産業公害対策特別委員会 第4号
- 発言数
- 108 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1968/10/11
会議録
○山崎委員長 これより会議を開きます。 産業公害対策に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。工藤良平君。
○工藤委員 私は、厚生大臣に若干御質問をいたしたいと思います。 実は、九月十日の本委員会におきまして、私どもの河上委員が、水俣病の問題についていろいろと御質疑をいたしたわけでありますが、九月二十六日に、水俣病の問題につきましては政府の見解が出されまして、公害病としての認定をいただいたわけでありますが、それらと関連いたしまして、いま水銀の問題あるいはカドミウム、こういった重金属の公害問題が非常に大きな問題として取り上げられているわけであります。先日私は、大分県で発生いたしました奥岳川の鉱毒問題について質問をいたしました。当時はまだカドミウムが含まれているかどうかということは明らかにされていなかったわけでありますが、おそらくそういうことが予想されるのではないかということを私は指摘いたしました。それから一週間たたずして、現実にカドミウムが検出されていたということが明らかになったわけでありまして、これらの問題は、特に重金属が人間のからだに及ぼす影響というものが、具体的に神岡鉱業所、そして水俣病、第二水俣病といったような問題点から、非常に現在重要視されているわけでありまして、これらの問題について、あらかじめそういった病気が起こる以前にこれを私たちが食いとめるということが、公害の処理といたしましては最大限の条件ではないだろうかというように私は理解いたしているわけでありますが、この大分県の奥岳川の問題について、大臣はいつごろ承知されましたか、その点についてお伺いいたしたいと思います。
○園田国務大臣 御指摘の点は、県のほうからの報告は、県で調査をしておりまして、調査がまとまったら報告をするということで、正直に言いますと、新聞を見て初めて知ったようなわけで、それで驚いて事務当局に命じたわけであります。その後連絡をとりました結果、本年七月に、大分県の県立の工業試験場がこの分析をやったわけでございますが、その際カドミウムが出てきたということでしたが、その後大分県ではさらにもう一ぺん詳細に検討したい、そういう時期がちょうど新聞に出た時期でありまして、そこで排水、それから農作物、川のどろ、魚類、住民の健康診断もあわせてやるようにお願いしてございます。 なお、厚生省では直ちに、患者が発生しておるわけではありませんが、いまおっしゃるとおりに、ああいう患者が出てはたいへんでありますから、なるべく患者が出ない前にいろいろな手を講じたい、こう考えまして、県の計画にこちらが協力するというかっこうで、私のほうも共同して分析等の調査を行なうことにして、本年度調査の計画がございましたが、これには大分が入っておりませんでしたが、追加をしてこのワクに入れて、調査することにいたしております。 また同時に、別府湾における水銀汚染についても、本年五月に大分県の工業試験場が行なったこの工場排水や、川の中に水銀が出されたということでありますが、これはまだ有機か無機かということもはっきりしておりませんし、その量等も明らかではございません。だが、こういう時期に明らかにすることが必要でございますから、やはり厚生省は県と共同してこの調査をすることにして、現在すでに久留米大学、熊本大学の協力を得て、調査を実施中でございます。
○工藤委員 現在中間的に報告されております内容を見ますと、たとえば工業試験場の調査によりますと、排水口近くでカドミウムが最高四・四PPM、今度地元の要請に基づいて大分大学の志賀助教授が発表いたしております中間報告によりますと、最高三・一PPM、それから奥岳川の一番下流になります大野川との合流点の岩戸という地点によりますと、工業試験場は、〇・〇一PPM、こういう数字を出しているわけであります。 こういう点から、非常に私どもは人体に及ぼす影響を憂慮いたしまして、国にも要請をし、県も総合的な調査を現在実施していると理解しているわけでありますが、特にとの調査が、過去の例からいたしましても、やはり調査の当初から総合的な調査をやるということが、問題解決のためには私は一番いいんじゃないだろうか、こういうように思うわけであります。現在のところ、通産省のほうは福岡の通産局を通じまして、すでに調査をやられたようでありますし、厚生省も先般係官を派遣していただきまして、指導していただき、農林省のほうも近く入る、こういうことを聞いているわけでございますけれども、そういった面について、各省ごとに、そういう立場ではなくて、ぜひ厚生省が総合的な調査の体制をつくっていただくという必要があるんではないか、こういうふうに思いますので、そういう点について、ひとつ具体的に、本日ほぼこの方針が明らかになるとするならば、ぜひ明らかにしていただきたい、こういうふうに思います。
○園田国務大臣 通産省、それから農林省、私のほうで調査を進めておるのでございますが、これはやはり農林省は、農作物の被害その他のことがありますから、専門的なことがあります。それから通産省は通産省でまた、企業の面からどういうふうに取り締まるかということで、近ごろでは公害防止に通産省では相当積極的に出ておりまして、むしろあとになってから企業の面で非常に困難を来たしていることを未然に防いでやったらいいということで、専門的な調査をやっております。ただ、いまおっしゃることは、私も同様に心配しておるのですが、いままでの阿賀野川その他のように、各省で調査をして、それがまた調整に手間どって、時期はずれになって何年もたつということがないようにせよという御注意だと思いますので、これは閣議の際にも、私からも意見を出しまして、各省でやるが、それは有機的に総合的に連携しつつ、一省が終わったときには各省とも終わっておって、しかもそれは結論がすぐ出るというように、十分留意して、ただいまの御注意を守っていきたいと思っております。
○工藤委員 その点については、農業の問題については農林省、あるいは鉱山関係については通産省、こういった立場の調査というものはぜひ必要だと私は思いますけれども、やはり公害関係については、従来からも指摘されましたように、公害行政の一元化という面からいいましても、何といいましても、厚生省がその中心になるということが必要ではないだろうか。それぞれの分野でやるということは、私はけっこうだと思います。それはやってもらわなければなりませんけれども、ぜひひとつ厚生省が一歩乗り出していただいて、総合的な面での調査というものをお願いいたしたい。先ほど大臣が、ことしの計画に入れる――、たいへん私はけっこうだというように思うわけでありますが、具体的に、科学陣なりそういう面の陣容等についても、もしおわかりになっておりましたら、どういうようなかっこうになるのか、お示しをいただきたいと思います。
○園田国務大臣 事務当局から……。
○武藤説明員 共同調査につきましては、具体的には、日本公衆衛生協会のほうに委託をいたしまして、専門家の岡山大学の先生とか、あるいは東京工大の先生とか、そういう方に委託をいたしたい、かように考えております。 それから、県の衛生研究所が、分析器等の器材につきまして、実は非常に手薄でございますので、最近の新しい高度の計器等の購入をいたしたい、かように希望がございますので、その点につきましても補助金を出したい、かように考えております。
○工藤委員 これは昨日の地方紙でございますけれども、カドミウムが出て以来、地元のほうでは非常に神経質になっているわけでありまして、鉱山のほうに、地元の村議会あるいは村長が、しばらくその操業を停止してくれというような申し入れまで実はいたしておるような状況でございまして、そういった意味から、私は特に早急な総合調査をお願いいたすわけであります。それと同時に、予算的な面につきましても、これは大分県でも一番小さな村でございまして、村財政も非常に小さいわけでありますし、県自身といたしましてもなかなかたいへんでございますので、ぜひこれらの面については、厚生省の十分なる御配慮をお願いいたしたい、こういうように考えているわけであります。 それと同時に、今後の対策といたしまして、私はごく二、三の問題について大臣にお聞きいたしたいと考えるわけでありますが、このような重金属の問題について、そのほかに、大分県では住友化学の廃液の中から水銀が検出されたということが、一緒に合わせて前後して問題が提起されているわけであります。けさの新聞によりましても、大阪でも非常に水銀による汚染が行なわれているということが報道されているわけであります。水銀の問題については、各企業に対する厚生省の調査が進められておるようでございますが、それとあわせまして、このイタイイタイ病の原因になりましたカドミウムをはじめとした重金属の全国的な調査、あるいはそれに対する実態に基づく規制といいますか、そういうものについて、大臣の考え方をこの際明らかにしていただきたい、こういうように思うわけであります。
○園田国務大臣 厚生省では、一回、二回の水俣病にかんがみまして、それからなお水銀については、日本では、どちらかというと自然の川水中に含まれています。それから各工場で逐次水銀が検出されてきておりますから、この汚染防止について、現在水質保全法等の現行法がありますが、これは盲点になっているわけでありまして、これではほとんど規制はできないというかっこうでございます。 そこで、四十年の十二月に水銀使用工場の調査を行なった結果、百九十四の工場がリストアップされたわけでありまして、この百九十四工場を目当てに大体全部調査する計画を立てて、四十二年までに五十四工場の調査を完了いたしました。この結果、昨年度調査にかかるものとしては、富山県の小矢部川の環境汚染の実態にかんがみまして、とりあえず厚生省では、規制の法律案を出すまでほうっておくわけにまいりませんから、今年の八月十五日と覚えておりますが、環境汚染暫定対策要領というものをつくりまして、これを各府県の知事に示して、それに基づいて調査なり監督をしてもらう。なお、調査の結果だいじょうぶというものでも、逐一定期的にピックアップしてチェックしてくれ、こういうことで一応カバーしてございますが、やはり御指摘のとおりに、これは早急に法による規制をしなければならぬ問題でございます。ただいま関係の委員会等にはかって検討を進めておりますが、その内容としては、たとえばそれぞれの廃棄物の処理基準あるいは監視体制の強化、それからまた保健予防のための措置というものが考えられますので、どれをとりましても、関連法との関連が非常に深うございますから、関係方面とも十分折衝の上に、早急に法規制をしたい。技術的な相当困難な問題がありますけれども、これをやらなければ、各所に出てくる水銀というものをとうてい規制はできない、こう思っております。
○工藤委員 この問題については、むしろ通産省のほうに関係が大きいのじゃないかというように思うわけでありますが、現実に、厚生省がこの百九十四の工場調査を計画的に進めていかれるようでありますけれども、現在発生しておる、水銀を出しているといわれるものは、この調査の対象外に出ていないかどうか、ほとんどそれらが網羅されているかどうか。調査の対象からはずれているものから出たということになりますと、非常にこれは問題がありますので、そこら辺、やはり各省間の、特に通産との関係というものは重要視されると思いますので、その実態というものはどうなっているかお聞きしたいと思います。
