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59回国会参議院1968/11/01

決算委員会 閉会後第6号

発言数
174
登壇者
21
会派数
3
開催日
1968/11/01

会議録

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員の異動について報告いたします。  本日、峯山昭範君が辞任され、その補欠として二宮文造君が選任せられました。     —————————————

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を議題といたします。  御質疑のある方は、順次御発言を願います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私は、国有財産の遊休施設の利用についての質問でありますが、昨日の米軍が使用しているものに続いて、本日は自衛隊所管の遊休施設の利用について質問いたします。  終戦後、旧陸海空軍の土地、建物などが国有財産として所管されておるのでありますが、その大部分がいま自衛隊の所管になっておる。その自衛隊の所管の問題も、その一部は地方公共団体などに移管され、あるいは譲渡されて今日にまいりました。ところが、現在なお相当のものが自衛隊の所管にあって、遊休施設として国民の批判を受けておるものもあります。たとえば北九州市小倉区曽根の分とん地では、これは旧陸軍毒ガス製造工場のあとでありますが、自衛隊の訓練施設として使われておったけれども、現在は番兵二人が留守番をしているだけで何らこれを利用していない。近隣地域には、先年来北九州工業団地が建設されて、これから中小企業の基地として開発されようとしておるのでありまして、立ちぐされに近いこの旧工場あとに対して、地元民としては何とかならないかという期待を持っておるのでありますが、このような問題は北九州だけではありません。全国各地に見受けるのでありますから、本日はこの問題について質問するわけであります。  質問の第一は、今日まで防衛庁がとってきた自衛隊の土地、建物の処分、譲渡の措置について、その経過を御説明願いたいと思います。

江藤淳雄防衛庁参事官

○説明員(江藤淳雄君) お答えしますが、ただいま先生の御指摘がございましたけれども、一般的に申しまして、自衛隊の施設区域というものは、旧陸海軍に比べまして非常に狭い面積でこれを大いに活用することを余儀なくされておるというのが実情でございます。しかしながら、たまたま部隊の配備計画の変更とか、あるいは地域的な事情等がございまして、若干未利用の地区が現在あることは事実でございます。しかしながら、とにかく、昭和二十五年以来予備隊ができまして、その当時の部隊が各地にできてまいったわけでございますが、その間におきまして、あるいは旧軍の施設で残っておるものを使い、あるいは米軍の施設の譲渡を受けまして引き続き使っておるというのが実情でございまして、先ほど申し上げましたように、旧陸海軍に比べまして非常に面積が狭いところでがまんしておる。国土が狭いものですからそれを認識しながらできるだけ狭い面積を最大限に活用して使っておるというのが実情でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私の質問は、その言いわけではなくて、現在までいろいろ処理をされた、国有財産の譲渡及び移転などのなされたその経過を聞いておるわけです。

江藤淳雄防衛庁参事官

○説明員(江藤淳雄君) お答えいたしますが、先ほど申し上げましたように、旧軍の施設とか、あるいは米軍が使っておった施設を自衛隊がその後引き続き使っておるのが大部分でございますが、しかしながら、その後その地区地区におきまして都市開発計画が行なわれ、あるいは産業開発等が実施されまして、それに伴って自衛隊の施設を地元のほうでどうしても活用さしてほしいというような話が出ました場合には、できるだけ地元の産業計画なりあるいは都市計画に十分協力する考え方で実際に地元と話し合いをいたしております。具体的に申しますと、これまで自衛隊が持っておりました施設等におきましても、地元の都市計画とかあるいは産業計画等に協力申し上げまして、地元に譲与したり払い下げしたりあるいは交換分合しましたものがすでに六十四カ所ございます。それからまた現在十分協力するという前提のもとに地元の市町村あるいは県と話し合いいたしておりますのが十七地区ございます。さらにまた地元の要望もございまして、われわれの持っております施設区域を地元で活用するということを検討いたしておりますのが約三十五程度ございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 現在十分使用されておらないと目される防衛庁の使用施設について御説明願います。

江藤淳雄防衛庁参事官

○説明員(江藤淳雄君) 先ほども申し上げましたように、たまたま部隊配置が変更するとか、あるいは地理的な事情によりまして、必ずしも利用効率の高くないものがあるのは事実でございます。若干申し上げますと、陸上自衛隊としましては、先生御指摘になりました北九州市にあります曽根の部隊と長崎県にあります針尾演習場でございます。曽根の部隊は、先生御承知のように、昭和四十一年に産炭地振興の方針に協力するという意味におきまして、北九州市にありますこの曽根の部隊、具体的には施設部隊でございますが、この施設部隊を飯塚に移駐しまして、その結果この二年余りその施設が遊休の状態になっております。現在は小倉の部隊が小演習場にときどき使っておるという程度でございまして、実際にはほとんど利用されておりません。その意味におきまして、この施設を地元に払い下げる、あるいはその前に大蔵省に普通財産として所管がえするという手続をとるべきものでございますが、たまたま現在第四師団が使っております福岡の駐とん地は、その約半分、曽根の部隊とほぼ面積が同じでありますが、十七万一千平方メートル程度県有財産を借りております。その関係でこの曽根の国有地十七万五千平米ございますが、ほぼ面積が見合いますので、これを県有地と国有地を交換したらどうだろうかということも考えておりまして、これが、自衛隊としまして用途廃止したあとにおきましてどういうふうに処理するかということにつきまして、大蔵省と地元の福岡県と財産整理の関係も含めて現在協議いたしておるというのが実情でございます。  それから針尾の演習場におきましては、長崎県におきまして工業団地の地区に指定したいということでございますので、これを地元のほうに払い下げる、譲与するということも考えておりますが、この演習場は従来引き揚げ者の援護施設でございましたし、その後自衛隊が主として弾薬の野積み場として使っておった施設でございますが、最近弾薬の保有量が減少しました結果、このような野積みの必要がなくなったということで、この演習場が事実上非常に利用頻度が少なくなっておるというのが実情でございまして、これも大蔵省並びに長崎県と地元の工業開発計画に協力するために現在協議いたしておるというものでございます。  そのほか、海上自衛隊におきましては、青森県むつ市にございます樺山飛行場並びに大湊一万トンのドック施設というものが比較的利用効率が低いということになっております。これは地理的な事情によるものでございまして、大湊地区におきましては旧軍施設が相当たくさんございます。しかるに、地元のほうの産業開発計画というものが必ずしもこれらの広大な国有地を必要とするまでに至っておりません事情もございまして、一時的に自衛隊がこれを管理しておるという性格のものでございます。特に大湊の一万トンのドックは地元の産業の実情から見ましてこれを利用することもない、しかしながら、自衛隊も一万トンドックのようなものを活用して造修工事をやるような大きな船は持っていないというような事情もございまして、とりあえず、現在は地元の方々の災害時の非難港、停泊地程度に使っておりますが、しかし、これをこわすのももったいない、将来何らか自衛隊なり、あるいは地元の産業の開発のために利用されることもあるのじゃなかろうかということもございまして、一応自衛隊がこれをこわれない程度に整備しておるという実情にございます。ほとんどその利用はされておりません。樺山飛行場も実際にはほとんど利用されておりませんが、一方大湊の自衛隊の中にも千二百メートルの滑走路を持つ飛行場もございますので、非常に近いところにこの飛行場がございまして、地元の方も別に利用される計画もございませんので、自衛隊が一応これを管理しているという実情にございます。しかしながら、樺山飛行場につきましては、できれば将来海上自衛隊の通信施設を建設したいという計画もございますので、まだこの問題につきましては、今後利用計画について検討する意味において一応持っておるというような施設でございます。  航空自衛隊におきましては、北海道でございますが、根釧原野の中に旧軍の計根別飛行場というのがございます。これも非常に利用頻度は少ないのでございますが、現在また将来にわたって緊急着陸場としてこれを使っていきたい、千六百メートルの滑走路を持つ飛行場でございます。その意味におきまして利用効率があるということでございます。  それからもう一件は、北海道の八雲飛行場、これも千八百二十九メートルの滑走路を持つりっぱな飛行場でございますが、現在緊急着陸場に使われている程度でございます。しかしながら、これも広い北海道として考えます場合には、やはりある程度の緊急着陸場というものの予備があるということは望ましいことでございますので、その意味におきましては、これを今後とも、利用頻度は少ないけれども維持していきたいということでございます。大体先生御指摘の比較的利用されていない施設というものは、以上のような六つの施設でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 第一の問題、曽根分とん地の今後の問題ですが、県のほうのいまの春日原の部隊との交換の問題は県との話し合いが進みつつあるのかどうか、県のほうでどういうふうな話になっているか、お聞きしたいと思います。

江藤淳雄防衛庁参事官

○説明員(江藤淳雄君) これは大蔵省並びに県と私のほうで話し合いを進めていく問題でございますが、福岡市内にはまた別にまだ国有地もございますし、それと自衛隊の部隊の借りておる県有地との交換という問題もございますし、また曽根の部隊の土地をどういうふうに地元が利用されるか、市と県の話し合いというものも現在必ずしも進行いたしておりませんで、その意味におきましては、現在この交換なりその他の利用計画について、必ずしも非常に見通しがついておるというところまでは至っておりません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それであそこにちょうど曽根工業団地ができまして、まあ部隊は御存じのように土地をかえて、適当に土地だけあるからここに何々部隊が来いというわけにはまいらぬと思う、それは戦術上もありましょうから。土地の広さが同じ百七十一万平米ぐらいで似通っているから、いまの県有地を使って、いわゆる春日原の部隊をあそこに持ってきましょうなんていう話は、とうてい自衛隊としてもなかなか問題があるのではないかと思う。また、御存じのように、福岡にもたくさん国有地がありますから、県有地がいけなきゃ国有地に交換する方法もありましょう。したがって、いま私が言わんとするのは、中小企業などが市も県も工業団地としてあの辺を開発しようとして、いまその緒についているわけです。りっぱな曽根工業団地ができました。まだこれから、道路も十分できませんけれども、あれだけでは何ともならぬのですね。したがって、地元の人たち、あるいは中小企業の諸君が言うのは、あの昔の毒ガス製造工場のあと、あれだけの土地があるんだから何とか一緒に工業団地の造成などに払い下げてもらえんかというのが、大体地元の業者の意向なんですよ。大蔵省から見えておりますけれども、こういうもので立ちぐされになってはもったいないから、いま使ってないから、せっかくあそこに工業団地が発足しておるんだから、そういうことも考慮できるかどうか、お聞きしておきたいと思います。

谷川寛三大蔵省理財局次長

○説明員(谷川寛三君) 実情につきましては、先ほど防衛庁のほうからお話を申し上げましたが、まだ本省におきましては、現地の財務局と防衛庁との間にどういうお話し合いが行なわれているか、よく伺っておりませんが、将来の計画、いまの交換等も含めましてまとまりました段階で、十分その現地の御要望等を承りまして検討してまいりたいと思います。具体的には財務局に置かれました国有財産地方審議会にかけまして慎重に御審議をいただくわけでございます。よく実情に沿うように考えてまいりたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ただいまの点、非常に私どもも大切に聞きましたがね、あなたの御発言を。ちょうど曽根団地の隣なんですよ。隣で一番適当なんです。水もありますし、工業団地として開発するのに一番いいところだもんですから、心配しておるのは、いま防衛庁から言われたように、ちょうど広さが同じだから春日原の部隊をあそこに持っていったらどうかという話も聞きました。県のほうでも、まあ具体的には話も何もないんですよ。具体的にないものですから、具体的にきまっておれば言わないんですけれども、春日原のほうの部隊は御存じのように板付の航空自衛隊なり米軍と関係ある部隊なんですよ。だからあれがそのまま曽根の分とん地に来れるとは私は考えませんけれども、ひとつ国有地であるから県有地と交換しなきゃならぬということではなくて、中小企業の開発等にも十分意を尽くしてもらって、皆さんが考えを置いてもらって、ひとつ地元の市なり県の意向も聞いていただきたい、そうお願いしておきたいと思うのです。  それから針尾の演習場の問題ですが、これもまだ長崎県のほうでは相当意図があるようですけれども、なかなか話が進まぬようですけれども、この問題はいかがでしょうか。

江藤淳雄防衛庁参事官

○説明員(江藤淳雄君) その前に、ちょっと私の説明が足りなかったのかもしれませんので、若干補足をしておきますが、曽根の現在の土地に福岡の部隊を、面積が同じだから移駐させるというような意味ではございませんので、現在春日原でないほうの陸上自衛隊の第四師団の敷地が、その約半分の十七万一千平米というものが初めから県有地を借りて建っております。その県有地をできれば早い機会に国有地にいたしまして、わが方としましては、財産の所有関係の整理をしたいという含みを持っているわけでございます。別に曽根に部隊を移駐させるという考えはございません。たまたま面積的にもほぼ見合いますので、これを交換できれば、私どものほうとしては財産の整理ができるということを大蔵にも、現地の財務局にもお願いしているというのが実情でございまして、現在の曽根の部隊につきましては、私のほうは特にここに何かをつくりたいという利用計画を持ってはおりませんので、その点御了承を願います。それから針尾島の問題につきましては、県のほうで針尾地区を工業団地として計画をしております。もちろん大村湾をさらに埋め立てまして相当な面積を考えているようでございますが、私のほうでいま管理しておりまする演習場は中心になるのでございますが、私のほうは、現在あそこの海上自衛隊の第二教育連隊がときたま演習訓練をいたしておる程度でございますので、地元にそのような計画があれば、これは地元の財務局、県、並びに大蔵のほうとも十分に協議しまして、地元の産業開発計画に私のほうは協力することにやぶさかでございません。ただ、私のほうも必ずしも他の部隊が十分な面積を持っているわけでもございませんし、また、この針尾の演習場も全く使用していないというわけでもございませんので、そのあたりは土地の利用効率という関係も考えまして、県並びに財務局と十分協議して、できれば交換形式のようなもので他の部隊の施設の整備ができれば私どものほうとしては特に望ましいわけでございますので、その点につきまして現在地元のほうで協議いたしている、なるべく早くこれは協議を進めてまいりたいというふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その他の海上自衛隊、及び航空自衛隊の問題も、北海道の航空自衛隊のは緊急着陸場としての重要性も若干わかります。前の海上自衛隊の樺山、大湊の問題、現地の意見を聞いてみますと、必ずしも意見一致しておりませんけれども、こうしてくれという具体的な希望というのはまだ十分聞き取れなかったのでございますが、ほとんど使用しておらない、また利用されておらないような施設、しかも、十分広さもございますから、国有財産としてどうか、こういうようにも考えるのですが、まあ今後のこれは地元、地方公共団体の計画も促進させなければなりませんけれども、われわれとしては、何らかもっと生きて使ってもらいたいという希望意見を出しておきたいと思うわけです。何かそういう具体的にありましたら、もう少し御説明願います。

江藤淳雄防衛庁参事官

○説明員(江藤淳雄君) 先ほど申しましたように、青森県むつ市におきましては、地元の産業開発計画が必ずしも進展のめどがついていないようでございますし、他方、旧大湊海軍軍港の施設は相当広大なものが残っております。その関係もございまして、私どものほうは若干余裕のある利用をさせていただいておるわけでございますが、この樺山飛行場につきましては、大湊のわがほうの駐とん地の中に、先ほど申しましたように滑走路がございまして、隣接するところに、すぐ近くにもう一つの飛行場としては私どもとしては必要ないわけでございます。しかしながら、今後の増勢過程にある海上自衛隊としまして、先の計画でございますけれども、通信施設の建設計画もございます。もし通信施設をここへつくりますとなりますと、樺山飛行場というこの面積は必ずしも広くはない、むしろ狭いぐらいであるというふうに考えておりますので、そのような意味で将来の利用計画は一応持っておるということでございます。ただ大湊の一万トンドックの問題につきましては、これは相当りっぱな施設を旧海軍がつくったのでございますが、これも先ほど申し上げましたように、自衛隊としましては、このような大きなドックで造修するような大きな船はない、地元のほうの関係におきましても、一万トンドックを使うような船は持っていないという事情がございまして、かといって、これを廃棄していくというのも、国の財産としてはまことにもったいないという事情がございまして、とにかく、これがいざ利用されるときには、比較的安い改修経費でできるように、とにかくいま一応自衛隊が維持管理して、将来もし地元の産業計画が進展しまして十分に利用されるようなときには、もちろんそのほうに移管されてまいることでけっこうでございますが、一応自衛隊のほうがこれをそのような見通しがつくまで管理していくということで、さびどめ工事等、年々若干の予算をつけまして維持しておるというのが実情でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 最後の問題は、北九州市小倉区の徳力射撃場でありますが、そのところが最近団地造成、広壮な団地建設中であります。したがって、射撃場の移転の問題が考えられなければなりませんが、今後の見通しについて見解をお聞きいたします。

江藤淳雄防衛庁参事官

○説明員(江藤淳雄君) 徳力射場につきましては、射場の周辺がかなり住宅化されまして、その跳弾の関係で現在非常に利用しにくい状況になっております。ところが、近くに第四十普通科連隊がございまして、どうしても射撃場一つは必要なのでございますが、なかなか利用されにくいということでございまして、私どもとしましては、できればもう少しいなかのほうへまいってけっこうでございますが、これにかわる射撃場ができれば、この徳力射場は危険性から考えて用途廃止したいというふうな考えを持っております。その意味におきまして、一方現地の財務局におきましては、公務員の宿舎等の用地の問題もございましょうし、また住宅団地も非常に適当なところのようなふうに聞いております。その意味におきまして、現地の財務局なりあるいは住宅公団も入るかもしれませんが、北九州市等と十分協議しまして、わがほうも射撃場を全くなくすわけにもまいりませんので、その間のことも考え合わせながらこの問題につきましてはなるべく早い機会に解決してまいりたいというふうに考えております。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 暫時休憩いたします。    午前十時五十三分休憩      —————・—————    午前十一時十一分開会   〔理事松井誠君委員長に着く〕

