社会労働委員会 第1号
- 発言数
- 36 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1968/08/09
会議録
○小沢(辰)委員長代理 これより会議を開きます。 本日は、委員長が所用により不在のため、委員長の指名により私が委員長の職務を行ないます。 国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。 厚生関係及び労働関係の基本施策に関する事項 社会保障制度、医療、公衆衛生、社会福祉及び 人口問題に関する事項 労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関す る事項 以上の各事項について、その実情を調査し、対策を樹立するため、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。 つきましては、衆議院規則第九十四条により議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小沢(辰)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。 ────◇─────
○小沢(辰)委員長代理 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。島本虎三君。
○島本委員 これからの質問は、北海道開発庁長官と行政管理庁長官と兼ねた木村長官に対しての質問にも相なろうかと思いますが、その点は行政管理庁長官のほうに重点を置いてお考え願いたいと思います。 まず一つは、いま理事会で報告されまして、今回議事録に載ることに承認されました国政調査の報告が、田川委員以下六委員によりまして七月二十二日から約一週間にわたって行なわれた報告がなされました。その二十三日に、現地で厚生、労働各部門の説明を聴取したその時点に始まるわけでありますけれども、労働省関係、厚生省関係並びに北海道庁、この三者の説明を受けた際に、いろいろ委員から質問がありました。二十三日の日です。その中で、いまの北海道では炭鉱が大きい問題の焦点になっておる。その中で、いまは何も起こっておらないけれどもいつ起こるかもわからないものに炭鉱の災害がある。保安関係では、いつも起きてからその対策を重要視して、あとは絶滅を期するということがもう慣用句になっておる。こういうようなことは絶対ないように安全衛生の面では対処しなければならない、保安行政の問題は重要視しなければならない、こういうように委員の中から質問したわけです。ところがそれに対して、当時下部機構におきましては、通産省、労働省並びに北海道三者一体になって連絡協議会をつくって、これによって実施しておる、したがって炭鉱の保安関係、安全衛生関係でも、いまの心配のようなことはないように対処しております、こういうようなはっきりした答弁があったわけであります。七月の二十三日です。時間的には午後一時ごろだ、こういうふうに思うのです。それが一つ皆さんにはっきりしておかなければならない問題なんです。下部ではそういうふうにしておりました。 七月三十日になって今回のこの爆発が起きたわけであります。そして三十一名、この人たちは——北海道では旧盆ですから、もう十三日から盆になる。それでも三十一名の人がまだどうにもならないままに放置されている。しかし、約一週間ほど前に社会労働委員のこの国政調査団が質問したのに対しては、万全を期しているということであったわけです。いつでもこういうようなことばのやりとりだけで、これはもう行政的に身も入らない、血も通わない、こういうようなことでは私はほんとうにがっかりするわけなんです。 それで私は聞きたいのです。こういうような災害についての原因は、労働省も保安行政の中で勧告できるようになっているはずなんです。そしてその勧告は過去においても何回かなされたはずだと思うのです。この原因についてはっきりしたことが究明されたことがございましたかどうか、今回の場合の原因はどこにあるのでしょうか、まずその原因から聞いていきたいと思います。
○小川国務大臣 現状は、現場をあげて被災者の救護に専念をしておるという状況であります。したがいまして、災害の原因が那辺にあったか、まだ現場に到達し得ないような状況下にあるわけでございますから、まだ徹底的に究明されておるとは思いません。現地に派遣をいたしました安全衛生部長がおりまするので、判明いたしておる範囲で御説明を申し上げさせます。
○村上説明員 ただいま労働大臣から、今回の北炭平和鉱における問題についてお答えがございました。先生御指摘の点は、過去の災害の原因究明が明らかにされたかどうか。この原因究明につきましては、御承知のように労働省で担当はいたしておりませんので、申し上げることはいかがと思いますが、過去におきまして、その原因もしくはそれに関連しておるという問題につきまして、法令改正あるいは行政指導を要するものにつきましては勧告を行なってきたことは、御指摘のとおりであります。労働省といたしましては、勧告をした後、さらに法令の改正とか、あるいは行政通達の示達とか、そういった点につきまして、単に勧告にとどまらず、実際これが具体化されておるかどうかという点について、十分通産省とも連絡をいたしまして措置してまいったつもりでございます。
