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59回国会衆議院1968/10/18

決算委員会 第8号

発言数
232
登壇者
22
会派数
4
開催日
1968/10/18

会議録

大石武一自由民主党

○大石委員長 これより会議を開きます。  昭和四十一年度決算外二件を一括して議題といたします。本日は建設省所管及び住宅金融公庫について審査を行ないます。  なお、参考人として日本住宅公団より総裁林敬三君、理事半田剛君、同島守一君、同関盛吉雄君、同宮地直邦君及び日本道路公団より理事片平信貴君の出席を願っております。参考人からの意見聴取は委員の質疑により行ないたいと存じますので、さよう御了承願います。  これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので順次これを許します。小山省二君。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 たいへん御多忙の中、林総裁においでをいただきましたので、若干時間をかりまして、住宅問題につきまして二、三御所見を伺いたいと思います。  国民生活の中で占める比重といいますか、住宅問題に対する国民の関心というものは非常に高いことはいまさら私が申し上げるまでもないと思います。したがって今日の段階におきましては、単に家を建てるというだけでなく、家の問題と関連した、たとえば教育施設の問題であるとか、あるいは道路の問題であるとか、そういう問題が、住宅を担当しておる公団のまた一つの責任にもなっております。それらの問題に関連して総裁の住宅対策に対する基本的なお考えをひとつお聞きしておきたいと思うのであります。  最近、新しい団地ができますと必ず起こる苦情といいますか、私どもに陳情のありますことは、何といっても足の問題であります。相当大きな団地の造成に最近なっておりますので、そういう団地を建設します最初にあたって、一体これらの居住者の通勤問題というものをどうお考えになって建設をお進めになっておりますか、そういう問題が団地をおつくりになる上の条件として必ず考慮されておるかどうか、その点について総裁のお考えをお伺いしたいと思います。

