運輸委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1968/10/08
会議録
○委員長(谷口慶吉君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 運輸事情等に関する調査を議題といたします。 まず最初に、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。 運輸事情等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本鉄道建設公団副総裁篠原武司君、同理事増川遼三君及び田中倫治君の出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口慶吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(谷口慶吉君) 次に、先般当委員会が行ないました委員派遣の報告を聴取いたします。 まず、第一班の報告を願います。
○岡本悟君 第一班の派遣報告をいたします。 派遣された委員は、吉田委員、佐田委員と私の三人であります。派遣期間は九月十六日から二十日までの五日間で、仙台、盛岡、青森、秋田を回り現地における運輸省及び国鉄地方機関から管内事情を聴取するとともに、港湾施設及び空港施設の実情、青函トンネルの調査坑の掘さく状況等を視察調査してまいりましたが、以下、そのおもな点について御報告申し上げます。なお、現地で受領いたしました各資料は調査室に保管させてあります。 まず、国鉄の運営状況について申し上げます。 東北支社及び盛岡、秋田両管理局から管内事情について詳細な説明を聴取いたしましたが、東北支社管内における第三次長期計画による投資規模は二千三百億円でありまして、昭和四十三年度までの進捗率は五一%になっております。この結果、すでに磐越西線の郡山−喜多方面の電化、常磐線平−岩沼間の電化、また東北本線東京−盛岡間の複線電化等、さらに本年十月一日には東北本線の全線電化、復線化が完成し、大幅な輸送力の増強とスピードアップがはかられることになりました。 経営状況についてみますと、昭和四十二年度収入が六百十六億八千六百万円、経費八百四十五億三千二百万円で、差損額は二百二十八億五千六百万円となり、前年度に比して大幅な赤字の増大を示しました。 去る九月四日、国鉄諮問委員会の赤字ローカル線の廃止勧告は、東北各県に強い反響を呼び、気仙沼線、小本線、八戸線、大湊線、大畑線、黒石線、阿仁合線、矢島線等について関係各県からそれぞれ地域の経済開発上の重要性、地域住民にとって他にかえることのできない唯一の交通機関であること等の理由をあげ、存続するよう熱心な要望がございました。 さらに加えて各県から三陸縦貫鉄道等の工事線の建設促進と既設線の輸送力増強について要望がございました。 次に、日本鉄道建設公団の直轄工事として実施中の青函トンネルの工事状況を視察するため、青森県の竜飛へ行ってまいりましたのでその状況を申し上げます。 青函トンネルは本州と北海道を結ぶ海底二十二キロメートルを含む総延長三十六、四キロメートル、総工費一千二百億円で、昭和五十年度完成が一応の目標となっており、現在調査工事を進めております。北海道側は既に千二百十メートルの斜坑部分の掘さくが終わり、津軽海峡の海面下二百八十二メートルを本州の竜飛崎に向って水平坑が掘り進められており、本州側は約千三百メートルの斜坑部分を掘さく中でありました。 北海道側は比較的順調な進捗ぶりをみせておるようでありますが、本州側は複雑な断層と多量の湧水のため、難工事だったよしでありますが、しかし関係者の言からすれば技術的には十分完成することが見込まれますので、いまや、東北新幹線建設との関連を考慮しつつ本トンネルの完成時期等について明確な企画決定がなされることが望まれる次第であります。 次に、陸運関係について申し上げます。乗り合いバス事業は昭和三十九年度を境にして輸送人員、輸送人キロともいずれも伸び悩みの傾向を示し、仙台陸運局管内の二十一社の収支状況についてみますと、各社とも経営内容は逐年悪化の傾向をたどり四十二年度におきましては、その四三%に当たる九社が経常欠損を生じている状況であります。これは東北地方における過疎化現象が著しいのみならず、自家用乗用車の普及が驚異的な伸びを示しており、しかも過疎化現象の著しい地域ほどその伸び率が高いためであるとのことであります。また、私鉄におきましてもおおむね右と同様の状況でありまして、昭和四十二年度におきましては前年度に比し、収入が九八、七%にとどまったのにかかわらず、支出が一〇四、四%に達し、全体を通じ大幅な赤字となっております。 このような状況に対処して国鉄の赤字ローカル線を含め合理的な輸送体系を確立するとともに、関係事業者に対する助成を強化する等、総合的対策の早急な樹立が強く望まれる次第であります。 次に、空港関係について申し上げます。 視察した個所は青森及び秋田空港でございます。青森空港は、昭和三十九年滑走路延長千二百メートルで供用開始して以来旅客は年を追って増加し、このため定期便の就航も次第に増加することが予想されます。しかし、本空港は濃霧及び気流による気象条件が悪いため、現在、空港の使用を制限している状態でありますので、航空保安上早急に滑走路及び着陸帯の延長、拡幅と航空灯火の設置等の措置を講ずるようにとの要望がございました。 秋田空港につきましては、現在、YS11型機の就航に対応して滑走路の延長千二百メートルを千五百メートルに、また幅三十メートルを四十五メートルにするための延長拡幅工事を実施中でありました。 当空港は、秋田−東京間二往復、秋田−札幌間一往復の定期航空路が開設されておりますが、冬期間は旅客の減少と滑走路の積雪、凍結等のため東京−秋田線は一便、函館−秋田線は運休になるとのことでありました。 次に、港湾関係について申し上げます。 私どもは、青森港と秋田港を視察いたしましたが、青森港は近年、浜町埠頭、堤埠頭等大型岸壁を有する埠頭が相次いで完成しております。また取り扱い貨物量は、昭和四十一年の百五十七万トンから四十七年には三百八万トンに達するものと推定されるため、これら貨物量に対処できるよう、さらに本年度を初年度とする港湾整備五カ年計画に基づき、総事業費二十七億円の規模をもって岸壁の整備、埠頭用地の造成、臨港道路の築造整備等の促進につとめているとのことでありました。 秋田港における港湾整備五ヶ年計画に基づく整備事業としては総事業費六十二億円の規模をもって推進しております。一方、取り扱い貨物量は昭和四十二年には百四十四万トンに達し、三十五年の三・八倍の増加を示しております。その取り扱い貨物のおもなものは、輸移入品目として油類、鉱物、木材等があり、輸移出品目としては肥料、化学薬品等であります。 なお、秋田港新産地区の建設にあたり、秋田港にはさらに一万五千トン級一バースと五千トン級二バースを増築するほかに、新たに北部大浜地区に開発港湾として一万五千トン級六バース、五千トン級三バースの掘り込み式港湾を建設中でありますが、その背後地にはすでに大企業の進出が決定されており、それらに合わせた総合的な港湾整備の促進が望まれる次第であります。 海運関係について申し上げます。 東北海運局管内の海運企業はきわめて零細事業者が多く、当局としては経営基盤の強化をはかるため、企業の集約、統合の指導につとめてまいりましたが、旅客定期航路事業については、その成果にやや見るべきものがある由であります。また当管内においても船員の需給関係は年々逼迫の度を加え、特に若年層の充足はきわめて困難となりつつありますので、これが対策の樹立が望まれる次第であります。 なお、当局から船舶検査官をはじめとする人員の増加と、機械の導入による事務の合理化の推進について強い要望がございました。 次に、海上保安業務について申し上げます。 第二管区内の海難は、昭和三十九年を境に増加の傾向にありますが、特に漁船の海難が圧倒的に多いことが特徴であります。これらの海難に対処する現在の巡視船艇等の勢力は、ほぼ限界に達しておるので、さらに救難の実績をあげるためにはより高性能の巡視船艇及び航空機の配偶が望まれるとのことであります。 また、気象台からは、現在、気象レーダー網の空白地帯となっている秋田地方気象台に気象レーダーを設置することと、はなはだしく老朽化している庁舎の新営のための予算措置について特段の配慮を願いたいとの要望がございました。 また、仙台地方海難審判庁からは、審判官の増員について、また海難審判理事所からは理事官の増員と新庁舎の設置についてもそれぞれ要望がありました。 最後に、地方公共団体から受けました陳情を取りまとめて御報告申し上げます。 第一に、宮城県から東北新幹線建設の早期実現及び仙石線の全線複線化等について。 第二に、岩手県から東北新幹線の早期実現、八戸線及び小本線の存続並びに三陸縦貫鉄道の早期完成等について。 第三に、青森県から奥羽本線の複線電化促進、八戸港、青森港及び大湊港の港湾整備促進等について。 第四に、秋田県から奥羽、羽越両本線の輸送力増強及び気象レーダーの設置等についてであります。 以上、御報告申し上げます。
○委員長(谷口慶吉君) 次に、第二班の御報告を願います。
○市川房枝君 第二班の派遣報告をいたします。 派遣されました委員は、谷口委員長と私の二人であります。 派遣期間は、九月十六日から二十日までの五日間で、京都、鳥取、島根の各府県を回り、現地における国鉄の運営状況、運輸省地方機関の管内事情等の聴取並びに港湾施設、空港施設等の実情を視察調査してまいりましたので、これら調査事項のうち、国鉄の運営及び海上保安業務等を中心に、各地の状況、要望事項等について御報告申し上げます。 まず、国鉄の運営状況について申し上げます。 国鉄関係については、関西支社、福知山、米子両管理局及び中国地方自動車局よりそれぞれ管内事情について詳細な説明がありましたが、関西支社管内において通勤輸送の混雑緩和、幹線輸送力の確保、貨物輸送の近代化等のため、第三次長期計画で五千三百七十億円にのぼる主要線区の線増、電化、停車場改良、車両基地新設等の増強工事を計画し、四十三年度までに千三百五十億円の工事が実施されてきたとのことであります。また、四十二年度の経営状況は、収入千三百三十七億円に対し経費千四百九十一億円で百五十四億円の赤字、営業係数では一一二となっており、このため経費節減につとめるとともに、長期的観点に立って線区別にその輸送需要に適応した近代的な体制の整備をはかり、合理的な運営を進め、経営改善計画を推進中とのことでありました。 特に現地において問題として取り上げられましたのは、国鉄諮問委員会の意見書に廃止勧告線として指定された篠山線、若楼線、倉吉線、三江北線及び大社線の各線についてであります。これら各線の沿線においては、人口は少なく、第一次産業が主体をなし、各線にほぼ並行して通ずる道路の整備により自動車との競争が激しく、このため旅客、貨物とも漸減の傾向をたどっており、その営業係数は四十一年度最低の大社線で二五四、最高の篠山線では五一二となっております。しかるに、これらの路線が廃止されることは、沿線住民の通勤、通学など日常生活に及ぼす影響のみならず、農林業、鉱工業の開発、あるいは観光事業の発展等に重大な支障を及ぼすものとして、国鉄路線の存置、さらには未整備区間の積極的な整備の促進が各地元関係者より強く要望されたのであります。 その他、山陰本線の全線複線化、電化、特に通勤、通学区間である京都−園部間の早期着工、伯備線の複線化、電化、舞鶴線の複線化、鳥取駅、松江駅周辺の高架化事業の促進、智頭線、南勝線、岩目線等各新線建設の促進が要望されました。 次に、海上保安業務について申し上げます。 第八管区海上保安本部は、福井県から島根県に至る五府県を管轄区域とし、その海上における安全の確保と治安の維持に当たっております。当管区の海域は、海岸線が屈折なく東西に延びて避難港に恵まれず、冬季においては熾烈な気象、海象にさらされて、きわめて悪条件下にあり、また、対岸に朝鮮半島を控えて不法出入国の虞犯度が高い等地理的、国際的に特殊な環境下にあります。 最近における国内経済成長の伸展に伴い、臨海工業地帯の造成が相次いで進み、内・外航船舶の往来も漸次活発となって管内各港内の海上交通はふくそう化の傾向をたどっており、また、水産業についていえば、沖合漁場を開拓する漁船と沿岸漁業を固守する漁舟とが併存し、無理な操業をしているものが少なくなく、さらに、最近のレジャー・ブームの波に乗って京阪神、中京地区からの海水浴客、磯釣り客が逐年増加の一途をたどっております。これらの理由から、海難は依然として多発の傾向にあるので有事即応の救難体制の確立を期しておるとのことであります。 他方、当管区は、先ほども述べましたように朝鮮半島と一衣帯水の関係に位置しているため、日本海を経路とする密航、密輸等の潜在犯罪は逐年活発化する傾向にあり、また、国籍不明の高速不審船が出没して本邦領海を侵犯する危険もあるので、これらの事態に対処するため日夜厳重な警備体制をとっているとのことであります。 以上、海上保安業務の完ぺきを期するためには、現有勢力では遺憾ながら不十分であり、今後の海上保安体制強化が必要であると思われ、今回視察いたしました西郷海上保安署におきましても、現在配属されている巡視船に加え、小型巡視艇の配属の要望がございました。 なお、舞鶴におきましては、海上保安学校の業務説明も聴取いたしてまいりました。 次に、海運、港湾関係について申し上げます。 視察してまいりました港湾は、舞鶴、境及び西郷の三港でございまして、第三港湾建設局、各港湾管理者から説明を聴取するとともに、それぞれの海運支局から事情を聴取いたしました。 舞鶴港では、入港船舶の隻数の増加は見られないが、総トン数においては大幅の増加を示しており、船型の大型化、特に外国船の入港が目立ってきております。出入貨物は、年々増加傾向にあり、四十二年度においては、約百三十八万トンと前年比二四%の増加を来たし、おもな貨物は木材、鉱物、油類で、このうち木材が大宗貨物となっており、東港における合板三工場の建設、または国内の需要活発化に影響されて著しく増加しているとのことであります。 港湾整備につきましては、三十五年から築造されてきた第四埠頭も一応基本部分が完成し、整備工事並びに水路のしゅんせつが行なわれ、喜多水面貯木場の工事も進められておりますが、地元舞鶴市からは、第三埠頭の早期着工、第二埠頭、第四埠頭並びに同埠頭航路を大型船舶が航行できるよう水深十メートル以上にしてほしいとの要望がございました。 境港は、新産都市の指定を受け、工場用地の造成も進み、工場誘致の外部条件の整備と背後地の開発に伴い、増大する貨物量を処理するために前年度に引き続き水深四・五メートル岸壁、四・五メートル泊地しゅんせつ等を施行し、臨海工業地帯の施設防護のため防波堤築造の計画が進められております。また、輸入木材の増加に対処するため木材投下泊地、貯木場に至る航路を水深七・五メートルに整備するしゅんせつ工事も行なわれることになっております。 なお、境海運支局より、業務量の増大に伴い定員の増加要求がございました。 隠岐の西郷港は、従来、沿岸漁業の根拠地として、また日本海航行の帆船寄港地として利用されてきましたが、現在では、本土と隠岐島間の定期貨客船の発着あるいは付近航行船舶の寄港地、大型漁船の根拠地として広く利用されるばかりでなく、荒天時には大型船舶の避難港としてもその使命はきわめて重要であり、さらに国立公園指定に伴い観光客の数は著しく増加し、大型の定期客船の就航も追っております。これに対処するため、現在の水深五メートル岸壁を使用せざるを得なくなるので、主として木材類の取り扱いをしている水深四メートル物置き場を早急に整備し、旅客と貨物の兼用を避け、円滑なる港湾機能の運営をはかりたいとのことでございました。 その他、島根県より浜田港における外材輸入量の増加に対処して四十四年度において木材整理場を完成するとともに、新たに大型船の埠頭として一万トン岸壁の築造に着手する計画であるので、これに要する国庫補助予算措置を講ずること、離島航路の充実、隠岐島島前、島後の島内交通の利便をはかるための一部事業組合による航路運航に対し助成をすること等について陳情がございました。 最後に、空港整備について申し上げます。 視察を行ないました空港は、出雲、隠岐の二空港でございますが、両空港においては、当初の予想をこえる大型YS11型機が就航することとなったので、離発着する航空機の安全を確保するため空港整備五カ年計画に基づき、施設整備をはかることといたしております。 出雲空港は、四十二年度においてYS対策として滑走路のかさ上げ、エプロン及び誘導路の拡張、かさ上げを実施し、引き続き四十三年度より滑走路を三百メートル延長して千五百メートルに、幅三十メートルを四十五メートルに拡張整備し、さらに照明施設を整備する計画であります。 また、隠岐空港は、YS対策として当面四十三年度において、誘導路を拡張、かさ上げし、引き続いてエプロンの拡張、かさ上げ、滑走路のかさ上げ、さらには照明施設の整備を計画しております。 これら空港整備計画が計画どおり進捗するよう予算配分について当局の配慮と飛行場における航空機の火災事故等に対処するための消火施設及び救難設備について国の予算的配慮の要望がございました。 さらに、隠岐空港への定期便は従来冬期間運休されておりますが、年間を通じて運航されるよう地元より強い要望がございました。 なお、舞鶴市より京都府下中丹地域に航空基地を設置すること、鳥取県より、鳥取空港の滑走路の延長、照明施設の整備、米子空港の誘導路、エプロン等の整備拡充等につきまして、それぞれ陳情がありました。 以上のほか、舞鶴海洋気象台より通信施設の整備拡充、庁舎の新営、松江地方気象台より庁舎の改築等についての要望がございました。 以上、簡単でありますが、報告を終わります。 なお、現地で受領いたしました各資料は、調査室に保管させてありますので念のため申し添えておきます。
