大蔵当局の見方とは違った見方をいたしております。したがって、今後われわれに課せられた仕事としては、何としても地域住民のしあわせのためにやらなくてはならない。それには、行政の水準を上げるには財政が確立をしなくては仕事ができません。したがって、この実情からいたしましても、また国から見ましても、地方財政を少し国から取り上げてやるというのか、地方財政をもう少し削減をしてやるとかいうような考え方——私はやはり政治の基本として、実情を把握しないで観念的にものごとを数字的に扱うという考え方は、私は政治の真髄ではない、こういう私自身の考え方を持っておりますから、きのうも大蔵当局の見解と異なった見解を発表しております。できるだけこれらにつきましては、いまのお話しのとおり、地方財政は今後さらに充実をしなくてはならぬというたてまえを持っておりますから、その線に沿うて努力をしたい、こう思っております。
○吉川委員長 午後一時三十分に再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時二十六分休憩 ————◇————— 午後一時四十六分開議
○吉川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。山本弥之助君
○山本(弥)委員 先ほど山口委員に対して、地方公共団体の現在置かれております地方財政についての大臣の御理解ある御決意を承ったのでありますが、その問題につきまして、私からもさらに二、三の問題について御質問申し上げたいと思います。 来年度の予算編成に関連いたしまして、地方財政の問題と並行いたしまして国鉄の再建問題あるいは食管特別会計の赤字の問題等が重要な問題に相なっておるようであります。私ども地方公共団体の現状を考えてみますると、地方財政が重要でありますことは当然でありますが、他の二つの問題、国鉄の赤字の問題にいたしましても地方ローカル線の廃止の問題が関連をしてまいりますし、食管の赤字克服の問題といたしましては当然後進県の農村における農民の生活問題、たとえば生産者米価の引き下げあるいは据え置きという事態になりますれば、これらを通じまして地方公共団体にはね返ってくることは当然でございまして、この意味におきまして、私は、来年度の予算編成は地方公共団体に重要な問題がしわ寄せされておるということで、非常にこの点につきまして憂慮しておるわけであります。もとより地方議会側を含めまして六団体こぞってこれらにつきましては強く地方公共団体の現状を訴えておると思うのでありますが、現在自治省といたしまして、大蔵省と来年度予算編成に関連いたしまして地方財政についてどういうふうに御折衝し、強く要請をされ、地方公共団体の実情をお訴えになっておるか、その経緯をお聞かせ願いたいと思います。
○野田国務大臣 ただいま山本さんの御意見のとおり、地域住民がいろいろ物価問題その他の問題に影響されているし、それから地方住民の負担もだんだん増しておりますし、これらに関連して、地方行政としてこの実態をつかんで行政を進めなくちゃならないし、同時に行政を進める場合には、その裏打ちとなる財政が確立しなければできないことでございます。そこで国家といたしましては、いまお話しになりましたような国鉄の赤字とか食管問題とかいろいろありますから、国としての財政計画も非常に困難な立場にあることはわかりますが、しかし地方自治というものは国政の基本だと思っております。地方自治がくずれていっては国というものは成り立たない。だからその土台を固めなければいかぬ。その意味におきまして、私は国の財政計画にいたしましても、特に地方公共団体に重点を置いた施策を考えることが当然だ、こういう一つの考え方をいたしております。したがって、事務当局にいたしましても私と同じ考え方でございまして、事務的に折衝いたしております。先般大蔵大臣からも、地方自治の財政について話したいという申し出を受けておりますが、いまちょうど事務折衝をやっている最中でありまして、おそらくこの国会が終わりました直後に大蔵大臣との折衝も始まるかと思いますが、その根底は、いま山本さんのお話しのとおり、私自身もそういう見地のもとに折衝したい、こう考えております。
○山本(弥)委員 予算編成期になりますと、地方財政に関連をいたしまして、大蔵省、自治省の地方自治あるいは地方財政に対する認識の違いがよく出てまいるのでありますが、その背景といたしまして、大蔵省には財政制度審議会があり、自治省には諮問機関といたしまして地方制度調査会があり、地方財政審議会等があるわけです。期せずしてこの二つの審議会なり調査会は、一方は大蔵省の要請するとおりの答申がなされ、一方は自治省の要請する答申がなされまして、意見が全く食い違っておるわけでありますが、私どもこういう意見の食い違いということも、国の財政あるいは地方財政の調整をはかっていくという意味におきまして意義があるかと思うのであります。しかし、いまだにこの問題が依然として大きな食い違いを見せていっておるということは非常に残念に思うのであります。いずれにいたしましても、地方交付税の引き下げをめぐりまして、事務折衝でしょうか、あるいはすでにもう両審議会の答申によりまして、大きな意見の食い違いを見せておるということでありますが、地方交付税につきまして大臣あるいは財政局長はどういう折衝をしておられるか、お聞きしたい。
○野田国務大臣 基本的な考え方は、先ほど申し上げましたとおり、大蔵当局の一部その他に、地方交付税のある程度の引き下げという意見もあるということを聞いておりますが、まだ私に対しては具体的な話は出ておりません。しかし事務的にやっておりますから、その事務的な折衝の経緯について政府委員からお答えいたさせます。
○細郷政府委員 たびたび折衝いたしております。結局、国庫当局の認識は、昭和四十一年度に地方交付税を二九・五%から三二%に上げたけれども、その年は黒字も出たじゃないか、少しやり過ぎたんじゃないか、俗なことばでたいへん失礼でございますが、そういう基本的な認識があるのではないかと思います。それからもう一つは、国庫の一般会計予算を毎年組んでいく上において、交付税は義務費でございますから、国税全体の自然増の中で占める割合が実際問題として非常に高いわけであります。それで、このままでいったのでは将来交付税問題でしょっちゅう予算の編成がぎすぎすするのではなかろうか、そういう点から、交付税率を下げなければいかぬというような話が出ております。私どもはこれに対しては、たびたびここで申し上げておりますような態度でありまして、やはり国と地方の間は、仕事も分け合っているかわりに財源も分け合っている。その中でそれぞれ責任をもってやるというところに国も存立の意義があるし、地方団体も自主的な立場があるんだから、一年間ちょっと調子がよかったからというようなことでやるのは制度の基本を誤るのじゃないかというような考え方で、私のほうはこれは断わっておるわけであります。
○山本(弥)委員 大体食い違っております率、たとえばいろいろ伝えられておるところによりますと、三二%を三〇%にというようなお話がございますけれども、二%の食い違いということになりますと、どのくらいの額になりましょうか。
○細郷政府委員 かなりいま申し上げたような基本的な考えの違いがございますので、なかなかどれくらいの率とか金額の話に実はならないのでございます。しかしこの前四十一年に上げた二・五%ということになりますと来年は約千億でございます。二・五引き下げるというととは千億引き下げ、こういうことになります。 もう一つ、私ども折衝の間に感じますことは、交付税の伸び率をせいぜい二割程度にしてもらいたいということです。そういたしますと、ことしの交付税が一兆一千億ですから、二割の伸びということは二千二百億になります。来年はまだ税収が確定しておりませんが、おそらくことしに対して二千八百億くらいになると思うのです。そうすると二割で押えるとすると、飛び出た分の六百億あるいはその余り、その辺のところを何とかできないだろうかというような感じ、それは逆にいえばちょうど一・五%ないし二%くらい、こういうふうな感じを私は受けておりますが、先ほど申し上げましたように、基本的な考え方でまだ対立をしたままということであります。
○山本(弥)委員 昨年、ことしの四十三年度の地方財政計画を審議いたしまする際の赤澤自治大臣の説明があったわけでありますけれども、その際赤澤自治大臣は、国と同一の基調により行政経費使用の重点化に徹して行財政の運営を行なうというふうな、いわば国と同一基調に立つという考え方に立ちまして、非常に複雑な交付税についての措置をなさったわけであります。これは大臣も御存じだと思うけれども、法定額から四百五十億円を減額して、そうして三カ年にこれを百五十億円ずつ返してもらう、あるいは起債の償還を二百五十億繰り上げ償還をいたしまして、さらに預金部資金から二百五十億借りる、さらに特別事業債にかかわる元利償還の財源として九十億円の交付を受ける、こういう非常に複雑な操作をいたしたわけであります。私どもこれを審議するにあたりまして、将来にわたりまして交付税というものは地方公共団体の固有の財源として、こういう操作をすべきではない、おそらく交付税というものはこういうことによりまして、地方財政が好転をしているという新しい口実を与えることによって将来禍根を残す、いわば苦しい地方財政が国の財政との関連において将来ますます苦境に立つような新しい局面を迎えるのであるから、これに対して反対をしたわけであります。その約束が、次年度においてたやすく、今度は大幅に交付税を減額するというような体制に自治省は追い込まれておるわけであります。私どもの主張いたしましたことは、いずれはこういう体制に追い込まれることを懸念いたしたわけです。こういう体制になりまして、百五十億を返してもらうというようなことではなしに、いまお話しになりましたように、もし大きく後退しますと、今度は千億とか六百億とか多額の金が、昨年の約束を無視されて、さらに自治省の主張しておられる、また細郷さんもいろいろな機会に書いておられるわけでありますが、固有財源だとかいうような主張をなさっておられるようでありますが、そういうふうに追い込まれる素地がすでに昨年できたということで私どもは心配しておったわけであります。これらについて今後どういう折衝をなさろうとしておるか、お聞かせ願いたいと思います。
○細郷政府委員 昨年は、地方財政問題の際に大きくいって三つ問題があったと思います。一つは、例の出世払いを返せという問題です。第二は特別事業債の将来の財源をどうするか、第三は超過負担をどうするか、こういう三つの問題があったわけでございます。そこで、その際私どもは、出世払いというようなことは、とてもそういう状態の地方財政でないじゃないかというようなことで断わったわけでございます。しかしながら最後に、国の財政が非常に苦しい、しかも国際環境も、御承知のように昨年のいまごろは非常に激動であった。ことし四十三年度の経済情勢を見通すこともなかなかむずかしいというような状況にございました。それで最後に、政治的な解決によって四百五十億の繰り延べ交付という形をとったわけでございます。それが百五十億、百五十億ということであります。それから特別事業債、超過負担等については、もうたびたびお答えしたとおり昨年の折衝において方向を解決をした、こういうかっこうでございます。そこで今度どうするのか、私どもも実は昨年ああいう措置をとったことについては、将来これが悪い例にならないだろうかという心配も実は内心ないではなかった。しかし先ほど申し上げたように、昨年はそういった内外のきびしい情勢と、最後における国と地方の財政の調整といったような高度の政治判断でああいうことが行なわれたわけであります。今回、いま折衝しておりますことは、ああいった昨年のような措置はもう昨年限りである、来年はもうやらない。もっと筋の通った行き方でいこうじゃないか。昨年は御承知のように、予算の編成の最後まで実は十分なる対話が行なわれませんでした。いろいろございましたけれども、なかなか真髄に触れた対話ができませんでした。最後のどたんばになったものですから、時間切れでそういうふうになったわけです。ことしは比較的早くから対話もいたしておりますので、私はやはり筋の通った主張をしていくべきではなかろうか、かような態度をとってきております。
○山本(弥)委員 金額以前の問題として、ただいまもお話しになりましたように、筋の通った折衝によって地方財政にしわ寄せをしないような予算編成をしたいというお気持ちで、私どもも非常に安心をするわけでありますが、いろいろ細郷さんのお書きになったことは一般に地方公共団体も読んで知っておられると思いますが、折衝する決意なりあるいはあなたのお考えの筋、大蔵省を納得させる筋をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○細郷政府委員 先生も地方自治に携わっておられますので、よく御存じのことでたいへん恐縮なんですが、国と地方の間は普通の予算官庁のように、これだけ仕事をやるからこれだけ財源をよこせというようなものでないのではないのか。それぞれ同じ国民の税金を徴収して行政事務を分けているんだから、それぞれそのきめられた分野において自分たちの中で自治的な運営をすべきなんじゃないか。そういうきめられたものについてはやはりその線を守っていかないと、国と自治体との両輪関係もくずれてしまうのではないのか。区別するということは離れるようではありますが、実態的にはそれが両輪関係を保つ道ではないか、こういうような基本の考えであります。
○山本(弥)委員 事務的に折衝の過程ですので、お話しにくいというふうにも感じますけれども、事務的にお話しくださる細郷さん、非常に抽象的なお話でありますけれども、あなたの書いたものを見ますと、きわめて地方公共団体を納得させ、われわれ今日、地方自治を推進しなければならぬと考えております者にとりましても、明快な理論を展開しておられると思うのです。たとえば交付税は固有の財源であるとか、今日地方公共団体は非常に行政需要が山積して、国との行政の比率からいっても非常に立ちおくれておる、さらには地方財政は国の景気調整にはなじまないというような、大体三本ぐらいの柱でいろいろ書いておられますので、その線で折衝しておられると思いますが、いかがでございましょうか。
○細郷政府委員 おっしゃるとおり、その考えでやっております。
○山本(弥)委員 この点に関しまして、いまの自治省の要請に対して大蔵省の政務次官はどういうお考えを持っておられますか。
○上村政府委員 地方交付税の関係でございまするが、基本的な考え方につきましては多少考え方に違いがあるかと思うのでございます。と申しますのは、大蔵省としましては、地方交付税というものは地方財政に対しましてのいわば平衡交付金のような関係、その他財源不足、そういうようなものについて調整をしていこうというものの考え方でございまするので、結局地方交付税としましては、地方の財政状態が豊かになりますれば、そこの率その他につきまして勘案をしながらやっていくべきものではなかろうかという考え方があるわけでございます。それで、実は私はこの地方財政が、日本全体もそうでございますが、社会資本がまだきわめて充実しておりませんから、これは決して地方財政それ自身充実したとかどうとかいうふうには考えておりません。が、その割合からいいますれば、現時点におきましては、国の財政の状態のほうが地方よりも要するに充実していない、そういうような点を踏んまえましていろいろと自治省のほうと折衝しておるかと思うのであります。しかし、この予算編成の過程におきまして、この問題は非常に重要な問題でございますから、地方の財政というものがいろんな社会資本の充実というもの、あるいはいろんな仕事を今後やっていかなくちゃならぬ財政需要というものも相当増大していく、こういうことも勘案しなければなりません。また、国の全体の立場からいいまして、景気調整その他いろんな点からも考えて、財政の硬直化というようなものを防いでいかなければならぬというような、いまいろんな考え方を持ちながら慎重に検討しておる、こういうふうな実情であるわけでございます。
