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59回国会参議院1968/11/20

農林水産委員会 閉会後第4号

発言数
297
登壇者
32
会派数
3
開催日
1968/11/20

会議録

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  農林水産政策に関する調査を議題といたします。  これより質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 葉たばこ問題につきまして専売公社並びに農政局長に若干お尋ねをいたします。  まず第一に、葉たばこの減反政策について伺いたいのでありますが、四十四年度の面積は、去る九月九日から十日、たばこ耕作審議会の諮問を経て今日、七万七千九百二十六ヘクタールに一応決定をいたしましたが、さらに黄色種はそれ以上に減反を来たすことは公社も御存じのとおりであります。当初四十三年度当時、面積の八万七千四百五十ヘクタールに対し一万五千五百六十ヘクタールというばく大な減反を諮問し、さすがの耕作審議会もそれはあまりにも手きびしい、一挙に一七・八%の減とはあまりにもひどい、こういうことに相なったことは御承知のとおりであります。そして現在に至ったわけでありまして、このことは耕作面積の削減を諮問する政策的減反でありまして、審議会が設置されましてから私はずっと知っておりますが、初めてのことでございます。特に在来種とバーレー種は作付調整、つまり農家が自然廃作するものに対してその復活を認めないということによって調整をとるようでありますが、黄色種は一八・二%の大幅減反でありまして、事実上四千百町歩の減反になっておるのであります。出血減反であります。もし、これはことし一年きりだ、来年から自然減反だというお考えのようでありますけれども、もし来年産の葉たばこの価格の決定いかんによっては農家は採算がとれなければ、結局結果として自然減反という現象が起き、無理なくしていわゆる公社の言う自然減反という思うつぼにはまるというやむを得ない事態が生ずると思いますが、このような一見合理的であって残酷な減反政策を来年度になぜとらねばならないのか、その考え方なり理由についてまずお尋ねを申し上げたいと思います。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 御質問の数字が若干聞き取れない部分があったのでありますけれども、先生がお話のありました数字と、私どもが現実に公示しました数字とは若干違うのではないかという感じがいたすわけでございます。明年度の作付面積につきましては、現在の葉たばこの在庫がかなり過剰になってきておりますので、この状況を調整いたしますためにやむなく減らすということの提案を耕作審議会に申し上げた次第でございます。当初の考え方として諮問いたしましたのは、減らしましたあとも耕作農家の経営規模の安定ということを考えまして、ある数字を一年間減らしました後におきましては、二度と減反ということが起きないような数字というものを目途として考えたわけでございます。その諮問いたしました数字は、公示面積に対しましては十三・六%の減になる数字でございます。公示面積と実際の耕作と申し上げていい検査のときの面積とはかなり差があるものでございますから、検査面積を基準にして数字を計算いたしますと、それは七・九%の減になる数字でございます。いろいろ御審議を願いました結果、大筋は先生もいまおっしゃったとおりのことでございますが、在来種とバーレー種につきましては、いままでの自然廃作の趨勢を織り込みまして、廃作部分を継続耕作する人に追加割り当てすることはしないという考え方に基づきまして廃作率相応の公示面積の減というものをやりました。これはことし耕作されました検査面積に対しましては減反ではないわけでございます。公示面積に対してだけの減反数字でございます。それは在来種につきましては一一・二、バーレー種につきましては二九・五という、これははなはだ遺憾ながらバーレー種の耕作状況が衰えておりますために、廃作実績もかなり高いものであったわけです。黄色種につきましては対公示九・〇という減反率でございます。実質の検査面積に対しましては、これは七・七%の減でございます。七・七%の数字を諸先生が主張いたしました根拠になっておりますのは、廃作率と、廃作はいたしませんけれども、継続耕作される農家の方々のうちで耕作規模を縮小される方がございます。その縮小率との合計数字というものをめどにいたしまして、この七・七%の対検査面積に対する減少というものを御答申いただきまして公示をいたした次第でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 私はそういうことを副総裁に聞いているのじゃありません。どうしてこういうむちゃな減反を、特に黄色種はあなた方は三十八年から四十年の間はそれ増反増反と増反を奨励なさったでしょう。それが去年から減反を取り入れ、そうしてことしは大幅な政策減反になぜ踏み切られたか、その理由と原因を私は納得のいくような御説明がないから問題にしておるのでありまして、ちょうど米と同じじゃありませんか。米もことしの農林省の予算には増産政策をはっきりうたいながら、いまになって来年もこの調子でいけば五百万トン余るからたいへんだから作付転換だというようなことを一方的に言い出しておる、あなたたちのやり方も一緒じゃありませんか。米はまだ腐りもしませず、たいて食べられますよ。売ることもある程度政府は黙認しているかどうか知りませんが、ある程度流通します。葉たばこは葉っぱをおひたしにして食うわけにもなりませず、みそ汁の具にすることもできませんし、一葉一本といえども自由に売ったら手がうしろに回るじゃありませんか。たった二年前までは増産を奨励しながら今日黄色種については四千町歩をこえる出血減反を余儀なくするということは無定見もはなはだしい。その理由を、私は納得いく理由があるなら説明を聞きたい、こう言っているのであります。将来、ないないということは、価格の決定によっては廃作にもなるし、増反にもなります。だから近く審議会もおやりになるでしょうが、価格の諮問の審議会で日時、算定方式等々の関係においてこれはきまることであります。いま佐々木さんが将来二度と減反の起きないように配慮したいと言われるが、それでは四十四年度のたばこの耕作審議会に諮問する算定方式、価格、審議会の日程、そういうものについて具体的に述べてごらんなさい。それである程度の価格が維持されるならば自然減反といえども私は起きてこないと思いますが、それがことしよりも上昇がなかったりあるいは逆に引き下げが行なわれればたばこはこれはおのずから減反になる、それをあなた方はねらっているのじゃないか、こういう疑いを持つからこの際明らかにしていただきたい。来年度の価格を決定する審議会の日取り、算定方式、予定価格、それを発表願いたい。それがなければ納得できませんよ。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 初めにお聞きになりました減反問題につきましては、こういうふうに申し上げたいと思います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 あまり長い答弁をしないで、要点だけ質問したことに答えてください、時間の制限があるので。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) いま私どもが考えておりましたよりもフィルターつきたばこに対する嗜好が急激に伸びてまいりました。そのために原料として葉たばこが使われます原単位というものが落ちてまいったことがここ数年の状況でございます。したがいまして過去二年間の耕作面積はふやさないということで御了承願ってまいりましたけれども、ことしの五月、定価改定をいたしまして、相当な需要に対する影響が出てまいりました。ただいまのところ前年度対比伸び率は〇・五%ぐらいの数字になっているわけでございます。値上げによります需要の伸びの減少という事態がかなり明確に見込まれるようになりましたので、減反ということを提案することに踏み切った次第でございます。先ほど先生御指摘のように、価格が非常に大切な問題でございますから、私ども収納価格審議会のいまのところの計画では来月中旬の末ごろの十八、十九、二十ぐらいの日にちに行なうことを計画いたしております。算定方式につきましては、先生御承知の前年の算定方式を用いるよりしかたがあるまいといまのところ考えておりますが、なお、よく検討いたしてまいりたいと思います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 売り上げ不振になった原因はいろいろあるでしょうけれども、要は、あなた方が値上げをされるからですよ。これは副総裁の権限じゃないんですけれども、大蔵大臣その他からしぼられて国の施策として納付金の増額を要求される。そこで売り上げが不振になるんでしょう。それは農民の責任じゃないですよ。国家の政策がそうせしめているんですよ。あなたの御説明では納得がいきませんが、それでは私から申し上げましょう、言いにくいようですから。そのことをひとつ考えておいていただきたいが、外葉の輸入政策の導入のために減反政策がとられていることは間違いないと私は思います。何となれば従来は味とかあるいは香りとかのためにやむを得ず少量の輸入葉を外国からそれぞれ輸入される方針をとっておったものが、最近は本格的に香味のために、原料輸入から本格的な、葉たばこの原料を経済的に安上がりとするための輸入政策に切りかえられておるのでありまして、韓国からすでに十万トン試験輸入をあなた方はしているでしょう。フィリッピン、タイ、ローデシアその他あらゆる方面から輸入を計画しているではありませんか。香喫味のためにいままでは外葉の輸入が行なわれておったものが本格的な原料葉たばこを韓国その他から入れつつあるじゃありませんか。ですから一方においては値上げの圧迫によって在庫がふえて、また一方においては国産で増産が行なわれつつあるにもかかわらず、輸入がふえるから在庫がふえることはあたりまえではありませんか。ですからこういう政策がとられる限りは、私はますますそのしわを農民や専売労働者に——事実上減反は農民にとって首切りです。労働者にとって合理化は首切りにつながるのでありまして、そういう点から納得がいかないのであります。つまり、公社の長期計画というものにみずから狂いを生じせしめた責任は公社自体が背負うべきであって、その責任を農民に背負わすということは私は不当であると思う。したがって、最近は在来種でも簡易乾燥場を建てておりますし、黄色種の場合は特に三十アール分の葉たばこの乾燥場をあなた方は指導方針によってつくらせているわけであります。このごろでは一棟建てても四、五十万円かかります。そういうものをどんどん昭和三十八年からつくらせて、そうしていまさら首切りだということになれば、いわゆるあなた方が一方的に首切り政策をやるならば、これに対する補償も当然考えざるを得ないと思います。そういう面も考えてあなた方はおられるのでありますか。首の切りっ放し、そのためには価格を押さえていけば自然減反で手放すだろう、こういう政策で進められていくのか。少なくとも四十一年度の私の県の実情を申し上げますと、四十二町六反、古風な言い方でありますが、四十二ヘクタール余の大幅出血減反であります。長崎県も出血減反であります。それをいろいろ積み上げてみれば−自然廃作するものとつきまぜて個人的に積み上げてみませんとわかりませんが、相当の出血減が出てくると思います、黄色種について。このものに対してあなた方は全然手放して見殺しにするつもりでありますか、この点を明らかにしていただきたい。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 初めにお話のありました経済的な、本格的な葉たばこ輸入と申されました数字につきまして、韓国からは十万トンというような大きな数字の輸入はないはずでございます。いまちょっと試験輸入を若干やっておる程度でございますので、持っております統計数字に載っておりませんけれども、四十二年に輸入しました数字は二万キロでございます。何方トンという単位の数字の輸入にはなっていない次第でございます。私どもの現在の政策といたしまして、安い輸入葉をうんと使うことによって耕作面積を多く減そうという考えを持っておるものではございません。なお全国的に減反の幅を出します場合に、廃作ないしは減作と申しますか、耕作されても面積を減される方の実績というものを考えてやった次第でございますが、地方によりましては若干減作、廃作の現実の数字にはまらないという場合もそれは若干は起こり得るかと思います。しかしながらこれは調整可能なものと考えておりますので、特別に補償措置その他講ずる必要はないものと考えておる次第でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 いまも述べたように、特別に補償する必要はないとおっしゃいますが、あなた方が増反を奨励して乾燥場その他の施設をしているんですよ。副業程度にやっておるのと違いまして、主産地形成のあなた方の方針に即応して一町五反から二町の経営をしているんですよ。そういう地帯に住んでおる人たちは、大幅の減反を余儀なくされたら何に転換するんですか。現在米も転換をせい、葉たばこも出血減反をして何に転換せいと言うんでありますか。その乾燥場その他の施設は眠ってしまうんですよ。大体葉たばこというものは不生産なものでして、あの乾燥場は乾燥が済んだら物置きあるいは農器具置き以外にはほとんど利用できません。そういうこと自体が、承知の上でつくったとはいえ非常に農家の負担を重くしておりますが、いまのような無情なことで、あなた方はことしの出血減反のしりはぬぐわぬつもりでありますか。重大なあなたは御発言をなさいましたが、これは総裁にしかと承りたいと思う。今度も値段を安くして、そして片っぱしからその責任を農民に負わせていくという、そういう無情冷酷なやり方、しかも一葉一本といえどもみだりにこれを左右することはできない専売品ですよ。あなた方と耕作農民との関係は親子のような血のつながった存在ですよ。米などとは違った問題ですよ。公示面積も検査により抜条して縮小するよう指導監督し、農家もこれに協力して、そうして喫味緩和のためにはあまり品質の悪いものをつくらぬように自粛自戒して協力をさせておきながら、なお在庫が余ったから、だから四千百ヘクタールを削るんだ、そのものはいたしかたがないと、こういう、副総裁は総裁と打ち合わせをされてそういう御答弁をなさっておるのでありますか。もしそうだとするならば私どもは重大な決意をもって出血減反に対しては政府に損害を正式に求める行為、合法的な行為を起こさざるを得ません。普通の契約栽培や、米と政府との関係ではないんですから、あなた方が許可しなければつくれないものを許可を一方的に打ち切る。農民の合意を求めない。そういうことがありますか。いまの御答弁を繰り返される御所存でありますか。いまの御答弁は総裁と打ち合わせをして御答弁になったことでありますか、あなたの御一存でありますか。そういう御答弁では私は納得いきません。普通の作物と違うわけでありますから、もう一度御意向を承っておきたい。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 今回の減反措置に伴いまして特別の補償措置を考えないというのは公社の方針でございます。総裁が参りまして申し上げても同じことを申し上げるはずであります。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 これはいずれまた、そういうけしきばんであなたが御答弁になりますならば、私どももそのつもりで今後おつき合いをいたします。公社の方針だとおっしゃったわけですね、いわゆる許可をする専売品を一方的に首を切って……。労働者といえども首を切られたら退職金がもらえましょう。農民はあなた方に協力して、四十年も黄色種をつくって、在来種をつくっても何ら自然減反と称してなぐさめる道も講じない。あなた方が増産を奨励してつくったものは首の切りほうだい。そういう封建政治、殿様時代におけるちょんまげ政治をあなた方がお考えになっておるということでありますならば、何をかいわんやでありまして、われわれは他にしかとした合法的手段を講ずる。さらに専売公社の総裁の出席を求めて別の機会にこの問題については私はしかと申し上げます。いまおっしゃったことについてはよく承っておきます。  第二に承りたいことは、黄色種の許可規制と、収量規制措置について伺いたいと思います。あなた方は去る十月中旬に生産部長会議をお開きになりまして、そして黄色種の許可規制をはじめ構造改善事業等についても一つの方針を、面積配分についての考え方を示されました。その文書は昭和四十三年十月二十三日通達済みと聞いておりますが、それによりますと、構造改善事業につきましては、「所要面積については、別枠としてはずし、全国一律に縮減したうえに加えて、支部局ごとに配分する。」こういう方針を一応出しておいて、黄色種の許可規制というところで、「構造改善事業実施地区については、上記2項にかかわらず、認定を受けた計画に基き導入する近代化施設の規模、構造、設備能力等に照らし、必要最小限度の面積増加と新規耕作者の導入を認めて差し支えない。」いわゆる新規耕作者についての一つの例外規定を認めておられますが、「必要最小限度」とはどういうことですか、「認めて差し支えない。」ということは地方局長の裁量をさしておるのでありますか、この点もはっきりしていただきたい。「ただし、事業の実施を一年繰りのべることが可能な地区については、できる限り、繰り延べを図るよう関係者の協力を求めるものとする。」という方針を示しておられます。  一体、構造改善事業というものは昭和三十七年から実施をされ、前期一期を終ったのでありますが、農政局長にも伺いたいと思いますが、第二次計画はいかような構想で、またいかような内容でこれを引き継がれようとしておられるのでありますか。その際、基幹作目については、葉たばこをどのように今後取り扱われる所存でありますか。いま私が読み上げましたような、公社は減反政策に基づいて新規導入についてはなるべく繰り延べるように、そうして必要最小限度にということは、事実上やめよということにひとしい、そういう方針を持っております。一体、稲作を転換せいなどという虫のいいことを言って、一方においては葉たばこを減反させて、何をつくろうとそれはかってだと、めんどうも見てやらぬ。しかもこれには補償も何も考えない。労働者にも、首を切れば退職金なり一時金なりを支給するのがあたりまえでしょう。何十年間専売公社の言うなりに協力をした者に、いま言ったような無情なことをあなた方が考えておることを私は全国の耕作者に伝えたいと思います、それでよろしければですが。将来の構造改善事業というものを、太田局長から、たばこを基幹作目にするかいなかということと、その構想等について、基幹作目等との関係において、特に詳しくこの際御所見を承っておきたいと思います。やるのかやらないのかということから始まって、お願いいたします。

太田康二農林省農政局長

○説明員(太田康二君) 先生も御承知のとおり現行の農業構造改善事業は、昭和三十六年から四十五年までの十カ年の計画として発足いたしたのでございますが、おおむね予定どおり第一期の構造改善事業は四十五年度に終了する方針で現在取り進めておるわけでございます。そこで農林省といたしましては、従来実施してまいりました農業構造改善事業の反省の上に立ちまして、あの事業は御承知のとおり農業基本法第二十一条に基づく施策として実施をいたしておるというふうに理解をいたしておるのでございますが、現在の農業構造改善事業が農業生産の選択的拡大とか、あるいは農業技術の革新をはかって、生産性の向上には確かに効果をあげてきたのでございますが、経営規模の拡大を含むいわゆる農業構造の改善の上では必ずしも顕著な成果をあげていない。こういった反省があるわけでございます。そこで、いままでの構造改善事業の推移にかんがみ、かつ最近におきます農業をめぐる諸情勢に即応いたしまして、やはり規模の大きい、生産性の高い農業経営を育成する。これは自立経営の場合もございましょうし、協業経営、協業組織等の場合もあるわけでございますが、こういった生産性の高い農業経営を育成することを目標といたしまして、地域の農業者の自主的な意向に基づきまして、それぞれの地域の条件に応じた経営規模の拡大あるいは生産の組織化を通じまして、農業構造の改善を進める、こういったことに今後は主眼を置きまして、もちろん事業のやり方といたしましては、従来のように土地基盤整備をし、その上に経営の近代化施設をのせ、さらに農業整備事業というようなものもあわせて実施することによりまして、いま言ったようなことを目標として事業を実施してまいりたいということで、現在、総合農政の一環として農林省の部内で検討中でございます。そこで、目標がやはり自立経営農家の育成、協業経営の育成等が政策手段として用意されなければなりませんので、事業規模といたしましても、従来に比較いたしますとかなり大きなものになるわけでございまして、内容的には従来の御承知のとおり九千万円の補助金、三千万の融資というものに比べますとかなり大きな規模のものとしてこれを予算要求をいたしたいということで目下鋭意検討中でございます。  そこで、たばこを基幹作目として取り上げるかどうかということの前に、現在の農業構造改善事業計画においてたばこを基幹作目としておる地区についての取り扱いでございますが、専売公社のほうとも十分相談をいたしまして、われわれのほうといたしましては、この構造改善事業計画に従ってたばこを耕作する場合には、少なくとも専売公社の側で一方的に耕作許可面積の制限をしないという方針をとっておるつもりでございます。  それから将来第二次構造改善事業を実施した場合に、たばこを基幹作目として取り上げるかどうかという点につきましては、今後専売公社とも十分相談をいたしまして、将来需要が旺盛になると見込まれるようなたばこにつきましては当然たばこ耕作農家の所得向上のために基幹作目として取り上げる場合もあるだろうというふうに考えておる次第でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 公社は。必要最小限度とは何か、構造改善事業の。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 第二次構造改善事業におきましてたばこをどう扱うかという問題の基本は、いま農政局長がお答えになりましたとおりでございますが、私ども黄色種はかなりの困難がありましょうと思いますけれども、バーレー種等自然に廃作の行なわれることが著しいものにつきましては、これを需要に見合うまで上げる必要もあると考えておりますので、そのような品種によりましては事業に包含させていただくことが可能であると思っておるわけであります。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 何だかわかったようなわからないような、黄色種は基幹作目に入れるのか入れないのかということを聞いているのですよ。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 現在の過剰在庫状況が著しい黄色種につきましてはまずは困難ではないかと考える次第でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 生産部長通牒ですから生産部長に伺いますが、黄色種の許可規制の第三条、「必要最小限度の面積増加」と、構造改善事業については「新規耕作者の導入を認めて差し支えない」と言いながら、「必要最小限度」——差し支えないとは一体どういうことですか。あなたの通牒名ですからあなたに念のために聞いておきたいと思う。  それから、これは構造改善についていまの副総裁の御答弁とはやや食い違っておると思う。副総裁が言われた答弁がほんとうだとするならばこれはうそなんです。あなたの通牒はうそなんです、これは。「必要最小限度」とか「差し支えない」ということは逃げ口上で、黄色種は基幹作目に入れないということでしょう。はっきり御説明いただきたい。ていさいをつくろうことはいいですよ。農民をだまかすのもいいかげんにして、はっきりとさせたほうが農民に対して正直で親切だと思う。専売事業始まって以来しし営々として、今日こそ若干の値上がりを見ましたが、全く奴隷的な原始的な生活に甘んじて葉たばこ生産に従事した者に対して報いるにはあまりにもむごいではありませんか。しかも農林省は、いま構造改善事業の基幹作目にたばこを入れたいと言っている。しかも葉たばこの中心は黄色種である、日本においては。原料葉たばこの輸入依存に切りかえて、黄色種を基幹作目からはずそうとしておるではありませんか。この点も生産部長の責任において、「必要最小限度」「差し支えない」とは一体何を意味するか、はっきりと御答弁願いたい。

大塚孝良日本専売公社生産部長

○説明員(大塚孝良君) 構造改善の黄色種の許可規制にあたりまして、原則的には新規を遠慮していただきたいということと、継続耕作者の規模拡大は遠慮していただきたいということが最初の二つでございますけれども、構造改善については、それにもかかわらずこの新規を認めることと、面積をふやすことを認めましょうという意味でございまして、「必要最小限度」というのは、やはり必要な面積という意味でございまして、「差し支えない」ということは、地方局長に一応配分等の問題は——本社は地方局の全体をきめておりますので、その中の配分等を地方局長でやっていただきたいという意味でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 わからぬですよ。いまの答弁、何を言っておるのかわからぬ。このあなたが出された通牒の説明にはならぬと思う。いいですか、第二次構造改善事業で下から積み上がってきますね。基幹作目として積み上がってきますね。これをどうしようというのですか。はっきりしてください。

大塚孝良日本専売公社生産部長

○説明員(大塚孝良君) ただいま第二次というお話ですが、これは現在、継続中のものについて言っておりますので、第二次でなくて、三十七年から始まっておりますその計画の中で、現在継続中並びにことしから始まるという分について言っておるのでございまして、特に三十七年からの次の段階のことを言っておるつもりはございません。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 私が言っておるのは、昭和四十四年度の作付面積がきまり、それに対する黄色種の規制措置の一環として取り上げられておるわけでありますから、昭和四十四年から第二次構造改善事業をいま始めようと言ったでしょう、農政局長、だからそれを言われぬというのはおかしいですよ。おっしゃいよ。それは方針がないならない、これから考えるなら考える。農林省と打ち合わせをして、当初、たばこを基幹作目にすることについてはなかなかあなた方はうんと言わなかった。わが国の農政始まって以来、大蔵、農林両次官通牒によって、基幹作目協定ができたのは初めてのことじゃありませんか。それをいまさらあなた方は第二次構造改善事業に対してはしり込みをするのですか。あまりにもそれはひどいと思いますね。そういう考え方でよろしいのですか、四十四年度。そうすると同じ、葉たばこをつくる農民も果樹をつくる農民も米をつくる農民も、基幹作目となれば一緒ですよ。公社に所属しておるがゆえに、構造改善事業の基幹作目にも取り入れてもらえないという、そういう農政上の欠陥の責任をあげて公社が負うのですか。問題ですよ。私は四十四年以降のことを開いておるのですよ。大塚さん、またあなたが出されたのも、これは四十四年度の黄色種の規制措置ですよ。あなたが通牒を出されたのですから、あなたが答弁してください。

大塚孝良日本専売公社生産部長

○説明員(大塚孝良君) 私どもは第二次は実施が四十五年度と承っておりましたので、先ほどまで第一次の分で四十四年の分については申し上げたつもりでございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 四十四年であろうと四十五年であろうと、以降ですよ。第二次構造改善事業に対する基本方針です。そういうことにとらわれますまいな。以降のことですよ、第二次構造改善事業は。農政局長は、この問題の取り扱いについて公社と打ち合わせをしたとさっき言ったでしょう。どういう打ち合わせをしたのですか。

太田康二農林省農政局長

○説明員(太田康二君) ちょっと私の説明が不十分で、誤解を先生にお与えしたかと思いますが、実は構造改善事業の第一次は四十五年度で終わるわけでございます。そこで、明年度事業を実施する地区につきましては、現在計画が立てられておりまして、従来、一年計画、事業三年実施ということでやっておったわけでございますが、今年度計画を立てているものにつきましては、四十四、四十五の二カ年で事業を終了するという計画を立てておるのでございまして、第二次構造改善事業につきましては、四十四年度に計画を樹立しまして、事業着手は四十五年度以降ということで考えておるわけでございます。そこで、具体的にたばこ作農家のたばこの作付制限の問題につきましては、現在実施中のところ、あるいは今後実施するところ、それぞれあろうかと思いますが、先ほど申し上げましたように、私のほうと専売公社との話し合いにおきましては、基幹作目としてたばこが取り上げられておるところにつきましては、専売公社が一方的に作付の許可面積の制限をしないというふうに方針を立てておるのでございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 公社はそれでいいでしょうか。どうなんですか。

大塚孝良日本専売公社生産部長

○説明員(大塚孝良君) 第二次につきましては、先ほど農政局長の御説明にございましたように、四十四年に計画を立てるというお話でございますので、私ども今後農林省と十分お打ち合わせの上で検討さしていただきたい、こう思います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 農政局長ははっきりいま言明をされたでしょう。そうすると、あなた検討するって、専売公社は検討ということばがだいぶ好きのようですな。検討といって、それに基幹作目に入れる入れ方等についてはよく打ち合わせをして、検討するなら検討する、これならわかるのです、非常に。検討というと、入れるのか入れないのか、そのこと自体を検討するというと、へっぴり腰で、農林省と意見の食い違いがあるのですよ。

大塚孝良日本専売公社生産部長

○説明員(大塚孝良君) どうも説明がへたで申しわけございませんでしたが、入れ方等について検討さしていただきます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 単位面積の収量規制政策が、これは指導事項として出ておるようであります。この内容は、「収量規制の方法としては葉たばこの制限収量を定め、これを超過した場合には超過量の程度を考慮に入れて翌年度の耕作面積を調節するものとする。」という、まさに昭和の怪物ですな。とにかくここに示された資料によりますと、第一黄、第二黄とありますが、第一黄の場合は、岡山地方局管内は二百四十キロ、第二黄の場合は、岡山地方局管内は二百三十五キロというふうに、一黄、二黄との関係においては十キロ程度の差を認めて、これ以上取ったときには、その上へ出た分だけは面積に換算して削るという、翌年度の反別を。これを私は見て、これぐらいきびしく、非民主的で、ファッショ政治を再現したようなやり方は初めて見ました。この点について、先般関係者が公社総裁を訪問して、いろいろとその不当性について意見を述べて反省を求めたところが、指導事項であるからと言ってことばをにごされたそうでありますが、指導事項であるならば、なぜこれが指導事項である、目標であるとうたわないのでありますか。私は第一、この考え方は絶対に納得がいきません。あるいは新規耕作は認めない、既耕作者の増反は認めない、価格は押え、自然減反に持っていく、原料葉は将来外葉に依存をしていくという、そういう方針を打ち出し、しかもそれのみならず、余計取ったら、取った分は翌年の減反に回すなどという、昭和の時代に、今日の民主主義の時代に、こういう一方的なやり方というのは、かつて見たことがありません。公社はどのように反省しておられますか。これをあくまでも強行する御所存でありますか、御所見を承りたい。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 過剰在庫をかかえている状況でございますので、やむなく減反ということをお願いいたしました。各国の例なんかを見ますというと、耕作面積を制限いたしますと、単位当たり収量がふやされる傾向があるわけでございます。そのようなことになりましたのでは過剰在庫問題の解消になかなか役立ちませんので、収量につきましてもあまりに肥料をやって多く取るということは、品質上の問題もございますし、これを避けるように指導すべきことを通達したものでございます。どこかの具体的な耕作者の方が基準をこえましたから、その個人の耕作者の方にぴちっとはね返す罰則的なものとして考えているわけではございませんのです。一般に、収量が多くとれますというと、過剰在庫問題との関係上、明年、四十五年度割り当てます、計画します面積を減さざるを得ないということを申し上げているものでございまして、私ども、個人的に個人に罰則的にはね返すということではなくて、耕作指導員の指導を通じまして、あまり多過ぎる収量というものを目ざさないように、しっかり指導してもらいたいという趣旨を述べているのでございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 あなた方は何の権限が——そういう権限があるのですか。専売法の何条によってそういう権限を持っているのですか。耕作に対する許可権限も持ち、収量の制限も持ち、新規導入も認めないという権限も持ち、既耕作者の増反も認めないという、そういう権限は、一体何にあるのですか。専売法第何条にあるのですか。はっきりしてください。いつそういう権限をあなた方持ったのですか。あまり国会を侮辱してもらいたくない。たとえばいま問題になっている米の転換問題についても、いい悪いは別として、農林大臣みずからが農協その他と協議をしているじゃありませんか。専売公社が一方的に生産部長通達でそういうようなことができるということは断じて許せません。何言っているのですか。専売法第何条に基づいてそういうことができるというのですか。あまりにも非民主的であり、そういう専売公社の存在はわれわれは断じて容認できません。これは他の機会において重大な問題としてわれわれは追及することを申し上げますが、なお固執されますか。撤回をされますか。はっきりしていただきたい。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) たばこ専売法第六条の規定によりまして「公社は、たばこの耕作区域を定めて公告する。」ことになっておりまして、第七条におきましては、「毎年耕作するたばこの種類及び耕作面積を定めて、あらかじめ公告する。」ことになっている次第でございます。具体的な許可におきましては、第九条の二に、公社は、公告したたばこの耕作区域並びに公告したたばこの種類及び耕作面積の範囲内において、具体的な耕作の許可をすることになっている次第でございます。収量をなるべく押えていくというのは、指導でございます。法律上の問題としてやっているわけではございません。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 許可の権限は専売法にありますが、収量を押えたり、新規導入を押えたり、既耕作者の増反をいままであなた方は認めてきた、それを一挙にくつがえすようなことは認めてありません。収量を制限するなどということは、第何項にもありません。それではファッショ政治ですよ。官僚独善ですよ。いまあなたが読み上げたその条項のどこにも、収量の制限まで介入するという条項はありません。公社が反省されない場合、これはとことんまでわれわれは、来たるべき臨時国会、通常国会を通じて徹底的にこの問題を戦います。一般方の耕作者とも提携して戦いますよ。覚えとってください。そういう権限はありませんよ。いかにいま農林省が考えておる減反転作が問題になっても、あらかじめその団体と協議をし、打ち合わせをしていこうという、やはりある種の事前の話し合い等を通じて持っていこうという努力は、私は民主的な——事の当否は別として、内容の当否は別として、事の進め方ということについてはある程度民主的と言える。あなた方は一言でもこういうことを農業団体や中央会に相談したですか、たばこ中央会はこれをのんだんですか、打ち合わせをされたんですか。されたならされた、いつ幾日どういうふうにされて了承したというふうにおっしゃってください。——一方的でしょう。答弁願いたい。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) これらの問題につきましてはかなりの期間いろいろ耕作団体と話をしてきたことではございますが、(足鹿覺君「耕作団体とは何ですか」と述ぶ)耕作組合中央会と話をいたしました。ただし、耕作組合のほうから、皆さんがお受けになるということは実は御承諾は願えなかったわけでございますけれども、私どもの指導としてやることにつきましては、いまの段階においては御納得願ったものと考えておる次第でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 それは重大な御発言を聞きます。いつごろからたばこ中央会とこの問題について話し合いました。また、指導事項としてやることに了解を得たとおっしゃいますが、事実ですか。——委員長、理事のほうでも御尽力を願って、たばこ中央会長以下、この協議にあずかった人を参考人と招致して、しかとこれは追及していきたいと思う。ほんとうですか。いつからどういうところでどういう人たちと話されましたか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 耕作審議会というふうな正式な会合でお話し申し上げたわけではございませんです。事務的折衝をやったというだけのものでございます。事前に了解をしたかというお話につきましては、それは実は得られなかったのでございますけれども、現在の状況においては御納得願っておると考えておるのでございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 さっきの答弁とは違うではありませんか。耕作団体としばしば協議を重ねて了解を願っておると言ったではありませんか。いつどこでだれとどういう了解をとられたか、それを明らかにしていただきたい。あなたが一方的に言われて……。名前も場所も日にちも内容もおっしゃってください。いまの稲作の問題については新聞に出ますが、あなた方のそういう問題については一ぺんも新聞に出たことを聞いておりません。極秘裡に、非民主的に、もし中央会の幹部がそういうことをやったとするならば、これは耕作者に対する裏切りであり、専売公社がそういうことを捏造したとするならば背徳行為ではありませんか。第一、専売法第六条、第七条には何らそういう規定はありません。指導によってやられると言われますけれども、指導とは何ぞや。やっぱり農民はお上意識があって、ある程度指示されるとやはりついていきますよ。法律以上の実効をあげますよ。むちゃな話ですね。私はあなた方に言われなくても、たばこに関係を持つこと二十年、かつてこういう専制的な君主制を見たことありません。あなたはたばこ専売公社の実力者だと聞いておりますが、公社総裁をロボットにするのですか。公社の総裁はわれわれと常に話をするときには、あなた方と話し合いをしてやりましょう、話し合いをしてやりましょうと言っているではありませんか。大衆団体に出てきて常に話し合いを通じてやっておりますが、こういう大事な問題に対して、たばこ耕作会議や専売労組や民主団体や全国のたばこ耕作者に対しては、一言でも相談したことがありますか。中央会のだれといつどういう話をしたかおっしゃい、これはさっき言ったのだから。話せ、はっきり。承知しない。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 現実の問題としまして、正式の議題にさせていただくべく話をいたしましたけれども、その段階でなかなか了承を得られませんでしたので、私のほうの事務上の折衝は公式の記録がございませんので、いまはっきり日時等申し上げるわけにはちょっとまいりませんので、御了解願いたいと思います。ただ在庫過剰の状態にあるいまの事態等につきまして、これは放置しておくことができない問題であるということ、何らかの規制、減反等に議論されましたような案をはじめとしまして、この過剰状態を解消するためにまた何らかのことが要るということにつきましては、基本方針としては御了解を願っておるものではないかと思う次第であります。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 そんなことはね、副総裁、私はあなたよりたばこの歴史は古いのですよ、二十年この仕事に携わっているのですよ。最近の在庫がふえ、喫味緩和なたばこが必要であるということを知り、県やその他にも協力を求めて、あなた方から補助金は一文ももらわなくても、自主的に品種を選定し、公社に相談し、出先と相談し、喫味緩和だ、収量はなくても品種で、農民の所得を少なくしないでいいたばこをつくるということは、三年間もやっておりますよ。何を言っているのですか。われわれのそういう誠意も認めず、一方的に中央会の一部の者と懇談程度でこういう重大な問題を日にちも氏名も場所も言えないということはありません。おっしゃい。さっき中央会と懇談しほぼ了解を願ったというのだから、その氏名と場所と時間と議題をおっしゃい。それでなければ了承できません。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) お話申し上げておること若干説明が悪くて御了解願えない点があったと思いますが、私が申し上げましたのは、事前に御了解を得ることはできませんでしたということを申し上げたつもりであります。しかしその後折衝をいたしまして、いまはやむを得ないと考えていただいておるのではないかと思っておる次第でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 了解を得られなかったというのは、いつ、だれとどういうふうに話したか。いまは了解をしてもらったというのは、その場所は、時は、だれと話をしたのですか、それをおっしゃい、区切って。だんだんはっきりしてきた。こういう問題は不問に付すべきじゃない。大蔵官僚の独善もはなはだしい。文書にして、いつ、だれとどこでどういう話をしたか。それが話がつかなかった、その後指導上の問題としてはほぼ了解を願っておると理解するに至った経過、それを文書にして出しなさい。出せないことはないでしょう。だって農協と政府との減反問題については相当ガラス張りでやっておるじゃありませんか。しかも農協はこのことについて末端に意向を流して、末端から声を聞いておるではありませんか。事の当否は別として、手続を間違っておる。あなたは大蔵省の官僚のエリート意識に基づいてあまりにも農業団体を無視しておる。今日まであなた方に協力をした耕作者団体に対して報いる手段であるか、それが。文書で出せるか出せぬか、口で言えなければ。この約束を聞かなければ、断固私はこの質問を打ち切りません。委員長にもひとつ、いままでの経過から御了解を願いたいと思います。理事のほうでもごあっぜんをいただきたいと思います。このようなことを不問に付すことは絶対にできません、はっきりしてください。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 手続の問題は別といたしまして、過剰在庫をかかえておる現状に対しまして、減反その他の措置を講ぜざるを得ない状況にあることをひとつ先生に御了解をお願いする次第でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 副総裁、あんた質問者のどこをつかまえて返答しておるか。質問者が聞いたことに対して的確に答えなければ質問が進まぬじゃないか。あなたが話し合いをしたという、中央会のだれといつどこでどういう内容の話し合いをしたということを文書にして出せるのか出せないのかという。なぜそれに答えないか。人の問わぬことに答えるんじゃないよ。はっきりしなさい。出せぬなら出せぬと、どういう理由で出せないと明確にするんだよ、それを。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 正式の会議に出すことができませんでしたから、記録その他が残っておりませんので、正確に資料をお出しすることはどうも困難だと思いますので、御了承願いたいと思います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 さっきからあなたは私の質問に、在庫が過剰であるということを了解願いたいの一点ばりであり、いま矢山理事の関連の勧告に対しても、何ら誠意をもって答えようとしない。だから私が言っておるように、在庫があっていろいろとお困りである、また一般のニコチンの少ない喫味緩和なものに嗜好が動きつつある大勢を私は知っておりますよ。そんなことはあなたたち言わなくても知っていますよ。だから県やその他のわずかな零細な補助金でももらい、耕作組合の自金を出して、収量を落としても品質がよくなれば農家の所得が上っていく対策については研究していますよ。そういうことではたばこの指導はできません。あなたたちに言われるまでもなくやっておりますよ。在庫過剰の認識ぐらい持っておりますよ。あなたたちは在庫過剰の理由をもって、新規許可は認めない、既耕作者の増反も認めない、構造改善の新規導入もあいまいもことして、差しつかえのない限り必要最少限度に押えるなどと逃げ、しかも量目をこれ以上取ったときには、よけい取った分は来年の減反に回すという指導方針を耕作組合の中央会はのんだんですか。なんぼ堂々めぐりをしても、委員長からの勧告もありますけれども、私は文書にして出すか、ここで言うか、それを聞くまでは質問を打ち切りません。あなたが言わなければ総裁に出てもらいたい。きょうは、生産部長から昨日から委曲を尽くした事情の説明があり、外国との折衝があってどうしても出られないというから、あなたを認めました。しかしあなたのような硬直した答弁であるならば、私は納得できません。非は非として認め、やはりこういう重大な問題については、いつどこでだれとどういう話をしたかぐらいのことは、メモをくってみてもわかるはずだ。メモを出して調べてみなさい。それでなかったならば、総裁を呼んでもらいたい。総裁とかわれ。かわってもらいたい。総裁をロボットにしておるんですか。だからたばこの民営とか、いろいろな問題が起きるんですよ。あなたのいままでの答弁をよく反省してみなさい。だれが私の質問をまともに受けて、誠意を披瀝し、委曲を尽くして私に説得をしておるか。よく考えてみなさい。木で鼻をくくったというか、官僚臭ふんぷん、大蔵官僚のエリートの上にあぐらをかいて公社に君臨しておる姿そのものじゃありませんか。答弁を願います、いずれかを。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 先生が申されました喫味緩和のたばこをつくるために収量をあまり上げないようにという先生のお考えと同じことを実はやる手段として考えたわけでございまして、根本において先生がお考えになっていることと違っているわけではないのでございますので、御了承を願います。

