法務委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 94 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1968/10/15
会議録
○委員長(小平芳平君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について報告いたします。 昨日、井野碩哉君、田中茂穂君及び二宮文造君が委員を辞任され、その補欠として北畠教真君、長屋茂君及び黒柳明君が選任されました。 —————————————
○委員長(小平芳平君) 検察及び裁判の運営等に関する調査として、検察行政の運営に関する件を議題といたします。 御質疑のおありの方は順次御発言願います。
○亀田得治君 本日は、井本検事総長の会食事件、このことについてお尋ねをいたしたいと思っておりますが、その前に、去る九月十四日の法務委員会が与党の皆さんが出席が悪く流会になったということにつきまして遺憾の意を表しておきたいと思うのであります。 私から申し上げるまでもなく、参議院規則三十八条によって、少数党が重要な国政問題についてどうしても委員会を開いてほしいという場合に、委員会の開会を保障しておるのがこの規定なんであります。開いた結果どういうふうに議事を処理するか、そういうことは当然多数決によってきまることになるわけでしょうが、開会自体をもできないというようなことは、はなはだ私は現在の国会法なり参議院規則全体の仕組みから見て適当ではないと思う次第でありまして、どうかこういうことが今後ともたび重ならないようにひとつ希望をしておきたいと思うのであります。 本題に移りたいと思いますが、本件については昨日も衆議院の法務委員会において質疑が行なわれました。私も、昨日のきょうでありますから、若干傍聴もいたしたわけでありますが、できるだけ重複を避けるようにして、問題点についてひとつ確かめてみたいと思います。総括的な問題に移る前に、少しこまかいことについて刑事局長に確かめておきます。 その第一の点は、本件四月十九日の会食の際の会食費、これは四万九百一円とこういわれておりますが、この点は間違いございませんか。
○説明員(川井英良君) 間違いございません。
○亀田得治君 検察庁は、その会食費の領収証の控えですか、控えを現在領置しておるわけですね。その間の事情を御説明願いたいと思います。
○説明員(川井英良君) 領収証の控えを検察庁が押収しております。
○亀田得治君 領収証の控えというと、結局、「花蝶」が領収証を出して、その控えが「花蝶」にある。それを押収と言われましたが、これは捜索でもやって押収したのでしょうか、あるいは任意に提出させて領置しておるのでしょうか、どっちなんでしょう。
○説明員(川井英良君) 任意提出でございます。
○亀田得治君 その領収証の番号、これも雑誌なりマスコミ等で報道されておるのですが、これは一般に報道されておるとおりの番号で間違いありませんか。
○説明員(川井英良君) これは申し上げても差しつかえないと思いますけれども、現に検察庁が証拠書類の一部として先ほど申し上げましたとおり領置をしておるものでございますので、今日の段階でその押収しておる証拠品の内容の具体的な点につきましてここで私の立場から申し上げることはひとつお許しをいただきたいと、こう思います。
○亀田得治君 内容と言いますが、番号等が一般に書かれておるわけですね。番号まで外に漏れるということはただごとではないじゃないか、こういうことが世間の疑惑の一つの大きな焦点になっております。それでお聞きするわけでありまして、そのことを国会審議の必要なためにおっしゃったからといって、この番号がいわゆる日通事件のいろいろな扱いに影響を及ぼしてくる、そんなものじゃ私はなかろうと思う。これはやはり私はおっしゃってもらいたいと思います。そういうことが土台にあって、私後ほどまた、検察の秘密保持、そういうことについてお尋ねしなければならぬと思って、その前提として私は確かめておるわけなんです。どうなんでしょう、そんな程度はいいんじゃないですか。
○説明員(川井英良君) 御承知のとおり、公給の領収証は本物とそれから控えがございます。それからそのほかにも料亭の経理の都合上その番号をまた控えていろいろ帳簿ができておりますので、問題になっておるその領収証の番号というのは、実はほかにもいろいろな帳簿の中に記載されておることが当然予想されますので、そういうようなところから考えまして、私のほうといたしましては、これから御質問が出るでございましょうけれども、そういうような番号が正しいものと合致しておるかどうかということは一応別問題といたしましても、検察庁に領置されているもの以外からもそういうものが場合によっては外部に出る可能性があるということを申し上げなければならない、こういうふうに思いますので、この段階でその現に検察庁が証拠品の一部として押収しておるというふうな内容のものについて具体的に御説明をするということは差し控えさしていただきたいというのが希望でございます。 それからなおつけ加えますと、との領収証はただ一枚ずつあるのじゃございませんで、御承知のように、日付を追って一連番号でとじてあるものでございますので、そういうふうなものがその問題になった四月十九日の事態をかりに立証する必要はないというふうに普通常識上考えられますけれども、それ以外の日に日通の関係者がその料亭を使用してどういうふうな会合があったかということを日通事件の情状ないしは犯罪の成否ということを立証するために将来公判廷に利用することは十分に考えられますので、そういうふうなものの一部にそういうふうなものが存在しておるというふうなことから考えまして、ここでその内容を私の立場から申し上げるということはやはり将来の公判の状況を考えまして適当でない、こういうふうに思うわけでございます。
○亀田得治君 それは、何もこの領収証に限らず、あらゆる証拠物について言えることなんです。証拠物それ自身からわかるということ以外に、いろいろなルートでわかる可能性というものは、これはあるわけですよね。ただまあやはりここは、国会で審議しておるのは、やはり法務行政の中の一つの秘密の保持とか、これは重大な問題なんですね。そういう点についての論点を深めてみたいと思っているわけなんですね。そのためにこれはお聞きしているわけですから、その便宜のためであれば、せっかくあなた一般に番号まで公表されているのだから、それが合っているのかどうかということくらいは明確にしてもらいませんと、いやそれは違っているのだということなら、これはまただいぶ事態が違うわけでしょう。こちらの糾明したいという考え方なり立場なり、それが合っておる合っておらぬということは、これは相当重大な問題なんです。だから、これは何も別に私は、日通事件の検事側の訴訟活動に不便が起こるとか、そんなものではないと思うのです。国会の審議の便宜のためにも、これは私は明らかにしてもらわなければいかぬ。一切捜査に関したことはもう言わない、そんなことは私は無理だと思うのです、そういう立場を突っぱねるのは。これは国会と司法との関係にしても、学者によってはそれはもう非常に広く解釈する人もある。裁判所で便宜やっていることでも、遠慮なくやっていいのだというくらいの主張、これはきわめてわずかですよそんな主張する人は。われわれはそういうふうな主張まではとりませんが、そういうことなんですからね。いわんや、検察側の持っておる証拠の、しかもその一部の点について、国会の審議の必要上それを確かめる、一切言わない、そんなことは私は間違っていると思うのです。従来どうもそういうことで逃げられる傾向が強いんですけれどもね。本件の場合には、そういうやりとりではこれは進まないわけなんです。だから、それはおっしゃってください。大臣の了解を得る必要があるなら、それは得てもらったらいい。そんなことは何も差しつかえないと思うんです。
