建設委員会 第3号
- 発言数
- 55 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1968/11/08
会議録
○加藤委員長 これより会議を開きます。 本委員会におきまして、建設省関係公共事業等の調査のため、去る十月、委員を二班に分け、それぞれ現地に派遣いたしました。派遣委員より報告書が委員長に提出されております。 この際、派遣委員からの報告聴取を省略し、会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう取り計らいます。 ───────────── 〔報告書は本号末尾に掲載〕 ────◇─────
○加藤委員長 建設行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。島上善五郎君。
○島上委員 建設大臣にまず一言苦言を呈しておきたい。 この建設委員会は二カ月目にようやく開いた委員会です。問題はたくさんあるはずなんです。まあ閣議の大事であることも知っているし、総裁選挙が大事であることも、私は政治家の一人として、大臣が苦労していることも察します。しかし、一時間以上も委員会を開会して待たせるということは、これは明らかに国会軽視です。私はもっと大臣に今後国会を尊重してもらいたい。これは同時に委員長にも、委員長の責任においてもっときちっと開くように強く要求しておきます。 そこで質問に入りますが、まず最初に大臣に伺って、それから順次こまかい点に入りますけれども、時間の問題がありますから、きょうは大まかな点だけ伺っておきます。 日本の経済は終戦後著しく成長しておる、高度成長を遂げておるということを誇っております。しかし、その経済成長を誇る反面、いろんなひずみや矛盾が増大して、勤労者にしわ寄せされておる。特に一番ひどいのは勤労者の住宅の問題です。衣食住といわれまするように、住宅は生活にとって欠くことのできない基本的な大事な要件です。この住宅が一番立ちおくれておるということは、何といっても、政府の住宅政策の貧困ないしは怠慢ということに川すると思う。私は過去のことをここでとやかく言っている時間がありませんから申しませんけれども、都心部を見ると、高層ビルが林立しておる、りっぱな高速道路ができて目を奪うような状態である。しかるに、周辺地域、特に下町方面へ参りますと、これが同じ東京かと思われる、大臣、たぶんごらんになったことないでしょう。これは東京ばかりではない。大阪も、名古屋も、都市という都市はほとんどそういう状況です。こういうような住宅政策の立ちおくれは、急速に公費による住宅を大量に建設するということが、解決のためにまず必要なことだろうと思う。もちろん、それだけではなく、現在ある不健康で非文化的な住宅を改善するという問題も伴わなければなりません。都市再開発法が提案されるということですが、そういう問題に関連すると思いますが、きょうはあまりそう幅を広げませんけれども、この住宅問題に取り組む佐藤内閣は、第一次五カ年計画を立てまして、四十五年で終わる。伺いますところによると、第二次五カ年計画も計画されているそうですが、第一次五カ年計画だけを見ましても、私は決して成功だとはいえないと思う。建設省が出した数字を見ましても、最初の三年間でまだ五〇%達成していない。計画の上では、あと二年で残りの五〇%を達成する、こういって、来年度の予算にもそれを要求するようですけれども、はたして大蔵省が建設省で出した予算要求をそのままのむかどうか。いままでの例を見ますと、そのままのんだためしはほとんどない。そうなると、第一次五カ年計画もすこぶる怪しげなものである。私は、改造によってかわるかどうか知りませんけれども、保利建設大臣は佐藤内閣の大番頭で、実力建設大臣ですから、いままでの建設大臣のようにその場限りの答弁をしないものと信じて伺っているわけですが、この第一次五カ年計画の実施の状態にかんがみて、第二次五カ年計画、さらにもっと長期にわたる雄大な積極的な住宅政策というものを持たなければ、いまの日本の住宅困窮の状態を解決することはできないと思う。そういうようなお考えがありましたら、まず最初に伺っておきたい。
○保利国務大臣 冒頭に島上さんから御注意をいただきましたが、私も長く議会に入ってまいっておりまして、議会を尊重しなければならないということはよく心得ておるつもりでございます。そうでなければ私は国会に出てまいりません。しかしながら、本日委員会が開会せられまして長い時間お待たせいたしましたことにつきましては、これはまことに申しわけない次第でございます。私の用で実は避けておったわけではございませんので、その点は御了承いただきたいと思う次第でございます。国会を通じて国民のために国政を審議するということは、これはもう基調でなければならぬわけでございますから、この上とも十分注意してまいるつもりでおります。 住宅の問題につきましては、これは島上さんの言わんと欲するところと、私の考えておることとは全く同じだと思っております。私は、現行五カ年計画が達成できたとして住宅問題が解決するものと、そういう安易には考えておりません。のみならず、政府現行の五カ年計画は何としてもとにかく数字的にも達成をしなければならぬ、かりにこれはそうでありましても、何としても最小限これだけはやらなければならぬと思っております。しかし、私がほんとうに心配しておりますのは、建設省みずからが公営住宅を建てておるわけではございませんので、それぞれ地方公共団体が責任をもって建てていただいておるわけです。今度の昭和四十三年度の公営住宅の消化にいたしましても、これがはたして達成できるかどうかということを実は心配いたしておる。申すまでもなく、全国ともに住宅問題というのはやかましい。しかし、一番やはり切実な状態になっておるのは、いまお話しのように、東京都であるとか大阪であるとか、この過密大都市の住宅問題というものが喫緊の問題だと思っております。したがって、四十三年度の予算配分にあたりましても、東京と大阪につきましては、とにかく東京でこれだけことしはやってみようという御計画はそのまま受け入れて、そのかわりその他の県に幾らか不便を与えるということもありますけれども、私としては、東京、大阪には自治体のほうから言われてきておるだけのものをとにかく配分して、そして自治体の御協力というか、努力にまつということをいたしておるわけでございますが、この間実は東京都の消化状況はどういうふうになっておるかということを調べてみますと、この四十三年度の割り当てております戸数自体が年度内に達成できるかどうかということは非常に心配されるという状態、これは島上先輩ともあろう者が、東京都については相当力を持っておられるわけですから、東京都のほうもひとつ鞭撻していただいて、せっかく取ってきておる戸数だけぐらいはことしは何としてもやり遂げてくれということで、少しお力をかしていただきたい、私はそういうふうに思っておるわけでございます。どうぞひとつ、おっしゃっておることと——私は、住宅問題の重要性について、今日の日本の一般経済、産業の状態と、われわれ、大衆の国民生活の実態を見まして、住宅事情がいかに重大であるかということについては十分認識いたしておるつもりでございますから、今後とも最善の努力を払っていくつもりでございます。
