沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 57 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1968/08/09
会議録
○委員長(伊藤五郎君) ただいまから沖繩及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る七日、安井謙君が委員を辞任され、その補欠として石原慎太郎君が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(伊藤五郎君) 沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題といたします。 質疑のある方は、順次御発言を願います。
○西村関一君 総理府総務長官にお伺いいたします。先日沖繩の復帰協の会長喜屋武氏ら八名の方が本邦に来られまして、憲法適用国政参加の要請県民代表団という資格で政府に要請があったと思うのでございます。聞くところによりますと、総理は面会を断わりになったということでございますが、長官はこれらの方々にお会いになったでしょうか。
○国務大臣(田中龍夫君) 私はお目にかかりました。
○西村関一君 この公職選挙法に基づくところの国政参加についての立法院その他の決議及びこの代表団の要請は、あらゆる角度から考えまして至当であると考えますが、これに対する政府のお考えはいかがでございますか。
○国務大臣(田中龍夫君) 私どもが一体化をいたし、また施政権の返還を強く求めておりますゆえんのものは、すなわち日本憲法が沖繩に施行できますように、また公職選挙法が適用できすように念願をいたしまして努力をいたしておるのでございまして、問題は施政権の返還が前提でございます。
○西村関一君 沖繩県民の方々の一致した要求は、平和条約第三条と第六条及び安保条約によってサンフランシスコ体制を法制化し、日本をアメリカの従属下に置き、国政に対するアメリカの軍事的植民地支配を一貫して強化してきておる。これは政党のいかんを問わず、団体のいかんを問わず、国政参加に関する要請をしておられる方々の一致した見解であります。これに対して、国政参加が拒否されておる。聞くところによりますと、一体化という、いま長官も申されました本土と一体化するということばの欺瞞性によって、国政参加を、施政権返還後において一体化する中において国政参加が実現するんだと、こういうことでございますが、いわゆる沖繩代表を国政に参加させるということは、決議権を持たないところの、いわばオブザーバー方式によって参加させるという考えである。こういうことは、祖国復帰と日本国憲法の適用を強く要望しておるところの沖繩県民にとっては耐えがたいことであるということが訴えられておるのでございます。この点につきましてどういうふうにお考えになっておられるか。
○国務大臣(田中龍夫君) 国政参加の問題につきましては、御案内のとおりに、潜在種権を持っておりますが、日本といたしましては、当然沖繩の住民の方々の願望に対しまして、私は心からこれにこたえてまいりたい。さような意味におきまして、国政参加の問題をせっかく努力中でございます。その国政参加の問題と施政権返還との関係は、もちろん施政権が返還されれば、当然日本でありますから、公職選挙法も憲法も適用になりますから、何ら言うことはございませんが、施設権返還の前に国政にいかにして参加していただくかという問題につきましては、ただいま皆さん方と御一緒に研究をいたしておる段階でございます。なお、それが今度は、一体化という問題は欺瞞であるというお話でございますが、断じてさようなことはございません。施政権返還の暁におきまして、これが円滑に処理できますように、また一日も早く施政権が返りますように、私どもはその前提といたしまして、本土との行政制度その他諸般のものを一体化していく、かような前提行為といたしまして、これは別途努力いたしておる次第でございます。
○西村関一君 憲法下におきまして、同じく日本国民であるところの沖繩県民だけにこの国政参加の権利が剥奪されていることは憲法に反する措置であるというふうに考えます。そうなれば、施政権の無条件即時返還、祖国復帰ということの実現のために、政府はあらゆる努力を払わなければならないと思うのであります。人類普遍の原理であるところの憲法が厳として存在しておる限りにおいて、こういうことは長く許されるべきではない。二十数年にわたるところのこういう差別的な待遇を受けておる沖繩県民としては耐えることのできないところであるということは、長官もよくおわかりになっておるところだと思いますが、もう一度その点に対して政府の御見解を承わっておきたい。
○国務大臣(田中龍夫君) その点はお考えとは異なった見解を持っておるのでございます。現行の憲法が普遍の原則として適用されているということが前提でお話が進められておるようでございますが、私どもは、まだ施政権が返還されておらない、潜在主権と申すものはございますけれども、しかし、現在の憲法なり公職選挙法は沖繩の地には妥当しておらないのだと、これがすなわち私どもが施政権の返還を要求いたしましてやまないゆえんでございまして、現行の憲法が沖繩に適用されておらないという私どもは見解に立っておる次第でございます。
○西村関一君 潜在主権が存在している以上、沖繩県民も日本国民であることには変わりないと思うのでございます。そういう意味において、憲法下にある沖繩県民ということは言えるわけなんでございます。もちろん、施政権がアメリカに握られておりまする限りにおいて、そこにはいろいろな制約下に置かれておるということは否むことのできない事実でございますけれども、しかし、憲法下にある沖繩県民の憲法によって保障されているところの権利を行使したいという強い念願は、当然のことであると言わなければならぬと思うのであります。そういう点に対して見解の相違だというようなことで片づけてしまわれることに対しては、承服ができないのであります。政府は、もしそこに制約があるならば、その制約を取り除くために、この沖繩県民の熾烈な要求に対して熱意を持ってこたえる。それは見解の相違だというようなことで片づけてしまわれることに対しては、私は承服できないのであります。
