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59回国会参議院1968/09/12

内閣委員会 閉会後第1号

発言数
42
登壇者
7
会派数
3
開催日
1968/09/12

会議録

井川伊平自由民主党

○委員長(井川伊平君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  山本君。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 理事打合会では、人事院総裁の説明を聞いて進めるということでありました。私はその前に、ぜひ政府に言っておかなくちゃならぬことがあるんですが、たまたま木村官房長官も記者会見でおくれている。これは一応委員長にここは話しかけることになりますが、答弁は、木村長官来てからしてもらいたい。  大体今度の政府のとった態度といいますか、措置については、人事院勧告というものに対する認識がないんですね。全然ない。御存じのように、国会に勧告するという権限を持っているのは人事院だけしかないんですね。当委員会の所属する国家行政組織法の第八条を見ましたら、審議会、委員会たくさんあります。ありますが、いずれもこれは行政府に対する答申なり、勧告なり、報告なんですね。国会は御存じのように、国権の最高機関として認められておるですね。したがって、何人といえども国会に対して容喙する権利は一切許されてないんです。今日、天皇ですら国会に対する容喙権は、これは排除されていますね。ただ人事院の給与に関する限り勧告というものを認めておる。委員長、聞いてくださいよ、あんたにちょっと話しかけている、聞いてくださいよ。

井川伊平自由民主党

○委員長(井川伊平君) 聞いています。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 こういう重要な勧告に対して政府が実は認識をしておらない。勧告といって、これは人事院総裁にも聞きたいのですけれども、あの勧告は十六日に出された、八月の十六日に出されたのですね。国家公務員法第二十八条によりますと、国会及び内閣に勧告するということになっておりますね。国会というのは一つの集合的な機関、ここに勧告することになっておりますから、十六日には本院の議長に出されたわけですね、重宗雄三殿として出された。この勧告書を、あなたに私はいつか言ったことがあると思いますが、三人これを並べて連帯して出しておるのですが、これはちょっとそこつなやり方です。衆議院の場合は衆議院議長石井光次郎殿で衆議院に出す、本院に対しては参議院議長重宗雄三殿、内閣に対しては内閣総理大臣佐藤榮作殿として出すのがほんとうです。これをやると、参議院にきているのか、内閣にきているのか、わからないような錯覚を持つわけです。これでもいいんですよ。したがって、われわれの受け取っている勧告というのは、参議院に出されているという認識なんです、われわれは。そうして参議院に出されたこの勧告というものは、いわゆるこの議長に手渡されたので、人事院の一つの義務と申しますか、職務は終わっている。院内における勧告の行為のいわゆる完成といいますか、終わりというのは、国会法による常任委員会、院を代表しているこの問題の常任委員会の内閣委員会において報告され、そしてここで取り上げたときに一応勧告行為が私は終わると思うのです。これで完成する。しかるに今回そういう本院の手続、勧告の手続が終わる前に、去る八月三十日に実は内閣でこれを閣議決定をしておるのですね、閣議決定を。それを私は実は官房長官から聞きたいのですが、そういう行為は、これは本院を私は侮辱とか、そういうことではなしに、本院を全く無視した政府の態度ではないかと思う。われわれはこれを受け取りました。おそらく人事院からこれを配ったと思うのですが、配ったけれども、これは説明を聞かなければわからないというところたくさんあります。聞くところによりますと、本院においては議長が留守であったから、安井副議長がかわって受け取って、約三十分かちょっと説明をされたようであります。人事院はそれで役が済んだ。われわれはこれを何にも知らない。文書をもらってあるけれども、これは一体どういうことで五月実施になったかという説明を聞いていない。それを本院できょうやろうというのでしょう。しかし、すでに行政府の内閣はこれは決定している、委員長、八月から実施しますと。しかし、通勤手当については、これは五月から実施しますという具体的なことを決定してしまっている。それをいま委員長は招集されて、ここで私たちに人事院総裁の説明を聞いて、これから審議に入ると、こう言うのでしょう。私は国会を全く無視した内閣の態度に対して、何らかの弁明なり、われわれは抗議をしたいと思う。弁明なくして実は人事院総裁の説明をここで聞いてやっていけますか。そこまで本院を無視した態度を委員長は了解して、このまま進めていかれるところに私は相当問題があると思う。  私は、同僚の委員長でありますし、理解があるということを聞いておりますから、あなたを追及するわけではありません。いまだかつてこういうことありませんよ。私は内閣委員会でずいぶん長く、石原さんともずいぶん長く前からずっとやっております。今回のようなことは一切なかった。聞くところによると、衆議院のほうは八月じゅうに一回やっておるようであります。今度の場合は、われわれの何らこれに対して意見も言うことなくして、そしてこれを、勧告をきょう説明を聞いて質問せよと、こう言うのでしょう。そんなことができますか。政府はもうすでにきめているのですよ、閣議で。こういう事態について、私は委員長だけでなくて、本院としてこれをどうするかという問題、このまま審議すれば、将来一体本院はどうなるのですか。政府のあとについていくのですか。そういうことを私は認めた今日の人事院総裁の説明待ってくれというのはそこなんですよ。きのうは文教委員会で説明されたようであります。これは私は文教委員会、これは担当常任委員会でないから、これは私は別だと思っています。少なくとも参議院において、この問題は内閣委員会において説明されて、初めて内閣委員会という構成されたものが勧告があったということを私は知るのですよ。その知る前に内閣できめておるじゃないですか。これに対して一体どうするかという、これは委員長のみならず、委員自体が私は考えるべき問題だと思うのですよ。官房長官も来るかしれませんが、もし委員長において、私の言ったことについての御意見があれば聞かしてもらったらいいし……。

井川伊平自由民主党

○委員長(井川伊平君) 官房長官こないうちでもいいですか。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それでけっこうです。

井川伊平自由民主党

○委員長(井川伊平君) それじゃ官房長官が来てからというお考えは御訂正になって、いまでもいいということですか、いまでもいたします。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 あなたの意見。政府のやつはいいです。