○委員長(谷口慶吉君) 次に第三班の御報告を願います。平島君。
○平島敏夫君 第三班について御報告申し上げます。 派遣委員は、渡辺委員、三木委員及び私の三人であります。また、派遣期間は、去る九月十六日以降五日間で、福岡、大分、宮崎、鹿児島四県所在の運輸省及び国鉄地方機関の管内事情等の聴取並びに港湾施設、空港施設及び鹿児島交通南薩線等の実情を視察調査してまいりましたので、これら調査事項のうち主要な点について御報告いたします。 なお受領いたしました資料及び陳情書は、調査室に保管させてあります。 最初に、海運行政について申し上げます。 九州海運局においては、壱岐、対島等約百九十の島嶼相互間、あるいは本土間と連絡する離島二百五航路を経営するものの、大部分が、零細事業者であり、そのほとんどが赤字経営を余儀なくされていることにより、老朽船の代替建造と安全度の向上及び運航回数の増加がきわめて困難な状態となっておりますので、このような情勢に対処するため、今後とも一そう船舶整備公団との共有方式による建造を促進するととも一に、事業集約化による経営基盤の強化と国及び地方庁の補助金増額等の助成策を強力に推進する必要があるとのことであります。 また、内航海運業についても中小零細業者の体質改善をはかるため、昭和四十四年三月を目途に企業集約と協業化が進められておりますが、集約化については財政上及び税制上の諸措置と相まって、おおむね順調に推移しているとのことであります。 また、港湾運送事業の近代化と集約化体制を確立するため、港湾運送事業近代化関門協議会を発足させて港の実態に即した自主的集約の実現をはかる努力が続けられているとのことであります。 第二に、港湾整備について申し上げます。 第四港湾建設局における港湾整備は、本年度を初年度とする第三次五カ年計画により第二次五カ年計画と対比して事業費約一、八倍という規模をもって実施されております。 まず、北九州港について申しますと、当港は、昭和五十五年の取り扱い貨物量を一億トンと推定し、これに即応した港湾施設の整備として田野浦、日明地区にそれぞれ水深マイナス十ないし十二メートル岸壁、洞海本航路地区防波堤等の外貿港湾を工事中でありましてその一部は、本年度完成予定であり、これと併行して新門司、日明地区等に臨海工業用地を造成しております。 次に、関門航路は、最近における経済発展に伴う海上輸送量の増大と船舶の大型化及び航行船舶の輻輳に対処するため、第三次計画期間中に航路幅員五百ないし千メートル水深マイナス十一メートルに整備することとしておりますが、このうち南東水道と中央水道間、六連と日明間につきましては、幅員五百メートル水深マイナス十三メートルにそれぞれしゅんせつすることとし、前者は、本年度完成の予定であります。 次に、大分臨海工業地帯は、大分地区に大企業を誘致して九州における重化学工業開発の大規模な中核的拠点とすることにより県民所得の向上をはかるため、昭和三十四年度着工以来埋立地約六百四万平方メートルの造成を完了し、現在、九州石油、昭和電工及び八幡化学等が一部操業開始しておりますが引き続き昭和四十七年度完成見込みのもとに埋立地約六百九十万平方メートルを造成しており、この結果、昭和五十年における工業出荷額の目標は、五千二百五十億円が想定されております。 次に、鹿児島港は、近年の産業経済の伸長に伴う物資輸送量の増大に対処するため、昭和三十四年度に着工された新港地区の整備を促進するとともに、四十年度から木材港区の整備に着工し、翌四十一年度から谷山地区の岸壁、泊地及び防波堤等を外、内貿港湾として工事中であり、また、これとあわせて本港及び南港の整備と工業用地の埋め立てを造成しております。 第三に、海上保安業務について申し上げます。 第七管区海上保安本部においては、韓国に近接している地理的条件を背景としているため、密航密輸等国際的犯罪に対する警備取り締まりと日韓漁業協定に基づく漁船に対する協定順守の指導及び両国巡視船等による連携巡視等が当面の重要な任務とされております。 また、最近における北九州工業地帯、新産業都市地域の臨海工業地帯の造成及び港湾整備の推進に伴う船舶交通量の増加に対応した海上交通の安全を確保するため、巡視船等の充実強化をはかるほか、航路標識の整備と水路測量の充実をはかる等業務体制を整備したいとのことであります。 次に、第十管区海上保安本部においては、九州南方海域等における漁船等の遠距離海難が毎年漸増傾向であるため、遠洋救難用の高速大型巡視船及び航空機等の配置が特に必要であること、また、南九州における航路標識の整備状況は、全国平均と対比してかなり遅延しているため、これが整備を強力に推進するほか、南西諸島方面の現行海図は、明治、大正時代の測量によるものであるから最近の同方面における船舶交通の漸増傾向に対応すべく新改定版海図を早期に刊行したいとのことであります。 第四に、国鉄運営状況について申し上げます。 九州支社における第三次長期計画に基づく投資計画は、幹線輸送力増強、電化ディーゼル化等を骨子とするもので投資規模としては、約三千億円でありますが、本年度第一四半期末で進捗率三六%となっております。この結果、鹿児島本線門司司−熊本間、日豊本線小倉−大分間の一部、及び長崎本線鳥栖−牛津間の複線化等がいずれも完成し、本年十月のダイヤ改正により客貨とも急行、特急列車の大幅増発、スピードアップ等が可能となった由でありますが、支社からは、今後の所要資金の確保について格段の配慮を要望されました。 また、最近の経済情勢の変化に伴い旅客輸送量は、全体として若干増加しておりますが、貨物輸送量は、石炭及び米穀とも著しく減少している反面、果物、機械等の一般貨物とコンテナ輸送は著しく増加傾向を示しており、昭和四十一年度における営業係数は一五一で逐年悪化の傾向を示しております。 なお、支社における当面の問題としては、長期計画の最終年次である昭和四十六年度までに予定されている幹線輸送力増強等の工事をさらに一そう推進すること、新幹線の博多までの工事完成予定が昭和五十年度に見込まれていることに対応して早急に受け入れ体制を整備することであります。 次に、大分鉄道管理局においては、十月のダイヤ改正を契機として客貨両面にわたり優等列車の増発あるいはコンテナ輸送の改善をはかるなど積極的に増収策を講ずるとともに車両検修体制の近代化、運転事故防止対策を推進するほか、日豊本線立川−亀川間の線増、特に、隘路とされている直川−市棚間、通称宗太郎峠の区間については早急に線増、電化等の工事を促進したいとのことであります。 なお、私どもは、直川−市棚間の列車運転状況等を詳細に視察してまいりましたが、同区間は、国鉄の他の線区と比較して著しく急勾配かつ、急カーブであり、しかもその間に六十数カ所のトンネルが連続しているなど立地条件上の制約があるため、すみやかに複線、電化工事等を促進すべきであるとの感を強くした次第であります。 次に、鹿児島鉄道管理局においては、現在まで客車基地新設、線増電化等の工事は、おおむね順調に推移してまいっておりますが、今後の長期計画に基づく工事として鹿児島及び日豊本線の複線電化工事等を推進していきたいとのことであります。 第五に、鹿児島交通南薩線の経営状況について申し上げます。 同線は、近年における南薩地域人口の減少、道路網整備等の影響により逐年客貨輸送量が減少しているため、今後の増収が見込まれず、しかも昭和三十六年以降の累積赤字四・五億円についても従前通りバス部門等からの補てんが困難となってきたこと等の理由から、会社側が鉄道を休廃止してバス代替輸送をすると内定したのに対して、沿線市町村が反対の意向を示したものであります。その後、会社側から同線存続試案としてダイヤ削減、人員整理及び第二会社設立の案が示され、地元市町村側もとにかく一応これを了承したとのことであります。 また、この問題と関連して鹿児島交通南薩線国鉄移管促進協議会から南薩線を国鉄に移管し、薩摩半島国鉄循環線を早期に実現されたいとの陳情がありました。次に運輸省地方機関より聴取いたしました要望事項のうち、おもなるものについて申し上げますが、これらはいずれも来年度予算編成に際して現地の意向を十分に配慮されるよう強く要望されたものであります。 まず、陸運関係については、最近の自動車登録台数の激増と車検業務量の増大に対応した定員増をはかること、道路網の整備と人口過疎化現象等により企業収支が悪化している地方鉄道、軌道施設の近代化と離島バスの企業体質の改善に資するため、金融、税制上の助成措置等を講ぜられたいとのことであります。 なお、陸運事務所の地方移管反対と運輸省直轄化について福岡、宮崎及び鹿児島三県陸運事務所運輸省直轄化期成同盟会から陳情がありました。 次に、気象関係については、離島官署における観測施設の充実強化をはかるとともに、要員交替の円滑な運営を確保するため、職員宿舎を整備されたいとのことであります。 次に、航空関係として鹿児島空港は、最近の輸送需要の増大傾向にかんがみ昭和五十年には、現空港の能力が限界に達するものと想定されるにもかかわらず、滑走路延長等も立地条件から困難と見込まれるため、新空港の建設が必要とのことであります。 また、宮崎空港は、A滑走路延長及びエプロンの新設改良等の工事を促進されたいとのことであります。 次に、門司海員学校については、本館、教室等の新営工事及び宿舎等の整備を、また、航空大学校についても最近の航空機乗員の量的確保をはかるための学生定数の増加に対応した教育施設の拡充整備をそれぞれ推進されたいとのことであります。 最後に各地において受けました陳情について申し上げます。 第一は、北九州市長から北九州港の港湾整備促進、関門航路の早期整備及び山陽新幹線の建設促進等について。 第二は、大分県知事から佐伯港の重要港湾指定、日豊本線中津地区の高架化及び新空港の建設促進等について。 第三は、宮崎県知事から日豊本線の複線電化促進、宮崎空港の拡充整備、日の影、細島、妻及び日南線の存続等について。 第四は、鹿児島県知事から鹿児島本線の複線電化、新空港の建設促進及び離島航路の整備強化等について、それぞれ陳情がありました。 以上御報告申し上げます。
○委員長(谷口慶吉君) 皆さま御苦労さまでした。以上で派遣委員の報告を終わります。 —————————————
○委員長(谷口慶吉君) 次に、最近における国鉄の重大事故について運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許可いたします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 最近、国鉄におきまして停車すべき駅を通過する不注意な事故が頻発をしておる、その上、九月二十九日には青梅線におきまして、貴重な人命財産をあずかる重要な使命を持っている乗務員が飲酒運転をするという常軌を逸した事故が発生いたしましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。幸いにも人命財産に被害を与えなかったことは何よりと存じておる次第であります。このため、九月三十日に国鉄の管理者及び三組合の幹部を招き、労使一体となってこのような不祥事故を防止するよう強く指示し、また要請いたしたところであります。これら頻発しておりまする事故の根本的原因には、管理体制、服務規律及び保安施設等に問題があると考えられますので、運輸省といたしましては、ただいま事故防止対策委員会におきましてあらゆる角度から検討をいたし、その検討の結果に基づいて施策を進めていく所存でございます。 なおこの際、飛騨川におきまする観光バス転落事故による被害者の救済について、お許しがあれば御報告申し上げたいと存じますが、よろしゅうございますか。
○委員長(谷口慶吉君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(谷口慶吉君) 速記をつけて。
○国務大臣(中曽根康弘君) 警察当局におきまして、飛騨川における観光バス転落事件の捜査について九月二十六日に発表いたしました。その内容につきましては、事実関係並びに刑事上の責任関係について述べられておりますが、結論としては、本件関係者について業務上過失死傷罪の刑事責任を認めることは困難であると述べております。運輸省におきましては、捜査結果を参考として自賠法の適用について慎重に検討を進めてまいりましたが、法律上の問題点があるため、さらに法務省その他の関係機関の見解を求め、調整している最中でございます。しかしながら、本件事故のような被害者の救済については、状況によっては立法措置を講ずる必要があるとも考えられますので、この点につきましても関係各省との意見調整を進めている次第でございます。これらの点について十月四日の閣議の席上におきましても、私から事態を報告し、関係各大臣の意見を求めたところであります。現在、私の考えでは、自賠法を端的に適用して救済したいというのが第一案であります・第二案は、それが困難な場合には、自賠法にありまする政府の補償事業という部分がございますが、その部分を援用して飛騨川に対する特例法として立法行為を行ないまして、何とか被害者を救済したいというのが第二の私の考えでございます。いずれにせよ早くこれらの措置をいたしまして、何らかの方法で被害者を救済いたしたいと考えている次第でございます。 なお、国鉄の事故等につきましては、詳細なことは鉄道監督局長及び国鉄副総裁から御報告申し上げたいと存じます。
○説明員(園田直君) 最近の国鉄の事故につきまして、ただいま大臣から御発言がございましたが、お配りしてございます資料につきまして簡単に御説明させていただきます。資料が二つございまして、一つは「最近における国鉄の重大事故について」というものでございます。それからもう一つは、「最近における国鉄の異例な事故について」というものでございます。 それで、初めのほうの国鉄の重大事故についてでございますが、御承知のように、重大事故と申しますのは、国鉄の扱いといたしましては死傷十人あるいは車両脱線二十両、その他特に重大なものというものを重大事故として扱っております。ここに掲げておりますのは前回御報告いたしました以後のものでございまして、まず第一が、九月二十一日に田沢湖線の赤淵・雫石間の下河原踏切の踏切脱線事故でございました。原因は、無免許の運転者が警報を無視して直前横断をしたものでございます。それから二番目は、九月二十四日の東海道新幹線の死傷事故でございまして、上り超特急が、請負作業員が列車の接近に気づかなかったために線路に立ち入りまして三名死亡、九名負傷した事故でございます。それから三番目は踏切事故でございまして、九月二十七日、大社線の荒茅−大社間の踏切におきまして自動車運転者が警報無視で直前横断したための事故でございます。二十二名の負傷者が出ております。それから四番目が十月一日でございますが、これは富良野線の中富良野−富良野間の鉄橋におきまして列車が鉄橋の橋脚の倒壊によりまして河中に転落いたしまして、列車乗務員三名が死亡し、三名が負傷した事故でございます。この原因は目下調査中でございます。以上が重大事故でございます。 それからその次の、最近における国鉄の異例な事故でございますが、その第一が、事故種別といたしましては停車場通過というものでございまして、九月二十四日に山手線の内回り電車が御徒町駅を通過したものでございます。原因は、その電車の運転手が一時的な意識不明になったためと推定されております。なお、この運転手は事前に頭痛を訴えておりまして、その後、病院で診断をいたしました結果、感冒のため体温が三十七・六度、血圧が百七十から百二十という状況にあったものでございます。それから二番目が九月二十九日の飲酒運転でございまして、青梅線の拝島−牛浜間の運行におきまして電車の機関士が飲酒運転をいたしたものでございます。詳細は、簡単に書いてございますが、電気機関士が当日午前中に洋酒をコップ一ぱい飲酒いたしまして、その後、乗務してからさらに洋酒を二、三ばい飲酒して、そのためにもうろうといたしまして電車が遅延をした、こういう事故でございます。それからその次が、やはり停車場通過でございまして、十月十五日に磐田駅におきまして下り臨時客車が磐田を通過いたしたものでございます。この原因は、時刻表が変更になっておりましたのに、その変更になった時刻表が乗務員に渡されていなかった、乗務員の持っていた時刻表が訂正されていなかったというのが原因でございます。最近こういうふうな事故が相ついで起こりまして、まことに申しわけないと思っております。 以上簡単でございますが、御報告いたします。