○山本(弥)委員 交付税というのは、そういう昔の交付金式の、国の財政で左右できるものであるという考え方は、私はお捨て願いたいと思うのであります。もとより地方公共団体の自主財源を強化するということは多年の要望であるわけです。しかし、今日地方公共団体の実態を御存じないことはないと思うのでありますが、府県、市町村合わせまして三千有余の地方公共団体ですが、今日ほど地方公共団体が激動しておる時代はないわけなんですね。ここで政務次官に議論を申し上げるわけじゃありませんけれども、これは国の経済政策、これによって公共団体が激動しておることは否めない事実であります。今日大都市がいかに困窮しておるか。かねて私は、できるだけ自主財源を強化して、大都市の比較的財政が豊かで交付税の対象にならない団体が相当ありまして、そして交付税は自主財源でどうにもならない団体に交付するということが本来の筋だと私は考えておるわけです。今日、自主財源の強化ということをいままで検討しなかった国の責任において、ほとんどの団体が交付団体になっているということは、交付税が明らかにもう財源になっているわけです。大都市の困窮ばかりじゃありません、地方の市町村の困窮もよくおわかりであるし、自主財源では給与費もまかない得ないという村や町が出ておることは御承知のとおりであります。東京の周辺の町が、人口が一世帯ふえることによりまして相当の経費を投じ、必要な最小限度の施設を整備することに困窮しておることも明らかな事実であります。かつての産炭地がエネルギーの転換によりまして窮乏化した。そういう自治体の問題の解決も十分ついていない。それぞれ異なる地方団体の財政需要は非常に複雑であり、困窮しているわけであります。全国各市町村は、例をあげれば数限りなく、大蔵省が考えておられるような実態にはないと私は思います。 私の県の一例を申し上げれば、今日国の政策としては公害問題も完全に解決をつけておりません。これはみんな地方公共団体の悩みでございます。通産省は厚生省との意見の対立があり、公害に対する国の政策自体も一定の方向がないじゃありませんか。しかも公害対策はある程度まで進みますと、石油の回収硫黄ということが進みまして——私のほうに松尾村という人口一万の村がございますが、そこに東洋一の松尾鉱山というのがあります。これは硫黄を約四〇%近く生産をいたしております。そして過去、通産省の指導によりまして国際価格にさや寄せする合理化を推進してまいったわけであります。それが回収硫黄との関連において、この三カ月余りは賃金は半分しかもらってない。越冬資金は回答ゼロ。ここの従業員は関連業者、家族を含めまして四千五百、約半数でございます。これがその日に困る。これに依存しております村は、固定資産税も滞納になる。住民税も滞納になる。これは非常なる影響を受けるわけです。そういう地域の住民が年の瀬が越せないという困窮。公共団体もこれに伴って村づくりを将来どう考えていくか。これに対して、指導しておる国の通産省は、そういうものに対してまだ対策を出していないというのが現状であります。 これは極端な一例を申し上げたのでありますけれども、多種多様である地方公共団体が、総体において黒字になったとか、あるいは起債の残高が少ないとか、あるいは一部の首長が給与の値上げをするとか、あるいはりっぱな庁舎を建てるとか、それはそれなりに公共団体としては苦心を払っていると思うのであります。三千有余のさまざまな公共団体が多様な行政需要に応じ切れない。しかも一方では、昨年、本年度もそうでありますが、国と同じような合理化をやったじゃありませんか。合理化については、国と協力をして合理化をやっておる。赤字を出さないということは、強力な自治省の指導によりまして住民を犠牲にして黒字を出しておる。これはいろいろさまざまでありますので、非常に苦しんでおる公共団体等、多様であります。これに対して私は、交付税は場合によってはこれを減らすことも可能だというような考え方は、これはとるべきではない。まして昨年、こういうきめのこまかい、しかも二百五十億円貸す金は利子は国で持ってあげますよというような、子供にあめ玉をあげるようなきめのこまい折衝をやりながら——もう一つの点はあとで申し上げますが、超過負担の三カ年解消というような、公共団体のことを考えた自治省、大蔵省の調査に基づく初年度が四十三年度であったわけでありますが、そういう問題は全く無視して、本年度の交付税のやり方から尾を引いて、交付税は交付金だというような考え方は、これは大蔵省としては全く国の財政を考え、いわば国民の生活環境の整備ということを無視した考え方である、こうと思いますが、これはあくまで交付税は固有の財源であるという考え方に立ってお考え直しを願いたいと思っております。
○上村政府委員 いま山本委員のおっしゃったことにつきまして、事実関係はそのとおりであろうと思うのでありますが、いろいろなものの考え方というものにつきましては、そこに相違があるということは確かでございます。 なお「昭和四十四年度における地方財政対策についての報告」というものが財政制度審議会から出されておりまして、その中に「最近における国、地方の財政状況、フイスカル・ポリシーの必要性等を勘案し、交付税率の修正、年度間の財源調整等を含み現行地方交付税制度について所要の措置を行なうこと。」というような中間答申もあるわけです。もちろん、これがあるからといいましてもどうのこうのというわけではございませんが、とにかくこういういろいろな意見の答申を受けておりますし、いろいろと踏んまえましていま慎重に検討をしておる、こういうことでございます。
○山本(弥)委員 先ほど私申し上げたのですけれども、答申があるということでありますが、いまのような国と地方とがどうあるべきかということをほんとうに考えた検討ということではなくて、大蔵省の考えをそんたくをして答申をする、そういうような審議会のあり方自体——今日整理をしなければならぬ審議会がたくさんあるわけですが、ほんとうに審議会が国の財政、地方行政、これらを統合してほんとうに相協力し、それぞれの立場を尊重するということによって国の繁栄をはかるというたてまえ、これらが極端な言い方でございますけれども、どうも御用的な審議会になっておることを非常に遺憾に思うわけであります。現実には、いま申し上げましたように、地方公共団体の実態はさまざまであります。今日ほどゆれ動いているところはない。地方公共団体一般を含めて、国の財政との間に比較をするという実態に公共団体はないわけであります。現に地方公共団体の中には住民税あるいは固定資産税、その他におきましても超過課税をしているところがたくさんある。むしろ私どもはこういうものの解消こそ早くはかるべきであるというふうに考えておるわけであります。そういう苦しい実態を続けておるわけであります。四年間も八年間もぎりぎりまで超過課税をしておりますと、どういう地方の村、町あるいは市におきましてもそれは非常な負担過重になっております。そういう実態は直さなければならぬのだけれども、背に腹はかえられないで、そういう超過課税をしながら、最小限度の行政需要すら達し得ない実態にある町村が多くなっている。しかも、今後これらの傾向は、いま論議されておりますいわば過密過疎の問題として大きく浮かび上がってきている、その実態に立っての大蔵省の考え方は非常に私は残念だと思います。ことに交付税の切り下げと関連いたしまして補助金の合理化も進めておられるようでありますが、これはどういうことになっておりましょうか。大体どの程度のものを対象にし、どのくらいの金額を減らそうとしておられますか。
○秋吉説明員 先ほどいろいろ質問がございましたが、補助金の整理につきましては、これはかねてからなるべく補助金は整理、合理化すべきだという各界の御意見もございます。特に地方行政サイドからそういう意見がいままであったことは御指摘のとおりでございまして、どうしても財政資金の効率性を高めるという面からいたしまして、まず零細補助金の整理をつかまえております。 それから職員設置費補助金でございますが、これもひとつ今回は見直しをしたいという気持ちでおります。 その他、高率な補助につきましても、あるいはたとえて申しますと教科書の問題につきましても、従来の経費負担等の制度からいって、地方の半額負担の問題等もあるのじゃないかというようなことをいま検討しておる段階でございます。
○山本(弥)委員 職員設置費補助はどういうのが対象になっておりましょうか。
○秋吉説明員 地方公共団体の職員設置費補助金につきましては、私どもは現在すべてを対象にして検討いたしております。
○山本(弥)委員 そういたしますと、保健所の職員あるいは保育所の職員、農業改良普及員等もそれに含まれておりますか。
○秋吉説明員 そのとおりでございます。
○山本(弥)委員 昨年補助金の超過負担として、保健所の職員の問題あるいは農業改良普及員、いま大蔵省がお考えになっておりますものに対して、地方公共団体の強い要望によりましてこの超過負担を解消する、私も本会議かどこかで質問をいたしましたが、三カ年で必ず解消をいたします、地方公共団体に御迷惑をおかけいたしませんということでなかったのでしょうか。
○秋吉説明員 職員設置費補助金につきましては、かねてからいろいろ議論のあるところでございまして、三十八年の十二月でございますか、補助金等合理化審議会というところで補助金の問題についていろいろ検討、御審議を願ったわけでございますが、その答申の中におきまして、地方交付税の財政需要の算定になじむような、たとえば職員設置費補助金のごとき補助金は地方の一般財源で処理するのが適当であるという答申もいただいておるわけでございますし、それから臨時行政調査会の改革意見におきましても、補助金等合理化審議会の答申を全面的に支持しておられるわけでございます。この問題は、一つはやはり職員設置費補助金は、御案内のように補助主体が地方公務員でございます。のみならず地方の事務に同化しておるわけでございます。等々から考えまして、従来の各界の御意見等もございまして、答申もございます。その線に沿いまして、地方の一般財源で処理するほうが適当である、こういう考え方で検討しておるわけでございます。
○山本(弥)委員 いまの対象になっております金額はどのくらいになりましょうか。
○秋吉説明員 職員設置費補助金は、昭和四十二年度ベースの数字で申し上げますと、職員数で約七万人でございます。金額で、これは四十三年度の補助金の金額でございますが、約二百数億だったと思います。
○山本(弥)委員 そのほかにございませんでしょうか、補助金の整理に対してお考えになっておるのは。
○秋吉説明員 保育所の補助金につきましても十分の八の補助を二分の一に切り下げたらどうだということも考えております。 それから地方債の元利補給金についてもこの際見直す必要があるのじゃないか、このように考えております。
○山本(弥)委員 北海道や後進開発地域のかさ上げといいますか、補助率のかさ上げ等をお考えになっておりますか。
○秋吉説明員 そういった地域立法のかさ上げにつきましては、御案内のように、現在いろいろ全国各地に網の目をめぐらしたような形になっておりまして、現在企画庁において新全国総合開発計画が進められておる段階でございます。そういう意味合いからいたしまして、この問題は基本的に見直すべきであるという私どもの考え方でございます。 それから、同時に、北海道等の御指摘がございましたが、これは御承知のように十分の十という全く地元負担のない補助体系が間々あるわけでございます。そういった問題を勘案いたしまして、これについても検討を進める、こういう考え方でございます。
○山本(弥)委員 検討を進めておられる金額はどのくらいになりますか。
○秋吉説明員 それはまだいまここで申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。
○山本(弥)委員 私は、大蔵省の行政は、いまお伺いしますと、昨年は超過負担について三カ年計画ですよ。三カ年計画で超過負担を解消するという一つの方針を打ち出しておる。ところが、次年度にはこれを削減しまたは減額するというような方針が突如として打ち出されてくる。これは地方公共団体に対する大きな不信行為じゃありませんか。政務次官、どうお考えになりますか。
○上村政府委員 ごもっともな御意見だと思うのです。それでございますが、いろいろ意見も出ておりますし、いろいろと政府全体の方針も出ておりますし、それから各種の答申もございまして、鋭意検討をしてきておるというわけでございます。
○山本(弥)委員 大蔵省がよくその方針を変更して、私どもも、この補助金につきまして、地方公共団体が地方公共団体の事務を進めていきます上に、いわばひもつき行政ということにならないようにしたいということは、これは地方公共団体の希望するところだと思います。しかし、いま問題にされておる保健所のごときは、今日保健行政の第一線の機関であり、その設置も義務づけられておる。しかも医療行政と関運いたしまして重要な保健所なわけです。医療費は毎年二割ずつ増高しておりますが、これも根本的な改正というのがおそらく来年は七月か八月ごろには実施をしなければならぬと思うのであります。おそらく地方公共団体に大きくしわ寄せになると私は思っております。また、地域住民の負担にかかってくると思うのであります。そのためにも援助は強化する。国もいままでやってまいりましたそういう保健所、あるいは今後総合農政をやります農業改良普及員、これらはもともと国と地方公共団体が共同の事業として推進してきたわけであります。これらを、零細補助金の合理化ということが国として話題にのぼっておるにしても、大蔵省の予算査定の過程において出てくるということはきわめて不合理である、不信行為である、かように私は考えます。しかも、補助金を何とかして地方公共団体を押えつけよう。先ほど、交付税で減額するおそれのあるという千億から六百億、これと関連いたしまして、補助金もそれに似たような金額で、いわば二者択一的に大蔵省が打ち出しているようなきらいがあると私は思います。(「きらいじゃないよ。」と呼ぶ者あり)事実かもしれません。そういう作戦かもしれません。今日の地方公共団体は、そういった重要な補助金、将来整理されるにしても、それは自主財源、あるいは交付税のそれこそ率の引き上げというようなことで解決つけなければならぬと思うのであります。おそらく財源といたしましたら二七、八%を占めていると思うのです。根本的な解決をお考えにならないで、予算の査定の過程において強引にこの問題を解決しようということに、私どもは、地方公共団体はもとよりのこと、地域住民といたしましても非常に不安を感じていると思います。これはぜひ自治省側の要請といいますか、実態を十分お聞き願って、早い話が、予算編成において地方財政の問題はもう直ちに切り離す。交付税の問題に触れないし、そういう必要な補助金も触れないという体制をとるべきだ、こう考えます。政務次官も大蔵大臣を補佐して今後おやりになるわけでしょうが、私は英断が必要だと思います。フィスカルポリシーといいましても、ことしの景気調整はどうでしたか。引き締め基調でも、設備投資はどんどん上がっておるじゃありませんか。また国民総生産も予想以上に上がっておるではないか。その陰には、中小企業は倒れて地方公共団体にしわ寄せが来ておる。そういう国の財政措置ですら、フィスカルポリシーである程度の効果はあるにしても、十分な効果を発揮することには私はきわめて疑念を持っておるわけです。それを、地方公共団体のいわば環境を整備するという差し迫っての仕事にまでこれを適用するという考え方は、どうも景気調整に名をかりて地方公共団体から財源を吸い上げるというふうにしか私ども了解できないのです。お考えになる考えはありませんか。
○上村政府委員 貴重な御意見だと思っておりますから、別段どうというわけではありませんが、しかし、そうでない考え方も、先ほど申し上げるように審議会の中間答申にも出ておりますし、大蔵の内部におきましても、先ほど私がるる申し上げましたような意見が強く出ておるわけであります。しかし、大きな問題でございますので、これは予算編成の過程におきましていろいろと話し合いを進めるべきであろう、こう思っておるわけであります。
