建設委員会 閉会後第3号
- 発言数
- 130 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1968/11/12
会議録
○委員長(岡三郎君) それではただいまから建設委員会を開会いたします。 派遣委員の報告に関する件を議題といたします。 まず、先般当委員会が行ないました委員派遣について、その調査報告を各班の派遣委員からそれぞれ承ることにいたします。 最初に第一班、日本万国博覧会施設及びその関連施設の建設状況の調査を御報告願います。上田君。
○上田稔君 第一班の報告を申し上げます。 第一班は九月十八日、十九日の両日、岡委員長、米田理事、奥村、中津井各委員と私が大阪府下における日本万国博覧会施設及びその関連諸施設の建設状況を調査してまいりましたので、その概要について御報告申し上げます。 開会を明後年三月十五日に控え、日本万国博覧会の開催準備は急ピッチで進められている現況でありますが、その関連公共事業はきわめて広い範囲にわたっておりまして、昨年八月、万博関連閣僚協議会において総額六千三百七十八億円の事業計画が了解されております。このうち建設省所管のものはその六割をこす四千十二億円に当たり、内訳は道路整備三千三百四十二億円、河川三百二十億円、下水道三百十七億円、公園三十三億円となっております。なお、万博の準備運営にかかる全体資金計画によれば、会場建設費は五百二十三億円が決定しているのであります。 会期六カ月間の総入場者数は三千万人を突破するであろうと推定されておりますが、この観客の輸送計画の達成こそ、万博の成功につながる重要な要素であります。万博関連事業において一般道路として直轄八路線、補助十六路線、街路二十二路線、有料道路として日本道路公団施工三路線、阪神高速道路公団施工九路線が整備を急いでいるものでありまして、以下会場を中心に私たちが視察しました現場のうち種類の異なった若干の路線等について述べたいと存じます。 まず、会場について申し上げます。万博会場となる大阪府吹田市の千里丘陵における三百五十万平方メートルに及ぶ敷地の造成工事はほぼ完成し、主要配管の埋設工事が進んでおります。われわれが視察したとき、すでに起工式を終わった幾つかの展示館の基礎工事も始められており、本部ビルは鉄筋の骨組みを見せて、保税倉庫の一棟はでき上がっておりましたが、全般の建築工事が本格化するのはまだこれからという感じでありました。大阪の中心から東北約十五キロ、標高三十メートルから七十メートルの起伏に富んだこの丘陵は、西側は千里ニュータウン、東側は名神高速道路に接しております。産業と文化の祭典が展開されるこの会場の設計には、この自然の地形を生かすよう留意されたとのことであります。 会場への鉄軌道としては、新設される北大阪急行電鉄が地下鉄一号線と相互乗り入れすることと、阪急千里山線に新駅が設けられることになりますが、周辺の主要な道路としては、大阪中央環状線、御堂筋線、名神高速道路、国道百七十一号線、大阪高槻京都線、道祖本摂津線等が数えられるのであります。 第一に、大阪中央環状線について申し上げます。本路線は、府下道路網の主軸をなして、万博会場の中央を通過する路線でありますが、総事業費四百六十八億円をもって昭和三十七年度から着工され、延長五十五・八キロ、最大幅員百二十メートルでありまして、約七〇%が竣工し、残区間は昭和四十四年末完成を目標に着工中であります。大阪国際空港、万博会場、東大阪流通センター、堺泉北臨海工業地帯を結ぶ大動脈として、中央部分には高速道路を包含するものでありまして、吹田−池田間九・五キロには中国縦貫自動車道、松原−吹田間二十七・五キロには近畿自動車道名古屋大阪線等が計画されております。また、この道路は、鉄軌道十六路線、主要道路二十四路線と立体交差することになっております。 第二に御堂筋線について申し上げます。本路線は大阪市より万博会場に向かう路線の一つでありますが、大阪駅前−難波間四キロの現在の御堂筋線は昭和十二年に完成しておりますが、現在大阪府で計画している十大放射・三環状線の一つとして、本路線は大阪市内梅田付近で現御堂筋線と分かれて北上し、新淀川を渡り、新大阪駅、内環状線、千里ニュータウン、箕面繊維団地を経て外環状線に至る十八.八キロとなるわけであります。幅員は四十ないし九十メートルで、四ないし八車線の高速車線が神崎川北市界から国道一号線の間に平面街路の中央部に建造されて、その両側及び高架下には四ないし八車線の平面街路が設けられるのであります。特色として、地下鉄一号線が新淀川左津から北へ二キロ本道路の中央に高架で建設され、吹田市江坂に至るのであります。これに連続して北大阪急行電鉄が豊中市上新田を経て会場に達するものとなっております。高架街路全区間は四十四年九月末に、平面街路は四十五年三月完成の予定であります。 第三に、築港、深江線と船場ビルについて申し上げます。本路線は都心を東西に貫き大阪港と東大阪市を結ぶ大阪市内の交通混雑をなくする重要路線の一つであります。特に船場地区におきましては幅員八十メートルのうち中央部分に幅四十二メートル、延長約九百三十メートルにわたって四階建てのビル十棟が再開発を兼ねて新設され、その屋上に東行西行おのおの三車線の高架街路と中心部に同車線数の阪神高速道路が走ることになっております。平面街路もおのおの四車線西側に設けられるのであります。繊維卸を中心とした船場丼池の面目一新と交通の円滑化をはかるもので、昭和四十五年二月完成予定で用地買収も解決しております。 第四に谷町地区市街地改造事業であります。大阪市の中央を南北に貫通する長柄堺線において、戦災復興事業の区域からはずれた谷町四丁目交差点付近を中心とする約七百メートルの区間で拡幅されないまま残っている個所を四十メートルに拡幅し、あわせて建築物を整備しようとするものであります。事業面積は、約五・八ヘクタールで、事業年度としては、三十八年から四十四年度七カ年計画、事業費約四十九億円、建築施設の工事着手が十一月ごろに見込まれております。街路、ビルともに四十五年三月には完成予定であります。 第五に、阪神高速道路であります。万博開催までには大阪地区で五十四・三キロの高速道路網が完成する計画になっておりますが、空港をつなぐ大阪、池田線は、螢池南町池田市間の第二期工事が追加されております。南部への交通網として、大阪の都心と堺泉北臨海工業地帯を結ぶ大阪堺線について申し上げます。本線は、南区高津町から湊町、桜川を経て十三間堀川に沿って南下し、大和川を渡って堺市翁橋町に至る十三キロのうち、高津、湊町間を除いた区間を万博前に供用開始すべく工事が進行されておりますが、一部に交渉が遅延しているところもあります。国道二十六号線のバイパスとして期待されているものであります。なお、直轄分として、第二阪和国道を前述の大阪堺線に接続する計画でありますが、区画整理事業の進捗事情等により用地取得が難航しているものであります。 第六に、池田バイパスについてであります。国道百七十一号線は、会場の北ゲートにつながる道路として重要なものであり、四車線に拡幅されており、京都と神戸を結ぶ通称西国街道で親しまれておるものであります。この路線と百七十六号線との交差点付近の交通混雑の緩和を目的として本バイパスが計画せられ、総事業費四十四億円となっております。阪急箕面線、宝塚線等と立体交差するものであり、用地問題で未解決地点がまだ残っておりますが、万博までに完成の予定であります。 以上のごとく概要を申し上げましたが、期日の切迫とともにいよいよ建設工事が最盛期に入ろうとしているとき、次の諸点に十分な対策を講ぜられる必要があると考えます。 第一に、会場への材料搬入道路の早急な整備及び場内の主要道路の舗装。第二に、建設の工程管理を十分にして出会い丁場等の混乱をなくすること。第三に、大正川、安威川の改修工事を推進し、排水工事をすみやかに完備し、防災ダムを早期に撤去すること。第四に、施設づくりの本格化に応じ労務者の不足による労務賃金の高騰、さらには建設資材の値上がりに対する総合的にして強力な対策の確立。第五に、関連道路事業において施行の技術的な困難を伴う個所を先に着工すること、以上のごとくでございまして、道路網の整備には、一部の工事遅延のために全体の流れに大きな支障を招来するおそれがありますから、十分な配慮をしていただかなければなりません。幹線道路の立体交差をする地点等については、計画設計がすみやかに決定される必要があります。かくてこの国家的な行事の準備に対して万全の措置を期待したいのであります。 以上、報告申し上げます。
○委員長(岡三郎君) 次に第二班、東名高速道路及び中央自動車道建設状況並びに関連道路の整備状況の調査を御報告願います。山内君。
○山内一郎君 第二班は私と内田理事、田中委員が参加し、九月十八日より二十日までの三日間にわたって、東名高速道路及び中央自動車道の建設状況を実地に調査してまいりました。まず、東名高速道路関係について報告いたします。 東名高速道路は、この四月に、東京−厚木、富士−静岡、岡崎−小牧の各区間が供用され部分的に開通しておりますが、その他の区間で、目下全線にわたって、四十四年五月末全線開通を目標に大規模な建設工事が進められております。私たちは、調査の重点を建設工事の進捗状況と取りつけ道路及びそれに接続する道路網の整備において、また営業区間については、営業の実績、国道一号線の交通壁に及ぼした影響を中心として調査いたしました。 以下簡単にその概要を申し述べます。 第一に、工事の進捗状況は、全般的に見まして、静岡以西におきましては予想以上に進行しておりました。ほとんどの区域で路盤工事が終わり、目下補装工事が盛んに行われており、静岡−岡崎間については、四十四年一月に繰り上げて開通することが期待されます。しかし、京浜建設局が施工しております松田、山北地区では、急峻な山岳地帯において国鉄御殿場線に沿って、各所に山の掘さく、橋梁架設等の難工事が実施されておりましたが、四十四年五月末開通のためには、工事の一段の促進が要望されます。 第二に、取りつけ道路及びそれに接続する道路網の整備は、建設省、道路公団、県及び市の協力のもとに、各道路管理者によって、本体工事に並行して、着々と進められておりましたが、なお一そう工事の促進が要望されます。特に静岡−岡崎間については、四十四年一月の繰り上げ開通に間に合うよう、その工事の促進が急がれます。特に静岡インターチェンジでは、すでにこの四月から営業を開始しているにかかわらず、国道一号線への取りつけ道路の建設が、東海道線の立体化工事のおくれでいまだ完成せず、応急的に安部川沿いの狭い仮取りつけ道路を利用している現状であり、問題の一日も早い解決が望まれます。さらに沼津インターチェンジについても、その取りつけ道路に接続する国道二百四十六号線で、東海道線との立体交差地点の交通渋滞が予想されており、これが解決のため、目下建設中の沼津バイパスの早期完成が強く望まれております。 第三に、供用区間の営業実績は、八月中の一口当たり平均交通量についてみますと、東京−厚木間二万六千二百二台、計画交通量の一〇三・八%、富士−静岡間一万一千六百二十四台、計画交通量の九七・二%、岡崎−小牧間八千六百七十九台、計画交通量の九七%となっており、順調に推移しております。今後全線開通による交通量の飛躍的な増加が大いに期待されます。また、国道一号線の交通量は、本道路の部分開通に伴って、富士—静岡間で二〜三割の減少、岡崎で一割程度の減少を示しているとのことでした。 次に、調査を通して気づきました点を要望を含めて述べます。 第一点は、照明の必要性についてであります。高速道路の性格上、運転の安全確保のため、全線にわたって、照明の設置が望ましいが、過渡的には、カーブ、落石のおそれある地帯など部分的にでも設置されるべきと考えます。 第二点は、サービスエリアの構造についてであります。各サービスエリアはその所在地の景観にマッチし、おのおのその特色を出すように設計されており、自然樹木を保存するなど行き届いた配慮がなされておりました反面、海老名サービスエリアでは、歩道橋に機能上意味のない装飾的な構造物がつけられておりましたが、かかる点は一考を要するものと考えます。 第三点は、道路ののり面の強化についてであります。八月末の集中豪雨によって工事中ののり面が各所でくずれ、その手直し工事が実施されておりました。のり面の強化安定には日時の経過が必要であります。いたずらに工期を急ぐことなく、時間をかけて十分にその補強を行なうべきと考えます。また、万一のり面が崩壊した際、直ちに運行中の車に通報し、適切な指令を与える等、その周知をはかる装置を設置すべきと考えます。 次に中央自動車道関係について報告いたします。 中央自動車道は、国土開発幹線自動車道建設法に基づき、甲府市と小牧市の延長二百三十キロメートルを結ぶ高速道路でありますが、路線の決定もほぼ終わり、目下、用地買収の交渉が進められております。私たちは、路線予定地を視察しますとともに、世界第二の道路トンネルといわれております恵那山トンネルの建設状況を調査いたしました。恵那山トンネルは延長八・五キロメートル、四十九年三月完成を目ざして、百二十五億円の事業費を投入して建設されることとなっております。現在飯田口からパイロットトンネルの掘さくが、新しく開発された大型トンネル掘さく機を使用して進められております。現地で説明を聴取いたしましたところ、各所に断層、破砕帯や軟弱層があること、掘さく機の性能テストを兼ねて工事が進められていることのため、まだ掘さく機の稼動率が一割程度とのことでありました。早急に、セグメントの能率化をはかるなどの改良を加え、稼動率の向上につとめるべきと思います。 中央自動車道の建設に関して、岐阜県及び地元市町村から、小牧−中津川間の四車線施工、土岐インターチェンジの設置について、また、長野県から取りつけ道路関係の街路事業費の増額について陳情を受けましたが、土岐インターチェンジの設置につきましては、将来の各都市の発展に伴う沿線地域の都市化の傾向を考慮に入れて検討されるべきと考えます。 さらに、長野県当局から、伊那地方において、用地を買収された農家に対する積極的な補償事業として、事業費八十億円にのぼる大規模な西部農業開発計画を立案しているとの説明がありましたが、道路公団当局は、用地買収の代替事業として実施すべき範囲を明確にし、便乗的な要求に対しては、き然たる態度で臨むべきと考えます。 以上簡単でありますが、報告を終わります。
○委員長(岡三郎君) 次に第三班、東北地方における建設事業の調査を御報告願います。沢田君。
