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59回国会参議院1968/10/29

逓信委員会 閉会後第1号

発言数
154
登壇者
18
会派数
4
開催日
1968/10/29

会議録

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  委員の異動について報告いたします。  去る八月十九日沢田実君が委員を辞任され、その補欠として白木義一郎君が選任されました。     —————————————

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) まず、委員派遣の報告に関する件を議題といたします  先般当委員会が行ないました郵政事業、電気通信事業及び電波監理並びに放送に関する実情調査のための委員派遣についてそれぞれ派遣委員から御報告願います。第一班、松平君。

松平勇雄自由民主党

○松平勇雄君 私は久保委員長及び新谷委員とともに去る九月二日から五日間、東北、北海道両地方における逓信関係業務の運営状況を視察してまいりましたが、その詳細につきましては、委員長のお許しを得て会議録にとどめたいと存じますので、御了承をお願いいたします。  以上、簡単ではありますが、御報告いたします

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) 次に、第三班、長田君。

長田裕二自由民主党

○長田裕二君 私は、森委員及び白木委員とともに去る九月十六日から五日間、四国、中国両地方における逓信関係業務の運営状況を視察してまいりましたが、その詳細につきましては、委員長のお許しを得て会議録にとどめたいと存じますので、御了承をお願いいたします。  以上、簡単でありますが、御報告申し上げます。

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) 次に、第二班、村尾君。

村尾重雄民主社会党

○村尾重雄君 私は、永岡委員及び西村委員とともに去る八月二十六日から四日間、信越、北陸両地方における逓信関係業務の運営状況を視察してまいりましたが、その詳細につきましては、委員長のお許しを得て会議録にとどめたいと存じますので、御了承をお願いいたします。  右報告いたします。

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) ただいま各班から報告のありましたとおり、別に文書をもって派遣報告書が提出されておりますが、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  別に御発言がなければ、派遣委員の報告はこれをもって終了いたします。     —————————————

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) 次に、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。  本件に関し、質疑のある方は順次御発言を願います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 大臣が閣議の関係で御出席がおくれるようであります。高橋政務次官が御出席ですから、質疑を始めてまいりたいと思いますが、最初に、前田会長に公務員制度審議会の会長を再任されたことについて御所見を承りたいと思います。  この問題は、すでに私が過去二回本委員会において取り上げました。私は、この放送法の中に会長の兼職については、少なくとも営利を目的とする団体の役員またはみずから営利事業に従事する場合は禁止するという規定がございます。この精神は、会長が本来の協会会長としての職務に専念する、こういうことを第一義的に考えて定められた規定だと存じます。この法律はもう年月がたっておりますので、今日一千億に近い予算を計上して、膨大な放送業務を行なうという段階よりずっと前の当時でありますから、私はむしろいまの段階にまいりますれば、もちろん放送関係のいろんな団体等もありますので、そういうところへの御就任は当然だと思いますけれども、原則としてそれ以外は兼職ということはおやめになって、そして協会としての本来の放送事業に専念していただくということが筋だと思いますし、そういう段階にきているような気がするのです。そこで前回も四十二年三月三十日に再度私がこの問題について会長の所信をただしておりますが、そのときもきっぱりと私はやめますと、こう言われておるわけです。やめさせてもらいます、やめますと、こういうふうに言われておったのですが、私はそれを信頼しておったのですが、その後公務員制度審議会が委員の再任をめぐって非常に難航したことも事実です。そしてまた会長の御所信があるにかかわらず再三にわたって政府からもまた懇請があったようですし、その他の方面からも強い懇請があったことですから、よくわかりますけれども、私は委員会の経緯もありますから、前回会長の御所信を承っておる以上は、きょうここにあらためて会長の御所信を承っておきたいと、こう実は思いまして、そのお考え方をお聞きしたがったのでございます。すでに二十五日でございますか、第一回の会合を開かれておるようでありまして、その任やきわめて重大だと存じますが、ひとつこの機会に所信を承りたいと思います。

前田義徳日本放送協会会長

○参考人(前田義徳君) ごもっともの御質問と考えます。二年数カ月前私は公務員制度審議会の会長を辞任いたしまして、またその間当委員会におきましても、またあるいは予算委員会等においても、私の公務員制度審議会委員との関連での所信をお尋ねいただいたわけでありますが、私といたしましては、当委員会における発言どおりこれを再び受ける意思はございませんでした。ただ、今回御指摘のような環境の中から私としては受けざるを得なかったわけでございますが、去る二十五日の第一回の公務員制度審議会の初めにおきまして、私は、はなはだ失礼ですが、こういうことばを使ってごあいさつを申し上げました。こういうときには、日本古来の慣習的まくらことばとしてははからずもということばがございますが、私の場合、今回は心ならずもというまくらことばを使わせていただきたいということを申し上げたわけでありますが、これが私の心境でございます。放送法上の会長の兼職禁止につきましては、これは常勤的なものを主として指摘しているのではないかという考え方もございますが、いずれにしても放送協会の会長というものは、御指摘のとおり各界との仕事を同時にやるという性質のものではなく、本来その全身全霊を注ぎ込んで国民の機関としての放送の本質を守り、かつ維持し、かつこれを発展させていくことが本務と考えております。そういう意味で、私といたしましては、できるだけ放送以外の仕事、あるいはそれと関連するいろいろな御委嘱については断わりたいという考え方には今日も依然として変化はございません。いま申し上げたような環境と、私がその環境に応じた私の考え方、気持ちを御理解いただきまして、私としては、そういう気持ちであるということを申し述べて、不完全とは思いますが、お答えにかえさせていただきたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 御所信はわかりました。心ならずもという率直な気持ちだろうと思います。ただ、私たちが心配するのは、この公務員制度審議会は非常に重要な委員会だと思います。前回もあなたが参画されて一つの結論をお出しになったのですが、労働問題の基本に関することですから、かなり長期間、しかも相当数を重ねて委員会が開かれるのではないかと思うわけであります。そうなりますと、必然的に協会のほうもお留守になるということになると思いますが、その点は政府も任命した立場、あなたもお受けした立場があるわけですから、十分副会長以下協会一致協力してそういった支障のないような万全の措置をとっていただくことを私は期待いたしますが、少なくとも国会の審議等に、この制度審議会のために支障があるというようなことになりますと、これは困るわけですから、その辺の御配慮は十分しておいていただきたいと思います。

前田義徳日本放送協会会長

○参考人(前田義徳君) 御趣旨の点は当然でありまして、国会——委員会との関係は、私としても十分心得て仕事を続けてまいりたいと考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 次に、前回保留にしておきました京都放送局の同志社大学井ケ田教授の「私の発言」の放送中止について再度お尋ねをしたいと思います。  前回、私は井ケ田教授の発言の内容がわかりませんでしたので、録音によってその速記録をとっていただきました。これを拝見いたしますと、前回川上理事がおっしゃいましたように、靖国神社法というものの内容についてほとんど論述されておりますが、拝見しますと、これは自民党の有志議員でつくられているところの遺家族議員協議会、ここで靖国神社法というものを起草されて国会提出という方針をきめた。そこで、明治百年を迎えてこの法案というものがどういう意味を持つかということで述べられておるのですが、これはこの法案をおつくりになりました遺家族議員協議会の皆さんの法案の内容を紹介しておるようですね。最後に、これがお話のように「日本軍国主義復活、戦争国家復活の一里塚としか考えられない。」、こういうふうに述べておられます。そして、最後に井ケ田教授は「日本の歴史を学び、正しい反省と教訓をくみとり、日本国憲法の改悪に反対し、再び戦争をしないと心に誓うことが何より必要だと考える。」、しかもその中に、私どももそうでありますが、井ケ田教授も国のために犠牲になられたこれらのみたまに対して、国民がこれを慰めるという努力をしようということについてはだれも考えていることであって異存はない。ただ、そのやり方についての問題をあげているのですから、私はこの内容を見て、どうも放送を中止しなければならないようなものではないと思うのです。川上さんがこの前おあげになりました理由の  一つは、当時NHKがまだ全国的に靖国神社法の問題については、ニュースで一部伝えた程度であって報道はしていない、これが一つですね。それから、その当時まだ内容について入手をするに至っていない、これが二つ目です。それから三つ目に、将来の軍国主義につながるものである、こういうものはいわゆる放送法四十四条三項四号あるいは国内放送番組基準というものからしてよくないというので、中止したと、こういうことですけれどもね。放送法四十四条三項を見ますと、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」、こういうふうに規定しております。それから放送法第一条二号における「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること。」こういう放送法の「(目的)」というものもあるわけであります。だから私はここで川上さんの言っておるこの三項四号ですね、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」、これにどうもひっかかるというお話のようですけれども、これはそうではないと思うのです。私はこう思うという意見を述べることがいけないということではなくして、そういう意見がもし対立する場合には、いろいろな角度からの意見をやりゃいいということであって、必ずしも同時にその問題に対する意見を放送しなければならぬということではないと思うのですよ。だから井ケ田さんがそういう御意見がありましたら、これに反対する御意見をまた出す、これはもう当然ですから、むしろそういうような編集方法をとりなさいということであって、少なくとも「私の発言」という表題を与えて、自分の考え方を述べようとしたものが没になったということについては、非常に問題があると思うのです。  私は、今後のこの放送番組の扱い方についても、基本的な問題として一つ心配されるのは、われわれは日韓のある条約の国会審議を通じても考えられることでありますが、非常にこの言論報道に対するいろいろな介入というものが出ておるわけです。これは具体的に幾つかの事例がございまして、私も社会党のほうの放送番組不当介入調査特別委員長というのをやっておりまして、民放の皆さんやあらゆる角度の皆さんにいろいろな具体的な例を聞いておるのでありますが、かなりあります。これは、具体的にそういう段階にやはり報道の中立性を守っていくということは、NHKに課せられた私は大きな使命であると思うし、これをもし不当に介入しようとする動きがあるならば、これはもう断固排除すべきだと思います。特に、これから非常にむずかしい段階に入ってまいりますから、マスコミというものがたいへんな力を持っておる段階に、かりそめにもあるものが一つの放送に対して不当介入をするということは許されないと思います。  そういった客観的ないろいろな情勢の中で、私はこの問題を考えておりますから、ひとつどういうふうにやったら今後ほんとうに言論の自由というものが保障され、協会の番組の中に、この放送法に規定された意見というものが出てくるか、これをお互いに考えていきたいというつもりで実はこの意見を出しておるわけです。ですから、法律に結びつけてやろうとしてもなかなかこれはむずかしいと思いますので、今後こういったことがかりにあった場合に一体その扱いをどうするか、こういうこともひとつ含めて協会側の意見も伺っておきたいと、こう思って締めくくり的に伺いたいのでありますが、これはひとつ川上さんなり、また、最後には会長からもぜひ御意見を承りたいと思うのです。

川上行蔵日本放送協会専務理事

○参考人(川上行蔵君) いま先生からお話がございましたように、NHKの放送番組というものは、常に論点を明らかにして公正に扱っていこうという態度が基本的な方針であります。そういう意味におきまして、私たちはいつもいろいろな論議を考えます場合に、一方的に切り捨てになるとかあるいは相手の言い分も聞かないで一方的な前提を置いて、そして結論を出すということを常に避けようというそういう意味におきまして、できるだけ両方の立場の方がそれぞれ関係していらっしゃれば、両方の方からそれぞれの意見を聞いて、その積み重ねの上に論議を重ねていっていただくという形を考えております。そういう意味におきまして、今回の意見につきましても、井ケ田先生が、いま先生がおっしゃったように自民党有志議員がこういう内容で考えているらしい、これはけしからぬというように、一つの前提を置いて、仮定を置いて、推測と申しますか、そういう前提の上に立って議論を進めていらっしゃるので、そうではなくして、それじゃそういう前提を置かれる以上は、その人たちも直接放送に出てきていただく、そうして両方対照して放送していただければ、一般の方はかえって得心がいくのじゃないかという形で、前回申し上げましたように井ケ田先生の放送をやめるという立場ではなくして、先生の御意見の前提になっているそういう意見もあわせて併列して出せば一般の聴視者がよりよくわかるのじゃないかというたてまえで、編集上の技術ということ、それから同時にこの番組のねらいというものをより有効に一般の方にわかっていただけるのじゃないかという立場でお願いをしておったという形でございます。それで、いま先生がおっしゃいましたように、われわれといたしましては、常にいろいろな場合に問題が提起される、その問題を言論の立場において取り上げていくということになりました場合に、いま先生がおっしゃったように、基本的に常に両方の論点を明らかにしていこうという立場は変わっておりません。また、今後もそれを続けていかなければいけないのじゃないかと思います。かつてNHKでも幾つかの放送番組で問題になったこともございますが、それは常に一方的な切り捨てということがあったがゆえに問題になったので、その点はそれ以後組織的にもいろいろな形を考えまして、その両方の論点が十分に聴視者に納得がいかれるという形で番組をつくっております。今後ともその道を踏襲してまいりたい、このように考えます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ちょっと川上さん、この井ケ田先生が放送した靖国神社法案というものがこれは推測というんですが、そうではなくて、先生の言っているのは、昨年の六月自由民主党の有志議員でつくられている遺家族議員協議会で靖国神社法が起草され国会に提出の方針がきめられたことは間違いないのです。そしてそこできめた内容については、まず靖国神社は戦没者、国のために死んだ人々を祭り感謝する行事を行なう、これが一つ、第二は靖国神社は宗教活動はしない、第三はこれを国営にする、こういう趣旨のものだと、これは有志議員団がきめられた内容をそのまま言っておられるわけです。ですから決して先生の推測でも何でもないわけです。これは事実に基づいてその事実を言っただけであって、あなたが言われるように推測の記事ではないんです、これは。だから、そうなりますと、私はこういう法案が出ているが、これに対してこう思う、いや、こう思うといういろいろ意見があるでしょう。その意見を同時にこの「私の発言」の中で座談会的にやろうということは一つの放送技術上いいでしょうから——いいでしょうけれども、この場合には井ケ田先生が、私はこう思うという意見を発表しようとしたら、それを中止したということはおかしいじゃないか。だからもし違う意見があったら、次の発言のときにそれをやられればいい、こういうことだと思います。放送法の第三条に「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」、これだけ保障をしているわけでしょう、第三条では。ですから、私はちょっと四十四条だけを引っぱり出してきて、どうも違った意見を同時にやらなければ気が済まぬようなことをあなたはおっしゃるけれども、そうではないと思うのです。この四十四条というのは、私はそうじゃないと思うのです。それでなかったら言えないじゃないですか。たとえば六時五十分から七時まででしたか、「私の発言」というのがありますけれども、あれでもいろいろ言いますね、そうでしょう。だから、あれは自分が言おうとすることを言わしているわけです。それをいけないということはないと思うんです。  しかも、いいかげんな推測記事だとか、憶測で言っているものではなくて、事実は事実として、私はこれはこうだということをお述べになっているのですから、これを中止したということは、やはり問題じゃないかという議論が出るのは当然じゃないでしょうか。

