災害対策特別委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 182 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1968/09/09
会議録
○委員長(足鹿覺君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について報告いたします。 去る八月二十六日、宮崎正義君が委員を辞任され、その補欠として沢田実君が選任され、九月七日、片山武夫君が委員を辞任され、その補欠として村尾重雄君が選任されました。 また本日、前川旦君が委員を辞任され、その補欠として松本英一君が選任されました。
○委員長(足鹿覺君) 次に、本日の理事会の結果について御報告いたします。 本日の議事につきましては、派遣委員の報告及び台風七号、十号の被害状況等について政府から説明を聴取した後、前回に引き続き八月中における集中豪雨等による災害対策に関する件について質疑を行なうことになりましたので、御了承をお願いいたします。 —————————————
○委員長(足鹿覺君) それでは災害対策樹立に関する調査を議題といたします。 まず、先般岐阜県等における集中豪雨による被害状況の実情調査のため、愛知、岐阜両県に委員派遣を行ないました際の報告を行ないます。佐藤君。
○佐藤隆君 私は本報告に先だち、今回の集中豪雨、なかんずく、飛騨川遭難事故により、とうとい人命をなくされた犠牲者の方々の御冥福を衷心からお祈り申し上げますとともに、災害救助、遺体捜索に尽瘁された県、市町村、消防団、自衛隊の方々の献身的な御努力に対しまして、心から感謝の意を表するものであります。 去る八月二十三日の当委員会において承認されました、国道四十一号線における観光バスの飛騨川遭難事故を含む岐阜県における集中豪雨による被害状況の実情調査のため、八月二十六日、二十七の両日、私は、足鹿委員長、武内理事、上田委員、沢田委員とともに、愛知、岐阜両県に行ってまいりました。 ここに調査団一行を代表して御報告申し上げます。 まず、観光バスの飛騨川遭難事故の経緯、遺体捜索の活動状況並びに救済等について、申し上げます。 愛知県、名古屋市当局の説明によりますと八月十七日、奥様ジャーナル社、名鉄観光サービス共催による乗鞍登山旅行の参加者一行七百七十三名は、バス十五台に分乗して、午後八時ごろ、名古屋を出発、途中犬山市で少憩後、午後十時ごろ同所を出発、国道四十一号線を通り乗鞍へ向かったのであります。 しかしながら、岐阜県で集中豪雨に遭遇し、十八日午前零時ごろ、事故現場である岐阜県白川町河岐から約十三キロの地点で乗鞍行きを断念、名古屋へ引き返し始めたのでありますが、土砂くずれの危険を感じ、事故現場で停車中のところ、午前二時十一分ごろ、幅三メートルにわたって土砂くずれがおこり、乗客等百七名のバス二台が飛騨川に転落、うち三名は救助されましたが百四名が濁流にのまれ行くえ不明となったというのであります。 岐阜県下での事、警報は、十七日午後八時に雷雨注意報が、同十時三十分には大雨警報、洪水注意報が発せられていたのであります。 この大事故に対し、遺体の捜索活動は、連日行なわれ、岐阜、愛知両県をはじめ、八月二十一日、知多半島の美浜町で遺体が発見されたことから、三重県の協力を得るとともに、自衛隊、警察機動隊の出動をはじめ、海上保安庁、消防団等の応援協力等により、飛騨川、木曽川及び伊勢湾と、その捜索活動が実行され、二十四日までの捜索参加者は、延べ一万三千七百余名に達しております。二十六日の愛知県当局の説明による遺体発見数は八十四名、行くえ不明は二十名ということでありましたが、二十七日正午現在の岐阜県災害対策本部の説明では、うち二名が発見され、行くえ不明は十八名ということでありました。 この捜索活動はきわめて難行であるというものの、なお舟艇等の機動力を用い、大がかりの捜索作業を引き続き実施し、遺体の発見に努力を傾注するということでありました。 かようにして発見されました遺体は、美濃加茂市の遺体収容所に合同安置されることになりますが、遺体を発見した場合には、直ちに岐阜県災害対策本部に通報するとともに地元警察の検視を受け、棺を用意し、霊枢車で合同安置所へ搬送、その費用は旅行主催者において負担するなど緊密な連絡調整のほか、愛知県警では、身元誤認を除くため、県民の登録指紋資料の活用や被災者住宅等から指紋を採取するなどの方法により指紋による身元確認を行なっております。 また、遭難事故の犠牲者は、名古屋市千種区及び東区の居住者が八十八名を占め、特に猪子石原住宅の四十二名をはじめ、大幸住宅の十三名、仲田荘の十二名等、市営住宅、公社住宅、公務員宿舎の居住者でありますが、現在行くえ不明者を含め一家全員死亡が六世帯、単身世帯になったもの十三世帯あり、かつ両親の死亡、夫子世帯、母子世帯あるいは子供だけのひとりぼっち等、この惨事は、従来の平穏な生活を一変させ、奈落へとおとしいれた悲惨のきわみと申すほかありません。 したがって、名古屋市は、遺家族に対する措置及び各種事務の処理について連絡調整を行ない、かつ適切な措置を講ずるため、八月二十一日、助役を会長とする八・一八バス転落事故連絡協議会を設置し、遺体収容等遺族等に対して緊密な連係をとるとともに県、市は各一万円の弔慰金を贈るほか、名古屋市では、本年一月一日より実施している名古屋市交通災害共済事業により、本事故該当者三十五名に対し、同共済審査会の議を経て、死亡一人に対し五十万円を支給することに決定したということであります。 なお、自賠法に関する問題については、警察当局の詳細な捜査に待たなければならぬということでありました。その他、遺族に対する補償として、旅行傷害保険の支払い、簡易保険の支給の確定等がおもなものとなっているようであります。一日も早く、遺族の方々が、精神的に立ち直られることを祈念いたします。 次に、岐阜県中濃地方等における集中豪雨災害の被害概要について申し上げます。 この集中豪雨は、飛騨川中流域が特に著しく、岐阜地方気象台の観測による美並村の総雨量は二百四十三ミリ、富加村では三百十五ミリであり、一時間降雨量の最大値は美並で百十四ミリ、富加で百五ミリを記録するほか、建設省中部地方建設局の観測による七宗村上麻生では、総雨量三百八十二ミリで、特に十八日零時に七十八ミリ、同一時に九十ミリの一時間降雨量を記録し、なお同所における十八日一時までの最大三時間雨量は二百十二・二ミリというきわめて異常値を記録しており、飛騨川水系における同地方の最近十カ年の最大値である昭和三十三年八月の小坂町湯屋での百四十ミリをはるかに凌駕する記録的な豪雨であるということであります。 かくのごとき異常な豪雨にさいなまれた中濃地方等、特に飛騨川、津保川の水系、その支川の佐見川、白川、赤川、雄鳥川、川浦川等の中小河川を持つ白川町、川辺町、美濃加茂市、富加村、上之保村の災害救助法適用市町村をはじめ、関市、七宗村及び武儀村等においては、山腹の新生崩壊がきわめて著しく、土砂流となって洪水を増長し、家屋の流失倒壊をはじめ、農地を埋没、道路、林道の決壊、橋梁の流失、国道四十一号線に見るごとく土砂くずれの発生等による道路交通の途絶、河川堤防の破壊、洪水のはんらんによる住家等の浸水等を引き起こすなど、特に山間地域における激甚な災害をこおむっているのであります。 特に国道四十一号線のバス飛騨川遭難事故のありました現場付近は、側壁岩盤が屹立し、浸透水の流出、あるいは落石等の危険個所等が随所に見受けられる道路であります。 さらに関市ひかり町の昨年十一月、中小企業貸与制度による事業で創業した関、連合刃物協組十七社の共同工場のごときは、津保川の溢水等によって約二メートルの水が浸水、その上落雷に遭遇し、日本熱処理工業所等の建物約百五十平方メートルを全焼するなど、機械、材料、製品などの総額約一億八千万円の損害をこうむっております。 岐阜県災害対策本部の取りまとめた八月二十七日、正午現在における総合被害は、観光バスの遭難事故関係を除き、死者十四名、罹災四・四百七十四世帯、一万九千二百二人、全壊及び流失家屋六十棟、半壊七十四棟、床上及び床下浸水四千三百三十八世帯に及ぶ一般住宅被害をはじめ、農作物に約二億八千万円、農地百二ヘクタール、農地農業用施設被害額十一億円余、山地の崩壊七百二十五カ所、林道の決壊破損三百八十五カ所、林産物林産施設等の林業関係被害額は十一億五千余万円、河川の決壊等八百七十八カ所、道路一千九十一カ所、橋梁百七十八カ所、砂防二百八十三カ所、この土木関係被害額は約十八億円に達しております。その他文教施設、社会福祉施設、医療衛生施設及び商工業観光施設等を含む被害総額は、四十七億余万円となっております。この中には国鉄高山線等の被害は甚大であり、その復旧工事が急がれ、今月末に開通する予定のほか、災害発生後、十日たった八月二十七日でも、白川町では、自衛隊により道路橋梁等の応急復旧工事が行なわれております。したがって、今後、さらに詳細な調査により、なお被害額は累増するものと予想されます。 以上観光バスの飛騨川遭難事故及び豪雨災害の被害について概略申し述べましたが、最後に地元関係者の陳情並びに要望事項等を踏まえ、この実情調査に対する結論は、当委員会の八月二十三日付決議に尽きると考えますが、なお、付言いたしますならば、大要次のとおりであります。 まず第一に、バスの飛騨川遭難事故の犠牲者、被災者に対する救援であり、民生の安定を第一義に考えられなければならないということであります。そのためには、行え不明者の早期発見をはかるため一そう強力な捜索作業の実施、事故原因の究明、遺族に対する補償等最大の努力を払うべきであります。また一般被災者に対しては、生活必需物資の支給、租税等の減免猶予のほか、生活再建のための資金援助を積極的に講ずる必要があると考えます。 第二は、この災害発生市町村は、財政的にもきわめて貧困な町村があります。特に村税収入わずか一千万円程度の零細な村もあります。しかも山間地域の災害で、局地的にはきわめて激甚であり、かかる財政的に貧弱な市町村における災害復旧並びに復興は、国の高率的な援助を待たなければ、とうてい復旧、再建は期しがたいことであります。最近の集中豪雨等による局地的な災害の傾向から、激甚災害の財政援助法、天災融資法等の指定基準について五月十日の本委員会で決議しておりますとおり、すみやかに再検討を行ない、局地的な大災害に対処した高率的な復旧助成の道を講ずる必要があると痛感されます。第三は、本災害の現状にかんがみて、再度災害を防止するための抜本的な対策として、土砂崩壊、土石流等のおそれのある危険な個所を早急に調査点検し、危険地域に対する避難誘導体制の確立をはかり、住家、農地、その他の公共施設を守るために緊急治水及び緊急砂防事業を実施する必要があります。特に津保川の改修促進と川浦川、雄鳥川、白川等の中小河川に対しては、改良を含む復旧助成事業を積極的に実施しなければ、また、災害を繰り返すことになるであろうと考えます。 また、国道四十一号線は、「落石注意」等の道路標識が示すとおり、至る所、浸透水の流出等もあり危険個所が多く見受けられ、きわめて危険度の高い幹線道路であります。道路管理者は、今回の飛騨川遭難事故を正視し、山間道路等、全国の道路に対して、落石、土砂くずれ等の危険個所について詳細に再点検を行ない、土砂どめ等の防護、防止施設を行なうとともに、危険個所を積極的に取り除く改良工事を実施する必要があると痛感されます。 さらに、集中豪雨に対する観測予報体制の強化、的確な道路交通の規制措置、特に夜間における交通誘導対策の確立、警戒標識の設置、並びに緊急時に対処するために主要地方道等のバイパス的道路の整備を積極的に実施して交通の確保をはかるべきであり、かかる災害、大惨事を二度と繰り返さぬ対策を真剣に考え、あらゆる施策を実行することが緊要と考える次第であります。 以上をもって報告といたします。
○委員長(足鹿覺君) 御苦労さまでございました。 以上で派遣委員の報告を終わります。
○委員長(足鹿覺君) 次に台風七号及び十号による被害状況等について政府から説明を聴取いたします。総理府総務長官。
○国務大臣(田中龍夫君) 先般の本委員会におきまして台風七号によります被害状況と水害及びバス事故に対しまする政府調査団派遣につきまして御報告をいたしましたが、まず、この調査団の報告の概要を御説明いたしたいと存じます。 調査団の報告によりますると、この災害は降雨強度が大きかったことが、急峻な地形と相まちまして洪水位が高くなり、したがって、橋梁の被害、道路河川の決壊埋没、水田の流失などが多く見られることが災害の特徴でございます。 また、バス事故につきましては、天災的な色彩が強いだけに、今後の対策といたしましては、気象通報の末端への伝達、異常気象時におきまする土砂崩壊個所の通行どめ等の処置の必要性をば指摘しているような次第でございます。 このような報告に基づきまして、関係各省庁では鋭意対策を検討しているところでございますが、これが政府調査団の報告でございます。 次に、八月二十日から二十一日にかけましての東北地方及び北海道南部の大雨につきまして御説明申し上げたいと存じます。 この大雨は、大陸に発生いたしました低気圧が東に進みまして、八月二十一日に秋田沖から津軽海峡付近を通過いたしました際に降らせましたものでございます。この大雨によります一般被害は、死者四名、家屋の全壊流失四十三棟、床上浸水二千五百八十一棟、罹災世帯数二千七百六十四世帯等と相なっております。また、施設関係等の被害は、県報告によりますると、公共土木施設等の関係が約四十四億円、農地等約六億円、農作物等約十四億円、その他農林関係施設約十一億円、商工業関係約三億円、合計が七十八億円と相なっております。政府といたしましては、災害救助法を青森県七市町村、北海道一カ町村に適用する等、応急措置を講じまするとともに、各省庁におきましてそれぞれ所定の対策を進めているところでございます。 最後に、台風第十号によりまする災害の状況につきまして御説明を申し上げます。 台風第十号は、八月二十九日午前二時鹿児島県の開聞崎に上陸いたしまして、四国、岡山、若峡湾経ヶ岬を経まして二十九日午後十一時に温帯低気圧と相なりまして仙台付近を経て三陸沖へ抜けたのでございますが、この台風に伴いまして、二十五日ごろから日本付近に停滞しておりました秋雨前線の活動が活発化いたしまして、各地で大雨を降らせ、このために各地にかなりの災害が発生いたしました。この災害によりまする一般被害は、死者、行え不明者二十七名、家屋の全壊、流失六十四棟、床上浸水千七百二十棟罹災世帯数が一千八百六十九世帯等と相なっております。また施設関係等の被害は、県報告によりますると、公共土木施設が約百八十四億円、農地等約二十六億円、その他農林関係施設約四十二億円、農作物等約六十八億円、中小企業関係約四億円、その他五千万円、合計約三百二十五億円と相なっております。 政府といたしましては、災害救助法を愛知県一カ村、静岡県一町、長野県一カ村に適用すること等によりまして、応急措置を講じますとともに、各省庁におきまして所定の措置を推進いたし、各般の災害対策につきまして、万全の措置を講ずるように努力しておるところでございます。 概略七号の調査団及び十号、さらにまた中間の大雨の災害は以上のとおりでございます。
○委員長(足鹿覚君) これより八月中における集中豪雨等による災害対策に関する件について質疑を行ないます。 質疑のある方は、順次御発言を願うわけでありますが、それに先だちまして、総務長官に一言私からお伺いをいたしておきたいと思いますが、ただいま概略についての八月中における集中豪雨等による災害状況の御報告を聞いたわけでございますが、御承知のように、北海道にもあった、青森、岐阜にもある。いまのお話によりますと、長野を中心にして大きな被害が出ておる。その裏側にある愛知も相当局地的であるけれども出ておる。これらのものを一括して私どもは八月豪雨被害と考え、これに政府が対処されることが適当と考えますが、御所見はいかがでございますか。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまのお話は、時期的に三被害を一括八月豪雨というふうなお考えのように拝聴いたしましたが、われわれのほうでいたしておりまする対策は、被害別に現在進めておりますような状況でございまして、御意見に対しましては、ちょっとただいま私、各省の意見等もございまするので、責任者といたしましての即答をいたしかねまするが、関係方面と連絡いたしまして、追ってお答えをいたしたい、かように存じます。
○委員長(足鹿覺君) では後ほど御調査をいただきたいと思いますが、この際、北海道、青森、岐阜、長野、愛知等の被害額の合計額は幾らになるか。これと、激甚地指定基準との関係はどのように考えておられるか、これをお尋ねいたします。もし、直ちに御答弁できないならば後ほどまでに資料として御提示を願いたいと思いますが、いかがでありますか。
○国務大臣(田中龍夫君) 被害総額の現在までの累計額は四百六十二億八千九百五十万円と相なっておりまして、なおまた詳細の点につきましては、担当官からお答えいたします。
○説明員(川上幸郎君) ただいまの件について御説明いたします。 先ほど長官から御説明ございましたように、台風七号が概略五十九億、東北地方の大雨で七十八億、台風十号で三百二十五億となっておりますので、先ほど長官が申しましたように、合計で四百六十三億、概略でございますがこのような数になっております。 なお、各省別の被害につきまして、公共土木等につきましては、なお精査中でございまするが、そのうち、概略二百四十数億、このようになっておる現況でございます。
○委員長(足鹿覺君) それを資料としてその数字を御提示をお願いいたしたいと思いますが、先ほどの御報告の中にはなかったものでございますから、よろしくお願いします。 それから激甚地指定に準ずる措置をいままでえびの地震対策とかあるいはその他にも御検討のようでありますが、聞くところによりますと、新聞紙にも若干報じられておりますので念のために伺っておきますが、豪雨禍の岐阜などに繰り上げ交付ということで地方交付税の十月一日分を九月に繰り上げるのだ、北海道、青森、岐阜等には八億二千五百万円を繰り上げ支出するのだ、なお台風十号の復旧費等については大蔵省と折衝中であって、来週早々にはきめるんだというようなことが伝えられておりますが、そういたしますと、政府はつかみ金でこういう激甚地指定に準ずる措置を次々と御講じになる所存でありますか。復旧費等について、私どもがいま佐藤委員が御報告になっておる現地を見た経験からしますと、有形無形の大きな被害を現地に与えております。それの現地調査にしましても、弘津副長官があなたにかわって現地を御調査になったのは、朝東京をたって、晩にはもう東京へ帰っておる。私どもは朝ここを八時に立って、薄暗くなるまで現地を見て、翌日もまた八時三十分にたって、そうして晩の七時半過ぎの汽車まで、みっちり研究をしましても不十分である。そういう状態で、的確な復旧費等がもうすでに台風十号等についても復旧費等の調査を終えて、大蔵省と折衝し、地方交付税を繰り上げ交付するということで済まされるおつもりですか。これは法を無視すると言うと語弊がありますが、災害対策にはそれ相応の基本法があり、適用基準があるわけだと私は承知いたします。にもかかわらずそのような個々の分散した被害については個々に特別交付税等の繰り上げ支出でおまかないになる、しかも調査もわずかの時間で現地調査をするという程度で、はたして被害を受けた地元住民の満足のいくような、また地方自治体に過大の負担を負わせないような万全の措置がとられると、長官はお考えになっておりますか。その点について、しかとお確めをしておきたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 当方から応急に副長官を派遣いたしましたのにつきましては、現地におきまして十分お見舞いもいたし、ゆっくりとした地についた調査をいたすことももちろん必要でございまするが、何を申しましても地方現地のほうに早く飛んで、そうしてまた現地の模様を早く報告をさしたいというようなことで、御案内のとおりの日程で帰ってまいったような次第でございますが、なおまたその後の、ただいま新聞発表等がございましたような計数等につきましては、対策本部の各省関係官の間でお話があったかも存じませんが、詳細は私知悉いたしておりませんので、担当者のほうからお答えをさしていただきとうございます。
○説明員(川上幸郎君) 御説明いたします。 先ほど申し上げましたように、被害額の査定につきましては、すでに調査団を派遣いたします前におきまして、関係各省におきましてお願いしておったわけでございまして、調査団は、長官の申しましたように、総合的な把握という点につきまして、期間におきましてはやや短かったということでございます。なお被害額等につきましては、各省におきましてなお査定を続けておりまして、交付税の問題につきましては、これは自治省のほうから御説明をさしていただきたいと存じます。
○説明員(山本成美君) ただいま川上参事官から、自治省のほうから交付税の繰り上げ交付につきましてバトンタッチがございましたので、御説明申し上げます。 七号と長雨の被災団体、すなわち岐阜、青森、北海道につきましては、十一月に交付すべき市町村分の普通交付税につきまして繰り上げ交付をいたすことにしております。詳細な数字を申し上げますと、岐阜につきましては、これは町村分でございますので、こまかく申し上げるのもいかがかと思いますが、岐阜につきましては、二億六千七百万円、青森二億六千四百万円、北海道二億九千四百万円、以上のような額に相なっておりますす。なお、十号の被災団体につきましては、まだ被災額が確実なものが出ておりませんので、これがまとまり次第繰り上げ交付すべきかどうかにつきまして検討いたしたいと考えております。 以上でございます。
