農林水産委員会 第2号
- 発言数
- 72 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1968/08/10
会議録
○足立委員長 これより会議を開きます。 この際、請願について御報告申し上げます。 本委員会に付託されました請願は、全部で十六件であります。 各請願の取り扱いにつきましては、先ほどの理事会におきまして協議いたしましたとおり、いずれもその採否を留保することといたします。 —————————————
○足立委員長 また、本委員会に参考送付されました陳情書は、野猿捕獲許可の手続簡素化に関する陳情書外二十一件でございます。右、御報告いたしておきます。 ————◇—————
○足立委員長 この際、閉会中審査に関する件についておはかりいたします。 すなわち、 国有林野の活用に関する法律案 農業協同組合法の一部を改正する法律案 農業振興地域の整備に関する法律案 農林水産業の振興に関する件 農林水産物に関する件 農林水産業団体に関する件 農林水産金融に関する件 農林漁業災害補償制度に関する件 以上の各案件につきまして、閉会中もなお審査を行ないたい旨議長に対し申し出たいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、議長への申し出に関する手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、閉会中の委員派遣に関する件についておはかりいたします。 ただいま議長に対し申し出ることに決しました閉会中審査案件が付託になり、その調査等のため委員を派遣する必要が生じました場合には、その調査事項、派遣委員、派遣期間、派遣地並びにその承認申請の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○足立委員長 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中尾栄一君。
○中尾委員 米価問題で非常に紛糾を続けております昨今でございますけれども、緊急に要望並びに質問をしなければならぬ事項が起きましたので、農林水産委員の諸兄の御許可をいただきまして、御質問さしていただきたいと思う次第でございます。 西村農林大臣の言われる総合農政というのは、私どもは、米作偏重の農政を改めて、農業基本法の趣旨にのっとって、果樹、畜産、野菜等の成長農産物の振興をはかることが、その主眼ではなかろうかと思う次第でございますが、米作と対比いたしますと、果樹、畜産、野菜等の分野におきまして、その施策があまりにも行なわれていないという結果が、私の出身県、山梨県でも起こったわけでございまして、この問題点について、少しく御説明かたがた御質問さしていただきたいと思う次第でございます。 それは、ほかなりません桃の生産の問題でございます。山梨県は、御承知のように、甲府周辺すべてこれ桃とブドウの産地でございます。東京から二時間半が甲府の地域でありますが、その周辺は、ほとんど見渡す限り桃の産地でございますので、桃とブドウによって山梨県の、言うなれば生産県としての名誉は保たれているわけでございます。 ところが、その桃の実績におきまして、たとえば例をあげますると、昨年の生産額は大体三十四億六千八百万円、生産にしまして大体九万トンというものが想定されておるわけでありますが、ことしになりまして桃に灰星病という病気が急に発生いたしました。これは、何も私どもの山梨県で急にことしから始まったわけでありません。山梨県だけの問題ではありませんで、山形県あるいは福島県、長野県、福岡県というような県でも発生しておるやに聞いておるわけでありますが、特に山梨県は日本一の生産量でございますので、その被害の甚大さは目をおおうものがございます。ちょっと例をあげてみますると、現在の桃の栽培戸数が二万戸、桃の栽培面積が三千三百二十ヘクタールというのが山梨県の実情でございますが、被害面積はその約三分の二以上、二千五百ヘクタールに及んでおるわけでございます。 一体、灰星病というのはどういう病気であるかということを付言さしていただきますと、限られた二十分の時間でございますから、ごく簡略に申しますが、これは歴史的に見ますると、だいぶ前から起こっておるわけでございます。どういう症状を呈しておるのかと申しますると、この病気が認められたのは昭和三十九年からでありまして、その重要性にかんがみまして、昭和四十年から県でも総合助成費をもって、果樹試験場で菌の生態条件、伝染経路、防除対策に着手したわけであります。これは山梨県だけでなく、先ほど申しました福島、山形県も同様に始めたわけであります。しかし、昭和四十二年にも同様発生を見たけれども、次のような防除策もなされたわけであります。それは、幼果から熟果、いわゆる果実に至るまでの感染菌核で、これは越冬が最も多いということになりまして、言うなれば、とる寸前に桃が茶色くなってしまう、全く食べることも、あるいはまた桃のかん詰めにすることも不可能なほどになってしまう。とる寸前でございますので、せっかく育成した桃が、そのまま食卓にものれないという状態になって、被害はまさに甚大ということになるわけでございます。 当初、この問題点について県当局も相当に問題を重視いたしまして、さっそくこの病原菌に対しての防除策、いわゆるその防除策に対しましてどういう薬品があるかということを検討しましたところ、まあ専門的になりますが、ダイホルタン、ダコニール、モノックスなどというような薬品が発見されまして、そのうちモノックスが、最もこの山梨の桃の病原菌に適するだろうということで、モノックスを最適だときめてこれを採用したわけであります。そして、これが四十二年の十一月二十二日から使用されたわけであります。 ところが、そのモノックスによって三回以上の散布、これをやり続けて、昨年は被害はそれほどなかったわけでありますが、ことしの七月末に至りまして、ほとんどという桃がとる寸前に変化してまいりまして、言うなれば灰星病にかかりまして、そのまま木から落っこちる、あるいはまた木で腐ってしまうというような症状を呈してまいったわけであります。これは山梨県全体にわたっての状態でございますので、相当きびしい病原菌でありまして、桃をとって箱に詰めて、一週間ぐらいして市場に出たときに、また腐ってしまうというようなことも出てきたわけであります。 そこで、一体この対策をどうしたらいいのかということでありますけれども、これは山梨県で現在、総被害額が大体十五億ぐらいに達したという状況下に置かれておるわけであります。その被害の直接的な原因は何であったかといいますと、モノックスが悪いというわけではございませんで、あくまでもこれは防除剤でございますので、これが悪いということ以前に、天候が大きな原因であった。といいますのは、御承知のように七月の二十五、六日ごろから数日間山梨県は豪雨に襲われまして、この雨のために灰星病が潜入して、ほとんど桃が台なしになってしまったというのが現実でございます。 そこで、園芸局長もお見えになっておりますので聞きたいのでありますが、一体この実態について、園芸局のほうでは調査を進めておったかどうか、それからさらに、この問題を天災と園芸局はみなしておるかどうか、この問題点について質問申し上げたいと思います。