井川伊平自由民主党

○委員長(井川伊平君) 私の意見は、政府が委員会の意見、それから人事院総裁の勧告、ともにこれは十二分に重んじてもらわなければなりませんことは、おそらくは詳細議論をすれば山本さんと一致するだろうと思います。でありますが、事実このようにおくれてきたということと、おくれる、おくれぬは別といたしまして、事前に政府がそういうようなことをきめたとすれば、そこに議論はいろいろあろうと存じます。言いかえれば、議論の結論を言えば、政府は人事院の勧告を軽視しておる、あるいはもっと進んで無視しておる、こういうことになるのではないかと思いますが、このことは私からお答えするよりは官房長官のほうからお答えしたほうがよかろうと思うのであります。大体私の意見は、委員各位の意見と、一人一人ひざを突き合わして話してみれば一致するだろうと思うのですが、ひとつこの問題については、官房長官の意見を十二分にお確かめになって、政府の意見は彼によって御了承願いたいと思うのですが、いかがですか。よろしゅうございますか。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 これは官房長官が来ないからしかたがない。

井川伊平自由民主党

○委員長(井川伊平君) いま来ますよ。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それまでに言っておきますがね。私の言ったのは、委員長の招集がおくれたとか、十二日にきめたのがおそかったという意味じゃないのですよ。実は閣議で決定しても、今度の臨時国会開くまでは現実に進まないのですね。現実に進まない。法律案出せない。三十日にきめなければならぬというのが、国会が近づいておって、法律案をつくるには時間がないから三十日にきめたといって、本院の内閣委員会がするのが間に合わなかったならば私は了解する。そうじゃないのですよ。九月の下旬、十月にきめたって、まだ国会の見通しは長いでしょう。三十日に閣議できめてしまったところに、私は本院を無視した大きな原因があると思うのですね。時間に余裕がなくて、閣議でどうしてもやらなければならぬというなら、われわれもある程度了解したと思う。委員長はおくれたと言われるが、おくれているのじゃないのですよ。わが参議院の内閣がおくれているのじゃないのですよ。政府は、参議院がこの十二日にやることはすでに知っているのですよ。これは何か聞いたら、八月の十四、五日にこの委員会開くということをきめられたらしいのですね。

井川伊平自由民主党

○委員長(井川伊平君) その点は、私がおくれていると言うのは、過怠をしているという意味ではないのです。衆議院のほうはすでにやっておるが、私のほうはやっておらぬという意味、そういう意味ですから……。  それじゃ、いま私から伝達しましょうか。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 ぼくから簡単に……。

井川伊平自由民主党

○委員長(井川伊平君) それじゃ官房長官お見えになりましたから、先ほど申したような時間しかありませんので、お含みの上で御質疑願います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 官房長官、あなたが来られぬから大体委員長に実は言ったのですが、簡潔に言います。あなたは頭のいい人ですから、くどくど言わぬでもわかっておる人ですから。  実は政府がこの人事院勧告に対する認識が私は本質的にないということを言った。その理由は、御存じのように、いまの憲法によりましても、またその他の法律によりましても、国会に勧告権を持っておるのは人事院しかない。しかも人事院も給与の勧告しか持っておらない。したがって、この勧告というのは、国会に対しての一つの勧告をするというか、容喙する権利を国会に与えている。これは新憲法における大きな特権なんです。こういう重要なものが今度出された、十六日に。ところが本院は御存じのように、きょう初めて内閣委員会をやるのですね、内閣委員会を。人事院は八月の十六日の日に本院に対しては議長に実はこの勧告案を提出された。同時に内閣にも提出されている、総理大臣に。あなたも立ち会って総裁から事情を聞かれたということも私聞いております。ところが、国家公務員法第二十八条を見ればわかりますように、国会ということになっておりまして、両院議長、内閣総理大臣に勧告せよということになっていない。したがって人事院としては、参議院の代表である議長に勧告すれば、それは人事院としてはその職務は終わっておるわけです。しかし、院としてはその担当常任委員会の内閣委員会でこの勧告を聞くまではわれわれ全然わからない。文書はもらっておりますよ。たとえば実施時期はこれは五月にせよ、一体どういう意味で五月にしたかということがわれわれ理解できていない。その間に実は内閣では三十日――八月三十日にすでにこれをきめてしまったのですね。しかも具体的に五月実施を八月にするとか、私は新聞でだけしか知りませんよ。まだわれわれ聞いてないから、これから同僚も聞くと思いますが、きめてしまって、その以前の問題ですよ。これほど重要な勧告を、参議院の意見も何も出ないうちに実は内閣できめるというようなことの不当性を私はいま委員長に聞いたわけです。委員長は、官房長官が来たら聞いてくれと言う。一体あなたはどう考えますか。  こういうことを内閣でやって、参議院のわれわれは知らないのですよ。文書はもらっておりますよ。しかし、この文書をもらったのは手続上、便宜上の問題で、内閣委員会開かれたときにこれを配って、人事院総裁に来てもらって、これを説明して、われわれが初めて勧告というものがこういうものであることを知ることになっておるのです。その前に内閣がきめるという、国会、いわゆる国権の最高機関の参議院のほうでは知らないうちに内閣できめてしまうというようなことは、これはあまり院議を無視した行政府の態度でないかということをいま追及したわけです。いろいろ例をあげましたけれども、時間ありませんから言いません。それについてどう思いますか。

