産業公害対策特別委員会 第2号
- 発言数
- 200 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1968/12/18
会議録
○山崎委員長 これより会議を開きます。 産業公害対策に関する件について調査を進めます。 この際、産業公害対策に関し、菅野経済企画庁長官より所信を伺うことにいたします。菅野経済企画庁長官。
○菅野国務大臣 私は、今回経済企画庁長官として、二度目の役を仰せつかったのでございます。経済企画庁はやはり公害の一部の仕事を受け持っておりますので、したがいまして、今後皆さん方とは、公害問題については、いろいろ御協力、御指示を、また御教示をお願いしなければならぬかと存じます。その点どうぞよろしくお願い申し上げます。 つきましては、公害の問題につきまして、私の所信を申し上げてみたいと存ずる次第であります。 近年わが国の経済は目ざましい発展を遂げ、国民の生活水準は著しく向上いたしました。 しかしその反面、急激な都市化の進展及び産業の大規模化の過程において、大気汚染、水質汚濁、騒音等の公害が発生し、人の健康や生活環境が脅かされ、重大な社会問題となっております。 このような公害問題を解決するため、政府は、公害対策基本法に定める方向に従い、国民の健康を保護するとともに、生活環境を経済の健全な発展との調和をはかりつつ保全することを目的として、総合的な公害対策を推進すべく努力しているところであります。 国民生活行政を所掌する経済企画庁といたしましては、国民生活の安定及び向上の見地から、積極的に公害対策に取り組む所存であります。 次に、公害対策の一環としての水質保全の問題について申し上げます。 経済企画庁は、従来から公共用水域の水質の保全に関する法律に基づき、水質の汚濁防止に鋭意努力してまいりました。現在まで、同法に基づき百二十三水域について水質調査を実施し、三十水域については指定水域の指定と水質基準の設定を行ない、関係各省庁及び地方公共団体の協力のもとに、水質基準の確保につとめているところであります。 さらに、先般水俣病及び新潟水銀中毒につきまして政府の統一見解が発表されましたが、このような事件の発生を今後未然に防止するため、これら事件の原因物質とされたメチル水銀が排出されるおそれのある水銀使用工場に対し、水質審議会の議を経て、近く全国一斉に所要の排水規制を行なう所存であります。 また、さらに水質保全の強化をはかるべく、規制対象の拡大、水質に関する環境基準の設定等についても検討を続けております。 以上、経済企画庁の公害問題に関する施策について申し上げました。 本委員会及び委員各位の御支援と御鞭撻をお願申し上げまして、私のあいさつといたします。(拍手)
○山崎委員長 この際、産業公害対策に関し原田運輸大臣から所信を伺うことにいたします。原田運輸大臣。
○原田国務大臣 このたび運輸大臣を命ぜられました原田憲でございます。まことに浅学非才でございまして、私の微力で、運輸大臣として、はたして国政のためにどれだけ仕事ができるか、内心非常に危倶をいたしておりますが、全力を尽くしまして、行政と取り組んでいきたいと思っておりますので、何とぞよろしく御指導のほど、お願い申し上げます。 この際、運輸大臣といたしまして、公害対策の所信を申し述べたいと存じます。 今日、運輸省が直面している交通公害のうち、主要なものといたしましては、船舶の油による海水の汚濁、自動車の排出ガスによる大気汚染、並びに航空機等の交通機関による騒音の三つが特に指摘されるのでありますが、私といたしましては、これら公害問題の解決のために格段の努力をいたし、一日も早く国民各層の期待に添い得るよう、最善を尽くす決意でございます。 次に、この機会に、運輸省の公害対策に関する具体的施策について若干申し述べたいと存じます。 まず第一に、船舶の油による海水の汚濁につきましては、第五十五特別国会におきまして、船舶の油による海水の汚濁の防止に関する法律の成立及び同法関係条約の承認を見ましたので、同法に基づき、船舶からの油の排出の規制、廃油処理事業等の適正な運営の確保及び廃油処理施設の整備が実施に移されております。 特に、廃油処理施設の整備の促進をはかるため、所要の補助金支出あるいは財政融資等につき予算措置を講じております。 第二に、自動車排出ガスによる大気汚染の防止につきましては、本年十二月一日から施行されました大気汚染防止法による許容限度、及び道路運送車両法に基づく道路運送車両の保安基準といたしまして、ガソリンを燃料とする新車について一酸化炭素濃度を三%以下とするように規制しております。 また、使用過程の自動車につきましては、本年十二月一日に道路運送車両法に基づく自動車点検基準を改正し、排出ガスに関係した点検項目を新しく定める等、点検項目の内容を充実したことにより、自動車排出ガス対策に万全を期しております。 第三に、航空機等の交通機関による騒音対策についてであります。 航空機騒音につきましては、従来から東京、大阪両空港における夜間のジェット機の離着陸禁止措置等を講じてまいりましたが、第五十五特別国会におきまして、公共用飛行場周辺における航空機の騒音による障害の防止等に関する法律が可決成立を見ましたので、同法に基づき、航空機の航行時間、航行経路等に関する指定、学校、病院等の防音工事に対する助成、共同利用施設の整備に対する助成、空港周辺の建物等の移転補償及び農業経営上の損失に対する補償等を積極的に講ずることとなっております。 また、自動車の騒音につきましては、道路運送車両法に基づき所要の規制を行なっているほか、自動車メーカー等を強力に指導いたしております。 さらに、新幹線の騒音につきましては、従来からの防音壁の設置等の騒音防止対策を一そう促進いたしておりますが、加えて、騒音の発生自体を抑制するための研究開発、車両及び施設改良を今後強力に推進したいと存じております。 第四に、交通公害防止技術の研究につきましては、その重要性にかんがみ、技術の研究開発を一そう推進する所存でありますが、特に自動車の公害防止につきましては、安全性の向上とあわせて、その研究体制の強化をはかっていくこととなっております。 なお、大気汚染の防止に関連して、気象庁では必要な気象情報を提供しておりますが、このため、体制並びに施設を今後とも一そう整備していくことといたしております。 以上、当面の重点施策等の一端を申し上げた次第でございますが、今後とも、このような公害に対しましては、でき得るだけ全力を尽くしていきたいと考えておりますので、どうぞ皆さまの御指導、御協力をお願い申し上げる次第でございます。(拍手)
○山崎委員長 この際、産業公害対策に関し、斎藤厚生大臣から所信を伺うことといたします。斎藤厚生大臣。
○斎藤国務大臣 どうも、おくれまして申しわけございません。 この際、一言ごあいさつを申し上げたいと存じます。 このたび厚生大臣を拝命をいたしまして、公害行政を担当することと相なった次第でございますが、各般にわたりまして、各位の御指導と御協力を切にお願いを申し上げたいと存ずる次第でございます。 今日、公害問題が当面緊急な解決を必要とする重要な政策課題でありますことは、申し上げるまでもございません。 公害問題の解決にあたりましては、企業の努力、国、地方公共団体の施策はもちろん、国民のすべてが一致して公害の防止のために対処することが不可欠でございます。私は、国民の健康と生活環境を守りますために、公害を防止するための諸対策を積極的に推進をいたし、国民すべての理解と協調のもとに、公害のない住みよい社会を実現するよう努力してまいりたいと存ずる次第でございます。 昨年の第五十五回国会におきまして、このような理念を具体化した公害対策基本法が制定を見たところでございます。その際の附帯決議におきましても御指摘がありましたように、今後は、基本法に定められました方向に従い、基本法に基づく施策の具体化等、諸般にわたる公害対策の拡充強化をはかってまいる所存でございます。このため、当面特に次のような施策を重点的に進めてまいりたいと存ずるのでございます。 まず第一に、環境基準の設定でございます。先般、亜硫酸ガスにかかる環境基準について、生活環境審議会から答申がございまして、目下これに基づいて、早急にその設定を図るべく努力をいたしております。 次に、公害の紛争処理及び被害救済の制度の確立でございます。本制度の具体化に関しましては、さきに中央公害対策審議会から意見の具申が行なわれたところでございます。これをもとに、現在関係省庁間で成案の取りまとめを急いでいるところでございますが、公害問題の迅速かつ的確な解決に資しまするために、早急にその実現をはかるよう努力いたす所存でございます。 このほか、公害防止計画の策定、公害防止施設の設置の助成、監視測定体制の充実、有機水銀その他微量重金属の排出規制の検討等、各般にわたる施策を総合的、計画的に実施することによりまして、今後とも公害対策の一そうの推進をはかる所存でございます。 私は、このような施策を通じまして、公害問題の解決をはかりますため、誠意をもって十分努力する所存でございまするので、委員各位におかれましても、何とぞよろしく御協力と御支援を賜わりますよう、特にお願いをいたす次第でございます。(拍手)
○山崎委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。佐藤觀次郎君。
○佐藤(觀)委員 斎藤厚生大臣にお尋ねするのですが、あなたは四日市が選挙区でありますから、公害については非常に理解があると思うのです。実は、愛知県の小牧の地区に、トラックターミナルがいまできつつあるのですが、その近くに岩倉町という町がありまして、大体二千七十戸の公団の住宅があるわけです。ところが――あとで、運輸省の黒住さん見えておられますからお伺いするのですが、トラックターミナルが完成した暁には、県当局の計算では一日五千台、実働なら八千台くらい自動車が動くわけなんですが、その中に入っておる大体六千人くらいの人は、非常に広漠な地で住宅ができたということで喜んで入ったわけですが、いまたいへんな排気ガスの問題もあるし、たまたま小牧の飛行場の近くにあるわけですし、片方は小牧市、片方は岩倉町ということになっておりまして、これは非常に問題を起こしております。愛知県のほうは、県の企業局が許可したわけですが、そういうことについて厚生省へ、何かその通知が行っておるかどうか、まずそのことからお伺いしたいと思うのです。
○斎藤国務大臣 小牧市のトラックターミナルの設置について、公害問題で問題があるということを、私は前から聞いておりましたが、まだその詳細については存じておりませんし、また、ただいまの手続上の点についてもまだ私は聞いておりませんが、十分伺いまして、もし今後何らか手の打てる方法があれば、皆さま方の御安心のいくようにいたしたい、かように思っております。 詳細な手続等の点は、政府委員から直接お答えさせます。
○佐藤(觀)委員 大体県の企業局が土地を買いまして、ちょうど岩倉町と鵜戸川一本隔てて小牧市があるのですが、そのわきにトラックターミナルをつくって、現在県の車検の場所、名鉄運輸、鈴与工場という四つばかりのものが完成しておりますが、いまちょうど進行中でありまして、いまならとめられるというような情勢にあるわけです。しかも、その団地のわきに小学校があるわけです。その小学校のわきをターミナルの出発点にしているような、まことにずさんなことでありまして、これも厚生大臣が見られたら、これはひどいということになると思うのです。成田委員長も行ってびっくりし、山崎産業公害委員長にも行ってもらったのですが、あまりに非常識過ぎるようなことをやっておるわけです。こういう点について、県のほうから当然、これは非常にひどいということを言ってきそうなものだけれども、きのうあなたのほうに伺いましたら、二、三日前にそんなことをちょっと聞いたというような事務当局のお話がございました。人道上からもあまりにひどいので、私らは見て、非常にびっくりしたのですが、広漠たる土地の中に団地があって、その団地は全然樹木が一本もないわけなんです。それでそのわきに小牧の飛行場もあり、最近――いままでは気にしなかったけれども、小牧の飛行場の騒音がやかましくなってきたというような感じで、戦々恐々としておる。せっかく名古屋や三重県あたりから越してきた人が、これは非常にいい住宅だと思って、一年ぐらいほっとしておったのですが、そういうような事態になっておるというわけなんです。あとで運輸省の方にお伺いしたいと思うのですが、そういうような、人道的に見ましてもあまりにひど過ぎる。せっかくいいところへ入ったと思って一息ついたところへ、六千台、七千台の自動車が動くということになれば、たいへんなことになるのじゃないかと思うのですが、厚生大臣のほうから県のほうに――これは県が経営してやっておるのですが、何とかひとつ忠告を与えて、工事を見合わせろというくらいなことを言っていただきたいと思って、お願いするわけでございますが、いかがでございましょうか。
○斎藤国務大臣 先ほども申しますように、ただいまおっしゃいますとおりの実態であろうと存じますが、今日まだ法的にどうというところまで進んでおりませんが、しかしながら、県も住民の方々のしあわせを念願されることであろうと思いますから、どういうようなことをなし得るか、できるだけの配慮をしてもらいたいということを話し合ってみたいと思います。
○佐藤(觀)委員 もう一つ大臣にそれをお願いして、あと黒住さん、その後――あなたのほうの陸運局で許可されたらしいのですが、あまりひど過ぎると思うのです。あなたのほうで現地を見ていただいておるわけですが、どういう方法を講じて不幸を救ってもらえるか。ひとつ伺っておきたいと思います。
○黒住政府委員 このターミナルにつきましては、路線では、いま先生から御指摘の名鉄運輸につきまして、すでに営業所の認可をいたしております。まだそのほかにつきましては認可をいたしておりません。それから倉庫につきましては、鈴与倉庫につきまして認可をいたしておるわけでございます。先生が御指摘の、隣に岩倉団地が近接をしておりまして、それに対する交通事故の増加の問題、それから騒音の問題、それから排気ガスの問題、そういう三つの問題があるわけでございます。それの対策につきましては、県当局と陸運局あるいは関係の市町村といろいろ相談をして、目下対策を講じておるところでございますが、その対策といたしましては、まず個々のターミナルにつきましては、個別に防音構造を考慮した設計をするように求めております。これにつきましては、東京工大の松井という先生にお願いいたしまして、模範設計を検討しております。現在建設中の運搬合資という会社でございますが、これにはその松井先生の指導を受けております。それから第二番目には、住宅と非常に近接している区画があるわけでございますが、この区画につきましては、連続高層の騒音の遮蔽物を建てるといたしまして、そのためには、一部地域につきましては、他に換地を入手して移転できるような努力を検討してやっておるのでございます。それから第三番目には、施設の完成後の運用にあたりましては、速度を自主規制する、警笛を鳴らさない、エンジンの吹かしをとめる等の措置を業者に求めて、無用の騒音の発生を防止する等の措置をとりたいと考えておる次第でございます。 本件につきましては、このトラックターミナルの必要性から、高速道路の近接したところに求める、また都市交通が非常に混雑しておりますので、それに対処する方法といたしまして、陸運局、関係業界が愛知県にお願いもいたしまして、愛知県がいろいろ手配をしていただきまして、こういう計画ができ上がった次第でございますが、御指摘のような点につきましては、ただいま申し上げましたような方向で検討をいろいろ考えてくれておりますので、さらに十分協議を尽くしまして、善処いたしたいと思います。
○佐藤(觀)委員 黒住さん御存じのように、日本で公害に対して一番無関心な、一番劣悪なところは、愛知県と名古屋市だそうであります。そういう点で、たとえば三重県などは、いま厚生大臣が言われたように、四日市が中心になってやかましくやっておりますが、愛知県の場合は産業の誘致ばかり考えておって、住民の健康とか住民の生活というようなことは全然考えてない。これは愛知県の特に尾張部、それから海岸地帯はどんどんどんどん埋め立てをやって工場をつくる関係上、そういう点では一番ひどいところじゃないかと思うのです。 そこで、この間、飛騨川の関係で黒住さんおいでになったそうでありますが、私たち考えてみても、同じ愛知県の中でも、小牧と岩倉町と違うという立場で、ほとんど住民のことは考えずにやっておられたかのような錯覚を起こすくらいひどいところなんです。特に、御承知のようにあの団地には二千七十戸、住民が六千人ばかりおるわけです。ところが風でも吹いたらもろに排気ガスがかかるし、それから町当局も無関心なところがありまして、一時はあそこへ保育園をつくろうといって、これはあまり地元の反対がありましてやめましたけれども、そういう無謀なことを――公害ということに対しては全く無関心なそういうところだと思うのです。そういう点で、愛知県のトラックターミナルというのは、これは陸運局の許可になっておるそうでありますが、何とか早くどこかに移すかなにかしないと、工事が進んでしまうと、なかなか措置がしにくいと思うのです。そういう点で、これは厚生大臣は近いところですから御存じだと思うのですが、せっかく名古屋から難をのがれてああいう静かなところに来ても、今度は名古屋以上の公害に――御承知のように、あそこは排気ガスと、それから騒音、いままで問題なかったときにはそうではなかったらしいのですが、最近は小牧の飛行場の騒音が一緒になって、三つの苦労を重ねておると思うのですが、これは運輸省の権限だと思うのですが、何とか許可を取り消すことはできないのかどうか。まあできなければ、何らかの方法で、相当強硬な手段でやってもらわぬと、私どもの成田委員長も企業局長にも会ったのですけれども、なかなからちがあかない。それから住民が一年半くらい実はたびたび陳情をし、いろいろな例をあげて、あれをしておるようでありますが、なかなか始めた以上は変更ができないというようなことで、非常にあれをしておる。これからますますひどくなると思うのですが、その点は、運輸省はどのようにお考えになっておられますか、承ります。
○黒住政府委員 トラックターミナルを都心に設置いたしますと、これまた都市交通の渋滞の問題等ございますので、周辺のなるべく高速道路等に近接いたしました場所につくりたいということで、この場所を愛知県で選定していただいたわけでございます。総面積が五十七万九千平米でございまして、これを全体をある場所に移転するということになりますと、その適地を得るのが非常に困難だと思う次第でございまして、この場所におきまして、極力御指摘のような公害の点を排除するような努力をするしか方法はないのではないかと思います。 それから、認可いたしましたのは名鉄運輸でございまして、これはターミナル事業ではなくて、各トラック会社の営業所といたしまして認可いたしたものでございます。ただいま工事をやっておりまするものが二、三ございますが、これにつきましては、工事中十分注意するように指導いたしております。 それで、今後の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、住宅団地に近接いたしております地域におきまして、特に騒音のない施設を設置するというふうなことで、愛知県も計画中でございます。したがいまして、以上のような方向でもって進んでいったらどうかと思っておる次第でございます。
