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59回国会参議院1968/10/25

農林水産委員会 閉会後第2号

発言数
202
登壇者
22
会派数
5
開催日
1968/10/25

会議録

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  議事に先立ちまして一言申し上げますが、すでに御承知のことと存じますが、本委員会委員であられました岡村文四郎君は、去る十月二十日逝去せられました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。ここに謹んで、同君の長年にわたる御功績をしのび、各位とともに黙祷して御冥福をお祈りいたしたいと思います。どうぞ御起立を願います。黙祷。   〔総員起立、黙祷〕

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) 黙祷を終わります。     —————————————

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) 農林水産政策に関する調査を議題といたします。  まず、派遣委員の報告に関する件を議題とし、先般当委員会が行ないました委員派遣について、その調査報告をそれぞれ派遣委員から承ることにいたします。  まず、第一班、熊本及び鹿児島両県の御報告を願います。鬼丸君。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 熊本、鹿児島班の調査結果について御報告いたします。  当班は、園田理事、達田委員それに私鬼丸の三名で編成され、九月三十日から十月五日までの六日間、両県における土地基盤整備事業を中心に、ミカンの栽培、ノリ、貝類漁業、林業構造改善事業等について調査してまいりました。以下日程の順を追って、報告いたします。  まず熊本県でありますが、同県の農家戸数は約十五万戸で、総世帯数の三七%、九州では鹿児島県に次ぐ農業県であります。一戸当たり耕地面積、農業所得とも九州平均を若干上回っておりますが、土地基盤整備事業がおくれているため、恵まれた気象条件等の潜在力を十分に生かされておらないところに大きな問題があるようであります。  最初に、阿蘇郡一の宮町手野・北山地区の国営草地改良事業を視察いたしました。同事業は、総事業費十七億四千万円で、千七百ヘクタールの草地を、昭和四十一年から五カ年間で造成し、千五百四十六戸の農家が乳用牛三千二十三頭を、また二千六百五十戸の農家が肉用牛一万一千八百七十七頭を飼育し、年間二億五千万円の純収益を上げるようになることをめざしております。  関係者の間では、将来この地帯を九州ブロック公共育成牧場にまで拡充し、九州全域に育成牛の配付や凍結精液の供給をするようにしたいという雄大な構想が描かれております。しかし、国の助成、入り会い権買収補償制度の確立等が計画実現の前提になっているのであります。そのほか当地域開発を進めていくにあたって地域に密着した畜産関係の試験研究機関や技術を農家に修得させるための研修機関あるいは畜産中心の大学の設置、峻嶮な山地を克服して事業経費の節減を可能にする草地畜産開発基幹道路の建設等、現在農家に大きな金利負担をしいている運転資金の制度化等が強く要望されておりました。  次に同町荻の草地区で水稲の干害と冷害の実態を視察しました。同地区は、夏期に干害を受けて、植えつけが一カ月ほどおそくなり、稲の成育がおくれていたのでありますが、寒冷地のため早霜を受けて今度は冷害にやられるという二重の被害を受けておるのであります。地元からは、干害恒久対策の実施、応急工事に要した経費への国庫補助の適用等の要望が出されておりました。  次に同町の阿蘇谷の稲作を見ました。阿蘇中部にあたるこの地帯は農業所得の八五%を米に依存しておりますが、昔そのままの圃場で千枚田を形成し、湿田単作地帯のため、農作業に多くの労働力を要するにもかかわらず低位生産性に悩んでおりました。しかし草地改良事業の進展は、稲作の近代化に対する刺激となり、この七月には基盤整備事業促進期成会が町、農協等を中心に結成され、現在は、圃場整備事業を県営事業として採択するよう運動しておりました。事業の成果をあげるためには、農家がこれまでの低所得に加えて、草地改良に大きな投資をしている現状では、かなり強力な財政上の援助を必要としていると思われました。  翌十月二日は、県庁で、九州農政局、熊本営林局、県当局から九州及び熊本県の農林水産業と台風第十六号による被害概況等について説明と要望を受けた後、飽託郡河内吉野村と天水町のかんきつ栽培を視察しました。  熊本県は、温暖な気候に恵まれているため果実栽培が早くから盛んでありましたが、特に近年に入ってからの発展はめざましく、昭和四十一年には七十五億円の生産額をあげております。中でも河内吉野村、天水町のかんきつは有名で温州ミカンの主産地を形成しており、同地区の六、七割の世帯が果樹農家で占められているほどであります。しかし、本県における先進地ではありますものの、それゆえに植栽年次が古く、豊富な労働力を前提とした古い技術体系に依存した経営であったため、近年の労賃の高騰等に即応できない面が出てきております。機械の導入による近代化、省力化のための努力もなされてはおりますが、道路整備のおくれが大きなネックになっているということでした。  次に、同地区のノリと貝類漁業を見ました。有明海は発達した干がたを持ち、ノリ、アサリ、ハマグリ等の全国有数の産地であります。しかし近年は、埋め立ての進行、工場の進出に伴う汚排水の流入、大量に使用される農薬や都市洗剤の流入等により水質、泥質の悪化がはなはだしく、ノリ生産の不安定化と魚貝類の大量異常斃死とが起こっているのであります。  特に昭和三十六年ごろから始まった貝類の被害は年々巨額にのぼっており、昭和四十年には実に二十億円の損害を受けたのであります。しかるに、これが原因については、経験的には水質悪化によると思われますものの、精密な科学的実証は必ずしも容易でないため、漁民はただ泣き寝入りするしかないありさまであります。現在、原因調査を広島の南西海区水産研究所に依頼しているということでしたが、地元からは、ぜひ有明海に国立の水産総合研究所を設置してもらい、原因の究明とあわせて養殖漁業に関する研究指導を受けたいという強い要望が出されておりました。  次に、日本三大急流の一つである球磨川をさかのぼり、球磨郡球磨村神瀬地区の林業構造改善事業を視察いたしました。  熊本県は県土の六四%が林野面積で、木材供給面では九州一の実績をあげていたのでありますが、林道整備の立ちおくれ、山村労働力の流出激化などの阻害要因が重なって、近年は増産を望めない状態になっており、これが対策に苦慮しているのであります。  視察地区は全くの山村でありまして、村の総面積の九割近くが林野であり、林業構造改善の指定が始まった昭和三十九年に県では小国町とともにまっ先に指定されております。事業の進展に伴い同地区の森林組合は組合財産が昭和三十九年の五百万円から四十二年には千五百万円に増加するなどめざましい発展をしておりました。これは、総事業費の実に三分の二を占める林道の整備の進捗に起因するところが大きいように思われました。しかし林業労働力の流出は、当地区でも激しくなっておりまして、この対策として、労働者に山林を所有させて定着をはかることが必要だということで、このための諸施策の実施を強く要望しておりました。また森林組合に預貯金業務を認めてもらうことによって、事業推進のための資金の確保と組合員の生活安定をはかりたいとの要望も出されておりました。  次に球磨川のさらに上流の人吉盆地に入り、球磨郡免田町で県営中球磨地区圃場整備事業を視察いたしました。  熊本県は、こうした圃場整備等の基盤整備事業がおくれているのにもかかわらず、反当米作労働時間は全国平均を四、五十時間も下回っており、米の生産費は、全国で下から二番目という優秀さであります。これは、気温、雨量等の自然条件が稲作に適しているためでありまして、今後基盤整備事業が進み、一連の機械化体系が完成すれば、労働時間を五分の一程度に短縮できるようであります。また水田の水管理の完成は裏作としての野菜、たばこ等にも好影響を与えるということで私たちは、同県が農業の総生産の増大と、個別経営の改善とに対して持っている潜在力の大きさとそれが顕現したときの効果の大きさに一驚したのであります。  さて、中球磨圃場整備事業でありますが、これは、免田町を中心として、近隣六カ町村にまたがる関係農家二千四百五十四戸受益面積二千二百二十二ヘクタール、総事業費二十三億二千四百万円の規模の事業で、工期は昭和四十一年から八カ年となっております。  同地区は、古くからの水田地帯でありますが、事業は大型機械化営農という思いきった目標を立て、このため、総合的な用排水路と農道を整備し、平均三アールの圃場を三十アールへ大型化し、分散度七・三団地の耕地を、交換分合によって二・五団地へ集団化して労働力の節減など三億五千万円の事業効果をあげることとしております。  この事業は地区の青年たちの発意で始められたものでありまして、老人たちの一部には渋るものもいたようでありますが、整備された圃場の良好な作況が実物教育となりまして、いまは、事業のすみやかな進捗を願う声が圧倒的だということでありました。もっともこれには、最近の農業労賃の上昇で、おそくなるほど自己負担分が大きくなるという事実と、米の需給緩和に伴い、今後財政当局の助成方針が、シビアーになるのではないかという危惧とがからまっているのであります。現在の事業の進捗率は一八%程度で、地元の方々の願いに反しておくれが目立っております。予算確保等財政上の措置を強力に進め地元の方々の危惧をぬぐうことによって、農政不信を招くことのないようにする必要性を痛感いたしました。  また、同地区の青年層の活躍を見聞しますと、農村青年の引きとめ策は、単に後継者の確保といった消極的なものではなく、新しい経営や技術を能動的に摂取することのできる、農業近代化のにない手としての積極的な評価に立った施策を拡充することが必要だと感じた次第であります。県当局からも後継者育成資金貸し付け限度額の引き上げや貸し付け対象範囲の拡大について陳情がありました。  翌三日は、鹿児島県に入りました。鹿児島県は農家戸数二千四百戸、総世帯数の五〇%で、九州総農家数の四分の一を占めている九州一の典型的な農業県であります。ところが、農業所得は九州各県平均の七〇%・都府県の六七%ときわめて低位にあります。これは、一戸当たり耕地面積が七十七アールと小さいこと、耕地の六割強が畑地で、しかもその大半が、シラス、ボラ、コラといった不良性火山灰土壌でおおわれており、加うるに台風常襲地帯でもありますため、収益性の低い災害に強いカンショ等の作物が主作物であることなどの悪条件が重なっているためであります。  したがって農業政策の中心は特殊土壌地帯における畑作振興でありまして、第五十八国会で成立した南九州畑作営農改善資金融通臨時措置法は関係者から大きな期待を寄せられておりました。  さて、最初に視察しましたのは、えびの、吉松地震で被害を出した吉松町であります。被害額は耕地関係だけで一億四千万円にのぼるということで、早期復旧のための予算の追加等の要望を受けました。  次に姶良郡牧園町雷原地区のシラス対策事業を見ました。当地区はシラス土壌の特性で自然排水による畑地周辺の侵食が進み、流域が荒廃していたので、この事業により、コンクリート製の排水路を整備して農業経営を安定させようとするもので、一日も早い完成が望まれておりました。  次に鹿屋市の笠野原畑地かんがい事業を視察いたしました。笠野原台地は、大隅半島の中央部に開けた広大な畑作地帯でありますが、シラス土壌のため、風雨により侵食されやすい性質を持っております。気候は温暖多雨ですが、降雨量の分布が不均一なため干害を受けやすいのであります。事業は、近隣の川にダムをつくって、そこから導水路によって農業用水を台地上に導き、大小の水路を圃場に配置して散水かんがいを行ない、これまでのカンショ、陸稲、なたねといった収益の低い作目にかえまして、畑作水稲、たばこ、落花生、飼料作物、茶、ミカン、桑等生産効果の高い作目を対象とする経営を育成しようとするものであります。この結果、一戸当たり粗収益は昭和三十八年の二十五万八千円から、昭和四十八年には五十七万五千円に増大することが期待されています。規模は、総事業費六十一億一千三百万円、受益戸数四千八百九十五戸受益面積四千八百七ヘクタールで、工期は昭和三十三年から四十四年まででありますが、進捗がだいぶおくれております。  ここには、県農業試験場鹿屋支場が置かれておりまして、事業と密着した試験研究で成果をあげておりました。特にスプリンクラーを使用して、畑地で水稲を栽培し付近の水田の反当収量をはるかに上回るような畑作水稲の技術を開発したことは特筆されてよいと思われます。また暖地用の牧草研究等も進行しておりました。  ところでこの事業を進めるにあたっては、関係農家間で、効果と負担金をめぐりってかなり長い期間論争があったようであります。そこで、事業を進める過程では、工事に関しても、営農においても農家の体験を通して確認し合いながら、逐次進行させることによって問題を解決してきたということで、関係省の方々の努力に頭の下がる思いがいたしました。  ここでも米の需給緩和に伴って、こうした基盤整備事業の補助に対して、財政当局の態度がシビアーになってくるのではないかと案じる声を聞いたのであります。  翌四日は、県当局から、鹿児島県の農林水産業の現状並びに台風十六号による被害状況について説明と陳情を受けました。  台風十六号は、農作物にひどい塩害をもたらし、百億円をこえる被害を出したということで天災融資法の早期発動と同法に基づく特別被害地域の指定、自作農維持資金災害ワクの確保等の強い要望が出されました。  このほか、県から現状の零細な農業経営規模に対処して、その拡大をはかる目的で開発公社を設立したので、農林漁業金融公庫の資金を農地造成や取得にあたって公社にも融資してもらいたいとの強い要望がありました。  次に鹿児島市内の日本澱粉工業株式会社を訪れまして、カンショでん粉の製造の実態を視察いたしました。本県は全国のカンショでん粉の半ばを上回る製造量を誇っております。資本金一億二千五百万円の当社は一日当たりカンショ処理能力が二千トンで県全体の八%を製造しているということでした。最近原料カンショの生産減、コーンスターチ等外国産でん粉の流入により、価格、販売両面で重大な影響を受けておりまして、会社の経営もかなり苦しいものがあるようでした。ここでは、農産物価格安定法をこうした現状に対処できるよう抜本的に改正してほしいという要望を受けました。  ここで熊本、鹿児島両県に共通する当面の問題として、特に取り上げておきたいことがあります。それは台風十六号により、水稲の穂発芽等にひどい被害の発生した地帯も見られますので天災融資法の発動と、等外米、規格外米の政府買い上げ等の措置を早急に講ずる必要があるという点であります。この点なお地元からも強い要望があったことを申し添えます。  以上、報告を終わるにあたって、ごく簡単に感想を述べさせていただきます。  今日、九州農業は、東北地域等と並んで国民の主要食糧を供給する本格的な農業地帯として発展することが期待されておりますし、耕地面積のシェア、全国農業産出額の増加に対する寄与率も年々上昇してきております。  こうした九州農業の中でも、鹿児島、熊本両県は、農家戸数において一、二位を占め、農業の振興がそのまま地域の開発、振興につながる典型的な農業県であります。  このような状態にある両県の開発は、暖地農業の特性を踏まえた、土地の効率的利用の観点に立った土地基盤整備事業が中心でなければなりません。その進捗によってのみ、総生産量の増大と、高い生産性の農業経営の実現とが可能となって、課せられた期待にこたえることができると信ずるのであります。  しかるに、何度も指摘してまいりましたように、私たちは、地元の多くの方々が、米、牛乳等の需給緩和に伴い、本事業に対する今後の財政援助等について不安の念を抱いていることを知りました。万一、こうした不安が事実となった場合には、この地域の農業の、生産性の停滞を惹起して地域経済の沈下を招き、ひいては農政不信という禍根を残すような結果を導かないものでもありません。  ともあれ、食管問題等農業情勢の激変のもとで総合農政が発足せんとしている今日、農業地域の振興と結合した土地基盤整備事業を、今後の農政の中にどう位置づけていくかが、きわめて大きな課題になってきていると、私たちは、今回の調査において感じたのであります。  以上で報告を終わります。

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) 次に、第二班、三重及び和歌山両県の御報告をお願いいたします。武内君。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 御報告を申し上げます。  第二班は三重、和歌山両県下の農林水産業の現況を調査するため、九月三十日から十月四日まで、和田委員長、沢田委員、河田委員と私の四名が派遣されました。  調査いたしましたおもな点について申し上げます。  松阪肉牛センターは、昭和四十一年九月農業構造改善事業として始められ、本年三月完成されておりまして、その総事業費は五千六百六十五万余円で、運営管理は、松阪南豊農業協同組合が当たっております。「和牛は草で作り、山で飼う」の標語を掲げ、自給飼料を主体として飼育するため、山林二十ヘクタールの造成を行ない、給排水尿散施設を持ち、十七・八ヘクタールの草地を大型機械で管理し、米国製ハーベスターサイロを設置して、繁殖牛六十頭、育成牛は百五十頭より、約一年間放牧育成の後六カ月舎育し、体重約四百から四百二十キロの肥育素牛を約十七万円で肥育農家へ供給し、一年間農家が肥育して約二十四万円以上で農協へ肉牛として返す方法をとるとのことでありました。  真珠の養殖業は、わが国が世界に誇る特殊産業として、真珠の輸出の伸びにより年々盛んとなり、昭和二十八年の約一万三千キロの生産量が、四十二年には十一倍の約十四万三千キロの生産量となっております。しかるに、輸出は、四十一年上・中期をピークに下期から不振となり、本年一月から八月における輸出は、四十一年の総輸出額六千四百六十億ドル余の同期に対し七〇%であり、単価も匁当たり二ドル三十セントと、三十五セント安となっております。そのため、政府は、先国会に真珠事業法の改正案を提出するため努力いたしたのでありますが、未提出となっております。このような状況でありまするので、本年七月この不況に対処するための希望を、神奈川県以西二十四県の代表に三重県知事がなり、政府並びに関係各位に陳情されておるのであります。  業界もまた不況対策を協議いたし、四十二年度には夏期二カ月の施術作業の一斉休止を行ない、四十三年度は年間施術日数を百日に限定する生産自粛運動を実施する等、価格安定のため滞貨の調整保管を行ない、現在浜揚げされた真珠を農林中金の融資により、伊勢市に保管中であります。その数量は、無条件委託品として五百八十万匁、仮渡し額四十五億円となり、加工業者も本年一月輸出水産業の振興に関する法律で、輸出水産物として新たに真珠が指定されて自主調整を行なっております。  さらに業界では、今後四十二年度対比四割減を目標として生産自粛を強化し、需給の均衡が期待される四十五年度まで調整保管を継続するが、本年度は、特にその数量を多くする必要があるとし、浜揚げ真珠は全量責任出荷の予約制とし、下級品とともに全国真珠養殖漁業協同組合連合会にう集荷し、下級品は廃棄する計画を立てておるのであります。しかして、真珠養殖漁場は長期の使用と密殖により老朽化し、海底に堆積した有機質泥のしゅんせつ、海中障害物の除去の必要がありまするので、漁場の改良、改善事業として実施されることを英虞湾、和歌山県浦神湾について強く望まれたのであります。  和歌山県では、近海漁船九十五隻ありますが、この中の三十九トン型漁船については、さきに六十九トンまで増トンを認められております。しかし、六十九トン型は、多額の資金を要する反面、省力化設備が徹底せず、労働力確保の条件も悪く、経営の安定を欠き、経営体の合併による大型化を希望しており、業者は、その経験から三百トン以下百五十トンを目標にしておりました。また、建造資金融資の円滑化、海外補給基地の設定、漁船の大型化に即応する勝浦漁港施設の拡充と避難港区にある岩礁の撤去を望んでおりました。  浅海漁場開発事業計画は、串本と向かいの大島との間の海面百十四万平方メートルを総事業費十九億四千万円余をかけ養殖漁場として開発しようとするもので、四十一年に国で指定し、三カ年の調査もほぼ完了しておるのでありますが、早期着工を本州最南端潮の岬の至近距離にあり、船舶遭難に対する救助活動にも便利でありますので、特に四百トン型巡視船の駐留を望んでおりました。  和歌浦湾に臨む和歌川河口のノリ養殖業は、現在就業者約二百二十人でありますが、近年特に漁場の汚染がひどくなっております。その一つは、船舶の油の投棄によるものであり、二は、和歌川に臨む化学工場地帯より排出される汚水等による漁場の汚泥化であり、三は、和歌川に搬入される外材の防虫剤使用による薬害でありまして、これらに対する救済、防止の対策と、新漁場の開発を、また、和歌山木材港の輸入外材は年々増加しており、その船舶による荷役中や出港に際して紀伊水道に投棄される木皮等が特に底びき網漁業に甚大な損害を与えておりまして、この種問題に対する監督官庁の明確化、取り締まりの強化、政府の掃海の実施を要望しておりました。  次に、かんがい事業等でありますが、三重県においても、三重用水、木曽川総合水利事業の促進について、四十三年十月より水資源開発公団により承継施行されておりますが、特に、両事業とも、団体営事業に至るまで一貫して実施できるよう、また早期完成を希望しておりました。  日置川町地域大規模開拓パイロット事業計画は、総事業費約二十億円をもって山林等六百五十九ヘクタールを開墾し、さらに、日置川本流よりポンプ用水し、畑地かんがい施設を整備し、果樹園五百十三ヘクタールを造成しようとするもので、四十一年に調査が開始され、いまや取りまとめの段階となっております。  また、国営土地改良事業南紀用水計画は、田辺市を中心とする一市三町二村における果樹園等約三千三百ヘクタールに畑地かんがいを行なうもので、南の日置川上流に小房ダムを、北の南部川上流に島之瀬ダムを設置し、この間を結ぶ幹線用水路の延長三十三キロメートル、揚水機六カ所等で総事業費九十八億円でありまして、昭和四十二年度より調査が開始されておりました。  御坊市小森地区の日高川取水せきより印南町に至る南北十キロメートル、幅五百メートル前後の帯状地帯にかん水施設を完備した名田周辺畑地かんがい事業は、三十八年度に着手、四十一年度に完成しておりまして、事業費は、県営二億三千万円余、団体営九千万円余であり、特産エンドウ、スイカ裁培を主体とし、施設園芸や露地栽培による新規作物等も導入されておりました。また、日高川上流の川辺町においても、四十二年度より畑地かんがい事業が推進されておりますが、西川水系にかかる御坊市、美浜、日高町に広がる御坊平野は、排水能力が低下して湿地が多く、この水系の改修を強く望んでおりました。  有田ミカンの産地であります有田川に沿う有田地方も、県営、団体営の畑地かんがい事業が進んでおります。  十津川紀ノ川総合開発事業は、昭和二十六年末奈良、和歌山両県の意見が一致して、大和、紀伊両平野の干害の憂いをなくし、あわせて上水道、工業用水の確保と発電量の増強を行なって、農業経営の合理化、産業の発展飛躍をはからんとするのであります。  紀ノ川用水農業水利事業は、この総合開発事業の一環として、三十九年十一月に発足し、すでに建設されました奈良県の十津川上流の多目的猿谷ダムから西吉野第一、第二発電所を経て、紀ノ川支流大和丹生川へ放水されたのを、奈良県西吉野頭首工より取水し、幹線水路三十七キロメートル、総事業費三十九億三千万円、完成予定は四十七年三月で、橋本市より和歌山市まで二市七町にまたがり、受益面積四千六百三十四ヘクタールであります。  このほぼ中間に、紀ノ川流域におけるかんきつ栽培の中心地域であります那賀町があり、粉河、かつらぎ町と一帯となり、果樹農業振興特別措置法に基づく広域濃密生産団地形成事業並びにパイロット事業の指定の内諾を得て、果樹を基幹とする諸般の近代化の計画を樹立し、希望に燃えておりました。  かんがい事業等におきましては、早期着工、一日も早い完成を願望することはもちろんでありまして、いろいろな希望が述べられたのでありますが、その中のおもなものの二、三を御紹介いたしますと、一つは、地元負担金に対する貸し付けワクの拡大と利率の引き下げであり、一つは、急傾斜果樹園の農道の整備、すなわち、農道は舗装されたものを基準とすることであり、一つは、果実加工の指導とその設備に対する助成であり、特に、かんきつ類に対する国の試験研究機関の設置を強く望まれたのであります。  次に、山村振興等の対策であります。  和歌山県は、紀ノ川流域と沿海の帯状の地帯を除きますと、内陸は複雑な山塊を形成しております。県の陳情書の一ページにもまっ先に、山村振興対策がありました。その第一は、教育、医療対策のため、緊急に山村小規模集落の再編成を要し、総合的抜本的施策の樹立が望まれ、第二は、振興山村指定の早期完了であり、第三は、農林漁業特別開発事業の基準事業費の増額であり、第四に、山村小集落の連繋のための道路網の整備等であります。  林業関係につきましては、森林開発と林業経営の合理化をはかり、山村の経済的条件を改善するため、林道整備が必要であり、このための予算の拡大を強く願っております。林業構造改善事業には、地域の特性を勘案し、森林組合の育成策を組み入れ、奥地森林労務者対策として、経営企業者への移行の促進のため、集団経営による森林所有者との収益分取等の形態を促進していきたいとしており、かつ、奈良、三重、和歌山県の持つ観光資源開発のため、国土保全と自然景観の保全のための施策も強く望んでおりました。  特に、自然景観を損ずるマツクイムシの防除対策につきましては、和歌山県の山林労務賃金は、二千円から二千二百円で実際の国庫負担率は四〇%程度でありますが、マツクイムシ駆除単価は、一立方メートル当たり約二千円で、国の防除事業は半額が委託費として交付されますが、一般補助事業については六分の二程度の補助であり、近年の労務費の急騰に比較して補助単価が低く、個人所有松林の被害の発生に対する駆除促進に苦慮しておりました。視察途上におきまして、潮ノ岬無線基地をはじめ、至るところで立ち枯れた松を望見いたしました。  このほか、いろいろと聴取し、かつ、陳情、要請等を受けたのでありますが、割愛させていただきます。  最後に、このたびの派遣にあたり関係各位にいろいろの御高配を賜わりましたことを深謝し、報告を終わります。