○説明員(川井英良君) 国会の国政調査権に基づく御質問に対しましては、検察権といえども行政権の一部にすぎませんので、でき得る限りそれにお答えしていくというのが私どもの態度であるということは、私もよく了解いたしておりますので、本日の御質問に対しましても、支障のない限りできるだけ御質問に対して詳しい答弁を申し上げるというつもりでおります。ただ問題点は、ただいま申し上げましたような事柄のほかに、実は三田という人からこの領収証の内容等が漏れたというのは、押収領置しておった者が漏らしたんではないかという容疑をもって、国家公務員法違反の疑いで告発状が出ております。したがいまして、告発があった以上は、この内容につきまして捜査をする段階に相なっておりますので、私はこの告発を捜査する段階におきましては、今日検察庁に領置保管されておる、ただいま問題になっておる領収証の存在並びにその記載の内容というふうなものは、この事件の捜査上非常に重要な証拠品になるんではないか、こう思うわけでございますので、その番号が巷間伝えられておるものの番号と現実に領置されておるものの番号が合っているかどうかというふうなことは、この告発事件の将来の捜査を決するきわめて重要なポイントだろうと、こういうふうにも考えられるわけでございますので、具体的な事件の捜査に直接関係のある証拠物件であると、こういうふうなことが言えますので、そういう面からも、先ほど申し上げましたような理由にあわせて、今日の段階でその内容をここで公にすることはお許しをいただきたいと、こう思うわけでございます。
○亀田得治君 まあ、いろいろ理屈を言われますけれども、その番号について明確にお答えになったからといって、国家公務員法違反の告発事件ですか、その捜査に支障があると、そんなことはぼくは考えられませんよ。すでに過去のことなんですから、見せたか見せぬか。ちゃんとあなたのほうじゃその領収証も持っているわけですしね。小細工をして被疑者と思われる人が番号をどうしようもこれはないんですからね、どうしようもできませんよ。だから、そんな理屈にならぬような理屈を言われたって、それは全く筋が通りませんよ。 そこで、これは任意提出をさせたと言われましたが、これはいつですか、領置したのは。
○説明員(川井英良君) 七月の上旬のことであります。
○亀田得治君 そういたしますと、池田正之輔代議士の捜索をされたのは六月二十四日ですね、どうですか。
○説明員(川井英良君) そうです。
○亀田得治君 これはどことどこを捜索されたんでしょう。たとえば番地などは要りませんが、家とか事務所とかそういう表現でけっこうですが。
○説明員(川井英良君) 池田さんの東京の自宅、それから議員会館、それから郷里の自宅など、数カ所を捜索いたしております。
○亀田得治君 領収証自体についてはなかなかお答えにならぬようですから、その周辺のところをでるきだけお聞きしておきたいと思いますがね。「花蝶」にそのような書類があるということを見当をつけられたのはどういうきっかけなんでしょう。捜索の結果、いろいろ文書が押収されました、その関係からそのような見当をつけて「花蝶」に任意提出をお求めになったと思うのですが、その辺はどうなんでしょう。
○説明員(川井英良君) この問題になっている料亭は「花蝶」(かちょう)と読むようでございますが、その「花蝶」は、日通関係の事件を捜索してみますと、日通の幹部の人たちがかなりよく利用している料亭の一つであるということがわかってまいりました。そこで、七月上旬の前にも「花蝶」につきましてその会食関係の書類の提出を求めて、そうしていつ幾日には日通幹部の人がどういうような人とそこで会合を持ったかということを捜査の必要上明らかにしてきたわけでございます。 それから、いまの池田さんのいろいろ家宅捜索をいたしまして、さらにまたいろいろの資料が入ってまいりまして、それに基づきまして昨年から本年にかけまして事件になった後においても日通関係者が「花蝶」を利用していろいろ会合をしておるというふうなことが予想されましたので、引き続き「花蝶」についてその後における最近に至るまでの会食関係の資料を取り寄せて検討をして、そうしてどういうふうな機会にどういうふうな人がそこで会合をしておったかという外形的な事実を固めたわけであります。その押収いたしました、「花蝶」からの領置いたしました書類の中に、その四月十九日にいま問題にされておりますような三者の会食関係があったということが一応明らかになってきたと、こういうふうな報告を受けております。
○亀田得治君 そうすると、「花蝶」に対して任意にお調べになったのは以前にもあるということのようですが、それはもう少し以前というのはいつごろのことなんでしょう。会食事件は四月十九日ですね。それ以前のことですか。
○説明員(川井英良君) それ以前にもあります。
○亀田得治君 しかし、四月十九日以後は七月一回だけですね。
○説明員(川井英良君) 六月から七月にかけて三回提出を求めております。
○亀田得治君 六月から七月にかけて三回提出を求めた、そうするとそのつど要求した書類が向こうから来ておる、したがって三回出ておる、回数で言うと。さっき、七月になって初めて——七月は本件の領収証の入っている部分という意味だったかもしれませんが、それ以前はそうすると二回来ているわけですね。
○説明員(川井英良君) 大体そのとおりでございますが、内容を詳しく申し上げることはやはり適当でないと思いますが、その領収証関係以外の書類も実は領置の中に入っているわけでございます。ですから、問題になった四月十九日の——四月分の領収証は七月に入ってからの機会に提出があったという意味でございます。
○亀田得治君 六月、七月はわかりましたが、それ以前には、任意の調べはしたかもしれませんが、提出までは求めていないんですね。
○説明員(川井英良君) そこまでまだ報告を受けておりませんけれども、この事件は去年の十月下旬から検察庁の捜査が始まっておりますので、おそらく詳しく報告を求めれば、それ以前にも同様の利用されたと思われるいろいろな料亭等につきまして同じような趣旨で同じような書類の提出を求めておりますので、おそらくそれ以前にも「花蝶」についてあったのではないかと、こういうふうに思っております。
○亀田得治君 それはしかし、どうもはっきりせぬようですね、「花蝶」については。それでお聞きしたいのは、六月から七月にかけて三回、そうするとその時点では池田さんもすでに検察庁で調べ済みですね。私たち伝え聞くところによると、池田さんは最初検事に会ったときに、こういう会食をしてちゃんと事件については了解を得ておるようなことを言われたやに書かれておるものもあるんですね。それから捜索が六月二十四日、関係書類が池田さんのほうから押収された、その中にもこういう会食に関するものがあったように、さっきの答弁もちょっとそういうふうに聞き取れたわけですが、だから結局それらのことを総合して、七月に検察庁がともかくこの池田、井本この両者の関係というものをはっきりさせたいということで本件の文書を提出させ領置したようにとれるわけですね。目的がそこにある。ほかの文書もあると、こう言われますけれども、それはついでに、これだけじゃあまり露骨であるからね。そういう目的で本件文書が検察庁に押えられたように思うんですが、その辺のところはどうなんでしょう。広く一般的に日通事件、それに関係のあるもの、こういうことで領置したということなのか、目標をしぼってそうして領置した——後者のようにとれるんですがね。いろんなものを読んでみると、検察庁のそういう特別の意図というものがそこに働いていると思う。そのことが私は後のやはり秘密漏洩ということにつながるんじゃないかと思いますので、そこを聞くわけですが、どうなんでしょう。
○国務大臣(赤間文三君) お答えを申し上げますが、私のところへ参りました報告によりますならば、今回のいわゆる総長会食問題に関連して、ことさらにその事情を明らかにするために「花蝶」から領収証を押収したというようなことはないと、総長問題を明らかにするためにことさらにそういうことをしたのではない、その報告を私は受けております。ただ東京地検は、日通事件の証拠固めの必要から、日通の幹部がしばしばさきにも刑事局長が申しましたように利用していたと認められる料亭「花蝶」について、関係者の会合の状況等を明らかにするために、関係帳簿書類の任意提出を受けてこれを領置したのでございます。その書類の中に会食関係の書類も含まれていた、こういうふうな報告を受けております。
