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59回国会衆議院1968/10/30

社会労働委員会 第6号

発言数
289
登壇者
15
会派数
5
開催日
1968/10/30

会議録

小沢辰男自由民主党

○小沢(辰)委員長代理 これより会議を開きます。  本日は、委員長が所用のため、指名により私が委員長の職務を行ないます。  厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますのでこれを許します。河野正君。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 御承知のように、目下関西から九州、四国にわたりまして、いわゆる北九州のカネミの米ぬか油、ライスオイルでございますが、このライスオイルに基づきまする被害者というものが、ばく大な数になってあらわれてまいっておるわけでございます。一番新しいところによりますると、大体二十三府県にまたがっておって、その数も大体一万一千七百名をすでに突破をした、こういうふうにいわれておるのでございます。このような非常におびただしい数の中毒患者と申しますか、こういうケースは、去る昭和三十年に森永のドライミルク事件という砒素事件がございましたが、それ以来の非常に大きな食品公害事件でございます。しかしながら、今日なおその原因も解明されておりませんし、したがって医療方法というものも全く解明されておらない。したがって、国民は原因もわからぬ、治療もわからぬということですから、非常に大きな不安を感じつつある。しかも、いろいろ今日までの経過をたどってまいりますると、政府その他当局側のいろんな手違いもあって、むしろ今度の問題については行政不在じゃないかというようなきびしい批判もあるところでございます。  そこで、具体的には次々にお尋ねをしてまいりたいと思いまするけれども、こういった事態に対して、この問題の所管の最高責任者である厚生大臣はどのようにお考えになっておるのか、まず厚生大臣の御所見を承っておきたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 北九州の米ぬか油の事件はただいま御指摘のとおりで、研究班と医療班に分けて両面から、研究班のほうは学問的な研究、追跡調査を鋭意進めておりますが、いまなおその原因はわからない。責任上非常に心配をいたしております。  そこで厚生省としては、詳細な経緯はおっしゃるとおりでありますから申し上げませんが、現地にまず課長、係官を派遣をし、当初この研究について、やや個々的でばらばらのこともございましたから、たとえば関係方面に全部現地に集まっていただいて、ここで研究の総合的体制をとると同時に、特に研究班と医療班に分けて班を編成をして施策を進めておる。それから一方には、県並びに私のほうでも、当会社には販売停止の措置をやって、全国の都府県にも、それぞれ強力な行政指導で注意をし原因探求をするように指示すると同時に、一方また、いま一万何千名になっておりますが、実は九大のほうで十八日に診療した数を見ますと、来ました患者の方々が百十一名、その中でほんとうに油症の中毒であろうと診断をされた者は六名、百何名かはその他の理由による神経過敏症であるということで、逐次再検討しておりますが、ほんとうの患者は二割とか三割とか推定されておりますけれども、それにしても、被害者は御承知のとおりに非常にひどい被害で、しかも妊産婦の流産、死産、こういうものを見てみますと、出てきた子供さんがまっ黒な皮膚の色をしておるなどという、被害はきわめて深刻であります。そこで私のほうで、極力原因究明を急ぐと同時に、一方ではまた医療費の立てかえなどということも検討して、すみやかに原因を究明をしそれに対する治療に当たる、こういう準備をしております。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 いろいろ今回のライスオイル事件に対します体制の整備についての御報告があったわけですけれども、私どもは、今度とられてまいった当局側の措置について、将来の問題もございますから、いろいろ反省すべき点は反省しなければならぬ。そういう意味で、いま国民には、今度のライスオイル事件について、行政不在だというきびしい非難というものがあるわけですけれども、それにはいろいろなケースがございます。食品衛生における行政不在だという非難を与えております一つの理由としては、当初大牟田で国武忠さんという油症第一号が提起をされた。この国武さんが第一号として届けられたのが十月四日のことであります。ところが当局側、特に県当局でございますけれども、当時当局側がこの問題を取り上げてまいりましたのは、その一週間後の十月十一日であったということ。それから県があわてて県下の保健所を集めて連絡協議会を開いたのが十月の十六日のことでございます。今日このように問題が関西一円、先ほど申し上げまするように二十三府県という広域的に広がってきた。そこでいろいろあわてておるわけでございますけれども、こういう経過をたどってまいりますと、やはりその調査、原因追及が非常におくれておる。その調査とかあるいは原因追及、そういったものの内容、あるいはスピードというものが非常に手ぬるかった。こういったことが結果的には原因追及に非常に大きな支障を来たしたかもしれないし、また一方においては、国民がそのために非常に大きな不安を持ってきたというようなことが言えると思うのです。そういう意味で私どもは、こういう行政能力の欠除という問題については十二分に厚生省としても反省してもらわぬと、そういうことではいつ第二のライスオイル事件が起こるかわからぬ。これは水俣病でも経験済みです。水俣病で非常に処置がおくれたために、第二の水俣病が出てきた。同じように、今度のライスオイル事件が、第二のライスオイル事件の発生となるという危険性というものも当然予想されるわけですから、そういう意味で、今回の当局側のとってきたいろいろな処置というものが非常に手ぬるかった、こういう点については大いに反省してもらわなければならぬと思うのですが、その点いかがでございますか。ひとつ大臣の率直な御意見を承っておきたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 経緯は、十月の四日にいまの患者が来られて、大牟田の保健所から福岡の県衛生部に、油によると思われる中毒患者発生の連絡が入っております。そこで、八日に大牟田の患者宅から原因と思われる油をいただいてきて、大牟田の保健所で調査の結果、九州大学付属病院で診療を受けている旨が判明して、同日に福岡県は九州大学付属病院を調査の結果、同様の患者四名が北九州市から受診しているということが判明したわけで、この間、一つは北九州市と福岡県の行政が独立しております関係上、県のほうがより表面に立って指示をする時期がおくれた、この点は御指摘のとおりであります。そこで、こういう突発事故に対する応急の体制をもう一ぺん反省をして検討する必要がある。ここに一つおくれた理由がございます。県は十月の十一日に県下の保健所に対して患者の調査、厚生省は県から報告を受けて、それから機関と連絡を密にしながら、経路の究明、原因の究明及びカネミ会社に対する行政指導について指導したわけでございまして、まず最初の横の連絡というものは、もっと事件が起こったら直ちに連絡がとれて対策がとれるようにしなければならぬ。この点は今後組織的に検討する必要がある。それからもう一つは、市とか県の監視能力、それから、これに対する研究その他の能力が低いところもあれば高いところもございますから、こういうことは、食品衛生の問題が非常にたくさん出てきておるおりから、やはり監視能力、及びこれに対する対策を実際にやるのは第一線ですが、もう一ぺん私のほうで市や県の能力を検討してみる必要がある。そして必要があれば弱いところはこれに補助をしてやって、早く体制を整備しなければならぬ。もう一つは、この病気が初めてのケースであるために、当初の間はこれに対して各機関が足並みをそろえていなかった、こういう点があると思いますので、そういう点も十分反省して検討したいと思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 いろいろ体制の強化という問題について検討を加えてまいりたい、これは私はそのとおりだと思うのです。特に私どもは、今度の事件を通じていろいろ反省をされまする点は、やはり、いま大臣も御指摘のように、行政上非常に体制というものが欠除しておる。不備である。そこで結果的には、この行政指導というものが非常に自信がなさ過ぎる。その一例ですけれども、この十月の十一日に、北九州市当局はカネミオイルの加藤三之輔社長に対して、ひとつ道義的に営業を停止したらどうだ、これほど問題が起こってきておるので、そういうふうな勧告をいたしたようでございます。ところがカネミの社長は、自分の社の製造工程にもまた製品にも絶対の自信がある、むしろ北九州市は何を言うかというような、非常に高い姿勢でこの自粛勧告に対して拒否をいたしておる、こういう事実がございます。私は、カネミがそれほどの自信があって、当局側も何ら問題がなかったということならけっこうですけれども、ところが十一日に、ひとつ道義的に自粛したらどうだ、こういう勧告をしながら相手から拒否された。そうしてこの十五日には、四日後には、食品衛生法第四条に基づいて一カ月間の営業停止を命じておるわけです。四日後に命じておる。四日前には拒否されておるわけです。何を言いますか、わが社の製造工程においても、製品においても何ら誤るところはない、絶対自信を持っている、こう言われて当局が腰くだけになった。ところが、四日後には食品衛生法第四条を発動して、一カ月間の営業停止を命じておる。全く自信のなさにもほどがある。もちろんこれには、こういうものを究明するところの人材がおらぬ、あるいは施設がないというようなことが基本的にはあると私は思う。ですけれども、行政能力に欠ける点が非常に強かった。ところが今度、一万一千名、そのうち真性が一一%とか二〇%とかいわれておりますけれども、それは別として、いずれにしてもその地元でございますから、福岡県にこういう油症患者というものがこれほど多発をいたしておる。ところが福岡県においては、十五日にやっと食品衛生法第四条を発動して営業停止を命じた。山口、長崎ではその前日の十四日に営業停止、製造販売、移動の禁止を命じておるわけですね。私は、むしろ地元である、最も患者の多発しておる福岡県がそういうふうな発動をするならけっこうだけれども、山口、長崎におくれてそういう行政措置をやっておる。こういうところに私は行政能力の欠除というものがきわめて大きく暴露されたと思うのです。こういう点について厚生省は一体どういうふうにお考えになっておるのか。これは事間違えば人命に関する問題です。こういうふうな行政指導ではたしていいのかどうか。私どもは、残念でございますけれども、こういう行政指導について非常な非難を持たざるを得ないと思うのです。この点については将来の問題がございますから、これまた大臣の率直な御意見等をひとつ承っておきたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 福岡県は、御指摘のとおりに、十五日に販売停止を指示し、厚生省は十六日にやっております。そこでこれは、販売ルートが非常に複雑であるとか、あるいは初めてであるとか、あるいは連絡事務にいろいろ問題がありましょうけれども、第一番にやはり反省しなければならぬことは、何かこういう事故があった場合に、人命に関することであるから、まず販売停止なり業務停止を命じておいて、それから調査なり対策にかからなければならぬという基本的な食品に対するものの考え方が、いままでの惰性でちゅうちょしておったというところに、私は大きな原因があると思うわけです。  そこで、これはいままでの例を調べていただくとわかりまするが、森永の場合でも、こういう場合でも、販売停止なり営業停止を命ずるのは、いろいろな慣例や法令の検討があって相当おくれておって、今度は三日か四日おくれておりますが、いままでの例からすれば非常に早いほうだ。しかし、非常に早いほうだからいいと私は言うのではなくて、少なくとも三日なり四日なりおくれたというところ、一番問題はそこにある。こういう問題は、やり過ぎてしかられるのと、やらないでしかられるのは、やり過ぎてしかられるほうをとろべきだと思う。したがって、今後はこういう問題が起こったときには、まず疑わしいときには販売停止を命じておいて、それからあとの処置にかかるということをはっきりきめておきたい、こう思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 慎重を期する意味においておくれたということは、私どもも必ずしも否定するものではございません。だが山口、長崎では、その前日、十四日に製造販売、移動の禁止を命じておるわけです。しかもそのおひざ元である福岡県については十五日なんですよ。私はそこに問題があると言っているのです。その福岡県がおひざ元ですから、患者が一番多発しておるわけですから、そこで福岡県が早かったというなら話はわかる。ところが山口、長崎では、福岡の前日にそういう行政命令を行なっておるわけですね。そういう意味で私どもは納得できないということを、御指摘を申し上げたわけです。  そこで、時間の制約等もございますから、さらに今日国民がこの問題について非常に大きな不安を持っておる、なお持ち続けておる、そういう立場から若干他の問題に触れてみたいと思うわけです。  それは、当初久留米大学の山口誠哉教授が大量の砒素を検出をして、当時はこの原因の砒素説というのが非常に大きくクローズアップされていた。ところがその後、九大、それから国立衛生試験所でも砒素が検出されない。最近では国立衛生試験所等では、むしろ大量の塩素化合物が検出されたんだ、こういう発表をいたしておるところでございます。そこで、当初は原因は砒素説、今日ではむしろ塩素化合物説ということに、だんだん学界その他の意見が変わってきておるようです。  そこで、ここで触れておきたいと思うわけですが、その当初久留米大学の山口教授の教室では、五〇PPMの砒素が検出された、こういう発表がなされておるわけですね。これは後ほど私ども社会党調査団として参りましたときには、この砒素の検出というものは、定性検査であるので実際の数字を明らかにすることは困難であったけれども、いろいろ問い詰められて、この定性を定量の数字に読みかえると大体どのくらいかという質問があったので、その際に五〇PPMという答えをしたんだ、こういう御発言でございました。しかしそれには、この砒素を検出する過程の中で、これは試薬の問題もいろいろございますし、來雑物がございますから、そういうものをのけて、山口教授が自信を持って言える砒素の数字というものは大体どの程度だ、こういうふうに質問をしたところが、自信を持って言える範囲は二〇PPM程度ですという発言になっておるわけです。この点はいまも、大牟田の国武忠さんの検体については、確かに二〇PPMの砒素が検出されたとはっきり明言されておるわけです。それから、当初佐世保では八〇PPMの砒素が検出されたという新聞報道がなされました。ところが、だんだん砒素説がくずれてきたところが、いやあれは八〇PPMではなかったのだ、〇・〇八PPMだったんだ、こういう発言に佐世保の保健所では変わっておる。それから、山口、佐賀、香川においても、微量でございますけれども砒素が検出された、こういう発表をしておるわけです。大阪もそうでしょう。大阪でも大体二〇PPMの砒素が検出されたと言っておる。このように、あちらこちらで検定をして砒素が検出されたといいながら、今日では砒素がないというような意見に変わっておるわけです。  私は国民として非常に不安を感じますのは、砒素の人間の許容量というものは〇・〇五PPMなんです。にもかかわらず佐世保のごときは、八〇PPMだ。ところが、あとで問題になったときには、いや実はあれは〇・〇八PPMでした、こんなことがお役所仕事で言えるのかどうかですね。人体の許容値は〇・〇五PPMですよ。それが八〇PPMが出たら一体どういう状態が起こるのかということは、当然役所としては考えなければならぬ立場にあると思うのです。それが簡単に八〇PPMです。それで問題が起こってくると、あれは〇・〇八PPMでした、こんなずさんな発表をいたしておる。私はもちろんこれは、地方の衛生研究所あるいは保健所等の施設が非常に不備である、あるいはりっぱな研究者というのがおらないということだったと思うけれども、あまりにもお役所仕事というものはずさん過ぎる。事人命に関することですよ。人体の砒素の許容量というものは〇・〇五PPMですよ。それを簡単に八〇PPMです。それからもう一つは、山口でも佐賀でも四国の香川でも砒素が出たといいながら、今日ではいつの間にか砒素が消えてしまった。何かそのときそのときの学者なり学界なり研究班なりの意向に左右されて、こういうものが場当たり的に発表されるような印象を持つわけです。出たものは出たと言ったらいいじゃないですか。久留米の大学の山口教授が言っているんです。最初持ち込まれた国武忠さんの検体については二〇PPMが出たということは、これは私は自信を持って言えますということを言っている。それが今度福岡の油症研究班に行きますと、それも間違いだったと否定しているんですね。どうも私は、一つにはお役所の仕事というものが非常にずさんであり、お粗末であり、施設が——もちろん基本的な施設が不十分である、あるいはりっぱな研究者がおらぬから、胸を張って発表できる人がおらぬですから、八〇がいつの間にか〇・〇八でした、読み違いでしたというような、訂正を加えるようなていたらくです。そういう体制の不備、これは結果的には国民に非常に大きな不安を与えておるわけですから、私は、この点については政府としても大いに反省してもらわなければならぬ、こういうふうに考えるわけです。  いま私は具体的にいろいろな実情を述べましたが、こういう実情についてどうお考えになっておるのか。これは非常にたいへんなことです。あまりにも学問というものを軽視し過ぎますよ。さっき申し上げましたように、人間の砒素の許容量というものは〇・〇五PPMである。それを簡単に八〇PPMでした。それを世間が騒いだら、いや、あれは〇・〇八PPMでしたなんて、こんなお役所仕事でいいのかどうか。私どもは、政府のこういう意味における指導方針、こういうものをひとつこの際明らかにしていただきたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 砒素が検出されたという事実を否定をしたり、また砒素説が全然なくなったわけではなくて、砒素という説が弱くなって、中毒事件のおもな原因は塩素のほうが強くなってきたという状態がいまの状態で、決して否定はしておりません。  それからなおまた、その各所には砒素が出てきた、ほかのものは出てない、しかも含有量に非常な差がある、こういうことについては、これはやはり経緯でありまして、やはり学問の世界でありますから、中央では環境衛生局長を本部長として、学識経験者とうちの機関の長を全部集めまして、定期的会合を開く。現地においても、それぞれ係官を派遣しておりますから、そういう経緯についても納得できるようにちゃんと解明するように私は命じております。  砒素説から塩素説に逐次変わってきた原因については、本部長である局長から御報告させます。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 私から砒素説あるいは塩素の問題につきまして御説明いたします。  先ほど御説明がございました中で、佐世保の問題でございますが、この点につきましては、私どもといたしましても、まことに遺憾に思っておる次第でございます。ただ、この点につきましては、地元では慎重は期しておったのでございますが、問題が問題でございますので、これが表に出たということだと私どもは承知いたしております。  それから砒素でございますが、ただいま大臣から御説明がございましたように、おおむね砒素説は否定されつつあるのでございます。しかしながら、この否定する根拠としましては、普通ならば肝臓がはれるというのがはれていないというようなこと。それから砒素は検出されておりますが、砒素は微量の程度ですと自然界に含まれておるわけでございまして、御承知のように、エビとかカニとかいうものは、三〇PPMとかあるいは一〇〇PPMも砒素が含まれておるものがあるというようなことでございまして、一応否定されつつありますが、しかしながら、砒素のごく微量の慢性中毒というものがどういうものかということにつきましては、やはり今後の研究課題でもございますので、この問題につきましては完全否定はしていないという現状でございます。  それから塩素の問題でございますが、現在いろいろな検査をいたしております。重金属類あるいは農薬関係類その他につきまして、いろいろと分析をいたしておる次第でございますが、塩素というものが一部量が多いという結果が出ておるわけでございまして、これも一つの材料からでございますので、今後さらにたくさんの材料につきましてもう少し調べてみないとこれはわからない、こういう状態でございます。それから症状の面からいいましても、塩素等ではこういった症状も起こりやすいという一面の問題もございますので、塩素という考え方がただいま強まっておりますが、まだこれはもちろん確定の段階ではないのでございます。  その他、岡山大学でニッケルが発見されたというようなことでございますが、これは事情を伺ってみますと、やはり他の材料に比べてニッケルが多いというようなことでございますが、これも定性で判断をいたしております。現在定量いたしておるというようなことでございます。それから、ニッケルでは相当の量がないと中毒は起きないのではないか、こういう考え方もございまして、ニッケルももちろん一つの問題として検討はしなければなりませんが、原因としてはまずは考えられないのではないかというようなことで考えておりますが、しかし今後十分検討してまいりたいということで、まことに申しわけない次第でございますが、国の研究機関あるいは地元におきます県の研究所あるいは大学等あげまして検討をいたしておりますが、現段階ではまだはっきりしたことはわからないということでございますので、今後鋭意努力してまいりたい、かように考えております。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 特にライスオイルの場合は、連続して常用しているというところに非常に問題がある。ですから、むしろ私どもは、このライスオイルに基づいて中毒症状が起こってくるならば、やはり慢性の型で起こってくるだろう。たとえばサルバルサンのごときは直接静脈注射で砒素をやるわけですが、ライスオイルを長い間常用しているその間にだんだん慢性的な症状が出てくるだろう。ですから、非常に砒素の含有量が微量であっても、それが蓄積する。それはつめとか髪の中にちゃんと残っていくわけですから、その点が非常に問題だとわれわれは言っているわけです。量が少ないとか多いとか——もちろん多ければたいへんですけれども、少ないからたいして問題がないということではないですね、学問的に。ですから私どもは特に、そういう砒素説がだんだん塩素説に変わっていくということは、それはそれなりにけっこうだと思います。ただ、一度出たという砒素の検出されたものが、あたかもなくなったかのごとく、あるいは誤りであったかのごとく喧伝されておるというところに、私は非常に政治的な面がありはしないかと思うのです。特に久留米大学の山口教授に対して私どもははっきりものを申したのですが、あなたは最初の検体の砒素の検出については確信をもって言えますねと言ったら、確信をもって二〇PPMは言えるとおっしゃっておった。ところが新聞その他では、山口教授が最初やった検体についても砒素が否定できたかのごとく喧伝されておる。そういうところに私は、どうもこの問題が政治的に取り扱われておりはしないか、こういう感じを持つわけです。これは私ども社会党の調査団が参りましたが、みんなそういう感じを持っておったわけです。学問的にはいろいろ経緯があるわけですから、最初出てあとの検体では出なかったということもありましょうし、最初塩素がなくてあとの検体については出てくるということもありましょう、ものが違うわけですから。しかし、現実に出てきたものは出てきたものとして踏まえて、やはり処置をしなければならぬと思うのです。それが、どうもだんだん、砒素説が塩素説に変わることはけっこうですけれども、政治的に取り扱われるような印象を、私どもは残念でございますけれども受けます。そういうことはなかろうと思うけれども、しかし現実に私どもはそういう印象を受けるわけです。この点についてはやはりここで明確にお答え願っておかなければいかぬと思いますので、ひとつ率直な意見を承っておきたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 検査や原因究明に恣意的な配慮は断じてございません。