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) 次に、第三班、青森及び秋田両県の御報告を願います。杉原君。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 去る十月十四日から五日間、任田新治、宮崎正雄及び私の三名が青森・秋田両県に派遣され、調査した結果を報告いたします。  調査はまず、青森県庁及び青森営林局において説明を聴取し、次いで岩木山麓開拓建設事業、岩木大規模機械化実験農場、北部上北機械開墾地区、淋代台県営開拓パイロット事業を視察し、十和田市において南部中央及び八戸平原の開拓パイロット事業並びに三本木営林署の概況を聴取いたしました。  秋田県におきましては、鷹巣町における出かせぎの状況、八郎潟干拓地、秋田市郊外仁別にある国民の森、十条製紙秋田工場、及び秋田港の木材関係施設を視察し、秋田県庁及び秋田営林局において説明を聴取いたしました。  御承知のとおり、東北地方は、九州等とともにわが国の農業地帯として、また米の主産地としての性格を年々高めております。たとえば、耕地面積は昭和三十一—四十一年の十年間に四%、三万九千ヘクタール、特に水田は八%、四万八千ヘクタールも増加しております。同じ期間の全国の水田増加面積は七万六千ヘクタールでありますから、その実に六三%を東北地方が占めているわけであります。申すまでもなく、青森・秋田両県は、いずれも農業県である上に、その主要作物は米でありますから、両県が最も関心を寄せている問題は食管制度の動向でありまして、両県とも制度の根幹を堅持すること、食管制度の検討は総合農政の進展に応じて漸進的に行なうことを強く訴えておりました。  青森県におきましては、てん菜作付転換対策の状況を聴取したのでありますが、その実績見込みは計画の八五・六%であります。この対策で特に目立ちますのは、転換作物の最大のものが陸稲で、飼料作物をしのいでいることでありまして、この地方では、米作以外に有利な作物が乏しいことを示しております。  また、秋田県では開拓地の多い台地に陸稲作が普及しておりますが、これがたいへん不安定でありまして、本年も干ばつ、天候不順等のため、秋田県が町村報告をもとに調査した結果、減収率平均三二%、被害額三億八千七百万円、開拓地のごときは実に七〇%、八千五百万円に及んでおります。このため、出かせぎ状況を調査した鷹巣町におきまして、地元から等外米の買い上げを応急策として実施するよう、また恒久策としては開田を主とする開拓パイロット事業を実施するよう強く要望されたのであります。  昨年の大豊作を契機として、米の供給過剰が大きい問題となっておりますが、米作適地につきましては、生産性向上と農業経営安定をはかり、稲作限界地ないし不適地については合理的な転換対策を進めることが何よりも必要であり、これらを伴わないで食管制度だけを云々することは、不必要な不安、動揺を生産者に与えるおそれがあることを痛感した次第であります。  これに関連しまして、青森県では七地区、秋田県では三地区の各種土地改良事業の促進方について強い要望がなされております。これらはほとんど開田を主体とし、開田による規模拡大を通じて生産性の向上と経営の安定を実現しようとするものでありまして、いずれも調査中あるいは着工中のものであります。地元では、米の生産制限が伝えられるおりから、助成を受けられるかどうか非常に危惧しているのであります。  申し上げるまでもなく、太平洋ベルト地帯を中心に毎年二ないし三万ヘクタールの農地が転用されており、これを農業地帯の開田開畑で補っております。また、農地の流動化は期待するほど進まず、流動した農地も規模拡大にあまり寄与しておりません。したがいまして、このような状況が続く今日では、フロンティアがまだ残されている農業地帯の開田開畑が生産性向上と農業経営安定を期する最も有力な手段と考えられるのでありまして、少なくとも調査に着手したものについては、従来どおり事業を推進すべきであると存ずるのであります。  特に青森県では、てん菜作付転換対策の一環として八千ヘクタールを開田し、これによって地域農家の経営安定と生産性向上をはかろうとする南部中央地域開拓パイロット事業が、また、秋田県では、さきに述べました不安定な陸稲作から水稲作に転換するため二千四百ヘクタールの開田を計画している大野台地区開拓パイロット事業が、それぞれ強く要請されておりました。  稲作関係では、このほか、八郎潟干拓地を視察いたしました。ここでは大型機械による直まき方式で平均反収三石、四百五十キログラムを当面の目標としております。これにより粗収入六百万円、経費二百万円、償還金二百万円、所得二百万円になるわけでありますが、四十二年は二石三斗、三百五十キログラム、三年目の本年は若干これを上回る見込みということでありまして、直まきで三石にすることにはなお相当のくふう、努力を要するようであります。盛岡の機械化実験農場では五年目でようやく三石に達したということでありますから、地盤の軟弱な干拓地でもあり、大型機械もなお試作段階にある等を考えれば、まずまずの成績と見受けられました。また、ここでは、租税特別措置法第二十四条の開墾地等の農業所得の五年間免税の規定は四十六年度までの開墾地等に適用されるだけであるから、この措置を延長されたいとの強い指摘がありました。  次に出かせぎ問題でありますが、両県とも戦前からの出かせぎ地帯であります。しかし、戦前多かった漁業の比重が減り、建設業の比重が高いのであります。青森県はこの問題について独自の調査をしておりまして、出かせぎ専業世帯が二七%に及ぶこと、出かせぎ農林業者は五五%を占めること、出かせぎ者の七八%が世帯主またはあと継ぎであること、新規出かせぎが一七%に及び、出かせぎ者は平均五年ぐらいで更新していると推定されることなどを明らかにしております。両県とも、昭和三十五年ごろから四十年ごろまで出かせぎが急増し、以後おおむね横ばいとなっております。青森では、出かせぎは一般に考えられているほど深刻ではなく、最近はそれなりに安定しているという説明であります。しかし、秋田県鷹巣町において意見を聴取したところでは、出かせぎにからむいろいろな社会問題、あるいは農業への影響などが指摘され、地元としてはその対策に腐心しているということであります。地元としては地場に雇用の場を広ろげる方途を模索しており、たとえば玄米の産地搗精を望んでおりました。  両県のように大都市から離れた遠隔地では、県内に産業を誘致することが必要であり、その努力が払われてはおりますが、出かせぎも一つの雇用形態と見られ、雇用条件の安定、留守家庭との連絡などが必要であります。畜産関係では岩木大規模機械化実験農場と上北機械開墾地区を視察いたしました。実験農場は国四割県四割計八割の助成で、百十五・八ヘクタールの土地に四千二百万円投資し、専従者四名、乳牛九十七頭うち成牛七十三頭を飼育する酪農専業経営であり、四十二年度は平均月三万円の給与を支出し年五十一万円の利益をあげております。全国に設けられた五つの実験農場のうち、一番成功しているのはここだということであり、これには指導者に人を得た面が大きいということであります。近く専従者を一名増員し、成牛九十頭に拡大したい計画であります。  機械開墾地区は当初一戸当たり五ヘクタール余でジャージーを導入しましたが、現在はホルスタインによる酪農専業を目ざしております。すでにかなりの階層差が出ておりますが、五割程度の入植者は九十万円以上の農業粗収入をあげ、三分の二程度が十頭以上の乳牛を飼養しております。購入飼料依存率は二五%ときわめて低いことが強みでありますけれども、酪農専業には農用地が狭いこと、飼養規模の増加に伴って畜舎と住宅との分離が必要となり、住宅資金に難渋していること等が指摘されておりました。  また、両県は青森のヒバ、秋田の天然杉といわれるように山に恵まれておりますが、いずれも国有林が大きい比重を占めております。青森、秋田両営林局の説明によれば、戦後の活用総面積は青森県五万二千ヘクタール、秋田県三万二千ヘクタールであり、このうち、最近の農林業構造改善事業のための活用はそれぞれ三千四百二十九ヘクタール及び三千二百九十四ヘクタールであります。青森県では、特に草地造成の必要上、さらに国有林を活用すべき旨県当局から意見が述べられましたが、秋田県では、国有林活用より入り会い地等の未利用の民有林野をまず活用すべきだとの意見が知事から述べられておりました。  林業関係では、本年の植樹祭を契機に国有林当局によってりっぱに整備された国民の森、この地方の広葉樹林の主林木であるブナを主原料に人絹用溶解パルプを製造する十条製紙秋田工場、外材輸入が年々累増している秋田港の荷揚げ及び貯木施設を視察いたしました。  このほか、両県当局から特に要望された点を申上げますと、リンゴの品種更新に伴う所得源をカバーするための自作農維持資金の融通、肉牛対策、特に超過負担の是正、第四次漁港整備計画の予算確保、八戸港の水産物流通加工センター指定、雄物川農業経済圏整備事業にかかる道路費の確保、山村振興対策の強化、草地改良事業の補助率引上げ、旧開拓制度にかかる道路補修の継続、浅海漁場開発法の制定、里山再開発事業の実施、民有林労働者に対する失業保険の適用、大潟村の農業共済制度適用など多岐にわたっております。  冒頭に申しましたように、米の生産過剰はいまやわが国の当面する最大の問題の一つでありますが、これに対処するには、地域性を十分加味いたしまして、稲作適地に生産性向上と経営の安定に努力すべきである。また、その有力な手段の一つは開田、開畑、草地造成による規模拡大であり、さらに広ろくいえば、かりに食管制度に手をつけるとすれば、やはり生産者がこれに即応できる体制を整えておくべきである、というのが、両県に派遣されました私どもの率直な見解であります。  以上をもちまして御報告を終わります。     —————————————

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) ただいまの各班の御報告に関する調査もあわせ、農林水産政策に関する件について調査を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 私はきょう不足払い制度をめぐる問題とたばこの作付減反に関する問題、さらに等外、規格外米の買い上げ制限に関する問題等についてお伺いしたいんですが、非常に時間が限られておりますので、私のほうも端的に聞きますから、答弁なさる方も簡略に、しかも質問の要点をはずさないで的確に答えていただきたいと思います。  まず第一に、不足払い制度をめぐる問題ですが、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法によるいわゆる不足払い制度が実施されて以来三年目を迎えております。そこで、この段階で、まず私のお聞きしたいのは、この法律のねらいとしておった国内産生乳の市乳化という目的が達成されつつあるのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 市乳化の促進が本制度の前提として想定した必要なポイントであるということは御存じのとおり、四十一年、四十二年において進展を示しました。四十三年に入りましてからは一時天候不順であるということから飲用乳の需要が停滞しておる、一方生乳の生産は好調であります。したがってこれに対してちょっと問題はあるわけであります。しかし、これはあくまでも一時的現象で、市乳の消化率促進という目標に向かってはこの制度は十分意義があると、こう考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 なるほどただいまの大臣の答弁では、一時的な市乳化停滞の現象だと、こうおっしゃっております。明らかに四十一年度、四十二年度これを比較してみますというと、市乳化が停滞しておるということは言えるし、さらに四十三年度においてもその傾向が続いておる、こういう事実を踏まえて私は大臣のお考えのように市乳化促進が円滑に進められるという、そういう自信が持てないわけです。特に最近の乳製品の輸入が増大しておるときには、私はよけい市乳化促進ということに対して大臣がおっしゃるような自信が持てない。そこで私はひとつ大臣に、順調に市乳化促進をはかっていくという法の目的を達成するためには一体どうすべきかということをお伺いしたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 市乳化促進につきましては私はこう考えております。基本的に国民の食生活が所得の高度化によりましてかなり多様化しておる、高度化しておる。こういう中から、やはり肉あるいは乳製品あるいは乳脂に対する要求というものも生まれてまいる。これをじょうずにつかまえましていろいろな手を打ってまいる。市乳消化の促進のために学校給食その他につきましてもいろいろな方途を講じてまいりたい、こういう意味で長期的に見ますというと、まだ日本の乳を食べる量というものは国際的に見て低いのであります。こういう点については生産過程で私どもはやり方によっては伸びてまいる、こう考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 いまの大臣の答弁というのは、いわゆる不足払い法の運営に直接関連をしての答弁ではないわけです。あなたのは、食生活が大体向上するというような方向をたどっておるのだ。そういう立場に立って言うならば市乳の量がふえていくだろう、こういうきわめて抽象的な考え方を述べられた。私は不足払い法というものが実際に運用されておるその事実を踏まえて、四十一年、四十二年、四十三年の数字で見るならば、乳製品向けのほうがふえて、市乳向けのほうが減っておるではないか、このことを言っておる。その原因は何か、こう具体的に聞いておるのですから、抽象的な答えで問題の焦点をそらさないでいただきたい。畜産局長、どう思いますか。

立川基農林省畜産局長

○説明員(立川基君) ただいまお話のございました点でございますが、四十年度の市乳化率を国内生産で申し上げますと、五八・五%、四十一年度は六丁三%、四十二年度が六二・六%、というふうに国内におきます市乳の消費の率は非常に増大しておるわけでございます。ところが御案内のように、四十一年、四十二年は非常に国内の需要が増大いたしましたので、かなり多量の輸入製品を入れましてそれでようやく需要を満たしておるというような状況でございます。ところが本年度に至りまして先ほどお話がございましたように、非常にいろいろな施策の効果があらわれまして生産のほうもかなりの伸びを示しておりますし、それからそういうような状況でございますので、他面、消費におきましては夏場におきまして天候、その他の関係がございまして消費が非常に減っておる。そういうような関係から、ことしは市乳化の率は現在までのところ一−八月では六〇%台に下がっておると思いますけれども、先ほどのお話のように、一時的な現象でございまして、いまの不足払い法の現在の考え方そのものを堅持することそのことによりまして、現在の主要な対象地域であります一道六県等につきましても生産そのものがかなり伸びておりますので、私は現在の法の精神を厳重に守っていけば言われました本来の目的は達成できるんじゃないかというふうに考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 あなたは一時的な現象だと言われるのですが、一時的な現象の帰すべき原因はどこにあると思っていますか、天候ですか。

立川基農林省畜産局長

○説明員(立川基君) 一番主要なる原因は、私は本年度の場合には天候であると思います。それから生産その他につきましても天候が起因いたしまして特定の地域でなくて、かなりの地域で全般的に増産がされているということを考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 最近、農林省は農業政策を論ずる場合に米の場合でもあるいは酪農の問題の場合でも、都合が悪くなってくるとすぐ天候を引っ張り出してくる。天候の責任にして農政をやっていくというのはまさに政策不在じゃないですか。それこそ役人なり政府の責任回避の典型的なものだ。私は天候の責任に帰すべきじゃないと思う。あなた方が不足払い制度をどういうふうに運用してきたか、最近の輸入製品の増大はどういうふうにして生まれてきたか、その点の反省がなしに、天候に責任を転嫁して逃げようという、そういう不都合なことは許されません。どうなんですか。

立川基農林省畜産局長

○説明員(立川基君) もちろん天候だけの原因ではございませんので、あるいはわれわれの施策の不十分の点もございますし、あるいは事業団における買い入れ、売り渡しの見込みの違いもございますけれども、事業団の買い入れ、売り渡しの問題は国内の需要に対して国内生産が不足しますものに対する補てん的な輸入でございまして、そういう意味では昨年、一昨年は非常な輸入をしたのでございますけれども、本年度の特殊な事情につきましては、われわれとしては、事業団は本年度に至りまして特殊なもの以外には一切放出をいたしておりませんので、そういう意味では事業団そのものの運営について、何といいますか、需給が撹乱するというふうなことをやっていないつもりでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 私はどうしてこういう現実が起こったかというときには、まず第一に天候の問題を出してあとの問題を避けて通るというようなことをやめてもらいたい。あなたたちは政策遂行者なんです。政策遂行上の原因と自分が考えるべきものをまず第一にあげるべきです。ひきょうです、やり方は。四十一年、四十二年、さらに今年度も市乳化がおくれている。私は天候の責任だけに帰せられることは心外です。私はこの不足払い制度の法の運用に誤りがあった、こう言いたい。あなたは最近の乳製品の増大と還元乳その他の乳が、その他の製品が市中にばく大に出回っていることと飲用向けの生乳の消費が停滞していることと無関係だと思いますか。

立川基農林省畜産局長

○説明員(立川基君) 昨年度あるいは一昨年度におきまして生乳生産が御案内のように非常に停滞しておったような事情がございます。他面、需要は非常に増大してまいっておりまして、時期的にあるいは地域的に還元乳がある程度あったことは事実でございます。しかし、本年度に入りまして国内生産が次第に、生乳の生産が回復してまいりましてからは、その還元乳の率もかなり低下してまいっております。そういうふうに考えておりますので、国内生産を伸ばすことによりまして、いわゆる還元乳の問題は片づけてまいりたいというふうに考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 あなたは還元乳が減っているということを何によって証拠だてるのですか。私は指定乳製品の輸入増加の状態、これは時間がかかるから私は言いません、御存じですから。それからさらにそれ以外の乳糖、カゼイン等のばく大な輸入を考えたら、そうしてしかも一方、飲用乳の消費がきわめて停滞しているということを考えたら、私は多量の乳製品の輸入と市中の還元乳の出回わりの状態というものはあなたの言うように楽観すべき状態ではないと思う。還元乳の出回りは決して減っておりません。減っているという何か調査をされておりますか。根拠を持っているのですか。ただ単なる推量ならやめてもらいたい。

立川基農林省畜産局長

○説明員(立川基君) 御案内のように国内で生産されました生乳の中から飲用向け等に処理されました数字は大体八%程度の数字になっております。ところが現実に生乳に飲用乳として生産されました数量は六%台でございますので、対前年比それぞれ比べまして、それぞれ六%程度と推量されますので、先ほど申し上げましたような数字になっております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そういう数字をどこでどういうふうに調べているのか知りませんがね、私はこの質問をする以上は、少なくとも小さい範囲ではあるけれども、私は岡山県下におけるあらゆる私の手ずるをたどって、牛乳の販売者から、いまほんとうの生乳で、なま乳で市乳に売られているものと還元乳だと考えられているものの比率を調べてくれと言って、調べられた根拠に基づいて言ってるんですよ。少なく見積もっても三割、多いときには五割をこえていると、はっきり彼らは言っております。あなたは直接牛乳の商売や、ってないでしょう。あなたがいま示したような数字というのは、ただ単に乳製品の増大と、還元乳の増大との関係がないことを証明するために、この場しのぎに言っておるだけなんです。実態を調べてください、もう少し。これは、これ以上あなたと議論しても、あなたのほうは関係ないような答弁をあくまで続けるだろうし、私のほうは乳製品の輸入費の増大と還元乳の増大、それが飲用向けの生乳消費を押えておる、このこととは密接な関連があるという立場でものを言うのですから、したがって、この問題はまだ議論未了ですから、あなたのほうも的確な根拠を調べてください。私は自分なりに調べた結果に基づいて言っておりますから。  次に質問を移します。飲用向けの生乳の価格は、需給事情を反映して再生産を可能にする水準に適正に形成されるから、不足払いの対象にする必要はない。これはきょうおいでになっておる檜垣食糧庁長官、当時の畜産局長です。この方が第四十八国会の本法審議の際に言われたことばであります。はたして飲用向けの生乳の価格が、そのとおりに適正に再生産を確保するという立場で形成されておるとお考えになりますか。これは大臣、ひとつあなたのほうで……。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 飲用乳の再生産が可能なる価格がきまってるかどうか、その問題であります。これは市乳につきましては、生産者の立場、それから乳業者の立場、小売業者の立場、そぞれがそれぞれでいろんな問題をかかえておる。特にことしにおきましても、乳価に対する利益の分配問題が大きな問題になって、まあ私どものほうも、間に入りまして一応の妥結は見ておるのでありますが、かなり窮屈な状況であるということは私も存じております。しかし、当面、それでは絶対に窮屈過ぎてどうにもならないかというと、まあ両者あわせて話をさしてみた結果によりましても、一応再生産の、本年度におきまして可能性のある限度において話し合いをつけたと、こういうふうに考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 あなたは再生産が可能なところで話し合いをつけたとおっしゃるが、私どもは一、二の例を引いてみただけでも、これはきわめてそういうふうになっておらんということを的確に証明されると思うのです。たとえば今年の民間給与の上昇率は一三・数パーセントと言われているわけです。公労協は一一・数パーセント、今年度当初予算を編成する際の基礎にされた物価上昇の率は四・八%。ところがこの物価上昇率はすでに年度当初で破れております。最近は六%近くになっている、これに比較して見たときに、今年の飲用乳向けの生乳価格が、基本乳価と関係なしに五十銭引き上げられた、引上率は一%足る足らんでしょう。諸物価の高騰する中で、労賃の上昇する中で、こういうような飲用向けの生乳の価格の形成で、はたして再生産を確保することができるとおっしゃるとするならば、あなたはよほどずうずうしい人です。この数字だけ見ても、私は再生産を確保するとは言えない。物はためしで、一ぺん酪農をやってごらんなさい・そうしたらわかる。そこで畜産局長にお伺いしたいのですが、現在の四大乳業メーカーによる市場占有率はどのくらいになっておりますか。

立川基農林省畜産局長

○説明員(立川基君) 生乳の四社によります占有率は大体六〇%程度と理解しております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 四大乳業メーカーで、乳の六〇%以上を支配しているんですよ。そういうふうに寡占体制が確保されているのですね。こういうことは、これらの大きな乳業メーカーが価格の調整機能を全面的ににぎっていると言って私はさしつかえないと思う。そういう情勢の中で、飲用向けの生乳の価格が適正に形成されるのだなどと言うことができるでしょうか。私はできんと思うのです。できないから、今年の飲用乳向けの生乳価格の決定に見られたような状態になったのではないですか、どうなんです。

立川基農林省畜産局長

○説明員(立川基君) 本年度の価格の交渉が非常に難航いたしましたのは、御案内のように、昨年度一合当たり二円の大幅な引き上げがありましたことと、それらの間の事情も勘案いたしまして、双方において合意に達したのが先ほどの金額でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それは合意に達したのではないんですよ。私は酪農団体の幹部ともいろいろ会ってみましたが、合意に達したのではなくして、どうにもこうにもならない。四大乳業メーカーの大きな力に押しまくられて、押え込まれた、泣きの涙でのまされた結果なんです。そう言っておりますよ、はっきり。一ぺんあなたも聞いてごらんなさい。  そこで私はさらにお伺いしたいのですが、今年の飲用乳向けの生乳価格の決定は、あなたはこ二でいろいろと言われて腹の底から適切な決定であるとは思われていないでしょう。もしそう思っておるとするならば、今後の私は酪農政策というものは、農民の期待する方向には進まない、食生活の向上によって、乳製品消費がふえて、したがって、国内の酪農を増産させなきゃあならぬのだという、あなたが言う方向には進まないと思う。そこでいま必要なのは、この飲用乳向けの生乳価格を、一体どうして適正にきめるか、このことが当面する私は問題だと思う。このやり方をどう考えておりますか。

立川基農林省畜産局長

○説明員(立川基君) 確かに御指摘のように、今年の春の生乳価格の交渉につきまして、非常に難航をいたしまして数ヵ月もかかったわけでございます。こういうふうな事態をそのまま続けていくということは、私自身も必ずしも適切な方法ではないと思いますし、またそれに、価格形成に参加されました生産者なり、あるいは乳業者の方々もそういうふうに考えておられるようでございます。そこで、われわれとしましては、近いうちに省内でいろいろ問題点をしぼりまして、今後どういうふうにすれば生産者、消費者あるいは小売業者、それらの方々の間に話が円満に進んでいくか、どういうルールで価格を形成していくかということについて検討いたしたいと思って目下研究中でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 その研究は畜産局長、檜垣さんの時分から研究をする、研究をすると言ってきた問題なんですよ。いつまでも研究しても、早く結論を出してもらわんと間に合わぬ。酪農民はその酪農をやって生活をしているのですから、あなたのように月給もらって生活をしているわけではないのだから、したがって、何にもいまのところ構想はないのですか。二年検討してきて、もう畜産局として飲用乳向けの生乳価格の形成は、こういうふうにしなければいかぬというくらいのアウトラインの考え方ぐらい出ておりませんか。何もないですか。

立川基農林省畜産局長

○説明員(立川基君) 現在ここで具体的にこういう方向で物を考えたいというふうにはまだ申し上げかねるのですが、関係者の間において、それぞれ考え方がだんだんまとまりつつあるというようなことは一応申し上げられると思います。しかし、結論的にそれでは三者の意見につきまして、役所としてどういう方法なり、どういう方向でものを考えていくかということは、まだ申し上げられる段階ではないと思っております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それはどういう方向で意見がまとまりつつあるのですか。いろいろな意見があるでしょうから参考のために聞かせてください。われわれもこれは考えなければいかぬ。