○池田説明員 山梨県におきます桃の灰星病の被害の状況につきまして、ただいま先生から非常に詳細なお話があったわけでございますが、私どものほうも、県のほうから報告を伺っているわけでございます。従来、桃の灰星病は、たとえば昨年も山梨県ではかなり発生をしたわけでございますけれども、ことしは特にひどいようでございます。一般的には、六月下旬から七月下旬ごろまでに収穫される早生種が、従来はどちらかというと中心に被害を受けた。それが、ことしはやや拡大をいたしまして、中生種にも及んでいるということのようでございます。 この原因でございますが、いろいろ原因があると思うのでございますが、一応考えられますことは、昨年かなり高い被害が発生をしたということでございますので、その病菌がことしに残っていた、こういうことが一つ考えられるわけでございます。それから直接的には、ただいまお話がありましたように、六月から七月の初めにかけましては、雨が平年に比べてあまり多くなかったのでございますが、七月の終わりごろにかなり降雨がございまして、その降雨が、やはり被害に影響しているのではないかというふうに考えられるわけでございます。あるいはちょうどその時期が田植え時期とか、その他の農作業の時期と競合するとか、あるいは雨が降っている関係で、防除が必ずしも十二分にはできなかったという地域もあったような話も、県から伺っております。 その防除方法につきましては、ただいまお話がございましたので省略をさせていただきますが、私どもといたしましては、局地的にはかなり大きな被害でございますので、方法といたしましては、やはり従来使われております農薬の中で、比較的効果のあがるものを使って今後もさらにひんぱんに消毒をする、あるいは被害のありました果樹につきましては、早急に廃棄処分をするというようなことが必要であろうということで、そういう線で極力今後指導いたしたいと考えておるわけでございます。 ただいまお話がございました天災融資法の問題につきましては、これは私どものほうで直接やっているわけではございませんで、経済局のほうとも連絡をいたしておるわけでございますが、実は率直なところを申し上げますと、雨が相当影響しているということは、これは事実でございますけれども、防除をやりました場合にどの程度その被害を食いとめられるか、最善の努力を尽くしましてもなおある程度の被害は出るということかと思いますが、その境が、実は率直なところを申しますとはなはだはっきりしないわけでございます。そういうようなことで、天災融資法の発動ということは、天災であるかどうかという認定がかなり実は問題があるわけでございます。 ただ、私どもは直接これを担当いたしているわけではございませんので、被害が非常に大きゅうございますので、さらに経済局のほうにもいまのお話を十分伝えまして、検討をしてもらうというふうにいたしたいと考えております。
○中尾委員 私は、いま局長の言われた天災融資法の点までは入っておりませんが、先ほども申しましたように、昨年の生産額が三十四億六千万円、生産九万トンです。ちなみに、大体今回やられておる被害が、総額の六〇%というように計算しましても、いま県から出されております十五億円の被害、これが大体二十億円以上になるだろうという目算を十分立て得るわけでございます。 そこで、いよいよ天災融資法の問題点にも触れるわけでありますが、ぜひひとつこの問題はよく調査もいただいて、昨年防除剤を使っておるときの被害、ことしもそれを使っておるにもかかわらず、雨の降る前は全くそういう例外的な、特殊な桃の被害は見られなかったのでありますが、雨の後にこういう状況が続いたということは、あくまでも天候による原因でありますので、これは園芸局でなく経済局の問題でありましょうが、さらに経済局に調べていただいて、そうしてこの問題点を徹底的に、天災融資法の対象としてとらえてもらうように御努力願いたいと思う次第であります。この問題点は、時間がありませんのでさらに突っ込むことができませんが、その点お含みおきいただきたいと思います。 さらに、私は経済対策の問題として問題点を提起したいのでありますが、被害農家で、今回の場合ほとんど再生産が困難になってしまったという状態に追い込まれて、あすの生活にも困るという農家が非常にふえてきたわけであります。先ほど申しましたように、一万数千戸というものが桃だけで生きておるのでございますので、県当局に対しまして食いつなぎ資金もしくは立ちあがり資金というものの融通を要請されている向きが多いのでありますけれども、その点農林省のほうといたしましても、前向きの姿勢でこれを片づける意団があるかどうか、その点お聞きをしたいと思います。
○池田説明員 これは、先ほど申上げました天災融資法をはたして発動するかどうかという問題とも関連をいたす問題でございますが、経済局の所管でもございますけれども。私どものほうも人ごとではなしに、十分経済局とも連絡をいたしまして、極力できうる範囲の措置をいたしたいと考えております。
○中尾委員 できる限りの努力というよりも、現実にいま生活に困難を来たしておるわけですから、大臣の言われております総合農政という観点から見ましても、米作、水稲だけが問題ではないので、その点はじっくりと検討のほどを事務当局にもお願い申し上げたい。同時に、政府当局としてもその点をどうお考えになっておられるか、政務次官、ぜひお答え願いたいと思います。
○安倍政府委員 ただいま局長から御答弁いたしましたように、この灰星病の今後の対策につきましては、いま御質問がありましたように、天災融資法の発動といったものとも関連するのでありますが、今日の状況をわれわれ判断してみましても、ただ天災だけに基因をするというふうに判断をするわけにいかないということから、天災融資法の発動は、現在の段階におきましては、率直に申し上げまして、非常に困難であるという段階でございます。 また、ただいまの被害状況にいたしましても、われわれが入手いたしました実情では、大体四億五千万円くらい、いまのお話によります十五億、そういうところに、今後とも政府としてももっと調査を積極的に進めなければならないわけでございますが、いずれにいたしましても、そういう問題も含めて、そうした生産農家の救済のための融資その他については、現在の法制の中において、われわれは全力をあげてひとつ対策を講じていきたいと考えております。
○中尾委員 先ほども局長は、天災融資法というものに対する積極的な意図を述べておったわけでございますが、政府当局としましても、ぜひひとつ、これはあらためてのお願いでありますが、先ほど申しましたように、雨が降る前と雨が降った後、これによる被害というものの格差があまりにもひど過ぎる。また昨年の被害を見ましても、昨年はほとんど被害らしき被害はなかった。もちろんなかったわけではありませんが、雨というものがあまりなかったために、被害は僅少で済んだという点から見ましても、雨が降った後にすぐに腐りかけてきたという点は考慮してもらわなければならぬ点であろうかと思います。ほかの直接的な原因というものはあまり考えられないし、あくまでも天候による、悪条件による被害であるということが私どもの判断であります。これは政府当局としてもよくお調べいただきまして、善処を願いたいと思う次第であります。 そこで、時間が相当切迫してまいりましたので、ここで私、最後に技術対策の問題といたしまして、いままで使っておりました果樹に対する散布剤、これは、先ほど申しましたようにモノックスというのを使っております。しかし、このモノックスはあくまでも防除剤でありますから、もう少しこの点を、さらに効果的な、毒物性の少ない薬剤が必要ではなかろうかということで、県の試験場におきましても相当に熱を入れてやっております。