大蔵委員会 第1号
- 発言数
- 144 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1968/12/17
会議録
○田村委員長 これより会議を開きます。 理事の補欠選任についておはかりいたします。 ただいま理事が一名欠員になっておりますが、その補欠選任につきましては、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田村委員長 御異議なしと認めます。それでは、倉成正君を理事に指名いたします。 ————◇—————
○田村委員長 国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。 国の会計に関する事項 税制に関する事項 関税に関する事項 金融に関する事項 証券取引に関する事項 外国為替に関する事項 国有財産に関する事項 専売事業に関する事項 印刷事業に関する事項 造幣事業に関する事項 の各事項につきまして、今会期中、国政に関する調査を行なうため、議長に対し、国政調査承認要求を行なうこととし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○田村委員長 財政金融の基本施策につきまして、大蔵大臣より説明を聴取いたします。大蔵大臣福田赳夫君。
○福田国務大臣 二年ぶりでまた舞い戻ってまいりましたので、よろしくお願い申し上げたいと存じます。 私は、前回の大蔵大臣のとき、戦後初めて国債政策を財政に導入した。これに対して非常に責任も感じ、その成り行きを重大な関心を持って監視してまいったわけであります。幸いに私が心配しておった諸問題も、そうそう不都合なところもなく推移してきておると思うのですが、しかし、私が当面最大の関心を持っておるのは国際情勢であります。この推移にどういうふうにわが国経済財政を順応せしめていくか、こういう問題であります。それからもう一つは、当時私どもが考えておりましたより多少どうも物価の足取りのほうがゆに出ておる、かようなことなんで、当時を思い起こしまして、いま再び大蔵大臣となったこの際、非常にその職責の重大なるを感ずる次第でございます。 わが国の経済は、昭和四十年の不況を克服した後今日まで三年間、一貫して拡大の歩みを続け、現在なお力強い上昇の勢いを示しております。 この間、昭和四十二年後半には、海外景気の停滞と国内需要の過度の膨張により、国際収支が悪化し、一連の景気調整策がとられました。幸い、輸出の好調、長期外資の流入増加等によって、本年に入って国際収支は著しく好転し、本年八月以降、漸次引き締めは解除せられるに至ったのであります。その後今日に至るまで、国内経済は依然拡大を続けており、目下のところ国際収支も好調で、十一月末の外貨準備高は、二十八億ドルに接近するに至っております。 国内経済の動向を見ますと、まず、鉱工業生産は、景気調整下でも、その上昇テンポに衰えを見せなかったのでありますが、引き締めを緩和した後も、根強い上昇を続けております。企業の設備投資は、かなりの勢いで増加を続けており、消費及び住宅投資も、一貫して堅調に推移しております。したがって、企業収益は、三年来引き続き増収増益の記録をいたしております。 このように、国内需要は、目下かなりの盛り上がりを示しつつあり、物価は、消費者物価、卸売り物価ともに上昇傾向をたどっておるのであります。 海外においては、米国経済は、本年七月から実施された抑制的財政政策の影響を受けて、今後次第に鎮静していくものと予想されます。 また、最近マルク、フラン等をめぐって発生した国際通貨問題は、一たん落ちつきを取り戻したものの、事態の推移を、今後とも慎重に見守る必要があると思われるのであります。また、これに関連して、一部関係諸国でとられた緊縮措置の及ぼす影響についても留意しなければなりません。 このように、わが国を取り巻く国際経済環境は、今後次第にきびしさを増していくものと考えられます。 このように激動する国際経済環境の中におきまして、わが国経済の現在の好況を維持し、これを今後の長期の発展につないでいくためには、財政金融政策全般の運営に特段の慎重さと節度とが要請されると思います。 国民総生産において、世界第三位に達しようとするわが国経済は、今後、世界の一員としての応分の責務を果たしつつ、谷間なき成長とインフレのない拡大を実現し、国際収支の均衡と物価の安定を確保してまいらなければならないと考えるのであります。 そこで、財政政策でありますが、昭和四十年度に公債政策を導入して以来、財政の景気調整機能は一段と強化され、財政政策の役割りは、一そう重きを加えるに至っております。同時に、財政の硬直化した体質を是正し、財政の機能発揮を十分ならしめるために、目下格段の努力がなされておるのであります。 財政体質改善の努力は、総合予算主義を採用すること等により、昭和四十三年度予算において、その第一歩を踏み出しました。しかし、義務的経費の増加傾向はなお強く、昭和四十四年度においても、義務的経費の増加は七千億円程度にのぼる勢いであります。義務的経費の増加がこのように巨額にのぼるときは、経費の配分について政策的考慮を払う余地に乏しく、また、景気の状況に応じて歳出規模の伸びを調節することも困難となるのであります。 昭和四十四年度の予算編成にあたりましては、引き続き総合予算主義を堅持し、財政体質の改善に特段の努力を払う所存であります。また、財政面から景気を刺激することのないよう、歳出の伸びを適度のものにとどめるとともに、国債発行額を極力圧縮して、国債依存度の引き下げをはかる所存であります。 国債依存度の引き下げは、慎重な財政運営の態度を端的に表現するものでありまして、不況時における国債増発の余地を拡大するためにも、好況のこの際、ぜひとも行なうべきものであると考えるのであります。 私は、かつて昭和四十年度において、大蔵大臣として、わが国財政に新しく公債政策を導入したのでありますが、ここに、好況時には国債発行額を縮減するという原則を確立し、公債政策の節度をわが国財政に定着させたいと存ずるのであります。 租税政策につきましては、本年七月に提出された税制調査会の「長期税制のあり方についての答申」が指摘しておりますように、わが国の高い経済成長に伴って累増する税負担を、緩和していく必要があると考えますので、所得税を中心とした税制改正を行ないたい考えであります。 また、土地政策の一環としての土地税制の改正につきましても、税制調査会の答申の趣旨に沿って、検討を進めたいと考えております。 税の執行面につきましては、国民の納税についての理解を深め、自主申告、自主納税体制の推進をはかるよう、日ごろ、最善の努力を傾けておりますが、国民の信頼と協力を得まして、適正公平な税務行政を実現すべく、今後とも不断の努力を払う所存であります。 金融政策でございますが、わが国経済の発展、国際化の進展に即応して、経済の効率化を金融面からも推進していくためには、長期安定資金を供給する証券市場の整備、育成をはかるとともに、金融機関を通ずる低利かつ安定的な資金の供給体制を整備することに、一段のくふうと努力を払う必要があります。 現在、一般民間金融機関のあり方などに関し、金融制度調査会において審議が進められておりますが、今後、適正な競争原理の金融面への導入を推進し、金融の効率化を実現するよう、慎重な検討を行なってまいりたいと存じます。 また、今回の景気調整の経験にかんがみ、私は、この際、金融引き締め政策手段の改善につき検討を進め、財政上の措置と相まって、景気調整機能の整備をはかることが肝要であると考えます。 次に、国際経済政策でありますが、最近マルク、フラン等をめぐって発生した動揺は、国際通貨体制の安定が世界経済発展の重要な基盤であることを、あらためて認識させたのであります。 現在、各国は、相互に連絡協調しつつ、国際通貨体制安定のために懸命の努力を重ねており、わが国も、国際経済社会の一員として、できる限りの協力を行ないつつあります。今後、この努力が効を奏し、国際通貨体制がより安定したものとなることが、切に望まれるのであります。 一方、わが国の貿易の自由化や対外資本取引の自由化については、従来の成果の上に立ち、さらに推進をはかってまいりたいと存じております。 以上、わが国経済の現状と今後の財政金融政策について、私の考えの一端を申し述べました。 激動を続ける国際経済情勢のもと、わが国経済の持続的成長をはかり、ゆとりある家計と蓄積ある企業を実現し、豊かな社会を築いていくために、私は全力を尽くしてまいる所存であります。 皆さま方の御協力と御鞭撻をお願いする次第であります。(拍手)
○田村委員長 この際、新たに就任せられました両政務次官より発言を求められております。これを許します。上村大蔵政務次官。
○上村政府委員 今回の改造に際しまして、大蔵政務次官に就任いたしました上村千一郎でございます。 至って力のない者でございまするが、大臣のもと一生懸命やって責任を果たしてまいりたいと存じますので、何とぞよろしく御指導を賜わりたいと存じます。 これをもってごあいさつにかえたいと思います。(拍手)
○田村委員長 沢田大蔵政務次官。
○沢田政府委員 上村政務次官とともに、先般、大蔵政務次官に発令をされました参議院議員の沢田一精でございます。 皆さま方の御指導と御鞭撻によりまして職責を全うしたいと決意をいたしております。 どうぞよろしくお願いをいたします。(拍手)
○田村委員長 先刻の福田大蔵大臣の所信表明に対しまして、質疑の通告がありますので、これを許します。村山喜一君。
○村山(喜)委員 次期総理大臣をもって自他ともに評価されておる福田大蔵大臣が二年ぶりに大蔵大臣にお帰りになったわけですが、国債政策を導入された責任者として、この節度ある体制を定着をさせたいという所信の表明がただいまございました。この国債の導入につきましては、われわれ社会党としては反対をしてきたのでありますが、いままさに財政の硬直化という現象が出てくる中において、この国債の発行限度額というものの上限が、ワクが二千五百億程度しかない、そういうような状況にいま立ち至っておりまするし、さらにまた、過去における国債発行の政治の姿勢がはたして経済の実態に即応してなされたのであるかどうかということについても、いろいろ評価しなければならない点がございます。過去においては、過熱のところにもつてきて国債を大量に発行をして、さらに有効需要を拡大をし過ぎたという問題等も出ているわけであります。 そういうような点から考えてまいりますと、今度の自然増収の伸びによりまして、先般の閣議で約一千億の減額をするということがきまったようであります。その比率から見てまいりますると、これは九%台になった、とするならば来年はこれを七%台にまで持っていくのだという一つの目安を何かお持ちであろうと思うのであります。ヨーロッパやその他の国々に比べてみると、確かに国債の発行割合は日本のほうが高いのであります。それを五%程度に持っていくというような考え方をやはり長期的には持っておいでになるだろうと思うのでありますが、この国債発行を節度あるものとして定着をしようという御意思を発表なさった以上は、今後どういうふうにしていくのか、その点についてまず第一点、明快にお答えを願いたいのであります。
○福田国務大臣 私が国債を発行したそもそもの考え方は、一つは、わが国は焼け野が原、廃墟の中から立ち上がった新日本であります。そういうようなことから財政の需要というもの、ことに社会資本の立ちおくれの取り戻しというものが非常に大きな課題である、こういうふうに考えるわけであります。したがって、財政は年とともに膨張せざるを得ない形勢である。それをどういう財源でまかなっていくか。これをまかなう通常の手段は税、そういうことになるわけでありまするが、また、この税を負担すべき企業も国民もこの焼け野が原からの立ち上がりであります。これにまた蓄積を与える機会というものを持たせなければならぬ。そこで私は、国がこの際は借金をしても、一つは国の膨張する財政需要に応ずると同時に、企業と個人に蓄積を持たせなければならぬ、こういう考え方をとったわけであります。これが一つ。 それからもう一つは、過去の戦後の日本の景気の動きを見ておりますると、時に高い高原景気がある、次に続いて反動的に低いなべ底景気というものがある、そういう山と谷との反復であるという状態で来たわけであります。これを何とか是正しなければならぬ。それにはいろいろな方法がありますけれども、財政も国の総需要の二割を占める大きな経済を動かす要因でありますので、財政面でもそのことを考えたい。それには公債政策を導入して、その伸び縮みによってその任務を尽くす、こういうことだという考え方をいたしたわけであります。公債政策を導入いたしました主たる理由は、その二点にあるわけであります。 この二つの私の考えた趣旨が今後の財政におきましても生きていくように、これが破綻を生ずることなく生きていくようにということが、私の公債政策定着化という考え方の中心をなすものであります。ことしは六千四百億円の公債発行を予定し、年度途中において千億円を減額するという措置をとったのでありますけれども、非常にことしは景気がいい、景気がいいから国債なんか出さぬでもいいじゃないかという議論が一方においてあるかもしれませんけれども、しかし、国家需要のほうはそれを許さないのです。そこで、しかし景気調整という考え方を加えて千億円の減額ということをしたわけでありまするけれども、今後も経済の成長発展という趨勢を見ながら、好況のときには民間設備投資が旺盛である、これにささえられた好況状態という際にはこの公債の発行額を押えぎみにしていく。しかし、全部を押えてしまうかというと、私はその必要はない、やはり国家需要、これを税でまかなうよりは公債でまかなっていったほうがいいというふうに考えますので、その程度の国債発行ということは考えていったほうがむしろいいんだというふうに考えますけれども、しかしながら、好況の度合いに応じましてこれを漸減するという考え方、これをとっていきたい。 これを四十四年度の予算に当てはめてみますと、四十四年度におきましても経済の成長の高さはかなり高いものだというふうに想像されるのであります。したがいまして、当面四十四年度の問題といたしましては、今年度の公債六千四百億円、これをまあとにかく千億円以上は減らして、そして公債政策に対する節度を守り抜いていきたい、こういう考えであります。
○村山(喜)委員 公債政策の是非論につきましては、きょうは時間がありませんから、これはまた通常国会が始まりましてから申し上げたいと思いますが、大臣の言われる考え方としては、ことしは五千四百億程度になった、来年はそれよりも約一千億程度減らす、こういうような考え方で対処していくのだというふうに受け取っていいのですか。それとも、先ほどの説明では、六千四百億から一万億程度減らした数字ということですか。五千四百億から一千億減らすのですか。
○福田国務大臣 六千四百億円からさらに一千億円以上できるだけこれを減額していきたい、こういう考えであります。