立川基農林省畜産局長

○説明員(立川基君) いろいろ考え方があるといいますのは、生産者の方々も、あるいはそれを買うほうの集荷業者の方々も、要するに何といいますか、いままで相当の価格を、予想よりも自分のほんとうに腹の底から思っておるよりもかなり高い価格を相互に最初にぶつけ合って、それからいろいろもんで、ある時点のところへ戻していく、そういう交渉を続けてきたことにつきまして、生産者なりあるいはメーカー側における反省がそれぞれあらわれてきておるわけであります。それで、ただそれをどういう形にすればそういう形でなくてもほんとうに話し合いの場が持てるかということについては、生産者の中あるいはメーカーの中でそれぞれまだ意見が違っておるようでございます。それらについて公式、非公式にお話し合いを進めておる向きもございます。それが現在までの状況でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 何も具体的には一つも出ませんね。時間をかけてだらだらしゃべってもらっただけです。それじゃ私どももそれを踏まえてどうにも言いようがない。ですから、私のほうは一つ提案をしておきます。これはすでにもう二回も三回も言い続けてきたことなんです。というのは、飲用乳向けの生乳の価格についても保証価格をこしらえて不足払いの対象にすべきではないか、これを言い続けてきております。あなた方のほうのお答えは、不足払い制度の運用を少しやってみてその結果で検討したいというようなことになっておるはずなんですから、したがって、これは一つの研究課題として考えておいてもらいたい。  それから次にお伺いしたいのですが、第五十五国会でこの暫定法の一部改正法案が審議されました。その際に、四十二年度予算で生産者補給金の財源を一般会計とそれから乳製品輸入差益にそれぞれ二十億ずつ、つまり五〇%、五〇%という割合で見込んでおった。このことに関連して、それが生産者補給金の財源は主として一般会計に求めて乳製品輸入差益に求めるのは補完的なものであるという法のたてまえに反する、こういうことで非常に論議が繰り返されたのです。その結果、当時の倉石農林大臣は、四十三年度については財源は一般会計に求めるのが筋であるというたてまえで予算化する方針を明らかにされました。そして当時列席された水田大蔵大臣もこの農林省の立場を十分に理解して相談する、こうおっしゃいました。ところが、四十三年度についてみると、見込まれる補給金総額の約七〇%に近いものを乳製品輸入差益に求めております。これは一体どうしたことなんです。これぐらい国会における論議を愚弄したやり方というものは私はないと思う。こういうことは許されるのですか。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) この不足払い制度の発足当時は輸入差益というものをあまり予想していない。それから不足払いの財源は、たてまえとしてやはりおっしゃるような筋論、言いかえれば一般会計が負担する、そして差益のほうは補完的だ、これはあくまでも私は正しい議論だと思います。ただ四十二、四十三におけるところの輸入事情から差益金が発生することが相当見込まれたことと、それから四十三年の予算編成の過程において、御存じのとおり財源事情、財政事情と申しますか、そういう事情があったために四十三年度は差益に依存度が高いと、こういう予算の編成が行なわれたという経過でございますし、こういうような状況から、いろいろ問題が出てまいると思いますが、できるだけ私どもとしてはやはりたてまえはくずしていかないように今後も努力を続けていきたいという考えでございます。

二木謙吾自由民主党大蔵政務次官

○説明員(二木謙吾君) いま農林大臣も答えられましたとおりに、またあなたもおっしゃられたとおりに、不足払いは一般会計から支出するのが私も本筋であろうと、かように考えておりますが、乳製品の輸入が多かったために差益金がよけいにあった、まあこういうことでいまあなたがおっしゃられたような状況になった次第でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それは、西村農林大臣の答弁も二木政務次官の答弁も答弁にならぬのです。そのことはもうその当時徹底的に論議し尽くしたのです。論議し尽くした結果の上に立って四十三年度の予算編成の方針というのが、先ほど私の言ったように、大蔵大臣も言われ、農林大臣も言われたのです。それがふたをあけてみたら、驚くなかれ不足払い総額として予想される金額が六十三億七千万、そのうちの四十三億七千万、七〇%近いものを乳製品輸入差益に仰いでおる。これは法のたてまえというものをくずしておる。しかも、当時の国会の論議で繰り返された、その結果明らかにされた——大臣自身が明らかにしたのです。そのことをみずから踏みにじろうとしておる。あなた方、法治国家ということばが好きなんだが、自分の言ったこと、自分のきめたことを自分でやらぬというのが、それが法治国家を自認する政府当局のやることですか。どうなんです、農林大臣、政務次官。

立川基農林省畜産局長

○説明員(立川基君) ただいま先生のお話の途中に出ました予算の点でございますが、四十三年度予算につきましては、一般会計から二十億の繰り入れと、それから差益二十五億、合計四十五億というふうになっております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それにしても、とにかく大部分を見ておるということは間違いないですね。いまの私が調べた数字とあなたの言った数字の違いだけであって、輸入差益で不足払い額の大部分を見たということには変わりはない。焦点はそこにあるのだから、それで言って下さい。

立川基農林省畜産局長

○説明員(立川基君) 先ほど申し上げましたように、一般会計から二十億、それから差益から二十五億、合計四十五億を財源として見込んでおるわけでございますが、確かに先生の言われますように、五億程度差益からのほうが一般会計からよりは多いわけでございますけれども、それは先般来大臣から御説明されましたように、前年度における差益が非常に多かったというような事情からきておるのでございまして、差益が今後発生しないような場合におきましては、もちろん当然本来のたてまえにおきまして一般会計からの繰り入れをお願いするということになるというふうに考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 あなたの答弁も答弁にならない。私の聞いておるところをみな逃げてしまっておる。私の聞いておるのは、不足払いの財源は主として一般会計から求める、乳製品輸入差益から求めることはきわめて補完的なものであると言った、それが破られておるということを言っているのです。それは大きな間違いですよ。そういうことをやるからことしのような問題が起こったのじゃないですか。ことしの問題というのは、いま事業団の手持ちの乳製品が非常にふえておる。国内市況は冷え切っておる。輸入乳製品の売却ができない。輸入差益が出ておりますか。出ていないじゃないですか。財源に困っておるじゃないですか。どうするのですか。

立川基農林省畜産局長

○説明員(立川基君) 先ほどからも申し上げておりますように、事業団によります輸入は、国内需要に対しまして国内生産の不足を補うという意味での輸入でございまして、その差益の財源を確保するために輸入しておるというわけではございません。したがいまして、現在事業団が持っております在庫につきましても、国内の市況が不十分である限りにおいては放出するつもりはございません。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 ことしの不足払いの財源に充てる輸入差益があるのかないのか。

立川基農林省畜産局長

○説明員(立川基君) そういうふうに申し上げましたような事情でございまして、本年度におきます輸入差益はほとんどございません。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そうすると、不足払いの金額をどこからどうして払うのですか。

立川基農林省畜産局長

○説明員(立川基君) これは今後の、御案内のように後半の需給状況がどういうふうになるかということとも関連するわけでございますが、その状況によりまして差益が発生するかどうかという問題になるわけでございますが、差益の発生のいかんにかかわらず、不足払いそのものにつきましては、責任を持って生産農家には御迷惑をかけないようにいたしたいというふうに考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 具体的にはどうするんですか。責任を持ってと言われても、具体的な処理方針を私どもは聞きたいわけです。

立川基農林省畜産局長

○説明員(立川基君) これは、今後の後半におきます市況の状況を見た上で具体的にはきめたいと思いますが、あるいは借入金でいく方法もございましょうし、その他いろいろ方法があろうかと思うわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 こういうような事態が起きたというのは、私は、やはり不足払いの財源をきわめて不確定な乳製品の輸入差益に大部分依存したというそのやり方にあると思うのです。したがって、そのやり方が間違いであるということが証明された、事実をもってね。これはだれも否定できない。その証明された、間違いであったという事実に対して、今後どうするんですか、これは大蔵省、農林省、両方から。

立川基農林省畜産局長

○説明員(立川基君) 確かに本年度の生産の見通しなりあるいは需要の見通しにつきまして、先ほど申し上げましたような理由で計画より多い目に組んでおることは事実でございます。こういう経験をもとにいたしまして、明年度におきましてはなるべく的確な計画を立てまして、来年度においてもかなり国内の生産の増強も見込まれます。しかし、消費そのものもある程度は伸びるというふうに考えておりますが、基本といたしましては、本来のたてまえとして一般会計からによるとにかく財源の繰り入れということを主として来年度は考えざるを得ないのではないかというようなことで一応現在の段階では考えておるわけでございます。

二木謙吾自由民主党大蔵政務次官

○説明員(二木謙吾君) いま畜産局長からもお答えがあったように、消費の見通しがちょっと違ったと、こういうことでございますから、不足した分は、ただいまもお話がありましたように、事業団において借り入れ金を出して、そして支払う、こういうことでございます。しかし、四十四年度の予算につきましては、これからまた十分検討をして、そうして予算を組みたい、かように考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 大蔵政務次官ね、十分検討して予算を組むじゃ困るのです。いままで国会の論議のことについて、あるいはその出た結論については申し上げたのですから、あなたの頭に入ったはずだ。農林省のほうは、来年度は主として一般会計から不足払いの財源を充当するような方針でいこうと言っている。大蔵省、どうするんですか。

二木謙吾自由民主党大蔵政務次官

○説明員(二木謙吾君) 輸入差益がどのくらいあるかということは、まだ見通しがはっきりしておらぬのでございまして、まあそのうち差益が非常によけい出れば……

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 出るわけないじゃないの。

二木謙吾自由民主党大蔵政務次官

○説明員(二木謙吾君) かもわかりません。それは、見込みが多くできないということであるならば、それはどうしても一般会計から出さなければならぬ、かように考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そういうようなきわめて不確定な見込みのもとに予算を組むことが間違いだと私は言っているのですよ。そういうことをやるから今度のような問題が起こったんでしょう。不足払い制度がある限りは、一定の金が必ず要るのです。そうすれば、そういう不確定なところに財源を求めるべきではないという立場なんです。その点どうなんですか。反対ですか賛成なんですか。あなた、そばで大蔵省の方からとやかく言われて言うんじゃなしに、あなたの政治家としての立場から、こうすべきだという観点で答えてください。

二木謙吾自由民主党大蔵政務次官

○説明員(二木謙吾君) それは、いまあなたが言われるように、一般会計から組むというのがこれは本筋である、まあさように考えて善処したい、かように考えます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そうすると二木さん、あなたはやはり政治家ですよ、りっぱなものだ、それは主として一般会計から組む、それは筋だとおっしゃられた、あなたはやるという。絶対にやっていただきたい。四十三年度のようなぶざまなことにならんように、私はあなたの良心と熱意に期待したい。  私ここで申し上げたいのは、補給金の財源を輸入乳製品の差益に多く依存することは、必然的にこれは財政的に乳製品の輸入を増大させるという結果を招きます。そのことは国内乳製品市況を冷やします。そうしてその結果が今度のような差益金が出ないで、補給金財源に穴があくというようなことになってくるわけです。それとともに、国内乳製品市況を冷やすということは、安定市場価格をも押し下げることになります。そうしてそれはまた乳製品輸入増大になるという悪循環を起こします。同時に加工原料乳の基準取引価格を引き下げることになります。そのことは生産者補給金の額を大きくすることになります。それは財政的に困るというので、今度は加工原料乳の保証価格の引き下げ要因となって働きます。また輸入乳製品の増大は、先ほど指摘しましたように、還元乳その他の増加で飲用向けの生乳の消費を押えます。そうしてこの暫定法がねらいとした市乳化促進を妨げるとともに、その飲用向け生乳の適正な価格の形成をそこなって、不当にこれを安いところにきめることを強制されるような、そういう要因となる。そういうぐあいで、私は、この制度をこのままで運営をしておったら、国内酪農を破滅に追い込むと思います。私はまさに生産者補給金の財源を輸入差益に依存するというこのやり方は、国内酪農の破壊政策だと思う。したがってこれをやめて、生産者補給金の財源を、これを一般会計に求めて、万一差益の出た場合には、日本の酪農の振興をはかるために、そのほうに振り向けていく、これが私は筋だろうと思う。この点につきましてはあなたの考え方を、農林大臣聞かしていただきたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 私は乳価の全体、乳価と申しますか、酪農振興、これは今日の状況においてきわめて大事なことで、それについては基盤というものを、どうしても生産性の向上とか、そういうところにも力を入れなければならぬし、また入れたいと思います。そうするとそれに対する財源というものをどうしても求めていかなければならない。そういう面から見れば、私はいまの御意見というものは、筋としては私はりっぱと申しますか、筋だと思うのであります。できるだけそういう方向をたどるべきだと思います。ただ日本の国の財政、また農政全体の財政の中において、それをどの程度財政事情を勘案しながら実現していくかというところに、政府としてやはり妥協点というものを見出していかなければならないと思います。筋としてはまことにそうであっていいのじゃないかと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 時間がありませんから、不足払い制度をめぐる問題はこれで私は終わります。農林大臣がおっしゃったように、あなたは私の考え方を、筋として正しいと肯定していただいたのですから、筋として正しいものが、やっぱり政策的にこれを実現させることを追求するというのが政府としての重大な責任だろうと思います。したがってぜひこの実現に向かって努力をしていただきたいと思います。     —————————————  そこで時間になりましたので、これ以上お尋ねすることはできぬわけですが、私はぜひともこの際明らかにしておいてもらいたい問題が一つだけありますので、これは専売公社のほうにお伺いいたします。  明年度からのたばこの耕作が減反になるということが先般きめられました。そうなりますというと、いま問題として出てきておりますのは、実は構造改善事業で基幹作物にたばこを選んだ地域、これを一体どう扱うのかということが問題になっておるわけです。たばこ耕作農民もあるいはたばこ耕作をねらって構造改善事業をやってきた人も、この点について非常に心配しておるのですが、簡単にその公社の方針を示していただきたい。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) お答え申し上げます。  御案内のように明年度につきましては、たばこ耕作面積を本年度の公示に対しまして一割強減反をすることにお願いをいたしました。ただしこの減反は本年度の実際の耕作面積と考えていただいてよろしかろうと思います。本年度の検査面積に比べますというと、黄色種を除きまして在来及びバーレー種につきましては減少をさせておりません。したがいまして、問題が残りますのは黄色種であろうかと思います。これは実際に耕作されました検査面積に対しまして七・七%という切り込みの数字になっておる次第でございます。この黄色種の耕作面積の許可の考え方といたしましては、新規耕作者というものは許可することができませんという考えでございます。また新しい方ではなくて継続して耕作される方につきましても、実際に耕作された面積ないしは許可された面積いずれか低いほうを限度といたしまして、耕作反別の拡張は認めて差し上げることができないと考えているわけでございます。これが基本でございますけれども、農業構造改善事業実施地区につきましては、このような二つの原則にかかわらず認定を受けた計画に基づきまして、導入いたします施設の規模や構造能力等に照らしまして、必要最小限度の面積の増加と新規耕作者の導入を認めるという考えでございます。もっとも非常に窮屈な面積の配分の問題でございますので、事業の実施を実際上繰り述べることが可能な地域につきましては、できるだけ繰り述べをしていただくように関係の方々の御協力を願わなければならぬと考えておる次第でございます。なお、黄色種以外の在来種、バーレー種につきましては、自然廃作のかなり強いものでございますから、本年度の検査面積を来年度の公示面積といたしておりますけれども、農業改善事業に必要な面積は許してあると考えておる次第でございます。こちらのほうは特別の規制をいたしませんでも御要望に応じられると考えておる次第でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そうすると在来種、バーレー種は構造改善事業地区に規制をしなくても応じられる。しかし黄色種については、ある程度の規制の要があるというのですか。私はこの構造改善事業でたばこを基幹作物に選んだ場合は農林省が一方的にやっているのじゃないと思います。御案内のような通達も出ているのですから、専売公社と相談してやっておられるわけです。しかしこれにはたばこ耕作だけにしか使えないような設備や国費を投費しておるわけです。そうするならばこれはどう事情があろうとも希望するたばこをつくらすというのが筋じゃないですか、バーレー、在来はわかりました。黄色種については押えるのですか。押えるということになるとこれは問題ですよ。あなた方のほうで一緒に相談して構造改善事業をいやだという農民に押しつける場面すらあった。強力に推進しておる。それができてたばこをつくる、そのたばこをつくる段階になって規制するのだ、そんなばかな話がありますか。黄色種についても構造改善事業地域についてはこれは認めるということをはっきり言わなければだめですよ、どうなんです。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 規制ということになりますと、若干表現の上であると思いますけれども、私どもの考えは導入されます設備の規模、能力等に照らしまして、最小限度必要な限度は導入を認めなければならぬと考えておる次第でございますが、延ばす余裕のありますところは、延ばせるように御協力を願いたいということを考えておる次第でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そこでね、肝心なところなんで、えらいしつこいようですが、もう一回聞きますが、持って回ったような言い方をしないで、要するに構造改善事業実施の地域でたばこを基幹作物に選んだということについては、農民の希望に沿って新規を許します。こうはっきりとおっしゃっていただけば片づくのです。またそれが専売公社、政府側の責任じゃないですか。それをやらぬというのはおかしいですよ。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) しかし導入されます設備等がありますものにつきましては、これに照らしまして御希望に沿うようにやらなければならぬと考えておりますけれども、事業実施が繰り延べ得るような余地がありますものにつきましては、実はこういう際でありますので、御無理をお願いしなければならぬと思っておるものでございますから、その御協力をお願いするということをやる場合のあることを、先生、どうぞ御了解を願いたいと思うわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 農林大臣、あなたはいまの答弁を聞かれてどう思いますか。いろいろ持って回ったような言い方をされておりますけれども、これでいくと実際に作付制限をやるようなことになるかもしれませんよ。私は構造改善事業を実施した地域は、農林省としても責任を持って農民の希望にこたえていくべきじゃないですか。それができないとするならば、これは許しがたい問題ですよ、どうなんです、農林大臣。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 私は細部の経緯は存じませんが、大体聞いているところでは、農業構造改善事業によってたばこを基幹作物にしている地域について、当該計画に従ってたばこの作付をした場合、日本専売公社が一方的にただ許可面積の制限をしない。こういう方針をとっておるというふうには聞いておるわけであります。ただ専売公社にも先ほど申しましたいろいろな事情があるんでありますから、ある程度それを農民の御協力を得て、いろいろな誘導したい点はよく現地現地の事情に合わせて、われわれのほうも連絡をとって問題を起こさぬようにしたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 たばこ耕作でなければ使えない施設を、国の補助でやらした場合には、ちゃんとそこにはこれだけの規模でどの程度の量のたばこの作付ができるのだというようなことが、農林省と専売公社の間でそれぞれ協力、協調してきまって事業が行なわれているはずなんです、通達を見るならば。そうするなら、いまさら規模がどうの、その場の耕作の何とかというような問題が出てこないはずなんです。したがってさようはっきりしてください。原則として、要するに構造改善事業実施地域については、農民の希望に従ってたばこの新規作付を認める。もっとも農民のほうでたばこの収納価格が安いからやめたというんならそれは話は別です。そこのところをはっきりしてください。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 構造改善事業が順調に進捗しておりますものにつきましては、先生おっしゃったとおりのことが行なわれるべきだと思います。私どもが若干事務的なことを申しましたのは、計画が順調に進んでいない場合に、少し御協力をお願いする場合があり得るということを御了解願いたいと思う次第でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 最後に、私は収納価格が低いから、耕作農民がみずからやめると言った場合には云々ということを言いましたが、私が非常に心配しているのは、諮問案どおり答申が出なかった。その際実際に諮問案どおりの減反を強行するために収納価格の抑制その他いろいろな手段が講じられてくるおそれがなきにしもあらずと思っております。現在の専売公社のたばこの収納価格というものは、私どもの考え方では決して十分なものだとは思っておりません。そのことが四十三年度急激に対策を起こした大きな原因になっているはずです。しかしながら、これらの問題、たばこの耕作減反をめぐる諸問題については別のときにまた専売公社の意向なり農林省の考え方をお伺いいたします。きょうは要するに農業構造改善事業実施地区については、たばこの新規作付は減反の方針にかかわらず認める、このことだけを再確認をいたします。間違いありませんね。

佐々木庸一日本専売公社副総裁

○説明員(佐々木庸一君) 先ほどから申し上げているとおりでございます。     —————————————

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) 次に杉原君。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 大体大筋としては三点にわたって質問をいたしたいわけですが、その第一点として、十月もすでに下旬に到達しているわけですからこの段階における米の集荷状況等並びにおそ出し奨励金の消化の実態等についてお伺いしたいのですが、いろいろ新聞等では十月時点で米が二百六十五万トン余り、来年ならもう十月なら五百万程度だろうというようなことが喧伝されているわけですが、そうした点について最も的確な数量を把握できる皆さんの立場でございますから、そちらのほうで明確に掌握されたごく最近の米の生産並びに出荷、そういった数字をまず概括的にお聞きしたいと思います。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○説明員(檜垣徳太郎君) 昭和四十三年産米の作況につきましては、最も最近のもので発表されておりますものは九月十五日現在のものでございます。九月十五日現在の作況は平年作に対して一〇七ということでございますので、これを水陸と合わせて三百二十八万ヘクタールという面積に乗じて試算をいたしますと、試算による生産予想高は千四百二十九万トンということに相なるわけでございます。十月十五日の調査は、現在統計調査部で集計中と聞いておりますが、まだ終わっておらないようでございます。食糧庁におきまして四十三年産米の買い入れをただいま実行いたしておるのでございますが、十月十五日現在で集荷の総量は約二百三万トンでございます。前年度が約二百九十万トンでございましたので、本年は時期別格差の廃止それから秋口の天候の不順等によりまして、前年に比べまして出荷がややおくれぎみであるということがうかがわれるのでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 いまの答弁に関連してちょっと気がつきましたが、昨年が二百九十万トン、ことしは二百三万トンというわけなんだが、これは時期別格差云々の問題、天候の問題というふうに指摘があったわけですが、検査制度あるいは検査員の配置等の問題からくる出おくれといったような問題は確認できないのですか。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○説明員(檜垣徳太郎君) 例年、時期別格差を設けております最後の時期になりますと、非常に検査が集中をいたしまして混乱をいたしたのでございますが、現在までの段階で、検査については私ども食糧庁の出先として配置しております検査員の動員を適宜計画的に行なってまいりまして、ごく一部の地域で検査の渋滞があるというようなことで御指摘がございまして特に重点的な指導を加えたのでございますが、全般的にはほぼ順調に検査は進んでおるというふうに承知をいたしております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それでは、おそ出し奨励金の問題でございますが、せっかく国のほうでその制度を計画されたわけですが、今日の状況の中でちょっと早過ぎるかもしれませんけれども、どうでしょうか、大体期待どおり消化といいますか、それを実施に移す段階で、もうすでに数字が上がっていると思いますが、大体期待どおり進んでいるかどうか。加えて申し上げるならば、期待どおり進んでいないとするならば、それは原因がどこにあるのだろうか。同時にまた今後それに対して追い打ちをかけるようないろいろな手だてを考えておいでになるのか。まあ、対策でございますが、そうした問題について若干お聞きしたいと思います。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○説明員(檜垣徳太郎君) 私ども表向きに、おそ出し奨励といったようなことを言ったことはございませんので、正式には出荷調整対策ということばを用いているのでございます。世間で、非常にわかりやすいようなことばでおそ出し奨励というような名前をつけてくれたのだと思っております。  それはさておきまして、出荷調整対策と申しますのは、先ほどもちょっとお話が出ましたように、四十二年産米の史上最高の豊作があったというようなことから四十二年産米が本年の十月末に精米トンで二百六十五万トン、玄米で二百九十二万トンというような繰り越しが行なわれた。その上にさらに本年の産米も先ほど申し上げましたように相当の大豊作であるというような事情から考えまして、現在、政府が指定をいたしております倉庫の収容能力を勘案いたしますと、一部の地域におきましては、指定倉庫において政府が買い付けをするというたてまえをとっております関係上、出荷、買い付けという問題が円滑にいかない場合が起こり得る。その場合にそういうことが見通せますところにつきましては倉庫事情、出荷事情等を考えまして農業協同組合等の協力を得た上で計画的な出荷の調整をしていただく。その場合に、従来の出荷時期から相当の遅延を余儀なくされたという場合に、生産者に対しましてその犠牲を全部しわ寄せするというわけにまいりませんので、金利、保管料相当のものを出荷調整対策として交付をするという対策をとったのでございます。で、現段階では出荷調整のための交付金の発足の時点を十一月十五日以降ということにいたしておりますから、現段階で出荷調整の実績というようなものを申し上げるわけにまいらないのでございます。先ほど申し上げましたように、十月十五日現在で約九十万トンばかりの対前年比の出荷のおくれがございますが、これは私は直ちに出荷調整対策そのものに結びつくとは思いませんので、今後の推移、なかんずく倉庫事情との関連で措置をすべき問題でございますので、最終の成果は何であるかといえば、集約して申せば、混乱なく政府倉庫において食糧管理特別会計が米の買い入れを完了するということでございますので、かりに倉庫事情等との関係で、私どもが当初目途といたしましたような出荷調整の数量に達しないというようなことがございましても、私どもはそれをはなはだしく意に介する必要はないと思っておるのでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それではその問題はそれっきりにしておきますが、先般先ほどの青森、秋田の視察の報告をしたわけですが、その中で特に天災地作付転換の問題で、その後陸稲をつくり、陸稲をつくったらことしは不作であった。そこで特に等外米がたくさん出て困っている。だからこれを何とかしてもらいたいという陳情が実はあったのですが、これは単に陸稲だけの問題ではないけれども、とりわけ陸稲についてそのことが非常に憂慮されておることを、現地の皆さん、町長あたりから深刻な訴えを受けたわけですが、農林省当局へもそうした要請が流れてきていると思いますが、とりわけ陸稲について、等外米については非常にむずかしいということを私は聞きましたが、長官のほうではそうした問題についてのあたたかい配慮を何か考えておいでになるかどうか、そのことを最後に聞いて、一応午前中の質問を打ち切りたいと思います。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○説明員(檜垣徳太郎君) 御案内のことと存じますが、本年度は等外米、規格外米につきましては、原則として災害等によって集団的に大量のものが発生をし、農家の経済にも大きな影響を及ぼすというような場合には、農林大臣としてはやむを得ないということで、食糧管理特別会計の買い入れ対象にするが、その他の場合は、農家あるいは農業団体の自主販売による処理に期待をするという方針をとっておるのでございます。  で、いまお話がございました両県のうち、青森県につきましては、十号台風当時の天候の不良、その後の天候、特に降雨等のために、胴割れ米あるいは穂発芽等の等外、規格外米の米の発生が相当量にのぼるので、政府買い入れの対象地域にしてもらいたいという陳情がございました。私どものほうも、青森の気象状況等から察しまして、かなりの被害地域になるのではないだろうかというふうに予測をいたし、現地の食糧事務所に等外米、規格外米の発生の様子をいま逐一報告をいたさせておるのでございますが、現在のところ、断定的に申し上げるわけにはまいりませんけれども、青森の米の受検あるいは売り渡し等の時期の関係で、いましばらく等外米、規格外米の発生の模様を把握いたしました上で、私どもとしては一定の発生比率というようなことを確認いたしますれば、政府内部において食管による買い上げの問題を検討いたしたいというふうに考えておるのでございます。