○亀田得治君 それは、大臣に対する報告はそういうふうになってきますよ。何か特殊な目的でやっているようなことを、そんな文書に書いてあなたのところへ来るはずがない。だから、大臣はやっぱりその裏、奥のほうをもっと見抜くように努力しなければ私はいかぬと思う。それで、さっきの刑事局長のお答えから、大体私はこれは間違いないと断定していいと思うんですが、日通事件の捜査は昨年からですからね。そういういろいろなつき合いとか、そういうことを調べていくのは、これはずっと遠回しにやっていくわけですね。捜査としては当然必要なことでしょうけれども、しかしそれは全部終わっていると私は思うんです、五月ごろまでにそんなことは。全部終わっていなければならぬのです。もう五月段階では、全体の事件の模様から見ると、ほとんど大部分と言っていいほどずっと当たっているわけですからね。それを、六月、七月にかけて初めてこの「花蝶」の書類を領置した。これは私は、そんな必要なものはもっと早くやっておけばいい、もっと早い段階で。ところが、その後池田代議士——検察庁にしてみれば、私はわかると思う、気持ちは。あとからまた触れますけれども——逮捕しようと、こういう請求を上司のほうへ出したんでしょう、東京地検は。検事総長はそれに反対、はっきり言っている。大臣は、きのうの答弁を聞いていると、いや最後には全会一致でこうなりましたというようなことを言うておるが、それはまあ最後の形であって、ともかく検事総長は反対。そんなことはみんなどうせ伝わるものです、第一線の検察官にも。けしからぬと、これだけ一生懸命にやっているのに。そういうところが波及していって、それが領置されているのと違いますか。傍証的なものですから、必要性のあるものならもっと早い段階でやるべきものだ。あの劇的な検察庁の論議があって、それから初めて本件文書が領置されているのです。検察庁もその前には知っているようですね、家宅捜索以前に。それはおそらく池田さん自身が捜査官に言ったんじゃないかと書いておるマスコミもありますね。だからそこに本件の根本のところがあるわけでして、私は、これは大臣がそんな報告書をもらって、そのとおり読んでおるのじゃなしに、なぜ家宅捜索があって初めてこういう文書が領置されるに至ったのか、そこをもっと糾明してもらわなきゃいかぬですよ。一般的と私はどうしてもとれない。一般的ならもっと早くあるべきです。刑事局長は専門家だから私の意見には同意されると思いますが、もっと早い時期にそんな間接的なものは集めておくべきです。この時期というのは、つまりしぼっているのだから、けしからぬひとつやっつけてやれと、そうでなきゃこんなことに普通はなりませんよ。どうですか刑事局長、あなたの経験からいってどうです。
○説明員(川井英良君) たいへん御質問がじょうずなために、だんだん捜査の内容をしゃべってきたおそれがありますので、こちらもだんだん注意しなければいけないと思っておりますが、日通の関係者が「花蝶」を利用して、池田さんの問題を度外視しまして、それ以外の人たちと会合しているということは、早い機会にわかっております。したがいまして、「花蝶」につきましては、かなりその早い時期の書類を取り寄せて検討しておるということも、仰せのとおり捜査の常道でありますから、当然のことでございます。ただ、その後になりまして、引き続き事件が問題になった後、たとえば福島とか、西村とか、池田個人とかいわれるような幹部の方が逮捕された後においても、この事件のあと始末とかないしはその対策をめぐって同様「花蝶」を日通のほかの人たちが会合の場所として利用しているということがわかってきたわけでございますので、その後におきまして引き続き最近に至るまでの分の関係書類も三回にわたって押収をした、こういうことでございます。そういうふうなものの中に、先ほど申し上げましたようにもちろん四月の分も押収しておりますので、点検をしてまいりますというと、四月の分もそこに入っていた、こういうことでございますので、決して、大臣が先ほどはっきり申されましたように、東京地検が四月十九日だけをねらって、その事実を裏づけるために格別提出を求めて領置をした、こういうふうな関係では事実はないわけでございます。
○亀田得治君 事実はないわけでございますと、きわめて断定されますけどね、それは刑事局長もそういう報告を聞いて言っているわけで、そういうふうに聞いていますという程度ですよ。これはおいおいいずれは明らかになることなんでしょうけどね、やっぱり聞いておる程度にお答え願わぬと、あんまり断言されると、あとからやっぱり困ると思うんです。そこで、たとえば「財界展望」の社長の鳥飼さんという方がおりますね。この方は、領収証のコピーを見たと、自分が見たと言う。それによって領収証の番号等を書いておるわけですね。見たと言っているんですよ。これはおそらく関係書類として刑事局長もごらんになっておると思いますがね、この鳥飼さんの書いておることを。これはどういうふうにあなたは理解しますか。領収証のコピーというのですから、まさしくその領収証は、これは検事総長が持っておるのでしょう。これからちょっと確かめたいと思うんですが、どうなんですか。
○説明員(川井英良君) 検事総長に確認いたしましたところ、総長が領収証を保管しているそうであります。
○亀田得治君 それはどういう形式で確認されたのでしょうか。あんまりそういうこまかい、多少私的にわたるかもしれぬようなことを聞きたくないわけですが、これもちょっと重要ですからね。「あなたは持っておりますか」と聞いて、「持っておるよ」という程度なのか、ちゃんとものを見せられての話なのか、どっちなんですか。
○説明員(辻辰三郎君) 私が官房長といたしまして、検事総長から領収証を見てまいりました。総長が保管いたしております。
○亀田得治君 それは何でしょうか、名あてと日付はどうなっているんですか。あなた見てきたとおっしゃるが、これは検察庁で押収している文書でもないですからね、おっしゃってもらってけっこうだと思います。
○説明員(辻辰三郎君) 名あては井本様となっておったと記憶いたします。日付のほうは、ちょっと私いましかとした記憶がございません。
○亀田得治君 領収証の番号がえらい問題になっているわけですがね、その領収証にはマスコミに流されておるようなのと同じ番号が記載されておるわけですか。まああっちに対する質問と一緒ですけど、あっちのやつは検察庁にあるから言えない。あなたのほうはそうじゃないから、それはお答え願いたいと思います。
○説明員(辻辰三郎君) 公給領収証の用紙でございましたが、その番号が何番であったか、私は現在記憶いたしません。
○亀田得治君 それはやっぱり辻さんともあろうものが少しうかつじゃないですかね。これだけ騒がれておるときに番号があなたはっきりしないとはね。何かほかの領収証を見せられて帰ってきたのじゃ、これは話にならぬものね。そういうことも、まあ検事総長ともあろうものがそんな変なことはされぬと思いますけれど、しかし番号まで、漏れておる番号は辻さんが見た番号と違うということになれば、それは番号見たと言うけれども、いいかげんな見方だとこうなるんだよ。告発事件の扱いとしては非常に違ってくるわけです。実際にあなたは見ておるのでしょうかね、見てませんか、番号。
○説明員(辻辰三郎君) ただいま申し上げましたとおり、この公給領収証、相当のけた数の番号でございましたので、正確に番号までいま私記憶をいたしてないと、かように申し上げておる次第でございます。
○亀田得治君 大臣は、記者会見のときに本件について記者諸君から聞かれて、経過をよく調べると、こういうふうにお答えになっておったようですね。それはどういうふうなやり方でお調べになったのでしょうか。
○国務大臣(赤間文三君) 私直接でなくて、私の知った人に調べてもらいました。こういう実情……。
○亀田得治君 おしまいのほう、ちょっと聞こえなかったのですが。
○国務大臣(赤間文三君) 私自身が調べずして、人から聞いてもらったと、他人に調べてもらったと、こういう事実でございます。
○亀田得治君 ずいぶん大臣何か言いにくそうに言われますが、その辺をこれは刑事局長もおそらく大臣の命令とあれば調べることについていろいろ検討されたと思いますが、特捜の検事さんについて調べた程度ですか、どういう調べをしたのですか。告発事件とまた関連があって言えないというようなことをおっしゃるかもしれませんが、告発事件よりも、ともかく社会的に問題になり、国会で問題になっている焦点ですから、こっちから言いますと。たとえば、鳥飼さんが、私は見たと、こう言うておるのでしょう、領収書のコピーを見たと。これはあなた、それが事実であれば、鳥飼さんに参考人に来てもらって、堂々とああいうふうに書く人ですから、そんな何もいまから悪びれる必要ないのですから、これは聞いたらどうですか。見たと、そしたら君はだれから見せてもらったか、こういけば一番端的でいいんですよ。そういうことをおやりになっておるのかということを実は聞きたいのです。