○武藤説明員 いま大臣からお答えになりましたように、一応当方といたしましては、府県に連絡しまして、二百近くの工場をリストアップしたわけでございます。そのうち、終了しましたのは五十四工場でございまして、その中で幾つかの工場につきましては、水銀を出している結果がわかりましたので、その内容につきましては、暫定対策要領に従って、十分監視の必要があろう、かように考えて、県を指導いたしております。 なお、御承知のように、これ以外の小さな工場で、あるいは重金属等を使用して汚染が行なわれていないかどうかという点につきましては、さらに府県なりあるいは通産省とも連絡をとって、万全を期したい、かように考えております。
○工藤委員 すでに水銀のほうは、そういうように手がけられているわけでありますが、そのほかの、たとえばカドミウムあたりを中心にいたしました重金属、これについても、やはり水銀にならって早急な調査が全体的に必要ではないだろうか、こういうように思うわけでありますが、その点についての厚生省の態度をはっきりしていただきたいと思います。
○武藤説明員 カドミウムにつきましては、富山の事件が起きましたころ、通産省に連絡しまして、全国で四カ所の鉱山が亜鉛あるいはカドミウムを大量に産出するということで、この四カ所につきましては、来年度予算等については要求をいたしたところでございますが、先生御指摘の例の蔵内鉱業につきましては、実は鉱山そのものが小さかったのか、あるいは何らかの理由で、率直のところ、連絡がなかったわけでございます。こういう点につきまして、中小工場あるいは中小鉱山等につきまして、亜鉛その他のいわゆる重金属を出す場所につきましては、今後通産省と連絡をとって、さらにきめこまかい対策を立てて、社会不安をなくするようにいたしたい、かように考えております。
○工藤委員 この問題については、今後各地で具体的な事例が出てくるんではないだろうか、こういうことが予想されますので、この重金属に対する現時点における調査、それからそれに基づいた規制というものをぜひ法律化していただく、こういうことが緊急のまず手がけなければならない問題ではないだろうか、私はこういうように考えますので、先ほど大臣からも御回答はいただきましたけれども、ぜひこれに対する規制という問題について、早急に法律を立案していただくように、この点は、大臣からもう一ぺん御回答を得ておきたい、こういうように思うわけであります。
○園田国務大臣 ただいまのカドミウムにつきましては、いままでの工場、鉱山ばかりではなくて、近ごろ各種の電池工場が、いわゆる水銀電池というカドミウム電池をつくっておりますので、こういう点もどうなるのか気になることでありますから、その点もよく検討して、関係の方面となるべく早く折衝して、法案をつくるように急ぎたいと思っております。
○工藤委員 次に、人体に対するこういった事前の対策、発生後におけるいろいろな処理という問題は、具体的にいまイタイイタイ病が出ておりますし、けさのニュースあたりを読みますと、何か新しい治療方法の薬も発見されたということが朗報として伝えられておりますので、非常に改善の方向に向かうだろうと思いますが、体内に運び込まれてくるいろいろな経路というものがあるわけで、その中の一つとして、濃縮されて、玄米による体内に対する移動というものが考えられるわけであります。先般の新聞によりますと、大臣は、この富山県を中心にいたしましたカドミウムの含まれた玄米の処理について、大臣の見解を出しておったような記憶があるわけでありますが、今後これらの問題、特に大分県の場合にも、奥岳川の流域は米作地帯でありますし、米をもって生計を営んでおるという地域でありますので、非常に重大な関心を持っているわけであります。したがって、もしも玄米から濃度の高いカドミウムが検出される、こういう事態になりますと、これからの農業経営そのものにつきましても、やはり重要な問題が提起されてまいるわけであります。これらの点について、今後農林省と十分な連絡をとりながら、厚生省としても対策を立てなければならないと思いますけれども、その点に対する見解もあわせてお伺いをしておきたいと思います。
○園田国務大臣 イタイイタイ病が出ましたときに、付近の農村でできる米が人体に危害を及ぼすのではないかという非常な不安を与えて、ある地区ではこれを配給することを拒否したところがございます。そこで農林省とも相談した結果、農林省ではすぐ検査をして、異常はないということで、そのままきたわけでありますが、その後どうもまだ不安があるのではないか、あるいは現地では非常に変形した米があるということで、農林省のほうでも、若干再検討する必要があるのではないかという空気もあると承りましたので、私のほうではさらに農林省に折衝をして、やはり不安を与えるような米は、別なアルコールか何かに変えるのはどうだということを話してみましたが、いまのところでは、ちゃんと検査をして買い上げておりますから心配はない。そこで、それならば、その規格に合わなかった規格外の米がたくさんあって現地の農村は困っていないか、こういうことを問いましたところ、それも大体普通地帯の検査と同じようなことで、いまのところは特別な異常はない、こういうことではありますが、さらに私自身も不安になりますし、また国民の不安も除かなければなりませんので、さらに詳細に突っ込んで検討するように、事務当局には命じておるところであります。
○工藤委員 先般のイタイイタイ病の調査報告書を見ますと、やはり普通の地帯と違いまして、神通川流域一帯の米については、玄米の中のカドミウムの含有量が非常に多い、こういうことが報告されているわけでありますし、また体内に入ってくるいろいろな仕組みについては、まだはっきりと明確ではない、こういうことがいわれております。しかしいずれにいたしましても、カドミウムは私どもの口から入ってくるということがいわれているわけです。 〔委員長退席、河上委員長代理着席〕 そういたしますと、飲み水という場合もありましょうし、あるいは玄米という場合も非常に重要な要素として出てくるのではないだろうかということが、一応報告の内容を見てみますと、言えるわけで、この点については、たとえば農業政策として見れば非常に重要な問題であります。ですからこの問題について、やはり厚生省として、人体に及ぼす影響という立場から、農林省と十分なる対策の打ち合わせが必要ではないだろうか、こういうように思うわけであります。この点については、相当突っ込んだ両省の検討というものが私はぜひ必要ではないだろうか、こういうように思うわけでありますけれども、その点についてどうでしょう。
○園田国務大臣 御指摘のとおりだと考えております。そこで、いまの問題についてもさらに突っ込んで検討したい。なお両省だけでやってもいろいろなこともありますから、たとえば農林省は米の被害をなるべく少なくしたいという気持ちもありましょうし、それから、付近の農村の人に被害を与えたくないという気持ちもありましょうから、私のほうでは、明年度は、要求中ではございますけれども、微量有毒金属の人体に及ぼす影響についての研究費を五千万ほど準備をして、これによっていろいろな学者の方々にも研究を願うつもりでおるわけであります。
○工藤委員 そこで、最後に、これは厚生大臣の考え方を私お伺いしたいわけであります。先ほどから申し上げておりますように、これらの問題は、できるだけ早くその原因を突きとめて、総合的な施策というものが必要だ、こういうことを私どもは終始主張してまいっているわけでありますが、昨年、私冒頭にこの問題で、特に厚生省としての試験研究機関の充実という点を指摘してきたことがあるわけでありますが、現在の厚生省の陣容からいたしまして非常に困難ではないだろうか。したがってこれは、これほどまでに公害というものが大きく全国的な問題となってきたという現時点においては、やはり厚生省自身が総合的な――非常にむずかしい問題でしょう、各分野にわたっておりますから。しかし、各分野にわたっているからといって、そのまま放置しておくということではなくて、できるだけ厚生省が試験研究機関を充実していくということが必要ではないだろうか、こういうように考えますので、この点に対する大臣の考え方をこの際明らかにしておいていただきたいと思います。
○園田国務大臣 第一に、研究機関よりも、正直に言うと、公害というものがいままで各省にばらばらであったのをまとめた関係で、私のほうでは、環境衛生局の中にようやく公害課というものをつくったわけで、それに対する新しい人員ももらってないわけで、そのことから非常に無理をして、現実問題として、過労で倒れるという課員も出てきたわけでありますが、研究に至ってもそのとおりであります。そこで、明年度予算ではそういうことも考えながら、まずそういう機関の成立を待つわけにいきませんから、特別研究費あるいは研究費をとって、それで各大学なり専門の方々にお願いして、特にそういうことで効果がだいぶ出てきておりまして、たとえば久留米大学では脳から有機水銀を除去するという方法、あるいは熊本大学では工場排水からわりに安くて簡単に水銀を除去するという方法、あるいは特殊な訓練の方法、それからいま言われましたイタイイタイ病では、三十六の元素を照射した鉱水を服用することによってこれを治療できる方法、臨床の例は少ないが、これは萩野先生が、ことし行ったときに、ことしは必ず発見しますと言っておりましたが、そういうふうに研究の効果は逐次出てきております。そこでこれを未然に防止するという点についても、そういう研究機関に研究費を出すととによって、専門的に、しかも学者ばかりでなく、第一線の臨床の方であるとか、あるいは第一線に処しておる人々にお願いして、それを総合してまとめる。一方、研究機関もなるべく持って、私のほうで総合的な判断ができるようにしていきたい、こう考えております。
○工藤委員 さっきちょっと落としましたから、これは公害部長にお伺いしますが、さっき触れました大野川の下流の小中島川の住友の水銀問題ですが、これについて、厚生省のさっき申しました調査の対象として、一緒にやっていただけるかどうか、その点、最後に明らかにしておいていただきたいと思いますが。
○武藤説明員 住友化学の水銀流出問題につきましては、カドミウムの問題と同時に、県のほうとよく打ち合わせまして、本年度の予算はもう相当執行されておりまして、十分でございませんし、来年度の予算要求もしている現状でございますけれども、今年度特にやりくりをいたしまして、久留米大学あるいは熊本大学等の専門家に、どろとかあるいは水とか、そういったものについての詳細なる分析をお願いすべく、県と合同で調査をやるように、いま進めております。なお、企業としましては、いままで以上の中和、沈でんができるように、改造その他の処置を計画中というふうに聞いております。
○工藤委員 約束の時間が参りましたので、これで終わりたいと思いますが、ぜひひとつ早急に、厚生省の総合的な調査を、私は再度お願いをしておきたい、こういうようにも考えるわけでありまして、通産省等につきましても、たくさん質問があるわけでありますが、要は緊急にどうしなければならないかという点については、各省間の十分なる連絡をとり合っていただいて、公害が発生する以前に、ぜひ防止できるような措置を急早に講じていただきたい、こういうことを私は特に申し上げておきたいと思うわけでありまして、現在のところでは、人体に対する影響が出た場合の医療的な問題とか、いろいろな問題が出されておりますけれども、なお今後こういった鉱毒が発生しないために、恒久的な対策がぜひ必要ではないだろうか、こういうことも検討しているわけでありまして、これらの問題につきましては、後日、日を改めまして、いろいろと論議を重ねてまいりたい、こういうように考えるわけであります。ぜひひとつ厚生大臣に、当面の問題について緊急なる措置をとっていただくように重ねてお願いを申し上げて、私の質問をこれで終わりたいと思います。