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時三十五分休憩      —————・—————    午後一時四十三分開会

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き質疑を行ないます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 先ほどから第一項の問題で同僚の矢山委員から、特に念を押してくれという注文がありまして、食糧庁長官にもう一度念を押しますが、先ほど青森、秋田の具体的な補償づけをする等外米の問題について回答をいただいたわけですが、加えて、政策に従って早場米地帯の皆さんが努力した、しかし天候は悪かった。そういうことで、かなり規格外の米が予想以上に大量に出たという地域が相当あるようでございますが、そうした点についての情報は十分キャッチしておられると思いますが、その事情等調査された上で、そうした地域にも先ほどの努力といいますか、配慮をなさるつもりかどうか、その辺のところをお聞きしたいと思います。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○説明員(檜垣徳太郎君) 本年の等外、規格外の政府買い入れの方針は先ほど申し上げたとおりでございますが、天候の不順等の関係で、米の形質それ自身にはそれほどの劣悪さはなくても、水分が非常に多い。乾燥がどうしてもうまくいかないということで、規格水分以上の水分を持っておるという規格外水分過多甲乙というものにつきましては、これは災害のいかんにかかわらず全国的に買い上げるということをきめまして通達をいたしております。その他の等外あるいは規格外のものは、多くは災害の場合に発生するものであります。もっとも、通常の耕作をいたしましても、等外あるいは規格外のものが必ず伴って発生するものでございます。その発生比率が相当高い程度に達するということであれば、天災融資法の適用地域に限らずに、それに準ずる地帯、地域というようなことで、私どもは農家が非常に困窮するという状態は避けるように措置をいたしてまいりたいというふうに思っておるのでございまして、特に早場米地帯をそういうことで考えておるわけでございませんが、一般的な方針としてそういうふうに扱ってまいりたい。また、相当等外、規格外米の発生量の多いところにつきましては、地元からもそれぞれ事情を付して要望が出てまいっております。私のほうも各食糧事務所を通じて、各県の等外米、規格外米の発生量の状況を把握しておりますので、実情に応じて善処してまいりたいというふうに思っております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 ただいまの御努力、心から期待いたしまして、第二の項目に移りたいと思います。  次に総合農政の問題でございますが、今日まで国会では、私が出てから八月の八日、九月十日の二回にわたって生産者米価決定、消費者米価決定の段階でいろいろ大臣等の食管制度の問題をめぐるお約束なり言明があったわけです。要約すれば食管制度の根幹を守るというのが大臣の一貫した主張であったと思うのです。それを中心にしながら、いま総合農政が策定、検討されておるわけですが、幸か不幸か、百家争鳴の状態でいろいろな機関、個人、さまざまな形で農業の今後の問題について各方面からはなばなしい議論が出ておること、一面は非常に喜ばしく、一面は非常に悲しい思いをするわけです。そういう情勢の中で二、三の事柄についてお伺いしたいわけですが、ただ私お伺いする場合に、基本的には食管制度の根幹を守るということを軸にして大臣が対処されてきたものだと思うのでありますが、この間の青森、秋田の農業行政の視察等の中からも先ほど報告で申しましたとおり、青森の知事にしろ、あるいは秋田の小畑知事にしましても、成文として私ども農林水産委員に対して第一項目として要請されたことは、食管制度の根幹の堅持ということであります。それはおそらく米作県のいかなる県の知事といえどもその主張には変わりはないと思います。そういうことを踏まえながら最近の起こった事情等から考えて農林当局のお考えを一々ただしていきたいと思います。  第一点は、農政審議会の進行の動向が現在どうなっておるのか。それを大体大まかなところをお聞きしたいと思うのですが、加えて農林当局が積極的に進めておられた行事的な会合その他の面から見ても最近農政局長会議というものが招集されたやに聞いておるわけです。そうした場におきましても、要約してどういう方向の議論が出ておるのか、そうしたことを新聞等では確かでございませんので、農林当局の集約した意見を御披露いただきたい。まず第一点にそれだけお伺いしてからにいたします。

大和田啓気農林大臣官房長

○説明員(大和田啓気君) 私ども七月の十三日でございますが、総合農政の展開について農林大臣から御指示を受けまして、以後事務次官を長にいたしまして、関係長官、局長で農政推進会議というものを発足いたしまして現在全省をあげて総合農政の問題に取り組んでおるわけでございます。これは、もとより単に食管制度、あるいは米の生産をどうするかという問題だけに限りませんで、農産物の生産対策、あるいは価格、流通対策、構造政策等々、広範な問題を含んでおりますので、すべての点にわたってそう簡単に結論が出る問題ではございませんが、若干のものにつきましては、すでに八月末に大蔵省に対して四十四年度の予算として要求をいたしておりますし、さらにそれにつけ加えて、現在相当広範囲にいろいろな問題を検討しておるわけでございます。  その検討の内容につきましては、まだ議論の過程でございますから、詳細申し上げる段階ではございませんけれども、その検討の方向といたしまして、どういう主題について検討いたしておるかということを申し上げますと、一つは一農業生産を進めます場合に、何といいましても、基本は農産物の需要に合わして生産を進めるということでございますから、その基礎になりますところの、農産物の需給の長期見通しの現在作成について努力をしておるわけでございます。これは、農業基本法が昭和三十六年にできましてから昭和三十七年の、十年間の見通しを立てたわけでございますけれども、ある部分につきましては、すでにそれが実情とかなりの隔たりを生じておる向きもございますので、農産物——米はかりではなしに、畜産物、果樹、野菜等々を含めて総体的な農産物の需給計画を現在検討中でございます。事務当局の案といたしましては、そう長い時間をかけないで案をまとめるつもりでございます。  それから二番目の問題といたしましては、米の問題といいますか、米の管理の問題につきましては、毎回御説明いたしておりますように、相当な米の需給の緩和があります現在、食糧管理制度についての検討ということは、なかなか影響するところも多く、そう簡単に結論の出ない問題でございますけれども、現在の米の需給の事情からいって、少なくとも買い入れ、売り渡しについて、斬新的な改善をしていくことで現在検討をいたしておるわけでございます。米の需給に関連をいたしまして、平年作でありましても、米の需給は大幅に緩和といいますか、むしろ端的に申し上げますれば、需要よりも供給が平年作においても相当上回る現在でございますから、相当程度の米の作付の減少といいますか、そういうものを一体行なうにはどういうふうにしたらいいか、そういうことをあわせて検討いたしておるわけでございます。さらに私ども、今後価格政策等の動きから見まして、そう高価格政策ということにたえるわけにはなかなかまいらない事情がございますので、いよいよ農業構造の改善といいますか、自立経営の育成、あるいは協業の促進という、農業にとっては根本的な問題について、現在農地法の改正、その他すでに相当な私どもの検討の結果は出ておりますけれども、それにさらに何をつけ加えるかということを検討いたしておるわけでございます。したがいまして、先般地方の農政局長会議をやりましたときも、そこで検討いたしましたことは、一つは米の生産をどういうふうに見るか、米の生産を、作付を減らすためにはどういう用意と手段とが必要であるかということが一点、さらに構造改善といいますか、経営規模拡大のための方策は新しく何が考えられるか等々のことを中心として検討してまいったわけでございます。     —————————————

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 その程度に一応しておきますが、引き続いて、大蔵政務次官がいなくなりましたけれども、関係はありませんが、先般財政審議会から食管制度改善に対する答申案をまとめたということが伝えられておるわけですが、しかし内容も十分御承知だと思います。そういう形の中で、それは農林当局として農民の側に立ち、農業の将来を見通しながらいま検討されている項目を官房長からお聞きしたわけですが、そうした項目の中からもある程度方向づけというものが腹がまえとしてあるはずですが、そうしますと財政審議会が出したこの答申案の取りまとめ等について一々ぼくは申しません、おわかりだから。それぞれについての農林当局の見解がまとまっておるとすればお聞かせいただきたいし、またむずかしくてもある程度これは間違いだ、困るということは言い切れるはずだと思うのでありますが、きわめて具体的で明瞭でありますから、そのところをひとつお聞きしたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 財政制度審議会は財政の立場から食糧管理制度そのものについての意見を、まだまとめた段階では私はないと思っておりますが、一つの部局として、専門部会的なもので一つの考え方を出した、これをどういうふうに今後財政審議会としてはやっていくかということを考えておるのではないかと思うのでございまして、私の手元にはまだ正式にその話はきておりません。また私としてもこれはこれなりで一つの財政の立場からの意見であるという感触のもとに将来これが答申が出た場合には、私のほうとしては私のほうなりの総合政策の立場から十分意見を加えてまいりたい、こう考えております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 大臣の答弁としてはそれでいいのかもしれませんが、内容はおわかりにならないわけがないので、おっしゃったとおり最終総会の結論ではないのですけれども、ある中間段階において出た結論であり、しかもそれは非常に具体的でありますし、また農林大臣が今日まで言明してこられた食管制度の根幹を守るという基本的な方針と非常に私は違うんじゃないか、そうすればこれは相互連絡の中である程度の話し合いがあるものだと私は考えるわけですが、行政当局の内部事情はわかりませんけれども、しかし非常に私重大な内容を持っている問題であると思いますので、あえてここで質問したわけですが、官房長なり農政局長あたりのほうで何かそうしたことについて検討しておるという程度のことは言明できないですか。流動する農政の問題のこの段階でございますので、私としては一時点で一本一本のびょうを打っていきたいと思うのですが、大体の話は固まったところで強引に推進されるという従来の私たちの経験もございますので、非常にこれ重大な改善案であるというふうに思いますので、無関心でもおそらくないだろうし、そのつど御検討なさっておるという程度のことで私いいと思うのですが、その辺はお漏らしいただけないですか。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○説明員(檜垣徳太郎君) ただいま農林大臣からも答えましたように、現段階ではまだ財政制度審議会におきまして、起草小委員会とかいうところで起草文の調整につとめておるというふうに聞き及んでおるのでございます。もちろん事が食糧管理制度に及ぶ問題でございますので、私ども実は米の需給の推移なり現状、あるいは生産者米価、消費者米価の推移並びに現状、あるいは食糧管理特別会計の運営の経緯と現状というものも、説明には参りました。その点についてはほぼ私どもも財政制度審議会の認識も間違いはないようになっているだろうというふうに思っております。  あと、今後の食管制度の改善というような問題については、実は私ども詳細にうかがい知ることができないのでございますが、財政当局から事務的に連絡がありましたこと——検討されている項目という点についてあったのでございますが、それによりますと、第一は現状と問題点というようなことで、問題点として指摘しておりますことは、米の過剰の傾向、生産者価格と消費者価格の水準とその関係、食管会計における財政負担の急激な増大に対する評価。第二に、食管制度の改善ということで、米管理制度の恒久的な将来のあり方をどういうふうに考えるか。それから、改善の第二の大きな項目として、当面とるべき改善措置はどういうことであろうかというので検討されておる問題の一つとして、生産者米価の抑制をすべきではないか。第二番目が、米の生産及び買い入れの抑制についての見解を検討しておる。それから第三番目には、米消費の拡大についての見解。四番目は、配給制度の改善についての見解。五番目は、食管制度の運用の合理化についての見解。そういうことを起草小委員会において検討に入っておるという連絡がございましたが、これは、審議会は御案内のように独自の意見をまとめました上で政府に答申をするものでございますので、われわれ政府内部の、ことに大蔵大臣の審議会の審議の模様を詳細に知るには由ないのでございます。私どもも同審議会の最終答申というものには関心を払っておることには間違いはございません。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 米の問題をめぐっていろいろ議論をされている中で、余ったとか余らないという話がよく出るのですがね。その中で、よくいなか回りをすると輸入米の話が出てくるわけですが、大体いろいろなことで情報はわかりますけれども、この委員会を通じて昭和四十三年度の米の中で、外米の輸入をする件について、いわゆる計画いろいろあると思いますが、どこの国からどれだけ輸入するのか、そうしてそれは、米が足らぬから輸入するわけじゃないことはもう明らかですから、何か経済、貿易、もっとぼくは端的に言ったら防衛上、国防上の問題すらあるのじゃないかと思うくらいなんですが、そうした観点が、その国の輸入の量との関連において説明ができると思うのですがね。そうしたことをはっきり聞きたいと思うのです。四十三年度の需給計画の中で、外米輸入の占める各国の量並びにそれに伴うそれぞれの理由があると思う。そのことをひとつ明確にお願いします。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○説明員(檜垣徳太郎君) 四十三年度の外米の輸入計画は、手元に詳細な数字を、申しわけないのですが持っておりませんので、後ほどその数字は明確に申し上げますが、総量で約二十七万トン程度の輸入計画に相なっておると思います。おもなる輸入国は、中国が四十三年度に入りましての計画のものが十万トン、そのほかに前年度からのずれ込むものが約五万トンあるはずであります。そのほかに台湾が約五万五千トン、それからビルマが約二万トンと承知をいたしております。それからタイ国から砕け米——砕米が約八万トン、そのほかに若干のモチ米が追加輸入をされる予定になっております。前年度からのずれ込みの中共の米五万トンを加えますと、あるいは三十二、三万トンになるかと存じます。詳細な数字は後ほど整理をいたしまして、お答えを申し上げるつもりでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それで終わったのですか、答弁。だからその理由を明らかにしてください、足らぬから米買うのじゃないのだから。衆議院の農林水産委員会で傍聴したときに、鹿野さんが、何か中国の十万トンの輸入の問題を非常に強く国民にアピールすべきだということを力説されておったことを私は聞いておる、傍聴して。だからそうしたことなら、なぜ中国から十万トン輸入しなければならないか——足らぬから輸入するのじゃないということははっきりしてるんだからね、余ってるんだから。そういう輸入の理由があるはずです。そのことを、ビルマについても、中国についても、タイについても、これはアメリカからも幾らか入ってくるのだと思うのですがね。そうしたことをはっきりしてください。私ら農民に納得させられぬ。農民を説得するつもりでおっしゃってください。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 四十三年は、四十二年産米の御存じのとおり非常な史上まれに見る豊作を受けましたから、できるだけ外部からの輸入というものは望ましくない、これはもう基本的な態度でございます。ただ、御存じのとおり、日本としては、貿易のたてまえから、あるいは肥料その他を得るという決済上のたてまえから、中共あるいは台湾、それから一部にはおそらくタイの砕け米等も、貿易上の決済と同時に、もう一つは砕け米等がきわめて低廉であるという従来の価格に対する影響等も考えて、少量入れておる。こういうような理由でありまして、需給緩和というような状況下においては、米自体が緩和されておるときに、不足時代に入れたのとは全然立場が違うということだけははっきり申し上げられると思うのであります。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 じゃ一応時間がありませんので、第三項目に移ります。それは、農協の運営とそれに対する検査なり指導行政上の問題についてであります。特に農政がこのように大きくゆれ、政治課題化、問題化されているこの時点において、農協の活動に大きな期待を寄せている、農民が、私たちが。そういう観点から、農協の現状に起こっている問題について、農林当局の指導なり検査なり、そうしたことに対する態度等をお聞きしたいわけです。  農協の不正事件の発生状況は、農林省の所管関係のほうから出たことしの九月三十日のデータによりますと、三十九年には七十件発生して、五億一千七百万の何か金額面における問題を起こしている。四十年は六十七件で、一億六千八百万だ。四十一年は七十四件で、十六億二千四百万のお金の問題を起こしたというデータがおたくから出ているわけですが、その以後のやつも出ているわけです。それは四十二年はどうか、四十三年の上半期はどうかということなんですが、それをお聞きしたいと思いますが、ただ、それを聞く場合に前提として、こうした事件に対して、すでに過去数回にわたって農政局長名等によって、県段階の連合会なり、単協に対して、あるいは県行政当局に対して、農業協同組合における、とりわけ信用事業の整備強化についてなどのごとき文書を重ね重ね出されておるわけです。それが出されて、自主的に効果があがって、そうした問題が皆無だ、こういうお答えを実は期待するのですが、いま申し上げたように、四十二年、四十三年前半の、上半期の状況はいかがでしょうか。

太田康二農林省農政局長

○説明員(太田康二君) 四十三年度上半期の数字はまだつかんでおりませんが、四十二年度の数字を申し上げますと、件数にいたしまして四十一年が七十四件でございましたのが、実はふえまして百一件、金額にいたしまして四十一年が十六億程度でございましたのが、四十二年は実はふえておりましてまことに申しわけなく思っておりますが、実情はそういう状況に相なっております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 そうしますと、せっかく行政指導、とりわけ農政局長名によってきびしい通達等を出されておりましても、なお件数がふえ、金額が上昇しているという、この問題について、やはり指導監督なさる皆さん方の側から、これはどこに原因があるかということを御検討なさっているものだと思うのです。それが、とりわけ皆さんの立場は、特に県段階の、そうした連合会とか、そういうところに対しては、農協法第九十四条でございますか、それの四項あたりでは「毎年一回を常例として検査をしなければならない。」となっているのですが、こうしたことが今日まで忠実に法に即して行なわれてきたものかどうか、そのことと、まあ悪く推察をするわけですが、もしできていないとすればそれはなぜかと、こうしたことなどをはっきりお聞きしておきたいと思います。同時にまた、最初にちょっとぼやけましたが、そうしたことがどうして起こるかということ、いま農協に期待されることは、総合農政のことで、世論が混迷状態になっているときでありますので、農協がいよいよ農民のよりどころとして、城として信用を、小売り販売一切の活動に本来の協同精神にのっとり、企業信用を回復して勇敢に進むべきときだと、私は思うがゆえにこそ、そうした問題についての農林当局が、どう現状を洞察し、それに対して今後どういう手だてをしようとしているのか、そうしたことについてまずお伺いしたいと思います。

太田康二農林省農政局長

○説明員(太田康二君) 不正事件の発生部門を見てまいりますと、ただいま先生がおっしゃいましたように、件数、金額とも四十二年度の数字で申し上げますと、やはり信用事業の部門が圧倒的に多いのでございまして、不正の種類等を見てまいりますと、やはり業務上の横領、あるいは背任等が多いのでございまして、その動機といたしましては遊興費あるいは生活費、さらには生活遊興費等が多くなっております。なぜこういったことが非常に起こるかということでございますが、これは、われわれ農協の全体の信用部門における体制を見てまいりますと、何と申しましても、内部の構成、機能の整備強化をはからなければならないということを感ずるわけでございまして、内部の牽制組織が十分確立されていない組合に、こういった事件が非常に発生をしておるのでございます。次いで、経営上の欠陥で考えられますのは、管理部門が弱体で、全体の統制力が欠除しておる、あるいは支所に対しますところの管理統制が不足しておるというような点、さらには役員の独善的な経営、職員配置の長期化している組合、こういった組合に実は不正事件の発生が多く見られるわけでございまして、われわれはこれを経営上の欠陥として、これらのものを改めていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。  そこで、先生が申されましたように、農協法上第五章に、監督の規定がございまして、あるいは報告の徴取、さらには検査、監督命令等の一連の監督規定によりまして、農協のそういった事件が起こらないようにわれわれもつとめておるのでございますが、先ほど来申し上げますように、件数が増加し、また金額もふえておることについては、まことに遺憾に存ずる次第でございます。われわれとしましては、本年も実は厳重なる通達を出しまして、信用事業の強化整備につきましての通達を本年九月にいたしたのでございますが、実はこの点につきましては、農協団体におきましても、中央団体が、農協信用事業整備強化運動について、という運動を展開いたしております。これは全国農業協同組合中央会と全国信連協会、農林中央金庫、この三者が一体となりまして、現在の農協で立てました農業基本構想に即しまして、組合員に営農あるいは生活の長期的展望に対する農協信用事業の積極的な役割りがさらに強く要請されておるという現状認識に基づきまして、特に重点を貸し出しの健全化及び貸し出し体制の整備、第二に、内部統制機能の整備強化という点に重点を置いて、一連の運動として展開をいたしておるのでございまして、行政庁といたしましても、これとタイアップいたしまして、先ほど先生の御指摘のような事態の起こらないように、十分今後、検査、取り締まり等を通じまして、その健全なる運営に資してまいりたい、かように考えておる次第でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 もう時間がございませんので、はしょって聞きますが、先ほどちょっと触れたのですが、法第九十四条の三ないし四項、特に四項なんですが、「行政庁は、第十条第一項第二号又は」云々というのでありますが、信用事業等について「毎年一回を常例として検査をしなければならない。」とあるのですが、これは大体、各県にわたって行なわれておりますか。

太田康二農林省農政局長

○説明員(太田康二君) 御承知のとおり、検査は、先生御指摘の九十四条の四項は、常例検査の規定でございます。実は現在の検査の体制を申しますと、全国連につきましては本省が検査をいたしております。それから地方農政局に農業協同組合課を設置いたしておりまして、県段階の県信連あるいは経済連、共済連、県の中央会、こういったものは地方農政局で検査をいたしております。それから都道府県庁がいわゆる単協、これの検査に当たっておるのでございまして、法令上は「毎年一回を常例として検査をしなければならない。」ということに相なっておるのでございますが、実際の検査の実情は、必ずしも、法令どおりにはいっていない。全国連で申し上げますと、大体、従来の実施の実績を申し上げますと、四十一年の事例でございますが、本省では四十八対象組合に対しまして六、それから地方農政局では三百六十四に対して六十四、それから都道府県では三千二百九の組合に対して三千四十四、こういった形で常例検査を行なっておるのでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 けっこうです。

沢田実公明党

○沢田実君 今後の食管制度をどうするかということについて、実は大臣にお尋ねをしたいわけですが、先ほどもお話がございましたように、大蔵大臣やあるいは経済企画庁長官または財政制度審議会等においてはいろいろな意見を発表いたしておりまして、新聞に報道されておりますが、さてそれに対して農林大臣は一体どういう考えだと、こういうことについては、まだ発表になっていらっしゃらないわけですが、この際発表していただきたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 私どものほうは、御存じのとおり食管制度なり米なりの直接の担当官庁、責任官庁でございます。もちろんそれぞれ財政の立場あるいは物価の立場から、米価のあり方あるいは食管の財政面からの運用についての意見というものはあってもしかるべきだと思う。ただ私のほうとしては責任のある立場であります。したがって七月にすでに農政全般の中において米の位置づけ、それの管理のあり方等について、その際に所信を出しましたときにも、非常にこれは長い歴史を持っておる、生産者にも消費者にも影響するという面から、各方面の意見を聞いた上で最終的な私のほうとしては結論を出したいと、こういうふうな基本的な姿勢をとっております。そこで、それではどうするのかということでありますが、御存じのとおり、その前提としては米を中心とした、米の位置づけとしての長期の見通しの問題が一つあるわけであります、米に対する長期の見通し。これに対して政策がどうなっておるかということでありますが、現在の状況で考えまするというと、長期見通しに対しましては、ここしばらくの間は米は相当需給が緩和するであろう、私どもは検討の結果こういう所信をまず持っているわけであります。これを具体的に申しますと、ことしの出来秋におきまして相当、御存じのとおり玄米トンで三百万トン、精米トンで二百六十五万トンという持ち越し、それから今年の生産が九月十五日現在で千四百二十九万トン、いずれこれは確定数字が出てくるわけでありますが、そう著しくこれが変化するとは思えない。というのは、来年の出来秋における持ち越しというものは相当な量になる。御存じのとおり消費のほうが大体千二百四、五十万トンという消費、それから消費自体がなかなか伸びにくいような国民の食生活の内容になりつつある。そうなると、平年作でも相当程度の余剰米が出る。そこに著しい需給の緩和という前提を置かざるを得ない。この中において生産者の立場、消費者の立場、そして食管の今日までやってきた使命並びに今後において果たさなければならない使命というものを考えて食管制度というものの制度あるいは制度からくる運用、こういう面の検討を加えておるわけであります。  それから特に、同時にこれは農林省の農政に対する他の財政、農政が必要とする財政の中にも大きな影響を与える問題でありまして、御存じのとおり今年度が二千四百十五億円の財政措置を、赤字補てんをいたしておりますが、もし両米価据え置きをいたしましても、いまの需給状態から申しますと、政府の持ち越し量が相当であれば二千四百十五億円の財政負担は、来年度においては一応両米価据え置きにおいても三千億をこえるのではないか、こういう推定に立っておるわけであります。そこでこれらの中から食管制度の基本というものは維持しながらも、しかし運用なりその他の改善、くふうを加えていくということも考えなければならないのであります。特にこれだけ米が過剰時代をしばらく続ける中で、消費者米価というものを今後上げることは避けざるを得ない、避けるほうが妥当ではないかというのが実は私の考えであります。また生産者米価につきましても従来のような形でこれをやっていくには需給状況というものをこれにどら反映するかというような問題が当然まつわってまいりまするので、従来の形だけではいけない。こういう中において一方もとになるところの生産調整というものを考えていかなきゃならない。それからもう一つは、配給改善も考えていかなきゃならない。こういうような事柄の中で私どもは漸次考え方を詰めてまいりたいというのが現在の立場でございまして、これらは生産者団体等と意見も交換いたしておりますし、その他の方面の意見も十分徴して結論に持ってまいりたいという考えであります。