○国務大臣(赤間文三君) 私は、だれにどういうことを尋ねたとか、そういうことはこういう席で申し上げたくないと考えます。ただ、私が調べたのは、いろいろな話が人によって行なわれておるが、私として知りたいと思う、こういうことについては、私の大体納得のいくだけ調べた。たとえて申し上げるならば、こういうものは派閥関係で地検の内部から出たんじゃないかとかなんとかいううわさが一部にありました。そういう点については、私は厳重に調査をやって、そういうことはない、地検の内部からそういうものが出たことはない、こういうことを私は私の調査の結果そういう結果を得たので、その他いろいろな問題につきましては、私は自分の必要と思う部面については調査をいたしました。全部については、私はだれがどう言うた、かれがこう言うたということを一々調べるというようなことは考えておりません。私の必要とするところについては、私は、私の知った、さきに言いましたように、自身ではないが、人に調べてもらった、その報告を聞いた。報告を聞いたけれども、まだこれはあやふやじゃないかというものは、さらにまだどうだろう、さらにひとつ調べてみてくれということで、私の納得のいくまで私はこれを調べてもらった。ただ、どういう人間を使ってどんな調査をしたかということは、私はこの事件はまだいろいろな関係がありまするので申し上げることを差し控えたいと思います。
○亀田得治君 そうしたら、こういう点は大臣どうでしょうか。ともかく鳥飼さんが堂々と、自分はコピーを拝見したと、こう言っておるのですから、これを呼んで確かめてほしいと私は思う。やってくれますか。実は、委員会等でも、ほんとうにこう問題を深めて調査するのであれば——委員会自体がそこまでやるべきだと思うのですが、しかし、その前に、法務当局自体が突っ込んだ調べをやるということであれば、そちらへおまかせしていいわけであります。そういう措置はとっていただけるでしょうか。ほかの抽象的なことはよろしいですが、ともかく鳥飼さんがそう言うておるのだから、その人を調べてほしいということ、どうですか。
○国務大臣(赤間文三君) 私が直接調べることには、私はそういう考えを持っておりません。
○亀田得治君 直接は大臣おやりにならぬようですが、刑事局長どうですか。端的でいいじゃないですか。それをやらぬと言われると、何かこう都合のいい調べだけやっておるような印象を与えてうまくないと思うのだが、どうなんですか。
○説明員(川井英良君) 行政上の調査というものには、おのずから調査の限界があろうかと思います。先ほど申し上げましたとおり、地検から漏れたものではないかというようなことで、ただいま名前をあげられました「財界展望」の記者でしょうか、そういうような人も容疑者の一人に指名して告発がなされておるというようなことで、いまこの問題の調査関係は検察当局の捜査の段階に移行しておりますので、私といたしましても、ジャーナリストの一人についてそのニュースソースを行政上の調査の一つの手段としてこれを聞き取るというようなことは、やりましてもほとんどむだでしょうということが当然予想されますし、また、そこまで行政上の調査としてやることはいかがかと、こういうふうに思われますので、私といたしましても、鳥飼さんですか、その人について事情を聞くというふうなつもりは、ただいまのところございません。
○亀田得治君 それはやってみなければわからぬですよ、むだであるかないかは。相手がそういうニュースソースまで言えないとおっしゃれば、それはしかたがないこともあります。しかし逆に、はっきりいろいろ説明聞けるかもしれぬわけですね。だから、そういうことについて消極的であるというところに、こうやはり検察庁内部の、くさいものにはふたをしておこうというふうなことが感ぜられて、どうもすっきりしないのです。だから、これはやはり大事なポイントですから、きょうのところはそういう答弁をされておりますが、やはりよく検討してください。 あまり領収証だけでやっておりますと、時間もたち過ぎますが、どうも答弁がすかっとこぬものですから時間をとるわけですが、十九日の会食の性格について若干お聞きしておきたいと思うのです。私も、当時出ましたマスコミに載っておる当事者の談話ですね、こういうものをずっとたんねんに読んでみましたが、福田、池田、井本と三人いろいろしゃべっておられます。新聞によると、多少違ったりしておりますが、全体から受ける印象としては、池田、福田、こちら側からともかく話かけてこのような会合になった、こういう印象を受けるのですが、真相はどうです。
○国務大臣(赤間文三君) 井本総長は昨年の十一月二日に検事総長に信任せられましたが、中旬ごろ、池田氏から就任祝いに招かれたことがあるのであります。その返礼として、井本総長が招いたのでございます。福田氏は井本総長と学校時代以来の友人である関係から、池田氏の意向もありまして、同様、井本総長が招待した、こういうことに聞き及んでおります。
○亀田得治君 どうもあとからつけた理屈のように思うのですね。返礼にしちゃ、ともかく期間があき過ぎていますわね、第一、時期が。忙しいからたまたまそうなったんだという説明のようですが、どうもあとからつけた理屈。第一、当時その日通事件と政界との関係、こういうことについて検事総長はあまり関心を持っておらぬかったようなことを言われるのですがね。法務大臣もそういうような説明を昨日もされておりますが、それではちょっと世間の常識にきわめて反するんじゃないですかね。昨年から捜査も始まって、そうして三月には田村元管財課長、これがいろいろな使途不明金の行くえなどのかぎを握っておる。その田村の逮捕もあり、その後社長の逮捕もあり、結局そのばく大な使途不明金の調査を始めているわけでしょう、田村の逮捕以後というものは。だから、そういう状態ですから、その中に政界との関係の金もあるはずだということがいろいろな方面で書かれておるわけなんですよね。ちっともそんなことを意に介しておらぬような大臣なり検事総長の談話なり答弁なんですがね。どうも一般の国民常識に反すると私は思うのですが、その点どうですか。
○国務大臣(赤間文三君) この井本総長が会食をやりましたときにおきましては、これは政界に波及するであろうというような考え方はわれわれは持っていなかった。これは政界にでも波及するというような考えは当時はわれわれは持ってなかった。これは事実問題。あとから理屈をつけるのでなくて、四月十九日ごろ、そういう考えはわれわれは持ってなかった、これははっきり申し上げておきます。
○亀田得治君 その辺が非常に微妙だと思うのですが、波及するかもしれんという認識はなければならんと思うのです、検事総長という立場の人であれば。波及するとは断定はできぬかもしれん、また、波及しない、そんなことを捜査中に確信しておったというならば、これはまたきわめて検事総長として不当な態度になるわけで、波及するかもしれんが、波及せぬかもしれんがと、やはり可能性というものは、公平であればそういう見方でおらなければいけない。どうも総長なり大臣の考えだと、波及せぬと思っていたというふうにもとれるのですがね。それじゃ私はちょっと、一つの予断だと思うのです。波及せぬと思うというようなことは予断。波及するかもしらんと思うのが——するとは断定できないわけですね、すると、確信していたということを言ってくれと言うのじゃないのですよ、するかもしらんなあというぐらいのことは、これは調べる者の立場としては当然持っていなければならんことだと思う。これはどうなんです。
○国務大臣(赤間文三君) ただいまお答えを申し上げましたように、その当時においては、との日通事件が政界に及ぶであろうとか、そういうふうな考え方はわれわれは持ってなかった。政界にこれが及ぶであろうというふうな考えは持ってなかったことをはっきり申し上げたいと思います。
○亀田得治君 及ぶであろうと言えば肯定ですね。及ぶと、及ぶであろうと。及ぶかもしれん、これは非常に弱いわけですね。そういう認識すらもなかったのでしょうか。
○国務大臣(赤間文三君) そういう認識とおっしゃいますが、要するに、その当時におきましては、これがどの程度拡大するのかどういう見通しかということは、ついてなかったのです、政界に関する限りにおきましては。ただ、正確に、厳重に脱税だとか横領とか、そういうふうなものを徹底的にひとつやるべきである、こういう考えはわれわれは非常に強く持っておりました。これがやがては政界に及ぶであろうとか云々というような考え方は当時持ってなかった、こういう意味でございます。それでおわかりのことと思います。