しかし、学問の世界でございますから、一方には砒素が、量は別として二〇PPMとかあるいは五〇PPMとか出たという現実の発表があり、その後だんだん減ってきたとか、あるいはほかの場所にはないとかいうことは、やはり学問の世界でこの経緯についてははっきり解明すべきことが、将来のためにもなるし、また今度のことの真相を究明する場合にもそうでありますから、それはどういうふうに分析の結果がなったか、試験の結果がどうであったか、それぞれ専門家に研究してもらってその経緯ははっきりしていきたいと考えております。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 そこで、これも非常に行政能力の欠除の一端だと思いますけれども、ひとつ取り上げてまいりたいと思います点は、いま塩素説が出てまいりましたね。ですから、それはそれで私けっこうだと思うのです。ところが、この二十七日に国立衛生試験所で大量の塩素を検出したと発表しておるわけですね。ところが、ここで問題になりますのは、国立の——これは国ですよ。国立の衛生試験所で大量の塩素を検出した。しかもその出てきたと発表した根拠というものが、私これは非常に問題だと思うのです。一つは大量の塩素が出てまいりましたと発表したが、その検体は、これは新聞紙上でも報じられておりますけれども、都内の某大手製薬メーカーの研究所における螢光分析によって大量の塩素が出てきた、これが塩素が出てきたという発表の一番大きな根拠になっておるわけです。そして国立衛生試験所のガスクロマトグラフィーの分析でもかなり塩素が出た。要するに、塩素が出てまいりましたという新聞発表をしたのですが、その根拠の重点というものは、都内の大手製薬メーカーに頼んで、そこで結果を出してもらった。それはもちろん大手メーカーで螢光分析の性能のいい機械を持っているというような問題があるかもしれぬけれども、少なくとも今日これほど国民が騒いでいるこういう問題について、民間の製薬メーカーに頼んで、それで検査をしてもらって、それを資料にして発表するような不見識なことで国の機関があっていいのかどうか。私は、やはり厚生省が胸を張って、われわれの研究所で検定をしたら塩素が出ましたというならいいけれども、こういうことでは、政府に対しまする不信感というものはぬぐい切れぬと思うのです。こういうことで大臣、いいんですか。全く私は不見識もきわまりないと思うのです。この点について大臣の率直な御見解を承りたい。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 いまの御指摘の事実は、大阪の衛生試験所を通じて高槻市の理学電機というところにあるX線螢光分析器、これが非常に優秀な機械であるというので、依頼をして分析をしてもらったそうであります。私は分析をしてもらうことに——こういう緊急なことでありますから、いい機械があるところに頼むことはしかたがないと思いますが、ただ現在は、このカネミにだけの特殊な中毒なのか、あるいは一般の米ぬか油にも問題があるのか、そういう非常にからみ合っている時期に、大手のメーカーに頼んだことを公表するところに問題がある。これはあくまでやはり機械を信頼して分析をしてもらって、その諸元というものを参考にして衛生試験所が責任をもってやるべきであって、こういう民間の、しかも関係のあるメーカーに分析してもらったことを世間に向かって発表すべき筋合いのものではない。それはもう疑惑を受けるおそれがある。ただ聞きますと、これは公式発表ではなくてスクープをされたという話でありますが、それにしても不謹慎であると思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 これは全く不見識もきわまりないのであって、もしカネミと関連のあるメーカーが優秀なそういう螢光分析器を持っておったという場合は、中正な検定をすることができないでしょう。いま大臣もちょっと触れられたわけですけれども、それはいろいろな機関に検定を依頼するのはけっこうです。しかし、それはどこまでも補助手段であって、やはりその柱は国の機関でやらなければならないと思うのです。国の機関でやって、さらにそれを裏づける意味において各メーカーその他の検定を受けていくということは、これはもう当然だろうと思います。ところが、この大手メーカーに螢光分析を頼んで、その検定によって塩素が出てきた、われわれの国立衛生試験所においてもガスプロマトグラフィーの分析によって若干塩素が出てきた、だから塩素検出は間違いないんですというようなことが、スクープされたかどうか知らぬけれども、そういう報道がなされたことは事実です。全くこれは厚生省として主体性がないじゃないですか。平素の研究ならそれでいいけれども、今日国民がこれだけ騒いで、一日も早く不安というものを解消してもらいたい、原因というものを突き詰めてもらいたい、こういう時期ですから、やはり国が公正な判断を下すだけの処置をやるべきだと思うのです。それを結局、大手メーカーがやったのだから間違いなかろう、私どももやりましたけれども若干出ました、こういうような不見識なことでは、国民が政府の処置なり政府の発表について不安を持つことは、当然のことだと私は思うのです。ひとつこの点は厳重に忠告いたしておきます。  それから、私どもが仄聞するところによりますと、いまこのライスオイル奇病事件の原因というものが塩素ではなろうかという意見にだんだん変わってきた。そうしますと、やはり米ぬかから取るわけですから、農薬との関係というものが入っているかどうかということは、これはもう常識的だと思うのです。ところが私どもカネミの工場に実態調査に行ったわけですけれども、日本米油工業会が独自の立場から現場の調査を行なった。そうしたところが、いろいろ農薬と米ぬかとが混在しておった。まじり合っていろいろなところに集積されておった。たとえば油の精製過程の中で漂白をするために白陶土を使う。白陶土というのは白い。農薬も白い。そこで非常にまぎらわしいというような問題もあろうと思うのです。そういう農薬と原料である米ぬかとを混積しておったというふうな事実を、実は日本米油工業会というものが指摘をいたしておる。そこでこの際、カネミ・ライスオイル工場は廃業してもらいたい、仕事をやめてもらいたい、それから製品置き場を整理してもらいたい、こういうような勧告をしたといわれているわけです。  どうして私がこの点をお尋ねするかといいますと、ずっと製造の工程の中で事件が起こってきたのか、あるいはどこかの部分だけから起こったのか、その点がはっきりしないわけです。そういう意味で、もしどこからかの時点で農薬その他と米ぬかとが混積されておったということになれば、当然塩素化合物が出てくるわけです。そういう問題もありますから、日本米油工業会が独自の立場で現地調査をしてそういう点を指摘しているわけですが、そういう点についてどうだったのか、この際ひとつ御見解を承りたい。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 農薬との関係でございますが、これにつきましては、先ほどのお話のようなことを伺いましたので、厚生省としましても特に厳重に調査をいたしているわけでございます。そのために係官を現地に派遣しておったわけでございますが、係官に現地の工場等も十分点検させたわけでございますが、点検させました状態におきましては、農薬の保管と、こういった油の製造に使いますいろいろな添加物等々とは、混在することができないような地理的な背景になっている。ただ問題は、引き込み線で引き込みましたときのプラットホームでございますが、そこのところで一緒に置かれるというようなことはあり得るかもしれませんが、倉庫としては、混在することはまずないというような建物の位置的関係にあるということを確認したわけでございます。ただ運用上の問題として、何かそこにあやまちがあったかどうかということにつきましてはさらに検討いたしたい、かように考えておりますが、現在地元における北九州市の衛生局の調査あるいは厚生省の係官の調査におきましては、さようなうわさはございましたが、まだ確認はしていないという状態でございます。  以上でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 この点は、どの製造工程においても問題があるのかどうかという問題と、どこかの部分だけが何らかの要因で有毒物質が入ってきたという場合と二通りありますので、いまの混積しておらぬからどうだこうだということにはならぬと思うのです。あるいは、あの時期においては混積しておった、そこで塩素化合物が入ったということも考えられるわけですから、この点は私は非常に重要な問題だと思うのですけれども、しかしいまここで確認できませんからやむを得ぬとして、いま一つ取り上げてみたいと思いまする点は、私どもも県なり北九州市当局あるいは油症研究班等の方々といろいろ意見の交換をして、どうも二月六日の製品が犯人ではないかというような意向が一時非常に強まった。たまたま福岡県の田川郡で一月製品によって油症患者が出たというケースが出てまいりましたので、この二月六日がどうであったということがやや薄らいだ感じはいたします。しかし、今日もこの二月六日の製品というものがどうも犯人じゃないかという意見は非常に強いわけです。  そこで、私ども感じますのは、この二月、三月あるいは一月も含むかもわかりませんけれども、とにかく本年一月以降、米ぬか油の副産物であるダーク油、このダーク油によって鶏の飼料というものがつくられており、しかもいま申し上げまするように、ことしの要するに初頭、この米ぬか油の副産物のダーク油からつくられた鶏の飼料によって、大量の鶏が死んだり病気にかかった。これは百万羽ともいわれております。鶏百万羽くらいかかっただろう、そして数十万羽くらいはこのダーク油を使った鶏の飼料によって死んだ、こういうようにいわれておるわけです。  いま申し上げますように、西日本各地におきまする鶏の大量死事件。その当時、農林省の福岡肥飼料検査所は、そのカネミのダーク油を混入してつくった鶏の飼料、その企業が福岡県の粕屋郡志賀町の東急エビス産業あるいは下関の林兼産業、こういうところでつくっておったことが突きとめられたわけですね。これは農林省で突きとめたわけです。そこで、検体を使って、東京小平市の家畜衛生試験場でこの飼料を使って実験したところが、確かに鶏は死んでおるのですね。その飼料を使って鶏に与えた結果、鶏が死んだ。ですから、少なくともカネミのライスオイルを精製する過程の中から出てくる副産物、これがダーク油、これをまぜてつくった鶏の飼料が鶏に対して非常に毒性を発揮したことは、いま指摘いたしまするように、そのつくっておった企業もわかっておりますし、またその事実も農林省で試験をして実験済みだということです。どうも人体の場合も、二月前後のロットでつくったライスオイルがあぶない、犯人かもしれない、こういわれておる。しかも、それから出てきたダーク油をまぜた鶏の飼料で鶏が数十万も死んだということですから、やはりこの前後のライスオイルがどうもあぶないということは、大体常識的だと思うのです。ところが残念ながら、その時点において厚生省では農林省から連絡があったかなかったか知りませんが——これは率直におっしゃっていただきたいと思う。あったかなかったか知らぬけれども、何らその原因というものは究明されなかった。私は非常に残念に思う。その時点で少なくとも数十万羽の鶏が死んでおるわけですから、その時点で究明しておったならば、あるいはこのライスオイル事件の原因というものが究明できたのじゃなかろうか。それは、製造過程の中で、どの過程の中でもずっと有毒物質があるということなら問題ないけれども、たまたまその当時だけが問題だったとすれば、私は、この段階で究明のチャンスをのがしたということは非常に残念だと思うのです。そういう意味で、この点についてひとつ農林省からも、また厚生省は連絡を受けたかどうかわかりませんから、厚生省はその旨ひとつはっきりお答えいただきたいと思う。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 実はいまの御指摘の事件は、ちょっと私も閣議で発言したことでありまして、二月ごろこういう事故があった。そこで農林省のほうで検査された。その結果、私の聞いたところでは少し違っておりまして、原因はわからなかった。それでアメリカの各地に問い合わせをしたところ、アメリカのほうからはこれに対する資料とその当時の試料を送ってきた。そこで、文献によってこれを使ってやってみたところが、やはり鶏が腹水を起こして死んだ。ただアメリカのほうの文献は、その油が動物性油であったというようなことを聞いておるが、これがもし普通の家であったら、何かかすを鶏に食わしたら鶏が死んだとか、あるいは容器を洗ったら池のコイが死んだとか、こういうことなら、おかあさんがすぐ食いもののことを注意するのですが、そこが機構の一つの連絡の不十分で、まことに残念なことであって、こういう際にちょっと連絡を願えれば、注意をすれば、この事件は起きなかったんじゃないかという発言をしておりました。ところが、その後私の調べた結果、農林省からは農林省の畜産局長の名前で、四十三年の六月十九日、ことしの六月十九日、「配合飼料の品質管理について」という見出しでいまの事件を書いて、そして今後飼料が複雑になってくるから、原料とかその他十分注意をしてやってもらいたいという通達か通知か、何か報告が来ているわけですが、残念ながら飼料だということになっているものですから、農林省のほうも厚生省のほうに別におやりにならなかった。うちのほうはもらっておらぬ。かといって決して責任のがれするわけではございませんが、こういう段階でもう少し縦横に連絡をするように配慮したならばと、私もそう考えます。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○平松説明員 先生御指摘の鶏の斃死の件でございますが、今年の二月から三月にかけまして、中国、四国、九州で鶏のブロイラーが死ぬという事故が起こったものでございますから、その被害を調べましたところ、ブロイラーで百万羽、それから普通の成鶏で百十万羽というものが被害を受けて、そのうちブロイラーで四十万羽死んだという事件があったわけでございます。で、原因を究明いたしてまいりましたところ、先ほど先生御指摘の林兼工場なりあるいは東急エビス工場から出た配合飼料が原因らしい。その両工場について調べましたところ、どうも二月の初めごろにカネミから出荷されましたダーク油を使った飼料らしいということがわかったものでございますから、そのダーク油を回収いたしまして、そのダーク油を一〇%まぜたものを、先ほど先生御指摘の小平の家畜衛生試験場、こちらで供与した、そうしたらひなが死んだということでございますから、いま厚生大臣からお話しございましたように、今後品質管理について注意するようにということで当該飼料業者に注意をいたしますとともに、都道府県知事なりあるいは飼料関係団体なりに通達を出したということでございます。  厚生省への連絡でございますが、いまにして思えば、連絡しておけばよかったということでございますけれども、米ぬか油とダーク油は同一のものから出てくるわけでございますけれども、精製の過程が中途から分かれてまいりまして、組成を別にしておるということがございますし、それから死んだのはブロイラーだけでございまして、成鶏は産卵がとまるという程度で被害がとどまっておるということで、当時は私どもといたしましては、害が非常に軽い程度のものだ、それほど大きな害が起こるものではないというふうに思ったわけであります。その当時いろいろ家畜衛生試験場あたりで研究をいたしまして、その後八月から畜産局、農林水産技術会議、それから家畜衛生試験場、食糧研究所、東海区水産研究所というメンバーが飼料用油脂研究会を持ちまして研究いたしましたけれども、毒物が何であるかわからないという状態であったものでありますから、厚生省のほうには御連絡をいたさなかったということであります。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 農林省の話を聞いていると全く反省がないのですね。原因がわからなかったから厚生省に連絡しなかった。原因がわからぬからこそ、厚生省へも連絡をしてともに共同研究をするなりして、原因の究明に当たるべきじゃないですか。原因がわからなかったらほうっとけというようなことでは全く反省がないと私は思う。これでは答弁になっていないと思うのです。国民は許しませんよ、そういう答弁では。  それから、全製造工程において起こってきたか、どこかの部分だけの工程でこの問題が起こったかという二つの議論があるわけですね。そうしますと、特にこのダーク油の問題は二月前後、しかも厚生省でも現地でも、油症研究班でも、二月の油が犯人だ、これを追えということで一生懸命で究明しておるわけですね。その時期にたまたまダーク油事件というものが出ておるわけです。ですからどうもその時点に関係が非常に深かったんじゃないか。しかも農林省においては、小平の試験場で実験をして、カネミのダーク油を使った飼料によって鶏が死んでおるわけですね。そういう実験で確認できておるわけですから、その時期において徹底的な究明をしたならば、もしこの事件がその工程のものだけに起こった事件とするならば、あるいは原因がわかったのじゃなかろうか。全工程の中でそういう有毒物質が入っておるということになれば、いまならいまでも究明できますけれども、その時点だけの問題としたら、なんぼいまやったって究明できないですよ。そういう意味で私はダーク油事件というものを非常に重視しておるわけです。しかも、これまた農林省の行政指導能力の欠除もはなはだしいと思うわけですけれども、福岡の飼料検査所では、こういう事実があったものですから、カネミに対して注意を喚起しておるわけです。ところがこれまた工場側から、絶対自信があるということで一蹴されておるわけです。あなたのところもまた原因を探求したけれどもわからぬ。カネミに対して、あなたのところの飼料からこういう鶏が死んだ、あるいは産卵が減退をしたという事件が起こっておりますよと言っても、これまた工場から、何を言いますか、私のところの製品については絶対自信がありますといって、け飛ばされておるわけですよ。こういうことでは国民は全く納得できないですよ。なぜもっと強力な行政指導ができなかったのか。小平で実験をして鶏が死んでいるわけですから、おまえのところのダーク油からつくった混合飼料というものは問題がある。当然問題があることはわかっているわけですよ、鶏が死んでいるわけですから。確認しておるわけでしょう、実験をして。ですから、何らかの行政上の措置というものがその時期に当然とらるべきであったと私は思うのです。これを鶏にやったら鶏が死ぬ、そういう飼料をつくっておいてなぜ行政措置というものが行なわれなかったのか。原因がわからなければ、何ぼ人が死んでも、何ぼ鶏が死んでも、行政処分というものは行なわれないのですか。そんなばかなことはないでしょう。現実にその飼料を持っていって小平で研究をして実験をした。そして鶏が死んだわけです。ですから、その飼料に問題があることは明らかでしょう、原因がわかろうがわかるまいが。それなのに、原因がわからぬからといって厚生省にも通告しない、またカネミに対しても注意をしたが拒否をされた、これじゃ全くあなたのところの行政能力はないじゃないですか。行政不在じゃないですか。それについてさっきのあなたの答弁は全く誠意がないですよ。反省がないですよ。原因がわかろうがわかるまいが、少なくとも数十万羽の鶏が死んでおるわけでしょう。業界に迷惑をかけておるわけでしょう。私は農林省というのはもっと反省があっていいと思うのです。この点どうですか。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○平松説明員 私のほうでは、まずその原因を究明する必要があるということで、ダーク油が原因であろうということが判明いたしましてから、家畜衛生試験場で試験をいたすということをやったわけでございまして、その結果、この二工場に対しては、先ほど申し上げましたように、死んだのが、ブロイラーだけでございましたので、ブロイラーのような家禽に害が起こらぬようにということを注意する意味におきまして、今後ダーク油を使って飼料をつくる場合は動物実験を十分にやってやるようにということと、それからカネミ油の工場等についても、飼料検査所長から今回の事件の注意をいたしますとともに、やはり飼料用として売る場合には、動物実験をやって売るようにということの注意をいたしたということでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 食糧庁長官がおいでだそうですから、この際承りたいと思いますが、これほど問題を起こし、いまいろいろ農林省からお答えがあったように、鶏を殺すような飼料をつくった工場が、あなたの名においてモデル工場として指定をされておる。人を病気にしたり鶏を殺したりするような飼料をつくるところが、何でモデル工場ですか。この点どうですか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣説明員 かつて食糧庁が油脂産業行政を担当いたしておりました時分に、食料品工業全体についてそういう措置をとったのでございますが、中小企業の合理化の促進をはかりますために、それぞれの業種について、企業合理化、経営合理化の指導データをとる必要から、おおむね各業種ごとに五工場の工場を指定いたしまして、経営状況等の報告をさせまして、経営指導の資料を得るというために、当該業種の協会の推薦を得ました上で、食糧庁といたしましても、適当と考えられる工場を資料収集のための指定工場として指定をしたのでございます。最初に昭和三十七年から六年間ということで、昭和四十二年まで指定をしてまいったのでございまして、現在、昭和四十三年では、もう指定はいたしていないのでございます。今後の問題は、担当部局の問題だろうと思いますが、いま申し上げましたように、企業近代化のための資料をとるための工場として、それにふさわしい工場ということで指定をいたしたのでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 現在は指定をしておらない。でも、現在「食糧庁指定モデル工場カネミ・サラダライスオイル」、こういうちらしを配っておるわけですね。ですから、しておらなかったら何でこういうことを許しますか、それが一つ。それから経営合理化をしなければならぬ、その資料を収集するためにモデル工場として指定をした、しかも業界の推薦によって。農林省の主体性は何にもないじゃないですか。今度私どもは現地の皆さん方といろいろ意見の交換をしても、食糧庁指定モデル工場でできたライスオイルである、私どもは安心して長年連用いたしました、みんなこう言っていますよ。たくみに企業はこれを利用しておるじゃないですか。しかもモデル工場というのは、社会通念からいって、何も資料を集める会社がモデル工場という意味じゃないでしょう。モデル工場といえば、工場としてモデルだということでしょう。模範だということでしょう。ただ資料を集めるためだったら、モデル工場というのを指定する必要はないじゃないですか。しかも世間ではモデル工場というのは、社会通念としては模範工場だという理解をするわけですよ。何でそういうまぎらわしいことばを使いますか。しかも国民は、消費者は、モデル工場だから、りっぱな模範工場だから、そこでできる製品ならば安心だということで、今日では、長年連用した、そうしたらこういう病気になりましたということで、食糧庁長官、あなたを恨んでいますよ、国民は。あなた枕を高くして寝るわけにはいきませんよ。こういう点について責任を感じませんか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣説明員 モデル工場として食糧庁が過去にそういう指定をいたしました趣旨は、申し上げたとおりでございますが、その際、モデル工場という用語が適当であったかどうかという点は、お話しのように、業界の宣伝に使われる場合に、誤解を起こすことばとして扱われるのではないかという意味で、その適否については、私も今後の問題としては反省すべきことであると思います。ともかくも、食糧庁がモデル工場として指定しております間に、事実としてモデル工場の指定があることを宣伝文等に載せることは、私は、それ自体好ましいことでないにしても、禁止をするほどのものではなかったと思います。ただ、今日もはや指定はされておらないという状態のもとで、モデル工場あるいは指定工場というような用語を使っておるとすれば、それは事実に反することでございますので、今日では私どもの行政の範囲ではございませんけれども、食糧庁という用語が事実に反して使われるということは適当でございませんので、担当部局と協議をいたしまして、そういうことについての業界の自粛を求めるような措置はとってまいりたいというふうに思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 指定をしてないのに指定という宣伝をすることは、これは一種の詐称ですね。警察庁おいでですけれども、これは一種の詐欺事件じゃないでしょうか。刑事事件としても追及されるべき問題ではないでしょうか。そういう問題があります。これは警察庁御出席ですね。ひとつお答えを願いたいと思います。