○村山(喜)委員 そういたしますと、大体、ことし六千四百億組んでおったものを、発行限度を一千億引き下げたわけですから、ことしより少し減らすという程度になるわけですね、実際の発行額は。
○福田国務大臣 実際の予算と予算とを比べて見ていただくのが妥当かと思うのでありますが、予算と予算を比べますると、一千数百億のものを減らしてみたい。しかしお話しのように、実績と比べるとさほどのことはありませんけれども、また、これは来年の実績がどうなるか、実績と実績でひとつとらえていただきたい、かように思います。
○村山(喜)委員 これは社会党としては、できるだけすみやかに率を引き下げていくように——いまの形でいけば、来年度の予算の規模がGNPの伸びの程度ということになりましょうから、そういうようになってきたら国債に対する依存度合いというものは七%台まで下がるかもしれません。しかしながら、それはもっと下げていくべきだと私は考えるのです。そうでなければ、景気調整能力といいますかそういうものを財政に期待をする以上は、やはりそこには景気の好況期においては発行額を減らし、そして不況期において財政による有効需要を喚起するという最初の国債発行のねらいがはずれてくると私は考えるのであります。その点で今後の予算のできばえをまた見せていただきたいと思います。 そこで、その次に問題になりますのは、予算委員会であなたが、来年度の物価の上昇は五%以内にとどめるように配慮するのだということを答弁されました。そこら辺間違いはございませんか。
○福田国務大臣 間違いございません。
○村山(喜)委員 四十二年度は四・二%の物価の上昇にとどまりました。ところが、四十三年度の物価の上昇は大体四・八%という政策目標が立てられたわけであります。そのときに、三月末の物価指数を四十二年度の平均の物価指数で除しましたいわゆるげたばきの分というものが三・二%くらいありました。この三・二%というものを初めから考慮に入れると、四十三年度において物価の上昇の許容率というものは一・六%の範囲内になるわけであります。こういうようなことを経済企画庁長官が説明をいたしましたし、宮澤長官もこの問題については、非常にむずかしい問題であるけれども、そこにしぼって努力をしなくちゃならぬということを言ってこられたわけであります。ところが、ことしもまた、四十三年度は国際収支、貿易収支の伸び等によりまして非常に好調でございますが、しかし、佐藤内閣の泣きどころはこの物価にあります。この物価は、これをいまの形で来年の三月まで引き伸ばしてみますと、まあ六%近くの物価の上昇ということになる。幸いにしてことしは暖冬でございますから、野菜の値段が落ちついているといいますか、そういうようなことで十月に入ってから幾らか物価の上げ足が落ちついているようであります。しかし、それにしても、一番シビアーに見積もりましても五・五%を下ることはないだろう、こういう見方が経済企画庁あたりの数値でございます。とするならば、げたばきの分がやはりその分だけ高くなってくると私は思うのであります。それは三%になるかあるいは三・五%になるかわかりません。そうなりますと、あとに残りました指数というものは一・五ないし一・六という、そういう課題をかかえてその中で物価対策を講じていかなければならぬ。ところが、最近佐藤総理大臣の総需要の抑制論というものがございます。あなたの所信表明の中にも、国内需要は盛り上がりを示しつつある、その結果が物価上昇という形に傾向としてなっているのだというとらえ方ですから、福田大蔵大臣もやはり総需要の抑制論という立場を物価政策としてはお持ちだろう、こういうふうに推測するわけであります。これは間違いであったら訂正を願います。 そのときに、いわゆる公共料金という問題が目の前に出てまいります。国鉄運賃等については、所管の大臣等慎重に答弁されているようでありますが、今後やはりそのほかの公共料金、あるいはバス、タクシーというような交通料金、私鉄等の関係のものもありますし、あるいは電電公社の値上げのものもございます。こういうようなものについて、このげたばきの分が三%以上あるのだということを考えてまいりますと、物価を一%引き下げるためには成長率を二%程度落とさなければならぬ、成長率を一%落とすためには約一兆円の金が要るのだ、そういうふうな試算を経済学者が計量数学を用いて説明をしておられる資料等も拝見をしておるのであります。 そういうようなことを考えてまいりますと、五%の範囲内に物価の抑制をするのだというのは気持ちだけの問題であるのか、それに対する何か裏づけといいますか、そういうようなものを大蔵大臣としてはお考えになっているのかどうか、その点をお聞かせを願いたい。
○福田国務大臣 一つはげたばきですが、げたが昨年は三・二という非常に高い、異常ともいうような状態だったわけでありますが、今回はさほどまではいくまい、かなりこのげたばきの状態は改善されておる、こういうふうに見ております。これからの物価の動きを見ないと最終的なことは申し上げるわけにまいりませんけれども、かなり改善をされておる、こういうふうに思うわけであります。そこから見ても、ことしのような状態はない。そこへもっていって、私どもといたしましては、物価抑制という見地から財政、金融その他行政諸施策、これをとってまいりますので、私は五%以内にこれをおさめることは可能である、また、その程度におさめなければならぬ、そのように考えております。
○村山(喜)委員 そうしますと、福田大蔵大臣は、総需要というものを抑制するのだという考え方は基本としてお持ちなんですか。
○福田国務大臣 総需要、これは物価政策の最大の問題であると思うのであります。つまり、経済の成長があまり高きに過ぎますということは、設備投資が拡大され、消費が拡大され、また財政が膨張する、こういうことでありますが、そうしますとどうしても人手不足という問題があるのです。絶対量において窮屈になるという傾向もさることながら、その成長する産業なりその他の部門部門に対する適応した能力を持った労働力、これに隘路を生ずる、こういう状態になり、その隘路から賃金の上昇というようなことになり、これはコストに影響するわけでありますから、どうしても物価上昇を刺激するということになる。そこでどうしても適度な成長ということでなければならぬと思うのです。ただその適度というのが、物価の側面も一つありますが、もう一つの側面は外貨保有高の問題、つまり国際収支の問題、こういう側面のことも考える必要があるわけでありますが、その両面からとらえましても、成長の速度がその時点において、まずまず適当だというようなところに落ちつかせるような誘導政策をとらなければならぬ、かように考えております。
○村山(喜)委員 十一月の半ばごろ、佐藤総理大臣が公共料金を引き上げることによって需要を吸収する。公共料金を押えることは、将来における財政負担を増していくので、結局は国民の税金で見るんだということになる。この際、物価を押えることが必要なんだが、その場合に、増税をするということを考えると、これは非常にむずかしい。だから、公共料金の引き上げが増税にかわり得る役割りを果たすのだというような、そういう経済の議論を佐藤さんがされて、それに対して、当時の宮澤経済企画庁長官が、消費者物価指数が上がることを覚悟するのだったら、それでもいいでしょう、これは一つの政策論としては傾聴に値する論だけれども、ということの論争があったことがございます。そういうような立場から、いまの説明を承っておりますと、国際収支の問題やら、あるいは適度の成長率の問題にお触れになりました。そこで私は、いまの物価の上昇というものが、やはり民間の設備投資、社会資本の充実、あるいは個人消費との関連性においてとらえてまいりますと、きわめて高過ぎる。もう経済社会発展計画以上に設備投資が実施されて、昭和四十六年度の最終年度の分が昭和四十三年度において達成をされようというような経済社会発展計画とのズレが出てきた。そのことをやはり指摘しなければならないと思いますが、この際、昭和四十二年度の経済成長率も閣議で発表された数値によりますと、一三・二%というような非常に高い数値になっておる。ことしも四十三年度は一二%は下らないだろう、こういうふうに見られております。 そうすると、福田大蔵大臣が昭和四十四年度において適度の成長率というものを打ち出されるというのは、どの程度のものを頭の中に描いておられるのか、これについて説明を願いたい。
○福田国務大臣 確かに昭和四十二年度は一三・二%、それからことしはどうなるか、おそらく一二%に接近していくくらいな情勢ではないか、こういうふうに見ておるわけです。そういう高さ、これは私は必ずしもいい状態ではない。これがもう少し低い状態でありますれば、外貨保有高あたりもまた今日の状態よりもずいぶんふえており、将来の安定的な発展のために貢献した状態だと思いますが、しかし、実際はそう動いておるわけでございます。 そこで、来年の経済の動きをどういうふうにするか、これを一挙に引き下げる状態というものも、これは経済活動をディスカレッジするということになりますので、適当ではない。ことしあたりから二%下げ、一〇%をこえないというくらいな程度が、この時点としては適当ではあるまいか、そんなふうな感じを持っております。
○村山(喜)委員 私も、来年度の経済の見通し等については、十二月に経済企画庁のほうで政府の見通しの発表がなされると思いますし、それに基づいて予算の編成もまた始まることになると思いますので、次の委員会等において論議をしたいと思うのですが、やはり高度成長よりも安定成長の道をたどらなければ物価の安定というものも期し得ないと思うのです。そういうような立場で全体の景気調整政策を進めていただきたいと思うのでありますが、この際、やはり何といいましても、いまの民間の設備投資、それに社会資本、それから個人消費、そういうようなものの関連性を考えてまいりますと、一番立ちおくれているのは社会資本の充実ではないだろうか、そうして、なぜこんなに経済社会発展計画と現実との間にズレができてきているのだろうかというようなことを分析してみますと、これは予算委員会において多賀谷委員のほうから質疑を行ないましたが、現実に法人税率の一これは法人税その他の地方税まで含めてですけれども、それの負担割合が発展計画の中で四〇・六%くらいとるべきものだという想定が閣議決定の裏の資料として出されておるわけであります。私、その資料をここに持ってきておりますが、それでまいりますと、現在は三六%程度しか負担率がない。四十一年度の計画と実績の数値も出ておりますが、そういうような点から考えますと、やはりこの際、国際収支の状況が非常に好調であるという中においては、設備投資を金融政策やあるいは財政だけでこれを抑制することは、私は不可能だと思う。そのときにやはり法人税率の引き上げ等を措置することによって、税制の上からもこの設備投資をある程度規制をしていくという措置をとりながら、片一方においてはおくれている社会資本のほうにその税源を充当していくという考え方をとらなければ、均衡ある発展というものが生まれてこないのではないか。 そういうような点で、民間の設備投資というものをある程度押える必要があるんだという考え方を持っているのですが、これは大蔵大臣としては押える必要はないんだというようなお考えを表明されたやに聞くのでありますが、その点についてはいかがでございますか。
○福田国務大臣 国の総需要の大半というか約半分は、国民の消費需要ですね。大体大ざっぱにいいますれば、二〇%が設備投資需要で、二〇%が財政需要ということになるわけでありますが、どうも国民消費需要というものは、これはなかなかコントロールのできない分野なんです。これは一定の速度で伸びていかざるを得ないだろうかと、こういうふうに考えるわけであります。そうすると、景気調整ですね、成長の高さを左右する要因というのは、民間の設備投資と財政消費、こういうことになるわけなんでありますが、確かにいま社会資本の立ちおくれということを私も強く認識しておるのであります。さればこそ、公債まで出して、そうして建設的な用途にこれを充てていきたい、こういう考え方をとっておるのであります。 お話しのように、法人税を強化して、さらに社会投資を拡大せよということでございますが、日本経済の安定、それを考えると、日本経済全体としての問題もありまするけれども、しかし、ほんとうの安定というのは個々の企業、個々の家庭が安定をするということではあるまいかと思うのです。その個々の企業の状態を見てみますると、自己資本、それから他人資本ですね、借り入れ金等の外部負債、これとの比率がよくなることを期待しておるのでありまするが、むしろだんだんと悪化いたしまして、四年前私が大蔵大臣をやっておったときに比べますると、かなり自己資本比率が下がっておるのであります。そういうような状態において、法人税をまた重課するというようなことになりますると、また日本経済全体の発展に影響もあろうか、こういうふうに考えておりまして、設備投資を抑制する必要がある——これは、輸入が激増してまいるその反面輸出がふるわないというような事態がありますれば、これを抑制する必要が出てくると思うのですが、それは税のほうでなくて金融政策の運用にこれを期待したい、こういうふうに考えておるわけであります。
○村山(喜)委員 時間もあまりありませんので、この問題についてはまた具体的な資料のもとで論議を詰めてみたいと思います。 いずれにしましても、経済社会発展計画の中で策定をしましたものと、今日の現実とでは、税率の上から非常に大きな乖離が出てきているということは事実でありますし、また、異常な成長率を続けておりますと、やはりそのためにひずみが拡大してくることも事実でありますから、安定成長の路線に乗せるためには何らかの方針を打ち出してもらいたい、そういうふうに考えております。 そこで、具体的な一つの問題だけ最後にお尋ねいたしますのは、大臣に質疑が予算委員会でなされた中で、追加補正はやらないということを参議院で答弁をなさっていらっしゃるようであります。しかし、米の問題は、九百六十万トン以上だといわれます。九百万トンについては財源措置を講じた、あるいは六十万トンについてもこれは措置をしたんだというような話もございますが、コストの逆ざや分と六十万トンの百八十億分を合わせますと約四百億くらいの追加補正の要因があると私は思う。それをやらないということは、食糧証券を発行してそれでやりくりをしながら、この問題については翌年度に持ち越すという考え方をお持ちになっていらっしゃるのですか、その点をお答えを願いたいのであります。
