社会労働委員会 第1号
- 発言数
- 116 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1968/08/08
会議録
○委員長(加瀬完君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 参議院の改選に伴い、社会労働委員会の構成も変更いたしましたが、私、また引き続いて委員長に選任されました。皆さまの御協力を得て責務を果たしてまいりたいと存じます。 何とぞよろしくお願い申し上げます。 —————————————
○委員長(加瀬完君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、小野明君が委員を辞任され、その補欠として成瀬幡治君が選任されました。 —————————————
○委員長(加瀬完君) 理事の互選を行ないます。 本委員会の理事の数は四名でございます。 互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に、鹿島俊雄君、丸茂重貞君、大橋和孝君及び上林繁次郎君を指名いたします。 —————————————
○委員長(加瀬完君) 調査承認要求に関する件を議題といたします。 社会保障制度に関する調査及び労働問題に関する調査の両調査承認要求書を本院規則第七十四条の三により議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(加瀬完君) 速記を起こして。 社会保障制度に関する調査を議題といたします。 これより質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
○大橋和孝君 本日は、きのうあたりも運輸委員会で取り上げられているようでありますけれども、国鉄の屎尿の問題について、特に厚生省側から衛生の面からこれを一ぺん取り上げていろいろ御意見を伺いたいと思います。この問題を見ておりますと非常に重大な問題であって、私はいろいろな角度からこれについてお伺いしたいと思うわけであります。 国鉄では、全車両は二万五千百十一といわれておりますが、その中で便所のついておる車両は一万七千六百ある、こういうふうに聞いております。また、二つ三つついておる車両を数えますと、便所の数は一万九千あるというふうにいわれておるわけでありますが、この車両の中で、新幹線を走っておる七百九十二両というのは、循環式と申しますか、完全にタンクの中に装置をして、そしてまき散らさないで一定の場所に処置されるというふうに聞いておって、これはわりあい問題でないというふうに聞いております。また、あと残っておる一万六千七百四両については、消毒式装置の取りつけが、それは粉砕をして、消毒薬をまぜて、そして一定の消毒をしてからいままでのようにたれ流しにさせておるというわけでありますが、私の聞いたところでは、九百九十六両にしかそうやられておるのはないようであります。この割合を見てみますと、大体八%くらいでしかないわけであります。すると、大部分のものが何ら処理されずにまき散らされておるというふうな現状だと思うわけでありますが、この現状と、そしてこれらに対するいままでとられてきた指摘、それから計画の見通しなどについて具体的に国鉄側から御説明を願いたい、こういうふうに思うわけであります。
○説明員(磯崎叡君) 昨日も運輸委員会で御説明申し上げましたが、ただいまの大橋先生の御質問に対しましてお答えを申し上げます。事柄の性質上、こういう公開の席上で申し上げにくいこともございますが、やむを得ずはっきり申し上げることをお許し願いたいと思います。 国鉄は、実は、日本で一番便所をよけい持っておるところでございます。駅の便所だけで約六千ないし七千、車両の便所が、先生のおっしゃったように、約一万八千ございます。 便所につきましては、これは明治以来から問題になっておりまして、ことに終戦後いろいろ問題がございまして、私どもといたしましても、これをどう技術的に解決するかということで、まず、駅の便所のほうは、一応全般の公衆便所と同じような考え方でいいということで、これは主として建築関係者のほうの領分になります。 車両の便所につきましては、車両の構造、あるいは線路に働く人間の問題、沿線の民家の問題等はもちろんでございますが、そういった各般の問題がございまして、昭和三十四年ごろからいろいろ技術的な問題にとりかかっております。私のほうでは、新幹線はじめ、技術的な大問題は、全部技術課題といたしまして、技術者が集まりましていろいろ検討いたしておるわけでありますが、三十四年以来、毎年ほとんど技術課題として提案いたしまして検討いたしておるわけでございますが、いまの先生のおっしゃったように、現時点におきまして一〇〇%満足すべき技術的な指摘ができているかと申しますと、新幹線の場合でも、車両自体としては全く問題がございません。しかしながら、基地といいまして、いずれ車両がたとえば品川とか大阪とか三島とか車両の車庫に入ります。車庫に入ったあとの始末、これが非常に大きな問題であります。これは地上設備と申しておりますが、これが地元の屎尿処理の問題とからみましてなかなかむずかしい。何も自分のところの地元のものでない屎尿を処理する必要があるかどうかという問題もございまして、自治体の屎尿処理問題ともからみまして非常に問題がございますが、一応、現在、新幹線の屎尿処理は、大阪、三島、品川、この三カ所において相当大きなタンクをつくりまして、一ぺん地上のタンクへ入れまして、それからそれを各屎尿処理場へ運んでおる、こういうようなやり方をいたしております。したがいまして、車両の汚物処理の問題につきまして、車両自体の問題と、それから発生いたしましたものを最終的にどう始末するかという問題と、両方あるわけでございます。 車両自体の問題につきましては、ただいま先生の御指摘のとおり、初めタンク式というのを使っておりました。これは、屋根の上に大きなタンクを載せまして、それで水で洗いまして下のタンクにためる、こういうタンク式であります。ただ、これは非常に水が要りまして、大体固形物に対して約六ないし十倍の水が要るということになりまして、非常に重量が重くなるわけでありまして、その後、それでは困るということで、実は新幹線も初めはタンク式を使ったわけでございますが、非常に重量が重いので、飛行機でやっておりますような循環式、これは固形物以外は全部消毒いたしましてその水を水洗に使うわけでございます。したがって、固形物に対しまして三倍程度の水で済むということになるわけであります。非常に重量が少なくなるということで、循環式がいいだろうということで循環式に改めております。ところが、その循環式につきましては、おのおのの基地であと始末が要るということでございますが、それと並行いたしまして、昭和三十九年ごろから、浄化式あるいは消毒式、いろいろな方法を、場合によっては燃焼式まで考えたわけでございます、燃焼式は走る列車にとって非常にあぶないということで、燃焼式は採用できないというようなことで、現在は循環式とそれから消毒式というものと併用しているわけでございます。 消毒式のほうは、いま先生のおっしゃったように、約千両につきましていまつけておりますが、これは消毒はいたしますが捨ててしまうわけでございます。まき散らしてしまうわけでございます。したがいまして、いわゆる殺菌的な効力はございますが、汚物に対する嫌悪感と申しますか、それはなくならないわけでございます。したがいまして、消毒式というものが、いまやっておりますが、はたしてこれでいいかどうか。粉砕してやりますが、やはり固形物的に残るわけでございます。したがって、何と申しまするか、消毒してございますから、伝染病その他のそういった心配はないわけでございますけれども、見た目の嫌悪感というものは、相変わらず色も同じような色でございますし、あまり違わないというふうなことで、いま実は消毒式を使っておりますが、私どものほうも、消毒式をこのままでいいかどうかについてはまだ疑問の余地がございます。 かと申しまして、先ほど申しました新幹線を全部循環式にいたしますためには、現時点でも二百カ所から三百カ所ぐらいに地上のさっき申しました基地をつくらなければいけない。その基地が、さっき申しました自治体との屎尿処理の問題とからんでくるわけでございます。 結局、今後の問題といたしましては、私どものいまの考えでは、これ以上飛躍的な考えがなければ、消毒式はやはり過渡的なもので、ある時期には循環式というものにかえなければいけないのではないかというふうに思っておりますが、たいへん申しにくいことでございますけれども、駅の便所はもちろんのこと、列車の便所にいたしましても、非常に異物を捨てられるわけでございます。たとえば万年筆を落とすとかというぐらいなことはしょっちゅうでございますが、そうでなしに、下着類を捨ててしまうというふうなことがございまして、機械が非常にこわれやすいわけでございます。その点も、機械のこわれないように、ほかにくず箱を置きまして異物はこちらへ捨ててもらうようにと幾ら申しましても、現実にやはり便器の中に異物がる。そうすると、フィルターも、それから消毒のほうの機械も、強いナイロンの糸でもって引っかかってこわれてしまうという事態が実はたくさんございます。 そういうために、なるべく保守の手のかからないものにしなくちゃならないというふうなことも考えておりますが、そういったいまやっております三つの方式のうちのどれがいいのか、あるいは地上設備をどういうふうにしたらいいかなどにつきましては、非常に金もかかることで、両方で八百億ぐらいかと思いますが、どうも百億ずつ年間かけても八年間かかるというふうなこともございまして、現在いろいろ通勤対策その他をやらなければならない国鉄といたしましてどれに優先権を持たすべきかということにつきましてもいろいろ問題もあると思います。簡単に経過を申し上げまして一応のことを申し上げました。
○大橋和孝君 いまごく簡略に説明を聞いたのでありますけれども、これはその量から言いまして私は非常に驚いているわけです。たとえば東海道線だけでありましても、先ほど説明の中にもありましたが、その屎尿の量というものは、これなんか見てみますると、毎日五トンから十五トン程度の細菌になる。たとえば毎日五十トンから八十トンの屎尿が排せつされますから、それの一〇%ないし二〇%大腸菌がおるということになりますから、五トンから十五トン近くまで東海道線だけで大腸菌がまき散らされているわけですね。 こういうような観点から申しますと、これは非常におそろしい数でありまして、全国で言えば、まあ新聞なんかも非常におもしろく報じております。一日に大便のほうは十五トン貨車で百三十四両分が出されておるんだ、小便なんかドラムかんに入れてみたら富士山の二十倍も積み重ねられるという表現の仕方をして発表しておられるように、この量というものはすばらしい量なんであります。その中に、計算をしてみると、大腸菌が、いま言ったように一〇ないし二〇%含まれておる。毎日毎日東海道線だけでも十五トンからの大腸菌がまき散らされているというわけでありまして、これは非常な大きな問題で、同時にまた、このあれを見てみますと、飛び散る範囲というものは二十五メーター、ときによっては三十メーター、四十メーターもたとえば高架の下あたりを見たならばまき散らされておる。あるいは、急行が通過するところの普通駅でそばがおいしいといって立ち食いをしておると、二十五メーターだとすれば、そこらに食べている人は全部そばを食べながら屎尿の飛沫をかぶせられてそれを食べているということが想像できるわけであります。 同時に、沿線の住民というものを考えると、約八百万いるといわれておる。また、踏切で待っている人が二百八十何万、約三百万あるといわれております。そうすると、踏切で待っている人たち、ホームにいる人、あるいはまたその沿線の住民を考えると、ばく大な数の人が糞尿を霧にして頭からかぶせられているということになるわけで、これは非常に大きな問題で、想像するだにぞっとするような状態だと思うわけであります。 こういうことをいままでの間にどういうふうにしてやっておられたのか。過去においては、それだけしかしておりませんとか、やっておりませんとか、いろいろ問題があるでありましょうが、こうしたことは四十年にあの清掃法が出されたときにも深く質疑されております。私ちょっと議事録を読んでみましたが、議事録の中でも相当質疑をされております。たとえば四十年から現在に至るまでの三年有余の間に一体国鉄の中では何がなされているか、そのなされたところの実績を知らしていただきたい。
○説明員(磯崎叡君) 四十年度以降は、先ほど申しました四十年、四十一年両年にわたりまして技術課題でもって、結局、いままでの消毒式、タンク式、浄化式等ではだめだということで、循環式に取りかえようということにきめたのであります。しかし、これも、さっき申しましたように、必ずしも永久的なものではございませんが、一応そういうふうにいたしまして、その後の新しい車両につきましては、通勤電車は原則としてつけません。これは私鉄なんかも大体二時間以内の場合にはつけないという原則であります。ですから、通勤電車は一切つけておりませんが、それ以外の急行——最近つくっております電車あるいは客車は、全部通勤電車以外は長距離を走っております。したがって、それらにつきましては、原則としてとりあえず消毒式の設備をつけております、新しい車両につきましては。ことしも約三百両くらい間もなくできてまいりますが、これも消毒式をつけております。ただ、ディーゼルの車になりますと、床下の機器が非常にたくさんございまして、これはごらんになってもわかりますように、電車と違いまして、床下にいろいろなディーゼルの機器を抱いておるものですから、場所がないということで、ディーゼル車両だけはやむを得ずいままでのような流し方式にいたしております。その他の電車、客車につきましては、一応過渡的ではございますが、さっき申しました消毒式というのをつけております。 ただ、実際に私自身も昨日、一昨日その車に乗ってみましたが、やはりこわれているのが多い。いろいろ聞いてみますと、びんなどを入れますので非常に機械的にこわれやすいということで、一時網をしたわけでありますが、網をすると実物そのものが詰まってしまうということで、現場の車の保守をする人たちが非常に泣いているわけでありますが、今後も、いま申しました新しい車につきましては、必ずしも感心いたしませんが、全部とりあえず消毒式にしていく。そうして、それと並行いたしまして地上設備をつくる場所を早くきめる。そうして自治体との屎尿処理の問題を片づける。場所によりましては、たとえば車両でございませんが、ある場所などは、うちの職員が多い所では屎尿処理設備自身を国鉄がつくらされたこともございます、実際には。そういうことで、自治体の屎尿処理の設備につきましては、ある程度うちが協力するとかなんとかしないと、なかなか受け入れてくれない。たとえば、東海道線で発生した屎尿を何も北九州で受け入れる必要はないのだというような議論を端的にされているわけでございまして、それらと関連いたしまして、まず地上設備をする場所を早く二百カ所なり三百カ所きめるというようなことで、いま新しく車両の基地をたくさんつくっております。電車の基地その他につきましては、ある程度そういったものもできる余裕をつくって、車両の基地等をいま考えて、現在工事をやっておりますけれども、一つは、問題は、一部分やったのでは実はしょうがないので、やるのならある年次全部それにかけて、ある年数やってしまわないとあまり効果がない。いま先生のおっしゃったように、もし大腸菌がたくさんうようよしているとすれば、東海道線はやる、よそはやらぬというわけにはまいりませんので、これはやるのなら全国的に計画を立ててやらなくちゃならない。八百億くらいの金をどうやって現在の国鉄の資金需要から出すか。もちろん自己資金から出っこありません。まさかこれを運賃でいただくわけにはちょっといかないと思いますので、結局借金でやらなくちゃならないという原資の問題もあるわけであります。 そういうことで、金との相談もやらなければならないということで、相当——昭和四十年の六月に清掃法が改正されまして、その五条に書いてありますとおり努力しなければならないということになっておりますが、私どもといたしましては全力をあげてやってきたつもりでおりますけれども、いろいろなそういう障害があって、技術的な障害、財政的な障害等のために、必ずしもスムーズに進んでいないということを率直に申し上げます。