○国務大臣(田中龍夫君) それは現行の日本国憲法が沖繩に妥当しておるかしておらないかという問題につきまして、私どもは沖繩には妥当しておらないという立場をとっているというだけであります。しかしながら、沖繩の潜在主権といい、また沖繩の百万の方々が日本国民であるという前提に立ち映して、日本の施政権のもとには返ってきておりません。まだ米国の施政権下にありながらも、それをあえて何とか沖繩の方々の願望にこたえて、そしてこの国政に参加し、また発言の機会もぜひ与えたいものだというのがわれわれの国政参加の努力でございます。
○西村関一君 いまの長官の答弁には満足できませんが、きょうは時間の制約がございますし、これ以上突っ込んでお尋ねすることをいたしません。後日に問題を残しておきたいと思っております。 ただ、先般この代表団の方々が上京してまいりましたときに、総理がお会いにならなかった。いろいろな日程の御都合もあったことだと思いますが、西銘氏が参りましたときには即座に会った。そういう、いわば差別的な取り扱いをせられたということに対して、代表団の方々及びその背後にある沖繩県民の多数の方々が快く思ってないということは事実でございます。総務長官としてそれらのことについての配慮をなすっていただいたのかどうか。これは何か十一月十日に行なわれるところの主席公選と立法府議員の選挙にからませて、一方においては西銘氏に会うが、一方においては喜屋武氏そのほかに会わないといったような印象を与えておりますが、そういう点に対して率直な御見解を承っておきたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 喜屋武氏が官房長官に対しまして総理に御面会の要請も当然あったことと存じますが、何ぶんにも国政全般の責任者でありまする総理でございますので、いろいろと多忙をきわめておる次第でございます。お目にかかれる場合もありますれば、また、いかに時間を差し繰りましてもお目にかかれない場合もある次第でございまして、それが直ちに非常に差別的な動向、かようにむしろおとりになっていただきたくないわけでございまして、その点はどうぞあしからず御了承願いたいと思います。
○西村関一君 外務大臣がお見えになりましたから、私の時間はわずかでございますから、簡単に外務大臣の御所見を承りたいと思います。大臣は、先般衆議院の外務委員会における戸叶委員の質問に対しまして、佐藤総理とアメリカ国務省のスナイダー氏との国会における証言との間には食い違いがない。あくまでも、ジョンソン大統領と佐藤総理が会見せられたときに、ジョンソン大統領は約束をしなかったが、佐藤総理の沖繩返還に対する要請を、ここ両三年の間に返還してもらいたいという要請を聞かれた。つまり心にとめられた。だから、そこは相互信頼の立場に立って両三年の間には必ず交渉のめどがつくんじゃないかというふうに外務大臣は解釈をせられまして、また総理も本院の本会議におきましても、それは自分の希望であり信念であるということを言われたのでございますが、この委員会におきましても、重ねて外務大臣としてのこれについての御見解を承りたいと思うのでございます。と同時に、沖繩返還の交渉の中における基地の問題の取り扱いでございますが、従来政府は、基地の問題に対しては白紙であるということを言ってこられたのでございますが、先般の衆議院外務委員会における外務大臣の御答弁は、それから一歩進んだ御答弁をなすったように私は受け取ったのであります。すなわち、極東の情勢、軍事、科学の進歩、世論の動向というような不確定要素が多いが、それらのものを勘案しながらこの問題に対して適時適切な処置を講じていきたいというように御答弁になっておられるわけでございますが、今日沖繩の基地の問題は、対中国の問題、対ベトナムの問題と関連があることは、いまさら私が申し上げるまでもないところでございます。 大臣は太平洋閣僚会議の帰り道、香港において記者会見をされて、中国との交流はもっと深くやるべきである、人事、経済、文化の交流を行なうべきであるという御発言をなすったのでございますが、沖繩の軍事基地は全部が中国に向けられておる。また、ベトナム戦争の軍事基地になっておるということも周知の事実でございます。こういう点に対しまして、基地の問題、大臣がせっかく白紙という政府の見解の上に立ちながら、一歩でも半歩でも前進の姿勢を示されたことに対して期待を持つものでございます。これらの点に対する御見解を承っておきたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 第一点は、スナイダー日本部長と総理との間に食い違いがあるのではないか。これは、ことばを二つ並べて考えると、いかにも食い違いがあるような感も持たれる面があると思うのです。総理は、両三年の間に沖繩の施政権返還が達成できるであろう、返還の時期のめどがつくであろうという確信を持った。スナイダー日本部長は、そういう約策は大統領はしていないと、こう言ったら、二つだけをこう取り出してそうして見れば、いかにも異なっておる受け取り方を見られるような面が確かにあると思いますが、共同コミュニケをごらんになっても、総理がそういう国民の希望というものを大統領に説き、そういう国民の願望はよく理解できる、そういうことを頭に入れてこの沖繩の施政権返還を実現するという方針のもとに日米間で協議をしようではないかということで、この二つの異なった受け取り方をつないである文句が共同コミュニケであることは御承知のとおりであります。したがって、この二つの考え方がぴたりと出ておるのではなくして、両方をつないである考え方が共同コミュニケにあるという点を西村さんも御注意を願いたいのであります。