松井誠日本社会党

○理事(松井誠君) 委員会を再会いたします。  質疑を続行いたします。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 企画庁長官に経済社会発展計画に関連して質問いたしたいんです。  まず最初に、四十二年度の経済の見通しと実績、それから四十三年度並びに四十四年度の経済見通し、ことに経済成長率中心でけっこうですが、伺いたいんです。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 四十三年度でございますが、政府の当初見通し、経済成長といたしまして、名目で一二・一%、実質で七・六%ということを述べております。そこで、ただいまの推移から考えますと、経済成長率は、これより名目値も実質値もかなり高いというふうに考えられます。おそらく実質値で一〇%という感じのものではなかろうかというふうに、これは見通しの改定を今年はやっておりませんので、感じで申し上げるしかないわけでございますけれども、そういう感じがいたしております。四十二年度は国民総生産が名目で一八%、実質で一三・二%であったわけでございます。四十四年度につきましては、明年度の予算を編成いたします時期に、今年度の見通しの改定とあわせまして四十四年度の見通しを立ててみたいと存じておりますが、それはおそらく来月、十二月になりましてのある時点で、そういう作業をいたすことになろうと考えております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 経済社会発展計画の予定している平均の経済成長率は幾らですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 八・二%。前半に高く、後半低かろうということでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 名目は……。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 一一・三でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 これは企画庁長官も御存じだと思うのですが、経済社会発展計画が昭和四十二年度から発足しているわけですね。あのとき、予算委員会で非常に問題になったわけです。わが党の山本伊三郎君、羽生三七君が——経済社会発展計画では、いまお話のように、これは平均ですが、名目一一・四%ですか、実質八・三%ですね。ところがもう四十二年度の見通しで、すでに実質九%という見通しであったですね。そこで経済社会発展計画で平均八・三%であるのに、四十二年度の予算編成の前提となる経済見通しでは実質九%である。もう初年度から平均の八・三%を上回っているじゃないか。しかも四十二年度は九%どころにとどまらぬだろう。そこでこれは、経済社会発展計画は初年度から大きく狂っているじゃないか、そういう質疑をこまかくしているのです。私速記録をこまかく見たのであります。これに対して政府の答弁は、いまちょっと長官も言われましたように、平均八・三%なんだから、その最初は、初年度は高いと一九%くらい、あるいは九・五%くらい、高くて、そうしてあとは労働不足等を勘案すれば、そんなに成長率は高くない。そうすると平均やはり八・三%になるんだと。これについては、じゃ、これは自然に、自律的になるのか、政策を加味して、そういうように初年度に高く、それから後半期において低くするのか。これは自律的に低くなるのか、政策を加味して低くさせるのか、これも非常に論点になったところです。企画庁長官は、はっきり、これは単にほうっておいては低くならぬ、かなり政策を加えなければだめだと、財政・金融政策その他ですね、そういう御答弁がはっきりあるわけです。そこで政府は、四十二年度から大体経済社会発展計画を発足させて、それに基づいてこれまで予算編成なり経済運営を行なってきているのですよ。ところが全くもう基礎がくずれてしまっているのですね。これはどういうようにお考えになるか。いまの御答弁ですと、四十二年、四十三年、四十四年は、いずれも八・三%はるかにこえてしまっているのですよ。いま御説明では、四十二年は名目一八%、実質一三・三%ですよ。四十三年度は、三菱銀行の調査では名目一五・六%、実質一〇・七%、勧銀の調査では名目一五・二%、実質九・八%、国民経済研究所の調査では名目一六・八%、実質一一・一%ですよ。それから経済審議会の計量委員会が報告しておりますですね、最近新聞に出ておりましたが、これによると四十二年——四十六年、平均、名目一五・九%、実質一一・一%なんですよ。それからこれは経済企画庁の経済研究所の相互比較というのがありますが、これによりましても、名目は一四・五%であります。そうしますと、前期においてはまあ平均八・三%よりは高いと、それから今度は、後期において今度これをダウンさして平均八・三%と、こういうふうになるし、するんだと言われますが、もうすでに四十四年度の見通しまでがかなりはっきり出ているんですよ。そうすると四十二、四十三、四十四でしょう。あと二年間。しかも四十二年なんか実質一三・三%ですからね。それから四十三年はまあ九%か一〇%だと思うんでしてね。それから四十四年度は大体まあ実質これもまた九%か一〇%ぐらいですね。名目一六%。そうなるとですよ、じゃあ、後期においてもうかなりダウンさせなきゃこれは平均八・三%にならぬですよ。だから、経済社会発展計画に沿うて平均八・三でいくのかいかないのか、まずそこを伺いたい。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) おそらくいかないだろうと思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そうしますと、これは改定せなきゃならぬ。しかもすでにもう四十四年度予算編成をやるんですよ、いま編成過程です。どうするんですか、それは。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 経済社会発展計画をつくりましたときに、従来のまあ計量的な予測というものはなかなか的中がむずかしいということは何度も経験をいたしておりましたので、相当計量モデル等々の手法は進んでおりますものの、しかし、今回もやはりそういう不確実な部分が多いのではないかということは関係者が一様に感じておりまして、したがって、このたびの経済社会発展計画というものは、昭和四十年代における日本経済運営についてどういう考え方をしたらいいかという、そのものの考え方なり、あるいは施策の重点なりについて大綱を示す計量的なものは、その参考となるバックデータでやる、こういうたてまえをとったわけでございます。それでございますから、経済社会発展計画に述べられておる四十年代の日本経済の運営のために必要な心がまえ、あるいは起こってくるであろうような事態、それにいかに対処するかというようなこと、そういうものの考え方そのものは今日でも間違っていない部分が多いと思います。しかしながら、その裏にあります計量的なものは、いま木村委員が御指摘になりましたように、実績がそれをはるかに上回るようなことになってきておるわけであります。  そこで私ども来年の経済見通しを立てますときに、これは経済社会発展計画がこうであるから経済はそうなるであろうというようなことを考えるわけにはいかないので、なるべくそういうほうに近づけながら、しかしありそうな姿はどうであるかというのが経済見通しの性格でございますから、昭和四十五年度の経済見通しを立てますときに、この経済社会発展計画のバックデータがワクになって、その中で経済見通しを立てなきゃならないという、そういう性格のものでは、経済見通しではないと思うのでございます。他方で、しかしそうはいっても、五カ年間の経済運営についてある程度の計量を示したのではないかと言われれば、それはそのとおりであって、実績がそれを相当乖離しておるということも、これは認めなきゃならない事実だと思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それがあなた、経済社会発展計画をなぜつくったか、そのつくった目的、動機について、趣旨について忘れているんですよ。なぜ経済社会発展計画をつくったんですか。池田内閣の高度経済成長政策、これがその後行き詰まって、それでこのアフターケアやりましたね。そうして、その後アフターケアもこれはうまくいかなかったんですよ。結局、経済社会発展計画、それはいわゆる安定成長の線に持っていくというのが趣旨じゃありませんか。安定成長というのは、大体八・三%程度というのが安定成長の目安となっているんですよ。そうでしょう。だからそれは単に計量的に、経済社会発展計画は数字をはじいて出して、必ずしもとらわれる必要がないといいますけれども、そういう何%違ったからおかしいじゃないか、そんな議論してるんじゃなくて、その精神が、その趣旨がもう失われてるんですよ。だからあなた、八%はとてもいかぬというのでしょう。八・三%くずすわけでしょう。安定成長の線はどこに引くんですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 安定成長ということは低成長ということと一緒ではないというふうに私は思っております。つまり経済のいろいろな諸要素がバランスのとれた形であれば、たとえかなり高い成長であっても、それは一つの安定成長でありましょうし、バランスがはずれておれば、低い成長であっても、これは安定成長と言うことはできない、私はそういうふうに考えております。  そこで経済社会発展計画は、今後の日本の経済を見通しておそらくその八・二%ぐらいが一番安定成長に適当な成長率であろう、こう考えて計量しておるわけであります。しかし現実に経済はそう動いていないのでありますから、それならば、そういう経済の実情に立って、安定成長はどういうふうにすればいいかということを考えるよりほかにないのではないかと思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 では、それはどの辺に線を引かれるんですか。大体経済社会発展計画は、いまあなた言われたように八・三%はやはりあらゆる面の均衡のとれた線であると、その結果として八・三%の成長率を打ち出したんだ、それは説明によって明らかになっている。それであなたは四十二年度経済社会発展計画が発足したその年に、羽生君の質問に対してあなたはこういうふうに答えてるんですよ。もうすでに四十二年度で実質九%予定しちゃったんですね。平均八・三%の経済社会発展計画を上回っちゃった、四十二年度。それに対して、もう初年度で狂っちゃってるんじゃないかという羽生君の質問に対して、計画で考えていたよりも前半で非常に先食いをしてしまうというようなときには、あとが経済の自律性によって縮まるのか、政策努力によってかということは、自律性だけでではなかなかそういうふうにはならないであろうと、私自身考えています。もちろん政策努力は経済法則と全然逆なことをいたしましてもこれはできないことでございますが、ある程度政策面で何かブレーキをかけなければ、自律性だけで自然に平均して五カ年に八%におさまる結果になったというわけにはなかなかまいらないと、こういうふうに言ってるんですね、いまでもそのお考え変わりませんか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) いまでもそう思っております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そこで、あなたが大体安定成長というのはどの辺だということを示さないと、もし今後またあなた一〇%と線を出す、それをはるかにこえる。一体そしたらあなたはそれでは均衡がとれていればそれでいいのだと言いますけれども、それでは行き過ぎたときに、政策によってその予定した線まで戻す努力を一体するのかしないのか。いままで政府が出してきたいろいろな見通しと実績はうんと違うのですけれども、政府は一ぺんもその見通しが狂った場合に、最初の見通しに近づける政策努力は何もやっていないのです。また、やってもほとんどまあ効果がなかったというのがいままでの経過です。ですから口ではあなたそういうことを言っていますが、しかしわれわれが突っ込むと、いや、これは計画で目標なんだと、努力目標なんだ。社会主義経済とは違うのだ、これは、と言っているのです。努力目標なんだ。しかし努力はしていないじゃありませんか。いままでの実績と見通しとどれだけ狂った。たとえば昭和四十二年の国際収支についてだって、収支とんとんと予想したでしょう。五億ドル以上の大幅の赤字じゃありませんか。しかも経済成長率が名目が一八%、実質一三・三%。四十二年度で予定した実質九%、名目一三・四%をはるかにこえてしまっているのです。設備投資にしたってそうでしょう。ものすごく狂ってしまうのですよ。そうすると、一体何のために経済見通しをつくるのか、あるいは経済社会発展計画等をつくるのか。それは単にいまは予算を説明する場合の何か言いわけ、何かこの合理性を持たせる言いわけにつくるのか。努力目標というのはやはり努力しなければいけないでしょう。目標に対して何ら努力していないでしょう。ですから、今後経済社会発展計画というものはもう全くいまは目標が狂ってしまっているのですよ。それから八・三%、これは固執しないのですね。固執しないとすれば、今後どの程度を大体安定成長の目安におくのか。もうこれでは大体一〇%程度ですよ。一一%程度実質分。今後は大体一〇%程度の線をおくのか。そうしなければ努力目標はいま出てこないじゃありませんか。あなた政策的に努力しなければ平均安定成長率にいかないと、こう言うでしょう。ただほうっておいて自律的にそういくものではない、こう言う。ですから、一応目標をあなたは示さなければなりませんよ、八・三%にかわる。もう四十四年度から始まるのですよ。この予算から始まるわけです。その点、どういうふうに考えておりますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) まず申し上げておかなければならないことは、これは木村委員はよく御承知でございますけれども、私どものこの経済の予測能力というものはきわめて限られたものであるということであります。これは常に私ども自身が実は認めておりますところで、在来、長期計画というものが何度か立てられましたが、御承知のようにまあ平均寿命は二年とか三年とかいうものであって、それ以上正しく予測をし得た経験はなかったように思うわけでございます。しかし、それならば、そういうものが一切要らないかということであれば、この経済社会発展計画のように、昭和四十年代の日本の経経の問題は何であるかということを認識することは必要でございますから、私はそういうものが要らないという立場に別に立っておるわけではありません。しかし、この実際の経済が予測したところを上回ってこえていった場合に、その経済の動きが悪いのか、予測が悪いのかといえば、それは予測が悪いというよりほかはないので、経済が、そういったことが悪いというわけにはいかない。ことに成長率とか設備投資については、私はそういう考え方をしております。現実のただいまの経済について考えれば、私は悪い点が少なくとも二つあると思います。一つは、消費者物価が見通しより相当大きく上昇する気配にあるということであります。もう一つは、公共投資の相対的なアンバランスがどうも目立ってきた。この二点であります。設備投資が大きいとか、経済成長率が大きいとかいうことは、それ自身はけっこうなことであって、計画を上回ったからといって、それは予測し得なかったのが悪いのであって、経済の動きそのものが悪いというふうには考えない。いまの経済は私はそういうふうに考えておるのでありますから、政策努力としては、したがって、それらのものをどういうふうに是正するかということで昨年来やっておるつもりでありますけれども、そういうことでやっていくべきなんだろうと思っております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 私の質問に端的に答えていただきたい、時間がございませんから。それはまず経済社会発展計画はもう根本からくずれてしまっている。しかし、これは佐藤内閣の安定成長政策の一番基本なんですよ。一番最初を読んでごらんなさい。それが全くくずれてしまっておる。しかし、これはもう採用しないのかどうか。もしこれに基づいて、これは設備投資あるいは個人消費、住宅、国際収支、いろいろあらゆる面からいわゆるあなたさっき言われたようなバランスのとれた成長、それは実質八・三%五カ年平均でいくということができておるのですよ。それがまた狂ってしまって、しかも単に成長率が狂っておるのではなくして、国際収支、物価だってそうですよ。あなたが言われるように、あらゆる面でものすごいひずみが出ておる。ひずみ是正と言っておりますが、ひずみがむしろ拡大しておるのです。ですから、これは全く効果がなくなってしまった。そこでこれにかわるものがなければならぬ。それでこれにかわるものとして、私は一番その中心になるのは、安定成長の線——あなた方が言っておるのですから、それをどこにおくかというそれをごく端的に答えてください、それは四十四年度の予算編成で一番基本になるのですから。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 経済社会発展計画の主たる部分は、先ほども申し上げましたとおり、その総説のところで、いわゆる三大重点政策を述べ、昭和四十年代の課題ということで述べておる。それらのものの考え方が一番大切なところでございまして、それが今日私どもは不要になったというふうには考えない。そこでこういうものの考え方は今日大切なことで、政策目標であると考えます。裏づけとなった経済成長の予測がかなり狂いましたことは、おっしゃるとおりですが、それならば安定成長の成長率というのはどのくらいを言うのかということのお尋ねに対して、私はそれにお答えをすることはできないのでございます。何となれば、安定成長というのは、繰り返すようですが、低位成長が安定成長であるということではない。一つの成長率を与えられて、その下でもってどれだけ経済の各部門がバランスがとれて成長するか、それをねらうのが安定成長でございますから、八・二%のかわりに何%が安定成長の目標になるということは、事柄の本来としてお答えができない性質のものだと思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そうなると詭弁ですよ。あなた努力目標と言って何を目標のメルクマールにするのですか。いまになっておかしいですよ。四十二年のあの予算委員会におきまして、経済社会発展計画が初年度として発足したとき、どういう質疑が行なわれておりますか。佐藤総理もはっきりと安定成長を中心に八・三%の問題を中心として議論が展開して、そしてそれに対して四十二年度が九%と上回っておったことについて、総理もはっきり八・二%上回る、九%あるかもしらぬが、後半においてこれを低くして平均して八・二%にするのだし、できるのだ、政策努力をすると言っているのじゃありませんか。それをいまごろになって全然何%ということを言えない、できないと、全くそれは詭弁じゃありませんか。そういうことを言えなくなったからそんなことを言ってるのじゃないですか。それじゃ、これから経済企画庁はどうするのですか。政府が予算編成をするときに経済見通しをやりますね。成長率何%、そんなこと不可能だというのですか、これからやらないのですか。何のために出すのですか、あれは。これを大体標準としては計画経済じゃないからきちっとそこまでいかないとしても目標として出しているのでしょう。ですから大体事実が、実際がそれにずれるようなときに、それに近づけるような努力をするというのが政策努力、物価の問題でも国際収支でもそうでしょう。そして国際収支でも物価でもそれが総合されて経済成長率というメルクマールになってるのですよ。それをあなた全然そういうものはできないと、ではいままでなぜやってきたか、——何も私は数字にきちんと合わせろなんて言ってるのじゃないのであって——それじゃ、今後全然目標というものはないじゃないですか。これからどういうふうにしていくのですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 問題は二つあるわけでありまして、五年といったような中期の、あるいはもっと長い長期の経済計画、と申し上げておきますが、そういうものがどのくらい計数的に正確に立て得るかという問題と、単年度としての経済見通しがどのくらい正確かということの二つがあると思います。正直申して両方とも予測能力は非常に限られておりますが、まあ長期の予測のほうがしたがって狂いが大きい、一年の経済見通しでもかなり狂うのでございます。そういうことを前提にして、それなら毎年の単年度の経済見通しは必要か必要でないかということになるわけです。限られた予測能力を前提にいたしまして、その上で必要か必要でないかということでありますから、私どもそれは予測能力がきわめて限られておるということを前提とし、またみずから認めながら、それでも単年度の経済見通しというものはないよりはあったほうがいいであろう、こういうふうに考えております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 この経済社会発展計画の成長率等について、狂ってるばかりじゃなくて、その内容についても非常に問題が出てきているわけです。たとえばこの社会資本の充実につきましては、大体現実の実績と経済社会発展計画とそんなに狂ってないのですよ。ところが設備投質とか個人消費とかその他はもう大体この発展計画で予定している四十六年、それがすでに四十三年で達成されちゃってる。そうすると、この社会資本の計画とその他の間にものすごいまたアンバランスが出ちゃってるわけですよ。そういうひずみも生じているわけです。さらにもう一つの大きなひずみである物価問題についてはこれから伺いますが……。ですから一体この経済社会発展計画というものをどう処理されるのか、このお葬式ですよ、どういうお葬式を出すのか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) その点は言われましたとおりで、先ほど私が、二つ問題があって、一つは公共投資云々と申し上げましたのは、いま木村委員が申されました社会資本のようなことを申し上げれば実額ではそんなに狂ってないのでございますが、民間設備投資とのバランスは非常にはずれておる。これは確かに一つの問題点、のみならず成長率が高いとすれば実際の経済のフレームワークが考えられたよりも大きいということなのでございますから、そういうこともほんとうは考えてみないといけない。で、経済社会発展計画の裏づけになっております計量的な予測はかなり事実と乖離してしまったことはもうそのとおりでありますけれども、さてこれにかわるものは、もう一ぺん従来と同じような手法で考えることがいいのか悪いのか、その辺には相当問題があろう、単年度のことは、これはどうしてもしなければならないわけでございますけれども、長いものについてどう考えるべきか、私は国会ではことし初めから、昭和四十三年度の経済の動きを見ましてきめたいと、こうお答えを申し上げておるわけですが、いまでも大体そういう考えでおるわけでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それは経済社会発展計画の取り扱いは、そう簡単にいい加減にできないことになっていると思うのですよ。しかしいまお話したように、全く現実と狂っちゃっているのですから、何とかこれに対して処理をしなければならないと思うのです。たとえばこの間所得政策についてですね、物価、賃金・所得、生産性研究会の熊谷君の発表した所得政策は、これはこの報告は、経済社会発展計画において、計画作成とともに引き続いて検討を行なう必要があるとして指摘された課題の基礎として、こういう作業をやるのだということになっている。こういう発展計画に基づいていろいろな作業をやっているわけなんです。ですから政府としては、簡単にこれを破棄するということは言えないかもしれませんけれども、しかしだれが見たってもうこのときの予定した事態と、もうはっきりと変わってしまっている。ですからここでやはりはっきりその変わった事態に即応した長期計画というものを私は出さなければ——それから大体抽象的には経済の効率化とか、物価の安定とか、あるいは社会開発とかいっておりますが、そういう抽象的目標はこれはもういつになったってそれは必要であることは変わりはないのです。しかしたとえば、物価の安定といったって、この経済社会発展計画どおりにやって、またやらなければ安定しないのは——、実際狂っちゃっているのですから、これに基づいてやることはできないわけですよ。ですから一体どうするのか、こんなにもう全く実態に合わない経済社会発展計画を、今後もこれを基本にしていくといわれるのですか。それじゃ全く——これはまあ三木さんでも今度総理になればやめちゃうのか、佐藤さんがなれば続けていくのか、それも一つの論争になると思うのですよ。自民党総裁選挙の論争になると思うのですよ。とにかくこの処理をぼくはされなければいけないと思うのです。無責任ですよ、大体。国会においても、これに基づいて予算を編成し、経済の運営をやってきていると説明しているのですから。その基本がこんなにもう狂っちゃっているのですから、何とかこれは処理しなければ私は無責任じゃないかと思うのです。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) それは根本的には、私はこういう問題があったと、いま振り返って思うわけでございますが、現在の経済社会発展計画がずっと積み上げられました時期というものは、昭和四十年、四十一年あの時期でございまして、でき上がりましたのが四十一年の末であったわけであります。あの当時、たまたま経済がかなりの不況であったということもございます。また日本経済のいわゆる転型期論といったようなことも行なわれたこともある。つまりこれは単なる景気循環ではないという議論もございました。そういう考え方が、まあいわばほとんどの人がそういうふうに考えた段階であったと思いますが、したがって、計画そのものの考え方が、大きな経済成長というものは昭和三十年代のものであって、四十年代にはそういうことはもう起こらないのではないか、何となくそういう一種の多数説のようなものが当時あったと思うのでございます。しかし、事実は先ほどから木村委員の御指摘のように、かなり大きな設備投資があり、かなり大きな成長が、この二年あるわけです。そうしますと、あのときに考えておった四十年代の日本経済の潜在力というものがはたして正確にとらえられておったのかどうかという問題が根本にあると、私はそう思います。しかし、それをすぐに二年間の実績で四十年代というものを律して判断していいのか、あるいはそうでないのかということになりますと、またいろいろ議論がありそうに思います。ですから、計数が違ったからといってこれを簡単に手直しをしていいものかどうかというかなりむずかし  い問題に私はぶつかるのではないかというふうに、いまとしては考えておるわけでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 この点についてまだいろいろ論議しなければなりませんけれども、この点についてただ一点申し上げて、次に物価問題に移りたいと思うのですが、さっきもお話ししましたように、四十二年度の予算審議をするときに、予算委員会で佐藤総理、経済企画庁長官、あるいは当時の通産大臣ですか、菅野さんにいろいろ質疑しているのですよ。それは、経済社会発展計画の発足の第一年目ですから、それを中心として予算論議をやっているのですね。そのせんじ詰めた議論が、結局、初年度でありながらもう経済社会発展計画で予定した八・三%をもう上回っちゃっている。九%の成長率を予定していた。そこで今後はもっとダウンされて平均させるという、そういうことで議論をされているのです。それで一応総理は、今後は、この労働力不足等を考えると、そんなに成長率は大きいものではない、だから平均大体八・三%になるということで、こういう論議が一応終わりになった。一体、さっきの経済企画庁長官の御答弁を聞いて全くむなしい議論をやっていたと思うのですよ。あの予算委員会で何の議論をやっていたか、経済社会発展計画をもとにして、前期においては成長率が高い、後期においては低くなる。しかし、それもですよ、ほっておいたら、自律的に低くならないから政策的に努力して低める、こういう議論をやっておいて、そうして今度全く発展計画とこの実績と狂っちゃって、しかも昭和四十四年度までもう一〇%、一一%の成長率になってしまう。そういう事態になったら、もうこういう安定成長の目標というものをはっきり何%ときめることが困難であると、こう言っている。一体われわれは何のために予算委員会で議論してきたか。ですから、今度はやはり決算委員会で詰めなければならないのですよ。詰めをやらなければならない。いま詰めの段階にきているのですよ。いま詰めているわけです。だから予算委員会でああいう——、そのときは十分にですね、神さまじゃないですから、見通し困難だから、それはもう精一ぱいの答弁をされたかもしれませんけれども、いまから振り返ってごらんなさい、全くむなしい議論をやっていたということになるのですよ。だからそういうことを繰り返さないために、もっと国会の予算審議なり、あるいはこういう決算審議にあたりまして、それにこの責任を持てるような、そういう経済社会発展計画なり長期計画なり、あるいは短期の政策でもいいのですが、そういうものをやはり出してもらわなければ困ると思うのです。困難になると、そういうことは困難だと、困難はわれわれ承知しておりますよ。しかし、いままでそういうものを出してきて、それをみんなで説明の基礎にしているのですから、ですから、今後一体どういうふうにするのですか。今後の扱いをひとつ伺って、それから物価問題に移ります。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 私どもが自分の国の経済の潜在力を過小評価いたしましたので、その結果、いま空な議論と言われましたが、かりにそれをそのとおり使わしていただくとして、そういう議論の素材を提供したということは恐縮なことだと思います。それは、私どもの経済予測能力がその程度のもので限られておったということの結果であると思います。しかし、それだけの潜在力を日本経済が持っておるということは喜ぶべきことでありますから、その上に立って、どういう安定成長路線を考えていくかということが問題であろうと、それを議論しなければならないのではないかというふうに考えております。しかし、在来どおりの手法でいきますと、私どもの予測能力が特にこの際格段に進歩したと考える理由も実はないのでありまして、そうだとしますと、似たようなあやまちをもう一度繰り返すことは、同じ種類のあやまちは避けたいと思う。どうやればそれが避けられるかということになれば、四十年代の日本経済をどう見るかという議論に実はぶち当たりますから、そう簡単に結論を出して、こういたしますということを申し上げられないではないか、正直なところはそういうふうに思っております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 今後どうやっていくかということですね。一応目安を示されなければ、政府の経済運営を判断する場合にわれわれは非常に困るわけです。  大体まあそれでは、簡単にこの経済社会発展計画をいま破棄するわけにもいかないと、いますぐに今後どうするかということはわからぬと言われますが、それではあなた、経済成長が経済社会発展計画よりも大きくなり過ぎて、日本の成長潜在力が非常に大きかったことは喜ぶべきことだと言われていますが、しかしその他面において、ひずみが大きく出ているのですよ。そういうひずみが出るから、安定成長ということを言っているのであって、ひずみの出ないような成長が望ましいので、ただ成長率が大きくありさえすればいいのじゃないのですよ。ですから、経済社会発展計画どおりのこの成長率であっならば、物価は、大体この経済社会発展計画で予定したように、その一番の最終年度において三%程度の消費者物価の値上がり程度にとどめ得るというそういう物価政策は実現されたと思うのですよ。ですから、他面において非常な多くのひずみが——物価問題だけではありません、農村あるいは中小零細企業にしわ寄せされ、あるいは公害の問題、非人間的な問題、人間疎外の問題が広範に出ているのですよ。そういう点において、総合的に考えなければいけないのですよね。ですから、今後、何も、成長率が高い、成長エネルギーが経済社会発展計画より大きかったから、これは何か非常によろしかったのだというふうに、そんなに私は単純に判断すべきじゃないと思う。山高きだけがたっといのじゃないのであって、やはりあなたの言うようにバランスがとれていなければならないのです。非常にアンバランスになっておる。  そこで、ひずみの一つである物価問題について伺いたい。  経済企画庁は、経済社会発展計画で予定されましたこのとおりに、やはり最終年度に三%までの消費者物価の値上がりまでに上昇率を低下させると、そういう政策を今後続けてまいるつもりですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) それは、私は政策目標としておろす必要はないと思っております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 実際問題として、もう国会でこういう質問をするたびに、それは大体目標としてはだいじょうぶだと。しかし、こういう目標に近づける努力はされるのでありますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) それは四十一年度、四十二年度と四%台で消費者物価はやってきておるわけでございますから、今年度の情勢はよくございませんけれども、しかし、適切な施策をこれから講じていってこの目標に乗せるということは、私はいま何も放棄する必要はない、可能性は十分あると思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それは非常に矛盾していますよ。あなたは、四十三年度の予算編成にあたりまして、総合予算主義を唱えられました。そうして、総合予算主義をとると公共料金の引き上げをせざるを得ないのです。そうでしょう。受益者負担の原則をあなた言ったのですよ。受益者負担の原則と総合予算主義とは、これはあなた両方を総合されたのですよ。たとえば食管会計に一般会計から繰り入れない場合には、お米の配給を受けて利益を受けている人の負担で赤字を埋めるということが受益者負担の原則だ、こう言うんでしょう、あるいは鉄道の赤字は鉄道を利用している人の負担において赤字を埋める。社会保険の赤字は保険料の引き上げによって埋めると、公共料金を上げれば、ほかの物価にこれは波及して、また物価値上がりをきたすでしょう。矛盾していますよ。いわゆる政府主導型の物価値上がりになる。四十三年から新しい物価値上がりの段階に私は入ったと思うんです、そういう意味で。そこで長官はこれを反省された。四十四年度の予算編成にあたっては、多少財政負担がふえても公共料金の値上げは押えたいと、こういうふうにあなた変わったんですよ。変わったと思うんですよ。それがはたしてどの程度にあなたは反省されたか。しかし私はその反省は四十三年度予算のいわゆる総合予算主義と受益者負担原則の矛盾を感ぜられたから、そういうふうに反省されたと思うんですけれども、はたしてそのとおりに私はいかないと思う。もう次々に公共料金の値上げが予定されていますよ、とても三%程度に押えられない。国会ではその場限りに言われましても、それから、これから労働不足が起こる、大型合併による管理価格が出てくるでしょう。そういうことを考えれば、とうてい私は経済社会発展計画で予定しているような、こういう物価安定政策というのは実現できない。そこでやはり経済成長政策というものを何か考えているんじゃないか、所得政策ですね。そこで熊谷氏にこういう作業をさしたんじゃないですか、と思うんです。したがって、四十四年度の予算とも関連をして、あなたは今後の物価対策について一番責任を持っている官庁でありますから、どういうふうに今後処理されていこうとしているのか、とうていこの三%というのは私は無理と思う、そう言ったって。実際問題として、それに近づけるために、ものすごいデフレ政策でもとらない限りはできませんよ。どう考えますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年とことしと考えを変えたということはないのでございまして、私としては、一貫してものを考えているつもりであります。すなわち受益者負担ということは常に必要な原則でありますけれども、他方で、福祉国家としてはやはり最低限度国民が必要とするものについては施策をしていかなければならないという問題があると思うのでございます。ですが、そのいわゆる福祉国家的な面をあまり強調してまいりますと、これはとめどもないことになることであって、まず総合予算というものの考え方を定着させた上でなければ、受益者負担の原則というのはそう簡単にはくずせない、くずしますと、とめどがないというふうに考えます。したがって、総合予算主義に重点をおくと、初年度において、これは短期的に物価安定と矛盾することは、木村委員の御指摘のとおり私もそう考えております。現実にそうなってきつつあるわけであります。しかし、総合予算主義というものが定着していく限りにおいて、物価情勢を見ながら、ある程度、財政の許す限りで、そのときそのときで臨機の手を打つということは、これは総合予算主義が定着しました上でなら考えていいことではないか、こう思っております。私がいまの物価情勢を心配しておりますのは、生鮮食料品とかいうような、そういう家計への影響も、これも軽視してはなりませんけれども、高い消費者物価が一年だけでなく二年も続いていくということになれば、それが経済全体に組み込まれるであろう。家計においても企業においても、あるいは労働組合の側においても、政府においても、それがビルトインされるということになれば、それは経済全体をゆがめるものであるので、そういうことが長続きしないように情勢を直しておくには、この際、あるいは来年度に向かってどうすればいいか、幸いにして、総合予算主義が定着しておりますから、そのワクの中でものを考えることができる。とめどもなくなるということは避けられると思いますので、そういう施策いかんということをただいまの段階で申しているわけでございます。