川上行蔵日本放送協会専務理事

○参考人(川上行蔵君) 一般の聴視者として、私たちは情報としてそういうものはとっております。しかし、それは記者活動の一端としてまだ外へ出ない形としてとっておりましたので、一般の聴視者の方々は、こういう放送というものが出た場合において、是非、善悪というものをやはり判断できる、あるいは前提知識として、そういう両面があわせて出たほうがいいんじゃないかという立場でいま私が申し上げておるわけであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それは少し国民に対して失礼です。それは国民は、ニュースが出たから——それが出なければまだその発言をしちゃいかぬというのでなくて、やはりニュースが出ようが出まいが、自分がどういう発言をしようがこれは自由にできるはずです。だから、放送技術の問題として一つの規定を設けておるのでしょう、放送法というものは。だからやっぱりそこには問題があるということは私は事実だと思うのです。だから、これはあとから言おうとするあなたの気持ちはよくわかります。ですからできれば座談会的にそういう問題を論議していくということはいいのですけれども、どうも井ケ田教授がだいぶ怒っているように、録音して五、六日たって、いよいよあす放送という日に中止されたということについては、どうも割り切れない、こう言っているでしょう。私はもっともだと思うのです。ですからそういう解釈でなくて、やっぱり自分の意見というものは意見として、率直に言わせるのが私は放送法のたてまえだと思います。それをいろいろな角度から取り上げていくということをNHKはおやりになればいいのです。どうでしょうか、これは会長に。非常にむずかしい問題だと思いますけれども、一体今後——これはあまりにも政治的な問題で、しかも参議院選挙の前だ、ちょっと政治的なにおいが強過ぎるというほうの観念が先にいって、やめたほうがいいと、こういうことになったんじゃないか、私はこう思うんです。選挙前にもう一回靖国神社法について、そうじゃないのだ、私は賛成だと流せる余裕があったものか、その点は六月のことですから、時間的に私はよくわかりませんけれども、そういう配慮ができないために参議院選挙に入る前に一方だけの発言が出て、そのままそのように入っていくということになると、やっぱりこれは問題だ。そういうことの政治的な配慮はわかるわけです。だからその辺の考え方が、川上さんのはちょっとおかしいと思うのですが。何でもそれだったら、同時に違った意見もやらせなければ済まぬというのでしょう、あなたの言われることは。そうじゃないです、四十四条というものは。そんな考え方で、もしやられたとすれば、これはたいへんなことだと思います、どうでしょう。

川上行蔵日本放送協会専務理事

○参考人(川上行蔵君) いまお話がありましたように、私たちも常に同時ということは考えておりません。たとえば最近の学生問題につきましては、ある場合においては学生だけの意見を聞き、ある場合においては教授だけの意見を聞くという形で、順次時間的な差を置きながら十分両方の意見を聞くという形をとっております。ただ、この場合におきまして、おそらく京都の局長が配慮した点は、いま申しましたように、この問題が初めて出てきたという形で、十分熟知されていないという形におきまして、やはり両方の意見が並べて出たほうが非常に理解がいくのだという形でそういう配慮をして、次に反対の意見の方も交渉してお願いをする、あるいはそれを並べて出すという形をとるようにする、暫時御留保さしていただく、こういう形の方式にしておりますということで御了承いただきたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうするとまだ井ケ田教授の「私の発言」というのは、扱い方はペンディングになっているというのですね。これはひとつ会長に率直に伺っておきたいのですが、私はこの問題を前回の委員会に取り上げたのです、しかも非常に事が大事なことですから。さっき言ったように、マスコミに対する非常に目に見えないいろいろな圧力がかかってくるような気がするんです。だからそのときにこそ、私は言論放送の自由を守っていく公共放送としてのNHKの使命というものは大きいというふうに考えているわけです。ですから、少なくともこの問題をどう扱っていくかということについては、協会としてその執行部の皆さんもおられるわけですから、そういうところで十分に研究をしていただくようなことは、これに関する限りまだやっていないのでしょうか、そういう意思統一のない中で、きょう答弁されているのでしょうか、そうであれば、もう一回この扱いについて少しあいまいな点がありますから、御協議をいただいて、次の機会にでも今後のあり方について、ひとつ協会としての考え方を聞かしてほしいと思うのです。

川上行蔵日本放送協会専務理事

○参考人(川上行蔵君) 私のほうでは京都の局長を通じまして、いま申し上げましたように、両方の対立した意見が出るという形で放送をお願いしたいということを、この五月末に放送を一応保留していただいた以後も引き続いてお願いをいたしておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、井ケ田教授の靖国神社法に対して軍国主義に通ずるものであるというような御意見が一方にあるわけです。今度は片方には、そうでなくして、国家のためにとうとい命を失った戦没の英霊を守るためには靖国神社が必要だというずいぶん強い意見がありますから。そういう意見を同時に放送するような形で座談会というものをいまやろうとして考えている、これはわかりました。それならもう一つはっきりしておきたいのは——それはそれで私も賛成ですし、けっこうです。ただ、本件の「私の発言」の扱い方については、やっぱりそれでは解決しませんから。いいですか、あなたのおっしゃるように、必ずしも放送法四十四条三項が一つの意見だけを流していけないということではないと、だから対立する意見があれば、また次の日に「私の発言」をやってもらうということはあり得るわけでしょう。そういうことが肯定されるならば、なぜこの問題について中止したかということになると、きわめて政治的な問題であったということになるでしょう。それしかないでしょう、理由は。私はそう思います。だから、要するに私の心配するのは、今後の問題として、何かあなたのはさっきから聞いていると、発言が同時に出ないと、放送法四十四条というのは、そうきめているのだというようにとれるものですから、そうでなくて、やっぱり個人としての発言というのはできるんだと、それをNHKはいろいろな角度からの人を順番にやっていくのですから、そういうのがこの解釈だというふうになれば、私は了承できるのです。その点だけはっきりしてください。

川上行蔵日本放送協会専務理事

○参考人(川上行蔵君) お話がありましたように、両方同時に出るということは必ずしも私たちは拘泥いたしておりません。ただ、私たちはそういう立場において保留したのだという事情を御了解いただきたい。その上に立って、次にどう扱うかということは御相談しますということを申し上げてあるので、ところが、先生のほうはあくまでも保留したのはけしからぬということの立場で、その以後のことについては一切触れないで意見がそのまま対立したという形になっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 いや、それはやっぱり対話をしていけば、質疑をしていけばできることなんです。あなたが同時に出なければいかぬと固執すると、私のほうではそんなことはないだろう、四十四条というのはそうでなくて、各個人の意見というのは言えるはずなんだと、いろいろな意見を取り上げて、あらゆる角度からやるのが協会のいわゆる放送番組をつくる場合の放送法の精神じゃないか、こう言っているのです。そこのところがはっきりしないものですから、私のほうではいまでも放送を中止したことはおかしいと思っています。私はなぜじゃ次の機会にそういう反対の意見をやらせなかったかということです。あなたが各個人の発言を認めればそうなるわけでしょう。ただし、これは政治的だと思うのです。私は考えてみれば、そういうことがたびたびやられては困るということです。今後こういうことがないようにしてもらうということが私の言わんとするところです。だから、過去のことは、これはもう済んだことですから。いまさら六月の放送をやるというわけにいかぬですから、それはもうそれとしてやむを得なかったと思いますけれども、その配慮についてもう少し考えてほしいと、われわれが納得できるような、これこれこういうわけでこれをやりましたというのは——一部はわかりました。わかりましたけれども、基本的なやはり協会の放送の番組の編成に対する考え方というものがはっきりすれば、私はそれでいいのです。過去は過去として今後大いに井ケ田さんの意見も尊重して、同時放送であろうと、あるいはまた別の機会であろうと、そういう意見もやはり国民の中にはあるのだということを知ってもらうということをしていただけば、私はそれでいいです。だから別に私は対立するために対立しているわけじゃなくて、問題点をはっきりしておかないと今後の問題があると思うから、私はこの問題を取り上げたのです。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) 放送法四十四条の解釈問題にかかっておるようでございますが、鈴木先生のおっしゃいますような、意見が対立いたします場合に一方の放送をいたしますと、同様な手段をもって他の意見もこれも放送に出さなければならぬ、こういうのが四十四条の精神であります。その意味から申しますと、必ずしもこれは同時ということのみをいっておるわけではないのであります。時期を異にして違った意見を出すということも四十四条の精神でございましょう。ただそれでは同時のそれは含まないかと申しますと、事非常にはなはだしく対立する重要な問題、特に靖国神社の問題等は、日本の歴史の一こまにおけるきわめて悲痛な問題でございます。これには反対意見もございましょう。積極的な賛成意見もあるわけでございます。そういうような種類の問題については、時期を異にいたしますよりは同じ場で討論をしたほうが好ましい問題であろう、こういうような見地をわれわれとしては持つわけでございまして、これまた放送法四十四条の規定の精神に反するものではないと、こういうように解釈いたしておる次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 小野副会長のいまの御答弁で大体わかりました。ですから、扱いを非常に慎重にしていただかないと、やはりせっかくやった本人からしてみるとけしからぬというのはこれは当然です。確かにやり方がちょっと不手ぎわな点があったと思います。  じゃこれでこの問題はおきまして、次にテレビの共同アンテナ会社の問題でお尋ねしたいのですが、これは協会の皆さんの御出席をいただいておりまして、大臣が来ておりませんからほんとうは大臣がいたほうがいいのですけれども、次官いらっしゃいますから質疑を続けます。  最近、東京とか大阪等の大都市に御承知のように高層ビルがどんどん林立しておるのですが、この高層ビルが実はテレビの電波をさえぎり映像が非常に不鮮明になる、こういうふうな問題が出ておりまして、これに対するNHK側の難聴地域の解消、この一環としていろいろの施策をされておるようですが、なお不十分の点もあるように思います。したがって、そういうところに目をつけたある方々がこの共同アンテナ会社というものをつくって、いまアメリカ等でやっておりますコミュニティ・アンテナ・テレビというのですがね、CATVというのですが、こういうふうな放送方式というものを日本につくろうと考えて、すでにこの十三日から仕事を始めているようです。もちろんこれは有線放送業務の運用の規正に関する法律というのがありまして、放送当事者の了解を得ない限りはこの放送者が放送したものを再放送することはできないという法律上の制約があるわけでして、あとはどうも大臣に届け出ればその会社は動いていくというようなことで、たいへん問題があるところだと思います。だからこれは、法制的にもわれわれはもう一度真剣に再検討して、すみやかなる機会に立法措置を——改正措置を政府にもお願いしなければならぬと思うのですが、差し迫ってもうすでに現行の法制の中で設立された会社も出ておりますので、私は少しこの問題についてきょうは伺っておきたいと思います。  監理局長に、次官がいらしていますから、次官でもけっこうですが、最近東京の新宿でそういう会社がスタートしたのですけれども、発足したのですけれども、この内容について把握されておりますか。  それからもう一つは、これは協会のほうも関係ありますが、一体、東京、大阪等で高層ビルのために電波がさえぎられるような場所は大体どのくらいあるか、それをちょっとわかっておりましたら伺いたいのですが。

石川忠夫郵政省電波監理局長

○説明員(石川忠夫君) 第二の御質問の、ビル陰障害の世帯数がどのくらいあるかという御質問でございますが、実はこれをどの程度の障害の場合にビル陰として取り上げるかということが、いままでのところはっきりいたしておりません。したがいまして、現在までのところは東京都内に何世帯ぐらいがビル陰障害にかかっているかという十分な調査はできておりません。ただ、新宿だとかあるいは市ケ谷地区等に最近の高層建築ができたために、反射波のために二重像ができるあるいは非常に見えにくいと、こういうところができて、関東電波監理局なりあるいはNHKのほうに申し出ている、そういうふうに聞いております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、この実態調査というのはどこでもやっていないんですか。こういう問題が起きても、事実はどうなのかということについては調べておらないですか。

石川忠夫郵政省電波監理局長

○説明員(石川忠夫君) それぞれの地区の受信者からのいろいろな申し出によりまして、関東電波あるいは地方電波監理局あるいはNHKにおきまして調査はいたしておりますが、総体としてどのぐらいあるかということははっきりわかっておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それでは、この日本ケーブルビジョン放送網というこの会社が設立されたことを知っているわけですね。

石川忠夫郵政省電波監理局長

○説明員(石川忠夫君) 存じております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、その会社が、届け出はもちろんしたわけですね。

石川忠夫郵政省電波監理局長

○説明員(石川忠夫君) 先ほどお話のありました有線放送業務の運用の規正に関する法律の第五条に「(再送信の同意)」と、こういう事項がございまして、「有線放送の業務を行う者は、同意を得なければ、放送事業者の放送を受信しこれを再送信してはならない。」と、こういう規定がございまして、この再送信の同意が得られておらないということで届け出書の受理はいたしておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、届け出をしないであれですか、今月の十三日ですか、始めているということですか。

石川忠夫郵政省電波監理局長

○説明員(石川忠夫君) ただいま申しました法律の第十条に適用の除外がございまして、臨時かつ一時的目的のために行なわれるものについては業務についてはこの法律の規定は適用しないと、こういうことになっておりまして、届け出を要しないと、こういうことになっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 適用除外によってまあかってに仕事を始めたと。で、郵政省としてはそれでいいんですか。

石川忠夫郵政省電波監理局長

○説明員(石川忠夫君) まあ実質的には、このたびのオリンピックのテレビをぜひきれいな絵で受信したいという新宿の施設者というか、受信者の要望にこたえなきゃならぬと、こういうこともございまして、実質的には私どもも了解しているところでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 どうもそこのところがわからないんです。実質的には了解しているというのでしょう。監理局としては届け出も何にもまあしない、それは規制上例外規定があればそれでいいんでしょうが、原則としてやはり放送当事者の、放送事業者の同意を得るということが原則なんです。まあ一カ月間だから、除外になっているから、それでいいんだと、認めていると、それだけじゃ能が足りないんじゃないですか。もう少し行政的な指導というのはしたんですか。これはスタートするからには、大事なところですから。初めて日本にこういうCATVというのが出てきたわけでしょう。ですから、私は少し安易に思うんですが、いまの御答弁は。

石川忠夫郵政省電波監理局長

○説明員(石川忠夫君) もちろん、受信者の立場がありまして、できるだけ見せてやりたい、見せなければならない、こういうことでその手段としての共同聴視施設を利用するということが望ましいことでございますので、放送事業者のほうにも同意が得られるように指導したわけでございますが、結果的には得られないということで、今度のまあ臨時的ということで一カ月間を限ってこの第十条の適用を認める、こういうことにしたわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 その届け出の義務も全然ないというのがこの法律解釈でしょうかね、再放送する場合の放送事業者の同意ということははっきりうたっております。しかし、その有線放送システムを、こういうものをつくっていく場合に全然届け出をしないでかまわぬということですか。

石川忠夫郵政省電波監理局長

○説明員(石川忠夫君) その問題は先ほども申し上げましたように、第十条の適用の問題、第十条の「臨時且つ一時の目的のために」ということをどういうふうに解釈するかという問題であろうと、こういうふうに考えます。  で、私どもといたしましては、この十月十三日から十一月十二日までの一月間をこの第十条による一時的、一時の目的、こういうふうに解釈したわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、「臨時且つ一時の目的」というのは一カ月のときもあるし、十日のときもあるし、三カ月のときもあると、そういういいかげんなものですか。