○島本委員 それで私は、過去の勧告の実績、それあたりも十分聞いてみたいと思っておりますので、時間が許したらそっちのほうにも入ります。 まず、過去は、いかに原因を究明しても、たいがい炭鉱爆発の場合の原因が意外にはっきりしておらないのです。はっきりしたというものは少ないと思うのです。今回の場合も、いみじくもベルトコンベアが前から故障であったそうです。それから避難命令が火災が発生してから一時間二十分後に出されたという事態があったそうであります。こういうふうにしてみますと、原因そのものを究明する前に、こういうような手落ちのほうが先に指摘されなければならないような状態になっているのです。それでともかく長官、これだけが問題だという問題じゃないのです。大きい問題です。しかしそのほかに、今度のこれは、あえて言うと一つの人災です。それで八月の一日に、夫を持っている主婦にしてみれば、いつ死ぬかもわからないというような状態で地下産業に献身するようなことに対しては今後やはり危惧を感ずる、こういうようなことで今度主婦会の四十七名の人が保安点検のために入坑した、こういうような報告もあるわけです。主婦です。そうしてそのあと今度は、赤平や歌志内、芦別、この三地区の主婦の人たちも、やはり夫の身を案じて保安点検のために入坑して、実際どうなのだろうかということを調べおる。主婦がわざわざ行って保安点検をしなければならない、これは保安行政の中でもやはり一番悲しいことではございませんか。一体行政として、これは行政のつかさにある人はどういうようなことをやっているのですか。私はこれは重大だと思うのです。これは主婦なんかがやるということは、私はもう見のがすことができないのです。やらしちゃいけないことです。ところが、やらなければならないような危惧に襲われている。こういうような実態に対しては、これはやはりはっきり解明しておかなければならないと思っているのです。これは会社もそうです。もちろん労働組合側でも、その点に対しては重大関心を、現在も持っておりますが、今後持たなければなりません。こういうようなことから保安行政について何とか——命をこういうふうにして失わせているようなことがたびたび重なっております。一体通産省のほうでは、いまのような事態をはっきり知っておりますか、また手を打っておりますか。
○西家説明員 先生御指摘のような点がございまして、監督をいたしております私どもといたしましては、心から申しわけなく思っている次第でございます。 今回の事故につきましては、先生御指摘のように、火災が発生いたしましたのはベルトコンベアのところでございまして、そのあとの連絡警報装置、さらには避難命令等がおくれましたということは、ただいままでの調査の結果、大体明らかになっておるようなわけでございます。私どもといたしましては、かねてより人命尊重という点を第一にいたしまして、一生懸命監督はやってまいっておったのでございますけれども、不幸にしてこういう事態が出ましたので、今後とも大いに反省をいたしましてやらなくてはならないというふうに考えておる次第でございますけれども、原因の究明につきましては、炭鉱の実情から申しますと、まず大きな災害が起こりました場合には、炭鉱の中でガスだとかいろいろなものが出まして直ちに救出ができないというようなこと、また現場の実地検分がなかなかおくれるというようなことで、真の原因究明というものが確かに若干おくれることはございます。しかしながら、時間はかかりましても、過去におきましても、原因というものは、全部じゃございませんけれども、大体においてこれは明らかにしてまいったつもりでございまして、原因によりまして、鉱業権者あるいは管理者等に違反がございました場合には、これを検察庁に送りましてそれぞれ処分をしておるわけでございます。また法規違反がない場合でも、気のつかなかったような点につきましていろいろ保安上の欠陥がございました場合には、自後、それを一つの契機といたしまして、そういう点の行政指導をやっておるわけでございます。 そのほか、われわれの大体の監督の方針といたしまして、労使双方がみずから自分で炭鉱の保安を確保するという気分をまず最初に盛り上げまして、監督官はそれぞれ危険度の多い鉱山を区分いたしまして、危険の多い鉱山はよけいに巡回をする、こういうことで違反条項の指摘そのほか行政指導をしておるわけでございますが、災害が起こりまして、何をやっているのかと先生から御指摘を受けまして、まことにことばはないのでございますけれども、われわれとしては今後とも十分に監督を厳にしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○島本委員 やはり同じような答弁で、いままではそういうような答弁の繰り返しだったと思うのです。