林敬三日本住宅公団総裁

○林参考人 ただいま御質問の中にお述べいただきましたとおり、住宅は申すまでもなく国民生活の中でいま一番の問題になっておりますし、またこれを建ててまいります上で、教育や道路や上下水道や託児所、汚水処理ということに至るまで、あらゆる面をやはり解決をいたしませんと、住宅が建たない事態になってきておりますことは仰せのとおりでございます。その中でもやはり一番の大きな問題の一つは仰せのとおり通勤輸送の問題でございまして、ことに団地が大型化してまいりまして、これはもう必然的にそうならざるを得ない状態になってまいりますと、この輸送の問題、たいへんな問題でございます。それで一番初めに場所を選定いたしますときに、まず輸送というものを頭の中に考えながら選定をいたすように最善の努力をいたしております。  それから国鉄、私鉄、あるいはバス会社、そういうところとは足の確保ということについて、また駅の増築とかいろいろ問題ございますが、それについてはできるだけ事前に詰められるだけの打ち合わせをいたしまして、そうして見通しを立てまして、これをつくるようにいたしております。ただし相手方の国鉄も五年、七年、八年、十年を待っていろいろな問題が解決をいたしますし、また私どものところもいろいろと用地の買収その他でいろいろな相手方がありまして、思わぬ伏兵にあってこんとんとして停とんいたす場合もございますし、私鉄、バス、それからそれを走らせる道路につきましても、同じようなことがありまして、このでき上がるときがすぽっと両方ともタイミングが合うということ、努力いたしますが、ときには合いませんで、いろいろ国民の方々にもその他にも、自治体の方々にも御迷惑をかけつつ、さらに団地ができて数年たって解決をするというような事態も出ておりますこと、まことに恐縮に存じておりますが、仰せのとおり通勤輸送、これも一つの大きな足の解決しなければならない要件の一つでございまして、最善を尽くして今後ともつとめたいと思っております。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 総裁のお考えはわれわれもよく理解できるような感じがいたすわけであります。しかし何といっても最近におきます土地の用地難等の事情から考えて、そう理想的な用地というものが手に入るということは困難であることは、これはわれわれも十分理解できるわけであります。したがってそういう交通機関から遠のけば遠のくほど、足の問題というものに私は十分事前の用意が必要のように感ぜられるのであります。そういう関係から最近におきます新しい団地からは、特にもよりの駅までのバスの確保、これがなかなか公団が御心配いただいておるような状態になっておらないということであります。通勤者にとってはようやく待望の住まいが定まったという半面に、また新しい一つの悩みがふえてきた。それは通勤に対する一つの悩みである。もちろん団地にお住まいの人は大部分が通勤者でありますから、勢い朝と晩だけ大量な足が必要であって、あとはほとんどごく少数の人の出入りということになるわけであります。それだけにバス会社のほうから見てもかなり悪条件の中でできるだけの配慮をしなければならぬということになると、やはり営利会社でありますから、必ずしも居住者の考えるような好意的な配車をするというわけには、一方の立場からばかりはいけないということもよく理解できるわけであります。したがって、そういう点に私は事前にやはり十分打ち合わせをして、そういう関係機関のはっきりした協力を得るという、そういう確約をとってからいろいろな建設工事を始めるというような方向にひとつ将来十分な配慮をしてもらいたいと思うのであります。  実際に通勤しております、ことに女性の方などの苦情を聞いてみますと、ほとんど職場に着いてから一時間くらい仕事ができない、そういう状況でございますということをいろいろわれわれに訴えております。われわれも実情調査のために視察に行ってみますと、確かにバス一つ乗るのにも一回、二回と待たなければバスに乗ることができない。それに乗りおくれるとまた駅へ行ってからさらに混雑をするというようなことから、無理しても、少々危険をおかしてもバスにすがりつくというようなそういう状況をわれわれは目のあたりに見まして、何とかやはりこの足の問題は早急に関係機関と十分協議をして、これらの問題を解決するために公団が積極的にひとつ御努力をいただきたい。  いま一つは、教育施設の面についてはこれは義務制でありますから、町村側において苦しいの何の言いながらも一応充足しておるようでありますが、保育所のような施設になりますと、必ずしもそのような状態にいっておらないようです。ことに子供を保育所に預けて、そして職場へ通っておられるような方にとっては、そういう施設は絶対必要な条件になってきておるわけであります。したがって、相当大がかりな団地をつくる場合には、単にその用地を公団で確保するというだけでなく、やはり多少そういう施設に対して何らかの便宜を計らう程度まで積極的にひとつ保育所が建設されるような、側面からの応援を公団に考えてもらえないかどうか。この点について公団側の考え方をお聞かせいただきたいと思います。