松井誠日本社会党

○理事(松井誠君) 速記をめとて下さい。   〔速記中止〕   〔理事松井誠君退席、委員長着席〕

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 速記を始めて。  それでは官房長官に、要望が主なんですが、この前、決算委員会で総理の出席を求めたのです。ところがこの前も出席できない、それから今回もできない。官房長官、申し入れましたように、実は出席できないという理由が二つあったのです。一つは、休会中に総理は決算委員会に出たことがない。もう一つは、衆議院でも決算委員会に出たことがないから出られない、こういうお話であったのです。しかし、決算委員会は御承知のように国会が開会されますと、各委員会にみんな大臣をとられまして、それで本格審議はなかなかできない。だからなるたけ休会中に決算の審議をするということが慣例になっているわけです。もう一つは、御承知のように決算の審議を予算に反映させるというのがやはり決算審議の一つの大きな目的でもあるわけです。そうしますと、やはり予算ができちゃってからよりも、予算の編成過程でやはり決算の審議をやって、それを反映させるという必要からも、やはり積極的に、いままではそういう慣例であったかもしれませんけれども、総理に、あるいはほかの閣僚にも出てきてもらいたい。特に総理ばかりではないのです。ほかの閣僚も非常に出席が悪いのです。今回の場合、特にいろいろそれぞれ事情がありましたから、それは了承いたします。今回は特に特別の事情があったようでありますから、それは了といたしますけれども、あまりにも非協力的である、ほかの委員会に比べまして。そこでおそらくそれは政府の決算の取り扱いが従来の報告説的なものに基づいた取り扱いをやって、だから決算はただ報告すればいいので、政府に責任がないのだと、そういうお考えでいるからそうなるのじゃないかとわれわれは判断したのです。  そこで、今後の御出席をわずらわすために、積極的に出席していただくには議案説までいかなくても、せめてやはり決算は国会で承認を受けることによって、予算の執行の責任が解除されるんだ、そういう立場にぜひ立っていただきたい。そのことをまずひとつ伺いたい。

木村俊夫自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(木村俊夫君) もちろん決算は重大なる案件でございますから、総理その他閣僚がつとめて出席いたしますのが当然でございますが、ただそのときどきの都合によりまして、出席が非常に悪かったということはあらためておわびをいたします。ただ、休会中の総理の出席につきましては、これは国会対策上のいろいろの申し合わせがあると思いますので、その点と調整をはかりまして、できるだけ出席をいたす、そのようにはからいます。  また第二点の決算の御審議の時期を、できれば予算の効率的な編成といいますか、そのためには決算をなるべく早く予算の審議に合わせるということは、これは非常に意義があることと思いますが、ただ御承知のように法律上は十一月三十日までに提出すればいい、こういうことになっております。それを事実上事務を促進いたしまして、本年度のごときは十月十五日までに会計検査院に提出をいたしており、もうそのような努力は重ねていたしておりますが、ただ憲法上の問題になると思いますけれども、やはり会計検査院に送付いたしまして、その検査報告とともに国会に提出するということに憲法が規定しております。したがいまして、検査前の会計報告を国会に提出することは、これは憲法上問題があると思います。しかしながら、もちろんいろいろ審査に御協力をお願いする上におきまして、また予算の効率的編成というためにはなるべく早く出すのは当然でございます。個々の個別的な事項につきましては、できるだけ関係各省を督励いたしまして提出いたしたいと思います。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) もう一つだけです。いま官房長官から御誠意のある答弁をいただき了承しましたが、決算の提出時期について非常に努力される、早く出されると、そうして四十一年度のときにも、あれ十一月ごろできたんですけれども、実際に国会に出されたのは十二月に入ってからなんです。すでに決算のあれが会計検査院から回ってきて、印刷ができているのに、国会に出すのが十二月になった関係は、この財政法四十条で通常の国会に提出するのを常例とするということになっているので、臨時国会に出してもいいんだけれども、通常国会という四十条の規定にとらわれてどうも延ばしたというふうに聞いております。したがって、それは常例とするということですから、今後はやはり早くできたら臨時国会にも出せるというふうにひとつ御判断願いたい。これは大蔵大臣にも、ひとつその点については御検討をなさっているように聞いているんですが、大蔵大臣にもその点ひとつ承っておきたいんです。  それから最後にこの財政法によりまして、あるいは憲法の規定もそうですが、やっぱり会計検査院の検査を経てからでなければ、決算書を出せないんですが、しかし七月三十一日にもう各省から決算が回ってきていますから、それで決算書ができている。しかしそれは決算書としては国会に出すことは憲法上、財政法上困難ですが、しかし、決算の資料としてやはり重要なものについてはもうできているんですから出してもらいたい。今回は大蔵省の協力を得て、かなり出してもらったんです。ですから、今後そういう点について御協力を願いたい。これでこの点の御承認を得ておけば、各省にお願いするのにも、これは非常に都合よくいくと思うんです。  それから大蔵大臣に、決算の説明というのを出されるんですが、あれは実績評価について非常に不十分なんでございますから、あれは前に質問いたしまして速記録にこまかく載っておりますから、その点は政府委員からよく説明していただいて、そうして決算の説明を今後もっと改善するように、ひとつ大蔵大臣に決算委員会としてこれを要望しておきたいんです。この点についてひとつ御答弁をわずらわしたい。  それでもう官房長官に対する質問は——けっこうであります。