○園田国務大臣 大分の問題は、私のほうと県と連絡をとっておりましたところ、八月十五日に出しました暫定対策要領によって各県が調査を始めましたので、各所に水銀とカドミウムの問題が起こっておるわけでありまして、相当効果があると考えます。これから見ても、御指摘の、環境基準の設定を急げとおっしゃることは、まさにそのとおりでありまして、私のほうでも、暫定対策要領で措置を講じつつ、なるべく早く完全な規制をするように努力したいと考えております。
○工藤委員 以上で終わります。
○河上委員長代理 岡本富夫君。
○岡本(富)委員 時間があまりありませんので、率直にお答えいただきたいと思います。 淡路島の洲本市におきまして、工場廃液の中からカドミウムが相当出たというわけで、すでに県のほうからも報告が来ていると思いますけれども、これに対して厚生省はどういうような処置をしたか、これについてまずお聞きしたいと思います。
○園田国務大臣 ただいまの洲本のほうは、本年度の六月に、工場廃液によると考えられる農作物被害について、当初地元から県のほうに陳情、があって、県では工場排水――ここには三洋電機の洲本工場がございますが、及び工場周辺の水田の土壌を分析したところ、仰せのごとく、排水中に一・四五から二・四六PPM、それから土壌中には二六〇ないし三八三PPMのカドミウムが検出されましたので、兵庫県は、神戸大学医学部の喜田村教授を班長として調査団を編成をして、再調査に乗り出しておりまして、十月六日に中間報告が発表されたわけでございます。それによりますと、健康診断の結果は、他の対象地区と大差はないが、洲本川への排水口の川口で〇・一五PPM、工場隣接地区の水田では三〇〇から四〇〇PPM、玄米中には一・〇PPM前後検出されております。問題のカドミウムは前記工場のカドミウム電池製造工程から排出されていると考えられまするが、工場側は、十月上旬に、自動中和施設の新設、濾過機の増設等を実施する旨を回答いたしております。私のほうでは、この報告に基づいて、県当局がすでに着々と計画を進めて調査しておりますから、この計画に必要な援助を行ないますが、さしあたっては、喜田村調査班の調査結果を待って、対処を検討したいと考えております。
○岡本(富)委員 そこで、こうしたカドニカ電池というのですか、カドミウムを排出すると思われるところのこういう工場に対して、いままで厚生省としてどういう申し入れをしたか、あるいはまたどういう処置をとってきたか。もう一点は、いままで外国にそういう例があるのかないのか、これについてひとつお聞きしたいのです。
○園田国務大臣 外国では、ほとんどカドミウムの被害は職業病としての事例でありまして、じん臓障害から始まって、腰や下肢の痛みや骨の変化の出現ということがフランスやドイツの製錬工場従業員に見られますが、付近の地域でそういう被害が起こったということは、いまのところはまだ聞いておりません。 なお、この洲本の問題についてどういう処置をしたか、事務当局からお答えさせます。
○武藤説明員 洲本のような、いわゆる電池をつくっている工場によるこういう汚染の問題は、この問題が初めてでございます。したがいまして、それ以前におきまして、こういう工場等につきまして注意を喚起するとか、あるいは指示をするということは、いままではございませんでした。この事件が起きまして、こういうふうな電池工場がほかにあと何カ所あるかということにつきまして、通産省にお聞きしましたところ、いま三カ所か四カ所かあるという報告を最近受け取った次第でございます。
○岡本(富)委員 私のほうの調べによりますと、一九四〇年に、フランスにおいてカドミウムのガスによって、こういう電池工場ですが、従業員が相当被害を受けている、こういうことが報ぜられておりますけれども、聞くところによると、こういう例はもう全然ないので、いままで全然調査してなかった、こういうことでありますけれども、こんなに世論が人命尊重、要するに公害から住民を守らなければならぬ、こういうことで、各所にこうした事柄が出ているし、国民は非常に不安の頂点に達している。もう、ちょっと水銀が出た、カドミウムが出たということになると、相当な不安でありまして、この淡路島におきましても、影響を早く知りたいあるいは収穫前に稲の不安を除きたい、相当なショックだ、こういうふうに言っておりまが、六月二十日に事故が発見されて、そうして九月二十六日の午後五時までわからなかった、私が午後五時の時点において県の公害課長に電話した、そうしましたところが、これはアルカリ性によるのだ、アルカリの土質によってこうなっているのだから、カドミウムはまだわからないのだ――、しかしこの九月二十六日の三時ころには、すでに県の農業試験場においてカドミウムが発見されている。こうした隠そうとする考え、あるいはこれは厚生省のほうから、先に発表するなというふうに出したのか知りませんけれども、こういうこと自体が、この工場はまだできて四年しかなりません、やはり早く発表もし、そして処置しないと、富山県のイタイイタイ病のような状態になる、こういうふうに思うのです。そこで、何か厚生省のほうは後手後手に回っておる。この被害も、まだわずか四、五人の人が被害を受けたのと、それから農作物が、稲が少し枯れた、そういうところからわかったのであって、厚生省のほうで先に見つけた、いままでそういう事例を聞かないのです。 〔河上委員長代理退席、委員長着席〕 そこで、時間もないから、大臣にお聞きしたいのですけれども、このカドミウムの廃液あるいはまた水銀汚染、こういう工場は全国的にたくさんあると思う。まだ未知な奇病だと言われているところもあると思うので、総点検を早急にする必要があると思う。この総点検をする考えがあるかどうか、お聞きしたいと思います。
○武藤説明員 先ほど先生がお話しになりましたフランスの例につきましては、私どもは実は承知いたしております。それから最近、これは労働省の主管でございますが、労働衛生の分野ではカドミウムの問題は重要視されて、いろいろ注目されているようでございますので、詳細については、労働省のほうからお聞き取りを願いたいと思います。 それから、県のほうが隠しておったんじゃないか、あるいは、厚生省とぐるになって隠しておったんじゃないかというお話でございますが、県のほうの報告を受けますと、この問題が出て、やはりある程度の分析、調査等が必要だったので、その機関の結論を待って、厚生省には九月の終わりに報告が来た、こういう状況でございまして、そういうふうな、ひたすら隠したという事実はないと、私は考えております。 それからなお、厚生省として、こういうふうな総点検なり、あるいは厚生省から指摘された事実はないじゃないかという御指摘でありますが、たとえば対馬の問題とか、あるいは宮城県の問題とかは、通産省から連絡を受けましてから、私どもとして積極的にいろいろと調査をやっておるわけでございますが、なお厚生省といたしましては、直接鉱山なり工場を監督しておられるそれぞれの主管官庁から詳細なる連絡、あるいは地元で一番状況を把握しておられる市なりあるいは府県なり、そういうところからやはり情報なり連絡を受けませんと、私どもは地方のほうに直接の機関を持っておりませんので、そういう点は十分に関係官庁あるいは府県、市町村等と密接な連絡をとりまして、そういうふうないろいろな調査については遺憾なきを期したい、かように考えております。
○岡本(富)委員 私、大臣に大事なことを聞きます。公害基本法ができまして公害対策会議というのができた。その窓口は厚生省ですが、厚生大臣、このいまのような各府県庁あるいはまた各関係官庁に聞いて、それから行なうというようなことでは手ぬるい。したがって、この公害対策会議にかけて、そして独力に全国のこうした鉱毒による、要するにカドミウムあるいはまた水銀によるところの汚染を早く見つけて、そして患者が出ないように、全国のそういうおそれのあるものに対して、総点検を早急にする考えがあるかどうか、ちょっとお聞きしたいのです。
○園田国務大臣 まず最初の兵庫の例でありますが、兵庫では知りませんが、大体電池は、御承知のとおりに一般の乾電池から、時間を持続させるのにアルカリ性電池に移って、それから充電のためにカドミウム電池に移ったわけで、そういうかっこうで、アルカリと言ったかどうか知りませんが、中には地元で隠される場合もあります。たとえば縁談に影響するとか、あるいは農作物が売れないととかで、こういうことのないように――厚生省のほうでこういうことを隠すということは絶対にございませんから、この点は御了解を願いたいと思います。 もう一つは検出でございますが、将来において、厚生省が直接機関で、自分から全国に網を張るということは困難でありますから、やはり将来はできるだけ府県知事に権限を移譲して、そして府県知事にこちらから適宜適切に行政指導なり、あるいは法律による基本的な基準を設けて調査をしてもらうというように進めたいと思いますが、水銀につきましては、御承知のとおり全部総点検をやったわけで、抜けているところは追加いたして、やっております。カドミウムについてもやっておりますが、いまの電池工場については、やや抜けておったところもありますから、電池工場はさらに通産省と連絡をして、仰せのごとくさっそく点検をやりたい。中央協議会にかけるかということでございますが、私としては、なるべく公害の問題は中央協議会にかけたくないというのが本心でありまして、むしろ各省の調整に手間どってあちらこちらから横やりを入れられることよりも、公害の基本的な社会通念をつくることに重点を置いておりますので、どうしても政府全体の責任としてやらなければ、私だけが答弁してもあとでうやむやになるおそれがある場合には、協議会にかけたいと思いますが、この点検などは、私どもでできることでありますから、私のほうで事務当局に検討を命じて、この電池工場については、入っていなければ追加をして、全部調べたいと考えております。
○岡本(富)委員 強力にひとつ厚生省はリードをして、そしてまだまだ未知な奇病なんというものがだいぶあるのですから、一日も早く総点検をして、国民の健康を守ってもらいたい。これを要求します。 次に、富山県の神通川のイタイイタイ病がその後裁判になっておりますけれども、この救済について、いまなおあの患者たちは、ずいぶん騒いでもらったし、それからまた厚生大臣から心強い激励を受けたけれども、このまま立ち消えになるのじゃないかと、非常に不安であり、それから救済について、さらにひとつ強力な手を打っていただきたいと思うのですが、どういうような考えを持っていらっしゃるか、大臣にひとつ聞きたいと思います。
○園田国務大臣 富山ばかりではありませんが、ただいまこの公害の救済について、大きく分けて、補償の問題と健康医療の救済と両方ございますが、健康医療の救済では、医療費については、自己負担分を国や県や市が補助をして、そしてなおそのほかに、患者の医療について、予防、健康、要観察患者の健康等も入れて、研究機関の施設をして補助をやって実施をしているところでございますが、近く準備をしております救済制度の確立、紛争処理と救済のこの法律ができるまで、いろいろな盲点がありますから、その点については、暫定措置として、なるべく地元と直接相談をしながら、いろいろなやりくりをしてやることにしております。補償については、ただいまのところ法的根拠がなくて、裁判によるか、当事者の話し合いによるか以外に方法がありませんので、この点は非常に公害についての盲点だと考えておりますから、これは保険その他のことも研究をして、さらに進めていきたいと考えております。