○委員長(足鹿覺君) 田中長官、いまお聞きのとおりでありますが、この普通交付税の繰り上げ支出、そのこと自体は責めておるわけじゃございません。そういう個々の激甚指定に準ずる措置ということを政府はしばしばお言いになっておりますが、準ずる措置とはそういうことを意味するのでありますか。またいまの山本地方債課長が申しましたような金額で、この災害の復旧が地元住民の意思に沿い、また地元地方自治体の過重負担とならざるような措置として万全であるやいなや。私どもは八月中における豪雨被害としてこれをトータルし、当然法に基づいた高率補助を適用し、もって地方住民の意思に沿い、地方自治体の負担過重を免らしめるべきものである、かような趣旨から長官にお尋ねを申し上げたわけでありまして、その点についてもう少し検討を要するということでありましたが、しばらくお待ちいたしましたので、答弁をわずらわしたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 御案内のとおりに、激甚災に準ずるという措置のもとに今回の措置がとられたということではございませんで、また特別交付税でございますと、繰り上げ交付はできませんが、普通交付税でございましたので、現地におきまする地元の負担の軽減調整のために自治省におきまして暫定といいますか、中間でございましょうが、応急の繰り上げ交付をいたしたものと心得ております。
○委員長(足鹿覺君) 私がいまお尋ねしておるのは、一つはわかりました。これで準ずる措置のすべてではない、こういうことはわかりました。が、北海道、岐阜、青森、長野、愛知等の被害をトータルすると、四百六十三億余に達する。これに対してわれわれは、八月豪雨被害と称して高率補助等を地元の要望にこたえるためには、激甚地指定をなすべきである。その考え方としては従来単独立法をもってした際には、六月ないし八月というような一括して交付した事例も激甚地指定を中心にした場合ありますし、両月にまたがった場合もあります。いわんや今回の豪雨は八月中の集中豪雨による被害であり、とうとい人命すらも失っておるわけでありまするから、でき得る限り普通交付税の繰り上げ交付はけっこうでありますが、根本の問題としては四百六十三億円というものが、これをトータルした場合には、当然私どもの見解によれば激甚地指定の基準に合致するものではないか、かように考えるわけでありまして、その点についての長官としての御決断のある御答弁を私は求めておる次第でありますので、その辺をよろしくお願いいたします。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの御趣旨は何ぶんにも激甚災の指定というものが、非常に広基準であって、局地災害等になかなか適用されないうらみがあることは、御案内のとおりでございまして、私どももさように考えておるのでございます。その一つの方法といたしまして、たまたま今回の七号、大雨、十号みんな八月災でございまして、これを締めくくりますと、約五百億近くのあれになるということから、こういうふうな姿において考えてはどうかという御意見であろうと存じます。ただいま、それを私この席で初めて実は委員長から承ったのでございますが、なお本件につきまして、対策本部の各省の意見等も参酌いたしまして、できるだけ早くどう対処するかお答えをさしていただきとうございます。
○委員長(足鹿覺君) それではでき得る限りすみやかに、委員長にまで検討の結果を御連絡を願い、ただいまの私の意のあるところを十分御考慮願って、御善処をわずらわしたいと思います。他の委員の発言等もありますので、不本意ではありますが、この程度にいたします。 関連して佐藤君から質問があるそうです。
○佐藤隆君 先ほど報告のときにもちょっと申し上げましたが、五月の十日のこの委員会で、激甚法の適用基準とか指定基準とか、そういう基準について検討していないんだからやはり再検討し、実態に合うような基準というものを考えたらどうかということで、実は決議もしたわけですが、先ほど御報告申し上げましたとおり、このたびの災害でもやはり小規模な激甚地、量よりもやはり質も考えなければいかぬじゃないか。広範囲にわたるものと局部的な質の問題、それらを考えて、どうしてもやはり指定基準というものの再検討を急いでいただく必要があるんじゃないか、こう痛感をしておるのでございます。いま委員長からの質問とあわせて、いまここでお答えはいただかなくてもけっこうでございますが、どの程度作業が進んでおって、こんな点がネックになっておるとか、大体方向としてはこういう基準の改定を考えておるとか、そういう御報告が中間報告としてでも、次の機会にいただければありがたいと思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(田中龍夫君) 佐藤先生の御意見と私先般もここで申し上げたように、全く同じ気持もを持っておるものでありますから、対策本部の作業といたしまして、いろいろと研究さしておるのでございますが、基準の場合、それをどうするかという問題だとか、それからまた、現在の災害立法は局地の激甚な災害に対してどうもぴったり当てはまらないものがあるので、別な単行法を考えてはどうかとか、その問題につきましては、どうしたらいいかということを、私のほうで再三督励をいたしておるような状態でございます。対策本部のほうといたしましても、この問題を真面目に取り組んで検討いたしております。
○成瀬幡治君 私も激甚地指定のことについて、いま大体再検討を進めておる基準の問題が一点と、それからもう一つ、もし基準を直すことができないとするならば、局所の災害がある、だからそういう場合にはどうするかということを検討中だと思います。一つの例として申し上げたいんですが、愛知県の北設楽郡の豊根村というところは、大体財政規模が一億数千万円でございます。被害総額はまだ孤立しておりますから、食糧等もございませんですから、自衛隊のヘリコプター等が飛んで食糧を補給しておるということでございますが、総額はしっかりわかりませんけれども、とにかく十五億から二十億くらいと推定をされるわけです。いまの災害関係のどの法律を適用しても、この村はやっていけないということは常識でございます。ですから、先ほど長官の答えを私は了とします。了としますが、検討してみたがやっぱりだめだったわいと言っちゃ、これは前も進んでおらぬが、うしろ向きということになりますから、十分前向きの御検討をいただく、結論を出していただくということを非常に期待を申し上げ、このことについては、激甚地の問題については私も皆さんの意見と同一でございますから、よろしく御検討をお願いしたいと思います。 それから、次に質問として申し上げたい点は、災害基本法は、非常に国土の保全であるとか人命の尊重ということを、第一条としてうたっております。それをもとにして災害基本法をつくることになっております。そして、その災害基本法で防災計画の中で大事な点と申しましょうか、とにかく交通確保及び交通安全対策というのが防災基本計画の第三章の第三節の第三項にあるわけでございます。私は、当然こういうことが防災会議できまり、このことがいろいろと実施をされておらなくちゃならぬと思っております。ですから、この防災計画に基づいてどのようなことがやられておるのか。それはもう一切そういうことはなしで、運輸省に一切まかせてあるとおっしゃるのか、どうなっておるのか。少なくとも防災基本計画ができましてからかれこれ五、六年たっておるわけですから、どんなことがなされておるのか、承りたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 対策本部の交通関係に対しまする審議の状況でございますので、担当者からお答えをいたさせます。
○説明員(川上幸郎君) お答えいたします。 ただいまの点でございますが、バスの安全対策につきまして災害基本計画に入れるべきかどうかということだと思いますが、基本計画におきましては、ハスが通ります道路の安全に関しますがけくずれ等の事項は入れますが、はたしてバスの安全対策自体を入れるかどうかにつきましては、十分なる検討が行なわれていないということでございます。 なお、今回の飛騨川バスにつきましては、飛騨川、バス遭難対策連絡会議を総理府におきまして主唱いたしまして、関係各省にお集まりを願い、いろいろな対策等につきまして協議をいたしておる次第でございます。
○成瀬幡治君 いや、ぼくは一般論としてお尋ねしておるわけであって、あなたのところにもおわかりですね、この計画は。ですから、第三節のその他災害予防対策というところがございまして、交通確保及び交通安全対策として第三項があがっておりますね。ですから、そのことについて防災会議としてどんなことをやっておみえになりましたかと、こういうことを言っているわけです。いまお聞きしていますと、バスのことは何もやってないということですが、私はそういうことじゃなくて一般論として伺っておるわけです。
○説明員(川上幸郎君) ただいま説明が若干不十分でございまして、もちろんこのバスに関する事項も防災に関します事項でございますので、バス連絡会議という名称をつくっておりまするが、これは災害の面も合わせ加味して行なっておるというわけでございます。
○成瀬幡治君 そんなことを聞いておるんじゃないパス連絡会議がある、それはわかりました。どんなことをいままできめて、どんなことをやってきたかということを伺っておる。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまのお話である災害対策本部とともに交通安全対策の関係も総理府のほうで推進本部がございます。今回等につきましては、両者が相ともどもにいろいろと協議いたしてまいっております。
○成瀬幡治君 長官そんな、ちょっと私の質問とずれておりますが、私は、中央防災会議というのがございますが、そこで災害対策基本計画というものを発表しているわけです。いいですか、その中に第三節の三項に書いてあるのだから、その書いてあることを受けて何をいままでやっておみえになりましたかとこう言っているのです。何にもやっておらぬならおらぬと正直に言ったらいい、やっておるならそのことを説明してくれと言っているのです。
○説明員(川上幸郎君) ただいまの点につきましては、総理府におきます陸上交通安全調査室で行なっておりまして、私のほうでは行なっておりません。
○成瀬幡治君 いまその人はおらぬでのすか、その関係の人はここにお見えになりませんか、——見えない。それじゃ、こういうことにしてください。少なくとも中央防災会議のことは総理府長官でしょう。だからそれは後刻資料としていままでやってきたことをお出し願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○国務大臣(田中龍夫君) そのとおりいたします。
○成瀬幡治君 それじゃ、次に長官にお願いがてら御意見等を承っておきたいと思いますが、局地災害等いろいろございますが、大体一家の生活の中心と申しましょうか、そういうような人が土砂崩壊のために、あるいは家が流されることによってなくなる、あるいは今回の飛騨川バスのような事件で家庭の、生活の、いわゆる生活の主体を失ってしまった人が非常にたくさん出てきたわけですね。いわゆる転落防止と申しましょうか、ほんとうにそういう人が生活できなくなって困窮者にいってしまうわけです。それは生活保護等いろいろと一般の社会保障関係等があるので、それでいいのだと、こういうかっこうで済まされている問題なのか。そうではなくて、そうしたことに対して何らかの立ち上がれるような環境というものをつくってやるべきであるというふうにお答えになっておるのか、基本的な方針というものを、まず最初に伺いたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの御質問の骨子は生活の基本とおっしゃいますが、問題は災害をこうむりました個人に対します国の補償をやるかやらないかということの御質問じゃないかと存じます。
○成瀬幡治君 それに尽きます。
○国務大臣(田中龍夫君) それにつきまして、国といたしましては、罹災の自治体が非常に財政負担の過重についてどうにもならぬという場合に、それに対しまする補助はいたしておりますが、個人の補償はいたさないということで今日までまいっております。で、それに対しまして、しからば何もやらないかと言えば、そういうわけではございませんので、いろいろ中小企業等に対します融資のあっせんでございまするとか、あるいはまた税の減免でございますとか、あるいは金利の特別措置でございますとか、そういうふうな面でいたしておるのでございまして、罹災の個人財産の補償ということはいたしておりません。そのことがいろいろな面におきまして、今日まで非常に災害対策の上でもってむずかしい問題点でございますが、この点は容易に結論を得ないままに今日進んでおります。
○成瀬幡治君 私も個人補償の問題になりますから、バランスの関係上非常に問題だと思いますが、あなたが一言言われたことについて確認というわけではございませんけれども、確かめておきたい点は、地方自治体が個人補償的な意味もあると思いますけれども、たとえばある一家の主人がなくなったのだから見舞い金を地方自治体が出す。あなたはそれは財政にゆとりのある地方自治体が、何らかの措置をした場合認めるようなふうに私は受け取ったわけだから、地方自治体が、国としてはなかなかたいへんなことで、他の関係、法律等の関係でなかなかできないことだ、しかし、地方自治体がたいへんお気の毒だということで、ある対策を講じたとする、そういうことはこれは自治省の関係等がございますけれども、特別交付税なら特別交付税で見ていくんだという方針なんでしょうか、それもいかぬとおっしゃるんですか、その辺のところを。
○国務大臣(田中龍夫君) 私が申しましたのは、国が補助をし、助成をいたすのは地方自治体を対象といたしました財政負担についての問題である、かように申したのでございまして、さて、地方自治体がさようなことをいたした、それをどうこうという御答弁を申し上げたわけではございません。その点は明確にしておきたいと存じます。また、地方自治体がさようなことをした場合に、それを見るかというと、これはたてまえ論の上から申しましてさようには相なっておらない、かように存じます。
○成瀬幡治君 そうすると災害関係でいろいろなことが起きてまいります。いわゆるそうしますと、転落防止については国も地方自治体も何ら手を打たぬ。一般のそれは社会保障関係のものでやっていくんだ、こういうことになりますが、そういうことなんでしょうか、それが基本方針だ、こうおっしゃるんですか。
○国務大臣(田中龍夫君) それは国が転落防止については何ら放置しておってやらないんだということは、そういう気持ちではないのでございまして、それはあらゆる方策を動員いたしましてそういうことのないようにいたす。たとえばただいま申しましたように、税の特別免除の問題とかあるいは緊急融資の問題とか、あるいは融資についての金利の特別措置でございますとか、担保の問題でございますとか、そのほか流失しました証券の特別措置の問題でございますとか、そういうふうなあらゆる各種の措置を動員いたしましてそうして救済につとめてまいる。それともなおかつどうしても救済できないで罹災家族の方々が生活困窮されまする場合に、やむを得ずお気の毒でございますが、生活扶助をいたすような結果に立ち至るという点でございまして、個人災の補償はいたさないというたてまえでございますが、それ以外は万全の策を動員いたしまして救済に当たっていく、かような意味でございます。
○成瀬幡治君 私は法律のたてまえやいろいろの点から言えば、一つの筋論として長官の答弁がわからぬわけではございません。個人災を補償するということは、なかなか容易な問題ではないということはわかります。しかし、それじゃいまおっしゃるような救済措置の適用を受けられない人が多いわけです。あなたのおっしゃるように、税は免除しますとおっしゃる。それはそのとおりありがたいと思うことです。しかし、一家の働く中心を失ってしまいますと、もうそれどころではないわけです。ですから、そういうことに対して地方自治体が何らかの善処をしたときには、国は法律のたてまえからめんどうを見られないことになっております。しかし、地方自治体がそういう問題について何らかの処置をした、たとえば一家の中心の人が失われた場合には五十万贈ったとか、あるいは三十万贈ったというような場合に、それを特別交付税の中で見れぬ、それはおまえのほうの自主財源なんだ、あるいは自主財源で見ると、おまえのほうは自主財源あまりないのに使っておる、けしからぬと言って、会計検査なり、いろいろな点で注意をし譴責をし、あるいはそんなに余裕があるなら交付税減らす、というような話まで発展すればたいへんなことになってしまうわけです。ですから私は、いわゆる血の通った行政というものは、国もさることながら地方自治体等が、その行政等は一番よく知っておるんですから、地方自治体が責任を持ってそうしたような善処をし、しかもよかれとして善処したような場合には、国はそれに対してまあ見て見ないふりをせいということではなくて、とにかくよくめんどうを見てくれたと、こういう気持ちで行政というものが進められれば非常にいいんじゃないかと思っておりますが、その辺はどうでございますか。あくまでも四角四面の問題で、運用というものはないものだという、こういう姿勢なのか、これはやっぱり政治姿勢の問題です。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまのお話は、結局財源としましては、単独村費とか単独市費とか、市長さん、村長さんの裁量に基づく財源によって処理されたんだろうと存じますが、その辺の詳細なことにつきまして、どうも私浅学非才でございまして、よくここで即答できませんが、自治省の担当官も見えておられるようでございますから、ちょっと自治省からお答えさせていただきとうございます。
○説明員(山本成美君) ただいまの御質問、非常にむずかしい問題でございます。先生がおっしゃられました、自治体が何らかの処置とおっしゃられた中で、特に見舞い金というものを浮き上がらせておっしゃったわけでございますが、勢いこの見舞い金が問題になろうかと思います。この見舞い金につきましては、現実は各市町村なり府県の財政力がむろん背景にあってのことでございますけれども、突き詰めて言えば善意と申しますか、気持ちをお示しすると、気持ちを差し上げる、といったような程度のもので実際は実施されておるのが実情でございます。これがよろしいかどうかということについて、結局問題になるわけでございますけれども、そういう措置を地方団体がやりました場合に、積極的に交付税の中で見ていくかという問題が現実に出てまいっておりまして、この点が先生のお話の点かと思います。この点につきましては、災害がありますたびに話題にのぼっておりますので、あるいは繰り返すことになるかもしれませんけれども、先ほど申し上げたような現実の見舞金というものを踏まえました場合に、積極的に全国の市町村なり都道府県の共通の財源でございます交付税の中で進んで奨励するといいますか、語弊はございますけれども、そういう形で差し上げるわけにちょっといきますまいという感じでございます。したがってこそ、またいま個人財産についての制度をどうするかということが問題になっておるのじゃないかと、私はそう考えておる次第でございます。したがいまして地方団体が気持ちを示す、そういう措置をやりました場合には、これは大きな額でおそらく私はないと思います。もし財源があってできますれば、それは非常によろしいことでございますけれども、私のほうとしては、いまそれがその財源がないために、そのために特別交付税を進んで出すという考えのところまでは制度的にいっておりませんので、その点はなお今後の問題として残るかと思います。
○成瀬幡治君 そうすると地方自治体が善意で、よかれと思って自主財源を出した、そういうものは自治省の会計監査なりあるいは会計検査院の会計検査等で不当支出である、というようなことはないのか、それはいいことだと認める、こういうふうな了解でよろしゅうございますか。
○説明員(山本成美君) 重ねての御質問でございますが、交付税で差し上げたものの使い道につきましては、私のほうは一切監査とか検査といったようなことはいたしません。
○成瀬幡治君 わかりました。 運輸大垣にお尋ねしますが、自賠法の適用は現在検察関係、警察庁等ともいろいろ御連絡あると思う。大体見通しは何月何日ころ、あるいは今週一ぱいというようなことは、この前もお話を聞いておりますが、いよいよせっぱ詰まってきたようですが、一体自賠法は適用されるものでしょうか、されないものでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) お答え申し上げます前に、先般の委員会におきまして私の不注意によりましてたいへん御迷惑をおかけいたしまして、あらためてここで遺憾の意を表します。以後こういうことを起こさないように注意をいたしたいと思います。 それから自賠法の問題でございますが、大体の順序としまして警察庁の警察側の精密な所見をわれわれのほうでいただきまして、それをわれわれのほうで審査するという形になっております。先週末くらいまでに警察の調査は終了すると思って待っておったのでございますが、きのうきょうあたりの警察の情報によりますと、非常に精密に関係者の意見を聞いたり、実地調査等もやっているので、こちらへ回ってくるのはまだ若干日にちがかかるということでございます。それで来週のなかばくらいまでは、あるいは警察のほうでかかるかもしれない。非常に慎重にやっているようでございます。警察側からの調書が参り次第、われわれのほうでは独自に自賠法の法解釈を検討いたしまして、具体的に適用していきたいと思っております。ただ、法は厳正公平でなければならないと思いますので、法を曲げるわけにはまいりませんが、法の許す範囲内において、できるだけあたたかい思いやりの措置をやりたいと考えております。