木村俊夫自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(木村俊夫君) 人事院の勧告が国会と政府に対して出されるものである、これは私もよく承知しておりますし、その公務員給与の問題に関しまして、国会の権限というもの、これはもう政府と並び立つものでございます。今回八月末に公務員給与を政府が決定いたしましたのは、八月十六日に人事院勧告が行なわれまして、なるべく早い機会にこういうものは決定すべきであるという国会側の従来の方針もございましたし、また政府といたしましても、今回総合予算という原則のもとに行なわれる公務員給与の決定でございますので、すみやかに決定するのが本旨ではなかろうかというので、そういうふうに計らいました。ただ私は、それをもって足れりとはいたしませんが、その際に、閣議決定に先立ちまして両院の議長、両院の内閣委員長には、明日決定することになるということだけは御連絡はいたしました。これは決して私はそれでもって十分な措置とは考えません。しかしそういう事務的なことではありますが、連絡をして閣議決定をいたしたのであります。また、公務員給与の問題については、もとより予算編成権は政府にございますから、この公務員給与の決定も政府がいたします。しかしながら、これについての国会側の権限というものは、これが予算に盛られ、また公務員給与法案として国会に提出されたとき、国会独自の立場で御審議願う、これは私は国会として御関与される最も大きな機会であると思います。そういう意味合いにおきまして、私はできるだけ事前に国会の御審議をいただきたかったことはいまでも私はそう考えておりますが、そういう立場上、やむを得ずすみやかに決定したというのが実情でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それはあなたは相当たいした政治家だとぼくは思っておるのですが、私の言っているのは、内閣がやったことは不法だと言ってないのです。この勧告の性格から見て、国会にまず出して、同時に出しますけれども、国会に出して、それから内閣のほうへも出されておる。われわれの参議院では一回も勧告の内容すらわれわれ聞いてないのですよ。委員長に連絡した、そんなものは事務的なものです。何の権限で委員長話ができますか。そんなことあなた申しわけになりませんよ。委員長迷惑ですよ、そんなこと言ったら。委員長に連絡したからそれで済んだと、そんな考えはないでしょうが、それを私は言っておるのです。いまだかつてそういうことはないのです。いままで三十五年からずっと要するに勧告出ておりますけれども、その前にも出ておりますけれども、そういうことはいまだかつて一回もない。衆議院のほうは一回やられたと聞いておりますけれども、他院のことは私知りませんから言いませんが、本院においてはきょう初めてですよ。前にこれはもらっております。配付されているが、これは法律上の手続じゃないのです。内閣委員会が開かれて、初めてこれを配られて説明を聞くということになっておりますね。それがために、御存じでしょう、国会の終末に閉会中の調査事項を院議で決議しているのです。あの決議をやっていなかったらこれはやれない。決議をされているから、閉会中に委員会がこれを正当な権限でやられる。それを十二日にやるという決定があるにもかかわらず、三十日にやむを得ない事情で――一体何がやむを得ないのですか。法律を一体いつ出すのですか。もう九月そこそこに出すのですか。何もそんな計画はないでしょう。おそらく十一月にも出せないでしょう。あなた、出せると答弁できますか。まだ一カ月も二カ月も期間はあるのですよ。その一カ月、二カ月の間に、総合予算の方針を変えるというのですか。総合予算だからこうしたというのでしょう、いまあなたの説明を聞くと。総合予算はまだ堅持していくのでしょう。九月、十月に変わらぬでしょう。それもやむを得ない事情に入るのですか。参議院でせめてこの勧告の説明くらい聞いた後に――内容に実は問題がありますが、それはあとでみんな発言すると思いますが、それなのに、八月三十日にきめてしまって、そうしてあとから参議院でこれを開いて、きょう参議院に人事院総裁が来てこれを説明するというのです。何のかんばせがあってわれわれこれを聞くというのですか。政府が方針をきめてしまってから、参議院があとからこれを聞いてどうするのですか。これは侮辱の問題じゃないですよ。軽視の問題じゃないですよ。一体いまの憲法や国会、あるいはまた国家公務員法の理解があるのかどうか、私は疑わしいですよ。いまだかつてないのですよ。官房長官、こういうことはないのです、こういう事例はない。しかもきょう開くとなったときに、どうなんですか、担当の大臣がどういう用事か、出られないというのです。あなたがたまたま出てきたから、これも何とかかっこうがついたのです。そういう政府の不信な行為をやって、われわれに今後政府の法律案を当委員会で審議しろとか何とか言っても、私個人としても、ほかの人も、与党の人もそうだと思いますよ。与党の人もそれほど無視されて、あとからそんなもの説明を聞いて、ああそうですかと、すでに内閣できまっておる、それを参議院がこれから説明を聞いて質問してやるというのは、一体どうなんですか。その点もう一ぺん。

北村暢日本社会党

○北村暢君 関連して。いまの取り扱い上の問題についていろいろ質問が出ておりますけれども、私も非常に遺憾だと思うのです。ということは、事務的な手続として、議長に手渡せば国会に勧告したことになるでしょうけれども、その勧告を受けた国会が、どういう意思を表明するかということは、まだ政府ははっきり受け取っていないだろうと思うのです。従来いろいろありましたけれども、昨年の衆議院においては、勧告を受けた各院として、やはり勧告に対する意思をはっきりすべきである、こういう考え方から、本会議の決議ではなかったけれども、委員会の決議として単独に、法案の出た際における附帯決議ではなくして、単独で委員会の決議として、勧告の完全実施について努力すべきである、こういうことを決議をして、行政府である政府に対して決議というものを尊重せよといって、昨年だってやっているわけです。だから形式的に議長に人事院が勧告したら、それで済んだのではない。あくまでもこの処理にあたっては、衆参両院の内閣委員会でこれを審議をして、院としてどういう意思なのか、質疑の過程等も見て、行政府が最終的に態度を決定する、これは当然のことなんです。山本委員のおっしゃる、精神からいえば当然のことなんです。  それで私どもは、きょう委員会を開くにあたっても、判断としては、例年政府が閣議決定しているのは十月半ごろやっておるわけなんですね。したがって九月十二日、今日委員会を開いても、政府が閣議決定をする以前であるということを判断をして、私どもは今日委員会を開いて、それももう与党の理事とも話をして、なるべく早く開きたかったが、いろいろな関係できょうに延びた。しかも、それは委員会を開くといった意思を決定した段階においては、政府はそれ以前に閣議決定をする、意思決定をするということは、だれも予測しておらない。当然そのあとになるであろう、こう判断しておった。たまたま補正予算組まなくて、本年の場合予備費にすでに見積っておるということがあったかもしれないけれども、総合予算主義で、補正予算必要ないということはあったかもしれないけれども、これは政府の組合の給与引き上げのことに対する肩すかしを食わしたと新聞に出ておる。そういう政治的な配慮というもののみによって、私どもは国会の審議権というものを軽視した、こう受け取らざるを得ないのですよ。これは全くけしからぬ話です。一方、閣議決定する前に、参議院に通知だけはしたと、こうおっしゃられるけれども、何の意思も聞かないで、一方的な通告だけで、それで事足りるというものではないと思う。当然政府としては、国会における審議の状況というものを勘案して、なおかつ財政的なり何なりというものはその後において決定される、意思決定するというのが、これは当然なことなんですよ。いま山本委員からも言われているように、かつてないことなんです。かつてないことをあえてやっている。非常に権力的ですよ、これは。民主的な手段としての国会というものを軽視するも最たるものです。そう意味においてもう明確なひとつ御答弁をいただきたい。