北海道では重大な一つの地下産業です。長官としても、こういうような人災であるということを言われて、そうしてそれに対するはっきりした措置がないままに、いかに地下産業の開発だとか北海道開発をうたっても、これは何にもならない、画竜点睛を欠くようなことになると思うのです。したがって、この石炭部門に対して抜本的な策を持って、そして行政的にもこれは臨まなければならないのじゃないかと思うのです。これは長官としてそういうような点を十分指導すべきだと思います。いま通産省のほうでは、この安全確保の面、保安重点の面で抜本策というようなものを考えておるのですか、おらないのですか。その場合には長官としてこれをどういうふうにする決意ですか。
○西家説明員 通産省といたしましては、相続く炭鉱災害によりまして、従来からやっておりますものは、これはさらに監督を厳にいたしますとともに、現在の炭鉱災害の現状というものをさらに多角的な面から突っ込みまして、これを大臣が鉱山保安法に基づきます中央鉱山保安協議会に諮問を六月二十一日にいたしておりまして、その線に沿って根本的な面で抜本策をつくるように現在準備をいたしております。
○木村(武)国務大臣 あの事件の起きた三十日でありますが、あの日の午後一時の飛行機で私北海道に行ったわけであります。前から北海道は三日間にわたって視察をしてみたいと思っておりましたところ、出かける朝にああいう事件をお聞きいたしまして、実は身ぶるいしたのであります。そして向こうに参りまして、途中、自分の視察の変更をやって現場に行ってみたいとは思いましたけれども、ほかのほうで私を待っておるものですから、私の代理の者をやりまして、私はただ単にああいう事件の起きた会社に行ってお見舞いを申し上げてきたわけであります。全くお気の毒にたえない次第だと思っております。 しかるに、二十三日の日に通産省と労働省と北海道開発庁の三者会談をやって、そして万全を期するのだという申し合わせをして間もない一週間目にああいう事件が起きた。そういうようなことを言っておりながら、全く行政というものはマンネリズムにおちいってしまって、対策などというものは立てられないのじゃないか、立てる気もないのじゃないかというおしかりを受けたことは、私はもっともだと思うのです。私もあのときに北海道に行ったのですから、北海道の者が、実は二十三日の日にこういう会合をしたのだということぐらいは言ってもしかるべきものなのじゃないか。いま私、島本委員からそのお話をお聞きいたしまして、あまりにも行政というものはものごとに対してむとんちゃくであることに驚いております。島本委員の指摘されましたとおりに、どのような事件でも、大体偶然などというものはないものだ。ほんとうに前もって万全の処置、それから心ある配慮をしておったならば、偶然などというものはあんまりなくて済むものじゃないかと思っておりますが、いまの通産省の局長の答弁をお聞きいたしましても、あなたがもの足りなくお感じになりますと同時に、私も聞いておって実はもの足りない。そんなことでいいのかということを自分は切に感ずるのであります。 いままでたくさんそういうような事例があったそうでありますけれども、原因の究明がなされていなかったなどということも一体どういうものであるか。たとえ一つの原因でああいう事件が起きたということは決定づけられないとしてみても、原因は二つも三つも四つも数えていいのじゃないだろうか。そういうことを今日まで行政が置き去りにしておった、等閑に付しておったなどということは、とんでもないことだと自分はいま感じております。一人でも二人でもあれだけの大きな事件で犠牲者を出したということは、われとわが身に振り返ってみれば非常に大きな痛手なのであります。しかも、そこに従事しておいでになります労働者の主婦の人々が、行政も信用できない、それから会社もたよりない、われみずから自分たちの主人の働く場所について保安点検をしてみようなどということは、私はたいへんなことだと思っております。それ自体が、やはり運営に対する、行政に対する不信のあらわれだと自分は感じまして、それだけでも私は身ぶるいを感じます。したがって、いままで生産第一主義だったのかもしれませんけれども、なるほどその時代時代によって第一主義というものは変わるものだと思います。しかしいついかなる場合でも、第一になるものは人命だ。生産じゃない、人命なのだ。人命のために生産があるのでありますから、人命を無視した、人命を考えないような生産第一主義などというものは許されるものじゃない。それでありますから、御指摘になりましたとおりに、その保安行政というものは今後いかにあるべきかということは、今度はもっと十二分に行政管理庁の立場に立って検討さしてもらいたいと思っております。あらゆるものに優先するものは人命である、したがって、人命を尊重しないような生産第一主義は許されぬ、こういうふうに感じておりますから、私はこのことは、おことばを待つまでもなく検討さしてもらいたいと思います。ただ、どういうような形に具体化するかというようなことは、あらゆる材料を私のほうで集めまして、そして担当各省とも話し合いをいたしまして検討さしてもらいたい、こう思います。