○委員長(谷口慶吉君) この際、国鉄副総裁から発言を求められておりますので、これを許可いたします。
○説明員(磯崎叡君) ただいま大臣から全般的な御報告があり、また鉄監局長から具体的な御報告がございましたが、いずれにいたしましても、これは国鉄内部の問題でございまして、私自身、六年間国鉄内部の事故防止委員会の委員長として、事故防止に全力を注いでまいりましたけれども、遺憾ながら力足らずしてこういう不名誉、全くおはずかしい事故を起こしましたことにつきましては、深く責任を痛感している次第でございます。特にこの事故の中の異例中の異例の飲酒事故というものなどにつきましては、全く私三十年間の鉄道在職中に経験をしたことのないような事故でございまして、まことに、この席上で何と申していいかわからない気持ちで一ぱいでございます。しかし、その他の事故にいたしましても、いずれにいたしましても、乗務員の不注意あるいは管理者の不注意等の原因でございまして、いずれにいたしましても、国鉄内部の、先ほど大臣がおっしゃったように管理体制の問題あるいは服務規律の問題、あるいは保安施設等の問題に種々問題があるということを、あらためて考えなければならない時点に逢着いたしております。ことに、去る十月一日から、いままで四年間にわたりまして、委員会からもいろいろ御協力を得てまいりました第三次長期計画の全般の一つの締めくくりといたしまして、根本的なダイヤ改正をいたしました。約一週間ほど、ダイヤ改正によりまして、相当ダイヤが乱れましたけれども、おかげさまでやっとダイヤどおり戻りまして、おおむね、若干の貨物列車の運休を除きまして、いま新しいダイヤによって走っておりますが、これらにつきましても、非常に御迷惑をかけましたけれども、このダイヤ改正は、何と申しましても、三万本にわたる列車ダイヤを全部いじり直してやったものでございますので、しかも一切のリハーサルができないというダイヤ改正、全職員全く打って一丸となっていたしましたが、ある程度の支障を来たしたことは、まことにこれ申しわけない次第でございます。おかげさまで、どうやら平常に復旧いたしましたことをあわせて申し上げます。 最後に、重ねて数々の異例な事故、重大事故に対する私自身の最高責任者としての責任につきましては、深く自省、反省しているところでございます。 以上、簡単でございますが、御報告申し上げます。 —————————————
○委員長(谷口慶吉君) ただいまから運輸事情全般について質疑を行ないます。 御質疑のある方は、順次御発言願います。
○岡本悟君 私は、過般来新聞紙上その他で伝えられております日ソ航空協定の改定の問題につきまして、運輸大臣はじめ外務当局に若干の質問を行ないたいと存じます。御承知のように、日ソ航空協定は昨年の一月に両国の非常な協力と理解によりまして、めでたく調印されまして、四月にはいわゆる共同運航によって東京−モスクワ間の営業が開始されたのでございます。まあ、私は、このことは、確かにわが政府の非常な努力もございましたが、同時に、画期的な大成功であったというふうに考えておりますけれども、当時の国会内における論議あるいは国民の間に行なわれました世論の動向を振り返ってみますと、この共同運航という方式による東京−モスクワ間の運航開始につきましては非常な不満を持っておったのでございまして、ぜひとも本来の姿でございます自主運航に、できるだけ早い機会に直してもらいたい、こういう強い要望があったことを、この際想起すべきであると思うのでございます。 そこで、順序としまして、共同運航開始いたしましてからすでに一年半を経過いたしておりますので、その実績と申しますか、営業成績について伺い^それから過般来改定につきまして、日ソ間においては外交交渉も相当進められておるように聞いておりますので、その外交交渉の経過、それから運輸大臣を初めとする改正交渉に臨まれる政府の決意、これについて順次お伺いしたいと思いますが、営業成績ですね、営業成績といいますか、実績と申しますか、広い見地から、またある程度こまかく報告をしていただきたいと存じます。
○説明員(手塚良行君) 日本航空とアエロフロートによる共同運航は、四十二年の四月十七日より開始いたしまして、本年八月末日まで、七十二往復の運航を行ないました。これによりまして、輸送いたしました旅客は一万四百十七名、貨物は十三万五千二百四十四キログラム、昭和四十二年度におきます共同運航により、日本航空は一億一千七百万円の利益を上げております。さらに詳細に申し上げますと、収入が五億六千六百万、支出が四億四千九百万、差し引きいたしまして、利益が一億一千七百万ということでございます。この利益率は二〇・七%でございまして、比較的高い利益率を示しております。 大体以上でございます。
○岡本悟君 昨年営業開始以来八月末で、輸送人員が一万四百十七名でしたね、そこで上り、下りというのが、東京からモスクワに行く場合と、それからモスクワから逆に東京に来る輸送人員の比較ですね。私は東京からモスクワに行くほうがはるかに多いと思っておりますが、実績はどうなっておりますか。
○説明員(手塚良行君) 東京からモスクワに出ました人間の数は、ちょっと合計をいたさなければいけませんが、四十二年度で三千七百五十六名、四十三年の四月から八月までの間が二千百三十五名、したがいまして、合計しますと五千八百九十一名ということになります。それから、伺うからこちらに入ってまいりましたのが、四十二年度において二千九百十五人、四月から八月までが千六百十一人、合計いたしまして、四千五百二十六名という状態でございます。
○岡本悟君 しかもこの場合にほとんど利用者は日本人が圧倒的に多いのじゃないですか。
○説明員(手塚良行君) そのとおりでございます。
○岡本悟君 それから利益の配分ですが、これは具体的な商務協定というか、それ以外のアエロフロートと、日航との打ち合わせの結果、きまった率において配分されていると思うのですが、上がった収入ですね、あるいは利益の配分はどういうふうになっておるのですか。
○説明員(手塚良行君) アエロフロートは収入が七億五百万、支出が四億二千三百万、差し引き利益が二億八千二百万という状態でございます。
○岡本悟君 まあこれは航空協定が結ばれ、そうして、暫定協定として共同運航という形で行なわれたと思うのですが、やはり日ソ双方ともそれぞれ運航開始については利益があると、業績と申しますか、国家的な立場から見ても利益があるし、また十分採算に乗るという見通しもあったと思いますけれども、いまのお話を聞きました限りにおいては、共同運航というけれども実際に乗っているのはほとんど一方的に日本人で、しかもその結果、利益をあげておるのは、それは日本側もありますけれども、非常にソ連側のほうが多い、こういうことになるわけです。どうですか。その点は。
○説明員(手塚良行君) 利益はただいま申し上げましたように、日本航空が一億一千七百万であり、アエロフロートが二億八千二百万ということで、アエロフロートがよけいあげております。この理由は、日本航空の場合こちらから出ますお客が大半モスクワどまりでなしにヨーロッパまで行くようになっております。したがいまして東京−モスクワ間という運賃がモスクワ−東京ストップで参ります入国の旅客よりも運賃が軽減されております。簡単に言いますと、安いわけです。この運賃の安い関係から日航自体があげております利益をプールの協定でこういった姿としてあらわれております。
○岡本悟君 日ソ航空協定の改定がもし成功しないで自主運航ができなかった場合には、国内の世論の相当大部分と思われるのですが、暫定協定を打ち切ってしまえ、やめてしまえという声も相当強いことはもう大臣も御承知のとおりでございますが、いまの実績に徴してみますと、双方それぞれ利益がございますけれども、もしかりにソ連側が自主運航の改定に応じないで、勢い当方も廃止を決意せざるを得ないという場合には、一体どちらが損をするかという問題があるわけですが、そういう問い方よりか、ぜひとも自主運航ができますように改定交渉に成功してもらいたいというのが私の言いたいところなんですけれども、かりに向こうが非常に頑強に抵抗して暫定協定の打ち切り、共同運航の廃止に踏み切らざるを得ないといった場合に、一体公平に客観的に見てどちらが損をするか、これは非常にいまむずかしい問題であろうかと思いますけれども、かりの、仮定の問題として考えた場合にどうでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 日航の意見を聞いてみないと、実務者でありますから、われわれが独断で断定することは危険であると思いますが、国際間の問題というものは経済的利益にかかわらないでやらなければならない問題もあると思います。日本側の自主運航の要望というのは、日ソ航空協定締結の際の合意議事録にも、日本側は共同運航開始後約二年以内に自主運航を開始したいという強い希望を表明して、ソ連側はその強い希望を了承した形になっておるわけであります。したがいまして、日本側としてはあくまでこの議事録に書いてあります二年以内に自主運航を実現するためにあらゆる手段を尽しまして本件の実現に向かって努力してみたいと思っているのです。これがもし万一廃止になった場合に、どちらにプラス、マイナスがどう出てくるのかということはまだ計算したことはありませんが、日航当局に聞いていただけばいいと思うのですが、ただ、私は運輸大臣といたしまして、国家間の問題というものは経済的利益にかかわらずやらなければならないときにはやらなくちゃならぬ問題がある、そういうように考えて検討しておる状態であります。
○岡本悟君 私は、それはもちろん大臣のおっしゃるとおりで、そう思うのですが、何しろそろばん高いソ連側、また非常に国際外交におきましても一筋なわでいかない相手でございます。御承知のように、この協定を締結する前に、もう四十年の暮には正式の調印ができるという段階になって、まぎわになってごたごたしたことは御承知のとおりでございまして、そういう点から一応厳密に経済計算してみて、むしろ相手のほうが経済計算的にも優位に立っているのだ。だからこういうバック・グラウンドを活用して強引にぜひとも自主運航をかちとるように改定交渉に成功してもらいたい、そういう一つの分析のためにいま経済計算の問題をお聞きした次第でございます。 次に、時間もあまりございませんから、いままでのこの改定の交渉についての外交折衝の経過について外務省当局からお聞きしたいと思います。
○説明員(有田圭輔君) 御承知のとおりに、日ソ航空協定の合意された議事録の中には、約二年以内に自主運航に切りかえるということを日本側が強い希望を表明して、ソ連側がこれを了承したという規定がございます。そこで、この共同運航が開始されました昨年の四月以降、まず六月にたまたま外務省の欧亜局の参事官がモスクワに参りました際に、当面の相手方でありますベセージン航空局長に面会いたしまして、日本側としてはこの合意された議事録の規定に従って自主運航をなるべく早く実現したい。そこで、一体ソ連側ではこの時期について、見通しについて、どういう考えをお持ちかということを、私、当時モスクワにおりましたのでよく記憶しておりますが、二回にわたって質問したわけであります。ところがベセージンは、あるいはこの夏過ぎになったら時期について日本側に何かお話しできるかもしれないということを当時申しました。しかし、それではそういうことですかと実は念を押しましたところ、いや、その点ははっきりしないと、例によってのらりくらりとした態度でございました。そこで、その後、御承知のとおり昨年三木大臣が第二回の日ソの定期協議に訪ソいたしました。その際に、コスイギン首相に面談いたしました際に三木大臣から懇切に、協定に従った自主運航の早期実現ということは日本側の国民的要望である、したがって、日ソの友好関係の存続のためにもひとつコスイギン首相閣下の配慮をお願いするということを申しました際に、コスイギン首相は、実は、いろいろな国際情勢もあって、いまだにシベリアの上空は外国の飛行機には開放していない。現在、国際情勢を見ますと、あるいはベトナム情勢あるいは中東情勢いろいろあって、必ずしも緊張が十分緩和してないということで、ソ連側でも一定の警戒心を持っておる。ただ申し上げたいのは、ソ連側としては、シベリア上空が外国機に開放される場合には、まずまっ先に日本側に飛んでいただくつもりであるのでもう少し要するに時期を待ってほしいということで、この際も実は開放の時期についてのいわゆるインディケーションは何ら得られなかった。その後、たしか昨年の九月に、たまたまモスクワにいらっしゃいました大橋運輸大臣がジョルデーノ民間航空第一次官とこの問題についてまたお話しなさいました。その際に、大臣から、実はソ連側から近く自主運航切りかえの時期についての見通しをお話しくださるというような情報もあったけれども、一体現在どうなっているのか、再び日本側の自主運航に対する希望をるる説明されて、先方の回答を督促いたしました。先方の次官は、実はこの問題は民間航空省だけの問題ではなくしてソ連の全国家的な問題なんだ、最終的には要するにソ連政府の最高決定がなければならない問題である。で、現在、この問題は関係部局各方面で検討しておるので、近いうちにその問題は解決することもあり得るということで、また時期についてのはっきりした見通しは得られなかった次第であります。その後、ことしに入りましてから共同運航も四月で約一年たちまして、だんだん二年の期限というものも迫ってきますので、実は七月に在ソ大使館の参事官が外務省の極東部ローザノフ次長と面談しまして、いままでどうもソ連側のほうで一体何を考えているのかわからない、どのどういう点がむずかしくて自主運航に切りかえられないのかというようなことも含めまして先方の意向を確かめましたときに、その際の外務省の極東部次長の話では、やはりシベリア上空開放の困難性というのは、第一にはソ連の安全保障の見地からまだ外国機にこれを許可できないということが一つある。すなわち国際情勢にも関連する問題がある。実はこの間に必ずしも国際情勢は好転してないというような——これはローザノフは技術的な問題はそれほど困難ではないのではないか。いずれにせよ、書簡の趣旨はよくわかっておるのでこれは上司に取り次いで十分検討する、こういう返事でありました。で、同じ時期に、一方、直接の担当局であるベセージンのところに行きましてやはり同じ話をいたしました。この際先方が言ったことは、やはりベセージンは、民間航空省としてはこれはこの事情はよく知っておるし、なるべく早くこの問題を解決するように自分としては努力したい、しかし、これは民間航空省だけの問題ではなくて、ソ連政府の問題であって、ソ連政府が最終的な決定があれば自分のほうでは技術問題も含めてさっそく準備に取りかかる、シベリアの航路の問題にしても、あるいはテクニカルにはやはりかなり準備をしなければならないということが一点と、その際は向こうはシベリア開放の安全保障上の問題というようなことは述べませんで、これは主としてソ連政府全体の決定に待つところが多いので自分としてもそのような決定が出るようできるだけの努力はする、こういうことで大体に現在に至っておるわけであります。したがって、このシベリア上空を開放するという問題についての理由は、軍事的な問題も述べられてはおりますが、しかし技術的な問題もないわけではない、何が一番現段階で困難なのかという点は必ずしも結論が出ておらない状況であります。わがほうからは、これは信義に関する非常な重要な問題である、日本の国民はできるだけ早い時期の自主運航の切りかえを渇望しておるので、できるだけ早い機会にソ連側の見解を聞かしてほしい、時期も約二年内といって、まだ若干時間はあるけれども、これはやはり日本側にとってもいろいろの準備が必要なのであるから、この点は十分考慮して、何らかのソ連側の態度を示してほしいということを再三繰り返しております。以上。
○岡本悟君 どうもせっかく交渉されてまいりましたのですが、要領を得ないままに現在までに及んでおる、こういうことのようでございますが、まあ私が聞いた話では、どうもソ連側はさっきあげられましたような二、三の理由によって、依然として本格的な折衝に応ずる腹はなくて、まあせいぜい現在の共同運航の便数の増加だとか、あるいは機体は、使用しておる飛行機は御承知のように古い飛行機でございますから、これをジェットエンジンの飛行機に変えるとか、そういった程度の交渉には応ずるかもしれぬけれども、根本的には自主運航のための改定に応ずる用意はないというふうに聞いておるのでございますけれども、その点はどうなんですか。まあ最近、特に去る三日でございましたか、ニューヨークで、国連総会に出席なすった三木外務大臣がわざわざグロムイコ外相とこの問題についても話し合いをされておるのですけれども、まあ全然具体的な返答はしておりませんね。本気でやる意思があるのかどうか、そこのところはどうなんですか。
