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59回国会衆議院1968/10/09

災害対策特別委員会 第5号

発言数
235
登壇者
30
会派数
3
開催日
1968/10/09

会議録

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  本日は、台風第七号及び第十号並びに集中豪雨等による災害対策、及び台風第十六号による災害対策について調査を進めます。  まず、政府当局から、台風第十六号による被害状況及び対策の概要等について説明を聴取いたします。八木総理府総務副長官。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○八木説明員 台風十六号による被害の状況と、台風十号に関する政府の措置について御報告を申し上げます。  まず初めに、台風十六号による被害の状況について御報告を申し上げます。  台風十六号は、去る九月二十二日から二十三日にかけて沖繩諸島付近を北上し、同二十四日夜半には鹿児島県西部に上陸した後、二十五日には熱帯低気圧になりましたが、この台風により九州、四国、中国、近畿の各県にわたって次のような被害が発生いたしました。  一般被害は、十月一日現在、死者八名、負傷者七十名、家屋の全半壊三百六十棟、床上、床下浸水一万四千三百三十二棟であります。  また、施設関係等の被害は、公共土木施設等約百四億円、農地等約二十三億円、農作物等約百八十二億円、その他の農林関係施設等約二十二億円、その他約五億円、合計約三百三十六億円となっております。  なお、災害救助法の発動地域は、宮崎県、大分県、鹿児島県の二市二町一村であります。  政府といたしましては、これら災害救助法の適用をはじめ、各種応急対策を講ずるとともに、各省庁において各種災害関係法令等に基づく所定の措置を講ずる等、各般の災害対策につき万全の措置を講ずるよう努力しておるところであります。  また、同じくこの台風により沖繩地区には、琉球政府災害対策本部の取りまとめたところによりますと、次のような被害が発生いたしました。  一般被害は、死者五名、重軽傷者十九名、住家全半壊三千六百五十八戸、罹災者二万八千七百九十名に及んでおります。  被害額は、公共施設約九千五百万円、一般住宅約四億円、農作物約十二億四千四百万円、水産関係約四千万円、その他約八億二千八百万円、合計約二十七億七千万円となっております。  この台風第十六号の対策として、琉球政府は直ちに災害対策本部を設け、活動を開始し、九月二十五日には十カ市町村に災害救助法を発動して、被災者の救済と災害地の復旧対策に着手しました。政府といたしましては、総務長官が去る九月二十八日から三日間、各省の担当官を帯同して現地におもむき、被害の状況を直接視察し、また、アンガー高等弁務官及び松岡主席とも復旧対策について種々協議を行ない、琉球政府から応急仮設住宅、教科書等の応急援助、住宅再建のための資金、公共施設復旧費等の援助等について要請を受けました。政府は、今回の台風の規模及び被害状況から見て、昭和四十一年の第二宮古島台風の際に政府のとった措置に準じて救援を行なう方針であり、でき得る限り現地側の要望に沿って救援措置を急いでおる次第であります。  次に、去る八月下旬の台風第十号に関しまして、前回の当委員会で懸案となっておりました天災融資法の適用について御報告申し上げます。  政府は、台風第十号による農作物等の被害の状況にかんがみ、去る十月七日、政令第三百四号をもって、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法を適用することといたしたところであります。  以上、御報告いたします。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 この際、警察庁当局及び運輸省当局から発言を求められておりますので、これを許します。田村警察庁捜査第一課長。

田村宣明警察庁刑事局捜査第一課長

○田村説明員 飛騨川における観光バス転落事件の捜査について御報告をいたします。  去る八月十七日に発生いたしました岐阜県飛騨川における観光バス転落事件につきましては、岐阜県警察において、本件関係者について、業務上過失致死傷事件として刑事責任の有無を明らかにするという観点から、事件発生以来、捜査専従員約百名をもって、旅行主催者及びバス運転者関係、岡崎観光自動車株式会社の運行管理関係、道路管理関係、砂防及び治山関係、気象関係、警察の交通規制関係につきまして、関係者約五百名から詳細に事情を聴取するとともに、二十回にわたって現場の見分を行ない、また、学識経験者に対し、専門的見解を照会するなどして、慎重な捜査を行ないました。  その結果、本件関係者について、業務上過失致死傷罪の刑事責任を認めることは困難であるとの見解に達しました。  詳細はお手元の配付資料に記載してあるとおりでございますが、各項目について簡単に御説明を申し上げますと次のとおりでございます。  一、旅行主催者及びバス運転者関係につきましては、これらの者の措置について、出発に至るまで、犬山市出発のとき、出発直後雷雨の激しくなったとき、モーテル飛騨において旅行中止を決定したとき、帰路国鉄白川口駅前通過のとき、国鉄白川口駅南方一・五キロの土砂くずれ地点通過のとき、事故発生場所に到達した後、の各段階ごとに綿密な検討を加えましたが、刑事責任を問うべき過失等があったと認めることは困難であったのであります。  第二に、岡崎観光自動車株式会社の運行管理関係につきましては、運行管理者の平素における異常気象時の措置についての運転者に対する指導監督の状況、出発後における指示、指導の状況、出発後の気象状況の変化に対応する措置などにつきまして検討をいたしましたが、刑事責任を認めることは困難であったのであります。  第三に、道路管理関係につきましては、道路の設計、施工及び維持管理の面と、道路パトロール及び交通規制の面の両面について捜査を行なったのでありますが、いずれの面についても、これらの関係者に刑事責任を認めることはできないと考えられたのであります。  四番目に、砂防及び治山関係につきましては、保安林の指定、砂防地区の指定の問題を中心に検討をいたしましたが、現場の沢付近の地形、地質、過去の実情等から見まして、関係者に刑事責任を問うべき過失があるとは認められなかったのであります。  第五に、気象関係につきましては、気象通報の発表時期、内容、警報伝達の適否等について検討を行ないましたが、特に過失があったと認められるような状況はなかったのであります。  最後に、警察自身の問題といたしまして、警察の行ないました交通規制につきましても綿密な検討を加えましたが、この点についても過失として取り上げるものは認められなかったのでございます。  以上のような結果から、本件関係者について、業務上過失致死傷罪の刑事責任を認めることは困難であるという見解に達したのでございます。  以上であります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 次に、黒住運輸省自動車局長。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住説明員 飛騨川における観光バス転落事故にかかわります被害者救済措置につきまして御報告申し上げます。  ただいま警察当局から御報告がありましたような内容につきまして九月二十六日に発表がございました。その内容につきましては、事実関係並びに刑事上の責任関係につきまして述べられておるのでございますが、結論といたしましては、本件関係者につきまして、業務上過失致死傷罪の刑事責任を認めることは困難であると述べられております。  運輸省におきましては、捜査の結果を参考といたしまして、自賠法の適用につきまして、慎重に検討を進めてきたのでございますが、法律上の問題点がありますために、さらに法務省その他関係機関の見解を求めております。しかしながら、本件事故のような被害者救済につきましては、状況によりましては立法措置を講ずる必要があるとも考えられますので、この点につきましても関係各省との意見調整を進めている次第でございます。被害者の救済のめどをできるだけ早くつけるよう努力を払っておりますし、そのつもりでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 これにて説明は終わりました。     ─────────────

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  本日、台風第七号及び第十号並びに集中豪雨による災害対策に資するため、参考人として電源開発株式会社理事桑原進君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     ─────────────

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川村継義君。

川村継義日本社会党

○川村委員 いまの御説明についてちょっとお聞きしますが、運輸省の方から、いま被災者の救済措置についてということでお話があったので、何か前向きの具体的な措置が述べられるかと期待したけれども、お聞きしておりますと何もないということですね。いまあなたのおことばの中に、現行の自賠法は、これはもう警察の結論からいうと適用はむずかしい。そうなると、あの事故にあった百何人という方々は、現在はそのまま泣き寝入りをせなければならぬということですね。五十万くらいの保険はあるようだけれども、それについていろいろお話があったが、どう一体検討されるのか。新しい立法ができるまでこれはしようがないということですかね。立法ということになりますと、自賠法に手を加えるのか、新しい別個の法律をつくるというわけですか。その辺のところをもう少し聞かせてくれませんか。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住説明員 ただいま御報告を申し上げましたように、被害者の救済はぜひしなくちゃならない。被害者の救済をやります方法といたしましては、現在の自賠法を適用するか、あるいは適用が不可能な場合におきましては立法措置を講ずるというのが方法でございまして、まず前者、すなわち自賠法の適用をするかどうかでございますが、御承知のように、この法律は責任関係と保険の関係に分かれておりまして、その適用につきましては法律上いろいろ問題点がございますので、法務省等の関係機関の見解を求めて、すみやかに結論を出したいということで努力をしておるわけでございます。かりにこの現行法の適用が困難であるといたしました場合においては立法措置を要する。立法措置につきましては、これまた方法はいろいろあるわけでございまして、自賠法の中に保障事業というものを政府がやっておるわけでございますが、これはひき逃げでございますとか無保険者の場合におきまして、それらの車によりまして生命、身体を害された被害者を救済するという規定がございます。しかしながら、そのものずばりを適用することはできませんので、それらの改正の立法措置を考えるということでございます。要するに、ただいまの状況におきましては、一日も早く被害者の救済について、そのいろいろあります中の可能な方法を見出したい、こういうことで連日努力をしておるような次第でございまして、いま先生がおっしゃるようにどうなるかわからぬということではなくして、被害者を救済するということを目途に努力を重ねておる次第でございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 お気持ちはよくわかりますよ。しかし、いませっかくの非常に温情あるようなお話ではあるけれども、現行法ではどうにもならぬのじゃないかということがお話の中からはっきりするわけでですね。行政的に何かできる方法があるのですか。それは簡単にはいかぬでしょう。そうなると、やはりこれは法律改正ということになると次の国会を待たなければならぬ。これは被害者にとってはたいへん気の毒ですがね。法律改正が可能ならば、それはまあ追っかけてでも、お気の毒だけれども被災者にはある期間待ってもらわなければならぬ。行政的に何かやれることがあったら、それを明示することが被災者に対する救済の一番あたたかい方法ではないか、こう思うんですがね。どうも、お気持ちはなかなか温情あるおことばだけれども、いまのあなたのお話だけでは、これはいつになったらそれが実現するのか、ちょっとはっきりしないわけですね。もっと極端に言うなら、何だい、お先まっ暗じゃないか、こう言わざるを得なくなってくる。ひとつ、あの気の毒な災害を受けた方々のほうを向いて話をしてくれませんか。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住説明員 本件事故が起きまして以来、運輸省としましては、鋭意その事実関係等につきまして検討を進めてきたのでございますが、われわれの調査にはおのずから限界がございまして、警察の捜査の結果をお待ちした次第でございます。警察におかれましても、ただいま御説明がありましたように、非常に詳細に検討されまして、この九月二十六日に結論が発表されたわけでございます。われわれといたしましては、その結論を参考にいたしまして、一日も早く結論を出したいということで連日努力をいたしまして、去る四日の閣議におきましても、運輸大臣から関係大臣の意見等を聞かれたのでございまして、一日も早く結論を出したいということで努力を続けたわけでございます。現在におきましても一日も早く結論を出したいと思っております。  それから、方法といたしまして、自賠法の適用ができないということをいま決定しておるわけではございませんのでその法律を適用できれば、その法律の適用でもって救済したい、もしそれが法律上非常に困難であるとすれば、立法措置を講じたいということでございまして、被害者の保護ということを目的に鋭意検討を進めておる現状でございます。きょう現在では、どの方法を選ぶかということはまだ決定いたしておりませんが、すみやかに正しい方法を選びまして救済に当たりたいというわけでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 これはくどくお尋ねしてもしようがないようですが、この前の閣議でも、運輸大臣は自賠法の適用をやりたいというような御意思で、たしか閣議にお話をなさったはずです。ところが閣議でそれが結論が出なかったでしょう。ということは、現行自賠法そのものを当てはめようと、一日もすみやかにとおっしゃっても、非常に無理ではないか、こういうような感じがしますがね。それが皆さん方の解釈でできればいいと思うのですけれども、無理ではないかと思われてならない。そうなると、やはり早く検討されて、一日も早く何らかの方法で救済をする手だてを見出していただかぬとならぬのじゃないか。せっかくのお話で、これ以上押し問答しておってもどうにもならぬと思いますからひとつせっかく努力してください。一日もすみやかにというおことばをわれわれは期待して、お待ちしております。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住説明員 いま先生おっしゃいましたとおりの趣旨でもって進めるつもりでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 この際、八木副長官から、ただいまの問題に対して政府の見解を明らかにしてもらいます。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○八木説明員 いま自動車局長がお答えした範囲以上には出にくいのでありますが、御案内のとおり、その警察庁の最終的な判断というものを待って、政府としては自賠法をできるだけ適用したいという方針は閣議でも了承したわけでありますけれども、警察庁の判断を待って措置をするということでおりましたところ、警察庁のほうでは、先ほど報告のありましたような無過失であるということになってまいったわけでございます。その意味で、自動的に自賠法が適用されないことは川村先生御指摘のとおりでございます。しかし、いわゆる個人的な無過失ではあるけれども、法適用が可能であるかどうかということについて、実はいま運輸省と法務省の間で鋭意協議をいたしておるところでございまして、自動的には適用されないが、適用され得る可能性についていま究明しておるところであります。一日もすみやかにということはもっとものことでありますので、一日もすみやかにその結論が出るようにつとめたい。もしそこで自賠法適用が法的に不可能だという結論が出た場合には、次の措置として立法措置をひとつ考える、その意味において立法措置の準備をしておるということであります。どちらにいたしましても、この事故に対してあたたかい配慮をしなければならぬういう前提でもって、しかもお話しのように、一日もすみやかにということを念頭に置きながら努力をいたしておるところでありますので、いましばらく猶予を願いたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 池田清志君。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 台風十六号の鹿児島上陸の際、私は帰省中でございまして、これを体験したものであります。この問題に集中する形でお尋ねをいたします。  台風十六号は、宮古島を急襲いたしました後、北々東に進路を変えまして、鹿児島の串木野市に上陸をいたし、熊本、佐賀、長崎をかすめ、長崎から左Uターンいたしまして鹿児島に帰って熱帯低気圧になった、こういうものでございます。この間、南の島々、沖繩諸島、奄美諸島あるいは屋久島関係の諸島、甑島、長島等、あるいはまた天草島などなどの島を荒らしました後、さっき八木副長官から御報告のありましたように、九州、四国、中国、近畿等、広い地域にわたりまして被害を残し、三百三十六億円の被害である、こういうわけです。そのうち、さっき開会前に宮崎県と鹿児島県から陳情がありましたところによりますと、宮崎県では七十六億円、鹿児島県では百二十九億円、これを合計いたしますと二百五億円でありまして、被害総額の三分の二は南九州、鹿児島、宮崎であるということが明らかになっておるわけでありまして、いかに南九州の被害が激甚であったかということを証明するものだと思います。  鹿児島におきます十六号台風は雨がわりあい少なくて、風台風でございました。したがいまして、海の潮が本土の内陸部まで相当に吹いてまいりまして、そのために被害が起きておるようであります。農作物をはじめといたしまして、山々が茶褐色に変わっておる、こういう実情でございます。皆さんが御承知のあの有名な城山も茶褐色の山に変わっておる、こういうのが今日の現状であります。  こういうわけでありますから、これに対する施策を早急に進めなければなりません。もとより、政府は、先ほどの報告がありましたように、災害救助法の適用をはじめといたしまして、罹災者の方々に対する衣食住の世話を遅滞なくやられましたことはまことに感謝にたえません。そういう罹災者の方々が立ち直らなければなりません。復旧をしなければなりません。ここにおきまして、これらに対します対策を真剣に、しかも迅速に実行に移さなければならないわけです。そういう観点からいたしまして数項の点についてお尋ねをするわけです。  まず、政府の施策の根本となりますものは、災害の査定と災害の統計収集であります。いつもこれがおくれておりまして、災害対策が非常に時間がかかってから実行される、こういう事例が多いのでありますが、十六号台風に対します災害査定を早期に実施するということと、統計の収集を早くやるということを要求するものであります。このことについて、政府において行なっておられます現状及び将来における見通し、これをお示しを願います。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 お答えいたします。  鹿児島以下、ただいま御質問のありましたように、九州並びに中、四国に及びます非常に大きな被害でありますので、現在鋭意被害の統計については集計中でございます。そのほかに、あの関係地区に長雨被害が少しありますので、それとからめまして現在災害の統計を集計中でございますので、ふだんの災害よりもあるいは少しおくれぎみかとも思いますが、十月の中旬前後には集計を完了いたしたい、こう思っております。  それから、災害につきましては、農林省関係だけについてはいわゆる復旧工事の系統でございますが、応急復旧の点につきましては現在すでに担当官以下出回りまして、それに続いて災害査定のほうは引き続き実施いたしたい、こう思っております。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 災害の査定及び統計の収集を迅速にやってほしいという要望に対しましていまお答えがありましたから、そのとおりに必ず実施してもらいたいと思います。  十六号台風は、政府の御説明にもありましたように、また鹿児島、宮崎両県の陳情にもありましたように、農作物被害が非常に多いのであります。ことに私が目撃をいたしました鹿児島県においてはしかりであります。その原因は、さきにも指摘をいたしましたように、潮風による農作物の被害そのものであります。これに対しますいろいろな制度がありますが、それを順を追ってお尋ねをするわけです。簡単に申します。稲作と蚕繭については共済制度があるのでありますが、その概算金を早期に支払え、こういうことを要求いたしますが、これについてはどうでしょうか。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 今回の災害の稲並びに桑の共済関係でございますが、十月七日付で、すでに農林経済局長名をもって、十六号関係の被害の各県並びに農業共済組合連合会に対しまして、被害の著しい地区についてはすみやかに共済金または保険金の仮渡しを行なうよう督励いたしますとともに、国が払います再保険金の概算払いを必要とする場合には、農林省と十分連絡をとるように指示をいたしております。また、再保険金概算払いの要望のある、特に鹿児島県の農業共済組合連合会に対しましては、請求書の提出があり次第、すみやかに概算払いを行なうこととして、現在遺憾なきを期しておる次第でございます。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 いまの問題につきまして、農林当局は十月七日に中央の指令を出したというのでありますが、要は罹災の農家個々が早くその概算金を手に入れるように、末端の支払いも迅速であるように御指導を願っておきます。  果樹とお茶と桑、これの被害が相当多いのでありまして、これはもう被害を受けたからしかたがないということでは済まされないと思うのですよ。これはいままでの災害でほかにもいろいろ例のあることなんですが、従来農林省によってやってこられたこと、あるいはまたこれからどうしようと思うこと、そういうこと等ありましたら、お示しをいただきたい。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 カンショ、お茶等、あるいはこういう共済制度のない農作物につきましては、現在これも先ほどの米と一緒に統計調査部において調査中でありますが、本件につきましては、被害の状況に応じて、今後天災融資法の発動等によって経営資金の融資の措置を講じてまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 カンショの問題も取り上げられたのでありますが、鹿児島ではやはりカンショがおもな作物の一つでございます。宮崎も同様であるように伺うのでありますが、これに対する措置がいま申されておるような天災融資法等の措置だけで実行されて、よう足りるかというと、そうでないのですよ、カンショそのものについては。そこで、この問題については、カンショの価格を農林大臣がきめられるのでありますから、そういう際におきまして、この被害等を要素として相当考慮せられてカンショ価格を指示されんことをお願い申し上げておきます。  次に山林の問題です。これも潮風にやられまして山が茶褐色になっておるのでありますが、これに対するいわゆる救いの手というものはどういうことか。