○成瀬幡治君 大臣、何かと思ったらちゃんと忘れずにおっしゃいましたが、この前の無断職場離脱の問題は黙っておりましたが、いまおっしゃいました御答弁、それはそのまま受け取って、その問題はまたあとの問題に譲りたいと思います。 そこで一つだけお尋ねいたしますが、あなたのほうの八月二十二日の日に通達が出ておるようでございます。出ておりますが、今度のこうしたバスの安全輸送という問題については、たいへんな問題になると思います。一つは旅行あっせん業法などの問題について御検討願っておるのかどうか。いま登録制でございますね。実情を私は申し上げましても、大体十名以下の人でやっているようなところが約三千の業者の中で九〇%くらいはそういうところでございますね。そうしますと事故が発生したような場合に、はたして損害賠償の問題に耐えるかどうかということは、非常に疑問だと思います。あるいはそれでは大きな会社になればいいじゃないか、という独占のことを私は指しているわけではございませんけれども、とにかくこうしたものをどうやったらより旅行というものが快適にでき、しかも人命というものが尊重されるようなことになってくるのか、いまは非常な過当競争なんですね。ですから、あなたがここに出しておられるたとえば添乗員の問題にからんで第三項の中に、あなたの文章の中に入っておりませんけれども、談話として、たとえば自衛隊をやめた人を使われたらいかがかというような趣旨の談話も出ておったように伺っておりますが、そういう末端的なことではなくて、運輸委員会ではございませんから、私はこまかくは省略さしていただきますが、根本の問題というものを何か少し検討をしてみる必要がある。そしてそれはおのずから方向というものを十分大臣は検討されておるんじゃないかと思いますから、そのことについて法改正をされるような意思があるのかどうか、あるいは基準というものに対して何か引き上げるということを考えておられるのかどうなのか、そこのところをお尋ねします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 旅行あっせん業者の問題は、まさに御指摘のとおりでございまして、検討を要するものであると考えまして、いま検討を命じております。いままでの状態ですと、電話一本と机が一つあって、あとは顔があれば何とか旅行あっせん業は成り立つ、極端に言えばそういう状態でございまして、しかもそういうもので過当競争の状態がひどくなってきております。その上に最近はまた有力な旅行あっせん業者のほうは旅館との関係で、非常に押しつけたりなんかしまして、手数料をひどいのになると一七%ぐらい取る、あるいは二〇%ぐらい取って旅館が泣き寝入りをするというような場合がございます。それから最も憂慮すべき一つは、観光バスで行った運転員が、行く先の宿屋であまりいい部屋へ泊められないわけなんです。それで睡眠不足を起こすというようなことも心配させられているわけです。まあ千円ぐらいの日当もらっているらしいんですが、宿屋ではただで泊めてやるわけです。そうすると自然に粗末な部屋へ押し込められて、大ぜい入れられて、それでまた眠られないというようなことで、それがまたバスの運転に支障を来たすというような、そういう事例が心配されますので、そういうこと全部を含めまして、いま検討している最中でございます。
○成瀬幡治君 最後に資料を要求しておきますが、建設省にお願いしたいのですが、あそこの飛騨川のバスの転落事故のところは、私は正確に調べたわけじゃございませんですけれども、あの沢には何ら手が加えておられないところだと思うんです。ですから、その辺のところを周囲はどういうふうに補強工作をした、そうしてあの沢は何ら手を施さなかったとするなら、それは当分の間はもう絶対に安全なんだという、そういう結論でやらなかったと思うんですが、とすれば、そうやっておくのか、あるいは来年ぐらいそこに手を加えようとしておったのか。とにかく、あの事故の発生したあの沢のものに対して、図と、それからあなたのほうが強度、先ほどいろいろとお聞きしていきますと、あの沢の橋は五十ミリから八十ミリを基準として橋がかけられているわけですから、背景——うしろはどうなっているかということを一切検討されて結論出されると思いますから、そういうような、あなたのほうはもうここはなぜ手を加えなかったのか、あるいは補強をしなかったのか、あるいは何年か先にそれをやらなくちゃならぬと思っておるのかどうかというようなことを、一切あなたのところの関係のものを資料として御提出を願いたい。
○説明員(蓑輪健二郎君) ただいまの事故の起こりました沢のところの図面と、それに対しますわれわれの一般的な道路をつくるときの考えを、こういうものを資料として提出することにいたします。
○委員長(足鹿覺君) ほかにありますか、運輸大臣に御質問の方は。では、現地優先で中村君。
○中村波男君 運輸大臣に一つお聞きしておきたいと思いますが、運輸省のみならず、何か事故が出ますと、事故防止なり今後の対策の通達が出されるわけでありますが、きょうの御配付いただきました資料によりましても、二回にわたってバス転落の事故に関する通達が出ておりますが、それはそれといたしまして、一般的な問題として、この機会に御所見をお聞きしておきたいと思うのでありますが、バス事故によります死傷者の増加というのは、最近急増する傾向にありまして、新聞によりますと、すでに本年に入りまして八千人以上にのぼっておるということが伝えられておるわけでありますが、そこで最近会社等の従業員を運ぶためというのも一面ありますが、レジャー、観光ということでバス利用者がどんどんふえていきまして、したがってベテラン運転手といいますか、それに適当な技術を備えた運転手が不足いたしますために、やむなく大型二種免許を持っておるトラックの運転手を採用するという、こういうのが雇用上の今日の傾向ではないかというふうに思うのであります。したがって運輸省としては、そういう実態を御調査になっておると思うのでありますので、わかっておりますならば、その実態を明らかにしていただきたいということをこの機会にお願いを申し上げるわけでありますが、さらに最近になりまして、いわゆるマイクロバスの使用ということも、一般あるいは営業用としてふえておるわけでありますが、私の承知しておるところによりますと、マイクロバスの運転資格というのは、普通一種免許で運転できる、こういうことになっておると思うのであります。したがってバス事故等をできるだけ少なくいたしますためには、道路の環境整備ということが重要でありますが、それと同時に、大型バス等の構造、性能及びその運転者の養成、指導について適切な措置をすみやかに私はとる必要があるんじゃないか、こういうことを考えるわけであります。特に観光シーズンあるいは一年間を通じて休日等につきましては、観光地に、いわゆる乗用車を含めまして自動車が殺到するという現状からいいましても、こういう面における取り締まりその他適切な方法を講ずる必要があるんじゃないか、こういうことを考えておるのでありますが、これらの点について、運輸大臣の所見をこの機会に承っておきたいと思うわけであります。
○国務大臣(中曽根康弘君) お説のとおりであると私らも考えます。それで観光自動車のバス事業は免許事業でございまして、一定の基準に達しないものはいままでこれを許可しておらないのであります。それと同時に、今回の災害等の経験にもかんがみまして、要員の訓練及び管理能力という点について、われわれとしてもさらに検討を要する面が多々あると思いまして、陸運局長に対して具体的な通達を指示して、業者を集めて再教育をするようにやらしておる最中でございます。具体的な問題につきましては、自動車局長から答弁さしていただきます。
○説明員(黒住忠行君) 先ほど先生の御指摘にもありましたが、マイクロバスの事故も相当ございます。なお、観光バス、乗り合いバス等につきましても、事故防止は十分注意はいたしておりますが、遺憾ながらそれが起きておりますので、運転手の教育とそれから労働条件の改善ということが重要だと思っております。 で、労働条件の改善につきましては、労働省のほうからも通達等が出ておりまして、われわれのほうにおきましても、監査のときに十分注意する、あるいは通達でもって注意をするというふうにいたしております。なおこれはハイ・タク、トラック、バス、おのおの労働の状況が異なってまいりますので、各事業の実態に即した具体的なあるべき姿につきまして指導を行なっておりますし、今後も十分指導してまいりたいと思っております。
○委員長(足鹿覺君) では運輸大臣にちょっと伺います。 先ほどの運輸大臣の御答弁は、法は曲げられないが、できるだけあたたかい態度で臨みたいという、きわめて温情ある自賠責法適用についての御見解を御開陳になりました。たいへんけっこうだと思いますが、ただ警察の結論を待つということを、主として決定を見ない理由にあげられておるようでありますが、運輸省自体としてはいかような、行政上遺憾な点はなかったか、そういうような点について運輸省自体としてのこの問題に対する検討の中身、その結果、あるいは御調査になった実情等がありましたならば伺わせていただきたいと思いますが、大臣の率直な、これはあまり、この間おいでにならぬものですから、自動車局長に質問が集中しまして、まことにかみしもを着た御答弁ばかりなさいますので、運輸大臣の大臣としての御答弁を委員各位は求めておられるようでありますが、そういう意味もお含みの上、この際所見があったら承りたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) あの事故につきましては、名古屋の陸運局におきまして関係者を調べ、状況等もよく調べまして報告がまいっております。大体の大ざっぱな表現で申し上げますと、管理についてはそれほど手落ちはなかったと、一言で言えばそういうような内容のものであります。しかし、それは警察あるいは検察が調べたものよりも、表面的なものがかなり多いわけです。これはそういう強制権限がないものですから、そのときの状態を厳密に正確に調べるということが、陸運局では警察に比べてできないわけでございます。そういうわけで、警察の調べというものは非常に重要だと思うのです。つまり過失があるかないか、責任がどこに所在するか、そういうような点については、関係者の責任ある供述というようなものが、ある程度必要なのでございまして、そういう意味において陸運局長のわれわれに対する所見と、それから警察のいろいろな資料と両方を見まして、自賠法の解釈を運輸省で決定しようと、そう考えておるわけでございます。
○委員長(足鹿覺君) そうしますと、必ずしも警察当局から結論が出て、それのみに依存をするというのではなくして、運輸省としては総合的な判断の上に立って対処をしていくと、かように解釈してよろしゅうございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) そのとおりでございます。
○委員長(足鹿覺君) そうしますと、具体的に中心となるべき点を、行管もおいでになったでしょうから、あとで行管にも伺いますが、かりにいままで出ておる、これは私どもはまだだれの責任者からの意見も聞いておるわけではありませんが、後ほど自治大臣もおいでになることになっておりますので、その際に伺いたいと思っておりますが、かりに刑事責任の有無ということについて刑事責任を追及するということは無理だと、しかし、各方面のこれに対する研究所とかあるいは政府の行政管理庁とか、各方面の意見を聞いておりますと、人災論的な、まじめな、いわゆるきわもの的なことではなくして根拠をあげた人災論的な意見が伝えられておるのであります。大臣もお読みになったと思いますが、京都大学の防災研究所の所論によりますならば、防災ダムの不十分さを指摘して、もしそれが十分であったならばこの災害はなくて済んだであろう。これを裏づけるがごとく、行政管理庁の出先におきましては、同地点における実情を次のごとく言っております。土砂くずれが起こった道路、国道四十一号から山側へ約二百メートル入った地域は、明治四十一年五月に政府が保安林指定をした、また同四十三年七月には砂防指定もしたが、二台の観光バスを押し流した土砂が流出した部分だけは砂防指定をしなかった、こういう条項なんです。しかも、保安林、砂防指定は、国道四十一号から出沿いに約二百メートルの地域だけだった。このたびの事故の原因となった土砂流出は、国道から二百メートル上の未指定林で起こったものであり、保安林、砂防指定はもっと広範囲にすべきだ云々、こういう条項がある。これは京都大学の防災研究所なり、行管の出先機関の意見は符合いたしております。といたしますと、かりに刑事責任はなかったといたしましても、すなわち、法の言う運行上の責任は疑わしくとも、主催者または関連する国の行政責任というものは、総合的に見てあるのではなかろうか。この災害が起きたその原因が追及されていきますならば、天災、山がくずれてきたから天災だと、こう言って片づけることはできないんではないか、こういうふうに感じます。これは林野庁の長官にも、この行管の出先が指摘したことの無を事実であるかいなかを確かめ、御答弁を願いたいと思いますが、運輸大臣の法の活用と、あたたかい措置とは、そういった私がいま述べたような点等についてもよく御検討になる、こういうふうに理解をしてもよろしいのでございましょうか、御所見があれば、この際明らかにしていただきたいと存じます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私が先ほど申し上げましたのは、運輸省所管にかかる自賠法の解釈についての私の心がまえを申し上げたのでございますが、いま委員長がお示しになったような例は、国家賠償法上の問題が非常に強く出てくるポイントであるだろうと思います。自賠法の場合は、自動車の運行上、つまり自動車側から見た管理や運行上の問題であります。委員長の御指摘の場合は、保安林の管理等々の問題で、つまり国家側の問題というふうに変わってくると思いまして、その場合は国家賠償法が表へ出てくるだろうと思います。国家賠償法の解釈につきましては、それぞれの当該責任官庁等がございまして、あるいは判例その他によって従うよりほかはないと思いますが、これは一般論として、責任論という場合には、刑事責任よりも民事責任のほうが範囲が広い、こういう判例は確立されているように聞いております。それから、ある時点における過失の有無という場合については、あとから、こうであったならばこうであったという問題よりも、その時点において、善良なる管理者の注意において万全が期せられておったかどうかという、その時点における事態における判定が大事な問題であるというふうにたしか聞いております。したがいまして、結果的にああすればああであったという議論は、責任論の場合には少し薄くなるのではないか、そういうようにも考えられます。
○委員長(足鹿覺君) そこで、刑事責任のみではなく、民事的に見て、あとで問題が起きはしないかということに留意をされて、もし自賠法の適用をした場合に、引き続き国家賠償法の問題が惹起しやしないか、こういう点を政府はおそれておるのではないかというような危倶を現地では持っておる、こういうふうにも私ども現地調査に行きまして感じました。で、私がいま申しましたのは、結局、いま述べたような砂防ダム等の施工が不十分であった。したがって総合的に見て、国道の保護が十分でなかった。したがって、これを単なる天災として片づけることは困難ではないかということを言っておると思うのであります。そういう意味において自賠責法の運行上における過失、すなわち刑事責任ということでなくても広義における人災、こういう意味に理解できないものであるかどうか。私は一つの問題点であろうと思います。で、先ほどの大臣の御答弁によりますと、国家の一番公正であるべき警察当局の結論を尊重されるということは私は当然だろうと思いますけれども、ややもすればこの責任の所在が不明確なままに、あるいはお互いの所管官庁が責任を回避と言うと語弊がありますが、なるべくその責任を負いたくないというようなものは、これは人情のしからしめるところでありまして、よくあることでありますので、私がいま申し上げておりますような質問を申し上げるわけでありまして、そういう点については運輸大臣としてはいかようお考えになりますか。私は国家賠償法上の——これは鍋田干拓の場合等におきましても、あれは伊勢湾台風の際におけるやはり国の瑕疵ということは議論になったわけです。私も当時質問をいたしましていろいろと勉強いたしましたが、少なくとも国の瑕疵ということは私は言い得るし、あり得ると思うのです。それも回避するということになりますと、いわゆる政治の姿にも関連してくるわけでありますから、そういう点は率直に認めて、今後この種の災害を絶無たらしめるための措置ということにならなきゃならぬと思うのでありまして、そういう点について運輸大臣は先ほど国家賠償法の場合になるのであって、その自賠責法の問題とは別だというふうにおっしゃいましたけれども、私はいま述べたような考え方から、いま述べたような一つの所見を持っておるわけでありまして、そういう点につきましても、国家賠償法に必ずしも限定する必要はないのではないか。そういうふうにも考えます。また国家賠償法による民事上の問題が起きた場合というのは、そういう問題だろうと思いますが、それとは別に、それはそれで、まず自賠責法の広義解釈ということについて最善を尽くしてまいりたい。このことを私ども現地調査団といたしましては確認をしてまいっております。またこの委員会におきましては御承知でもありましょうが、決議文を先月の二十三日には、満場一致で、「自賠法等を適用して遺族の救済に遺憾なきを期すること、」という決議をしておる点を申し添えまして御善処を強く御要望申し上げたいと思います。御所見があれば承っておきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 委員長が申されました諸点は、よく検討の筋の中に入れましてよく検討してまいりたいと思います。
○上田稔君 関連で大臣にお願いといいますか、お聞きをして、また自賠法の適用をお願いをしたいと思うのでございます。 この自動車事故の原因でございますが、これには四つあると思うのです、大きなものは。その第一番は、道路の構造上の問題、第二番目は、気象の予報の問題、第三番目には、運転手の判断の問題、あるいは旅行を計画しておられる方の判断の問題、四つ目は、一番最後に、この事故が起こったこの場所において駐車しまた停車しておったその問題、この四つの問題があると思います。非常な豪雨の中でございますから、自動車の運転手がいろいろ判断する上において、あるいはまた旅行を計画された方が非常に変化する気象を判断をして、これをやめるかあるいは続けるかというそういう判断の問題、こういうことについては非常にむずかしい点があり、刑事上の問題としては私は非常にむずかしい問題じゃないかと思うわけでございます。しかしながら、自賠法でこれを何とかして救ってもらうということを考えますと、ここにやはり問題点はないことはないのではないか。特にその自動車の運行上の過失というか、そういうような点においてやむを得ない過失であるかもしれないけれども、あそこの現地の状態を見てみますと、あの場所においては十四カ所の落石の、崩壊しておるところ、崩壊というか、むしろ吹き出しておるところがあるわけです。その中において、自動車が転落した場所、この場所においては自動車が駐車しておった。しかしそのほかの土砂の吹き出しておる個所においては自動車はとまっておらないわけです。駐車しておらない、停車しておらないわけです。そうすると停車位置の選択という問題がやはりあるのではないか。当時においては、雨の量はおそらく一時間の雨量で七十ミリから九十ミリ降っておるということは、もう、しのつくような雨の中ということになるわけですが、そういうような雨が降っておるわけですから、あの沢からは非常な勢いで水が吹き出しておった。道路上に向かって大きな川のようになって、あの一メートル五十の下を抜いた管では、とてもあんなに抜けなくて道路上に吹き出してきておった。したがって、現地に消防団の方が行かれたときに非常な深さまで水につかったということを言っておられました。ということは、その沢から水がどんどん吹き出しておった。そうすると川のちょうど前に停車しておったということになるわけでございます。四十分間もそういうところに停車しておったことにおいては、やはり私は過失があるのじゃなかろうか。ほかの自動車はみんなのいておるのにのかなかった。そういうような点を考えると、運行上の過失ということがそこに見られないだろうか。しかしこれは刑事上の問題でも私はない、非常事態の、この豪雨の、しのつくような雨の中でやはり起こっておることですから、あるいはまた暗夜の中で起こっておることですから、個人の刑事上の責任を問うのは非常に困難であると思いますが、しかし運行上の問題としてはそういうような点がないだろうか、ひとつ御判断のときにそういうような点もお含みの上御判断をいただきたい。そうして非常に困っておられる遺族の方々に対して自賠法の適用をお願いを申し上げたいと思う次第でございます。