○福田国務大臣 さような考えは持っておりません。つまり、ことしの予算では、当初八百五万トンでしたかの買い入れを予定したわけです。それが現実には九百六十万トンというふうに見通されるわけであります。そこで、そのふえた分に伴う赤字をどうするか、こういうことにつきましては、夏、米価改定を行ないまして、生産者米価は五・九%、それに対して消費者米価を八%引き上げたのです。それで大かたカバーできるんじゃないか。しかし、カバーし切れない額が食管会計の内部のやりくりから出てくる、こういう事態が出てくるかもしれないのです。そういう際におきましても、総合予算主義は今年初めて始められた大方針であって、そうしてこれは非常にいい面を持っておるというふうに考えますので、既定経費というか、それにも年度末に至りますれば不用額も出てまいります。また、不急と認められる経費で差しとめてもよかろうと考えるものも出てまいります。そういうものを差し繰りいたしまして、現在の五兆八千百八十五億というこのワクの中で処理したい、こういうふうに考えておるのであります。 私のこの総合予算主義に対する考え方は、とにかく総合予算はどっちかといえばたっぷり予算、ある程度想像される財政支出に対しましてはあらゆる財源を整えておく、こういうことであります。それで、かりに財政で収入の面に落ち込みがありましても、これに対処し得る状態に置こうというのでありまするが、しかし、社会は流動しておる、行政需要もいろいろの変化を生じておる、それに対しましてはこのワクの中で対処できるという状態、さようなことを考えておるわけでありまするが、しかし、異常な事態、非常な事態である、そういうものができた場合に、それは総合予算主義だからそこでやり切るんだ、国民が幾ら困ってももうしょうがないんだ、あるいは国家の立場から見て非常に支障ができてくるというのでもしょうがないんだ、さほどまでには考えておりません。その際は、高度の政治判断として、増ワク補正ということもあり得ることなのです。それは財政が大事か、国が大事かという判断できめらるべき問題である、かように考えております。
○村山(喜)委員 私は、消費者米価と生産者米価の値上げの差額によって幾らか財政の赤字が埋まったことも事実だと思うのです。しかし、それをもってしてもなおコストの逆ざや分の解消は完全にはできなかった。大体二百二十億くらいのものが残っている。それに六十万トン分を食糧証券への切りかえといいますか、そのやりくりによってまかなうという態度ではなしに、補正要因としてこれをとらえていくならば、やはり四百億ぐらいの補正財源というものが必要になってくると私は見ております。そういうような場合には、やはりこれは政治的に判断をして、総合予算というのは補正なし予算ではないのだと大蔵大臣も言っていらっしゃるのですから、当然補正として財源があるわけですから、補正予算を出すべきなのです。 私は、そういうような基本的な考え方で、なぜ総合予算主義をこわしたんだというようなことは追及はしません。そういうような気持ちもありません。だから、そういう必要なものは当然、公務員の給与改定の分等も、これは総合予算主義なのだから押えるんだということでは成り立たないと思うのです。それは予算制度として、予算の運営方針としては総合予算主義というものはあっても、生きた現実の政治に対処する道ではない。そういうような点から、これらの問題については変なやりくりはなさらないようにこの際はっきり——そういう政治的な判断でおやりにならなければならないものが出てくる、そのときには大蔵大臣としてはぜひそういうような政治の常道に従って対処願いたい。それだけ要望して、あとに税の問題で只松委員のほうから関連がございますから、私の時間はこれで終わります。
○田村委員長 只松祐治君。
○只松委員 ただいま村山委員からいろいろ述べられ、あるいはお答えになりましたわが国の経済状態あるいは来年度の予算編成方針、そういう中で、前から私がいろいろ質問をし、水田大蔵大臣が九月四日の本委員会においても明確にお答えになった事項がございますので、新大臣の就任にあたって確認の意味を含めてお尋ねしたいと思います。 すなわち、いろいろ税の問題全般聞きたいのですが、一点だけ所得税の問題について聞きたい。所得税は納税人員あるいはその金額ともにたいへんに重くなっていることは、もう私がここで申し上げる必要もないわけであります。そういう中で課税最低限の引き上げとともに税率の引き下げも行なう、こういうことをここで水田大蔵大臣は明言をされたわけです。引き続いて大臣になられた福田大臣も、それを踏襲される、単なる踏襲ではなくて、税調でもこのことを明確に答申をいたしております。税調の意見を尊重する、こういうことにもなるわけでございますから、ひとつ明確なお答えをいただきたいと思います。
○福田国務大臣 そのとおり考えております。
○只松委員 それと、いま一つは所得の給与控除、いわば必要経費ですか、最高額を引き上げると同時に、百十万円で頭打ちしておりましたその適用金額を三百十万円程度に引き上げるというようなこともいわれておるわけでございますが、給与所得者の税制については、そういう面についても来年度努力されるかどうか、この点について承りたい。
○福田国務大臣 さような考えで前向きでいま考えております。
○田村委員長 武藤山治君。
○武藤(山)委員 福田さんがまた大蔵大臣に戻られて、今度は大所信表明をやるかと思って実は期待しておったのでありますが、どうもこの所信表明を見ると、第三者的、評論家的現状分析にとどまって、大蔵大臣として何をなすかということが、残念ながら表明されていないのです。私、ちょっとがっかりいたしたのでありますが、そこで、この所信表明に基づいて二、三点現下の情勢を加味しながら、明年度予算あるいは明年度の経済の見通し、そういうような問題についてもちょっと触れてみたいと思うのであります。四十分の持ち時間でありますから、論争する時間はないと思います。事実関係をできるだけ端的にお答えをいただくようにいたしたいと思います。 大臣は、就任早々新聞あるいはテレビ、方々で座談会で意見を発表されております。その中で、参議院の本会議での答弁の中にもあったと思いますが、来年の予算はどういう予算編成をしようかという姿勢の問題が、従来は中立型だとかあるいは積極型だとか、抑制とか警戒とかという一応の概念がありますね。そういう概念に当てはめたら、明年度予算編成というのはどういうタイプの予算になろうとしておりますか。
○福田国務大臣 私は、中立警戒型の予算を組む、こういうふうに申しておるわけであります。
○武藤(山)委員 最初はたぶん警戒抑制型予算になるだろうということを言っておったようですね、新聞によると。きょうの答弁では中立警戒型に変わってきた。それはおそらく大臣の気持ちの中では、歳出増を押えられないから、この程度の歳出の伸びになるだろうという目安をまず頭の中に浮かべて、とてもこれは警戒抑制ということでは当てはまらぬ時代が来るぞ、そこで中立をきょうは入れて中立警戒型と、こうなったわけですね。 大臣、ちょっとお尋ねしますが、中立警戒型と警戒抑制型とどう違いますか。
○福田国務大臣 私は警戒抑制型と言ったことは一言もありませんから、その点は御了承いただきたい。私は初めから警戒中立型、場合によっては中立警戒型、こういうふうに言っておりますが、これは一緒でございます。
○武藤(山)委員 それでは中立警戒型と警戒抑制型とはどう違うかという質問ですね。たとえば財政制度審議会では警戒型でいくべきではないか。いまの設備投資の状況、国際経済の動向、アメリカのこれからのニクソン財政による変化、輸入制限、そういういろいろな要素を考えたときに、どうも国際収支や外貨の準備が天井が高くなったが、そう楽観ばかりできぬぞということを、日銀総裁や財政制度審議会では警告を発して、警戒型、警戒抑制型が望ましいと言っておるわけですね。あなたはいま中立警戒と言ったので、中立警戒と警戒抑制とその概念の中にどう違いますかということを聞いておるのですが、いかがですか。
○福田国務大臣 私は警戒型と言ったことはありませんから、私が最初からずっと言っておる警戒中立型と警戒型というのはどう違うか、これは的確なお答えはできませけれども、私が警戒中立型と言っておるゆえんのものは、いま経済情勢は順調に推移しておると思うのです。財政が抑制というようなトーンを非常に強く出すという時点ではない。しかし、私は警戒をしなきゃならぬ。それは何だというと、国際情勢なんですよ。いまフランスの状態を見てみましても、一体あの大幅な賃上げを許容したドゴール政権が物価騰貴をはたして押え得るか、これは非常に私は危惧の念を持っておるのです。フランの切り下げ問題というものが再燃してくるおそれなきや。また、イギリスにつきましては、これは御承知のような状態でございます。そういう事態が、これが不幸にして国際的協調によって克服されない、あるいはフランス、イギリス政府の強力な措置が浸透しない、こういう事態になりますると、世界的に通貨不安がかなり起こってくるんではないか、これが通商不安に発展するんではないか、こういうことをおそれるのであります。通商不安になってくる。OECDあたりの見方によりましても、どうもことしあたりの貿易総量の伸びですね、それに比べますと、来年はどうも半分くらいの低目に落ちそうだ、こういうことを言っております。はたしてそういうふうになりますかどうかわかりませんけれども、そういう事態も考慮しておかなきゃならぬ。 そこで私は、予算の編成についてももとより慎重を期しますけれども、執行にあたりましても弾力的なかまえをとっていかなきゃならぬ。それから金融政策におきましても、いま日本銀行を通ずる金融調整の機能、これはかなり高いものでありますけれども、しかし、現実的に日本銀行の統制の及ぶ範囲というものは、三割をやや上回るという程度の分野にしか働いておらないわけであります。そういうことで、財政の面においてもかじとりができるように、あるいは金融の面においてもかじとりができるように、この両面を通じて流動する国際情勢に対処していかなければならない。 それから、経済企画庁あたりで、いま来年の見通しというものを論議しておる。その論議で非常に注目される点は、国際収支じりが一体どうなるか、とんとん説もあります。あるいは二、三億ドルの余りという問題もあるわけであります。 とにかくそういう点を考えますると、なかなか来年というか、今後の経済運営はおよそ容易ならざるものである、よほどこれは腹をきめてかからなきゃならぬ問題である。そういうことで警戒中立型の予算だ、こういうふうに申し上げておるわけであります。
○武藤(山)委員 大体主計局が予算編成する際に、中立とか警戒とか抑制という概念を利用するときは、中立という概念は経済成長率と財政の成長率、伸び率ですね、これが大体同率だ、経済成長率と財政の伸び率が同じくらいのものを中立と言っておるわけでしょう。そうすると、中立警戒と言った場合には、その率はどうなんですか、経済成長との関係においては、財政の伸びは。大体どういう定義をしておるのですか。
○相沢政府委員 従来中立型の予算と言った場合に、ただいま先生のおっしゃいましたように、GNPの伸び率と一般会計の規模の伸び率とが大体同程度のものを中立型、そういうような表現を私はあまりいままで存じておりません。景気に対する影響ということを考えた場合には、単に財政規模だけではなくて、やはり政府の経済に対する影響ということで、政府の財貨サービスの購入がどの程度になるかというような観点も当然あわせて考えなければならない、かように存じております。
○武藤(山)委員 いずれにしても、中立警戒型ということは、経済成長率よりもそう上回らない率で予算編成をしていきたい、気持ちはこういう気持ちだと思うのですね、大臣。 そこで、大臣はこの間参議院の本会議で、明年の歳入増、すなわち自然増は本年と比較して一兆一千億円程度。大蔵官僚の試算を新聞で発表したところによると一兆二千億円程度。来年の歳入増は日本経済新聞に出ておる数字では大体一兆二千億円程度。これは大体何%ぐらい伸びるという積算で一兆一千億から一兆二千億という数字は出てきているのですか、大臣。
○福田国務大臣 今年度の自然増収がそもそもまだよくわからないのです。わからないのでありますが、十月までの状況は二・三、去年よりはよろしい、こういう状態です。それがそのままずっと推移するということを考えてみますると、千八百億という数字が出るのですが、しかし、この数字のとおりにいきますか、いきませんか、これは今後の推移を見なければわかりません。暮れのボーナスなんというのが非常に大きな要因になりまするし、また、下期決算の法人税の徴収額ということがどういうふうになるか、これも見なければわかりません問題ですから、不確定な千八百億ですけれども、機械的にいうと千八百億というものが出る。ことし、昭和四十三年度の予算では、当初九千五百億の自然増収を見たわけでございます。それにかりに千八百億円を乗っけますと、一兆一千三百億になるわけで、事務当局の顔色を見ましても、千億を下るということはなさそうだというようなことを言っております。これは勘だろうと思うのです。そこで、私は一兆一千億円をかなり上回る自然増収が見られるであろう、こう申しておるのであります。
○武藤(山)委員 そうすると、かりに前年と比較して一兆一千億から二千億伸びると一五%増ぐらいになりますね。一五%一般会計の歳入が伸びるという積算は、経済成長率と関連して考えてみると、ちょっと見積もりが中立型じゃなくなる。中立型を上回る、やや積極型予算ということになりそうなんでありますが、そこらは大臣、どうですか。
○福田国務大臣 まだ成長率論議は尽くされていないのです。しかし、一〇%近くというようなところに落ちつくんじゃないかというふうに見ておりますが、私が申しておるのは、成長率論議じゃないのです。徴税当局の実感からまずこの程度だろう。 それから、一兆一千億円以上だというのは、ことしの予算に比べて、ことしの伸びがそうだったということも考えながら、そう申しておるわけであります。
○武藤(山)委員 私がなぜこの問題を取り上げたかというと、大臣は日本経済の経済部長との座談会でもその他金融財政事情での新年号のあいさつ状でも、経済成長は一〇%をこえさせたくない程度で押えたい。一般財政だけは一五%伸びていくということでは、中立型、警戒型、抑制型のどれに入るのかということと矛盾をするから、私はこれを追及しているわけです。だから大臣は、あっちへ行っては適当に経済成長率は一〇%と言っておきながら、一般財政では一五%の伸びを平気でやっていくという矛盾を、そして今度は表現は中立警戒型だという適当なことを言ったんでは、一貫性がない。ほんとうに国家国民のために財政をあずかる大蔵大臣として、この筋を通した行き方で、これで行くんだというものはないじゃないですか。みんな違う。質問されてみると、これは税金の自然に入ってくるのが、たまたま逆算したら一五になりそうだというのでは、定見のない話じゃありませんか。あなたは新年号の締めくくりのところで、圧力団体にも屈しない、あれにも屈しない、き然とした筋を通した態度がこれからの日本には必要なんだ、最後はぴしっと締めくくっている。筋も何もない。税金は税金のほうで自然に合わせたら、逆算したら一五になった、心の中では一〇%に押えたい、表現は中立警戒型だ、これじゃ一体何を大臣ねらっているのか、国民は読んでいてわからぬ。そういう点、まことに不満ですが、論争する時間がないから、次に進んでいきます。
