石炭対策特別委員会 第4号
- 発言数
- 128 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1968/08/23
会議録
○堂森委員長 これより会議を開きます。 石炭対策に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。鹿野彦吉君。
○鹿野委員 ちょっと質問いたします。 石炭対策特別委員会で、昨年の十二月二十六日、亜炭産業に対して石炭と同等の措置を講ずるよう検討するようにという決議文を可決いたしたわけですが、その後これについてどのような配慮と措置がなされておりますかどうか、お伺いいたしたいと思います。
○中川説明員 四十三年度予算におきましては、亜炭鉱業に対しまして初めて予算化をいたしまして、坑道掘進の補助ということで予算をつけました。ただいま実際の交付要領を大体定めまして、交付をいたす予定になっております。
○鹿野委員 ただいまのお話、了承しましたが、四十四年度の予算編成に際しまして、石炭と同様の措置を講ずるよう検討するというこの問題について、どういうふうになっておるかということでございますが、なおその前に、石炭産業もまことに複雑きわまるたいへんな難関に到達いたしているわけですが、それと同じように、亜炭問題もやはり石炭産業の一環として非常にむずかしいところに際会いたしております。亜炭の問題は、いわゆる農家などの燃料炭としてだけでなく、今後土地改良に必要なフミン酸の原料としてなくちゃならないものであり、あるいはまた、公害防止の浄化装置の原料として必要であるという、こうした新たなる需要がほうはいとして起こりつつあるときに、亜炭産業をみな殺しにするというようなことは、日本経済にとっても非常に大きなマイナスである。ことに昨年亜炭の輸入を豪州から相当やっておるというようなことでございますが、品質の点で幾分いろいろと問題があるというようなことを、通産当局も言っておられますが、しかし日本で産出する亜炭そのものによって、これは品質の点からあらゆる点で十分置きかえることができるという問題もあるわけです。外貨の節約というような点からいっても、こうした点においてやはり日本経済全体の立場から、単に亜炭産業を助けるということでなくて、日本経済全体の立場からそうしたものを育成していくということも、非常に大きな国家目的を持ったものじゃなかろうか、こう思います。そういうような意味において、やはり石炭と同様に、スクラップにすべきものはスクラップにし、そしてここに働くところの亜炭の労務者を、必要な、合理化されたところの亜炭に集中せしめて、そうして国にとって必要な亜炭の生産を続けていくというような措置がとられるべきものと思うのですが、この点大臣の御所見を承りたいと思います。
○椎名国務大臣 決議の御趣旨はできるだけ尊重するという態度をもってこの問題に臨んでおります。明年度の予算はまだきめておりませんが、ことし並みのことはもちろんやりたいと思っております。
○鹿野委員 大臣に申しますが、ことし並みのことをやりたいということではいけませんので、ことしは予算が全然用意されておらなかったということから、まあほんとうの従来の亜炭産業についての誤りというものを認識した上に立って、わずかな予算を大蔵省に提出して実現したものでありますから、ことし並みというような考え方に立っていただきますとなんですので、ただいま私が申したようなことから、ぜひ来年度の予算編成に際しましては十分考えていただいて、決議の趣旨に基づき石炭と同等の措置を講ずるよう検討するという線に沿いまして、御努力下さることを要望いたして私の質問を終わります。大臣、ひとつ要望に対してお答え願います。
○椎名国務大臣 少なくともことし並みのことはいたしたいと思っておりますが、ただいまの御要望の趣旨になるべく沿いたいと考えております。
○堂森委員長 多賀谷真稔君。
○多賀谷委員 私は、石炭鉱業の審議のあり方について大臣に質問をしたいと思うのです。 大臣は、先般石炭鉱業の再建並びにそのあり方について諮問をされたわけであります。本来、審議会に諮問されたわけでありますから、その審議会の委員の諸公がいろいろ議論をして政府に答申をする。政府はその答申に基づいていろいろ検討をして政策立案をする。これが私は審議会だろうと思います。ところが、現実の審議会の審議の状態を見ると、まさに通産省がタッチをしたり、大蔵省まで中に入っておる。そうして事務当局で大体案をきめて、審議会の先生がむしろそれを承認をして答申をする、こういうようになっておるようであります。これは今度の審議会の審議の状態もそうですが、過去においてもそうです。ですから、過去においても比較的審議会の答申は実施をされた。しかし、それは事務ベースまで含んで話がついておるわけです。一体こういうような審議会のあり方というものは正常な姿であろうかと私は思うのです。なるほど審議会が出された答申はほとんど政府は実行をいたしました。しかし、それは実行するように大蔵省が入って、初めから段取りができておるから実行する。それだけに審議会の案というものは、われわれが期待したような案にならない。そこに私は問題があると思うのです。今度も聞くところによりますと、あるいは新聞の伝えるところによりますと、どうも事務当局が審議会の中でいろいろ案を練っておる。私は、審議会の諸君が計数的な作業を命ずるとかあるいは資料の提出を求めるとかいうのは、これはあたりまえだと思うのです。しかし、機構そのものの問題まで通産省で練るならば、何も審議会は要らない。それほど審議会の先生方は能力がないのか、あるいはまた通産省の事務官僚がのさばり出て案をつくろうとしておるのか、あるいは大蔵省までコミットしようとしておるのか。私はどうも審議会そのもののあり方に不審を持つわけです。一体なぜ石炭鉱業審議会はそういう運営をされておるのか。もちろん大臣は審議会に諮問をしたんだから審議会の先生がやるのはあたりまえだ、こう言うけれども、それならば通産省の役人は入るべきでない。大蔵省の役人はタッチすべきでない。資料の提出はけっこうですよ。一体これはどうなっておるのか、大臣の御所見を承りたい。
○椎名国務大臣 審議会の権威をもって答申を出してもらうのでございまして、役所があれこれと指図をするようなことは絶対にいたしておりませんし、それから審議会の審議の場所にも出入りするということはいたしておりません。
○多賀谷委員 審議会の場所には石炭局長が行っていろいろ説明をしてやっておるでしょう。
○椎名国務大臣 審議に加わっていないということを申し上げたわけであります。ただ、その審議に必要な資料を、提供を求められるならばもちろんそれに従って、そうしてそれを読んで説明して、行けと言われれば読んで説明もしてくる、そういうくらいのことはやっております。
○多賀谷委員 過去の審議会、中間報告を含めますと四回の審議会はほとんど役所が中心になって案をまとめておるのですよ。そうして審議会の先生を説得しておるのですよ。ですから私は、確かに役所が固まって審議会の答申が出るのですから、これについて役所のほうから異議が出るはずがないし、そのとおり実行されておると思います。しかしそれだけに案に飛躍がない。何度も同じようなことが繰り返されておるというのはそういう点にあるわけです。役人ペースでやるわけですから当然実行される政策になる。それだけに飛躍がないから、こういう激動期における石炭政策の転換ができない。ここに私は問題があると思うのです。今度も現実にやっぱり役所がやっておるんじゃないですか。あるいは石炭局が案をつくって次官のところに持っていったり——大臣だけが知らぬのですよ。あなただけは知らぬのだけれども、あとは役所は全部その調整をしておるでしょう。これでは審議会に失礼です。また審議会の諸公が能力がなければ投げ出せばいいんですよ。過去三回失敗した審議会に同じように諮問をしておる。そうして役人に聞かなければならぬくらいならもう審議会としてはとうてい答申をする能力がないから投げ出します、こう言えばいい。一体大臣はどう考えますか。
○椎名国務大臣 審議会はあくまで独自の権威をもって答申をいたすべきものでありまして、ただ審議会から求められれば必要な資料を提供してその説明をやる、こういう程度のことはやっておりますけれども、それ以上審議会を牛耳るとか指導するとかいうようなことは決してすべきものでもない、またいたしてもおりません。今度の審議会の答申は、従来のいきさつにかんがみて、きわめて重要な意義を持っておるのでありまして、特にそういう点については十分に審議会を生かして、その信ずるところによって答申を出してもらう、こういうことを期待しておるわけであります。
○多賀谷委員 大臣が知らぬだけでしょう。この席で大臣は局長に聞いておるくらいですから、局長はそのとおりですなんて言いますか。大臣だけがつんぼさじきにあるのですよ。あとの役所はみな動いておるわけですね。私は、そういう例が過去三回ともあった、しかしそれをいま非難をしようとも思いません。しかしそれは抜本的な画期的な対策は出ないのですよ。役人がコミットしたような案が、飛躍的な画期的なほんとうの意味における抜本対策になりますか。ならないでしょう。ですから大臣は審議会の答申を受けて考えるというけれども、審議会が答申をされるときには、みんな項目も全部おぜん立てはできてしまっている。知らないのは大ものの大臣である椎名さんが知らぬだけだ。いままでの大臣はみな審議の過程にタッチしておる。そこでそういうような審議会のあり方ならぼくはやめてもらいたいと思う。そうして政府が独自に出すか、出さなければ国権の最高機関である国会で出します。石炭特別委員会というのがある。あなたが頼まなくても長い間委員の諸公は同じような苦労をしてきておるのだから、実情は十分わかっている。一体こういう審議会というのはとにかく御用機関である審議会というけれども、これほど、石炭ほどひどい審議会はないですよ。一体これに対してどう考えておるのか。
○椎名国務大臣 いま申し上げるように、答申は十分に尊重するけれども、これに盲従する気持ちは一つも持っていない、そういう意味でありまして、審議会の答申は十分に尊重はいたしますけれども、必ずしも一から十までこれに盲従するという考えはない。役所は役所としての見解を持って、これに対して必要があれば適当な是正を加えるということは、もちろん当然やるべきものと考えております。
○多賀谷委員 盲従する考えはない、役所は役所の権威においてやるというけれども、役所がつくったのでしょう。審議会の答申というものは役所がつくったのですよ。少なくとも大臣は知らぬかもしれぬけれども、もう事務当局では次官を含めて全部固まった案が審議会の答申として出てくるのですよ。その際に役所のほうから異議を申し立てることができますか。それはできないような仕組みになっているのです。それは信義に反しますよ。自分たちがつくって審議会の先生に判を押さして答申を出させて、それをまた役所のほうでひっくり返すことができますか。それはできないでしょう。ですから私はそこに問題があると思うのです。ですから、審議会の先生が自分たちでできなければ、私はもうおやめになったらいいと思う。しかし私は過去から考えてみると、やはり審議会の先生は先生なりにかなりタッチされておりますから、ある程度の答申はできるだろうと思う。どうも事務当局で固めて、そうして出してくるという、それで審議会を隠れみのにしておるというところに日本の官僚政治がある。私は非常に不都合だと思うのですよ。ですから大臣なんかタッチしない、事務ベースで行なわれておる。与党も入っていないですよ。そうして率直に言いますと、審議会の結論が出れば、米価のように自民党が突き上げるようなことはあまりないだろう、関係者は非常に熱心だけれども、残念ながら石炭は全国民的なものになかなかなり得ない。石炭が燃えないのです。燃えるならばこんな苦労はしない。だから私は少なくとも審議会の中に、資料の提供はけっこうですけれども、役所がタッチをして案をつくるということはきわめて不謹慎なことである、かように考えるのです。自分たちで案ができるくらいなら諮問しなければいい。そうして政府独自におやりになったらいいと思うのです。私は日本の優秀な官吏が——日本の今日のような石炭政策が次から次へと破綻をしていくというのは相当公務員に責任があると思うのですよ。それは私企業はみな私企業として残したい、何とか生き残りたい。しかし額面を全部の炭鉱が割っておる。五十円株が七円や八円しておるのに一体私企業でやれますか。まさに株価の先見性ともいうべきものは端的にその行く先をあらわしておるわけでしょう。企業形態については言いませんけれども、とにかく審議会の審議のあり方が問題じゃないか、私はかように考える。もう一度よく実情を調査をして御答弁を願いたい。きょうでなくてもけっこうですよ。大臣が知らなければ次回に実情をよく調査をして大臣の責任で答弁願いたい。
○椎名国務大臣 承知いたしました。