小野島嗣男警察庁刑事局保安部保安課長

○小野島説明員 いまの件については、ただいま伺ったばかりでございますので、見解云々ということを申し上げるだけの資料を持っておりません。申し上げかねます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 資料は要らないでしょう。資料がなければ私は見せます。

小野島嗣男警察庁刑事局保安部保安課長

○小野島説明員 ただいまの御質問は、違反があるかどうかという御質問でございますか。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 食糧庁は現在指定していないと言っておるわけですね。ところが企業は、食糧庁指定モデル工場という宣伝をしておるわけです。この点が私は詐称だと思うけれども、この点が刑事事件として追及できないかどうかということを申し上げておる。

小野島嗣男警察庁刑事局保安部保安課長

○小野島説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。  被害者である食糧庁のほうが、いろいろ処罰を求める意思があって私のほうに御連絡になれば、これについていろいろ検討いたしますが、現在のところ具体的な犯罪事実がはっきりいたしておりませんので、それについて捜査するとかどうとかいうことについては申し上げかねます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 これを見ても詐称しておる事実が明らかではないですか。どういうことです。ところが、ただ私がここで、ことばの上でこういうことを使っておりますよと言えば、そういう文書が見たい、そういう資料がほしい、そういう議論になりましょう。ところが、現実にこういう資料を持ってきておるわけですから、事実が明らかでないか、明らかであるか、明らかじゃないですか。もう少しはっきりしなさい。

小野島嗣男警察庁刑事局保安部保安課長

○小野島説明員 問題について十分また調査いたしまして、検討いたしたいと思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 調査するといったって、ここに資料があるでしょう。これに基づいてどうですか。あなたは見えないのですか。はっきり見せます。見なさい、わからぬのなら。

小野島嗣男警察庁刑事局保安部保安課長

○小野島説明員 わかりました。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 だから局長出てきなさいと言ったでしょう。警察庁どこに行った。

小野島嗣男警察庁刑事局保安部保安課長

○小野島説明員 その問題につきましては、軽犯罪法とか、あるいはそのほかのいろいろな行政法規違反がありました場合におきましては、検討いたしまして、違反について捜査する場合もある。ただ、これにまつわるいろいろな事実がはっきりいたしませんと、はっきりここで、違反であるとかないとか申し上げかねます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 それじゃ食糧庁長官、現在カネミのライスオイル工場を食糧庁がモデル工場として指定しておるかどうか。指定しておらなかったら、指定しておらないとここではっきり言ってください。そうすればあんたはっきりわかるでしょう。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣説明員 昭和四十二年まで指定工場でございましたが、昭和四十三年になってから指定いたしておりません。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 以上の食糧庁長官の発言について、こういう文書がありますね。これはお見せいたしました。こういう資料に基づいて警察庁の御見解を承りたい。

小野島嗣男警察庁刑事局保安部保安課長

○小野島説明員 いまおっしゃられた事実だけで、はっきり違反であるということを断定することはできかねますけれども、違反であればこれを十分検討いたしたいと思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 ちょっと休憩して理事会を開いてください。理事会を要求します。

小沢辰男自由民主党

○小沢(辰)委員長代理 速記をとめて。   〔速記中止〕

小沢辰男自由民主党

○小沢(辰)委員長代理 速記をつけて。

小野島嗣男警察庁刑事局保安部保安課長

○小野島説明員 ただいま申された事実につきましては、あるいは軽犯罪法違反、あるいは不正競争防止法違反等の違反も考えられるわけでありますが、犯罪事実をもう少し確認して調べてみないとわかりませんので、そういう点について十分検討をした上で、もし違反があれば捜査いたさなければならないと思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 納得できません。そういう事実があればと——私は事実があると指摘しているんだから、これについて疑いがあるということなら別ですけれども、そういう事実がわからぬとおっしゃるなら、もう一ぺんここで私はその事実を明らかにしなければいかぬ。食糧庁長官は指定をした覚えはないと言っている。業者は、指定を受けている、こう公に宣伝をしておる。もうこの事実は明らかでしょう。まだほかにどういう事実がほしいのですか。もしあなたの職権で答弁できなければ、後ほど午後から警察庁長官を出席させてください。そういうことならけっこうです。

小野島嗣男警察庁刑事局保安部保安課長

○小野島説明員 犯罪事実が確定するためには、やはりいろいろ事案を事前に調査し、また犯罪事実があると思量すれば、これを捜査しなければならないわけでございますが、現在の段階では情報程度でございますので、はっきりこれを確認いたしまして、もし違反があれば捜査をいたしたいと思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 情報なら、私がここでこういう話がありましたと言うのが情報でしょう。具体的な事実を示して、しかも食糧庁長官の証言を求めてここで論議しているでしょう。それが何で情報ですか。具体的事実でしょう。ですから委員長、後刻警察庁長官を出席させるということで、この問題については留保させてもらいたい。

小沢辰男自由民主党

○小沢(辰)委員長代理 河野君に申し上げます。  こういうことにさせていただきたいと思います。十二時半から一時半まで休憩でございますから、刑事局の課長が、質問者の御了解を得てきょうは代理でいま出席しておりますが、答弁がはなはだ不十分でありますから、直ちに帰られまして、ひとつ再開劈頭までに警察庁としての正式な見解を持って御出席を願うことにしまして、他の観点に対する質問に移っていただきたいと思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 議事進行に協力することにやぶさかではございません。ですけれども、午後の再開の冒頭において、またいまの課長がどういうことを言うかわかりませんので、やっぱり責任ある人が出席してもらいたい。いろいろここで問題を提起いたしましたから、その提起について警察庁内で御検討いただくことはけっこうです。しかし論議がさらに発展する可能性もございますので、午後の再開については警察庁長官の出席を強く要求いたします。そのことが認められれば、私は他の案件について議事促進に協力いたします。

小沢辰男自由民主党

○小沢(辰)委員長代理 警察庁の長官ないし責任者の出席を求めるように委員長は善処をいたします。ただし突然のことですから、本人がいるかいないかわからない。いずれまたお知らせいたします。  それでは、警察庁のほうはそういうことで、帰られたらよく相談をしておいてください。  では次の質問に移ってください。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 警察庁の誠意のない答弁によりまして時間を浪費したことを非常に残念に感じます。  他の委員の方の御質問があるわけですから、できるだけ協力をして促進したいと思いますが、そこでいま食糧庁指定問題が出てまいりました。私どもは、どうもそういうくされ縁で行政措置というものが手ぬるかったのではないかという疑いを持つわけです。特に私は、思想は自由ですからとやかくここで問題にするわけじゃございませんけれども、食糧庁が少なくとも四十年までモデル工場として指定された工場ですね、この工場にはどういうことが書いてあるか、長官御存じですか。たとえば、これはライスオイルとどういう関係があるかわかりませんけれども、日本独自の自主憲法をつくれとか、そういうことがこの工場には大書してある。思想は自由ですから、私どもはそこまでいろいろ糾明する必要はないと思いますけれども、そういう自主憲法をつくれというようなことを書いておる工場が食糧庁のモデル工場であろうか。食糧庁長官はよほど憲法改悪を推進しておられるのかと私どもは疑わざるを得ぬのです。工場に大書してあるのですからね。ですから食糧庁長官は、この憲法改正をするということが気に入って指定されたかどうかわかりませんけれども、あえてここで一つ指摘をいたしておきます。  それから、この点も非常に重要な問題ですけれども、このライスオイルには血圧を下げるきき目があると宣伝されて売られておることは、厚生省も御承知だと思う。そこで、島根県におきましても、この宣伝にまどわされて、宇賀富子さんという御婦人の方が、長い間小さじ三ばいずつライスオイルを飲んできた。そうしたら最近目がかすんで腰や腹のほうに湿しんなどができてきた。こういう届け出が島根県の衛生部になされたというように私ども承っております。このことが薬事法違反になるのではないかという島根県からの指摘もあるようでございます。この点について、時間を急ぎますので、ひとつ厚生省の率直な御見解を承りたい。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元説明員 本件のカネミ・ライスオイルのラベルなりリーフレットに、いま御指摘のように、高血圧の予防に最適であるというような趣旨の表現がなされているわけであります。したがいまして、そういう点から薬事法指定の医薬品として虚偽、誇大の広告とかいうような法の規制を受けるのではないか、こういう御質問のようであります。  私どもとしましては、本件のライスオイルというものの実体、それからまた社会通念上、受け取られている認識からしまして、カネミのライスオイルというのは、どうも医薬品という断定をいたしますのはなかなか困難だろうという考え方を持っているわけでございます。実体としては食用の油として調理して使うわけでございますので、医薬品というような実体は持ちがたいという考え方を持っているわけでございますが、ただいま御指摘のように、高血圧等の予防に最適であるというような表現がラベルなりリーフレット等でなされているということは、これは医薬品的な効果というものを表示するというようなことに通ずるわけでございますので、その点は行き過ぎがあるというふうにわれわれは考えているわけでありますが、法律的な規制を受ける医薬品になるかどうかについては、先ほど申しましたように、このものの実体、それから社会的な通念からいいまして、やはり食用油たる、いわゆる食品というものに該当するというのが考え方であろうかと思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 一つ問題になるのは、いま局長から、社会通念あるいは実体から食品だ、そこで薬事法については問題があるという御指摘があったわけです。ところが、これはライスオイルに張ってあるラベルですが、「血管内のコレステロールを除く特性を最高に持っていますから高血圧の予防に最適です。」というふうに書いてあるのです。この表現は一種の薬効、薬の効果ですね。この点が私ども問題だと思うのです。だから、食品であればそういうような薬効なり効果というものを書いていいということになれば、もう何も薬事審議会でめんどうくさいことやらぬでも、全部食品として売り出せば——この食品は高血圧にききます、栄養がつきます、あるいは貧血にききます、これで全部やれるわけですね。ですから私は、これはやはり、食品であるか薬品であるかという問題点はありますけれども、社会通念上食品であるから、だからこういう薬効的な誇大宣伝はいいことではない、こういうふうに思います。  それから、時間がございませんから、もう一つそれを裏書きする意味で申し上げておきたいと思いまする点は、現地に私ども調査に行った。そうしたら、工場長がコップ一ぱいライスオイルを入れて飲んでみせるわけですね。そうして、これは非常に血圧にききます、ですから私は毎日これを飲んでおりますと言うのだが、ジュースか何かならコップ一ぱい飲んでみせるという手もあると思うのです。ところが、油をコップ一ぱい飲むということは、社会通念から申しますと、消費者のほうは、食品というよりもやはり薬という概念を受けるのではないでしょうか。ですから、文章その他では、あるいは薬品か食品かという議論はあるが、実体——あなたはいみじくも実体ということをおっしゃったが、実体は、コップ一ぱい飲んでみせるのですよ。ですから、ジュースか何かでしたら、あるいはコップ一ぱいで、これは精分がつきますよ、精力がつきますよというようなことになりましょうけれども、油を一ぱい飲んでみせるのです。そして血圧に非常によくききます、こう言っている。そういう実体というものから私どもが受ける印象というものは、食品というよりもむしろ薬品という印象を受けるわけです。ですから私は、やはりこの実体というものは、むしろ疑いにしんにゅうをかけていると思うのです。局長はいみじくも実体ということをおっしゃったが、こういう実体をお聞きになってどうお考えになりますか。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元説明員 ラベルなりリーフレット等の実体から申しますと食品であるということを申し上げたわけでございますが、ただ高血圧の予防とかいうような表現は、食品であるという前提に立ちましても好ましいことじゃありませんので、さっそく会社側に厳重に警告を発し、今後そのようなことのないような誓約書もとっております。  そこで、いま先生御指摘のように、工場長等がそのような飲用のしかたをしているというようなことが、ほかでももしそういうような事実行為があるかどうかという点でございますので、いま関係府県に早急に、この点の販売なり宣伝の方法、そのような実体面の調査を命じておりますので、そういうような調査の結果によりましてしかるべき措置をとりたい、かように考えているわけでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 あなたのほうは薬事法で逃げられるかもわからぬから、今度の場合、王手飛車とりではないけれども、もし薬事法で逃げられるならば、私どもはあえてここで栄養改善法十二条を指摘したいと思うのです。  この栄養改善法十二条では、「販売に供する食品につき、栄養成分の補給ができる旨の標示」——栄養成分の補給ができるという表示です。「又は乳児用、幼児用、妊産婦用、病者用等の特別の用途に適する旨の標示をしようとする者は、厚生大臣の許可を受けなければならない。」これを受けなかった場合は五万円以下の罰金ですね。ところが、この私どもが入手いたしております資料によりますと、「お子様の発育成長を助けるオリザノールが多く含まれて居ります。また高血圧の予防として血管内のコレステロールを除く特性を最高に持っていますから、栄養価の高いカネミのサラダライスオイルは乳幼児からお年寄りまで御家族皆さんの御健康を守ります。」この「栄養価の高いカネミのサラダライスオイル」、ここが問題ですね。これは一般論ではないわけです。カネミのサラダライスオイルは栄養価が高い、こういう表示があるわけです。このことが栄養改善法の十二条に触れないかという問題、これは私どもはもう明らかだと思うのです。この点について御見解を承りたい。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○村中説明員 御指摘の特殊栄養食品の表示、栄養改善法の十二条に触れるかどうかという点についてのお尋ねでございますが、私どももこのラベルについて拝見しました。このラベルの中に書かれている内容には幾つかあるわけでございますが、第一点の高血圧にきく。これは御承知のとおり、十年ほど前から、動脈硬化症の一つの原因といわれているコレステロールを血管から取り除くというふうなことについての栄養学的な研究が各国で行なわれております。従来観念的には、脂肪はこのコレステロールをふやす方向に働くという通念があったのでございますが、植物性の油については、逆に血管に付着するコレステロールの前段階におきまして、血液の中、血清のコレステロールを下げる作用を持っておるということが、各国の学者によって植物性油の作用について検討されてまいりました。もちろんこの中には、全くプラスマイナス・ゼロというような植物性の油もあるようでありますし、またある植物性の油については、相当高い血中のコレステロールを下げる、そういう作用を持っているということが研究の結果だんだんはっきりしてまいりました。  昭和三十六年に最初の発表があったようでございますが、国立の栄養研究所で米ぬか油、ライスオイルを使いました実験をいたしまして、この結果、確かに相当程度の血清のコレステロールを下げる、そういう性質を持っていることがわかったわけです。これが高血圧そのものとびしっとした直接的な因果関係があるかどうか即断はできませんけれども、大体常識的にいわれますことは、動脈硬化症と高血圧症との関係について触れるならば、血清のコレステロールを下げる、そういう働きを持つのは、間接的には動脈硬化を予防する、あるいは高血圧にもある程度の影響があるだろうというふうな理屈が出てまいるわけでございまして、そういう点から、現在では私どもも、動脈硬化症を防ぐ、そういう作用を植物性の油、特に米ぬか油は持っておるというふうに判断いたしております。  ただ、この油がどういう形で血清のコレステロールを下げるかという点につきまして、ただいまレッテルの中にあるのを言われましたオリザノールとリノール酸、これが血清のほうのコレステロールと結合して吸収されない状態にするというふうな意見が一つと、加水分解をいたしまして……。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 あなたの答弁は全然的がはずれておる。違うのですよ。