先ほど申しましたように、農家がこれではやっていけませんので、もう桃をやっていく意思もなければ、将来ともに桃が成り立たないという見通しが非常に強くなってまいりました。山梨県としてはこれは重大問題でありまして、県そのものが成り立っていかないという状況にもなりますので、持参いたしましたこの新聞に大きく取り上げられている記事を見ましても、農家が一人あたり一箱について何円かずつ出し合って、大体三百万円の基金を集めて、これを果樹試験場に寄付して、そして新薬をつくってもらいたいという意図まで示しておりまして、現に県知事のところには百万円の基金がもたらされたということまで書いてありました。同時にまた、その実証もあるわけでございます。 そういう点から考えますると、農民はまさにデスバリットな、必死な思いでこの問題点を掲げておるということを、よく政府当局並びに園芸局あるいは経済局におきましても考えていただきまして、あすに控えておる死活問題であるという点を考慮して、その問題点をとらえてもらいたいと思う次第でございます。 適切な防除策といたしまして、最近の試験場の発表におきましては、モノックスのみならず非常にいい新薬が出てまいりました。この新薬は、一つは米国製であります。これはデュポンという会社がやっておるのでありますが、あまり会社のことを言いますと、何か利益誘導みたいなことで申しわけないので控えさしていただきますが、一つは日本製のものであります。そのデュポン社でつくっておるDF−一九九一という薬剤、並びに日本のある会社でつくっておりますS−五五〇〇九、これは前者はベンレート、後者はスクレックスといっておりますが、このように非常に効果的なものが出てまいりまして、これを使いますと、山梨市でもって使った結果では、無防除地区が六一%、六〇%の発病率を持っておるのに対しまして、この薬を使いますと大体三%、先ほどの日本の会社でつくっておりまするこれを使いますと、一・六%という低い発病率になってくることがわかりました。ただ残念なことには、この薬剤はまだテスト中でございますので、登録されておりません。 そこで、この新農薬はテストプランの生成品でありまして、農薬取締法による登録が済んでおりませんので、本年はもちろん、明年の使用もやや不可能というように思われてきますので、ぜひともひとつこのような困窮を救っていただくために、農林省でむしろ率先して推薦をしていただきたい。県の当局からも、あるいは農民各位からも強い要請がありますので、来年度からは、ひとつこれを使用する方向に促進していただくという点に配慮してもらいたいと思う次第でございます。その点政府当局のほうの御意見を承りたい、こう思うわけであります。
○池田説明員 新しい農薬の問題でございますが、従来あります農薬も、相当程度効果があるわけでございますが、なお十分とはいえないわけでございます。それで新しい農薬が何とか開発されないかということを、実は私どもも非常に期待しておるわけでございまして、ただいまお話がありましたような二種の農薬が現在試験をされているというふうに私どもも聞いておりまして、薬効の点ではかなり効果があるのじゃないかというふうに私どもも承知しておるわけでございます。ただ、まことに残念でございますが、まだ登録の申請がなされていない段階でございます。もちろん、登録の申請がございますれば、これは直接には農政局がやっているわけでございますが、私どもも十分調査の上、できるだけ早い時期に登録をしていただくというふうに希望しておるわけでございます。 ただ、御存じのとおりでございますけれども、農薬につきましては、いろいろ最近、別の意味の被害があるといわれている段階でございますので、おそらくそういう点についての十分な調査をいたしませんと、実際の使用という段階には至らないのじゃないかと思いますが、そういうような新しい有効な農薬が非常に切望されている時期でございますので、私どもも極力そういう線でやりたいと考えております。
○中尾委員 もう持ち時間が参りましたので、これでやめたいと思いますが、最後に政務次官にお尋ね申します。 山梨県は御承知のように、昨年は、ブドウがジベレリンの問題で相当な痛手をこうむりましたことは御承知のとおりだと思うのですが、本年度はブドウのかわりに桃が出てまいりまして、桃がこのような悲惨、甚大なる被害をこうむったわけであります。私は、山梨県出身の代議士といたしましてまことに見るにたえない思いです、現地を視察してみますると、もうブドウ畑をながめて青い顔をする農民、あるいは桃の木を丹精に育成して、その桃の木をながめながらもう長嘆息を続けておる農民、これを見ますと、何か断腸の思いというものにかられるわけでございます。 私は、このような貧困農家というものをどうしても助けてやりたい、助けなければならぬ、これがまた政治であるという観点からいたしまして、ぜひともひとつ、本年度から試験実施に入った果樹保険、これを推進していただきたい。そうしてこのような不慮の事故に対しては、断固としてその保険のワク内においてある程度困窮を救ってやるというかまえは、ぜひひとつ政府当局でも持ってやっていただきたいと思う次第でございます。その点ひとつ政務次官、お心がまえを教えていただきまして、私の質問にかえさしていただきたいと思います。
○安倍政府委員 ただいま御指摘のように、山梨県は、昨年のブドウあるいはことしの桃というような問題につきまして、たいへん生産農家が困窮をしておられることは、まことにお気の毒に存ずる次第でございまして、ただいままで政府当局でお答えしましたように、新しい農薬の開発、あるいはまたその他の融資制度を積極的に活用するというふうなあらゆる措置を講じて、こうした農家に対する対策を早急に講じなければならないと思います。 また同時に、果樹保険につきましても、われわれはこれを積極的に活用するというたてまえをとっておりまして、明年度予算におきましても、これが獲得に積極的な姿勢を示すと同時に、こうした生産農家に対する対策に万全をはかっていきたい、こういう決意でございます。
○中尾委員 皆さん米価問題でお忙しいところ、どうもありがとうございました。
○足立委員長 兒玉末男君。
○兒玉委員 農林省にお伺いしますが、時間が非常に制約されておりますので、答弁のほうもひとつ簡潔、明瞭にお願いしたいと思うのです。 当面のイモでん粉に関しまして、特に最近市況が悪化して、かなりの生産者団体の持ち越しがあるやに聞いておりますが、現在のカンでん、バでんの需給事情はどういうふうになっているか、まず第一点としてお伺いしたいのでございます。
○池田説明員 最近のでん粉の需給事情でございますが、四十二年でん粉年度、これは昨年の十月からでございますが、需給事情といたしましては私どもは当初生産、消費とも百二十七万トン、内訳を申し上げますと、カンショでん粉が四十九万五千トン、バレイショでん粉二十万八千トン、コーンスターチ四十七万トン、輸入でん粉二万七千トン、それから小麦でん粉七万トンというふうに考えていたわけでございます。需要量といたしましては、前年に比べまして五%程度の増加が見込めるのではないか、そういうようなことで生産と消費とが大体バランスをする、こういうふうに考えていたわけでございます。 ことしの四月から、御承知の関税割り当て制度が切り変わりましたわけでございますが、その切り変わる以前に、従来の制度によります二五%の関税を払いましたトウモロコシの輸入が、実は当初は三万トン程度を予定しておったのでございますが。それが、どうも最近の事情をよく見てみますと、私どもあるいは業界が見ておりました数字よりか若干よけいに輸入されていた。そういうようなことが関係いたしまして、最近はやや供給が過剰ぎみである、こういうような状況のようでございます。