木村俊夫自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(木村俊夫君) まず第一におわびしなければならぬのは、給与担当の総務長官がきょう欠席いたしておりますが、これはもう御承知のとおり、いまから二カ月余前に、岐阜で一日内閣を行なうことになっておりまして、そういう関係で、また一日内閣の担当大臣でもございますので、まことに委員会に申しわけないことになったと思いますが、その点ひとつ御了承願いたいと思います。  また、いまお話のありました、いままでに例のない時期に決定したのではないかというお話でございますが、実は総合予算をとりましたのは従来初めてのケースでございます。そういう意味におきます総合予算下における公務員給与の決定というのは、確かに本年が最初でございますから、そういう時期に相なったということもひとつ御了承願いたいと思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 ぼくは木村長官に率直に聞いてもらいたいと思う。私が追及すると言って、少しは政府の態度に対して憤慨はしておりますけれども、こういうことはいまだかつて例がないのです。これは本院のだれもが、私は不満というよりも、当院軽視に対する何と申しますか、政府に対する不信感というものも相当私はあると思う。これは国会開会中であれば、各院内の役員がそろっておれば、わが党も国会でこの問題取り上げてやるつもりであったのですが、残念ながら休会中でありますから役員がそろわない。たまたま私はこのことだけ言っておかないと、どうせこれはあとで問題になる。このままでは終わりません。したがって、ここであなたにどうこう言って、筋を解決する策というものは考えておりません。これはもう政治問題として発展しなければ、参議院は無用の長物だという国民から批判があるのですよ、いま。その上に政府のこういう措置をとられたならば、みずから私は無用の長物を自認したということになると思う。政府はそういうこと気づかなかったかもしれませんよ。そういうことは気づかなかったかもしれないけれども、事実はそうなっているのですよ、本院においては。きょうはたまたま人事院総裁が来て、いまこの説明しようと待っておられるのですけれども、私はこれは聞くまでもないと思うのですよ。政府がとった態度というものを釈明されない限り、あとからこれを聞いて、ああそうですかと、もう政府の態度はきまっております、こう言われたら、われわれはどうするのですか。われわれの立場になって考えてください。あなたは衆議院に所属する大臣でありますけれども、衆議院の場合にそういうことがあったとき黙っておりますか。おそらく黙らぬでしょう。たとえ与党、野党を問わずですよ。院の権威の問題です。そういう点を私は十分反省をしてもらいたい。これができなければ、私は今後この問題は、ただこれだけでは終わらぬ。これは国会が開会されるか、あるいは各党いろいろ問題があって、特にこれは院の問題として、政治上の問題として取り上げられてくると思います。この点は十分考えてもらいたいと思う。  したがって、あなたは非常に強弁されておりますよ、総合予算であるからなるべく早くやらなくちゃと。なるべく早くやるなんて、いままでどうですか、やってないでしょう。総合予算、理由にならぬですよ、そういうことを国民に言ったところで。早くきめるということは、早く公務員に出すということでしょう。早くきめて公務員に一日も早くやるというならば、私はわかりますよ。一体いつやるのですか。国会いつ開くのですか。そういうめどがわかりながら、早くやるという理由、われわれは見当たらない。これは私はあなたに言ってるんですけれども、もう私はあなたに答弁求めませんよ。佐藤さんにそう言ってください。佐藤さんはそういう点はよく知っていると思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 関連して。この手続上の問題が問題になって、しかも先ほどから申されたように、これは不当な、そうしてこの総合予算主義を強行することに名をかりて、こういうような非常に不完全な手続上の欠陥を残したまま閣議決定された。これと関連して、もう一つ手続上の問題でここでただしておきたいのですが、それはこの勧告の適用を受ける公務員の労働組合の共闘会議と、この勧告についての問題で、当然政府といままで話し合っていることだと思うのですね。そうして現にそのような要望が、これは八月の二十三日に共闘会議から出されているわけですね。ところが全然この要望に応じないで、何らこれは組合と話し合うことなくして今度の決定がされている。だからこれはいまの国会無視のやり方と共通して、この適用を受ける公務員のこういう意思というものを当然尊重されて、ここで話し合いをする、そういうようなことは、いままで慣行としてちゃんとあるのですから、これは尊重するというたてまえを私は貫かなければならなかったと思うのです。ところがそうされていない。これはどうなんですか。この点についてはっきりした見解を述べられて、今後では、これはおそくなってるんだけれども、一体これは今後どういうふうに処理されるか、いままでの慣行無視なんですか、一体どうなんですか、この点をお伺いしたい。

木村俊夫自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(木村俊夫君) 公務員共闘のみならず、全官公の方々に対しても二回にわたってお目にかかっております。昨年からこれは私どものほうの考え方で、従来は給与関係の総務長官だけでやっておりましたが、今後はひとつ七人委員会で、全体でたびたびお目にかかろうじゃないかというので、昨年は五回お目にかかりました。ことしは八月末に決定したという事情もございましたので、二回お会いしております。その際にいろいろ御要望も承りました。その御要望は、私ども財政事情から満足にお聞きするわけにまいりませんでしたことは遺憾でございます。そういう点については十分な配慮をしております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それは事前じゃないですか、話し合ったというのは、勧告前。勧告前のは聞いておりますけれども、勧告後の二十三日にそういう要望書が出された、ちゃんとここにありますから。これに対するはっきりしたその後における話し合いですね、勧告事前からでもそれは要望しておったはずだ。勧告前に話し合いがこれは二、三回行なわれたことは知っております。経過書の中で私たち調べました。ところが勧告後におけるその話し合いが非常に重要になってくるわけで、慣行としては私はいままでそういうことが行なわれておった。ところが今度はこの閣議決定を急いだあまりだと思うし、総合予算主義を強行する、そういうたてまえに立っていたので、そういう思案をなくしてしまって、それで意思が尊重されないままに決定を見た、こういう事情なんです。いまの国会の無視と非常に共通した問題として、今後の人事院勧告をどう扱うかという問題とも関連して、非常に重大ですから、私は関連質問しておくわけです。それはそうなっています。

