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59回国会衆議院1968/11/12

農林水産委員会 第4号

発言数
277
登壇者
29
会派数
4
開催日
1968/11/12

会議録

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  すなわち、農林水産業の振興に関する件、特に真珠養殖事業に関する問題について、本日、本委員会に、農林中央金庫副理事長大月高君の出頭を求め、意見を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ────◇─────

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 この際、昭和四十三年産甘しょ及び馬鈴しょの原料基準価格並びにでん粉及び甘しょ生切干の政府買入価格等に関する件について、いも、でん粉等価格対策に関する小委員長代理小山長規君より報告を求めます。小山長規君。

小山長規自由民主党

○小山(長)委員 小委員会の経過並びに結果を御報告申し上げます。  いも、でん粉等価格対策に関する小委員会は、八月十日、本委員会においてその設置が決定され、八月十二日、委員長より小委員長及び小委員が指名されました。この結果、小委員会は、九月十七日及び十月八日に開会し、政府からいも、でん粉の需給現況、価格算定等について説明を聴取し、質疑を行ないました。  以下、審査の過程を通じ問題となりましたおもな事項といたしましては、  一、いも、でん粉等の現況にかんがみ、適正な生産対策を講ずること。  二、いもでん粉とコーンスターチとの生産及び価格関係等について、その調整を適正に行なうこと。  三、いもでん粉の需給関係改善のため、調整ストックを行なうこと。  四、いも、でん粉等の告示価格の決定の時期を早めること。  五、原料いもの価格算定については、労賃、諸資材等の評価について、その適正化をはかること。等であります。  なお、これらの質疑の詳細は会議録に譲ることといたしますが、小委員会の結論として次の諸事項につき決定をいたした次第であります。    昭和四十三年産甘しょ及び馬鈴しょの原料基準価格並びにでん粉及び甘しょ生切干の政府買入価格等に関する件   わが国におけるでん粉の需要は、逐年増大しているにもかかわらず、輸入とうもろこしを原料とするコーンスターチの圧迫から、国内産でん粉の需要は停滞し、ひいてはいも作農家の経営も不安定となっている。   よって、政府は農産物価格安定法に基づく甘しょ及び馬鈴しょの原料基準価格並びに甘しょ生切干及びでん粉の買入価格の決定に当たっては、次の諸事項につき十分留意し、いも作農家、でん粉生産者及びでん粉実需者の経営安定に資するよう努めるべきである。  一、いも原料基準価格並びに甘しょ生切干及びでん粉の買入価格は、生産費、諸物価、労賃の上昇等を勘案のうえ再生産の確保を旨とし早期に決定すること。  一、国内産でん粉と競合するコーンスターチの生産規制措置及び現行関税割当制度の継続等適切な措置を講じ、国内産でん粉の優先消化を図ること。  一、国内産いもでん粉並びに甘しょ生切干の価格が政府買入基準価格を下廻り又そのおそれが生じた場合には、政府は速かに生産者団体の申込に応じ政府買入れを行なうこと。  一、甘しょ及び馬鈴しょの生産費引下げ等生産対策並びにでん粉製造施設の合理化等につき強力な措置を講ずること。  一、国内産いもでん粉並びに甘しょ生切干の需給並びに価格安定のため、不足払制度又は原料輸入課徴金制度その他必要な抜本的対策を講ずるよう速かに検討すること。  なお、この小委員会の決定に対し、安倍農林政務次官より、本趣旨を十分に尊重し努力する旨の発言がありましたことを申し添え、小委員会の報告を終わります。(拍手)

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 以上で報告は終了いたしました。      ────◇─────

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 さきに本委員会より東北地方及び九州地方等に委員を派遣し、現地調査をいたしたのでありますが、この際、派遣委員からその報告を聴取いたします。  第一班、森田重次郎君。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 農林水産委員会第一班国政調査の報告をいたします。  委員派遣第一班の調査については、十月二日から十月五日までの間、私のほか六名の委員をもって東北地方の農林水産業の実情を調査してまいりました。  最初に、このたびの派遣目的について簡単に申し上げます。  昭和三十六年に農業基本法が制定されて以来、わが国の農政は基本法路線に沿うて進められてきたのであります。しかし、その後の農業の推移は、農業就業人口の急速な減少と農業経営の近代化への立ちおくれ、さらには食糧需給の悪化に伴う食糧農畜産物の輸入の急増等多くの問題をかかえているとともに、各作目の需給動向を見ましても、米については昭和四十二年産米の大豊作を契機として長期的に需給緩和の傾向を示し始めている反面、選択的拡大作目たる畜産、果実、蔬菜等については、消費都市の急速なる増加需要に供給が必ずしも順調に対応し得ない現状にあります。  かかる農業の現状を背景として、政府においては、構造政策の推進を中心に総合農政の展開という名のもとに今後の農政の諸施策を樹立し、その実現をはかろうとしております。  一方、今回の調査地帯である東北地方の農業につきましては、近年耕地面積が拡大される等わが国における農業の比重が一段と高まってまいり、また、今後過密化する都市の近郊農村地帯の耕地がますます壊廃されることが予想される中にあって、農林業を中心に開発の可能性の幅の大きい東北地方は、食糧供給基地の役割りを重点として地域開発が促進さるべきものと考えられております。  そこで、今回の調査目的につきましては、今後の農政を進める上に重要なキーポイントとなる東北地方の農林事情を的確に把握してその問題点をさぐり、かつ、これら地域農林関係者の意見を農政に十分反映させようとしたものであります。  次に、簡単に今回の調査日程を申し上げますと、十月二日は秋田県庁において、県当局をはじめ関係機関より農林水産業の実情並びに要望を聴取しました。十月三日は、八郎潟干拓事業及び新農村建設事業の視察をした後、大雄村に参り、ここで米の集団栽培についての視察と関係者からの説明を受けたのであります。十月四日は岩手県に参りまして、最初県庁において、県当局をはじめ関係機関より農林水産業の実情並びに要望を聴取した後、記者会見を行ない、次いで現地調査に向かい、岩手県肉牛生産公社の予定地を視察するとともに、西根町において町営牧野の視察を行ないました。十月五日は宮城県に入り、中新田町役場において、宮城農産株式会社及び薬莱山ろく開拓パイロット事業についての説明及び陳情を受けた後、現地調査を行ないました。最後に宮城県庁に参り、県当局をはじめ関係機関より農林水産業の実情と要望を聴取した次第であります。  以下、調査いたしましたもののうちから、おもなる点について御報告申し上げます。  まず第一に、八郎潟干拓事業及び新農村建設事業の調査について申し上げます。  新農村建設事業は、干拓により造成された約一万三千ヘクタールの土地に、わが国水田農業発展のモデルとなり得る近代的な営農技術を導入するとともに、社会生活においても、広くわが国農村社会のモデルにふさわしい新農村を建設することを目的としたものであります。  また、新農村における営農形態は、干拓地におおむね六十ヘクタールの区画ごとの圃場をつくり、一戸当たり約十ヘクタールの耕地を持った一団地約十戸の協業組織を基本とした大型機械または中型機械の使用を中心とする営農が予定されております。  入植については、昭和四十一年から四十七年にかけて約千戸が予定され、現在五十七戸の農家が入植営農を行ない、八十六人が入植訓練を終了し、本年十一月からはさらに百八十人が入植訓練を受けることになっております。  本年度においては、約五百ヘクタールの植えつけが行なわれたのでありますが、空中湛水直播、人力湛水直播、乾田直播、機械移植、慣行手植えの五方式の実施結果については、慣行手植え、機械移植が六俵ないし七俵、湛水直播は四俵から五俵、乾田直播は二俵から四俵が予定されており、また、現在入植している農家の営農形態の実態については、各グループごとに形態が異なり、大型機械を使用した共同計算に基づく共同経営グループから、中型機械を使用し経営は完全に個別なグループに至るまで、多岐にわたっている現状であります。  このように、直播による収量が慣行手植え等に比し非常に低いことに対しては、播種時の低温等も影響しているとのことですが、何よりも干陸直後の土壌条件の悪さと直播技術の未熟さが大きな原因として指摘されており、また、営農形態については、入植者各位の集団的まとまりの程度を示しているものと思われますが、今後の共同経営による大型機械化一貫体系の営農を進めるにあたっては、入植者各位の不断の創意努力が実を結び、一日も早くこれらの悪条件が克服されて、入植農家が大規模集団経営による高能率、高反収の目標を達成するよう期待してまいった次第であります。  第二に、米の集団栽培事業の調査について申し上げます。  昭和四十二年度における東北地方の集団栽培の実施状況は、水稲作農家数の五・三%、水田作付面積の六%にのぼり、特に農家人口の減少の大きい山形、秋田においてこの傾向に顕著なものがあります。  私たちが視察した秋田県平鹿郡大雄村地区は、秋田県においては最も集団栽培が普及している地帯であり、現在十六の集団が稲の集団栽培を実施しております。中でも、今回視察いたしました宮田農事研究会は、これらの集団の中にあって先駆的役割りを果たし、三十年以来たゆまざる稲作技術の研究を行ない、現在においては二十五名の会員をもって構成され、四十二年度の反収は実に七百五十キロを上回り、四十一年度より秋田県において実施されている七百五十キロ集団報償制度において、二年連続一位の栄冠をかちえているのであります。  しかし、本地域における集団栽培の問題点は、圃場整備、なかんずく農道の整備がおくれているため、機械の導入による能率的経営が阻害されている点にあるとされ、今後これらの基盤整備のいかんが集団栽培の発展の成否を握るキーポイントになるのではないかと思われたのであります。  したがって、今後ますます拡大することが予想されている東北地方等の集団栽培の育成については、土地基盤整備の重点的実施と機械の導入等に対する国の積極的助成措置の必要性を、痛切に感じてまいった次第であります。  第三は、畜産関係の調査についてであります。  最初に、岩手県肉牛生産公社について申し上げます。  本公社は、県、農業団体、その他の関係機関の出資により昭和四十三年五月に設立され、岩手県に存在する山林原野等広大な未利用または低利用の土地資源を開発し、繁殖用及び肥育用素牛を安定的に供給することを目的としております。  事業の概要については、今後五年間に県内に、五百ヘクタールの草地に五百頭の繁殖用素牛等を飼養する規模の十牧場を開発することを計画し、事業費については一牧場当たり二億五千万円が予定されております。  事業の進捗状況については、初年度のため現在はまだ滝沢村等二カ所が着工されているにすぎませんが、牧場の設置については、本事業が公社により行なわれている関係上、小規模草地改良制度の助成措置しか受け得ない実情にあり、このため、より高い助成が講ぜられている大規模草地改良事業、または共同利用模範牧場の制度についても、公社が活用できる恩典が与えられるよう県当局から切なる要望があったのでございます。  次に、岩手県西根町の町営牧野について申し上げます。  この町営牧野は、放牧、採草を目的として昭和三十二年から三十九年までの八カ年にわたり、国有林野の払い下げを受けた土地に小規模草地改良事業、農業構造改善事業等により百二十ヘクタールの草地を造成したものであります。  町営牧野の現況は、本年度においては事務職員一人、オペレーター一人、監視員三名、その他臨時雇い数名をもって、約二百頭の育成牛を農家より受託管理し、また、その管理料金は一日一頭当たり十八カ月以上八十円、十二カ月から十八カ月までが六十円、十二カ月未満四十円となっており、個人飼育の約半分の経費をもって運営されております。  次に、町営牧野運営の効果については、町内の多頭化が促進されたこと、粗飼料の自給基盤が確保されたこと等、町当局からの説明があったわけでありますが、さらに今後の運営に関して、乳価の高位安定、今後予定している牧場建設について、国の積極的な助成措置をはかられたいこと等の強い要望があったのであります。  第四に、宮城県中新田町の宮城農産株式会社の調査について申し上げます。  本会社は、農業基本法の構想に基づく農業協同会社として、宮城県大崎地方の一市八町村から生産される果実、アスパラガス、ナメコ等を管内生産団地農家と農協の三者によって生産契約を行ない、生産と加工、流通を結合して地域農業開発を促進するため、昭和三十六年に設立されたものであります。  次に、本会社の事業概要でありますが、資本金は現在一億六千万円で、その資本構成は十三の農協による出資額が五一%、残り四九%は三井物産株式会社が出資しており、また、会社と契約した原料生産団地は四十二団地、農家数にして八百三十四戸で構成され、四十二年度の売り上げ実績は二億四千万円にのぼっております。  しかし、設立以来の本会社の業務実績は、(イ)原料供給基盤の確立に先行して過大な設備投資が行なわれたため、借入金の返還に多額の資金等を要すること、(ロ)原料供給が季節的に片寄っているため、年間操業が不可能であること等が原因いたしまして、会社設立以来の経営は困難をきわめ、四十三年度においては一億九千万円の赤字が累積する等、会社関係者におきましてはこれが再建に日夜苦慮しているところでありました。  一般に農村加工工場の設置にあたっては、多くの問題があるわけでありますが、特に工場が年間操業できるような原料の手当てにつき相当慎重な配慮がなさるる必要があり、また、会社の維持経営について、特に設備資金と同様運転資金についても低利の制度資金を設ける等して、地元農家振興のため設けられた農村工業会社が、途中で挫折することのないような施策が講ぜらるることの必要性を痛切に感じてまいった次第であります。  第五に、宮城県小野田町の薬莱山ろく開拓パイロット事業の調査について申し上げます。  本事業は、薬莱山ろくを国営パイロット事業として開墾し、牧草畑五百五十六ヘクタールの農用地を造成して酪農を推進するとともに、全農用地を増反して既存農家二百八十四戸の経営規模の拡大をはかり、農家経営の安定と合理化の基盤を確立することを目的としたものであります。  しかし、この開拓パイロット事業の性格については、その実態が農用地造成事業という基礎的性格が強いため、草地造成後における営農施設並びに家畜導入の足並みがそろわず、これが草地の効率的利用を阻害し、ひいては営農が跛行化する等、地域農家の経営意欲の盛り上がりを大きく抑制しているといった関係者からの強い不満が述べられておりました。  このため、今後国営開拓パイロット事業等によって実施さるる大規模草地造成地区等にあっては、草地造成等と並行して家畜導入、経営基本施設等をセットとした総合助成事業を行なうことが、酪農振興のための不可欠の条件ではないかと感じてまいった次第であります。  以上が、今回の調査日程である視察の概要でありますが、ここで視察にあたり各県当局より強く要望されたるおもなる事項を申し上げます。  各県より出されました共通の要望は、食管制度の根幹は、地域農業振興施策が打ち出され、安定的、高能率的な農業経営が確立さるるまでは、いかなることがあろうと堅持してほしいとの要望であります。食管制度の改善が国政の大問題として論議されている現在においても、わが国の食糧供給基地たることを目標に掲げている東北地方においては、開田が積極的に行なわるる等、農民の米作に対する意欲はなみなみならぬものがあるのであります。  この点につきましては、私たちにおいてもよく理解できるところでありまして、今後国土利用計画、総合食糧需給見通し等の諸観点から、地域農政の確立を通じて、でき得る限り生産農民の要望にこたえるべきであると考えた次第であります。  次に、その他の要望事項についてでありますが、まず秋田県においては、(ア)東北を食糧供給基地とするための具体的対策の早期確立、(イ)米生産総合パイロット事業の実施、(ウ)雄物川農業経済圏整備事業の促進、(エ)草地改良事業に対する国庫補助率の引き上げ、(オ)開拓パイロット事業の促進、(カ)浅海漁場開発法の制定、(キ)里山開発特別事業の実施、(ク)民有林の林業労働者に対する失業保険の適用等について、それぞれ要望がありました。  また、岩手県においては、(ア)土地改良事業の促進として、開田事業の早期達成、圃場整備事業の予算ワクの拡大、北岩手、北上山系の広域未開発地総合開発基本調査の実施等、(イ)畑作営農振興対策としては、北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法と同様の特別立法制定による助成措置、(ウ)畜産振興対策としては、国立畜産経営技術センターの設置、乳用牛集団育成事業の助成措置等、(エ)林業関係としては、造林事業推進のための強力な助成措置、広葉樹林等未利用森林資源の利用促進をはかるための里山開発に対する助成等、(オ)水産関係については、第二次の沿岸漁業構造改善事業の実施等につき、それぞれ要望がありました。  また、宮城県においては、(ア)土地基盤整備につき、団体営土地改良事業及び開拓パイロット事業の推進、(イ)農業構造改善の促進として、農業構造改善事業の次期対策の早期検討と実施、農地法、農協法、農業振興地域の整備法案、国有林活用法案等の早期改正と制定、(ウ)畜産振興としては、小規模草地改良事業の補助率引き上げ、家畜導入事業の補助ワクの拡大と率の引き上げ等、(エ)漁業関係としては、沿岸漁業構造改善事業の継続実施、松島湾浅海漁場開発事業の早期実施等、(オ)林業関係としては、林業構造改善事業第二次指定の早期実施、森林組合労働者の共済制度の確立等について、それぞれ要望がありました。  最後に、今回東北地方の視察を行なって特に強く感じた点を申し述べ、報告を終わりたいと思います。  その第一は、米の需給緩和の傾向が続く見通しのもとで、東北米作地の今後の作付の方向についての問題であります。  申すまでもなく、東北地方はわが国最大の米作地帯であり、全国における比重は、米の粗生産額において二三%を占め、東北の粗生産額全体の中では六〇%をこえ、農家の九〇%以上が稲作に従事し、耕地の六五%が水田であり、農業所得の七〇%ほどが米に依存している状況にあります。東北地方において、大中河川流域の広大な平野での米作が水田経営を育成してまいりましたことは、適地適作の観点から当然のことであると思われます。  現在東北地方は、平野地の水稲作と並行して山ろく丘陵地で果樹、畜産等が積極的に導入されつつありますが、水稲作については、長年安定した価格水準の上昇によって、農家は圃場整備等基盤の改良と集団栽培、機械導入によって、高反収、高能率の経営を目ざして努力されておることがうかがわれる次第であります。  また、これとともに新規開田の意欲も強く、一部においては水源確保も不十分なまま開田による経営規模拡大が、将来の経済採算を度外視してまで行なわれているような現象も若干あるやに見受けられました。  もとより、米作の基盤である水田造成は、全国的に見ますれば、西日本等水田の壊廃が進み、経済発展に伴う全国地方都市の整備等も今後進行する中で、適地東北においては、従来からの国、地方公共団体の計画が具体化するための水田造成は大いに促進されるべきものと考えますが、一部に見られます計画性もない自力での開田等に対しましては、米の需給の見通しよりしても、また、水田経営の安定から見ましても、国及び関係団体の適切な指導措置が望まれる次第であります。  第二は、需要の長期的伸長が見込まれている畜産物の供給について、特に大規模な草地造成を必要とする酪農及び肉牛飼育に対する東北地方の役割りであります。  東北地方における酪農は近年急速に伸びてまいりましたが、たとえば、酪農家二戸当たりの飼養頭数は二・五頭と全国平均四頭に対し最もおくれております。肉牛飼育につきましても同様な状況であります。しかし、幸いなことには、東北地方にはまだ開発可能な未利用地等が幅広く存在し、各県当局におきましても、これら地域の開墾建設に積極的に取り組み、将来の畜産基地形成を目標として草資源開発に努力していることであります。  もちろん、今後東北地方の酪農及び肉牛飼育の振興をはかる上には、山ろく丘陵地における草地造成、道路整備等に対する国の積極的な助成措置、草地造成に必要な国有林野等の活用、さらには生産意欲を阻害しないような畜産物価格政策の拡充等多くの問題をかかえているわけでありますが、国においても、全国的な立場から財政投融資の重点的配分に留意し、伸長の幅が大きい東北畜産の振興に万全を期すべきではないかと思った次第であります。  なお、東北地域農業を振興するために忘れてはならないことは、果樹と蔬菜についてであります。果樹については、北部地域のリンゴ、南部地域の桃、ナシ、ブドウ等がすでに銘柄産地を形成しておりますが、これらの主産地をさらに整備育成する施策が必要だと考えられます。  また、蔬菜につきましては、現在のところ全国的に見て主産地形成がおくれていること、輸送、市場等の流通条件が不備であること等が問題として指摘されております。これらはいずれも各地域の発展の段階に応じて、各県当局の振興策に対し、国の指導助成施策を積極的に講ずる必要があるものと考えている次第であります。  その他、東北地方の農畜産業が、全国的見地から重点的に担当すべき役割りは将来ますます大きなものであると思いますが、今回の視察において最も強く感じましたことは、東北地方の各県並びに農業関係者が、東北をしてわが国食糧供給基地たらしめようとの自覚のもとに、地域振興の熱意に燃えて積極的に取り組んでいる姿勢でありました。  私たちの視察は非常に短期間ではありましたが、ここに真剣に農業に取り組んでいる人々に接したことに強い感動を覚えるとともに、今後の農政にこれら関係者の要望が反映されるよう、全力を尽くすことを心に誓って帰ってきた次第であります。  報告を終わるにあたり、今回の視察につき御高配くださいました各県当局をはじめ関係者に対し、深甚の謝意を表する次第であります。  以上で私の報告を終わります。(拍手)

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 次に第二班、石田宥全君。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 委員派遣第二班の調査報告を申し上げます。第二班は、農林水産事情、特に真珠養殖業の実情調査のため、私ども七名の委員が参加いたしまして、去る十月十四日から十七日まで四日間にわたって、長崎県及び三重県の調査に当たった次第であります。  以下、その概要を御報告申し上げます。  まず、今回の調査の主目的であります真珠養殖業につきまして、その現況を簡単に申し上げます。  真珠養殖業は、戦前から日本のパールとして親しまれ、わが国の恵まれた環境と漁業者のすぐれた技能とを生かした独特の沿岸漁業であって、昭和四十一年度における養殖真珠の生産量は、約三万四千貫、このうち、約七〇%に相当する二万三千貫、約二百三十億円を輸出する代表的な輸出水産業の一つであります。  しかしながら、真珠養殖業がかかる代表的な輸出水産業に発展したのは、主として戦後後半のことでありまして、昭和二十七年、真珠養殖事業法を制定いたしました当時にありましては、わずかに二千三百貫程度の生産にすぎず、輸出金額も約十七億円という貧弱なものであったのであります。事業法制定以来、真珠養殖業は関係者の御努力と世界の旺盛な需要とにささえられ、年率一〇%以上という順調な伸展を続け、養殖地域も三重県あるいは長崎県という従来の限られた少数の地域から、現在においては一府二十二県に及ぶ全国的なものになり、今日の成果をおさめるように発展した次第であります。  以上のとおり、戦後好調な歩みを続けてまいったところ、ようやく昭和四十一年後半に至り、外にあってはアメリカ、西ドイツ、フランス等真珠の主要仕向け国における景気の後退、内にあっては生産過剰あるいは金融事情の悪化等のため、戦後かつて経験しなかったような輸出の停滞、とりわけ輸出単価の低落が顕著になり、輸出不振は深刻な様相を呈し、その大部分を輸出に期待している真珠業界においては、今日倒産者を出すまでに追い込まれ、関係者は未曽有の危機に直面している次第であります。  かかる危機を乗り切るため関係業界におきましては、全国真珠養殖漁業協同組合連合会(以下全真連という。)を中心として、生産の自粛、滞貨の調整保管等精一ぱいの施策を実行に移し、真珠養殖業の安全と輸出の向上に全力を傾注しながらも、最悪の不況事態のもとに秋の生産期を迎えている次第であります。  以上が真珠養殖業をめぐる現況の概要でありますが、そこで、私どもは代表的な真珠養殖地帯であります長崎県の大村湾、三重県下においては英虞湾における実態を調査し、真珠研究所を視察するとともに、県当局をはじめ多数の関係者から深刻な現地の実情の説明を聴取し、かつ、種々の切実な御要望を承ってまいった次第であります。  さて、長崎県における真珠養殖業は、経営体百九十六という少数でありながら、その生産金額は約六十億円をあげているという実績からも容易に理解されるとおり、一応養殖環境には恵まれた地域であることがうかがえるのでありますが、一方三重県にあっては、全国約四千七百経営体のうち、その過半数に相当する二千六百余に及ぶ多数の経営体をかかえ、しかも、その大多数は養殖いかだ十五台未満という零細な家族経営が中心となっており、百台以上五百台未満階層が約半数を占める長崎とは経営実態が異なり、したがって、今日の真珠不況の打撃も一そう深刻なものがあり、今後共通課題の推進と地域対策の必要を痛感してまいった次第であります。  三重県の真珠養殖関係代表から強く要請のあった旧債約百億円の長期低利資金への切りかえ措置等も、具体的な地域対策の重要な問題でありましょう。  現在三重県が真珠養殖業に占める比重は年々低下して、昭和三十九年には全国の五〇%を割るに至ったとはいえ、いまだ全国生産の首位を占め、年間百四十八億円の生産を維持しており、したがって、現地の実態を踏まえた適切な地域対策が業界全般のためにもプラスであると存じます。  以上のとおり、両県の間にはある程度相違は見られるにしろ、秋の生産期に当面して、特に資金繰りの悪化のため、生産はもとより加工及び輸出業者のいずれもが深刻な影響をこうむっている次第であります。  以下、両県の関係者あるいは全真連からそれぞれ強く要望されたおもな事柄につきまして、項目ごとに取りまとめ御報告申し上げます。  第一点は、真珠養殖事業法改正の問題であります。関係業界におきましては、養殖真珠の浜揚げ量を現在の年間約三万五千貫から一万貫程度圧縮して二万五千貫とすることを目標に、すでに自主的に組合運動として、昭和四十二年においては夏期二カ月の操業休止を行ない、引き続き本年にあっては百日操業を実行し、生産の抑制と品質の向上に極力努力しているところでありますが、かかる自主規制措置には限界があり、不十分な点が認められるため、これを制度として取り入れ、法的裏づけを行ない、かつ、アウトサイダーの規制を実効可能なものとする必要から、ぜひとも真珠養殖事業法に根本的な検討を加え、所要の法制的措置を早急に実施してほしいということであります。その中で当面所要の生産規制を行ない、計画生産を実施するとともに、密殖を防止し、真珠の品質の向上をはかるための施策を推進することはもとよりであります。  第二点は、真珠の調整保管についてであります。主として需給を調整して真珠価格の安定をはかり、かつ、系統金融の円滑化に資するため、全真連においては昭和四十二年度から浜揚げ真珠の調整保管事業を実施しているのであります。昭和四十二年度においては、五千八百五十二貫の真珠を保管し、評価額の約八〇%に相当する四十五億二千万円の仮渡しを行なっており、さらに今年度はこの対策を強化し、前年分を含めて合計一万二千七百貫の調整保管を実施する予定であります。  全真連のこの種事業に対し、次の事項について強い要請があるところであります。  その第一は、調整保管真珠にかかる融資に対する利子補給の問題であります。調整保管真珠にかかる原資はすべて農林中金からの融通に依存しているところであり、昭和四十三年度における融資額四十五億円余に対する金利は、年間三億八千四百二十二万円、四十四年度分を含めると年間八億円にのぼる多額の利息が見込まれるところから、政府において利子補給を行ない、利子軽減の措置を講じてほしいという点であります。  なお、この場合、県においてはその一部を負担することになるような場合には、特に地方財源の裏づけ措置をぜひとも講じていただきたいということであります。  第二は、調整保管真珠に対する仮渡し金の比率の問題であります。調整保管を実施し、流通調整を行なう必要性は、関係者に十分納得されているところでありますが、相当多額の負債をかかえ、その返済を迫られている生産者にとっては、真珠の評価額に対する仮渡し金の占める割合、すなわち実質手取り額が幾らになるかが最大の関心事であります。今年、全真連が実施しようとする方式は、仮渡し額の合計は前年同様評価額の八〇%としながらも、預かり金、出資、手数料等の控除が行なわれるため、真珠を供出した際における第一次仮渡し金の額は約六〇%という低い率になるため、この比率の引き上げを望む関係者の気持ちはいまなお根強いものが感ぜられた次第であります。  第三点は、粗悪真珠の処理に対する助成措置であります。全真連におきましては、粗悪真珠の一般市場への流出を極力防止し、真珠の品質保持をはかるとともに、金融関係への配慮から前述の調整保管真珠及び共販真珠の取り扱いにあたっては、約四〇%相当量のすそ玉真珠の無償同時供出を義務づけ、これを廃棄することとしておりますが、本事業の実施に対して、国の助成措置を講じてほしいという点であります。  この場合、問題になるのはアウトサイダーの行くえであります。前述の調整保管真珠に対する仮渡し金の比率の問題、あるいはすそ玉四割の義務供出の問題等がからんで、全真連がせっかく計画した調整保管のための集荷あるいは共販数量に対する影響が懸念されるところでありますので、これが円滑な実施のための施策を裏打ちする必要があると存じます。  たまたま、私どもは、伊勢市で行なわれていた本年最初の真珠の入札会を視察した次第でありますが、第一回の入札会という理由はあるにしろ、出品件数三十点程度ということに対しましては、若干気がかりな点が残ったのであります。  第四点は、真珠母貝対策であります。真珠養殖業界の不況は、直接母貝業界に悪影響を及ぼし、すでに養殖され用意された母貝は、極度の売れ行き不振に加うるに価格の低落のため、母貝養殖業者の中には転廃業する者が続出している次第であります。しかも、本年度における三重県下の母貝廃棄量は千二百トンにも及ぶということであって、ゆゆしい事態を惹起していることであります。  これが対策として、基本的には真珠養殖事業法の改正にあたって、真珠養殖の場合と同様母責の生産規制と需給の調整に関する規定を明確にするとともに、当面母貝の廃棄事業に対して助成の道を講じて欲しいという要請があった次第であります。  その他、今回の真珠業界の不況の大きな原因の一つが金融事情にあることから、長期にわたる養殖期間を必要とする特殊性にマッチした設備資金に限定しない運転資金をも含めた長期低利資金融通の道を講ずること。あるいは真珠の価格安定機関を創設すること等、幾多重要な問題が提起され要請されたのでありますが、時間の関係もあり割愛さしていただきます。  最後に、真珠養殖以外の水産問題につきましても種々陳情が行なわれた次第でありまして、漁業近代化資金制度の創設、漁港整備の促進等がそのおもなものであり、さらに農林行政に関しましては、特に団体営土地改良事業並びに老朽ため池補強事業の採択基準の引き下げ及び補助率の引き上げについて、強い要請があった次第であります。  最終になりましたが、今回の調査にあたり、関係当局をはじめ多数の関係者から種々の御協力、御便宜をはかっていただきましたことに対し、厚く御礼を申し上げ、御報告を終わります。(拍手)