○島上委員 ことばの上で、積極的にやるとか、ことばの上で、よく認識しているというだけでは、政治というものはだめなんです。これは釈迦に説法するようなことで恐縮ですけれども、なぜ地方公共団体が消化できないか。私は、美濃部さんになってからいままでよりも戸数をふやしておることを知っておりますし、また、来年度はもっと戸数をふやそうとしておることも知っております。しかし、現実には十分消化ができそうもない状態であるということは、それにはもちろん原因がある。あとで今度建設省が考えておる法改正に関連して伺いますけれども、政府が、法律によって、第一種は二分の一、第二種は三分の二の補助をするということになっておるのに、建設大臣の承認する基準建設費というものでもって押えて、地方公共団体にばく大な超過負担をさせておる。これは大臣御承知のとおりです。 そこで、参考のために、住宅局長でも、御存じの方どなたでもけっこうですが、いま公営住宅だけに限ってですよ、その他の点はよろしいが、公営住宅建設だけに限って、地方公共団体の昨年度の、あるいはわかったらその前の、超過負担はどのくらいであるかということをちょっと数字を示していただきたい。
○大津留説明員 四十二年度の実情を申し上げます。 実際に公営住宅の建設に要した費用が千百五十二億でございます。この中で補助の基本額となりますのが八百七十一億、したがいまして、先生御指摘の超過負担額が二百八十一億という数字になっております。
○島上委員 前の建設大臣にこのことで伺ったことがありますが、この前の前の、三回くらい前の国会だったと思いますが、三年間でこの超過負担を解消する、一ぺんにできないが、三年間で解消すると、はっきり答弁しておるのです。ところが、いまの建設省の計画によれば、ことしはもちろんのこと、来年も超過負担の解消どころではなく、へたをしたらもっとふえるのではないかと思う。それに、あとで触れますけれども、今度の法改正の考えが通るとなれば、地方の負担はますます多くなる。こういうことでは、直接公営住宅を建ててこれを管理する地方公共団体が、公営住宅の大量建設の熱意を失ってしまう。ですから、建設大臣がいまおっしゃったように、いかに住宅建設の必要をお認めになり、積極的な考えを持っていましょうとも、地方にますます多くの財政負担をかけるようなことでは、事は大臣が考えていることとは逆の結果しか生まれないと思うのです。私は、大臣に、地方が現に負うておるばく大な超過負担、及び今後多くなるであろうというその地方の財政負担に対して、これを国が法律に定めてあるとおりに、要するに、大臣が実態に合わない建築費の基準を地方に押しつけるようなことをしないで、地方公共団体の負担を軽減する、あるいは超過負担をなくすというお考えがあるかどうかを承っておきたい。
○保利国務大臣 超過負担の問題は、これはひとり建設省の問題だけでございませんので、島上さんもよく御存じのように、前国会におきましてかなり論議がありました。全体としまして超過負担は三年間で解消するということは政府の公約になっておりますから、三年間で必ず公約を実行するようになるものと、私はその点は寸毫も疑っておりません。四十三年度の予算においては、そういう方針のもとに予算編成をして御審議をいただいたわけでございます。
○島上委員 それでは、企画庁長官が参れば渡辺惣蔵君とかわりますので、簡単に伺っておきますが、四十四年度予算で超過負担を解消するという、そういう予算を組むことをはっきりとここで明言できますか。
○保利国務大臣 これは三年間と申しておりましょう。
○島上委員 三年間と言ってからもう三年になるのですよ。
○保利国務大臣 いや、この間の国会で、三年のうちに超過負担をなくするようにいたしますということを大蔵大臣がはっきり申し上げておりますように、これは予算編成上の問題でございますし、一建設大臣が口幅つたいことを申し上げてみても御了承を得ることは困難でございますけれども、とにかく予算編成権を持つ大蔵大臣が、三年のうちに必ず解消いたしますということを申しておりますから、しばらく御信用願いたいと思っております。
○島上委員 私は全体のことをいまここで聞いているのじゃない。全体のことになると、大蔵大臣と、こう言ってうまく逃げ道があるのですが、事建設省所管の公営住宅建設に関しては、三年前に、地方の超過負担を三年間で解消すると言った。まるで沖繩返還のめどみたいなもので、三年たったら、まためどが三年もずれるというような不安がありますけれども、かりに昭和四十四年度を起点としてでも、三年間に事公営住宅に関しては地方の超過負担を完全に解消する、こうはっきりお答えできますか。
○保利国務大臣 施設の量、同じ金をもって——一万円かかるところが二万円かかるということになれば量が半分になる、そういうことをもあえて忍んでやらなければならぬということになるわけです。したがって、建設省の住宅の関係については、公住については少なくとも本年度から四十五年度までには超過負担を解消するように、政府の公約でもありますから、そういう方針で私どもも予算編成に臨むつもりでおります。これは政府全体の公約になっておりますから……(「そんな公約は守られたことはない」と呼ぶ者あり)いやいや、そんなことはない。公約は必ず実行いたします。御協力をいただければできると思っております。