小沢辰男自由民主党

○小沢(辰)委員長代理 局長にもう一度答弁させますか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 いや、私がやります。  いまの局長の答弁は質問の趣旨を見当違いしているようで、いま局長は米ぬか油の分析について説明しておるので、そういうことであるから、この宣伝文の中に、私のほうの栄養生理部長の鈴木博士の分析をした表を、あたかもカネミの油の推薦を厚生省の機関がやっているかのごとき印象を与えてやっているところに問題があるので、米ぬか油についてどうだといわれたら、それは植物性の中では米ぬか油はコレステロールの増減に一番関係があるということで、カネミの油が何も血圧にきくということは、これは厚生省は言うべきでもないし、また分析も頼まれてない。  そこで、いまの問題ですが、これはカネミの油ばかりでなく、非常に重要な問題だと思います。たとえばこの広告の中に、コレステロールがどうこうとか、乳幼児にきくとか、しかも「毎日三〇グラム召上れば」という、その使用量とか方法を書いてある。これはあたかも明瞭に薬が効果を与えるような作為的な宣伝文であると思わなければならぬ。また近時は、いろいろ漢方薬まがいの率がどんどん出てまいりまして、それが、薬事の申請をすると、薬としてはなかなか手続がうるさい、あるいは許可にもならぬ、そういう場合に、これを食品として、脱法行為というか、逃げ道として売っているというような事実も逐次出てきております。そこで私は、このカネミのライスオイルがどのようにして宣伝しようとも、これは薬ではないので、食品であるにもかかわらず、あたかも薬であるかのごとき印象を与えようとしておるということが問題がある。しかも今後も、新しい薬を薬としてつくりながら、今度は食品で逃げるという道等もあります。それからなお、食品衛生法でこれを規制しようとしても逃げ道がある。こういう点がありますから、いまの御指摘の点はきわめて重要であって、このカネミの油も問題ですが、今後、そのほかの問題もたくさん出てくると思いますから、不備であれば法制等改正するなり、あるいは現段階においても、いまおっしゃいました薬事法、食品衛生法、栄養改善法、いろんな法律をかみ合わせて持っていけば規制できないことはないわけでありますから、こういう点は十分検討し、規制をしていきたい、こう考えております。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 大体、当を得たお答えだったと思いますが、端的にお尋ねをしておきたいと思いますのは、この栄養改善法十二条では、「販売に供する食品につき、栄養成分の補給ができる旨の標示」をする場合には厚生大臣の許可を受けなければならぬとありますね。そこなんです、問題は。これは栄養成分の補給ができると書いてあるでしょう。だから、当然これは厚生大臣の許可を受けなければならぬわけですよ。それが一般論であれば別だという議論もあります。ところが、カネミのサラダライスオイルは栄養分が云々と書いてあるのですから、当然厚生大臣の許可を受けなければならぬのですよ。そこで私は、栄養改善法十二条違反ではないか、こう言っておるのですから、違反か違反でないか、そこだけ答えてください。そこだけでいいです。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○村中説明員 先ほど一般論を少し申し上げまして失礼いたしました。  この表示されているカネミの広告から受ける印象は、書いてある説明が、米ぬか油共通の効果と申しますか、栄養的な説明であるにもかかわらず、特に特定のメーカーの米ぬか油がきくという、そういう効能を持っているというふうな印象を受ける表示と考えられまして、私は、これは適当ではない、こう思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 まあ十二条違反だとおっしゃったから、それでこの点は終わります。  それで、まだ少し残っておりますから、大臣にお答え願わなければならぬ分を先にひとつお尋ねをしておきたいと思います。  一つは——これはもうぜひ大臣から答えてもらわなければならぬ。あとは局長でけっこうですが、一つは、今日でもこのライスオイル奇病事件の原因というものが全く不明でございます。そこで、福岡でも油症研究班をつくってその原因の究明に当たっておるわけですが、これは九大でも言っておられたが、全部いま九大独自の研究費を出してやっておるということで、原因を究明するためにもぜひひとつ研究費の助成がほしいということです。したがって私どもも、一刻も早く原因を究明することが国民の不安を除去する道ですから、そういう意味でも、やはりこの研究調査費の問題は当然大臣に考えていただかなければならぬような問題であると思う。その点が一つです。  それから、この原因が不明ですから、したがって治療も、全く手探りで治療が行なわれておる。手探りで治療が行なわれているのに、治療しておるというのは全くおかしなことですね。そういう意味で、この治療費についても当然国がめんどうを見るべきだ。これは原因がはっきりわかって、治療方針がはっきりわかれば別ですけれども、今日は、どれがよかろうということで、いまビタミンなんかを使っているようですが、あれやこれやと使って手探りで治療を行なっているということですから、それを患者に負担させるのはいかがなものであろうかということで、ぜひこれは国がめんどうを見てもらいたい。  それから第三、これは将来後遺症が出てくるかこぬかわかりません。が、後遺症が出てきた場合には、これは当然、大臣が水俣病でヒットを打たれたように、やはりこの病気も食品公害ですから、したがって、企業もそうでしょうけれども、国がその補償をやる、責任を負うという処置がとられるべきだと思うのです。これは結論めいたことですけれども、大臣の時間の都合等もございますから、この三点について、ひとつ簡単でけっこうですから、明確にお答えいただきたい。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 第一の研究費の助成の問題でございますが、次の医療費の問題も、閣議で了解を得まして、研究費を助成することにいたしております。科学技術庁で持っております特別研究費をちょうだいをして、ただし、この前こりましたから、結論は私のほうでやるがということで援助を受ける。  それから、もう一つは治療の問題でありますが、とりあえず立てかえ払いをしなければなりませんが、いまの法制上ではその方法がございません。そこで、いまの研究費の中から、研究費と名目をかえて、実質上の治療費の立てかえになるように事務当局に検討を命じているところであります。これも閣議で了解を得ております。  それから、三番目の問題でございますが、これは原因あるいは会社側の責任その他が明瞭になりましてから判断をしたい、こう思っております。いままだお答えする段階ではないと思いますので、御了解を願いたいと思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 いずれ原因がわかった暁においては、当然食品公害ですから、大臣、まあホームランを打たれたわけですけれども、水俣同様、間接には国が責任を負うという方向で善処をしていただきたい。この点について簡単に御見解を承っておきたい。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 ただいまの御発言の趣旨は十分尊重して検討いたします。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 そこで、だんだん時間が迫ってまいりましたが、何といっても、この食品衛生の監視体制ということが非常に立ちおくれておる。食品衛生監視員のごときも、実際に対象事業所が非常に多いので、福岡県だけでも大体対象事業所が六万八千、それに対して九十名程度の監視員で立ち入り検査をいたしましても、年間二二%しか消化できない。全国平均が一八%の消化率だと、こう言われている。ですから、当然この監視体制を早急に強化しなければならぬという問題があると思うのです。  それが一つ。それからもう一つは、現在日本人は一日に、大体、普通の食事をいたしましても、七十七から九十七の食品添加物を摂取をいたしておるわけです。もう自然食を食うということはほとんどないわけですね。新聞では、納豆ぐらいじゃないかというような議論もありますけれども。そこで一つは、いま申し上げますように、監視体制を強化すべきじゃないか。いま一つは、この食品添加物について、やはり合成食品時代ですから、したがって、それらに対応する食品衛生法の改善をはかるべきじゃないかという二点について、もういろいろ説明は要りませんから、端的にお答え願いたい。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 第一番の食品衛生の監視体制の強化の問題でございますが、これはもう御指摘のとおり、監視対象になります許可業者あるいは許可を要しない業者等合わせまして二百五十万くらいの対象があるわけでございますが、それに対しましては、必ずしも食品衛生監視員の人員が十分でないということでございます。したがいまして、これにつきましては、逐次増員等もはかり強化をはかってまいりたい、かように考えております。  なお、対象業者が非常に多うございますので、監視員をふやすことだけによってこれが解決する問題でないわけでございます。そういう意味におきまして、現在食品衛生法でも食品衛生管理者というものを置く制度がございまして、乳製品関係あるいは添加物の製造業につきましては食品衛生管理者を配置する、かような形になっておるわけでございますが、こういった面につきまして、食品衛生管理者の拡大と申しますか、食品衛生管理者を将来どういった範囲に配置すればいいかということにつきまして検討いたしまして、今後この面におきましても強化してまいりたい、かように考えておるわけでございます。もちろんこれにつきましては法改正が必要になってまいるわけでございますが、こういった点も現在検討中でございます。  なお、監視体制の強化につきまして、来年度の計画といたしまして、現在予算要求をいたしておるわけでございますが、中心的な保健所にはパトロール車等を配置いたしまして監視体制の強化をはかってまいりたい、かように考えておる次第でございます。  次に、食品添加物の問題でございますが、食品添加物というのは非常にふえてまいりまして、現在約三百五十種類ぐらいあるわけでございます。これらの管理につきましては、先ほど申し上げましたように、食品添加物の製造業につきましては、食品衛生管理者を置きまして監督することになっております。こういった面につきまして、食品衛生管理者の教育指導、この面につきましては、この事件を機会に大いに強化してまいりたい、かように考えております。  また、食品添加物製造業の立ち入り検査等につきましても、これが現在直接原因になっておるというわけではないわけでございますけれども、こういった面にも遺憾のないように監視を十分にいたしたいということで、先般も全国の各県に通達を出したような次第でございます。  それから、添加物につきましては、やはり整理すべきものは整理するというはっきりした態度で検討してまいりたい、かように考えておるわけでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 それに関連してですが、もう時間がございませんから、私はもうわかっておりますから、答弁のほうはひとつ簡単に説明してください。  この添加物の問題につきましていろいろお答えがあったわけですけれども、どうも核心をついたお答えじゃない。たとえばそれは四十三年、ことしあたり、添加物で許可を得たのが三百五十種、そのとおりです。ところが現在の食品衛生法では添加物の一つ一つに規制があるわけですね。ところが一つの食品の中にいろんな添加物が入っておるわけです。たとえば着色料が入ってみたり、あるいは甘味料が入ってみたり、保存料が入ってみたり、そうした場合に、現在の法では一つ一つに規制がある。ところが、一つの食べものに対していろんな添加物が入ってくると、その二種、三種の添加物がどういう相乗作用を行なうかという議論があるわけです。これらについて厚生省ではほとんど研究されていないと聞いているのです。ですから、そういう添加物の指定のしかたはおかしいじゃないか。これは私どももそう思いますが、行政管理庁もその点を勧告しておるわけですよ。ですから、やはり大まかに言えば、食品衛生法を今後どういうふうに合成食品時代に対応するような改善をやるかということでしょうけれども、具体的にはそういう問題があることを十分ひとつ念頭に置いていただきたいと思うのです。これは念頭に置くということをおっしゃればそれでいいと思います、時間がございませんから。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 添加物の相乗作用という問題につきましては、御指摘のように十分検討しなければならぬ問題でございますので、今後十分留意してまいりたい、かように考えております。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 そこで、北九州で油症患者の婦人が国立小倉病院で死産をした。ところがその子供は褐色の子供が産まれたわけですね。それからきょうの新聞では、大牟田の御婦人が褐色児の出産をしたという届けをしたということが報道されておる。これは現地の主治医も、重金属か塩素による現象と考えられる、こういうことを言っておるわけです。しかもその母親は油症患者ですから、何らかの影響があったかもわからぬということは容易に想像される点でございます。  そこで問題でございますのは、やはりライスオイルを使っておった御婦人方が妊娠した場合、非常に不安を持っておるわけですね。それからもう一つは、いまのような褐色の子供が産まれる。褐色の子供が産まれることは、おそらく重金属か塩素の影響でしょうけれども、そういうのが産まれる。そうすると、今度は逆に、現在赤ちゃんに乳を飲ましておる母親、これは母体からお乳で子供にいくわけですから、そこで授乳をいたしておる母親が、この乳を与えておる乳児に対してあるいは悪い影響がありはせぬか、こういう心配もあると思うのでございます。そこで、福岡の油症研究班でも、この死産の問題、褐色児の問題については今後さらに研究を進めていくということですけれども、いま申し上げますように、母親あるいは子供にお乳をやっておる母親、そういう方々が非常に心配されておるわけですから、こういう御婦人の方々については特別に検診その他をやるべきではなかろうかという考えを持っておるわけですが、この点について……。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 ただいま御説明のありました死産児、あるいはたしか九カ月で産まれた赤ちゃんだったと思いますが、非常に褐色であったというような問題、こういったように、母親が油症にかかっておりまして子供にさようなものが産まれるということになりますと、これは非常に重大な問題でございます。そういう意味で、現在地元におきまして、大学等が中心になりまして研究を進めておるわけでございますが、この結論を早急に出していただくよう私どもからもお願いしたいと思うのでございますが、そういうことでございますので、この原因はもう近々に大体の方向はわかると思いますので、この点につきましては十分留意しまして、問題があるというおそれがありますならば、ただいまお話のございました、授乳いたしております母親の検診等につきましては、十分検討いたしたいと考えます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 もう時間がございませんし、御迷惑もかけますので、まだたくさん資料があるわけですけれども、最後に一点だけお尋ねをして、議事の運営に協力したいと思います。  それは、これは農林省に出席を要求しておりますからお尋ねするわけですけれども、食用油については昭和二十七年にJAS規格があるわけです。ところが現在適用された油は一件もないというふうに聞いております。そこで、やはり農林省も、そういう規格をつくればつくりっぱなしじゃなくて、消費者が安心するように適用を行なうべきだと思うのです。そういう意味で、特にいま油の消費というのが非常に高まってきておりますね、そういう問題もございますから、やはり消費者が安心して油が使えるようにこの規格の適用を行なうべきだ。  それからもう一つは、これはやはり昭和二十七年にJAS規格ができたわけですから、したがって食糧が非常に不足した時代の規格ですね。しかし現在は、もう油の生産量も八十余万トンといわれるくらいに非常に上がっているわけですから、したがって、やはり実情に合うような規格の改善というものがはかられなければならないと思うのです。ですから一つは、規格をつくっておきながら全然適用しない、つくりっぱなしだ、この点が責められるべきだ。もう一つは、食糧難の時代と違って食糧が潤沢になった今日ですから、そういう実情に合うような新しい規格をつくるべきだ。そうして規格に基づいて適用をはかって、消費者に安心して使えるような措置を行なうべきだ、こういうふうに考えます。この点について……。

大河原太一郎農林省農林経済局企業流通部長

○大河原説明員 先生御指摘のとおり、二十七年に規格が設定されましたが、関係方面への徹底が足らずに、格づけを受けた例がほとんどなかったという事実がございましたが、ここ一、二年食用油に対する需要者の関心なり業界の関心も高まりまして、実は今回の事件が起こります以前にJAS適用の問題が起きておりましたが、今回の事件を契機といたしまして、早急にただいま御指摘のようなJASの適用、やはりその際は、最近における品質向上の現状にかんがみまして、高い規格のJAS規格を設定してまいりたい、そういうように考えておりまして、明年早々にはJASマークのついた商品が出回るというようにわれわれは期待しております。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 あと一つ警察関係が残っておりますが、その点は次回に留保して午前の質問は終わります。

小沢辰男自由民主党

○小沢(辰)委員長代理 この際、午後一時五十分まで休憩いたします。    午後零時五十二分休憩      ————◇—————    午後二時六分開議

粟山秀自由民主党

○粟山委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続けます。河野正君。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 午前中、北九州のカネミのライスオイルに基づきます奇病問題についていろいろ質疑をかわしたわけですが、その際、答弁が不適当ということで留保いたしました点について重ねて御質問申し上げて、明快な御答弁を願いたいと思います。  それは、私ども現地調査にあたりましても、たとえば北九州市に参りますというと、今日このような事態が起こったが、カネミが文書で宣伝をいたしておりますチラシその他に「食糧庁指定モデル工場」という推薦の表示があるので、私どもはこのライスオイルについて全幅の信頼を寄せてきた、こういう議論がございました。それから、九大の油症研究班のいろいろ検診をされております現場に参りまして、患者の皆さん方といろいろ意見の交換をいたしましたが、患者の皆さん方も、農協その他で配られておりますこの宣伝文句に「カネミ・サラダライスオイル食糧庁指定モデル工場」という表示がある、そこで私どもも全幅の信頼を寄せて今日まで長い間使ってまいりました、こういうことをそれぞれ表明をされておるわけでございます。したがって私どもは、このカネミのライスオイルの工場が、食糧庁の指定モデル工場ということで、かなり消費者を惑わす結果になっておるし、またその結果、一万一千七百名を突破するような多数のライスオイル患者が出たといたしますならば、この表示はきわめて重要な問題だと指摘せざるを得ないと思います。  ところが、午前中の論議によりましても、食糧庁長官は明らかに、カネミのサラダオイルについて、食糧庁としては指定モデル工場として指定はしておらない、こういう御発言がございました。ところが、私どもが得ております文書、チラシ、宣伝文によりますと、明らかに食糧庁指定モデル工場ということが表示されておるわけです。このことが、先ほども申しますように、消費者国民に対しましても非常に大きな迷惑を与えておるわけですから、私はこの問題はきわめて重要な問題だというふうに指摘せざるを得ないと思います。そういう意味で、この際あらためて警察庁当局の御見解をお聞かせいただきたい。

小野島嗣男警察庁刑事局保安部保安課長

○小野島説明員 先ほど河野先生から、カネミの広告に食糧庁モデル工場と登載されており、食糧庁長官は、まだ現在は指定してはおらないという御発言がございまして、違反になるのではないかという御質問がございましたが、私の発言が不十分でございましたので、この際、重ねてお答えいたします。  先刻は河野先生から、重要な捜査の端緒の御発言をいただきましたので、これらにつきましては軽犯罪法第一条三十四号に「公衆に対して物を販売し、若しくは頒布し、又は役務を提供するにあたり、人を欺き、又は誤解させるような事実を挙げて広告をした者」というような規定がございますが、これらの規定に違反する疑いもあります。  つきましては、直ちに関係府県警察本部に連絡いたしまして、違反の捜査をいたしたいと思います。

粟山秀自由民主党

○粟山委員長代理 和田耕作君。

和田耕作民主社会党

○和田委員 厚生大臣にお伺いいたします。  先ほど河野委員からこの問題についていろいろな指摘がありましたので、私は重ねてこの問題について御質問することはいたしません。ただ、午前中の質疑を拝聴しておりましても、この問題についていろんな——私ども調べましても一番ふに落ちぬ点、あるいは将来解決しなければならない点として特に注目しますのは、カネミ倉庫株式会社がつくった米ぬか油というものを、同じ品物を幾つかの権威のあると思われる研究機関で調べまして、その結果がみんな違うということですね。これは衛生試験所その他で各軽便な調べをしたらいろんなこともあるでしょうけれども、たとえば久留米大学、九州大学、国立衛生試験所というかなり権威のある機関が、同じ製品を大体同じ時期に調べまして、たとえば久留米のようなところには砒素が初めは相当多量に出たという報告もなされる、あとで訂正されておりますけれども。また国立衛生試験所では、砒素の問題ではなくて、塩素が多量に検出される。あるいは九州大学の結果もみな違う。こういうふうな状態はどうして起こるのか、あるいはこういうふうな検査の結果の報告を受けて、厚生大臣はどういう感じをお持ちになるのか、そのことをお伺いしたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 今度の検査でいろいろの問題が出てまいりましたが、第一は、各機関、第一線行政をやっている機関の連携がうまくいっていなかった。県と市が独立をしておる。あるいは市によっては検査の体制が非常に弱体であるという点等もございまするから、直ちに国のほうでは現地に派遣をし、中央と現地と両面で各関係機関の長、それから学識経験者に来ていただいて、全般的に横の連絡のとれる体制をとって検査を進めておりますが、第一は、そういう平素の体制、連絡の方法等を確立しておくことが必要だ。  第二番目には、あるいは民間の方に検査を依頼したり、あるいは各所の検査が違うということで、ややもすると国民に不安を与えている点がございまするから、やはり検査体制についてもさらに金をかけて整備しなければならぬ。  いずれにいたしましても、当面の問題としては、各種機関を動員して、しかもそれが孤立しないように、今後はそういうばらばらな結果が出ないように十分連絡をとりつつ、これを総合的に判断しつつ検査を進めておるわけでございます。

和田耕作民主社会党

○和田委員 むろん、当面の米ぬか油の中毒事件について、現在の機関を動員し、そして連絡をさせて、その正体をつかまえるということは非常に重要だと思います。ただ、この問題を契機にしてはっきりしてきたことは、現在のそういう種類の問題について、国が持っておる検査研究機関というものが、いかにも貧弱だという印象を国民は受けると思うのです。たとえば、こうしてカネミの会社の製品だということだけは、その患者が全部カネミのものを食ったということで、これだけが焦点に出てきている大事な点ですね。出てきておるけれども、その出した品物もそう複雑なものと思われない。しかも、それを現在の権威のある機関が検査した結果が、あるところは砒素といい、あるところは塩素といい、あるところはニッケルというようなことですね、将来の問題としてこの問題を私どもは非常に重視するわけなんです。  技術革新という問題が大きく展開されておる。この前から厚生大臣もたいへん御苦労なさった二つの大きな公害事件がありましたけれども、ああいう事件を通じましても、ああいう事件が何年もかからなければ解決できないということ自体にも問題はあるし、今度の場合はカネミの油という表示がはっきりしている。にもかかわらず、先ほど申し上げたように、国立衛生試験所とか九州大学とか、そういう最高権威の機関が調べてみな違うということは、何としてもこれは国民に不安を与えることだと思うのです。こういう問題について、もっと技術的な大革新に合うような研究機関を至急に整備する体制をとらなければならないということを感ずるわけです。こういうところにも、つまり生産中心の行政というものがにょきっと出てきて、国民生活、特に生命に関係のあるような問題についてはおろそかにされておるというような事実も出ていると思うのです。こういう問題は厚生大臣、今後の問題として——まあ当面の問題は、一生懸命おやりになっていることはよくわかります。しかし、今後の問題として、そういうことにどういうふうに対処していかれるか、その決意をお伺いしたい。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 まず最初に、いまの検査が各種違っておって非常に不安を与えておるところでございます。これは手落ちもありましたが、違っておりますのは、検査の材料も、それから製造日時も、それから大もとのところであるか、一番下で配給した品物であるか、あるいは容器、こういうものによって若干の誤差もあると思います。それから検査自体が、それぞれ試料あるいは分析する薬の使い方等で若干誤差があります。  いずれにいたしましても、私どもの持っております国立衛生試験所が技術の面においてはおくれておるとは思いませんが、金と施設と人間の数の問題で非常に弱体であることはいなめない事実であります。特に今後はこういう問題が複雑になってくるし、どんどん新しい問題が出てまいると予想して早急に強化をしたい、こう考えております。明年度の予算についても、そういう方向で予算の折衝を続けていきたいと思います。

和田耕作民主社会党

○和田委員 私は、こういうカネミの商品が出たということを契機にして、たとえば原因がはっきりしてない、あるいは農薬であるかもわからないし、あるいは重金属その他のものであるかもわからないしということなんですけれども、この際そういう少し疑問のある重要な食品については、厚生省として全面的に、組織的に調べてみる、点検してみるというようなことも必要じゃないかと思うのです。そうすることによって、技術革新というものが進んでおるのに対して、それに対する衛生管理だとか、あるいは予防だとかいうものが非常に立ちおくれている感じがする。はたしてどういうふうにすればこれを合わせることができるかという端緒がつかめるのじゃないかと思うのですけれども、そういうことをおやりになる気持ちはないんでしょうか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 こういう問題は非常に複雑なようでございますが、また反面からいうと、金と労力を使ったらそれだけの効果がぴたっとあがってまいります。それで、私もただいま御指摘のとおりに、これを契機にして、おくればせではございますが計画を立てて、そうして逐次油類から何類という分類をして、全部点検をやりたい、こう思って事務当局に命じておるところでございます。

和田耕作民主社会党

○和田委員 これは農林省のほうの問題でも同じことが言えると思うのです。今度の米ぬかというのは、片一方では家畜の飼料にする、片一方ではいまのカネミの商品のように人間が食うというような問題なんですね。これがこの春に鶏がたくさん死んだということがあっても、ただ鶏だからということでこれを済ましてしまった。厚生省にも連絡がなかったという先ほどのお話なんですけれども、こういうところにやはり人間生活の軽視という問題が、おそらく意識的じゃないと思いますけれども含まれておるわけです。いままでの体制が、明らかに生産中心の行政であったということは総理大臣も認めておるのですけれども、それに対して、人間生活という問題がおろそかにされている。極端にいったら鶏並み、それ以下の扱いを受けているということですね。鶏の問題としては一応検討してみたけれども、人間の問題としては全然検討してないという事実からみても、そういうような関係があるわけなんですけれども、いまも厚生大臣にお伺いしましたように、この際、もう少し農林省関係の重要な食品について、その品質なり、あるいは品質を示すJASのようなものなり、あるいは特別のJAS以外の——JASは強制的にはできないと思いますけれども、ものによっては、強制的に農林省がある規格を調べてはっきりさせていくというようなことも必要じゃないかと思うのです。つまり、技術革新という問題は、われわれがいままでの常識では考えられない分野で、しかも考えられない反応を人間のからだに及ぼすわけなんですから、そういうふうな問題を取り扱わなければならない時期にきていると思うのですけれども、農林省の御所感をお伺いしたい。

大河原太一郎農林省農林経済局企業流通部長

○大河原説明員 ただいま御指摘がございましたように、加工食品が非常に多様化してまいりまして、食生活においてはそのウエートが非常に高くなっておる。今後これについていろいろな規制等の問題について真剣に考慮すべき段階だということは、まさにお話しのとおりでございます。これにつきましては、先生のただいまのお話にございましたように、優良食品を出回らせるという意味でのJAS制度等の普及徹底につきましては、明年度は規格の引き上げなり、多様化というようなことにつきまして、抜本的な制度改正を考えております。  なお、食品の品質その他につきましては、人間の健康なり生命というようなものに対する影響という視点で、公衆衛生、食品衛生法の制度から、十分やっていきたいというような姿勢で今後遺憾のないようにしたいと思っております。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 いまのに追加してお答えしておきますが、食品の中で、米を主体にしてくだものまで一切、農林省と私たちの関係は非常に深うございます。そこで、この問題の連絡協議会を開いておりますが、将来はこれを永続的な定期的なものにして、お互いに連絡し合ってやっていきたいと思います。先ほどの油の場合もそういうことがいえるのではなかろうか。私のほうが農林省だったら、ひょっとしたら、また鶏の飼料と人間の生命を違えて考えないということになってしまったようなこともあったかもしれないと思いますが、そういうことがないようにやっていきたい。  それからJAS規格引き上げの普及徹底のほうも、私のほうも農林省に協力したい。幸い農林省のほうも非常に協力的でありますから、これを永続的に定期的にやり、そして検査等も協力してやりたいと考えております。

和田耕作民主社会党

○和田委員 昨年の国会で公害基本法というものができまして、この春の五月には消費者保護基本法というものができて、国民生活という問題が、だんだんと行政の正面に出だしてきたわけなんですけれども、これらの問題は、やはり内容的には厚生省が中心になるような形のものが非常に多いと思うのです。こういうふうなことですから、われわれがわからないものでも、もうすでに人体に悪い影響をどんどん与えておる問題もたくさんあると思いますから、ひとつ権威のある——これは行政がいろいろ介入したとか、政治が介入して、砒素が悪いのに何とかということもあるんですよ。そういうふうな、影響のない、比較的中立的な、公害なりこの原因を調べるような委員会を、専門家で設置する必要があると私は思うのですよ。こういうような問題を契機にして、ぜひともそういうようなものの設置を考えてほしいというように思うのですけれども、厚生大臣どうでしょうか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 食品衛生の基準、こういうものについては再検討する時期でございます。いまの問題につきましても、私ども農林省とも相談をして検討してみたいと考えております。

