P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
59回国会衆議院1968/09/10

内閣委員会 第5号

発言数
239
登壇者
15
会派数
4
開催日
1968/09/10

会議録

三池信自由民主党

○三池委員長 これより会議を開きます。  公務員の給与に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますのでこれを許します。大出俊君。

大出俊日本社会党

○大出委員 再三再四これは御質問してきたところでありますけれども、閣議決定ということになったようでありますから、総務長官から人事院勧告の扱いについて大体どういうことになったかということを、新聞紙上その他で目にしておりますけれども、公の委員会という席でございますから、給与担当の大臣からそこのところをまず御説明いただきたい。簡単でけっこうでございます。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 それでは御報告を申し上げます。  政府は人事院の勧告を八月十六日にちょうだいいたしました。直ちに関係閣僚会議を開きまして、以来五回にわたりまして協議を重ねたのでございます。何分にも本年は総合予算主義の原則のもとに予備金に財源を盛り込んでございます関係から、むしろこれをすみやかに決定をいたし得る可能性もあり、同時にまたすみやかに決定をするという御要望にもこたえまして、これを八月三十日の閣議で決定いたした次第でございます。  なお勧告の実施時期につきましては、諸般の情勢を総合勘案いたしまして、最大限の考慮を払ったのでございますが、八月からこれを実施する、ただし通勤手当に関しましては、これを五月から実施する、かようなことに決定をいたした次第でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 閣議決定には、いまのお話だけでなくて、新聞によりますと幾つか、いわく注一などという書き方をしておる。正式に中身をいただいておるわけじゃありませんから、その間のいきさつはわかりませんが、新聞などでは注などということで書いてありますが、そこらは一体どういうことになっておるわけでありますか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 御案内のとおりに、私どもは人事院の勧告を尊重いたし、完全実施を目標に努力をいたしたのでございますが、遺憾ながら財政その他の諸般の事情からどうしても人事院の御要望に沿うて五月実施ということが不可能でございましたが、しかしながら何とかひとつ性質の異なる実費弁済的な意味を持った通勤手当に関しては、どうしても五月から実施しなくてはいかぬのだという主張をいたしまして、これは五月からということにいたした次第でございます。ただし、その間に、人事院の勧告を完全に実施いたしまするためには、やはり春闘の結果の調査を待って八月に人事院の勧告をいただいたのではどうしても予算編成上の支障を来たす、と申しまして、予備金の今日の制度というものは必ずしも悪いものではございませんが、しかしながらこれに対してあとでいかにアジャストするか、調整するかということがやはり一大支障になっておる。そういうことからこのことはいままでにもなく唱えられたとは存じますが、今度実際に交渉をしまた協議をいたして、その問題はどうしてもこれを打開しなければ相ならぬということを痛切に感じたわけでございまして、それならばいままでと同じようなこういうことが繰り返されたのではいかぬ、どうしてもことしは四十四年度予算編成の時期までにこの問題を人事院とも御一緒になってひとつ打開してまいらなくてはならぬ、こういうふうな強い気持ちのもとにあの注をいたしたような次第でございます。  と同時に、人事院の総裁にもお願いに参上いたしましたところが、総裁にも非常に快く御承諾になっていただきましたので、関係七閣僚に加えて人事院総裁も御同席を願ってこの壁を打開していく、そうして人事院の勧告どおりの内容を持った給与の改定がぜひできるようにいたしたいということであの注をいたし、また今日第一回の各閣僚並びに人事院総裁の会議を持ちまして、さらにこれを実務者の連絡会議に移しまして問題点となったところをさらに次回の閣僚会議において解決していく。いわゆるただ作文ではなく、実際に問題を一つ一つとらえて、具体的に次々と解決して、何とか人事院勧告の完全実施を実現してまいりたい、この熱意のもとにただいま閣僚会議をいたしつつある次第でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 もう一つ注二というのがございますが、これは一体どういうことでございますか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 地方公務員の給与の問題につきましては、ここにも示されておりまするように地方公共団体にありましておのおのまちまちに相なっておるという点でございまして、給与制度といたしましては中央、地方を通じての一定の体系のもとに行なわれる部門であるという考え方でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 一応いま閣議決定にあたっての中身の御説明を公式にいただいたわけでありますが、本年もまた完全実施をしない、こういうことをいわれまして、総務長官の努力の最高限度は完全実施である、したがってそれに向かって努力をするこういう答弁を何回かここでいただいたわけでありますが、あまりにもたび重なって不完全実施でございますから、この点に関する限り何といわれても納得いたしかねるわけでありまして、これからひとつ本委員会を休会中でありましても何回か重ねて開いて質疑を続けたいと思っております。  そこで、最初にこれから先々の、閣議決定以後における扱いというものが残っておるわけでありますが、そこらを一度公式に順次お聞かせをいただきたい、こう思っておりますのでとりあえず次の質問を申し上げますが、これは閣議でおきめになったからといって実施できるわけではないわけであります。法律改正が当然必要になってまいりますから。となりますと、これは国会の審議、議決が必要でございます。そこでひとつここで承りたいのは、例年に比べて非常に早く閣議決定をおやりになったのでありますが、この早くきめたという真意のほどは一体どこにあったわけですか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 御案内のとおりに、給与の決定はすみやかにするという御要望があり、なおまた一方において、従来は財源の捻出の上で節約あるいは組みかえ、いろいろな操作を要したのでございますが、本年に関しましては予備金の中に財源を盛り込んであるというような関係から、じんぜんとして日を延ばす必要と申しますかそういうふうなことを要する必要がないわけでございまして、むしろそれよりも早く決定して差し上げるほうがよろしいのではないかという気持ちでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 確かに本年は予備金に入っておるということもあって、長官いみじくも渡れる橋から渡りたい、こういう答弁をなさいましたが、早くきめることについては私もなるべく早く、物価も上がっておるおりですから公務員の皆さんの手に渡るように、こういう気持ちもございますから、当然そういう私の意見にもなるわけでありますが、さてところがおきめをいただいたのだけれども法改正をいたしません限りは支給はできないわけでありますから、いまのお話の早くきめてあげなければという気持ちできめた、それは早く公務員の皆さんに支給されるようにということを含んでおる。せっかく早くきめたのだけれどもいつになるのかわからないということでは困るわけです。そうすると、これは臨時国会というものが考えられなければ、法案提出をしようにもしようがないわけであります。これは一体いつごろになるのですか。いつ公務員の手に渡る、そういった手順になるのでありますか。そのあたりの見通しをどうお考えになっておりますか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 本件に関しましては、国会と政府側におきまして御相談をいたしてすみやかに臨時国会を開いていただくようなことに相なりますが、これはまたこの点につきましてもひとつ何とぞ御協力のほどをお願いいたします。

大出俊日本社会党

○大出委員 御協力することにやぶさかでないから申し上げておるのですが、国会と政府とこうおっしゃるのですけれども、議院内閣制、政党政治でございますから、私のほうは政府だから知らぬ、こういうわけにはまいらぬわけでございます。法案の提出権は、これは議員としてはありますけれども、政府としては、かくかくしかじかで必要だというものの考え方で臨時国会を予定するわけでございます。そうなりますと、しいて言えば、消費者米価もきょうは閣議でいろいろ御論議になっているようでありますが、これもまた国民一般にとってはたいへんな問題。片や公務員給与もせっかく早くおきめをいただいた。例年より飛び抜けて早くおきめをいただいた。その真意は、なるべく早くきめて公務員の皆さんに渡るようにという気持ち、こういうわけでありますから、そうすると、臨時国会がいつになるかわかりませんということでは協力のしようがない。いま、そのほうも御協力のほどをというお話でございますから、そうするとこれは早く開いていただかなければならぬことになる。そこらの見当がかいもくつかぬということであっては、せっかく委員会を開いて討議をしても何もならぬ。それは皆さんのほうにもいろいろ思惑がおありになると思いますが、そこら辺は総務長官としては、臨時国会を早く開いてこの法案を提出をしてという気持ちになっておられるんじゃないのでございますか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 私は給与担当の責任者といたしまして、当然さように考えております。

大出俊日本社会党

○大出委員 だがしかし、ちょっと総裁選挙でも終らなければ開く公算はないとお考えでございますか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 そういう点になりますとやはりおのおの担当の分野が違います。私が独断でここで申し上げられない点でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 つまり公務員の皆さんが心配しておりますのは、いまの政治情勢から見て、私どものほうも別な意味でなかなかむずかしい党内情勢にございますが、皆さんのほうでは皆さんのほうでなかなかむずかしいわけでございますから、さてそうなると臨時国会はなかなか開かれないのではないか。通常国会は十二月中に召集することに法律上きまっておりますから、どうもそれに近い形の臨時国会になるのではないかということで、せっかくきまったのだけれどもどうなんだという意見も世の中にはたくさんある。全くけしからぬ、また完全実施しないのだという気持ちのうらはらに、けしからぬからストライキでもやろうじゃないかという雰囲気も強い。ところが別な面で、ともかく国会が開かれなければという気持ちがまた出てくる。こういうわけですね。だからそういう意味で私は、くどくは申し上げませんが、総務長官という立場でいま先を見通して、大体臨時国会はということぐらいは考えておいていただかないと、きめたんだがいつになるかわからぬでは事済まぬという気がするのですが、くどいようですが、そこのところはどうですか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 私どもは、やはりただいまのお話のように現実にはさようでございましょうが、しかし気持ちの上から申しまして、はっきりきまっておるということはやはり非常に大きな影響もございましょう。しかし何をいたしますにあたりましても、結果においてどういうふうに展開されるかは別といたしまして、少なくとも誠心誠意真心をもって対したい、かように考えております。

大出俊日本社会党

○大出委員 つまり総務長官の立場からすれば、せっかくきめたんだからできるだけ早く法案が提出できるような取り運びをしたい、こういうお気持ちがおありになる。こういう意味ですな。そう理解してよろしゅうございますか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 そのとおりでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 労働大臣のお時間がない、こういうお話でございますので、労働大臣にまず四、五点御質問申し上げたいのですが、給与担当の総務長官からいま閣議決定に基づく御報告を正式にいただいたわけであります。完全実施が本年またまたできないという閣議決定そのものからすれば、こういう結果なのでありますが、労働大臣が所管をされております公労協関係は三十二年以来完全実施をしているはずであります。そこらのことをあわせ考えまして、法律上の多少の相違はありますが、公労法関係からいきましても、これまた政府の意思でございまして、使用者としての政府、あるいは純然たる政府の意思でございまして、絶対拘束をされるかというと、法律的には多少の抜け道はあるわけであります。したがってその限りでは大同小異だ。にもかかわらず、まして団体交渉権もない、したがって協約締結権もない一般公務員の方々、あるいは防衛庁の方々、あるいは警察、消防を含めまして、あるいは地方公務員、地方公営企業、こういうことでありますから、そういたしますとこちらに影響がある人事院勧告がまた不完全実施という情勢を、労働行政全般からお考えになってどういうふうに小川労働大臣はお考えでございましょうか。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 公共企業体の職員と公務員とそれぞれ給与決定の仕組みを異にしておりますことはただいま御指摘のあった通りでございますが、いずれにいたしましても、制度の趣旨と申しますか、精神と申しますかは、給与の適正を期したいということにありますことはいささかも異なるところがないと存じております。したがいまして人事院の勧告はあくまで尊重いたしまして、完全な実施を期するということは当然でございます。さような意味から、今回の結果は私どもといたしましてはまことに不本意な結果であったと存じております。

大出俊日本社会党

○大出委員 そこでいまたまたまILOのアジア会議が十二年ぶりで開かれている。しかも東京で開かれている。こういう時期でございまして、私の新聞報道を見た限りでは、たしか労働大臣もこの会議にお出かけになりまして、総理大臣代理の木村官房長官とともどもあいさつをされているようであります。私もどうもILOとは縁がずいぶん古くからありまして、何べんかILOの会議にも出席をした経験を持っておりますが、このアジア会議の議題は四つばかりありますけれども、それはそれとして、ことしは人権宣言の二十周年記念という年でもあり、ILOはそういった意味で旧来の国際労働基準の中の中心になるものを幾つかもう少し前に進めようという姿勢を示しております。六月の過般のILO総会におきましても、由来とは違った角度からものを見ている節がある。特に労働者の中における公務員の場合にあたって、この八十七号条約なり九十八号条約なりをILOがきめましたときに、団結権条約から団体交渉権条約に移る。これは条約は別個でありますけれども、そこから先にストライキ権に触れようという段階で、常に半数使用者の方々がいるILOの構成からいきまして、国際的に見てはたして各国がそこまできたのかどうかという判断等も、そういう意味であって、そこから先に進まなかったという事情がある。これは私何回かILOに確かめておりますが、当時のいきさつ、ラマディエ氏など、フランスの前の総理で結社の自由委員会の議長をやっておりますこういう方々の発言の中でもそれがございますが、ことしは少しそれを、百七十九号事件、日本の事件等も踏まえまして、この八十七号、九十八号との関連で、この条約はストライキ権という意味の保護をも含む条約だというかつての専門家会議、専門家委員会の解釈に似た解釈をとってきております。これは前に総務長官に私が質問をいたしましたら、寡聞にしてそこまで聞いていない、こういうお話であったのでありますが、いままでの五十四次の勧告等から次第にそういう動きが強まってきたのでありますが、次第にそういう方向をとりつつあると見ていいと思います。つまりILOの基本的な考えは、ストライキ権かあるいは代償機関という、そういう対置のしかたでものを考えておるわけであります。そうすると、こういうアジア地域の会議まで開かれている時期に、またまたどうも、いま遺憾だとおっしゃられましたが、不完全実施である。これではまことに私は国際的に見ても遺憾なことだという気がするわけであります。  そこで承りたいのでありますが、モース事務局長等に組合側からいろいろ話をしているわけでありまして、事務局長の側もそれを受けておりまして、やがて政府の閣僚も皆さんと会って話をするという機会を求められるようでありますが、そこらのことをあわせ考えまして、ここからまた先に公務員の皆さんはストライキを本年やりかねない雰囲気です。そうすると、それをめぐって今度百七号条約の関連なども出てくる。そこらのところをひとつ踏まえていただきたい。ここで完全実施ができない、かつ一あとから詳しく申し上げますが、一つ間違うと人事院の今日的制度にまで触れかねない閣議決定をめぐるあるいはその後の七人委員会プラス人事院総裁の会議の中身等も見られる、となるとここで再び公共部門に働く労働者の問題について、ストライキ権あるいは団体交渉権、協約締結権に触れての論議をやり直さなければならぬという気までするわけであります。そこらのところを大きな視野にお立ちになって考えてみて、今回のこの問題、制度の問題まで、これは大臣もお入りになっておるわけでありますから第二回目をおやりになるでしょうけれども、どういうふうに労働大臣としてはとらえておられるのか。日本の労働大臣でございますから、ILOの場というものと関連をさせまして、結果いかんではこれまた私どもILOの場所にものを求めなければならぬ。そういう立場からそこのところを承っておきたいわけであります。  少し長く申し上げましたからおつかみになりにくい点もあろうかと思いますが、一つは代償機関というものに対するILOの解釈、つまりストライキ権、代償機関を対置いたしまして、もしスト権というものを制限をするならば完全な代償機関という求め方をしておるわけでありますが、それが徹底していない。つまり代償機関というものの存在が意味をなさないのだとするならば、英国にもフランスにも公務員のストライキがございますから、そうなるとむしろ国際的にはストライキ権のない公務員のほうが特殊なんでございまして、大勢としてはそういう方向にどうしても進んでいかざるを得ない。だからそこのところを国際労働基準というものと日本の官公労働に関する法律規制というものをあわせ考えて、代償機関の存在というものを見直す必要があるという気持ちなんです。それから、ここから先は運動ですから、当然何べんも何べんも不完全実施が続いているのだとすると——現在の法律形態では処分者が出るのですから好むところではないけれども、しかしやらざるを得ないというところで一票投票などを公務員の皆さんがおやりになっているようですから、またそれが繰り返されることになる。そういうことは労働行政という立場から見て遺憾なことだとお話しになるとは思うけれども、単に遺憾なことでは済まないのではないか。もう少し前に進んでこの種のことが起こらぬように考えておく必要があるのではないかと思うのです。きょうは文部省の官房長岩間さんもお見えになっておりますけれども、灘尾さんが閣議で、地方の教育委員会その他から、不完全実施不完全実施ということのために繰り返し公務員諸君の行動が行なわれて、さてそれに対する処分問題が出てきてそれが繰り返されるということは好ましくないということを発言をされているようであります。そういう御心配をいただいている方々もおられるとすればなおのこと、このポイントをどうとらえておられるのかという点を承りたい、こういう意味であります。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 ただいまおことばがございました公務員のスト権を制約するに際しての代償としていかなることが必要であるかという点については、ILOが過去に採択をいたしました、あるいは発表いたしました文書等に幾つかの見解がやや明確に示されておると存じますが、この点はただいま労政局長からお耳に入れさせます。  それから、毎年毎年勧告が完全に実施されない、毎年毎年ストが繰り返される、まことにこれが好ましからざる事態であるということは私全く同感でございます。ことしから予備費に組み込むということをやっておるわけでありますが、これはある意味で、仕組みとしては一歩の前進であろうかと存じますけれども、それにいたしましてももっと完全に、さらに円滑に勧告の趣旨を実施するさらによい制度がないものだろうか、ぜひこのことを真剣に研究したいと考えておるわけでございます。先ほど御指摘のありました閣議決定に際しての注釈は、そういう前向きの気持ちを盛り込んだものだと私は理解をいたしておるわけであります。