○大橋和孝君 いまの説明を聞いていると、なにかかんか困難だから何もやっていないということなんですね。一方では、いまぼくが指摘したように、たくさんの大腸菌がまき散らされているけれども、いろいろな設備は金がかかるから何もやっていない。だから、実は、ぼくは、それはいけないということをいま申し上げたいと思うわけでありますけれども、いまの説明を聞いてみて、実際当局者としては非常に不熱心だと思うのです。これは労働省とそれから厚生省の大臣に両方おいで願っておりますから、いま申したように、厚生大臣のほうでは、そのような大腸菌がまかれている。トンネルの上のほうまでとってみたら大腸菌がある。アガールの培地赤変という有害な大腸菌がこの中に発見されておるというわけですね。これは伝染病としての取り締まりの中に入るものも見つかっておるということが報告されておりますね。ですから、こういうようなことから考えまして、環境衛生の面から、一体どういうふうにいままではしてこられたし、これからはどういうふうに取り組まれるかというこの問題について厚生大臣にお考えをお伺いしたいと思います。また、労働大臣のほうは、国鉄の現場従業員が何万ですか、五万ですかなんかおるでしょうし、あるいはまた、交通遮断なんかに関係する人、構内で作業している人、相当たくさんな人がいるわけですから、これも毎日たくさん屎尿をかぶせられておるということで、労働環境衛生のほうからはどういうふうに把握されているか、ひとつ御心境を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 簡単に経緯を申し上げますと、昭和二十五年から二十六年に、徳島鉄道病院の院長が、「列車便所に関する研究」及び「旅客列車の細菌汚染に関する研究」を発表いたしまして以来、引き続いて日本医学会の総会でもこの点についての意思表示がございます。その研究結果は、当時の国鉄総裁のほうに送付して要望しております。 次に、三十五年から三十六年の間には、東海道線沿線の住民から市に対し苦情が出てまいっておりまして、これに対してもその苦情をまとめて国鉄のほうに厳重要請をしております。 三十八年の九月四日に、公衆衛生の分野から、岡山県知事から、日本国有鉄道総裁あてに、列車便所の改善措置について要請をしております。 続いて、全国公衆衛生大会においても、交通機関における屎尿処理の改善について宣言を行なって、強力に要請をしております。 三十八年十月には、全国知事会議がさらに決議をしております。 以上のようなことに対して、国鉄のほうでは、地域による便所の使用制限であるとか、あるいは、ある地域にさくをつくるという方法を講ぜられましたけれども、これはほとんど効果を来たしていない。 そこで、三十九年以来、運輸省、国有鉄道、厚生省の関係者及び学識経験者でこれに関する協議会をつくって、列車便所の構造改良等について研究を続けてきております。 続いて、御指摘の清掃法の改正によってきまっておりますが、残念ながらこれが訓示規定でありまして、厳重な罰則規定がない。 これを要するに、現在までいろいろな経緯があって苦労はしているが、見るべき効果をあげていない、これが実情であります。 御承知のとおりに、従業員及び沿線、それから旅客においても、風速、スピードの場合によっては、直接旅客の顔にかかる例等もしばしば起こっております。 そこで、結論としては、国鉄の責任ではありますけれども、財源その他で国鉄が困っている現状でありますから、運輸大臣もそのような考え方を持っておられるようでありますが、関係各省が相談をして、やはり国によって何らかの方法を講じて、国鉄がすみやかに便所の改善ができるようにしなければならぬ段階であると考えております。
○国務大臣(小川平二君) 現状はきわめて好ましからざる事態であると存じております。結論的には、厚生大臣が答弁を申し上げたところと完全に一致をいたしているわけでございます。 ただ、法律問題といたしましては、屎尿は労働基準法の規定いたしておりまするいわゆる有毒物ではございませんし、労働安全衛生規則にいわゆる汚物に該当するものでございましょう。汚物に対しましては、労働安全衛生規則の二百十六条に、「身体又は被服を汚染するおそれのある作業場においては、適当な洗面所、うがいの設備、更衣所又は洗じょうの設備を設けなければならない。」となっております。そこで、詰め所等にこの種の設備が存在しております限り、直ちに違法だと申すわけにはまいりかねると存じます。 ただ、申すまでもないことですが、国鉄従業員を含めまして、一般に労働者に清潔な快適な労働環境のもとで働いてもらわなければならない、これは私どもの強く希望いたしているところでございますから、あとう限りすみやかにただいまの好ましからざる事態が改善されることを願っているわけであります。
○国務大臣(園田直君) ただいま、質問に答えることに重点を置いて、つい失礼いたしましたが、参議院選挙後初めての委員会であり、新しい委員の方もおられますので、異例ではございますが、大事なことでございますから、短時間でございますから、ごあいさつをお許し願いたいと思います。 過般の選挙において当選の栄をかちとられた委員各位に対して、衷心からお祝いを申し上げたいと存じます。 厚生行政は、国民の健康と福祉を守る重要な行政でありまして、私は、就任以来、厚生行政が政治の中心となるべきものであるという信念のもとに、委員各位の御協力を得て、鋭意努力をしてまいりました。 厚生行政が必要やむを得ざるものから逐次前進するという目的を持っているにもかかわらず、残念ながらわが国の厚生行政においては各部門とも必要やむを得ざるものがいまなおできない状態でございまして、これを遂行するについては、与野党にかかわらず、委員各位の非常な御援助と御指導をいただいているわけであります。 新しく委員になられた方々並びに引き続いて在任される委員各位に、今後とも旧に倍する御支援、御鞭撻、御協力を賜わりますよう、衷心からお願い申し上げて、ごあいさつにかえます。
○国務大臣(小川平二君) 一言ごあいさつを申し上げさしていただきます。 このたびの選挙で晴れの御当選をなさった各位もおいででございますが、どうぞお見知りおきくださいまして、よろしくお願い申し上げとう存じます。 本日は、簡単なごあいさつにとどめよというお申しつけでございますから、政策面の問題につきまして所信等を申し上げることは差し控えさしていただきますが、経済も国際化いたしております。また、わが国においてかつて見なかった深刻な労働力の需給逼迫という事態もあらわれてきておりまするし、これから先、労働行政の果たさなければならない役割りがますます重きを加えつつあるということを痛感いたしておるわけでございます。まことに力の足りない者でございまするが、これから先、あらゆる機会に御鞭撻をいただきますように心からお願いを申し上げる次第でございます。どうかよろしくお願いいたします。 —————————————
○大橋和孝君 先ほど大臣の話を聞きまして、非常に前向きに取り組まれることに対しては敬意を表しますが、それでは国鉄のほうでいままで労働科学研究所、東京にもあるようでありまするし、横浜のほうにもあるようでありますが、この方面で、現場に作業しておる者、まあそうした屎尿に汚染をされておる人が七万六千ほどあるといわれているわけでありますが、こういう人たち、保線区におるとか、車両整備とか、いろいろあるわけですが、そういう方々に対しては一体国鉄の側ではどういう調査をされて、どの程度の害があると御確認になっておるのか、その点を国鉄のほうから聞かしていただきたい。 それから厚生省のほうでは、沿線で八百万ほどおる、それから踏切やらいろいろなところを入れると一日に一千万人ぐらいの人がこういうのを浴びておるわけでありますが、こういうものは、生活環境衛生の観点から見て、いままでの調査で一体どういう障害が起きているか、あるいはまた研究結果がどうなっているか。報ずるところによりますと、イチゴ畑あたりがすぐ近くにあって、それを食べて赤痢に感染したという報告もあるし、逐次いろいろな報告があるわけでありますけれども、環境衛生の観点からみて一体調査がどういうふうにされてどんなようになっているか、現状をちょっと聞いておきたいと思います。
○説明員(磯崎叡君) 私のほうで調べましたところの、主として線路で働きます保線関係従業員に対する影響でありますが、主として私のほうでは作業後の衛生管理について重点を置いております。職場におきます浴場、あるいは洗たく場、物干し等の整備を行なったり、あるいは消毒液を備えつけるというふうに、いわゆる職場環境と申しますか、作業環境の改善を行なって、極力衛生管理の向上につとめております。結果的に見まして、昭和三十三年から昭和四十二年まで十カ年間の伝染病の罹病率でございますが、これは私のほうだけの部内の罹病率でございますが、全国鉄平均いたしますと十カ年平均で千人に対しまして〇・五三%、これに対しましていわゆる保線関係職員が〇・四一%、それから踏切関係が〇・五二%で、必ずしも全国鉄の平均罹病率を上回っているという数字には一応なっておりません。これは国鉄だけの狭い調査でございますが、過去十年間の実績を見てみますと、こういうことになっております。
○説明員(村中俊明君) 列車に基因する伝染病の発生についてでございますが、特に大橋委員の御質問の要点の赤痢関係の腸管系の伝染病があげられると思います。昨年の資料によりますと、年間の集団発生が約四百五十件ございまして、この集団発生の感染の経路別の調査によりますと、約三百件が接触感染ということになっております。その他食品に原因すると推定されたものが四十六件、水に原因すると思われたものが五十八件、原因不明が約五十件ございます。発生の場所別に見てまいりますと、約四百五十件のうち百件が町村の部落に発生を見ております。その他、保育所、幼稚園で百十件、こういう形になっておりまして、明らかに鉄道沿線ないしは列車のトイレが原因と思われるような患者の発生については昨年では把握されておりません。 ただ、伝染病予防法のたてまえからまいりますと、患者が列車に乗るということについては、特に係官の許可を受けなければいけないというふうなきめがございまして、列車の中での患者による汚染ということは一応予防法によって防げていると考えておりますが、問題は保菌者の問題でございます。健康な状態で菌を持っているという利用者がたまたまトイレを使用して、それに基因して赤痢の発生が起きるのじゃないかというふうな心配につきましては、これは必ずしも現在の法のたてまえからは防げているとは断定できかねる状態でございます。この点につきましては、大臣もお答え申し上げましたように、なるべく早い機会に不潔汚染が飛散しないようなそういう対策が講ぜられることが必要だと考えております。
○大橋和孝君 いまの御説明を聞いておりますと、私がいま質問を申し上げておる——特に飛沫に対する調査ということを重点に置いて聞いているわけでありますが、それに取り組んだ調査はないわけですね、特別に。ですからして、いま厚生省のほうからのお話を聞けば、結局は統計上はこうなっているというだけであって、特別にそれに対しての取り組みはしてない。また、国鉄のほうにしても、従業員のありふれた処置をしておるからそれでいいというふうな形であって、特に従業員たちにどういうふうに及ぼすかという影響のいろいろ根本的な調査というのはどうも具体的に示されていないわけでありますけれども、何かやっぱりやっていられるかどうか。おそらく、この調子だと、何もやられていないと私は解釈するわけでありますが、これはたいへんな問題でありまして、多少の弊害はあるだろうどころじゃなくて、いま申したように、五トンもあるいはまた十五トンもというような大腸菌をまき散らされて、いま公衆衛生局長も言われたように、いわゆる保菌者もおるわけでありますからして、保菌者があったらそういう菌はあるわけですから、そういう問題に対しての調査ももう少し綿密にやってもらいたい、こういうふうに思うわけです。 最後に、この点についてもう一つ最終的に聞いておきたいのは、先ほど、循環式と消毒式、あるいはまたゴムか何かで飛散をしないようにしてたれ流し式と三通りあるのであって、改良されているということでありますが、いま話を聞いた中では、粉砕式が一番金がかからない、手っとり早く消毒できるから、その線でやっているということでありますが、どうしてもこれは屎尿をまき散らす上においては同じで、先ほど説明にあったとおりですが、どうしてもやらなければならぬのは循環方式じゃないかと思うのですね。だからして、こういうふうなことにもう意見は一致しているのかどうか、この点につきましても一応聞いておきたいと思うわけであります。特に私はこういうことを詰めて聞きたいのは、相当いままでの間に期間があるのでありますからして、その期間中にどういうふうに処理しているかということを討議はどれくらい行なわれておるかということがこれからのいく上において大きな影響を及ぼしますので、特に私はそうしたことをお尋ねしておきたいと思うわけであります。
○説明員(磯崎叡君) 循環方式が、大体一個百万円、ないし車両の改造等を伴いますと二百五十万円くらいかかります。これも今後量産していけばもう少し安くなると思いますけれども、ただ、先ほど申しましたとおり、やはり循環方式にいたしますと一番心配なのは詰まることでございます、異物が入りまして。それを一体どうするかということがまだ明確な技術的な検討はできておりません。これは結局利用者にお願いしてそういうことをしないようにしてもらう以外にないわけでございますけれども、あらゆる異物が入ってもだいじょうぶだというふうなことはこれはまたむずかしいと思いますが、一応そういうことがないということを前提といたしまして、現在新幹線でやっております循環方式というのが現時点では一番いいんじゃないかというふうに思っておりますが、いま申しましたとおり、それを今度基地に帰って処理する処理のしかたが一番問題でございます。たとえば一飛行機の例などを引いてみますと、羽田で各飛行機ごとにバキュームで吸い取りまして、それを何か一応たまりに入れて下水に流すという処理をとっておられるようでございますけれども、循環式でやっておる消毒が、いまおっしゃったように、あらゆるほんとうの滅菌作用があるかどうかという問題も若干あると思いますし、また、その程度でもって河川あるいは海水に流すことが将来とも許されるかどうかという問題も出てまいります。したがって、場合によりましては、基地でためまして、それを乾燥して焼くというふうな方法も考えなければいけない。ただ、その場合には、においの問題も出てまいります。 そういうことで、非常に関係するところが多くて、私のほうでも、技術者が中心になりまして、この問題の専門の実はトイレット部長といわれるまでの人間までおりまして研究いたしておりますが、なかなかこれは——外国は知らぬ顔です。外国のほうはもうあきらめてしまって、どこの国でもやっておりません。日本のほうはまだそこまでいきませんので、できるだけのことをやってまいる。飛行機のほうは、たまる量が少ないために、聞いてみますと、たとえば日本からアメリカに行く間の用便の回数等につきましても、汽車と比較にならないほど少ないというふうなことで、わりあいに航空機の処理はそう大きな装置を伴わないでできておるようでございますが、汽車のほうは、どういうものか、やはり飲んだり食ったりが多いせいか、どうしても分量が多いというふうなこともございます。したがって、それらにどう対処していくか、その数量そのものの問題と、それから地上設備の問題、それからもう一つは、さっき先生がちょっとおっしゃいましたけれども、当分の間、二時間以内ぐらいのところでは使用してもらわないということにいたして、いま現に東京付近に入ります列車につきましては、ある地域から使用を断わっておりますし、あるいは、関門トンネルなどにおきましては、これは開通以来全部ロックいたしまして使用いたしておりませんが、これは消極的な方策だと思います。 しかし、二時間ぐらいで走るローカル線にまで全車両便所が要るかどうかということにつきましてもやはり問題で、いまの一万八千個全部を改良するということは、とてもいまの国鉄の財政事情からできませんし、幾ら国で補助してくださいましても、八百億という金を国鉄に下さるということもむずかしいと思いますので、ある程度便所の個数も減らしていくということも考え、それからまた、ある程度これからつくるものはそういった新しい、とりあえず現時点における循環式並びに地上設備をつくるという方針でまいりたいと思っております。