林敬三日本住宅公団総裁

○林参考人 御質問の初めにありました駅までの間のバスの通勤を確保できるように積極的にもっと努力をしろというお話、まことにごもっともでございまして、つくります前には一番大事なことと思って事前に十分の打ち合わせをして、はっきりした協力を確約をしてつくるのでございますが、バス会社のせいでもなく、よその町村を通っていく、そこの町村の道路が約束どおりできないとか、あるいは鉄道で跨線橋をつくってもらう、その跨線橋がどうしても地主との問題や何かで取りつけのところの話し合いがつかないとかということで、数カ月おくれるというようなことで、お入りになった方にたいへんな不便を与えたというようなこと、御指摘のように間々ございますので、今後一そうこの点注意をいたしまして、そうして関係機関ともよく協力して、団地ができたらばこの通勤はスムーズにいくというように一そうの努力をしてまいりたいと存じます。  それから、第二の御質問のいわゆる保育所の点でございますが、これは住民の方、ことに共働きの方には非常に希望が多いのでございます。それで公団といたしましては、必ずそういう場合、たいていの場合には将来の用地というものを頭に入れながら団地の設計はいたしております。それから、これは経営が市町村の経営になるものでございます、私立の保育所というのはなかなかたいへん経営上困難でございますので、その性格からいきましても市町村の経営になるという場合がほとんどでございます。その場合には建物もこちらで建てて、そうしてそれをお貸しするとかあるいはそれの買い取りをずっと年賦で願うとか、こういうようなことで可能な方法でこれを必要で希望の多いところには実現するというように、今後一そうつとめてまいりたいと存じます。  ただここは、市町村もその気になっていただいて、それを理解していただくということが必要でございますし、それから、団地側としての公団も、また団地の住民の方々の非常に理解と協力をまたなければ、趣旨はいいことでありますがなかなか適地に適当な時期にできないということもございます。よく自治体あるいは団地に入りました住民の方とこちら方とよく相談をいたしながら、極力可能な実現できる方向で今後も一そう努力をしてまいりたいと存じております。団地サービスというのがありまして、そこでも保育所の経営をやれるたてまえになって数カ所いたしておりますが、団地サービスだけではなかなか経営が困難で苦しいのでございまして、やはり市町村が主体になってこれを解決していただく方向で、私ども最善の努力をいたしてまいりたいと存じます。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 総裁からたいへん積極的な御意見をお漏らしいただいたので、私どもは、その総裁の御説明のような形において将来これらの問題が解決できるかどうか、いましばらく時間をかげながら十分検討していきたいというふうに考えております。  もう総裁の耳には当然入っておることであり、また建設委員会等でおそらく議題になったことであろうと思うのでありますが、南多摩の鶴川に先般新しい団地が建設されたわけでありますが、たまたまこの団地に大量のダニの発生がありまして、関係者から、何とかこの駆除方について公団でひとつ責任を持って処理してもらいたいという陳情があったはずでございます。ところが公団側のこれに対する態度というものは、これはダニとはいうが被害のない一種のわら虫であって、ほとんど実害がないのである、したがってある時間がたてば自然的にこれは消滅をする性質のものである、まあしかし、せっかく皆さんのほうから陳情があるから、乳剤くらいはひとつ何とか支給をするようにいたしましょう、こういうことで、わらダニ、粉ダニの発生に対してはほとんど意に介しないというような態度で言われたわけです。関係者から、どうしても公団側で取り上げてもらえないので、何とかひとつこの状態を公団にもう少し認識してもらうために一緒に陳情してほしい、こういう要請がありましたので、別に私関係者といったわけではありませんが、公団側が一体どういう考えを持っておるかというので東京支所に行って、実は私個人で支所長に会ってみたわけですが、やはりその居住者の陳情と同じように、これはいま始まった問題ではございません、先生、各地に起こっておるので、初めてのところはいろいろそういう苦情を言われますが、もう少し時間がたてば苦情は解消されると思います、別に実害があるわけでもございませんから、しかし、いろいろ陳情等もありましたので乳剤のようなものを多少手配しました、こういうことで、この粉ダニの大量発生についてあまり意にしない――意にしないというより、そういうことをなくそうとするならば当然先生、家賃にまで影響してくることですよ、これはもう原因ははっきりしているのです、要するに畳のしんに乾燥しないわらを使っているので、この状態の中からある時期にはそういうダニの発生というものはもう当然考えられることです、しかしそれを乾燥したわらを使うとかいうような要求になるなら、これはもう当然家賃に影響することですから、まあできるだけ安くという趣旨からいって、できるだけがまんしていただくように先生からも話してくださいということで、いとも簡単にこのダニの大量発生に対しては、公団としてはそう気にしないというような態度であります。私も関係者に――初めてのことで、こちら自身にそういう経験もなし、知識もなかったから、公団の言うことをそのまま実は関係者に伝え、別に実害がないそうだ、公団でも別に初めてのことじゃなくて、もう十分このダニの発生については知っておるようだ、したがってもう少し時間がたてば死滅するという話だから、何とか駆除剤、乳剤のようなものを散布して、早くそれを死滅させるように、団地の人も骨を折って、足りなければぼくらも行って薬のあれはもらってきてやるからという程度でありました。ところがその後依然として駆除に努力しておりますが、これは四月ごろから始まって八月の末になって私がリマの列国議会同盟から帰ってさましたら、まだ盛んに団地のほうではそういう問題についていろいろと苦しんでおる。私はかりでなく、今度は関係多数の同僚議員も招集されて実態を見てくれ、こういうことでありまして、初めてその当時の写真であるとかいろいろな参考資料というものを見せつけられて、私も公団の無責任な態度に対していささか実は義憤を感じたわけであります。  そこで一体それは単なる出先の機関の人が、その人の責任において処理しておったのか、そういう大量発生というような事態に対して首脳部まで関係者から実情を報告さして、それに対して公団としてとるべき方針、考え方、そういうことをどういうふうに協議をされたか、私は特に総裁においでをいただいたということは、そういう最高首脳部までこういう話が通っているかどうか、また通ったとすれば公団としてどういうふうな態度で今後こういう事態に対して対処するお考えであるか、その点をひとつお伺いしたいと思うのです。