○佐藤(觀)委員 できないことをしいるわけではありませんが、あの学校の裏には車の発着点をつくることを予定してあるわけですね。こういう問題は、運輸省からいってもらえば変更はさせられると思うのです。そこで、この問題一つだけでも、学校の裏に――これは町が、小牧市と岩倉町で違いますから、川一つ隔たっておりますけれども、非常に危険性があるということと、それから既設の建物が、何か鈴与工場、あれは夜非常に騒音があるらしいのですけれども、ああいう地点にグリーンベルトをつくるとか、そういう何か予防措置をして、何らか排気ガスなんかのあれをするというような方法はないものかどうか。 それから、実はこの間、名古屋の毎日新聞に、総理大臣殿とか拝啓通産大臣殿ということで、主婦の木村光子さんとか鏡山文子さんというのが非痛な投書をしておるわけです。これは四、五日前の投書でありますが、これは非常に気の毒で、ノイローゼになっておる。この間自治会の会長さんの家に行ったら、実は私たちは自動車ノイローゼですと言って、非常に憤慨しておりましたが、せっかく平和なところが、自動車のターミナルができるために、もう戦々恐々としておる。せっかく落ちついたから、よそに移りたくない。何とか処理してもらおうと思って、すでに一年半、県やあるいは企業局その他いろいろなところに陳情したけれども、何らの反応がない。それで現に、黒住さんからの説明がありましたが、幾ら協議会をやってもらっても、どんどん工事が進んでいくと、そうすると、既成の事実だからやむを得ないじゃないかという声があって、どうもその処理に困る。われわれ一般国民では、何を言っても、とうふにかすがいのようなもので、なかなか反響がないので、何とか国で取り上げてくれということで、たまたま私は委員長に来てもらって、実は公害委員会でお訴えするわけなんですが、何とかこれは、損害をしても、個人じゃございませんから、県が、県の企業局が土地の造成をして売りつけたものです。そういう関係で、何か方法もつくだろうし、中央でそういう御指導をしてもらえれば、県のほうでも処理をするようなことをしてくれると思うのですが、そういう点の何かのいい方法はないものかどうか、ひとつ伺いたいと思います。
○黒住政府委員 先生から数点につきまして御指摘がございましたが、まず最初の点でございますが、交通事故の防止のために、住宅団地を横断しておりますところの県道を通過しないというふうに指導いたしております。 〔山崎委員長退席、橋本(龍)委員長代理着 席〕 それから一番やかましかったのは、おそらく鈴与倉庫の工事中に非常にやかましかったということがいわれておりますが、現在では、鈴与倉庫の場合には夜間運行はやっておりませんし、車両は数両でございます。それで、工事をやっておりますものにつきましても、夜間の建設工事は実施しないということでございまして、いま西濃運輸の関係が工事をしているようでございますが、これは夜間の工事はやっておりません。 それから、全体について工事を取りやめるということにつきましては、いま御指摘のように、これは売却いたしましたものを工事しておるわけでございますので、そのやり方自体を十分配慮するように指導するしか方法はないのではないかと思います。 それから協議会の問題につきましては、県当局が中心になりまして、関係の方面と、すなわち陸運局、関係の岩倉町あるいは住宅公団、住民代表、企業者代表というふうなものを計画されておりますけれども、若干御意見があるようでございまして、われわれといたしましては、できるだけ早く関係者全体の協議会が発足いたしまして、今後の改善策について、各方面の意見を総合的にまとめて、前進の方向に行くことを期待しているような次第でございます。
○佐藤(觀)委員 これは根本問題は、日本の住宅公団の責任がやはり最初だと思うのです。そこへ初め団地の人を引っぱるのには、非常に理想的な団地だ、非常に静粛で、空気なんかもきれいだし、非常にいいところだということで宣伝をして、入った人が多いわけなんです。しかし、それはそうであっても、現実は三重苦――先ほど厚生大臣からの説明の中にもありましたが、いまでは小牧の飛行場の騒音と、それから夜昼なく通るものですから、自動車の騒音、排気ガスというようなことで、非常に憂うつな空気に包まれておりまして、住宅団地も、やはりもう少し樹木を入れて森林でもつくるならいいけれども、いまの速成のものですから無味乾燥なところへもってきて、そういうような非常に大きな弊害がある。しかし、これは何といっても、運輸省が許可しなければターミナルができないと思うのですが、一体その点がどういうような関係で許可されたのかということと、相手は愛知県の県当局でありますから、個人のうちだとなかなか損害もあるし、あれになりますけれども、何といっても、五十二社というような、大体経済的に有力なところでもあるし、それから県のほうからやろうと思えば、何らかの処置ができそうな傾向もあることで、まだ広漠な土地もありますし、先ほども自動車局長は、どうも適地がないと言われますけれども、全部越せとは申しませんが、少なくとも団地の側に建っておる、少なくとも百五十メートルから二百メートルくらいは、やはりグリーンベルトをつくるとか、いま工事をやっておりますが、そこのところにいま一軒しか建っておりませんが、そういうところは何とか遠く方向を変えることをしなければ、いまでさえああいう状態でございますから、今後あれが十分できたらたいへんなことになるんじゃないかというふうに思われますが、その点は黒住さんどういうようにお考えになっておりますか、お聞かせ願います。
○黒住政府委員 ターミナルにつきましては、先ほど申し上げましたように、都市交通の対策あるいは流通革新に即応するというふうな場合におきます中核的なものといたしまして、トラックターミナルをつくっていきたいという基本方針のもとに、名古屋地区につきましては、県当局にお願いいたしまして、この地域に土地を求めていただいたわけでございます。そういうことでやっておるわけでございますが、これをつくりました後における、いま先生御指摘の公害問題につきましては、これは近来におきます非常に大きな重要な問題でございますから、いろいろな解決の方法も当然考えなければならないと思う次第でございます。したがいまして、いま御指摘のような方法につきまして、具体的には県当局と十分相談いたしまして、今後善処していきたいというふうなことで、目下努力いたしている次第でございますし、県当局におきましても、いま申し上げましたような方法、先生御指摘のような方法につきまして、検討しているような次第でございます。
○佐藤(觀)委員 いろいろ現状を知っておられるから、理解をしていただけると思うのですが、何せ、毎日家庭における主婦の諸君が非常に気を荒くして叫んでおることでございますので、ひとつできるだけ――どんどん進行してしまうと、にっちもさっちもなりませんが、いまのところならば、全体としてはまだほんとうの初歩的な工事より進んでおりませんので、ひとつ十分に注意していただきたい。 それから、厚生大臣に再三お願いするのですが、近いところでもありますし、四日市の公害問題については十分御存じでございますが、私の愛知県も、いままでなおざりにしてありましたこういう公害のための人道問題、それから生活環境の変化のために、住民が思いも及ばぬ災害にかかるような形であるわけで、愛知県がしきりに産業の発展をするために、土地の住民を犠牲にするような施策が多いように考えられます。そういう点で、たまたま斎藤さんが厚生大臣になられたのですから、善政を施していただくように、近いところでありますから、ひとりお願いしたい。特に今度の問題は、愛知県のほうに厚生省から、住民が不安のないように十分に注意しろ、そういうことをやっていただいて、なるほど政府でもそう心配してくれるか、政治不在と言われておるけれども、なかなかそうではない、やはり叫べば上のほうに通ずるというような立場からも、ひとつ斎藤厚生大臣に――これはあなたのほうは法律上何のあれもありませんけれども、公害の問題については一番親切であるべき厚生省でございますので、そういう点について、何とか処理をしていただくようにお願いしたいと思います。
○斎藤国務大臣 おっしゃいますように、私も隣の県におりまして、愛知県の公害の問題についても関心を持っておるわけでございます。特に木曽川の汚染というような問題につきましても、かねがね愛知県知事にも申し入れておった次第でも、ざいますが、このたび厚生大臣になりましたので、一そう愛知県全般の公害について力を入れてくれるように、知事にも特に私からお願いをしたいと思っております。 なお、小牧の公害問題につきましては、ただいま運輸省の黒住自動車局長から申しましたように、たしか十二月十二日に、公害防止連絡会議というものを愛知県で発足をさせたようでございまして、この連絡会議が、できるだけおっしゃいますような成果をあげますように、私のほうも推進をしてまいりたい、かように存じます。特に、地元の議員でいらっしゃいます有力な佐藤先生の、愛知県の公害について御尽力を、この上とも、私からもお願いいたしたいと思います。
○山崎委員 ただいま同僚議員の佐藤觀次郎委員からお話がありました小牧の問題ですが、実は私、十二月の六日に現地へ参りまして、つぶさに拝見いたしまして、実は驚いたのであります。いま実は私は関連でございますから、ほんの数分間、要点だけ申し上げますが、いま私、委員長席で聞いておりますと、許可の権限を持っておる運輸当局の御答弁は、私からいうと、まことになっていないのであります。といいますことは、住宅団地が二千百戸からあって、その二十メートル隣へもっていって、十七万坪のトラックターミナルをつくる。これを最初許可をするときに、一体運輸省は今日のことを想定してやったのかやらなかったのか、私は、問題はそこにあると思うのであります。やった責任者はあくまで愛知県、それははっきりいたしております。それが申請を出して許可をくれといったときに、今日の現状が起こるか起こらぬかを――いわゆる騒音あるいは排気ガスの問題、交通災害の問題、この三つは子供が考えてもわかる問題であります。これは現地へ行ってみてびっくりいたしました。おまけに発着場のすぐへりには既存の小学校がある。小学校の二十メートル隣へもっていって、夜通し出たり入ったりをするトラックの発着場をそこへ位置をつけるなんて、現地へお行きになりましたらびっくりするほど、公害に対する無神経さがある。なお中央官庁が、運輸省は運輸省ばらばら、厚生省は厚生省ばらばらとまでは申し上げませんが、特に今回の問題は、運輸省が事前に想定したかしないかということ、おそらく住宅公団にも相談せず、あるいは学校関係でありますから、県の教育委員会と申しますか、文部省と申しますか、当然これは事前に相談しなければならない問題だと私は思うのであります。やっておらぬ証拠であります。これができ上がったならば、おそらく今度は学校が移転しなければならない事態だと私は見ております。まず行政の出発点において、日本の公害行政というものがこんなばらばらの行政であって、はたして許されるかどうかという問題、これが基本問題であります。いま聞いておりますると、東京工大のだれだれが防音の設備をどうとかこうとか、こういうことは、どんな完全な防音装置をやっても、あの現地を見た場合に、騒音の被害というものはそんなに排除できるようなものではございません。しかもきょう現在ならば、いまの運輸省当局の御答弁でなくて、もう一歩も二歩も進んで、県と話し合いをやって、一時中止する、といいますことは、五十二の運輸会社に払い下げを完了いたしておりますが、その団地に並行したところだけ、たしか五つの区画のうち三つの区、画は、愛知県が、さすがに気持ちが悪くなったのかどうか、そこは取り消しておるのであります。あと残っておる二カ所を、私が行きましたら、西濃運輸が鹿島建設にいうて、いま基礎をやっておりました。その隣が発着場であります。せめてこの二カ所だけでも、運輸省が県当局と話し合いをされて、この位置を変更するならば、あのだだっ広い場所でありますから、変更の余地は私はあると見ております。そこまでやろうという御意思を持ってもらわなければならない。いまのお話を聞いておりますると、現状のままで、騒音を防ぐ装置をやって進めていくというニュアンスしかないのであります。それでは、現地の住民は全く不在であります。いまも言いますように、三区画はまだ手をつけておりません。その中に一カ所完成したのがございます。したがって三区画の中の二カ所は取りやめた。それに続いたお隣の二区画、いまやっておりますのが先ほど言いました西濃運輸で、基礎の工事をやっている。その隣は発着場、これはまだ手をつけていないのであります。これをずらすことはできませんか。行政上、私はできぬとはいえないと思うのであります。当然これは愛知県と運輸省が話し合いをされて、同時に住宅公団も、二千百戸から建て、さあ皆さんこれにお入りなさいというて入れてしまっていて、すくその隣に――隣は二十メートルもないのであります。したがって私が言いますように、せめてあとの二区画だけをよそへ移転をすれば、どちらかへ位置を変えれば、いまの騒音公害というものはずいぶん防げると思います。そこまでおやりにならなければ、私は親切な行政とは言えません。全く公害を無視した行政だと、私は言いたいのであります。運輸省の方はどうですか。そこまでおやりになる意思がありますかありませんか。いまのお話のニュアンスを聞いておりますと、東京工大の先生に頼んで防音装置がどうとかこうとかいいますが、そんなものは完全にやっても、これは絶対にできっこありません。はっきりしております。 その点を御質問するのが一点と、私、これは厚生大臣に御要望申し上げます。直接厚生大臣の所管ではございませんが、間接的には非常に大きな所管の関係があると私は思います。ちょうどお正月の休みでございますから、どうせ大臣は、就任のごあいさつに、伊勢神宮なんかにお参りになるだろうと思うのでありますが、その途中ぜひ立ち寄って、百聞は一見にしかず、見ていただきたい。ごらんになって、同時に愛知県庁へ持っていって、強力に公害防止の前向きの姿勢に変えるように、住宅公団、運輸省、また学校がすぐへりにあるのでありますから、当然私は教育行政にも非常に大きな関係があると思うのであります。そこらが協議をして、いま言いました二カ所だけを位置を変えるというだけのアドバイスを――私は厚生大臣がごらんになったら必ずそういうお気持ちになると思いますので、アドバイスをしていただきたいのであります。その点は、関連ですから御要望だけにとどめておきます。 特に私は、運輸当局の怠慢を声を大にして責めたいのであります。なぜああいう場所へ許可したかということなのであります。問題はここにあるのです。したがって運輸当局の御答弁だけ、一言お聞かせ願いたいのであります。前向きに県に向かって話し合いをするという姿勢、これを私はぜひやってもらわなければいけないと思いますが、運輸当局は一体どうですか。
○黒住政府委員 本件につきましては、ターミナル設置の必要性から、県当局にお願いをいたしまして、この土地を選んでいただきました。そしてあと、県から売却を受けましたものを、営業所として認可をいたす順序になっておる次第でございます。それで、ただいま先生御指摘の点でございますが、この団地に隣接いたしております地域につきましては、日本運送の割り当分の約九千九百坪、それから運搬合資の南にあります伊豆箱根に割り当てられております六千七石坪の分、それから鈴与倉庫から南のほうに、八カ所ばかり整備工場等に割り当てておりますが、これがいわゆる近接した地区だと思います。近接地区につきましては、他に移転いたしまして、そのあとに騒音のないような施設をつくりたいというふうなことで、県当局も目下具体案を検討いたしておるような次第でございますので、われわれといたしましても、県当局と十分相談をいたしまして、今後善処していきたいと思う次第でございます。
○山崎委員 ちょっとはっきりわからなかったのですが、要点だけ聞けばいいのであって、中止するような前向きの姿勢で――私の言うのはその二カ所のことです。あなたならおわかりになると思う。西濃運輸の場所と発着場です。中止するという前向きの姿勢で、県とこれから話し合いをされる意思があるかないか、その一点だけでけっこうです。それだけ聞かせてもらったらいいのです。
○黒住政府委員 会社のほうが土地を買いまして、工事をやっておるわけでございますから、法的に工事を中止させるという方法はむずかしいわけでございますので、工事のやり方につきまして、先ほど申し上げましたように、十分慎重を期してやるように、現在は指導しておる次第でございます。 もう一つの騒音の装置につきましては、先ほど申し上げたようなことで、善処していきたいと考えております。
○佐藤(觀)委員 局長だけを責めてもしようがありませんけれども、原田さんおりませんが、原田運輸大臣にも、もしあなたのほうで誠意がなければ――私たち地元の人は非常に激高しておるわけなのです。だから、実際は、これは自動車局長のほうで許可したのではなくて、名古屋の陸運局がやったものらしいのですけれども、県庁がやることだからだいじょうぶだろうという甘い考え方が、こういう結果を導くのであって、これがどんどん進行していくと、たいへんなことになるのじゃないかと思うのです。 〔橋本(龍)委員長代理退席、委員長着席〕 だから、責めは相当日本住宅公団にもあると思うのですが、何といっても、六千五百人からの住民の今後の問題にかかわる問題でもありますし、これは木造の住宅ならばまだいいけれども、鉄筋のそびえ立つような建物が何十むねとあるわけなのです。ひとつその点を大臣にお話しになって、同僚の山崎委員長から言われたように、ぜひひとつ善処してもらわぬと、これはいま地元はなかなか強硬な意見を持っておられますので、十分にひとつ前向きの御検討をしていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○山崎委員長 島本虎三君。
○島本委員 通産大臣来ておりますか。
○山崎委員長 いま来ます。
○島本委員 山崎委員長のもとに、産業公害対策特別委員会がいよいよ有終の美を飾ろうとしておるわけであります。いま新大臣によって、いわゆる所信表明を聞かせてもらうことができましたが、私は、今回特に現在問題になっている点を、大臣の所信としてもう少し聞きたかったわけです。しかし内容等にわたって、ことばはりっぱでございますけれども、いままでの大臣の所信と、やはり美辞麗句においては大差がない、こういうふうに思ってまいりました。問題は、今後の誠意のいかんによるわけであります。ことに、きょうの新聞報道によりましても、四十二年度の国民総生産、これについては、やはり西独を抜けず、第三位になったけれども、来年度は第二位になるであろう、しかし依然として一人当たりの所得は二十一位、イタリアの次である、こういうようなことが、新聞報道にはっきり載せられているわけであります。こういうふうにして生産が上がったこの陰には、公害で泣く人たちがどれほどいるか、こういうような点も、厚生省と通産省の責任ある立場の人が十分考えて行政を施行するのでなければ、今後重大な事態に立ち至るわけであります。そういうような点等からして、産業公害対策特別委員会では、公害基本法ができて以後、御存じのように、つい最近では騒音規制法、大気汚染防止法、これらの成立も見ました。私はこれはもう同慶にたえません。しかしもう少しきびしいものにしてもよかったかと思いますが、まずできました。しかし、これは両大臣よく聞いておいてもらいたいのです。法律ができても、環境基準がまだきまっておらないがために、施行に間に合わないという事態がもう起きておるわけであります。これは一体どういうことなのですか。基本法ができて、関連立法は完全にできた、しかしながらそれを施行するのに、その中心をなす環境基準が間に合わない。伝えられるところによると、大気汚染防止法の関係では、環境基準が、産業界の反対で、施行に間に合わなかった。これが報道されているわけです。こういうようなことがあっては、せっかくりっぱな法律をつくっても――りっぱではないかもしらぬが、仏をつくって魂を入れないような結果を招来しておる。いかに所信表明はりっぱにしても、こういうような行政上のミスを繰り返しては何にもならない。騒音規制法にしても、そのとおりではありませんか。大気汚染防止法にしても、そのとおりではありませんか。ことに一般の排出基準のみならず、特別排出基準、これさえも通産省の反対で見送られた。一体これはどういうことなんですか。ひとつ両大臣から、両省を代表して、はっきりした見解を問いておきたい。確かにことばでは、りっぱにこう申し述べられておるのを読みました。しかしながら、これが実施されなかったならば、国民に対しても、国会に対しても、責任をとらなければならないのであります。この環境基準が何のためにおくれておるのか、また、これをいまどういうふうに準備しているのか、決意のほどを、両大臣から伺っておきたいと思います。