○亀田得治君 それは、及ぶかもしれんぐらいの認識は持っていたということじゃないと、どうもあまりにもずれているということになります。ともかく使途不明金、横領額を抜いてもばく大なものがあるわけでしょう。そんな甘いことで一線の検事はやっておりませんよ。 しかし、池田さん自体は自分がもらっているのですから、知っているわけです。検事総長は、善意にこちらは解釈して、知らなかったとしましょう。としても、池田さん自体は知っているでしょう。それはもちろん法的には違反なものじゃないという認識はあるかもしらんが、ともかく三百万というものを受け取っているということは、御本人ですからこれは一番よく知っている、認識しているわけです。で、井本さんと福田さんが非常に親しい。福田さんを誘うてそうしてこの会談、こういうことじゃないですか、池田さんが一番もう知っているのだから。だから、そういうことから、この会談の持ち方自体も、ぼくら最初新聞を読んだときには、ははあこれは、やはり多少言い方は、どちらが言いだしたのだというふうなことが、少し口うらの合わぬようなところがありましたが、あとから、うまく統一してしているなという私たち感じですね。 そこで一つ確かめますが、きのうも大臣は、四月十九日の会食の際には日通の話は全然出なかった、こう言われているのですが、これはほんとうですか。
○国務大臣(赤間文三君) その日通の問題は全然出なかったと、かように聞いております。
○亀田得治君 これは非常識ですね。前日には検察庁で自殺者が起きておる。福島社長の次男秀行さん。自分のところの建物でそんな事件を起こしておるんでしょう。当時の新聞はでかでか書いておるわけです。そういうさなかに検事総長、福田さん、池田さんが会うて日通事件について話が出ぬというのは私はおかしいと思う。当然これはだれだって出るべき話じゃないですか。ことに検察の最高責任者。あったことがないように言われますとどうもつじつまが合わぬ、常識的に。どうですか、そんなことはちょっと信ぜられませんよね。
○国務大臣(赤間文三君) そういう話が出なかったから、たびたび申し上げるように、これは全く個人的な会合である、私的な会合であると、こういうふうに私は考えたのであります。大いに日通事件を論じたか、あるいはいろいろな問題があたということを知るならば、単なる個人の問題でなくて、これはというので私は別の考えを持ちますが、全然日通の問題やなんかが当日出ていないという事実、それからまた、芸者があがったとか、また人の出入りの多いようなところで、私はそういうことと照らし合わせてみまして、全然日通の問題は出ておらないということを信じておる次第でございます。それで、私の聞いたところによりますと、井本総長は、当日午後七時過ぎごろから「花蝶」で二人の来客を待っていたところを、午後八時過ぎごろまず池田氏が到着をした、こういうことを聞いています。引き続いて福田氏が来席をせられた。話題は、池田氏が共産圏諸国の話をしたほかに全くの雑談。池田、福田両氏とも十時ごろ退席した。それで井本総長も直ちにうちに帰られた、こういうふうに聞いております。いろいろな点から総合しまして、これは日通問題を論ずるとか、あるいはいろいろな協議をやるという趣旨じゃなくて、単なる返礼のめし食いの会があった、かように私は承知しておる次第でございます。
○亀田得治君 芸者は初めから終わりまでいたわけじゃないでしょう。その報告書にその時間はっきりしておりますか。
○国務大臣(赤間文三君) 芸者の時間は、私はまだわかりませんです。どの時間おったかはっきりしておりません。
○亀田得治君 ちゃんとなすべき話が済んでそれから芸者と、こうなると思うんですよ。そんな大事なところはみんなぼやかしてある。だから、一方的な報告書なんというものは信用できませんよ。だから、やっぱり赤間さん責めたって実は無理なんだ、知らぬことなんだから。やっぱり三人来てもらって、ほんとうにわれわれ真相を明確にしたいと思うのです。あれだけの自殺者などを起こしておって、一体検事総長たるものがそんなことをちっとも話にも出さぬというのは普通あり得ない。私的な会合であってもそうですよ、大事件ですもの、あなた。ことに検事総長の立場から大事件です。いろいろな捜査もやっておるのだが、どうも自殺者まで出して相すまぬことをしたとかね。事件とは別ですよ、知っておるのですもの、それは。そうでしょう。それに対して政治の最高におる与党の幹事長が来ておる、話も出ぬというような、そんなばかなことは絶対にあり得ませんよ。それは三人来てもらったら、じょうずに話を聞いたら必ず真相はわかりますよ。だめですよ。(笑声) それからもう一つ、大臣のいままでの、昨日来の答弁聞いていますと、非常に気になるのは、検事総長は小さな殻に閉じこもらぬで、どんどん会食もやり交際したらいいんだと、こういうまあわれわれから言ったらちょっと開き直っておるような答弁を聞いておるわけですがね。これは私は、一つ間違いますと、全検事に与える影響非常に大きいと思っておるのです、こういうことは。決して検察官が狭いがりがりの法律家であっていいと、そういうことを私申し上げるのじゃないですけれどもね。いま起きておる問題についてそのような答弁をされるということはちょっとどうかと思うのです。昨日のようなああいう答弁で大臣いいんでしょうかね。地方の検事正は検事正でまた小型にしてそれをまねる。だんだんルーズになってしまいますよ。いいんですか、そんなことで。
○国務大臣(赤間文三君) 私は率直に私の考え方を昨日申し上げたのでございます。亀田委員も聞かれたと思いますが、私の考えでは、やっぱり検察官もこれは国家公務員の一員として公私の別を明らかにし、公私の別はあくまでこれはわれわれは明らかにして、また国民全体の奉仕者としてその職の信用を傷つけたりすることのないようにしてもらいたい、これはもう当然のことでございます。私が法務大臣として今日一番力を入れてきたのは、やはり検察当局の信用を高める、これが一番肝心のところであり、信用を落とすようなことは戒め、信用を高めることに全力を尽さなければならないと私はあらゆる機会に申し上げておる。しかも、申し上げるまでもなく、職務を遂行するにあたっては厳正公平で不偏不党を旨とすべき検察官としては十二分に思いを常にいたしておらなければならぬ、かように私は考えておるわけであります。しかしながら他面、検察官であるからといって不必要に私的交際の範囲を狭めて自己のからの中に閉じこもってしまうというような態度をとるということも私はそう感心すべきことじゃない。あんまりからの中に閉じこもってしまう。そうして閉じこもっておると、やっぱり世間のことがわかりにくくなり、視野が狭くなる。ひいては社会のいろいろな要請にこたえ、あるいは国民感情というものに即応した適正な検察権の実行ということにあまり閉じこもり過ぎると欠けるようなことになるかもしれない、そういうおそれは私はやっぱりあるんじゃないか、非常に重要な職務であるので、やっぱり国民感情というものは常によく離れないように身につけるという必要も検察にはあるんじゃないか、かように私は考えておる。それで、要は検察官の一人一人が健全な常識を職務に対する自覚のもとにみずからを持していく、こういうことが肝要じゃないか、かように考えておりますので、かように申し上げても、決して私はそう悪い影響を与えるようなことはなくて、厳正公平、しかもりっぱに公務員としての職務を尽くしていく上においては、私は私の申し上げることは妨げにならぬ、ある程度までそれを参考にしていただくことはいいんじゃないか、そういう考えを持っておるのでございます。なおまたつけ加えて言えば、たとえ親しかったとて、やっぱり職務は職務、親しいということは親しい、これは別であって、厳正公平に職務については私は断固としてこの国家社会の正義のためにやっていく、これがもう肝心かなめのところじゃないか。要するに、十分な覚悟でもって十二分に職務をやる、しかも国民全体の信頼を集めるといふうにありたい、これが私、大体の考え方でございます。