○岡本(富)委員 法律の盲点ですから、さしあたって、この被害者を救済してあげなければいかぬ。これについて、何か聞くところによると、公害基金法あるいはまた救済法を作成している最中と聞きましたけれども、いつごろ、厚生省としては国会に提出されますか。
○園田国務大臣 通常国会にぜひ出すように、関係方面とそれぞれ折衝しておりますが、話もだんだん進んできているのが実情でございます。
○岡本(富)委員 それから、大臣にこの際お願いしておきたいことは、またぜひ入れてもらいたいことは、厚生省のこの調査団が編成されたときに、地元の学者あるいはまた、たとえばイタイイタイ病であれば、患者を診断した萩野博士あるいはまた岡山大学の小林教授、こういうような権威者をやはり中に入れていただきたい。それで今後の調査団にはそうした人を入れるかどうか。この前も、あれはどこだったか、神通川のときも調査団の中にこういう人々を抜いているわけです。一番経験のある権威者を抜いて、そうしてやっておることを見ましたけれども、今後はこの人たちを入れていただきたい。また、今度産業公害で山口県の宇部のほうに調査に行ったときも、やはり調査団が来るのだけれども、厚生省と通産省とが別々に来る、そして調査があるわけです。これはやはり一緒にしてもらったほうがいいのじゃないか。またそのときに、地元の山口大学ですか、こういうところの学者を入れてもらったほうがいい、こういうような要望があったわけですけれども、これについて、大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○園田国務大臣 大学の先生のほうは調査に入っておりますが、萩野先生は、この治療の場の審査のほうの委員には入ってもらっているわけであります。今後はそういう直接経験者、直接関係者の方々をなるべく入れるように、十分注意して委員の編成をしたいと考えます。
○岡本(富)委員 長崎県の対馬のイタイイタイ病、これなんかも、直接診断したところの萩野先生なんかを入れたほうが、これはイタイイタイ病であるということがよくわかって、そして早くそれがはっきりすれば、そうした手を打てるわけです。いま見ていますと、これは通産省にぼくは言うつもりでおったのですけれども、厚生省がせっかく、カドミウムあるいは水銀中毒という問題である、またイタイイタイ病だというような見解を出すと、それに対する反対の結論を出してくる、こういうことで、反対の意見を出してきて、いつまでたってもこれを引っぱっておる。だから、今後はできるだけ合同して、反対のほうの学者の意見もあるけれども、やはりいままでの経験者をその中に入れて十分もみにもみ、調査をして、そしてはっきりした国の見解を出して、一日も早くその結論を出して、救済をしていく、こういうふうにしたいと思うのですが、大臣の最後の答弁を願います。
○園田国務大臣 そういうことは非常に留意しておりまして、ただいま厚生省のほうで、たとえば泥土であるとかあるいは砕石を持ってきて検査をした場合には、同じものを通産省に出して、あとでいろいろな文句が出ないように注意はしております。御指摘のとおり、今後は、一緒にできるものは一緒にするし、別々にするものはお互いに中間において連絡し合いながら、あとで調整に手間どらぬように、公害救済の基本に向かって前進するように、そういう点を特に注意していきたいと考えております。
○岡本(富)委員 では、大臣もうあれでしょうから、次回にもう少しゆっくりこまかい問題でお伺いすることにして、これで一応終わります。 〔委員長退席、島本委員長代理着席〕
○島本委員長代理 山崎始男君。
○山崎委員 農政局から見えていますか。――私、実はおととい、十月の九日に愛媛県の新居浜市へ参りました。参りましたのは、住友化学のアルミニウムの工場から、弗素ガスが北風に乗って南の山を越しまして、谷合いから新居浜市、西条市、両方の市へ流れました関係で、驚くなかれ三百十七ヘクタールという稲が――ちょうどここへ私持ってきておりますが、これはもう田植えをした苗そのままの本数しか出ておりません。俗に言います分けつをしていない。そういうふうな事情がございまして、地元からの要請がありましたものですから、実は九日に現地へ参りました。したがって、委員長席からおりて、まことに皆さん方に申しわけございませんが、しばらく質問を御容赦願いたいと思うのでございます。 農林省、厚生省、通産省、この皆さん方にお尋ねしたいのですが、まず、最初に、農林省から、八月の三十日、三十一日の二日間にわたりまして、調査団をつくって、この稲作の事情を現地へ行って調べていらっしゃるのであります。これは愛媛県の要請によって、たしか行っていらっしゃるはずでござますが、まずその経過の報告をしていただきたいと思います。
○遠藤説明員 この件につきましては、県のほうから、八月十九日付で、知事から大臣あてに、係官の派遣申請がございました。私どものほうで、とりあえず中四国農政局の構造改善部長を班長といたしまして、地域を所管しております四国農業試験場の関係官、それから本省のほうからは、私どもの課のそういうほうの担当の課長補佐、それから農業技術研究所の弗素のほうの専門家であります山添研究室長、こういう構成で調査を行ないましたわけでございます。 調査の趣旨といたしましては、被害の現状を見るということと、もう一つ県のほうからも要請がありまして、県がいろいろなサンプルをとりまして、分析をいたしましたり、いろいろな調査をやっております。それから、被害を受けました稲の回復につきまして、いろいろな手段を講じておりますが、そういったものについて、技術的な指導、援助をしてくれというお話でございました。そういうことを兼ねまして調査団を派遣いたしましたわけでございます。そこで、両日にわたりまして調査をいたしました結果、現在まで県のほうから参っております中間報告によりますと、被害面積は百七十五ヘクタール、今後、状況により被害は拡大するかもしれないという報告が出ております。三百何町歩という数字につきましては、まだ私どものほうで最終的に確認はいたしておりませんけれども、そういう状況でございます。 それから現地に行きまして調査をいたしました結果、明らかに生育障害を受けておる。特にはなはだしいところ二十ヘクタール何がしにつきましては、いま先生がお示しになりましたようなサンプルのとおりでございまして、田植をいたしまして以後分けつが全部押えられまして、全然株が茎分かれしておらないという状態でございます。それから、一般的にもかなりの被害が出ておるわけでございますが、その被害の原因につきましては、実際に土の中とかそういうところには、ガス体のことでございますので存在しておりませんで、植物体に含まれております弗素の分析というものを主にして調査をいたしましたわけでございます。明らかに弗素を相当――特にはなはだしい被害というところにつきましては、相当高濃度の弗素を含んでおりました。おそらくほかに原因もございませんので、まあ大気中のガス、有毒ガス、主として弗化水素であろうということでございます。そういったガスによる被害の疑いが非常に濃いということを、私どもの調査団は報告をしてまいりましたわけでございます。 この調査につきまして、愛媛県御当局がとっておられます調査のしかた、あるいは有毒ガスの発生の状況を調べますために監視装置などを設けておりますが、そういったもの、あるいは分析の方法――この分析の方法につきましては、特に弗素の分析に県当局はなれておりませんので、西ケ原の農業技術研究所へ係官を派遣いたしまして、そこで、先ほど申しました研究室で研修をいたしまして、分析を教えまして、その結果やっております分析なりサンプリングの方法なりは、大体適当であろう。それから、被害を受けましたものを極力回復いたしますために、非常にガスの障害を受けまして同化作用が押えられまして、その結果根のほうに養分が行きませんので、根腐れを起こしておるという状況でございます。とりあえずまず水を落としまして、いわゆる中干しを強度に行ないまして、軽度のものにつきましては相当な回復をはかる、こういった措置を講じておられますので、こういった措置については、まずまず適当の措置を講じておるものである、そういう所見を発表いたしまして、調査を終わりました。そういう経過になっております。
○山崎委員 大体この問題が起こったのは、住友化学の軽金属部が、磯浦の海岸の埋め立て地へもっていって、第一期、二期、三期、四期工事としてやり始めたのが、昭和四十一年の九月、第一期工事が完了したのが昨年のたしか六月のはずでございます。新しい工場でございます。それで本年の二月には第三期工事が完成いたしまして、したがってこの増産過程に入った。大体年産五万一千トンのアルミニウムを製造する、これがきょう現在――私も工場まで行ってみましたが、これが第四期工事が完成いたしますると、七万八千トンということを聞いております。そこで、昨年までは何のこともなかった。ところが本年六月ごろに田植えをした。これが初めて新設工場から――片方はそういうふうな新設工場、その二千メートルほど南の山を越して、被害地域が全体で三百十七ヘクタール、いまおっしゃったように、その中で約八十ヘクタールというものが実際に強く影響を受けた場所、中程度、軽症の程度ということで、合計百八十ヘクタール前後と私は聞いております。したがって、この問題が、いま言いますように、七月の中旬ごろからお百姓さんがどうも変だということを言い出して、七月の二十六日にお百姓さんの代表が県へ持っていって、よく調べてもらいたいという申し入れをしております。県が調べた。調べた結果、なるほどとにかく稲の成長に非常に障害があるということを認め、あらゆる研究の結果、これは亜硫酸ガスではないという見解を県は持っておる。かんがい用水でもない。結局大気中のガスに違いないというので、いろいろ文献なりその他を調べてみた結果が、弗素による影響とおぼしいという判断を下したということで、いまあなたがおっしゃったように、農林省のほうへも、たしか二へんも研究所へ県の役人が足を運んでおるはずでございます。驚くなかれ、激しいのは五三二PPMの弗素を含んでおる。稲作に影響があるのは五〇PPMが限界だ。ところが一つのサンプルばかりじゃなくて、二へん目に行ったときには、最初は県が一つのサンプルでやっておりますが、おたくのほうの技術研究所へ二へん足を運んでおりますが、最初は七サンプル持っていっておる。大体四〇〇PPMくらい出ておる。二へん目に行ったときには、その被害地域並びに被害を受けていない周辺の地域のサンプルを百何種類持っていっているはずですが、これは多いやつは五三二PPMでございますか、少ないので一〇〇PPM以上という分析の結果が出ておるというふうに聞いております。 それで私はお尋ねしたいのですが、いまあなたは、弗素による影響だという県の見解をそのまま、本省のほうも、研究の結果は弗素の疑いが濃いというふうに御発言になったのですが、その点は間違いございませんか。
○遠藤説明員 断定的に申し上げるわけにはいきませんのでございますが、私どもの疑いといたしましては、弗化水素による害の疑いが一番濃いのではないか、そのほかのガスの疑いということも多少ないではないのでございますが、大体弗化水素はああいうふうに作物が含むことはまれでございますので、まずその疑いが一審濃いというふうに解釈しております。
○山崎委員 そうすると、やはり県のほうの見解と同じように、本省のほうも、最終的な結論はまだ出せないが、弗化水素による大気中のガスの影響だという疑いが非常に濃いということは、認められたことになりますね。