○福田国務大臣 そう言われると、ちょっと一言。 一〇%以内というのはこれは実質一〇%、これはもう武藤さん百も承知のことかと思うのです。ノミナルの成長、これがどうなりますか、これは物価の見方にもよりますが、一四、五%、そういうようなことに自然になってくるのだろうと思います。そういう際でありまするから、大体私が勘として一兆一千億をかなり上回ると見ておるのは、成長問題と大体符合してくるのですよ。それから弾性値問題というのも御承知のとおりあるわけです。そういうようなことを考えますると、おっしゃるような状態の考え方じゃない、これはよくひとつ御理解を願いたいと思う。
○武藤(山)委員 時間がなくて、一ぱい質問項目があるものですから、締めくくりまでいかないで、芽を出す程度で終わると思いますが、次の問、題は、先ほど本年度の自然増収は一千八百億ぐらい、事務当局は一千億は下らないと言っておるのですが、主税局長、この十月末の租税収入の状況調べによると、非常に進捗率はいいですね、前年と比較しても、所得税において源泉分は六〇・八、去年は五四、かなりのいい率になっている。おまけに今度は大型景気の最大ボーナスということで、これがさらに、十二月の収入というものはかなり多い。三税の中で、法人税を見ても、去年は五一・一が五三・五。悪いのは酒ですね。しかし、酒はこれから正月にかなり消費が伸びるだろうから、酒もそう心配したことはないと思うのですね。この法人と所得税の納入状況から見ても、今年の自然増というものは私はかなりあると思うのです。そうすると、主計局は、この本年の自然増で出たものは剰余金で次の年度へ繰り越すのか、これは大臣の判断ですね、それとも国債減額に何ぼくらいこれを充てようとするのか。それはどうなのですか。
○福田国務大臣 これは額が確定しておりませんから、数字は申し上げられませんが、まあ千億は下るまい、こういうことで、千億円の国債の減額、これは実行いたします。それから、それ以上に余剰がありますれば、これはやはり国債の減額ということをさらに考えなくてはならぬ、かように考えております。
○武藤(山)委員 とにかく大臣の気持ちとしては、自然増収、余ったら、余剰金に繰り越さないで大体国債を減らすのだ、こういう方針であることはわかりました。 次に、大臣、これもまた、たまたま言明されておるのでありますが、来年度の一兆一千億か一兆二千億円の歳入増の中から当然増経費を差し引いた残りを、新聞などによると、残りが三千億円くらい、それを半々に減税と国債の減額に回したい。そうすると、やや一千五百億円ずつをやるのだ、こういうのですね。ところが、そうなると、当然増経費というのがもう大体わかっているわけですね。きょうの所信表明では、もう当然増が七千億円。ところが、この間の大蔵省の発表では当然増経費は九千億円、そうすると、残りは大体三千億円くらいだ、こう言うけれども、予算規模が幾らになるかまだきまらない。それから一般会計の成長率をどのくらいにするかもまだきまらない。GNPの伸びもまだきまらないという段階だから、おそらくそれははっきり答えられないと逃げられるかもしれないけれども、半々に分けるという考え方は私はおかしいと思うのですよ。というのは、減税というものは年の途中ではできないですね。いままで年の途中ではやったことはない。減税というのは当初予算できちっと減税財源というものを押えてやらなければ、年度途中で財源が余ったから減税しようということはかつてないわけですね。ところが、国債のほうは、いま大臣が答弁したように、自然増収がうんと出て伸びがあれば国債減額に回せるという手続のとり方があるわけですね。それを初めから三千億という頭にワクをきめておいて、減税と国債半々だという考え方は、ちょっと私はいただけない。やはりこれだけはどうしても経済情勢から見て所得税減税をしなければならぬ、税率の緩和も一しなければならぬ、あるいは課税最低限を上げなければならない。これだけはどうしてもやってやろうということを先に定める、一千七百億円になろうが、一千八百億円になろうが。そうしてあとの分で、よし、あと一千二百億円を国債減額に回そう、ただし年度途中で経済情勢がよくて自然増収がふえた場合には国債減額に回しますよ、そういう手はずがとれるはずなんですね。そのほうがより国民に対して親切な、当初予算の総合予算主義からいうならば、組み方じゃないでしょうか。それはどうでしょうか。いまでも半々論ですか。
○福田国務大臣 それは毎年自然増収が出る、こういう前提のお話のようですが、税収の自然減少というものもなしとしないわけであります。そういう際のこともまた考えなければならぬ、こういうふうに思います。 それから、そもそも私が半々と言っておりますのは、冒頭に申し上げましたように、私がなぜ国債政策というものをわが国の財政に導入したかというと、一面においては景気調整、一面においては企業、個人に蓄積を与える両面の目的を持つのだ、こういうふうに申し上げたが、その両面の目的を相並べて遂行するというためには大体半々という見当が適切か、こういうふうに考えておるわけであります。
○武藤(山)委員 そこで、大体半々の大体というところに非常なウエートを置いて私は聞いておるのでありますが、大体なんでありますから、所得税のこの程度はどうしても、いままでの水田さんのときからここで答弁をし、各党ともここの質問で口頭を通じて約束をしてある。したがって、その分は何がなんでも確保してやろう、それで残ったもので国債減額していこうという二段がまえの考えに、大臣ちょっと気持ちを変えてはもらえまいか、どうでしょうか。
○福田国務大臣 大体というところで御了承願います。
○武藤(山)委員 それから、大臣の所信表明を読んでみると、私が先ほど無責任な評論家的表現であると言ったのは、二ページの、「国内需要は、目下かなりの盛り上りを示しつつあり、物価は、消費者物価、卸売物価ともに、上昇傾向をたどっていることが注目されます。」これは評論家でいい。しからばわれわれは何をなさんとするか、わが政府は何をするかということが政治なんでしょう。何も書いてない。予算の規模もこうする、物価との関係で予算はこうする、あるいは公共企業体の問題についてはこうする、何にも書いてない。ただ、物価は上昇傾向をたどっていることは注目しますぐらいでは、これは大臣として物価問題に取り組む姿勢が全くないと言ってもいいと思うのでありますが、これは残念です。 そこで、物価問題についてもちょっと触れておかなければならぬと思うのでありますが、福田さんはおそらく、物価が上がったって所得が上がっているのだから、それほど物価問題では気にすることないよ、というような安易な物価に対する気持ちが頭の片すみにあるから、こういう所信表明になるのじゃないかと思うのですね。物価はたいへんな問題ですよ。国民が一番いま佐藤内閣に対する不満を持っているのはやはり物価問題ですね。物価上昇です。またこれで電話料が上がる、国鉄の定期が上がる、やれ私鉄もみんな上がりそうだ。今度は財政制度審議会が医者のほうの問題まで、医療保険の問題までくちばしをいれて、医療財政はこうすべきだということを打ち出したり、また国民健康保険税を上げて、医療の掛け金もおそらく上がるだろう。そういうように軒並みに来年度はだあっと上がるものばかりメジロ押しに国民の目の前にちらついているのですよ。それについて一体いまの政府は、物価は上がるぞという説明はするけれども、おれは物価をこう安定させてやるぞという、国民の期待にこたえる政策は一つもないじゃないですか。これは怠慢ですよ。政治家として、私は政権をとっている者として怠慢だと思うのですね。そういうものを大蔵大臣、もうちょっと真剣に所信表明にもきちっと入れ、そうして手だてはこうするぞということを教えるのが私は大蔵大臣の任務だと思うのです。ただ、この間大臣にまた返り咲いたばかりで、あんまりそんなに注文するのは無理だといえばあるいはそうかもしれませんけれども、福田さんは人物ですから、私は無理なことを言うのであります。とにかく日本の政治を動かしている人なんですよ。日本の政治は福田赳夫先生がこうやろう、ああやろうということによって動く、それくらいの力を持っている。その人が物価に対して何も触れていないということについては、ほんとうに残念です。 そこで、この物価問題も、現在また卸売り物価がじりじりと微騰していて、過去十年間で三%しか上がらなかったのが、一年間で一・五%も上がろうとしている傾向は、これは重大な問題ですよ。このコストプッシュがかかってきているけれども、すでに物価問題でこれは輸出にもやがて影響してくる。公共料金以外に消費者物価にもまたかなり影響してくる。そういう段階にいま物価問題が来ている。いままでの物価騰貴でも、確かに押えたときの四十二年は低かったですね。四・二%程度で押えられた。しかし、四十一年は四・六、四十年は七・四でしょう。それが今度四十三年はまた六%をこえようとしているじゃありませんか。そうすると、ほんとうに定期預金の利率を上回るような物価騰貴はいかぬと福田さんはいつも言っている。ところが、四十三年はすでに定期預金をこえる物価上昇ですよ。このままいけば四十四年もおそらく定期預金の利率を上回る物価騰貴でしょう。大体そういう傾向が強くなってきたですね。これに対して何をするか、これをやはり私たちは聞きたいのであります。 きょうはいわゆる個々の問題については聞くわけにいきませんが、ひとつ大臣、財政制度審議会で今度輸入小麦の値を上げて、幾らか政府は財政収入を得る、もっと高く売り渡す。これは百億ですか、百五十億でしたか、もっと増収をはかる。そうするとパンも、粉を使うものはみな上がりますよ。この小麦の輸入の売り渡し価格の引き上げはほんとうにやるのですか。
○福田国務大臣 私はまだ、財政制度審議会でそういう話の出ていることを聞いておりません。
○武藤(山)委員 それはなお怠慢だ。財政制度審議会はちゃんと報告書をつくってわれわれに配っている。その中にもちゃんと書いてあります。あなた自身がどこかでしゃべっていますよ。輸入小麦の差でこうするああするという、事務当局と打ち合わせをした新聞記事が、きょうはここに持ってこなかったけれども、出ていますよ、大蔵省事務当局からも。主計局、どうですか。小麦の売り渡し価格を来年度は上げるということについてあなたは御存じないでしょうか。
○相沢政府委員 輸入小麦の売り渡し価格の問題につきまして、これは米との価格比がかなり離れてきたということが問題ではないかというような点から、また、食管の財政負担を軽減するという観点から、内外麦を通じまして現在百五十億円程度の損失になっているものを何とか埋めるようなことはできないものだろうかというような話を内々食糧庁と事務的な話はしておりますけれども、まだそういうような方針を決定したとかどうとかということではございません。
○武藤(山)委員 それは上げないで済むように、パンやお菓子に全部連鎖反応を起こしますから、大臣、輸入小麦の売り渡し価格を上げないように努力するという約束ができますか。
○福田国務大臣 これは来年の予算の編成、特に一番いま私が困難な問題であると考えておりますのは、食管関係なんですね。その一環として慎重に考えます。
○武藤(山)委員 それから大臣、この物価騰貴の元凶は、いつも論争になるのですが、与党の大臣は労働者の賃金が上がるから物価が上がるのだと言う。われわれはそうは思わない。大企業の景気のいい、収益のうんとあるところは経営者は配当をよくし、労働者の賃金をよくする。いまの法律では何もそれの制限がないのですから、当然なことですね。そうなれば今度は、すべての労働者は人間としてみな平等に扱えという議論が出ているのですから、また法律も、国家公務員は民間・地方産業の賃金と比較して劣らないようにしようというのですから、そういう繁栄する大企業があればそれにみな追っついていかなければならぬのですから上がるのは当然でしょうね。したがって、もしそういう問題に手をつけるというなら話は別ですが、つけないで、それは野放しにして配当と賃金は自由に取らせる、そういう制度になっていて、それで物価問題の責任は、みなこれは労働者にあるのだということですぐかぶせる、あるいは農民の米価要求にあるのだとこう言う。しかし、実際は私はもっと根の深いところに、政府の政策にもあると思うのであります。そのほうが元凶だと思うのですよ。大臣、きょうはその問題は根本的に議論できませんが、一つだけ聞いておきます。 この統計で通貨供給量というのをずっと見ますと、日本銀行券や政府券、発行される現金通貨の伸びは、四十一年末から四十二年末の間に四千四百七十億円ふえたが、たいしたことはない。これは経済成長率に見合ったくらいの金額である。四十二年十二月からことしの八月まで、まだ十二月まで出ていないからですが、これが約三千億、成長通貨が。ところが預金通貨のほうは、四十一年十二月から四十二年十二月の間に一兆五百億円。ことしの一月から八月までの間に九千七百六十億円ふえている。これは物価騰貴、信用インフレに大きな影響を与えていると思うのですが、大臣の御所見はどうですか。
○福田国務大臣 ちょっといまよくわかりませんが、預金通貨というその内容をひとつ……。
○武藤(山)委員 預金通貨というのは、御承知のように各都市銀行が供給している通貨ですね。当座預金等を通じて実際の信用を拡大しているやつですね。これは日銀の統計にも企画庁統計にも通貨供給量として、現金通貨と預金通貨というものはいつも通貨供給の欄にちゃんと出ているわけです。これがぐるぐる動いているわけですよね。それが信用を付与しているわけです。預金通貨というのは政府の金と同じ働きを持っているわけです。これが昭和三十五年ごろにはほんの微々たるものであった。おそらく昭和二十五年ころは百億なかったと思う。それがここ四、五年の間に急激にだあっとふえている。このふえ方が異常であります。大臣、これ少し検討してください。これは物価問題にかなりのかかわりがありますよ。時間がないから、これは大臣、検討事項として預けておいて、これの問題、弊害、物価に及ぼす影響、そういうようなものを銀行局長からあとで答弁させてけっこうですから……。
○福田国務大臣 いまのあれはちょっとわからない点があるのですが、ことしの上半期、特に八月までですね。これは金融引き締め中でありますので、どうも……(武藤(山)委員「引き締め中のが多いのだ、この傾向を見ると」と呼ぶ)おっしゃることがよくわからないのだが、私どもの統計ではそういうふうになっておりませんがね。日本銀行のコントロールできる分野は引き下げになっておるのです。ところが、日本銀行のコントロール外の金融分野においてやや増加の傾向がある。それを私は問題視しておるわけなんですが、総じてどうもそういうことがないように思いますので、どういうことかよく調べまして、またの機会に御答弁申し上げます。
○武藤(山)委員 これは当座預金の動向、銀行同士の信用の付与、銀行と企業との当座を通じての付与ですね。それのトータルがそこに出ているわけですね。これは企画庁の統計にも内閣統計にも出ておるし、日銀の統計にも出ている。これは時間がないからあとで議論する。あと十二分ですからね。 そうすると、あとは項目だけちょっと聞きますが、次期主力戦闘爆撃機のファントム、これは今後防衛庁が購入するのは輸入のものにするのですか、国産で手に入れるのですか、どちらにきまりましたか。