○多賀谷委員 次に私は、何段階も段階を置いてたとえば分離をしたり統合をしたりという、段階を置くということは非常に危険だというのです。なぜかといいますと、すでに太平洋炭鉱で災害が起こった。私はこの委員会で大槻石炭協会会長に質問をしたわけです。言いにくいけれども率直に言って、平和炭鉱では、よその多くの炭鉱においてすでに使われておる難燃性のベルトも使っていない、誘導無線機が北炭には一機もない、訓練も怠っておる、このこと自体は私はやはり再編成に向かう企業としてはなるべく投資をしない、そういうあらわれではないかということを指摘したわけです。このことは経過の処置の間に非常に大きな問題を含む。Aという炭鉱はどうせ再編成になるのだから投資はすまい。そうしてなるべく掘進を怠り出炭のみに専念する。Bという炭鉱はいまのうちに掘進をして、新会社になったらどんどん掘ろうという、こういう炭鉱も出てくる。そこで経過の間が私は非常に重大な問題があると思うのです。ですから経過はなるべく置いてはならぬが、その目標に向かって一路邁進をして、間隔を置くとたいへんなことになる、事故に通ずる、また石炭政策全体がくずれるということですよ。これは大臣経験があるように、石炭の国家管理が漸次廃止されるという方向にきた、やがて純然たる国家管理がなくなる、配炭公団も廃止の方向にいく、こういったときに日本の石炭企業はどういう態度に出たか。みな粗悪炭ばかり出したのですよ。そうしてカロリーの高い石炭は温存した。粗悪炭ばかり坑内から出ることはないのですよ。だから配炭公団は一挙に粗悪炭をかかえた、売れない低品位炭ばかり貯炭になった。ですから私はこういう事態が必ず起こると思う。ですから問題は、最終目標に早く乗るということです。途中に段階なんか置くと必ずそこにおいて予期せざる問題が起こる。このことについて大臣にお答えを願いたい。
○椎名国務大臣 私も、この段階を置くということについて心配されるのは、あなたの言われたようなことだと考えております。しかし、いま三段階置くとか二段階置くとか、こういったようなことが何ら案として固まっておるものではない。それから段階を置くといっても、どういう状態においてこれを実行するのか、そういう方法についても、いろいろ考え方があるだろう。ただ抽象的に申せば、行く先はちゃんとわかっているんだけれども、そこまでいくのにまだ一つの段階がある、こういったようなことになると、なるほどやることもやらずに、どうせあすこにいくんだからそのときにやればいい、そういうような考え方がとかく起きがちでございますから、こういうようなことはよほど注意して、ほかにいい特徴があっても、そういう欠点が伴うようなことは、やはりなるべく避けなければいかぬ、こういうように抽象的には考えております。
○多賀谷委員 もう一つ、出炭目標の問題であります。 これはいま私は何千万トンということを口にいたしませんが、問題は、労働者の心理、意識というものを十分考慮に入れないと、非常に危険な状態になる。いま聞くところによると、政府は三千五百万トン、四十八年度、こういう数字を出しておるそうです。いままで目標を掲げて達成したためしがないでしょう。それは労働者の意識、心理状態を全然考慮せずして石炭政策を樹立したからです。炭労は六千万トンを主張した。そのときに政府は五千五百万トンに押えた。昭和三十八年度、初年度においては五千百五十万トンになった。第一年度から五千五百万トンというのがくずれて五千百五十万トンになった、こういう実績がすでにある。また政府は五千万トンという数字を出した。そうするとすでに四千七百五十万トン、こういうように落ち込んだ。ですから、働く労働者の心理を十分つかまずして石炭政策はできない。四十八年度の目標をいえば、そのことは、もう四十四年度にそうなりますよ。五年もゆっくり炭鉱におって、そうして年齢からいっても、年齢が高くなって他に就職することが困難だ。だからいまのうちにやめたほうがいいということになるでしょう。ですから、軽々に出すべきでもないし、またその労働者の心理というものを十分に考えなければならぬ。ですから、産炭地振興も、その他、他の就職転換もないのにほうり出す——政府が責任をもって年次計画をつくって、他の職場が確保されてから閉山をすればいいでしょう。しかしそうでなくて恣意にまかす、あるいは採算が悪いからおやめなさい、こういう。何にしてもその段階というのが非常にむずかしい。このことも一つ十分考慮に入れていかないと、政府が三千五百万トンといえば三千万トンから二千五百万トンにおちいる可能性もある。経営者がやめたいというのに、あなたのほうは、ドイツのように、それをやめさすわけにいかない、続けなさいという勇気はないでしょう。またそれだけ見てやるだけの力がないでしょう。だから問題は、目標設定をするならば、それまでは絶対に生かしていく、そして年次計画をやっていく、年次計画が経営者の都合でできないということならば、政府は補強をしてでも年次計画どおり実施していく、こういう気がまえがないと、目標設定ということはできないわけでしょう。総くずれになる。そこが、われわれが五千万トンという旗を絶対におろしてはならぬということを主張するゆえんです。大臣、これに対してはどうお考えですか。
○椎名国務大臣 出炭目標というものは、いろいろな響きをいろいろな方面に与えるものでございますから、よほど慎重に考慮してきめなければならぬと思う。そんなむずかしいものならば、初めからきめないでかかったらどうだという説も、あるいはあるかもしれぬが、そうなると、また全く締まりのないことになりますので、そこが非常にむずかしい。どういう出炭目標を掲げるかということは、非常にむずかしい問題であるが、きわめて重大な問題であります。私はさように考えております。
○多賀谷委員 私が言いますのは、保証のない出炭目標というものはおやめになったらいい。政府が年次計画を、絶対政府の責任において遂行する、こういう自信があれば、あるいは制度が確立すれば、けっこうですよ。その炭鉱はやめたいというけれども、やめさすわけにいかない。これはスクラップは何年度に該当しておるのだから、何年度までおやりなさい。その間に他に就職場所もきめます、産炭地振興もやらせます、こういう実効のある計画目標ならばけっこうです。ただ目標だけ掲げて、私企業にまかせておったら総くずれです。それを言っているのですね。ですからその自信がなければ、制度的にその確保がなければ、それはやめたほうがりこうだ、こう考える。もう一度答弁願いたい。
○椎名国務大臣 出炭目標というものを、何といいますか、いわゆる計画経済で統制して、あくまでもそこまでやらせるというような考え方に立てば別問題ですが、そういう統制経済というものは、もうすでに試験済みでありまして、われわれは戦争経済時代にごくその一部分を経験しておりますが、これはあまり成績のあがるりこうなやり方ではない、こういうふうに考えております。それでやはり自由経済の原則というものを守っていかなければならぬ。しかしそれにしても、目標なしにとにかく掘れるだけ掘れ、そういうようなことではやはりいかぬのであって、目標は目標として一応立てて、支障のない限りにおいては、できるだけその目標に近づくようにみなが努力する、こういう形がせいぜいじゃないか。どこまでも目標を突破しろというような号令をかけてやるというようなことは、われわれは基本的には、決して能率のあがるやり方ではないと、こう考えております。
○多賀谷委員 時間がありませんからあれですが、自由経済じゃありませんよ。石炭は自由経済ですか。自由経済じゃないでしょう。政府が政策需要を掲げて、電力用炭に対しては補給金を出し、原料炭に対しても補給金を出しておる。自由経済じゃないですよ。私は一般論を言っているのではなくて、石炭政策を聞いておる。ですから目標を掲げるならば、その場合には段階的に確実に実効あるようにしないと総くずれになりますよとこう言っている。それを制度的にしないと総くずれになりますよ。四十八年度を待たずして、四十四年度に起こる。それはすでに経験済みでしょう。何度も失敗しておるのですよ。その失敗にかんがみて私は質問をしている。それはあなた方が自信があるならおやりなさい。四十八年度の目標は、四十四年度で全部行なわれますよ。そうするとそれは加速度をつけて石炭企業が崩壊をする。大体大臣わかりますか。
○椎名国務大臣 とにかく審議会のほうから明確な答申が出ておりません。まだ五年計画で、その最終の年にどれくらいというようなことは、考えておるようでありますけれども、答申としていま出ているわけじゃない。そういったような、あなたの言われるような四十八年度にこうなるというようなことは、もう四十四年度から必ずそうなってしまう、ほんとうにどうしてもそれがそうなる、こう考えたら、こんなものはとらないでしょう、われわれがもしあなたと同じようにそう考えたら。まだきまっていない問題ですから、そう仮定をしてここで論議いたしましてもいささかむだじゃないかというような気がいたします。
○多賀谷委員 私は、案がどうなるかという案を言っているのじゃないのです。案はどうせ出炭目標を掲げるでしょう。その出炭目標を掲げる経過措置が非常に重大だというのは、三十八年度から四十二年度が最終年度で五カ年計画を出した。そのときに有沢さんに私どもは、あなたは一万二千人首を切るというけれども、現実に初年度において行なわれますよと注意をした。閉山は初年度に行なわれますよ。何も経営者が五年も待つものですか。年次計画なんか吹っ飛びますよと注意したわけですよ。そしたら有沢さんが、いや、閉山買い上げ資金というもののワクがきまっておるから、結局そのワク内で操作をするから年次別にいくんだということをおっしゃった。ところが現実には、昭和三十八年度一年間で四十二年度までの整理が終わってしまったわけですね。そういう事態が起こる。現実にわれわれが注意をしたとおり起こった。危惧ではなかったわけです。ですから私は、とにかく目標というものを掲げるときにはきわめて十分な周到な用意をしておかないと、初年度でそういう事態が起こる。それが加速度的に大混乱を起こす。いま労働力の不足の前に、ことに労働者は離山ムードになっているわけでしょう。その点が非常に心配ですよと言っているのです。ですから私は、いま掲げられておる目標をどうと言っているのじゃない。われわれは五千万トンを主張する。ただ、目標を掲げる場合の注意が非常に必要ですよ、こういうことを言っているのです。大臣、最後に……。
○椎名国務大臣 よく御意見の点は承りましたので、重要なる参考資料にいたしたいと思います。
○堂森委員長 岡田利春君。
○岡田(利)委員 いま多賀谷委員が質問いたしました石炭鉱業審議会に対して、私も同様審議会に対して非常に不審を抱いておるわけです。 特に六月の十九日に小委員会が持たれておりますが、この小委員会に先立って、態谷通産事務次官が石炭政策のあり方について発言をし、これが報道されているわけです。そしてこの内容は、私企業の跡始末を国がするということは食管会計と同じ結果になる。だから管理会社及び第二会社の設立はやるべきではない。こういう見解を表明いたしておるわけです。少なくとも大臣が審議会に対して石炭政策のあり方を諮問した。大臣を補佐する事務次官は、これに対して一定の見解をすでに六月の中旬に述べている。こういう形で審議会に臨んでおる通産省自体の姿勢に対して私は疑惑を持つと同時に、私は審議会に対する非常に大きな不信感を持っておるわけです。こういう点について大臣は御存じなのかどうか。どういう御見解であるかを示していただきたいと思うわけです。
○椎名国務大臣 そういう新聞記事が出たかということについても、私はうっかりしておりまして存じませんが、おそらく管理会社案ということばで国営一社案というような考えでこのことばを使ったのではないか。そうするとどうもとかく親方日の丸というようなむだが出ておもしろくない。いい点もあるかもしれないが、しかしいろいろな欠陥がそれから発生するというような頭で、ついそういうことを記者との会見においてしゃべったのではないかと思われる。まだ当人に聞いてみないからよくわかりませんが、そんな程度のことではないか。必ずしも私は、新聞報道というものは一〇〇%に信頼できればけっこうなことでありますけれども、ときどき言ったことと書いたこととちょっと食い違いが起こってまいりますので、そういう点もよほど気をつけなければならぬと思います。
○岡田(利)委員 私はいまの大臣の答弁では実は納得できないわけです。たとえば二十日の新聞にはこういう報道が出ております。いわゆる石炭特別会計のあり方について通産省自体としてほぼふん切りの案をきめた、態度をきめた。しかもこれは石炭に八の割合で予算を活用し二は石油開発のほうに回す。しかもこの案は大臣官房において強く推進されている、こういう報道がぼっと出てくるわけです。私はまさしく、いま通産省が審議会に臨んでおるのは石炭というだけではなくて、通産省全体としてすでにもうこの審議会に対して一定の規制を加えて、一定のものをつくってこれに審議会を乗せている感が非常に深いわけです。そういう認識をするのは私は当然ではないかと思うのです。もし大臣がこういう形が好ましくないとするならば、熊谷事務次官以下通産官僚に対してあるいはまた審議会に対して、独自に通産大臣の諮問に答えるよう審議を進めてほしいという注意を喚起する必要があるのではないか、このように思うわけですが、いかがですか。
○椎名国務大臣 申し上げるまでもなく、石炭審議会には明確に石炭のことについての審議を要求しておるのでありまして、その他の産業のことまでこっちは決して望んでおるわけじゃありませんから、諮問の範囲において答申が出てくるものと考えます。もしそうであれば石油のことなんかその中に入るはずはない、こう思っております。