○遠藤説明員 そのとおりでございます。
○山崎委員 現在起こっておる問題は、稲作の問題なんですが、工場が新しいだけに、本年初めてこういうケースが突然起こってきた。これから取り入れにかかるわけなんですが、八月三十日といえばまだ稲の穂が出ておらぬ時分だと思うのですが、最近取り入れを前にして、現地のほうの中四国農政局あるいは本省の出先のほうから、最近の資料をお調べになっていらっしゃいますか、どうですか。
○遠藤説明員 その後、詳しい報告は聞いておりません。
○山崎委員 そうすると、調査に行かれたのは一ぺんこっきりということなんですね。そういうことですね。
○遠藤説明員 こちらから調査に参りましたのは一回でございまして、県のほうで、私のほうで御指導申し上げました調査方法によりまして、調査をおまとめ願って、こちらに御報告願う予定にしております。
○山崎委員 稲作以外に、私はしろうとですけれども、現地へ行っていろいろなお百姓さんに会って話を聞きましたが、サトイモの葉だとかあるいはメロンの収穫なんかも、本年は非常に悪い、特別に悪いのだ、ということを言うておりましたが、この付近は、どういいますか、行ってみましても、平均耕作反別が六反前後、それでお百姓の人たちは、これがことしだけの現象なら、台風だと思ってあきらめもある程度つくけれども、また来年もやられるのだったら、われわれは一体どうしていいかという非常な不安感を持っている。これは当然なんですね。われわれの現金収入といったらたんぼ以外にないのだという立場から、そういうことばが私は出ると思うのです。これはもっともだと思うのですが、私はしろうと考えでございますが、メロンもやられた、サトイモもやられた。それは植物によって、弗素に対する抵抗力の強い植物もあるでしょう。弱い作物もあると私は思います。しかしこれは稲作ばかりでなくて、弗素というものは、他の農作物に影響があるものですか、ないものですか。
○遠藤説明員 私も専門家でございませんので、あまり詳しいことは申し上げかねるのでございますが、弗素の性格上、生物でございますれば、特に植物でございますれば、たいていの植物には害があると思います。
○山崎委員 たいていの植物には、多かれ少なかれ害があるということでございますね。私もそう思います。 非常に奇妙な現象を呈しておりますのは、私が行く道中に、海岸べりの松の木が枯れている。それから地元の人に聞きますと、あのあたたかい愛媛県で、山の雑木が七月の中旬から紅葉してきている。私が行ってみましても、だんだんと紅葉している雑木を見ました。こういう点から見まして、稲作ばかりではなくて、他の植物にもとにかく影響があるものだろうという推定を私はして帰ったのでありますが、いまのあなたのことばを聞いて、それが裏づけをされたようなことになると思うのです。 それで、その調査団からあなたのほうが報告をお聞きになって、これは単なる災害じゃないのだ、これは公害なんだという見方を、私はおそらくされたんじゃないかと思うのですが、もしされたとすると、厚生省なり通産省なりへ御連絡をおとりになったかどうか、お聞きしたいのです。
○遠藤説明員 私どものほうは、先ほど申し上げましたような次第で、県の御要請によりまして、県を指導するという立場で出かけました関係で、通産省及び厚生省のほうとの連絡は、いまのところございません。
○山崎委員 その点、実をいいますと、私はたいへん遺憾に思うのです。おそらく弗素だと言われる以上は、弗素の疑いが濃いのだと思われた以上は、これは単なる農業災害の問題ではない。言いかえますと、これは公害でなければならない。そうすると、私は当然おたくのほうとすれば、住友化学の磯浦工場だということは、なかなか言いにくいとは思いますが、しかし弗素を出すところは、磯浦工場以外には、実際いいましたらないのです。おそらく現地へ調査にお行きになったときに、県、市――市というたら西条市、新居浜市両方なんですが、あるいは農業団体その他の人たちから、これは磯浦工場のアルミの過程における弗素だということは、お聞きになっているはずだと私は思うのです。そうすると、単なる農業災害でない、公害だというお気持ちがある以上は、県の要請に基づいて行ったのだからわれわれのほうは連絡をとらなかったと言われる御答弁は、ほんとういいましたら、これはあまりにも役人ことば過ぎると私は思うのです。公式な連絡でなくても、公害というお気持ちがある以上は、当然私は、厚生省なり通産省へ御連絡をとられるべきはずのものだと思うわけなんです。そういう点は、今後改めていただかなければいけないのではないか。農業災害であるなら、何も他の省へ御連絡をとる必要は私はないと思いますよ。まあないとはいい切れませんけれども、まずまずそれでけっこうだと思いますけれども、いまあなたは弗素だといわれたのですね。疑いが濃いといわれた。それならば、当然私は、いまのような手続といいますか、順序をおとりになるべきだと思います。 これは、あなたのお時間もあるでしょうから、先に聞いておきますが、いまは大気中の弗化ガスの問題ですが、ずいぶん排水を出しておるはずなんです。これは海岸のすぐへりなんですが、海へ入った場合は、弗素は魚に影響があるかどうか。その点おたくのほうの所管ですから、一言お聞きしておきたいと思います。
○島本委員長代理 これは農産課長になりますか、上田資源課長になりますか。
○山崎委員 どちらでもけっこうです。
○森沢説明員 水産庁からお答え申し上げます。 いま先生のおっしゃいました事例は、まだ幸いにして発生をいたしておりませんが、きわめて一般論で申し上げました場合に、やはり生物でございますので、海水が弗素化合物で汚濁をされた場合に、何らかの形の影響が魚介類にもあらわれるということは、私はあり得ると思います。
○山崎委員 これはいま地元の人も、実際いいましたら本年初めてのケースで、稲だけに気をとられている。私が心配するのは、これは稲ばかりではなくて、農作物はもとより、他の人畜にも影響があるかどうかということを、これから厚生省なりその他にお聞きするはずですけれども、たまたま農林関係でございますから、あそこはいまの弗素を――私は工場を見ましたが、弗素を除去するために、一時間二百ミリのシャワーを煙へかぶせているんですね。一時間二百ミリといったらたいへんな水です。その排水というものは、海べりですから、当然海へ出ているものと見なければいけないんです。そこで私がお聞きしたのは、いまの魚介類に影響があるかどうかということ、いまの水産庁次長のお話では、何がしか影響があると思わなければいけないというふうなお気持ちなんですが、幸か不幸か、あなたここへいらっしゃったばかりに災難かもしれませんが、その点はいわゆる魚介類の水資源を守る立場からも、それがひいてはそれを食べた人間に及ぼす人体への影響という立場からも、私は至急に現地をひとつ十分調査していただきたいのです。公害がある以上は当然そこまで発展すべきだと私は思うのです。はっきり言いますが、単なる災害じゃございません。その点ひとつお願いいたしておきます。 そうしましたら、農林省のほうの調査団の報告が、大体おぼろげながら私にも了解できました。わかりました。とにかくひどいものです。それから、お百姓さんの気持ちだけはくんでやらなければ、本年だけなら台風だと思ってあきらめもつくけれども――このことばなんですね。これは非常な不安感があることばなんです。したがって、指導される面からいったら、この不安というものを 一刻も早く除去してやらなければいけないのです、実際いいましたら。その点が非常に大切だと私は思うのです。どうぞそういう意味でひとつ先手先手を打って、調査をしていただきたいと思います。どうも御苦労さんでした。 それから、厚生省のほうへお尋ねいたします。この事件は、農林省はまだ連絡をとってないというのですが、他のほうからお聞きになったことがありますか、ありませんか。
○武藤説明員 この問題につきましては、去る八月、県から連絡を厚生省としては受けまして、弗化物によるものではないかというような話がございましたので、さっそく県のほうには、その報告を受けましたときに、大気汚染の事例とか調査についての参考資料等を示しまして、指導を行なったわけであります。なお二、三年前にさかのぼりますが、当工場ができるときに、植物被害については十分注意をするように、県のほうには、当時の責任者は連絡しているようでございます。それから、昨日新聞で関係記事を見ましたので、さっそく県に連絡をとるとともに、けさほど住友化学の関係者を呼んで、経緯を聞いて説明を受けました。その詳細につきましては、必要あれば、課長のほうから御説明をいたさせます。 この弗化水素によります、特定有害物質による事件としましては、現在ばい煙規制法で、都道府県知事が処理することとなっておりますけれども、厚生省といたしましても、必要がありますれば、できるだけ承知する範囲で技術的な援助をいたしたい。なお新居浜地区は、昭和四十三年から大気汚染の指定地域にしようという準備を、いま現在進めておる第次でございます。
○山崎委員 この弗化水素というものは人畜に影響がありますか、ありませんか。
○橋本説明員 弗化水素の人間に対する影響は、労働衛生の場合に問題になっておりますが、従来のあらゆる事例の中で、大気汚染で弗化水素によって人体に影響を生じたという文献は、いまのところございません。それから、家畜につきましては、影響があります。植物と家畜と器物に対する影響があるというのが、弗化水素の作用です。
○山崎委員 それから私、工場へ行きまして、所長並びに工場長をおたずねをして、工場の中も見せてもらったのですが、私が会った感じでは、この問題が起きて、住友化学は比較的良心的です。やはり弗化水素が原因だとは言っていないのです。いわゆる、いまはやりの、基盤であるという言い方なんですね。それは具体的に言いますと、われわれのほうは弗化水素が出ております、確かに出ております、そうしてこのように本年稲作に被害があったということは、気象条件として低温が続いた、雨がたびたびあったということがプラスアルファをされて、このようなひどいことになったのだと思います、というふうに、弗化水素を出しておることも認めておるのであります。それが要因であることも認めておるのであります。そして、これが弗化水素だと断定された暁においては、できるだけの補償もやるつもりでございます、こういう答弁なんです。それはけっこうなことなんですが、それがどこまで実行されるかというのは今後の問題なんですけれども、私が一番心配したのは、いずれにしても、弗化水素という以上は、一時間二百ミリのシャワーをかけることによって、そのガスを除去するという設備をいままでやっておったが、この問題が起きたので、これをもっと強力にやってみたら、一そう除去ができるのではないかというので、実はその設備の改善といいますか、防害装置をいまやりつつありますということばなんですが、そのときも、私は技術屋ではございませんが、非常にたよりなく感じたのは、工場のすぐ南の三百メートルほどのところに、海岸べりから南側に、百メートルほどの高さの磯浦山という山があるのです。こういう山があるのだから、この山を越してまで南へ行って害を与えるとは、まさか思いませんでした、という発言があるのです。私らから言いますと――それで、私は煙突の高さを聞いたのですが、煙突の高さが三十五メートル、こういうのですね。それで私はしろうと考えで、少なくとも大企業である日本の住友化学には、相当の科学陣、技術陣がいらっしゃるはずだと私は思ったのですが、その人が弗化水素の害というものは当然知っていらっしゃるはず。しかも工場は新設だという。しかも日本で代表的な工場らしいのでございますが、そういう新設のりっぱな工場をつくるときに、百メートルほどの山があるから、向こうへは越して害を与えぬだろうというふうに考えておりましたという、どちらかといったら意外なことばが出ているのですね、工場側として。こういうことばから考えると、今後この弗素を大気の中に流さないようにする設備の改善をやっておりますと言ってみても、どこまで自信があるのか、実は疑いたくなる気持ちがしたわけですが、これは厚生省の立場として、弗素を完全に除去する装置は、かくかくしかじかやったならば除去できるのだという方法があるのですか、ないのですか、その点お聞かせ願いたい。