○島上委員 過去の実績からいってあまり公約は信用できませんけれども、しかし、佐藤内閣の大番頭の実力大臣の言うことだから、ここでは一応信頼しておきましょう。ただし、あとでこれを破ったらかなりきつい反撃があるということを覚悟していただきたい。ちゃんと会議録に載るのですから。 そこで少し内容に入りますが、いま新聞紙等で伝えられる公営住宅法の改正——たしか住宅宅地審議会に諮問されていると思いますが、大臣にあまり内容のこまかい点は伺いませんが、住宅宅地審議会がそのまま答申するかどうかは別として、建設省の考えとして四つの柱を立てているようです。 第一は、いわゆる超過収入のあるもの、収入の基準額よりオーバーしたものを、六カ月の猶予で強制立ちのきをさせる。現行法は、立ちのきの努力をする義務があるという、いわゆる努力義務ですけれども、それを強制立ちのきをさせるという点が一点。それに伴う内容の点はあと回しにしますが、第二点は、木造平家及び簡耐住宅を建てかえする際に、現に入っておる人たちとの話し合いをするといっておきながら、一方では、三カ月猶予でこれまた強制立ちのきをさせるという点。第三点は、いままで土地代をも含めて国が補助しておったものを、宅地に関しては補助を打ち切る、そして地方債を認めるという点。第四点は、入居者の収入調査を的確にするような法的改正を考える。 この四点を建設省として考えておることは事実であるかどうか。それから、この改正を年内に法文化して国会に提出する、そういうふうにスケジュールを立てて作業を進めておると聞いておりますが、それも事実であるかどうか。
○保利国務大臣 私は住宅問題に取り組みましてから、特に公営住宅の問題、一般大衆住宅の状態をなにしまして、また皆さん方からいろいろ御注意や論議をいただいた中で、第一は、公営住宅と公団住宅のどっちにもひっかからない階層があるじゃないか、これは一体どうするつもりかという、これはたいへん困ったわけです、正直に言いまして。そんなものがあっては困る、それを何とか公営住宅か公団住宅か、どちらかにひっかかるように、この階層に空白を生じないようにしなければならない。そのことは、先般入居基準等の政令改正をして改善をはかったつもりでございます。 そこで、いまの公営住宅法の問題につきましては、お説のように住宅宅地審議会にただいま諮問いたしております。主要な点といたしましては、大体入居の所得基準がございますが、それが、いまの成長下でございますし、五年も十年もたてば、たいへんな収入を得ておられる方がある、一面においては、御案内のように入居希望者が殺到されておるという状態で、やはり公正の原則と申しますか、公平の原則と申しますか、そういうふうにほんとうに低所得者で切実に求めておられるのに、一方では、早く入られて、その間にだんだん所得実績が上がっておられる、そういう方はやはり困っている方々のために道をあけていただくということがほんとうじゃないか。どんな方でも収容できるだけの施設を持ち得るような状況であればよろしゅうございますけれども、そうでなければ、やはりそういう方々に道をあけていただくことが大事じゃないか。したがって、そういう点は法律的にどういうふうな文句を使ってあるのか、明け渡しなのか、努力義務なのか、そういう点はあとで政府委員によくお調べいただいたらけっこうだと思いますが、それは確かに重要な改正点として考えておる次第であります。 第二は、だんだんとごらんになりますように、平家の、戦後の急造バラック的な公営住宅が建てられておる。しかも都市市街地の中高層化、高度利用ということは、何人も口では言うことでありますが、さてこれを実際にやろうとしますと、いまお話しのようにいろいろ摩擦もあるわけでございます。その辺を現実に即して何とか高度利用に切りかえやすいような法的措置をとりたい。 それから用地の問題につきましては、昨年の予算編成のときも実は非常に問題だったわけですが、どうもそれだけ家賃引き上げのほうでなにになるんじゃないかと、ダイレクトに取られやすいんじゃないかということで去年は踏み切れなかったわけですけれども、つらつら考えてみますと、たとえば、いま東京周辺の人口が非常に流動しておる、そこで、ある地方自治体では三倍も四倍も人口がふえる、学校を建てたい、学校の用地がない、あっても高い、それについては国の何らの補助も何もないというようなことを聞きますと、これは家賃にはね返っては困るんだけれども、家賃にはね返らない方途がそこに仕組まれるならば、地方自治体の財産造成にもなることでありますから、したがって、これは融資に切りかえる仕組みが必要ですが、もちろんその前提があるわけですけれども、考えていいのじゃないかというように私は実はいま考えておるわけでございます。そういうところを大体ねらいどころとしまして素案をつくって、ただいま住宅宅地審議会に諮問をいたしております。大体、でき得ますれば、次の通常国会におきましてはぜひ御審議をいただいて十分の御論議を願いたい、かように考えておるようなことでございます。
○島上委員 大臣は抽象的なことばで答弁されていますが、第一の強制立ちのきということは、現在現行法に努力義務というのがありますが、努力義務ではいかぬから、強制的に、露骨なことばで言えば、六ヵ月の前提はありますけれども、六ヵ月たったら有無を言わさず強制的にどかす、改正のねらいの第一点はこういうふうなことなんですが、伺いますけれども、一体いまの住宅問題は、収入の高い者が公営住宅にがんばっておるから解決しない、こういうものを追い出して、新しく入れて、いわゆる循環方式にすれば解決するとお考えでしたら、これはもう大きな間違いで、まさかそんなことじゃないと思うが、この法律でもはっきりうたっておりますように、健康で文化的な生活を営むに足る住宅を安い家賃で提供する、これは公営住宅法の目的ですから、健康で文化的な生活を営むに足る住宅を与えるというのであれば、ことばをかえて申しますれば、一時しのぎの腰かけ的な住宅ではなくて、住む人が住んでいたいというならば、快適な環境で永住できるような趣旨のもとに建てられなければ、この法律の目的に沿わないと思うのです。一時の腰かけ的な住宅ではなくて、永住に値するような、永住させるような住宅でなければならぬと私は考えますが、その点は大臣はいかがですか。