林敬三日本住宅公団総裁

○林参考人 ただいまの鶴川団地その他若干のところにおきまして粉ダニの異常大量発生が起こりまして、そのためにせっかく入居をされた方々がたいへんいろいろお苦しみになったということにつきましては、まことに遺憾なことでございまして、身を切られるような思いをいたしておるわけでございます。少し脱線いたしまして恐縮でありますが、鶴川団地と申しますのは、昭和三十四、五年ごろからあそこを公団が手がけて、当時いろいろなタヌキ、ムジナが走るようなところであったのを、苦労して苦労して買いまして、それから山を削り谷を埋めまして、そしてあそこに一つの理想郷というようなものをつくって、ようやく十年近くの歳月かかってでき上がってきたところなんです。そこでみんなから喜んでいただきますし、宅地の分譲の希望なんかもたいへん多くて、いろいろやっていただいておって、相当な競争率があって入居をしたとたんがこの問題でございまして、百日の説法何とかというようなぐあいに、まことに公団全体としても非常に残念なことで、いままでの十年の努力水のあわというような感じを持っているような状態でございます。  いろいろと学者にお調べいただいたものによると、わら虫、すなわち粉ダニというものは普通ごく小量畳の水分を吸いまして出ましても、これが人体には影響はないということは申しておるようでございますが、それに関連してやはりそのダニを食うダニというものが出てくるようでございます。それあたりは人体にも、からだのほうをかむということもいたすようでありますし、しかもこれが大量異常に発生するということになったときには、それは生活上害があるなしにかかわらず、実に不愉快きわまることと存ずるのでございます。私至らないのでありますが、担当の支所を督励いたしまして、またそれに対して絶えざる注意を払って、これを何とかして苦情のないようにつぶしていこうじゃないかということを励まして今日に至ったのでございますが、さしあたりのやる手としては、一応薬を無料で配付してまいていただくというよりほかいまのところは手はない。しかしながらそれでいいというものではないので、今後の問題としてどうするかということで東大のこのほうの専門の佐々先生ほか数名の方に特別に委嘱をしまして、どうしたらわらのこういう虫が出ないようにできるかということを至急検討して結論を出していただいて、それにのっとってやれるだけのことは公団としていたそうという決心で研究をしていただいております。しかしもう生活は片方始まっているのでございますし、ダニは異常の例外だといいましても、鶴川には出ておるわけであります。それで佐々さんにも特にお願いしまして、あとで結論は少し間違ってもいいから、不十分なところがあってもいいから、そしてむだになる場合があってもいいから、早く一応結論を出してくださいということで、ここ一カ月以内に結論を出していただいて、それに基づいてとりあえずの暫定措置を講じ、さらに恒久措置は研究を続けていただいて、結論を出していこう、こういうことでいまとりあえずは薬と天日に干すということでもってこれをそれぞれの方に御苦労を願いながら処理を願っているようなわけでございます。  佐々さんの「タタミに発生する害虫について」という報告もここにございますが、それらがもともとどのような生活をしているのか、それぞれがどのような被害を与えるのか、どうしたら防御できるかというようなことについてまだ十分にはわかっていない、したがって対策も基礎研究のところから始めなければならないというような状態なのでございます。決してこんなことだから、害がないからという意味ではないのでございますが、いままで公団ができて十三年たって、なぜそれが問題にならなかったかというと、いままでは幸いにもといいますか、不幸にもといいますか、散発的であり、きわめて瞬間的であるというようなことで、あっと言っているうちに消えてしまうというようなことであったのでありますが、今度のは異常天候でありますか、わらの干し方が不十分だったのでありましょうか、それとも土地柄であったのか、コンクリートのぐあいであったのか、たいへん数多く出てくる。多く出てくるとそれをまた食うもっと悪いダニが出る、こういう状態があって御迷惑をかけたと存じます。関西方面ではかつて出たことがありまして、畳屋さんのほうで設備をつくりまして高周波でもってまずわらを焼きます。そうすると値段が高くなるのです。そういうのを納めるようにいたしておるのです。ところが佐々博士に聞きますと、それが絶体にきき目があるのか、それでいなくなったのか、それともほかの原因でいなくなったのか、学者としてはわからぬ、こういうことを言われますので、公団の命令としてそういう設備がたいへんかかるものをつくらせて、それが役に立たなくても、こういう公の機関というものはまた無責任だということになるのでございますから、もうちょっと研究さしていただいて、そのきめ手を出していきたい。それまではひとつ薬の散布とそれから日に当てるとかそういうことで皆さんにがまんをしていただきたい、こういうことなんでございます。  