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) 佐々木副総裁に申し上げますが、ただいま足鹿委員の質問に対して、いつどこでというようなことは記録が不明なようだからそういう点はいいとしても、だれとどういうような話をしたということぐらいはわかると思うから、それはひとつ文書で出しなさい。そうしないとこの問題ケリつかない。どうですか副総裁、だれとどういうような話をしたという程度のことは出せるでしょう。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 耕作審議会の行なわれます時期におきまして、正式の耕作審議会の開かれます前の集まり等におきまして、審議会の委員の諸先生にこういうことを申したわけでございますけれども、御賛同はそのときは得られませんでした。その審議会の委員の中には生産者団体の、諸先生御存じの耕作者代表の方がお入りになっております。そこでお話申し上げましたけれども、御了承を得られなかったわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 副総裁、あなたここの委員会を愚弄しておるんですか。あなた最初の答弁では、たばこ耕作者の中央会と話をしましたという話であった。それが今度は審議会の中に中央会のメンバーが入っておるから、それと話をした。話があまりにも違い過ぎるじゃありませんか。あなたの頭が混乱しておるんだったら、頭を冷やして、いつどこでだれとどういう話をしたということをまとめて出しなさい。出さない以上進みませんよ。なめるのもほどほどにしなさい。それが覚えておれぬほどあなたは頭が悪くないだろう。そんなに頭が悪かったらやめることだ、副総裁を。出せるのか出せぬのか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 先ほどから申しておりますように、正式の記録をとっておりませんものですから、文書で出しますことはひとつ……。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 記憶があるだろう、記憶が。記録がなくても記憶があるだろう。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) いつ何月何日というふうに申し上げることはできかねますので、ひとつ御了承をお願いしたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 だから何月何日と的確に出しなさいと言っておらぬだろう。大体だれとどこでどういう話をして、その結果がどうなったかということを出しなさい。ここまで話がきたら一歩も引けぬ。出せるのか出せぬのか。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) ただいまお話申し上げておりますとおりでございまして、文書で出しますには正確な日時等を覚えておりませんものですから、ひとつ御了承を願いたいと思う次第でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それじゃもう一ぺん系統的に話をしなさい。あなたの話は出たり入ったりしておるんだ。混乱しておるんだから、一ぺん整理をして、足鹿委員の質問に対してここでもう一ぺん整理をして答弁をしなさい。整理をして話さぬとだめだよ。文書は出せぬ、答弁は支離滅裂ではしようがない。

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) 佐々木副総裁に申し上げます。  ここでの答弁は整理して。何だかあなたの答弁を聞いておると、足鹿委員や矢山委員の発言するとおりで、委員会ですからね、適当な答弁ではいけないのです。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 まとめて言いなさい、あなたのいい頭で。

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) もう一回——この答弁は長い時間はかからない、簡単なんだ。もっと整理してもう一回答弁しなさい。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) この問題につきましては、正式の議題にあげていただきたいと思いまして、耕作審議会等の会合のありました際に、その前の集まりにおきましていろいろお話を事務的に申し上げました。その際には耕作審議会のメンバーとしての耕作者代表の方々もお入りになっていたわけでございますが、その他、日時は忘れましたけれども、私の部屋にいろいろお見えになりましたときにお話をしたり、申し上げましたが、事前の御了解を得ることはできませんでした。しかしながら、私どもこのような措置は避けられないと思いましたので、公社側の判断によって実施に踏み切ったわけでございます。私どもその間いろいろ御了解願うような工作をいたしてまいりましたので、現在の段階におきましては、皆さま方に、耕作者の方々にもやむを得ないかと、納得をおおむねいただいておるものと考えておる次第でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 いままでの副総裁の答弁を聞いておりますと、しどろもどろといいますか、あなた自身もあとから速記録をお読みになれば、いかに矛盾しているかということはおわかりでありましょう。大体、案ずるに、九月九日、十日の面積諮問の耕作審議会前後にその話を持ち出したけれども、けられた。そこで、中央会その他の幹部を公社に招致したりいろいろしてみたけれども、その期日もさだかでないと言われることは、あなたがしらばくれておられるとしか思えません。私は宙で覚えておるのです。昭和四十三年九月九日から十日、十一日にかけてたばこ耕作審議会が大もめにもめて、ニュージャパンで徹夜同様の場合もあった。そういう大事なことがあなたの頭から忘れられるはずはありません。したがって、メモを繰ってみればちゃんと明らかになることは頭脳明晰の副総裁はすぐにわかるはずであります。それをいま言ったような答弁でお逃げになろうとすることは、私はあなたの人格の上からいっても、また国民に奉仕しなければならない公僕、しかも政府関係機関の立場からいっても適切妥当ではない。委員長からもしばしば御注意がありましたように、もっとこの場を大事に考え、間違ったことは間違った、こういう点については反省をしたい、そういう率直な私は答弁が聞きたかった。それも聞けない。まことに遺憾千万に思います。  そこで、最後に伺いますが、中央会の幹部と話をして、後段に述べられた、ほぼ了解を願っておる、つまり指導条項としてほぼ了解を願っておるものと考えるということは、あなた方の一方的な気持ちですか。そのことぐらいははっきりしておいてもらいたい。それは非公式の、何か晩さん会か、あるいは正式の会談か、あなた方が申し入れたものか、耕作組合中央会関係者が申し入れて話されたものか、その点だけは明らかにしておいてもらいたい。あまりこういう問題で押し問答を——事柄だけに一日でもやりますけれども、私も良識を持っておりますから、この程度で、あなたの良識ある答弁を期待いたします。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) たしか、この収量制限に関する通牒が耕作組合の中央会のほうに説明されましたときに、大へんに反対を受けました。しかしながら、これはやむを得ない措置である、罰則的に個人にすぐはね返すものではなくて、来年の耕作面積を考えますときに、また大幅減反というふうな問題を避けるために必要な措置であって、指導の重点を示すものでありますということをくどく申し上げまして、私のところへ抗議にお見えになりましたときには、最終的にはやむを得ないと御了解願ったと記憶しておるものでございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 もう時間も経過いたしました。これは私の責任ではありません。委員長にも他の委員諸君にも御了解をいただきたいと思いますが、最後の締めくくりをせよということでありますので、かけ足でいま一点、締めくくり質問を申し上げて私の質疑を打ち切りたいと思います。  公社は昭和四十三年九月長期経営計画会議というものを設け、「長期経営計画会議の検討状況について」というものを持っておるはずであります。その「原料対策」というところを見ますと「農業構造変化の長期的展望と国際競争力培養の見地から、国産葉に対する基本的態度を明らかにするとともに、農業依存からの脱却を目指して、合成たばこ等技術開発の体制をととのえる。」ことという条項が見受けられます。その結果、原料対策分科会というものを設け、国産葉生産の方向として、「国内生産が有利なもの」、「国内でつくり易い品質のもの」、「緩和で多収量のもの等」という「葉たばこ生産性向上につながるものを生産する。」という方針のもとに、面積は昭和四十三年度、八万三千百七十一ヘクタールを一〇〇とし、昭和五十三年度、十年後には六万八千ヘクタール、約八〇%にこれを抑制する。数量の面においては、昭和四十三年度一億九千六百三十七万七千キロを一〇〇とし、これを五十三年度、一億七千七百キロ、九〇%に押える。「外葉の購買」、「国内不足原料は積極的に外葉購買によりまかなう」という驚くべき方針を立て、着々他の部門にわたっても検討しておることも私は知っております。したがってこの長期経営計画会議の現在の時点におけるものでよろしい、いま述べたような重大な合成たばこに依存して、農業依存から脱却する、二〇%の減反をする、外葉依存の原料購入体制を整備するという全く国内葉たばこ耕作者を無視した基本方針のもとに作業が進められておることをほんとうに遺憾に思います。したがってこの資料はきわめて重大な——作業段階の中途のものであるといえども、それなるがゆえに、きまってしまったならば一大事でありますので、私にその資料を、現時点の資料をお示し願いたい。これに対する可否の討議は別の機会に譲ります。それをいただきたい。持ってきなさい、それを。あなた持っておるでしょう。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) いまお話になりましたのは、私どもが現在まとめておりますものと若干違うように思うのでございますが、私どもこのように議論しているわけでございます。国の産業構造の変化に伴って、農業人口の減少というのが引き続いて起きるだろう、もし起きるとすれば、その中でたばこの生産のために従事してもらえる農業者の人口はどう変化するだろうというような議論をいたしました。もし減った場合に、それでは減った部分を外国に依存できるだろうか、現状をもってしますというと、黄色種などは国際的にやや生産過剰であるかとも見られるという見当はありますけれども、アメリカにおけるたばこ産地帯の工業化等を考えますというと、そう外国にばかり依存できるものではないはずである、したがいまして私どもはわが国の自然条件に最も適当した品種の葉っぱの生産に重点を置いて、重点をはっきりさせて原料対策を組まなければいけないではないかと考えている次第でございます。そしてくせのない緩和な質のもの——私ともたばこ関係者の中で申しておりますてん充効果の非常に多いもの、葉っぱに弾力がありまして、押えましてまた戻るというようなことから、てん充効果の非常に大きなもの、それから原料加工に適する品種——私とも具体的にはバーレー種になろうかと思いますけれども、ソースなどを吸わせますとその吸収効果の高いもの、さらにはまた燃焼性の高いものというふうに品種の目ざすべきものをはっきりさせたいと実は考えておる次第でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 そんなものは要らない。資料をくれればわかるんだ。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) ここに持っておりますのは私の資料でございますが、いろいろ書き込みがございますので、御容赦願いたいと思います。  なお、合成葉たばこというような問題を出しておりますのは、そういう研究が各国とも行なわれておりますけれども、原料獲得の将来を考えますというと、この研究はもう少し強力に進めなきゃならぬというのが文書に書いてある意味でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿覺君 収納価格は、「収納価格水準」、「国際的な輸出入を含めた原料葉たばこの需給均衡価格の指向」、「外葉購買による国産葉価格のけん制」、「価格上昇の抑制効果をも考慮してルーズ・リーフ収納をすすめる。」現在は結局収納しておるものを、これを広げて、いいものだけ買うというむちゃな案です。バラ収納であります。収納価格体系は、「使用上の評価と需給の均衡に適応した価格体系の指向」、国際価格にさや寄せをさせる現在の取引関係を改め、収納方式を改め、「契約栽培制度とすることの利害得失」、「耕作組合の役割」。「標準在庫」は、「熟成促進を行なうことにより、在庫期間を短縮する」、「最低十六カ月程度を目標として検討」するという実に許すべからざることが記載されている。したがって私どもは、たばこ専売制度が明治三十年の初頭にできてから日本の葉たばこ耕作者がしし営々として専売公社に協力をした血と汗のにじむ結果に対して、これをもって報いようとする公社の非民主的ないままでの質疑討論に見られるような態度を、はなはだ遺憾として、この長期計画を御破算にして出直して、もっと耕作農民の期待にこたえ、しかも世界の情勢なり需給の情勢等についても民主的に耕作者の意見を聞く、消費者に対しても奉仕していく公社の立場に立って、あらためて出直されることを期待いたします。  いろいろとまだお尋ねいたしたいことがたくさんございますが、きょうは他の委員にたいへん御迷惑をかけましたが、それはみなあなたの御答弁が堂々めぐりをしたために、このような結果になったのです。あなたも御反省を願いたいと思います。  以上をもちまして私は残念でありますが、あとの問題は後日の機会に譲りまして本日の質問を打ち切ります。     —————————————

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 北海道の洞爺湖が死の湖になろうとしていることは新聞報道で報道されておられますので、御存じだと思います。これは地元民はまことに重大問題として取り上げております。この湖を取り巻く鉄とか硫黄などの鉱山から流れ込んできます鉱毒をはじめといたしまして、周辺の田畑からの農薬あるいは工場排水、これは食品工場等がございます。なお温泉ホテル街から浄化されないままに流されている尿、また下水がまことに汚染がはなはだしくなっております。こうしたままで今日まできているわけであります。この状態でいきますと魚は全部死滅してまいります。この中で一番被害を受けておりますのは漁労を営む人たちであります。この人たちの生計が維持できなくなるという重大問題のところまできておりますし、この人たちは農業と漁業とを兼業しているありさまで、まことに細々とした生活をしているにすぎないのでありますが、この人たちをどうしていくかという面から、また国立公園という立場の上からどうこれを考えていくかということにつきまして質問をいたしたいと思います。  きょうは残念ながら行政管理庁の長官がおいでになりませんし、その関係の方々がおいでにならないので、まことに残念きわまりないのでありますが、いずれにいたしましても最初に申し上げたいことは、農政局長に質問したいのです。この田畑から流れてくる農薬ということにつきまして、農薬取締法の第三条第1項第四項にありますように、水産動植物を保護するという立場の上からこの法律の面に対してどのように考えておられるか。それから水産庁長官には、内水面の漁業の問題についてどんなふうにこの湖に対しての考え方をしておられるのか。もう一つはこの孵化場とかあるいは池とか、養殖に関する問題についてどんなふうに実験研究等の機関が整備されようとしているのか、どのように考えているのか、その点からお伺いしていきたいと思います。

太田康二農林省農政局長

○説明員(太田康二君) 水田にまかれました農薬が地下に入りまして、それからたとえば河川付近で河川に流入するというようなことの研究につきましては試験研究機関で実験をいたしておりますが、阿賀野川事件でも明らかなように、そう大した数量が河川に流入するということは実はないわけでございます。ただ、河川のはんらん等によりまして、それで水田にはんらんした場合に、水田にまかれた農薬が流れ出るというようなことによります被害というのがままあることも承知いたしております。そこでわれわれといたしましては、農薬の安全使用対策ということには特に力を入れまして、末端におきましての防除員の活動に助成をいたしまして、農薬の安全使用ということにつきましての指導の徹底を期しておる次第でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 農政局長、この問題だけで終わりですからもう一問だけ伺っておきます。  いま大したことはないというふうな発言がありましたけれども、これは大したことがあるわけです。農薬の問題につきましては、後日これ専門に徹頭徹尾やっていきたいと思っております。洞爺湖にお行きになったことございますか、ありませんか。——それであそこにバイカモという非常に美しいモがある。またエビモと言いまして御存じのようにたけの高いモがはえている。このバイカモが壊滅になる。エビモというのはこれは農薬ではありませんけれども、ほかの作用等でいためられておりまして、今日では温泉街のほうからどんどんどんどん減少しております。こういう状況から判断いたしまして、これは水産庁のほうの考えのほうにもわたっていくわけでありますが、このモが発生していかない、モが枯れていくということは毒性があるからであり、また化学的にいえばアルカリだとか、いろいろ問題がありますが、いずれにいたしましてもそういう現実の証拠が出ているわけです。したがいまして、大したことはないということを私いま聞いたために、大したことはあるんだと、農薬についても徹頭徹尾ただしていかなければならぬ点がうんとありますから、そういう考え方は私はちょっと問題だと思う。この点について所見を伺っておきたいと思います。

太田康二農林省農政局長

○説明員(太田康二君) 私が申し上げましたのは阿賀野川用水の問題でそのことが取り上げられまして、農薬犯人説ということが出たのでございますが、その際われわれのほうの試験研究機関のいままでの実験のデータによりますと、要するに田にまかれた農薬が地中に入ってそれが河川にまた逆流して流入するというような数量はきわめて微々たるものであるという結果が実験データとしてあるということで申し上げたのでございまして、場所場所によりましてはあるいはそういったことでないような事態が起こることもあるかと存じますが、阿賀野川用水の事件にからみまして、一般的に農薬がまかれてそれが土中に入って地中からさらに河川に流入するという場合に、そういったケースはあまりないということを申し上げた次第でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 農薬の問題については、またこの次の機会にゆっくりやりますからけっこうでございます。  水産庁長官から先ほどの答弁をお願いいたします。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 洞爺湖の水質は最近三十五年ごろから酸性化が進行しておるということでございまして、特に最近はその酸性化の進行の度合いがかなり激しいということでございます。そこで四十一年から北大の工学部それから工業試験所それからふ化場等が共同の調査を実施いたしまして、現在その原因の究明を急いでいるという段階でございます。私も実は現地は拝見をしておりませんので、書類の上で調べたところでありますが、汚水の要因と考えられますのは、周辺におきますところの鉱山の排水、それから温泉街の下水、あるいは食品工場も周辺にございますので、でんぷん工場等も含めて、そういった工場の排水等等が考えられるわけでありますが、現在のところはまだ最終的にそれらの要因が決定的にどれがどういう結果をもたらしたということまでは先ほど来の調査によって突きとめられていないので、鋭意調査が続行しておるという段階のようでございます。水産庁としましても全国的にもやはりこういった周辺における汚水で内水面なりあるいは海面の漁業に影響を来たすということが相当出てまいっておりますので、現在やっておりますことはそういった水質をできるだけ早期に観測するということがまず対策の第一でありますので、そういった観測施設を主要な水域について助成をする。そういう観測器具によりまして水質の状態をまずつかみまして、水質が魚族の保護なりあるいは漁業の振興に大きな影響を来たすというような場合には、そういう調査に基づきまして対策を講じていきたい、一般的にいいますとさような形になっております。  それから四十四年度からもやはり同様のことで主要な漁場につきまして環境保全に関する調査というのを新たに実施するということにしておりまして、そういった調査から着手していこうということになっております。  洞爺湖の問題につきましては、私どもとしましても、原因はともかくとして、現実にそういった事態が進行しているわけでございますから、あるいはそれにかわる陸上の施設によってヒメマス等を養殖するというような、そういった方面における漁業者の今後の生業の維持に大きな役割りを果たすということで、いけすによってヒメマスの養殖をするといったような指導もやっているわけでございますが、まだそういったものによって十分成果をあげられていくというところまでは結果が出ておりませんのは非常に残念であります。概略さような状況だと思います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 水質の観測をしていく施設をつくっていくということなんですが、それと同時にいけすによって指導していくというのですが、これは全くなされていないというのが今日までの現況であります。したがいまして、先ほどもお話し申し上げましたように、大体バイカモなんというのは約十五年くらい、二十年くらいからもう枯れ始めているのです。そしてエビモなんかもこれはほとんど毒性におかされておる。そして結局は魚族もえがないからそこに住んでおらないという、こういうふうになっている今日の実情なんです。したがいましてこれから観測していく、観測をしていく施設をつくらなければならない、あるいは四十四年から環境保全に関する考え方をしなければならないとかいうことはそれより以前に今日までに当然考えられてやっていなければいけなかったのじゃないかと、こう私どもは言いたいわけであります。この点についてはまだおやりになっていない。またいけすにしましても、ふ化場にしましても完全でないということをあらためてここで一言申し上げておきますから、この点に対する対策等の強化について考えていただきたいと思います。   〔委員長退席、理事任田新治君着席〕  次に問題点を移してまいりますが、厚生省の公園部長さんにお伺いいたしますが、国立公園としての基準をどこに置いておられるのか。私どもがしろうと考えをいたしますと、調和が主体であるべきじゃないか。またここは火山の陥没湖になっておるわけでありますが、当然これはサケやマス、ワカサギ、ヒメマス、こういったようなものが一番適している湖のことが今日までの資料等によっても明らかであります。したがいましてこういう面からいきましても適処適美というものがなければならないのじゃないか、こういうふうにも思いますし、また自然公園法の第一条は、これは私が読み上げるまでのこともなく、「この法律は、すぐれた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図り、もつて国民の保健、休養及び教化に資することを目的とする。」という目的観が明らかになっております。この点についての今日の洞爺に対する考え方、これをお伺いしておきたいと思います。

広瀬治郎厚生大臣官房国立公園部長

○説明員(広瀬治郎君) ただいまお話のように洞爺付近は非常に景色のいいところでございまして、昭和二十四年に支笏湖とともに、支笏洞爺国立公園ということで指定になっております。それで国立公園の基準でございますが、これはこの法律にもございますように、すぐれた景観を有するところを国立公園にいたしまして、その景観を保護するとともに、その適正な利用をはかるというのが目的でございます。それで国立公園の保護利用につきましては自然公園法という法律でしかるべく規制をしておるわけでございますが、その規制の方法といたしましては、ただいま申しましたように自然の保護という観点からいろいろの規制をしておるわけでございます。そこで、この自然の意味でございますが、一般に通常の状態で目に見える風景ということで、現在では、水の中に泳いでいる魚——普通には見えないというものは現在の法律では直接規制の対象にはなっておらないわけでございます。しかしながら一方利用という面もございまして、国立公園らしくするために私どももできるだけの範囲のことでやっておるわけでございまして、たとえば先ほどお話のありました旅館が非常に多くできましてその汚水の問題等がございます。私ども利用者に適当な宿泊施設をつくらせるということもその利用の一つの方法でございまして、これも公園計画というものをつくりまして、その計画に基づいて旅館をつくるということをやっておりますが、これは認可事項になっております。そういう公園計画に基づきまして旅館を公園事業として行なう場合に審査をいたしまして、浄化装置が必ずついておるかどうかというようなことを十分審査いたしまして、旅館ができましても汚水あるいはし尿がこの湖に入らないように指導をしておる、そういう状況でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 目に見えないところという、目に見える範囲のことを景観と、その考え方ですけれども、魚なんかは当然それを含めていないようなお話ですけれども、ぼくはそうじゃないと思うのですがね。支笏湖なんかはやはり同じ国立公園、いまおっしゃいました支笏湖は湖の底がはっきり見える、そして景観というものは特別なものだ、湖水の状態がよければ底まで見える、当然魚も見えるというのはあたりまえのことであります。そこまでいかなければならないのじゃないか、こう思うわけです。この法律を見ましても水域の美観とは上から見たもの、横から見たもの、見た目自体に映ったものしか出ていないような法律でありますが、この湖底の状態のことについてはどういうふうにしていかなければならないか、どういうふうにならなければならないものかという規定が全然ないみたいだ、この点についてはどうなんでしょうか。

広瀬治郎厚生大臣官房国立公園部長

○説明員(広瀬治郎君) ただいまお話のありますように、湖の中でも非常に水がきれいな場合には湖の底も見えるわけでございますし、あるいはマリモのような、あれは非常に貴重な植物でありまして、そういうものも保護しなければならないわけでございまして、私どもも法律でやれること並びに行政指導でやれることは極力自然の景観の保護ということは法律の運用あるいは行政指導でやっておるわけでございます。ただしいまお話のありましたようないろいろの問題をすべてこの自然公園法だけで取り締まったり、行政指導するということも不可能でございますので、私どもでやれることはできるだけやる、またそれぞれの問題につきましてはそれぞれの法律なり、所管省がございますので、そういうところと相協力いたしましてりっぱな自然を保護していきたい、そういうふうに考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 なぜそういうことを申し上げますかといいますと、今日の洞爺では銅とか、亜鉛とか相当の鉱物が入っております。農薬も燐酸系のものも入っておりますし、相当汚れているわけです。また異様なにおいがしているところまであるわけです。先ほど来のお話を伺っておりますと、指導しているとか、また行政指導もそういうふうにしているとかおっしゃいますけれども、現実の面においてそれがなされていない、そういうことから私は申し上げているわけです。この点についてもう少し詳しく私は知りたいのです。その湖底というものがどういうふうな作用をしていくかということも、その自然美の中に当然含まれていかなければならない、こういう観点の上から申し上げているわけです。したがいまして、湖底にそういうふうな毒物が充満し、そうしてどろどろの沼に化して、そこにエビもいまは全くおりません。ワカサギもおりません。そしてヒメマスにいたしましてもふ化場で一生懸命にこしらえるものとでは四倍から五倍の成長率が違っております。こういう実情の上から見ていっても当然指導がなされてなかった、こう言わざるを得ないわけです。

広瀬治郎厚生大臣官房国立公園部長

○説明員(広瀬治郎君) いまお話のように、私ども自然のすばらしい景勝を観賞し、これがひいては国民の保健衛生にも寄与するわけでございますので、単に陸上のみならずそういう湖底におきましてもそういう自然の景観を保護していきたいというのが私どもの念願でございます。ただ、いま申しましたように、自然公園法の法律にはそれぞれ規制の限度がございますし、   〔理事任田新治君退席、委員長着席〕 私ども国立公園部といたしましての行政指導も限度がございますので、それぞれの問題につきましてはそれぞれを規制する法律がございますし、それぞれの所管庁がございますので、そういう関係のところとも相協力して万全を期していきたいと、そういうふうに考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 全くそれぞれの話し合いができていないんです、今日まで。そういうことがちゃんとできていれば問題ありません。建設省は建設省、農林省は農林省、厚生省は厚生省、通産省は通産省、それぞれの立場で、そしてそれぞれの自分たちのことだけがうまくできていけばほかはどうでもいいというような、その行き方がこの自然公園、国立公園の中にも多く見ることができるわけです。したがいまして、この際私はいま公園部長さんがおっしゃいましたように、その各省間の話し合いというものは忘れないようにきょうを一つの出発点として新しい方向に向かっていくように私は希望しておきます。  それからこの洞爺湖は第二条のどっちになるわけでしょうか。

広瀬治郎厚生大臣官房国立公園部長

○説明員(広瀬治郎君) 国立公園でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 そういたしますと、さらにお尋ねしたいのは特別地域なんですか、特別保護地域なんですか。

広瀬治郎厚生大臣官房国立公園部長

○説明員(広瀬治郎君) 一口に国立公園と申しましても、その区域の中におきましていろいろの種類がございまして、一番大事で規制の一番強くするところを特別保護地域と言っております。それから次に規制をするところを特別地域と言っております。それからその他の地区を普通地域と呼んでおりまして、同じ国立公園の中でも三種類の地域がございます。具体的に洞爺湖について申しますと、その周辺、大部分は特別地域でございます。ごく一部に南のほうに特別保護地域がございます。それからそれに続きまして若干普通地域がございますが、大部分特別地域でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 三つの条件を兼ね備えているわけでありますが、第十七条第3項第四号「河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。」と、こうあります。この点について洞爺湖に対する考え方、どういうふうにお持ちになっておられますか。

広瀬治郎厚生大臣官房国立公園部長

○説明員(広瀬治郎君) 自然公園法の十七条にはただいま御指摘の第四号に「河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。」、そういう行為をする場合には許可を受けなければならないという規定があります。これは具体的には水を使って電力を起こすという問題が大体この場合に当たる場合が多うございますが、洞爺湖につきましてこれに関係のある問題を申し上げますと、昭和十四年に北海道電力株式会社が——昭和十四年でございますからまだ国立公園に指定になる前でございます、国立公園には二十四年に指定になっておりますが、その十年前の昭和十四年に北海道電力株式会社が、河川法の規定に基づきまして北海道知事の許可を受けまして洞爺湖から取水をいたしまして水力発電をしております。その北海道知事の許可した内容を簡単に申し上げますと……

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 ちょっと発言中ですけれども、経過は私は少し知っておりますので、現在の時点で水位、水量がどうなっているかということ、それをひとつ……。

広瀬治郎厚生大臣官房国立公園部長

○説明員(広瀬治郎君) それでその北海道知事の許可内容が洞爺湖面の水位が最高は八十三・九四八メートル、これは海抜でございます。それから最低が八十一・四三二メートルという許可条件のもとで許可されておりまして、国立公園になったあともこのままの条件でございます。したがいまして現在の水位はこの八十三メートルの最高と八十一メートルの最低ということになっております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 北電の吸い上げている水量はおわかりですか。

広瀬治郎厚生大臣官房国立公園部長

○説明員(広瀬治郎君) ちょっと詳細に承知しておりません。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 それではその水位を保っているかとか保ってないとかいうことはちょっと言えないんじゃないかと思います。この点についてもう少し御研究を願いたいと思います。  勢い水位の高低によって魚族の生息も違ってまいりますし、それから水生植物等におきましてもこれは生息をしていく面におきまして違ってまいります。水棲動植物等に大きい影響性があるわけです。しかも北電の取水、そのことについて今日まで洞爺湖の人たちが相当泣いてきている。今日も泣いているわけです。こういう実情等を御存じなのでしょうか。

広瀬治郎厚生大臣官房国立公園部長

○説明員(広瀬治郎君) ただいまの北海道知事の許可した内容の最高と最低につきましてこれが実際に守られておるかどうか、昨日北海道庁に照会いたしましたところ、この許可した条件どおり守っているという報告を受けております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 現状、その漁民がどういうふうに影響されているか、取水によって。

広瀬治郎厚生大臣官房国立公園部長

○説明員(広瀬治郎君) その漁民の問題、魚に対する問題につきましては新聞その他話で若干承知しておりますが、詳細には承知しておりません。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 その若干を聞きたい、肝心なことだ。どの程度御存じなのか。

広瀬治郎厚生大臣官房国立公園部長

○説明員(広瀬治郎君) 大体ただいま先生がお話しになった程度のことでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 数量とか、生活のそれによって与えられた問題点とか、このことについてはまだ御存じないようでありますけれども、この点につきましてはそこからこういう問題が起きるわけなんですから、公害等の問題はその生活の維持をどうしていくか、人間がどうして生活していくか、その周辺で生活している人たちの声が公害問題等も同時も伴って起きることなんですから、その実態がわかりませんと、やはり幾ら自然公園法という法律をつくられて、形の上でありましても、そのものの実践が公園の中に当然そのままの姿になってなければならない。それがなされてないということは私はまことに行政の不備である、こう言わざるを得ないわけです。したがいまして、この問題で押し問答やっても時間がございませんので、もっと詳細にいろんなことを伺おうと思ったのですが、次にまいります。  通産省の方にお伺いいたしますが、加藤管理課長さんですか。——大体洞爺湖の水質の悪化の原因を大きく分けますと、四つあるように言われております。その一つは、北電の洞爺発電所の放流水にある。この発電所は長流川の水を洞爺湖に落下することによって発電を行なっている。長流川の一支流である弁慶川の上流、これには幌別鉱業所があります。またもう一つの支流には大滝鉱業所があるわけです。この二つの鉱山が長流川のおもな汚濁の源になっておるわけであります。で、今日までこの鉱山が何年間操業を続けてきているのか。で、どういうふうな中和装置といいますか、そういったようなものを考えてきておるか。鉱害対策は当然企業の義務でなきゃならぬ、こういう面からいきましても、鉱山が与えている大きな原因の一つであるということから、どのように保安局のほうでは取り締まりをやっているか、この点について伺っておきたいと思います。

加藤庄市通商産業省鉱山保安局管理課長

○説明員(加藤庄市君) 幌別鉱山の沿革につきましては、明治三十五年、岩井という方によりまして採掘が開始されました。一時は硫黄を年産一万九千百トン生産しておりまして、大正九年には三井物産の所有となりました。さらに後、北海道硫黄株式会社というものにかわっております。現在北海道硫黄株式会社の所有でございます。現在は従業員は二百六十三名おりまして、生産量は硫黄にしまして粗鉱の生産量二千九百八十八トン、精鉱にいたしまして六百十六トンでございます。この硫黄鉱山から出ます排水は酸性がかなり強いということで、それがこの川の水を汚染するというような心配もございまするので、このような鉱山につきましては、通産省といたしましては、鉱山保安法に基づきまして定期的な巡回検査を行なっております。最近におきましても八月におきまして北海道の鉱山保安監督局の職員がまいって定期検査を行なって、その数値の報告は来ております。この報告によりますと、やはりかなりペーハーといいますか、いわゆる水素イオン濃度、これがかなり悪いということでございまするので、この鉱山に対しまして排水を、従来から、指導によりまして、ボーリング坑をつくりましてその中へ圧入するというやり方で処理さしておるわけでございますが、それをさらに徹底的に行なうというような指導をやっております。したがって、このようなボーリング坑に圧入を徹底さすことによってさらに水質はよくなるものと期待しております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 現場を御存じでございませんからそういうことをおっしゃっておられるんですけれども、行かれまして、現地だけにまかしておかないで、国の立場でやはり行政監督をしていかなければならないのではないか。またこの鉱業所の今日の経営状態等を御存じのはずであります。いかがですか。この鉱業所の経営状態も——御存じなんでしょう。