○山本(弥)委員 まだ事務的折衝の段階というふうに受け取るわけでありますが、大臣、就任後最も重要な問題として、この問題を地方公共団体の自治を強化し、地域住民のためをはかるという意味で、交付税率の引き下げも、必要な補助金の打ち切りあるいは減額等につきましても、全力を尽くしていただけますでしょうか。
○野田国務大臣 先ほどからしばしば申し上げますとおり、私も大体において山本さんと同じ意見を持っております。ことに、地方交付税に対する認識といいますか、大蔵省側の考え方といいますか、その点は遺憾ながら大蔵当局と私ども見解を異にいたしております。零細補助金につきましては、総合的な補助金政策ともからみまして、いまおあげになった一々のことは別といたしまして、あまり零細なものはひとつ整理したらいいじゃないか、そして地方財政の自主性を固めるために、地方で引き受けられるものは引き受けてよろしいという考え方は自治省も持っております。しかし、個々につきましては、重要な、たとえば先ほどお示しになったようないろいろな点があがっておりますし、ことに後進地域のさ上げの問題につきましても、これらは非常に必要なものでございまして、これにりきましては大体山本さんと同じ意見を持っておりますので、その心がまえのもとにひとつ政治的な折衝をいたしたいと思っております。
○山本(弥)委員 こまかい問題になりますが、来年度の都市の財源につきましては自治省ではどういうふうにお考えになっておられましょうか。
○松島政府委員 都市の財源の問題につきましては、この前の国会で附帯決議をいただいておる経緯もございますので、目下税制調査会にもはかり、鋭意検討中でございます。
○山本(弥)委員 具体的にお考えになっておると思いますが、いずれまたそのうちにお聞きいたしたいと思います。 なお、公営企業につきましては非常にお骨折りを願うというふうなお話を聞いておりますが、来年度予算で公営企業に対しましてどういうふうな予算を要求し、その見通しはどうなっておるか、財政局長からお聞きしたい。
○細郷政府委員 一つは地下鉄についての、地下鉄の建設費のうちのトンネル部分について国で三分の二の負担をする、街路並みの負担をしてほしいという点、それから、そのほか、こまかいことは省略をいたしますが、公営企業の資金の金利を引き下げる、またその償還期限を耐用年数に合うように伸ばすというようなことが柱となっております。
○山本(弥)委員 見通しはいかがでございますか。
○細郷政府委員 地下鉄につきましては、現在一〇・五%の国の補助がございます。私どもはこの補助のあることはもちろんけっこうなことだと思うのですが、この補助の考え方は、基本に非常に経済性に重きを置いた考え方なのではないか。やはり地下鉄事業の現在都市交通に果たしております公共性ということも加味すべきだということから、先ほど申し上げたような要求をいたしておるわけでございます。なかなか難航でございます。率直に申し上げまして、主管の運輸当局を差しおいて私のほうが予算要求をしておるといったような役人同士の感じもございますし、なかなかむずかしい問題であろうと思っております。 金利の引き下げ、償還条件の延伸につきましては、非常にこまかいものをたくさん入れておりますので、できるだけ私ども今後骨を折って重点的にやってまいりたい、こう思っております。
○山本(弥)委員 いろいろ難航していることが多いようでありますが、私は冒頭申し上げましたように、地方公共団体の財政の好転ということが非常に喧伝せられまして、国民に、公共団体の窮状というものが政府当局に認識をされていないというもどかしさがあろうと思います。来年度予算の編成は、地方公共団体にとりましては新しい局面を迎えておる、しかも重大な局面だと私は理解をするわけであります。大臣の強力なる折衝といいますか、お願いをいたしまして、お約束の時間でもありますので、これで打ち切りといたします。
○吉川委員長 細谷治嘉君。
○細谷委員 私は地方公営企業一点にしぼってしばらく質問をしたいと思うのです。 そこで、まず大臣にお尋ねいたしたいのでありますが、けさの大臣のごあいさつの中に、地方公営企業の経営基盤の強化にその施策の重点を置く必要があると考える、こういうふうにおっしゃっております。少し具体的に、経営基盤の強化というのは一体何を指しておるのか、これをお尋ねしたいと思うのです。
○野田国務大臣 地方公営企業のになっておる使命というものは、申し上げるまでもなく非常に大きなものがあるのです。ところが、公営企業の実態を見てみますると、非常に財政上苦しい。四十二年度の赤字を見ましても三百七十億くらい出ております。特にこれは大都市の交通が非常に悪いようであります。しかも公営企業の資金と申しますか、これが、先ほど財政局長からもちょっと御説明いたしましたように、つまり企業でございますから、できるならば独立採算制でいくという、企業としてはそういう考えをしますけれども、これはなかなか望んでもできない実態です。そこで、しかしもう一つは、公営企業は非常に立ちおくれておりますから、これを促進しなければならない。いろいろな理由によって、この企業の実態からして、まず苦しんでおる資金面を何とか緩和といいますか、確保はできなくとも、緩和するくらいのところまでいかなければいかぬ。それには公営企業金融公庫の金利などは高い。しかも政府の出資なんかはわずかなものです。いまごろ三十億くらいの金を入れて、これが公営企業金融公庫なんというのは私はおかしいと思うのです。そういう意味において、しかも金利が高い。少なくとも公共性を持っておる企業に七分何厘なんという、また安くても六分何厘。七分前後の金利だ。これも私は間違っておる、こういう考え方に——財政当局はどういう意味において公共性をどこまで尊重しておるかと言いたくなる。私は自治大臣になったから言うのではありません。ほんとうに日本の国民生活から考えまして、しかも非常に交通が都市で困っておるから、いま財政局長が言ったように、地下鉄をつくると、それだって全く財源に非常に困っておる。かれこれ各地のいろいろなことがあります。これは細谷さん、私よりもあなたはよく知っておられるから説明しません。私どもの気持ちから申し上げると、そういう意味から公営企業の基盤というものを何とかここでもってひとつ直してやらなければいけない、こういう考えを持ったからそういうごあいさつを申し上げたのです。
○細谷委員 地方公営企業の経営基盤の強化ということについて、私はいま大臣の答弁をお聞きして、率直に申し上げますと、大臣になられてあまり時間がたちませんから、公営企業の内容についてはあまり御存じないんじゃないか、こう思っておったのですけれども、さすがに政治家、困難な地方公営企業の問題のつぼだけはぴしゃっといま私の質問に対する答弁の中に出てまいったわけです。 そこで、いまの大臣の答弁にもありました、しかも公営企業問題に関して、自治省は来年度一つの重点として企業債の質の改善ということをねらっております。せんだっての全国水道協会の大会においても、あなたのかわりに出た佐々木参事官も、それでだいぶPRしておった。どういうことをねらっていらっしゃるのですか。具体的にお尋ねします。
○細郷政府委員 御承知のように、外部資金、特に企業債で仕事をいたしております。その仕事の量を確保すると同時に質をよくしたい。具体的には金利を引き下げ、借り入れの条件を緩和する、こういったようなことを考えております。
○細谷委員 企業債の量を確保する、質の収善をはかる、こういうことでございますが、具体的には、いま大臣のおことばの中に、利子を下げなければいかぬ、こうおっしゃっておりますが、この問の水道協会の大会の決議は、政策利子として幾らを要求されておりますか。
○細郷政府委員 水道協会の大会は、たしか五分の金利にせよというように聞いております。
○細谷委員 たしかじゃないですよ。自信を持って、五分を要求している、そう答えればいいのです。五分なんです。いまの資金コストは幾らかかっていますか。
○細郷政府委員 いろいろな資金を入れておりますから、平均して六分九厘前後でございます。
○細谷委員 六分九厘五毛四糸ですね。大臣、これは高いでしょう。七分ですね。今度は幾らにするつもりですか。
○細郷政府委員 まず公営公庫の金利は、一般金利を五厘引き下げたい、それから特別金利は、上下水道は現在三厘下がっておりますから、そのままにいけば六分五厘になる、こういうことでございます。それからもう一つは、これは運用の問題になりますが、資金のかみ合わせについて団体の規模を考慮していきたい、現在も相当やっておるつもりでございますが、もう少し進めてやってまいりたい、こういう気持ちを持っております。
○細谷委員 それではお尋ねしますが、四十三年度の——地方債全体は聞きません、企業債において、六分五厘をこえておるもの、いわゆる政府資金は六分五厘ですわ。六分五厘をこえておる金額と、六分五厘との比率はどうなっておりますか。
○細郷政府委員 四十三年度の計画で申しますと、公営企業全体で六分五厘の政府資金の構成比率で四七・四%、国庫資金が一八・四%、市場公募資金が一四・六%、縁故資金が一九・六%、こういう資金配分になっております。四十三年度だけの金利区分は、ちょっといま手元に持っておりませんが、四十二年度末の企業債現在高の利率別を見ますと、六分五厘以下というのが約半分、五〇・九%、それ以上が残りの部分であるわけでありますが、その中で特に多いのが七分三厘の三五・八%、こういうことです。
○細谷委員 四十四年度の地方債計画と、その中の地方公営企業関係の企業債、それらは質の改善に重点を置くというのですが、政府資金六分五厘の比率をどこまで上げようとしているのですか。
○細郷政府委員 事業の種類によりまして資金の区分を変えておりますので、全体で申し上げると、公営企業全体を通じまして政府資金が六千七百十七億、公募資金が三千三十九億、こういう割合でございます。
○細谷委員 大体半々といっているのを、上水道で大体六三%程度、下水道八割程度、工水道が半分ですか、そういうふうに政府資金を上げようとしているわけでしょう。そうしますと利子が五厘下がりますか。
○細郷政府委員 全体では五厘は下げられません。先ほど申し上げましたのは公庫資金についての金利を引き下げたいということでございますので、あとは先ほど申し上げたように事業の規模の大小等を考慮して資金のシェアを変えるくふうをしてまいりたい、こういうことでございます。
○細谷委員 そうしますと、先ほど大臣がおっしゃった公庫資金は、財投も入れて現在わずかに三十三億円、ちょっと拾ってみますと、大臣少ないというのは全く同感ですよ。大体国民金融公庫が四十一年度末で二百億円の政府出資です。それから住宅金融公庫が九百七十一億円の出資です。農林漁業公庫が千六百八十二億円の資本金ですよ。公営企業金融公庫は六千ばかりの事業があるのにたったの三十三億円、今度その資本金の増加をどのくらい要求しているのですか。
○細郷政府委員 資本金出資の増加は九億の要求をいたしております。ただ別途、公庫の貸し出し金利を五厘下げるために、利子補給という方法で明年度は国庫から三億ほどの利子補給を別途に要求しております。
○細谷委員 九億ばかりの資本金の増加、満貫でいっても四十二億ですね。農林漁業金融公庫の千六百八十二億と比べますと大体四十分の一ですね。大臣、こんなことでよろしいのですか。水は飲まなければ生きていけないのですよ。空気と同じように重要なんです。それをほとんどやっているのですね。そういうのに国の資金が、けちな話で、十億円からスタートして、現在法律に書いてあるのはたしか二十四億円、それからちょっちょっと予算の範囲内で加えていって現在三十三億円、それでもこんな、ノミについているノミみたいな要求をして、それで問題が解決すると思うのですか。秋吉さん、あなたは忙しそうだから尋ねるけれども、あなたのほうは、公営企業金融公庫というのはなるべく育てない、本来の役割りを果たさぬでもいいという考え方に立っていらっしゃるそうですが、ほんとうですか。
○秋吉説明員 そういう考え方は持っておりません。公営企業につきましては、その重要性については、私どももちろん十分認識しておるつもりでございまして、独立企業体、独立採算制というたてまえで公営企業体は運営されるべき筋合いのものでございますけれども、なお公共性をよく勘案いたしまして、それぞれの事業、たとえて申しますと、地下鉄につきましては一〇・五%、それから上水道につきましては広域水源涵養のための補助金、下水道については最近補助率を上げる等々、いろいろの措置を講じてきておるわけでございまして、決して公営企業について、その重要性を消極的に考えておるというつもりはさらさらございません。
○細谷委員 さらさらないのに、ほんとうに話にならぬような金額ですね。大体新聞等には書いてあるわけですね。大蔵省が、自治省の専管的なところにある公営企業金融公庫などを育てることは外様大名を育てることだからまかりならぬ、こういうようなことで目のかたきにしている、こういうふうに新聞は書いてあるのですよ。秋吉さんはそうじゃないかもしらぬけれども、過去の大蔵省の幹部はそういう考え方であったかもしらぬ。だから、結果は歴然としていますね、たった三十三億円、こういうような状態になっておるのですが、大臣、こんなことでは——大体国民金融公庫ですら二百億、これは四十一年ですね。住宅金融公庫は一千億に近い資本金ですよ。公営企業金融公庫がわずかにこのくらいの資本であるということは、これはたいへんおかしい。大臣は、これはすぐ気づかれたようですね。こんな程度ではだめだということにお気づきになったようです。ここに私は一つの問題がある、大臣が感じたとおりだと思うのですよ。この問題をひとつそこに置いておきます。 そこで、次に申し上げたいのでありますけれども、四十四年度の地方債については、公営企業金融公庫の資金については五分程度に下げたい、こういうことでありますが、今日の公営企業はそれだけで救われますか。あなたのほうでは——この前私は申し上げたのですけれども、地下鉄については、資本費がどんどん増高しちゃって、これではとてもだめなんだ。ですからトンネル部分については、道路が通れないから下に下がるわけですから、道路と同じように、三分の二に相当する元利をひとつ国で見てあげなさい。これは運輸省と少しかち合っております。運輸省の形とちょっと違いますけれども、元利を見てやりなさい。去年は、もう一つ、全国の水道料金の平均よりも相当高いものについては、国からの何らかの財政的な助成をしてやりなさい。この二つが柱になっておったのですが、二つともみごとにぶった切られた。今度は一つしか要求していない。地下鉄のやつしか要求していない。新聞によりますと、その地下鉄のやつもパーだと書いてあるのですよ。もうパーにしたのですか。
○秋吉説明員 この問題は、自治省の問題と、それから運輸省の問題と二つございまして、運輸省の概算要求は、従来ベースの考え方で要求が出ております。自治省の概算要求は、運輸省と違った三分の二負担理論で要求が出ております。運輸省の要求と自治省の要求が食い違っておるかっこうになっております。したがいまして、この問題については、部内で現在慎重に検討中でございまして、最終結論は、いまここで申し上げるのはいかがかと思いますが、いずれにいたしましても、地下鉄の問題については、現在一〇・五%の利子補給の形式をとっておりますが、問題は、地下鉄が非常に建設資本がかかりまして、一時は相当な赤字が出ることは当然でございますが、これを長期にながめた場合にはどのようにまた黒字になるかといった長期の見通しもやはり立てる必要があるというようなこと等からいたしまして、現在慎重に検討中でございます。