○福田国務大臣 これは、私が大蔵大臣に就任した当時は、まだ防衛庁から要求も出てきておらない。前ぶれのいろいろなうわさ話なんかはあったようでありますが、就任した直後というか数日後に何か要求が出てきておるようであります。またどんな要求が出てきておるのか、これも聞いておらない段階でありますので、きょうは答弁は差し控えさせていただきます。
○武藤(山)委員 それから福田さんは、選挙の際に、私はだれよりもだれよりも農民を愛すという有名なキャッチフレーズをばらまいて、農村票をだあっとまとめるために懸命になったわけですね。いまの食管制度の取り扱いを見ると、私はだれよりもだれよりも農民がいやだというような態度なんですよ。何か米をつくるやつが悪いことでもしているという感じを与えるような報道が次から次へと出ている。大臣はいつかの報道の中で、来年は生産者米価を二、三%引き下げるのだ、こう言明しましたが、いまでも来年生産者米価は引き下げるのだという気持ちですか。
○福田国務大臣 私はさようなことを言ったことはありません。しかし、だれよりもだれよりも農民を愛する、これは確かにそう申し上げております。その気持ちは、私はいまも同様であります。つまり、いま食管制度の根本問題は、米の需給の問題にあるわけなのであります。ことしは、大ざっぱにいいますと二百万トン余る。来年あたりになりますとかなりの程度の古米を配給しなければならないような状態になる。その翌年になりますと、さらに古々米までこれを配給しなければならぬというような状態になるわけです。 そこで、需給をどうするかという問題があるわけですね。それからこれをめぐって価格をどうするかという問題、さらに財政をどうするかという問題、制度をどうするかという問題、いろいろな問題が提起されておるわけですが、大事な点は、これらの問題を処理するにあたりましては、これはもう農村は日本経済のじゃまものだ、そういう冷たい感じをもってこの問題を処理することはできません。それはほんとうに心から農民を愛し、農村を愛する、愛すればこそこういう措置も必要なのだという考え方に立たなければならない、こういうふうに思います。
○武藤(山)委員 大臣、いま米が余ってきているのはわかる。それで、いまの政府は自由主義だから、自由競争の中で需要と供給で値段がきまる、そういう制度にみなたたき込んでいこうというやり方はわかる。しかし、薄情だと思うのは、いままで農民は戦中戦後を通じてあれだけ苦労をし、強権発動をされ、食うものも食わずに出して国家に協力した。そういう農民に、去年までは五十億円の米作奨励金を国は出しておいて、ことしになって余ってきたからといって、とたんにさあ来年からは二十五万ヘクタール減反だ、米はこれしか貰い入れない、四等米以下は買わないぞ、三等米までだ。では何をつくったらいいのか。つくってもそれが売れなかったり値段が安くても政府の責任ではない。これじゃかわいそうじゃありませんか。米が余ってしかたがないが、資本主義の資本の論理を貫徹するのはこれしかない。わかりますよ。わかるけれども、私が言いたいのは、その前になぜもっと親切な手だてをやらないのかということなんです。 学校給食はどうだ。パンを食べれば寝小便はしない、骨は太くなる、体位が向上するといって、アメリカが小麦を売りつけるために、戦後日本は全部パン食をやらされたでしょう。あんなものは国がはねのけて、学校給食はこの際米に一時切りかえよう、そのためにはパン屋には国が転業資金なり何とかめんどうを見ようじゃないか。そして対外援助にしても、無償対外援助については米でやれるものはやってみようじゃないか。断わるか断わらないか、インドにもインドネシアにもやってみようじゃないか。そういう努力をなぜせぬのかということであります。そういう努力をしてもなおかつどうにもならぬから、農民諸君協力してくれというなら話はわかる。パン屋の圧力に屈し、粉屋の圧力に屈し、文部大臣までがパンと脱脂粉乳をやめるわけにはいかぬというのろしを上げている。農民をばかにした話ですよ。 私は、農民に対するいまの政府の態度はまことに冷淡非情だと思うのであります。冷蔵庫や冷温倉庫というものを国がもっとりっぱなものをきちっとつくってくれれば米の質なんか悪くならないのですよ。そういう手だてを何もやらぬじゃないですか。財政の理由でいま食管会計は追い込まれているのでありますから、問題は福田大蔵大臣の双肩にかかっているのです。農林省の責任じゃないのです。これをどう救済するかということは大蔵大臣の任務です。もう一回じっくりひとつ検討する気持ちになってくれませんか。いかがですか。
○福田国務大臣 もう一回と言いますが、私はこれは一番大事な問題だというふうに考えております。しかし、おっしゃるように農民というものの立場、これも十分考えてやらなければならぬ、これはもうそのとおりであります。私、この食管問題は昭和四十四年度の最大の問題である、かような認識のもとに取り組んでいきたいと思っております。
○武藤(山)委員 最後に、国鉄がいまたいへんな苦しい状態で、政府が独立採算だ、独立採算だといって今日の事態に追い込まれた。借金は二兆億円、三千の旅客駅を廃止する、一千五百の貨物駅を廃止する。八十三本のローカル線を取っぱずすというのですね。いま佐藤内閣に対する国民の不満と不安は、食管会計の問題と、もう一つはこの国鉄の八十三本のローカル線をはずすという問題、たいへんな事態です。福田大蔵大臣、ほんとうに、国鉄がもうどうにも首が回らぬということで八十三本取っぱずすことを、政治家としてやむを得ないことだ、忍ばざるを得ないことだ、こう思いますか。それとも二兆億円の借金のうち、国が出している大蔵省預金部資金が六千四百億円ある。膨大なものですね。じゃその六千四百億の国が貸しているものだけは一応たな上げしてやろう、七年間か十年間たな上げしてやろう、あるいは別な民間のものに対しては利子補給をする。そのかわり抜本的な国鉄の再建策を立てる。しかし、住民にゼロになる——無人駅になるのはいいでしょう。無人駅で切符を自動的に買って入るぐらいはがまんしなければならぬ。しかし、せっかく明治から、大正からできた線路を取っぱずすという最悪の事態だけは防いでやろうという財政的な見地をひとつ考えてくれませんか。いかがですか。
○福田国務大臣 国鉄に対する国民の愛着、これは非常に高度なものであります。社会環境が変わってまいりまして自動車に転換というような状態ができつつあるという時期ではありまするけれども、なお国鉄というものの使命、ことに未開発地帯に対する使命は重大であり、国民が高度の愛着を持っておるということは、私もよく認識しております。 ただ、国鉄の問題というのは、国鉄自体が立ち上がるのだ、健全な健康体になるのだという姿勢を示すことが先決問題なんです。この姿勢を示し得るか得ないか、ここが問題であろうと思うのです。ただ単に財政援助だ、財政援助だ、こういうことじゃ、これはもうとん服的な作用しかないのでありまして、要は国鉄をこの際健康体にすることである、こういうふうに考えます。そういう総合的対策の一環といたしまして財政の尽くすべき責任、これもあろうかと思います。国鉄を何とかひとつそういう健康体のものにするという考え方で対処していきたいと思います。
○武藤(山)委員 時間ですから、それじゃこれでやめます。
○田村委員長 大臣実は委員長から発言することは異例のことでありますけれども、ちょうどいい機会でありますから、ちょっと私から申し上げておきたいと思うのであります。 私の任期も残り少なくなりまして、間もなくこの席を去らなければなりませんが、過去一年間私が心がけてまいりました私の悲願とも言うべき事柄は、当大蔵委員会の権威の確立と民主的な運営ということにありました。そして私は、それを今日まで少なくとも自分では誤ってこなかったと思っております。そこで、私から特に大臣に申し上げたいことは、先般私は前大臣のときにも申し上げたのでありますが、少なくとも大臣の所信表明のとき、それから総理大臣の出席のとき、また所管案件の提案理由説明のとき、そして採決のとき、こういうときには当然主計局長が出席すべきものと私は思っております。きょうは大蔵大臣が大臣の最も縁故の深い大蔵省の案件を審議する大蔵委員会に初めてお出になられた、言うなれば晴れの土俵入りの日であります。こういうときには主計局長が出席をして、そうして大臣につき添って答弁に遺憾なきを期し、かつ委員会の権威を高揚するということはどうしても必要なことだ。今日まで実は私はこれに非常にこだわってまいりました。きょう主計局長は来ておりませんが、別に私は鳩山君を責めるつもりはありません。そういうことではなくて、一つの慣行として、こういう重要なときには主計局長を大臣が帯同されるというように御指導を願いたい。 きょうは非常にいい機会でありますから、これを特に私から申し上げておきたいと思います。
○福田国務大臣 承知いたしました。
○田村委員長 広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)委員 大臣にお伺いいたします。 まず最初に、来年度の予算編成に関して、大体今年度よりも一兆一千億ないし一兆二千億くらいの自然増収が税において見込めるのではないか、こういうようなことが新聞等に出ておるわけであります。そして義務的いわゆる当然増といいますか、そういうものが大体七千億程度ある。残ったものの半分は公債の減額、あと半分は大体減税に回したいということになりますと、減税規模というものもおおよそ国民にもわかるような気がするわけでありますが、その問題について明年度の減税規模というのは大体どの程度の額になるのかということを、幅のある何千億から何千億の間というようなことでけっこうですから、お示しをいただきたいわけであります。 それから、同時に質問しておきたいことは、ことしの減税は御承知のように所得税減税千二十八億だ、身障者の特別控除で二十五億、合計千五十億だ、こういうことが減税規模になっておる。ところが、御承知のように酒税の四百五十億、物品税五十億、たばこの値上げで五百五十億、減税、増税とんとんということで、実質的には物価の上昇やその他のいろいろなことを考えると増税ではないかという批判が国民の間にあったわけであります。 〔委員長退席、渡辺(美)委員長代理着席〕 こういう形に来年もされるのかどうか、実質減税ということに考えておられるのか、そこらあたりのところをまず二点お伺いをいたしたい。
○福田国務大臣 いま税の問題といたしましては、所得税の問題あり、また土地税制の問題あり、またもう一つは道路財源——社会資本の立ちおくれという問題がありますので、道路財源をいかに調達するか、こういうことなんであります。大きくいうとこの三つの問題があるわけなんでございます。 それで、道路財源のほうは特定財源という形をとりますが、一般会計から道路費用を捻出するということが可能でありますれば、道路財源のほうは特にこれを徴収する必要はないと思うのですが、その辺がこれから予算を詰めてみましてどうなりますか、かりに道路財源を税の形で調達をするということになりましても、これは特定財源ですから別の問題として考えますると、私はネット減税ということで半々と、こういうことを申し上げておるわけであります。
○広瀬(秀)委員 大臣の考えは述べられたのですが、肝心な私の質問には答えてないわけなんです。 一体減税規模というものはどのくらいのことを考えておるのですか。二千億なのか、あるいはそれ以上なのか、それ以下なのか。
○福田国務大臣 まだ経済見通しが立ちません。したがいまして、的確な自然増収の額を申し上げるわけにはいかないわけです。それから歳出のほうを、一体どこをどういうふうにするか、これも荒見当はつけておるのですが、まだ最後の詰めをいたしておらないわけでございます。したがって、かりに一兆二千億円あるとする、あるいは一兆一千億円あるとする自然増収をどういうふうに使うかということになりますると、一兆一千億円とすると、新規政策と減税と、それから国債減額だ、こういうことになるわけであります。その幅が、一兆二千億円の自然増収だとすればそれだけふえるわけでございまするが、額は、一兆一千五百億円になるか一兆二千億円になるか、一兆二千億円をこえるのか、その辺がきまりませんと、これを的確に申し上げるわけにはいかないのであります。いかないのですが、柱は所得税減税。その所得税減税は、百万円の課税最低限に向かって来年度もこれを前進させるということ、それからもう一つは、これは税率の調整です。多年の懸案であるその問題をする、それからさらに控除額の引き上げをどうするかというような検討、そういうことが所得税減税の柱をなすのですが、その額を一体どうするか、こういうことになりますると、当然増、政策増、それにかかった余りが三千億になりますれば、これは大体千五百億程度、もっと余るということになりますればそれを上回る、こんなことになろうかと思います。
○広瀬(秀)委員 最後のところで私の質問にやや答えた感じがいたしますから、きょうは私に与えられた時間が二十分ですから次に進まなければならないのです。 いまガソリン税の問題道路財源の問題に触れられたわけですが、ガソリン税はたしか昭和三十六年、これが引き上げられた。かなり高額な、いわゆる間接税、消費税という中ではおそらく日本の税体系の中で最高の税率になっているはずであります。しかも今日の自動車の所有構造といいますか、どういう階層の人たちが、どういう規模の人たちがこの自動車をどのくらいの割合で持っているかということを見てみますと、やはり中小企業が、農林水産業などを含めてもガソリンでは七六・六%以上、七七%近く占めているということがいわれている。そうだとすれば、そういうもののコスト上昇には非常に大きい影響を持つし、また、そういう所有構造からいっても、オーナードライバーという、余裕があって自家用車を運転しているというような人たちはまだ一〇%くらいだという中で、これをやられるということになりますと、これがまた物価上昇の原因になったり、あるいはまた、中小企業にとって冷淡な政策になるというようなことにもなりかねないわけであります。このことはやはり道路財源全体をにらんで——いま道路整備計画が非常に立ちおくれて、その達成率が非常に低いというようなこともいわれておる。そのことはわかるけれども、できるだけ一般財源を入れることによって、これからの新規の増税というようなことをおやりになるのかならないのか、その辺のところを少し明らかにしてもらいたいと思います。
○福田国務大臣 ガソリン税はすでに六十数%という高率なものになっておるわけです。建設省あたりではこれを幾らか上げられないかということを言っておるのでありますが、しかし、それをさらに上げることが物価体系に及ぼす影響はどうだろうか、また、ガソリンの消費者に与える影響はどうだろうか、そういうことを考えますと、慎重にならざるを得ないのです。建設省からいろいろな提案が出ておりますが、それらを慎重に検討いたしたいと思っておるのですが、まだそこまでいっていないのです。まだメニューが出ておるという程度です。