木村晴吉林野庁指導部長

○木村説明員 いまお尋ねの山林被害につきましては、あとの復旧造林につきまして、補助の対象にいたしております。今回の災害につきましては、実態の調査の結果、早急にひとつ対処いたしたいと思っております。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 いま、農家が被害を受けました二、三の作目についてお尋ねをいたしたのでありますが、直接共済制度等のありまするものはそのほうで第一次的に共済ができるわけですけれども、その制度のないものについては、農林当局から御説明がありましたように、天災融資法等、融資の問題でお助けをする、こういう仕組みに進んでまいるわけです。そこで、農家に対しまする現在ありまする融資制度の二、三についてお尋ねをするわけです。  その一つは、天災融資法に基づく天災の指定と特別被害地域に指定する県、こういうのは現在のところどういうところが浮かんでおりますか。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 先ほど御答弁いたしましたように、現在災害の被害状況の調査を急いでおりますので、この被害状況の結果を待ちまして、こういった諸融資制度並びにその資金需要をにらみまして決定をいたしたい、こういうように思っております。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 十月中ごろにはその統計が集まる、こういうことでありまして、それを基礎にしていまの問題を編み出したい、こういうことであります。先ほど申し上げましたように、南九州、鹿児島、宮崎は相当の被害額でありますから、私の胸算用でいけば、天災融資法に基づく天災の指定をしていただいて、特別被害地域になる県だ、こう考えるのですが、いかがでしょうか。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 ただいままでの県からの御報告も非常に大きな被害が出ておりますし、農林省の関係官が現地におもむきましても、被害の大きいことは認めるのでありますが、被害の統計ということになりますと、数字できっちり出てまいります結果を待たないと確たることは申し上げにくいので、数字に基づいて、われわれとしては御要望に沿うよう努力いたしてまいりたいと思っております。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 ぜひそういうふうに御実行願います。  次は、自作農維持資金のワクを大きくするということです。これも毎回の災害にあることですが、十六号台風についてのこの問題はいかがでございましょうか。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 天災融資法のほうは、被害の実態に応じまして、いわゆる計数的に整理されれば当然に発動いたしてまいりたい、こう思っておりますが、自作農創設資金につきましても、これは今後天災融資法の発動と相並行しながら、その被害の状況並びに資金ワク、資金の需要に応じまして、各県と御相談してきめてまいりたい、こう思っております。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 ぜひそれもお願い申します。  次に、園芸農家等が特別の施設を持っておる、鉄骨のハウス等をやって農業をやっておる、こういう施設に対する貸し付け制度があります。これについて、十六号台風の関係でもこれをぜひ発動してほしいというわけでございまして、その際、貸し付け限度額を二十万から五十万に引き上げてくれ、こういう要望等もあるわけですが、この問題についてはどうですか。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 こういう施設園芸の系統につきましては、いわゆる公庫資金等の活用をいたしまして需要に即応してまいりたい、こう思っております。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 ぜひそれもお取り上げ方をお願いいたします。  次は、農業近代化資金のワクを広げるということ、据え置き期間を延ばすということ、そしてまた現在借りておりまする近代化資金の返済については償還を猶予すること、これについてはどうでしょう。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 近代化資金につきましては、現在これはもう先生方のほうが十分御存じと思いますが、非常に逼迫しておりまして、従来すでに各県の御要望がありまして、既貸し付けワクもきまっておりまして、ほとんど手持ちが本件につきましてはない。しかし何とか今後のやりくりによりまして、近代化資金のほうは少しでも御要望に沿うよう努力してまいりたい。ただいまのワクにつきましてはそういうことでございますが、返済等のことにつきましては今後なお検討してまいりたい、こう思っております。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 先ほど鹿児島県の陳情の中に、奄美大島、その島々のサトウキビが非常にやられたという特殊な発言がございました。全くそのとおりでございます。ですからこれも救済してもらわなければならないのでありますが、その救済のやり方としては特別なことはないかと思いますが、ここに申し上げまするのは、サトウキビの買い上げについて、最低生産者価格を決定される際に、この十六号台風の被害を考えてきめてほしい、こういうことを申し上げるわけです。いかがでしょう。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 もうすでにこれは御存じのように、サトウキビの原料価格の設定につきましては、いわゆる最低生産者価格と法律的にはいっておりますが、この砂糖の価格安定等に関する法律に基づきまして、パリティ価格を基準として、生産費及びその他経済事情を参酌して定めることになっておる次第でございます。したがって、被害のサトウキビについて、直接に特別の加算額を見るというふうなことは、結論としてはなかなかむずかしいのではなかろうか、こういうふうに思っておる次第でございます。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 いまの問題は、直接持っていくということは無理かもしれませんが、価格を決定される際に、被害を受けたのだ、いわゆる供給が減ったのだということを考えておきめ願いたい、こういうことをお願いしておきます。  農村関係がたいへん被害が多いわけでありまして、農家といたしましては何とか現金の入る仕事をしなければいかぬということになってくるわけです。これはもう言うまでもなく救農土木事業を興してほしい、こういう要望になるわけですが、この問題について農林省はいかがお考えでしょうか。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 現在の段階では、先ほど申し上げましたように、災害の状況等も十分掌握はいたしておりませんが、さしあたり現在応急復旧いたしておりますし、それから農業土木関係の災害復旧事業は急速に査定を終えまして、この冬場から来年の春にかけまして土木事業が盛んに行なえるように努力することによって、間接的ではありますが救農土木ができますようにいたしたい、こう思っております。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 救農土木事業、これはもとより関係市町村、都道府県、そういうところから起こってこなくちゃ中央でもどうこうということはないでしょうが、必ずや罹災地におきましてはそのことが具体的に起こって上申してまいりますから、必ずこれを取り上げて、救農土木事業が盛んに、しかも円満に行なわれますように処置されんことを要望しておきます。  次には、具体的被害についての復旧の問題ですが、出水干拓の防潮堤と農地がこわれました。これは国営の干拓事業であったわけです。それが今日農家に分譲せられて、稲ができております。ところが、今度の十六号の台風で防潮堤がこわされたために農地が荒らされてしまいました。その防潮堤と農地の復旧、これについて国がやってもらいたい、こういうことを私申し上げるわけですが、この問題についてはどうでございましょうか。

櫻井芳水農林省農地局建設部災害復旧課長

○櫻井説明員 お答えいたします。  まず、二十四日の十六号台風によりまして、ただいま先生御指摘のような、出水干拓の堤防に被害を生じたという報告がございましたので、直ちに九州農政局の係官を現地に派遣いたしまして調査を行ないました。被害の状況を申し上げますと、堤防の全面にさや石積みをやっておりますが、これが約千六百メートルにわたりまして、その天端に亀裂を生じました。そのほか、堤防の内部のほうの町有地の内堤の盛り土が三カ所ほど、高さ五十センチ、延長約百メートルほどが流失をいたしました。これは主堤防の被害ではございませんが、いずれにいたしましても、これらの復旧につきましては、復旧計画書の作成を待ってすみやかに査定を行ないまして、直轄災害復旧事業として処理したい、こういう方針であります。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 ぜひ直轄でお直しを願いたいと思います。  次には、鹿児島空港が、十六号台風で堤防がこわされまして、相当の被害を受けております。鹿児島空港は、御承知の方もいらっしゃいましょうが、今度十三塚原に大型空港をつくる、こういうことになっておりまして、建設交換という形でありまするから、いずれ鹿児島空港そのものは十三塚原の大型空港に移る、こういう運命にあるところです。ですから、もし当局において、この空港が被害を受けて破壊いたしましても、もうやがて命がなくなるんだから、その災害復旧はおろそかにしていいなんというようなお考え方ですと、これはけしからぬですよ。そういうことのないように、完全に復旧してもらうように、そしてまた、できるならばいわゆる改良復旧してもらうようにしてもらいたいのですが、いかがですか。

平出啓見運輸省航空局飛行場部建設課長

○平出説明員 鹿児島空港の復旧につきましては、すでに調査を終えまして、大蔵省に予算要求をいたしております。できるだけ御趣旨に沿うようにいたしたいと思います。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 鹿児島空港を完全に早く復旧してください。  次に、毎度の災害のたびに問題になりますことを四項目お尋ねいたします。  その一つは国税の減免の問題です。いかがですか。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 池田さんに申し上げますが、まだ担当官が来ていませんので、その点は保留しておいてもらって、出席を待って質問をしてもらいたいと思います。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 次もまた、いままでも例のあることでありますから、特別交付税の増額につき、特別の措置をしてほしいのです。十六号台風で被害を受けました市町村、都道府県、これに特交を渡してほしい、こういうわけですが、いかがです。

角田直方自治大臣官房調査官

○角田説明員 お答えを申し上げます。  お尋ねは特別交付税のことでございましたが、まず普通交付税のことでこの際申し上げておきたいと思います。今回の被災町村分につきまして、当面の災害に対します町村の資金事情が悪化するのを防ぎますために、十一月交付分の普通交付税を繰り上げ交付できるように、現在鋭意努力中でございます。大体十五日交付を目途にいま進めておりますので、御了承願いたいと思います。  それから特別交付税の関係になりますが、これは私のほうで、従来省令によって災害町村、災害府県に、一定のルールに従いまして交付をいたしております。ただこの算定のしかにつきましては、いろいろ問題もあろうかと思いますので、十分配慮してまいりたいと思っております。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 いろいろな対策を実行してもらわなければなりません。ところが、ここにお尋ねをいたしまするのは、台風常襲地帯法という法律を持っておるわけでです。鹿児島のごときは台風銀座と呼ばれるようなわけでありまして、台風のよく来るようなところの議員たちが一生懸命になりましてできた法律であります。今回の十六号台風に対する対策と台風常襲地帯法の適用の関係いかん、こういうことをお尋ねするわけであります。

島村忠男経済企画庁総合開発局参事官

○島村説明員 企画庁におきまして、台風常襲地帯の特別措置法を所管いたしておりますけれども、この法律は、先生も御案内のように、災害防除のための公共施設の整備を計画的にはかるという法律でございまして、災害復旧そのものには何ら触れておらない法律でございます。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 これは現在法律がありますし、生きておる。それを活用してもらわなければいかぬわけで、災害の予防とかあるいは防除とかいうことでありましょうけれども、予防なら予防、それに積極的に活用願いたい、そういうことです。なお検討してくださるようお願いしておきます。

島村忠男経済企画庁総合開発局参事官

○島村説明員 この法律が三十三年にできまして、三十八年に第二回の五カ年計画をつくるかどうかという問題があったわけでございますが、ちょうど各省庁からも相当長期の計画がそれぞれ出されておった時期でございまして、個別的な個所を示した計画をつくるというよりもむしろ全体としての、総シェアを増加するというほうがよろしいのではないかというふうなことがございまして、これは審議会の御意見も十分調整いたしました結果、五カ年計画をつくらないことになっております。ただし、その場合に、総理府の告示が出ておりまして、河川、消防、治山、治水とかいった面の諸事情を考慮し、各省庁がそれぞれ責任をもって法律の趣旨を体して執行するようにということで、現在つくられておるわけでございます。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 いまの説明を聞くと訓示規定みたいなかっこうですが、実質的にこれを働かしてもらわなければいかぬわけですよ。災害の予防は予防でよろしいですから、そこにうんと力を入れてやるということを実行するように、ひとつ前向きで進めてもらいたいと思います。

島村忠男経済企画庁総合開発局参事官

○島村説明員 ただいまの点でございますが、計画がそういった事情でできてはおりませんけれども、事業は、政府といたしましては相当伸びておるというふうに見ておるわけでございまして、たとえば数字をあげてみますと、三十三年、法律ができたときでございますが、それから三十七年までの間に、全国比でございますが、台風常襲地帯に対しまして二一・七%というものが投入されております。またその後引き続きまして三十八年から四十二年まで見ましても、二三・五%というふうに上昇いたしておりまして、各省庁ともそれぞれ十分配慮していただいておるというわけでございます。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 またさらに前進するようにお願いいたします。  八木副長官の御報告で、十六号台風の被害総額は三百三十六億円ということでございました。この数字だけを基礎にいたしますと、激甚災害法の適用の有資格じゃないか、こう思うのですがいかがでしょう。われわれといたしましては激甚法を適用してほしい、こういうことを要望するわけですが、これについてのお考えはいかがですか。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○八木説明員 いま直ちに激甚法の見通しをこの際述べるということは、ちょっと時期尚早ではないかと思うのです。非常に甚大な被害があるということはもう承知いたしておりますが、数字が、先ほど三百三十六億と申し上げましたけれども、県報告の集計にとどまっておりまして、ただいま現在それぞれ係官が行って査定を進めておるところでございますので、しばらく猶予を願わないと、転率にものを言いましてあとでなにしてもいけませんので、もうしばらくお待ち願いたいと思います。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 統計を精査されまして、必ず適用を見るようにひとつお願いを申し上げておきます。  なお、基準の問題に入ったのでありますが、私どものこの委員会においても各委員から、激甚地の指定というものを広範囲の被害だけでなく、もっと狭い地域についてやるようにせよということを主張しております。私も、えびの・吉松地震のときにもそういう主張をいたしまして、市町村単位で被害の状況を見て激甚指定ができるようにすることはできないかというような質問もした覚えを持っております。これらに対しまして、佐藤総理をはじめといたしまして、政府は、激甚法の適用と同じような措置をする、こういうことであるわけでありますけれども、やはりわれわれは満足をいたしません。現地の方々はなおさらでございます。つまり、いわれておりまする局地に対する激甚指定の基準を改めるべきである、こういう問題になってくるわけでありますが、これはもう先般来政府は御検討願っておるわけでありますから、この席においてそのお腹がまえと御方針を明らかにしていただきたいと思います。  なお、この問題は渡辺委員が詳しく研究しておられまするから、このあと渡辺委員にリレーをいたしまして、私はこれで終わります。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○八木説明員 かねて局地激甚につきまして皆さんに格別な御心配をかけておりますし、政府といたしましても局地激甚対策について前向きの検討をするというお約束をしてまいりました。ようやくにして、たいへんおそくなって申しわけないのでありますけれども、いま池田先生からお話しのありました、市町村を単位にしいたしました局地激甚に対する新しい方策というものについて、政府としての大体の方向だけが明らかになりましたので、その方向について御報告申し上げて御了解をいただきたいと思うのであります。  問題は、局地激甚について基準改定をやるか、あるいは法改正をやるか、あるいは新立法をするか、こういうことで、ずいぶんと皆さんとの御相談もいたしたわけでありますが、結果、いまのところ新基準をつくるということで、いわゆる激甚災害法の中の新基準を政令によってつくるということで御要請にこたえるようにいたしたいということで、意見の一致を見ておるわけでございます。  それは、対象といたしましては市町村を対象にいたします。それから被害のほうにつきましては、公共土木施設の災害復旧、農地、農業用施設の災害復旧、及び被災中小企業者に対する資金の融資、その三つについて新しい基準をつくって、激甚法と同じ高率補助が与えられるような、そういう方途で進みたい、こういうことであります。  その場合に、公共土木施設については、被害額は何を対象にして指定するかということになってまいりますが、いまのところ、大体基準財政収入額、あるいは都合によって基準財政需要額というものになるかもわかりませんが、どちらにいたしましても、基準財政収入額ないし基準財政需要額というものと被害額との対比で、何%以上の被害があった場合には局地激甚の対象にする、こういうような考え方でパーセンテージの検討をいま大蔵省と建設省との間でやってもらっておる、こういうところであります。  それからもう一つ、農地、農業用施設の災害につきましては、その市町村の農業収入というものと被害額との対比でどのようなパーセンテージにするか、これは農林省と大蔵省との間で詰めてもらっておる段階であります。  なお、中小企業に対する資金融資につきましては、これまた通産省と大蔵省との間で詰めておるところでございます。  方向といたしまして、いま申しましたように、局地激甚という新しい柱を立てるということは固まりましたが、その内容については、いましばらく時をかしていただきたい。私たちの気持といたしましては、政令事項でございますから、できるだけすみやかにこれが実現するようにつとめたいと思っておりますが、おそくとも次の臨時国会までにその結論を得るようにいたしたいということで、鋭意作業を進めておりますので、一そうのひとつ御協力のほどをお願いいたしたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 委員長から申し上げますが、ただいま八木副長官から説明のありました局地激甚の問題については、当委員会としても懸案事項でありますので、この際、この件に関して委員各位から質疑をお願いいたします。  渡辺栄一君。

渡辺栄一自由民主党

○渡辺(栄)委員 ただいま八木副長官から、基準改定、新基準を設けまして、立法によらないでも市町村単位の激甚災害を救う道を開く、そういう御方針を解明されたのであります。私どもはかねて、いわゆる局地ではあるが相当な激甚災害でございましても、それが広範囲でないために激甚災害の恩恵に浴することができないということのために、今日までいろいろな問題を残してまいりまして、強くお願いもしてまいりましたし、また最近におきましては必要であれば立法措置を講じてでもこの解決をいたしたいという、委員会は一致した気持を持って進んでまいったわけであります。同時にまた、従来の被災地等におきましても強い御要望のある問題でありまして、局地激甚の問題は、まさにこれは天の声であると考えておるのでありますが、ただいま英断をもって、法律をもって定めなくても、基準の政令によりましてこれを実施するという方向をお話しいただきましたことは、私ども非常に敬意を表しておる次第でございます。ただ問題は、まだ方針がはっきりしただけでございまして、内容については御検討をいただく段階でございますから、いろいろ申し上げるのは無理だろうと思いますが、この機会に、その段階においてぜひ御考慮をいただきたいことにつきまして二、三申し上げたいと思いますので、ぜひひとつ御配慮いただきたいと思っております。  またいろいろ同僚議員からも補足の御質問があると思いますが、まず第一番に私どもの考えておりますことは、現在の激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律、これを局地の災害にも適用したい、これが基本的な考え方でございますので、この点をぜひひとつあらためて御認識の上で御措置がいただきたいと思います。  そこで私どもは、市町村を単位といたしましてその基準をお定めいただくことは、それ以外に方法はないであろうと考えておるのでございますが、問題の一つは、その災害の被害額を一体何によって査定をしようとしておいでになるのか、この点をまず承りたいと思います。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○八木説明員 前段で申されました今回の措置につきましては、いわゆる激甚法をそのままその条項の中でやるわけでございますから、御指摘のとおり、その精神がそのまま生かされる、このように御理解をいただきたいと思います。  それから、その災害の実態については、これはやはりいままでと同じことでございますので、査定額というものを基礎にしてやるということになります。

渡辺栄一自由民主党

○渡辺(栄)委員 私もそういうことであろうと思いますが、ただ、ここではっきりしておきたいと思いますことは、実際に局地激甚の実態を精査してみますと、いわゆる災害の査定にのぼってまいらない非常な小災害あるいは単独災害というようなものが相当多いように思うわけでございますし、実際問題といたしましては、そういうところに、小範囲ではあるが激甚災を受けました地方団体の現実に解決できない、いわゆる隘路が残っておるのではないかと私は思っておるわけでございます。そういう点を十分御考慮の上で、ただいまのような基準を当てはめていただきたい。これは特にお願いをいたしておきたいと思います。  それからもう一点は、ただいま公共土木と農地、農業用施設、中小企業への融資というような問題をお話しになったのでありますが、最近の局地激甚等の例を見ますと、やはり林道等も当然相当な被害が出ておるように私は思います。同時にまた、中小災害等につきましてもお考えいただけるものと思っておりますが、ただいまお話しの三項目の中には入っておりませんので、先ほど申しましたような全項目にわたって、われわれの希望といたしましては今後お考えを願いたいと思うものでございます。  もう一つは、従来の非常な悩みでございましたのは、各災害によってそれぞれ単独立法してこられました経韓もございますが、三十七年のいわゆる激甚法によりまして、非常なワクにはめられまして、これにはまる場合とはまらない場合、オール・オア・ナッシングという形でいっておりまして、ここに現実には非常に困った問題が生じてきたのではないかと思っております。したがいまして、今回基準を設定されまして、せっかくこういう前向きの政策をお進めいただきます場合に、こういう点につきまして、非常にむずかしい問題ではあると思いますけれども、ひとつある程度現実に即しました適切なる措置がとれる方向で十分御配慮をお願いいたしたい、こういうことを考えております。この点はぜひひとつお願いをしたいと思いますが、いかがでございますか。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○八木説明員 最初の、いままで査定漏れになっておるような小災害というものについても配慮をしろということでございますが、全く同感でございます。局地激甚でございますから、その局地における査定につきましては十分目の届くことでございますので、それらについては十分考慮さすようにいたしたい、こう思います。  それから、林道も入れろというお話でございましたが、当然入ることになっております。  もう一つ、いわゆる市町村を単位にして、その基準のもとに激甚の指定をするということでありますから、御心配のように、一つの町村は入ったが隣の町村が入らぬといったような場合が起こり得る。片方はセーフであるが、片一方はアウトである、こういうことについてはどうかというようなことであると思いますが、今回の市町村激甚法というものをつくる場合には、前の雪の問題などにもありましたように、基準のきめ方いかんによってまた睡眠立法になる、そういう基準になるおそれがあるわけでございますから、私たちといたしましては、これから大蔵省と十分に討議をするわけでありますけれども、いままでのいわゆる激甚災の市町村被害と、それから基準財政収入額といいますか、そういうものとの対比というものを十分やらせまして、現実にいままで措置されておったようなことは、今回の場合には単独町村についても措置できるように、過去のデータというものを十分調べて、手の届かぬようなものをしたのでは意味がないわけでありますから、そこのところはあまねく均てんができるようにひとつ配慮をいたしたいという心組みで、大蔵省側と最終的に折衝をしたい、こういうように考えております。

渡辺栄一自由民主党

○渡辺(栄)委員 非常に御心配をいただいておるように拝聴いたしますので、私ども当局を信用してまいりたいと思いますが、あと具体的な問題につきましては、御検討いただく段階で順次また御要望申し上げてまいりたいと思いますので、お願いいたしたいと思います。  そこで、この基準改定を国会前におきめをいただきました場合に、私どもは少なくとも昭和四十三年度の災害には遡及効果がある、これは適用がいただけるという解釈をしておりますが、そういうふうでよろしゅうございますか。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○八木説明員 その心組みでございます。

渡辺栄一自由民主党

○渡辺(栄)委員 ただいまの適用期間の問題ですが、もう少しはっきりしていただきたい。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○八木説明員 おわかりのことだと思いましたから申し上げませんでしたが、年災でございますから一月からということであります。