そういうことですから、佐藤総理が両三年の間に返還のめどがつくという確信を持ったということも事実でございましょうし、しかし、ジョンソン大統領が三年の間に返還のめどをつけるお約束をいたしますと、こういう形で述べたのではないというスナイダー部長の発言も真実だと思います。しかし、その中に両方をつなぎ合わして日米間で協議をしようというのでありますから、両者の受け取り方に大きな矛盾はないと私は思っております。 第二の、沖繩の基地の問題でありますが、政府はまだきめてないと、基地のあり方についてはまだきめてないというのを白紙ということで表現しているわけでありますが、そういうことを申します根拠は、極東情勢がきわめてまた不安定である。ベトナムはパリの和平会談が始まったといいながらも、戦いながら交渉するという形態をとっている。これが、どういう形でベトナムが収拾されるかということは、極東全般に私は大きな影響をもたらすものだと思っております。ベトナム自体というよりかは、これがいつどういう形で収拾されるかということは、アジアに対して大きな影響力を持っておる。こういうことも少し推移を見てみたいという考え方もございますし、また、軍事科学の進歩というものも、これも検討したいし、世論の動向ということも見きわめたいということで、戦争が起こっておるという事態の中で、いますぐ沖繩の基地の問題を解決するということは、これ非常に軍事的要請というものは強く出るでしょうね、こういう形で、こういう不安定の中に。こういうことですから、もう少し冷静な環境のもとでこの問題を考えたいという立場をとっておるわけでございます。私が衆議院の外務委員会でお答えしたことは、いつまでも白紙でございますということでは、外交交渉にならない。ある時期が来れば日本の考え方というものをまとめて、そして、アメリカとの間に話をするという時期がなければならない。白紙、白紙と言って、何かおしまいまで白紙ということでは外交交渉にならぬのでありますから、ある時期が来れば日本政府の考え方をまとめてアメリカとの間に折衝する時期がある。いまのこの時期では、政府は基地のあり方に対してこうだという方針をきめてはおりませんと、こういうふうなことを申し上げたのでございます。このことが外交交渉の手続としては当然のことであると私は考えております。
○西村関一君 沖繩における軍事基地の問題は、沖繩の即時無条件返還を要求する立場に立っておるわれわれといたしましては、非常に重要な問題点なのであります。これはいまさら申し上げるまでもないことでございます。私も両三度沖繩に参りまして、沖繩の基地——というよりは基地の中の沖繩という表現のほうが当たっておることを、率直に私は認めざるを得なかったわけでございます。そこに集積されておりまするところの巨大な軍事物資、おそらくその全部がベトナムに向けて輸送せられつつあると思われまするところの巨大な軍事物資の山、その中に沖繩があるということを思わざるを得ないのであります。それが日本の国土である。日本の国有の領土である。またさらに、これも私はこの目で見てまいったのでありますが、メースBのごときは、御承知のとおり、核弾頭を装備することができるのであります。装備しているかしていないかということについては、いろいろ軍事上の機密に属することだということで議論が分かれるところだと思いますけれども、いままでの政府の国会答弁においては、メースBは核弾頭を持っているということを言っておられるわけです。これが読谷ですか、というところを中心として四カ所ある。一カ所に何基あるかわかりませんけれども、少なくともメースBが四基もある。さらにこのメースBは射程百五十キロでございますから、沖繩から中国の本土のどこへでも打ち込むことのできるという核兵器でございます。そういうものが厳として存在しておる。またさらにナイキ・ハーキュリーズにいたしましても、米陸軍第三十砲兵旅団に属するものが八カ所もある。沖繩の那覇軍港の南部から嘉手納にかけて八カ所もある。いずれもこれは核装備を持つことができるものである。核装備されておるといわれておるのでございます。嘉手納がB52発進地になっていることも、これも事実でございます。私もこの目で見てまいり、あの黒い巨体を並べているB52の実態をつぶさに調査してまいりました。現在なおB52は、十四機近くも沖繩におり、随時ベトナムに向かって発進している、こういうことでございます。また、原子力潜水艦がしょっちゅう出入りしている。このため海水の汚染の問題で、那覇軍港の海底のどろの調査の結果、きのうの新聞でございますか、これはコバルト六〇が検出された。日米両国の科学者の検定によってそのことが明らかになった。このことに対しましても、沖繩県民の重大な関心を買ったが、当然だと思うのでございます。特に私の伺いたいと思いますことは、こういう基地の中の沖繩、しかもそれがベトナム戦争に重大な影響を持っておる。これは事前協議の問題もあり、極東の範囲の問題に関連をいたしましてまだ議論の余地はございますけれども、きょうはそこまで議論を発展させる時間はございませんけれども、こういう冷厳な事態を前にして、中国と手を握ろう、ベトナム和平に対する日本の独自の役割りを果たしていこうと考えられましても、この問題に対して決して大臣はこれを傍観しておられるとは私は思いませんが、しかし、この問題に対してただ世論の動向を察しながらというようなことでは問題の解決にはならないと思うのでございます。こういう事実に対しまして、どうか十分な関心を持たれた上にも関心をお持ちいただいて、基地つき返還、核つき返還というものは返還でないということを自民党の前尾氏も箱根で談話を発表しておられる。自民党の有力な指導者の一人でさえも、核つき返還はこれは返還じゃないということを言っておられるのであります。指導的な役割り一を持っておられます閣内における三木外務大臣のこれに対する御見解をさらに承っておきたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 西村さんの御指摘のように、沖繩の基地はいかなる基地であるかということは、これは重大な問題であります。問題の重要性ということでは、私もよくこれは認識をいたしておるものでございます。したがって、これは単純なことではやはりいけない、いろいろな点を考えながら、沖繩の基地のあり方というものに対しては、アメリカとの間に十分な折衝をする必要がある、こういうふうに考えております。