○広瀬(秀)委員 その点は、ガソリン税の引き上げということはやらないように努力していただくように要請をして、次の問題に移ります。 たばこ消費税の問題について、いままで地方消費税だけが取られておって、あとは国庫納付金という形をとっておったわけですが、国庫納付金も含めて消費税に一元化していこう、そういう方向がいいんじゃないかということが、ことしの七月の税制調査会でばく然たる答申があり、さらに十月二十一日には、できるだけすみやかにそういう方向をとるべきだというような報告が財政制度審議会であったわけですが、それに見合って専売制度問題研究会の報告だとか、あるいは専売事業審議会だとか、それに符節を合わせるような方向というものを出してまいりました。そういうものを受けて、そういうことになりますと、国庫納付金という形は、剰余純利益、そういう中から内部留保を除いて、余ったものを国に納付をするというたてまえ、いわばあと払いの方式でありますが、今度は消費税で、たばこを売った段階において全部国民は税金をやってしまうし、また、専売の計画の中でもいわば先取り、いわばたな上げされちゃったようなものになる。残ったものであと一切のやりくりをしなければならぬ、こういうことになるだろうと思うのです。これは専売公社の経営にとってもたいへんな問題だ、そういうことになっているわけでありますが、大臣はこの問題について、明年度からどうしてもこれをやるというお考えですか。
○福田国務大臣 結論は出しておりませんけれども、そういう方向で検討してみたいというふうに考えております。つまり、専売公社の収入支出の残額を国庫に持ってくる、こういうことでは専売公社の企業体としての運営が合理的にいかぬ、こういうふうに考えるわけでございます。たまたまそういう意見が税制調査会あたりからも出ておりますので、この機会に前向きの姿勢でこの問題と取り組んでいきたい、かような考えでおります。(「いつからやるんだ、来年度からでもやるのか。」と呼ぶ者あり)やる年度は、次の通常国会において御審議をお願いしたい、かように考えております。
○広瀬(秀)委員 専売公社の企業体として目標みたいなものがぼやけるというようなことを、いまの制度ではそういうことになるからということを言われたわけでありますが、もつと強い理由というものがほかにあるんじゃないかと思うのです。それは、やはり大蔵大臣として、財政収入の安定的確保をまずはかりたいんだ、きわめて早期の間にそういう制度に移行しようという最大の理由は、やっぱりそういうところにあるんじゃないか。財政収入の安定確保だ、こういうことだろうと思うのです。しかし、今日までずっと専売納付金のあり方というものを見てみますと、これはもう予算にちゃん組細まれる。そして予算を組むときには企業の合理化、企業経理のどこにむだがある、どうだというようなことをしっかりやった上で、これだけは納付されるはずだということが当然、これは大蔵省との間に監理官も行っていることだし、やられておるはずだと思うんです。しかもこれをずっと十年間、私、資料をとってみたのですが、予算よりも決算として、国庫に最終的に納付されたものが下がっているという事態はほとんどないんです。全部企業努力をしながら、予算で組まれたよりも納付金をよけい納めておる、こういう状況になっているわけです。そうだとするならば、こういう財政の安定的な収入を得るんだということについてはたいした理由はない。それから専売の事業体としての性格からいって、どうもいまの制度というのはおかしいというのもこれはあまりにも抽象的だ。現実には専売公社は相当な努力をして合理化努力をやってきつつあるわけです。 そういうようなものがある以上、やはり一番大事なことは、米の問題でもそうですけれども、関係団体、耕作者だって少なくとも三十万、その家族を含めれば百五十万もおるわけであります。こういう人たちが一体こうなったらたいへんだぞ、一番しわ寄せがくるのは一番弱い農民です。葉たばこの収納価格というものが買いたたかれ、押えられてくるんじゃないですか。特にいろんな審議会の資料やら、あるいは専売の審議会の内容やらをずっと読んで見ますと、原料が高くなっているというようなことが非常にいわれておるわけです。そういうようなことになりますと、もうすでに専売公社も減反政策までも出している。そしてこういうような消費税制度になったら、合理化、超合理化をやって、日本のたばこ耕作者の四割ぐらいは整理した形で、その分は外葉を輸入するんだということまでなっている。そして原料葉に対する値上げというものが、物価の上昇だとか賃金の上昇だとか、そういうようなものに見合って、いまの専売法ではそういうものを勘案して上げていくんだという方針をちゃんと書いて驚きながら、今度の専売の長期計画なんか見ると、そういう点については全くそういう法律の条項を無視して、もう安い外葉を輸入すればいいんだ、こういうようなところにしわ寄せがいくような気がするんです。 そういう点について、総合農政の問題やなんかもございますけれども、米は押える、しかしそれ以外の農産物についてある程度めんどう見ていくんだというようなことも、ある程度そういう言い方も政府内部にあるわけですけれども、たばこについてはもうすでにそういう血も涙もないことをやろうという計画がばんと消費税制度導入に伴って出てきておる。その一番のしわ寄せは農民、そしてその次は労働者にという形にならざるを得ない。そういう影響についてどうお考えでしょうか。
○福田国務大臣 農民やたばこの販売業者などにしわ寄せをするためにそういう制度をとるという考え方じゃないのです。いまお話しのように、税収の確保、これも大きな目標でありますが、同時に、専売公社の経営の企業体としての合理性を進める、こういう考えであります。
○広瀬(秀)委員 総裁来ておられますからお伺いしますが、長期計画を立てられて、大体製造工場などもこういうような新しい事態が出ることによって、専売の超合理化を推進するということで、いま三十九製造工場がある。それを、一工場で三百億本から四百億本年間生産、昭和四十三年度にどのくらいたばこが需要されるかというと二千五十億本である。そうすると五工場か六工場で十分間に合ってしまう。いまおそらく五万人近くの人が働いておるわけですけれども、それを大体十年先には二万五千人にしてしまうという計画になっておる。それから耕作農民はおそらくもうこれからこういうことになる。農民の葉たばこの価格は上げない、原料を押えていく、生産コストの六〇%を占める原料葉たばこ、これを押えていくという方針だそうですから来年度の産葉からもうすでに上げまいとして努力されておる。そういうようなことで四〇%くらいはどうにもやりきれなくなって脱落していってしまう。そういうものが四〇%くらい出るだろう。その時分は安い外業を輸入するという計画が立てられておる。そういうようなことをおそらく十年をめどに、そこまでどういう道筋でおやりになるのか。あまりにも大蔵省ベース、専売公社ベースで、これだけの農民や労働者を犠牲にする計画というものを、どこまで遂行されるつもり、どういう計画でどういう道筋でやられるおつもりか、お伺いをしたい。
○東海林説明員 私どもの長期計画というものは、昭和三十六年にいわゆる長期計画を立てましたが、最近の情勢からこれを大幅に修正する必要がある、こういうことでいまお話のありました長計の作業に取りかかっておりますけれども、これはいま広瀬さんの御質問のとおりに、いまの四十工場あるものを直ちに五工場にしよう、こういうわけではございませんし、あるいは外葉をたくさん買うというような計画も、これからあるいは出てくるかもしれませんけれども、現在の時点ですぐそうやるということではございません。これはわれわれの一つの見通しと申しますか、ビジョンでありますから、これを実現するには耕作者の方々も、あるいは社内におきましては労働組合の連中の御協力を得なければできないことなんであります。簡単に一つの工場を中止するにしましても、これは先生御承知のとおり、いま歴史的な事実がございます。ですから、それは簡単にそう、もう要らなくなったからつぶすんだというわけにはいきませんで、その対策の裏づけがあってはじめてこの計画ができてくる。したがって、今後の進め方等、まだ具体的な作業に入っておりませんけれども、そういうものに入った場合には、関係方面との協力と理解を得た上でやっていこう、こういうように考えております。
○広瀬(秀)委員 きょうは二十分の時間しかなくて、もう時間が来ましたのであれなんですが、こういう消費税制度化ということが一元的にとられることになると、たいへんな事態が予想されるということでございますから、関係の耕作者の団体もしっかりしたもあがあるわけでありますし、そういうもの、あるいは直接当事者である労働者、そういう人たちとの問に、いま総裁がおっしゃったように、十分な理解と協力を得られるだけのものがなければならぬと思います。 大臣に最後に一言要請しておきたいことは、国家財政の中で占める比率が減った減った、あるいは利益金の率が減った、こういうようなことを言われるわけであります。高度成長政策がとられてから、間接税は約二倍しか伸びておりません。それから国税収入全体の場合には二・二五くらいは三十六年から伸びておるわけです。そういう中でたばこの消費税と納付金と合わせますと、やはり二倍以上に伸びておるわけであります。そう目くじら立てて、この問題を来年から何が何でもというようなことにはならないと思うのです。もっと時間的余裕を置いてこういう大問題をやられるように、これは強く要望しておきます。 〔渡辺(美)委員長代理退席、委員長着席〕 時間がありません。いずれまた機会をあらためてやります。
○田村委員長 竹本孫一君。
○竹本委員 私は、福田大蔵大臣が自民党の幹事長をやられて、引き続き財政硬直化で一番むずかしい大蔵大臣をやられるということでありまして、おめでたいというより、たいへん御苦労さんと敬意を表したいと思います。そういう意味で、きょうは財政の姿勢に関する点だけにしぼりまして、大臣の御決意を承りたいと思います。 先ほどの所信表明を拝聴いたしました。この中にも、財政体質の改善に特段の努力を払う、あるいは財政面から景気を刺激することのないように歳出の伸びを適度のものにとどめるというようなことが力説をされております。さらに、最後のところには、「今回の景気調整の経験にかんがみ、私は、この際、金融引き締め政策手段の改善につき検討を進め、財政上の措置と相まって、景気調整機能の整備をはかることが肝要である」と述べておられます。私ども大臣のこれからの御努力をつぶさにひとつ注目をしてまいりたいと思うわけであります。 福田財政、これからの大きな課題、いろいろあります。また、この所信表明にもいろいろの問題が拾ってありますけれども、私は一番大きな福田財政の政治的な課題は、インフレを抑制するということにあると思うのです。そういう意味で、先ほど武藤委員からも物価の問題についてのきびしい追及が行なわれました。私も同感でありますが、こで大臣にまず伺いたいことが二つあります。 一つは、インフレとは消費者物価の値上がりが定期預金の利子五・五%以上をさすということを、私がかつて予算委員会で質問したときに、政府の御答弁がありました。インフレの定義に関してはこりいうことでよいのかどうかという点が一つ。それからもう一つは、したがって、このインフレの抑制、物価の安定ということについて、これを財政の今後の運営のバックボーンにされる御決意であるかどうか、その点をお伺いいたしたいと思います。
○福田国務大臣 インフレとは、通貨に対する信頼感が失われる、こういうことだと思います。そういう状態は一体具体的にはどうかというと、私はいま、竹本さんが御指摘のように、定期預金に対する利息ですね、これを上回るような程度であってはならない、かように考えます。 それから、財政の最大の任務は何だ、こう言いますれば、これは先ほども申し上げたんですが、物価問題に対する配慮、それと景気の持続的成長に対する貢献、この二つだと、かように考えております。
○竹本委員 第二の問題に入って、きょうは要点だけ聞きたいと思うのでございますが、経済の計画的な運営ということにつきましては、今日は世界の経済全体の動きの中で、むしろ一つの特徴的な傾向になってまいりました。われわれ革新陣営は、常に経済の社会化、計画化ということを力説、主張いたしておりますけれど、資本主義経済、保守陣営の中からだんだんそういう計画化の方向をたどっておることが、最近のむしろ特徴になりました。新しい産業社会というのが、もうガルブレースなんかの意見によりますと、特に巨大企業が自分の大きな力でテクノストラクチュアを構築して、そうしてすべて、生産も消費も、また国家財政のあり方もむしろコントロールしておるところまでいっておりますが、この経済の計画化が今日の資本主義経済の上でそのまま参っていきますと、大きな問題が二つ出てくると思います。すなわち、一つは、経済の独占的なあるいは寡占的な支配という傾向、か顕著になって、大衆はむしろ経済が発展するにつれて苦しむことのほうが多くなるといった問題が一つと、それからもう一つは、よく言われる管理社会化してそれがために人間が窒息する、人間疎外の問題になってくる。この二つが、経済のこれからの資本主義の構造の中における計画化は、われわれは計画化自体としては歓迎いたしますけれども、一番大事な問題は、その計画化に伴って管理社会で人間が窒息しはしないかという問題と、独占の弊害が顕著に出てきはしないかという点を、われわれは心配するわけであります。 そこで、財政の役割りというものは、そういう計画化が経済必然の大きな流れでございますから、その波に乗りながらも、いま申しました二つの矛盾がないように、人間疎外にならないように、独占の弊害が表に露骨に出てこないように、それを政治的なより高い次元でコントロールするということが、財政あるいは政治の大きな課題であり任務であると思います。特にその場合に財政というものは、その大きな財政の役割りを通じてコントロールする場合に一番いい槓杵になるものだとこう思うのでございますが、その財政の重大な使命、いまも大臣が景気調整についても触れられましたけれども、私はこの景気調整だけではなく、また物価の問題だけではない、もっと大きな次元で申しますと、いま申しました独占の弊害と管理社会で人間疎外になるという大きな弊害について、より高い政治的見地から、特に財政を通じてそれを矯正し、抑制していかなければならぬ、そういう使命をになっておると思うのです。そういう意味で財政は単なる物や金の問題だけではなくて、大きな政治的使命を背負わされておるのだ。この点についての大臣のお考えをまた伺わせていただきたい。
○福田国務大臣 これはお隣しのとおりでありまして、国政全体が端的にいうと財政に、予算に反映されるというふうに考えても差しつかえないわけであります。そういう高い次元でやっていきたい、かように考えます。