○岡田(利)委員 すでに通産省原案という石炭政策に対する案が大きくプレスキャンペーンされていることは、これは大臣御存じですか。この内容によりますと、一応昭和四十八年三千五百万トンのワクを前提にして、第一には石炭企業の負債の第二次肩がわりを行なう、第二には統合していく、第三には閉山のしくみについてこれを明確に基準を設定してきめる、第四には助成費の補給の方法についてこれを明らかにする、この四つを柱にして相当具体的な通産省原案というものが大々的に報道されているわけです。大臣はこの内容について御承知かと思うのですが、御承知であれば通産省原案であるかどうか、どこからこれが出たのか、そういう点について大臣はこの重大な石炭政策をいま答申を受けようとする場合に関心を持たれておると私は思うのです。この点についての見解を承りたいと思います。
○椎名国務大臣 私はこの記事は全然見てもいませんし、また聞いてもいないのです。で、一斉にこういったようなことが出るはずがありませんから、どこか勘のいい記者のところでこういう原稿が書かれたのだろうと思いますが、こういうことについては一切通産省はあずかり知りません。
○岡田(利)委員 しかし、有力な報道を通じてこの通産省原案というものが出されて、通産省原案の持つ問題点は何か、こういう大々的な、またこれの解説が加えられておるわけです。私は、明らかに、いま審議過程において、通産省も大蔵省もプレスキャンペーンを通じてこの大方向にひとつまとめていこう、こういう上に審議会がちょこっと乗っているのではないか、こういう感じを強くするわけです。大臣、見たことがないということですが、これはぜひ見てもらいたいと思うのです。日本の新聞を読んでおらぬのですか。
○椎名国務大臣 必要な記事は一応目を通しているつもりでございますが、これは、どうも全然われわれと関係のない問題でありまして、見なくとも別にそう恥だとは思っていないし、その内容等について通産省の案というようなものは片りんも入っておりません。実はまだ通産省の案ができていないのですから。
○岡田(利)委員 大臣、御存じのように、西ドイツでも石炭政策はきわめて重大な政治の課題になりました。西ドイツのシラー経済相は、このドイツの石炭政策を確立するために相当なエネルギーをさいて、石炭適応化法案というものがすでに連邦議会を通過して、それに基づいて西ドイツの石炭再編成の方向はほぼ結論が出されて、来年一月一日から実施をするわけです。その過程においてシラー経済相は、経営者及び石炭関係者あるいは労働者と夜を徹していろいろな意見を交換し合いながらこの案をつくったということは有名な話です。私は、そういう意味において、どういう報道の問題点であってもこれを敏感に把握をされ、また、もう少し一歩進んで、そういう実情把握のために積極的に努力をされるべきではないか、このように思うわけです。そういう点について、大臣は、今後答申も出てまいるでしょうけれども、そういう積極的な姿勢がおありですかどうですか、お聞きしたいと思います。
○椎名国務大臣 とにかくこれがたびたび案が出たり引っ込んだりいたしましたが、もうそういうゆうちょうなことを言っている段階ではございませんので、ほんとうの最終案をつくって、そして一日も早く石炭業界を安定さしてやりたい、こういう念願にはもちろん燃えておるわけであります。そうかといって、ただ毎日毎日がたがたしてこういう問題を取り扱うべきでもありません。でありますから、静かに石炭審議会の答申を待って、そして、これをわれわれの見解によって検討いたしまして、少なくとも来年度の予算にはこれを反映させる、こういうかたい決意を持ってこの問題に臨んでおります。これが積極か消極かそれはわかりませんけれども、とにかくそういう気持ちを持ってこの問題に臨んでおる次第であります。
○岡田(利)委員 通産大臣は、わが国と石炭政策の最も似通っている西ドイツの石炭再編成がどうなったか、御存じですか。
○椎名国務大臣 あまり分厚いものでありませんけれども、ごく要点を記載した書きものは私も読んだことがあります。
○岡田(利)委員 私は、以上のような意地の悪い質問をするようでありますけれども、大臣に対して、最終的な石炭政策の確立といわれるこの問題について、もう少し具体的かつ積極的に熱意を示して、いま示された決意がほんとうにその決意どおりに誠意と内容のこもった決意でなければならない、こう思うわけです。そういう点で私はこういう質問を大臣に申し上げておるわけです。その点の決意のほどをひとつもう一度お聞かせをいただきたいと思います。
○椎名国務大臣 何べん申し上げてもいいのですが、これは非常に重大な問題でありまして、しかもこれはもう手直しのきく段階ではない。ほんとうの最終案としてこれがほんとうに石炭業界の再建案になるかならぬかというせとぎわにわれわれは追い込まれておりますので、その情勢を十分に心得て、そうしてこの問題に当たっておる。こういう状況を申し上げておきます。
○岡田(利)委員 同僚委員の質問時間がなくなりますから、次に三点だけまとめて質問して終わりたいと思います。 その三点は、いま統合案で特に世上一般にいわれておりますのは、三社案という地域統合案が非常に有力である、こういわれておるわけです。私は、仮定を前提としてけっこうでありますから、三社案と一社案と一体どう違うのか。三社ができて一社ができないのはどういうわけか。一社より三社がいいという理由は何なのか。いずれにしても、生産体制は鉱業所単位で確立されなければならないわけでありますから、仮定を前提にして恐縮でありますけれども、三社と一社の場合に、一社はだめで三社がいいという理由があるかどうか、特にそういうメリットがあるかどうか見解を承りたいのであります。 第二点の問題は、原料炭の問題でありまして、原料炭を中心にしてわが国の石炭再編成あるいは長期政策を立てる、こういう方向へいま進められておるように思うわけです。しかし、昭和四十三年度の原料炭は、輸入量においては三千百五十三万トン、国内生産は一千二百八十万トンという形で、年率五百万トン程度伸びているという異常な原料炭の伸びであります。輸入原料炭はそういう異常な伸びを示しております。ところがすでにドイツでも研究が進められ、日本でも研究が進められておりますが、いま原料炭と一般炭を区別する従来の基準は大きくくずれている。たとえば一般炭であっても当然原料炭として使えるスラリー吹き込み、さらにコークス比をさらに下げるという意味からコークス原料として一般炭が十分使われる。たとえば北海道でいいますと、北炭幌内あるいは住友奔別あるいは太平洋あるいは羽幌というような一般炭はもうすでに相当程度、二百万トン程度は原料炭として使えるという、これはもう立証段階で、いま国際的には原料炭を一体どう確保するのか、いま各国とも非常に重要な政治の課題になっておるわけです。そういう点について、固定的に従来の観念で原料炭を考えてはならないと私は思うわけです。この点の見解。 第三番目には、原料炭をわれわれが扱ってまいるわけでありますけれども、原料炭中心であるならば、今後五カ年間の石炭政策の中で、海外原料炭の開発の計画が当然組まれなければいかぬのではないか。保有している技術、そういうものを使いながら、原料炭はいずれにしても昭和四十三年で三千百五十三万トン、もう昭和四十五年代を過ぎてまいりますと、わが国の出炭規模と同じくらいの原料炭を輸入しなければならないのでありますから、この驚くべきテンポから考えますと、当然四十八年までの五カ年計画の中で原料炭確保のための海外開発は具体的な日程にのぼらなければなりませんし、保有されている技術が逐次計画的に放出されてまいらなければならないと思うわけです。この三点についての見解を特にこの機会に承っておきたいと思います。
○椎名国務大臣 一般論として三社案、一社案というものの憂劣と申しますか、特色と申しますか、そういうことは言って言えないことはないと思いますが、現実に今日の日本の石炭をどうするかという、いま具体的に問題になっておるものに即してお答えすることは控えたいと思います。ほんとうは抽象的にも申し上げないほうがいいと思いますけれども、ただ、私の一応の考え方は、日本の石炭三大産地の状況はそれぞれ、自然条件を主としてその他の問題についても長い間の経過等によりまして状況は違っておる。したがってこれを一社に統合するということはいかにも、非常に簡明直截でいいようには思われますけれども、どっちかといったらそれぞれの三つの産炭地の特質、個性というものを取り逃がしてしまうというようなことになりかねないのではないか、こういうふうにぼんやりと考えております。それで、これを今度は現実問題としてどうするか。答申案が出てきた場合に、これをどういうふうに考えるかといったようなことについては、もちろん出てこなければ考えようがありませんからこれ以上は申し上げられない。 それから、原料炭と一般炭とは多少の手心を加えると代替がきくというお話でございますが、それはある程度はきくと思いますが、一体どの程度まで日本の一般炭、原料炭の違いを接近させることができるかというようなことについては、ひとつそのほうの専門の局長または技術者のほうからお答え申し上げたいと思います。したがって、海外原料炭の獲得というような問題についても、第二番目の問題の結論によっていろいろ違ってくるわけでございますから、第二問、第三問、これは局長または技術の方面から申し上げたい。
○中川説明員 御承知のように、私も技官ではございませんので、大臣のおっしゃるほど専門的ではございませんが、御指摘のように、くふうによりましては、ある限界まで一般炭を原料炭として使い得るという技術開発と申しますか、この追求は主として石炭側の手によりまして行なわれております。最終的にはやはり消費者でございます鉄鋼その他がどのように石炭側の判断というものと同じ判断になるのかというすり合わせがよほど必要だと思います。またかりに、石炭だけの事情から見ましても、原料炭の量を多くするという努力をしなければならぬ立場にあることはお話のとおりでございまして、われわれも進めたいと考えておりますが、それが過大に消費者の設備等に負担を与えるものであります場合には、これは国民経済的な立場から秤量いたさなければならないわけであります。この進歩の道というものは今後大いに追求したいと思っておりますが、おのずから限界があろうし、実現にもテンポがあろうということだけ申し上げておきます。 なお、海外原料炭の開発につきましては、確かに今後の日本の鉄鋼業の伸びから見ますというと、相当大きなものをいまのうちから用意をしておかなければならぬということは確かでございます。ただ、残念ながら石炭側のこれに対する対応態度というものは、岡田委員御承知のように非常に立ちおくれております。私が鉱山石炭局長として見た限りにおきましても、御承知のように海外原油の開発につきましての機運というものは近年急速に高まっておりますし、また、将来の需要増にこたえての銅の海外開発という、非鉄業界における開発態度は相当進んでおります。これに比べますと、石炭につきまして海外原料炭の開発の努力は、いままでのところ主として消費者でございます鉄鋼業その他の手によっていろいろ手が打たれておる、こういう状況でございます。おくればせながらわれわれも本年度の予算をもちまして主要原料炭産地を鉄側と石炭側の混成チームによりまして調査をいたすということを企画いたしまして、実は大体日程がきまりまして、近く出発の段取りに相なっております。御指摘のとおり、大きな問題でございますので、努力はいたしたいと思いますが、これはやはわあくまでユーザーのほんとうの了解を得た形で進めなければいかぬし、また、石油や非鉄の場合と原料炭の産地の事情がかなり違っておりまして、これらの受け入れ態勢につきましても十分な考慮を払っていかなければいけないことと思います。
○岡田(利)委員 時間でございますから終わります。
○堂森委員長 大橋敏雄君。
○大橋(敏)委員 先ほどから石炭鉱業審議会の運営のあり方について、多賀谷委員また岡田委員等からいろいろと指摘があっておりましたが、私もそれには同感であります。したがいまして、通商大臣もこれをすなおに受けて深刻に反省し、善処してもらいたい、これをまず申し上げておきます。 先ほど大臣の答弁の中に、審議会の答申は尊重するけれども、盲従はしないとか、あるいはまたほかの質問に対しては、あまりがたがたせずに静かに答申を待っているとかいうお話がありました。その答申の問題でございますけれども、四月の末に大臣の諮問を受けて審議会はその作業に入ったと聞いておりますが、政策懇談会の小委員会を中心にいわゆる石炭対策抜本策が検討、審議されていると聞いております。私の聞くところによりますスケジュールは、五月中句以降本格的な審議、七月中旬までに再建案の骨子をきめる、八月の中旬までに肉づけをして、八月中には答申案をまとめ、これを四十四年度の予算に織り込むのだ、このように私は内々聞いておったわけでありますが、その進行の過程を要領よく簡単に説明していただきたいと思います。