○兒玉委員 現実にこれから十月の新しいイモ年度に入るまでの間において、現在の生産者団体が手持ちとしている分については、一体完全に消化し得る見通しがあるのかどうか、その辺の状況等はどうなっているのか、お聞かせを願いたいと思います。
○池田説明員 これはまだ年度が終わっておりませんので、ことしの九月末までにどの程度消化されるかという見通しの問題がからまるわけでございますけれども、一般的に生産者団体等で申しておりますのは、バでんにつきましては一万トン弱くらい、それからカンでんにつきましては三万トンとか、その程度の数量が余る可能性が多いというふうにいわれております。
○兒玉委員 この点について私が遺憾に思うのは、そういうふうに大体バでん、カンでん含めて四万トン前後の手持ちが残るという事情は、先ほど局長も説明されましたが、本年の四月から関税定率法が改正になりました場合に、当然そういう需給関係というものは予測をされる状況にあったのではないか。しかも、二五%の第二次関税による二月、三月期におけるこの輸入量というのが、非常に私はとかえておるように思えるのでありますが、この四月からの関税定率法の改正を通じまして、カンでん、バでん等の需給関係のバランスをとるとするならば、当然二月、三月期におけるコンスの輸入等については、ある程度の積極的な行行政指導によって、その後におけるカンでん、バでん等の消化が順調にいくように行政指導をすべきじゃなかったか。この辺はどういうふうな措置をされたのか、お伺いしたい。
○池田説明員 四月から関税割り当て制度が切り変わったわけでございますが、その切り変わりました以後におきましては、私どもは国内産のでん粉を完全に消化する、こういうたてまえでコーンスターチとの抱き合わせ販売をする、こういうことでトウモロコシの割り当てをするような体制をとってまいったわけでございます。 それ以降の事態につきましては、大体当初考えておりますようなことで、国内産でん粉の消化が行なわれたわけでございますけれども、先ほど申し上げました制度切り変わりの以前におきまして、二五%の関税を払って入りましたトウモロコシが予想以上に多かった。これは、私どもが見通しが的確でなかったという点ははなはだ申しわけないわけでございますが、当時といたしましては、あらゆる資料、業界の相当事情に通じた方の御意見等も聞きまして、そういう見通しを立てたわけでございますが、その後に至りましては、われわれの予想以上に多かったということで、その関係で若干のダブつきが出てきた、こういうわけでございまして、見通しが的確でなかったという点につきましては、非常に責任を感じているわけでございますけれども、それ以降の状態につきましては、大体私どもの行政指導の線に沿いまして、ほぼ国内産でん粉の消化が行なわれておるというふうに考えているわけでございます。
○兒玉委員 局長のそういう御答弁でありますならば、いま手持ちとして予想されていますカンでんの三万五千トン、それからバでんの一万トン近くの数量等については、当然政府の責任をもって、この年度内にける消化等について、やはり努力をすべきだと思うのでございますが、その辺の措置と見通しについては、どういうふうな具体的な計画をお持ちなのか、お聞かせをいただきたい。
○池田説明員 これは、もしかりに過剰なままほうり出すというようなことになりますと、新年度におきますイモの価格にも非常に影響を与えるということでございます。私どもといたしましては、当然これは政府が責任をもちまして、そういうような事態がないようにしなければならないというふうに考えておるわけでございます。 具体的には、ただいまお話のありましたような慶安法により買い入れをするという考え方が一つございます。ただ私どもといたしましては、まだでん粉年度が完全に終わっておりませんので、その間におきまして極力生産者団体が販売の努力をするということは、これはやはり必要である。そのために、私どももできるだけの協力をしたいと思っておりますが、その点につきまして、さらに一段と生産者団体の御努力を願うということが先決である。その後どうしてもある程度の数量が残るということでございますならば、これは政府が責任をもちましてその始末をする、こういう考え方でございます。
○兒玉委員 その気持ちはわかるわけですけれども、そういう抽象的な表現ではどうしても理解ができかねるわけであります。というのは、すでにバレイショ等は生産の段階に入っておるし、新年度における価格設定等の問題も含めてその買い上げ措置なり、あるいはこれから生産者団体等に極力販売に努力をさせる、そう申しましても、この私の持っている資料によりましても、昨年の十月から今年の三月までのコンスの異常な輸入をしている状況等から見ましても、市況におけるカンでん、バでんの販売というものは、相当な努力をしなければ、いま局長が答弁されたような消化ということは不可能に近いのではないか。 そういう点からも、新年度の基準価格設定等含めて、やはり早期に政府が買い入れの措置をとるということが、でん粉価格の安定をもたらす最善の道ではないかと考えるわけでございますが、早期買い入れについて、具体的に見通しがあるのかないのか、その辺を含めて御答弁いただきたいと思います。
○池田説明員 ただいま、政府が責任をもちまして処理をしたいということを申し上げたわけでありますが、もう少し具体的に申し上げますと、その一つの考え方といたしましては、先生が御指摘になりました農安法による買い上げという手がございます。それから、農安法による政府買い入れではないけれども、その経済的な効果においては、あるいは同じような措置もとり得るのではないかということが一つございます。 私どもは、実は目下生産者団体等とも連日のように会議をいたしまして、農民に御迷惑をかけないような方策としてはどういう方策をとったらいいかということを検討しているわけでございまして、まだ最終的な結論には到達していないのでございますけれども、大体どんなことがあり得るかということを若干御参考までに申し上げますと、一つは、生産者団体におきまして一定のところに余りました荷物は集めまして、そこで隔離をいたしまして、たとえば、来年の春までは外に出ないようにする。そういうことになりますと、当然問題になりますのは、一つは金利、倉敷でございます。金利、倉敷がかかる。それから、隔離したものはその後一体どうするか、こういう問題がございます。私どもはその隔離をいたしましたものの販売、それからその際の金利、倉敷等の経費の処置、それらにつきましては、四月からやってまいりましたコンスターチとの抱き合わせ販売、これを運用いたしまして、結局同じようなやり方で販売をする。その場合に、当然価格の問題がございますので、そういうような金利、倉敷等はその価格に含めまして引き取らせる、こういうような方策があり得るのではないか。 こういうことで、実はそれぞれの利害得失というものを現在検討しているわけでございまして、いずれにいたしましても、農民に御迷惑をかけないような方法をとりたい、こういう気持ちでございます。
○兒玉委員 私たちがいろいろお聞きしました情勢では、なかなか販売がスムーズにいかない。そういう想定から当然考えられることは、基準価格を下回るような形において取引がされるというような問題が提起されてこようかと私は思うのですが、価格政策の面については、少なくとも農安法に示された基準価格の最低は絶対に確保した中においてそういう措置をすべきだと思うのですが、その辺はどういうふうな御所見をお持ちなのか、お伺いします。