○大橋和孝君 それじゃ、ちょっと方向を変えまして、先ほどからお話を申し上げましたが、沿線の住民に対する害の程度でありますけれども、沿線に対しては二十五メーター、あるいはまた、ときにはガードの下あたりでは三十メーターないし四十メーター、そういうところにこれが飛散する、こういうようなことであれば、沿線で清浄野菜なんかをつくっている畑もあると思うわけです。こういうのには栽培上には厳密な施策をして、そしてそうしたものが入らないような、また、いわゆる清浄野菜としての栽培場としてやっているところも、これは全国でいえばかなりあるんじゃないかと思われますが、こういうようなものに対する害の程度はどういうふうなことが考えられるか。 あるいはまた、ホームでも、先ほど申しましたように、五、六メーターは完全に飛散する。あるいは、先ほど厚生大臣もおっしゃっていましたが、窓をあけていれば、スピードが出ておるときには、前のほうのトイレを使っておれば、後のほうの窓から入ってくる。そうすると、客乗は、暑いから窓をあけておくと、その窓から糞尿をかぶせられるわけです。その中で息をしている。私もそれをやっておったわけです。よういままでがまんしておったなということで、自分ながらあきれるほどに感じておるのでありますが、そういうようなことが行なわれておるのであります。 このようなことは、構内でいわゆる食品を売っている者に対しても取り締まるかなんかしなければ、いま言ったように大腸菌が大量にまき散らされているのを食べることにもなりましょう。あるいはまた、列車の中に乗って弁当を広げて食べている人も、そういうものを食べていることになるでありましょうから、考えれば、ほんとうにこれは住民あたりに対する影響というものは非常に大きなものだと思います。それからまた、二十メーター、三十メーター飛び散るとなりますれば、その沿線の近くに窓をあけて生活している人は、年じゅう四六時中そういうふうなものをもらっているのであります。風が吹けば、空気の中でそういうものが飛ばされて、もっと遠くまで飛ぶでありましょう。そういうようなことを考えると、住民に及ぼす影響というものは実に大きなものだと思います。それから、先ほどの説明を聞いていますと、金がかかるとか、八百億云々という話がありました。それは、八百億といえば、国鉄の側からいえばそうかもしれませんが、また受ける側からすれば、八百億とか一千億じゃないのですね、毎日の生活に及ぼされていることでありますから。そういうことを考えてみますと、非常に不可解に思うわけであります。 それから、私はついでに申し上げたいと思うわけでありますが、国鉄の新幹線では、このごろ切符の売り場が冷房装置になっております。私どもも新幹線に乗せてもらって、非常に感謝しているわけです、涼しくて。これはいまの文化程度としては当然そうあるべき状態であろうし、冷房が完備されるのが当然であろうと思うわけでありますが、あれは一体冷房完備にどれくらい費用がかかっておるか。こういう問題に取り組むときは、非常にお金がかかるとか、あるいはまた、現場でいろいろ屎尿の処理場をこしらえるためにはもう何十カ所を確保しなきゃならぬ、それの用地買収に手間がかかるとか、何か理屈をつければいろいろあるだろうと思いますが、そういうことの考え方が根本的に——ひとつ国鉄あたりにも各大臣にも聞いておいていただきたいと思うんですよ。冷房装置をするということは、おそらく何百億かかかると思いますが、列車全部冷房装置をするなり、売り場に対しても、全部冷房装置ができる新幹線と書いてある売り場に入っていくと、ひやっとするというふうにできておるわけであります。私は国鉄全体がそうなるほうが望ましいとは思いますけれども、そういう金のほうを先行するのが、こうして屎尿が毎日まかれておることろの現状をどう処理するのか、どちらが大事か。比較的生産に結びついて、それをやったことによって乗客に対してのいろいろな点、そして、それがはね返って業態の発展につながるものについては、かなりそうした思い切った金が使われるけれども、一番最後のあと始末のほうに対しては、その入れたお金が、いわゆるこういう装置に使う金がより業態発展につながらないということになると手が抜かれているという感じがするわけであります。これはひが目かもしれませんけれども、そうとらざるを得ぬように思うのです。 ですから、そういう観点から言って、一方には、そうしたりっぱな近代的な冷房装置もできておる。そして窓もあけなくてもいいから、非常にうまくいっておる。こういうような設備は望ましい設備でありますけれども、私が考えるならば、そちらにいく前に、こうしたものの設備のほうに先に重点を置いて考えていくほうが正しくはないか。影響するところは、ただいま言いましたように、沿線の人、あるいはまた乗客、あるいはまたその付近の住民の人に大きな影響を及ぼしておられるのですから、そちらのほうに対してもう少し真剣な手を打って、しかる後にあとから快適な方向に進めていくべきではないか、そう思っておるのでありますけれども、そういうことも含めてひとつ御見解をお聞きしたい。
○説明員(磯崎叡君) ただいまの先生のお話はまことにごもっともでございまして、私も常々そういうふうな考え方でやっております。公共優先でやらなきゃいけないと考えておりますけれども、一方で公共のために使う金をとにかく政府でなかなか出していただけないとなれば、やはり働き出さなきゃいけないということになります。したがいまして、最近のように独占性が失なわれまして、飛行機、マイカー等の競争が激しくなれば、まずもうけられる機関でもうけなければ、通勤輸送とかこういう公共方面に金が使えないというのが国鉄の現状であります。ですから、ただいまの冷房の御意見につきましては、確かにおっしゃるとおりの点もございます。しかし、われわれといたしましては、こういう公共方面に金を使うための金の捻出を自分でやらなくちゃならぬ。そのためにはやはりもうかるところでもうけさせていただかないと金が出ないということもぜひひとつ御了察くだすって、たとえば政府に対して、いろいろ通勤輸送に対してお金をいただきたいと思いましても、お出し願えない。これは私どもの力の足りない点でございますが、やはり自分である程度金をかせぎ出してこういう方面に金を使うように今後ともやってまいりたいというふうに思う次第でございます。 しかし、いま先生のおっしゃった、あくまでも公共優先であるということにつきましては、私は何ら異議を申し上げるものではございません。
○藤原道子君 関連して。お話を伺っておりまして、どうも納得がいかないのです。八百億あれば対処できる、こういうことになれば、国民に及ぼす健康上の問題、環境衛生の問題、その他を考えるときに、私はその金が出ないはずはないと思うのです。ことに、なんでもかんでも国鉄の新しい活動とか何とかに対して全部乗車賃でまかなおうとすれば赤字が出るのはあたりまえだと思うのです。幸い、ここには、労働大臣、厚生大臣がおいでになるし、大蔵省も来ていらっしゃる。国民の保健衛生に関する問題ならば、この際思い切って国が金を出したらいいじゃないか。害があることがわかり、国民の不安がここまで盛り上がってきている。国鉄だけに責任を負わして、そうしてお金がないから赤字だからどうにも対策ができません、こういうことでは私は国民は納得しないと思うのです。国有鉄道という名があるのですから、国がそういうことに対しては思い切った手を差し伸べるべきではないか。ことに、問題は、国民の保健衛生に関する問題です。保線区等で働く労働者の健康にも関する問題です。幸いにお二人がここに御出席でございますから、こういうことは閣議でも十分検討なされて、国鉄の力は弱いとおっしゃるけれども、国鉄だけではなかなか意見が通らないかもわかりませんが、それを大いに御自分たちの責務の立場からも主張されるべきではないか、こう思うのですが、お二人の御意見を聞きたい。 同時に、いま国鉄側からおっしゃいましたが、外国ではほったらかしだけれども、日本では対策を立てますと。外国の先進国の鉄道は主として荒野を走っている。人口密集の都会地は自動車等が発達しておりますので、汽車の便はほとんど使用することは少ないように私は承知いたしております。したがって、荒野を走る列車、日本のように人口密集の国内至るところにこういうものをまき散らしている国とでは、おのずから考えは変わっていいのじゃないか、あたりまえじゃないかと私は考えますが、御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(園田直君) いまの問題は、国が主体になって経営をする企業の公害であると私は考えますが、御指摘のとおりに、財源がなくてできないというのではなくて、国もやはり主体になって考えて、国が出すか、あるいは立てかえ工事をやるか、何にしても早急にこれは改善する結論を得なければならぬ、こう考えます。
○国務大臣(小川平二君) 厚生大臣がただいま御答弁申し上げたのと全く同じでございます。
○説明員(磯崎叡君) ただいまの藤原先生のお話でございますが、私も決して外国の鉄道がどうこうと申し上げたのじゃなくて、私ども実はこの問題を研究するにあたってずいぶん外国の実態も調べたわけでございます。その際に、向こうの担当者に聞いてみますと、もううちはだめだといって全然ほったらかしにしてしまっているということを申し上げただけで、だから私どもがやらないという意味では決してございませんので、その点、ことばが足りないで誤解になったかもしれませんが、申し上げます。
○大橋和孝君 労働大臣がお急ぎのようですから、労働大臣にお伺いしたいことを先にちょっと伺ってみたいと思います。 先ほどちょっと労働大臣も法令を引かれましていろいろ御説明になりました。私のほうもちょっと調べてみましたけれども、労働基準法の四十三条では、労働者のための職場環境の清潔、健康保持に必要な措置を講ずべき規定ができておりますね。また、五十五条には、改善命令の規定ができているわけであります。こういうものにもこれは大きく関係があると思います。それからまた、労働安全衛生規則、これの中にも、百七十二条では、衛生上有害職場の改善努力義務が書かれているのですが、さっきおっしゃいましたあれだと思います。あるいはまた、百八十一条では、おっしゃいましたように、保護具の設置義務、こういうようなことも書かれております。また、二百十六条には消毒設備が書かれております。これらのものをずっと拾ってみましても、これらに対しては重大な影響をしておるわけであります。それからまた、基本的な問題として、憲法の中にもそういう環境にしなければならぬということがうたわれている。 こういうようなことから全部考えてみますと、この鉄道の問題は、労働者に及ぼす影響と、大き観点からこうした法の精神に抵触しておると思うわけです。それは努力規定だから、あるいはまた消毒規定だからといって、働いておる人は、飛び散ってきたら雨がっぱのようなかっぱでも着いとか、あるいは防毒用のマスクでもはめいとか、帰ってきたら風呂に入って消毒せい、これでいいじゃないかと、法律のたてまえからいったら。磯崎副総裁からもこれに似たような答弁があったわけであります。私は、そういうようなことでこういう法律に抵触しないという考え方だとしたら、根本的に大間違いで、これは憲法違反にもなると思う、そういうことでは。ですからして、労働者に及ぼす影響、あるいはまたこの法に対しては抵触するものと考えて、前向きに解決してもらわなければいけない。 先ほど、大臣のお話では、せいぜいそれについては鉄道のほうにもあるいは運輸省のほうにも申し入れてあるということでありましょうが、私がここで申し上げたのは、予算化される時期でもありますし、労働省側から大臣の意見を十分強力に大蔵省のほうにも、あるいは主務官庁のほうにも、あるいはまた、関係のある各省が話し合いをしてこうしたものを前向きに進める方法を考えなければならないと思うのです。先ほどのお話では、金もかかるのだからいまなかなかできない、これが前提になっているようでありますけれども、これはやり方によっては先ほど私が例を引いたような形でやる方法はあると思うわけであります。ですからして、現段階のような状態では、もっともっと私は前向きに労働省のほうにお願いしたいことは、労働者のほんとうに基本的なそういうものを守るためにどうするかということで相当強く処置をしてもらわなければいけないと思うのでありますが、そういうことに対して、労働大臣の今後の見通し、どういうふうにしていくのだと、どれくらいたてばどうなるのだというようなことの見通しも含めて、今後どういうふうにしていくかということを大きく取り上げてもらわなければならぬと思うので、そうしたことについて、いまの各条項、こういうようなものも踏まえて考え方を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) ことごとく仰せのとおりだと存じます。現行の諸法規に直接違反をしておらないからと申しまして、これを放置していいとは毛頭考えておりません。国鉄が経理の面で非常に大きな困難をかかえておることは、御高承のとおりでございます。現状のもとにおきましてもなお工夫努力の余地がないものかどうか、私どものほうからも十分この点について検討してもらうことを要望いたしたいと存じます。 労働者の働く環境を清潔な快適なものにしますためにあとう限りの努力をしますのが私どもの当然の義務でございます。できるだけ努力をしてまいりたいと存じます。
○大橋和孝君 いまのことばは、非常に短かったけれども、その決意のほどは私は相当深く受け取らしていただいていいものだと思います。そうしたいものだと思います。特に私はいま考えておりますのは、労働者あるいはまた一般住民の環境衛生、そういうものを十分清潔なものにするための大きな努力として、もっとこの社会労働委員会においても積極的に推し進めてもらうように、小委員会でもこしらえて徹底的にやってもらうまで追求をしていくというふうなことまでしてもらいたいという希望を持っておりますが、そういう観点から申しましても、労働省のほうでは、労働者のそうした基本的なものを守る意味において十分な配慮をしていただくと同時に、その実現方も特に推していただきたい、こういうことを要望しておきます。 次に、清掃法の問題についてお尋ねしたいのでありますが、清掃法が四十年でしたかに制定されるころに、非常に問題になっているわけです。特に特別清掃地域というものに汚物を捨てることは禁止されているわけです。これに対して大きな違反が行なわれているのじゃないかと思うのです。大都会の近くには特別清掃地域というものは相当あるのじゃないかと思うのでありますが、そういうところに汚物をまき散らすこと、捨ててはならないというこの法律ができておるにかかわらず、これに対しては大きな違反が行なわれておる。特にその二十四条では、三万円以下の罰金、拘留または科料となっているわけでありますからして、ここらに国鉄は堂々と汚物をまき散らしておるわけでありますから、この条項に適合するものだと考えられるのでありますが、これは対象にならないのでありますか、これをちょっと聞いておきたい。