○中川説明員 ただいまちょっと手元に資料を持っておりませんが、第一回目に総会を開きまして、次に総合部会を開きまして、二回経営者側あるいは労働組合側からの希望意見を聞き取りました。その後六月の上旬だったと思っておりますが、六回程度小委員会を進めてまいりました。 先ほど来お話がございましたが、少数中立委員による小委員会でございますので、前半におきましては、私どものほうは先生方の審議の参考になるべき資料というものを数字をもちましていろいろ御提出いたしまして、説明を加えるとともに質問にお答えして、現状がどうであるか、それからこのまま推移するとどういうことになるか、大ざっぱに以上の観点から見ました資料の提供をいたしました。その後、数回にわたりまして委員方のフリーディスカッションをやっていただいてきたわけでございます。問題が広範でございますために、一つのテーマを議論いたしましたときに、そのおおよその結論というものがそのまま残っていくという形ではございませんで、ほかのテーマを議論しましたときに、また前のテーマのおおよその結論というものをまた見直しをしなければならぬというような角度での全体判断を絶えず加えておりますために、今日に至りましてもまだ、少なくとも小委員各位の確信を持った結論という状況には相なっていないわけでございます。 また、たびたび申しておりますように、先ほど来お話がございましたが、私どもが何か指導的な立場でリードしておるというようなことではございませんで、過去のことは私は存じませんけれども、全くフリーディスカッションをやっていただいております。それだけに時間がかかるのでございますし、総合的な判断を絶えず加えていただいておるというところで時間がかかっておるわけでございます。最近のところで申しましても、やはり先ほど来諸先生から御質問のあったような事項というものがすべて主要な論点でございまして、これらをめぐって活発な議論が行なわれておるわけでございます。残念ながら、まだ、いつどんな形でまとまるかという私どもの予断はできない状況と、陪席しておりまして感じております。
○大橋(敏)委員 大臣にお答え願いたいのですが、私どもは、大臣と同じようにその答申案を待ちわびているわけであります。現在の石炭企業の経営の実情というのは、私が申し上げるまでもなく、もう十分御承知と思いますけれども、資金の調達難、そして労働力の不足、こういうことから次々と連鎖反応的に石炭産業が総くずれしていくんではないかという危機感に迫られております。したがいまして、私は率直に、現在の石炭企業がこのような苦しい中を一体どのような手を打ってしのいでいるのか、ここに一つ疑問があるわけです。本年度の資金不足の見込みは大体どのくらいになるのか、それに対して現在の企業がどのような措置を受け、またしのいでいるのか、そういう点をお聞かせ願いたいと思います。
○中川説明員 今年度の資金不足状態というものにつきましてもいろいろとやはり見方がございまして、確定的なことはだれもが自信がないわけでございますが、おおよそ私どもの推定では二百五十億くらいのものが足りないのではないかという感じでおりますが、当面の問題といたしまして、大橋委員からも御発言がございましたように、どうやって資金繰りをつけておるかという御疑問が出ますほど苦しい状況でございます。 私どもは、努力の中心を、上期の資金対策に置きまして、これを処理してきたわけでございます。大ざっぱに申しまして、一つは開銀と合理化事業団の先行融資というものを大体目鼻をつけたわけでございます。それから、中小炭鉱に対しましての安定補給金の支給というものも、かりに予算のたてまえからいたしまして、年度のおしまいに一年分を出すということでも差しつかえないわけでございますが、当面の資金対策に寄与させるという意味合いで、上下に分けまして、上期分の支給をいま行なっている状況でございます。なお、坑道掘進費補助等につきましても、これをなるべく早く支給するということで鋭意作業を進めました。結果、上期の資金繰りにつきましては、おおよそいまのところ、十分とは申せませんけれども、御心配のような資金不足でもって危険な状態ができるという形は食いとめ得たかと思っております。ただ、一、二社につきましては、市中の金融がどうしてもつながらない。開銀等の先行融資もございますので、できるだけ協力をしてもらいたいということで処理をいたしました結果、市中としては、合理化事業団の保証を加えてくれるのでは出そうというようなことで、事業団の保証にのせましてこれをつないだという状況も一、二ございます。大ざっぱに申しまして、私は八月一ぱいないし少し甘く見ますと九月一ぱいくらいまでのめどはついたものと考えておりますが、十月以降につきましては、残念ながらまだ確たる目安を持っておりません。むしろ市中の態度は、この間に石炭鉱業審議会の答申がどうなるかということを見守りつつ、その間はつないでくれるという感じでおります。その意味合いにおきましても、なるべく早い時点に答申をいただいて、そして政府の意思をはっきりと申し上げることができれば、今津の資金問題というものは解決するのではないか。それがないというと、上期にやりましたような措置ではなかなか問題が残るのじゃなかろうか。率直なところ、そういうふうに考えております。
○大橋(敏)委員 いまのお話を聞いておりますと、要するに補助金の繰り上げ交付だとか先行融資等で、まあまあ八月ないし九月までは何とか切り抜けた、その後においてはちょっと保証できないというように受け取れたのですが、大臣はこれに対して、答申の問題が関係しますけれども、どのような腹案を持ち、あるいは所信をお持ちであるか、お答え願いたいと思うのです。
○椎名国務大臣 答申は八月末に期待し、そしてこれには相当な検討を加え、さらに政府間の折衝もしなければなりませんので、それでようやく来年度の予算編成にだんだん追いついていく、こういうことに考えておりましたが、いま八月の末の答申というのは事実上の問題としてむずかしいようでございますので、できるだけこれを急がして、そして予定のコースでこの問題を具体的に詰めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○大橋(敏)委員 予定どおりとなれば、八月中には答申が出るということになっておりますが、もしも予定が大幅におくれるようなことがあるとなれば、ほかに対策は考えておられるのでしょうか。
○椎名国務大臣 とにかく来年度の予算に反映させるという最終目標には、これは間に合わせなければいかぬ、こう考えております。
○大橋(敏)委員 いまの石炭鉱業審議会の審議内容について、二、三あとで質問申し上げますけれども、それを総まとめにいたしまして考えるところ、結局は石炭産業再建、安定の最終対策としてそれを実施しようというには、所要の財源確保が前提条件である。私がいままでいろいろなものを読んだり聞いたりしているのを総合しますと、現行の原重油関税の収入による石炭特別会計が四十八年度まで延長され、確保されたという前提のもとに論議されてきている、このように承るのですけれども、これは間違いありませんでしょうか。
○中川説明員 およそ審議会に諮問をいたしまして案を考えていただきます上におきましては、いま御指摘の財源を念頭に置かざるを得ないわけでございまして、これは私どもの考えではございませんけれども、小委員会としては、いまお話のありましたような現行の石炭対策の財源になっております特別会計の収入の向こう五カ年くらいの予想をマキシマムの額という前提で議論をされておることは事実でございます。
○大橋(敏)委員 財源問題を解決しないで審議も進まないということはわかりますが、この財源問題で通産省と大蔵省との意見が対立をしているということを聞くのですけれども、大体どういう点が大蔵省との対立点であるか。
○椎名国務大臣 答申が出て、政府の案を固めるということにだんだんなってきまして、ようやくこの財源の問題が具体的に問題になる。まだいまのところはその段階にいっておりませんので、いわばあらかじめ多少の腹の探り合いというぐらいのことはもちろんやってはおりますけれども、いまこれを正式に申し上げるというふうなものではございません。段階はまだそこまでいってない。しかし大蔵省は出したがらない。これは大蔵省の習性でございます。ですから相当の激しい折衝が行なわれるだろうと期待しております。
○大橋(敏)委員 どうも大臣のお話はよくわからぬのですけれども、私は新聞で見たのですが、大蔵省の考え方の一つとして、石炭産業は立て直りのめどのない内容だ、それに対していつまでも財投資金をつぎ込むことはできない——腹の探り合いでこういうことを聞かれたかどうか聞いてみたいのです。 第二番目に、このため原料炭いわゆる鉄鋼やガス用の高いカロリー炭以外の、炭鉱のみを維持していく一般炭は完全撤退すべきである、あるいは一般炭からの撤退資金ならば相当の予算は組んでもよいのだ、出炭規模は二千万トン前後であるというようなことを大蔵省のほうでは考えたり言ったりしているということが某新聞に出ていたのですけれども、こういう傾向はあるのでしょうか。
○椎名国務大臣 全然その石炭に対するいろいろな行政上の判断をする役所ではございません。したがって、そういったようなことは私どもは正式に聞いておりません。どういう新聞が何を書いたか知りませんけれども、そういうことには一切われわれはもちろん重きを置いておりません。
○大橋(敏)委員 大臣の時間がないようですので最後に二点だけお尋ねしますから、簡単にお答え願いたいと思います。 その財源措置についてでありますが、原重油関税収入による石炭特別会計が財源の主軸となると考えますけれども、その際少なくとも関税の自然増収分は確保していかれるのかどうかということ。また離職者、産炭地、鉱害対策等のビルド対策費から見て間接的な支出と思われるものについては、特別会計のワク外としていっていただきたいという考えを持っているのですけれども、これに対してはどのようなお考えでしょうか。
○椎名国務大臣 問題は答申がどの程度に出てまいりますか、それによって所要の費用も違ってまいります。われわれとしては、主管省といたしまして絶えず研究はやっておりますが、とにかく一体どれくらいの予算を必要とするのか、それに見合う財源の将来の動向、こういったような問題をどういうふうに把握してまいるか、こういったようなことはまだ仮定の段階でございますので、はっきり申し上げるわけにまいりません。 それから特別のワク外の資金云々というようなことを言われましたが、結局同じさいふから出てくる経費でございますので、それは本質的にそう違いのない問題ではないか、こう考えております。
○大橋(敏)委員 いまの財源問題で、原重油関税の自然増収分についてまたお尋ねしたわけですが、これは大体通産省として、三十八年を一つのめどとしていろいろと計画を立てているということを聞いておりましたために、確認のために聞いたわけであります。もう少しこの点積極的に判断をし、そして施策を立ててもらいたい。これは要望です。 それでは続いて石炭局長でけっこうですが、退職時に赴ける賃金債権の完全保証という問題でお尋ねしたい。 さきに倒産いたしました大日本炭鉱あるいは閉山しました大辻炭鉱の退職金その他の支払い状況はまことに不完全である。炭鉱に働いていた人たちがみじめな思いで山を去っていくという現実があるのでありますけれども、このような未払い賃金ないしは未払い期末手当、退職金、社内預金等、要するに企業が従業者に対して有しているところの債務については、優先的でしかも完全に弁済ができるような賃金等の債権に関する保証措置を早急に講じるべきであると思うのですが、そういう点についてどうお考えでしょうか。
○中川説明員 いま先生おっしゃいましたので大辻炭鉱の例をとりますと、残念ですが、この炭鉱を閉山せざるを得ない状態に相なりまして、事務的に計算をいたしました閉山交付金の額は、五億六千万円という見込みに相なっております。御承知だと思いますが、合理化事業団が交付いたします閉山交付金につきましては、規則の定めておるところに従いましてその交付金の五〇%の範囲内におきまして、労務者の未払い賃金、退職金、社内預金等の未払いを優先的に行なう。ほかの債権との競合を排除して、五〇%以内においてはこれを行なうというルールに相なっております。五億六千万円の閉山交付金に対しまして、賃金債務は、私どもの承知しておるところでは約七億円、うち社内預金が四億六千万円というふうに承知しております。したがって、さきに申しましたルールに従いまして五〇%のワクということで考えますと、五億六千万円の五〇%でございますので、二億八千万円の閉山交付金からの賃金債務充当分が計算として出てくるわけでございます。七億円に比べますと、半分以下しか充当できない、こういう状況でございます。ただ、これでもって全部がおしまいであるということではございません、この会社のほんとうの意味の清算を行ないました場合に、残余財産の処分ということがございますので。ただし、これがもし銀行債務の抵当権の設定されておるものでございますと、これが優先いたしますけれども、そうでない状況で若干の残余財産が残りました場合に、債権者全体の納得等を得て、清算人の判断で賃金債務に、幾らかのものがこの不足分に充当されるという可能性も皆無ではないわけでございますが、大辻の例によりましても、大日本炭鉱の例によりましても、半分も取れないという状況が出ておるわけでございます。これらは経営者の判断、その他やむを得ず閉山せざるを得ないものとすれば、もう少し早目に処理をしておけば、もっと閉山交付金の分け前としての賃金債務充当分が多くなったのではないかといううらみはございますけれども、実績はさようなことでございます。 今回の石炭政策を新しく考えます場合に、やはり問題になりますのは、こういう事態で閉山が行なわれるということは一つの問題点でございまして、これをどういう仕組みで解決をしたらいいか、これも重要なる審議、検討の問題であるわけでございまして、これらの点もあわせて審議していただいておる状況でございます。