○保利国務大臣 御説のとおりだと思います。住宅という名がつきさえすればいいというわけのものじゃございませんでしょう。ただ、私は、何といいましても住宅の量の不足というものを否定するわけにはいかぬと言うのですよ。そこで、まず、例をとってははなはだ思うございますけれども、この五カ年計画というものはいわば災害復旧みたいなものだ、とにかくみんな手足を伸ばせる住宅を一応整えて、そして本格的な住宅を二次計画以降は考えるべきであるというのが、私の正直なところなんでございます。そうかといって、それじゃそういうことでバラックみたいなものばかりやっているのかというと、そうじゃございませんので、できるだけ——しかし、ただいまお話しになりましたような安住できるような住宅環境並びに設備、施設、その中においてもそういうできるだけの条件を整えるようにということでただいまやっております。したがって、ここ数年の公営住宅につきましては、大体島上さんのお話しのような趣意で大多数は建築せられつつあるということは御了承いただけると思います。間に合わぬから、とにかく何でもかんでもやっつけてというような考え方は、建設省としては決してとっておらないわけでございます。その辺は私の気持と実際やっているところとは、誤解のないようにひとつよく御理解をいただきたいと思います。
○島上委員 現に、相当収入がふえた者は、自発的にかなり公団住宅へ行ったり、あるいは金融公庫からお金を借りて自分でうちを建てたりして、移っていっていると私は思うのです。最近の住宅はだんだんよくなってきたことは認めます。終戦後のあのバラックのようなほんの一時しのぎのような住宅から、だんだんよくなってきたことは認めます。しかし、いま言ったように、収入がふえた者が自発的に一いまの法律に努力義務がありますか、その努力義務の精神を生かして、自発的にかなり移っていっているのですよ。私の強調したいのは、百五十万八千ですか、それだけの収入になったら法律でもってどかせるぞ、こういう法律をつくるということは、入居者全般の居住権に不安を与えることなんですよ。もっと強いことばで言えば、居住権の否定に通ずることなんですよ。現に収入の多い者はごくまれなんですよ。これは東京都が昭和四十二年の十二月に建設省に報告したはずですが、これによると、きわめて少ない数です。二百万円以上というのは丁四九%、それから三百万円以上に至っては〇・一四%、四百万以上は〇・〇三%、しかもこれらの人々——あるいはさらに、自発的に引っ越している数はまだ調べていませんけれども、私の想像するところによれば、大部分は自発的に移転していっております。ごく最近に建ったうちは別ですけれども、従来の、三年五年以前の住宅は、どうおせじを申しましても、健康にして文化的な生活を営むに足りるという、法律の目的にあるような住宅ではないのですから、自発的に引っ越していっている。そうすると、かりに強制立ちのきというように法律を改正しましても、それを適用してどかさなければならぬという人はもうほんの少数で、例外中の例外とも言うべき少数の戸数になると思うのです。例外中の例外のために、入っている人一般に将来の居住権の不安を与えるような法律改正は、必要ないと私は思うのです。それに、そういう法律ができましても、これに反対して訴訟をして争うということができるのではないかと私は思うのです。そうなると、これはなかなか問題は簡単なものではない。ですから、強制立ちのきというような一般に不安を与える改正はすべきではない、こう思うのです。 これに関連しますが、先般、政令で収入基準の改正をしましたね。あの収入基準の改正でもずいぶん低くしていますよ。昭和三十七年の改正から六年目でしょう。六年たった今日の改正、ずいぶん低く押えておる。四人家族で百五十万で、健康にして文化的生活以上の生活だということがいえますか。公営住宅は、健康で文化的な生活をするに足りる住宅なんですから、そこからどけということは、それ以上の生活だ。しかも、いまは家族の全収入を合算する方式をとっておるのですよ。今度は、全収入の合算は、実態から見て適当でないとお考えになったのかどうか、まあ三分の一は合算しない、三分の二は合算する、こういうことを考えているようですが、それでも私は実態に合わないと思う。むすこ二人働いて、奥さんも働いてということになったら、もうすぐ百五十万程度の収入にはなりますよ。こういうような、入居基準の収入を低く押えて、二・五倍になったら強制的にどかすという法律は、私は非常に問題だと思う。居住権の侵害というか、否定というか、一般の入っている人全部に不安を与えているのですから。この点に対する大臣のお考えを伺いたい。
○保利国務大臣 ただいまの御意見につきましては、立案過程におきまして十分考えさせていただきたいと思いますけれども、しかしこれは、公団住宅等にお入りいただいて、それは百五十万円の収入があり、二百万円の収入があっても、その家族構成なり家庭事情等がみんな違いますから、その百五十万なら百五十万でみんな同じ条件だとはいえないと思うのです。それはもうよくわかる。でございますが、とにかく公営住宅は低所得の方方に公共的に提供する住宅でございますから、公団住宅等に入られることでしかるべきじゃないかという方については、そういうところをお世話して、明け渡し義務までつける以上は、その方々の行くところについては十分また考えていかなければならぬ。そっちだけに無理を言って、こっちは何もしないというなら、あなたのようなことも言えるかと思うのですけれども、私の気持ちとしては、いやしくも公営住宅から出ていってくださいという以上は、ここにこういうものがあります、ここにお入りいただけませんかというくらいの処置は、当然行政的に考えていくべきであろう。しかし、そうかといって、まあそれはいろいろ事情もあるでしょう。自発的に転居される方も数多くあると思いますが、御指摘のように、例外の〇・何%というような中の、実際それは動けないという方もあるかもしれぬ。しかし、意地悪く——と言っちゃいけませんけれども、移ってもいい方もあるに違いない。全体の公営住宅を利用されている方々が、はたしてあなたのような気持ちであるか、私は逆じゃないかという気がするのでございます。その辺も考えて、しかし、ただいまの御意見については、審議会の議を経まして、立案過程においてまた私どもも十分考えてみたいと思います。
○島上委員 まあ審議会は良識のある士がそろっていらっしゃることでしょうから、むちゃな答申はしないと思うけれども、いまあなたが考えているような、十分こういうところへあっせんする、公庫資金の融資をあっせんするとか、公団の住宅をあっせんするとか、いろいろおっしゃいますけれども、六ヵ月の期限をつけられると、あっせんということはもう死んでしまうのですよ。 それから、あなたはいまあたたかい思いやりのあることばで答弁されましたけれども、法律というものは、できてしまうと、法律がひとり歩きするのですよ。それで、これを行政的に執行するのは地方公共団体ですから、あなたが思っているようなそういうものじゃないですよ。 それからもう一つこれに関連して問題なのは、これから木造平家、簡耐を建て直しますね。建て直すと、ところによっては一番下を店舗にして、そしていままで入っておった人を優先的に入れるのですね。店舗ということになると、店をやるにはもちろん相当の資金がかかる、相当の収益がなければやっていけないということになるわけですね。この店をやっていくのが、百五十万以上の収入になったらどかされるということになると、安心して営業に力を入れることができないじゃないですか。せっかく努力して店が繁昌してきた営業権というものが、一定の収入をオーバーしたら無になってしまう、そういう不安を与えるということは、これは大問題ですよ。そういう点はどうですか。