松永正男労働省労政局長

○松永説明員 補足して御説明申し上げる必要もないかと思うのでありますが、団結権の問題につきましては、八十七号条約をめぐりまして結社の自由委員会等におきまして、先生御承知のようないろいろな角度からの議論がございます。条約そのものは、もうこれも十分御承知のように、争議権そのものには触れていないのでありますが、これをめぐりましていろいろな御意見が戦わされておるということも御指摘のとおりでございます。それからまた八十七号条約の関連で、新聞紙等の伝えるところでは、モース事務局長も、八十七号条約は争議権には触れていない、扱っていないのだというようなことを言っておられますので、条約そのものの解釈といたしましては、そこから争議権という問題は直接には出てこないというふうに考えるわけでございますが、今度のILOの地域会議のセレクションコミッティにおきまして、結社の自由に関する決議案がインド労働代表等から提案されまして、その論議に私も参画をいたしたのでございますが、その際にもいろいろ議論が出ました。そうしてたとえば反組合的活動の禁止、反組合的立法の廃止に関する決議案というのが千九百五十何年でしたか忘れましたが、採択されまして、それを今度の結社の自由に関する決議の前文にこの決議もコンシダーするのだというようなことで加わったりいたしておりまして、その決議の中に労働組合活動が争議権を含むんだというような内容もありますので、実質いろいろな角度から論議がされております。ただ、私、ILOの今度の会議に参加をいたしましていろいろ議論をいたした経験を通じて考えますと、おっしゃいましたように、私どもとして公務員給与というものについてその運用が完全にまだできていないという点はわれわれとしても何とか完全に運用できるようにというふうに考えておりますけれども、全般といたしましては、たとえば結社の自由の八十七号につきましても、アジアの諸国では未批准国がほとんどであるというような現状がございまして、やはりアジア各国の労使政府代表とも、日本のような状態に早くなりたいというような気分が全体としてはあったように考えております。もちろんそのことが公務員の給与の扱いについて十分だということにはなりませんけれども、アジア地域各国といたしましてはやはり早く工業化を進め、そうして失業を少なくしてというところに非常な重点が置かれておるような印象を強く受けた次第でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 ILO問題は私ども三十三年に田中角榮さんが大臣で私自身が首になりましてから自分で提訴した一人ですから、私も専門屋の一人ということになるわけでありまして、ありま私のほうから申し上げてもしようがないと思うのです。ただ、私の申し上げたいのは、いま労政局長からお話がありましたように、アジア地域というのはたいへんおくれているわけですよ。私はほとんどの国を歩いておりますけれども、日本のような国はあまりないわけですからね。しかし日本というのは、今日国際水準というものを考えてみてもアジア諸地域の範疇には、国内の経済情勢あるいは国民の生活水準その他から考えましても入らない。だからこそ原口さんが労働側の最初の正式理事になった歴史もあるわけです。だからこれを見ますと、ここにもなるほどと思う社説があるんです。これは九月四日の朝日新聞ですが、ここで言っているとおりでありますけれども、それにしても、これは日本を対象にものを言っているのですが、アジア諸地域は非常におくれている。おくれているけれども、しかしILO加盟国全部を取って見ても、このILOがきめております条約の数が百二十八あるそうですね。百二十八の条約のうちで、では一国平均どのくらいの条約を批准しているかということを見ますと、一国平均批准した数が二十八あるんです。各国平均にいたしますと二十八、これがILO条約を批准している数です。ところが日本の場合にはこの平均を下回っているんです。二十六しか批准していない。その意味でも、早く日本のようになりたいといわれる日本が、国際水準を下回るということは感心しないのです。これは一例です。中身はいろいろ論議の余地があります。ありますが、つまりいまお話がございましたような代償機関としての人事院の性格というもの——日本の法律規制の中で抜け道はいろいろありますけれども、ほんとうの意味の代償機関としての措置を政府が政策的におとりになっていない。つまりおっしゃられるように不完全であるということになる。それが今日あらわれておる勧告不完全実施なんですね。だから、これがこうたび重なるから公務員の諸君はストライキに訴えるということになる。そうするとこれを処分をする、こういうことになる。一つ間違えば刑事罰がくっつくことになる。そうすると刑事罰を労働組合運動に科してはならぬという百五号条約も出てくる、批准するのかしないのかという問題も出てくる、こういうことになるわけです。だからそこまでものごとを発展させてしまうポイントはどこにあるかというと、五、六、七という三カ月削るということなんです。長年私が主張してきた交通費はようやく五月となりましたが、これはほんとうにふところから出ていくんだから、たとえば全体はどうなっても、これは完全にやらなければ困るじゃないかということを私は毎回言ってきたわけです。あわせて税金を取らぬようにしてくれということを言ってきたのですけれども、これだってわずか三億です。年間十一カ月分の勧告ですから、交通費は五月にさかのぼらしてみたからといってわずか三億円、そうでしょう。そうすると、やはり公務員とすれば腹も立つし、また一つの運動体ですから、自力救済の手段として労働攻勢をやらなければならぬということになる。ここらあたりをやはり労働行政全般をお考えになる労働省としては、まして公労委というものをおかかえになっているのですから、そういう意味でこれはお考えいただかなければ困る、こういうふうに実は思っているわけです。時間がないようですから、これは大臣が前向きでお答えになっておるのにそれ以上詰めてみても、私はまことに遺憾だと思っておる、こう言うわけですからいたしかたないことになるわけで、どこかほかに遺憾だと思ってない方がおありだと思うのですけれども、政務次官には後ほど承りたいと思っておるのですが、この社説の中に、人事院の勧告なんかもまだ完全実施でやらない、そうしてストライキが繰り返される、まことに遺憾なことだというとらえ方を朝日新聞は論説としてされておるわけです。しかも、真に不可欠な業務とそうでないものの間に境界線を引き、スト絶対禁止を緩和する、つまり緩和しろという勧告が出ている。これはドライヤー・ミッションにもその趣旨のことはございますし、それから五十四次報告、これは三十七項から六十一項までございますけれども、この中に流れておる思想もそうですね。しかも公共部門というとらえ方をしておりますが、これを詳細に調べてみますと、全文を引用していきますと、公共部門の中に一般公務員も入っておるという解釈をしなければならない。これは定説です、ここまでくると。そうすると、一般公務員を含めて何でもかんでもストライキ禁止というのはいけない。何もかも禁止するのはいかぬから緩和しろというのですね、これは。だからそういう趣旨をあわせて考えてみると、ますますもってこれは納得しかねる政府の措置であるといわざるを得ないわけです。にもかかわらず、不満だからといって完全実施に向かって公務員の皆さんが運動を続ければ、通勤の終局は休暇をとる、あるいは職場大会を開くということになるが、そうするとこれはますますけしからぬといって、みずからが国際労働基準のたてまえからする代償機関を完全に代償機関たらしめていないにもかかわらず、片方では処分を繰り返す。だから教育委員会なんかもその点を追及されると答弁のしようがない。ないから、人事委員会の立場で文部大臣に、学校の先生がまた職場集会をやる、処分すればいなくなる、それは困る、こういう陳情を一斉にやるということになっておるわけです。だからここらのところを、なお国会の法案審議をこれから政府の皆さんが求める場面が出てくる。時間がないのじゃない。だからそこのところをとらえて、なおこの際これから努力していただく必要が私はあると思う。  そこで、労働大臣のいる間に総務長官に承りたいのですが、公務員関係団体の諸君とお会いになって、これは閣議でおきめになったが、何とか完全実施に向って再検討をいただきたいという申し入れ等がこの担当大臣である総務長官に出されておる。総務長官がそれを印刷されて関係の閣僚の諸君に差し上げる、こういうふうにお答えになっておられるのでございますが、事実でございますか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 最初御要望の数項目がございまして、その中の意を体して私は第一回の閣僚会議でいろいろと主張もいたしました。なおその中で、この決定は不服であるからやり直してくれというふうな内容のものがありました。私はその点は、私が政府にかわって会っております、私があなた方のほうにお答えする、それはほぼ決定いたしたので、もう一ぺんやり直せということはできないということを回答いたしました。しかしながら、なおいろいろな要望事項について関係閣僚にも話をしてくれということでありますから、それはけっこうだ、あなた方のほうの要点を私のほうできちんと整理して次の閣僚会議には出してあげる。公務員共闘のほうとして御要望のあった点はこういうふうに言いましょう、こういうふうにお約束をいたしました。

大出俊日本社会党

○大出委員 それは審議権がほかにございますから、労働大臣、法律がい、ずれにしても改正されるという手続がとられなければ支給はできないわけですから、そういう意味で、場所はいろいろございます。また総務長官のほうには関係公務員団体からいろいろ、閣議決定はしたのだけれども、かくかくしかじかの理由で納得できないのでというのが差し上げてある。それは関係の閣僚の皆さんに差し上げるという総務長官のお話ですから、そこらを御検討いただいて、国会の審議等とあわせて、遺憾である限りは、ひとつ遺憾のないように御努力いただかなければならぬと思うのであります。  実は労働大臣にもう少し中身についての論議をいたしたいと思いまして、公務員制度審議会という形のものが総理府の所管でございますけれども、あわせ詰めたいと思っていろいろ文献なども用意いたしましたが、時間がないようでありますので、ほんとうの大筋のお気持ちだけ承ったわけでありますが、今後の御努力をひとつ要望いたしておきたいと思うわけであります。  ちょうど労働大臣の時間がきたという連絡をいただきましたので、労働大臣にはこれで終わります。  それから総裁にひとつここで承っておきたいと思うのですが、けさの新聞に、公務員の方々何名かが給与を十五カ月分払え、人事院勧告を無視したんだからということで、国家賠償法その他をとらえての訴えを起こしているという新聞記事が載っております。事実またそのようであります。事態がこういうところまでくるとなると、まことにどうも遺憾なことであり、遺憾のきわみであると思うのであります。この種の争いまでやらざるを得ないということになると、先ほど私が申し上げたような趣旨、代償機関の性格等からいって、当然そうあるべきだという主張だと思うのでありますが、これらのところまでいかざるを得ない今日的な状態というのを、何回も勧告されて完全実施できない総裁の立場で、このあたり一体どういうふうにお受け取りになりますか。なかなか総裁の立場で、制度的にもワクがありますから、答弁しにくい問題であることはわかるのです。わかりますが、どうもここまでくると、総裁に一言心境のほどを承っておかざるを得ないのでありまして、勧告をされた総裁の立場から、毎回不完全実施できておるわけでありますから、このあたりはどういうふうにお考えになりますか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 おっしゃるとおり、けさの新聞は私もまさに拝見したわけです。そしてまたいまのお気持ちにもうかがわれますように、問題がここまできたかという感じを非常に深く、深刻に思ってその記事を見たわけであります。これは裁判の結果がどうなりますか、ただいま私どもが軽軽しいことは申し上げられませんけれども、とにかく事態はここまできたという意識は深く持っております。  そこでいまのおことばにありましたように、もう十年近く毎年五月実施の勧告をしておりながら、どうしてもそれが完全に実現しない。ことしは、ここにおられます総務長官などにもずいぶん御努力をいただいたのでありますけれども、なおかつ結果は御承知のとおりです。先ほどおことばにあった公労委の仲裁裁定が十年以上完全実施されているということなどと考え合わせますと、まことに言いようのない気持ちを持つわけであります。ただことしの場合は、これも毎年申し上げてきたことかと思いますけれども、やはり勧告は国会に対してなされておるわけであります。私はあえて国会に対してなされておる、政府、内閣にも出しておるというふうに言わしていただきたいと思うのであります。まだ勝負がついたとは思っておりません。したがってまだあきらめてはおりません。したがいまして今後ひとつ国会の御理解ある御裁断を仰ぐという方向に、またあらゆる機会をとらえて努力をしていかなければならないという気持ちに燃えておるわけであります。

大出俊日本社会党

○大出委員 今回は私のほうも、どうもあんまり不完全実施が続くので腹に据えかね、しかもILOのアジア会議が開かれておる、こういった状況の中で、代償機関的性格が果たされないということで黙ってもいられない。そこで国会に、対案になるのか修正案になるのかわかりませんが、ひとつそういうものを取り上げて、私どもの側から、ことしは少しじっくり論議をしたい、こう思っているのです。そこでひとつまた場所をつくっていきたいと思っておりますが、まだあきらめてはいないというお話でございますので、これはぜひ、人事院の勧告というものを中心にして私ども考えておるわけでありますが、総裁は政府の立場ではないわけでありまして、御協力をこれいただかなければいかぬ、こう思っているのです。これは答弁は要りませんが、とことんまでことしはやりたい、こういうふうに私どもは考えているわけであります。したがって、いまあきらめていないという点を、ILO流に言えばテーク・ノートという形になりますか、していかなければならぬと思っておるのでありますが、立場が違いますけれども、最後までひとつあきらめずにやっていただきたい、要望申し上げておきます。  そこで時間の関係で、自治大臣が地方行政の関係でお急ぎのようでありますから二、三点承っておきたいのでありますが、それから文部省の皆さんの側にも、自治大臣、大蔵省の皆さんがおいでになるところで承りたいことがあるのでありますけれども、まず自治大臣に承りたいのは、閣議決定の中の(注)一、(注)二には公営企業は触れておらないわけであります。しかし今日的な公営企業の現状というものをながめてみますと、これは自治体が幾ら悪あがきしてみても、あるいはいいあがきをしてみても、どうしても限界がある。前に企業法改正を担当されて手がけたのがここにお見えになった鎌田現公務員部長、当時の参事官でありますが、早川さんがおかわりになって赤澤さんが大臣におなりになって、この料金ストップで各公営企業が苦心惨たんしておる時期に、片や地方公営企業制度審議会なるものの提案がこの内閣委員会に行なわれまして、中間答申から最終答申が出てきました。その過程を赤澤さんが当時の自治大臣ということでたいへん御苦心をなさって、みごとあのときは宮澤さんその他を説得して結果的に解決をはかっていただいた実績があるわけですね。ですから百も二百も御存じの赤澤自治大臣でございますので、そういう前提でひとつ承りたいのであります。  せっかくあれだけの苦心惨たん努力をされて企業法の改正をされ、自治大臣の承認権なるものを付して、再建計画というものを前に出して、幾つか再建のための努力をされてきたわけでありますけれども、現在それで再建をされたというところがございますか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○赤澤国務大臣 再建計画をそれぞれ立てさせて、自治省との間に十分検討をして、その方針で経営を進めてもらっております。大部分の企業はそれぞれ目的を果たしたと申しますか、再建計画に沿って、それから多少また国のほうで応援といいますか、多少話し合って運営が滞りなく行なわれるような措置はそれぞれしております。しかし究極私の見るところでは、どういう優秀な経営者があらわれても、これ以上の経営の合理化あるいは企業努力によって生み出すものを生み出せといいましても、それぞれ限界に近づいておることは私もよくわかるのでありまして、たびたび関係の諸君と話し合いも進めております。  きょうも閣議で国鉄の再建問題をめぐって運輸大臣から発言もありましたが、えてして公営企業の中でも交通部面などは陰に隠れておるわけであります。関係閣僚委員会でも常に私は公営企業、特に交通の面については強調しておりますけれども、なかなか大きく取り上げていただけないものがある。ここの総務長官もよく御承知と思いますけれども、いまこの中でも、この問題について前向きで検討しようではないかということで話は進めておりますが、きょうの閣議で総理も特に発言されて、この問題はもう現状で放置するのにはすでに限界がきておる。だから大蔵大臣に対する一つの要求として、やはり特別の措置を考えなければいかぬのではないかということをきょう総理からも御発言があったわけでございまして、やはり内容は、賃金の問題もありますけれども、資本費が増高いたしましたために、その金利なども相当重圧がありまするので、まずそういった方面から前向きに検討していかなければならぬという考え方があるわけでありまして、明年度予算についてもまた考え直しをしていただかなければならぬし、今年度のものにつきましても、いまからでも間に合うものについてはやはり措置していかなければならぬ、こういう考えに立っております。