○大橋(敏)委員 いまのお話では、ルール、制度等はできている、しかしながら現実問題として半分以下、四〇%程度の支給しかできないという現実から見ますと、こういうルールや制度等をはずした何かほかのものを考え出す必要があるんじゃないか。たとえば退職金基金制度を設けるというようなこと、こういう点はどうお考えなんですか。
○中川説明員 いろんなお考えがあろうかと思いますが、一つにはやはり先行きの予測に従いまして、閉山時期というものについて的確なる見通しを持って、ずるずるべったりに債務が非常に大きな額になるという前に処理できる体制というものが必要だというのが基本的な問題として一つございます。 それから審議会でもいろいろ議論が出ております肩がわり問題というのは、実際問題として金融債務を相当肩がわりするという提案でございます。そういたしますならば、かりに現行の閉山交付金制度だといたしましても、賃金債務に充当される可能性というものは出てまいりますので、それらの点もあわせて考えるというようなことが当然の審議項目としてあがってくるわけでございます。 以上のようなことをすべて総合判断いたしまして、どういう姿が一番望ましいのかということを考えておるわけでございますが、一番極端な議論として、企業が倒産する例は幾らでもある。それに対して退職金保証をしているというのは非常に珍しいケースでございますので、他産業との均衡論というものもまた議論としてはあり得るわけでございますが、御説のようにせっかく制度を設けておりましても半分も回復できないという状況については、やはり現在の石炭の置かれた状況等から考えまして大いに問題なしとしないわけでございますので、これらはいま鋭意御審議を願っておる次第でございます。
○多賀谷委員 ちょっと関連して。 先ほど局長は、交付金のうち賃金、退職金が優先になる、五〇%のみにとどまらない、抵当権者あるいは一般債権者が配分をするときにその配分にあずかる可能性がある、こうおっしゃったわけです。これは大辻炭鉱に例を限っておっしゃいましたけれども、まだ問題が解決していないのに大正炭鉱が——これは昭和三十九年に閉山をして、しかも交付金は二千四百円のトン当たりの炭価でなくて、千二百円の炭価の時代。優先債権は第一次配分が二〇%、第二次配分が五〇%のうちで、鉱害とさらに残余の賃金の配分ということで大体一八%ぐらいしかもらっていないのですね。退職金、未払い賃金の管理貯金の一八%程度しか入っていない。その非常に気の毒な労働者が、いま最終的段階の配分の状態の中で、その配分のワクにぜひ入れてもらいたい、こういう要請をしているわけです。そこで、一体局長は、現実処理の問題として、そういう抵当権者並びに一般債権者にひとつ交渉をして、わずか一八%程度の退職金しかもらえなかった労働者のために、これらの債権者と折衝をして、幾分なりとも配分のワクに入れてやる気持ちがあるかどうか、これをお聞かせ願いたい。
○中川説明員 いまおっしゃいましたケースにつきましては、私まだ具体的に承知をしておりません。何か清算人のほうから反対みたいな陳情が来ておったのは手元に来ておりますので承知しておりますが、大日本炭鉱の例に従いますと、これはまあ清算人の努力にもよるわけでございますが、私と清算人とで相談をいたしまして、清算人のほうから他の債権者に対して、いかに何でもこの状態では従業員に対して充当率が低過ぎるから、残余財産の配分についてはなるべく譲ってもらいたいという努力をいたした例はございます。大日本の場合は非常にお気の毒な立場にあるのですけれども、清算人、なかなかよくやっていただきまして、ある程度所期の目的を果たし得る方向が出てきておりますので、もしいまの御指摘の話で、私どもが何がしかお役に立つことができるのであれば、それは決して拒むものではありません。ただ、あくまで法律的には清算手続のことでございますので、他の債権者の納得等を得なければならぬ前提がございますので、強制的にと申しますか、これをしいるという形はできません。あくまで依頼と申しますか、協力要請というベースでございますので、そのようなことは必要がございますならばやりたいと思います。
○多賀谷委員 中川局長になられてからも大正の離職者の方は要請に行ったと思うのです。この問題は現地の通産局長もあるいは労働省の基準局長もあるいは合理化事業団においても非常に関心を持っておることですから、これは折衝が最終段階にきておる、そこでぜひこれについては尽力をしてもらいたい。これはいま申しました大辻、大日本よりもさらに炭価は半分の時代、しかも優先ワクは二〇%、こういう時代の労働者がまだ退職金も八〇数%残っておるという非常に悲惨な、いわば政策からいえばまさに陥没にある労働者であります。大辻も大日本炭鉱のこともお願いいたしますが、まずいま最終段階にきておる折衝について尽力をお願いいたしたい。
○中川説明員 なるべく御希望に沿えるように努力いたしたいと思います。 なお、先ほど私、大辻の数字を申し上げましたときに、七億円の賃金債務のうち社内預金が四億六千万円と申しましたが、これは四百六十万円の誤りでありますので訂正いたします。
○大橋(敏)委員 あと時間がありませんので三点ほどお尋ねしたいと思いますが、まず最初に、審議会の小委員会のいわゆる構想というのが内々発表されたかに聞いております。それによりますと、各石炭会社が石炭専業の第二会社を設立して、その親会社というものは第二会社に石炭関係資産を無償譲渡する、新会社はこれまでのすべての債務を引き受けるのでありますけれども、第二会社に譲渡した資産分だけ国が肩がわりをするのだ、こういうことのようであります。要するに、去年でしたか、第一次の肩がわりでもなお軽減し得なかった企業の重荷を新旧会社の分離方式で第二次の肩がわりをやろう、このような方向で進んでいるように承っております。これについて二、三お尋ねしてみたいのですが、この小委員会構想によりますと、新たに千二百億円の財政資金を投入することになる。それだけの資金を使っても石炭産業が立ち直る保証はどこにもない。しかも、千二百億円は金融負債の肩がわりに充てられるので、前向きの効果が期待できないではないかという批判がかなりあるように思われるのですが、こういう点について所感をお願いします。
○中川説明員 先ほど大臣も御答弁なすっておりましたように、審議会の検討中の事項でございますので、最終結論が出ますまでの間に、ある意見に対していろいろな御意見を申し上げるということは、そうでなくても通産省が何か裏でやっておるんではないかという先ほど来のお話もございますので、私はできるだけ差し控えたいのでございますが、確かに御承知のように植村会長の案というものが一つ出ておりました。これはいま大橋委員がおっしゃったような構想でございまして、重要なる意見でございますので、小委員会もこの案についてのディスカッスというものは、やはりほかの案に対してのディスカッスと同じように加えておることは事実でございます。 そこで、一体肩がわり額をどういう理屈に求め、そしてその額をどの程度のものとして考えるかということにもまたそれぞれ意見があるわけでございます。植村先生の御意見も一つの提案でございますから、細部もそう確定したものではございませんで、かりに植村案でいくとした場合でもいろいろな問題点があるのでありまして、それをめぐって議論が進められております。少なくも金融債務を肩がわりいたしますならば、石炭企業はこの借り入れ金についての利子負担から免れるわけでございますので、将来の石炭産業の維持ということを考えますと、維持に必要な費用と申しますか経費と申しますか、これがその分だけ軽減されることは確かでございますので、前向きな効果は十分にあるわけでございます。ただしかしながら、いまの金利負担の軽減をもっていたしましても、御承知のように年々コストが増大をしていく、他方能率はさほどにはあがらないということで、石炭価格が一定と考えますと、むしろ赤字額は、平均的に見まして累増していく姿が一般でございます。こうなりますと、かりに金融債務の肩がわりをやりましても、なお維持費用と申しますか、これを国の助成であるという前提で考えますと、助成費用は上がらざるを得ない。そういう意味で、これだけでもって石炭対策が終わる、石炭は安定するということが言い得ないことは、これも御指摘のとおりでございます。
○大橋(敏)委員 極論になりますけれども、その小委員会の構想というものは、石炭産業の救済というよりも、むしろ金融機関の救済に重点が置かれているんじゃないか。この新旧会社の分離方式といいますか、これも必ずしもこういうものに固執しないで、また新しい方向も考えるべきじゃないかという意見があちこちに出ておりますことを肝に銘じてもらっておきたいと思います。 最後に、もう一つお尋ねいたしますが、今度の第二会社は債務ゼロという立場でスタートすることになるわけでございますけれども、表面から見ると、何の重荷もなく身軽な形で出発できるからいいようにも考えられるわけですけれども、ある方面では、このあり方というものはむしろ中小炭鉱等の葬式対策である。つまりいままで中小炭鉱をやめたいやめたいと思っていても、赤字があるためにやむなく操業してきた。そういう難点を除去するための苦肉の策であるというふうにも聞いております。つまり債務ゼロという立場でスタートするということですので、閉山するには都合がよくなった、こういうふうなものの見方もあるように思われます。また、先ほど先輩の質問の中にも統合の話も出ておりました。反対意見でありましたけれども、二、三年先には統合していくんだとかいう話も含めまして、こういう点についての所感をお伺いしたいと思います。
○中川説明員 審議会の検討につきましてもそうでございますが、一つの案をかりにたたき台として議論をいたします場合に、その案がねらっているメリットというものと、反面に必ず弊害と申しますか、デメリットがあることは、どのような角度から考えましても、いずれにもある問題でございます。 審議経過について、審議中の状態について私がいろいろ申しますことは、大臣からもお話がありましたように、できるだけ差し控えたいわけでございますけれども、申し上げておきますならば、たとえば肩がわりあるいは分離といった問題につきまして、金融優先というそしりが出てこないかという問題であるとか、あるいはほかの方法が別個に求められないかというようなほかの角度からの議論は、それぞれにやはりやってもらっております。それだけにとつおいつ、いろいろな審議に手間どっているわけでありまして、御指摘のような御意見も、私の承知している限りでも小委員会の中であったことは確かでございます。いろいろな角度の議論がいま出ておる状況でございますので、答えが落ちつきますまで私どものほうの意見はひとつ差し控えさしていただきたいと思います。
○大橋(敏)委員 まだ審議の過程ですので、答えにくい点はわかりますので、きょうはこの程度で終わりたいと思います。
○堂森委員長 多賀谷真稔君。
○多賀谷委員 私は、石炭固有の問題でなくて、その周辺の問題について質問いたしたいと思います。 まず、産炭地振興、さらに産炭地の教育問題、市町村問題、離職者の問題等について、いよいよ四十四年度の予算編成期に入るわけです。各省とも八月末までには、石炭特別会計を除きますと、みな予算要求をされるわけでありますから、現在における各省の態度についてお聞かせを願いたいと思います。 そこで、まず第一に、従来私どもは産炭地振興は法律がさかさまになっているということを盛んに言ったわけであります。それはどういうことかといいますと、ほんとうにスクラップにスクラップが重ねられて荒廃をした市町村は、全く財政に余力がない。いわば息をしておるだけである。であるから新しい事業を興そうにも資力がありませんから興し得ない。ところが今日の産炭地域振興臨時措置法は、いわば新産業都市の法律に準拠をしておって、要するに地元の協力がなければ事業について補助をしないという態度になっておる。新産都市の場合は、確かに地元がそれだけの力もあるし、要求がある。ところが産炭地の場合は現実に失対事業であるとか生活保護に食われて、とにかく新しい事業を興そうにも興し得ない資力である。そういうものは法律の外に置かれておる。ここに矛盾があるではないかということをかねがねわれわれは指摘しておったわけであります。わが党がさきに、産炭地域市町村の財政の確立に関する特別措置法を出したゆえんはそういうところであります。 そこで私はお尋ねをいたしたいと思いますが、第六条にいう産炭地域、要するに石炭を現実に産出した自治体において、現在、市町村の場合は十一条によって補助金の引き上げが行なわれておるわけであります。この補助金の引き上げを受けている市町村と受けていない市町村を、わかっております一番早い年度において御答弁を願いたい。