渡辺栄一自由民主党

○渡辺(栄)委員 なお、いまオール・オア・ナッシングの問題につきましても、副長官からは十分考えていただけるような御発言がございましたので、それで私どもは期待をいたしたいと思っておりますが、この機会に一つだけ自治省からもお伺いしておきたいと思います。  現実にこういう問題をやってまいります場合に、最終的には起債、もう一つは特別交付税というものによって処理をしなければならぬということが起きてくるだろうと私は思うのでありますが、そういう場合に、いわゆる特別交付税というのは一つの基準によって災害は計算をされておるように思うわけであります。しかし今回政府に、こういう市町村の局地に対しても激甚に対しましては手厚い措置をとるという方向をきめていただいたのでございますから、そういう意味におきまする市町村の、いわゆる財政的なあと始末といいますか、措置をする場合においては、さらに従来の考え方に上積みをしたところの特交に対する配慮というものも当然これはお考えいただけるものと私は思っておりますが、この機会に自治省の御見解を承っておきたいと思います。  それからもう一つ、これは現実に今回直ちに活用されるのもあるかと存じますが、各省におかれましては、競輪あるいはまた競馬等についても、災害によりまして地方団体の財政上いろいろ必要がある場合においては、その回数もひとつ認めていこうではないか、こういうふうの方向を私どもは大体承っておるわけでございますが、当然、地方の財政問題にもからんでまいりますので、自治省のほうにおいて理解のある見解が表明されないと、これは実現がむずかしいと思うのであります。こういう点、農林省、通産省においても相当理解のある態度でお臨みが願えるというふうに私は解釈をしておりますが、自治省のほうにおかれましても、これは特に地方財政のお世話を願っておるわけですから、私どもは当然お考え願えると思ってはおるわけでございますけれども、この機会にひとつあたたかい御見解をお聞きいたしたい。

角田直方自治大臣官房調査官

○角田説明員 お答え申し上げます。  第一点の、局地激甚の災害が指定されました場合に、最終的にそれを起債、特交でどのように受けとめていくかというお尋ねでございます。副長官のほうからもお話がございましたように、まだ内部の議論でございますので、ここで公に申し上げる段階ではないとは思いますが、あえて私の意見を申し上げさせていただきますならば、御承知のように、激甚法の中には例の小災害債の規定がございます。それから、対策基本法のほうには歳入欠陥債という問題がございます。したがって、これらの規定をどのように動かしていくか、今後の研究課題ではございます。したがいまして、私のほうではこれは前向きに検討してまいりたいということで研究に入っておる段階でございます。  なお、これ以外の、いわゆる単独災害復旧事業あるいはその他の一般財源の欠陥に対する特交措置の問題でございますが、これは私ども、程度がどのようになりますかによりまして対策を立てなければならぬわけでございますので、いまここで申し上げることは差し控えさしていただきたい。ただ、新しい、市町村に対する援助措置でございますので、十分この意図を実現できるように対処してまいりたい、こう考えております。  それから、競輪。競馬の関係でございます。競輪のほうは、私どものほうに直接関係はないようでございますけれども、競馬の開催については、私のほうと農林省といろいろ打ち合わせをいたしまして、開催町村、開催回数等について協議をしておるようでございます。従来から、被災町村に対しまして競馬収入を財源に持っていくことはどうかということは、検討項目にいたしておるわけでございまして、まだ実は的確な結論を得ておらないという段階でございます。ただ、先生も御指摘のように、今回の被災町村が競馬を開催するについてはどうかというお尋ねでございますれば、私ども、十分考えてまいりたい、こう思っております。

渡辺栄一自由民主党

○渡辺(栄)委員 まだ、いろいろ具体的な問題に入りますと、お願をしたり、御見解をお聞きしなければならぬことがございますが、現在、まだ方向をおきめになった程度でございますので、私ども、本日はこの程度にいたしまして、あとは、具体的に基準をおきめになる段階で強く御要望してまいりたいと思いますし、当初に申し上げましたように、このいわゆる激甚法そのものが市町村の激甚災害には当てはまるというような気持ちでわれわれ進んでおりますから、そういう方向でひとつ基準を設けられますことを強く要望いたしまして、私の質問を一応終わることにいたします。ありがとうございました。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 川村継義君。

川村継義日本社会党

○川村委員 副長官、私もちょっと関連してもう少しお聞きしておきたいのです。この段階でいろいろこまかなことをお聞きするのはどうかということは、私も注意しますけれども、せっかく前向きで非常に御努力いただいて、新しい激甚災害に対処する指定基準をおつくりいただくということで、たいへん敬意を表します。ずいぶん御苦労いただいたことだと思いますが、先ほどお話がございましたように、私が申し上げるまでもないことですけれども、この指定基準は、現行でいけば国家的規模から見た基準がある。それから、都道府県単位で考える基準がある、こういうことでございましたね。それに、今度は新しく市町村を単位とする基準を一つ設けよう、こういうことであります。その市町村を単位とする基準を設けようというときに、先ほど副長官は、査定額と、こう簡単におっしゃったようにお聞きしたのですが、その点をもう少し聞かせておいていただきたい、現在お持ちの考え方をね。というのは、市町村を単位とする基準をつくるときに、たとえば大きな局地的災害があって、災害救助法が発動された場合には、当然それは市町村の指定基準に該当するものだというようになるのか、そういうものを一つのものさしとしてお考えになっておるのか、あるいは、査定額とおっしゃったのだけれども、やはり市町村の基準財政収入額というものと見合っていった場合に、基準財政収入額に対してどれくらいの被害というものを考えた市町村の指定基準というものが生まれるのか、ものさしが当てはめられるのか。いろいろそのほかにも考えられると思いますけれども、そういう点について、現在お考えになっておる基準の内容に盛り込もうとなさっておる考え方、それをもっとこの際聞かせておいていただきたいと思うのですがね。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○八木説明員 詳細は、まだ素案中の素案の域を出ておりませんので、十分そこのところは関係各省と大蔵省とが詰めてもらうということにいたしておりますが、考え方の中には、前段でお話がありましたように、災害救助法が発動されたら自動的にこの激甚災指定が受けられるといったようなシステムではなくて、やはり市町村財政というものと被害額との対比において、何%以上の被害があった場合には自動的にこの激甚災の高率補助を適用するんだ、そういう形に持っていきたいという考え方でございます。実は最初には、災害救助法が発動されたら自動的にいくようにしたらどうであろうかということも一つ焦点の中にはあったのですけれども。まあ災害救助法というのは主として人命を中心にしてやるということである。人命がそこなわれるようなところは、その他一般の被害も大きいというふうに言えるかもしれませんけれども、必ずしもそうではない場合もあるわけでありますので、災害救助法とは直接連関をしないで、いま言った被害の実態額というならば、その公共事業については、いまのところ基準財政収入額と見ています。最初は、標準税収入でいったらどうかと言っておったのですけれども、標準税収入よりも基準財政収入額のほうがより正確ではなかろうかということで、まだここのところは十分大蔵省と建設省を中心にひとつ討議してもらわなければなりませんが、私と大蔵省側との話のところでは、大体基準財政収入額というものと災害額というものとの対比の上において、そのパーセンテージが何ぼ以上の場合には自動的に激甚災とする、こういうふうなやり方でやりたい、こういう気持ちでございます。  農地並びに農業施設の場合にはそれじゃどういうふうな取り方をするのかというのは、また別途の観点に立つと思います。ここらは農林省当局のほうでも、その市町村のいわゆる農業の総生産あるいは農業所得というものの把握と被害額というものとの対比の場合に、その市町村の農業の総所得というものの把握が的確にやれるかやれないかといったことに、まだ技術的な困難性があると思いますけれども、不可能ではないということで、そこらを基礎にしてやろうということで、かなりまだ流動的でございます。  問題は、基礎のほうが動いたのでは、被害額のほうがどんなに的確につかまれてもその公正を期せないということになりますから、基礎をひとつしっかりしたものにして、そうして被害額との対比の上でやれるというふうにしなければならぬと思います。そこらのところは純技術的、事務的にもう少し討議をさしていただきたいと思います。それが、考え方がよくても実行面において完ぺきを期せられにくいというようなことになりますと、あるいはやり方を変えなければならぬというような場合も出てくるかもわかりませんが、とにかく基本的な話だけをいま詰めただけのことでございますので、具体的に話が煮詰まる段階で、またその段階にくればあれも入れろ、これも考えろというようなことの、皆さんのお考えが出てくるかと思いますが、せっかくつくる基準というものが、先ほど言いましたように、生きた基準にならなければならないと思いますので、その基準をつくるにつきましては十分皆さんの意図も体して、国会の意思も反映しながら、立案そのものの段階でも十分心してやってまいりたい、このように考えております。

川村継義日本社会党

○川村委員 よくわかりました。この際ひとつお願いなんですが、先ほどお話しのように、これが基準に該当したらば政令が発動されることになりましょう。その場合に、公共土木関係、もう一つは農地、農業用施設関係、それから中小企業関係等をお話しになっておりました。この際、市町村という単位になりますと、社会教育施設とか、もっと言うなら私立学校、こういうものが非常に大きな負担にもなってまいりますから、こういうのもひとつよくあわせて御検討おきをいただきたい。これはあとからの注文になるかもしれませんが、そういう点をひとつこの際あわせて要望しておきたいと思うのです。要望です。もうお答えは聞きません。  そこで、あわせてちょっとお聞きしておきますが、今度の十六号台風について、さっき副長官は、現行の基準等でいったら、それはちょっと激甚災に当てはめられるかどうか、まだ言うべき段階じゃないというようなお話がありましたが、今日までことしの災害を見ましても、十勝沖の災害が一部適用になっておる。ところがこの前の十号もこれは激甚災になっていない、もちろんえびのもまだなっていない、こういうことです。そこで私は、ひとつこの際お考えいただいてお答えいただきたいと思うのは、昭和四十年に、御承知のとおりに六月の十九日から二十一日まで引き続いた豪雨、それから六月二十八日から七月二十三日、一カ月以上です、その豪雨については、これを一つの激甚災害として指定されておるのですね。この豪雨はずいぶん長いのです。同じ年に台風二十三号、台風二十四号、台風二十五号、これをやはり激甚災害として指定をされておるのですね。これはそのときに指定をされた理由というものもひとつお聞かせいただかなければなりませんが、同様な考え方に立てば、十号、十六号、あるいはもっと前の七号も合わせていいと思いますが、これは一本にしたら激甚災害として指定できるのではないか、こう考えるのですが、これは副長官、いかがですか。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○八木説明員 お気持ちは全くよくわかるのですけれども、前回やりましたときには、大体被災地域が重複をしておる、それからまた被災個所の災害が分離できがたいというようなことを理由にして、あれはいわゆる一括指定をしたというような経緯であったと思うのです。そういう一つの前例がありますから、今回の場合も、そういうような重複であるとか分離しがたいとかいったような、そういうところが部分的に出るのではないかと思います。そういうところは、前回に準ずる措置というものは当然考慮の中に入れられてしかるべきだと思うのでありますが、原則的にはその発生原因というものを中心にして査定をするということでございますので、いま直ちに今回の分について全部一緒にすることをお約束ができるかどうかにつきましては、前回の理由というものと対比の上で、同じような条件であれば当然考慮されることになってまいると思いますが、いまのところそのことについて的確に、これを一緒にして激甚災に指定しますといったような、前向きで答弁したいところでありますけれども、そこまで一気には言いにくい。もう少し調査をさせていただいて、前回の例にならえるものであるかどうか、十分に検討を加えた上で結論を出したい、このように考えます。

川村継義日本社会党

○川村委員 気象庁、おられますか。――ちょっとお聞きしますが、昭和四十年の六月から七月にわたる豪雨、それから台風二十三号、二十四号、二十五号について、いませっかく副長官から御答弁がありましたけれども、ちょっと指定された理由が違うと思うのです。あのときにはいろいろ問題があって、これも非常に難航したのです。しかし、気象上の梅雨前線の動きを中心として、実は気象条件を同一と考えて指定された根本があったと思うのです。そうでしたね。今度の場合、台風十号と十六号とは、この間のいわゆる前線等の気象上から見て全く別々のものか、ずっと関連があるのか、ちょっと話してください。

北岡龍海気象庁予報部長

○北岡説明員 お答えいたします。  四十年のころの指定につきまして、いま私経緯を十分悉知しておりませんので、確たる御答弁はできないのが残念ですが、この問題については先ほど八木副長官のお答えしたと同じような考え方を私は持っております。かりに川村先生のおっしゃられたような、その当時のことが、梅雨前線の動きを一連の問題として気象庁も一応納得したということでありますれば、それに今度の十号、十六号が該当するかといわれますと、これはもうちょっとよく検討しなくてはいけないとは思いますけれども、若干非常にむずかしいのじゃないかというふうな感じでございます。一応きょうはそれでごかんべん願います。

川村継義日本社会党

○川村委員 どうも答弁がちょっとおかしいようですが、それは四十年の場合の台風二十三号、二十四号、二十五号を一つの激甚災として指定をした、それから六月から七月にわたる長い間の豪雨――豪雨といっても、一カ月以上降り続いたわけじゃないですよ。ばっと降った、その次また二日降った、それを合わせて激甚として指定しておる。気象上の関係からこれをもっと明確にお答えしていただけるように調べてください。あの場合にも、これは別なんじゃ、こんなものはできるか、というようなことでありましたけれども、これは国民の要望あるいは国会の意思等を尊重されて、いわゆる一つの気象条件のもとにこれらがあったということを基準として、あのときは指定をなされた、こういうことを強く記憶しております。そうなると、今度の十号、十六号はむずかしいということばが出ておりますけれども、あなたのほうがいろいろ発表されておるあれやら前線の動き等を見ると、何も別に全く違ったものじゃない。やはり前線等をもとに台風あるいは集中豪雨があっていますからね。そういうものを考えると、私は前例に顧みて可能なんだ、こう思うのですよ。ここでそうしますということは、とても八木副長官だってお答えいただけないと思いますが、これは指定基準が、市町村単位の基準ができ上がるなれば、必ずこれは大きな被害を受けたところは該当すると思いますけれども、それができないまでも、十月中、十一月中にあるいはそういう点を検討いただけば、激甚災としてあわせてこれは指定ができるのではないか、こう考えられます。ひとつ十分その辺のところを再度検討してお答えいただきたいと思います。副長官、どうぞひとつそういう前例の根本になったものを検討いただいて、現行法でも、現行基準でも、十号、十六号等を合わせると激甚災として指定ができるという理由でも見出していただいてお答えいただきたいと思うのですがね。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○八木説明員 前例を十分に調べまして、今回の実態もよく調査をいたしまして、あとでまた御返答申し上げるようにいたしたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 小沢貞孝君。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 先ほどの、局地激甚災害について市町村単位に前向きに進めていきたい、こういう政府の発言を、私はたいへん前向きで、実は感謝を申し上げるわけです。これはこの前の委員会かと思いましたが、委員長からもこの問題については強く要望があって、そのときの質問に私はこういうようにやったわけです。一カ町村が全滅のごとくやられたとするならば、その町村の基準財政収入額、こういうものの倍だとか同額だとか、そういうことだけを基準にすれば一カ町村の災害について適用できるんではないか、こういうことを基準にしたらどうか、こういうように申し上げて、いまの御答弁は、おおむねそういうようなことを基準にしてやろう、こういうことで、私たいへん前向きで全面的に賛成なんです。そこで私は、いまの発言の範囲しかきょうはわかっておりませんので、その範囲のことだけについて若干御質問をいたしたいと思います。  この前のときには、田中総務長官、建設大臣、農林大臣、この三人からそれぞれ御答弁をいただいたわけです。八木副長官はいらっしゃらなかったかとも思うのですが、その中で、私の質問について西村農林大臣はこういうように答えているんです。「私も、研究は足りないかもしれませんが、その基準そのものをずばりただ改定するのがいいのか、あるいは、基準と同じような精神をもって新しい尺度をもう一つ、こういう場合にはという、狭い範囲で傷が深い場合にはこうするんだという基準をつくるのも一つの行き方じゃないかと思います。」西村農林大臣はそう答えたわけです。だから、農林大臣の答えた、いまある基準のほかにもう一つ設けようという方向でいま検討されている、こういうように理解をしたいと思うのですが、それでいいですか。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○八木説明員 そのとおりでございます。A基準、B基準以外に、新しく市町村を対象にした局地激甚の新しい基準を設けるという考え方でございます。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 実はいまの激甚災害指定基準というのは、昭和三十七年の十二月七日第二回中央防災会議においてつくられておるわけです。そうすると、いま八木副長官は政令によってやる、こういうことの御発言があったんですが、これは私は間違いじゃなかろうか、こう思います。これは事務当局で、隣で入れ知恵をしている人が答弁していただけばいいですが、私は、第何回か知りませんが、中央防災会議で新たな激甚指定基準をつくるんだ、こういうことで中央防災会議できめていただけばいいのですから、政令は必要はない、こう思います。どうでしょう。

川上幸郎内閣総理大臣官房参事官

○川上説明員 お答えいたします。  ただいまの件につきましては、先生が御指摘のとおり、現在検討しております方針におきましては、中央防災会議で決定になります激甚災指定基準の改正でこれを処理いたしたいというふうに考えております。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 いま改正と言いましたね。新しく設けるわけでしょう。