加藤庄市通商産業省鉱山保安局管理課長

○説明員(加藤庄市君) 一般的に硫黄の市況というのはあまり最近におきましてはよくありません。したがいまして、この企業は先ほど申し上げましたように従業員も二百六十三名で比較的小さないわゆる中小企業であります。したがいまして、一般的には経営状況はそれほどよくないというふうに承知しております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 私参りましていろいろ所長さんとも話し合いいたしまして、全くいまその中和装置をやっている財力がない、こうはっきり言っております。それが何年も何年も続いているわけです。したがまして、そのままにしておくということは国民全体を困らせることにもなる。国民全体をその鉱毒の中に入れなければならないというようなことを、大きく言えば考えられてくるわけであります。そういう面からいきまして、いまお話がありましたけれども、定期的に巡回検査をやっておると、八月にもやったとおっしゃっておりますが、私は八月以降に参りました。当然この定期的巡回検査というものが完全に行なわれておるなら、より中和装置ができていかなければならぬ。また実質的に国が援助するとかしてやらなければ、とうていできないというような段階にもきているのではないか、こう思うわけです。ですから、いまお話を伺っておりますと、だんだんよくなっているようなお話でありますが、一つもよくなってないということを申し上げるわけです。弁慶川のほうに行きましても、全部石ころの果てまで赤さびにさびて、鉄のようにさびているような石ころがごろごろころがっております。川の水自体もそうであります。こういうようなことをごらんになれば、いかにこの鉱毒がおそろしいかということがわかると思います。報告だけではなくて、行って実際の現地監督、行政指導等をするべきではないか、こう思うわけです。どうなんでしょうか。たまにはお行きになる考えはございませんか。

加藤庄市通商産業省鉱山保安局管理課長

○説明員(加藤庄市君) 私ども鉱山保安局の支分部局といたしまして北海道には、先ほど申し上げましたように監督局が存在しております。この職員が定期的に検査するわけでございますが、もちろん定期的に報告をこの監督部から私ども受けております。私どもその問題の次第によりましては、直ちに本省から係官を派遣いたしましてその実情を調べる、こういう体制にありまして、今後におきましても、もちろんその現在の報告を受けたところでは、先ほど申し上げたとおりでございますが、そのような実情につきましては、早急に私ども直接係官を派遣いたしまして実態を調べたいというふうに考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 時間をやかましく言われるものですから、話を詰めていかなければならぬことはまことに残念であります。  厚生省の関係の方にお伺いいたします。もう一つは、この汚濁の原因の一つとして、その温泉浴場の使い水、あるいはし尿、下水道による汚水、これがまた大きな公害を及ぼしているわけです。この点について御説明願いたいと思います。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○説明員(武藤き一郎君) 洞爺村の一般住民のし尿は、現在し尿処理組合をつくりまして内浦湾に放流しておりますので、これは先生御承知かと思いますが、湖水汚染源とはなっていないわけでありますが、先生御指摘の湖畔の旅館等が最近非常にふえている状況でございまして、それのし尿浄化槽の放流水が湖に流入いたしまして汚染が起きているのじゃないか、こういうふうな心配があるわけでございます。この点につきましては道庁のほうに連絡をいたしましたところ、ふだんは浄化槽の維持管理については大体維持管理されているというふうに報告を受けております。ただ観光シーズン等人が非常に集まりましたときに多少能力を越えてオーバーをするということが心配されておりますので、そういう点につきましてはさらに道庁に指導監視等を強化させてまいりたい、かように考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 現地を御存じないからお話ししてもなかなかわからない。それできょうは行政管理庁長官をお呼びしたわけですけれども、来なくて残念なんですけれども、全くお話のようなわけではないのです。今日ではざっと見積もっても二百五十万の人が出入りしているわけです。したがいまして周期的にじゃありません、もう年じゅうです。冬は冬で夏は夏で来ております。どんどんふえていくばかりであります。それに対してし尿処理が、浄化槽というものが不完全なんです。地元では四十六年しか総合的なものは考えていない。こういうふうな実情であります。私はいまここに資料を持ってきております。専用家じゃございませんから科学的なことばはわかりませんけれども、生物化学的酸素要求量、つまり水質汚染度、これが三〇PPM、これは百万分の一になっておりますが、これ以下を放流することになっております。ところがこの温泉では七五・八、七六・一、三四・九、このように規定以上の汚水が流れているわけです。これがいかに人畜に被害があるか。魚を食べた者にはどういうふうな影響が与えられるかというようなことから考えますとこれはおそろしい問題であります。またアルカロイドの面からいきましても、水中窒素の面からいきましてもこの旅館の違反の放水はまことにはなはだしい。これは私は私の資料で申し上げているわけですが、こういう点から考えましても国が積極的にこのし尿処理ということを考えていかなければならぬ。国立公園でありますから当然第一条に規定されているように、国民の保健、また休養の面におきましてもあらゆる面において国民が、全部の人がそこを愛賞するようになっていくわけであります。そこを片っ端から荒らし、片っ端からよごされて破壊されていったのではこれは何にもならぬ。したがいまして、行政面の監督がこれもまことに私はいかぬと思うのです。こういう点についてもどういうふうなし尿処理の考え方をしていかれるか。下水汚染に対する考え方はどういうふうに考えていかれようとしておるか。この点についても伺っておきたい。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○説明員(武藤き一郎君) 浄化槽の機能がその湖水面に与える影響等が先生御心配のような点があるようにも考えられますので、そういう点は浄化槽の拡大、そのほか機能の定期的な検査を現在以上にやはり考えていかなければならないのじゃないか、かように考えております。ただ先ほどから各省からお答えがありましたように、この湖は非常に最近酸性が強くなってきて、魚に非常に影響を与えているのじゃないか、こういうことが心配されておるのでありますが、いま先生が御指摘のし尿浄化槽等から出ます水質は、どちらかといいますと、これはアルカリ性のものでございまして、そういう点は酸性の濃度がより以上に濃くなっていくということとむしろ逆の方向に働くわけでありまして、ただ一般的に浄化槽の基準が維持されないという点におきましては今後とも十分道庁等を督励して指導していきたい、かように思っております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 それは報告書をあなたは読んでいるからそんなことを言っておるのですよ。浴場を洗うのは何で洗っていますか。このごろはほとんど化学薬品を使っておりますから、その点もよくお考えくださいまして御発言なさったほうがいいと思います。  それからもう一点ですが、この湖畔に食品工場がございますが、この工場のほうから廃液を出しているところは、もうその周辺へ行ってもぷうんとにおってくる。温泉街へ行って船に乗りましても、温泉街は温泉街の特別のにおいがある。それから食品工場がずっとあるところのほうはまた独特なにおいを持っている。これは硫酸銅とか苛性ソーダをうんと使うところです。異様なにおいがしますし、色もすごく濁った色をしております。この食品衛生監視員なんかはどういうふうになっているのですか。厚生省、食品衛生のほうはわかりませんか。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○説明員(武藤き一郎君) 食品工場の汚染問題につきましては、詳細な報告を受けておりませんので、申しわけございませんがお答えいたしかねます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 これは私の知っている範囲内ですが、食品衛生監視員が全国で、四十一年にこれは調べた中によりますと、五千五十八人、この対象となる食品業者が二百五十三万軒あるそうです。そうして五千五十八人のうちの半数がこれまた兼務者になっている。したがって食品についての監視のようなものはほとんどなっていない。洞爺湖畔の食品工場に対してどんなふうな監視をし、指導をしているかということを私は伺いたかったのですが、現地の方じゃなければおわかりにならないと思います。いずれにいたしましても、こういう、国自体の食品監視員の面から割り出しましても、これは容易ではない。これは単に洞爺ばかりでは私はないと思う。国立公園全体に及ぼす、またその周辺において食品工場等があり、そこからそういう汚水が、廃液が流れて大きな害を与えておるということを、全体の上からも私は考えていただきたいし、そしてまた国立公園の管理の面からいきましても、これは十分にその立場において行政監督をしなければならない、こう思うわけです。よろしいでしょうか。おのおのの立場をちょっと伺っておきます。

広瀬治郎厚生大臣官房国立公園部長

○説明員(広瀬治郎君) 国立公園を所管する者の立場といたしまして、全く先生の御意見に同感でございまして、あらゆる方面からこういう国立公園の貴重な景観を害するものをなくしたいと思っております。先ほど申しましたように、私どもは自然公園法という法律に舞づきまして、法律上できること、あるいは行政上できることは最大限にやりたいと思いますが、どうしても手の及ばないところはそれぞれの担当所管の方と相協力して万全を期したいというふうに考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 時間がありませんので次へ移ってまいります。あと二、三問で終わりますのでよろしくお願いします。  文部省の方おいででございますか。——この洞爺湖に臨湖実験所というのがございます。この臨湖実験所に年間どれくらいの予算を立てておりますか。

笠木三郎文部省大学学術局研究助成課長

○説明員(笠木三郎君) 実は正確な材料がいま手元にございませんので十分なお答えはしかねるわけでございますが、四十二年度の状況を見ますと、おおよそ二百万程度の金額が支出されているというふうに承知しております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 私は現地のほうから聞いたんですが、意地の悪い質問のしかたをしたわけですが、そういう聞き方をするはずじゃなかったのです。私のほうがよく知っている。九十三万七千円、これがこの臨湖のほうに与えられておるということを聞いてきているわけです。このところに北大の助教授の先生がおいでになりまして、この方はこの洞爺でもう約三十年来研究をしておられる。この方も、洞爺湖をこのままにしておいたならば魚も住まない死の湖となることはもう時間の問題だ、国立公園に指定されたこういう美しい自然美をもたせるためにも一日も早く抜本的な保護対策を考えなければならないであろう、このことをこの人は憂えておりました。実際の面からいきますと、この実験所というのは名のみでありまして、物置き小屋がありまして、そこにびんが五、六本から十本くらいしか並んでおりません、試験管みたいなものが。それで水をとって研究をしておるというような実態を私は見てきた。一つの例をいいますと、濃度測定器というものは旧式な比色測定器を使っておるわけです。電気測定器というものは電気がないらしくて使っていない。わずか十万円ぐらいの電気測定器を購入することができない。実験はどこでやっているかというと函館でやっておる。その水を函館まで持っていく。そこで実験をやる。自分のほうには分析をしていくその道具もない。一式をそろえたいし、化学分析もやりたいのだけれども、こういうふうな予算ではどうにもならない。その予算はどういうふうに使われているかといえば、動力船の維持費に使ってみたり、あるいは風のすごいところでありますし、雪が降りますから建物が小破していきますが、その建物の小破もこの中から補っていかなければならない。小さな実験用具を一つ買うにしてもたいへんな苦労をしなければならない。運搬費だとか、燃料費、自動車、バイク、船外機、電気料、船の巻き上げ、それに要する費用、そういったものの費用でとうていその測定器一つも買えない。これが実情であります。したがいまして、ふ化だけを研究する先生だと伺っておりますが、ふ化することは諸条件がそろわなければふ化できないはずであります。まことに熱心な方だと私は尊敬してまいりました。そのたいへんな中で今日、日本の水産業界に、水産界に何とかしてその伝統をつくっていきたいというふうにやっておられる姿を見てまいりました。いずれにいたしましても、このような姿に何十年放置しておくのか私は伺っておきたいと思うのです。

笠木三郎文部省大学学術局研究助成課長

○説明員(笠木三郎君) 私ども直接現地の状況を見ておりませんためにお尋ねに即して十分なお答えができるかどうかちょっと疑問でございますが、御指摘の状況は私どもまだ十分承知しておりませんが、研究費等につきましては必ずしも十分でないという実態はあるかと考えております。で、御承知のとおり、この施設は函館の水産学部の付属の施設でございますので、結局予算的な措置につきましては、水産学部の中の一体の部分として予算措置がされるわけであります。ただいまのような御指摘の点につきましては、なお実情を十分調査いたしまして、必要な措置については十分検討してまいりたいと思います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 最後に私は経済企画庁のほうにお伺いしておきたいのですが、公共用水域の水質の保全に関する法律、この法律の第五条について、私は、洞爺湖をこの指定水域として指定していこうとしているのか、しているのかどうなのか伺いたいと思います。

出井弘一経済企画庁国民生活局水質保全課長

○説明員(出井弘一君) 経済企画庁は水質保全法を担当いたしておりまして、この第五条によりまして、「関係産業に相当の損害が生じ、若しくは公衆衛生上看過し難い影響が生じているもの又はそれらのおそれのあるもの」につきまして指定水域として指定し、水質基準を設定することになっております。しかしその前段に、第四条でございますが、このような公共用水域の水質の調査をするために基本計画を立てまして調査をするということになっております。現在当庁といたしましては、最近の水質汚濁の進行に対処するために緊急五カ年計画というものを立てまして、本年度がその第三年目に当たっております。現在までに約百二十水域を調査いたしまして、五カ年計画の終わります四十五年度までには百八十水域を調査完了いたしたいと思っております。  ところで、調査水域をどのように選ぶかということにつきましては、関係各省並びに各都道府県知事の意見を聴取いたしまして、それに基づきまして水質審議会に付議いたしまして決定するわけでございます。  ところでこの洞爺湖につきましては、これまで当庁が水質保全法を持ちましてから十年でございますが、これまで被害者側の水産庁並びに湖沼を管理しております道庁から、何らの要望または意見も出てきておりません。しかし、現在のような形で、先生の御意見のようなことがあれば、当庁としてはそのまま放置しておくわけにはまいりませんので、関係各省並びに道庁の意見を聴取いたしまして、調査すべく検討をいたします。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 ずっとお聞き及びでおわかりだと思います。したがいまして、この公共用水域の水質の保全に関する法律、この中の五条に適用されていくのは私は今日まで当然であったんじゃなかろうかと思うわけですが、それがなされていない。また地方自治体のほうから報告がきていないということ、まことに遺憾に思います。いずれにいたしましても、この次の工場排水等の規制に関する法律、これらもやはりこの公共用水域の水質の保全に関する法律、この適用がそのまま工場排水等の規制に関する法律の条文を読んでみますと、くっついているように思えるのです。これは別個に考えてよろしいのでしょう。こっちのほうは通産省ですね。どうなんでしょうか。

加藤庄市通商産業省鉱山保安局管理課長

○説明員(加藤庄市君) 公共用水域の水質の保全に関する法律でもって、ただいま御説明がありましたように、指定河川がきまりますと、その水質がきまるわけでございます。で、これに基づきまして、関係の事業場、工場等の監督ということになりますと、産業関係の工場につきましては、主として工場排水法に基づきまして監督が行なわれます。鉱山につきましては、鉱山保安法の体系がございまして、鉱山保安法に基づきましてこの監督を行なっていくというたてまえになっております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 最後ですが、これは私は別個な考え方を当然していかなければならないのじゃないかと思うのです。法律の改正等も問題になってまいりますから、早急に結論を出せとは申し上げませんけれども、一つの公共用水域の水質の保全に関する法律と、工業排水等の規制に関する法律、この法律は所管が違っておりますし、非常に地方の行政官のほうも、地方の自治体のほうや、またわれわれのほうも、国民の一般大衆も、二つの法律が結ばれなければならないみたいな、その考え方よりも一本にして、一元化したそういう行き方が私はいいんじゃないかと思いますが、この点を伺って私の質問を終わりたいと思います。

出井弘一経済企画庁国民生活局水質保全課長

○説明員(出井弘一君) 現在当庁といたしましては、水質保全法を改正すべきかどうかということにつきまして、関係各省を交え検討を進めているところでございます。しかし、われわれのほうで考えておりますのは、河川のうらそれぞれ都道府県で十分に、最近は条例もできていることでもあり、条例をもって規制し得る河川につきましては、むしろこれを都道府県におろしてまいりたいというような方向で検討している次第でございます。

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) 午前の質疑はこの程度にとどめまして、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後一時五分休憩      —————・—————    午後一時五十四分開会

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、農林水産政策に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。  質疑のある方は、順次御発言を願います。

任田新治自由民主党

○任田新治君 第一番に農政局長に構造改善を、それから第二番目に基盤整備の長期計画を、第三番目にこれに関連しまして、大蔵省の主計局のほうからお話を聞きたいと思います。  まず農政局長にお伺いいたしたいのですが、昭和三十七年から構造改善事業が発足をして、そうして昭和四十五年に大体この仕事を一応終わろうと、こういうことでやっておられますけれども、この長い間に、日本の農業に対して相当貢献するところがあっただろうということは言えるだろうと思います。しかし半面、この政策の中で、具体的に、はたしてこれで満足であったかというようなことを個々の地区で考えてみたり、また基本的に政策の組み立て方を考えてみた場合に、そこにやはり欠陥があることを認めざるを得ないというふうに思います。けさの足鹿委員の質問に関連しまして農政局長は、第二次の構造改善というか、あるいは次期構造改善というか、そういうものをこれからやろうというような考え方に立っておるようですけれども、この際、私としては、ごく大ざっぱに第一次構造改善事業の欠陥というか、そういうものを幾らか指摘しまして、そして、新しくスタートする第二次の計画に対して農政局長の検討を求めるということをしたいと思います。  まず第一番に申し上げたいのは、あの計画は、一億一千万円ないし一億二千万円という一つのワクをはめて、全国三千百町村に対してやっているのだということで発足しておるのですが、このワクというものを、予算の関係からもありましょうが、大体これを堅持してやったわけです。ところが、それを希望するところの各市町村から見れば、そう画一的にやってもらっては困るというので、ずいぶん希望というものと実施というものとが一致しなくて、そうして、でき上がったものが中途はんぱになったものが非常に多かったということが言えるだろうと思います。  それから第二番目は、土地の基盤整備というものと、その上に経営手段として施設あるいは機械を導入するということ、このことが、これも画一的に抱き合わせでやってきたために、とかくどうも、農家自体が、本来ならば基盤整備を先行すべきものであると考えておったのにかかわらず、どうしても機械を抱き合わせにするというようなことを役所のほうから言われるままに、やむを得ず、泣き泣きこれを抱き込んで、いまでも苦しんでおるというような実態が全国各地に見られるわけですが、ここに一つの弱点が生まれておるというふうに思います。ところが、これに関連しまして、機械そのものが完ぺきな機械が導入されておるかどうかということになりますと、そうではない。御承知のとおり、いまこの機械の進歩というもの、日本の農業に合った機械の進歩というものは目下どうかというと、必ずしも完成されておるものではない。きのうも足鹿委員からの質問もありましたが、とにかく、農業水産の技術会議のほうで本来相当本腰を入れて考えなければならぬようなことでも、わりあいルーズのままになっておる。また農業機械化研究所、直接担当であるあの機械化研究所におきましても、各メーカーがそれぞれ機種の指定をして、そうしてこれならば推薦すべきだというものにしなきゃならぬような大事な機種があるのにかかわらず、それを指定するだけの自信を持った研究がなされておらないで、それがそのままになって非常に百姓が迷惑をしている。一体どれを採択したらいいか、どれを自分が使ってみたらいいかということについて非常な苦労をしておる、こういうことが実態である。その上に立って機械を導入しろといっても、農家は非常に迷惑であるということがあったと思います。まず大ざっぱにいって、この二つを私は言ってみたいと思うんですが、とのようなことで第一次改善事業が終わろうとしておる、これから二次ということになるわけですが、私が第一番にお聞きしたいことは、ただ何となく第一次の構造改善事業のように一億一千万ないし一億二千万円の事業のワクでああしたような画一的なワクで進もうとするのか、今後、額はもちろん大きく考えておられると思います。仄聞するところによると、大体四億円ぐらいの一地区のワクで、そうして進めていこうというように仄聞しておりますけれども、そのような画一的なやり方でもう一度網をかぶせてみようというようなことに考えておられるのか。それともそうではなくて、いま新しく農業振興地域の指定をやって、整備法をつくっていこうということになっておるわけでありますが、その整備法の上に立って指定された地域について、その地域について重点的に構造改善事業を進めていくんだということに考えておられるのか、この点をひとつはっきりしていただきたいと思います。  それから第二番目に、私としてこれはぜひひとつお願いしたいことは、かりに四億なら四億というようなワクで考えるというようなことではなくて、やはりその地域地域の実情に即して、ある地域においては全般的に十億なら十億のものにする、あるいは三億で済ます、あるいは二億でもいいというようなものもあろうと思います。そのような弾力のあるワクを考えて、画一的なものでない事業のワクを考えてやっていく考え方はないかということであります。  それからもう一つは、第三番目に申し上げたいことは地域の問題です。いまたとえば水田の地帯であるというようなことで、全国各地にありますところのいわゆる代表的な農業地帯において、そこで構造改善事業を第二次としてやろうというようなこともあろうと思います。しかし、こういうような場所で画一的にものをやるというようなことでなくて、これからの農業というものはやはりどんどんその地域地域の変化というものが従来の実績から見ても見られるわけでありますから、やはり特殊の地域、たとえて申しますならば、山村振興法による地域、あるいはその他の臨時措置法による地域、ああいうようなものに特に重点を置いて、そうして第二次の構造改善事業を進めていく、それ以外の地域については、たとえば農業基盤の整備事業であるとか、そういうものはそういうものとして農地局にまかして、また園芸なら園芸と、園芸の地域については園芸局にまかすというようなことで、プロパー、プロパーのところについてまかしてやっていくというような方法をとるということも一つの手段だろうと思います。構造改善事業、第二次の構造改善事業といっていいのか、あるいは農業振興地域の新らしい指定地域といっていいのか、これはまだ私自身も聞いておりませんけれども、しかし、そこに一つの特徴づけたものを考えてみたらどうかいうふうに思います。  それから、もう一つ私の意見を申し上げますが、この場合に第二次ということになり、これからスタートする改善事業の中にぜひとも農家というものに対して、あるいは林業も入っておると思いますけれども、生活環境の整備というものをぜひとも織り込んでもらいたい、これは後継者の問題にもつながりますし、ぜひともそういう性格を持った構造改善事業をやってもらいたいというふうに思うわけです。このような希望を思いつくままに申し上げるわけですが、とにかく第二次の場合には、まずやはり基本的な考え方としては、基盤整備事業は本来のプロパーの仕事としては先行すべきである。それからあとに引き続いてその上に立って経営規模の拡大、あるいは協業組織の整備というようなことで、機械を導入する、あるいは施設の導入をはかる、そういう姿であってほしいというふうに思います。そういうことでありますが、農政局長の御意見をひとつ拝聴いたしたいと思います。

太田康二農林省農政局長

○説明員(太田康二君) ただいま先生から、現在実施しております農業構造改善事業に対する批判がございまして、一々もっともでございます。まず第一は、非常に画一的の押しつけ政策ではないか。あるいは予算規模が小さくて点の政策に惰しているのではないか。さらには、まだ十分技術等が確立していない前にいろいろ新しい機械等を持ち込んで、何と申しますか、構造改善事業が農民を生体実験の場にあげたのではないかというような御批判があったのでありまして、こういった点、十分われわれも反省いたしているものでございます。  そこでわれわれは農業構造改善事業は基本法で申しますところの第二十一条の事業というふうに理解をいたしておりまして、今回の構造改善事業におきましては、先ほども足鹿先比の御質問にお答え申し上げたわけでございますが、従来、一言で申しますと構造改善なき構造改善事業という批判があったわけでございまして、できるだけ次期構造改善対策におきましては、地域農業の中核的なにない手となる自立経営、いわゆる自立経営農家、あるいは協業経営、協業組織、こういったものを育成することを政策の目標にはっきり打ち出す、従来も土地基盤整備をし、さらにこれに経営近代化施設をのせまして、そういった条件を整えたわけでございますが、必ずしもそういったことが十分行なわれていない。そこでそういったことを目標といたしまして、農業者の自主的意向を基礎といたしまして、いわゆる押しつけではなしに、できるだけ地元の意向に基づきまして樹立された統一的な構造改善事業計画に基づきまして事業を実施する。その際、先生の申されますように、やはり何と申しましても基本は基盤の整備でございますので、まず農業基盤の整備をしていただく。そうしてさらにその上に農業近代化施設の導入、あるいは農業経営整備というような新しい事業を織り込んだ構造改善事業を実施いたしたいということで、目下部内で検討中でございます。  そこで、実際はどういうところで実施するかというお話でございますが、これは先生もおっしゃいましたように、将来とも農業を振興していくべき地域を対象として実施すべきものというふうに考えておりますので、農業振興地域の整備に関する法律案は現在継続審議になっておりますが、この法案が成立いたしますれば、当然都道府県知事の指定をいたします農業振興地域のうち、一体として農業構造の改善をはかることが適当な範囲の地域についての事業ということで、次期構造改善対策を実施してまいりたい、かように考えております。  それから、一律に押しつけるような運営をするのかという点につきましては、実は過去におきましても標準経費として補助金が九千万、融資が三千万ということでやっておったわけですが、点数制にしまして、地域、地域でかなり弾力的な運用をいたしておったのでございまして、今後ともその点につきましては、先ほど先生が具体的に申されましたように、地域によってはかなり大きな規模のものもある。地域によっては小さいところもある。こういった点は、さように運用してまいりたいと、かように考えている次第でございます。  それからまあ、いわゆる環境整備の問題でございますが、従来も一応施設間の連絡農道等については事業を実施いたしておりましたが、やはりそういったことのほかに、たとえば住宅地の整備とか、あるいはまあ皆さんが集まって討議をするような、われわれ農業構造改善事業センターと呼んでおりますが、そういった施設とか、そういったものもできれば次期の構造改善対策には取り入れて事業化したい、かようなことで現在検討いたしておる段階でございます。

任田新治自由民主党

○任田新治君 四十五年までに第一次のは終りということに考えておられるようですが、第二回目のこのモーションはいつごろから始めてどういうふうにされるのか、あるいはダブる時期があるのか、そのあたり、これはもちろん振興地域の整備法の成立の問題もあろうかとも思いますが、農林省としては大体基本的な方針としてどういうふうに考えておられますか。

太田康二農林省農政局長

○説明員(太田康二君) 現在われわれが検討いたしております段階の考え方を申し上げますと、四十四年度に農業振興地域の整備に関する法律の成立を期待いたしまして、四十四年度に地域が指定されますと、その地域の先ほど申し上げたような、一定の範囲の地域につきましての計画を四十四年度に立てていただく。その点、事業実施は四十五年から、そして前よりも事業規模が大きゅうございますし、先ほど申し上げましたように多少自立経営農家の育成、協業の助長等の仕事もやるわけでございますので、従来のように事業の実施期間を三年といわずに四年間くらいで実施する。それでおおむね十年ぐらいで計画を立てて逐次実施していくというようなことで現在検討をいたしておるのでございます。

任田新治自由民主党

○任田新治君 そこで、次は農地局長に伺いますが、長期計画ができ上がって三年、四年とたっております。この時期に、昨日も足鹿委員が指摘されましたが、こういう段階に至りまして、しかし、あの長期計画自体はあれを実施するまでに約七年間ぐらいの年月を要しております。日本の国内の開拓の可能地、あるいは土地改良を必要とする土地をそれぞれ検討しながら見つけて、そうしてそれを積み上げまして全体のワクをこしらえる、その上で予算規模とにらみ合わせながら、実施計画が樹立されたというふうに記憶をしておりますが、これに対して、いま米作の問題で新しく開田抑制というふうなことになりますと、全体の中で土地改良のいわゆる施設の改良あるいは構成というようなことからいえば問題はございませんけれども、新規に稲作のための開田ということになりますと、いささか問題が出てくるだろうと思います。こういうことについていま農地局ではどのように検討しておられますか。

中野和仁農林省農地局長

○説明員(中野和仁君) 土地改良事業計画につきましては、先生お話のとおり、三十九年までに作成をいたしまして、四十年から実施しており、本年終わりますれば四年目になります。その進展状況はおおむね全体としては順調に全体の計画の八割程度を四年間で完成をしておるわけでございます。ただ、そういうことでやっておるわけでございますが、本来この長期計画は十年間の計画期間にかかります農業の生産の拡大、あるいは生産性の向上なり、総生産の増大というようなことからそういうような長期の見通しに立ってやっておるわけでございます。現在長期計画にのっとっております需給見通しは、三十七年にできました需給見通しを、その後の状況を織り込みまして多少直したものの上に立ちまして、つくられておるわけでございます。先ほど御指摘になりました今回の農産物の需給の長期見通しは、現在検討されておるわけでありますが、もしそういうものが確定してまいりますと、かなり内容が違ってきておるというふうにも受け取れるわけでございます。たとえて申し上げますれば、すでに本委員会でもたびたび議論になっております米の需給見通し一つとりましても、米の大幅な需給緩和ということがありますし、それから計画の前期をとりましても、当初われわれが予想しました開田面積につきましてすでに本年度を終わりますと、その目標が達するというようなことにもなっております。一方、水田の壊廃はわれわれが見込みましたよりはやはり七割増しというようなことにもなっておりまして、かなり実績と計画とが違ってきておるような面も出てきておるわけで、そのほかに、昨日来の御議論にもあったと思いますが、これからいま検討されております転換対策というような問題も出てまいりますと、せっかく積み上げております長期計画でございますから、需給見通しができたから、すぐにそれじゃあくる日改定ができるというような問題ではないと私も思いますけれども、そういう見通しを踏まえました上で、いずれは改定といいますか、内容の充実といいますか、重点の置きどころを見通しに合わせまして直していくというようなことをこれから作業しなければいかぬのじゃないか、こういうように考えておるわけでございます。

任田新治自由民主党

○任田新治君 大体の方向がわかりまして、私も幾らか安心をいたしましたが、何といってもあれだけの計画ができ上がった中身を見ますと、一部、一部、その地域、地域での農家の意向を積み上げてできたものでありますから、いま、去年、ことしで米の問題がわあわあ言われておるからといって、その計画をあわててどういうふうに訂正する、あれはやめる、これはやめるというようなことをするにも及ばないだろうと思います。第一にもとの計画というものは尊重していかなければならぬだろうと思います。ひるがえって、実は先般青森のほうへ農林水産の旅行に参りました。ここに杉原委員もおられますが、一緒に参ったわけですが、それぞれの地域におきまして長年、水田計画以外にないということで計画が樹立された。まあ主として言うならば、東北、北陸、山陰ということになるかもしれませんが、米が一番安定しておる。これはもちろん価格の問題も含めてのことでありますけれども、最も安定しておるんで、米以外のものに何に飛びついていこうと思っても自信がないというような地域がたくさんあります。しかもわりあいに山間地に多い場合も多いんですが、このような地域に対してはやはりこの際全国的に画一的に考えて改善をシャットアウトするというようなことのないように配慮をする必要があるだろうと思います。先般、つい一週間ほど前ですが、私の関係の学会の総会で奈良へ行ってまいりました。奈良は私が十二、三年前に勤務しておったことがありますが、当時種なしの大和スイカというものが非常に脚光を浴びておる時代でありまして、奈良県下に約千町歩ぐらいの作づけをやっておった。ところがつい先日行ってみますと、ああいうものではもうもうけにならぬので、すっかりあれをやめらまって、イチゴの栽培をやっておって、そのイチゴのほうがぐんぐん伸びて、いまでは八百町歩ぐらいの栽培をやっておる、こういうような話であります。そのようなことで、ああしたような地域になりますと、スイカがイチゴにかわったりいろいろ転換することがまことに容易である。しかし、東北あるいは北陸、山陰というような雪のあるような地帯になると必ずしもそうはいかない。また表日本であっても山間地の雪の降るような地帯ではそうはいかない。そうしたようなことでなかなかどうも地域によっての実情があろうかと思います。したがいまして、根本的に長期計画をいじるということはそう簡単にはできませんし、また、やっちゃいけないとも思いますが、当面の問題といたしましても、やはりその地域の実情をよくにらんで、しかも、少なくとも政府自体があるいは調査費、あるいは設計費というものをいままでに出しておって、そうしてそれが計画が進められ、しかも技術的にあるいは経済的にもこれでいいというように計画がりっぱにでき上がった地区については、この際地元の長年の要望をいれて、そうして例外的というかもしれないが、そうしたものも新規開田を認めていってやらなきゃならぬこともあろうと思う。そうすることによってやはり国民の、農家の皆さんの信望を政府が得るということにもなるわけであります。米の余ったという問題は、これは別途の問題としてまた処理しなければならぬのでありますけれども、しかし、新規開田の問題についてはそうしたような考え方に立ってやっていかなきゃならぬ、こういうふうに私は思います。この点について農地局長から御意見をいただきたいと思います。

中野和仁農林省農地局長

○説明員(中野和仁君) 長期計画との関連からお話がございまして、開田の問題についての今後のわれわれ当局の態度でございますが、御承知のように、米の需給事情でございますので、われわれとしましても開田をいたしましてすぐ速効性のあるものをどんどん進めるということはよろしくない、極力それは抑制すべきだと考えます。たとえば、ことしの冬ざっと二、三十ヘクタール、水源があるかどうかということで井戸を掘りましてすぐお米をつくるというようなものは、やはりこの需給上から見ますと抑えるべきではないかというふうに考えます。が、長期的な観点に立ちますと、一つには先ほどの需給見通しの問題から考えましても、片一方で相当な壊廃がございます。それと対応しての開田ということも、土地改良事業計画では、長期計画ではその辺を見通しておるわけでございますが、その辺の見通しも新しく変えながら、やはり必要な地帯にはやるという事態が長期的にはあるというふうに私たちは考えておるわけであります。ただ、現在国営事業を中心にしまして、すでに国が着工しておりますもの、それから先ほど御指摘のありました調査をしておりますものが、大体十一万ヘクタールすでにございます。この中には、もう先ほどお話がありましたが、米以外つくれないではないかという地帯もございます。しかし、そうでない地帯もあるわけでございますけれども、ちょうど数年以前の米不足ムードのときに開田をしようときめた地帯もあるわけでございます。そういうことになりますと、こういう米の需給事情、それから先のことまで見通しました上での、地域によりましては田畑輪換を考えてみるとか、あるいは畑地かんがいに転向するとか、そういうようなことで、同時に着工中はなかなか困難な場合が多いと思いますけれども、いま現に調査しているものにつきましては、そういうものもあわせてわれわれは考えていきたいというふうに考えておるわけなんでございます。

任田新治自由民主党

○任田新治君 農政局長のお話を聞き、また、農地局長のお話を聞きまして、大体私自身の考え方とそう開きがありませんが、少なくとも構造改善については弾力的に考えて、しかも第一次の欠陥をこれでカバーして、そうして完ぺきなものにしていくんだという考え方でぜひやっていっていただきたい、こういうふうに思います。また、農地局長に対しては、これも長期的な計画、あの計画をいまがちゃがちゃすぐいじるということを避けまして、しかも現地に即応した考え方でやる、また本来あの中に盛り込められているところの特に水田施設という問題は、これはそれが将来土地そのものが牧場の関係になろうが、あるいは果樹園になろうが、そういうこともありますので、水田施設については将来の利用の中身がどのように転換しても水田施設というものについては十分の配慮をしていくというつもりでやっていただきたい、こういうふうに考える次第でございます。  それから最後に、大蔵省の主計官にお願いいたしたいのですが、これらの農政局の問題、農地局の問題についての御意見をお伺いしたいと同時に、昨日私は干拓の多目的のほうをやりました。その点についての御意見をひとつお伺いいたしたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局主計官