○中川説明員 産炭地域振興課長がいま資料を持っておりますので、産炭地域振興課長から御説明いたさせたいと思います。
○真野説明員 ただいまの多賀谷先生の御質問にお答えいたします。 現在、産炭地域振興臨時措置法に基づきまして補助率引き上げ措置の適用を受けておる市町村の数は、昭和四十一年度で八十六でございまして、そのうち六条地域の市町村は六十でございます。
○多賀谷委員 私の、やはり四十一年度の補助率引き上げの適用を受けている市町村といない市町村を第六条指定の地域で見ますと、われわれが指摘をしておったとおりの実情が出ております。それはすなわち北海道においては夕張、美唄、芦別、奈井江、それから常盤地区においては常磐、勿来、さらに九州地区におきましては直方、中間、山田、宮田、江北、北方、こういうようにいわゆる産炭地域としてその中心部にあった市町村は適用を受けていない。ここに私は制度の欠陥があると言わざるを得ない。中間市であるとか、山田市というのは、御存じのように全く事業のできないような疲弊をしておる。あるいは江北も同じだろうと思う。北方も同じであろうと思うのですね。ですから法律がせっかくできて産炭地振興を行おうとしても、もう財政力が全く疲弊して枯渇したところは、事業をやろうとしてもやれない。やれないところには補助率のアップがない。しかもこれは皆無ではないのですね。皆無であるならば補助率のアップのしようもありませんが、ゼロではないのです。若干事業をしておる。ところがそれは全国の平均事業から見ると、まだ事業量が足らない。だから、ある程度以上の事業をしないと補助率は上げられないという仕組みになっておりますから、残念ながらこの地域においては補助率のアップの恩恵を受けない、私は非常に問題だと思うのです。であるから、一体これに対しては局長は来年度はどうしようと考えておるのか、これをひとつお聞かせ願いたい。
○中川説明員 かねがね新産都市方式ではぐあいが悪いんじゃないか、離島振興方式等を勘案して、もっと実態に合うように、財政疲弊によって公共事業が行なわれないから補助の恩典にも浴し得ない現実にある市町村問題というものについて何か考えたらどうかということはたびたび御指摘を受けてきたところでございまして、四十二年度に現行制度の改正の形での努力をいたしてみたのでございます。補助率引き上げという観点から予算編成方針との抵触を云々されまして、残念ながら見送ったというのが去年の実情でございます。市町村に対する補助率引き上げ措置の強化を現在も検討しておりますので、成案を得次第、関係各省とも折衝してその実現に努力をいたしたい、こう考えております。その際、離島振興方式を含めて検討しておりますけれども、地元の実情というものを十分把握した上で具体的な考え方というものを求めてみたいと努力いたしておる状況でございます。
○多賀谷委員 四十一年度の補助率引き上げにつきましても、全体としては五億六千六百万円のわずかであります。そのうちほんとうの意味の産炭地域には、すなわち六条指定は二億二千五百万円しかない。すなわち多くの部分が旧産炭地の周辺の地域において行なわれておる。これは私は悪いとは言いません。悪いとは言いませんが、肝心かなめの最も補助率アップのほしいところに手の届かないという法制の仕組みになっておるというのは非常に遺憾である。そこで、離島振興法の基準を含めてということがありましたが、一体自治省ではどう考えておるのか。あなたのほうはどういうことを望んでおるのか。さらに大蔵省はこれについてどう考えておるか、これをお聞かせ願いたい。
○首藤説明員 自治省といたしましては、御指摘のように産炭地の市町村が振興いたしますためには振興計画の適切な実施がぜひ必要である、このように考えております。したがいまして、御指摘のような産炭地市町村に対する現在の補助率かさ上げの特例も御指摘のように実情に即さないものがある。したがって、これは離島振興方式等の方式を含めて再検討すべきものである、このように考えておる次第であります。 なお、そのような国庫負担の適正な実現がはかられました暁には、当該団体の地方負担に対してはこれに適切な措置をしてまいりたい。従前もつとめてまいりましたが、今後とも大いに努力したい、このように考えております。
○亘理説明員 産炭地域の地方財政の困難な実情につきましては、いろいろ私どもも話を伺っております。いま先生からお話しの点につきましても、ごもっともだと思いますが、ただ、全体のその地方財政をどう思っているかという問題は、特定の事業についての補助率だけの問題ではございませんので、交付税の問題、起債の問題、いろいろからみましておるわけでございます。それからまた、補助率の引き上げということだけについて申し上げれば、これは補助金制度全体の体系をどう持っていくのがいいのかという問題もございますので、地方財政の調整制度全体あるいは補助金制度の体系をどうするかという全般的な問題とからみまして、今後、来年度の予算編成の際に十分検討さしていただきたいと思います。
○多賀谷委員 大蔵省は、全体的な問題は別として、このいまの産炭地域の振興に関して、新産都市の補助率方式をするというのは矛盾がある、こういうことは認めておるわけでしょう。
○亘理説明員 ただいま御指摘の点については確かにごもっともな点があると思います。ただ、産炭地域のような特殊な事情にあります地域の財政問題を、特定の事業の補助率という問題で対処するのがいいのか、これをどこまで及ぼし得るのか、まあ全体の、交付税制度のあり方を含めました全体の財政調整制度の問題ということで考えていくべきものだと思います。これ一つだけ取り上げてどうこうということで問題を片づけるには、もう少しいろいろ関連して検討すべき問題があるように思っております。
○多賀谷委員 そうすると大蔵省のほうでは、たとえば基地交付金であるとかそういうように、産炭地交付金といいますか、そういうようなものでむしろ補うべきである、こういう考え方ですか。
○亘理説明員 ただいまのお話の点につきまして、そういう問題を含めてということで検討しておるわけではございません。具体的にどういう方式をとるのが産炭地の実情に適するのか、それからまた、これは初めに申し上げましたように、全体の財政調整制度なり補助金の体系と関連いたします問題でございますから、そういうことも念頭に置いてよく検討したいということでございます。具体的にいまどういうふうにすべきかということを申し上げる段階に至っておりません。
○多賀谷委員 何にしても、四十四年度から新しい制度を発足しないと、実際問題としては、むしろ産炭地のほうが、本来はスクラップよりも先行して行なわなければならぬという性格のものです、ところが現実にはあとを追っておる。あとあとを追っておるだけじゃなくて、とてもあとを追いきれないという状態でしょう。ですからこれは四十四年度から、要するにこういう補助率なりあるいは交付金制度というものについては必ず新制度を実施してもらいたい、これについてはよろしいですね。
○亘理説明員 申し上げるまでもございませんが、産炭地の問題、いろいろ多方面にわたる問題でございまして、地方財政の問題のみならず、いろいろ産業誘致の問題、その他いろいろ、万般あるわけでございます。全体の石炭対策のワクの中で私どもは産炭地域の地域振興の問題は重点を置いて考えてまいりたいと思っておりますが、どういう施策、どういう手を講じていったらいいのかということは、これから総合的に検討さしていただきたいと思っております。
○多賀谷委員 これは主計官、帰られたら主計局長によく話をしてください。この方式は、鳩山さんが主計局次長のときにいろいろわれわれで修正をしたのです。それで政府から出た案がまだ実情に沿わなかった、しかしどうしても新産都市の方式を変えるわけにいかぬと固執されるから、やむなくわれわれは譲歩した。案の定、われわれが危惧しておったような状態になったわけですから、よく鳩山さんにも話をして、これはどうも実情に沿わなかったということを話をして、改正をするようにお願いをいたしたいと思います。 次に、投融資の問題ですけれども、日本経済はだれが宣伝したかわかりませんが、神武、岩戸、いざなみ景気だといわれまして、それで非常に大型景気になりつつある。しかも一方においては労働力の不足という事態で、最近は企業が太平洋ベルト地帯に集まりつつあるけれども、比較的労働集約度の高い企業が地方に労働力を求めて分散をするという傾向もあるわけです。ですから私は今日産炭地域振興には絶好のチャンスだと思う。そういう意味において、ぜひひとつ今度の産炭地域振興にはワクの増大をお願いいたしたいと思うのです。とかく時期はずれにやりましても資金効果も悪くてうまくいかないわけです。過去産炭地の土地造成についても売れない土地ばかりつくるというので非難がありましたが、昨年度は四年分くらいの土地が売れたという話を聞いておるわけです。こういうようにかなり実績が上がってきておる。でありますから、ワクの拡大について石炭局長はどういう決意をもって臨まんとしておるか、これをお聞かせ願いたい。
○中川説明員 お話しのように、産炭地の造成土地の売れ方というのもよくなってきておりますし、地方誘致企業からの振興事業団に対する資金需要というものも本年度で見ます限りワク内処理ができないくらい大きなものが出てきておる。 〔委員長退席、岡田(利)委員長代理着席〕 これは裏返して言いますと、産炭地域振興ということが認識され、御指摘のような経済環境との関連もあると思いますが、ようやく地についてきたと、こういう感じでございます。本年度融資期待額から考えますとたいへん苦しい状況でございますが、当面のところはやはり中小企業関係の他の政府機関の資金というようなものも大いに活用する。産炭地の誘致企業の資金需要をただ産炭地振興事業団だけでやるというような考え方では、当初一生懸命になって需要を求めておったという時代と違いますので、相当全体的な目配りというものはいたさなきゃいかぬ。大きなものにつきましては、たとえば開銀の地開ワクというようなものについても十分この活用をはかるべきだというふうに広い範囲でものを考えていきたいと思って為りますが、来年度につきまして産炭地振興事業団における融資ファンドにつきましても相当程度増強しないと実勢に応じきれないのではないかという感じで、いま鋭意それらの検討をしてもらっておるわけでございます。成案を得次第財政当局とも御相談をいたしまして、全体的な配慮の中で片づけてまいりたいと思っております。
○多賀谷委員 次に、産炭地進出企業の固定資産税並びに不動産取得税の減免の問題についてお尋ねいたしたいと思います。 これもかねてから本委員会で問題になっているところでありますが、実際は製造の事業の用に直接供されるものに限るというので、倉底であるとか車庫であるとか、あるいはそういう製品の置き場であるとかあるいは現場事務所というものは対象外になっている。ところが市町村のほうは無理をしてでも条例によって減免をしなければならぬという情勢にあって減免をしておる。ただ地方交付金のそれらの手当ての恩恵に浴さないという問題になっているわけです。ですから、これはひとつぜひ実態に沿うように、いま申しましたような単に製造の事業の用に供されるものということで、非常にワクを狭くしないで、当然そこに事業がくれば事務所があるわけですし、最近のように倉庫も要るわけですから、これらはぜひ適用になるように改正をしてもらいたい。これは法律改正をしなくても、政府のほうで政令なり規則を変えればいいわけでしょう。これに対して御答弁を願いたい。
○真野説明員 ただいまの多賀谷先生の御質問でございますが、現在の産炭地域振興臨時措置法六条に、「製造の事業の用に供する設備」というふうに規定されておりますので、やはり範囲の拡大については法律措置等が必要になると思います。
○首藤説明員 ただいま固定資産税と不動産取得税についての御指摘がございましたが、私、税の担当でございませんのでこまかなことはわかりかねますが、いろいろ各種の税目との均衡その他の問題があるとは思います。しかし、なおその点につきましては前向きの姿勢で検討を進めてまいりたい、こう考えております。
○多賀谷委員 「製造の事業の用に供する設備」といっても、それはあなたのほうで、政令であるいは施行規則で拡大して読むようにすればいいわけですよ、そういう例は幾らでもあるわけですから。ですから、法律を改正しなくてもいい。法律を改正すればなおいいでしょう。しかし、法律を改正しなくても読めないことはないでしょう。「製造の事業の用に供する設備」、これは倉庫は入らぬのだ、そう限定的に読むことはないのであって、もしそれが制限を受けておるのであるならば、これは別の規則あるいは政令で改正をして拡大するように読めばいいわけでしょう。これはどういうふうになっておるのですか。
○中川説明員 実はこの問題、私、昨年九州に参りましたときも誘致企業団体から相当陳情を受けまして、帰って真野君に検討を命じておった事項でございますが、いままでの法律解釈としては、直接製造の事業の用に供するというふうな読み方になっておって、したがって、対象も限定されておる、こういうことでございます。これが解釈だけで広げ得るものなのか、法律改正を必要とするものなのか、もうしばらく検討させていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、自治省と相当相談の上、事を運ばなければならない筋合いのものでございます。私どものほうからできるだけ積極的に自治省に御相談申し上げるということで、しばらく検討させていただきたいと思います。