石川忠夫郵政省電波監理局長

○説明員(石川忠夫君) その目的によってやはり期間は十日になる場合もありましょうし、一月になる場合もあろうかと、かように存じます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、実際には届け出はしないけれども、郵政省としては相談に乗って一カ月ならいいでございます、こういって許可したのじゃないですか、それと同じじゃないですか。

石川忠夫郵政省電波監理局長

○説明員(石川忠夫君) 暗黙の了解を与えたと、こういうことでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そこで、暗黙の了解を与えたというのですけれども、あまりにも私は少し軽率なような気がするのです。もっとほかに手段を講じて難視聴地域の解消については、これはNHKにもひとつの使命を与えておりますし、そういう手段によってオリンピックの期間だけ、どうも宇宙中継のテレビ放送が見えないと、そこでこの会社がやらしてくれと、こういうことでやったのですか。第一の共同聴視によるそういう問題について今後どういうふうに解決していくかというこれは基本の問題であるし、日本に初めて導入されることなんですから、まあこの質疑の中で石川さん簡単なように私にとれるような答弁をしているので、もっと慎重に配慮されていると思うのですけれども、これは画期的な仕事ですから、私はいまの答弁だけでは、非常に機械的にやったような気がするので、それではいかぬと、もっと広範に、法体系、その他も十分考えた上でやむを得ず省としては共同聴視のほうもなかなかうまくいかなかった、したがって一カ月ということを限定して認めたのですというなら話はわかりますけれども、私たちはうんと意見があるのです。これについては大いに論争して制度上のやっぱり抜本改正をしなければならぬということはあなたも認めていると思いますけれども、私たちも同じなんです。この点は、だからもっと慎重にやったのでしょう、非常に簡単に答弁するからわからないです。

石川忠夫郵政省電波監理局長

○説明員(石川忠夫君) ただいまお答え申し上げましたのは結果だけをぽんとこう申し上げたので、いままあ結果だけを申し上げますと、先ほど申し上げたようになったわけでございますが、ただいまお話のありましたとおり、こういったアメリカのCATVと同様なものになるのではないかと推測される。試みとしては最初のことでございまして、いままでの、まあ難聴視の解消手段としての共同聴視というものは、大体受信者による任意団体であります協同組合によって、大体この共同聴視施設をつくるというのが常態でございますが、今度のCATVというか、ケーブルビジョンの会社によりますものは、営利企業体によってやろうとしているというところに、いままでと違ったいろいろな問題があるというふうに考えまして、関係者寄り寄りいろいろ議論をしたところでございますが、有線放送業務の運用の規正に関する法律におきましては、先ほど来お話のありますとおり、これは届け出と、それから再送信については同意を要するということ以外には、規正の内容については触れられておりませんので、まあこれをどういうふうにしたらいいかということで、まあ寄り寄りいろいろ検討した結果、まあ第十条を適用して、そうしてオリンピックの期間、まあ約一月間に限ってこれを黙認してやる、こういうことになったわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 まあ、これは、過去日本でも昭和三十七年ごろですね、岐阜県の郡上八幡、放送番組の再放送を中心にした放送がやられている。それから兵庫県の香住、これは下田テレビ協会ですね。新紀テレビ有限会社、福知山テレビ協会、網野テレビ共同聴視、こういうものがあるのですよ。あるんですけれども、まあ営利を目的とするかしないか、下田の場合なんかは、たしか営利を目的としないでしょう。ですからNHKの共同聴視の半分、半額補助してるはずです。そういうところもあるのですよ。ですから、問題は難視聴地域を変えていくということで、この前もUチャンネルの割り当てについても、私は、そういうふうに大臣にも要望したんですけれども、それを、特にUなんかやる場合には、もっとそういう障害が出てくると思います。ですから、いろんな配意をしなければならぬのだが、問題は、いま現実に見えない地域をどう救済していくかということです。これなくして、一面この会社ができることについて押えようとしても、これはやっぱり片手落ちになるような気がするのです。ですから、根本的に難視聴地域をどう解消していくかということを、協会と監理局のほうで十分連絡をとりつつ、周被数の割り当てその他を考えながらやっていただいていると思いますけれども、新しく都会地に出てきた問題で、あまり時間をかけることのできない緊急なことだと思います。ですから、どうでしょうか。会社ができてしまって一カ月間許可した。やっぱり聴取料とったり、設備を継持するためには、やっぱり経理も必要になってきます。そうすると、何とか継続したいという動きが出てくるでしょう。その場合に、民放なりNHKが再放送に対して同意を与えなければ、自主番組でもっておやりになるかもしれませんね。そういうようないろいろなことを、一たん誕生するとやると思うんです。それだけにやはりスタートのときに、私は相当の政治的な配意も、行政的な指導もしていただいて、そういう点が将来の見通しとしてついた場合、スタートしてほしかったと思うんです。そうでないと、非常に問題はこじれてきます。ですから、一体協会のほうでは、このビル陰問題に対して、いろいろ対策は立っておられるようですけれども、具体的にはどういうふうにしよとされているのか、こういうふうにするから、そういう会社はつくらなくてもよろしいという、そういうことにならなければ問題が解決しないですね。そうすると、また業者の方々だって、NHKの聴取料を払って、その上に二万何ぼも設備料を取られて、月に千何ぼですか、余分な維持費を払ってやるばかはないです。同じテレビを聞いているのに、それだけ余分な負担をしなければならぬということはないですから、方針さえ打ち立ててもらえれば、そういう会社の設立の意義はなくなってくると思うんです。これを具体的にどうするかという根本方針はきまっておりますか。共同アンテナということで間に合うということもあるかもしれません、有線放送のシステムで。もっといえば、あるところに小電力の中継局をつくってやるか、これはうんと地域が広がるならば、そういうことをしなければカバーできないと思うのです。そういう両々相まった基本方針というものはお持ちですね。

石川忠夫郵政省電波監理局長

○説明員(石川忠夫君) いままでの実際にやってきてまいっておりますビル陰障害に対する対策といたしましては、ただいまお話がありましたように、見えなくなった場合に、テレビのアンテナの場所を移すということで解決される場合もありますし、それから、アンテナの場所を移すだけではなくて、うんと高いところに共同アンテナを立てて、そこから引っ張ってくる、こういうことで解決している。大体二種類がございますが、いままでの実績で見ますと、毎年こういった手段によって解決している件数はふえてきてまいっておりますが、こうした処置に要する経費の負担が一番論議になるわけでございますが、昭和四十二年度におきまして改善対策を講じられました件数のうち、建築主側が全額負担したというのが四四%でございます。それから建策主側と被害者側の——受信者側が分担したのが一一%でございます。それから、被害者が全額を負担したのが三三%、目下交渉中のものが一二%、こういうような状況になっておるわけでございます。で、さらにこのたびの日本ケーブルビジョンの問題につきましては、今後の趨勢といたしましては、いままでのような受信者だけ、あるいは受信者と建築主だけの話し合いというようなことでは解決しないで、いわゆるアメリカのCATVに類似するような、いまいった営利企業として、このビル陰障害を解決していくような趨勢になるのではなかろうかとも思われますが、こういった手段が鮮決するためには、やはりお話がございましたが、有線放送業務の運用の規正に関する法律が、ただ単に届け出を受けるだけということで、こうした中味についての何らかの規正措置も調整もできないというような、現在の法律の状況でいいかどうかということを、目下検討中でございまして、早急にはこの法律についても改正すべきかどうかということを検討していかなければならない、かように考えておるところでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 協会の方にちょっとお尋ねしますけれども、もし、日本ケーブルビジョン放送も、ここから再放送さしてほしいという申請があった場合に、協会はこれは拒否するのですか、認めるのですか。

佐野弘吉日本放送協会専務理事

○参考人(佐野弘吉君) すでに、その話は同意書の申し込みがございましたが、NHK並びにさしあたり東京在京五社の民放いずれも同意をいたしかねるという御返事を申し上げております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうしますと、大体四十二年度でビル陰障害になっている被害戸数というのが一万件以上になっているようですね。協会は建物障害を含めて、一般受信障害のために年間八千万円の金を計上しておりますが、そういう金で具体的にこのビル陰対策についてどういうふうな措置をとろうとされているのでしょうか。認可はしませんが、ただしそれは残りますね、ビル陰対策をやらぬ限りは。それじゃ片手落ちになりますからね。それをどうして解決するかということをやっぱり一面やりつつ、それはできませんと、こういうことでないと——まあそういうことだと思いますけれども、それはどうなんでしょう。

佐野弘吉日本放送協会専務理事

○参考人(佐野弘吉君) すでに御承知のように、辺地におきます難視につきましては、従来三分の一の助成という形で年間約六百件ほどの助成をしてまいっております。都市内におきましては、四十二年の数字でございますと、九百七十四件のいわゆるビル陰の問題処理にあたりまして、先ほどお話がありましたように、これによります処理件数の世帯が一万軒をこえる難視の条件の緩和に役立っておると思います。  で、このビル陰は、従来、この席上でもしばしばお答えいたしましたように、はっきりした建築主の責任、原因者がはっきりしております場合には、NHKの立場から申しますと、その被害を受けます世帯と、建築をされた施行者あるいは建築主との間に立ちまして仲介の労をとる、あるいは技術指導をもってこれを解決するという意味でお役に立ってきておるわけでございまして、その件数が、先ほど申しましたように約千件弱、一万世帯というのが四十二年の数字でございます。  それで、実はこのようにやってまいりましたけれども、最近におきます東京、大阪、名古屋等大都市におきます都市構造の複雑化に伴いまして、非常に一地域にビルが乱立をして、いずれがその障害の原因者であるかはかりかねるという都市構造の変化が大きく生じてまいっております。そうしたこともございまして、四十一年の五月かと記憶いたしておりますが、国会におきましても御質問がございまして、NHKの前田会長、小野副会長より、地方、辺地におきます難視の問題も、置局だけで拾えないというところは、さらに積極的な立場をとって、これを共聴で救済する必要があろうと思うと。また、都市におきましても、いまここで議題になっておりますような様相を呈する場合には、NHKとしてはより積極的な関心を持つべきであるというふうなお答えを実はいたしております。その趣旨に従いまして、事務当局であります私ども以下は、昨年来これらの問題をどういうふうに手がけるかという新しい政策の転換をわりあいに長い期間かかって今日まで、ほぼ成案を得るような段階にきつつあったわけでございます。たまたまこの間に、先ほど来御指摘の新宿のいわゆる営利共聴によりますCATVができはじめてきたというふうに、時期がたまたまダブってまいったのでございますが、NHKといたしましては、先ほどお答えいたしましたように、営利を目的といたしましたこのCATVには、民間放送ともども同意書の交付はいたしかねるとお答えいたすかわりに、もちろん放送事業者としての責任でNHK以下在京五社の幹部が寄り寄り集まりまして、放送事業者の全責任でこうした都市におきます公害的——ビルが一つはっきり原因いたしております場合には、そのビルの建築主に責任を持っていただきますが、都市における公害的な障害難視として発生したものは、NHKはじめ放送事業者がある程度の犠牲を背負ってこれらの改善、解決に当たろうという相談をたまたまいまいたしておる段階でございます。これらにつきましてはまだはっきりした方向とか結論を得ませんが、事実上そういうわれわれの責任で、都市内におきます放送秩序の維持という観点から、われわれの共同責任として、このCATVに該当するこの施設を展開いたしてまいろう、このように考えておるところでございます。同時に先ほど御質問のありました全国的にどの程度の数字を見るかといいますれば、いま私が十分に意を尽くしませんが、都市における公害として取り扱うような難視の地域は、おおむね私どもこれから数年間さしあたり一施設二百ぐらいの受信者の世帯を数字といたします大かた三百件ぐらいの件数が、今後いわゆる公害的な難視として、われわれが都市有線テレビによります救済方法を講じなければならない、大体そのくらいの数字であろうとこう思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 いろいろ御苦労されておることはよくわかりましたが、具体的に新宿の場合どういうふうに取っ組んでいこうとするのでしょうか。

佐野弘吉日本放送協会専務理事

○参考人(佐野弘吉君) 実はこの件につきましても、先ほどお話の出ました株式会社放送によりますCATVを発起されておる方から、NHK並びに民間放送の同意書の交付の申請がございましたが、ただいまも御説明いたしましたような私どもの考え方から、同意書の交付はいたしかねる。したがいまして、たまたま角筈の三十七世帯かと記憶いたしておりますが、さしあたりメキシコオリンピックを前にいたしまして、よりいい画像で見たいという試みが行なわれまして、その集団にただいまの営利を目的とする株式会社がこれを加入せしめるという方途を講じて申請をしてまいったわけでございます。私どもはそこの世帯の地域の代表者でありますれば、さしあたり全国にあります普通の共聴として同意書を発行し得る用意がある、しかし営利というような形では、将来の放送界の全体をながめた場合に軽々に同意書を出しかねるということでまいったのでございますが、たまたま一カ月に限って先ほどの有線放送業務に関する規正の第十条で、臨時かつ一時的としてこれを認めるというような当局の御方針といいますか、お気持ちもありまして、とりあえずそれでいま推移いたしてまいっておりますが、これが多分来月の十二日にその時日——一カ月か切れるというようないま段階で、これがどのような形で処理されるか、重大な関心をもっておるという状況でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 その点わかりましたけれども、実際に日本ケーブルビジョン放送網で言っているのは、新宿区内の十六万六千世帯のうち、約二万四千世帯がテレビの難視聴世帯になっているとこう見ているわけですね、そのうちお話の四十軒ぐらいか五十軒ぐらいが加入されたということですね、ですからあとの二万四千世帯がどっちにしても画面がぐらついたりぼけたりしているようですので、これに対して一体直ちにどういうことをするかという態度ですね、とにかく見えるようにしてやらなければいかぬわけですからね、この二万何千世帯というものを。これの対策はどうなんですか。

佐野弘吉日本放送協会専務理事

○参考人(佐野弘吉君) まだ調査は十分に行き届いておりませんが、いまお読み上げになりました数字は、必ずしも正鵠を得ているとは存じません。現在この新宿一帯が、品位で申しますれば3あるいは3マイナスというような若干個所もあると思います。事実先ほど来お話になっております約四十世帯に隣接いたしておりますたとえば歌舞伎町でございますか、そのかいわいでも同様な状況にありますので、もしよりいい画を、特に最近カラーが普及してまいっておりますので、そういう要求度も強くなるかと思いますが、その辺もただいま百ないし二百の救済の世帯があろうというふうには私ども承知をいたしておりますが、約二万というようなことはまことに過大な数字でございまして、私どもはそんなに、それこそ百倍も多い数字だ、極端に言えば百倍も多い数字で、現在4くらいで多く見ておられるところはたくさんあると思います。したがいましてその数字を前提ですと少し議論が違っていると思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 このケーブルビジョン会社というのは積極的に活動をしているわけですね、二万五千円の会費と月五百円の維持費というものを取るわけですから、非常に猛烈に作動しているように思います。資料のとり方は別としても、たとえば紀伊国屋ビルとか富士銀行新宿支店のビルとか地上七階以上の高層ビルの人たちと協議をしてそして加入金のうち八割は加害者であるビル側、建築側というものがみるというようなことを折衝して、そしてこの四十軒近いものが入っているようです。ですから私は、一体二万四千世帯がもし過大であるとすれば、さっきから言っておりますように、具体的な実態調査をして新宿のこの地区はどれだけの世帯が実際に見えないのか、そしてそれに対してどれだけ具体的な積極的な活動をしたか、こういう点を伺いたいのです。率直に言って、そうしませんとどうも話が合わないのです。それは再放送は許可しない、一方聴視者はそのままでは納得しませんから、そういう点をお伺いしたい。