沢田実公明党

○沢田実君 いまのお話で消費者米価を上げることは避けたい、その御意見はわかりました。生産者米価については従来の形だけではいけないだろうというお話ですが、生産者米価をあるいは下げることも考えているというお考えですか、伺いたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 私どもとしては生産者米価のあり方については今後の課題であろうと思います。ただ現実論として、生産者米価を簡単にそれじゃ下げられるかという前になすべき問題がたくさんあるわけでありますから、私どもとしては少なくとも現在の状況から考えまして、生産者米価というものは、従来の形ではただ生産者米価をこうなったからこうして上げていくという形だけで解決するという、上げるという点については私どもはなかなか従来のような形での上げ方はしにくい、それ以上の点については、いままだ私が検討の段階でありますから、ここではっきり言明すべき時期ではないと私は考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 関連。十月の十五日に農林大臣と大口事務次官及び農林省のおもだった方と宮脇全国農協中央会会長あるいは農業団体のおもなる方々と正式会談を持たれた、こういうふうに言われておりますが、いま沢田委員から質問がありましたその字句の内容について、この会談の内容を、どのような内容であったかお伺いしたいと思いますが……。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 私どもは、生産者団体にはたくさんございますが、その中で大きな分野を占めておられまする農協系統の農業団体いわゆる中央会あるいは全販連、全購連等の代表のトップの方と農林省のきわめてトップの者とが正式に会談をいたしましたのは御承知のとおりでございます。ただそこで率直に申しますと、事柄は、農民に対してどうしたら今後農民の生産意欲そして食糧の安定供給、それから農民の生産向上、同時に今度は消費者には消費者なりの要求がある、そういう農政をめぐる、特に米を中心にした問題、それを取り巻く総合農政のあり方について忌憚のない意見をやるのがいいじゃないか、そこで忌憚のない意見という以上は、論議の過程というものはひとつ外へも出さないで、だれがこう言った、こう言ったという段階ではまだないであろう、しかし結論としては食管制度というものを農業系統の方としては堅持したいという方針は一応とっておられます。また私らのほうは食管制度の改善を検討したいという姿勢をとっております。そういう中でできるだけ両者がひとつくふうをこらすという気持ちは私どもはお互いの話の中でほぼ一致したようなことがございます。  そこで御存じのように食管制度の健全な運用、いまのままほうっておいて現状維持にとどまっていいかというとそれは不健全な状態に入る。その健全な行き方というものはどうしたらいいか、健全な。こういうようなところが一点。それからもう一つは、米の率直に申しますと需給の問題でございますが、需給についての見通しについては両者が従来はやや違っておった見方があったと思いますが、この点は両者一致いたしたわけでありまして、さっき申し上げましたように、消費は横ばいに近いだろう、そして当面平年作であっても相当余る、ことしが二百六十五万トンであれば、来年は状況にもよりますが、一応現状のままでいけば五百万トン近い政府の手持ちになるであろう、こういうような需給関係についての見通しは両者の意見が一致しました。それから最後に、すでに御存じと思いますが、中立米審と申しますか、米価審議会のあり方につきましても強いお申し入れがありまして、やがてある時期が来たときには生産者等の意向反映の方法について十分検討をしてもらいたい。私どものほうもそれについては各方面の御意見をいただいておりますから、十分それらの御意見、また国会側においても御検討がいろいろとつけられ、また過去においてもあった。それから米審の運営経過、いろいろなものがあって、ひとつ十分検討をすることにいたしたい、こういうところが結論でございます。なお続いてなるべく近い機会にさらに今後そういうふうにしてやはり会合は持ちたいという意思を両者持っておるわけでございます。

沢田実公明党

○沢田実君 食管問題に限らず、農政について常に大蔵省あるいは経済企画庁が先手を打っていくというような感じを受けることに私どもはまことに残念に思っておるわけであります。農林大臣が農民の問題については一番考えてくれているのだという、こういうふうにもっと積極的に農林大臣がやっていただきたいことを希望申し上げる次第でございます。     —————————————  次に申し上げたいことは、時間の関係で飛び飛びになりますが、冷害状況についてお尋ねをいたしたいのですが、最近長野県、それから山梨県、群馬県等が相当被害を受けているように聞いております。長野県等では被害総額約十四億というようなことも聞いておりますが、これについてどんなふうに被害状況を掌握し、これに対処していらっしゃるかということをお尋ねいたしたいと思います。

大和田啓気農林大臣官房長

○説明員(大和田啓気君) 御指摘のように、幾つかの県で冷害ぎみで稲作について被害が生じておるというお話を私どもも県あるいは団体等から聞いております。目下統計調査部において被害状況の詳細を調査中でございますので、その調査状況を待って処置をいたしたいと考えております。     —————————————

沢田実公明党

○沢田実君 実は先日派遣をされまして農政上の調査をいたしてまいったわけですが、そのことについて御質問をしたいと思います。三重県をはじめ、そのほか瀬戸内海の沿岸地方あるいは九州方面で養殖真珠をやっているわけですが、この養殖真珠が非常に不況になっているということで現地では非常にお困りのようでございますが、これに対する農林省当局の対策について伺いたいと思います。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 現地をごらんになったわけでありますから実情については十分おわかりいただいておることと思いますので、きょうは詳細申し上げませんが、四十一年から四十二年にかけまして輸出の数量及び価格が非常に下がってまいりまして、いわゆる真珠業界が不況の状態になっております。私どもとしましてはその原因はいろいろあると思いますが、一つはやはり日本の真珠の生産なりあるいは販売の体制が十分でない。特に現状におきましては需要に対して生産が過剰になっておるということがそういった不況をもたらした根本的な要因ではないかというふうに思っておるわけであります。したがいまして、長期的な対策といたしましてはどうしても需要にマッチするような生産が行なわれるように調整をする体制をつくるということが基本的な対策になることと思います。そういうことでそういった面に法制的な措置を要するというふうに言われておりますので、調整のために必要な法制的措置を目下鋭意検討中ということでございます。  なお、当面の対策といたしましては、真珠の調整保管といったようなことも必要になってまいります。それに必要な金融の措置について融資の適切なあっせんというふうなことに努力をいたしてまいりたい。またそういった金融面について財政的な援助を必要とするのではないかという業界の要望もございます。そういった在庫の調整にはやはり二、三年を要するということもございますので、財政的な援助の方法についても目下鋭意検討をしておるという状況でございます。

沢田実公明党

○沢田実君 いまのお話ですと、生産過剰ということがその大きな要因であるというお話でございますが、全真連の資料によりましても昭和二十八年を一〇〇といたしまして、四十二年が一一〇〇という非常な十一倍もの生産をあげております。こんなに輸出が急激に伸びたり、真珠の需要がふえるわけじゃございませんので、これだけの生産をしていればこういう問題が起こるのは当然だと思うわけです。実は数年前に非常に景気のいいときには、農林省も県も一生懸命増産を奨励しておりまして、その当時に、二、三年前にその需給計画を考えまして、その辺で注意を与えておけば非常によかったのじゃないかと私は思います。漁民は非常にもうかりましたが、それを全部設備投資に入れてしまいまして、あの当時全国的な需給等も考えて資本蓄積をすることが大事だというような農林省当局の適切な指導があれば私は現在のような状態にはならなかったのじゃないかと思います。そういう点から考えまして、現在の不況の原因が農林省に大きくある、こういうふうに思いますが当局ではどういうふうにお考えでしょうか。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 御指摘のようにここ十年ほどの間にかなり生産数量は伸びてきております。真珠の養殖の関係につきましては法律に基づきまして施術数量の目標を示すということになっております。したがいまして、年々農林省としては施術数量の目標を示してまいりました。それを見てまいりますと、相当施術数量の目標まで年々数量がふえているということがございます。もちろん、こういった特殊な商品でありますし、また現実問題としてそういった形で生産が拡大してまいりましても十分滞貨なしに海外に販売ができたというふうな実情になっておりますものですから、十分、真珠審議会あるいは業界の意向等を聴取しながら、施術数量の目標を示してまいりますと、それほどそのときの事態としては滞貨もなく過ごしてきたということがございます。結果論といたしまして、その当時もう少し生産について示す態度が厳格であればあるいは今日のような事態は起こらなかったのではないかというふうなことは、御指摘のとおり言い得るかと思うのでありますが、年々数年ほど、あるいは十年ほどやってまいりました過程においては、そういう意味でそれほど滞貨もなく、また価格の下落もなく過ごしてきたということが考えられます。ところが、四十二年以降一つは海外の景気の後退というようなこともございまして、それを契機にしていま申しましたような状況が起こりました。私どもとしては今後は生産数量の調整について施術数量の目標の発表はもちろんのこと、体制の整備についてはできるだけ努力をいたしてまいりたいと思います。

沢田実公明党

○沢田実君 一点は三重県でお聞きをいたしました統計によりますと、輸出がそんなに急激に減ったのじゃないという統計を見てまいりました。いま、おっしゃいましたように急激なそういう状況によってこうなったのだ、農林省の責任じゃないのだ、こうおっしゃいますが、私はそうじゃないと思います。目標を示していらっしゃったそうですが、目標以上に生産をしたのか、あるいはどうなのかということについてはその実情をお聞きいたしたいと思います。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) ちょっと先ほど申し落としましたが、施術数量の目標に対しまして施術の実績は年によって異同がございます。大体最近は実績のほうが上回っておる、そういう状況でございます。

沢田実公明党

○沢田実君 輸出のほうはどうでしょうか。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 輸出のほうは、先ほど申し上げましたが、四十二年から前年に比べまして輸出の数量それから単価とも下回ってきております。計数的に申し上げますならば、四十二年のほうは、四十一年に比べまして数量にいたしまして約八%、それから金額でいきますと一五%、それから四十三年のほうは、全部月はそろっておりませんが、一月から八月ということで数量で約九・五%、それから金額で一九%ぐらい前年に比べて落ちているというふうな状況であります。

沢田実公明党

○沢田実君 これは三重県からもらってきた資料ですが、四十一年二万四千貫、四十二年は二万二千貫、それだけ輸出をしているわけですから、大勢としてはそんなにいまおっしゃるような不況が、輸出が減ったからそんな不況になったんじゃないと私は思うわけです。要するに計画性のない生産、全然需給を考えない生産、それが現在の不況のもとだったのではないかと、こういうように私は申し上げておるわけですが、農林省としてはそういうことについては全く責任はない、勝手につくったのだからお前たちが苦しむのはあたりまえだ、そういうお考えなんでしょうか。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 輸出が落ちてまいりましたので、先ほど申し上げましたように、一つはこういった輸出が落ちてまいりました時期に海外の景気の後退ということがございました。それが一つのきっかけになっておると思います。それからもう一つは輸出の金額なり数量が落ちてまいりました根本的な要因としては、需給関係が幾らか供給過剰というふうな状況になってまいりましたので、こういった特殊な商品でありますから、そういったことを見越して海外の輸入業者が日本の真珠の買い付けを買い控えをするというふうなことと相まちまして輸出の不振ということになってきた、そういうふうに私どもは見ております。  なお、先ほど来申し上げておりますように、真珠の生産なりあるいはそういった業界の体制の整備につきましては、そのときどき各種の審議会なりあるいは業界等の意向を聞きましてやってまいりましたつもりでありますけれども、現在の時点から振り返ってみまするならば、結果的には、生産の数量なりあるいは体制の整備に対する指導の上において、われわれとしても万全ではなかったということは十分承知いたしております。

沢田実公明党

○沢田実君 そういうことでしたら今後のひとつ需給の見通しと生産計画が問題になると思いますので、いま長期にわたって調整をする体制ということをおっしゃいましたが、具体的にはどんなふうにお考えですか。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 一つは生産の数量を調整いたしますところの法律的な手段といいますか、それを講じませんとまずいというふうに思っております。現在でも業界の自主的な形での生産の調整に一部とりかかってはおりますけれども、そういうものをぬかりなく万全を期するためにはやはり法律的な措置がひとつ必要になるだろうと思います。そういった法律的な手段のもとにおいてどの程度現状から見て数量を調整していくかということはもちろんこれから十分検討しなければならないと思っておりますけれども、大体の感じとしては、最近水準に比べて三割ないし四割程度生産のとりあえず縮小をしなければ完全な需給の均衡を急速に回復するということにはならないと、そういうふうに思っております。

沢田実公明党

○沢田実君 その縮小の点についてですが、現在の自主規制としては百日操業というふうなことをやっております。あるいは台数を制限するというふうな意見もございますが、法的に規制するには、台数を制限するのか、あるいは生産数量を制限するようにされるのか、その辺のことについてもう少し承りたいと思います。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 生産調整の具体的なやり方はもちろんこれから十分検討をするわけでありますが、二つございまして、一つは生産の全体の数量をダウンしてまいるというふうなことと、もう一つは特定の海域におきまして真珠のいかだといいますか、生産が非常な密植になっておる、そういう関係から品質の悪い真珠が出てまいるということでございますので、全国のトータル数字といいますか、それを現在の生産数量に比べて何割かを減らすということと、それから特定の海域におきましていままで密植になっておるのを、もう少し生産を粗植といいますか、そういうふうな方向に導きまして品質を向上する。もちろんこれは結果的にはまた数量の減少になるということでございますので、その両者をからめ合わせまして生産の調整をやってまいるというふうに思っております。お尋ねの、台数を減らすのか、あるいはその他の方法で生産数量を減らすのか、そこらは目下検討中でございます。

沢田実公明党

○沢田実君 今後検討されるのでしたら、実は四十二年度の台数の調査によりますと約六万二千台数がございます。その中で、一台から十五台見当を持っておる人たちが、その台数が一万一千台、それから十六台から三十台が一万一千八百台というふうなことで、大体三分の一は三十台以下、こういうような構成になっております。したがって、十台や十五台以下の人たちが、それを三割なら三割減らせ、こういうように言われますと生活ができなくなります。夫婦で、あるいは子供と、あるいは親とというふうな程度でやっております小さい人たちが同じ率で減らされますとたいへんなことになってしまうわけでございます。その辺を十分に考慮してその規制についてはお考えをいただきたいと思います。  次に、現地にまいりまして七項目にわたって実は陳情を受けたわけでございますが、そのことについては農林省のほうにも陳情がいっていると思いますけれども、それについてもう少し、先ほど一つ、二つおっしゃいましたが、七項目についてもう少しこういうふうにしてあげたいということをお聞きいたしたいと思います。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 私どもも真珠業者から各種の陳情なり要望を受けております。その要望の中で分類してまいりますと、先ほど言いましたような真珠の養殖事業法の改正等の法的な措置、あるいは真珠価格の安定機関の設立といったような長期的かつまた機構的な問題、それから先ほど申し上げました調整保管なりあるいはその他についての金融的な措置並びに負担軽減、それから粗悪真珠の廃棄といったようなことが数項目あるわけでありますが、もちろん養殖事業法の改正といったようなかっこう、そういう形になるか、あるいは別の法律的な形になるかは別として、ともかくといたしまして、何らかの法律的な措置を要するであろうという感じで先ほど申し上げましたように目下検討をいたしております。それから価格安定機関の設立という恒久的なかつまた機構的な問題につきましては、これは従来からも真珠につきましていろんな御意見がございます。極端といいますか一番先端の意見としては、真珠専売制といったような意見まであるわけでありまして、価格安定のためにこういった特殊なかつまた非常に個性に富んだ商品でありますから、どういうふうな扱いをするのが最もいいかということについてはこれは今後十分検討しなければならぬだろうと思っております。したがいまして先ほど申し上げました調整保管なりあるいは粗悪真珠の廃棄といったような問題、それからその他当面の金融に対するあっせん措置、こういったことにつきましてはできるだけ前向きに業界の要望の線に沿ったような方向で解決をはかるように努力をしていきたいというふうに思っております。

沢田実公明党

○沢田実君 現在伊勢市にあります全真連は約七十億の真珠を調整保管をいたしております。今年度もまた四十億ぐらいの保管をしなければならぬだろうということで、百億以上の保管をしなければならぬということで非常に困っているようです。そういう点も十分御理解の上に措置をしていただきたいと思います。  それからその次に、長期需給の関係ということについては、日本だけではなしに、海外の養殖真珠の状況等も知らなければならぬわけですが、これはうわさ程度のことでございますけれども、香港で相当量の真珠が取引されているというようなことを聞くわけでございますが、日本以外に養殖真珠がどのくらい生産され、日本の真珠の将来の見通しにどういう影響があるのかというようなことについてお聞きをいたしたいと思います。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 海外における真珠養殖の状況でございますが、海外におきましてやっておりますのは、主としてシロチョウ貝とかクロチョウ貝等を母貝として行なっておる真珠であるということでありまして、これは日本の国内においてやられておりますアコヤ貝を母貝とする養殖真珠とは、かなり品質といいますか性質を異にしておる真珠のようであります。これをやりますのもやはり日本の業者との合弁あるいはその他の提携ということでやっておりまして、海外の業者がみずからの資本、労力、技術で単独でやっておるものはまずないという状況なんであります。そういった提携のもとにやります。こちらのほうの基準といたしましては、たとえばできましたものは全部日本の国内へ持ってきて、国内の業者が販売をする等の、合弁の許可にいろんな条件をつけてやっております。そういう点からいきますと、品質的にもそれほど競合はしない。それから海外への販売にあたっても、海外の業者が直接市場に流すということはいまの体制ではないというふうな関係になっておるわけです。数量としましても、それほど大きな数量にはなっていないようです。ただ韓国で一部アコヤ貝を母貝とする真珠の養殖を始めるというふうなことも情報で聞いておりますけれども、まだどの程度のものであるか、そうたいしたものではないのじゃないかというふうに思っております。

沢田実公明党

○沢田実君 次に母貝の問題についてお尋ねをしたいわけですが、母貝業者が相当倒産をしているような状況のようです。そのような被害を受けましたのは寄生虫による被害である。この被害が約九十億に達する被害であると三重県の統計では示しております。その寄生虫についてはポリキーターとセルカリアと二種類あるようでありますが、その寄生虫の問題について当局ではどういう措置をとっていらっしゃるかお尋ねをいたしたいと思います。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 御指摘がございましたように二種類あるようでありまして、ポリキーターというほうは国立の真珠の研究所で研究をいたしました結果、濃い食塩水でもって処理をするということであれば駆除が可能だというので、現在そういう駆除の方法につきまして業界に鋭意指導をしておるということでございます。またセルカリアのほうにつきましては、かかってしまいますと駆除が困難だということのようであります。しかし幸いといいますか、幸いなことに、発生をいたします水域がきわめて限られているということでありますので、そういった限られた地域においては真珠母貝の養殖をやらない。したがって区画漁業権の免許にあたりましては、そういうところでは免許をしないようにということで、各県の知事に通達をいたしまして、限られた地域で発生するそういう病虫害について、母貝の養殖が行なわれないようにということで措置をしておるわけであります。

沢田実公明党

○沢田実君 ポリキーターの塩水処理については研究所でもそうおっしゃっておりました。三重県でもそれを実施しておると、こう言っておりましたが、実際に業者に聞いてみますと、非常に母貝が安くなりまして、塩で処理するということにしますと採算がとれません。それで実際上できなくて困っておりますと、こういうような意見でありました。それでこの寄生虫を殺虫するための塩の代金を特に安くしていただくことができれば、業者としては非常に幸いなんだと、こういう意見がございました。現地のほうでは相当に運動もしたようですが、いまだに実現できなくて困っているようでありますが、専売公社のほうで、こういう事情でございますので、特に消毒のための塩の代金を安くするというようなことができましたら、していただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

園部秀男日本専売公社塩業部長

○説明員(園部秀男君) 塩の代金の特別価格につきましては、法律に制限列挙の形で明示されておりますので、特別価格の適用というわけにはまいりかねます。そのほかの方法ということになりますと、実際上真珠養殖の団体については、現在までのところ指定はございませんが、都道府県知事の推薦する——資格要件いろいろございますが、その要件を備えた法人でございまして、その法人の構成員の一人当たりの買い受けが一トン以上で、月の買い受けが十五トンであります場合に、共同買い受けの適用で、普通よりトン当たり千八百円安い値段で購入することができるという規定がございます。資格要件を備えておりますればこういう指定を受けて販売をするということができると思いますが、実際上あるいは一人当たりの買い受け数量その他の実情について、詳細には承知しておりませんが、こういう方法以外には考えられないのではないかと、かように考えております。

沢田実公明党

○沢田実君 ただいまの答弁のようでございますが、農林省としてはそれでは業者に対して塩代のことについてまでお考えになったことがあるかどうか、いままでなければ今後お考えいただけるかどうか。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) そういう話は前から伺っておりまして、私どものほうも大蔵省のほうと交渉をしてきたわけであります。またさらに今後とも十分ひとつ実情を伺いまして、折衝に努力をしたいというふうに思います。

沢田実公明党

○沢田実君 いまのお話ですと、こういう方法だとできるとおっしゃっているわけですから、そのことはおやりにならなかったわけですか。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) いまお話がありましたような方向に沿ってできるだけひとつ実現ができるよう努力をしていきたいと思います。

沢田実公明党

○沢田実君 塩の問題は今後よろしくお願いいたします。  次にお尋ねをしたいのは、実はその真珠の核の問題でございますが、現在はアメリカのミシシッピー川のドブ貝かなんかを輸入してこれを核にしているようでございます。業者に聞いてみますと、中国の揚子江産の貝殻のほうが値段も三分の一、質も非常によろしいと、こういうふうに言っているわけですが、ただ問題は、中国産の核を使いますとアメリカで輸入してくれないと、こういう問題があって困っているんですと、こういうお話でございました。わずかな金額のことなんですから、アメリカもそんなちっぽけなことを言わなくたっていいじゃないかと思うわけですが、そういう点について交渉の余地がないかどうか、お尋ねをしたとい思います。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 私どものほうとしましては、中国産の貝を使いますと、その品質なり価格がアメリカ産のものに比べましてどの程度有利であるかというのは必ずしも確たる資料がございませんので、判断をするのは非常にむずかしいと思っておるわけです。ただ、中国産の貝を使わないというふうになってまいりましたいきさつは、御承知のようにアメリカのほうで中国産あるいは北朝鮮の品物に対する輸入の禁止措置というのがございますので、そういうものを考慮いたしまして真珠業界のほうで中国産の貝を使わないというふうに自発的に申し合わせをしておるといういきさつになっております。それが今日に及んでおるわけであります。そういったいきさつもございますので、私どものほうで、業界のそういった関係をよく考慮いたしませんと、役所ばかりが先走っていろいろな交渉をするというわけにもまいりませんし、またそういうことをやりましても、はたして見通しがあるものかどうかということも十分考えなければなりませんので、交渉等については慎重にひとつ考えなければならぬだろうというふうに思っております。

沢田実公明党

○沢田実君 いまの御答弁のようなお役所仕事を私は残念に思います。私は真珠についてはしろうとですが、現地に参りまして現地の声を聞きますと、こういうことがわかりました。県庁の役人も核についてはわかりません。こう言っておりました。また国立研究所の所長さんも、核についてはわれわれのところでは研究資料はございません、こう言っておりました。しかし実際に仕事をやっている業者はそういう声を出しております。そのことについては全真連の御年配の方にお聞きをいたしましたが、これはもう中国産のものがいいにきまっております。値段も三分の一ですと、こういうふうに経験のある方は一様におっしゃっております。そういう業者の声を反映させない官庁のやり方を私は非常に残念に思うものでございますが、そういう核の問題についても今後私は検討の余地が十分にあろうと思いますので、その点を検討していただきたい、こういうように思いますが、農林省のお考えはいかがでしょうか。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 先ほど申し上げましたように、役所が指導をいたしまして使わないというわけでは必ずしもないわけでありまして、いろいろなアメリカのそういった大勢を見まして、何ぶんにも輸出品であります。それから輸出の仕向け先としてはアメリカが一番多いわけでありますから、そういったことを念頭に置きまして業界のほうで自発的に使わないような申し合わせをしておるというふうな経緯になっております。そういうことでありますから、役所としてもそういった業界の考え方なり、いままでのいきさつとよくマッチしたような形で動きませんとまずいということを申し上げておるわけであります。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 関連。白書にもございますように、漁家の世帯一人当たりの所得というものが十六万八千円で、都市勤労者の世帯一人当たりの二十二万三千円に比べますと大体七五%にしかならない、こういうように言われております。しかも真珠母貝についての生産に当たっているのは零細漁家の人たちがほとんどです。したがいまして、計画生産性が非常にむずかしいのだと、こういうふうに当局も言われておりますが、この計画生産性がむずかしいということだけでとどめないで、そのむずかしいという姿を見ますと、この農林水産統計の資料によりましても、三十七年から四十一年にわたる事業所数が約千事業所ふえております。それからまたいかだ数も約二倍になってきております。この真珠の浜の水揚げ料も大幅にふえております。こういう事態を見ましても先ほど同僚委員が言いましたように、政府の長期にわたる無計画さによって業界を圧迫し、また漁家を圧迫しているのだと、こういうふうに私は思うわけであります。したがいまして、私、農林大臣に伺っておきたいことは、この浅海養殖事業の全般についての考えと、そうしてまた真珠の計画性、そういうことにつきまして見通しなり考え方なりをお伺いしておきたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 真珠の御事情につきましては御質問の過程におきましても十分承りました。そこで、当面いろいろな需給調整の問題が一つあると思います。需給調整につきましては、業者、関係者の自主調整はやっているようでありますが、私どもとしてはこれを法律的な根拠をもってやっていきたいと、この用意はいたしつつございます。それからたな上げ等につきましても財政措置をとってやはり業界を援助していかなければならぬ、こういうことも考えてまいっております。浅海養殖全体につきまして、何と申しましても沿岸漁業者というのは力が弱い。しかし、それは沿岸養殖、浅海真珠のみならずその他にもございますが、できるだけいろいろなくふうをこらし、施策をこらし、また必要な財政措置はとってまいりたいつもりでございます。     —————————————