○斎藤国務大臣 ただいま島本さんのおっしゃいましたように、日本の産業経済はまだまだ発展をしてまいると思いますし、またまいらなければならぬと思います。国民の平均所得が世界の二十一番目、少なくとも世界の一、二位になるまでは、私は、結局産業の発展によってなし遂げなければならない、またなし遂げ得る、かように信じておりますが、それに伴って、今日やかましくいわれております公害問題も、もっともっときびしいものになってくる、かように考えます。産業の発展も科学技術の進歩も、これはやはり人間のしあわせに貢献をするということが第一でございますから、そういう趣旨によりまして、公害を担当いたしております厚生省も、また産業を担当しておられる各省も、御同様の御意見であろう、私はかように思います。そういう基本的な考えのもとに、公害行政を進めてまいりたい、かように思うわけでございます環境基準、ことに大気汚染、騒音であります。いわゆるSO2、硫酸化合物の基準につきましては、すでに公害対策審議会の答申も得ておりますので、その答申の線に沿って年内に制定をいたしたい、かように思いまして、いま通産省とも折衝を進めている次第であります。通産省もその基本方針には御了解をいただいていることと、かように信じておるわけでございます。御期待に沿うように、さらに努力をしてまいりたい、かように考えております。
○山崎委員長 公害部長でもよろしゅうございますか。
○島本委員 せっかくいま厚生大臣のほうから決意の表明があったのですけれども、しかし、大事ないわゆる元締めである通産省が、責任ある立場の人がいないというのは、これはまことに公害対策委員会を軽視したものであり、公害対策に対して、これはもう国民を愚弄したものではなかろうか。こういうようなことは許されない。要求はちゃんとしてあるのです。大臣が忙しければ、どうして政務次官でも来ないのです。政務次官も大臣も、どこへ行って、どういうふうになっているのですか。これではいけませんよ。大臣がいなければ、せめて政務次官と思って、やったんですけれども、政務次官もだれもおらない。あまりにもなめたやり方じゃありませんか。こういうようなことでは、公害対策の実があがらないのは当然です。何のために――産業界の反対のためにこの基準が設定できないのですか。はっきりした自分らの意図を持たないのですか。これはとんでもないことです。 来るまで黙っておくのももったいないですから、次に通産省のほうはまとめてやることにして、厚生省のほうに、この際ちょっと聞いておきたいことがあります。というのは、今度の基準設定にあたっては、健康保護が目的なのか、生活環境の保全が目的なのか、また両方これを兼ねて、どういうような折衝なり打ち合わせをしておられるのか、この考え方の中心を承らないとだめだと思うのです。これはいわば産業と経済ですか、いろいろありますが、ことばによって別々に使われている向きがある。しかしながら、この調和の問題だけを考えては、これはおかしいものになってしまうのです。いまあまりにも調和の問題で、この基準ができないじゃありませんか、厚生省どうなんです。
○斎藤国務大臣 どこまでもこれは生活、健康を保持するということが中心でございまして、健康を保持するに足る環境、かように考えているわけでございます。したがいまして、産業界においても、いままでほうっておいたものを急にやることのできないようなことでは、これは実際、法律、規則をつくってみても不可能でございまするし、現在の産業を殺すというわけにもまいりませんが、しかしいま厚生省の考えております環境基準は、やればやれるということを考えて、そうしてまずこの程度ならば将来の環境基準として望ましいものだ、こういうことで考えておるわけでありまして、産業界にも、私は重大な、何といいますか、損害というか、将来に対する非常に悪い影響があるというようには考えません。若干のそういった負担は、これはやはり産業をやる人自身も考えてもらわなければなりませんから、そういう趣旨で、公害対策審議会においても審議をせられて、そこで一応いただいた答申でありますから、私は、産業界の方の御意見もその答申の中に入っており、決して無理なものではない。また生活を守る上においても、これで不完全とは思わない。まあ欲を言えばもう少し、という点もありましょうが、ここらが、公害行政を進めていく第一段階としては、望ましい線であろう、こう思って、産業界の方にも御了解を願い、通産省も御了解を願って、そうして年内にはこれを制定をいたしたい、かように思っております。
○島本委員 大臣は新任ですから、いままでの経過は、おそらくは十分わからないまでも、事務的にはいろいろ聞いて処置されておることと思います。私はこの際、通産省がまだ来ていないので、ひとつ大臣にも聞いておきたい。いま厚生省が考えられたこの基準は、四日市をはじめとして、現地の住民からは、こんなことではだめだ、東京都からでも、こんなことではだめだ、こう言われるほど、甘いものなんです。ところが、産業界のほうでは、こんなきびしいのではだめだ、やれるものからやらせてくれ、こういうような状態なんです。住民感情からすれば、自分の命と健康保持のために、こういう甘過ぎるようなやり方で、どこに健康を守れるんだ、こういう声が、四日市をはじめとして、ほうはいとしてわき起こってきておるのだ。通産省をはじめ業界としては、こんなきびしいものでは、企業としては成り立たない、やれるものからやらせてくれ――がりっとしなければならないのは厚生省なんです。窓口なんです。通産大臣に対しても、これはあなたがぴっしり言ってやらぬとだめなんです。いま私が言ったこの基準について、そういうような状態だということは、まことに私自身も遺徳なんです。もっときびしい、もっとりっぱなものになぜできないのか。しかし、それさえもきびし過ぎるという産業界の、こういう国民の生命と健康に対する責任を、どのように考えておるのか、これも私、疑問なんです。皆さんに言ってもしかたがないが。厚生省としては、どの辺の都市を基準にして、この環境基準を考えられたのか。東京あたりでは、美濃部都知事をはじめとして、これではやっていけないと言っているでしょう。四日市でも、あれでは甘過ぎて、これではわれわれの生命も健康も守れないと言っているでしょう。しかし、それでもなお、産業界の反対にあっておる。どの辺の都市を基準にしてつくられたのか、それをひとつ御発表願いたいと思うのです。
○武藤説明員 大体、東京、大阪の中等程度の汚染の状況が、現在生活環境審議会で答申がありまして、私どもが生活環境基準としてきめたいと考えているものでございます。
○島本委員 東京、大阪の中等程度というと、どういうことになるんですか。もう少しわかりやすく……。
○武藤説明員 東京で言いますと、山手線の中の程度でございます。
○島本委員 山手の中というと、大体この辺では、吉祥寺のあたりとかなんとかと、こういうふうに、言ってみてください。
○武藤説明員 東京の中でも、いろいろ測定点の場所によりまして違うわけでございますが、大体新宿、新大久保程度がちょうどボーダーライン、かように考えております。
○島本委員 そういうふうな状態で、まだまだ不十分だと思われる環境基準の設定が、何のためにおくれているんですか。技術的な面がありましたら――通産省のほうでだれか来ておられますか。技術的な面で通産省に聞いておきます。
○矢島説明員 政務次官が来るのがおそくて、まことに申しわけありませんが、冒頭からの先生の質問にも触れつつ、なお、いま先生が技術的なことも言えとおっしゃいましたので、そういう点に触れたいと思います。 まず、通産省の立場でございますが、先ほどからときどきおしかりを受けているわけでございますが、通産省といたしましては、人の健康の保護という見地から、生活環境審議会の答申と、これに基づく厚生省の案については尊重して、早急に政府の環境基準をきめたいと、かねてより考えておった次第でございます。ところが、十月、十一月と、産業界の、経団連をはじめとして、各団体から非常に激しい反対の陳情があっておりまして、その反対運動はなお熾烈となってきておりますので、十一月ごろに至りまして、これはいかぬということになった。こういうふうに、厚生省と産業界とが完全に環境基準の問題で対立しておって、こういう問題がにっちもさっちもいかないようなことがあっては、国民に対して申しわけない、どうしてもこれは通産省が乗り出して、産業界を説得して、厚生省の案に近づけて、これをまとめなければならぬ。こういうふうに判断いたしまして、十一月終りごろから、精力的に産業界の説得につとめているわけでございます。 以上が、先ほどの冒頭からの先生の御質問に触れた私の答弁でございます。 それから次に、技術的な問題というお話がございましたが、おそらく、これはどういう点でもって産業界が反対しているのだろうか、こういうことになろうと思いますが、申すまでもなく、これは亜硫酸ガスの環境基準でございますので、したがいまして、大気の中における硫黄分というものが何らかの方法でもって除去できれば、基本的には解決できる問題でございます。このためには、大ざっぱに言って二つ方法がありまして、一つは硫黄分をたくさん持っている重油そのものから硫黄分を取る、こういうことが第一であります。これは基本法のことばを使えば、もっぱら石油業界の責務であろうと思います。それから次に、やはり亜硫酸ガスを大量に出すのは何といっても電力業界、電力業界はこれを煙の段階から取る、排煙脱硫装置、こういうのが同じく電力業界の公害に対する責務であろうと私は思います。ところが、いろいろ問題がたくさんございますが、大きな問題を例示的に申し上げますと、やはりその基本法で言う責務でありながら、石油業界もこの問題について非常に難色を示している。それからもっと大きな問題は、電力業界も排煙脱硫に対して難色を示している。こういう大きな問題が、例をあげて申し上げますと、あるわけで、これに対して、私は非常に精力的に積極的に説得につとめまして、一日も早く彼らを厚生省案のほうに近づけて、必ずこれをまとめたいと考えておるわけであります。 なお、政務次官がおいでになりましたから、後ほどさらに技術的なことは御質問に応じて答えたいと思いますが、私はいま、彼らの言っていることを例示的に申し上げたわけでございまして、こういう点は、別に通産省がしり馬に乗っているのではなくて、逆に、通産省としては、彼らの態度を非常に遺憾として、これに対して常に彼らを叱咤しつつ、そしてこれの説得につとめている次第であります。
○藤尾政府委員 ただいま、実はこういう重大な問題に際しまして、通商産業大臣が参りまして、まず産業公害に対しまする所信の表明を行なわせていただくのは当然のことでございまするけれども、参議院の石炭対策特別委員会が非常におくれまして、ただいま商工委員会のほうに、どうしてもまず出てこい、こういうことで、参っておりまするので、当委員会に間もなく参りまして、所信の表明をさせていただくことと思いまするけれども、暫時の間、政務次官でございます藤尾正行が、大臣の代行をさせていただきまして、この問題に対しまする通産省の態度につきまして、お答えをさせていただきたい、かように思いますので、どうぞお許しをいただきたい。よろしくお願いいたします。
○島本委員 聞いていないので、もう一回やり直すのはめんどうくさいのですが、もう一回やり直さざるを得ません。 基本法ができて、関連立法がある程度進んで、最近ではこの大気汚染防止法と騒音規制法ができて、そしてそれが施行期日をもう過ぎても、環境基準がまだできておらない。仏をつくって魂を入れないのはどっちなんだ。聞くところによると、これは産業界の反対で、そこまでやれないのだという。それから通産省自身も、防止技術、それと財政措置とのワク、これを考えて、環境基準を決めていったらいいのじゃないかという考えであるようです。これじゃだめですよ。やっていけませんよ。ただし、りっぱに答弁をされるし、この書物によると、所信表明はりっぱであります。りっぱであっても、さっぱりこの実があがっていない。これはあまりにも産業界のほうにおもねっている結果ではないのか。これはやはり両省が、前回の私の質問では、話し合いをして、すぐにでもこれを出すと言っていた。すぐというのは、何日間ですぐなんですか。何カ月がすぐなんですか。いまだにまだできておらない。産業界の反対のために、これができておらない。また、通産省のいまのような考え方でこれが進まぬとすると、重大だと思うのです。
○藤尾政府委員 まことにお説のとおりでございまして、人権を尊重するということは、憲法に示されました最大の私どもの義務でございます。したがいまして、通産大臣とされましても、通産行政の中で、こういった公害対策といいまするものに最も力を入れなければならぬ、こういうように私ども御指示をいただいておりまして、省をあげて、こういった問題を第一義として、取り組んでまいるということにきまっております。したがいまして、御指摘のとおり、環境基準がきまって、それがなお実行をせられていないということは、一にかかって、これは通産当局の従来の怠慢でございます。こういった怠慢を今後とも許しておくわけにいきませんから、大臣を先頭に立てまして、私ども補佐を申し上げて、そうして、こういった問題ができるだけ早急に処理されますように、全力を尽くしまするから、今後の推移をひとつ十二分に御監視をいただきたい、これが私どもの態度でございます。
○島本委員 まことにりっぱです。その答弁のとおりに今後実施してもらいたいことを、強力に要請しておきたいと思うのです。ことに、私がこんなことを説教申し上げる何のあれもございませんけれども、念のためにこれは聞いてもらいたいと思う。産業公害基本法のいわば環境基準、これは行政目標になっているのです。これはもう五年、十年たって、空気がよごれる。これを見計らって、空気のよごれを進ませないようにし、きれいな空気にしようという行政目標なんです。そうしてみると、許容限度でもない、受忍限度でもない、この行政目標がなぜきめられないか、これは怠慢以外の何ものでもないのです。こういうような怠慢をいままで許してきた内閣総理大臣も内閣総理大臣ですけれども、あれは公害対策会議の議長です。行政一元化よりこれのほうが一番効果的なんだとおっしゃったのは、佐藤総理その人なんです。それがいま一番、こういうようにしておくれてきている。こういうようなばかなことは許されません。したがって、もうすぐにでもこれを発表するように、手続を急いでおいてもらいたい。これも強力に要請しておきたい。 その理由として、これがきまらないでは、大蔵省が予算づけしないでしょう。させないためにきめないのですか。これは重要なんです。私はそんなことは許されない。予算をきめる時期になっているのにまだきまらない、これに対してどうするのです。私はこの点が心配だから、いま待っておるのですが、まだ来ないから、私はあなたを信頼しますが、これは一体何でもないのですか。
○藤尾政府委員 御指摘のとおりでございまして、私どもも、政策がまず前提になって、その政策に対しまして予算措置がされる、これがあたりまえのことだろうと思うのです。ところが従来ややもいたしますと、予算のワクというものに縛られまして、政策が制約をされるというようなことが間々ございました。こういったことはいままでの悪例でございますから、今後起こりませんように、政策を進行させるというところに重点を置いてまいりたいと思います。 なお、御指摘の基準の設定でございますけれども、これにつきましては、私はまだ詳しいことは存じませんから、これは事務当局から説明をいたさせます。
○矢島説明員 私の答弁は、実は政務次官がお見えになる前に半分ほどいたしたわけでございますが、引き続きまして説明いたしますと、環境基準につきましては、先ほど申し上げましたように、鋭意業界の説得に当たっているわけでございまして、先ほど申しましたが、電力業界の排煙脱硫の問題と、それから石油業界の重油脱硫、この問題が、例示的に申しますと一番大きい問題で、私もいま一番精力的にこれに取り組んでいるわけでございまして、私の考えでは、必ず説得できると思っております。またそうしなければならぬと思います。 なお、具体的に言いますと、石油業界の重油脱硫のほうは、だいぶ私の言うとおりに従ってきたように思いますが、残る電力業界の排煙脱硫は、なかなかたいへんだと思いますが、これまた今後至急に詰めて説得して、早急に基準の設定というところにまいりたいと思っております。
○島本委員 そこまで言ってくれたから、あとはもうそれを信用すればいいことになるのです。ただどうしてなのか、私はそれをもう少し具体的に聞きたいのです。というのは、すべての防止技術と財政措置の大ワクを見通さなければ基準を定めないという考えがあるのかどうか、それならできないですよ。 もう一つ、大蔵省も来ておりますが、そういうような中で、予算の査定が迫ってくると、それをいいことにして、今度公害予算をつけないおそれがある。こんなばかなことを許してはいけない。それが心配なのです。私の心配はそこなのです。それをやらしてはいけません。絶対そういうようなことはないようにしたい。またしなければならない。これは山崎委員長も、強力にそれを要請してもらいたいのです。大蔵省おりましたならば、主計管、その点をはっきり言明してもらいたい。
○辻説明員 公害関係の予算につきまして、財政当局といたしましても、従来からいろいろ配慮してまいったのでございまして、四十三年度予算につきましても、御承知のように相当の増額になっております。来年度の予算につきましては、ただいま検討中の段階でございまして、いま具体的なことを申し上げるわけにまいらぬのでございますけれども、いろいろ各省と相談いたしまして、慎重に検討してまいりたいと思っております。
○島本委員 慎重に検討は、当然してもらわないといけません。いまの事態、聞いておられたとおりですから、いま大事な予算の肉づけの基本になるようなこの環境基準が、せっかく総理が、無過失損害賠償制を取り入れてもいいから、実施法だけは完全にして実施したい、こういうような答弁をした二つの――両方ともです。騒音についても、大気汚染防止法についても、この基準がきまらない。基準がきまらないと、それに対する措置ができない。措置ができないのに予算が組めない。こういうようなことがあっては困るから、そういうようなことは一切いたしません、その必要によって、大蔵省は公害予算だけは特に考えますから心配ないように、このように言ってくだされば、私も安心する。ところがそうでない限りにおいては、どうなるかわかりません。これは必要性がある予算なのです。お認めを願えますか。なぜこれを通産省と厚生省は言わぬのだ。
○辻説明員 環境基準の設定関係の事務費につきましては、すでに四十三年度予算に、厚生省所管に計上いたしております。
○島本委員 事務費は設定されておる。その基準を実施され、住民、国民に対して、その基準によって今度はいろいろと被害者の救済、紛争の処理、それに対する必要な予算化もしなければならない。当然の義務なんです。事務費だけではないのです。この大ワクについて、やはり必要な限度だけは認めるのですか認めないのですか。まだ基準はきまっておらない。しかし大事な問題だ。そうでしょう。これは認めておいてもらわないといけないと思うのですが――尾を引きますよ。重大な問題ですよ、どうなんですか。
○辻説明員 救済制度の問題につきましては、いろいろと議論のあるところでございまして、厚生省をはじめ通産省その他関係各省の間におきましても、まだ完全に構想がまとまっていない点もあるやに、私ども聞いております。いずれにいたしましても、厚生省からまだ詳細な説明を聴取していない段階でございますので、今後要求がございますれば、先ほど申し上げましたとおりの方針に従いまして、慎重に検討して対処してまいりたい、かように考えております。