○説明員(金光克己君) 清掃法の第十一条におきまして、「何人も、みだりに」特別清掃地域内におきまして汚物を投棄してはならないと。これに伴いましてただいま御指摘のような罰則もあるのでありますが、列車からの屎尿の排出につきましては、第五条の第四項でうたわれておりまして、「屎尿を環境衛生上の支障が生じないように処理することにつとめなければならない。」と、かようにうたわれておるわけであります。それで、第十一条に「何人も、みだりに」ということばがありまして、この「みだりに」ということばは、何が何でも絶対だめだということではないわけでございます。御承知のように、日本の屎尿処理施設ができ始めましたのはこの十年ばかりに急激に発展したわけでありまして、全般的にはさような状態でございますので、かような規定が設けられておるわけであります。したがいまして、列車から排出される汚物については、「みだりに」という範囲には入らないという解釈を従来いたしておったわけでございます。したがいまして、罰則等は当然これは関係がないというふうなことに法律上は解釈いたしております。しかし、環境衛生上支障がないかどうかということにつきましては、先ほど来話が出ておりますように、これはあり得るわけでございます。ただ、先ほど公衆衛生局長からも説明いたしましたように、集団発生とか集団多発とかいったような形では赤痢等も発生したとまだ確認はないというのが現状でございます。
○大橋和孝君 たいへん予期しない答弁をもらいました。いま集団発生はしてないと言っているけれども、それは調査が不十分だと思う。先ほど公衆衛生局長の説明の中では、不明のやつがありますね、何ぼか。この不明のやつはそれが原因をなしているかもしれない。ないという証明ができますか、あなた。そういうことを言ったらそれはもうたいへんな問題であって、ことに、特別清掃地域に対して、清掃法の第十一条、こういうものがもしあなたのような解釈でみな行なわれるとしたら、この法律はあってもなくてもいいことになるんです。汚物を捨てることはできない、捨てさせないための法律なんですね、これは。ですから、鉄道がやっていることはこれには抵触しないのですということになったら、私はたいへんな問題だと思うのですね。現に先ほど申したとおり、もう何べんも話してきたとおり、それだけ多くの人に頭からまき散らしている。しかも、その辺にちょっと落としたというだけでなくて、頭からぶっかけているわけですからね。こういうことがやられておって、それが「みだり」ではないのだとか、あるいはそうではないということは、ほんとうのへ理屈であって、これは私は法理論的なことばかり申し上げるわけではありませんで、国民の代表のつもりで質問しているわけですから、率直に国民が受け取って、そういう法律には抵触しないものだ、それは国鉄がやられたならあたりまえだと解釈するものかどうかということを考えたなら、そうはならぬと思うのですね、絶対に。私は、いままでこんなことが行なわれたこと自身が、国鉄そのものも、政府そのものも、非常に間違ったことをやっていると思うのです。しかも、法律はどうですかと聞いたら、あなたがそんなことを言っているようだったら、そんなことで世の中が通っていくなら、こんな法律は全然あってなきがごとしだ。何のためにこういう法律がつくられたかと私は言わざるを得ぬと思うのです。また、清掃法をつくったときに、そういう議論はされているじゃありませんか、記録を読んでみましたら。そういう記録の中では委員がちゃんと質問している。これに対しては十分配慮いたしますという答弁をしているじゃありませんか。そうして、これが何もやられていなくて、いまの段階になって、何とかもっと前向きでやってくださいと言っているのに、法律違反にならぬと言っている。いまのとおりに政府がやってのけるなら、法律があってなきがごとくにやるのは政府なんだ。そこらで立ち小便をする人は、軽犯罪法違反で科料に処せられる。これはやっぱり汚物を捨てるからじゃないですか。これに対して、これだけ多くの人に対して大腸菌をまき散らす。その大腸菌の数を数えたら十五トンですよ。こんなものを毎日まいているじゃありませんか。これでもこの法律にはなんにも関係がありませんということを言われたのでは、これたいへんな問題であって、この問題についてはもっともっと前向きな姿勢で考えてもらわなければならないと思うのですが、国鉄のほうではどう考えておられますか。
○説明員(磯崎叡君) 法律の適用は、私のほうは云々する資格がございませんので、申し上げませんが、私のほうといたしましては、特別清掃地域内におきます根本的な問題は、先ほど申しましたとおりでございますが、とりあえず使用禁止という制度をもっと徹底的にやるという以外にないと思います。現在、現場にも相当徹底させまして、列車中でいろいろ放送などいたしておりますので、たとえば横須賀線などは、もう大船、鎌倉ぐらいから全部使用を禁止するという緊急手段を講じようというふうに考えております。
○委員長(加瀬完君) 厚生大臣、どうですか。厚生大臣のおっしゃっていることとちょっと食い違いがありますから、あらためて……。
○国務大臣(園田直君) いま事務当局から暴言的な発言をしたということで誤解を生じたと思います。立ち小便も、みだりにやっているのじゃなくて、やむを得ずやっているのだということになれば、これにかかるものは全部ございません。やはり、何といっても、法律に抵触することは事実でありまして、それがずっと過去から慣例があり、国がやっておったということで、不感症になっている。その不感症がいけないということが今日の問題でありますから、これは法律に抵触するものと解釈してすみやかに応急の処置をする、こういうことでありますので、御了解を願いたいと思います。
○大橋和孝君 それで納得するわけであります。
○説明員(金光克己君) 先ほど私が御説明した中で若干問題を生じたわけでございますが、実は集団発生がないと申し上げたのではないのでありまして、確認されていないという意味で申し上げたわけでございます。集団発生とか集団多発がございますと、保健所でさっそく疫学調査をいたしますので、その結果で原因がわかってくるわけでございますが、その中ではっきりしたものがわからないから確認されていないという意味でございますので、御了解いただきたいと思います。 それから「みだりに」の問題につきましては、先ほど大臣のおっしゃったとおりと思います。従来、「みだり」という範囲には解釈してきていなかったということでございまして、最近の情勢におきましては、やはり大臣のおっしゃるような考え方で進まなければならぬと私どもも考えております。
○大橋和孝君 それから次にお伺いしたいのは、この法律云々よりは、いま申したように、非常に大きな影響を及ぼしていますね、この状態が。いま、厚生大臣は、これはもうそういうような観点ですみやかにせねばならぬというこれを出してもらったので、私は非常にうれしく思うわけでありますが、ほんとうにこれはすみやかにやらなければならぬと思うのです。 ことに私は一つここで考えてみたいことは、特別清掃地域における屎尿処理の問題、これに対しては各都市とも相当大きな赤字をかかえて、つまり、どこでも豊かで金が余っている都市はあんまりないと思うのです。各都市は、いろいろなことをせんならぬことがあって、赤字をかかえて、三割自治だとか一割自治だとかいわれておるわけでありますから、自治体はなかなか苦しいわけですね、現状。おそらく、私は、国鉄よりも大都市のほうが苦しいのじゃないかと思うのです、苦しさにおいては。ちっとも変わらぬと思うのです。それならば、そういう特別清掃地域に指定されておるような都市はどうしているのか、こういう問題は。そうすると、やはり非常に苦しんで、あるいはまた融資を受け、あるいはまた非常に四苦八苦して屎尿処理の施設を拡充するためにいま努力しておりますね。ですから、この法律ができてからまだ十分な効果はもちろんあがっていませんけれども、それの取り組み方は、相当真剣な取り組み方をしているのです。ひとり、国鉄だけが、あれができない、これができないといって、一方では冷房装置のようなそういう設備のほうには金を使いながら、こういう肝心のことに対して前向きでない。三年間なんにもしていない、いままでの論議をずっと聞いてみても。こういうことから考えてみると、大都市がこれから進んで苦しい中からやろうとする意思と同じように国鉄はすみやかにこれをやるべきじゃないかと、清掃法の立場からも言えると思うのでありますが、それに対してどうですか。
○説明員(磯崎叡君) おっしゃることはたいへんごもっともでございますが、ただ、私どものほうも、市町村に毎年百数十億の納付金を納めておりまして、すでに推計千億以上の金を貧乏ながら市町村に差しあげております。その一部はこちらのほうに回っておると思いますが、しかし、具体的に申し上げますと、まだまだ足りないというお話でございます。私どもといたしましても、結局、いまの国鉄が輸送革命に直面いたしまして、ほうっておけばだめになるにきまっている。この現状で何を一体優先にすべきかという問題に帰着するのじゃないかと思います。一方からいえば、朝晩の通勤をどうするのだといって毎日毎日責められますし、環境衛生局からは環境衛生で叱られますし、一体どれを先にやるのだという問題になると思います。しかし、いずれにいたしましても、国鉄が借金をして——自己資金、運賃ではとてもまかなえませんので、借金をしてやるという以外にないのでございます。借金の使い方からすれば、ある程度利子の払えるような借金をして、そして何か金をつくって公共事業的なものにやらないと、結局、便所ができたころにお客がないという事態になっても困りますので、その点は十分考えまして、前後の順序を誤らないようにしてまいりたい、こういうふうに思うわけでございます。
○大橋和孝君 いまの説明を聞いたら、納得ならぬですね。次元を取りかえて話をしているんじゃないですか。国鉄が物を運ぶのはあたりまえじゃないですか、使命なんだから。それを言われるし、清掃を言われるし、何もできぬのだと言ったって、そんなことを言ったら、これはいまの答弁になっていないじゃないかと、私はそう思いますね。便所をつくったら客がなくなったら困る、そんなばかなことを言ってこれを等閑に付している考え方自身、根本的に誤りだと思います。それは基本的な問題であって、人間の命というものに直接関係する問題ですよ。もちろん、鉄道で事故を起こすのも命になるだろうし、いろいろな意味はありましょうけれども、これほど大ぜいの人に——衛生学上考えてもぞっとしませんか。そういうことをやっておってそしてそれは金がないからむしろあたりまえだと。しかも、先ほど藤原委員からも指摘されましたが、外国ではこれをやっていないんだ、まだ日本が一番よくやっているんだというようなお気持ちのようであります。全然要素が違うと思うのであります。先ほどからの答弁を聞いていますと、循環式にするほうがよかろう。同時に、また、それをするには金がかかるから、今度また逆に便所をつけるものを減らしていこう。これは生理的なものを抑制しようという行き方ですから、もうたいへんな問題だと思うですね。二時間ならいいと言っておりますけれども、二時間では困る人がたくさんあるんですよ。だから、私は、そういうものをつけるように十分前向きにすべきだと思います。 そういうことからいったら、あなたは金が問題だと言われますけれども、そういうことを言えばこれは全部に当てはまると思います。たとえば、国鉄がやっておられることは一定の人を車に乗せて引き受けているわけでありますから、このごろの過密過疎の問題で大きい都市に対してはたくさん人口が移動してくる、新しい住宅ができてくる、こういうようなことで、それが特別清掃地域であれば、それをしなければならぬという自治体が大きな悩みを持つのと国鉄が持たれる悩みとは一緒なんです。しかし、それだからといって、いろいろなことを要求されるから、そればかりにかかっておられない、こういうような考え方なんですけれども、どちらを重点に置くかということは別次元で、やっぱり基本的なものは基本的なものとしてどう処理するかということを考えるべきだ。まずもうかるほうにいく、冷房のほうをやってお客を集めるんだ、あとのことはそれから次の余った金でやればいいとか、できるようになったらしたらいいというふうにほうっておくべきでないと私は考えますので、質問を展開している。あなたのような次元だったら、これはいつまでたってもできない。そういうような考え方があるからこそ、清掃法できめられたときにいろいろ議論されて議事録にも載っているような答弁がされておっても、それが実行されていないじゃありませんか。そういう考え方に対してはこの時点においてすっかり変えてもらいたい。いまのような考え方をもってもし国鉄がやられるとするならば、これはゆゆしい問題だと思うのです。もう一ぺん再考された考え方を述べてください。
○説明員(磯崎叡君) 国鉄が非常に財政状態のいいときならば、まさにいろいろ考えなければなりませんが、とにかく現時点であらゆることを借金でやりながら、設備の拡充もし、また保安対策も講じ、あるいは通勤輸送もやっている。あるいはこういうこともしなければならぬということで、一体どこにプライオリティーがあるのかということは私はたいへんな問題だと思うのです。したがいまして、政府にもいろいろ委員会がございますし、各種の会議がございますが、いずれもその辺のことがあいまいになって、もうどうでもいいのだというようなことにもなりませんし、結局、やっぱりどれもこれも少しずつという総花主義になってしまう。それじゃ保安対策をほうっておいていいか。これもほうっておけないということで、われわれとしましては、なけなしの借金を少しずつ振り向けてやっているという現状でございます。したがいまして、ほかのものを全部やめてということも、この席で考え方を変えろとおっしゃられてもなかなか変えられないということで、私どもといたしましても、全体の金の使い方を最も有効に使うということでもって私は御答弁する以外にないと、こう考えております。
○委員長(加瀬完君) 委員長が発言するのは恐縮ですが、いま大橋委員の伺っておりますのは、結局、国鉄のたれ流し処理というものは法律違反じゃないか。法律違反なんだから、この処理というものをもっと厳密に考えなければいけないのじゃないか。それは、ラッシュの緩和とか、あるいはローカル線の改修とか、そういう次元とは違う問題なんで、金があるからとかないからというのでこれを等閑に付すべき問題ではない。金がないというので、段階的にこうやるほか方法がない、一時にやれないというのなら話がわかるけれども、ほかの費用がかさむから、また、赤字で金がないから、なかなかやれないということじゃおかしいのじゃないか。次元の違う問題を同じように考えては固るということを指摘しているわけですね。これをはっきりしていただきたい。私どもさっきから伺っておりまして、これがさっぱりはっきりしません。法律違反をしていることをどうして解決するか、その計画を明らかにしていただきたいし、決意を明らかにしていただきたいということなんです、質問の趣意は。これにお答えがいただけないので繰り返して行なわれておりますので、この点をはっきりさせていただけませんか。
○説明員(磯崎叡君) 法律違反なりや否やは、先ほど厚生大臣がおっしゃったとおりでございまして、私どもは政府の見解に対して何ら異議を差しはさむものではございません。また、罰則を受けるなら、国有鉄道が罰則を受けるのはこれは当然だと思います。しかしながら、現時点におきまして、私どもといたしましてはもう能力の最高限でありまして、その法律違反をやめるということにつきましては、いますぐ何百億の金を出してやめるわけにいかなければ、結局、特別清掃地域内においては便所を使わないということを徹底的にやる。さしあたりはそれしかないというふうに考えるわけでございますが、先ほどからるる申しましたように、私どもはこの問題を何もやらないでいいのだとかなんとか言っているわけではないのでございまして、保安対策とか通勤対策とか、やはり人の命に密着する問題をわれわれはやっているわけでございます。その中でどれをやっていいとか、それだけをやらないでいいという問題じゃないと思います。したがって、その問題はプライオリティーをどこに置くかということにつきましては、十分政府の御意思を承りましてやってまいりたいと考えております。