佐野弘吉日本放送協会専務理事

○参考人(佐野弘吉君) いまの角筈の地域の周辺の大きなビルの名前が出ましたが、実はオリンピックを前にいたしまして角筈の四十軒ほどの世帯がよりいい画が映るならばという話が出まして、最初にNHKなり電監局なりあるいは他のラジオ業者等も含めます御承知の雑音防止協議会自身がこの御相談に当たるということでございました。事実その雑音防止協議会の責任において地元の方々と談合を申し上げまして、したがって、一応従来の形式によりましてその周辺のビルのほうから出ている障害なので、その周辺のビルにも一応従来の形式により早く原因者の責任の分担を一部とってもらうというような話をつけてあげたのが実は雑音防止協議会でございますが、その後半の過程で、率直に申しますと、いま言う民間のCATVのほうに、何と申しますか、ことばはあれでございますが、かっさわられたような形で移行してまいったというような経緯がございます。そのことはしばらくおくといたしましても、私どもといたしましては、先ほど来十分な調査はまだ行き届いておりませんが、都内で品位の四で見ておられる世帯の方々がたくさんありまして、たまたまいまの該当世帯あたりが三ないし三マイナスというようなところで、また隣接の歌舞伎町もそうだと申し上げておるわけでございまして、現に私どもは今日諸々の営業活動をしております中で、画像も悪いからぜひ直してくれというようなことは、そんなに都内で頻発しておるわけではございません。したがって、私どもの経験なり従来の営業活動の中で申しますれば、先ほど申しましたように、ほんとうに公害的な難視聴区域として業界あるいは民間放送等の一般事業者の責任として将来解決すべきものは、さしあたりこの四十三年以降の数年間、三、四年の間に東京、大阪等で三百カ所くらい直せばそれほど問題はないというふうな基本的な認識を持っておるということでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私も、まだ実は現地を視察しておりませんから、よくわかりませんが、これは委員長にもお願いして、できたらひとつ近いところですし、委員会としても現場の視察をぜひしていただくように委員長にお願いをいたしますから、あとで理事会でひとつ検討していただきたいと思います。  それで、結局、話が抽象論より進まないわけです。具体的に十二日で切れるわけですから、これは。そうすると、また依然としてその視聴者は困るわけです。ですから、何とかしてそれを救済するということが喫緊の要務です、これは。だから、それに対しては一体三か四か私よくわかりませんけれども、その映像のぐあいも三がどの程度だかちょっと私も不勉強でよくわかりませんから、もう少し強勉しなければいかぬと思うのですけれども、ちらちらして見えないのか。われわれのところでも四チャンネルなんか、最近ちらちらしまして非常に見にくいのですよ、率直に言って。どこでさえぎられているかわかりませんけれども。世田谷の代田の辺ですけれども。そういう苦情はみんな多少ともあると思うのです。ことに十階建てをつくってその谷間の中に沈んでいる商店街なんかは、見えないのは無理ないです。そういうところでは、だから金がかかっても、いい映像を見たいので、よい話があればついやってくださいと、こうなると思うのですよ。しかも八割を建築主のほうで持つということになれば、けっこうですからやってくださいということになるわけですから、それをやはりわれわれがいろいろな角度から検討して一日も早く改善してやるというのが任務だと思います。ですから、協会のほうでもひとつ具体的に積極的に現地調査をされて、特にこの新宿区の、角筈の辺ですから、駅前の商店街の新興街のあの辺ですから、北半分、その辺を中心にわれわれも見せてもらいますし、そうして早くこれを具体的に見えるようにしようじゃないですか。そういう方策をしてください。それひとつ約束してもらえますか。

佐野弘吉日本放送協会専務理事

○参考人(佐野弘吉君) 先ほど二万数千の名前が出たと思いますが、それはおそらく営利を目的としてCATV株式会社をつくりますれば当然いわゆる自主放送の名によります広告放送を企図されておりますので、その数を非常に大きく見積っておるかと私どもは考えております。  ただいま後段の御指摘に対しましては実は三十一日午後三時からNHKにおきましては私が代表者でございますが、TBSの常務吉田さんをはじめ、全在京民放の技術担当の常務クラスが会合をいたしまして、まず、いま御指摘のごとくに第一回の相談を開始するというふうな気運になっていることを御報告できるかと思います。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) いまの問題は、私、非常に重要な問題でありまして、とにかく見えるようにしてやるということはどこかのこれは責任である。アメリカにおける状況を見ても、有線放送でやっている事例はもうたいへんな発達をしておって、ほんとうの無線障害というものはこれしか解決策なしとさえ言われておるのでありまして、私は日本においてもこの問題はもう軽視できない。どうしてもいまのような微温的なものでは解決できない。したがって、この有線放送などというものはこれは真剣に検討すべき問題である。何といったっていま法規が不備でありますから、この法規を直すと同時に、私は、いまのような聴視困難なものを救済することは、これはもう放送事業者にいたしましても、政府にしても、私は責任がある。それを埋めるものが、やはり有線放送が大きな機能を果たしておるということは将来否むことができない傾向であると、私は思いますから、これらの問題、お話のように私はできるだけ近い機会において検討して対策を講ずべきであると考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 大臣の御所見、もっともだと思います。それで、協会側と郵政省側とひとつ相談をして、いま気運が出てきました。在京の皆さんが集まってさっそく三十一日にやられるようですから。そこまで具体的に話が進んでおればわれわれもよくわかりました。ですから、ぜひひとつむずかしい問題ですけれども、やはりNHKに課せられた使命の一つはここにあるわけですから、ぜひ御苦労でも積極的にひとつこの問題と取っ組んでいただきたいと思います。  それで、大臣からもいま御指摘がありましたけれども、もう少し私は法制の問題もあわせて伺っておきたいのですけれども、有線放送業務の運用の規正に関する法律しかないわけですから、いろいろな矛盾が出てきているわけです。いま言ったような、届け出をしないで一カ月間はやれるというようなことを、放送業者のOKをとらないでやっちゃうわけですね。ここらは法律全体としての矛盾です。一カ月だけはしていい、ほかはやっちゃいかぬというのもおかしい話ですからね。大臣もおっしゃるように、CATVというものがアメリカのように二千もできているようですけれども、日本ではこれはもうどうにもならないのかどうなのか。放送技術の開発、協会側の努力、周波数の割り当て、あらゆる角度から検討してみて有線放送にたよらなければならぬのかどうか、これは重大な問題だと思いますから、そういう意味ではそう早急にはできないと思いますけれども、できるだけ早い機会に法体系というものを整備されて、これは提案された経緯もちょっと歴史を振り返ってみましたけれども、きわめて早々の間にできたのですね。ですから、きわめて簡単な法律で非常に不備があると思います。ですから、これはできれば私は次の通常国会あたりを目標にお出しになったらどうかという気もするのですけれども、その辺の配慮と、それからもう一つは、著作権なんかの場合に、著作権料をどうするかという問題もこの法律では何もないわけですね。言うならば、ただでそのままやれるようなかっこうになっているわけです。こういう点もやっぱり私は法制上の問題点だと思います。ですから、そこらを含めてどうでしょうか、次の通常国会あたりには出し得るような見通しがありますか。非常にむずかしいからもっと延びますか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) いまの問題、非常にむずかしい問題でありますが、現に問題になっており、それから、その有線放送の需要が相当に全国的にこれから出てくる。だからこれは放置できない。ことに、いまの放送事業者が困っているのは、独立番組でも流しゃせんか、あるいは広告を別に取りはせんかといういろいろ心配をさせておるので、これらの問題についてはどうしてもやはり法律的な規制をしなければならぬと思うのでありまして、私どもは、これはその法制のほうが事実よりかおくれているということでありまして、できれば通常国会等においてでも御相談をしなければなるまい。これは差し迫った問題であると私ども考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは大臣の御就任前から実は例の臨時放送関係法制調査会ですね、あのときの審議と関連して、NHKも民放からも意見が出ているわけですね。こういう点は非常に盲点であって、協会としては法制の改正をしてもらいたいという意見が民放からも出ているわけです。ですから、その点が少し手おくれになっておりましたことは反省していただいて、ひとつ大臣のおっしゃるように近い国会、まあ次あたりまででひとつ勇断を持って出していただけるような御配慮をしませんと、これは非常に問題になります。もうできてしまったら、あれが今度自主番組をつくってNHKや民放さんの世話にならなくていいというようなことで映画の古いやつか何かを持ってきて流したりすればけっこうスポンサーがつきますよ。そうなると、アメリカ式の放送に大きな転換をするわけですから、その問題はもっともっと私は広範囲に相談をしていかなければならぬ問題ですから、まあそう私はせっかちにやれとは言いませんけれども、ひとつ十分な御配慮の上でできるだけ早い機会に適正な法改正をしていただきたい。こういうことをお願いしておきます。  それでは、この問題はこれで終わります。  それから、次に時間がだいぶなくなってきましたからはしょって質問いたしますが、大臣このUの第二次新免十四地区に割り当てをしたのですけれども、具体的に十月一日には山形、福井、松江の三局に対して免許を与えたのですけれども、十月一日には幾つお認めになったのですか。それであとどうして認可できないのでしょうか。せっかく割り当てたけれども新免認可ができないというのはどういうことですか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) 十一月一日付ではただいまのところ青森、秋田と、これは電波審議会の答申があったから出せる。いまの予定ではもう一度ひとつ三十一日に何とか御都合が願えないかと、審議会のほうにですね。その際には、いまの予定としては大体まあ話がまとまっておる大分とかあるいは盛岡とか、こういうところをひとつお願いしたらどうか。そのほかにおいてもそれぞれ調整が進行中でありますので、また続いて十一月の中ごろにひとつ審議会をやっていただきたい。こういうふうに私ども事務的には考えております。しかし、中にはまだきわめて調整が困難なものがありますから、それで終了するとは思っておりません。ごくわずか二、三のものがあるいはその後になるかとかような大体予定をいたしております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 非常に調整がおくれている地域、たとえば甲府とか、山口とか福島、松山、高知、宮崎これらはなかなかむずかしいようですね。第一次の場合にはたしか県知事に調整役をやっていただいたようでしたね。第二次の場合には、この前私、山梨の場合を具体的に大臣に伺ったのですが、調停役というものは別に公にしていないというふうに伺ったのですが、しかし、どうも業界の新聞なんか見ておりますと、だれだれ代議士が調停役を承ってなんて書かれるわけです。そうなりますと、大臣のおっしゃったのと違うように思うのですけれども、第二次割当の場合には、この新会社の皆さんの自主的な調整を期待しておるものでしょうか。それともどなたかにまた裏ルートでかなんかで頼んでいるのでしょうか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) 調整というものは、これはもう別に法律行為でもありません。ただ、事実行為で、どなたかにお世話をしていただく、こういうふうな問題でありまして、前にはよく知事さんにもお願いしましたが、しかし、全部そういうことにしたわけではありません。今度の場合も、別に知事を中心にお願いをするというようなことは考えておりませんが、中にいろいろとその地方においてお世話をしてくださる方がおれば、事実行為としてさような方と多少接触をしたものがあると、こういうことで、これは、もう御承知のようにそれが法律的に権威があるとかなんとかいう問題でもありません。山梨の問題についても、知事さんというお話もあるが、これは必ずしも適当でなかろうということで、さような処置はとっておらない、こういうことでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 個人的な名前を、私、出すのは差し控えますけれども、やはり確かに大臣おっしゃるように自主調整が原則ですから、それでやってもらえればいいのですけれども、なかなか競願者の立場になると、なかなかむずかしかろうと思います。ですから、どなたかやはり調整役を買っていただいたほうが、郵政省としてはやはりいいわけです。何も免許の根本方針からいえば、十あれば十の中からおたくのほうでどれがいいということを選定して許可すればいいわけでしょうから、筋は。筋はそうだけれども、やはりそこには十二チャンネルのような、ああいう経過もありますし、非常に異議申し立てその他もありまして、たいへんでしょうから、わかりますよ、それは、行政当局として、そういうことをおやりになるなら。ただその場合、大臣おっしゃったように、この知事は適当でないというお考え方あるでしょうね。それから、また、同時に次のだれかに指名しましても、その人がはたして適切な調停役者であるかどうか、たとえばあるれっきとした、しかも一番出資株を多くとろうとする会社の代表者であってみたり、そういう場合に、どうして公正なことができるでしょうか。かりにその人が神様のような人で、公正な調停をやっても、はたから見ると、そうはとりませんよ。そんなところにまたいろんな揣摩憶測というものが入りましてね、むずかしいでしょうから、大臣おっしゃるように、知事にやっていい場合あるいはやって悪い場合、事実行為としてやることですから問題はあると思いますけれども、私は、山梨なんかの場合には、率直に言ってむずかしいところですよ。これはもうだれが考えてみたってむずかしいところで、郵政省が、浅野さんがきておりませんけれども、何か調停役を出したらしいのだけれども、それも何か拒否されているのでしょう。あそこはそりゃ簡単じゃないですよ、あの県内情勢というのは。ああいうのを詳細に検討されて調停役を頼みませんと、これはどろ沼に入ってしまうような気がするのですけれどもね。ですから、どうでしょうか、まあ大臣はたいへん、三十一日にもまたやると、十一月の中ごろにももう一回審議会を開くとか、たいへん勉強されるようですけれども、それもけっこうでしょう。割り当てた電波を早く免許して活動を開始していただく方向に準備をしていただく、これは私たちは賛成ですけれども、しかし、そこには拙速主義があってはいけないと思うのです。いま言ったような県内の非常にむずかしい情勢があるわけですから、これはやはり時間をかけて、かなり慎重に対処していただかないと、かえってその新しい電波一局をつくるために、県内の政界がまっ二つになったり、いろんな感情があとに残るような気がするわけです。ですから、ひとつ最後に、私は、この問題で聞きたいのは、あくまでも事実行為として調停をお願いする以上は、その地元において意見がうまくまとまるまでは、そりゃ段階と時期とあると思いますけれども、限度があるところですが、原則としては地元の一本化ということを期待する。その上で免許するという、そういう方針をおとりになるのか、もっと強引に一本にやるというような方法をとるのか、その点ちょっと伺っておきたいと思います。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) これはもうその地方でまとまることが非常に望ましいことであるが、まとまらぬ場合もあり得る。その場合には要するに、免許というのは比較の問題で、どの組織体がやることが一番適当か、こういうふうな問題になりますから、必ずしも全部が一致しなければ免許に踏み切れない、こういうものでもないと思うのでありまして、争いのある場合にはあくまでも慎重を期するのが当然でありますが、しかしそれにもおのずから限度がある、あるいは場合によっては、ある場所では八割ぐらいまでは大同団結ができたがあとのわずかなものがどうしても同調できない、こういうふうなものもよそにも例がありますから、こういうようなものもただいつまでも放置しておいていいかどうか、こういうことも問題になりますので、これは程度の問題というふうに思います。だから全部これは調整ができなければ免許はしない、こういうふうなことをいま断言することはできない。すなわちわれわれはできるだけ多くのものがまとまることを希望しておるが、やっぱりどこの県においてもごく一部分の者が強く異を唱えてどうしてもまとまらぬ地方がありますから、そういうものは私どもはある程度やむを得ない、要するに大部分まとまったものに免許する、こういう場合もあり得るということを申し上げております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 くどいようですけれども、原則的なことでいいですから。だから大臣おっしゃるようにあらゆる努力を一本化のためにして、そしてなおかつその見通し等を検討するということはこれは当然だと思いますが、やはりあくまでも自主的な判断をお互いに持ちつつ、その地域の調停役をしてもらうということであれば、原則的にはやっぱり最後まで調停の努力を、一本化の努力はすることが原則的にはいいでしょう。そういう考え方の上に立って次の手段を考える、こういうことですか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) これはもうおっしゃるとおりでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それからUの第三次の割り当ての問題で、たとえば仙台とか静岡とか広島にもう一波Uを割り当てるという、そういう話を伝え聞くんですけれども、そのことはどうですか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) これは全般の問題といたしまして、日本全体がアメリカのようにオールチャンネルの普及をはかりたい、そして将来は当然そうせざるを得ない、こういう情勢でありますので、実はもう今度の十四地区の免許によりまして全国でもってUの放送のないところが東京、大阪、それから仙台、広島、日本の聴視者の非常に密集しておるこの地域にUの放送がないということはやっぱりチャンネルの普及上非常な障害である、こういう考え方からしまして、これらの地域にもできたらひとつUの電波を割り当てたらどうか、こういう考え方に立って、まだ決定をいたしておりませんが、検討しておる、こういうことでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 検討するということは、割り当てたいということでしょう。そうすると、大体全般的なことになると思いますけれども、大体の目途はどういうところに置いて作業を進めておるのですか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) 私はやっぱり割り当てたい、これはおっしゃるとおりでございます。したがって、何とかそういうふうな大体の目鼻が年内にはつかないか、こういうふうな考え方を持っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 あとぼくの時間は何時ぐらいまでですか。