○島本委員 少しくどいけれども、そのことばは、それでそれ以上言えないとすると、大蔵省の慎重な態度に対しては、不満ながら認めざるを得ないのですけれども、その慎重ということばの中に、基準をきめないと、大蔵省自身はめんどう見ないんだ、こういうような慎重な考え方があっては困るのですが、そういうようなことではないということを、一言はっきり言明しておいてもらいたい。
○辻説明員 環境基準の問題につきましては、先ほどお答え申し上げましたとおり、すでに事務費を計上いたしておりますので、厚生省その他所管の官庁において、検討されて実施に移されるべき問題である、このように考えております。
○島本委員 どうも残念ですね。それに対して付随してくる被害者の救済と紛争の処理あたりも、国の負担分、いわゆる国の責務というのがあるわけですから、その分に対しては、まだはっきりその基準がきまらなくても、きまった時点において予算措置は事欠かない、こういうようなことなのですか、そうでないのですかということなんですが、その辺まで言ってもらえないでしょうか。それでも、慎重にやらなければならないのですか。
○辻説明員 公害の医療につきましては、御承知のように、すでに四十三年度の予算におきまして、研究費の補助金という形で二千万円計上いたしております。決して国といたしましても放置しているわけではないわけでございます。ただ、救済制度ということになりますと、制度自体につきまして、これはいろいろと議論なり意見があるところでございまして、その点につきまして、今後、先ほど申しましたように、各省の意見を聞きながら、慎重に検討してまいりたい、こういうのが基本的な考え方でございます。
○島本委員 大蔵省の答弁というのは、どこへ行っても同じことしか言わぬのですな。その中にすべて含まれるのですか。これは大蔵用語ですか。もう少し実のある人間的な答弁はできないのですか。それはそれで、もう少しおってください。 それで、通産省のほうではなんですけれども、政務次官、業界の説得は、責任もってこれはやるということを言明してもらいたいのですが。
○藤尾政府委員 責任をもっていたします。
○島本委員 厚生省は、そういうような点はできる限りサポートしでやらぬといけない。これが重要です。厚生大臣以下関係者のほうでも、おそらくいまの言明をもとにして、すぐにでもやるのですから、あらゆる点で尽力して、一日も早くこれを出させるようにしてもらいたい。 それから、そうなりますと、当然重油の脱硫関係とか、またはいろいろとその公害部門に対してもっと考えてやらなければならないような状態にも、通産省は当然なるんじゃないかと思いますが、こういうような点では、大蔵省をはじめとして、開銀融資になるのでしょうか、そういうような点も十分指導してやってほしい、こういうふうに思うのです。これはやはり融資以外には、大企業の場合はあり得ませんから、こういうような点は事欠かないと思いますが、この点もよろしゅうございますね。
○藤尾政府委員 そういった問題につきましては、融資あるいは税制措置その他いろいろ方法はあると思います。あらゆる手を尽くして、私どもの所信を断行いたすつもりでございます。
○島本委員 特に税金面では、特別償却も考えておいてやらなければいけない問題がすぐにあるのです。それあたりだったら、急いでつくるかもしれないのです。そういう点、事務的に考えてやっておりますか。
○矢島説明員 おっしゃるとおり、事務的に考えております。 具体的に申し上げますと、従来ばい煙処理施設あるいはこれは水の関係もございますが、汚水処理施設に対する国税の優遇措置というものは、若干の耐用年数の短縮だったわけでございますけれども、それでは不十分でございまして、環境基準の問題もございますし、公害の問題はますますやかましくなってきておるので、この関係につきましては、従来の耐用年数はそのままといたしまして、さらに初年度三分の一の特別償却を、現在大蔵省のほうに要求しておりまして、これはぜひ実現したいと考えております。
○島本委員 それはいいが、中小企業の防除施設については、厚生大臣が読んだこの所信表明の中にも、「附帯決議においても御指摘がありましたように、今後は、基本法に定められた方向に従い、基本法に基づく施策の具体化等諸般にわたる公害対策の拡充強化をはかってまいる所存であります。」と、はっきり言っておられる。中小企業の場合は、あの附帯決議の中でも特に重要視してつけてありまして、この中小企業について、どういうようなことをやっておられますか、通産省。
○藤尾政府委員 中小企業に対する助成につきましては、これが最もおくれておりますから、これを前進させる必要がある、こういうことで、公害防止事業団の金利を大幅に引き下げまするほか、騒音防止施設に対しましても特別償却をやらせますし、また固定資産税等の非課税というような問題につきましても、大いに努力をいたしてまいりたい、かように考えております。
○島本委員 特に重要ですから、具体的に、それじゃ利息並びに八割給付だった中小企業振興事業団法ですか、これの適用等についての具体的なやり方をどういうふうに考えておりますか。これは事務当局から。
○矢島説明員 中小企業に対する公害防止施設の金融の窓口はいろいろあるわけでございますが、まず第一番が公害防止事業団、第二番目が中小企業金融公庫、三番目が先生御指摘の中小企業振興事業団、三つばかりあると思います。こういう金融の窓口はなるたけたくさんあって、各方面から攻めていくほうがいいと思いまして、それぞれの組織を利用して、その金融の強化拡充をはかっておるわけでございますが、具体的に申し上げますと、第一の公害防止事業団につきましては、中小企業向けは、共同施設と個別企業と別でございますが、前著につきましては、昨年先生方の御支援もありまして〇・五%ばかり下がったわけですが、現在六・〇%、これを今度は三・五%にいたす。それから個別企業は六・五%を四・五%に下げる。こういうふうにいたしまして、公害防止事業団を通ずる中小企業向け共同施設の場合たると個別施設の場合たるとを問わず、それぞれ金利を下げる、こういうことに重点を置いております。なお、中小企業金融公庫につきましても、同様な線で金利を下げる。それから中小企業振興事業団につきましては、これは全然別な方法を用いておりまして、八〇%無利子、その八〇%の四〇%分はこの事業団が持つというようなことに相なっているわけでございまして、これの利用のしかたによりましては、非常に効果を発揮するわけで、業者といたしましては八〇%無利子で融資を受けるというわけであります。この線も大いに利用しようと思いまして、具体的事業としては一億四千万ばかりがさしあたり考えられるわけですが、なお、これを利用するものがあれば、どんどん貸していきたい、かように考えております。
○島本委員 わかりました。 いまいろいろ皆さんの意向を聞いておりますが、企画庁来ておりますか。――いまのような状態で、いろいろと通産省なり厚生省なり計画を進めております。まだ環境基準はできない、できないながらも、今後は公害対策という部門に対しては、これは脚光を浴びておりまして、重大な関心を国民的に持たれているわけです。いま国土総合開発計画の全国総合開発計画ですか、これがもう企画庁のほうで考えられたようですが、この中で、公害についてどういうような関係をお考えで立案されておられましょうか。この公害についての部分を解明願いたい、こういうふうに思います。
○登坂政府委員 ただいま通産省におきましては、長期的なビジョンのもとに、この日本の国土総合開発計画というものを策定中でございます。まだ成案は得ておりませんが、ただいま進行中の過程のことを申し上げるならば、現在の日本の経済が非常に急速なテンポで拡大をいたしておりまして、土地利用等につきまして、過度に工業が集中いたしまして、それがもう地域住民の公害に非常な影響を持っておる、こういう見地からいたしまして、この土地利用の見地及び公害の問題等に関係いたしまして、日本の国土を総合的に高度に利用したい、こういう見地から、いわゆる基本的な基礎的な産業は各地に分散いたしまして、なるべく公害の過度を防ぐという趣旨が、ただいまのねらいの点でございまして、その他、たとえば石油企業とかあるいは化学の大企業等というようなものは、なるべく人口の密度の少ないようなところあるいは公害の少ないようなところに設置したいというビジョンを持って、ただいま検討中でございます。詳細につきましては、事務当局から御説明させたいと思います。
○宮崎(仁)政府委員 ただいま政府次官からお答えをいたしましたような方向で考えておるわけでございますが、この全国総合開発計画の案は、四月以来作業をいたしておりまして、つい十二月の九日に第二次試案という段階まで来ております。その基本的な考え方は、いま御説明申し上げたようなことでございまして、わが国の国土の利用の状況というものを現状において見ますと、東京、大阪、北九州を結ぶいわゆる太平洋岸ベルト地帯と言われるところが、非常に高度に利用されておるわけでございます。こういう形で、過去これだけの成長をなし逐げてきたわけでございますが、これから後、わが国の経済社会の発展ということを想定して、国土の利用という面を考えてみますと、現在のような状況での土地利用というのは限界にきた。特にこの産業の集中の面で見ますと、そういった点が、非常にいろいろの面で出てくるわけでございます。そういう観点から、新しい計画におきましては、特に工業の立地につきまして、既成の大工業地帯からこれを分散していこう。しかも、その際には、特に基幹産業などにつきましては、当面、御承知の新産都市、工業整備特別地域というようなところが中心になると思いますが、さらに将来について言えば、もっと遠隔地に大規模なものをまとめて措置することが適当である、こういうような提案をいたしております。 この計画の考え方そのものが、いわゆる公害という問題に直接ぶつかってどうだというふうには取り上げておりませんけれども、私どもの考え方におきましては、いわゆる公害問題というようなものにつきましては、こういった基本的な国土の利用のいわば再編成、そういうことにおいて対処していく、これが最も基本的な施策である、こういうふうに考えておる次第でございます。 なお詳細につきましては、さらに質問等あれば追加をいたしますが、大体そんな考えでございます。
○島本委員 それで大体わかりましたが、こういうような計画は、通産省、建設省、すべてこういうような横の連絡をとった上で考えておられたのではないか、こう一応思いますが、通産省のほうでは、立地適正化法というようなものを考えておられたのではないかと思います。そうすると、いまの計画と、同じとは申しませんが、だいぶダブってしまうのではないか。この立地適正化法との関連性はどういうようなことになるのですか。
○登坂政府委員 通産省の案はまだ聞いておりませんが、いずれにしましても、政府の統一見解のもとにやることでありまするから、成案を得るまでには、事務当局とも連絡協調させて、そして政府の統一見解のもとに、これは施行すべきものと考えられるのであります。
○島本委員 通産省自身も、工業開発構想というようなものもお持ちだろうと思っているのです。こういうようなものも、もう新聞にも出ていたように思いまするけれども、いまの国土総合開発計画、そのうちの全国総合開発計画ですか、この関係、それからいまの通産省の工業開発構想、それと、これから考えるであろうと思われる立地適正化法、こういうようなものは、やはり同じ立法をするにしても、一本の線でなければならないと思うのですが、また屋上屋になるおそれもあるわけですが、いい法律であればよろしいと思いまするけれども、こういうような関係等についても、若干私は、何のために同じような法律を三つつくるのだ、一つでいいではないか、一つでやるとすれば、法律的に、やるのはどこなのか、通産省か、それとも企画庁か、それとも建設省か、こういうふうになってしまうのではないかと思うのですが、この関連性について、はっきりお知らせ願いたいと思う。
○藤尾政府委員 御指摘のとおり、こういった問題につきまして、通産省側でも施策を十二分に考えておるということは事実でございます。 私どもといたしましては、御指摘のとおり、まず第一に公害問題について十二分の施策をしなければならぬ。第二番目に、こういった公害が起こらないようにするために、従来の企業というものに対してどのようなことを考えていったらいいかということも考えなければならぬ。第三番目には、都市の過密問題がございます。そういった都市の過密問題に、どのように今後対処していくかという問題がございます。第四番目に、ただいま経済企画庁のほうから言われましたような、全国的基盤におきまする工業立地ということがどのように配慮をさるべきかということを考えていかなければならぬと思うのであります。 こういった問題につきまして、各省間に間隙があっては相ならぬ、かように考えるのでございまして、この問題につきまして、各省との連絡を担当いたしております事務当局から説明をいたさせます。
○矢島説明員 ただいま先生の御指摘は、企画庁の全国総合開発計画と、それから私どもの工業開発の構想の関係と、さらには立地適正化法との関連でございますが、これは結論から申しますと、完全に連絡が十分とれて、整合されているものと思われます。 具体的に申し上げますと、私どもの工業開発の構想というのは、いわば経済企画庁の全国総合開発計画の工業版ということになるわけです。企画庁の全国総合開発計画は、御案内のとおり、工業だけでなくて、交通、通信あるいは農業、漁業、その他全部を加味したものでございますが、その中の工業版につきましてはある程度触れておりますが、これが全部をなしておるわけではないと思います。そこで私どもといたしましては、企画庁の総合開発計画の工業に対する考え方を受けまして、その各論といいますか、あるいは細目というような考え方で、もっときめこまかにやったのが、この工業開発構想であります。この工業開発構想につきましては、企画庁のほうにも時々連絡して、この子供というようなことで、十分整合されていると思います。 それから、次に工業立地適正化法でございますが、いま申し上げました私どもの工業開発の構想、これは今後の、まず昭和五十年、昭和六十年の両方の工業のあるべき姿というものをかいておるわけでございますが、そういうふうに持っていくための施策がいろいろあるわけでございます。その施策にいろいろ触れておりますが、その施策の一環として、既存の法律その他を極力活用することも考えておりますが、やはりそれだけでは不十分な面もある。たとえば公害のないような工業地区をつくる、あるいは過密を避けるというような場合に、どうしてもそういう立法措置が必要であるということに相なるわけであります。その限りにおいて、その関係におきまして、工業開発構想の理想を達成するためには、やはり一つの方法として、工業立地適正化法を制定しなければならぬ、かように考えておるわけでございます。そういう関係で、みんなつながりがあるといういうふうに私どもは考えております。
○島本委員 その大事な柱は、立地公害の規制についての届け出制が、立地適正化法によると、今度許可制になりますから、皆さんのほうで許可するようになりますが、その許可制を除いたら、これは骨抜きになると思いますが、この構想等については、許可制を入れた法律だということに理解しておいていいですね。
○矢島説明員 そのとおりでございます。
○島本委員 大体わかりました。そういうようにして、ぜひ出しておいてもらわないと困る。 それから、今度建築基準法の根本改正を考えておられる、こういうようなことのようですが、建築基準法の根本改正、これはどういうふうに考えておられますか。これは建設省のほうから……。
○前川説明員 お答えいたします。建築基準法の改正の基本的な考え方としましては、まず違反建築物が非常に多くなった、こういったことにからみまして、執行体制を整備強化する、そういう点が一つでございます。それからもう一つは、最近の建築技術の進歩、それから高層建築とか地下街が非常にふえているということからの、いわば防災の基準でございます。それの整備というのが第二番目であります。第三番目としましては、都市が非常に立体化しておる。それから御存じのような都市問題が非常に大きくなっております。これに対処するための都市の建築物の基準を整備したい。この三点が主要な議題でございます。
○島本委員 その中に、用途地域と公害等の原因になる施設との関係なんか、何か考えておられますか。
○前川説明員 基本的には、公害関係といたしましては、おっしゃるとおり、基準法の用途地域制が中心でございます。そこで、現在考えております段階では、用途地域制といたしましては、さらに純化、細分化の方向で進めたいという点が一つでございます。それから、それに伴いまして、その中の制限の項目も、ある程度そういったものを強化したいというふうなことでございますが、特に住宅地なんかの環境整備には最も力を入れていきたい、大体こういうふうになっております。 具体的に申し上げますと、大体従来、基本地域といたしまして、御存じのように、住居地域をはじめとしまして四つございます。これを専用化をはかるということで実は八種にふやしまして――従来一部専用地区というふうなのがございました。これを全部基本地域の中に組み込みまして、さらに種類もふやす、こういうふうな考え方をしております。したがいまして、できるだけそういった専用地域をふやしていく、できるだけ用途の混在するようなものはないようにしたいというふうなのが一つでございます。 それから次に、住居地域におきましては、特に環境を害するおそれがある工場とかそういったものは、まだ現行法でも抜けているところがございます。こういったものを多少追加していきたいというふうなこと、それからさらに、好環境の低層住宅地というふうなもの、あるいは新たに中、高層住宅なんかを立地させるような、これも比較的好環境の住居地、こういったものを専用地域として設けていきたいというふうなことで、ここでは相当厳重な制限をしたいというふうに考えております。 それから次に、従来商業地域の場合では、これはほとんど一色でございます。その住宅地の中に入ってくるようなお店の商業地域でございまして、この都心部の商業地域とみんな同じ制限であったのでございますが、これを住宅地の中に入ってくるような、いわば日用品の買いもの店舗でございますが、こういったものをまた別に基本地域としてあげていく、大体こういうふうな考え方をとっております。
○島本委員 特に問題になるのは、公害基本法が出るさなかに、新幹線の沿線と高速道路の問題と飛行場のやつだけは、ここに触れていない。すなわちこれは今後の立法において十分対処しなければならない、こういうふうなことに相なっておるわけです。したがいまして、それに対しては強力な附帯決議が付されてあるわけです。この附帯決議がありますけれども、その附帯決議によると、新幹線の沿線、高速道路の沿線、飛行場周辺、こういうふうなものは特に考えなければならない、こういうふうなことですけれども、この関連なんかも十分考えておられますか。
○前川説明員 現在のところ、建築基準法は特に市街地の地域制という、いわば土地利用の形で出ております。新幹線の沿線の沿道制限といいますか、こういったものにつきましては、現在のところ特に考えておりません。
○島本委員 高速道路については……。
○前川説明員 そういうものは、大体同じように、特にそこは考えておりません。
○島本委員 今後これは大きい問題になってくる可能性のあるものです。これに対して、運輸省では、この新幹線について、やはり考えて対処されておりますか。
○丸居説明員 飛行場のほうは参っておりますが、新幹線のほうは、鉄道監督局で、参っておりません。
○島本委員 飛行場の説明は……。
○丸居説明員 飛行場の周辺の土地につきましては、地元と十分協議いたしまして、そういう点を配慮していきたいと思います。