○委員長(足鹿覺君) 行管きていらっしゃいますか……、さっきの運輸大臣に私が要請申し上げたときに聞きたかったのですがいらっしゃらないので……。信原中部管区行政監察局長並びに若槻岐阜行政監察局長が飛騨川バス転落事故等に関する現地調査を行ない、その調査の結果の報告があったと新聞は伝えておりますがそうでありますか。
○説明員(諸永直君) その事件が起こりましてすぐ速報がまいっております。
○委員長(足鹿覺君) その内容について概要を御発表願えませんか。またその現地からの報告について、行管当局としてはどのようにお取り扱いになっておりますか。たとえばその適否等について検討中であるとか、あるいは警察庁、あるいはその自賠法でいま論議が集中しております運輸省等について、現地の声として、どういうふうに政府の機関でありますから御連絡になっておりますか、そういったような諸般の検討の中身、あるいは他の官公署等との連絡、総合的な検討状況、そういったようなことについて、二点に分けてお話ししていただきたいと思います。
○説明員(諸永直君) 飛騨川の問題につきましては当庁の内部の通達としまして、そういう事件が行政上の問題をはらんでおるというときに、行管長官に対しまして内部報告として事実の速報、同時にできる限りの原因の追及と申しますか行政上の問題点を速報する、こういう規定になっておるわけでございます。この規定に従いまして、先ほど委員長から仰せの中部管区の局長並びに岐阜地方局の局長から行管長官に対しまして内部の報告があっておるわけでございますのす。その内容は、速報でございますので、必ずしも現地を十分調査をし、なお行政上の問題につきまして余すところなく検討を加えたというものではございません。したがいまして、中央としましては現地の速報を受けましてその事実関係等につきましてあやまちがないかどうか、あるいは所見を一応付しておりますが、現地の所見がはたして適当かどうかという点につきまして、関係の各省にいま連絡をしておるところでございます。 で、速報の内容は事実のところは大体新聞に書いておるとおりでありまして、主として山間道路の交通の安全の確保問題につきまして、道路管理上の問題、土砂くずれの山間の道路の後背地に対する防護の問題、それから異常災害時における交通規制の問題、それから気象通報の関係の問題、それとバス事業者の運営管理の問題につきまして速報いたしておるわけでありますが、速報の中身は、新聞等に報道されておりますのとは、所見の点ではだいぶ趣を異にしておりまして、関係行政機関の責任を直接に追及するという、こういう趣旨のものではございません。こういう災害の予防対策としての教訓事項と申しましょうか、一般的な教訓事項、あるいはこういう異常な山間道路におきまする交通の安全確保についての将来の教訓事項を運営改善事項として提報いたしておるわけでございます。その提報を受けまして、建設省林野庁、それから運輸省の御当局にこちらの事実の認識は誤っていないかどうか、それから所見がはたして妥当かどうかという点につきまして、見解をただしているところであります。まだ十分関係各省との間の意見を詰めていない段階でございます。
○委員長(足鹿覺君) いまの行政監察局長の御答弁は、私ども現地に行って見たときに、現地の中央紙が一面に大きく取り上げているのですよ。したがって、いまその本旨と違うようなことを言われると、地方住民を何か失望させたり、政府に対するところの信頼感に期待を持った人々が、信頼感を失ったりすることもあると思います。で、私どもが現地に行きましたときに入手した新聞によりましても、新聞はいろいろな新聞でありますが、責任追及などということはあり得ぬと私も思います。その点は同感でありますが、関係官庁や主催者に次のように要望をしておるということは、数項目にわたって出ておるわけなんです。まことに要を得た、いわゆる相手の責任を追及してどうということでなしに、要を得たものであると私は一見して感じました。したがって、これは秘密にすべきものであるかどうかは別にして、すでに外部に発表されたものでありますから、関係当局になまのものを御提示になりまして、そうして資料なり、また今後の災害の絶無のために措置されたかどうか。それをもとにして、また行監当局としては、別の何らかのこの種の調査報告を中央行監としてはお出しになるのか、ならなかったとすればいつであるのか、あまりおそくなったのでは、運輸大臣のお話によりますと、来週中には結論が出るようでありますので、タイミングをよくお考えになっていく必要があるのではないかと思いますが、この点はいかがですか。
○説明員(諸永直君) 私も先ほどことばが足りなかったかもしれません。関係各省と見解を突き合わせまして、中央としての所見をいままとめる最中でございまして、まだ公式の見解を出すには至っておりません。先ほど委員長からのお話にもありましたが、運輸大臣のそういう御見解をお出しになるのと軌を一にして出せるのではなかろうかというように考えております。
○委員長(足鹿覺君) 出たらいただけますね。出たらその全文は、正式なものは直ちに当委員会に御配付いただけますね。
○説明員(諸永直君) 所見が出ましたら、当委員会に提出いたします。
○塩出啓典君 関連質問で運輸大臣にちょっとお尋ねしたいと思いますが、先ほどの自賠法の適用の問題でございますが、これは最終的にはやはり運輸大臣が結論を出す、そういう形になるわけでありますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) そのとおりであります。
○塩出啓典君 それでこの問題に対しまして、先ほどもいろいろ出ましたけれども、どうか、当局の結論を待つことはこれは当然必要でございますが、とともに、やはり大臣としてそういう実情を調査しても、なかなかこういう問題は、非常に、一プラス一は二というように、なかなか結論の出ない問題じゃないかと思うわけであります。見方によっては正反対の結論が出るような場合もあるのじゃないかと思うわけであります。しかしそういう場合は、あくまでも最大多数の人のしあわせをまず第一に考えていく、そのような方向に努力していくのが、私は大臣としてのつとめではないかと思うわけであります。そういう点で、どうかこの自賠法の適用については、願わくば積極的に、多くの遺族の方に喜んでいただけるように努力をお願いしたい、そのことをお願いしておきたい次第でございますが、大臣のお考えを聞きたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 法を曲げるわけにはまいりませんが、法の許す範囲内において、できるだけ善処してまいりたいと思います。
○委員長(足鹿覺君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(足鹿覺君) 速記をつけて。
○国務大臣(中曽根康弘君) 災害関係で二、三御報告申し上げておきたいと思いますが、高山線の復旧の問題でございますが、高山線は国鉄も非常に努力しまして、九月の十五日くらいまでには全通するように大体めどがついてまいりました。それより前にも、できれば一日でも二日でも早く開通するように国鉄は目下努力しておりますけれども、十五日くらいまでにはできる見通しが出てまいりました。 それから飯田線につきましても、かなり努力してもらいまして、これも十二、三日までに開通するというめどがつきました。以上御報告申し上げておきます。
○中村波男君 さいぜんから、特に委員長並びに成瀬委員から岐阜県、愛知県、長野県、青森県等々の災害を総括しまして、激甚法の指定をする措置をとってもらいたいという要請があったわけでありますが、過去にもこういう例があるのでありますから、十分、災害の結果が出ました時点で、できるだけひとつ激甚地指定をしていただくように、私からも政府に要望を申し上げるわけでありますが、それはそれといたしまして、私の承知しております範囲では、政府の公式言明として、松代並びにえびの地震について激甚法に準ずる取り扱いをするということが言われておると思うのであります。したがって、今回の災害につきましても、各地域を視察調査をいたしますと、特に財政力指数の低い山間の町村でありますために町村災害等に対する財政能力、また個人的にも経済的に最も低い方たちでありますから、何としても激甚地指定を願って自己負担なり町村負担を軽くしてもらわなければ災害復旧はできないという立場で、どこへ参りましても異口同音に激甚地指定を願うようにお力添えをいただきたいという切なる願いが聞かれたのでありますし、政府の調査団あるいは各省から調査においでになっても同じ陳情要望が出ておるというふうに私は思うのであります。したがって、今回政府の調査団長として行かれました弘津総理府副長官におかれましても、新聞記者会見の記事を読みますと、激甚地に準ずるような取り扱いをするために善処したい、こういう言明がなされておりまして、被災者、関係市町村は激甚地指定をこいねがいながら、どうしても基準に達しない場合は準ずる取り扱いをしてもらいたい、こういう期待を大きく寄せておるのでありますが、そこで私は具体的に聞きたいのは、えびの、あるいは吉松における激甚地に準ずる取り扱いをされたはずでありますから、どのように具体的に事業別、災害別に措置をおとりになったか、どのような準ずる措置が行なわれたかどうか、まずこの点から伺っていきたいと思うわけであります。総務長官お願いいたします。
○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。 えびの、吉松の地域が何ぶんにも非常に狭隘でありまして、また総額について激甚地の指定がしにくかったのでございますが、ただいま御質問の、準ずるとはどういうことをしたかという点を申し上げますると、上水道の地下埋設施設の補助率を引き上げまして、二分の一から三分の二に相なっております。それから中小企業の三金融機関の利子率の引き下げでございまして、これを八分二厘から六分五厘に引き下げてございます。それから家屋の補強のための国有林の林材の購入費、これを二分の一補助をいたしておる。それから、消防ポンプの購入のための補助率を引き上げまして、三分の一でありますものを二分の一にいたしております。それから環境衛生金融公庫の利子率の引き下げをいたしまして、これを八分二厘でございますものを六分五厘にいたしました。それから医療金融公庫の利子率の引き下げをいたしまして、八分二厘をこれまた六分五厘にいたしたのでございます。 以上六点につきまして特に配慮をいたしました。
○中村波男君 いま六つの具体的な措置を御報告いただいたんでありますが、その他公共災害、農業災害いろいろあるわけでありますが、そういうものについては全く準ずる措置というものは行なっておられないというふうに理解してよろしいんですか。
○国務大臣(田中龍夫君) これはただいま御指摘のように、災害規模がどうしても適用できません。さような関係から年度末におきまする特別交付金の場合に配慮をいたしたいと考えまして、目下鋭意努力中でございます。
○中村波男君 私はいまお聞きして、これほど無責任な政治的発言といいますか、約束はあまりないように思うわけです。少なくとも激甚地指定にしてもらいたい、松代にいたしましても、あるいはえびの地震にいたしましてもその被害の状況というのは、惨状きわまりないものがあったわけでありますから、そういう強い要望が出ておりまして、基準から見てそれは適用できないということで、それに準ずるということは、私はそれに近いというふうに措置されて準ずるのではないかというふうに思うわけであります。多少でも改善はされておりまするけれども、やはり災害の最も大きかった公共災害等に準ずる措置が行なわれておらないということになりますならば、それは通常災害におけるいわゆる高率補助の適用をしたということでありまして、激甚法に準ずるなどという、そういう表現で頭をなでるようなやり方というのはやめてもらいたい、そういうふうに私は思うのでありますが、総務長官この点はどうお考えになりますか。
○国務大臣(田中龍夫君) この激甚法なるもののたてまえが、冒頭御質問にもございましたように、何ぶんにも局地的な激甚災に当てはまらないうらみがかようにあるわけであります。でございますから、私どもは何とかしてこの地元の救済をいたしたいということでほんとうに努力をしてまいったのであります。で、いまのこの六項目ぐらいでは御不満であろうこともよくわかりますけれども、これとてもなかなかむずかしかったのでございまして、なおまた、いまの高率補助対象という問題は、帰するところは罹災されました地元の自治体の財政負担をどう国がカバーして差し上げるかということに相なるのでございまして、その点はただいま申し上げましたように、特別交付金でこれをどう終局においてカバーするかということをいまもって交渉をいたしておる次第でございます。
○中村波男君 いま長官がおっしゃったように、激甚法の指定は基準がございまして適用ができない。だから特別な理由によってそれに準ずる措置をとるという、こういう約束がなされるといたしますならば、やはり私は文字どおり内容的にそれに準じた措置をとられるように今後特に御考慮を願いたいし、そうされなければ全く町村災害等については通常災害の取り扱いでは復旧も何もやれないという実態もあるわけでありますし、個人災害については残念ながら救済の道がほとんどないのでありまするから、したがって、今日ありますところの法律、諸規則に基づいてできるだけひとつ高率補助を適用してかさ上げをしていただいて、市町村並びに被災者の負担を軽く願いたいという立場で、いわゆる準ずる適用をされた実態をお聞きしたわけでありますが、きょうはこれ以上この問題で質問を申し上げても、時間がありませんから、どうかひとつ今回の災害につきましても、最初に申し上げましたように、山間僻地の特に財政能力の弱い地域が多く被害を受けているわけでありますから、そういう点を十分配慮されまして、でき得るならば激甚地指定、できなければ高率補助の適用等々を行なって、災害復旧を一日も早く完成していただくようにお願いを申し上げたい、こう思うわけであります。 その次に、これは建設省、農林省等から個々にお聞きをしたほうがよろしいかと思うんでありますが、緊急復旧、緊急復旧といいましても、従来の例からいいますと、三年で復旧をするという計画であったように私は思うのでありますが、でき得るならば初年度の復旧率を高めてもらいたい、でき得るならば二年間に緊急復旧は完成してもらいたい、これが地元の、あるいは議会の政府に対する強い要求、要請であったと思うのであります。今日までの災害復旧のいわゆる年度別といいますか、結果はどういうふうになっておるか。具体的なものは資料としてお示しをいただきたいと思いますが、大ざっぱでよろしいので、何年災まで残っておるかというような方法で明らかにしていただきたいと、こう思うわけであります。
○説明員(坂野重信君) お答えします。公共土木施設についてお答えしたいと思います。 直轄につきましては内地が二年、北海道が三年というふうになっております。補助工事につきましては、先生おっしゃいますように、特に緊急を要するもの、これは全体の約七割でございます。これは三年でいっとります。累計三〇、八〇、一〇〇になっております。それから一般の補助工事につきましては、補助全体といたしましては三〇、七二、八八、一〇〇ということでございます。しかし、先生の御指摘のように、これは全国の平均でございますので、特にその中でまた緊急を要するものは、必ずしも全国の平均じゃなくて、緊急を要するものから逐次やっておりますので、一カ所、一カ所につきましてはそれ以上の進度をもってやっております。全国の平均がそういうことでございます。
○説明員(中野和仁君) 農地関係の分についてお答え申し上げたいと思います。 大体復旧の進度はいま河川局長からお話がありましたように、農林省も同じようにやっておるわけでありますが、緊急を要するものにつきましては、できるだけすみやかにという方針で現在やっております。
○中村波男君 なぜそういう御質問を申し上げたかといいますと、岐阜県の関係で申し上げますと、いわゆる第一回の八・一七豪雨におきます被害が五十五億九千二百七十四万七千円に達したわけでありますが、きのう現在でございまするけれども、その後八月二十六日の豪雨と台風十号による被害が重なりまして、その二つの被害が十億出ておるわけであります。御承知のように八月二十六日におきましても、台風十号につきましても、普通ならばそんなに被害の出るような雨量ではなかったわけであります。しかし、災害が災害を呼びまして、かかる被害額を出したのでありますが、特に今回の災害の特徴としては、いわゆる谷といいますか、沢が、山腹の崩壊によりまして沢、谷等から水と土砂を流出して大きな被害をもたらしたのでありますから、いわゆる山腹砂防、河川砂防等を早く完成を願いませんと、被害はあとからあとから出てまいりますし、住民も雨が降りますと不安の中におののいておるのでありますから、進度率等につきましても、特に緊急と認めていただいて、早急にひとつ根本的な、いわゆる対策の前にもとを押えていただくという立場で、今後できるだけ査定が終わりました段階で重点的に予算を振り向け事業を施行願いたい。こういういま立場でお願いを申し上げ所見をお伺いしたいと思うわけです。
○説明員(坂野重信君) 御指摘のとおりできるだけ努力をいたしたいと思います。
○中村波男君 いま大雨による災害は九九%まで予測ができるということを専門家の間で言われているようでありますが、まあ九九%はともかくといたしまして、土砂くずれ等の災害はある程度私は予測できるのではないかというふうに思うのであります。したがって、どの程度の雨量でどれほどの災害が予想されるかという調査が行なわれておらなければならぬと思うのでありますが、そういう調査が行なわれておるのかどうか、そういう立場から災害の危険個所というものが調査されまして、それに対応するような手だてが行なわれなければならぬと思うのでありますが、そういう点はどうなっているか。建設省の次官おいでになっているようでありますから、次官にお聞きしたほうがいいかと思います。
○説明員(仮谷忠男君) 特に最近の集中豪雨で災害が非常に大きいわけでありまして、そういった面については、特に小規模河川、あるいは砂防関係の対策を積極的に立てなければならぬということで、本年を起点として、いわゆる治水五カ年計画が進められておりますことは御承知のとおりであります。治水五カ年計画を進めていくためにも、ただ全国一律にすべてをやるというわけにいきませんから、それぞれのそういった特に危険地帯を重点的に調査をいたしまして、そして計画を立てて実施をしなければならぬことは当然でありまして、特にいま立法としても考えておりますのは、特に急傾斜地域等の崩壊を防止ですか、そういう問題については積極的に努力をしなければならぬと準備を進めていたしておるわけであります。いずれにしても御趣旨のありました点は全く同感でありまして、われわれは、そういう関係で災害防止に努力をしなければならぬと考えております。
○中村波男君 次官、同感では御回答にならないのでありまして、私はしろうとでありますから、専門家の出しました本を読みますと、雨量によって災害の九九%が予測できると、こういうことを言っておりますが、建設省としては全くそういうことでは予測ができないということなのか。その的確率はそれより下がるかどうかは知りませんが、そういう確率が高ければやはり雨量調査をいたしまして、雨量によって危険個所というものが摘出されて、それに対応するいわゆる防災の手だてが行なわれなければならないのではないかと思うわけです。やみくもで幾らパトロールをされても、あるいは防災工事を行なわれてもそれは科学的な根拠がないということにもなるわけでありますから、いわゆる雨量によって予測できるということについて建設省としてはどうお考えになっておるかどうか、こういうことをお尋ねしたいわけであります。
○説明員(坂野重信君) 非常にむずかしい問題でございまして、おそらくそれはどなたがそういうことをおっしゃったか知りませんが、まあ統計的に見ましていままでどのくらい雨が降ったときにどのくらい全国に災害が出たか、災害と申しましてもいろいろと多岐にわたる問題がございまして、河川、道路、砂防、治山その他いろいろなあれがございます。そういう関係で、ただ単に雨量から災害が出るなんということでございましたら非常に便利でございますけれども、現在の段階においてはそういった多岐にわたりいろいろな種類にわたる災害を一時的にただ雨量が幾らかということで判定はむずかしいと思います。雨量にいたしましても、時間的な強度の分布がございます。同じ時間にしても、前降った雨が地表面に残っておるかどうかといういろいろな技術的な問題がございまして、そう簡単にできる問題ではございません。私でわかっている場合は河川の場合で、一つのある区間をつかまえて、その区間に一体水位がどのくらいになれば堤防は破壊するおそれがある。破壊した場合にはその地域に一体どのくらいの被害を及ぼすであろうかというような、ある一定の区間を切ってある一定の条件に基づいた地域についてはある程度の想定ができるわけでございます。しかし、そういう単純な問題ではなくて、山間部における一体土砂の崩壊、がけくずれというものが、はたしてどのくらいの雨が降った場合に、どういう地質に対してどのくらいの土砂流があって、それがどのくらいの被害を起こすかということは、これは地点地点で千差万別でございまして、先ほど申し上げましたように、同じ雨量といいましても前期雨量がどのくらい続いているかというような問題がございます。そういうことで私ども、先ほど政務次官が言われましたのは、大体急傾斜地のいま法律を立案中でございますが、その中で全国で七千三百四十二カ所という崩壊の危険のおそれのある個所があるわけでございまして、それにいたしましてもそういった雨量の気象条件なり、地質条件、いろいろな条件が入ってまいりまして、それによりましてその地点地点であるいはこういった雨が降った場合にはこうだというようなこともいろいろな仮定を設けませんとなかなかむずかしい問題でございますので、その辺ひとつ御了承を願いたいと思います。