○亀田得治君 まあ今回の会食事件を弁護するためにそういう、これもまあ理屈を一生懸命おっしゃっておるんですよ。で、井本さんも記者会見でその種のことを言うておられますね。事実また井本さんは「花蝶」だけじゃなしに、赤坂の料亭あたりでも政治家に会うておられるようです。ところが、それは全部あなた、与党の幹部ばかりじゃないですか。社会党や公明党や共産党の皆さんの話も聞きたいからというてそんなことをされたというようなことは一つも聞いておりません。それじゃ、ただでさえ——いま検事総長は結局総理大臣によって採用されたわけですね、最終的には。だから、時の与党、政府とそして検察と、これがどうして中立公正にいけるか、これは人間である以上なかなかむずかしい問題なんですよ、制度上ね。一般論としてこれは心配されておる問題点なんです。それであればなおさら避けるべきなんです、むしろ任命権者とかそういう関係にある者は。しかし、まあその考え方によって、おれは職務は職務で厳正公平にやると、しかし、いろいろ人の話を聞いて視野を広めたいからと、本気にそう思っておるんならみんなとやらなきゃいかぬ。ところが、われわれが聞く範囲では、みんなあなた与党のえらい人と高級なところでめし食って話をしておる。それじゃあよけい社会が心配しておる厳正中立は守られぬ、これは。与党とくっついていくかっこうになるのです。そんなものなら一切交際しませんというふうに出たほうがまだいいくらいなんです。するのならもっと大っぴらにやらなければいかぬじゃないですか。第一、話を聞くだけなら検事総長の部屋でもやれる。だからね、四月十九日の会食事件を弁護するためにそんなことをあまり言われても、これは国民にはあまりぴんとこないのですよ。ことに私は、第一線検事に与えている影響、ショックというものをこれは直接耳にするのですよ。皆さんは軽う考えておられるようですがね。これはあなた、自分たちが一生懸命捜査をやっていた、まあ四月の月なんというものは非常に何でしょう、検事として一番苦労している時期じゃないですか。ところが、あとから聞いたら、与党のえらい人とうちのおやじが芸者あげて一緒に飲んでおった。これだけ聞いたって大きなショックですよ。しかも、池田さんの逮捕、検事総長が反対した、みんな結びつけて考える。そうして最終的には池田さん起訴になっておる。そういう人とうちのおやじが、こっちが夜通しやっているときに芸者あげて一ぱい飲んでおった。これはたいへんなショックなんですよ。そんなにショック与えていないと思っていますか、これはどうでしょう、大臣は。第一線検事に対する影響。
○国務大臣(赤間文三君) 事件の捜査や処理にあたって検察内部において種々真剣に意見の交換やあるいは密接な検討が行なわれておることはこれはまあ当然ありますが、検察といたしましては、一たん決定した方針については全員が欣然としてこれに従うと、こういう慣行がすでに樹立をせられ、実行をせられてきておるのであります。これが私が法務大臣として中でいろいろ議論——あるいは賛否、反対とか、いろいろのものがありましても、一たんみんなが知恵を出してきめた問題については一致団結してそれを守っていく。これがもう御承知のように検察多年の伝統になっております。したがいまして、いま仰せになりましたように、この問題で部内で不平が残っておる、あるいはぶつぶつ言う者がおるというようなことは、法務大臣としては聞き及んでおりません。外部からはいろいろなことを耳にしますので、私はそういう点は相当調べてみました、はたして不平があるのかどうかと。ところが、いま言いましたように、検察一体の原則で、不平を言うておる人間を私はいまだ聞いておりません。ただ、いつもわれわれといたしましては、ものをきめるには独善的に少数の者だけでいつの間にやら、研究もせず議論も少なくして、形だけきれいにきめるというようなことでなくて、十分ひとつ実質的に論議をかわして、世のため社会のためになる正しいものが行なわれるように努力してもらいたいというのがわれわれの考えでありまするが、大体そういう方角にいっておりまして、いま仰せになりましたように、きまったあとでも少しはぶつぶつ言う者がおるんじゃないかという御質問に対しましては、そういうことはない、私の知っているところではそういうことはない、かように私は承知しておりますので、御了承を願いたいと存じます。これは私がある方法によって調査してみたわけです。われわれはあくまで一体の原則でいかなければいかぬ、不平者があったり変なのがあってはいかぬ、そういうのをなくするのも私の一つの大きなつとめであるので、これは特にだれも調べろと言う人はありませんが、私は調べてみましたが、部内で不平を言うたりいろいろしている者は現在ない、かように承知いたしております。
○亀田得治君 ぶつぶつのほうは、われわれのほうが聞きやすいんですよ。大臣のほうにはなかなかそれは伝わってこぬ。だから、この点も事実をほんとうにはっきりしようと思ったら、やっぱり関係の検事など来てもらって、ざっくばらんにこれはもう心情を聞きたいと思っているくらいなんです。 最終的に二つ聞きますから、再質問せぬでもいいようにすかっとひとつ答えてください。 一つはね、派閥問題です。派閥があるとかないかとそういう抽象論じゃなしに、馬場検事総長がやめられて、その後任ということで現在の東京高検の検事長の武内さん、これが擬せられ、また東京の検事正には河井信太郎、こういうことがほぼ固まりかけて、それに対して検事長クラス五人それから検事正相当数、辞表を出しかねない険悪な空気になってきている。それで池田さんが乗り出してきて、佐藤総理に直接会ってそれをやめさせて、そして井本検事総長ができた、こういうことがはっきり言明されておるわけですね。全然ないことを、これほど重要なことがそんなにはっきり言われるものではなかろうと私は思う。当時は田中法務大臣ですから、実際田中さんにも真相を聞いてみたいくらいに思っておる。昨日廊下でちょっと会いましたから聞こうとしたのだが、もう逃げるようにして行かれて聞けなかったですけどね。これはどうなんです、実際。ほんとうにそういうことがないならないと、もっと筋道の立ったお答えというものがなきゃならぬ。大臣は、現在の法律では検事総長をきめるにはこうこうこういう手続でやると手続ばかり説明されておるが、手続どおりいっておらぬから問題になっているんです。だから、それに対するひとつ明確な所信を聞いておきたい。あなたのほうの法律の説明はいいですわ、検事総長をきめる手続の。池田さんがこういうふうにはっきり公に言明されておるが、それは一体どうなのか、そのことを聞きたい。それが一つ。 それからもう一つは、検事総長もいろいろ弁明されますが、ともかくあのような時期に会食事件が起きたということに対して国民が非難をしておるわけですね。一般的に検事総長が知り合いの人とどこでどういう食事をしたとか、そんなことな言っているわけじゃないんです。日通事件のさたかにあのような会食事件があった、そのことを問題にしている。もっとはっきり言えば、まあおそらく弁明でしょうが、この会食は四月の初めからきまっておったというようなことも昨日言われておりますが、国民の気持ちから言えば、たとえ四月の初めにそんなものがきまっておったのが真相だとしても、取りやめてほしいくらいな気持ちですよ。しかも、結果的には池田さんの起訴があり、結局は重要な被疑者と一緒に酒飲んでおったということになるわけでしてね。だから、全体としてこの会食事件に対してやはり法務当局としては国民に非常に心配をかけておるわけですから、遺憾の意を表するのがあたりまえだと思うんですよ。それを一つ一つ理屈を言うて、結局は何でもないんだと、こういうふうな言い方で済まされておりますが、それでは私はいけないと思うんですよ。結果論だけから見たって、検事総長、その当時日通事件が池田さんまでいくということを知らなかったと、それがほんとうだとしても、結果論から見たってあまり芳しいことじゃないじゃないですか。ほんとうの責任者というものは、やはり自分が意識しないでも結果が妥当でなかったらそれに対して遺憾の意を表する、それくらい大きなところがなければ私は納得せぬと思うんです。そういう立場で大臣のひとつ私は気持ちを聞きたいんです。大臣は九月二日の記者会見では、あんなものは小さなことである、こんなことを言うていましたね。私もそれを読みました。翌日は記者団から何か言われたのか少しやわらかい言い方をしておりましたが、何も一般の会食事件をだれも言っているんじゃないんです。日通事件のさなかにあのようなことが起きたことについて、これがあたりまえだという言い方で通るなら、これは国民は検察から離れるし、また一生懸命まじめに仕事をしておる検察官に与える影響も私は大きいと思う。だから、それに対する気持ちを聞いておきます。 以上二点。