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 以上で報告は終了いたしました。  派遣委員各位の御労苦に対し、深く感謝申し上げます。      ────◇─────

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 引き続き農林水産業の振興に関する件について質疑に入るのでありますが、真珠養殖事業に関する問題について、農林中央金庫副理事長大月高君が参考人として御出席になっておられますので、まず、本問題から質疑を行ないたいと存じます。  参考人には、御多用中にもかかわらず本委員会に御出席くださいまして、まことにありがとうございます。  なお、参考人の御意見は、議事の都合上、委員との質疑応答の形で述べていただくことといたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。角屋堅次郎君。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 私は、まず冒頭に、先ほど第二班の石田調査団長から御報告がありましたように、本委員会として昭和四十一年以来深刻な不況に見舞われております真珠の実態を調査し、委員会としてこの問題に真剣に取り組むということの計画を運ばれたことにつきまして、関係県の一人として心からお礼を申し上げたいと思います。  きょうは、多数の質問者がおられますので、前段の質問といたしましては、ごく大綱的にとどめまして、午後、大臣出席の際に締めくくりの質問をいたしたいと思います。  いま、石田団長のほうからも、長崎県、三重県の真珠の実態調査の御報告がありましたし、また、関係各方面からの御要望の点についても触れられました。私は、過般、八月十日の段階で、真珠不況対策に対する総合的な問題についていろいろ御質問申し上げました。この機会に水産庁長官から、その後における問題の検討の進展について、まずお話を承りたいと思います。内容といたしましては、長官御承知のように調整保管問題、あるいはすそものの助成の問題、あるいは金融の対策の問題、あるいは法改正の今後の展望、こういう点について、まず総括的に御説明をお願いしたいと思います。

森本修水産庁長官

○森本説明員 真珠の不況対策につきまして、先般も御質疑がございまして、その後私ども政府部内で鋭意各種の対策について検討を進めておるところでございます。  ただいま言われました諸項目が中心的な対策でありますが、まず、真珠の生産の調整を可能ならしめる法案の検討でございますが、中心的な内容としましては、全体の生産の数量といいますか、生産の自主的な調整を可能にする、それから特定の密殖海域における品質の向上のための自主的な共同行為といったようなものが法案の中心でございます。何といいましても最も関係の深いのは、現在の独占禁止法との法律的な調整でございますので、そういった点について公共取引委員会と目下事前の調整中という段階でございます。できるだけ私どもとしましてはそういった調整を早くいたしまして法案の形にして、近い機会の国会に御提案を申し上げたいということで、準備を急いでおります。  それから、調整保管なりあるいは浜揚げ玉の集荷の資金の点でございますが、仮払い金の関係は、大体農林中央金庫とそれから全真連系統に対し、私どもも種々の点から指導といいますか、中に入りまして、大体金融のめどがつきつつあります。また、それに対します政府の財政援助という点につきましては、前々から調整保管に対する政府の利子補給ということが提起されておりまして、農林省としてもそういった点が必要であろうという観点から、大蔵省に対しまして必要な予算措置を目下要求中ということでございます。できるだけ私どもとしてもそういった予算措置が実現できるよう努力してまいりたいというふうに思っております。  それから母貝対策、これも先ほどございましたが、基本的には、やはり生産調整ができ得るということが大切でありますから、先ほど申し上げました生産調整についての法案の内容といたしましても、母貝についても行ない得るというふうなことを、前段申し上げました公正取引委員会との折衝を、目下やっておるという段階でございます。  なお、下級真珠の廃棄等につきましては、財政的な助成の道について種々要望がございました。しかし、私どもが事務的な検討をいたしましたところでは、廃棄をいたしますところの部分について国が買い上げるとか、あるいは浜揚げ玉について直ちに助成をするということは、なかなか事柄の性質としてはむずかしいのではないかという感じを持っております。間接的な形で、検査なりあるいはそういった廃棄をする事務費といったものに何らかの財政的な援助ができれば、あるいは間接的に効果を発揮するのではないかというふうな点もございますので、そういった方向について検討はいたしております。  それから、あと金融の問題でございますが、旧債の借りかえのこと、あるいは抜本的に価格安定機関をつくってはどうかといったような問題がございまして、これは単に今回初めて出てきたことではございませんで、従来から真珠問題が議論をされます際に、あるいは端的なものとしては専売制度といったような意見まで従来出てきた経過がございます。いずれにしても抜本的な対策でございますので、私ども、こういった問題についてはやはり慎重に引き続き検討すべきものというふうなことで整理をいたしておるようなわけでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 農林中金から大月さんに参考人としておいでを願っておりますが、御承知の真珠に関する金融関係が、業界の不況とともに非常に緊迫をしておりまして、私ども承知しておるところでは、真珠関係の金融で約六百億近い金融が動いておる。それは農林中金もありましょうし、あるいは商工中金もありましょうし、あるいは東銀その他の銀行の関係もございましょう。あるいはまた、政府の農林漁業金融公庫からの設備資金もございましょう。この機会に、農林中金として従来真珠金融に打ってこられた対策、これからの非常に緊迫した金融事情の中で、農林中金の受け入れ対制というふうなものについてどういうふうに考えておられるか、まず御説明を願いたい。

大月高農林中央金庫副理事長

○大月参考人 ただいま角屋先生からお話がございました真珠金融につきましては、お話のございましたように、われわれ農林中金の占めております分野は非常に大きいわけでございます。全体の真珠金融が大体五百五十億から六百億といわれておりますが、その中でわれわれのほうからは、この九月末現在におきまして、おおむね二百三十億円くらい出ておるわけでございます。全体の四〇%程度に当たるかと存じます。  金融の形といたしましては、われわれ水産の系統金融といたしまして、真珠の生産者に対する金融、それからそのできました真珠を加工するための金融、それからその加工いたしました真珠を海外並びに国内に売りさばいていく販売金融、そういうふうに生産から加工、販売に至る一貫した金融を見ておるわけでございます。  そういう意味で、真珠業界の動向なり真珠業者あるいは真珠生産者の実態につきましては、最も関心を持って注意しております。また、金融の立場からできるだけこの真珠の生産、流通、加工、いろいろな面において支障がないように、また、輸出産業でもあり、沿岸の漁業の非常に大きな分野でございますので、できるだけこの真珠産業が発展するように基本的に考えておるわけでございます。  個別に申し上げますと、いま申し上げたような立場から、大体三つの種類に分けて金融が考えられると思います。  まず第一は、系統団体に対する販売事業の資金の融資でございます。つまり、真珠をつくりまして、浜揚げをいたしましたその玉の販売でございますが、現在全真連におきまして、この浜揚げ真珠を扱っており、現在では水産庁の御指導のもとに、全量、全サイズの系統集荷ということをやろうといたしておりまして、結局、余剰玉を長期に保管する、こういう先ほどのお話のような方針でございますので、われわれといたしまして全面的にこれに協力いたしたい。本年度のそれに要する金は、大体百億円程度を予定しておるわけでございます。なおそのほかに、販売事業でございますから短期の一般資金もございますので、そういうものも加えますと、大体百五、六十億くらいのものをわれわれとしては予定いたしております。  それから第二は、この浜揚げ真珠を加工業者が買いまして加工するわけでございますので、そのための資金でございます。この点につきましては、実はこれは関連産業の分野に入りまして、商工中金でございますとか、もっぱら一般の銀行の分野で、それをわれわれは真珠の生産者の立場に立って応援するという立場にございますが、できるだけ全体的な金融機関という立場において遺憾のないようにしたい、こういうことでございます。  それから第三の問題は、四十四年以降の生産金融の問題でございますので、これもできるだけ業界の円滑なる発展のために金融いたしたいと存じておりますが、ただいまの真珠業界の問題点が、結局、過剰生産ということと粗悪玉の存在という二つにしぼられてきておりますので、われわれといたしましては、この生産金融につきましてはできるだけ生産調整、品質の向上ということを頭に置きながら、真珠業界のお役に立つような金融をいたしたい、こういう三つの角度から考えておる次第でございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 いま水産庁の長官並びに農林中金の大月さんからのお話を通じて、これからの取り組む姿勢の事務当局としての考え方あるいは中金としての考え方というものが示されたわけです。大蔵省からもおいで願っておると思いますが、真珠の不況は昭和四十一年以降年とともに深刻を加えまして、真珠のしにせなど、私のほうの三重県の場合でいいますと、先ほどの石田団長の御報告にもありましたように、なかなか深刻な姿でございまして、農林省の事務当局のほう、あるいは政府自身の具体的にてきぱきと打っていく手が、大蔵省が渋いからおくれておるのかどうかは別として、なかなか有効な手が、率直にいってまだ出てきていない。いまお話を聞きましても、調整保管問題、去年から始まっておりますが、これの利子補給の問題が、相当煮詰まってはきておりますけれども、去年からいわれておるのが、はたしてことしじゅうにとりあえず第一段の手が打てるのか、あるいは来年度からそれが始まるのかという時期的な問題もはっきりしない。われわれはもうことしから手を打ってもらわなければならぬ、それほど事態は深刻であるというふうに考えておるのです。調整保管問題の利子補給でも、見通しとしては、近い機会にそれは必ず出てくるにしても、それがことしから始まるのか来年から始まるのかという点は、まだ確定をしていない。さらに、すそ玉の調整問題については、先ほど長官からのお話のように、これはそのものずばりということについては、大蔵省は非常に渋い態度である。検査その他いろいろな事務的な問題等も含めて側面的に助成――直接はできないでも、それに似た措置を検討していきたいということも、おそらく大蔵省との関係だろうと思うのですが、一体大蔵省は、昭和四十一年以来の真珠の不況の問題についてどういうふうに考えられ、また、これまでどういうふうな手が必要であり、これからどういうふうにやろうというふうに、特に農林水産関係の担当の主計官は十分勉強しておられると思いますので、それらの点の事務当局、主計段階におけるところの考え方というものを、簡潔にお話し願いたいと思います。

松下康雄大蔵省主計局主計官

○松下説明員 真珠業界の実情につきまして、また、これに対する国としての助成対策の考え方につきましては、かねてから水産庁から話を聞いております。また、最近におきましては内容も具体化してまいりまして、私どものほうと現在折衝中の段階でございます。私どもも、いろいろこの水産庁のお話なりその他各界からのお話を承りまして、真珠業界の問題につきましては、根本的には、先ほど来お話がございますような有効な生産調整、品質の向上ということによりまして、業界自体の力を回復していくということが大筋であろうと存じております。  これに対しまして、その有効な手が打てて事態が回復するまでの間、つなぎ的な考え方におきましてどういう措置が必要であるかという点につきましても、これは予算の面のみならず金融の面にも関係がございますので、私どもの省内の担当の部局と私どもとの間で、現在種々打ち合わせをやっております。また、水産庁の御意見もそのつど伺っておるわけでございますが、結論が出ますには、まだいましばらくの時間がかかると思いますけれども、業界の回復が行なわれますまでの間、国といたしまして、金融の面におきましてどういう有効な措置がとられるかという点にまず問題がございまして、この金融の面の姿がきまりました段階におきまして、しからば、それが財政の面におきまして何らかの負担を必要とすることになるかどうかという点につきまして、鋭意検討いたしたいと思っております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 若干個別的な問題で簡潔にお尋ねをしたいのですが、まず調整保管問題。  八月十日の私の質問の段階では、去年は約六千貫の調整保管、ことしの場合は、業界では当初四千貫といっておりましたが、ことしの調整保管の上積みは、先ほどの御報告にもありましたようにもっとふえるだろう、こういうふうに判断をしているわけですが、一体水産庁として、ことしの調整保管の数量をどの程度に見ておられるか、農林中金から金融の措置をしてもらう場合の利子、それに対する利子補給問題というものに対する事務当局としてのプランをどう考えておられるのか、これを簡潔に説明願いたい。

森本修水産庁長官

○森本説明員 先ほどお話しがございましたように、全真連としましては、目標としては、全体の浜揚げ数量を極力全量共同販売をするということで努力をしてもらっております。そのうち、いわゆる調整保管を要するものは幾らかということでございますが、目下の目標としては、先ほどもお話し申し上げたかと思いますが、四十二年産のものを含めまして大体一万二千七百貫くらいというのが当面の目標になっております。もちろん、これは共同販売にのぼってきますところの数量が具体的に幾らになるかということによって、結果的には多少違ってくるかと思います、生産の数量の押え方もこれからでありますから。しかし、目標としてはそのくらいの数量というふうに思っておるわけです。  それから中金からの利子でありますが、現在私どもが予算で計算をいたしておりますのは、それに対して八分五厘、そういう予算を大蔵省へ出しております。全体としては、年間八億くらいになるかと思います。それを国のほうが三億、それから地方が三億、あと業者のほうで自主的に負担をしていただくというふうな配分で、大蔵省に予算要求として出しておるというのが現在の進捗状況でございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 この調整保管の利子補給の場合に、地方自治団体の利子補給問題、これは地方財政の問題ともからむわけですけれども、当然明年度は漁業近代化資金の創設ということをやらなければならぬわけですが、それをやるとすると、結局これもおそらく政府としては、国はもちろんでありますけれども、地方自治団体にもしかるべく負担をしてもらうというものが、来年の段階においては、真珠の関係県が相当広がっておりますから、そういうものが重なっていく。したがって、国がもう少しウエートを置いて地方自治団体の負担を軽減する。さらに、本来ならばもうことしあたりは利子補給をやっていなければならぬにもかかわらず、それがおくれておるというふうな点等も考えたら、やはり最初のすべり出しは国と地方自治団体で持って、業界の負担はやらなくてもよろしいというふうな考え方から出発すべきじゃないかと思うのですけれども、特に漁業近代化資金の創設問題とからんで、大蔵省としては、今後地方自治団体の地方財政問題というものを、どういうふうにこれらの問題の処理にあたって考えようとするのか。これはいかがです。

松下康雄大蔵省主計局主計官

○松下説明員 地方団体の負担の問題につきましては、国と地方の財政負担全般をどういう基準で来年度考えていくかという基本的な問題があろうかと思っております。私も、自分の所管ではございませんけれども、部内におきまして地方財政の担当部局と連絡をとりまして、その点につきましては検討をいたしておる次第でございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 すそ玉の廃棄問題。御承知のようにことしの場合はすそ玉四割を想定して、これを無償で全真連に供出をさせるというふうなことで粗悪品の廃棄をしていこう。これは私、夏場の段階でヨーロッパに行って、真珠が非常に重大な問題であるので、真珠関係のヨーロッパの状態はどうか、ジェトロの関係者とも話し合う、あるいは店舗に出ておる真珠が優良品が出ておるのかあるいは粗悪品が出回っておるのかということを見てみますと、スイスとかあるいはドイツは別として、その他の国々ではわりあいに粗悪品というものを店舗で見ることが多かったですね。いわゆる宝石に準ずべきパールの評価を、粗悪品が放出されることによって落としていくということは、絶対にこれは避けなければならぬ。だとすれば、やはりボーダーラインのものも含めて粗悪品は廃棄するということが、この機会に一つの方策として必要である。ことに過剰問題というものを控えておる今日の状況の中では、やはりそれを思い切ってやるべきであるということになれば、真珠全体の地盤沈下の中で非常に四苦八苦しておるそういう関係者にやってもらうわけですから、この機会にやはり助成問題というのをどうしてもやってもらわなければならぬじゃないか、こう思うのですけれども、先ほど水産庁の長官のほうでの、検査その他の方法で若干カバーをするというふうなことでは、すそ玉の全体の生産の中における比率等から見てもこれは不十分ではないか。率直にいって、当面の緊急対策としてはすそ玉の助成、あるいは母貝は、実際に生産調整をやっておりますから母貝が余ってくる。これの廃棄に対する助成、この二つは、緊急対策の柱として当然真剣に考えてもらわなきゃならぬのではないか。

森本修水産庁長官

○森本説明員 不況の大きな要素は、先ほど来お話のように、全体の数量が、需給関係がやや供給過剰になっておるということと、それから品質が低下をしてきておる。品質が低下をしてきておるという点については、もちろん行政庁自体もかなりな指導上努力をしなければならぬことは当然でありますけれども、やはり第一段には、それぞれ生産をし、販売をしていただいておるところの業界の方々の自主的な努力にまつべき性質のことが多いのではないかという感じがいたしております。したがいまして、下級真珠が出てきましたときに、自発的にそういうものを審査し、廃棄をするという措置をとっておられる。これに対して国がどういう援助をすれば適当であるかということが、性質としてはきわめてむずかしい問題だと私は思うのです。確かに業界の方々は、不況下におきましていろんな負担が累積をいたすわけでありますから、きわめて採算的に苦しい、経営的に苦しいということはよくわかっておりますけれども、やはり私どもが、財政援助というものはいかなる性質のものに対してするのが適当であるか、あるいは許されるかというふうな観点から農林省として検討をいたしますれば、そういった下級真珠を廃棄するものに対して国が買い上げをするとか、あるいはそれに対して国が補助金を出すとか、すそ玉そのものに対してということは、他の助成制度との関連からいってもなかなかむずかしいのではないかというのが、現在私どもの抱いておる感じでございます。そういうことを先ほども申し上げたのであります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 時間の関係もありますので、私、議論をしようと思いませんが、粗悪真珠の対策そのものは業界自身の問題が中心である、こう言われましたが、これは漁場の状態を見てみると、私どももある程度相談を受けたり要請を受けたりしますが、たとえば、瀬戸内海番ノ州の埋め立てで、汚水によるあの地帯の真珠養殖に被害が出てくる、あるいは長崎県の大村湾に参りましても、あちこちに工場汚水その他の問題が出てきて、長期展望に立って真珠養殖漁場にどういう影響を与えるのか。もちろん病虫害問題もありましょう。また、三重県の英虞湾の場合でいえば、漁場の老朽化に対する積極的な漁場の改良というものに手を打っているのかというふうなことがあるのであって、いわゆる真珠の粗悪対策の問題は、業界自身の問題が中心であると言うのは、行政の責任の回避じゃないですか。したがって、そういう問題も含めて、同時に、先ほども指摘したように、当面のように粗悪品が海外に出ていくということになれば、真珠そのものの評価を下げる。そこで、全体的にはやはり輸出が停滞をしておる。したがって、生産は過剰傾向にある。これをストックしなきゃならぬというのであれば、思い切ってボーダーライン以下のいわゆる粗悪品を廃棄をする。それには、真珠産業全体が地盤沈下の状況であるからして、それに対して有効な手を打つ、これは行政として当然のことじゃないですか。

森本修水産庁長官

○森本説明員 公害が起こりまして、真珠に被害があるといったような問題については、それはそれとしての対策が講ぜられるべきだと思います。また、直接公害ということでなしに、漁場が老廃化いたしまして生産力が落ちるというふうなことについては、私どもとしても浅海漁場の開発、改良といったようなことで調査をし、それぞれ必要な地区には必要な事業を興してはどうかということで対策をとろうというふうに思っております。  ただ、私が申し上げましたのは、そういった条件下におきまして、業界としても自己の商品を海外に輸出するということでありますから、一定の品質の保持ということは、やはり業界の方の自主的な責任においてやっていただくという性質のものではないかというふうに思っているわけであります。全体の漁場の生産力が落ちるといったようなことについては、それ相当の対策は私どもとしても今後打っていきたいと思っておりますけれども、個別の商品の品質の保持あるいは下級真珠の廃棄といったようなことについては、やはり第一段は業界の責任においてやっていただく性質のものではないかということで、私どもは目下考えておるということを申し上げておる次第であります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 あと一問で後ほどの大臣の質問のほうに譲りたいと思いますが、先ほどもちょっと触れましたけれども、ここにおられる坂村さんとヨーロッパへ参りましたけれども、真珠の場合は約七割が輸出をされる。したがって、バイヤーの手に渡ってあちらで販売をされる場合は日本の商社自身の手にはない。ユダヤ系統の販売店が多いかどうかは別として、そういう状態の中で海外で真珠がそれぞれの地域で売られていく。だとすれば、やはり日本の立場からすれば、ジェトロあるいは業界自身も協力をした真珠の世界的な販売の強化という点では、宣伝啓蒙というのが一つの重要な要素になる。私もヨーロッパへ参りましたときには、ジェトロの諸君ともいろいろ話し合い、またジェトロはジェトロなりに努力はしておりますけれども、まだまだ不十分である。そこへ持ってきて、宣伝啓蒙の場合に業界もある程度の応分の負担をしておったわけですけれども、業界全体がやはり非常な地盤沈下であるというふうな段階においては、一方では啓蒙宣伝が強化されなければならぬので、そのための予算もさらにふやさざるを得ない反面、業界が応分の負担といっても、それに十分たえ得ないというふうな段階における手をどういうふうに水産庁として打とうとするのか、これについて考え方を承りたい。

森本修水産庁長官

○森本説明員 従来、ジェトロにおきまして、そういった海外の需要の喚起あるいは市場の調査といった、要するに海外の真珠の宣伝活動事業というのをやっているわけですが、先ほど言われましたように、業界のほうで従来負担をしておりましたそれが、こういう時勢でありますからなかなか負担が苦しいということで、業界自体のジェトロに対する負担は落ちていく状況でございます。四十二年に比べて四十三年は、確かにそういうふうなかっこうになっております。国のほうももちろん財政の限界がございますが、そういった状況でありますから、できるだけ国庫負担の分をふやしたいということで、四十二年に比べまして四十三年は、ジェトロに対するそういった関係の国庫負担をふやす努力をいたしております。そういったことでありますから、今後もできるだけそういう線に沿って、海外の宣伝費の増額については引き続き努力をしていきたいというふうに思っております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 せっかく大蔵省からもおいででありますし、午後大臣にも御要請申し上げるつもりでありますが、何といっても一昨年、昭和四十一年以来の不況対策に対する政府あるいは水産庁、全体としては農林省といったらいいのでありましょうが、そういうものの適切な手というのは、率直にいっておくれている。緊急に必要な手から打たなければならぬ。抜本的には、昭和二十七年のいわゆる生産量の非常に低い段階から始まっていった真珠養殖事業法の法改正そのものの問題が、長期展望の中では重要だと思いますけれども、当面の、私どもの選挙区でも自殺者が出てくるといったふうな深刻な事態の中で、緊急な手というものはてきばきと打っていかなければならない。近く臨時国会も開かれますし、また、通常国会も引き続き開いていくという中で、年内にやり得ることは何か、来年通常国会以降で処理する問題は何かというふうな点については、時期を失せずやっていくというかまえで大蔵省も受けとめてもらいたいし、また、農林省自身もそういう姿勢でやはり真剣にやってもらいたいということを要望いたしておきます。  以上で終わります。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人には、御多用中のところ長時間御出席いただきましてありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。     ─────────────

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 引き続き質疑を続行いたします。樋上新一君。

樋上新一公明党

○樋上委員 日中漁業協定についてお伺いいたすのですが、その期限切れはいつですか。

森本修水産庁長官

○森本説明員 日中漁業協定のほうは、本年の十二月二十三日以降は、事態の発展を見て再び協議するということに協定はなっております。

樋上新一公明党

○樋上委員 その後の対策はどうなっているのか。その期限切れの対策というものに対して、どういう考えですか。

森本修水産庁長官

○森本説明員 これは、御承知のように民間の漁業協定ということになっております。それから昨年も、ざっくばらんに言いますと、期限のぎりぎりまで延長についてはなかなかめどがつかなかったというふうないきさつがございまして、ちょうどその期限切れの直前に延長問題は妥結をしたといったようなことで、例年まぎわまでなかなか見当がつかないというのが、どうも最近のならわしのようになっておるようです、はなはだ残念でありますが。  そこで、私どもとしましては、一つは、できるだけ中国のほうから、私どもの協定順守についての姿勢を非難されないというふうな形でものごとを運営していくことが、延長問題にも有効ではないかということで、できるだけ協定の侵犯がないように、役所としても取り締まりなり監督をしておるというのが一つと、それから、民間の側では早急に代表者を派遣いたしまして、延長の交渉をしたいということで努力をなさっておるようであります。私どももそういった線がよかろうということで、間接的に援助はしておりますけれども、何ぶんこういった性質の協定でありますので、まだ向こうから正式に来てくれというような通知が来ていないということでございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 協定水域は、そこはいわゆる漁獲物の宝庫だといわれている。ですから漁獲物の実情、そういうものはどうなっておるのですか。つまり、日本よりの出漁船並びにその量。

森本修水産庁長官

○森本説明員 この関係の水域に出漁いたしておりますのは、いわゆる以西底びきという種類の漁業でありまして、大体現在は山口県から九州にかけてその関係業者が多い。全体の隻数としては、約七百隻くらいということになっております。いま最近の漁獲数量をちょっと調べておりますので、後ほどお答えいたします。

樋上新一公明党

○樋上委員 いま民間協定で交渉しているけれども、なかなかむずかしいというようなことで、政府もいろいろ考えておるのだろうと思いますが、なかなか向こうも返事をしてこないということは、難航していると思うのですが、もしこの協定が断絶した場合、漁民の死活問題となる深刻なものがありますが、政府はこれらの漁民に対してどのような具体的な処置を考えていらっしゃいますか。

森本修水産庁長官

○森本説明員 私どもとしては極力、現行の協定が延長されることを希望いたしております。業界もそのような線で努力をいたしておる段階でございますので、切れた場合のことは、ちょっといまお答えをいたしかねます。できるだけ現在の協定が続くように政府としても努力をいたしたいし、業界としても努力を続けるであろうと思います。

樋上新一公明党

○樋上委員 これはよほど重大な問題でございまして、いま難航しておるということは、日本の政府が日中友好関係に対して非常に好感を持っていない。それがために、もし断絶した場合のことを考えますと、私はこれは相当な問題になってくるのではないかと思うのですが、そうなってきますと、安全操業は保障されないことになってくる。また日中関係が正常化してない今日、こういう場合には乗り組み員も捕獲の危険が伴ってくるし、そして操業自体にも支障を来たしてくるのではないか。宝庫だといわれておるそこに働くところの漁民の死活問題は全く重大になってくる。ですから、これはうまくいかない、だから交渉しているということではなくして、全力を傾注してこの協定を成功させなければならない。  そういうときに、それがうまくいかなかった場合のことを考えておらないというようなことでなしに、絶対これを政府が協力してやってもらいたい、こう思うのですが、どうでしょう。もう一ぺん重ねてお伺いします。

森本修水産庁長官

○森本説明員 先ほどお答えいたしましたとおり、私どもも協定の存続を熱望いたしております。また、関係業界のほうもさように鋭意努力を続けておるということでございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 交渉が順調に進行していない、根本的な問題がそこにあると思うのですが、この点いかがですか。

森本修水産庁長官

○森本説明員 先ほど申し上げましたように、一年の短期ごとにやるあれでございますので、交渉が難航しているというふうに受け取っていいのかどうか、これもちょっとよくわからないわけであります。例年、この協定の期限の最終段階になって、いろんなことがありまして延長になるというふうな形でありますが、現在の段階におきましてはかなり期限が切迫いたしております。また私ども、かなりむずかしい問題があろうかと思いますけれども、極力、現在の協定が延長になるように努力いたしております。

樋上新一公明党

○樋上委員 民間の協定でございますから、政府がうまくいくようにと、そういうことを思っていらっしゃるのですけれども、これは政府間協定を望む声が、関係者やまた多くの国民の中にあるのでございます。その問題を根本的に解決していくには、どうしても政府間交渉をすべきだと思うのですが、政府はこの点をどう思っていらっしゃるか。これは農林大臣にお聞きしたかったのですけれども、お見えになりませんので、あなた、わかっている範囲でお答えいただきたいと思います。具体的にどういう対策を講じていくか、民間の協定だからというて側面から成功を祈っているのではなしに、政府間協定をしてこれをやっていく、こういう点どうでしょうか。

森本修水産庁長官

○森本説明員 現在のような日中の関係にありますから、やはり民間協定というふうな形で、当面は延長をはかっていくということが現実的ではないかというふうに思っております。

樋上新一公明党

○樋上委員 政府としては、政府間協定をやるというお考えはないのですか。民間にまかし切りにしておくというだけですか。

森本修水産庁長官

○森本説明員 重ねて同じようなことをお答えするようになりますけれども、現在の日中の置かれておるいろいろな環境からいいますと、民間協定を存続していくということが、最も現実的な解決方法ではないかというふうに思っておるわけであります。

樋上新一公明党

○樋上委員 最後にもう一言念を押しておきますが、来月の二十二日が期限切れになっておる。それまでに、あなたの見解としては、うまく協定が継続されるとお思いになりますか。

森本修水産庁長官

○森本説明員 延長するように希望しておるということでございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 今度はちょっと問題を変えまして、この点はあなた、お答えはどうかと思うのですが、小笠原諸島でとれた魚が東京に出荷早々毒魚騒ぎを起こしておる。それで消費者を不安におとしいれておりますが、その実情について御存じでございましょうか。

森本修水産庁長官

○森本説明員 小笠原のほうで、第一回に中央卸売市場に入荷をいたしました際に、数種の魚が混入をしておりまして、それが、東京都の中央卸売市場におりますところの衛生検査所で検査をいたしまして、その結果、一応販売が取り押えられておるということを聞いております。  これらの魚は、地域あるいは時期によりましては有毒性のものであるということでありますが、具体的にそこに入ってまいりましたその魚が、はたして有毒であるかどうかというのは、目下動物実験中――これは厚生省でありますが、実験中でありますので、その結果を待たなければ判明をしないということのようであります。ただ、その結果を待つまでは販売が停止されておる、そういう状況であると私どもは承知しております。

樋上新一公明党

○樋上委員 厚生省の係官を呼んでおるのですけれども、時間が間に合いませんのであなたにお伺いしておるのですけれども、毒魚の鑑定ですね。この鑑定が、全く検査方法が前近代的なお粗末なものになっているのです。最も科学的に進歩している現在の世の中に、この毒魚が国民の食卓にのぼったらどんなことになるかわからないのに、その検査方法においては、ネコに食わせてその反応を見ておるというようなことをやっているのです。これは全くばかげた話です。ネコに食わしてそうしてそれが毒があるかないか、そんなことを現在やっているということを御存じないでしょう、あなた。