大出俊日本社会党

○大出委員 時間がありませんから、私のほうから少し具体的に例をあげて承りたいのでありますが、私がこの委員会で何回か、本年に入りましてから、大臣がちょうどほかの用事でおいでにならぬときに鎌田さん、あと皆川さんだとか何人かの方に承りましたが、細郷さんもお見えのようでありますけれども、つまり結論めいて言えば、何かやはりここで手を打たなければならぬ。総理にも、いまお話がありましたが、実情を十分把握をしていただきたいし、交通関係の公営企業でいえば閣僚の皆さんにも公営交通の現状を、御存じではございましょうが、もう少し現状を深く御認識をいただきたいし、その上で企業努力の限界が来ていること、これまた大臣もおっしゃっていましたが、これをお認めいただきたい。とすると、一体公営交通企業はどうすべきなのかという問題がなお残る。ここに問題をしぼって、政府の責任ということで突き詰めていくと、これは責任ないということにはならぬと思う。そういうことでお考えいただかなければならぬと思うのです。  そこで、たしか水道は海南市が一つ先般のべースアップができなくて困っておったようでありますが、交通が六大都市とあと鹿児島市くらいでしたか、あと病院が二カ所か三カ所ございます。こういう状態だったわけでありまして、一つくらい片づいたというお話がこの間ありましたが、これはみんな同じような悩みをかかえている。多少ずつ形は違いますが……。  そこで横浜の例を申し上げますと、赤字のうち不良債務と当時言われましたのが六十六億八千万円だったのですね。この六十六億八千万円の不良債務を再建計画に乗せて、これを据え置き年限を除いて均等償還をこれからやっていこうということで、したがって四十三年から五十四年まで返していく、十億足らずの金を毎年返していく、こういうことになる。ところがその間に自治省の皆さんが軌道の撤去をやれというので軌道の撤去をやり、いまでも引き続き軌道撤去に手をつけている。それから合理化をやれというので、ワンマンカーにしろということで、電車のワンマンというのは乗ってみてもあぶないですね、しかしワンマン電車を走らせるというようなことにして、あるいは勤務時間にしても四十八時間を四十四時間に切れというので、これもしかたがないから切る。切る限りはどこかで電車を間引かなければならぬということになる。だから、市電でなければ困る人がたくさんいるが、何ぼ待ったって市電が来ないという時間帯がどうしてもできてしまう。ところが、今度はその路線を廃止した、そうして、早くこの軌道をとっちゃってくれというので、それもしようがないからやる。自治省の皆さんがおっしゃるように、やるだけのことは全部やってきた。だから横浜市役所の中を歩いてみると、交通にいた方々に衛生局に行っても何人もぶつかる。区役所を歩いても、この間まで交通にいた方々が何人もいる。しかもバスなんかでバスガイドを募集すると、現在の女性の車掌さんがバスガイドの試験を受けて、やっとそこに入って働いている。至るところに交通からほかに入って今日やっているわけですね。これは正直に言うと、りっぱな労働組合もあるのですからね。ですから、そういう中でそこまで持っていくというのは、これはたいへんな企業努力なんですね。そういう努力を全部やった。やったのですけれども、さてバスのほうはどうなっているかというと、三十円の料金で、運輸省ですけれども、これは押えられている。そこで運輸省は条件をつけて、バスで黒字にしてそれを軌道に持っていくなんということは一切まかりならぬという条件がついている。それでも黒字になればいいけれども、原価計算すると三十円でもとんとんです。かろうじてトロリーバスが四、五百万やっと黒字になるという程度、そうすると、これはどうにもならないですね。そこへベース改定が行なわれているわけでありますから、企業外の要因という形の中でどうしても赤字がふえる。そうすると、これは五十四年までに返し終わったらどうなるかというと、六十六億八千万円という金が逆に別なほうに赤字でそっくり残るということにしかならない。再建には一切結びつかない。それから、たとえば昨年の賃金の引き上げの分だけ計算をいたしますと、これが横浜の場合どうしても三億四、五千万円年間かかる。これを五十四年まで計算をいたしますと三十七億くらいかかる。そうするとベース改定だけで、五十四年の最終返還年限までに別に三十七億円赤字がふえるということになる。これは間違いのない数字の事実です。じゃ一体、横浜なんかは給料が少し高いのだから押えたらどうかという意見があるかもしれない。しかし問題は、最近入ってきた若い方々というものは決して高くない。長い間、それこそ戦災で焼けた電車を塗り変えて自分たちで直して動かしたというような古い方々がこれは高い。高いのだが、これはいつか地方行政に参りまして、東京都の公営交通と横浜その他の比較を申し上げましたが、こまかい数字で、勤続年数が長い、年齢構成が違うということになれば、高いのがあたりまえだ。こまかく計算いたしますと高くない。そうすると、これをよしんば多少押えてみたところで、若い方々を押えるわけにはいかないわけですから、そうなるとこれも微々たるものです。そういう現状になっているというのがおわかりならば、ここでさらに自治体責任があると言われてみても、責任の負いようがないということになる。これだけは事実です。給料が高い、安いとおっしゃるなら、あらためて私は賃金論争をやってもいい、私も賃金専門屋の一人ですから。こまかく調べてみましたが、そうはいかない。ですから、そこらのところをひとつあわせて考えて、百歩下がって、ここで二千円切り下げたら公営交通は成り立つか、成り立ちません。そこに根本的な問題がある。これをどうするかということ、ここまで具体的に掘り下げて、さてどうするかということ、ここをお考えをいただきたいのですが、とりあえずどういうふうにお考えになっておられますか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○赤澤国務大臣 その問題については地方行政委員会で始終御質問になって、私どもも実情も調べて、そうしていまおっしゃるとおりに企業努力を積み重ねても、それで生み出し得るものは限界に来ているということを申し上げております。それがきょうの閣議の発言にもなり、ちょうどここに総務長官もおられますから、いい席だと私も思うのでありますが、私は交通問題は単に地方公務員の賃金の扱いなんかとは別に、国家公安委員長として交通規制について責任を持っておるわけであります。しかし運輸省もからんでおりますために、これは総理府の交通安全調査室が中心になって、ここで取りまとめをしていただいておるわけなんですが、私ども、最近非常に強く言っておりますことは、あなたの御指摘のようなことは私はよく知っておりますゆえに、やはり企業経営外の要因と申しますか、交通渋滞がありますために、幾ら運輸省が料金アップをかりにきめてくれたって、人が乗らなければ収入がないわけです。つまり、予期しているとおりに車が動かないとするならば、乗る人がいないわけですから、これは一口に国の責任ということで片づけるわけにはまいりませんけれども、やはり大衆の足と申しますか、公営交通というのは別に考えていかなければいかぬではないか、こういうふうに問題が非常に大きいと思うのでありまして、総務長官にもやかましくお願いをしまして、これもきょう閣議で発言をしていただいて、来週交通関係閣僚会議を開くということをきめていただいたわけです。  私はここでいろいろな問題点を指摘しまして、強力に申したいことは、極端に言えば、外国でもテストでやっているようであるけれども、特に公営交通に対しては一つの路線を指定する、あるいは時間帯をつくって他の車の乗り入れを制限するとか、とにかく何かバス、電車が動くような仕組みにしてこそ、はじめて利用する者も出てくるわけで、そこのところに十分の配慮がいままでなくて、交通関係の安全対策、これも大事ですが、それ一本やりであって、混雑緩和を処理するということについては、まあこう言っちゃ何だけれども、おくれているわけです。この問題をぜひ今回前向きで解決して、一つの明るさをみつけたい。そうしなければ現状で幾ら努力しても限界がきておるということを始終私は言っておるわけでございます。何かいまの段階ではなまぬるいとお感じになるかもしれませんけれども、これはいつかは解決しませんと、自動車そのものが動かなくなる日がくるのですから、御指摘のとおりでございまして、ぜひ近く前向きに、結論と申しますのはどうかと思いますが、とにかく何でもやってみるのだ。それはやはり大衆の足というものを中心にして一つの交通の施策を考えていかなければならぬということで進めておるわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 自治大臣は時間もおありでしょうから、あまり長い質問は差し控えたいと思います。  ところで、関係団体が大臣にも何べんもお目にかかって、あるいは細郷さんにもお目にかかっていろいろお話をしているようでございますが、何か一つの機関のようなものをつくって、企業外の要因等に基づく今日的自治体の公営交通の困窮の状態を打開するための相談をするとか、何かちょっとニュアンスがそういうような感じのするお話が出てきているように思いますが、何かそういうことをお考えでございますか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○赤澤国務大臣 そのとおりでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 そうしますと、それはもうちょっと具体的に、大体どんなふうなものという一つの例は、私がこの五年ばかり知る限りでは、地方公営企業制度調査会という機関しかない、具体的にはないのでありますが、何かもう少し具体的にお考えでございましょうか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○赤澤国務大臣 交通省をつくったらどうかとか、いろいろな話がありますけれども、そういうことよりも、いま私が所管しております道路交通法、これは一方通行であるとかあるいは右折禁止であるとかあるいは駐禁であるとか、できるだけのことはこれで措置をして交通混雑を防いではおりますけれども、道交法でまかない切れない場面が相当出てきているわけです。ですから法律的には、やはり大都市の交通規制法的なものをつくらなければいかぬのじゃないかという気持ちもしているわけです。ただ一時ちょっと新聞にも出ましたけれども、運輸省で自家用車の都内乗り入れについて、何か混雑税なんかが出ておりましたが、何かそういった都内の激増する自家用車に対して一つの税制と申しますか、別のことで料金を払わせるような仕組みをつくるということを言っておりましたけれども、私は正式に聞いたわけじゃありません。しかし、そういうことをしてみても、私は激増する車が都内に入るのを押え切れないと思う。それは何かそういった料金収入は別にあるかもしれませんけれども、なかなかむずかしいから、やはりこれは少し蛮勇をふるって、そうして思い切った交通の規制措置をとるという以外に道はないのじゃないか。いろいろ考えておることもありますけれども、いまここで軽々に言いますことは波紋を描きますので慎みたいと思いますけれども、そういうことを非常に急いでやりたいと考えまして、総務長官にもお願いをしておる、こういうことでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 それが具体的にどうということをおっしゃりにくいということでありますから差し控えますが、つまりそこらをもろもろお考えになっていることを、交通関係閣僚会議であるとか総理であるとか、あるいは自治大臣の持っておられる権能の範囲内でということで早急に具体化する努力をしてみたい、こういうことなんですね。  そこで、わかりますが、私のほうは私のほうなりに足元にそういうものをかかえておりますから、しかも現状は、横浜というところは人がふえ過ぎてどうにもならぬところですから、これからもう一つお願い申し上げたいことがあるのでありますが、それなりに学者その他の方々ともずいぶん相談し合っておりますけれども、ぜひそれは前向きで早くひとつ、おくれればおくれるほど収拾のしようがないということになる、こういうことでございますから、手をつけていただき、具体的なものにしていただきたい、こう思うのであります。  さてそこで、かといってきょうここは賃金改定がまたまた不完全実施であってという論議をしている場所でございまして、新聞の報ずる限り、自治大臣は最後まで完全実施をやったらどうかという御意見であったようであります。そこで、それはいまこちらでお聞きのように、まだあきらめていないという人事院総裁の御発言もあり、審議の場所は国会で最終的に取りきめるわけでございますから、私どもも対案なり修正案なりを出して論議をしていこう、こう思っております。  ときに、六大都市中心でありますけれども、昨年公営交通の賃金改定が、わかったようなわからぬような形で、落着したようなしないような形で、何かちょっと宙にぶら下がったようなかっこうになっておりますが、ここらを大臣はどういうふうにお考えになりますか。語らずとおっしゃるなら、それでもいいのですが……。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○赤澤国務大臣 語らずというわけでは決してございません。ただ私が先ほど申しましたことは、とにかく企業外の要因で非常に経営が悪化しているから、まずそのことを言ったのですが、これはいますぐの問題ではないわけでございます。  それから公営企業は、やはり将来とも企業である限りは独立採算でやるべきものであるし、世界じゅうそうですから、私はそれを変える意思は毛頭ございません。ただ、こういうふうな経常状態になっているが、それでは働く人たちの賃金はどうするのだ、それは別に一般会計でまかなう道を考えろとおっしゃるかもしれないが、賃金をたな上げして企業経営をやるということは企業の形をなしません。しかし、先ほど申しましたように企業外の要因というものはたくさんあります。これは交通だけではなく、水道だって、すべてを含めて資本の重圧がある。そこで、やはりそういった利子の支払いなどを多少軽くするような措置、また政府資金を導入するとかいろいろなことをやれば、ここでプラスの要因が出てくるし、また企業経営の内容も好転するはずだ。そういうこともやりながら——しかも企業内で働いている諸君の賃金というものは、いま年齢的に、いろいろなことを分析すれば高いものではないとおっしゃったが、これは地方公務員は一応国家公務員に準ずるということになっているが、準ずるということは法律にはどこにも書いてない。これは二十四条にちゃんと方針が書いてあるわけです。ですから、やはり民間産業とのにらみ合わせ、また企業の賃金でなくて、公務員賃金とのレベルを考えてみましても、かなりでこぼこもあるわけですから、そういったことをすべてにらんで合理的な水準また線というものを私ども考えたいという気持ちはありますけれども、しかしまず第一に企業である限りは企業内で何とかペイできないものかということを、やはり再建計画を立ててあるわけですから、それを中心にいろいろ検討して、私どものほうでも、ない知恵をいろいろかして指図して現在に進んできているわけでございます。しかし大体賃金問題は、御主張をみなのむというわけにはなかなかまいりません。まあ並行的になる面もあることは、これは現在の段階ではやむを得ない。しかしそれよりも、先が暗いからとおっしゃるのが私ども一番つらいわけですから、やはり外部要因の解決というものを急がなければならぬ、これが前提であるというように考えているわけです。賃金についても、何かきまったようなきまらぬようなというような御表現でありましたが、私もそういうふうに感ずる面はありますが、しかし、とにかくおっしゃるとおりの解決がなかなかできぬ実情にあるということも、大出先生はベテラン中のベテランだから、当局というものの立場もくんでいただけると思いますが、このままで目をつぶって横を向いていようという考えは決してございませんので、この誠意だけはくんでいただきたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 いまの点はよくわかります。私も非常に苦労している一人でございますので、よくわかりますが、ただ、ここで本年度の賃金勧告が出て閣議決定をなさった。しかし法律的に多少違いがありますから、(注)一、(注)二の中には入っていない、こういうことなので取り上げたわけです。(注)二にありますのは公営企業をさしておりません。ですから、そういう意味では閣議決定の中には何もない、こういうわけなんですね。ですから、したがっていま公営交通なりあるいは苦しい水道なりあるいは病院なりというものもありますけれども、一言これは取り上げてみた、こういうわけです。これは(注)二には公営企業は入っておりません。地方公務員です。ですから公営企業職員が入っていない、入れなかったのだろうと思いますね。私どもの立場からすれば、これは何と言われてみても、制度的に途中でそういう改正はいたしましたが、本来地方公務員と同じように扱うべきものであるという解釈です。これはそう言っていただきたい、こう思っておるのです。そこのところを一つだけ伺っておきたいと思います。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○赤澤国務大臣 そのことを考えておりますから、関係の七人委員会でも私もしじゅう発言をしておるわけでございます。やはり地方公務員がきまりました際には、さっきもちょっと触れましたが、同じ公共団体の職員と、それを経営しておる職場の企業体の職員との給与というものがアンバランスであるということは私はおかしいと思うのです。ただしかし、企業に従事している人は、たとえば一般地方公務員で、一般行政職でもって机の上でペンをとっておる者と、また車を運転しておる者と、これは仕事の量、質ともに違うわけですから、そういうことも十分勘案しなければなりませんが、しかし総体としてはやはり同じ公共企業体で働いておる者の賃金というものは平衡レベルと申しますか、やはり当然同じ水準でなければならぬということは、基本的には考えておるわけでございます。その中に入っておる、おらぬということは別にして、これは一つの企業の経営体ですから、そういう扱いといたしましては、やはり同じようにしていくべきであるという考え方に立っております。

大出俊日本社会党

○大出委員 そこで、公営企業のほうはここで詰めろと言ってもこれは無理な話でありますから、大臣のお考えのほどはよく理解できます。私どももこれは別な角度から努力しなければいけない問題でありまして、やっていきたいと思います。ただ時期的なことをこれはできるだけ急いでいただきませんと、市内交通をながめても、道路を何本かつくろうということでいろいろ相談をしてやってみても、どうしても三年から五年、どう急いだって一本の道路にかかるわけです。それができ上がるころには市内の、特に横浜市内の交通状況をながめてみると、車の増車というものをながめてみるだけでも、何とかこしらえて何年かたったときには現状とそう変らないという状態。やらなければどうなるかというと、おっしゃるとおり動かなくなるということですね。そしてそこに金という問題もついて回るというわけですね。だから理屈をいえば、間接的な社会資本という通説でものを言えば、公営交通なんというものは資本となるべきものは国が持てと言いたいわけですけれども、国の財政事情その他旧来のしきたりもありますから、一ぺんにそういうわけにいかないと思うのです。だとすると、それをどうするかということになると、知恵を出し合わなければならぬ。地下鉄という問題になればどうにもならない。手の下しようがない。横浜の場合も、四十六年目途に地下鉄の認可をいただいて進めておりますが、これができ上がるという段階になりますと、多少そこに交流というふうな形でのさばきのつけようもまた出てくる道もあるわけでありますけれども、今度はそうなると地下鉄そのものが、東京の地下鉄一号線じゃありませんけれども、年間収入と広告収入、国の補助金を含めて九億九千万円くらいしかないのに、ここから利子を十億余から払わなければいかぬということになっているわけですから、これだって先に必ず詰まってしまうことになる。それも抜本的に考えなければならぬことになるという循環をするわけです。したがって、そういう先の見通しも含めての抜本的な、それこそ蛮勇を少しふるわなければいかぬと思いますが、やはり抜本的な解決の方向を——その中でまじめに働いて一生懸命やっているのですから、そういう諸君にしわの寄らないようにということで御努力をいただきたいと思うのです。これは私の要望です。  そこで、時間がございませんから、ひとつ簡単に伺っておきたいのでありますけれども、横浜の場合ばかり申し上げておりますけれども、これは私がおりますから例に引きやすいので申し上げておるのでありまして、資料はほかの市にもございますけれども、実感が伴わないので私どものところを言いますが、つまり、あんまり人がふえ過ぎる。そこで学校をというようなことが問題になりましても、東京に住んでいる方が横浜に来た。都民税を払っておって横浜においでになって、まだ横浜には一銭も市民税を払っておられぬ方が、何だこの学校はということで、横浜に学校を建てろという。私なんかには、横浜に住んで、新聞の東京版はないのですかと聞く。なぜだと聞いたら、経済活動は横浜でやっていないので、横浜には縁がないという。横浜市民になったはずじゃないかと冗談を言うのだけれども、東京版のある新聞は売っていないかと、そういうわけです。そうするとベッドタウンの名前のとおり、横浜で寝ているだけで、かつ子供さんができるだけで、あとは全部東京だというわけです。ところが実際そのあと始末を横浜の場合はやらざるを得ぬわけですね。そうすると学校の問題がいまたいへんなんです。どうにもならない。そこで、何しろ私が三十八年に選挙をやったときには、横浜市民百六十万というわけです。昨年一月に選挙をやった場合には二百万というわけです。今日二百万をこしちまったわけですね。そうすると、わずか五年ばかりの間に百六十万が二百何万になったわけですから四十何万、最近は年々十万じゃない、人がふえるのは十万をこしたんです。そうすれば、過疎、過密の問題を考えれば、ある地域では学校などは教室が余ってくる。先生の数も要らなくなってくる。ところが、ある地域ではふえる、建てなければならぬ、こういう状況があるわけですね。  そこで、これは超過負担の問題になりますけれども、本来地方財源を考えた場合は、国税三税その他を考えた場合に、税源配分ということは非常に大きな問題になります。その論争をすれば切りがありませんから、一つ例をあげて申し上げるのですが、大都市特別交付金のようなものを国が考えるべきじゃないかという気が正直いってするのだけれども、まして基地ばかり山ほどあってにっちもさっちもいかないのです。町の経済発展にも一々支障がある。そういう地域ですから、したがってこれだけ取り上げて言わざるを得ないのですけれども、現行、小学校が三分の一、中学校が二分の一ですね。これは小中学校の校舎建設費に対する国庫負担の率から申しますとこういうかっこうになっているのでありますが、これをどうしてもひとつ引き上げていただけないかということなんです。  それから、人口急増地域における小中学校の用地の取得にあたっての経費、これを何とか国庫負担ということを少しお考えをいただけないのだろうかということ。なぜならば、どんどん地価は上がる。ところが常に国は上がったことをそのとおり見てくれない。そこにきわめて財政困窮の市にとっては過大な超過負担——超過負担というよりは、今日見ていただいていないわけですから、たいへんつらいことになる。それから義務教育の施設整備事業の事業債、これなんかについて——用地取得充当の特別ワクは、昭和四十二年でいきますと二十億円、こういうことのはずであります。これを、きょうは概算要求その他についての閣議の御検討もあったのだろうと思いますが、何とか少し考えていただかなければ困るのじゃないかということ。それから人口急増地域における義務教育施設、これは整備しなければならぬところだらけです。、ずいぶん幼稚な検査をやっておりますけれども、ほんとうにそれはもう何とかしなければならぬというところばかりあるわけでありますから、そういう意味の地方債に対する利子補給というような問題、これらのところを何とか少しお考えをいただけないかと思うのです。  そこで、特に小中学校の三分の一、二分の一の校舎建設費などは、文部省の皆さん方はおそらく例年大蔵省に対して何とかしろという意味の意思表示をされたり、要求は出されたりしておられるのだろうと思うのでありますが、ともかくやたら建てなければならぬ。その過密地域、どんどんふえてしまう地域があって、片方には過疎地域があることは明らかですね。にもかかわらず同じような負担率ということで自治体財政がやり得るかどうかという問題、これは平たくお考えいただけばわかると思うんです。このあたりをどういうふうにお考えかという点、文部省の官房長にもお見えいただいておるのですが、とりあえず官房長からお考え方をお答えいただけないかと思うのです。