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 先ほど私、三重、和歌山を視察した御報告を申し上げたのですが、これに関連いたしまして若干のお尋ねを申し上げたいと思っておるわけなんですが、時間の非常な制約を受けておりまするので、質問を申し上げたい点もどしどし削ってその中から二、三点だけお尋ねをしたいと思います。  もっとも私は初めて三重、和歌山という地方を見て、非常な実は勉強にもなってまいりました。同時に私、東北地方で育った者から見た段地農業というものの実態を見ていろいろ教えられるところが非常にたくさんあったのでありますが、その中から多少御質問申し上げたいのでありますけれども、これも全く残念ながら削られてしまった。ただこの中でまず第一に私のお尋ねしたいことは、御承知のとおり和歌山県は愛媛、静岡とともに三大かんきつ栽培地であります。最近特に選択拡大方式に基づいてかんきつの栽培が非常に拡大されてまいりました。普通畑をかんきつ園に切りかえた、これは当然やってきたことだろうと思うのでありますが、あるいはさらに土地改良を加えて、あるいはまた開拓パイロットで山地を果樹園に切り開いたり、さらにその上に畑かんがい施設を持ってきて、畑かんがいをやっている。私ども考えられないいろいろなことをやっておるようであります。この中で私はいろいろこまかくお尋ねしたいのだけれども、これもできません。本日はこの中で開拓パイロット事業で新しく山地を開いたかんきつ園について若干尋ねたいと思います。  いま和歌山県では大体一万三千ヘクタールのかんきつ園、さらにこれを一万八千ヘクタールまで拡張できるという、また拡張しようという意欲のもとに非常な努力をやっておるようであります。したがってもう開いてもいい、開ける可能性のある山岳なんかどんどん開いている。従来でも御承知のとおり和歌山県は日置川、日高川、有田川、紀ノ川というような、川の流域だけ細い帯状の耕地で農民が水田を耕作し、畑地を耕作してきたようでありますが、したがってかんきつのようなものはどんどん山にのぼる。だから和歌山県のミカン畑は非常な傾斜地が多い。三十度前後の傾斜地でミカンを栽培しておるのであります。私はこれらの畑地を見て、しかも非常に感じたことは、その傾斜地を段地に、階段畑に切りかえておる。これは御承知のとおり日本の、しかも和歌山県のミカンの栽培の歴史というものは非常に古い、いろいろなこれは伝説があって、定説はございませんようでありますが、千年の歴史を持っておるらしい。したがってその間農民が風雪の中で苦しい経験を経て今日の階段畑を耕しておると考えます。また、徳川頼宣が和歌山県、紀伊の国に封ぜられて以来、あるいはそういう地域の農業の指導に非常な努力を払った、そういう話も聞いておるのであります。とにかく和歌山県、あの山岳地帯における農民が階段畑を切り開いてミカンをつくって今日まできた。そして日本でも上位一、二を争うミカン産地になったわけでありまして、それが最近どんどんまた増反をやっておりまして、私は非常に驚いた、新しい開拓パイロット地域における畑の開設が、あるいは山なり開墾、山の形どおりに機械によって切り開いたままにし、また階段をつくってもただ裸の階段畑、こういう段地をしばしば見て驚いた、しかもこういう段地で著しいものは有田郡の広川町、あるいは西牟婁郡の日置川町というような地域の開拓段地はほとんど裸です。私はほんとうにどういうものだろうかと考えた。農民に聞きますと、実はおっかないんですと、もし大量の雨でもまいりますと、もう土砂が流れ落ちてせっかくの耕地も、努力も何にもならなくなってしまう心配があって実はおっかないんだ、こういうことをささやいております。私も実は直感でそこを見たときに感じて、その農民の心配がそのまま私に響いてきたのであります。どういうものでしょうか。私はもちろんそういう技術についての知識はございません。ございませんが、ただ私の考えることは、そういう農民の長い風雪を経た経験というものはとうとい。そういう山を切り開いて階段畑をつくって、それが流れないようにとめて、あるものは要するに城積み、城の石積みのような城積み、あるものはまた小さい石をこまめに積み上げて階段のささえにしている、こういうような非常な努力をやって今日ミカンの優秀な産地になっておるわけなんであります。どういうものでしょうか。その裸のそういう段地でだいじょうぶなのかどうか、この点をひとつお伺いしたい。

中野和仁農林省農地局長

○説明員(中野和仁君) 開拓パイロット制度でミカン園の造成をやっております。一般論で申し上げますと、われわれのほうで国営でやっておりますもの、あるいは団体営のほうで指導いたしますもの、合わせまして傾斜度が大体十五度までのものは山なり開墾を原則としております。それから、もう少し傾斜がきつくなりまして十五度から三十度までのものにつきましては、階段畑をつくるという開墾をやっております。その場合に、そういう計画を立てますに当たりましては、現地の地形なりあるいは土壌の状況なりを見まして、必要な場合にはグリーンベルトを入れるなり、あるいは排水帯をつくりますなり、また場合によっては土砂をためますますをつくるというような、防災的な施設を敷設するということをあわせて考えてやっておるわけでございます。なお、今後の問題といたしましても、いま御指摘のように、ミカン畑はますます急傾斜地帯に入っていくと思われますので、十分そういう防災施設については、その事業の中に取り組んでやっていきたいというふうに考えております。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 そういう私も説明を期待しておったんです。そうだろうと思っていたんですが、どういうわけで裸にしておくのか、それも相当急傾斜であります。ところが、これに対しては助成体制がない。したがって、機械で上をすべらしただけの畑になっている。こういうことで、農民からなるほどこれはおっかないというささやきは出てくるのは、私はあたりまえだと思う。県の方に聞いてみてもそういう必要はないということで裸にさせておる。こういうことは、ほんとうにそういう必要はないのかどうか、実は心配なんです。いままで新潟県にだっていろいろな急傾斜の畑がございます。みんなある程度の土砂流失を防止するようにつくってあります。それがしかも新潟県のようなところは、非常にねばねばした土で、そう簡単にすべりませんが、あそこのようなどっちかというと、砂質土壌が多い土壌でありますると、これは雨が降ったら流れ落ちてしまう、押えることはできない。これに対してもう少し何か、現地で私が聞いたんだが、そういう施設に対する助成がないんだというならば、これは考えてもらわなければならぬと思っているわけなんであります。何と言いましても、新しい技術を学んでやってきた技術者の方々の、そういう技術は私も尊敬いたしますが、同時に長い年月の風雪の中で経験してきた農民の体得した技術は、私はこれは無視できない。これをぜひひとつ考えていただきたい。同時に排水等の話がありました。それらの開拓パイロットの土地には、排水の施設もあるでしょうが、その排水も十分、たとえばすっかりコンクリートで包んでしまうとか、あるいはまた集水池のようなものをつくって、そこへ畑地の余分な水を集めてやって、それから下へ流し出すとかいうような施設を考えなければならぬと思うのでありますが、もっとも強い農民の諸君と現地のいろいろな知識人の要求は、そういう非常な傾斜地の畑地の農道——今日、御承知のとおりほとんど日本の農民の大部分というものは、ことに果樹農園における農民というものは、これはもうトラックあるいは耕うん機等の運搬のための農道というものはしっかりしたものをつくってもらわなければならないと言っている。その農道が、畑でさえ裸であるから農道はもちろん道型をつけた程度のものです。私は、これが農道ですと言われてみて、なるほど農道なんだろうと、こう思って帰ったんでありますが、畑でさえそういう状態だから、農道というものは、これはまあ今日、帽子をかぶる程度だ、ネクタイを締める程度じゃないか、こういうふうな考え方だとこれはたいへんだ。農道は、今日農地を最も有効に活用させる、欠くべからざるものであることは御承知のとおりです。そういうものをほとんど形だけつくっておる。私はそれじゃいかぬと思う。現地の諸君の声も、何とかして早くこれを自動車の通れるような、トラックが通れるような道路にしてもらいたい、同時にできれば完全舗装をして、道路上のちりや泥がミカン畑に飛び込まぬような施設を考えていただきたいという声が強かった。こういうことについての一体何かやはり考えておられることがあればあるいはどういう計画でおやりになるか。現地では、全然ないようでありまして、たいへん心配されているんですが、どういうことになっているか、伺いたい。

中野和仁農林省農地局長

○説明員(中野和仁君) ミカン園に限りませず、畑作地帯、特に傾斜地帯の樹園地については、いま御指摘のような問題が非常にあるかと思っております。そこで、われわれといたしましては、過去の事業についてやりましたものは、大部分舗装なんかはしておりませんので、新しく来年度の予算をいま要求をしているわけでございますが、それによりまして舗装をやりたい。それからまた畑作地帯の農道事業につきましては、いままでは受益面積を二十ヘクタール未満はやらなかったわけでございますけれども、これを十ヘクタールに下げるというようなこともあわせてやりまして、そういう畑作地帯の振興のために農道の整備あるいは舗装事業というものを新たに起こしたいというふうに考えております。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 それはひとつぜひ御検討願って、計画を立てていただきたいと思うんですが、私は、ほんとうはもう少しこれを聞きたいんですが、時間がないので、この次の研究題目にしたいと思いますけれども、かんがい排水、畑地かんがいの施設についても、もう少し実はいろいろ聞きたいんですけれども、時間がかかるからやめます。     —————————————  次に、これは私最も驚いたんですが、実は初めて見た。松のもみじです。松の木がまっかになって、燃え上がっているような赤さで山全体を包んでいる。——これは林野庁です。一昨年ですか、四十一年の国会で森林病害虫等防除法の審議をやったこともあります。その際私もその内容を、従来あった法律内容を充実拡大さして活用しようということになったわけですが、そこで参りまして驚いた。実は初めて見たのです。私どもの郷里はそういうことがありませんので、初めて見て驚いたのですが、まず潮ノ岬の海岸地帯における松の木は全部赤、写真もありますけれども、このとおり赤くなっておる。それから海岸を伝って私どもずっと乗ってまいりますると、沿道がほとんどこれは全山絶滅の状態の個所も相当ある。こういうような被害が非常に大きいのであります。これはマツクイムシの被害で、ますます被害が蔓延する傾向にあると言われております。  そこでこれもいろいろなことを突っ込んで聞いている時間がございませんので、私端的にお伺いしますが、せっかく一昨年私どもがこれに関する法律の審議に当たった。そしてその措置を拡大充実させて万全を期するようにしようということでやった。そこで非常になお驚いた感じが強くなった。あれには国で、要するに農林大臣の命令で防除措置を講じるものと、県知事の指示で防除工事を、作業を行なうものと二つあったのです。どういうふうになっておるかというと、現地では頭かかえておる。実際頭かかえております。せっかく国会で審議されて、拡充するということで、前できた改正法律は、実は一向新しい形になっていないで、たとえばそういう松を伐採駆除する。そういうことはほとんど普通の労働者ではできないことです。山林労働者が行かなければできない。ところが普通労働者の賃金でさえも、あの地方では一千五、六百円をこえておる。山林労働者になりますると二千二、三百円から四、五百円、五、六百円近くなるらしい。ところがわずか千円か何ぼの国の助成費では、これでは何にもなりません。地方の負担をますます大きくするだけであると同時に、個人所有者では、これはもう頭をかかえて、しり込みして手を出さないのはこれはあたりまえですと、こう言う。こういうような状態を実は聞いて非常に憂慮にたえないで帰ってきたわけなんであります。一体これらの対策について、ほんとうにマツクイムシを駆除する考えで対策を持っているのかどうか。いま現にどういう対策を立てられておるのか、これをお伺いしておきたいと思います。  なお、時間がないからいろいろなことを聞きたいのですが、ただこれだけ聞いておく。全国でどれくらいの山林、松林が被害を受けているのか、面積において、それから立木の石数において、そのお調べがあったらお伺いしておきたい。

片山正英林野庁長官

○説明員(片山正英君) 松の被害の御指摘でございますが、御承知のように、これは終戦後発生いたしました松の被害が、消長はございますが、いままで続いておることはまことに残念でございます。そこでわれわれといたしましても、それの被害の対処としての防除対策でございますが、もちろんまず第一番目といたしましては、被害立木の伐倒駆除、これが主体でございまして、さらに最近の技術の進歩から、薬剤を使いましていわゆる枯れた松の伐倒駆除をまず第一にやっておるわけでございます。第二番目といたしましては、海岸保安林とかあるいは幼齢林とか、そういう重要なものに対しましてはかからないような予防措置をやるわけでございます。それから第三番目といたしましては、それらの虫が付着しておる材木があっちこっち移動するという形を防止するために、農林大臣の指定になりますけれども、被害松丸太の移動を禁止するという措置をあわせやっておるわけでございます。現在は二十二府県にわたってこれを実施しておるわけでございます。それから最後に、やはり松の虫は大体七十種類ぐらいのいろいろな種類の変わったものがございます。しかしその中で大きい主体をなすものは、いわゆるゾウムシ系それからカミキリムシのたぐい、それから松のキクイムシ、このものが主体でございますが、いずれにしましても、七十種類ぐらいの種類でございますので、なかなかその対策が容易じゃございません。しかし現在林業試験場を通しましてこれらの解明をはかっておりますが、過日森林病害虫の一部改正の法律の改正の際に、附帯決議がございました。幾つかの項目の附帯決議がございましたが、要約いたしますと、試験研究あるいは予防措置の確立をしなさい、あるいは早期駆除をはかりなさい、あるいは技術の普及を徹底しなさい、あるいは防除員の増加をはかって総合的な対策をしなさいというような附帯決議がついたわけでございますが、それにつきましても、まず試験研究の予算措置につきましては七十種類の多くの虫に対する対処でございますが、今年から、四十三年から予算ができまして、国立の林業試験場でこれの解明に当たっております。大体三年の目標で解明しようということで予算措置をやっておるわけでございます。さらに公立の試験場あるいは大学関係にも助成をいたしまして、その解明をお願いして、相協力してやっていくという体制をとっておるわけでございます。  なお、そのような措置を通しまして万全を期してまいりたいと思いますが、先生の御指摘がございました被害の数量でございますが、ちょっと申し上げますと、三十九年が二十七万立方ばかり発生いたしました。四十年が三十三万立方、四十一年が三十四万立方、四十二年が三十七万立方、逐次増加の傾向にあるわけでございますが、ことしは幾分その傾向がゆるやかになるのじゃないかと実は思っておるわけでございます。場所によりましては少し伸びておるところもございますが、一般的には逐次終えんしつつあるのじゃないかというふうに思っております。以上でございます。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 マツクイムシは、何かこう台風とともに伝播して歩く。台風が入った年は、マツクイムシがその台風に乗ってあばれて歩くのだということらしいのでありますが、台風期になるとなるほど私はあの潮ノ岬を見て、台風というと潮ノ岬を思い出す。あそこから入ってきたようにも考えられて、実はなるほどと考えたんですが、これは注意していただかなきゃならぬと思うし、同時に外材から入ったという説もありますので、外材に対する検査は厳重にしていただくように考えてもらわなきゃならない。マツクイムシに対する質問はこれで終わります。     —————————————  次は、これはもう簡単にしていかなきゃならぬわけですが、雑賀崎の港、それから和歌川の港の漁業が、和歌川のノリと魚介、これは原因不明な油の投入、外材の防虫剤によるノリ、魚介の被害、特にノリ等のごときはもう絶滅寸前と言ってもいい状態、たとえばこういう数字が出ております。昭和三十八年に一億三千六百万円の水揚げがあった。それがだんだん減って、三十九年はまあ一億六千二百万円に伸びておりますものが、その後四十年、四十一年とがた落ちなんです。すなわち四十年では二千八百万円に落ちている。四十一年にはさらに九百万円に落ちてる。こういうようなノリの減産です。これは紀の国のノリと言って、日本でも非常に高貴な方々が召し上がったノリだそうですが、そういう産地のノリが、非常に質のいいノリがこのように落ちてきているということは、こういう油の投入、それから外材の防虫剤使用によってこのような非常な被害が起きておる。また雑賀浦における輸入外材の海中投下によって生ずる木皮で底びき網等が甚大な損害を受けておる。ところがこれらに対する取り締まりというものは全然ないと言っておるわけです。取り締まり体制というものはもうほとんど全くないと言って土地の漁民が嘆いておる。これは実際嘆いておる。これらに対する対策、救済等をどういうふうに考えられているか。これをお尋ねして私の質問を終わりたいと思います。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 和歌川におきますところのノリの被害、それから雑賀浦における木皮の被害という、このお尋ねであるかと思います。私どもももちろん具体的に現地の事情を必ずしもつまびらかにしておりませんので、現地を実際に御視察をいただきましたお尋ねに対しましては、あるいは十分現地にマッチしたようなお答えをし得ないかとも思いますが、私どもが調べましたところでは、和歌川におきますところのノリの被害は、その原因として考えられることは二つございまして、一つは御承知のように、あの辺一帯にかなり化学工業なり、あるいは染色関係、皮革関係の工場が、特に中小企業であろうと思いますが、そういう工場がかなり建ってまいりました。そういったところから、あるいは都市排水といったことも関係があるかと思いますが、そういったところから、漁場の水質がかなり悪くなっておる。それからもう一つは、あの湾を走りますタンカー等の油の被害というようなことで、両面からノリに対する被害が発生をしておるというふうに承知をいたしております。そういう関係から工場なり事業場の排水のことにつきましては、仮のせきを設けましてそういった排水による影響をできるだけ避けていくということが現地で行なわれておりまして、そういうことがかなり効果を出しておるというふうに見ております。根本的にはそういった地帯における水質の保全をはかるということが必要になるわけでありますが、直接的には経済企画庁にお願いをしてやっておりますが、水質の基準を設ける、そういう基準の範囲内において排水その他を排除していくといったようなことになるわけでありますが、そういった調査を進めてもらっております。ただ、水質基準の具体的な設定ということになりますと、現実には先ほど申し上げましたように、かなり零細多数の工場から排水がされる、あるいは家庭における下水からの都市排水といったようなものが相当混在をしておりますので、どういう形で水質を実際に規制をしていけばいいかという手段方法がかなり現地としてはむずかしいというようなことのようでありまして、具体的に水質の基準をきめて、そういった水質の範囲内に排水を規制していく具体的な方法について非常にいろいろな要因がまざっておりますので、その規制方法を検討するのに苦心をしておるというふうな段階のように聞いております。まあ、いずれにいたしましても、私水産を所管いたしております関係から、そのようなことが現地で起こっておりますことはきわめて残念でございますので、先ほど申しました水質の基準の設定なり、そういった範囲内に水質がおさまるような具体的な措置の発見に極力協力をいたしまして善処をしていきたいと、こういうふうに思っておるわけであります。     —————————————

向井長年民主社会党

○向井長年君 九月十日の本委員会で私は西村農林大臣に鶏卵価格基金問題でお尋ねいたしましたが、大臣は、不勉強で十分今後勉強して後日答弁をいたします、こういうことであったわけでございますが、その後研究されたかと思いますが、しかしまあ大臣非常にお忙しいからまだかもわかりません。そういうときには局長からもお答えいただきたいのですが、その委員会におきまして、私は農林省の平松参事官ですか、これから答弁をいただきましたが、納得できない。これはなぜかというならば、まずこの安定基金というものはどういう目的でつくられたものか、この点をまずお聞きしたいと思う。したがって、この目的に沿うてこの運用をやらなければならぬわけでございますが、これがそういう運用がなされておるかどうか、この点をまずお聞きしたいと思います。

立川基農林省畜産局長

○説明員(立川基君) 全国鶏卵価格安定基金は卵価が四十一年前後ごろにおきまして非常に低落いたしましたような契機をもとにいたしまして、そういう価格の非常な低落に対処いたしまして生産者団体が自主的に生産出荷の調整をするということを前提にいたしまして、それにお互いに相互扶助の仕組みによりまして一定の基準の価格をきめまして、その価格より市価が下がった場合、生産者に対してその価格の補てんをするという趣旨においてつくられたものでございます。現在までに四十二年から実際に活動しておるわけでございますけれども、大体時期的にも高低がございまして、現在までに金額といたしまして四億一千九百万円程度のものの補てんをやっております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 その安定基金に対する適用を受けておる団体、これは全国でどれくらいのパーセンテージになりますか。

立川基農林省畜産局長

○説明員(立川基君) 団体数といたしましてはあれですが、卵の数量で大体申し上げますと、全国の生産されます卵が毎年百二十二万トン程度、これは四十二年の実績でございますが、そのうちの流通量が、要するに市場流通いたしますものが九十七万六千トン程度でございまして、このうちの大体二六%程度のものがいまの基金に加入しております系統団体の取り扱い量になっております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 加盟しておる団体は、大体鶏卵業者から考えてどれくらいのパーセンテージであるかということを私は聞いているわけです。

立川基農林省畜産局長

○説明員(立川基君) 先ほどちょっと申し上げませんでしたが、全国鶏卵価格安定基金というのは、個別個別の単協なりなんなりを相手にしておるわけではありませんので、全国を区域にいたしまして価格調整機能を営めるような団体をこの対象にしておるわけでございます。現在加盟しております全販連、全購連その他のうちの大体三〇%程度、全国団体のうちの三〇%程度のものということになります。

向井長年民主社会党

○向井長年君 これに対して全鶏連ですか、全鶏連からたびたび加盟を申し出て、しかも農林省畜産局のほうではいろいろ検討されておるようでございますが、これに対して、先般この委員会で質問し、平松参事官から、全国的な規模ではないのでということで基金のほうでは拒んでおると、こういうようなことを言われております。しかしながら農林省としては、そうシビアーに考えなくともこれは加盟さしてもいいではないか、こういうように考えておるのだ、こういうことですが、これは事実ですか。

立川基農林省畜産局長

○説明員(立川基君) ただいま先生がおっしゃいましたように、全国鶏卵販売農業協同組合連合会——われわれは全鶏連と略称しておりますが——そのものがいまの安定基金に加盟をしたいという申し入れをしたことは事実でございます。それに対しまして安定基金のほうでは数回いろいろ議論をいたしまして、その実態を調査した結果でございますけれども、結論といたしましては、定款なりあるいは業務方法書に掲げておる全国的規模においてとにかく活動をしておるというふうに必ずしも認定できないのじゃないか。その他いろいろな問題を指摘いたしまして、そういう問題が全部解消すれば加入するのを認めるのにやぶさかではないけれども、現段階においては時期尚早ではないかというふうに返事をしたことも事実でございます。それで、論点はいろいろございますけれども、全国的規模で活動をするという、その程度の、度合いの問題でございますけれども、基金のほうで主張しておりますのは、要するに価格の安定をするわけでございますから、たとえていえば東京だとか大阪だとかあるいはまた名古屋とか、そういう大消費地について、とにかく非常に卵の価格の影響を及ぼすような卵の取り扱いをするものが必要なんだ。そういう影響を及ぼすような出荷をするような生産者のいる主要県についてはそういうメンバーがおって、そのメンバーがそういう消費地に出荷をすると、こういうような程度にまで出ていないと全国的にほんとうに価格を調整するという機能が果たせないのじゃないかというのが基金の主張でございました。で、そういう点も確かにございますことはございますけれども、われわれとしても必ずしもそこまで——全部の主要生産県に支部あるいは組合がないと加入は認めないというふうにまで考える必要はないので、むしろ加入させてその後に逐次改善をさしていったらどうかというふうな考え方を持っておりますけれども、平松君がこの前申し上げたのも同じような趣旨であろうと思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 いまの局長の意見、私も全く賛成ですが、何はともあれ、こういう業界が、あるいは業者が、全国的な規模といっても、北海道から九州の各府県に全部が同じような形でそういう業者があるわけではないと思うのですよね。先ほどかんきつの問題がございましたが、地域地域の特性があり、そういう中でやはりよけい業者がますます組織拡大されていると、したがって、全国的な規模といっても、いまの状態の中から考えれば、全鶏連は一つの加盟を満たすところの要件を持っている。私たちはそう考える。したがって、基金の運用について、基金は社団法人ですか、この運用はどこが監督するのですか。これはかってなことを、基金がこうだ、だめだと言えば、これは別な法人格を持っているので、農林省は何も意見が言えない、こういうことではないと思うのです。したがって基金の運用について、この社団法人に対してどこが監督し、指導をしていくのか、その点いかがですか。