○国務大臣(赤間文三君) むずかしい問題を二つほど最後に御質問になりましたが、率直にひとつお答えしたいと思います。 まず第一の点でございまするが、検察の人事は、御承知のように、法務大臣が、法務事務当局及び検察部内の意見を徴しまして、これを十分に尊重をしつつ大臣の責任において人選を行なっておるのでありまして、国会議員等がこれに介入する余地は全くない、こういうことをはっきり申し上げれば御回答に当たると思います。だれが何と言いましても、いまの重要な問題については国会議員等がこれに介入するという余地がない。これで非常に明確になったと考えております。 それから第二の点は、結果といたしましていろいろな論議を呼んだことについては法務大臣としてはまことに残念に思っておる次第でございます。いろいろな論議が起こらぬように将来十分注意していく、これが私の第二に対するお答えであります。こういうことになったことについては、非常に私は残念に思っております。
○亀田得治君 最後にお願いしておきますが、本日の質疑を通じましても、何といっても刑事局長、赤間さん、みんなこれは間接ですから、やはり問題を具体的に明らかにするには、もう端的に各当事者ですね、これを委員会に来てもらって明らかにしてほしいと思う。井本検事総長、それから福田幹事長、池田正之輔代議士、それからさらに田中伊三次代議士——これは前の法務大臣、それから武内東京地検の検事正、それからさらに質疑の中で出ました鳥飼毅、これらの人を呼んで、本日明確になっておらない諸点についてさらに明らかにしたいと思いますので、ひとつ委員長のほうに要求しておきます。
○委員長(小平芳平君) ただいまの点については、理事会で相談いたしたいと思います。
○黒柳明君 昨日からも質問をさんざん繰り返していますから、重複しないで二、三点聞きたいと思うのですけれども、要するに「赤旗」の記事、また「財界展望」の記事ですね、これはもう法務大臣が事務当局に今回の問題を調べさして、どこから出たか、十二分にここのところに対してもわかる範囲にお調べになったのじゃないかと思うのですけれども、非常に克明な内容で、私たち、内部からの機密漏洩ではないかと、このような疑いが非常に持たれるわけなんですけれども、ただいま局長から話のありましたように、三田某が「赤旗」と「政界展望」を告発しておりますし、また同じく三田さんが検察官も告発して、それも受理されている、こういうようなこと。まあそれは三田さんの個人的なものであるにせよ、私たちも同じような、機密漏洩ではないか、こういうような疑いを非常に強くするわけですが、この点いかがでしょうか。
○国務大臣(赤間文三君) こういう問題が検察官から出たという事実はないと、私はかように考えております。
○黒柳明君 私も、この投書や何か一ぱい来ますので、こんなものはあまり気にしていなかったわけです。ですけれども、この時点に至って、あまりにもこの内容が克明ですし、このことも、これはもう内部のだれかがこういうことを書かなければ書けないのじゃないかと、こういうような気がしまして、これは発信は七月二十七日の赤坂局になっておるわけですね、当然匿名です。それで、この時点において、私はいま起こっていることをすべてこの投書によって知っていたわけですけれども、投書を一々取り上げていたならば、国会の私たちの権威もなくなりますし、この真偽のほどもはっきりしません。ところが、いまになってみると、これがすべて合っていますし、合っているどころか、それ以上のことがここに述べてあるわけで、一、二分かかりますけれども、こういうふうに書いてあるわけです。「池田代議士の逮捕は検察陣上下をあげて一致の意見であったのに、意外にも検事総長はこれを拒否し、在宅起訴を命じた。その検事総長にこんなスキャンダルのあることを御存じですか。これは空前の不祥事です。一、池田問題は、検事総長を除く検察首脳全員逮捕の意見にまとまったのに、検事総長ただ一人これを拒否し、六月二十二日、二十三日、二十四日の三日間、夜を徹してもみにもんだ末、二十四日午後に至り、明日在宅起訴せよとの検事総長命令が下った。首脳陣一同これに従いはしたが、ただただあ然とするばかりでありました。二、その検事総長は、四月十九日夜、新橋の料亭「花蝶」において、公費を用いて池田代議士と遊興しています。部屋は「梅」、受持ち女中はとき、呼ばれた芸者は、一こと、小えん、小りん、染弥、小はぎの五人で、その支払い額は四万九百十円、公費を支払ったときに出された公給領収証の番号は百八十一万六千五百九十四番です。」——これは、「財界展望」で、先ほど亀田先生がおっしゃったのは四十九となっておるが、私はこちらのほうが正しいと思うのです。「三、その日、四月十九日現在では、池田問題を知らなかったとは言えまい。二月二十一日田村逮捕のころから池田の名前は浮かんでいる。三月十三日田村起訴、三月十八日田村再逮捕、四月八日福島前社長、西村前副社長逮捕、これで池田代議士の逮捕は必至となっている。四月十七日福島前社長次男飛びおり自殺、四月二十二日池田前副社長逮捕のことを考えれば、二人が芸者を呼んでめしを食った四月十九日がどんな時点かくらいばかでもわかるはずです。」、こんなふうに強い語調を使っておるわけです。「こんなことでは、一番国民から信頼を受けている検察の権威ははたして保てるでしょうか。この点を真剣に考えてください。」云々と、これはかなり続きます。これは内部からの問題だ、派閥も激しいというようなことも書いてあります。これは法務大臣がお聞きになった範囲で、内部の機密漏洩でもないし、お調べになった範囲では、あるいはお聞きになった範囲では、特殊な調査によって、そんな不満はない、こういうことでありますけれども、この派閥ということも相当あるというようなことがもう既成の事実のようにマスコミでは取り上げられているのです。私先ほど申しましたように、この七月二十七日の時点において、こんなばかなことはないと私はもう事実を否定してかかったのですけれども、残念ながらもうすでに相当前の時点においてそっくりそのままの事実があったわけです。そのあと二回も三回も、この人かどうかわかりませんが、同じ筆跡で私はおしかりの手紙をもらった。なぜこのことを事実なのにやらないのか、なぜあなたはこのことについて徹底的に追及してもらえないのか、このようなおしかりの手紙を二度、三度もらったわけですけれども、これはくどいようですけれども、こんな克明にいろいろな事実を知っておるということは、どうもこれは内部の人でなければ考えられない、ほかに考えられる余地はどこに考えられるか、私はこういうふうに思うのですけれども、法務大臣が、決して内部のことじゃないと——告発が受理されたわけですから、取り調べの段階においてこのことも明らかにされていくと思うのですけれども、その三田某のその検察官に対する告発がどのようになっておるわけですか、受理された告発状は。
○国務大臣(赤間文三君) ただいま捜査中でございます。この告発事件は捜査中でありますが、いまお読みいただきましたのは、私の私的の感じから言いますと、もう検察官の考え方と違う点が非常に多いような点があるので、どこから出たか、これまた非常に——われわれはもうずっと、すべてとにかく逮捕はあまり好ましくないので、逮捕せぬで調査するというのが検察庁の原則になっておるのであります。それで、証拠隠滅のおそれがあれば、原則に反して逮捕する、こういうルールできておるのでありまして、議論いたしましても、くろうと筋で議論する場合には、証拠を隠滅するおそれがあるかないかというのが猛烈な議論の対象になるので、あればどんなことがあっても逮捕する、なければ逮捕しないということでございまして、そういう点が会議において十分論議をされたように私は記憶をいたしておりまして、検事総長がひとり逮捕に反対するとかどうとかというようなことは、どうもくろうと筋では考えられぬのじゃないかということと、たびたび言いましたように、会議は全体会議でありまして、いままで全部全会一致でやっておりまして、権力で押えつけるとか、あるいはどうというようなことは行なわれておりませんので、そういう点も、だいぶわれわれと感じが何か違うような気もいたします。いろいろとそういううわさが非常にありますので、私さきに言いましたように、官吏としては機密漏洩ということは一番慎しむべきことで、私としてはできるだけの調査をいたしましたが、検察当局から機密が漏れたという事実は発見しておらない、かようにお答えを申し上げる次第であります。御了承願います。