川上幸郎内閣総理大臣官房参事官

○川上説明員 指定基準の改正と申しましたのは、指定基準の中に新しい項を入れるという意味の改正でございます。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 そこで私はこういうことが考えられるわけです。いまの指定基準の一番最初の法第二章関係、いま八木副長官が公共土木と言われたのは法二章関係です。それから農地、農業用施設、これは法第五条関係だと思います。それから法十二条の中小企業関係と、この三項目に限って私は受け取っているわけなんです。いいですか。いまの八木副長官の発言はそうであったわけです。法第二章関係、法第五条関係、中小企業は法第十二条関係というように受け取るわけですが、市町村単位の局地災害について新しい基準を設けるということになれば、法第二章、法第五条、法第十二条の個々の章は、三十七年十二月にきめられた基準というものは意味がなくなってしまう、こういうように私は理解をするわけです。これはちょっと説明いたしますと、昔は包括的な大きなものでやった。けれども今度は小さい市町村が基準財政収入額のどうだとか、農地、農業用施設になると、その町村の農業所得推計に対してどうだと、こういうようになると、この市町村の累計というものがだんだん、この市町村もそうだ、その隣の市町村もそうだということになると、昭和三十七年にきめたこの大ワクでもって縛るというものは実質的には意味がないようなことになりはしないか、こういうように私は考えるのですが、そういう理解でいいでしょうかね、そういうことになるのではないでしょうか。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○八木説明員 必ずしもそうではないと思うのです。やはり大きく包括をして、そして大きな中で、その地域の全体がやはり激甚災として指定されるというのと、それから今回救済するのは、その大きな中に入るときは問題ないわけですけれども、大きな中ではとらえられないものをいわばピックアップしてやるということでございますから、下のだけでやりますと、上のほうが不十分だということになってまいると思いますので、いままでの原則の分はそのまま残して、そしてその中でいわゆる落ち穂のあるものをひとつこぼれないように救済していこうという考え方ですから、両方あってもらわなければ困る、こう思います。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 大体次の新しい基準というものがどういうように設けられるかということにも関係があると思いますから、やはり前の基準は前の基準というので置いておいてもらって、そして新しく設けられるといういまの方向がいいのではないか、こう思います。  そこで問題になるのは、私はそういうようなことからひっかかりになるのは、たとえば公共土木の場合には査定額と基準財政収入額または需要額、こういうものの対比がいいと思いますし、またそういうことでもしなければめどがつかないと思いますから、そういうことでいいと思いますが、この比率なんです。これが問題です。その村が全滅しなければいけないような状態のきついシビアな比率だとすると、実際新しく設けてもらうものは適用できませんから、大体大ワクの中でいままで救済されておったような各市町村は今度の比率の中へ入れてもらえるようなぐあいにしないと――私はこの比率の考え方は正しいと思います。そういう基準でなければいけないと思う。だからそこは要するに対比です。基準財政収入額がどうもいまのところめどのようですが、あるいは需要額でもかまいませんが、それと査定額との比率ということが非常に重要な問題になってくると思います。これは事務当局でけっこうですが、いまは比率はどういうぐあいに大蔵省と詰めているか。だめだめと言わないで、その辺をつかなければ、実際その市町村が壊滅的な打撃がなければ適用されないというようなことでは、せっかく前向きのことだって意味がないわけですからね。それじゃひとつ政治的に副長官のほうから……。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○八木説明員 一昨日ようやく私と大蔵省側との間で基本的な話がついたということでありますので、まだ事務的に詰まっておりませんのでかわって答えますが、私が大蔵省に言っておりますことは、過去の激甚災でそれぞれの市町村のデータが出ております。その激甚災で、それぞれの市町村の基準財政収入額というものと市町村のその被害額というものを対比してみてパーセンテージが出ますが、そのパーセンテージが生かされるような形でひとつ新基準をつくってくれ。だから、全く新しいものをつくるといっても、過去のデータの中で救済されておる市町村の実態というものを把握した上で十分考えてくれということで基本的に合意に達しておりますので、御心配になるようなことだけは、私もそこを一番心配しておりますので、十分に注意をして、そうような心配がないように仕上げをいたしたい、こう考えております。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 私は実はこりておるわけです。八木副長官御存じかもしれませんが、あの豪雪のときの公共施設の除雪に関する援助法、法律はできたけれども大蔵省にぎゅうっとやられたら、その政令か何かの中で全然適用されないことになった。今度の場合も、考え方はいいが、いま副長官の言われるように、そのことについてパーセントをどこにするかということがその生命になろうと私は思いますので、それはひとつ強く副長官に要望しておきたいと思います。  それからあとの、農地及び農業用施設あるいは中小企業、これはもうそれぞれの市町村の農業所得推計、中小企業のほうは中小企業の所得の推計、これが基準になるのですね。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○八木説明員 大体そういう方向でございます。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 そこでまた私は一つ重要な法第八条関係の天災融資法の激甚指定、これをどうして先ほど言われなかったのでしょうか。公共土木と農業用施設と、もう一つ中小企業は言われたんだけれども、法第八条関係の天災融資法も――しょっちゅう問題になっているのは、規模が大きくなければいけないということだけれども、当該市町村は非常に激甚の場合には、天災融資法も狭い範囲で発動できるんだ。降ひょうとか冷害とか凍霜害とか局地的なものでも、その市町村の農業所得推計に対して非常に膨大な額になるような場合には、天災融資法の激甚指定というものがあって、これは理論的に当然じゃないかと私は思うのです。公共土木、農地及び農業用施設その他から、今度天災融資法もやはり市町村単位に考えてみて、激甚であるという場合には指定をしたらどうであろうか、こう思うのですが、どうしてこれは抜かしたのですか。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 ただいま御指摘になりましたように、ひょう害とか津波とか、こういうものにつきましては特別の基準を設けまして、天災融資法の発動要件として指定しております。これにつきまして、今度の新しい基準といいますか、局地激甚の場合の新基準ができ上がれば、それとからませてこの天災融資法をどのように結びつけるかということにつきましては、今後の研究課題として残っております。まだ、どうするかという本体の新基準がきまっておりませんので、新しい基準ができたから直ちに天災融資法の発動要件になるというふうには必ずしも考えておりませんけれども、研究課題としては残しております。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 これはまたこれで別な発動基準でしょうね。そうじゃないですか。法第八条というのは、天災融資法は農業所得推計で幾らというんだから、当該市町村の農業所得推計――今度は農地、農業用施設でやろうというのですから、天災融資法もこれと同じようにやればいいんじゃないか。これは理論的にも当然じゃないか。だから八木副長官、法八条関係の天災融資法を持っていって一項を加えてやってもらいたい、さっきの三つだけでなくて。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○八木説明員 先ほど申し上げましたように、現在まだ素案中の素案だと言ったのはそういうことなんであります。そういうような指摘は、まだほかにも出てくるかと思います。とにかく新しい基準制定の精神が精神でありますから、精神に照らして、まだまだ波及的に拡大しなければならぬ分野はほかにも出てくるかと思いますが、精神を生かすような形で万全を期していくようにいたしたい、こう考えております。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 わかりました。これは法八条関係の天災融資法のやつも加えていただくように要望いたしておきます。まだ過程だそうでございますし、前向きの答弁がございましたから、その程度で……。  今度は、やはりこれは自動的だと思うのですが、法二十四条、公共土木施設、農地及び農業用施設に関する、これは元利補給なり何なり、自治省関係だと思うのですが、これもやはり関連していくのではないか、こう理解をいたしますが、よろしゅうございますか。

角田直方自治大臣官房調査官

○角田説明員 お答えを申し上げます。  先ほど渡辺先生の御質問にもお答えいたしましたように、まだこういう方針でということを申し上げる段階ではございませんが、前向きで検討をさせていただきたいと思います。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 長くなりますから、あと一点だけ……。  さっき八木副長官は、次の臨時国会までに、こう言われましたけれども、臨時国会を開く予定ですか。臨時国会がなければ来年の通常国会になっていってしまうわけですが、こういうことは国会とは関係ありません。政令も関係ありません。これは事務当局の話がまとまれば、あしたにでもよろしい、防災会議さえ開かれればできるわけですから、臨時国会とか通常国会とかいう議論は別にないわけです。おそらく八木副長官が言われたのは、開かれるとすれば、十二月初めごろに開かれるだろう、こう想定をされて、中央防災会議で十二月初旬ごろに新しい基準をひとつ出していただく、こういうふうに、タイミングだけの問題と私は理解をしたわけです。いいですね。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○八木説明員 全くそのとおりでございます。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 これで質問を終わります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 先ほどの池田清志君の質疑に対する大蔵省当局の答弁が保留になっておりますので、この際答弁を求めます。国税庁植松所得税課長。

植松守雄国税庁直税部所得税課長

○植松説明員 池田先生のお尋ねは、災害による租税の減免についてどういうことになっておるかというお尋ねだと思います。  現行税法によりますと、災害によって被害が生じた場合の税の減免は、その被害の程度に応じて自動的に行なわれるという仕組みになっております。それをもう少し具体的に申し上げますと、まず農産物でございますが、農産物につきますと、災害によって農産物の収穫自体が期待できないことになる、あるいは収穫が通常の場合に比べて著しく減るということでございます。そうなりますと、いわば所得の基準になる収入金額自体が減少する、あるいは皆無になるということでございますから、そもそも所得がはっきりしない、したがって税の対象にならないということになります。さらに収入金が皆無であって、赤字が出たという場合には、その赤字は翌年に繰り越していくという措置もございます。もう一つ、たとえば住宅なり家財について災害が生じた。これは農作物の場合と違いまして、それ自体が所得を生むものではございません。しかしそれにつきましては、また別途所得税法で雑損控除とか、あるいは災害減免法による減免という措置がございまして、それぞれやはり被害の程度に応じて税が減免されるという仕組みでございます。これだけが自動的に働くということでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 斉藤正男君。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 前回に引き続いて、台風第十号による天竜水系の災害につき、建設省、電源開発、さらに総理府総務副長官等々にお尋ねをしたいわけでございますけれども、まず最初に、私はきょうの委員会に電源側の総裁の出席を求めたわけでありますけれども、何かお祝いがあって出かけたということでありますが、副総裁も同行されたということで、相変わらず前回から出席をされている桑原理事の出席しか得ないわけでありますけれども、きわめて遺憾であります。桑原理事の参考人としての答弁は総裁の答弁と見てよろしいかどうか、まず桑原さんに伺いたい。

桑原進電源開発株式会社理事

○桑原参考人 桑原でございます。  斉藤先生のおっしゃるようにおとりいただいてけっこうと思います。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 しからばまず伺いますけれども、過日の私の質問の内容につき電源側の答弁を聞いたわけでありますけれども、第一点は、浦川地区の被害について承りたいと思いますが、私が地元災害対算委員会から手に入れた大千瀬川の最大流量と電源側が提出をされた大千瀬川の最大流量に大きな違いがあって、地元もこれを納得していない。そこで新たに資料をちょうだいいたしました。この電源側が提出をされました新たな資料によりますれば、八月二十九日二十一時二十分、二千八百六十トンという数字が出ておりまして、以下三十日の十一時まで水位計は停止をしていたので、あくまでも推定によるものだ。その推定には三種類の方法を使ってやったということで、四千三百トンを二十九日の二十二時において出しております。地元の報告書によれば、二十二時の推定流量は二千八百六十トンであります。そうして二十二時三十分に三千トンということに相なっておるわけでありまして、おたくの資料によりましても、二十一時二十分に二千八百六十トンであったものが、二十二時にいきなり四千三百トンになり、二十三時には三千十五トンになっている。いかにも作為的な数字としか思われない。あくまで推定ですとおっしゃいますけれども、その推定の根拠は三通りに分けて提出をされておって、一つは四千三百三十トン、同じく四千三百三十トン、もう一つは四千二百八十五トンということで、いずれも資料として提出をされた四千三百トンに近い推定が出ているということから、おたくで科学的な根拠をもって四千三百トンという数字を責任をもって出したというように受けとめるわけでありますけれども、地元の災害対策委員会はどこからこの資料をとったかといえば、やはり主として電源から承ってこの災害対策特別委員会の報告書に記載をし、住民はそのように納得をしておるのであります。最高三千トンという地元の推定量とおたくが出した四千三百トンという数字の間に千三百トンの違いが出ているということは不可解なわけなんです。したがって、推定であるので、いろいろなファクターからこのように考えましたというのか、少なくも四千トン以上は絶対流れたと確信をもって言うのか、この辺をもう少し詳細に御説明を願いたい。  同時に私は、建設省の皆さんいらっしゃるかどうか知りませんけれども、建設省いますか――いらっしゃいますね。非常にデリケイトな問題でございますから、建設省もまたこの数字に対する見解について御説明を願いたい。

桑原進電源開発株式会社理事

○桑原参考人 お答えいたします。  先生おっしゃいましたように、二十一時二十分に二千八百六十トンという数字が出ておりますが、二十一時二十分に実は水位計が停止をしているわけでございます。このときの水位が六メートル十六センチという数字が出ております。それ以後は水位計が水をかぶりましてとまってわかりません。で、翌日の三十日の十一時までとまっておって水位がわからなかったわけでありますが、この四千三百トンというのを推定いたしましたのは、あとで洪水の痕跡から、八メートル五センチという水位の痕跡を見たわけであります。この八メートル五センチという水位から、当社でここに測定数字がありますので、そこのカーブというものからの推定その他二つの推定をやりまして、四千三百トンという数字を出したわけでございます。この数字はほぼ間違いないものと私どもは考えております。それから地元のほうに対しましては、二十一時、それから二十一時二十分、この辺までは測定数字が出ておりますので、その数字を御連絡いたしましたが、それ以後はわかりませんので、どうも三千トン以上出ておるようだ、相当な洪水になっておりますという御連絡だけで、三千トンきちっとという御連絡は私はしておらないように聞いております。下流のほうに対しましては、私どもは佐久間発電所の放水路に水位計がございますので、それから発電所のところの流量は大体想定がつきますので、それで秋葉ダムの操作をしておったわけでございます。  以上でございます。

川崎精一建設省河川局開発課長

○川崎説明員 建設省からお答えいたします。  ただいま電源開発のほうから話のございましたように、二十一時二十分ころに自記量水計の装置が故障をいたしております。それで、その前の二十一時では二千五百二十五トンという報告が入っております。  それから、今度の洪水が終わりましてから私どもに入ってきました最初の情報は、先ほどお話しのございました八メートル何がしの痕跡でございますが、これは現地からも、たぶん県じゃないかと思いますが認めております。それを、在来の水位と流量の曲線がございます、これはそんなに高い水位まではないわけでございますけれども、それをその痕跡まで引っぱっていきますと三千八百三十八トンであったという報告が入っておりました。ところが現実にはその水位では川ははんらんをしておりますので、そのHQカーブというのは技術的には適用することは当然これは問題があるわけでございまして、このはんらん量を加味しますと、少なくとも四千トン以上の水が出たのではないかということは確認できるわけでございます。これが四千三百何十トンかあるいは四千二百トンかといったような、正確な点についてはまだ検討の余地があると思いますが、少なくとも四千トン以上は出ておったということを確認いたしております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 これは地元住民には非常にいい感じに受け取られていないわけです。建設省も電源も、地元が三千トンと主張しているのに四千三百トンと主張するその根拠を知りたがっているわけなんです。私はやはり建設省も電源側も親切丁寧に、このときの水はしかじかかようだったという説明をなさらなければ、住民感情は悪化はしても軟化はしないということをお知らせしておきます。  次に、天竜川河状調査委員会の調査結果について過日も伺ったわけでありますけれども、大千瀬川が本川と合流する地点において七十五センチ上昇していることはお認めになると思います。さらにこの天竜川河状調査委員会の大千瀬川の八、九というところを見てみますと、八定点では五十七センチ下がっているわけであります。九という定点では百二十五センチ下がっているわけであります。合流地点で七十五センチ上がっていて、その少し上流では五十七センチ下がり、さらに上流では百二十五センチ下がっているということですが、この合流地点で、すなわち七において七十五センチ大千瀬川の河床が上がっているのはいかなる理由とお考えになるか、電源並びに建設省の見解を伺いたい。

桑原進電源開発株式会社理事

○桑原参考人 先生おっしゃいましたように、支流の七、八、九という点の平均河床高はおっしゃるとおりでございます。それから本流のほうは、佐久間発電所の少し下流の点から二十七、二十八、二十九、三十という測定点がございます。この辺は、本流沿いはいずれも、多いところでは二メートル二十五センチ、少ないところでも十八センチくらい下がっておりまして、七番目のところだけが先生おっしゃいましたように七十五センチ上がっているわけでございます。この七番の付近には地元のほうで河床低下防止工事というのをされております。このためにこの付近だけが上がっているのではないか、私はさように考えております。

川崎精一建設省河川局開発課長

○川崎説明員 実は大千瀬川はかなり秋葉ダムより上流でございまして、現在は知事の管理区間になっております。したがって、常時その河床状態を十分私ども承知しておりませんが、かなりの出水の状況あるいはその川の流域の状況を見てみますと、河床の上昇というものは常識的には考えられるわけでありますけれども、それが秋葉ダムの影響だとか、そういったようなものが原因とは考えられないというふうに思っております。詳細につきましては私どもも十分熟知いたしておりませんので、調査してみないと何とも申し上げられないかと思います。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 参考人の答弁によりますと、大千瀬川と本川との合流地点において七十五センチ河床が上がっておるのは、地元がやった河床沈下防止工事の結果であって、ほかには考えられない、こういうように把握してよろしゅうございますか。

桑原進電源開発株式会社理事

○桑原参考人 私どもはそのように考えております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 いまも言われましたように、佐久間ダムと秋葉ダム湛水地域の途中は、天竜本川は異常な沈下があるわけなんです。これはダムと河川の河床の原則からいって、ダムの下流地点は河床が沈下をするというのが常識ですから当然のことです。そうすると、大千瀬の水は、河床が沈下をした天竜本川に吸い込まれるように流れていいはずなんです。ところが現実に現地であの大洪水を観測をすれば、バックウォーターこそあるけれども大千瀬の水は本川に出ないのです。むしろ本川の水が大千瀬に逆流してきているというような事態なんです。したがって、河床のことだけを考えれば、いまおっしゃったように本川がずいぶん沈下をしているので、もっとぐあいよく流れていいというふうに思いますけれども、本川の水が佐久間ダムと秋葉ダムの関係によって異常な状態を呈しておるのですから、計算だけでは出てこない河川の実態があると思うわけなんです。したがって、合流地点における大千瀬の河床の上昇は、地元がやった河床沈下防止工事の結果だと断定される電源側の見解は一部分は当たっているかもしれませんけれども、大部分はあばれ天竜の実態を知らない者の言うことであって、私は断じて肯定できない。本川の水が大千瀬に逆流するような形をとったときに、大千瀬の水位が河床七十五センチの上昇以外の理由で増水をし、はんらんをすることは容易に理解できるわけであります。したがって、ただ単にこの河床の上昇は河床沈下の防止工事の結果だということだけでは片づけられない。天竜本川と大千瀬支流の生きた水の作用、生きた水の働きを無視しては、机上では算定できないものが非常に大きな要素になっているというように考えます。私が一番ふしぎに思うことは、電源の言うことと建設省の言うことは、ちっとも食い違いがない答弁なんです。やはり少しは、建設省は建設省なりに、電源は電源なりに、違った見解なり、あるいは河川管理の立場から深い見解があってしかるべきだと思う。地元のしろうとのわれわれが観察していることもほとんどわかっておられないと思うのですけれども、そういう生きたあばれ天竜の実態について両者の見解を伺いたい。

桑原進電源開発株式会社理事

○桑原参考人 大千瀬川の合流点というのは佐久間ダムの下流約一・五キロメートルか二キロメートルくらいのところにあるわけでございます。ダムから水を放流いたしますわけですけれども、このダムの下には、この前お答えいたしましたように副ダムというのがございまして、自然の状態に戻して流してやるということになっているわけです。それで、そのように流れておるものと――もともと洪水があればその状態と同じように流れるようになっておると私は考えておるわけでございます。佐佐久間ダムでは、新しいダム操作規程によりまして洪水カット、ピークカットをやるようになっておりますので、私どもとしては天竜川の本流のピークカットをやったことによって、少なくとも大千瀬川に対する影響のほうはずっとよくなっているというふうに考えているわけなんであります。

川崎精一建設省河川局開発課長

○川崎説明員 大千瀬川の合流点の付近の河川は、先生御承知のように本川とほとんど一直線をなすように支川が合流いたしております。それから本川が下流に向かって急に百八十度転回しながらさらに南下して私葉ダムのほうに流れておるわけであります。したがって、通常、ダムのあるなしとかということは別にいたしまして、本川に相当の出水がありますと、大千瀬川の合流点というものは、河状といたしましては非常に流れの乱れるところではないかという常識的な感じはするわけでございます。ただこれが直接ダムの出水に影響を受けておるかどうかということになりますと、詳細につきましてはこれは水利計算とかいろいろ実験をやればわかるかと思いますけれども、常識的には、かなり上流でございますので、まず私どもとしては影響というものは考えられないのじゃないかというふうに思っております。ただ、それにしましても大千瀬川自身の治水の問題は依然として残るわけでございまして、これにつきましては建設省としましては、現在県の管理区間でありますので、県とも十分協議して指導していきたいというふうに考えております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 電源側も建設省も、ダムができる前の出水時の天竜川の水の流れ方、あばれ方というものと、佐久間、私葉両ダムのできたあとの流れ方、あばれ方が非常に違っているということを、現地に行ってよく調べていただきたい。科学的に、水量はしかじかかようであった、副ダムがつくってあるからしかじかかようであるということだけでは解決できない現状というものが御理解いただけないのが非常に残念であります。そいううことをいつまでも言っておられると、地元感情はますます悪化をして、電源のためにもよくない結果になることは明らかだと思うのであります。建設省もこの点は鋭意実情の把握に御勉強をいただきたいということであります。  そこで、合流点から浦川の部落付近までに至る河床がいかに上昇しているかという現地の具体的な問題を二、三御披露申し上げます。一つは堤防から川原へおりる階段がございます。どこの川にもあるわけでございますが、これが、ダムができるまでは二十五段おりていかなければ川原へ到達しなかった。それが今日では十一段で川原へおりるのであります。十四段は川原の土石でその堤防の階段が埋まってしまっているのであります。国鉄飯田線の鉄橋からこの大千瀬川の川原へ飛びおりるなんということは、昔ははるかに高いところを鉄橋が通っておりましたので不可能でございましたけれども、このごろでは子供がこの飯田線の鉄橋から川原へ飛びおりられるような高さになった。これは鉄橋が下がったわけではない。河床が上がったんです。さらに民家から下水、排水が大千瀬へ土管やヒューム管で出ているわけでありますが、この土管やヒューム管は大千瀬の川原に埋まってしまって、局部的に掘り出さなければ排水が不可能だというような形が現地では幾らも見えているのであります。  こういうことを考えますと、やはり合流点の河床沈下の防止工事を地元がかってにやったから大千瀬川の河床が上がったとおっしゃるならば別でありますけれども、もし急遽その河床沈下の工作物を除去して、あってはなりませんけれども次回に同じような被害があった場合には何とする。これはその工事の結果ではない、どうもダムと関係かありそうだということになりはしないかということを私は懸念をする。したがって地元がやった河床沈下防止工事の工作物のためにのみ河床が上昇しているのではないということを、私は自信をもって考えているわけでありますけれども、電源開発としてはそういう考えは毛頭ないのか。多少は両ダムの関係もある、あるいは秋葉湖の関係を考えなければならぬとい程度にはお考えになっておるのか。柔軟な考え方をされたと思うのですけれども、いかがでございましょうか。

桑原進電源開発株式会社理事

○桑原参考人 私のほうでは七番、八番、九番の付近のことしかわからないのですが、そのほかのことは測定いたしておりませんのでデータがございません。しかし私どもあほうでは、現在大千瀬川の支流のほうまでは、ダムの構築による影響というものは出ておらないだろうというふうに考えておるわけであります。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 昭和四十三年度、すなわち本年度の天竜川河状調査委員会の計画書によれば、この七、八、九の定点はおたくの担当ですよ、測量は。なぜダムに何も関係ない大千瀬川をおたくが担当してやるのですか。断わればいいじゃないですか。