木村俊夫自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(木村俊夫君) 先ほど申し上げましたとおり、決算の一括的提出と申しますか、これは憲法上先ほど申し上げました理由で無理かと思いますが、その個別的な、個々の資料についてできるだけ関係各省を督励いたしまして、御協力をお願いしたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 前回の決算委員会に出席要求をされて出られないで申しわけございませんでした。寝ておっても十月二日の木村委員の質問は速記録で全部拝見いたしました。  で、いまの説明書の問題ですが、やはり御指摘のように、実施された事業の物量的な結果と最初の計画を比較して、その効果を判断できるようにというための努力は当然すべきでございますが、ほんとうにこれをやるためには、いまの予算の編成のしかた、予算のほうのやり方から直していかぬというと、決算の説明で効果のある御審議が願えないというようなことになろうと思いますから、やはり私どもはまず予算書の作成の改善から着手していきたいと、現在これをやっておりまして、できたら、昭和四十四年度予算においてできるだけの改善をしたいと思っております。  それと並行してこの決算の説明もいままでのような説明ではいかぬと思いますので、できるだけこれをほんとうの判定がついて、これが次の予算編成の役に立つようにと考えて、今年度これから出す説明書ももう間に合わなくて、一部の改善しかできないと思いますが、これは一年ではできませんで、年を追って、これは御指摘のような改善をしたいといま努力中でございます。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 決算書の提出時期ですね、臨時国会にも出せるように四十条の解釈をしていただきたいと思いますが。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) ただ、常会に提出するということになっておりますが、臨時国会に絶対出せないということはないと思いますが、しかし、臨時国会は特定の議案が指定されて召集される国会でございますので、特定の議案の審議の臨時国会にこういう決算の提出ということが適当であるかどうかという点については、少し私は問題があるんじゃないかというふうに考えます。絶対に出しちゃいかぬというものとは思いませんが、しかしもう事実上十二月前後にならなければ提出できないんですから、もう時期も臨時国会と通常国会、実際問題としてはほとんど日のないところへ追い込まれておることでございますので、私は通常国会に出しても特別な支障はないんじゃないかというふうに考えております。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) その点、大蔵大臣、さっき官房長官も提出時期を非常に早めるということを言っているんですよ。いや、決算書の会計検査院から送ってくる時期を早め、しかも印刷も早め、ですからそれが早くできたのにあっためておくことは非常に私は非効率だと思うんですよ。ですから、通常国会に提出するということにあんまりこだわらないで、もっと弾力的に考えて、実質的に考えて、もうできているのに、あっためておかないで早く出せると、そういうふうに四十条ね、あれを解釈して、大蔵省にそういうふうに対処していただきたいということが要望なんですけれども、いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) ただ実際は、会計検査院の送付を早めて、ことしはさっきのように十月十五日にしましたが、会計検査院がこれを受け取って、実地調査からいろいろやる作業のしかたを見ていますというと、実際問題として、早くて十一月の末、あるいは十二月の初めということに、政府に戻ってくるのが実際問題としてそのくらいの時期になるんじゃないかと、こう思います。そうしますというと、通常国会か臨時国会かというようなものは、もう日から見て何日の相違でもないということになるのが実際じゃないかと思っております。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) じゃその点は……。   〔委員長退席、理事松井誠君着席〕

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それじゃ企画庁長官ですね、御用があるようですから簡単に最後の一つだけ伺っておきます。  それは、いわゆる所得政策に対する報告書ですね、正確には「物価、賃金・所得、生産性研究会報告書」、これはどういうふうにこれをお取り扱いになるのか、それでこれをどういうように評価されているかですね、これは非常に注目されているんです。今後やはり物価対策として所得政策を政府が、直接ではないかもしらないけれども、この趣旨に沿うてだんだんやっていくのじゃないですか。これをずっと見ますと、とにかくあれですね、労働不足による賃金値上がりがやっぱり物価値上りの基本的な原因であるようなあれがかなり強いですね、これを見ますと。ですからこれは相当問題があると思うんです。私はそれは事実に反していると思うんです。また事実に反しているいろいろ資料もこの中にあるんですよ。そうでないような資料もありますけれどもね。ですからこの取り扱いですね、所得政策について今後どういうふうにお考えになっていくのか、実際所得政策をやろうとしているのか、この点ですね、伺っておきます。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) ごらんのようにかなり学風の違っております五人の学者がこの報告書をまとめられたわけで、したがって、報告書の合意の範囲がかなりゆるやかなものであり、あいまいな点も多少あると思いますが、しかし、これだけの考えの違った人が一つの合意に達したということを私は一番評価したいと思うんです。そういう合意が国民各層にだんだん広がっていくことが望ましい、この点を一番大事な点と考えております。  なお、この報告の中のエッセンスは結局成長しながら物価をあまり上げない方策いかんということであって、それについては従来言われておるいろいろなことの政策とともに補助的な、補完的なものの考え方としていわゆるフィリップスの曲線をできるだけ原点に近づけていくことについての合意、これが大事であるということを言っておりますが、これがこの報告書の眼目になる部分だと考えております。私としては、したがってこういうゆるやかであっても、この程度の合意が国民各層に広がることが一番大事なことでありますから、無用に世の中を刺激して自然にこれが広がることを妨げるようなことはいたしたくない、こういう考え方でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 もう一つだけお聞きします。  これ見ますと、結局まあ高度成長のもとに物価があまり上がらないようにどうしたらできるかということがまあ主になっていますが、しかし、これをよく読んでみますと、結局高度成長のもとで労働不足の問題起こってくる、賃金が上がると、今後利潤部分に賃金が食い込まない以上は物価値上がりは避けることができないというような結論になっていると思うのです。だから、これをいまの資本主義の経済体制のもとで高度成長やる場合はやっぱり物価対策に限界があるのだということを、これを私は示したと思うのです。そうしてこれはどうもこの財政金融政策——この中にも書いてありますが、ややもするとこれは政府が財政金融政策の失敗による、その他の政策の失敗による物価値上がりを経営者とか労働者に転嫁する危険があるのではないかということを指摘していますね。またこれを実施すると安易にこれに依存して、労働賃金を押えるほうに重点を置いて、経営者がその経営努力を怠る危険があるのではないかということも指摘されています。結局私は最後にはやはりこの金融なりその他計画的に経済を運営していく、まあ最近では何というのですかね、混合経済とか何とかいわれていますけれどもね、そういう計画的な、統制的なものを動員していかない以上は、私は物価対策というものは、口では幾ら言ったっていまのこの条件のもとでは不可能である、困難である。だから、できるがごとく政府が言っているのであって、そういうことを私はこれは証明したものであると思うのですが、いかがですか、そういう点は。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 私は、そう考えておりません。私の理解するところでは、いわゆるケインズ以後の経済政策において完全雇用の達成が近づいてくると、そのときになお成長しながら物価を総体的に安定させる方法いかん。それは全然道がないかといえばないわけではない。ただそれは、これさえあればできるということではなくて、在来の政策努力を怠るということは厳に戒めなければならない。それが基本であって、それに加えてトレード・ホフの曲線の問題があるのだ、こういう問題指摘だと私は受け取っております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 お急ぎのようですからけっこうです。また次の機会にお伺いします。

松井誠日本社会党

○理事(松井誠君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

松井誠日本社会党

○理事(松井誠君) 速記を始めてください。

二宮文造公明党

○二宮文造君 大臣の時間の関係もありまして、本論をかいつまんで申し上げておきたいと思うのですが、と申しますのは、昨年の十月の二十七日の本委員会でございますが、問題の宇野——高松のフェリーの免許につきまして相当に疑義を残しておりますし、同時にまた利用者に不便をかけておる、運輸省当局の方針はどうなのかというふうに私のほうから質問をいたしました。その後どのように運輸省でこの問題につきまして検討を願いましたか、まず、大臣からお伺いをいたしたい。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 宇野——高松間のフェリーにつきましては、四国フェリーが昭和四十二年十一月三十日、日本通運が昭和四十二年十二月二十五日、それぞれ条件解除の申請を行なってきております。運輸省としましては、この申請に対してとりあえず混雑が著しいと思われます年末年始、ゴールデン・ウイーク、旧盆、そういう期間中にそれぞれ十日間ほど条件を解除するとともに、この二月から八月までの間四回にわたって実態調査を行ないました。この結果によりますと、総体的に見れば三〇%ないし五〇%の需給率でありますが、特定の曜日や特定の時間帯について見ますと、混雑度や車種別の利用状況に大きな差があり、特にピーク時においては輸送力が不足し、乗用車等の積み残しもかなりあることが判明いたしました。そこで、運輸省としましては、本航路における航送需要が年々急速に増加しており、またピーク時において利用者に迷惑をかけている事情等も勘案いたしまして、できるだけ早期に運輸審議会にはかりまして措置をきめたいと考えております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 大臣の御答弁によりますと、前向きにこの問題を解決されるように運輸省は姿勢をとっておられる、非常に了といたしますが、ただ四回にわたって調査をされた。それからまた全体的には需給のアンバランスというものはない、こういうふうなお話でございましたけれども、実態を調査された日にちに非常に関係が出てくるのであります。また、早い話がつい先ほどの十月の二十二日、二十三日、この時点におきましては、乗用車に限っては六時間も客が時間待ちをしなければならない、こういう事態が随所に出てまいってきております。したがって、いま御答弁になりましたように、特定の日時あるいは特定の季節、こういうふうな考え方が本航路に関しまする限りは、もはや該当しないのではないか、その証拠にただ一つ制限を受けておりません宇高国道フェリー会社は新造船を来年の一月末に進水をさせます。これは千トンであります。そして三月から就航させたいというような意向を持っております。ですから、私先般問題にいたしましたのは、三社が走っているわけでありますから、この三社が同じような条件で、それぞれ会社の大小はありますけれども、少なくとも免許というものについては同じような条件で当該航路を走らすべきではないか、そうしないところに、巷間種々のうわさが飛んで、かえって運輸行政がとばっちりを受ける。本来公平に運営してきたはずの運輸行政がとばっちりを受ける。これではまことに好ましくないという意味におきまして、私は再三お伺いしたいわけでありますけれども、運輸審議会にはかる運輸省当局の態度ですね、どういう点を運輸審議会におはかりになるのか、この内容をお伺いしたい。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) この需給の度合いを四回にわたって調べたところによりますと、ピーク時及びピーク時以外についても克明な調査をしております。もし御要求があれば、参事官から御説明をさせていただきます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 私も数字を握っております。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 要するにお客さんの利便を考えられることが一番大事なことでございますから、お客さんに御不便をかけないように諸般の手続を進めていきたい、そう考えておるわけでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 私のほうで、本航路に限りませんが、問題を本航路に限って申し上げてみますと、運審の認可されました内容というのは、トラックに限るというのが日通フェリー、四国フェリーについての条件であります。したがいまして、私はトラックに限るということはもはや撤廃すべきではないか。したがって、乗用車もバスも同じように三社が運航できるように措置をしていただくべきではないか。これが一点。  それから船舶に乗る乗客の定員が制限されておりますが、これは私専門でありませんので、伺った話なんでございますけれども、船舶の定員というのは、船舶安全法に基づく定員を採用されるべきである。特に海上運送法などによって定員の制限を加えることはおかしいのではないか、こういう専門家の意見でありますが、この点もどうでしょうか。  それから当然三社が競合してまいりますから、ここに激しい競争が行なわれることも予想されます。したがって、運輸行政の一環として、もし同じような条件で三社が走るとすれば、そこに、たとえば、三社間において運輸省があっせんをしてダンピングにならないように、また客に迷惑をかけないように、何かの協定を取り運ぶような姿勢を運輸省がお示しになることも必要ではないか、このようなことも考えます。  また一番問題になります第四点は、運審にはかります場合に、季節的あるいは時間的あるいは曜日、そういうふうな問題に限って運審におはかりになるのか、あるいはそういうようなことは全然考えないでトラックに限るということを解除する、こういうふうにおはかりになるのか。諮問の内容になってまいりますので、立ち入ったお伺いになるかもしれませんけれども、この点答弁をいただきたい。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 二宮委員が御要望になりました線に沿いまして、船舶の安全及びお客の需給、それから乗る乗客の安全等もよく考慮いたしまして、お客に迷惑をかけないで安全で行けるように考慮して措置していきたいと思っております。  なお、その場合に三社間でいろいろ需給関係について、安全その他についてもまた話し合うこともあるいは必要かと思われますので、二宮委員のお話のように、運輸当局がその間であっせんするということも十分考えていいことであると考えております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 大臣の明快な答弁によりまして、また一つ瀬戸内海の黒い霧のようなものがはれかけたような気がいたします。どうかひとつその線に沿いまして、早急に施策をお願いいたしたいと思うわけであります。  それからこれは政府委員を通じてお話を申し上げてあるかとも思いますし、この委員会にかかった案件によりますと出ていないので私ちょっと気にしておりますが、自動車局の関係の方お見えになっておりませんか。——来ていない、そうですか。じゃ、次回に譲ります。  以上で終わります。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 大蔵大臣に伺いますが、すわったままでけっこうです。  税の適正見積もりについての質問なんです。四十三年度の自然増収の見積もりですね、これはどの程度に見積もっているか伺いたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 予算に対する収納の歩合いは昨年度に比べて八月が、八月以前はそうございませんでしたが、八月を見ますと二・一%昨年よりいい。ところが、九月になりましたら、これが〇・一%実績が減っているというようなことで、二%でございますが、この率ぐらいでずっといくとしますというと相当の自然増があるということが言えると思いますが、いつも言われることですが、問題は下期における法人の決算と、それから十二月の一般の賞与の出方と、これに非常に左右されますので、こういう不確定要素がある以上は、二%平均の成績でいくかどうかということはいまのところ断定するのは少し早いと思います。まだ、実績が一年間で四〇%前後の実績でございますので、ここでことしこれくらいになるだろう、三月までの自然増はこれくらいになるだろうと言うことは、まだいまのところは早いと思いますし、実際においてもこれは見込めません。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 本年度の予算編成のときに、前提とした経済成長率名目で一二・一%だったわけですね。ところが、最近では大体一四、五%と名目で見通されておるわけですね。そうしますと、かなりの自然増収が予想される。さっき大蔵大臣も別の角度から言われましたが、私の計算ですと、成長率を一四・二%と見たとき、これは日本経済研究センターがそう見ているわけですが、それは低い成長率のほうの見通しですが、かりに租税の弾性値を一・五と見ると、その場合に二千六百七十八億という数字が出てくるわけです。必ずしもこれはこだわるわけじゃないのですけれども、一応、こういう試算が出てきたわけです。それから経済成長率が一五・二%、これは国民経済研究協会の見通しですが、一五・二%と見て、弾性値を一・五と見ますと、三千二百十二億という自然増収の見積もりが出るわけなんです。したがって、一番最低の成長率と見ても二千六百七十八億ですからね、三千億近い自然増収が予想されるのではないか。その点は大蔵大臣いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) とにかく、四十三年度の経済見通しが狂ったことは事実でございますので、当時はあの経済見通しに基づいてここの予算委員会のときに申しましたが、大蔵省としては相当税の見積もりを目一ぱいにしたと思っておりますが、目一ぱいの見積もりの経済見通しに基づいてしたつもりでございますが、もとの経済成長が狂ってきましたので、したがって、ある程度の自然増があるだろうということを当初は私どもも考えておりましたが、この実績となってくる統計が、いま申しましたように二%前後の予算に対する伸びぐあいの好調ということでございますので、それから見ますというと、いま言ったような数字が簡単に出てこないというふうに思いますので、これはもう少し先にならなければ何ともいえませんが、きょうまでの実績から見ますというと、三千億、四千億なんというそういう大きい自然増があるということはいまのところ見通せません。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 私は、なぜこの自然増収の見積もりについて質問するかというと、いままでも過小見積もりをしてきたわけですけれどもね。四十年度は過大見積もりでございましたけれども、二千百九十億赤字が出てしまったのですが、そのほかの年度は大体過小見積もりになる、結果から見て。しかし、特にいまの段階で私は自然増収の見積もりをもっと適正にしなければならないと強調したいのは、総合予算主義をとるようになりましたからね、補正をしないというのでしょう。それで一体予算を組んでしまってからあと補正をしない場合に、その税の見積もりが過小になったという場合ですね自然増収がたくさん出てきたときに私は相当問題になると思うのです。従来でしたら、それで補正を組んだわけです。ところが補正組まないのですからね。ですから、当年度相当適正な税収見積もりをやらなければいけない。四十三年度も大蔵大臣は目一ぱいの見積もりをやったのだと言われますけれども、それでもなお私の試算では二、三千億の自然増収はある。そこでいつもわれわれが自然増収を質問しますが、大蔵省非常に慎重な態度で答弁される、それは財政当局としてはこれは当然だと思うのですよ。しかし、大体しろうとのわれわれが質問をして大体この程度じゃないかというのがたいがい当たっているのです。いままでの例です。そこで私は四十二年度の自然増収を伺いたいのです。どうなんです、四十二年度の自然増収。これは事務当局からでけっこうです。