○沢田政治君 私は高橋委員、藤原委員、春日委員とともに去る十月一日より五日間にわたり、東北地方における建設事業調査のため秋田県及び青森県に行ってまいりましたので、その概要について御報告申し上げます。 両県は東北地方の中でも社会資本の整備がおくれていた地域でありましたが、近時第一次産業の減少と第二、第三次産業の増大という産業構造の変化に伴って公共施設の整備促進が不可欠となり、国費に加えて、県予算の相当部分をこれに投入する努力が重ねられているのであります。すなわち秋田県は四三年度の当初予算五百十九億円中土木関係費は百四億円、青森県は当初予算六百二十三億円中、土木関係費は百二十億円でいずれも約二〇%を占め、さらに土木関係費の内訳を見ると両県とも約五五%を道路関係に充てており乏しい県財政の中で、道路整備が最重点施策に位置づけられているのであります。 八郎潟。パイロットファームの役割りと全国に先がけた黒鉱の残滓流送事業に大きな誇りを持つ秋田県、また十勝沖地震と八月集中豪雨の連続災害にも力強い立ち上がりを見せている青森県、両県は積雪地方という共通の障害も乗り越えて農・工調和のある発展を期し、各所で建設事業に取り組んでいる姿が印象的でありました。 以下おもな事業を事項別に整理してその概要を申し上げます。 第一は道路関係についてであります。 秋田県下は国道九、主要地方道二十七、一般地方道百八十八路線で、実延長は二千九百二十八キロ、その整備状況は七号、十三号の概成と四十六号、百三号、百八号等の開通により国道は改良八〇%、舗装六六%と進んでおりますが、県道は改良三三%、舗装一七%にとどまっております。また青森県下は国道七、主要地方道二十九、一般地方道二百五路線で実延長は三千六十九キロ、国道四号、七号は、浅虫地区を残して概成したものの四十五号の八戸−岩手県境並びに百一号、百二号及び主要地方道むつ・大間線等は一次改良の工事中で、国道の改良六九%、舗装七〇%に対し、県道は改良二九%舗装一二%という状態でありました。これらは、全国平均に比較してもかなり下回った数字であり、後進地域における道路整備、特に地方道整備の立ちおくれが顕著であることを物語っているのであります。 先のマグニチュード七・八を記録した十勝沖地震の際には道路被害が青森県の東半分に集中し、四号、百四号を中心に国道のみで約百カ所、被災延長は十三キロで復旧費の査定額は四億三千万円にのぼりました。おもな被災形体は盛土、路体の陥没、路肩の沈下、舗装版の破壊等でありましたが、一部防災工法をも加えた復旧事業はいまでは大半が完了しておりました。 国道四号、七号等の市街地区間では、交通量の著しい増加によって混雑度は日に日に増大しており、各所でバイパス道路の必要性が痛感されました。特に秋田及び八戸では一日に一万五千台の交通量で、すでに許容限度に達しておりますが、さらに秋田湾新産都市、八戸新産都市の建設に対応して交通量はますます増加することが予想されますので早急なバイパス建設が必要と思われます。また、大舘バイパスは北半分に当たる釈迦内−岱野区間で工事が行なわれておりましたが、鉄道との立体交差も完了し近く砂利道のまま使用開始の予定でありました。しかし、残る南半分の区間につきましてはいまだルートも決定されていない状態であり、今後早急にルート問題を解決し、当業に着手する必要があると痛感されました。さらに、舗装工事中であった浅虫バイパス、測量調査中の三戸バイパスの促進とともに、能代、弘前等におきましても検討が必要であると思われました。 次に、主要地方道についてでありますが、まず野辺地・むつ線は幅員六・五メーターの道路でありますが、ほとんど舗装も完了しておりました。起伏する自然の地形にさからわずにつくられているためか十勝沖地震にも橋梁部分を除いてはほとんど破損個所がなかったそうでございまして、道路構造基準にある種の示唆を与えているようにすら思われました。また、むつ・大間線は、大間港より函館に結ぶフェリーの就航に伴い、大型輸送車を中心に交通量が急増しているにもかかわらず改良六六%、舗装三八%の状態で、沿道住民は泥水と砂ぼこりに日夜苦しめられておりました。これら二つの主要地方道は日に二千台の交通量を持つ輸送路としてのみならず、下北開発の重要幹線ともいうべきもので早急な整備と国道四号との統一的管理の必要が痛感されましたが、そのためには国道への昇格が要件であると思われました。 また秋田県の大曲・本荘線、大鰐、小坂、十和田線、青森県の青森・蟹田・今別線等の国道昇格について陳情を受けたのでありますが、地方道整備がきわめておくれている現状の中で、幹線的性格を有するものの国道昇格とともに、他面、地方道に対する整備促進について強力な対策が必要であると痛感されたのであります。 高速道路の関係につきましては、東北縦貫道の盛岡・十和田、青森間を一体として同時開通できるよう早期着工されたい旨の陳情がありましたが、特に盛岡・十和田間は基本計画のみでありますので地元の民生安定の面からも、早急に整備計寸画を決定する必要があると思われます。なお、東北横断自動車道の調査促進、日本海沿岸縦貫自動車道の法制化等の陳情がありました。 第二は都市関係についてであります。 まず、能代市は戦後におきましても二十四年、三十一年の二度にわたって大火に見舞われた所でありますが、そのつど火災復興土地区画整理事業が実施されましたため、駅前より市中心部への街路は整然と区画され整備されておりますが、しかし一面では木材業の原木並びに製品の集積地である能代港に通ずる幹線街路及び国道百一号の拡幅、国道七号バイパス建設と関連街路の整備、さらには都市形態の高度利用に伴う下水道整備の促進等は今後に残された課題であり、これらの解決は地方財政との関連で大きな問題であると思われました。 次に水揚げ高日本一の水産都市八戸市は水産加工業の伸展と八戸新産都市の大型産業及び関連企業の発展が加わって市内における貨物輸送は急速に増大し交通混雑は想像以上のものがありました。狭く曲がりくねった街路と市内を貫通する国鉄・国道がすべて平面交差であることも大きな原因で特に市街地密集地区の十六カ所に及ぶ国鉄平面踏切は最大のネックでありました。都市機能を維持する上からも、この区間の立体交差化と国道四十五号バイパス建設は当面早急に取り組むべき課題であると痛感いたしました。 なお、私たちの調査直後の十月十三日大館市が二百五十戸に及ぶ大火に襲われましたことに対し深甚なるお見舞いを申し上げますとともに、被災者の一日も早い生活再建を心よりお祈りするものであります。木材の町大館は、過去四回の大火災に見舞われており、火に弱い町並みの体質に加えフェーン現象の起こりやすい地形条件を考えるとき関係当局は、今度こそ徹底した不燃都市の建設に邁進されるよう強く希望するものであります。 第三は、河川関係についてであります。 秋田県素波里ダムは米代川の支流粕毛川の上流に県事業として建設中の多目的ダムで総事業費百九億円をもって、四十一年度に着工、四十五年度に完成を予定しております。すでに調査を完了し、堤体基礎工事、放水路工事及び道路のつけかえ工事を実施しておりましたが完成の暁には、総貯水容量四千二百五十万立方で、毎秒八百立方の洪水調節のほか能代パイロット地域へのかんがい及び発電等水資源の有効利用をはかることとなり、地域住民への貢献はきわめて大きいものと思われます。なお、米代川総合開発の一環として比立内、早口の両ダムについても早期着工されたい旨の陳情がありました。 青森県では、八月中旬の集中豪雨のはんらんで五所川原市等に大きな被害をもたらした岩木川の支流旧十川を中心に、治水について調査いたしました。旧十川は、岩木川合流点まで約二十キロの中河川でありますが、土砂が堆積し、河川敷には高さ数メートルの雑木が繁茂する荒廃河川でありました。しかし、両岸に広がる三千六百ヘクタールの水田の排水に加え、最近では平川、浪岡、小田川の各土地改良事業の排水路がいずれも合流することとなったため、わずか五十ミリの降雨にも溢水し、また排水不能となるありさまで、地元住民は旧十川の改修の早期着工を熱望しておりました。 四十年度よりの治水五カ年計画を見ても、東北管内の四十二年度末における進捗率は約六五%と進んでおりますが、その内容があまりにも大河川中心に片寄り過ぎてはいなかったか、また農業政策との関連において、治水問題が軽々に扱われてはいなかったか——種々の疑念を抱かざるを得ないのであります。本川岩木川は下流部分の改修がほとんど完了しておりますので、そのために未改修部分の支派川に集中的に負担が加わり、現に岩木本川の逆流が溢水したともいわれております。本川の改修とあわせて、関連する中・小支派川の改修にも十分な配慮の上、水系一貫の治水対策の確立が絶対に必要であると痛感いたしました。 第四は、新産都市の建設状況についてであります。秋田湾地区は、地場産業の高度利用を目ざす化鉱コンビナート及び木材コンビナートを中心に工業開発をはかり、日本海側における開発の拠点とするため四十一年十一月に指定されたところであります。企業の立地は順調に進んでおり、三十六年以降、中核となる大企業を含めて四十一工場の進出が決定しているとかで、中心地秋田港付近では、飯島地区の工業団地造成、港湾のしゅんせつ、旧防潮堤の撤去と防波護岸の建設等が行なわれておりました。また八戸地区は砂鉄利用工業、食料品工業、化学工業等を中心に、その他地場資源を活用する各種工業の開発をはかり、東北北部における工業の拠点とするために三十九年三月に指定されたのであります。 八戸港を中心とした既存の工業地帯は、四十年以降四十五工場の新増設ですでに限界となり、臨海部には三百ヘクタールに及ぶ第二工業団地の建設中で、新八戸港のしゅんせつ、道路整備、防潮堤工事等が行なわれておりました。しかし両地区におけるこれらの事業の進捗は、五十年を目途とする全体計画の中ではわずか二〇%余にすぎず、企業のはりつけが順調に進んでいるのに比して、工業団地、道路、港湾等の整備が立ちおくれており、さらに上下水道、厚生施設、住宅建設等はようやく緒についたばかりの段階でありました。 産業開発の基盤整備とともに、生活、社会環境の充実をはかる新産都市の建設は、地元県市町村に過大な財政負担をもたらしており、国の立場よりの強力な助成措置を求める声は両地区の共通した要望でありました。 以上で報告を終ります。
○委員長(岡三郎君) 以上で報告を終わります。 —————————————
○委員長(岡三郎君) 次に、建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、ただいまの各班の御報告に関する調査もあわせ質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
○沢田政治君 いまも報告いたしましたが、東北縦貫道路ですね、これが十和田−盛岡間は、基本計画はできておるわけでありますが、いまだ整備計画すらもできておらない、こういう状態で、土地買収等も含めて、こういうように整備計画もできないで、基本計画だけで時間というものを費やしていくということは、これはどういう意味かと、非常に疑問を抱かざるを得ないわけです。そこの区間だけはぽんとできないものだから……。これはどういう意味ですか、どういう理由ですか。この点をお聞きしたいと思います。
○説明員(蓑輪健二郎君) 東北縦貫自動車道路につきましては、もう先生御承知のように、いま御指摘の十和田−盛岡間が基本計画だけで、整備計画はできていない状況でございます。これについては、現在いろいろ調査しております。何ぶんにも、地形が非常に山の中でございまして、また、あそこにつきましては非常に、採算の問題もございまして、また雪の問題もございまして、かなりそういう点での調査も十分やっておる次第でございます。もう一つは、やはり東北縦貫自動車道の、まだ基本計画ができておりません八戸の問題がございます。八戸線といまの青森線とをどの辺で結ぶか、これにもやはり問題がございまして、この八戸線のほうについては、これはまだ、八戸が終点でございますが、そこからどの地点を通って東北縦貫道を青森線につけるか、この辺もあわせて調査をしておる状況でございまして、いましばらく調査の結果を待ちまして、早く整備計画を策定したいというふうに考えております。
○沢田政治君 まあ、高速道路、縦貫道路はたくさんできておるわけでありますが、時に代表的な東名高速道路は、東京のほうと向こうのほうですね、名古屋のほうから、両方から工事をやって、途中で結んだという一つの手法ですね、工法もあるわけです。しかし、今度の東北縦貫道路の場合と東名の場合と違うと思うんですよ。たとえば、東京も非常に産業地帯である、あるいはまた名古屋も産業地帯である。いずれからも工事を着工している。できた道路は使えるわけですね、すぐ。そういう意味で、道路の効率的な利用といいますか、経済性といいますか、こういうものは両方から着工しても、道路をつくりながら使用するという一つの目的が達成されると思うのですよ。ところが東北縦貫道路の場合は、特に東京の経済圏に依存しておるわけですね。東京に物を運ぶ、物を持っていくという一つの使命というものを持っておるわけですよ。そういう場合、何というか、南北から工事を着工するということは非常に、何というか、経済的にもそろばんに合わぬことじゃないかと思うのです。たとえばいま青森と十和田間の工事をやっておるようでございますが、かりに青森と十和田間に道路ができたとしても何の価値もないのですよ。秋田県から青森県に荷物を運ぶなんということは、これは絶無とは言えないけれども、経済性はない。青森そのものが海の端っこにあるのだから。そういうような道路のつくり方よりも、やはり東京の経済圏を中心にして、一貫して東京から延ばしていく、こういうことであるならば、同じ予算を使うにしても、できた道路がすぐ経済的に使える、こういう一つの経済性があるのじゃないかと思うのですよ。したがって、積雪地であるとか山岳地帯だとか、そういう地理的条件でまだ整備計画ができておらないやに私は理解するわけですが、そういうことばかりでなく、何か政治的な意図とか、そういうものはないのですか。どういうことですか。この点についてもう一回御見解をお伺いしたいと思います。
○説明員(蓑輪健二郎君) 東北縦貫自動車道路は、やはり全線がつながって初めて青森から東京までのいろいろなものの輸送ができるわけでございます。ただ、いま先生の御指摘のように、全線同時に着工するということはいいことでございます。が、いまの予算の状況を見ますと、やはり関東のほうを早くやらないと、一番このほうが用地もめんどうなところでございまして、そういうことで東京−仙台間を一番早く整備計画を出しまして、もうことしの終わりには用地の買収がぽつぽつできるというような状況になってきておるわけでございます。また全線そういう形で通ることは望ましいのですが、青森−十和田については、やはり東北縦貫道の一部としてやはり国道のバイパス的な使用も考えられますので、まずあそこでいろいろ、雪の問題を研究をしたいということもございまして、あすこを最初にいたしたわけでございます。特に政治的な問題ということはない。純技術的な形で整備計画を出した次第でございます。
○沢田政治君 ちょっと報告の中で私も若干指摘しておりますが、至るところでバイパス、バイパスといってね、バイパスの陳情なり要請が非常に強いわけですね。まあ同僚委員がいつかの委員会で聞いたかと思いますが、バイパスのつくる基準、必要の基準ですね、これを明確にしなければ、声のあるものはバイパスをつくってもらえる、声の低いのは、何というか、投げられる。こういうような非常に行政面から見ても不合理な差別というものが出てくる可能性が非常に強いわけですね。したがって、陳情があったからとか、大ものが出ているとか、何か役人にお願いしたからできたとか、そういうことじゃなく、もうやはり市街地そのものがだれも想像しないような交通量で非常にふくれ上がってきているわけですね。そういう必要性が非常に強くなっておるので、ひとつこのバイパスの必要性の基準、こういうものを明確化する必要があるんじゃないかと思っておるわけですが、いまもそういう基準がありますか。またその基準というものをあらためて再検討してみて、声があろうがなかろうが、必要であるところにはバイパスをつくると、こういう行政の公平面というものをもう一回振り返ってみる必要があるんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○説明員(蓑輪健二郎君) 御指摘のように、現在非常にバイパスの要請が強くなっております。これは国道、ことに昔の一級国道につきましては、まず早く舗装をつなげるということで、かなりテンポを早くいたしまして改良をやったわけでございます。そのときにやはり町の中については、これはある程度の幅員のあるところについてはそのままに前後をつないだようなところも相当東京はございます。そういうところが、現在になってみますと、やはり交通が相当ふえまして、ネックになってきております。そういうところのバイパスを現在いろいろ各所で計画しております。 先生のおっしゃいました基準でございますが、私たちやはりまあ陳情もいろいろ受けますが、単陳情ということじゃなくて、一つのバイパスの採用の基準というものを考えております。これはやはり将来の交通を見ますと、相当交通がふえるし、まあ場所によりましては非常にあとからバイパスが、いまやらなければできなくなる、都市が発展してもうどうにも道路が、なかなか用地の買収が困難になるというところもございますが、技術的な基準といたしましては、現在の交通量と、その道路がどのくらいの交通の容量に耐えるか、まあ交通容量というものがあると思います。交通容量というものは非常にむずかしい問題でございますので、現在の道路構造令にあります車線と、設計の基準になっております交通量がございます。それを、一応これはかりに交通容量というように仮定いたしまして、それをいまの現状の交通量で割りまして、大体それを交通の混雑度と称しております。混雑度が一・六以上については早くやっていきたい。また一・四ぐらいでも、いまのところ二車線で平面の踏み切りがあるとか、商店街があるとか、非常に道路が屈曲しているというようなものは、混雑度が一・四ぐらいでも採択しておる次第でございます。実はもっととにかくこの混雑度を下げて早くつくりたいということなんでございますが、やはり道路の投資の現状では地方道もやらなければなりませんし、またこういうバイパス以外の一次改築的なものも相当残っておりますので、現在はこういうような基準で採択をしておりまして、大体四十三年度では、内地でいいますと百五十本ぐらいのバイパスをつくっておるような状況でございます。