あまりにひどく訴えられましたところだけ畳をおかえをいたしました。それでむしろその畳を大学に持っていきました。これはどういう原因なんだろうか、水のせいなのか、薬のまき過ぎなのか、そういうことからきわめていかなければならないと思うのでございます。いずれにしましても、まことに公団十三年の歴史で例のない、天候とも関係いたすでありましょうが、異常な発生をいたしました。ことしは東京付近にそれがきてよけい出た。こういうことをいわれますのですが、そういうときに、せっかく十年近くの苦心惨たんの結果できた団地に、喜んで入られた方々を、そういう不快な目におあわせしたということはまことに恐縮に存じます。決して、そんなものあたりまえで、吹けば飛ぶからすぐ消えますという態度でなく、入っている方の身になって最善を尽くしていく、そのために公団が少しぐらい費用はかかっても当然だ、これはどなただって理解していただける、こういう気持ちでおるわけでありますが、何ぶん全体にもいろいろ波及する点もございますし、鋭意解決の努力を続けていきたいと思います。今後も御鞭撻、御指導をいただきたいと思います。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 総裁の性格からいって、私はさもあるべきだと考えておるのです。しかし、世の中は親の心子知らずといって、なかなか総裁のお考えのように、住民の気持ちになってもらえないというのが実際でありまして、私はそういう交渉を通して、公団側の無責任な考え方に対していささか義憤を感じたわけであります。いま総裁からも話されたように、三十八年にダニの大量発生がありまして、以来翌年三十九年に、大阪、福岡は、高周波加熱処理というものを、ある意味においては義務づけにひとしいような形をとって、以来そういう問題は出ておらないのであります。そうなれば、東京においても同様なことを予期して、たとえそういうことを義務づけないまでも、検討をするということは、当然私は公団としてやっていなければならぬはずだと思うのであります。私どもが陳情に行ったときなどは、これはもうある時期がくれば自然になくなってしまうんです、要するにたまたま入梅期に入るから、そういう大量発生なので、それに何もこんなもの害がないからというようなことで、ほとんど問題にしていないのです。実際にわれわれが現場へ行ってみると、畳にまつ白になるほど大量に出ておって、それが無害であっても、食物でも何でもみなつくのです。子供をそこに寝かしておくと子供にかかる。それは親の立場でもって、無害だといってもそういう事態に対してそのまま放置できないということは当然考えられることです。そうなれば公団が飛んできて、その駆除方についてもう少し居住者と一体となって、どうしたらこれを早急に何とかできないかという対策くらいは考えても、私はしかるべきだと思う。いま総裁の気持ちからいけば当然そうやらなければならぬはずである。ところが実際にはいろいろな条件を居住者のほうから出したのですが、駆除剤を支給されただけであって、ほとんど誠意のある回答が当時はなされなかった。そこでどうしてもこれは政治問題以外に解決が不可能だというので、私ども七区選出の議員は呼ばれまして、そうしてこの解決についてひとつ骨折ってくれ。この事態を先生方どう考えるかというので、さっき言った参考資料をいろいろ見せつけられ、われわれはこれはひとつ何とか公団側に反省してもらわなければならぬと思った。たとえば一部の畳を取りかえたと言われますが、いつごろ取りかえたかわかりませんが、われわれがそこに参加した範囲では、そういうことの話は聞かなかった。そういうことは要求しているが、公団側では了承を得られない。それから畳のへりだけでも防虫へりがあるのだ。そういうものを使うようにひとつしてくれというような問題も出された。これも不可能である。それから消毒剤も農薬ですから、ダニを駆除するために幾らでもまいていいという性質のものではない。やはりその駆除剤自体にも問題が起こってくるわけであります。そういう毒性を懸念する住民の立場、そういうものもありまして、居住者のほうでは相当幾つかの条件を公団側に出してあるはずであります。したがってこの問題についてもう一度ひとつ総裁に、住民側の要求を検討してもらいたいと私は思うのです。三十分というので、もう時間がきたということで、私もこまかく内容を取り上げて総裁に御質問することはできませんが、居住者のほうから幾つかの要求事項というものがありますから、この問題に対してはひとつ公団としても、できるだけ誠意をもって善処してもらうように、私もその被害の実情を見ました一人として、特に総裁にこの機会にお願いを申し上げておきたい。将来の住宅問題について、われわれ三多摩としてはいろいろな問題をかかえておるのです。しかしきょうの理事会の申し合わせの時間がありますから、私の質問は以上でとどめておきますが、ぜひひとつ誠意ある態度で、この問題に対して処理していただくということを、特にお願いして質問を終わります。