○大津留説明員 公営住宅を建てかえます場合に、場所によりましては、いまお話しのように、そこに店舗を併設するという場合がございます。しかし、この併設される店舗は公営住宅ではございませんで、公庫の融資等を受けまして公共団体が建てる、その部分は公営住宅ではないということになりますので、もしそこにお入りいただいて営業なさるというような場合には、立ちのきの問題というようなことは適用にはなりません。
○島上委員 それでははっきり伺っておきますが、公営住宅を建てかえする、そしてその一階が店舗になる。以前に公営住宅におった人を現に優先的にその店舗に入れているのですね。その店舗の部分だけは公営住宅ではない、したがって公営住宅法の適用を受けないということ、これは確かですか。
○大津留説明員 そのとおりでございます。
○島上委員 時間がありませんから前に進みますけれども、建てかえの際に三ヵ月の猶予でもってこれをどかそうとするのですね。これは非常に問題ですよ。建てかえはおそらく相当前から計画を立てることでしょうから、住んでいる人の都合を考えて二年くらいの猶予を見ておかなければ、子供が学校へ行っている、学校の転校の問題もあるし、職場へ通勤している人の都合もあるし、それから、ささやかであっても庭をつくって植木を大事に育てている人だとか、そういういろいろなことがあるのですね。そういう人を三ヵ月の猶予期間でどかそうとすることは、これはあまりにも無慈悲といいましょうか、無謀といいましょうか、ひど過ぎますよ。三ヵ月で強制的にどかそうということは、大臣、どう思いますか。
○保利国務大臣 国費を払ってやるのですから、何も無慈悲なことをやるわけじゃないのです。ただしかし、ここのところをりっぱに建てかえたいということは、きょう話が起きてきょうから向こう三ヵ月だというのじゃないと私は思います。もう現に何年もかかってやっておられるところもあるわけです。
○島上委員 しかし、今度の法律にそう書こうというのです。
○保利国務大臣 だから、これは行政運用にあたって、入居者といいますか、住宅を利用されている方々の気持ちになって法が軍用されていかなければならぬと思いますけれども、その期間が三カ月がいいか六カ月がいいか、あるいは一年がいいかということについては、いろいろ議論があるかもしれませんが、これほひとつ法案ができましてから提案をいたしまして十分御審議をいただきたいと思っております。
○加藤委員長 渡辺惣蔵君。
○渡辺(惣)委員 非常にお忙しいところをおいで願って恐縮なんですが、特に経済企画庁長官と建設大臣も含めて質問ないたしたいと思います。 そこで、私の質問は、全国総合開発計画についての質問です。私は国土総合開発審議会の委員ですが、いままでこの作業の過程で二度委員懇談会が開かれただけで、第一次砥案が去る三十日に提案されておるわけです。審議会に大臣出られなかったので、大臣に質問ができなかったので残念なんですが、この全国総合開発計画は、十一月中に策定をして閣議決定をする、こういうように大体の展望が予告されているわけです。勘ぐるわけじゃないのですが、十一月二十七日は総裁選挙が行なわれますので、総裁選挙が終わりますと内閣改造が行なわれて、両大臣はさらに要職につかれるかどうかというせとぎわにまいっておるわけです。ということになりますと、その前にこの全国総合開発計画を主管大臣としては上げてしまいたいという考え方が出てくるのは当然だと思います。責任がありますからね。といたしますと、委員は懇談会に二度出たきりで、だらだらと役人が報告をして、なるべく委員に質問させないようにしているのじゃないかと、意地悪のようですが、思われる。そうしますと、われわれも全然納得しておりませんし、いわんや、昭和六十年までに日本の国土を抜本的に改造する計画ですよ、少なくともそういう意図をもってしておるわけです。ところが、この国の一番重要な問題を論議するのに、一度も国会で審議をしなければ、閣議決定したらそのままこれが持ち越されていくということになります。しかも、昭和二十五年に国土総合開発法が制定されてから十二年間何にも作業しないで、三十七年の十月に第一次の総合開発計画を立てたら、それは閣議決定したら、日の目を見ないうちに自爆してしまったわけです。あなたが一番御承知だと思うのです。何にも意味のない作文を十二年間かかって仕上げておいて、そのあげくに、できたこの計画は全然条件に合わないで廃棄されていまった。ということになりますと、今度第二次に策定されます全国総合開発計画についても、過去の歴史的な状況から判断してわれわれは非常に不安感を持たざるを得ない。そこでこの開発計画の閣議決定以前に十分の論議を尽くさなければならぬ、こう考えるのです。私は二十分くらいでやめてくれという話です。理事さんからのたっての話ですが、この問題ば国の運命にかかわることで、とても二十分や一時間で論議せいということは無理ですよ。初めから、うるさい国会の審議にかけないで委員会の審議だけで押し通して、そのまま閣議決定へ持ち込んでしまおう、こういう意図なのかどうか。そうでなければ、これは重要なことであるので、しかも六十年までを展望する長期路線の策定、二十一世紀につながる基本構想がここへ出てきておるのでありますから、そうしますと、無理に十一月中に、内閣改造が行なわれる前に作業衣仕上げてしまおうという考えなのか。それとも、この問題については重要であるから、やがて十二月の初頭に臨時国会が開かれるでしょうし、通常国会につながっていくと思いますが、その時点までにこの問題をわれわれの審議にかける、論議の対象にする、国会の意見も十分聞く、われわれは、この中に出てきている——あとで申し上げますが、中身のない実施計画についても、予算関係についても、これを実施する機構についても一再も触れてない、いわゆるバラ色の夢といわれるこういう空ばくたるものは、世間の人を騒がせるだけで、混乱を誘導するだけで、何にも実施の責任を負わぬというものですよ。