○島本委員 長官のその考えはほんとうによくわかりましたし、敬服いたします。むしろその考えを、通産大臣やその他の労働大臣を含めて、よく聞いておいてほしいと思います。 と申しますのは、これは保安監督機構——いま人命が第一だ、こうおっしゃいました。それに敬意を表するのですけれども、したがって、生産重点の通産省から人命重点の考えを持つ、またこれを実施できる強力な省に移して考えられないかどうか。たとえば労働省へやったらどうか、こういうようなことも一つの構想じゃないかと思います。また、総理直属にしてやらせるというのも、何か一つの行き方じゃないかと思います。また、法的に最高の権限を持ってそれに対処できるような何か方法があるならば、その方法等も考える必要があるのじゃないかと思います。ともあれ、現在この生産重点主義をとる通産省の中に同じに保安監督行政もあるということからして、ことばはきれいであっても、やはり実態はさっぱり実を結ばないということになりはせぬか、これを私は一番おそれるわけです。いまの長官のその答弁によって、私の構想も、ひとつ今後保安監督機構、この点については十分考えるべきじゃないかと思いますが、労働大臣、長官、これはいかがでありますか。
○小川国務大臣 私は、必ずしも通産省が人命を軽視しておるとは考えておりませんけれども、勤労者の生命の安全を守る労働災害防止の行政は一元的に行なうほうが望ましいと考えております。ただこの問題につきましては、よく御承知のように、非常に長い間の経緯もあるのでございますし、通産省には通産省の主張もございます。容易に結論を得られる問題であるとは思いませんけれども、御発言の趣旨を念頭に置きまして、これからも政府部内で慎重に検討してまいりたいと思います。
○木村(武)国務大臣 やはり保安行政というものは、もっと真剣に取り組まねばなりませんから、十二分に材料を私のほうでも収集いたしまして、そして労働大臣や通産大臣とともに、いかにしたならばほんとうに万全を期することができるかという機構の問題についても検討してみたい、こう考えております。
○島本委員 労働大臣も、必ずしも人命を軽視していないと思いますけれどもというようなことがございました。本年に入ってからでも、これも私どものいる北海道に限定してみても、一月二十日に美唄で十六人がガスで死亡している。それから五月九日に雄別炭鉱で落盤で四名。それから五月の十二日に美唄でまた十三名でしょう。それからまた六月五日に滝口で山はねでガスで六名でしょう。今回また三十一名でしょう。これは、人尊命重である、必ずしもその点について十分意を払っていないことはないということであっても、結果がこうあらわれていたらしようがないじゃありませんか。そういうような点からして、労働省でも、安全衛生の面でも保安の面でももっと考えなければならない。労働基本権の大権をいま行政的につかさどっているのは労働大臣でしょう。ですからあなたはその点で、行政管理庁長官と手を握りながらもっとこの機構について真剣に考えるべきである、こう言わざるを得ないわけです。これは労働大臣に反省を求めておきたい。こういうように思うわけなんです。 次に、保安機構の点で通産省のほうに聞いておきたいんですが、保安施設に対しての融資が十分じゃないそうじゃありませんか。完全に手を打っていると言いながらも、融資が不完全だということは行政的な欠陥じゃありませんか。どうなんですか。そのほかに救護隊あたりも、まだ常設も考えておらないそうじゃありませんか。これはやはり重大だと思います。保安施設に対する優先融資、これをやらないで、どんなことがあっても人命軽視はしてませんなんて言えない。ましてそういうような場合には、救護隊、こういうものをいつでも使えるように、これは半常置でもいいが、常置という形態をとっておかないと改善にはなりませんよ。やってますか。
○小沢(辰)委員長代理 西家君に申し上げますが、時間が限られておりますので、簡単にひとつ要点だけ……。
○西家説明員 先生御指摘の保安融資の件でございます。私どもとしては、炭鉱の必要な保安機器、さらには坑道掘進等につきまして現在融資を出しておるような次第でございまして、保安専用の点だけで貸し出し額が現在約十八億ということになっております。そのほかに、坑道掘進といたしまして約五十億くらいの融資を準備はいたしておるわけでございますが、先生御指摘のように、まだ不十分の点があり、必ずしもこれで十分というふうには考えておりませんので、今後ともこれらの予算については拡大をいたしたい、かように考えます。 また、鉱山救護隊の件でございますが、実はこの点につきましては、鉱山の災害は鉱山みずからが救護するというたてまえを第一義にとりまして、それぞれの鉱山に常設の鉱山救護隊というものをつくらしておるわけでございます。したがいまして、いままでは、各鉱山で災害が起こりました場合に、時間的に最も早く到達するそれぞれの鉱山の救護隊というものを活用しておったのでございますけれども、ただいま先生御指摘の常設の救護隊につきましては、これにプラスをいたしまして至急検討さしていただきたい、かように考えております。