○池田説明員 でん粉の価格につきましては、基準価格を下回りまして販売するという考えは、私ども持っておらないわけでございます。当然それを上回ると申しますか、まかなうような価格で販売をする、こういう前提でございます。
○兒玉委員 それならば、農林省としても全量買い上げに対応する、それに準ずる措置をとるような御説明あったわけででございますが、努力するというその趣旨から考えるならば、少なくともカンでん、バでんを含めた四万五千トン前後のこの量について、どの程度九月のでん粉年度までに消化するという大体の見通しがあるのか。そうしなければ、先ほど申しました金利、倉敷料等財政的な手当ての問題も当然起きてこようかと思うのですが、その辺の関連はどういうふうに分析されているか、お伺いしたいのです。
○池田説明員 実は、現在どの程度過剰になっているか、それから今後販売努力をいたしましてどの程度さばけるか、最終的にどのくらい新年度に持ち越すかという数字でございますが、これはまだはっきり確定をしておらないわけでございます。 現在、私どもは生産者団体と打ち合わせをいたしておりまして、その数字の確定を極力急ぎたい。それによりまして最終的に、先ほど申し上げましたような方向の中で、それをどういうふうに数字として当てはめるのかということを、現在せっかく作業中でございまして、そう時間をかけているわけにはまいりませんので、早急にこれはやりたいと考えております。
○兒玉委員 時間がございませんので、あと二点にしぼってお聞きしたいと思うのですが、何といいましても、私は全量買い上げに準ずる措置をもちろんとらなければいけないと思うのですが、最善の方法は、何といいましても農安法に基づく政府の全量買い上げということが最も至当であり、しかも、生産農民の不安を解消する唯一の道だと考えますので、この点できるだけ前向きの姿勢で取り組んでいただきたい。 なおまた、消化が停とんした理由は、先ほど局長もお認めになったように、関税定率法の改正と前後してのいわゆる需給関係、あるいはトウモロコシの輸入に対するところの見通しの誤り、こういう点が私は大きな原因だろうと思うのです。そういう点等を考えるならば、その買い上げの時期なり具体的措置等は、最も緊急を要する課題として積極的に取り組んでいただきたい。そのことを特に要望いたします。 そこで、安倍政務次官にお伺いしたいのでございますが、ただいまの質疑応答の中から察せられますことは、やはり農林省当局のコンス輸入に対するところの積極的な行政指導の欠陥が、今日のこのでん粉市況の低迷をもたらしている、そういう点から重大な責任があるし、しかもこの問題については、やはり国内におけるカンでん、バでんの需要が減退の方向にあるならばいざ知らず、むしろカンでん、バでんの需要増加の傾向にあるわけです。そういう点等から、先ほど局長が申されました点を含めて、政府の全量買い上げにひとつ積極的に努力をしていただきたいと思うのですが、次官の御所見を承りたいと思います。
○安倍政府委員 ただいま兒玉委員の御指摘のように、今回でん粉が非常に余剰になったという結果につきましては、確かに農林省の関税定率法改正前における見通しに多少の誤りがあったのではないかと私は率直に思うわけであります。 これが対策につきましては、ただいま局長から答弁をいたしましたように、何としてもイモ作農家に不安を与えないということを大前提として対策をきめなければならないわけで、そのためには、これからの消化につきましても、生産団体と積極的に話し合う必要もありますし、また同時に、いまお話がありましたような農安法を適用する、そうして買い上げるということも、確かに最善の方法であると思うわけでありますが、同時に、いまそういうことも含めて生産団体と話をいたしまして、ただいま局長が答弁をいたしましたように、実際に経済効果が同じような方向で対策を講じていく。こういうことで、ただいまお話をいたしましたような具体的な問題特に生産農家に不安を与えないという目的をはっきりして、これからの具体的な対策を早急に明らかにしていかなければならないと考えております。
○足立委員長 美濃政市君。
○美濃委員 時間の関係で、できるだけ要約して質問をいたしたいと思いますから、答弁も、中心を突いて簡単に願いたいと思います。 まず第一点は、国内産イモ類でん粉の生産対策でありますが、先ほどお話のありました大体百二十七万トンと想定される需要に対しまして、国内産確保は七十五万トンをもってこれからの生産対策を確立していくという必要があると思いますが、この点に対する見解を承りたいと思います。
○池田説明員 いま七十五万トンとおっしゃったわけでございますが、その数字の内訳がよくわからないのでございますが、私どもといたしましては、四十二年度におきましてはカンショでん粉が五十万トン弱、それからバでんが二十万トンちょっと、合わせまして大体七十万トンくらいの生産を想定していたわけでございます。ただいま先生の仰せられました七十五万トンというのは、若干、それに五万トン程度多いと、こういう感じでございますが、私どもといたしましては、国内産でん粉というものは当然優先的に消化をする、こういう基本的な考え方でいるわけでございます。
○美濃委員 私の言う七十五万トン、これは四十二年の実績よりは五万トン多いということになりますけれども、平年大体七十五万トンの生産を確保するという考え方は、たとえば、最近米で問題になっておりますが、米の国内生産が需要を上回る、こういうことになりますと、ただ単に買い入れ制限や食管法改悪で米の減産をはかろうという農政は愚の骨頂でありまして、これこそ国内の農業生産を破壊すると思うのであります。でありますから、やはり畑作には畑作に適応した作目、たとえばイモ類の適応地帯には、やはり大体この生産対策として、米作偏重でなしに、あとからも申し上げますが、少なくとも米を下回らない対策をとって、たとえば陸稲等の転換が、農家の所得減にならないで、納得して転換できる対策がとられなければならぬと私は思うわけです。 そういう意味において、まずでん粉は需要があるから、国内需要よりかも大きく下回っておるのでありますから、少なくともいまの計画は七十五万トンを目標とする計画を立てなければならぬのではないか、こう考えるわけであります。見解を承りたい。
○池田説明員 四十三年度におきますでん粉需給につきましては、まだ私どもとしては数字的な最終的な詰めには入っていないわけでございます。その際、バでんなりカンでんなりの本年の作柄がどうなるか、こういうことが基本になるわけでございますので、ただいまの御意見、私どもといたしましては、国内で生産されるカンショなりバレイショなりの相当部分がでん粉に回るわけでございますから、あるいはそれは七十五万トンになるかもしれませんし、あるいはもうちょっと少ないかもしれませんが、それにつきましては当然消化をしなければならない、こういう気持ちでございます。
○美濃委員 原則として答弁は了解できますが、そうすると、その生産を維持するということになると、現在のように生産事情あるいは経済事情、特に通貨事情まで違っておる輸入というもの、特にコンスあるいは一部輸入でん粉もあるわけですが、これに対する規制、調整をしてまいりませんと、輸入によって供給過剰になるということが起きたのでは、これはもうイモ類を作付する生産農家の所得安定にはならぬわけでありますから、現在は関税割り当て制度というごく暫定措置で規制措置をし、行政指導をしておるわけですが、三つ、四つの恒久対策は考えられるわけです。この検討はいまどういうふうに進めておるか、お伺いいたしたいと思います。