森本修水産庁長官

○森本説明員 これは、厚生省のほうの食品衛生の関係で検査をするわけで、実は私どもどういう検査の内容になっておるのか、ちょっと存じません。

樋上新一公明党

○樋上委員 この点につきましては、いろいろお聞きしたいと思いまして、厚生省のほうを呼んでおるのですが、時間が間に合いませんので、この質問は厚生省の食品衛生課のほうがいいのですけれども、現在そういうことをやられておるということだけ知っておいていただきたい。こんなばかげたことをやられては国民はたまったものじゃない、小笠原の魚が毒であるか毒でないか。今後全世界に漁場を広げていかなければならないが、それがだれでも考えている科学的な検査方法でやってもらえているだろうと思っているのに、こういった方法でやられているということは、全くおそろしいということだけを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 坂村吉正君。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 私は、わずかな時間でやりたいと思いますので、政府委員のほうもひとつ要点を簡単に答弁をしていただきたいと思います。私が質問しようとするのは、肥料の問題であります。御承知のように、三十九年に肥料価格安定等臨時措置法という新しい法律を制定しまして、五年を経過しておるわけですが、来年の七月にはおそらくはその期限が切れるんじゃないかと思います。で、その問題を中心にして、要点だけひとつ率直に簡明に指摘したいと思います。  五年間近くになって、この肥料の法律のその後の経過でございますが、これはいまいろいろ農村を歩いてみても、肥料についての文句は、農村の側からあまり出ておりません。これはほんとうの姿だろうと思うのです。でございますが、この法律は、御承知のように肥料生産の合理化を進めると同時に価格の安定をはかっていく、また、輸出産業として非常に大きなウエートがありますから、国内消費と輸出の調整をうまくやっていく、こういうことが大体ねらいだったと思うのですが、いままでこの法律を実施いたしました実績と、それから農林省としてのこれに対する評価、どういうぐあいに見ておるか、これを簡単にひとつお伺いしたいと思います。

太田康二農林省農政局長

○太田説明員 肥料を含めましての農業の資材対策は、やはり需給の安定を通じて価格の安定をはかるということにあろうかと思いますが、新法を昭和三十九年肥料年度から実施いたしまして、本年の四十三肥料年度まで五カ年間になっておるわけでございますが、その間の需給を見てまいりますと、国内需要は、御承知のとおり、年率約四%程度で着実な伸びを示しておりますし、また、先生おっしゃいましたように、輸出のほうは年率二割程度の増加を示したのでございますが、法律に基づきますところの需給見通しの適切な運用によりまして、国内需給上何ら不安はないということで推移をいたしてまいったのでございます。  そこで、価格の問題でございますが、やはり新法の精神といたしまして、硫安工業の合理化ということは進めてまいっておるのでありまして、昭和三十九肥料年度から四十三肥料年度までの五カ年間に、四十キログラム一かます当たり六十円の引き下げが行なわれておりまして、いわゆる肥料二法当時の後期五カ年における値下がり額五十四円に比べますと、六円値下がり額が上回っておるというような実情でございます。しかもその間におきまして、価格決定にあたりましては、三十九年から四十一肥料年度の三カ年、あるいは四十二、四十三年の二カ年というような長期協定になっておりまして、肥料価格の低位安定という肥料行政の目的に、十分貢献したところが大きいということでございます。しかも、価格の取りきめにあたりましては、政府が法律上認められております調停行為というようなことの発動もなく、必要な資料交付は行なったのでございますが、これに基づきまして、相互間の自主的な努力によって円滑に価格の取りきめが進められたというふうに理解をいたしております。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 国内消費のほうの需給の問題についても非常に安定しておるし、それから価格も、その前の法律の時代に比べて相当大幅の引き下げが行なわれた、これは非常にけっこうなことだと思うのでございます。そのもとには、硫安工業の合理化をどういうぐあいに推進したかという問題があると思うのです。これは通産省の所管ですけれども、わざわざ通産省を呼ぶこともないので、農政局長、当然その問題を基礎において肥料行政をやっておると思いますから、その第一次合理化計画と、それからことしから第二次合理化計画に入っておるんじゃないかと思うのですが、そのいままでの推移、それから効果、これを、大ざっぱでいいですから、ひとつお示しいただきたいと思います。

太田康二農林省農政局長

○太田説明員 先生御指摘のとおり、昭和四十年の三月に通産省の行政指導によりますところのアンモニアの設備調整要領によりまして、いわゆる第一次のアンモニアの大型化計画が進捗をいたしたのでございまして、その内容は、四十二肥料年度を目標にいたしまして、日産一系列五百トンのプラントを基準に六社、したがって三千トンになるわけでございますが、六社がそれぞれ新増設に着手をいたしまして、すでに四十二肥料年度に全部建設を完了いたしまして現在稼働中でございまして、この六社の増設分を含めました生産能力は、四十二肥料年度におきまして、硫安換算千百七十二万トンということに相なったのでございます。  第一次計画を四十二肥料年度に完成いたしたのでございますが、その後、先生御承知のニトレックス等の欧州の国際的なカルテルが中共に安値輸出をいたしました。これが発端になりまして、国際的にアンモニアの施設の大型化というものが焦眉の急になってまいりましたので、こういったことに対処し、国際競争力を強化するということのために、引き続き日産一千トンを基準とするアンモニアの生産施設の大型化に踏み切る必要が認められるに至ったのでございまして、このためアンモニアの第一次大型化計画に引き続きまして、通産省におきましては今年の一月にアンモニアの設備調整要領を策定いたしまして、昭和四十六肥料年度を目標にこの実現をはかるべく、目下指導中でございまして、現在すでに五社がこの工事に着手をいたしておるのでございます。  こういったことになりますと、現状におきましては、アンモニアの設備日産九千トンのうち、五百トン以上のものが約三分の一を占めておるのでございますが、第二次大型化計画が完成される暁におきまして、四十七年六月末でございますが、その時点におきましては日産約一万二千トン、そのうち四分の三以上に当たりますところの九千トンが、これが日産五百トン以上の大型新鋭の設備によって生産がになわれるということになるわけでございまして、それによりますところの合理化というものは、かなり大きく見込まれるのではないかという期待をいたしておるのでございます。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 国際的ないろいろな情勢を見れば、思い切って合理化を進めてまいることは当然なことだと思うのですが、その第二次合理化計画が完成したあとは、大ざっぱにいって、大体どのくらいのコストの引き下げができるのか。これは、いま具体的に見当がつかないかもしれませんが、大体どんなところを考えているんですか。その辺はわかりませんか。

太田康二農林省農政局長

○太田説明員 いろいろな要素もございますので、現在の段階においては、ちょっと見通しは困難ではないかというふうに考えております。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 そういう全体の情勢のもとに、今後化学肥料を安定さして、国内的にも、総合農政という非常に大きな立場に立って、資材の安定供給をはかっていくということは非常に大事なことだろうと思うのです。そういう意味では、この肥料価格安定等臨時措置法の、いままでの五年間の効果というものはわりあいにあったと思うのです。そういう意味で、来年の七月にこの法律が切れたあとどうしたらいいかというような問題については、いままでメーカーの間あるいは需要者としての農業協同組合、それから商人系統の団体、そういうような各関係の間との話もしているのではないかと思うのです。農林省の考え方と各関係業界の考え方について、いままでの経過をひとつ報告していただきたいと思います。

太田康二農林省農政局長

○太田説明員 現行法が、内需の確保とか国内価格の低位安定、あるいは輸出体制の一元化というようなことを主眼とする内容の法律でございまして、先ほど新法施行以来の運用状況についてのお話をいたしたのでございますが、やはり新法は新法なりにりっぱにその使命を果たしてまいったというふうに評価をいたしておるのでございまして、御指摘のとおり、昭和四十四年七月末までに現行法を廃止することに相なっておるのでございます。  そこで、その後の取り扱いの問題に相なるわけでございますが、われわれ寄り寄り、私のほうの消費者の代表でございますところの全購連、あるいは全肥商連等の意見も聞いております。それから通産省の側で、肥料メーカーの意見も聞いているようでございまして、最終的にまだ結論は出ていないわけですが、そういった意味で今後どういたすかという点につきましては、肥料をめぐる今後の情勢の推移、あるいは関係業界の意向もさらに突っ込んで聞いた上で、ひとつ対処してまいりたいということで、目下政府部内において検討中、こういう段階でございます。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 私の考え方からすれば、これは五年前の法律ではありますけれども、わりあいに法律としては効果のあった法律であろうと思うのです。しかもその間に、団体間あるいはメーカー間のいろいろな問題も一つも起こっていない。非常に円満にこの法律は運営されてきているわけです。農家に対しても相当の効果をもたらしてきているのではないかと私は思うし、硫安工業方面のメーカーの合理化についても、これは非常に思い切った施策が講じられてきているというふうに思うので、これはいまの情勢で、来年の問題ですけれども、今後の情勢を考えれば、やはり引き続いてこの法律を延長して、そうしていままでの施策を充実して推進していく、こういうことが大事じゃないかというふうに考えますけれども、これについての局長の考え方はどうですか。

太田康二農林省農政局長

○太田説明員 先ほども申し上げましたように、消費者団体の側では多少ニュアンスの違いはございますが、現行法の存続につきまして、さらに引き続き存続をさせてもらいたいというような意向が私のほうに出ております。メーカー側の意向として、これは通産省が担当されておりますので、直接われわれメーカー側の意向を聞いておりませんが、私といたしましては、私のほうのサイドの御意向はよくわかったわけでございますから、通産省とも打ち合わせいたしまして、至急結論を出してしかるべく対処したい、かように考えております。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 最後まで詰めてないようですけれども、農林省の気持ちとしてはこのまま延長したい、こういう考え方を持っているわけですね。

太田康二農林省農政局長

○太田説明員 一応私のほうの――私のほうといいますか、少なくともまだ最終的に農林省としての意思決定はいたしておりませんが、私の段階におきましては存続の意向、いわゆる前向きの方向で検討したい、かように態度を決定いたしておるのでございます。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 それでは、十分たちましたからこれで終わりますが、あと三十秒ひとつ……。化学肥料の生産の状況を見ますと、これは御承知のように、昔の硫安のウエートから、尿素に非常に大きなウエートがかかってきています。これは大体、窒素肥料においても中身が変わってきているのではないかと思うのです。そういうことを考えますと、私は今後これは政令の問題であり、行政府の問題ですけれども、硫安だけを特定肥料としてこういう法律で扱っていくのがいいのか、あるいは尿素も一緒に考えていくべきではないか、こういう事態に来ていると思うのですが、これについては、いまのところ農林省内部ではどういうぐあいに考えておるか、簡単にお答え願いたいと思います。

太田康二農林省農政局長

○太田説明員 やはり尿素が、御指摘のとおり、生産におきましても消費におきましても非常に大きなウエートを占めてきているという新法制定後の経緯も十分承知いたしております。消費者サイドのほうからは、もし新法の延長というような暁においては、尿素も対象に今度は政令で加えてもらいたいという話も十分聞いておりますので、十分検討の上対処いたしてまいりたいというふうに考えております。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 これで終わりますが、きょうの質疑応答を十分頭に置いて、そして通常国会までに、その局長の答弁の線に沿うて、ぜひ準備をひとつすみやかにやってもらいたいと思います。  終わります。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 午後一時三十分に再開することとし、これにて休憩いたします。     午後零時三十分休憩      ────◇─────     午後一時四十六分開議

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  午前に引き続き質疑を続行いたします。佐々栄三郎君。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 この十月の二十四日に、香川用水の着工が行なわれたわけであります。この香川用水は、吉野川総合開発に基づきまして、農業用水、工業用水、上水道用水、この三つを香川県へ引くという、総額二百六十億円という巨額を投じまするところの、香川県としてはいまだ例のない大事業でございます。  この事業に対する香川農民の反応はどうかと申しますと、これが約三万町歩の耕地、農業戸数にしまして約六万戸これだけのものに対して関係があるわけなんですが、御承知のように、香川県は弘法大師の昔から満濃池をはじめとしまして大小約二万個のため池がございます。これに対して、ため池の維持、改修にいままでずいぶん金をかけてきたわけです。それだけでなく、これらの池から引く水路、かんがい施設なんかにつきましても、今日まで県営あるいは団体営によりまして、非常な低率補助で多くの投資を香川県の農民はやってまいったわけであります。昔から水に非常に苦労いたしましただけに、この水に対して、他県の方からは想像のできないような非常な犠牲を払ってきたわけであります。  そういうわけでありますから、今度のこの香川用水に対する農民の反応はどうかというと、いままでずいぶん水についてはやってきたので、いまさら香川用水についてたくさんの農民負担をしなくても何とかやっていける。事実干ばつのときでも、そうたいした被害はそのためにないわけであります。むしろ一般の農民の間には、工業用水と上水道用水が非常に必要とされているのではないか、そのために国補の率の高い農業用水が利用されているのではないかというような気持ちを持っている者もあるわけであります。  そこで、御承知のように、この香川用水というのは、いわゆる水資源開発促進法に基づきまして行なわれるわけでありますが、この十月一日から、例の愛知用水公団というものがなくなりまして、これが水資源公団に吸収される。これは五月ごろの国会で可決、通過をしたはずですが、そのことに関連をしまして、私がまず冒頭に申し上げたいと思いますのは、農民は、これは農民に限りませんけれども、なるべく負担を少なくしてもらいたいというのが当然でございます。ところが、五月の国会における建設委員会で、この水資源開発公団法の改正が議題になりまして論議をされた。速記録を見てみますると、宮澤経済企画庁長官、あるいは水資源局長なんかの意見を読んでみますると、水資源公団は非常に辛い、それから愛知用水公団方式によると甘い、こういうことをしばしば論議をされておるわけです。今度、もちろん香川県の香川用水は水資源公団、いわゆる辛いほうが適用になるわけなんですが、きょうは私は、実は経済企画庁長官とかあるいは農林大臣にお伺いをしたいと考えておったのですけれども、おられませんからやむを得ませんが、香川県としては、甘いほうでやられるか、辛いほうでやられるかということについては非常に大きな問題でありますので、まず初めにお聞きしたいのは、一体どういう点が辛くて、どういう点が甘いのかということについて、御意見をお聞きしてみたいと思うわけです。

小榑康雄開発局参事官

○小榑説明員 ただいまお尋ねのありました、水資源公団の事業のやり方が辛くて、愛知用水公団のやり方は甘いということでございますが、これにつきましては、愛知用水公団事業としまして行なわれましたものは、国営分のみならず、県営、団体営まで含めて行なわれた。それに反しまして、水資源開発公団法は、たてまえといたしまして国営相当分だけを行ないまして、県営、団体営については、それぞれ県なり土地改良区でもって行なわれるということになっております。この点を論議されたものというふうに思うのでございます。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 そこで、先ほど申しました建設委員会、これは衆議院及び参議院、両院の建設委員会における宮澤長官の発言なのですが、木曽あるいは三重、いわゆる濃尾第二期工事といわれるこれから行なわれる工事については、在来の方式をかなりの程度にやっていく、こういうことを言っておられる。ほかのところではもう少しはっきりと言っておられるのでありますが、ここで私がお聞きしたいのは、在来の方式をかなりの程度にやっていくというのは、いわゆる甘いところの愛知用水方式をやっていくことなのですか。それならば、豊川用水あるいは愛知用水に対して行なった甘い部分を――その甘い部分をあとでもう少しお聞きしたいのですが、どの程度に、そのままそっくり三重及び木曽川の用水に適用してやっていかれるのかどうか。  この点をお伺いすると同時に、もうすでに愛知用水公団法というものはなくなっております。そして事業そのものも、水資源開発公団によって濃尾第二期工事は行なわれるわけです。行なう機関もそうでありますし、法律も、同じく水資源開発二法、このもとで香川用水も行なわれる、それから三重あるいは木曽の用水も行なわれるにかかわらず、一体なぜそういうような差別的なことを行なわれるのか、その行なわれる理由についてお伺いしたいと思うのであります。

小榑康雄開発局参事官

○小榑説明員 ただいま御指摘がありましたように、愛知用水公団が本年十月に水資源公団に統合合併されまして、そうしてこの陣容は、すべて水資源公団の中部支社の職員ということになったわけでございます。それで、同じ愛知用水公団の職員の手によって今後行なわれます木曽川総合と三重用水につきましては、これは国営だけでなくて、県営部分まで水資源公団の事業として行なわれるようになったわけでございます。  この理由は、愛知用水公団が解散するのに際しまして、これを解散しないで木曽川総合、三重用水を愛知用水公団の手によってやってもらいたいという地元の相当強い要望がございましたけれども、結果的には、水資源公団に統合されるというようなことになりまして、この制度の急変を避けたいというような趣旨から、県営までは水資源公団の手によって行なうということになったわけでありまして、その他の地区につきましては、現在施行中の群馬用水あるいは福岡県の両筑用水というようなものは、在来の国営部分のみを水資源公団の事業として行なっておる次第でございます。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 そういう御答弁は、先ほど申しました会議録でも拝見をしておるのです。拝見をしておるが、私はそれが納得できないからいまあらためてこれを問題にしておるわけなんですが、従来あの近くで豊川用水あるいは愛知用水をやって、それをごく近いところで見ておった、甘いところを見ておっただろうから、今度水資源公団に統合することになっても、従来のやり方を変えて辛いのでやるということはどうもやりにくいのだということなんですね。  しかし、これをよく考えてみると、同じ水資源開発二法のもとで行なわれるのでしょう。そういうことを考えてみても、私は、その法律のもとで平等に扱われるのが原則だと思うのです。そういうことによって差別的に扱う理由というものは私はあり得ないと思う。それから、後ほどいわゆる豊川、愛知用水方式というものの甘さというものについて、もう少し御質問なり私の意見を申し上げたいと思うのですが、それを比較いたしますと、同じ法律のもとにあって、一方に対しては従来のいわゆる甘い愛知用水方式を適用し、香川用水については全然考慮を払わぬ、辛いのでやるのだという、そういうところの納得し得る根拠を見出すのに私は実は苦しむわけなんです。国庫補助の問題にしても、一括方式によるいろいろな利益の問題にしましても、国庫補助というのは同じ税金の中から行なわれるのです。同じ立場のものが、一方は、ただ近くだからというので国民の税金を多額に得られる、一方は、それを少なくしか与えられぬということは、私どもとうてい納得できない。これは香川用水が納得できないだけでなしに、今後この水資源開発公団法によって事業を行なうところの各県において問題になってくると私は思うのです。その点について、私はもっと納得し得るような御説明をいただきたいと思うのです。  ついでながら、私は、宮澤長官がこの問題についてことしの五月十六日、参議院の建設委員会で発言せられたところをちょっと読み上げてみたいと思うのです。こういうことを言っておられます。「木曽、三重がそうなら、今後そういう甘い条件をほかにも適用しなければ不公平になるじゃないかと言われますことは、私はそれ自身には反論することは実際できないと思うのでございますが、」反論できないんだとこう言っておる。企画庁自身としても、無理をあえておかすということを十分承知の上でこれをやっておられる。しかし、これは私は政治家として――そういうような国民の税金を不公平に使う法的根拠があるなら別ですが、ないのにかかわらず、不公平に使うということを無理を承知であえて敢行するということは、どういう考えでそういうことがやれるのか、ひとつもう一度おっしゃっていただきたい。御説明できなければ、私はいずれあとから農林大臣なり、あるいは別の機会に企画庁長官にお尋ねしたいと思うのですが、これは政治の姿勢として、国民の不信を買う根本的な重要な問題であると思いますから、あなたに御答弁ができるならしていただきたい。