○橋本説明員 弗素の除去につきましては、原理としてはさしてむずかしいものでございませんが、そのガスをちゃんと抜けないように全部集めるというのが、技術上は非常にむずかしいというところでございます。いろいろやったケースがございますから、どれという基準は、私ども別に現在持っておりません。ただ、外国でこの排出基準としてやっているごく特殊な例が一部にはございますが、弗素の対策はかなり困難なものではあるが、技術的に不可能なものではないというように、私ども考えております。
○山崎委員 あの辺の気象条件を調べてみますると、田植えが六月であった。六月の二十日前後から、ちょうど稲が根を張る時分になって、ことしは非常に雨が多かった。山の谷合いをガスがはっていって、ちょうどその南側のほうに、一千メートルのいわゆる四国の山脈がございます。それへぶつかる。いわばそこへしばらく低迷しておったのじゃないかというふうに、現地の人たちは言うておるのでありますが、いずれにしましても、いま橋本課長のお話では、煙を出さない方法が一番いいんだということなんですが、そういう設備ができるのですか、どうなんですか。
○橋本説明員 もしもそのような質問をその地域でされましたならば、コントロールの手法はあるということだけは申し上げられます。それができないから工場はやめなさいという考えは、私は持っておりません。
○山崎委員 だから、会社は会社として、この問題でかなり神経使っておればこそ、設備の改善を現在やりつつあるのを、私は見て帰りましたが、ただ多少私はその答えの中に、それならこれでもってだいじょうぶだという域まで、はたして公害の防止装置ができるのかできないのか、実は不安を持っているのです。それで、農業関係者の人たちにいわせますと、弗素は五〇PPMくらいが稲作の限界だということを言っているのですが、それが四〇〇あったり五〇〇あったりしているところに問題がある。いまお聞きすると、他の植物にも多かれ少なかれ影響がある。稲作は五〇PPMが限界だけれども、植物のいかんによれば、三〇でも害がある植物がないとは限らない。それから、いまあなたのお話では、人間には、いままでの文献では害は聞かないが、家畜にはあると言われましたが、そういうものを含めて、最大公約数的に、どのくらいのPPMまでの煙は出るが、そのくらいまでなら許容できる、そうしてそのくらいな煙に弗素を除害する場合には、こういうふうな装置をしたらいいという、煙を出さないというのじゃなくて――出さないことが一番いいのはさまっておるのですが、出た場合に、こうやればいいんだという、何かモデルケース的な案か何かが、弗素に対しておありになるのですか、どうですか。
○橋本説明員 いまの御質問の点にお答えする場合に、おそらく、各国で使われている植物に対する最大許容限度が一番それにはまると思いますが、これは例としましては、アメリカとソ連とにございまして、植物影響を中心として、一ないし三ppbというふうな濃度を置いてあります。これは最大をそれ以上に上げないということでございます。ですから、その接地地点で最も条件の悪いときに一ないし三ppb以上に上げないということで、根元のほうで、煙突の高さをやったり排出濃度をコントロールしてやったりすることは、私は技術的に全く可能なことだ、そういうふうに思っております。
○山崎委員 通産省へちょっとお尋ねします。通産省のほうは、この住友化学の金属部の磯浦工場からこういう問題が起きているということは、県あるいはその他から御報告か何か受けて、御存じでしょうか。
○矢島説明員 本件に関しましては、八月上旬、現地の通産局を通じまして連絡があり、問題については十分承知しておりました。
○山崎委員 そうすると、通産省は現地の通産局から通知があったと言われるのですが、詳細にわたっての報告がございましたか。
○矢島説明員 私どもは、本件に対して、原因の究明あるいは被害の程度というものにつきましては、相手が農作物でございますから、われわれは専門家ではないので、それにつきましては農林省も協力していると聞いておりますので、県並びに農林省が御調査なさったその結果を十分尊重して、措置してまいりたいと思います。そういう意味におきまして、先ほどの話で、そういう調査はまだ完全に済んでおらないので、八月上旬におきましては、原因の究明と被害の程度についての全面的な詳細な報告はなくて、承知しておりませんでしたけれども、被害の概要につきましては承知しておったのです。他方、その後のいろいろな断片的あるいは中間的な報告によりまして、本件に関しては、住友化学磯浦工場の出す弗化水素というものが、先生が先ほどおっしゃったとおり、何といっても一番疑いが濃いという認識に立ったわけであります。そこで、県なり農林省なりの最終的な調査結果はまだ出ていないわけですが、私どもとしては、八月においてすでに本件は非常に重大な問題であるということで、現地の通産局あるいは本省の鉱山局を中心といたしまして、被害の程度はともかくとして、前向きの対策をいろいろ研究してまいったのでありまして、その結果につきましては、後ほど詳細に申し上げてもよろしゅうございますが、先生が数日前においでになったとき、会社がこういうふうに直しますと言っておったものは、現地の通産局を中心にして検討しておった、前向きの施策のあらわれの一端ではないかと思っておるわけであります。
○山崎委員 私は、ともかくできたことはもう二度と繰り返さないようにしなければいけないと思う。言いかえると、公害の工場自身がいまやりつつあるのですが、実をいいますと、それにはあまり自信があるようにも私は受け取れないのですよ。しかしそれは私は学者でも何でもありませんから、何ともよう言いません。ただ私がお聞きしたいのは、二度と再び起こさないという、いわゆる百姓どものことばを繰り返すようでございますが、またこれが来年も来年もということなら、われわれはもう生活がしていけないのだという、非常な不安感を持っておる。農業団体の連中の陳情も受けましたが、会社は、この問題をきっかけにして、一体どういう程度の防止の設備をやっておるのか、われわれにはあまり納得ができないんだ、これはしろうと考えですから、それはそういうことばになったんだろうと思いますけれども、この不安感を除去する、すなわち二度と再び来年度こういう問題を起こさないということ、学問的に見て公害をこうすれば防止できるんだということを、厚生省なり通産省なりが、工場へも県を通じてアドバイスをすることが、当面の非常に大きな課題ではないか。会社は会社で、会社の技術で考えられてやっているのですけれども、おそらく一時間二百ミリのシャワーというものをもっと多くするということに、私は受け取っているのですが、はたしてそれでもって完全に、こういう災害が二度と起こらぬようになるものなのかどうなのか。いま通産省の立場からいいますと、現地からそういうようなアドバイスをしたので、会社もそういう設備をやり出したのだろうというおことばでございますが、やり出したその方法を皆さん方が見られて、いわゆる政府機関というたところで、日本全国の良識のあるエンジニアばかり集まっているところなんですから、そういうところで衆知を傾けて、こうやったらいいんじゃないかというアドバイスを早急にやられる必要があるのではないかという気がしてならないのです。また、やってみたらいけなかった、会社自体も二重投資になるのだし、また反面、被害を受けた地元民にも不安感をますます与えることになるのですから、その点が、いわゆる災害を二度と起こさないという立場からも、非常に大切な問題じゃないかという気がしてなりません。 そこで、私は最後にお聞きしたいのですが、農林省もそうですが、厚生省、通産省あたりで、本庁から現実に現地へ行って、県の要請はなくても――厚生省のほうへは、そういうふうに要請が県からあったというのですから。しかも現地へ行ってごらんなさい。非常な社会問題化している、実際問題いいましたら。そういう立場からも、厚生省、通産省は手を握って、現地へ行って、そういう公害防除のいい方法があるのなら、こうやられたらどうですかとか、会社の意見はどうですかとか、いうふうなことをやられる必要が非常に多くあるというふうな気が私はしてならないのですが、調査団といえばぎょうぎょうしい名前かもしれませんが、現地へ行ってお調べになるお気持ちがありますか、ありませんか。私はぜひ行ってもらいたいと思うのです。また、実際いいましたら、行く必要があると思うのです。どうですか。
○矢島説明員 ただいま武藤公害部長からもここで話がございましたが、私どもといたしましては、この問題は非常に重要であるのにかんがみまして、時期はいつということは、本日は明示するわけにまいらぬわけですが、いずれ近い機会におきまして、本庁からも人を派遣して詳細に調査する。同時に、これは特に通産省サイドの問題ですが、現在やっている会社の改善計画なるものは、これは通産局の指導でやっているわけですが、これがはたして十分なりやいなやということについて、さらに一そうの検討を加えたいと思います。実は私どものほうも、本件は、先ほどお話がありましたように、八月上旬に知りまして、八月の下旬あたりに担当官を出そうかと思ったのですが、ちょうど農林省の調査が下旬に行なわれるというので、そのあとということで、じんぜん日を送ったような次第でございまして、もともと出すつもりはあったわけであります。たまたま先生のお話もございましたので、厚生省とも相談いたしまして、しかるべく措置をいたしたいと思っております。
○山崎委員 日にちはいつかわからないが、厚生省ともよく相談をして、ぜひ現地へ行ってみる、というふうに理解するわけなんですが、それでよろしゅうございますね。 ただ、私が一言申し上げておきたいことは、農林省の方も、県から頼まれたからそれでわれわれは行ったのだ、という考え方なんですね、いまの答弁を聞くと。しかも、農林省の県に対する報告の内容も、私は聞いております。それが行ったのが八月三十日、三十一日、成熟時期でない、要するに稲が実っておらぬ時期だから、はっきりしたことはわからぬということばを、県に対する農林省の回答の中に使っているのです。それだから、私は最近お行きになったかどうか聞いたのですが、やはり皆さん方もせっかく行っていただくのなら、百聞は一見にしかずで、稲の刈り入れをせぬ間にこういうふうな姿を見たら、ほんとうに百姓が泣くのがあたりまえなんです。全然分けつしていないんです。大体二割作しかないんです。二割もないたんぼがたくさんあります。やはり皆さん方もせっかくお行きになるのなら、早い機会に、稲刈りが終わらないうちにお行きになる必要が実際はあると私は思うのです。どうぞ、少なくとも厚生省、通産省は手を握って現地へ行って、防害装置なり、その他の現状を見、かつアドバイスができるものがあればアドバイスをして云々という誠意ある御答弁だから、私は満足いたしますが、せっかくお行きになるのなら、いま言いましたように、稲を刈らないうちにお行きになっていただきたい。これは私の気持ちの一端でございます。 それから、最後に一点お聞きいたします。来国会において、被害者の救済法律案が出るのですが、この救済法律案の中には、人間以外の対物における被害というものも含まれておるのだ、要するに物ですね。物も含まれておるのだというふうに理解していいでしょうか、どうでしょうか。