○中村波男君 私もしろうとでありますが、雨量によって、また雨量の時間あるいは雨の降り方等によって大きく内容的に変わるということもわかりますから、九九%とか九〇%の的確度があるなどとは考えられませんけれども、一つの手だてとしてそういうのも目安になるならばやはり相当研究を願ってやる必要があるのじゃないかというような感じがいたしましたので質問をいたしたのであります。そこで雨量計をもう少し、市町村に一つということは当然でありますが、少なくとも部落等まで備えつけさせて、そうしてやはりしろうとが災害の対策上の目安として、きょうは何ミリ降ったと、そういうためにはやはり雨量計というのは必要ではないかというふうに思うわけであります。また雨量計を備えつけさせるということは、そんなに高いものではないようでありまするから、予算的に問題のあるほどのものではないと思うのであります。したがって、そういうことも災害防止の一つの手だてであるとするならば、私は制度的にそういうものを設けて、雨量計をやはり配置をいたしまして、あらゆる面から防災に当たるという、こういうことが必要ではないかと思いますが、これはどなたから御答弁をいただいたら適当かどうかわかりませんが、そういう点についてのお考えをお聞きしておきたいと思うわけであります。
○説明員(柴田淑次君) お答えいたします。先生のただいまの御意見は非常にいい御意見でございまして、実は昨年か一昨年からょっと忘れましたが、やはり集中豪雨のときに、自衛手段として各市町村あるいは適当なところにそういった雨量計を備えつけるべきであるという話が出まして、そのとき消防庁と御相談いたしまして、そういった要所要所に簡単な雨量計を備えつけるということになりまして、消防庁のほうでもその後そういうように善処されていると私はお伺いしております。したがいまして、そういった自衛手段として簡単な雨量計を備えつけて、集中豪雨の災害をみずから防ぐというようなことについては非常にけっこうなことと考えておる次第であります。
○中村波男君 これは行方指導でおやりいただいていることも存じておりますが、私がこう見て歩いた範囲ではなかなか適当に備えつけてないという実態があります。したがって、私はやはり制度的に義務づけると申しまするか、こういうものを考えていただかないと、のど元過ぐれば熱さ忘るるで、また災害のないところは簡単なことでありますだけにやれないと、こういうこともありまして、ただ一片のひとつ答弁でなしに、一考に値するということならば、ひとつ総理府の長官まとめ役として御検討いただきたい。御要望申し上げておきます。 それからもう一つ。こういう観点から自衛的な一つの手段あるいは災害救助の立場から気のついたことを申し上げて御所見を伺いたいと思うのでありますが、今回の災害の実態にかんがみまして考えさせられたのでありますが、道路、橋梁が決壊、流出をした、それに加えて電話等が不通になった、文字どおり陸の孤島化いたしまして、岐阜県におきましても東白川村というところは、翌日の午後ヘリコプターで上空を飛んでみてその被害の甚大なのに驚いて、土木出張所の職員が歩いて連絡と調査に行ってまる一日かかったというようなことがあるわけであります。したがって、こういう実態から考えますと、私は防災行政無線というのを、岐阜県についても四十三年度に特に遠隔地、僻地を中心に五十九市町村に配置するように予算措置をとっておったようでありますが、残念ながら間に合わなかった、こういうことがあるわけであります。したがって、これもただ県の行政指導なり県にまかせるというのではなしに、国としても、ただ岐阜県だけの問題ではないと思いますので、水防用の無線機あるいは移動無線機等々、災害を受けた場合の連絡、報告その他の通信用としてこういう点にまでやはり具体的に対策を立てる必要があるのじゃないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまのようなお話はぜひともこれは必要でございまして、実際、道路が決壊したり、連絡が途絶するわけでございます。大体いまのところでは大部分は警察のほうでは県警の本部との間の無線はできておると私は心得ておるのでございますが、できておらないところもあるかも存じませんが、私ちょっと知悉しておりません。なおまた、県によりましては各市町村との間に持っておるのもございますし、持っておらないのもございます。そういうふうにまちまちでございますが、何を申しましても日本は非常に災害の多いところでございますので、その防災対策につきましては、特にそういうふうな無線通信等の連絡は万全を期していかなければなりませんので、御趣旨のあるところは十分に私のほうでも推進いたしてまいりたいと思います。
○説明員(山本弘君) 災害が起こった場合の都道府県と国との連絡につきましては、四十二年度から三カ年計画をもちまして無線連絡をするためのいろいろ措置を講じております。四十三年度じゅうには二十七県が完成をいたします。四十四年中には全都道府県との間の災害関係の無線網は完成されることになります。しかしながら、御質問にも御指摘のように、単なる国と都道府県との関係だけではなしに、都道府県と市町村との関係の情報連絡の無線装置につきましても、今後国庫補助措置によりまして、さらに完成をしていきたいとかように考えておる次第でございます。
○委員長(足鹿覺君) ちょっと消防庁次長、私ども現地へまいりまして、飛騨川事故の現地における市町村なり消防団あるいは消防団に協力した人、そういう人の御努力は非常に多としております。やはり市町村長あたりから私にも御要望がございました。何らかの形でその労をねぎらうというようなことを必要とするのではないかと私も受けとめてきました。このたびの事件について、消防団並びにそれに協力した地方住民の活動の状況というものを、消防庁としてはどのように把握していらっしゃいますか。また、表彰その他相当のそれに準ずる感謝なり、また今後激励をし協力を一そう求めるための適切な措置をお考えになっておりますかどうか。私どもの見たところによりますと、なかなか現地でも若い者が山村は少なくなり、消防団員になれと言ってもなる者も少なくなるという現状のようであります。したがって、とても官公署のいかに機敏な措置をもってしましても臨機の措置はとりがたい。地方住民なりそれから構成される消防団等の協力なしに今後万全を期するということはできないと思います。したがって、このたびの活動状況を把握せられ、積極的にその状況によって消防団あるいは消防団員あるいはこれに対する協力者に対して表彰等の措置を必要と私は考えますが、当局としての御所見なりをこの際明らかにしていただきたいと思います。
○中村波男君 ぼくも関連して。委員長から御要望をいただきましたから、あえて私から付言する必要はないと思いますけれども、特に今回の飛騨川のバス転落によりまして、遺体捜査等に、自分の家もやられ、あるいは自分の部落も村も町もやられるという中で、消防団員が連日それに従ったわけであります。したがって、自治体におきましても自分の村、自分の町の復旧が先でありますけれども、とにかくたくさんの人がなくなられたというので、それをほっておいて何日かいわゆる消防団員が献身的に捜索に当たったという、こういう事態があるわけであります。もちろんその人たちは、政府から褒賞していただきたいとか表彰を願いたいというような、そういう気持ちで従事していたのではないのでありますが、それだけにやはりその人たちを顕彰するといいますか、褒賞するということを考えていただかなければならぬというふうに私は思うわけであります。先般総務長官も考えるということをおっしゃっておりましたが、具体的にどのようにお考えになっておるのか。またできるだけ、遺体捜査の関係もありますので、いまここで措置をとると言うわけにはまいらぬかもしれませんけれども、お考えいただきたいということを、地元の国会議員の一人として御要請、御要望を申し上げておきたいと思うわけであります。
○説明員(山本弘君) 今回の災害に伴いまして、直ちに消防庁といたしましては係官を派遣いたしまして、また政府調査団の一員といたしまして現地を視察をいたしておりますので、現地における消防団の活動については承知をいたしておる次第でございます。ただいままで消防団員が出動した延べ人員は、岐阜県におきまして八日現在で一万七百二十二名、愛知県におきましては、——本日の捜索には実は岐阜県に関係ございませんで、愛知県におきましては本日出ておりまして、その数を加えまして九日まで二千九百六十五名、三重県は同じく八日までに百七十七名というふうに、多くの消防関係者が出動いたしておるわけでございまして、特に被災地を中心とするところの消防団は、わが家、わが身を顧みずの出動でございまして、非常に御苦労を願っておるわけでございます。したがいまして、消防庁といたしましては、消防表彰規程という規定がございますが、それによりまして消防団につきまして、また団員個人につきまして、また協力の方々につきまして、表彰をすべく考えておる次第でございます。なお具体的にどこどこの消防機関あるいは特定の個人にいうことにつきましては、現在県との間で相互に連絡をいたしまして、まだ確定はいたしておりませんが、消防表彰をするという方針につきましては確定をいたしておる次第でございます。
○委員長(足鹿覺君) なるべくいま御報告になりました団員すべてというわけにもならぬでしょうが、団並びに特に顕著な団員及び協力者についてもお忘れなく適当な措置を講ぜられんことを御要望申し上げておきます。
○中村波男君 次に、道路局長に御質問申し上げたいと思うのでありますが、過日の中部日本新聞に、なくせるか危険な道路、読者の公開質問の中でいろいろ道路局長がお答えになっておるわけであります。その中に、長期的総合的な展望に立った治山治水対策の確立が何よりも大切ですと、山間の道路は小さな沢がたくさんあるが、これが土砂くずれの原因だ、それを防ぐには、のり面に植栽や石積み、モルタル吹きつけ、コンクリート擁壁、防護さくなど完全にガードすることですと、同時に、今回の教訓を生かし、山の上から全体を見ることです、下と上では感じが全然違います。もし危険があるとした場合には、山全部を防護すべきだ、それにはばく大な資金が必要だ、このようなことをおっしゃっておるわけでありますが、私もそういう意味での今後の防災対策というのを先般御質問申し上げたわけでありますが、問題は、山全部を防護するというようなこういう立場で今後どう具体的に仕事をお進めいただくかということになりますと、建設省だけの所管ではなくなるのでありますから、これは言うことはやすいけれども、今日の官庁のいわゆる機構、なわ張り等々からいいますと、これはなかなか私は言うはやすいけれども、簡単にこのような観点からの防災施設の完ぺきを期するということはむずかしいのではないかというふうに思うのであります。したがって、これはもちろん道路局長一個のお力でどうにもならないものもあろうと思いますが、この考えに基づいて強力にひとつ推進を願いたいという、こういう立場で御所見をお伺いするわけでありますが、それともう一つは、すでに災害が起きましてから一ヵ月近くたったのでありますが、さらに今後危険な個所がたくさんあるわけでありますので、残されておりますから、いわゆる緊急復旧といいますか、緊急対策として四十一号線についてどのような具体的な計画と方針があるのか、あわせてお伺いをしておきたいと思うわけであります。
○説明員(蓑輪健二郎君) いま先生の御指摘のように、私もこの災害を顧みまして今後こういうことのないようにするということになりますと、やはり先ほど先生のおっしゃいましたような非常に大がかりな、これは道路だけではない、砂防、農林省の治山、そういうものをあわせて——道路だけではとてもできないことですが、やはり各省との連絡を密にしてやっていきたい。その中でやはり、道路といいますと市町村道を合わせまして百万キロ近くございますが、その中でやはり国道、特に四十一号みたいなような裏日本と表日本をつなげる現在のところ唯一の国道というようなものについて、やはりほかの道路と違いまして非常に交通量もあるし、また道路の利用価値も非常に高いところでございます。さらにそれが現場を見ますと、片側は山で片側は飛騨川と、こういうようなところについてできるだけ防災の事業をまず優先的にやっていきたいというように考えております。いまの飛騨川について今後どうするかということでございますが、これは現在いろいろいま現地で設計をしておりますが、これを農林省の治山のほう、緊急治山のほうとよく連絡して、山復については緊急治山をやってもらうようにお願いしておりますのと同時に、道路といたしましても、現在十一ヵ所の、あの災害がございました前後の十一カ所ばかり災害復旧費として約三千万程度をかけまして、まず、事故の起こりました沢を入れまして六本の沢について、まず土砂を一応上の治山で押え切れなかった土砂を一応ためるためのコンクリートの堰堤と土砂をとめるさくというようなものを六カ所の渓流について考えております。そのほかについては、やはり今度は直接関係なかったんでございますが、やはり豪雨のときにのり面の土砂の崩壊の非常に多いと思われるところののり面保護法を実施していきたいというふうに考えております。さらに四十一号全線につきましては、これは現在いろいろ危険個所を点検しておるのでございます。これにつきましても、ことしの予算で相当のり面保護法を考えておりますので、そういうものでのり面の保護を実施する。と同時に、やはり危険なところについては、上流の山腹の危険なところにつきましては、農林省とよく打ち合わせをいたしまして事故を未然に防止する策を進めていきたいというふうに考えております。
○中村波男君 もう一つ御要望と建設省のお考えをお聞きしておきたいのですが、なるべく早く復旧を願いますと同時に、今後再びかかる事故のないような防災施設を一日も早く完成を願いたいのでありますが、とは言いながら、特に国道四十一号線のうちの上麻生——金山間は危険な個所がたくさんあるように承っておるわけであります。したがって、その後も、雨が降りますと土砂が国道上に流出いたしましてときどき一部交通どめをしなければならぬという事態が起きております。そういうことを予測いたしますと、上麻生から神渕へ県道二百三十六号と二百二十三号が通っておるのでありますが、その県道と、主要地方道の十一号線で関——金山線というのがありますが、これに結びましていわゆる袋坂を通りまして金山へ結ぶ、すなわちまあバイパスとしてぜひひとつ考えていただきたい、こういうのが地元の強い要望でありますし、また路線決定のいきさつをわれわれ聞きますと、どちらにするかというので相当検討なされましたけれども、今日の国道四十百万線は延長において二キロ程度多いということも聞いておりますが、観光的な立場といいますか観点から、いまの路線が選ばれたというようないきさつもあるようでありまして、したがって、バイパスとして将来の道路のいわゆる需要の増大という面から見ても、考えておくべき路線ではないかというように私は考えますがゆえに、この機会に要望を申し上げ、御所見を伺いたいと、こう思うわけであります。
○説明員(蓑輪健二郎君) ただいまお話しの上麻生——金山間のバイパス的に使える県道の整備でございますが、このうち関——金山線といいますのはこれは主要地方道になっております。で、そこに出ますのはこれは一般の府県道でございますが、どうも私まだ十分調べてございませんが、関——金山線はかなりこれは県道の中でも重要な県道であるということで、こういうものの整備は進めていきたいというふうに考えておるのでございますが、上麻生、そこに至ります一般県道、これをよく調べてみないとわかりませんが、これも川沿いになるかと思いますが、非常に山もございますので、どの程度の交通の要に供される国道になるか、その辺は今後の調査によってきめていきたいというふうに考えてございます。どちらにいたしましても、やはり国道というのはわれわれも非常に防災につとめますが、何かの場合にはやはり交通をとめるという危険性もありますので、それにかわるような道路、これがとまっておっても、別の道路で行けるというふうな、そういう迂回路的なものの整備を促進していきたいというふうに考えております。
○中村波男君 すでに私に与えられた時間は相当経過しておりますから、いろいろお聞きしたいこともまだたくさん残っておりますが、最後に農林省にお尋ねをして質問を終わりたいと思うわけであります。 局部的でありますけれども、農林災害も相当激甚を極めておりまして、したがって災害復旧と同時に営農その他個人災害が多いだけに、途方にくれておるというのが被災民の実情であります。そのためにはいろいろな手だてがありますが、金融面で自創資金をひとつ災害用として特別にワクを交付願いまして、要望にこたえていただきたいということが第一点。それから近代化資金も本年は需要が多くて予算も配分済みで余裕がないと聞いておりまするけれども、何としても災害復旧という立場で特別なひとつ配慮を願いまして、地元の要望にこたえる資金ワクを確保願いたい、また確保していただくべきではないかというふうに考えまして所見をお伺いするわけであります。 さらに林野庁の関係につきましては、先般も御質問申し上げましたけれども、山腹砂防をできるだけ緊急治山として取り上げていただきまして、早急に復旧をはかっていただかないと、さいぜんも申し上げましたように、災害がさらに災害を呼びまして、被害を甚大にいたしますので、そういう点に対する林野庁としての対策をあわせてお聞きいたしまして、本日は私の質問を終わりたい、こう思うわけです。
○説明員(中野和仁君) お話のございました自創資金の貸し付けでございますが、自創資金の貸し付けにつきましては、御承知のように、その資金がないと農家が転落するという場合であります。普通の場合は天災融資法が発令になりまして、同時にそれでも間に合わぬという場合にやっておるわけであります。こういう局地災害でありますので、その発動いかんにかかわりませず、われわれとしましては現地の自立農家の被害の状況と実情と、それから資金の需要の実態を把握した上で所要の措置を講じたい。と申しますのは、追加の資金需要に応じたいというふうに考えております。
○説明員(亀長友義君) 御要望の農業近代化資金につきましては、私どもとしましてすでに今年度の当初に、従来の融資実績あるいは資金需要等考えまして、各府県に配分をいたしております。今回の災害対策としましては、特に農業施設の復旧資金については、公庫に災害復旧資金もございますので、こういうものもできるだけ運用をしてまいりたいと思っております。 それから近代化資金につきましては、一応各県に配分はしてございますが、さらに各県の需要状況等も精査をいたしまして、地域の実情に応じるように調整することによって対処いたしたい、かように考えております。
○委員長(足鹿覺君) 関連して青田農林政務次官お伺いいたしますが、私から伺いますが、先ほどもお聞きとりのように、自治省は十月一日交付の地方交付金を一カ月繰り上げて、九月に交付するという地域名と金額まで発表されましたが、これは総務長官の御答弁によると、激甚災害地としての指定に準ずるものの一環だそうでありますが、農地復旧等に、あるいは農業用施設等の被害実額、復旧に必要な所要金額等は、自治省とどういうお打ち合わせなり、自治省から協議を受けておられますか。いやしくも災害復旧として前渡金のような形で臨機の措置をとられることは、私もよく理解いたしますが、その根拠ともなるべきことについて、先ほど述べますように、地方住民の負担がかさまる、あるいは自治体をしてさらに困窮せしめるような負担率にならないために、激甚地指定を現地は強く要望しておるのでありますが、農林省としてどのような協議を受けられ、協議内容はどういうものであったか。それに対して農地、農業用施設等に対する部分はどのような部分であるかをこの際明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(中野和仁君) 数字にわたる点を先に申し上げたいと思います。
○委員長(足鹿覺君) 最初の点は青田さんから当然答弁されて……。
○説明員(中野和仁君) 岐阜県の被害につきましては、農地につきましては約百六ヘクタール、八百七十三カ所一億四千六百万円。それから農業用施設につきましては、千七百五十カ所、五億七千四百万円、合計七億二千万円ということになっております。これは岐阜県の報告でございまして、同様のものがこの自治省にも参っておると思います。農林省といたしましては事緊急を要すると考えまして、実は本日からすでに二班を派遣いたしまして、緊急査定に入っております。しかし現在の時期が用水の確保に非常に重要な時期でございますので、すでに土俵を積んで水路を修復する、あるいはビニール張りをやるというようなことをやらせまして、そういうことができません場合には臨時ポンプを整備するというような応急措置をするように指導いたしております。それが適切であれば、あとの国庫補助の対象にも認めるという指示をしておるわけでございます。それからまた災害施設も、破れて、よけい大きくなるというようなことも防ぐ必要ございましょうし、あるいは用水を確保する必要があるというようなことで、査定前におきましても復旧工事を実施するようにされたいということで現に指導しておるわけでございます。