○細谷委員 運輸省と自治省の要求の内容が違っておる。しかし、ねらいは同じところにありますから、大蔵としては両方が争っておる、けんかさせておいて、あとでちょん、もうその意図はよく見えておるのですよ。私は、大臣に申し上げたいのは、去年二つの柱でやったのがちょんになった。今度は一つにした。一つにしたが、これはまた運輸省とかち合った、いま秋吉さんが言うように。新聞ではもっぱらちょん、いまのことばから聞きましてもちょんの可能性が非常に強いのですね。そういうようなことのようであります。私は、この問題もさることながら、これからの問題としての利子についてあなたはお考えになっておるのですけれども、今日の公営企業を立て直すためには、秋吉さん、あなたは——これは自治省の財政局から出ておるのだけれども、この十二月号、これに地下鉄のことが書いてあるが、長い目で見たらと言いますけれども、これを見てごらんないよ。毎年毎年資本費がうんとふえちゃって、長い目といっても、五十年先には、かりに、借金を返したら楽になるかもしれませんが、どんどん資本経費がふえちゃって、それまで生きていかないのですよ。長い目もくそもありやしませんよ。現在できないで、五十年先のことが議論できますか。そんなようなのんきなことを言っておったって話にならぬ。ですから長い目でものを見なければいかぬけれども、足元はやはりきちんとしておかなければ生きていかないのですから、その彼岸に到達することができないから、その辺はよほど考えていただかなければいかぬ。 そこで、財政局長が利子を下げるために非常に努力をしておると言った。これは当然水道のほうが、水道協会等は五分にしてくれ、これでなければやっていけないというのですが、少なくとも六分五厘にする。六分五厘以上のものはないようにこれからの起債はしていただきたい。これは大臣、いかがでしょう。
○野田国務大臣 この地下鉄の問題、その他公営企業についていろいろ大蔵省も検討いたしておりますが、私、これは細谷さんにひとつ参考に申し上げるが、独立採算制が望ましい姿だと最初申し上げたのですが、この独立採算制に持っていく場合に、つまり受益者負担というか、それが私は国家全体から考えぬと、大蔵省も考えなければ間違っておると思う。たとえば独立採算制で料金を上げればいいというが、物価にどう影響するか、物価対策はどう持っていくか、こういうことがございますから、公営企業に対して非常に財政的な基盤を固めたい。その意味は、公共性を持っておるからということが第一である。 第二は、いわゆる独立採算制が望ましい。私は原則はいまの主計官と同じでございます。私もそう思う。しかしそれができないのです。できないところにこの問題の取り上げ方があるのです。だから、どこの人がどう長期見通しと言ったか知りません。私はそれはおかしいと思う。それができれば楽なんです。受益者負担さえどんどん増していってやれば、それはすぐは独立採算制でパーはしないかもしれぬけれども、非常に財政計画は楽なんです。それは国家の要請からして、それが物価に影響するとか、地域住民の負担を重くするとかいろいろなことが出てくるのですから、こういう問題の取り扱い方について政府全体の総合的な計画性というものが欠けているんじゃないかという気が、これは私はどの役所が悪いというのじゃありませんが、ひしひしとあなたの御意見で感ずる。 そこで、ある意味からいえば、そういうのは別にこの問題一つ取り上げて申し上げるのじゃありませんが、今日ほんとうに私は役所に入ってみて、別に勉強もしておりませんが、私、聞いていると、公営企業というものをどう政府が考えているか非常に疑問に思っているのです。だから、いまお話しの金利の問題、私は一番に感じましたのは、いまごろ公共性を持っている事業に七分とかなんとかいうような金利をつけておいて平然としておるというようなところに非常な疑問を実は私も持っているのです。だから、いまの六分五厘、これは私は大体妥当な線と思っておりますが、しかし事務当局はどういう折衝をいたしておりますか、また、これらについては私がそうやるとかやらぬとかここで明言いたしましても——私はそういう心がまえで、今後予算編成その他について当たりたいと思っておりますが、いま事務的にどういう折衝をしているのか。また、いまおっしゃった出資の問題にいたしましても、まさか大蔵省が公営企業金融公庫をつぶそうとは毛頭考えてないと思いますけれども、実は大体スタートを切るときから私はおかしいと思うのです。これはお話のとおり公営企業金融公庫という以上は、もう少しねらいどころがあったんだろうと思うんですが、こんなものは三十億か二十億、別にまた機関をつくったほうがいいと思うのですが、こんなことで公営企業金融公庫でございますといってこれを活用するといったって——いま日本が世界で三番目の生産国になって高度経済成長のときに、このくらいの金持ってきて公営企業金融公庫……、私が言うのはこのスタートに疑問を持っているんです。どういう意味でこれに賛成してつくっておるのか、私はそう思っているのです。つくるならそこに持っていくようにつくったほうがいいと思います。これは過去のことだから、いま過去にだれがやったかということは私は申しません。だから、いまあなたのお話のとおり、金利の問題は特に重視しております。資金は公営企業金融公庫ばかりたよるのじゃありませんから、これはいろいろな資金がございましょうが、金利は少なくともいまお示しのような金利まで持っていくというのが望ましいし。ぜひそれを実現したい。しかし、いま事務折衝の段階でございますから、私はそういたしますという明言はできませんが、私の心がまえは全く細谷さんと同じ考えを持っております。
○細谷委員 大体、水道協会等は、大会で五分と政策金利でいけ、こう言っております。しかし、そこまで一ぺんにいくのは無理なので、六分五厘、具体的にいえば、公営企業は重要なんですから、政府資金一〇〇%出してやれば六分五厘でいくわけです。ですから、何も公営企業金融公庫の出資、これはばかげておりますけれども、資本金の問題じゃなくて全額——半分じゃなくて、あるいは六〇%じゃなくて、一〇〇%政府資金で六分五厘でやれば、これは非常に利子が安くなる、こういうことです。ひとつこれは六分五厘はぜひ四十四年度は実現していただきたい。 そこで私は、問題は新起債のことである、これからの問題であります。ところが、今日までの既往債、四十三年度までの既往債で六分五厘をこえておるものは幾らありますか。
○細郷政府委員 公営企業全体を通じて、先ほど申し上げましたように、約半分でございます。
○細谷委員 大体私の計算では、おおよそ六千三百億円あるんですよ、既往債で六分五厘をこえておるものが。たいへんな金額ですね。これも大臣、独立採算制ということを政府がおっしゃるならば、ひとり立ちできるだけの経営基盤をつくってやらなければならぬというのが、大臣のけさのごあいさつの趣旨だろうと思うのです。ですから、高利でやっては立っていかぬのですから、これも将来のものを六分五厘にするというなら、既往債も六千三百億あるけれども、これもやはりどうしても六分五厘にしてやらなければ、独立採算なんていったってとてもできないことだと思うのであります。これについても大臣、今後の新起債ばかりじゃなくて、六千三百億ある既往債についても、やはり六分五厘ということでやってもらわなければいかぬと思うのです。これはいかがですか。
○野田国務大臣 お話の筋はよくわかりました。これも事務的にもう少し掘り下げてみまして、どういう手を打てばいいか、私はいまちょっと自分自身じゃ内容的なそういったやり方について確信を持っておりませんが、これは必ず事務的折衝の内容を聞きまして、ひとつ検討してみたいと思っております。
○細谷委員 そこで、大臣は新起債ばかりじゃなくて、既往債も同じように扱っていく、そうして六分五厘にするように努力する、こういうお約束をいただいたわけです。 そこで私は、もう一つ問題にしたいのでありますけれども、「四十二年度地方公営企業決算の概況」こういうのを見ますと、不良債務額というのが四十二年度に千二十七億円あるわけなんです。これを四十一年度に再建債を発行いたしましたので、千百三十八億円あったわけですから、百十億円程度不良債務額は減っているわけです。これは例の再建債というのが五百三十億円ばかり出たために減っておるわけですけれども、実質的には不良債務というのが四十一年から四十二年の決算の問に大体二百七十億円程度増加しているということであります、再建債を加えて見てみますと。こういうことになっております。このことを裏づけるかのごとく、あなたのほうの十二月号の雑誌を見ますと、あなたの部下がどういうことを書いてあるかといいますと、こう書いてあります。参考に読んでみます。あなたの部下ですよ。「不良債務額は前年度六百四十一億円から四百九十六億円と百四十四億円の減少となっている。これは前年度五団体が百十億円の財政再建債を発行したのに引き続き、本年度も八団体が三百七十三億円の財政再建債を発行し不良債務を棚上げしたためであり、財政状態が実質的に好転した訳ではなく、これら再建債を流動負債とみなした場合四十二年度不良債務額は九百三十二億円となり、前年度七百五十一億円より実質的に百八十一億円の増加となっている。このように収益的収支の状況は悪化の一途をたどり、その経営も全く行き詰ってきている。」。せっかく地方公営企業法を改正して利子補給という新しい制度を生んだのでありますけれども、そして再建債というのを出したのでありますけれども、あなたの部下は、いよいよ行き詰まってきている、こう書いているのですよ。一向よくなっていない、こういうことなんです。不良債務というのは、これは大臣、何とかしてやらなければ、これからの起債もそうでありますが、既往債のほうも利子を下げてやらなければなりませんが、この不良債務の千二十億円程度のものがある限りにおいては、これはうみですよ。このうみを切開してやらない限りは、私はどうにもならないと思うのであります。大臣、この不良債務というのは、言ってみますと、年度の初めに銀行から借りてきて、年度末に返して、また翌日の年度初めに借りるというころがしでありますから、利子はものすごく高い。八分近い利子を払っておるのではないか。これが千二十億円もあるのですから、これはたまったものではないです。どうあがこうたって、これは財政再建あるいは経営基盤の強化という形にならないので、これをどうしても処理してやらなければならぬと思うのです。そのうちの一部分は、具体的に言いますと、三分の一は五百数十億円の再建債へ切りかえましたけれども、残りの三分の二が残っておる。これがたいへんなうみになっておると申さなければならぬ。もっとずばり言いますと、再建のやり方がきわめて不十分だということを申し上げなければならぬと思うのであります。ですからこれはどうしても切開手術をしなければいかぬ。私もこれをまた、極端に言うとこれは再建の措置が悪かったのだから、その二、三年前にさかのぼって再建をやり直せということは申し上げません。再建計画は計画としてやってきたのですから、これに何かの手を加えてやらなければならぬ、治療対策をしてやらなければならぬと思うのであります。そこで私は、これについても七分五厘とか八分なんという利子では立っていかないのでありますから、やはり少なくとも政府資金程度の利子にしてやらなければ、六分五厘程度の利子にしてやらなければ、不良債務は依然として不良債務ということになると思うのでありますが、いかがでございましょう。
○野田国務大臣 私は企業経営の内容をつぶさにわかっておりません。いろいろいま拝聴しておりまして、非常に参考になりました。不良債務をそれだけ高額しょっている、しかもこれは銀行から借りているから金利が高いにきまっております。これはまた事務当局もおそらくいろいろ頭を悩ましておるところだと思います。検討いたしまして、ことに不良債務でございますから、これがだんだん焦げついてやっておりますれば、もう健全な経営地盤なんてできるものではございませんし、事務当局にすっかり聞きまして、いろいろ対策も考えてみたいと思っております。
○細谷委員 そこで大臣、私も、非常に内輪でありますけれども、何とか大臣と同じように経営基盤を安定させるためには、六分五厘という利子をやはり地方公営企業債については全部にかぶせてやらなければならぬではないか、こう思いました。しかし、これからの、新しく四十四年度の新起債——既往債の六分五厘をこえるものが六千三百億もある、千二十億の不良債務があります、こういうものを大まかに見まして、これを全部公営企業金融公庫にその六分五厘になるように資本金をふやしていただけば、これはもう私はいいわけなんです。大臣、概算しますと、農林漁業金融公庫の四十一年度の千六百八十二億なんというほど資本金をふやさぬでもよろしいわけですよ。私は、来年度の措置としては、一ぺんにはいきませんものですから、そういうようなばく大な企業債をひとつ六分五厘に全部するためには、半分は公営企業金融公庫の資本金をふやすことによって——そうするとこれは資本金でありますから利子がつきませんから、まるまるそれは資金コストにかかってきません。それから、半分くらいは、先ほど細郷さんが言ったように利子補給をしてやる。公営企業金融公庫に利子補給、まあ利子補給というのは政府機関におかしいということであれば、相当額補給金を出してやる。そうして逐次資本金をふやして、最後には全部資本金でまかなえるようにしてやる。そういうことになりますと、農林漁業金融公庫とか住宅金融公庫の資本金程度にしてやれば、これはもう大体公営企業の安定の基盤というものは私はできると思うのです。不良債務の問題も含め、既往債の問題も含め、これからの問題も含めて私はできると考えております。こういうことでひとつ大臣、私は、私の案ではいろいろ計算したのでありますが、とりあえず不良債務は全部見てやる、既往債についての半分はひとつ資本金のほうのあれで見てやる、残りのやつは補給金等でやってやるということになると、大体六百億円程度資本金を公営企業金融公庫に出してやる、三十億円程度公営企業金融公庫に補給してやれば、いまの公営企業の経営基盤というものは完全に私は固まると思うのですよ。これは私の私案です。これはひとつ大臣、即答はできないでしょうけれども、私どもも、こういう点で御検討いただいて、ぜひひとつ大臣の考えと基本的に一致しておりますからやっていただきたい、こう思うのですが、いかがでしょうか。
○野田国務大臣 基本的な考え方は私は非常に理解いたしますし、また、そうありたいと思いますが、ただいま事務当局からもお聞きになりましたとおり、来年の公営企業金融公庫の資金のワクを九億くらいにやってみるとかいろいろお聞きになったとおりでございまして、ことに従来長い間にわたってこういう不良債務その他いろいろな高利の借金をしておる。これで四十四年度でもって、一年間できれいさっぱりになる、そうなれば非常にけっこうですが、これは私としまして努力をいたすと申しましても、ここで私いいかげんなことを言いたくないから申し上げるが、来年四十四年度ですっかりきれいにすることにいたしましょう、努力いたしましょうということを私が言い切れないのは残念です。しかし、これは長期的に見て、何年計画か、こういう計画をもってやれば、そういう負担の漸減の方向を考えなければ、地方公営金業というものは成り立たないというふうに感じます。 ただ、四十四年度に公営企業金融公庫の資金を六百億にするとか利子補給、これはよくわかりますけれども、これはいまの、たとえば先ほど論議がありましたとおり、地方交付税まで引き下げようというような腹がまえで、どっちかというと、ことばが当たるか当たらぬかわからぬが、ここに大蔵省の方もおりますけれども、ざっくばらんに言えば責められているような状態でございます。 〔委員長退席、大石(八)委員長代理着席〕 そこで、四十四年度にひとつこれがきれいさっぱり健全経営に持っていくことにするには、これはもう御意見はよくわかりますが、いまのところ、努力はいたしても、なかなかむずかしいことじゃないか。これは逃げ口上でも何でもない。実態を私は知っておりますから、なかなか現実的には困難が伴う、そう思っております。