構想はいいと思いますが——構想についてはいろいろ申し上げたいと思うのですが、とにかく、予算や法律や実施の責任を負わなければならない国会に事前に論議の対象にするという時間的余裕をここで確認されるかどうか、小なくとも建設委員会の論議にかけてその上で閣議決定をされるのか、全然国会には関係のない審議会で答申したら、そのまま総理大臣に持っていく、その時点は総裁選挙の前後である、現職の大臣の在任中に仕上げたいということになれば——きょうは全然中身に入れないのですから、きょう主管大臣が、もっともである、きわめて重要な、二十一世紀につながる日本の国土の基本的な問題を策定するのだから、論議を尽くします、手続は審議会が答申して閣議決定にすればいいのだが、その前に実施の責任をここで明らかにするということを踏まえて、そうしてひとつこの国会で一ぺん十分論議を尽くしますというお約束をされるなら、私は直ちにきょうここで質問を打ち切ります。ひとつ両大臣からその点を明らかにしてもらいたいと思います。
○宮澤国務大臣 第一に、全国総合開発計画そのものは、国会に御提案申し上げて御審議を願う、法律的にはそういう性格のものではないと思っておりますが、各党の国会議員の方々に審議会の委員に御就任をいただいておりますので、審議会では十分御議論を願い、また国会でももちろん御質問があれば私ども御説明を申し上げなければならない、こう思っております。第二に、この計画でいま一番大切なことは、一つは、各方面の十分な理解と協力が得られることであります。もう一つは、この計画をかりに理解と協力が得られました場合に、実行達成するための手段が伴うか伴わないか、この点が第二に重要なことでございます。この二つの見通しが立ちません限りは、御指摘のように、将来の十何年の日本のこれからにかかわることでございますから、一、二カ月をいたずらに急ぐというような気持ちは私はございません。
○渡辺(惣)委員 そうしますと、いま、審議会にかけて論議を尽くすようにする、こうおっしゃっておりますが、審議会に出てみますと、事実上論議する時間と場所がないのですね。そしてこの案の策定は、企画庁の総合開発局長以下ほとんど事務当局が作文をして、あとは、委員全体が参加してでなくて、特別な総合部会で少数の人がその事務当局から上がってきたものの作文を論議し、修正などして、かなり文章の体系を固めてから審議会へ、しかも正式の審議会でなしに、委員懇談会という名目でその問題を出してきておる。しかも、ほとんど時間がないためにこの間も論議できないのですよ。確かに私どもは国会から選ばれて国土総合開発審議会の委員に出ておる責任を感じておる。それは、手続論からいえば、法律案件ではありませんから、ここにはかる義務はない。しかし、われわれは国土総合開発審議会委員として委員に選任されて、これがきまったあと閣議汁定する過程においてこの内容の論議をほんとうに尽したかどうかということになりますと、あなたのおっしゃるような実態にないということがあります。ですから、私は、そういう形式論で、きわめて少数の、五、六人の国会議員が審議会の委員に出ておるから、その人々がそこで何分かずつ演説すれば、それでもうしゃべらしたのだからいいんだという、最も官僚的な、隠れみの的な審議会に利用して、国会のうるさい連中にも一応しゃべらしたのだから、これで眠ってくれ、そういうようなしかけの話ではないかと思うのです。そこに相違があると思うのです。ことに、これをいよいよ実施するという段階になりますと、予算や機構や、それぞれの問題があり、関係法律の問題が出てくるのですから、それはわれわれ審議会に出て承認すれば、次にそれにつながる当然の責任が出てくるわけです。ですから、その点について、審議会においてわれわれ少数の審議会の委員が議を尽くしておるんだ、それで国会との関連の手続は済んだのだという考え方について、私は了解ができない。 それから第二点に答弁された、急がないんだ——予測されているような、十一月下旬に審議を完了して閣議決定をするというのですね。ただ、総裁選挙前あるいは総裁選後の内閣改造の直後の閣議決定でこれをかけるということでなければ、一、二ヵ月おくれても、それはあらゆる機会をとらえて理解と協力を求めるという姿勢であるとすれば、私どもは、次の臨時国会または通常国会の場において、これだけの大計画ですから、十分の論議を尽くす機会が与えられるかと思いますので、もしそれを明確に言明していただけますならば、私は以上で質問を打ち切ります。
○宮澤国務大臣 もう少し平たいことばで申し上げますと、二年半ほど事務当局は勉強いたしまして、本年は明治百年でもありますので、年内にきめたいという気持ちを持っておるのは事実でございます。しかし、事は何ぶんにも昭和六十年までのわが国の進路にかかわることでございますので、絵にかいたもちだけに終わらせるのであれば何も意味がない。過去にもそういうにがい経験を持っておりますので、私はその点は大事に考えております。幸いにして早く各方面の了解が得られ、また実行手段も見通しがつくということであれば、早いにこしたことはないと思っておりますけれども、将来のわが国の大計に関することでございますから、いたずらに何ヵ月かを急ぐということは私は適当でないと実は思っております。
○渡辺(惣)委員 そういたしますと、最終的に希望としては年内に上げたいが、そういう時間的なことを条件としないで、内容のりっぱなものにするために理解と協力を求めるという意味ですね。年内に閣議決定をするということでない、そう受け取れれば、これで私は質問をやめます。
○宮澤国務大臣 できるだけ早く御協力、御理解が得られて、年内に決定ができればまことにしあわせでございますが、それができないといたしましたら、無理にただ決定をするということは意味がない、必要な時間はかけなければならない、私はこう考えております。
○渡辺(惣)委員 私の質問の中身につきましては、次の与えられた機会にいたしたいと思います。私はこれで質問を打ち切ります。
○加藤委員長 島上君。