○委員長(足鹿覺君) 私が伺っておるのは、通常災害、または激甚地災害の場合の国庫負担率等に基づいてどの項に相当するものを目途としておられるのか、現地の要望しておるのは高率補助、すなわち激甚地指定を求めておるのでありまして、ただ単につかみ金をその都度出されるということでは、法あっても何の役にも立たぬ。そういうそしりもまた起きてきましょう。地元の失望を買うことにもなりましょう。これはあえて農地局のみではありません。豊穣の秋を目睫に控えて、一瞬にしてその喜びを消し飛ばす、石ころのたんぼとなった農民たちの姿を考えたときに、ただ区域が狭いから、広いからといって激甚地指定になる、ならないということは、これは客観的に見て全く不合理千万である。先ほども田中総務長官も何らかの方法をもってこれを再検討したいということを言明になっておりますが、その人々にとっては激甚地災害なんです。激甚地災害なんです。で、あのように大きな石が入った田んぼはとても個人の力や市町村の力では復旧ができませんから、農林省はどのような国庫負担率に基づいてそのような額を一時金を交付税の一部として出されたか。今後どのようにこれを補足し、補完をしていくお考えであるか。もっと現地の声にこたえるような前向きの御答弁を、事務当局でできないならば政務次官から御答弁願いたいと思います。
○説明員(青田源太郎君) 今度の災害につきまして激甚法の適用ということについては非常にお説ごもっともの点があるわけでありまするので、農林省といたしましては防災会議と十分協議をいたしまして適当な処置を講じたい、かように考えております。
○委員長(足鹿覺君) 私はですね、青田さん、どの条項に適合するようにお取り計らいになったか、またとられようとしておるのか、姿勢を聞いているのです。
○説明員(中野和仁君) 私は、先ほど申し上げました数字は被害額でございますが、現在われわれやっておりますのは先ほどから話に出ております激甚地の指定が現段階ではまだございませんので、現在の農林漁業関係の方法によりまして査定をいたしておる、きょうから入っておるわけでございます。それによりましてもこの場合は個々の農家につきまして被害額が非常に多い場合は高率補助をするという現在の法律がございますので、それを前提にして現在査定に入っておるわけでございます。ちょっと追加させていただきたいと思いますが、こういうことで緊急にやりましたあと、いろいろ先ほどから出ておりますように指定の問題が固まってきますれば、またそれに応じて直していきたいというふうには考えるわけでございます。現段階においてはそういうことでやっております。
○委員長(足鹿覺君) 青田さん、私がお尋ねしておりますのは、すでに台風十号についても来週中には大蔵省と折衝をして復旧費をきめるのだと、こういうお話なんですね。そういう状態であれば、すでに激甚地指定については絶望しておられるのか、あなた方としては。一番被害を受けたのは農民であり、農業者なんです。それに対処していくためには激甚地指定を現地では要望しておるわけでありますから、農林省としては最大の努力をもって高額補助、すなわち九割五分の激甚地指定に基づく復旧費の補助を確保するために万全を尽くすべきではありませんか。それを私は政務次官から承りたいのであります。きょうは農林大臣の御出席を求めておりますが、やむを得ないということでありますので、私どもは御遠慮申し上げておるわけでありまして、もう少し前向きの決意をこめた御答弁をなされないと、全国の農民は非常に期待をしておるということをお忘れなく御答弁に当たっていただきたいと思います。
○説明員(青田源太郎君) おっしゃるとおり、今回の農業被害が非常に多いのでありますので、私どものほうも防災会議と十分連絡をいたしまして、おっしゃるような趣旨に沿うように努力をいたしたいと思うのでありますが、現段階の報告によりますと、遺憾ながら農業災害の部分に関しては激甚災害の適用をする段階に立ち至っていないのでありますが、なお、この調査が十分完了いたしまして、そういう激甚地の適用の指定を受けられるような段階に持っていくようにでき得る限り努力をいたしたいと、かように思っております。
○委員長(足鹿覺君) 赤澤自治大臣にお尋ねを申し上げたい。先般私どもは、当委員会といたしまして調査に対する委員会の決議書をまとめ、二日間にわたって飛騨川バス転落事故現場その他農林災害調査に行ってまいりました。現地の要望は、遺族もまた関係者もほとんど転落事故に基づくこのたびの事故は当然自賠法の適用があるものと受けとめておるようであります。先般の委員会で大臣から慎重に検討をして対処したい、いましばらく待てということでありましたが、その後の警察の結論は、まだ時間がかかるやに承りました。先刻、中曽根運輸大臣からは、警察の結論の出る見通しは来週中であろうと、こういうことでございました。なお、その結論に基づいて、法を曲げることはむずかしいが、できるだけあたたかい措置をもって遺族等に対処いたしたいという旨の御発言がございました。バス会社の刑事責任を求めるのはむずかしいであろうと、先般自治大臣は所見を記者会見で述べておられますが、自賠法の適用がただ単に刑事責任の有無のみではなく、民事的に問題が発生するおそれなしとしないと、私はかようにも思います。しかし、それは次善の、自賠法の適用に政府が決断をもって当たってもなお納得しない場合のときのことであって、もし自賠法の適用によう踏み切らないという場合には、事態は最悪の場面を迎えることもなしとしないと思います。したがって、先ほども申し上げましたように、伊勢湾台風の際の鍋田干拓等において入植者がたくさんなくなられた。そのときも国家賠償法が問題となり、国の瑕疵なしとしないという法制局長官等の発言があったこともございます。そういう点も勘案いたしまして、いたずらに自賠法適用を刑事責任の有無のみにとらわれることなく、限定されることなく、広義に解釈なさると考えますが、先般の大臣の御答弁はそのような意味に私どもは理解をしておるのでありますが、その後の経過についてこの際御報告を願いますとともに、結論の出る、そして公表をなされます期日の見通し、公表の方法をこの際差しつかえのない限り明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(赤澤正道君) 御指摘のとおりでございまして、しかし、ただいまは警察当局といたしましては、まず刑事責任の有無につきまして鋭意取り調べております。ただ、時間がかかりまして、この前ほぼこのくらいな見当で結論が出ましょうと申し上げましたが、事態が重大でございますし、取り調べのほうに手落ちがありましては、あとの判断を誤まることにもなりますので、岐阜県警では始まって以来の百人の捜査員を使いまして、現在までは五百名に近い方々を取り調べております。刑事責任の有無につきましては、最終これは岐阜の県警で調べておりまするので、結論が出次第発表をするはずでございます。しかし、ただいま言われました民事責任につきましては、いまの捜査の階段でいろんな資料をつくることがやはり前提になるわけでございます。ですから警察のほうで取り調べが一段落つきましたらすぐこれは検察当局のほうに送るわけでございますが、検察当局に送られましてもやっぱりこういう点はぜひ警察段階で明らかにしてくれと言われること、いろんな証拠を集める、また証明を必要とするなどのことがたくさんあるわけでございますので、二度手間を省くと申しますか、そういうことで、いろいろ督促をして取り調べを急がしておりますけれども、まだこの結論が出ないのは皆さんに対して申しわけありませんけれども、拙速というわけにはまいりませんので、十分督促をいたし、そして手落ちのない取り調べを行なって、そして結論を得たい、かように考えておるわけでございます。自賠法を含む民事上の責任につきましては、最終運輸省で扱うことになりますけれども、その前段階としての踏み切る資料等につきましては警察で十分取り調べを完了する必要がありますので、鋭意作業に従事しておる次第でございます。
○委員長(足鹿覺君) 見通しはまだおつきにたりませんか。運輸大臣は来週中ぐらいということを先ほどおっしゃっておりましたが。
○国務大臣(赤澤正道君) 来週中どころか今週中には——まあ御案内でしょうけれども、あの事故現場付近で一日内閣をやることになっております。私どもも総理以下現場をひとつつぶさに見ようじゃないかという話すらありますし、ここでまたそういったことについての質問が集中することも予想されますので、私どもはぜひそれに間に合わせたい、こういう気持ちでことさら急がせましたけれども、ただいま申し上げましたように、拙速というわけにいかぬ面が次から次と出てまいりました。五百人の取り調べではまだ追いつかぬというような感覚もございますし、もう少し時間がかかりますが、いまの段階で、急がせはいたしますけれども来週は必ずということは申し上げにくいと思います。しかし大体私の見当としては、来週中には結論が出る、ただ今週の一日内閣などにはとうてい間に合わないというつもりはいたしております。
○委員長(足鹿覺君) 先ほど私から広義の法解釈の場合を申し上げたわけでありますが、私どもが現地へまいりまして報道関係あるいはその他の現場に立ち会った人々等の意見を徴しまして、これは人災論として取り扱うべき性質のものである、こういう声を強く聞きました。大臣の耳にも入っておると思います。これを人災とはいろいろな意味で理解の方法も異なってまいりますが、一例をあげますならば、京都大学の防災研究所の調査結果が現地の新聞には大きく発表をされております。すなわち砂防ダムなどでこの事故は防げたというのであります。したがって、人災であるという考え方に通ずるわけでございます。先ほど上田委員から御質問がありましたが、道路の下に一メートル三十ぐらいの排水溝がある。それが相当破損しております。あの程度のものではあの沢水が、五十ミリの沢水でもおそらくのみ込めなかったと思います。いわんや百ミリをこえるような大きな水はとうていのみ込めないと私どもも直感をいたしました。当然、その後に出ましたこの京大の防災研究所の調査結果によると、道路下の排水溝は暗渠ではなく橋にしていたら惨事は防げたであろうと述べております。私どももその感を深くした次第であります。多くは申し上げませんが、そういう事実も京都大学の研究所が事実に基づいて発表しておるのであります。また行管当局にも、先ほどお尋ねをいたしまして、大臣のお越しまでお待ちいただいておるわけでありますが、信原中部管区、行政監察局長、若槻岐阜行政監察局長らは、十九、二十日の両日、現地調査をされて、この調査結果を取りまとめて木村行政管理庁長官に報告をされた。その中身はどうか。関係官庁との連絡はどういうふうにして取られたかということをお尋ねをいたしましたら、これは速報であって外部にまだ公表すべきものではない。がしかし、現地の新聞は、詳細に発表しておるのであります。これによりますと、その理由は省略をいたしますが、大臣も御承知だろうと思いますから省略をいたしますが、不十分な国道舗装対策であったということを結論づけておるわけであります。中央の行管がどのようにこれを取りまとめられるか、急いで取りまとめたい、その結果は公表したいということの御発表がありましたが、要するに主催者の責任は免れないということは印象づけられるわけであります。これと運行責任との関係は、私どもにもよくわかりません。わかりませんが、とにかく、この現地のそこで行なわれた、行管の出先機関は、いやしくも国の行政機構でありまして、その調査結果は信憑性が高く、権威あるものだと私は考えます。したがって、警察当局も何ものにも動かされないき然たる態度がお取り調べになっておるとは思いますが、そういったような広義の人災論のあることもお含みの上、今後の結論をお出しになるについては、十分に御配慮いただきたいということを私は要望いたしたいのであります。広義の法解釈をした場合に、人災論でいった場合には、自賠法の適用にどういう関係を持つ本のであるかということが問題になってくると思います。ただ、いまの焦点は、刑事責任の有無だけに限定されたかのような感を深くいたしますので、大臣にはそういう点にとらわれることなく、人災論的な考え方が、権威ある機関、政府機関からも発表されておるということに御留意になって、最高の責任者として対処されんことを特に御要望申し上げ、善処されることを期待しております。本委員会は、八月二十三日、この前、大臣の御出席の際に、満場一致自賠法等の適用を行ないもって、遺族救済等に遺憾なきを期すべきである旨を議決しておるのでありまして、その趣旨を十分尊重せられることを強く御要望申し上げますが、御所見等がございますならば、この際承っておきたいと思います。
○国務大臣(赤澤正道君) 御指摘のようなことがありますればこそ、時間がかかっておるわけなんです。単に刑事責任ということでなくて、先ほども申し上げますように、民事責任が問われます場合におきましても、やはり最終は警察段階で取り調べたことが基礎になるわけでございます。ですから、たとえば単に運転者だとか、あるいは運行責任者ということだけではなくて、当時の危険感をバスに乗っておったお客さんがどれだけ感じておったかということを調べます場合には、バスの乗客全部に当たらなければならぬということと、また道路管理者の責任、ただいま砂防の指定区域であったかどうかということにもお触れになりましたが、こういった問題、それぞれの所管庁も取り調べなければなりません。また気象のこともお触れになりましたが、当時気象庁が予報いたしましたのが気象条件に照して正しかったかどうか、これは単に気象庁を取り調べるだけでは不十分である。学者の発表についてもちょっとおことばがございましたが、やはりこれは第三者的の学者の証言も必要であるということになりますと、次から次へ疑問が起こって、これを完全に自信のある結論を出しますためにはやはり時間がかかる。調べてみますと、こういう事件の場合、結論を出しますのに三カ月か半年かかっておるようですが、今度はそういう事態にかんがみ、人心もどういう決着になるか不安もありましょうし、できるだけ急げという指示をしておるわけでございます。単に民事の責任がどう帰着するかといったことをあらかじめ予見してということでなくて、きわめて公平な立場に立って権威ある結果を出して、それを検察庁に送りたいと、かように考えております。
○説明員(片山正英君) ただいま中村波男先生から林野庁に対して緊急治山について御質問がございましたのでお答えいたします。 事件が公共施設に非常に今後災害を及ぼすであろうようなものにつきましては、緊急治山も取り上げて実施する予定であります。したがいまして、今回の場合につきましても、それぞれ関係方面と打ち合わせておったのでありますが、できれば来週中ぐらいには査定をいたしまして現地に流したい、このような段階でございます。
○塩出啓典君 それではまず最初に河川局長にお伺いしたいと思いますが、先ほどの答弁に対しまして、どの程度雨が降れば道路が危険であるか、そういう点は雨の降り方にもよるし、雨量といっても時間当たりの雨量、そういう点ではっきりわからない、そういうような答弁であったわけでありますが、私は非常にこれは無責任な答弁であると思うわけであります。それは確かに正確なことはわからなくても、やはりどこの道路が危険であるか、そういう点は調査をして、そうしてそれに対する対策なり、危険の標示なり、それをするのが当然じゃないか。完全に一〇〇%できなくても、そういう雨量に対してこの道がどの程度の安全度か、そういう点は当然調査しなければならない。そのように思うわけでございますが、その点、答弁をお願いしたいと思います。
○説明員(坂野重信君) 私のお答えしましたのは、別に道路という問題でなくて、全般的な問題として山の問題あるいは河川の問題等をお答えしたわけでございます。道路の問題が加わってきますとまた問題が複雑になりまして、道路全般について、これは道路管理者側、また山のほうの立場から、両方から検討しなければいかぬと思います。山から出ているいろいろな小さな川がある場合、あるいは川がない場合、山のひだだけの場合、あるいは沢の場合、渓流の場合、いろいろな状態があるわけであります。それに対していろいろな対策が、先生御承知と思いますが、あるいは治山だけでやる場合、あるいは砂防工事でやる場合、いろいろな状況によって事業の組み合わせがあるわけでございます。それを一々各地点ごとに一体どのくらいの雨が降ったらどのくらいの土砂の崩壊があるかということはなかなかむずかしいわけでありまして、道路側としてもある場合には橋をつくり、ある場合には上から落ちてきた土砂を受けとめる方法がある。いろいろな対策があるわけでありまして、必ずしも上から落ちてきた土砂を受けとめなくても、橋をつくることによって無害に土砂を川に流すという方法だってできるわけであります。ですから、全部の河川について、そういった災害の予報というような問題まで私どもとてもいき切れないわけでありまして、先ほど申し上げましたのは、そういった不特定の全体の問題について申し上げたわけでありまして、道路をどうするかということを申し上げたわけではありません。
○塩出啓典君 それでは道路局長にお伺いしたいと思います。 これは新聞に載っておったわけでありますが、土木研究所の道路部長ですかが、現在の道路工法は気象のファクターが見のがされがちである、雨量想定も勘で設計に取り入れている程度である、そういうようなことを言っておるわけでございますが、現在の新しい道路の建設においては、このように雨量というファクターが入れられておるのか、ないのか、また入れられておるとしても、そういう勘程度のものであるのかどうか、その点を聞きたいと思います。
○説明員(蓑輪健二郎君) 道路設計に雨量というものは取り入れられているところもございます。これは設計の際に、擁壁をつくります、いわゆる盛り土をつくりますが、そのときに沢水を抜くためにはやはり大きさをきめる必要がございます。 これはどのくらいの雨量があればどのくらいの水が出るかということが大きさをきめておる次第でございます。またいろいろ擁壁その他の計算につきましては——擁壁というのはやはりうしろに水が回るということになりますと非常に大きな水圧もかかりまして擁壁が保てないということもございます。この擁壁の場合は、うしろに回った水を早く抜くというようなことで、そういう水を抜くような砂利の層をつくりまして水を抜き、擁壁にかかる力を排除しておる次第でございます。そういう意味で、いろいろ水の問題は道路の設計には一番大きな問題でございますので、この水の問題は十分取り入れて設計をしております。いま言いましたように、大きな川で言いますと、どのくらいの雨が降ればどのくらいの水位になるか、その水位でも道路が水につからないようなそういうこと、及びいま言いました暗渠の大きさ、こういうものには雨量を入れております。 ただもう一つ、雨量が勘ではないかということでございます。これはいろいろ私たち道路設計をいたします場合に、その周辺の雨量の観測の記録が非常に少ないわけであります。そうなりますと、大きな県全体でどのくらいの雨が降る、どのくらいの平均雨量があるというようなことを考えてやっておるわけでございまして、最近非常に雨量計も大きくなりまして、集中豪雨の地帯も、全国的に非常に大きな集中豪雨もあるということもわかってまいりますれば、そういうことも当然設計に入れる必要もあろうかと考えております。
○塩出啓典君 私が聞きたいのは、道路設計にそういう全般的な排水の問題を考えるのがそれは当然でありますが、県によって非常に雨量の多い県も少ない県もある。それに対する道路工法というものは当然違いがなければいけない。そういう点を考えに入れてちゃんと設計されているのかどうか、その点を聞きたかったわけです。それは設計されておる、そういうふうに判断していいわけですか。
○説明員(蓑輪健二郎君) そういうことでございます。
○塩出啓典君 それでは、たとえば何県のこの道路は雨量が大体どの程度である、そういうふうな全国的な基準というようなものが建設省のほうにあるわけですか。それとも現地に判断をまかしてやっているのか。
○説明員(蓑輪健二郎君) これは全国的に道路をつくります際の道路の技術基準というものをきめておりますが、これについてはいまの雨量の数字を入れておりません。これは、現地、現地でその周辺の雨量の想定をして設計するというふうな基準になっております。
○塩出啓典君 それで結局、これはこの道路法の第二十九条にも、当然この気象条件というものはちゃんと勘案して道路をつくらなきゃいけない、そういうことが明記されておるわけであります。そうしてまた、通常の衝撃に対しては安全なものでなければいけない。これは百年に一回しかないような集中豪雨、それのためにくずれる、これはやむを得ないと思うわけでございますが、そういう点、やはり気象条件というものもはっきり入れて、やっぱり地方にまかしておくということは、これはもう手抜き工事とか、そういうような危険も非常に多いと心配するわけであります。この間、週刊誌等におきましても、現在非常に危険な国道の数が一覧表として載っておりましたけれども、もう一流の国道ですら非常に危険個所が多い、そういうことが新聞にも、週刊誌にも載っておったわけであります。そういうような国道はいま言う通常の衝撃に対しては耐える道路であるのか。百年に一回の大洪水で道がくずれる、これはやむを得ないと思うわけでございます。現在の国道がいわゆる普通考えられるところの雨に対する危険度はどうなっているのか、その点をお聞きしたいと思います。