○竹本委員 時間がないので申し上げるほうが多くなって残念でございますけれども、そこで、これからの日本の財政、経済の運営については、一つの端的な言い方をいたしますと、量の経済から質の経済にもはや転換すべきである。単に生産トン数、生産数量、経済の伸び率、こういうようなことばかりに重点を置いて経済が高度成長であるといって自慢する段階はもう終わった。これからはその高度に伸びていく経済の中で、人間らしき生活がどういうふうに確保されるか、向上していくかといった質の問題に転換しなければならない。日本の経済あるいは財政がややもすれば量的拡大中心主義であって質の問題は忘れられておる。あとで申し上げますが、物価を押えるにしても何をやるにいたしましても、この辺で姿勢を変えなければいかぬ。その姿勢の一つのあらわれ方は、量の経済から質の経済への転換、だ、私はそう思いますけれども、大臣のお考えを承りたいと思います。
○福田国務大臣 私もそう思います。ただ量の問題も軽視することは、できない。経済はどうしても成長させなければならぬと思いますが、同時に質の問題、これをおろそかにしてはならない、かようにかたく考えております。
○竹本委員 せっかくの御答弁でございますけれども、そういう御答弁をいただくとちょっと残念に思います。これはちょうどここに所信表明にいろいろ書いてあります。まあ大学の試験の答案といったような感じで読めば、あらゆる点が、立場は別として、一応触れてあるという点において満点だと思うのです。しかし政治は、先ほど来御指摘もいろいろありましたけれども、この物価上昇、このインフレ傾向というものを切りかえていこう、こういうことになれば、性格の転換というものが必要だと思うのですね。その性格の転換をやるということになると若干の無理を覚悟しても大きなカーブを切らないと、全部のものに全部顔を立てていると、結局何を言っているか何をやっているのかわからない。そういう意味で、確かに戦後日本が荒廃の中から立ち上がるような場合においては、何と申しましても経済を伸ばしていく、生産トン数をうんとあげていく高度成長ということも、一つの意義と役割りがあったと思うのです。これはもう福田さんみずからが池田財政に対して批判をされた点でもあります。この段階まで来ると、あるいは量の問題はあまり言われなくても、これは経済は、内部的な事情からも持続的に相当伸びると思う。しかし、政治で課題として取り上げなければならぬのは、その量的拡大を質的な問題に切りかえるのだ、質の経済に切りかえるのだということで、大きなのろしを大臣から打ち上げてもらわないと、財政経済の性格革命はできない、政策の転換はできないと思いますので、この点については量も大事だがということはもう言わなくても一大事なんです。しかし、この際大事なことは、質の経済に変えるのだ、この決意とその勇敢な実践が要請されておるのじゃないかと思いますので、もう一度その点を伺いたいと思います。
○福田国務大臣 私は、戦後の日本の国づくりといたしまして、経済のほうはかなりこれは成功をしつつある、こういうふうに考えております。特に、この成長面においては世界でも驚かれるような成長発展を遂げてきた。これはもう大体——ことばじりをつかまえられると困るのですが、大体私は、もうまかしておいても日本の経済はこの勢いで伸びていく。政府がやるべきことは成長を刺激するという点じゃない。お話しのように、まさにこの成長過程に出ておるいろいろなひずみを是正いたしますとか、あるいは経済ばかりが成長しちゃって、その他の部門、あるいは国民の精神文化の面でありますとかそういう面の立ちおくれ、これをどういうふうにするか、こういう方向に重点を移していかなければならぬ、かように考えております。
○竹本委員 そこで、具体論に入っていきますが、一つは、日本の設備投資の行き過ぎということであります。まあ経済学といえばアダム・スミスということになっておりますけれども、アダム・スミスが経済について教えている一番大事なことは何かといえばプリューデンス、慎重さということだということがよくいわれます。私は、日本の設備投資、日本の財政経済の運営において残念ながら一番欠けておるのはその慎重な態度ということであろうと思うのです。しかし、これはこれ以上触れませんけれども「日本の設備投資がすぐ行き過ぎる、走り過ぎる。外国のある人が、日本の経済を見て、一言にしてその特色をいえばランニング・ツー・ファーストだ、あまりに早く走り過ぎると言ったそうであります。これはいわゆる慎重さのないということをアメリカ人らしくうまく言ったものだと私は思います。そこで私は、八月の初めの公定歩合一厘引き下げのときの問題でもここで、いま国際金融の情勢が楽観できる科学的な根拠はほとんどないではないかということと、あわせて日本の設備投資が行き過ぎる習癖を持っておるんだけれども、これに対する何らの歯どめ、何らのコントロールの手段を講じないままに、準備不十分のままにここで引き下げるということは少し早過ぎるんじゃないかということを強く力説をいたしました。 そういう問題はやめまして前向きにひとつお尋ねをしたいのでございますけれども、この日本の設備投資の行き過ぎ、過剰ということについて、財政金融政策の中ではどういう点をこれからの対策として持っておられるか。特に私が伺いたい点は、今度日銀は資金ポジション指導というものを窓口規制にかえてそのままやっておりますが、これはこのままずっと長期に続けていかれるつもりか、あるいは場合によっては強化されることも考えられるのか、金融政策のあり方として日本の設備投資の行き過ぎをどうコントロールするかという問題が一つと、時間がありませんからまとめて申し上げますが、もの一つは、税制の面から日本の設備投資の行き過ぎについて——たとえば御承知のように、景気が行き過ぎる場合においては、ドイツは設備投資の面に、生産の面に、税制は一〇%引き上げてでもコントロールするというくふうをしておる。イギリスの場合には消費税の分野からそういうコントロールを考えておる。いずれにいたしましても、税制をそういう意味で活用いたしておる。また、アメリカは投資控除制度で、御承知のように投資が少ないアメリカでは投資を促進する意味の税制的措置を考えておる。こういうことを考えた場合に、ランニング・ツー・ファーストで行き過ぎる日本の投資過剰の傾向については、金融面では引き締めの政策を、そういうコントロールをする政策、たとえば資金ポジション指導というものをさらに徹底させるべきではないか、財政面では、側面から税制的措置によってそれをコントロールするくふうが要るのではないかと思いますが、大臣の御見解をお伺いしておきたいと思います。
○福田国務大臣 日本銀行による金融調整、これは私は現在のこの時点におきましては、資金ポジション指導、これでいってよかろうか、こういうふうに考えておるわけでございますが、将来どうも設備投資の行き過ぎがあるというような際におきましては、なおこれを窓口規制あるいは公定歩合の引き上げだとか、そういうようなことも考えられないことはないわけであります。これは今後の推移を見なければならぬ。同時に、私がいま力説しておりますのは、日本銀行の金融調整能力という、この能力の及ぶ幅が非常に少なくなってきた。その点の改善をはからなければならぬ。これは日本銀行ではできないことなんで、日本銀行では非常に困難なことなんです。そこで、行政的にどういうふうな手段があるかというようなことをひとつ考えて、金融による調整機能という問題をひとつ解決してみたい、かように考えておるわけです。 それから財政につきましては、税の問題を御指摘になりましたが、税の少しくらいのことで景気がどうなりますか、これは私もそう高くこの機能を評価しませんが、これはやはり財政支出の調整の問題じゃないかと思うのです。その支出の調整の問題としては公債の伸び縮みという問題があるわけなんで、これを私は重視していきたい、かように考えております。
○竹本委員 資金ポジション指導は、少なくとも当分は続けるというふうに理解してよろしいかどうか。
○福田国務大臣 当分続けていいのではないかと思っております。
○竹本委員 それが一つ。 しかし、いま大臣も御指摘がありましたように、日銀の統制力の及ぶ幅がだんだん狭くなってきておるということがこの間から盛んに言われるわけでございますが、その幅の狭くなったものを埋め合わせるためにどれだけの積極的な施策を講ずるのか、その点については何かお考えがありますか。
○福田国務大臣 これにつきましては、いま銀行局を中心にいたしまして、いろいろな手段方法についての検討をいたしておるわけであります。幾つかのメニューができてきておるわけでありますが、これは金融全体にきわめて重大な、またデリケートな影響のある問題でございますので、慎重に検討した上、結論を得たい、ただいまそう考えております。
○竹本委員 これはぜひ御検討をいただきたい。とにかく設備投資元凶論という議論も、木内さんだけでなく、だれもが考えておるわけでありますが、日本の設備投資の行き過ぎについては、これが物価上昇や輸入がふえる、場合によっては生産力の過剰になる、あらゆる経済悪の根源でありますから、日銀の機能も充実強化されるとともに、それを補完する意味での問題は慎重に検討されるのみならず、勇敢に実行されるように希望を申し上げておきたいと思います。 そこで、もう一つの問題は財政支出の問題でございます。いま大臣も公債の減額までやってこれを考えておるという御説明もいただきましたけれども、大体日本の財政支出というものは、傾向的に調査してみますと、毎年ふえるばかりです。これは私はいつもこの委員会で特に問題にするわけでございますけれども、この財政支出が、特に先ほども申しましたように、日本の景気に対する主導的な影響力というものは予想以上に非常に大きいと私は思うのです。そういう意味で、この財政の支出を押えるということについては相当の決意が要る。これが私は先ほど、インフレ抑制ということをこれからの福田財政のバックボーン、旗じるしにするくらいの大きな取り組み方でなければどうにもならないではないかということを申し上げた理由でありますが、特に大臣、ことしの八月の初めに行なわれましたOECDの年次報告といいますか、警告と申しますか、あの中で、日本がこのまま景気を持続的に続けていこうと思うならば、へたな設備投資やなんかをやったり、あるいは財政をふくらませてこの持続的発展をみずからぶちこわすというようなことがあってはならないということで重大な警告を発して、その中心は総需要管理政策ということばを使っております、総需要を押えていく、コントロールしていくというところにもう少し熱心にやらぬと、日本はどういうことになるのかという警告を発しておると私は思います。大臣も御存じだと思いますけれども、総需要を押える、その主導的役割りである財政というものに思い切った手を打っていくということが必要ではないかと思いますが、いかがでございますか。
○福田国務大臣 私は、当面した財政の大きな任務は、ただいま御指摘のようにインフレの抑制、それから同時に成長のかじとり、この二つだと思うのです。これは財政ばかりというわけにいきません。金融政策も協力をしなければならぬわけでございますが、この二つを通じてできる限り谷のできないような、そう高い成長率でなくてよろしいから上り坂続きの日本の経済というものを実現したい、かように考えております。
○竹本委員 時間が参りましたようですから簡単に結論に急ぐわけですけれども、先ほど武藤委員からも一御質問が出ておりましたけれども、私は、人間あるいは政党の限界というものを考えまして、どうも日本の政治の中では財政はふくらむばかり、経済はめちゃくちゃに伸びるばかりということで、社会の法的秩序の問題は政治の課題の大きな問題でございますが、経済秩序の確立といいますか、その辺に大きな問題がある。しかし、これはなかなかいまの政治ではうまくいかないという点も考えます。そういう意味で、通貨の数量といったようなものも、いままでわれわれは貨幣数量説なんというものはある意味においてばかにしておったような傾向もあるようでございますけれども、——今度ニクソン政権ができて、私はあまりニクソンを尊敬していないほうでございますけれども、その経済ブレーン等の中にはやはりいろいろ慎重派がたくさん出てきておる。この慎重派の考えは、いわゆる資本主義的慎重論者ですからわれわれと意見が違う点はたくさんありますけれども、しかし、経済に対する基本的な考え方は別にして、その慎重論の中にはくみ取るべきもの、教訓がたくさんあると思うのです。そういう意味で日本の経済を、先ほど申しましたように量の拡大中心の経済から質の経済に変える、財政はそれの主導的役割りを持っていくのだ、こういうふうになれば、あの慎重論者のたとえばバーンズならバーンズ教授あたりの考え方もやはり参考にして学ぶべきものが幾つかある、こういうふうに思います。そういう観点から、新貨幣数量説なんというものがいいか悪いかということは別でありますけれども、私は経済の成長率が一〇%がいいか、八%がいいか、木内さんあたりもいろいろ議論をしておりますが、そういう一つのめどがある。しかし、そのほかにもう一つの金本位ならば金という一つのものさしで大きな鎖があるわけですけれども、いまは政治家がしっかりしなければどこまで経済は伸びていくか、広がっていくかわからない。コントロールする客観的なものがない。そこを何で押えていくかということになれば、金がある時代なら金によっていくのも一つの方法、あるいは貨幣数量説あるいは新貨幣数量説では貨幣の数量というものを一つの基準としてコントロールを考えていく、こういうことになると思います。 日本の財政経済の運営については何を基準に考えていくかという場合、やはりもう少し客観的な、もちろん物価もそうですけれども、客観的なものさしが要るのではないかと思いますが、その点について何かお考えがありますか。
○福田国務大臣 私もその点は非常に重大だと考えておるのですが、いまの現状におきましては、やはり政治家が、国の財政経済、こういうものに対しまして高度の見識を持つということが最大の必要事じゃないか、そういうふうに考えます。そういう中において、節度のある財政政策、節度のある金融政策、これがやはり日本経済を安定的に成長させる、成長よりは質の問題だとあなたのおっしゃる点に適合するのではなかろうかと思いますが、私もそのとおり考えております。
○竹本委員 最後に要望を兼ねて伺っておきたいのですけれども、財政総需要を押えるとかいったような問題も関連いたしまして、また、財政の硬直化打開という問題にも直接関係がありますが、日本の財政の、一般会計、特別会計だけでなく政府関係機関も入れ、また地方財政も含めて、これまでの財政支出が会計法に違反しておるかどうかということについては会計検査院がいろいろ述べておられる、努力もされておる。しかし、いまこの段階において日本の経済のカーブを切りかえて第二次の発展を考えるということになれば、政治的な角度は別にしても、純財政的見地から見ても、むだ排除という意味で一ぺん総ざらいして、エフィシェンシーがはたして期待ほどあがっておるのかどうかということについて、もっと権威ある総合的な検討を加える時期じゃないかと思うのです。それをどういうふうに考えておられるかという点が一つ。 それから、先ほどいろいろ私が申し上げました点に直接つながりますが、財政にも財政の五カ年計画が要る、毎年毎年単年度制度をどうするかというような問題はよく議論になりますけれども、もうこの辺で、次の発展計画を考える場合に、社会経済発展計画はありますけれども、もうちょっと財政を中心にした長期計画というものを立てるべきではないか。その長期計画の中にはぜひひとつそういうむだを、ここにむだありを排除していく、そして単なる役人的あるいは会計法的感覚でなくて、ビジネスのセンスでもう一ぺんほんとうに再検討してみるということが必要ではないか。そういうことについてお考えはどうであるか。またさらに、具体的な方策を考えておられればそれも御明示を願いたい、こう思います。