○細谷委員 最後に大臣、私は、半分は資本金で半分は補給金で、こういうことからスタートしたらいかがかと思っております。そして、だんだん本来の資本金でまかなって、六分五厘というものは全部まかなえるようにすればいい。だから、一年に一%ずつ上げていけば、六年目にはもう完全に一〇〇%になるのですから、それも資本金も大したものじゃない、こう言っている。しかし、大臣がおっしゃるように、それにしても半分というと、最初の年に、来年六百億も入れなければならぬが、けさの新聞を見ますと、なかなか財投の資金が足らないとか、あるいは財政硬直化とかなんとかいっている。あるいは、細谷のやつは五分五分で出発しても、おれはひとつ三、七で出発しよう。その分は現実には政府資金の六分五厘のやつをよけいとってやればいいわけだから、資本金にしなくたって、政府資金の六分五厘をよけいとってやる。おれは、ひとつ三割で、資本金で七割はやって、スタートは二年ばかり私の案より後退しているけれども、それで七年がかりでやろう、八年がかりでやろうということであれば、基本的には一致するのであって、具体的にはその辺の詰めになろうかと思う。 そこで大臣、九億円の要求というのは撤回してくださいよ。これは大臣の御意思じゃありません。九億円なんというのは話にならぬのですから。資本金の三十三億を四十二億にする九億円なんて話になりませんから、撤回してください。要求し直す。そこをお答えください。
○野田国務大臣 自治省の財政計画上、これは細谷さんの御意見と違ったことを申し上げなければなりませんが、やはり各方面に財政措置の全体をにらんでやったことだと思っております。そこで、これもひとつ事務当局と打ち合わせますが、すぐ撤回するかどうか、この場でもってお答えできないのは、いろいろバランスをとって、おそらく総合的は自治省の財政計画に基づいてこういう数字が出ると思っておりますから、一応検討してみます。
○細谷委員 もう、けさバランスということを大臣からお聞きしたのですよ。このバランスはいまやもう客観的に通らないことであって、公務員給与でも、逃げのためのバランス、バランスということを言っているわけですね。ことしは金がないなんということを言えませんから、財政支出のバランス上ということで、この間の閣議でも逃げておるでしょう。大臣のおっしゃる金利が高過ぎる、それを直さなければいかぬということであれば、これは大臣、バランスもへったくれもない。もう九億円なんてバランスは完全にくずれちゃって、ものの役に立たぬのですから、こういうものではなくて、大臣のおっしゃったスタートラインは私と違うかもしらぬけれども、これからスタートするんだというところにひとつ戻していただきたい。ここで正確なお答えを聞くことはなんですが、九億円なんということは話にならぬ。これは交付税率の三二%を守る、こういうことも大臣の非常に重要な使命でありますけれども、公営企業のこれを守っていくというのもたいへん重要な問題でありますから、それを九億なんということで、ここで撤回できない、私はどうも大臣の決意は変わらないと思いますけれども、不満でありますが、強く要請しておきたいと思う。 そこで、事務当局に最後にお聞きしたい。 地方公営企業法二十二条の二に、「企業債の償還の繰延べ、借換え等につき、法令の範囲内において、」こういうふうに書いてございます。それから地方財政法の五条、それから地方公営企業法の四十八条、それから四十五条の財政再建債という項があるのです。不良債務というのは企業債ですか、どうなんですか。 不良債務というのは、企業債として扱いませんか、扱いますか、首を振るのではなくて、ことばで答えてください。
○細郷政府委員 いま、それはそれとして扱っておりません。
○細谷委員 どうして扱えない。
○細郷政府委員 企業を経営していく上におきまして、建設改良の資本的な資金として現在企業債を認めておりまして、運転のための資金としては企業債を認めないというたてまえに立っておるからです。
○細谷委員 四十五条は何ですか。財政再建債は企業債でしょう。企業債じゃないですか。
○細郷政府委員 四十五条は、御承知のように、財政再建のための特別の起債ということで特に法定をしてあるわけでございます。
○細谷委員 不良債務はどうして企業債ではない。あなたのところの佐々木さんという人が解釈を書いているよ。不良債務は、扱えるのじゃないの。あなたのほうはかたくなな解釈をしているからだ。あなたの部下である佐々木さんの解説には書いてある。あの本は否定なさるのですか。
○細郷政府委員 法律の解釈を、現実に運用いたします場合には、それぞれそのときどきの判断でやるものだろうと思っております。
○細谷委員 四十五条で不良債務を再建債にした、それは企業債でございます。残ったのは四十八条によるのか、二十二条の二によるのか、いずれかでしょう。二十二条の二の解釈については、不良債務も企業債とみなすことができる。運用の問題ですよ。あなたのほうはかたくなにやっているのです。私は、そういう不良債務も運用の場合企業債と扱うことができる、こういうお答えを聞けばそれで終わりなんだ。
○細郷政府委員 そういった種類のものに起債を認めるがいいかどうかということについては、私はやはり相当慎重に考えなくてはいけないと思うのです。やはり運営を行ないます場合に、資金繰りをどういうふうにしていくかというのに一つの前提を置いて経営をするところに私は経営の一つ柱があると思うのです。したがいまして、そういうものを認めるのだということになってまいりますと、その経営の基本の姿勢がくずれる心配もあるわけでございまして、そういったようなことからいたしまして、現在は、先ほど申し上げたようなことにいたしておるわけでございます。
○細谷委員 二十二条の二ではだめだということですね。あなたのほうの参事官が書いた本には、見られる、企業債だと書いてあるのだ。あなたが否定なさっているのはおかしいじゃないか。 それではお聞きしますが、四十八条に、「国は、財政再建団体が財政再建計画を実施するため必要があると認めるときは、企業債の償還の繰延べその他再建企業の財政の再建を促進する」云々と書いてありますが、「企業債の償還の繰延べ」及び借りかえ「その他再建企業の財政の再建を」と書いて、そしてその不良債務も借りかえをしたならばよろしいですか。
○細郷政府委員 先ほど申し上げましたように、運用の問題としてそこまでやることがいいかどうか、これは別個の判断の問題だろうと思います。
○細谷委員 運用の問題で逃げている。しかし、私が言うのは、これからのものも低利に安定させなければいかぬ、既往債についても低利なものにかえてやらなければならぬ。同時に、千二十億の不良債務というもの、これはうみですから片づけてやらなければいかぬ、そういうことで申し上げてきたわけですけれども、財政局長は不良債務というのは再建の姿勢上問題がある——姿勢の問題は別の問題ですよ。そういう形で指導すればいいんです。これは借りかえてやらなければどうにもならぬでしょう。現にやっているじゃないですか、あなた。たった二十億の企業債のうちに十一億も二億も不良債務というときに借りかえてやったことがあるでしょう。財政再建団体じゃないところに運用でやっているじゃないか。あなたのほうの解釈に書いてあるでしょう。それをここでやらぬというならば、言ってみればこのやり方というのは、小さなあめ玉をやって過酷なむちを財政再建団体、いわゆる自力以外の他の条件によって経営がうまくいかぬ——自力の問題もあるでしょうけれども、決定的なものは他の要因ですよ。都市交通なんて、走ろうとして走れないのですよ。そういうものを無視して、わずかなあめ玉、それも法律では三分五厘以上と書いておきながら、さんざん政令でしぼり上げておいて、甘くもないあめ玉をやっておいて過酷なむちでたたきつけるという、こんなことでは公営企業は直りませんよ。大臣、ああおっしゃっているのですよ。企業債でやっているんでしょう。そしてちゃんと自治省参事官佐々木それがしが書いた本にも、不良債務というものは借りかえ等で企業債だと書いてあるのですよ。財政局長はこれを認めないのです。ですから私は、ことさらにこの条文に照らして、きのう認めるか認めないか心配だったものですから法制局に行って聞いた。法制局の見解も、やはり企業債です、こう言うのです。問題は運用の問題です、こう言う。運用でかたくななんです。大臣どうなんですか。この返事を聞かなければ私の質問は何にもならぬですから……。
○細郷政府委員 先ほど申し上げましたように、やはり運用をさせていく上にそういうものに起債を認めていくことがいいかどうか、これは非常に慎重な考慮を要する問題だと思います。確かに民間でございますと、建設投資以外に運転資金を認めるということがございます。産業の種類によりましては、むしろもっぱら運転資金によって経営を行なうというのもございます。そういうのに比べてどうなんだという議論は、やはり公営企業について実は前からあった問題でございます。ただ、私がいまの時点で申し上げておりますのは、再建団体において再建債を発行して再建計画をつくってそれをどう忠実に、またどう事態に合わせて適正に運営していくかという個々の具体的な問題になると思うのであります。したがいまして、そういった問題につきましては、私ども前から申し上げておりますように、ケース・バイ・ケースの問題としてやっておるのでございます。ある団体に対しましては、水道等において御承知の借りかえ債を認めております。しかしながら、一般的にそれは法律的に可能だからいいんだ、こういうことでそのとおりに運用いたすことは、私は公営企業の健全なあり方としてはたしていいのだろうか、将来の研究問題であろう、こういうふうに思っております。
○細谷委員 いまの答弁で私はこういうふうに理解いたします。法律的には可能である、不良債務は企業債という自治省の佐々木さんが書いたこれは自治省の統一見解で、細郷さんも大体法律的にはそれはそれでいいだろう、しかし運用については個々の内容も違うし、十分慎重にやっていかなければならぬ、ケース・バイ・ケースに対処していかなければならぬ、こういうことだと思うのです。私も当然だと思うのですよ。法律に入らないなんということになりますと、議論はこれはもう下がるわけにいきませんけれども、法律的にはそれはできるんだ、しかし運用については慎重に慎重を期して運用をしていかなければならぬ、こういう財政局長の答弁であろうと思うのでありますが、そういう理解でよろしゅうございますか。
○細郷政府委員 私の申し上げ方が悪いのかもしれませんが、多少整理が行なわれておりません。借りかえにつきましては、特別のワクを設けまして特別の場合にやっておりまするけれども、一般的な不良債務についての起債を認めるかどうかということになりますと、私はやはり法律上も制度を改正していかなければならぬ、こういうふうに思っております。
○細谷委員 法律改正せなければいかぬ……。
○細郷政府委員 そういう不良債務についても起債を認めるんだという制度をつくるということになりますと、やはり私は法律の改正が必要だ、こういうふうに思います。
○細谷委員 そうしたら、あなたのところの部下が書いて、自治省の参事官という名前で売っている本は、あなたと見解が違うんだから、そんなことじゃ困るよ。
○細郷政府委員 どこの条項で書いているか、よく帰って調べてみます。
○細谷委員 地方公営企業法二十二条の二あるいは四十八条、それから地方財政法五条の地方債の規定、こういうものからいって、法制局もそれは企業債としていいんだ、ですから問題は二十二条の二の運営なり四十八条の運営である、こうおっしゃっておるのですけれども、しきりにやっぱり法律の改正が必要だ、こうおっしゃるのです。しかし、先ほど私は大臣にもお聞きしたように、うみを手術しない限りは、せっかくのものもよくならないわけですから、それではやっぱりそこからやらなければいかぬでしょうが、あなたがくしくもさっき言ったように、それは法律上はいいんだ、要は運用なんだ、その運用が慎重に慎重を期してあだにならないようにやっていかなければならぬ、こういう態度で運用してもらいさえずれば、私は現行法律に手をつけなくていいんじゃないか、こういう見解なんです。大臣に私はお聞きしたのですけれども、財政局長が横からとって答弁してしまうものだから……。
○野田国務大臣 いまの法律解釈の問題でございますが、細谷さんは現行法でいける、財政局長はやっぱり法律改正しなければ現行法は適用はむずかしいというような——絶対むずかしいかどうか知りませんけれども、しかし基本的なお考えは、不良債務を何とかして解消するほうに持っていかなければならぬということは、もうそのとおりでございます。したがって、法律論でございますから、私が軽々しくそれはこっちがいい、どっちがいいということは言えませんので、これは大事な法制上の問題でございますから、軽々に取り扱うわけにまいりません。私は、先ほど運用上非常に慎重を期するということでいけるかと思っておりましたが、やはり財政局長は局長の立場で非常に責任がございますし、これは法律問題になってまいりますから、事務的に私もよく聞いてみていろいろな解釈をひとつしてみたいと思っております。
○細谷委員 最後に一つ。大臣、私は実は細郷局長がいまのようにどうも運営の問題で渋るのではないか、どうもそこまでの解釈はできないのではないか、こういうふうに言うのではないか、そこに因縁をつけるのではないか、こう心配しましたので、自治省の担当官が書いた本も見たし、わざわざ法制局に参りまして、そんなことでは、どうも一番大切なうみの切開のところができないということになると所期の目的が達成できないから、これはどうしても二十二条の二なり四十八条に手を加えたほうがはっきりするのではないか、まつ正面から公営企業の再建に取り組めるのではないか、私はこういう意見を申し上げたのです。法制局も現行法でよろしいというのです。それを何も、現行法で運用でやれるものを、わざわざそういう手を加える必要はないんです、細郷さんが言うように。そういう修正は必要ないんです、こういう法律専門家のことばでありますので、私はいま法制局の立場に立って、実は細郷さんがああ出るだろうと心配したから、これはもうはっきり運用の問題でだめになったというようなことが起こらないようにきちんと切開手術できるような法律上の手だてをしたほうがいいのではないかという立場に立っておるので、ある意味では違った意味において細郷さんと同じ見解に立っておるわけであります。しかし、法律の専門家がそうおっしゃるものですから、それならば運用に慎重を期しさえすればいいのではないか、現行法でやれるのだということを細郷さんもさっきちょっと言いかけたから私も了解しようとしかけたんですけれども、またくどくどと言うものですから……。ですからこれは大臣がぴしゃっと結論をつけてくれさえすれば、政治家の結論でいいです。
○野田国務大臣 それは政治的な判断でやってけっこうだということでございますが、やはり法律の問題でございます、いまの論議を拝聴していますと。政治的に判断ができることなら、私は決して局長の意見を聞いてそのほうに味方するとか、また細谷さんの御意見にどうという——私は公正に正しい意見には賛成したいと思いますけれども、事法律の問題でございますから、これを私が政治的に判断するということは、これはただ公営企業法の問題ではなくて、やはり一般の法律にも関連がございますから、各方面のいろいろな法律論も聞きまして、また細郷局長の意見も聞きましてひとつ検討してみたいと思っております。
○細谷委員 これではどうしても下がれぬ。あなたは政治家でしょう。さっきも言ったように、財政局長も法律上不良債務を企業債と見ることについては、法律は排除してないと見ることもできるだろう、要はこの運用によって財政再建のけじめというのがつかぬおそれがあるから認めないのだということをおっしゃる。運転資金だから、そういうけじめと姿勢さえくずさなければ、問題は慎重な運用をしさえすれば、必要があればケース・バイ・ケースの指導を行なって、慎重な運用をしさえすればこれはよろしいはずなんです。これは大臣としての判断でしょう。政治家としての判断でしょう。いまの答弁はそれは事務屋の答弁ですよ。