○国務大臣(園田直君) これは同じ側が答弁が食い違うようでありますが、非常に重大な問題で、私が絶えず主張している公害に対する基本の問題に関連があるので、この際、委員各位並びに国鉄の方にも御了承願いたいと思いますので、特にお許しを得て発言をいたしますが、公害に対する基本は、公営、私を問わず、企業の責任を明確にすることでございます。したがいまして、公害対策のいろいろな諸施策を進めるにあたって、あるいは基準の設定、あるいは補償の問題、あるいは公害の認定等について、それだけきびしくやれば企業は成り立たぬという企業内の方々の意見があることは御承知のとおりでございまして、これと同じような趣旨のことをいま国鉄側が言われておるわけでありますから、私はこの際明確にしておきたい。それは人間の健康と生命に与える企業の害というものと、その企業の目的とは全然別個の問題であって、私公の企業にかかわらず、公害はあくまでいかなる方法を講じても防止すべきである。そのために、企業の本来の目的やあるいは利潤のために影響があるならば、私企業は通産省において低利の金融をするとかあるいは援助をするとか、あるいは公害防止事業団を活用するとか、あるいは、国鉄については、本来の目的のために赤字があるならば、それは政府と相談の上に解決すべき問題であって、全然別個の問題である。したがって、本来の目的が非常に困難であるから、これはなかなか早期には解決しませんというものの考え方は、これは御訂正を願いたいと思いますから、発言を特に求めたわけであります。
○藤原道子君 関連。私もちょっと納得がまいりませんけれども、とにかく、輸送であるとか保安であるとか、こういう問題とこの黄害問題は違うと思います。先ほど厚生大臣、労働大臣も言われましたように、国鉄だけの輸送関係の問題ではなくて、国民全体の保健衛生の問題だから、それに要する費用は、もっと国鉄は強く政府に迫ったらよろしい。両大臣もそれを努力すると言っているのですから、あなたはもっと強い姿勢で御答弁なさったらいかがですか。国鉄が弱気じゃないですか。こんな大きな問題でいま直ちに国鉄自体の力でできるとは思いません。だから、これは当然国がめんどう見てやるべきである。命の問題——何が大事といって、これほど大事なことはないと思いますから、法律にもからむ問題であるし、大きな世論の起こっているときでございます。いままで放置していたということに対しては、私たちも国会議員として責任を感じております。したがって、国鉄といたしましては、国に対して積極的に働きかける、この態度を私は強くあなたに要望したいと思いますが、いかがでございますか。
○説明員(磯崎叡君) たいへん御激励を賜わってありがとうございます。私どもとしましては、いろいろなことで政府のほうにお願いをいたしておりまして、いずれもなかなか実現していただけませんもので、つい弱気になってしまうわけでございます。こういう問題は、命にかかわると申しますと、事故が一番命にかかわるわけでございまして……。
○藤原道子君 それとまた次元が違うのよ。
○説明員(磯崎叡君) その点もよくわかります。わかりますけれども、私どもといたしましては、やはりお客さんの命を預かることに最重点を置かなければならない。同時に、こういう問題も、これは別な次元でございますが、同じ時点で考えなければならぬというふうに思います。いろいろ政府にもお願いをいたしますが、また、政府もない袖は振れないというふうにおっしゃいますが、できるだけの政府の御援助を得まして前向きに進んでまいりたい、こう思うわけでございます。
○大橋和孝君 それから続きましてもう一つお尋ねしたいのは、先ほど、国鉄のほうでは、金がないので非常にできないというふうに言われておるわけでありますが、清掃施設整備緊急措置法というのができまして以来、五カ年計画で、特別清掃地域における屎尿は、四十六年度までには一〇〇%衛生処理ができるようにするというこでいま行なわれていると思うのですね。そうすると、車両関係の屎尿、国鉄のほうは当然これに準じて考えなければならぬと私は思うわけです。先ほどぼくが議論したように、国鉄でも大都市でも同じことになるわけです。そうなれば、国鉄関係でも四十六年度までには特別清掃地域のほうではそういう計画が立っているわけでありますからして、国鉄のほうでもそれに準じて考えられるべきだと私は思うわけなんですが、その点はどうなっているか。いまの話を聞いていると、なかなか金がないからできないできないでそのまま済んでいるように思うわけです。大都市であれば、学校もつくらなければならないし、道路もつくらなければならない。いろいろな問題があるでしょうが、国鉄も同じことなんです、そういうウエートは。特別清掃地域に属しているところは、整備緊急措置法によって、五カ年計画でやる、四十六年には一〇〇%できると、こうなっているわけです。そういう立場から考えたら、国鉄のほうも何らか国のほうからいわゆる借り入れするなり何なりしてもらって、いまの問題とは別な次元で、こうしたものに対して取り組んでもらわなければならぬと思うのです。先ほど委員長のほうからも発言をしてもらいましたように、法律の立場を考えてみたならば、そうされなければならぬと思うわけですね。そういう観点からいったならば、私はいまのところではそういう計画を伺っていないわけでありますが、それはどうなっているのですか。
○説明員(磯崎叡君) その点につきましては、先ほど厚生大臣もおっしゃいました、厚生省、運輸省並びに国鉄の三者の協議機関がございます。それによりまして、具体的に特別清掃地域の都市あるいは市町村等を明定いたされる順序になっておりますので、それによりまして、とりあえずはその区間内の使用を禁止するとか、あるいはその次に徐々にいまできてまいりました消毒式あるいは循環式の車両をふやす、こういうことでまいりたいと思っております。
○大橋和孝君 まだ消毒式なんか入れているんですけれども、あなたは消毒式はあまりよくないんだ、循環式にするんだという御答弁をしているのですが、それをまたひっくり返したらだめだ。私は、もう当然、いままでの質疑の中では、国鉄は循環式にしていくのだと、そういうふうなことを考えているのだと、私はいままでは把握しておったんですよ。いま消毒式を中に入れられたのは、いままでの御答弁と違うと思います。 と同時に、いままでの話では、循環式にすれば、基地を整備もしなければならぬと言われているわけですね。ところが、東京のほうにおいてやられているのは、都の汚水処理施設の中にパイプかなんかで流し込ませるようにしているわけです。大阪の鳥飼基地と三島の基地のほうでは、国鉄がつくっていらっしゃるわけですね。 ですから、私がいままで申したように、都市のほうに国鉄はかなり納付金を払っていらっしゃるわけですから、できるだけそういう使用するところでは基地をたくさんつくって、もう少しそういうところでは積極的にやれば、また節約するところもできて、そういう基地をつくるために四百五十億かかるとか、あなたのほうはおっしゃっているわけですが、これに対するやり方もあるのです。同時に、また、こういうことを積極的にやる方法はまだまだ考えられておらないと思う。 ただ、私は、ここで指摘したいことは、国鉄がいま言ったような考え方でいろいろなことをたくさんやらなければならぬのに、どうも事業がたくさんあって、経済もうまくいってない、だからしてやむを得ないという考え方が先行しているように思うわけであります。 私は、きょうはあまり時間がありませんから、これで質疑は一時とめておきまして、あとからまたいろいろ質疑をもう一ぺんやりたいと思います。それまでの間に、国鉄のほうでは、こういう問題についてどうするかということをもっと前向きに考えてもらいたい。いままでの質疑の中では国鉄は比較的無責任ですよ、私の受け取り方では。だからして、いろいろなことをやらなければならぬ。健康上の問題がある。輸送するために改善しなければならぬ問題がある。だから、わしのほうではそこまでやれるかという姿勢があるからいけない、私はそういうふうに考えます。いま私が例を引いたように、大都市も同じようなそういう課題をかかえておっても、やはりそういうことを法律に従うように五カ年計画を立てているわけですから、そういうことをもう少し考え直してもらいたいと思います。 最後ではございますけれども、大蔵省から来ていただいているようでありますから、いままでの質疑の中で、国鉄さんは、金がないから何もできぬできぬと言っているわけです。これは次元が違います。国民の健康あるいはまた衛生の非常に重大な問題でありますから、この環境の整備についていま主計官がおいでになりましたが、いま質問をしているところなんですが、国鉄は、いま申したように経営上困るからなかなかできないとおっしゃっていますけれども、この問題は非常に重大な問題であるからして、今後国としてもお金の面を十分に考慮してこれをやってもらえるような形でひとつ大いに取り組んでもらいたいと思いますので、大蔵省からの御答弁を聞かしていただきたいと思います。
○説明員(辻敬一君) 私、厚生、労働関係の予算を担当いたしておりますが、国鉄関係の予算は担当いたしておりませんものですから、ちょっとお答えできないのでございます。
○大橋和孝君 それは担当外ではあれですが、担当の人は来ていないのですか。じゃ、あなたのほうからひとつよく言っておいてください。お願いいたします。またあとからそれは質問いたします。 じゃ、これくらいできょうはとめておきますけれども、いま国鉄のほうにもお願いいたしましたように、あるいはまた厚生、労働のほうにしましても、ひとつこの問題に対しては前向きな考えをしていただきたい。また次に続けてお伺いしたいと思いますから、この次までにひとつまとめておいていただきたい、こういうふうに思います。
○委員長(加瀬完君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(加瀬完君) それでは速記を起こして。 —————————————
○藤原道子君 いまお聞きのように、時間の制約がございますので、かけ足で御質問を申し上げたいと思います。 まず、第一に、八月六日は広島に、あした九日は長崎に原爆が投下されました。私は、この被災者の、二十三年経過した今日、なお血の出るような苦労をしておいでになる人たちに対して、心から申しわけない気持ちで一ぱいでございます。私、この前、委員会で御質問いたしましたときに、政府は目下調査中だということなんです。調査中といったって、もう二十年経過しているじゃないかというようなことで押し問答いたしましたが、その後、四十年十二月に厚生省は全国の原爆被爆者実態調査を行なって、昨年十一月にその結果をいわゆる原爆白書として発表されました。ところが、それには、健康、生活ともに一般の人と大差はない、こういうことが言われている。私はこの実態調査は粗漏であったと思う。そういう批判は各地から起こっております。それで、やっと特別措置法というものができましたけれども、その内容があまりにも低額であり、制限がきびしいと思う。これに対して、被爆者が訴え続けておりますところの血の通った援護法、これを政府はどのようにいま考えておいでになるか、それについてお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 特別措置法の施行については、事務的にそれぞれ準備を進めておりまして、今月中に政令その他の必要なものを終了して、必要な各都道府県は東京、長崎、広島でブロック会議をやってこれの実施に遺憾なきを期しておりますが、御指摘のとおり、医療からさらに援護までまいるべきであったのでありますが、いろいろな事情で措置法ということにとどまりましたが、この医療につきましても、今度の措置法につきまして実施する前から各地域あるいは各団体からそれぞれ問題が出てきております。 それは、第一は、ただいまのような制限が非常にきびしい、したがって、非常に困りながらこの措置法の恩典に浴しない者が非常に多い。それからまた、その認定の問題についても、いままでのような認定であっては実際に即しないと、こういう諸問題が出てきております。 なお、そのほかにだんだん出てまいりますことは、たとえば広島、長崎はガンの患者が多い。これはやはり被爆の問題と関連がある。しかるにかかわらず、長崎、広島にはガンの診断、治療の設備が必ずしも十分に整っていない。あるいはまた、被爆者自身もそうでありますが、被爆はしたが、現に健康上は外に出ていない。出ていないが、白血球、赤血球をしさいに長く調査してみると非常に変化があって、いろいろな病気が出てくるおそれが多い。こういうふうになってまいりますと、認定の基本などもその辺からもう一ぺん検討しなければならぬと私は考えております。 そういう現在の被爆者の方々が恩典に浴しないという点からと、もう一つは、原爆の問題が、過去のものではなくて、未来に行くに従っていろいろ想像しない問題がたくさん出てくる。この未来に対する問題と両面から、まだ施行されていない援護法あるいは現在施行されておる医療法についても、逐次政府において各位の御意見を承りながら改善の方向に向かっていかなければならぬと考えております。
○藤原道子君 私は、ぜひそういうふうに進めてほしいのです。ことに、援護手当が出されたときでも、生活保護を受けている人は一万円の中から五千円差し引かれちゃうんです。これはあまりにも酷なやり方だと思う。このことは、過日、老人福祉年金でも、私たちしばしば委員会で夫婦のあれを削除することは反対をし、間違いだと指摘いたしましたが、最近ああいう事件が起こっております。私は、被爆者こそ戦争の最大の犠牲者だと思う。したがって、軍人恩給制定のときも、軍隊がなくなった今日、軍人恩給の制度はおかしい、広島、長崎の原爆の犠牲者を含めた戦争犠牲者補償法をつくるべきである、こういうことを主張いたしまして、自来この問題と取っ組んでまいりましたけれども、いまなおこれが満足な結果が得られないことは非常に残念と思っております。 ことに、私が昨年婦人の集まりに行ったときに御一緒に世話役をしていらした人が、元気に働いていらした。それが三カ月後に急変いたしまして入院いたしました。そして、見舞い行ったら、これがあの人かと思うくらい頭の毛がごっそり抜けてしまって、見るにたえない人たちが帽子を編んで帽子をかぶせて寝かせておりましたが、その方も亡くなりました。いま、原爆被爆者は、過労になることが一番いけないんですってね。ところが、広島の日雇い労務者の中の四割は被爆者だという結論が出ております。こういうことを見過ごしておる当局はあまりに酷なやり方ではないか。医者にかかる通院手当なんかも、四十円から百六十円と限られて、通院するのに四十円の交通費がいまどれだけのささえになるでございましょうか。小頭症の問題その他相次いで起こっておりますこの被爆者の悲願に対して、厚生大臣がいつも言われております愛情のある政治を、平和を願う日本国民といたしましては、世界で初めての被爆者に対してもっと真剣な取っ組みを私はお願いしたい。この問題できょうは相当時間をさいて御質疑いたすつもりでございましたが、委員長のおことばもございます。ともかく、一日も早くこれらの人の納得のいくように愛情ある政治を施行してほしいと思いますが、生活面までみていくところの援護法に対して厚生大臣はどのようなお考えを持っておいでになるか、重ねてお伺いしたい。