○説明員(有田圭輔君) お話のとおりに、国連に参られました際に、三木大臣がグロムイコ大臣と会談しました際に、この問題、ソ連側に督促いたしております。先ほどお話をしましたように、ソ連側では現在まで遺憾ながらこの問題の時期的な見通しも含めて、はっきりした態度は示しておりません。ただこの合意された議事録にそういう規定があって、日本側の要望をソ連側が了承したということはよくわかっておる、ことにその交渉の直接当局である民間航空局はよくわかっておるし、最近に至りまして自主運航については現在までソ連側のほうでは必ずしも十分な準備がないから話し合ってもしかたがないという態度がありましたのでございますが、最近に至りまして自主運航の問題についても、話し合ってもよろしいというように態度が変わってきております。これはまあ非常にわれわれとしても希望の持てる態度ではないかと、このように考えております。 —————————————
○委員長(谷口慶吉君) 質疑の途中でございますが、この際、参考人の出席要求に関する件について、おはかりいたします。 運輸事情等に関する調査のため、日本航空株式会社専務取締役朝田静夫君の出席を求めることに御意見ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷口慶吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(谷口慶吉君) 引き続き、質疑を行ないます。
○岡本悟君 いまの欧亜局長のお話では、最近そういうふうに自主運航についての改定交渉を対象とする折衝に応じてもいいというふうに変わってきたというふうにおっしゃいましたね。それはどういうところから、そういうふうな判断をされたのですか。
○説明員(有田圭輔君) 交渉に応じてもよろしいというと、多少言い過ぎになるかと思いますが、現在までソ連側は、ソ連側としてその問題を話すのにはまだ十分準備がない、検討中であるという一点ばりであったわけです。最近に至りましては、日本側がもし希望するなら、その自主運航の問題も含めて、日ソの現在やっている共同運航、オオペレーションについて話し合うことは話し合う用意がある、このように申しておるわけであります。したがって、ソ連側とこの自主運航の問題を含めてその問題を十分に話し合う一つの場ができる見通しが立っておる、こういうことでございます。
○岡本悟君 運輸大臣にお伺いしたいのですが、私の聞いたところでは、きょうが八日でございますから、明後日十日に運輸省の航空局長がこの改定交渉のための準備折衝を、あるいは改定交渉そのものと申してもいいかもしれませんが、十日にたちましてモスコーに行って折衝するという話を聞いておったのです。これはたいへんけっこうなことだし、全国民的な要望でございますので、ぜひとも成功するようにというふうに私も祈っておるものでございますけれども、いま外務省の欧亜局長のほうからお話しになったように、相当難航が予想されるわけであります。で、最近多少若干ニュアンスが好転したように受け取られるふしもある、こういうことでございますけれども、依然としておそらく国防上の問題を出してくると思います。例のシベリア上空の開放につきましてはやはり軍事上の要請から開放をしないという立場を続けるものと思いますし、もう一ついっておりますシベリア上空あるいはモスコーに至る航路における保安施設というものが国際航空にまだ十分適するように整備されていない、こういう理由も一つあげておるようでございますけれども、その後者のほうは別といたしまして、かりに前者にいたしましても、最近国際的な常識になっておるようにいわれておりますが、幾ら上空の飛行を禁止しておりましても、たとえば例のアメリカの、なんですか、黒い偵察機といわれたあの高速の軍事用の偵察機、あるいは最近開発されました偵察用の宇宙衛星、こういったものを使えば、もう簡単にそういった秘密施設というものはキャッチできる今日の情勢なんですね。ですからこういうことを理由にしてソ連側が一方的にもしがんばるとすれば、これは国際航空協定というものは御承知のように、相互に自国機で首都相互間に乗り入れるというのがたてまえでございますから、しかもその希望は十分了承しておると表明してきたのでございますから、ぜひともこの頑強なソ連側の譲歩しない態度を打ち破ってもらって、全国民的な要望である自主運航に切りかえていただくようにこの際特段の配慮を、努力をお願いしたいと思うのですが、運輸大臣、決意はどうでございましょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) ソ連側が交渉に応ずるようになったというのはあたりまえのことでありまして、私は事態は必ずしも好転しているとは判断できないのであります。と申しますのは、日ソ航空協定の内容に、一方が交渉をやろうと通告した場合に、二カ月以内に相手は応じなければならぬという協定文があるのです。それをこちらは援用いたしまして、八月の二十一日でしたか、二十四日でしたか、正式に向こうに対してその協定文をもって申し入れしたわけです。したがいまして十月の二十一日までには向こうが何らかの措置をやって話し合いに応じなければならぬ協定上の義務があるわけですから、その義務に基づいていまのような回答を言ってきたのではないかと思うのです。したがって、これは手続上のあたりまえのことであって、内容を判断すべき何ものも入っていない、そう私は思います。したがって事態は必ずしもそう楽観は許さない。そこで、一方においては日航がどういう利害関係やら、どういう判断を持っているか、これは非常に重要な問題でありまして、日航の判断も聞いてみるし、それから航空局長を派遣いたしまして、先方の意向をも打診をして、そうして諸般の情勢が許せば私自体が行って、先方に会いたい、会う相手は航空大臣ではだめである、コスイギン首相に会ってこなければいかぬだろう、そういう考えを持ちまして、外務当局に対してはそういう方針で外交折衝をしてくれ、こう申し入れてあるわけであります。三木外務大臣がグロムイコ外相にニューヨークでお会いになったようですが、その際の話は、日本の中曽根運輸大臣がこの自主運航の問題について貴国訪問の意思がある、こういうことを言ったらしいのです。それに対して先方は、その点は検討しよう、そういうことで内容についてどうこうという問題もまたないようであります。そういう諸般の情勢を考えてみますと、これはよほど国民的支持をもって国の相当な世論を背景にして先方と交渉しなければ、ソ連のような国はなかなか自分のいままでの立場を譲るものではない、そういう気がいたすのです。先ほど申し上げましたように、日航側の意見もお聞きいただき、先方の利害関係を見ると、ともかくあの航路は非常にもうかっているわけです。ですから週一便というのを三便にふやしたらということを申し入れをしてきているわけですから、向こうにとっては相当にドル箱であるわけでしょう。日本にとってもあの線は損ではない。しかし国のプレスティージその他によってみても、ソ連機によって共同運航の名のもとに行なわれているということは日本民族の耐えがたいことである。これは暫定措置としてわれわれは協定を承認するときも条件つきで承認しておるといういきさつもあるわけであります。そういう面も考えまして、航空局長やそのほかにひとつ厳重にやってもらって、そしてわれわれも相当な決意を持ってこの問題に対処しなければならぬと考えておるのであります。
○岡本悟君 大臣の非常な決意を承りましてたいへん心強く感じたのでございますが、ぜひとも非常な強い覚悟を持って、万一の場合にはこの暫定協定の廃止もやむを得ない、こういう決意で折衝していただきたいと思うのでございますが、若干技術的な問題になるわけですが、商務協定の期限満了一カ月前にはこれを通告をいたしますと効力を停止することができるわけですね、こういう条文が入っていますね。この条文は日ソ航空協定の締結を交渉する際に当然の文言として入れたのか、ないしは日本側が自主運航をごく近い将来にぜひともやりたいということで、この共同運航というものはソ連側に同意があり次第早くやめたいということで、この共同運航に関する商務協定の廃棄といいますか、効力停止に対する条文をこちらが積極的に入れてもらったんですか、入れさせたんですか、その点はどうなんですか。
○説明員(有田圭輔君) その当時の経緯についてはただいま私承知しておりませんので、後刻調査して御報告いたしたいと思います。
○岡本悟君 この商務協定は有効期限が一年になっておりますね。そして一年たったときに改定するということがあり得るわけですが、もう一年をたちまして、一年半になりますが、一年目のときに、何か改定について交渉されたのかどうか。全然ちょっと記憶がないものですから、もしあったとすればお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(手塚良行君) 一年ごとにやるように交渉公文にきめられておりまして、一年目の、ことし、四十三年の四月にはその改定といいますか、条文に従いました交渉をやりました。一方では朝田専務が行ってそういう交渉をおやりになりました。その節にも専務からは自主運航の話を出されておるというような事情がございます。 なお、前段にお話しのございました一カ月前に事前通告を行なうことによって商務協定が失効するという問題につきましては、私どもの事務当局で聞き及びますのには、やはりこれをわざわざ入れまして、先ほど先生がおっしゃいましたような事態に対処するというような方向で、先般これを入れたというふうに聞いております。
○岡本悟君 日航の朝田専務がお見えになりましたので、ごく簡単な質問ですが、実は日ソ航空協定の改定の交渉が始まるというふうな話を聞きましたので、ぜひとも自主運航に切りかえてもらいたい、ぜひこの点を主張してもらいたい、全国民的な要望をになってやってもらいたいということを政府当局に申し上げたのですが、最初に暫定協定による共同運航を開始してから一年半になるのですが、その間の運航実績といいますか、特に営業成績というものについて、運輸省当局から聞いたのでございます。そうしますと、実態は、乗っている連中は東京からやっぱりモスクワ行きが非常に多い。しかも日本人が相当部分を占めておる。しかも利益の配分は、これははるかにソ連側の取り分が多いわけですね。したがって、本来北極回りで行っておった、ヨーロッパへ往復しておった日本人が、この共同運航による東京−モスクワ線が開始されたので、それに相当移っておると見ることができるわけですね。そこで、先ほど運輸大臣がそういう経済計算ばかりにとらわれてはいけない、こうおっしゃったので、それはもちろん同感なんですが、一応経済計算してみると、かりに廃止したとしても、ソ連側のほうはたいへんな損失になるのであって、日本側は利用者側から言えば、あるいは日航側から言いましても、もともと北極を利用しておったんだから、北極の利用に戻るだけだ、こういうふうにも考えられぬこともないのですが、そういう割り切って考えるのもどうかと思いますけれども、まあ、そういうことの質疑応答があったわけです。そこで、日本航空の立場としては、一体基本的にはどうなのか。もしお差しつかえなければ、その限度において話していただきたいと思います。
○参考人(朝田静夫君) 松尾社長が出席いたしまして、いろいろとお答え申し上げるのが筋でございますが、ただいま葬儀に参列いたしておりますので、私も参考人としてお呼びをいただきました関係上、私からお答えさせていただきたいと思います。 ただいま岡本先生からのお話でございますが、まず第一点の共同運航、いわゆる暫定的な運航が経過いたしまして、この四月の十七日に一年になったわけでございますが、その際にどういう交渉をしたのか、こういう最初の御質問でございますが、日本航空といたしましては、ただいまお話しございました商務協定というのをちょうど四十二年一月に締結いたしました。四十一年の一月に当時の椎名外務大臣がモスクワで政府間の航空協定の調印をしておられますときからちょうど一年、われわれが航空企業同士の間で商務協定の折衝を前後四回の会議を通じて努力してまいりました、ちょうど四十二年の一月に政府交渉、調印の日から満一年たちまして交渉が妥結いたしました。東京で調印をいたしたわけでございますが、その際に政府間の航空協定の趣旨、それから商務協定はそれを受けまして、この暫定期間というのをどう考えておるかということでございますが、政府間の協定にも、議定書にございますように、あるいは交換公文にございますように、一年という考え方というものが自主運航を目ざして書かれておるというように私どもは解釈をいたしております。したがいまして、商務協定の期限も一年ということにいたしたわけでございます。なぜ一年にしたかといいますと、これはほうっておきますというと自然消滅になる。日本航空協定でも協定破棄というような非常に強い御意見も相当多数の間にもあったわけでございますが、その当時には何らかの行動を起こさないと破棄はできない。そういう経験にもかんがみまして議定書、あるいは交換公文、あるいは私どもの間で締結いたしておりますところの商務協定、この期限をわざわざ一年にした。ただいま航空局長の御答弁になりましたようなことで、意図的に一年にいたしておるわけでございます。したがいまして、これが満了いたしますと、何らの行動を起さずにこれが自然消滅になる。一年ごとにこれを存続する自主運航というものは一体国内的に、あるいは航空機の運航上、いわゆるナビゲーショナルエイドといいますか、航空援助施設、その他の整備につきましても、シベリア上空を外国機に開放するまでの準備体制が一体どうできておるのかというようなことも催促するという意味において、一年というように限ったというように私どもは解釈させていただいておりますので、この一月で一年になりますので、四月十七日から運航開始をしておりますので、その四月十七日以前に私がモスクワに参りまして、四月十二日から数日間、ロギノフという民間航空相、あるいはブイコフという民間航空次官にもお会いいたしまして、自主運航の問題を詰めたわけでございますが、その際には、先方は、これは政府の最もトップの問題であって、われわれの商務協定の場でこういう話し合いをする筋ではない。しかし、申し上げておきますけれども、三木外務大臣がコスイギン首相にお会いになりました線、あるいは議定書に書いてある線というものは、基本的には何らの変更もございません、こういう答弁でございまして、まだ二年になっておらぬじゃないか、こういうお話もございましたので、とりあえず延長の調印をいたしたわけでございます。そこで、まあ来年の四月になりますと、二年ということになっておりますし、航空協定の際にも共同運航開始後約二年以内に実現するよう日本側が強く希望し、ソ連側がこれを了承する旨合意しておるということに基づきまして、私どもはこれが実現ができますように、非常に強い態度で政府側にもお臨み願いたいというふうな気持ちでおるわけでございます。したがいまして、来年の四月になりますと自然消滅になって、それじゃ何らの行動も起こさずにやめられるかと、日本航空はやめるのかと、こういう端的な御質問にお答えするのには、これは私どもは基本線がそうであるというふうに解釈をいたしております。 それから第二の御質問でございますが、北回りの旅客がこのモスクワ線に転移いたしまして、利益はあがっておるけれどもそういうことでいいのかと、こういうことでございますが、私どもは、この日ソの航空協定あるいは企業間同士の商務協定の精神からいいまして、しかもこの交渉妥結までに足かけ八年もかかっておるわけでありますから、この基本線に基づきますというと北回りのものが一部転移いたしますにしましても、これは私どもはそういうことと関係なく基本線で処理されるべきだと、こういうふうに日本航空としては考えております。