林敬三日本住宅公団総裁

○林参考人 ただいま重ねていろいろお話がございました。まことに恐縮に存じております。いろいろ仰せになりましたこと、とくと承りまして、鋭意誠意を尽くしまして、この問題の解決にさらに前進をいたしたいと思いますので、どうぞ御指導を願いたいと思います。

大石武一自由民主党

○大石委員長 田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私はきょうは建設の関係で、新しくできた新都市計画法に関連して土地、住宅道路等について順次お伺いする予定にしておりましたが、答弁者の都合、時間の関係等もありますので、理論的にやってきて、そこで持ち出す予定であったのですが、はしょって官房副長官にお伺いいたします。実は総理に答弁を願いたかったのですが、どうも三選準備のために忙しいようですし、官房長官もどうも来ない、こういうことで副長官に来てもらったわけです。  御承知と思いますが、京阪神土地事件は、兵庫県警でいま現職の国会議員を起訴するかどうかというところまで問題が発展している事件であります。この事件に関連をいたしまして、京阪神土地から土地とか住宅等を買いましたいわゆる小口債権者といいますか、言うならばマイホームの夢破れた気の毒な人たちが、今日まで大蔵省とかあるいは関係の銀行等々に参りまして、いろいろ苦しい状態を訴えて、善処してもらうように頼んだが、どうもらちがあかない。そこで総理大臣に陳情書というかっこうで直訴をしたわけなんです。このことについてお伺いいたすわけなんですが、その前に、こういう直訴ということばが新聞等で使われますが、総理大臣に対して直接こういうように陳情が出た場合どのような処理をしておりますか。

亀岡高夫自由民主党内閣官房副長官

○亀岡説明員 まず私なり官房長官なりが目を通しましてその要旨を総理に申し上げることにいたしております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 その陳情書なるものを直接総理には見せないのですか。

亀岡高夫自由民主党内閣官房副長官

○亀岡説明員 大体御承知のように一日数十通から数百通のこの種陳情書が参ってきておりますので、それを整理いたしまして、その要旨を申し上げておるということでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 要旨を申し上げてそれに対する総理の回答というか考え方等は事によって違うと思いますが、回答が出るまでには大体どのくらいかかりますか。