和田耕作民主社会党

○和田委員 私は、この問題を初めて新聞で読んで、そして具体的にいろいろな問題を聞いたときに、何かスリラー小説を読んでいるような感じがしたのです。つまり、ある会社がつくっているということははっきりしている、原料も大体米ぬかだということもはっきりしている、しかし、これがどういうものが原因で、ああいうとてもひどいあばたのような症状が、手に足にあるいは顔に出ているのか、しかもこの病気は、いつなおるものか、その他のからだの諸器官にどういう影響を持っているのか、かいもくわかっていないということです。わかっていないだけではなくて、各機関がみな違うという問題があるわけですから、先ほどから強調しているような、すでにわれわれがそういう危険にさらされている問題を浮き彫りにしたようなものが新しく出ていると思うのですね。ぜひともひとつ厚生大臣、どういうところが中心になるかわかりませんけれども、そういう問題について、至急に技術革新並びに時代の大きな変化に適応する厚生行政なりあるいは保健衛生等についての体制を確立していただきたい。また、消費者保護の問題についても関連してぜひともお願いしたいと思うのです。  これで私の質問を終わります。

粟山秀自由民主党

○粟山委員長代理 大橋敏雄君。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 私は、今度米ぬか油問題で大きな社会問題を起こした事件の発生が、地元北九州のカネミ工場らしいということを非常に遺憾に思っております。同時に、患者はもとより、すべての人々がこの問題に特に注目しておりますし、不安を持っております。したがいまして、一日も早く原因を徹底的に追及して明らかにして不安を取り除くとともに、完全なる治療対策また補償体制を確立しなければならないという観点から、いまから数点お尋ねしてみたいと思います。  まず最初に、河野委員からもお話があったのですが、原因究明にあたって非常に矛盾を感ずるわけであります。先ほどから何回もお話があったのでありますが、久留米大の公衆衛生学教室の山口教授が十月十四日に九大病院長室で開かれました対策会議の席上で言ったことは、患者国武忠宅の残油を検査した結果、相当量の砒素が検出された、このような報告があったわけです。これはわが公明党の調査団も、直接山口教授に会ってその当時の模様を聞いてみたのですが、砒素説に対してはものすごい確信を持っておりました。われわれもそうではないかということを心配しまして、さらに徹底究明をやってくれと頼んだわけでございますが、わずか二日後の十月十六日には、九大油症研究班の総合発表としましてその砒素説が否定されております。私が非常に矛盾を感じているという点は、九大で調べた油も久留米大で調べた油も、油は同じ国武さんのうちの残り油であるにもかかわらず、このように検査結果が違っているという点が一つであります。  また、九大は、十六日に砒素説を否定しながらも、その後ほかの検査に乗り出したかといえばそうではない。というのは、それからずっとあとの二十一日に私は再び勝木教授に会いまして、その後の状況を尋ねてみました。そのときの話では、砒素説が非常に強いという話であったので、いまなお砒素の検出を中心に進めておりますので、そのほかの副産物といいますか、その原因らしいものはまだ明確にはつかんでおりません、これからであります、とこういうわけであります。十六日に砒素説を否定しながらも、なおかつ砒素だけを追及していったその九大の姿勢に対しても私は疑問を持つわけであります。  こういう点について局長さんは、厚生省の本部長として現地に乗り込んだわけでありますので、先ほどの説明ではまだ納得いきませんから、もっと具体的に話を聞かしてもらいたいと思います。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 ただいまの御質問のうち、久留米大学の山口教授が砒素を検出したということでございますが、それについて相当の自信を持っておるというようなお話でございますが、実はこの十月十六日の対策協議会には、私のほうの食品衛生課長も出席しておるわけでございます。そのときの山口教授の御発表としましては、やはり砒素は検出をした、しかし、これが原因になるというほど多量ということにはいかないというようなお考えであったように承知いたしております。  それから九大のほうも、同じ国武さんのうちから収去しました油について砒素の検査をいたしまして、この病気の原因になるほどの量の砒素を検出していない、ほとんど痕跡的であるということでございますが、これにつきまして当初、まず砒素は否定できるのではないかという発表があったわけでございますが、しかし、その時点におきましても、砒素を完全に否定しておるという意味で発表されたのではないと私どもは受け取っておるわけでございますが、その後砒素が非常に否定されたというような考え方が非常に一般に伝わるというふうな傾向がございまして、そういう意味におきまして、さらに砒素を完全に否定しておるのではないということが後日また説明された。砒素もやはり検査の対象として、目標として検査しなければならぬ、こういうお考えであろうと私は承知いたしておるわけでございます。そういうことでございまして、若干そのような経緯があるわけでございますが、砒素につきましては完全否定ということでなく今後も一つの目標としては検討していくということでございます。  なお、患者の国武さんのうちから採取しました油につましては、山口教授の収去されました油のびんと、それから九大のほうへ持ってまいりました油のびんとはびんが違っておるということでございますが、同じような系統の油ではあろうと思いますがびんは違っておった、かようなことでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 いまの説明でも納得いきませんけれども、その前にひとつ十五日に一般新聞に報道された中に「検出に当たった松本久男同教室助教授は」として「測定限界を越えているので、測定方法を改め、量をはっきりつかみたい。また精製過程に問題があるとすれば、その際使っている化学薬品も調べる必要がある」、これは、直接に検査に当たった人の発言が載っておるわけであります。これは一般新聞に載っております。  それから、いまから言う内容は、これは福岡県の公衆保健課の正規の資料です。私が十五日に現地に参りましたときにもらった経過内容を示したものでありますが、そのときの内容を読んでみますと、「県衛生部、九大、北九州市、大牟田市、福岡市、久留米大から関係者が出席し、席上久留米大学山口教授から患者国武忠宅の残油を検査した結果、相当量の砒素が検出された旨報告があった。なお定量試験については、引き続き実施するとのことであった。」つまり、先ほどの実際に当たった松本助教授の話にせよ、それから山口教授の発表の内容にせよ、多量の検出を見たということであります。それが二日後において全く反対の否定説が出たというところに、患者はもちろん、  一般国民は非常に疑問を抱いております。  それからいま、油は同じであったけれども、びんが違うんだという話がありましたけれども、それは残っていたびんが違うのですか。それとも残っていた油をほかのびんに詰めかえて持ってきたというわけですか。どうなんですか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 びんは、九大のほうへ持っていったびんと、それから山口教授が検査されたびんとは、びんが違うということでございますが、これはかんからびんに小分けしておるわけでございまして、そういうことでびんが違うということでございますが、もとのかんにつきましては、まだ現在はっきりしたことはわかっておりません。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 それではびんに詰めかえるときに、そのびんの事前検査は行なわれましたか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 びんにかんから分けるときは、患者のうちで分けられているわけでございます。患者といいますか、あるグループの方がかんからびんに分け合ったということでございます。収去するときにびんに分けたわけではないのであります。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 それでは、いままちまちに発表されている内容というのは、油そのものよりも容器のほうに疑いが濃いということに理解してよろしいですか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 いまのことをもって容器のほうが疑いが濃いとは必ずしもいえないわけでございます。といいますのは、山口教授も当初定性におきまして相当量の砒素が含まれておる、かようなお考えでございました。  その後、先ほど申し上げましたように、私のほうの環境衛生局の食品衛生課長も出席いたしまして地元で対策会議が行なわれましたときに、やはり山口教授もその席で、今回の中毒患者が発生するほどの量ではないと思う、こういうお話が当方の食品衛生課長にもあったと承知いたしております。さような状態でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 それでは、九大で検査した内容発表は微量だという発言がなされておりました。ほかのところは五〇PPMだとか、あるいは二〇PPMだとかいう数量が明示されて発表されておるわけですね。九大の内容は微量だということですが、微量ということは大体どれだけあったのでしょうか。今度現地に行かれまして、その内容は調べられましたか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 これはやはり検査方法がそれぞれ必ずしも一致していないということで、検査方法におきまして検査できる限界があるわけでございます。その限界によりまして、たとえば二〇PPM以下は検査ではっきりはあらわれないというもの、あるいは一PPMあるいは二PPM程度のものはわかるもの、かようなものがあるわけでございまして、そういう立場で、たとえば一PPMとか二PPMというものは大体微量だ、かような表現がされておるわけでございます。一般的には定性でやっておりますので、やはり定性から推察して多いとか少ないとかいうことばが一般的には使われておる、かようなことでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 そのことはわかりますけれども、じゃ、そのときは事実どの程度のPPMであったのか。九大の検出したときには……。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 九大のことにつきまして、定性を行なった、かように承知いたしております。したがいまして、定性におきまして微量だ、かような解釈で、何PPMとかいうことではない、かように承知しております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 微量だということは、それは発表の場合はそれもあり得ると思いますけれども、実際に検査したときには、ゼロだとか、あるいは二とか三とか出てくるはずだ。それはどうだったのかということを聞いておるのです。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 やはり定性でございますので、定性におきましてそれに砒素が検出され、その定性の限界線においては十分ひっかかってこないということで痕跡程度、かように承知しておりまして、それが具体的にどの程度どうだということを、いまちょっと資料をここに持ち合わせておりません。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 それでは許容量以下であった、いわゆる〇・〇五PPM以下であったというふうに理解しておってかまいませんか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 許容量という問題でございますが、これにつきましては、〇・〇五PPMという許容量は、水道水の砒素の含有量の許容量でございまして、一般的には許容量というものは、たとえば食品の添加物なら添加物で砒素の許容量をきめてあるわけでございます。そういうことでございまして、たとえば燐酸ソーダならば二PPM以下が許容量というような許容量をきめております。そういうことでございまして、大体中毒量というのが、五ミリから五十ミリくらいの間というのが一日の摂取量でございます。というようなことは一応学問的にはわかっておるわけでございまして、したがいまして、そういう量からいいますと、油の中に相当含まれており、相当量の油をとらないと中毒は起こらないだろう、かように数字の上からは計算できるわけでございます。そういうことで、まずこの発症の原因というところまでの量ではないだろうというようなことで微量というようなことばを使っておるわけでございます。  ただ、先ほど河野先生からお話がありましたように、蓄積微量毒ということにつきましては、なかなかこういった例がないわけでございます。今回の事件もほんとうに初めての事件でございまして、そういった砒素の微量毒による慢性中毒というものにつきましては、さらにもう少し研究をいたしませんとわからないということで、慎重を期して、砒素も一つの目標として今後検討していく、こういう考え方でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 いまの説明からいきますと、二〇PPMも五〇PPMも、微量といえば微量といえる内容に入るわけですね。私はなぜここをくどく聞くかといいますと、一般の大衆、患者というものは、そういうちょっとしたところに非常に不安を抱いているわけです。だから、同じ発表するならば、今後はそんな微量だとか多量だとかいうのではなくて、むしろ数字を示して発表されるように指導してもらいたいと思いますね。  もう一つ疑問に思うことは、国立衛生試験所に空輸されたその検体は、国武さんのうちの油だと聞いておりますが、それは間違いありませんか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 間違いございません。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 ここに一つまた疑問点が出たのは、最近、二十六日ですか、国立衛生試験所では、かなりの塩素が検出された、こういうふうに話しているそうですが、先ほど言いましたように、十一日に、九大の研究内容として次のようにいわれております。これはやはり公衆保健課の資料の中に書いてあることです。三番目に書いてある問題ですが、「九大の措置」として、「有機塩素剤等による中毒の疑いにより患者が持参したライスオイルを検査した結果、有機塩素剤(−)、パラチオン(−)、砒素(−)、脂肪酸に異状は認めなかった。しかし、患者のすべてが共通してライスオイルを使用しており、使用を中止すると症状が進まないことからライスオイルに疑いを持っておるとのことであった。」こういうふうに明示されておりますけれども、この十一日の九大の話では、有機塩素剤等は認めなかった、異状は認めなかった、こういうふうにいっております。ところが二十六日、同じ油を調べた国立衛生試験所は、かなりの塩素を認めたとあります。非常に矛盾を感ずるのですが……。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 ただいまあるいは私聞き間違いをしたかとも思いますが、十七日の発表で、この九大の……。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 十一日ですよ。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 十一日には塩素が発見されなかったという発表でございましたということでございましょうか、ちょっと……。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 十一日の日付で公衆保健課が記録を残している内容を見ますと、「九大の措置」という項目の中に、「有機塩素剤等による中毒の疑いにより患者が持参したライスオイルを検査した結果、有機塩素剤(−)、パラチオン(−)、砒素(−)、脂肪酸に異状は認めなかった。」とあるのです。いいですね。それと二十六日の国立衛生試験所の発表とはまた全然違うじゃないかと言っているわけです。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 十一日に九大におきまして調べました油は、この国武さんの油とは違うと考えております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 先ほどお話を聞きましたら、久留米大学の油も、それから九大の油も、びんは違うけれども中身は一緒だと言ったじゃないですか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 九大におきましては、国武さんのうちから収去したものも調べておりますが、九大に参りました外来患者の家庭からの油も取って調べておるわけでございまして、十一日の時点では、そういった油の結果だと私記憶いたしております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 大臣にちょっとお尋ねしますが、専門的な問題で私などはしろうとですから、言われるままになる感じになりますが、むしろしろうととして感ずる場合、この矛盾はどうお考えになりますか、大臣として。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 いまの問題も、逐次検査の経過に従っていろいろ解明され、私も不審を持ちつつ究明いたしておるわけであります。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 もう一つ言いますが、同じ油で久留米大学のほうでは砒素があったと最初は発表したわけです。そして九大のほうではない。今度は塩素のほうになると、九大のほうでは認めなかった、国立衛生試験所は認めた、しかも検体はみんな同じだ、こういうことになっているんですよ。いまの局長の話では、油が違うと言い出したんです。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 検体は全部一様ではないわけでございまして、大体患者の家庭から油を集めておるわけでありますが、カネミの油は、いろいろと毎日生産しておるわけでございますから、やはり違うと申しますのは製造日が違う、こういうことでございます。いわゆる同じ時点におきまして出てきた油ではないということで、あちらこちらで検査をいたしておりまして、たとえば砒素につきましても、各県の衛生研究所でも調べておりますし、さようなことでございますが、それぞれやはり検体が、カネミで製造しました時点が違う検体を調べております。またできるだけ国武さんの一連のグループの油につきましても収去して、当然これは調べておるわけでございますが、その他の時点における油につきましても、同じように調べておりますので、その発表が一緒になって発表されておる関係上、受け取るほうの側からいいますと、若干そこに混乱がある、かように思うわけでございます。そういったことは私どものほうでも十分注意して発表する必要があるだろう、かように考えております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 あなたのいまおっしゃっていることはわかる、私も知っております。しかし、国立衛生試験所に空輸された油も、それから九大の油も、久留米大の油も、国武さんの残り油だということは間違いないでしょう。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 国武さんの持っておられました油を調べたということにおいては、九大におきましても、久留米大学におきましても、それから国立衛生試験所におきましても同じでございます。ただ、それが大体同じ系統のものだと思うわけでございますが、途中でかんで区分けされておるというような関係で、その辺が絶対的に同じものだと言い得るかどうかはなお検討しなければならぬ点もあるわけでございますが、それ以外に、試験所におきましても、九大においても、久留米大におきましても、ほかの時点で製造されたものも調べておるわけでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 化学分析の問題ですから、われわれしろうとにはわからないほど複雑な問題があろうとは思います。しかし、いまのような答弁をされますと、先ほど河野委員が言っておりましたように、何かこれは政治的なものが働いておるんじゃないか、こういうふうに疑らざるを得ませんね。  私がもう一つ疑いたくなる点は、実はここに持っている資料は、先ほど言いました公衆保健課の資料でございます。これは九月の十五日前後に手にしたものです。きのう福岡県の油症対策本部で対策会議が開かれた、その席上で同じ概況報告が刷りものになって出されております。同じ十四日の日を見ますと、表現ががらりと変わっておるんですよ。こういうことでいいんでしょうかね。きのうの資料の内容によれば、同じく十月の十四日、砒素のところだけ読みますけれども、「国武忠の残油を検査した結果、砒素が検出された旨報告があった。」簡単に省略されておるわけですね。先ほど河野さんも言いましたよ。事実は事実として認めていいじゃないか、特に報告書などは現実的に聞き、また見た人が書いたんでしょうし、それをさらに表現を変えてやさしく書きかえるなどということは、私は問題だと思うんです。大臣、こういう点どう思いますか。九月の半ばごろの資料ときのうの資料はもう違うんですよ。同じ十四日の、しかも山口教授の発表のことばがこのように違って記録されている。おそらく最終的には、あとのものが記録として保存されるだろうと思いますが、こういうところを見ていきますと、やはり政治的な何かがあるんじゃないかと感じざるを得ませんですがね、どう思いますか、この点。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 山口教授の砒素の分析の結果は、やはりその分析の経過なり分析の表を提出して、専門家がみんな寄って検討すべきものであって、これは今後も私はやるように検討を命じておりますが、ただ、あった、次にはなかったということでは納得できない、したがってやはりしさいに検討してお互いがこうこうこういうわけで、あるいは検査に間違いがあったのか、あるいは検査に間違いはなかったのか、こういう経緯でそれは出てこなかったんだという、やはり実際の姿をはっきりする必要があると思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 一つ、大臣の答弁に漏れたんですが、こうして記録の表現が変わっていくんですね。それも一番大事なところですよ、今度の事件の問題について、今後追及していかなければならない最大の問題点を、こうしてぼかして記録されていくということは、これは問題じゃないかというんです。その点についてはどういうように考えますか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 いまの問題は、聞きますると、やはり山口教授自体も入った会議でやられたそうで、表現等については問題がありましょうけれども、十分注意してやるように指示をいたします。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 ちょっと関連して。答弁なさるほうも、事態を十分認識して答弁なさっておらぬものですから、大橋委員の質問も次から次に疑惑がわいてくると思うのです。  そこで、むしろこれは私は政府委員みたいなかっこうになりますけれども、山口教授が最初大牟田の国武忠さんから得た検体ですね、これは一〇〇PPMの砒素が出た、あるいは五〇PPMの砒素が出た、いろいろ新聞で報道されております。ところが、それが何か誤りであったかのようにいろいろ世上に言い伝えられておるわけですね。そこで私ども山口教授とひざをつき合わしていろいろ意見の交換をいたしました。そうしたらどういういろいろな条件をはずしてみても、私が自信をもって言える範囲は、二〇PPMについては確信をもって砒素があったということは言い切れます、こう言っているわけですね。ところが、新聞では五〇とか一〇〇とか書いておりますけれども、それは最終的に山口教授は二〇PPMについては自信をもって言い切ることができますと、こう言っているわけです。ところがその検体以外の検体においては残念ながらほとんど砒素が検出できなかった、こう言っておるわけですね。ですからその検体を区別していろいろ表現しなければならぬと思うのですよ。それが結果的には——大橋さんがいろいろ疑問を抱いておるのは、最初出てきたのは山口さんも二〇PPMと現在も確信を持って言えると言っておるわけですから、そのこと自身もやや否定されたかのような形で研究班の中でいろいろ言われておるところに私どもが政治的じゃなかろうかという疑問があるわけです。ですからあったものはあったものとしてやはりきちっと整理をし、ないものはないものとしてやればいいけれども、それが何か混乱してしまって、そして結果的には、最初出たとおっしゃったことまでが否定されるような表現が使われるから、そこに政治的な要素が加わっておりはせぬか、こういう議論が出てくるわけです。ですからはっきりしてもらいたいのは、最初国武さんが油症患者として届け出られたそのときの検体は、山口教授が自信を持って言える数字というものは二〇PPM、こう言っておるわけです。そのことは厳然たる事実ですね。これはいまも山口教授は胸を張ってはっきり言うことができます、こう言っておる。ところが残念ながらその他の検体については検出できなかった。  それからもう一つ。大橋委員からいろいろあったけれども、局長から答えがなかったから私がかわって答弁するかっこうになりますけれども、これは山口、香川、それから佐賀でもそれぞれ砒素が出たと言っているわけです。九大でも出たと言っているわけです。その後局長は何かわけがわからぬようなことを御答弁になったけれども、九大でも出たと言っているわけです。一体どれくらいですかと私どもがいろいろ問い詰めたら、せいぜい数PPMと言っているわけです。ですからそういう事実は、せっかくあなたが現地へ対策本部長として乗り込んでいっておられるわけですから、そういう実態というものは十分つかんで、国会の席上では国民が注視をしておるわけですから、やはりはっきりお答えになる必要があると思うのです。ですから山口の場合は〇・〇一PPM、佐賀は二PPM、香川二PPM、大阪では二〇PPM、九大では数PPMと言っていますね。数とは幾らくらいかと言ったら二、三PPM、こう言っています。ですからそういう点は、せっかく現地に本部長として乗り込んでいっておるのですから、やはり的確に答えなければ、それをはっきりおっしゃらないから、何か政治的な要素が加わっておるのではないかという疑問が出てくるわけです。  そういう実態を十分御存じなければここで認識を改め、今後大橋委員の質問に対してお答え願いたい。そして、やはりいろいろ話がこんがらかっていますからきちっきちっと整理して答弁なさらぬとますます誤解を生じてまいりますので、その点は十分注意をしていただきたい、こういうことを申し上げておきたいと思います。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 砒素の検出量でございますが、山口教授も当初定性でやっておられましたので、当初かなり多い、かようなことで八〇PPMとか一〇〇PPMということが伝わったわけでございますが、その後私どものほうの食品衛生課長がお会いしたときも、大体いまのお話のように二〇PPMくらいだ、かように考えておるというお話でございました。それから大阪におきましてもやはり二〇PPM出たということも事実でございます。その他の県で調べておりますのでは、七PPM出たところも佐賀ではございます。それから二PPM出た検体もございます。それからその他の地域、香川におきましても三PPM、これは検体によって数字が若干違いますが、大体三PPM以下でございます。ほかの県におきましても同じような状態でございますが、さようなことで先ほど痕跡とか微量とか申し上げましたのは、数PPMとか、量は実は微量とかように考えて、微量ということばあるいは痕跡ということばを使っておるわけでございます。さようなことでございます。  それで二〇PPMというのは、X線螢光分析におきましては大体二〇PPMというのが一つの限界でございます。それで大体二〇PPMというのが一つの線でございまして、それでも定量的にこれが三〇であるか三五であるかということが非常にむずかしい。さようなことでございまして、若干私の答弁も十分でない点もあったわけでございます。検体もいろいろでございますし、また数字もいろいろでございますが、〇・五とか、一とかあるいは二とかいうPPMという出方は、これはやはりその検査をする人によりまして若干の誤差はそこにある、かようなことでございまして、いずれにしましても数PPM、二〇PPMにいたしましても、まずいままでの科学常識ですと、そう人体に影響がないということでございます。先ほど河野先生の御質問にもお答え申し上げましたように、エビとかカニでもかなりの量を持っておるということでございます。そういうように考えております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 それじゃ、時間がたつばかりですから次に移りますけれども、確かに患者は特にそういう問題点に注意を払っております。  それからいまさきのように、油は同じでも入れものが違うし、また検査している検体そのものが違うからなんて言われると、一体どこを信用してそれじゃ聞いていったらいいのか、判断に迷う感じを受けます。そういう点も注意していただきたいと思います。  それから二十六日、国立衛生試験所が発表しましたかなりの塩素が出たということでございますけれども、ある報道によれば、これも十九日の日に高知県の衛生研究所で検査した結果、これがずいぶんと出てきた。ところが高知県の衛生研究所には、ガスクロ分析ではあるけれども、吸着剤がそろっていなかった。そういうことで十九日に一応それを認めながら、二十六日の日にデータを持って国立衛生試験所に来た、こういうふうに聞いておりますが、これは間違いないですか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 国立衛生試験所に見えたのは二十五日でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 その高知衛生研究所の分析法も、ガスクロ検出法であって、国立衛生試験所もガスクロ法である。同じ分析方法の手段を持ちながら、高知のほうには吸着剤がなかったというのは、これは怠慢じゃないのでしょうか。それとも日ごろの姿というものはそうしたものなんでしょうか。その点聞かしてください。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 高知のほうで十分やれなかったということで怠慢ではないかということでございますが……。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 吸着剤がなかったという……。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 それがなかったということが怠慢ではないかということでございますが、やはりこういったものは平素から整備しておくべきものだと考えております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 それから螢光分析は国立衛生試験所にはないのですか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 国立衛生試験所にもX線螢光分析法はございます。ございますが、精度が悪うございまして、それで河野先生の御質問にもありましたように国立衛生試験所大阪支所を通じましてこの検査を委託して検査してもらったということであります。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 大臣にお尋ねしますが、いまのお話では、螢光分析法はあるけれども、性能が悪いというそうですけれども、いやしくも国の最高研究機関である国立衛生試験所に、そういう性能の悪いものをそのままでいいのかどうかということですけれども、大臣、お願いします。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 大阪の高槻市のメーカーの理学電機の分析器が新しい機械で性能がよかったということで頼んだそうでございますが、こういう時期に関係のあるメーカーに頼んで、それをひそかに参考の資料とするなら別として、これを判定の基礎にしたりあるいは発表することは不見識である、やはり現段階で性能が悪かったら悪かったで、やはり国立衛生試験所が責任を持ってやるべきである、将来は性能の高い新しいものにかえなければならぬと思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 その発表の責任はあくまでも国立衛生試験所あるいは厚生省という立場であるのは当然だと思いますが、それ以上優秀な機器があってそれを使うことを別に秘密的にする必要はないと思いますが、その点、ちょっと理解に苦しむのですが、どういうことでしょう。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 私はやはりこういうものの原因がどこにあるかという問題で、しかも業者とメーカー、その他の問題、いろいろある時期に、関係のあるものに頼んだ、そのものを基礎にして判定をして、そして国立衛生試験所が責任をもって発表するならよろしいけれども、それをそのまま何らか確定の事項みたいに発表したり新聞に書かれることは不見識である、こういう意味でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 結論として、今度の犯人は一体何か、砒素ではない、それでは塩素化合物かということになってくるわけでございますが、米ぬか油が原因であることは間違いありませんね。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 カネミの米ぬか油に原因したということは、ほとんど間違いないと考えております。しかしながら、現在の段階では疑いが非常に濃厚だということで、食品衛生法四条四号に基づきまして、営業停止なり、販売、授受の禁止を命じておるわけでございまして、現在その原因の追及は疫学的にも検討いたしておりますし、また原因物質の検討もいたしておるわけでございますので、この疫学的な究明につきましては、もうしばらくすればはっきりした結果が出ると思いますが、現段階ではそういうような状態でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 専門家に聞きますと、原因ということと病因というものはまた別問題だ、たとえば油そのものが原因である、しかし、実際の被害を受けている病因というものはまた別にあるのだ、こういうふうに聞くのですけれども、これは間違いありませんか。原因と病因は別問題だ……。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 これは使う人によって若干その解釈のしかたが違うと思うのでございますが、私は、原因といいますと、これは広い意味にとってまいります。いろいろの立場から原因になるということであろうと思います。病因といいますのは、病気そのものが本質的な原因、こういう考え方であろうと思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 それじゃ、いま問題になっておりましたダーク油の問題ですけれども、これも原因はカネミのダーク油であった、しかし、いまだに病因はつかめていないということも聞いておりますが、すでにカネミはそれを補償させられているわけですね。今回も病因まで突きとめられなくとも、原因がはっきりすれば、カネミの油であるということがはっきりすれば、補償責任は明確になるのですか。この点、大臣に聞いておきたいのですが……。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 現在ダーク油との関係は、当初発見されました患者の国武さんグループが二月初旬の……。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 それを聞いているのじゃないのです。もう一回言いますが、原因がカネミの油であるとわかれば、病因の追及がはっきりしなくとも補償責任は明確になるのかと聞いているのです。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 この問題は、なお今後十分検討しなければならぬ問題でございまして、カネミの油が原因だということの決定でございますが、これは疫学調査というような形で一応の推定はついていると思いますが、その他の病因物質がどういう形でどういうふうに入ったかというようなことも関連があるわけでございます。やはりそういうことが明確になればこれはもうはっきりとしたその補償ということになる、その中途段階におきましては、その実体的にどういう結果が出てくるかということによって判断していかなければならぬと、かように考えております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 聞いているのは、そんなややこしいことは要らないのですよ。カネミ油が原因であるとはっきりすれば、病因が最終的に突き詰められなくとも、カネミが補償責任を負うことがはっきりするのかと、これだけ聞いているわけですから、これは大臣、ひとつ答えてください。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 私は、まだいまの研究の段階では、カネミの責任であると断定するのには時期尚早であると考えます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 だから、カネミであるという原因だけで、原因がはっきりすれば補償責任があるのかと聞いているのです。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 カネミの米ぬか油で原因なり病因ができたということであれば、どちらにしてもそれは当然補償になるべきものだと考えます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 もう一つお尋ねしますが、いままた塩素問題が表面化してきたわけでございますけれども、国立衛生試験所でこのように言っているそうです。農薬BHC、除虫剤DDT、それから除草剤PCPなどを分析したけれども、最も普及している除草剤PCPについては可能性は少ないというデータが出ているということが報道されておりましたけれども、これは御承知でしょうか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 いま御説明のありましたことにつきましては、発表してないはずでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 これは一般新聞に出ていたことですから、どこかで話があっていると思いますので、再度調べてもらいたいと思います。  話は変わりますけれども、十月の二十三日に大阪で発表されているのですけれども、日本米油工業会、これには三十四社が加盟しているそうですけれども、その発表によりますと、今月の十二日から現地北九州市に調査団を派遣し、カネミ製油の製造工程などからも調査して、農薬などの有毒化学薬品類が、製造工程中に誤って混入されたとしか考えられないと、結果発表した。そのことを、厚生省にも電話で徹底調査を申し入れたということでございますが、このことは了解していますか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 米油工業会からさようなことにつきまして連絡があったことは承知いたしております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 この日本米油工業会が工場を見たときに、農薬と白陶土が一緒の場所にあったということも言われておりますが、その点は現地に乗り込まれたときの調査ではどうですか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 先ほどから私が現地に行ったということでございますが、実は食品衛生課長が現地に参ったのでございます。  なお、農薬が混入したのではないか、また農薬が添加物と一緒に置いてあったということにつきましては工業会等からもお話がありましたので、係官が現地に参りまして製造工場をつぶさに点検をいたしまして調査したわけでございますが、この調査した結果におきましては、先ほど河野先生の御質問にもお答えいたしましたように、建物の倉庫の配置等につきましては、油の製造に使います添加物と農薬とが、一緒に置かれるような倉庫の位置的関係にはなかったということでございまして、その事実はまずなかったであろう、かように推察いたしますが、ただ問題は、その取り扱い上の問題としまして、さようなことがあったかなかったかというようなことにつきましては、今後なお検討したい、かように考えております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 国民大衆は、一般新聞を見て、その点も非常に心配しておるところであります。したがいまして、厚生省の調査団という立場で、その点はこうこうこうであったと、明らかに公表してもらいたいと思いますが、その点大臣、どうお考えになりますか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 いまの局長の答弁のとおりでありますが、だからといって、それが混入したおそれがないという事実もないし、貨車からおろした急場の場合に、そういう事実があったかもわかりませんので、あったほうが濃いものとして調査を進めておるわけでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 それじゃ、もう一つお尋ねしますが、製造工程に問題があるのではないかといわれておりますが、カネミの製造工程と、ほかの米ぬか油工場の製造工程とは、同じであったのか、違ったのかという点です。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 ほかの工場との添加物の使用上の違いでございますが、いままでに私どもが承知いたしておる範囲におきましては、メタ燐酸ナトリウムを二回使っておりまして、二回目の燐酸は、普通の他の工場ではクエン酸を使っておるそうで、ここにおきましては燐酸を使っておる、この点が違う、かようなことでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 その違いは、今度の事件と密接な関連があるかどうか、たいしたことはないか、その点をお伺いします。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 製造工程に使います添加物につきましては、その製造所等の製品等も調べ、また製造元等も点検いたしておるわけでございますが、現在までに調べた範囲におきましては、この工場で使いました添加物の製造元の製品につきましては特別な異状はないということでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 先ほども話があったのですが、ことしの春、九州、中国、四国方面で起きた鶏の中毒事件ですけれども、今回の奇病の原因が非常によく似ている、ぶつぶつができるということですね。そういう疑いを深めて、農林省と厚生省ぶ協力して検査を進めているということを聞いておりますけれども、そのことは間違いありませんか。農林省と厚生省が相協力してその原因究明に当たっているということは事実ですか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 この問題には、米油製造ということで、米油の問題全般につきましては農林省のほうが直接は関与いたしておられます。したがいまして、この問題につきましてはやはり農林省とも相協力して原因究明に当たるべきだ、かような大臣からの御指示もございまして、対策本部の会議には、必ず出席していただくというようなことで協議しておりますが、なお平素、連絡協議会を設けまして、連絡をしながら検討を進めておるということでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 厚生省は、そのときそれに気がつかなかったとか、あるいは農林省のほうも資料の点だけで警告したというようなことを言っておりましたけれども、これはしろうとの私たちが見ただけでも——製造工程を書いてもらった。そうしますと、同じぬかから結局途中で化学薬品を添加して分かれていくわけですね。だから、ダーク油がどこからとれたのか、その問題はカネミの油であったということになれば、そのときのカネミの食品であるいわゆるライスオイル、こちらにも影響があると考えるのが常識じゃないですか。これは順々に言ってもいいのでありますけれども、時間がありませんから……。これはしろうとが見てもわかりますよ。これは皆さんみたいにべテランの専門家がそろっていらっしゃるのにもかかわらず、そのときにそこまで配慮がなされなかったというのは一体どういうわけなんですか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 これは先ほど河野議員の御質問に大臣からもお答えございましたが、厚生省関係としましては、その当時そういった鶏がダーク油によって死んだということにつきましては、承知してなかったということでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 新聞には堂々と発表されておったじゃないですか。それを知らなかったのですか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 新聞発表というのはいつの時点ですか。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 六月の時点ですよ。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 この今回の事件が起きてから私どもは知ったようなわけであります。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 よくないですね。鶏の事件は二月、三月に起こっておるのですよ。そうですね。しかも、それがカネミのダーク油であったということがわかったのが六月なんですよ。だから……