○沢田政治君 時間もありませんので、河川局と都市局にあわせてお答えをいただきますが、再質問いたしません。特に私痛感したのは、岩木川の治水の問題でありますが、本川——もと川ですね、これは非常に整備されておるわけです。水系の一般治水対策というのはやはり基本になっておるわけでありますが、あとの支流ですね、そういう河川は一応地方自治体に委託と、こういうかっこうになって指定区間になっておるわけでありますが、そういう本川の、川の本流による何といいますか、洪水とか被害は少ないわけでありますが、支流、そういう中小河川、こういうものの被害というものは非常に多くなっているわけですね。したがって、地方自治体にそれを委託しておるかどうかそれは別としても、やはり行政の指導の責任は当然あると思うのです。したがって、どういう行政指導をしておるのか、われわれが現地で聞く限りにおいては、全く本川だけであって、あとの支流とかそういうものは地方でよきに取り計らえ、こういうような印象を強く受けるわけですね。この御見解をお聞きしたいと思うのですが、再質問はしません。 それからもう一つは、大館の火事のことであります。これは相当の損害ですね。火災保険も日本一高いそうですね。すでに火事になったといったら百戸以上すぐ焼けちゃうわけです。しかも一回焼けたところは二度と焼けない。新しいところが次々と焼けていく、こういう一つの示唆を示しているわけです。そういうことで、この際やっぱり抜本的な不燃焼計画ですか、そういう都市計画を立てなければならないと思うのです。したがって、私なりにもいろいろな要請を受けておりますが、現地なり県からどのような要請を受け、何をとりあえずやり、何を将来やるつもりか、この際明らかにしておいていただきたい。それをもって私の質問を終わります。
○説明員(坂野重信君) 中小河川の問題につきましては、先生の御指摘のとおりのいろいろな事情がございまして、どちらかというと、明治以来大河川重点主義といいますか、そういう方向で、まず大きな災害を防ごうというのが治水の本来のいき方であったわけでありますが、最近御承知のように、非常に局地的な、狭い区域の集中豪雨というものがふえてまいりました。それと、いろいろな流域の開発というものが進んでまいりましたために、どちらかというと最近は大河川の流域よりもそういった中小河川の流域の災害が確かに激増しておりますが、私どもとしましてはそういった事態に対処して、ひとつ中小河川なりあるいは都市周辺の河川の対策というものを最近非常に重要視しておりまして、本年度におきましても、すでに内地におきましては直轄河川の事業費よりも中小河川の、補助河川のほうの事業費のほうが上回っておるという歴史的な一つの変遷を来たしておりまして、新五カ年計画におきましても、ひとつ中小河川あるいは都市河川というものを重点的に実施していきたいというふうに考えております。 岩木川につきましても、必ずしも本川は完成段階に至っておりません。しかし最近の雨の降り方が、岩木川全体として一様に雨が降るというような気象現象が少ないということもございまして、どちらかというと、支川の小さな旧十川等の災害がふえております。旧十川につきましてはいろいろ原因があるわけでございます。流域の開発が急激に進んで宅地化が進んできたというような関係もございまして、私どもその辺を十分勘案いたしまして、ひとつ特に旧十川につきましては明年度あたりから、少なくとも局部的にもひとつ事業の着工をはかってまいりたいということで、目下いろいろな調査を実施中でございます。
○説明員(竹内藤男君) 大館市の火災につきましては、先生も御指摘のように、過去において三回ばかり大火災がございまして、その火災のあと地につきましては区画整理を行なっております。区画整理をやったところにつきましては、必ずしもそれだけで火事が起こらなかったということではございませんでしょうけれども、焼けておりませんでそういった未施行のところにおいて今回の火事が起こったということが一つございます。もう一つは、やはり防火的あるいは防災的な観点から都市づくりをいたします場合に、一番効果的なのは、幹線街路を中心にいたしましてその両側に、できれば一街区防火地域を指定いたしまして、そこにおきましては木造建築を禁止するという措置が有効でございまして、現に大館市におきましても、枢要な市街地あるいは枢要な街路地域につきましては、一部防火地域が設定されております。それともう一つは、やはり防火地域の指定だけではなく、これはさらに積極的に防災建築街区の指定をいたしまして、そうして防災建築街区の事業を進めるということが、積極的な対策であろうと思います。われわれも今度の火災にかんがみまして、防火の点から都市計画上一体、どのような施策を講ずるかという点を地元のほうと打ち合わせておりますが、とりあえず、地元から出ておりますのは、被災地、今回の被災地が、約三百六十五戸やけたところでございますけれども、その地域を含めまして、その両側まで入れまして、その被災地につきまして都市改造の区画整理をやるということだけは、一応地元のほうの要望もございまして、来年度の予算要求に追加要求として、これは大蔵省のほうに出してあります。それ以外の防火地域の拡張、あるいは防災街区の指定につきましては、現在防火地域の指定のほうにつきましては、これを拡張したいというふうに私ども考えております。現在地元のほうと打ち合わせ中でございます。といいますのは、まあ一面におきまして、やはり、それだけの経済力のないところでございますと、耐火建築しか建たないということで、そういう面でむずかしくなる問題もございますし、また防火地域の指定は地元市町村の申し出による、ということになっておりますので、そういう関係で地元の市町村あるいは県のほうと打ち合わせておりまして、私どもといたしましては、できる限り防火地域に追加指定をやってまいりたい、こういうふうに考えております。 それから防災街区の事業のほうにつきましては、これは住宅局のほうでございますが、便宜御説明申し上げますと、現在現地に指定区域の——この指定の問題につきましては、あるいは事業につきまして打ち合わせをいたしております。こういう段階でございます。
○藤原房雄君 このたび東北地方における建設事業の調査の視察に委員の一員としてまいりまして、そのおり地元の陳情もあり、また実際に視察してまいったわけでありますが、そのときに、ぜひ対策を講じたい、講じなければならないという何点かについて、この機会に質問または要望申し上げたいと、このように思うわけであります。 最初に道路の問題がございますが、先ほどもいろいろお話ございましたが、何といいましても、公共施設の整備は、地元民に大きな希望と確信を与え、生活に意欲をもたらすことと思います。さらにまた、東北地方のこの過疎対策の点からも非常に重要なことと思うのであります。このようなことから秋田、青森両県が地方単独の道路整備にも非常に努力を払っておる、そういう点は非常に見受けられたのであります。しかしながら、両県におけるこの地方道の整備状況というものは、財政上またきびしい自然条件の中にありまして全国平均を下回っております。それで最近の道路整備の趨勢が大都市間の高速道路国道を中心としているというふうに考えられるわけでありますが、地方道の国道への昇格という、こういう問題が各所で陳情がございました。この点について、二、三お伺いしたいと思うのであります。第一点は、第五次五カ年計画の中では地方道の整備というものについては地方道の整備、これをどう位置づけているか、その進捗状況などについてお伺いしたいと思います。
○説明員(蓑輪健二郎君) 第五次の五カ年計画、これは総額六兆六千億でございます。その中でやはり道路をどういうように整備するか、これは高速自動車国道とか地方道の整備のどれを重点に置くかということもございますが、やはり、その中で均衡のとれた配分をしておるつもりでございまして、この高速自動車国道については、これは御承知のように五カ年で一兆八千億という有料道路事業の中で、高速自動車国道に約一兆円程度のお金をつぎ込もうというように考えております。また一般の道路、これは三兆五千五百億ございますが、このうちやはり国道のバイパスも必要であり、またもとの二級国道の一次改築にも相当事業費を向けておりますが、そのうち、特に地方道につきましては、約三兆五千五百億の半分、一兆七千八百億が地方道に入っております。これはもちろん、改良事業もこの中に入っております。 そこで、いまの計画の目標でございますが、なかなか県道といいましても、全体が十二万キロございまして、この五カ年計画の始まる四十二年の三月の現状で見ますと、県道の整備で見ますと、改良が三四%程度でございます。また舗装が、これも二一%が四十二年度の三月の現状でございます。これを四十七年、五カ年計画の終わりに、改良については大体県道で四〇数%、舗装で約五〇%程度まで伸ばしていきたい。ことに、これは地方の単独事業を入れましてそういうふうに伸びを考えております。最近、舗装につきましては、非常に地方の単独事業が多くなっております。この五カ年計画の終わりには、県道全体としまして約五〇%くらいの舗装を完成していきたい。そういたしますと、大体、平地の道路はほとんど舗装になるというような感じではないかというふうに考えております。 なお、市町村道につきましては、これは全延長八十四万キロという膨大な数字でございます。これはいろいろ仕分けいたしてみますと、やはり、市町村道の中には県道に匹敵するようなものと、やはり、住宅のまわりの個人が使用するような、足もと道路というようなものがございます。そういう県道に匹敵するようなものにつきましては、私は、何らかの機会にこういうものを県道に編入して整備を進めていく。同時に市町村につきましては、山村振興、そういうような特殊立法に基づくものの補助を重点的にやっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○藤原房雄君 第二点についてでありますが、道路法の第五条に基準があるわけでありますが、国道への昇格ということにつきまして、道路の整備が先行投資であるという性格から、地域の将来の見通し、こういうものを十分盛り込んで考えなければならないことでありますが、地方道の国道昇格の具体的な基準といいますか、その点お伺いしたいと思います。
○説明員(蓑輪健二郎君) 国道昇格につきましては、非常に各地から要望がございます。また、私たちもいまの国道が、これは昭和三十七年に最終的にきまりましたもので、延長が二万七千キロ程度ございますが、やはり、その後の交通量の増加その他を見ますと、国道というのはもう少し多くてもいいんじゃないか。これは諸外国のいろいろな国がやっております国道の例を見ましても、日本でもさらに交通量等の問題、自動車保有台数との関連からいいましても、もう少し多くてもいいんじゃないかといういろいろな示唆をしているような状況でございます。 これの昇格につきましては、どういう基準でやるかということになりますけれども、道路法の第五条に、一般国道の路線の指定の基準があります。それに該当しなければならないことは、もちろんでございます。ただこのほかに、やはり、全国をおおいますいまの国道の網の中で、網に精粗がございます。そういうような荒いところにさらに国道等の網をかぶせるというような検討をしておる次第でございます。いまのところ、そういう私たちが検討しております基準といたしましては、人口と面積、こういうものが、国道の延長の割合、こういうものの中でやはり、面積にウエートを置いた一つの国道の網の値というものを出しまして、そういうことによって、全体にどのくらいの国道を昇格をするか、それのワクの中でどのくらいの網値を取り上げるかというようなことで、いま検討しておる次第でございます。
○藤原房雄君 いまいろいろお話がございましたが、どんな道路でも、国道に昇格するということは非常に大事な問題でございますが、地方が昇格を要求しておるのはやはり、国の道路整備が国道中心に行なわれている、こういうことが一つの大きな——こういうことから要求が多くなるのじゃないかと思います。したがいまして、地方自治体の責任において整備する地方道にも、積極的な財政措置を講じなければ地方道の整備はなかなか進まない、これは当然だと思います。いたずらに昇格の陳情が多くなるような現況からいたしまして、地方道に対する助成策という、そういう点も考えなければならないと思うのでありますが、この点についてお伺いしたいと思います。
○説明員(蓑輪健二郎君) 地方道につきましては、これはやはり国が重点的に非常に工費のかかるようなところについて補助するということは必要かと思います。やはりいま先生のおっしゃいましたように、地方公共団体の道路に使う財源を強化するということもあわせて考えなければいかぬと思います。そういう意味で、現在では道路ガソリン税の地方への譲与税、石油ガスの譲与税、軽油引取税、これは全部地方でございます。さらに四十三年度からは自動車の取得税、これは一応県、市町村に入っております。また交通反則金、これは主として交通安全施設に使うわけでございます。こういうのを県、市に入れております。さらにそういうことで地方も独自の財源ご地方道を整備していくということを進めると同時に、やはり重点的な補助をやっていきたいというふうに考えております。
○藤原房雄君 具体的な問題になるわけでありますが、主要地方道の野辺地——むつ線、それからむつ−大間線、これは大間港より函館を結ぶフェリーの就航によりまして最近は著しく交通量が激しくなりまして、しかもコールドチェーンの発達によりまして大型冷凍車、十二トン車、十五トン車、これらが相当量通過するような今日になっております。たとえて言いますと、大畑町における一日の交通量は、四十年の六月には千十一台だと言われておりましたが、四十三年の六月には千八百九十九台、およそ二倍というようなことも、この前お話を伺ったのでございますが、この二つの道を経て国道四号線、そしてまた仙台−東京、このようにつながっているわけであります。むつ−大間間は改良四五%、舗装が三〇%、こういうような状況だと過日聞いてまいりましたが、早急に実施の促進と、国道との関連における統一的管理という、こういう点からこの二つの道を国道に昇格していただきたい。また私どももその必要があるのではないか、このように感じたわけでございますが、建設省の方針なり、またこれに対する考えをお伺いしたいと思います。