○武藤説明員 紛争処理と被害の救済制度の問題につきまして、現在政府側並びに紛争処理の中央公害対策審議会で検討されておりますが、まだ成案を得ておりませんけれども、いままでの方針といいますか、大体の空気というようなものを申し上げますと、紛争処理では、これは人の健康たると農水産の被害たるとを問わず、すべて処理をする、救済制度のほうは、健康障害の点について緊急に制度をつくる、かように、現在のところ、その方向が出ておるようでございます。
○山崎委員 ちょっと私ようわからぬのですが、結局人命あるいは人体だけに限定されているのか、こういうふうなケースの対物にまで、この救済法律案の中に盛られておるのかどうかでいいのです。
○武藤説明員 救済制度そのものは、農林水産の問題については非常に複雑な要素があるので、来年実施しようとする救済制度には、まだ現在のところ制度化するには至らないんではないか、かように考えております。
○山崎委員 なるほどね。私は常識上、こういう対物における損害という問題も入っておるものだというふうに理解しておったのですけれども、いまのあなたの御答弁では、出てくる法律案の中にはそれは入っていないということを、いま初めて聞いたのです。そうすると、これは農業災害の問題になるのですか、そういう解釈ですか。
○武藤説明員 公害の問題は、健康のみならず、農林水産の問題まで及びますけれども、先生の御心配の点につきましては、紛争処理制度の中でとりあえず解決をするというような方向にいま進みつつある。たとえば、現在、ばい煙規制法の中で特定の物質については規制が行なわれて、いま問題になっております弗化水素につきましては規定がされておりまして、当然対象になろうかと私どもは考えておりますが、ばい煙規制法のほうでも、和解の仲介という制度があるわけでございますから、したがって、現行法でもこういう問題の処理は可能ではないか、かように考えております。
○山崎委員 最後にもう一点だけ。 いま厚生省は、カドミウムと有機水銀が出る可能性のある工場を、年次計画でもって調査されているやに聞いておりますが、それはカドミウムと有機水銀だけに限定されておるのですか。他の重金属あるいはまた、こういう弗素のようなものまで含めて調査をされておるのかどうか、その点、お聞かせ願いたいと思います。
○武藤説明員 ただいまのところ、水銀あるいはカドミウム等を考えておりまして、将来あるいはクローム等の重金属にまでも検討していかなければいけない、かように考えておりますが、現在のところ、弗化水素については、先般来御質問の環境汚染の規制法等につきましては、考えておりません。したがいまして、大気汚染防止等の現行の体系をあるいは強化する方向で考えられないことはないんではないか、かように考えております。
○山崎委員 ありがとうございました。
○島本委員長代理 では、次は三木喜夫君。
○三木(喜)委員 時間がありませんから、簡単にお聞きしたいと思いますので、御答弁もひとつ簡単明瞭にお願いしたいと思います。 〔島本委員長代理退席、委員長着席〕 私、いま各委員の御質問になっておることを聞いておりまして強く感じましたのは、工場をつくってしまってから公害を幾らやかましく言っても、これは追っつかない。厚生省もおいでになっておりますけれども、ちょうどきょうの論議なんか聞いておりますと、事をなしてしまってからあとで、ハエを追うようなぐあいに取り扱われておるように思うわけです。一つ一つ問題処理に当たるというようなことは非常にむずかしいものです。 そこで、私がきょうお聞きしたいことは、近年石油公害の問題が非常に激甚をきわめてまいった。その中におきまして、特に瀬戸内海の沿岸あるいは過密都市の近辺においては、石油コンビナートをつくるあるいは発電会社をつくるということは、大きな住民の抵抗や反対があるということは、もう近年著しい例になってまいっておるわけであります。その中におきまして、一昨日ですか、九日、石油審議会の総会が持たれまして、その総会の議題として、本年度石油の精製五十万バーレルをどこの会社に許可するかということが審議され、そうして大臣に答申するところの原案ができたように聞いておるわけです。その中で、私たちの一番近いところの瀬戸内海沿岸の出光の姫路製油所の問題が出てまいりまして、そうして十一万バーレルが認可になる運びになっておるようであります。私たちは、いままでこの問題については、瀬戸内海というところは魚の宝庫で、そうして景色も非常に美しいし、レジャーの中心をなしておるし、交通の要路にもなっておるが、こういうところにタンカーがひっきりなしにやってまいり、そして海をよごすようなことや、あるいはタンカーの災害なんかが起こると、これはたいへんであるから、姫路に製油所を置くことは十分考えてもらいたい、こういうことを言っておったわけであります。私たち社会党あるいは総評、さらに漁民の間には、根強い反対があるわけです。これらは絶対反対の立場をとっております。しかしながら、県は長年石油基地を誘致したいという考え方から、強引に漁民を納得さして、あるいは地域を納得さして、そうして出光興産姫路製油所をつくろう、こういうことに非常に強い熱意を示してまいった。そういう工作が進めば進むほど、地元のほうのいままでわからなかった市民、漁民がだんだんわかってきて、根強い反対になってまいったわけであります。この端的な例を三つ、各関係官庁並びに審議会の委員に、私たちの地元の人たちは、陳情書の形で申し上げておるわけであります。たとえば、姫路市におきましては、出光進出促進の請願、それから反対の請願、これが相半ばして、そうしてこちらに請願書として取り上げることのできないようになっております。中止されております。兵庫県におきましても、総務常任委員会で採決をしました結果、六対五というような数が出て、八日には社会党の代表が出光問題に限って代表質問をやり、そうして、この問題に、県会としてどう対処するかということの態度がまだ出ていないわけであります。漁民のほうは漁民で、現在、播磨魚友会というのが、三十四組合あります。そのうちの一組合は強い反対をし、あとの三十三組合は条件を付して、現在、どんな条件ならそれについて賛成しようかというように、条件について検討中であります。さらに、地元との話し合いは、一回だけ、九月の二十四日なされ、それも平行線のまま終わっております。私の聞くところによりますと、通産省やあるいは水産庁、あるいは厚生省なんかの御意向では、地元とよく話した上でということで、いままで行政指導をなされておったように思うのです。そういうような経緯の中で、十月九日に、ついにその原案を石油審議会がつくった。その原案というものは、姫路製油所に対しまして、十一万バーレルの特定施設をつくっていいという、そういう認可の原案をつくったわけであります。 そこで私は水産庁にお聞きしたいのですが、漁民は、たびたび皆さんのところに行って、ここでもし海をよごされるようなことがあったら、われわれはこれから干上がってしまうのだ、生活に非常に影響があるのだから、何とかこの問題を、設置するというようなことについては見合わすようにお願いしたい、こういうことを言っておったわけであります。どのような努力をしていただいたか。あるいは地元の様子を実際に見ていただかなかったらこれは認可できないのですから、そういう様子をどのようにキャッチせられたか、直接漁民に関係あるのは、これは水産庁ですから、水産庁にお聞きしたい。 それから厚生省には、たびたび姫路地方の空と海とのよごれを調査されておりますが、その中で、もうかなり汚染されておるわけであります。この上、石油工場やあるいは電力の工場を増設してまいりますと、ますますよごれる、こういうように思いますので、厚生省としてはどういうようにお考えになっておるか、こういうことをお聞きしておきたいわけであります。 それから通産省に対しましては、今回の出光の製油所に対しまして認可を与えるについても、クレームがついたように思うのです。その問題を後ほど、鉱山局長おいでになっておりますから、お聞きしたいと思いますので、まずお二人に、前段として、そのことを聞いておきたいと思います。
○森沢説明員 なるべく簡潔にということでございますので、簡潔にお答えを申し上げたいと思いますが、先生言われましたように、これは昭和三十五年から長い経過がございます。関西電力の姫路の第二火力発電所の設置に関連をして、製油所の誘致がなされたということは、知事の方針としてありましたが、私たち水産サイドにおります者としましては、製油所の設置によりまして考えられます水産被害というのは、冷却水から出る油分の問題、それからさらに、かなり大規模のタンカーを接岸あるいはシーバースをつくって陸上に油を供給いたしますので、そこに海上におきます漁業の操業に対する被害が起こる可能性もあります。ここらがポイントである。そこで私たちは県を通じまして、まず排水の油分処理については万全を期してほしいということで、県にも公害対策審議会がございますけれども、技術的に十分詰めを行なうように御指導を申し上げてまいりましたし、兵庫県の公害審議会の中に、水産庁の水産研究所の公害部長を一名委員として入れまして、いろいろ技術的に詰めてやってまいりました。現在出光興産のほうで計画をいたしております処理が完全に行なわれれば、希釈前の油分の濃度が一PPMということでございますので、ほかの海域におきます例等を見ましても、まずそのとおり行なわれれば、排水については心配はないと、私たちは技術的に考えておりますが、ただやってみまして、いろいろ異臭魚が出たりすることがかりにありとすれば、それに対する対策は、企業側並びに県に対しても十分講ずべきであるということを申しております。先生いわれましたように、三十四組合が関係の組合でございますが、三十三組合は県といろいろやりとりをやりまして、排水の処理、それから漁業被害の完全な補償、異臭魚等が出た場合の企業による買い上げ、こういうことをいろいろ条件として提示いたしております。知事のほうにおきましても、出光のほうにおきましても、そういう漁民の要望につきましては、きわめて前向きに処理を約束いたしておりますので、家島の協同組合ただ一組合だけが現在まで反対の態度を続けておりましたが、水産庁からも、兵庫県知事並びに姫路市長等に対しまして、最後まで十分漁業者の説得につとめるようにということを指示してまいりました。九日の公害審議会におきましても、そういう条件等が、農林省あるいは漁民の代表として石油審議会に出ております安藤全漁連会長からも十分発言されたというふうに、私たちは聞いております。さらに、水産庁長官から通産省の担当局長さんに対しましても、いま私が申し上げているような経過がありますので、十分慎重にお取り扱いをいただきたいということを申し上げた経過がございます。
○武藤説明員 播磨地区の大気汚染の状況につきましては、一昨年、昨年と厚生省は調査いたしたわけでありますが、昨年度の調査につきましては、いま最終的な分析をやっておりまして、夏ごろ最終結論を出す予定でおりましたけれども、若干おくれております。けれども、いまのところ、一昨年よりも汚染がひどくなっているというような状況にはないようでございます。つまり大体横ばい程度、場合によっては、最高汚染時が一昨年よりも若干改善されているのではないかと受け取られます。海水につきましては、先ほど厚生省はどうしているかというお話でありますが、海水については、私どものほうでは調査はいたしておりません。