木村俊夫自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(木村俊夫君) 閣議決定後のことはまだ私ども具体的には考えておりませんが、しかしいま岩間委員の言われました閣議決定後におきまして公務員共闘、また全官公とお会いすることは、政府としてはやぶさかでございません。特に、今後いろいろお話が出ることと思いますが、人事院勧告のやり方そのものについて、一応政府としては、根本的にひとついろいろ人事院と御相談して検討していこうじゃないかということが、政府部内でも強く意見として出ております。そういう意味におきまして、その検討の過程におきまして、公務員共闘、また全官公と今後の根本的な改善方法についてお話し合いすることは、私どもけっこうだと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 いまの国会軽視の問題参議院軽視の問題について、これははっきりさしておきたいと思うのです。大臣は、いまあれですね、総合予算主義のたてまえから、早くきめたほうがいいと思ったから早くやったのだ、こうおっしゃるけれどもいいですか、それはね、あなたなりにそう思っているのかもしれないけれども、国会で審議を一応する、これは提案理由の説明を聞くのと同じですから、それをまだ聞いていないんですから、それ以前に閣議で政府が決定してしまうということについて、参議院軽視ということをお認めになるのかならないのか。今後もまた政府がかってにやれば、勧告が出た翌日でも閣議を開いて決定して、国会がどんな意思であろうと、審議の状況がどうであろうと、その国会の意思が決定して――その意思をどうしても守れとか何とかいう問題じゃない。いいですか、まだ法律でいえば提案理由の説明も聞かないうちに、政府がかってに決定してしまうということが参議院軽視じゃないかと、こう言っておる。それについて総合予算主義のたてまえから早いほうがいいと思ってやったというのですから、通告したと、こう言っておる。しかも私どもが、参議院では十二日にやるから出席してくれということを通知はしているわけですね。したがって参議院で審議していないということは政府でわかっておらなければならない。この点は今後の問題もあることですから、あなたは、それだけ参議院軽視にならないと考えておるのか、今後はこれはぐあいが悪いから改めるというのか、そこのところをはっきりしてください。どうもあなたは反省の色が見えない、私どもには。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 時間がないから関連して。あなたも時間がないから残念ですが、一つだけ私は注文しておきたいと思う。  おそらくいま北村委員の言われたことについては、十分身にしみて感じられることと思いますが、できればこれは、委員長も先ほどのお話に同感だと言われておりますが、あの閣議決定はどうなるかこうなるかは別として、われわれの干渉するところではありませんが、このような事態が参議院の内閣委員会であったということは、次の閣議で報告してください。そうしてその上で総理がどういう考えであったということを次の国会で、あなたでなくても、担当大臣でもけっこうですから、その点本院に報告してください。それが認められたならば、今後人事院総裁の説明を聞いてもいいと思います。その点はどうです。

木村俊夫自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(木村俊夫君) 政府は参議院を軽視する気持ちは毛頭ございません。これは当然な話で、いまさら申すまでもございません。また国会に対する政府の公務員給与の問題についての関係は、確かに勧告を受けるのは国会と政府でございますが、この公務員給与を予算化する権限は政府でございます。そういう意味におきまして、これを予算化して、しかし閣議決定だけでは何らの効力も発しませんことも当然でございます。これを給与法を提出して国会の御審議を願うときに、初めて政府として国会との間に種々打ち合わせをいたし、説明いたしますが、その点はひとつ、いまお話がありました点につきましては、次の閣議におきまして私からお伝えをいたします。それについての本院の扱いはひとつ……。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 おおむね参議院軽視の問題は詰めにきていると思うのですが、そこで官房長官に一、二点私からも聞いておきたい。  第一は、この人事院勧告の内容は、私どもこれから人事院から聞いて、幾多の矛盾点もありますから、その内容は私どもも明らかにしていきたい。政府はこの勧告を受けて、不完全実施なんですね、勧告どおりやるというのじゃないですね。ですから、あわせて私どもは、政府がどういう考えでこの人事院勧告をこのままやろうとした部分と、そうでない部分と分けたのか、内容的にも政府の見解を聞きたいと思いますが、その際にどうしてもこれは矛盾点、だめなんだという点がはっきりしたら、人事院勧告を手直しして、あなた方法律を出さなければならぬと私どもは思っているのですね。それは今後の審議の経過を見なければなりませんが、人事院勧告の内容について、不備の点があれば政府としては考え直すゆとりがあるかどうかということをまず一点聞いておきたい。  それから二番目には、これは理事会でも出ましたが、この委員会に総務長官の担当大臣が出ないことは、私はもう実際了解できないほどいま腹の中が煮えくり返っているわけです。なぜならば、きのう文教委員会に総務長官は出席している。そうして途中から、からだの調子が悪いから精密検査いたします、こう言っていなくなっているのですね。精密検査をしなければならぬほどからだの調子が悪い者が、けさの八時五分だかの汽車に乗ってもういないのだ。そうして、そういうのならば、長官の代理として副長官もおるわけですから、副長官でやれない仕事かどうか。きょうの私は日程は、先ほど来何人かから言われているように、一月前から予定をされて、政府の都合できように直っている。そういう委員会の私は開催の日程等からいうと、総務長官の態度なんてこれは不遜ですよ。こういうことをやるなら、私どもこれから、少し先走った議論になるけれども、委員会の運営についてはあまり責任を負いたくないし、相当のことをやらなければ、政府も反省にならぬのじゃないかと、これは思っているのですよ。それくらいからだの調子の悪い、委員会にも出られないような人が、なぜ岐阜に行かなければならないのですか。私は実際そういう面からも、いまの政府の態度というものは参議院軽視ということにつながってくるのではないか。この点は官房長官に文句を言うのは、あなたが内閣の番頭ですから、ですからそういう点も含めて私は大臣の出席等については注意をしてもらいたい、こう二番目に考えるのですが、その点についてのあなたの見解を聞いておきたい。  それからもう一つは、さっきあなたの答弁の中に、議長と内閣委員長に対して通知をいたしました、あした閣議決定がありますからよろしくと、こうなったのだと思う。それで議長から、あるいは内閣委員長からどういう答弁があったのですか。一ぺんも何も開かれていないで、内閣委員長はそれでよろしゅうございますと答弁したのか、議長がおやりくださいと言ったのか、その答弁いかんによっては、私はまた質問のしかたが変わってくる。もしそういうことを委員長が言ったとしたら、それは越権行為だ。何も委員会の意思を一回も聞かないで、委員長がそういうことを答弁したというなら越権行為だ。それは私ども許されない。ただ通知だけで一方的だというなら、これまた政治論として――法律論はいろいろあるとしても、政治論として私は許されない。その点、官房長官として明確にひとつさっきの問題と関連をして答弁願いたいと思います。