○野田国務大臣 いや、私は重ねて同じような答えをいたしますけれども、私も先ほどは、財政局長がまあ運用によってケース・バイ・ケースで考えてやればできないこともない、解釈の範囲に入るんだということでしたから、まあそれならいいじゃないかと実は思っておった。あなたが私にこういう発言をしろという御希望もわかっておりますけれども、それは私としては何でもない簡単なことです。しかし、いまもちょっとただしましたけれども、どうもどこかに細谷さんと局長との間が少しまだ食い違って、局長もやはり法律の問題ですからと言っておりますし、私もどっちの味方じゃありません。できればいまあなたの御指摘どおり、もし法律の解釈がそこまで運用できれば私も運用の面でやったほうがいいと思っておりますが、事いやしくも法律の——現行法でやれるか、いや現行法ではどうも不備だ、改正を要するという発言も出たものですから、私もそうなりますと、ただ政治的判断によって法の解釈をするということになりますから、それならば私自身が十分調査し、検討もしなければお答えができないという私の気持ちもひとつくんでいただきたいと思います。
○細谷委員 この問題を残して質問を終わっておきます。
○大石(八)委員長代理 折小野良一君。
○折小野委員 私は簡単に、けさお伺いをいたしました両大臣のごあいさつの内容を、数点にわたりまして基本的なお考え方をお伺いいたしいと思います。 まず自治大臣にお伺いをいたします。自治大臣のごあいさつの中に広域市町村圏、こういう構想が発表をされております。現在の地方行政は府県の段階と市町村の段階といわば二重の組織で運営されておるわけでございます。あらたに広域市町村圏、こういうものをつくるということになりますと、この二重の行政組織が三重の行政組織になるということで、もしそうだということになりますならば、これは非常に大きな問題だと思いますし、その辺の意図はどういうところにあるのかお伺いいたしたいと思います。
○野田国務大臣 広域行政は、もう私が申し上げるまでもなく、おわかりのとおり、いまの社会情勢、また経済の推移、つまり一つの産業を起こすにいたしましても、やはり一市町村というような限られた範囲内、また一府県というような限られたる地域によってやるということよりも、もう少し広域的な行政というものが経済的にも非常に効率的である。それから行政面から見ても、それはいわゆる行政の推進においても非常に益がある。その基本とするところは、広域行政の一面にいまお示しのとおり三重、四重になるということになるとこれは矛盾いたしております。やはり行政はできるだけ簡素化していかなければならぬということが目標でございます。したがって、この広域行政の基本が三重、四重、さらに行政の複雑化をするということは、これはもう極力避けねばならぬ、こう考えております。
○折小野委員 大臣のお考えも決して屋上屋を架すと、こういうお考えでないことはただいまの御答弁でよくわかるわけでございます。ところが、この広域市町村圏という構想につきまして所要の行財政上の措置を講じたい、こういうふうに言っておられますことは、これは特別地方公共団体にしていこうとか、こういうような御意図であろうと思うのでありますが、現在そういう面からいたしますと、いろいろな形の特別地方公共団体というものができるようになっておるのであります。たとえば一部事務組合、広域的にその行政を有効に処理しようということでありますならば、場合によっては一部事務組合その他の特別地方公共団体、こういうものを利用すればできるはずだと思うのでございますが、そこになおかつ広域市町村圏というものを新しく持ってこなければならない理由、それをお聞かせいただきたいと思います。
○野田国務大臣 これはもう折小野さんも御承知のとおり、さきに市町村の合併促進、また前国会で出しました府県合併の特例法、こういうものから見ましても、特別公共団体をつくって広域行政をやる。そういう特別な公共団体が幾つもできる。これはお話しのとおり非常に繁雑でございまして、私どもの考え方は、いま申しました現在の都道府県も、地域によってはひとつ府県合併したほうが地域住民の福祉のためにいいんじゃないか。これは産業、経済、文化、各方面の施設においてもそのほうがいいんじゃないか。そこで、市町村の合併もまだ残されておるのがありますし、まあこれは漸次——まだ残っている部分もそういう機運があるようでございまして、このために特別公共団体という一つの機関があるということは別といたしまして、私どもの役所としてみんないろいろ意見を聞いてみますと、やはり広域行政というものは、私が前段に申し上げましたとおり、進んでまず府県の合併から入っていこう。もちろん下部の市町村も合併ができてくるしというので、別にそういう特別な公共団体をどんどんつくっていく、こうなりますと、折小野さんのお話しのとおり非常に繁雑になってまいります。そういう意味の広域行政というものは私自身も賛成しておりません。
○折小野委員 広域行政の効果をあげるということは当然なことだと思いますが、また同時に、行政の簡素化、合理化、こういう問題もあるわけでございますので、その辺は十分お考えをいただきたいと思っております。この問題は、今後具体化いたしますならば、その際にさらにこまかに検討をされる機会があると思います。その際に譲りたいと思います。 次に「地方行政の合理化に関する行政改革の意見」を自治省のほうでおまとめになりました。これを推進していくことは私どもも心から期待をいたしておるところでございまして、その効果があがるように努力を重ねていただきたいと思うのであります。 ところで、ごあいさつの中にも「各省庁の協力も得て」と、こういうことがございます。確かに地方行政の合理化に関する問題は、単に自治省だけの問題ではなくて、各省庁といろいろな面で関連をいたしておりますので、それらの面の協力も得られなければ十分な行政改革の効果はあがらないであろう、こういうふうに考えるわけでございます。ところが、仄聞いたすところによりますと、関係の各省庁におきましては、必ずしもこの面について協力的でないということを聞いておるわけでございます。もしそういうことでございますならば、地方行政の合理化と申しましても、なかなか現実にその効果をあげることはできないわけでございます。その協力的でないというのはどういう点にあるのか。また、協力できないという隘路はどこにあるのか、そういう点についてお考えをお伺いをいたしたいと思います。
○長野政府委員 地方行政の合理化につきましては、さきに地方団体からの意見を取りまとめまして行政改革本部に提出をいたしました。また、さきの赤澤大臣が閣議でも協力を求められました。行政改革本部としては、その改革意見につきまして各省に意見を求められました。各省の見解は各省それぞれのお立場もあるわけでございますが、この前行管の管理局長からの報告がありましたように、賛成という意見が項目としてごく少なかったということになっております。しかし、これは今後具体の事情に照らしまして改革本部におきまして意見の取りまとめを努力をしていただくというかっこうになっておりますので、現在のところでは、私どものところでまとめました改革意見に直ちにすぐ賛成という項目が少なかったということではございますが、今後とも意見の一致を見るように努力をしてまいりたいと思っております。
○折小野委員 この問題につきましては、荒木大臣の仕事といたしましても関連してまいるのではなかろうかと思っております。三千数百の地方行政が合理化をやるとやらないとでは、今後の国民の福祉の面に非常に大きく影響する問題でございます。ひとつこれを推進するにつきましては、ただ単に自治省だけの努力では何ともならない、こういう面もあるやにうかがわれるのであります。そういう面については今後ひとつ長官のほうからもより一そうの御尽力、御協力をお願いいたしたいと思いますが、御意見をお伺いをいたしたいと思います。
○荒木国務大臣 先ほど自治省のほうからお答えがありましたとおりでございます。行管長官が合理化対策改革本部の本部長という立場であることも承知いたしておりまして、替否それぞれあるわけですけれども、行革本部の置かれた本来の趣旨に立脚しまして、なわ張り根性だけでがんばっておったのではいつまでも解決しませんから、客観的な国民的、全住民的な立場に立って改革本部がこれを調整する。行政管理庁としても一人二役であること、御承知のとおりでありますが、そういう立場に立って調整しながら、いいことは実現していくように、今後努力したいと存じます。
○折小野委員 ぜひひとつ地方行政の合理化に関する行政改革もその実効をおさめますようによろしく御努力をお願いいたします。 次には公務員給与の問題でございますが、とこにはいわゆる給与制度ということで取り上げられております。ところが、この問題に関しまして、最近私どもが聞きます意見は、むしろ管理者から多くの意見を聞くわけでございます。各地方の市町村長、それから教育委員会、教育長あるいは学校の校長さん、こういう人たちから、この問題が早く解決しなければ、多くの困難が地方で起こっておる、これを取り除くためにもぜひひとつこの問題の早急な解決をしてほしいというのが最近の特に目立った意見でございます。と申しますことは、公務員給与を改定していくという問題は、ただ単に給与そのものを是正するということだけでなしに、この問題のために地方におきましては多くの行政的な混乱が生じておるわけでございます。なかなか国のほうで人事院勧告を尊重されないがために、これに対して各職員団体があるいはストライキ、あるいはそれに近い行為をいたしまして、そして行政を混乱におとしいれる。またこれに対する処分という困難な問題が出てくる。そしてまた、この処分に対しましては、処分反対の闘争というようなことが出てまいりまして、行政的には非常に大きな混乱を惹起いたしておるわけであります。また、特にこれが学校の先生の場合になってまいりますと、その闘争に参加するしないということによりまして、子供に対する教育上の影響、こういうものも出てまいっております。しかもその子供の目に映ずるのが先生方と父兄との間のいろいろな対立、こういうようなものが子供たちに教育上どのような影響を与えるかということも、これまた私ども心から憂慮しておるところでございます。 さらに、こういうような問題がそれぞれの地域社会におきましていろいろな問題、たとえば先生と父兄との間、あるいは学校と地域との間の不信感を醸成する、こういうような問題にまで最近は発展をいたしておるわけでございます。 こういうような面から考えましても、この問題につきましてはぜひ早急にケリをつけていただきたい。午前中大臣の御所信を承りました。しかし、これはぜひひとつ最も早い機会に解決をつけることによりまして、この問題から起こるいろいろな混乱というものをなくするように、より一そうの努力をお願いいたしたいと思います。この問題についての大臣の御所見をお伺いをいたしたいと思います。
○野田国務大臣 給与問題をすみやかに解決する必要がある、全く私も同感でございます。今日、人事院勧告を尊重するという姿勢をとりながら完全実施ができないということは、私も遺憾に思っております。これも午前中の質疑の中にもお答えいたしておきましたが、いまいろいろおあげになりました地域社会の一つの混乱ということも非常にこれは重大なことでございます。同時に地方公務員、まあ国家公務員もそうでございましょうが、公務員諸君がスト権がなくて人事院の勧告一筋にたよっている、こういうことから見ましても、これはできるだけ早く完全実施にまで持っていくのが本筋ではないかと思っておりますが、本年度の給与は遺憾ながら八月ということに、これはさきに前内閣で閣議で決定いたしましたし、引き続き給与関係の閣僚懇談会におきましても、やむを得ないということを認めまして、あらためてまた閣議で再確認いたしておりまして、八月ということになっております。しかし、その際、やはり閣僚懇談会におきましても、今後はできるだけ早く人事院の勧告の完全実施に向かって努力する、私自身といたしましても、これはもう最善の努力を払いたい、できるだけ早く完全実施まで運びたいという心がまえでおります。全く折小野さんの御意見と同感でございますから、いま申しましたように、できるだけの力を尽くしたいと思っております。
○折小野委員 ひとつよろしくお願いをいたしておきます。 次に、地方財政についての御所見の中で、過密過疎対策に簡単に触れておられます。過密過疎対策がいろいろな形において新たな財政需要を生んでおることは当然でございますが、この問題につきましては、従来、自治省におきましては現象面にのみとらわれた見方をしておられるんじゃなかろうかというふうに考えるわけでございます。現実に起こっております問題は、過密地域におきまして人と産業の過密のために混乱が混乱を生む、こういうような状態でございますし、交付税の中におきまして、過密対策というものはある程度講じられておるにいたしましても、過密地域におきましては過密地域の財源をぜひもっとふやしてくれ、こういう要求が非常に高いのであります。また、その反面、過疎地域におきましては、これまた過疎が過疎を生むというような状況になってまいっておりまして、これの対策に対しましても、やはりその地域の公共団体といたしましては、何とか新しい事業を行なうための財源的な裏づけがほしい、これまた強く要求をいたしておるわけでございます。こういうような状況から見てまいりますと、これはそのような現象に対して単にある一定の財源を付与するということだけで解決のつかない問題じゃなかろうか。現在、わが国におきまして都市化が非常な勢いで進んでおるわけでございます。そして、それが現象面にあらわれますと、過密過疎というような問題になるわけでございます。この都市化という問題をもっともっと大きく取り上げる、こういうことが現在の市町村の行政という面から見て特に大切な問題じゃなかろうか、こういうふうに考えるわけでございます。すなわち、このことは根本的には現在のわが国の社会構造の大きな変革である。したがって、ただ現象に対して多少の財源を付与するということでなしに、むしろこのような動きというものを十分とらえて、そして市町村の地方行財政そのものを根本的に考え直していくべきときじゃなかろうか、そういうふうにいま私ども考えておるわけでございますが、この都市化という問題に対する自治大臣としての評価、こういう点について御意見をお聞かせを願いたいと思うわけであります。
○野田国務大臣 いま御指摘になりました過密地帯、過疎地帯の問題、これは基本的に社会構造の問題から考えたらいいというお話でございます。私は全く同感でございます。実はこれは一公共団体だけの考えでは解決しない、国全体で考えなくちゃならぬと私は思う。と申しますのは、都市集中ということはもうきのうきょうに始まったことじゃございません。これに国策としての基本をどうすれば過密地帯の産業、人口を分散できるか、これは非常に大きな課題でございまして、長い間、これは決して自民党だけじゃなくて、社会党も公明党も民社党も皆さんお考えになっておったことだろうと思いますが、これが傾向を見てみますと、どうも逆な傾向に走っている。だんだん部分的な都市化をする、だんだん大都市はマンモスになっていく、こういういわゆる社会構造の基本的な問題は、やはり国策としても考えなくちゃならぬ。したがって、いま御指摘になりました過密地帯また過疎地帯、御承知のとおり地域によっては全然人間が減っていく、しかし残された住民はどうするか、学校一つまとまったものがない、お医者さんもいない、こういうことはもうひとり公共団体ということだけでなく、国家全体からながめてもきわめて遺憾の点が多い。だから、いま折小野さんのお話のとおり、これは一現象的なそれに対する交通の財源をどうするか、公害をどうするかということも重要でございますが、もっと基本的な国策を立てて、思い切った社会構造の変革、是正ということに持ってまいりませんと、一自治省や一公共団体だけの考えでは非常に解決がむずかしい。もちろん、しかし現実をわれわれは無視することはできませんから これに対応する現実面の財政計画その他はやはり立てていかなくちゃならぬ、こう私は考えております。