○岡本悟君 だいぶ時間もたちましたので最後に、大臣、私ども国会議員としては再び冒頭に申し上げましたことを想起いたしたいのでございますが、この日ソ航空協定の締結につきまして国会の審議がありました際に、御承知のように第五十一国会でございましたけれども、衆参両院で特別の強い要望が出されまして、すみやかにこの自主運航に切りかえるように政府においても強力に折衝すべしということが最大の論点であったわけでございまして、衆議院の外務委員会では特に要望決議が出されておるようなことでございます。先ほど来申し上げておりますように、国際航空協定の定石から申しましても、あるいは特に国際信義からいいましても、あるいは日ソ間の平和を増進する上からいいましても、断じて私どもは自主運航に二年後には切りかえていただくことを絶対に強く希望しておるのでございますから、ただいま朝田日航専務からもお話がございましたけれども、ひとつ全国民的な要望を背にせられまして、強い決意で、すなわち万一の場合にはこの暫定協定を廃棄するという強い決意で今度の改定交渉にぜひとも臨んでもらいたい。なおできれば、ぜひとも運輸大臣に、御苦労さまでございますけれどもモスクワに行っていただきまして、最高首脳部−コスイギンとこの問題の解決に当たっていただきたい、このことを強く要望して私の質問を終わりたいと存じます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 岡本委員の御所見は傾聴いたしましてそのように善処いたしたいと思います。昭和四十一年四月二十二日の衆議院外務委員会の質疑応答におきまして松尾日航社長は参考人として穂積委員の質問に対して次のように述べております。二年やってソ連側に誠意がなければ日本航空の経営の責任者としては、会社としては打ち切りたい、そうすることが将来本協定が開設される際にも非常にあずかって力があるのではないかと考えていると、こう述べております。それから同じく外務委員会の附帯決議の要旨といたしまして、「二ケ年経過した後において、」「自主運航」「に移行できない場合には、」「共同運営を打ち切ることもあるべしとの決意を以って自主運航への移行に努力されることを強く要望する。」、このように外務委員会としても全会一致で強く主張されております。これらの御意見を体し、また岡本委員の御意見も胸にとめまして、相手の態度によりましては打ち切ることもやむを得ないと、そういうこともあり得るということを頭に置きまして交渉を進めてまいりたいと考えております。
○市川房枝君 私はこの間、さっき御報告を申し上げましたように山陰地方へ調査に参りました。そのときに私自身がちょっと納得できなかっ、た二、三の点について関係当局から伺いたいと思います。もっとも、私非常にしろうとでございますからお伺いすることが少し見当違いのこともあるかもしれませんけれども、まあ一般の国民の考え方、感じ方だとお考えくだすってお許しを願いたいと存じます。 一つの点として伺いたいことは、私ども福知山へ参りまして、国鉄の諮問委員会が廃止の勧告を出しました篠山線の問題ですが、さっき報告で申し上げましたように、地元としてはこの廃止に対して非常な関心を持っていて、ぜひこれを戻してもらいたいというような熱心な陳情がございましたことは、さっき申し上げたとおりです。で、この篠山線は営業係数は四十一年で五一二でございますから、ずいぶん赤字が出ておるわけでございまして、ただ、まあ私納得のいかないのはこの篠山線とほとんど同じような、と言いますか、この篠山線の周囲を国鉄のバスが運行されておる、そのバスもやっぱり少しは赤字になっておるようですが、両方で競合している。民間線もちょっと入っているようなんですけれども、国鉄自身でもって競合しているというのはどうも私ども納得ができないわけなんですが、それについて国鉄当局からお答えをいただきたい。 それからもう一つは、これは日本鉄道建設公団のほうからお答えを願うほうがいいかもしれませんけれども、あの近所に宮守線の建設最中でございまして、いま不甲隧道、約半分ぐらいできておるのでございますが、一体この線は赤字にならないで済むのかどうか。まあ土地では、これもやっぱり赤字じゃないのか。その赤字のを一方ではいまこれから新しく建設するというのは一体どういうわけだと。そして、現在もうできて運行しているのを、赤字だという理由でこれを廃止をすると。どうも納得ができないと。こういう意見がございまして、私もなるほどと思うのでありますが、その関係をひとつ御説明願いたいと思います。
○説明員(磯崎叡君) ただいまの市川先生の御質問でございますが、篠山線につきましては実はほとんど十年ほど前から、非常に赤字線の悪い意味の代表的な形というものでもって、なるべく経営の合理化をしたいということで、それには列車回数を減らすと。しかし減らしっぱなしでは地元の方に御迷惑をかけますので、御承知のとおり、ごらんになったと存じますが、あの線路の北と南と両方に道路がございます。その道路をバスでもって輸送することによりまして、いわゆる鉄道輸送の補完と申しますか補いと申しますか、それをつけまして、そしてバスと鉄道と相待ちましてその地方の輸送をすると、こういう意味で両方を経営したわけでございまして、私どもといたしましては、もし篠山線の廃止が許されますならば、たとえば通勤通学等は多少バスではやり切れない面もございます。その分は、南と北のバスの線を補強いたしまして、そして通勤、通学の輸送に当たるようにいたしたいというふうに考えております。したがいまして、鉄道とバスと両方一緒になって地元の足を確保している、こう御賢察をたまわりたいと存じます。
○市川房枝君 ちょっと私、納得いかないのですが、要するにそれだけ経費はよけいかかりますね。いま御説明としては、今度赤字線として廃止することになっておる、廃止しようとして国鉄のバスを南北に運行しているんだとおっしゃられれば、一応それはそうかとも思えるのですが、しかし、そのためにしろ、やはり経営の費用は私、ずいぶんよけい要ると思うのですが、そうすることによって一体赤字が少なくなっているのかどうかということを私、疑問に思うのです。それからもう一つ、ここだけではなくて、国鉄が通っているのに国鉄のバスが同じ線を運行している。ほかにもだいぶ例があると思うのですが、そこがどうも納得いかないのです。
○説明員(磯崎叡君) 動かす経費から申しますと、国鉄の車を線路上を動かす場合と、それからバスを動かす場合とではバスの経費のほうがずっと安いわけです。あるいは線路の保守にいたしましても、道路では要らないというふうなことで、私どもといたしましてはバス輸送で足りる輸送量のところでは、なるべく、昼間などの鉄道利用者がほとんど少ない——ごらんのとおり、篠山線は昼間ほとんど乗っていただいておりませんので、そういう場合にはバスならば車体も小さいし、また駅の人間も要らないというふうなことで、なるべく鉄道の赤字を減らすためにその赤字をバスが埋める。同時に、あのバスは福知山と篠山だけではなくて、もう少し園部のほうにも延びておりますので、そのついでと申してはたいへん失礼なんですけれども、いわゆる園部——福知山の路線の一部としてこれを運営すれば、わりあい経費が少なくて済むというふうな理由から、両方でもってやっておるわけでございます。 それから、そのほか、いま御指摘のとおり、鉄道の走っているところでバスの走っているところも相当ございます。一番端的な例は、たとえば名神高速道路でございます。これなどは新幹線に、ほんとど現在線の特急、急行等を移してしまいまして、そうして地方の小都市間の輸送が非常に鉄道では不便であるということで、むしろバスで補うという意味でもってバスも動かしておりますし、また、その他の地区はどちらかと申しますれば、いま申しました篠山線の例にならったように、鉄道輸送はなるべく少なくして、鉄道輸送にかかる経費を極力減らしてその付近を走っておりますバスをそちらに一時持ってきて動かすほうが、全般としては経済だというふうな形でやっております。また、バスはやはり地方の幹線だけではなくて、支線のほうに、たとえば通勤、通学などで学校のそばに行っております、そういう場合に、鉄道だけではどうしても困る。どうしてもバスでその地方に、ことに枝線のほうに入れてくれという御要望の強い場合には、多少やはり線路に沿って、むだな場合でもその地方の事情によりましてはバスを入れるというようなこともいたしております。いずれにいたしましても鉄道輸送は、どうせ車を駅員が要るならば同じじゃないかというふうな御疑問も当然あるかと思いますけれども、やはりもし車を昼間使いませんものをよそに持っていって使うこともできますし、また駅の勤務などにつきましても、勤務時間がいろいろございますので、全く列車のない時間帯はその勤務から解放するというふうなこともできますので、やはり固定的な設備なり固定的な人間があるということは、どうしても経費の面からだけ申しますとむだになりますので、できるだけコストの安いバスのほうに置きかえたいということで両方やっておるわけでございます。
○市川房枝君 鉄道からバスとだんだんかえていくという御方針を私それはけっこうだと思います。そうしてそういうかえるための経過措置として並行でやることもあり得るということは、それは私納得できますけれども、その問題またもう少し詳しく別の機会に伺いたいと思います。 建設公団のほうから……。
○参考人(篠原武司君) 宮守線は宮津から北丹鉄道の終点の河守に至る約二十キロの路線でございまして、これは昭和三十九年の四月に基本計画によりまして運輸大臣が工事線に指示したものでございます。工事実施計画は四十一年三月、大臣の認可を得まして、四十二年度までに六億円の建設費を投入してまいっております。総工事費は約三十三億円でございまして、今後約二十七億円ぐらいのお金が要るわけでございますが、現在おもな工事はさっきお話しのありましたように、宮津市の不甲隧道約三キロぐらいの工事を実施中でございますが、現在二キロぐらいやっておるわけでございますが、そういう現状で、赤字線になるじゃないかというお話もございましたけれども、この赤字線、黒字線という問題は非常に考え方がむずかしいのでございまして、国鉄二百四十二線のうち現在十四線が黒字であとは赤字のようなかっこうになっておりますので、これも国鉄時代に取り上げられた問題でいまこういうような工事をやっておりますが、最近国鉄の——これは私からお話しするのは筋じゃないかと思いますが、国鉄の経営状態が非常に悪くなったためにこういう問題が非常にやかましくなったということでございまして、今後運輸省のほうで検討していただいて何らかの御指示があるものだろうと私は思っております。
○市川房枝君 この宮守線はでき上がりましたら、これは赤字線なんですか、黒字線なんですか。そのお見通しがあるわけですか。
○参考人(篠原武司君) この宮守線は、いわゆる地方開発線ということになっておりまして、これは公団がつくりまして国鉄にただ使っていただく、したがって使用料は国鉄からはとらない。そのかわり減価償却費に見合うようなものは国から補助金をいただいてカバーするというかっこうになっておりますので、その赤字の額は非常に少ないのじゃないかというふうに考えられます。
○市川房枝君 日本鉄道建設公団は新線を建設なさる場合には鉄道審議会で議決されたものをなさるのですか、新線を建設することの決定はどこでなさるわけですか。
○説明員(園田直君) 日本鉄道建設公団の工事につきましては鉄道敷設法で定められております予定線というのがございますので、その中で運輸大臣が鉄道建設審議会の議を経まして基本計画というものをつくりまして、これを鉄道建設公団に指示するわけでございまして、その基本計画に従いまして工事をする、こういうたてまえになっております。
○市川房枝君 そういう鉄道審議会の大体審議を経てきめられておるというわけですが、いままでに建設された線が幾つあって、建設されたものについてはもうすでに運行されておるわけですけれども、そのうちで赤字線、黒字線はどういうことになっておりますか。
○参考人(篠原武司君) いわゆる線区の中の赤字、黒字ということになりますと、そういうふうな考え方がいいかどうかということは一つの問題ではございますが、私のほうで工事いたしまして国鉄で営業した場合の赤字はほとんど赤字の影響を与えておるというふうに思いません。それは東海道新幹線でも建設当時約二年の間は赤字だったのでございまして、三年目から黒字になったというようなかっこうになっておりまして、建設当時はどんなに輸送量が多くても赤字ということにはなるのじゃないかというふうに思います。
○市川房枝君 これは私は非常にしろうとの考えですけれども、国鉄が赤字で、それをカバーするのに結局一番収入源としておあげになるのは利用者の運賃として値上げをするということですね。そこでやはり国民としては国鉄の赤字と、それがいつ国民に転嫁されるかといいますか——されるかというのでずいぶん心配なんでございますよね。それで、国鉄というのはこれは公社であって、いまのお話にも出てくると思うのですけれども、地方開発というようなことのために、赤字ということを承知でも建設をするのだということ、それも一応わかるのですけれども、そういう場合には、これは国鉄の責任じゃありませんね。それは国の立場からそういうことを計画されるわけであって、そういう場合の赤字に当然国が出すべきであって、国鉄のいわゆる独立採算性として押しつけるということは、しろうと考えですけれども間違っているのじゃないかということを考えるのですがね。そこで、さっきから赤字か黒字かということを私はしろうとなりにしつこくお伺いしたわけなんですが、一方で赤字線だということでこれを廃止の方針が出る。片方では名目は地方の開発ということだけれども、将来赤字線——地方の人たちが見ても同じように赤字線だということがわかっているのに多額の費用でもって新線を建設しているのだということは、どうしても矛盾に思える。だから納得はできないのだ。だから、結局こういう新線の建設といいますか、さっき鉄道審議会のお話があったのですが、どうもいわゆる一般に言われておるように、鉄道建設にはかなりな政治的な考慮といいますか、政治的な要素が多分に入っているのじゃないか。いわゆるほんとうの国の立場とか採算性というものが無視されているということをどうも裏書きするような事実も発見できるといいますか、私どもしろうとにもそう思わせられることがあるのですけれども、ちょうど大臣がおいでになりますから、中曽根大臣にその辺のところをお伺いしたいのですが、どうでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) よくそういうようなことが言われますが、必ずしも否定すべきものばかりではないように思います。元来歴史的に見ますと、原敬の内閣ですか、鉄道敷設法というような法律ができたりして、そしてそれが全国の民生安定というような考え方で全国に鉄道を敷いて福祉を均てんさせよう、そういう、ある意味においては福祉国家政策でもあるのです。しかし、じゃどの線をどこに引っぱるかというと、民政党のときになると民政党のほうへ路線が延びており、政友会になると政友会のほうへ路線が延びておったということが伝えられておるのですが、必ずしも否定すべき全部ではないと思います。しかし、近来におきましては大体各党の幹事長あるいは政調会長の方がおいでになった鉄道建設審議会の議を経て公平にやっているように思うのです。それで、しかも最近は国鉄財政が非常に苦しいものですから、新線建設ということは、効果的な、またこれを延ばしていったら経済的効果が非常によろしいと、そういうものについては予算がつけ加えられておりますけれども、そういうものの薄いものについては大体現状維持で、お金はそうつけ加えられていないのです。それよりもむしろ通勤輸送とか、いま大都市で一番困っている問題について重点が置かれているわけなんです。そういう情勢ですから、最近の事態は、伝えられていることと若干違うのではないかと思います。 それで、これからどうするかという問題については、いま鉄道の財政再建推進会議というのをつくっておりまして、廃止に関する諮問についての答申が出ました。あるいは国鉄からも出ているようです。それでそれらの権威者がこれらの問題をどう処理するかということをきめて、運輸大臣へ答申することになっております。二百二十八線のうち、十四線が黒字で、あとは赤字というのが実情です。そういう情勢も踏まえまして、答申をいただきましたら、よく考えて善処したいと考えております。
○委員長(谷口慶吉君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(谷口慶吉君) 速記をつけて。吉田君。