立川基農林省畜産局長

○説明員(立川基君) 基金の監督はもちろん農林省でございまして、これに対して監督権を持っているわけでございます。ただ、いま申し上げました基金は独立の社団法人でございますので、法律もしくは定款に違反している場合においては、その監督命令を法的に出せるわけでございますけれども、業務の運用についてはいわゆる行政指導ということの方法によるより方法がないわけでございまして、われわれとしては先ほどのような観点から極力——要するに多数の方々が価格の安定に対して恩典を受けるということが必要だと考えておりますから、極力加入させるように指導をしているのが現状でございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 そういう監督権を持っている農林省が指導しているにもかかわらず、これを聞かないということはどういうわけですか。何かその中に、私が考えるには不純なものがあると思う。言うなれば全販連の独占というか、こういうことからその問題について拒んでいるのじゃないか。これは大臣、少なくとも政府出資金を出しているし、地方公共団体からも出資金を出し、あるいはまた加盟したいという団体もその出資の義務がある。こういうことを言っている以上は、これは行政指導じゃなくて、堂々と勧告すべきだ。勧告権はあるでしょう、農林省が監督権がある以上は。そういうふうにしてやはり業界が価格安定のために最善の努力をしたい、そのためにこの基金を利用しようというところに趣旨を持ってやっているにもかかわらず、基金の運用がどうだとか、あるいは全国的な規模ではないとか、時期尚早であるとか、これは私はこの国の出資に対する平等な一つの取り扱いではないと思うのですよ。このことは大臣、どう考えられますか。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 確かに基金の一部には事業団のほうからも出しております。それから自治体のほう、公共団体からも出している。それから目的そのものが公益的な目的で社団法人になっている。そういうところからいけば、私はできるだけ価格安定に参加されるほうがいいし、またその恩恵も関係者は受けるような仕組みになるべきだと思います。設備等も私は関係部局から聞いております。なるほど理事会として一応そういう意見が出ている。理屈の上からいくと、社団法人が法律運営として間違いがなければ、社団法人は、特定の意思決定をすることになりますかたわら、大きなたてまえから見れば、価格安定の目的を達成するのに、三割ぐらいで価格安定しようと思っても、他のものが抜けておればできないし、また基金の公益性からすれば、そういう意味で私どももできるだけ配慮するようにつとめたいと思っております。ただ、何と申しましても、一つの経済行為の中でやっていく公共目的を達成しますから、できる限り私どもとしては、やはり力づくと申しますか、権力行政のような形ではなくて話を誘導してやってまいるように実現につとめてまいるつもりでございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 大臣の意見、大臣の答弁で私は納得いたしますが、しかし、権力で押えるわけではないけれども、先ほど言われるように、私の調査では二十何%だと思うのです。いま三〇%だということを局長は言われたが、それだけのパーセンテージで価格安定の目的を達しているということではない。その他に基金に日鶏連、全鶏連、こういう加盟したいという団体があるように聞いている。できるだけ多くの団体を加盟せしめて、その基金の運用については万全を期すということが、つくられた、あるいは出資したところの目的だ。その目的に沿うように、いま大臣が答弁されたこと、非常に私はけっこうかと思いますけれども、幾ら社団法人であって、別な一つの定款に基づいてやるんだと、こういうことであっても、出資をしておる以上は、その目的に反するようなことであるならば、私は、基金引き揚げもできると思うのです。それはやっぱり当然の趣旨だと思う。出資に基づいてこれを、私は促進すべきだと思う。おそらく年内にそういう理事会においてその問題がかかるように私は聞いておるわけです。大臣、それまでに強制じゃなくとも、十分な理解のもとに勧告してやれるように最善の努力をしてもらいたいと、その点いかがであるか。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 農林省としてはできるだけ努力をしてまいりたいと思っております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 そこで私は大臣の努力を期待いたしておりますが、場合によれば、次期委員会でその基金の内容、あるいは加盟したいという全鶏連、日鶏連代表を、委員長、適当な時期に参考人としてできればお願いしたいと思います。これは次期でけっこうでございますが、しかし大臣のいまの答弁で、私は一応納得いたしまして、期待をいたしておりますから、私の質問をこれで終わりたいと思います。     —————————————

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 食管問題で他の委員からも質問があって農林大臣も若干答弁されましたが、少し突っ込んでお聞きしたいと思うのです。  御承知のように、経済企画庁長官は三年間の米価の据え置きという大きな旗を掲げられました。それからまた財政審議会の小委員会、第一部会が二十二日にはいろいろ提案をしております。その中には大体において生産者米価は二割ぐらい減らすべきだ、そうしますと大体昭和四十年の生産者米価とほぼ合うわけですが、そこまで下げるべきだというような主張もしております。これについて大臣は先ほど来いろいろと大蔵省、それからまた経済企画庁やその他の関係団体、あるいは農協等々との諸般の折衝で、この問題に対する目鼻をつけたいと言っておられますから、そういうこともあろうから、これは私が言うのじゃありませんけれども、毎日新聞では、大蔵省はこういう考えに基づいてやり出すとおそらく与野党から強い反対が起きるのは必至であり、佐藤内閣の根幹をゆすぶる大きな政治的課題であろうと、こういうことを言っているのですね。つまり、食管制度の根幹がゆさぶられるだけでなくして、佐藤内閣の根幹までゆすぶられるということを新聞も言っているんです。それほど大きな問題点ですから、農民の利益を守り、また農業政策を責任持ってやる農林省としまして、やはりこの点でいま非常な生産農民が不安を持っております。御承知のとおり北陸付近の農協の県連の代表者あたりでも、あくまでも食管制度を維持する、米の自由販売は許さぬとか、値段は相当上げてもらわなければならぬとか、いろいろな要求を持っておりますが、こういうことを勘案しても、大臣に私、質問したいのは、御承知のとおりいま大蔵省にしましても経済企画庁にしましても、総合予算主義でできる限り予算の中に生産者米価と消費者米価をきめておきたいということを主張しております。こういう問題について、いますぐにはできませんでしょうけれども、農林大臣は、腹の中ではこの問題に対する食管制あるいは米の生産制限あるいは生産者米価、消費者米価等々の大綱はいつごろおきめになる予定か。そうして、予算の中で生産者米価、消費者米価、つまり総合予算主義に大体大蔵省はその意向を強くしておりますが、こういう問題について大臣は一体どうお考えになるのか。もしこれをやめるとすれば、御承知のとおり、米の値段をきめるのは、食糧管理規則の政令できめられた毎年六月にきめることになっておりますが、そういうようなものを変えなければならぬと思うのです。そうしますと、いろいろな手続もあるでしょうから、一応農林大臣はこの問題についてはどう考えておられるか、これが第一点です。  第二点は、農協の中央会の宮脇会長とお会いになったときにいろいろお話があったらしいのですが、農協のほうではこの席に出たかどうかは知りませんが、農協の新聞——農業新聞を見ますと、これを昭和四十四年の農業予算の要求の中に、酪農と肉用牛集団生産体制の確立ということで大体三十万ヘクタールをここ数年の間に減らしていきたい、そうしてこのための予算もいろいろと要求もする、ということが書かれてあります、これは詳しくは申しませんけれども。一体こういう要求が農林省のほうに出たものか、そうしてまた、農林省のほうではこういう要求に従って三十万ヘクタールを減らす予算を大体組んでおられるのかどうか、この辺を第二点としてお聞きしたいわけです。  それから第三点は、農林大臣が総合農政ということを始終言っておりますが、確かに、すべての総合農政、米ばかりではありませんから、植林からまた野菜、あるいは果樹等々があります。一応この総合農政でどういう方向へ進めていくか。あれもやる、これもやるというのじゃなく、少なくとも、米が一応一〇〇%近い、あるいは一〇〇%上回る今日、自給率を持ってきた、したがって、他の農作物について、あるいは畜産等々について農林省の関与するいろいろなそういう生産体制の中で、できるだけすべての問題でどの点を早く自給して、それが総合農政の中心になっているということを聞きたい。と申しますのは、たとえば果樹なんかですが、御承知のとおり、ミカンの問題がだいぶ出ました。ところが、最近は果樹がどんどんどんどんあちらでもこちらでも増反されている。いますぐ、翌年これはなるのではありませんが、数年の後には相当な数量が市場に出回り過ぎる。こういう時期があるのじゃないかと思います、もちろん消費の関係もありましょうけれども。御承知のとおり、ことしあたり、去年の七〇%、八〇%からだんだん収穫がありそうだということで値段がやや下がってきて、だいぶ大きく卸売り市場なんかでは買われております。ですから、このようにして総合農政としましても、一方に片寄りますとどうしてもまた数年先にこれが過剰になってしまう。非常にどうにもならぬというような事態がくるわけです。ですから、こういう例からしましても、総合農政についてやはり、明確に農林省のほうでは、この問題を進めていく必要がある。そうでないと、つくるほうは、自分のところだけしか見ませんから、全国でどのくらいの生産量になるとか、どのくらいの影響があるということはわかりませんから、農林省が大体においてこれはいまの状態でいつごろに過剰になるというようなことはわかると思うのです。そういう点もやはり農政指導の面から私は非常に大事だと思う。しかし、なぜこのように多くの人々がミカンに集中するかということは、言うまでもなく、ミカンがいま自家家族の労働報酬では一番高いわけです。だから、どうしてもこれに頼る。幾ら肉をつくるとか、あるいは何をやるとかいいましても、採算に引き合わなければあるいは収入が少なければ、結局このほうの生産はあまり増大しないと思います。これは経済の法則なんです。ですからこういう点から考えても、農業の総合農政をやる場合に、どのものをどこまで引き上げて、そしてどの程度の値段にしていくかというような大まかな大綱を出して農林省が施政の方針を出しませんと、やはり農民は何をつくっていいか、つくっても引き合わぬとかいうことが始終起こるわけです。こういう点について一応ひとつきょうは聞いておきたいと思う。  以上の三つの点をお願いします。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 御趣旨はよくわかりました。  そこで、第一の両米価の問題であります。両米価の基本になりますのは、一つは食管のいわゆる予算の中に占める、どういう形で占めるかという大きな問題がございます。先ほど申し上げましたように、これだけの需給緩和で政府手持ち米がふえる一方でありますれば、食管というものは、現状で両米価を据え置きましてもいわゆる負担増が相当ふえる。来年度一応の試算をしてみますと三千億をこえる。こういうような中で、食管というものをどういう財政の裏づけをもってやるか。したがって米価については、消費者米価は少なくとも来年は、今日のような状況下に立って、四年連続して上げてきた消費者米価を、五年目にさらに上げるということは避けるべきではないかと、それから生産者米価につきましては、各方面からいろいろな意見が出ておりますが、私どもは生産者の立場というものも当然よく考えつつ、その中で考えていかなければならない。ただこれは結論を出すにはまだ時期がちと早いと私は思って検討を続けていきたいが、少なくともこれらを合わせますというと、大筋は予算編成の前にいわゆる政府が意見をまとめなければならない。私はこれをまとめるにつきましても、ただ行政当局あるいは政府だけでかってにまとめる前に、やはり関係方面の意見というものを十分徴し、ある場合には御納得あるいは協力もいただくような姿勢の中で、そういうものをやっていきたいというのが私の考えでございます。ただ率直に申しますと、一種の考え方をぱっと述べてアドバルーンを上げていくならば、それ自体が非常な動揺を与える。そういうようなことは農政担当者としてはすべきでない。したがって絶えず不断に検討は続けて、関係方面との連携は十分とって意見を徴しながら、その中でいまの予算編成というものの一つの大きな何と申しましても財政の裏づけでございますから、そういうまでには大筋のひとつ考え方というものを政府として持ちたい、こう思っております。  それから、あるいは第二問がちょっと失礼でございますが、あるいは食い違うといけませんから……、第二番目は総合農政……。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 農協の三十万ヘクタール減らすというやつ……。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) あれは私の手元へ農協中央会が持ってまいりましたことは事実でございます。ただ農協中央会としてもこれを最終案としてお持ちになったとは私考えておりませんが、トップ会談の際にも生産調整はしなきゃならぬというような、確定的ではありませんが御意見が出ております。そういうような中から、私どもも農業団体のほうからそういうお考えがあれば十分それは一つの参考として、貴重な参考として検討を加えてまいる、こういうふうに考えております。  第三番目の総合農政でございますが、確かにおっしゃるように農民サイドにおきましても今日の米がかなり過剰状態に入っておる、そうしてしかも農民としては日々生活しかつ将来に向かって所得を向上していかなければならぬという立場というものは当然ございます、経済成長で。その中でどういう形で農政にバランスをもたらすかということはたいへん大事なことであると同時にまた非常に率直に申しましてむずかしいことであります。農業は、きょうきめたからあしたに簡単にという工場生産とは違った性格を私持っておることは十分存じております。しかしここに米の過剰というものに対して何らかここに、曲がると申しますか、曲がりかどにきたと申しますか、やはりやらなければならぬということも事実でございます。そこで私どもとしては、一つは何はともあれ生産面におきましては生産の長期見通しのしっかりしたものを早く立てる、これを大体月内に、つくり上げましたものを政府の、総理大臣所管の農政審議会という諮問委員会にかけまして、正式に決定をしてしっかりしたものにしたい、こういう考えでございます。これは各作目について長期の十年間の需給の見通し等をしっかり立てていく、この作業を急いでおります。  それからもう一つは生産対策外で構造政策というもの自体もやはり早く進めなければならぬ。その中にはすでに土地の問題、農地法の改正であるとか農業振興地域法であるとか、ああいうものを再検討しながら、しかし付加するものがあれば付加し、そしてこれは次期国会において御審議を願って、やはり成立をはかって構造改善に資したい。もう一つは、四十五年から始まります第二次構造改善事業でございますね。これにつきましてもわれわれとしてはできる限り内容というものを具体的に方向づけしたいと考えております。それから生産対策につきましても当然予算期までにはある程度の、生産調整をやるとすればどういうような形でこれを誘導するか、もちろん関係団体の御意見等も十分われわれはよく伺いつつ、またそういう各方面の協力を得なければ、ただこういうものを機械的にただ政府が力でやるべきものではありませんから、農民が納得し得るような方法でやってまいるとかいうことも考えてまいりたいと思うのであります。もちろん総合農政の中には、農民だけでありません、農民のつくったものを今度は市場を、流通を通していくための市場等のいろんなもの、言いかえれば市場の近代化とか、そういうような流通面につきましてもわれわれとしてはいろいろ努力をしていく事柄がたくさんあると思うのであります。そういうようなことも考えながらやってみたいと思います。  それからいまミカンのお話が出ました、園芸について。くだものが過剰状態であるとか、これは長期の見通しの中でどう見るかという問題がございますが、いずれにいたしましても私ども総合農政の中で何といっても力点を置きたいことは、特に畜産のもとにありますところの飼料基盤ですね、これは少なくともやはり早いうちから力をつけていかなければならぬと思います。飼料基盤——御存じのとおりほとんど外国から飼料というものを求めた上に立っての畜産行政でございまするが、はっきり申しますれば自動車行政で申せばノックダウンだけやっておってほんとうのものはつくってないというような形では国民の需要にマッチをしないし、一面において農民サイドにおきましても長期展望の中では、これはやり方によっては、ものによってはものになるという、いろいろなくふうをこらす中でこういうようなものもひとつやはり早目に取り上げてウエートをおきたいと思うのでございます。     —————————————

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 次に水産庁のほうへ尋ねたいのですが、これは武内議員からも出ましたが、最近和歌山県の木材なんかの皮がたくさん沈んじゃって魚はあがらずに木材の皮ばかりがあがるというような例がありました。あそこは日本で二番目の外材の入るところだといわれております。それが貯木場になっておる。たいてい沖のほうで荷をおろしますからみなそこで皮がむけてしまうということになるわけですね。私はしろうとですからわかりませんけれども、もう少し船の大きな通路をつくっていただくか、浅ければしゅんせつする、そうして外材の船が一万トンであろうと二万トンの船でも、大体一つの港内に入ってそこで荷揚げや荷おろしをするということになれば、そういう木材の沈下物があちらこちらに散らばらぬと思うのですね。御承知のとおり県と市と営業者あたりがあそこで相当の金を出して毎年掃海しているわけですね、何百万円等々負担して。こういうやり方はあんまり先の見えない——港湾をつくるとか貯木場をつくるということでも、これはもう全然先の見えない私はやり方だと思うのであります。これは水産庁の関係でないかもしれませんよ。しかしそういう漁場がなくなること、沿岸の多くの漁業をやっておる方々が大きな損害を受けるということ、これに対してはひとつ水産庁としては、やはりそういう他の官庁のほうへやかましく言って、これを規制するような態度が私は必要だと思います。  御承知のとおりいま総合農政で浅海漁業をやるとか養殖をやるとかいろいろ言われましたけれども、最近はもう普通の家の汚水すらだんだんたまりますと、海がすっかり魚がだんだん住みにくくなるということもあるわけです。三重県の英虞湾、御木本さんがやられておる真珠、あすこらも、私帰ってみますと、あの湾を開発すると言われておる。そうしていろいろな建物を建てる。そうなりますと、また建物ばっかりが先に立って浄化装置一つない。すべてが海へどんどん流される。焼却場もないというようなことでは、海はもうきたなくなることは当然なんです。そんなところではサンゴも育ちません。あるいはまたこれからの浅海漁業をやるといっても、そういう濁ったきたない海では、これはとてもうまくいくものじゃないと思います。私は京都ですから、わりあいにあすこの川はきれいなほうです。それでもちょっと濁ったところがありますけれども、この間和歌山に行きましたが、あの川を見て私はびっくりいたしました。とてもきたないのです、汚水や工場の廃液がそこへ流れ込んで。その下流で要するにノリを取っておる。これに対して市も県もあまりたいしたあれをやっておりません。こういう問題に対してやはり真剣に日本の水産業を、沿岸漁業や養殖漁業をこれから総合農政でやろうというならば、やはりどこの漁場を確保する。そのためにはできるだけそういう漁場を大事にする。そういうことをやらないと、いま太平洋沿岸地帯は御承知のとおりいろいろな工場が建ってどんどんどんどん漁場は侵食されてしまう。そうして漁業もできなくなってしまう。そうすれば水産などは、これにとってかわってうまく転業ができればいいんですけれども、そういうことのできない方が多いわけですから、こういう点でやはりもう少し胸を張って農林省の水産行政を私はやっていただく必要があるんじゃないかということを考えるわけです。これはやはり有明やまた水島やそれからいろいろなところで起こっております。工場を、いまでも海岸に発電所を設ける、石油コンビナートを設けるという形でずっとやってきているわけですから、これについてやはり農林行政の一つとして水産のはっきりしたきちんとしたあれをやらないと、とてもこれから養殖漁業や何かでやっていこうといっても無理じゃないかというふうに考える。この点ちょっとお伺いしたい。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 先ほど具体的な和歌川のことにつきましてはお答えを申し上げたわけであります。全国的に、御指摘がございましたように、都市化あるいは工業化の段階におきまして、いろいろな影響が各種の漁場に対してやはり出てきております。そういう問題と、水産にとっての必要な漁場をいかに確保していくかということがきわめて具体的な問題として、私どもも非常にむずかしい問題でありますが、苦心をいたしておるわけであります。これは一時的にはなかなかいきませんけれども、抽象論としましては、できるだけ私どものほうに被害を及ぼさないような形で産業の立地なりあるいは都市化を進めていただくということにならざるを得ないと思うのでありますが、私どもとしてやっておりますことは、やはり先ほど申し上げましたように、水質の規制なりあるいはそういったことを通じまして、できるだけ漁場に対して影響を及ぼさないようにいたしまして、各省と協力をしてやってもらいたいということを考えております。水産庁としては、そういったことからできるだけ必要海面についての水質の調査をいたすということで四十三年からすでに着手をしておりまして、ここ数年の間に主要な漁場についてはそういうことをできるだけやっていきたい。またそれに必要な器具機械についても助成をし、あるいは必要な場所に設置をするというふうなことで、できるだけ、私ども一存でもいきませんから、必要な調査をしながら関係各省に資料を提供し、協力をしながら漁場の確保をはかっていきたい、こういうふうに考えております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 時間ですから簡単にやります。最近、米や麦などにカドミウムが検出されたことが盛んに新聞に報じられております。すでに四月ごろから厚生省あたりでも調査をされるということがありまして、このカドミウムの、いよいよ米などについては園田厚相が一応米の配給はとめていたらしいのですが、売ってもいいということになったが、今度はそれをアルコールにしたいということが出ているわけです。この水銀事件、さらにはカドミウム、いろいろな公害が各河川で、単に魚だけでなく、いまは米や麦などの農産物にまでこれが含まれている。しかも、許容量というものが非常に大きいわけですね。アメリカの考えている三十倍も四十倍もあるというのが新聞に報じられている。米でも神通川の米は食っちゃ困るというので、一般の消費者からもボイコットしたこともありますし、この問題で近く厚生省と農林省が打ち合わせをする。この米は廃棄すべきじゃないかという話もあるわけですが、かつて黄変米なんかも買われたりして、ずいぶんまずい米が廃棄された。こういう人体に有害なもの、一粒や二粒食っても、これで死ぬようなことないでしょうが、しかし、こういう有害なものを生産したら政府はそれを買う義務がある、買った以上、——これをほかに売るということですけれども、これは売るべきじゃないと思いますが、その点をお伺いしたい。  それからもう一つは、鶏の中毒、この三月ごろあったわけですね。御承知のとおり、いま九州の例のカネミ産業の製油問題で、しかもこの三月ごろに鶏百万羽のうち五十万羽死んだ。これに対して飼料会社は四億の補償をしたとかなんとかいううわさも出ております。このときに農林省の検査官がもう少ししっかり化学的な調査をしておれば、この原因を追求する方向へでも問題を進めておれば、こういう人間の被害にまで移らなかったのじゃないか。大体これは同じ原料から出されていると言われているのです。こういう問題で、やはり農林省は最近の公害問題、あるいはこういういろいろな、これは総合農政の一つで西村大臣がこれから生産とそれから加工とそれから卸しとか小売り、消費者、こういうところで農業の政策を進めなければならない。そうしますと、こういうような製油会社は当然農林省としても単に——病気が出たから厚生省に移るでしょうけれども、農林省自身としても責任を持ってそういう技術者がしっかりと究明をする。そうして人体に被害のないようにそういうやり方をやるべきじゃないかと思うのですが、この点についてどこまでこれが進んでいるのかという点をお聞きしたいわけです。カドミウムの問題。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○説明員(檜垣徳太郎君) 米麦等に含有されておりますカドミウムの問題と人体影響の問題でございますが、厚生省から私どもに正式に連絡がございました件は、お話の出ました富山県神通川流域の米のカドミウムの汚染の問題でございます。この問題が提起されまして食糧庁としても事態がはっきりいたしますまで配給は停止をいたして、他地域の米の配給をいたしたのでございますが、その後本年の五月八日に厚生省からカドミウム汚染地域で生産された米は配給米として食べても人体に影響がないという公式の見解が表明されましたので、現段階で、ただいま申し上げました産米は配給として支障がないものというふうに考えておりますが、ただ、消費者なりあるいは米麦販売業者の不安等を考えまして取り扱いは慎重にしてまいりたいというふうに思っております。なお、今後も主食に関係いたします。このような有害物質の含有の問題につきましては、公衆衛生の責任者であります厚生省と十分協議いたしまして、その専門的な見解に従って処理をしてまいりたいというふうに思っております。     —————————————