○説明員(松下康雄君) 構造改善の問題につきましては、先ほど農政局長からお答え申しましたように、ただいま農林省内において鋭意御検討中でございまして、まだ要求の形といたしまして大蔵省のほうでお伺いする段階まではまいっておらないのでございます。第一次の構造改善も計画に従いまして逐次終わりに近づいてまいりましたので、この次の事態の対策といたしまして農林省の側でお考えになる点につきましてはいずれ要求の形で私ども承りましたときに、先地御指摘の四つの点を含めまして十分検討いたしてまいりたいと思っております。  それから次の土地改良の問題あるいは開田の問題につきましても、ただいま米の需給の問題が非たしておる最中でございますので、これの将来の確たる見通しにつきましては私どももまだ十分専門家のお話を伺うという段階まで至っていないのでございますけれども、将来の農産物の需給見通しというものに即しまして必要な土地の改良につきましては、これを十分配慮していかなくてはならないかと考えております。  それから昨日御指摘のございました干拓の問題でございますが、農産物の現在の需給状況から考えますときに、御指摘のように、農業用地だけを目的とした干拓というものでなしに、さらに広い視野において今後の農政というものを考えてみてはどうかという御指摘の点につきましては、私どももそのように考えておりますが、その場合におきまして、現在農業用地以外の干拓事業は、御承知のとおり地方公共団体とか国以外の事業主体によってその大部分が行なわれておるという実情でございますし、また、その場合の費用の負担でありますとか、事業の実施の方向、調整のやり方といったものにはいろいろと問題があろうと思いますので、そのあたりの問題は農林省の意見を伺いながら私ども検討してまいりたいと思っております。

任田新治自由民主党

○任田新治君 最後の問題については、きのう西村農林大臣はまずまず趣旨においては私の考え方に全面的に賛成だということで、十分検討するということでありました。また、機構いじりをやる行政管理庁でも大体そういう意見でございました。大蔵省の部内におきましてもこの問題については特に以上の御検討をいただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。     —————————————

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 きのうもやったのでありますので、きょうは一点にしぼって簡単に質問いたします。  それは九月の十一日の農林広報二〇一号並びに二〇二号、農林広報によって農林省が公にしているところの昭和四十四年度の農林漁業重点施策の問題、それに伴う予算の概括要求の問題等についてお伺いしたいと思います。私の尋ねようとする意図は、きのうもきょうもこの委員会を通じて論争されているところで明らかなように、政府が米は余っている、来年もなお余るだろう、だから作付転換なり、あるいは開田を云々するとか、さまざまなことがにおわされているわけですが、そういう問題等がこの概算要求なり重点施策の面でどういうふうにあらわれているのか、私案はわからないわけです。そういうことなど、激動する農業問題等について、これを読んでみて、大蔵省の立場に立った場合に、農林省の言っていることはよくわかる、だから予算の面では最大の考慮をしようという態度には立ちがたいのではないだろうか。同時に私たちの側からすれば、この中に私たちが年来主張しているような問題が浮きぼりにされているようなことが正しくつかみ取ることがきわめて困難であります。でありますので、予算課長のほうで四十四年度は是が非でもこの点に力点を置いているのだ、それは何ページのどこそこにそれが強調されている、こういう形で明確にわかるように答弁を実はいただきたいわけであります。私たちは——私たちというより私は、今日まで労働運動等をしてまいりました関係上、いろいろな年度の運動方針等を書いたり、予算計画をした場合も、狭い範囲ではありましたが、そういう場合には一応現状分析を冷静に行ないます。分析の上に立ってその次の時点では基本的な方針を明らかにいたします。しかも、その上に立って具体的な施策を並べて、それを私たちは運動の方針とするわけですが、そうした型は別として、そういう私たちの経験等から見て、農林省が発表しているこの広報等を見ておりましても、私にはなかなかわからない。そういうことを御配慮いただいて、簡単にして明瞭にお答えいただくことをまずもってお願いします。

大場敏彦農林大臣官房予算課長

○説明員(大場敏彦君) 総合農政展開のための四十四年度に必要な予算につきましては、第一次取りまとめといたしまして、すでに八月末に本年予算要求に盛り込んでおります。ただ、これは何ぶんにも時間も不足しておりましたし、また、作業もさらに検討、継続を要するというものもありますので、これをもって全部ではございません。続きまして大きな問題であります食管の問題あるいは総合農政関係でさらにくふうを要し、新しい展開をしてまいる、それに関係する予算というものが引き続き追加する予定でございます。現在までの姿といたしましては、広報に書いてありましたが、五千三十八億、これは食管を含んでおりません。本年度の食管を含んでおりません数字が四千七十八億でございますから、一二四%という伸びを示しております。そのほかに財政投融資がこれも前年に比べまして約一二八%という要求をしたのでございます。  おもにどういうことが変わっているか、おもな点はどういうことかと申し上げますと、現在までの要求の段階で申し上げますと、何と申しましても大きなものは、農業基盤の整備というところが重点になると思いますが、この農業基盤の整備のうち、特に水田に関する基盤整備、これが米の需給の問題とからみまして問題となっているわけでございますが、米の需給事情あるいは水田の壊廃等の事情を考慮して、適地における生産性の高い稲作経営というものを育てていく、こういう方向でこの事業を展開していきたい、もちろんこの事業は文字どおり農業生産の基盤でございますから、米の需給というものを踏んまえた形で、適地における生産性の高い稲作経営という方向へ持っていく形で展開していきたいと思っております。  それから水田の問題と並びまして、畑作振興というところが非常に問題になっております。従来農業基盤整備の中で畑作というものが、とかくどちらかといえば、水田のほうが偏重になっておりまして、傾斜の度合いが少なかったということはわれわれも反省しておるわけでございます。そういう意味におきまして、次年度以降におきまして、畑作振興のための基盤の整備を積極的に進めていきたい。この問題を一つの力点としております。そのためには従来の畑地かんがい、そういったものの継続事業と合わしまして新規施策、畑地地帯の総合的な整備、あるいは農道の舗装等を重点にいたしました。そういう畑地地帯の積極的な基盤の整備振興というところに一つの力点を置いて予算編成をしたつもりでございます。  それから同時に基盤整備の中で問題になっておりますのは、今後の成長農産物でありまする畜産関係の生産の基盤の強化ということでございます。飼料ということになるわけでございますが、それにつきましても、いろいろ新規施策、里山再開発の一環としての草地改良の実施、あるいは市乳地帯、肉用牛地帯を中心にいたしました総合開発、あるいは広域未開発地域の開発、主としてこういったことになるのでありますが、そういったものにも早く手をつけてまいりたいということで、それぞれの予算面におきましては芽を出しているわけでございます。  次に生産対策といたしましては、まず何と申しましても、米の問題が問題になるわけでございますが、これにつきましては、従来の増反一本やりという形ではなくして、やはり米の需要の動向に即応いたしまして、良質の米が高い生産性をもって生産される、そういった米の主産地域というものを対象といたしまして、生産性の高い稲作経営の確立を期する、こういった方向で新しい施策、つまり広域な地域を対象にしまして生産、出荷体制の整備、そういった予算も芽を出して編成いたしたつもりでございます。  次に畜産でございますが、畜産につきましては、もちろん今後の日本農業の基幹部門として、これを積極的に育成していかなければならぬというふうに考えておるわけでございます。その意味におきまして、酪農あるいは肉用牛あるいは豚、鶏、それぞれ大家畜、中小家畜ございますが、そういった改良増殖にことに力を注いでおるわけでございます。また先ほども申し上げましたように、その生産基盤でありまする飼料基盤の整備ということにつきましては、草地改良事業の拡充実施、里山再開発の一環としての草地改良事業の実施、広域未開発地域の整備、あるいはこれらの事業を実施いたします場合の国費負担率のアップ、こういったことも要求の中に入れておるわけでございます。  それから、なお、一方畜産と並びまして、今後の需要の伸長が期待されます野菜、果樹につきましては集団産地の拡大実施、あるいは出荷の近代化等につきまして、その強化をはかっていきたいということで予算編成をいたしてございます。  それから農産物一般の流通加工の近代化ということでございますが、これは流通機構の整備、市場あるいは小売り対策、そういったもろもろの総合的な流通機構の整備というところに予算編成の重点の一つを置いております。  それから同時に、前国会で成立いたしました消費者基本法の精神にのっとりまして消費者保護対策というものにつきましても意を用いて予算を編成した所存でございます。  次に構造政策につきましては、構造政策のための施策を一そう進める、こういう意味におきまして、農地の流動化あるいは自立経営の育成、協業等の集団生産組織の拡大育成、こういったところに一つの力点を置いて予算を編成したつもりでございます。  なお、引き続きまして、現在の構造改善事業の完了といいますか、一応の区切りだというこの時点に立ちまして、次期構造改善に対する対策を新たに積極的に展開していきたい、こういった考え方で予算を編成してきておるわけでございます。  なお、今後追加いたしますものといたしましては、先ほど冒頭に申し上げましたように、食糧管理特別会計の繰り入れの問題、あるいは現在までに編成いたしましたものではまだまだくふうも足りないし時間的な作業のゆとりもなかったということもございます。それにつけ加えまして総合農政の関係のための必要なそれに関係する予算というものを追加要求するつもりでございます。現在鋭意作業中でございます。その中には、まだ検討の段階でございます、いろいろ議論もされておりまする稲作の転換をどういうかっこうでもっていったらいいだろうということも一つに入っております。  以上でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それでは、大体のところはわかりましたが、ただ、消費者保護と同時に生産者保護の立場から見て価格政策の問題ですが、それは、説明書によると、「畜産価格の安定」とか、「安定」という表現をとっておりますが、具体的にはそれがどういう形で行なわれるかということは私には読みとれないような気がするわけですが、われわれが年来主張しているような価格支持制度をつくるとか、そういったようなことについての勇気ある決断がこの中に出ていないのですか、入っているのですか。

大場敏彦農林大臣官房予算課長

○説明員(大場敏彦君) 農産物価格の安定ということにつきましては、現在の予算におきましては、たとえば畜産物につきましては現在畜産振興事業団による不足払い、あるいは豚価格の安定、そういったものを中心にしてその拡充実施、その機能の強化ということで予算を編成しております。なお繭糸価格の安定、砂糖の価格の安定、そういったものにつきましても現行機構の機能の円滑化あるいはその適正な運用ということで対処していきたいということで、現予算はこれを要求しております。なお、価格問題につきましては、今後、ロングランに見てどうするかということにつきましては、現在午前午後にわたりまして農政審議会を開きまして、その中の今後農政の展開上基本的に留意すべき事項ということをこれから御審議願おうとしておるわけでございます。その中の一つとして検討していただいて、結論を得次第長期的な観点に立って施策の面に移していくという態度で対処していきたいと思っております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 ちょっと局部的なことなんですけれども、数字の面で見ていただきたいのですが、特に特別会計のほうになるわけですが、先ほど任田委員からも発言があったわけですが、秋田の八郎潟新農村建設事業団、一般会計なり資金運用部等の数字が出ているわけですが、これは年次計画はあるはずですが、私その比較する表を持たないのでまことに残念ですが、これは計画が前向きに前進しているという数字ですか、それとも幾らか手かげんをしたという数字ですか。その辺のところをお聞きしたいと思います。

大場敏彦農林大臣官房予算課長

○説明員(大場敏彦君) 八郎潟新農村建設事業団につきましては、その後期計画というものは設定されております。したがいまして、農林省から要求しております予算につきましてもその後期年次計画に従いまして調整し要求しております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 これから言うことは予算課長に申してもはじまらないわけですが、きのう私の質問の時間がなくてはしょりましたので、一応農林関係の皆さんがおりますから、最後に、きのう、きょうに続いての私の質問の最後のとどめとしてきわめて小さい問題を皆さんに訴えて、真剣に今後の農政の問題に対処していただきたいと思うわけです。  それはこういうことです。富山県においてこの十日に米の売り渡し量が幾らかということを食糧事務所が数字をまとめて発表したわけですが、その数字が昨年よりも一〇〇・四%、つまり、昨年売り渡し量が確定した時点に比較してなおかつ一〇〇・四であった、だからこれからもどんどん減るということを想定すればそれこそいまだかつてない数字、だからこの十日では二十九万トンに到達する、新聞等はこれは史上最高という表現を実はとっておるわけです。それはそれとしてたいへんめでたいことだと私は思うのですが、ただ、ここに至ったことについての分析が紙上に載っているわけです。三点あるわけです。第一点は、収穫前の作柄見込みでは昨年より劣ると見られていたのにということで、天候その他の自然的条件がよかった、第二点として、これは非常に重大だと思うのですが、米の作付制限、買い入れ制限論が出ているため——これはだれが出しているかおわかりでしょう。出ているため、農家がいまのうちに少しでも出しておこうという、自家保有米を削減して出荷している、この意味はおわかりだと思うのです。私も戦前、戦中を通じて農業をしておりましたから、自家保有米をそのときの政治情勢、客観的情勢の変化に従って農民はきわめて微妙な動きを見せるわけです。この第二点というのは、要するに農民の気持ちの中からいえば、来年へいくとその作付制限なり、あるいは売り渡し制限等が行なわれるであろうから、いまのうちにおれのところはこれだけ出したのだ、昭和四十三年度にこれだけ出したのだという実績を確保する、そのことが来年そうした事態が起こった場合に、それに比例してあるいは売り渡し量を押しつけはしないだろうと思うのですけれども、何らかの制限措置がとられるかもしらぬ、明らかに農民の自己防衛の本能的反応だと見ているわけです。全くこうした動き等を見た場合に、ほんとうに農民の心中察して余りあるような気がいたします。そのことを突き詰めていけば、私たち政治に携わるものとすれば、まさに農民が今日の政治に対し、とりわけ農政に対して非常な不信を持っている、従来持ってきた、しかし長いものに巻かれてきた、こうした農民の経過等があるわけです。こうした農民の心中を今後の農政に移す場合にやはり十分意にとめて進めていただきたい。農林当局の皆さんは、大臣をはじめ皆少なくとも耳は二つ用意されているはずです。片方の耳だけ機能を発揮して片方の耳をおおうようなことのないように、農業をえらい人に会うて話をする、それで万事終わった、こういうものではおそらくないでしょう。そういう意味で本委員会を尊重されることはもちろんのこと、ほんとうに農民のそうした気持ちを十分そんたくしていただいて、これからの予算をいよいよ煮詰めていかれる過程において農政の姿がはっきり出てくると思いますが、その間における御努力を特にお願いしたいと思うわけであります。  私の質問はこれで終わります。

大場敏彦農林大臣官房予算課長

○説明員(大場敏彦君) 杉原先生の御発言まことにごもっともでございまして、私ども農政に携わる者といたしまして心からの御激励のことばとしてちょうだいいたして一生懸命やっていきたいと思います。     —————————————

中村波男日本社会党

○中村波男君 まず豚肉と牛肉の需給関係について若干の質問を申し上げたいと思うわけでありますが、最初に豚肉についてお尋ねをいたしますが、昭和四十三年度の農業観測修正見通しによりますと、四十三年度下期の豚肉卸売り価格については、前年度下期の水準をかなり上回るものと見られ、年度平均として前年度を大幅に上回ることになろうと、実に的確に指摘をされているのであります。農林省のいろいろな経済見通し等はいままで大きく狂ってまいりましたけれども、皮肉なことに豚肉につきましてはそのものずばりと当たりまして、御承知のように、この五月以降キロ当たり五百円内外で今日まで推移しておりまして、特に東京市場では十月二十九日に上物のキロ五百三十八円という市場最高の高値を続けまして、まだ当分高値が持続するであろうというのが大方の見方であろうと思うのであります。そこで政府はこのような豚価の高騰につきまして、豚肉の小売り価格あるいは卸売り価格をどの辺に適正水準というものを置きまして、それに持っていくべく今日までどのような手を打たれ、今後どのような対策を立てておられるのか、まずその点からお伺いをいたしたいと思うのであります。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○説明員(平松甲子雄君) 豚肉の卸売り価格につきましては、ただいま先生御指摘のとおり、五百二十円から三十円台で推移しておるということは御指摘のとおりでございますが、私ども御承知のとおり畜産物価格安定措置によりまして、豚肉につきましては安定上位価格というものがございまして、三百九十円というものを安定上位価格といたしまして、一応その水準にいかに安定させるかということに意図を置いておるわけでございますけれども、昨年畜産振興事業団が買い入れておりました豚を売り渡しまして以後、事業団の手持ちの豚もないということでございますので、まあ、じりじりと豚の小売り価格が上がっていくということになっておるのが現状でございます。それに対してどういう手を打ったかということでございますが、国内で私どもが値を冷やすために手段として考えております畜産振興事業団の手元に肉がないという状況でございますので、輸入によって値を冷やそうということで、本年の七月から四千トン、六千トンというふうに一万トンの輸入割り当てをいたしまして、さらに今月の十一日に一万トンの追加割り当てをするということをいたしたわけでございます。短期的にはそのような手段で対応していこうというふうに考えておるわけでございますけれども、長期的に見ますならば、現在の豚の価格の高騰は、昨年の供給過剰ということの裏現象として生産者が生産を控えておるというふうな、供給不足というふうなことがその原因であるというふうに考えられますので、都道府県の出荷調整協議会なり、あるいはそれをブロック別に開いております中央のブロックの出荷調整協議会なりというようなもので計画的な生産なり出荷をはからせるという方向で指導をしてまいりたいというふうに考えております。

中村波男日本社会党

○中村波男君 平松参事官の答弁を聞いておりますと、高騰した豚肉を冷やす手だてとしては一万トンの輸入をし、さらに追加輸入一万トンをする、そういう措置をとってきた、こういうことでありますが、これは水かけ論になるでしょうけれども、その一万トンすでに輸入をされましたけれども、どれだけ安定価格に近づける操作をその輸入豚肉が果たしたかということについては、一万トン輸入しなければさらに高騰したであろうという見解も成り立つのでありますが、現実には牛肉がカズノコ並みであり、さらにそれを追っかけるように豚肉が高くなっていった、こういう情勢の中で農林省の需給見通しが、なるほど四十三年度に出されました修正見通しでは的確につかんでおりましたけれども、長期計画において欠けるものがあったということは否定できないと思うのであります。したがって、すでに今月手配をされました追加一万トンの輸入について、御承知のように年末から年始にかけまして食肉の需要最盛期に入るわけでありますが、この一万トンはいつごろ入荷いたしまして、いつごろ市場へ出回る見込みなのか、具体的な計画をこの際お聞かせいただきたいと思うわけであります。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○説明員(平松甲子雄君) 先ほどのお答えの中で四千トン、六千トンと、最初に一万トン輸入割り当てをいたしまして、そのあと一万トンの割り当てをいたしたということを申し上げたわけでありますが、最初の割り当ての一万トンにつきまして十月の末までに大体三千五百トンくらい入る、その残りが大体十一月一ぱいには入る。で、十二月中に大体あとの一万トンの半分くらいは入ってくるのじゃないかというふうに考えます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 そこで、私が安定価格帯をどこに置かれておるのかという質問に対しまして、上限である三百九十円を目安にしていらっしゃるように承ったのでありますが、申し上げますまでもなく、今日の安定基準価格は皮はぎ用によるもので一キロ三百二十円が下限になっておるのでありまして、ことにこの価格というのは数年間据え置かれておるように私は承知をいたしておるのであります。したがって、豚肉が暴落した場合には、三百二十円以下にならないと畜産事業団は出動しないという仕組であります。そのことが一昨年から昨年にかけて豚肉の暴落をいたしましたときにいわゆる出動がおくれたために、その逆に今日高騰をきたしたという、こういう点はどのように考えておられるのかどうかということをまず私はお伺いをしたいのであります。したがって、生産者に大きな打撃を与えましたために、生産の停滞を招きまして、その次にはいわゆるビッグサイクルを繰り返しておる、この現実から重ねて申し上げますが、安定基準価格を低く押さえ過ぎておるのではないか、こういう私は見解を持っておるのでありますが、この点については今日の需要の動向からみましてこれを修正するというような御意向は全くないのかどうかお聞きをいたします。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○説明員(平松甲子雄君) 豚肉の価格が周期的に、通常ビッグサイクルと言われておる周期的変動をもって変動しておるということは先先ただいま御指摘のとおりでございます。この前低落いたしました際に発動がおくれたから回復がおくれたのではないかというような御趣旨に承わったのでありますが、もともと安定基準価格、安定上位価格につきましては、豚肉の需給というものは長期的に見ますと、変動を続けながら数量が増加していく、こういうふうな趨勢にあるということにかんがみまして、長期均衡価格ということを考えまして、それを上限にいたしまして安定基準価格なり安定上位価格をきめていくという仕組みをとっておることは先生御承知のとおりでございまして、安定基準価格につきましては、多少生産が需要に対してオーバーであるということに対して買い出動する、その時点だけを考えますとそういうことであろうと私は考えますので、多少生産抑制的な価格である。それから三百九十円という安定上位価格につきましては、多少生産刺激的な価格であるというふうな形で上下に移動するというようなことではなかろうかというように承知をいたしておるわけであります。四十一年以後ずっとこういう価格で続いておるわけでございまして、四十二年、四十三年という豚肉価格の変動を見たわけでございますから、この新しい事実については四十四年度の基準価格なり、安定上位価格なりを定めます際にまた新しい要素として勘案してまいりたいというように考えております。

中村波男日本社会党

○中村波男君 今日の豚肉の騰勢から考えてみまして、関税の軽減を行なって豚肉の輸入措置がとられた。しかしその効果というものはあまり出ておらない。結局畜産振興事業団あるいは業者等のふところを肥やしたかもしれないけれども、小売り業者を守るという働きというのは全くないとは言いませんけれども、軽微な作用しかしておらないのではないかという批判が出ておることは私が言うまでもないのであります。そこで今回の追加輸入の措置につきましても、結局市価を下げるという、そういう目的以外に、来年春きめられるところの安定価格、すなわちキロ当たり基準価格三百二十円、上位価格三百九十円に近づける布石として追加輸入にいま踏み切ったのではないかという疑いを持たれる節が多分にあるのでありますが、この機会に農林省の真意というものを明らかにしていただきたいし、そうでないとするならば、まだまだ来年一年の見通しとしては強含みということを前提に置きまして、来年春きめられるところの安定価格というのは据え置くということを前提に考えておられるのかどうか、修正しなければならぬといういわゆる客観的な情勢また生産の安定的供給という立場で養豚を振興するという、こいう政策目標を持つといたしますならば、何としても私はこの安定基準価格を修正する必要があるというふうに考えておるのでありますが、この点についての御所見を伺いたいと思うわけであります。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○説明員(平松甲子雄君) 豚肉の輸入につきまして、消費者に恩恵が及ばないで、ただ来春の基準価格設定のための布石ではないかというふうなお尋ねでございますが、私どもは輸入を決定いたします際には、現在、先ほど申し上げましたような価格水準にあるということから、せっかく安定上位価格に近づけるようにということで輸入をいたそうということでございまして、別に安定基準価格の算定にどうこうというような意図を持って輸入をいたすわけではございません。で、安定価格の算定につきましては一応過去のルールもございますので、別に何らかのある意図を持って算定するというようなつもりはございません。

中村波男日本社会党

○中村波男君 農林大臣が御出席をいただきましたので、大臣の御所見を伺いたいと思うのでありますが、さいぜんから、豚肉が高騰を続けておりまして、史上最高の高値を呼んでおることは御承知のとおりであります。したがって、政府の有力閣僚として、また農林大臣として物価の安定という立場からも放任できない重要な課題であるというふうに私は考えて、大臣としてもいろいろと対策に御腐心をしていらっしゃるのではないかと思うのでありますが、われわれの目に映ります農林省の今日までの対策というのは、輸入を二万トンいたしまして、そして冷やすという、こういう目的で手配がなされてきておるのでありますが、一向市況を冷やす役割りは大きくいたしておりません。このままでは一万トンの追加輸入が市場に出回りましても、そんなに大きく下がるという見込みはないように思うのでありますが、それらを考えまして、小売り価格、卸売り価格のいわゆる安定帯に持っていきますための方策というのをどうお考えになるのか、また、私は実際問題として三百九十円を安定価格とする農林省の今日の考え方というのは、これは大体現実を無視した考え方ではないかというふうに思うのであります。そこまでひとつ掘り下げて御見解を伺いたいと思うわけです。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) すでにお話も出ておりますが、私どももこの豚価の値上がりにつきましては頭を痛めまして、七−九月にすでに一万トン、それから今月になりましてから一万トン追加契約割り当てをやっております。ただ、これが非常に私どもも国際価格との関係で、直ちに手配できるよりはやや少しやりにくい点もあったのでありますが、一応、しかしこれらが入ってくることによってある程度の価格というものは多少安定の方向へ持っていけるのじゃないか、こういう意味でやっているわけであります。なお、国内の出荷のほうも一時よりは伸びてきております。ただ、需要が堅調でございますのと、私ども当面の施策はやはり暮れに向かってできる限り、まあ困難ではありますが、この価格というものを上げさせない、あるいはできればそれを少しでも安定から下げる方向へ努力をするようなくふうを絶えず検討はしてみたいと思いますが、明春にかけましてこの状態をだんだんに解決をするようにしてまいりたいと、来年の基準価格そのものは従来のようなルール、経緯もございますから、それをもとにして考えてまいるわけでありますが、さしあたり庶民一般の、国民としてやはり豚価の問題というものは生活物資としては非常に強い関心を持っておられるわけでありますから、われわれとしても努力はしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 いろいろさらに突っ込んでお聞きしたいことありますが、時間の制約がありますから、豚肉の需給に見合う安定的な生産をはかりますためには、まず私はそのもとになる子豚の価格を安定させる計画ある生産確保をはかる。このことが先決ではないかというふうに思うのであります。今日豚価が高騰しております中にあって、しからば生産者は大きな利益を得ておるかといいますと、実態としては子豚が御承知のように三十五キロもので一頭が一万数千円するというような状況でありますから、成豚一豚販売いたしました中に子豚代が五〇%以上を占めておるという状況でありますから、したがって、生産者の手取りを小売り価格が高い割合に比しましてふやしておらないというのは、これは農林省もお認めにならざるを得ないのではないかというふうに思うのであります。  そこで、先日畜産局が出されました「今後における豚肉需給の見通しと当面の生産指導についての通達をみますと明年末ごろまでの需給の緩和をはかることを目途として、それに対応したここ二、三カ月における種付けを助長するよう指導されたい云々、さらに肉豚価格の異状高値や逆に先行不安等によって子取り用めす豚などが肉豚に転用するという動きがみられるが、需要動向の周知を図ること等により安定的な子豚生産経営を誘導育成されたい。」という通達が出されておるようでありますが、私は畜産局が、どれほど需要が堅調だから子豚の生産に励めとしりをおたたきになっても、子豚生産者は過去の苦い経験から先行き不安を持っておりまして、なかなか腰を上げないのではないかというふうに思うのであります。最初に述べましたように、子豚の価格変動防止対策をまず積極的に進めることが、生産を確保する上における先決問題だというふうに考えますので、これに対する方針をお伺いしたいと思うわけであります。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○説明員(平松甲子雄君) 豚肉の供給を安定させるという意味から子豚の安定的な供給、子豚価格の安定ということが必要であるということはお説のとおりでございます。で、先般通達を出しましたのも、そういう意味におきまして過去の苦い経験から、あまり急激に生産をふやさないというようなことも考えられますので、そういう点について、現在のところの見通しとして、来年の秋ぐらいまでは下がりそうにないのだから安心をして生産をするようにという趣旨で通達を出したことは先生ただいま御指摘のとおりでございます。確かに子豚の供給を安定させるということが必要でございますので、私どもといたしましては、来年度の予算に子豚の需給の安定ということのために情報を流したり、あるいはいろんな団体その他の生産の促進なり抑制なりについての情報交換なり、協議なりということができるような形で子豚価格の安定措置に関する措置の一環として大体二、三千万の予算を要求いたしておるわけでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 畜産事業団から出資をいたしまして、府県なり生産団体がそれぞれ出資をして、子豚安定基金制度を設けておる府県がかなり多くあるようでありますが、この制度、人のふんどしで相撲をとるような姿勢から、ひとつ農林省も脱却いたしまして、もっと国が出資をして、そうしてほんとうに子豚生産者が不安のないような裏づけをするお考えがいまの予算要求からいいましても示されなかったのでありますが、その制度の今日までの運営状況から見て、これをどう評価しておられるのか、これをさらに各府県に広げるようなそういう方針というのは畜産局はお持ちになっておらないのかどうか、こういうこともあわせてお伺いしておきたいと思うのでありますが、これについての御見解をお伺いします。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○説明員(平松甲子雄君) 子豚価格の安定のために、畜産振興事業団が三分の一出資いたしまして、都道府県なりあるいは生産者の団体なりというものの共同出資でそういう団体をつくっておることはただいま御指摘のとおりでございます。で、現在までの運営の経過を見てみますと、確かに一応の機能を果たしたということは言えると思いますけれども、また、運営のしかた自身に種々検討すべき要素もあるようでございますから、過去の運営の状況について反省をいたしました上で、さらにいま先生御指摘のような措置について検討してまいりたいというふうに考えております。

中村波男日本社会党

○中村波男君 きょうは畜産局長が病気で欠席でございましてかわって平松参事官が答えられたのでありますけれども、ことばじりをとらえて議論をしようと思いませんけれども、今日の豚価の状況、生産が多少上向いたといいますけれども、需給見通しからいうならばまだまだ落ちつかない状況にあるのでありまして、その中にあって、これからひとつ状況をよく見て検討するというような、そういう私は段階ではないというふうに思うわけであります。もちろん安定基金制度が万能であるなどとは私は考えておりませんけれども、これも一つの有力な方策であるというふうに評価をしておるのでありますが、それらに対する的確な御答弁もいただきませんし、残念ながらいままでのやり取りから言いますと口先だけの安定対策に終始しておるようでありますので、また機会を見てさらに具体的にお尋ねをいたしたいというふうに思うわけであります。  その次にお伺いいたしたいのは、中国の輸入肉の問題でございます。これはいままで、過去におきましても私も本院で取り上げて議論をいたしたことがありますが、とにかく国内では需給がまかない切れない状況でありますから、お隣の価格の面におきましてもほかの国より輸入するよりも明らかに最も安い中国から牛肉なりあるいは豚肉を輸入するというのは、今日ではもう私は世論でなかろうかと思うのであります。それで、中国との覚え書き貿易の関係を代表されまして田川誠一代議士が先般も中国へ行かれましたときに、新聞によりますと、農林省の高官が中国食肉の状況を調査並びにその他の問題について依頼をしたというような、こういう記事が出ておりましたが、そういう事実があるのでしょうか。いかがでしょうか。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○説明員(平松甲子雄君) 私どもも新聞でそういう記事を見ましたけれども、私どもといたしましては、田川先生にそういうふうなことを御依頼申し上げたことは全然ございません。

中村波男日本社会党

○中村波男君 そこで農林大臣にお尋ねをいたしますが、十月十五日から広州で開かれました交易会に参加していたわが国の友好商社約二百社の代表団と中国糧油食品進出口総公司との間で、この十四日に中国肉輸入に関する協議書の調印が行なわれましたけれども、農林大臣談話としても、許可する考えはないということを明らかにしていらっしゃるのでありますが、この問題は、これは今後の日中の覚え書き貿易におけるこの問題が解決するかどうかが覚え書き貿易が継続されるかどうかとさえいわれるほど重大な問題になってきておると思うのであります。もちろん私も口蹄疫発生のおそれがあるということが明らかでありますならば、それを輸入すべきであるなどというような、そういう考えを持つものではありませんけれども、過去において三回農林省は調査団を出されまして、その結果として坂田農林大臣時代に輸入をするという腹がきまり、手続が終わったか終わらないかはしりませんけれども、たまたま農林大臣の更迭によりまして、倉石さんになってだめになったということが、これは公然の秘密とされておると思うのであります。そういういきさつからいいましても、今度はひとつ経済問題であると同時に、政治問題として踏み切る段階にきているのではないかというふうに考えておるのでありますが、この点についてひとつあらためてこの委員会で農林大臣の所見をお聞かせいただきたい、こう思うわけでございます。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 肉、特に牛肉を中心にしまして、輸入の基本的な態度といたしましては、私どもは多元的な面で入れるという基本的態度はございます。ただ、ただいまお話が出ましたどの大臣のときに話がついて、それから変わったというようなお話、私もそういう経緯があるといかぬと思いまして、大臣といたしまして、当時の関係者、それに担当大臣等にも調べてみましたが、そういう事実はないということは、はっきり関係者からも言明されておるのであります。ただ、姿勢として多元的に入れる方向をとりたい。問題は、ただ、その前提として衛生上の問題を解決する。そこで御存じのとおりアルゼンチンにおきましては煮沸肉というものについて、一応、わずかではありますが、協定ができて入っておるのであります。中国との関係におきましても、私は、民間から調査団が行かれましていろいろ調査されて、相当衛生状態がよろしいというような報告もあります。しかし、同時に、その方々をまじえて、帰られたあとのいわゆる検討会の状況を聞きますと、さらにこの話を進めるのには幾つかの問題点、言いかえれば解明すべき事柄もある、こういうふうにも申されておるのであります。結論が出ておるのであります。したがって、私どもとしては、いま数項目につきましてさらに明らかにその問題をして、そしてその検討の結果を待たねばなりません。こういうのが衛生上の問題であります。私は、率直に申しますというと、衛生と経済とはちょっと角度の違う問題でありまして、政治的にまだ私が判断すると、そういう段階に至っていない、これが今日の実情でございます。     —————————————