小榑康雄開発局参事官

○小榑説明員 私から、十分御納得のいけるお答えになるかどうかはわかりませんけれども、ただいまの一貫施行につきましては、愛知用水公団の吸収合併に伴いまして、その付近における制度の急変を避けるというような趣旨で、木曽川総合、三重用水につきましては、県営までは一貫施行でする、愛知用水公団につきましては団体営、末端に至るまで一貫施行をしておりましたので、全く同じというわけではないのでございます。  ほかの地区につきましては、ただいまの御質問にございましたように、制度としては確かに末端まで施行することができるようになっておるわけでありまして、これは原則として、基幹施設のみ公団等によって行なうという在来の実績に基づくものでありまして、できないということは、制度の上からは申されないわけでございます。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 制度の上から、法律的にできないことをやったと私は言うておるのじゃないのです。そういうことでなしに、なぜ同じ法律のもとにおいてこのような差別的な扱いを受けなくちゃならぬのか、これを私は聞いておるのです。この問題について、香川県の議会におきましても非常に問題になったわけなんです。それで、こういうような議員の質問に対して、県当局はこういう答えをしておる。木曽、三重が豊川用水並みになった場合には、他県と相談し、これに準ずるように努力をする。要するに、こういうような不公平な扱いが行なわれるのであれば、香川県としては承知できないから、よその県とこの問題を話し合って、これから行なわれる水資源公団事業を、いま問題になっておる濃尾第二期工事と同じようなやり方でやってもらう、大きく言うなら、全国的な運動を起こしていきますぞということを言うておるのですが、これについてあなたは、こういうような事態になった場合に一体どうせられますか。そういうような不公平なことをあなた方が行なわれて、こういうように問題が発展したときに、どういうふうにこれを収拾せられますか。あなたがそれに対して責任ある御答弁ができないなら、私はあとで農林大臣に質問したいと思いますから、できるかできないか、できるなら言ってください。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 先ほど来企画庁からるる御答弁があったわけでございますが、あるいは弁解がましくなるという点もあるかと思いますが、香川用水の場合には、すでに水資源公団事業、それから国営の香川用水事業というものと関連をします県営事業につきまして、たとえば土器川とかあるいは香東川というような県営事業をすでに完成をしております。今度の事業は、一方そういう水路も使うということにもなっておるわけでありますし、新たにこの国営事業なり水資源公団の事業ができますと、同時に実施いたします県営事業あるいは団体営事業につきましても、国営事業の進捗度合いに応じまして、おくれないように現行方式の中でやっていきたいと農林省としては考えておるわけであります。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 香川の場合は、どちらかといえば県営の工事ができておる、こう言われるが、できておるところもありますし、できておらぬところもあるのです。これは三重用水、木曽川用水の場合もどこでも同じです。現実に今度の香川用水工事が、国営部分が、幹線部分が完成しましたら、それに引き続いて県営部分をやり、さらに団体営工事をやるのです。香川はいままでできておるから、県営工事の用水部分はもうないんだというような御答弁だが、そういうことはだれが聞いたって納得できないのです。ずいぶんたくさんあります。それはあとから申し上げますが、そういうようなことでは私はとうてい納得ができないのです。  いずれにしましても、この問題について事務当局のあなた方が責任のある答えをせられることは私は不可能だと思いますから、これはまた後に農林大臣の見解を聞きたいと思いますので、進めます。進めますが、ここで一言だけ申しておきたいのは、私がこういうことを言う立場は、私がこういうことを言うからといって、いまから行なわれる木曽川用水、それから三重用水を甘いやり方をせずに、香川と同じように辛いやり方をやれと言うのじゃないんですよ。これはやってくださってけっこうだし、いいことなんです。ただ、私が言うのは、三重用水それから木曽川用水についてそういう甘いやり方をやるのなら、香川用水もこれと同じようにやってもらいたいし、香川用水だけでなく、今後行なわれる、また、現に行なわれておる水資源公団の事業について、やはり公平にやってもらいたいということを言うておることをひとつ御了解をいただきたいと思うのです。そこで、これだけのことを申して――きょうは私、時間が制限されておりまして、とうてい申したいことを全部述べることができません。中途はんぱになると思いますけれども、まだ少し時間がありますから、次へ進みたいと思うのです。  それは、先ほど愛知用水方式のいわゆる甘い点について若干お述べになりましたが、私が調べたところによりますと、これはずいぶん甘いです。おそらくこれは私のほうの香川用水の関係者や、あるいは現在水資源公団の中で仕事をやっておる人が聞きましたら、あまりの差別的なやり方に憤激を禁じ得ないものがあると思うのですが、その内容については、これから時間の許す範囲で私は申し上げていきたいと思うのですけれども、まず第一に国庫補助率の問題についてお尋ねしてみたいと思う。  香川用水の国庫補助は五八%でございます。これはどういうふうな法的な根拠によったものかということをお伺いしたいと思います。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 国営事業なり何なりの補助率は、法律でぴしゃっときまっておるといいますか、むしろ予算のときに、国営事業は特別会計に属するものは五八%、一般会計に属するものは六〇%、その他県営、団体営全部予算のときにきめる。それの裏側を土地改良法によりまして、農家が負担する分を土地改良法の政令で変えておる、こういうことになっております。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 つまり、水資源開発公団法の施行令第二十七条の第二項によりますと、五八%以上八〇%以下の範囲内で農林大臣が大蔵大臣と協議して定める、こうなっておりますね。これは間違いありませんか。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 いま御指摘のようなふうに先般までなっておったわけでありますが、最近、水資源開発公団法の施行令を直しまして、八〇%以内で農林大臣といいますか、主務大臣が大蔵大臣と相談してきめる率、こういうふうになっております。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 それは、この場合の質問としてはたいしたことではないのです。この場合に私がお聞きしたいのは、香川の場合、五八%の国庫補助ですが、用水関係で、他に五八%以上の補助をいままで出したところがありますか。あればその例をあげていただきたい。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 先ほどからの御議論で出ております愛知用水公団が実施しました豊川用水事業につきまして、国庫補助率が七〇%というのがございます。ただ、これはあの地区の国営事業を公団に引き継ぎました際に、旧制度改革で一〇〇%の事業、こういうものが相当あったのでございます。一方、国営事業のかんがい排水、ちょうど香川用水の五八%に相当するものについては、五八%で計算されております。それから、なお豊川用水の場合には、県営、団体営を行なっておりますから、それは五八%の補助であったりあるいは四〇%の補助で、それを総合されまして、合計して、加重平均をして五八%以上、こういうことになっておる例がございます。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 いまおっしゃった点は、これからお尋ねをしなければならぬきわめて重要な点ですから、私はあとから質問をしますが、豊川用水の七〇%だけだというふうにおっしゃったように思うが、私の調べたところでは、青森県西津軽用水、岩手県猿石川用水、千葉県両総用水、山形県赤川用水、滋賀県愛知川用水が六〇%の国庫補助になっておるように思うのです。私の間違いでしょうか。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 いま先生の御指摘の六〇%は間違いでございませんで、いま農林省の国営事業は二つの種類がございまして、一つは一般会計で実施をする。これは工期がかなり長いものですから、従来その方法は六〇%一本でございました。それを昭和三十二年だったかと思いますが、土地改良の特別会計を実施しまして、そして工期を早めるという観点から、国庫補助の分のほかは借り入れ金でまかなうということにいたしまして工期を短縮する、そのかわり補助率は五八%、こういうふうにいたしたわけでございます。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 それでは、豊川用水に返ってお尋ねをしたいと思いますが、豊川用水の補助を、いわゆる愛知用水公団法施行令を改正して、国庫補助を七〇%、県費補助二〇%、農家負担一〇%というようにせられたように私は思うのです。これは、いつこの施行令を改正なさいましたかということと、おそらくこれは豊川用水の工事の末期だろうと思うのです。その末期になって、なぜこういうような改正を行なったかということ。それから、この政令の改正をやります前に、豊川用水のいわゆる各負担区分、負担率というものは、どういうものであったかということをお尋ねしたいと思うのです。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 この政令を改正いたしましたのは四十二年九月でございます。このときは工事が、いま御指摘のように大体終わりに近づいておる時期であった。豊川用水事業は四十二年度末をもって終わり、一部残務整理で四十三年度まで延びたわけでございます。そういうことになっております。  そこで補助率でございますが、当初から国庫の補助率は七〇%、その補助残につきまして、地元負担としまして県が一三・五%、地元が二八・五%というふうに当初はきまっておったわけであります。それを、先ほどお話がございました四十二年九月、いろいろな経緯がございまして、そして関係各省なり関係県と協議をいたしました結果、県がよけい持つということで、県が二〇%、地元は一〇%ということに話がつきまして、そこで九月に政令を改正した、こういういきさつになっております。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 そうしますと、工事の末期になって、政令をもってこういう負担区分の率の変更をやられたわけですが、香川用水の場合、現在、率はきめられておりますけれども、今後この成り行きによっては、工事が完成した後に、こういうような形で変更することも可能でございますか。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 先ほど申し上げましたように、国の補助率の七〇%は当初から変えておりません。県がよけい持つということで変えたわけでございます。  ただ、そういうことでございますけれども、愛知用水公団事業を十年やってまいりました間に、いろいろなことがありますので、そういう県がよけい持とうというような事情が出てきたということで、変えるということがあったわけであります。したがいまして、香川用水の場合も、これから着工いたしまして、われわれとしましては当初計画どおり農業・上・工水の配分、また、その計画どおりの仕事が行なわれることが望ましいわけでありますが、今後の情勢の変化と申しましょうか、そういうことが絶対ないとも申せませんので、現在では、いま変えるということは申し上げられません。先のことになりまして事情が変われば、また県のほうで考えるということもあり得るかと思いますけれども、ただいまのところは、変えられないのではないかというふうに考えております。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 国の七〇%は、初めからこうだとおっしゃいましたが、なるほど豊川用水はそうなんですね。しかし、それより前に完成を見た愛知用水の場合は、国の場合も、初め五四・四%であったのが五九・四%になっておるように思うのですが、これはどうですか。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 愛知用水の場合は、当初は五九%でしたけれども、事業を実施しておる間に、受益地が減ったり、それから水道がよけい要るとか、いろいろな事情がございまして、清算段階では五六%程度になっております。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 それはそれでおきます。  そこで、私がこの際非常に重要な点だと考えておる問題ですが、政令の変更をもってきめられた国補七〇%、県費二〇%、農家負担一〇%というこの数字の持つ意味でございます。意味というのはどういうことかというと、国庫負担、県費負担、農家負担ということが、われわれ香川県の場合を例にあげますと、香川県の場合では、国庫の補助は国営工事部分については五八%でございまして、豊川の場合は七〇%。それから県営工事の国庫補助は、香川の場合は五〇%です。ところが、このやり方を見ると、豊川のほうは七〇%。それから団体営工事については、香川の場合は四五%ですが、豊川の場合はこれも七〇%。すなわち豊川の場合は、いわゆる国庫補助については、国営、県営、それから団体営を通じ、これらに出される国庫補助というものがすべて七〇%というので貫かれておるという問題なんですね。これは県費補助の場合も同じです。県費補助の香川県の場合を申しますと、香川県の国営工事の補助は二七・五%です。ところが豊川の場合は二〇%、こうなっておる。それから、農民負担の場合も同じ理屈で、国営工事、いわゆるいまの幹線工事に対する香川県の農民負担は一四・五%ですが、これが豊川の場合は一〇%です。しかも、これは国営工事部分だけに限らず県営工事についても、香川県の場合は二五%農民が負担しなくちゃならぬのを、豊川の場合は一〇%負担で済んでおる。それから団体営工事については、実に五五%の負担をしなくてはなりません、香川県の場合。豊川の場合は、これもやはり一〇%です。  こういうふうに政令変更によってきめられた七〇%、二〇%、一〇%というこの負担区分が、国営、県営、団体営を全部貫いておるというところに、この補助方法というものが、いかによその水資源公団の工事と比べて甘い補助になっておるかということがいえると私は思うのですが、ただいま私が申し上げたように理解してよろしいのでしょうか。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 先ほど御説明申し上げたときにちょっと触れまして、かえって舌足らずになったわけでございますが、先ほど申し上げましたのは、国営工事につきましては、豊川用水も香川用水も同じ五八%でございます。ただ、豊川用水の場合に七〇%になりましたのは、先ほど申し上げましたように開拓地が入っております。たとえば、豊橋開拓だとか伊良湖開拓、こういう開拓地につきましては、戦後からずっと基幹工事は一〇〇%国費でやっておりますので、その分のウエートがかなり入っておるわけでございます。それから団体営につきましては、やはり香川用水と同じような考え方で、全部補助率は計算しております。それぞれの事業費がございますが、それを加重平均しますと七〇%になるということで、団体営も国営も県営もみんな七〇%と、結果はそういうことになるわけでございますけれども、計算はそういうふうになっておるわけでございます。  そこで、いまお話しのように、国営であれば残る四二%は地元負担になる、こういうことになり、県営であれば五〇%の地元負担になるわけでございます。それが、そういうものも全部含めまして一〇%になりましたのは、愛知県庁が、正規にきまっております負担区分をオーバーいたしまして大部分を県庁が持った、こういう結果になっておるわけでございます。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 ただいまおっしゃったことは、結果として七〇%になっておるんだ、こう言われたが、その結果だけが問題なんです、原因がどうであろうとも。その原因の部分については、私はまたこれからさらにお尋ねする予定にしておりますが、とにかくいろいろ負担をやられ、それを平均してみると、各負担区分について、いま言うたように全部七〇、二〇、一〇という形で貫かれた形に結果としてなっておるのですね。結果としてなったということはお認めになりますね。そしてそれがよその、たとえば香川用水とか他の事業と比べて非常に優遇された補助だ、また、農民としては非常に低い負担だということはお認めになるでしょうね。  それからもう一つ、あなたは、農民負担が一〇%になったことについて、愛知県庁がそれを負ってくれました、こう言われるが、しかし、香川の場合を考えてごらんなさい。香川はもう負っておるのですよ。香川の場合は実に、愛知、豊川が二〇%に対して二七・五%ですか、それだけ余分に負っておるのですよ。負っておるけれども、農民負担は一四・五%なんですよ。なぜこういうことになるかというと、国庫の負担が、豊川の場合は七〇で香川の場合が五八だからこうなるのです。県だけが負ったというわけじゃないのです。国がもっと根本の、こういうような補助をしたからこうなったのですよ。そうじゃありませんか。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 ちょっと、おことばを返すようで恐縮なんですけれども、先ほど申しましたように、豊川用水事業につきましては、旧制度開拓で、昔からやりました開拓事業の一〇〇%の事業が入っておるわけです。それのウエートが、総事業費の中で大体四分の一くらいを占めておるわけです。それが一〇〇の補助なんです。そうしますと、一〇〇%の補助のものがあり、そして五八の補助のものがあって、それが加重平均されると七〇でございますから、先ほど先生のおっしゃいましたようにはそれがなっていないというふうに考えております。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 つまり、あなたの言おうとしておるのは、国補が七〇%になったということは、結局のところ、豊川の場合は開拓事業が非常に多い、一〇〇%の開拓事業が多いから、各部門を平均してみると七〇%になるのだ、こう言われるわけですね。これについて私が調査したところをちょっと申し上げてみたいのですが、ただいまおっしゃった数字とこれは違うのです。私は、大体こういうやり方で先ほどの政令変更が行なわれたと思うのです。  すなわち、豊川用水の農水事業の補助の合計が二百五十四億になっておると思う。それから農水事業費そのものが三百六十一億になっておると思う。この三百六十一億をもって二百五十四億を割りますと、七〇・三六%になっておるのですね。それで七〇・三六%になぜなったかという場合に、あなたが言われるのは、豊川の場合は、一〇〇%補助の開田が非常に多いからこういうようになるのだ、こういうような御答弁ですね。これは私の数字が間違っておるかもしれませんが、私も愛知県なんかへ行きまして、かなり調査をしてきた結果です。それから農林省の中の愛知用水、豊川用水の清算事務をやっておるところ、これから私は資料を写してきたのです。その資料に基づいて私が言うのですから、私の言うことにも間違いがないように思うのです。  それによりますと、この農水事業費の区別はAが国営農水、Bが一般土地改良、Cが開拓事業、Dが開拓付帯事業、こういうふうに分かれておる。あなたが言う、要するに一〇〇%の国庫補助がある、いわゆる開拓事業というのは幾らになっておるかというと、農水事業費三百六十一億円のうち開拓事業費が五十三億円、その中で開田事業費が三十億円。ですから、全体の七%ぐらいが一〇〇%の国庫補助になっておるのです。そうしますと、あなたは四分の一だとかおっしゃった。これは十分の一ですか、もっとになりますが、ごくわずかなんですね。このわずかの一〇〇%部分によって、全体が七〇%に上がっていくというこの論理が一体どこから出てくるのか。私の写してきた数字に間違いがあるのならば私は訂正しますけれども、あなたの言われたことと違うのです。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 先生のおっしゃいました数字は間違いございません。私、ちょっと先ほどのを先に訂正させていただきますが、四分の一と申しましたのは、四分の一でございません。五十三億というのはいまお話しのとおりでございますが、総事業費は三百六十一億でございますから、六分の一から七分の一ぐらいだというふうに思います。  ただ、私が先ほど説明を落としまして恐縮でございますが、先ほど先生のおっしゃいました国営農水は二百十二億でございまして、この御指摘があった点について申し上げなければならぬと思いますが、この国営農水というのは基幹施設でございます。ダムから始まりました基幹施設でございます。そうしますと、かんがい事業だけであれば、そこも全部五八%ということになる。ところが、開拓地にもそのダムの費用の割り掛けをしなければならぬ。そういうことをやりますから、二百十二億についても一〇〇%のもの、それから五八%のもの、こういうふうに出てくるわけであります。それを一〇〇と五八で加重平均をいたしますと、七七・七%という補助率にその基幹部分がなるわけでございます。そういうふうにしてやっておりますので、私がちょっと説明を間違えたところもございますけれども、先生のおっしゃった数字と私の申し上げた数字と間違いがございません。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 もう時間が近づいてきましたので、切りのところまでやってきょうはやめておきたいと思います。  それで香川県の議会でも、知事なんかの答弁は、いまあなた方が言われるような答弁のしかたをするのですね。七割の補助になったのは、愛知用水、豊川用水が開田で補助率一〇〇%あるのだ、だから七〇%になるのだ、こういう答弁をするけれども、これは事実によればそうじゃない。あなたもその点は認めるでしょう。それからかんがい用水、この問題に関連して、開田の場合に、流れる水量が非常に多いので、いろいろ設計費が高くなって、それに対する補助率が上がるのだというようなことも香川県の議会で答弁したことがあるのです。これも、愛知用水、豊川用水で調査した結果によりますと、この水量の積算は、近傍類似の補水田の水量というような答えが出ておるのです。  こういうことを総合しますと、七〇%になったという理由はどうもそういうところになくて、この国営農水の二百十二億というのが、あなたが先ほど言ったとおりに七七・七七%になっておる。これが実に全農水事業費の六割を占めておるのですね。七七・七七%が六割を占めておるから平均として七割ということになった、私はこう解釈する。私がお聞きをしたいのは、七七・七七というような六割に当たる部分が、こういうような高率の補助になったということです。それをあなた方は、やれ一〇〇%の開田分が多いとかなんとか言われるが、それは私は納得できない。これはやはり農林大臣と大蔵大臣との協議の結果の政治的な配慮がここに加えられておる、こういうふうに私は解釈するのですが、いかがでしょうか。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 私たちの計算によりましても、ここにも私、資料を持っておりますが、きちっとその辺の計算ができておりまして、七七%になりました根拠は、国営事業の用水補助は、畑地かんがい、開田、そういうものから始まりまして、いまお話しのございました開拓地区、それから樹園地の地区、その他全部を計算いたしましてこういうふうになるわけでございます。決して政治的に配慮をして、愛知用水、豊川用水だけを補助率を上げたというふうには考えていないわけであります。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 端的にお伺いしますが、七七・七七というAの国営農水、これが六割を占めておるのです。この六割の部分について、これが七七・七七という高率補助だから、ほかの一般土地改良、開拓事業、干拓事業というものは、ごく一部に一〇〇%の補助があるけれども、四〇%から六〇%の補助になっておる。そうすると、七七・七七%が六割を占めておるということが、七〇%の国庫補助となった、この数字が出てきた根本的な原因じゃないのか。根本的な原因は、つまり六割の七七・七七という高率な補助に原因があるのじゃないかということを聞いておるのですよ。その高率補助をきめるについては、非常に政治的なものが支配しておるんじゃないかということを聞いておる。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 何度も繰り返すようで恐縮でございますが、用水補助、畑地かんがいで五八%の補助のもの、一〇〇%の補助のもの、それから六〇%の補助のもの、八〇%の補助のもの……(佐々委員「違うですよ」と呼ぶ)全部加重平均いたしますと、七七・七七%になるということでございまして、むしろ一〇〇のものが非常に多ければ、もっと七七が上がるはずでございます。その計算は間違いないと思います。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 私は違うなんと言うて失礼でしたけれども、平均して七〇%になったのは、その各級の補助が、五八%のもあり、五〇%のものもあり、六〇%のものもあり、中には一〇〇%のものもあるが、それらが平均して七割になったのは、六割を占める七七・七七%というものが、これが非常に大きな比重を占めておるので、ほかの補助は少ないけれども、七割という補助に平均してなったんじゃないかということを私は聞いておる。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 それじゃ詳しく数字を申し上げてみたいと思いますけれども、先ほど申しました国営かんがい排水に相当します五八%のウエートのものが約四〇%占めております。それから一〇〇%のウエートのものが二五%占めております。それから六〇%のウエートのものが約一%、それから八〇%の補助のものが〇・三%です。開田につきましては、旧制度の附帯工事といたしまして八割の補助をやっておりますけれども、これが〇・三%。そういうものを全部加重平均いたしますと、先ほど申し上げましたように五八%のウエートのものが約四〇、それから一〇〇のウエートのものが二五%占めておりますし、あとのこまかいものもございますので、そういうことで加重平均いたしますと七七・七七になるということでございます。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 ちょっと佐々君に申し上げますが、いま伺っていると、これは数字の問題で、ことに加重平均の問題なんというと、ちょっと統一した資料なしに話し合っても、時間ばかりたってしまうように思うので、はなはだ失礼ですが、どうですか、農地局でいま局長説明したあれをわかりやすい表か何かにして委員会に出してもらって、われわれも知りたい、公平の原則からいって。だから、よくわかるように出してもらえないかね。そうすれば余分な時間が省けると思うのです。そうしたらどうですか。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 それでけっこうでございます。けっこうですが、あなたの言われたのはだいぶ先ほどから矛盾があるんですよ。さっき私が一〇〇%の土地の開田の部分が七%だということを言ったときに、あなたはこれを認められたように思うわけです。私もここに数字の平均全部を出してきておりますが、これは私がいいかげんに創作したんじゃない。これは農林省から出ておる資料なんです。だから、あなたの言われることは何かの間違いじゃないかと思います。  とにかく、いずれにしても私の考えを言うておきますが、私は、いろいろな補助率があるが、その中で六割という大きな部分が、七七・七七%という大きなものが六割の補助になっておる、このために平均すると七〇・三六%になる、これを七割補助とした、こういうのが私の結論でございます。ですが、委員長からただいまお話があったから、これ以上は申し上げません。  そこで、切りのいいところまで申し上げて終わりにしたいと思うのですが、その次にこれに関連してお伺いいたしたいのは、これはあなたが認めるかどうかはわかりませんが、七七・七七という補助は、これが六割あるということについてはお認めになりますか。すなわちAの国営農水ですが、これが六〇%あることを……。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 総額三百六十一億の中の二百十二億で……。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 ええ、六割ですね。これはお認めですね。私の質問はこれだけお伺いしてやめますが、お伺いをしたいと思いますのは、この六割の高率補助の中へ、私は県営部分を相当突っ込んでおると思うのです。二百十二億というAの国営農水の中に、純粋な国営部分でなく県営部分を、相当上へ繰り上げて七〇%の補助の対象にしておる、こういうことを私は申したいのです。どうでございますか。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 そういうことはないと思っております。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 それではお聞きをいたします。私がなぜこういうようなことを言うかと申しますと、大体豊川用水の総事業は四百八十七億ですね。それで、この中で農水部分がいまおっしゃったように三百六十一億です。その中でAの国営農水が二百十二億なんですね。そうしますと、総事業費の中で、これもやはりあなたのほうから出た資料によったのでありますが、豊川用水の総事業費四百八十七億の中で、二百五十七億というものが堰堤工事費と幹線水路費になっておる。それで堰堤工事費が七十億で、幹線水路費が百八十七億になっておるので、これを合計して国営部分が二百五十七億ということになっておるのですが、私の現地を見ました判断からいたしますと、堰堤工事費の七十億は、水量の計算からいいまして、都市用水の水量の計算と、それからかんがい用水の水量の計算の数字を見ますると一対一になっておりますね。同じ比率です。ですから私は、七十億というものは三十五億ずつで、農業用水負担部分が三十五億、こう判断したのです。それから幹線水路については、東西幹線がありますが、共用部分と農業専用部分とがありますが、私は百八十七億の三分の二が、すなわち百二十四億、これが農業用水が負担をすべき部分だと思うのです。この百二十四億と三十五億を合計しますと百五十九億、約百六十億、こうなるわけなんです。だから私は、国営農水の二百十二億というものは、本来は百六十億でいいんじゃないかと思う。すなわち、差し引き五十三億というものは、これは国営部分でなくて、県営のほうから五十三億を上へ繰り上げたから、ここに二百十二億というふうになったのではないかというふうに私は考えておるのです。  こういう数字的な問題をここで論議するのは、私はまことに不適当だと思いますが、しかし、こういう点をたださぬとやはりいけないと思うのですよ。だから、これについて御答弁をしていただいたら、これできょうは私の質問を終わりたいと思います。この次また質問しますけれども……。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 ただいまお話がございました点、後ほど先生からもう少し詳しく伺いまして、われわれもよく詰めてみたいと思います。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 関連して。いま委員長の発言されたその資料の問題ですが、香川用水と豊川用水ということだけでなしに、明治用水、両総用水、これらも含めて、どうもわれわれが一般的に見てきわめて不平等であるという感じを受けますので、それらのものを比較検討したいと思いますから、この二つだけでなくて、その他のものも資料として提出を願いたいと思います。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 いま石田先生の御要求のものは出したいと思いますが、明治用水と両総用水でございますか、これは水資源公団と関係ない事業なんでございます。国営、県営、団体営別に独自にやっておりますが、それは後ほど出したいと思います。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 石野久男君。

石野久男日本社会党

○石野委員 私は、きょう時間もあまりありませんので、簡単に筑波学園都市の用地問題についてお聞きしたいのです。  筑波学園の問題については、昨年の九月に閣議了解事項で具体的に仕事が進んできているようでございますが、きょうは時間の関係もありまするので、このもの全体についてはお聞きしないで、用地の買収問題だけお尋ねしたいと思います。学園都市については、いろいろ賛成する人もおるし、反対する人もおりますから、そういう問題はここでは触れないことにいたします。  最初に、用地の買収がはかどらないので、近いうちに都市計画事業としてこれを決定して、土地収用法による強制収用への道が開かれるだろうという新聞報道がございました。これは十一月四日の讀賣新聞でございます。  そこで、まず最初にお尋ねしたいのでございますけれども、このことはほんとうにそういうようにきまったかどうかは別にしまして、やはり土地収用法による強制収用をする場合の法的条件というものは、大体どういうものなのかということを最初にひとつ聞かしておいていただきたいと思います。

播磨雅雄建設省計画局宅地部長

○播磨説明員 本件の場合に、土地収用に持ち込みますためには、これは都市計画決定をいたしまして、都市計画事業としてやるつもりでございますので、都市計画事業決定をいたしますと、収用法の事業認定と同じ効果が出る、こういうことになっております。

石野久男日本社会党

○石野委員 あまりこまかいことはなにいたしませんが、それを具体的に実行する場合には、そのときの地域の条件なり、またやはり買うほうと売るほうとの関係がございますから、どういう場合に大体それを適用するつもりですか。

播磨雅雄建設省計画局宅地部長

○播磨説明員 事業決定の問題でございますけれども、ちょっと余談になるかもしれませんが、やはり租税特別措置法の関係その他のこともございまして、税法上の特典もあるということで、任意買収を希望していらっしゃる方が多いわけでございます。そういったことで私たちといたしましては、形式的に都市計画事業決定をいたしまして、収用適用事業である、したがって租税特別措置法の思典も適用になるのだ、こういう形を、いずれ整えなければならない状況にあるわけでございます。  そういったこともございまして、なかなか買えない土地を何とか買いたい、こういう二つの点で、事業決定を適当な時期に行ないたい、こういうふうに思っておるわけでございますが、事業決定をいたしましてから、実際の個々の地主さんに対しまして、収用手続に入ります前には、なお十分に交渉を進めまして、なるべくならば話し合いで買収を進めていきたい。しかし、こういった官公庁の施設として研究団地をつくるわけでございますので、その中に、どうしても売らないという人が残りましたのでは施設は建設できません。そういったことで、最終的にどうしてもやむを得ない場合には収用手続に入らざるを得ない、こういうふうに考えております。

石野久男日本社会党

○石野委員 筑波学園都市で、この都市計画事業の決定というものがいつ行なわれるかということはまだわかりませんけれども、近いうちに行なうつもりでございますか、どうですか。

播磨雅雄建設省計画局宅地部長

○播磨説明員 先ほども申し上げましたような税法上の問題もありますので、できれば事業決定は年内に行ないたい、こういうことで、現在県のほうと話し合いを進めております。

石野久男日本社会党

○石野委員 農地局長にお尋ねしますが、地域開発が行なわれます場所というのは、大体農村が多いわけです。そういうところで、この土地の買収に応じる者と応じない者とがありますけれども、応じない者の中には、場合によれば、よくいうごね得とかなんとかいう者もあるかもしれませんけれども、大部分は、専業農家として立ち行くために土地の分散がまずい、あるいはまた営農用の土地が十分に確保されないというようなことから反対するのが多いのです。いま茨城の筑波学園都市の用地買収の問題で一番問題になるのは、応じない方々の営農の状況がどういうふうになっているか、また、この人たちがほんとうに専業農家として生きていくために、公団なりあるいは県当局なりが、十分めんどうを見てやっているかどうかという問題を考えなければいけない、こう思うのです。いま宅地部長の話によると、年内に筑波学園都市の問題では、やはり都市計画事業の認定をしようとしておるようでございますけれども、農地局の立場としては、専業農家というものに対しては、こういう場合どういう観点でその方々を守ってやろうという考え方を持っていられるか、その基本的な考え方をひとつ聞かしていただきたい。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 農業の場合、農地が基本でございますから、専業農家の方にとって農地がなくなるということはたいへんなことです。そうかといいまして、やはり公共的ないろいろな施設が、都市周辺その他いろいろ出てくるわけでございます。その場合には、やはり農業をやりたいという方にとって全部買収をされる場合には、全く別のところに代替地をあっせんしていかなければならないわけであります。  それから、今度の筑波学園のように、一部買収される方が多いようでございます。そういう場合には、従来の面積にある程度近づけるような代替地のあっせんが必要ではないかというふうに基本的には考えるわけでございます。現在、県でもその買収を進めます上におきまして、代替地のあっせんその他につとめておるというふうに聞いております。

石野久男日本社会党

○石野委員 農地を確保するという場合に、これは最近どこでも同じですけれども、工業生産でもそうだが、農業の場合でも、特にコストの問題が非常に重要だと思うのです。だから、農業が近代農業化をしていこうとする場合には、農業生産コストを無視して土地の問題など考えられないと思います。ただいまのお話では、全部を買収する場合には代替地は当然考える、けれども一部の場合にはそれに近づけるような方法で処理したい、こういう御意向ですね。その一部を買収対象にされるような農家が、従来持っておった農地に近づけられるような代替地を予定してもらえる場合、それが経営コストを下げないようにできれば、これは非常にけっこうなことです。ところが、非常に遠くになってしまって、実際には営農ができないような場所などの場合には、これはどうしても農民としては、その分だけうんというわけにはいかないわけですね。  たとえば、いま県で用意しておる、いろいろ配慮してやっているというようなことを聞いているという局長の話ですけれども、実際茨城県の場合はこういうことだと思うのです。七七%がいま買い上げされて、二三%がまだ買い上げができていない。これをなるべく早くしたいということで、宅地部長は計画事業を決定しようとしているわけですね。県の場合はこの代替地を、端的に申しますと、一つの村の中で、一部分の代替地は、ため池を埋めるとかなんとかいうことをやりますけれども、しかし大部分のところは、その村の外に代替地を求めて、外へ行って集約農をやりなさい、こういう言い方をしている。これは非常に聞こえがよろしいのですけれども、実をいうと、この二三%の方々は、自分の営農地というものはほとんど一枚畑じゃありません。言うところの一部分買い上げになる人が非常に多いわけです。それでも一部分というのが八〇%、九〇%という場合は、三割供出という問題がありますから、これは全部残しますけれども、しかし、その一部分が二〇%とか一五%とかいう場合には、その一部分の土地を村の外にもらったのではどうにもならないわけですよ。だから、いわゆる専業農家として生きていくためには、土地は寸足らずになってしまいます。しかも、所有地はみな分散しているわけですから、集約農業のように近代化できないわけですよ。  こういうような問題を、みそもくそも一緒にするということじゃよくないと私は思うのです。農地局はそういう問題について、やはりこまかくめんどうを見てやるという用意がなければいけないと私は思うのですが、もうすでに宅地部のほうでは、これはことしじゅうに計画事業を決定しようとしているわけです。ところが、実際にはそういうめんどうを一つも見てやらない。代替地が出てこなければ、これは専業農をやっていく人々は反対するのは当然なんですよ。こういう問題について、農地局はどのようにめんどうを見てやるつもりでおりますか。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 この学園都市の場合には、現実にそういうめんどうを県段階で地元の町村と相談をしてやる、こういうことで、いま県段階でいろいろなことをやっているわけであります。その辺の様子を、具体的にはわれわれまだ承知しておりませんので、よく聞きまして、もしいろいろ国の事業として必要であれば、そういうことは考えていかなければならないというように考えております。

石野久男日本社会党

○石野委員 農地局長、いま宅地部のほうでは、いわゆる建設省のほうでは、ことしの末までにはもう都市計画事業のなにを決定しようとしているのですよ。決意をしているのですよ。あなたのところは何も知らないでいて、片方だけでそんなことをやられたら、その対象になる農民はたまったものじゃないですよ。政府にそんな意思の疎通のない、十分に連絡がつかない中で事業決定なんかやられたら、一年たてばこれは土地収用法にかかってしまうのです。あなた、こんな不十分なことで――播磨部長、これはそういう連絡はしてないのかね。そういう問題について、あなたは農民はどうでもいいというわけか。どういうことなんでしょう。

播磨雅雄建設省計画局宅地部長

○播磨説明員 こういった大きな仕事でございますので、農業に限らず、地元に対する対策については、実施主体でございます日本住宅公団において、県庁と十分連絡をとりながらやっております。  いま私、農林省と具体的交渉については、本日詳しく説明はできないのでございますけれども、この事業計画そのものの実質は首都圏整備委員会がつくったものでございまして、ここには研究学園都市の推進本部というものがございまして、各省が入っていらっしゃる。そこでいろいろ調整しながら計画を練ってまいって進めておるわけのものでございますので、直接建設省側と現地とどういう交渉をしたかということは、詳しく御説明できませんけれども、そういった意味では、十分各省の連絡はとれておると私は考えております。

石野久男日本社会党

○石野委員 私はここで断わっておきますけれども、この二三%の土地を持っている方々は、全部筑波学園都市計画には賛成している方々ですよ。反対しているという人とは違うのです。積極的に賛成している人たちです。しかしこの人たちは、いま残っているのは、どちらかというとほとんど専業農でずっとやっていこうとしている人たちですよ。その中には一部分、やはり土地を持っておって、ブローカー的性格の者もおると思います。全然ないかもしれませんが、私はそれはわかりません。しかし、ほとんどは、もう九九%までは全部専業農としてやっていこうとする人たち、そうして筑波学園都市には積極的に協力しようという人たちです。  農地局長、私はあなたに聞きたいのですけれども、農民は国に対して、そういうように地域開発の問題なり何なりに協力しようとしているわけだ。筑波学園都市というのは、東京都があまり過密化しているから、その過密化を解消しようということで政府が考えて、すでに数年前にこのことをやり出したものなんです。それに協力しようとしているわけだ。しかし、この協力しようとしている人々が、そのことのために専業農家としてやっていけないという事情が出てくるというようなことを、あなた方が、いわゆる農林行政の中でほうっておくということは、私はまさかなかろうと思うのだけれども、その辺についてあなたはどういうふうにお考えになりますか。

大和田啓気農林大臣官房長

○大和田説明員 学園都市の問題につきましては、茨城県の知事さんからもときどき話を伺っておるわけであります。農地局長からいまお話がございましたように、専業農家的な人で他に土地をほしいという者の面積がたしか百三十町歩前後でございまして、そのうちすでに三分の一程度の確保といいますか、目安がついておるようであります。それ以外の土地についても、茨城県庁で現在相当詳しくいろいろ案を練っておるようでございます。  ただ、代替地ということだけではなく、県庁のほうで関係農業者から、今後の農業の進め方につきまして、いろいろ営農の改善といいますか、多少土地が狭くなって、資本を入れて農業を高度化するという必要があるわけでございますから、どういう方向に伸びることが望ましいかというような意向調査もやっておりまして、農家から、野菜でありますとか、あるいはビニールハウス、温室、養蚕、豚、酪農等々についてそれぞれ相当な希望が出ておるようでございます。それで、大体百三十ヘクタールの代替地の希望のうち約三分の一ほどの手当てが済み、あとの分については、それぞれ知事が相当苦心して、開拓パイロット的な手法を用いまして開発したらどうかというようなこと、あるいは、たとえば国有林について適当なところがあるかどうかというようなこともお考えになっておるようで、私ども農林省でいきなり学園都市の問題に手がけていくということは、事の性質上適当でございませんので、知事からいろいろ相談のありましたのに応じて、私どもの意見を言ったり、あるいはできるだけ御助力をするというようなことで現在やっておるわけでございます。  あれだけ大きな学園都市ができて、相当土地の買い取りが行なわれ、農民として土地を売る人たちが多いわけですから、ある者はやめる、ある者は農業の形をかえて専業農家的なものとして伸びるということにつきましては、相当な苦労、困難があると思いますけれども、知事が非常に熱心にこの問題を取り上げておるわけでございますから、一応知事に案をよく練ってもらって、また御相談に乗るというつもりでおるわけでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 知事が熱心にやっておることはいいのだけれども、都市計画事業の決定をされて、土地収用法を適用されるような段階に農民が追いやられたのでは、これはどうにもならないのですよ。私のお聞きしたいのは、建設省がこの推進本部との話し合いの中で、なるべく事業をスムーズにやるためのいろんな方法をとるということはけっこうなことだけれども、しかし、そのために農民が犠牲になっていく、特に専業農家がやっていけなくなるような状況が出ちゃいけないということです。だからこの連絡は密にしなくちゃいけないし、そういう連絡がないままに、年度中にやはりこの事業決定はしたいのだというようなことを言われたのでは、弱い者はほっぽり出されてしまうわけですよ。もう御承知だと思いますけれども、あの地域ではすでにゴルフ場や何かを売って、その売った金で周辺地を買い取って、それで住宅公団が買おうとしても、土地が高くなって買えないというような事情がある。だから代替地がもらえない。だから専業農家のほうは、なるべく協力しようと思って折衝してみても、やはり周辺地にはほとんど代替地はもらえない。だからよそ村だ。よそ村へ行くのは、いわゆる開拓パイロットのようなものにしたらいいじゃないか、これは聞こえはいいのですよ。聞こえはいいけれども、この開拓パイロットというのは、全農地を買収の対象にしたような人にはそのままでよろしゅうございます。しかし一部分、二割か三割が買収対象になった者が、よその村へ行って開拓パイロットをやれといってもできるわけはない。  岩上さんは鹿島開発の問題でこの開拓パイロットをやった。しかし、それは御承知のように全農地を買い取って、そうして四割を供出した上でこちらへ持っていってと、こういうやり方をした。筑波学園都市はそのようなわけにはいかないのですよ。そういうようなことを、いままで残った二三%の方々に全部言ってきているわけです。その中には、一部分やはり専業農家でない方もおります。そういうような方々がどういうやり方をされても、あるいはブローカー的やり方をされても、私たちそこまであれこれ言わないつもりです。だけれども専業農家でやろうという人で、しかも、そういうように自分の農地が分散化してしまって、その分散化した者はよそ村でございますというようにまでこれを押しつけるということは、これは絶対に許してはいかぬと思うのですよ。しかも、そういうことをそういう過誤のないように解決させようとすると、いまではもう周辺地には事実上土地はないわけなんです。  こういう問題を県にまかしておいたところで、結局土地収用法の対象にしかならない、こういうことになってくれば、どうしても農林省が乗り出していかなければいかぬと思うのです。そうして農民に対してどういうふうに守りを固めていくかということを考えなければいかぬ、こういうふうに私は思うので、こういう問題について、いま百三十町歩云々というような話ですが、大体そんなところですね。その百三十町歩の専業農家に必要なものをよそ村で対象にするというようなことは、絶対にいまの筑波学園都市における農民の実情からして適応しない。それはそれにうまく合うものでないというように私は考える。だからこの問題は、どうしてもその村内で営農のできるように配慮してやるということを、とにかく農林省はやってくれなくちゃ困る、こういうように私は思うので、そういう点についてひとつ官房長、どういうように対処されるか、所見を聞かしてもらいたい。