岩間英太郎文部大臣官房長

○岩間説明員 ただいまおのようなことにつきましては従来社会増として問題をとらえてきたわけでありますけれども、負担率につきましてはこれは小学校と中学校の間に差があるというようなことは不合理だというような観点から、その是正を要求してまいったわけであります。しかしただいまお話しのような非常にひどい現実が出てまいりまして、これは社会増というような観点からとらえていたのじゃ問題は解決しないということで、特に大臣も御熱心でございまして、来年度は過密、過疎対策というものを文部省の最重点施策の一つとして取り上げていこうということで、ただいま御指摘のございました負担率につきましても、これを三分の二で要求してまいったというふうなことでございます。なおそのほか自治省の関係でございますが、土地取得のための起債あるいはそれに伴う利子補給、これにつきましてもそれは自治省にお願いを申し上げるというふうな状態でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 大臣、たいへんその辺はよくおわかりになっていることでございますから、時間の関係もあり多くを言いたくはないのですけれども、横浜の例だけをあげておきますが、昭和三十四年以降、ちょうど六万から七万の間で人口はふえているのですね。これは三十九年以後は八万から十一万の間でふえるというふうに急増している。だから来年は茅ヶ崎と同じ町が横浜の中に一つずつふえてしまう。東海道の茅ヶ崎が十一万欠けますから、そうしますとそれだけの町が一つずつふえてしまう勘定になる。したがって人がふえる限りは学童はふえる、こういう結果になります。したがって年間の学童の累増、増加累計が一万五千人ずつふえる勘定になります。ところが一万五千人ふえますと、それが郊外の戸塚とか保土ヶ谷とか港北というところに集中的にふえますから、そこにある学校ではどうしても収容し切れない。だから教室、学校数は毎年ふやさざるを得ない、これが現状であります。そうすると、市あたりの金の動きなどの数字もここにございますけれども、市財政で四十八年くらいまで想定しますと、この学校を建てるこれらの経費だけで二百十八億くらいはどうしても要るので、いまの市の財政ではとてもじゃないがまかないようがないということです。なぜかというと、これは国庫負担という割合と超過負担という割合の非常に大きな開き、ここに問題があるわけなんです。ここらを、先ほど四つばかりあげましたが、自治省の分野が大体でございますので、何とかひとつお考えを聞かしていただきたい。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○赤澤国務大臣 自治省という役所は皆さん案外軽く見ておられるわけだけれども、実際は地方で無限の行政需要が起きておるわけです。その一端は大出さん御指摘になっておる。これほど根本的な議論をここでなさるのですから、あなたのほうから大蔵省の主計局の人を呼んでおられるのだろうと思いますけれども、来ておられるかどうか知りませんけれども、私どもはそういう過密、過疎問題を解決するために非常な努力をしておるわけです。過密地帯は言うまでもなく道路とか学校の問題です。これも至るところで陳情を受け、また地方団体の実情も知るがゆえに、非常な苦慮をしながら、しかも交付税の傾斜配分方式をとり、あるいは起債を重点にやっている。学校を建てるとなれば先立つものは土地のことですね。先行取得をするためのワク、また予算のワク、それからいま二十億という数字をあげられましたけれども、実際はワク外債というものを三百億以上も出しているのですね。とにかくできるだけ御要望に応じざるを得ぬ立場にあるものですからやっておるわけですね。しかし不足をいえば、いまの問題ではないけれども、にもかかわらず新聞にちらほら見ることは、どうしても地方財政が好転したから、この際もう少し財源を削ってもよかろうというようなことを大蔵省が言ったとか言わぬとか、交付税の三二%を減らしたらどうかとかそういうことがちらほら出ておることを私たいへん残念に思って、最近その問題でたいへん省内でも苦慮しながら対策なんかを考えている段階でございます。無限といわれる財政需要をいますぐ充足しようといっても無理ですから、やはり地方財政は非常に困窮しておるという実態は、これは皆さん与野党を問わず御認識いただきたい。私は財政硬直のこともわかりますけれども、それとこれとは話は別なんだということを主張し続けてまいっております。あなたの御指摘のことは全部私どもよく承知しておることでございますので、ぜひ大蔵省のほうの意見を聞いていただきたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 大蔵省から政務次官も主計局次長さんもお見えになっておられるわけでありますので、いま学校、学童あるいは校舎あるいは土地ということについて文部省岩間官房長から承り、赤澤自治大臣から承ったのですが、そちらのほうで苦心されておられることでありますだけに私どもと意見がそう違わない。  そこで大蔵省の皆さんに承りたいのですが、もうちょっと正確に申し上げておきますが、これは具体的にあげないとやはりこういう場所でありますのでまずいと思いますので、そういう意味でお聞きいただきたいのです。私の資料からいきますと、さっき申し上げたように、昭和三十五年−四十二年までに累増してきている。さっき一万五千人という学童の数字を申し上げましたが、この期間に新設した学校は小学校が二十校、中学校が四校、それから普通教室の数が小学校四百九十二教室、これは学校で教室が足りないので教室をふやしてつくっているわけです。学校そのものの新設ではありません。それから中学校が百二十九教室、これらの用地、校舎整備などのために投入した経費が五十九億円ちょっとこえているわけですね。だからこれをさっき申し上げました昭和四十三年度以降四十八年の五、六年間について計算をいたしますと、さらに小学校の児童が八万一千人ふえる計算になる。間違いなくふえます。もう造地造成を業者の方が計画的にやってしまっているのですから、間違いなくふえます。そうすると八万一千人、これは小学校の学童だけです。中学校の生徒で二万一千人。そのために小学校は七十六校必要になる、それから中学校は二十七校新設しなければいかぬ。だから小学校の教室の数に引き直しますと千九百八十一教室、中学校の教室の数に引き直しますと三百九十八教室、これはいやでもおうでも義務教育ですから建てなければならぬ。いま港北なんかはプレハブでなければ建てられぬからみんなプレハブです。あらしが吹きますとゆれるというようなところばかりです。いまこういう実情にある。ですからこの必要経費という形で計算しましてこれらの経費が大体さっき申し上げた二百十五億円どうしても必要なんですね。そうしますと、四十一年度の決算の実績比率、これは案分累計で出した国庫負担金が二十九億円ばかり、つまり二分の一、三分の一というふうになっていますから、それらを入れていきますと国庫負担金が二十九億円、交付公債を含めて起債が百十七億円ばかり、一般財源で五十七億円ばかり、だから一般財源持ち出しに起債の元利償還ですね、こうなってくるともたぬのですね。どんな有能な方が市政を担当されておりましてもこれは無理ですよ、私ども考えても……。だからそういう意味でこれはやはり大蔵省の皆さんの側で、赤澤自治大臣がいみじくも言っておりましたように財政の硬直化がわからぬわけではないが、一番掘り下げていけば、国税三税、すなわち所得税なりあるいは法人税なりあるいは酒税なりを中心にする税源配分の問題に帰着すると思うのです。それを言ったってこれはいま交付税率の問題等もからみますが、大都市だからといって金をもらっていないわけじゃないのだから、これは赤澤さんのほうの立場からすれば、さっき私が申し上げました公営交通解決のときにも、大蔵省、経済企画庁と、赤澤大臣ずいぶん苦労された時代がありました。私も知り抜いております。だから、そういう点等から考えると、これはどうしても、そんな硬直化だ、云々だといっていたのでは——子供にパンツをはかさずに裸にしておくわけにはいかないのです。どうしても学校が要るのです。そういうふうなところは土地もどんどん上がるのですから、そこらをやはりひとつ大蔵省側でお考えをいただき、岩間さんのおっしゃっているような過疎、過密対策というものを中心にお考えいただかぬと、これはまずいことになると考えますが、いかがでしょうか。

倉成正自由民主党大蔵政務次官

○倉成説明員 お答えいたします。  ただいまの問題は、おそらく横浜を例にあげられまして、横浜の人口が急増し、それに伴って小中学校がふえていく。したがってそれの財政負担が非常に大きくなるので、国庫の補助率を上げたらどうか。要約して申し上げればそういう御質問だと思います。この点については、やはり過疎問題、過密問題と、最近非常に大きくなっている問題でありますから、現在後進地域については、離島、北海道あるいはその他の府県に対して補助率のかさ上げをしている、それの逆のということであります。ただし、先ほど赤澤大臣も地方財政が非常に苦しいというお話がございましたが、これはもちろん三千以上の市町村を相手にしているわけでありますから、市町村、府県それぞれ実情が異なるのじゃなかろうか。達観して申しますと、私どもの考えでは、地方も苦しいでしょうけれども、国債の依存率あるいは義務的経費の割合、いろいろそういう面から見ると、国のほうもなお苦しい、こういう認識を持っておるわけであります。したがって、義務教育は非常に大事だから、この苦しい面を、補助率を上げたらどうかという御議論も一応はごもっともでありますけれども、しかし、これはやはりそれぞれの公共団体の財政全体の中で考えるべき問題か、あるいは教育というものだけを取り上げて考えるべき問題か、これはもうしばらく検討すべき問題じゃないかと思いますので、いまここで、それは補助率を上げたらいいと申し上げるわけにはまいりません。しかし、御指摘の、問題点があるという認識だけは、十分私どもも持っております。

大出俊日本社会党

○大出委員 自治大臣の時間がありますので、実は時間ぎりぎりまでと思って申し上げたので、自治大臣から大蔵省に言うと、こういうお話が出てまいりましたが、私もまさにそのとおりだと思うのです。だから、これを突き詰めていきますと、やはり国がもっと苦しいんだという形になるとすれば、税源配分から入りまして、諸政策全般にわたらなければならぬことになるので、私はそんな大きなことをここで言おうと思っているのではない。政務次官のお立場で、いまここで即答せよといっているのではないのだが、しかし、これから予算編成期−暫定予算を閣議でおやりになっているところだから、これから始まっていくわけですね。事どうにもならぬ学童の問題です。勉強するところがなければ困るのです。やはり政治ですから、一番問題の、だれが見たって無理のないところには手を当てて、そこは片づけるということは最小限おやりにならぬと、全体が進んでいかないですね。だから、ここで理屈を言い合おうと思ったのではない。いまわかっておる、認識しているとおっしゃるのだから、その認識を、これは毎年いろいろ担当の両省でやり合っていて、主計官にしたって、主計局の次長さん、局長さんにしてもおわかりのはずなんだから、だからそれ相当の、あなたのほうでいささか見て政治休戦をしてくれないか、あるいはこのくらいの橋渡しはするから、予算のやりとりの熾烈なるところを少しおさめてくれないかという陰の声を耳にしないわけでもない。これはどういうことかというと、わかっているということだと思うのですね。わかっているのだから、一ぺんにはできないけれども、何とかそっちのほうに向けていく、その努力はここでしたいという気持ちだと思うのですね。だからそこらのところを、ひとつこれからの折衝過程で、わかっていただいていることを先に、最大限に、計画的に、なるほど大蔵省はこう考えるようになったかということあたりが表に出るようにしていただきたい。そうすると苦しい地方財源をかかえている自治体だけれども——三千幾つあるとおっしゃいました。確かに三千五百八くらいありますよ。町村合併法はなくなりましたから、あとできませんからね。そうすると確かに苦しい。確かに過密、過疎対策、経営のこともある。そうするといま一番集中的に苦しい——日本の中で、それは東京だ大阪だありますが、名古屋を追い抜いてそのあとにきてしまったという横浜なんか、異常な膨張をしている都市もあるのですから、全体としてながめてみた場合に、そういう異常発展をするところ、他に比較してたいへん差し迫った大きな困難な問題をかかえているというところに対しては、画一的というのでなしに、やはり少し手が回せるようにしていただかないと困る。こんな発展をするところはない。名古屋を追い抜いてしまったのですからね。だから、そこらあたり弾力的に運営ができるというような、そういう口のあけ方をしていただかぬと困る。またそれなら自治体のほうも必死になって、ない金でも、必要なんだからどれだけ苦労してもやっていこうという気持ちになるのです。それを国が全然めんどう見ない。運営の面でもやりようがないということにしておいたのでは、やはり問題が前向きに進まない。お互いに進まない、こういう気持ちなんです。議論する気持ちはないのです。

倉成正自由民主党大蔵政務次官

○倉成説明員 私も議論するつもりはございませんけれども、いまの制度から申しますと、大出委員御承知のとおり地方交付税の配分の際に、そういう問題を十分考慮さるべきことである、また考慮し得ると制度上はなっているわけです。しかし、制度上はそうなっているけれども、なかなか実情に合わない点があるという御指摘だろうと思いますので、その点は十分自治省とも御相談してまいりたいと思います。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○赤澤国務大臣 倉成さんがおいでですが、主計局も手ごわいところがたくさんあると思ったので、大蔵省と言ったわけですが、あなたの御質問は、言うまでもなく教育施設の地方負担分は交付税、起債で措置をしておるわけなんです。ただ私が蛇足でちょっと触れましたことは、地方財政は楽になったじゃないかということは、やるべき事業をやらなければみな黒字になるのですよ。実は三十五、六年ごろに赤字団体というものをずっと詰めて、そして再建計画を立てて、どうにかいま形が整うようになったときです。しかもみなやりたいことを手控えて、こういう何がしかわずかな黒字が出たのを、財政状態が非常によくなったと誤解されることがあったらたいへんなことになる。やはりいま倉成次官もお触れになりましたけれども、交付税で措置することになっております。その交付税を減らされたのでは——減らしもしまいが、うわさによれば新聞にもちらほら出るので、それは間違いですよと蛇足で申し上げたまでです。そのほうはそういうことで、もし主計局の担当の方が見えたら、御理解いただきたいと思って述べたわけです。

大出俊日本社会党

○大出委員 地方行政の時間がおありのようですから、お忙しいところたいへん恐縮でございました。総裁には人事院の制度の問題がありますので、もうしばらく……。  海堀さんがおいでにならぬようですが、倉成さんにあまりこまかいことを申し上げてもという気があったのです。給与課長さんでは、いまの地方財政の問題はちょっと筋違いでございますが、海堀さんも給与担当の主計局の次長さんだと思います。いまの点は要するにこういうことですよ。文部省からは毎年苦しいところを言っておられる。それから自治省もいろいろ言っておられる。だから自治省なり、あるいは文部省なりの皆さんとお話をする限りは、いまの制度というものを前提にして考えてはいるのだけれども、その中で運営その他をいろいろ考えていって、何とかそういう当面苦しいところに手が打てるようにしたいという気持ちが担当の省あるいは自治省にある。ある限りはそうさせたい、ここに出発点があるわけですね。それはさっき赤澤さんが言っているとおり、仕事をしなければ自治体というのはどうということはない。道路舗装をやったりやかましくやれといったってやらなければ金が残る。港湾施設を何とかして整備してやろうと思ったけれどもやめたというなら何とかなる、早い話が。それからもう一つは、金が安くついて公共事業というかっこうでやろうというなら、これまた三千万くらいかかるけれども、七十万しか補助金はくれないけれども、保育所をつくろうということになると、これは私費をよけい使わなければならない。しかし産業道路をつくろうというなら三倍になるのですから、早い話が。そうでしょう。一千万あれば三千万からになるのだから。だからといって、いまの学校なんという問題はそうはいかないのです。だからそういう点についてはあなたは認めないのだからやれるようにしてくれということを言っているので、ほかとの理屈の言い合いをするつもりなら初めからそういう持って行き方をするのだけれども、ずばり何とかしなければならぬ問題なんだから、他との関連云々でなしに考えてもらえぬかということを言ったわけなんです。これはこれ以上論議してもいたし方がありません。これは自治大臣も言っておりましたから、これからの編成過程でぜひひとつ担当の省あるいは自治省等とも十分お話し合いをいただいて、前向きで現在最も困る学校教育、学童の問題、施設の問題、校舎の問題、用地の問題、そういう点にしぼったわけですから御尽力をいただきたいと思います。  ところで、総務長官にしても、人事院総裁にしても、労働大臣にしても、あるいは自治大臣にしても、いずれにしてもほとんどの方々は五月実施ができなかったことはまことに遺憾であるということなんですが、大蔵省が——これは水田さんに聞かなければわかりませんが、きょうは何かその意味で外国高官との打ち合わせがあるということだそうで、国際的な問題ですから私は御遠慮申し上げましたが、かわって次官がお見えになっているわけでありますので、灘尾さんにしても園田さんにしても、いまここにお見えになっている各大臣にいたしましても、ことしあたりは何とかひとつ完全実施にというお考えで七人委員会の持たれる前から閣議での発言があり、その後も七人委員会で各大臣がたいへん努力をされておると思うのでありますが、問題はこれまたさいふのひもはそっちですから大蔵省ということになる。なぜ一体五月実施について御賛成をなさらなかったのか理由を承りたい。

倉成正自由民主党大蔵政務次官

○倉成説明員 大出委員御承知のとおり、昭和四十三年度の予算は総合予算主義の原則のもとに編成をいたしました。諸施策の斉合性をも配慮いたしまして、公務員の給与改定に備えて総額で千二百億の予備費を計上いたしました。したがって、人事院の勧告をいただきまして予備費の使用状況、今後の使用の見込み、こういうものを勘案いたしまして、八月実施ということを決定したわけでございます。予備費の状況その他、諸施策の均衡から考えて最も妥当だというふうに判断したからでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 いまの倉成さんの言い分からいたしますと、予算上という理由がつけば——代償機関だからこそ労働大臣に私はそこを質問したいのですがお見えにならない。この機関は本来からいえばストライキ権かあるいは代償機関かという二者択一になるわけですね。だからスト権を制限するというならば、代償機関は完全な代償機関でなければならぬという、これはドライヤー・ミッションにもそう書いてあります。五十四次報告の中でもそう書いてあります。百七十九号事件なる日本の事件を契機にいたしまして、中央の公務員諸君の団体あるいは地方の公務員諸君の団体あるいは先生の団体、たくさん提訴がございましたが、ILO陳情機関ではありませんけれども、そこから出てきているのはみんなそうなんですね。だから労働大臣の立場でもそのことをお認めにならざるを得ぬわけですよ。だからそれを予算上の措置ということでもし予備費に組んでやってそれが総合予算主義だからということでこの辺で切っておくのが適当だというのが筋が通るのだとすれば、これは一体勧告権というのはどこに行くんだということにならざるを得ぬわけであります。これは納得のできない議論であります。したがって、私は時間の関係がありますからあらためてこれは責任者である水田さんに——一応のお考えは政務次官からいただきましたから次の機会にあらためて少し詳しい御質問を申し上げたいと思うのであります。昨年も最後に水田さんと三、四十分やりとりをいたしまして、お認めになるところは水田さんも認めておられるはずなんですけれども、またことしどうも似たような結果になったということなんで遺憾しごくなのでございますけれども、そこでいまの御答弁からするとまことに危険千万だと思わざるを得ないのは、閣議で注一というところでお取りきめになっておる。勧告を完全実施したいからという前向きのお話、総務長官の御答弁でございましたけれども、実はそうならないのではないかという危惧のほうが強いのでありまして、そういう意味でこれは承りたいのであります。総務長官から御答弁いただければ一番けっこうでございますが、もしこまかいことに及ぶということならば人事局長栗山さんからお話しいただけばけっこうでございます。三つばかり案を、第一回の七人委員会プラス人事院総裁というところで人事局からお出しになったように見受けるのでありますが、そうであるかどうかということとあわせて、その案というのはどういう案なのかという点を御説明いただきたいのであります。

栗山廉平総理府人事局長

○栗山説明員 お答え申し上げます。  従来政府の側におきましていろいろの改善方策を研究いたしましたその経過を申し上げたのでございます。ただいまお話しの三案と申しますのは、四十一年の三月の給与関係閣僚会議におきまして検討された三つの案でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 この新聞記事に載っておりますが、一つずつ承りたい、どういう意味なのか、不明確な点がだいぶありますので。これによりますと、人事局の皆さんのほうから第一回の協議の席にお出しになったことですね。一つは現行の人事院勧告の時期などは変更せず財政上の措置について特別のくふうをするというのですが、この財政上の措置について特別なくふうというのはどういうことなんですか。