○島本委員 それから労働大臣、これはやはり企業の合理化という点を労働省としていろいろな点から考えておられると思います。また、これに対しては無関心ではいられないはずだと思います。この山の炭鉱の場合には、十年間の合理化の結果がこういう災害の増発になっているのです。私は、そういうような点を労働省としてもっと真剣に考えて、通産省に対してこれは勧告すべきじゃないかと思います。 三十三年から本年までの間に、山の数は百四十二から六十二に減っております。半分以下になっております。そして今度出炭量は千二百万トンから二千百七十万トンに上がっております。そのほかに人員は十万人から五万五千人に減っております。個人別の出炭量は、三十三年には十六・五トンだったのが、四十三年には四十六・六トンに上がっております。完全なる合理化です。これによって災害がどんどんふえていっているのです。人の命が失われているのです。これじゃ合理化の所産が人命軽視ということになっているじゃありませんか。この点は労働省としては重大な決意を持って勧告すべきです。とんでもないです、これは。いけませんよ。そのほかに、今度は遺家族の補償の点なんかだいじょうぶですか。それと同時に、保安監督については十分に労働省としても勧告をすべきだと思いますが、過去において何回くらい勧告しておりますか。今回の場合でもまた勧告する御意思がおありですか。
○小川国務大臣 合理化が進んでいく過程におきまして、保安がおろそかにされておるという事実がありますれば、これはまことに重大問題だと存じます。今回の事件も、もし当該企業の合理化と災害の原因とが関連をいたしておるという事実があるといたしますれば、これらの点について十分究明いたしたいと存じます。また勧告は昭和三十一年以来過去五回やっております。最近は、四十二年十一月の三池三川鉱の災害に際しまして勧告をいたしております。この最終の勧告の趣旨は、通産省がことし策定をいたしました鉱業労働災害防止基本計画、さらに四十三年度鉱業労働災害防止実施計画に盛り込まれておりまするし、それからまた自己救命具を個人で携行すべしという点につきましては、四十三年一月十三日付で石炭鉱山保安規則が改正されてもおるわけでございます。今回のことにつきましては、先ほど申し上げましたように、目下のところは、被災した方々の救助に全力を傾注しておるという現場の状況でございます。事態が平静に復しました上で、徹底的に原因を究明いたしたいと存じます。その上で、災害の原因もはっきりつかめ、また、その際とられた措置が適正であったかいなかという点もはっきりいたしました段階で、勧告を必要とするという判断に到達いたしますれば、遅滞なく勧告するつもりでございます。
○島本委員 もう約束の時間がきたから結論を急いでくれというのがいま到着いたしました。よくわかりました。以上をもって結論といたします。結論は、十分考えて対処してもらいたいということです。対処についても、機構の面からも、現在の置かれておるいろいろな抜本改正の面からも、これはもう十分、今後再び起こらないようにしてもらいたいということです。この問題については強力に要請をしたいと思います。それで、時間がきたのでこれ以上申し上げられませんが、最後に、委員長の友愛と信義にすがって、一つだけ労働大臣にお願いしておきたいと思います。 これは、風評伝えられるところによりますと、何か八月の半ばごろから七月の終わりごろに、失対の改正案についての再検討が終わったとか終わるとか、こういうようなことを聞いておるのです。これは、労働基本権に関する問題としてもわれわれは前から関心を持っておった問題でございますから、どういうふうになったのかということは、どうしても聞いておかなければなりません。それで一括して聞きますから、簡明にして要を得た答弁をしてもらって、これで終わりにしてもらいたいと思いますが、この場合に意見を各方面から伺った、こういうふうに言っておりますが、知事会や市町村会の意見はどうだったのか。それと同時に、今後改正しようとするならば、いわゆる職場転換の不能な十万名に該当するような高年齢者の人をどうするつもりか。それとあわせて石炭手当の制度化の問題はどうなるのか、この三つの点をお聞かせ願いたいと思います。答弁がりっぱであれば、これで全部私は終わります。行政管理庁長官、どうも御苦労さんでございました。
○小川国務大臣 失対制度につきましては、本年が法律に基づく検討の年でありますから、先ごろ来検討を進めております。八月末に概算要求を提出する関係がございまするので、それまでに成案を得たいと存じておりますが、ただいまは、事業の主体、それから就労者団体、各方面から意見を聴取いたしておる段階でございます。知事会からどのような意見が出されておりまするか、ただいま安定局長から答弁を申し上げさせますが、いずれにいたしましても、これらの意見を総合いたしまして、慎重に検討してまいりたいと考えております。 御指摘のありました高年齢の人たちについては、もちろん十分の考慮を払いたいと考えております。 それからもう一つ……