木村俊夫自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(木村俊夫君) まず総務長官の欠席でございますが、昨日やや不快を覚えまして精密検査をいたしましたが、特に欠席をする必要ないという診断のもとに、総務長官の責任感上出発したわけでございます。  また第二点は、人事院の勧告そのものの内容の検討、これは当然国会でおやりになることでございますが、少なくとも政府に関する限りにおいては、人事院の勧告自体に何らの苦情を受け取っておりません。その意味において問題は今後の国会における御審議だと私ども存じております。  第三点でございますが、これは議長、それから委員長に対する連絡、これは私の裁量でやりました事務的連絡でございますから、もちろん議長、内閣委員長、それでよろしいとはおっしゃいませんで、私が、私の事務連絡にすぎません。これだけははっきりさせておきます。

井川伊平自由民主党

○委員長(井川伊平君) もう時間がありませんので、簡単にひとつ。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 いま官房長官から事務的に議長と内閣委員長に言ったというんですね。私は言いわけだと思う。それから受けた委員長は、それじゃどういう受け答えをされたんですか。電話があなたからあったのか知りません。あした閣議決定をやるから委員長お知らせしておきますと、これだけですか。それで内閣委員長ははいそうですかということに私はならぬのではないか。もしそれだけで委員長がはいそうですかというなら、私はこの委員会きわめて権威のないものだし、また国会の常任委員長なんて、あってないようなものだ。そんな簡単なものじゃないんじゃないですか。先ほど山本さんからこの勧告の権威の問題についてはるる述べられました。私もこれはやがて法律論なりその他で総裁にも聞いてみたいと思っている一つでありましたけれども、たまたまきょう出ちゃった。そう簡単なものでないことは、あなたももう御承知だと思うんですね。そういう一片の事務的なことだけで終わるなんていうしかけのものじゃないんじゃないか、こう私は思いますが、あなたは時間がないというから私はやめますが、いずれにしてもこの問題は政治論としても次回の委員会その他で私やっていきたいと、こう思いますから、その点ひとつ政府の部内でもきちっとした見解をつくってもらいたいと、こう思っております。     ―――――――――――――

井川伊平自由民主党

○委員長(井川伊平君) 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査のうち、一般職の職員の給与についての報告並びにその改定についての勧告に関する件を議題といたします。  本件につきましては、佐藤人事院総裁、尾崎給与局長、岡田任用局長、西沢人事局参事官が出席いたしております。  それでは、人事院総裁より説明を聴取いたします。佐藤人事院総裁。