○蓑輪政府委員 高速道路の騒音につきましては、これをいろいろ道路公団でやっております全国の高速道路、及び首都、阪神公団でやっております都市内のいわゆる高速道路、この両方でいろいろ研究をしております。これは非常に余分な話になるかもしれませんが、一般街路等の騒音の問題、それから高速道路の通ります地区におきまして、どの程度それが許されるか。これは騒音といいましても、非常に個人的な差もございます。また環境によって差もございます。そういうことで、いま三公団でいろいろ研究しております。実際の施行にあたりましては、やはり学校とか住宅地区につきましては、できるだけ騒音を少なくするような遮音壁とか、そういうようなものをつくろうということで、遮音壁はどのくらいの高さにしたらいいかというような研究をしておりまして、どういうところにどういうものをするかは、現在、高速道路が通ります地区とのいろいろ話し合い、協議に待つことにしております。行く行くはある程度の――ある程度というと語弊がございますが、高速道路をつくる場合の一つの騒音の基準というものも設けてまいりたいというふうに考えております。
○島本委員 新幹線の沿線については、これはあえて答弁がなくても、私のほうで調べてありますよ。これはもうすべて列車そのももの構造から、スカートを長くして、それによって防音装置を完ぺきを期したい、こういうようなことを着々と予算要求もしてある、こういうようなことのようです。ですから、答弁がなくても知っていますから、これは完全にやってほしいのです。そしてあまり騒音禍を国民に与えないようにしなければならないということ、それから高速道路の沿線の問題は、やはりまだまだ問題があります。この問題等については、解明して納得できるような状態にしてやらぬと、せっかく道路ができて、住民に恨まれるような行政ではいけません。これはやはり十分考えてやってもらわないといけない。飛行場の周囲等についても同様なんです。今後私は、この三つの問題に対しては、特に重要ですから、よくチェックしておきますから、皆さんのほうでも、おりに触れて、十分その問題等については、まあことばはなんですけれども、十分研究して善処をしておいてもらいたい。その問題等については、わざわざ大蔵省からも来ておるようでございますから、公害関係であるならば、おそらくはあまりむげなようなことはしまいとも思いますから、これは希望的観測にならないだろうと思いますけれども、この点は特に考えて善処しておいてもらいたい、こういうように思います。 それと、いよいよ最後になってまいりますけれども、水質保全法について、経済企画庁に一応伺いたいと思います。 メチル水銀を排出する工場の排水を規制することについて、鋭意研究中でありましたが、最近構想がまとまったように承りました。これはどういうようなことになっておりますか。この説明を願いたいと思います。
○登坂政府委員 産業公害の中で、経済企画庁の担当する水質保全法につきましては、万全を期したい。特に問題になっておりますメチル水銀は、絶対に検出させてはいけないという基本的な観念に立ちまして、ちょうど昨日、水質審議会から答申を受けましたので、その答申に基づいて、今後徹底的に強力に実施を推進したい。なお、その推進にあたりましては、事務当局がおりますから、詳細はひとつ事務当局から説明させます。
○宮内説明員 ちょっと補足的に御説明申し上げますけれども、阿賀野川水俣病問題につきまして、今年の九月の末に政府見解が発表されて、一生懸命で作業をやりまして、昨日の審議会で答申を得ました。この上は、いよいよ工排大臣が動き出すことになりますので、十分処置できると思っております。 あと、いろいろ告示等の事務的な手続もできるだけ早くして、大体五十工場ございまして、三十七水域を規制することにいたしております。
○島本委員 これは近来にないいいことだと思います。ところで問題になるのは、このいい皆さんの構想なり、こういうようなものが、メチルだけの水質の保全、これでは法律と条例との関係で問題が起きないかどうか、この点を解明していただきたいわけです。というのは、水域指定をすると、条例その他のものはどうなるのだ、それと同時に、メチル水銀以外のものの規制ができなくなっては、やはり退歩になる部門もできてくるのじゃないか。法律と条例、この関係はやはりきちんとしておかなければならない、こういうように思うわけですが、そういうような方面のおそれは全然ございませんか。
○宮内説明員 先生御指摘のとおり、確かに条例と法律との関連というのは非常に密接であり、かつ問題があると思います。最近、先月でございますか、法制局から見解が出まして、そしておっしゃるとおり、法律がかかれば条例が消えるということに、統一された見解をいただきました。したがいまして、そういうおそれのないように、たとえば大きく分けますと二種類ございますが、すでに国でやっておるようなもの、これはメチル水銀を追加すればいい、それから条例だけでやっておるようなものにつきましては、できるだけ県の条例を取り入れて、全水域に水質規制をやっていく、それから条例のないような県がございますが、それはきわめて局部的に水質規制をいたしております。そういうふうなことで、完全に県と調整、了解の上で、手続を行なっております。
○島本委員 その辺まで配慮して万全を期しておいてもらいたいと思いますが、たとえば阿賀野川のように、魚だとかあの汚泥の問題、こういうような問題に対しては、この規制はどういうことになるのか、これからはずされたら、やはりこれもしり抜けになるおそれがありますが、この問題については、厚生省のほうでは重大な関心を持っておられたんじゃないかと思うのです。これは厚生政務次官いかがでございますか。
○粟山政府委員 このたび厚生政務次官に就任いたしました粟山でございます。よろしくお願いいたします。 ただいまの御質問でございますけれども、汚泥の処理とか監視、また河川海域のどろとかコケ、それから魚介類などについての環境汚染調査、その対策とか地域住民の影響の調査、その対策などが行なわれませんと、この微量重金属による事故を完全に防止することはむずかしいと思われますので、これに関連する各省庁と十分に話し合った上で、微量重金属による環境汚染防止には、立法措置を講ずるように検討したいと考えております。
○島本委員 政務次官としてはりっぱな答弁であります。しかし、それもやはり実のあるようなものにしておかないと、これは今後の問題としてチェックされますから、十分その辺はお願いしておきたいと思います。 そうすると、企画庁のほうでは、今度はメチル水銀の排出をする工場からの排水を規制することができるというようなことになると、当然水俣病のようなものは今後発生しないということに、われわれは十分理解しておきたいと思うのですが、それをやってもなお発生するおそれがございますか。
○宮内説明員 現在の学問の水準と申しますか、医学の水準では、メチルがああいうふうな病気のもとになったのだということになっておりますので、できる限りといいますか、われわれが法律で動ける限度じゃないか。言いかえますと、絶対に病人は出ないというふうに確信しております。
○島本委員 そうしたら、結局、水俣病というような病人が出ないような措置ができる、ありがたいきわみです。そういうふうに早くしないといけない。そうすると、初めからこれをやっておけば、水俣病はなかったのだ。これはやはり、やらないということにおいてこれが発生したとなると、これはあくまでも行政の手落ちだったというようなことを認めたようなことになってしまう。これは重要なことです。今後起こさないのはいい、けっこうです。しかし、やはりこういうようなのを初めから考えておいたら、水俣病なんか起きなかった。まして、犯人は私じゃないのだ、こんなことを言う人もなくなっていた。昭電の安西社長ですか。しかしそれははっきりここで、行政上の手落ちだったことが、いまの説明でわかったわけです。今後このようなことのないようにはっきり対処しないといけません。
○宮内説明員 ちょっと、おことばを返すようで申しわけございませんけれども、水俣病の患者が出てから、鋭意医学界でもって研究されたわけなんでございますが、やはり非常に内容がむずかしいことでございまして、十年あまりかかって、政府見解がことしの九月に出たというふうな次第でございます。今後十分気をつけてまいります。
○島本委員 だいぶ時間もたってまいりましたから、先に結論のほうを言ってまいりますが、これは最近、いろいろな業態が――ことに中小企業、零細企業の中で、合理化工場というのが、そういう名前でどんどんつくられております。またある程度政府もそのやり方を奨励しておるようであります。ところが最近、私の住んでいる場所じゃございませんけれども、北海道の一部に、やはり合理化でん粉工場ができて、その廃液を川へ放流したという事件があって、これは漁民、農民、会社側、こういうようなことで、若干トラブルがあった。これは十一月の二十二日に起こっているわけです。やはりこういうのは望ましくないのです。こういう中途はんぱな指導をするのは、私は公害防除の立場から、今後各省間の連絡を緊密にして、そういうような指導をしないほうがいい。するならば、厚生省が窓口になって、少なくとも公害防除のためというならば、どこか責任ある省が、ひとつすべてそれをチェックするように、こういうように行政機構を持っていかないといけないのじゃないか、私そう思って、いまの質問をするわけなんです。これは南十勝のある合理化でん粉工場が、札内川という川へ廃液を流して問題を起こしたわけでありますが、そういうようなことに対して――その是非はもう解決しておりますが、まあ今後の大きい問題として考えられるのは、日ソ漁業協定に基づく両国間の不信感、こういうものが醸成されちゃいけないということです。サケをそこでふ化させている場所ですから。それを放流する事業がそれによって壊滅してはいけないということになる。やはり片やそっちのほうをやると、ジャガイモのほうが十五万トンも滞貨するというような事態が起こってくる。こっちをとればあっちがだめだ。両方とも農民の問題であり漁民の問題だというと、これは深刻なんです。私はそういうようなことからして、水産庁なり通産省なり、また厚生省なりが、こういうような中小企業の、いわば合理化工場と名をつけて、いろいろ公害を防除する施設をつくったとするならば、完全にチェックするのでなければだめだ。各省にそれぞれやらせておいたのでは、いつでもこういうようなことが起こってくるのではなかろうか。公害に関しての窓口は厚生省だ、こういうことになっておるから、少なくともこれも公害防除のため、こういうようなことであるならば、その窓口を必ず通すべきではなかろうか、そこでチェックすべきではなかろうか、こういうふうに思っておりますが、最近やはり水産庁関係では、魚の悪臭の関係で悩む漁民のために、ソリュブル工場をつくって、その中の煮汁から飼料をつくる、これの研究も進めておる、こういうように聞くのです。通産省は通産省で、今度釜石ですか、向こうのほうに、公害防除のための完全な施設をここでつくったということも聞いておるわけです。それぞれの間には何も連絡がないわけです。ましてこの合理化工場、これは困っておる農民の人がやって、いかに合理化だといってやっても、やはり手を抜くところは抜いてしまって、これがまた大きい問題になってしまう。そうすると、やはり実際企業に対する指導という面は、各省まちまちで、自分の都合のいいようにしてはいけない。必ず公害が発生してくる。また大きい問題にもなってくる。これはやはり窓口をどこにするか。また、やったならば、こういうふうにいたしましたからというようなことで報告をするか、いずれかの方法を、横の連絡を考えなければならない、こういうように思うわけなんです。水産庁は完全にこれを指導しております。通産省との連絡もあるのかどうか。通産省もこれを指導しております。厚生省との連絡があるのかどうか。この件についても伺っておきたいと思うのですが、いま私が申しましたことは、ことばを変えて言うと、公害行政の一元化が望ましい、しかし、現在そういかなくても、それに近いほうのものだけやりなさい。やらなければならないのは、いわゆる公害対策基本法ができたときのその附帯決議の趣旨ですぞ、こういうことになっておるわけです。見解を求めます。
○宮内説明員 いま御指摘のでん粉の問題、これは重要なことでございます。水質保全法の中で、審議会に部会をつくりまして、でん粉部会、一昨年から、でん粉のあり方の基本的な問題をやっております。それから片方御指摘の十勝川あるいは網走川等につきましては、やはり部会をつくりまして、目下でん粉の汚水の規制について準備中でございます。したがいまして、一元的にやっておるつもりでございます。
○島本委員 一元的にやっておる……。
○宮内説明員 水質保全法に基づいてて……水質でございますから、十勝川の場合。
○島本委員 そうすると水産庁のソリュブル工場に対しての指導、通産省自身が釜石にやっておる、こういうような指導、これがどのような効果があるのか、私は効果の結果はわかっておりません。これは十分な効果をあげたのかどうか、これをまず聞かせてもらいたい。それと同時に、もう一つ、時間をはしょって言いますから、答弁はまとめて願いたいですが、北海道開発庁でも、北海道道庁でも、こういうような問題については結論を出したということなんですが、いまの結論というのは、いまの答弁そのものなんですか。開発庁からも馬場監理官が来ておるようでありますが、この問題に対しての結論はどうなっておりますか。との二つあわせて答弁願いたい。
○矢島説明員 最初に通産省から答えさせていただきますが、先生御指摘の水産物の加工工場につきましては、塩釜でございまして、水産物の小さい企業が八十企業集まりまして、いわば工場アパートというものをつくりつつあるわけであります。詳細は省略いたしますが、総額四億二千万円でありまして、その中に、水の関係では、最近通産省が開発した非常にいい活性汚泥法を使いますし、それからもう一つ悪臭の関係は化成過程というのを使いまして悪臭を取るという、最新式の公害防止施設をつけた工場アパートができるわけでありますが、これは通産省が云々とおっしゃいましたが、実は具体的には、公害防止事業団が、さっき申しましたように、通産、厚生両省所管で、金利の引き下げとか、われわれいろいろやっておるわけでありますが、厚生、通産両省共管の公害防止事業団がやっておるわけでございます。そういう意味におきまして、この点、通産、厚生については十分意思が疎通しておることはもちろんでありますが、これがさらに水産物加工が水産庁の所管でございますので、この計画化段階、あるいは具体的に事業団が建設に着手する段階におきましては、当然水産庁とも十分連絡しているはずだと思います。なお、これは十月十五日に着工いたしまして、来年の三月に完成いたすわけでございますが、先ほど申し上げましたように、水の処理に関しても、悪臭に関しても、現在考えられる最新の設備を備えておるので、十分目的を達するものと期待しております。
○森沢説明員 いま通産省のほうからお答えになったとおりでございまして、特につけ加えることはございませんが、この塩釜の、公害防止事業団によります加工団地のプロジェクトにつきましては、その当初から、私ども通産省から詳しい協議を受けまして、こちらの専門的な意見もいろいろ申し上げました。十分な連携のもとに取り進めております。
○島本委員 十分な連携の上で、これを進めておいてもらいたい。しかし、それならば漁民もわかるはずなんですが、この排水についてやはり漁民のほうから反対が出ているというのは、そのおそれが全然ないのか。ないとすると、説得が不完全ということになる。反対理由を付して反対している以上、これは何らかの危惧があることになるのじゃないか。水産庁自身はやはり沿岸漁民を守る立場に立つわけですから、こういうような加工業者を守る立場と、両方あると思う。ほんとうに何も害がないものならば、説得したらわかるはずだ。こういうような点について、いままでトラブルは全然ありませんでしたか。
○森沢説明員 率直に申し上げまして、沿岸の漁業者が、公害というものに対する処理に対して非常に不信感を持っている。これは私たちも今後大いに前向きに考えなければいかぬと思っていますが、一般的にはそういう不信感がございますが、いま御指摘の団地の問題につきましては、私の知る限りにおきまして、漁業者から、そう強い不安とか反対とかということは、水産庁には寄せられておりません。さっき申し上げたように、全国的には不信感がございます。
○島本委員 特に要請しておきます。これはいろいろと不信感というか、トラブルがあります。例をあげよというなら、あげます。しかし、あるということだけ覚えておいてください。 それから、通産省、水産庁、それから厚生省、この公害防除に対するいろいろな問題については、よく意思を統一し合っておいて、そして公害の問題についてのキャッチフレーズを全然厚生省は知っておらない、水産庁がやっておることは通産省が知っておらない、こういうようなことがないように、窓口は厚生省なんですから、ここは今後の問題として十分チェックしておいてもらいたい。これを強力に要請しておきたいと思いますが、ひとつ粟山政務次官から御意見を承って、次に移りたいと思います。
○粟山政府委員 島本委員のおっしゃるとおりだと思いますので、ただいま大臣がそのことをお聞きになりませんでしたけれども、帰りまして、大臣によく申し上げまして、今後は十分に意見の疎通ができるようにして、御期待に沿うようにいたしたいと思います。
○島本委員 この紛争処理と被害者の救済についての立法化、これは手続は進んでおりますか。
○武藤説明員 昨年は各省間の意見がまとまらないでだめになっておりますが、今回はそういうことがないように、昨年来から努力してまいりまして、十月の十八日に中央公害対策審議会から意見具申が行なわれまして、その線に沿って、目下各省間の調整を急いでおります。ただ問題がなかなか複雑でございまして、各省間の意見にも相当隔たりがありますので、現在のところ、まだまとまってはおりませんけれども、何とかして、この二つにつきましてはまとめたい、かように考えております。
○島本委員 その基金の性格、これはどういうようなものを考えておられますか。
○武藤説明員 それにつきましては、各省間にいろいろ意見がございまして、先生も新聞その他で御承知だと思いますが、経済界では、なるべく一括寄付をするというような形でやりたいというのに対して、関係各省の間では、できればそれを財源確保する意味で強制的に割り当てる、あるいは相当責任を持たせたような仕組みで、やはり企業からの基金を受け入れすべきだというような意見がございまして、そこのところについては、財政当局を含めて、まだ最終的な結論は得られませんけれども、いずれ予算時期におきましては、これは最終結論が出ないとできないだろう、かように考えております。
○島本委員 発足はいつを見込んでおりますか。
○武藤説明員 法案が通りまして、少なくともやはり半年程度はかかるだろうと思いますので、成案が法案として通りましたあと、秋から行なわれることになろうか、かように考えております。ただ、その間につきましては、現在予算措置で行なっておりますいろんな援助措置につきましては、当然それまでにはすき間がないようにいたしたい、かように考えております。
○島本委員 救済の対象患者を、どれほどいま見込んでおりますか。
○武藤説明員 これは現在、水俣をはじめ、予算的な制度で運用しておりますが、新しいものについては、まだどういう患者が発生するかということはもちろんこれはわからないわけでございますので、推測はつきません。 それから大気汚染の関係につきましては、これはやはり調査を行なった上で、その実態を把握する必要がありますので、現在のところ、まだ予測はつきません。
○島本委員 放置すれば病気になるような潜在的被害者は、これは救済を考えておりますか。