○島上委員 大臣は非常に答弁がじょうずで、焦点をぼかしたような答弁をなさいますが、さっき私が質問した三ヵ月というのは、あなたのほうの諮問案に三ヵ月というのがあるんですよ。三ヵ月、六ヵ月、一年が適当かわかりませんが、三ヵ月と一応明文化してあるのです。かりにあなたの邸宅が、ここに道路ができるから三ヵ月で引っ越しなさいと言われたら、越せますか。越せないでしょう。三ヵ月で強制立ちのきをやるとなったら、話し合いをどんなにするということがありましても、大臣がそういうふうにおっしゃいましても、話し合いというものが死文化してしまう。三ヵ月たてば強制的にどかせられるのですから、ごてごてめんどうなことを言うなら、話し合いなんかどうでもいい、こういうことになりますよ、法律がそういう法律になったら。それを私は心配するのです。法律に三ヵ月と書くか、六ヵ月と書くか、一年と書くか、まだ未定の状態ならいいけれども、少なくともあなたのほうの諮問案には三ヵ月と入っているのですから、これはあまりに乱暴ではないか、無慈悲ではないか、こう私は言っているわけです。
○保利国務大臣 いま諮問案を出しておりますこの三ヵ月ということは、これは個々の場合にどうなるか、ただ三ヵ月前に予告してそうして建てかえする、こういう場合に、行くところもないのに、三ヵ月でちょっとのいてくださいというわけにいかぬことは、これはわかりきっているわけでございますね。したがって、そういう建てかえをしなければならないところについては、あらかじめ仮住まいの用意をして、そうしてここを建てかえるというふうに持っていくべきものでありますから、そうであれば、これは三ヵ月という時間は相当の時間だと思うわけでございます。いろいろの場合を想像してみますけれども、全然用意なしに、建てかえるから三ヵ月でのいてくれ、こういうのだったら、これは確かに身もふたもない、味のないことでございますが、そうでなしに、とにかく三ヵ月でおさまるところを用意しましてやるわけでございますから。これを六ヵ月も一年もかけてやるというようなことなら、何が一体慈悲かわからぬということになりはしませんか。それよりはむしろやはり目的とするところのりっぱな公営住宅を早く建ててあげるということのほうがほんとうの行政じゃないか、私はこう思っているわけであります。そういう点を申し上げておきます。
○島上委員 建てかえ計画は私は地方公共団体では一年も二年も前から立てると思うのですよ。ですから、話し合いをする期間も三ヵ月などと限定することはおかしいと思う。三ヵ月と限定すると、話し合いが実際にまとまらぬうちにどうしてもどかなければならぬという結果になる、私はそう思うのですよ。このことは、ほかの問題があるから、時間がなくなってしまうから、いずれまた伺いますけれども、これはおやめになったほうがよろしいと思うのです。 それから、時間がないので大急ぎでもう二つ伺いますが、土地の分を補助しないで、地方債の起債を認める、そうして起債する第一種については三%、第二種は二%の利率にする、こういう考えのようですが、大臣、その利率の三%、二%については大蔵省にだいぶまだ難色があるそうですが、これはもうはっきりそういうふうになると受け取ってよろしいものですか。そのように固まっていますか。
○保利国務大臣 これは私は断言することは御遠慮しなければならぬが、相当困難があると思っております。しかし、この補助措置を融資措置に切りかえる以上は、こういう程度にはどうしてもやらなければだめだ、こう思っております。
○島上委員 私も大蔵省はなかなかうんと言わぬと思う。これはさしあたって家賃にはね返らないように、そういう配慮から出した利率の数字ではなかろうかと思うのです。かりに来年はそうであっても、その次もずっとそうなるかどうかという点については不安があるし、それからもっと大きな問題は、いままで法律のたてまえは、土地の分を含めて二分の一ないし三分の二の補助でしみね。それを土地の分の補助を打ち切るというこは、たいへんなたてまえの変更をすることになると思うのです。いままでの公営住宅に対する国の補助のたてまえを大きく変更することになる。用は財政負担がその分だけ軽くなりますよ。このように土地の分の補助を打ち切ったら、来年度の予算では国の財政負担がどのくらい軽くなりますか。
○大津留説明員 本年度の公営住宅の建設費の田地費に対する補助でございますが、これはいま公話しのように二分の一あるいは三分の二ということでございますが、百七十九億が補助基本額でございます。これのいま申しましたような割合でございますので、百十億程度国の一般会計から補助金をもらっております。
○島上委員 そのように国の財政負担が軽減されるかわりに、地方は地方債ということで毎年毎年雪だるま式に借金がふえていきますね。そうなりますね。四十四年、四十五年、四十六年とだんだんふえてくる。借金だから返さなければならぬ。最後に政府がしりぬぐいをするというわけではないでしょう。全然そういうことは考えていないわけですから。そうすると、さっき質問いたしましたが、地方の超過負担という形ではないけれども、形が変わるけれども、地方の財政負担が公営住宅のために非常に重くなる、これは必至でしょう。そうなりませんか。
○保利国務大臣 二分とか三分とかいっておりますが、要するに、現状の家賃構成に変更を加えないように、条件の変更がないようにということで利子補給をする。したがって、補助費の全部が財政節約になるというものではない。相当の利子補給分が伴うことは必然でございます。それがどのくらいになりますか、事務当局でないとわかりませんが、そういうことでございますから——そして施設しました公営住宅は、そういうものを含めて還元できるような——低家賃ではありますけれども、直接的に家賃収入があるわけですから、それは私は、その面から著しく市町村、公共団体に負担過重になるというようには、長期的に見まして思わない。のみならず、公営住宅の用地を取得される、造成される、それはその公共団体の財産造成なんですね。ただで財産造成ができるわけがありません。でございますから、これはなくなって消えていくものではございませんし、その公共団体の貴重な財産としてつくられていくわけでございますから。どうもいまの学校用地等の実際を見まして、均衡論からいいましても、家賃にはね返ってくる心配がないならば融資に切りかえてもいいじゃないかというように、私どもは頭がそっちに傾いていっているわけでございます。
○島上委員 地方の財産になることは事実ですが、それは帳面の上の財産であって、そこに住宅が建っている限りは、財産だからといってほかに利用できないのですからね。これは財産だからといって、足しにはなりませんよ。時間がないから私はもう先に進みますが、これは雪だるま式にふえていくのですから、必ず地方の財政に大きな負担になるということと、そうしてそのはね返りは家賃が高くなるということと、それから公営住宅大量建設の熱意が失われていく、こういう結果を招くことは必至です。ですから、よく考えていただきたい。これは御答弁は要りません。 もう一つ最後の問題点ですが、収入を的確に把握するための措置をとる一いまは収入調査をかなりやっておりますが、的確にはなかなか調査しがたい。これはわかる。収入を的確に調査する措置というのは、具体的にいえばどういうことですか。私は、収入を的確に調査するというのは、法的には非常に困難だと思う。困難であると同時に、問題があると思う。どういうことをさしているのですか。