亀岡高夫自由民主党内閣官房副長官

○亀岡説明員 その場で総理の感触から総理がはっきりと申される場合もありますし、さらに予算を伴うものあるいは国会で法律的に処置をしていただかなければならぬもの等々もございますので、よく検討しろ、こういうふうにおっしゃる場合もございまして、そのケースケースによってニュアンスは違うことはおわかりいただけることと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それでは具体的に京阪神土地の問題について総理に出した陳情書に基づいてお伺いいたします。  まずその陳情書に小口債権者の「分譲地別債権内容一覧表」というものがついているはずなんです。そこで百七十八名、件数にしては二、三件多いわけなんですが、これは一人で二カ所買ったとかというのもありますから件数は百八十何件になります。しかし人数にすると百七十八名。そうして契約金額が五億七千三百八万なにがし、内入れ金額が二億三百四十七万なにがし、未払い金額三億六千九百六十万なにがしということにこの付属書類にはなっております。そこでこれらの人たちは営々として貯金をするあるいは生活を切り詰めても金をつくって、せめて自分のうちを持ちたい、そういうことで阪神土地の土地を買った。ところが御承知のような状態で現在会社はそれ自体は会社更生法によってやられている。そういたしますと、いつも問題になるのが銀行とか大きな債権者はそれぞれ担保を持っている。ところが小口債権者、普通のメーカーの場合は下請ということになりますが、これはいわゆる無担保である。そのために会社更生法が適用せられるたびにいつも問題を起こすわけです。いままでのたとえば山特鋼のような場合はそれぞれ下請業者あるいは物品納入業者であったけれども、今度は広告にだまされたというか、しかも大きな銀行があとを見ておる、こういうことで土地、建物を買った結果がこれである、こういうことで実際大きな問題になっております。  そこでまず陳情書の第一点からお伺いいたします。読み上げます。「総理も既に御周知と思いますが、私共は別紙の如く本年四月倒産した、神戸市の京阪神土地株式会社より、土地や建物を購入した小口債権者団で零細な庶民ばかりの集りです。」こういうところから始まっておるわけであります。そうしていま申しましたように百八十三件で実際は百七十八名ですが、京阪神土地株式会社土地建物購入債権者委員会ですか、こういうのをつくってその代表から出てきているわけです。  そこでまず「総理に我々が陳情する要件は、」ということで前文は省きますが、第一点は「大蔵省の言われる、本事件で小口債権者が有利になる様に解決すれば、これが前例となって今後に問題を残すと苦慮されているそうですが、何故なのか我我には納得が行きません。庶民を守る為の政府担当者のお言葉とは思われません。是非共総理の英断に依つて今後二度と弱い者が泣かない為にも、妨害に成る法律は即時改めて善意の第三者が救われ、人権を守つて戴きたい」こういう要望をいたしているのが第一点であります。これは大蔵省の言われるというのは大蔵省に行っていろいろ話を聞いた、あるいは大蔵委員会等でこれが問題になった、そういうとき大蔵省が言っているようなこと、これによると法律等があってどうにもならないということ、そういうことでは困るので総理の英断を望む、こういうことなんですがね。これについては総理にこの要点を申しましたか。その結果総理はどういうことを回答になりましたか。