桑原進電源開発株式会社理事

○桑原参考人 お答えいたします。  河状調査委員会は県のほうでやっておられますが、実際の費用の八割は当社が受け持ってやっておるわけでございます。県のほうから七、八、九という点、それから水窪川の支流にもございますが、そのほうは電発で担当してやってくれぬか、そういうお話がございましたので、私のほうでやっているわけでありますが、別に他意があってやっているわけではございません。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 先ほど私が申し上げましたように、地元がやったと言われる大千瀬川河床沈下の工作物を今度取り除く、なお河床は上昇し、浦川地区に、あってはならぬけれども四たび目の洪水が来襲したというような場合に、大千瀬川の合流点の河床の上昇は工作物が原因ではなかった、何かしら両ダムの影響だということになった場合に、本日の答弁と違ってくるわけでありますけれども、あくまでも両ダムは大千瀬川の河床の上昇に全く関係がないと言い切れるのかどうか。電源側は言い切ったわけですが、建設省の見解を聞きたい。

坂野重信建設省河川局長

○坂野説明員 開発課長が答えたと思いますが、私どもの現在までの調査の結果では、先ほどお答えしておりますように、佐久間あるいは秋葉の影響によって大千瀬川の河床上昇を来たしたとは考えておりません。しかし、私どもは今後いろいろな面で今度の出水の物理的な現象というものを調査してみたいと思いますが、その結果、あるいは明らかにそういったダムの影響があるというようなことが出てくれば、もちろんその限度内において考えますけれども、私どもいままでの調査では、佐久間、秋葉の影響というものはないというぐあいに考えております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 そこで、県は地元とも相談をいたしまして、この災害対策として新たに百七十メートルを護岸する、二番目には二百五十メートルの堤防をかさ上げする、三番目には測量の結果を見て河床の切り込みを行なう、四番目には長さ五百二十メートル、幅五十メートルの放水路を建設をしたいというような具体的な対策を立案中と聞いております。建設省にもいろいろ相談をし、お願いが届いていることと思いますけれども、今後大千瀬の洪水を防ぐというために、建設省の管理する河川ではあませんけれども、県が行なおうとしている改良工事に対して、あるいは防災工事に対して建設省はどのようにお考えでありましょうか。

坂野重信建設省河川局長

○坂野説明員 いまの先生のおっしゃいましたお話は、まだ私どもの手元には入っておりませんが、いずれにしても大千瀬川の災害が非常に激甚であったことは確かでございまして、できるだけ私どもとしては再びこういう災害の起きないように、いろいろな対策を、県の案が出てまいりましたら、それを中心にして十分検討してまいりたい、かように思っております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 その際、電源側は、ダム側には全く責任がない、電源には責任がないという態度を徹底的に主張されるのか、あるいは地元、県、建設省と協議の上、配慮をする余地は全くないのか、見解を伺いたい。

桑原進電源開発株式会社理事

○桑原参考人 お答えいたします。  浦川地区、大千瀬川筋の洪水につきましては、私どもは非常に異常な洪水であると考えております。私どものほうではダムの影響はないと考えておりますので、何らかの対策をするということは考えておらないわけでございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 そうすると、あくまでも異常な降雨量による大千瀬川のはんらんだというように解釈をされ、もしかりに河床の上昇はあってもダムのせいではないというように断言されたと受け取ってよろしいか。

桑原進電源開発株式会社理事

○桑原参考人 現在はそのように考えております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 あなたも御承知かと思いますけれども、四十年九月十六日から十八日までの沿川の降雨量、三十六年六月四日から三十日までの流域の降雨量等々は、今回の降雨量に比べると多かったのか、少なかったのか、御承知ですか。

桑原進電源開発株式会社理事

○桑原参考人 ちょっといまデータが手元にございませんので、はっきり申し上げかねます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 データがないと言うが、異常な出水だ、異常な出水だと言っているのだから、これはちゃんとしたデータから科学的に言っていると思うのです。私だってちゃんとここにデータを持っているのだから、あなたのほうにないわけがない。

桑原進電源開発株式会社理事

○桑原参考人 支流でございますか、大千瀬川の……。ちょっといま資料が手元にございませんので……。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 佐久間において、四十三年は四百八十三なんですよ。ところが三十六年は六百二十であり、四十年は二百七十四という数が出ているわけです。大千瀬の上流である東栄町、さらに北設楽の津具といったような観測点における降雨量も、必ずしも三十六年、四十年より圧倒的に多いわけではない。同じ水量でも河床が上がっていれば洪水点は高くなる、おわかりでしょう。

桑原進電源開発株式会社理事

○桑原参考人 先生のおっしゃるとおりでございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 そうすると、先ほどの推定だという、洪水の痕跡がここにあったということだけで四千三百なんという数字を出すのはあやまちなんです。下が上がっているから同じ水だって水の上が上がるのはあたりまえじゃないですか。もう少し科学的に――私どもみたいなしろうとでもこういう数字をつかめるし、わかっているのですから、がむしゃらなことばかり言わないで、もう少し科学的に、私も納得できるし、地域住民も納得できる説明をなさらないと、感情的にますますおかしくなってくるということを御理解をいただきたい。  そこで、押し問答になりますからもう答弁は要りません。最終的にお願いしたいことは、科学的調査による大千瀬川河床の変化の徹底的な究明をこの際やっていただきたい。これは県も地元も当然やらなければならないことでありますけれども、電源と建設省の見解を伺いたい。

坂野重信建設省河川局長

○坂野説明員 御指摘のとおり、十分調査をしてみたいと思います。

桑原進電源開発株式会社理事

○桑原参考人 御指摘のとおり、建設省と協力して調査をいたしたいと思います。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 ここに宮本常一著の「私の日本地図、天竜川に沿って」という単行本がある。これは桑原さんも河川局長も読んだことありますか。これを見ますと、「天竜の怒り」という内容があって、前回の洪水のことをいっているのでありますけれども、「今度のように被害の大きいものはまれであろう。洪水に対してはこの谷の人たちは、これをどう防ぐかということに深い関心をよせていたけれど、最近は開発がどんどん進むために、いちいちこまかな配慮をそそがなくなっていたことだけは事実である。否地元の者は深い関心を持っていたが、開発にあたる土木業者や役人たちが無関心であったことに問題があった。本流筋にダムがいくつもできると、その上にかならず土砂がたまる。ダム湛水のために川水が土砂を下流へひいていく力がよわくなるからである。そして年々川床が高くなっていった。かならずそのうち大きな水害がおこるであろうという地元民の心配は、役人たちには非科学的な杞憂としてとりあげてはもらえなかった。そうでないということを事実が証明するまでは。」一文学者である著者が天竜水系を何十回か上り下りし、足にまめをつくって踏査をして、この単行本を出しているわけです。役人とは一体だれのことを言っているか、おわかりですか。開発会社とはだれのことを言っているか、おわかりですか。もう少し地域住民の立場に立ってものごとを考えてもらいたい。  さらに、十月七日の朝日新聞は、「ここに政治を」という特集第百号で「荒廃する発電ダム 土砂が埋め、けずる “火力”に押されて老朽化」という論文を掲載している中で、「建設省土木研究所ダム構造研究室の飯田室長は「それが二、三回繰返されると、ダムの基礎部が洗われ、非常に危険な状態になる」という。」「その後、改造されたゲートには、ペンペン草がはえている。宮崎県庁のある職員は「そうですか。本省も出先も一、二年したら異動で、責任がついて回ることはありません」とおっとりしていた。建設省では「フランスのマルパッセが崩壊したとき、設計技師のコインは責任を感じるあまり狂死した。日本ではたとえ崩壊しても担当者が狂死するなどの“心配”はなさそうですね」という職員もいた。」「三千七百のダムがある。うち十五メートル以上のものが千八百。それが建設、通産、農林、厚生などの各省にまたがり、管理の状況は容易につかめない。そして事故が起きたとき、日本の行政では、一時間の雨量が五十ミリ、一日の雨量が八十ミリを越えた場合の災害は天災で片づけてしまう習慣がある。」「和知ダム事故のあと、四十三年にはじめてダムの安全管理のための予算がついた。しかし、その総額は全国で年間わずか三十二万円。ダムの安全管理は全く野放し状態である。」こういう記事が出ている。これが実態なんですよ。したがって、まだ億トン級の湛水量を持つダムの決壊事故はありませんので、たかをくくっておれると思いますけれども、もしかりに佐久間ダムなり秋葉ダムが決壊したことを想像してごらんなさい。天竜流域の住民は、まさにまくらを高くしては眠れない。私は、建設省と電源開発側の態度が、いかにも同じようなことを繰返りして言っている、地元の住民感情とはほど遠いものがある事実を政治不毛として残念に思うわけなんです。少し勉強をしていただきたいと思うわけであります。  このことについて、八木副長官、地域住民と電源側の態度、あるいは地元市町村と電源側の態度――私は今次天竜水系の水害はダム公害だ、公害は工場や機械によってのみ起きるのではなくて、ダムができたことによる公害であるというように考えますけれども、一体この辺の調整、この辺の意思の疎通といったようなものを、総理府としてはどういうように把握をされたらよろしいのか。過日、実は大臣に伺ったときに、大臣は知事時代に地元でえらいこういう問題にあって、いやというほど苦労をされてきた、したがって何とか善処をしたいと思っていますという答弁がありましたけれども、八木さん、この道のべテランでございますので、ひとつ見解を承りたいと思います。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○八木説明員 現実に何回にもわたって下流の方々が被害をこうむっておる、甚大な被害をこうむっておるということは現実の事実でありますから、そういうことをなからしめるということが第一であろうと思います。先ほど来、電発にいたしましても建設省にいたしましても、原因究明についてもっと本格的に調査をいたします、こう言っております。やはり原因究明をすることが一番大事だと思いますので、究明をした上で、それに対する適切な措置をとらすようにしなければならぬと思います。大きな事故が起こるということになれば防災会議の問題にもなることでございますので、総理府といたしましても、いま前向きで建設省並びに電発がこの問題の原因究明について努力すると言っていることでありますから、それをひとつすみやかにやっていただくように、私どもからも絶えず要請をいたしまして、現実に即した対策が講ぜられるように努力をしてまいりたい、こう思います。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 念のために申し上げておきますけれども、この浦川地区の対策を誤らんか、電源が計画をいたしております新豊根の建設は絶対不可能でございます。絶対不可能でございますから、この点は肝に銘じて御配慮をなさるように警告をいたしておきます。  次に第二点で、主要地方道天竜-水窪線の本川にかかっておりました大輪橋が流失いたしました。過日の二回にわたる委員会で私は追及をいたしたわけでありますけれども、前二回では、ダム側の責任はないと言っておられましたが、うちの竹山知事が県議会の答弁において、明らかにダムの責任だという答弁をされております。今日なお電源側は、あるいは建設省も、ダムの責任ではないというようにお考えなのか、竹山知事がそう言ったからダムにも責任があるというように言い直すのか、その点をはっきりしてもらいたい。

桑原進電源開発株式会社理事

○桑原参考人 先般私のほうでは、堆砂があることはあるという、堆砂の現実は認めておりまして、原因がはっきりすれば、責任を負うにやぶさかではございません、こういうふうに申し上げたつもりでございます。  今回の大輪橋の流失でございますけれども、今回の出水によります大輪橋の流失というのは、原因は堆砂の影響もあると考えております。しかし、直接の原因は、非常に多量の流木が流れてきておりますので、そういうものによったのだと考えておるわけでございます。しかし、完全にその原因が究明されますのには非常に時間がかかって、なかなかむずかしいと思いますが、原因が究明されたとしましても、堆砂による責任を免れるものではないと考えるわけであります。したがいまして、できるだけ早く復旧するということが私は大事だと思います。それで、そういう方針で、静岡県のほうとも建設省のほうとも協議をさせてもらって、一日も早く復旧を急ぐようにしたい、そういうふうに考えておる次第でございます。

坂野重信建設省河川局長

○坂野説明員 大輪橋の問題につきましては、その後の調査の結果では、やはり相当な堆砂が秋葉ダムの湛水地帯に起きている。大体堆砂の量からいいますと、平均河床で、大輪橋の付近でも三メートル前後の堆砂が起きているということが明らかになってまいりました。もちろん橋の流れた直接の原因は――堆砂はもちろん一つの原因になっておるとは思いますが、しかしそれ以外に流木等の原因もある。いろいろな総合的な原因が重なって流れたということでありますけれども、とにかく堆砂が原因の一部になっておるということは確かでございますので、そういう原因を踏まえてさらに調査を進めて、河川管理者としては、今後かかる事態が起きないように、県、電発等を含めて、善後策を講じてまいりたいと考えております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 御承知のように、河状調査定点二十におきましては、三メートル六十六センチ河床が上昇しているわけです。これは私この前にくどく言ったときに、そのことと大輪橋の流失とは関係がないというような答弁をされておったわけです。今回は、一部分はダム側にも責任がある、堆砂の影響だというように言い直されておりますけれども、もう少し、河状調査委員会が過去十年にわたって調査をした結果が、建設省にも電源にもいっているわけです。あまり手間ひまかけさせないで、科学的な根拠のあるデータを示してお聞きしたときに、すなおにお答えをいただきたかった、非常に残念に思うわけであります。  そこで、次に横山地区に移るわけでありますけれども、地元天竜市から電源へも建設省へもお願いがいっていると思います。とにかくもう待ってはおれぬ、一刻も早く護岸をやってほしいということであります。全面完成は昭和四十七年だということになっているということを聞いておるわけでありますけれども、建設省として、あの被害を三たび繰り返さないためにも、鋭意ひとつ御勉強をいただきたいというように思うわけですが、天竜水系についている護岸工事費のあらかたをここへ投入されている過去の実績については、私も承知いたしております。なお下流地域にも数カ所の護岸の必要な個所があるわけでありますけれども、何といいましても、ここが三十六、四十、四十三と連続被害を受けている地域でございますので、建設省として御勉強をいただきたいというように思うわけですが、局長から御見解を伺いたい。

坂野重信建設省河川局長

○坂野説明員 御指摘のとおり、確かに災害を受けたことは間違いございません。地元住民としても非常に不安があることでございますので、できるだけ私どもは既定の計画を早めるような努力をしてまいりたいと考えております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 さらに建設省並びに電源側の考え方を聞きたいわけでありますけれども、四十年の災害にこりて、ダムの操作規程が変わったわけであります。「河川法第四十四条の規定に基ずく現行の佐久間ダム操作規程は、河川の従前の機能が減殺されることのないよう上流の状況から洪水が予想される場合には、ダム水位を満水位以下、少なくとも二・五メートルになるよう予備放流を行ない河川水位の調整を行なうことになっておりますが、現実における天竜川洪水の実情は、秋葉ダムから放流される洪水により河川水位は急激に上昇し、被災地住民は家財等の水揚げのひますらない状況であります。現行のダム操作規程による、満水位から二・五メートル水位を下げる程度で洪水調整ができないことは」電源みずからが認めているところであります。こういうことから考えていきますと、再度ダム操作規程を現状に適合したような改正をしなければ、災いは繰り返されると思うわけでありますが、この点について、建設省並びに電源側の意見を拝聴したい。

坂野重信建設省河川局長

○坂野説明員 先般来御答弁申し上げているように、操作規程そのものには大きなそごはなかったというか、操作規程に従って電発は操作を行なったわけでございますが、しかし横山地区等において御承知の災害が起きております。私どもとしては、この現行の操作規程はできるだけいろいろな場合を想定してつくったわけでございまして、操作にあたって、あまり予備放流の限度を大きくしますと、下流に対して人工災害というような事態も予想される、あるいは気象のいかんによっては水量がまたもとに回復するという困難な事態が起きてくる、あれこれいろいろ総合いたしまして、相当な期間をかけてこの操作規程というものをつくったわけでございますけれども、しかし私どもとしては、先ほど申し上げたように、ひとつこの天竜の今回の水害というものを振り返ってみて、十分反省すべきものは反省をし、検討すべきものは検討するつもりでおりますので、総合的に、この佐久間、秋葉の両ダムを含めまして、天竜全体の出水状況というものを解析いたしまして、その段階で、ある程度操作規程そのものにも関連してくるかもしれません。しかし、操作規程を改定するということを前提としてではございませんけれども、そういう含みで、ひとつ今度の出水を総合的に分析し、また検討してみたい、かように考えております。

桑原進電源開発株式会社理事

○桑原参考人 お答え申し上げます。  私のほうでは、この操作規程は、多年建設省当局とお打ち合わせいたしまして、改定をして、かなりの程度、洪水のピークカットといいますか、従来よりもこれはピークカットができるようになってきているわけでございます。何ぶんにも容量が小さいものでございますから、この程度まで努力をさせていただいたわけでございますが、今後どういうふうになるか、建設省のほうともよく御相談させていただきたいと思っております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 地元でうその陳情書を出したんじゃないんでしてね。「電源開発株式会社においても認めるところでありますので本市内の天竜川築堤工事が完成されるまでの期間中、洪水が予想される場合の予備放流の増加をはかり」云々という陳情書が電源へも建設省へも出ておるんですよ。おたくの現地は、二・五メートルでは困ると言っているんですよ。どうも現地との連絡がうまくとれていないんですね。それから局長も、操作規程を変えるという前提でなくて、鋭意科学的な調査をやるなんという、そんな役人根性で答弁しなくていいんですよ。調査の結果、誤りがあれば操作規程を改定しますと言えばいいんじゃないですか。誤りがなければそのままでいいんですから。そこが朝日新聞が追及する――あなた、死ぬまで河川局長をやっているわけじゃない、責任がなくなっちゃうんですよ。それを言ってるんですよ、朝日新聞は。私も、まさにこの論文どおりだと思っている。少なくともいま局長の重責にあるならば、いまの時点で最大限の手当てをするということが当然じゃありませんか。わざわざ、ダム操作規程を変えるということを前提にせずに研究をしてみます、一体どういうことなんだ、さっぱりわけがわからぬ。  文句ばかり言っていたってしようがないから、お尋ねをいたしますけれども、同時に付随していることで、ダム放流通報施設の改善を要求されておるわけであります。一つは、放水量を周知するための有線放送施設の新設を希望しています。これは、資料によればおわかりのように、もう十分、五分おきに放水量が変わってくるのですけれども、サイレンを鳴らすだけなんですね。サイレンは鳴りっぱなしなんです。あの山奥でサイレンが三時間も鳴りっぱなしの経験をしたことがございますか。えもいわれぬ気持ちですよ、気持ちが悪くて。サイレンはもういいから、ただいまから三千五百流します、ただいま三千六百にいたします、という有線放送の施設をしてくれ、こう言っているんです。  それからサイレン電話の増設もお願いをいたしておるわけなんです。現在サイレン電話が四カ所ありますけれども、さらに最低二カ所をふやしてほしい、こういうことであります。これは地元とも県ともよく御相談をいただいて、建設省としても電発側としても、御研究を願って、実現の方向を目ざしていただきたいと思うのですけれども、御見解はいかがでございましょうか。

桑原進電源開発株式会社理事

○桑原参考人 ダム放流警報サイレンを、五百トンふやすごとに鳴らしているわけでございます。四カ所直通電話がございまして、そこには何トンになったということの連絡がいっております。四カ所ございますが、あと二カ所電話を追加してもらいたいという御要望がございましたので、その辺は考えて対策をとりたいと思っております。  それから有線放送でございますが、私のほうでは、新河川法にきめられました地元への連絡通報、あるいはダム操作規程にきめられました連絡通報は、しかるべき市町村当局その他のところへは全部連絡がいっております。したがいまして、有線放送施設は、市町村、自治当局においてされるのがしかるべきものと考えておりますが、ただしそういうことをされる場合につきまして、その費用の一部を負担することにはやぶさかではない、そういうふうに考えております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 私はもう四たび皆さんにこの席で聞こうとは思っておりません。これが三回目でございますから、締めくくりの意味で伺いますけれども、今後もいろいろな調査の資料がさらに集まり、電源側の立場も変わってくることを私は予想するわけであります。新豊根の建設云々のことは別といたしましても、現地の皆さんの言い分は、電発関係の社宅は、どんな大洪水があろうと安全なところへ建てているではないか。一般住民が避難をする一時間前に、電発関係の家族は最も安全な発電所の一番高いところへ避難しているではないか。電源関係の社宅の家族の皆さん方が避難する姿を見て、これは水が出るぞということを感づくというのが、偽らざる地元住民の感情であります。こういう状態をいつまでも放置しておきますと、いわゆる地域住民、地方自治体と電源との人間関係というものはくずれていく、そして決していい結果は、地元のためにも電発のためにも残らないというように考えております。きょうの朝日新聞、そこらに置いておきましたから、県版を見てください。大挙罹災者はバスに乗って、お宅の中部の支社へも押しかけているし、やがてお宅の本社へもむしろ旗を立てて押しかけてくるような形になる。私は現地へ行って、むちゃなことはよせ、秋葉ダム即時撤去なんて決定をしていますけれども、ダイナマイトを何千トンも背負って飛び込む勇士がいるか、あるいは、ダムの操作の権利を地元の消防団に与えよと言っているけれども、もしダム操作の権利を地元消防団に与えられた場合に、消防団が全責任を負ってゲートの上げ下げができるのか、ばかを言え、ということで、しかるべきはしかり、慰留すべきは慰留していっているつもりなんです。何も電源をここで攻撃するだけが能でないことは百も承知で言っているわけなんです。私はそうした意味で、日本に数多くのダムがありますけれども、堆積した土石を取り除いた例が一つもない。どうやったら一番ぐあいよくダムに堆積した土石を取り除くことができるかという研究もなければ、金もない。そういう意思はない。いよいよ発電能力がなくなってしまったらダムを放置をして、ほっぽかして、電発なり電力会社は引き揚げる。それが落ちだ。河川法一条の目的からいったって、五十二条の緊急措置からいったって、もっと河川というものは地域住民と直結したものでなければならぬ。五十二条はいまだかつて一度も発動したことがないという。私は、特に電源側にお願いをしたいことは、もう少し親心を出して、地域住民から災害を取り除くようなきめこまかい配慮をぜひともお願いをいたしたい。監督の立場にある建設省もまた、通り一ぺんな考え方でなくて、ほんとうに河川管理者としての責任と義務を明確に打ち出して、地域住民のことを優先的に考えていただきたいと思うわけであります。  次に、大蔵省関係の方に伺いますけれども、今回の台風第十号による災害において、国の直轄事業として被害額査定が行なわれ、いよいよ災害復旧がなされると思うわけでございますけれども、直轄事業の査定はどのようになっておられましょうか、伺いたいと思います。