○折小野委員 ところで、従来自治省におきましては、地方行財政というのはわりあい固定をしたものだ。したがって、これに対する地方財源というものもできるだけ安定的な財源を付与すべきだ、こういうような考え方を常々主張してこられたわけでございます。しかしながら、ただいま申し上げましたように、この地方団体の基本というものが基本的にゆれ動いておる、こういうような情勢の中におきましては、やはり根本的な立場から従来の自治省の考え方というもの自体も考えていかなければいけないのじゃないか。場合によっては、相当大幅に変えていかなければならぬのじゃないか。地方の財源も、むしろ社会の流動に応ずるように、そしてまた、今日の過密過疎というような現象に対する財源といたしましては、より一そう伸びのいい財源を持つ、こういうような立場で対処することが必要じゃなかろうかと思うのでありますが、そういう面に対する基本的なお考えをお伺いしておきたいと思います。
○野田国務大臣 お話のとおりでございまして、やはり固定した財源と申しますか、それで一社会構造の変革、ことに激しく動いておる社会の非常な流動性、こういうときに対処するにはなかなか財政の確立も困難である。しかし、いずれにしても、自治省といたしましては、まず地方財政の一応安定した財源を確保して、これに加うるにそういうものに対する一つの対応できる財政計画を添えていくのが一番望ましいことじゃないのかと思います。非常に示唆に富んだ御意見でありまして、われわれといたしましても、ひとつ検討してみたいと思っております。
○折小野委員 同じ地方財源の問題の中で、税の問題でございますが、ごあいさつの中に、地方財源の充実をはかるということがございます。各地方団体といたしましては、財源の充実ということを強く希望いたしておるわけでございます。この地方財源の充実でございますが、どういうような方向に新たな財源を求め、あるいは財源の確保をはかろうとしておられるか、そのような今後の財源充実の方向について御意見を聞かせていただきたい。
○野田国務大臣 地方税は、地方財政の重要な柱でございますから、その財源を充実するということは当然考えなくてはなりません。たとえば、本年度に関しては、自動車取得税というものもやはり一つの新たな財源として考えている。ここで一々あげますとなかなか刺激も多い税もございますから一々あげませんが、やはり自治省といたしましては、省内においてどうすれば地方財源の充実ができるかということをいま検討いたしております。
○折小野委員 この問題に関連をいたしまして、税負担の合理化ということが従来もいわれてまいっておりますし、ここでも触れられております。 〔大石(八)委員長代理退席、委員長着席〕 この税負担の合理化の中の一つといたしまして、地方におきましては、いろいろな形で自主的にそれぞれの地方団体の条例で課税をきめておるわけでございます。中には課税標準を上回るいわゆる超過税率をかけて、そうして超過課税を行なっておる。こういうような地方団体が相当たくさんあるのであります。しかもその例を見ますと、それはいわゆる貧弱な町村にその例が多いのでございまして、もともと負担能力が低い地方団体があえて超過課税を行なっている。そういうような地方団体の中にあります住民といいますのはやはり負担の能力が非常に低い住民でございます。そういうような面から見ますと、ここには税負担の合理化ということがございますし、住民税等の面につきましては、これは確かに逐次合理化の方向が進められてまいっておるのであります。この超過課税、こういうような面につきましては、現在のところ何ら手が触れられていないのであります。こういうような点は、税負担の合理化という面から、まずこれに対して考慮されなければならない、こういうふうに考えるわけでございますが、こういう面についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○松島政府委員 地方税につきましては、御承知のとおり、課税の自主性ということを地方税の中に与えるということが一つの重要な問題となっておるわけでございまして、そういう見地から、地方団体によって、その財政需要に応じまして課税にある程度の幅を持たせる、弾力性を持たせることができるようにという配慮がなされていることは御承知のとおりでございます。しかしながら、そういたしますと、一面において地域間の負担の均衡が保たれなくなってくるという問題も考えなければなりません。 御承知のとおり、かつてこの市町民税は課税方式も五つの方式がございまして、税率につきましても非常に幅広い選択の余地が地方団体に認められていたのでございますが、地域間の負担の均衡という点から、課税方式も漸次統一されてまいりました。また、超過税率の幅もある程度狭められてきておることは御承知のとおりでございます。そういうようなことで、だんだん地方団体ごとの負担の不均衡というものを少なくしていく方向に進んでまいっておりますけれども、何と申しましても、地方団体はそれぞれ自治団体として必要なときにある程度必要な財源が得られるような配慮は地方税の上にしなければならないと思うのでございます。現在の場合も、標準税率のほかに制限税率という制度が設けられておるのはそのためでございます。ただ、それは、どこまでもそういう必要のあるときに弾力的に運用していくことができるようにしようという趣旨でございまして、毎年毎年同じように超過課税をするというようなことは、もちろん制度自体の期待しているところでもないと私どもは考えております。そういうような面から、超過課税の解消につきましては、できるだけ進めるようにしてまいっておりまして、最近におきましては、その実績もかなりあがってきておると私どもは考えておるのでございまして、今後ともそういう方向で進んでいきたいというふうに考えております。
○折小野委員 課税の自主性に対する一般的なお考えにつきましては、おっしゃるとおりだと私ども考えております。しかし、これが現実にあらわれているところを見ますと、最も負担力の弱いところに最も大きな負担を課す、こういうような結果が出てまいっておるわけでございまして、このことは、ただ単に課税の自主性という問題だけでなしに、それぞれの地方自治体の財政力全般に関する問題であろう、こういうふうに考えます。そういうふうな面から、今後とも負担の公平についての是正策あるいは指導、こういう面に対して一そうの御配慮をお願いいたしたいと存じます。 次に、消防関係についてでございますが、ここに簡単に消防団員について触れておられます。団員につきましては、地方においてこの団員を確保することが今日非常に困難になっているわけであります。ここには処遇の改善というようなことも書いてございますが、現在は処遇といえるような処遇はとうていなされていないのであります。私どもが知っております市町村におきましては、団員一人当たり数百円、しかもそれは年間であります。こういうようなきわめて劣悪な処遇のもとにいわゆる義勇消防という任に当たっておるわけでございます。もちろん今後の方向といたしましては、常備化を進めることであることは当然でございますが、しかし現実にはやはり常備消防と義勇消防というものが、それぞれその立場において協力をすることによってほんとうの消防活動を全うすることができる、こういうことでございますので、この消防団員の処遇の改善、こういう面につきましては一そう考慮していかなければ、今後団員を所期の目的のために確保することすら困難になってこようと思うのであります。こういう点についての自治大臣としてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○野田国務大臣 お話のとおりでございまして、しかも義勇消防の方々は非常な犠牲を払ってこの大きな任務についておられます。私どもは今日の処遇は、これはもう処遇ということばが当てはまるか当てはまらないかわからない状態であります。 そこで、最近も役所の中で消防関係の会議を開いておるところであります。まだ具体案は出ておりませんが、いまお示しのように、このままでは放置できない、相すまないという気持ちで消防問題を考えておる段階でございます。
○折小野委員 この問題につきましても、具体的には今後さらにいろいろお尋ねもしてまいりたいと思っております。 自治大臣のごあいさつに対する質問の最後に、これはこのごあいさつの中には直接触れてはおられないのでございますが、現在政府において明年度の予算を編成しつつありますが、この予算編成の考え方の中に、いわゆる受益者負担の考え方というものを予算の中に多く取り入れていきたい、こういうようなことがいわれておるわけでございます。この受益者負担の考え方は、一面においては正しい方向であるというふうにも考えられます。しかし、また一面にはいろいろな問題が派生をしてくるわけでございますが、特にこの考え方を地方財政、こういう面についてはどういうふうに考えておられるのかお聞かせをいただきたいと思います。
○野田国務大臣 先ほども私申し述べましたが、たとえば地方公営企業その他につきまして受益者負担、ことに地方公営企業なんというものは、でき得ますならば独立採算制をとりたい。これは企業の本質でございますから当然のことでございます。しかし、いまのお話の受益者負担というものが出てまいりますと、これは地方の地域の人の負担の問題も起こりますと同時に、これを受益者負担ということから解決していこうと思えば当然これは物価問題にも入りますし、その他各方面に影響するところが非常に多いのでございます。したがって、自治省といたしましては、現段階においては受益者負担を目標として予算編成に当たることは必ずしも妥当ではないという考え方で、諸般の情勢、また各方面の意見を徴しまして、いまお示しになりました受益者負担を中心にして予算を組むという考えは持っておりません。
○折小野委員 受益者負担という考え方からまず出てまいりますことは、当然公営企業の料金の問題ということでございます。地方に関係をいたしますいわゆる公共料金といわれるものは水道あるいは電車賃、バス賃その他非常にたくさんあるわけでございますが、受益者負担、すなわち値上げ、こういうことになりやすいわけであります。したがって、こういう面の指導につきましては十分考慮しなければならない問題があるというふうに考えておりますが、今後地方に対する指導におきまして、公営企業の赤字対策とかそういうものにつきまして直ちに料金値上げ、こういうようなことでは御指導にならない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○野田国務大臣 ただいまお答えいたしましたとおり、公営企業も企業でございますから、理想としては独立採算制に持っていくべきものだ、しかし、公営企業の財政の内容を見ますと、独立採算制に持っていくには、いまお話しの水道にいたしましても、交通機関にいたしましても、つまり料金値上げというものを伴うてまいるわけでございます。これは地方公共団体といたしましても、地域住民といたしましても、ただ料金値上げによって採算をまかなおうということは不可能でございます。しかし、やはり適正な料金は考えなければ、企業でございますから企業本来の目的からいたしましても、料金につきましてはやはり適正な料金は考えなくちゃならぬ、こう思っております。
○折小野委員 企業とおっしゃるわけでございますが、これは単なる企業でなしに、いわゆる公営企業であるということ、これを考えてまいらなければならないのだと思います。ただ単に独立採算制をもってやっていけばいい企業、いわゆる公営企業という立場におきまして公共的なその任務を果たさなければならないという制度、この辺の調整というものが非常に必要になってまいります。したがって、そういう面を考えた上での料金ということでなければならないわけでございます。今後の地方に対する指導につきましては、十分これらの点に御配慮をお願いいたしたいと思います。 それから受益者負担ということでもう一つ考えられますことは、公共事業その他に伴います住民負担、こういうものが新たに出てくるのでなかろうか、こういう懸念なんであります。現在一部そういう指導がなされておりますのはたとえば下水道の建設につきましていま三分の一は補助をする、三分の一は都市計画税から、三分の一は地元負担だ、こういうような財源区分の指導がなされておるわけであります。こういうような受益者負担制度というものがだんだん多くなってくるということになりますことは、やはり住民負担の合理化という面からいろいろ問題があるのじゃなかろうか、すなわち受益者負担という名におきまして、たとえ裕福な人もあるいは貧困な人も同じ額の負担が課せられる、そのことは結局住民負担の不公平ということを来たす、こういうおそれが多分にあるわけでございます。こういう面について今後受益者負担という考え方の運用をどういうふうにお考えになっておるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○野田国務大臣 公営企業はお示しのとおり公共性を持っておるものと考えます。したがって、先ほど申しました独立採算制を目途といたしましても、これに調整を加えなければならぬ、この考え方で進めております。しかし、それだからといって料金の問題は別として——受益者負担の料金も入りますが、これは適正と思われる、公共性を持っておるという意味において適正な料金、同時に、たとえば下水の問題を取り上げましても、これは御承知のとおり日本全国で下水というものは二〇%もできてないという、日本が文化国家なんていいながらみじめな状態であります。そういたしますと、これはどの地域でも一斉にひとつ早くやってくれというのは当然の要望だと思っております。その際、それができますれば一斉に三年なら三年で片づける、これはけっこうです。これはよく御理解いただけると思いますが、これに伴う財政措置でなかなか伴わないだけに非常に公共団体も困っております。 そこで、そういう場合に、地元の方が受益者負担と申しますか、多少の負担をされてでも、ひとつつくりたいという御熱意があれば、これは財政の確立ができてからと、三年も五年もお待ち願うことがいいのか、やはり地元の要望を入れて多少でも負担するからやれ、いまお話にありました三分の一とかいろいろありますが、その率は別といたしまして、これは私はいまの行政の指導といたしましても、そういう熱望される地域には多少の負担を願ってでも、早くひとつ生活環境をよくしようというような考え方で行政指導をやっておるものと思っております。今後も、これはなるべく地方財政の合理化からいえば負担の合理化というのは大事でございますが、しかしいまのような特殊なといいますか、どうしても早く社会開発のためにやらなければならぬという場合には、多少そういう地方の方の負担がありましても、やはり積極的にその要望にこたえてやるというような指導はある程度やむを得ないかと思っております。
○折小野委員 大臣のおっしゃる御趣旨はよくわかります。そういうような事情もございますし、また、そういうような御相談でありますならば、地方も心よくそれに応ずるということもあるのでございますが、むしろ逆に一定の負担をしなければ事業をやらない、補助金を出さない、こういうようなことが現実には多く行なわれておるわけでございます。そういうことが結局住民の負担の不公平というものを起こしておる根本的な原因にもなっておるわけでございます。こういう面についての指導、これはひとつ今後よろしくお願いをいたしておきたいと思います。これで自治大臣に対する質問は終わります。 それでは国家公安委員長に対して御質問を申し上げます。 国家公安委員長のごあいさつの中で、最近問題になっております大学紛争、学園紛争の問題に触れておられるわけでございます。この問題は今国会におきましても、総理が初めて施政方針の中で一つの考えを述べられた問題でございますし、今日のわが国の社会的に最も重要な問題になっているわけでございます。この問題に関連をいたしましていろいろな問題が派生をいたしているわけでございますが、学問の自由あるいは研究の自由、これを保障するための大学自治、こういう考え方が従来あったのでございます。このようないわゆる大学自治というものと、学園内にいろいろな問題がありまして、人的な被害、物的な損害、こういうものが起こりました場合に、社会の秩序を維持する立場からする警察権の行使、この調整というものがいろいろな面で問題になってまいっております。人によりますと、結局この大学自治の問題が今日の大学問題の一つの根本的な原因でもある、こういうふうに言われているわけでございます。現実にこの問題について大臣、どういうふうにお考えになっておりますか。はっきりした見解をひとつ承りたいのであります。