○武藤説明員 潜在的な患者といいましても、現在想像がつきますものは当然考えなければいけませんけれども、そういう事態ではございませんので、先生のおっしゃる潜在的な患者についての概数等につきましては、現在政府部内では、まだ確定的な数値の把握はいたしておりません。
○島本委員 この問題については、特に私が聞いておきたい、またこの機会に聞いておいてもらいたいのは、総理が、公害対策基本法ができた当時に、実施法の段階では、いま無過失賠償その他入れられないような問題を考える、これははっきり言ってあることは御存じだと思う。そういたしますと、当然こういうようなものも考えられてしかるべきで、現在の医学からしても、これは当然不知の問題ではないのです。わかる問題です。だから、こういう問題は当然考えなければならぬと思いますけれども、ですから、この際、どの辺の構想までの経費をいま見込んでおられますか。費用です。費用分担による患者救済、それから発足、来年の秋、こういうものについて、その場合の費用はどれほどの規模をやりたいというように見込んでおられますか。まだわかりませんか。
○武藤説明員 現在予算措置を講じております分については、当然これを法律の制度としてのせたい、かように考えております。 それから、先生御心配の、ひょっとしてまた患者等が出てきた場合に、それは直ちに救うべきではないか、こういう御意見でございますので、その点は十分考慮いたしまして、予算措置も、財政当局と最終的にきめたい、かように考えております。
○島本委員 今後それをつくります場合には、いままであげました趣旨にのっとって、国民の健康の保護と同時に、天然資源の保全、これは社会党が年来主張しておった点なんです。あの対案として、葬り去られましたけれども、基本法の中にもはっきりうたってあった命題にもなっている問題であります。この天然資源の保全、こういうようなことも目的の中に入れて、今後この救済法と紛争処理、こういう問題は当然考えなければならないし、考えてもいいんじゃないかと思いますが、厚生省、農林省あたり、この関係の人はどういうように考えておられるか、意見を伺っておきたいと思います。
○武藤説明員 現在考えております救済制度の問題は、人の健康の問題を厚生省としては考えております。先生が御指摘の、いわゆる農水産に関します問題につきましては、先に述べました中央公害対策審議会の意見具申にもありますように、とりあえずは、そういった問題につきましては、やはり農水産問題が、健康とは違いまして、いろいろな多角的な要素を非常に帯びておるということで、現在のところ一括した救済制度をとることはまだ無理ではないかというような御意見もございましたので、現在私どもとしては、農水産の問題については、紛争処理を中心に、ケース・バイ・ケースで措置をすべきものと、かように考えております。
○島本委員 特にきょう厚生大臣が所信表明されたこの中で、おそらく矢島さんあたりもこれに目を通されておるだろうと思いますが、附帯決議も尊重する、これに指摘されたとおりにやる、こうなっておりまして、あの附帯決議は五十五国会当時でございまして、これは公害対策基本法が審議されて修正された。これも御存じのとおりなんですが、特に二十一条一項の「調停等の紛争処理制度を確立するため、」の「調停等」の中には、当然損害賠償の裁定、差しとめ命令、原状回復命令等の制度も考慮されるべきものと理解する、この四項の了解事項が付加されておる。こういうようなことをいまの大臣の所信表明どおりに解釈してまいりますと、紛争処理機関は、調査権と立ち入り検査権、それから審判権を持った準司法的な性格の行政委員会にすべきである、こういうことに当然なってしまうわけですが、これも考えてしかるべきだと思いますが、いかように考えておられるか。
○武藤説明員 ただいまの先生の御意見につきましては、たとえば日本弁護士会等からも意見の提出があっておりますが、なかなか法律的にも、あるいは立場の相違等からして、意見のあるところでございまして、なおその点につきましては、法務省を中心に十分検討いたしたい、かように考えております。
○島本委員 この救済の中には、先ほど目的を入れましたけれども、救済の中には、漁業関係の水質汚濁によるところの被害、こういうようなものは、口ではいつも考えて、ケース・バイ・ケースで処理しておく、こういうことになっておりますが、最近のタンカー事故によるノリの被害の問題をはじめとして、やはり今後経済または産業の進展するに従って、予想されないような、こういうようなことが起こってくる可能性が十分あるわけです。そういうようなこととあわせて、水質の汚濁の問題は、口で何と言っても、事実になってあらわれておりますので、救済制度の中で、漁業の水質汚濁によるところの被害、こういうものも当然考えてやるべきじゃなかろうか、こういうように思いますが、目的として考えると同時に、この被害の救済も、今後考えて立法すべきである、こういうように考えますが、この点等についてはいかがなものですか。
○森沢説明員 いま御指摘のとおり、漁業、特に沿岸漁業に対する水質汚濁の被害は相当件数も多うございます。従来、例の水質保全法による和解の仲介制度の活用、あるいは加害者が明らかでございます場合には、民事上の問題として、訴訟を要求してこれを補てんする、こういう形で処理をされております。私たちは、公害基本法に基づきまして、紛争処理並びに救済の制度ができ上がります場合に、紛争処理につきましては、当然水産業の被害問題につきましても含まれるものであるというふうに考えておりますし、厚生省もそういうお考えでお進めになっておる。したがいまして、こういう紛争処理の制度が確立をいたしますならば、ある程度、沿岸漁業の公害に対する被害の対策としては、円滑にできるだろう、こういうように考えます。ただ救済制度の問題につきましては、中央公害対策審議会においても御意見が出ておりまして、まず人の健康を優先すべきである、あとについては、紛争の処理制度の運用の実態を見て、また検討をすべきではないか、というような御意見が出ているやに拝見をいたしますが、漁業の公害との因果関係は、技術的に非常にむずかしい問題がございますので、いま直ちに救済制度の中に漁業やあるいは農業を取り入れるということは、もう少し時間をかしていただかないと、いろいろむずかしい問題が出てくる、私たちはむしろ紛争処理制度に多くを期待いたしたい、そういうように考えます。
○島本委員 それから、厚生省、これはどうなっておりましたか。地方に公害対策審議会を設置してもいいことになっておりますが、設置されているところが何カ所くらいございますか。どういう指導をしておるのでありましょうか。
○武藤説明員 公害対策基本法ができましたあとで、どの程度の審議会ができたか、ちょっと詳細な資料が手元にございませんけれども、個別的には、基本法の条文ができましてから、審議会が幾つか増加したもの、かように考えております。
○島本委員 できて動いて、効果は当然あげているだろう、こういうように思います。 ところで、いまのでん粉の問題なんか、あの発生してやっているのも、行政上のいわば横の連絡が十分じゃなかったというようなこととあわせて、やはり公害対策審議会、こういうようなものもあるならば、これは十分利用させて、この中で善処さすべきでなかったのか、こういうように思うのですが、開発庁のほうでは、ほんとうにイモは重大な問題ですから、こういうような問題に対しても、今後十分考えて、善処しなければならないのですが、あれは一つだけの問題じゃない、たくさんあるのです。よく知っています。これに対しては、ほんとうに公害防除の立場から、開発庁は指導しておられますか。
○馬場(豊)政府委員 北海道開発庁でございますが、先ほど申されましたでん粉の合理化工場の被害事故等の十一月に起きましたのは、よく承知しておりまして、ただ先ほど基準の統一をお尋ねになりましたが、基準のほうは私どもの所管でないものですから……。開発局は、さような施設がありますと、河川の水を取るという取水設備の許可が申請されます。さような時点において、関係の機関と十分連絡をとって、もちろん公害が起きませんように配慮をしながら、処置をいたしておりますので、十勝ばかりでなく、ほかにもいろいろ事実があることは知っておりますので、十分注意してあたりたいと思います。
○島本委員 これで終わります。
○山崎委員長 ただいま大平通商産業大臣がお見えになりましたので、この際、産業公害対策に関し、所信をお伺いいたしたいと存じます。大平通商産業大臣。
○大平国務大臣 第六十回臨時国会における産業公害対策特別委員会の御審議をいただくに先立ち、通商産業大臣として、所信の一端を申し述べさしていただきたいと思います。 公害問題を解決し、国民の健康の保護と生活環境の保全をはかることは、経済の発展の推進とともに、通商産業行政の重要な課題であり、通商産業省といたしましては、公害対策基本法を軸として、産業及び生産技術の実態に即した実効のある公害対策を、今後一段と積極的に推進してまいる所存であります。 第五十八回通常国会においては、大気汚染防止法、騒音規制法及び公害防止事業団法の一部改正法が成立し、公害対策基本法に基づく公害対策強化の第一歩が踏み出されたのでありますが、今後は、特に次の点に重点を置いてまいる考えであります。 第一は、公害防止技術の開発促進の問題であります。公害問題を解決してまいるためには、何よりもまず優秀な公害防止技術を開発しなければなりません。この点につきましては、従来に引き続き、大型工業技術研究開発制度により、脱硫技術の開発を強力に推進するほか、各種の公害防止技術の開発を一段と促進することといたしております。 特に、脱硫技術のうち、排煙脱硫技術につきましては、本年度から明年度にかけて、大型工業技術研究開発制度による研究計画が終了する予定となっておりますので、そのあとを受けて、できるだけ早くその実用化が行なえるよう必要な対策を講ずる考えであります。 重点を置く施策の第二は、公害の未然防止対策を徹底するとともに、公害に対する法的規制を着実に実施することでございます。 通商産業省は、以前から、公害の発生を予防するための対策として、新規の工業地帯について、産業公害総合事前調査を実施し、適切な公害防止措置を講ずるよう、関係企業等に指導を行なっておりますが、今後は、調査地点の増加、調査方法の充実など、産業公害総合事前調査の徹底をはかることとしております。また、公害対策基本法に基づく公害防止計画につきましても、とりあえず四日市など三地域について策定し、計画的な公害防止対策を進めていく考えであります。 さらに、十二月一日より施行されました大気汚染防止法、騒音規制法をはじめ、法律に基づく規制措置についても、着実にその実施を進めてまいる考えであります。 第三の課題は、公害防止施設等に対する助成措置の拡充であります。その中心となる公害防止事業団につきましては、本年に引き続き、金利の引き下げを行なうとともに、事業規模の拡大をはかることといたしております。さらに、大気汚染防止対策の緊要性にかんがみ、重油脱硫装置の建設に対する開銀融資を大幅に拡大するほか、公害防止施設に対する税制上の優遇措置を強化することといたしております。 以上の対策のほか、政府として、当面特にその実施を急がれている問題に、環境基準の設定と被害救済問題とがあります。 硫黄酸化物に関する環境基準につきましては、現在政府部内で早期に設定するよう検討を行なっておりますが、通商産業省といたしましては、人の健康の保護をはかるため、積極的にこの問題を処理すべきであると考えております。 また、紛争の処理と被害者の救済制度の創設につきましては、すでに中央公害対策審議会から意見の具申がなされ、基本的な方向が示されております。したがって、今後は、関係省庁と協力し、この線に沿って一日も早く新たな制度を発足せしめるべく、努力する所存であります。 以上、通商産業省の今後の公害行政の重点について申し述べましたが、委員各位におかれましても、一そうの御支援と御協力を賜わりますよう、お願い申し上げる次第であります。(拍手)
○山崎委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。岡本富夫君。
○岡本(富)委員 大臣、いま所信表明をされましたが、いままでの公害行政というものは非常に、骨抜きといいますか、しり抜けといいますか、たとえば大気汚染防止法が出ましたけれども、これは東京都の条例よりまだ悪い。こういう原因はどこから出たかといいますと、通産省の横やりでずいぶん後退しておる。こういうような事例がちょいちょいありました。したがって、今後はこの所信表明のように、きちっと、ほんとうに国民の健康を保持するところの公害行政をやっていただけるかどうか、はっきりそれを、ひとつ当委員会で、あらためてもう一ぺん所信表明をしてもらいたいと思います。どうでしょうか。
○大平国務大臣 公害基本法では、事業者が第一の責任者であるということでございまして、私どももその考えを基礎にいたしまして、まず事業者が公害について第一の責任を負わなければいかぬわけでございます。ところが、正直に申しまして、事業者側では、たとえば厚生省からお示しになられておる環境基準の問題とか、あるいは脱硫の問題等につきまして、事業者なりにいろいろ言い分があります。いまわれわれの立場といたしましては、それをいかに説得いたしまして、いま仰せのように、公害基本法の精神によりまして、公害対策を軌道に乗せるかが任務であると承知いたしているのでございまして、世上、通産省が横やりを入れておるというのでなくて、そういうことに対するいろいろの評価、いろいろな御意見がございまするのを、通産省といたしまして、極力説得いたしまして、政府全体の公害政策というものを軌道に乗せるべく、努力をしておるのでございまするし、今後ともその方針に変わりはないわけでございますので、さよう御了承をいただきます。
○岡本(富)委員 大体いまあなたがおっしゃったのは、こうした公害を起こすのは企業が犯人である、それを説得しているのだという、そういう弱腰では――確かに産業は発展いたしますけれどもその陰に公害病で泣く人たちがたくさん出てくる。総理の所信表明を読みますと、国民の健康を害するような産業の発展というものは、これは健全なる発展ではない、こういうふうに総理はおっしゃっておられる。これはやはりあなたもその閣僚の一員として、また特に通産行政を預かるところの総責任者として、いままでのような弱腰、要するに、絶えず企業の言うことを聞いて、あるいはそれを説得するというのじゃなくして、やはり外国の事例もありますし、いろいろな面で強力に公害行政をやってもらいたい。それに対する助成というものは、また大いにやってやってよいと思います、企業がつぶれてはまずいですから。したがって企業を養成すると同時に、公害をかっちりと押えていく。この両面を特に強力に今度はあなたにやっていただける、こう期待して、いまこの所信演説を聞いておったわけですが、前の椎名さんですか、椎名大臣は、どうももう一つはっきりしなかったように思う。だから、今日のこうしたいろいろな支障が来ておる。ひとつ強力にやってもらいたいと思います。
○大平国務大臣 かしこまりました。
○岡本(富)委員 いま大臣からも、通産省は強力にこれから公害問題と取り組んでもらえるということですから、安心しましたけれども、先ほどちょっと申しましたように、この十二月一日から大気汚染防止法が施行されたけれども、非常に排出基準が甘過ぎるというわけで、東京都からも申し入れが来ている。すなわち、条例でいままで取り締まっておったよりも、今度は法律のほうがゆるい、こういうことになりますと、これはないほうがいいということになるわけです。そこで私ども調べますと、最初の生活環境審議会の答申よりも後退したような、こうしたところの原因というものはどこにあるのか、これをひとつ厚生省から聞きたいと思うのです。今後の問題もありますからね。
○武藤説明員 環境基準の問題は、厚生省といたしましては、生活環境審議会の答申どおりに実施したい、かように考えています。 それから先生の、いわゆる大気汚染防止法の排出基準の問題だろうと思いますが、今回の施行では、排出基準を合理化いたしまして、従来濃度規制を行なっておりましたものを、量的な規制に改めたものでございまして、直接的に比較することは困難でございますけれども、京浜、阪神地区を例にとりますと、いままできめていた濃度と比べまして、三割程度は減少したものと考えております。しかし、これでも十分とはいえませんので、一年後を目途といたしましてさらに規制を強化して、漸次規制を強化したい、かように考えておりまして、この点につきましては、通産省と合意をいたしております。 ただ、新聞に報道されました、例の東京都との問題でございますが、これは、いわゆるボイラーの面積が三十坪以下の問題につきましては、ばい煙規制法では規制の対象になっていなかったわけでございますが、今回これを取り入れたわけでございます。ところが、そういう小さなボイラーにつきましては、東京都は、従来指導基準によりまして指導しておったわけでございます。今回の法律の規制による数値を、いわゆる東京都が従来指導しておりました基準と比べますと、ゆるいということでございまして、この点につきましては、従来の東京都の数値が、指導基準として、いわゆる法律的な取り締まりを行なったわけではございませんので、この点は御理解いただきたいと考えておりますが、われわれといたしましても、なお、いわゆる東京都の指導基準との比較におきまして、一年後につきましては、ぜひ改定をいたしたい、かように考えております。と申しますのは、いきなりこの数値を厳重にいたしますと、直ちに違反状況が行なわれるわけであります。やはり煙突その他の設備を改善せぬといけませんので、改善さした上で規制をかけていくというのが、一つの考え方だろうということで、通産省と相談いたしまして、そういう措置をとったのでございまして、決して規制強化につきまして、うしろ向きであるわけではございません。
○岡本(富)委員 それで、東京都がいままで指導しておったというのですが、そうしますと、東京都の場合、一万七千本の煙突がずっといままで指導で規制されておったのが、この大気汚染防止法が出たために、そのうち五本しか規制を受けられない。あるいはまた、千代田区、中央区の都心地域を見ましても、千二百五十木ですか、これが一木も規制にならない。こういうことでは、結局、東京都が指導しても、大気汚染防止法から見たら、これは何にも違反していないじゃありませんか、こういうことになって、かえって悪くなっていく。あなたはいま、後退していないと言いますが、国民の側に立ちますと、法律が後退したとかあるいは前進したとかではなくして、現実に住んでいる人が、いままでは条例というのですか、指導方針で救われておったのが、法律を出したために、今度はよけい汚染を受ける、こういうことになれば、これは法律がないほうがいい、何のための法律か、こういうことになるわけであります。そこで、聞くところによると、どうしてもこれではぐあいが悪いというわけで、厚生省のほうでは、特別排出基準というものをつくらなければならぬということを考えておると聞いておりますけれども、これは大体いつごろ決定するのか、これをひとつお聞きしたいのです。
○武藤説明員 特別排出基準につきましては、これは立法の経緯からいたしまして、私どもといたしましては、環境基準と非常に関係があるもの、かように考えておりまして、当初、私どもは、この環境基準を越える地域につきまして、排出規制を強化することを考えておったわけでございますが、立法当時に環境基準をまだきめていませんでしたので、かわりに政令でそういう限度をきめる、そういうふうな結果になったわけでございます。したがいまして、この点は、私どもは環境基準もしくは環境基準とリンクをさしてきめるべきものだ、かように考えておりますので、環境基準の設定の時期には同時にきめたい、かように考えております。 それからなお、繰り返しますが、中小企業の一部につきましては、今回の基準でも当然ひっかかってくるものがあるわけでございまして、そういう点は、決して全部が合格して、ゆるいんだということではございません。 なお、従来は、東京都はいわゆる条例でも規制基準がないわけで、単なる行政指導の一つの指導基準として考えていたものが、今回の法律の規制と比較して、要するに今回の規制が甘いのではないかということでございますが、この点は先ほども御説明しましたように、やはり煙突等の改善をさした上で、その基準を強化していくということでないと、違法状態が直ちに起きますので、こういう点を考慮いたしまして考えたわけでございます。御了承をいただきたい、かように考えます。