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 この八月の二十八日、二十九日でありますけれども、日韓の定期閣僚会議におきまして韓国ノリの一億枚を追加輸入するという問題が提起されてまいっております。そこで、この問題が提起されまして、国内では御承知のように放出かあるいはこれを凍結するかということで、新聞その他のきびしい批判やら御意見が出てまいっておるわけでありますけれども、私はこの問題に対しては、たいへん日本のノリ行政に対しての本質的な問題が含まれておると考えております。特にノリ行政とともに、物価の本質問題あるいは流通機構の今日の価格形成に対する問題、こういう本質的な問題がこの一億枚をめぐる韓国ノリの輸入の問題の中にはあると私は考えておるのであります。聞くところによりますと、水産庁ではこの今日問題になっておりますところの政治的、社会的な反響に対してどういう処置をするかということについていろいろ御議論もあるのでありますけれども、今日の水産庁のとってきた経緯と態度、これのまず御説明を長官から願いたいと思います。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 御承知のように韓国ノリはここ数年輸入をされております。本年の韓国ノリの輸入の数量は、去る三月に行なわれました貿易会談の一環としてのノリの貿易に関する会議、そこで四十三年度の輸入量につきましては四億八千万枚ないし五億枚ということで一応の合意を見たわけであります。しかしその過程におきましては、韓国側からはそのきまりました数量以上の輸入についてきわめて強い要請がありまして、一応そういった数量がきまったわけでありますけれども、韓国側としてはなお追加輸入についての要請が続くといったような情勢になっておりました。そういう関係から八月の末に行なわれました日韓の定期閣僚会議におきましては、韓国側からは強い追加輸入の要請がございまして、日本側としては、そういった要請に対しまして国内的に所要の相談なり手続が得られるというふうなことにも必ずしもその当時はなっておりませんでしたので、一口に言えば善処を約するといいますか、そういう形で帰ってまいりまして、最終的には関係各団体なり機関とよく打ち合わせをいたしました結果、九月の末に追加輸入の公表をいたした、そういう一応経緯になっております。そういった経緯でございますので、主として一億枚の追加輸入は、日韓の貿易の関係からいきまして韓国側の強い要請によって輸入をするというふうな経緯でございますので、そのノリの処理といたしましては、もちろん御案内のように輸入ノリと国内の流通との関係を調整するためののり協会というものができておりまして、そこで十分御相談をいただくというたてまえのものでありますから御相談をいただいておるわけでありますが、そういった協会の相談、並びに従来から輸入の期間といたしましては九月以降三月までは輸入しないといったような従来の慣例もございますので、そういった慣例に従いまして一応原則は生産期には放出をしないというふうなこと、ただ今後におけるノリの需給なりあるいは価格の状況を見て放出することもあり得るというふうなのり協会の理事会における決定になっております。私どもとしても、現在のところは、そういった従来の輸入ノリと国産ノリとの関係の調整の一応の慣例といったようなこともございますので、のり協会における決定は、現段階としてはやむを得ないのではないかというふうな考えでおるわけであります。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 大臣の時間がないので、大体経過は私もわかっておるのです。ところが問題点は、その態度を決定した理由がほしいのです。そういう点についてはあまり触れられないで経過だけを言われたのでは、時間をとるばかりで本質的な論議になりません。したがって、もう少し要点をとらえてひとつ御説明を願いたいのであります。実は順序だって解明しなければなりませんけれども、時間の関係で大臣がお立ちになるそうでありますから、非常に質問としてはやりにくいのでありますけれども、飛び飛びになるかと思いますが、その点ひとつ御理解をいただいて、的確な回答をいただきたいと思っております。  そこで、いまあげられたのり協会の決定によって冷結をきめたと、期間はおっしゃっておりませんけれども、報ぜられるところによると、来年の三月三十一日までというのが決定の経緯であるようであります。そこでもう一点重ねてお尋ねしておきますけれども、その決定に一体ノリ業界が自主的に、生産者の生産の意欲を圧迫する、あるいは価格に影響をするということで業界自体が自主的にきめた決定なのか、それとも水産庁の強い意思によってこういう決定というものがなされたのか、この点明確にしてもらいたい、どうですか。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) のり協会の理事会には私も出席いたしました。といいますのは、先ほど言いましたような経緯によりまして今回の追加ノリというものが出てきたわけでありますから、そういったいきさつについてはやはり私のほうから御説明をする、そういったいきさつ等を参考にしていただいてのり協会のほうで御相談をしていただくのが適当であろうということで、輸入に至ったいきさつ、趣旨等について私のほうから十分御説明を申し上げ、その上で御相談をいただきたいということになっております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 いまの態度ですと、単なる参考程度に経緯をお話したところが、自主的にのり協会が判断をしてきめたと、こういうふうに判断をしていいわけですね、再度お尋ねをしておきます。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) いま申し上げましたようないきさつ等を申し上げますと、まあ水産庁に対しましても多少の質問がございました。そういった質問については私のほうからその席上でお答えをしたということでございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 もう少し尋ねたことに的確にひとつお答えをいただきたい。いまの回答では回答になっておりません。これは大臣の時間もありますので、あとでさらに私は解明したいと思いますが、そこで理由についてもう一点お伺いをいたしておきますけれども、一体この一億枚の追加輸入は、まあいろいろ理由があると思います。いま言われたところによると、外交上、貿易上の理由だと、こうおっしゃっておるのであります。ところが外交上、貿易上の理由といってみても、要請されたのは韓国からの強い要請によって受け入れたと言っておる。まあ言うなれば相手国の事情によって、特に韓国の場合ノリの生産がことしは過剰でございますから、まあ日本との片貿易との関係もあって、その見返りということもあろうと思います。したがって、そういう関係でこれが受け入れられたということも考えられるのでありますが、端的に言って外交上の必要というのは、いま申し上げたように相手国の事情なのか、あるいは片貿易の見返りなのか、経済援助なのか、あるいは国内の需給関係を考えた物価対策の一環として入れたのか。これらのことが一応考えられるのでありますが、一体外交上、貿易上という具体性のない理由ではなしに、どれが一体今回入れる理由になったのか、明確にしてもらいたい。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) これは韓国におきまして、私参りまして、非公式にこういう話が出たわけでありまして、その以前からも強い要望があったわけであります。これは外交上というとことばが非常に幅が広過ぎるのでありますが、韓国側で要望しておったのは、一対六のような片貿易、これは御存じのとおり。そこでぜひ一次産品について何か買ってもらいたい。ことに御存じのように南朝鮮の一部が非常な干ばつになっておりまして、零細な兼業農民、漁民が困っておる。こういうような中からノリに対する非常に強い要望がありまして、そういう中から非公式に一億枚、それじゃやむを得ない、引き受けます、これが理由となって実際には貿易上の理由、こういうふうに私は受け取りております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 それでこの輸入にあたりまして、生産者団体はもとより業界それからさらにこの放出をしないという決定に基づいて、一般の消費者等から、今回の水産庁がとった態度に対して大きな不満と反発が出てまいっておるわけであります。特に私、ここで重要な問題だと思うのは、いま御承知のとおり日本のノリはダブついておるという状態に国内産だけでもあるのであります。これはいろいろな原因があるようであります。たとえば思惑買いだとか投機買いというような、商社の関係から値くずれをしないために高値でもって買い込んでしまって、それが出せない。その結果倒産もしたというようないろいろな国内事情があるようであります。したがって、いま例年よりも、聞くところによると十億枚程度の在庫があるようでございまして、過剰気味にある。にもかかわらず一億枚のノリをさらに追加輸入をしなければならぬ。しかもその理由というのが、国内の事情ではなくて、韓国の事情による貿易上の事由によるその結果、新ノリの生産に対して、生産者は値くずれがするんではないかという意味から、生産に対する不安を今日露呈いたしておる。さらにまた一般消費者はわざわざ入れた安いノリを何で凍結しなければならぬのかということに対して、これは消費行政の立場からも水産庁の今回の措置に対して大きな不信と不満を持ちつつある。考えてみると、この一億枚の追加輸入のノリというのは、わが国の農林水産の立場から考えれば、一体何が国益となり、また農林水産行政の中で利益となったのか私はわからない業界の中にも問屋筋とあるいは生産団体等においては意見の相違が出て、反対声明等が出てまいっておる。こういう混乱を起こした最大の原因は、ここにあるのでありますけれども、一体こういう状態というものを水産庁長官並びに大臣はどういうふうにしてこれを一本化して、この混乱をなくそうとしておるのか。また消費者に対してはこれに対してどういう答えを出そうとしておるのか。またノリ行政全体に対して今日供給がだぶついておるにもかかわらず、昨年よりもノリの値段は非常に高値である。こういう状態というものは、私は異常だと思う。そういう状態をどうして水産行政の中で適正な価格に持ち込むことができないのか。そういう状態の中でこれを放出した場合にどういうふうな結果になるのか。私は余すところなくこの問題は、ノリ行政の欠陥を露呈しておると思うのであります。そういう意味で、一体大臣はこの混乱に対してどういう解決策をお持ちになっているのかお尋ねをしておきたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) まず最初の一億枚をなぜ引き受けたか、これは確かにことしのようなノリが天候の関係、それから生産に対する少し予測も違ったと思います。そこでだぶついているという中で、ですから私は農林大臣そのものとしては必ずしも引き受けたくないが、御存じのとおり韓国としては国をあげて朴大統領以下非常に貿易があまりにも片寄っておった。一対六という、要するに日本がもらうのは六であって、自分のほうは一しかもらっていない。それが日本全体のいわゆる貿易全体にもいろいろ響いてくる。租税協定にもあるいはいろいろな問題にも関係してくる。そこで韓国ノリとしては、あちらさまはもっと大量のものを要求されたが、最小限一億枚、ただし国内の事情を考えて、これはできれば最盛期にあまり出すことについては、私どももどうかと思って、帰ってまいって業界のいろいろな意向でああいうような結果が出たわけであります。  一方国内においてのノリの行政については、私はきわめて不十分だと、これは生産者のほうの団体にも今後協力を求めて、均等売りとかいろいろな手を使ってもらいたいと思います。そうして上手な出し方をして、漁民にも安定感を与えるということ、ただ一時相場がいいからといって、あとどうなるかわからないようなことではいけない。もう一つは、先生御存じのとおり流通機構がきわめて複雑多岐で、存在しなくてもいいような流通業者もあるようであります。ここいらは水産行政として、あるいはわれわれとして今後強力なひとつやはり近代化をはかっていかなければ、これは消費者の非常な迷惑、ですからだぶついていて、国民から見ればお説のように高いノリが存在する、しかも生産者は満足していない。これは国内の問題。  それから時間もございませんから、やや結論的なことを申し上げますと、消費者の立場から見ると、韓国のいきさつ、生産者、流通業者のいきさつはわかりません。要するに、安いものが入ってきたのに貯めおくとは何ぞや、ちょうど米がだぶついているのに消費者米価を上げるのは何ぞやというようなことで、そこで政府の立場からは、のり協会は放出はしないという一応形できめておられますけれども、のり協会にも常識があると見えまして、需給その他を見て弾力的に扱うという決定をあわせてやっているわけでございますので、私は水産庁長官にも、御苦労ではあるが、ひとつ少し時間はかかるかもしれないが、これの消費者に対する……消費者サイドの問題も含めて、やはりひとつ放出に向かってまいるような検討を始めようじゃないか、こういう指示をいたしたことも事実でございまして、そういう中から当面の措置を考えて、消費者サイド——生産者にも将来に向かって均等売りのようなことによって安定して、それから流通行政に対しては、私どもはできる限りこれを近代化していく、こういうような努力をすることによって、物があって非常にだぶつくということは考えなければいかぬ。  それからもう一つは、対韓国との関係は、あくまでもこれはことし限りの問題として追加輸入の姿勢で折衝いたしておることは事実でございます。最盛期に向かってどっと入れて、国内を混乱させることは、今後避けるように今年度の三月以来の、貿易会議以来のひとつの流れてきたものをここで受け取って公式にそういう話をする、大体私の申し上げた点は不十分でございますが、そういうようなことでございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 最後にひとつ時間がないので一点重ねてお尋ねをしておきます。  いま大臣の言われた中で、私はまだ釈然としない問題点、それから非常に反論したいこともあるのでありますけれども、時間がないから言いませんけれども、いまの中で確かめておきますけれども、のり協会が新ノリができる期間の中でも放出すべきだという結論が出た場合については、大臣としてはその結論に従うという態度なのか。それともあくまでも三月三十一日の凍結をお守りになるのか。あるいは大臣としては自分みずからこれに対する放出かあるいは凍結かについて積極的に意見を出して、そういう方向で業界や国民を納得させるという姿勢をおとりになるのか。そこら辺をひとつ国民も聞きたいところですから明確にしてもらいたい。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 私としては協会自身がそういう結論をお出しになれば、それはけっこうだと思います。ただ問題は、私は農林大臣としてやはり生産者の立場というものも考えてあげなければならぬから、生産者が全然納得しないような状態で、ただ方針をきめて出せ、こう言ったところで、ひとつの民間のいわゆる生産者あるいはその他の流通業者がつくっている団体でございますから、権力的には押しつけるものではないと思います。しかし生産者と流通業者の団体、のり協会の決議を見ましても、需給等を見て処理したいということがありますから、できるだけそういう面からひとつ私どもとしては内面的な指導は加えていきたいというふうに考えておる次第でございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 けっこうです。大臣がいらっしゃるところでひとつ回答をいただいた内容について、私は私なりの見解で解明し、論議したいと思っておりましたけれども、退席をされますので、長官を中心にしてなお内容の解明をしていきたいと考えておるのであります。  そこで、いま大臣の言われた中にも、あるいは水産庁は水産庁の立場を擁譲するような意味での発言が非常に多いのです。これはあとで私は時間があれば指摘をいたしますけれども、特に今回の放出をしないという決定に対して生産者団体もこれを歓迎いたしておりません。それから、もちろん消費者は韓国から安いノリが入ったのになぜこれを凍結するのだということでこれまた歓迎をいたしてないのであります。私はそういう意味でどうして外交上、貿易上の問題があるとはいえ、業界をあげて反対をするような韓国ノリの輸入をしなければならなかったのか。聞くところによると、これは韓国側でそう言っているようでありますけれども、今回の二十八日、九日の閣僚会議でこの増ワクの問題をきめたのではなしに三月から五月にわたって第一次の、今年度の韓国ノリを決定する際に、水産庁長官みずからが韓国と密約をしておるということが韓国側の情報として出てきていることは水産庁もお聞きのとおりだと思います。それを今回の閣僚会議の中で形式的にきめたというのがどうも真相のようであります。したがって、それに対する業界や生産団体の反発もきわめて強いのであります。私はこの真偽のほどについても実は確めたいのでありますけれども、どうもそれが真相のような内容がいろいろと私のところには入ってまいっておるのであります。これに対して新聞でもそういう意味のものが出ておりますけれども、ある業界紙にはそういうものが出ておりますけれども、一体こういう経緯はどういうふうに長官は御説明いただけますか。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 先ほどちょっとくどくどいきさつを申し上げましたときに触れたのでありますが、私の理解といたしましては、本年三月の日韓の貿易会議におきまして五億ないし四億八千というふうに決定をいたしましたが、韓国側としてはなおそういったことについては強い不満を残しておって、引き続き日本側に要望をするといったような状態であったということを聞いております。そういった韓国側の要望が引き続きまして、今回の八月末における閣僚の定期会談において、私も向こうに参りましたけれども、強い要請がありまして、先ほど言ったような経緯によって追加輸入というものが出てきたというふうに理解をいたしております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 肝心のところを誤解して回答されたのでは何にもならぬのでありまして、いま私が聞いているのは、すでにあなたは三月の段階における第一次のノリ契約の際に韓国とすでに密約されているということが業界紙にも載っておりますし、韓国側からもそういう話が出てまいって私の耳にも入っておるのであります。一体この事実はあるのかないのか、まずこれを端的に説明願いたい。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 私は密約ということは承知をいたしておりません。ただ、申しておりますのは、韓国側としては、その決定でぴしゃっと了承したということではなしに、かなりそれ以上の追加輸入といいますか、輸入についての要請が引き続き残っておるというふうな状態で三月の貿易会談が終わったというふうに了承をいたしております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 それでは、公取のほうからおいでになっておりますか。——公取に一点お尋ねをいたしておきますけれども、いま大臣の説明と長官の説明によりますと、今回の一億枚のノリの凍結は業界の自主的な決定によって凍結をしたということが言われておる。私は、これは公正取引委員会としては、公取法にひっかかる内容を含んでおるのではないかという疑念を持つのであります。これは行政官庁が介入をしまして、水産庁ならば水産庁が介入をしまして、この問題に対して一つの結論を出した。それを業界がのんだといういきさつと違うのであります。業界の自主的な決定によって今回の凍結が、価格調整等も含めてきめられたということは、全く公取の委員会としては、これは公取のほうとして問題があるのかないのか、端的に説明してもらいたいと思います。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○説明員(柿沼幸一郎君) 業界が全く自由な立場で実質的に取りきめをしてくれということになると、これは、独占禁止法に違反する疑いが出てまいると思います。ただ今般のノリの関係は、社団法人ののり協会が関与いたしまして、その性格につきましては、以前、国会においても議論されたわけでありますけれども、行政当局の責任のもとに設置されておる機関であるということで、当時公取委員会といたしましても、独占禁止法に違反しない機関であるというような意見を一応まとめておりますが、直ちにその自主協定ということばだけから違反するという結論が出るかどうかは、私ここで即答はいたしかねます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 これははっきりしているわけですから、きちんとした態度で、この問題は公取としての立場を明確にすべきだと思うのです。私は国会の中で先ほどのような回答が出るとは実は思わなかったのであります。ところが、長官の先ほどの態度によりますと、自分らとしては、参考のために経緯を話した。その参考のために話した経緯を業界におくみいただいて、ああいう決定をしたのだということに言われておる。そうなってまいりますと、行政官庁が介入をしないままに自主的にのり協会がきめられたという経緯なので、そうすると、いまあなたの申されたような法違反にひっかかることは私は間違いないと思う。でありますから、明確である、いまの回答からいうと明確でございます。それは、検討しなければならないというような疑いの余地を残さないのです。私はそう解釈します。したがって、そういう意味で、十分これらのいきさつを解明をして早急なる態度決定をしてもらいたいと思います。どうですか。

柿沼幸一郎公正取引委員会事務局長

○説明員(柿沼幸一郎君) 検討いたしたいと思います。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 そこで、長官にさらに——私は、非常に長官の回答というのは、私が理解している内容とは非常に違うんです。では、お尋ねをいたしますけれども、これは日刊紙に、普通の新聞に、私が見たところによっても、それから業界紙等から見たところによっても、あるいは、生産者団体——私も長崎県の場合についてはノリの主産地でございますから、生産者がこのことに対してどういうふうな受け取り方をしているかということも、漁民の皆さんからいろいろ意見を聞いてまいっております。それから消費者の皆さんからも意見を聞いてまいっております。それからのり協会の幹部の方々からも私は意見を徴しております。で、また、のり協会の内部においてあなたが発言されている内容についても、私は協会からいただいて、議事録その他も十分見ておるのであります。もう一つ、さっきあなたが態度表明をされたように、経緯を説明して——経緯を説明して参考までに申し上げたことが、協会内部で自主的に決定されたということが本旨であるならば、あなたは、何でこの凍結することによって出てくる社会的、政治的責任は私が負いますということを言わなければならないのですか。そういうことをあなたは新聞記者にも発表いたしておりますし、そういう態度を表明いたしております。自主的にのり協会が決定したものであるならば、何もあなたが長官として政治的、社会的責任を、凍結の結果起こってくる事態に対して対処することはないではありませんか。この矛盾はあなたはどう説明しますか、説明していただきたいと思います。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 先ほど申し上げましたように、のり協会の理事会の相談の際に私も出席をいたしまして、今回の追加輸入のいきさつと趣旨について説明をいたしました。で、その際に、そういった輸入をせざるを得ないような形になってまいりました。そういったことについての役所としての、もちろん何といいますか、いきさつなり趣旨についての説明ぶり、そういうものについてかなり突っ込んだ御質問がございました。それに対して、私は別段ただいま御指摘があったような形の表現ではもちろんございません。私が説明をしておることについて、何といいますか、その内容についてあなたは責任を持つのかというふうなお話でございましたので、もちろんそういった席上で説明をしている内容について私は何もうそを言っておるわけではないというふうな、内容についての責任は十分持つべきものであるという趣旨の回答をいたしたのでございます。ただいま御指摘といいますか、披露されましたような形の内容で私が発言したというふうなことではないわけでございます。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 これは、私はのり協会内部における議事録も見せていただいております。それから業界紙もこれに対して明確にいたしております。これは将来、私は再度機会を得て明確にしたいと、こう思っております。  それで、まだ本質的なものが実はこの中にもたくさんあるのです、農林行政に対しても、物価行政に対しても。そこで、まあそういう問題があるから、そこであなたのそういう態度について追及していかなければならない問題もありますけれども、時間を将来つくって、この問題も明確にしていきたいと思っているわけでございます。  さらにもう一つは、いま確かにノリがだぶついていることは事実だと思うのです。そこで、昨年もまた生産も平年並みであったわけでありますけれども、値段は一向に落ちないで、むしろ上がりぎみである。これは一体どういうことかという、この原因について、国民は非常に明らかにしてもらいたいと思うのでありますが、どういうふうに水産庁長官、お考えになっておりますか。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 昨年産のノリの価格形成の過程でございますが、御案内のように、暮れからことしの春にかけてノリは出てまいりますけれども、生産者団体のほうで入札をするということで一時に売買が行なわれるというかっこうになっております。したがいまして、十分最終的な作柄が見通しがないというふうな状態においてかなり大量のものの取引な行なわれるという形になっております。これ、いい悪いは別といたしまして、実態としては。そういうことでございますので、昨年は御承知のようにかなり凶作になるといいますか、不作になるというふうな当初見込みがあったわけであります。そういう関係から相当大量のものがそういった見込みのもとに取引が行なわれた。ところが御案内のように、最近はかなり技術も進歩をいたしておりますし、その後、作柄が結果的にはかなり回復をして、ほぼ平年作に近いような作柄になったというふうなことが一つございます。そういうことから昨年産のノリの価格が結果的に需給関係とは多少離れたような形の価格が形成されたということが一つあるわけでございます。そういう関係がございますので、なかなかその価格が下がりにくい、下がりにくいといいますか、結果的に需給に合うような形にまで価格が下がりにくいといったようなことがかなり続いておったわけであります。もちろん新ノリが最近間もなく出てまいりますから、そういった段階になりますと、いままでの在庫のものもいたずらに問屋のほうがかかえておるわけにもいきませんから、必ずしも正確な数字はつかまえておりませんけれども、情報としては安値でもってそういったかかえておる在庫を市場に放出しつつあるというふうな情報も得ておりまして、新ノリの出回り期を前にして価格としてはある程度落ちついた方向に推移していくのではないかというふうに私どもは観測をいたしております。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 これはいま説明の中にもありましたようにたいへん重要な問題です。生産が平年並みにとれながら、現実にはノリがどんどん高くなる。しかも在庫がふえる。国民はだんだんノリを食生活の中に使うことから遠ざかっていく、こういう状態が出てきておるのであります。しかも、それは一部の問屋筋の思惑買い、あるいは投機的な買いものによって値段がつり上げられている。これは国民としてはきわめて、どうしてそういうことをするのだというふんまんやる方ない状態だろうと私思うのであります。こういう状態を変えていくのが私は水産庁の行政指導の立場ではないかと思うのです。そうでしょう。それをしないところに今日一つは問題があるのじゃないか。  それからいみじくもいまあなたが言われたように、当初ことしのノリの生産が非常に不作だろうという見通しがあったために、いま倒産のかしらになっておりますところの白子その他が買いあさりをやりました。それと同時に、私もそこら辺は推測でありますけれども、長官が三月のノリ交渉の時点において不作を予想して今年度一次、四億八千万に対して一億の追加をその当時不作を見越して私は裏契約をしたのではないかということがどうも推測をされるのであります。ところが三月、四月、寒冷期におけるところのノリの技術が進歩して寒冷期におけるところのノリの平年作という状態が予想外に出てまいったために、物価の調整という意味で実は仕入れたかった一億枚の追加ノリに対して情勢が変わってまいったので、韓国との約束はあるし、これは履行しなければ国際問題が出てくるので国内ではノリが余っておる、生産者もこれに対して反発をしておる、業者も受け入れたくないという状態にあるにもかかわらず、今回いろいろな問題があるにもかかわらず、水産庁が外交上と称して受け入れたという状態になったのではないかと私は一応判断をされるのであります。こういうことは業界の中では、まずそうではないかということが常識になっておる。まず、水産庁長官に対しては、水産の関係はしろうとだからあれは今回の凍結に対しても業界の腹のうちはわからずにああいうことをしてしまったという陰口さえあるのであります。いまの水産庁のノリのあり方というものに対しては、ノリ業界自体、生産業界自体、流通業界自体の内容を水産庁が知らないために、今日のこういう状態が出てきても、どれが一体ほんとうかということがつかみ得ないために、今回の凍結によって世論の反撃も出てきておるという批判もあるのであります。私は非常に残念なことだと思うのであります。事実今日私もいろいろ調べてまいりますと、特にこれは生鮮食料品の関係でございますから、気象条件、海況その他によって不作あるいは豊作ということが非常に立てにくい問題もありますけれども、取引関係においてもきわめておくれております。青果関係がおくれておるというけれども、それ以上にノリの流通関係、取引関係というものは、まことにお粗末、まことに後進性を持った取引関係にあるのであります。その結果見てごらんなさい、ノリの生産が拡大されておるにもかかわらず高値。高値を呼ぶというのはここに大きな原因があるのであります。私はそういう点に行政庁としての調査あるいは指導機能というものが行なわれないで、野方図にやられているところに、今日国民が大きな不満を持っている原因があると思うのであります。  さらに今回の凍結のほんとうの趣旨は、生産者を守るためだということが主張されておるようであります。私は今回の凍結が生産者を守ることにならないということを指摘をしたいのであります。これは現実にノリをとっている漁民の皆さんも、これでは生産者泣かせだと言っている。凍結は生産者を守ることにはならないと言っている。それはなぜかというと、今日のような少数の業者が思惑買いをやって値をつり上げて、そうしてその不作あるいは豊作の見通しを誤ったために高い値段になってしまった。いよいよ損してこれを出すわけにはいかぬということになったために、国民はこれに対してノリを今日使おうという状態が出てきておりません。だんだん買い控えるという状態が出てまいりました。その結果どんどん在庫がふえるという結果になりました。そうなってまいりますと、生産はその結果縮小されるという方向にまいってくるのであります。そうすると買う気持ちがだんだん少なくなるから生産縮小ということになる。結果として生産者を圧迫するという道に悪循環を続けていきます。ここに私は大きな問題点を今回の問題は出しておると思うのであります。でありますから、そういう点も十分考えながら今回の決定を私はすべきだと思うのでありますけれども、いま申し上げたように、いろいろな問題点をこの中には含んでおります。時間がないので実は論議のかっこうになっておりますけれども、私はこの問題に対しては実は二時間の時間を要求してじっくり本質的なものを解明して問題の解決をはかろうと思いましたけれども、時間がありませんので……。  そういう状態になっておりますけれども、最後に私お尋ねをしておきますけれども、こういうように業界もまことに混乱をいたしております。それから消費者は消費者無視、消費者不在のノリ行政であるということを言っております。また生産者団体がいまのような形で苦労して生産をしてみても一部の商社の思惑買いや投機買いによって値がつり上げられる、需要がだんだん減ってくるという状態ならば、一体何を希望してノリの生産をしていっていいのかわからないと言っておるのであります。さらにまた韓国は御承知のとおり、沿岸漁業に対して非常に振興策をとってまいっておりますから、ノリの生産が拡大されることは間違いありません。同時にまた日本と韓国の貿易が拡大されればされるほど片貿易の比率は高まる、その逆としてノリの輸入が増大されること、これまた間違いないだろうと思うのであります。そういう環境の中にあるノリ行政というものに対して、業界をまとめ一本化したノリ行政をつくっていくことが今日私は最大の課題であると思います。こういう状態に対して水産庁長官は抜本的なノリ行政をどういうふうに立て直そうとするのかお聞かせいただきたいと思うのであります。

森本修水産庁長官

○説明員(森本修君) 御指摘のように確かにノリの流通の機構、あるいは流通の実態は必ずしも十分整備されていない、また私どもとしても従来からそういった問題についてあるいはもう少し突っ込んだ実態の調査をし、しかるべき改善の策を立てなければならないというふうな状況にあったのであろうと思います。そういうことでありますから、御指摘なり御主張になりましたことは、私どもはもっともだというふうに思います。したがいまして、今後流通の機構なり、流通の実態について、水産庁としても十分調査をし、改善すべき点は改善をするように行政的に努力をしてまいりたいというふうに思います。

達田龍彦日本社会党

○達田龍彦君 では時間もございませんから本日はこれで終わりますけれども、次の機会までほかの問題については保留をしたい、こう思います。

和田鶴一自由民主党

○委員長(和田鶴一君) 他に御発言もなければ、農林水産政策に関する調査は、本日はこの程度にとどめます。  なお、派遣委員の報告は、これをもって終了いたします。  これにて散会いたします。    午後五時十七分散会

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