井上幸夫大蔵省主計局主計官

○井上説明員 お答えいたします。  天竜川の直轄管理区間に関します災害の査定は終わっております。査定額は四億五千二百万、直轄河川は二年復旧でございますが、このうち急を要するものにつきましては、事務的には、来週予備費支出の閣議請議をする予定にいたしております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 了解。  農林省に伺います。林野庁の方いらっしゃいますが、これはやはり地元の偽らざる感情ですけれども、秋葉ダムに土石が堆積する最大の理由は、支川水窪川の土砂の流出にある。したがって、林野庁は電源の便宜をはかって、すなわち秋葉ダムの土石の滞留を防ぐために、意識的に大きな砂防工事を水窪川流域にはしているけれども、大千瀬、大入あるいは気田川等々についてはあまりはかばかしくやっていないじゃないかという――これは地域住民のひがみかもしれませんけれども、あるわけであります。私は、飛騨川のバス事故の惨状といい、今度のたび重なる天竜水系の出水といい、根本的には治山、治水、砂防の問題を優先していただかなければ片づかないというように思っておるわけです。天竜水系どころじゃない、全国の水系でみんなそう言っているというようにお考えになっていると思いますが、概論的に――この天竜水系のたび重なる水害は集中豪雨的な多量の雨が降ったということがもちろんありますけれども、治山治水の立場から、砂防の立場から、どのようにお考えになっているのか、基本的なお考え方をお示し願いたい。

木村晴吉林野庁指導部長

○木村説明員 いまお尋ねの、天竜水系に対する治山の考え方はどうかということでございますが、御案内のように、私らのほうの立場からいたしまして、一番重要な河川の一つでございまして、水源地帯に対する山地の崩壊防止のためには、できるだけの努力を現在も今後もしていく考えでございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 最後に、国鉄関係の方いらっしゃいますか。――飯田線の復旧は、大臣の約束どおりというよりも一日早く復旧されまして、たいへんけっこうなことだと思うわけでありますけれども、御承知のように鉄橋が落ちているわけなんです。ところが、先ほどもちょっと質問をいたしましたように、大千瀬川の抜本的な河川改修がされようとしているわけでありますが、本格的な復旧を急ぐあまり、大千瀬川の抜本的な河川改修と食い違うような鉄橋のわけ方ではまずいと思うわけでありますけれども、その関連をどのようにお考えになっておられるか。  もう一点は、大千瀬川にやらなければならない橋脚でありますけれども、なるべく数を減らしていただくことが洪水を防ぐ効果になると思いますので、ピアの数等についての検討をぜひしていただきたいと思いますけれども、国鉄側のお考え方を伺いたい。

松本文彦日本国有鉄道施設局長

○松本(文)説明員 お答えいたします。  御案内のように、飯田線の大千瀬川橋梁は現在仮復旧中でございまして、これの本復旧が非常に急がれております。私ども、年内には着工いたすべく準備を進めております。ただいま先生から御指摘がございましたが、これらの実施につきましては、私ども十分地元河川管理者の方々と協議の上でこれをやることになっておりますので、もし地元にそういう改修計画がございますれば、当然これはもう、私どもの計画に含んだ仕事をやらなければいけないというふうに考えております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 ぜひそのようにお願いをいたしたいと思いまます。  ありがとうございました。終わります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 午後二時二十分に再開することとし、暫時休憩いたします。     午後一時四十二分休憩      ────◇─────     午後二時三十九分開議

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。兒玉末男君。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 国鉄のほうに最初お伺いしたいと思いますが、実は今月の一日に北海道の富良野線の富良野-中富良野間の鉄橋において貨物列車が転落して、六名の従業員が死傷するという、国鉄の事故としてはあまり例を見ないような事故が発生しておるわけでございます。この原因についてはいろいろと新聞等で報道されておるところでございますが、国鉄当局としては、この事故に対してどういうふうな分析をされ、またその結論としてどういうような結果が出されておるのか、この事故についての見解を承まわりたいと思います。

松本文彦日本国有鉄道施設局長

○松本(文)説明員 お答えいたします前におわび申し上げますけれども、昨今一連のいろいろなできごとが出来いたしまして、だいぶ次々と世論をにぎわすことになっておりますことをおわび申し上げますとともに、われわれ大いに戒めておるということをお断わり申し上げたいと思います。  ただいま御質問の富良野線の事故についてでございますが、ただいま先生がおっしゃいましたように、今月の一日八時十五分ですが、旭川から富良野へ向かいます貨物列車が、富良野線の第一富良野川という橋梁の上で川の中へ転落いたしまして、従業員が三名死亡し、三名負傷した、この原因は、富良野川の第二橋脚という、富良野方から数えまして二番目の橋脚が、異常な洗掘のために転倒したということが原因になっております。  まず、その前に、当日の国鉄側の警戒体制について簡単に御説明いたしますと、九月三十日からこの地方に相当な降雨がございました。記録によりますと、一日の八時までで約七十二ミリという記録が残っております。この雨量は、この地方といたしましては相当な雨量である。問題は、この雨によりまして、午前八時現在におきまして、富良野川の増水が約一・六メートルあった。当時の水位はけた下約四・六メートルということでございます、この富良野川の橋梁におきましては、一年おきぐらいに、けたの下約一・五メートルないし二メートルぐらいの出水をいたしております。しかしながら、別にそのたびにそう何ら支障を起こしたという事例はございません。当日は相当な雨量でございましたので、まず午前三時に第一番目の貨物列車が通過いたしますが、その事前に私どもの検査班が現地を検査いたしまして、異状がなしということを判定して列車を通過させております。それから午前六時には第一番目の旅客列車が通過いたします。この前にも、同じように私どもの現場が検査いたしますが、異状がなしということでございます。その後二本旅客列車が通りまして、その次に当該貨物列車が来まして、そのときに橋脚が転倒したという経緯でございます。  なお、今年の八月の十五並びに十六日に、当該橋梁の振動検査という、振動機械を据えつけて検査をしております。これは定期的に行なうわけでございますけれども、その際の記録を見ましても何ら異状が出ておらないということであります。  以上のようなのがいままでに調査されました実態でございます。  これに基づきまして、この原因はどういうことであったかということについていろいろ私どもが現在、推論、調査を進めておる段階でございまして、最終的な結論まで至ってはおりませんが、いずれにいたしましても、この列車が通る前三十分ないし一時間の間で、この第二号橋脚の基礎が約二メートル半ないし三メートルという異常な深さにわたって急激な洗掘を受けたという結果、これが起こったということについてはほぼ間違いないと申してよろしいかと思うのです。  しからば、そのような異常な洗掘が何のために起こったかということになりまするというと、実は遺憾ながら今日の段階ではまだ分明ではないのでございます。しいて私どもが想定することは、この橋梁の下流におきまして、現在北海道庁が河川改修工事をやっておりますので、この河川改修工事によりまして川幅が約一倍半に広がりますことと、河床が約一メートル深くなっております。それから河川をつけかえることによりまして、川の流速がだいぶふえております。そういったような関係で、上流ではこの川は非常に曲がっておりますので、その関係の流速の増加、あるいは下流の反射の角度、そういったようなことが在来とは非常に変動いたしておる、これも事実でございます。それらが遠因となってこういう結果になったものだと推定いたしておりますが、これらの詳細につきましては、なお現地の北海道庁の土木試験所なり北海道大学なりへそれぞれ委嘱いたしまして、目下調査いたしておるわけであります。  一般論といたしまして、私ども国鉄におきましては、こういう老朽施設というものの取りかえを非常に急速といいますか、私どもといたしましては一生懸命にやっておるつもりでございまして、現在、心配なものが一つもないとは申しませんが、私どもの調査の結果、不良な橋梁というものにつきましては、逐次取りかえ計画を立てて進めておりまするし、及びそれらに対する警戒につきましても万全を尽くしてまいっておるつもりでございます。実は、この橋梁につきましては、そういったようなわけでございまして、さほど心配をしていた橋梁ではなかったという反省をいたしておるのでございまするが、こういう河相の変化ということにつきまして、私どもがわりに安心をしているものについてもかような結果になったということにつきましては、これは十分反省いたしておりまして、至急に全国の橋梁の再検討、見直しをやりまして、多少でも不安なものは積極的に手当てをするというふうなことを進めておる次第であります。  以上でございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 これは新聞の報道による資料でありますけれども、昭和三十七年、八年にもこの河川は相当はんらんをして、危険な状態になったということが記録として指摘されておるようであります。でありますならば、やはりこの旭川地区を中心としてかなりの集中豪雨があった。いま局長が答弁をされたように、鉄橋から下流に河川改修ができたために、上流の流水の状態と鉄橋から下流の水の流れというものは非常に格差がある。このことが、いわゆる鉄橋のところまでが狭いために、その水速というものは鉄橋を境にして急激に強くなっている。そういうふうな自然的な条件というものは、当然国鉄としては考慮に入れていかなければならないはずだと思うのですが、その辺はどういうふうな判断をされていたか、お伺いいたします。

松本文彦日本国有鉄道施設局長

○松本(文)説明員 ただいま御指摘のように、全国的に申しまして、河川改修工事に関連いたしまして国鉄の橋梁に何がしかの影響が出るということは間々あることでございますので、この富良野橋梁につきましても、私どもの現場といたしましては相当入念ないろいろな検査をし、調査もいたしておったわけでございます。その結果が、冒頭申し上げましたような振動機械を据えつけて試験をするというふうなことまでやっておりまして、その結果何ら変状が認められなかったということで、決して油断したのではあるまいと思いますが、まあこれならだいじょぶという判定をしたわけでございます。  ちなみにお断わり申し上げますと、この河川改修工事に伴いまして、橋梁をつけかえる予定になっております。この工事を、実は十月二日に入札いたしまして明年の八月に完成いたすということでございましたので、結果から申しますると、来年になりますれば絶対にこんなことはなかったであろう、そういう点において国鉄側の手当てが若干おそかったのではないかという御指摘もあろうかと存じまするが、これらにつきましては、日本じゅうにいろいろなところがございますが、その場合、その場合、何もとりかえに至らぬまでも、修繕的な手当てによって橋梁を維持しておるという現状でございます。毎年五カ所ないし十カ所、日本じゅうのどこかでそういう橋脚がこわれる、倒れるという事故が起こっておりまするが、こういう、列車に支障を来たしたというようなことは最近二十年来なかったことでございまするので、私どもは今後とも大いにこういう調査をより入念にやり、より入念なる警戒を施して、二度とこういうことを起こさないようにしたいということで、全国的に調査を進めておる段階でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 なお兒玉委員に申し上げますが、運輸省から森永保安課長も出席しております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 建設省おいででしょうか。――この事故の概況等から、私も専門的には判断つきかねますけれども、下流の河川改修というものと――今回の事故のありました富良野の鉄橋の地域における河川の改修というものと橋脚の拡張ということが、やはり並行的に行なわるべきじゃなかったかという感を深くするわけであります。これからもやはりこういう中小河川等における河川改修なり、あるいは国鉄線の架橋されている地域においては特にそういう現象が起きて、結局河床が下がるために国鉄の橋脚というものが非常に安定性を欠いてくるということは当然考えられるものだと私は思うのですが、その辺の関連については国鉄当局との連携はどういうふうになってきているか。特に富良野川の件についてお伺いしたいと思います。

西川喬建設省河川局治水課長

○西川説明員 お答えいたします。  河川改修に伴いまして鉄道橋の継ぎ足し等というようなことが必要になりました場合には、現在、建国協定によりまして鉄道が二分の一、河川のほうが二分の一を出しまして、河川計画に合わせて橋をかけかえることになっております。この富良野川の橋梁につきましては、現在下流三十メートルのところまで暫定的に川幅を広げてまいっております。それに伴います国鉄橋のかけかえにつきましては、すでに、いま国鉄のほうからも答弁がありましたとおり、本年度予算措置を講じておったわけでございますが、着工がわずかにおくれた。これは出水中の工事になりますとあれですから、今年度出水期以降着工するという予定でありましたのが、たまたまこういう事故になってしまったということでございますが、計画上の調整は十分予定しておったわけでございます。  ほかの川につきましても、河川改修工事に伴いまして必要となる鉄道橋の改良工事につきましては、全部国鉄と協議いたしまして、計画的にタイミングを合わせてやるようにいたしております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 再度局長にお伺いしたいのですけれども、この鉄橋の近くに、二年ほど前までは線路班があって、警戒についても、こういう工事期なりあるいは危険増水等の場合は相当厳重な警戒体制をとっていた。ところが、合理化によって、結局いま線路班が集中されて、移動警戒、改修をやっておるわけですけれども、そういうこともやはり直前における危険状態を察知できなかった一つの要因でないかということも推測できるわけでございます。こういうふうな異常時における警戒体制について、どういうふうな指導を今度の場合はしておったか。先ほどの答弁の中では、その直前までの列車の通過には支障を認めなかったということでありますけれども、少なくともその直後に通った貨物列車が転落するという事故は、かなりの異常な状態が、少なくとも水面以下は別としましても、橋脚の状態、けたの状態等から判断できたのではないか。常時警戒というところに私は一つの国鉄側の責任があるのではないかというように推測するわけでありますが、その辺の見解はどういうふうに反応されておるか、お伺いしたいと思います。

松本文彦日本国有鉄道施設局長

○松本(文)説明員 ただいま、線路班が集約されて警戒が手薄になっておるのではないかという御指摘がございましたけれども、これは警戒その他とは直接の関係はないように考えます。と申しますのは、要するに、そういう施行体制をとっておりますのは、一つには集約して重点的に動員するほうがより安全な警戒ができるということもございますし、あるいはこの前提といたしましては、自動車でありますとかあるいは軌道モーターカーでありますとか、相当な機動力をつけて、従来足で歩いておるところをそういう機動力によって人間を運搬して警戒に当たるというふうなことが前提となっておりますので、より機動的な運用を行なっておるということで、決してその結果が手薄だというふうには私ども考えておりません。  それから、この橋梁の前駆症状と申しますか、もうちょっと前にわからなかったであろうかという御指摘につきましては、私どももいろいろ反省しておりますが、相当なエキスパートが見ておってもこの状態ではおそらくわからなかったであろう。今回の私どもの作業形態の変更というようなものは、ただいま申しました機動力を付するということのほかに、検査専門の人と作業専門の人とある程度分化いたしまして、この場合にも検査専門班の連中が行きまして相当入念にいろいろ調査いたしております。その際にも前兆とおぼしきものは一つもない。あるいは水の中の洗掘状況についても相当調べておりますが、これについても、少なくとも二時間前までは何ら異状を認めなかった。そうしますと、わずか三十分か一時間の間でそういう異常洗掘が起こるということは、おそらく河川の専門の方もなかなかおわかりにならないことじゃなかろうかというふうなことで、私どももいま鋭意いろいろ専門の方々にお願いして、冒頭申しましたように原因の究明をしておりますが、どうもいまの国鉄のレベルではちょっとつかみにくい事故であったというふうに、確信をもって申し上げてよろしいかと思われます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 運輸省の鉄監局の保安課長にちょっとお伺いしたいのですが、来ておられますね。いま北海道の国鉄富良野川にかかる鉄橋の問題で御質問しておるところでありますけれども、国鉄当局の説明によれば、現在の国鉄の技術陣をもってしても今回のこのような事故を事前に予見するということはなかなか困難であるという局長の説明があるわけです。この鉄橋は明治四十一年に架橋されて、記録によりますと、昭和三十五年ごろに補強されておる、こういうように資料によりますとなっております。おそらく今回のこのような事故は非常にまれでありますし、幸いにこれが貨物列車であって、乗客はなかったということが不幸中の幸いといえるわけでありますけれども、それにしても三名の乗務員が即死しております。こういう点等から考えますと、特に監督官庁である運輸省として、現在国鉄経営が赤字である、また赤字路線の廃止、企業性というものに重点が置かれ、公共性というものがどうしても影を薄めていくという事態はいなめない事実であると思います。しかし国民の貴重な生命財産を安全に輸送するのが国鉄の重大な使命であります。そういう点から考えました場合に、運輸省当局としては、この種事故が再度発生することがないように、単に国鉄だけでなくして、私鉄交通機関全体にいえることであると思うのですが、今回の事故にかんがみて運輸省としてはどういうふうな指導を今後しようとしているのか。今回の事故にかんがみての対策についてお伺いしたい。

森永昌良運輸省鉄道監督局国有鉄道部保安課長

○森永説明員 ことしの六月の終わりごろからでございますが、いろんな国鉄の大きな事故が相次ぎまして、具体的に申し上げますと、六月の二十七日に東海道本線の膳所、それから翌日山陰本線の湖山というところで、さらに七月に入りまして東京、中央線のお茶の水の駅で、さらに八月に入りまして大船の駅で、さらには九月に入りますと、停車場を通過するとか、あるいは飲酒したまま運転するとか、いろいろな事故がいろいろな形であらわれてまいりまして、運輸省といたしましても、何とかこの際鉄道事故を根本的になくすための対策を考えるべきじゃないかということで、八月の中旬でございますが、鉄道事故防止対策委員会というものをつくろうということになりまして、実は八月の終わりにそれを発足させまして、八月三十日に第一回の会合を開きまして、その後九月、十月と現在まで三回の委員会を開いて、あらゆる種類の鉄道事故に関しましてその防止対策を目下慎重に検討していただいているところでございます。委員長は東芝の社長で、あと大体二十名、各界の専門家の方々を委員にお願いいたしまして、鋭意検討を進めているところでございまして、たまたまそこに、本日御指摘のございました富良野線の非常に特異な事故も起こりましたので、その翌日さっそくございました第三回のこの委員会におきまして、この事故の状況について御説明申し上げ、あわせてこの事故についても御検討いただくようにお願いいたしているところでございます。  当初の目標でございますと、大体十一月末までに一応の鉄道事故防止対策についての答申がなされることになっておりますので、その時期には、この事故も含めまして明確な答申があるかと思っておりますの、その答申を受けまして私どもいろいろな対策を考えていきたい、このように考えておる次第でございます。  この当該の事故に関しましは、いろいろ国鉄のほうからも御説明ございましたけれども、やはりいまかなりの専門家が見てもわからないという点があるようでございます。そういった形で、かなり専門的な橋梁の安全性についての知識のもっとハイレベルのものを持っている者を各管理局や支社に必ず常置するとか、今回問題になりましたような洗掘を簡単に見分けることができるような検査機器を開発して、そういうものを備えつけるとか、いろいろ対象はあろうかと思いますので、国鉄ともよく相談いたしまして、早急にその実現をはかりたいと思っております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 再度保安課長にお伺いしたいのでありますけれども、とにかく現在国鉄のローカル線が結局廃止路線として諮問機関から出されておるわけです。これはどうしても財政上から来るところのしわ寄せによって不採算線区を廃止していく、これは企業体からいえばある程度やむを得ない面もあると思うのですけれども、やはり現実に決定するまでは、実際に多くの貴重な人命を運んでおるわけです。そういう点から考えますと、やはり安全性の確保という点は絶対的な条件だと思うのですが、そういう採算性の面とそれから安全性ということについて、現在必ずしも一致しない面があるやに私は見受けるわけでありまして、どうしてもこのローカル線に対する検修、補修がともすればおろそかになりがちな傾向を生んでいくのではないかという懸念を十分持つわけでありますけれども、その辺はどういうふうに判断されているのか、保安課長にお伺いしたい。