○岡本(富)委員 いま環境基準をきめたり、あるいはまた、東京都の指導基準と同じようにこの基準をきめると、違反者が続出して困る、こういう話でありますけれども、それならば法律は必要ない。そこで、いまそのままきめると違反者ができて困るというならば、じゃ、どのくらいを目途として――外国の例を見ましても、努力目標、こういうものがあるわけです。したがって、一定の基準をきめて、それに対して何年までくらいの間にやれ、あるいは、特にこの前の公害基本法において、中小企業に対しては特別に助成措置をするようにという一項目を入れてあるわけですから、中小企業に対しては、そういうようにすれば何とかかっこうがつく。そこで、そういうような国民をほんとうに守ろう、健康を守ろうというような大気汚染防止法でありませんと、これは何にもならない。あんまりやかましく言うから、早いこと十二月一日から出したというだけであって、効果のないものを何ぼ出したって何にもならないと思うのです。聞くところによると、特別排出基準、これは環境基準の決定と一緒でないと何にもならぬ、効果がない、こういうふうにあなたがおっしゃっておりますが、通産省の意見はどうですか。
○藤尾政府委員 御趣旨ごもっともでございます。私どもといたしましては、法律を考えます場合に、まず法の精神ということを考えていかなければならないわけでございまして、法の精神からいいましたならば、いたずらに犯罪者を出すということだけが目的ではございません。何といいましても、国民の健康を維持し、そして地域住民に御心配をかけないようにするということが法の精神でございますから、法に足りない部分はございましても、そういったところは行政において補っていくということが、当然私どもにかけられました精神だろうと思います。したがいまして、法律が、東京都できめられました基準に比べてやや甘いというところがございましても、決して、そういった甘い点が、どこまでも甘くなってつぼまっていくのかということではないのでございまして、その点は、漸次企業との関連におきまして、いろいろの措置を講じまして、精神を生かしていくというようにつとめてまいりたい、かように考えております。
○岡本(富)委員 じゃ、いろいろな措置を講ずるというのは、どういうふうに講じて、東京都のスモッグをなくしていくのか、そういうことをぼくは聞きたくなる。そこで、法をきめて違反者をたくさん出すのが目的じゃない、これはわかります。私の言っているのは、やはり公害対策というものは、国民の健康を保持するための公害対策である。したがって、いますぐにこの基準をきめて、だから違反者がたくさん出た、そうして喜ぶんじゃなくして、では、いつごろまでに、この基準に向かってみな努力しなさい、こうして規制していきませんと、いろいろな方法があるといいますけれども、いろいろな方法を一ぺん聞きたいと思います。
○藤尾政府委員 お答えをいたします。 御案内のとおり、先ほども触れましたけれども、こういったことにつきましては、特に事業団といいますものを設けまして、事業団の活動といいますものを十二分にさせまするための助成というものもございまするし、また減税その他の税制措置というものも考えております。こういったことにつきましては、当然財政当局との関連もございまするので、そういった点につきまして遺憾のないように、一ぺんに全部やれと、こう言われましても、なかなかできるものじゃ、ございませんから、できるところからやってまいりたい。全力を尽くして、来年度予算にこれがどの程度ふえるかというところは御監視をいただきたい、かように考えております。
○岡本(富)委員 政務次官、こっちが聞いていることと、あなたがおっしゃっていることと違うのですよ。なぜかといいますと、私の言っているのは、一つの基準なら基準をきめて、これが国民の健康を保持する基準だ。それをきめて、そしてそれへ向かって、じゃ煙突を高くするとか、あるいはまた工場を移転するとか、あるいはそれによっていろいろな金額が出てくるわけです。そしてそれに対して助成するというなら話はわかるのですけれども、この基準をきめんといて、そうして助成措置もしましよう、公害防止事業団も行きなさい、行くほうはどうしていいかわからないわけですよ。これはこういうことがある。実はカドミウムの排出基準がきまってないのです、どれだけやったらいいかとか。したがって、私が工場へ行って、これはあまりカドミウム出しちゃいかぬのと違いますか、こういう状態ですよと言いますと、国のほうから、どれだけ排出したらひっかかるのか、それがないものだから、どれだけやっていいかわかりまへんねという。それじゃどんな設備をしたらいいかわからない。だから、いまあなたの言うことを聞いておると、ぼくと全然話が違うわけです。ですから、これは事務当局にまかしたほうがよっぽどいい。 それで、もう一ぺん聞きますけれども、厚生省は特別排出基準というものをきめて、もう少し現地に即した基準にしなければいかぬ、こういう考えを一ぺん出してほしい。しかしそれは環境基準と一緒に合致させてつくらぬと、これはうまくいかない、こういうわけでありますが、それに対して、通産省の意見を一ぺん聞きたい、こういうことなんですよ。
○矢島説明員 御質問の件につきましては、おおむね先ほど厚生省からお話があった点と同じでございます。若干補足いたしますと、お話の特別排出基準の前提となる、特別排出基準を適用するのはどういう程度の汚染度のところにやらなければならぬか、ということは、やはり基本的には環境基準の問題につながるわけでございます。そういう点で、厚生省のお話と同じでございますが、私のほうといたしましては、東京を初めとする幾つかの特に汚染の激しいところにつきましては、早急にこの特別排出基準をきめなければならぬ、かように考えております。
○岡本(富)委員 早急にきめる、こういうことなんですが、じゃ通産省のほうでは、早急に特別排出基準をきめて規制せぬと、この公害がほんとうに防止できないという考え、それで、それをつくるには環境基準を設定しないとうまくいかないというのが厚生省の考え、これが両方で相当話し合ったそうでありますけれども、じゃ結局としては、環境基準をきめないと特別排出基準が出てこない。確かにそうです。この大きな広いところに一本しか煙突がないところは相当出してもだいじょうぶ、無数に煙突があるところは、これは相当規制せぬとぐあいが悪い、これはよくわかります。じゃこの環境基準の決定は、先ほどから聞いておると、早い日に、早い日にということですが、めどとして、大体いつごろ決定されて施行されるか、これをひとつお聞きしたいと思うのですが、まず厚生省のほうから……。
○武藤説明員 私どもは、七月の十八日に答申が出ました以後におきましては、一日も早く設定をしたい、かように考えておるわけでございます。
○岡本(富)委員 一日も早く設定したい、これはよくわかるのです。国民もみな望んでおるところですからね。しかし、そういう考えでいきますと、これから百日たってもまだ一日も早く、こういうことになってしまう。したがって、大体のところでめどをつけて、そして環境基準をきめる、そこにやはり通産省も意見があると思いますから、そういう一つの最終段階というものをつくって、最終日あるいは最終月をつくって、そうして検討をしませんと、これはいつまでたっても解決しない、こういうふうに思うのです。したがって厚生省としては、いつごろを目途にしておるのか、これを一ぺん聞かしてもらいたい。
○武藤説明員 先生御存じのように、前大臣のときには、十月を目途とするということを申し上げました。その後、十月が過ぎますと、十一月を目途とするということを申し上げました。ところが、十一月が過ぎまして十二月になりまして、現大臣もこの前の本会議で、たしか十二月中にはやりたいということで、私どもとしては、最高責任者から、一月刻みで御答弁申し上げておるということで、非常に遺憾に思っておるわけでございます。
○岡本(富)委員 結局、それを私知りたかったのですけれども、毎月一月延ばしにして、しまいには一日延ばしになり、五分刻みになってしまったのでは、これは全然話にならない。したがって、あなたにこのことをあれしてもなんですが、これは一番皆望んでいるところなんです。それをこう延ばしていくというのは、国民に対して厚生省は何しているんだ、公害対策会議の窓口ですけれども、そういうことになるわけです。大体いつだつたらいけるか、一カ月延ばしなんてせずに、腹案があると思う。それをひとつお答え願いたい。
○武藤説明員 私どもは、先ほど申しましたように、一日も早くきめたい、かように思っておるのですが、相手がございまして、相手方のほうからひとつお聞き願いたい、かように思います。
○岡本(富)委員 相手はおそらく通産省だと思うのですが、きょうは一番総責任者であるところの政務次官からひとつ、ちょっと打ち合わせして、発表してください。
○藤尾政府委員 犯人が通産省であるというようなことでございますけれども、実はそうではないのでございまして、犯人は、現在高度成長をどんどん遂げてまいりました産業界全体でございます。したがいまして、この産業界全体を一つ一つくずしていくという過程を経ませんと、なかなかそこに答えが出てまいりません。私どもといたしましては、現在それを全力をあげてやらしておる段階でございますから、今日の段階では、一日も早くということで、御了承をいただきたいと思います。
○岡本(富)委員 先ほど環境基準の施行につきまして、これは来年の秋というような話をちょっと聞いたのですけれども、そういう目途にしておるのだということを、島本委員が話されたときに、施行の話があったと思うのです。その決定についての話はなかった。それで、私はどうしてもはっきりしなければいかぬ、こういうわけなんです。通産省のほうも、そういうわけで、これがはっきりしませんと、あとの企業が困る。なぜかといいますと、どの辺まで煙突を高くしたらいいか、あるいはまた、燃料の問題をどうしたらいいかということが解決しないわけです。したがって、この点について厚生省のほうからも、もう一ぺん。
○武藤説明員 先ほど秋の問題とおっしゃいましたけれども、この問題、実は紛争処理と救済制度の問題を秋だと申し上げたのでございまして、環境基準の施行につきましては、私どもは、先ほどお答えしましたように、一日も早くきめていただきたい。そうしなければ、たとえば特別排出基準のきめ方も困りますし、あるいは現在計画中の公害防止計画との関係も困りますし、そういう点で、やはり政策の中心となるべき環境基準を早く決定いたしたい、かように念願しておるわけでございます。
○岡本(富)委員 結局、お聞きのように、まだ公害対策に対してほんとうに――通産省が、犯人とは言ってないのです。企業に押されてしまって、はっきりしないということでは、国民の不安というものは除かれない。したがって、きょうはこの程度にしておきますけれども、どうかひとつ両省で話し合って、そしてやはりこの基本法の精神にのっとってやってもらわないと……。経済の発展との調和のほうに力を入れずに、国民の健康保持のほうに力を入れて、そっちのほうが一番大事である、こういうことで、もう一ぺん強く申し入れておきます。
○藤尾政府委員 お申し越しのとおりでございまするので、その御趣旨に従いまして、折衝することといたします。
○岡本(富)委員 そこで、厚生省にもう一つ聞いておきますけれども、私はこの前の当委員会におきまして、カドミウム禍が全国的に非常に多くなっていっておるから、ひとつ一日も早くその工場を総点検して、そして排出基準もちゃんときめて、取り締まるようにしないといけないというように申し出たところが、前の園田厚生大臣は、一日も早くやりますというような話でした。中には、そのときにこういう話があったのです。権限を県まで委譲をして、そしてやらすようにしますというようなことでありましたのですが、その後どういうような手を打ったのか、これをひとつ聞かしてもらいたい。
○武藤説明員 カドミウムの問題につきまして、経過を申し上げます。 カドミウムの問題が起きましてから、当省といたしましては、対馬の問題、あるいは富山の問題、あるいはその他大分の問題等、調査を現在いたしておりまして、これが結果が出ますのが大体明年の三月末の予定でございます。そういたしますと、大体の問題の実態がわかりますので、そこにおきまして、暫定的ないわゆる環境基準的なものをきめたい、かように考えております。したがいまして、それに関連して、たとえば工場の排出基準あるいは鉱山の排出基準等につきましては、通産省と相談いたしまして、お申し越しの排出基準については検討いたしたい、かように思っております。 ただ、水道や米等につきましては、現在専門家に、許容限度を設定したいと考えておりますので、依頼中でございます。
○岡本(富)委員 では、この問題もはっきりしていただきたい。 次に、もう一つ、公害患者の救済法、紛争処理法ですね。これは秋ごろから施行したいという厚生省の意向でしたが、では国会に提出するのはいつごろ提出しますか。
○武藤説明員 予算関係法案になろうと思いますので、従来の経緯を見ますと、明年の一月中が、予算関係法案提出の期限の慣例でございますので、明春早々だろう、かように考えております。
○岡本(富)委員 そういうようにはっきり答えてくれれば、時間がないから、やかましゅう言わない。 次は、生コンの公害防止について、各地で争われておりましたので、通産省に、この前行政指導をお願いしておきましたけれども、その経過について、公害部長、お願いします。
○矢島説明員 前回、先生から御指摘のありました兵庫県川西におきます生コン問題につきましては、結論から申し上げますと、十六日、おとといでございますか、地元の自治会四団体と、それから関係二会社、それぞれ二つの会社の間に、次のような内容の覚え書きを交換することによって、解決したわけでございます。 覚え書きの内容を簡単に申し上げますと、公害防止対策に十分留意し、とくに汚水処理、紛じん処理、騒音、運搬の問題には責任をもって対処する。二番目として、操業年数は、一方の会社については六年、もう一つの会社については七年とする。三番目に、操業時間は午前七時から午後八時とする。四として、じんあいについて問題が生じたとき、市が立ち合って協議する。五として、運搬にあたっては責任者を決め、事故が生じないよう配慮する。以上のような内容の覚え書きができまして、解決したわけです。これに至るまでには、もちろん先生が先般御指摘なさいましたこともありますが、さらに地元の大阪通産局及び兵庫県、川西市の三者がこのあっせんをしたわけでございます。 以上でございます。
○岡本(富)委員 それで、通産省にもう一つ聞いておかなければいかぬのは、工業立地適正化法、この前は流れましたが、今度はいつ国会に提出するのか、これもひとつお聞かせ願いたい。
○矢島説明員 工業立地適正化法につきましては、次の通常国会に提案するために、鋭意関係省との折衝をやっておるわけでございますが、関係省との折衝が終わり意見の調整がつき次第、できるだけ早い機会に提案することになると思います。
○岡本(富)委員 それでは、運輸省、来ておりますね。今度の大気汚染防止法の中に、自動車の排気ガスが含まれておりますけれども、この自動車の排気ガスの規制法を見ますと、いままでの道路運送法をここへそのまま移行しただけで、若干二つ三つ点検の方法でふやしたくらいで、これではほんとうの規制ができない。したがって、次には、たとえば新車については、型式承認のときにもつと検査法を強くするとかいうふうなことはいっておりますが、現在の中古車、あるいは現在使用している車、あるいはディーゼルのまつ黒に出していくスモッグ、ああいうものはこれでは取り締まれない。したがってほんとうの公害行政というものがはっきりしないわけです。したがって、次はいつごろどうするかということを、ひとつはっきりしてもらいたいと思います。
○村山(達)政府委員 このたび運輸政務次官に就任いたしました村山でございます。公害問題はまだしろうとでございますが、せっかくこの委員会で勉強さしていただきたいと思いますので、どうぞひとつよろしくお願い申し上げます。 最初に、私から大筋のことをお答えいたしまして、足りない点がありましたら、政府委員の自動車局長から補足説明をさせます。 この排気ガスの問題は、実は運輸省といたしましては、自動車会社がこの測定をする機械を備えつける前、二年ぐらい前から研究しておったわけでございます。昭和三十九年ごろからずっと研究してまいりまして、御案内のように、車両法に基づいて、四十一年の九月に、すでに新型につきましては標準走行キロ三%以下ということで押えてまいったわけでございます。これは申しますと、やや私のほうが研究は進んでおったかと思うのでございます。四十一年の九月は新型でございますが、一年後の四十二年九月には新車にまで及ぼしたわけでございます。今度大気汚染防止法が成立いたしまして、かねて研究しておったものでございますから、それはそのまま採用させてもらいました。中古車につきましてはもう御指摘のとおりでございますけれども、実はこれを測定する機械、これがなかなかたいへんでございまして、予算措置を要するわけでございます。したがいまして、運輸省といたしましては、直接排気ガスを点検の際測定するわけにはまいりませんが、従来の研究からいたしまして、少なくとも十ばかりの事項について十分なる点検を行ない、その点を整備すれば相当程度排気ガスを規制できる、こういう研究もございますものですから、新たに十項目、安全確保の点検項目のほかに、公害防止ということから、入れたわけでございます。 この車両点検の際にも、理想から申しますれば、当然やはり排気ガスの実情を調べ、そしてそれを整備させる必要があると存じますので、その測定機械を購入すべく、今後およそ二年間かかりまして、この機械を購入いたしたいと思います。ただ、聞きますと、いま一台一千万円ぐらいでございまして、なかなかたいへんな金額でございますので、各運輸事務所に全部備えるということはたいへんでございます。幸い技術開発が進みまして、かなり安く、三十万から五十万くらいでこの機械が開発されそうでございますので、急速に、いま言ったような予定で準備いたしたいと思います。 ついでに申し上げますと、そういった意味の安全とかあるいは公害防止の技術研究は、今日望まれるわけでございますものですから、現在、船舶研究所の中にあります自動車の安全とかあるいは公害防止、この両部門を独立させまして、自動車安全公害防止研究所、こういうものを新たにつくるべく、来年度の予算で請求中でございます。
○岡本(富)委員 それで、いま問題になっております三%、これを二・五%ぐらいにしてもらいたいというのが厚生省の意見だと聞いておりますが、それが一点と、それから中古車の問題あるいはまたディーゼル車の問題、こういうようないろんな腹案があろうと思うのです。だから、ひとっこれをこの際この委員会で、事務当局でいいですから、全部発表してもらいたいと思います。