○多賀谷委員 これも本委員会の懸案事項ですから、早く拡大の方向で検討していただきたいと思います。 次に、産炭地振興にからんで、住宅地区の改良事業を建設省の住宅局長から答弁を願いたいと思うのですが、実は、かなり離職者対策も進行しておるわけです。実効を見ておるわけです。しかし、どうしてもあの地域に残らざるを得ないいろいろな事情の方々がおられる。ところが、いままで炭鉱の社宅におりましたから、新しく住宅を求めるだけの余裕もない。ですから、従来の住宅にいる。しかし、その住宅は、何を申しましても炭鉱の長屋であります。数年をすればスクラップ化されるような、いわゆる老朽長屋である。こういうような状態で、どうしても住宅改良事業の法律の恩恵にあずからなければならぬと思うわけですが、これは生活環境からいいましても、また新しい事業がくる場合でも、こういう将来スラム街になる地点を残しておくことは、私はいろいろな面からいってもよくないと思います。そこで改良事業によって新しい住宅を建てて、そこに住まわすということが必要ではないか、かように考えるわけであります。かなり各市町村からも来年度は要望があると聞いておるわけですが、これらに対して建設省はどういう態度でお臨みになるのか、これをお聞かせ願いたい。
○大津留説明員 お説のとおり、炭鉱地帯におきまして元の従業員が炭住に住んでおる状況、住宅事情としても非常に好ましくない状況だと思います。その改善の一つの方法といたしまして、地元の市町村が改良住宅を建設したいという計画に対しましては、この法律に基づきます要件に合致しておる計画につきましては、これに補助をいたしまして、その計画を推進することに相なるわけでございますが、ただいま御指摘の産炭地域の改良住宅の建設につきましては、従来はあまり地元の公共団体の御希望がなかったわけでございます。実績を申しますと、昨年が全国を通じまして五十戸、おととし及びその前の四十年度は全国で二十戸という実績でございます。ことしになりましてややふえてまいりまして、三百数十戸の希望が出ております。こういうようなことで、その改良住宅の全体の計画がことしは五千五百戸でございます。これは大都市のスラムの改良等に主としてあてられるわけでございますが、そのワク内で産炭地域に向け得る分につきましては向けてまいりたいというふうに考えております。ただ全国で五千五百戸来年はふやして要求いたしたいと思いますが、そういうワクでございますから、全体のワクが相当伸びない限りはあまり多くの数をさく余力がないという実情でございます。したがいまして、私どもとしましては、来年度は要求としてはことしの倍以上の要求はいたしたいというふうに考えておりますが、それが要求どおり通りますと、ある程度産炭地域にも向け得るのじゃなかろうか、こういうふうに考えております。
○多賀谷委員 これは石炭局長も、ここに労働省の安定局長もおいでになりますが、やはり全然無関係な問題ではないのでありますから、ひとつぜひ推進を願いたい、こういうように思うわけです。とにかく、たとえば生活保護になりましても、生活保護には住宅の修理料というのがあるのです。ところが炭鉱の住宅に退職金をもらえないからおると、全然修理の方法もないのです。現実には退職金は、いま話をしたように二〇%くらいしか払ってやってない。ですからこれらの人々は、大辻でもそうですが、移動するにも移動できない。一時金を全然やってないのですから、移動せよといったって移動できない。そこにおるというぐあいで、やはり黒い手帳をもらっておるわけですが、とても黒い手帳では生活できないということで、全く住みかも雨漏りで人間までスクラップになる。あとから質問いたしますけれども、子供はだんだん不良化するという全体的な問題になってきておりますから、また衣食住というけれども、この炭鉱長屋をそのまま修理もしないでおくということは、これは重大問題でありますから、ひとつ建設省もぜひ強力に予算の獲得をお願いしたい。われわれも努力しますが、来年度は大体産炭地域からどのくらい要求が出ておりますか。
○大津留説明員 全国で産炭地域から二千七十二戸の要望が出ております。
○多賀谷委員 一つは制度を知らなかったということもあります。あるいは住宅だけが余っておるんだという観念があった。その住宅も、炭鉱が閉山をして数年もたっていくと、これは何とかしなければならぬという問題に遭遇した、こういうことですね。ですからこれらの問題はひとつぜひ御努力を願いたい、かように思います。石炭局長どうですか。
○中川説明員 多賀谷先生が御議論になっている角度と、私が聞いておりました角度とはちょっと違うという感じでございます。九州の実態からおっしゃっているのだと思いますが、去年来、不良住宅改良問題に市町村が若干熱心になってきたのは、私の承知しておるところでは、労働不足問題でいまの外便所というような状況から脱却したい、そうでないと優秀な労働力が集まらないというのが北海道を中心にしまして出てまいりまして、一番御熱心だったのは、私が承知しておるところでは赤平の市長さんです。そのとき私は、私直接ではありませんが、担当課長を通じて建設省に依頼をさしたようなことがございます。いまたくさん出てきておりますのは、先生おっしゃるように九州地区もある。いわゆる閉山後スラム化したところもあると思いますが、新しい雇用対策面から出てきておるものもありまして、先般、大津留住宅局長が心配して、何かいい知恵はないかということで私のところへ御親切に相談に見えられたことがあります。私も若干気にはしているのでありますが、なかなか建設省としても、全体のワクの中での優先度から見て、特に炭住だけにということにもいかぬような状況。これは無理からぬところがあると思います。何か知恵がないかということで過般来相談はいたしておる状況でございます。御趣旨はわかりますから、検討さしていただきたいと思います。
○多賀谷委員 昨年私ども北海道へ行きました。現在おる炭鉱労働者の住宅は、私自身はよく知っておりましたけれども、われわれはあまり知り過ぎておってマンネリになっておる、不感性になっている点がありますが、ほかの議員から、北海道に外便所があるのはもってのほかだ、北海道へ外便所を置いて労働者は集まれといったって集まらぬのはあたりまえだということで、だいぶ経営者はおしかりを受けた。まさに住宅改良の問題もその問題も大きな重点だと思います。これはひとつどういうくふうをするか、くふうをする必要があるだろう。しかし建設省にお願いをしたいのは、何でもかんでもいままでは全部福祉施設として炭鉱がやっておったというところに非常に大きな問題があるわけです。炭鉱の隆盛な当時の市町村は、首藤財政課長知っておられるとおり、非常に財政が豊かだ。ですから、炭鉱の鉱内を通る道路は市町村道路でもないし、そうして福祉施設は全部炭鉱が持っておる。住宅も炭鉱が持っておるということで、市町村は鉱産税でも取って全く裕福であったわけです。ところが一たん炭鉱がやまりますと、税金は入ってこない、これらの問題は全部市町村に移管をされるというので、何といいますか、いままで財政の豊かであったときに道路をつくり、市町村の水道を持っておればこういう悲劇はなかったわけですが、倍加されて市町村負担になっておる、こういう状態であります。でありますから、ひとつ自治省も入って、全く炭鉱だけの専用道路にする必要のないところも炭鉱がやっておる。それから福祉施設も同じだ、住宅もそうだという場合、まだかなり市町村財政の余裕のある、しかもかなりまだ将来伸びる炭鉱の市町村は、これはやはりある程度公共事業として切りかえる必要があるのじゃないか、こういう問題も考えられると思いますから、ひとつ両々相まって検討をお願いいたしたい、こういうことを希望しておきます。 次に労働省の関係でありますが、昭和三十七年の四月から実施をされました炭鉱離職者の手帳、われわれ黒い手帳と呼んでおりますが、この黒い手帳が切れた者の処遇については、たった一つしか触れていない。それは一年間は一般失対に入れてはならぬということしか触れていない。ところが現実の問題としては、第一にこれは失業保険に問題がある。さらにいうならば、賃金に問題があると思うのですが、炭鉱に特有として多い未亡人、すなわち主人が労働災害でなくなったあとの遺族、これは原則として炭鉱では主人のかわりに就職をさしております。ところが閉山によりましてその未亡人が失業をする、その未亡人の仕事は洗炭その他坑外雑役の非常に低い賃金である。ですからその人が黒い手帳をもらいましても、とても生活のできるような手当ではないということで、これはなかなかむずかしい問題だと思うのです。失業保険の法の改正の要もありますけれども、少なくとも黒い手帳をもらうことのほうが一般失対に行くよりも不利だ、こういう状態が幾つも出ておるわけです。われわれは緊急就労にそういう者は回してもらいたい、こういうことすら考える。黒い手帳は遠慮するから、緊急就労にそういう低賃金の労働者は回してもらいたい、こう考える。これは一般的な話をするのじゃないですよ。非常に低賃金労働者の場合の話をしておるのですから、誤解のないように願いたいと思うのですが、二者選択を許したらどうかという問題。 もう一つ、黒い手帳の期限切れの処遇については、その後どういう対策を立てておるのか。これらについて労働省から御答弁を願いたいと思います。
○有馬説明員 第一点の黒い手帳で促進手当をもらっておる方々の前職賃金が低いために、なかなかこの手当では生活ができないという御指摘がございましたが、前職賃金が低い場合には、そのときには保障という考え方を延長しておりますので、なかなか生活が困難だという実情は私どもも承知いたしておりますが、さりとて三十七年の大改正によりまして、手帳制と事業吸収方式とどちらに離職者対策の主力を置いて展開するかというようなときに、従来の事業吸収方式をやめて手帳制度に切りかえた経緯がございます。したがいまして、この手帳、吸収方式をこの際改めて、二者いずれかを選択するという制度に切りかえるということについては、いろいろな問題があるわけでございます。したがって、私どもとしてはこの促進手当支給期間中に、すなわち三年間の間にできるだけ再就職の促進をするということを基本に置きまして、現在の手帳制度を堅持していくのが筋ではなかろうか、こういうふうに現在のところ考えておるわけでございます。そこで、三年間の期間が切れた場合の、いわゆる期限切れの措置につきましては、御指摘のように直ちに失対に入れるというふうな制度にはいたしておりませんのですが、実際問題としましては、一年間の待期期間を経過いたしまして、さらに失業の状態にあるという場合には、現在でも失対に就労しておる方々が漸次ふえてまいっておりますので、失対制度に最後は吸収をするというこの行き方で、今後も対処してまいりたい。失対の賃金が地場賃金よりも多少上回っておるというふうな状態のところもございますが、何せ慢性的な失業地帯におきましては、地場賃金そのものが低いわけでございまして、失対賃金をそれに合わせて引き下げるということもいかがかと思いますので、失対賃金としてはできるだけ有利なデータで賃金をきめておりますので、地場賃金が著しく低いというときには、そういった矛盾も若干ございますけれども、従来の方針で、最後は失対に就労させるという方針でまいりたいと思います。
○多賀谷委員 一年の待期期間というのは必要ないんじゃないですか、規則を改正して、その人の実情に応じて失対に入れるようにすればどうですか。
○有馬説明員 これは何回も御答弁申し上げたとおりでございますが、離職者措置が、普通の一般の場合と比較しまして非常に手厚い措置を講じておりまして、一年間の待期期間を置きまして失対事業と直結しないような制度にいたしておりますので、やはりこの制度を今後も踏襲していくのが至当ではないかというふうに考えております。
○多賀谷委員 そうすると、具体的に制度が実施されてから黒い手帳をもらった者がどの程度。それから期限満了まで、すなわち三カ年間黒い手帳を経続してもらっておるものがどの程度。そのうちその離職者はどういうようなその後の帰趨になっておるのか、これを追跡したものがあればお示し願いたい。
○有馬説明員 三十七年の法改正以来、黒い手帳を交付したものの数は約十四万でございます。その半数程度は離職後一年程度で再就職をいたしておりますが、最終期限の三カ年を経過いたしましても再就職ができなくて期限切れになった者は、全国で約四千人ございます。そのうち福岡県分が約二千九百人でございます。
○多賀谷委員 その四千人はどういうようになったわけですか。
○有馬説明員 期限切れの方々は、大体再就職が非常に困難な条件がおありの方でございますが、中でも年令的に見ますと、五十五歳以上のいわゆる高年令層の方々が五八・四%、大体六割近い比率を示しております。したがって、再就職の意思のない方も相当おありでございまして、事実上安定所に求職申し込みをしておる方々は、福岡の場合でございますが、ことしの七月末現在で一般の求職として二十三名、それから日雇いの求職を申し込まれた方々が九十九名というような状態で、大半の方は安定所に対して求職の申し込みをしていないという状態でございます。