森永昌良運輸省鉄道監督局国有鉄道部保安課長

○森永説明員 七月、八月と国鉄の赤字線の問題がかなり新聞をにぎわしたわけでございますが、たまたま今回の線区もいわゆる赤字線でございまして、先ほどの保線関係の体制をある程度集約化していくという問題、あるいは赤字線だから保安に手を抜いて事故を招いたのではないかという御指摘の点、いろいろ新聞等にもそのようなことを書かれているものもございますけれども、保安の問題がそういうことで手抜かりがあってはまことにいけないことでございまして、もちろんそういうことは国鉄はしているはずはございませんし、赤字線自体についても、運輸省といたしましては、ことしの四月以降国鉄財政再建推進会議というものを設けまして、三つの部会に分かれて総合的に国鉄財政の立て直しについて目下諸先生方に御研究いただいておりまして、今月の末までには答申をいただくことになっておりますので、その答申をいだいた上で、廃止するかしないかというような点も含めまして、国鉄の財政再建についての運輸省の方針がスタートするわけでございますので、それ以後にならないとその面についてのいろんなお話はできないのでございますが、少なくとも保安の問題については、赤字だ、人が足りないということとは関係なしに、当然第一にやるべきことでございますので、私どもは厳重にその辺は今後とも手抜かりがないように指導してまいりたいと思っています。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 これは松本局長か保安課長どちらでもけっこうですけれども、この事故で墜落した只野機関士が解剖をされているということを聞いているわけですが、これはどういう意図でなされたのか、もしおわかりであったらお聞かせいただきたい。

松本文彦日本国有鉄道施設局長

○松本(文)説明員 実は事後に現地等の新聞を拝見しましてそういう事実があったということを知ったわけでございますので、私ども実はどうしてこうなったのだというお話を多少現地へ聞いてみたのですが、私どもの現地でもあまり明確な事情はわからない。おそらく墜落の原因の推定その他のためではないかというふうな、まことに不明確なお答えで申しわけございませんが、そういう程度の情報を得ておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 森永さん、何かその件でありますか。

森永昌良運輸省鉄道監督局国有鉄道部保安課長

○森永説明員 私は実はその事実を承知しておりませんので、よくわかりません。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 その点は、どういう理由で解剖に付したのか国鉄のほうでよく調査をして、結果をひとつ報告していただきたい。これは要望しておきます。  それから、この事故にかんがみて言えることは、鉄橋等が非常に――明治四十一年といいますと約六十年を経過しているわけでありますし、最近の災害状況というのがどこの地域においても集中豪雨だ、それから今回のこのような鉄橋から下流が河川の改修が進んで上流は非常に水の流れが緩慢である、こういう特異な現象といいますか、こういう状況におけるところは相当数全国にあるのじゃないかと考えております。もちろん本流等におきましては、大河川等においてはほとんど鉄橋の改修というのは完備されておりますけれども、やはりローカル線、支線区等にこういう形態が多いと思うのでございますが、やはり今日国鉄が合理化の名のもとに、何といいましても幹線が重点でローカル線がどうしてもあらゆる面において疎外されることは否定できないと思うのです。問題は、先ほど保安課長も指摘されましたが、こういうふうな非常に老朽化した状態、またこれに対する補強の状況など、集中豪雨等が来た場合に非常に危険な状態に置かれている河川、橋梁、こういう一つの状況等をひとつこの際資料として私は出していただきたい。今後国鉄に対するこういうふうな重大な不安というものが再び国民にないように十分の配慮を特に要望し、資料についてひとつだけ早急に提出していただきたいことを要望しまして、私の質問を終わりたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 ただいま兒玉委員から要求のあった資料については、さっそく整備して提出を願いたいと思います。

松本文彦日本国有鉄道施設局長

○松本(文)説明員 お答えいたします。  実は私どもといたしましては、こういう橋梁の実態ということにつきましては十分把握いたしておると考えておりましたけれども、こういう今回の事故にかんがみまして、もう一ぺんとにかく日本じゅう洗い直して、全部いままでのデータと突き合わせて、もし変更を要するものは全部変えようということで、至急全国に指令を出したところでございます。この結果が十一月の中旬くらいには大体まとまるのではないかと思いますが、いままでのデータではちょっと御要望を満たせないと思いますので、若干の時間をおかしいただきたいということと、もう一つは、この事故の直後に部内にあります事故防止対策委員会というものを急遽開きまして、その席上で確認いたしましたことは、ただいま先生の御指摘にもございました赤字線といい、ローカル線といい、もうこれは列車を運転しております以上は安全を確保するというのは当然のことでございますし、また、私どももそういうことについていささかの懸念も持っていなかったわけでございまするが、今回の事故にかんがみて、今後とも赤字線であろうとローカル線であろうと、とにかく汽車の走っている間は絶対安全を確保する、あるいはそのための出費をすることに決してやぶさかでないということについて、急遽全国の施設部長にもそういう指令を出しておりますし、そういうためにかりにも手抜きをするということがあっては万まかりならないということで一同申し合わせておりますので、あわせてつけ加えさせていただきます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 それでは今回の台風十号並びに台風十六号に関連する問題について御質問したいと思います。  まず農林省関係にお伺いしたいのでございますが、第十号の台風は大体被害県二十八県でありまして、被害額も大体百億ちょっとこしたくらいの状況の中において、特に被害のひどかった長野、三重、千葉等は、いわゆる天災融資法の第二条に基づく特別被害地域の指定が行なわれて災害復旧に対処しておるようでございますが、先ほど鹿児島、宮崎両県の代表からも要請のありましたように、今回の第十六号台風におきまして特に宮崎、鹿児島両県が相当の被害をこうむっております。私の宮崎県の場合におきましても、特に宮崎県の中部の地域に集中的な被害が発生いたしております。こういう点から、当然今後の復旧につきましては、天災融資法の適用と同時に第二条五項による特別被害地域の指定についてぜひひとつ御配慮いただきたい。この点は先般十号台風による長野、三重、千葉県等の被害状況に比較いたしましても、優にこれをこえるところの被害であるということが鹿児島、宮崎両県下の、ここに出されました資料でも明らかにされているところでございますが、これについての見解を承りたいと思います。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 今回のいわゆる第三宮古といいますか、十六号台風の被害が相当激甚であるということにつきましては、農林省といたしましても大体推察はしている次第でございます。県から御報告のありました現段階でも、農作物の被害だけでも百八十一億というふうに、概算でございますが出ておりまして、そのほか公共施設等を入れますと、先ほど総理府の副長官からお話がありましたように、相当な被害になっておりますので、われわれとしても現在いろいろ調査をいたしております。特に天災融資法の発動要件といたしまして、統計調査部の統計を目下鋭意急いでおります。その調査が、その前後にありました多少の長雨とも関連がありますので、そういう関係で多少手間どっておりまして、われわれ非常に督励はいたしておりますが、現在の段階では十月の中下旬にならないと統計調査部の被害の確定ができないのではなかろうか。その統計調査部の被害の確定を待ちまして、天災融資法の発動並びに特別被害県の指定については検討してまいりたい、こういうふうに思っております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 八月の第十号台風の場合におきましては、二十八県という広範囲にわたったわけですけれども、今回の場合は、集中的に被害を受けているのは宮崎、鹿児島両県でございますので、調査並びに指定につきましては、できるだけ私は早急にこれをお願いしたいと思うのです。大体いままでの例から考えましても、私はおよその調査結果によって指定等の判断はできると思うのですが、どういうふうな時期に判断できるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 やはり今回の台風も相当広範囲にわたりまして、いわゆる統計調査部のほんとうの最終報告が入りませんとちょっと申し上げにくいのですが、現在県からいただいております報告だけでも、九州、四国、それから一部やはり三重のほうまでかかっておりまして、約十県被害範囲がございまして、やはり相当な広範囲にわたるものと思っております。それで先ほど御報告いたしましたように、やはり十月の中旬以降にならないと、この二、三日じゅうということでは報告が確定しないのではなかろうか、こう思っております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 できるだけひとつ早急にこの指定が行なわれますように要望申し上げます。  次に、今回の十六号台風によりまして、普通作によるところの水稲が相当の被害をこうむっておるわけであります。十号台風によりましては高知なりあるいは三重、千葉県等も相当の被害をこうむっておるようでございますが、問題は、実る前にありました状態から考えますと、私は災害によってかなりの等外、規格外の水稲ができるのじゃないかと思うわけでございますが、この規格外に対するところの政府買い入れについて特別の措置を講じていただきたい。これはもうすでに高知なりあるいは千葉県等においても例のあることでございますが、これらの取り扱いについてどういうふうな御処置をされようとしておるのか、お伺いしたいと思います。

馬場二葉食糧庁業務部長

○馬場説明員 お答えいたします。  政府の買い入れます米は、玄米の場合であれば農産物検査法の検査による一等から五等までが原則でございます。こういうひどい災害によって、ただいま御指摘のような等外米あるいは規格外米が発生した場合は一体どうするのか、こういうことでございます。本年は米の需給事情その他も相当変わってまいりましたので、昨年より等外米なり規格外米の買い入れが少し窮屈な状況でございますが、ただ天災融資法に基づく指定災害だとかあるいはそれに準ずる災害で、しかも非常に農家の経済に及ぼす影響が大きいという場合は、配給に適する米であって一定の品位以上であれば、等外米ないしは規格外米も買い入れるようないま検討をいたしておるわけです。規格外米の中で特に水分過多甲及び水分過多乙という米がございますが、これは昨日買い入れの手続をいたして、昨日から実施いたしております。その他のものにつきましては、災害の程度によりまして県別に今後検討いたしまして、いま申し上げましたような方針で検討を続けていきたい、こういうように考えております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 業務部長にお伺いしたいのでありますけれども、等外なり規格外米の災害による買い入れ措置については、予算上の制約はあるのかないのか、この点、お聞きしたいと思います。

馬場二葉食糧庁業務部長

○馬場説明員 予算上は特にこれを除外しているということはございません。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 大体宮崎県の場合、等外上の売り渡し見込み数量が約二万五千俵、それから規格外が約一万五千俵、合計四万俵程度が見込まれておるわけでございますが、先般の十号台風では、三重県並びに千葉県等がこの対象として決定を見たように聞いておりますけれども、これらの関連から考えます場合に、こういう数量について現実に今回の台風によって受けたことが確認されるならば、このような数量については全量買い上げの対象とすることができるのかどうか、この点重ねてお伺いしたい。

馬場二葉食糧庁業務部長

○馬場説明員 八月末の暴風雨等による例の指定県でございます三重とか千葉の等外上ないしは規格外の買い入れは実はまだきまっていない、ただいまこれも検討中でございますが、十六号によるのはさらにそれよりあとでございますから、先ほど農林省の参事官から申し上げましたように、それが天災融資法の指定災害になるかどうかということと、食糧庁の出先であります食糧事務所で、一体どういった要因でどの程度の規格外なり等外上の米が出るか、これを十分調査しました上で検討いたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 関連。私もその質問をしようと思っておったのですが、ちょうど出た関連で業務部長にお尋ねいたします。  先般、昭和四十三年八月下旬の暴風雨等についての天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の適用に関する政令、これによって、いわゆる十号台風はその範囲を千葉県、長野県及び三重県と定める、こうあります。そこで、食糧庁長官の昭和四十三年九月二十四日付の四三食糧業第二六八七号(買入)、これによる通達においては、相当程度の災害があった場合には等外米、規格外米についても災害該当県のみを対象として政府買い入れを行なう方針である――これは等外、規格外米です。こういう通達が出ておるわけです。いま業務部長の御答弁では、きのうだか、おととい、八日ですか、八日の日付でもって水分過多の甲、乙、これについては出されました。したがって十号台風関係でここにいわれているところの相当程度の災害に関する要項はまだこれから検討中だ、こういうことではなかろうかと思うのですが、十号によって天災融資法が発動された三県については、ここでいうところの相当程度の災害、こういう該当県とみなして、そこの等外、規格外米については全量買い入れをする。この両方をよくにらみ合わせて読んでみれば、そういうふうに私は理解できるわけですが、その三県についてはいいわけですか。

馬場二葉食糧庁業務部長

○馬場説明員 十月四日に閣議決定されました、いまおっしゃた長野、千葉、三重の特別指定県でございますね、これは当然買い入れ対象としていま調査をしているわけでございます。三県とも被害がある程度発生しており、そういう等外上なりあるいは規格外米が相当出るということが確認されたわけですから、ただいま三県については大蔵省、財政当局と折衝に入っておる段階でございます。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 わかりました。それじゃ、この十号台風の天災融資法の三県については全量買い入れ、こういう方針でいま折衝中だ、近くそれがきまる、こういうことでございますね。

馬場二葉食糧庁業務部長

○馬場説明員 検討の対象として取り上げまして、いま財政当局と折衝を始めているということでございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 参事官にお伺いしたいのですけれども、おそらく今回の第十六号台風も十号台風以上に激甚でありまして、天災融資法の適用を受けることは一〇〇%間違いないとわれわれは判断をしているわけでございますので、作業についてはできるだけ十号台風と同時に処理できるように特に私は要望しまして、次の点をお伺いしたいと思います。  次に、今回の災害によってほとんど限定された町村に集中的な被害を受けている。そのために、農家によってはほとんど収穫皆無のような状態の農家も相当数あるわけであります。当然この点から、予約米の概算金の返納ということが当面の課題になってくるわけでございますが、これの緩和についても特別の配慮をしていただきたい、こういう強い要望が出されておるわけでございます。これについての御所見を承りたいと思います。

馬場二葉食糧庁業務部長

○馬場説明員 予約米概算金の返納の問題でございますが、相当災害がひどくて予約米概算金の返納を要する農家が出るだろうということが予想されるわけでございます。その際、返納の期日については、これは本年は従来と違いまして、九州でありますと返納の期日は約四カ月延びておるわけでございます。だから、四カ月延びた返納の期日を変更することはいま考えておりません。ただ、それに加算する利子の取り扱いでございますが、一定の利子を加算して返納していただいているわけでございますけれども、特に天災融資法による天災による被害の場合は、被害の程度に応じて加算利子の減免の措置をとっておりますし、本年もとる予定でございます。それから、農家が自己資金で返納できない場合は、指定集荷業者が代位弁済をするという道も開いてあります。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 いまちょっと最初のところがわからなかったのですが、返納の期間は四カ月ということですか。

馬場二葉食糧庁業務部長

○馬場説明員 従来、昨年までは九州でございますれば一月の三十一日であったわけです。本年はそれを五月の三十一日、四カ月間延ばした。だから、返納を要する農家は五月三十一日までに返納していただく、こういうことになるわけです。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 次に、今回の災害による農地並びに農業施設の早期復旧という点です。現在、農地の事業量が約五百四十カ所、農業用施設が七百十八カ所、それに林地並びに林業施設災害が非常に多かったわけでございます。これも当初県のほうからも御説明ありましたが、緊急の治山事業を含めて五百五十六カ所、それから治山施設災害の復旧が一カ所、林道災害復旧が二百四十五カ所、こういうふうに膨大な農地、農業用施設、林地、林業施設の被害をこうむっておるわけでございます。これらの復旧については、国庫補助の配分等についても特別な措置と同時に、緊急な査定を私たちは強く要望しておるわけでございますが、これらの点について御所見を承りたいと思います。

櫻井芳水農林省農地局建設部災害復旧課長

○櫻井説明員 お答えいたします。  ただいま先生御指摘のように、宮崎県が一番多うございまして、その次に鹿児島県というように膨大な被害を生じております。災害復旧につきましては、たとえばかんがい時期でございますと、用水路等は緊急に復旧を要するものでございまして、そのために査定にあたりましては、緊急に復旧を要する個所等について、いわゆる緊急査定というものをまず行ないます。しかしながら、この緊急査定といえども、計画申請書がまず先に地元でつくられまして、それに基づいての査定でございますので、それを待っていたのでは用水路の確保等が困難な場合には、応急工事を実施するように指導しております。これらの応急工事につきましても、工事が適正であれば国庫補助の対象にしております。次にまた被災施設等の増破防止、あるいはただいまのようなかんがい用水路確保等のために緊急に復旧を要する個所につきましては、県及び地方農政局と協議の上、査定前におきましても復旧工事の実施を認めております。十六号関係につきましては、すでに各県とも九州農政局との打ち合わせも終わりまして、すでに一部は査定に入っておりますが、現在の予定では十一月ごろまでに第一次、第二次と順次、査定を地元並びに県の準備に応じまして進めていく計画でございます。

木村晴吉林野庁指導部長

○木村説明員 林野関係を引き続きお答えいたしますが、林道施設及び治山施設につきましては、林道は十月二十日から査定に入ります。それから治山施設は十月の末から査定に入ります。それから問題は一般の山地の崩壊の復旧事業でございます。特にシラス地帯で非常に多岐にまたがっておりますが、その中から本年度緊急に民生安定に役立てなければならぬものの個所の個所づけにつきましては、大体県のほうから十月の半ばごろから下旬にかけて資料が出てまいりますので、その資料の出そろいを待ちまして関係省と協議いたしまして、農林省の要求等の事務を進めていきたいと思っております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 特に農業用施設なり農地関係については、冬季間の復旧工事というのは一般の時期に比べてかなり手間どると私は思うのです。そういう点から、いま林野関係はもう十月二十日から緊急の査定に入るという御答弁がありましたが、農業用地関係につきましてもできるだけ早急に査定に入るように、ひとつ県のほうのしりをたたいていただいて、早急査定ができるように要望申し上げておきたいと思います。

櫻井芳水農林省農地局建設部災害復旧課長

○櫻井説明員 それでは査定計画の宮崎県の場合を申し上げますと、ただいまの計画では第一次を十月の二十二日から二十六日まで二班が入る予定でございます。第二次は十一月の下旬四班、これをもって終了の計画でございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 総理府関係にお伺いしますが、午前中の質問で大体みな終わったようでございますけれども、まだ最終的な結論にはいってないということをお伺いしましたが、いずれにいたしましても、けさ県の出納長からも御説明がございましたが、宮崎県の場合は本年二月のえびの地震に引き続き、十号台風、そしてまた今回の十六号、こういうことで、財政的にも極端に苦しい状態に追い詰められておりますし、過去二十年間の統計から見ましても千七百八十二億、平均八十九億の損害をこうむっております。単にこれは宮崎県だけでなくして、先般の十勝沖地震あるいはその後の飛騨川水系に起きましたところの集中豪雨等も現地の視察をいたしましたが、どこの地域におきましても、いわゆる現象面として強調されるのが、集中的な被害が非常に多いという特異な現象であったということであります。しかも現行の激甚法によっては何ら財政的な恩恵に浴しないというきわめて不合理な状況に置かれておる。この点は先ほど先輩委員の皆さん方から、それぞれの立場から主張されておりますが、何といいましても、この局部的な集中災害によって受ける市町村関係の財政負担というものがすでに限界にきておる、こういう点から考えますならば、激甚法の第二条に明確に規定されておりますように、これは局地的といえども、その個所がふえることによって全体的な国民経済に重大な影響を与えておるわけでございますので、この激甚災害の特別財政援助法の適用基準につきましては早急に結論を出すように、格段の努力を私はお願いしたいと思うわけでございます。特に今回宮崎、鹿児島県等の場合におきましても、特定の町村が集中的な被害をこうむっておる、こういう実情を十分御理解いただき、過去における、この一年間の災害の発生状況から見ましても、私はこれの基準の緩和ということは緊急を要する課題だと考えておりますが、これに対する参事官の御所見を承りたいと思います。

川上幸郎内閣総理大臣官房参事官

○川上説明員 お答えいたします。  この問題につきましては、先般えびの以来論ぜられてまいりました問題でございまして、総理府におきまして、それ以後数回にわたりまして協議しておったのでございますが、昨日やっと、特に著しい激甚災害を受けました市町村につきましては、当該市町村の公共土木施設等の災害復旧事業、農地、農業用施設等の災害復旧事業、それから被害を受けました中小企業者に対します資金の融通について、現行法に新たな基準を設ける。したがいまして、現行法の手直しを行なわずに、現在の指定基準に新たなる項目を追加する、このような方法によりまして、市町村に対します救済をいたしたいという方針を決定した次第でございます。  なおその具体的な基準につきましては、さらに関係各省間におきまして検討いたしたいと存じます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 この新たな基準の改定がされた場合の適用の期限といいますか、実施の時期というのはどういうふうにお考えになっておるのか、お伺いしたいと思います。

川上幸郎内閣総理大臣官房参事官

○川上説明員 本年一月からこれを行ないたい、こう考えております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 この点はおそらく今年相次いで発生しました全被災地域住民なり関係機関の熱烈な希望でもありますので、これが決定が早急になされますように強く御要望しまして、あと二点について御質問したいと思います。  第一点は文部省関係であります。今回の十六号台風によりまして、県内におきまして六十七の小中高の校舎あるいは体育館等が被害を受けまして、教育の面においても重大な支障を来たしておるわけでございますが、特にこの点は被害の早急査定、さらにまた今後の教育等に支障のないように、十分に早急な復旧をはからなければいけない。そのためには、特に県の場合におきましては、えびの地震以来百五十億をこえるばく大な財政負担が必要となっておる。こういう点から考えます場合に、特に国庫補助と起債について、特に文部省関係についても強い要望が出されておるわけでございますが、これの復旧とこれの措置についてどういうふうな御処置をとられようとしているのか、お伺いしたいと思います。