○黒柳明君 時間ございませんので、簡単に外務大臣にお伺いしますけれども、いまも若干話はありましたけれども、参議院の遊説中に、総理が、核、本土並みであれば交渉は進まない、要するに、核抜きであるとアメリカの抵抗が強い、このような意味の発言をしましたし、いま西村さんからお話がありましたように、また前尾さんは、きのうは逆みたいなことを、ちょっとニュアンスの違った発言をしたわけです。前尾さんは次期総理候補と見られる人ですし、片一方はアメリカにウエートを持った総理の発言です。片一方は、日本ないし沖繩の住民が核つきだと反対するんじゃないか、であるならば、返還がおくれるんじゃないか、こういうふうなことで、アメリカの主張にウエートを置くか、あるいは日本ないし沖繩の、住民の意思というものにウエートを置くか、これはいずれかによって考え方が違うと思います。また、だれがどういう考え方をしたところで、いまの時期においてはこれは自由だ、こう思えるわけですけれども、それにしても、総理であり、次期総理候補と目される人ですから、それで、もう一方の次期総理候補である三木さんがこのことに対して、要するに、私は世間でもいわれているように、佐藤総理の白紙というのは核つきということを含んでいるんじゃないか、こういうことを白紙と言っているんじゃないか、こういううわさがあるわけなんです。また、前尾さんのこの話ですね。要するに、国民の反対があって、いつまでも核つきだというような自民党内部の考え、そういう考えではなかなか沖繩の返還が実現されないんじゃないか、こういう意見が出てきている。もう一方の意見をお伺いしたいと思います。あるいは、もう一方じゃなくて、当然外務大臣ですから、いままで白紙という態度をとられた。そうすると、この白紙の中には、世間で憂えておる核つきというようなニュアンスが含まれているんじゃないか。いかがでしょう。
○国務大臣(三木武夫君) 佐藤総理の発言をとらえて、もうすでに内心では核つきということを考えているのではないかということでありますが、私は、そんなことはない。そういうことなら、白紙ということを国民の前に言っちゃいけない。それは白紙でない。そういうことは断じてないということでありまして、いま言ったようないろいろなまだ不確定な要素があるわけですから、まだきめていない。それをきめていないのに、核抜きとか核つきとかいうようなことをこちらがきめていないのに、そういうことをいまは言うわけにはいかぬという意味だと。だから、核つきでなければこれはアメリカと交渉できぬというようなことは言うわけがない。それは文字どおりまだきめていない。核の、いわゆる基地のあり方についてはまだきめていないというのが正直なところであります。私はやはりこのベトナム戦争の収拾というのは非常に重要視するのです。このことがベトナム戦争、ベトナム地域だけでなしに、極東全般に対して大きな影響を与えている。要するに、やはりわれわれの願いは、極東における緊張が緩和してもらいたい。日本は対決政策、戦争対策ということをとることはできない。どんなに困難であっても、平和の道を追求する以外に日本の外交政策はない。そういう意味からして、絶えず日本の外交は緊張の緩和に向かって努力をするということが外交の方向である。そういうことでありますから、ベトナム戦争というものは極東情勢に非常に影響するのではないか。こういうふうなことも一応どういう形で収拾するかということを見きわめる必要があるのではないか。こんなに戦争が現に行なわれておるときに、基地の問題というものを話すということは私は適当な時期だと思わない。そうなってくれば、戦争が行なわれているという現在の事態における沖繩の基地の問題の解決ということは、これは戦争という特殊な環境のもとにそれは解決の方向というものが非常に制約を受けるでしょう。そういうことで、もう少し落ちついた環境の中でこの問題を考えてみたい。しかし、それがこれはもうずっと先ということを私は言おうとしておるのではない。アメリカ自身も沖繩の問題を早く解決したい、このままでやっていくということはやはり日米のためによくないということがアメリカ首脳部の見解であることは、私はやはりいままで具体的に交渉に当たった本人でありますからよくわかる。そういうことでありますから、向こうも、いろいろなことを言って延ばそうということではない。日米の合意が成立するならば、沖繩問題は、日米両国の友好関係のためにも解決したい、これがアメリカの意図であることは間違いない。また日本は、もうこれは言うまでもないことでありますから、そういう意味において、この問題が日米両国の多数の国民が、解決の方策に支持が与えられるような解決をすることが好ましい。そういうためには、いますぐに基地のあり方について政府が態度をきめるという時期としては私は適当な時期だとは思わない。これがまあ正直な政府の考えである。このことを、何か、こう考えておることと国民に言うこととが違うということは断じてないことを明らかにしておきます。
○黒柳明君 私は別に総理と外務大臣の意見が違っているとは思いませんし、それで、いま外務大臣がおっしゃいました、ある時期が来れば——この時期について、いまベトナム戦を非常に重要視されていると、こういう御発言だったのですが、結局そうなると、また、これは単純な質問かもわかりませんけれども、ベトナム戦がもうちょっと落ちつけばということが、ある時期が来ればという条件の、あるいはすべてじゃなくても、一つになり得る、こういうことでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) そりゃ当然です。極東情勢にベトナムの収拾のしかたというものは非常に影響がある。これはやはりいろいろ日本が沖繩の基地などに対して考えるときにこれは極東情勢の判断が一つの要素になることは明らかである、こう考えております。