○説明員(蓑輪健二郎君) むつ−大間間につきましては、現在の状況を言いますと、むつ−野辺地間、これは四十二年度で全線約五十四キロでございますが、これは改良、舗装を終わっております。さらにその先のむつ−大間につきましては、現在、鋭意改良をやっております。いまの見込みでは四十五年度には概成をする予定でございます。この改良につきましては、青森県の地方道の中でいま最重点として取り上げて改良を実施しておる次第でございます。 いまの国道の昇格の問題、これは現在、下北半島には何も国道もございませんし、やはり大間から函館へ通ずるというのは、非常にいまの交通の重要なルートになっております。国道昇格の機会には、ぜひこういうものは優先的に国道に上げたいというように考えております。
○藤原房雄君 次は、河川の問題でございますが、先ほどもお話ございました青森県における御所川原市の旧十川、また小川原湖に注ぎ込む七戸川上流の赤川のはんらん、こういう状態も私どもつぶさに見てまいったのでありますが、旧十川は河川敷に雑木の繁茂する荒廃河川でありまして、その沿岸には土地改良事業が三カ所、その他発展する御所川原市の新興団地が広がりつつあります。また赤川の沿岸にも大規模な宅地開発や土地改良事業等が行なわれております。これらの排水路としての役割りも持っておるように伺ったのでありますが、これらの種々の土地開発の計画に対しまして、治水上の観点から旧十川、また赤川の河川改修が先行すべきではなかったか、このように思った次第であります。農業政策との事前調整があったかどうか、この点農林省の方にお伺いしたいと思います。
○説明員(梶木又三君) 旧十川付近で三カ所やっておるというお話でございますが、実施いたしておりますのは一カ所でございます。あとの二カ所は現在調査ないし設計中で、実施いたしておりますのは小田川という地区でございますが、これは揚水事業で、その付近の排水につきましては付帯県営で四十四年度に上がる予定になっております。目下県のほうでも四十四年度採択で申請を出しておりますが、採択の時点におきましては、治水部門とよく協議いたしまして間違いのないようにいたしたい、このように考えております。
○藤原房雄君 最後に都市問題でありますが、これも先ほど報告の中にもございましたが、八戸市内のことでございます。市内部は魚市場及び加工工場、臨海部には新産都市の発展で朝夕すごい車の混雑でございまして、公共施設の整備なくして企業の誘致計画のみが先行している、こういうアンバランスの典型的な姿が、いろんな都市機能の大きな停滞になっておるのではないか、このように思った次第であります。また最大のネックとしまして国鉄の八戸線が都市の中央部を通る、こういうことから立体交差、架橋の問題、こういうことについても陳情がございましたが、こういう問題につきまして、さらにまた四十五号のバイパス、こういう問題も地元ではたいへん強く陳情しておりまして、この点につきまして建設省の考えをお伺いしたいと、このように思うわけであります。
○説明員(竹内藤男君) 御指摘のように、八戸市の市内の道路交通の混雑ということが非常に問題になっておりまして、私どもといたしましても、街路事業につきまして特段の力を入れておるつもりでございます。特に報告書でも御指摘になりました国鉄八戸線の連続立体交差、これはすでに四十一年度から施工したいということで国鉄と協議いたしておりましたけれども、国鉄の財政事情等もありまして、なかなか国鉄と話し合いがつかないで着工が延びておりまして、今回、鉄道の高架化につきましては費用分担の方式が変わりまして、国鉄側の費用が実質上軽減されるという方向で費用の分担の方式が変わりますので、この問題につきましては、今後協議が円滑に進んでまいるかと考えております。なお八戸の高架につきましては、若干貨物ヤードその他の取り扱いについて問題がございますので、なおこれらの問題についての協議を急がせまして、できるだけ早く着工できるようにいたしたい、このように考えております。
○藤原房雄君 最後に大臣にお伺いしたいのでございますが、先般、経済企画庁から新国土総合開発計画の第一次試案ともいわれるものが発表されることになったのでありますが、特に東北地方の開発に対して、建設大臣としていまどういう点を重点に置いて開発を進めていこうと、どのようにお考えか、この点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(保利茂君) 新全国国土開発計画が経済企画庁を主体として検討を進められておることはよく承知をいたしております。この間も衆議院の委員会で企画庁長官からお答えがあっておりましたが、今度の全国計画は絵にかいたもちにならないように、しっかりひとつ実をつけていけるような背景のもとにつくり上げたいということで、まだ少し時間がかかるような様子でございます。基本的には東北地方は、これだけ日本の経済が伸びておりますから、したがって東北地方にふさわしい産業が誘致される、工場が誘致されるということも、もちろんこれは大事でございましょうし、そういう上からいきますと、やはりこの交通、通信の整備ということが何といってもやっぱりその基盤でございますから、先ほど来お話がございましたように、あるいは国道の問題、あるいは高速自動車道路の問題、地方道の整備の問題等、そういう基盤はすみやかにとにかく整備されるということは願望でございます。しかし大きい東北全体の国土利用ということから見ますというと、この一億の大国民の食糧給源地としては非常に重要な意義を持つものであるということを認識しております。特に、この北方海域の漁業資源を背景としておるということも考えて、農漁業の日本の大きな基地としての役割りは、一般工業の東北において持つ役割りより、はるかに大きいものがあるという認識を、私はそういう考えを持っております。
○委員長(岡三郎君) それでは次に春日君。
○春日正一君 この間視察に行って、大間から函館へ行く大きなトラックが通る、大きなトラックが通るので、あの道路が非常に狭くて危険な状態になっておったんですけれども、建設省としてあの輸送路ですね、大間から函館、そしてあそこを通るむつ−大間間の主要地方道ですね、あれについてどういうように評価しておるのか。またあの線の将来について発展性といいますか、そういうものについて、どういうように考えておられますか、この点お答えいただきたい。
○説明員(蓑輪健二郎君) 大間から函館へ行きますいまのフェリー、これも非常に時間的にも近くて、現在の青森から函館へ行きますより、かなり有利ではないかというふうに考えております。ただもう一つは、やはり鉄道が青函のトンネルをつくっております。これは津軽半島のほうから北海道へ渡るようになっております。ただこういうことができましても、なかなかいまの大間から函館へ行くのは、非常に地理的な条件もいいところでございますので、将来あれがすたれるということは、われわれないんじゃないかというふうに考えております。ただ、どのくらいの車があそこから北海道へ渡るか、これは大間の港湾の施設、その他にも関連があると思います。そういうことからやはり大間の港湾をどうするか、それに基づきまして、やはりいまの野辺地から大間までの路線の幅員についてはさらに再検討をしたい、こういうふうに考えております。
○春日正一君 私が聞きたいのはですね、あそこは戦後トラック輸送が始まってから新しく開発された北海道との連絡路ですね。そうすると、これを政府として、あるいは建設省として将来発展させる方向、あるいはトラック輸送ということになれば津軽半島から海底トンネルができて、そいつができてもそれは別なもので鉄道輸送と違うんだから、当然あそこを生かして伸ばしていくという考え方ですね、そうすれば、貨物輸送の面において大きな役割りを果たせるというように見ておるのか、まあ自然にできたものだからという程度に見ておるのか、そこらの辺ですね。
○説明員(蓑輪健二郎君) 行く行くは、やはり内地から北海道に車をどういうふうに運ぶか問題かと思います。これは津軽のほうの青函トンネルができますと、私たちの想像ではやはり鉄道に車を積んでトンネルを通って向こうへ行くというようなことになるかと思います。ただあそこだけでは地理的な関係もございまして、あそこができたからといって、いまの大間のフェリーがなくなるということもないと思いますので、そういう点はかなり大間から函館へ行く自動車の輸送ということは、今後いまよりもっとふえるという見込みで道路の計画をやっておる次第でございます。
○春日正一君 そうすると、いまでも私ども行って見て、六メートル五十ですか、あの幅では大型の相当大きなものが通っていますから、車が通るということで、特に住宅があるところなんかはすれ違いに非常に危険な状態になっておるということで、地元ではあれを拡幅したい、そのために国道に昇格してほしいということをいろいろ要望されているわけですけれども、これについて建設省としてはいまどういうふうに考えておられるのか、国道に昇格される考えがあるのかどうか。
○国務大臣(保利茂君) 下北半島、津軽半島を縦貫する道路、これは北海道との関連において下北だけの関係で見るべきじゃない、北海道との関連において津軽半島においても同様だと思うんです。津軽半島のほうではいま青函の連絡隧道がかなり調査が進んでいる段階でございますし、どうしても内地と北海道との交流が今後非常に大きく期待をされるわけでございますから、どちらかといいますと、津軽にしましても下北にしましても、幾らか置き去りにされておるという傾きがある。国道昇格の機会には、両半島の国道昇格の問題をぜひ実現さしていただきたい、こう考えております。 —————————————
○委員長(岡三郎君) 次に、有馬温泉の火災に関連して、可燃性建築資材等に関する件を議題といたします。 質疑のある方は、順次御発言を願います。
○田中一君 これはこの春の有楽町の火事、池袋並びに有馬と共通の問題としてお伺いしておきたいんですが、火災による有毒ガスの発生から多くの人命を失っておるというように新聞では報じておるんです。有毒ガスが発生するような、それも建築諸材料、たとえば塩化ビニールのタイルとか、あるいはプラスチックの家具類、壁材料あるいは天井材料とかいうものが猛烈なる有毒ガスを発生して、有馬温泉等では、なくなった二十数名というものが焼死体としては発見されておるけれども、解剖してみると、七〇%以上の有毒ガスを吸収して、焼け死ぬ前に死亡しておるという現状が報告されておる。これはむろん火災があれば、すぐに消せばいいではないか、早期発見、早期消火によって解決されるんじゃないかというようなことも消防当局は言われるかもしれぬけれども、少なくも今日の新しいそれらの化学建築材料というものは一般に市販され、市民の生活の中に全く溶け込んできているわけです。非常に便利なものである、そうして美観上も相当なものである。したがって現行の建築基準法では、これらの扱いに対しては一応特殊建築として規制はしようとはしているけれども、結局野放しである。 そこで先に通産省に伺いたいのは、それらのJIS関係等、建築材料に対するJISといいますかね、JISがどのような形で決定され、またそれらの販売等も、検査等を行なった末にどういうぐあいに頒布されておるか、その経緯をまず伺いたいと思います。
○説明員(分部武男君) ただいま御質問ございましたが、接着剤あるいは新建材につきまして、最近、火災の問題で有害ガスという問題が出ておりまして、この面につきましては、本年度昭和四十三年度から、工業技術院といたしましてこれの調査研究を三年計画で実施することになりました。火災時における建築材料の燃焼時における特性ということでいろいろな材料の燃焼時の試験方法であるとか、あるいは発生するガスの試験方法であるとか、そういうものを現在実は本年度から研究をスタートしております。内装材料につきましては、JISがすでに二十八品目規格を制定してございます。これは各方面の、消防、建設、学識経験者等も含めまして、この内装材料につきましては二十八品目の規格を定めておりまして、そこの中には、防燃性につきましては難燃性の等級分けをしております。不燃材料につきましてはもちろんその必要はないわけでございます。そういうようにきめてございまして、これの使用につきまして建築基準法のほうで必要な材料を必要なところに使っていただくという立場で私どもはきめてございます。なお、合板につきましては、これは建設省の関係で日本農林規格のほうで制定していただいてございます。なおJISマークにつきましては、すでに十九品目を指定してございまして、これには難燃性の材料あるいは不燃性の材料というものをすでに製造、販売を相当いたしておりますが、JISはやはり値段等の問題もございまして、完全にこれが普及しているという段階にはまだ至っておりませんが、私どもとしては、できるだけこういうものを使用するということをお願いしている次第でございます。なお、こういうJISマークで出している品目につきましては、厳正な審査それから検査というものを実施しておりまして、すでに許可になっている工場につきましては年一回調書をとりまして、必要あるときは各通産局が抜き打ちに立ち入り検査をして、適正なものを販売しているかどうかというものをチェックしている次第でございます。繰り返しますけれども、煙の問題については、はなはだ最近新しい問題のために、現在十分な規格制定と水準の決定というところまでは至っておりませんが、三年計画で研究を実施している全国各大学、各研究所の方々の協力を得て日本科学防火協会を中心としてやっていただいておりますので御了承願いたいと思います。
○田中一君 そうすると、難燃性建築材料にはJISの指定はしていないということですね。
○説明員(分部武男君) 難燃性のものにつきましては、相当JISの指定がございます。不燃材料についてもございます。
○田中一君 難燃性という性格は燃え上がらないということだと思うのです。したがって耐火性あるいは難燃性という、火の延焼しないという立場からだけいままで検討されておったわけなんです。そこで、したがってこれはいままで、この春からの大きな三つの火災、これによるところの有毒ガスによる中毒死ということが発見されてから、ようやく本年度予算で通産省は一千万の補助金でもって研究を始めているということになると、過去何百人か何千人か知らぬけれども、同じような現象で死亡しているという焼死者があったのではないかということになるわけなんです。そういう問題がいままで放置されて、少なくとも生命を失うような事態があった。火災、同じ火災でも建築材料によるところの中毒死による焼死というものが現実にあったということが想定されるかもわからないわけなんです。これは政府がそれをJISに指定して、これを規格品であり、かつまた建築材料として推奨しているものがこれは殺人材料であったということもいわれなければならぬと思うのです。というのは、いままで火災ごとに、ことしの統計一千人——相当な数です、焼死体で発見されたということは、それがはたして焼ける前に中毒死しているということは解剖しなければわからぬわけです。それが行なわれないでおったということになると……、消防庁も来ているはずですから、本年度焼死体として発見された死亡はどのくらいありますか。
○説明員(山本弘君) 本年度の点は年度途中でございますので、四十二年度一年間におきまして火災による焼死体というものは千百六名でございます。ことしの傾向といたしましては、年度途中でございますが、四十二年度の傾向を若干上回っております。
○田中一君 そのような多数の人たちが逃げおくれとかなんとかいって火で命を失ったということよりも、こういう野放しになっている有毒建築材料によって死亡したということの立証は、解剖しなければわからぬということは申し上げたとおり。したがってこれらの問題をいままで放置しているということがこれは問題なんです。これはただ単に通産省ばかりではございません。農林省のほうも合板が相当使われている。これに対する粘着剤もこれはむろん同じような性格のものでありますから、農林省のほうの、JASといったかな、JASのほうはどういう形でこれを検査し指定しているか、伺っておきたい。