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 私もそういう疑問を持ちました。そこで、かりに農林省がお気づきにならぬにしても、厚生省で新聞を見たらそういう疑問がわからないのか。一家のうちならわくじゃないかと言ったのですが、聞いてみますと、中央の新聞には出てなくて、九州の新聞に出たそうで、中央の新聞に書かれたのが、この事件が起きてから東京新聞か何かだと思いますが書かれたようであります。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 私非常に残念に思うことは、この時点でほんとうに本気になって厚生省が乗り出しておったならば、今回の事件は起こらなかったのじゃないかという気になるのです。残念しごくでなりません。食品衛生関係はいろいろなものに関連しておると思うのです。というのは、純正食品というのはごくわずかで、ほんとうに草の根を分けてさがし出すように少なくなっておるといわれておる今日ですから、こうした生きものが死んでいくとか、生きものに特に何か問題が起こったというときには、関連はないのかというぐらいに神経を配っていただきたいと思います。  では次に移りますけれども、現在の患者の数はどうなっておりますか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 昨日現在の数字では一万一千九百二十七名の患者が届け出られております。この一万一千という患者の届け出は、医師が診断をして、これは事件に関連した食中毒の疑いがあるということで届け出されたもの、あるいは保健所で診断を受けたもの、あるいは電話等の連絡でこの食中毒だという報告があったもの等も含まれておりまして、中には相当類似疾患も入っておるかと考えます。それで昨日まで福岡の大学あるいは県におきまして精密検査をいたしておるわけでございますが、昨日までにわかった範囲におきましては、約二千八百名ほど調べた範囲で、大体疑わしい者、まず患者であろうというものを含めまして、約一〇・七%という状態でございます。したがいまして、大体定型的な症状を持っておるというのがまずこのぐらいの数字でございます。福岡県では五千名から出ておるわけでございまして、あとの残りの患者につきましてはなお引き続き調査をいたしますが、診断に出てこられなかったということでございまして、なお残りの患者の中にも定型的な症状を持っておられるかどうかは疑問だと思うのでございます。これは今後の検討でございます。かようなことでございまして、定型的な症状を持っておる数はかなり少ない、かように想像いたしております。また、ほかの県におきましても、やはり定型的な症状を持っておる者はかなり少ないように大体聞いておりますが、現在検査中でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 いまのお話によりますと、届け出た数の一割ないしは二割程度の範囲であるということで、ごく少ないことは非常にうれしいことでございますけれども、そのことによってこの問題を軽視されては困るということです。とにかくきょうの新聞報道によりますと、大牟田のほうでAさんという御婦人が赤ちゃんを産んだ。ところで、顔が、皮膚がものすごくどす黒かった。そして呼吸が早くて、熱が高くて、目やにが出ていたというんですね。からだ全体がどす黒いというようなことは、これはサリドマイド児の症状以上じゃないか。実際に確定されている患者のその症状というものは、私たちが想像する以上に深刻なものであります。特に女の人の顔にぶつぶつができているという問題になりますと、死ぬよりもつらい思いをしておるんじゃないかと思います。そういうわけでございますから、ひとつ問題を絶対軽視することなく、徹底した調査と追及と対策を立ててもらいたい。  もう一つお尋ねしますけれども、これは後遺症はあるのでしょうか。その点はまだはっきりしていませんか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 最初の御質問の徹底して究明してもらいたいということでございますが、定型的な患者が少ないということで決してこれは軽視いたしません。  なお、この病気は初めての病気でございまして、まだ今後医学的にもいろいろと検討しなければならぬという面がございまして、軽い患者でもあるいは若干米ぬか油に関連しておるということも考えられるわけでございます。そういった点もなお十分追及してまいる予定でございます。  それから後遺症につきましては、これは現在の段階では普通の神経麻痺とか、そういったような特別の後遺症はない。ただ問題は、非常に発しんが強度でございますので、そういうことによる後遺症といったものが問題じゃないだろうかと想像いたすわけでございますが、これは今後の問題だと思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 大臣にお尋ねしますが、現在の患者の生活保障、一家が全部かかっている場合もあるのですね、働いている主人が働けなくなったもの、収入の面もとだえておるという人もおります。そうした生活保障をどうするのかということと、それからまだ表面的には出ていない、自覚もしていない、いわゆる潜在患者がおると思うのですが、そういう潜在患者に対してはどのようなお考えを持っていらっしゃるのか。  それと、もし生まれてくる子供が死んで出てきた場合と、あるいは生きて出てきた場合、そういうときの問題点等はお考えになっているかどうかということ。まず、以上の問題点をさきに聞かしてください。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 患者の推定が、いま発表されている数字よりも二割か三割少ないだろうということによって問題を軽く考えることは絶対いたしません。被害者が予想以上に深刻であって、しかもまだ原因者というものはわからぬとはいいながら、なかなか回復には時間を要するような傾向にございますから、また単なる皮膚病ではなくて、場合によっては婦人などは一生の問題にかかってくるわけで、非常な問題でありますから、極力原因究明を急ぎ、その対策にも全力を注ぎたいと考えております。  そこで、第一番目の生活保障の問題ですが、この問題につきましては、行政指導で各地域に連絡をして、そういう方々は生活保護法によってとりあえずやるようにしたいと思います。  次には、潜在患者の問題でありますが、ただいまは被害者の方を一日も早く治療することに重点を注いでおりまするから、そこまで手が回りませんけれども、その原因の究明なり治療の方法がわかった段階において、必要であればやはり予防、健康診断などをやる必要があると考えております。  次には、流産、死産、あるいは今後場合によっては奇型児などの出産も考えられますが、こういう問題は責任の所在がはっきりした上でこれに対する何らかの方法を考えなければならぬと考えます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 もう時間もだいぶたちましたので、急いでまいりますけれども、、先ほど原因者が明らかになるまで諸経費は国で立てかえるというお話がありましたが、その点は了解いたしましたけれども、九大に参りましたとき、今回の調査にあたってはかなりの経費が要る。どのくらい要るのですかと聞きましたら、二十一日の時点で、実はきょうその予算額を出すことになっておりますと言っておりましたが、その九大からの予算請求額は来ましたでしょうか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 私どものほうへ要望が出てまいっております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 幾らですか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 約七百万円でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 大臣、七百万円の予算の要望がいま出ておるそうですが、この点はどうですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 私のほうと科学技術庁に研究費がありますから、その方面から融通をしてやりたい。なお、不足の場合には特別の処置を講ずるように閣議で了解を得てあります。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 最後に一つお尋ねしますが、食品衛生管理者の問題でございます。これは有名無実だといわれております。というのは、確かに食品衛生法第十九条の二にはその規定があるわけでございますけれども、現実的には、大会社等はまあまあ管理者が一応整っているけれども、中小企業等は全く、一時的に雇っているとか、あるいは時間的に雇っている。パートタイマーみたいな管理者であるというようなことを聞くのですけれども、そういう実態は御承知でしょうか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 食品衛生管理者の問題につきましては、御指摘のように、必ずしも十分な機能は発揮してないように受け取っておりますので、この機会に、この点につきましては十分体制を強化してまいりたい、かように考えております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 添加物の問題ですけれども、いま日本のお酒、いわゆる清酒の中には、サルチル酸というのが防腐剤として使われているそうですね。これは国際的にまだ認められてないというのですけれども、これはだいじょうぶなんでしょうか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 酒にサルチル酸を使っておるのは国際的には日本だけだということでございますが、(大橋(敏)委員「日本だけでしょう。」と呼ぶ)日本だけでございます。これはやはりお酒という特性も日本だけのことでありまして、そういうこともあると思います。そういうことでございまして、この問題は、お酒となりますと、これはアルコールも害があるわけでございますが、それにプラス害があるものでは困る、こういう考え方もあろうかと思うのでございますが、この点につきましてはやはり学問的にも一応検討はいたしております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 お酒好きの人の中に原因不明の病気がかなりあるということを聞くのですけれども、案外そういうのが蓄積して問題になっているのじゃないですかね。こういう点も本気になって研究を進めてもらいたいと思いますね。  それじゃ私の質問はこれで終わりますが、あとちょっと関連質問があるそうです。

粟山秀自由民主党

○粟山委員長代理 伏木和雄君。

伏木和雄公明党

○伏木委員 今回の事件につきまして、いままで大橋委員から原因についてはいろいろお話がございました。しかし、これだけ国民に心配を与え、世論を騒がせている食品が——日新月歩加工品がどんどん改良されまして、われわれの食卓の上は、将来必ずこうした加工物によって日常生活が保たれていくのではないかと思います。こうした今日の食生活の中におきまして、こういう事件が起きるということは国民にとって大きなショックであると思います。したがって、いま大橋委員からお話がありましたように、いろいろその原因の究明にあたっては厚生当局も十分力を入れていただきたいと思いますが、それと同時に、今後の予防措置が大きな問題ではないかと思います。こうした事件が起こることを未然に防いでこそ行政効果があがった、こういうことであって、今回の事件が、たとえ原因が究明されたにしても、赤ん坊が死んで生まれてきたとか、あるいは御婦人が醜い姿になってしまったとかというような問題はぬぐい去ることができないと思います。したがって、食品衛生法については、現在の食生活の中から大幅な改善が必要ではないかと思います。  その前に、こうした生命にまで関する食品に対して、行政面からは監視員というものが法律で定められております。この監視員につきましては、こういう事件があるたびに監視の状態、監視員の状態はどうであったかということが問題になってまいりました。予防措置をとっていくまず第一点には、監視員の強化ということが最も大きな問題ではないかと思います。この点、大臣の所見を承っておきたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 監視員は、平素からそう思っておりますが、各県、市でやっておりますが、その人員、能力は非常に不足であります。そこで、早急に強化をしなければならぬことは御指摘のとおりで、明年度は、この増員、それから自動車をもってする巡回監視、こういうものの予算の折衝をやっておるところでございます。