大和田啓気農林大臣官房長

○大和田説明員 私どももおっしゃるとおり、農家が自分の村で土地が獲得できることができれば一番望ましいと思います。それができるだけできるように知事の努力もわずらわしたいつもりですけれども、最近はわりあい農家にも三輪車、四輪車等が入りまして、場合によりますと、活発な青年は、村を越えて農地を求めて経営規模を拡大する例も相当最近出てきておるわけでございますから、私はたてまえとしては、その村で土地が得られることは一番望ましいわけで、何も好きこのんで遠いところへ土地を求めるわけではございませんけれども、実際問題として、なかなかその村で土地を求めることがむずかしければ、営農条件として適当なところが、多少離れているところにもあるとすれば、金融等の措置を講じて経営の合理化をはかりながら、多少離れていてもそこで御無理を願うという場合があるいは出てくるのではないか。その場合も、絶対自分の村でなければ困るということでなく、そこは弾力的に農家の方もお考えいただかないと、実際問題としてなかなか折り合いがつかないのではないかというふうに考えるわけでございます。たてまえとしては、もちろん自分のうちのあるところで農地を求めるようにということは、私はそのとおりであろうと思います。

石野久男日本社会党

○石野委員 いまのお話は、それでいい場合もあるし、それではきわめて困る場合もあるわけですよ。いまの官房長の話では、農地が八〇%、九〇%、そういう対象になるときはそれでも私はいいと思うのですよ。ところが、うちのそばに七〇%も八〇%も土地があって、しかも、二〇%か三〇%がよそ村だというような人々が、もう残っている人々のほとんどなんですよ。しかも、こういうような人たちの土地は、別に五町歩も六町歩も持っているわけじゃないのですよ。みな二町歩そこそこなんです。しかも、そういう土地が一カ所でなくて、三カ所、四カ所とこまかい土地に離れているのです。飛び地でみんな経営しているわけです。こういう方々は、最近は農家が非常に裕福だからといって、そう必ずしも機動化ばかりしているわけではございませんし、また、経営コストの上からいえば、分散していれば分散しているほどやはり競争には負けていくわけだから、こういう人々にそのことを押しつけては私はいかぬと思うのです。あなたの一般論は私はそれは承りますけれども、筑波学園都市で、現在の二三%残っておる人の実態をあなたも調査してほしい。決してあなたの言うような実態じゃないと私は思うのですよ。  だから私は、この筑波学園都市の二三%残っている方々の用地買収に応じない者の中に、悪徳な意図を持っておる者は、これは別に処置してもいいと私は思います。だけれども、ほんとうに専業農家として生きていこうとする人々に、開拓パイロットだからよそ村に行きなさいといったところで、開拓パイロットに当てはまるところの農地というものは、その人の営農地のわずかに二割か三割だというような者には、そんなことは当てはまらないのです。だから、人を見て法を説かなければいけないと私は思うのです。そんな画一的なことで、反対している者は何でもごね得だというようなものの見方をされるのであるとするならば、農民はおそらく皆さんに協力しないと思うのだ。筑波学園都市でいま残っている諸君の問題点は、そういうところにあるということを考えてもらわなければいかぬ。  岩上知事がいまやっている開拓パイロットの問題は鹿島開発、いわゆる鹿島開発の場合は、それでいいとは言いませんけれども、まずまずのところだったと私は思います。筑波学園都市は、そのままじゃ当てはまらないという実情をよくそんたくしなければいけない。もういまの段階になれば、周辺地にはずいぶん国有林野なんかあると思うのですから、そういう人々には専業農家に必要なものだけを、いわゆる農林省のほうでは代替地として知事とよく相談してやるという、そこらのところで解決すれば案外早く解決すると思うのです。ところがある人は、これはベッドタウンになる土地だから、彼らは営農を考えるのじゃなくて土地の値上がりを考えるのだからということだけでそれを拒否するわけです。それを受け付けないというやり方です。この考え方はあまりにも人を疑って見るもので、これはよくないと思うのです。専業農家はそういうような、土地を売ろうとかなんとかじゃないのです。現在反対している人たちの農家は、みんな三十代から四十五、六の戸主の方たちです。ほとんどの人がみな都会へ出ていっている中で、じっとがまんして農村を守り抜こうという人々なんだ。こういう人々から土地を取り上げることはいけないと思うのだ。  これは大臣、この際この問題に対する代替地の問題を考えてもらいたい。筑波学園都市の問題で、特に専業農家を守るという考えから、すでに建設省は土地収用法まで考えているというときに、農林省がそれを知らないというようなばかげたことはありませんから、国の施策としてとにかくこういう閣議了解までしたようなことを、専業農家をほっぽらかすということは絶対にいけないと思うのだ。これは村内において、なるべくこういう人々の営農のコストを上げないようにするたてまえで代替地を考えてやるということをはっきりさせてもらえば、私はこの問題については、もうあとのやり方はその線に沿ってやってもらっていいと思うのだけれども、ひとつその点についての大臣の御意見を聞かしていただきたいと思います。

大和田啓気農林大臣官房長

○大和田説明員 営農を一生懸命やろうとする人たちでございますから、そういう者として私どもも知事もこの問題については考えておるつもりでございます。  なお、最近聞きますところによりますと、十一月二十日現在でございますが、県がもう一度農家の意向を再調査するということを聞いておるわけでございます。農家がほんとうに何を欲し、どういうことを県庁なりあるいは国なりに要望するかということを踏まえた上で、また知事が私どもに相談があると思いますので、十分御趣旨を考えながら措置をいたしたいと思います。

石野久男日本社会党

○石野委員 岩上知事が、最近またもう一ぺん農家の意思を再調査するという意味は、いま私が申し上げたようのことの陳情がこの前知事のところにあったわけです。知事もその点については、ある程度の了解をした上で再調査をしようとしておる。ところが一方では、今年内にいわゆる都市計画事業の決定をして、そして土地収用の段階まで入っていこうという決意を固めて進めているのだ。だから、政府の中でも意見の統一は行なわれていないし、地元ではむしろ逆に、農民の意向を聞いてもう少し善処しようとしている段階のときに、宅地部長のほうでは、もうそれを年内には事業決定までしてしまうというような考え方になっていると、これは農民にとっては、どっちに視点があるのかわからなくなるのですよ。これではいけないので、これは大臣にもう少し政府の中の意思統一もしてもらいたいし、それから、やはりこれによって犠牲になるのは農民であるということは絶対にさせてはいけないという観点で、ひとつ善処してもらわなければいかぬ。  私は、この代替地の問題については、おそらく知事のほうからも話があると思いますけれども、あまり遠隔地に持っていって、開拓パイロットだとかなんとかいう美名に隠れて、非常に農民が長きにわたって苦労するようなことはしちゃいかぬと思います。二十二億とか五億とかいうようないろいろな折衝もして、いわゆる生活改善とか何かの方法を講じているようでございますけれども、それ以前に、やはり長期にわたって農業の生産コストが高まらないような代替地を与えてやるように農林省は配慮すべきだ、私はそう思うので、ひとつこの際西村農林大臣の御所見をお聞きしておきたいと思う。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 御趣旨のほどはよくわかります。問題は、一般論としては、さっき官房長から話があったように、時代に即応した営農ができるようにということはわかりますけれども、こういう問題になりますと、具体的適用については、受けるほうとしては相当深刻な問題であろうと思います。  そこで、私どものほうとしても県と連絡はとっております。しかし、同時に建設省は建設省なりの一つの、その部分だけの目的を果たそうという少しお急ぎもあるかもしれませんが、十分私どもとしては農政の立場として、の意見も話し合いまして、できるだけ妥当な考えで善処をするように努力をしてみたい、こう考えております。

石野久男日本社会党

○石野委員 私はいろいろまだありますけれども、大臣がそれだけの御答弁をなさっておるのですから、建設省のほうも急ぐのはけっこうだと思うけれども、農民の立場をもう少し考えてもらわなければいかぬ。これはあなたの答弁はいまいただきません、大臣がせっかく答弁してくれたんだから。ひとつ政府のほうで十分意見の統一をして、農民の立ち行くような立場で問題の処理をしていただくようにお願いしておきます。  私はこれで終わります。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 角屋堅次郎君。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 大臣御出席でありますので、午前の質問に引き続いて大臣の御見解を承りたいと思います。  大臣も御承知のように、閉会中の農林水産委員会の調査として、特に真珠問題に第二班はしぼって、長崎、三重の現地調査をいたしました。午前、石田団長から調査結果の報告があったわけですが、一緒に行かれた方々ひとしく御認識のように、昭和四十一年来今日までの真珠不況の問題については、国としても真剣にやはり手を打たなければならぬ当面の緊急問題ももちろんありますが、しかし、長期展望に立った真珠産業の安定対策というものについても、すみやかにやはり対策を樹立して進めなければならぬ、率直に言って私はこういう情勢にきておると思います。むしろその点では、昭和四十一年来の不況対策について政府として対策の手が非常に立ちおくれている。私ども三重県のような真珠の主生産地帯では、非常に深刻な様相にある。またことしの浜揚げ、そして伊勢で開かれた最初のいわゆる売り出し、また神戸でもやられましたけれども、最初のスタートとしては必ずしもいいとはいえません。ことしの状況そのものについても、必ずしも明るい展望が開かれていない。一体これから真珠産業に従事する者としてどういうふうにしていったらいいのかという点に、深刻な不安と動揺を持っておる現実であります。大臣も就任以来ある程度の期間を経たわけでありますけれども、この機会に真珠の不況対策、さらに長期の問題についてどういう御方針で臨まれようとしておるのか、まず冒頭にその点からお伺いしたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 真珠不況対策の問題につきましては、衆参両院におかれましても、委員会を通し、また国政調査を通して非常に御熱心な御質問、御報告をいただきました。また知事会におきましても、三重県の知事さんからも御意見の具申がありまして、当時も私、意見は申し上げておきましたが、まとめて申し上げますと、この不況の克服のためには、第一には生産調整、そうして品質の向上というようなものをはかってまいらなければならない。こういうようなことから、自主調整と申しますか、そういうようなことを導入する方法、あるいは密殖改善というようなものを内容とする法的な根拠をつくりあげる。これはできるだけ早い機会に国会の御審議を願って、法的な根拠で効果をあらしめたい、こう考えております。  それから第二は、何と申しましても当面、できてまいりますまでの間、需給の調整というものを行なわなければなりませんので、余剰真珠の調整保管措置、当然これには金融なりが要りますが、同時に金融だけでは効果があがらない。そこで、来年度予算におきましても利子補給を財政当局に要求して、これの実現をはかって需給調整をやってまいりたい。  それからいま一つは、下級のものがございますが、これの集荷処理あるいは真珠母貝の問題があると思いますが、これらにつきましても、需給調整を進められるように力強い指導を申し上げていく。もちろん、こういった事柄につきまして所要資金も要ります。それから海外需要の喚起というようなことも当然伴って、われわれとしては業界と協力し、あるいは指導し、政府の立場におきましても努力してこの打開をはかってまいりたい、こういう考えでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 私は、八月十日の時点でも本委員会でこの問題を取り上げ、さらに本日午前の段階で水産庁の長官あるいは大蔵省の担当の主計官、こういうところからいろいろお聞きしたわけですが、率直にいっていまの大臣のお考えが、これからさらにたださなければなりませんが、いまのような取り組みの姿勢で、ほんとうに真珠産業が立ち直れるのかという点を非常に憂慮するわけです。  まず、緊急対策の問題として午前中にもお尋ねをいたしましたが、調整保管の利子補給問題がございます。大臣も御承知のように、昨年約六千貫の調整保管をした。さらに本年度分の調整保管の上積みを加えれば、おそらく一万二千七百貫程度になるだろう、こういうふうに見られておるわけですね。これだけのものが、やはり今日調整保管をしなければならぬという現状にある。しかも、昨年調整保管をしたときから強く利子補給問題の要請がございました。昨年もそれに対して予算的な手が打てなかった。ことしも今日の事態にきておる。大臣の御答弁からいくと、来年の時点で利子補給の手を打つというお考えのように聞くのですが、近く臨時国会も開かれるというふうな段階でもあり、そう大きな予算的な裏づけも必要としない、せいぜい一けたの億の数字でよろしいということでありますから、これは本年度から利子補給の手を打つということで、なぜ積極的に取り組まれないのですか。

森本修水産庁長官

○森本説明員 私どもとしましては、午前中もお答えいたしましたように、全体の共同販売という形で、たとえば、ことしの秋の浜揚げのものが上がってまいりまして、そのうち一定の評価以上に販売できるものは当面販売をする。それから、販売できないという形になりましたものを、調整保管という形で整理するというふうになっております。その大体のめどになります真珠が、一万二千七百貫ということになっておるわけです。そういうことでありますから、できれば四十二年、四十三年の分も全部突っくるめまして、来年度以降を対象にして利子補給の措置を講じたいということでやっておるわけであります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 これは去年からの生産調整、ことしも引き続いての生産調整、これは全真連を中心とした業界自身の自主調整でありますけれども、それら等もにらんでみて、生産調整の効果と関連をして、実際の調整保管は、おそらく順調にいくならば、昭和四十六年の段階においては調整保管数量はおおむねなくなる。したがって、調整保管の利子補給問題は、計画どおり順調にいくならば、いわゆる短期的な対策として当面とりあえずやらなければならぬ有効な手段である、こういうふうに考えておるわけですが、     〔委員長退席、熊谷委員長代理着席〕 実際問題として今後の生産調整問題とからんで、ことしの場合一万二千七百貫、そうして来年度以降それぞれの数字が見通しとしてございまして、昭和四十六年時点では、まずまず調整保管数量はなくなるというふうな判断ではないですか。

森本修水産庁長官

○森本説明員 できるだけ早い期間に需給調整をやるということが理想でありますから、私どもとしましても、できれば四十四年、四十五年程度の期間に調整在庫がならされて、四十六年あたりからは通常の需給関係に回復をするというふうな形で、ものごとが処理されれば理想的だというふうに思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 昨年から調整保管が始まっておる。ことしも引き続き調整保管の上積みをしなければならぬ。したがって、調整保管の利子補給の問題は、長期的にずうっと予算を必要とする問題ではなかろう。であるとするならば、今日の真珠産業全般の地盤沈下という事態の中で、有効な当面の緊急な手段として強く要請されておるこの問題については、来年度以降といわずに、本年から始めるということで、やはり今後の努力を強くしてもらわなければならぬと思うわけです。  同時に、午前の質問のときに言いましたが、もしかりに来年度以降ということになる場合は、昨年、本年という関係者の負担分も考えて、やはり国の利子補給の負担分というものを大きな比重にして、地方自治体の負担分というものを軽減して、地方自治体に大きな財政負担をかけない。ことに来年度は漁業近代化資金の創設もやらなければならぬ。当然これは地方自治団体に応分の財政負担ということを、やはり農林省としては考えるのでございましょう。でありますとすると、水産関係で地方自治体ではかさんでくるという問題も現実にはあるわけでありまして、そういう点から、やはりできる限り今年度から始めてもらわなければならぬと思いまするけれども、万やむを得ず来年からやる場合には、現実に本年からやったと同じような効果を発揮するためには、国が積極的な利子補給の負担分を大きく持つという姿勢が必要だろうと思うのです。これらの点については、農林大臣はどういうふうなお考えでこれから対処されますか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 ことしからこの利子補給の制度を起こせばいいじゃないかと言いますが、私どもの考えとしては来年度予算においてやりたい。したがって、それの財政要求におきましても、できるだけ業者の負担を軽からしめるように私どもは努力してまいりたいと思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 これは農林中金の金利八分五厘と見まして、関係業界の負担は二分五厘にとどめて、あと国と県で折半をするという構想がいま考えられておるようでありますけれども、やはり今後の大蔵省との予算折衝の過程で、私どもの気持ちとすれば本年からスタートすべきである、また同時に、やはりスタートする場合においては国の利子補給分というのを大きくして、地方自治体あるいは関係業界、こういうところの負担を、たとえば関係業界の場合には、スタートはゼロから出発する、そうして力のついてくるのと見合ってある程度の応分の負担をする、こういう姿勢でぜひこの問題に取り組んでもらわなければならぬ、かように強く要請をいたしておきたいと思います。  なお、大臣の御答弁にありましたすそ玉の廃棄問題ですが、これは浜揚げ量全体から見れば、おそらく生産量の二割程度になるのじゃないかと思いますが、実際に全真連が一括集荷をする場合には、そういうものを無償で集荷をして、そうして廃棄をするということにいま進めておるわけでありますけれども、真珠の評価を国際的に高からしめるということと関連をしてすそ玉の助成問題、また、生産調整が昨年あたりから急速に進んでおります関係で、母貝生産というものが実際に施術目標との関係で余ってきておる、これを廃棄しなければならぬ、こういう問題も、やはり助成を強く要請されておるわけです。先ほどの大臣答弁では、このすそ玉の廃棄の助成、あるいは母貝の生産が実際に所要量よりもオーバーをしておるということで、廃棄を必要とするという問題に対する助成の問題が、どうも利子補給の問題よりもまだ前進していないという印象を受けるわけですけれども、これはやはり強く進める必要があるのじゃないですか。

森本修水産庁長官

○森本説明員 午前中にもお答えを申し上げましたが、真珠母貝の需給調整の問題につきましては、今回の法律改正の原案の中でもさような観点からできるだけ取り組んで、内容としては織り込んでまいりたいということで考えております。  ただ、下級真珠の廃棄問題につきましては、確かに業界からもさような要望がございますし、また、かなり負担が加重しておる時期であるから、私どもの感じとしては、何らかの負担軽減の措置を講じたいという精神におきましては、角屋委員とはあまり変わりはございませんが、ただ、財政援助の一つの方式といたしまして、下級真珠の買い上げ、廃棄といったような形で政府が援助をすることはいかにもむずかしいというのが、事務的に検討いたしました現在までの段階でございます。午前中にも申し上げましたように、そういったこととも関連もいたしまして、できれば集荷あるいは検査の段階で、何らかの措置ができればということで目下検討いたしておる、やや間接的な方法でございますが、そういった段階でございます。  いずれにいたしましても私どもの感じとしましては、やはり品質の改善といいますか、そういった個々の商品の品質をよくするという問題は、やはり主体的には業界のほうで御努力を願うべき性質のものでございます。ただ、業界としても経済的に非常に苦しい実情でございますから、政府としても何かうまい方法があれば、できるだけ援助の手を差し伸べたいということで研究をいたしておるわけであります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 こういう非常事態の場合は、先ほどの午前来の質疑の過程でも、水産庁自身が、いまのようにこの問題に対する非常に消極的な考え方をとっておるために、やはり大蔵省のほうとぶつかるときに、この問題の処理で大蔵省に押しまくられるというふうな現状が私はあるのじゃないかと思うのですね。ことしすそ玉の廃棄をもし助成するとすれば、四億ないし五億くらいの予算規模だろうと私は思います。しかし、いま水産庁の長官の言われるような、検査あるいはそれに伴う事務の援助でもってある程度このすそ玉の廃棄についてのバックアップをするということであるならば、よほど努力しても、おそらく一億以下の数字の助成にとどまるであろうというふうな判断を私、率直にいってするわけです。  したがって、この廃棄の問題というのは、やはり滞貨も相当量ふえてきておる、あるいは調整保管もしなければならぬ、海外の真珠の評価も高めなければならぬ、これらの相関連した一翼としてやるわけですから、ぜひこれらの助成問題についても、便法でやるのではなしに、そのものずばりの方向を大蔵省との折衝の中で大臣としても進めてもらいたい、こういうふうに思うわけですが、大臣としてどうでございますか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 いずれにしましても、利子補給を柱といたしまして、それから法律を柱といたしまして、こういった御意見もありますから、私どもはできる限り前向きな形で、将来性はもちろん、それから資金の問題等含めまして検討いたしたいと思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 大臣の先ほどの御答弁の中で、輸出振興という問題に触れられたんですが、私は午前にもちょっと申し上げたのでございますけれども、現実に養殖から加工まではやはり日本の手で全部やられるという形になる。しかし、一たん製品がバイヤーの手に渡って海外市場に出る場合においては、これはもうほとんど全部といっていいほど外国人の商店でさばかれているというのが現体系だと思うわけです。もちろん、御木本その他一部アメリカで店を持っておるものもありますけれども、大半は外国人の手でやられまして、しかも、そういう中で外国人が真珠を身につけるということになれば、どうしてもジェトロ等を中心とした、いわゆる海外における啓蒙宣伝が一つの手段として考えられる。現実にジェトロでもそれなりの努力をしておりますけれども、今後この方面の予算というのは、真珠に限りませんが、農林水産関係の輸出産業では大きな比重を占める真珠については、さらに強化をしていく必要がある。その場合に、従来も業界自身も経費負担を一部しておりますけれども、いまのような地盤沈下の段階の中では、政府自身のジェトロ等に対するこの方面の予算について、業界の負担を軽減するような方向での予算強化ということが必要ではないか。  さらに販売の問題についても、海外市場における問題は、重要な都市におけるところの百貨店その他における特売その他を、具体的にどういうふうにすれば海外におけるところの輸出というものがさらに伸びるのか、あるいは未開拓国におけるところの輸出の面は、どういうふうに手を打てばいいのか。私はヨーロッパを回ってまいりましたが、その状況について多く申し上げませんけれども、もっと業界自身でもあるいは水産庁自身でも――従来の二、三千貫程度の段階から三万貫台になった今日の時点でも、この方面の体制というのは大きく変わっていない。この新しい事態の中で、輸出振興に対する海外市場における有効な手は何かという点をもっと見きわめて、それに対する手を積極的に打つべき時期が来ているんじゃないかと考えられるわけですけれども、ジェトロの問題等も含めて、大臣の御見解を承っておきたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 その点は全く私も同感でありまして、海外宣伝費につきましては、今後も私どもとしてその増額については協力し、努力をしてまいりたいと思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 これからの大きな問題は、先ほど大臣冒頭に言われました法改正に関連する問題でありますけれども、大臣としては真珠養殖事業法の改正を休会明けの次の通常国会の早々に出す、こういうふうに考えておられると思うのですが、それはいかがでございますか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 私どものほうとしては事務局で十分準備をいたしまして、できる限りすみやかな国会、先ほど申し上げたように次の通常国会に出せるように、そういう方針でいま検討をいたしておるのでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 この立法問題については、従来の昭和二十七年のあの状況下における真珠養殖事業法というものと、今日の時点における真珠業界の実態と将来の展望というものでは、情勢が相当大きく動いておると思います。したがって、私はかねてから本委員会でも、いわゆる昭和二十七年代の情勢下において生まれた真珠養殖事業法の衣を一部改正するということでは、現在及び将来の情勢に対処できないのじゃないか、むしろ基本的にいうならば、従来の真珠養殖事業法を廃止して新しい立法をするという構想でこの問題に取り組む。その場合においては、養殖はもちろんでありますけれども、加工、輸出、あるいは税制面、いろいろなものを含めた基本法的な性格でこの問題に取り組む。その中では、生産調整の問題も当面の段階としての重要な要素でございましょうけれども、長期展望に立てば、価格安定に対するどういう機関をつくり、どういうふうにして価格安定をしていくかという問題等も織り込んで、だれが見ても、これならば当面の段階及び将来の段階の中で、真珠事業全体の安定の恒久的な展望が立ち得る、こういう姿勢が私は必要であろうと思うのですけれども、農林大臣としては、新しい法改正の問題に関連してどういう基本的なかまえで現在対処しておられるのか、これを最後にお伺いしておきたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 いわゆる真珠をめぐる環境が変わっておる、それに対して相当根本的にやれというお説でございますが、私どもも抜本的な検討ということで法改正を進めたい、こういう考えでございます。  ただ、法形式が新法になるのか、あるいはどういうふうな改正法になるか、そこいらはまだ検討の段階でありますが、法形式は、改正法になるにいたしましても、内容につきましてはできる限り抜本的な改正を積極的に進めていきたい、こういう考えで検討を進めております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 大臣が、真珠産業の実態の問題についてどれほど現状を把握しておられるのかということは私つまびらかにしません。いまの大臣の御答弁全体を通じて、今日第一線でたいへん政府の手を望み、業界自身も努力をし、そして日本の重要な輸出産業である真珠が現在の苦境から脱却して、明るい展望の上に立ちたいという関係業界の立場からすると、なるほど農林大臣としてもあるいは農林省としても、真剣に取り組んでおるというふうには受けとめられないと思うのです。しかし本日は、調査報告に基づく午前来の質問並びに大臣の答弁を通じて、私はこの機会に、いま大臣の答弁された点あるいは午前来の水産庁長官の答弁された点をさらに一段と飛躍した姿勢で、法の問題についても、当面の緊急対策の問題についても真剣に取り組んでもらいたいということを強く要請して、時間の関係もありますので、私の質問を終わりたいと思います。