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) 速記をつけて。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 もう一つFMのほうのチャンネルプラン、これは何回も問題になるのですけれども、大臣も十月中ぐらいにはチャンネルプランを作成して、十一月中にいろんな打ち合わせをして、十二月初めごろに免許しようというふうな、そういう考え方をどっかで述べられたように聞いておるのですけれども、そのスケジュールというのはいまのところ、どうでしょうか、予定どおり進むということなんでしょうか、それとも非常にむずかしくてもっと先に延びるということでしょうか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) たいへんおくれておりまするが、予定のように多少の時日の相違があっても進めたい、かように考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これはもうこの前から言っている、大臣の東京の音楽局ですね、FMの問題等もあり、東海FMの問題もあり、いろいろと頭の痛いところだと思いますが、FMについては、ほんとうにこれはおそきに失しております。ですから、私たちはできるだけ早くやってほしいという気持ちがあるのですけれども、と同時に、電波放送法というような、ああいうふうな宙ぶらりんになっておりますから、その面からいうと、またこれは困ったものですから、非常にわれわれも悩んでおるのですけれども、特に今度の第三次を割り当てようとする大臣のお考えについて、たとえば私たちのところにもいろいろな方から陳情、要請がきておりまして、これは大臣もちょっとひとつよく考えてほしい点なんですけれども、これはある民放から私のところにきた請願なんですけれども、あとから私が聞こうとするVからUへの切りかえの問題ですね、こういった問題にしても、あるいは第一第二、第三とUHFの親局を認可していこうという問題についても、もう少し放送関係者と話をしてもらえないだろうか。少しこう独断専行的に行政当局はおやりになっておるじゃないか、これは筋としては、大臣に認可権があるわけですから、だれが何と言おうと、大臣がどんどんおやりになることについては、これはもう法律上、制度上、文句を言う筋はないのですけれども、ただ関係者としては、そういう気持ちを持っておるように私たちは承るわけですがね・だから、もっと日本の一大電波の革命にも等しいような、たとえばUをVに切りかえるとかというような問題についても慎重な配慮がほしいと、こういう一部の方かもしれませんけれども、苦情があるわけです。だから、何だか大臣の電波行政を見ておると、少しこうどんどんと強引に進んでいくようなぼくらも気がするのですよ。だから電波・放送法というものが、われわれがあれだけ言ってもなかなか国会には相談してこない、ほんとうならば、制度改正の中でやっていただけば一番いいのですけれども、それがおくれているために一部をこうやらざるを得ないかっこうですから、大臣の気持ちもよくわかるのですけれども、多少少し強引に過ぎるような感じを私どもも持っておるわけです。だからその辺に対して一次は確かに、二次の割り当てのときも私、申し上げたのですけれども、懸案問題だけについてUを考えようというのが、大臣もここではっきり言われたように、考え方が変わったのだ、こうおっしゃる、そこらに私ども過去のいきさつからしてみて、小林郵政大臣は少し強引過ぎるのじゃないかと、こういうふうな印象をやはり持っておると思うのですが、この辺、どうでしょうか。大臣の心境としては決してそうでないのだ、そんなものは文句言われる筋合いじゃないのだ、おれがやることだ、そんなふうにお考えなんでしょうか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) 私も鈴木委員の言われるような点は反省をしなければならぬと思っていますが、実は一昨年かその前の電波・放送法の改正に、どうしても国会を通らなかった、この原因はどこにあるかということをあとで、うそかほんとうか私わかりませんが、あの放送法が通らなければ新局の免許がないのだ、こういうことで、そこに一番大きな原因をおいて、そしてあれの通過を阻止したというか、じゃましたのか、私知りませんが、そういうことを私はうそかほんとうかわからぬが、ほんとうらしく世間ではいわれておりまして、既設局は何といったって、これは人情として、競争相手のできないことを希望することは当然でありまして、これは私、無理はないと思う。しかし、まあ日本のテレビの問題からすればやはり複数には少なくともしなければならぬというのがやはりその筋の要望でもある、こういうことであって御相談申し上げるということは、申し上げるほうがそれはほんとうによろしゅうございますが、一体ここまでわれわれが先走りして言うのはどうかと思うが、御相談できる問題であるかどうか、すればむろんけっこうでありますが、いたずらに私は時を過ごしてしまうのじゃないか、こういうふうにもわれわれとしては考えざるを得ない、またVをUにする問題についても、それをまた御相談するのは当然でありますが、ちっとやそっとでそういう問題が議がまとまるかどうか。おまえはそんな先走りをした顔をする必要はないじゃないか、それは全くそのとおりでありますが、しかしどうもいまの放送界の状態を見れば、まあ遺憾ながらそういう観測をせざるを得ない。そうすると、いたずらにただすべきことが延びていくというようなことは、私はやっぱり国民のためにとらないことであるというふうなことで、いまおっしゃるような非難があることは承知でありまするが、それが実りのある話し合いに持ち込めるかどうかということについて、私どもは見通しというか、自信がない。こういうことで非常に恐縮であるが、まあああいうふうなことになった。まあそこまで申し上げちゃまことに恐縮でありますが、私どもはそういうふうに考えている。しかし、やっぱり私はああいう政策が日本のためにもどうしてもやらなければならぬ政策であると、こういうふうに考えておるのでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 まあ人間のやることですから、いいことも悪いこともあるでしょう。またいいと思ってやっても非難を受けることもあると思いますが、一面電波・放送法というものがああいうかっこうになっているだけに、大臣御指摘のようなやっぱりわれわれも臨時放送関係法制調査会というものが非常に重要視されておりまして、ですから、あそこでやっぱり免許というものをやったほうがよりベターだという、そういう判断で臨時放送関係法制調査会も答申したわけですから、その答申に基づいて法改正がなされ、それに基づいていままでおくれておった日本の電波行政を一挙に解決していく、こういう考え方をだれでも持っておった。しかし残念ながら国会へ提案されましたけれども、ああいうようになってしまった。その後一向国会へ出す出すといっても出てこない。そういうことでおやりになるわけですから、一方とにかく電波・放送法の改正をなぜ早く政府は国会の審議に出すようにおぜん立てをしてくれんのだ。それに対して最善を尽くしてなおできない場合にある段階で一部の懸案問題を解決するということはやむを得ぬと思うんですが、どうかすると放送・電波法というものが足踏みをしているものですから、その機にぐっと出てしまっているということだと思うんですよ。だからその辺のやっぱりやり方に対する非難なり意見が出るのは当然だと思います。そこで、第三次割り当てなんかも私は聞くんですけれども、そう急いでそこまでやらなくてもいいんじゃないだろうかという気もするんです。まあもちろん放送業者としてみれば、一面経営上の問題も考えなければならぬと思います。まあかなり純益も得ているようですからね、放送局の収支を見ますと。だから、競争になっても十分やれるところもあるでしょう。    〔委員長退席、理事森勝治君着席〕 また小さい県などではなかなかむずかしいところがあると思いますが、それは一がいにできないと思いますが、やっぱりそういったふうな配慮を考えつつUの新免の許可をやりませんと、あまり出てくるとこれはたたかれますよ、大臣。その辺の御反省もあるようですから、ひとつとくとまた御猶予をもって進めていただきたい。これは私の希望です。  実は、北條委員の発言がありまして、私あと少し郵政関係のものがあるものですから、VをUへの切りかえの問題、それから12チャンネルの問題については次回に回させていただきます。  それで次に、この郵政関係で一つ二つ伺いたいんですが、実は最近の郵政事業の中で新聞とか雑誌等で取り上げられている問題で、私たちが非常に残念に思うのは、東京の世田谷郵便局における書留郵便物の盗難事件でございます。どう考えてみても、この問題は国民に対して申しわけが立たない、まさに郵政事業の信用を失墜した私は遺憾な事件だと思います。そこで、私もまだ正式なところでこの概要等についても承っておりませんから、ひとつきょうは簡単に最初にどういう事件であったか、それから郵政当局としてはそれに対してどういう措置をされたのか、これをひとつ承わりたいと思います。    〔理事森勝治君退席、委員長着席〕

西原林之助郵政大臣官房首席監察官

○説明員(西原林之助君) 東京世田谷局におきまして書留郵便物が窃取された事件でありますが、概況を御説明申し上げますと、事件が起きましたのは十月四日でございます。大体盗賊が侵入した時刻は十月四日の午前一時四十五分ごろから午前二時四十六分ごろと推定されます。と申しますのは、この世田谷局は夜通し従業員が勤務しているわけでありまして、その時間帯におきましてももちろん勤務者がいるわけでありますが、たまたま勤務者が二階で作業しておりまして郵袋は一階に置いてありましたために、その約一時間無人になったときにおそらく侵入窃取されたものと推定いたしております。その被害は小郵袋合計十九個、在中の書留郵便物は百十六通、現金書留百十二通で現金が百六十万円余り、そのほかに通常書留が四通であります。それではどうしてこのような盗難にあったか、もちろん侵入するのが悪いのでありますが、局側のほうにおいても実は非常に残念ながら若干の遺漏、欠陥がございました。まず第一にこういった書留郵便物は必ず金庫に格納しなければならないというふうに定められているにかかわらず、取扱室あるいは事務室に保管した、いわば放置して置いたということが根本の欠陥であります。かりに無人になりましても、金庫に格納しておれば、こういう事態は起こらなかっただろうと思います。そのほかに第二としては、実はこの世田谷局には超高周波のレーダー式の警報機が設置されております。ところが、この警報機はレーダー式でございまして、人影が写りますと電波がこれをとらえて著しい鳴動をするという仕組みになっておりますために、作業している間におきましても常に鳴るということになっておりますために、作業中はこのレーダー・ドッグをセットせずに作業を終わったときに、これをセットするという仕組みになっているわけであります。ところが、この作業が終わってからもこのスイッチを入れるということを失念したというのが第二点であります。そのほかに特殊郵便取扱室の書留郵便物の交付口に施錠をしておかなかったとか、あるいは監視員の通用門の出入り監視が不十分であったということが欠陥として指摘されました。  以上、概況並びに欠陥事項だけを申し上げました。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 徹夜勤務して二階で仕事をしておったというのですが、一体そういう深夜に職場をたとえ何十分でもあけるというようなことはあるのですか、あるいは何人勤務しておったかしりませんが、大事な現金書留があるところをあけて二階で仕事をするというそういう作業形態をとっているのですか、だれかそこにいなければならないということになっているのじゃないか、それはどうですか。

西原林之助郵政大臣官房首席監察官

○説明員(西原林之助君) 本来ならば、一階に主事席がございまして、当時の責任者であります主事が実は一階にいなくてはならないということになっているのでありますが、しかし作業の手伝いもございましてたまたま二階に上がったわけであります。しかし先ほど申し上げたようにもしこれを金庫に格納しているということになれば、かりに無人になりましても、このような事件は起こらなかったというふうに思われます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それは一名か二名か勤務して、それは一人の場合にはあけて二階に行く場合もあるでしょうが、当時の勤務者は一人ということはなかったと思います。これは何名おったのですか、それがどうして二階に二人上がちゃって下をあけたのですか。

西原林之助郵政大臣官房首席監察官

○説明員(西原林之助君) そのときの時間帯にはいまおっしゃいましたように二人でございます。主事が一人と事務員が一人でございます。これが非常に注意深い主事でありますならば金庫に格納する、あるいはそれができない場合には実はその郵袋を二階に持ち上げるといった例もあります。しかしこのときには非常に残念なんでございますが、この点が実は遺漏欠陥なんでございますが、無人のままに放置して二階におって作業の手伝いをしておったという欠陥でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、四つの犯罪を生ぜしめた欠陥の中に、そういう勤務配置上の問題について触れておらないのですけれども、少なくとも二人おれば、二階に行く場合は、二階に電話があるかどうか私わかりませんけれども、二階の人に降りてきてもらって行くとか、その職場を離れる場合、そういう勤務体制でいいのかどうなのかということなんですよ。深夜のことだから、たいへん疲れている中で仕事するのですから疲労感もあるでしょうし、苦労も多いですから、安心しておったのでしょうから、その辺のことはわかりますけれども、原則として勤務というものは、そういう場合二人おれば必ず一人は下におるとか、そういう勤務体制をしいておるものかどうかということを知りたいのですよ。

西原林之助郵政大臣官房首席監察官

○説明員(西原林之助君) 原則としましては、主事は当然一階の主事席におるのがほんとうであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 いや、それは主事が一階にいることはわかりましたけれども、その主事を必ず一人は置かなければならぬということなんですか。それとも、そういう場合には、便宜的にあける場合もあっていいということですか。