○池田説明員 実は、先般大臣から指示がございまして、省内の農政推進会議で各局の幹部が集まりまして、今後の農政を進めていく場合の基本になります問題について、今後精力的に検討するということになったわけでございます。その中で、私どもといたしましては、イモでん粉の問題はかなり重要な問題で、早急にこれについては結論を出さなければならぬ状態になっているわけでございます。 いま御指摘がございましたように、関税率も一年限りの暫定ということでございますので、これについて、将来関税率をどうしていくかという問題もございます。そういうような農政推進会議におきます非常に重要な議題として、私どもはこれを詰めてまいるわけでございますが、私どもだけでは非常に力も不足でございますので、実はイモでん粉に関係があります学識経験のある方々にお願いをいたしまして、ごく最近でございますが、今後一体イモ並びにでん粉についてどういうような方向で考えていったらいいかという点について、いろいろお知恵を借りまして、抜本的な対策を考えたいということで、発足を始めるばかりになっているわけでございます。あまり時間もございませんので、私どもといたしましてはそういうような方々のお力も借りながら、非常にむずかしい問題でございますけれども、国内のイモ作農家が成り立つという大前提のもとに、外国からの安い農産物の輸入とどう調整をしていくか、この問題に対して抜本的な回答を得たいということで、せっかく努力しているところでございます。
○美濃委員 それでは、いまこの問題は進行過程の問題でありますから、今後ひとつその対策について万全を期せられたいということで、その推移を見たいと思います。 次に、本年度の原料バレイショの価格告示が迫っておるわけですが、しさいはお尋ねをいたしませんが、まず第一番に、そういう原則で国内産でん粉を一定量はあくまで確保するということを政策の基調といたしますと、従来とられてまいりました告示価格というものは、依然として雇用労賃が生産費の基礎だったと思うのです。この労賃関係について、どういう考え方で試算に入ろうとしておるか。 もう一つは、将来の運用の中で——ことしも若干余るわけでありますが、附録算式の中で、国内産をもって過剰になったという場合は、これは国内産であまり過剰をつくり、それを財政負担で解消するということは、財政上の問題もあろうかと私自身も思います。しかしながら、ただいま検討しておるということでありますが、そういう検討の不十分あるいは政策上の欠陥から、輸入による過大供給が起きた場合に、それを市況による在庫とみなして、いわゆる供給過剰であるという附録算式の価格試算をするということは、私は問題があると思うわけで、ことしの価格試算をするこの二点の考え方、これをお伺いしておきたいと思います。
○池田説明員 労賃評価の問題でございますが、労賃評価につきましては、従来からいろいろ御議論があったところでございます。 ただ、非常に形式論みたいなことを申し上げるようなことになりまして恐縮でございますけれども、イモにつきましては、御存じのようにいろいろな用途があるわけでございます。でん粉も非常に大きな用途でございますが、その他なま食用ということで非常に販売されるというようなものもございます。そういう多用途なもので、それは一応形といたしましては自由に流通をする、そして、そこで形成されました市場価格で取引される、こういうたてまえになっているわけでございます。そういうことでございますので、米との比較が問題になるかと思うのでございますが、米の生産費を考える場合には、都市均衡労賃で評価をする。これはおそらく、たてまえといたしましては、米というものが食管買い入れということで、しかも価格が、そこできまった価格で取引される、こういうことで、結局米の生産農家にとりましては、所得がそういう制度的に規定をされる。したがいまして、都市との生活水準のバランスというような点を考えますと、生産費の中に織り込まれます労働費につきましては、都市均衡労賃で評価が之をいたしませんと、そういうようなことになりませんので、都市均衡労賃による評価が行なわれていると私どもは理解しているわけでございます。 イモの場合におきましては、いま申し上げましたように、いろいろなかっこうで流通をするイモのこの場合の基準価格は、その中の一つの部門における基準価格である、最低価格である、こういうことでございますので、そこのところは、かなり米の事情とは違うんじゃなかろうか。そういうようなことがございますので、私どもといたしましては、この価格につきまして、都市均衡労賃で評価をするということは、かなり制度的にむずかしい、こういう感じを持っておるわけでございます。 それから第二の点につきましては、お許しをいただいて参事官から答弁をさせます。
○小沼説明員 お答え申し上げます。 お触れになりました附録第二式におきましては、価格決定年のカンショまたはバレイショの国内産のものの供給予想量を算定の基礎に入れておるわけでございます。外国産のものを考えておるわけではございません。
○美濃委員 現行各試算は、生産費の中で雇用労賃が、都市均衡労賃とはかなりの差があるということはすでに御存じのとおりであります。農安法の第一条の目的も、米麦に準ずるものとして、価格試算の中で、ニコヨン賃金と都市均衡労賃との差のような大きなものを意味しておるとは思わないのであります。ですから、時間の関係で再答弁は要りませんが、これから先試算に入るときに、十分都市均衡労賃を採用するように強く要望しておきます。 最後に、国内生産は、少なくとも現在の生産実績を落とさないという基本姿勢でありますから、そういたしますと、その中でもやはり生産コストを下げていくということは、国民経済の見地からも大切なことでありまして、品種の改良あるいは機械化、合理化の促進、こういうものが行なわれなければならぬのであります。これは政務次官にお伺いいたしたいと思いますが、四十四年度予算編成期にも入っておりますが、これら総合対策はどのようにお考えになるか、伺っておきたいと思います。
○安倍政府委員 ただいまいろいろと御指摘がございましたが、われわれ農林省といたしましても、総合農政を今後推進していくというたてまえから、イモ作農家の所得の安定ということを積極的にはかっていかなければならない。そのためには、いまお話のような生産実績あるいは品種の改良、機械化といったようなことにつきましても、明年度予算に対しては積極的な姿勢で取り組んでいく決意でございます。
○足立委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○足立委員長 速記を始めてください。 ————◇—————