伏木和雄公明党

○伏木委員 大臣から心強いお話がございましたが、実際問題としまして地方財政は非常に逼迫しております。それでなくとも超過負担が多い今日の地方行政にありまして、厚生省のただ一片の通達ぐらいで監視員をふやせといっても、地方はそうたやすくはふやしていかれないのじゃないかと思います。そういう財政の上に立って、大臣として地方に対して、厚生省が応援するからがんばれ、こういう明確な激励がない限りは、地方でもこれは大きな問題として検討されていくと思いますが、実際地方交付金対象職員という形で交付税の対象にはなっておるといっても、不交付団体もございます。地方財政の逼迫しているおりから、こうした問題を解決するために、大臣として具体的にどういうお考えで今後行政指導をされていくか、この点を承っておきたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 監視員の増員は、御指摘のとおりに地方交付税の積算によってやっておりますので、なかなか現実問題として地方自治団体はやらない。そこでこれに補助を出すか、何か新しいことを考えなければならぬわけでありますが、県のほうでもこの要請だとか、そんなこともございますから、一方には食品衛生法あるいはその他の添加物、こういうものの法制を早急に改善すると同時に、その方面に向かっても検討しなければならぬと考えております。

伏木和雄公明党

○伏木委員 地方も予算編成の時期にかかっております。したがって、厚生省の明確な行政措置というものをひとつよろしくお願いしたいと思います。  それからこの監視員ですが、人数が不足しているということが最大の理由になっております。第一線の監視員の方々に聞きますと、あまりにも人員が少な過ぎる。少ないながらもフルに動いていけばいいのですが、実際はあまりにも少な過ぎるから、二階から目薬をたらすような状態だ。たらしても効果がないということで、少ない人数がなお非能率的といいますか、現在の監視員がフルに動かされてない、こういうことも聞いておりますが、実際このカネミの工場に対して本年何回ぐらい監視員が行っているか、そこまで厚生省は調査されたでしょうか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 北九州市から本年三月に調査に行っております。監視員が立ち入り検査をいたしております。

伏木和雄公明党

○伏木委員 本年三月に行かれたということは、一回だということですね。そうすると法律ではこの業種別に回数を定めておらないでしょうか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 この監視回数は業種ごとに政令できめてございまして、この業種は月一回は監視するということになっているわけでございます。それで監視のほうの体制の問題につきましては、全国的に対象業種につきまして平均二〇%ぐらいの監視率だということでございますが、これにつきましては、そういう意味では非常に不足なわけでございます。しかしながら、だんだんと食品の数もふえてまいっておりますが、施設もかなりよくなってまいっておるわけでございます。したがいまして、監視する場合に、やはり一番危険かと思われるような業種、また危険の起こりやすいという業種、また必ずしも施設が十分でないというような業種、そういったものに重点的に監視を行なっておるわけでございます。一方におきましては、やはり先ほどの、必ずしもまだ十分な体制でございませんが、食品衛生管理者を十分活用するとか、またこの問題につきましては非常に多数の業種でございますので、やはり食品業者そのものを教育いたしまして、自覚に待った整備をやっていくということは、当然これはもうやっていかなければならぬ問題であります。そういうことで総合的に進めておるということでございますが、しかし、監視率は決してまだ十分でないという状態でございます。

伏木和雄公明党

○伏木委員 監視体制が十分でないどころか、皆無といったほうが、局長さん、答えになっているのじゃないかと思います。それは食品衛生法の施行令の三条で、この回数は定められているはずです。五条の第二十九号にカネミの工場は当たるのではないかと思いますが、それによりますと、年に十二回監視を行なうように定められているはずですが、実際は三月に一ぺん行っただけ。ということは、これは監視体制を全然やってない、しかも先ほど大橋委員の質問の中にもありましたように、二月に鶏の事件が起きているわけです。その原因が、六月には新聞に発表になっている。地方新聞しか出なかったという大臣のお答えですが、当然、地方にある保健所はそれにタッチをしているはずです。厚生本省のほうでやらないとしても、保健所は当然手を入れているはずです。そういう最も危険視しなくてはならない工場に対して、一回しか行っていない。これは全く論外であるということを言わざるを得ないと思います。  この点はこの程度にしておきますけれども、こうした監視員の増員に対しては、厚生省としては、監視体制を、何か機動班を設けてというようなお考えがあるようですが、単にそのくらいのものであっては——人員が十分あって能率が悪いからということでなくて、もう人員が全然足りないという現状から、ひとつ大臣の積極的な、ほとんど皆無であったという監視体制の強化をお願いしたいと思います。この点について、大臣から再度御所見を承っておきたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 御意見は十分拝聴いたしまして、その方向に努力いたします。

伏木和雄公明党

○伏木委員 それから、今度は監視員が派遣された場合ですが、たとえばカネミの工場に対して、監視員が完全に回数だけ行っておったとします。その場合、何を基準に、こうした食用油の工場に対して、どういう基準、どういう検査内容といいますか、何ものか基準があって、その基準に違反しているかどうかという標準になるものが、食品衛生法あるいは政令でもって定められているかどうか。監視員が行っても、基準になるものがなくてはどうにもならないと思います。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 監視する場合の監視方法の基準でございますが、これにつきましては、各都道府県及び指定市におきまして、条例をつくって実施いたしております。

伏木和雄公明党

○伏木委員 そうしますと、食品衛生法のほうでは、油の検査基準というものはないわけですね。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 油の検査基準というものはございません。

伏木和雄公明党

○伏木委員 それでは、福岡県のほうでは、油の検査基準は条例で定めてあるでしょうか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 これは、北九州市で制定しております。

伏木和雄公明党

○伏木委員 ございますか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 施設基準でございます。油の基準ではなくて……。

伏木和雄公明党

○伏木委員 施設基準に、油の純度とかそういったものを定めているのですか、施設基準の中に……。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 油の基準等は定めておりません。

伏木和雄公明党

○伏木委員 大臣、いまの答弁を聞いておられたと思いますが、監視は行っておらない。たとえ行ったとしても、その基準になるものがない。とすると、監視員は一体何を基準に今後国民の生命を守るためにやっていくか、こうした点の法の不備と申しますか、こういう面もあるわけです。この点に対する今後の大臣のお考えを承っておきたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 ただいま申し上げました食品衛生法あるいは添加物等の法令あるいは規則等を改正しまする際に、そういう県や市、そういうもののやるべきことも、もう少し公害と同様にきびしくなってまいりますると、そういう計画を策定さして、その基準を示す場合には、やはり私のほうで指導してやらなければならないと考えておりますので、そういう方向で検討したいと考えております。

伏木和雄公明党

○伏木委員 それでは農林省のほうへお伺いしたいと思います。  先ほどの質問にもございましたけれども、JAS規格が昭和二十七年に制定されております。現在まで十六年間経過しておるが、この規格認定工場になっているところが一社もないということは、このJAS自体が不備なのか、業者がいいかげんなのか、あるいは農林省の指導が悪いのか、どこかに欠陥があると思うのです。これだけの規格基準というものを定めておきながら、一社もないというのですから、この一社も規格工場になっていないというこの原因はどこにあると認識されますか。

大河原太一郎農林省農林経済局企業流通部長

○大河原説明員 先生お話のとおり、昭和二十七年に食用油についてのJAS規格を設定したわけでございますが、当時におきましては端的に申しますと、関係者に対する普及徹底が十分でなかった、特にやや大きなメーカーになりますと、JASによって品質が保証されたものによって販路を伸ばしていくということよりも、自分のブランドで販売したほうが有利というような判断、これについてはJASの認識に対するわれわれの努力が足らなかった点があるかと思いますが……。それから先生御案内のとおり、第三者機関によって格づけを受けますので、検査手数料という経済負担がある。それから当時における消費者の理解、需要者の理解が、JASマークをつけたものを購入するというほどまだ進んでいなかったというようなことで、いろいろな原因が重なりまして、ただいま御指摘のような事態だったわけでございます。  そうしておりますうちに、消費者保護基本法ができたり、市中に出回る食用油等についていろいろな消費者の要望も出てまいりまして、これをJAS規格に載せるという問題を本格的に取り上げてまいったのは、率直に申し上げますと、この一年来のわけでございますので、そういたしますと、実は食用油等の品質が非常に向上してまいりまして、二十七年の規格自体がやや古くなっている、おくれてきている。したがって、先ほどの河野委員その他の御質問にお答え申し上げましたとおり、ただいま規格の改定、それから今回の事件を契機として、全油脂業界が、JASに率先して乗るというような態勢になっておることをつけ加えさしていただきます。

伏木和雄公明党

○伏木委員 いまの御答弁によりますと、私は単に規格の基準だけ変えても、この規格認定工場がふえるとは思いません。ということは、第一番に規格よりもむしろメーカーの名前で販路を広げたほうが売れるということですね。ということは、国民がこのJAS規格に対して、要するにこのマークをつけるということは、いわば国の裏づけになります、それよりも一企業の名前のほうを信用している。それほどこのJASというものが国民に認識されていない、こういう点があるわけですから、単に規格を変えただけでこれは改善できる問題でもないと思います。  それから容器に表示をつけると、費用がかかるというのですが、これは単なる言いわけにすぎない。一体、これが幾らかかるか、私はこのマークの費用のほうはちょっとわからないのですが、これは油ですから、リットル単位にマーク一つ幾らというのか、あるいは容器単位に一つ幾らというのか、この辺の値段は定まっていますか。

大河原太一郎農林省農林経済局企業流通部長

○大河原説明員 御指摘の第一点については、JAS自体の消費者、国民一般に対する普及徹底が必ずしも十分でなかった。したがって、それが個個のメーカーにとっては自己ブランドに依存させて、JAS自体の普及が必ずしも伸展しなかったという点については、御指摘のとおりだと思います。この点については先ほども申し上げましたが、明年度、JAS制度について根本的な再検討を加えて、法律改正を用意しておりすまので、それとあわせまして普及徹底についても強力に進めてまいりたいと思います。  それから、後段の御質問でございますけれども、検査手数料は大体千分の四程度というふうに当時定められたというふうに承知しておりますが、実は現実に受検がないものですから、今日の関係でその負担関係がどうだというようなことについては、残念ながら申し上げにくいわけでございます。

伏木和雄公明党

○伏木委員 私は、農林省にも全くやる気がない、こう思うのです。実際これは値段も正確にきまってないのです。業者のほうにだって、そんな通達はないのじゃないですか。千分の四程度というのですか。千分の四なんですか。

大河原太一郎農林省農林経済局企業流通部長

○大河原説明員 十八リットル当たり五円ということでございます。

伏木和雄公明党

○伏木委員 十八リットルというと一斗ですね。

大河原太一郎農林省農林経済局企業流通部長

○大河原説明員 お話しのとおり斗かんでございます。

伏木和雄公明党

○伏木委員 小さいかんは幾ら……。

大河原太一郎農林省農林経済局企業流通部長

○大河原説明員 まだ十分なあれはしておりませんが、二十七年当時でございますが、当時はメーカー段階から出るのが斗かんでございます。一斗、十八リットル、それが支配的だったのですから、それ当たり五円というふうにきめたと承知しております。

伏木和雄公明党

○伏木委員 十八リットル当たり五円ですから、費用がかさむからというのは言いわけにはならぬと思うのです。それともう一つ、当時十八リットル用のかんであったからということですが、現在小さいかんが出ているにもかかわらず、規格自体にマークの単価もきまってない。これでは、農林省のほうで積極的にこのマークを表示させようという法律はありますけれども、当局自体がこういう無関心である。こんなものだから業者がとってもしようがないのです。こういういいかげんなものだから……。  それからもう一つ伺いますが、この規格をとれば当然ロット当たりの規格検査をやっていかなくてはならないと思います。その規格検査はどこでやりますか。

大河原太一郎農林省農林経済局企業流通部長

○大河原説明員 先生御案内のとおり、JAS制度については、通産省のJIS制度と違いまして、食品の性質上、一定の設備と能力を持っております第三者の格づけ検査機関というものが登録制になっておりまして、それでいたすということで、二十七年当時発足いたしました植物食用油の検査格づけ機関がございましたが、いままで申し上げましたように受検がなかったということで、形式的なものに終わっておりますので、明年度早早から、食用油のJASについて発足させるということで、検査機関の整備も並行して進めておるわけでございます。

伏木和雄公明党

○伏木委員 そうすると、現在検査機関がきまっていないということですね。

大河原太一郎農林省農林経済局企業流通部長

○大河原説明員 いま申し上げましたように、現在では植物性の食用油検査協会という登録機関があるわけでございます。

伏木和雄公明党

○伏木委員 そこに格づけの資格を与えているわけですが、その協会に加入していない業者、この業者はどういたしますか。

大河原太一郎農林省農林経済局企業流通部長

○大河原説明員 この協会は公益法人という制度のたてまえになっております。したがって加入、非加入とか、そういうことはございません。要するに業者が自主的に格づけ依頼を持ってまいりますれば格づけをいたすということであります。

伏木和雄公明党

○伏木委員 そういう協会という、これは個人のものですから、たとい法人になっておったとはいえ、国あるいは地方団体がやるようなわけにはいかないと思います。結局その協会に加入している人と、加入していないメーカーですか、これとの何といいますか、結局そこで格づけをしてもらうためには、何となく協会に入らなければ検査を受けにくいというような問題は起きないかと私心配するのですが、そうした公正という面で、そういう団体に格づけの資格を与えてしまうということに、将来問題は起きないかどうか。

大河原太一郎農林省農林経済局企業流通部長

○大河原説明員 先生の御心配の向きでございますが、他の食品類で、すでにJAS制度に乗っております各種の加工食品等がございますが、それらにつきましても、公益法人の登録検査格づけ機関がございまして、そこでJASの格づけを行なっておりますが、いままでの事例を見ましても、先生の御懸念の向きが出たというふうには承知しておりません。

伏木和雄公明党

○伏木委員 実はきょう時間があれば、JASの内容を一つ一つ洗い直してみたいとは思っておったのですが、実際通産省のJIS規格ほどには、JASというものが国民になじまれていない。ですから、ただ単に規格の改正をやっただけで、これがイコール国民に信頼を与えるということにはならないと思います。そうなってくると、勢いこの規格をとるよりもメーカーの名前で押しまくっていくということになると思いますが、先ほど、来年度を目ざしてということで、国民にPRもする、こういうお話がございましたが、これは具体的にどんな方法でおやりになるか。もう規格も大体整備し出したというお話ですから、このPRについても、具体的なお考えがあったら聞かしておいていただきたい。

大河原太一郎農林省農林経済局企業流通部長

○大河原説明員 食用油をJAS制度に乗せる、あるいは個々の事業者が乗るということについての事情をちょっと申し上げますと、この点につきましては最近の消費者保護問題を契機としまして、油脂業界のほうでも自主的にJAS制度に乗るということで、新しい規格についても検討するということがございますが、特に今回の事件を契機といたし、全油脂業界が加入しております日本油脂協会、これは大きなメーカー、ブランドメーカーも入っておりますが、これらについても来年度からJAS制度に乗りたいということの申し出も公式に受けております。したがいまして、この点についてはわれわれとしては早急に乗れると期待しておりますが、そのほか規格につきまして、品質の基準については、先ほどるる申し上げましたように、二十七年当時の基準でございますので、一つ一つにつきましてただいま検討しておりますし、また御注意がございました格づけ検査機関等についても、その整備ということについて検討しておるわけであります。

伏木和雄公明党

○伏木委員 最後に一点。JASの改正にあたって、現在のJASは、今日できている製品に比べますと、もうずっと内容の低いものであると私は思います。農林省でこのJAS規格を国民にPRさせて、国民が安心して買えるようにする。いわば国の裏づけになるものですから、業者が努力して、現在の標準レベルよりはなお一そう優秀な製品ができるように、標準よりは高度のものにすべきではないかということがいえるのではないかと思います。こうした点についてその規格の内容、レベルをどの辺のものにしていこうかというお考えがありましたら、この点を明らかにしていただきたいと思います。

大河原太一郎農林省農林経済局企業流通部長

○大河原説明員 すでに五十四種類ぐらい、品目で二百七十前後近くの規格が定められてございますが、個々のものについて具体的内容はちょっとできかねますけれども、一般的に制度改正を契機にレベルを大幅に上げますし、さらに規格を多様化して、加工食品の多様化に即応したいというように考えております。

伏木和雄公明党

○伏木委員 最後に大臣にお伺いしますが、ただいま監視員の問題等を通して食品衛生法が完全に行なわれてない。また一方、農林省のほうの規格の問題を考えてみますと、規格自体が全然業者に相手にされてないようなレベルの低いものであるし、また農林省自体が本気になってない。こうした中にあって、今日国民の食生活というものがきわめて不安定な中に置かれているんではないかと思いますが、今後こうした事件を再度起こさないように、予防措置を完全に行なえるように大臣の所見を承って、私の質問を終わりたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 今度の事件でいろいろな問題が出てまいりましたし、なお食品についてはいろいろ今後新しい問題が出てくる趨勢にございます。それで第一は、私のほうでは計画的に計画をつくって、あらゆる食品業者を一ぺん総点検をしたい、それに伴って並行して、農林省は特に食品の中心の、くだものとか、あるいは農薬とか、米とか、一ぱいありますから、定期的に会合を開いて、いまのJASの問題もさらに社会へ理解、納得を深めるように各種団体に協力を願うと同時に、規格もさらに引き上げ、それから各種法律、政令等もこれに向かって改善をして万全を期したと考えております。

粟山秀自由民主党

○粟山委員長代理 谷口善太郎君。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 各委員の質問で大体問題が出尽くしたように思うのでありますが、しかし、若干納得のいかないところがやっぱりあるので、そのうちの主要な一、二点を、時刻がおそいので簡単に聞いておきたいと思います。  最初に農林省に伺いますが、鶏が死んだ、この原因がカネミのダーク油にあるということがわかって、そして六月の十九日かに通達をお出しになりましたね、配合飼料の品質の管理について。この時点でカネミ工場内を立ち入り検査なさったかどうか、これを伺います。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○平松説明員 六月十九日に、いまお話しの通達を出したわけでございますが、そのあと六月の二十六日に福岡の肥飼料検査所長が工場長を呼びまして、今回の事故につきましての注意を喚起いたしますとともに、ダーク油を動物用に販売する場合には、動物試験をやった後に出すようにという注意を与えました。立ち入り検査はやっておりません。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 この原因がどこにあるか、これから調べられたあとにはっきりしたことが出てくると思うのです。しかし、いずれにしましても、生産過程の第二段階でダーク油が出てくるということでありますから、したがって、生産工程の中におけるミスその他は、やはりなるべく早い時期にチェックする必要がある。そういう点で当然立ち入り検査をされるべきだったと思うのです。午前中の河野さんの質問に対するお答えの中で、どなたでしたか、一応施設その他は完全なものであっても、しかし、運搬の貨車その他、そういうものの運営では、やはり手落ちもないことではないだろうということを言っておられたが、そういう生産過程におけるミスは、なるべく事故の起きた早い時期に実際立ち入り検査をしなければわからない。この間私どもの代表が工場へ行ってみましたけれども、いま営業停止ですから従業員もおりませんし、もはやきれいに掃除されておりまして、何もわかりません。いまとなれば全然わからないのです。ですからそういう点、工場立ち入り検査をなさらなかったという点は、これは手落ちだと思うのですが、どうですか。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○平松説明員 私どものほうは、家畜のえさのほうをやっておりますので、第一次的には林兼の配合飼料工場と、東急エビスの配合飼料工場でつくられた配合飼料ということで、そちらのほうを探求してまいりまして、カネミのダーク油らしいということがわかったわけでございますので、カネミのダーク油の工場に対しまして——その間に原因の探求ということで、家畜衛生試験場で検査をいたしましたけれども、毒物が何かまだわからないという段階でございましたので、先ほども申し上げましたような注意をカネミの工場に与えたということでございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 そのお答えは、私の質問に対するお答えになっていないと思うのです。私は、おやりになったいろいろの農林省の御努力は、きのう伺ったからよく知っているのです。しかし、最も肝心なところ、立ち入り検査をやって実際にそこにミスの起こるような状況はなかったかどうかということ、どこに原因があったという問題は、生産工程の中で調べるということが非常に大事だと思うんですね。これは幸か不幸か、被害者にすれば不幸なことですが、鶏の問題ですから、人間の命の問題じゃないからということですが、しかし、百万羽のひなだとかあるいは数十万羽の成鶏が死んでいるということでありますから重要なことであります。ただ、どういう毒性があるかないかということの検査とか、今後どうするかということよりも、これが直ちに、一方にはダーク油ができると同時に、他方には精製されていく油があるわけですね。同じ原料で同じ工程でできている。そういうときに、立ち入り検査をされないということは、やはり大きな手落ちだと私どもは思うのです。国民はそういうように思うと思うのです。ですから、皆さんのおっしゃるようなことではなかなか納得できないのです。やはり率直にそこは手落ちだということをお認めになったほうがいいのではないかと思うのですが、どうですか。