熊谷義雄自由民主党

○熊谷委員長代理 神田大作君。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 まず、大臣に食管問題について御質問申し上げます。  最近新聞紙上に、食管制度の改善について、政府部内において大蔵省は大蔵省、経済企画庁は経済企画庁、農林省は農林省と、それぞれかってな見解を発表しておるようであるが、これは農民にとりましてはなはだ迷惑な、しかも、農民を非常に惑わすものであるが、所管大臣として大臣はいかなる見解を持っておるのか、まずお尋ねいたします。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 食管制度あるいは米等をめぐりまして、いろいろな方面からいろいろな意見が出ておりますが、これはそれなりにそれぞれの分野からの意見であって、農政に関しましては、あるいは食管制度の運用につきましては、行政的には私が責任者でございますので、私どもとしては、最終的に責任をもってこれに対して処理してまいりたいと思うのであります。  それで、御存じのとおり食糧管理制度というものは、生産者、消費者あげまして国民経済の中に根をおろしておる長い歴史を持っておる、これは率直に認めなければならない。したがって、これの扱いは慎重でなければならぬと思います。しかしながら同時に、今日の米の需給というものは相当大幅な緩和が現在もあり、また今後も続けるであろう。こういう中において、米作農民を安定させると同時に、消費者に安定供給を続けるについては、現状のままではいけない、何らかのくふう、改善を加えなければいけない、これは当然の結論として出てくるわけであります。  したがって、私どもはそういう中で米あるいはそういった問題を検討し、同時に、それは単に米だけを見詰めるわけにはまいりませんので、農政全般の中からこういった問題を検討していきたい。それで、私どもは現在それを検討しておる段階でございます。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 先ごろ各新聞に、農林省の見解といたしまして作付制限をするかのごとき発表がなされておるようでありますが、これらについて、大臣はどのようにお考えになっておりますか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 米の需給は、数字的には食糧庁長官から御説明したほうが妥当だと思いますけれども、いずれにしましても相当な量の供給緩和でありますし、一方におきまして消費というものはなかなか伸びにくい状況になっておる。そこで、私どもはこれらを基本にしまして、単に米のみならず、その他の農産物の作目別の長期需給見通しというものを現在作成中で、近くそれができ上がると思います。そして、その中におきまして米の著しい需給緩和に対して、需給の均衡というものをどう取り戻したらいいかということで、私どもとしてはやはりある程度の生産の調整というものが行なわれなければならぬじゃないか、そういう考えのもとに検討を進めておるわけであります。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 その生産の調整ということ、その点何かはっきりしないようでありますが、それはすなわち水稲の作付転換に通ずることであるかどうか、お尋ね申し上げます。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 もちろん需給の著しい緩和、たとえば来年度におきまして持ち越し量五百万トンというような数字を考え、そして平年作におきましてもさらにそれに上乗せをしていくというような状況下になりますと、一方、米というものはいかなる方法をとりましてもやはり変質してまいるという面があるわけでありまして、そうなると、はたしてそれ自体がほんとうに米作農民を安定せしめるかどうかという、かえって逆の論も成り立つわけであります。  そこで、私どもとしてば需給の均衡というものを目ざしていかなければならぬ。それには、やはり方法としては、少なくとも今後ふえていくべき開田というものを抑制するとか、あるいは既墾地でありましても、それが生産性向上のために必要な構造改善を進めるにしましても、同時に他作物に転換し得るような方法があるならば、そういった面をも調整して、他作物への転換というものをある程度のことは考えていかなければ、需給緩和というものに対する処理の方法がないではないか。そういう意味で、作付転換という考え方もいま検討はいたしておる段階であります。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 その場合に、これは私が常に言っておるとおり、農作物というものは工業生産とは違うのであって、直ちに作付の転換とかあるいは品種の改良とかいうものができるものではない。相当の長い時日を要さない限り、これらのことは不可能であろうと思うのでありますが、これらの転換を農民の犠牲のもとにやろうとするようにわれわれには考えられる。現在の日本の農業は米が主体でございまして、これを、たとえば飼料作物に転換いたしましても、あるいは果樹、野菜に転換いたしましても、これはたいへんな犠牲をしいることになるのでありますが、長い間食管制度を守りながら日本の食糧需給のために努力をし、役立ってきました農民に、突然としてことし米が余ったから米をつくってはならぬ、ほかの作物に転換しろというようなことは、これは農民の大きな犠牲のもとでなければ不可能でありますが、これらに対して大臣はどう考えますか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 もちろん、私どもは農政を推進する立場において、農民の犠牲ということはできるだけ避けなければなりません。しかし一方におきまして、それじゃ現状をこのままじっとしておってもいいのか。一方、いわゆる国民食糧の安定的な供給ということより以上のものが生産されており、それが古米として処理されている間はいいが、古米以上になって処理に困難を感ずるような、いわゆる米というものは生きものでございますから、そのような中においてじっとしておってもいいのか、こういう問題があります。しかし、一面におきまして、確かに今日これだけの生産力が上がってきたのに対しては、農業従事者の非常な努力に対する感謝、また一面におきましては一つの国の生産力という力でもございます。そういう面におきまして、われわれはそういう意味での誇りも持たなければいかぬ。しかしながら、といって現状にとどまっておっていいのかどうか。非常に過剰なものがどんどん次々と出てくる。  そこで、農業というものの体質を考えますと、直ちに工業生産のように切り変わるというような簡単なものではございません。しかし土地の条件、あるいは生産の条件等によりまして、また一面におきまして他の財政支出というようなものも考え合わしていくならば、全体の農産物の中で国民のさらに求めておる、将来さらに展開をしていかなければならぬ作物、そういうものとあわせながら考えて、私どもは農業団体、また農民、こういうものと協力し合って、この事態というものを展開し、打開をしていくということが一番妥当ではないか。したがって、私どもは慎重な態度で、しかも、時間はかける場合もありますけれども、ただじっとしてこのままの状態で過剰生産をいつまでも見送って、逆にりっぱな米をつくるような農民まで不安感におとしいれるというようなことも避けたい、こういう考えのもとに検討をいたしておるのでございます。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 これは非常に重大な問題であって、大臣は二千五、六百億円の食管赤字を非常に気しておるようでありますが、この作付転換を行なうとすれば、相当ばく大な予算をもって農民に報いながらこれをやらぬ限り、これは農民を犠牲にして、いままでの政府の見通しの誤りを農民の犠牲によってこれを転換していくということになるのであって、大臣がもしそういうことをするとするならば、そのような予算措置に対して、どのような考えを持っておるかお尋ねします。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 私は、農業の性質、それから長年つちかわれてまいりました、また根をおろしております食管制度、こういうものも十分見詰めながら、しかし一方におきまして二百六十五万トンの今日持ち越しがある。そして、持ち越しするだけでもって相当な保管料というものを払っておる。その上に、来年はほぼ五百万トンのさらに持ち越しになるであろう。平年作であっても毎年百万トン以上のものが持ち越される。こういう需給関係の中において、そのままただじっとしておるということ自体、国民経済の中におきましての農政としてそうしており得るかという一つの問題がでてまいります。それは、逆に米作をほんとうに真剣にやっていらっしゃる農家の、ほんとうの意味の安定に寄与するかどうかの将来の問題でもあると思います。私は二千四百億円の財政が心配だというのではなくて、むしろそれをはるかにこえた大きな数字の問題が出てまいるのは御存じのとおりでございます。たとえば、米を一トン買いますれば二万何千円、三万円近い国の負担がふえてまいるわけでございます。したがって、国の買い付け量が膨大になれば、それだけ現状以上に非常に膨大な財政負担というものがふえるのは当然でございます。  ですから私は、財政の観点もありますけれども、財政以上に、国民経済の中において農政を安定させるような方向において御協力を願い、同時に、財政当局としてもこれに対して出すべき金は出させるように努力しながら事態を改善していくのが一番いいのではないか、こういう考えであります。だれの犠牲だといって、一方的にしわ寄せを初めから計算してするには、あまりにも規模が大きい問題でございますから、私どもはそういう中で、ひとつ各方面の御協力を願って展開をしていく、こういう考えでございます。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 長くなりますから、最後に私は、ことしなるほど増産のために反収も相当上がったために、去年の持ち越しその他いろいろな関係で、五百万トンが来年度の十月には手持ちになるというようなことでありますが、過去十年間の統計等を見ておりますと、凶作の年もありますし、気候あるいはまたいろいろの意味において人手が、不足して収量が減ってくるというようなことがあって、ことし一年、米が非常に余ったからといって急激にそのような手を打つことは、これは大臣、少し将来のことを考えて、いましばらく需給状況を見守りながらやるべきではなかろうか。三年あるいは五年、最小限度三年、これを見守りながら、あるいは外国への輸出の問題とか、学校給食の問題とか、あるいは輸入麦との関係、あるいはもみ貯蔵、そういうあらゆるくふうと努力を行なうべきではなかろうか、このように考えているのでありますが、大臣はどうお考えになりますか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 消費に対する、第一は見方の問題でございます。これは酒とか工業原料も含めた意味での消費ということでございましょうが、数字的に専門家のほうから御説明申し上げてもいいのでありますが、横ばい状況を続けている、あるいは最近ずっと下がってきた、この傾向をどう見るかということが一つ。やはりこれは生活が向上すれば高度化、多様化し、農村におきましても、消費そのものが米に対しては下がっているということが事実のようでございます。そうなると私どもは、おっしゃるように長期にわたっての需給見通しをもちろん立てなければならぬ。いま精細なものを検討しているわけでありますが、大体私どもの聞いているところでも、まず平年作でも相当量余るような状況なんです。  それからもう一つは、積極的な消化と申しますか、この面は私どもも努力してまいらなければなりません。ですから私どもは、できれば沖繩におきましても、あるいは他の国々におきましても、求めるものがあればこれは出せるように努力をしてまいりたい。ただし、おのずからそこに国際価格との差があるということは、当然われわれは考えてまいらなければならぬ。約半分のものはやはり国民負担として残る、こういうことも考えなければならない。国際市価の問題が一つ出てまいります。それから学校給食等におきましても、私どもはお米を使ってくださるようなところがありますれば、くふう、努力してそのほうに向けたいというあれを持っておりますが、ただ、これは私どものほうだけで強制するわけにもまいらぬものでございまして、やはりそのときそのときの事情で、学校給食で使っていくという意欲の強いところにはわれわれは喜んでそういう御協力を申し上げたい。  こういうことで、消費の増強ということについてもできるだけ努力はしてまいりますが、全体としてはなかなか消費、需要量と申しますか、総量においてそう大きな変化というものは、私は期待しにくいのではないかと思います。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 この問題は非常に重大な問題でありますから、われわれとしては急激な転換等はこれは避けるべきであって、農民の生活に大きく影響を及ぼすことであるから慎重な態度で対処すべきである、そういう意味合いにおきまして、われわれは大臣のそのようなせっぱ詰まった考えは了解するけれども、あくまでも政府の責任において、これは農民に迷惑をかけない、損失を与えない方法において行なうべきであって、今日このまま作付転換をするとか、需給調整を行なうということに対しましては、大きな問題点があると思います。     〔熊谷委員長代理退席、委員長着席〕 時間の関係もありますから、この点につきましては後刻また御質問を申し上げたい。  次に、今日米の需給が緩和しきたというような関係で、最近、全国的に見ますと、米の検査規格で、下位等級が昨年に比べましても上がっておる。米の上位等級が少なくなって下位等級がふえているというような傾向が見られますが、これらについて農民も非常な不安を持っておりますが、事務当局としては、これらにつきましてどのようにお考えになっておるか、御質問申し上げます。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣説明員 米の検査についての御質問でございますが、米の検査は、御案内のとおり検査規格に基づきまして、検査標準品というものを基準として検査いたしておるのでございまして、需給事情の問題とは関係なく進めていただいておるのでありまして、ことしになって何ら変更はいたしておりません。また、標準品につきましては、当局側並びに流通代表、生産者代表と協議の上で検査標準品をきめておるのでございます。この点も例年と変わりはないのでございます。  ただ、ことし検査を実施してまいりました結果を見ますると、御指摘のように、昨年に比べまして若干上位等級の比率が落ち、下位等級の比率がふえておるのでございます。十月三十一日現在の検査の結果を見ますと、検査済みの総量は約四百五十四万トンでございますが、そのうち一-三等の米、つまり基準等級以上のものが全体の六三・九%、約六四%ということでございます。四等以下の基準等級以下のものが三六・一%、約三六%ということでございまして、昨年の最終の姿を見ますと、昨年は一-三等の比率が六六・六%ということでございますので、上位等級が昨年の最終の姿に比べますと二・七%ばかり比率が下がっておる刀したがって、逆にいえば四等以下のものが二・七%ふえているということでございます。  これは、需給関係から出たものじゃございませんで、本年の八月下旬以降の収穫期直前から収穫期に入っての天候が思わしくない地方がかなり多かったのでございます。全体的に粒張りが非常に悪い。また、その期間における長雨あるいは一部には病虫害の発生等がございまして、全体として粒張りが悪い上に、未熟米あるいは腹白米、あるいは胴割れ、焼け米等の混入がございまして、豊作ではございますが、ことしの米の姿は、やや粒数においての増産であり、粒張りとしてはむしろ良好な状態ではないというような結果が出ておるのでごごいます。これは、御指摘のような需給関係からきます規格を故意に引き上げた、あるいは検査をきびしくしたというような結果ではないのでございます。その点は御了承いただきたいと思います。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 品物が悪いからそのようになったという答弁でございまして、規格は変わっていないということですが、しかし、農民は等級が悪くなれば、米は要らないからそういうような結果になるんではなかろうかという不安を持つわけでございますから、今後これらに不安を持たせないように慎重な態度を望みたい、このように考えます。  なお、その検査においては、一等、二等、三等、四等、等外というように規格がありますが、販売する場合には、内地米でいいますれば、一等、二等、三等、四等を一つにして売っておる。これは、生産者に対しましてはきびしい等級でもって格づけしながら、今度販売する場合においては、これを一緒にごっちゃにして売って、そのためにまずい米を消費者に与えておる。一等の米を一等だけでもって精白してちゃんと売れば、これはりっぱなおいしい米になるわけですが、そういうことに対して、小売りの規格と生産の規格において非常な矛盾があると私は考える。生産者にきびしく小売りにゆるいというようなやり方に対しまして、食糧庁長官はこのような問題を矛盾として考えるかどうか、改善する意思があるかどうかお尋ねします。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣説明員 御指摘のように、生産者からの買い上げをいたします場合には、一等から五等までが規格内の米ということで、規格を設け等級づけをいたしておるのでございますが、政府が売り渡しをいたします場合には、卸売り業者に対しましては、それぞれ各等級ごとの価格で売り渡しをいたしておるのでございます。ただ、最終末端の小売りの段階になりますと、各等級別の消費者価格をきめるということは、技術上至って困難な問題でございますので、一-四等につきましてはこれを内地米ということで、一-四等の標準混合比率に基づきました計算で消費者米価が構成されるように実はいたしておるのでございます。  再検討するかどうかというようなお話でございますが、現在の等級は相当長期にわたりまして、少なくとも政府の管理あるいは卸売り販売業者への販売の過程におきましては、一つの等級水準として慣行的にも認められた格づけということになっておりますので、にわかにこの等級をどういうふうにするかということは、非常に私は問題が多かろうと思うのでございます。特に上位等級に区分をいたしておりますのは、やはり米の需給が緩和をいたしてまいりますればまいりますほど、消費者は良質の米を求めるという傾向がありますので、規格の良好なものに対してはそれだけの報償を与えるという買い上げのしかたをすべきではなかろうかという意味でございますので、かりにこういう等級を非常に縮めるということになりますと、上位等級を相当量おる府県の農民にとっては、従来の利益は失われるということにも相なりますので、慎重に考えるべきではなかろうかと思います。  小売段階におきまして、等級別の売り渡しをやるかどうかという問題は、これは米管理の全体の問題とも関連をいたしますので、先ほど大臣からお答えをいたしましたような米の管理の現段階の実情に即した方法をどうするかということの中で、慎重に検討をいたしたいというふうに思っております。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 私は、生産者の上位等級をなくしろということではなしに、一等と四等などの等級のあるとおり、非常に一等と四等というのは比較にならないほど米の質が違っておる。それを一緒にして内地米として売るというそういう粗雑なやり方、片方においては生産者にきびしい等級をつけておるということに対して矛盾があると思うので、これは、ひとつ今後の問題といたしまして御研究を願いたいと思います。  時間がありませんから次に進みますが、専売公社のほうにお尋ね申し上げますけれども、今回専売公社は、特に黄色種の作付制限を発表したが、その内容と、作付を減反する理由についてお尋ね申し上げます。

大塚孝良日本専売公社理事

○大塚説明員 今回、特に黄色種の減反の理由についてのお尋ねでございますが、専売公社といたしましては、四十一年、四十二年、四十三年と年々同じ面積を公示してまいったわけでございますが、最近におきます製品たばこの売れ行きの鈍化、これは一般的にそういう傾向もございましたが、特に本年の五月、御承知のとおり値上げをいたしまして、その際には、やはり総体の売れ行きの数量は減るであろうという予測をいたしておりましたけれども、現在までの実施されてからの売れ行きの伸び方は、過去におきましては、大体少ない年でも対前年五%ないし六%ふえておったわけでございますが、本年の十月末までの対前年を比べますと一〇〇・五%でございますので、〇・五%だけしかふえておりません。最終的に本年度の見込みといたしましては、実数で申し上げますと、昨年千九百五十億本売れておるわけでございますが、ことしは千九百六十億本の見込みでございます。これは、審議会で面積を御決定いただきました当時の見込みもその数字でございます。そこで、これをパーセントにいたしますと、対前年一〇〇・五%でございます。ところが、それからあとのほうは年々少なくとも実数で百億本くらい伸びるであろう、あるいは伸ばそうという計画を持っておりますので、そういう関係から計算をいたしますと、四十年度末では二十四カ月の葉たばこの在庫がございましたが、年々ふえてまいりまして、四十一年度末では二十七カ月、四十二年度末では三十カ月ということになっておりまして、専売公社の標準在庫を計算いたしておりますが、これが平均二十三カ月でございますので、それと比べますと、七カ月強の在庫勘定ということになってまいります。  そういうことでございますので、このままいきますとどんどん在庫はふえる。これは各種類を通じて在庫は多くなっておるわけでございますが、ただ在来種、バーレー種におきましては、最近あまり希望がございませんので、見かけ上は減反になっておりますが、公示いたしました面積は、本年の検査どおりということでございまして、希望をとりましてもそこにちょっと及ばないということで、これは何らの制限もしておらないわけでございますが、黄色種につきましては、希望がもう少しふえておるわけでございますので、このまま御希望に沿っていけば、在庫が解消しないということで、先行き五年間くらいを見て、徐々に過剰在庫をならしていこうということで審議会に諮問申し上げたのでございます。審議会でもいろいろ御審議の結果、本年の検査よりも減らす面積が七・七%くらいというところで御答申いただきましたので、それを公示いたしておる次第でございますが、七・七%という数字は、過去三年間におきます黄色種の、前年検査に対する本年検査の廃止並びに減反をした方の平均面積に相当するものでございますので、その程度なら継続する意思のある耕作者に対しては、それほど御無理をかけないであろうという数字であるということになりますが、ただ過去においては、一人一人の方は規模拡大をいたしておりますが、その規模拡大は来年は御遠慮願いたい、また、新規が非常に最近は少ないのでございますが、新規の方も御遠慮願いたいということで、大体この程度の数字になろうかと思っておる次第でございます。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 いまから五、六年前は、農林省のほうへも協力を願ったと思うのですが、たばこの増反を奨励して、しかも増反者は、乾燥小屋を建てるとかあるいは技術を習得するとか、機械を購入するとかいうことでだいぶ努力をして、せっかく――たばこの耕作というのは、普通の作物と違って非常に技術を要するものでありますから、技術を習得して、苦労いたしまして一人前の耕作者になったのに、今度は余ったからおまえらはもうつくらなくてもよいというような、公社の一方的なそのようなやり方は、耕作農民としては、これはどのような理由があっても納得のできないことであります。  しかも外国から葉たばこを輸入して、量も内地葉の約三〇%、金額にして二百五十億円というように年々ふえるという話でありますが、このように外国から輸入し内地の耕作を押える、こういうやり方――製造たばこをつくるのに、いろいろ事情はあろうと思うのでありますが、耕作を奨励しながら外国から輸入し、しかも今度は一方的に在庫が余ったからやめてくれというようなことは、これは少し虫がよ過ぎるのではないか。しかも、こういう耕作減反に対しまして何らの補償も与えないというようなやり方に対しまして、どのようにお考えになっておりますか。

大塚孝良日本専売公社理事

○大塚説明員 外国葉の問題の御質問がございましたけれども、現在のところ、大体外国葉の混入率一六%程度でございます。これはいろいろ味の変化を持たす。輸入している葉っぱの特質を申し上げますと、非常に香気の高い、あるいは非常に緩和性の強いという葉たばこを輸入しておりまして、これの代替は日本の国産品ではできないというような性質のものを入れているわけでございまして、そういうのはどうしても上級品で、大体具体的に申し上げますと、ハイライト以上の上級品にはまぜておりますが、消費の傾向としまして緩和なたばこが売れ、全体といたしましても高級品に移行しておりますが、高級品がよけい売れてまいりますと、どうしても外国葉を輸入する量というのはふえてまいらざるを得ないわけでございます。  しかし、それだけで手をこまねいているわけではございませんので、われわれといたしましても、国内産の品質の改良等には一生懸命努力をいたして御指導申し上げているわけでございますが、さらに個々のおのおのの区域を分けて、外国葉のかわりに使えるようなものは極力使う努力をいたしまして、銘柄によりまして、一つ一つの中の国産品の使用歩合というのは多少ふえております。しかし、そういたしましても、全体の伸びが大きいものですから、外国葉の輸入量がふえてまいるというのは、これはどうも製品の品質を維持するためにはいたしかたないと存じます。どうも農産物の品種というのは、気候、土質に影響されまして、なかなか改良はいくものではございませんので、その点今後も努力いたしたいと存じますけれども、そういう事情でございますので、御了承願いたいと存じます。  なお、増反をどんどん奨励いたしておいて、急に都合が悪くなったから減反するというのはけしからぬじゃないかというお話でございますが、なるほどごもっともでございます。先ほど申し上げましたように、来年の率では、御自分でおやめになりたいという方、あるいは面積を減らしたいという方の程度でございますので、それほど激しい御迷惑をかけていないものと私どもは存じている次第でございます。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 公社のほうでは迷惑をかけていないというようなことでありますが、これは米ももう減反だ、たばこも減反だ、農家といたしましては、前には米をつくれといってつくった、たばこをつくれというからつくった、そうして今度は余ったからやめろ、これは迷惑が大いにかかっております。農民といたしましては、これはたいへんな迷惑です。しかもこれらに対して、公社は専売益金をあげると、それの費用の残りを全部専売納付金として大蔵省の収益に回す。約一千七百億円という膨大な金を益金に回している。しかも、これら減反等につきましては、何ら農民には補償もしない。こういうやり方は、私は耕作者にとってははなはだ迷惑な話であると思います。しかもこれら耕作者は、自然減反であると言いますが、いまやはり大規模の経営を目ざしておるのでありますからして、これでもって七%あるいは一割程度押えるということになりますと、これからたばこでもってやっていこうという耕作者は増反を押えられることにもなるのであって、耕作の近代化にも大きな支障を来たしておると私は思う。  輸入のことにつきましても、あなたは外国葉を入れざるを得ないというようなことを言っておられますが、はたして公社はどれだけの金を使ってこれら製造たばこの改良研究のために努力をしておるのですか。これが民間企業で、競争する会社であるならば、こういう問題はとっくに解決していると私は思うのです。ところが、独占でありますからして、専売公社だけしかたばこをつくっておらない。そういう安易な経営のために、このような努力、研究がおろそかになっておるんではなかろうか、こういうようにも考えられますが、その点はいかがですか。

大塚孝良日本専売公社理事

○大塚説明員 専売公社といたしましても、葉たばこの本来の性質以外に、加工でいかに製品がよくなるかという努力は一生懸命いたしておりまして、金額ははっきり覚えておりませんけれども、人件費、固定資産取得費等を除きまして、試験研究には大体四億円程度を使っておる次第でございます。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 葉たばこ及び製造たばこの輸出についてはどのような努力をいたし、また、現在どの程度になっているか、お尋ねします。

大塚孝良日本専売公社理事

○大塚説明員 輸出については、葉たばこと製品たばことございますが、葉たばこにつきましては、大体年間、目方にいたしまして、多い年で八百万キロ、少ない年で五百万キロぐらいになろうかと思います。これも各需要者等の要望を聞きまして種々努力をいたしておりますけれども、最近におきまして、国際比価と申しますか、葉たばこ売り込みをいたしておりますまわりの国々の葉たばこに比べまして、日本の葉たばこが非常に高くなってまいりましたので、品質面については日本の葉たばこはわりあいと評判がよろしいのでございますが、価格についての上がりが強いということでなかなか輸出ができませんが、パンフレットあるいは公社員を向こうに回すとか、現にその問題につきましては、先般の耕作審議会で、さらに輸出を伸ばすために調査会等をつくって、もう少しとくと検討しろという建議がございましたので、公社といたしましても、その調査会を発足いたしまして、学識経験者、貿易関係の方あるいは直接に葉たばこの輸出に経験のある方等に、調査会で鋭意御審議を願っている最中でございます。  なお、製品につきましては、製品というものは世界的になかなか動きにくい商品でございますけれども、しかし、一生懸命努力をいたしております。たとえば、昨年ソビエトに一千万本とか一千五百万本とか、数量ははなはだ少ないのでございますけれども、主として共産圏でございますが、輸出する努力をいたしておりまして、伸び率といたしましてはかなりの伸び率を示している次第でございます。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 それでは、この製造たばこの特に輸出の場合は、専売益金として千七百億円からの益金をあげておるが、そういうような状況のもとにおいて、外国のたばこと価格の点において引き合わないと言われますが、そういう点は、益金をダウンしてもやはり輸出すべきものは輸出して、そして葉たばこ耕作者に対して減反をするというようなことをしない努力をすべきであろうと私は考えます。  また、減反については農林省の了解を得て、このような全国平均七・七といいますか、一割からの減反をしておるのか。また、先ほどから申しておるとおり、これら耕作者のみの犠牲においてこの過剰在庫を整理するつもりであるか、これらに対しまして何らかの補償の考えはあるかどうか、この点についてお尋ねします。

大塚孝良日本専売公社理事

○大塚説明員 農林省に特に御了解を得たかということでございますが、お話は申し上げてございますが、確実に御了解を得たかどうかということでは、御了解を得たとは申し上げにくいかと思います。お話は申し上げてございます。ただ、構造改善等いろいろな農政の関係で、最近非常に農林省の御尽力をいただいておりますので、その点につきましてはいろいろな制限がございますが、構造改善につきましては新規も許可し、規模拡大も許可いたすように地方的に通牒をしてございます。  補償の問題でございますが、現在のところは、先ほどから何回も申し上げていますように、増反ができないということではたいへん御迷惑をおかけいたしておりますけれども、少なくとも来年は現状を足踏みをしていただくという意味でございますので、補償は考えておりません。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 専売公社は、たばこ耕作者は専売公社以外にはたばこを売ることはできない、また、この耕作者に対しまして独占企業といたしまして非常な強い権力を持っておるわけであります。耕作者は、口では言わないが、公社の言うことはこれを聞かなくてはならぬという考えを持っておる。私は、非常に前近代的な組織であると思うのであります。そういう意味合いにおいて、こういう減反の問題にいたしましても、あるいは収納価格の問題等にいたしましても、耕作者との意思の疎通というものが欠けるようにわれわれには見受けられる。最近は公社の態度もある程度民主化されてきておるようには見受けられますけれども、しかしまだ、たばこはおれが買ってやるんだ、どこにも売れないんだ、そういう先入観念を持っておる。そういうところでもって減反とかあるいは価格の問題というものが非常に問題になってくると私は思うのです。近く十二月には収納価格も審議会に諮問されることであろうと思いますが、これら収納価格等につきましても、賃金、物価等を十分勘案し、生産者の所得を補償し得るような価格を打ち出すことが、われわれといたしまして非常に大切なことであるし、これを強くわれわれは望むのでありますが、どうしてもたばこが過剰になってくると価格でもってこれを押えようとする、そういう考えを持ってくるだろうと私はおそれているのでありますが、この点について生産部長はどのように考えておりますか、お尋ね申し上げます。

大塚孝良日本専売公社理事

○大塚説明員 価格につきましては、一応私ども臨時葉たばこ調査会で御審議願いました算定方式というのを持っております。この算定方式によりますのは、一番近い時点のデータを使うことになっておりまして、最近やっとそのデータがそろいかけているところでございますので、これから鋭意検討をさせていただきたいと存じておる次第でございます。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 時間がありませんからこれで切り上げますが、後の機会にまた私は総裁あるいは副総裁等に根本的な問題を御質問申し上げたいと思いますが、今度の減反等につきまして、また、将来の見通しにつきまして、よくあやまちのないような見通しを立てて、耕作者に対しまして無理な減反をしいることのないように、納得の上でこれをやってもらうことを特に申し上げまして、簡単でございますが、私の質問を終わります。答弁だけをお願いします。

大塚孝良日本専売公社理事

○大塚説明員 長期計画の策定につきましては、一生懸命われわれ努力をいたして、間違いのないようには努力をいたしておりますが、何ぶん情勢の変化というのがございますので、今回のような次第になったのでございますが、今後は十分検討いたしまして、間違いのないようにいたしたいと存じます。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 美濃政市君。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 私は、北海道夕張郡長沼町のミサイル基地についてお尋ねしたいわけですが、現在のこの用地の状況、それから、いままで進めてきた過程をお伺いいたしたいと思います。

大山一生林野庁林政部長

○大山説明員 ただいま御質問のございました長沼の保安林の現状でございますが、この地帯は、現在水源涵養保安林になっております。それで先般、防衛庁のほうからナイキJの主として教育訓練施設といたしまして所管がえを受けたいという話があり、これが最も適地であって、しかも、ほかに適地がないという話でございましたので、先般所管がえをいたしたわけでございます。  その後、当該所管がえのうちで、当面防衛庁が使用しようとする場所につきまして、保安林の解除の申請があり、それの予定告示をいたしましたところ、当初百三十八人、現在でいいますと、その後取り下げた人もおりますので、百三十人から異議の申し立てがありまして、その異議の申し立てがありました者によりまして、現地におきまして、たしか九月十六日から三日間公聴会を開いて、聴聞をいたしたというのが現状でございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 その面積あるいは涵養林を転用することによる措置……。

大山一生林野庁林政部長

○大山説明員 保安林解除の申請は三十五ヘクタールでございます。それで目的は、高射教育訓練施設ということでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 防衛庁にお尋ねいたしたいのでありますが、この施設は単なる高射教育訓練施設であるのか、それとも有事の際は、これはどのように使われるのか、お伺いいたしたいと思います。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤説明員 長沼地区に予定いたしております部隊は、千歳にあります航空自衛隊の第三高射群の一個中隊をここへ配置するという予定になっております。それで、この部隊はナイキハーキュリーズの部隊でございまして、もちろん有事の際におきましては、ナイキの使命を果たすための施設でございます。その目的としましては、北海道の中枢地の防空のために設置する部隊でございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 そういたしますと、これは有事の際は防空の任に当たる。そうすると、この場合は核弾頭を使用すると解釈してよろしゅうございますか。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤説明員 お答えします。  私は専門家ではございませんが、現在の防衛庁のナイキハーキュリーズにつきましては、核弾頭はつけられないものということになっております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 つけられないものになっておる。しかし、これはつけなければ有事の際の大きな役に立たぬでしょう。ですから、有事の際には防空に当たる、こういうことであれば、核弾頭は当然使用するという解釈になるわけであります。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤説明員 防空のための高射群のナイキの機体としましては、必ずしも核弾頭を使わなくても、その所期の目的を達することは可能であると考えております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 まあその問題は、使うか使わぬかはこれ以上論争いたしませんが、そうすると林野庁のいう解除の理由、いわゆる高射訓練施設と、ただいまの防衛庁の答弁との間には、告示名称等の相違が出てくるわけですが、これはどういうわけで――たとえは同じ飛行機でも、訓練用として買った飛行機は訓練機でしょう。戦闘機は戦闘機でしょう。この施設について、これは単に訓練用ではないということがいまの答弁ではっきりしているわけです。そうすると、なぜ訓練用という名称なのか、これをお伺いいたしたい。