細見卓大蔵大臣官房審議官

○説明員(細見卓君) 御承知のように、四十二年度は補正予算を組んでおりますので、補正予算後にいたしますと、千六百七十億の赤字になりますが、当初予算との関係では、二千八百八十億程度の自然増収になっております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そうですね。大体内訳ますと、租税印紙収入が二千九百四十三億、専売益金九十億、官業益金二億、政府資産整理収入三億、雑収入二百十九億。租税印紙収入の減四十二億ありますから大体三千億ですね。そうしますと、当時四十二年度の補正のときでしたか、大体私は三千億くらい自然増収があるのじゃないかという質問をしたのです。そのときも非常に慎重でしたがね。大体三千億くらいあったわけですね。それで大蔵省では各税目別に詳しく試算しますが、全くマクロ的にたとえば成長率に弾性値をかけてやるでしょう。どうもそのほうが当たるのです、大体当たっています。ですけれども、まあ当たるも八卦、当たらぬも八卦、そういうわけに租税の問題はいかないのでありまして、しかしこれは特にこの総合予算主義をとるに至った段階ではいままで以上にこれは十分に見積もりを適正にしなければならぬ、そう思うのです。その点は大蔵大臣いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) まあ、総合予算主義をとったからといって税収の見積もりはそう変わるわけではないと思いますが、しかし、従来の例からいいますというと、年度の途中で相当大幅な予算の補正をやっておったことは事実でございますので、当初予算の見積もりにおいて、少しそういう補正財源ということも考えた見積もりがしてなかったと言えないこともございませんが、もう予算の補正をしないということになりますというと、この税の見積もりは当初から正確に見積もるべきものだというふうに考えますので、これは今後そういうふうに十分気をつけるつもりでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 四十三年度で自然増収が、まあ、私の試算のように、二、三千億出るとしますね、あるいはもう少し固く見て千五百億くらいとかりに見てもいいです。その場合、この自然増収をどういうふうに使われるのか。どうも国債発行を減らすほうに使うというふうに言われておるのですが、その補正を組まないで、当初見積もりより自然増収がふえた場合、補正予算を組まない。そうすると、これは補正を組まないから国債の減額に充てると、そういうことになるのですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 実際問題としまして、やはりまだ私どもは今年度の自然増収の額のほんとうの額は推定できませんので、したがって、自然増収があると見越される場合には、昨年はやりましたが、自然増収がどうなるかもうはっきりしない間に国債の減額はするという措置を去年はとって、勇敢に国債減額を打ち出したんですが、ことしは実際に自然増がどれくらいあるかわかりませんので、したがって、ことしはまだ国債の減額をやっていないということで、この見通しがつき次第国債の減額をはっきりきめたいと思っておるのですが、この自然増のぐあいがわからないので、本日まで今年度は、去年は七月にやりましたが、今年度は国債の減額をまだしてないという状況でございます。が、自然増がはっきりしてきましたら、国債のまず減額にこれは充てたいと、いまのところは考えておりますが、そのほかの余裕のある自然増があるかないかが、ほんとうはいまのところは私どもわからないのでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そうしますと、今後総合予算主義を定着さしていくということを言っていますけれども、総合予算主義をとる場合ですよ、そういう自然増収が出た場合ですね、補正を組まないというと、今後においてもそういう場合には国債の減額にのみ充てるんですか。補正を組まないということになると、そういうことになるのですか。今後においてそういう総合予算主義のもとでは、自然増収が出ると、これは国債の減額に充てると、そういう方針になっていくわけですか、本年度だけじゃなくです。総合予算主義のもとにおける自然増収の処理の問題です。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) これは予備費をもっても対処し得ないという不測の経費というようなものがございます場合には、この自然増のある場合にはそれによって予算の補正をするというようなこと、たとえば大きい災害があったというようなときには予算の補正はすることになろうと思いますが、そうでない限りは、予算の補正をしないというのが総合予算のたてまえでございますので、これからもし余剰金が出るという場合には、それはたとえばいま言ったような国債の減額というようなものを一定の額によってし、そのほかの余剰が出るという場合には、これはもう余剰金としての取り扱いをするということになろうかと思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 政府は総合予算主義というのをいつまで続けるつもりなんですか。これは今後もうずっとそういう補正を組まないという方針を貫いていくのですか、定着ということを言っておりますけれども。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) この今年度とった総合予算主義というものは私は今後ずっと続けたいと思っております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 財政法二十九条でしたかね、補正の提出権、財政法との関係はどうなんですか。旧憲法では増額修正できなかったですね。いま、新憲法では増額修正できるのですよ。そういう場合、予算編成権は政府にあるのですけれども、政府が総合予算主義を定着させ、今後においてもずっと補正を組まないということになりますと、その新憲法において与えられた国会の増額、修正権までこれを私は否定するものではないかと思う。それは法律上は何というか、一つの政策ではあるかもしれませんけれども、しかしそれをあまり固執すると財政法二十九条、いわゆる補正予算を財政法で認めておるのですから、いまの近代社会において非常に経済変動も激しいときにむしろ補正を認めないことのほうが財政を硬直化させるのじゃないか。逆じゃないですか。ある時点において非常にいままで不健全であったから健全財政を貫く、そのために一時的に総合予算主義をとるというならわかりますよ。単一予算主義ですか、わかりますけれども、しかしいま大蔵大臣が言われたように、この恒久化をするということになると予算の増額修正権までも何か押えるようなのは行政府として越権行為じゃないですか。憲法と財政法との関係はどうなんですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) まあ、国の経常支出を経常収入でまかなうという場合でございましたら、非常な自然増収があったというときには、これを増額修正するというような事態も起こり得るかもしれませんが、いまはそうでなくて、国債という国が借金をもってまかなっているときでございますので、そういう自然増収が出たという場合には、まずもってその借金部門を削っていくというようなことが必要なことでございますので、その幅のある間は、そういう形で総合予算主義をもって対処しても私はいいのじゃないかというふうに思っております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それと、公債の依存度がある限度にきたら、ある限度というのは、非常にいままで一〇%程度、それを五%とか三%にする。政府は五%程度まで依存度を下げると言っている。そこまできたら、それは公債減額にとらわれないで、それは減税に回すとか、あるいは補正を組んで社会保障の充実に回すとか、その他のほうにこれを使うとか、そうされるつもりですか。これはいまの公債依存度が高いから一時的な便法としてやるんだということならわかるんですが、どうですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 私は自分ではそう考えております。もう公債は発行しないというような事態でございましたら、非常に多額な自然増があるというときにはまずもって減税するとかいうような増額修正は、これはしても一向かまわない。しかし、そうでなく、いまのように世界一の公債依存度を持っておるというときにおいては、もう普通の自然増収は、まず依存度を下げることにつとめていくというのが財政運営の筋であろうと思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 四十年度の公債発行、これは政府もはっきり赤字公債だ、二千五百九十億、これははっきり認めたわけです。だから財政法の特例措置を講じて、そうして赤字公債として発行したんですね。ところが、四十一年以後の公債発行ですが一四十一年七千億ですか、計画は。四十二年八千億、本年は六千四百億、これは財政法上建設公債として認められているのだという立場で発行してきているでしょう。建設公債ならこれはインフレを起こさないと前に政府は強調していた。しかしそれなら自然増収が出てきたときにどうして公債を自然増収によって一生懸命償還するか、これは歳入補てん公債と考えているからそうせざるを得ないでしょう。そうしたら赤字公債じゃないですか。赤字公債的であるから、自然増収が出てきたらなるべくこれを少なくしようとしておるでしょう、そうじゃないですか。そうでなければおかしいと思うんです。いままで健全なる建設公債ならなぜ自然増収が出てきたときに減らさなければならないですか。健全なる建設公債ならば、自然増収が出てきたら減税に回すとか、ほかのほうの補正を組んで、人事院勧告も五月実施するには十分自然増収でできるんですよ、本年度消費者米価を上げなくともいいと思う、自然増収を食管会計に繰り入れればできると思うんです。なぜそんなに公債の減額に政府は一生懸命になるんですか。われわれも公債に反対したわけです。いまの公債はこれを建設公債といっているけれども、これは赤字公債だとわれわれは前から言っているわけです。その点はどうなんでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 公債が認められておる理由は、たとえば公共事業のような、国民に対する何といいますか効果を長く発揮するようなもののまかないをその年の税でやるかということになりますと、長い間国民に効果を発揮するものはやはり長期にわたる借り入れ金でまかなうほうが至当だというようなことで、公債発行が全部悪いことではなくて、公債発行の妥当性というのは十分認められておるところでございますが、しかしどれだけの公共事業をするか、それによってこの財源を、どれだけの部分を公債に仰ごうかということで当初予算を組むんですから、組んでしまったあとから、かりにいま言ったような自然増が出てくるということでございましたら、それだけの公共事業の執行を、その年の税によるということを私どもは避けて公債発行の限度というものをきめたのですが、それが自然増が多くなってきたというときには、その一部を税の負担を振りかえて決して差しつかえないことでございますので、したがって自然増が出た場合に、そう最初にきめた国債の発行額をここで調整するということは差しつかえないことで、それをやれば最初の国債の発行額が赤字予算であったと、直ちにそういうふうに言うことはもうどうかと思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 私は公債政策が行き詰まったと、つまりこれは公債発行しても銀行がこれを引き受けたくなくなったというところに問題があるんじゃないですか。いわゆる銀行奉仕じゃないですか、金融資本奉仕。というのは予想以上に設備拡張が拡大されて資金需要が多いから、公債みたいな低利回りのものでは損ですから、銀行はなるべく公債は引き受けたくない。その資金を事業会社に貸し付けたほうがよっぽど有利ですから、そういう金融資本の銀行の利害からきているんじゃないか。そこで自然増収が出た場合に公債の減額に非常に重点を置く。私はたとえば二千億かりに自然増収が出たら、私は公債発行は反対ですから、一応公債を減額するのに全然反対じゃありません。しかし千億を公債減額に向けたら千億は補正を組んで、物価値上がりによってみんな、社会保障費その他生活保護費、みんな切り下げられているでしょう、それをカバーする補正を組むべきだと思うんですよ、私は。ところがそうやらないということは、何か非常に、一部のそういう銀行本位の、金融資本本位の考え方で、またそのことが財政硬直化になったんじゃないですか。いわゆる公債政策が行き詰まったということは、銀行が公債を買いたくなくなった、ほかに資金を貸したくなった、そこに問題があるんじゃないですか、大蔵大臣。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 御承知のように経済見通しに基づいてまず予算の規模をきめるということがフィスカルポリシーとしてまず一番重要なことでございますので、したがって物価対策の面から考えましてもどこから見ましても、その年度の予算の総ワクをどのくらいに押えるか、引き締め予算であるかあるいは膨張型予算であるか、どういう予算を組むかということは、そのときの経済情勢を見通した上でやることでございますので、そういう見通しの上に立って一たん予算のワクをきめる。そうして諸経費も本年度はそう多くふやさないということをきめるということは、これがいわゆるときの財政政策でございますので、この政策はやはり変更せずに堅持する必要があるということになろうと思いますので、経済の見通しが、若干の税収が自然増があるからといって、そのときにそういう必要性を持ってきめた諸経費を増額してこれを使うというようなことは、これは私は不適当だと思います。当初予算のときには、そういいかげんに当初予算を組むんではなくて、相当引き締めた予算を組むか、そうでなくてやはり思い切って必要経費を増額する予算を組むかということは、そのときの経済の情勢によって違うんですから、税収の狂いが若干あるからといって、その大もとの政策まで変更するような予算の修正というようなものは実際問題として私はやはり不適当だと、こういうふうに思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 予算を、財政を取り扱うものは非常に困るわけなんですけれども、というのは、四十三年度なら四十三年度の予算、六千四百億の公債を予定して組むわけでしょう。そうすると今度は、片方では財源としては自然増収がある。そしてまた、公債は、依存率は大体その二〇%、それで四十三年度予算はできているのでしょう。そして公債発行については国会承認が要るわけですね。ところが、公債を今度は減らすときには、自然増収が出てきたら政府がかってに減らすんでしょう。そうすると、公債一〇%依存の財政というものと、それから、自然増収が出てきて、今度は公債の依存度を減らしたときの財政というのは当初と非常に姿が違ってくるんですよ。そういうふうに政府でかってにやっていいものかどうか。で、公債を、今度はこれから自然増収の出てきたときに、公債発行を減らすときには国会の承認を必要としませんか。自然増収が二千億出てきたら、そのうち千億はよろしいと、しかし残り千億は補正を組めと、あるいは千億は多過ぎる、五百億にしなさいとか、そうしなければあんまり行政本位じゃありませんか。公債を発行するとき、予算は公債発行を前提として組んである予算ですよ。自然増収が出てきた、政府がかってにこれをやる。だから私は今後公債を減らす場合にも、これは国会承認を必要としませんか。いまのところ公債発行は赤字公債はいけないとなっていますから、それで何でも公債を減額するのはいいようにいってますけれども、私はそんな単純なものじゃないと思うのですよ。それは漸減的に公債を減らすべきですよ。だけど、減らす過程において、またほかに物価値上がりその他で非常にひずみが出てきている、アンバランスが出てきている。社会保障、生活保護その他そういうものを補正で埋めなきゃならないものまでも公債減額のほうに回すということは、これは私は非常に何というのですか、おかしい。それも銀行本位でしょう。だから私は今後そうしないと、どうも国会の予算の審議権ですか、そういうものを私はゆがめると、むしろそれに対して政府がこれを押えるといってもいいですが、越権行為のようにも考えられるのですが、この点は大臣考える余地がないのですか。今後公債を全部、公債がなくなるまで、過程がありますから、——それは自然増収が二十億、三十億の問題じゃないですよ、千億、二千億という自然増収でしょう。いままでは五千億、六千億の自然増収だったですね、わずかの自然増収じゃないですから。この自然増収の取り扱いについては、私はもっと民生安定のほうに重点を置いて、それだけ取り過ぎたのですから税金を返す。あるいは返さなければこれはいわゆる社会保障その他に振り向ける。その一部を公債の減額に充てるというならわかりますよ、それは。ところが、公債減額に充てるけれども、補正は全然しない。こんな私は不健全な不均衡な自然増収の処理のしかたはないと思う。これは何か改善を加える必要はないのですか、この自然増収の処理について。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) いま言われるような膨大な自然増が出るかどうか、まだ今後わかりませんので、国債の発行額というのは、国会から最高限度を予算において承認してもらっているということでございますので、この限度内において国債の減額をするというのは政府の権限でできることで、予算の補正を必要としないものだというふうに考えております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 あとは二つだけ質問して終わりますが、もうそう時間長くかかりませんから。  その一つは、四十四年度の予算編成の問題ですが、いま新聞なんかに、非常にいろいろ報道されているんですが、減税か、あるいは国債減額かいろいろいわれていますが、これは期するところ自然増収の見積もりいかんによって減税もできるし、国債減額もできる、こういうことになると思うんですよ。新聞では、大蔵大臣は減税もやれと、国債減額もやれと、相当なる自然増収があるであろうと、一兆二千億ぐらいあるのじゃないか、こういうような水田構想というものが報道されておるのですが、私も——大体これは主計局は九千五百億ぐらいじゃないかといっておるようですが、大体大蔵大臣の見積もりぐらいに、一兆円以上あると見るのがいろいろな計算からして見ても常識だと思うんですよ。そうすると大蔵大臣、減税は単に課税最低限を引き上げるだけでなくて、税率のいわゆる中堅所得層というのですか、あの税率緩和もあわせてやるべきだと思うんです。それだけの財源はあると思うんです。そう思うんですがいかがでしょう、その点。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 今年度の自然増もわからないくらいでございますので、まだ来年度の税収見通しというものはいまのところできません。これが見通せるようになりましたら、その財源内でどういう新しい政策をするかという経費の問題、公債をどれだけ減額するかという問題、減税をどれくらいの幅でやるかという問題が、この税収の見込みに基づいて予算規模をきめるときに総合的にきめられる問題だというふうに考えています。したがって、いま金額的なことは言いませんが、来年度の経済は、国内の経済を見ますというと非常に基調が強い、しかも米国経済その他の先行きの見通しということから考えましたら、来年、景気刺激的な予算は組めない。慎重型、警戒型の予算を組むべきだという一般論はいまのところ言えると思います。で、そういう予算を組む過程において国債のあり方ということでございますが、やはり好況の年、過熱のおそれがある年というのは、できるだけ公債は減らすべきだという、公債依存度をできるだけ下げるべきだということも、これは一般論として言えることでございますし、来年のやはり予算編成の一つの方針になると思います。同時に、減税の問題でございますが、これは物価も上がるし、国民の所得もふえる、名目所得がふえるに応じて相当強い累進構造を持った所得税でございますので、ほっておけばそのまま実質的増税になってくるというのがいまの所得税のあり方でございますので、したがって、所得税の減税というものは私はやはりやらなければならぬ。で、税制調査会からもいろいろ言われておりますが、税制調査会は、まず課税最低限の引き上げというものをやって、そして税率の問題にまで入るべきだ、その期限は何年ということを言っておりませんが、私どもの考えは、国会でもたびたび言いましたように、あと二年間で課税最低限は百万円まで持ってくるという公約らしいものをしておりますが、しかしサラリーマン所得の減税から見ますというと、それが終わってから税率調整をやるというのでは少しおそい。やはり課税最低限の引き上げと一緒に税率の調整というものもやる必要があるのじゃないかというふうに私はいま考えております。その所得税の減税ということと、予算の中における税負担、一般の国民負担から見てネット減税がどうなっているかというのは、これは別の問題だというふうに考えて、とりあえず所得税の減税は思い切ってやりたいというふうに思っております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 まだ質問あるのですが、和田君がちょっと超過負担について御質問あるようですから、最後に、私は予算の作成の形式を、さっき大蔵大臣がいろいろ改善するために努力されているということを言われましたが、事務当局でけっこうですが、どういうようないま作業の進行状況ですか。それについて要望があるのです。私が間接的に聞いたところでは、かなり予算分析するのにわれわれにとってはむしろ何というか、非常に便利な効果的な作業をやっているように聞いているのです。せっかくそういうわれわれに予算分析に都合のいいような予算の作成形式の作業をやっている機会に、いままでたとえば防衛費なんかの項、あれなんか大き過ぎてしまってほかとのバランスがあまりとれないでしょう。一つの項なんかで防衛庁なんかもう非常に大きいのです。それから国庫債務負担行為なんかについても、あれについては各日明細がまた非常に不親切でありまして、これは国庫債務負担行為についても、各日明細についてもっと何というのですか、積算の基礎をはっきりさせるようにこの際改善してもらいたいのです。いまの各日明細せっかくもらっても、あるものは非常に詳しいですよ。たとえば皇室費の中で、皇室の何か新しいあれを建てるというのは非常に詳しい積算の基礎が載っかっているのですが、防衛庁のほうになると詳しく載っていない。国庫債務負担行為なんかになると積算の基礎が明らかでございません。それから公共事業費なんかも。ですから、これを機会に、せっかくそういう改善をいまやられているのですから、そういう点についても改善していただきたいのです。いまの進行状況と、それから要望について申し上げたいのです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) いまの防衛庁の問題は、この委員会からももう前回指摘されましたので、項の分割についても検討中でございます。それからやはり予算書をわかりいいようにということからいろいろのいまくふうをこらして検討中でございますが、大体四十四年度の予算書作成から実施したいと思いますが、一応、こちらの案が検討済みになりましてから、これは国会の皆さま方にやはり一ぺん見てもらって、御相談をかける機会を持って、それから予算書の作成に取りかかりたいという順序を考えておりますので、私どもの案ができましてから、国会にもいずれ御相談の機会があると思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私、午後、超過負担の問題で、大臣の出席を要請しておったのですが、からだのぐあいで出られないそうでございますから、具体的な問題は政務次官が出られますから、政務次官に求めますが、基本になる二つだけをひとつ御質問申し上げておきたいと思います。昭和四十年の三月十二日の参議院の予算委員会で、当時の田中角榮大蔵大臣が社会党の鈴木壽委員の質問に答えて、実は次のように述べておる。「いわゆる超過負担というものにつきましては、国庫補助単価の不足に基因すると、こういうふうにおおむね言われておりますが、補助事業に関連した単独事業の施行や行政の実施能力の差等によって生ずるものもありますし、また、地域的に物価差がありますので、そういう土地の条件等もこれらの要因になっておるわけであります。現在の法律で三分の二補助する、二分の一補助する、三分の一補助するということでございますが、こういうものは実施したものに対して、精算した金額に対しての精算補助を行なうというたてまえではないのでありまして、標準単価によって、標準的な地方公共団体において、最も合理的な状態において事業が施行せられるという前提に立った標準単価で補助をすると、こういうたてまえでありますので、いまの状態で政府は法律違反を行なっておるという考え方ではありません」田中元大蔵大臣はこのように述べているのでありますが、水田大蔵大臣も同じように考えていらっしゃいますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 私も、いま言っておる範囲においてはそのとおりだと思います。で、やはり実情をつかまないと、超過負担と一がいに言われておりましても、かってに地方でつけ増しをしたり、単独事業もございますし、この経費増を地方の超過負担だと言われても困りますし、いろいろな問題が、いまおっしゃられたような問題がありますので、一ぺん実態調査をしようということで、関係省が昨年実態調査をし、本年また他の補助対象についての実態調査をやっておるということでございますので、この実態がだんだんにいま明らかになってきております。したがって、これを三年間で解消するとかというような計画のもとにいまやっておりますので、今後この問題は急速に是正されることと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 同じこの予算委員会で、佐藤総理大臣が、超過負担の問題について、次のように答弁しておられるわけですね。自治省だけの案よりも地方制度調査会の答申を尊重して云々、こういうふうに総理は述べているのです。そこで四十一年の十二月八日の地方制度調査会の答申は、こういう答申を出したのですね。「超過負担の解消を期するためには公正、妥当な基準を設定することが肝要である。その場合、補助単価等は国が自ら事務事業を実施する場合の単価、大部分の地方団体の実績の平均等をめどとして適正に決定すべきである。」、こういうふうに答申しているのですが、この点について総合的な改革を行なうつもりはありませんか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) この実態調査の結果によって、事実上この補助単価が非常に低いということが認められたものは、単価の改正をもう本年度からやっておりますし、この調査によって無理だと思われる、単価の適正でないと思われるものの単価の変更ということは、これは当然やるべきで、現に着手しております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 時間がありませんから、簡単に国際金融局長にちょっとお伺いしたいのですが、最近外貨準備ですね、これは非常にふえてきている。急速に、二十五億五千万ドルくらい十月末になるのじゃないかといわれていますが、今後の見通しと、それからいわゆる適正外貨準備というのはどの程度に政府は見ているのか。前に企画庁で試算したものがありますが、まずその点ひとつ伺いたい。