栗山廉平総理府人事局長

○栗山説明員 これは当時の記録をそのまままとめて出したわけでございまして、特段のくふうを行なうという点につきましては別に何らの注も書いてないわけでございます。こういう特段のくふうを行なうという案でいろいろのお話をなさったことだろうと思いますが、結局この三つの案につきましていずれの点にも問題があるということで結論を得なかったわけでございます。したがいましていろいろのお話はなさったことは事実だろうと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 いまの栗山さんの話では大風に入られたような話でどこへ飛んでいってしまうかわからぬことになる。特別な措置をするといったってその中身がわからなければ特別の措置も何もない。いまやっているんだって七百億プラス五百億、これは特別の措置でしょう。総合予算主義ということなんですから、プラス五百億を入れたんでしょう。だからたとえていえばプラス五百億を入れたことが予見し得ざる経費ということで予備費に組んだけれども、これは人事院勧告なら人事院勧告があったときに上げるということはわかっている。初めからそういうものを組むということは財政法上いささか疑義がある。大蔵省、経済企画庁はそう言っている。だから年度当初から各省の給与費に組んでしまえ、それならばこれは確かに現在ないんだからそういう方式は特別な措置ですよ。だからここで言う特別の措置というのは、たとえば各省給与費に予備費ではなしに組んでしまうのだとかなんとかいうことじゃないですか。

栗山廉平総理府人事局長

○栗山委員 先ほど私から申し上げましたように、これは昭和四十一年の三月のときに出されたという事実を報告したわけでございまして、その際は先生よく御承知のようにまだ予備費といったようなことは全然措置がなされておらなかったわけでございます。したがいまして、財源上の措置について特段のくふうを行なうということはもちろん、そういう予備費的なこともお考えに入れて議論をなされたことは当然でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 総務長官にひとつ承りたいのですが、四十一年のときのことは人事院の総裁にも何べんも質問いたしましたし、経済企画庁にも聞きましたし、大蔵省にも承りましたし、時の総務長官にも承りましたし、いろいろいたしました。しかも、直接行って調べたこともありますから知らぬわけはありません。ありませんが、今回の閣議決定の趣旨は何かということになると、予算編成期までに、つまり政府原案ができるまでにきめてしまえということなんでしょう。この閣議決定の(注)一というのはそうでしょう。そうすると、現在やっている方式というのは七百億の予備費に五百億を足したわけですよ。そういう措置をとってきている。その上に立って、まずいから予算編成期までにこれだけの人が集まってきめろと閣議できめた。そうだとすると、七百億プラス五百億で措置をしろということになっておる。閣議できめた措置というものはそうでしょう。そう受け取らざるを得ないのではないか。いまのままでこれでいいのだということなら、閣議で(注)一をやる必要はない。いまの予備費方式ではまずいから、年末までに完全実施し得るように方式をきめろ、こういうのでしょう。そうすると、昭和四十一年のときの方式なんだからという出し方は、出しても意味がないのではないですか。これプラス何かがあって、つまり年間給与予算を各省の中に全部入れてしまうのだ。その基礎になるものは何かといったら経済成長率であるとか物価の上昇率であるとか——そこらを一ぺん経済企画庁とやりたかったんだけれども、万やむを得ない事情ということだから次回に譲りましたけれども、ただいま担当の人事局長の栗山さんが四十一年度の話をされるが、いいかげんで化けものは引っ込む時期です。まさか四十一年度の話をそのまま出して、そのほかには何もございませんということではないと思ったんですが、総務長官、今回の閣議決定の御趣旨はどうなんですか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 第一回の関係者会議でいままでいろいろなことが唱えられてきた。そこでそれを御存じない方もありましょうから、総まくり的にいままでのこの問題についての関係の資料を並べて、それで参考の資料として、今日までこういうようなことでございましたという資料だけ提供したわけでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 そうしますと、この二番目の「公務員給与の決定は、民間給与に追随する現行の人事院方式を改め、公務員独自の給与決定方式によって年度当初から行なうものとする。この場合実施にあたって次の二案がある。一つは人事院が従来の方式を改めて給与改定を翌年四月から実施できるよう予算編成期に間に合わせて勧告する。」こういうのですね。「もう一つは、政府が、たとえば経企庁の翌年度の経済見通しによる賃金上昇率を基準として独自に給与法を改定し、当初予算にも計上して、翌年四月から給与改定を行なう。」こういうのですね。そうでしょう。ここらもこれまた四十一年どおりであって、何ら新しいものではない、こういうことですか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 ただいま申し上げましたように、いままで論議されました、またいままで考えられましたいろいろなものを資料として御提供しただけでございまして、今回の、われわれが人事院を含めまして関係者で集まって相談しようということは、過去そういうふうなことがございますが、しかし事務官同志なりあるいはまたその中にはあるいは党や何かの関係や、そういう過去のいろいろなことがございます。ところが、そういう点で結局壁にぶつかってしまっておるわけでございます。その壁にぶつかってしまってそれが打開できないところに今日までの宿弊があって、われわれは何とかして完全実施をしたいしたいと言いながら行なえないで今日に至っておる。しかし、今度はどうしてもわれわれは人事院の勧告を尊重する意味において完全実施できるようにしたいということが第一点と、もう一つの点は、人事院制度というものはあくまでも尊重して、人事院の機能、人事院の制度というものを改めようとかなんとかいうことは毛頭考えておりません。現行の人事院制度の上に立って、そうしていままでの壁をいかにして突き破っていくか、そのためにこそ担当官の連絡会議というものを一応開いてもらって、どうしても突き抜けられない壁、障害というものを次の閣僚会議に報告してもらって、さてその壁をどうして料理しようかというふうな腹を割った閣僚会議を次々に重ねていこうではないかというのでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 これは四十年には当委員会が附帯決議をつけている。四十一年は抜けましたが、四十二年には再び附帯決議をつけている。今回の委員会でも決議のお願いをしておって、理事会はまとまっているわけですが、延び延びになっているわけであります。だから、それは国会の意思に基づいて皆さんが検討するのは当然だ。だがしかし、これはどうも四十一年のままでございまして、こういうことであってはいささかさびし過ぎるので、それならばなぜ閣議できめたのかといわなければならぬのであります。  さて、ここに三案がありますが、人事院の調査と勧告の時期などを変更し、八月調査、十一月勧告などの方法で給与改定をして翌年四月から前年度分と合わせて行なう——前年度分というところが実は前にだいぶもめたところでありますが、そこで大蔵省の倉成さんに、政務次官の立場、大蔵省という財政当局の立場から、いま閣議決定が行なわれて注一がついており、しかもそれは政府の予算原案ができるまでにきめてくれということに閣議ではなっているが、そうなると、予算措置云云の問題はいまの三案に一々みなくっついているけれども、そこらのところはどういうふうにすれば一番いいとお考えでございますか。

倉成正自由民主党大蔵政務次官

○倉成説明員 いろいろな案が出ているようでありますけれども、この問題はこれから検討したいと思っております。いずれの問題も技術的に非常にむずかしい問題があるように思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 これは海堀さんに聞きますと、海堀さんの性格から少しはものを言うのですが、倉成さんはなかなか慎重だからおっしゃらないようですけれども、言わない人にそれ以上口を開けといっても無礼な話だから、このあたりで、この三つの案を出された佐藤総裁が御出席なされたわけでありますから、四十一年に承ったことを重ねて聞くようですが、この案がそうだからそうならざるを得ないわけでありまして、これは三つばかりありますけれども、佐藤総裁は、人事院という立場でどういうふうにお考えでございますか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 おっしゃるとおり、この案についての感覚は繰り返してお話し申し上げたと思いますが、私どもの立場としては、簡単に言えば、第三案でたっぷり措置をしていただくのがまあまあというところだろうということでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 予算をたっぷりつけてくれということですか。これはこうだという御見解はないということですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 一々言えという御注文であれば言いますけれども、この一、二というのは、われわれとしてはにわかに賛成できないことでございます。その理由はまた別の機会に詳しく申し上げることにして、その中では第三案というのはまあまあ見込みがあるということであります。

大出俊日本社会党

○大出委員 おおむねこの三つの案というのは一山幾らでどうもしようがないということで言いたくないというように聞こえますが、ただ見込みといったら三案だというのですが、三案というのは、これはちょっと持って回った案なんですね。というのは、これは八月調査をやろう。八月調査をやって、十一月に勧告する。 「給与改定は翌年四月から前年度分と合わせて」となっているのですよ。(田中国務大臣「それは新聞だから違うのだ」と呼ぶ)そうですが。では、ここでちょっと要求しておきますが、私はいつも、長年質問しているのですが、資料をいただいていないので、世の中の新聞を一応前に置いてものを言ったのですが、新聞に偽りあり、実はそういう案になっていないということらしい。したがって、それならば、四十一年の案を持ってきてもしようがないと思って持ってまいりませんでしたが、これはどこが所管でございますかな、この案は人事局ですか。人事局であれば、ひとつ人事局から、この三案なら三案の資料をいただきたいのですが、よろしゅうございますか。いまでなくてもけっこうですから……。

栗山廉平総理府人事局長

○栗山説明員 はい。

大出俊日本社会党

○大出委員 そこで、違うとすれば、違わないほんとうのものをちょっとお話しいただけませんか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 先ほど私が第三案と申しましたのは、「現行の人事院勧告の時期等は変更せず、財源上の措置について特段のくふうを行なう」とありますから、特段のくふうをしていただいて、たっぷり財源をいただければ、これは賛成するということであります。

大出俊日本社会党

○大出委員 それはこの新聞によると第一案なんですね。さっき私が読んだとおり、意味は別に違っていない。三と一の入れ違いでね。もと三案になっていたが、総裁は三案が一番いいというので、人事局はそれを第一案に出した。さっき私は順番に聞いた。これを見ると、「現行の人事院勧告の時期などは変更せず、財源上の措置について特段の工夫をする。」これは第一案なんです。第二案が、「公務員給与の決定は民間給与に追随する現行の人事院方式を改め、公務員独自の給与決定方式によって年度当初から行なうものとする。」この場合実施にあたって二案あるのですが、第二案はよくないのですが、「一つは人事院が従来の方式を改めて給与改定を翌年四月から」とこういうわけです。それから「もう一つは政府がたとえば経企庁の翌年度の経済見通しによる賃金上昇率を基準として独自に給与法を改正し、」云々。この方式がまん中にきているのですね。三が「人事院の調査と勧告などの時期を変更し、たとえば八月調査、十一月勧告などの方法で、」となっている、私の持っているこの新聞によると。だから、総裁が三案と言われたのは、私が読み上げた一案になる、こういうわけです。であるならば、別に変わりはないので、現在の七百億プラス五百億というのが特段の措置にはほど遠いから、もっとたっぷりと特段の措置をしてくれ、こういうことになるわけですね。いいですか。いまの点は間違いないですな、三案は、そういう案ですな。あなたのほうは三になっておる。

栗山廉平総理府人事局長

○栗山説明員 ただいまおっしゃいましたように、私どものほうで出しました過去の経過を書いた資料は、そちらのいま先生のおっしゃいました一案というのが三になって出ておるわけでございます。文句はおっしゃるとおりでございます。それから、こちらの出しました二案が、人事院の調査の時期を変更しとなっております。たとえば八月調査といまおっしゃいましたのは、これは七月調査ということになっております。たとえば七月調査で十一月勧告それから第一案が、「公務員給与の決定は」ということで、A案とB案、これはいま内容をおっしゃいましたのと同じことでございまして、案の一と三が入れかわっておる。三が一に繰り上がっておる、こういうことでございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 それでは人事院の皆さんの意見もあるので、なかなかセンスのいい記者の皆さんが、四十三年九月七日の新聞、これは毎日ですけれども、三つの中で一番いい案をこの新聞は一に持ってきた、こういうことになるわけでございまして、これは新聞の関係の皆さんのセンスのよさ、卓見に敬意を表する次第でございますが、確かに総裁も、この順序のとおり、一案がまあまあいいということでございますから、人事局のほうもひとつそうお考えをいただいて、さっきしきりに総務長官も、人事院の制度に触れる意思は毛頭ありませんとおっしゃっておるのですから、そういう意味で、大蔵省、ひとつ五百億では足らないから、今回は五月実施に賛成しなかったということでございますので、足らないからということで、予算を組まれたのもこれまた大蔵省でございますから、総裁の言うように、たっぷりひとつ特別の措置というところにウエートを置いてお組みをいただけば、組むのも大蔵省でございますから、五月実施のできるようにお組みになればいいわけでございます。そういうふうにひとつこれから御努力をいただきたいと思うのですが、これ以上論議をしてもいたし方ないので、この点だけをひとつ倉成さんに念を押しまして……。

倉成正自由民主党大蔵政務次官

○倉成説明員 財政事情の許す限り最善を尽くしたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 倉成さんは官僚の御出身かどうか知りませんが、財政事情の許す限りなどということを頭に冠するところあたりは、なかなか用心深いと思うのですが、これからひとつ委員会を開いて、法案がいつ出てくるかわかりませんが、逐次論議をしていきますので、水田大蔵大臣にこの次は御出席をいただくように、あらかじめ御連絡おきをいただきたいと思うのであります。