西原林之助郵政大臣官房首席監察官

○説明員(西原林之助君) 原則としては、もちろん、いま申し上げましたように、主事が主事席にいなくちゃなりません。もちろん、その時間帯、数が少なかったので手伝いをするという場合もありましょうし、あるいは小用ということで席を離れることもありましょうけれども、それは例外でありまして、あくまで原則として主事はいるということが原則であります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それは全く答弁にならない。弁解——弁解というか、話にならぬということですね。  それから警報機、レーダー・ドッグという優秀な警報機をせっかくつけておきながら、それをセットしていなかったということに、やはりこの事件の大きな原因があると思うのですが、問題点だと思いますが、小郵袋を金庫に格納しないということも、これは一つ問題でしょうね。一体、警報機というのは常時どういうふうに運行をしているんでしょうか。たとえば昼間はたくさん人がいますから、セットしておかない。夜になったら何時からセットするとか、そういう、責任者はだれで、一体どういうふうなセットについての取りきめをしておったのでしょうか。

西原林之助郵政大臣官房首席監察官

○説明員(西原林之助君) これはもちろん夜間だけでございます。これもまた一つ、実は欠陥だったと思われるのでございますが、本来ならばこれは当然、作業室にセットすると申しますか、セットするところもスイッチを入れるところもなくてはならないのでございますが、この局に関しましては、作業室から少し隔たった警備の守衛の部屋にございまして、作業が終わったときには局内電話でもって警備員のいるところに連絡して、警備員がそのスイッチをセットしたり、あるいは押したりするという仕組みになっておりますが、これは非常に残念なことですが、これがもしそういう仕組みが作業室で行なわれるならば、おそらくこのようなセットのし忘れというようなことはないだろうと思われます。これは非常に残念ながら、欠陥事項の一つと言わざるを得ないと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それは監察官に聞くのはどうかと私思うのですね。こういうことは、やはり担当は郵務局でしょう。だから、せっかく買った警報機の操作について、一体監視員のところに電話をかけて、いま仕事を終わったから入れてくれとか、やめてくれということじゃなくて、たとえばその主事なら主事が必ず責任を持ってセットするとか何とか、ぴちっとした扱い方についての方針をきめておかぬから、こういうことになるのですよ。せっかく、何十万か知らぬが、郵政省でかつてないりっぱな警報機をつけておきながら、それが役をしなかったなんということでは話にならぬですよ。これはどうして衛視さんにこれをやらせるわけですか。その担当の人にやらしたほうがいいんじゃないですか。主事なら主事さんに責任を持ってやらせるほうがいいんじゃないですか。そして、衛視さんのほうももちろん関係がありますから、あとで衛視さんのほうに連絡するとか、もう少し取り扱い上の改善をする余地はないですか。

西原林之助郵政大臣官房首席監察官

○説明員(西原林之助君) こういった警報機をどこに備えつけるかということにつきましては、実はそれぞれの各局の現業局長にまかせてあります。現業局長が最も妥当なところにつけるというふうになっていた次第でございます。しかしこのような事態が起こりましたので、これはちょっと私どもも各局それぞれの作業室の位置とか警備員の位置とかいろいろございますので、とても本省では的確に把握できないためにそのような措置を講じていたわけでございますが、今後はもっと、より適切なところにこういった警報機をセットするよう通達を出します。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) いまの鈴木委員の御指摘の問題は、まことにそのとおりでありまして、郵政省としては全く弁解の余地がない。要するに郵便局における士気の弛緩と申しますか、たるんでいるということになると思います。私はこれが郵便事業の信用を非常に失墜しておる、きわめて重大な問題であると思うのでありまして、これ実は防犯問題は私どもが非常にやかましく言うておるのでありまして、世田谷の局においても、わずか十数日前にその防犯の対策の協議会を開いて注意を皆でし合ったばかりで、そのあとまたこういうことをやっておるというわけでありまして、何とも弁解のしようがない。したがって私どもはこれらの失態については前例のないような懲戒を加えて、そうして全国の郵便局のこれらの問題に対する対策を促したい、こういうことでございまして、全く世間に対しても申しわけない。いまここでこのあやまちというものは全くこれは考えられないようなあやまちであるということを私どもは言わざるを得ないのでありまして、ぜひひとつかようなあやまちを絶対に繰り返さないように、こういうふうによく戒飭を加えておるところでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 最後に大臣の御所見を伺いたいと思ったのですが、せっかく御発言がありましたので、全く私もそのとおりに思います。まだまだこれは疑問の点が私はたくさんあります。しかしきょうは時間がありませんからこの程度にとどめますが、ただ最後にはっきりしておきたいのは賠償の責任ですね。現金書留の場合には、その額がわかっておりますからいいですが、通常書留の場合とか小切手の場合、こういうものは一体賠償はどうなるのですか。責めはどうなるのですか。

曾山克巳郵政省郵務局長

○説明員(曾山克巳君) 現金書留にとどまらず、普通書留につきましても、それぞれ要償額に従いまして賠償いたします。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 通常の書留の場合には一通で幾らですか。

曾山克巳郵政省郵務局長

○説明員(曾山克巳君) 最低六十円でございますが、なおそれぞれ要償額に従いまして加算してまいります。金額は最低六十円でございますが、なお賠償金それ自体は最低三千円でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 小切手の場合は現金書留ですから額面どおり賠償するわけですか。

曾山克巳郵政省郵務局長

○説明員(曾山克巳君) 小切手につきましては小切手の価額に従って、もし保険をかけますほう、つまりそれを要求しますほうでその金額に従って支払えばその金額は賠償いたしますが、ただ小切手のみが入っておりまして、それが普通書留という形で、かりに要償額を申告しない場合には三千円の賠償ということになるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうでなくて、この被害状況の現金書留百十二通の中に小切手七万円というのがあったと思うのです。それはずばり七万円が弁償されるわけですね。

曾山克巳郵政省郵務局長

○説明員(曾山克巳君) 七万円の保険金を払っておれば七万円をお払いいたしますが、これ自体につきまして私ちょっと心得ておりません。おそらくそうでなくて、ただ通常の書留郵便で要償額を申告しなかったと思います。したがって三千円の賠償じゃないかと思いますが、具体的に六枚のケースにつきましてはただいま承知いたしておりません。至急調べまして御報告いたします。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 監察官から警報機の使用基準といいますか、そういうものの体制についてはもう一回再検討するということでしたが、もう少しこの問題をこの事件を通じて郵政御当局で率直に遺憾の意を表すると同時に今後再びこの事態が起こらないようにという大臣のお考え、それでその際に事前の防止策として具体的にどうしたらいいかというようなこの四つか五つ問題がありますが、この問題について検討が加えられましたでしょうか、どうでしょうか。

西原林之助郵政大臣官房首席監察官

○説明員(西原林之助君) 局舎侵入問題につきましては、ただいま大臣から話がございましたように、強く大臣から指示もございまして、実は最近だけでも通達を五通も出しているわけでございます。もちろんこの事件の起こる以前でございます。局舎侵入事件のいろいろな手口を詳細に分析いたしまして、この遺漏、欠陥ということを指摘し、そのようなことのないようにというような、特にまた通達倒れというようなことのないような強い通達も出しておりますし、また全国の監察局に対しまして防犯パトロールを大いにやれということ、あるいはまた自主点検——それぞれの局における自主点検を強化し、その状況を郵政局及び監察局に報告せよといった通達を実はつい最近七月から九月にわたって五通も出している次第でございます。そういうわけで全国の郵政局も監察局も非常にこの防犯問題に一生懸命に取り組んでやっているのでございますが、思いまするに、いかに郵政局が強い指導をし、また監察局が防犯パトロールを強化いたしましても、問題はそれぞれの局にあると思います。監察局も郵政局も四六時中その局に張りついているということはとうてい不可能でございます。やはりそれぞれの局が局長以下幹部及び従業員一同がみずからの局を自分で守るという気概がなければ、いかにわれわれが声を大にして通達を発しても、これはなかなか効果が上がらないというのが実情でございますので、しかし御指摘のとおり今後ともさらに防犯の強化と、局舎防衛の強化という問題につきましては、われわれといたしましても全力を尽くしてやっていきたいというふうに考えている次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 その一般論はわかりましたから、具体的に世田谷事件が起きたあと、この事件にかんがみ今後はこうすべきだという、そういう御方針を郵政省としておきめになっておりますかということを聞いているのです。

西原林之助郵政大臣官房首席監察官

○説明員(西原林之助君) 世田谷事件が起きまして直ちに翌日に郵務局長と私の連名でテレタイプを全国に流しましたほか、最近も直ちに関係の部長会議も実は、これは東京、大阪、名古屋でございますが、三人の部長を集めまして、この世田谷事件の具体的な事例を十分に説明をいたしまして、具体的な問題に即してこのような事件が起こることのないように指示いたしているような次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 時間がありませんから、具体的な問題について質問ができませんから、ひとつあとで出したそのテレタイプの内容等についてはぜひ聞かしてほしいと思います。  それから犯人はだれか、要するに、これが問題になると思うんですが、いまの見通しとしてはどういうふうに判断されていますか。

西原林之助郵政大臣官房首席監察官

○説明員(西原林之助君) この問題につきましては、もちろん警視庁本庁、世田谷署及び東京監察局、この三者が一体となりまして目下鋭意共同捜査を実施中であります。もちろんまだ残念ながら確たることは申し得ない段階でございます。相当指紋なども残っておりましたけれども、これがなかなか該当もないというのが事実であります。おそらくこれは想像いたしますに、少なくとも郵政部内の事情に明るいものがその中に入っているということは大体想像がついているような次第でございますが、せっかくいま一生懸命やっている最中で何とか犯人をあげたいというふうに努力をいたしておる次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 非常に残念な事件でして、再びこのようなことのないようにひとつ御配慮いただきたいと思いますが、最後に十月十五日付で関係者を処分しておりますけれども、これは大臣、ちょっと私ふしぎに思うのは、なるほど世田谷の郵便局長さん、これは当該の局長としてその責任がありますね。ですから、わかりますが、この場合、たとえば郵政局の段階とかあるいは本省段階についてはこれはどうなるんでしょうかね。ただこれは局長の責任だといって局長を戒告にする。郵便課長を戒告にするというだけでいいんでしょうか。私は罪人をつくれというのじゃないですけれども、こういう処分のしかたについてちょっとふしぎに思うものですから。どうなんでしょうこれは。当該者の処分についてはわかりますね、一般論として。あと道義的な責任というか、監督の責任ということになれば、私は局長だけでなくて郵政局長なり郵務局長なり省全体としてのやっぱり責任はあると思うのです。この辺の処分のあり方についてはどうなんでしょうね。ちょっと私わかりませんがね、これは。

山本博郵政省人事局長

○説明員(山本博君) 郵政省の本省なりについての考え方はどうかというお尋ねでございますが、世田谷の郵便局の事件につきましては、まずできるだけ従来の基準に照らしまして早く結末をつけたいという考えがございまして、事件発生後十日で処分をいたしました。これは前例のない早い処分でありまして、これは再発防止あるいは今後の戒め、こういう気持ちでできるだけ早く処分をしたわけでございます。その中に、現に責任を直接負わなければならないもの、それから監督の立場で責任を負わなければならないもの、二つに分けて処分いたしてございますが、監督の面で処分をいたしましたのは局長、部課長、こういう段階の人たちでございますが、いまおっしゃいます郵政局の問題ないしは本省の問題、これは現在事案を検討いたしまして、世田谷の郵便局の実は内容が、先ほど西原監察官からお話がありましたように、組織的な責任といたしましては郵便局並びに郵政局、まあ私は本省も入ると思いますが、組織的な意味の指導監督、こういう点については相当配慮いたしておりますけれども、ただ世田谷局の場合は当該二人の責任者といいますか、直接的な責任者、個人の非常な手落ちといいますか、回るべきところを十分回らなかった、見るべきところを見なかった、あるいは現金をそばから手放してはいけないということに、ほかの主事は全部それを忠実に実行していましたけれども、この主事だけはそういうことをしなかった、個人的な色彩というものが相当強い内容でございます。したがいまして、組織的な責任というものをどこまで上に上げるかということは他の事例との勘案でございますが、これを郵政局の段階までは大臣から直接郵政局長並びに監察局長に対して強いおしかりをいただきましたし、また私からも郵政局長並びに監察局長に対しては非常に強い意味での注意をいたしてございますので、法律に基づきます懲戒並びに訓告規定に基づく訓告というところまでは今回の場合には私たちはちょっと踏み切れなかったというのが実情でございます。ただし現在東京郵政局ではなおほかの事案がございますので、それとあわせまして東京郵政局につきましては、その内容が判明次第総合的に考える余地を残してございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 まあ、ほかの事件をひっくるめてやれなんていうことは私は言っていないのですが、責任の所在についてはわかりました。要するに大臣の口頭注意といいますか、そういうものは、郵政局長なりあるいは郵務局長ですか、それにはやったということですね。

山本博郵政省人事局長

○説明員(山本博君) そうです。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) これはもう私としても責任を感ずべき事態でございますので、郵政局長あるいは監察局長、郵務局長その他に対しては口頭で強く注意を喚起し、戒飭をしたと申しますか、そういうことはいたしております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 あと東京郵政局の汚職手入れの問題をもう一つ伺いたかったのですけれども、時間がありませんし、特にこれはすでに検察当局が入りまして取り調べをしている段階のようですから、これはまた次の機会に譲りまして、これで私終わります。

北條浩公明党

○北條浩君 私電信電話料の値上げの問題ですね、これにつきまして若干大綱的な問題だけをお伺いしたいと思うわけですが、すでに昨年からの提案もございますし、相当大臣としても構想は固められておると思いますけれども、何といいましても公共料金の値上げに関する問題でありますので、大体いままで私たちお聞きしたところによりますと、基本的な問題について大いに問題があると思うわけであります。したがって、幾つかの事例からその基本的な姿勢についてきょう私はお伺いしたいと思っております。  最初に、おそらく次の国会にお出しになる予定の電信電話料の値上げに関する大綱、これをお聞かせ願いたいと思います。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) これは、御案内のように三年前にいわゆる電信電話調査会というところから二二%の値上げをしてもらいたいと、こういう答申のあったことは御承知のとおりでありまして、それ以来公社当局は熱心にこの案の実行を政府に対しても迫ってきたことは御承知のとおりであります。私はいろいろ財政その他あるいは物価問題等も考慮して、四十二年、四十三年にはその必要はないと、こういうことで、あくまでもこれは阻止してまいったことでありますが、しかし、三年たってその後の四十三年あるいは四十四年等の情勢あるいは見通しを見ますれば、このまま放置してやっていけるというふうな自信が私にはない。したがって、私はいやしくも値上げなどということばにおいてこれを出すことには賛成できない。ことに佐藤調査会なるものの値上げ案は、従来の料金に対して算術的に率を加えて、そして二二%という、こういうふうな安易な方法は絶対にとるべきではない。ことに電信電話料金はいまから十年も前、まだきわめて電話の普及の乏しかった時代にできた料金体系であるから時代に合わない。先般もこの委員会で問題になったように、基本料金のごときは十三段階にも分かれておって、いまのように年に百五十万も電話のできる際には、もう全然これは合わない。したがって、こういうふうなことを全部合理化してもらいたい。料金体系を根本的に合理化してもらいたい。その合理化した結果、結果的には何がしかの増収があると、こういうふうなことはやむを得ない。したがって、初めからこれだけ上げるのだと、こういうふうなことでなくて、料金の合理化ということでひとつやってもらいたいと、こういう希望を強く公社にも指示いたしましたために、公社もその指示に従って基本料なりあるいは度数料なりあるいはいまの市外通話料についても、その他についてもいわゆる料金合理化と、こういうことを打ち出しまして、そしていま出ておるものは、その結果として、それじゃいまの料金に対してどういうふうに違うかというと、その結果として公社の案は一二・五%の増収になる。値上げ——変な言い方でありますが、とにかく結果としてそういう増収になる、こういうものが公社として出てまいったのであります。  この案につきまして、郵政省もまあこの程度はやむを得ないだろうと言うて、いま大蔵省に提案をしておる。しかし、これはただ郵政省という当局が言うておるので、政府の案ではありません。今後これらの問題については政府としてどうするかと、こういうことを大蔵省とも企画庁とも相談してきめなければならぬが、あくまでもやはり必要最小限度にとどめておくべきであるし、また、結果的の増収にしても、物価問題にやはり影響もあるから、これらも勘案しなければならぬということで、いまそういういわゆる郵政省の案が大蔵省に出されておる。で、これらはこれからひとついろいろな面から検討して、どういうふうなことになるかということをきめたい。しかし、いずれにしてもこれは慎重に取り扱いたい、かように考えております。