中村波男日本社会党

○中村波男君 次に、牛乳の問題について端的にお伺いをいたしたいと思うわけでありますが、先般の本委員会におきまして、畜産局長はことしの牛乳消費量が減退いたしました理由として、天候による影響を強調されたのでありますが、私は天候による影響が全然ないとは言いませんけれども、これは微々たる理由でありまして、何としても一番大きな原因は、食生活に密着した消費形態が確立していないところに問題があり、さらにわが国牛乳の流通過程におきまして、中間経費の占める部分が多いために、必然に小売り価格が割り高になっておるということを考えなければならぬと思うのであります。畜産局の見解のように、天候に左右されるような流動的要素が事実あるとするならば、生産の需給見通しの中にそういう要素というのを加味して見通しをお立てになるべきだと思いますが、そういう要素を加味して、先般発表された需給見通しというものは立てておるのかどうか、まずお伺いしたいと思うわけであります。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○説明員(平松甲子雄君) 先般、畜産局長がことしの牛乳の需給につきまして、天候不順ということが需給のたれ込みと申しますか、需給がゆるんでおる原因であるということを申したのであろうと思います。確かに、例年でございますと、七、八、九と需要が著しくほかの時期に比べて伸びるということがあるわけでございますが、ことしはそれがほとんどございませんというような状況で、他方、生産が昨年に比べまして著しく伸びたということで、生産が伸びて、需要のほうが天候のために伸びなかったということがございまして、多少需給事情がゆるんでおるということがことしの需給状況であろうと思います。で、需給見通しにそういうふうなことをやはり計算の中に入れておるかどうかということでございますが、需給見通しをいたします際は、長期的にどういうふうな需給の姿になるかということでございますので、短期的な季節変動なり、あるいは天候の変動なりというものについては一応捨象いたしまして、長期的な期間の後にどういうふうな需給の姿になるかということの見通しをいたしておるものでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 次は、乳価の小売り価格の値上げ問題について大臣にお伺いいたしたいと思うのでありますが、私が申し上げますまでもなく、十一月一日から東京都を皮切りに牛乳の小売り価格のさみだれ式な値上げが行なわれまして、それが全国的に波及する情勢だと言われておるのでありますが、この状況を農林省はどのように見ていらっしゃるのか、まずその点からお伺いをしてまいりたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 私のほうも、これはもうすでにその事実は存じておりまして、東京都等の一部から始まりまして、さみだれ的に小売りが三円というようなものを、配達料がかさむからという条件でやっておるようです。まだ集金その他の時期にはきておりませんが、私としては、現在牛乳は不需要期でございます。しかも、ことしは御存じのとおり、長い期間をかけまして、生産者、あるいはメーカー等の間におきまして、末端価格に触れないという前提のもとに、非常に苦労して、一応の乳価の問題を解決したやさきに、こういうことになるということについては、私は小売り関係の業界に反省を求めたい、こう思っておるのであります。ある意味から言えば、新聞等が値上げする陰にかくれたような形でやること自体は、私は策として正攻法でないと申しますか、不道徳と申しますか、やり方があまりよくないのじゃないかというのが基本的の姿勢でございます。しかし、まことに米、牛乳というのは、子供さんのたくさんいる家庭においては相当影響力もある。また一面、生産者、それからメーカー等々がいろいろな諸経費の値上げで楽じゃないという事情も、ことしの乳価のいろいろな問題の経緯にあたって私どもも聞いております。  そこで、こういうものを解決するような場合におきましては、やはり全体の国民経済、言いかえれば物価、それから生産者の立場、流通業者の立場、それぞれの組み合わせの中で解決をされなければならん。一部の人が一部の利益だけで解決してしまうような事態というものは、非常に私はよくない。それで、これをどうするかの問題でございますが、私のほうとしては畜産局を中心に、事態、事実というものを明らかにするように、これを把握するようにつとめると同時に、もちろん関係者を呼びまして意見等も聞いておりますが、同時に、単にことしだけの問題としてこれを解決するような当面措置ではなくして、将来を見据えた意味でやはり解決をする方法をとらなければならない。ただ御存じのとおり、昨年指導価格制からことしは自由価格制になっておりますので、私どものほうが正面から入りにくいというように、非常にいろいろ処置の困難な問題がありますが、しかし、いずれにいたしましても、この事態を見逃しておくというわけにはいかない、こういう考え方をただいま持っているわけでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 いま大臣も指摘をされましたように、今回の値上げが異常であるというのは、牛乳処理メーカーが酪農家から買い取る原乳値上げを行なわずに、したがってメーカーも卸値を上げておりません。そういう中で小売り店段階で値上げが行なわれたということは、これは大方の納得がいかないところであろうというふうに思うのであります。もちろん、私は小売り価格の値上げについて、小売り店の言い分もわからないことはないのでありますが、したがって、牛乳のみ値上げをするなと押えきれないものも、今日の諸物価の高騰の中ではあるのであります。あえて言えば、一番責めなければならんのは、政府の物価対策のまずさ、貧困さにあると思うのでありますが、まあそれはそれといたしまして、今回の値上げを許したのは、直接の原因は、私は昨年農林省が小売りの行政指導価格をやめたところにあるのではないか、このように思うのであります。したがって、最近の新聞で私は読んだと記憶をいたすのでありますが、西村農林大臣が、小売り価格について行政的な立場で指導に乗り出されるような談話が載っておったように思うのでありますが、この点について、農林大臣として具体的にどのような手を打とうとしておられるのか、お聞かせをいただきたい、こう思うわけであります。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 昨年、御存じのとおりのような経緯で指導価格からいわゆる自由価格になりました。それで、自由競争の範囲内においておのずから地域、地域で決定さるべき、というような予想を持ったわけでありますが、不幸にして今日のような事態を生んだ。なるほど小売り店にもおっしゃるような、諸物価が上がってくる面の影響はあると思います。しかし、乳価の問題は一年こっきりで一部の人たちだけが自分の分野だけで解決するには、あまりに事柄の関連が私は大きいと思います。たとえば、ことしの問題は来年につながる、こういう中でものを考えていかなきゃならない。そういう中にはもちろん生産者もありますし、メーカーもあります。といって、私どもは直ちにこれを指導価格に戻していくことがいいかどうか、これはまた論のあるところで、自由価格にも指導価格にもそれぞれの論があるわけであります。しかし、事態がそういう状態でありますから、実相を把握すると同時に、私どもとしては将来の方向を考えてそれをやはりやるならば、いま三円ということ、二円ということ、一円ということ、あるいは値上げしないということがいいか、おのずからそれぞれの機関の間でも議論が煮詰まることを期待するし、またわれわれとしてもそういう意味でひとつくふうをしていかなければならないんじゃないか。なかなか事柄がむずかしい問題、正直に申しまして。ただ命令でいけるとか、そういう問題だけではないものでございます。それから、事柄が単に単年度で解決するよりは、やはりあすの乳価のあり方というものもよく見詰めつつやっていかなきゃならぬし、一方、国民生活というものも考えなきゃならぬ。そこらも含めまして、私どもはこれをくふうしていくと。その意味ではなかなか困難はありますけれども、一部の人が一部のことだけでやっておるのに対して行政府として黙ってるわけにもいかないという意味で、私どもは何らかくふうをこらしてまいりたい、こういうふうに申し上げているわけであります。

中村波男日本社会党

○中村波男君 ただいま農林大臣としてのこれに対処されるお考えをお聞きしたのでありますが、結果的に言いますならば、ビールの値上げの際に、宮澤経企庁長官、佐藤総理大臣からの強い要請といいますか、指示がと申しますか、あったにかかわらず、ビールは数日にして全部上がったのでありますから、当面してこの乳価三円値上げというのを押える方法というのはないのではないかというふうに思うのであります。そこで私がさらにお聞きをいたしたいのは、四十三年度の生産者団体と乳業メーカーとの乳価交渉は難航に難航を重ねまして、大混乱の末に、御承知のようにキロ当たり五十銭、別に乳業メーカーから貸し付け金名目で二十五銭を与えたという、こういう結果に終わったのであります。したがって、乳業メーカーがキロ五円値上げの生産者団体の強い要求を退けました理由は、小売り価格を上げるわけにはいかないというこの一点が上げない大きな理由になっておったことは大臣御承知のとおりであります。現実に三円上がるといたしますならば、これはやはり三者で適当に配分をすることが価格形成の上から見て当然であり、牛乳生産者の実態から見ましても、この要求をひとつ農林省が中に入りまして貫徹するように行政指導をさるべきではないかと思うのであります。したがって、小売り価格あるいは生産者が乳業メーカーに売ります価格についても、やはり農林省が行政的に指導をするというこれを基本に置かれるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○説明員(平松甲子雄君) 先ほど大臣からもお話がございましたように、牛乳の小売り価格というものは、ただ単に小売り業者だけが形成しておるというものでなしに、生産者、メーカー、小売り業者というもの全部につながる価格であるというふうに考えておりまして、先ほど大臣からもお話ございましたように、小売り業者が単独で上げるということについては、農林省としてもよろしくないことだと考えておるという大臣の御意見の表明があったわけでございますが、ただいま先生からお話のございました介入をしてシェアをどうするかという、シェアをきめるということができないかというお話でございますが、確かにその三円、この夏きまりました生産者乳価の決定にあたりまして末端の小売り価格を上げないという前提で落着した。その後小売り価格が上がったということでは、生産者としてはメーカーに対しておれたちは乳価でもともと五円要求しておったのだから上げてもらう権利があるはずだということは当然の要求だと思います。一方、メーカーのほうも最近の労務事情でコストが上がってきているということもございますし、それから卸価格を上げないで生産者に先ほど御指摘の五十銭なり二十五銭なりというものを支出しておるという現実がございます。そういうことを踏まえまして、確かにこの三円というものが妥当であるかどうかということは別といたしまして、もし小売り価格が上がりますならば小売り業者だけでという形のものではなかろうというふうに考えますので、それについてどういうふうな形で三者が話し合いをするように持っていくか、また三者が三者の中で話し合いがつけば最もいいことでありますが、話し合いがつかないというふうな場合にはどういうふうな形で話し合いをつけさせるようにするかということは、現在、関係当事者の意見を聞きながら、実情を聴取しながら、ただいま検討をいたしておるところでございます。     —————————————

中村波男日本社会党

○中村波男君 すでに割り当てられた時間が経過いたしましたようですから、まだいろいろお尋ねいたしたいことありますが、最後に酒造米の値上げについてお尋ねをいたしたいと思うわけであります。  十一月十五日付の新聞によりますと、四十三年産米酒造用原料米の政府販売価格について、政府は十四日自民党の酒造米対策小委員会と協議を済ませ、四十二年産米より六・九%高の百五十キロ当たり二万二千三百五十円とすることになったと報じておりますがそのとおりでありますか。

田中勉食糧庁次長

○説明員(田中勉君) 昭和四十三年産米の酒造米の政府売り渡し価格でありますが、先生いま申されたとおり、硬質一等米の価格が百五十キロ当たり二万二千三百五十円、これ間違いございません。

中村波男日本社会党

○中村波男君 酒造米をきめられる基準というものはコスト価格というふうに従来承っていたわけでございますが、四十三年産米のコスト価格は幾らですか。

田中勉食糧庁次長

○説明員(田中勉君) 酒造米につきましては、その売り渡し価格の算定につきましては、従来コスト主義をたてまえとしてきめてまいっているわけでございます。四十三年産米の算定につきましても従来同様の考え方に基づきまして、コスト主義を貫いてまいってきております。その価格が先ほど申しましたように百五十キロ当たり二万二千三百五十円というところでございます。なお、若干このコスト主義をとっているたてまえ上、その内訳を申し上げますると、まず基本になりますものはことしの四十三年産米の生産者米価が基本になるわけでございます。その生産者米価を基本といたしまして、政府がこの酒米を買って売るわけでございますので、その間における政府経費を、酒米の買い入れ売り渡しに伴う実際の政府経費に即した形においてこれを査定いたしまして、そしてその結果といたしまして二万二千三百五十円という百五十キロ当たりの価格が出ておるわけでございますが、これが私どもが酒米価格のコスト価格によるものであるということでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 私が疑問を持ちましたのは、この新聞の記事でありますが、最初自民党の酒造米対策小委員会に示されました原案というのは、コスト価格は百五十キロ当たり二万二千四百五円、昨年よりも七・二%高であったのでありますが、この小委員会から強く要望が出されまして、五十五円値引きをして、いま御説明のありました二万二千三百五十円になった、こういう内容でありますので、そういう事実があるのかどうかお尋ねをいたしたいのであります。

田中勉食糧庁次長

○説明員(田中勉君) 食糧庁の原案として先ほど御指摘ございました百五十キロ当たり硬質米一等二万二千四百五円、これが食糧庁の原案であったわけでございますが、この原案の策定にあたりましては、昨年決定した酒米の算定方法に準じまして計算をいたしますると、百五十キロ当たり二万二千四百五円ということになったわけでございます。なお、御指摘ございましたように、党の財政部会ともいろいろ協議をいたしたわけでございますが、さらに、このコスト価格のたてまえにのっとりながら、なお、その政府経費のうちにおきましても、たとえば運賃あるいは金利等の問題につきましてさらに検討を加えたわけでございます。その検討を加えた結果、五十二円という原案を修正いたしたわけでございますが、この原案の修正をいたしました過程におきまして、運賃とそれから金利を修正いたしたわけでございます。運賃につきましては、これは酒米固有の運賃を従来とも見ておったわけでございますが、この運賃の修正におきましても、そういう観点に立ちまして算定をいたしたわけでございます。私どもはこの修正案につきましても、極力いろいろ酒米のコストに見合うところの資料を逐年整備をいたしまして、その整備の結果、このような資料が出てまいりましたので、その修正を行なって、五十二円を原案から差し引いて、その結果二万二千三百五十円ということになったわけでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 語るに落ちるということばがありますが、食糧庁が昨年の算定基準に基づいて試算をされまして、それを小委員会に示されまして、小委員会から文句がついてそのあとに修正をされたということは、いまいろいろ理由を述べられますけれども、国民として納得のいかない理屈ではないかと思うのであります。新聞が見出しに書いておりますように「業者に甘く酒米値上げ」というようなこういう指摘がなされておることについて、私は政治米価であるという印象をぬぐい去ることはできません。時間もありませんから、この問題についてこれ以上申し上げませんけれども、さらに、四十二年産米の古米、いわゆる古米については現行価格をもって、いわゆる年末までの価格をもって払い下げるということにきまったようでありますが、そのとおりでありますか。

田中勉食糧庁次長

○説明員(田中勉君) 前段のおことばにことばを返すわけでありませんが、私どもも、党の財政部会からは極力コスト価格主義等について検討の余地はないかというようなお話も実はあったわけでございます。生産者米価の値上げに伴いまして毎年酒米の売り渡し価格は上がっていくわけでありますが、その上がった分に対して酒の価格を直ちに上げるというようなことも業界としてもなかなかできにくいというような事情もございまして、いろいろと党のほうにおきましても、やはりコスト価格主義の算定方式に何らかの配慮の余地はないか、こういうようなお話があったことは事実でございます。しかしながら、私どもは従来ともコスト主義をとっているたてまえ上、現在のところ、さっき申し上げましたそれぞれコストの中の費目につきまして、現実のはっきりした酒米に即したデータが出てきたものについては、それを審査検討の上に、関係の主計局あるいは国税庁と協議の上にこれだけの算定をいたしたわけでございます。決して政治的なというようなことで私ども算定いたしたことはございません。  なお、後段の、昨年の米についての酒米の価格を、酒屋さんがことし買う場合におきましては据え置きになっているということは事実でございます。ただ、この据え置いております理由といたしましては、酒米はあくまでも年産に即した価格、年産に即したコスト主義の価格を採用いたしておるわけでございますので、この点につきましては、新米は新米の生産者米価にのっとったコスト価格の売り渡し価格、それから昨年の米につきましては昨年の生産者米価に見合ったコスト価格ということで決定いたしておるわけでございますので、昨年産の米につきましてはこれは昨年同様ということでいっておるわけでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 国民の側からこの問題を見ますと、古米だからといって現在のところ値引きがないのでありますから、高い価格で古米も買っておるのでありまして、酒屋さんだけ下げたということについては、これまた不公平のそしりを免れないのではないかと思うのであります。また新聞によって御質問をいたしますが、堀川春彦食糧庁企画課長の談話によりますと、来年春ごろから古米の値下げを考えているので、古米の値下げの時期が、酒造米と配給米との値下げの時期がずれたというぐらいに理解してほしい、とあったのであります。配給米として古米の値下げはいつごろおやりになる考えがあるのかどうか、この点お尋ねをします。

田中勉食糧庁次長

○説明員(田中勉君) 前段のほう少し申し上げさしていただきたいと思いますが、酒米につきまして年産ごとにコスト価格主義をとっているわけでございます。したがって、財政負担はしないというたてまえでこれが構成されておるわけでございます。そこで現実にその酒米を売り渡し価格、たとえば昨年産の米を見ますると、百五十キロ当たり二万五百十円ということになっておるわけでございますが、これは硬質の三等を例にとりますと、硬質米の三等を主食用の場合におきまして、今度値上げをいたしましたが、これは百五十キロ当たり卸売り業者に政府が売る値段は一万八千九百八十円ということになっておりまして、なおかつ去年の酒米の価格と、それからことし消費者米価改定に伴いまして去年の米を消費者に売る場合の卸に対する販売価格一万八千九百八十円との差額は、なお千五百三十円酒米のほうが高いことになっておるわけでございます。これは原材料価格につきましては財政負担をしないというコスト主義のたてまえをとっているわけでございますが、また消費者の価格につきましては財政負担をしているというような結果から出ていることでございます。  それから、先ほどの堀川企画課長の、現在手持ちをいたしております配給の去年の米の売渡し価格につきましての問題でございますが、私どもこの繰り越し米につきましては、端境期あるいは新米の出回り期等におきましては、新古の間に遜色のないものであるというような考え方に立って配給をいたしておるわけでございますが、一月以降は歩どまりを一%下げてこの新米、古米同じ価格で配給をするというたてまえをとっているわけでございます。四月以降になりますと、去年の繰り越し米も一年半以上の繰り越しになるわけでございますが、その時期になりました際におきましては、配給操作上、それはどのような扱い方をすればよいかというようなことは今後の検討問題になるわけでございますが、いずれにいたしましてもだんだんとやはり時を経過するわけでございますので、その米の実態に即した形において何らかのやはり歩どまりとか、いろいろなそういう品質上の問題に配慮する必要があるのではないかというようなぐあいに考えておるわけでございますが、まだその時期になってみないと、配給の関係も十分ににらみ合わせた上でそういう点を決定してまいりたい、こういうぐあいに考えている次第でございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 いまの御説明で、消費者米価と酒造米とは価格に開きがあるんだという説明でありますが、それは価格をきめますたてまえが違うのでありまして、コスト主義ということをたてまえとするならば、従来のようにコスト価格で厳密に売り渡してこそコスト価格で売り渡したということでありまして、したがって、古米と新米との関係においては、いま申し上げますように国民からいえば——もちろん酒造米よりは消費者米価が安いことは御指摘されるまでもなく承知しておりますが、国民からいえば、どうも納得がいかないという、こういうことであります。  時間がありませんから、しからばコスト価格を修正されました根拠なり、あるいはその具体的な数字について質問を保留いたしますが、最後に大臣にお尋ねをいたしまするけれども、零細酒造業者には十二月から来年三月まで売り渡す米代金について六十日以内の延納を認められるという、こういう措置があわせてとられておると書いてあります。そういうことであるならば、その零細業者というのはどの程度を、いわゆる基準というのをお示しいただきたい、こう思うわけであります。  次の質問は、酒造業界では、原料値上げを理由に新酒値上げに動きつつあるわけでありまして、値上げは必至と見なければならないと思うのでありますが、この動きについて、農林省として、農林大臣として新酒値上げの問題にどのように対処されるといいますか、見ていらっしゃるのか、あわせてお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

田中勉食糧庁次長

○説明員(田中勉君) 大臣にお尋ねでございますが、前段の酒米の売却にあたっての売却代金の延納の措置のことだと思いますが、この場合におきまして、やはり零細な酒造業者というような基準を、大体清酒の基準指数という国税庁できめられた一つの限界があるわけでございます。三百キロリットル未満の零細企業に対してこの延納措置をとったわけであります。大体三百未満と申しますると、酒造石数にして二千石以下の大体酒造業者というようなことになりまして、後ほど国税庁のほうからもお話があろうかと思いますが、非常に零細な酒造業者がたくさんあるわけであります。これ以下のものが大体総数の八割近く占めるというような状態になっているようです。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 酒米の問題は、昨年も非常に問題になりまして、実は業界が、大きいのもありますが、相当数が小さいメーカーで全国に広がっておる。そこへ毎年原料米が御承知のとおり上がっておる。そこでその値段をどうするか、価格に直ちに移せばいいという簡単な議論もありますが、毎年これは論議になっておるわけであります。ことにコスト主義をとっております。そこでコスト主義の範囲内においてくふうをこらして負担軽減を多少はかるという意味から、今回運賃その他の計算において取り入れるものは取り入れる、それからいま一つは、零細業者に対する延納方式を取り入れる、できるだけ私どもの立場からもこれが新酒の値上げに影響しないような態勢で努力をする、しかもコスト主義のたてまえはくずさないでいく、こういう中で米価をきめていく。新酒に対しましての価格値上げに対しましても、私どもはできる限りこれが上がらぬように期待し、またそういう面で、そららのほうの売り渡し価格等についても配慮したつもりでございます。     —————————————

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 前の委員会で、例の韓国から追加輸入された一億枚のノリの問題について、いろいろの角度から政府の見解なり問題点を追及してまいりまして、前の委員会では時間が非常に不足をいたしておりまして保留をした問題、あるいは今後さらに検討していく問題が残されておりますので、さらにこれらの問題について政府の見解なり態度を明確にしていきたいと考えておるのであります。  それで、まず問題の第一は、委員会で申し上げておきましたように、現在ノリ業界が中心になって来年三月三十一日まで凍結をするという結論が出ておるわけでありますけれども、さらに今日消費者の強い要望、あるいはノリがだぶついておるにもかかわらず、非常に高値を今日形成をしておるという、こういう状態等から考えて、また業界や生産団体、消費者等の強い要望等からも考えて、将来のノリの値段の影響等も配慮するという、この際何らかの凍結に対しての態度、措置を講ずべきであるという観点からいろいろ論議をしておりましたけれども、その後、政府並びにノリ業界は一億のこの保留されているノリに対してどういう取り扱いをしようとしておるのか、まずお尋ねをしておきたいと思うのであります。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 先般の委員会で達田先生から御質疑がございましてから、もう一度のり協会の理事会がございまして、それは主として韓国側とどういう形で輸入についての取引を行なうかということが中心の課題でございましたが、その話は別といたしまして、輸入をいたしましたノリの将来の処置につきましては、先般お答えいたしましたような、前回ののり協会における決定は一応そうは踏襲はいたしておきますけれども、なお最終的には新しいノリの需給なり、あるいは出回りなり、価格なりといったようなものをよく見きわめた上で、最終的な処理を決定をしていきたいというふうな形に理事会ではきまっております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 さっぱり回答が要領を得ないで、納得できませんが、一体水産庁としてはどういうお考えを持っておるんですか。それから業界は、どういう点に問題を感じておるんですか。具体的に御説明願います。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 前回も申し上げましたように、今回の一億枚の追加輸入は、こういった十月以降に輸入をされるということでございまして、従来は九月までは輸入をされておったということで、新しいノリの出回りの時期に競合をいたしますので、取り扱い業界といたしましてもあるいは政府としてもなかなか判断がむずかしい状態になっておるわけであります。そういうことで私どもとしましても画一的に従来生産期には放出しないといったような考え方を墨守するということもいかがかと思っております。しかし、生産に対する影響といいますか、生産期に入ってくるわけでありますから、それに対する影響もやはり考慮をしなければならないということで、そういった判断をいたしますのに必要な目下諸情勢を調査をいたしておる、できるだけこれも早い機会に調査をいたしまして、しかるべき考え方をきめていきたいということでございます。ノリ業界といたしましても、やはり同様な事情にあるわけでございまして、前回の決定も一応は従来の方針のとおり、生産期には出さないという原則はきめておりますけれども、具体的な本年度の実情を勘案をして放出を考慮していきたい、こういうことになっておるかと思います。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 生産期には出さないという内部の取りきめは私どもよくわかっているんであります。ただ、いまのお話では一体どの辺に放出の時期を置いておるのかめどが立ちません。一体十一月の末に放出をするのか、十二月の初めに放出をするのか、あるいは十二月を越すといよいよ新ノリの出回る時期でございますから、三月以降ということにならないと私は価格形成の上で大きな影響が出てくると判断するのでありますが、そういう判断からしてまいりますと十一月の末、十二月の初めというのが最良の時期ではないかという判断が立つのでありますけれども、そういう一応のめどをもって業界や政府の意向を検討され、まとめられておるのかどうか、そこら辺をもう少しはっきり答えていただきたいと思います。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) お説のようなことがございますので、私どもとしてはできるだけ早い機会にそういった情報の収集を終わりたいと思っております。大体のめどといたしましては、ここ一、二週間の間にそういった諸材料を集めましてしかるべく判断を行なったらどうかということでございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 だからね、長官。いまの回答だって十分かかっているんですよ。初めからそれを言えば十分のロスの時間はないんですよ。一時間の質問の時間の中で初めから、いつだと言ったら、一、二週間の間だと、こう言えば、あなた一分で済む話が十分もかかる。そういうくどい答弁をやらないで、はっきりしたことを聞いたらまず端的にお答え願いたい、こう思います。それで、そのノリ関係についてはかなりまだいろいろな問題がありますから、公取のほうから長官ですか、事務局長おいでのようですから、前回の委員会で私が、これは公正取引に違反するのではないか、業界が自主的におきめになった一億枚の凍結は、公正取引に違反するのではないかという質問をいたしたのです。それに答えてあなたは、行政当局の責任で設置されている機関での決定は、独占禁止法に違反しないという解釈を公取は今日までとってきていると、そういう解釈があるので、一応今回ののり協会というのが社団法人であり、大臣あるいは長官が委員長その他を承認するという準政府機関的な、介入している機関であるので、そういう点についての検討をさらにしていきたい、こういう回答をいたしているのであります。そこでその結果どういう結論を公取委としては出されたのか、御回答いただきたいと思います。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○説明員(柿沼幸一郎君) 前回のこの委員会のあとで私ども水産庁から、さらに事情を聴取いたしたわけでございますけれども、ただいま三月末までのたな上げの時期ということ自体が非常に確定的にきまっている問題ではない。ただいまも水産庁長官から答弁がございましたように、需給の状況を見て放出するように検討をするということで、私どもその後の推移を注視してまいりたいというふうに考えております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 よくわからないのですがね。時期の問題がはっきりしないから結論が出せないというのですか。それとも検討の結果法律に照らして違反にならないというのが解釈なのか、そこら辺を明確に御答弁いただきたい。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○説明員(柿沼幸一郎君) いわゆる行政指導ということばの範囲でございますけれども、規則に書いてございますような、明確なたな上げの指示でございますとか、放出の指示だとかいうことではございません。したがいまして、自主的にきめたと申せば自主的にきめたことになるわけでございますけれども、その場合にやはり水産庁としての情勢判断なりそれからいろいろな情報の交換を含めた運営が行なわれているわけでございまして、その限りでは直らにやはり独禁法違反という結論は出しかねるというふうな判断でございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そういう公取委のあいまいな態度が今日物価問題やあるいは一番弊害の出ている独占の方向へものが進められている結果をつくっているのです。それは私がいまから言うまでもなく、いま日本のこういう価格形成やもののこういう取りきめについて、公取委の立場というものは今日の状態では何といっても消費者サイドの立場でものを見ていくという姿勢が基本になければ私はならぬと思うのです。いいですね。そういう立場から考えたときに今日見てごらんなさい。法人として届け出られているもので、政府が介入しない、ないしは行政庁が承認しないという法人が一体幾つあるのですか。ほとんどがそうじゃありませんか。そういう状態の中できめられたものは、たとえ価格協定が行なわれようと、あるいは凍結が行なわれようと、行政指導であるということで、これが全然独禁法に触れないという解釈に立ち、同じものが民間団体で革められたとするならば、それは独禁法違反であるということになると、一体今日の物価の問題、価格形成の問題の中で、どちらが全体の影響を多く与えているかということを判断しなきゃならぬと私は思う。そういう立場から考えたときにも、今日行政官庁が介入をしておる、あるいは承認をしておるから、すべてそれが独禁法違反にならないという立場をとる公取委の態度は、きわめて、今日の消費者サイドの立場ないしは物価問題の立場から考えても、どちらの味方をし、どちらの立場で方向づけ、どういう姿勢の中でやっておるかということに私は非常に疑問を持つ。そこに私は第一点の問題があると思います。でありますから、言いたいのは、そういういままでの解釈を内外の情勢の問題あるいは経済の問題、経済の高度化の問題、あるいはそのために物価が上昇している問題あるいは大きい企業と小さい企業の格差の問題、国民所得の問題等から判断をして、一体今日そういう立場をとる公取委の見解というものが今日の情勢で妥当なりやどうなりやということを、再度この問題を含めて私は検討する段階にあると、このことをまず申し上げて、それに対する回答を伺うと同時に、もう一点は、この問題はたとえ一歩譲って性格的に政府ないしは行政庁が介入した機関であったとしても、この中できめられたことは、ノリ業界という業界が一億枚というノリを凍結するということを具体的にきめているのであります。この事実は機関の性格がどうだろうと、きめた事実は民間であろうとも、あるいはこういう法人格であろうと、きめた事実において出てくる物価の問題との影響は同じであります。でありましょう。そうなってまいりますと、消費者や、あるいは一般の国民の立場から考えれば、これは一体けしからぬではないかという考え方が出てくるのは当然じゃないか。性格が法人格であるからこれはよろしい、そうでないからだめだという考え方は消費者には通用しないのです。すべてが消費者のサイドでものを考えるならば私の言う理屈はきちんとわかると思う。そういう見解に立つ限りこの問題は、前回長官は自分の指導ではない、業界がみずから自主的にきめたと言っている限りにおいては、明らかに独禁法六条ですか、六十六条の違反ですか、これは。私はそういう解釈に立たない限り、一体公取委というのは何の価値があって存在するのか、その価値すら疑わしくなるのであります。明確にしてもらいたいと思います。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○説明員(柿沼幸一郎君) いわゆる行政指導というものに相当幅がございます。明確に官庁の責任がはっきりいたすような指示なり命令なりというかっこうのものも行政指導でございますけれども、実は現在、ただいま先生の御指摘のように、相当の範囲にいわゆる灰色の行政指導の地帯というのがございます。私ども現在経済企画庁とも連絡をとりまして、一体そういった灰色の地帯をそのままにしておいていいのか悪いのかというような点は、基本的にやはりメスを入れなくちゃならぬ地帯であるというふうに考えているわけでございます。  それから具体的に本件についての問題でございますけれども、本件を消費者サイドから考えますると、やはりわが国のノリの価格の騰貴というのは、一般の消費者物価水準全般の値上がり問題も大きな幅でもって年々上昇してまいっておるわけでございます。そういった点でこの上界に対してある程度の効果のある措置が政府として打てるならば、当然それは打つべきであるというような感想を持っているわけでございます。したがいまして、これは私どもの立場から申すのがよろしいのかどうなのかという問題はあるかと思いますけれども、消費者行政の一環をあずかっておる公正取引委員会の立場といたしましては、やはり水産庁という行政官庁の立場といたしまして、できるだけそういった点の配慮をもった行政を行なうことが望ましい、かように考えております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 ですからそういう問題について公取委としては再度検討する意思があるのかないのか、その点を明確にしてもらいたい。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○説明員(柿沼幸一郎君) ただいま申しました灰色の行政指導のの地帯の問題ということにつきましては、全面的に現在再検討中でございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 時間がありませんので次に移りたと思いますが、水産庁にお尋ねいたします。これは大臣が適当だと思うのでありますが、この前の委員会で論議した中で、今回の輸入ノリは物価調整のために輸入したのではない、あくまでも片貿易という貿易上の事情あるいは韓国との親善関係が中心であった、こういうことが述べられて、一億枚の追加輸入が日韓の閣僚会議の中できめられたといういきさつをとっておるのであります。私はここにはっきり出ておりますのは、一体日本の水産行政の中、とりわけノリ行政の中で、ノリというものは日本の食糧政策の中でどう位置づけていかなければならないのか、国内生産のノリと輸入ノリとの関係調整というものをどう基本的に水産庁は考えておるのか、こういうものがあいまいであるから、いま申し上げたように、貿易上あるいは外交上の必要で、その要請に基づいて受け入れるというあいまいな受け入れ方をしなければならぬという結果になるのである。私はここに根本的にノリ行政が一体国内生産をどう考え、それと輸入ノリというものをどう調整させるのか。またこれは外国食料品の輸入の問題と基本的な関連もあると思いますが、ノリに限らず今日の輸入食料は国内生産との関係においてどう位置づけるべきかということが非常に私は混乱をしておると思うのであります。そういう意味で私はこの基本的な考え方として一体どう考えておるのか、大臣から御説明いただきたいと思います。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 御案内のように、ノリは沿岸漁業者の養殖事業といたしましてかなり有利な事業ということになっております。また近年技術的な進歩もかなり出てきております。そういう点からいきますと、私どもの考え方としては国内生産の増強ということが望ましい方向であろうと思っております。それは国内で食べますものを国内でつくるといったようなこともございますし、また沿岸漁業者の所得の確保といったような点からいっても望ましいものだと思っております。ただ、技術は進歩いたしておりますけれども、完全には必ずしも生産の安定を調整し切れるような状態にはなっていない。したがって、需給上外国から入れなければならぬ事態もあろうかと思います。またかなり需要が増加をいたしておりますから、ある程度恒常的な形で輸入が従来行なわれてまいりましたし、今後も行なわれていくようなことになるのではないか。もちろん国産がかなり増強いたしましたならば、輸入問題については考えなければいけませんけれども、現在のような状況であれば国産を増強する。また一面韓国との関係等もございますから、恒常的な輸入というものが将来続いていくというふうな状態を想定しております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 全く回答になっていないと思うのです。ではこの問題についてもう少し突っ込んでお尋ねをしたいと思いますが、一体水産庁は、そうおっしゃるなら、いわゆる輸入をどれだけする、あるいは場合によっては国内生産でまかなう、こういうわけのわからぬことを言っておりますが、一体国民一人当たりノリは一年間何枚あればいいということを考えているのですか。それに基づいて日本の生産を、現在約四十五億枚程度平年作で生産されておるようでありますけれども、それを一体どこまで伸ばそうとするのですか。その場合に韓国輸入を、いまの話によると韓国の事情からいえば確かに沿岸漁業の振興はノリ以外にないわけですから、日本にどうしても片貿易の関係から輸入をしてもらいたいという強い希望が出てまいることは当然であります。そうなってまいりますとそういう影響からふえることはふえるのではないかという見通しを持っておるというのでありますけれども、一体国内生産との調整をいま申し上げたような具体的に一体どういうお考えのもとにそういうものを考えておるのか、それを私は聞きたいのです。どうですか。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 計数的に長期的な計画というのは、ざっくばらんにいいましていまは持っておりません。政府でオーソライズされた長期な計画というものは持っておりません。ただ先ほど来申し上げておりますことは、沿岸漁業者あるいは国内水産の生産をあげるといったような観点からいきまして、ノリの生産の増強ということは奨励すべき方向だというふうに私どもは思っておるのであります。したがいまして、そういった形でもちろん国産のノリによって全体の供給が確保されるということであれば、輸入は必要でないということになりますけれども、御承知のような状況でありますから、一ときにそう生産が飛躍的にふえるわけでもございませんから、従来の推移を見ますれば、やはり海外からの輸入が漸増してきておるという傾向にありますから、確かに、お聞きになりますと歯切れが悪いようであります。国内で全部まかなうのだとか、あるいはどんどん輸入するのだということを言えば非常に明確のように見えますけれども、現実はそういうものじゃなしに、できるだけ国内は増強していくけれども、一面また輸入はある程度ふえざるを得ないだろう、いままで漸増してきておりますから。そういった傾向でいくのだろうと、また私どもも、国内産のものは増強にいっておりますけれども、輸入についてもある程度配慮せざるを得ない事態というものが続くであろう、こういうふうに申し上げておるわけであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 少しはっきりしてまいりましたけれども、いずれにしても国内の生産を伸ばし、そうしてその中で需給関係に見合った輸入をしていく、これはもう基本だろうと思うのです。それで生産は国内では私は伸びていくのではないかというふうに考えておりますけれども、ひとつここで生産漁業家に、ノリ業者になって考えてみますと、韓国の事情が非常に気になるのであります。また韓国からノリの安いものがどんどん入ってまいりますと、確かに価格形成に影響してくるのであります。  出産漁民は、いまの調子でいきますと、ことしだって、聞くところによると五億八千万枚輸入しておりますけれども、数年後には十億あるいはそれよりも以上のものを輸入することを韓国は日本に要請するだろうと思うのです。それはいま申し上げた片貿易の関係等からなかなか断われないという事情も国際的には出てくるのではないか。そういうことが生産漁民に対しては非常に心配である。いずれノリは自由化されるのではないか。そうなってまいりますと、いよいよ生産を拡大することは、投資を拡大することは、生活ができるだろうか、経営が成り立つだろうかという不安があるのであります。そういう不安があるからノリ生産の拡大がなかなかできないという問題が出てきておるのであります。  それで私は申し上げますけれども、そういう面に対して一体水産庁はノリの自由化に対してどう対処しようとしているのか、そういう点についても、それは出産漁民の立場から見てみれば、そういう不安の中でノリ生産にいわゆる投資が拡大できないという問題があるわけですから、それが価格形成に対しても非常に影響してくるという状態であるわけですから、そこらの問題を配慮した態度を明確にしてもらいたいと思うのです。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) ノリにつきましては結論的に言いますと、現在のような状態のもとにおきまして自由化をするつもりはございません。韓国との関係でありますが、私ども韓国の首脳部とお話をしております間にも、いたずらにかような形で日韓の水産の関係が競合関係に立つということは望ましいことではないというふうな観点から少し前から話し合いをしておるわけでございますが、したがって韓国としても、たとえば沿岸漁業を振興していきますにも、日本の必ずしも輸入について大きな影響のあるものを選択しなくても、日本側としてはある程度海外に依存せざるを得ないようなものを今後奨励をしていくといったような、やや長期的な観点で日韓両国が協力をいたしますれば、いたずらに競合する、当面は別といたしましても、長い将来のことを考えますならば、いたずらに競合関係になっていくということは避けていけるのじゃないかというふうに思っております。ノリについても具体的には、いたずらに枚数をふやすというような考えではなしに、やはり品種の向上といったようなことに韓国側としても努力をしたいといっております。そういう方向であれば日本側としても十分協力できるといったような話し合いをしているような状況でありまして、私どもとしては長い観点に立ってできるだけ競合を避けるような形で両国が話し合いをしていきたいというふうに思っております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 それでもう一つノリの問題でお尋ねをしておきますが、今日ノリ行政は非常に検討、改善すべき問題点が多いと私は考えております。よくいわれるところのバノコン——バナナ、ノリ、コンニャク、これは利権行政の最大のものといわれております。今日も輸入業者の権利というのは眠り口銭といわれて何ら手を貸さないで利益が入るという状態にあるのである。また、御承知のとおり今日ノリが非常にだぶついておるにもかかわらず非常に高い、ノリ一枚に卵三個という今日の実情は、私は今日のノリ行政のいろいろなゆがみをこの中に端的にあらわしていると思うのです。こういうことはノリ行政全般に大きな欠陥と、あるいは弱点を持っているからこういう結果になると思います。したがって、まず第一にいえることは、今日の流通機構の改善に、実態を十分調べて着手しなければならない、さらには入札制度のこれまた改善をしなければならぬと思う。生果物あるいは魚、こういう問題の入札あるいは市場機構というものがおくれているということですけれども、それ以上にノリの入札制度がおくれているという考えを持っております。さらにまた問題なのは調整保管制度というのがあるわけです。今回の四月の倒産等は漁連との関係における調整保管問題があったために高値を呼ぶ、倒産を呼ぶ、こういう結果になっているのであります。私はそういう意味でも今日の調整保管制度というのが一体ノリの価格形成の上にとっても、あるいは安定的に供給する立場に立ってもいいのか悪いのか、あるいは思惑買いや投機買いをこの中から生み出す要素があると私は判断しておりますけれども、そういう意味から考えても調整保管制度というものについては再検討する内容を持っていると考えているのであります。あるいは問屋の近代化の問題、平均売りの検討等、今日数多くのノリ行政の中には検討していかなければならぬ問題があると思うんです。生産者が非常に苦労をしてつくったノリが高く売られるという結果は生産者に原因があるんではなくて、これらの私はいろいろな点に大きな原因があると思うんであります。でありますから、こういう点を農林省は一つ一つの実態を把握して、その実態把握と調査の上に立った具体的な私は行政措置をしなければ、今日ノリ行政というものはなかなかすっきりしたものにならないのではないかと思うんであります。でありますから、そういう点についての水産庁のどういう態度を今後おとりになるのか検討されてどういうふうにしていこうとされるのか、そこらの見通しをこれは大田からひとつ明確に御答弁いただきたいと思うんであります。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) まずノリの放出問題、最初に出まして私としてもできる限り早い機会に、ちょうど水産庁当局のほうからもある程度の時期を考えておるようでありまして、この問題はそれとして解決したいと思います。  それから、ノリの韓国との関係につきましては、なかなか韓国側にも困難な状況がありますが、しかし、これによって両者が摩擦を起こし、混乱を起こさぬように、また国内の出産者が零細でありますけれども、有利な立場に立つようにこの問題を十分考えつつ調整をはかってまいりたいと考えております。  それから、ノリの価格が今日のような状態を起こしたに対しては、先般の委員会でも申し上げましたように、ノリの年産について特に流通面につきましてきわめて零細であるとか、あるいは仲間売りであるとか、あるいは問屋がうまくいっていないとか、いろいろ要素があると思います。で、これに対する私は流通改善としてはやはり行政としていろいろな指導をして近代化をはかってまいりたいと、こういう考えであります。と同時に生産者団体等におきましてもいろいろくふうをこらした、均等売りといいますか、いろいろな措置がとられなきゃならない段階にきておるんじゃないかと思います。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 時間もありませんからノリの問題はこれで一応終わります。     —————————————  次に順序を変えまして密漁の問題を一、二点御質問しておきたいと思うんであります。海上保安庁の方おりますか。——実はいま、特に私は長崎県でありますから、この漁業の問題についてはいろいろ県内で起こっておるのでありますけれども、密漁の問題については、水産庁あるいは海上保安庁で今日いろいろ検討されなければならない問題があると思います。特に日本の沿岸漁業はいま御承知のとおりきびしい条件下にあるわけでありまして、そういう立場から日韓の漁業ラインの問題だとか、日中の問題、あるいは公害、食害の問題等々そういう問題をかかえながら沿岩漁民は非常に苦しい経営を今日やっておるのであります。加えて漁業者同士の密漁というものが今日非常に多く出てまいっております。最近では新聞にもたくさん出ておりますけれども、非常に密漁が多くなりますし、きわめて巧妙になってまいっておるのであります。しかも最近では集団化しておりますし、   〔委員長退席、理事任田新治君着席〕 わが長崎県では九月から十一月にかけて地元の新聞では、三日に一回くらい密漁の検挙、あるいは県庁に陳情に行って県庁の漁政課になぐり込みをかけるというような刑事事件まで起こっておるのであります。こういう状態で何らかの措置をこれはしなきゃならぬという状態に今日あると思います。  で、その措置の内容としては私は三つのことを考えておりますけれども、まずお聞きしておきたいのは、一体こういう密漁だけを取り締まる、あるいは監視をする、あるいは情報を集めるということではなしに、たとえば海上保安庁等の場合については密貿易の問題あるいは李ラインのパトロール、密輸、密航ですね、海難救助等の任務があるわけでありまして、それを専従にできないというところにもまた監視体制の非常な困難性があろうかと思うんであります。それからまた、水産庁の監視体制とそれから海上保安庁の監視体制、さらには県が直営でやっている監視体制、さらには県が手不足のために民営の民間船を雇い上げて監視する等の今日措置をとっておるようであります。したがって、こういう監視体制の総合的な調整というものがどういう形で系統的に行なわれておるのか、これも私は非常に疑問のあるところだと思うのであります。それから体制そのものの中にも、とにかく監視艇、監視船というものが今日の状態では非常に不十分だと思うんでありますけれども、そういう不十分な状態に対して水産庁ないしは海上保安庁はどういう対策をおとりになろうとしているのか、こういう実態と監視体制のいわゆる状況ですね、それから将来にわたってどうしていこうというお考えなのか、まず、水産庁と海上保安庁にお尋ねしておきたいと思うんであります。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 具体的な地域のお尋ねでございますので——私ども九州の西部及び日向灘、あの周辺における監視取り締まりの体制でございますが、水産庁と関係の府県が連携をいたしまして取り締まりをするということに現状はなっております。具体的には水産庁のほうのヘリコプター、それから取り締まり船というものが現場に出ております。それから山口、福岡、佐賀等々の諸県からもそれぞれ取り締まり船が出ておるわけでありますが、水産庁のヘリコプターなり、あるいは取り締まり船が中心となりまして、関係県の取り締まり船とよく連絡をとりながら、いわゆる連携取り締まりという形で漁業の取り締まりをやっておる、一口に言いますとそういうことでございます。