大山一生林野庁林政部長

○大山説明員 森林法のたてまえから申し上げますと、従前からも保安林の解除におきます告示の一般的な表示方法といたしましては、固有名詞は使っておりません。抽象名詞を用いておるわけでございます。といいますのは、たとえば国道第二十五号線道路敷地という場合におきましては、単に道路敷地、こういうふうな表現を用いておるわけでございます。  それで、今般の高射教育施設敷地という解除理由を書きましたのは、従来防衛庁のこの種の施設につきまして、国有財産台帳の口座名として用いておりました例に準じまして、それによって高射教育訓練施設という告示をいたしたわけであります。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 しかし、この告示名称は実際に合っていなければ、これは地方住民――あとから私は聴聞会について触れますが、そういう点が、取り運んできた経過から見て、訓練用という名称を特別に、何かいわゆる作為的につけたような感じを私どもとしては受けるわけです。これはもっと明確に、訓練用でないのですから、固有の名称を使わないと――そういうことも従来の通例かもしれませんけれども、こういう施設については、いわゆる固有の名称をはっきりする必要がある、こう思いますが、今後どのようにこれを扱うか、お伺いいたしたい。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤説明員 御承知かと思いますが、長沼町に設置するナイキの施設は、欧米に見られますような地下式の非常に強固なナイキ陣地ではございません。地上に設定するものでございまして、もちろん移動しようとすれば移動することも可能であるという施設として、従来第一高射群あるいは第三局射群というものを設置してまいりました場合に、ナイキ陣地としましては、国有財産台帳としては高射教育訓練施設ということばが従来から用いられておりますので、今回もそういう名称を告示の際に使用いたしたということでございまして、特段長沼町の場合だけ特殊な名称を用いるというような作為は何らいたしておりません。この施設に配置される部隊というものは、有事におきましては戦闘行動を行なうことはもちろんでございますが、平時におきましては、もっぱら教育訓練を行なうものでございまして、その意味から、その使用目的の主とした態様から見まして、このような名称を従来から用いておるというふうになっております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 そういう答弁をされるとちょっとお尋ねしますが、たとえば戦闘機を買った場合に、戦闘機というものは訓練用に使われないのですか。あれははっきりしておりますが、戦闘機、訓練機と、こうなっております。戦闘用の場合には絶対訓練用に使わないのだ、訓練機以外は格納庫にしまって使わないのだ、こういうものですか。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤説明員 飛行機の場合は、戦闘機あるいは訓練機というものはおのおの別になっておりまして、もちろん訓練の過程がいろいろございますから、その過程においていろんな訓練機が使われる。その訓練を経て戦闘機に乗れる能力ができました場合には戦闘機に乗るわけでございますが、もちろんその戦闘機に乗りましても、その慣熟度をさらに高めていくための訓練というものはいたしてまいりますけれども、それが、特に練習をしておるというような趣旨のものではないというふうに考えております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 しかし、この場合も私どもの考えでは通例そういうふうに考えるのですがね。こういうものをつくって有事の際はいわゆる防空に当たるというのでありますから、有事でない際は訓練用に使う。そうすると、ちょうど戦闘機の訓練をするのと同じじゃないですか。同様の解釈が正当だと思うのですが……。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤説明員 長沼町に設置を予定しておりまする施設というものは、ナイキ陣地のためのレーダー施設であるとか、あるいはランチャー施設、あるいは弾薬庫等のものでございますが、御承知のように、ナイキの射撃というものは具体的にはレーダーサイトとの関係、あるいは高射群本部との関連、そういうものとの相関関係におきましてこの防空施設というものは有効に利用されるのでございまして、その意味におきまして、実際にこのナイキというものの運用にあたりましては、むしろふだんにおける航空部隊とか、レーダーサイトとか、あるいはその他の部隊との連係を中心とした訓練というものが最も重要になるわけでございまして、有事の際におきましては、必ずしもそこに置いた施設で、そこの場所で戦闘作戦行動をとらなければならぬという趣旨のものとは限りません。その意味におきまして、電子機器を主として用いました武器というものは、その訓練というものが実際の場合に役立つための最も重要な要素を占めるものである。で、今回の場合も、長沼町におきまして具体的に、本部は千歳にございますが、千歳の高射群の本部と長沼における一個中隊と、それからレーダーサイトになりますと当別にございますが、当別のレーダーサイトとの関係、あるいは千歳における第二航空団との関係、そういうものを常時連係作動しながら実際のナイキの訓練を常時いたしていく、そのための施設をここへ設置しようという意味でございまして、平時におきましてはもちろん訓練を主とする施設でございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 そういたしますと、無理にこういう重要な水源涵養保安林を使わなくてもいいのじゃないですか。どこでもいいということになりますと、北海道は土地が広いですから、無理にここでなければならぬということはないのです。それをどうしてここでなければならぬと指定するか、私どもは理解に苦しむことになる。どこへ持っていってもいいのだ、有事の際はそこでなくてもいいのだ。私どもは一説に聞いておるのだが、確たるあれではないのですが、調査室からの話では百三十二億、大体ある程度固定した施設というふうに聞いておるわけですが、そういう関係はどうなるのか。全く流動した施設であれば、こういう大切な涵養林を無計画に、こういうところを使ってする必要はないと思うのです。北海道は土地が広いのですから、砂浜でもどこでもいいのではないかと思うのです。全然当たりさわりのないところをやったほうが一番いい。どこでもいいというのであれば、こういう百三十名から異議の申し立てなんか出ないようなところを選択したほうがいいのではないか。それはどうなのです。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤説明員 今回予定しております第三高射群の配備の目的は、北海道における中枢部門の防空に当たるということが主たる任務でございます。したがいまして、北海道の中枢部を守るためのナイキ陣地はどうあるべきかということをいろいろ検討いたしますと、現実にレーダーサイトは当別にございますし、それから千歳に第二航空団がある。それとレーダー網の関係とかあるいはその他の関係からいたしまして、道央地区を守るためにはどこが一番適当なところであるかということをいろいろ検討いたしました結果、長沼の馬追山系が一番適当であるという判断に立ちまして、私のほうといたしましては、ここを最適地として選定いたした次第でございます。  この移動性の問題でございますが、これはきわめて簡易な移動性があるというものではございませんで、先ほど私の説明があるいは足りなかったかもしれませんけれども、平時におきまして、北海道の中枢地区を防衛するためにどういうふうな訓練をすべきであるか、有事即応の態勢の訓練はどうあるべきかということを考えました場合に、有事の際のことを前提とした場所に、有事の際に最も適当であると思われるところにまず配備いたしまして、そこで常時訓練をしておることが必要でございまして、先ほど申し上げました移動性を場合によっては考えなければならないということは、その時点におきまして、全く想像しないような状況の変化によってレーダー基地を移転せざるを得ないというような場合におきましては、これは全く移動できないものではないという程度のものでございまして、その意味において、地下式の施設ではないというふうな趣旨で申し上げたのでございまして、ナイキハーキュリーズの施設というものは、かなり固定した施設というようなものになっております。その意味におきまして、やはり有事に際しての実際に実動する場合のことも考えながら最適地を求めるということになりますと、長沼の馬追山系が一番適当であるという結論になりまして、ここを最適地として選定いたしておるということでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 最初からそういうふうに答えてくれればわかるのですが、最初はどこでもいいのだ、どこへ持っていってもいいのだと私は受け取ったわけです。  そうすると、もう一回念を押しますが、北海道中枢の防衛施設である。この防衛施設は訓練にも使われるが、有事の際は防空に当たるのだ、そうみだりに移動できるものではないが、この設置計画としては、やはり中枢の防衛施設としてここが最も適当であるということであるから、動かして動かせないものではないんだが、そう軽々しく動かす計画に基づくものではない、これでよろしゅうございますか。

江藤淳雄防衛庁参事官

○江藤説明員 われわれが現在いろいろな場所を検討しました結果、長沼の馬追地区が最適地であるというふうに考えまして、平時におきましても有時の際におきましても、この場所がナイキの施設を設定するには最適の所であるという前提のもとにここを選定いたしておるのでございまして、先生のおっしゃるとおりでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 それでは次に、進め方と聴聞会についてお尋ねしたいと思いますが、この経過を見ると、非常に短い日限で、何か五月の三十一日に地元の長沼町に正式の相談が持ちかけられて、十日間くらいの日程で町議会の同意あるいは町議会全員協議会の同意等を取りつけておるわけですが、地元にこういうものができるのに、どうして地元の意思をもう少し確認した上に立って同意書をとるという日数をとられなかったか、どうしてこういうふうに急がせたか、これをお伺いしたい。

大山一生林野庁林政部長

○大山説明員 他意は別にないわけでございまして、申請があり、一方地元におきましても全員協議会でありますとか、町長でありますとか、あるいは町議会の意思でありますとか、あるいは一方、知事の意見でありますとか、あるいは、同じことになりますが道議会における知事の意思表明、こういった各般の措置が一方において行なわれておりますし、わがほうといたしましては、申請後通常の措置と同じようなタイミングでやったつもりでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 次に、そういう過程を経て予定告示が行なわれた。それで、先ほどお話のありました百三十数名からこれに対する意見書が出された。それで、これは森林法に基づきまして聴聞会が開かれたわけですが、その聴聞会が開かれたときの当初に、これは指導部長が大臣から指名されて、議長の指名を受けて聴聞会に行きまして、「白紙に戻りまして謙虚な気持で異議意見者の意見を十分聞きまして、」それをもとにしてこの保安林を解除すべきかどうかということをきめる、こういうふうに当初聴聞会で言っておるのですが、この「白紙に戻りまして」ということは、聴聞会において一切白紙に戻したと思うのですが、いわゆる予定告示から一ぺん全部白紙に戻しまして、ここで一ぺん皆さんの意見を聞いて、その意見の上に立って事を運ぶんだ、こういう表現をしているわけですが、これはそのとおり間違いないかどうか。これは速記録ですが、こういう重要な段階ですから白紙でと言ったんだと思うのです。

大山一生林野庁林政部長

○大山説明員 あの緊迫した空気の中で議長が答弁しているといいますか、意思を表明しているわけでございますが、本来公聴会といいますか聴聞会は、異議の申し立てをされた方にさらに具体的に説明してもらう、こういうことであるわけでございます。もちろん解除の予定告示をいたします以上、その土地でなければならないし、しかも、その保安林の解除すべき面積が必要最小限度であり、しかもそれを解除することに伴います各種の代替施設等につきましても、林野庁、農林省といたしまして十分検討した上で予定告示に踏み切ったわけでございます。  ただ、その現地におきます具体的な意見を聞かせていただくという意味は、われわれのほうで考えておりますといいますか、予定告示時点において考えている代替施設が十分であるかどうかというような点について、現地の人からいろいろと具体的な御意見があれば、もちろんそれは謙虚に承って検討いたしたい、こういう趣旨で申したんだろうと思っております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 こういう趣旨でというのは、私はそのときの速記録が手元にあるのですが 「白紙に戻りまして謙虚な気持で異議意見者の意見を十分聞きまして、これらをもとにいたしましてさらに検討を重ね保安林を解除すべきかどうか、あるいはたとえば解除すべきかどうか」こう繰り返しておるわけですが、そういうことを検討してきめますと、きめるということを言っているわけです。その白紙ということは、そういうふうに限定づけたこれこれの問題について意見を聞くというのではなくて、白紙に戻して聞きましてと、こう言っているわけですね。

大山一生林野庁林政部長

○大山説明員 先生の言われるのが何日目のことであるか、ちょっとわかりませんが……。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 十六日、初日の劈頭です。

大山一生林野庁林政部長

○大山説明員 それの速記録に――実は議事に入る前にも、警官が入っているの入ってないの、こういったトラブルが非常にあった。押し問答がありまして、その押し問答の中におきまして、当初林野庁として考え、あるいは防衛施設庁が代替施設として考えていることを押しつけるのか、こういうのがありまして、そういう押しつけるつもりはございませんという意味で、その前段がございまして、そのあとが白紙で、こういうことになっておるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 これはそういう前段も後段もないわけですね、第一日の当初のあいさつですから。そういうやりとりの中であれば、多少混乱してある程度やりとりの中で前段と後段とのことばのつなぎで解釈という問題が出てきますけれども、当初これはきちっとした指導部長のあいさつですからね。何も質問者もだれもまだ質疑の中じゃないわけですし、こういう目的で参りましたという当初のあいさつなんですから、これは私は白紙だ、こう思うわけなんです。それが一点。  それから、けさこの速記録が参りましたので、三日間にわたる長いこういう四冊の膨大な記録ですから、とても全部見る余裕はありませんが、重要なところをちょっと見た範囲では、まず、ここへ集まったいわゆる聴聞者が一番先に考えることは、そういう水源涵養林がなくなることによって、代替施設の問題よりもどういうものができるのか、それによって聴聞の内容も整理したいという気持ちがあったと思うのです、私はその場におりませんけれども、これを見ると。たとえば、いま申しました単なる訓練施設なのか、それとも防衛施設なのか、有事の際に使うものであるのか。これは先ほども核弾頭はつけなくともと言うけれども、私どもまた別の面で同じ内閣の調査室で聞いたのでは、つかぬということを聞いておるわけです。つかぬと言っておるけれども、これはつけて発射できますということも別の面から聞いておるわけですね。これは聞いた話ということでよろしいと思うのです。証拠がどうだということの突き詰めばやりません。  そうすると、受ける大衆にしてみれば、どういうようなものができるのか、これに対して全然明確でないのです。ただ訓練施設でありますと言う。当初に防衛庁の高射訓練施設用地のためでございますと言ったきりで、あとその問題は行ったり来たりしておるだけです。これは先ほどお話がありましたように、いわゆる通例、たとえば道路であれば一級国道だとか二級国道ですが、そうしないで、解除の目的は道路用地だけです。それならそれで、中身はこういうものができるといまはっきりしたのですから、そういうことを住民に伝える親切があってしかるべきだと思うのです。議長として農林大臣から派遣された指導部長はわかっておるのですから、当面告示はそうなるけれども、中身はこういうものができますということを言わなければならぬでしょう。国民にそれを言っていない。そこで、それはどういうものかこういうものかで三日間明け暮れておる。そういうものをはっきり言ってもらわなければ、陳述せい、意見を言えと言ったって、その基本に対して聞きたいのだ、その基本がわかれば、それに対するまた意見があるのだ、大要こういうことが繰り返されておるのです。それで三日間押し問答をやって、それで終わり、こうなっておるのですが、私の見たところでは、当初の白紙というあいさつといい、この経過といい、この聴聞会は全く無効である、適正に取り扱われた聴聞会ではない、こう見るのですがね。これはもっと中を見なければ、この速記録はけさ手元に届いたわけで、十分中身を見ておりませんけれども、そういうふうに思うわけですが、どうでしょうか。

大山一生林野庁林政部長

○大山説明員 第一日目は代替施設の内容であるとか、あるいは伐採との関連であるとか、あるいは、防衛施設庁のタイミングを含めた工事に対する信憑性の問題であるとか、極端にいうならば、防衛庁に対する不信の問題、こういうようなことが中心で行なわれております。二日目になりまして、今度は防衛といいますか、その解除の理由のところの、先ほど言われました教育訓練施設という問題に話が変わってきております。三日目になりますと、それらの問題がごちゃごちゃと、こういうふうなかっこうになってきております。そういうふうな経緯で三日間を推移したわけでございます。  それで、陳述者の方々の立場としましては、告示の内容の説明に対する質問であるということで一応一貫しているわけでございますけれども、したがって、公聴会は終わってないというふうに陳述者の方々は言っておられるわけであります。しかし、その中身におきましては、意見と思われる個所が相当数出ていることもまた事実でございます。現在、われわれといたしましては、そういった過程の中で行なわれました公聴会というものが、どういうものであるかということを慎重に検討しているというのが現状であります。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 慎重に検討しておるのが現状だと言うけれども、私はすでにこの経過を見て、たとえばここではそういうふうに言いますけれども、これは森林法の聴聞会の規定によって――大臣にお聞きしますが、これは早期に告示する予定ですか。もし告示した場合に、この規定によって訴訟を起こした場合、私が判事だったら、これは無効と判定しますがね、こういう聴聞会は。行った人がその主体性を逃げておるのですから。そうして客観的な主体性の質問を逃げて、条件的な微量な四億か何ぼの代替施設の条件を押しつけて事を済まそうとした。そこに意見者と主催した議長との間の意見が食い違ってしまって、何の結論も得ずに、具体的な聴聞もなしに終わっておるのです。これは聴聞会の形になっていない。この前段の白紙という表現といい、あとから出た態度といい、これは一貫して聴聞会の形をなしていない。非常にお粗末な会議に終始しておりまして、聴聞会が終了しておるなどとは、これは第三者の裁判官が判定してもなりませんよ。私はそう思います。私が判事であれば、これはそういう判決になりますね。どうですか、大臣の意見を承りたい。これはすぐ告示する予定であるかどうか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 事柄が事実認定の問題でありまして、事実と申しますのは、その聴聞会が行なわれて、そうしてその間に、どういう客観情勢の中でどういう雰囲気で、しかもどういうやりとりがやられたか、この事実の判断の問題であります。そこで、あなたが裁判官なら、これはもう聴聞会でない、あるいはこの聴聞は無効であるという判定を下されるかもしれませんが、しかし、事柄はこれは司法権の問題でございますから、私ども別の立場でこれを批判することは差し控えたいと思いますが、私のほうといたしましても、また一面、ただいま速記録というものができております。また、当時の関係者というものもおりますから、それらの事情等も十分検討の上、もちろんこれは関係省もあるわけでありますから、内容等検討した上で十分結論を出したい。これが私の聴聞会に対するただいまの態度でございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 時間の予定もございまして、本日はこの程度にしておきたいと思いますが、数々の問題点がありまして、大臣としても、この問題は、まず第一点は、これはやはりつくらんとする内容を関係者に明確にするということであります。この聴聞会のように、ただ訓練施設だといって糊塗しないで、きちっとした、こういうものができるのだということをやはり明らかにするということ。国民に虚偽のことを言ったり――まあ虚偽は言っておりませんが、真実を伝えないということは、私は行政としてはあり得ないことだと思います。言ってないのですから、虚偽だとは言いません。見た範囲では、ぼかして言ってないのですから、虚偽ではありません。真実を伝えないということ、ただ単なる訓練施設だということ、こういうことであります。それに対しては、真実を伝えないから聴聞会における集約がつかない。そのままになっておるのでありますから、だれが判断したってこの聴聞会は全然聴聞会になっていない。これはもうはっきり言えると思うのです。ですから、その点十分その経過を考えていただきまして、いわゆる真実を伝えない行政というものは執行してもらっては困ると思います。そういうことはあり得ないことでありますから。  以上、意見を付しまして、本日は終わります。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 ただいま主体性がはっきりしないじゃないかと申しますが、日本の自衛隊というものは、平素全般的に戦争を避けるということが前提でございます。私は、たとえ戦闘機であっても訓練的な性格を持っておるものも相当あると思いますし、決して戦闘機そのものが常時実戦でやっておるわけじゃございません。やはり戦闘のための訓練のために使われておる。ナイキハーキュリーズ、あるいはナイキアジャックス、こういうような問題につきましても、訓練が即有事即応の体制で訓練が行なわれる。そうして一たん何かあった場合においては、これは万分の一あるいは一千万分の一の期待ではありましょうが、それが実戦に使われる。こういうような意味からいえば、私は、今日自衛隊というものを認めてくださるお立場であれば、御理解がつくのじゃないか。いわんや法律的に説明しますと、さっき林政部長から申し上げましたように、抽象の名前で訓練施設として台帳に載っけておるものをそのまま言った。その説明が不十分だというなら、その当時の客観情勢がどの程度の平穏裏に行なわれたかという諸般の事情を明らかにしなければならない。白紙という問題も、前後のいろいろな状況を判断した上で私どもはよく検討したい。こういうふうにひとつ御理解を、私どもの立場でも願いたいと思うのであります。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 私は、さっきから申し上げたように、そういう客観的なものの考え方はあっても――繰り返しますが、やはり表示すべきものは、例をあげると、練習機は練習機なんであります、戦闘機は戦闘機なんでありますから、練習機を戦闘機といわないように、戦闘機を練習機といわないように、その辺の表現はきちっとこれから行なっていくべきだと思います。戦闘機を練習機と表現するようなことは私はいけないと思います。ですから、いま大臣の言われたようなそういうものの考え方もあるでしょうけれども、やはりその使用目的なりつくろうとする内容は、きちっと国民に知らすべきだと思う。それを知らさぬで、さも戦闘機を買ってこれは練習機であるというような表現に終始して、そして聞かれても、これは実は戦闘機にも使えるんだということを言わないというようなことは、これはもういけないことだと思います。  以上できょうは終わります。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 工藤良平君。  工藤君、まことにすみませんが、御承知のとおり質問者が多いし、時間がすっかり延びちゃいましたので、ポイントの質問にぜひお願いします。

工藤良平日本社会党

○工藤委員 委員長からの要請もありますので、私もポイントをしぼりまして御質問をいたしたいと思います。  すでに御承知と思いますけれども、現在大分を中心にいたしまして官崎あるいは高知、愛媛、鹿児島、こういった地域でシイタケの不良種こまの問題が非常に重要な問題になってきているわけであります。特に農林大臣にお伺いをいたしたいと思いますのは、現在シイタケは、特に農村部でも山間部に位する地域での主要な農産物として全国的に普及をしつつあるわけでありますが、このシイタケ産業に対する農林省の基本的な考え方をまず冒頭にお伺いをして本題に入っていきたい、こういうように思いますので、まず農林大臣からその点お伺いをいたしたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 実は、先生のところもシイタケですが、私のところにもシイタケが一、二ございますので、いろいろな実情等現状を聞いております。私としても、これはきわめて効率のあがる、しかも山間等におきましては将来とも大事にして伸ばしていきたい産業であることは間違いない、そういう姿勢でまいりたいと思います。

工藤良平日本社会党

○工藤委員 ところが、このシイタケ行政の問題をいろいろと分析してみますと、正直申し上げまして、ほとんど現在の農林行政の中で、農林省自体の行政としてはゼロにひとしいのではないだろうかという感が実はいたすわけでありまして、この問題については、ぜひより積極的な農林省の姿勢というものを今後打ち出していただくように、私は冒頭にお願いをいたしておきたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 私どもも先般来これについて、後ほどいろいろ御質問もあると思いますが、問題がありますので、われわれとしても何らかいろいろな助成と申しますか援護と申しますか、何かそういう前向きの措置を今後検討していかなければいけないと考えております。

工藤良平日本社会党

○工藤委員 そこで、具体的にお尋ねをいたしたいと思いますが、これはすでに昨年の一月から二月にかけまして、いわゆる四十一年、四十二年の伏せ込みの種こまが非常に活着不良という状態が起こりまして、極端に申し上げますならば、ある会社の種こまが私どものところの場合にも約七〇%、ほとんど独占に近いような状態で分布をいたしておるわけであります。その中で、特に春出しの種こまがさらにそのうちの七〇%を占めておるという状況でございまして、これが実はことしの秋、いま現実にほだ木を起こしているわけでありますけれども、ほとんど活着ができていない。しかも、昨年の春伏せ込みをいたしましたほだ木につきましてもきわめて活着不良だということで、二年続きの活着不良のために、シイタケ生産農民といたしましては非常に苦況に追い込まれまして、私も二週間ばかり現地を回りましたけれども、いままで全然出かせぎにも行かなかった農村地帯でありますが、すでに続々とこのような状態の中で出かせぎに行かなければならないという実態が起こっております。  これは緊急に措置をしなければならないと私は考えておるのでありますが、この原因が一体どういうところから発生をしたのか、これはひとつ林野庁のほうから御答弁をいただきたい。

大山一生林野庁林政部長

○大山説明員 先生から御指摘がございましたように、大分、宮崎、静岡等において活着不良の問題が出ているわけでございます。活着不良の原因ということになりますと、この種菌が最も下等な植物であるというようなこともございまして、外界要因による影響をきわめて受けやすい、こういうふうな状態であるわけでございまして、今度の活着不良の原因が一体何であるかということも、なかなかきめかねるわけでございます。ですが、一般的に申しますならば、培養がよくなかったというようなことからきます種菌の不良の問題とか、あるいは種菌はいいわけですが、輸送なり保管においてまずかったというようなその後不良化した問題とか、あるいは種菌を接種した後の管理が悪かったかどうかというような問題、それから気象条件がどうであったかどうか、こういったような原因が考えられるわけでございます。  林野庁といたしましても、こういった非常に各種の原因が考えられることでもございますので、林業試験場の保護部長をチーフといたします調査団を現地に派遣して、いま調査に当たらしているという現状でございます。調査といいましても、菌を持ち帰って培養しなければならぬというようなこともございますし、菌によるいろんな特性もあるというようなこともございまするが、現在その調査をやらしているという現状でございます。

工藤良平日本社会党

○工藤委員 現在、林野庁で把握をしております被害といいますか、大体おわかりになっておりますか。

大山一生林野庁林政部長

○大山説明員 実は、被害額というのがまたこれなかなかむずかしいわけでございます。活着不良という場合に、いわゆる普通七割程度の活着ということであるそうでございますが、それが六〇%であるか五〇%であるか四〇%であるか、そのほだ木によってみんな違うというようなこともある。皆無というようなのはないようであります。そこで、一体幾らの損害かということになりますと、県もなかなか額がはじきがたいという現状にありまして、したがいまして、数県からは一応の金額は内報的には来ておりますけれども、知事からといいますか、正式の報告というかっこうではまだ来ておりません。

工藤良平日本社会党

○工藤委員 その被害の状況の中で、特定の銘柄、品種のものが集中的に被害を受けている、こういう状態は出ておりませんか。

大山一生林野庁林政部長

○大山説明員 現在、調査に行った結果を待たぬと何とも申し上げかねますけれども、ある県においてはある品種がまずかったという話は聞いております。また一方、専門家に言わせますと、その品種は高温に弱いという話もあるそうでございまして、高温のところにおけるそういう菌の管理が悪かったのかもしらぬというようなことであります。ただ、すべての品種についてすべて発生しているということではないようであります。

工藤良平日本社会党

○工藤委員 その点を私は明らかにしておきたいと思うのです。まあ農林省としてはなかなか言いにくいと思いますけれども、私ども現場に入りまして、県あるいはシイタケ農協あたりが中心になって調査をした現実を見て回りますと、正直に申し上げまして、森産業から出ております春出しの一二一号というのが、昨年ほとんど圧倒的に活着が不良であります。しかも、ことし春打ちましたものがすでに黒ほだになっているわけであります。これは昨年よりももっとひどいのではないかということを生産農家の方はすでに言っております。もちろん、これは来年の秋になってみなければ最終的にはわかりませんけれども、現実には、もう何十年もやっていらっしゃる生産者の方がはっきり言っているわけであります。早くこれをパルプに売るか、あるいは炭に焼いてしまったほうがいいということを、ことしの春伏せ込みをいたしましたほだ木について言っているわけであります。私は、これは非常に重要だと思っております。しかも、一二一号が悪いから、これなら絶対だいじょうぶだという保証つきで打ちました一二七号がまた悪い、こういうような状態にきておるわけであります。  私は、あえてここで特定の名前をあげたくはございませんけれども、現実にそういうものに集中しているということは、製造過程かあるいは輸送過程か、あるいは種こまの生産の中で、設備以上の種こまの生産をしているのではないかというようないろいろな要素が出てくるのではないかというふうに実は思うわけでございまして、その点について、農林省としてはまだ詳細に把握していないのか、調査が終わっていないのか、その点を明らかにしていただきたいと思います。

大山一生林野庁林政部長

○大山説明員 先ほども申し上げましたように、現在調査団を出しておりまして、調査団の調査の結果を待ちまして判断いたしたい、こういうふうに思っております。  ただ、いま言われました会社が七割を占めているというようなことも、あるいはいまのところそういうかっこうで出てきているのかもしれませんし、またほかの会社の名前も実は聞いております。したがって、ある品種のある会社のものであるかどうか、その辺の問題も含めまして、現在調査中でございます。

工藤良平日本社会党

○工藤委員 それからもう一つ重要なことは、これは昨年とことしの種こまの問題でございますけれども、従来にも、たとえば明治とかあるいは菌興とかそのほかの会社から出ました種こまについても、一部そういう事態があった、こういうことを私は聞いているわけでありますが、もしそういう事実があったとするならば、これはシイタケの種こま全体の問題としてやはり取り上げていく必要があるのではないか。もちろん、昨年ことしはいろいろな要素がありまして特定の銘柄に終わっておりますけれども、従来からそういう問題があったとするならば、全体的に人工栽培による種菌接種の栽培法というものに変わってきてから今日のいろいろな状態というものを検討した場合に、やはり総合的な種こま対策というものを立てる必要があるのではないか、こういうふうに私は思うのですが、その点について農林省の見解をお伺いしたいと思います。

大山一生林野庁林政部長

○大山説明員 戦後になりまして、現在やっております種菌栽培法といいますか、これが著しく普及した。そうして戦前のレベルに二十七年ごろに返りまして、それから飛躍的にふえてきているという現状で、従前からありました方法に比べますと、はるか安定、確実であるということは事実のようでございます。  ただ、最近非常にこの菌の需要が多いということがありますので、いままでも試験場なり普及組織を通じていろいろと指導監督してまいりましたけれども、今度のこういう事実にかんがみまして、さらに指導監督を強化してまいりたい、こういうふうに思います。

工藤良平日本社会党

○工藤委員 私は、いま総合的なということを申しましたが、たとえば二十年前には、原木一貫目当たりに一ないし一・五個の種こまを使用すれば、さっき申し上げましたように、大体八〇%以上のほだ木というものができていたわけであります。ところが現在は、それが一貫目当たりに五ないし六倍の種こまを使っても、なおかつ完全に、よほど肥培管理をやらなければ困難な状況になってきた。これははっきり申し上げまして、環境が悪化をしてきたということがいえるだろうと思うのであります。  そういたしますと、これはやはり菌に対する全体的な総合的な対策というものが必要になってくるということがいえるわけで、それじゃその環境悪化の原因というものは一体どういうところにあるのか。こういうことはすでに十分に御承知だと思うのですが、そういう点を考え合わせて、農林省としても非常に対策が必要ではないか。  たとえば、私どもの県にいたしましても、県南と県北を比べますと、雑菌の胞子の密度というのが非常に違うわけであります。県南に行きますと、いわゆるあたたかいところに行きますと、雑菌の胞子の密度が非常に高く、だんだんそれが北上してきているという状態があります。したがって、やはり県北で打つよりも県南のほうで種こまをよけい打たなければならぬ。しかもなおかつ、雑菌の繁殖が激しいというような状態が起こってまいります。さらにはまた、さっき部長お話しのように、こまの拡大、いわゆる需要の拡大に伴う、それに見合った生産の状態が一体どうなのかという問題もありましょうし、輸送の問題もある。技術的にはこの問題は解決をされておりますけれども、しかし、具体的な問題になりますと、それぞれの経営体の問題もありまして、なかなかうまくいっていないという問題等もありますから、そういう問題を総合してこれを立てる必要がある。  これは基本的な問題でありますけれども、この点については大臣のほうからもひとつ御見解をお伺いをしておきたいと思うのです。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 菌につきましては、ただいま林政部長からお話がありましたように、この被害の問題につきまして、ただいま調査団を出しておりますから、できるだけ早く試験研究で原因を把握をしたい。それから輸送、管理、同時に菌を生産する方面においての指導を事前にできる限りやる。結果がわかる前でも警告を発するとか、注意をするような努力をしてまいりたい。そうして同時に、いまの環境その他につきましても、おそらくいろいろな御意見等がだんだん明らかになってくると思うのであります。  私は、元来シイタケ産業というのは、自力で非常に努力されてきたと思います。それだけに自然にまかしておいたというか、主産地形成にまかしておったが、私どもとしては、こういう機会に総合的な観点から詰められるものはできるだけ詰めて、また、伸ばし得るいろいろな手というものは、打てる方法は打っていくいい機会ではないか、こう考えております。

工藤良平日本社会党

○工藤委員 いま大臣の御答弁のように、非常にいい機会でありますので、いま申し上げましたように、菌の問題について、農林省として検査なりあるいは規制というものがもしむずかしいとするならば、さしあたって何らかの監視体制を実施をしていく、こういうことがやはり私は被害を事前に防止をしていくたいへん重要な政策ではないだろうか、こういうように思いますので、いまの大臣の御答弁をぜひ具体的に進めていただきたい。  それからもう一つは、緊急に、本年から明年あるいは明後年と、ことしの秋起きてまいりますほだ木、さらに来年の秋起こさなければならないほだ木が、そういうように非常に活着不良だということになりますと、シイタケ生産農家にとりましては、来年、再来年と非常に経営が困難になってまいります。したがって、できることならば、本年度もしその低利、長期の資金があるとするならば回していただく、また来年、再来年の予算につきましても、ぜひこれは重点的にある程度、これはたいした金額にはならないと思いますので、何らかの形で融資体制をとっていただくように、その点に対するひとつ御見解を伺っておきたいと思います。

大山一生林野庁林政部長

○大山説明員 現在の段階におきます融資措置といたしましては、農業近代化資金のほうがすでにもう各県に配分済みでございまして、したがいまして、いますぐにその資金手当てというのは困難と思われます。ただ、農中資金がございますので、農中資金のあっせんにはすぐにもつとめたい、こういうふうに思っております。  なお、今後の問題につきましては、極力低利融資の資金につきまして努力してまいりたい、こういうふうに思っております。

工藤良平日本社会党

○工藤委員 それからいま一つの問題は、これはむしろ地方行政の部面にもなろうかと思いますけれども、ややもいたしますと、この菌に対する研究なりあるいは指導というものが、非常に行き届いておりませんために、残念ながら、いわゆる菌をつくっております企業の研究機関にたよらざるを得ない。こういうことから、私どもの県の場合にも、職員の研修ということもそういうところに依頼してやらなければならないという実態にございます。したがって、これは林野庁のほうで林試等もあるわけでありますので、やはり菌に対する、さっき言った総合的な研究という面も含めて、職員の研修なりそういったような問題につきましても、できるならば公の機関でやっていただくほうが、いろいろな問題をチェックする場合にも大切ではないだろうか、私はこういうように思いますので、これらにつきましてもぜひ御検討いただきたいと思います。