○吉田忠三郎君 大臣の帰る時間が限られておりますので、ごく簡潔に、先ほど大臣が報告なさいました飛騨川のバス転落事故の補償の点について、私の意見を含めまして、大臣に伺ってみたいと思うのです。 で、大臣の報告を聞いておりますと、第一に、自動車損害賠償保障法で何とか遺族の方々に補償したい。それから第二には、政府の賠償保障事業、これはおそらく自賠法の七十二条だと思うのでありますが、それでやりたい。それができなければ特別立法といいますか、立法化をして特例法のようなものを設けてやりたいと、こういうお話がございました。 この事故が起きましてから、大臣が非常に前向きでいろいろ取り組んでいらっしゃることについては、私は敬意を表しておきたいと思います。そういう立場で、私は先ほどの事故報告を聞いておったのですが、どうすなおに大臣が申された自動車損害賠償責任関係——第三条だと思いますが、これを読んでみて、拡大解釈してみても、三条は当てはまらないような気がするのです。それから第二番目に大臣が申されたのは、たしか七十二条じゃないかと思うのでありますが、これについても、自動車の保有者が明らかでない——不明である場合にですね、政府のこの自動車損害賠償保障事業で救済していくというような私は法の精神になっていると思うのであります。したがって、この法律の法文解釈からはかなり無理があるのじゃないかと、こう思うのであります。 この点大臣からもう一回お答え願いたいことと、もう一つは、私はこの当時の——ここに各新聞社の報道されましたコピーをずっと持っております。で、私は現場を見ているわけでもないし、大臣ほど事情聴取をしているわけでもありませんからわかりませんが、こうした新聞とかテレビの報道を見たり聞いたりしている限りでは、この事故の責任について、当初警察は運転者ないしはそうした関係の者に事故の責任があるのじゃないかというところに力点を置いて、捜査活動をしたような印象が非常に強いのであります。私はここでそのことがいいとか悪いとかいう議論をする気はさらさらないのでありますが、いずれにいたしましても、あの事故は私どもがこの報道関係等々を通して知った限りでは一目瞭然としてわかることは、多量の雨水によって、つまり、一挙に一級国道でございます国道に土砂崩壊、あるいは多量の水の流出等々によって起きた事故の最大の原因はそこにあると思います。したがってこの際は、私はすなおに、先ほど来大臣に報告されたようには、ここでちょっと六法全書を読んでおったのでありますが、自動車損害賠償保障法では、補償しかねるものが出てきているのですけれども、この際は、いろんな過去の事例とか、あるいは事情等もあったのであろうけれども、やはり私がちょっと申し上げたような実態から考えてみれば、道路管理の点が一体どうなっておるのか、まずこれが一つであります。 それからもう一つは、道路規制をするわけですから、こうした状態に置かれるその場合に警察が一体どのような規制をしておったのか、こうした問題です。それからもう一つは、この道路の設置について、一体ここは建設省がやったと思いますが、建設省はどういう一体措置をとっておったのかということ等が、多分に私は疑問があるわけであります。その疑問というのは何かと言うと、すでに国会で、たとえば片山林野庁長官は、これについて言及をいたしております。内容は申し上げません。それからそのほかに、同じくこの蓑輪建設省の道路局長も、きわめて微妙な発言を国会でいたしているわけであります。同時に保利建設大臣についてもさような発言をいたしておる。しかも過去には高知県だと、私は存じておりますけれども、これには問題がございます。裁判ざたになったわけであります。そのときに国の責任はないというようないろんな、ちょうど先ほどの大臣の報告で警察当局の結論めいた報告がありましたが、さような結果がどうも行なわれた。しかし、裁判結果は、国は予算が少ないとか、あるいは何とかあるいは道路管理の範囲がその限界を越えていると、こう主張しておったけれども、それらはいずれも理由になりませんということです。裁判の結果が私のほうで調べたところによるとあるわけです。等々考えてみると、私この際大臣はせっかく前向きで多数のこの御遺族の方々を、亡くなられた方に向かって金で換算するということは、とうとい人の生命ですからできないとしても、まあそれはそれとしても、やはりその後におけるこの生活その他等を考えてみれば、ただいま大臣がいろいろ努力されていることは、私は事実だと思いますから、そのことについては私は心から、先ほど申し上げたように敬意を表する次第でございます。 この際もう一歩進んで、先ほど申し上げたような私の解釈では、自動車損害賠償法では救う道がないのではないかという立場に立っているものですから、この際、思い切って国家賠償法の二条を適用したらいいんじゃないか、こういう気がするのであります。特例法をつくるといたしましても、いつ臨時国会が開かれるか、あるいは通常国会で出すのか存じ上げませんが、かなり時間がかかるしいたします。大臣は一と二の場合できない場合でも特例法をできるだけ早い機会につくり上げて、何とか遺族を救済したいという心あたたまる報告だと私は聞いておったのであります。そういうことであるならば、その際、国家賠償法の二条を適用すべしだ。私は国家賠償法の二条を適用する根拠は何かというと、道路にしても、あるいは警察の問題にしても、気象庁の関係にいたしましても、いずれも国なり、あるいは県が指導監督をいたしておる立場から、私はこの際国家賠償法二条を適用すべしだと、こう考えて実は私は尋ねているわけであります。
○国務大臣(中曽根康弘君) 警察の調書は関係者約五百人ぐらいいる人に聞きまして、かなり精細にできている調書を、これをさらにサム・アップしてわれわれの手元へ送ってよこしたのでございますが、警察の調書をしさいに読んでみますと、どうも国家賠償法の適用ということはかなりむずかしい、自賠法よりもむずかしい、そういう気がいたします。これは、この当時とった官公署の措置等を一々全部当たっておりまして、そのかげんからみて、たとえ、刑事責任はなくとも、民事責任は発生する場合もあるわけでございますけれども、この場合でも、国家としての賠償法の民事責任ありやなしやということを考えますと、相当、因果関係においてかなり無理があるような事態であるということで一応、解釈されております。自賠法の場合は、三条によって、自動車の運行によるということが一番の問題点になります。しかし、警察の調書等を見ましても、幾分の落ち度を認めているところは少しあるのです。しかし、そのセンテンスの最後のパラグラフでは、責任はないと断定してある。その辺が非常に微妙なところであります。第三条を適用することも、何ら不可能ではない、と考えて法務省の中でも議論が甲論乙駁しているのが現状なのであります。 それから御指摘の七十二条につきまして、政府の補償事業というのはたとえばひき逃げ運転をして、だれが犯人だかわからぬ、しかし被害者はここにおって殺されたり、あるいは傷害を受けている。それを放置するわけにいかぬ。そういう場合に国の補償事業として救済しよう、あるいはどろぼうが人の自動車を持って運転して、人をひき殺した場合も、どろぼうに支払い能力も何もない、そういう場合に、国が救済しよう、そういう趣旨の条文であるわけです。 そこで、今度のような場合も異常事態の補償不可抗力に近いような事態ではありますけれども「運行によって」ということが不可能である場合には、いわば台風のひき逃げみたいな性格もある。しかし、全然、じゃ、その責任を負うべき人間や、国家も含めてそういうものがないかというと、やはり、自動車の「運行によって」行なわれている、それはあるのですね。そういう意味において七十二条を援用して、七十二条の特例としてこの異常災害の重大事態、いままで考えられないような災害の重大事態、異常事態というものを救済する特例法を飛騨川の場合につくったらどうか、というのが私の考えなのでございます。しかし、政府部内においてそういうものを一つつくるというと、あれからこれへと議員立法で出てきて、収拾がつかなくなるというような議論も実はある。そういうものをどう調整するかということで、実は連日いま苦労しているというのが実情でございますが、私の考えは最初に申し上げましたように、国家賠償よりも自賠法を援用するか、あるいは直接適用するか、そういう方法によって立法作用も含めて解決したい、こう考えておるところであります。
○吉田忠三郎君 大臣ね、大臣の考え方も一つの私は、解決方法だと思うのですよ。また災害補償についても一つの側面だと私は思うのですけれども、台風ひき逃げだというような引例でございますけれども、これはあまりにも拡大解釈しているものではないかと思うのですよ。まあしかし、それはそういう解釈のしかたもありましょうから、そのところは大臣と議論をするためにいま言っておるのではないんで、むしろ私は今回だけじゃなくして、過去に何回もこういう例があって、国会で議論があるんですよ。いろんな災害時における各種の災害補償というのがありますけれども、この種災害の補償とかあるいは個人災害についての補償法というのはないわけですよ。ですから、たしか三十九年の災害のときもこういう例が二つ三つ出てまいりまして、個々人が災害復旧のために、協力するために自発的に出てまいりまして、川に流されて、なくなった。これは全くの補償がない、こういうことがいろいろ私ども議論したことがございまして、私はこの議員立法で個人災害についての補償法というものを立案いたしまして提起いたしましたが、結果は毎回認められないということできわめて私は残念に思っている一人であります。しかし、そういう議論をここでする時間がありませんから、せっかく、大臣拡大援用した解釈して特例法をつくるということであるなら、閣僚の一人でありますから、今度の事故だけじゃなくして、万般に適用のできるような、やっぱり法の設定といいますか、制定といいますか、こうしたことも私は必要じゃないかと、こう思うんであります。 それからもう一つ、いま大臣のお話を聞くと、警察からのいろんな報告をとり、しさいに検討してみると、国家賠償法を適用することは非常により困難ではないかというお話でございますけれども、詳細なるものは私は見ていないし、しかも大臣も三十分にお帰りになるということでございますから、ここで議論する、あるいは御意見を伺うという時間がありませんから申し上げませんけれども、今度の場合、どうも私ども直接の、その場にいた者でないです、国民の一人として見た場合には、何としてもつくられたのはまあ国道でございまして、その道路を建設するに当たっては、当然治山であるとか治水であるとか等々幾つか十分検討されて道路の設計なり、あるいはこの工事なり、当然それに伴う予算等が考慮されてできたと私は思うんですが、その場合に、たまたま自動車が通って、しかもまあ大臣も申されるように、異常な、これはもう暴風雨水害であったんですから、そういうものに耐え得るような、私は設計されていたんだと思うんだけれども、ここのところになってくると、片山さんが答弁していることについては、この今度の百何十ミリかの雨量に耐え得るような設計じゃない。大体五十ミリないし、国会の速記録を見ますと、八十ミリ程度の雨量に耐え得る設計だということを申されておるわけですね。で、そうしますと、道路工事施工に当たっての国の責任がないかどうかという問題になってまいりますと、私はやはりそれを建設をした国にやはり責任があるというような気がするんですよ、気がするんです。それからその他管理面においてもさようなことが言い得ると思うんであります、等々幾つかこの理屈を申し上げてみますと、先ほど冒頭申し上げたように時間がありませんから、何か私はいま大臣が申されたように、台風が引き逃げをしていったんだというようなところまで拡大解釈するということになれば、この賠償法のほうがより適切ではないのかという気がするんで、お伺いしておるわけですよ。
○国務大臣(中曽根康弘君) まあ台風の引き逃げというのはひとつの比喩のことばでありまして、正確にはそういう表現は当たらないと思っております。いずれこれは法解釈の問題で、私のようなしろうとの議論を申し上げてもはなはだ恐縮でございますから、法務省なりその他の専門家のお考えをぜひお聞き願ったらいいのではないかと思っております。ただ、行政当局としてはいまのような考え方に立ってなるたけ早く解決しようと、そう考えておるものでございます。
○吉田忠三郎君 大臣の、できるだけ早い時期に解決をしたい、解決をしてあげたいという気持ちは十分了としますが、それはそれでけっこうですが、先ほどちょっと私触れましたね、この事故だけじゃなくて、大臣御案内のとおりたくさんあるのですよ、過去にもいろいろな例がありますし、それからこれからもこんなことを望んでいるわけじゃないけれども、断じて今後事故が起きませんと言うことはできないと思うのですよ。ですから、そうしたことにも備えるためにも政府としてやはりこの際は次の国会ですね、通常国会でございますが、そうした国会に向けて個人災害というものを含めながら災害全般にわたる無過失の場合ですね、補償をしていくというような法律制度というものをつくる必要があるのじゃないかと思うのですが、大臣それはどうですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) まず国家賠償というようなことになりますと、結局訴訟に入らなければ国が払えない、そうすると費用もかかりますし年月もずいぶんかかって、結局遺族のためにはならぬ、結果はそうなると思うのです。それからいまのように無過失責任に近いものを、一般を救済するということになると、大水が出てうちが流れたというようなものを全部救済しなければならぬというそういう判定をどうするかという非常にむずかしい問題が実は出てくるわけです。そんなことでまた議論しているというととても議会に間に合いません。官僚組織というものはそういうふうにクモの巣みたいにむずかしいところが実際はあるわけです。そういうところも考えてみまして、この問題に限って早く救済するということを考えて一生懸命努力しているのでございます。
○委員長(谷口慶吉君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(谷口慶吉君) 速記を始めて。
○田代富士男君 時間がありませんし、大臣がお急ぎのようでありますが、いま市川先生より宮守線の話が出ておりますが、この宮守線につきましては、私はこの運輸委員会におきましてずっと以前にも一回御検討していただくようにお願いをしたことがあります。これは大橋運輸大臣のときであったかと思います。私もこの赤字路線の問題に対しましては特に国鉄当局の皆さんと考えを同じくするものであります。なぜなれば、国鉄の赤字をいかにすればなくすことができるかということに対しましてやはり皆さんたちも赤字路線というものに対する考え方を持っていらっしゃる、私も同感している一人であります。市川先生のきょうの質問はまさしく同感しているものでありますが、先日私この委員会で岩目線の問題を取り上げました。いまも市川先生がこの新線を敷くに至る条件としてどういうものがあるか、当局としては地域開発というものをいま御答弁なさっていらっしゃいます。岩目線の場合もそうでございましたが、地域開発であるならば、路線が敷かれてなかったそこへ路線を敷くというならば話はわかりますが、すでにあそこにはバス路線が何本も山陽路と山陰路にかけて走っている、そこにあえて赤字を敷かなければならなかった、またいま宮守線の問題、篠山線はバスを、宮守線は反対に新線を敷こうとしている、だれしも納得できない。しかしそういうことも全部含んで国鉄全体の赤字路線に対する考え方というものはそのような、軌道からバス輸送にかえていこう、そのような方向に進んでいるのが大勢じゃないかと思うわけです。私は、この宮守線に対しまして一番最初におきまして現地の人の声を聞いたときに、現地の人は篠山線の実情を知っておりますから、あくまでそのように新線を敷いてくれるならばバスを通してもらいたいということが強い熱望でありました。これは向こうの各地方議会におきましてもバスにしてもらいたいという強い要望が出ていることも私も知っております。にもかかわらず、あえてそのような路線を敷かなくてはならない、また同じ方面でそのような軌道のために赤字だから半分はバスで通していく、こういう矛盾したものが行なわれております。そこでいままたその鉄道を建設いたします鉄道公団の篠原さんも申していらっしゃいましたが、市川先生からいままで建設したもので赤字、黒字どれだけありましたか、それに対しては言いにくい立場でありますし、まあ私もそのようなことを考えておりますけれども、運輸省で検討していただいて指示があると思います、このように運輸省に検討していただいて指示があるが、どこに責任があるやらということがたらい回しみたいでわからないのですが、このように赤字に対する運輸大臣の考え方、新線に対する運輸大臣の考え方、また一応基準というものは、これはばくとした基準になりますが、運輸大臣としてどのように考えていらっしゃるか。そうして国鉄の赤字をなくすにはどのように努力していくか、まずそのことを第一点にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 赤字線の処理につきましては委員会で前に申し上げましたように、やはり政治の目的には国民福祉の均衡とか地域格差の是正、そういう要素もあるのでございまして、単に経済的な合理主義のみをもって国鉄問題を論ずることはできないと思うのです。国鉄はだから公共企業体として存立しているわけです。しかし代替輸送があるような場合、そちらで十分可能であるような場合については、これは合理化するということも考えてもいいでしょう。しかし、その場合といえどもやはり住民の納得を得るということが大事なので、法律の根拠に基づいてつくられておるそういう路線を一方的にこつ然として廃止するということは、現在適当な処置ではないと思います。そういうような住民の理解と納得を得た上で、代替輸送がある分についてはケースバイケースで考えながらやっていくべきものだろうと思います。しかし、北海道のような場合で雪が降ったらバスが途絶するというようなところが多くございます。そういうところは鉄道がなければ食糧の輸送もできないという場所もあるのでありまして、そういうところは赤字だからといってそれをはずすということは、必ずしもまた適当でない。そういうようにやはり政治の目的を踏まえながらケースバイケースに一つ一つをしさいに点検いたしまして、そうしてこれを廃止すべきものについては住民の十分の納得を得て処置をする、そういう考え方で進みたいと思っております。