○黒柳明君 くろうと筋のことは、私しろうとでわかりませんが、くろうと筋がどんなことをやっておるか、裏の裏のことはなお私たちはわからないわけです、まあそこら辺は意見がどうも食い違ってしまうと思うのですけれども。それで、またこれはちょっと前の蒸し返しになっちゃうかと思うのですけれども、要するにこれによると、在宅起訴まで、二十二、二十三、二十四日あたりに漏れたらしいのですね、内部によりますと。この事実は別としても、相当意見が伯仲したことはそうだと思います。さっき大臣も申されたように、意見を統一したらそれに従うというようなことですから、統一するまでには相当意見が出たのじゃないか、論議もかわされたのじゃないかと私は思います。また、投書によらなくても、ただいまの次男の飛びおり、さらにその翌日、その前後というものを見ましても、非常に意識的に日通事件の検察陣としてもよく調べておる。また福田さんは、きのうも、衆議院であったかと思うのですが、参議院の予算においての総理大臣の見解をかりれば、ホテルがあったから泊まったのだというお答えですけれども、客観的に言えば、日通の最高首脳と正月の三日なり二日なり同じホテルに泊まっていたということは、やはりどうしても国民に若干の問題点を提起したのじゃないか。それが四十三年の一月であり、しかもこういう関係性を見ると、この三人の方がこの四月の十九日に集まられたということ、さらに十一日もう一回あるわけですが、そういうことは、どうしてもこれはたびたび大臣がおっしゃった個人的なことだ、こういうようなこととしてはあまりにも問題がすっきりしないのじゃないか、はっきり国民に説得力がある御答弁じゃないのじゃないか、私はこう思うのです。客観情勢というものは、非常にやはり大なり小なりの疑惑を与える客観情勢があまりにも整い過ぎておる。それが、先ほど亀田先生もおっしゃったように、あとから、これはこういう就任のお祝いであり、またお返しである、こういうことをつけたのじゃないかという、また非常な疑惑をここに起こさざるを得ないような客観情勢が出てくる。ですから、私は、大臣がおっしゃったような個人的なことじゃ決してないのじゃないか、こういう気がします。まあ答弁をいただいたとしても、大臣のまた同じような答弁が返ってくると思うのですけれども、ひとつこの点も、先ほどの調査をさらに進めるわけですから、十二分にお考えになっていただきたいと思います。 それから、事実関係として、先ほど領収証のことが問題になりましたけれども、だれが払ったわけですか。まあ世間では一般にだれが払ったか言われておりますし、それから金額、これも出ていますけれども、だれが幾ら払ったわけですか、四月十九日のそのときは。
○国務大臣(赤間文三君) 払った人は井本総長でございます。金額は四万九百十円、こういうことになっております。
○黒柳明君 先ほどこの領収証番号あるいは金額と払った人がはっきりしたのは、やはり池田さんの事務所なり家なりを捜索したときのメモ、あるいは「花蝶」から押収した領収証がこのようなことになっておる、こういうふうにおっしゃいましたけれども、井本さんは張本人で、お払いになったわけですから、この領収証を持っておる、こう了解したいのですが、この点はどうでしょう。
○説明員(辻辰三郎君) 先ほど申し上げましたとおり、この領収証は井本検事総長が自分で保管をいたしております。
○黒柳明君 そうしますと、その写しがあれば、現品のほうは見なくても大体わかると思うのですけれども、やはりこれだけの問題ですから、当然現品であるものをお調べになられた、こう思うのですけれども、その点いかがでしょうか。総長の持っている領収証そのもの、本物というものは手をつけてないわけですか。
○説明員(辻辰三郎君) 総長が保管いたしております本件の領収証は、私が見てまいりました。
○黒柳明君 まだ持っておるわけですか、どうなりました。
○説明員(辻辰三郎君) 井本検事総長が保管いたしております。
○黒柳明君 やはり保管しておることを、検事総長ですからやましいことはないと思いますけれども、写しよりやはり実物というものを中心にしてこれからお調べになられたほうがいいと思いますし、またこの番号あたりもどうなのかということがこれから問題である、こういうような局長の発言もあったわけですから、まあ検事総長を取り調べるなんということはいきませんけれども、そういうことについても、ひとつすみやかに現品の領収証を、やはり調査しているそこの現場において保管したほうがいいんじゃないか、私はこういうように思います。そうじゃないと、何か世間で、番号が違っている、そういう記事が出されて、それについてがたがた国会で質疑をやるなんということは、これは時間の浪費じゃないか、こう思うわけなんです。で、最後に私は、これは検察当局のやはり一大不祥事だ、こう思うのですけれども、法務大臣は、内部においては問題はない、こうおっしゃったのですから、私は、ここで総長の進退伺いはどうするのだと言われても、答弁はわかっているように感ずるのですけれども、法務大臣として、総長の進退についてどのようにお考えになっておるか。 それからもう一つ、これはわが党に関係したことですけれども、池田さんが酒田で発言したわけです。要するに国会議員百名が日通の関係でお金をもらっておる、公明党が一人入っている、このようなことも、これは公明党と池田さんとの関係性ですけれども、さんざん先国会において、国今議員の関係者の四十七名の名前を出せと、こう言われたわけですけれども、それに対して公表されなかった、こういうようなことがやはりこういう名誉棄損に値するような発言にもなってきたわけです。いまさら関係国会議員の名前を出せと言ってもちょっと時期おくれのような気がしますけれども、そういう要求に対してこたえていれば、こういうおかしな、百人いて公明党が一人いるなんという、こういうおかしな発言もしないわけですし、こういうことについても、当然法務大臣が何らかのやはり責任といいますか、あるいは留意する点もなければならないのじゃないか、こう思うのですけれども、この点についていかがでしょうか。
○国務大臣(赤間文三君) この井本検事総長の身分についての御質問でございまするが、問題とされております行為は、井本君個人の私的な交際の範囲に属する事柄と私は考えております。そこに非難すべきものが見当たらない以上、検事総長の進退について云々する考えは持っておらないことをお答えを申し上げます。 なおまた、さきの国会において明らかにしたとおりに、日通事件で問題となって、いわゆるリベートの中から政治献金を受けた国会議員は四十数名でございます。とのことから、お尋ねのことが事実かどうかはおのずから明確になる気がします。四十何人しかいない、かように考えております。四十数名しか国会議員は関係がないということで、私の答えを御了承いただきたいと思います。
○黒柳明君 ですから、公明党が一人入っているといって、某新聞に——誤報の記事だったと思うのですが、出たわけですよ。そのことも、結局国会議員の名前を公表していれば、そういう発言も当然ないし、そういう新聞の誤報も出ないで当然済んだ、これは明らかなわけです。ですから、要求があれだけあったわけですから、何らかの形でやはりその要求にこたえなかったことが、そういう発言になり、誤報にもつながってきたわけです。またもう一つ言うならば、中には公明党議員なんかいなかったんじゃないか、これははっきりしているんじゃないか、こうも質問したいわけです。
○国務大臣(赤間文三君) お答え申し上げますが、そういうことを一々申し上げますことは、私は個人の名誉等にもひいてはやはり関係がある、かように私は考えますので、それを発表するということは差し控えたい、かように考えております。また、どの党に何人あるとかというようなことも、私はそういうことはあまり言うべきでない、かように私は考えております。
○黒柳明君 別に答弁いただきません。もう池田さんから、公明党云々ということは、これは失言だったと、こういうことを確認していますからね。別にその問題は、私、大臣から答弁いただこうと思いませんけれども、まあそういうこともあったということです。以上。
○委員長(小平芳平君) ほかに御発言もなければ、本件につきましては本日はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時三分散会