村井七郎大蔵省国際金融局長

○説明員(村井七郎君) 木村委員の御質問でございますが、外貨準備がここのところ漸増しておることはそのとおりでございまして、私たち非常に喜んでおるわけでございますが、今後の見通しはどのようであるかという点につきましては、まだ私たち関係者とは十分詰めをしておりませんけれども、個人的な感じも多少まじえて答えさせていただきますれば、今後年末にかけまして、輸出期にも入りますので、やはり漸増していく。年末にはおそらく私は二十七億ドルとか、あるいはそれをこすというような感じに、これはそういうわけで個人的な感じを多分にまぜての話でございますけれども、なるのではないかというふうに思っております。しかしその後は、これまた季節的に輸入シーズンに入りますので、一−三月はやはり減っていく傾向にある。したがって、年度末としての来年三月末では現状に近いような線まで戻るという感じがいたしております。それで、その以後の話になりますと、これはいろいろ国際環境、国内の経済状況ともにらみ合わしての話でございますので、私自身はなかなか楽観を許せないというのが来年度あるいは来年の姿ではないかというふうに思っております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 適正外貨準備というのはどの程度に見ているのですか。

村井七郎大蔵省国際金融局長

○説明員(村井七郎君) 適正外貨量でございますが、私は適正外貨というものが、従来いわれておりますように、非常に数字的にはむずかしい問題であろうと思いますが、考え方といたしましては、私はやはり年間輸入というものの規模を考えまして、それにある程度相応ずるような、たとえば三割とか四割とかというようなものが非常に望ましい、望ましいという意味で適正ではないかというふうに思っております。まあ適正外貨保有だけでいいのかどうか。むしろ私たちは、為替銀行の勘定等も含めた対外バランスというものでもって考えて、その適正対外バランス、あるいは適正支払い能力といいますか、そういったものをどの程度に目安に置くか、これまた非常にむずかしいわけでございますが、大体その点につきましても日本の経済規模からいきまして、もう少し大きなものであっていいのではないかというふうに思っております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 前に経済企画庁で昭和三十四年の試算があるのですが、適正外貨準備の試算の例が。たとえば季節変動準備として幾らとか、景気変動準備として幾らとか、異常危機として幾ら、あるいは信用保持準備として幾らというような試算があるのですがね。大体こういうような試算と、それからさっきいわれた大体輸入の何割ぐらいというものと、大体そんなに違わないのですかね。大体そのくらい見ているのですか、政府は。

村井七郎大蔵省国際金融局長

○説明員(村井七郎君) いろいろな要素を積み上げてその適正外貨準備量というものを解説するやり方というものはあるかと思いますが、まあしょせんそういう分析は、全体の輸入と比べて適当な量であるかどうかということを絶えず頭に置きながら、そういう解説をするということに結果としてはなるかと思います。したがいまして、説明の便宜方法としてそういう分析を考えるということで私はいいのではないかというふうに思っております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それから次に、この外貨準備の質の問題ですが、特にその中で金準備の問題ですが、これについてはどうお考えか。前にIMFから少し金を買い入れたとか聞きましたが、これは時間がありませんから簡単に申し上げますが、アメリカは前のゴールド・ラッシュのときに、あれはことしの三月ですかね、七カ国の中央銀行の総裁の集まるときに、アメリカとしては金の二重価格を採用しましたが、大体アメリカは金を将来は廃貨にしていくというような方向で考えている。それで、たとえば南アが金を売りたいといってもIMFで買うべきじゃないとか、いろいろ言っていたようですけれども、しかし日本としてはどうなんですか。やはりある程度は外貨準備の質を高める意味で一それでIMFはアメリカの圧力によって南アから金を買うことを拒否していたようですが、やはり実はIMFは南アが金を売る場合に拒否するのもおかしいと思うのです。一オンス三十五ドルならIMFは買うべきだ。IMFを通じて日本もやはり金をある程度保有すべきだ。ドルはやはり依然として不安ですから。ドルは不安だと思うのです、まだ。基本的にはポンドも不安ですから。そういう金準備の質を向上させる、そういう考えに立つべきじゃないかと思うのですが、その点いかがですか。

村井七郎大蔵省国際金融局長

○説明員(村井七郎君) 私、大体は木村委員と同じような考えを持っております。と申しますのは、ちょうど先月にIMFで大蔵大臣の説明もございまして、その中にもはっきり指摘されました点は、やはり金というものは日本としても必要だと考えておるので、それをいま各国の金所有、金配分というものとわが国の状態というものを考えてみると多少アンバランスであるということが感ぜられるので、将来の問題としてはIMFを通じて金を適正に配分すると、これが日本としての基本的な考え方であるので、そういった点を適当な場で検討をしてもらいたいという一つの提唱をされておられます。したがって、私たちの考えは、アメリカが将来廃貨、金を貨幣というものと全然関係なくしようということは、考え方としては一つの考え方とは思いますけれども、それを非常に性急に急いでやるという考え方には必ずしも同調しないわけでございまして、といって、南アであるとか、あるいはヨーロッパのある国であるとかいうように、いかなる通貨もあまり信用はおけないと、最後は金だけであるから金をもっと重要視すべきであるという考え方にも日本としては同調もしかねるという点があろうかと思いまして、私たちの考えというのは、どっちかというと、アメリカあるいはヨーロッパというものとの間のいわばアカデミックな議論というよりも、もう少し現実に即した日本の現在の外貨保有量とか、あるいは国際収支のパターンとか、成長率とか、そういうものと考え合わせたもっと現実的な金対策ということを考えておる。そういった意味からいきまして、現在の金保有は三億五千五百万ドルでございますけれども、今後外貨準備がふえるに従いまして、その一部は、やはりいま木村委員も御指摘になりましたように、適正な方法としてはやはりIMFが中心になって日本にも売ると、そういうかっこうで適正にふやしていきたいという考えを持っております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 もう一つだけです。ドル防衛協力について伺いたいのですが、最近、輸銀債を政府が買い入れる、一億ドルですか、金額は間違ったら訂正してもらいたいのですが、従来は、あの中期債は外貨準備の流動性を妨げるというので買わぬ買わぬと言っていたんですよ。しかし、それじゃ輸銀債と流動性の点についてどれだけ違うのかわからぬのですが、それを今度は急に買うようになった。なぜ今度は急に買うようになったか。ドル防衛協力についてそこに何か変化が起こって、今度やはり一そう、単に輸銀債を買うだけでなく、たとえば北爆停止の問題起こっておりますし、ポスト・ベトナムの問題が起こっておるので、そこでアメリカとしては日本にドル防衛協力を積極的に求めてきておるその一環であるのかどうか、そういう点を伺いたい。

村井七郎大蔵省国際金融局長

○説明員(村井七郎君) いわゆる中期債と申しますのは、木村委員も御承知のように、アメリカの駐留軍の支出というものと見返りの考えから発想されたものであるわけでございますが、それはともかくといたしまして、その流動性の点につきましては、要するに四年ないし五年間、つまり中期間その国の外貨準備を凍結するということになるわけでございますが、先ほど木村委員も御指摘のように、わが国の外貨準備のかりに二十五億ドルといたしましてもわりあい少ないという感じ、私たちもそう感じておりますが、そういった外貨準備の現状からいきまして、いまここでいかなる外貨準備の量にいたしましても凍結するということは、私はするべきではないというふうにも思いますし、総理はじめ幹部の方々もそういう考えをとっておられるわけでございますが、したがって中期債は買えないということをしばしば内外に言っておられると思います。ところで、二、三日前に発表になりましたアメリカの輸銀債でございますが、これは全然その点におきましてはいわゆる中期債と違っておりまして、流動性は確保されておるというわけでございます。大体三十日の予告期間、通知期間を置きましていつでも現金化し得るということになると思います。そういった意味で流動性はあるわけでございますが、これをいまなぜ買うようにしたかということでございますが、従来の日本政府の基本的な考え方と申しますか、これも総理以下たびたび話をされておられますように、やはり日本というものはドルの価値維持というものが非常に大事だと思っておる。これは円の価値あるいは日本の経済にも非常に密接なつながりを持っておりますので、この価値維持をする、あるいは協力をするということは基本的に大事なことであるのだけれども、それができるときにはやはりやる。それをいろいろな犠牲において、日本の経済の犠牲においてやるというわけにはなかなかいかないので、したがって、ことしの一月のようにああいう国際収支の危機で日本が引き締めをやっておるという時期には、中期債は買えないのみならず、いろいろな外貨の運用としても適当なものしかやれない。預金であるとかあるいは短期の財務省証券であるとかいうようなものしかやれない。ところが、いまはそういうことで外貨準備がふえてきつつあるし、国際収支も好転しておるという状況でありますので、いわゆる中期債のようなものは買えないにいたしましても、流動性の高いもの、確保されているものは、ある程度それを買うことによってドル価値の維持に協力できるということであればやろうというのがまあ日本政府の自主的な考え方、自主的な考え方から出たそういう発想でございまして、それがアメリカの国際収支のプラスになるのみならず、国内予算の面においてもプラスになると、また、大きい目で見まして日本の輸銀借款というものがこれで継続できるという見通しがつきましたので、それならこの際、流動性をそこなわないそういう輸銀債というものを買うことが日本にもまたアメリカにもプラスではないかという感じで決定されたと私は承知しております。  それで、ベトナムとかいうものが今後終息いたしますにしても、これがアメリカの国際収支にどの程度はね返ってきて改善になるか、半年後にはきっちりした国際収支の均衡状態が現出されるかどうかという点につきましては、私は、個人的にはわりあい時間がかかる。アメリカが、かりに休戦協定ができるにいたしましても、その撤退にはやはり少なくとも私は、これは個人的な感じでございますが、いろいろアメリカ筋とも話した結果の感触では、二年ぐらいかかるのではないかという感じを持っております。はたしてそうだといたしますと、アメリカの国際収支に与える影響というものは、いずれありますにしてもそう早いテンポではないという感じがいたしております。むしろそれよりもやはりアメリカとしてはいろいろな問題をかかえておる。また新政権になりましてやはり従来と違ったようなかっこうでの国際収支改善策というものを考えざるを得ない。よく言われますように、輸入制限措置というものをある程度強化するのではないかということもいわれておりますし、対外投融資というような従前の国際収支改善策というものをゆるめることによって逆に赤字要因がふえる、その赤字要因というものをやはりそういう直接的な制限政策によって対処しようとするというようなことにもなりかねまじといたしますと、今後われわれが日本側から見て、アメリカに対する輸出というものはかなり問題になってくる面があるわけでございますが、今度の輸銀債の問題自体は、そうだからといって、ベトナムがそういうふうになるからといって、輸銀債を買うとか、あるいはアメリカ側からそうだから買ってくれということでは全然ございませんで、それとは無関係にやっていく。むしろベトナムが終わりまして、それがアメリカの国際収支に早く影響する、またさらには、アメリカが新政権のもとで国際収支改善策を輸入制限措置とか、そういったことじゃなくて、もっと適当な方法でうまくやっていく、それを早く実現さしていくということでドル価値の維持をはかってもらうということがわれわれの目から見ても非常に大事なことではないかというふうに考えております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 最後に一つ。  ドル防衛協力は、やはり国際決済通貨であるドルの価値を維持するということが国際的にもまた日本にとっても重要だとおっしゃる、それはよくわかります。しかし、ドルの価値が動揺しているというその根本の原因はどこにあるかといえば、いろいろいわれておりますね、結局ポンドとドルが、キーカレンシーであるということをいいことにして——いいことにしてというのはEEC諸国の使い方ですけれども、そこで安易にインフレをやってきて、そして特にアメリカなんか、また日本でも宮澤長官は、ドルの信用は金準備にあるのじゃなくて、ドルが金にかわることにあるのじゃなくて、アメリカの威大なる生産力にある、これが背景になっておる、こういう考え方で、したがってドルの危機というものは心配に値しないなんということを彼よく言っていましたよ。アメリカの国民自身がそういう考え方に非常に陥っているが、やっぱり現在としては何としても現実に国際収支のバランス、それから金に結びついているということですね。金準備が十分であるということだと思うのです。それにもかかわらず、アメリカはキーカレンシーであることをいいことにして、どんどんインフレ政策をやった、私はそこにドルの動揺の根本の原因があると思うのです。だから今後政府に、ドル価値維持、ドル防衛協力について、たとえばインドネシア援助に対してアメリカと日本が均分に負担すべきだとか、いろいろアメリカからあると思うのです。しかし、そういう場合にやはり日本政府として、ドルの価値が動揺してきている根本の原因は、アメリカ自身が国際収支の改善に努力していないというところにある。まあ一時減税とかそれから予算の削減なんか多少やったようですけれども、しかし非常に不十分だ、ことにベトナムなんか二百五十億ドル以上の戦費を使っているというようなこともあるわけですから、これは国際的にもそういうふうにアメリカが特にEEC諸国から非難されているわけですけれども、そういう点、やはり日本としても、このドル防衛に協力させられざるを得ないいまの力関係にあるとしても、やっぱりき然として……。日本が多少輸銀債を買ってアメリカのドル防衛に協力するといったって、これはささいなことであって、もう本元をやはり正さなければならぬのでありますから、そういう点についてやはりはっきりした姿勢をとって、アメリカにもそういうことをはっきり言うべきじゃないかと思うのですが、その点について事務当局もやはりそういう姿勢をとることについて必ずしも反対じゃないと思うのですがね。今後そういう方向で進む、べきじゃないかと思うのですが、最後にその点について御意見を承って質問を終わります。