○足立委員長 この際、おはかりいたします。 昭和四十三年産米価決定に関する件について、本委員会の決議をいたしたいと存じます。 すなわち、本件につきましては先般来御協議を願っていたのでありますが、ただいまその案文がまとまりました。便宜私が案文を朗読いたします。 昭和四十三年米価決定に関する件(案) 政府は、本年産米価決定に当っては、左記事項に十分留意しその実現に努力すべきである。 記 一、生産者米価については、生産農民の要望を配慮し、生産費及び所得補償方式に基づいて生産農民が再生産を確保できるよう速やかに決定すること。 二、消費者米価は三年連続して値上げされている経緯にかんがみ、物価及び消費者家計の安定の見地から慎重に配慮すること。 三、食糧管理制度については、いやしくもその根幹にふれるような運用はせざるものとし、特に一部において報道されているような制限買入、自由米構想等は、これを採り入れないこと。 右決議する。 以上であります。 ただいま朗読いたしました案文は、各党御協議の上作成したものでございまして、その趣旨は、すでに明らかになっておりますように、一、二、三項とも本年産米価決定にあたっての留意事項でございます。すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。 ただいま提案いたしました案文を、本委員会の決議とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 この際、ただいまの決議について、政府の所信を求めます。安倍農林政務次官。
○安倍政府委員 ただいま、昭和四十三年産米価決定に関して三項目にわたって御決議がありましたが、政府といたしましては、本年産米価の決定にあたりましては、ただいまの御決議の一、二、三各項の御趣旨を尊重してまいる所存でございます。
○足立委員長 なお、ただいまの決議の関係当局への参考送付等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○足立委員長 この際、小委員会設置に関する件についておはかりいたします。 先刻、議長に対し申し出ることに決しました閉会中審査案件が付託になりました場合、閉会中もなお調査を行なうため、小委員十一名よりなるいも、でん粉等価格対策に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○足立委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、小委員、小委員長の選任、辞任、補欠選任並びに小委員会において参考人より意見を聴取する必要が生じました場合には、その人選等所要の手続につきましても、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、小委員及び小委員長は、追って公報をもって指名いたします。 ————◇—————
○足立委員長 農林水産業の振興に関する件について、質疑を続行いたします。角屋堅次郎君。
○角屋委員 一時からの本会議の関係もあり、簡潔に真珠問題にしぼって数点、政府の考え方についてお伺いをいたしたいと思います。 御承知のとおり、昨年の春以来真珠産業の不況は時とともに深刻化してまいりまして、特に本年の秋の浜揚げを前にして、買い手の見通しもなかなかむずかしい。あるいは価格がどうなるかという点についても、非常に見通しは暗い。金融問題についても、なかなか引き締め基調でたいへんである。従来、真珠産業の中でも、戦後二十数年の間に中堅企業の倒産等がありましたけれども、去年からことしにかけては、名前をあげるというのはどうかと思いまするけれども、いわゆる大手といわれるもの、あるいは中堅企業といわれるところ、こういうところで現実に倒産が起こっておる。私の地元の三重においても、そういう状態でなかなか深刻である。例年行なう浜の祭りさえ自粛するというほどの状態であり、過般も、戦後かつてない真珠養殖関係者の総決起大会が行なわれ、打開をどうするかということについての真剣な議論とその要望が、政府にも農林省にも出されるというほど非常に深刻でございます。 そこで、最初にお伺いしたいのでありますが、昨年の春以来の真珠産業の不況を、政府としてどういうふうに受けとめておるのか、あるいは今日までの時点で、不況打開のためにどういう手を打ってきたのか、あるいはこれから打とうとしているのか、こういう点について、まず御見解を承りたいと思います。
○森本説明員 昨年以来真珠のいわゆる不況が出てきておりますが、不況が起こってまいりました原因としては、御案内のように、四十一年の後半から輸出がかなり停滞あるいは不振になっておる。その原因としては、一つは主要な輸出国における景気の後退、それから生産がかなりふえてまいりましたから、価格の低落あるいは品質の低下等を考慮いたしました海外業者の買い控え、こういったようなことが大きな要因になっておりますが、基本的には、日本における真珠産業の生産なりあるいは輸出体制の不備ということが、基本的な要因であろうと思っております。 そういうことでありますから、私どもとしてはここ一、二年来、あるいは業界の体制の整備等について極力指導を強化してまいりました。 やってまいりましたことを項目的に申しますと、全真連によりますところの生産の自粛調整、それから浜揚げの玉に対する調整保管あるいは共同販売の強化、また漁場の利用合理化のための漁業権の適正な運営、あるいは輸出体制を整備するための輸出水産業組合の設立と各種の調整規程の設定といったようなことについて、極力業界の体制整備につとめてきたのであります。 しかしながら、まだ御案内のような事態が続いております。将来もきわめて危惧をされるという状況でありますので、生産の体制整備ということについては、抜本的な法律的な改正措置といいますか、法律的な措置が必要であろうということで、鋭意検討しております。また緊急な対策としては、需給関係を調整するというための各種の手段、あるいは出回りの品質について、不良真珠が出回らないような措置といったようなことについて、至急手を打たなければならぬだろうということで、目下鋭意検討しておる段階であります。
○角屋委員 府県別の真珠の浜揚げ量、こういうものが私の手元にも、昭和三十年以来今日までの情勢についてずっと資料として持っておるわけです。それから主要仕向け国別の輸出実績、こういう資料も、大蔵省の通関統計として持っておりますけれども、特に輸出の国別では、アメリカ、スイス、西ドイツ、香港、インド、こういうところが中心でありますが、アメリカの総体の輸出量あるいは金額というものが、かつて昭和三十二年ごろは五八%台あったのが、四十一年になりますと、金額で三六%、数量で三三%程度にまで後退をしてきておるというふうな推移がございます。 そこで、具体的数字として、本年度の浜揚げ数量、これをどの程度に予測をしておるか、あるいは本年度の浜揚げ数量に対して、これが輸出あるいは国内の需要という点ではけていく状態、あるいは去年から全真連が実施をしております六千貫の調整保管、おそらくことしの場合は四千貫程度までの調整保管の上積みをしなければならぬという、そういう深刻な事態かと私は思うのでございますけれども、秋の浜揚げを前にしたこれからの買い手の問題、あるいはいま言った調整保管等の見通しの問題、こういう点についてどういうふうに判断をしておられるか。
○森本説明員 浜揚げ玉の推定は、必ずしも確定的にはいえないかと思うのですが、私どもが現在考えております推定の数字は、約三万四千貫ぐらいに押えております。輸出あるいは内需等を合わせました需要が、大体二万六、七千貫といったようなことで、あと若干浜揚げ段階その他において業者等の手持ちも出てまいりましょうから、先ほど言われましたようなことで、三千貫あるいは四千貫程度の調整保管が必要ではないかというふうに思います。