○大津留説明員 現行制度におきましても収入超過者には割り増し家賃をいただくということになっておりますので、現行制度におきましても、入居者の方々の収入を的確に把握するということは非常に大事なことでございます。それをさらに高額所得者に明け渡しを求めるということになりますと、その収入を正確に把握できるかどうかというのがポイントになるわけでございます。したがって、これを的確に把握するための措置を講じたいわけでございますが、これは実は一番確実なのは、御本人から正確な申告をしていただくというのが一番でございますが、もしそういう形の協力が得られないという場合も予想されますので、そういう場合には、その居住地の市町村におきまして往代税の台帳がございますから、その納税台帳を閲覧できるということにできればそれが補われるかと思います。したがいまして、具体的には、地元の公共団体にそういう面での協力を求めることができるということをはっきりさせたい、こういうふうに考えております。
○島上委員 私は、かりに納税台帳を閲覧できるということになっても、必ずしも一〇〇%的確な調査はできないと思うのです。私の調べたところによると、いまいわゆる徴税の把握の率は、勤労所得税は非常に高い。俗に九、六、四、三といっておるそうですが、勤労所得税は九で、事業所得税は六、サービス業が四、農家や漁業所得は三だ、こう俗にいわれているそうですが、そのくらい徴税の把握自体にもこういう格差があるし、台帳をいろいろ閲覧できることになっても、一〇〇%的確に調査できない。不的確な調査に基づいて、さっき質問したような強制立ちのきということになるとなお問題だし、割り増し家賃でも問題だし、結局こういうことは入居者の理解と協力を求めるということでなければならぬと思うのです。それが基本でなければならぬ。納税台帳の閲覧ということになれば、こういうことになりませんか、地方公務員法三十四条、国家公務員法百条、地方税法の二十二条の改正に関連する、こういうことになるかと思うのですが、そうですが。
○大津留説明員 私どもの考えでは、公営住宅法におきまして、そういった公営住宅の入居者の収入の把握をするのに必要な場合におきましては、その居住地の地方公共団体が納税台帳の閲覧について協力しなければならないというような規定を置けばいいというふうに考えております。
○島上委員 いま私が指摘した地方公務員法、国家公務員法、地方税法と抵触する部分ができて、それの改正もあわせてしなければ完ぺきというふうにいえないと思うのですが、どうですか。
○大津留説明員 いま先生御指摘の税法上の規定に対しまして、いわば特別法として例外を開いたものというふうに私どもは理解しております。
○島上委員 もう時間がきたから最後の質問にしますが、この法律は、先ほど大臣からはっきりと伺うことができませんでしたが、いま第二次五カ年計画というものが一応考えられているわけですね。——ないのですか。なければないていいですが、第一次五カ年計画が終わってそれでいいというものではありませんから、私がさっき指摘したように、より雄大な、より積極的な第二次五カ年計画なり、もっと長期にわたる計画を立てなければ、住宅問題の解決はできない、そう思うのです。これには大臣も賛成だと思うのですが、そういうことを考えの上に入れた法改正であるのかどうか、四十五年に終わる現在の第一次五カ年計画だけしか考えない、間に合わせの一これは抜本的改正と称しておるけれども、抜本的改正でない、一時しのぎの間に合わせ的な改正ではないかと思う。そういうふうに解釈せざるを得ないのです。 そこで最後に、大臣に御要望申し上げて所見を伺っておきたいのですが、この法律はもう古い法律ですから、いろいろ欠点もありますことは私どもわかります。しかし、いま言ったように、四十五年に第一次計画は終わるのですから、これは一〇〇%達成できないまま終わるでしょう。もうわかっています。それで、第二次及び長期計画をお立てになるならば、その構想を頭に描いて、それに適応するような、文字どおりの抜本的改正を慎重に検討した上でやるべきものであって、いま問題の多いこの間に合わせの改正はお見合わせになったらどうか。国会に出しても、これはなかなか簡単に通りませんよ。用地費の補助を打ち切るということになれば、予算との関係もありますが、こういう問題を含んだこの法律は、そう簡単に自民党だけで審議するわけにいきませんから、もっと長期にわたる雄大な計画を構想に描いて、それに適応するような法改正を慎重にお考えになったらどうか、こう私は思いますが、いかがでしょうか。
○保利国務大臣 御意見は承らせていただきましたが、四十五年に現行計画が終わったあとどういう計画を持つかということについては、事務当局ではもうそろそろ始めておると思うのですけれども、どういう計画を持つべきであるかという考えを私自身はまだ固めているわけではございません。しかしながら、いま島上さんから御指摘をいただきました公営住宅の諸点等につきましては、島上さん御自身もそういう現行法との矛盾を感じていただいておるわけで、私 そういうところを、できるだけ社会の円滑ということを考えますと——通さぬぞと言われるとどうもならぬのですけれども、出す以上はどうしても通してもらわなければいかぬと思っておりますが、十分御意見を承らせていただく、そうして先ほど御指摘もございました全国総合開発計画等で展望する日本にふさわしい住宅政策を確立するということが、第二次計画からの課題だと私は考えているわけですけれども、だからといって、それまで公営住宅法は現行のままでいいんだということは、ちょっと飛躍し過ぎるのではないだろうか。そうやかましいことをおっしゃらぬで、ひとつ十分御意見を聞かしていただいて御審議を願いたい。これは出してもいないのにそういうことを申し上げては何ですけれども、できるだけ御審議をいただくように勉強いたしたいと思っておりますから、御了承いただきたいと思います。
○加藤委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十八分散会 ────◇─────