栗山幸三文部省管理局教育施設部指導課長

○栗山説明員 ただいま御指摘がございましたとおり、宮崎県においては、台風十六号の全国被害のうち約三割強を占めている。これは公立学校関係でございますが、そういった実情です。私どもも教育に重大な支障があってはならぬということで、県にただいま事業計画の提出を早くするようにということを督励いたしております。  なお、事業計画の提出の時期が、台風の被害が大きかっただけに、ほかの県と比べてやはりおくれがちです。しかしこれができ次第、私どもはすみやかに現地調査に出たい。一応いま県側との打ち合わせでは、十月の下旬から十一月の初旬にかけて現地調査を行ない、完了したい、こういうふうに考えております。ただ、この間にあっても、応急措置としては、やはり緊急にとるべきものは当然にとらなければならぬということで、一般の被災部分でそれが広がるおそれが非常にある部分とか、雨漏りその他で教育に支障があるもの、これに関しては査定に復旧工事に着手するように指示しております。特に、蛇足かもしれませんが、宮崎県においては高鍋町における体育館の半壊、これはかなり危険でもありますので、危険防止の観点から一応取りこわしをすでに指示いたしました。そうして、これについては、現在木造でございますが、改良復旧を大いに考えて、積極的に復旧対算に取りかかりたい、こういうふうに考えております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 特に、えびのの場合には地震で下からゆれたわけですけれども、今回は空のほうからたつまきが来て巻き上げていった。まさに宮崎県は空、陸、地という三位一体の被害を受けているわけでありまして、前にもこのような現象が起きたことがありますので、その辺、今後の復旧については十分技術的な面も配慮して復旧に取り組んでいただきたい、こういうことを特に御要望申し上げます。  次に自治省関係でございますけれども、これはどこの県からも共通の要望であろうかと思うのでありますが、特に財政的に非常に貧弱なわが県におきましては、先般のえびの地震、今回の十六号によって、総体にして百五十一億という災害の被害を受けておるわけでございます。こういう点から、やはり県としては特に災害救助法等に基づきまして、医療関係なり、あるいは道路、橋梁、地すべり、河川、砂防その他の諸般の復旧について相当の財政負担が予想されるし、現にまた支出がなされておるわけでございますが、このような災害復旧に対しましての財政需要を満たすためには、どうしても国からの特別交付税に待つところがきわめて大きいわけであります。また災害復旧に要する起債等についても、特別の措置を特に要望されておるわけでございますが、自治省としての見解を承りたいと思います。

角田直方自治大臣官房調査官

○角田説明員 私のほうで所管をいたしております起債、それから交付税関係、特に特別交付税でございますが、災害関係を、言ってみますと優先的に考えておる。これは御承知のとおりであろうと思います。  今回の十六号台風関係のさしあたっての報告を県から受け取っております。午前中にもお答えを申し上げましたように、当面の市町村の資金繰りのために、普通交付税の繰り上げ交付等の措置をいま進めておるところでございます。なお詳しい報告は、これから特別交付税の算定の時期にも入ってまいりますので、十分事情を聴取いたしまして、市町村あるいは都道府県の財政運営に支障のないように配慮してまいりたい、こう考えております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 終わります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 赤路友藏君。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 大体いままで十六号台風の対策については各議員から個条的にいろいろ質問があり、それぞれ答弁があったわけであります。私はもう言うところはないが、ただ四、五点詰めておきたい、こう思うのであります。  まず第一点、先ほどの池田議員の質問に対して答弁がありましたが、農業共済保険をできるだけ早期に支払いしたい、概算払いということをおっしゃっておったが、もうすでに出したところがあるのかないのか。概算払いしたところがありますか。報告が来ておりますか。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 概算金と申しますよりも、むしろ仮払い金のことかとも思いますが、単位共済が仮払いをやる、支払いを促進されて、その結果、中間的に国のほうに対して再保険金の概算払いの要求が来ることにルールとしてなっておりますが、農林省といたしまして、先日、十月七日付で局長通達、その仮払いもしくは概算払いの督励方の通達を出しましたので、現在の段階では、まだ県のほうからこの支払いを一部仮払いをしたという報告には接しておりません。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 できるだけ早く――率直にいって、だれかも言っておったが、従来の資金の流し方といいますか、こういうような共済関係にしてもその他の資金にしましても、どうもおくれがちなんです。だから被災者としては、できるだけ早く、そのことがまた立ち上がる意欲を農民自身が燃やすことになる。できれば、十月七日といったらおとといですな、もう一ぺんまた追っかけて追い打ちをかけてください。これが注文です。  第二点、農業近代化資金なんですが、これに対する参事官の答弁は、貸し付けワクがきまっておる、そして今後何とかやりくりをしたいというような言い方だったと思いますが、間違いありませんか。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 近代化資金につきましては、この四月以降、年度初めにある程度各県に近代化資金の需要量を求めて、それぞれ各県に配分をおおむね完了しております。現在農林省にはほとんど手持ちらしいものは残っていないのでありますが、各県のやりくりのいかんによりましては多少余裕が出てくることもあり得ますので、そういったものを重点的にこういう被害県に今後回してまいりたい、こう思っております。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 おっしゃることはわかるのです。とにかく年度初めに予算を組んだ、それをそれぞれの県の使用状況を見てやりくりしていきたい、こういうことだと思うのですが、それは平常のときであって、異常事態が出ておるのです。だからこの際、特別にワクをとってこれをやってほしい。それでないとどうも意味がない。思い切ってそれをやる、特別ワクをとる、こういうふうにいきませんか。     〔委員長退席、川村委員長代理着席〕

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 御要望の点につきましては、われわれも今後この被害県とも十分協議いたしまして、なお資金需要の御要望の強さもよく検討いたしままして、善処いたしたいと思います。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 その点はひとつ十分考えていただきたい。平常と違うということですね。  それから第三点。これは自作農維持資金なんですが、被害実態に応じて、天災法と並行して相談しながらやっていきたい、こういうような答弁であったように思います。これもこの際やはり思い切って特ワクをつけて、そうして何か立ち上がる道をすみやかにつくってやる、こういうふうにいきませんか。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 先ほど私からも答弁いたしましたように、まず天災融資法の発動要件をわれわれとしては現在非常に検討している最中です。いまの統計調査部の被害統計の集計が集まりますれば、あるいは天災融資法の発動もまたできるのではなかろうか、こう思っておりますので、天災融質法の発動要件が整いますれば、また自作農創設維持資金もある程度相当出し得るような状態になってくる、そういったことがからみ合っておりますので、別々に分離してこの際結論を出してしまうようなことは、まだ現在の段階では差し控えたい、こういうふうに思っております。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 いまの御答弁によると、数字がわかった上でこれと勘案してやりたい。そうすると数字が少なければ――少なければと言うとちょっと語弊があるかもしれないが、この自作農創設のワクをふやすことも考える、こういうふうに理解いたしておきます。  それからその次は、今度の災害、十六号台風で、特に南のほうは特異な条件が出ているのですね。鹿児島県だけのものを見てみましても、百二十九億の損害の中で百五億が農作物、施設はその残りなんですね。だから塩害による被害というものが非常に大きいということです。いままでにもちょっとない特異な状態じゃないか。特に永年作物の被害がひどいのではないか。それは漸次情報が集まっておると思いますが、特に果樹類についてはこれはひどいものだと思うのです。ミカン、ポンカンあるいは夏カン、もう葉は全部枯れてしまっている。葉だけでなしに樹体自体がいかれているのではなかろうかという心配がいまでは現地にあるわけです。現在の状態ではとてもことしだけの被害ではなしに、来年になったって再来年になったって、これはちょっと簡単に持ち直らないのではなかろうか、こういう考え方があるわけです。そこで農林省のほうでひとつぜひやってもらいたいことは、すみやかにこれに対する対策を立ててほしい。これは資金関係は別にして……。こういう事態があまりないんです。風のために折れるとかなんとかはあるのだが、もう根こそぎ塩害でやられてしまっているというのは従来からもないので、ちょっと県段階では手をやいておるというような形だと思う。それだけに技術的にすみやかに、これは立ち直れるのかどうか、もし来年まで待って、いけないというのでは、これは一年まるまる何にもならぬということになるわけだから、すみやかに何がどうなるのかということをひとつ検討してもらいたいと思うのだが、その点はどうですか。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 ただいま御指摘のような、多少永年作物に属します果樹あるいはお茶というような系統の被害につきまして、こういった塩害があったという場合は、確かに御指摘のように、農林省といたしましても数少ない例であると理解しております。ただ従来の例といたしまして、静岡のお茶がやはり相当台風による塩害をこうむった例もありますし、それから和歌山県のミカンがやはり塩害をこうむった例もございます。そういうことで、樹勢回復のためにそれぞれ肥料をやったりあるいは冬の間に農薬をやったり、場合によりましてはおおいを入れまして冷たい風に当たらぬような努力をしたりしまして、従来全部が回復したとは思っておりませんが、ある程度指導よろしきを得れば回復いたしている場合もあるわけでございます。なおその場合、御指摘のように被害がひど過ぎて全然ものにならない、再生産の確保が非常に困難だというようなものにつきまして、今後関係県あるいは試験場ともよく相談しまして、そういった被害の実情を今後十分見きわめた上で、われわれとしましても検討いたしたいと思いますが、多少そういった場合には従来の先例的な助成措置も勘案して今後実行してまいりたい、こういうふうに思っております。     〔川村委員長代理退席、委員長着席〕

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 大体参事官のおっしゃることはよくわかります。技術的には県のほうにもそれぞれ技術屋がおるし、試験場もあるわけですから、それぞれやっておることと思いますけれども、できるだけやはりそういう実態を把握して、それはもういけなければ取ってしまってすぐ植えかえなければならぬ、こういうことにもなろうかと思います。そこで初めて融資の問題との関連というものが出てきますから、報告ができ上がるのを待てというような手ぬるいことじゃなしに、――どうも朝からずっと聞いておるというと、慎重にやることはいいが、何か手ぬるい感じがするのです。だから拙速ということばはどうも当てはまるか当てはまらぬかわかりませんが、できるだけこういう場合は本省のほうですみやかに手を打ってもらう。これが一番末端のほうでは立ちあがる意欲を燃やすもとになるのですから、そういう条件というもの、また被災者の心理というものをやはりくんでもらうということです。もう絵にかいたような、字にかいたようなことだけではいけないと思いますので、これだけはひとつ注文をつけておきます。  それから、先ほどからずっと聞いておりますと、激甚災過用の問題が出ておるようですが、天災融資法による特別災害地域の指定は、これは当然のことなんです。朝からの農林省の、特に荒勝参事官の話をずっと聞いておりまして感じることは、激甚だということを言っているんだから、これはもう当然なんです。こんなものは適用はせぬなんというようなおかしい話は出てこない。これじゃいかぬのです。だから激甚法の適用をぜひやってほしい、こういうことなんです。これはここで答弁せいと言ったって答弁はできぬだろうと思います。先ほどからも答弁はいいかげんに出ておるのだから、だから答弁は求めません。ただそのことを十分含んでおいていただきたい。  それからもう一つ、最後に、これは鹿児島県の場合、御承知のとおりカンショがちょうど時期になっていますね。そうして予想以上にかなり大きな損害が出ておるようなんです。もう全部海岸線の畑作地帯は葉っぱがやられてしまった。それで、すみやかに掘り出さなければどうにもならぬというような実態になっておるようであります。ちょうど政府におけるイモの価格決定と関連してくるのですが、昨年はちょうどきょう価格決定をして発表した。ことしは、どうですか、委員会に入っていたのでわかりませんでしたが、まだないのですか、決定されましたか。

荒勝巖農林大臣官房参事官

○荒勝説明員 私もきょう朝からここに入っておりますので聞いておりませんが、たぶんまだ決定してないのではなかろうかと思っております。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 聞くところによるとあまりかんばしくないですね。だから大いに話し合ってくれることはけっこう。国会議員さんと話し合う、与党と話し合う、それはけっこうだ。けっこうだけれども、変なことはせぬようにしてくださいよ。踊り場をつくるなんというのは、火事場ではあるまいし、そういうことはよくない。これだけ一つ注文をつけておきまして私の質問を終わります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 加藤清二君。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 私はこの際、お許しを得まして、飛騨川のバス転落事故の事後処理につきまして御質問申し上げたいと存じますが、もう時間も時間でございますので、きわめて簡潔に要領よく質問しますから、お答えのほうも簡潔に要を得てお答えのほどをお願いいたします。  すでに運輸省側から御説明がありまして、要点は理解はいたしておりますけれども、いま一度、政府はこの際の死傷者の救済保護、これをするのかしないのか、その態度はどう決定しているか、この点についてお尋ねします。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住説明員 本件につきましては、事故発生後鋭意被害者の救済につきまして検討を進めたのでございますが、先月の二十六日に警察からの捜査、調査の結果が公表されまして、われわれもそれを承りました。その結果、被害者を救済いたしたいということで、現在その方法を検討しておるわけでございます。  その方法といたしましては、まず第一に考えられますことは、現在の自動車損害賠償保障法、いわゆる自賠法をずばり適用するということ。それからそれをいたしますためには、法律根拠等を詳細にしました論理構成が必要であると思います。その件につきましては関係の法務省等に法律的な意見を徴している段階でございます。しかしながら、この種の被害者の保護救済ということはどうしてもやらなければなりませんので、現行法の適用では非常に困難性があるということになりますと、立法措置も考えて救済に当たりたいということでございまして、どの方法を選ぶかということにつきましては、一日も早く大臣の指示を得たいということで連日検討を続けておるような次第でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 事故発生以来、警察庁並びに運輸省、建設省等々が、本件に関してたいへんな御努力をしていらっしゃる向きは私も漏れ承りまして、この点については敬意を表しておりますが、何せ被害者のほうの身になってみますと、大黒柱を失ったとか、母親を失って子供だけが残っているとかという悲惨な状況が非常に数多くある。したがって社会問題まで惹起している。ゆえに、地元の側では、各政党がこぞって、それぞれの党においてそれぞれの対策委員会をつくって、救済をして差し上げなければならぬ、遺族の保護をして差し上げなければならぬというので、もう街頭カンパはおろか、労働組合までが、ある組合は一人何十円、ある組合は何百円、ある組合は一人千円以上というカンパまでやっているわけなんです。また、街頭に立ってカンパをいたしますと、これに対する共鳴者が非常に多うございます。ということは、本件に関しての救済がいかに急を告げているか、同時にまた、この事件を知っている方々がこの事件に対してたいへんな同情を寄せていらっしゃるということでございます。したがいまして私は、政府におかれましても、本件に関して、突発事故でございますから余分な御苦労であるとは存じますけれども、なお一そうの御努力を願って、すみやかに解決をされるように一段の努力を要請するわけでございます。  そこでお尋ねしますが、方法はまだ決定していないようです。いろいろあるでしょう。――法務省来ておられますか。――まだか。おそいぞ。だめだ。そんなことでは救済にならぬよ。  自賠法の適用につきまして、いままでの閣議その他新聞の報ずるところによりますと、それは困難であるとか、あるいは第三条の拡大解釈であるとか、いろいろ意見があるようでございます。しかし私は思うのに、この自賠法を立法するときに、かかる大事故はだれしも想定していなかったと思うのです。したがって法律のほうに実は欠陥があるといわざるを得ないのでございます。飛騨川事件という具体的事実はもうすでに発生しているのでございますが、その発生以前に、自賠法を立法化するときにはこんな重大な事故は想定されなかったのではないか。したがって、これを直ちに適用するについては、いろいろな難点もあるかと存じますけれども、自賠法の精神というものには変わりないと思うのです、事件が大きかろうが小さかろうが。大きければ大きいほどなおこれは適用せんければならぬ、かように存じておるのであります。したがって、いろいろ難点はあるでございましょうけれども、当該の運輸省としましては、その困難を乗り越えてぜひ実施していただきたい、かように存じます。  そこで、適用できれば直ちに行なえるわけですね。しかし、もし適用ができないとなりますると、これは修正をせんければならぬということになるでございましょうが、もし修正ということになりましたら、これは相当期間かかると思いますが、もし修正という段階になればどの程度の期間を必要とお考えでございましょうか。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住説明員 本件は、過去におきまして類例のない事故でございます。しかも被害者の非常にお気の毒な状況につきましては、ただいま先生がおっしゃられるとおりでございまして、われわれといたしましては、類例がない事故でありますから、法律の適用につきましては慎重に、すみかに結論を出したいということで検討しておるわけでございます。しかし、警察におかれましても、五百人からの人にいろいろ事情を聴取されたりして、詳細に調べられたわけでございます。われわれとしましては、警察以上の調査はできませんから、その調査を受けまして――これは先月の二十六日でございます。受けまして、さらに事実関係を検討いたしまして、でき得べくんば、いまおっしゃいますように、自賠法の適用ということで考えたいということが第一案でございます。しかし、自賠法は御承知のように民事関係の法規でございますし、またそれに対する保険というものも特殊の関係でやっております。したがいまして、法律関係等で意見を聞きました結果、運輸省としてどう踏み切るかという問題が残っております。かりにそれがむずかしいという結論になりました場合におきましては、いま先生御指摘のように、自賠法の一部を改正するということに相なると思うわけでございまして、われわれといたしましては、改正をいたす場合の案につきましても、これはいろいろ、二、三方法はあるかと思いますが、改正の案につきましても目下関係の省と検討をしておるわけでございます。改正となりますと、もちろん申すまでもなく国会に提出するわけでございます。現状におきましては、自賠法の適用につきまして、これはむずかしいという結論にはまだなっておりませんで、現在は検討を進めておるわけでございます。一日も早くこの結論を出しまして、その方法でいくか、立法の方法でいくかということで鋭意連日やっておるわけでございまして、ごく早い機会に大臣の指示も得まして決定をしたいということでございます。基本的には被害者のほうの救済ということを考えつつ、いま先生おっしゃいましたような状況でございますので、一日も早く結論を出したいということで努力をしておる次第でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 いまの局長のおことばを被害者が聞けば、あるいは被害者を取り巻く同情者、同調者たちが聞けばたいへん喜ぶと思います。しかし、大黒柱を失った、母親を失った、きょうだいをなくしたという遺族の身になってみれば、これは一日千秋の思いですね。もうその日その日に困っているわけです。待ち切れないから街頭カンパにまで民間人が立ち上がり、労働組合も立ち上がっているわけなんです。これは事実私どもも広小路へ出てカンパをやりました。したがって、可及的すみやかに、一日も早くとおっしゃられるその誠意はよくわかりますが、ほんとうに被害者に希望を持たせるには、ある程度のめどを知らしてやることのほうがより大切ではないかと思われます。したがって、いまの段階において、自動車局長にいつかというめどを言えというのは無理かもしれませんけれども、事情が事情でございまするので、大体のめど、一日も早くということばだけでなしに、たとえば今月中とか、あるいは総裁選挙の前、ということは、総理も現地でええことは言っておるけれども、あれは総裁選が済んじゃったらまた何を言い出すかわけがわからぬぞや、そういう声もあるのです。したがって、いや今度はうそでないという証拠はやはり期日の問題になると思う。いかがでしょう。そのめど、何日とか何週間とかいうことは無理に違いないですが、大体の過去の経験からいって、こういう案件の行政措置をするのにどのくらいの時日があったらいいでしょうか。

黒住忠行運輸省自動車局長

○黒住説明員 これは先ほどから申し上げますように、どういう方法によるかということでございまして、現行法を適用するということになりますと、被害者の請求を待って支払うわけでございます。そうしますと時間は比較的早い。法律を改正しますと、国会に提出いたしますから、時間はある程度かかると思います。しかしながら、その前に、どういう方法を選ぶかということにつきましては、一日も早くといいますのは何週間とか何カ月というものではなくして、一刻も早く――これはもちろん私だけできめることではございませんので、大臣の御指示を得るようにということで、私たちといたしましても被害者の状況が、先生おっしゃるように十分わかっておりますので、事務の側といたしましては連日検討をしておるようなことでございますから、先生の御趣旨に従いまして努力を進めていくつもりでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 いまのお答えを私額面どおり善意に受け取りまして、しかじかさようになれば、ここで問答している時間も惜しいくらいなんです。ここで問答しているよりは、お帰りになって法務省その他関係各省と協議をなさる、そのほうが被害者にとって有効だと思います。したがって私は質問はこれで打ち切ります。ただし、あなたのお答えになりましたそれを額面どおり受け取っての話でございます。と同様に、もう一つ現地の方並びに被害者の方々が期待しておられまするのは、総理が現地において、まことに気の毒である、全責任をもって被害者の保護ないしは救済に当たるから安心して仕事をやってくれ、こういうおことばでございました。これも私は額面どおり受け取りたいと思います。すでに総理からもそのような言が出、それが新聞にも発表されました以上は、それが一日も早く実現するよう一段の御努力を要請しまして、私の質問を終わります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後四時十九分散会

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