○国務大臣(園田直君) 御指摘のとおりに考えておりまして、私も現地へ参りましてさらに考え方を深刻にいたしております。 なお、また、前国会、その前の国会を通じて藤原委員はじめ各委員から御指摘を賜わった発言は全部私の答弁を加えて収録いたしまして、明年度の厚生行政並びに予算折衝の基礎としてこれの準備を進めております。十分御意見を拝聴いたして、その方向に努力するつもりでございます。
○藤原道子君 長い間の問題であり、世界の人もおそらく注目していると思うのです。いま各地で会合が開かれておりますけれども、実態を見ると、私はこのまま見過ごすことは断じて良心が許しません。厚生大臣の前向きの政策を心から期待いたしまして、この問題は次の機会に質問を譲りたいと思います。 私は、子供は国の宝だと思います。次代をになう世代であります。ところが、その国の将来性をはかるにはその国の政治を見れば判断ができるとさえいわれておりますが、いまの日本の児童対策、これを思いますときに、まことに寒心にたえないものがございます。 五月二十七日に厚生年金会館で開かれた児童福祉法施行二十周年記念大会において「二十一世紀をになうこどもたち——その健康と福祉」という討論会で厚生大臣が発言されましたこと、これに対しましては、長い間この問題と取っ組んできた私といたしましては、まことに意を強ういたして、参集されました二千人の人たちと同様、厚生大臣に心からなる拍手を送りたいと思う。しかし、厚生大臣の発言にただ拍手を送るだけでは済まない。私は、具体的にこれがどのような構想で、ちょうど予算編成期を前にいたしましてその実現の見通し等についてお伺いをいたしたい、こう思います。
○国務大臣(園田直君) ただいまの御指摘の私の発言の要旨は、一つはお産に対する問題それから二番目に新生児に対する問題、それから保育所等、御指摘の子供を中心にした私の信念を申し上げておるのであります。そこで、第一はお産の問題でございますが、その必要性はもう御激励いただきましたから申し上げませんが、非常に困難だとは承知しておりましたが、あくまで私はこれを通したいということで努力いたしてまいりまして、事務当局でも第一は保険でこれを適用したい。ところが、これは、単に財源だけではなくて、たとえば一例をあげますと、盲腸の手術、それから鉗子分娩の手術料というものが千五百円ですか。ところが、分娩料は六千円近くもかかる。したがって、これをこのまま保険に入れると、盲腸手術や鉗子分娩と正常分娩との均衡がとれないという技術的な問題や、その他たくさんの困難な問題があります。しかし、困難は承知の上でございましたから、事務当局も私の方針に従いまして十分いま検討しておりまして、予算折衝までには必ず成案をつくって、予算折衝は必ず進めていきたい、こう考えております。 それから新生児の管理の問題は、これは看護婦さんの問題であるとかあるいは医療法施行規則の改正の問題とかとございまして、この点も鋭意事務的に検討を進めておりますが、これは各公立の病院であるとかあるいはその他の病院等に相当影響も与えますし、定員等の問題もございますから、これは関係方面と折衝中でございまして、これも、ただいま総定員法が通っておりませんが、これは次の早い機会にお願いすることにして、それをきっかけにしてこの改正を進めていきたい、このように考えておるわけであります。
○藤原道子君 私はしばしば当委員会で申し上げましたように、社会保障は、ゆりかごから墓場までと言ったのは昔のことで、胎内から墓場まで、これがいまの社会保障の通念でございます。いま、心身障害児の問題は、大きな悲劇で、各方面で世論が高まっております。私は、生まれた心身障害児をあたたかく保護いたしますのは国の責任ですけれども、一人でも生まれる人を少なくする、これがほんとうの政治であろうと考えております。したがって、その出生の原因等を考えてみますと、脳性小児麻痺などは、その原因の七〇%くらいは胎内並びに出産の周辺に原因がある、こういわれております。ところが、いまの出産する人たちの現状を見ますと、まことに心寒いものがある。お産は、入院してお産したいけれども金がないとか、いろいろ問題がある。それから妊娠中の栄養の問題があります。したがって、諸外国では、妊娠手当であるとか、中国等へ行きますと妊娠食であるとか、こういうものさえ支給されておる。ところが、日本は、全然それが顧みられていないわけなんです。でございますから、お産の費用を健康保険の対象として現物給付にするという考えは、私がこの前出した法案の中にもあるのでございますけれども、それを大臣が今度取り上げてくだすった。これはただ人を喜ばせるだけでなくて、困難性はあろうけれども、これが実現は大臣の面目にかけてもがんばっていただきたいと強く要望いたします。 さらには新生児の看護の問題でございますが、いま各地で起こっている赤ちゃんの取りかえ事件とか、あるいは保育器の中で死んでいたとか、いろいろな問題が起きておることに対して、この委員会で質問いたしまして、三回目の私の質問に対して大臣からはっきり言明いただきました。新生児も人間扱いにする、看護婦の定員をつける、こういうことを言われた。それで、いつからやるかと言ったら、四月一日から実行する、こういうことであったと思います。国立病院にはこれがいま実施されたんですね、たしか百何十人か。ほかの方面はどうなるのか、法改正に踏み切られるのか、それをちょっと伺います。
○説明員(松尾正雄君) ただいま大臣からお答えを申し上げましたとおりでございますが、新生児の看護に関しましてこれを入院患者とみなしまして、医療法上の措置をとるというためには、医療法の施行規則に定めておりますところの計算のしかたを変えていくということで解決ができるわけであります。ただいま大臣からお答えがございましたように、鋭意その問題につきまして最終的な結論を得るべくいま急いでおる段階でございまして、私どもといたしましてはできるだけ関係方面と今月中くらいにも話の結末をつけて早急に施行に踏み切りたいと準備中でございます。
○藤原道子君 国立病院では踏み切ったんじゃないですか。
○説明員(松尾正雄君) 国立病院につきましては、すでに御承知のとおり、そのための看護要員の一部の増強ということにつきまして予算上もお認めいただいておるわけでございます。従来からも、すでに御承知と存じますけれども、病院内におきまして、傾斜配置をとりまして、新生児自体の看護というものについては粗漏のないような配慮をいたしておりますけれども、それなりにほかの部門には当然しわ寄せがあるというふうな実態でございますので、それを埋めていただくという意味で先般それぞれの措置をとっていただいておるわけであります。この問題につきましては、先ほど大臣も言われた定員の関係の実施という問題がございますので、定員法の施行の問題を待ちましてすみやかに配分できるような準備をいま整えつつあるわけであります。
○藤原道子君 新年度から実施するということをはっきり当委員会で大臣は言明された。それには、そこまで言明されるには、その他手続等の困難性はあることを御承知の上でなさったものだと思います。新生児に看護婦がついていない。産婦さんの付属物扱いにされている。御案内のように、生理的な黄疸等はそれで大体回復いたしますが、重度の黄疸等は、発見がおくれれば由々しき問題になるのです。死亡するか、あるいはなおっても脳性麻痺になる、こういうことはわかり切っているのです。それで、三交替制の看護婦さんがお母さんと赤ちゃんと両方みれば、八人に一人になる。ことに、お産は夜起こる。その生まれたばかりの新生児の看護に手が回るはずがないのです。だから、各地で悲劇が起こっておりますことは、御案内のとおりであります。だから、私は委員会で強く主張いたしました。一週間以内に死んだ赤ちゃんは死産扱いにする、こういう非人道的なことは許されないというようなところから大臣が看護婦をつけることを言明なさった。あれは、たしか、昨年の十月五日の委員会だったと思います。それから今日までに相当日数を経過いたしております。その具体的に実現できる見通しをこの際聞きたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 四月からと申し上げましたことは間違いになりましたが、定員は予算では認められておりまして、それが政府で総定員法を提出したために定員法が流れましたが、なるべく早い機会にこの定員法をお願いすれば、それからすぐ配置をすることになるわけであります。 それから法改正は、やはりこの法改正に伴って各種の機関に対する義務が出てまいりますので、その方面の折衝がおくれておるわけでございます。
○藤原道子君 いろいろ事情があることもわかりますけれども、命のことですから、しかも大臣が言明されたことですから、事務当局もこの折衝を急いで一日も早く実現してください。私は国立病院ではもう実施されているように思いましたが、定員は百四十何人かとったわけです。予算もとった……
○国務大臣(園田直君) 予算もとってあって、国会の承認が得られないわけです。
○藤原道子君 国会の承認が得られない、定員法で。——ばかな話ですね。これは一日も早く実施してほしいと思います。 そこで、それは一日も早く実施してほしいのでございますが、私は五月七日の当委員会でサリドマイドのお子さんの問題を取り上げて、大臣からあのようなきっぱりした言明をいただきました。百九十何人かの親御さんたちがどれだけ喜んだかということは、涙の出るような思いがいたします。非常に喜んでおります。大臣が今後直ちに義手の問題あるいは医療の問題、援護の問題等々についてこれこれのことをするということをしばしば発表されておりますが、このサリドマイド児に対する対策、予算措置、これらの進行状況を伺いたい。私はあのときに特に義手の問題を強く要望いたしましたが、徳島大学の野島助教授等を通じて開発を急いでおるというようなことでございますが、その開発状況はどのようになっておるか。京大と徳島大学でこれの開発を急いでおるということでございますが、これはいつごろ見通しがつくのか、これについてお聞かせを願いたい。それからいつかサリドマイドの親御さんたちの大臣への陳情に立ち会いましたが、そのときに、二億幾らぐらい対策費を予定しておる、こういうふうなお話でございましたが、それは具体的にはどのように実現するのか。
○国務大臣(園田直君) 大事な問題でございましたから、明年度の予算折衝を待たないで、今年度の予算の中からそれぞれの関係の了解を得て、まず義手の研究費を出したわけでございます。研究費は、徳島大学の御承知の先生や東京大学の先生方に相談して、どれくらい要るかという今年度に使い得る金額を向こうに算定してもらって、その分だけ出したわけでございます。そこで、先般も徳島大学の先生に会いましたが、十分な成算があるということでございますから、さすればここで研究が完成すれば、ドイツあたりから高い義手を買わなくても、日本でできるわけでございます。まだ概算でわかりませんが、大体一人当たり六十万くらいでできるのじゃなかろうか。そうすれば、現行法の一般の身体障害者の義手義足に対する補助を超過いたしますので、超過の部分を厚生大臣権限によって措置をしたい。そして全額を負担したい。 なお、また、これを契機にしては非常に申しわけございませんけれども、残念ながらこのようなたくさんな身体障害者をかかえた厚生省で義手義足の研究所がないわけでございます。そこで、明年度はぜひ義手義足を厚生省みずからが製作をし開発をする研究所をつくりたい。 なお、また、就学その他についても明年度の予算においてはそれぞれ具体的に進めていっておりますが、細部については局長から答弁をいたさせます。
○説明員(渥美節夫君) いわゆるサリドマイド児でございますが、フォコメリーの子供に対する対策といたしましては、昭和三十二年にああいった薬が販売されましてから、私たちの調査によりますると、これは主として助産婦さん方の報告をもとにいたしました東大の森山豊先生の調査でございますが、現在まで百九十七人のサリドマイドの子供さんが生存されておるという報告になっております。こういった子供さんに対しましては、児童福祉法あるいは母子保健法等の定めるところによりまして、肢体不自由児施設に入所をして訓練をいたしましたり、あるいは訪問指導というふうなことで従来やってまいりましたが、それだけではどうしても足りないわけでございます。したがいまして、先般六月に厚生大臣の談話も発表されましたように、本年から特に現在の予算の範囲内におきましてまず取り上げましたのが補装具の開発研究でございます。ドイツあたりにおきましては石炭ガスによりますところの動力を使います研究が進められておりますが、わが国におきましては、徳島大学の山田教授のもとにおきまして、電動機を動力といたします補装具の開発に着手されておりますので、こういったものを中心といたしまして、京大でございますとか東大でございますとか、あるいは関係機関、業者との提携によりまして開発をさらに進めていくということにいたしているわけでございます。現在までのところ、やや試作的な補装具が一個ないし二個できておりますが、特にサリドマイド児の装具につきましては、要するに、訓練用の補装具、幼児期の補装具、さらに成人に達して社会復帰ができるような状態になっての補装具、いろいろ成長段階におきましての補装具のかっこうも違ってまいりますので、現在は訓練用の補装具あるいは幼児用の補装具に重点を置きまして、特に重要な重症の方々の補装具を中心といたしまして進めることにいたしております。本年度は、現在約三百万円程度の研究費を検討いたしておりまして、それによりまして出発をいたしますが、いろいろな先生方のお話によりまして、百九十七名のうち五十名ないし八十名程度の補装具を開発すれば大体子供さん方の将来の社会復帰には支障ないのじゃないか、こういうことでございまして、総額といたしましては約千二百万円ばかりの研究費を計上すれば現在の学問の段階においてはうまくいくのじゃないか、こういうようなことでございましてそれを出発させております。 なお、比較的軽症の方につきましては、現在の児童福祉法によりますところの補装具の交付の規定がございますので、こういったことで軽症の方に対しましては補装具を交付いたしております。 また、肢体不自由児施設におきまして現在まですでに二十八名程度の子供さん方が訓練を受けあるいは退所しているということに相なっておるわけでございます。同時に、従来の肢体不自由児施設におきましては、御承知のとおり、比較的下肢の訓練が中心になって運営されておりましたが、このフォコメリーは上肢の訓練というものが非常に重要なものになるわけでございますので、今後は、肢体不自由児施設のブロックの拠点となるようなところにおきましては、上肢の訓練を主として行なうような施設の整備等を検討していきたい、かように考えて、来年度の予算の中におきましてもそれらを確保するように努力したい、かように思っておるところでございます。
○藤原道子君 答弁を簡潔に実のある答弁にしてください。 大臣は、国にも責任があると言ったが、どのようにして責任をとるかといった内容を二、三日中に明らかにする、こう言明していらっしゃる。それはどういうふうになっておりますか。
○国務大臣(園田直君) ただいま申し上げました医療の問題、及び義手義足の問題、就学の問題に対する国のやるべきことを示したのが国の責任であります。
○藤原道子君 声が小さかったですね。ほんとうにやってくださいね。時間がないからすっ飛ばさなきゃなりませんが、次に、重度心身障害児対策、自閉症、それから進行性筋萎縮症、これらに対しての対策、それから社会復帰のためのリハビリテーション、コロニー等の現状と対策を聞かせてほしいと思います。