○島本委員 石炭……。
○小川国務大臣 石炭の手当、寒冷地の冬季加算でございますが、これは実際上の必要から支給してきておるのでございまして、この点については島本先生、私から申し上げるまでもないことですが、その額も御不満であろうかと思いますが、徐々に増額をしてきております。去年からは一日当たり十円増しで九十円ということになったわけでございます。これを制度化せよという御要望であろうかと思うのですけれども、この点につきましては、民間日雇い労働者に対する支給の状況——民間の日雇い労働者にはかような制度はないわけでございます。あるいはまた生活保護の冬季加算、あるいは薪炭費の支給の状況、これらの諸条件をもあわせて考えまして、慎重に研究をしなければならない問題だと思いますから、直ちにこの場で責任ある答弁を申し上げかねるわけでございますけれども、御発言の趣旨にかんがみて十分研究をいたしたいと思います。
○有馬説明員 各県側の意向は個別に聞いておりますが、知事会としてまとまった意見はまだ出してきておりませんので、これを最後に聴取をいたしまして、再検討の結論をまとめたいと思います。
○島本委員 それは市町村会は……。
○有馬説明員 市町村会はすでに意向を聞いております。
○島本委員 どういう意向です。
○有馬説明員 いろいろな意見が出ておりますが、これはいま取りまとめ中でございますので、近くすべての意見を取りまとめて結論を得たいと思っております。 ────◇─────
○小沢(辰)委員長代理 次に、本日公報に掲載いたしました請願二十四件を一括して議題とし、審査に入ります。 まず、請願の審査方法についておはかりいたします。 その趣旨につきましては、すでに文書表によって御承知のところであり、また、先刻理事会においても協議いたしましたので、その結果に基づき直ちに採否の決定に入りたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小沢(辰)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。 それでは、本日の請願日程中、第一ないし第七、第九ないし第二〇、第二三及び第二四、以上の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小沢(辰)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小沢(辰)委員長代理 異議なしと認め、さよう決しました。 ───────────── 〔報告書は附録に掲載〕 ─────────────
○小沢(辰)委員長代理 なお、本委員会に参考のため送付せられました陳情書は、原子爆弾被爆者の医療給付に関する陳情書外二十七件であります。 以上、念のため御報告いたしておきます。 ────◇─────
○小沢(辰)委員長代理 この際、閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。 本委員会といたしましては、閉会中もなお審査するため、河野正君外十一名提出の駐留軍労働者の雇用の安定に関する法律案、同じく国有林労働者の雇用の安定に関する法律案、同じく家内労働法案、島本虎三君外十一名提出の港湾労働法の一部を改正する法律案、田邊誠君外十一名提出の身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案、河野正君外四名提出の労働基準法の一部を改正する法律案、加藤万吉君外十一名提出の労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案、小沢辰男君外二十一名提出の柔道整復師法案、齋藤邦吉君外六名提出の建築物における衛生的環境の確保に関する法律案並びに厚生関係及び労働関係の基本施策に関する件、社会保障制度、医療、公衆衛生、社会福祉及び人口問題に関する件、労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関する件につきまして、議長に閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小沢(辰)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。 次に、委員派遣の件についておはかりいたします。 閉会中審査案件が付託になり、委員派遣を行なう必要が生じました場合には、承認申請等に関しましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小沢(辰)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時一分散会