○三木(喜)委員 厚生省に一言だけ、最後にお聞きしておきたいと思うのです。私の申し上げておるのは、現在も相当に大気が汚染しておる。これは四十二年の二月七日読売新聞に出た記事ですが、簡単にいって、姫路市の大気汚染度は重症と書いてある。その上に、あなたにお聞きするのですが、十一万バーレルといったら、これはどれだけのものですか。十一万バーレル処理するということは、これは姫路の石油会社は一日に処理するのですか、一カ月に処理するのですか。
○武藤説明員 一日の処理だと聞いております。
○三木(喜)委員 一日の処理でしょう。十一万バーレルの膨大な原油をそこで処理して――いまでさえ重症といわれているのですよ。夜となく昼となく煙を出して、汚水を出して、この上よごれる心配がないのかというのが私の質問なんです。だいじょうぶならだいじょうぶと言うてください。十一万バーレルというのは、それで海がよごれなかったり空がよごれなかったら神わざですよ。こんなことができるはずがない。何ぼどういうぐあいに化学的な処理をするといったって、それは詭弁にひとしい。私どもはものすごくよごれると思っているのです。まあしかし、厚生省の立場でお答えをいただきたいと思います。
○橋本説明員 新聞に出ました重症というのは、どういう数字を使っておっしゃったのか知りませんが、全然よごれていないということはございません。先ほど申し上げましたように、四十一年度の調査で、ある場所で〇・五PPMのくせのある汚染が出る。それにつきましては、県と市と関電を呼びまして、ある場所の汚染のくせが出るのを直そうということも、関電の拡大計画とからめまして、実は条件をつけまして、それに対しては、関電は風向の変わるのにあわせて油を切りかえていく、これは全国でも初めてのケースだと思いますが、そういうふうな装置をくふうして、いまテストをいたしております。四十二年度の調査のマキシマムは〇・三ということで、〇・五は出なくなっております。そういう形で、汚染はまず横ばい程度ということでございまして、非常にきれいだとは申しておりませんが、現在私どもは、厚生省の生活環境審議会が答申いたしました生活環境基準のあのワクの中には、その地域は入っておるというぐあいに考えております。 いまおっしゃいました石油の汚染貢献度はどうかということでございますが、その点につきましては、県の公害審議会の中にいろいろ専門家が入っておりますし、汚染貢献度につきましては、通産省のほうも事前に調査されたことがございます。全然出ないかといわれますと、それは確かに出ますが、石油精製からの亜硫酸ガスの汚染貢献度というものは、一般にいわれているほど大きいものとは、私どもは考えておりません。これはコントロールできます。これにつきましては、土地利用計画で、もう少し部落との間をちゃんとする必要があるのではないかということを、県と市に言いまして、県と市が緩衝地帯計画を最初に持ってまいりましたときに、このやり方は少しまずいぞ、この点は少し直したらどうか、ということを指導しまして、それに従って、県、市の緩衝地帯計画は少し訂正をされております。そういうことで、私どもは、これに対して手を打てば、十分防げるものと考えております。
○三木(喜)委員 〇・五、六PPMということは、非常におそろしい数字です。重症ということがおわかりにならぬようですから申し上げますと、昭和四十一年度に開発整備地域の事前調査を行なった。その地域の中で、亜硫酸ガスは姫路が最高だった、浮遊ばいじんはそのうちの三番だった、ということが統計として出ておるわけです。これはどういうように調整をして形を直してみたところで、そういう事実があったのですから、その上に、十一万バーレルというと十一万だるですよ。大きなたるが十一万、昼となく夜となく一日にやられるのです。毎日毎日やられるわけなんですよ。そうしてよごれぬと言うことは、私は詭弁だと思うのですが、それは論議をやめましょう。そういうことを私はいう気持ちはないのですが、今後気をつけてください。 それから、中川さんにおいでいただいておりますから、私、結論に入りたいのですが、九日の石油審議会の総会ではクレームがついたように思うのです。それが新聞によっていろいろの書き方がしてあるのです。どういうクレームがついたのか、ひとつ中川さんのほうから明らかにしていただきたい。
○中川説明員 おととい、九日の石油審議会におきまして、私どもの今年度における、つまり四十六年度に稼働に入る石油精製所の特定設備の許可について、通産大臣からの諮問を受けた石油審議会の答申の審議があったわけでございます。出光興産の姫路製油所につきましては、間違いのないように申し上げますが、以下のような要望事項が答申に付記されることによって、十一万バーレルの製油所の許可をしてよろしいという答申が出たわけでございます。いま申しました要望事項を読み上げます。「出光興産姫路製油所については、当該特定設備の新設計画に関し、公害対策、漁業問題処理等、地元との調整に努めるものとすること。」
○三木(喜)委員 わかりました。これは一つのクレームと見てよろしいか。
○中川説明員 クレームということばが、私にはまた聞き方がいろいろあろうかと思いますが、先ほど御質問に対して、水産庁その他からお答えがありましたように、なお県民の一部に反対がある。私どもは、石油行政上の検討はもとよりのこと、公害対策に対しましても検討をした結果、適切というふうに審議会も認めたと思っておりますけれども、事実として、県民の一部になお反対がある、特に漁民の一部に強い反対があるということは、御指摘のとおりでございます。これを無視して建設を強行するというようなことは適当ではない、あくまで話し合いによって相互理解が得られるように、県、市、会社、当事者が努力するよう、審議会が希望をつけた、かように理解しております。
○三木(喜)委員 石油審議会は、このようなクレーム、注意書きというか要望をつけたことはいままでなかった、こう言うようにいわれておりますが、そのとおりですか。
○中川説明員 たとえば会社の内紛等がございまして、計画そのものは非常にりっぱだけれども、それを完遂するだけの実態が会社にあるかどうかということで、会社内の体制を固めた上で進めてもらいたいというような注文がついたことはございますが、公害案件の問題としては、非常に特殊なケースでございます。
○三木(喜)委員 このクレームによると、「特定設備の新設計画に関し、公害対策、漁業問題処理等、地元との調整に努めるものとすること。」こういうぐあいに文章はなっておりますから、これは一つのきめであることはわかるのですが、これだけでは抽象的で、具体的にどうすることかということがはっきりしないわけであります。また、地元との話し合いができたかどうかというのは、一体だれが判定するのかということです。もし満足にできていないときは、この決定を取り消すのかどうか、こういうことが疑問として残るわけなんです。やっておきなさい、はいやりました、それでけっこう、これではせっかくこれをクレームとして私たちは考え、また審議会委員がこういういままでになかったようなただし書きをつけたことが、これはもう一つのことばの上の遊戯にすぎないことになってしまうわけです。それを私たちはおそれるわけです。それを一体どこでだれがチェックするか、こういうことが一番問題でなければならぬと思うのですが、それについて、通産大臣がおられたら、私お答えいただきたいのですけれども、当面の中川さん、そのほか矢島立地公害部長もおいでになっておりますから、どちらでもよろしいです。お答えいただきたいと思います。
○中川説明員 これは石油審議会の答申でございますので、私、鉱山石炭局長で、処理の事務を相つとめることに相なります。したがって御答弁も私からいたしたほうがよろしいかと思いますが、審議会がいま読み上げましたような要望事項を答申に付記したということは、通産大臣に対しての石油審議会の意見でございます。したがって、私どもは大臣の部下といたしまして、審議会の意向を十分に尊重して行政をするということに相なるわけであります。先生御承知であろうかと思いますけれども、実態的な事務の運びがどういうことになるかと申しますと、出光興産からの許可申請は十五万バーレルということで出たわけでございます。先ほど申しましたように、私どもは石油行政上の観点からの検討が主体ではございますけれども、公害対策につきましても、所要の防除設備、それによって環境その他にどのような影響があるか、将来きめられるであろう環境基準まで念頭に置きまして、このチェックをいたしまして、許可してしかるべしという感じに相なっておるわけでございますが、実際問題として、十五万バーレルを、石油審議会では十一万バーレルということで査定をいたしておりますので、当然にこの答申を受けまして、申請者である出光興産は、十一万バーレルの申請書でつくり直して持ってくるわけであります。それが妥当なものであれば、私どもは許可をいたすわけでございますが、さらにこのような要望事項がついておりますので、いまの申請書をつくり直す過程におきましても、出光はもちろんのこと、県、市の理事者におきましても、一部非常に強い反対意見を持っておられる方々と、ひざを交えて話をしていただきたい。これは私どものほうから、この答申を受けた立場の行政部長として、それぞれ相伝えるわけでございます。またその話し合いが十分行なわれていないということがあれば、行なわれるまで、許可書を交付するということは、当然のこととして、遠慮申し上げなければならない。そこで、前段申しましたように、事務的には、大体許可を与えて差しつかえないものと、私どもを含めて、審議会も判断しておりますが、補償問題等は、いずれにいたしましても、ほかのケースにつきましても、いろいろと手間ひまのかかる事柄でございますし、その間に、技術的な問題、感情上の行き違いというものも含めまして、相なるべくは円満な話をつけてもらいたいと思いますし、つくはずだと私どもは存じておりますが、関係者の努力が足りないという場合には、私どもは許可を保留しておくことも必要である、こう考えております。また、さようなことには相ならないと思いますけれども、ただ反対のための反対ということによって話し合いがつかないということであれば、これは通産大臣として判断していただくよりしようがない、かように存じます。
○三木(喜)委員 非常にわかりやすく、具体的に御説明をいただいたわけですが、私たちよくわかりました。したがいまして、もしそうしたいまおっしゃるような規制がなかったならば、これは作文と化して、一つの見せかけになりますから、そういうことのないように十分配慮してもらいたいと思います。 それから、反対のための反対というようなことは絶対あり得ないわけなんです、みな生活がかかっておりますから。もう実際に石油製油の仕事が行なわれるのは三年、五年後ですから、そのときを見計ろうて、どうなるだろうかという想像に立っておりますから、お互いわからないところもあって、そして皆さんにお聞きしたり検討したりする段階はいたし方がない。いまおっしゃいましたように、地元との話し合いができないということになれば、あるいはそういう努力をしていないと見えるならば、それは許可を取りやめるというお話はなかったですけれども、見合わす、こういう強い決意があるということを聞いて、このクレームというものがほんとうのクレームだということを私は確認して、きょうは時間もおそいですから、この程度で質問を終わらしていただき、なおまた疑問が出た場合は、他の委員会においてでも、機会を見てお伺いしたいと思います。 きょうは、これで質問を終わらしていただきます。
○山崎委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後四時一分散会