○説明員(宮崎武幸君) 合板の難燃性の検査についてお答えします。 合板にはいま幾つかのJAS規格がございますが、そのうちの一つに難燃合板という規格を設けてございます。で、難燃合板の規格といたしましては、合板一般の一般的な規格でございます接着度とかあるいは表面、裏面の面の品質であるとかひずみ、そういったものの強さの規格のほかに特に難燃性の性能をきめております。その難燃性の性能はどういうものかと申しますと、私どもきめておりますのは、建設省さんが建築基準法で要求されております性能を満たしていることというのをそのままの規格としてやってございます。そういうことで、合板の中で難燃性合板が占めておりますウエートは非常に現在のところ低いわけでございますが、そのJASの普及率と申しますか、普及率は四十二年度で大体八五%ということになっております。
○田中一君 いまの通産と農林のほうに、両方に伺いますが、これらの検査はどういう形でやっておりますか。それぞれ答弁してください。
○説明員(分部武男君) JIS製品につきましての検査は、各通産局に技術課というものがございまして、そこが書類といたしましては年一回定期的に書類を出さしておりますが、実地検査のほうは年一回ということではなくて、必要なときに必要に応じてやるということで、現地に行きまして工場の立ち入り検査をするということで、規格どおりのものがつくられているかどうかをチェックして実施しております。もし不適当なものがあればこれは直ちに取り消すというような体制でやっております。なお、製品の試験そのものについては、もちろん工場自体でも立ち会いで試験もいたしますが、必要あるときは第三者機関にお願いして、通産省内部の試験所あるいはほかの試験機関にお願いをして試験をしていただくというたてまえでやっておるわけです。
○説明員(宮崎武幸君) JASにおきましては、JISとは若干異なるわけでございます。検査自体は財団法人の日本合板検査会というものが行なっておりまして、これは各メーカーさんが製品をつくりまして一定ロットに達すれば、そのロットからどれだけのサンプルを抜くかといういろいろ規定がございますが、そういった規定に基づきまして、一応対象は全部ということでそれを抜き取り検査をする、こういう方法でやっております。そのほか、あとの指導監督の面等につきましては、JISと大体同じ方針でございます。
○田中一君 そうすると、その格外品は市販させないのですか、さしているのですか、格外品は。
○説明員(分部武男君) これにつきましては、JISマークをつけて出すことはもちろんできませんが、JISマークをつけないで出すことについては、これを強制的に押えることはできませんので、そういうものはある程度市販されていると考えていいと思います。
○説明員(宮崎武幸君) JASについても同様でございまして、JASを受けないもの、あるいは受けても不合格になったものについては特段の規定はございませんので、自由に流通しているものと思われます。
○田中一君 そうすると、合板も、こうした塩化ビニール系統の材料等もすべて防火、耐火あるいは燃えにくい材料ということが中心となって規格がきめられておるということなんですね。
○説明員(分部武男君) 仰せのとおりでございます。中心は不燃材料とそれから難燃性の材料を中心に規格を制定しております。
○説明員(宮崎武幸君) 合板におきましては、難燃性という観点できめられておるわけでございます。
○田中一君 建設大臣に伺います。いま、農林省、通産省に質問したとおり、有毒——毒があるかないかという問題よりも、耐火ということが中心となってこれらの建築材料は販売されておるのです。ことにJAS、JISというような規格品として、優秀材料として指定されている材料が、それがこのような五〇%これを吸飲するとすぐ死亡するのだというような猛毒を持っている材料が、国家の名において優秀建築材料として推奨されて市販されている。ことにその格外品も、これも野放しになっている。おそらく難燃性、難燃度が低いということだろうと思うのですが、そうした商品も、これも社会に流されておるという現実から見て、建築基準法上のこれらに対する扱いというものはどういう形になってきめられておるか。ひとつ建築基準法上の問題は住宅局長から答弁してくれてけっこうですが、その態度をひとつ大臣から説明していただきたいと思います。
○国務大臣(保利茂君) 昨今の建築状況から見まして、また火災発生の状況からしまして、どうも焼死というよりも、窒息なり有毒致死という原因がかなり多くなってきているのじゃないかということは、御同様に心配になるわけでございます。過般も、衆議院でございますか、かなり御議論がございまして、建設省のほうとしましても、そういったような有毒性の材料を扱うについて、もう少しこまかい規制をしなければいかぬじゃないかということで検討いたしております。そういう考えで、とにかくそういう場合を考えないと、たいへん重宝な、しごくけっこうだと思うわけですが、一たび火事でも出ると、それが非常な結果を起こしてくるというようなことについては、これは関係御当局ともさらに御連絡をして、国民の方々に不安のないような措置をとっていかなければならぬというように考えております。
○委員長(岡三郎君) ちょっと私から聞きますが、どなたでもけっこうですが、不燃ということばの意味はどういうことになっておるのか、建築学上。
○説明員(大津留温君) 建築基準法におきましては、不燃材料、準不燃材料、難燃材料、それ以外の一般の材料、不燃、難然という観点から四段階に分かれておるのでございます。この不燃材料というものが、最も燃えがたいコンクリート製品あるいはれんが等のたぐいでございまして、これを試験の基準からいいますと、十五分程度の加熱試験に合格するものということになっております。準不燃材料はこれに次いで燃えにくいというわけでございますが、そういう準不燃材料は十分の加熱試験に合格したもの、難燃材料はそれに次いで燃えがたいというので、六分三十秒の加熱試験に合格したもの、こういうような基準を設けまして、それぞれ特に大ぜいの人が出入りします劇場だとかホテルその他のいわゆる特殊建築物につきましては、そういうものを不燃材料に限るとか難燃材料以上のものに限るというようなきめ方をしておるようなわけでございます。
○田中一君 難燃材料なるがゆえに、有毒ガスが発生するということも考えられませんか。
○説明員(大津留温君) 田中先生、先ほどから御指摘のとおり、現行制度におきましては、燃えにくいという点が非常に重視されまして、発煙ということについての考慮が確かに不足しておりました。御指摘のようなプラスチック系、塩ビ系の新建材が出だしましたのがここ十数年のことでございますので、煙による御指摘のような被害に対する対策を取り上げて研究いたしましたのがここ五、六年来のことでございまして、まだいろいろ研究が詰まっていない面がございます。いま御指摘の難燃材料というのは、燃えがたいという観点から選んだものではございますけれども、煙も相当出すのがございます。したがいまして、先ほど申しました特殊建築物の特に避難用の階段とか廊下につきましては、難燃材料の使用もこの際制限しようというようなことで、いま政令の改正を進めておるような段階でございます。
○田中一君 現行基準法では、そこまで親切にはできておらぬわけですね。たとえば塩化ビニールのタイルを木材の廊下に張りつけておいても、これは一向差しつかえないということになっているわけですね。あるいは合板のベニヤ板程度のものを壁材料に一枚ぽっとくぎで打ちつけても差しつかえない、こうなっているんですね、天井しかりですね。したがって、そういう現行の建築基準法上の欠点が、一面便利なよい材料だと言われているこれらの製品に対する野放しになっているのが現状でありますが、しかしこの塩化ビニールの壁なら壁でも、あるいはそれを不燃材料に密着させて取りつけて、そうして不燃材料、燃えない材料をおいた場合にはどういうぐあいな難燃度か、あるいはほかの火から直接延焼するという度合いはどのくらいになるのか、そういう試験というか、ことはやったことがないのですか。これは消防庁がわかっていれば消防庁に伺ってもいいです。
○説明員(大津留温君) 先生御指摘のいわゆるプリント合板でございますね、そういう合板にそういうものを張りつけたもの、そういうプリント合板につきましても、先ほど申しましたような加熱試験によりまして、難燃材料として合格すれば難燃材料として扱いますし、それに合格しないものは一般の材料になるわけでございます。
○田中一君 難燃材料というのは、全部こうした合成樹脂系統の材料ですか。難燃材料と称するものは、ほかに類似のものはありませんか。
○説明員(大津留温君) プラスチック系以外にも、石こうボード等難燃材料にはあるようでございます。
○田中一君 鉄は可燃物だそうでありますね、鉄は燃えるのだそうでありますが、先ほどの委員長からの、一体不燃とか難燃とかはどんなものだという質問に対して、何度の熱を加えればこれは燃えるのだということの説明がないけれども、それぞれ何度ぐらいの熱を何分間加えたら発火するとかいうことになるのですか。
○説明員(大津留温君) だんだん専門的な御質問で、私実は専門的な知識ございませんので……。
○田中一君 それじゃ前川君でもいい。
○説明員(前川喜寛君) 先ほど非常に数字的に局長が御説明いたしました不燃材料、準不燃材料、こういった材料の区分でございますが、ごく常識的に申し上げますと、不燃材料というのはガラスとかコンクリートとかいうように、それ自身はまず燃えない。これは燃えないというのはどういうことかということでございますが、普通の火事の温度でございます大体千百度ぐらいが標準になっております。そういう普通の火事の温度で燃えないというようなお話でございます。それから準不燃材料というふうな考え方は、これは厳密に言いますと、いろいろ先ほどの数字とかそういったのがございますが、木毛セメント板とか、こういったもので、木毛をセメントで固めたような材料がございます。こういったものは原則的には燃えないということになりますけれども、実際には普通の火事に当たっておりますとこれは木毛なんかどんどん炭化していって落ちてしまう、こういうふうな弱点を持っている。しかし、ぼんぼん炎を出して燃えるということはない。そういうのが準不燃材料になっております。したがいまして、先ほどの煙の問題につきましては、不燃材料、準不燃材料はまず大体心配ないというふうなことになっております。それから難燃材料というのは、ちょうど、可燃物で普通燃えるというふうなかっこうになりますが、これがいわば普通の火事では非常に燃えがたいというふうなことで、先ほど出ましたプラスチックとか合板のようなものでも、難燃処理をして、ある時間——火事の初期の時間ある程度燃えにくくなっているというふうなものでございます。大体そういうふうなところでございます。そのほかに、普通の可燃材としまして普通合板とかそういったものがずっとあがっている。こういうふうなかっこうになっております。
○田中一君 そこで、難燃という商品が、くすぶるわけだから煙が出る。それなら木材を、ベニヤ板ならベニヤ板とか一枚の杉板を加えてぱっと一ぺんに燃えたほうがまだ毒は出ない。完全燃焼すれば毒は出ないんです。不完全燃焼するから毒が出るんですね、そうなんでしょう、前川君。
○説明員(前川喜寛君) 理論的にはおっしゃるとおりでございます。ただ、普通われわれが基準法なり何なり考えておりますのは、現実の火事という状態で考えておりますので、その木材でも何でも完全燃焼というのはまず普通考えられないというふうなことでおります。ただそれもごく火事の初期の間で、この難燃材料とかそういったものの延燃とかいろんなことを、時間で何分間以内にこういうふうに燃え上がらないというふうな条件で考えておりますが、それは火災の初期のいわば避難時間をかせいだり、拡大するまでの間の消火活動を助けたりというふうなごく初期の段階を考えております。こういったところでは、まず普通完全燃焼ということは大体ないんじゃないかというふうに考えております。
○田中一君 そうなると、最近新しく建て売り住宅とかその他たくさんできておりますけれども、これらのものは、合板にしてもそのものずばりをくぎで打ちつけてあるわけです。昔のように木舞で壁をつくってその上に何か材料を張るならまだ燃えにくい点があるけれども、木材下地に対して全くずばりそのままくぎで打ちつけてあるんです。中は空洞だ。隣のうちから延焼したってすぐに燃えるんです。なるほどそれもぱっと燃え上がってくれれば気がつくからいいけれども、隣からじわじわと煙が先に出てくる。燃えるというのは、炎が出るのを燃えるというんですが、炎が出ないで煙だけどんどん隣から入ってくるので、それで窒息して死んでしまうという現象が多いわけなんです。これはいままでの検査の中からそういうような報告がされております。そうすると、逆に燃えてくれたほうが、すぐに気がつくということが言えるわけなんです。燃えないで煙がどんどんくるものだから気がつかない。それだけ寝入りばなだとかなんかだとおそく、そのまま致死量まで吸い込んでしまうわけなんです。そうすると、はたしてそれが建築の材料として適格か不適格かということになると、これはこれからいま一千万の予算で研究いたしましょうと、こう言っているのだけれども、それじゃ間に合わぬところがあるんじゃないかと思うのです。最近の建て売り住宅なんか大体そうです。しかし今日まで十数年それが野放しになってきたというこの現実から見て、それではもう済まないわけなんです。社会ではこれらのデコラにしても何にしても家具にも使っております。われわれの調度品にも使っておるのです。家庭というものに大きな役目を果たしているわけです。どうすればいいかということを当面考えなきゃならぬと思うのです。これを禁止するなんていう気はむろんないでしょう、よい面もあるのだからね。工期の短縮とかいろいろな意味でもって、いま言う難燃性といういい面もある。しかし火災の場合には、あなた方はさっきも口をきわめて言っているのは、大きな火事にならないようにするのだから云々ということを言っているのだ、建築基準法上の立場から。そうじゃない、小さな火事があるから死ぬのです。隣の家の煙だけが入ってくるから死ぬのです。ホテルにしても隣の部屋から入ってくる。階段なんかを煙突としてはい上がってくる。だから火も回らないところで人が死んでおるわけなんです。これをどうするかと考えるのが当然のことじゃありませんか。いま大臣は、これから十分研究させまして関係当局となんていうことでは間に合わないのです。いまわれわれの部屋にこれらの製品がない部屋は一つもないと思うのです。どこの家庭にも必ずこの製品はあるのです。あるいは家具であるとか、タイルであるとか、敷物であるとか、壁であるとか、われわれの生活するところにたくさんこの材料が配置されておるのですよ。この製品はあるのです。国民のわれわれの社会にこの商品というものが溶け込んでいるのです。それはタイルあるいは建築材料のみならず、これらをどうするかと考えるのが当面の政治の課題であります。したがって消防庁どうですか、その問題に対するところの対策をひとつ、二年、三年の長期の研究で何とかいたしますでは、私は承知できないのです。