○堀山説明員 ただいま政務次官から答弁いたしましたように、従来いわゆる行政指導であったものを、今般法律の段階で入れたということでございます。 中古車につきましては、やはり従来追跡試験その他をやった結果につきまして、効果のあるものについて規制をした、こういうことでございます。 この大気汚染につきましてはどこまでやるべきかということにつきましては、一つはエンジンの排気ガスを抑制する技術的な開発の問題と、もう一つは、測定するための機械の開発と、この二つがあると思います。当面私どもできる段階として、三%ということにしたわけでございますが、先ほど政務次官からお話がありましたように、技術開発を兼ねて、規制を強化していきたいというふうに考えております。実はいまの段階では、排出ガスの濃度とそれから環境基準、この環境基準のほうがはっきりしておりませんので、できるだけ低くするほうがいいということで、開発に努力をしておるわけでございますが、いずれ環境基準も決定されますので、それに合わせて、基準をさらに引き下げてまいりたい、かように考えております。 それから、中古車につきましては、先ほどのお話のように、定期点検をやりますと、排気ガスの劣化の程度が一割以内程度に押えられるということが実験的に証明されましたので、それを義務づけるということ。もう一つは、私ども車両検査を各県の現場でやっております。これは四十四年度から実用的な機械を入れまして、実験段階に入りたいと思います。それからもう一つ、従来新車について検査をしてまいったわけでございますが、要するに、国内車に対してはそれぞれ検査する方法があったわけでございますが、外国車とかそのほか特殊な車につきましては、検査をするチャンスがなかったということでございます。これにつきましては、四十四年度予算で、私どもの各検査場に設備を併設いたしまして、そこで具体的に検査を実施する。したがいまして、少なくとも新車については、国産車、外国車全部含めまして、具体的な検査をする、こういうようになるように準備しているところでございます。 ディーゼル車につきましては、この黒煙は、新型自動車につきましては濃度を規制しておりまして、具体的に申しますと、いろいろなはかり方がございますが、マンセル七度という数字以下に押えております。 もう一つは、すでに走っている車、これにつきましては、先ほども申し上げましたように、車両検査をやっておりますので、この際にチェックする、こういうことをしております。しかし、実際問題として、新車の場合とか、あるいは車両検査のとき以外に、走っている車に対しては、一つは車の整備のしかた、もう一つは車の使い方、たとえば五トン車に八トン積んで走るとか、そういう過積載、あるいは無用なから吹かしあるいは急加速とか、そういったようなことをすることによって起こってくるということでございますので、車を使う方の側に対しまして、いま言ったような過積載とか急加速をしないという指導をしておるわけでございます。ちなみに、私ども街頭でディーゼル車の黒い煙を出しておる実態をチェックするわけでございますが、三十五年と三十九年と四十三年、四年おきにチェックした記録がございますが、逐次不良な車と申しますか、黒い煙を出す率がだんだん減ってきておるように、私どもは感じております。ということでございまして、新車に対するチェック、車両検査によるチェックのほかに、使用者に対するチェックを、私どもさらに指導を強化してまいりたいと思います。
○岡本(富)委員 環境基準がきまらぬと、あとの中古車の基準をきめることはできない、こういうようにぼくはいま受け取れたのですけれども、この車の場合は移動するわけですよ。普通の工場ですと、固定した煙突から煙が出るから、この地域は三%に押えなければいかぬとか、五%に押えなければいかぬということになりますが、車の場合は相当移動するわけですよ。その点について、環境基準がきまらなければきまらないのだという論法は、ぼくはおかしいと思うのです。そこで新車並みに三%に押えていく、そこのところは特にチェックして、排気ガスを出さぬようにするというように、前向きな姿勢でやりませんと、これは大気汚染防止法というものはまた有名無実になってしまう、こういうように考えられるわけです。したがって、中古車も新車並みの基準に引き下げる考えを持っておるのか、それとも環境基準がきまらなかったら何ぼ出してもかまわないのだというような考えなのか、これをひとつ聞きたい、どうですか。
○堀山説明員 先ほど、環境基準がきまらないとすべてがきまらないというふうに、実はことばが足りなかったかと思いますが、これは新車といえども、中古車といえども、できるだけ下げたほうがいいわけでございます。したがいまして、その一つの方法として、どこまで下げたらいいかという問題があろうかと思います。たまたま環境基準も近くきまるどいうことの予定がございますので、できるだけそういう機会に、そういう因果関係を求めて、それで下げていきたい、かように考えておるわけでございます。 それから中古車につきましては、実は一つは、先ほども申し上げました点検基準をきめるという段階で、いろんな実験をやったわけでございますが、約七万五千キロ走った状態でこういうことをやったら、いい結果が出たということでございます。その問題はさらにその試験を重ねてまいりたいと思います。その段階でやった結果、うまく点検をやれば新車のときよりも一割くらいの劣化程度でおさまるという結果を得たので、少なくともこの範囲のことをやればいいということがわかったということで、具体的な数値になりますと、さらに実験を重ねていかないと、最終的に車種その他の関係もありますので、数字が出しにくいのではないかと思っております。しかしそういうことを言ったのでは間に合いませんので、現在わかっている知識の範囲内で、こういうことをやろう、こういうことでございます。
○岡本(富)委員 そこで、いま七万キロ走った状態でよい結果が出た、こういうふうな話がありましたが、そのよい結果というのはどういう結果かわからぬが、それで新車より一%くらいオーバーするという、たとえばいま三%ですか、それが三・三%くらいのところになったというのか、そうして全車両はそういうような方向づけでいこうという考えなのか。古いからどれだけ出るかわからぬというように、車にとらわれずに、やはり一つの排出基準、それに合わしていこうという技術の確信がなければ、これは公害行政というものは成り立たない、こう思うのです。これはどっちなのか、ひとつこの二点についてお聞きしたい。
○堀山説明員 先ほども申し上げました追跡試験で、七万五千キロ走らせた結果について、いろいろな試験をしたわけでございますが、これは実は新しい車からずっと続けてやったわけでございます。約二年近くやったわけであります。すべての車についてやったわけではございませんで、代表的な、一般に一番多く使われておる車ということを対象にしてやったわけでございます。したがって、数字を最終的にかちっとした数字にするということについては、まだ検討が要るのではないかと思いますが、いままでやりました範囲内で、おおむね一割ぐらいの劣化度におさまるということでありますので、これをいかにして普及し、できれば検査の場合にチェックするという方法はないものだろうかということであります。
○岡本(富)委員 時間があれですから、自動車の排気ガスについては、これくらいにしておきまして、次に移ります。 航空機の問題について、航空機騒音について、実はこれは子供の要望でありますけれども、伊丹の天神川という小学校の六年生の方が「爆音のため名前を呼ばれて聞こえず先生にしかられることもある。音楽鑑賞など授業は中断され放し。私たちは鉄筋校舎だからまだしも、プレハブの幼稚園や低学年はもっとかわいそうだ。私たちはいやな騒音を思い出として卒業するが、弟や妹たちに同じ思いをさせたくない」こういうような訴えがきているわけです。そこで政務次官に、この航空機騒音について、先ほど大臣からも所信表明がありましたが、相当前向きな、また力を入れた行政をしていただきませんと、これは解決しない。航空機の騒音防止法ができてからもうだいぶになりますけれども、非常に予算が少ないわけです。一番最初に、予算措置が何もなかったところへできたのが三億円でありまして、このときは、スズメの涙だというような言い方で、政務次官が言っておりました。そして今度は五億三千万、今度はいよいよ次の段階に入るわけですけれども、聞くところによると、前年度の二割五分というようなことで、財政硬直だなんて言っていますけれども、そんなことでは、航空機の騒音防止というものはできない。大阪伊丹空港におきましては、全くひどい。かわらは落ちるし、まだほんとうにはこれは解決していない。聞くところによると、嫁さんも来ないというようなこともいっている。あんないやらしいところへ行けないというようなことですが、これについて、運輸当局は今度はどんな抜本的な手を打つのか、これをまず、村山運輸政務次官から所信を表明してもらいたいと思います。
○村山(達)政府委員 飛行機産業の発達は国際的の傾向でございますし、そうしてまた、今後の展望から申しましても、急角度の発達が予想され、それ自身としては非常にけっこうなことだと思うのでございますが、同時にまた、公害の問題、特に騒音の問題を飛行機の場合起こしておりますことにつきましては、これはどうしても国の知恵をしぼりまして、総力をあげて防止しなければならないというふうに考えているわけでございます。先ほど、わずかな予算というお話がございました。おっしゃるように、一昨年は三億、去年は五億三千万ということでございますが、来年度予算につきましては、運輸省あげまして、十億をこえる予算を要求いたしまして、これが通過に全力をあげているわけでございます。私も大阪に勤務したことがございますから、伊丹の空港はよく承知しておりますが、大阪空港につきましても、できるだけ御要望の趣旨に沿った方向で努力してまいりたい、かように思っているわけでございます。
○岡本(富)委員 それについて、事務当局から、予算要求を非常に大幅にしたと言いますけれども、十億九千万。したがって、この空港問題を解決しようとすると百億要る、そしてそれに対しては五カ年計画でやっている、こういうような話があったことをまだ記憶しておりますけれども、非常に遠慮したような予算の要求である、こういうふうに私は思うのです。事実この航空機騒音で悩まされておる人たちのことを考えますと、相当強力な予算要求もし、また抜本的な対策をとっていただかなければならぬ、こういうふうに私は思うのです。それを要求しまして、それで地元から騒音自動測定塔、これをひとつ複数にして設置してもらいたい。それからテレビの視聴障害ですか、これはこの前やってもらいましたけれども、これは基地並みで、幅一キロ長さ二キロでは――基地は、どっちかというと町から離れたところにある。伊丹空港は内陸の中にあるわけです。ですから、相当これは大幅に拡大をしませんとね。この調査もやらなければいけない。そこで、この範囲の拡大をやる意思があるかどうか。まずこの二点についてお聞きしたいと思います。
○丸居説明員 十億九千万円の予算要求が多過ぎるというふうには考えておりませんのですが、本年度の予算が五億三千万円でございましたので、割合からいうと、かなりよく主張して、そして内部調整をして出したつもりでおります。ことしはもうすでに提出済みでございますので、これを、先生方の御支援によりまして、全額獲得できるようにいたしたい。もちろんこれで十分だとは考えておりませんで、さらに増額しまして、防音施設の拡充に向かって邁進したい、こういうふうに考えております。 それから騒音測定塔でございますけれども、これは四十三年度において、川西市の久代小学校において設置すべく、目下工事中でございますが、四十四年度におきましても、大阪空港周辺の必要な個所に設置したいというふうに考えて、目下検討をいたしておる段階でございます。 それからテレビの問題でございますが、これはおかげでことし始めて、航空公害防止協会を発足させまして、実施したわけでございます。確かにこの範囲の外にも、こういう措置を講じなければならぬような個所もあるように思いますので、航空公害防止協会におきまして実情を調査させますとともに、関係機関とも協議いたしまして、できればもう少し範囲を拡大したいというふうに考えております。
○岡本(富)委員 その範囲につきましては、また、こちらもいろいろいま点検しておりますから、提出したいと思います。 そこで、次に騒音防止工事の助成の範囲につきまして、図書館あるいは公民館、こういうものも拡大してもらいたいということでありますけれども、それと同時に、学校の二重窓なんかしたり、あるいはまた防音校舎をつくっておりますけれども、中の内情を見ますと、換気装置ですか、これが不完全であり、夏ですと非常に暑い。そのために窓をあけっぱなす。そうすると、これは防音校舎にならない。こういうような不便のために、児童たちは困っておるわけです。冷暖房装置もやはりつけてやらなかったならば、ほんとうの防音校舎にならないという状態なので、その点についてひとつお聞きしたいのですが、どうですか。
○丸居説明員 確かに先生のおっしゃるとおりで、特に暑い夏などはたいへんなことだと思いまして、四十四年度におきまして、そういった関係の予算を要求いたしておりますので、これはぜひひとつ成立させたい、こういうふうに考えております。
○岡本(富)委員 空港周辺の防音緑地化、これはぼくは前の当委員会におきまして、相当要求し話もしていたのですが、この計画を立てておるかどうか。その後の計画はどうか。もう一つは、夜間飛行の禁止。特に夜間は、この前もこれは要求したのですが、ぼくも向こうで泊まったことがありますけれども、ほんとうに眠りをさまされてびっくりすることがある。これの禁止。それから非常に内陸のところでありますから、大型ジェット機が入ってきますと、とても下におれない。特に飛び立つところですね。去ってからも、おなかの中がかっとなるようなひどいところなんです。この問題。それから、もっと騒音調査を定期的に行なって――夜間飛行機が飛び立つところが違うわけですね。このごろは尼崎の北のほうに非常に騒音が大きくなってきている、こういうことですから、やはり定期的に実施をしていく、こういう四点について、ひとつ明確にしてもらいたいのですが、どうですか。
○丸居説明員 防音林と防音壁につきましては、本年度これを試験的につくっていく予定になっております。これは非常に効果が多いということでございますならば、次々と取り入れていって、実施段階に移していきたいと思っております。 それから、夜間飛行の禁止の問題でございますが、これにつきましては、昭和四十年閣議了解を得まして、ジェット機の発着を原則として禁止する惜置をとってまいりました。現在は、非常に公共性の大きい郵便輸送等を扱う、音の少ないプロペラ機が運航する場合に限って認めることにしておりますけれども、今後は、深夜の増便につきましては極力これを押えるような方向で指導していきたい、こういうふうに考えております。 騒音の定期的な点検につきましては、従来からも実施しておりますけれども、四十四年度も引き継いで、これをもう少し範囲を広げるようなかっこうで、実施したいというふうに考えまして、その予算も七百六十万円要求しておるような次第でございます。
○岡本(富)委員 この定期的の実施は、あまりいままで見たことがないのですけれども、あとでこれは一ぺん資料を要求したいと思います。 そこで、いま申し上げましたいろいろな要望事項も、ただ答弁に終わらずに、ひとつ完全に実施をして、この付近の住民をこの騒音から救っていく、こういう前向きの、今度こそひとつ、いいかげんなことにならないようにやってもらいたい。これをもう一ぺん村山政務次官から聞きたいのですが、どうですか。
○村山(達)政府委員 おっしゃるように、航空機の騒音防止につきましては、全力をあげてまいりたいと思っております。ただ御案内のとおり、この問題は防衛庁との関係の関連事項もございますし、この辺をやはり両省間で共同して詰めてまいる必要があるかと思います。 それから、まだ私就任したばかりであれでございますが、調査のほうはおそらく相当程度いくだろうと思いますが、有効なる対策ということになりますと、相当大きな金が要るのではないかと思っておるわけでございます。全力をあげてやりますけれども、一挙にはなかなか理想どおりにいかない場合もあるかと思いますが、ひとつできるだけ努力してまいりたい、かように考えます。
○岡本(富)委員 村山さん、今度の予算はひとつ全力をあげて一わずかですけれども、十億九千万円くらいで多いなどと言わないで、もう一ぺんかちっとやってもらいたいと思います。 最後に、兵庫県に宝塚というところがあるのですが、ここに福知山線が通っておりまして、ここの貨車の入れかえなんかをやるのですね。それを見ておりますと、ものすごい煙で、その付近の干しものだとかいろいろなものがまつ黒になってしまうというわけで、相当な苦情が来ておるわけです。聞くところによると、福知山線の電化について計画があるように聞いておるのですが、高野さん、聞いておりますかどうですか。
○高野説明員 お答えいたします。 最初の煙の件でございますけれども、これは私も実は実情をつまびらかにいたしておりませんが、私の想像では、たぶん貨物列車の入れかえの機関車の煙だろうと思います。国鉄では、そういった蒸気機関車は逐次全廃をいたしてまいりまして、将来は貨物の牽引あるいは入れかえというものは、全部ディーゼル機関車でやっていく方針でありますので、その問題はいずれ解決されるのではなかろうかと思います。それから、宝塚との間の複線のお話でございますが、御存じのように、福知山線の大阪口が、現在の輸送の実態から非常に込んでおりますので、あそこを複線にしようということで、本年度から用地買収に入るという計画で、ただいま現地の国鉄の機関が地元といろいろ相談をしておる段階で、今年度から予算もついておりますので、逐次これも着工されていくだろう、こういうふうに思います。
○丸居説明員 ちょっと先生、訂正をさせていただきたいのですが、ことば足らずに終わりましたものですから。 先ほど、冷房施設の予算を四十四年度に要求しておるというふうに申し上げましたが、ちょっと私の誤解でございまして、これは防衛庁で要求をしておりますので、防衛庁の予算が認められ次第、運輸省としても同一の基準で実施できるように準備をいたしておるということであります。どういう準備をしておるかということになると思いますが、これはぜひ私どものほうでもやらなければならぬというふうに考えておりまして、いま施工しております防音工事について、これを冷房装置がつくようなものを構造的にやる、防衛庁のほうでつき次第、それと同一歩調でやれるような準備をしておるということを、私間違って申し上げましたので、訂正をさせていただきます。
○岡本(富)委員 最後に、村山政務次官、聞いておると、防衛庁防衛庁ということで、防衛庁の家来みたいな言い方をしますけれども、やはりもっと向こうに気がねせず、航空局あるいはまた運輸省は、住民のことを考えて――何か防衛庁のことを考えてやっているみたいで、こういう点を、ここらでひとつ考えを変えてもらって、そして、あなたが政務次官になられたんですから、なるほど村山政務次官になってからこんなようになった、ということを明らかにしてもらいたいと思います。ひとつよろしくお願いいたします。
○村山(達)政府委員 御趣旨よく了解いたしました。ただ、防衛庁といっても、防衛庁もやはり防衛庁使用の空港の住民対策であることは当然でございまして、いま私が見たところでは、防衛庁の使用している飛行場の住民に対する対策とほとんど同一歩調でいっておるということでございます。ですから、やはり現実問題としては、両者のバランスということは当然問題になるわけでございます。おっしゃるように、防衛庁に気がねをして、こちらで何もしないなんということは、全然ございません。今後はわれわれのほうでむしろリードをとりまして、大いにこの公害防止のために努力いたしたい、かように考えております。
○岡本(富)委員 これで終わります。 ――――◇―――――
○山崎委員長 閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。 産業公害対策に関する件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ――――◇―――――
○山崎委員長 この際、御報告申し上げます。 本委員会に参考のため送付されました陳情書は、公害対策強化に関する陳情書外一件など三件でございます。念のために御報告申し上げます。 本日は、これにて散会いたします。 午後二時三十二分散会