村井七郎大蔵省国際金融局長

○説明員(村井七郎君) アメリカの国際収支の赤字が長年続いております原因につきましては、確かに私は問題があろうかと思います。自由主義を守るということももちろんこれは基本的に大事なことであるわけですけれども、しかし、やはり国内経済の需要というものをあまりに刺激することによって国際収支の赤字がやはり長年にわたって続いてきたという現実に対しては、私たちはEECの国の連中のような、非常に政策的な、目的的な言い方はいたしませんけれども、経済運営の節度と申しますか、インフレを起こさないという経済運営をアメリカとしてはやはりまずやる。その点、木村委員が御指摘になりましたように、やはり私は非常に根本的な考え方ではないかと思いますが、まずやるということでないと、ドル価値の不安定ということを通じて自由主義国全体が困るようなことにもなりますので、その点は非常に私大事だと思いますし、現に昨年来国際会議等におきまして、私も出席したことがございますが、EPC、WP3とかいうような場でアメリカの経済運営について日本も発言をしたことがございます。その結果かどうか私は知りませんが、要するに世界の考え方というものは、アメリカの考え方を多分にそれを引っぱっていったと思いますが、やはり増税案というものが成立したのが非常に画期的な一つのことだと考えております。あれまでは、御指摘のように、アメリカも自分はみんなのために防衛をやっておるんだという考えがあまりにも強過ぎて、経済運営の節度というものが非常に軽視されておったと思いますが、それが増税案の成立等を機といたしまして、そのウエートがかなり変わってきたということは事実であろうかと思いますが、ポンドがああいうふうに凋落いたしました暁におきまして、今後ドルがほとんど唯一の国際通貨ということになってまいりますときに、完全な均衡、つまり、これはフランスあたりが言っているような、非常にシビアーな、完全な均衡を保つ、べきだ、そうでないと世界は崩壊するんだと言わぬばかりの、ああいうことまでは私たちは考えておりません。といいますのは、世界の貿易の伸びが大体八ぐらいの年率でもって伸びておりますけれども、金とかあるいは外貨というものの供給は二・四とか二・五とかいうような年率でしかふえていないという現実からいたしまして、また金が貨幣用金になかなかならない。むしろ去年、おととしは減っておるというような現状からいたしまして、何らかの決済通貨、国際通貨というものを供給しないと、やはり何といっても流動性が不足する。SDRというものが今後発足いたしますけれども、やはりこれが十分であるかどうかという問題もございますし、完全にアメリカ経済が国際収支上均衡することは、フランスが言いますほど必要ではないにいたしましても、現在の三十億ドルとか四十億ドルに近い毎年の赤字というものは、これは何とかもう少し節度を持ってもらいたい。これは私たちも今後機会あるごとにアメリカに対しても、またどの国に対しても言っていく、これがほんとの私は国際協力だと考えております。

松井誠日本社会党

○理事(松井誠君) 午後は二時四十分再開いたします。  それでは暫時休憩いたします。    午後一時五十八分休憩      —————・—————    午後二時五十二分開会

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を議題とし、質疑を続行いたします。  御質疑のある方は、順次御発言願います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 午前中の大蔵大臣に対する質問に続きまして超過負担の問題について二、三ただしてみたいと思うのでありますが、まず第一に自治大臣に、自治省が行なった地方自治体のいわゆる超過負担の実態調査をながめてみますと、保健所運営費補助金、農業改良普及事業費補助金、国民健康保険事務費補助金、国民年金市町村事務取扱交付金、小中学校施設整備費補助金、公営住宅建設費補助金、この六事業における超過負担は昭和四十二年度で四百十一億円ということでありますが、全補助事業についてはどのくらいに推計されていますか。

細郷道一自治省財政局長

○説明員(細郷道一君) 大体千億くらいと、こう見ております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 一千億という推計でありますが、けさほど大蔵大臣は、元の田中大蔵大臣の予算委員会における答弁の私の引用、その最後の項の、法律違反は犯していない、この点について同様な考え方である、こう言われたのですが、それでは東京都下の武蔵野、調布、国立、田無、保谷、この五市の市長が超過負担の重圧にたえかねて行政訴訟を起こすという準備が進められているというふうに聞いておるわけでありますが、いま言われたような巨額の超過負担の存在は、私は明らかに政府みずからが地方財政法の第二条第二項はもちろん、第十八条の違反も犯していると思うのでありますが、自治大臣どうお考えになりますか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 一時、超過負担分があって迷惑した公共団体で、ただいまお述べになりました問題が起ころうといたしました。しかし私どもも早くから気がついておりましたし、だんだん大蔵当局その他関係各省の了解を得まして、実態調査にも乗り出して逐次実情に合うような形に正していくという第一歩を踏み出すことになりましたので、あまりそういうことは避けていただきたいという要請をいたしました。最近ではそう激しいことにはなっておらぬというふうに理解をしてあります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 法律違反の問題についての見解。

細郷道一自治省財政局長

○説明員(細郷道一君) 地方財政法は御承知のように国と地方、それから地方団体相互間の財政の秩序といったようなものについて、いろいろ基本的な考え方を示してございます。私どももこの地方財政法の定められました基本的な考え方に従って財政問題の処理、特に国と地方との間の補助金や何かの問題について処理をすべきである、こういうふうに考えております。超過負担の問題につきましては、その財政法の定めております基本の趣旨からいたしますと、私はやはり適当ではないのではないか、こういうふうに思っております。個々に違反であるかどうかということは、個別の問題としてこれを考えてみなければならないと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いま自治省の財政局長のほうからは適当ではないのではないかという答弁をいただいたので、大蔵省に、けさの大臣の答弁に基づいて、以下事例をあげて質問をしてみたいと思うのですが、私は政府が違法性を持っておる、こういう考え方を持ちながら、たとえば保育措置国庫負担金の場合を例にとって大蔵当局の見解を承りたい。昭和四十一年度における東京都の地方財政計画に基づく基準額は二十億九千九百五十三万八千円でありました。ところが実際には三十三億四千三百四十四万二千円かかっているわけです。この差額は標準単価と東京都という特殊具体的な地域における実費用の差に基づく超過負担であると私は言えるのではないだろうかと実は思うのです。しかし一応この超過負担を除いて考えてみても、国の基準による額これは二十億九千九百五十三万八千円でありますが、これから児童福祉法の五十六条に基づくところの徴収金額、これは一応十億三千三百八十万円を差し引いた額ですね、十億六千五百七十三万八千円はこれは国庫負担基本額であるわけです。この算定に至る過程では、けさ私が引用しました田中元大蔵大臣のような言いのがれは可能になるでしょう。また、このことを水田大蔵大臣も認めたのですから、そういう言いのがれはこの過程までで、私はある意味じゃ可能になるかもしれないと思う。ところが、この国庫負担基本額に十分の八を乗じて国庫負担金を算出する過程は、これは何といったって法律でびっしりそのままきめられているわけです。これが計算どおりになっていなければ、明らかに私は法律違反である、こう指摘をして間違いではないと思うんです。ところが、四十一年度東京都においては年度内に交付された国庫負担金はこれを満たしていません。前年度からの繰り越し分を考慮に入れて考えてみても、なお二千二十五万七千円が不足をしたわけです。四十一年度の指定都市全体におけるこのような明らかな法律違反に基づく不足額は四千二十六万八千円に達しています。四十二年度ではそれは九千七十八万一千円となっているわけですね。また、ことしの二月二十九日に厚生省から文書が出ていますが、それに基づいて計算をしてみても、四十三年度も多額のそうした不足額が予想をされます。幾つかの県についても、私はそれぞれ各県で調査をされた実証を持っているわけでありますが、こういうような状態についても、私は数字のことをいま一つずつ確めようと思いませんが、一体政府は違法行為をしていない、こういう形でけさ大蔵大臣が答弁をされたように言い張られますか、大蔵当局の見解を求めたいと思います。

秋吉良雄大蔵省主計局主計官

○説明員(秋吉良雄君) 途中で参りましたものですから、あるいは的確な御答弁でないかもしれませんが、私ども補助金の基礎になります単価等につきましては、もうこれはすでに御案内かと思いますが、いわゆる標準単価というものを基礎といたしまして補助金の算定をいたしておるわるでございます。したがいまして、たとえて申しますと、いまいろいろ事例がございましたけれども、人件費等についてこれが事実支出額でいくべきか、あるいは国が期待する給与水準としての補助金を持っていくべきかというふうな問題はあるわけでございまして、超過負担の中にはそういったいわば国家公務員を追っかけた以上の給与水準である場合は、これは私どもの立場といたしましては、やはり国家公務員の給与水準つまり標準単価であるべきじゃないか、したがって、実績単価をそのままそれを補助単価に採用するのはいかがかと、こういうようにいろいろ、たとえて申したわけでございますが、その補助の対象の中身において実績単価であるべきかあるいは標準単価であるべきかということの議論はございまして、これにつきましては補助金等合理化審議会においても、一体補助単価は実績単価によるべきかあるいは標準単価によるべきかということで、いろいろ議論を願ったわけでございますが、補助金等合理化審議会の答申においては、実績単価を採用するということは、どうしても地方公共団体の事業を実施する場合に、やはり財政の効率的な能率的な運用をしようという意欲を阻害するおそれがたぶんにある、のみならずそれがひいてはかえって各地方団体間の行政水準の格差をますます助長する、そういう弊害を考慮するならばやはり補助単価は必要最小限度の能率的なあるいは経済的なコストでこれをやるのが正しいんだと、そういう意味で、標準単価で補助単価を設定すべきだと、こういうような答申をいただいておるわけでございまして、もちろん、私どもは超過負担の中身において、それがいろいろ理由はございます、たとえば私どもよく言っておりますつけ増し単価だとか、あるいは補助金がどうしても財政需要が多いものですから薄まきになる、そういった薄まき配分とか、あるいはもちろん補助単価自体においていろいろの点において実情に即しないという点もあろうかと思います。そういった点については、実はいろいろ議論はございましたけれども、これはひとつおもなものを実態調査をしてみようということになりまして、御案内のとおり四十二年度において、これは大口でございますが、六件の補助金につきまして実態調査をいたしまして、御案内のように三カ年計画をもちまして超過負担の解消を期しておるわけでございます。ただいま御引用になりました保育所の問題につきましても、本年度におきましてその他の農業委員会であるとか、あるいは統計の委託職員であるとか、保育所の措置費であるとか、警察の施設費等々につきまして、やはり本年度も実態調査をいたしましてその内容の追及をいたしまして、必要があれば超過負担の解消をはかってまいりたい、こういうような考え方でおるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 違法性の問題については、次官どうお考えになっていますか。

二木謙吾自由民主党大蔵政務次官

○説明員(二木謙吾君) それは私は違法ではなかろうと考えておる次第であります。やはりいま申し上げましたように実績単価あるいは基準単価、こういうことにつきましてはいろいろな問題もあろうかと思いますが、それについては実態調査をやってそうして超過負担が今後あまり要らないようにいたしたい、実情に合ったようにやりたい、私ども将来の問題はそういうふうに考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ところでそうなってきますと、公表される数字の問題がかなりやっぱり問題になると思います。たとえば自治省が公にしている超過負担の額でありますが、これは私は実際に地方自治体にかかっている負担に比べてずいぶん少なく見積もられているのではないかと実は思うんです。たとえば学校の建築であります。この間、私地方行政委員会で視察に行って三つぐらいの県あるいは市町村から、いろいろと実情を承ってまいりました。補助事業の対象で学校については、建物については補助事業の対象とするけれども、敷地の購入については補助の対象としないというような事例ですね。その理由を調べてみると、土地は結局はその地方団体の財産として残るのであるからということにありますね。ところが最近の人口集中の地域では、現実問題として土地の購入は非常に大きい財政負担を伴っています。それに対する地方自治体の苦悩というものはたいへんなものです。鉄筋の建造物は永久の財産ではないけれども、土地は永久の財産であるというような論法も、何か解せないところだと、こう思うんです。またカーテンやあるいは机、いす、こういうものなどのいわゆる教室の備品関係が全然算入をされないというような点も、たいへんおかしな話ではないかと思うんですが、そういう点を考慮するとずいぶん私は少なく見積もられている、こういうふうにいま考えますが、いかがですか。

細郷道一自治省財政局長

○説明員(細郷道一君) 超過負担とは何であるかということは、実に議論の多い問題でございまして、実際に学校を建てます場合に用地費も全部入れて地方団体は支出をする、それに対して補助が建物分についてだけくる。その差が超過負担である、こういう見方も一つの見方であろうと思います。少なくとも私どもがいままで超過負担と称しておりましたものは、補助をするときまった対象の施設についてその補助の基本額が実際に合っていない、その差が超過負担なんだと、こういうふうに実は考えておるのでございます。したがいまして、学校の場合、用地費について補助制度が現在ございませんので、用地費について補助をするかしないかはこれは別の問題といたしまして、用地費の分を超過負担額に入れるということはいままでいたしておりません。備品等につきましても同様でございます。そこで、私どもがいままで調査をいたしてまいりましたのは、いま申し上げました学校で言えば施設費、建設費でございます。そういうものにつきまして、実際に地方団体が支出をしております額と補助の基本額とにどれぐらい差があるであろうか。その差が、先ほど申し上げましたように、四十二年度で言えば千億ぐらいではなかろうか、全事業を調査いたしておりませんので推定でございます。千億ぐらいではなかろうか、こういう見込みを立てておるのでございます。昨年と申しますか、四十二年度に、先ほど来お話が出ておりますように、超過負担の中でもわりに大ものであります六つの事業につきまして調査をいたしました。実際の支出額と補助基本額との差のいわゆる超過負担の内容についていろいろ調査をいたしました。その結果六つの費目につきましては、こまかいことは避けますが、全体を通じて見ますと、大体半分は地方団体の単独事業で持つべきものだ、こういうふうに見られたのでございます。したがいまして、残りの半分につきましてこれが是正をする、こういうような方向で昨年調べた六費目につきましては、四十三年度以降三年間でこれを計画的に是正をしていこう、こういうようなやり方をとったわけでございます。本年度もまた幾つかの費目につきまして調査をいたしております。漸次そういう方向で解消してまいりたい、かように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 今年度調査をされている費目、いま明らかにできますか。

秋吉良雄大蔵省主計局主計官

○説明員(秋吉良雄君) これは自治省それから大蔵省、関係各省共同調査でございます。したがって、私から一応資料がございますから答弁させていただきますが、農業委員会の補助金、それから職業訓練所の職員給与の関係でございます。それから統計調査事務、地方公共団体のこれの職員給与の関係、保育所措置費、それから都道府県警察施設補助金、この五項目をただいま予定して、いろいろ調査している段階でございます。全部ことしじゅうに終わるかどうかわかりませんが、この五項目を対象にして現在共同調査をいたしております。こういう段階でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 先ほど自治省のほうから答弁があったのですが、超過負担の基礎的な算定をめぐっての範囲ですね、それらについてはおいおいわれわれも見解を述べながら明らかに実はしていかなければならぬと思っているんですが、たとえばこういう形のものについてはどういうふうに一体お考えになるんですかね。港湾整備事業を一例をとってみますと、港湾法の四十二条、四十三条で、国のいわゆる負担割合を定めていますが、それは、たとえば基本施設、防波堤や航路しゅんせつ、あるいは岸壁などしか補助対象として認めていませんね、いまのところ。それしか認めていないのだから、それを基準にして算出をされるのだ、こういうふうに言われる。それは現状においてはそうでしょう。ところが、どうも考えてみると、いわゆる機能施設ですか、臨港交通施設だとか、あるいは照明施設とか、あるいは保管施設などなどの分が、全く自治体の負担となっているのです。その他地方財政法の二十七条の乱用であるとか、二十七条の、特に二項の違反に基づく市町村の負担、こういうものがたいへん市町村財政というものを圧迫をする原因になっているのですが、私はこれも一種の超過負担ではないかというふうに実は考えるのです。それは将来に向かって自治省は一体どういうふうにお考えになりますか。

細郷道一自治省財政局長

○説明員(細郷道一君) いま港湾の例がございました。先ほど申し上げましたように、港湾事業の補助をする場合に、どの範囲にするか、これは確かに議論に値する問題だと思っております。しかし、いまの超過負担と申しますものは、先ほど申し上げましたとおりでございます。それから地方財政法の二十七条あるいは二十七条の二というのは、それぞれ府県と市町村間の負担の問題でございます。私どもも負担区分というものをなるべく明確にして、府県が持つべきと定められておりますものについては府県が支弁し、市町村が持つべきものは市町村というふうに、いわゆる財政の秩序を明らかにしてまいりたい。こういう考え方で指導をいたしておるのでございます。いまおあげになりました条章もそういう趣旨のものである、こういうふうに解しておるのでございます。したがいまして、二十七条あるいは二十七条の二の趣旨にのっとって府県、市町村間の財政秩序を確立するよう、私どもは無理なものについてはいろいろ財源措置をしながらそれを是正をはかってまいりたい、こういうことでやっております。ところが、現在高等学校の学校の先生の職員費は府県が持つのだから、市町村が持つべきでないというふうなことも実は政令で定めております。最近は道路の負担を、府県が持つべきものを市町村が持つというようなこともあるように見受けておりますので、それらについてただいま調査をいたしまして漸次是正をさしてまいりたい、こういうふうに考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 予算は平均単価で計算するのでありますから、それが実情に沿わないのは、やはり配分に当たる主務官庁のやり方が悪いとでもいいますか、第一、予算を要求するそれぞれの各省がそれだけのものを要求していかない。まあ大蔵省は、超過負担問題の見解でいろいろずっと過去の論議を読み返してみますと、各省庁がこの超過負担問題について要求してこないからだという、そういう言い方というものがずっと一貫して見受けるのです。超過負担問題について解消をする、そういう熱意が各省庁にあるならば、この四十四年度の予算折衝の段階でも言えるわけですが、それ相当の予算要求を行なってしかるべきだと考えます。  そこで、その自治省の超過負担の解消三カ年計画がまさに計画どおりに実現されるという前提に立って、以下幾つかの点について各省庁にお聞きをしておきたいと思うのです。それは当然自治省の三カ年計画の中に含まれると思われるものについてであります。そうして、まあ本日の各省庁の答弁をもとにして自後の委員会において各省庁別に問題点を掘り下げさせてもらいたい、こういうふうに考えるのですが、行政管理庁にまず承わりたいと思うのです。統計委託職員の給与費に対する国庫委託金については本来国が全額負担するのがたてまえなのに、地方公共団体が多額の負担をしていることは、御存じのとおりです。で、この超過負担を一体どれくらいと認識をされておりますか。そうして解消のためには、どう措置をされるつもりですか。