○黒柳明君 そのベトナム問題を含めて、まだまだ中共の核の発展あるいは朝鮮の不安な情勢、そういうようなことが極東情勢の中に含まれていると思うのですけれども、それにプラス国内情勢、これも外務大臣はお考えであるのか。この、ある時期が来ればという条件ですね、そこらあたり、ベトナム問題のことについてはそのとおりである。ほかの条件というのは、たとえばどういうことがあげられましょう。
○国務大臣(三木武夫君) これは政府が従来考えておる三つの点をあげているですね。極東情勢あるいは軍事科学、国民の世論の動向ということをやはりあげておるわけです。世論の動向という中には、やはり国民というものの一つの考え方ということも非常に重要であるということを言っておるわけであります。まあ、このごろはやはり内政外交と言っても一体ですからね。国内を考えない外交はない。そういう点で、この問題はやはり国内政治というものも、いろいろとこの決定については、国内の状態ということも十分にこの決定に対しては影響力を持つ問題であることは明らかでございます。
○黒柳明君 外務大臣が日米継続協議会で、要するに、沖繩と日本の大体国民の意思は、本土並みにかたまっている——私は必ずしもそうは思わないのですけれども——国民世論の動向は本土並みにかたまっていると、こうおっしゃったわけですけれども、そのことは、かたまっているから、そういう方向で日本が打ち出せばアメリカは返すとか、あるいはこういう方向で打診したいとお考えなのか、どうでしょう、その点は。
○国務大臣(三木武夫君) これ第一回の会合ですからね。まだこれから回を重ねるに従って各論に入るわけで、大体日本人の考え方というものに対して説明をしたということで、いろいろ両方が出し合って論議をしたという段階ではないのであります。したがって、いま御質問になっておるような、アメリカはどうするこうするというところまでまだ話は行っていないのが実情でございます。
○黒柳明君 時間がなくて、あと一、二問ですけれども、先ほどの前尾さんの意見ですけれども、私は、一党員のことで、党の幹部であり外務大臣である三木さんに御意見伺うのは申しわけないと思うのですけれども、前尾さんは、先ほど言ったように、核つきだと、日本の国民、沖繩の国民が反対するから返還がおくれるだろう、こういう意見を持っているのですね。要するに、アメリカにウエートを置いた考えじゃなくてこちら側に主眼を置いたこういう意見なんですけれども、こういう意見も私は十二分に尊重すべきだと思うのですけれども、当然三木さん個人の意見というものは吐けない立場にあるわけですけれども、先ほどから何回も同じような、白紙だと言ったら白紙なんだと言われればそれまでなんですけれども、この意見も自民党内で相当のウエートをこれから持たれると思うし、また相当マスコミでもこういう意見が尊重されるときが来ると思うのですけれども、これについていかがでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) 自民党は大政党でありますからいろいろな意見があるのでありますが、これは私はいいことだと思うのです。これはやはり自民党の考え方が統一されるということは必ずしもいいとは思わない、それを無理に統一することは。無理にしないで統一されればいいけれども、無理に統一されることはよくない。だから、いろいろな意見があっていい。前尾君の意見も傾聴すべき意見であることは、これは言うまでもないのであります。したがって、いろいろな党内の意見も、今後そういうものを勘案しながら、そしてこれはわれわれは力で押し切ってやろうという考えではない。日米間で信頼と理解といいますか、そういう日米間の友好関係の中にこの問題を処理しようというのでありますから、やはりアメリカに重点を置く外交交渉はありません。日本国民を基盤とした外交でなきゃならぬ。日本はアメリカにウエートを置く外交はやってはならぬわけです。しかし、それはやはり日米両国が話し合わなければならぬので、これはやはり日米両国のために賢明な解決をされなきゃならぬ。私は必ずできると思うのです。これはやはり、これぐらいのことができないようなことでは、日米関係の将来は思いやられるわけですから、これは必ずできる。日米両国にとって合意の達成できる賢明な解決は必ず近い機会にできると私は確信をするものでございます。
○黒柳明君 最後です。すこぶる常識的な御意見で傾聴して聞かせていただいたのですけれども、最後にスナイダー発言ですね、あれにスナイダーさんが付随して言ったことは、要するに、基地と施政権とは切り離して考えることはできる、こういうふうにおっしゃったわけです。要するに、施政権は第一義的であり軍事基地は第二義的である、当然施政権は返しても軍事基地は持ちたいと、こういうアメリカの意図の反映がスナイダー発言の後半に出てきたと思うのですが、こういう考え方に対してどうでしょう、三木外務大臣。
○国務大臣(三木武夫君) これは私どもの立場は、今日は集団安全保障の時代である、こういうことで、日米安保条約というものも永久不変のものだとは思っておりません。しかし、日米安保条約はやはり相当な期間日本の防衛のために必要であるという見解でありますから、必要な基地については提供するという考え方であります。そういうので、安保条約は反対である、反対ですから基地は撤廃すべしという論理が成り立つことは当然でありますが、われわれはそういう立場でありますから、沖繩の施政権が返還された場合においても沖繩の基地というものの必要性というものはわれわれ認めておるものでございます。問題は、その基地のあり方がどういう基地であるかということについては、これはやはり大問題であるということだけで、基地は必要であるという認識を持っておるものでございます。そこで、基地だけは返さないでほかのほうの施政権だけを日本に返して、基地だけは施政権を返さないという方法には賛成をいたしません。やはり返すときは全体として返して、そして基地を提供し、地位協定によって安保条約が適用されているのですから、基地は地位協定によって提供する。基地だけは施政権を返さないで確保して、それ以外の施政権は返そうという考え方には賛成できないということを明らかにしておきます。