○説明員(山本弘君) ただいま御指摘のように建築資材、特に内装資材として使われておる建材の中で準不燃あるいは難燃といわれておるものの中には煙、ガスを多量に発散する資材が多うございます。それはただいまも説明がございましたように、主として耐熱性という見地からこれが規格を定められておるためであろうかと考えるのでございまして、われわれ消防の立場といたしましては、耐熱性のみならず煙、ガスといった要素を加味して試験基準をつくっていただきまして、それによって決定をしていただきたい、かように存じておる次第でございます。幸いに建設省におかれましても、そういった見地で研究を進められておりまして、近く試験基準とともに建設大臣による指定告示が行なわれる段取りになるであろうということを聞いておるわけでありますが、そのときにおきましては、ぜひ消防庁にもよく意見を述べる機会を与えていただきたいと、かように存じておる次第でございます。
○田中一君 私は、ここまでわれわれ社会に入り込んできたところの合成樹脂、あるいは塩化ビニール製品でも、ここでもって製造禁止をするというようなことは不可能なのです。もはや今日、たとえば接着剤にしても、この接着剤の発明によってどのくらいわれわれの社会がうるおされたかわからないのです。これは認めるけれども、しかしこれに一緒にくるところの害毒というものは、これは政治がこれを始末せねばならないものなのです。かつてありましたよ。防火ドア、戸には何というか、延焼しないようにブリキを張れ。ブリキを張って、あなた二、三百度の熱がきたって幅射熱でもって下の木は燃えるのですよ。そんなことでもっておためごかしのことをした時代もありました。鉄板なんかあっても幅射熱でもって下は燃えてきますよ。最近はそんなことをせずにちゃんとモルタルか何かでがっちりやっておるからなかなか燃えない。したがってこれらの製品というものに対しては、これは農林省、通産省の問題じゃなくして、利用面でもって建築基準法というものでもってやるのは建設省なんです。このようなことをやればいいのだというような規定をおきめなさいと言っているのですよ。たとえば床がコンクリートの場合には炎は上にのぼっていきます。したがってコンクリートに接着しているところの塩化ビニールはなかなか燃えにくいことは事実ですね。上にいってしまうから。問題は壁と天井です。もう少し早くなってくると今度は家具類ですね。やはりこれが不燃の材料と一緒になって用いられておるならば、多少とも火の移るということが避けられるのじゃないかということを、私はしろうととして考えておるわけなのですよ。そう考えているわけなのです。たとえば軽量鉄骨の家もある。それに下地の桟を打ってそれにぽんぽんと打ちつければ空洞だからすぐ入ります。それからもう一つは、それらを使っておる部屋は、むろん風通しはよくしなければなりませんけれども、換気は必要だけれども、それがほかに伝わっていかないような、たとえばパイプ類の穴とかそうしたものに対するところの壁の厳重な規制をするとかなんとか簡単にできるじゃありませんか、とりあえず。それともこれらの商品を全部製造禁止をするというような勇気がありますか。それはないでしょう。その点はどうです。
○説明員(大津留温君) 先生御指摘の点、私どもといたしましてもたいへん差し迫った問題だと考えまして、建築研究所その他にいろいろ研究をお願いいたしまして馬力をかけて御研究を進めていただいておる現状でございます。大体結論も近々出るように伺っておりますので、一つはそういう材料を使います基準といたしまして、単に燃えないということだけでなく、発煙の基準によりまして、特に特殊建築物等の大ぜいの人が出入りする建築物につきましては、そういう点を材料の面で規制いたしたい。それから第二は、万一火災になりました場合にその煙が他の階、上部の階に広がらないように防火区画を、特に階段とかそういう吹き抜け等を防火区画で固めるということにいたしたい。また煙を排除する設備をそういう重要な建築物におきましては設けさせるような考えで建築基準法の政令、あるいは建築基準法自体の改正を行ないたいということで、鋭意研究を進めておるような状況でございます。
○田中一君 建築研究所の川越君は来ておりますか——ちょっといまの、建築研究所で現在これに対する対策を実験なり、実験しているという段階をひとつ経過を説明してほしい。
○説明員(川越邦雄君) 田中先生から御指摘ありましたように、実は過去そういう原因の焼死事故が起きましたけれども、実ははっきり原因その他がつかめなかった状況でございます。ちょうど五年ばかり前ですが、神奈川県庁の新設に伴い古いのを取り壊わしになる建物で煙の実験をやりまして、それを契機といたしまして煙というものにどう研究所として取り組めばいいかということがわかったのでございます。その後大阪の電話局それから東京海上、国鉄の新宿の取り壊わしの建物等を使いまして煙の様相を実験的に求めてまいりました。現状といたしましては、煙の定性的な状況、それは大体把握はできたように考えます。ただ、これを設計なり行政に乗せるためには、定性的ではだめでございまして、定量的にこういう状況の場合には、この部分がこのくらいの煙になるぞということを定量的につかまなければいかぬわけです。それの努力を現在やっておりまして、方法はだんだんと見つかってまいりました。何せ始めましてからまだ五、六年のことでございますので、すぐに設計に持ち込めるという段階にはまだ至っておりません。ただし、煙の問題は非常に日本では重要でございまして、短い期間でございますが、研究いたしまして現在では煙に関する限り、研究の進め方としては日本が一番先行しております。 もう一つ御報告いたしたいことは、いろいろな条件によりまして焼死事故が起きるので、一つ材料だけを規制すればこれで安全になるという問題ではありませんで、階段のあり方、廊下のあり方、建物全体として考えていかないと安全は期せられない。ことにビルがでかくなって高くなってまいりましたので、全体として構造力学による設計体系、構造計算体系そういったものを打ち立てませんと完ぺきにいかない。以上でございます。
○田中一君 五年やって一つの方向がわかったけれども、まだ実証の段階ではないというのは、建築物そのものに対する考え方からくるのだと思うのですけれども、塩化ビニール製品とかプラスチック製品というものがわれわれの家庭にあるという場合、大きな建築ばかりでなく、この場合にはこれに対してこういうことはできないですか。たとえば合板は必ず下地には耐火性のものに打ちつけをしてあわせて壁材として使わなければならないとか、天井の場合にもそうですし、また吹きつけが可燃性というか燃煙性のものはやめて、美しさというか、つやが出ていいだろうとけれども、これを中止とか何とか当面やらなければならないものがあると思うのです。先ほど言ったように、木の床には塩化ビニールのタイルを張っちゃいけないとか、下地はこういうものならよろしいとかいうような方法があろうかと思うのですよ。それらの点はひとつ十分に、研究所もあるのだから、そこで当面の問題としてきめないと、国民生活が不安になるのです。非常に不安心になるのです。やはり生活の不安というものを除去しなければならぬと思うのです。したがって、これは建設大臣、ひとつ勇断をもって、早期にこれらの問題を解決する。しかしまた、これらの粘着材あるいはこうした新建材に対するいいところもあるわけです。だから、火災が起きても、そうした煙の出ないような方法を考えることも一つ部分的にあると思う。時間の問題です。時差の問題が死亡者を生むことになるわけですから、同時に、むろんこれは火災の発生をどこまでもなくするということは第一に必要でありますし、かりに発生した場合にも、早期通報によって消防庁が大いに発動をして早期に消すということが、むろん並行した施策にならなければなりませんけれども、当面、当委員会としては、私は建築基準法を主宰している建設大臣は当面の問題だけは、とりあえず技術的にかくかくしろということを、大建築のみならずわれわれの家庭の小住宅に対しても、それらの点をしっかりした指導をしていただきたいということをお願いして、私質問をやめますが、大臣のひとつ御見解を伺いたい。
○国務大臣(保利茂君) 御意見のほどはよく承わらしていただきました。行なうべきことはちゅうちょなく行なってまいりたいと思いますし、また、技術革新の時代でございますし、つい両三年前は全国の農薬被害というものがあれほど喧伝されておりましたのが、やはり技術と申しますか、進歩で、人畜に被害を及ぼさないというような農薬がこれだけ普及しておるような状態でございます。したがって、そういう生産技術の面におきましても、一段のわれわれは進歩を期待いたしますが、いずれにいたしましても行政的に割り切ってやらなければならぬ面については割り切ってやりたいと考えます。 —————————————
○委員長(岡三郎君) 次に、下水道問題に関する件を議題といたします。 質疑のある方は、順次御発言願います。春日君。
○春日正一君 この前に続いて質問しますけれども、下水道事業における受益者負担金について、現在取っておる受益者負担金の法的な根拠ですね、どういう根拠に基づいて取っておるのか、まずそれから聞かしていただきたいと思います。
○説明員(竹内藤男君) 現在は、この前新しくつくっていただきました都市計画法ではございませんで、旧都市計画法に基づいて下水道の受益者負担金を取っておりますので、省令で負担金を取る根拠を定めている、建設省令で定めている……。
○春日正一君 省令をつくる根拠ですね。
○説明員(竹内藤男君) 都市計画法と、都市計画法施行令に基づいてつくっておりまして、施行令の九条でございます。金額につきましては十条でございます。
○春日正一君 計画法六条二項で「主務大臣必要ト認ムルトキハ政令ノ定ムル所二依リ都市計画事業二因リ著シク利益ヲ受クル者ヲシテ其ノ受クル利益ノ限度二於テ前項ノ費用ノ全部又ハ一部ヲ負担セシムルコトヲ得」これが根拠でしょう。
○説明員(竹内藤男君) はい。
○春日正一君 そうして、施行令の九条、十条で省令をつくるということになっているわけですね。そこで、この「著シク利益を受クル」というこの規定はどういうふうにされておるわけですか。どういう立場から……。
○説明員(竹内藤男君) 下水道の布設によりまして、その土地に住みます、あるいは、その土地を持っております方が、たとえば排水が良好になる、あるいは、し尿の処理が便利になるというふうなことによりまして、他の者に比べまして利益を受ける。その利益の程度が、一般的に施設ができました場合に受けますような利益と区別できる著しさというものを持っているというふうに考えておるわけでございます。
○春日正一君 その点はあとで問題にしますけれども、この受益者負担金というものの性格ですね、どういう性格を持ったものなのか。都市計画税とどう違うのか。
○説明員(竹内藤男君) 受益者負担金は、その下水道の場合で申しますと、下水道事業に要する費用を分担させるものでございまして、分担のさせ方として、その事業によって著しく利益を受ける者に分担させるというような考え方でございます。で、都市計画税は、都市計画区域内の一般的な都市計画施設なり、区画整理事業を行ないますための一般的な財源といたしまして、目的税として都市計画税を取る、こういうふうに解釈しているわけでございます。
○春日正一君 どうも、そこのところですね、この前の四十二年六月の下水道法のときの質問では、竹内局長の答弁では「下水道が布設されることによりまして、土地利用が増進する、あるいはその結果といたしまして地価が値上がりするということに着目して、著しい利益を受けるという観点から、特定のものに負担さぜる、こういう考え方をしているわけでございます。」と、こうなっておるわけですけれども、いまの局長の説明では、下水道のこの資金をとにかく一般的に分担させるというようなふうに聞こえるのですけれども、そこの点、どうなんですか。
○説明員(竹内藤男君) 下水道事業の受益者負担金につきましては、この前のときに御説明申し上げましたように、負担区というものをきめまして、そしてその負担区について幾らの受益者負担金を取るということをきめておりまして、したがいまして、その負担区につきましては早急に事業をやる、こういうようなたてまえになっておりまして、受益者が特定しているという考え方を持っているわけでございます。都市計画税の場合、一般的に都市計画区域につきまして固定資産税と同じような方法で取っている、こういうところに違いがあるわけでございます。
○春日正一君 そうすると、下水道をやるときにはもう必ず負担金は出させるんだと、こういう考えに前進しておいでになるわけですね。地価の値上がりとかどうとかというような、著しく法できめておる利益があるから特定して取るというわけではなくて、下水道をやる場合には負担区というものをきめてしまって、そこに住む人には利益のある人もある、損害のある人もあるけれども、一律に取ってしまう。とにかく、こういうように下水道事業費の一部負担というものが原則、著しい利益というのはつけ足りだと、こういうことになるわけですか。
○説明員(竹内藤男君) 負担区におります所有者なり権利者が下水道の布設によって著しい利益を受ける、こういう考え方でございまして、その場合は、その受益の程度というものはその負担区におきまして大体同様でございますので、そういう考え方をとっておるわけでございます。 なお、受益者負担金の考え方は、実は、下水道は市町村が個人のうちの庭先から処理場に至るまで、全部これを公共団体が事業をしなければならないと、こういうことに下水道法のたてまえはなっております。で、普通の道路でございますと、たとえば公共団体は幹線の道路だけをやっていく。それ以外に私道というようなものもございますし、また区画整理事業等におきましては、区画街路というものは減歩の形で事実上負担させる、幹線街路だけを公共負担でやっておる、こういうような形になっております。特に受益者負担金というものは、ある意味ではそういうような末端の管路と申しますか、そういうものに相当するものを受益者に負担させるというような考え方を他面では持っておりますけれども、負担区の中のものは著しい利益を受けると、こういう考え方でございます。
○春日正一君 その議論はあとにします。それで自治省のほう、来ていますか。
○委員長(岡三郎君) 来ております、こちらへ。
○春日正一君 お伺いしますけれども、地方税法七百三条では水利地益税というものをきめておりますね。そうしてその第一項では、特に利益を受けるものに対して水利地益税を課することができるというふうになっておって、第三項では、都市計画税を課する場合においては、都市計画事業の実施に充てるための水利地益税は課することができないというふうに規定してあるわけですけれども、この水利地益税というものの性格はどういうものなのか。そうして都市計画税との併課を禁じておるという趣旨はどういう趣旨なのか、この点をひとつ説明してほしい。
○説明員(山下稔君) まず水利地益税の性格でございますが、七百三条に規定してありますとおり、「水利に関する事業、都市計画法に基いて行う事業、林道に関する事業その他土地又は山林の利益となるべき事業の実施に要する費用に充てるため、」に特に利益を受ける土地、家屋に対して課する目的税でございまして、都市計画税との併課を禁止している理由は、おおむねこの都市計画税の成立の沿革から御説明いたしたいと思うのでありますが、都市計画税は御承知のとおり、戦前からございましたものが、昭和二十五年の地方税制の改正によりまして一たん廃止をされました。そうして当時からございました水利地益税に吸収されたわけでございますが、昭和三十一年の地方税法の改正によって都市計画税が目的税として復活されました。そこで水利地益税との競合を避けるという意味におきまして、この復活の機会に特に七百三条の三項の規定を置きまして、両税の併課を禁止するということにいたしたわけでございます。