○福田国務大臣 お考えについては全く同感でございます。ただ、財政というものは、それをめぐる環境の変化に即応しなければならぬ。その環境が非常に目まぐるしく変わっていくものですから、さあ五カ年計画を立てたらそのとおりにいくかというと、そうはいきませんけれども、一応長期のビジョンというものを持ちながら進むことはぜひ必要である、かように考えますので、ひとつそういう勉強をしてみたい、かように考えます。
○竹本委員 時間がありませんので、これで終わります。 私きょう、量の経済から質の経済へということを中心に申し上げました。私の申し上げた意味をくみ取って善処していただくように希望申し上げておきます。
○田村委員長 浅井美幸君。
○浅井委員 先ほど大蔵大臣の所信表明の中に、金融政策の中の一般民間金融機関のあり方等で、「適正な競争原理の金融面への導入を推進し、金融の効率化を実現するよう、慎重な検討を行なう」このように述べられました。ところが、先ほどの京阪神土地の事件に見られるように、各銀行が預金高を高めるために競争し、そしていたずらな事件を起こしたというような感じが深い。 この点については、私は大臣にお伺いしたいのですけれども、銀行に対する指導監督はいままでどこにポイントを置き、またどのような指導をしてきたのか。また、今後このような事件の絶滅をはかる上においてどのように今後対処なさるか、その点を具体的にお示し願いたいと思います。
○福田国務大臣 銀行は、国民の皆さんからその大事な資金をお預かりをする、そうしてこれを国家有用な方面に使う、こういうところにあるわけでありますが、まず何よりも一大事なことは、預金が安全に保管されなければならない、こういう点から思います。それから同時に、この融資が適正に行なわれる、国家目的に沿うように、別に法律できめてあるわけではございませんけれども、これがみだりに国益に反する方向で使われない、こういう節度ある銀行の態度、こういうものが要請されるわけです。そういうことを踏んまえながら銀行行政を行なっておるわけであります。
○浅井委員 非常に抽象的なお話なんですけれども、いままでも再三銀行には大蔵省として指導もされ、あるいは監督もされ、銀行局の検査等も行なわれました。しかし、このような事件が起こったのは今回だけではないと思います。このように起こっていることは、ただそのような抽象的な話で、国民が金融機関として信頼を置くべき、いま大臣がおっしゃいましたように安全であるどころか、今回見ておりますと銀行によっては非常に安全でない、そのような点が出ております。この点についてはどうでしょうか。
○福田国務大臣 これは、大蔵省には銀行局検査部というものがありまして、常に銀行の検査に当たっておるわけであります。もちろん、これが人数も少ないことでありますから、そうそう行き渡ったこともできませんけれども、できる限りさような目的に沿うように検査をし、検査の結果適当でないというところがありますれば、これに対してはそれぞれ指示も指導もいたしておる、こういう状況であります。
○浅井委員 時間があまりございませんので急ぎますが、京阪神関係の銀行は多数ございますが、その中で特に銀行局長にお伺いしたいのは、福徳銀行の神戸東支店でございますか、四十三年の四月当時、この預金高と貸し付け総額と担保についてお答えいただきたい。
○澄田政府委員 四十三年四月の福徳銀行の山田関係、京阪神土地関係、これは名義はいろいろの名義になっておりますものを含めまして、四十三年四月現在におきまして、貸し出しが十一億二千四百万、預金は、債務者山田個人の預金が一億二千四百万、それから山田が紹介をいたしましたような、関連預金と申しておりますが、これが九千五百万、合わせまして二億一千九百万となっております。ただ、これは福徳銀行全体でございますので、いまお示しの神戸東支店だけの数字とあるいは合わないかもしれません。
○浅井委員 そうすると、福徳はこの点について非常におかしいと思うのですけれども、預金残高が合わせて二億一千九百万ですか、貸し付けが十一億二千四百万。福徳の資本金は幾らでしょうか。
○澄田政府委員 狭義の資本金と内部の積み立て等広義の自己資本、合わせまして、これは四十三年三月でございますから四月も同じだと思いますが、七十六億四千万でございます。
○浅井委員 それでは相互銀行法第十条の法令違反になりますか。
○澄田政府委員 自己資本の十分の一と申しますと七億六千四百万ということになりますので、山田関係の貸し出し、その中から預金を差し引きまして、いわゆる純債と申しておりますが、純債で見まして四十三年三月で十億百万ということになりますので、これは十条の自己資本の十分の一というその限度額を超過いたしております。
○浅井委員 そうすると福徳は、いま銀行局長のお話では銀行法の第十条法令違反になる。福徳には、銀行局としてはいつ監査に行かれたのですか。
○澄田政府委員 福徳相互銀行に対します銀行局の検査でございますが、前回と前々回を申し上げますと、直前の検査は四十三年の二月一日現在で検査をいたしております。検査の終了は約一月ばかりたっておりますが、二月一日に着手をいたしております。それからその前の検査は四十一年の一月の二十七日でございます。
○浅井委員 それまでには近畿財務局でこのことについて調査をしておりませんか。私が調べたところによりますと、四十二年の五月に近畿財務局が調査をし、その結果、貸し付けは相互銀行法第十条に抵触する旨の注意があった、このように記憶しておるのですけれども、その点はどうでしょう。
○澄田政府委員 この十条の問題には、同一人に対する貸し出しということになっておりまして、その同一人の範囲等にはいろいろ範囲の見方等があるわけでありますが、四十二年に山田関係の預金というようなものについて近畿財務局に連絡がありまして、近畿財務局が山田関係と取引のあると思われる金融機関について、これは検査でございませんで、行政面で実情を聴取をして調べたことはございます。ただ、これが十条違反として本省のほうに報告がきておるというような形にはなっておりませんで、私どもがはっきり十条違反ということをつかみましたのは、この四十三年二月の検査でございます。
○浅井委員 近畿財務局はこのときに、いまあなたのおっしゃるのでは、十条違反ということを認めていなかった、だから本省に連絡がなかったという御答弁ですか。では、四十三年当時のいわゆる貸し付けとそして資本金と、教えてください。
○澄田政府委員 先ほど申し上げましたのは四十三年の三月でございまして、検査のときの数字でございます。
○浅井委員 私は四十二年の五月を教えてくれというのですよ。−あなたのほうではおそいのてすがね。このときの貸し付けは、時間がないから私のほうから言います。このときには十七億一千四百七十万貸し付けておるじゃないですか。そうすると、当時からこの資本金に対してこの第十条違反ということは明らかなんです。だから、近畿財務局がこのことについて指摘をしておる。ところがこれ以後、六月、七月、八月と見ていきまして、この福徳相互銀行がさらにふえてきておる。六月には十六億九千三百九十万、七月には十七億九千百七十万、このようにふえてきております。さらに四十二年の十二月になれば、貸し付けは十三億三千八百八十万になる。これらの数字の物語るものは一体何か。私は、近畿財務局というのは大蔵省の所管ではないかと思うのです。それをいまあなたは、四十三年の二月に私たちが初めて知ったんだ。先ほど大臣は、銀行に対する指示は安全にということをおっしゃったのです。このような経過に流れてきているものが、近畿財務局から指摘があったのです。それにかかわらず改まっていない。改まっていないからこそ問題なんですよ。それをあなたはいま、私たちが知ったのは四十三年二月だから、それまでのことについてはわかりませんでした、そういう御答弁ですか、それとも近畿財務局が指摘をしたのだけれども、銀行はけしからぬけれども改めなかった、どちらなんですか。
○澄田政府委員 先ほど申し上げましたように、十条の範囲の認定等につきましてはいろいろ問題がございます。これは件数として非常にいろいろに分かれておるものでございまして、それを正確にっかまえますのは、やはり現場に臨みまして、検査をしてそうして貸し出し先を名寄せをしませんとわかりません。したがいまして、四十二年のときに近畿財務局が十条違反の疑いが多いというようなことは、それは御指摘のとおり気がついておったと思います。ただ検査というものは、二年に一度検査をいたしておりますが、福徳相互につきましては、そういうこともありますので、検査の期日をなるべく早めて検査するということで、現実の検査が四十三年の二月に行なわれている、こういう次第でございます。その間につきましては、確かに御指摘のように、あとから見ますと、明らかに十条違反、こういうことにはなっておりますが、ただ十条違反として十分その内容を確認するというところまでは至っていない。近畿財務局としては、金融機関にはもちろんそういうことについて報告もとり、指導もいたしてきたと思います。思いますが、このことが非常にはっきりいたしまして、厳重に改善方を命じましてはっきり措置をさせるというふうにしてまいりましたのは検査以後でございます。
○浅井委員 近畿財務局の指摘が十条違反であった模様であるけれども、それの改善勧告は近畿財務局ではできない、大蔵省の銀行局でなければできないとおっしゃるのですか。
○澄田政府委員 それは必ずしもそうではございません。近畿財務局は近畿所在の金融機関に対する監督権は持っております。したがいまして、近畿財務局でもそれはできますし、また、やらねばならないことだと思います。ただ私、申し上げましたように、十条違反の疑いが強いといことで、したがって前のように十分それを注意をするということは申すことができますが、十分、どれとどれとどれでもって金額幾らでどうなったということは、今回の検査の結果、さかのぼって、その時点においてはっきりしたわけでございます。そういう関係でございます。
○浅井委員 明らかに十条違反であったということが指摘されて、それ以後この銀行についてはその貸し出しがふえておった、こういうことでございますけれども、その十条違反のことについて、大蔵当局としてこの処置をどうなさるのか、ここで明確にしていただきたいと思います。
○澄田政府委員 相互銀行法第十条は、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、金融機関の貸し出しというものの安全性を確保するために、自己資本の十分の一ということをきめております。したがいまして、これはあくまで厳重に順守させるということでございます。ただ、いま申し上げましたような関係で、それを把握するために、必ずしも直ちに把握できなかったというケースがあるわけでございます。把握いたしました上は、その点を指摘をして厳重注意をすると同時に、自後随時報告をとりまして、その改善を指示いたします。こちらの指示どおり改善させるようにいたす、こういうことにいたしております。
○浅井委員 随時指示をして改善をすることは、それはわかりますけれども、この法が違反された場合に、これに対する銀行法の準用として第二十条が相互銀行法の中にあります。この中には銀行法の準用ということがうたわれておる。この点についてはどうなんですか。
○澄田政府委員 御指摘のとおり、相互銀行法において銀行法の規定が準用されております。したがいまして、銀行法の二十三条というような規定が相互銀行にも適用になります。そして銀行が法令に違反したような行為をなしたときは、「主務大臣ハ業務ノ停止若ハ取締役、監査役ノ改任ヲ命ジ又ハ営業ノ免許ヲ取消スコトヲ得」こういう規定があります。したがいまして、その権限としては、そういう監督の非常に強い権限を持っているわけでございますが、これは金融機関の社会的な使命、公益的使命ということに着目して、そういう厳重な規定を設けておりますが、現実の準用といたしましては、それぞれの法令なりあるいは金融機関に対する命令なりによりまして、そしてそれをその目的に照らして、その場合に応じて監督していく。したがいまして、銀行法によるこういった銀行に対する最も強い監督権限というものを背景といたしまして、そのケースに応じて銀行に対する指導監督をしていく、こういう問題であろうと思います。
○浅井委員 いま銀行局長お答えいただいたのですが、具体的にはどのようになさるのか、私もちょっとわからなかったのですけれども、こういうずさんなことをやっている銀行であります。これは、まして相互銀行でありまして、中小企業とうものを対象にして小口金融を多くやらなければならない。それを一人の人物に対して十数億の金額を融資しておるというようなやり方、これに対して——それらの安全のために相互銀行法もあり、あるいは銀行法もあるわけです。その国民金融機関がそのようなずさんなやり方をしておって、具体的に処罰されない、あるいは注意も受けない、あるいは何らか適正な法のさばきを受けない、そのようなあり方であっていいのかどうか、私はこれは非常に問題だと思うのです。ただそのように指示をして報告を受ける、改善命令を出した、ところがいままでも変えていない。そのようなけしからぬ銀行に対してこれを処置できない、こういうことでは銀行法という法令がありながら存在しないと思います。また、相互銀行法というものがありながら、そのたてまえが守られないならば、法令は必要はないわけです。 大臣、どうでしょうか。こういう問題があった場合に、主務大臣としてこの問題は権限があります。今後この点についてどのようなお考えでしょうか。
○福田国務大臣 お話しごもっともなので、この遺憾なる事件に対しましては、それぞれの銀行に対しましては、銀行重役の給料を減らすとか、その他今後を戒める措置をとっております。
○浅井委員 大臣から報告がありましたけれども、時間がございませんのでこれで打ち切りますが、十条違反の問題で、処置をどのようにきちんとやられたか、文書でもって今後報告をいただきたいと思うのです。この点をお取り計らい願えますでしょうか。
○田村委員長 そのように、委員長としてやりましょう。
○浅井委員 では、以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○田村委員長 次回は、来たる二十日金曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時三十一分散会