北條浩公明党

○北條浩君 大臣のお考えはわかりましたけれども、いずれにしても、非常に問題をはらんでおると思うのです。それで電電公社としては、四十二年度の決算はやはり当初の予定よりも上回って黒字になっておると言っておりますけれども、現実にその内容はいかがになっておりましょうか。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) 数字につきましては、所管局長からお答えいたさせます。

中山公平日本電信電話公社経理局長

○説明員(中山公平君) ただいまお尋ねの四十二年度の決算でございますが、これにつきましては予算におきましては七十一億円の利益を予定いたしておったわけでございますけれども、決算が完了いたしましたところで出てまいりました利益金は二百三十七億円ということに相なっておりまして、その点につきましては、御指摘のように当初の予定より大幅に利益が出てまいっておりますが、これを過去からの経営比率による経営状況の変遷ということでたどってまいりますと、営業収支率におきましても九六・四%ということで三十五年度の七五・二%に比較いたしますとだいぶ悪くなってまいっております。総資本利益率につきましても、三十五年度の九・二%に対しまして四十二年度は一・一%というような事態でございまして、売り上げ利益率、企業収益率、自己資本比率、事業支出に占める金融費用の割合、いずれの資料を並べましても、三十五年以来逐年悪化をきたし、この傾向が続く限りにおきましては、四十三年度以降におきましても、こういった利益の確保はむずかしいという見通しに立たざるを得ない状況であります。

北條浩公明党

○北條浩君 わかりました。  そこでですね、今回は大臣は合理化ということばで表現されましたけれども、まず電話料の基本料金につきまして、家庭用と事務用の格差を今回の案ではなくしていると、したがって家庭用といいましても、昔とは違ってむしろ現在では生活必需品になっておるわけですから、たとえその使用料が少なくても、そういう計算上からいえば、確かに大臣の言う合理化という点で考えられないことはないのですけれども、やはり性格が、公共料金ということは、一般家庭に対して、やはり事務用の電話と一般家庭の電話と基本料金を同一にするという考え方が私はそもそも問題だと思うのです。どうしていままでせっかく格差をつけておったにもかかわらず、今回合理化という名において、この一般家庭に対してそのような負担をしいなければならないか。そうした発想自体が私は大きな問題じゃないかと思うのです。そこら辺の考え方はいかがでしょうか。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) お答えいたします。料金体系の合理化につきましては、先ほど郵政大臣から御答弁がありましたが、昨年の一月に政府の経済審議会の答申——これは閣議了解になっておるわけでありますが、受益者負担とそれから電話の料金体系を合理化するということに対しまして答申がはっきり出たわけであります。  ところで、この体係の合理化の中で、いま一番問題になっておりますことは、現在の公社の収入の半分以上が市外電話の収入になっておりまして、その他の市内の度数とかあるいはまた基本料とかあるいはそのほか専用料とか公衆電話その他一切合したものよりも、市外電話料のほうが多いのであります。ところでこの体系というのは、いわゆる大正時代の料金体系を倍率で直したというのでありまして、その後の技術革新の状態、あるいはまた投資のほうからいきますと、現在の市内の投資二に対しまして市外の投資が一であり、したがって収入のほうは半分以上かせいでおるのでありますけれども、投資のほうは市内の二分の一しかないというところに非常に問題があるわけであります。ところでただいまの御指摘の点でございますが、いわゆる住宅用と、それから一般の業務用との関係でありますけれども、昔定額制というものをやっておった場合には、この点は明瞭になっていたのでありますが、度数制というものが導入されまして、結局よけい使う方に対しましては、度数料のほうでいただくということになりましたので、その度数制を採用した時点におきましては、むしろこの設備の実態から考えまして、局から加入電話までやります線というのは、住宅用でありましても、業務用であっても同じものが必要なんでありまして、したがって、そういう点において度数制が入った時点におきましては、むしろ住宅用と事務用一緒にしたほうが合致するじゃないか、こういうふうな考え方でございます。

北條浩公明党

○北條浩君 いままでの過去の経緯はそうであったかしれませんが、やはり現に諸外国にあっても、アメリカ等では、そうした格差を現実につけておるわけなんです。しかもせっかくいままでそのような一般家庭用に対する優遇措置を講じておきながら、今回合理化という名においてその格差をなくすということが、私はむしろ時代逆行、また公共の事業という名においてやる限りにおいては、やはりそうした負担の公平という原則から言いましても、一般家庭に対してそのようなただ単に計算の上から推してその負担を押しつけること自体に私は矛盾があるのじゃないか、この考え方を私はお聞きをしているわけであります。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) 利用面という点から考えまして、先ほど申し上げましたように度数制を採用しておる時点におきましては、ヨーロッパの国の状態を見ますと、これは住宅用も事務用も同じような数字になっております。それからいままでイギリスがアメリカ式といいますか、それのように住宅用とそれから事務用と差をつけておりましたけれども、最近イギリスにおいても、これは度数制を採用しておる関係もありますから、それと同じ基本料にしておるような点もあります。アメリカにおきましては特殊事情があるようでありまして、アメリカにおきましては、特に市内等におきましては、いわゆる待時制を使っておるというようなこと、あるいは定額制が非常に多い——大部分のところアメリカはわりあい定額制が多いというような料金体系の違いがありますので、その点は少し事情が違っておるのじゃないかと思います。それからもう一つは、ことに住宅に対しましては、いわゆる共同加入というものを相当利用されたほうがいい。たとえば団地電話——団地等につきましては団地電話をやりましたし、それからその他、二共同というものにつきましては、現在一般の単独よりはサービスにおきましては秘話式等をつけたと同じようなサービスが行なわれておりますが、料金は下げるということでやっておるわけでありまして、あまりトラフィックのない一般に対しましては、むしろ安い二共同電話をお使い願うという、昔のような秘話式がないような場合だと多少問題があると思いますが、いまのような秘話式がありますとサービス面ではほとんど違いないのでありまして、そういうようないわゆる二共同方式というようなものを普及するということも考えたいと思っております。

北條浩公明党

○北條浩君 さらに、その私は度数料についても問題があると思うのです。やはり一般家庭では近距離ないしは中距離、どうしても事務用連絡になれば遠距離が多くなると思うのですけれども、今回の改正については、むしろ遠距離を安くして近距離を高くしておる、こういったことも私は矛盾があると思うのです。これもやはりいまも私申し上げたように、公共事業としての性格上からいって、こういう考え方はむしろ一般大衆に対する冷遇であると、どうしてそういう考え方を持つのかということをお聞きしたいわけです。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) 先ほど現在の体系の持っておりますまずい点を申し上げたのでありますが、現在の市内の状態を申し上げますと、ごく少数のところを除いて大部分は市内電話が赤字になっているという状態であります。市外のほうでかせいでおる。しかしこの市内につきましては、先ほど大臣も言われましたように基本料について十何段階かありますし、それから度数料につきましても、現在赤字になっておるわけでありまして、度数料につきましては本来使った方に負担していただくという考え方でありまして、この赤字の市内電話というものをいつまでも持ちこたえるということはできないし、すでに本年度におきましても、現在予算上は六十一億円の収支差額が出ておりますけれども、その後仲裁裁定で二百二十億円必要になっておるわけでありまして、ベースアップ等で二百二十億円経費がよけい要るようになっておるわけでありまして、本年度も赤字になる見込みでありますし、また農村とか住宅等に電話が普及してまいりますと、現在でもそういう状態の上に、四十四年度になりますと、現在概算要求を出しておりますのでも約三百億円の赤字になる。したがって、この市内に対しまして、現在の体制を維持することが困難になるということで御了解願いたいと思います。

北條浩公明党

○北條浩君 そういたしますと、基本料金の現在行なわれておりますこの級局別ですね、この下の料金体系、これもまた今回の改正によりますと非常に格差がなくなっておる。これはやはり考え方によりますれば、いろいろ小局すなわち小都市においてはやはり所得が低い、大局すなわち大都会においては所得が大きい。やはりその負担能力から比べれば、むしろ小局のほうが基本料金は安くてしかるべきであるにもかかわらず今回その格差がなくなっておるということ、こういう点についていま私が一貫して申し上げておるように、むしろ所得配分の公平化からいいましても、公共料金の体系をきめるにあたりまして、基本的な考え方からいってもう少し考慮の余地はないか、この点もあわせてお伺いしたいと思うのです。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) 先ほど申し上げましたが、現在十三段階のものを大都市等におきましては、たとえば七数字——七回数字を回すようになっておりますし、それからそれが六回回すもの、五回回すもの、四回回すものといろいろあるわけでありまして、ところが一方、現在の決算の状態から見ますと、いわゆる利子と減価償却の資本費用だけで月約二千六百円、金がかかっておる。ところが住宅用の収入というのは大体月千六百円、農村とか住宅用のものは千六百円くらいしか収入がないのでありまして、いわゆる人件費とかあるいは保守費その他のオペレーティング・コストがゼロといたしましても、二千六百円の資本費用に対しまして収入が千六百円しかない、こういうような状態であります。したがって、そのいまの状態から考えまして、いわゆる設備の実体に合わせて——、七数字、六数字、五数字、四数字と、そういうようなものに合わせまして段階を整理して、そうしてこの際合理的な形にしたいというわけでありまして、特に一番投資の多いのは線路でありまして、その線路は各家庭とそれから電話局とを結ぶ場合には大局によっても小局によっても変わりないわけであります。結局、そのディジットの数が変わるわけでありますから、その線路の状態と、それからディジットの数との関係で五種類に整理したい、こういうことでございまして、なお詳しくは所管の局長から申し上げます。

北條浩公明党

○北條浩君 そういたしますと、値上げの平均が一二・五%と言われましたけれども、実際はやはり一般家庭住宅用の負担のほうがかなり重くなると思うのですね。この事務用と、それから家庭用とでは一体どのくらいの差になるものでしょうか。

武田輝雄日本電信電話公社営業局長

○説明員(武田輝雄君) いま総裁から申し上げましたような、現在の料金体系の非近代性と申しますか、不合理を是正するために今度の料金合理化をお願いしているわけでございます。したがいまして、上がるものもありますが、下がるものもある。そうしてまた上がるものにつきましても、体系がずいぶん変わってまいりますから、そういう意味合いでいまおっしゃいました一住宅用の負担額ということになると、非常に計算がむずかしいわけでございます。そこで、大体また同じ住宅といいましても、大都市と小都市がございますけれども、利用度数に差があるということでございますので、仮定が非常にむずかしいわけでございますが、私ども現在大体平均的に考えていますのは、基本料、度数料、市外通話料あるいは付属電話料といったような料金を全部ひっくるめまして、住宅用につきましては大体五百円くらいのものではないかと、こういうふうに考えております。

北條浩公明党

○北條浩君 先ほど決算のことにつきましてお伺いしたわけでありますけれども、その中におきまして、非常に減価償却の占める率が大きなウェートを示しておりますが、特にこの減価償却、耐用年数等について最近十六年を十四年に縮められた。このことは他のやっぱり関連業種と比べまして不当に高いように思うわけでありますけれども、この減価償却、耐用年数等の操作、これによってはこれでいまの赤字がいかようにも黒字に転化できるし、そうした設備投資による、しかもその減価償却費というものを大衆の負担に転化するということ自体が、私は問題があると思うのです。したがいまして、なぜこの耐用年数をそういうふうに縮めなければならないか、不当に減価償却費が高いという理由は一体どこにあるのか、これをお聞かせ願いたい。

中山公平日本電信電話公社経理局長

○説明員(中山公平君) 減価償却の耐用年数の問題でございますが、公社におきます減価償却の経緯をながめてみますと、昭和三十六年度に減価償却につきまして改正をいたしました。その際に、大体電信電話公社の資産の八十数%を占めております電信電話の線路及び機械の設備を総合いたしまして、物品によっていろいろ長短があるのでありますけれども、大体一六・二年の耐用年数にきめられたわけでありますけれども、その後数年にわたりまして御承知のような電信電話サービスの改善、拡張、こういうものを遂行いたしておりまする過程におきまして、新技術の導入、サービスの改善その他のことをいたしまして、その経過の中で耐用年数がこれでいいのであるかという疑問が起こってまいりまして、数年にわたって調査を続けておったわけでございます。耐用年数の決定にあたりましては、時の経過あるいは自然的な損傷という物理的な寿命だけでは耐用年数は適当ではないということで、いろいろ経済的な社会的な要因というものを私どもは考えていかなければならぬということになりまして、サービスの改善、設備の拡充、新技術の導入等による影響が固定資産に及ぼしておる実態、たとえば市内電話の自動化、市外電話の即時化、さらには通話設備の向上等のため交換機、電話機その他の装置が技術革新の今日でございますので、早期に取りかえられておる状況また、都市構造の変化あるいは道路整備工事等の実施によりますところの他動的な要因によります市外設備の取りかえの問題、こういったものを的確に織り込んで耐用年数をきめてまいりたいということで、過去におけるデータをそろえまして、こういったいろいろな要因が集中的に表現をされておるところの個々の資産についての実績、具体的には年々の配備総数と削除実績をもととして削除の原因を分析する、これによって増減法というやり方で耐用年数を求める、こういうことをいたしまして、四十一年度では主として機械につきまして郵政大臣の御認可を得て耐用年数を改定いたしました。総合で約十五年ぐらいになりました。昭和四十二年度からは、主として線路につきまして調査の完了を待ちまして、郵政大臣に御認可を得て耐用年数の改定を行ないたいということにいたしておりまして、すでに御認可をいただいておりますけれども、これによりまして、大体十三・四年ぐらいに総合耐用年数が相なっております。そこでこれを税法等と比べますと、あるいは他企業と比べますと、まあ私どもと同じような物品を使っておりますところの国際電電、あるいはNHK、あるいは民放、そういったところも比較をいたしました場合には、償却率におきましては個々の物品についての耐用年数にいたしましても、公社のほうが長いということで決して短かいものではない、こういう状況になっておりまして、そういうものを総合しました償却率につきましても、四十二年度では一一・六%、それに対しまして全産業平均では一四・一%、こういうことでございますので、耐用年数につきましては、私どもは現在の電電公社の実態に即した耐用年数になっておるというふうに考えております。