○説明員(蓑輪健二郎君) 道路を一回つくりますと、それが通常の気象に十分耐えるということは、ちょっと私、いまのところ言い切れない。そのために、いまのパトロールを強化いたしまして、最初は非常にこれで十分だと思ったようなところでも、さらにその後、山なら木の伐採その他、都会であれば、やはり耕地が宅地になったというようなことも、やはりそのあとの道路の周囲の状況によって刻々とそういう水の流れも変わってくると思いますので、一回つくったらそれでもう将来いいということではなくて、やはり十分パトロールをし、維持をし、修繕をして、普通の天候には十分安全を保たせるようにしなければならないということで指導いたしております。
○塩出啓典君 それではこの土木研究所の所長の言ったことが結局間違いだと、そういうことですね。勘で設計に取り入れているようなことは、これは土木研究所の道路部長がいらっしゃらないわけでありますが、新聞で見ましたのでは、そういう記事が載っておったわけであります。まあ、そういう点で……。 それから、次に気象観測の件について、気象庁にお伺いしたいと思いますが、いまいろいろ資料をいただいたわけでありますが、前回その気象観測の体制というのは非常に問題になりまして、この委員会の決議書といたしまして、気象観測に対する予報体制を充実してもらいたい、そういう点の要望をしたわけでございますが、その点、具体的にどのように前進しておるのか、この報告には全然書いてありませんので、お願いしたいと思います。
○説明員(柴田淑次君) 八月二十三日の本委員会で御決議をしていただきまして、それに関連いたしまして、気象庁といたしましては、特に集中豪雨という問題につきましていろいろ方策を考えております。集中豪雨の方策というのは一ぱいございまして、これを一時に全部ばっとやるということはなかなか困難でございますので、とりあえず緊急を要するものから来年度の予算にそれを盛り込んで、至急それを実現したいと、こういう感覚でございまして、その項目が四つ、五つございますので、ここでお話し申し上げますと、一つは予警報の伝達装置の整備でございまして、これはたとえば岐阜の地方気象台から公衆電話あるいは専用電話で各方面に伝達をしております。それに対しては時間がかかりますので、一斉伝達装置というものを使いますと、スイッチを上げますと全部相手が出てくる。それで一ぺんに警報なり注意報なりがうまくできる、そういうことで、来年は名古屋地方にもこの一斉伝達装置を導入するつもりでございます。 それからレーダーは、愛知県、岐阜県につきましては、先日も本委員会で申し上げましたように、名古屋、富士山、大阪にレーダーがございますので、大体名古屋、岐阜県はその三つのレーダーでカバーできるわけでございますけれども、全国的に見ますと、そうではございませんで、たとえば秋田、九州、北海道におきましてはレーダーの盲点がございますので、これにつきまして、来年は東北の秋田、北海道の釧路、その二カ所にレーダーを新設したいということであります。 それから集中豪雨の警報を出します際にレーダーが非常に有効でございます。しかしたとえば岐阜の地方気象台では名古屋のレーダーの映像を見ることができません。そこで現在それを絵にかきましてファックスによって岐阜のほうに流しておるわけでありますが、そういう方法よりも、むしろ名古屋のレーダーの映像そのものが岐阜で見られるようにしたほうがいいわけでございます。そういう装置、これは東京地区及び名古屋地区につきまして、来年度この装置を導入したいと思っております。 それから観測関係といたしましては、この雨量ロボットというのがございまして、これがもうだいぶ古くなっております。これの更新をする、それから雨量計を近代化するということであります。それから観測は大体そういうところでございますが、そういった観測点の増強だけしておりましては、やはり集中豪雨の予報はできないのでございます。集中豪雨の起こる何時間か前に集中豪雨を予報するということにつきましては、集中豪雨の起こる気候の研究が必要でございます。そういう研究は、実は本年度から続いてやっておりますが、来年度もこれに対する予算を計上いたしまして、それをやりたいというように考えております。大体そういうことであります。
○塩出啓典君 それでは、今後のそういう長期計画、それとやはり来年度の計画そういうものをここでお聞きすると時間がかかりますから、次回の委員会でも報告をしていただきたいと思います。 それからこのレーダーの使用の件でございますが、先般の飛騨川の水害のときのレーダーの観測時間でありますが、これは新聞等で見ますと、何時間かおきに測定をやっておる、常時やっているのではない、そのように私は読んだわけですが、レーダーはそういうように、たとえば何時に測定をして、それからまた二時間おきに測定するとか、具体的な測定の時刻はどうなっておるわけですか、その点をお聞きしたいと思います。それで飛騨川のときには、大体何時と測定したのか。
○説明員(柴田淑次君) レーダーの観測をどういうようにやるかということは気象業務法の細則の中にきめられておりまして、何にもないきょうのような天気のときには一日に二回やることになっております。それから今度の事故が起きましたようなああいうようなときには、危険だと思われれば連続の運転をするというような規定になっております。したがいまして、先日のような場合には名古屋のレーダーは必要な時間、連続運転をしておりました。また富士山のレーダーはずっと朝から晩まで連続運転をやっておったのでございますす。
○塩出啓典君 そうすると、名古屋のレーダーは、いわゆる解除になってから次の再発令の間までずっと連続運転しておったわけですか。
○説明員(柴田淑次君) あの場合は、十七時十五分に注意報を解除いたしました。注意報を解除したということは、集中豪雨を起こすような雲がレーダーの中に見えなくなったあるいは非常に少なくなったというときに注意報を解除するのでございまして、その時点におきましては、レーダーの運転は十六時十七分に終わりました。その前は朝の五時半からずっと毎時間運転しております。そういう状況でございます。
○塩出啓典君 それ以後は。
○説明員(柴田淑次君) ちょっとこまかいことにつきましては、ここに予報部長がおりますので、北岡予報部長にお答えさせます。
○説明員(北岡龍海君) それでは、かわりまして、御報告申し上げます。 この朝の名古屋のレーダーの運転は五時三十五分から始めまして、毎時間観測いたしまして、必要な気象監所に毎時間そのデータを通報いたしておりまして、十五時八分までやりまして、一応通報を終わりましたけれども、レーダーの運転は十六時十七分まで続けて観測しております。そして、先ほど長官の御報告も申し上げましたとおり、その時点から少し中止いたしまして、十九時三十分から観測をさらに再開いたしまして、その後また二十時七分、それから二十時四十分、二十時五十八分、二十二時二十分、二十三時九分、三時四分、四時五分、五時零分、六時五分というように、ほとんど連続的に運転しております、その翌日の朝まで。
○塩出啓典君 私は、十六時十七分に中止をして、次のレーダーの開始が十九時三十分である。その間に約三時間十三分ほどレーダーが中止しているわけでありますが、まあそういう点、やはりもっともっとレーダーというものをしょっちゅう動かして、結局まあ新聞等で見ます範囲では、名古屋のレーダーを動かしたのも、富士山のほうのレーダーから連絡があって、それであわてて動かした、そういうようなことを新聞に書いておったわけでありますが、そういう点でそのレーダーの動かしかたについても少し油断というか、緩慢というか、こういう緊急の天候の激変に対する体制がとれてないのではないか、そのように私どもは判断するわけでありますが、そういう点、気象庁長官のお考えはいかがでしょうか。
○説明員(柴田淑次君) 十六時過ぎにレーダーをとめました時点におきましては、もうレーダーの映像の中に雲もほとんどなくなった。岐阜市の上空にちょっと青空も見えてきた。ほかから何も雨が降っているという通報も入らないし、電話をかけてみても、雨は小降りになった、あるいはやんだ。それから雷の通報については、その地方の雷も全部やんだというような状態でございまして、結局、もうその時点におきましては集中豪雨の心配はなくなったということでございますので、レーダーの観測を中止したのでございます。ただし、それから二時間あるいは三時間たちまして集中豪雨を起こすような新しい雲が発達する、再発するということは、そのレーダーをとめた瞬間においては、現在のところ技術的にはどうしてもわからないのでございます。したがって、一応そういった、晴れ間も出てきたというような事態においては、一応レーダーの観測も中止するのが普通でございますが、ただ富士山のレーダーは、岐阜が晴れようが、晴れるまいが、これは連続的に毎時観測をずっと続けるというふうにやっておったのでございます。
○塩出啓典君 そういうふうに技術的にはっきりわからなければこそ、そういうふうに三時間後じゃなくて、台風がきているわけですから、台風がない晴天のときじゃない、やはり台風がきているわけですから、そういうときには、七つと気象体制を法律的にも強固にしてやっていくべきじゃないか、そういう点をひとつ検討していただきたいと思います。 それから非常に時間がないので、あと簡単に質問をお願いしたいと思います。 一つは、いつも問題になる激甚災害の指定基準の問題でございますが、総理府長官も、これは非常にこの基準が現状にそぐわない、そういうお話であったわけでございますが、今後、この法律の基準について改正をしていく、そういうような考えを持たれているのかどうか、その点を聞きたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御指摘のとおり、何とかこれを実態に即したものにしてやらなくては、今後のいろいろ局地的な激甚災害を処理できない、かように存じますので、その方針で鋭意努力いたしております。
○塩出啓典君 それで、その点が前々から常に問題になって、常に繰り返されているわけでありますが、私はもっと政府は熱意を持って、やはりもう当然だれが考えても納得のいく——現在の激甚災害指定が納得のいかないものであるということは、万人の認めるところじゃないかと思うのです。そういう点もっと積極的に、すみやかに実現をしてもらいたい。あまりにも検討している検討しているで、私どももあまりそういう詳しい内容は知りませんけれども、むしろ徹夜をしてでもやるぐらいの、そういう気持ちですみやかにやってもらいたい。そうして、いつごろまでに大体それを実現する考えであるのか。漫然といつまでというのでもよくないのじゃないかと思うのですが、その点、長官の考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) その点に相なりますと、一つの、たとえば基準を決定いたしますにつきましても、なかなか各省の関係というものは調整がむずかしいのでございます。でございますから、ただいま私のほうでは、災害の担当者といたしまして、全力をあげてやっておりますけれども、しかし容易なことではございません。で、冒頭申し上げましたように、今日の激甚法そのものが非常に高水準でございまして、現実に合わないという点から、これを第三の基準をつくるということは、口では申せますけれども、なかなかむずかしいのでございます。場合によりましては、別途な、いわゆる局地的災害を対象とした立法をしたほうがむしろ現実には合うのじゃないか、また、そのほうが実現も可能性があるんじゃないか、かようにさえ考えております。
○塩出啓典君 それではひとつ激甚災害の件は善処をお願いいたします。 それから次に、これも先ほど問題になりました個人災害の問題でございますが、最近の天災というものも多分に人災というか、治山治水に対する現在の政治の貧困にもその責任が多分にあると思うわけであります。そういう点でほんとうに勤勉に働いておる人たちが天災のために災害を受ける、そういう人に対しては国もあたたかい援助の手を伸べていくことがなければならぬと思うわけであります。そういう点で現在、個人災害に対する援助というものは、見舞金とか、あるいはまた、あとは金を貸すという程度しかないわけでありますが、金を貸すのは、まあ返せる人はいいわけでありますが、実際には返せない人も非常に多いわけであります。そういう点、今後の問題として——これは現実、いまどうというのじゃなく、今後の問題として、そういう個人災害に対する何らかの制度を検討する決意があるのかどうか、あるいはもう現状のままいく以外にない、そういうお考えであるのか、その点、長官のお考えを聞きたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 私も災害常襲地帯の出身でございまして、今日まで災害ばかり取り組んでまいったのでございます。ただいまお話のような個人災害に対しましての罹災地の者といたしましては、当然何とか個人災害についての救済をいたしたいと今日までも念願をいたしておるのでございますが、実際問題といたしますと、この点ははたして国が個人の財産補償までやるかどうかということに相なりますと、これはたいへんむずかしい問題になります。さような点で気持ちは十分私も先生と同感でございますけれども、現実の行政措置をどういたすかということに相なりますと、今日までの政府のとってまいりました方針をいかにこれを変更し、いかなる目安でやるかということにつきましては、私は、今日まだはっきりとしたことは考えられません。そういうふうな段階でございます。
○塩出啓典君 これは衆議院の災害委員会におきましても、公明党より一つの案として提出したわけでございますが、いわゆる国民災害共済制度、今回、名古屋の、バスの転落の場合に、これは地方自治団体でやっております全国災害共済制度、これは一日一円で三百六十五円を一年かけて、それでなくなった場合には五十万円とか、そういう制度がいま全国に広がって行なわれておるわけでありますが、まあ国の補助への一つの段階として、この全国災害共済制度、そういう問題についてももっと真剣に——私たちがいいと思っても、実際に検討してみたら都合の悪いことがあるかもしれない。けれども、こういう問題についても、佐藤総理もよく検討してみる、そういう答弁だったわけでありますが、それに対してはあまり総理府のほうでは検討してくれてないようなそういう気がするわけでございますが、この点はどうでしょう。
○国務大臣(田中龍夫君) お話は確かに承っております。また、先般の衆議院の委員会におきましても御質問がございました。しかしながら、ただいまの政府各省間の共済関係の審議にあたりましては、まだ軌道に乗ってその問題を検討する段階には至っておりません。
○塩出啓典君 ひとつ願わくは、これも一つの暫定的な方法でございますので、すみやかにやっていただきたい、そのことを心からお願いいたします。 それから自動車局長にお伺いしたいと思います。 きょういただいた書類の中に、バスの運行にあたっては、事前に運行経路についての道路事情、交通事情、気象条件等を的確に把握せよ、そういう通達を出されたわけでありますが、この道路事情、交通事情、そういうものをバス会社が把握しようとする場合には、現在どういう方法があるのか、その点についてお聞きしたいと思います。
○説明員(黒住忠行君) これは運行の始まります前に道路の事情、交通事情、気象条件等を把握しろということでございます。 で、道路の事情につきましては、直接には道路管理者——道路工事事務所であるとか、県庁道路課等道路管理者に承るという方法と、それから観光バスで旅行をいたします場合に、目的地におきますところの路線バス業者、これは毎日当該路線を定期的に運行しておりますので、その事業者に事前に道路の状況を聞いてみるというふうな方法があろうかと思います。 それから交通の事情に関しましては、これも関係の警察関係の官署に承るという方法があります。 それから気象条件等については、気象官署、それから気象協会等に聞く方法があるわけであります。で、特に気象の点につきましては、この通達のあとのほうに(2)、(3)等にも書いてあるとおりでございます。
○塩出啓典君 その点でございますが、気象条件等は電話で聞くとか、気象台に聞く方法があるわけでございますが、道路事情、交通事情等は道路管理者とか云々とおっしゃっていましたけれども、これはなかなか言うはやすく実際にむずかしい問題じゃないかと思うわけであります。そういう点で、やはりこういう通達を出して、出しただけではまだ不親切ではないか。やはり、バス業者が道路事情を聞きたいときには、そういうセンターなりあって、そうして各地の道路状況というものがわかる、そうして遠方のほうの事情も電話で大体つかんでいく、そういうふうなやはり交通情報センターといいますか、そういうものをはっきりつくっていかなければいけないのじゃないか。そうしてそれはやはり二十四時間そこに行けばいつでも道路事情をすぐ簡単に聞くことができる、そういうような点を検討しなければならぬ。これは自動車局長の管轄とは違うかもしれませんが、そういう点、これは私の考えでございますが、関係の方の御答弁をお願いしたいと思いますが。
○説明員(蓑輪健二郎君) 道路管理者といたしまして、やはり道路の利用者に対して道路の情報を的確に知らせるということは非常に利用者のためになることだと思いまして、これについては現在でもいろいろ直轄——国が管理しております指定区間につきましては各地方建設局に道路部がございまして、その中の道路管理課が所掌してやっておるわけです。そのほかに、やはり各県ごとに国道工事事務所、さらにその下の出張所がございまして、そこに行けば道路の事情は大体もうわかっておると思います。ただ、これをもう少し気象と同じように一〇〇何番をかければ道路の事情がわかるというようなことを将来考えていきたいと思います。これは災害のときももちろんでございますが、雪の降ります地方にいきますと、冬季の交通には非常にいまのところそういう連絡が多いわけでございます。こちら——東京を出ていくときに晴れておっても、三国の峠を越して向こうはどうなるんだというような連絡が非常に多いのでございます。そういう意味で来年はやはり道路情報センターというようなものを予算の要求の中に入れております。ただ、非常にこれは的確に利用者にそういう情報を与えるということになりますと、やはり情報連絡の施設を相当強化していかなきゃならない。また、二十四時間そういうようなサービスをすることになりますと、やはり職員の夜勤手当の問題その他ございます。これをいまの予算の制度でどの程度一挙に実現できるか問題があるかと思いますが、できるだけ利用者の便宜をはかってそういう道路情報センターというような構想を発展さしていきたいというふうに考えております。
○塩出啓典君 その点ひとつ、人命は一番大事な問題ですから、しかも、いまこういうときですから、ひとつ予算をうんと獲得して、すみやかに実現をしていただきたいと思います。 最後に林野庁のほうにお伺いしたいと思いますが、前回の委員会におきまして、まあ、木を切り過ぎたために今度の災害が大きくなったんではないか、そういう点をお聞きして、まあよく調査をしてと、そういうお答えであったわけでありますが、今回の岐阜県の災害におきましても、これは七宗村というところですが、これは明治四十三年に集中豪雨があって、それ以後植林を非常に徹底したために、今回は同程度の集中豪雨を受けたけれども全然被害がなかった、そういうことも聞いておるわけであります。そういう点から、国家百年の大計の上に立って国土を守るためにもつともっと植林という点についても力を入れていかなきゃならないんじゃないか、これがまあ一番砂防工事あるいはがけをいろいろ工事するよりも経費も安上がりである、そのように思うわけでありますが、林野庁といたしまして、今後どのような具体的な方針をもってこの植林の計画を進めていくのか、その点についてお聞きしたいと思います。
○説明員(片山正英君) 山の保全という問題に関しまして林野庁といたしまして、保安林という制度、さらには治山治水というようなことで対処してまいっておるわけでございますが、しかし全山保安林というような形にはとうていまいりませんので、保安林の指定のないところにつきましても、先生ただいま御指摘のありましたように植林事業というものを推進してまいる体制でございます。具体的に申しますと、民有林につきましては少なくとも五五・六%の植林、いわゆる一千万町歩というものを目標に植林を推進する体制でございます。簡単でございますが以上でございます。
○上田稔君 赤澤大臣にちょっとお伺いをしたいと存ずるのでございますが、山間部の道路交通の安全についての御所見をお伺いいたしたいと思うのでございます。 国道が最近完備されまして、山間部も非常に交通量が激増いたしております。国道九号線なんかをとってみますと、四十一年度におきましては六千台でありましたのが、この四十三年度におきましては三万台、こういう五倍の交通量があるというようなことでございます。したがいまして、以前は安全標識というか、道路の安全交通のために考えておった「落石注意」であるとか、あるいはまた「路肩注意」であるとか、そういうようなただ単なる標識でいままでは安全を保っておったのでございますけれども、このように交通量がふえてくるということになりますと、これはもう都会地と同じように非常に通っておる自動車、あるいは車両が事故を受ける可能性が非常に大きい。したがいまして、こういうようなものに対しては何か考えなければいけないのじゃないか、こう思うのでございますが、御所見を承りたいと存じます。