佐藤達夫人事院総裁

○説明員(佐藤達夫君) 先般の給与勧告に関しまして御説明申し上げます。  去る八月十六日に人事院は勧告をお出ししたのでありますが、これは衆議院議長、参議院議長及び内閣総理大臣に別々に私がお持ちして提出しております。なお先ほどもあて名の件がちょっと話題になりましたが、これは申すまでもなく、参議院にお持ちいたしました分は、参議院議長重宗雄三殿というだけの名でいっておりますから御了承願います。印刷のほうはこれは便宜上お三方を並べさせていただいたと、こういうことであります。  そこで、人事院は、これは例年のとおりでございますが、四月における官民給与の正確な比較を行ないますために、国家公務員給与等実態調査を実施いたしますとともに、かたわら民間につきましても約六千八百五十の事業所について、公務に類似する九十一職種、約四十七万人を対象として職種別民間給与実態調査を実施いたしまして、本年四月に支払われた給与月額を調査いたしました。その調査の際に、調べましたところによりますというと、いわゆる春闘において四月にさかのぼって給与改定を実施した事業所、これが依然多数にのぼっておりますので、この官民較差を調べるにあたりましては、右の遡及改定の影響分をも含めて算定いたしました次第であります。その結果八・〇%の較差が出まして、それに当たる給与改善を行なうことを必要と認めた次第でございます。  この改善については、俸給表に重点を置いておることは当然でございます。諸手当についても相当な配慮を加えております。改善の内訳は、俸給のほうで七・一%、諸手当で〇・五%、その他で〇・四%、合計八・〇%、金額に直しますというと三千九百七十三円ということになっております。これによって民間の水準に見合う給与の改善が行なわれることになるとわれわれとしては考えております。  次に、給与改善の内容は次のとおりでございます。まず、俸給表の改正でございますが、これは本年の民間における初任給の状況あるいは職務の階層別の給与の上昇傾向等を勘案いたしまして、下位等級の引き上げ率を特に高くいたしますとともに、中位の等級につきましても昇給間差額を改善する等の配慮を加えました。  なお、各俸給表の改定につきましては、官民の較差も最も大きい医師については特別の配慮をいたしましたし、なお研究職員あるいは技能労務職員等についても特段の考慮を払っております。  初任給につきましては、大体次のように改善いたしております。まず、一般の事務技術系の初任給につきましては、これは御承知のように民間の支給額も相当上がっておりますのでありますが、それらとの均衡をも考慮いたしまして、大学卒については二千四百円、高校卒については千六百円引き上げることといたしております。次に、医師、看護婦等の人々の初任給については、さらに格段の引き上げを行なっておる次第であります。  次は、俸給の改正でございますが、職務の段階の実情の変化に即応させますために、税務職の俸給表、公安職の俸給表の(一)と(二)に対しまして、管区機関の困難な業務を処理する課長等のために特三等級を設けました。さらに海事職の俸給表(一)、それから医療職の俸給表(三)、これらにつきましては、海事職の場合は特に大きい遠洋船の船長・機関長、これらのために特一等級を設けますとともに、医療職の俸給表(三)につきましては、大きな病院の総看護婦長に適用いたすための特一等級を新設いたしました。なお、公安職俸給表の(二)については、八等級というのが不要になりますので、これを削ることにいたしております。  それから、勤務成績の特に良好な者についての特別昇給のワクの拡大をはかりました。それは、公務員法、給与法の理念としております成績主義の趣旨を踏まえたものでございまして、職務上特に功績のあった者、それからまた辺地の勤務者あるいは重症心身障害児の収容施設というような場所において、きわめて困難な勤務条件に耐えながら職務に精励しておる人たち等に対する顕彰の拡充と並行いたしまして、給与上の優遇措置の整備をも推進することにいたしておるわけでございます。  次に、諸手当の改善について申し上げます。まず、通勤手当でありますが、これは御承知のように国鉄定期券の値上げ等もございまして、また民間における実情も勘案いたしまして、交通機関利用者に対する全額支給の限度額を、現在の千六百円から二千四百円に上げますとともに、二千四百円をこえる部分についてはその二分の一の額、すなわち千二百円を限度といたしますが、二分の一の額を支給することといたしております。したがいまして、最高支給額は、現在の二千四百円に対し三千六百円ということに相なります。  通勤手当のうちで自転車等使用者に対する支給の月額は現在五百円となっておりますが、これを六百円にいたしました。原動機付きの場合は現行五百八十円を七百円に引き上げたわけでございます。さらに交通機関と自転車などを併用する人たちについては、一定条件のもとにおいて、それぞれに対する額を併給することに改めました。すなわち、自転車等を使用する距離が半径二キロメートル以上の者は、交通機関の運賃相当額に六百円、原動機付きの場合においては七百円でございますが、この額を加算したものを運賃相当額とみなして、これを基礎として算定した額を支給することにいたしております。  次に、医師の初任給調整手当につきましては、先ほど申し述べましたように、官民の較差のきわめて大きなことにかんがみまして、昨年も相当手当をしたんでありますが、今年さらに思い切った初任給調整手当上の処置をいたしました。ことに医師の場合は、辺地に行けば行くほど民間における給与も高くなっている、要員の確保は困難となるというような実情に対処いたしますために、現行初任給調整手当一万円となっておりますところを二万円に倍増いたしました。現行で七千五百円になっておりますところは一万五千円といたしました。さらに現行五千円のところを、今度は地域区分に応じましてさらに三つに分けまして、一万二千五百円のところ、一万円のところ、それから七千五百円のところというふうに三段階に区分いたしまして、それぞれ引き上げをはかったわけでございます。なお、支給期間の最高限度も、現行の七年を十五年に延長することにいたしており止す。  次に、刑務所等の矯正施設において業務の管理監督を目的とする看守長等が行ないます宿日直勤務に対応いたします宿日直手当を増額いたしまして、勤務一回について千円、土曜日の退庁時から引き続く勤務の場合は千五百円といたすことにいたしております。  なおまた夜間の道路作業に従事する職員の人たちの一部及び夜間自動車をみずから運転しながら税関監視業務をやらなければならぬという仕事に従事をしておる職員の人たちに対しましても、その勤務の特殊性を考えまして、勤務一回について百円、夜間道路作業については百五十円という額の特殊勤務手当を支給することを考慮しておるわけであります。  なお、昨年、夜間通信業務に従事する職員の一部につきまして特殊勤務手当を支給することといたしましたが、今年、これにさらに病院、療養所関係の電話交換所に従事する職員を含めることにこれは考慮しておる、考慮中であるということであります。  なお、つけ加えて申し述べますと、期末、勤勉手当の年間支給割合につきましては、官民比較いたしました結果、民間とほぼ均衡が保たれておるということが明らかになりましたので、今回はこれを据え置くことといたしております。なお、期末、勤勉手当の支給期別の割り振り及び期末手当の在職期間に応ずる支給割合等につきまして、制度運用上の実情を考慮いたしまして、合理化をはかることを考えております。  最後に、この給与勧告の改定の実施時期は、これが官民の給与の較差、四月を基準として求められました較差によるものでありますことを考えまして、本年も五月一日にさかのぼって実施していただきたいということにいたしておるわけであります。ところが、先ほどおことばに出ましたように、政府に対する勧告の関係では、さきに八月三十日に閣議決定がございまして、通勤手当は五月までさかのぼるという意味で、やや前進は認められますけれども、依然として五月という完全実施からは、はなはだほど遠い決定になっているわけでございまして、われわれとしてはきわめて残念に思っておる次第でございます。私どもの勧告は国会に対してなされておるわけでございますし、これから国会の御審議によってこの勧告が完全に実施されますようこの機会に強くお願いしておく次第であります。  それからことしは給与勧告とあわせまして、並行いたしまして、多年の宿題となっておりました寒冷地手当の改正についての勧告を申し上げました。これについて簡単に触れて御説明をしておきたいと思います。  かねがね寒冷地手当の改正については検討いたしておりましたのでありますが、その研究が熟しまして今回相当根本的な改定を加えました。その改定の最も重点となりますのは、従来御承知のように寒冷地手当につきましては、五級地から一級地までの地域区分がございますが、それぞれの地域区分に応じまして定率額によってこれを算定しておった。これが主体となっておったわけであります。その定率額は、たとえば北海道に在勤する人たちを例にとりますと、俸給の百分の八十五というような額を寒冷地手当として支給されているわけで、それとともに石炭手当その他の手当がありましたが、要するに主体であります部分は、定率条項で扱われておったわけであります。ところが御承知のように近年毎年の給与改定によりまして、俸給が次々と上がってまいりました。最初この手当の制度が出発いたしましたときに比べますというと、この定率額、それから先ほど触れました加算額に当たる石炭加給あるいは薪炭加給等々の割合が非常に狂ってまいりまして、高い俸給をおとりになっている方々については、たいへん寒冷増高費から見ると多過ぎるのではないかという額が出てくるようなことになってまいりました。これをこのまま放置いたしておきますというと、ますます寒冷地手当の本来の趣旨から遠ざかっていくであろう。メスを加えるならばこの機会であるという立場から、従来の定率額本位のたてまえに改正を加えまして、その定率分を今度は新しい定率分と新しい定額分に分解したわけであります。新しい定率分の最高割合は百分の四十五といたしました。それから新しい定額分は、各級地ごとに職員の世帯などの区分に応じて支給することにいたしました。その最高額は、扶養親族のある世帯主であるところの職員については二万六千八百円、扶養親族のない世帯主である職員につきましては一万七千八百七十円、その他の職員については八千九百三十円ということにいたしました。なお経過的な措置として、これらの制度の切りかえによりまして損になるというようなことのないような手当をあわせて講じております。  それから従来の石炭加給あるいは薪炭加給、これは一応そのまま残しました。ただし、この石炭あるいは薪炭等の値上がり等々がございますために、これはこれとして増額いたしました。すなわち北海道に勤在する職員に支給されるいわゆる石炭加給、これは世帯主である職員については旭川、帯広等の甲地の場合には二万九千八百円、札幌等の乙地の場合には二万七千三百円、函館等の丙地の場合には二万五千六百円といたしております。それから北海道以外の五級地、四級地に在勤する職員に支給される加算額、いわゆる薪炭加給は、これは世帯主である職員については一万一千円をこえない額ということにいたしております。  なお、右の基本的な改正に合わせまして、従来始終御議論のありました寒冷地手当の支給地区分についても十分検討を加えたわけでございます。その検討の結果、昭和三十九年、さきの改定の場合に比べまして、今回三十三市町村及び若干の官署について級地の引き上げを行なうことといたしたわけであります。この関係の改正実施時期は、御承知のように寒冷地手当の基準日は八月三十一日ということになっておりますので、今回の改定も本年の八月三十一日から実施することにいたしておる次第でございます。  何とぞよろしくお願い申し上げます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ちょっと一言だけお伺いしておきますが、これは先ほどの政府の閣議決定の前に、国家公務員共闘からこの給与の問題ですから話し合いをしたいという申し入れをした。これが今度応じられなかった。これは前例のないことで、いままでは勧告をして行なわれた。これについての人事院総裁の見解をこの際明らかにしてほしい。これが一点、どう思いますか。