平松甲子雄農林省畜産局参事官

○平松説明員 私のほうで、法律上の権限として与えられておりますのは、えさ工場の立ち入り検査までは権限が与えられておるわけでございますが、おっしゃるとおり、確かに権限が与えられておる、与えられていないにかかわらず、そういうふうな形のところまで一応注意して見るということは必要だろうと思われますので、そういう点をやらなかったということについては、私どもの落ち度でもあったと思います。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 手落ちをお認めになれば、今度は厚生大臣に伺いますが、厚生省の場合も、鶏の問題としては二月、三月段階にもうすでにあらわれている。それが、この会社の製品に原因があるということが明らかになったのは六月の中ごろです。農林省としても、それについていま申しましたような通達なんかを出しているわけであります。いま申しましたように、一方にダーク油ができる、他方には精製されて、外へ出ていっている油があるわけです。こういう段階に、やっぱり厚生省としても直ちに油の回収とかあるいは立ち入り検査ということをなすべきだったと思うのですが、先ほどから聞いておりますと、どうも農林省が通知をしてくれなかった、こっちも知らなかったというような話なんですが、やっぱりそうなんですか。なかなかそれではわからぬですな。やっぱりそうですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 御指摘のとおりに、その段階で立ち入り検査なり、あれをやればよかったと思います。ところが正直にいって現実は、私のほうでは今度の事件が起こって初めて鶏の事件があったことを知ったわけで、それまでは中央紙には出ませずに、県の衛生部長もこれを知らないような状態で、厚生省として全然情報をつかめなかったわけでございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 県の衛生部長が知らない、いや知っているのだというような言い合いをあなたとここでしても始まりませんけれども、問題は、先ほど公明党の諸君も申しましたように、鶏の問題は大問題になっている。百万羽も死んでいる。そのことでこの飼料をつくった二つのメーカーは、被害者に四億円かの補償を出しているというような問題があるわけです。それから厚生省は知らないにしても、農林省はちゃんと正式な通達を出しているというような状況なんですが、これは西日本一体の養鶏業者が大被害を受けている。そういう問題として報道されている。私どもの耳にも入っている。いかに厚生省は人員が足らぬかもしれませんけれども、やはりたくさんおる人たちが、大臣一人じゃないのだから、しかも方々に監視員なんかもおるわけだから、知らなかったとかなんとか言われるのは、ちょっと国民は納得できません。こういう大事な問題は閣議でも話が出ないのですか。ほんとうに知らなかったのですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 先ほど言ったように、閣議に話を出したのは、私が、この事件が起こってから、なぜこの段階でもっと連絡をし合ってやらなかったかという発言をしただけで、閣議では出ません。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 そうすると、ここでもおそろしい手落ちがあったということです。少なくとも、私どもは思うのですけれども、二、三月段階でもうやるべきだと思うのですけれども、おそくとも六月の段階に農林省がやっている時期に、同じ製造工程をもって同じ原料が出てくる。一方には、まだどういう内容かわかりませんけれども、毒性がある。ひなが死んでいる。鶏が死んでいる。他方に、同じ製造工程をもった原料でもって出ている油があるわけです。そういうことに対してマークしない、知らなかったと言っても、これは国民は納得しませんし、実際に知らなかったということになれば、これは重大な政府の責任問題だと思いますが、どうです。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 実際知りませんでした。これは、その事実を知っておって、そしてすぐこれが食品油に影響があるということを気づかなかったわけではなくて、鶏の被害があったという事実を私たちは知らなかった。あなたのほうでは知っておったとおっしゃるが、おしかりを受けるなら、その段階においておしかりを受けておれば私もありがたかったと思うのです。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 あなたはそんな言い方をするが、けしからぬ話で、私ども知っておったら、それじゃ何とか言ってくれたらよかったと言われても、何も私どもは政権を担当しているわけじゃありませんから、私が閣僚ならあなたに耳打ちするが、そうじゃない。あなた、そういう話の持ち方ではこの問題は解決せぬ。やはりこの場合政府の責任がある。重大な責任がある。つまり手落ちがある。これを認めることから始めませんと、この問題の解決はあり得ない。それはいまになって原因究明——これは徹底的にやってもらいたいと思うのだ。実際にどこにミスがあったか、生産工程にあったか、流通過程にあったか、家庭にいってからあったか、どういうものが入ったか、これはやってもらいたいが、しかし、さっき大橋さんも申しましたように、少なくともおそくとも六月段階に厚生省が油の回収を命じ、立ち入り検査をやって、そうして厳重なこれに対する対策をとっていたとすると、こういう人間の被害はなかったかもしれぬ。そういう問題なんです。私は知らなかった、閣議で話がなかった、あとから聞いたときに話をした、これではあなた、こういう重大な問題についての政府の責任はちょっととれぬというふうにわれわれは考える。やはり重大な政府の責任問題だと思うのです。そういう手落ちだと思うのですが、どうですか。これはお認めになりますか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 質問を受けますから、知らなかったという事実をお答えしただけで、私のほうでも、あとになってこの事件が起こったのを知ってから、そのときわかっておればと、あとで後悔したわけです。それで、県の衛生部長とか北九州の部長にも、君たち知っておったのかと確かめたところ、自分たちも気づかなかった、こういうわけで、それが事実であります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 その事実それ自体が、政府にとって重大な責任だと思うのです。重大な手落ちだと思うのです。この点を皆さんお認めにならないと、これは問題が済みません。そうじゃなくて、私は知らなかった、知らなかったことは事実だというようなことを言っておって済む問題じゃないですか。さっきからみんな何回も言うように、事は国民の生命に関する。そんなことについて、現に重大な問題が同じ材料で一方に起こっている。それは世間の話題になり問題になっている。知らなかったと言うが、知らなかったで済みますかということです。ここは大臣、やはりはっきりしておかないといかぬと思うのです。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 知らなかったからかってだというわけじゃございません。先ほどから報告しましたとおりに、この事件が起こって原因を調査している段階で、だんだんわかってきたところで私が聞いたのは、衛生試験所の所長からこういう事件があったそうだという話を聞いて、それから事務当局に調べさせてわかったわけで、そこで私は閣議で報告して、この段階で手を打たなかったことはまことに残念だということを閣議で発言したわけであります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 それはあなた十月の十一日でしょう、報告があったのは。そしてあなた方はすぐ、この問題について原因を究明せいという指令を県に出している。そして十六日に初めて製品の回収その他をやっているわけですね。十月ですよ。それより実に四月前に農林省でこれが問題になり、世間では問題になっている。六月です。この間に油が市場に出、国民が被害を受けたのです。知らなかったじゃ済まぬです。知らなかったなら、そういう事実が事実であるならば、これは重大な責任問題ということになります。その点についてどうお考えになるかということです。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 知らなかったことは事実でございますから、これでおしかりを受けるならば当然だと思います。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 私がしかったって何にもならぬので、あなたは責任を、つまり政府としてはそういう重大な責任を持たなければならないような大きなミスをやったということを認めないことには、ほんとうにこの問題を解決する上で政府の態度が違ってくると思う。知らなかったのだ、それはしようがなかったのだということになってくると、またこれに対する対処も違ってくるということで私は重視しているわけです。政府が知らなかったから、国民は四カ月も毒性のあるものを使っておって、現にたくさんの被害者が出ているという事態が起きた。政府は知らなかったのだ。知っておったらこれは何かやらなければならないはずですね。やらなかったためにそうなった。そこは重大な責任でっせ。それは大臣、あなたは勇敢に真実を認める人ですが、この政府の責任問題は認むべきだと思うのですが、どうです。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 いまのダーク油の事件は、この問題に着目する動機になったかもしれませんが、ダーク油といまの食品油の中毒とが直接関連あるかどうかということは、今後の究明によってわかることであると考えます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 そのとおりです。と同時に、ダーク油の災害事件と密接な関係があることであるかもわからない。そうでしょう、原因がまだわからぬのだから。だから、国民の健康や生命を守る行政当局の立場からいえば、一方に毒性のあるものが出ている、その同じ原料から出ておる油に対して着眼して、あとからになって原因究明というのじゃなくて、事前にこれを押えてしまうというような行政指導なり行政というものをやらなければほんとうの国民の健康は守れぬという、そういう責任を持っているわけでしょう。だから、あなたの言うように、まだ原因はわからぬからどっちとも言えぬというような言い方では、こういう問題はほんとうに正しい政治をやることにならないというように考える。なるほどおっしゃるとおり、これは私もさっき言ったとおりに、流通過程でこの問題が起こったかもしれませんよ。それは今後調査していった結果でないとわかりません。もっともきのうも、農林省やあなたのほうの役人の方がおいでになったとき、私言っておったのですが、もっと言えば、消費者のところへいってから何か食べ合わせかなんかやったかもしれません。そういう原因かもしれません。それはわかりません。けれども、生産工程で起こったにしろ、流通過程で起こったにしろ、生産工程の中で一方に被害を及ぼすような問題を事実起こしている。そうすれば、それに対して直ちに最大の対策として回収して、これが国民に回らぬうちにとめておいて、その上に立って原因の究明というやり方をすることがほんとうの行政じゃないか。食品衛生行政というものは、そういうところに大本があると私は思う。あなたはそんなことがわからないわけじゃないので、それをやはり知らなかったといって——知らなかったからこうなったということと違いますけれども、知らなかったといって済まぬわけなんで、国の重大な責任がある。いわば、私に言わせれば大きな失政だと思う。こういう問題がこの事件に伏在しているということを、はっきりさせる必要がある。これはやはりあなたのいまおっしゃるような言い方でなく御答弁をいただきたい。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 食品衛生は、御指摘のとおり直接生命に影響するものでありますから、そういうことが起こる未然に幾多の徴候をつかんでやることが理想であり、またそれが本旨であること、おっしゃることはよくわかります。しかし、公害の問題にいたしましても、この問題にいたしましても、被害者自体がはっきりわかりません。二月ごろからとか、年末から起きているとか、そうしてこれが油の中毒だということにお気づきになったのは八月ごろでございます。それからどんどん出てきている。したがって、私どものほうでは、被害者から御通知があるか、現地の自治体から御連絡とかがあるかでなければ、現実に被害がわからない、そこに現実の弱みがあります。ただし、この問題については、その段階においてもう少し政府がよく連絡をする習慣なり機構をつくっておいて、その徴候をとらなければならないという気持ちは認めるものでございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 各省の連絡を密にするとか、それから、こういう問題についての体制を、もう少し内閣全体として共同できるような体制をつくるとか、あるいは法改正をやるとか、さっき監視員の問題も出ておりましたが、そういう問題は体制の問題としてそうやってもらいたいし、そうあるべきだと思う。しかし、私の言っているのは、くどいようですけれども、こういう事態が起こるに至る過程で、相手は動物でありましたけれども、同じ生産工程で、その原料を同じくしているものの中から、そういう毒性のあるものが出ているという事実が起こって大問題になっておったとすれば、一方の油は人間が食べるのでしょう、この油について同じようなことをまず考えて、まずこれを押えて、その上で原因究明をするというやり方をやりませんと、国民の健康や生命を守るというほんとうの厚生行政の上からいって、そういう大本が守れぬ、その点で私は、知らなかったということによって政府が持っている責任なり任務なりということからのがれるわけにはいかないという点を、やはりはっきりしませんといかぬと思うのですよ。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 おっしゃることはよくわかりますが、たとえば川の魚が浮いた。たくさん死んだ。これはおかしい。そういう段階で調査するのが当然だと思いますが、その魚が浮いたという事実を知らなければ手の打ちようがないわけであります。私は、ありのままに、知らなかったということを言っているだけであります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 知らなかった、存じませんということで言うたら、これは犯罪人が検事に調べられているようなものでしようがない。押し問答になりますから、この点についてやはり政府に責任があるということを、はっきりここで、私どもとしてはあなた方に認めてもらいたいということを強調して次に行きます。  これは具体的な問題です。罹災者に対する医療の問題ですね。これは国が立てかえ払いをするというようなことを大臣おっしゃっておられたようですが、これはどういう形のやり方をなさるのですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 問題が問題であるし、しかも被害が各委員から言われたように非常に激しい。そこで政府としても、これは法制上は公害ということにまだなっておりませんから、食品中毒でありますし、あるいは犯人もわからない。かといって、ほうっておくわけにはまいりません。そこで何とかして立てかえ払いの方法を講じたい。そのためには研究費を回すとか、あるいは研究費の中から実質上立てかえ払いするとか、そういう方法をいま検討しているところで、これをきめたのがつい先日の閣議でありますから、具体的にどうやるかこうやるかということは、今後の事務当局の検討を待って私がきめます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 国が立てかえ払いをするということをきめただけで、具体的なことはまだきめてない、こういうことですね。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 はい。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 そうしますと、これはさまっておるならば私若干の質問があったのですが、そうしますと、私はここでその問題について若干のことを申し上げます。これは私の要求といいますか、要望になりますが、大体健康保険、あるいは医療保険で見るということになることは事実でしょうね。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 もちろん保険にはかかりますが、保険の自己負担分をどうするかということになります。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 つまり自己負担、一部負担というものですね。これをどうするかという問題ですが、これはやはり研究費の名目で、先ほどのお話ではどうも一部負担、自己負担というものを、国がこの部分だけに負担するということの法律的根拠がないと困るので、研究費か何かで出そうということをおっしゃったようでありますが、この場合、問題はこういうことが起こるのです。現実に医者へ行って、そうして一部負担を現金払いをするということがあってはちょっとぐあいが悪い、そういうことがないようにやってもらいたいという問題が一つあるわけです。この点はどういうことになりましょうか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 いまの場合は、まだいろいろの問題が出てくると思いますが、九大とか、あるいは久留米大学とか、研究班、治療班を編成して研究費を出しているところはそれでやりくりつくわけですが、一般病院に行った人の治療などが問題になってくると思います。そういう場合には、まず第一には原因がはっきりわかってくると、米ぬか油の中毒症の認定という問題が出てくるでしょうから、いままでのところでは、症状とかその他の基準を各都道府県が示しておりますが、それに基づいてそれぞれの操作をしたいと考えております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 なぜこういうことを私申しますかといいますと、これは厚生省からきのう持ってきていただいたのですけれども、この症状をどう判断するかという問題で、症状について非常にこまかい点を規定しています。どういう症状がどういうふうに起こるか、ずいぶんあります。しろうとで私よくわかりませんが、これは多分皮膚科でしょう。内科、神経内科、あるいは眼科、その他総合的に見なければならない。これはかなり金がかかるのですね。この症状が、いわゆる油症だということがはっきりきまればこれはいいかもしれませんが、それの前は、こういうのは皮膚にぶつぶつができたということで行きましても、そういう見方をするということになりますと、健康保険でやりますと、これはたくさん金を取られることは先生御承知のとおりだということですね。そういう金を現金で医者へ行ったときに取られて、あとから政府から払ってもらえるというようなことになったのでは、実際上患者はなかなか行けないという問題があるのだから、だから現場で現金を出さなくてもいいような措置をとってもらいたい、そういう点を考慮してもらいたいと思いますが、この点はどうですか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 患者の治療費の問題でございますが、この問題につきましては先ほど大臣から御説明ありましたように、この病気につきましてはまず患者をはっきりさせるということが必要でありますので、診断基準をつくりまして各県に流して、現在届けられた患者の再検査をいたしておるわけでございます。それでこれにつきましては午前中にも御報告申し上げましたように、約一割くらいが定型的な症状、すなわちこの病気としてはかなり重い症状でございます。したがいまして、この病気につきましては治療方法もはっきりしてないということで、治療方法を研究しながら治療をしていく、かようなことに相なろうかと思います。そういうことでございますので、特に治療費等で問題になってくる方はこういった方々だと思うのでございます。いわゆる定型的な症状でかなり長期に治療を要する、また経費もかかる、かような方々だと思うのでございます。そういうことでございますから、こうした方々を中心に治療を行なっていく、かつ研究もいたす、かような考え方で治療研究費で考えてまいりたい、かように考えておりますので、非常に軽症な患者と申しますか、どちらともわからないまず軽症な患者、あるいはこの病気以外の者もたくさん含まれておりますので、そういった者は当然対象にはならぬ、かような考えでおるわけでございます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 私のいま伺ったのは、現金支出をお医者さんに行ったときに出す必要がないようにしてくれということを言ったのです。いまあなたのおっしゃった患者であるかないか、つまり油症であるかないかという問題をさらに検査していく、またそれに対しては、患者の場合は万全を期したいということでありますけれども、その問題につきましても第二点としてありますよ。これはつまり油症ということにきまった患者に対して、自己負担を国が負担するということなんですか。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 負担というおことばの問題ですが、これはちょっと問題があろうかと思います。これは原因者がきまれば、必要な経費はまた原因者が負担するという考え方もあろうかと思うのでございますが、とりあえずは治療研究費で扱っていくという考えでございまして、やはり診断がきまって、そしてその対象となった者について考えていく、そのときにはやはり患者は治療研究費の範囲でまかなっていくということですから、自己負担はまずない、かように考えております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 油症というふうにきまってしまった者に対してだけ、つまり対象者は油症患者だけで、油症であるかないかということを診断してもらうのに出てきた者に対してはこれはどうなんです。

金光克己厚生省環境衛生局長

○金光説明員 現在そういったことにつきましても検討中でございますが、現在の考え方では、やはり油症ときまった方について考えていくべきではないかという考えであります。

粟山秀自由民主党

○粟山委員長代理 政府当局に申し上げますが、答弁はどうぞ簡潔にお願いいたします。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 そういうふうにわかりますと、これはまた大臣こうやってもらいたいという要望があるわけです。  それは油症と診断されました、きまった患者に対しては、もちろん国がそんなふうにして立てかえ払いをしていただくということ、これはけっこうです。しかし、油症であるかないかということを診断を受けに行くと、この人に対しても最初診断を受けに来た場合、そのときの費用も全部患者負担金、あるいは一部負担金は政府がやはり立てかえ払いをするというふうにやりませんと、現に先ほど問題になった潜在患者ですね、これはほんとうに政府の経費でやろうとしておるその治療の線に乗らないわけです、乗りにくいわけです。だから、診断を受けに来る人全体を対象にし、そして診断の後に油症でないということがわかれば、別の病気だということがわかれば、それは健康保険で通常にやればいいわけです。しかし、少なくとも油症であるかないか、その疑いを持って診断に来る人、その人々全体を対象にすべきだという意見を私どもは持っているわけです。もっとも、にきびができたからといって来たという、そんな者まで対象にすることはないのであって、そんなばかなことはないと思いますから、大臣この点はやはり配慮してもらいたいと思いますが、いかがですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 いまおっしゃることは、一つは油症対象ということにも、この被害者——油を飲んでそういう症状が出てきて、これは中毒じゃないかという被害者に対する健康診断、それからもう一つはいよいよ決定した者を治療する場合に現金を払ってあとから払ってやるようなことでは患者が困るから、そういうことのないようにしろ、こういう二つの御意見でありますが、ただいま局長が申し上げましたとおりにいろいろ検討中でございますから、御意見は十分尊重して検討いたします。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 第三点があるのです。非常に広い範囲にわたっております。数も非常に多いし、まだ潜在患者が幾らあるかわからないというような状況だと思うのです。ですから、ここでひとつ大臣の英断で、国立大学とか、国立病院から専門医を集めて、そして診察団といいましょうか、医療団といいましょうか、これを幾班かこしらえて、少なくとも福岡とか、山口とか、集中的に出ているところに派遣して緊急に対処するというような、そういう体制をとってもらう必要があるのじゃないか、こういう点のわれわれの考え方はいかがですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 すでにこの事件が起こりましてから、国立病院その他には協力体制を指導いたしております。そこで、今後事件の経緯にかんがみて、必要があればそういう問題も検討したいと思います。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 必要があればというおことばでありますからそれでけっこうのようでありますが、実は北九州市へ行って調べてみますと、たとえば戸畑区の市立病院あたりでは、眼科がなかったり、それから皮膚科が週に一回か二回外から医者が来るというふうな、そういう状況ですから、国立大学病院なんかに行けば、あるいは国立病院なんかに行けば完全かもしれませんが、大体皮膚科とか眼科を持っている病院が非常に少ない。また個人の皮膚科や眼科の開業医の方には、これの治療についていろいろお世話にならなければならぬと思いますけれども、診断の上では総合的にやらなければなりませんから、そういう点で医療機関は非常に不十分だ、これは河野先生なんかはよく御承知だと思う。これに対して緊急にそういう医療団を組織して行くというようなことを、これは閣内統一をしていただきましてやっていただくことが必要じゃないか、この点をぜひ善処してもらいたいと思います。  では最後に、これはみんな言いましたことだから私言う必要はないかと思いますが、しかし、やはりはっきりしておきたいのは、つまりカネミ倉庫の油によって、その生産過程におけるミスによってこういう被害、こういう問題が起きたということがはっきりした場合、国がいま患者に対する立てかえ払いをやりますけれども、これは国民の税金であります。こうして非常にはっきりした場合は、カネミ倉庫それ自体はこれは犯人ですから、企業責任をとる必要がある。これに対してどういう形でやるべきかはいろいろ法律上の研究は必要だと思いますけれども、当然はっきりした場合には企業責任をとらせて、そして経費の一部分を当然負担させるというような方法をとるべきだというふうに私どもは考えておる。この点もあなた方は考えておるというふうに先ほどからおっしゃっているからいいけれども、最後に、そういう方向をとってもらいたいし、またそうとるということを御報告いただきたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 この解明が、結論が出てきましてそういうものがはっきりすれば、当然そういうようにやるべきだと思います。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 終わります。

粟山秀自由民主党

○粟山委員長代理 次回は来たる十一月十二日牛後零時三十分理事会、午後一時委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十分散会

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