○田代富士男君 そうした場合もう一つお伺いしたいことは、鉄道公団のあり方ですね、運営というものは現在の既定方針のまま進むべきか、あるいは時間がありませんから申し上げませんが、いま言った全体的な問題と考慮してもう一度建設的な方向にこの鉄道公団のあり方を考えていくべき必要があるんじゃないかと思いますが、この点についてどうでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 鉄道建設公団は鉄道建設公団としての機能と使命を私は果たしていると思います。しかし長期的に長い将来を展望して見ますと、たとえばこれは一案でありますが、将来新幹線網を全国に張りめぐらすような場合、国鉄にやらせるのが適当であるか、あるいは鉄建公団にやらせるのが適当であるか、こういう問題も出てくるだろうと思います。そういう大きな将来の展望を踏まえながら鉄建公団の機能も十分生かすように考えていったらいいと考えております。
○田代富士男君 これで終わります。そこでいま国鉄の問題についてお聞きしましたが、もう一つ今度は名前は私鉄という名前になりますが、いま運輸大臣がこの問題は経済のことだけでは考えられない、地域開発という問題に対しましてはあらゆる社会福祉の問題も考えていかなくちゃならない、そうした場合に一私鉄が赤字になった場合、その地域を廃線にしたいというような場合には運輸当局としてはどのような指示をなさるのかお聞きしたいと思うのであります。
○国務大臣(中曽根康弘君) その場合にはやはり会計経理の内容とかそれから代替輸送機関があるかないかとか、あるいは住民の賛成あるいは地元議会の態度はどうであるとか、そういうふうないろいろな諸般の要素を考えまして判断をいたしたいと考えます。
○田代富士男君 このような判断をなさるのに、大体運輸当局として現地へ派遣をされて、このような声を聞くなりあるいは地方議会の議決というようなことも必要ですから、それを廃止に踏み切る場合は、いままでの事例として大体どのくらいの期間を要されたのか、いままでのことでけっこうですが、参考までに聞かしていただきたいと思います。
○説明員(園田直君) これもケースバイケースで、必ずしも一定の時間というのははっきり申し上げられませんけれども、申請がございましてから、ただいま大臣が申されましたような地元の事情とかそういうものの調査、それから一定の方針が出ましてから運輸審議会にかかりましてその答申を得て決定する、こういうことでございますので、少なくとも二、三カ月以上はかかっているということであります。
○田代富士男君 このように赤字路線の問題を論じておりますが、国鉄の目的はあくまで国鉄全体の赤字をなくそう、あるいは営業係数のよい路線に対してはどんどん力を入れていかなくちゃならないし、どちらかといえば郡部と都市部となったならば、都市部に対しましてある程度力を入れて、そこでカバーをしていくという道も考えるべき必要があるんじゃないかと思います。そうしますと宮守線の将来というものは、これはもう営業係数が赤字になることはわかっております。そういう面でもっと都市周辺で改良すべき点がありますが、そこをおろそかにしておりますから、たとえばその路線において私鉄が強化され、あるいは地下鉄が強化されるために、だんだん衰微をしていく、その路線を強くするならばもっと営業係数もよくなるんじゃないか。たとえて言うならば阪和線、関西関係でこの路線は赤字になっております。営業係数も赤です。ところがこの路線のそばには大阪の私鉄が走っております。どんどん堺まで延びているでしょう。片方は南海線が延びております。その南海は新鋭車両をどんどん入れておる、ところが国鉄側の電車はがたがた、ですからあの電車に乗ると横ゆれです、私も乗っておりますが、またあすこを高架にしてもらいたい、はなはだ事故も多いんです。そういうことでそのような要望がある。ところがそういう赤字になるような宮守線だとか岩目線とか乗降客の絶対数が少ないところに、全体計画の上からやるということになればそれまでですけれども、いま申しました都市周辺の阪和線等に力を入れるようなお考えはお持ちでないのかどうか。その点をお聞きして私は終わりたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 大都市周辺の通勤線というものは、超重点を入れてやっております。鉄建公団の仕事の中で超重点の一つとしてやっておるのであります。だからといって、じゃ、地方の赤字線と称するものを簡単にはずしていいかといえばそういうものではない。やっぱり政治の、同じ日本国民でございますから、恩沢というものを全国民にわたって均てんさせる必要がある。さもなければ東京にばかりみんな人間が集まって地方に人がいなくてもいいのかということになるが、そういうことでもないと思います。これは普遍的な考え方を持ちまして処理していきたいと思うのでございます。
○市川房枝君 だいぶ時間がたちましたので簡単に一つ二つ伺って終わりたいと思います。 国鉄の自動車について伺いたいんですが、米子の管理局で中国の自動車局長にお目にかかり、いろいろ御説明を伺ったのです。そのときに国鉄の遊覧バスを岡山なりあるいは広島からずっと出雲大社へお参りに来るのに国鉄のバスは出雲市までしか来られない。そこでみんなお客をおろしてしまって、お客はそこでまたほかのバスに乗りかえて大社まで行く。だから、それでは国鉄としては非常に困るので、ぜひ大社まで乗り入れといいましょうか、バスが行けるようにしてもらいたいという熱心な御希望があったんですが、このバスの路線については、これは運輸省の許可が要るんですね。で、そういう許可の場合に、何やらいろいろな規定のようなものがあるらしいんですが、そのときも伺いましたところによると、いわゆる民間企業のほうに先へ許可をする。そして、国鉄のほうは非常に不自由になっておるのだ、不便になっておるのだと、一口で言えばそんなふうなお話を伺ったんですが、その問題についての実情を伺いたいと思います。
○説明員(菅川薫君) 旅客課長でございます。 国鉄のバス事業の経営につきましては、基本的には日本国有鉄道法のほうで、鉄道事業に関連のある自動車運送事業という法律上の規定がございまして、どのようなバス事業でも行なえるというわけではございません。そういう一つの前提がございます。その上で、国鉄のほうからバス事業の申請がありました場合、本省では自動車局、それから三十キロ以下の路線につきましては陸運局で免許いたすことになっておりますが、その段階では別に民間が優先とか、国鉄が優先とか、そういう考え方は必ずしもございませんけれども、先ほど先生のほうから御指摘がありましたように、必ずしも現在の自動車で、現実にバスで輸送が行なわれている、その自動車で行なわれているというような場合に、さらに新しく免許を与えるということもいろいろな問題がございますので、まあそこの間の利用者の便益ということを考えまして、現在行なわれているバスの輸送で十分であるかどうか、そういう点から判断して、まあそこに新たに免許を与える必要があると考えられる場合には免許を与えますけれども、現在行なわれている輸送で十分であるというような場合には既存のそういう事業者の輸送によって行なわれるというような考え方をいたしております。まあいまの点で、もし遊覧バスというようなことでございますれば、最初の貸し切り事業として免許を受けている地域からの出発でございましたら、別に出雲で打ち切るというようなことじゃなくて、契約上の問題になろうかと思いますけれども、路線輸送であれば、いま申したようにそこに新たに路線としての免許を与えるかどうかはいま行なわれている輸送との関係で考える。そういうことになります。
○市川房枝君 いまの御答弁で契約上の問題というのはどういうのですか。国鉄の遊覧バスは出雲市までしか行かれなくて、大社までは行かれないのだということで、それはどういうことなんですか。
○説明員(菅川薫君) 貸し切り事業の場合でございましたら、一定の貸し切りバスとしての免許を受けている事業区域がございますけれども、そこから出発いたしますと、それはどこまででなければならないというような法的な免許上の制約はございませんで、遊覧バスのような貸し切りの事業であれば、その出発地からそのお客との間の契約によって目的地に行くことができるようになっております。
○市川房枝君 いや、そうじゃないんですよ。自動車局長は出雲大社まで行きたいんだと、乗っている人たちはそれのほうが乗りかえなくていいから便利であるというのですね。国鉄も、そうすればお客もよけい乗せられるから出雲大社まで行きたいのだけれどもそれが許されない。出雲でおりなきゃならない。つまり認可がそこまでしかないというのですからそこのところを伺っているのです。いまのあなたのお話だと、出雲大社まで行きたければ行ったっていいじゃないかということでしょう。
○説明員(菅川薫君) 先ほど申し上げましたように、一般の乗り合いバス事業としての、結局一定の路線によって動くようなバス事業の場合には、どこからどこというような路線としての免許をもらっていないと運行ができないわけです。それからもう一つのほうは、先生が先ほど遊覧バスというような表現をお使いになったので、貸し切り事業であれば注文でお客さんと契約を結べば一定の目的地に行くことができる。そういうぐあいに二つに区分けして申し上げたのです。ですから先生がおっしゃるように、ある一定の出雲なら出雲までしか運行できないので、さらにその先に乗り入れたいというようなお話の点でございましたら、それは路線バス事業の免許のことについてお話があったのではないかと、そういうぐあいに思います。それで路線バス事業の免許の点になりますれば、先ほど申し上げましたように国鉄の自動車運送事業の経営には国有鉄道法上の一定の前提がございますけれども、鉄道事業に関連のある自動車運送事業という前提がございますが、その前提の上に立って国鉄の申請があったような場合には、既存の民間事業との間には、別にその民間事業優先というようなたてまえでやるというのではなくて、その間の申請がされた区間について既存の事業者によって十分な旅客輸送ができるのかどうか、そういう点を判断して免許をするということになります。
○委員長(谷口慶吉君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(谷口慶吉君) 速記をつけて。
○市川房枝君 私は、国鉄なり、あるいは地方の公営企業は国民なりそれぞれの県民なり、市民が参加しているものであって、いわゆる私企業よりそういうのを先へ許可権といいますか、扱っていいはずだと、そういうのがもし赤字になれば、それはみんな税金として支払わなければならないということで、その私企業と国鉄あるいは公営企業と同等に扱うということも私は不満なんです。いわんや私企業を先にするという話はとんでもない話なんですね。私はやっぱり公営企業のほうを当然先に優先させるべきだというふうに考えているんですが、しかし現実はむしろ私企業のほうが優先しておる、これはまあ結局政治の問題になってくるんでありましょうけれども、やはりそういう点は国民の立場から言いますともう一ぺん考え直してもらうというか、そういう許可権を持っているのは運輸省であるから、その点もう一ぺん運輸省に私は考え直してもらいたいと、これは国鉄の自動車にも関連するんですが、これはそれだけにしておきます。 続いてもう一つちょっと伺いたいのは、隠岐島へ参りまして土地の人たちにも会ったんですが、冬、非常に寒いといいますか、天気が悪いときには船もとまると。それから飛行機も現在ございますけれども、飛行機は十二月から四ヵ月間運航してないんでございます。したがって、そういう場合には本土と島との間の交通が全然切れるということになるので、島の人たちから、船が動かない場合にはせめて飛行機でも飛んでほしいんだという強い要請がございましたんですが、これはまあ船のほうは別としまして、航空局の関係になりましょうが、航空局はまだ離島に対する航路に対しての援助をしておいでになりませんですね。四十四年度からですか、飛行機に対してそういう……。冬も気象条件さえよければ飛ぶようにといいますか、あるいは採算がとれない——そうあまり赤字になってはいけないかもしれませんけれども、どれだけの回数といいましょうか、は飛んでほしいと思うんでございますけれども、そういう点はどうでございましょうか。
○説明員(手塚良行君) 隠岐島と本土の航空輸送につきましては、いま先生御指摘のように、夏場はこれを三便ばかり運航しておりますが、冬場は十二月から三月までの間は運航を休止いたしております。島民の方にはたいへんそれで御不便な面が多いと思うのでございますが、休止いたしますのは、やはり一つは安全性の見地があるわけでございます。で、隠岐島におきましては十二月から三月までの間は西寄りの風が非常に強うございまして、この風に地形的な条件が加味されまして下降気流あるいは乱気流が発生をいたしまして、現在の飛行機では離着陸に大きな支障があるというふうに考えられますので、この面から冬期の運航を休止いたしております。で、この現用の航空機があるいはまだまだ大型化されればそういった面の障害が除かれて運航可能ということになるかとも思いますけれども、現在の運航会社あるいは航空会社の現用機におきましては、そういうものを運航することが事実上不可能である、また飛行場の施設等からいたしましてもそういうことができがたい、並びに航空会社の経営状態自体が、実は再編成も云々される実情にございまして、こういった冬場のためにわざわざ運航するということが非常にむずかしいというのが実情でございます。
○市川房枝君 さっき報告のとき申しましたように、出雲、米子も、それから西郷もですが、YSを使うように飛行場をみんな拡張する計画をやっているわけですが、YSになれば幾らか、そういう気流が悪くてもいいのかどうか。まあ気流が着陸なりあるいは発進に危険が伴うんだということであればこれはもう何をか言わんやでございますけれども、それどうですか。
○説明員(手塚良行君) 現在ここを運航しておりますのが東亜航空でございますが、この会社の社内規則、運航規則によりますと、横風の制限を二十ノットということにおいておりまして、この二十ノットは、夏場に使いますところのYS11におきましてもやはり制限風速であるというふうに考えております。夏場三カ月以外にタウロンという飛行機を使いますけれども、やはりタウロンであろうがYSであろうがその点は変わりがないというふうに考え、会社もそういう運航規定で運航をいたしております。
○市川房枝君 そうすると、夏場だけ主として観光用に使われているといいますか、それに離島の航空のあれとしての補助金、いままでは出していないようですけれども、何か予算の要求をしていらしゃるらしいんですけれども、この場合でもやはり補助をなさいますか。
○説明員(手塚良行君) 離島の航空輸送につきましての補助金、これは一昨年来だと思いますが、ある一定限度におきます赤字の路線につきまして、船の定期船と同じようなたてまえでの予算要求をいたしております。来年もこの線を含めまして要求をいたしておりますが、なかなか補助金というのが御承知のとおり実情むずかしゅうございます。加えて、本来船のほうがそういった運航の稼働率が非常に高い、そこへ飛行機ということでございますので、なかなか実情はむずかしゅうございますが、来年はそういう要求を出しておりますので、先生方の御協力を得まして予算が獲得できればこういった面がある面で解決できるかと思いますが、問題はやはり採算だけではございませんで、先ほど来申し上げておりますように、横風というものに対する安全性の見地もございますので、必ずしもそういった助成だけができれば運航可能ということではございません。