○国務大臣(赤澤正道君) 今度の事件で、警察も思うわけでございますけれども、公安委員会の所管に道路交通法がありますが、これは何の目的の法律かといいますと、御案内のとおりに交通の安全と円滑をはかることを目的とするということになっておるわけでございます。だからこれは路面交通が非常に、いまおっしゃるように、車両数がふえていろいろ交通事故が激増しておりますので、やはり駐車禁止だとかあるいは片側通行であるとか右折禁止であるとかあるいは信号機を取りつけるとかいろいろなことをやるわけでございます。ただ今回の事件に何がしかの関係があると考えられることは、その法律の七条に、「通行の禁止及び制限」の条文がありまして、「警察官は、道路の損壊、火災の発生その他の事情により道路において交通の危険が生ずるおそれがある場合」は通行を禁止するという権限を与えられておるわけでございます。私どももやはりこの道路交通を所管しておりますので、いち早くどういう処置をとったかということを調べてみました。そうしましたら、あの豪雨でやはり事態危険と見て警察官は警察官としての処置いたしております。あの道路で申しますと、金山町地内で南進禁止いたしました、これが二十三時三十分ごろ。七宗橋というところで北進禁止、通行どめいたしましたのが同じころの時間でございます。それから一時間後に運行しておったバスがストップしてさらに三十分後に事故が起こった。通行禁止しましたときに、不幸にしてそこを通り抜けて先に行ったもののうち事故があったわけでありまして、まことに不幸と言わざるを得ない。ただ、いま山間における通行量ということを申されましたけれども、いつでも問題になるのだが、警察官をぜひ増員しなければならない、交通警察なども人手が足りませんし、山間地などにもまんべんなく警察官を置けと言っても、とてもそういうことはできる筋合いでも現在はないわけでございます。しかし私どもといたしましては、まあ山間部で警察官が少ないところでも任務は十分に果たすように指導もいたしておるわけでございますが、ただ御指摘のように、ああいう危険なところの標示ということになってまいりますと、まあ公安委員会というのは技術者がおらぬものですから、道路管理者のほうで当然やられるべきたとえば「落石注意」であるとか、あるいはさっきの「路肩弱し」なんて至るところに立て札がありますね。ああいうものはやはりそういう方面で責任を持っていただくのはむしろ道路管理者のほうではなかろうか。ただし交通災害の大きな原因になっているスピード制限、こういったことはやはりこれは公安委員会のほうでやっておるわけでございまして、ただいま御指摘のことまでは警察としてはちょっとやりかねるという考え方でございます。
○上田稔君 ただいまスピード制限を交通安全で考えておるということでございますが、まあ三万台——一万台の一日の交通量があるということになりますと、一分間に片側だけでも一台通るということになるわけです。三万台になると二十一台出てくる。二十台からがとにかく通っておる。そうするといまの交通制限で交通禁止をやりましても、その間にはもうずっと入ってくるというのが実態だと思うわけです。しかし雨の日でありますからもっと数が減りますでしょうけれども、相当の数のものが中に入っておると考えるのが至当だと思うわけであります。したがいまして、先日のバス事故のようなことがいまのままでいけばやはり起こらぬとも限らない、これにはどうすればいいか。道路の構造を直せばいい、これはもうそのとおりだと思いますが、それには非常な、何百メートルもの山の上のところまで治山治水というものをやっていかなくちゃいけない。そうすると、これは全国にまたがる道路でございますから、これは建設省のほうでは先般やるということを大臣はおっしゃっておりましたが、漸次やっていくということをおっしゃっておりましたが、やはり相当の日数がかかる、また道路のほうもどんどん延びていかなくちゃいけない、そういうことになるとまた交通量もどんどんふえてくる。イタチごっこになってくるのじゃないか。したがって、やはりそういうような事態というものを頭に置いてそうして安全交通をはかっていただかなくちゃいけない。そういうことになりますと一番危険なのは一体何か。今度のような世界的にもまれだといわれるような事故でございますから、この一番大きな——事故の起こりやすい、たくさんの人命が損傷するおそれがあるのは一体どこに原因があるのか。これはやはり土砂崩壊、道路そのものがくずれてしまう場合はこれはもうだめでございますが、これはもう道路局のほうで当然やってもらわなくちゃいけない。しかし、思わざるものといえば、思わざるところから落ちてくる落石、あるいはまた横からふき出してくる土砂流、こういうものが非常に危険なんじゃないか、こういうものに対して交通規制ということをやっていただいておったならば、そうしたらそれが可能なんじゃないか。たとえて申しますと、その沢の地点、これはもういつも起こっておる地点でございます。そういう地点は落石があるということは一応山間部のバスを運行しておられる方とか交通を常におやりになっている方には常識になっているわけなんです。そういうところには土砂がふき出してくる、水がふき出してくる、大雨になってきたら、そういうことはもう常識になっているわけであります。ところが、都会地から来る方がもし多くなってくるとすると、そういう方々はひょっととまるときに気がつかない。これにやはり駐車、停車というものの禁止ということがされておったならばこういうようなことが起こらないんじゃないか。こういうような面について、都市については非常に警察のほうも公安委員会のほうも気を使って規制をおやりになっていただいておる。山間部においても、ぜひそういう面をひとつお考えになっていただいて、もう都市並みの交通にこれからなっていくわけですから、全部が全部の道路とは言いませんけれども、そういうふうに非常に交通量がふえておる道路については、そういう点についてお考えをいただいたならば今後こういうようなバス事故というものは起こらないんじゃないか。現在の道路交通法の第四十五条でございますか、これには、「公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要があると認めて指定した場所」、そういう場所には停車または駐車してはならないということができるんだと書いてある。これを活用していただけば、そういう非常な危険な沢というのは、これはもういま全国のどの国道にもほとんどあると言ってもいいくらいにたくさんあるんじゃないか。こういうような個所を建設省のほうで調査をしていただいて、そういう個所には停車を禁止する、そうしてそういうような訓練をしてもらう。そうすると、雨のときにもとまらないようになるんじゃないか。前に自動車がとまっておる、ふわっと出ていったときに停車禁止の標識があれば、その部分ははっととめて手前でとめる。踏切があったらこれは現在全部その踏切の中にはとまらないという訓練がされている。それと同じことが、そういう沢の横から水がふき出すところにはとまらないんだ、こういう訓練ができるのではないか。私は、山間部の道路の交通の安全について赤澤大臣のほうにおいてもひとつぜひお考えをいただきたいと存ずる次第でございます。
○国務大臣(赤澤正道君) 上田先生のおことばを聞いていると、たいへん交通規制がうまくいってなかったことが原因であるかのごとくとられるわけですが、あなたは建設省のベテランの先生で、大阪のように十二車線ぐらいな道路であればこんなことは起こらなかったかもわからない。しかし、いま山間にも四車線、あるいは八車線の道路をつけろといったって、これはもうできぬ相談ですから、ただ、今度不幸であったというのは、通行どめをしたにもかかわらず、その時点で、もうすでに通り過ぎておった何両かが土砂崩壊に行き当たって、どっちにも行けなくなった。私たちから道路管理者に注文したいことがありとすれば、いなかのほうではすれ違えないところでは退避所をつくってあって、大型の車が入れ違えるようになっております。むしろああいうものでもたくさんつくってあったら、バックすることもできたのじゃないか。あのときは先に土砂がたまってしまった。あとからどんどん押してくるものですから、通行規制どころか、自然的にとまっているわけですね。そういうこともあり得るわけだから、これは道路を築造いたします際に、単に地質だ構造だということばかりではなくして、こういうことを考えてやはり道路管理者としても今後はお考えいただきたいということを警察の交通規制側からは考えておるわけでございます。
○上田稔君 実は、ここに、これは週刊朝日でございますが、事故現場の写真をとったものがございますのですが、この写真を見ますと、ちょうどトラックがとまっておりますうしろにおとまりになっておる、そしてそのあとに続いておるものが一両あって、それからこの二両より前にもおったバスがうしろへお返りになって、安全なところにお返りになったものが三台返っておる。こういうようなことで、うしろへ、バックができなかったかどうかということは、これは雨の中でございますから、何でございますけれども、まあそういうふうにお返りになっておる車もあるのだ、したがって、こういうような場合には、よくこういうようなところがあぶないんだということがわかっておれば、おそらく四十分間も時間があったと聞いておりますし、おさがりになれることもできたんじゃないか。横から水がそのときにはどんどんどんどんと川のようになって吹き出してきておりますでしょう。そういうふうな事態で、水が、お聞きしますと、ひざの上まできておったというお話を現地でお聞きしました。そういうような状態でございますから、非常に危険な地帯であるということが、表示があればよけいにこれはあるいは防げたのじゃなかろうか、こういうようなところにおとまりになるということはめったに起こり得ることではない。この当時のこの場所における交通量からいけば、そんなにはなかったかもしれないけれども、防げ得るということもできるのじゃなかったか、こう思いますと、ぜひそういう面においても、予算の非常に少ない日本でございますので、そういう点を考慮したら、なるべくそういうできるだけの処置というものをやはり考えるのが至当じゃなかろうか、こういうふうに私は考えるのでございますが、ひとつ御善処をお願いを申し上げたいと思います。
○国務大臣(赤澤正道君) 結果論ですから、いまにして思えばもっとやる方法があったのじゃないかと私も思います。それは少し山登りに熟達している者であったら、地形を見て、これはあぶないという判断もあるはずでございます。かえって山の出っぱっているところは安全で、鉄砲水なんかが出るのは谷にきまっているわけだから、谷のところにとまっているのはおかしいじゃないかと、こういうことをいえば、運行管理の面、その団体の主催者、引率者、また運転者、こういった者も注意義務を非常に広くとりますと、いろいろな問題が出てくると思います。そういうことも実は取り調べておりまして、いまそういったことについて責任が那辺にありやということは調査中でございますから、私のほうから申し上げはいたしませんけれども、しかし、いま御指摘になりましたことは、あなたも腹のうちでは御承知と思います。なかなか、起こってみてから日本の山間部の道をどうかえろということを言ったって、急速にやることはできないと思いますし、かといって、私どもといたしましても、将来こういうことが起きないわけのものでもありませんから、道路交通法の面から申しましても、できるだけの注意はいたしたいと思います。しかし、さっきも申しましたように、限界があるわけでございまして、あのときも私実情を調べてみました。私は私なりにいろいろな疑問がわいた。それはなぜ、バックできなかったかということです。かりに谷合いにおった。みすみすあぶないのになぜバックしないかということ、どしゃ降りの雨になってなかなか身動きができないとか、いろいろあるだろうと思いますが、やはりあとから押しかけておったバックするにしても途中で待避の場所もないということですから、多少バックしてもあの事故にあった車は身動きもできなかったというふうに私は見ておるわけでございます。こういうことについては、一切の正確な判断の資料はいま鋭意つくっておりますので、それを待ってからまたいろいろ御批判をいただきたいと思います。
○上田稔君 もう一つ、たいへん食い下がったようで申しわけございませんが、ああいう私は暗やみの中でございますので、運転手の方もおそらく沢がどうこうという判断よりも、非常にむしろ明るい所にいたいような感じでおとまりになっていたのではないかと思うわけであります。そしてむしろ出っぱっているところは上にのしかかったように見えますので、ああいう非常などしゃ降りの中では私はそういう過失を運転手に求めるのは無理じゃないかと思うわけでございます。そういうときに、標識がもしあるとすれば極楽への導きになるのじゃないかというふうに考えまして、ぜひ、予算の少ない日本でございますから、そういう手当というものは一ぺんにできない。しかし標識令であれば、これはもうかけていただけば、あるいは標識令そのものでも使い方によってはそういう標識が立てられるのじゃないか、そういうことで救えるのなら救っていただけば非常にいいんじゃなかろうか、こういうことで要望をさしていただく次第であります。
○国務大臣(赤澤正道君) さっきから申し上げておるわけですが、こういう事故が起こらぬために、分担としては、警察のほうではやはり国家公安委員会が管掌しておりますので、やはり一応スピード制限だとかあるいはいろんな規制は路面交通の面でいたしますけれども、地質や道路の構造から起こる事故については、やはり道路管理者のほうで「落石注意」だとか、「路肩弱し」だとかいうやつを立てていただきませんことには、これを警察でやれとおっしゃいましても、なかなか私実際問題として判断がむずかしい、技術者がおりませんから。ですから、これは道路の管理者にベテランがそろっておられるわけですから、そういう標識をお願いいたしたい。もしどこどこへこういう際に人手が足りないから立ててくれとおっしゃれば、また消防団などにお願いしてやる道はあると思いますけれども、その判断がむずかしいと思う。それはなかなか警察でやれとおっしゃっも、実情はちょっとむずかしい感じがいたします。
○佐藤隆君 関連。もう時間がないのに関連もどうかと思いますけれども、いま上田委員がおっしゃったことは、私ども委員長、武内理事みんなと一緒に現地を見て、そうしてどこの責任云々というそうした焦点のあてがい方で判断するのではなくて、一般論として、まあ道路の構造はどうだろうとか、あるいは急傾斜地の点検をどうしたらいいんだろうとか、いろいろな総合的な判断のもとに、警察関係では標識なんというのはわりあい手っ取り早く金がかからなくて済む。多少役に立つというようなものは、そういうことでないだろうかというようなことをいろいろ旅行中に話し合っておった事柄でございます。したがって、そうこっちでやるべきだ、あっちでやるべきだということでなしに、金がたいしてかからなくてできるところからやっていくような方法、そうした素朴な考え方で大いに私どもも共鳴を覚えたわけでございます。まあ国家公安委員長のお立場でいま事故の責任がどこにあるかということをいろいろ調査検討されているいまの段階において、非常にいまの質問が責任問題と関連づけられるような判断をされているんではないかというふうに私見受けられますので、関連質問をするわけですが、まあそうしたかたくなな考え方でなしに、まあほんとうに金がかからないで、そういうこともできればなあと、一方道路管理者の責任として今後どう対処すべきだ、これからの問題としてどうしなければいかぬか、それはまた別にあると思います。だけれども、道路交通規制の問題からそういうことも考えたらどうなんだろうということで質問されたんだろうと思うのです。ですから、ひとつ御検討いただければ私は幸いだと思うのでございます。
○国務大臣(赤澤正道君) たいへんな誤解があるようですから、一言申し上げておきますが、決して責任を押しつけるとかあるいは労を惜しむという意味で言ったのでないのでして、ですから路面交通のための道交法上によりますいろんな措置は所管だからいたします。それからどこどこの道路があぶないから「落石注意」というものを出してくれとおっしゃれば、地方公共団体を動員してでもいたします。ただどこが弱いか、どこがあぶないかという医者の診断は専門家の方にやっていただきませんと、やたらにかってに警察で至るところへ標識を立てろとおっしゃっても、ちょっと違うわけでございます。こういうことについては労は惜しみません、やることはやります、決して押しつけるわけじゃない。ただ、いまの道路の構造上や設計なんかのことになりますと、どうも所管が違うという意味から申したまででございます。
○上田稔君 実は道路の構造上いままでは「落石注意」とか「路肩注意」こういったようなもので通っておられる方に注意していただいたのだけれども、交通量がだんだんふえてくると、もう道路構造上だけの標識ではもうこういったようなところについて十分な交通の安全がはかれなくなってくるのじゃないか、そういう面において建設省の方と公安委員会の方とがよく連絡をしていただいて、そうして規制標識というところまでいかないと、いままでのような「落石注意」というような、規制標識のうちかもしれませんけれども、そういうものではなくて、もう少し強い規制をするくらいまでしなければ、どうも交通の安全が期せられないじゃないか、そういう点をひとつお考えをいただきたい、こういう意味でございます。
○国務大臣(赤澤正道君) 病状の診断はたびたび申すとおりに警察ではできません。ただ近ごろの運転者が道路管理者のほうで危険を標示してあっても、そんなものはほったらかしてどんどん進むということになりますと、これが事故のもとになりますので、運転者の教育という点につきましては、私どもも大いに関係がありますので、今後十分注意しなければならぬとかように考えております。
○沢田実君 予定時間が経過しておりまして、まことに済みませんが、先ほど来お話がございましたことに関連して一つだけお尋ねをいたしたいと思います。 建設、農林省の各局長から先ほど来大きな災害についてはできるだけ高率の補助をしたい、また緊急に復旧工事をしたい、こういうお話がございまして、ぜひそういうふうにしていただきたいと思うわけでございますが、ここで御発言になったことをぜひひとつ実現をしていただきたい、こういうふうに要望するわけです。一つの例といたしまして、実は岐阜県の今度の災害につきまして、建設省及び大蔵省から査定官あるいはまた立ち会い官等が本日から約十日間岐阜に出張をいたしておるというふうに新聞は報道いたしております。そこで今回の第一次査定の対象があるわけですが、それとまた十一月ごろに第二次の査定をする、その査定で大体今年度の国庫の補助をつけるのが約三〇%だ、こういうようなことが新聞に報道されておるわけでございますが、先ほどの河川局長のお話では、普通の場合でも大体三〇%はその年に復旧したい、それ以上ひどい場合にはもっと考えて前進をしたいというような意味のお話があったわけでございますが、実際に査定にいっていらっしゃる方は、今回だけでは三〇%の分についてもできなくて、十一月にまたおやりになる、現地のほうでは道路が欠壊をいたしまして自動車も通れない、あるいは橋が落ちてしまいまして、かり橋の板橋を自転車をかついで向こう側へ通っているというようなわけで、一日も早く復旧を願っているわけでございますので、こういう点について、ここでおっしゃったことをもっと早く実現していただきたいということを要望申し上げる次第でございます。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの御要望は、従来の災害復旧が大体三、五、二の比率で復旧するという一応の慣行といいますか、目安に対しましての御要望であろうと存じます。私どももそういうふうな三、五、二なんということではなく、もっともっと、初年度に六〇%、二年目には四〇%くらいのスピードでぜひ復旧してもらいたいものだというふうな念願を前々から持っておるのでございますが、問題は財政当局なり、あるいはまた実務上の査定行為並びにその後の実務上の問題で、なかなか地元の御要望どおりならない面が多うございます。何はともあれ三〇%という別にあれをこえてできるだけ初年度並びに次年度、そういうところで復旧いたしたい、こういうふうな方針をぜひ貫徹してまいりたい、かように考えております。
○委員長(足鹿覺君) ほかに御発言もなければ、本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
○委員長(足鹿覺君) 次に参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。 八月中における集中豪雨等による災害対策に関する調査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(足鹿覺君) 御異議ないと認めます。 なお、その期日及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(足鹿覺君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後五時五十二分散会