○多賀谷委員 まあ三年もやってうまくいかないんだから、安定所に対してはかなり悲観をしておるのでしょうね。期待していないというところもあるのではないかと思いますが、私は一年という期間を待期期間として置くというのは長過ぎると思うのです。若干断続してもけっこうですけれども、一年も失対に入れないということは残酷ではないか。現実に安定所ではわかるわけですよ。この離職者がどこにも正常な職業はないということはわかるわけですから、私は一カ月か二カ月でよろしいのではないか、一年も待期期間を置くということは、いわば生活を奪うものだ、こういうように考えざるを得ない。ですから、そういう制度それ自体が規則ですからわれわれに相談なくつくって、われわれあとで気がついたら、何だとんでもない規則をつくっているんだなということで、あとから気がついたようなぐあいです。もっとも三年間たたなければそういう人は出てこないのですからね。ですからわれわれは気がつきようがない。役人は頭がいいからこそっと早目につくって、われわれは三年後に気がついたというような状態で、まあ非常に不明朗な状態でありましたけれども、これは局長、あなたのところで簡単に変えられるものだから、ひとつ規則を変えて、そんな一カ年なんていうことをしないで、一カ月か二カ月は待期期間に置くということで、その一カ月か二カ月断続したらどうですか。安定所の人は失対に入れるときに資格審査をするんだから、十分知っているわけですよ。その空間というのはたいへんなんですよ、三年間も求職運動をしてできなかったという労働者は。そして一年後になったら現実にまた失対に入れているわけでしょう。ですから、これ以上この人にはほかに仕事がないということを認定できる十分な時間的な余裕が当該安定所にはあるわけですから、一カ年という規則によって、むしろ制度によって少し縛り過ぎておるんじゃないか、こういうように考えるのですが、どうですか。
○有馬説明員 この一カ年の待期期間は、私の就任する前からこういった制度を申し継いでいるわけですが、三十七年当時の離職者対策といいますか、法改正につきましてはいろいろな経緯がございまして、いまのような制度が当時でき上がっておった経緯もございますので、多賀谷先生の再々の御提案でございまして、私も簡単にできませんと言いにくいところでございますので、検討はしてみたいと思いますが、いろいろな経緯がございましたことも御承知おき願いたいと思います。
○多賀谷委員 来年度の緊急就労はどのくらいの人員をいま要求しているわけですか。さらに、単価はどのくらいですか。
○有馬説明員 来年度の石炭関係の予算につきましては、まだ答申がかたまっておりませんので、われわれとしてはまだ最終的な成案を得る段階になっておりませんが、緊就につきましては従来の方針を踏襲していきたいというふうに考えております。ただ、現地の事情はいろいろ亀井知事からも御要望がございまして、なかなかこれは思い悩んでいる点もございまするが、答申をまってこの問題もよく検討してみたいと思います。
○多賀谷委員 次に、最後に教育問題を質問したいと思います。 まず、産炭地の教育問題につきましては、私自身も本会議並びに予算委員会等で総理大臣に質問を何度もしましたし、また同僚議員からも質問がありましたが、突っつきますと、政治家の段階ではなかなかものわかりがいい。ところが役人の段階になるとさっぱりこれは動かぬわけですよ。それで、各文部大臣も、官僚出身の愛知さんだって非常にものわかりがよくて、これだけはひとつ太いにやります。ところがだんだん役人ベースになると、いや画一行政で教育は画一だというので、なかなかうまくいかない。中村文部大臣は、多賀谷さん、どうしてこれはうまくいかないんでしょうかと向こうからこう聞くくらい役人がかたいのです。 そこで、いま御存じのように漸次定数を減らしていっている。そして、四十四年度でその五カ年計画といいますか、一学級五十名が四十五名になるでしょう。そういう時期で、おそらく来年の国会、実質審議が始まります一月の終わりからの国会においては、あなたのほうは、この公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の改正を出されるんじゃないかと思うのです。これは来年の国会に出されますか、再来年の国会に出されますか。厳格に言いますと、ことしの定例の国会に出されますか、来年度の国会に出されますか。
○岩田説明員 義務教育の教職員の定数につきましては、これは先生特に御承知のように、ただいまお話しになりました義務教育定数標準法の五カ年計画が三十九年度以降進行いたしてきておりまして、この四十三年度をもちまして、その法律の本則の四十五名に到達したわけであります。 そこで、その間産炭地の問題につきましても、かねて多賀谷先生からいろいろ御要望を、過去二、三年の間お承りしてきたことを私聞いておるのでございます。そこで、しかしながらその中途の計画の進行中でございますので、それらの問題はあげて四十四年度以降、つまり四十三年度で完成をする、その後の問題として検討いたしたいと思いますということで御答弁を申し上げ、しかしながらその間におきましても、教職員の急減に伴うところの対策といたしまして、若干、法律の許す範囲内におきまして、急減緩和、つまり最低保障の措置をとりました。この点は、産炭地等の教員にゆとりを持つことに非常に効果があったと思うのであります。しかしながら、それらの規定もすべてこの四十三年度をもちまして一応計画は終わるということになりました段階で、いま御質疑になりましたように、四十四年度以降をどうするかというこういう問題にいま当面しておるわけでございます。 そこで、この問題につきましては、すでに年来私どものほうにおきましては検討を続けてまいっております。当面、来年度の予算要求の時期を旬日の間に控えておりますので、私どもまだ事務的な段階でございまして、最終的な省内の決定を見ていない状況でありまするけれども、まあ事務的な段階の希望といたしましては、来年度から新たなる改善を行ないたい。しかしそれにつきましては、これは法律の改正を要することでありまするから、来年度から定数の改善を行なうとすれば、それに間に合うように国会に法律を提案しなければならぬという段階に立ち至るものと考えます。
○多賀谷委員 そういたしますと、まあ従来も政令定数の特例として最低保障を産炭地にはいただいておったわけです。さらにわれわれは意外だった充て指導主事——これは意外だったというのは、愛知文部大臣が、これは学校になるべく置くということでありました。実際問題としては教育委員会に置くということで、せっかくもらった充て指導主事が必ずしも補導教育のために使われなかったという問題があります。まあこれも四十四年度に新制度を発足するにあたりまして、新しい観点から検討してもらいたいと思います。福岡県で例をとりますと、約百六十ほど単独県費で出しておる。そのうち教員が七十名くらいですね。そうして、私どもがかねてから要求しておりました事務職員も、ことしは生活保護並びに要保護児童が四割以上、そうして定数が百六十名以上の学校について一名補充するということで十七名増加を見たわけでありますが、しかしこれもその基準に該当するのが六十数校あるのです。生活保護及び要保護が四割以上いて、それが百六十名以上の学校でその数が六十数校あるのに十七名しか来なかったということで、これも残念に思うわけであります。 そこでかねてから非常に手間のかかる、長欠の多い、しかも崩壊家庭の子供、まさに炭鉱スクラップ、労働者のスクラップだけでなくて子供までスクラップされようという状態です。しかも生活保護の事務が非常に学校の先生に負担になっておるということで、いろいろな点をお願いしておったわけですが、一体どういう方針で臨まれることになっておるか。もうおそらく八月末で大蔵省に要求されるわけでありますから大体の見当はついておると思いますが、その方針を伺いたいと思います。
○岩田説明員 お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、この教員の定数改善につきましては、いろいろな角度からの検討が必要でございまするので、私ども多面的に検討いたしておるのであります。最終的な段階にまだ至っておりません。基本的に出すという最終決定、来年度改善を行なうという決定の段階にまだ立ち至っておりませんけれども、ただいま御質疑に相なりましたいわゆる産炭地域におきましては、一般の都道府県に比べまして、生徒の長期欠席やあるいは非行といったようなものも相当率が高いというような点等につきまして、その児童のための教員の配置あるいは準要保護の家庭が多いために伴うところの学校事務の増加等に対処するための事務職員の増加、これらの点につきましては、従来から多賀谷先生の御質疑もあったわけでございますが、それらの点も定数改善を行なう場合の重点課題の一つとなっていることを申し上げます。
○多賀谷委員 それはどういうようにいくのですか。学級編制の基準と教職員定数の標準とこうあるわけですね。たとえば産炭地の場合には一学級四十五名を一般よりも下げられるかもしれない。その場合にさらに下げるという方向でいくのか、あるいは学級にかける一・幾らという御存じのように定数がありますね。そういう係数を変えられるのか、あるいは両方でいくのか、どういう方法でおやりになろうとしているのですか。
○岩田説明員 お答え申し上げます。 その産炭地の定数に対処するための方法といたしましては、いまお話しになりました両面の問題があるかと思うのでありますが、どういう方向でいったほうが一番問題の重点をとらえて解決するために効果的であるのかということにつきまして、私ども部内におきましてもいろいろ議論のあるところでございまして、まだその点につきましては最終的には結論は得ていないというのが現在の段階でございます。
○多賀谷委員 きょうは二十三日ですか、ですから今月中に出すわけでしょう。あなたのほうが大蔵省に出すというのは、もちろん法律改正をしなければならぬですけれども、当然もう頭の中に描いておかなければできないことですね。まだ検討します、検討しますではどうにもならぬので、一体どういう方向でいこうとするのか、要するに学級編制の標準を変えていこうとするのか、あるいは教職員定数の標準でいこうとするのか、あるいは両方かみ合わせていこうとするのか、これはもう大体内部でははっきりしているのでしょう。どうですか。
○岩田説明員 来年度以降の問題としては、過去もう一年以上前からさかのぼっていろいろ検討いたしております。いろいろたくさんの案は持っております。ですからもうそのいずれの案をとるか決定さえすれば、すぐどっちでも出せるという状況でございます。
○多賀谷委員 これは松田文部大臣時代からの問題です。ですからもう相当長い問題です。そのうちに御存じのように限度政令が出て、にっちもさっちもいかなくなった。しかしそれもやがて限度政令も切れる時期がくる。四十三年度で終わる。われわれは非常に待望しておったのですよ。ですから四十四年度からは新制度になるのだからというので待望しておったわけですが、教育状態は一つもよくなっておりません。むしろ悪化をしておる、こういうことですから、ひとつ補導教員の問題あるいは定数の問題あるいは事務職員、養護を含めての問題、これをぜひ検討してもらいたいと思う。やはり教育は一律行政であることはわれわれも承知しておりますけれども、日本の行政はだんだんこまかくやらなければならぬ時期がきておる。水道料金の値上げだってそうでしょう。あるいはバスや電車の値上げだってみんな身体障害者は安い切符を出すとか、あるいは低所得の人は水道料金をまけるとか、そういう制度にだんだんなりつつあるのです、日本の行政そのものが……。ですから日本の行政でポケットになっている地域ですね、これは同和地区もあるでしょう。スラム街の地域もあるでしょう。別な観点から言えば僻地もあるでしょう。ですからそういったもろもろの問題をこまかく行政はしていかなければならない段階がきておるのじゃないか。だれでもかれでもみんな貧しかった時代とはいまの状態は違うのだ、こういうこともひとつ十分考慮をして、文部省の従来の行政の態度もわかりますけれども、全体として国の行政はこまかく手厚い方向にいっておるのだということを十分考慮をして御配慮願いたい。
○岩田説明員 冒頭に産炭地問題に関しては大臣ははなはだものわかりがいいけれども、事務当局は頭がかたくてものわかりが悪いというおことばがありましたが、私どもも最近は大臣にならいましてだんだん頭をやわらかくしてきておりますので、この定数問題に関しましてもできるだけ年来の御要望の線に沿うように格段の努力をいたしたいと思っております。ただこれにつきましては御案内のように、うしろのほうにもすわっておられますけれども、御相談申し上げるべきところが多々ありますので、最終案ができるまで非常に努力をするということでひとつ何とぞ御鞭撻をお願いいたしたいと思います。
○岡田(利)委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時十七分散会