河毛一郎海上保安庁長官

○説明員(河毛一郎君) 海上保安庁の漁業法違反関係の体制でございますが、ただいま御指摘がございましたように、私どものほうは広く全国的に警備救難の業務を行なっておりますが、そのために全国で百四十九カ所の官署を持っております。またこれらの官署には約三百隻の巡視船及び巡視艇あるいはこれに付属いたしまして約十七機の航空機、ヘリコプター等を持っておりまして、この勢力をもって漁業関係の取り締まりをも行なっておるわけでございます。ちなみに昭和四十二年におきまして漁業法関係で私どもが検挙いたしました数は四千六百六十八件でございます。  さらに今後の体制でございますが、私どもといたしましては各海域におきまして具体的な船型あるいは船性能というものをその海域の船艇の行動範囲及び業務の内容に適合するものにいたしますとともに、またその必要な隻数を数年間の平均業務量を積み上げ方式によりまして算出いたしまして将来の隻数その他を考えております。現在のところ、先ほど申し上げましたように、これを船艇について申し上げますと、二百九十七隻の船艇がございますが、これを将来四百隻にまで増強していきたい、このために今後毎会計年度におきまして予算要求に努力する、こういう体制でございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 いま私が申し上げましたように、どうも最近の密漁は非常に悪質、巧妙化しておって、たとえば船名を隠すとか、許可番号を隠すとか、あるいは凶器を振り向けて逃げるとか、こういうように非常に悪質で、しかも巧妙化し、それから船のスピードアップをする、こういう傾向が非常に強くなっておるんであります。しかも、私の地元の長崎では、十一月の新聞によりますと三回、しかもこれは集団的に、大きい場合には二十人、少ないときでも七、八人、漁船にして七、八隻という集団化した密漁が行なわれておるのであります。こういう傾向が非常に強くなっておるのであります。漁民の人たちに私が会って聞いてみますと、いまのような取り締まりの状況では、密漁しないものが損だという気持ちが一面には出ておるのであります。密漁がたくさん行なわれておるにもかかわらず、取り締まりの手不足からそれが見過ごされておる。したがって、密漁をされた、特に小型底びき等の場合については、あとに行けばほとんど漁獲がないという状態であります。そういう状態ならばやらざるを得ないではないかという気持ちにもなるんだということを率直に言っておるのであります。またある漁民は、どういうことを言っておるかというと、もう資源が枯渇してしまって、密漁でもやらなければ生活ができない、経営困難だ、だからといって動力船あるいは漁業投資をしておるから、これを手放して他に転換することも今日困難だと、こう言っておるのであります。こういうぎりぎりのところに今日沿岸漁民は置かれておるという実態なのであります。私はこういう状態の出てきておる原因は、一体何と水産庁はお考えになりますか。そうして、その原因の上に立ってどういう対策をお立てになろうと思いますか。長官から御答弁いただきたいと思うのであります。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 原因といいますと、最近、特に私どもの感じでは、こういった違反が全国的に見まして増大をしているというふうにも必ずしも思わないのでございます。ただ、御指摘のような特定の海域におきましては、従来からもかなりございますし、またなかなかその密漁があとを断たないというふうなこともございまして、私どもとしては、そういった特に密漁の多いような特定海域については、先ほど申し上げましたような形の重点的な取り締まりをやっておるというわけでございます。   〔理事任田新治君退席、委員長着席〕  こういった状況が出てまいります原因は、一つはその密漁の形態を見ますと、許可を受けないいわゆる無許可の漁業があるというふうなことが一つ。それから最近のようなことで、漁船の機動力が向上してくる、あるいは漁法が進歩するといったようなことで、区域なりあるいは漁法なりに対する制約が窮屈になってくるといったような原因もあろうかと思います。しかし、そういった一時的な要因のさらにもとには、先ほど来御指摘がございますように、生活問題なり、あるいは漁業資源の問題なりというものが根底に横たわっておるというふうなこともあるかと思っております。  そこで、それに対する対策も一がいにはまいりませんけれども、全部が全部私どもとして情状を甘く見るというわけにもまいらないものがございます。常習的なものもございますし、またかなりある意味では悪質なものもありますから、取り締まりを強化していくということも一面考えなければならぬと思います。他面そういった現象的な違反のみを追及をするというわけにもいかないので、漁業者の生活なり、あるいは沿岸漁業の状況といったものもあるわけでございますから、そういった密漁をしなくても生活がささえられていくような別途の対策といったようなものも根本的には考えていかなければならぬだろうというふうに思っております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 私も、一つは取り締まり対策を強化する。その場合水産庁とそれから海上保安庁とそれからおのおのの県が一体になった監視体制というものをつくっていく。しかし、私はこれだけではよろしくないと思います。密漁が行なわれる原因というものは、 いま長官ちょっとお触れになったように、非常にいま漁船が大型化をして、無動力船が動力船にかわっておる。あるいは漁業装備が非常に近代化され、高級化されてきておる。あるいは漁業技術が向上した。にもかかわらずいわゆる漁業区画というものは昔のままなんです、ほとんど。そういう状態でありますから、勢い漁業資源が枯渇をするという結果になるのです。したがって、その区域の漁獲高では生活ができない、経営ができないから、勢い密漁でもせなければならぬ。あるいはそれだけのいわゆる資本を投下しているわけでありますから、それをほうって他に転業するわけにいかぬ。転業するにしても、それに見合う補償ができない。こういう状態でありますから、やむを得ず生活のために密漁という方法をとっておるというところに最大の私は原因があると思うのでありますから、この問題は根本的に今日の日本の沿岸漁業の宿命的なものを持っておる。沿岸漁民が一番行き詰まっておる問題というのは、この密漁の中にはっきり出ておると思うのです。  水産庁は——私はこの前本会議でも言ったのでありますけれども、大資本漁業だけの方向に向いて水産行政はやってはいけない。沿岸漁業を中心にして日本の漁業は発展をしたのではないか、そこを中心にして水産庁はめんどうを見るべきだ。そういう方向で水産行政が進められない限り日本の漁業は発展できないということを私は申し上げたのでありますけれども、ちまたでは大洋や日水の番頭さんが水産庁だという悪名もあるように、こういうものをひとつ返上するように、この機会に私は沿岸漁業のこういった問題を真剣に水産庁で取り組むべきだと思うのです。特に昨年の漁業権の更新にあたって、私は本会議で、この機会に漁業権を大企業や大資本漁業だけに持たせるようなことをやめて、漁業組合や沿岸の漁業者に一つでも二つでも新しい漁業権を与えて、漁民の生活ができるような方向づけを考えていくべきであるということを申し上げたのでありますけれども、私はここに端的に言えることは、いまの状態ではどうしても立ち行きませんから、そういう漁業権の問題を含めた抜本的な——区画と漁業権の問題を含めた抜本的な対策をこの機会に考えなければ、沿岸漁業はこういう状態が続くであろうと思うのであります。でありますから、どうかそういう意味でもこの機会に区画の問題と同時に漁業権の更新、あるいは漁業権をどう沿岸漁民の中に実際的に漁民の権利として与えていくか、そういう問題についてこの機会に抜本的に検討していただきたいと思うのであります。どうですか。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 確かに沿岸漁業の振興の問題は従来からも強く言われておりまして、なかなか片がつかない問題であります。水産庁としても決して大資本漁業にのみ目を向けておるわけではございませんで、むしろ行政の大部分の重点は、やはり沿岸なりあるいは沖合いの漁業者に向けられておるという実情であったと考えます。しかしながら、御指摘のございましたように、資源の問題なりあるいはそういうものに見合った漁法なり技術等のバランスといったようなことの回復はなかなかそう一朝一夕にはまいらないと思います。瀬戸内海等におきましては、御案内のように資源の培養ということで、いわゆる栽培漁業といったようなことを国の施設によって始めて、あるいはその他の増養殖といった面でもできるだけ私どもの力を尽くしていきたいというふうに思っておるわけでありますが、そう端的に一挙に解決するといったような方法はなかなか私はむずかしいのではないか。いろいろな施策を積み重ねてできるだけ根気よくやっていくといったようなことに期するのではないかと思っております。御提案の漁業の漁業権なりあるいは許可につきましても、確かに一部分をとってみますとなかなか理解がしにくいといったようなものもないわけではございません。しかしそれが全体の中で組み合わさってバランスがとれている、そういうことでそれぞれバランスがとれております。ある部分については狭いからこれは自由にしたらいいじゃないかと思いましても他の海域との関係というものもございますから総体的に見ますとそう簡単に手をつけられるようなこれは状態ではないと思っております。しかしもちろんそういった面につきましても御指摘をまつまでもなく、私どもとしても十分研究すべき点は研究しなければならぬと思っておりまして、将来十分検討をさしていただきたいと思います。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 ではいまの問題は特にそういう漁業権あるいは漁業地域、それから特に長崎県の場合には三千七百キロという非常に海岸線の長い海洋県でありますから、それらの県の意向も十分くみながらそれらの県とも十分連携をとりながら、特に漁業区域の調整の問題等については水産庁が主導を握って調整のいわゆる主導を果たしていく、こういう形をとりながら問題の解決をはかるようにひとつ御努力をいただいてこの問題を私は終わりたいと思うのであります。     —————————————  次に時間がございませんので干拓行政の問題に移りたいと思います。  この干拓問題につきましては昨日、本日いろいろ論議をされておりまして大体農林省の意見も出ているようであります。私はまず根本的に、農林大臣は総合農政ということばを今年になってから盛んに使われ、そういう方向で農政を進められようといたしておりますけれども、御承知のとおり、干拓行政というのは海を埋め立てて開田をしていくというのがその基本であります。そういう観点から考えてまいりますと、今日農林大臣がよく言われるように、米が余っている。したがって作付転換あるいは休田をしなければならぬという状態になっている、こういう状態にあるわけでありまして、そういう意味における土地行政の中におけるとりわけ干拓行政というものは根本的に再検討しなければならぬ環境下にあると私は考えるのであります。こういう状況の中におけるいわゆる干拓行政に対して、総合農政の立場から農林省はどういうように基本的にお考えになっているのか、お尋ねをしたのであります。

中野和仁農林省農地局長

○説明員(中野和仁君) 干拓の問題につきましては、昨日からるる御議論があったわけでありますが、米だけをつくるという意味で干拓ということになりますと、昨今の需給事情を短期的に考えればやめたほうがいいということになるかと思います。ただ御承知のように、干拓はそこに土地ができる、そこへ米をつくるということもございますけれども、あわせてそこにできました淡水湖を利用するとかあるいは堤防を利用するとか、その水を利用するとか、背後地の農政に役立てるというような、こういう問題もあるわけであります。現在までやってまいりました干拓につきましてもそういうような観点もかなり含めたものをやってきているわけであります。したがいまして、今後背後地の農地保全あるいはそれを含めましての規模拡大という意味で干拓を必要な地域におきましては続ける必要があるかと思いますけれども、同時にあわせて、いまお話申し上げましたようなそういう多目的的な意味も含めてやる必要があるのではないかというふうに考えております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 では、そういう考え方ですと、具体的な問題を提起してお尋ねをいたしていきます。  かねてから農林省が計画いたしております例の長崎の諌早干拓の問題であります。この干拓は一体どういうふうにお考えになりますか。将来この干拓に対して——いまの経済環境あるいは農業を取り巻く諸情勢の中にあって、この干拓というものをどう農地行政の中で位置づけようとされるのか、どういう理由に基づくのか、具体的に御説明願いたい。

中野和仁農林省農地局長

○説明員(中野和仁君) 長崎干拓事業につきましては、御承知のように昭和四十年度から着工いたしまして現在に至っておるわけでございますが、着工の態勢をとりましたわけでございますが、いろいろないきさつがございまして、まだ漁業補償等の問題が残っております。したがいまして、具体的に工事には着工していない状況でございます。  そこでお尋ねの問題でございますが、長崎干拓につきましては、特に五千ヘクタールの土地を造成する。その場合に、われわれの計画といたしましては、田畑輪換の計画をとっております。したがいまして、五千ヘクタールのうち、二対一と申しましょうか、三千ヘクタールが水田の場合は、あとの二千ヘクタールは牧草を植えるというふうな計画を立てた上でやっていきたいというふうな前提の上で出発したわけであります。その点は先ほど来あります総合農政の観点から申しましてもオール開田にしてしまうと問題はあるかと思いますが、田畑計画を具体化するというかなりむずかしい問題も含んでおりますけれども、できますればそういうふうに持っていきたい。それからなお、この干拓地につきましては、長崎県は背後地が非常に狭い、そういう問題がございますので、そういうものも含めての農家としての規模拡大になるのじゃないか、それからあるいは農地の保全にもなるかと思います。それからなお、あそこの干拓の場合にはかなりの淡水湖ができるわけでありますが、これが淡水漁業に利用されるということもございましょうし、もちろんまだはっきりしたことではございませんけれども、その水が上、工水に使われるというようなことも考えられる。それからまた堤防があそこにできますと、あそこの交通が非常に便利になるというようなこともございます。それからまた地元の農家をはじめ、地元民からはやれという非常な熱望もあるというようなことでございますので、われわれといたしましては、関係漁民と十分話し合いをつけまして、一日でも早く漁業交渉を妥結させまして着工に踏み切りたい、いまのところそういうふうに考えておるわけであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 現段階では、いままでの計画どおり進めるということですね。いいですか。そうすると、いま問題になっているのは、一体、いわゆる着工にまだかかっていないわけですね、予算はついておるけれども。調査費がついておりますよ。着工がおくれておるのですね。現在ここに資料持っておりますけれども、四十年から四十一年、四十二年、四十三年と十億ついておるのです。そうして決算額において使われておりますけれども、工事には入っておりませんね。これは私は三年前から委員会で大和田農地局長当時からずっと取り上げておるのです。そうして漁業交渉は早急に着手します、見通しもありますと、あすにでも話がつくような話をして三年間引き延ばされてきておる。一体今日どうなっておるのですか。現状をひとつ御説明いただきたいと思います。

中野和仁農林省農地局長

○説明員(中野和仁君) 御指摘のように着工いたしまして、着工といいますか、そこを干拓いたしますのをきめましてから三年たっております。その間工事の準備はいろいろやったほかに、何といいましても、あそこの海面はノリをはじめいろいろな漁業がございます。それをその漁民の納得を得ませんと干拓に着手できないわけであります。その問題につきましてかなり強い漁民の反対がございました。いろいろないきさつがありますが、現段階におきましては、その間に一度漁業権の免許がことしの九月に切れた。それにつきましても新たに五年間の免許を漁民に与えて、また浮き流し漁業をいままで試験操業でやっておりましたものにつきましても、十月十五日だったと思いますが、知事のほうで免許をいたしました。そしてわれわれとしましては、できるだけ早く漁民と話し合いをつけたいということで、本省の農地局のほうからも参ったこともございますが、主としまして九州農政局、現地の干拓事務所、県庁、地元の市町村というものが一生懸命になりましていま漁民側とせっかく折衝をしておる最中でございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 三年前からそういう答弁ばかりですよ。せっかく話し合いをしています、折衝しています、それが三年続いているのです。そうじゃなくて、具体的にどういう話し合いで、どういう原因があって話し合いがつかないのか、それから農林省としては一体どういう努力を今日までしてきたのか。いまあなたが言われるのは三年前の答弁よりもまだ悪いですよ。全然中身がないじゃないですか。もう少し具体的に誠意のある答弁を願いたいと思うのです。

中野和仁農林省農地局長

○説明員(中野和仁君) 現在やっておりますのは、先ほども申し上げましたように、われわれとしましては、漁民側の同意がなければ工事には着手しない、強行しないという意思も明らかにしておるわけであります。ただ、そうかといいまして、やりたいという基本的な考え方から、円満な妥結をはかりたいということで、農林省側と知事とそして漁民の代表のほうと相互の信頼あるいは誠意と申しましょうか、そういうものを基調として話し合いをしたいということで、具体的には現地の漁業権者の組織もできておるわけでありますが、それとおとといも電話連絡等もいたしまして、現地でいま折衝に入っておる。その辺の折衝は何度もやっておるではないかというお話があったわけでございますが、その間やれそうになったことがあり、またいろんないきさつからまた離れて全員反対になってみたり、いろいろないきさつがあったわけでございますけれども、われわれとしましては何とかしたいということで努力しておるわけでございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 今日の状態では前の状態から全然前進をいたしておりません。逆に、私は現地の事情もよく知っておりますけれども、内容はむしろ悪くなっておるのであります。そういう上に立って問題の判断と解決をしなければなりません。私は十月に熊本の農政局長とも視察の際に会いまして、一体見通しはどうだと言ったら、暗くなりましたと、これは個人的な話ですけれども、言っておるぐらいに暗いのです。そういう状態ではこれは農林省の責任も重大だと思います。今日までそういう状態で引き延ばして何ら解決の見通しを持たない、そういう状態で放置するという状態、努力が足りぬという問題、私は非常にこれは重大だと思います。  そこで、もう一つお伺いをいたしておきますけれども、いまあなたが言われたように、九月には漁業権の更新を行ないましたね。それから浮き流し漁業の新免も与えておるのであります。そこで、私は一週間前にあの沿岸を通ってまいりましたけれども、確かにノリの生産業者はそのためにまた新しい投資をやっておるはずであります。浮き流し漁業のための投資、こういう状態になっておるのであります。それから環境は、農林省の言い方によると、今日米が余ってどうにもならないようになっておるのに、近くに米をつくられたんでは、計画的につくられる水田はいわゆる安上がりの農政ができるかもしれないけれども、いまあるところの周囲の田というものはこれは安上がり農政にはついていけないわけですね。そうなってくると、われわれの水田のほうは農林省の指導によっていわゆる転換農業の指定を受けるではないかという恐怖が出てきておる。これは当然出てくるのであります。熊本でもそういう実例を私は圃場整備の中から見てまいりました。三段区画によるところのいわゆる田の団地をつくっておりますけれども、つくっておるところとつくっていないところでは安い農業と高い農業という比較が出てきているのであります。そうなってまいりますと、いわゆる整備されたととろについてはそういう懸念が出てまいるのであります。それと同じものがこの干拓の周囲の中から、漁業者の中からも出てまいっております。さらに漁業の投資を拡大いたしておりますし、土地の値段も上がっておるし、工事費も上がるということになりますと、それだけのものを全体の費用にぶっ込んでしまって、今度はつくった開田を農民に売る場合については高い農地になってしまう。高い農地の中で一体償還をしながら農業経営が成り立つかということになると、私はこれはたいへん条件のむずかしい干拓の開田の状態だろうと思うのであります。しかも、長崎県の諌早というところは、御承知のとおり、水産庁長官はよく御存じでしょうけれども、日本で有数なノリ漁場ですよ。八郎潟のような使えない潟を開田するのではないのです。日本のノリのうち長崎県では約五億から六億、多い場合には十億のノリ生産をあげているところですよ。そういうところを漁業を手離して農地にしようというのでありますから、その漁業補償は私は日本のいままでの漁業補償の中では最高のものにならざるを得ないと思います。そういうものをぶっ込んだ農地の値段ということになると、相当高度化された開田ができない限り農業経営は私は成り立たぬだろうと思うのであります。そういう面から考えても、漁業投資はどんどんしながらなおかつそういう状態ということになると、その見通しは、立ててみると、私は非常に暗いのではないかということを最近特に感ずるのであります。どうですか、そういう見通しについて。

中野和仁農林省農地局長

○説明員(中野和仁君) 新たに漁業投資がありましたことにつきましても、この干拓を安くあげるということにするためには免許をしなかったほうがよかったのかもしれないかと思います。しかし、われわれとしましても、あるいは知事側としましても、この話をまとめようという場合に、漁民の要求がもう一ぺん免許をくれ、こういうことがあったわけですから、それでそれを認めるという上に立っての話になったのが最近のいきさつでございます。そこで、これから工事をやってまいりますと、工事費もだんだん上がってくるということは御指摘のとおりであります。ただ、いまの農林省の干拓の場合には、かかりました工事費の四分の一で農家に売り渡すということになっておるわけでありますから、農家が買う場合にはそんなに高い土地になるというふうには、そんなに高くなるとは思えないわけであります。ただ、その周辺の農家と比べましてどういう経営になるかといった場合に、先ほどもちょっと申し上げましたように、田畑輪換計画でかなり大きな規模の土地を払い下げ、そこで、近代化施設等も、いろいろな助成あるいは融資等も含めて、かなりな経営ができるという見通しに立ってやるべきだというふうに考えます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そういう答弁をするからなお漁民や農民の皆さんは懸念するのです。おそらくこういうものは田でもって田をつくったんでは経営が成り立たぬから、工業団地や工業敷地、そういうものに大半を持っていかれるのではないかという気持ちが漁民にあるから一つは反対するのですよ。それは、いま申し上げたように、開田をするのに高くかかる。そうなってまいりますと、経営上採算がとれなければ、採算がとれるような土地の使い方、利用のしかたしかないじゃありませんか。そうなってくると、農地だといって取り上げておきながら、結果として農地でなくて工業用地に使われたという結果になるじゃありませんか。きのうの説明によっても一万でしたか、一万ヘクタールの中で一千数百は工業用地に転換していくということをあなたは説明しておったようでありますけれども、そういう傾向というものに対して、そういう条件の悪いところでは、その採算をとるために勢いそうならざるを得ないというところから警戒をするのであります。そういう点も十分考えてものの判断をしなければならぬのであります。時間がありませんから、この問題についてはさらに私は検討を皆さんにお願いをしておきたいと思うのであります。  大蔵省からおいででございますか。——大蔵省にお尋ねをいたしておきますけれども、いま申し上げたような事情にあるわけであります。聞くところによりますと、これは地元の新聞でも、あるいは地元の財界とかその他いろいろなところで話をしているわけでありますけれども、本年度の予算にこれをつける、つけないということで大蔵省と農林省との間、あるいは県との間にいろいろないきさつがあったということを聞いております。それで、大蔵省としては、二年も工事費をつけながら漁業補償の話し合いができないまま今日まで繰り越しておるということは、これは予算の編成上からいってきわめて不経済なことであるし、また予算のあるべき姿からいっても妥当でない姿だと思います。今年度もあと三月三十一日までありますけれども、いまの状態では私はこの見通しはつかないだろうと思います。いま予算編成期に入っているわけでありまして、十二月までの見通しをつけなければならぬと思いますが、いまの状態では解決の見通しはない。聞くところによると、大蔵省はさすがにその取り扱いに困って今年度の三月三十一日までに漁業補償交渉に入るという前提でなければ予算もつけぬということを言ったといういきさつを私も知っているのでありますけれども、現在なおかつその問題について補償交渉は全然なされておりません。見通しも暗い状態にあるのであります。一体、大蔵省はこういう状態の中、しかもいま申し上げたように環境は非常に悪い。また非常に高いものになっている、こういう状態の中でどういうふうに御判断をいただけますか。それから次のいわゆる予算、ことしも全然使っておりませんが、工事費は使っておりませんが、来年度の予算の中でどういう立場を大蔵省はおとりになるのですか、お伺いいたしたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局主計官

○説明員(松下康雄君) ただいま御質問の干拓の予算につきまして、三年前に着工を決定いたしましたけれども、現在まだ具体的な着工実績になっておらないということについては私ども遺憾な点があると考えております。ただ、本件はすでに一たん着工と決定いたしました場所でございまして、現在農林省なり県当局なりあるいは地元の方々が非常に苦労をされて努力をしておられる最中のように承っておりますので、さしあたりは事態をこれ以上私どもは紛糾させないように、事態の動きをもうしばらく静観していきたいと思っております。来年度の予算につきましては、今後予算の内容を決定いたします時期まで事態の推移をながめまして、その状況に応じまして適切な措置をとってまいりたいと思っております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 実はそういうあいまいなことを三年間大蔵省は言ってきているんです。だから、大蔵省としてはこの際やはりある意味では明確な立場をとる時期もなければならぬと私は思うのです。それはいま申し上げたように、一体補償交渉というものが見通しがあるのかどうかということを十分私は見きわめなければならぬと思います。そういう面に立って大蔵省としては最終的にそういう意味での判断をしなければならぬと思うのです。でありますから、いま申し上げたように、推移を見て推移を見てということで三年間引き延ばされてきているわけでありますから、いまの見通しから考えて、私の見通しでは非常に困難である。いまの現状よりも進むことはまず困難ではないか。これは漁民の皆さんと私は一人一人ではありませんけれども、代表者とはすべてよく知っておりますから意向も知っておりますけれども、そういう状況にあるのであります。そういう状況は大蔵省もこれは私がいま申し上げたように、農林省もそれから長崎県もそういうことをきめて今日まできながら、こういう状態で推移するということはきわめて責任のがれであり、けしからぬと私は思っている。きめたことをきちんとやるような指導体制と実施体制をとるべきであります。にもかかわらず、そういう立場をとるということはきわめてけしからぬと私は思っているのでありますけれども、そういう状態でありますから、大蔵省もひとつそういう実情を十分解明をしていただいて、今回の措置に対してはき然たるひとつ態度をおとりをいただきたい、こう思っておるのであります。  以上で終わります。     —————————————

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 食糧庁長官にお尋ねしたいのですが、この間——この間といっても十八日ですか、十七日ですか、国内米の買い入れ費及び管理費のために二千十一億円という金を予備費という弾力条項から出したと、そういうのが新聞記事に出ましたですね。で、中身を見ますというと、九百万トン米を買い入れるためなんだということが書いてありました。そこで二つほどお尋ねしたいのです。  一つは九百万トンですね。ことしの四月、参議院の予算委員会で四十三年度の予算を審議しますときに、食糧庁の予算では、買い入れ米が八百万トンになっている、しかし八百万トンというのは、どだい話にならないのじゃないか、昨年の傾向からいっても、つまり四十二年度の買い入れの傾向等からいいまして、一千万トン近いものになるんじゃないかという話をしましたら、そんなことはありませんと、いままでの最高の買い入れ数量を出してありますから、八百万トンでいいんだというお話であったのですけれども、八月になったとたんに、えらいものになってしまったと、これはどうも一千万トンになるかもしれないというお話のようなんですがね。しかし私は、食糧庁というところは相当なところだという感じもするのですよ。わずか四、五日の間に百万トン食い違う。そういう点についてはどういうように考えておられるのかというのと、それからもう一つは、八百万トン買う予定になって予算を組んであるわけですが、それが百万トンふえて九百万トン買う。それで、これでぎりぎりで、これ以上ふえるということになると赤字が出てくるということが報道してあったですね。そうなのかどうなのかという点ですね、この二点をお尋ねします。

桧垣徳太郎自由民主党

○説明員(桧垣徳太郎君) 四十三年度の食糧管理特別会計並びに一般会計からの繰り入れの関係で一般会計予算を編成するにあたりまして、四十三年産米の買い入れ予定数量を八百万トンということを予定し、予算を組んだことは御指摘のとおりでございます。当時衆参両院におきまして、八百万トンの買い入れ予定は過小じゃないかという御質問があったことも私も聞き及んでおります。当時そういう予算を組みましたのは、昭和四十二年産米が御案内のように作況一一二%という、およそ予想もされなかったような数量、増産でございました。したがって、一体平年反収水準をどのように計算するかということは、農林省内でも確たる結論が出ておらなかったのであります。そういう事情もございまして、食糧庁、農林省といたしましては、過去の最高の買い入れ実績であります四十一年産米の八百七万トンというものをにらみまして、大体四十一年産の作況がほぼ平年作というふうに理解をされておりましたので、これを前提といたしまして八百万トンの買い入れを見込むことは、まず情勢的には無難な推定であろうということで組んだ次第でございます。ところが御案内のように、四十三年産米も昨年に引き続きます作況指数一〇七というようなことで、十月十五日現在の推定実収高では千四百四十三万トンというような収穫を見るに至ったのでございます。そういう意味では当初の八百万トンが結果において過小であったということは私は認めざるを得ないと思います。でございますから、せんだっての予備費の使用、弾力条項の適用について買い入れ費の歳出ワクをふやさざるを得なかったということでございます。なお買い入れが増加いたしますれば、現在の食糧管理の中では、買い入れと売り渡しとの間に、現段階で推定されます財政負担はトン当たり約二万九千六百三十八円というようなことに相なっておりますので、したがって買い入れ数星の増は赤字の増大を必然的に招く。ただし、いまの数字は固定費もございますので変動はございますが、いずれにしましても食管赤字の増大を招くということは、これは避けがたいのでございます。避けがたいのでございますが、御質問以上のことをお答えするようになるかと思いますけれども、四十三年の食管特別会計では、生産者米価の引き上げがマイナスの、赤字の要因であり、また数量の増が、赤字の要因でございますが、消費者米価の改定による赤字といいますか、益の要因もございますので、先般の九百万トンまでの買い入れの歳出権を持ったということが直ちに現在の食管特別会計にとって赤字といいますか、繰り入れ額に非常な問題を起こすというような事態ではないのでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いま長官の答弁になりました逆のほうから重ねて伺いますが、まあ確かにおっしゃるように、生産者米価は五・六ですかね。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 五・九です。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 五・九でしたですね。消費者米価八%。ですから、しかも古米にさかのぼって上げたわけですから、前年産米を上げたわけですから相当な利益があったわけですね。あったわけですが、私が尋ねておりますのは、九百万トンまではそういうような利益もあって赤字にもならないけれども、九百万トンの買い入れをこすというと赤字が出るという、そういう書き方がしてあった。だからもし九百八十万トン買わなければならぬということになれば、そうすればいま長官のおっしゃるように一トンあたり三万円近いでしょう、だから二百四十億という赤字が出てくるということになる。その金は一般会計からどうするのか。一般会計の補正でどうというわけにもいかないでしょうし、あるいは来年に繰り延べるということになろうかということになると思いますが、いろいろあろうと思うんですが、赤字にならないですか、九百万トンこしても。