○吉田忠三郎君 時間ありませんから二つ、三つにしておきますが、一つは航空局長です。いま質問あったように、離島の関係は、採算の問題と、気象条件だとか、あるいは飛行場の立地条件とかいうお話がありましたが、それは別として、一つさっき旅客課長が答弁したことに非常に類似する問題がある。それは何かというと、先般われわれ青森に調査に行ったとき、青森までせっかくある会社の飛行機が飛んでくるけれども、対岸の北海道に行けない。これは路線が各社ごとに競合するからだということだと思うんですよ、理屈は。これではせっかく何億という国民の血税を使った飛行場を十分活用していないということが一つですよ。しかもいま函館空港は二種の空港にたしか昇格さして整備していますね。そうして青森も飛ばない飛行場で、私は三年ぐらい前だと思いましたがこの委員会で取り上げたことがある、飛行機を飛ばすようにしろと。せっかくどっかの会社が路線を申請して飛んでいるのに青森までより行かないから、利用客というのはきわめて減少する。飛行機を利用するというのは、よりロングの距離を早く目的を達するために、飛行機というものは利用されるんだ。その傾向が年々歳々統計を見れば増大しているわけでしょう。そのときに、あそこまできて、今度は連絡船に乗らなくちゃいかぬ。四時間、乗下時間入れたら五時間になる。こういうむだなことはしたくないということになるから、それは青森の便は乗客が少ない。よって飛行場の使用効率が低下をする。こういうむだなことを、航空局はあえてやってるんだね。なぜ私はそうした需要があるのに供給しないかという問題が一つあります。なぜこれをやらないかということ、こういう問題。 それから離島の関係についても、いまの質問の中にもありましたが、たとえば隠岐島の場合は、気象条件、立地条件はやむを得ないとしても、そうでないところが幾つかあるんです。これは離島ばかりでないですね。ですけれども、結果、冬季間飛行機が飛ばないというのはこれは採算からみて飛ばない。そこで年間通して飛ばしていただきたいというのは国民の要望であることは航空局長承知のとおりだと思う。これは何年たってもやってない。で、ぼくは抜本的に、この際は、つまり集約統合の問題もあるけれども、離島振興法のような法律をつくるなり何かして、ある程度のその需要を満たすということになれば赤字が出てまいる。その点については補助をしてでも、この際航空事業というものは進めていくように施策としてやるべきだということを主張しておったのですがね。こういう点についても一向だめですね。解決されない。こういう問題がありますね。それからたび重なる事故以来、事故がなければ何もやらないというのが役人のやり方なんです。事故が起きなければ何もやらないというのが役人の通例だ、ざっくばらんに言って。ですからたび重なる航空事故以来、かなりこれは各飛行場が整備されました。非常に好ましいことだと思うのです。思うんでありますが、依然として画一的なやり方をやっておる。たとえば北海道とか新潟のような、冬季間、やはりいま申し上げた原則に立って飛ばすということになると、これは除雪というものがある、その場合に滑走路の幅員の問題もあるし、あるいは、誘導灯の標識の関係の問題というものも考えなきゃいけない。それが依然として画一的に全国平均でやってる。こういうむだなやり方をなぜ依然としてやらなきやならぬかということは、私非常に疑問に思うし、不満を持っている。 第三の点は、第一に申し上げたこととほとんど似ておりますけれども、せっかくこの国内航空の赤字を解消して再建させながら、わが国の国内の航空事業を伸展させるための施策の一つとして、いろいろ日本航空その他、あなた方努力をされましたが、今日、この国内航空というのは唯一の、つまり収入源であるオーロラというものをやっておりますね、夜間便。日本航空がかって持っておったYSでやっておるでしょう。このYSでやっている路線認可はどうなってますか、航空局長。最も航空事情のよくない千歳から飛ばしている。札幌に丘珠空港というのがあるのですよ。ほとんどがこの深夜便というのは時間帯から見て札幌の客ですよ。札幌と東京の客。しかも、札幌の丘珠空港は夜間航空の設備を三年間ほど前われわれがやかましく言ってでき上がっている。しかも、航空管制の整備についても、きわめてりっぱなものができている。同時に自衛隊のほうとしても、これは確かにGCAなんかも設備しており、りっぱなものになっているにもかかわらず、最も不便な、依然として千歳の飛行場を利用さしておる。一体これは何か、いろいろと調べてみますと、そうしたら、これもまた役人のなわ張り争い、千歳の空港長といいますか、保安事務所長といいますか、これと丘珠の保安事務所長と定員の関係で、あっちへ行ったり、こっちに行ったり、定員の配置が違うものだから、依然としていわゆる国民の利用者である人々の利便というものを考えないで、ばかの一つ覚えのようなかっこうで、千歳の最も不便なところを使わしておる、こういうところが国民本位の行政になっていないということを私は言いたいのです。これは一体航空局長どう考えるかね。それからもう一つ八つ当たりではありませんがな、自動車局長先ほどだまってぼくは聞いておったら、自動車の免許について、つまり民間とか、公営企業というものを差をつけてやっていない、当然の私は答弁だと思う、この場における答弁としては。実態はそうなっておりませんよ、実態は。依然としてやはり路線争奪の競争が行なわれた結果、私企業が優先認可されているという事実は否定できない、これをやはり抜本的に運輸省の自動車局として直さなければ、国民からますます運輸省の自動車局というものは、むしろ民間私企業となれ合いをやっておるというような私は批判があっても助け得ないという心配があるから言っておる。その証拠に、たとえば貸し切りの問題とり上げても、北海道の例を見ると、民間私企業については、年間を通しての認可を与えて、国鉄のバスについてはその都度認可を与えるという、こういう矛盾は現在ある、私はいつかこれを指摘をしたことがある。善処しますと言ったって、今日依然としてなっていない、こういう事情をあなたは把握して、先ほどのお答えになっているのかどうか、もう一回答えてもらいたい。
○説明員(手塚良行君) ただいま吉田先生から青森、函館の路線につきまして、これを延長すれば、なお一般の需要に応ずることができるのではないか、また、その需要が相当にあるというふうなお話がございました。私のほうではそういった需要に対応できるような路線につきましては、極力そういう方向で、会社に対する行政指導をやっておるわけでございますが、この線につきまして、現在運航をするとすれば、日本国内航空であろうかと思いますが、日本国内航空につきましては、現実先生も御承知のとおり、実は再建の途上にあるわけでございまして、まあ先ほど来からお話がございますように、不採算路線を現在のところでは、一応できるだけ集約をいたしまして、会社の立て直しということを先決に考えているという段階でございますので、この線における延長というものを、会社自体が申請をしてこないのではなかろうかと考えております。ただ、国内航空も最近の現況から非常に収支の状況が好転しつつございます。運営しております路線におきましても、非常に客があふれているところがございまして、実は機械が不足するという状態のところもございます。で、この機械増もこういう再建の中ではございますけれども、必要に応じてふやしていくということで、YS11を毎年一機づつふやすような計画にもなっておりますが、そういう中で、いまの路線につきましては、現在のところ会社自体からも申請が出ておりません。この公益性の立場からみますと、そういった需要の多い、しかも地元民の望んでおります線につきましては、できるだけやるべきであると思いますが、そういった機材の問題、あるいは会社再建の立場の問題等々からただいまのところはやっておらないというのが実情でございます。で、これらに対して補助をして、できるだけ進めるようにすべきであるという御意見に対しましては、私どもとしては先ほどお答えも申し上げましたとおり、必要な路線等に対して何とか補助金を支給してでもその地元の要請にこたえられるようにというようなたてまえで、予算要求を重ねておる次第でございまして、そういった面と兼ね合わせまして、そういった路線についての地元に対応する運営を可能になるように努力をいたしたいというふうに考えております。 で、オーロラ便についての札幌からの往復を丘珠という御説明でございましたが、需要面から申しますと、確かに丘珠からの需要はこの時間における需要としては大半であろうと私どもも考えます。まあ役人のなわ張りというようなお話もございましたけれども、実はなわ張りというよりは御指摘の定員関係における問題のほうが、むしろ私どもとしては多いのでございます。夜中の定員を配置するということになりますと、まあそれなりの定員を予算的に措置するか、あるいは実行上におきまして別途にこれを措置するかという問題になるわけでございます。千歳からこれを丘珠へ移すということも実行上の問題としてあるいは検討されてしかるべきかとも思いますが、現在のところオーロラに対応いたしますための定員要求というのは、事実上いまのところはなかなかむずかしゅうございまして、本来の定期便における定員の充足ということをまず第一段階に考えて実行いたしておりますために、このオーロラまで実は手が回らないというのが実情であるわけです。実行上の問題におきましても、たとえば冬場におきます北海道の空港から、便数が増加になります南の空港へ定員を移す、また逆に夏場、北海道向けの運航回数が多くなりますときには、南のほうから北海道のほうに定員を移す、こういうようなことをやって、その運航状態にあわした定員配置をし、その運航の能率をあげるというようなことも実は検討いたしておりますが、たいへんつまらないこととお考えになるかもわかりませんが、住宅問題とか、いろいろまあこまかい問題がございまして、そういった実行上の問題がなかなか円滑に進みませんが、そういった問題以外に私どもとしては、本来いろいろなお再検討をして、こういった定員問題を解決する必要がある。たとえば来年の予算で要求いたしておりますが、ビーコン等には相当な定員が配置されておりますが、こういったビーコンの定員を集中管理でもってできるだけ一カ所からリモートコントロールをやることによって、それぞれの個所における定員を節減をして、これらをいまのような事態に対応して必要な場合に回わすというような問題等につきましても、いろいろ現在検討しておる最中でございます。先生御指摘の千歳か札幌かというオーロラ便の問題につきましては、なおそういった問題を含めまして、十分検討を今後も続けていきまして、地元の要請に対応できるような運航をいたしたいと、かように考える次第でございます。
○説明員(菅川薫君) 従来からバス輸送について、国鉄バスでやるかまあ民営バスでやるかというようないろいろな問題があったことは察しておりますが、まあ免許に対する考え方といたしましては、やはりそのバス輸送に対する需要ということを考えまして、その輸送を必要とする路線あるいは区域について、まあ現在輸送を行なっている事業者の輸送力が十分であると思えば、そこに新たに免許を与えることをしない。あるいはまたそこに対して従来のそれでは不足であるとかあるいはそこに輸送を行なう者がいないということで、新たに免許を与える必要があるという場合には、まあ免許を与えるようにいたしておるわけでございまして、極力そういう利用者の立場、それからその当該輸送需要に対して適切な供給をするというような立場で、まあ従来からも努力してきたわけでございますけれども、今後とも一段とそういう考え方のもとに免許の事務を扱っていく、そういうことでございます。
○吉田忠三郎君 航空局長ね、せっかくその地元の要請にこたえるように努力したいというのですから、それで尽きるわけですが、いろいろとあなた長く説明しておりましたがね、われわれもわからんわけではないが、現実に定員関係といいましても、千歳にいるわけです。しかも航空管制を行なう場合は自衛隊がやっておりますからね。ですから航空局の定員を食うというものではない。そうすると通常勤務ですわな。それはもう現実に航空管制のほかに千歳でやっておるわけですよ。ですからいまあなたが再検討するということですから、これ以上申し上げませんけれども、十分検討して私は運用面でできると思うのですよ、これはね。しかも深夜便でありますので、一体あなた深夜になってから、バスにゆられてバスでいま一時間二十分くらいかかりますよ、千歳までね。それから東京から行った場合に同じことが言えるのです。早いんです、この時間が。ですからやはり飛行場から市内まで、札幌の場合わずか二十分くらいでないかと思いますが、丘珠の飛行場の場合は。そういうところをこれは希望もするし、時間的にもそれから経済的にもそれから利用の度合いから見たって、前のように夜間飛行の設備のない場合は私はあえて申し上げませんよ。何のために夜間飛行のこの設備をしたか。何千万円という金をかけてやったんですよ、これは。それが活用されないようでしたら、そんな多額の投資をする必要はない。国民の税金で夜間飛行の設備ができたということは、夜間も活用するんだと。こういう前提があればこそやったと思うのですよ、ぼくは。ですから私はそういう点でせっかくのこの国民の税金を使ったわけですから、それを生かして使うのが行政指導監督の立場にあるあなた方の仕事じゃないか。こう言っておるんです。わかりますね。 それから旅客課長の言っていることは何を言っているのか、私さっぱりわかりませんがね。わかりませんが、とにかくそういう方向でやるということだと思うから、それなりきに了承しますが、きょう自動車局長もだれもいない、帰っちゃって。いないがあなた代行して言っておりますけれどもね。 もう一つある。ぼくは当初LP問題であるとかいろいろな何といいますかな、あまり国民からよしと思われないような問題がたくさんありましたね。大阪でも東京でもね。そのときに中曽根運輸大臣着任早々、この委員会で私は言うたことがある。これはちゃんと大臣に約束してある。そのことの一つでありますけれどもね、依然としていまもって、おのおのそれぞれの陸運局なりあるいは陸運業者の諸君なり業界の会合に出ているというのは、一体これは何か。業界の会合ね。これを改めるということだった、大臣が。何が関係がありますか。監督をしなければならぬ立場にある者が業界の利害に関するつまり大会であるとかいろいろなことをやっておりますがね、そういうものに一体参加して何を得ようとしているのかということを非常に私は疑問どころかふかしぎに考える。そういう会合の結果出てくる結論は何かというと、必ずといっていいほどそういう業界のきめたことが具体的に実施をされる。陸運行政の中に実施をされる。これがいろいろ国民の疑惑の目、そして幾多その中から汚職、腐敗、堕落が存在している。だからそれを助けるためにこの委員会で取り上げて、大臣が約束した、暫時そういうものは解消します、当時の速記録をよく読んで下さい。これは依然として断ち切られていない、是正されていない。これは陸運行政の、自動車行政の惰性かもしれないけれども、こういう悪い惰性はやめてもらいたいというのが、私の言い方なんです。それなくして清らかな正しい運輸行政の指導なんていうものはないのですよ。そういうことを長く持続させるから、今日のそうした行政の事務移管を地方自治体に移管しなさいということになってくるのです。必ずしも私はそれに賛成しませんよ、賛成しませんが、とにかく十分国民の目から見て疑われるような業界の大会については一切出ないということを、あなた方はもう一回検討してみて下さい。
○説明員(手塚良行君) オーロラ便の問題につきましては、丘珠空港が先生御指摘のように、照明施設も完備いたしましたし、定員の問題にいたしましても、仰せのごとく管制は自衛隊所管の飛行場でございまして、自衛隊が所管いたすわけでございますので、その面においては自衛隊の応諾が得られれば、そういう定員的な問題は管制に関する限りはない。ただあとの一般の無線施設、あるいは工務関係における定員の問題が残りますので、そういう面につきまして、先ほど来申し上げましたようなことで、ひとつ実情をよく調査をいたしまして、再検討いたしたいというふうに考えます。
○説明員(菅川薫君) 昨年の問題以降、運輸省内、特に自動車局といたしましても、そういう官紀を厳正に維持するということについては、私も一課長でございますけれども、局内一同、陸運局も含めまして、その点では最も厳格に態度を持していこうということで、いろいろな局長からの事項に対するいろいろなそういう指導監督等をその点は厳にいたしております。したがいまして、いろいろな事業者なんかの話というものもできるだけ役所のほうで聞くというような方向でやっておりますが、会合によっては特にほかの事業者の現在持っているいろいろな意見等を聞くというような意味、それからその際に広く事業者に指導を与えるというような場合に、そういうことで特に必要と思われるような会合に出るという場合もございますけれども、その場合でも、従来からのような経緯にかんがみまして、官紀を厳正に持しまして、そういう陸運行政に対する疑惑を招くような行為は厳に慎むように、局内一同自戒してやっております。したがいまして、先生からきょうも御指摘ありましたが、なおその点には注意して行政に携わっていきたい、そういうふうに考えております。
○委員長(谷口慶吉君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十五分散会