戸谷英雄行政管理庁行政管理局統計主幹

○説明員(戸谷英雄君) 統計の委託に関します地方公共団体の超過負担額の全額については、実は私のほう資料を持ち合わしておりません。ただその中で、職員費に関しましては、大体昨年の決算で見ますと、約三割くらいの超過があるというふうに見ております。ただし、先ほど秋吉主計官のほうから答弁がありましたように、これは都道府県の実支出額でございまして、いわゆる標準的な経費をどれだけ上回っているかという点については、的確な資料を持ち合わせておらないということが一点と、それから都道府県の職員費に関しましては、百分の七・二というものは都道府県自体の統計に使われる職員の事務量でございます。それが含まれておりますので的確には申し上げられませんが、含めてみると、三割くらいの超過負担になるということでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それで解消のためにはどう努力をされるのですか。

戸谷英雄行政管理庁行政管理局統計主幹

○説明員(戸谷英雄君) 先ほど大蔵省のほうから答弁がございましたように、職員費の単価に関しましては、ことしの夏に調査をいたしまして現在それが集計中でございまして、それに基づきまして解消してまいりたいと、かように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 文部当局にお尋ねをいたしますが、教材費に関する国庫負担金については、これは父兄の負担が多額になってきております。そうしてまさに父兄の怨嗟の声がちまたに満ちていると言っても私はいいと思います。これを軽減するべくどのような措置をされようとするのか、明らかにしていただきたいと思います。  また、先ほど私が質問の中に触れました、人口急増市町村における学校用地の取得費を国庫負担の対象とする、そういう特別措置を講ずるための努力をする用意がおありになるかどうか。また、これらとの関連で義務教育費国庫負担制度は、義務教育に対する国と地方との責任体制を御存じのとおり明確にしたものであります。したがって、地方団体の財政力等を云々することによって負担割合を異にする性格のものではないと考えられます。そういう前提の上に立つと、現行の不交付団体に対する政令でもって押えておる姿というものは、私はすみやかに排除されるべきものだと思うのですが、廃止をする意図があるかどうか、三点について伺いたいと思います。

村山松雄文部省管理局長

○説明員(村山松雄君) 学校用地の問題につきましてお答え申し上げますが、学校用地の取得が地方財政の大きな負担になっていることは承知しておりますが、学校用地問題は、先ほど先生もお述べになられましたような事由で、現在国庫の負担の対象になっておりません。学校につきましてどれだけ負担するかということは、御承知のように学校教育法では、学校の経費の負担というものは原則として設置者でありまして、法律で特別の定めがある場合に国が負担するわけでありますが、まあ現在は、施設の中では建物につきまして義務教育諸学校施設費国庫負担法等がありまして、用地にはないわけであります。この問題につきましては、地方の要望も承知しております。しかし現段階におきましては、先生もお述べになりましたような理由もございまして、国庫負担制度を早急にとるということは考えておりませんので、現在主として起債並びに交付団体では交付税によってまかなっておるわけでありますが、その措置を拡充するように自治省のほうに要請いたしまして、そちらのほうでやっていただく、国庫負担問題につきましては、さらに検討さしていただく、こういう態度でいるわけであります。  教材費と義務教育費の国庫負担の問題につきましては所掌でございませんので、そちらのほうから答弁させていただきます。

安養寺重夫文部大臣官房会計課長

○説明員(安養寺重夫君) お答えいたします。  義務教育学校の教材費につきましては、昭和二十八年度より国庫負担を行なっておるわけであります。その後昭和三十三年度に二分の一の国庫負担ということで一部負担と改めたわけでございますが、四十二年度に至りまして、四十二年度を起点といたします今後十カ年計画というものを立てておりまして、総額この間約一千六百億というような形で逐次現在計画を進行中でございます。その他の点につきまして、教材費を含める国庫負担制度でございますが、現在は御承知のように教職員の定数の問題等につきまして今後どうあるべきか、鋭意検討中でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 不交付団体の問題についてはどのように……。

村山松雄文部省管理局長

○説明員(村山松雄君) 義務教育費の国庫負担の問題は、初等中等教育局の所管でございまして、私御説明を申し上げる資格、能力に乏しいわけでありますが、現在文部省できまっておるところをお伝え申し上げますと、やはり国庫負担あるいは補助というものは政策の問題でありますが、地方の財政の状況ということを無視して一律にやることはどうであろうか、という観点で現行制度ができておるわけでありまして、不交付団体というものに対する、何といいますか、ほかと違った扱いということも、そういう意味からなされておるわけであります。これを早急に解消するという考えはないと存じております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 労働関係で質問しておきますが、失業対策事業費の資材費及び事務費に対する国庫補助金について、また一般職業訓練所の施設及び職員の給与費並びに管理運営費に対する国庫補助金について、補助基準を実情に合わせる、これはもうかなり私は早急にやらなければならないと思うのですが、そういうようなことについてどのように処置をされようとしておりますか。

境長紀労働省職業安定局業務課長

○説明員(境長紀君) 先生ただいま御指摘の失対事業の資材費でございますが、御承知のように、若干の超過負担が各地域にあることは事実でございます。しかしながら、これは一部の府県におきまして、比較的高度な事業を自主的に経済効果あらしむるようにおやりになっているということもあるわけでございますが、まあそうは申しますものの、若干の超過負担はあるわけでございます。そういうことで、資材費にいたしましても、事務費にいたしましても、年々若干ではございますが、上昇傾向をたどっておりますので、予算を要求しているような次第でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 自治省関係で特に地方公営企業の関係について引き続いて質問しますが、地方公営企業の累績赤字は、四十一年度決算の段階で千二百五億円にのぼっておりますが、本年八月に出されました自治省の財政局昭和四十二年度「地方公営企業決算の概況」によりますと、「四十二年度の損益収支では巨額の赤字(単年度純損失三百七十億円)」、こう発表になっておりますが——「を生じ、前年度と比べてほとんど収支改善をみせていない。」と述べているわけですね。地方公営企業の今日の財政危機の原因については、いろいろと語られておりますけれども、要するに、高度経済成長に伴う人口の都市集中についていけなかった都市開発、水源開発の立ちおくれに根本原因があることは、大体論者の一致しているところだと思います。地方公営企業法の第三条に、「地方公営企業は、常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならない。」とうたっていますけれども、この「企業の経済性」ということは、地方公共団体が積極的に企業活動を行なって、公共の福祉を増進するという意味以上のものではありません。そうして地方公共団体の企業活動が、企業活動全体として成立し得なくなってきているその原因が、いま述べた都市開発、水源開発の立ちおくれにあるということであると私は思うのですが、しかるに自治省は、この企業の経済性ということを財政収支という側面でのみとらえているように考えられてなりません。いわゆる不良債務を再建債によってたな上げする、その不良債務を合理化によって解消していくという、何というか、技術的といいますか、あるいは消極的といいますか、そういう対策しかとってこなかった結果が、今日のような事態をもたらしていると言えるのではないでしょうか。この際思い切って国庫負担を導入して——当面の措置ということであってもいいが、とにかく思い切って国庫負担を導入して抜本対策に打ち込む、そういう気持ちはありませんか。自治大臣に答弁を求めます。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) ものによりけりであると思います。それで、大体公営であれ企業には違いないわけですから、やはり第一義的には企業努力を積み重ねることによって経営を合理化していく、そうして採算をとるべきでございます。しかし企業外の要因で経営に非常に大きな影響があります場合には、やはり単に企業努力を積み重ねろといったって無理もありますので、その段階になりますと、やはり国のほうでいろいろ手をかさなければならない、かように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 同じ財政局の「地方公営企業決算の概況」四十二年度によりますと、「昭和四十二年度の企業債元利償還金は、一千六百二十四億円で、前年度に比べ三百五億円(二三・一%)と大幅に増加し、料金収入に対する割合も三四.〇%(前年度三二・四%)と高くなっている。」こういうふうになっているわけですが、昭和四十二年度の企業債総額のうちで公営企業金融公庫の資金から貸し付けられる額は何割ぐらいですか。

細郷道一自治省財政局長

○説明員(細郷道一君) ちょっといま手元に四十三年度のを持っておりませんが、四十四年度では千五百億程度にしたいという考えを持っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 公営企業金融公庫の設立の趣旨からいって、貸し付け原資というものをもっと増額をしてもいいんじゃないか、増額されるべきじゃないかというふうに考えるのですが、一体どうですか。また貸し付け条件の緩和をお考えになる気はありませんか。

細郷道一自治省財政局長

○説明員(細郷道一君) まあ公営企業金融公庫からの貸し付け資金をふやしたいということは、私ども毎年引き続いて努力をいたしております。貸し付け条件につきましても同様でございます。特に最近公営企業の経営状況が非常に苦しくなったという一つの大きな原因といたしましては、社会経済情勢の変化によりまして、建設改良事業が非常に急速に伸びておる。したがいまして、そういう建設改良事業のための資金のコストをできるだけ引き下げたい、同時に、その資金量を仕事の需要にマッチするような形で供給したい、こういうことが私どもの念願でございまして、そういう意味から申しますと、公営企業の現状からいたしまして、縁故債よりは公庫債をふやしたい、公庫債も必要だけれども、政府資金債ももっとふやしたい、あわせて公庫の資金コストも引き下げたい、こういうような方向で年々努力をいたしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 同じ決算の概況の一九ページで、昭和四十二年度の他会計繰り入れ金は、六百六十九億円で、前年度に比べ六十八億円、一一・三%増加している、こういうふうになっているわけですが、私は今日のような状況のもとでは中央公営企業会計への国庫負担の導入とともに、大臣の考え方もありましたが、一般会計からの繰り入れももっともっと行なうべきだと実は思います。現在、水道料金は御存じのとおり、十立方メートル当たり最低百円から最高八百円まで非常な地域格差が問題になっているわけですが、上水道への国庫負担制度の導入、一般会計からの繰り入れによってこの格差を是正すべきだと思いますが、どうですか。また、公立病院事業などに独立採算制をしいることは、そもそも無理なのではないかと考えますけれども、いかがですか。

細郷道一自治省財政局長

○説明員(細郷道一君) 公営企業でございますので、やはり基本は私は独立採算であるべきだ、こう考えております。すなわち経営の収支を合わせるためには受益者負担という考え方でいくべきであろう、こう思っております。ただ、一口に公営企業といいましても、いろいろ立地の条件もございますし、また公営企業の種類の問題もございますので、公営企業が負担する中で一般会計でこれを負担すべきもの、たとえば具体的には水道事業におきまして消防用の施設をする、消火栓の施設をする、こういったことは、当然に一般会計で持つべきものであろう、こういうふうに考えまして、そういう意味合いにおいて公営企業会計と一般会計との間の負担の区分というものを定めております。この負担の区分につきましては、現在法律あるいは政令等で定めておりまして、それに応じましてそれぞれ公営企業体が実施をしておるのでございます。しかし、なおいろいろ時代の変遷に応じまして、その負担の区分をもっと時代に合った合理的なものにしていかなければならない、こういう気持ちは持っておりますので、ただいまもいろんな負担区分の問題につきまして検討を続けております。したがいまして、一般会計から繰り入れるということは、漫然と繰り入れるべきではない。やはり持つべきものはちゃんと明らかにして筋の通ったものを持つ、こういう考え方でまいっております。病院につきましては、公営企業と申しましてもいろいろ複雑な要素をかかえております。たとえば収入の面におきましては、医療費の単価と申しますか、診療報酬といったようなものがございます。それからまた同じ病院でも非常に高度の診療技術を要する意味で、施設が充実していなきゃならない。たとえばガンのような検診のための施設、あるいは逆に僻地のようなところでどうしても病院企業として採算がむずかしいといったようなものもございますので、それらにつきましても、先ほど申し上げましたような負担区分という考え方によりまして、一般会計から持つべきものはこれを出させる、こういう方向でやっております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これの最後で、下水道をめぐる財政の問題についてお尋ねいたします。公共下水道事業についての国庫補助制度補助率十分の四ですかをめぐる超過負担額は、昭和四十二年度ではどのくらいになっていますか。公営企業の財政危機のこの超過負担こそ私は直ちに解消されなければならないと思いますが、いかがですか。また公庫資金についてでありますが、従来貸し付け金利、償還期限ともに上水道事業の場合に比べてかなり開きがあります。上水道並みにすべきだと思いますが、いかがですか。

細郷道一自治省財政局長

○説明員(細郷道一君) 下水道につきましては、私どもは準公営企業という扱いをいたしております。その関係から下水道の負担の区分について、一般会計で持つべきものを相当額きめております。具体的に申しますれば、下水といいましても汚水の処理をする部分と雨水の処理をすべきもの、こういうふうに分かれるわけでございます。雨水処理のほうは公共事業である、こういう意味から一般会計の負担、こういうことにいたしております。下水道の事業につきましては、その施設費のうち主要な部分について国の補助が出ております。その補助の超過負担につきましては、これはちょっといま手元に数字は持っておりませんけれども、考え方を申しますれば、この超過負担額はそれほど大きいものではないと考えております。下水道自体の金利の問題でございますが、公庫からの貸し付け金利は、本年度から上水道への貸し付け金利と同じように七分の特利にいたしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 一般会計からの問題もありましたが、そう言われても一般会計からの繰り入れが押えられている結果、受益者負担を省令できめる都市が御存じのとおりふえてきています。で、中には坪当たりの単価がずいぶん高いものが出てきているわけです。これは工業用水に対する優遇措置、あれ一トン当たり五円五十銭ですか、そういう上限を考えてみますと、ずいぶん不公平な話に思われるのですが、これらについて是正をするつもりはありませんか。

細郷道一自治省財政局長

○説明員(細郷道一君) 下水の補助率は御承知のように四割でございまして、公水への補助率はいろいろ地域なりその目的で違っておりますが、多くは四割以下でございます。で、下水道につきましては、受益者負担をどれくらいとるかということについていろいろ議論がございましたが、先般下水道についての関係者の委員会を設けまして、そこでいろいろ長い間にわたって研究をしていただきました結果、大体六分の一は受益者の負担にすべきではないか、こういうような御答申をいただきました。したがいまして、私どもも下水の事業をやるにあたりましては、そういった委員会での研究の成果をもとにして、できる限りそういう線に沿えるようにという指導をいたして、おります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 けさほど大蔵大臣、実態調査に基づいて単価を上げていく努力をします、こうお答えになったわけです。で、当然改正したものもあります。四十四年度に向かって特徴的にあげられるものがありますか。

秋吉良雄大蔵省主計局主計官

○説明員(秋吉良雄君) あるいは的確な御答弁ではないかと思いますが、四十二年度の実態調査、つまり六項目でございますが、これは私どもといたしましては非常な大口の、従来の超過負担と言われておった大口六項目につきまして、四十二年度実態調査をしたわけでございます。それで先ほどから御指摘がございましたように、これらにつきましては、四十三年度以降三カ年計画をもちまして超過負担を解消していくということになっております。したがってその計画に基づきまして四十四年度予算においては、いわば率直なことばで言えば、三分の一程度ということになりますが、解消を見ておるということになります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この産業基盤整備事業については、実額精算補助方式といいますか、そういう形のものをとり、それから民生関係については基準単価方式というようなものをとっている根拠は何なのか。全面的に実額精算補助方式に切りかえるつもりはありませんか。

秋吉良雄大蔵省主計局主計官

○説明員(秋吉良雄君) ちょっと私勉強不十分でございますから、あるいはそつのある答弁になって、あとで御訂正されていただくかもしれませんが、産業基盤整備費の補助方式は実額負担方式になっておるとは、実はいまそういう感じはしていないと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 なっていないと言うのですか。

細郷道一自治省財政局長

○説明員(細郷道一君) ちょっと御質問の趣旨を取り違えているかもしれませんが、公共事業のような建設事業費については、比較的実態に近い補助基準額を使っておる。しかし人件費のようなものについてはどうも超過負担が多い、こういうようなことかと受け取ったのでございますが、人件費のほうの問題につきましては、先ほどお話申し上げましたように、たとえば保健所のお医者さんということになりますと、昨年調査をいたしまして、学校を卒業して十八年でありましたかの先生が一番平均的な存在だということから、学校を出て十八年、お医者さんの俸給表で国家公務員になっておれば幾らになるであろう、何等級何号であろうかというようなことを基礎にして、それに満たない分を超過負担として三年計画で是正したいと、こういう考え方をとっております。公共事業などにつきましては、確かに精算主義ではございませんけれども、事業費の実態をかなり加味した補助対象をきめておるということは、一般論として言えると思いますが、別に原則的にどちらがどちらというふうにはさまっていないのでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 質問を終わりますけれども、とにかく当面、国の直轄事業は、現在の社会経済情勢のもとにおいては、一地域の利益のためにのみ行なわれるものではない。国の産業経済施策または国土保全の見地から行なわれるものであることは、これは申すまでもありません。したがって、それらにかんがみて、地方負担を大幅に軽減することが必要であり、特に維持管理に属する経費については、地方負担はこれを全廃すべきである、こういう地方自治体の意見というものが、私は圧倒的だと思うのです。したがって、こういう要望に十分にこたえてもらうべきである、そう申し添えまして質問を終わります。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 答弁は要らないのですか。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 要りません。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十六分散会

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