○春日正一君 この地方税法七百三条を読んでみますと、「道府県又は市町村は、水利に関する事業、都市計画法に基いて行なう事業、林道に関する事業その他土地又は山林の利益となるべき事業の実施に要する費用に充てるため、当該事業に因り特に利益を受ける土地又は家屋に対し、その価格又は面積を課税標準として、水利地益税を課することができる。」ということになって、この中にははっきりと「都市計画法に基いて行なう事業、」というものが入っているわけですね。そうすると、ここでそういうものが規定されて、いま説明のように一時都市計画税というものがこれに吸収された、そうして新たに都市計画税がまた出てきたということになると、そうすると同じような性格の対象のものに二つかけるからいけないと、こう言っておるわけでしょう。そこで、建設省のほうにお聞きしますけれども、そうすると、この趣旨といま言っている受益者負担金の趣旨とどう違うのか。
○説明員(竹内藤男君) 水利地益税と都市計画税の関係は、ただいま自治省のほうで御答弁になったとおりだと思いますが、私どもといたしましては、受益者負担金の規定は、各種の施設につきまして、それぞれ道路には道路法の規定等ございますが、一般的に受益をするものにつきましては、都市計画税で考えていく、特定のものにつきましては、特に受益のあるものにつきましては受益者負担金で考えていく、こういうような考え方をとっております。
○春日正一君 この都市計画税の問題については、二十四国会で地方税法の改正が審議されたときに、三十一年四月六日ですね、衆議院の地方行政委員会で、当時の自治庁の次長鈴木政府委員はこういうふうに言っていますよ。「一般的な評価の値上りということだけでは、やはり都市施設を行いました結果として特に利益を受ける部分につきましては、必ずしもその受益の点を公平に吸収できないと思うのであります。そういうような点から、たとえば土地増価税というような考え方も一つあるわけであります。そういう考え方をとらないで、大体従来ありました固定資産税の限度程度のととろまでをめどにいたしまして、都市計画区域内の土地所有者、家屋所有者に対してこのような税の負担をしてもらう、こういうことにいたしたいと存じます。それによって都市施設によって得ます受益、増益の点とある程度見合って考えたわけでございます。」こう言っているんですね。はっきりと都市計画を施行していく場合における受益、増益に見合ったものとしてすでに都市計画税ができておるということになりますと、そうするとそれにさらに負担金をかけるということになれば、よほど特定のものでなければならない。ところが、一般的に下水道をつくる区域を一区、二区、三区というようにしてきめて、そこに一般的に受益者負担をかけるということになれば、これは財源を生み出すためのいわゆる税外負担ということになるんじゃないですか。
○説明員(竹内藤男君) その特に著しく利益を受けるものが下水道事業におきましては負担区ある権利者であるというふうに私ども考えております。都市計画税のような一般的受益に対応するものとは違うんだというふうな考え方で、受容者負担金を取っているわけでございます。
○春日正一君 そこで、自治省のほうにもう一度お伺いしておきますけれども、この水利地益税を徴収しておる場合ですね、その同じ目的に充てるために受容者負担金というものを取ることができるかどうか。
○説明員(山下稔君) もし受益者負担金を取っているときに水利地益税を課するようにするためには、事業の総額から国庫負担金なりあるいは受益者負担金を除いた残りの額を対象に起こすならば、必ずしも不可能ではないと思います。
○春日正一君 日本都市センターと全国市長会が出しておる「下水道と財政」という本の五九ページを見ますと「受益者負担金との関係については、まったく同一の課徴対象にたいし、同性格の賦課をするのであるから、一方を課すれば他方を課することはできないと考えられる。」こう言っている。これが道理じゃないですか。大体著しく利益を受ける者に対して水利地益税をかけるんだから、それをかけてしまったあとに、さらに著しく利益を受けるからまた取るというのはおかしなことじゃないですか。かけるときに著しく利益を受けるということがはっきり認定されて、その限度においてかけられているわけでしょう。そういう解釈をしていきますと、差があるからまた取るとか何とかということをしていけば、政府は法に基づかずに、税法に基づかずに国民に対して幾らでも税金をかけられるということになるんじゃないですか。
○説明員(山下稔君) 水利地益税とある意味では同じ性格を持っております都市計画税におきましても、ただいまお答えいたしましたような観点から、都市計画税を起こす場合の対象の事業費というものを、総事業費から特定財源を除いたものに限定をいたしまして課税をする仕組みになっております。で、都市計画税と水利地益税は、ある意味では似た点がございますので、水利地益税につきましても、総事業費の中から、国庫負担金なりあるいは受益者負担金のある場合には、その額を引いた残りの財源を対象にして税を起こすということであれば、必ずしも二重の負担ということにはならないのではないかと考えます。
○春日正一君 それでは、実際この水利地益税がかけられておって、そこで受益者負担金を徴収したという例はありますか。
○説明員(山下稔君) 現在、水利地益税をかけております市町村は九十八ございますが、この大部分は農業用の水利事業でありまして、ただいまお話のございます下水道事業関係に関するものは、ごく一部の都市だけでございます。九十八のうち都市計画事業関係に対して水利地益税を起こしておる市が三つございまして、そのうち一つだけが公共下水について水利地益税を起こしておるという実態でございます。したがってこの特定の一市だけについての実情は、私どもまだつかんでおりませんために、いま御質問のございました水利地益税と負担金の関係につきましては、この場ではお答えする材料を実は持ち合わせておりません。
○春日正一君 それでは都市計画法に基づいて徴収しておる受益者負担金というものには、下水道のほかどういうものがございますか。
○説明員(竹内藤男君) ただいま受益者負担金という形式で都市計画施設で取っているのは、下水道以外にはないと思います。実質上はいろいろな形がございまして、たとえば街路事業、県の街路事業あるいは市の街路事業等におきまして、舗装等について地元から分担金を取っておるという例が相当ございますけれども、受益者負担金という形では取っておりませんし、それからまた区画整理等におきまして、先ほど申し上げましたように区画街路、小公園というようなものは減歩の形で実質上は権利者の負担という形で整備をいたしております。受益者負担金省令という形で取っておりますのは、下水道だけでございます。
○春日正一君 もう一つ道路法、河川法、海岸法には、それぞれ受益者負担金の規定があるわけですね。道路法第六十一条、河川法七十条、海岸法三十三条というように下水道法には、同じころできた法律ですけれども、受益者負担についての規定がない。これはどういう事情ですか。
○説明員(竹内藤男君) 下水道は都市計画事業として行なうということを考えておりましたので、都市計画法にございますので、下水道法に規定しなかったのだろうと、こういうふうに考えます。
○春日正一君 この点について言えば、立法の当時、下水道事業には受益者負担金というのは予想していなかったのですね。昭和三十三年四月八日の衆議院建設委員会での町田政府委員——当時の計画局長ですね。この人の答弁によると「国の補助がまず全事業費の三分の一、それから都市計画税その他自己財源によるものを三分の一、あとの三分の一程度を使用料等によってまかなう。その使用料は起債の償還に充てていく」ということで、全部そういう形でまかなっていくつもりにしてあったので、それで受益者負担というようなことは考えられていなかったのじゃないか。この答弁で言えば、受益者負担という考えは全然ない。国の補助と都市計画税その他地方財源それから使用料と、これでまかなっていくということになって、これがたてまえじゃないですか。
○説明員(竹内藤男君) 現在でも地方の一般財源として組まれておりまして、その一般財源を調達するのに都市計画税があり、受益者負担金があり、その他の一般市税がある、そういう形になっておりますので、私当時のことはわかりませんけれども、一般財源という形で当然受益者負担金というものを考えていたんじゃないかと、そういうふうに考えるわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、下水道は都市計画事業でやるということで、一般法である都市計画法に規定がございますので、下水道法になかったんじゃないか。実は私その当時おりませんので推測でございますが、そういうふうに考えております。
○春日正一君 この答弁でははっきりそうなっておりますし、道路、河川、海岸というものに特別負担金ということが法の中に盛られておって、下水道あるいは上水道のようなものに盛られていないということには、それなりの根拠があると思います。単に一般的に都市計画事業の中でやるからとか、あるいは道路や海岸はそれよりはみ出したものだからということだけではないと思います。というのは、道路の使用というようなことになれば、これはとらえようがない、不特定多数の人が使うわけですから。ところが、下水道、上水道というような場合には、受益の測定が容易であって、そしてそれのもとでとらえる。たとえば使用料として何トン使ったら幾ら取る、何トン排水したら幾ら取るというふうになっておりますから、その受益がそこで一般的にはとらえられる。だから使用料という形で道路には使用料をかけない。有料道路は別ですよ。一般的には道路には使用料をかけない。ところが下水道や上水道の場合に使用料というものが特定されて捕捉できるから、だから使用料でまかなっていくというさっきの説明の立場で言えば、特に受益者負担というようなこと、このことは考えなくてもいいし、大体受益ということは、下水道そのものに限っての直接の受益と言えば、水をどれだけ流してもらうかということが受益でしょう。だからその受益はとらえられておるのだから、そのものに対してさらに受益者負担をかけるということになれば、実際上いままでのあれで言えば、たとえば都市がよくなってそういう都市施設によってよくなると、それの受益したものをどこでとらえるかと言えば、いまの税法では固定資産税で取られておるでしょう。固定資産税の再評価がされて、そして地価が上がったから固定資産税上げたという形でそれは取られておる。それ以外に特別道路その他の影響で地価が値上がりして非常にもうけるというようなものは、ここの委員会でもしばしば論議になったし、この前にも計画法の通るときの附帯決議の中にもあったと思いますけれども、いわゆる地価対策、そういうふうな形での税制を考えろということが言われておるんですね。下水道を引いたから地価が上がった、だからそれに負担金かけるというようなことはこれは筋の通らぬことですよ。結局、都市計画税も取った、使用料も取った、しかも今度の場合を見ますと、所沢なんかの場合を見ますと、下水道料金を倍に上げている。料金を倍に上げてさらに受益者負担を取るというようなことになると、結局政府あるいは自治体が当然行なうべきこの下水道施設の負担を一般住民に、まあほとんど無差別ですが、そこに住んでおる人——土地なり何なり借りている人にかけてくるわけですから、そういう形で負担させるということ、これは非常にたちの悪い税外負担で税金じゃない。税金なら国会で審議しなければならぬ。ところが税金でなく、省令でもって地方議会の承認もなしに大きな負担が一律にかけられていくというようなことになると、税金を固定していくというたてまえから見ても非常に不当なものだし、特に道理から言えば都市施設は当然やらなければならないことだし、そのために住民税も払っている、計画税も払っている、固定資産税も払っている。そこへ今度は下水道を引くから、施設が改良されるから負担金をかけるという論理がまかり通るなら、道路ができたから、上水道ができたから何ができたからといって、都市施設をやれば必ず便利になるのだから、便利になったということで幾らでも負担金がかけられるという無限定な賦課が出てくるという糸口になってしまう。だから当然どうしても国としてこれだけ必要だというならば、なぜ税をかけるということで国会に問うてみないのか、そこら辺ですね。
○説明員(竹内藤男君) 先ほど申し上げましたように、道路、河川の場合と若干下水道の場合は性格が違う面がございまして、道路でございますと、公共団体なり国なりが取り上げます道路というのは、いわば車その他が走ります道路でございまして、そういう国、公共団体の管理する道路以外に、実際問題といたしますと家を建てる場合には私道の設定をして家を建てていくというような形で、御本人が負担をしながらやるというのがあるわけでございますが、下水道の場合は庭先から全部公共団体が施設をしなければならぬというような形になっておりまして、いわば私どもは、法律とは若干離れますが、実質的にはそういうような下水道の末端の枝管のところにつきまして受益者に負担をしていただくという形をとっているわけでございます。しかも、先ほど使用料との関係が出ましたけれども、使用料は実際の算定におきまして、使用料算定につきましても下水道研究会の資料がございますが、受益者負担金は差し引いて取っておりますし、実際問題といたしますと、使用料は実際の維持管理費をまかなう程度にははるかに足りないというのが実況でございまして、私どもといたしましては、使用料はせめて維持管理費をまかなうだけは取っていただきたいというような考え方を持っているわけでございまして、いわば建設費の償却に当たる受益者負担金とは矛盾しないように考えているわけでございます。大きな道路あるいは大きな河川につきまして、それが受益する範囲がどこまでかということがなかなかわかりませんために、現在におきましてはそういうものについては取っておりませんが、下水道の場合にはそういうような性格からいたしまして、末端の管につきまして受益者の負担を取るということは、ほかの事業とのバランスは失しないのじゃないかというふうに考えているわけでございます。
○春日正一君 もう一つ聞いておいてあれしますけれども、この受益者負担金については、工事費の三分の一ないし五分の一の帳で取れという指導をしておられるのですね。私最初に聞いた根拠によれば、法律では、著しい利益を受ける者に対してその利益の限度においてと、こういうことになっている。その利益の限度において、著しい利益ということはだいぶ議論があると思うのですけれども、そういうことで初めから五分の一、三分の一というふうに総建設費のこれだけがその区域の人たちの受ける著しい利益というように特定する根拠は何もないでしょう。結局、建設費のうちこれだけはもってもらうのだということを、初めから利益のあるなしにかかわらずきめてかかるということでなければ、五分の一、三分の一というような基準は出てこないでしょう、そこらのところどうなんですか。
○説明員(竹内藤男君) 負担区の中におります権利者は、私どもは著しい利益を受けるというように考えております。それから三分の一、五分の一の割合につきましては、これは先生御承知の下水道研究会、これは二次にわたって研究していただいたわけでございますが、そのときの考え方で、受益者負担金として取る費用はおおむね三分の一ぐらいを取るのが受益者負担金として妥当であるというような研究会の結論等もございますので、一応大まかな目安がございませんと私ども地方を指導できませんので、三分の一ないしは五分の一ぐらいのものを取るようにしたらどうか、ということを指導しているわけでございます。