○説明員(渥美節夫君) 重症心身障害児に対しまする対策は、御承知のように、施設の整備、これが第一点でございます。それから第二におきましては在宅者に対しますところの指導、それからそういった重症心身障害児の発生予防対策、及びこういったものの成因と治療に関する研究、この四つの項目を中心といたしまして展開しておりまして、特に施設の整備には最大の重点をもって当たっております。昭和四十三年度末におきましては、国立及び民間立あるいは県立等を含めまして約四千四百床のベッドが確保されるというふうな計画をいま実施をしておるところでございます。 在宅者対策につきましては、特別児童扶養手当の支給をはじめといたしまして、本年度から特に手で容易に調節できるような特殊ベッドの貸与という制度も起こしたところでございます。 発生予防につきましては、母子保健の強化、あるいは研究費につきましては、先ほどちょっと触れましたが、脳性小児麻痺の医学的研究ということも本年より大規模の陣容におきまして行なっておるところでございます。 それから次に、自閉症の対策でございますが、自閉症自体につきましては、学問的にまだいろいろと議論がされておるわけでございます。しかしながら、自閉症の子供の福祉につきまして一刻も猶予ができないわけでございますので、東京と大阪におのおの四十床ずつの自閉症専門の施設をつくるようにいま進めておるところでございます。 それから・ジストロフィー症につきましても、これは数年前から国立療養所の一部のベッドを確保しておるわけでございますが、本年度におきましても、二百四十床、そのうち四十床は成人用の筋ジストロフィー症の患者でございますが、二百四十床を新に増設するということにしておるわけでございます。 それから最後にコロニーでございますが、国立のコロニーにつきましては、昭和四十二年以降、群馬県高崎市郊外におきまして、千五百名の心身障害者を収容、訓練するというふうな計画をもちまして、土地の確保、土地の造成あるいは建物の建設等にかかっておるわけでございます。現在のところあの土地におきまして、約五億円ばかりの経費によりまして土地の確保と造成に着手をいたしたところでございまして、本年度におきましては、千五百名のうち五百五十名の心身障害者の方を居住させるべき居住棟の建設に着手をいたしたいと、かように考えておるわけでございます。 以上でございます。
○藤原道子君 そこで、このあいだ北海道で一部が完成した、コロニーが。その中の子供がつくった詩を読んで私は非常に胸を打たれた。と同時に、サリドマイドのお子さんの典子ちゃんがいま学校で非常に明るく勉強している。成績も飛び抜けていい。私はこういうことを考えると、国の施策よろしきを得れば、底辺で埋められておる子供たちが明るく生きるんだと。北海道の子供の書いたいままでの詩の暗さ、今度書いたものの詩の明るさ、私はほんとうに政治というものがいかに大事かということを痛感いたしました。したがって、何名収容のものをつくるんだと、こうおっしゃるけれども、収容されるのはごく一部ですね。これをさらに強力に推進してほしいということを強く要望いたします。 ところが、いま、子供の周囲は危険が一ぱいです。問題児のことはいろいろ施策も進んでおりますが、一般の子供たちが、高度経済成長に伴って労働力が不足して、人手が吸収される。農村においてもこれでもかこれでもかというくらい働いている。パートタイム等でどんどんお母さんが働く。子供は放置される。あるいは、都市におけるサラリーマンにしても、家庭の七〇%くらいは内職その他をやっているわけです。子供はほったらかされている。したがって、保育所と子供の遊び場所が絶対に必要である。これをもっともっと思い切って処置をしなければならない段階にきておると思います。子供の事故死も先進国では第一位、妊産婦の死亡も先進国では第一位、老人の自殺もこれまた特に、女性の場合世界第一位ということは、あまりに情けないと思います。したがって、私はこういう施策は急を要する問題と思いますが、保育所等に対して措置費の基準が低過ぎる。これでは普通の人ははいれない。それから全部の人がはいれるように法の改正をすると大臣はこのあいだの大会で言ってらっしゃる。これはほんとうに進んでいるのかどうか、これが一点。 それから幼児教育の一元化、これは長い間私たち主張してまいりましたが、これに対してだいぶ進んでいるようなお話でございましたが、これはどのようにいま文部省との間で検討されておるのか。保育所と幼稚園幼児教育の一元化、これに対しても大臣がこのあいだの発言で触れていらっしゃいました。 それと、保健所の問題も聞きたいのですが、そうも聞く時間がなくなってしまいました。 ところが、いかなる機構をつくりましても、人が運営をする。病院の看護婦さんも不足、保育所の保母さんも不足、お医者さんも不足、保健所においても医者の不足、これは一体どこに原因があるか。さっきおっしゃいましたが、看護婦さんの問題にしても足りないんですよ、新生児に看護婦さんをつけるということになると。看護婦さんの養成をどうしておいでになるか。あるいは看護婦さんの待遇です。保育所の保母さんの待遇、お医者さんの待遇。私は、いまのようなことでは、保健所はございますと大きなことは言えないと思うのです。保健所の機能は麻痺状態ではありませんか。こういうことに対し、厚生大臣としてはどう処置されていくのか。ことに民間の保育所は非常に苦労いたしている。あるいは民間施設は非常に苦労いたしている。したがって、これらに対して政府はどのような施策をとろうとしているのか。無認可保育所に対してはどうされるのか。農村の季節保育所は廃止されたように聞いておりますけれども、これらはもっと拡大していかなければならぬ。これらに対してどういう認識を持って、どのようにしておいでになるのかということを私はこの際伺いたいと思います。 ことに、いろいろ社会保障は進みましたと言うけれども、児童手当だって世界六十二カ国ですでにやっているんですよ。日本はやってない。こういうことからして、私は、厚生省の姿勢は前向きでないように思う。どこに隘路があり、どういう努力をしておいでになるのか。ことに、保母さん、看護婦さんの待遇は、改善するというような発言もしておいでになるようでございますが、どのように改善されるか、そのお見通し等についてお伺いをして、お約束の時間がまいりましたので、残念ながらこの次に譲ります。その点をしかと御答弁を伺いたい。
○国務大臣(園田直君) 前の局長の答弁に追加した答弁から申し上げます。 コロニーの問題は、各県が明治百年事業にコロニーを建設したいという声がたくさんございます。御指摘のとおりきわめて重大な問題で、迅速に進める必要性もございまして、したがって、コロニーの建設に対する補助金は、他の補助よりも特別の補助を考えるように予算折衝の際には要望する所存でございます。 それから、筋ジストロフィー証に対しては、この病原並びに治療法を開発することを最重点にいたしておりまして、昨年度も研究費を出しましたが、患者の親御さん方の御意見によって、学校ばかりではなくて、実際に治療している先生方に研究費を出してくれと。これはもっともなことで、親御さん方が、自分の血液であるとか、あるいはひどいのは自分の足の肉を削って研究のために出しておられまして、大体ホルモンのバランスのこわれたところから来る筋肉腫であろうという一つの方向が出てきたようでありますから、明年度はぜひこれを解明したい、研究費は学校側と臨床側に分けて出していきたい、このように考えております。 それからただいまの保育所の問題、第一は幼稚園と保育所の一元化の問題でございますが、私もそのように発言をいたしまして文部省と話を進めておりますが、この問題は明年度の予算折衝には残念ながら間に合うような具体的な詰めばまだできておりません。しかしこの方向に向かって進みたいと考えております。 それから保育所については、これまた非常な問題でございまして、無認可保育所というのがありますが、これはことばの上だけでありますが、無認可保育所というのは何か脱法行為のような感じを与える。脱法行為ではありますが、実際には社会の必然性よりも規定がおくれておることから出ている一つの無許可でございますから、国が補助していない保育所というふうに考え方をかえると。したがって、これも、将来補助すべき問題であって、応急の措置として求めるほうはだんだんと職場が広がってまいりまして、電車等を使ってよそに行って預けることはできないので、隣のおばさんに預けるような保育所、身近な保育所が必要でありますから、なるべく将来保育所の規定の数を減らしていくように、あるいはまた、補助をしていない保育所等は、これを集めてブロックごとに責任を持たしてこれに何らか補助する法はないか。それからこれの補助等は、事務的にも予算折衝を前に控えて逐次進めております。 それからいま言われました保育所、身体障害者は特にそうでありますが、医療行政全般に対して、いまのような待遇では、私は医療行政に責任を持てないということを明確にいたしております。それは、看護婦の養成も、医師の不足も、いろいろいままで申し上げたことはございますが、これは省略をいたしまして、やはり根本は待遇改善であります。その待遇改善も、物価高であるとか、ベースアップとか、そういうものではなくて、医療行政に従事する者は、まかり間違ったならば生命をそこねたという法律上の責任を問われる。それに対して、初任給あるいは給与体制の中の地位というものがいままで間違っておった。したがって、これを変更してもらいたいということを重点に強く折衝を逐次進めております。 細部については、時間がございませんから、必要があれば事務当局からお答えをいたします。
○藤原道子君 大蔵省にたいへんお待たせをいたしまして恐縮でございます。私、聞くところによると、厚生省ではいろいろ計画を立てて大蔵省に予算の折衝をいたしております。ところが、いつも大蔵省でばっさりやられる、ここに問題があると思うのです。きょうは大ざっぱな質問でよう意を尽くさなかったかと思いますけれども、人の命ほど尊いものはないと思うのでございます。ところが、いま申し上げましたように、子供の事故死も、妊産婦死亡も、先進国では第一位なんでございます。老人の自殺に至っては、女性の場合は飛び抜けて世界一でございます。これは文化国家とか何とか言っているけれども、まことに恥ずかしいことだと思う。それも方法がないんなら別といたしまして、やれば命が守れるのに、やらない結果がこういうことになっておることを考えますと、厚生大臣もいろいろと考えをいたしておるようでございます。病院をつくっても看護婦がいない、保育所にも保母さんが足りない、保健所にも医者が足りない、これでは額面だけの看板は上がったけれども、内容はからっぽでございまして、羊頭を掲げて狗肉を売るというのはこのことじゃなかろうか。したがって、幸い予算編成期を前にいたしましてとくとお考えを願いまして、今度二五%に予算増は押える、こういうことを新聞で拝見いたしておりますけれども、社会保障の問題は別ワクにしてほしい、こういうこともぜひ真剣にお考えを願いたい。私どもは、厚生省とともに、夫婦の福祉年金から減額するのは不当だ、間違いだと言いましたが、厚生省もその意見であったけれども、大蔵省で認められなかった。これでは大蔵省は間接の人殺しをしていると同じだ。私はぜひ社会福祉というものについて真剣にお考え願いたいと思います。
○説明員(辻敬一君) 財政当局といたしましても、従来から社会福祉の向上、社会保障の充実には重点的に配慮してまいったところでございまして、ただいま御指摘のございました児童対策その他社会保障関係予算も年々相当増額しておりますことは御承知のとおりでございます。 なお、四十四年度予算につきましては、御承知のように、厚生省において要求を検討、取りまとめ中の段階でございますので、私どもといたしましては全体としての来年度の財源事情なり経費のバランスなど十分配慮しながら要求を今後十分検討してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○藤原道子君 私ここで激しいことば使いましたけれども、敗戦国だから予算がないといつも逃げられる。ところが、西ドイツも敗戦国で、一九六〇年に国民所得の一九・九%を西ドイツでは社会保障費に使っている。日本はたった五・五%なんです。経済成長は世界第二位だとか三位だとか言われておるときでございますから、相当思い切ってやっていただきたいということを強く要望して、終わります。
○国務大臣(園田直君) ちょっといまの予算に関する問題で一言だけ申し上げておきます。 私は、総理大臣並びに関係閣僚に対して、総予算二五%増では、厚生省予算に関する限りは不可能である。私の持っております予算で、自然増のみが千百億ぐらいになります、概算でありますが。そうすると、あと七百億ぐらいしか金は残りません。だとすれば、何もできない。厚生大臣が各委員会において公約したことを私は責任といたしまして、公開の席上で総理大臣並びに厚生大臣が公的資格において約束手形を発行した問題が、公害の問題、児童手当の問題、いろいろある。これだけでも二五%では不可能であるから、したがって、国全般の予算としての総ワクならばこれはしかたがないが、厚生省としては新たなる問題別ワクとして考えてということを発言をいたしておりますから、念のために申し上げておきます。 —————————————
○上林繁次郎君 私は、児童手当制度創設について、ある程度突っ込んでお聞きしたいと思っておるわけでありますが、時間がないので非常に残念であります。きょうは、厚生大臣に協力をいたしまして、単刀直入に問題点を拾って質問してみたいと、こう思います。 昨年、経済企画庁から、「経済社会発展計画」なるものが発表されております。これを見ますと、わが国の経済社会の実態とその将来の進路に即した適切な社会保障長期計画を策定し、これに基づく体系的整備を行なうことが不可欠である、こういうふうに言われておるわけでございます。現在、それから一年以上たっておるわけでございますが、これらの社会保障計画はできておるのかどうか、この点についてお聞きしておきたい。
○国務大臣(園田直君) 長期計画については、これができている間にしばしば御指摘を受けたことは御承知のとおりであります。ただいま保険の抜本改正を迎えておりますが、抜本改正の案についていまなお第一次、第二次と逐次案を進めておりますが、この保険の成案を得るについて保険制度のみ考えることは不適当である。保険制度のみ考えると、財政上の点からのみ出てきて批判を受ける。したがって、厚生行政全般としての、その中の保険という意味で、保険全般の問題から抜本改正をつくれ。したがって、そのためには、まず、これと並行して先行して長期計画をつくれということで、ただいま事務当局で進めておりまして、もうしばらくすると、長期計画がきわめて粗雑なものでございますが、できる段階にございます。
○上林繁次郎君 ここに適切な社会保障長期計画を策定し、これに基づく体系的整備を行なうことが不可欠であると、こうあるわけです。したがいまして、これができないと、これに関連してあらゆる問題が派生してくるわけです。これができない限りはほかのことはできないと、こういうことなのかどうか。これは問題じゃないかと思うのですが、不可欠であるということがうたわれているわけです。その点はどうなんですか。こういったものができなくても、たとえば児童手当なら児童手当自体を進めていくという考え方が厚生大臣にあるのかどうか、こういうことなんです。
○国務大臣(園田直君) 不可欠であるということは十分存じております。長期計画がなかったために、厚生行政は今日のようないろいろな問題が発生してきた。今日、厚生行政、ことに社会保障について、いろいろな欠陥がありますが、その第一の欠陥は、計画に基づいてやったものではなくて、社会の要求に応じてやむを得ざるものから逐次出てきた。そこで、類型的、分類的に発展してきておって、横の連絡がない。これが厚生行政の非常な欠点であると考えますので、おくればせではありますけれども、御叱正にむち打たれながら、ようやくでき上がる段階であります。したがいまして、一昨日の本会議におきましても、制度の問題でちょっと誤解を受けることばを使いましたができれば一応の制度が整うと言った意味は、制度が完備するという意味で言ったのではなくて、制度そのものさえも柱になるべきものがまだ児童手当についても残っておるという意味で申し上げたのであって、制度そのものが体系立っていない。したがって、不可欠であることは十分存じております。しかしながら、いままでの問題をここで十分取り返したいと思って、おくればせではありますがと粗雑でもいいから長期計画をつくれ、このように努力しておるのであります。