三池信自由民主党

○三池委員長 それではこの際三十分間休憩をいたします。     午後一時三十七分休憩      ────◇─────     午後二時三十五分開議

三池信自由民主党

○三池委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続けます。鈴切康雄君。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 政府は、三十日の閣議で、人事院勧告による国家公務員の給与改定について、勧告のアップについては八%引き上げることとし、実施時期についてはまたもや不完全実施の八月一日からと決定をしたが、なぜ勧告どおり完全実施を閣議で決定できなかったか、その理由についてお伺いいたします。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 御案内のとおり、私どもは、ぜひとも人事院の勧告の完全実施ということを目標に努力いたした次第でございますが、しかしながら、政府全体といたしまして、特に財政上の諸般の問題から、これが完全実施ができなかったことは非常に残念に思っております。ことに、何とか人事院の勧告の内容につきましても、勧告どおりにいたしたいと存じておったのでありますが、しかし、寒冷地手当等々、通勤手当を除きまして、その実現ができなかったのでございます。私どもは、さようなことから、どこにそういうふうな欠陥があり、どうしてできないのかという問題を突き詰めて検討いたしたいと存じまして、(注)一にしるしましたような、人事院総裁も交えました関係閣僚会議を引き続いていたしまして、そしてこの完全実施を期したい、かように存じております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 給与担当大臣として田中総務長官は、給与をきめる七人委員会においてどのような発言をされ、またそれが実際においてどのような反対の意見があったかということについて、その内容についてお伺いいたします。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 一々の質疑応答は申し上げられませんが、私といたしましては、人事院制度というものの本質にかんがみまして、政府といたしましては当然勧告を完全実施すべきものであるということを一貫して主張いたしたのでございます。また、私とともに同様の主張をされました数人の閣僚もいることは御承知のとおりであります。しかしながら、財政の諸般の問題、特に、御案内でもございましょうが、地方自治体等の地方財政の現状というものが頭をついておる。それをどうしても打開しなければならないと考えておりますが、遺憾ながら、今日の段階ではその実現は不可能に近いのでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 これはたしか参議院の予算委員会であったと思いますけれども、木村禧八郎君から質疑があったとき、水田大蔵大臣は「いままでは、こういう人件費とか公務員給与費というような大きな補正要因をそのまま残して当初予算を組んだが、それは、ずいぶん冒険な話であって、経済の成長期であったので、年度の途中において何とか補正要因を満たす財源が生まれたが、今後はこういうことは望めません。これははっきりしておりますので、私どもは、当初においてできるだけの予備費を用意することにして、再び年度の途中でこういう補正のないようにということにして、いわゆる総合予算主義というものをとって、これを年度の途中で、もうそういう財源が見込めないから補正はやらぬということで、予備費に組み入れる」という答弁がありましたけれども、本年度の税の自然増収はどのような状態であるか、お伺いいたします。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 税の自然増収につきましては、私は申し上げるべき立場ではございませんので、この点は御容赦をいただきとうございます。  なおまた、国家公務員に関します問題につきましては、御案内のとおりに予備金に入っております。  なお、国の経済の状況というものは必ずしも行き詰まっておるわけではないと信じます。しかしながら、反面におきまして、地方財政の点は、これは御案内のとおり非常に頭をついておるという実態でございます。国家公務員と、地方公務員もこれに準ずるという上から申しまして、やはり地方財政も同様に政府といたしましては、配意しなければならなかったことは当然であろうと存じます。そういうふうな諸般の事情から、どうしてもわれわれが所期いたしました完全実施ができなかったことをいまもってまことに残念に存じております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 大蔵省の立場として、本年度の自然増収の見込みについてお伺いいたします。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 私は給与課長でございまして、自然増収を云々という立場にございませんが、仄聞いたしますところによりますと、七月末現在で大体昨年並みの収納率のようでございます。と申しましても、まだ年間で申しますと三分の一程度でございますから、現段階では自然増収等の議論はいささか早いのじゃないかということを考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 新聞によると、大蔵省は二日、本年度下期におけるところの国債を七百あるいは一千億円減額する方針を固めた。これは、「本年度の国税収入は一般会計で約四兆七千億円を見込んでいるが、これは経済成長率の伸びを一二・一パーセント、税収の国民所得に対する弾力性を一・三三として計算したものである。ところがその後、経済の拡大のテンポは予想以上に早く、本年度の名目成長率は当初見通しを二パーセント以上上回ることがほぼ確実となった。この結果、国税は当初の見積もりを三パーセント程度上回り、千五百億円程度の自然増収が出る公算が強まってきた。実際の税収の動きをみても、六月までは法人税の納税延期などで収入割合は低調だつたものの、七月は所得税の伸びなどで盛返し、七月のようなペースが続けば年度内で千七、八百億円の税収増加も期待できる。この自然増収は主として所得税と法人税の増加によるため三二パーセント近くを地方交付税として地方に回さなければならないため、国に残る財源としては千億円強となる。」こういうふうな見通しが立っているのですが、あなたのお話はそれより前の話のようでありますが、その点どうですか。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 重ねてお断わりしたいのですが、私は給与課長という立場でお話ししているので、若干ズレがあるかもしれませんけれども、自然増収の話は主税局のほうから答弁するのが筋でございますが、先ほど申しましたように、何しろまだ年間の三分の一程度の収納率しか上がっていない段階で千億とか二千億という数字を議論するのは、いささか尚早ではなかろうかという感じを持っておるわけでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 給与課長であればこういうようなことはやはり知っておかなければならない問題であって、時点が一つおくれているような感じがするわけです。少なくとも大蔵省で発表になったものはすぐやはり給与にも大きく関係する問題でもあるし、当然この問題は論議の焦点になるわけでありますから、そういう点において、給与課長がこれを知らないというような、そんな不勉強で私いけないと思うのですよ。海堀さんですか、どうしたのです。話にならない。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 いまの数字は発表になっておらないと思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 しかし、これについてこのように新聞発表があるということ自体は、やはり何らかの根拠がなくてはこういう発表がないと思うわけです。でたらめの数字を新聞発表するわけはないと思うのです。その点について何らかのそういうふうなことは聞いておられないかどうか、それについてお伺いします。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 新聞発表ではないと思います。そのたぐいの数字は例年夏になると出る記事でございまして、昨年もたしか国債のカットの問題がいまごろあったわけでございます。しかし、それについて大蔵省のほうは新聞発表云々ということは昨年もございません。あくまでも予測記事ではないかと思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 予測記事でこういうように出したかどうか、これはちょっとわかりませんけれども、しかし、いずれにしても、いまこういうふうな状態だ、少なくとも相当の自然増収が見込めるということは事実だと思うわけであります。そうなってきますと、政府の財源の見通しが違ってくるわけであります。実は財源が見込めないから補正はやらないという考え方であったわけでありますけれども、補正が組める財源が出てきたのであるとするならば、当然今度は補正を組んで完全実施をすべきではないか、当然政府としては人事院勧告を尊重するという立場をとっているとすれば、あまりにも公務員給与に対して毎年不完全実施をすることが通例であり、値切り倒すということがあたりまえだという考え方について、私はどうも納得がいかないわけでありますが、それについてどのように思われているか。もしも自然増収が今後——もちろん後日の問題になりますけれども、大幅に自然増収があった場合にはどういうふうなお考えであるか、その点についてお伺いします。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 目下の段階では、先ほど来お話ししておりますように、自然増収が出るか出ないかということは、いささか時期が早かろうかと思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 もしも自然増収が大幅に出るという時点であれば、当然それは今度の給与改定等の問題についても考慮に入れるというお考えですか。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 仮定の問題でございますし、私の所管外でございますから、答弁を差し控えたいと存じます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 四十三年度予備費は総額千二百億円であり、予算編成時の一応のめどとして、給与改定財源が五百億円のほか、災害関係費に五百億円、事務的経費の精算払いに大体二百億円、それぞれ充てることを考えていたと実はいわれているわけでありますけれども、五百九十五億円、八月実施ということになれば、前々から財源の上において不完全実施の意図があったととられてもしかたがないと思うのですけれども、その点いかがですか。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 ただいまの五百億というお話でございますが、千二百億は予備費全体でございまして、その中にはワクはないということは、重ねて従来から答弁しているとおりでございます。  それから、ただいまの五百九十五億円というお話でございましたが、これは通勤手当を五月までさかのぼりました関係で六百一億円という数字になっております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 もう一回言ってください。ちょっと聞き取れなかった。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 五百九十五億円という数字をいまおっしゃいましたが、通勤手当が五月までさかのぼりました関係上六百一億円になっております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 いずれにしても、約五百億円だというように一応給与の予備費としての組み込まれを想像されておったわけでありますけれども、六百一億円にしても大差ないわけであります。それは完全に不完全実施というような意図を含んでの総合予算主義である。そういうようにとられてもしかたがないではないか、こういうわけです。その点について。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 諸施策の均衡を考慮して千二百億円の予備費を計上した、こういうことでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 今度の八月三十日の閣議決定ということ、これは早くするということは決して私としてはやぶさかでないわけでありますけれども、ふしぎに思うことは、例年は大体十月の二十日前後に閣議決定されているのに、八月三十日に閣議決定を急遽したというような理由はどこにあるか、それについてお伺いします。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 先ほども申しましたように、予備費にこれが繰り込んでない従来の方式でございますれば、それは財政の伸び、さらにまた組みかえ、補正というふうな諸手続が要るわけでございます。ところが、御承知のとおりに、本年は総合予算主義で予備費に繰り込んであるという現在の状態におきましては、全官公その他の諸君も非常に希望しておられましたように、むしろ早くこれを決定して差し上げるということのほうがよろしいと存じます。それは、その点につきまして早く決定できないという要素がございません。すみやかに決定いたしましたことにつきましてはよかった、私はかように考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 私はいまも申し上げたとおり、早く決定するということは決してやぶさかでないし、当然なことだと思うわけでありますけれども、そこに一つ勘ぐってみると、税収の見込みが立たないという理由の総合予算主義、これは水田蔵相が言っているわけでありますけれども、その税収の伸びが大幅に見込まれるような状態になったので、悪くいえば、米価等の問題のかね合いもあって、早く決定しておいたほうが無難だというような考え方がこの中にあるのではないか、このように思うのですが、その点いかがですか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 私どもに関する限りはさようなことは絶対にございません。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 また新聞の発表というか、新聞の中にあるように、閣議決定を八月三十日にしたわけであります。そしてそのあと、大蔵省が何らかの方法で、このような状態で経済の見通しをいわれたということ、しかも本年度の下期においては国債を七百億から一千億減額する方針を固めたということ、四十三年度の経済成長率が政府当初の見通しの一二・一%をかなり上回って、一四から一五%に達し、国税の自然増収が千五百億円程度に達すると発表されたというか、発表されないにしてもそのようにいわれているということが明らかになった、そういうふうなかね合いを考えてみますと、どうも私は先ほど言ったように、いろいろの米価等の問題があって、これは早く決定したほうが無難ではないか、かような意図が多分にあるのではないか、かように思うのですが、重ねてお伺いいたします。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 私に関する限りは絶対にございません。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 それでは給与を主体としたところの臨時国会をいつお開きになるのか。決定だけであって、実質に給与することがおくれたら何にも役に立たないわけでありますが、その点についてはいっお開きになるつもりですか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 私は、できるだけすみやかに開いていただきたい、かように考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 できるだけすみやかといったって、それでは田中総務長官としては大体いつごろが適当であると思われておるか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 これは非常にむずかしい問題でございまして、軽々に申し上げるわけにまいりません。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 災害の見通しがはっきりしてないのに急にたとえば災害が起こったときには、災害のほうの財源はどのようになるのか、その点についてお伺いいたします。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 これは財源の問題でございますので、ひとつ大蔵省のほうから……。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 千二百億円は、いま、たしか八月末までで百億弱予備費を使ってございますから、千百億ちょっと残っておる計算になるわけでございますが、その中から災害のほうの経費を出す、こういうことでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 災害の見通しというのは、それは災害が起こらなければいいわけですけれども、不慮の問題であります。もしそれをオーバーするような問題が起こった場合においてはどのようなお考えであるか、それについてお伺いいたします。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 これは前の予算委員会当時から再再御答弁したところでございますが、大災害が起こりました場合には、補正予算を組むことがあり得るということは申し上げておるとおりでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 一般会計として給与費が六百一億円、完全実施まではあと二百億円足らずだと思いますけれども、自然増収等が大幅に伸びる状態であるならば、当然補正予算を組んで実施をしてやるべきではないか。政府は完全実施については人事院勧告を尊重するということをいつも口癖にしているが、ことしをおいては実際に完全実施をするチャンスがないのではないか。このような好条件のときはないのではないか、そのように私は思うのですが、それについて田中総務長官は、さらにそのことを考慮に入れるとか、あるいはどのようにお考えであるか、その点についてお伺いします。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 政府の決定は、本年ただいま申し上げたように決定いたしたのでございます。しかしながら、人事院制度というものを考えます場合に、どうしても完全実施しなければならぬものだ、私はさように心得ております。さような関係から、今日までいろいろの経過をたどったかもしれませんが、いつまでもいつまでもかような状態で放置いたすべきではない。さような関係で、時限を切って来年度予算の編成までに、人事院制度の本質を絶対に害さないというめどのもとに、完全実施ということを目標にどうしたらよろしいか、みんな関係者が集まりまして、また人事院総裁も入っていただきまして、そうしてこの厚い壁を打開していきたい、そういうふうなことで、(注)一にしるしましたような閣僚会議というものを設けたわけでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 人事局がこの問題でかなり突っ込んだ具体案を持っているというようなお話を聞いたわけでありますけれども、それについてもし具体的な案がありますればお話を願いたいと思います。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 この間の閣議にお出しいたしましたのは、いままでいろいろと同じようなことにつきまして、四十一年も四十二年も、過去において何回かさような論議が出ました。それを一応今後の関係閣僚の御参考に供するために参考資料としていままでの分を提出いたしました。あれを基本に置いて審議をいたすというのでは必ずしもございません。なおまた、閣僚会議の下に担当官会議、実務者会議というものをつくりましたのは、実務者の皆さま方がやはりよく事情を知っておられるだけに、そこに具体的なケースについていろいろと論議をなさいますが、しかし、それだけではやはり解決し得ない壁がある。これは政治的に取り除いていかなければ前へ進めないというようなこと、これがいままでの過去におけるたび重なる失敗の原因でもあった。かように存じますので、実務者会議の結論といいますか、難関を今度は閣僚会議に移しまして、そこで政治的に大所高所から一つずつ切り開いて前へ進んでいきたい、かように考えて、先般出しましたのは、人事局の案ではございませんで、過去におきまするものの参考資料でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 総合予算主義というのは、財政の一つの手段であるわけであります。そこで、絶対だめだというようなことになると、国民の財政とは私は言えないのではないか。三権の代償としての人事院勧告であるならば、当然完全実施するのはあたりまえのことであって、労使の関係を好転させる意味においては、少なくとも前向きの何かの方法を講じなければ、このままでは私は毎年毎年このような状態が繰り返されるのではないかと思いますので、田中総務長官はどのように今後それについての問題に取りかかっていくか、具体的にお話しを願いたい。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 誠意をもってこの問題に突き進んでまいりたい、かように考えますが、先ほどもちょっと触れましたように、国家財政とともにやはり非常に重要性を持っておりますのは、地方財政でもございます。やはり地方財政も配慮いたしながら、この問題についての抜本的な考え方をまとめてまいりたい、かように考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 公務員のほうからいうならば、毎年  このようなことを繰り返しているということは、政府の低賃金政策以外の何ものでもないということで、ますます労使の関係というものは不信がつのっているわけであります。  そこで、私は、最後に、完全実施にあらゆる手段を講じて踏み切る、また、完全実施を行なっていくということについて要望して、私は質問を終わりたいと思います。

三池信自由民主党

○三池委員長 受田新吉君。

受田新吉民主社会党

○受田委員 お尋ねをいたします。  人事院勧告に対する政府の扱い方が一応決定をしておるようでございます。この決定に基づく質問と、決定以前の質問とは、多少性格が違ってくるわけでありますので、まず、その決定に伴う質問を申し上げたいと思います。  この閣議決定というものが八月からの不完全実施になった事情について、前の質問に政府のお答えになっていることを伺ってみますと、財政上の理由等を考慮されておることを一応拝察できるのであります。  ただ、ここで問題は、毎年のごとく不完全実施になっているということについて、ひとつ私としては疑義をたださなければなりません。大出委員からも鈴切委員からもすでにお尋ねがあったことでありますが、私はこれをもっと掘り下げてお尋ねをいたします。  公労法の適用を受ける職員が、昭和二十五、六年ごろに一度だけその仲裁裁定の不完全実施をされたことを除いては、常に完全実施に踏み切られておるというこの現実と、それから人事院の勧告を毎年のごとく不完全に実施しているというこの関係であります。これは仲裁裁定を当事者双方が忠実に履行する責任が公労法三十五条にうたってある。また財政上、資金上の事情についての規定が十六条にある。しかし、公労法の適用を受ける職員は団体交渉権を持っておる。人事院の対象になっている職員は、その団体交渉権すらも認められていない。スト権にかわる問題も含めて人事院の対象になっている職員は、非常にその立場を主張することが窮屈である。その窮屈なほうが不完全実施になって、団体交渉等で十分主張をし得る公労法の適用を受けるほうが完全実施になっている。この関係を御説明願いたいのです。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 制度の本質にかんがみまして、むしろ非現業の公務員の方々に対しまして、われわれはあくまでも人事院によりましてこれを守っていかなければならないという崇高な使命を持っている、かように考えます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 崇高な使命が逆に不崇高な使命になっておるのですね、現実は。つまり、仲裁裁定のほうは完全実施されておる。もっときびしく擁護しなければならないほうの職員については不完全実施をされておる。人事院の勧告と仲裁裁定とは、もう完全に仲裁裁定に重きを置かれておる。そのほうは忠実に当事者双方が履行しておる。人事院勧告のほうは常に積み残しをして不完全実施をしておるというこの関係です。人事院という機関は、公労法の適用を受ける仲裁裁定の決定よりも、事実問題として非常に軽視されておるということが言えるのでありませんかね、田中先生。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 さようなことがあっては相ならぬのでございますが、現実の問題といたしましては、一つには、財政問題が横たわっておりますが、本年のような予備金にこれを繰り込むというようなのは一歩前進であろうかとも存じます。いま一つの問題は、国家公務員に準ずる地方公務員の給与の問題との関連性という問題この地方財政のやはり財政的な問題の均衡ということがこれまた考えられます。  さようなことで、両方ひっくるめまして、財政論でございますが、財政的な面から、私どもが一生懸命にこれにぶち当たりましてもなかなか容易に打開できない面が出てまいっておるのでございます。そこで、私どもは、今度こそは何とかこの完全実施をしてもらわなくちゃならぬというかたい決意のもとに、御案内の通りに関係閣僚が会同いたしまして、人事院総裁もそれには御臨席をいただきまして、みんなでこの問題を打開してまいろう、かように考えたゆえんでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 その六人委員会、七人委員会というのは、もう成立以来三年もたっておるのです。毎年のごとく何とかかんとか言うて三年たってきた。これは一体どういうことですか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 ことしは特に四十四年度の予算編成までにこの問題をけりをつけるというかたい決意で進んでおります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 維新百年を記念してことしはぜひ片づけたい、こういうこともあるのじゃないかと思うのでございますが、大体これは、ことしは確実に来年度の予算編成期までには間に合うような結論が出るという見通しであると了解してよろしゅうございますか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 格別明治百年の記念ではございません。当然なことでございますが、しかし、ことしは実務担当者の会議で容易に破れない壁を関係閣僚で政治的に大所高所から一つずつ破っていこう、そうして打開していこう、こういうふうにかたい決意をいたしております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 田中先生は、私のこの前の質問のときに、まだ結論が出る前に、五月完全実施一本しかないのだ、こういう御答弁であった。私はそのときに、大蔵省が出した八月案と九月案のほかに七月もあれば六月もある、その中間にまだ二カ月あるのだ、これも一緒に考えて、長官としては責任者としてこの閣議においても十分主張せられて、もし五月実施にならなければ、一歩前進して七月実施——まあ通勤手当とかいうのは〇・五%の分しかないのですから、これは微々たるものですから、せめて一カ月前進七月あるいは六月という案もお考えになられて、あっせんの労をとらるべきであるという私の提案を申し上げたっもりでございますが、非常に窮迫した状態の中で、長官は私のいま指摘した六月案あるいは七月案を御提示に相なったかならぬか、御答弁を願います。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 七月の問題は確かに論議いたしました。しかしながら、五回関係閣僚で集まっておりますが、それ以外にも各方面と交渉いたしたのでございますが、ついにあのような結果になりましたことはまことに申しわけない次第でございますけれども、しかしながら、中間で七月ということを御指摘のように話題にいたし、それを論じ合ったということだけは、これは事実でございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 論じ合った中で、通勤手当だけを五月にさかのぼることに成功したのはせめてもの長官の努力ということになるかどうか。七月案をいまあなたが推進されたというが、長官御自身がその点を主張されて、あなたの御努力で五月にさかのぼったのかどうかをお答え願いたいのです。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 私のことは申す必要はないと思いますが、当然五月というのが正しい線なんでありまして、それに対しまして同僚の各位も強力にバックアップしてくれましたことも、またこれ一つの感謝でございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 これははなはだ不愉快な現象が毎年続いておるのですが、このあたりでひとつピリオドを打っていただきたかったのです。人事院総裁はあとで残っていただく時間の余裕があるのですが、長官は三時半までということでございまするから、まず長官に質問を集中申し上げておきたい。  長官は、この前、こういうことを前の橋から渡る議論をされたときに、千二百億予備費があるのだ、だから、災害というのは現にいま起こっておるわけじゃない、総合予算主義を貫き通す意味からも、前の橋から渡るのだという意味で、公務員の処遇改善については思い切ってやってもこの総合予算主義をこわさないでやり抜けるんだという御答弁があったと思うのです。そこで、大蔵省の給与課長さん、この千二百億の予備費は、これを全部、災害とか米とかいうものをごく最小限に見積もって、あとはみんな公務員給与の改善に回しても差しつかえない予備費かどうか、予備費の使い方についてお答え願いたいのです。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 御質問の趣旨が的確に取れているかどうかわかりませんが、現段階で見込むいろいろな要素を考慮しまして算定するということになるかと思いますが、目下のところでは、災害の状況がどうなるか皆目見当がつきませんし、災害の主たる発生は今後でございますから、現在のところではなかなか的確な見通しは立てにくいかと存じます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 したがって、予備費は、給与費に大半を使っても総合予算主義のたてまえをくずすわけではないと了解してよいかどうかということです。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 逆の言い方もできるかと思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 どういう場合ですか、具体的に。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 給与費に使う財源としては非常に窮屈であるというぐあいにもなるかと思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 それはちょっと私には解せないんでございまするが、給与費に使う財源、まあ世上では、千二百億のうちの五百億が給与改善費、こう伝えられておるわけです。大蔵省はそれをはっきり言わない。幾らとは言わない。しかし、給与改善はおおよそ何%の上昇とみなしていくというくらいの大まかなものがなければいけないと思うんですね。それもないのですか。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 千二百億の予備費の中にはワクはございません。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そうしますと、つかみどころのないクラゲのような予備費である、こう理解せざるを得ないのです。つまり、給与費がどれだけかという大まかな線もないということになれば……。そうですね。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 クラゲのようなものであるかどうかは存じませんが、千二百億の中で、災害とか預託金利子の不足とかその他もろもろの経費を支弁するわけでございますから、すべて総合的に考えて支出する、こういうことになると思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 まだ災害が起こってない。ことしは災害を起こしたくない、これはもうわれわれ国民の願いです。そういう場合に、この予備費を大幅に給与費の改善に振り当てたって決して差しつかえないじゃないか。災害が起こってもないものを起こると予定してその配分を考えるというような、そんな災害をねらったような大蔵省では、これははなはだ不届きだ。したがって、これが五百億が八百億になろうと九百億になろうと、それは予備費の使い方としては認められ得る金額であると了解してよいかどうかです。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 災害が起こるかもしれないということと、災害をねらっているから不届きだということとは、また別の問題だと存じますが、先ほど来申しておりますように、災害の主たる発生は今後でございますから、その辺はまことに現在の段階では確とした見通しは立てにくい状況でございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 災害のことを聞いておるのじゃないんだ。私のいま質問をしたポイントをお答え願いたい。よく聞いて答弁してください。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 災害がそういう状況でございますから、したがって、全部を給与費に使っていいじゃないかという議論はすぐには出てこないかと思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 私がいまお尋ねしているのは、全部とは申し上げてないのです。八百億、九百億という程度のものまでは使ったとしても総合予算主義を破壊するものではない。つまり、まだ余裕が三百億、四百億残っておる。私はそういうたてまえのお尋ねをしておるのです。具体的なお話をしておるわけです。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 それはいま全く災害の見通しにかかるわけでございますが、昨年の例からしましても、たしか、災害と給与費以外のその他でございますが、これで七、八百億はかかっているわけでございます。したがって、給与費のほうに八百億さいていいという数字はどうしても出てこないと思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 ああ、そういうことですか。七、八百億を大体めどにした。そうすると、五百億足らずくらいのところは給与費でもいいんだ、こういうことですね。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 昨年の数字はそうであったと、こう申し上げたわけです。