北條浩公明党

○北條浩君 そうしますと、急激な技術革新によって設備投資額がふえることはわかりますが、電電公社としましては、こうした設備投資に必要な額を結果としては一般の需要者負担、その料金によってまかなうと、または借入金と、こういう考え方で一応いっているのじゃないかと思うわけでありますが、もともと電電公社としては政府出資はこれをふやす考えはないのでしょうか。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) 現在、公社といたしまして借金が幾らあるかと申し上げますと、一兆五千二百億円借金がございます。今後第四次五カ年計画を進めてまいりますと、第四次五カ年計画は四十三年度から四十七年度でありますが、その際にも、大部分は借金でやはりやるわけでありまして、先ほど料金体系合理化によって出てくる資金が一二・五%と申し上げましたが、その十二・五%の使途というものは、結局赤字の補てんと、それからもう一つは建設勘定の中で改良部分、たとえば既設の線路の寿命がきたので取りかえるとかいう、あるいはまた、いなかのほうにまいりますと、マグネットの局がありまして、マグネットの局を自動改式いたします場合に、これは既存のマグネットの加入者の方も新しい積滞のものをプラスいたしまして自動に直すわけであります。そういたしますと、いままでマグネットで非常に通話の質も悪かったあるいはせいぜい県内ぐらいしかかからないような伝送特性であったものがまあ日本じゅうにかかるようになった。そういう改良分と、その二つに回すのでありまして、大体建設は借金でやるという考え方は貫いておるわけであります。料金によってそれを建設に回すということはなくて、赤字補てんと、それから改良に回すと、こういうふうに考えておるわけであります。

北條浩公明党

○北條浩君 そうしますと、現在このような料金合理化という名において改定が行なわれるわけでありますが、これと第四次五カ年計画とによって現在の積滞ですね。それから第四次五カ年計画の終了時においては完全にこの積滞はなくなる見込みでしょうか。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) 前々から申し込んだらすぐつくようにしたいということは電話事業を運営する以上、これは確かに理想的なことでありまして、公社としてもこの四十七年度末にそういう申し込んだらすぐつくことを理想として考えておったのでありますが、現在の計画では大体いま積滞が二百四十万ぐらいございますが、その半分ぐらい残るんじゃないかというふうに思っています。といいますのは大都市の中央部あたりでは、たとえば東京のまん中あたりではいまでも申し込んだらすぐつくのでありますが、特に最近東京の周辺とかあるいは大阪の周辺と、そういうようなところは非常に団地等もたくさんできまして非常に発達しておりますし、またいなかのほうも自動改式というようなものにつきましては、これを一挙にマグネットの局を自動にするわけには経費の上でもあるいはその他いろんな事情によりましてできないんでありまして、結局大体いまの積滞の半分ぐらいのものはやはり残るというように予想しております。

北條浩公明党

○北條浩君 で、この前の予定では当然積滞はなくなると、現実問題としてこうした公共事業に対して国民大衆というものはやはり何といってもサービスを一番要求するんでありまして、むしろ口ではサービス本位とおっしゃっておりますけれども、料金は上がるわ、依然として積滞は残るわ、いろんな矛盾が絶えず国民の負担において課せられている、これは非常に私はまずいと思うんです。一つには、この電信電話事業というものが、郵政事業だけではとうていやっていけない。たとえば大きな大都市周辺にはどんどん団地ができると一挙にそこに需要がふえる、局もふやさなければならない、不測の事態とおっしゃいますけれども、やはり国政をあずかる大臣とされましてはやはり長期展望に立った上でこれこれしかじかの理由で料金を改定するけれども、そのかわりこうなるといったような展望を持った上でやらないと、国民は絶えずだまされていると、結果としてはそうなってしまうんではないかという点を強く感ずるわけです。したがいまして、もう少し、たとえば今回の五カ年計画を実施されるにあたっては、もう少し明確な見通しを持ち、また国づくりに関連してまいりますけれども、ひとつその関連性の上から的確なる判断、見通しを持った上でなされないと結果としてはまずいのじゃないかと、この点を強く感ずるわけであります。したがいまして、その点大臣から見通しなりをもう少し明確にお聞かせ願いたい、また特に第四次五カ年計画というものがこの一般家庭用の電話というよりか、むしろ新しい産業電話に相当重点が置かれているんじゃないだろうか。したがいまして、国民としてはやはり料金値上げという問題がピンとくるわけでありますが、この第四次五カ年計画というものが、一体どういう方向に重点を置いて指向されているのか、こういったこともあわせてお聞かせ願いたいと思うわけです。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) この料金合理化の問題は郵政省と公社が案を出しておると、しかしこれから政府としてこれをどういうふうにするか、そういうことでございますから、私は御希望あるいは御批判は十分しておいていただくほうがいいと、ことにいま最初に言われた住宅と事務用を一緒にするのはどうか、その問題についても政府の中にも異論があります、また分け方が五段階でいいのか、もっと少なくしたらいいのか、こういう問題もまだ政府としては確定しておらぬから、私どもは御意見のほどは十分ひとつ参考にしてこれからきめてまいりたい、こういうふうに思っておりますから、この点はひとつ今後も御意見はお出しを願いたいと、こういうふうに思います。  それから先ほどの減価償却の問題でありますが、これは少しよ過ぎるのじゃないかと、こういう問題がありますが、私企業においては減価償却というのは非常に大きな影響がある、あるいは社内留保にする、あるいは利益金を少なくして税金をのがれる、こういうふうな問題がありますが、公社のほうにおいては税金もなければ配当もないと、したがって減価償却を大きくするということは、ただ収支の面においてはあるいは利益が少ないとか赤字が出るとか、こういう問題が背景になってきますが、資本そのものはそのまますぐにもう次の年にはこれが建設費に使用されると、こういうことでございますから、私企業のような弊害はないと、したがって、できるだけまあ償却をよくするということが事業の健全化のために役に立つが、いまの脱税だとか利益の隠匿とかそういうふうな問題には影響がないから私もできたらやっぱりできるだけ償却をよくすることが事業の健全化に役立つということで四十一年度決算にもこれを認めたのでありますし、また四十三年の決算においてもいまのような問題が起きてくる、こういうことでありますから、ただ収支面において影響がある、しかしそのほかの面においては別段の弊害はないと、こういうことを私どもは考えております。  それから料金の問題でありますが、これは料金をもって建設費に充てることはよろしくないと、これは私は当然の理論であると思います。どこの私企業においても、建設は増資をするか社債を募集するかしてやっておるわけであって、すぐに料金をこれに転嫁するということはこれはすべきことじゃありません。したがって私は、電信電話の建設は何によってやっているかというと、若干の料金もあるが、いまの設備負担金あるいは受益者負担のいまの電話公債あるいは財政投融資あるいは民間への公募、こういうふうな各般の資金によってこれは構成されておると、したがって若干料金が加わってもこれはある程度やむを得ないが、それが大きな部分となって建設に向けられるということは、これは世間も承知しないし、私どももそういうふうにすべきでないと、こういうふうに考えておるのであります。それに料金のどの部分を出すかと、たとえば四十一年には決算で七十億出たというと、それは料金の差額の収支でもってそれだけ利益が出るというと、そういうことになりますが、いまのお話のことは、これは注意をして資金の公平な負担を十分考えていかなければならぬ、こういうふうに思っております。さようなわけで、改良に使われるといいますか、これは普通の理論からいえば改良は減価償却によってやるのが当然でありまして、料金でやっぱり改良までたくさんやるということは私は適当でない、こういうふうな考え方を私どもはしておりますから、これはもうお話のとおりでございます。この計画自体は総裁も言ったように五カ年計画のあとでは申し込みがあったらすぐつけられるようにしたい、こういうことでありますが、国全体の設備投資のバランスの問題がありまして、全体としてこのほうにばっかりお金を渡すわけにいかないと、こういうふうな考え方からして、結局まあ五カ年計画の末においては九百三十万戸だけ設備しようと、その結果は公社の計算ではまだ百何十万くらい積滞が出る、こういうことになって、目標としては三世帯に一世帯は電話をひとつつけるようにしたいというのが一応の目標でありますから、九百三十万戸を五カ年間にどういうふうに配分していくかということが毎年の予算のつくり方の問題であるわけであります。したがって要は、すでにこの九百三十万戸というものを目標にして五カ年で完成するということと同時に電話の格差を是正するということが電話局としては、公社としては、非常に重要な問題になっております。私ども一番困っているのは、北條さんもときどきおっしゃっておるように、行政区域が一緒になったのにさっぱり電話が通じない、みんな市外通話だと、隣まで電話が来ているのによその局の電話だと、こういうものの整備を非常に緊急を要する問題として考えなきゃならぬと、こういうことを考えておるのでありまして、電話というものが都市に集中するというようなことは考えておりません。やっぱり電話というものを全国にあまねく均てんさせると、こういう方針を貫いておるのでありまして、いま地方でお困りになっているのは、いまごろ磁石式でやっている局が何千万もあるということは、こういうことは格差是正のための方策としてもやるべきでありまして、新設はとにかくいまのような九百三十万個を目標にして、改良はいまの磁石式を自動式に直したり近距離の電話をみんな市内通話に直すというところに非常に大きな重点が置かれているわけでありまして、御心配のないようにひとつ心がけたいと、こういうふうに考えております。

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) 速記を起こして。

北條浩公明党

○北條浩君 電報のこともちょっとお聞きしておきたいわけですけれども、確かに電報は非常に昔とは違ってきたことはよくわかりますが、電報料金の合理化という点において問題は残ると思うんです。御承知のように、主として業務用に使われる量が非常に多くなったわけですが、電話がないところは緊急やむを得ざる連絡等はどうしても電報によらざるを得ない。その場合に、今回の料金改定において、そういった面を何とか救済する方法はないものか、また、そういう点はどうお考えになっておるか、その点の配慮の余地をひとつお聞かせいただきたいと思います。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) この点はもうお話のとおりでありまして、私はやっぱり電報がどうしても必要なところは、農山村等で電話の普及しない地域には絶対必要なものだと、こういうふうに思うのでありまして、ある程度電話を補う作用をしておる、そういうわけでございますから、電報と電話では一緒に扱って、そうして現在、公社の計算によれば、電報の支出と収入が五対一だと、こういうことになって五倍上げなければ収支は償えないと、そういうようなことで、そんなことできるはずはありませんし、私は、電報の不足は電話で補ったらよかろうと、こういうことでございますから、できるだけ電信電報の料金を上げたくないと、こういうふうな考え方を持っております。したがって、今度の料金改正案においても字を増す、十五を二十にするとか、これを百円と、こういうことになっておりまして、現行を全然上げないでそのまま据え置くと、八十円にすれば基本の料金だけは据え置きになる。いま二十円増した案が出ております。五字増すごとに二十円と、これは上がりますが、私は少なくとも二十字までの基本料金というものはなるべく上げないほうがよいであろうと、もし多少上げて収支償うならば考えてもいいが、とにかく五倍上げなければどうにもならぬということであれば、いまお話のように基本料金だけはできるだけ上げないようなくふうをしたいと、こういうふうに考えておりまして、これらもこれから相談してきめたいと思っておりますので、できるだけ御意見は尊重したいと、かように考えております。

北條浩公明党

○北條浩君 ただいま大臣のお話のように、十分まだ検討の余地があるということでございますので、ただいま申し上げた点につきましては、公共事業のたてまえから、一般大衆に負担のかからないように、十分御配慮を願いたいと思います。  なお、最後に一つだけお伺いしておきたいことは、郵便貯金の現状でありますけれども、やはり当初の予定よりもこのところ急激に貯金量が減っているように伺っておりますが、その現状でございますね、それをちょっとお聞かせ願いたいと思います。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) 郵便貯金はお話のように八月ごろから非常に鈍化してきておるのでありまして、われわれたいへん心配いたしておるのでありますが、十月の様子はまた回復に向かっておる、こういうことで、どういうわけでああいうふうに減ったかというようなこともいろいろ研究いたしておりますが、一部株価の活況と、こういうものがある程度影響しておるし、また一般市民の消費増加、こういうようなことも関係しておると思いますが、いまの様子ではこれらの状況が改善されつつある。こういうことでございまして、すでに今年度目標の六〇何%かできておるし、年度末までには心配するような事態はなかろうと、こういうふうな見通しをいたしております。ただ実は郵便貯金をもっと奨励したらいいじゃないかというお話もありますが、他の金融機関も郵便局のこれらの活動については非常に神経質になっておるのでございまして、したがって、これを人為的にわれわれ左右するということは非常にむずかしい。ただ郵便局の信用をよくするとか、サービスをよくするとか、あるいは郵便貯金の本質をよく理解してもらうとか、こういうふうなことをこれからもやってまいりたいと思うわけでございまして、結論的にはことしは財政投資等に対する影響もあるとは思っておりません。

北條浩公明党

○北條浩君 結論的には心配ないということでありますが、郵便貯金がやはり減っておるということはまあ株価の現状から言いまして、そちらに流れた点も考えられるかもしれませんけれども、やはり一般庶民、大衆というものが高物価のために実質収入が減っておる。ですから当然貯金に回すべきものが回せなくなっているという現状ではないかと思います。ですからいたずらにこの株高によって、株のほうに流れておるということで本質を見失うということは、為政者としては大きな問題があるのではないか。したがいまして、どこまでもこれが公共料金に大きに影響がある問題でありまして、結果的には物価高を招いて庶民、大衆の生活が苦しくなって、郵便貯金にあらわれるという一連の現象ではないかと思うわけであります。したがいまして、どうかこういった一貫した施策にあたりましては、公共料金につきましては慎重な御配慮を願いたい。さらにまた郵便貯金の現状から推しまして、年末の中小企業の融資に関しても逼迫をする事態にならないように、十分の御配慮をお願いいたしたいことを要望いたしまして、私の質問を終わります。

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) 他に御発言もなければ、本件に関する質疑は、本日はこの程度にとどめます。     —————————————

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) 次に、理事の辞任許可及び補欠互選についておはかりいたします。  寺尾豊君から文書をもって都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  つきましては、直ちにその補欠互選を行ないたいと存じます。  互選は、投票の方法によらないで委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) 御異議ないと認めます。それでは理事に松平勇雄君を指名いたします。     —————————————

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) 次に、理事会において協議いたしました次回の委員会等について御報告いたします。  次回の委員会は、十一月十三日水曜日午前十時より調査事件を議題といたし行ないたいと存じます。  また、理事会におきまして、国際電信電話株式会社東京局舎、及び北浦受信所を視察することになりました。視察の日時については追って御連絡いたします。  別に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十九分散会      —————・—————

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