○松下正寿君 外務大臣にお伺いいたします。 第二次世界大戦以来すでに二十三年になりまして非常に日本もりっぱになりましたが、残念ながら領土問題はまだ解決がついておりません。幸いにして沖繩問題は、今日この委員会でも非常に議論が沸騰しておりますように、とにかく返還ということはこれは時期の問題一つであるという見通しがついたわけであります。この問題についても私はいろいろお尋ねしたいことはございますが、時間がございませんからこの問題はあとに譲りまして、北方問題についての外務大臣の御意見をお伺いしたいと思います。 沖繩問題については、いろいろ世論の圧力、また、日本とアメリカとの特殊関係等によりまして、ともかく以前と比べますとだいぶ好転しておるように思われますが、北方問題については、いわば壁にぶつかったような、こちらからどういうような要求をいたしましても先方が耳をかさない。これはすでに解決済みの問題であると言って全然耳をかさない。私は、何か政府がすでにあきらめて、これ以上何をやってもしょうがないじゃないかと言ってあきらめているのではないかというような疑惑が起きているわけでありますが、これについての外務大臣の御見解をお聞かせ願いたい。
○国務大臣(三木武夫君) 外交交渉の中で、松下さん御存じのように、領土問題の交渉が一番むずかしい問題である、これは言うまでもないわけであります。われわれとしてはあきらめておるのではないかと、これは絶対にあきらめるようなことはございません。われわれは、やはり日本の固有の領土まで戦争によって割譲されるというようなことは、この第二次世界大戦の経過から見ても考えていないのであります。しかし、御指摘のように、解決済みであるという態度をとっておるわけで、去年私がコスイギン首相と会って、何か平和条約に至らなくても中間的な処置は考えられないかという提案があって、これに賛成をして、この問題について中川モスコー駐在の大使によって日ソ間の外交交渉がずっと続いておるわけであります。この外交交渉を通じて、領土問題は解決済みであるという態度をソ連は終始一貫して述べておるわけであります。しかし、われわれは、解決されていない、択捉、国後、歯舞、色丹は日本に返還されなければならぬということで、両方の意見が対立したままで、これは領土問題ばかりではありません、日ソ間の友好関係を増進するほかにも問題がたくさんありますから、そういう問題は、進める問題は進めていこうという態度でやっておるのでありますが、両方の意見が違うということは外交交渉にとって間々あることで、こういうことであきらめるというようなことはいたしません。今後早急の解決というものは、見通しとしてなかなか困難ではありますが、やはり忍耐強くこの問題は解決をはかるための努力は今後も続けていくという考え方に変わりはないと御了承を願いたいのでございます。
○松下正寿君 ソ連側は解決済みという主張をしておるし、日本側は未解決、これを繰り返しておるだけでは一歩も先に進まないだろうと思います。私は、むろん外交交渉というものは短気ではいけない、至ってしんぼう強くされるという三木外務大臣の御見解には賛成でございますが、ただしんぼうしておるだけで何らそこに解決策というものがなければ、結局のところは、時がたつだけで、時がたてばたつほど、一種の既成事実みたいなものができて、この問題の解決ということは、ソ連側にますます解決がついたことが確認されるわけであります。日本としては、未解決ということが実際上は未解決という形で解決がついてしまいやしないかということを非常におそれておるわけであります。御承知のとおり、外務大臣は非常に勉強家でありますからよく御承知だろうと思いますが、ソ連というよりか、むしろロシア人は非常に土地に対する関心の強い国民である。一たん自分の手に入れた土地というものは、非常なこれに対して執着を持つ。これは幾らかやっかいな点もありますが、一面また非常に美点でもあると思いますが、したがって、この交渉を、向こう側が解決済みであると言っているこの問題についてまたまた繰り返しても、見込みがあまり多くないのじゃないかということをおそれるわけでありますが、それについてソ連は、たとえはアメリカに対して、ソ連がだいぶ財政的に逼迫しておった理由もありましょうが、あの膨大なアラスカをアメリカに対して売ったわけでございます。ああいうような先例もあるわけでありますから、日本としてはこの際、大義名分、法理論はそのままにしておいて、一歩も譲る必要はないと思いますが、ひとつ、新たなる問題の展開の方法として、歯舞、色丹はむろんのことでありますが、択捉、国後等日本の国有の領土であるとわれわれが信じておるものを、残念ではありますけれども、一応法理論はあと回しにして、実際的にこの問題を解決つけるという、いま申し上げたようなそのような、これは一つの思いつきでございますけれども、そういったような立場から解決をされるというような御意思が外務大臣におありになるのでしょうか、お伺いしたい。
○国務大臣(三木武夫君) 現在、日本の政府の立場は、日本の固有の領土であるから、歯舞、色丹、択捉、国後——歯舞、色丹は平和条約ができれば返すということになっております。択捉、国後の問題でありますが、返してもらいたいという主張の上に立っておるのですが、いまの松下さんの御意見なども、そういう問題も何か局面を打開するためにどうという、いま思いつきであるというお話であったわけですから、われわれとしても、そういう案が、固有の領土に対して金銭的な解決ということも、そこまで踏み切るわけにも現在のところまいりませんが、しかし、何かこの局面を打開する方法は考えなければならぬということはそのとおりだと思います。こういうことについていろいろ検討をいたしてみたいと考えておるわけでございます。