受田新吉民主社会党

○受田委員 昨年の数字を大体基礎にされたものと了解してよいかどうかです。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 だいぶ話が長くなりますが、昨年の数字だけではございませんで、最近の実績から申しますと、やはり七百億とか八百億とかその程度の数字が続いておるということでございまして、予備費の中にはあくまでもワクはございません。

受田新吉民主社会党

○受田委員 とにかく予備費として計上する場合に、災害がおよそこのくらいで、給与費をこのくらいという大まかなものは用意して千二百億をおきめになったのじゃないかと思うんですね。それは全然そういうことはなかったのですか。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 これは何回も御答弁申し上げておりますように、千二百億の中にはワクはございません。

受田新吉民主社会党

○受田委員 ワクはないと、言うが、あなたは災害その他で大体七、八百億、それが今度は千二百億組んである。そうすると、残りが五百億じゃないですか。子供だましのような答弁はおやめになって、大体七、八百億、去年その程度だった。そうすると、残りは、ことしから予備費に給与改善費を織り込むといえば、残りが給与改善費と見ていいんじゃないかというのです。あなたの基本的な考え方から御答弁願いたいんですね。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 七、八百億という数字は、従来の実績がそういうことであったということでございまして、ことしの千二百億の中に五百億というような給与費のワクはない、これは重ねて申し上げます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そうすると、あなたは、七、八百億も給与費に使うことはできない、そういまはっきり言われたんですよ。そうしたら、どのくらいまで使ったらいいのか、ちょっとお答え願いたい。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 その辺は今後の災害の発生状況等によりますから、幾らということは申し上げられませんし、ことしの八月実施ということも、これは閣議で決定したことでございますが、予備費の状況とか諸施策の均衡等を考慮して定めたものでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 国務大臣である田中先生、お疲れでございましょうが、閣議できめられたときに、その予備費の中に給与改善費というものを、閣議で主任大臣として何らかのワクをおよそ見当づけられたと私は思うのです。閣議決定だというのでいま課長が大臣に責任転嫁されたわけです。大まかなところは、これは国会の討議の場ではっきりひとつ……。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 ただいま大蔵事務当局からお話があったと思いますが、千二百億円の中におきましては何ら初めからワクはないわけであります。そこで、いまの五月実施あるいはまた八月実施、九月実施、十月実施というようないろいろな財源表もございまして、その中におきまして、われわれはどうしてもこの線でいかなければならぬということで、現実には六百億を充当いたしておるわけでございます。でございますから、五百億というワクではございません。六百億の財源支出に相なっておるわけでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 この間、大蔵省の御説明を聞くと、完全実施をした場合に国の負担が八百七十五億、寒冷地手当が十五億という数字を示しておられた。そうすると、大臣は完全実施を主張せられた主任閣僚である。だから、やはり八百七十五億の金が要るということを計算して、予備費からそれだけ使うということで閣内で主張されたわけですね。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 それは当然完全実施を主張いたしております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そういたしますと、これは給与課長さん、田中大臣は閣議において八百七十五億の使用を主張されておる。だから、それを実行しても決して総合予算主義を破壊するのでもなければ、予備費の使い方がおかしいというわけではない、こう理解ができるのではないですか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 御案内のとおりに、閣議の決定の経過と申しますものは、関係閣僚におきまして数回にわたりまして事前の協議を遂げました。そうして、その結論をほんとうの意味の閣議に最終的にかけるわけでございます。その最終的な閣議にかけます前におきましては、関係閣僚の間でもってそれこそ白熱的な議論を戦わすわけでございます。しかし、そこでまとまりましたことは、これは統一意思としてやはり閣議には最終的にかけております。それは六百億でございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 田中先生、政府は、非常におかしいことだが、こういう案を出した。しかし、人事院は国会へも勧告しておられる。国会で完全実施の法案に政府案を修正した場合には、これは大臣の主張と同じことが国会へ出た場合には、大臣はこれを阻止しますか、協力しますか、お答え願いたいのです。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 それは仮定に基づきます先生の一つの御意見でございまして、また今後国会におきますいわゆる財源を伴います法案の上程につきましての審議の問題でございまして、私がその問題をとやこう絶対に申しては相ならぬものだろうと存じます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 ただ、大臣にお願いをしておきたいことがあるのです。国会でこれを党派を越えて修正議決した場合、大臣がそこでこれに対する意見を開陳される立場にお立ちになるのですね。ところが、大臣の主張と全く同じものに国会で修正されたのです。その修正に対して閣内を十分説得して、この国会修正に対する大臣の意見開陳を、田中先生御自身の従来の主張のとおりにここで意見が述べられるように、閣議で御主張になるかどうかです。仮定の問題でなくて、もう現実に起こった場合です。これは起こり得るのですから。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 委員会に上程されました暁におきます採決に対しましては、政府の一員といたしましての所定の態度をとります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 私は、先生の強い信念を閣内に十分浸透せしめて、国会修正を十分了承しようという努力をしていただけるかどうかということをお尋ねしておるのです。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 それは今後将来におきます問題であると同時に、それは内部問題でございます。外の問題ではございません。委員会におきます修正の御動議に対しまして、私は閣僚の一員として内閣の方針どおりの態度をとります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 委員長に質問があるのです。当委員会は、しばしば人事院勧告の完全実施を議決しておる。この議決の線に沿うて委員長は、今回政府がまたまた不完全実施案を御決定になっておるのですが、国会修正に委員長として御努力していただけるかどうか、委員長の決意のほどをひとつ伺いたいと思います。

三池信自由民主党

○三池委員長 理事会でよく検討いたしまして、その線に沿って、できるだけ受田委員の御希望に沿うようなふうに努力いたしたいと思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 委員長発言によって、国会修正の可能性を期待できる段階に到達したことを祝福するものである。  そこで大臣に重ねてお尋ねしたいのですけれども、私、官民格差論についてはこの前の委員会で十分論議をしているのですが、きょうはこの三十日の閣議決定の中に、特別職の待遇についても一般職に適合するような措置をとりたいと書いてあるのですね。ところが、人事局長、代弁されてもいいわけですが、特別職には、防衛庁の職員を含んで約三十万の人員がおるわけです。この人の中で、さらに特別職の中で地位の高い立場にある人人の俸給表というのがきまる。現に総理大臣は五十五万であり、国務大臣は四十万となっておる。私、国務大臣の給与決定について大蔵省にもお尋ねしたのです。これは一体何を比較したのだ、全く無見当で給与をきめたのかとお尋ねしたならば、三千人以上の大企業の中の常勤役員等の俸給、昨年において平均が約四十万円、そういうようなものを参考にしたという御答弁があったと記憶しておるわけです。間違いありませんかどうか。

栗山廉平総理府人事局長

○栗山説明員 特別職の一番上のほうの俸給でございますが、昨年やはり改正でいろいろ御審議願いました。その経過におきまして、いま先生のおっしゃったように、人数ははっきり私覚えておりませんが、民間の会社のそれに相当すると思われるようなところを調べましてきめさしていただいた、こういうことでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 その民間の三千人以上の会社の常勤の役員が四十万二千円、それから千人から二千九百九十九人までが三十一万六千円、五百人から九百九十九人までが二十七万三千円となっている。その最も規模の大きい三千人以上の分、四十万という数字が出ておる分を一応角間給与の参考にした、いま人事局長が答弁されたとおりであります。そうすると、今度は特別職は、大臣、総理大臣というものを改定するのかせぬのかをちょっと伺いたいのですが。

栗山廉平総理府人事局長

○栗山説明員 問題は、ただいま御質問のような特別職の中の特にランクの高いほうでございますが、その点につきましては、まだどうするかという点についての御方針をきめてもらっておりませんので、ただいままだどうするかという点につきましてはお答えいたしかねる次第でございます。ただし、先生のよく御承知のとおり、政務次官以下のところは一般職との権衡上、これは当然変わることになろうかと思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 この閣議決定の第二に、勧告の趣旨に沿うた改定をする、こう書いてあるのです。そこでひとつ問題を提起したいのですが、この指定職の議論はこの間総裁と大いにやり合うたわけですね、佐藤先生。指定職の俸給の対象になる民間給与というものは見当がつかぬ、対象にするものはないのだ、こういうお話である。ところが特別職である国務大臣は、三千人以上の規模の会社の常勤役員、重役の平均給与を基礎にしたという、いまの人事局長のお話にもあるのですが、大臣が常勤の役員ということになれば、次官がおよそどれであり、そして外局の長官がどれであり、また指定職になった局長がどのぐらいかぐらいのことは、人事院としては一応親切に、その比較対象になる民間給与を指定すべきだと私は思うのです。前の三十二年のときの給与の全面改正のときに、行(一)の八等の一号俸が六千円で、一等の最上号俸が七万二千円であった。事務次官までが行政(一)でずらりと一等から八等へ並んできたわけです。——大臣のお帰りの時間が参っておって、大臣お急ぎになるから、いまの質問はちょっと耳に入れておいていただいて、大臣のお帰りに御協力しますが、大臣あなたに一つこの機会に伺いたい。公務員制度審議会なるものが、せっかく七月にあなたは再開をお約束しておられる。にもかかわらず、一向これが開かれないというこの現実をどう判断され、今後どう努力されようとしておるか。委員の任命、新審議会の構成をきちっとやって、あなたが大臣御就任以来非常な熱意を持っておられる、その熱意をまさに御就任以来一年になんなんとする現段階において未解決ということは痛恨事である。大臣自身の心中察するに余りがある。このあたりで七月のお約束を早急に実施せられるかの信念を吐露していただいて、御退席をいただきたいと思います。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 御案内のとおりに、前田会長お引き受けいただきまして、ほんとうに御同慶にたえません。なお、その他の委員につきましても、私ども交渉を進めてまいっておりまして、一日も早くこれが再開できますように努力をいたしておる次第でございます。具体的な一人一人のことにつきまして、ここでいまの段階で御発表申し上げまする自由を持ちませんけれども、鋭意努力いたしておりますから、どうぞ御安心をいただきとうございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そうすると、人選が進んでおるのですね。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 進めております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 大体どのぐらいをめどに、大まかなところぐらいはひとつお示しをいただきたいのです。多少ずれてもいいですから……。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 できるだけ早くということでいたしております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 年内までのことじゃないのでしょう。一カ月以内ですか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 すみやかにいたします。

受田新吉民主社会党

○受田委員 一カ月以内には大体それをはっきり  ひとつ……。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 できるだけさようにいたします。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そうすると、一カ月以内と了解していいですね。  それで大臣もう一つ。人事院総裁は、大臣にもたびたび勧告を完全実施してくれとお願いに行っておるでしょう。それは佐藤先生ほどのお方ですからやっておられると思う。それで、人事院という、罷業権も団体交渉権もない公務員を擁護するたった一つの代償機関が、それだけ熱心に主張されることを、必ず勧告は守らなければならないという法律をつくらぬでも、政府がやっていただかなければいけぬのだが、それがなかなかむずかしいとすれば、このあたりでひとつ勧告は必ず実施しなければならないというような法律をつくっておくほうが、大臣が気が楽になるのじゃないかと思うのですが、ちょっとお答え願いたい。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 今回の(注)一に基づきます閣僚会議も、人事院勧告を完全実施するためにつくるのだということを公にいたしておるとおりでございます。なおまた、ただいまの立法の問題につきましては、これは政府の提案は別でありますが、また立法府の問題でもございます。御意見は十分に承っておきます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 御意見は十分伺って前向きで善処する、こういうことですね。

三池信自由民主党

○三池委員長 華山委員。

華山親義日本社会党

○華山委員 前回か、前々回のこの委員会で私は総務長官に完全実施を求めた。その際に、大出さんでしたか、どの委員でしたか忘れましたけれども、長官はその際に、災害のないことを希望しておるということを御答弁になりましたが、そのとおりですか。何か大災害がありましたか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 おかげさまで激甚法を適用するような大災害はございませんでした。

華山親義日本社会党

○華山委員 それだったならばそういうふうな大災害がないのだから完全実施ができるじゃないですか。どうなんですか。あなたは災害がないことを希望しておるとおっしゃった。完全実施の条件として災害がないことを希望しておるとおっしゃった。災害がないならば完全実施、あるいは完全実施でなくとも一歩進めることができるはずじゃありませんか。どういうことなんです。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 私の場合は、たとえ災害がありましても完全実施したいと存じておったのでありまして、ところがなかなか私だけで決定できませんので、残念ながら財政当局というものもございます。私はぜひとも人事院勧告を一〇〇%実施するという目標のもとに全力を尽くした次第でありますが、遺憾ながら私の思いどおりに相なりませんでしたことを深くおわびをいたします。

華山親義日本社会党

○華山委員 私長官をあまり存じ上げておりませんが、きわめて誠実な人だと思われるのですけれども、その場その場で、災害がないことを希望するとか、そういうふうなことであっては私は困ると思うのです。それでこれは大蔵省のほうにもお聞きいたしますが、私は今度の閣議決定を認めているわけではございません。しかし今後十二月ごろにおそらくは召集になろうかとも思いますけれども、その際までには現在よりも今後の予備費の動向はわかるわけです。その際あらためて検討をして、一カ月でも、あるいは完全実施ならなおけっこうなんだけれども、できる可能性があるならば今度の閣議決定は変更されますか。これから私は決算委員会で予備費を見ておりますけれども、災害以外は相当乱雑な予備費の使用をしておるので、そういうものを極力節約してでも、十二月の段階、あるいは場合によっては年度末の段階ででも、一歩でも公務員給与を完全実施に近づける、あるいは完全実施するというお考えはございますか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 閣議で決定をいたしました今日の時点におきましてこれを変更すると申すことはできません。なお、完全実施をぜひしなければならないという意図のもとにこそ関係閣僚会議も人事院総裁に入っていただきまして、そして今後改めるべきことを改めて、そして何とかりっぱに人事院の勧告どおりに行なってまいるように今後努力を続けてまいります。

華山親義日本社会党

○華山委員 大蔵財務当局は先ほど、このような閣議決定になった理由は何かということについて、予備費の今後の見通しが余らないからだ、そういうふうにおっしゃったでしょう。余る場合には、あるいは余らして一歩でも前進する方向をとるのが私は誠意のある政府の態度だと思うのです。今度のやつは幾ら予備費なんか余ってもやらない、こういうことですか。予備費が年度末になって幾ら余ったってそれはやらないんだ、今度の閣議決定はそのままなんだ、そういうことですか。何か話は先ほど、予備費はもうなくなりそうだからやれないのだ、こういうことなのだけれども、これからまだ三カ月も四カ月もあるし、あるいは十二月にきまったことでも三月末にはまたきめられるわけです。その際に前進はできないのかどうか伺っておきたい。長官どうです。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 ただいまのお話は財務当局のほうに御質問だったろうと思いましたので、お控えいたします。

華山親義日本社会党

○華山委員 長官だっていいんですよ。予備費が余ったらどうするかということなのです。余りそうな様子のときにはどうするかということなのです。あなたがんばりますかというのです。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 私はただいま決定をいたしました今日、この決定をくつがえすという意思は毛頭ございません。しかしながら、先ほど来申しまするように、人事院の完全実施に向かいまして今後も鋭意努力をいたすことを申し上げたような次第でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 それでわかったことは、要するに予備費などというふうなことにつきましてはただ理由をかこつけることなのであって、初めから五百億あるいはそれに若干プラス、その程度に政府はきめているんですよ。そうでなければ私は予備費の使い方を節約すればおそらく相当の金額が余り得ると思うのです。もう災害の時期も過ぎたし、大災害の来たときには予備費なんかじゃ間に合わない、出さなくてはいけないんです。余った分は余った分で回せないんだ、そういうふうなことで、予備費の見通しもつかないうちから、初めからきめてしまうというのはおかしいと思う あなたが完全実施ということを熱望しておられるのだから、今後の予備費の動向によっては、予備費が余りそうであるならば、さらに一歩でも二歩でも前進するような努力をしていただきたい。できませんか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 初めから五百億ときめておったのだという先生の御質問に対しましては、それは絶対に違います。なお、今後完全実施に向かって努力をしないかという御質問に対しましては、今後努力をいたします。

華山親義日本社会党

○華山委員 私は今年度のことを言っているんです。閣議決定といったって人間のきめたことで、神さまのきめたことじゃない。何ぼだって場合によっては変更するのが、これが政治なんですよ。予備費が余りそうだ、余らしてでもひとつ、いまは八月実施であるけれども、今後の動向によっては七月にでもしようというふうなことがあってもいいのじゃないのかということをお聞きしている。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 きまらない前は別といたしまして、きめた今日はきめたとおりにいたします。

華山親義日本社会党

○華山委員 そんなばかなことないですよ。きめたといったって、自分できめたことを自分で変更したっておかしくないじゃないですか。何がきめたから必ずしなければいけないということがある。自分できめたことを自分で直すのに何もおかしいことないじゃないか。今度は一応これにしていこう、しかし予備費の動向を見てさらにこれに増額するような再考の余裕を残して閣議決定すべきだと私は思う。それをやらないで、一ぺんきめたんだからもう直さないのだなんということはおかしいと思う。予備費が余るように努力する。災害のことまで削っては困るけれども、余った金は使ったらいいじゃないですか。何も残す必要はない。もうこれ以上言ったって、総務長官は誠実な人だと思ったんだけれども、案外わからないのですね。それが私は官公吏に対する誠実さだと思うんですよ、そういうことを考えることが。予備費が余ったらまた何とかしてやろうということは、これは親心ですよ。われわれ親だって、金が余ったら子供にやろうという、あたりまえじゃないですか。そういう心さえもないということは私はまことに残念だと思います。ありませんか。もうないと言うんでしょうね。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 まことに残念でございますが、御質問に対してはこれ以上申し上げられません。