○上林繁次郎君 そうしますと、この不可欠ということにこだわらなくていいというのですね。独自の立場で進めていくことも考えられる、また、それは考えておるということでいいわけですね。
○国務大臣(園田直君) 御指摘のとおりでございまして、計画ができ上がらないから児童手当は準備しないという意味ではありません。もちろん、これと並行して必然性のあるものは逐次つくっていくという意味でございます。
○上林繁次郎君 では、次に、児童手当の創設につきましては、当初池田内閣の時代から、その当時の厚生大臣神田さんが昭和四十一年度からこれを実施したいようなことを言っておるわけです。それがだんだんと延びて今日に至っているわけでありますが、こういう実情でありまして、なかなかこの問題を解決していくのにはいろいろな問題があると思います。たとえば、昭和四十四年度には、医療保険はもちろんですが、年金保険等も抜本改正を行なわれる。あるいはまた、農民年金の問題もございます。こういうような諸問題をかかえまして、児童手当の財源といえば相当のものである。こういったものとからみ合わせて、実際にこういう実情の中で、この児童手当を進め、また、厚生大臣が四十四年度に実施をしていくその努力をしていくということを言っておるわけでございますけれども、ほんとうにこういったものをかかえながら現実的にこれが実現できるかどうか、こういったことが心配になってくるわけです。こういった点の見通し、そういった点についてひとり……。
○国務大臣(園田直君) 児童手当につきましては、ただいままで通り一ぺんの答弁をしてきたわけでございまして、本会議におきましてもそのような答弁で御不満を与えたと思います。御承知の懇談会の結論が、七月中にできるという見通しでやっておりましたが、これがおくれまして、七月中にできなかったわけでありまして、近々出るように大体連絡を受けております。しかし、その懇談会の結論を待たずに、予算折衝を前にしておりますから、逐次いろいろな事務的な検討をやっているわけであります。したがいまして、今月のおそくとも二十日までには予算折衝に応ずる態勢を完了するということで事務当局は準備をいたしておりますが、その案について細部を申し上げる段階ではございませんけれども、いろいろ考えた経緯についてはできるだけ事務当局から答弁をさせる所存でございます。
○上林繁次郎君 児童手当懇談会で検討中であるということは、いままでに絶えずそういったようなことが言われてきているわけです。しかし、四十四年度を初年度としてこれを実施するということになりますと、相当なところまで煮詰まってきていなければならぬと思うのです。そういったことが厚生大臣にもある程度のことはわかっているのじゃないか、こう考えるのであります。そういった懇談会の現在における内容、どういう内容的なものが煮詰められて、どういうような結論が出つつあるのか、そういった点について、厚生大臣の知っている限りでけっこうでございますから、お話しをいただきたい、こう思います。
○国務大臣(園田直君) 私は明年度を初年度として発足するということを前提といたしておりまして、懇談会の結論を待たずに、実はこれは疑問のあるところでありましょうが、事務当局に逐次案をつくらせているわけでございます。そこで、懇談会はぜひ八月の二十日には全部予算折衝ができるという案をつくり上げるということを前提にして結論を出していただくということで折衝しておりますが、その内容等については詳しくは私存じておりませんので、事務当局が存じておれば事務当局からお答えいたします。
○説明員(首尾木一君) 児童手当懇談会は、昨年十二月から今日まで十四回にわたりまして懇談を開いておりまして、児童手当の根本問題、これをやりまして、さらに具体的に実施をするにあたってどういうような案にすべきかというようなことにつきましていろいろ検討を重ねてきたわけでございます。そうしまして、児童手当懇談会としましては、やはり長い将来のことを考えまして、児童手当というものをほんとうにりっぱな制度として発展させるためにはどういうような姿であるべきなのかということを念頭に置きまして議論をやっております。案といたしましては、現在のところまだ正式に懇談会としての御意見を固められ承るというところまでには至っておりませんので、申し上げかねるのでございますけれども、案といたしましては、本格的な制度としてはやはり拠出制度といったような形でものを考えるということ、これを中心にしまして検討をやってきたわけでございます。ただし、非常に大きな制度でございますので、本格的なものに至るまでにどういったような形で具体的に進めていくかというような、つまりある意味での経過的に現実的なものとしてどういうようなものを考えていくべきかといったようなことにつきましてはいろいろ御議論がございまして、ただいま厚生大臣が申されましたような段階で、われわれ近く答申といいますか御意見をいただくことができると、こういうふうに考えております。 正式の文書に書きました御意見というものは、これはいまの段階でございますとどうしてもやはり九月になりましてというようなことになると思うのでございますけれども、さらに所要の時期に大臣に対しまして懇談会のほうからいろいろ御意見を申し上げるというようなことも考えられる、こういうような段階になっているわけであります。
○上林繁次郎君 その問題につきまして、新聞とか雑誌とかにある程度のことが載せられているわけです。それを見ますと、この式については、社会保険方式であるとか、あるいはまた、そういったことで第二子を二千円ないし三千円、こういうようなことが書かれておるわけですね、懇談会の内容として。また、一部受益者の負担、こういうようなことが言われているわけでありますが、こういうことにつきまして、私どもは、当初から、社会保障制度の基本理念の上に立って、あくまでもこれは国の財源によってまかなうべきだ、こういうことで主張してまいったわけであります。絶対に受益者負担ということはまずい。これについては反対であります。こういった点につきまして、受益者負担ということが考えられているのかどうか、こういった点についてひとつ承りたいと思います。
○説明員(首尾木一君) 正確な意味での受益者負担というのはどういうあれかということはございますけれども、一応、現在のところ、先ほど申し上げましたように、本格的な制度としましては拠出制度で発足する——発足するといいますか、拠出制度というものを一つの大きな本格的な制度としては考えるということでないと困難ではないかというような意見、それが懇談会の皆さんの中でかなり強い御意見のようになっておるように考えておるわけでございます。まだその点につきまして最終的な結論を出しておられるわけではございませんけれども、そういうような本格的な制度と申しますと、先ほど先生のおっしゃいましたような一人二千円あるいは三千円とか、そういったような金額で、たとえば第一子から、あるいは第二子からというようなことにいたしますと、非常に大きな金になってまいりますので、この点につきましては、それを全部一般財源で考えるということにつきましては、現実的な面から考えましても、また、制度の今後の発展というようなことから考えましても、いろいろ問題があるのじゃないか、こういったような御意見が出ておることは事実でございます。まだそういうような点そうだというふうに私どものほうで最終的な御意見を伺っておるわけではございません。
○上林繁次郎君 わかりました。この問題については、厚生大臣も言われておるように、四十四年度をめどにしてということで、今度の選挙を通して児童手当という問題については国民が大きな関心を寄せておる。どっちかといえば恵まれない貧困した日本の社会保障制度、そういう中で、あまり恵まれないといいますか、与えられないといいますか、こういう日本の政治体系の中で、児童手当を一人当たり三千円というこういうことにつきましては、非常に大きな関心を寄せておる。そして期待を持っておる。一日も早く実現をしてもらいたい。あらゆる情勢の上からいっても、これは当然そうであろうと考えられるわけでありますが、そういうような中でこれはどうしても国民の大きな要望として一日も早く実現してあげなければならない問題であろう。防貧、あるいは貧困、あらゆる問題、ボーダーライン層の問題にいたしましても、この実現をみることによってそういう問題も解決できるという、いうならば、児童手当制度の創設それだけの問題じゃなくして、国民生活全般にわたっての問題として、これを一つ実現することによってそうした問題も大きく潤っていく問題として、これは厚生大臣という立場じゃなくして、国自体があらゆるものを超越して、国民にこたえていくために、この実現を強力に推し進めていくという考え方が最も大事じゃないか、こう考えるわけであります。 すでに、熱意のある県あるいは市におきましては、児童手当が実際に実現をしております。千葉県でいえば市川市あたりでも最近にこれが実現しております。そういった地方行政団体においてもそういう熱意を示しておるわけでありまして、貧困したそういう地方財政の中ででもこれを実現をしておるという実情であります。その努力が、国においても、あるいはまた厚生大臣においても、一日も早く実現しようとする努力が大切である、こう考えるわけであります。私は、どんなことがあっても、厚生大臣が言われるように四十四年度をめどにしてこの実現をはかっていただきたい、このように強く要望をいたす次第であります。今後ともひとつその点を御努力いただきたいと思います。
○渋谷邦彦君 時間のないところで関連で一つお願いしますが、いま厚生大臣の御答弁を伺っておりますと、いわゆる児童手当懇談会ですね、これの最終結論待ちという印象を強く受けるわけです。この懇談会の性格といいましょうか、おそらく前の国会でも論議されたのであろうと思いますが、意見を聞きおく程度なのか、それとも全面的に尊重するのか、それとも、厚生省独自の立場でこれからも進めていくのかいろいろそういうことがあると思うのですが、この点について一つだけお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(園田直君) これは、法のたてまえ上、懇談会でございまするから、意見を聞くということになるわけであります。なおまた、その意見が近々聞けるはずではありまするが、かりにそれがおくれるような場合には、明年度から発足するという意味において、予算折衝の案をこちらがつくるのに間に合う時期に私のほうから意見を求めて、中間の意見でも聞いて、この意見を聞きながら案をつくっていきたい。 なお、また、先生の御意見は私も十分に拝聴いたしておりまして、私もそのように考えておるところでございます。各県各市でそれぞれやっておりますが、これは貧困の家庭あるいは特に身体障害者の児童に対する手当とそれぞれ変わっております。私が考えております児童手当は、藤原委員が言われましたとおり、将来をになう子供を保護するという国の柱を立てるという意味におきまして、全部の子供に与えたいと考えておる次第でございます。御承知のとおり、社会保障の制度というものは、社会の複雑化に応じて進展に応じて逐次必要な制度が生まれてまいりますけれども、児童手当の制度はこれはきわめて根本的な一つの柱でありますから、明年度は、何とかしてこの制度は発足したいと考えておりますから、この上とも強力に御援助を願いたいと考えております。
○上林繁次郎君 よくわかりました。最後に要望をしておきたいのですが、理論ではなくして、国民が大きく求めるものとしてそれを与えてあげるために真剣な努力を払っていただきたい。理屈はどうにでもつけられる。それが来年度四十四年度に実現できるかできないか、これが私は一番大きな問題である、こう考えます。ひとつ理屈ではなくて、その熱意をもって努力していただきたいということを要望しまして、終わります。
○藤原道子君 ちょっとわからないことだけ一つ聞かしていただきたい。 拠出方式を中心に検討しておる、こうおっしゃいましたね。拠出方式というと、子供のある人だけから拠出するのですか。
○説明員(首尾木一君) いま出ております一つの案といたしまして懇談会の中で検討されて——諸外国等におきましてもこういう制度が多いものでございますから、そういうものについて検討しておるということを申し上げたわけでございます。拠出という際に、それは子供を持っておるという意味では意味がございませんので、そういうことではなくして、たとえば、拠出というのは、被用者について言いますと、事業主からどの程度の拠出をとるか、あるいは、被保険者から——、被保険者といいますか、働いている人からどの程度のものをとるかといったようなことについてのいろいろの点を検討しておる、こういうことでございます。
○委員長(加瀬完君) まだ御発言も残っているようでございますが、大臣の都合もありますので、本日の調査はこの程度にとどめておきます。 —————————————
○委員長(加瀬完君) 次に、請願第四号岩手県に国立特別養護老人ホーム設置に関する請願外七件を議題といたします。 本委員会に付託されております八件の請願は、一応専門員のもとで整理してもらいましたので、その結果を専門員より報告いたさせます。中原専門員。
○専門員(中原武夫君) 付託された請願は八件でありますが、重複を整理いたしますと五項目となります。その整理した項目をお手元にプリントしてお配りしてございます。うち、新規のものが三項目、前回からの繰り返しのものが二項目であります。時間の関係で各請願の内容についての説明は省略させていただきまして、先ほどの委員長、理事打ち合わせ会における協議の結果だけを申し上げます。 第二の岩手県に国立特別養護老人ホームを設置してくれという請願と、第三の建設オぺレーター賃金技量基準検定の法制化に関する請願を保留することにしまして、残る第一、第四、第五にかかる六件は採択するという御決定でございました。
○委員長(加瀬完君) ただいまの専門員の報告どおり、請願第四号岩手県に国立特別養護老人ホーム設置に関する請願及び請願第二五号建設オぺレーター賃金技量基準検定の法制化に関する請願については保留することとし、これを除く六件の請願は、いずれも議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付することを要するものと決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(加瀬完君) 次に、継続調査要求についておはかりいたします。 社会保障制度に関する調査及び労働問題に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により本件の継続調査要求書を議長に提出したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(加瀬完君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。 社会保障制度に関する調査及び労働問題に関する調査のため、閉会中、委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認めます。 つきましては、派遣委員の人選、派遣地、派遣期間などは、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、本院規則第百八十条の二により議長に提出する委員派遣承認要求書の作成等も、便宜、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(加瀬完君) 次回の委員会につきましては、委員長に御一任を願うこととし、追って公報をもってお知らせいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時五分散会 —————・—————