大山一生林野庁林政部長

○大山説明員 御指摘のように、国の林業試験場なり県におきます試験研究機関におきましても、現在率直に申し上げて、シイタケの菌に関する専門家は非常に少ないというのが現状でございます。しかし、シイタケというものは、輸出産業というようなこともあり、農家の現金収入の道として非常に今後もふえていく。しかも、いろいろの新たな需要も出てきているという段階でございますので、国の試験研究なり県の試験研究なりを充実いたしまして、極力国による研修、あるいは公共団体による研修というのが、早くできるように努力いたしたいと思います。

工藤良平日本社会党

○工藤委員 それから、これはたいへん具体的になりますが、現在各県に対しまして、出荷調整費という形で利子補給がなされておるようでございますが、これが来年度予算要求で、昨年の予算要求よりも少し少なくなっているのじゃないかと思います。その点、これはたいへんな問題でありますので、逆に総合農政の一環から申し上げましても、やはりこういう面には予算の増大をしていくという方向にならなければいかぬと思いますが、その点はいかがでございましょうか。

大山一生林野庁林政部長

○大山説明員 ここ数年来シイタケの市場価格が非常に高いということもございまして、実はこれが事実上寝ているという状態で推移したわけでございます。しかし、来年度も本年と同額を要求しております。したがって、減額しているということではございません。本年度の予算につきましても、今後のシイタケの価格の推移というものを見ながら、これが実際に発動する事態が来るかどうかという問題は見てまいりたい、こういうふうに思っております。  ただ、ここ数年非常に好調であったということから、これを飛躍的にふやすという理由はなかなか出てこない。ただ現在の額は、いつどういう事態になるかわかりませんので、一応同額程度は要求し、また獲得したい、こういうふうに思います。

工藤良平日本社会党

○工藤委員 それともう一つは、これはいろいろと生産団体のほうからも要請がなされていると思いますが、シイタケの共済制度について意見が出されているようでございます。もちろんこれは、果樹問題につきましてもまだ試験的にようやく実施の段階に入ろうとしておる時期でございますので、非常に困難な問題だと思いますが、さっき申し上げましたように、シイタケの栽培そのものにつきましても非常にむずかしい状態が生まれつつございますので、やはり共済制度という問題についても、これをきっかけといたしまして検討していく必要があるのではないだろうか、こういうように思いますので、その点に対する御見解も伺っておきたいと思います。

大山一生林野庁林政部長

○大山説明員 先ほど来申し上げ、また、先生からも御指摘がございましたように、シイタケにつきましては非常にいろいろな問題がある。したがって、共済制度という問題を考えた場合におきましても、共済制度を適用すべき事故の範囲の問題でございますとか、あるいは事故率算定が非常にむずかしい、あるいは加入をどの程度希望するかというようないろいろ問題があろうと思います。したがって、それらの問題を逐次詰めながら今後とも検討してまいりたい、こういうふうに思います。

工藤良平日本社会党

○工藤委員 最後に、これは先ほど大臣からも御答弁をいただきましたが、昨年からことしにかけましての異常干害という問題ももちろんその要素の非常に重要な部分でありまして、昨年、ことしと二年間連続してこういう事態が発生をしております。したがって、ぜひこれらの問題については、大臣のほうも積極的に取り組んでいただきまして、四十四年の予算編成等につきましても、何らかの措置を具体的に講じていただくように私は特にお願いを申し上げまして、時間もないようでございますから、最後に大臣のほうからひとつ最終的な御意見をいただきまして、終わりたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 シイタケ産業につきましては、先ほどのお話で、また、私からも御答弁申し上げましたように、これは形は小そうございますけれども、山村その他の現金収入、輸出産業としても一角をなしておる、そういう意味でできる限り総合的に前進させるように努力したいと思います。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 柴田健治君。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 果樹政策についてお尋ねをしたいのですが、時間が非常に切り詰められて、また、たいへんおそくなったのですが、これは私の責任でないので、あらかじめひとつお許しをいただきたいと思います。こちらも簡単に要点だけ質問申し上げますから、簡潔に答弁を願いたいと思います。  農林大臣、いま果樹政策の中で、国内生産と輸入という二つの問題があるわけですが、その輸入の中で、いろいろたくさん入っておりますが、近年バナナが特に多いのです。農林大臣は総合農政だとか、盛んに新語を発明して出されるし、農業基本法ができて以来選択的拡大方式で、特に果樹だ畜産だと、将来成長部門であるということで奨励をし、今年初頭の農林漁業金融公庫法の一部改正の時分でも、果樹政策で総合融資制度も設けた、こういうことでわれわれは大いに期待もし、果樹振興法という法律もあるし、いろいろと果樹の生産に努力をしてきておるものだ、こう信じておった。  ところが、近年べらぼうに輸入をされるものだから、日本の果樹農民がたいへんな不安と心配を持ってきたことは、われわれ現地で十分把握できるわけですが、農林大臣、この点について、日本の果樹農民にこういうむちゃなバナナの輸入がどういう影響を与えておるのか、利害得失についてどういう受けとめ方をしておるのか、お答えを願いたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 基本的には、外国産の果実がどっと入ってきて日本の国内産の果実をいためる、あるいは悪影響を与える、これはたいへんなことでございますから、これに対しては、われわれとしては悪影響を与えないようにできるだけ慎重に対処いたしたい。しかし、一方におきまして、外国の果実を入れるにつきましても、ある程度のことは諸種の事情からやってまいらなければならぬことは御存じのとおりであります。  そこで、バナナにつきましては、御存じのとおり自動割り当て品目ということになっておりますが、ことしのバナナは、ちょっとした観測の相違があって中南米から入っておる、一方台湾も予想に反して少し多い、こういうような諸種の事情から少し多く入って、値くずれもすると同時にこれが相当目につく、こういうようなことは事実ございます。  一方、物価安定推進会議その他におきましてもいろいろな意見が出た。消費者自体から見れば、国民経済なり生産者の立場を考えない論でいけば、関税を引き下げろといわれますけれども、バナナにつきましても、特にシェアの大きい台湾につきましては、自動割り当て制の運用もいろいろくふうしてやっておる、関税定率も一応ある程度のものを設けておる、こういうことで私どもは調節をはかっておりますし、また、今後もはかっていきたいと思います。  一方、それだけではいけないので、やはり生産性と申しますか、いろいろな面で私どもは、さっきもお話のありました果樹振興法はもちろん、その他の点から生産、品質の改良、同時に出荷その他につきまして、今後とも農政の展開の中で積極的な努力を払って、できる限り果樹園芸の振興と安定をはかってまいりたい、これが基本的な考え方でございます。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 農林大臣のお答えを聞いておると、まことに理屈に合ったような答弁なんですが、現実の姿としてはそのとおりにいっていない。  通産省にお尋ねしたいのですが、明年三月三十一日までのバナナの輸入見込みをひとつ御答弁願いたい。

楠岡豪通商産業省通商局次長

○楠岡説明員 まず実績から申しますと、本年の四月から十月までのバナナの輸入量は、入荷しましたベースで申し上げまして、台湾が六百三十七万かご、それから中南米を含むその他の地域が三百九十五万かごでございまして、これを合計いたしますと千三十二万かごになります。  十一月から来年三月までの輸入量につきましては、一応の見込みでございますが、台湾からは二百二十万かご程度、それからその他の地域からは二百四十万かご程度となるのではないかと存じております。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 あまりにもむちゃな数字のようなんでわれわれびっくりしておるわけですが、四十年三月四日の農林水産委員会、それから四十二年五月九日、また同じく十一日の農林水産委員会で、同僚なり先輩委員からこの点についていろいろと質問されて、農林省の当局の答弁では、年間の輸入総数量を、国内の果樹生産の約一割前後を目途にして調整をはかっていく、それが一つの答えになっておるし、もう一つについては、輸入のワクについてはある程度の輸入ワクを設定する必要がある、こういう答えもされておるわけです。また、いろいろな国際的な問題があっても、国内の果樹生産者の擁護を重点的に考える、こういう答えがされておるわけです。ここに会議録がございますが、時間がございませんから読みませんけれども、そういう骨子の答弁をしておられるわけです。そういう点を通産省はどういう受けとめ方をしておるのか。この農林水産委員会で、国会で審議をしそして結論を出しておる。その答えに対してどういう理解をしておるのか、お答えを願いたい。

楠岡豪通商産業省通商局次長

○楠岡説明員 通産省のバナナの輸入に関します考え方でございますが、これは農林省と絶えず御相談しながらやっておるわけでございまして、今後も農林省のほうとよく御相談しながらやっていきたいと存じております。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 今後じゃない。いままでどういう相談をしていたのか、今日これだけ輸入しておるが、何回くらい農林省と相談をせられたか。

楠岡豪通商産業省通商局次長

○楠岡説明員 まずバナナの輸入の方式でございますが、現在自動輸入割り当て制という制度をとっております。その前は輸入割り当て制度でございましたので、まずその切りかえますときに農林省に御相談をしております。それから台湾バナナについてでございますが、台湾バナナの輸入秩序を維持しようということで、台湾バナナについて割り当てをすることになりましたときも、やはり農林省と御相談するということで、バナナについての基本的な制度を考えます場合には、絶えず農林省と御相談するということでやってきております。それから年間の輸入数字等につきましても、農林省とは絶えず情報は交換しておるわけでございますし、また、実際の割り当てをいたします場合も、これは農林省と協議するというたてまえでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 農林省にお尋ねしたいのですが、農民の側からいうと、通産省の管轄で、輸出入の取り締まり法だとかなんとかいろいろ法律がございますけれども、それはまた農民には関係ない。要するに農民の側からいうと、農業基本法という法律がある。それによって果樹振興法もあり、いろいろ農林省の指導監督上の制度があるわけです。それから農民の側からいうと、農業基本法の第十二条と第十三条、これを農林省はなぜ守ってくれないのか、こういう声が出てくるのは当然だと私は思う。その場合に輸入調整、また流通問題も含めて、明確に農業基本法の十二条、十三条に書いてあることについて、農林省は通産省から相談を受けて――いま相談をしたと言うのですが、農林省のほうはそういうことに無条件で乗ったのか、どういう意見を出したのか、どういう調整の議に加わってどういう発言をしたのか、農林省からお答え願いたい。

池田俊也農林省蚕糸園芸局長

○池田説明員 ただいま通産省からお答えがあったわけでございますけれども、私どもはバナナの輸入につきましては、これは常時通産省と密接な連絡をとり、意思の疎通をはかりながら従来やってまいっているわけでございます。特に台湾バナナの輸入につきましては、これは自動割り当て制でございますが、運用といたしましてはやや割り当て制に近いような運用をしておるわけでございまして、これの数字をきめますようなときには、私どもは国内の果実の生産量でございますとか、あるいは需給事情でございますとか、そういうものを考えまして、大体このくらいが適当ではないかというような御相談をいたしているわけでございます。  ただ最近は、私どもも非常に関心を持って見守っているわけでございますが、台湾バナナ以外の中南米のバナナが非常に増加をしてきているわけでございます。これは実際の運用といたしましては、ほぼ自由化と同じような運用をいたしておりまして、従来は必ずしもそう大きな数字のものが入ってまいらなかったのでございますけれども、ことしは、いろいろな事情がありまして非常に大きな数字が入ってきておる。そういうものがありますので、実はこの現在の事態というものは、従来になかった一つの新しい事態でございます。  そういうことでございますので、私どもといたしましては、国内の果実に対してどういう影響を及ぼしているのかというようなことにつきまして、常時非常に注意深くこれを見守っているわけでございますが、どの程度のバナナの輸入量の増加が国内の果実に影響を及ぼしているかという判定が、実は非常にむずかしいわけでございます。と申しますのは、ことしは、非常にけっこうなことだと思うのでございますが、一般に果実が豊作でございまして、特にミカンのごときは、前年に比べまして四割ぐらいの増加ということで、これが実は大量に市場に入っております。  そういうこと自体の問題が一つございますし、それから、実は夏以来気象条件があまりよろしくございませんで、果実の品質がよくない、甘みが足らないというようなことで、需要が非常にふるわなかったというようなこともございます。そういうことによって価格がさえないということと、バナナの影響というものをどういうふうに仕分けするかというのは、実は非常にむずかしい問題があるわけでございます。それからもう一つは、今回の中南米バナナの増加というのは、台湾バナナの輸入の見通しを輸入業者が誤ったということも実はございます。  そういういろいろな事情がございますので、現在の事態が一体将来も続くのかどうか、将来どういうことになるのかということも含めまして、私どもは見守っているわけでございまして、考え方といたしましては、先生がおっしゃいましたように、私どもはやはり国内の果実の生産に対する責任官庁でございますし、特に農業の中で、将来果樹が相当伸びるということに期待を持っておりますので、それに対して悪い影響を与えるようなことは一切あってはならないわけでございますが、同時に、先ほど大臣が申されましたように、国内の果実の消費者行政も担当をしているという立場もございますので、そういう点も考えなければならない。そういうことを含めまして、実はこの問題については、現在非常な関心をもって見守っておるわけでございまして、次第のいかんによっては、さらに通産省ともいろいろ御相談をすることがあろうかと思っておるわけでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 前の国会審議の中で、大体国内の果樹総生産量に対する一割を目安にして輸入するというお答えが出たのですが、いまだにその一割というのを理想的な目標の数字といいますか、適正な割り振りというか、たとえば一〇〇の場合一割輸入、国内生産は九〇%、こういうふうな数字が正しいと思っておられますか。

池田俊也農林省蚕糸園芸局長

○池田説明員 実は、バナナの輸入量が国内産果実との関係でどのくらいがいいかということは、非常にむずかしい問題でございます。これは、いろいろ消費の事情が変わってまいりますし、国民の所得水準が変わってくれば消費形態も変わってくるということがございますので、非常にむずかしい問題でございます。一割ということがいろいろいわれておりますが、戦前バナナがわりあい自由に台湾から入っておりましたころに、大体一割くらいが通常の状態であった。これは年によって九%の年もございますし、あるいは一二、三%の年もございます。いろいろありますけれども、大体そういうようなかっこうで入ってきているので、そのような時代には、特に国内産果実に対する影響というようなことはあまり問題にならなかったということもございますが、一つの目安になるんじゃないかという感じは持っておるわけでございます。  ただ、生活水準がいろいろ上がってまいりまして、最近のようにバナナに対する需要も非常に強いということになりますと、これは国民にバナナを食っちゃいかぬというわけにもなかなかいかない点がございますので、そういうような国内の消費の動向を一方では考え、また、一方では国内の生産事情も考えて、適当な数量というものを頭に描いていきたい。  そういうような意味では、一割を非常に変えなければならぬという感じは現在は持っておらないわけでございますけれども、また、そうかといいまして、一割は非常にかっちりしたものであるということでもなかろうかと思っておるわけでございます。将来の果実の国内の需給がどうなるか、あるいは外国からの輸入がどうあるべきかということにつきましては、これは現在私どもも、農産物の長期見通しということの一環として実は検討しておるわけでございまして、まだ結論は出ておりませんけれども、そのような場合には、十分国内果実との関係もそういうめどをつけてまいりたい、こういう気持ちでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 一割という数字がいいか悪いか、私も実際わからぬのですが、前からいわれてきた一割、国会で農林大臣も答弁されておるわけですが、国内自給の率を九〇%、残り一〇%を海外に依存、こういうことは、国際間の問題もあるだろうしいろいろあるから、理解はできますけれども、国内の果樹総生産量に対してバナナは一割というのは、筋が通らぬと私は思うんですよ。日本の果樹といったら十二、三種類の果樹が含まれておる。その総生産量に対してバナナだけ一割というのはおかしいと思う。私は、入れるなら一割の中に外国の果樹全部入れたらいいと思うのです、パイナップルも、ナツメも、クルミも、オレンジも、ポンカンも全部。日本の果樹総生産に対してバナナが一割というのは筋が通らぬ。外国の果樹輸入が一割、こう考えたらいかがですか。なぜバナナだけ一割という答えを出さなければならぬか。日本のものはもうイチゴまで入れる、しまいにはスイスからトマトまでみんな入れるという極端な論もありますけれども、果樹というのはもうきめられておる。イチゴやメロンやトマトなんかは野菜なんですよ。蔬菜なんですよ。そんなものまでいまの果樹総生産量に加えられて、バナナだけ一割入れるのだとやられたら――通産省はそういう考えがあると思う。バナナを含めて全部で何%入れるつもりですか。パーセントで言ってください。

池田俊也農林省蚕糸園芸局長

○池田説明員 私も、実は先生の御議論に大体気持ちとしては賛成でございまして、バナナだけを取り出して、国内産果実の数量と比べまして幾らが妥当であるというような単純なわけにはまいらぬのじゃなかろうか。むしろ果実全体をとりまして、国内の需要量と比べて、そしてどれくらいを国内で自給をするというような考え方が、まず常識的な考え方じゃなかろうかという気持ちでおるわけでございます。  ただ、従来いろいろな事情がございまして、他の果実の輸入量が比較的少なかったわけでございます。おそらく四十二年で、正確な数字ではございませんが、たとえばかん詰めその他を含めまして、国内の外国からの輸入果実の量というのは、なまに換算しまして七十五万トンくらいだと思います。その中で、バナナが大体六割強くらいを占めておる、こういう事情でございまして、主たるものはバナナである。こういうようなことで、特にバナナのいろいろな問題がありましたのでそういうような議論が出てまいったんだと思いますが、考え方といたしまして、先生のおっしゃるようなことであって、私どももそういう長期の見通しを立てる場合には、バナナだけではなしに、全体の輸入果実というものをにらんでまいりたい、そういうものが妥当である、こういう感じでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 これは、私は通産省がかってにどんどん入れるんだろうといままで思っておったのですが、農林省のほうも、九月二十七日の新聞によると、九月十九、二十日にハワイ州政府の太田垣農業局長と在日米大使館で、ハワイ産のパパイヤを明年三月から六月まで四カ月間入れることに同意した。それによって、ハワイ産のパパイヤには地中海ミバエという防疫上重要な問題があるから、防疫官をハワイへ駐在をさせて、輸入の期間中十分検査をするような施策を講ずるとともに、国内における植物防疫法の施行規則を改正してまでパパイヤを入れなければならぬという。通産省は通産省でバナナその他をかってに入れる、農林省はまたそういうおそるべき病害虫を含んだようなパパイヤを入れなければならぬという。もう農林省も農民の味方か何かわけがわからぬようなことになってきたのですが、これはどうなんですか。とにかく嗜好品だからしかたがないんだという考え方か、パパイヤまで入れなければならぬほど外国のフルーツ会社の圧力を食ったのか、どういう考え方でこういうことをするのか、お答えを願いたい。

太田康二農林省農政局長

○太田説明員 防疫関係の問題につきまして、私のほうで所管いたしておりますので、その点について技術的な問題をお答えいたしたいと思います。  ただいま先生御指摘のとおり、ハワイ諸島にはわが国に未発生のミバエ類がおりますので、パパイヤ等の寄生植物につきましては、現在は輸入を禁止していることは御承知のとおりでございます。そこで、実は前々からハワイ産パパイヤにつきまして、消毒を条件として輸入禁止を解除してほしいという要請がございまして、昭和四十一年に植物防疫官二名を現地に派遣をいたしまして調査させたのでございますが、その結果によりますと、技術的には問題がないという結論に達したのでございます。そこで、目下消毒確認のための植物防疫官の駐在等の必要な事項につきまして検討中でございます。  従来、そういったことで輸入の禁止をいたしておったのでございますが、植物防疫上の観点だけを申し上げますと、いま申し上げたような事項についての検討が解決いたしますれば、あと輸入するかどうかの問題があるわけでございますが、公聴会を開きまして、学識経験者等の意見を参酌した上で、先生御指摘の植物防疫法の施行規則を改正して、輸入するかどうかということについて検討をいたしておるのでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 通産省がかってにどんどん入れれば、また農林省もかってに入れられたのでは、日本の生産農民はもうたまったものじゃないですよ。特に私は、この間物価安定推進会議の議長が答申をされたものの中を読んでみると、食料品はもう価格政策だけに中心を置いて、とにかくどんどん輸入してもいいのだ――私は極端な言い方をしますけれども、そういう答申が出されておりますが、私は、日本の農畜産物全体がなぜこれだけコストが高くなるかということを、もっとお互いに為政者は腹を据えて考えてみなければいかぬと思う。いままで思いつきの農政を推進してきて、一つも長期の見通しがない。また、構造改善にも力を入れないし、コストの下がるようなことはしない。それからまた流通の面もそうだし、生産資材だって、農機具だって、肥料だって、全体のコストの下がるようなことは一つも検討しなくて、物価政策からコストが高いので海外から輸入します、はいそうですかといってまともに受ける農林大臣ではおそらくなかろうと思いますが、おそらく検討されると思いますけれども、こういう答申を、ずうずうしくも出すほうも出すほうだと思うのですよ。それから、なぜ日本のそうした農畜産物のコストが高くなるか、この点についての基本的な問題を掘り下げて検討するということが必要じゃないか、私はこう思うのですよ。農林省どうですか、その点。

池田俊也農林省蚕糸園芸局長

○池田説明員 私ども実は、国内の果実の価格が高いからすぐ輸入という考えは毛頭ございません。現に私どもが見るところでは、国内の果実の価格というのはわりあいに従来安定的に推移してきている。非常に安いこともございませんし、また、そうかといって非常に高くもなっておりません。私どもは、やはり従来からやっております果樹振興と申しますか、現在の需要動向に即しまして果樹の生産を極力拡大していく。その場合には、もちろん生産性の向上ということが当然中心になると思うわけでございますけれども、そういうような方向で極力考えていって、国内の需要は原則的にはやはり国内でまかないたい。  ただ、果実の種類によりましては、たとえばバナナのように国内では生産ができないものもございますので、当然ある程度の輸入というのは見込まなければならぬと思います。まあ物価安定推進会議の結論も、必ずしも果実についてそういうことを考えておられるのではなかろうとは思いますけれども、私どもといたしましては、やはり根本的には国内の果樹振興をはかって需要をカバーしていく、そういうようなことによって価格の安定を保っていくというのが中心であろうと考えているわけでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 私たちは、とにかく生産農民の立場でものを考えておるわけですから、まあいろいろ輸入政策についても理解のできる面もございます。けれども、農林省がいろいろなことで、たとえば一つの例を申し上げると、いまから五、六年前から、紅茶がいいというので紅茶をやらせた。いま鹿児島を中心として十二県ほどが千七百ヘクタールほど紅茶をやっておる。ところが、今度また外国から紅茶を入れるのだ、いまの数字よりもっと入れるのだ、それは国内消費の面から入れるのだという。ところが、紅茶をつくる農民は相当の自己資金を投資して、借り入れ金までしてやって、そしてそれを育成して、これからある程度利益になるだろう、また、償還をしていかなければならぬというときに、無制限にどんどん入れるなんて――これは一つの例ですが、もう一事が万事そうですよ。こんなことで総合農政を叫び、日本の生産農民に常に不安と失望を与えるようなことをみずからやっておる。同時に、農民の生産意欲を減退させ、勤労意欲を減退させていく。こういう意欲を減退させていくことは、政治家にとって罪悪だと私は思うのですよ。農林大臣は総合農政を打ち出す限りにおいては、もっと需要と供給とのバランスを考えなければならぬ、要するに最高責任者だと思う。  そういう面から私は申し上げると、いま農産物の輸入をやっておる通産省の窓口を、農林省が全部とったらいいと思うのですよ。それを通産省から農林省の管轄に入れたらどうですか。見解をひとつ……。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 農政の立場からおっしゃることはわかります。私自体が実は総合農政の展開というのを叫んでいるのも、もちろん米を痛めつけるつもりはありません。米に対してわれわれとしては非常に努力してまいり、また、農民も努力してまいる。しかし同時に、農林省の予算を解剖していただきましても、ほとんど七割五分が米関係の予算、あと残りで果樹とか畜産とか林業とか水産をやっておる。また、財政全体の中で農林省に対する予算措置というものを大型にしなければならぬことは当然でありますが、同時に、これだけ米が過剰の状態の中においてはバランスをもう少し保たなければならぬ。そういう意味で長期見通し、言いかえれば需給のバランスというものをまず考えなければならぬ。  そこで、先ほど申し上げましたように、需給の長期見通しというものをできるだけ――昭和三十七年の経済情勢の中で立てたものでございまして、だいぶ変わってきておるのでございますから、きわめて近いうちに成案を得たい。そしてそれに基づく生産対策を立てる。したがって、われわれとしては当然こういった畜産なり園芸なりに対する力というものは今後も入れていかなければならぬ、こう考えております。  それから同時に、輸入とのバランスをとるということにつきましては、もちろん貿易という問題も一つございましょう。あるいは国民経済全体の中においての消費者の要求もございましょう。しかし、私ども農林省としては、やはりあくまでも国内産、また、そのもとにあるところの生産農民という立場を柱として考えていく。しかし同時に、生産農民の方の立場を立てながらも、あくまでも消費動向に合った、需要に合った形でこれが行なわれていきませんと、つくっても売れないという現象が起こりやすい。そこで、やはり絶えず消費というものを含みながら生産対策というものは立てる。それからいま一つ大事なことは、流通機構というものが直される方向には行っておりますが、まだまだ私はおくれておると思います。これらも生産者のためあるいは消費者のために、もっともっと改善くふうを加えてまいりたいと思います。  さっきのように、くだもの等についての輸入行政を一本化すればいいではないか、これも一つの考えではあります。しかし、その場合におきましては、いまの貿易面あるいは通商面との調整をどうするかという大きな問題が一つ出てまいりますので、したがって、現在の輸入関係の法律におきましては、大事な輸入農産物につきましては協議を受け、あるいは農林省、農林大臣の同意を得るという前提でございますから、その点は私どもとしても十分気をつけて、現行法令を生かして使いながら、生産者の立場、同時に流通、消費というものもよく考えながら、やはりバランスのとれた農政、おっしゃるように大事な農民の生産意欲を伸ばすということにやはり主眼を置いてまいりたい、こういう考えでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 いずれこの問題については掘り下げて検討しなければならぬので、時間がございませんから先に進みます。  いまバナナの輸入に関連して関税率の問題、それから輸入課徴金の問題が出ておると思うのですが、この課徴金の問題について簡単に見解をひとつお述べ願いたい、こう思います。

池田俊也農林省蚕糸園芸局長

○池田説明員 輸入の自由化ということは、これは国際情勢といいますか、国際的な要請の一つといたしまして、そういう方向に将来大勢的にはいかざるを得ない、こういうような動きがあるわけでございます。そこで、私どもといたしましては、国内の農産物をそういう輸入の圧力から守るという仕事が一つあるわけでございます。そういうような観点で、私どもといたしましては、やはり国内の生産につきましては、今後極力生産性を高めるということで国際競争力をつけていくということが必要なわけでございまして、従来でも、一般会計から予算をちょうだいしましてそういう仕事をやっておるわけでございますが、何ぶん十分でないという点がございます。  そういうようなことから、たとえばの話でございますが、これは現在六五%というような非常な高関税をかけております。これが国際的には一つの非常な批判の対象になっているということもございます。そういうようなことから、むしろこれを若干課徴金というかっこうに変えまして、そしてその課徴金をもって国内の生産対策に振り向けて生産性の向上をはかる、そういうことで今後の事態に対処してはどうかという考えが実はあるわけでございます。私どもは、この考え方は確かに一つの考え方であるという気持ちを持っているわけでございます。  そういうようなことで、実は内部的には若干の検討はいたしているわけでございますが、しかし、これをもしそういう方向で進めますという場合には、いろいろ問題がございます。たとえば、従来関税等でやっております保護水準というものを、今後一体どういうふうに考えていくのか、それから品目をどういうふうに考えていったらいいかというようないろいろな問題がございますので、なかなか簡単には結論を出せないでいるわけでございますが、方向としては確かに一つの考え得る方向であろう、こういう感じを持っておるわけでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 私の推定からいうと、ことしはバナナが八十万トン近く入るのではないかという推定をしております。そうすると、日本の果樹総生産量は、先ほどのミカンのごときは相当の豊作で増収されるが、しかし、バナナだけを見ても一三、四%か五%くらい。ところが、その他の果樹を全部ひっくるめると、国内生産量の二〇%くらいは四十三年度中に入ってくる。そうすると二割入ってくる。そうなると、生産農民からいうと非常に脅威である。リンゴも受ける、ミカンも受ける、ブドウも受ける、全部受けてしまう。こういうことになって、もうブドウのごときは一級品か二級品しか売れない。露地ブドウのごときは全部捨てるか、ブドウ酒をつくって飲むかしなければならぬ。ブドウ酒となると、今度は酒税法にひっかかってたいへんなことになる。ブドウのごときはたいへんなことになると思う。野菜ではあるけれども、イチゴもメロンも全部影響してくる。  今度の総合農政でどういう中身のある――これは架空の表現であるとわれわれは解釈しておる。中身がないから、貧乏人のおかゆで実がないと思うのだが、どういう実が出てくるかわかりませんが、総合農政をやると言いながら一方ではこんなことをしている。当面果樹農民が、どこのものも品種は違うけれどもほとんど全国的に果樹をつくっておる。北海道の端から鹿児島県の端まで全部の県が果樹をつくっておる。それなのに果樹から蔬菜に至るまで影響を受けるような輸入政策をやって、その上今度は作付転換をやって何をつくらせるのだ、こういうことになっている。農民のほうからいうと、農林省は何をとぼけておるんだろう、もっと足元にけじめをつけてもらわなければならぬ問題がたくさんあるのではないか、それをけじめをつけずに、言うことだけは言うておるのではないか、こういうことになるわけですから、農林大臣も腹を据えて、ひとつ実のある総合農政を出してもらわなければならぬと、大いに期待もしながら苦言を呈しておきたいと思うのです。  しかし、時間もありませんから、いずれこの輸入政策についてはあらためてひとつ――きょうは、実は私は二カ月かかって勉強したのだけれども、二時間半か三時間もらいたいと通告したところが、三十分でやめろと言われるからもうやめますが、いずれあらためて御質問申し上げますから、委員長、その点お含み願っておきたいと思います。

足立篤郎自由民主党

○足立委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後六時十五分散会

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