○荒木国務大臣 大学紛争ということが、私どもの立場から見ました場合に、単に学生自治会内の論戦が行なわれる、あるいは自治活動が行なわれているという正常な学生運動ないしは学生自治会の行動であります限り、治安当局の立場から申せば無関係なものと存じますが、ただそれがいろいろな意味においてついエキサイトしてみたり、あるいはもともとやれゲバルトでござれの、アナキストでござれのということで、われわれが新聞紙上承知しますような暴力ざたをはじめとして、刑法に定むる罪名に当たるような事犯をはじめ、無法、不法の行為が行なわれます限りは、大学の中であろうと何であろうと同じことでありますが、社会の秩序を保持し、また暴力事犯でありますならば、被害を未然に防止し、また現に暴力行為が行なわれておれば、それを排除しながら、学生であれ、学校の先生であれ、あるいは大学内にたまたまおる人であれ、生命、身体の危険ありとするならば、当然治安当局として国民のために行動すべき課題はある、そういう関係にあろうかと存じているわけであります。 大学の自治というのは、格別成文法にあるとも思いませんけれども、日本のみならず諸外国におきましても、いま御指摘になりましたような意味合いにおいて、研究、教育の場でありますから、もともと警察権などが介入すべきではない。また、かりにある事犯がありましても、そこには責任者、大学の自治を守るべき責任者である管理権者が当然みずから解決すべき課題であるべきものと思うのでありまして、それがどうしても警察権の協力を得なければ不法状態を排除できないというときには、管理者の要請によって出かけることもむろん当然の職責でもございましょうし、繰り返し申し上げますけれども、生命、身体に危険を及ぼすというときにはそれを救済する、未然に防止するという行動も関係してこようかと思うのであります。
○折小野委員 ただいまの大臣の御答弁の中に、生命、身体の危険がある場合にはということをおっしゃいました。財産の損害がある場合にはどうでございましょうか。たとえば公文書の毀棄とか建造物の損壊、器物損壊、このような刑法に明らかに定められた財産上の損害がある場合にはどうでございましょうか。
○荒木国務大臣 そういう場合といえども不法行為であります限り警察権が介入すべき課題ではございますけれども、さっきお触れになりました大学自治ということを通念的に尊重するということでもって今日まで日本もあるいは外国におきましても歩いてきておるのでありますから、大学でなかりせばいまおっしゃったような事犯につきましても、その犯人を捕え、害を排除しあるいは捜査するということは当然あるところでありますが、大学なるがゆえに、先刻も触れましたように、私学も同様ですけれども、特に国立大学等につきましては、大学自治を守るための責任が第一義的にその管理者にある。管理者みずから、器物を損壊しもしくは不法侵入等があるならば排除すべき第一義的な責任があり、職権があると思います。みずからでできないときには、そういう事犯のあることの通知を受けまして、大学内に入らなければならないときに現実行動として対処したほうが妥当である、こういうふうなことで今日までもきておりますし、今後もそうあるべきものと思います。
○折小野委員 現実に大学の施設の占拠、こういうことが行なわれております。それから新聞報道、あるいはそれに出ております写真、こういうようなものを見ましても、器物あるいは建造物の損壊というものも現実にはございます。これをただいま大臣は、それは不法ではあるが大学なるがゆえにというふうにおっしゃいました。要請があれば入っていく、しかし要請がなければ別に入っていかない、こういうようなことでございますが、政治的な配慮は一応別といたしまして、私どもの地方の小学校あたりを見ましても、子供がいたずらをしてガラス一枚を割りましても、これは市民の税金でつくったものであるから弁償しなさい、こういうふうに申します。そしてそのことが教育上正しい要求である、こういうことが世間一般に行なわれておるのです。大学、特に国立大学におきましては、その施設、器物、これはもちろん国民の税金でできたものでございます。したがって、こういうものに対する被害というものは、これはやはり不法な行為によって起こされた被害である、したがってその責任はあくまでも追及されなければならない、こういうふうに考えるのでございますが、それでもなおかつ大学なるがゆえにそれは不問に付する、こういうようなことでございますか。
○荒木国務大臣 一般論といたしまして、不法行為が許されるはずはむろんございません。大学だってその例外ではございません。それはお説のとおりに存じます。ただ、警察権が具体的に発動するという課題として受けとめまして、先ほど来お答え申し上げておりますが、例に引かれました小学校の生徒がガラスを割っても弁償する、それは大学においては弁償しないでいいのか、器物損壊罪には該当しないのか、それはもちろん該当し弁償すべき課題ではございますが、大学の自治というものを守る責任と権限を含んだ意味において、大学では大学の管理権が大学当局にある。その大学当局みずからが、学生であれ、あるいは外から来た者であれ、大学の設備、施設について器物損壊罪等の罪名に触れるようなことがありましたときには、その現行犯人を捕えて、もしくは名ざして告発すべきものである、それだけの責任が管理権、管理責任の中に私は入っていると理解します。のみならず、大学なるがゆえに警官が自由にパトロールすることは習慣上やらないほうが妥当であるという認識のもとに現状はございますので、したがって警察みずからがそういう事犯について確認するチャンスはないわけでございますから、管理権者、大学当局がまずもってそのことを確認し、警察側に通報し、そうして、犯人がおるならば法に照らして裁くという協力をしてもらうことに依存をしておる。現実問題を申せば以上のようなことであります。 繰り返して申し上げますが、概念的にというか理論的には御指摘のとおり、大学の中で行なわれた犯罪は、大学なるがゆえに治外法権を持っておるわけではございませんから、見のがされておる、見のがさるべきだということを申し上げたのではございません。
○折小野委員 器物損壊につきましては、これは刑法上も親告罪になっておりますから、連絡がなければそのままほうっておいていいのじゃないかと思います。しかし建物の損壊、建造物の損壊につきましては、これは親告罪にはなっていないはずだと思います。しかし、そういうものもなお大学からの要請がなければ何ともならない、こういう慣行というものは一体何で認められておるのかお聞かせいただきたいと思います。
○荒木国務大臣 それは本来大学ではいろいろと例示されました、私も触れましたような好ましからざる事件、事犯が起こるはずがない、大学というものの望ましい姿は、そういう場であるということと、大学自治を守るための管理権がございますから、さっきも申し上げた警察官が御指摘のような現行犯を確認するチャンスが事実上ないような運営のしかたで、大学自治を尊重しながら、警察当局との間に別に申し合わせがあるわけではございませんけれども、慣行的にそう動いておるということから、おっしゃるようなことが大学なるがゆえに直ちにそれをどうするということにつながらない。したがって、また一面、警察官に対するアレルギーがある。これは理屈を離れて現実にそのようでありますが、そうであることも含めまして、パトロールは原則としてしていないと承知いたしますが、そういう慣例と申しますか、その実情に即して申し上げると、実際問題としては学園外で同じことが起こったときと同じような措置はとられない、とりにくい、こういうことを申し上げた次第であります。それから、大学なるがゆえに不法行為として認めるわけにまいらないということでないことは先ほども申し上げました。
○折小野委員 大学なるがゆえに、そしてまた大学自治の慣行、こういうものは本来学問の自由とかあるいは研究の自由を守るためにという基本的な問題から出ておる観念でございます。したがって、大学というのは通常の場合におきまして当然真理を追求する場所である、いわゆる理性の府である、したがってそういうところにはこういうような暴力は本来あるはずがない、こういう状態の中において考えられた大学の自治であろうと思います。しかし現在の大学の状態は決してそういうあるべき大学の姿ではないわけでありまして、そういうところになおかつ旧来の大学の自治というものの形だけを尊重する、そういうようなこと、また、そういうような慣行というものにこだわって何らの措置ができない、こういうようなことについてはいろいろな問題があろう、こういうふうに考えるわけでございます。そういう点について大学自治というものの範囲を現在どういうふうにお考えになっておられますか。
○荒木国務大臣 大学自治とは何ぞやということにつきましては、折小野さんが冒頭におっしゃいましたことと同じように私も理解しております。さらにまた、いまも申されました意味合いにおいて受け取っておるわけであります。ただ、いまの問題にされております建物の損壊等につきまして申し上げれば、大学が大学紛争と通称されるような望ましい姿ではなくなっていることは私もそう思います。現実問題として大学内に入ってみなくても、そういう状態だ、何たる醜態かとも私は見物人的に申し上げればそう思います。大学自治を叫ぶならば、ああいう騒ぎの起こらないように大学当局がなぜしないかと思います。 そこで、現に起こっておりますが、御指摘のような事柄につきましても、まずもって大学自治を唱える限り、それを守るべき権限と責任を持っておるところの大学当局、責任者が、そういうことをあらしめないように努力する、もしあったならばその犯人をつかまえて突き出すということも大学自治の、またそのためにそれを守るべき管理、運営の職責上当然やらねばならないこと、まずもってそれに期待することが当然であろうと思います。そういうこともつい忘れたような大学がありますことは、本来の大学のあり方自体の問題であり、管理者の責任が十分果たされておらない課題ではなかろうか、そういうふうに思うのであります。そうではなかろうかと前提して考えます限り、建物に侵入したり、建物をこわしたりというような不法行為がありましたならば、当然大学自体が解決し得るならば解決すべきである。解決し得ないならば警察権の実力をもって協力するのでなければそれが排除できないというならば、当然大学当局が大学自治ないしは大学の管理、運営の立場に立って、そういうときのためにこそ一般国民のためと同様に、制度上存在しております警察権ないしは警察官というものの協力を得て排除する段階が第二段階にあるべきだ、そういうことだろうと心得ておるわけであります。
○折小野委員 大学の自治についての考え方はすでに東大ポポロ事件の判決で明確に示されております。私どもは、やはりこのような考え方で受け取るのが正しい大学の自治についての考え方であろうと思う。しかし、今日はそれがきわめて拡大されて、しかもそれが慣行である、こういうような形でいろいろの措置がなされておることはまことに遺憾であると思います。もちろん現時点における警察としての政治的な配慮、これはよくわかります。したがって、当面の紛争をできるだけ早く解決して、そして将来ほんとうの意味で大学問題の解決をはかる、こういうことが大切であろうと思っております。そういうような面からいたしまして、どうぞいろいろな意見を今後十分出していただいて、そして当面の紛争の解決だけでなしに、将来にわたる根本的な大学問題の解決をはかるよう努力をしていただくようにお願いをいたしておきたいと思います。 公安委員長に対する御質問は終わります。 それから最後に、共済に一言触れておきたいと思います。今回の改正案におきましては、この前の国会におきまして具体的に問題になっておりました二、三の点につきましては原案の中ですでに考慮されておる、こういうふうに見ておるわけでございますが、今日まで共済の制度につきましてのいろいろな意見がございました。また、その意見は今日までの共済関係の法案に対する附帯決議というような形ででも提案されておるわけでございますが、こういうような問題、特に基本的な諸問題に対しまして政府としましてどのような改善を行なおうといたしておるのか。また、その改善についての今後の時期的な予定と申しますか、そういうような面がおわかりであったらひとつお知らせいただきたいと思います。
○長野政府委員 従来までに附帯決議その他におきましていろいろ問題が取り上げられております。いろいろございますが、たとえばその中で長期給付に対する費用の負担割合、公的負担の百分で十五を百分の二十にする問題とか、あるいはまた掛け金の標準となる給料の最高限度額の問題、いまは十一万円で頭打ちになっておりますが、これを是正するかしないか、それから年金のスライド制の実施の問題、あるいはまた遺族給付を受けますところの遺族の範囲の拡大の問題、まだほかにもたくさんございますけれども、そういうようなものがあるわけでございます。 それから、従来いわれておりました中に、臨時職員期間の年金期間への通算の問題というものもありました。それから、資金運用についての問題でありますとか、そういうものがあったわけでございます。その中で、この法律案に直接関連はいたしませんけれども、臨時職員期間の年金期間への通算につきましては、この前検討の結果が出ましたので、国家公務員並みに政令におきまして是正措置をいたしました。それから、資金運用につきましては、その幅を拡大いたしまして現実に適するようにいたしております。 それから先ほど申しました年金のスライド制等の問題につきましては、これはいつも申し上げることですがほかの各省庁と関係がございますので、関係各省庁で構成いたしておりますところの公的年金制度調整連絡会議におきまして鋭意検討中でございます。自治省といたしましても、地方公務員の特殊性に着目をいたしながら、ぜひ早急に実現できるようにということで、調整連絡会議におきまして各省との間で調整を進めておる、こういう段階でございます。 十一万円頭打ちの問題につきましては、これはいろいろな関係がすべてひっかかっておりますけれども、特にいわれておりますような、公務員及び都道府県の議会の議員の年金関係の問題につきましては、この頭打ちの是正と申しますか、限度額の引き上げにつきまして、これはぜひとも最近の機会に実現しますように努力をいたしたいということで考えております。 それから、長期給付の公的負担割合の百分の十五を百分の二十に引き上げるという問題でございますが、これにつきましては、この前の長期給付の財源率の改定を昨年行ないましたときには、その結論を得ませんままになっておりますけれども、この次の再計算までの間には、国家公務員につきましても財源率の再計算の機会もあるわけでございます。そういう機会に合わせまして合理的な解決ができますように、現在大蔵省に要求中でございます。 それから、遺族の給付を受けますところの遺族の範囲の拡大の問題でございますが、この中には二つありまして、解釈論で多少食い違っておった問題もございますけれども、これにつきましては大体各省の間で見解の統一ができております。それから、それ以外にいわゆる組合員であった者の死亡当時に、主としてその収入によって生計を維持していないという人、そういう遺族についても遺族給付の範囲を拡大すべきではないかというのが附帯決議の大きな内容になっておるわけでありますが、これにつきましては、現在附帯決議の趣旨に沿って、各省間の連絡をとりながら検討中でございます。 大きな問題は大体以上のようなことであると思います。
○折小野委員 できるだけ早急に検討をしていただき、できますならば次の通常国会あたりにおきまして、できるだけの改善をしていただくように要望をいたしまして、私の質問を終わります。
○吉川委員長 次回は、明十八日午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十二分散会