桧垣徳太郎自由民主党

○説明員(桧垣徳太郎君) 私ども、ただいま申し上げましたような食管特別会計の損益の見通しからいたしまして、おおむね九百万トン程度の買い入れまでは食管特別会計は当初の繰り入れ額で間に合うと思われるということを申し述べてまいりましたので、それをごらんいただいたのであろうと思います。でございますが、政府の四十三会計年度中における買い入れの最終の数字が九百万トンを大幅に上回るということになれば、現在の繰り入れ額では赤字の補てんとしては不十分である、足りないということは申し上げざるを得ないと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 前に返りまして、長官、異常な予想できないような大豊作になったという話がありまして、新聞はどの書き方もそうですし、食糧庁のいろんな意見の発表の中でも、あるいは農林大臣の話の中でも、予想以上の、予想できないような大きな豊作であったというようなことを言われるわけですが、しかし私、三十四年から三十五年にかけて答申がありましたですね、農業基本法のもとになる答申、ありましたですね。で、あそこの米のところをこう引っ張ってみるんですよ、米のところを。あのときに私の受けた印象は非常に米というのは斜陽産業になるのだ、斜陽農作物になるのだという印象を非常に強く受けたのです。それでまあ今度どうなっているかと思って引っくり返してみたら、三十三年度を基準として一割限度にせいということが書いてある。一割限度の増産にとどめる。一割限度ですよ。そうすると、ちょうど三十三年基準で千二百万トンぐらいの基準です。一割限度ということを言っているのですね。そうすると、まあ千三百三十万トンぐらい、二十万トンぐらいですね。これが一つ。それからあの答申の中に資料がありますね、統計資料が。あれを見ますと、四十四年にやはり千四百万トンぐらいになる推定をしていますね、四十四年にね。それから農林省が三十七年の五月に出しました農業基本法の八条に基づく農産物の長期需要と見通しというのがありますね。あれを見ますというと、四十六年に千四百五十万トン程度になることになっていますね。千四百五十万程度になることになっているのです。ですから農林省自身は何もあれじゃないですか、予想以上の、とか何かおったまげたような話ではないじゃないですか。何かその食管特別会計の上に安閑としておったその夢をさまされたということで予想外という話もあるかもしれませんけれども、いままでの農林省が出している資料の中から見ますと、そういうものはないのですね、どうも。だからそこら辺が私はふに落ちないわけです。もう少しやはり、これは食糧庁と農政局との関係がなかなかうまくいかない。食糧庁は食糧庁じゃ、米をつくるほうは米をつくるほうじゃということであったのかどうなのかわかりません。そうすると大臣のところで調整がうまくいかないということになるわけですね。それはどうも私は解せないのですけれどもね。とにかく、そのこまかい問題は別として、米というのは日本の農業の柱になるものですから、その柱になる問題についていろいろ見通しが当時から行なわれてきておる。そして政府が発表してきておる。それがわずか一年か二年か早くきただけです、千四百万トンが。そうじゃないですか。

大和田啓気農林大臣官房長

○説明員(大和田啓気君) 米の長期見通しにも関係いたしておりますので、私からお答えをいたします。  農林省で作業をして発表いたしました過去の見通しといたしましては、正式には三十七年の長期見通しでございますが、その前に基本問題調査会関係で試算をしたものが三十五年にございます。その試算の内容をごく簡単に申し上げますと、需要といたしまして、四十四年の見通し、これは三十三年基準で四十四年見通しとして、一人当たりの需要量が百九キロないし百十一キロ……

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 簡単に答えてもらいたい。

大和田啓気農林大臣官房長

○説明員(大和田啓気君) そこで、三十五年当時の見通しとしては、四十四年の総体の需要量千二百八十三万五千トンないし千三百万九千トン、生産は千三百万トン程度ということでございまして、大体需給はほぼ均衡するというふうに考えたわけでございます。三十七年の見通しにおきましては、総需要量は十年後の四十六年において千三百十一万トンないし千三百七十八万トン、生産は千四百二十二万トンないし千四百二十五万トンということで、これはある程度まで需給が緩和する、米の需給は将来緩和の方向に向かうというふうに見通したわけでございます。それから、確かにこの三十七年の見通しをいたしまして以来、生産は三十八、三十九、四十と、むしろ低目に推移いたしまして、消費は当時の需要は一人当たりはだんだん落ちるだろうという見通しをいたしましたにもかかわらず、三十八年、三十七年がピークでございまして、三十八年から一人当たりは落ちますけれども、総体としては三十八年が千三百四十一万トンの消費ということでございましたが、以下相当なスピードで減少いたしまして、四十一年において千二百五十万トン、四十二年において千二百四十八万トン、四十三年におきまして、これは当然年度の途中でございますからまだ明確には申し上げられませんけれども、千二百五十万トンをこえる事態はまずないというふうに予想されるわけでございます。したがいまして三十七年の長期見通し以来、米は将来需給が緩和の方向に向かうということは今日の結果からいうと間違いはございませんでしたけれども、生産が天候の加減もございまして比較的低調であるのに対して消費がむしろ一時増加するということでございましたので、昭和三十八、九年、四十年ぐらいにやや米不足というムードが出てきたと、そういう関係でございます。長期的な見通しと短期的な摩擦と、両方ともに事実としてあったわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 私が質問いたしましたのは、農業基本法の八条に基づいて出している三十七年に出した長期見通しによるというと、四十六年に百二、三十万トンぐらい、五十万トンか百二、三十万トン余ることになっておるじゃないか、それから四十五年に出ました農業基本法の答申に出ましたあの非常に分厚い資料を見ましても、四十四年にすでにきちっと需給が合うことになっておる、若干余るという形になっておる。で、資料で、答申されたものの三十三年を基準にして一割という数字をわざわざ掲げているという点からいえば、何も予想に反したびっくりぎょうてんするほどのことじゃないじゃないですかということを言っているわけです。ただ問題は、その間にいまになって何かえらくあわてふためいたような感じを非常に受けることはよくないと私は思っておるのです。まさしくあわてふためいているのじゃないかという印象をはなはなだしく受けている。ですが、いや官房長、答弁ありましたらば答弁。

大和田啓気農林大臣官房長

○説明員(大和田啓気君) あわてふためいているわけではございませんけれども、問題の基本の一つは、需要量が減るであろうという想定を三十五年段階、三十七年段階両方いたしておりますけれども、需要の減り方のテンポが非常に早まったということでございます。三十五年当時の見通しでは、四十四年の一人当たりの需要量は一〇九キロないし一一一キロということでございます、四十四年。それから三十七年当時の見通しでは、四十六年の一人当たりの食糧需要量が一〇六・五キロないし一一一・八キロということでございましたけれども、一人当たりの需要量といたしましては、すでに四十一年度において一〇五・八キロ、四十二年において一〇三・三キロということでともに四十四年ないし四十六年の見通しに比べて格段の需要の減が行なわれている。生産におきましても、四十二年千四百四十五万トン、四十三年千四百四十三万トンという数字はこれはもちろん豊作でございまして、平年作ではございませんけれども、三十五年当時の見通しの四十四年では千三百万トン、四十六年では千四百二十二万トンないし千四百五十五万トンでございますから、おおむね生産においては平年作、豊作という違いはございますけれども、四十四年ないし四十六年ベースを抜き、需要においては、また四十四年、四十六年段階をすでにこえて需要が減っているということが問題点でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 私は、いまの、あわてふためいているわけじゃないという話ですが、まあ異常な大豊作だとかいってびっくりぎょうてんする必要はあるまいと私は思うのです。あるはずがないです。そこで、どうも私はいまの点からいいますというと、何か生産政策の考え方というのが非常に安易に流れたのじゃないか、非常に惰性に流れたのじゃないかという感じがするのですが、それは別にいたしまして、そこで農林大臣にお尋ねをしますけれども、農林大臣、生産者米価につきまして大臣はあちこちであまり言っていらっしゃらないように、われわれは新聞で見るわけですから、はっきりしないのですが、消費者米価については、大臣も、引き上げられないのじゃないかというような発言ですね。ただ、まあ大蔵方面等においては、この生産者米価についてはもうはっきり言っているというふうに言っていい程度ですね。宮澤さんも、これは三年据え置きだという、これはまた明確な話をしておられるのですけれども、大臣が消費者米価についてはものを言っておられるけれども、生産者米価についてものを言わないというのはどういうことなんですかね。消費者米価は上げにくいということは、それは、逆に言えば、生産者米価を引き下げなければならないのだとか、あるいは生産者米価をストップしなければならぬのだとか、そういう意味なんですか。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 多くの理由を申しませんが、いずれにいたしましても、現実の事実において、米の需給が著しく緩和しておる、これは事実でございます。したがって、受ける消費者の立場から言うと、今年度でさえもこれだけの米があるのに対して値上げするとはという、非常な素朴な国民感情、これは当然でございます。したがって、来年度におきまして、なかなか、これだけの、五百万トン近い古米を持つような需給緩和の状況のもとにおいて、生産者米価というものは、五回目でございます、もしこれをかりにいじるといたしますと。そういうことは避けなければならぬのじゃないかということが、一つの私の考えでございます。もう一つ、出産者米価をどうしていくかということについては、来年に対する見通し、これはまだ私はそれを判断するのは早いと思いますし、またこれは米価審議会の方向等も考えつついろいろやっていく、いろいろな段取りになっていくと思いますが、いずれにしましても、生産者米価に需給の緩和の反映ということは当然であろうと、そういう意味で、従来のような形式はなかなかとりにくいものもあると、この程度に私は申し上げております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 大臣、作付転換を言っておられるわけですね。それから自由米みたいな、——自由米というと名前はいいですけれども、やみ米みたいなものを公認するようなやり方ですね。ですから、自由米ですね、これはどういうふうに考えておられるのですか。自由米の考え方というもの、これは、同時に買い入れ制限とのうらはらになりますね。それと作付転換ですね。私は、作付転換というのは農政じゃないのじゃないかという気がしているのですがね、それはあとでまた伺いますけれども。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) これだけの米の常総緩和、しかも農政には、いわゆる米を含めて総合食糧として私は米を扱っていきたい。米はもちろん将来とも主食の中心なんですが、どちらかというと、従来の農政というものは、米というものにかなりウエートを置いてきた。これは当然でもありましょう。しかし一方、消費動向というものを見ますと、本日現在策定いたしました今後の十年の長期の見通しでも、米に対する消費動向というのは、まず横ばいというようなことになってまいりますというと、そこに、今日のような状況下において米が過剰状態を続けていくということは消費に回らない米までつくっていく、こういう一つの問題が出てまいります。まあ農業と申しましても国民経済全体の中での農業でなければあり得ないわけです。そこで私どもとしては需給の均衡を取り戻す、こういうことはやはり一つの大きな問題題になろうと思います。そこで需給の均衡を取り戻すのに一つはやはり生産に対する何らかの措置、言いかえますれば、まだ検討をいたしておる段階でありますので、どういう措置によるかはわかりませんけれども、いずれにしても私どもはこの需給の均衡を取り戻す措置を考えていかなきゃならぬだろう、これが本来のまた米をつくっていかれる農民にも長期の立場から見れば安定してつくっていく姿になり得るんじゃないか、ただほうっておけばいいというわけには私はまいらない。  いま一つは、今度はいわゆる配給改善と申しますか、あるいは米の流し方と申しますか、集め、かつ、流し方の問題でも、言いかえれば、食管という制度は私どもは根幹は堅持してまいるが、時代に合わした運用なり、その他の改善、くふうをしていいんじゃないか、その中でもってもし良質な米、しかもそれを高く売るという方法があるならば、一定のルートの中においてこれを流通せしめたらどうだろうかということの考え方というのは目下検討しているわけです。それは当然今度は配給面におきましてはこれを受けて、やはり配給が配給業者というものあるいは消費者が自由選択の余地が多少そこに入ってまいる、こういうような方法をくふう改善したらどうかという、ただいままだ検討を加えている段階の考え方でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 どうも作付転換というようなことが盛んに報道されておりまして、内容のごときものがまことしやかに出てくるわけなんですが、どうも作付転換というのは、これは一体農政なのかどうかということですね。農業基本法の第一条に農政の目的がはっきり書いてあるわけですが、作付転換によって六百億とか五百億とか三年間に補助金が出るかわりに、百二、三十万トンぐらい米の減収になる。さらに生産者米価を据え置くとか引き下げるとかいうような報道が行なわれている。そうしますと、それによる損失というものは、農民にとりますと、これは三千億円、四千億円のものですね。そういうものが一体政策としてそれをまじめに論議されるのかという気がするのですけれども、これは農業政策ですか、これは財政政策じゃないですか。私は農業政策でないと思うのです。しかも私の意見をちょっと言わせてもらいますと、米が政府の言う余っているという事態、これは非常にありがたい事態なわけですけれども、そういう事態に作付転換というような政策をとるのがいいのか、これは米作の全面的な後退につながらぬか、大臣はそうでないというふうにお考えになるかもしれません。しかし、いままでそういう転換みたいなことを幾つもやったんですね。米と並んで農業の柱であった養蚕、これなんかもまさに転換をして哀れな状態になっちゃったんですね。麦もそうです。なたね、大豆もそうです。いろいろなものをあげてみますと、転換をしたものにろくなものはない。しかもいいものに転換するのじゃないのですね。少なくとも、悪いものに転換するんでしょう。転換じゃないのですね。後退ですね。私は農政としてはやはりこういうやり方はやるべきではないと思うのですけれども、大臣はどういうふうに考えておられますか。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) ただ私どもはいまのいわゆる根本は消費構造というもの——需要構造というものが、いわゆるこれが構造的に減になっている。そこに一つの視点を移さなければならないと思います。一時の現象ならば私はそれでもいいと思います。しかし、構造的に滅であるならば、やはり生産者、農民といえども、需要するものをつくっていく、言いかえれば国民の消費にも回らぬようなものをつくるようなところまでいってしまっていいのかという問題、たとえば五百万トンが六百万トンになるというような形で過剰のあれが出ていって、しかもそれが何回か古米、古米として出ていった場合に国民の消費になる。そうすれば農政そのものが国民経済からはずれた現象、これは私は幾ら農政であるとかないとか議論し合っても国民経済の中に入ってやはりやっていかなければならぬ。そのシェアというものは、それは当然農政推進のために必要なシェアはとらなきゃならぬけれども、国民経済からはずれた農政というものは私は農政じゃない、逆になってしまう。また個々のいわゆる主産地を中心にした米作農家としてもただ過剰状態を続けることがかえってほんとうの意味のあれになるかどうか。  あとは今度は方法論の問題ですね。方法論については私どもはしたがっていろいろ慎重な方法はとっていかなきゃならぬ。一方におきまして、国民の需要の要求する非常に強いものもございます。肉あるいは酪農製品であるとか、果樹であるとか、野菜であるとか、そういう面の需要もキャッチをしていかなきゃならぬ、こういうふうな意味から、私は単なる財政政策とか、食管の赤字とかじゃなくて、総合農政をするというのは米が中心である、生産意欲は落とさない。しかし、それじゃといって過剰の状態をただ続けていっていいか、立ちどまっていていいか、これだけでは、私は逆に問題は解決のつかないところへいってしまう、こういう意味で考えております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 二つ問題がありまして、私が初めに食糧庁長官なり官房長にただしましたように、米が十年の間に余ってくるんだということははっきりしておった。一割程度に押えるべきだという意見もはっきりしておった。しかも米だけではなくて、米の生産性というものを高めていく、その他の農産物についても選択的拡大で生産性を高めていくんだということははっきりしておった。それらが何も行なわれないまま——何もというと語弊があるけれども、取るに足らない形のままこういう状態になったんじゃないでしょうか。それが一つ。ですから、これは大臣の責任じゃないと言えば責任ではないかもしれない。しかし政府の責任であることは間違いない。十年の間無為に帰したということになるわけですから。  しかしもう一つ問題は、私はこういうときにこそ米作を思い切って近代化するという政策を展開されたらどうか。これじゃ後退もひどい後退です。日本の農業の柱を減らせという言い方は、こんなおかしな法はないと思う。むしろそうではなくて、これを思い切って近代化するという方向に力を注いだらどうですか。そうすれば、生産は一割ぐらい落ちますよ。私はそう思う。思い切ってやるということ、それくらいの——私は五百億、六百億というんじゃまだ少ないんですが、思い切った稲作の近代化を推し進めたらどうか、この際。後退です、これじゃ。話にならぬです。  もう一つ、次に伺いますが、長期見通しが出ていますね。あの長期見通しを見ますと、これは普通畑作というのはほとんど全滅するんですね。十年後には。小麦のようなものもこういうやり方で単純に延長していきますというと、これはなくなるんじゃないですか。大豆はもちろん二・二%の自給率だというんですが、これも延長しますと、なくなりますね、大豆は。それから、なたねはもちろんなくなりますね。それから面積の大きいのではカンショですね。これも延長しますと、なくなりますね、ゼロになりますね。畑作は、普通畑作というのは軒並みになくなっちゃうんじゃないですか。  それから、これは農業基本法の出るときの答申ですね、これを見ますというと、豚の頭数がどれだけになるとか、牛の頭数がどれだけになるとか書いてありますね。これを見ますというと、おかしいんだな、全然。畜産局長いらっしゃれば聞きたいところなんだけれども、ヤギと綿羊ですね、ヤギ、綿羊いま盛んに食べられる、たいへんな人気で食べられる。これが三十三年は百万頭近くいるんですね、それを二百二十万頭ぐらいにするという予定だったんですな、見ますとね。なくなっちゃったですな、日本じゃもう、綿羊が。ヤギもなくなっちゃっているんですね、一体これはどういうことなんですか、これ。日本の農業というものは、大臣は先ほどから国民経済国民経済とおっしゃるけれども、どうも国民経済だけじゃなくて世界経済との関係が深過ぎるんじゃないか。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) さっきの前段の問題ですが、稲の転換というかそれだけを非常に問題にされるようでありますが、私どもとしてはやはり総合食糧としての中心に稲を置こう、そしてそれの近代化、言いかえますれば、したがって、ただいま私どもはまだ発表をいたしておりませんが、いずれは第二次構造改善事業等も相当大きな形でやってまいると、こういう面もあわせつつ、かたわら必要な生産調整というものをやってまいる、それから長期の見通しも、御承知のとおり、われわれとしては戦略的に伸び得るものと、わが国土にどうしても本質的に合い得ないようなものをある程度見分けて目標を立てたつもりでございます。それも畑作をたたいているとか縮小させるとかそういう意図ではございませんで、やはり日本の国土、風土、いろいろな条件にかなうものと、それから絶対にかないにくいようなものをよく見分けながらしかもやっていくのであって、国際経済の観点から逆に計算していくというようなことは毛頭ございません。  なお長期見通しについては、もしあれが、御理解があれではございませんと大きな問題でありますから、官房長からちょっと簡単にその点だけ申し上げておきたいと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いま大臣のことばの中に、総合農政というお話ですが、その米の問題だけ考えているのじゃなくて総合農政だとおっしゃるから、まあそういう考え方です、構想ですからね。ところがこの長期見通しを見ますというと、普通畑作というのは全部なくなるじゃありませんかということを言っておるわけです。野菜もふえると言いますけれども、野菜は十万町歩しかふえないのです。果樹にしても十万くらいしかふえないのですよ。作付面積見てごらんなさい。五十万町歩、七十万町歩減るでしょう、十年の間に。そうすると、何を考えておられるのかということですよ。どうも私はその点が不可解なんですよね。豚と鶏はどんどんふえますよ、計画どおり。なおそれ以上に。これはアメリカのえさじゃないですか、中身はね。労賃だけですよ。

大和田啓気農林大臣官房長

○説明員(大和田啓気君) 私ども生産の見通しとして考えます場合に、農産物の自給率の向上あるいは維持ということをどういうふうに考えるかということが一つの観点でございます。これはあらゆる農産物について、全部国内で自給ということは当然考えられないわけでございますが、きわめて重要な農産物で、施策によってはおおむね自給が可能なところに持っていける、あるいは持っていこうではないかというものを、例で申し上げますれば、米それから畜産物、果樹、野菜、そういうものでございます。それで、需要は多いけれども、日本の生産構造からいって、相当に努力をしてもなかなかふやすことがむずかしくて主として輸入に頼らざるを得ないというものはいま御指摘のありました麦、なたね、大豆等々でございます。これらは私ども施策を行なわない、あるいは放棄するということではございませんで、この五十二年の見通しといたしましても、当然ほっとけば減るであろうけれども、麦等でいいますればいろいろ機械化その他生産の集団化等々の施策を講じて年度の後半においては減り方がずっとやわらかくなるだろう、穏やかになるだろう、そういう見通しをとっておるわけでございます。したがいまして、これらの作物は面積は減りながら主産地を形成してその主産地においては安定的な生産性の高い生産が続けられる、同時に続けられるべきだという観点でございます。したがいまして、日本の畑作は将来絶滅するというふうには想定をしておらないわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 じゃ官房長、あなたのおっしゃるこの中を見ますと、少しずつ残るようになっているのです。大豆も二%くらいに自給率としてはなっている。なたねも少しずつ残ったり、そういうふうになっていますよ、カンショもあるいは麦なんかも。しかし、これはこの数字のつくり方としての傾向値として見た場合にはゼロになるのじゃないですかと言っているのです。それをあなたおっしゃるように、何かこう政策はどうだ、こうだと、これはつくろっているにすぎない。いままでの経過を見てごらんなさい。先ほど言った三十三年の計画あるでしょう、三十七年の計画あるでしょう、今度の計画あるでしょう、去年出した計画あるでしょう、そういう経過から明らかでしょう。もっとスピード早いですよ、麦のなくなることは。たちまち日本列島から海に追い出されるでしょう、なたねにしろ、麦にしろ、トウモロコシにしろ、綿羊にしろ、ヤギにしろ、みんな追い出されている。それが需要がどんどん減ってくるものならいいのだ、需要が逆にどんどんふえるものでしょう、非常にふえていくものでしょう、どれだって。ものすごくふえるものです。それをこれを見ると海津に追い落としている。日本列島から追い落としている。そうして米はどんどんまた減らすという、麦も減らすという、米を減らして何をやるのだということになる。それじゃ畜産かということになる。畜産で問題になるのは何と何ですか。豚と鶏はトウモロコシだ、それが腹を通っただけの話だ、問題は肉牛とあれでしょう、綿羊とヤギがいなくなったから——いなくなったといってもいいのだ。七、八万頭しかいないのだから、いなくなったのだ。二百三十万頭ふやそうと思ったけれども、十万頭になったのです、この五、六年の間に。だからどうも私は——大臣いなくなっちゃったったから、あれですが、大臣、姿勢を間違えている。だから官房長だって食糧庁長官だって困るだろうと思う。こんなのまっ正直にやられたのではかなわないですよ。日本の農業はなくなっちゃうですよ。

大和田啓気農林大臣官房長

○説明員(大和田啓気君) 先ほど申し上げましたように、農産物の自給率をできるだけ維持するということはやっぱり農政の基本でございます。したがいまして、重要な農産物で自給をすれば自給することができる、その可能と思われるものについては、極力自給率を維持するようにするということを申し上げたわけでございます。しかし、麦、大豆、なたね等のものにつきましては、私は適地において主産地を形成して相当な面積で残ると思いますけれども、自給率を非常に上げるようなことをすることはこれはなかなかむずかしい、きわめてむずかしいことであろうと思います。その場合に、生産政策を考えます場合に、あらゆる品目について、全部自給率を相当高めるか、あるいはほぼ完全な自給率に持っていくということは、これはこれだけ国際関係が緊密であることと、海外の農産物の競争力を頭に置いて考えざるを得ない時勢におきましては、私はなかなかむずかしいことであると思います。ただ少数の畑作物がなくなってしまうという、そういうことではなくて、むしろ戦線をある程度縮小しながら、適地において生産性の高い生産を残す、あるいは残すべきであるというふうに考えております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 自給率という問題ではもうなくなっちゃっているんじゃないですか。官房長は自給率、自給率とおっしゃいますけれども、四十一年あるいは四十二年、四十三年の今日の時代になりますと、麦なり養蚕なり、大豆なりなたねなり、あるいは綿羊なりあるいはヤギなり、あるいはカンショなり、その他もろもろの——麦でもそうですね、そういうものが今日の状態から見ればぎりぎりのところへきているんでしょう。十年したらなくなっちゃう。表に出ています。数字でいえば幾らかいじってありますよ。だから正直にこのやり方で延ばしますと、みんなゼロになる。だから私はわからないと言うのです。残るのは結局畜産の中の酪農とそれから肉牛でしょう。肉牛はこれはむちゃくちゃなんだ、また。間違いだらけ、いつもするんですね。いまごろは三百万トンこえていなければならない。百五十万トンですからね。むちゃくちゃな話だ。これはまた急にふえるものじゃない。酪農は豪州とニュージーランドの農業と日本は競争しなくてはならなくなっている。だから、日本においては豪州やニュージーランドの言いなりにならない程度になま乳をつくっておればいいという意見すら出る。もっと腰を据えて考えてもらわなければ私は困ります。  大臣見えましたから、——大臣は総合農政総合農政とおっしゃって米は後退作戦だ。残ったものの中身というものはほとんどない。何かあるようなお話ですけれどもたいしたものないじゃないですか。麦は先ほど申上げましたように、あるいはその他の畑作物というのは、これは日本列島から追い出されるという状況にきているのです、十年後には。これはつくる農民が少ないという点もある。あるいは片寄っている点もある。だから、勢力はないから、力がないから次から次に輸入製品に押されていくという点もあると私思いますけれども、あまりに情ない話なものだから、大臣の基本的な考え方というのが農業にないんじゃないか。日本国民経済というよりも工業経済が重点になっているんじゃないかという私は気がしてしようがないわけです。大臣のひとつ見解を聞いておきます。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 私はそういうふうに考えているつもりはございません。長期見通しにつきましてはそれぞれの担当官からまた別に御説明申し上げてもいいのでありますけれども、米につきましては私どもは近代化、農業全体について近代化をはかっていきたい、これはもう当然のことであります。そのためのいろいろな構造改善の大きな事業をやるとかあるいは当面の構造改善をやるとか、いろいろな各般の施策を進めたい、しかし同時にこの過剰であるものをただほうっておいていいかというと、それ以上にもっと国民の需要に必要なものというものがある、その中で国に合うものをやはり力を入れていくことが必要だ、そこで十年を目ざしていわゆる長期見通しというものをつくって、今日たとえば麦のごときものにつきましては、地域々々あるいは形によりましてもいろいろなくふうをこらしていきますが、全体としての需給度を急激に上げるというような状況ではない、こういうふうに説明されておるのであります。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 あらためてやります。     —————————————

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 大臣、お帰りの時間がきめられておるようでございますので、要点だけお伺いしておきたいと思います。  遠洋漁業につきましてお伺いしたいのですが、今日の激動しておる世界の状況の中におきまして、入り会いの漁区及び漁業専管水域等への漁業操業をめぐって今日の日本の遠洋漁業というものの将来に国民は相当不安を感じているわけです。一つの例をとってみましても、日米のタラバガニの協定の例を見ましても、米国は大陸だな条約を根拠に日本がアラスカのブリストル湾で行なっているタラバガニの漁を禁止しようとした、日本はこの条約に加盟しておりません。したがいまして、日本は公海の自由の面から、これを不当であるといって対立したためにまあ一応は大陸だなの問題はたな上げにした、そうして日本の実績は一応は認めたという形でもんだあげくの果て二年前に二年間の暫定協定を結んでいる。このタラバガニの協定についても改定期が今日きているわけです。米国の状態を考えてみましても、米国内の漁業者保護の色の濃いニクソンが大統領になりました。このような情勢から韓国、中国、ソ連、カナダ、インドネシア等の東南アジア諸国との入り会いの漁区等をめぐる現況と遠洋漁業に対する見通しについて大臣から伺っておきたいと思います。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 御指摘のように、遠洋漁業につきましては日、米、加、それから……。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 委員長、大臣に答えてもらいまして、そうしてすぐ沢田委員が一言言いたいということで、時間がありませんので………。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) あるいはその他の諸国との間に各種の交渉が持たれておりますが、私どもとしてはできるだけ少なくとも日本が従来行なっておりますような海域につきまして実績を確保していくといったようなことで努力をしていきたいと思います。ただ、何ぶんにも資源状態が悪化しておるというふうなものにつきましては、やはり国際的な関係で共同の規制なりといったようなことをやっていかなければならぬことがございましょうが、原則としてはいま申し上げましたようなことでやっていきたいと思っております。なお、新しい漁場につきましても、やはり今後日本の遠洋漁業を伸ばしていくという観点から開発をするという問題がございます。水産庁としてもそういったことについてみずから調査船を持つ、あるいは民間の船を用船するというふうなことで積極的に新漁場の開発に努力をしたいというふうに思っています。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 遠洋漁業対策でございますが、御存じのとおり、日本としては過去において相当な実力を持っており、また実績を積んできております。ただ御存じのように、それぞれの国、たとえばソ連でありますればソ連、これがやはり動物たん白資源を必要とするような観点から、また資源が枯渇しておるというような状況を各国が見るというようなことから、いろいろな国際間における問題なんか起きてきております。そこで御存じのとおり、北においてあるいはアメリカ、カナダ、あるいはオーストラリア等々の各水域におきましてそれぞれ折衝をやって協定あるいはそのつどの協定をやっている。これは私どものほうとしてはできるだけやはり従来の実績というものを確保していくという姿勢のもとにやってまいりたい。  それからいま一つは、新しい資源の開発、これにつきましては、われわれのほうは過去のいろいろな技術、能力を持っておりますので、先般国会のお力によりまして、優秀な調査船を持っておりますから遠く各方面へ行って新しい漁場の開発、これをやっておることは事実でざいます。できれば私どもはさらにもう少しそういうような力を加えたいと思うのでございます。  それからいま一つは、いわゆる遠洋漁業に対しますものは、かつて非常に戦後一時いろいろ伸びてまいったのでありますが、その後におきまして、国民の大事な動物たん白資源というものを相当確保するという必要がございますので、われわれとしては、これに対していろいろ技術その他の面でさらにくふうを加え、そういう力をやはり強化していきたいと、こう考えております。     —————————————

沢田実公明党

○沢田実君 きょうは大臣が省内で指示なさった総合農政の問題につきましていろいろお尋ねをしたいと思っておりましたが、外出なさるそうでございますので、あとで官房長官にゆっくりいろいろな情報について質問したいと思います。  農地の流動化の問題あるいは零細兼業農家を含めた協業の問題あるいは年金制度の問題等々、あるいはきょういただきました需給の見通しの問題、いろいろございますが、それはあとに質問することにいたしまして、先ほども大臣からお話がありましたように、総合食糧として考えておるという大臣のお話でございますが、その中で畜産の問題だけ一つ私のほうから提案を申し上げて大臣の所見を承わりたいというふうに思うわけでございます。  そこで、畜産の問題ですが、畜産の問題を考えますと、飼料の問題に突き当たります。そこで濃厚飼料は半分ほど輸入をいたしておるような状態でございますので、畜産も思うように前進しないと思うわけでございますが、実は長野県で二十年も前から相当の高さの山岳でササの葉を飼料にいたしまして、少しの濃厚飼料でりっぱに畜産に成功しておる例がございます。そこで、日本全国の国有林のササの葉を活用して、山岳牧畜をやったらどうかというようなことについて提案をしたいわけですが、この点大臣はどういうふうにお考えであるか、この一点だけをお尋ねしたいと思うわけでございます。  また、もう一つは、東北、北海道、中部等の山岳で肉用牛あるいは乳牛をたくさんつくりますと、生乳が余ってどうしようもない、こういう意見等もあるわけでございます。これは東北、北海道等で牛をたくさん飼って、そうして生乳が余りますならば、それを大消費地である東京にパイプで輸送するくらいの大きな計画を農林大臣としてお持ちになったらどうか、こういうように思うわけでございますパイプの輸送については国外に例のあることでございますので、その二つだけの問題について大臣の所信を伺いたいと、こう思う次第でございます。以上。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 畜産の振興、特にこれにつきましては草地造成、これは大きな問題でございまして、われわれとしてはこれからも大いに力を入れてまいらなければならぬ飼料基盤でございます。  それからいま一つは、日本には山が多い。私はしたがって干拓と相あわせまして里山というものをできるだけ利用して、あるいは山地を利用してのやはり酪農なり畜産なりというものを発展させる、これは当然のことでございまして、専門専門でそれぞれいろいろな考え方を持ち、また来年度でもすでにそれの一部を予算化してまいるという方向をとりたいと思っております。  いま一つは、北海道がやはり酪農というものに対して相当な今後も期待される地域であろうと思います。その場合において生乳等をどう運ぶか、たとえば特殊なコンテナ輸送、特殊な輸送方法、これは当然私どもは検討しなければならぬ問題であると思うのであります。

沢田実公明党

○沢田実君 ササの葉っぱの問題はどうですか。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) これは現在私、自分自体ちょっとしろうとでございまして、検討させたいと思います。

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) 速記を起こして。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 先ほどの水産庁長官のお話の件につきましては後ほどまた詳細に伺うことにして、次の問題に入っていきたいと思います。     —————————————  北方領土の件につきまして、北方問題の各省連絡会議の初会合が十五日行なわれた。そして本格的な検討段階に入った。まことにこの会議を持たれたことは大きな国民が期待している問題でございます。したがいまして、この北方問題各省連絡会議というものが、すでに終戦後持たれていなくてはならなかったはずなのであります。ところがやっと今日に至って持たれたという形になっています。明日二十一日は次回の会合が行なわれるということになっております。どういうふうな当面の検討事項が行なわれるようになっているのか、伺っておきたいと思います。

有田武夫外務省欧亜局長

○説明員(有田武夫君) お答えいたします。  北方領土の問題は、これはわれわれ国民が久しく解決を熱望しているところでありまして、したがいまして、十二年前に日ソ共同宣言が成立して以来、機会あるごとにソ連に対しましては北方領土問題の解決を迫っている次第でございます。しかるにソ連側の態度は、これらの問題は国際条約によってすでに解決済みの問題であるというような主張を繰り返しまして、一向に従来進捗が見られなかった次第でありまして、今回、先生も御指摘になりましたように、ようやく各省間の連絡会議ができましたということは、これはいろんな意味でたいへんによいことであるかと存じます。で、近く第二回会合が行なわれますわけでございますが、この問題は対ソ折衝の問題と、それから当面各種の国内的施策の二つに大別されるかと思います。国内施策の問題につきましては、領土問題が解決せられないために、いわゆる安全操業といった問題も発生しておりますし、関係地域の漁民の方いろいろ御苦労があるわけでございます。あるいは拿捕され、抑留され、いろいろ事件が頻発するわけであります。こうした方々に対する援護措置という問題も当面ございますし、また国民の啓発といいますとおかしいわけでありますが、この問題に対していろいろと北海道地域のみならず日本国全体においてこの問題に対する認識をまた再び新たにするというような問題もございまして、そのような問題、総体的にどのようにしたら最も効果的にこの対ソ折衝のうしろだてになるべき国内体制を整え、かつまた対ソ措置を行なえるかというような観点も、この連絡会議の一つの大きな目的かと存じます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 具体的に——いまのは総括的なお話でありまして、何カ条かの個条が具体的に討議されるというふうに聞いておりますが、個条書き程度のものでよろしいのですが、簡単に述べてもらいたいと思います。