○松下正寿君 私が思いつきで申し上げたことに対して、外務大臣は自分の見解はこうであると言うことを私は期待しておったわけじゃありませんが、いまのようなお答え以上のことを期待することは無理だと思う。ただ、これだけ確認してよろしゅうございましょうか。いま申し上げたような金銭的解決ということがもろもろの解決のうちの一つの可能性として考えられるというふうに理解してさしつかえございませんか。
○国務大臣(三木武夫君) まだ政府としてはそこまで考えておりません。
○松下正寿君 政府としてはそこまで考えておられないとすれば、やはりもとのもくあみで、こちら側は解決していない、先方は解決しておると、この二つの同じようなことを押し問答するだけであって、ますます時期がおくれはしないかと思いますが、それについてのお考えをお願いいたしまして私の質問をこれで打ち切ります。
○国務大臣(三木武夫君) 日本の国民として、固有の領土である、したがって、これをソ連が領有しておることは不法である、返してもらいたいというのが現在の日本国民の考えであるわけでありますから、これは法理論は法理論としてたな上げして金銭的解決をせよということは、領土問題に対する重大な決定でありますので、これはまだ政府としてそういうふうな角度でこの問題を解決するというよりかは、もう少し真正面からこの問題に取り組んで解決をするために努力をしていきたいということでございます。
○春日正一君 国政参加の問題についてお聞きしたいのですけれども、いまも質問があったのですけれども、施政権返還以前に一体化する、その一体化政策を進めるということをずっと言って努力しておいでなんですけれども、この一体化政策を進めるということの上で国政参加ということが一番かなめをなす問題なんじゃないか。だから、沖繩の県民も何としても国政に参加さしてほしいということを要請しているのじゃないかと思うのですけれども、その点、総務長官のお考え方を聞かしていただきたいと思うのですが。
○国務大臣(田中龍夫君) さようでございます。
○春日正一君 私、時間がありませんから、まとめてお聞きしますけれども、そうしますと、第一点で、今度、きのうの新聞を見ますと、沖繩にいる本土の国籍者が立法院議員の被選挙権が得られるようになったということが報道されております。まだ主席のほうは問題があるようですけれども、立法院の議員選挙では本土に国籍のある人が沖繩において被選挙権もあるということになるなら、当然日本国民であるそのことはアメリカ自身も認めておるし、日本の政府、国民みんなが認めておることですから、この日本国民である沖繩の県民が日本の国会に代表を送って国政に参加するということは一向差しつかえないし、道が開けてきているのじゃないか、この点が第一点。そうして、だから、当然これを国会議員として選挙して入れるようにすべきじゃないかということですね。 その次に、政府が、沖繩県民の国政参加、要求しておるような正規の国会議員として国政に参加するという要請を好ましいものと考えておるのか、あるいは施政権返還以前には日本政府として好ましくないと考えておいでになるのか。もし好ましいものとして考えておいでになって、しかし、アメリカ側との関係でそれが実現できないということであるならば、もっと強い態度でこれを要請する必要があるだろう。たとえば、この立法院議員の被選挙権の問題にしても、沖繩立法院が何回も問題にし、そうして法律をみずから作ってしまった。それを高等弁務官が追認するような形でこれが実現されたようにここでは報道されておる。とするなら、日本政府として、もっと強い態度で、当然日本国憲法からいってもその資格があるのだし、また、一体化という立場から見ても当然それをやるべき必要があるのだということで、はっきり政府として正式に国政に参加させるという態度を固めて、その上でアメリカと折衝するということを当然やるべきじゃないだろうか、そういうふうに思いますけれども、政府はそれらの点についてどういう考えを持っておられるか、この点もお聞きしたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 冒頭おっしゃいました、沖繩における被選挙権の問題が直ちに国政参加の問題につながるものではないと思いますが、はっきりと申し上げられますことは、私どもとしましては、アメリカの施政権下にありましても、なおかつ、沖繩の方々の願望にこたえて、ぜひとも国政参加を実現したいということでせっかく努力をいたしておるわけでございます。と同時にまた、日米の関係も当然御承知のような次第でございますので、それにつきましての外交上の交渉も外務大臣のほうで正々堂々と行なっておる、並行してまいるということでございます。
○春日正一君 いまの御答弁ではっきりしないのは、長官も国政参加ということばを使っておられますけれども、沖繩の、この間来た代表の主張でも、オブザーバーで参加するというような形で扱ってもらいたくない、差別してもらいたくない、憲法上当然日本の国民なんだから、やはり正規の国会議員を選挙して参加させるという形にしてほしいと、そういう意味での国政参加を沖繩県民は要求しておられるし、私どももそれが妥当だと考えておるのだけれども、政府としてはそういう意味での国政参加は好ましくないと考えておいでになるのかどうか。もしそれが政府としてできればけっこうだというなら、その立場をはっきりさせて交渉なさったらどうか、この点を聞いているわけです。
○国務大臣(田中龍夫君) できるだけ沖繩の方々の御要望に沿うてこれを実現したい、かように考えてはおりますけれども、他面、この問題は法制上の問題も、法理論的にもなかなかむずかしい問題のようでございます。同時にまた、外交交渉もあわせて行なわなければならぬ問題でもございます。かような点におきましては、どうしたらばこれが最も効果的に行ない得るかということをせっかく検討いたしつつある段階でございます。