○角屋委員 そこで、当面の緊急問題として、特に去年の秋以降いわれておりました調整保管、これは現実に昨年度約六千貫、ことし四千貫程度まで上積みをするということになりますと、深刻な不況の中で調整保管のため農中から出ておる金、これはことしもそういうことをおそらく考えておられると思いますが、そこで利子補給問題というのが、前々から非常に強く要請されておるわけです。これは、政府みずから利子補給を全額やるというのも一つの方法でありましょうし、あるいは関係県の地方自治体の協力を得て、真珠関係者の負担を軽減するという方途も方法としてあろうかと思うのですが、これがいまだ実現をされていないのですけれども、カンフル注射的な措置としては、緊急にこれから始めなければならぬというふうに思います。 それから、先ほども触れられましたいわゆるすそ玉、粗悪品の処理の問題、これは、ことしの浜揚げ三万四千貫といわれましたけれども、大体二割程度はそういうものに該当しようかと思うのですが、これは、やはり国際的な評価を高めるためにも、こういうものの廃棄処分に対するところの助成問題についても、具体的に手を打っていく必要がある、こう思うのですけれども、この点どうです。
○森本説明員 言われました調整保管に対する財政的な援助、それから不良真珠が出回らないための何らかの措置といったようなことにつきましては、目下の対策としては、きわめて緊急かつ重要な問題だと思います。したがいまして、それらに関する財政的な援助についても、私ども前向きに検討してまいりたいというふうに考えております。
○角屋委員 前向きの検討というのはよく使われることばなのですけれども、私は今日の深刻な事態の中では、秋の浜揚げまでに、まず利子補給問題についても、ことし所要量の、たとえば半分でも第一次分として出していくくらいの誠意が必要だと思うのです。それからすそ玉の問題についても、そういう手を打っていくことが必要だろうと思う。 政務次官にお伺いをいたしたいのですが、これは事緊急を要する問題でありまして、先般の理事会でもこの問題については私からも提起をいたしまして、委員長、各理事とも非常に理解が深いわけでありまして、この際、院の決議として当面の緊急問題、恒久問題を含めて決議すべきだという私の私案も御提示申し上げました。理事会では、これは非常に重大な問題だから、閉会中もひとつ参考人等も呼んで審査をやらう、現地にも行こう、そして適時適切な手を打っていくように委員会としても努力しよう、こういうことに相なっておるわけであります。政務次官として、今日までの政府並びに農林省の手というのは根本的な手になっていない、非常に対策がおくれておる、これが現状であろうかと思うのでありますが、どういうふうにお考えになりますか。
○安倍政府委員 真珠の不況の実情、これが打開につきましては、大臣をはじめわれわれのところにも業界あるいはまた各関係の地方団体からも非常に多くの陳情、要請が参っておるわけで、農林省といたしましてもこれが抜本的な対策を一日も早くつくらなければならぬ、こういう考えでありまして、いま長官が御説明申し上げましたような応急対策あるいは長期対策といったものも、これから早急に確立をしていかなければならないと思います。 特に、いま御指摘がありました調整保管の財政援助、あるいは下級真珠の処理のための財政援助といったことにつきましては、委員会の御要望といったものをわれわれも聞いておるわけでありまして、農林省としてもいま長官が話しましたような前向きの姿勢——これはただ農林省だけで処理できる問題ではありませんで、やはり相手のあることでございますが、われわれとしても、ともかく真珠のそうした不況を何としても打開するためには、まず緊急なそうしたこともやり、あるいはまた長期的には、法案の改正というものに取り組んでいかなければならない。そういうことで、とにかく農林省としては積極的な姿勢で取り組んでいかなければならないと考えております。
○角屋委員 ことしの秋を前にした金融的な手だて——大体真珠金融というのは、大体五百億から六百億の幅の中で今日貸し出されておる。これは農中があり、商工中金があり、あるいは東銀があり、勧銀があり、その他都市銀行、市中銀行等、そういうところから出されておるわけでありますが、金融機関も、真珠の不況が誇大に、必要以上に宣伝されておる点もあって非常に引き締め基調である。これがよけい倒産の連鎖反応を大きくしておる。政府として、秋の浜揚げを前にした当面の緊急な金融問題等について、どういう手を打とうとしておるのか、簡潔にお答え願いたい。
○森本説明員 御指摘がありましたように、現在真珠産業に対して金融的に十分いっていない。それは金融機関が、一つは真珠産業の当面あるいは将来について確信が持てないということが、一番大きな原因ではないかと私は思っております。したがいまして、金融対策として一番重要なことは、真珠についてかくかくの手が打たれる、これは当面にしてもあるいは長期的にしても、そういう対策を早急に確立することが、当面の金融困難を打開する根本的な対策であろうというふうに私は思っております。 そういう見地から、先ほど来申し上げておりますような対策を早急に確立したいというわけであります。そういうバックをもちまして、できるだけ関係金融機関に対しまして真珠産業に対する融資の円滑化をわれわれとしてもあっせん、指導してまいりたいという考えでございます。
○角屋委員 立法問題については、こういう短時間の間に議論はできませんけれども、私はかねてから、通常国会の本委員会の審議の際にも考え方を申し上げておきました。いま自民党にも真珠問題小委員会があり、あるいは水産庁としても並行して真珠養殖事業法の一部改正という姿勢で取り組んでおるように判断をしておるわけですけれども、この事業法の制定当時と今日では情勢も大きく変わってきておる。この際事業法を廃止して、新法を現在及び将来の真珠産業の安定の立場からつくる、こういうことで本来的にやるべきだというふうに考えておるわけですが、立法的な問題については、いつの時点でこれを出せるというふうに考えておられるのか、その辺のところを、ひとつ考え方をお伺いしたいと思います。
○森本説明員 立法問題についても、できるだけ早くということで私どもはやっております。ただその事項といたしまして、たとえば公正取引委員会でありますとかあるいは自治省でありますとか、そういった関係省庁と、かなり十分打ち合わせをするあるいは討議をするといったような事項が含まれております。そういうこともありますので、少なくとも農林省の案としては、早急に立案をして関係各省と折衝いたして、できるだけ最短距離で法案が実現を見るように、私どもとしては最善の努力をしたいと思っておるわけであります。
○角屋委員 私、これで結びにしたいと思うのですが、言うまでもなく真珠はわが国の独占的な輸出産業であります。これは現在及び将来にわたっても、これの安定的な成長のために、検討としても最大の努力をしてもらわなければならぬ。今日の不況は、ある意味ではやはり構造的な問題も含んでおると思うのです。日本の産業の中でも、たとえば造船あるいは石炭、最近の繊維というものについては、資本の大小は別として、相当やはり本腰を入れた手を打っておるわけであります。したがって、真珠産業についても、調整保管の利子補給問題、すそ玉の助成問題ばかりではなしに、この際やはり思い切った積極策というものについて、政府のすみやかな善処を強く要望しておきたいと思います。 いずれ閉会中にも、委員長からもお話があり、理事の各位も、この問題は真剣に取り組もうということでありますので、本日はこの程度の質問にとどめておきます。
○足立委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後一時散会