有田武夫外務省欧亜局長

○説明員(有田武夫君) 議題につきましては、外務省が主管で、つい手元に準備してまいりませんもので、正確にはお答えできませんが、主として国内対策の問題で、援護措置の問題あるいは啓発関係で、まあたとえば地図その他について、これは各省においても、また民間においてもいろいろ地図を作成する場合がございますので、このような地図に従来ややもすると間違いがある場合もございましたので、このようなことがないように注意する。また、北方領土問題についての思想統一というような面についてもいろいろ議論を戦わせようと、はっきりした議題はまだ固まっているということはございませんで、各省ともその時宜に応じていろいろの問題をまた討議しようというふうに私了解しております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 それはその程度におきますけれども、御存じのように、道北におきましてもソ連圏がございまして、そこに地図が張ってありましたけれども、完全にソ連の領土であるような地図が出ておりました。そういうことも御存じだと思いますが、いずれにいたしましても、いまのお話によりますと、内面的にはそういう地図の問題とかあるいはこの連絡会議がいっときも早く充実された形で国民の期待に沿えるようなひとつ行き方をはっきりしていただきたいと思います。  なお、先ほど安全操業の話がちょっと出てまいりましたけれども、これは海上保安庁並びに外務省のほうにあわせて聞いてみたいと思います。  わが国は、国際法によりますと領海三海里説、これはもうわが国は初めから領海三海里説をとっております。ソ連の主張は十二海里説と、これは全く対立しているような形になっております。こういうことから安全操業も拿捕の原因等もこういうところにあるのじゃないか。今日、拿捕されております漁船、同時に漁具の没収だとか、船員が抑留されるとか、そのあとに残された零細漁民の家族はもう全く悲たんの中に生活をしているわけであります。この領海三海里の説というものをどういうふうに考えられているか、この点が一つと、それから海上保安庁にお伺いしたいのは、今日までに拿捕された船の数、拿捕された人の数等を伺っておきたいと思います。

大塚博比古外務省条約局法規課長

○説明員(大塚博比古君) 一般国際法上の領海の幅員の問題につきましては、従来国会審議等で政府委員からしばしばお答え申したとおりでございますが、それを要約いたしますと、一般国際法上、領海の幅員に関しては三海里ということが伝統的に大多数の国の慣行によって承認されている次第と考えております。それでまた実際に多くの国家のこういう条約に規定されておるわけでございますが、したがいまして日本政府といたしましては、いかなる国もこの範囲をこえて一方的に領海の幅員を拡張したりあるいは一方的に三海里の範囲をこえて沿岸国の主権の行使を許されないという立場をとっておるわけであります。

河毛一郎海上保安庁長官

○説明員(河毛一郎君) 今日まで戦後、ソ連によりまして拿捕されました日本漁船の数は千二百七十四隻でございます。人員は一万七百五十三人、これが累計でございます。このうち今日現在におきましてまだ帰還しておりませんのが四百五十八隻、九十三人でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 海上保安庁等の問題もございますが、時間がございませんからいまのだけ聞いて、後日この問題についてはまたお伺いすることにいたします。領海三海里の説はいまは国際法でも常識となっておるのは、十二海里が常識になってまいってきているわけです。この批准国もずっとふえてきております。比率からいきましても、十二海里説をとっておるほうが多いわけですが、この点について明確にしていただきたいと思います。

大塚博比古外務省条約局法規課長

○説明員(大塚博比古君) 私どもの考えでは、一般国際法上、領海の幅員三海里というのは、先ほど申し上げましたように、伝統的に多数の国家間の慣行によって確立された、現在での唯一の国際法規であると考えております。唯一のと申しますのは、それ以外の、たとえばいま先生がおっしゃいました十二海里とか、そういった主張をなす国がふえておることは事実でございますけれども、それに対しては、日本をはじめ多くの国からの抗議もなされております。それに反して三海里説というのは、さっきも申し上げましたように、伝統的に確立された唯一の規則であって、これについてはどこの国もこれを認めているという意味で、唯一の確立された国際規則であるといったように考えておる次第であります。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 しかし、インドネシアにおきましても、ソ連におきましても、拿捕事件があるということは、これがそもそも問題点になってくるわけです。ソ連のサンマ船団が太平洋の沿岸にあらわれて、そして沿岸漁民に相当ショックを与えた。今回は白糠の音別の沖合いに捕鯨船団があらわれてきている。しかもこれが仮泊を続けた。二万トン級の母船が一隻、四百トン級のキャッチャーボートが八隻の編成でやってきている。これもごく領海に近いところにきて、漁民の心配はこれは一通りのものじゃございません。しかも、ことしの十二月から始まる第二十三次南氷洋の捕鯨出漁の第一陣として、日本水産の第二図南丸、一万三千八百トンだと思いましたが、十三日に出航して、次から次へと出航している。こういう点からかみ合わして見ましても、日本の沿岸漁民に対する非常な不安というものから考えてみても、これはもう一歩その立場になって考えるべきじゃないか、こうも思うわけです。

大塚博比古外務省条約局法規課長

○説明員(大塚博比古君) いまのような事情が起こっておりますという点については、われわれも承知いたしておりますけれども、領海の問題というのは、私どもそういった個々の事情があった際に、政策的にそれでは日本も延長するというような問題とは、いささか違う問題が含まれているのではないかと考えているわけであります。先ほど申し上げましたように、私どもの立場といたしましては、領海の幅員の問題は、これは国際法によってきめられるべき問題であり、沿岸国が一方的に沿岸国の管轄権を拡張する、その範囲を拡張するという形で考えられるべき問題ではないというふうな専門的な考え方、法律的な面から見た考え方であります。他方、領海の幅員の拡張の問題につきましては、これはとりもなおさず公海とされておりますところの範囲が縮小されるという結果を生ずるわけでございまして、これはやはり長年のこの一般国際法で確立されておりました公海の自由という面を制限、制約するという面もありますので、そういった面も考慮する必要があるのじゃなかろうかと考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 私の申し上げているのは、どんどん日本の船団が遠洋漁業ができなくなる、中に入っていけなくなっておる今日の実情なんです。したがいまして、その時点に踏まえてやはり領海の問題は考えていかなければならない時代にきているのではないかと、こういっているわけです。その点について私どもはしばしば言い続けてまいりました。したがいまして、これは当然いまの遠洋漁業全体の面からいって、国際海洋法の面からいっても、時代の流れに乗ってまいるということが賢明な行き方じゃなかろうかという考えの上から申し上げたわけであります。  もう一つ、安全操業という面に関連しまして、沿海州の沖合いで漁船がしばしば帰されている。ことしになって何回かありますが、これなんかは何の通知もないんでしょうか。せっかく漁船が十六隻も十隻も漁に行きまして、そのまま帰れといって帰されている。一つも漁をしないで帰ってくる。幾日も日にちをかけていって、そうして無一物で帰ってくる。こういうふうな事態を、何ら外務省に対して予告も何にもないんでしょうか。

有田武夫外務省欧亜局長

○説明員(有田武夫君) 御指摘の事件がどれに該当するものか私にはただいま記憶がございませんが、ただ沿海州の沖合いでソ連側がたとえば軍事演習をするというような場合に、この地域には暫時立ち入るべからずというようなことで漁船その他が帰されたというような事件が一、二ございましたことは記憶しております。これはソ連に照会した、私の記憶でございますので、はっきりいたしませんが、その場合の回答は、それはきわめて一時的なものであると、そしてまたソ側の関係当局からのラジオ通報によってそれは関係船舶に通報していると、このようなたしか話があったかと存じます。あるいはそのような事件の一つかと存じております。で、私どもも常に日本漁船の安全かつ公海の自由という立場から、ほかから妨害されることなく自由に操業するというような点は十分に関係国に対してそのつど、そのような侵害があるかに考えられます場合には申し入れをいたしております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 これはことしに入ってもありました。ですから、その点よくお調べになられて手を打っていただきたいと思うのです。  それから一番最初に大臣がおいでになったときに大陸だなの日米のタラバガニの協定の件でお話ししましたけれど、ソ連の、ことしの二月に自国の大陸だな資源を侵犯した外国人を罰するという最南幹部の命令を布告したというようなことを聞いているのですが、これなんかもやはりアメリカが大陸だなを主体にした考え方を打ち出している。ソ連のほうもそれをやらなきゃ損だというような考えかどうか知りませんけれども、同じように大陸だなの資源というものに対しての規制を激しく言ってきております。こういう点についてどうお考えになりますか。

有田武夫外務省欧亜局長

○説明員(有田武夫君) 御承知のように、この大陸だなに関する条約というのがございまして、これは一九五八年にジュネーブの海洋法会議の結果成立しておりまして、ソ連も直ちにこの条約には署名しております。六四に至りましてこの大陸だなの条約というものが発効しております。それから御指摘の幹部会令は、本年の二月の六日付でソ連邦の大陸だなに関する最高会議の幹部会令という形で出ておりまして、これは、ソ連側が大陸だなに関する条約に入り、かつこの条約が発効した結果に基づいて国内法の整備をするということでこれを出したというふうに説明しておりまして、その内容につきましては、ほぼこの大陸だな条約の規定にのっとったもので、このカニの問題につきましては、ソ連側も本年の三月に行なわれました日ソの漁業委員会の交渉におきましても、大陸だな条約ないし幹部会令成立によって、これはソ連側としてはカニは大陸だなの資源だという立場から相当強い態度をとっておるわけでありまして、しかしながら結局従来どおりの日本側の操業を認めるということで話がつきましたのです。で、日本側の大陸だな条約に対する立場は御承知のとおりでありまして、われわれはカニについては大陸だなの資源ではないというふうに考えております。しかしながらその双方の紛争を解決するということで、話し合いによってこの従来の実績を踏まえた上で日本側が安全かつ合理的な操業が続けられるように今後も交渉してまいりたい、このように考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 時間がございませんから、この問題もっとずっと入っていきたいんですが、カムチャッカだとか沿海州、それから樺太の沿岸のカニ漁を締め出していくんじゃないかというような心配が私どもにあるわけです。したがって、アメリカとのかみ合わせをやりながらその締め出しをしていこうという考えがあるんじゃないかというふうに勘ぐるわけですが、あくまでもきれいな外交政策で、いま言われた国際法に加入していない、批准していないわが国の立場というものを明らかにして、自主外交をはっきりと続けていっていただきたいと思います。  なお、時間がありませんので一点にしぼりましてお伺いしたいのは、日中民間漁業協定が一年間暫定延長いたしまして、期限が切れるのは十二月二十二日というふうに覚えていますが、水産界ではこれはもうもちろん存続するように大きく希望しております。九月にその延長の要求等もしたけれども、それも何ら返事がない。田川代議士が訪中したときにも、その帰ってきてからの話でも、漁業協定問題は今後の推移を見てからというふうにも言っているように記憶しております。昨年中国の漁業協会から暫定的に延長するという通知があってせっかく協定ができているんです、今日。したがいまして、この協定を、私どもは中共貿易を一つのこの面からでも大きく発展さしていける方向に持っていくべきじゃないか、こうも考えているわけです。最近新聞報道によりますと、日本のまき網漁船が中国のほうの監視艇らしきものに追われて、そしてそれが逃げていったということに対して非常に悪感情を持っている、こういうようなことも報道されておりますが、せっかく暫定協定ができ上がっている上にこういうふうなことがありますと、悪影響を及ぼしてくるんじゃないかということを一つ心配するものであります。  で、先ほど中村委員のほうから中国肉の輸入についての質問がありましたけれども、これなんかの問題も、イギリスやフランス等にこいつは輸出しているわけです。受け入れの行政鑑定の施設が完全であればこれも問題じゃないと思うわけです。せっかく協定ができておって、あと日本政府が許可をすればいいという段階じゃないかと、こういうふうに思うわけですが、いずれにいたしましても中国の貿易に関しては、西ドイツもイギリスもこれは大幅に対中貿易を拡大してきているわけです。わが国の貿易額をもう上回ろうとしているくらいに拡大されてきている。こういう点から考えていきましても中共貿易の拡大というものは考えていかなければならぬというようにも思うわけでありますが、これにはいろいろ問題点がありますけれども、取り上げてみれば政治ベースの話し合いが当然これはなくちゃならないでしょう。それから、政経分離とか政経一致とかいうよりも、具体的に政府は貿易面だけでもいいからこれを取り上げて、そして正常なルートに乗せていく、協定の裏側に立ってやっていくという正常の商の習慣といいますか、商業上の習慣性を保っていくような行き方をしていくべきじゃないか、こう思うわけですが、この点についてどういうふうにお考えですか。

須之部量三外務省アジア局長

○説明員(須之部量三君) お答え申し上げます。  第一の漁業協定でございますが、御指摘のとおり昨年のぎりぎりになりまして、たしか十二月二十一日に暫定延長になったというふうに承知しております。それから本年の交渉の状況につきましても、先ほど先生が申されましたとおりというように私どもも理解しております。で、本問題はいままで民間協定でやってきたわけでございます。それから過去一年間別に逮捕されたというようなケースも起きておりません。先ほどおっしゃいましたように、中共側の監視船に追われたというようなケースがあったということは私ども聞いておりますが、同時にその場合に日本側の関係者の方は誠意のある態度でこの事件の処理に当たったということも承わっておるわけでございます。したがいまして、私ども現在の考え方は、せっかく過去数年間にわたり続いてまいりました民間協定でございますし、何ら問題なく行なわれており、また日本側の関係者の方もこの円滑な運営に誠意をもって当たってこられたわけでありますし、中共側においても本件の延長に終局的に同意されるということをぜひ期待したいというのが私どもの現在の考え方でございます。  それから食肉の問題、これはおそらくすでに先ほど専門的な御答弁があったことと思います。私どもも、日本が口蹄疫の処女地であるだけに慎重に扱いたいという関係方面の御意向、それはやはり当然尊重せらるべきでないだろうかというふうに考えておるわけでございます。その他の貿易の一般的な拡大の方針、それはもうたびたび政府側からも申し上げましたとおりで、原則論としてはもうそのとおりと申すほかないわけであります。ただ日本の数字が昨年あるいは一昨年に比べて多少下回ってきておるという事実はあるようでございますが、これはいろいろ中共内部の文化革命の影響もあるいはあるのかという気もいたしますし、日本で輸入したいものの供給力が限られておるという面もあるようでございますし、あるいはいまの段階でやむを得ない事象であり、近い将来また回復することが望まれると思うのでありますが、なるべく一部を除いて伸ばしていきたい、その点については先生のおっしゃるとおりであろうと思います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 さらに私の言いたいのは、西欧諸国と中国との間隔が非常に接近してまいりまして、当然、アジアのかけ橋としても、わが国が中国との国交正常化の第一歩としての行き方として考えても、政府みずからが貿易というものを、この肉の問題につきましても、また漁業の問題につきましても、こういう時点において正常に拡大していくという方針を続けていかれることを申し上げておきまして私の質問を終わります。

沢田実公明党

○沢田実君 大臣がお帰りになりましたので官房、長官に質問いたしたいと思います。時間がだいぶおくれておりますので単刀直入に申し上げますので、御答弁のほうもひとつ簡潔にお願いいたしたいと思います。  これは四十三年七月十三日農林省議における農林大臣の指示要旨、こういう「総合農政の展開について」、これは皆さんのほうへお出しになったものでございますが、大臣は農政推進会議というような組織を設けて、全省総力をあげて総合農政展開のために努力をしたいということを言っております。成案ができ次第農政審議会にもはかりたい、こう言っているわけですが、きょう農政審議会があったわけでございますが、それにはきょういただいた「長期見通し」、これだけでそれ以外の成案はあと何もないのでございましょうか、お尋ねいたしたいと思います。

大和田啓気農林大臣官房長

○説明員(大和田啓気君) 本日開催いたしました農政審議会におきましては、まず長期見通しの諮問をいたしましたことと、それから総合農政ということで現在農政が新しい展開をいたすべき重大な時期でもございますので、農政審議会の知恵をお借りするために農政推進上留意すべき基本的事項についての御意見を伺うという第二の諮問をいたしたわけでございます。その諮問案の説明といたしまして、農政大臣から現在の農政が当面している問題と、大体の施策の輪郭について簡単な御説明をいたしましたけれども、なお総合農政として明年度の予算として織り込むべき重要な事項につきましては省内の検討がまだ終わっておりませんので、具体的に本日の農政審議会で御提案いたすことはいたしませんでした。

沢田実公明党

○沢田実君 この総合農政展開については九項目にわたっておりますが、第一番に農地の流動化ということについて出ておりますが、これは農地法の改正のことを意味していらっしゃるのじゃないか、こう思います、そこで農地法の改正ということになりますと、現在の農政の根本的な問題となろうと思うわけでございますが、要約いたしますと、小さい農家はこれはやめさせてしまって、自立できるような農家をつくろう、こういうようなことになる危険が非常にこの農地法の改正にはあるんじゃなかろうかと思います。そういう点で、そういうような零細の農家が自分の土地を失ってしまった場合に、過去のまた小作農家に逆戻りはしないかというその点がこのままの形でいけば非常に心配されます。したがって、そういう離農する農家に対してどういう施策が考えられているかということについてお尋ねをしたいことが一点と、また都市の近郊においては地価が暴騰いたしておりますので、農林省が考えるような農地の流動ということはこれは期待できない、こういう意見もございます。そういう問題についてどういうお考えであるか、お尋ねをしたいと思います。

中野和仁農林省農地局長

○説明員(中野和仁君) 御指摘の点でございますが、昨年農地法の改正案を国会に御提案申し上げまして、審議未了になったわけでございますが、その際にもいろいろ申し上げたと思うわけでございますが、今回の農地法の改正で考えておりますことは、零細農家を追い出して、その人が土地が持てなくなるというようなことをねらっているわけではございません。最近の経済の事情から見まして、外部の雇用の期待がふえてまいりました。同時に、農業技術も進歩してまいりましたので、零細な農業経営をやっているというのはだんだん無理になってきているという面が出てきたわけであります。ところが、現在の農地法によりますと、一ぺんたとえばその土地をだれかに貸しますと、二度と返してもらえなくなっているという事情がございますので、その辺の賃貸借の面で規制を緩和するあるいは村におりまして農業経営をやりたいという方々のためには農協が農業経営を受け持つ場合もありましょうし、あるいは生産法人をつくりまして農業をやるというためにも、やはり現在の農地法のこまかい規制を緩和いたしまして、もう少しそういう面が促進されるようにというところをねらっているわけであります。それから都市近郊の問題でございますが、まさに御指摘のように都市近郊では、たとえば反当三百万円とかあるいは一千万円というようなところで農業が行なわれているわけであります。これを流動化するということは転用以外には無理だと私どもも思います。しかしそうかといいまして都市近郊にも先般の都市計画法での関係で申し上げましても市街化地域と市街化調整地域を分けるというようなことになっているわけでございます。その場合に、その辺の農家としましては土地を持っていたいという気持ちはあるかと思います。その場合も含めまして、やはり農地法を直しまして、持っていたいけれども貸しやすいという面もあわせてかなりできるようにいたしたいというように考えているわけでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 あなたのおっしゃることもよくわかりますが、要するに総合農政の第一点に農地の流動化ということを取り上げていることは、自立する農家をつくろう、もっとたんぽをよけい持った農家をつくろう、そうでないと採算が合わないのだ、こういうようなお考えだと思うのです。そうすればもう少し大きな規模の農家をつくるということは、小さい農家はやめろということなのですよ。そのやめなくちゃならない、離農しなくちゃならない方々に対してどういうお考えを持っているのかということをお尋ねしたいわけです。ということは、農林省でもその問題について抜本的な施策を考えて、たとえば、炭鉱離職者のために雇用促進事業団で住宅もつくり、あるいは職場も世話するというふうに大々的にやりましたが、それ以上のことをやらないことにはその零細農家が大転出して働いていくというようなことは、これは都会の近郊ならともかく、東北や北海道や中部の山の中ではできません。働く工場もございません。そういうところに対して、そういうような抜本的な考え方をお持ちであるかどうかということをお尋ねしたいわけです。

太田康二農林省農政局長

○説明員(太田康二君) 実は離農を強制するということは考えているわけではございませんので、農業から他産業へ転職を希望する、そういった農業者があった場合にどうするかという問題に相なるわけでございますが、この点につきましては、実はわれわれ農政局のほうで、従来から農業委員会を使いまして農家労働力対策事業というのを実施いたしております。これは後継者の確保とか、農繁期における労働力の確保、それと転職希望者に対する就業のあっせんというような事業をいたしておるのでございまして、離農転職希望者に対します就業相談活動というものも行なっておるのでございます。来年度はさらにこれを農業就業近代化事業ということにいたしまして、現在大蔵省に予算要求をいたしておる最中でございます。  それから一般的に申し上げまして、転職を希望する農業者に対しましては、現在一般労働行政として行なわれておりますところの雇用対策法第十三条に基づく職業転換給付金制度という制度がございます。この制度を改善活用いたしまして、転職に際しましての技術の習得あるいはその技術を習得する間におきますところの手当の支給、こういった等の援助が得られるように、現在労働省にも連絡をとりつつ、そういうことを受けまして労働省も予算要求を大蔵省にいたしておる段階でございまして、いま先生のおっしゃいましたように、強制的に離農をさせるというようなことを考えているわけではないのでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 では次に、次のページになりますが、「零細兼業農家を含めて協業を助長する」という項がございます。この問題については岐阜県の大垣南農協というのが機械化営農組合というのをつくりまして、七十ヘクタールの土地を農家から預かって三名の職員が大型機械を駆使いたしまして、すでに数年の経験がございますが、りっぱな成績をおさめております。反当三万余円の配当をしておるようでございますが、私は日本の農業の将来を示唆する一つの方向ではないか、こんなふうに思うわけでございますが、ところがその営農組合をつくるにいたしましても、大型機械を購入するということは資金の関係上できません。大垣ではバックに農協がございまして、機械を買ってそれを貸しておるわけでございます。普通、農協だけでそれをやるということはなかなかできない状況でございます。それで協業を助長しようという方針のようでございますが、それでは具体的にどのようにして協業を進めていこうとお考えであるか承りたいと思います。

太田康二農林省農政局長

○説明員(太田康二君) 先生御指摘のように大垣南農協で非常にりっぱな協業経営が行なわれているということはわれわれもよく存じているのでありまして、農業の近代化を進めますためには先ほど御指摘のとおりいわゆる自立経営農家を数多く育成するということが必要でございますと同時に、現在零細兼業農家が生産を営んでおるという事実があるわけでありまして、これらの兼業農家を含めての協業を助長いたしまして、協業経営、協業組織による規模の大きな生産を助長するということも当然農業構造の改善をはかる上から進めてまいらなければならないというふうに考えておるのでございまして、このため昨年度の農林省が構造政策の基本方針を八月に発表いたしたわけでございますが、その際農協等の集団的生産組織の育成助長を推進することにしたのでございまして、そのためにこの制度といたしましては農業協同組合法を改正いたしまして、農業経営の受託ができるようにする、これは現在国会で継続審議中でございますが、そういうこともひとつ考えましたし、農事組合法人制度あるいは農業生産法人制度の要件緩和をして、でき得る限りこういった生産組織ができるようにしたいということで、関連諸制度についての改善をはかることもいたしたのでございますが、これら法律上の制度のほかに、予算措置といたしまして、集団的生産組織の育成のための予算も一億二千万ほど四十三年度予算に計上いたしました。それから集団的技術導入資金の貸し付けということで、当然集団的技術を導入いたします場合に、これのてこになりますところの機械等の施設が要るわけでございますので、農業改良資金の中に、御承知のとおり無利子の改善資金でございますが、この中に新しく集団的技術共同導入資金というワクを十億円設けまして、現在貸し付けを実施中でございます。それから大垣南農協で行なわれましたような高度集団栽培促進対策事業という予算も約二億円余計上いたしまして、実は大垣南農協もこの高度集団栽培促進対策事業の一環としてこの協業経営が行なわれておるのでございますが、これらによりましてトラクターあるいは高性能の防除機等の助成をいたしまして協業の助長をはかっておる、こういう措置を講じておるわけでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 次に、年金制度の活用ということでございますが、農家の老人に対して老齢年金をということをお考えのようでございますが、これは厚生年金あるいは国民年金等のかみ合わせがあると思いますが、その点どういうふうにお考えでしょうか。

太田康二農林省農政局長

○説明員(太田康二君) 農民年金問題につきましては、これも昨年の構造政策の基本方針で経営移譲年金あるいは老齢年金あるいは離農年金というような形で検討を進めてまいったのでございますが、農林省はこれを農林省の中に農民年金問題研究会を設けまして御検討を願ったのでございます。その検討の結果が去る七月農林省に提出されたのでございますが、この報告によりますと、農業構造の改善あるいは農業経営の近代化及び先生が御指摘になりました厚生年金等の被用者年金との均衡という二つの観点に重点を置いて、農業者に対する老後保障の充実と農業経営の移譲とを互いに有機的な関連を持たせて検討したらどうかということの内容の答申をいただいたのでございます。で、この研究会の報告の考え方を尊重しつつ、政府部内におきましてさらに制度内容の具体化につきまして検討を深めることといたしておりまして、農民年金問題は御承知のとおり国民年金審議会において審議をされることに相なっておるのでございまして、現在、国民年金審議会の中に農民年金問題の専門部会が設けられておりまして、すでに数回にわたりまして審議が進められているのでございます。そして最終的には国民年金審議会の議を経て成案を得るということになっておりまして、現在この二十二日にも専門部会が開かれるわけですが、そこに一応このくらいの掛け金でこのくらいの給付になるというようなことも出しまして御討議をいただくことになっておりまして、成案を得次第可及的すみやかに実施に移せるように現在諸般の準備を進めていると、こういった段階でございます。

沢田実公明党

○沢田実君 次に「農産物の需給の長期見通しをたて、これに基づいて生産対策を確立したい。」こういうことでございますが、それについて、きょういただいたこれを審議会にお出しになったのだろうと思いますが、これについては日本全体として米がどうだ、麦がどうだというようなことについては書いてあるようでございますけれども、あるいは県別、地方別というようなことについてまではっきりいたしてきませんと、要するに実際農家については農家一戸一戸に当たりますると、どういうふうに来年なら来年あるいは今後農業というものを前進さしていったらいいかということになりません。そこで適地適産ということが大事になってくるわけでありますが、もう日本全体でこういうものはまだ耕作する余地があるということになりますと、それをみなつくってしまいます。豊作貧乏になってしまいます。ですから豊作貧乏というものを防ぐ政府の指導というものがなければここにあります要するに生産対策を確立するということにならないと思うわけです。きょういただいたこの資料は、これはその各県なり地方なりでも、地方別の見通しというようなものができた上での日本全体としての見通しなのかどうか承っておきたいと思います。

大和田啓気農林大臣官房長

○説明員(大和田啓気君) 私ども主要農産物について大体地域別の積み上げ作業をやっておるわけでございます。県別あるいは県内の地域別というところまでは私どもの手で及びませんけれども、大体の地方農政局単位での主要農産物についての生産の見通しはできるだけ早い機会に出したいというふうに考えております。

沢田実公明党

○沢田実君 この中で米については今後の十年間で三十五万ヘクタールを減少するという見通しになっているわけですが、大体需要が九十何%というようなことで、それにいたしますと、三十五万ヘクタールを減少させなくちゃならない、こういうふうな計算だろうと思います。この三十五万ヘクタールについては、いま問題になっている作付転換ということになるんだろうと思いますが、それについての基本的な考え方を承りたいと思います。

大和田啓気農林大臣官房長

○説明員(大和田啓気君) この長期見通しで申し上げておりますことは、通常現在の条件が続きますと、五十二年における水稲の作付面積は三百十七万ヘクタール程度であると、しかし需要に合わした生産ということを考えますと二百七十七万ヘクタール程度ではないか、したがいまして四十三年と五十二年とを比べますと、四十万程度の水稲の面積の減があるんではないかというふうに考えておるわけでございます。しかし、この四十万町歩全部が作付の転換ということではございませんで、いろいろな機会に御説明申し上げておるわけですが、十年間で農地が壊廃する。いわばつぶれて、工場敷地なり住宅地等々になる面積が私どもの見通しでも大体三十万ヘクタール程度になるであろうと思います。もちろん今後ある程度の開田はあるわけでございますから、四十万と三十万との差の十万町歩というわけではございませんけれども、十万町歩プラスアルファの転換が十年間のうちに行なわれるのではないか、そういう想定でございます。ただ、米の需給の面から見ますとそういう数字でございますけれでも、作物の転換につきましては現在でも水稲からたとえばミカンにかわる、野菜にかわる、あるいは田畑輪換が牧草を媒介として行なわれるという事態があるわけでありますから、水稲からの転換は現実にある程度は行なわれておりますけれども、相当面積について急激に作付転換をするということは私はなかなかむずかしい問題であろうと思います。米の需給の面から言えばまさにそういう必要があるわけでございますけれども、実際問題としてはなかなかむずかしいので、そういう長期目標を頭に置きながら、実情に応じて無理のない方法で作付転換を進めるべきではないかということで、目下具体案を検討中でございます。

沢田実公明党

○沢田実君 いまの御答弁のようなことであれば、何もわれわれが本気になって心配する必要はないわけです。ところが、いまあなたのおっしゃるように、牧草でも、いろいろなものに自然と作付転換がなされるであろうとおっしゃっておられますが、米よりも収入のいい作物ということを調べてみても、農林省から出ている統計を見ましてもございません。さっきも話しました濃厚飼料なんか相当に輸入しておりますので、トウモロコシはどうだと調べてみても米よりも収入は少ないわけです。ふすまを買っているからといっても、米よりも収入が少ないからどうしても米麦のほうにいってしまっているわけです。ですから、このままほうっておいて、十年後には三十五万ヘクタール減るであろうということは考えられません。皆さん相当強力に転換をやって、そしてこのくらい減らさないことには需給のバランスは合わないと、こういう見通しではなかろうかと私は見るわけでございますが、ほかっておいてこういうふうになると、こういうことなら何も問題にして米が余る米が余ると問題にする必要はありません。作付転換なんて問題にする必要はないのです。こういうふうに三十五万町歩作付転換をしなければどうしてもしようがない問題だと、こういうことが問題だろうと思うのですが、官房長どうですか。

大和田啓気農林大臣官房長

○説明員(大和田啓気君) 私が申し上げておりますことは、現に米から野菜、果樹、あるいは牧草に若干ながら転換されている事実もあるわけでございます。そのことが一つ。それからもう一つは、先ほど申し上げましたように、水稲面積は四十三年と五十二年と比べて四十万町歩減でないと需給が合わないということを申し上げておりますけれども、壊廃面積は水田で三十万町歩程度になるわけでございますから、その四十万町歩というものを全部が全部転換させるという趣旨ではございませんということを申し上げておるわけでございます。しかし現在果樹に多少かわり、野菜に多少かわり、あるいは田畑輪換が行なわれるといいましても、米作が有利でございますので、水稲面積というものはこの二年ほど年々二万町歩ほどふえているわけでありますので、ほうっておけば水稲から別の作物にかわるということを申し上げているわけではございません、転換をさせるためには相当技術的な指導ばかりではなしに財政的な措置が必要であろうというふうに考えているわけでございます。ただ全体のやり方としてそう一気に、いわばかけ足で作物の転換ということはなかなかむずかしいことでありますから、実情に合わしてそれほど無理でない方法で、しかし長期的にはとにかく米が現実に平年作でも毎年百万トン以上余るということが現実でございますから、そういうことを頭に置いて転換対策を現在慎重に検討中であるということを申し上げたわけであります。ほうっておけばそうなるということで申し上げているわけではありませんし、また一気に無理に相当な面積を作付転換をするということも考えていないわけであります。

沢田実公明党

○沢田実君 それではあと十分ということでございますからその問題はまた後日にいたしたいと思います。     —————————————  先ほど大臣に質問いたしましたら、大臣はまるきり自分の言いたいことだけ言って帰ってしまったわけであります。牧草地をつくりたい、それはわかります。しかしいろいろな採算点を考えますとあるいは濃厚飼料も相当に使わなくちゃなりませんし、草だけではどうにもなりませんので、なぜ牛がふえないかということを考えますと、飼料の問題になるわけです。ですから国有林、相当高いところでもだいじょうぶなんだからそれを開放さして、そうしてササの葉を利用した山岳牧畜ということを考えたらどうか、こういうふうに言ったわけですが、何ら自分の言うことだけを言って帰ってしまいました。その点についてはどうですか。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○説明員(平松甲子雄君) 畜産の振興に飼料基盤の整備をすることが必要である、自給飼料の増産をすることが必要であることは申すまでもないことでございまして、私どものほうでも年々草地改良事業をやっておりますし、また既耕地の中で牧草をつくるという事業を推進してまいっているわけでございます。ですから、まあ先生いま家畜の頭数がふえないということでおっしゃったわけでございますけれども、現在百五十万頭ほどおります乳牛は三十年に比べまして約三倍程度というふうな形でふえてまいっている次第でございますから、飼料の増産に努力をしていくということは頭数の増加に対応して私どもやっている、その結果として頭数もふえてきたというふうに考えているわけであります。

沢田実公明党

○沢田実君 そういうふうにうまくいけばいいのですが、おたくのほうの資料をお聞きいたしますと、たんぼから牧草にするなんということは考えられないというのですね。米の収入が何といったって多いのですから、たんぼをつぶして牧草にするなんということはどこへ行ったって考えられない。たんぼをつぶして牧草にするというと、米の余っているのも解決するでしょうし、牧畜もいいでしょうよ、それができない状態ですから問題になっておるわけですよ。あなたのおっしゃるようにたんぼも将来は牧草をどんどんやって、牛もちゃんと飼うからだいじょうぶだと、そのとおりになるなら問題ありません。実際におたくのほうで出した資料を考えてくださいよ。米よりも収入のいいものなんか何もないのだから、農林省のほうで出してもらった資料の中で米より収入がいいのはミカンだけです。ミカンがいいといったってこれから奨励するわけにいかないでしょう。まだ実のなっていないミカン畑たくさんあるわけですよ。もっともっと需要がふえるであろう、こう言っております。ここ数年で六割ふえたから、また十年後には倍くらいふえるだろう、こういう見通しもあるかもしれませんが、現在以上にミカンを奨励したのじゃまた豊作貧乏になってしまいます。一体皆さんのほうから見ますと、農家はたんぼをやめて何をつくったらいいか、それが農家の真剣な悩みだと思うのですよ。ですからそういう問題については、日本全体としてこうだ、こう言ったってわかりませんから、この地方あるいはこの県においてはこういうものをつくればいいのだという、そういうふうなものをどんどん示して、農家が安心して——要するに農家は秋の収入が安定しておるのならちゃんと何でもつくるのですから、皆さんの言うことは信用できないから作付転換なんかしないのです。そういう点をもっと真剣に考えて、農家が安心して生産に励めるような政策を私はしていただきたいということが希望なわけでございます。  時間もだいぶ経過しておりますので、また次回にいろいろ申し上げることにいたしまして、本日はこれで終了いたしたいと思います。

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) ほかに御発言もなければ、本調査に関する質疑は、本日はこの程度にとどめます。  これにて散会いたします。    午後七時二十六分散会

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