○春日正一君 結局予算が足りないから住民に新たに負担させるということに帰着するでしょう。そうしてここの所沢の数字を見ますと、こういうことになっているのですね。ことし三月までの事業費が六億九千八百十九万何がし、そうしてその財源として国庫補助が一億七千四百万で、この国庫補助が二五・二%ですね。十分の四ということにはなっていないのですよ。二五・二%です。ところが、市が負担金制度をとって進めようとしている事業費は十六億八千八百万余りで、その財源の内訳が、国庫補助三億七千九百万ということで、この負担金を取るという計画の中では国庫の補助率が二二・五%に下がってしまっておる、つまり国庫補助率を薄めていくというか、国が当然出すべきものの足らぬところを受益者負担で取るということは、これは明らかじゃないですか、この数字で見て。著しい利益という場合には特段に著しい利益がなきゃならぬ。一般的に都市の事業をやって道をつくったにしろ、水道をつくったにしろ、便利になるのは間違いない。その便利になっているのが著しい利益なんだから、受益者負担ということになれば、都市計画をやるたびに新しい負担金を取られなきゃならぬ。しかもこれは税として取られるんじゃない、負担金という名前で税と同じように強制的に取られるというなら、これは税法行為じゃないですか、政府としては。
○説明員(竹内藤男君) 先ほどちょっと申し上げなかったんですが、新しい都市計画法では、これは条例できめることになっております。市の条例でこれはきめる。それから所沢市の場合、国庫補助率、所沢市の計画に対しまして国庫補助額の割合が減っておりますのは、私この内容を実はつまびらかにしておりませんけれども、所沢市としてやりたい事業に対しまして、国庫補助対象事業をとりましてもその需要に対しまして国庫補助金が少ないということでございまして、受益者負担金をその穴埋めに使うという考え方は持っておりませんで、私どもは一般的な考え方としては国庫補助対象事業が大体七五%で二五%が単独事業、それぞれにつきまして地方の負担がございますので、その地方の負担につきまして受益者負担金なり都市計画税なり、あるいは起債なりあるいは他の一般財源なりでこれをまかなっていただきたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。国庫補助金と、それから地方の負担額というものが対比になるわけでございまして、その中の財源の一つとして受益者負担金を取ると、こういう考え方でございます。
○春日正一君 結局それは弁解にはならぬですね。つまり国庫補助というものは大体十分の四というふうにこの前引き上げられたわけです。それを七五%、あるいは大都市では四〇%というようにワクをはめて二五%、まあ国庫の財源の関係ということで切ってしまって、それで地方の事業費の負担というものは地方の分はそれだけ重くなっていく、そこへ今度は受益者負担金というような形をとるものだから、私の言っている結論は二五%が二二%に受益者負担を取ることによって国の負担の割合が少なくなったと、全事業の中で。そういうことを言っているんです。そういうことになるんです、数字として、どうしても。だから私は国が当然やるべきことを住民に負担させているという結果になるんじゃないか、ということを言っているんです。そこで実際問題として、この受益者負担というものが著しい利益というふうに言うんですけれども、著しい利益というのは一体何なのか。一般的に便利になるとか何とかあなた方言いますけれども、それによって利益をどれだけ受けたかということが正確に測定できるのか、その点ですね。
○説明員(竹内藤男君) 土地利用の増進、それからそれが反映いたしまして利用価値が上がりますから地価の増進というようなことが当然見込まれるわけでございます。具体的にはそういう問題につきまして、予測でございますので、結果的にどうなるかというようなことは必ずしも合わない面があろうかと思いますけれども、そういう点を考えて、受益者負担金の割合というものは各市町村からこれは申請があがってくるわけでございます。当然そういうことを考えて受益者負担金の割合をきめていくと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○委員長(岡三郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(岡三郎君) 速記再開。
○春日正一君 いま言ったように法律には著しい利益を受けるといって、特別の場合についてはできるということに法律はきめておるんです。そこでその場合には大臣に権限を与えて省令つくれというふうにきめておるわけです。ところが国のやる事業すべてが利益になるものは何でもということになれば、これは特に法律で著しい利益ときめたことの意味がなくなってしまう。著しい利益という場合には、特定の事業体なり、土地の所有者なりがそのことで世間に比べて非常に利益を受けるから、だからその利益分の三分の一なり二分の一なりは出しなさいということを意味すると思うんですよ。下水ができて水の流れがよくなったら市民全体が著しい利益を受けたというようなことになりまして、これは国のやる仕事というものは、住宅の場合だってそうだ、住宅建って利益を受けたというような形で受益者負担というようなことになる、公園ができたって何ができたってみんなかぶってくる論理になってしまう。だからこれは明らかに法の拡大解釈ですよ。この著しい利益という点を、一般的利益に拡大解釈して受益者負担というものをかけているのじゃないか。 そこで私ついでに言いますけれども、著しい利益というものには私らもかけていいと思う。しかし一般的に下水が通ったからというのは、あたりまえのことなんだから、政府として都市つくっていく場合にはやらなきゃならぬし、この地域は先にできるから利益だというけれども、都市計画区域に入っているから将来そこは一〇〇%下水道なり何なり整備するという計画でやられて、その事業がおくれている人たちも都市計画税払っているわけですから、ちゃんとそうなっているから、著しい利益ということで進んでいけば、将来下水道事業は全部受益者負担金を取られるという形にななってしまう。そこで私不公平を言えば負担の額の問題、これは川越市の例ですけれども、ここではことし三月二十二日に省令ができて、それで課された者、最初にきた者は七千六百二十五人中土地所有者でない者が三千百二十五人と四割以上、その八割は賃借り人、こういう人たちは、土地の値上がり分だというようなことで税金が、受益者負担がかかってくる。この人たちはむしろ土地が上がったといって地代が上がりゃせぬか、家賃が上がりゃせぬかという問題が出てくる。ところがそういうところへ土地が上がったからというようなことでこういう形で出てくるというのは不当だ。だからこれに対しては異議申し立てあるいは減免申請、徴収延期申請というようなものが非常にたくさん出ている。当然こういうことになるんですね。これは全国的な問題です。そうして、ある人の場合を言いますと、名前は言いませんけれども、こう言っていますよ。「現在、市制施行の地域に於て下水道を完備することは、憲法第二十五条に云う「健康で文化的な最低生活を営む権利」に当然含まれるものであって、「著しい利益」を受けることにはならない。」だから負担金を課するということは不当だ。もう一つは「市道二号線の仙波町一丁目地内は、下水道工事が不完全なため自動車の通行により激震を生じ、家屋全体の損害がはなはだしく、莫大な修理費を強いられている。「受益者」どころではなく、「被害者」であり、詳細に計算したならば、被害額は「受益者負担金」の額をはるかに上まわる」であろう。それから「既設の下水道は、最初に敷設されたものから最近に至るまで三十年以上の年月の開きがある。敷設の当時、何等負担金の決定のなかった事業について既往にさかのぼって負担金を課すことはできない」だろう、こういうふうに言っているんですね。だからこれは理屈のあることですよ。昭和三十五年に始めた水道事業の計画の予算全部ひっくるめて、いまさら受益者負担金だから出せといって、昭和四十三年に取りにくるというようなことは、これは明らかにひどいものですよ。これは税法上のあれからいっても、本来ならば時効になるべきものを取り立てるような、かりに取る法があったにしても。しかも法がないのです。受益者負担ということで三十五年からの計画事業の予算そのものをまとめて、あらためて受益者負担金として三分の一を割りつけてくるというようなことは非常に不当なことだ、ほんとうに受益者というのならばこういう者がやったらどうかと思うのですよ。たとえばこの間も質問した荒川流域の埼玉県南部の場合ですね。この場合には、中央第一工業用水道というのは一日二十五万トンの水を流している。日本ビール、東芝、日産ディーゼル、明治乳業等の大工場に工業用水を給水している。この量は浦和、与野、大賞二布、約三十万人に給水をしている県南水道の一日使用量の二・五倍である。だからこういうふうにその辺の住民全体が使うよりも特定の幾つかの工場が何倍もの水を使う。そういうために水道ができるのだから、お宅のためだから特別負担してくれというような意味で、著しい利益を受けるから負担しろというのならば正当なものだと思う、道理があると思うのですよ、法の六条にいうように。 それから水道の汚水防止の目的の一つも、やはり大工場が排水する。これなんかでも、日本加工製紙ですか、一日に一万一千トンですね。明治乳業が四千五百トン、三菱金属三千四百トンというような形でたくさんの汚水を出している。これを浄化して荒川の水をきれいにすることによって、その水がまたさらに工業用水に使われるというような関係を持っているのですね。そういう場合に、特別利益になるのだから幾らか余分に負担してくれということなら話はわかるけれども、一般にだれでも市民が住んでいるところで下水ができるのは都市としてあたりまえである。そのために計画税も払っている、固定資産税も払っている、住民税も払っている、国税も払っているというのに、さらに受益者負担というような形で取るということは、これは当然国のやるべきものを、しかもこれは税という名前によらずにやっていく、これだけの工事費の三分の一負担せいというようなばく大な負担をかけるとしたら、おそらく国会で審議されて法律にするとしたら、相当いろいろな反対も出て、すらすら通るものじゃないと思うのです。それを大臣の政令ということでこういうものを全国的にやる、しかも建設省では、通達として、都市計画税も徹底的に取れ、取らなければいかぬということ、受益者負担も取れと言う。これはさっきも言ったように、併課してはならぬという性質のものに当たると思うのですよ。水利地益税と同じ性質のものをそれを両方取られているというようなことは、いままでの法制定上の経過から見ても不当なことだし、これは私はやめるべきものだと思う。大臣にも考えていただきたいのですけれども、こういう形で受益者負担というようなものを無制限に広げていけば、結局日本の税体系というものはむちゃくちゃになってしまうでしょう。法律によらずに政令でも取れる。そういう点について、政府として当然必要なものを取るべきものなら、税法なら税法というものの中できちっとやっていく、整理していくというようにしてやるべきだし、地価の値上がりというような問題について言えば、すでにもう土地の増価税とかその他のものがいろいろ検討されているというような状態のときに、一方では受益者負担金と、しかも土地の値上がりというようなことを主要な理由として受益者負担金をかけるということになれば、税金の二重取り、三重取りにもなってしまう。これらの点について大臣はどうお考えなのか。こういうものをきちっと整備して国民の納得のいくようなものにされるかどうか、その点をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(竹内藤男君) ただいまお話ございましたが、これは都市の中の全市民にかけるというものじゃございません。あくまでもその下水道の布設されるところの市民から受益者負担金を取るわけでございます。といいますのは、先生お話しのように、下水道事業というものは都市地域全般にわれわれとしては急速に普及いたしたいのでございますけれども、なかなかそこに追いついていきません状況もございまして、したがいまして負担区分をきめます場合には、実際にそこに三年なり五年なり後に下水道が布設される地区についての市民から負担金を取っていくわけでございます。それからもう一つは、都市計画税でございますが、これも実態を申し上げますと、現在都市計画事業でやっております事業の四十年度では一〇%に満たない金額を都市計画税として取っておるわけでございます。事業費を一〇〇といたしますと都市計画税はたしか九くらいだと思いますが、一〇%に満たない費用しか取ってないわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては地方負担の問題も考えなければいけませんので、やはりそういうような形で都市計画税もぜひ取っていただきたい、受益者負担金も特定の地区に住んでいらっしゃる方につきましては取っていただきたい、こういうように御指導申し上げておるわけでございます。
○説明員(山下稔君) 先ほど春日先生の御質問に対する私の答弁の一部について訂正させていただきたいと思います。それは都市計画法に基づく分担金を取っている場合に水利地益税が課税できるかという御質問に対してでございますが、都市計画税につきましては、都市計画法の分担金を取っておりましても、私がお答えいたしましたような考え方で課税することはできますけれども、水利地益税につきましてはその点非常に疑問がございますので、むしろ非常に困難ではないかと考えられますので訂正させていただきたいと思います。都市計画税と水利地益税の場合とでは考え方が違うようでございます。訂正させていただきたいと思います。
○春日正一君 もう一問。いま局長は、市民全体にかけるのじゃないというふうに言われたようで、私の言っておるのも、下水道をやっている施行区域ですね、区域を分けて、やっていく順序に従って、しかも値段も違えていろいろ変えてやって、やっていく区域全体の中で無差別にかけてくるということを言っておるので、私も市民全体にかけておるというふうに言ってない。問題は、その区域の中でやられる、そこに無差別にかけてくるということでは、著しい利益というこの規定からはずれるじゃないかということを言っておるわけですね。それが一つと、いま局長も苦衷を漏らされたように、下水道にしろ、都市計画にしろおくれておると、早くやらなければならぬけれども資金が足らぬと、急いでやる、料金は出してもらわなければならぬから、だから都市計画税も取ってほしいし、受益者負担もやってほしいという気持ちは、事業をやるあなた方のほうとしてはもっともな気持ちかと思うけれども、しかし国民の側からすれば、これは当然政府のやるべきことだし、そのために税金も払っておるのだということになって、法律としても都市計画税とかあるいは水利地益税ですとか、固定資産税とか、いろいろな税法があって、それに見合うものを払っておるはずだと思い込んでおるのに、またぞろかかってくる。しかもいまの場合なんか三分の一ですね、三十五年以来の事業に対して三分の一の負担を新たに市民にかけてくると、これは非常に苛酷なことになるし、明らかに不当な税外負担だと、これは税外負担という性格を持つわけですよ、税じゃないのだから。そうすると、そういうものをどんどん強制していくと、しかもそれをやらないところへは補助金を出さぬという指導をされるとすれば、国がやはり率先して不当な税外負担を取り立てるということを促進しているということになるのじゃないか。この点を私どうしても改めてほしいと、どうしても必要なら必要で、私どもきょうは時間がないから言いませんけれども、財源の問題だって出しますよ。十分国会で審議して、筋の通った形で財源の問題も解決していくというようにしなければ、これは非常に民主政治の筋からいってはずれたことになるのじゃないか。このことを特に私あなた方に強く指摘して私の質問を終わります。
○委員長(岡三郎君) 本日は、これにて散会いたします。 午後一時二十一分散会