佐藤達夫人事院総裁

○説明員(佐藤達夫君) 私どもは政府で、あるいは政府をめぐってどういう動きがあるかどうかということは、実は実情は知らぬ立場におります。先ほどのお話を聞いておっても、それがいいとか悪いとかというような判断は、それはする必要もないんじゃないかという気がします。私どもは、今お示しの公務員組合の諸君とはしょっちゅうそれはお互いにいやになるほど接触をしてやっております。その点では全然御心配は要らない。政府の関係のことはむしろさっぱりわかりませんし、批判もいたしません、こう申し上げてもよろしいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 あなたは七月三日には法曹会館で、人事院、あなたと、それから国公共闘と会談をやっておる。その席上ではっきり言っておるじゃないですか。勧告の内容について労働組合が不満足な点もあろう。それについては政府が勧告実施にあたっての問題として大いに政府とやってよろしいというふうなことをあなたは言っている。だからそういう形でここでまるでしらを切ったような言い方ではいかん。そういう意思として了承してよろしいですか。

佐藤達夫人事院総裁

○説明員(佐藤達夫君) それは法曹会館の話は、また話をしだすといろいろありますのですが、これは実は勧告問題ではないのです。その勧告そのものの問題ではないのです。私のほうから国公共闘のほうへすわり込みに行くぞと言ったところが、こられても迷惑だから、第三の場所で会いたいという話で会っただけの話で、これはまたこれで別ないきさつがあるのです。その話でいろいろ雑談で出ましたけれども、とにかく勧告については、われわれが一生懸命やるということと、それから完全実施を、これは大いにがんばらなきゃいかぬということを話したことは事実であります。それ以上いまのお話というのはちょっとよくわかりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 労働組合がその給与の問題で話し合うことについては、人事院としては、それはその権利を認める立場に立つでしょう。国公法解釈の問題もあると思います。いままでの慣例があるのです。そういう慣例をやはり尊重されるということは必要でしょう。あなたの立場としては、勧告をあくまでこれは中心にしてやっていくだろう。それに対する労働者のいろいろな意見がある、要求がある。勧告に満足なんかしていないのだ。これについて政府と話し合う、その権利については、これは当然人事院としては、私ははっきり認めるということが重要だと思うのです。どうなんです。国公――国家公務員並びに地方公務員がその権利を擁護するという立場に立つならば当然でしょう。それはそれでいいことなんだ。そう言っておいたほうがいいのじゃないですか。

佐藤達夫人事院総裁

○説明員(佐藤達夫君) これは詳しい話をすると幾らでもこっちは言い分があることでありますけれども、要するに問題点は、人事院の勧告権というものと、政府の給与の決定権をめぐる実は論争があるわけです。私どもは勧告を出す前に、人事院を尊重してもらいたいということ、ただ勧告がいよいよなされたあと、この実現のためには、それは政府に対してどんどん要請されるのはいいのですよ。勧告の前に、こういう給与決定をしてもらいたいということを、人事院を抜きにして政府のほうにいらっしゃるから、あなた方は一体人事院をいかに考えているのかということからいまの話が始まったのです。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 勧告が出てから後にそういう要求をすることは、これは重要だし、それははっきりそういう点について交渉権というものは、これは人事院としても確認しなきゃいかんと思うのですよ。違っていますよ。その前のことじゃないのですよ、混同しているから。それならばいいでしょう。はっきりした……。

井川伊平自由民主党

○委員長(井川伊平君) 本件に関する質疑は後日に譲りたいと存じます。  次回は参議院公報をもってお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十七分散会

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