華山親義日本社会党

○華山委員 実際私も親心のない政府だということがわかりました。  それから人事院総裁にお伺いいたしますけれども、いま関係閣僚等とも御相談中だそうでございますが、その際に従来の官民の均衡を保っていくという原則、そして今日民の給与は春闘の結果きまるというのが現実、したがって四月の状態を基準にしてきめる、そういう原則を後退させるようなことはございませんと私は思うのです。それで念のために伺っておきますが、ただ、いま御相談になるということは実質論ではなくて方法論だけを御審議になる、御相談にお乗りになる、こういうことで私は了承したいと思いますが、それでよろしゅうございますか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 ただいまお述べになりましたことは、従来私どもの鉄則としてまいったところでございまして、今後ともその鉄則のもとにいろいろ研究を進めていきたいと思います。飛び切りの思いがけない妙案、それを上回るような妙案があればそれは別でございますけれども、いままでの研究の結果ではおそらく望めないのではないかというふうに観察をいたしております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 もう一つだけ総裁にこれから質問をさせていただきます。給与局長の説明はいいことにして、なるべく総裁に御答弁いただきたいと思います。  ちょっとその前に大蔵省のほうに、毎年の災害発生分布図というのがあると思いますが、もう九月に入って、「二百十日も事なく済んで、稲は穂が出る、日和が続く、刈って広げて、日にかわかして、米にこなして、俵に詰める」という歌があるように、二百十日も済んでいるのでございますね。そこで災害が年間を通じて大体分布図はどうなっておりますか。これは大蔵省で十分検討しておられると思うのです。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 ちょっと手元の資料は古いのでございますが、一月から七月までの公共土木施設の当年災の被害報告の数字でございます。それと八月から十二月と分けた数字があるのでございますが、それが四十年から四十二年までの平均でまいりますと、一月から七月までは三年平均で約八百九十億ございます。それから八月から十二月が約千二十億ということになっております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 毎月の配分がはっきりしないですね。これはむずかしいでしょうね。

相原三郎大蔵省主計局給与課長

○相原説明員 ちょっと手元にありませんので……。

受田新吉民主社会党

○受田委員 それではけっこうです。それをひとつ検討したら災害におおよそどれくらいを残したらいいかが見当がつくのです。  もうしばらく大蔵省の課長さんにもお残りいただいてお答え願いたいのですが、私いつも思うのですが、総裁も非常に苦労しておられる。給与担当国務大臣も苦労しておられる。しかし政治の現実はなかなかきびしい。正義の味方が少ないということでありますが、公務員が忠実に国民全体の奉仕者として仕事をしようとするときに、やはり人事院という独立の政府機関が勧告したものを忠実に履行するというようなことから、こう毎年毎年がたがたして、また給与改善費に回す予算がある年もあったのですが、その年でもこれを不完全実施しておるというような不誠意を補うために、このあたりで勧告権のあとに公労法の三十五条のような規定をちょっと法律の中にうたう、政府はこれを忠実に履行しなければならぬというふうにうたっておくと、人事院は非常にお楽になりはせぬかと思うのですが、御所見を伺いたい。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 私どもも思い詰めましてときどきいまの三十五条などを見るのであります。しかしながらひるがえって考えてみますと、私どもの勧告は直接最高機関である国会にお出ししているということが、仲裁裁定の場合とは違うわけであります。たとえば、実現に努力しなければならないと文章を入れてみても、国会及び内閣はと、国会までもその中に入れるということは、これは立法として体をなさないではないかということも考えたりいたしまして、なおいま御指摘の三十五条の条文自身は「できる限り努力しなければならない。」という表現なんですね。そういうなまぬるいと言ってはことばが過ぎますけれども、そういうやわらかな表現でありながら、十年以上完全にこれが四月にさかのぼって実施されておるということから考えますと、文句の問題ではないんじゃないかという気持ちにまたかられるというのが、ほんとうの心境でございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 公労法の適用を受ける人々は昭和三十二年以来完全実施されておる。こっちのほうはあなたが切に切に訴えられ、総理大臣に勧告書をお出しになるときも最敬礼をしてお出しになっておられる、その写真などを見たときに、ほんとうに頭が下がるのです。そういう誠実な総裁がおられてもこれが完全実施されないというこの現実は、そういう文句が法律の中にうたってあれば、できる限りこれを守っていかなければならぬということになれば、それはひもをつけられますよ。その文句が入っただけで来年からさっと完全実施になりますよ。それは間違いないですよ。公労法さえもいくのですから、いわんや人事院のほうはもっとウエートが高いのですし、団体交渉権がないのですからね。だから人事院の決定は仲裁裁定以上、最高裁の判決と思えばいいのです。私はその意味ではこれほど人材である総裁をお迎えになっている機会に、いまのようなことについては文句の問題じゃないとおっしゃるが、できればそういうものを入れてほしいという、お気持ちをすかっとしていただくほうが私は筋だと思うのですが、どうでしょうね。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 根底は字句の問題ではないと思いますけれども、いまのような字句を法文に入れていただくということは、これはもうますますけっこうなことであります。決して反対するところではございません。

受田新吉民主社会党

○受田委員 それで総裁の意思も明らかにさせていただきました。  そこでいまの官民格差の問題にちょっと触れるのでございますが、いま人事局長から御答弁のようなかっこうで、私去年資料を出してもらったのですが、特別職の国務大臣の給与は、三千人以上の大企業の重役の平均給与というものの四十万二千円とぴしっと合っておる、それがいま入っておる。そうすると、いまの質問の続きですが、十年前の給与の基本的改定の際の行政職(一)俸給表というものは、これはすべての俸給表の基礎になる。その基礎になる俸給表で一等級から八等級まで回答が寄せられてきたわけであります。その中にはめられておった中から今度はみ出たのが、御存じのようなこの六月十五日から出た一等級を本省の局次長または部長の職務とするという、例の等級別標準職務表の改正だ。これはちょっと新形態のものが出たのですが、これをこの間給与局長さんが該当する者がないとおっしゃったら、今度は総裁がこれをふえんされたわけでありますが、国務大臣が大体民間給与の一流大企業の常勤重役だということになれば、次官は部長にして重役、役員を兼ねる者の給与とか、あるいは監査役の給与とかいう大体の水準をおきめになっておく必要があると思うのです。いかがでしょう。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 大まかなところを申し上げれば、こまかいところは給与局長から説明いたさせてもよろしいのですけれども、いま御趣旨のようなことで大会社と申しますか、いわゆる企業のそういう面も見合わせておることは事実で、従来もそのとおりにやっておるわけであります。今度の場合は特に一等級とのつながりということがありますから、一等級の上がりにつなげてやはり合理的に上げていかなければならぬということ。それからもう一つは、せめて物価の上がりくらいは何とかしてあげねばというようなことも、これは非常に素朴な言い方でありますけれども、考え方の基礎になっております。ただし上のほうの人は、税金でごっそり持っていかれますから、税金で差し引かれますので、計算してみると、どうも物価の上がりに追いつかぬ、これはお気の毒だと思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 税金でごっそり持っていかれるというお話でございますが、これは高率累進課税方式を税制のたてまえからとっておるということで、これは昔もいまも変わっていない。むしろ高率累進課税は緩和される方向にある。したがって税金の問題を論ずるなら、独身の者で三十万円前後しかもらわないような人にまで税金をかけるような現行税制というものに問題がある。せめて百万円以下には税金をかけないという本則ができておればいいのです。そうすれば三百万円以上で四〇%程度の所得税も、せいぜいそれから上のはみ出た分にしかかからないのでありますから、平均をすればそうたいしたことはないのです。したがって、ここで人事院の調査の中で国務大臣は、三千人以上の規模を対象にした会社をお取り上げになっておられるが、人事院は、三千人以上とか千人以上とかいう規模の実態調査を、民間の調査をされてはおりませんか。分類しておやりになっておりませんか。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○尾崎説明員 民間における役員の給与につきましては、昨年四月につきまして企業規模が五百人以上の会社につきまして調査をいたしたわけでございます。先ほど人事局のほうからお話がございましたのは、私どものほうの調査結果をごらんに入れた内容でございます。それでその場合に、社長はさっきお話があったようなことでございますが、副社長とかあるいは専務、そういった人たちの給与は大体三十万円、それから部長兼任重役というのが大体二十万円ということでございまして、そういう関係と指定職の職員の給与との関係を見て、お互いの関係を考えてやってまいっておるということでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 局長さん、いまお話の分は、五百人以上ということではなくて、三千人以上とか千人以上というものも別にあなたのほうでやっておられるのじゃないですか。総理府人事局から出された資料は、三千人以上の規模、それから千人以上の規模、その規模別の給与差をはっきり示しておられるわけです。いま指摘されたようなものの中で、三千人以上の分をいま私が申し上、げたのですが、千人から三千人になってくると、さらに最高が二十四万円というような数字に去年の資料でもなっておる。そういうことで、あなたのほうで五百人以上でなくて三千人とか千人の単位のものを調査されているのじゃないのですか。いまあなたは五百人以上とまとめて言われたが、規模別の調査はもっとこまかくやっておるのじゃないかと思うのです。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○尾崎説明員 昨年役員を調査いたしましたのは一般職の指定職甲、乙の職員の給与につきまして参考資料を得るためでございます。ほかのいわゆる官民比較という場合には、五百人以上の場合の課長、その他の役職名と、それから五百人以下という形で両方分けておる、そういう関係もございまして、五百人以上の規模の会社につきまして役員を調査いたしたわけでございます。それが先ほど申し上げたような内容でございますが、いま人事局のほうでさらに高級の官職につきまして利用されるということでございますので、中身の集計をさらにいたしまして、ごらんに供したということでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そうしますと、指定職の民間給与との比較対象というものは、もう千人とか三千人とかいう規模のきわめて大きい分にしぼられておる、かように了解していいですね。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○尾崎説明員 ただいま申し上げましたように、一応五百人以上について調査をいたしまして、その全体の平均が社長は大体四十万円くらい、それから副社長、専務等が三十万円くらい、それから部長兼任重役というのが大体二十万円くらいという形で出てまいりました。そういう関係を指定職甲、乙というものと比較してみますと、たとえば次官級といたしましては、社長ではなくて副社長あるいは専務というところと比較してみたらいかがかという感じもありまして、比較しますと民間のほうは三十万円、こちらのほうは昨年二万円引き上げまして二十四万円ということになったわけでございますが、ことしはさらに一万五千円という形で引き上げておりますけれども、なおそういう関係の問題を今後さらに考える必要があるのではないかという感じはございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 五百人以上ということですが、三千人とか千人とかいうのはまた中身が違うのです。まただんだんと違ってきているのです。私は国務大臣の給与の比較は三千人以上のところの給与が比較になっている、そういうことをいま指摘したわけですが、今度の参考資料を拝見しますと、規模五百人以上と五百人以下に分けて、その五百人以上の分には一等級というのを支店長、工場長のところでランクされておる。それからいくと今度下級のもの、会社、工場で係長という程度のもの、そういうものが五等級にランクされておるのでございますけれども、それを五百人以上の規模に見ると一階級下がっている。そうでしょう。これは上級のものを五百人以上で見るのならば、下級職員の分も五百人以上で見てあげるほうが親切なんです。下のほうが五百人以下の低いところを対象俸給に指定されて、上のほうは五百人以上の高いところへくっつけておられるというこの取り方というものは私は問題があると思うのです。人間尊重から言ったら、やはり大企業、せめて五百人以上のこの表の中に全部を吸収してやらるべきで、もし五百人未満も含めるということになれば、上級のほうも五百人未満のところの支店長、工場長のところへくっつけられればいいのではないかと思うのです。それから下のほうは非常に低いほうにくっつけられる、上のほうは非常に高いほうにくっつけられるということは、人権侵害もはなはだしい。五百人以上と五百人未満は一階級ゆっくり違いますから、この問題についてひとつきょうははっきりしておきたいと思います。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○尾崎説明員 官民の給与を比較いたします場合に、その基本的考え方は申すまでもございませんけれども、相互の職務内容が同等というような職種を選定して一これは職名がいろいろございますけれども、やはり中身として同等なものを比較することが必要でございます。一応官民比較の字句といたしましては、本省庁におきます職務段階、部長、課長という職務段階と、それから民間におきます大会社の職務段階というものとを一応対応させてみることがまず第一次的にございます。そういう関係で、それぞれの職務段階に従って比較をしているわけでございますが、一方におきまして、官のほうで申しますと、同じ課長と申しましても、本省の課長は二等級でございますが、ブロック機関の課長は三等級、さらに県単位機関の課長は四等級という形で段階がだんだんさがってまいります。一方におきまして、民間におきましても、大きな会社の課長と小さい会社の課長とではやはり職務内容も異りますし、給与も違っております。そういう関係を見まして、相互の比較をしておるということでございまして、下のほうの職員が五百人以下、規模の低いところということではありませんで、たとえば、本省の課長の二等級につきましては、大会社における課長、それから小さい会社における部長というものと比較をするという形でございますし、たとえば、公務員の係長五等級に相当いたしますところでは、同じ組織段階でございます大会社における主任級、それから五百人以下におきます係長という形で比較をしているわけでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 たとえば、本庁の職員だけに例をとってみますと、本庁の職員で大体高校を出て七一年くらいすると係長になっているか、なっておらぬか。なっていない。ところが、これを見ると、いまあなたがおっしゃった技術主任とか事務主任とかいうところへ行かなくても、一般事務係員という程度の者で二十五歳前後の者が、一方は五百人未満の者は三万二千三百六十円。同じ事務係員で五百人以上になると三万七千三百七十一円。五千円違っておる。年齢がわずかに違いますがね。大体大企業と中小企業とを比較したときに、国家公務員の中央官庁につとめている者の勤務年数などとを比較して、大体同じところに行くくらいにしておかぬと、下級の者は五百人未満のほうに振り当てて、それから上級の者は五百人以上にやるということになると、下級の者は非常に条件の悪いところに本庁の職員が——出先じゃないのですよ。本庁の職員で同じ年齢の者を比べたときに五千円、七千円も違うじゃないか。上のほうは、四十八歳平均で、五百人以上の職種のある支店長というものは、これは十三万円程度、行政一に振り当てておられる。年齢はどうですか。大体同じくらいですね。上のほうは大体大企業のほうに、下のほうは大体五千円から七千円低いところにくぎづけされておる。これは本庁職員を比較して私は申し上げておる。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○尾崎説明員 申し上げるまでもございませんけれども、ここに表示してございますのはいろいろな職員全部の平均を表示しておるわけでございますが、実際の比較にあたりましては、学歴が同じ場合、年齢が同じ場合について比較をしているわけでございます。でございますから、それぞれの職員について、平均が違いましても、比較にあたりましてはそういうことはなく、同じ条件で比較をするということでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 事務係員を例にとっても、いま、三万七千円というのは、五百人以上で、新高卒の者を例にしておるのです。大学出ではない。事務係員で大学出でいくと四万九千円になっておる。これだけの大きな差ができておる。これを私はいま指摘しておるのであって、それならば、五百人未満の低い三万二千円ということにしないで、せめて本庁職員としては、やはり五百人以上の規模に上も下もひっつけて、下の者を優遇してはどうかということを言うのです。比較論です。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○尾崎説明員 先ほど申し上げましたのは、いわば役づき職員の対応について申し上げたわけでございます。係員級の対応といたしましては、大会社の場合も、そうでない五百人以下の会社の場合も、係員としては同じ職務内容でございますので、それを六等級、七等級、八等級という形に区分いたしまして、それぞれ学歴別、年齢別という形で、学歴、年齢を同じ条件で比較するという形で相対として比較をいたしておるわけでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 その相対を比較したものが五百人以上と五百人以下と違うのですよ。だから、上のほうへ五百人以上のものを適用するならば、本庁職員としては、やはり下のほうも大企業の五百人以上のものを一緒に適用させるようにすべきで、わざわざ五百人未満の低いところを、とりわけ一階級下のほうへ格づけさせるようなことをされないほうがいいのではないか。この議論は、局長さんの御説明が非常に高遠な御説明で時間もかかるわけでございますから、私はここですかっと申し上げましょう。大体上のほうは指定職が行政職(一)の俸給表からはみ出ている。それが甲、乙とあって、甲と乙と比べると、行政職俸給表では、結局、結果的には十等級になっているのです。かつての八等級のときの最低の六千円、最高の七万二千円と十二倍の差であった。ところが、いまや二十八万五千円と八等級の一万九千百円と、これを比べてみたらどれだけの違いになっているか。こういうことを見ると、その間に非常に上下の格差の開きができている。このあたりで、新三等級も生まれている機会に、ひとつ八等級などというものは整理をされて、八等級に当たるものは七等級に、だんだん上のほうへ圧縮して、下を一階級整理する。そうすると下級者が優遇されることになり、民間の企業五百人以上の企業に全部対応する。大体国家公務員というものは大企業の大企業です。どの省を見ても万単位の役所ばかりでございますから、それを比較されて、下級者を優遇して、八等級など整理して、七等級ぐらいから始まっていくというくらいにされて、初めて指定職に二階級できた現段階を整理できるのではないか。上を一応厚くして下を残しておるのです。私がこの前指摘したように、スウェーデンなどは、総理大臣の俸給は三十万円、高校出の初任給が六万円、五倍の格差しかない。上のほうは日本の半分、下のほうは日本の三倍、そういうように人間を尊重しておるのでございまして、ひとつこのあたりで、俸給表の作成にあたって下級を整理するという基本的な態度を御検討すべきじゃないかと思うのです。総裁、下級はこのまま残して、上のほうだけ優遇しておるのだが、税金がかかるからといって、上のほうだけやっておったのでは困ったものです。人事院総裁が英断をふるわれて、あなたが下級者優遇案をすかっとお立てになっていくようにしてもらいたい。住宅もない、結婚もできない、二万円から二万二、三千円ぐらいで生活苦にあえぐ公務員に忠実に国家国民に奉仕せよといっても、これはなかなかむずかしいところがある。そこでわいろとかなんとかいろいろな事件も起こる。こういうことで、ひとつ忠実に公務に従事せしめられるように下級者優遇案というものを基本的に御検討願いたい。これは俸給表がそういうふうに変わってきたのです。行政職eはそういうふうに変わってきたのです。十等級と同じことですよ。総裁、これは現行制度に何かの検討を加える必要はちっともないとお認めでしょうか。私の申し上げることに一るの筋が通るならば、受田案を採用するという英断をふるわれるかどうか。いずれを選ぶかというときに、総裁の重大なる御答弁をいただきたいのです。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤説明員 英断と申し上げるのにははばかられますけれども、勇断はたびたび私はふるってきたつもりで、これは実績が示しておると思います。正しいと信じて自信ができたら、これはもう勇断をもってやります。ただ、いまの御指摘の点については、いかにも下級者をいじめておるようなおことばでありますけれども、今回の勧告でも決していじめてはおらぬということは御了解願いたいと思います。その大きな問題については、これはまだまだじっくり時間をおかけ願って、こちらの言い分も聞いていただきたいと思いますので、この次の機会にひとつお願いしたいと思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 それではこの次の機会に、総裁とさらに進歩した立場で論議をかわして、国民のために、公務員のためにひとつ尽くそうではありませんか。  時間も進行しておるようでありますし、公務員宿舎の議論その他変更のない期末手当という問題が残っておりますから、この次の機会にとせっかくあなたから御提案があったので、御命令に忠実に従うことにして、きょうはこれで質問を終わります。

三池信自由民主党

○三池委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後四時二十一分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