○山本利壽君 ちょっと。先ほど松下委員の発言につきまして、これは外交的に非常に今後重大な問題を起こす可能性があると考えますから、一口外務大臣にただしておきたいと思います。 この問題を早く解決したいという気持ちは全国民が持っておるわけでございますけれども、その一つの方法として、ちょうどアメリカがアラスカを買い取ったようなそういうような方法も考えられないかといったような意味であったように思うのでございますが、これは、もしそういうことをいまの段階において、日本の国民、あるいはことに日本の国会において論議されるということは、買い取るということは、これは日本の固有の領土とわれわれほかたく信じているわけでございますが、それを向こうのものであるということをこれは認めることであると思うのであります。向こうのものであるから金で売ってくれないかという結果になる。いまそこをつつがないでと言っても、金を出して買うということは、相手に所有権があるということをこれは言外に認めておることであります。われわれは歯舞、色丹、国後、択捉等は絶対にわれわれの固有の領土であると考えておるのでございますから、幸いにいま三木外務大臣はこの問題に取り組んで努力中なのでございますから、ここのところが、先ほどの松下委員との質疑応答の間において外務大臣が答えられたことが誤って伝えられた場合においては、日本政府としてはそのことも一つの方法であると考えておるかのごとく世間に伝わると——世間に伝わるということは、同時に相手国に伝わるということでありますから、われわれが絶対に歯舞、色丹、国後、択捉というものがわれわれの固有の領土であるということを強く主張しておる現在においては、そういうような金銭によって売買をするというようなことは絶対考えていないのだ。そういうことは私から言えばあり得ないことであります。そこらのところが、外務大臣の答弁が誤り伝えられるといけませんから、突然な質問であったから外務大臣は考えていないということを言われたのでありましょうけれども、そういうことは外交上現段階においてはあり得ないという意味であったと思うのでございますが、所見を念のために承りたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 山本さんの御親切な御配慮に感謝いたします。 私の申し上げたことは、歯舞、色丹、国後、択捉は日本の固有の領土である、だから、固有の領土を日本に返還を求めるというまっ正面からの外交交渉でこの問題を解決したい、こう考えておるので、これを金銭的に解決するというような考え方は持っていない。そういう意味で今後日ソ間の外交交渉を続けていくのだ、これが政府の態度でございますから、誤解のないように。このことは現に日ソ間で外交交渉をやっておるわけですから、このときに、そうゆう考えが少しでもそれが考慮の余地があるということは、外交交渉を混乱におとしいれるものでありますから、そういう考えはございません。固有の領土として問題を解決したい、こういうことが政府の変わらない態度であることを明らかにいたしておく次第でございます。
○山本利壽君 了承しました。
○委員長(伊藤五郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(伊藤五郎君) 速記を始めて。 他に御発言もなければ、本調査に関する本日の質疑はこの程度といたします。 —————————————
○委員長(伊藤五郎君) 次に、継続調査要求についておはかりいたします。 沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤五郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましてはこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤五郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(伊藤五郎君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。 沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のため委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤五郎君) 御異議ないと認めます。 つきましては、派遣委員の人選、派遣地、派遣期間等はこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤五郎君) 御異議ないと認めさよ、う決定いたします。 —————————————
○委員長(伊藤五郎君) 次に、昨年に引き続き第二回参議院沖繩調査団を派遣することにつきまして理事会において協議いたしましたので報告いたします。 実施の時期につきましては、当初、今期国会終了後これを行なうという案もございましたが、沖繩現地におきましては十一月に行政主席の公選が行なわれますことなど適当でない点もいろいろありますので、十一月十日の沖繩の行政主席公選の終了後のなるべく早い時期にこれを行なったほうがよいと、各理事間の意見が一致いたしました。 この調査団派遣は通常行なわれております委員派遣ではなく、議員派遣となりますので、委員長において関係方面と折衝することにいたします。その結果、参加人員、日数等が確定いたしましたならば、日程等は理事会で協議いたします。 以上、報告のとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤五郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時十七分散会