亀岡高夫自由民主党内閣官房副長官

○亀岡説明員 先ほども田中委員にお答え申し上げましたとおり、一々の内容を具体的に総理に申し上げてはおりません。ただこの京阪神土地に関する事件について小口債権者の方々が非常に心配しておる、大蔵省もいろいろやっておるようだけれどもと申し上げましたところ、総理としては今回のこの京阪神土地事件に多くの金融機関が関係していたという事実、またこのことは金融機関が常に厳正な業務を営んでおればこういう方が出なかったことも考えられるわけでありまして、そういう意味から、公共性のある信用機関が多数関係しておるということをもってしてこの事件が起きたということはたいへん遺憾だということを総理は申されておったわけでございます。それで今後公共性のある金融機関が関係しておる事件でこういう零細な出資者、債権者、そういった方々に迷惑のかかることのないように、大蔵省に対して厳重に指導監督をし、また銀行に対する検査の権限を持っておる大蔵省に対して二度とこういうことのないように連絡をとっておけということで、大蔵省のほうに連絡いたした次第であります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 これはずばり言いますと、第一点は法律の不備を訴えておるのです。いいですか。会社更生法等の法律の不備を訴えておる。いつも会社更生法が適用されたときに泣くのは小口債権者、無担保債権者であります。そこで山特鋼の事件等が契機となりまして社会党から会社更生法の改正案を、実は私が立案して出しました。それが動機となって会社更生法の改正が先年行なわれました。それがまだ十分に小口債権者あるいは無担保債権者等々に対する救済がなされていない、そういうような改正点がない、こういうところに問題があるわけです。言うなれば小の虫を殺して大の虫を生かすといいますか、まさにそういう意味なんです。そこでこれはそういう会社更生法等の法律改正を訴えているわけです。あなた、きょうは総理の代理として見えているのですから、会社更生法の改正に対してなお総理に伝えて改正をする意思ありやいなや。

亀岡高夫自由民主党内閣官房副長官

○亀岡説明員 仰せのとおり法律問題になってまいりますことは私どもよく承知いたしておるわけでございます。会社更生法の改正問題についてどうするかという御質問でございますが、私どもとしては、こういう事態の起きることはまことに遺憾でございます。こういう事態は金融機関が本来の職責を、使命を十分に果たしておれば起きなかった、会社更生法の対象にこういう方々がならないという事態であれば、更生法の改正等も出てこないわけでございますので、いろいろ今後も官房長官とも御連絡いたしまして検討を進めていきたいと思っております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私は、総理が出席できなければ官房長官、ところが官房長官もぐあいが悪いということであなたが来たのですから、まさに総理の代理として私は申し上げておるのです。会社更生法という法律、あなた御存じですか。(亀岡説明員「はい、知っております。」と呼ぶ)その中の共益債権のきめ方、そこに問題があるわけです。したがって、先年改正をなされたが、まだ不十分である。だから会社更生法の再度改正について総理に進言するかどうかを聞いておるのです。いかがです。

亀岡高夫自由民主党内閣官房副長官

○亀岡説明員 田中委員のお気持ち等は総理にも申し上げまして報告をいたしますが、この会社更生法を改正するかどうかということについてはいまのところ考えておりません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 ならば、こういう場合の無担保債権者、小口債権者の救済をどうする考えですか。

亀岡高夫自由民主党内閣官房副長官

○亀岡説明員 この問題については、特にこの京阪神土地事件でこういう小口債権者の方々に迷惑をおかけする事態が発生したということは、やはり公共性の高い銀行がその中に関係しておったということが大きな原因であるわけでございます。金融機関がしっかりとその業務を遂行しておればこういう事態が起きなかったはずでございますので、その点についてはこれは特別のケースというふうに考えても差しつかえないのじゃないかと考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私が申し上げておるのはそういうことじゃないのですよ。会社更生法を適用せられる場合には、無担保債権者あるいは小口債権者がいつも泣かされるのです。したがって、それを救済するような方法について――これは、そのことは京阪神事件について言っていますけれども、問題は会社更生法の問題なんですよ。会社更生法の共益債権になるというのかならないのか。いまの場合は更生債権になるのですね。だから、こういう小口債権者について、会社更生法の適用をする場合に救済の方法について考えるよう法改正を望む、こういうことなんですよ。それを総理に伝えるか伝えぬか、こう聞いておるのです。いかがです。

亀岡高夫自由民主党内閣官房副長官

○亀岡説明員 その点は十分お伝えいたします。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 次に、「銀行は、無担保である小口債権者に担保を抹消し、亦は金を返せば株主に対して背任行為と成り、犠牲者を出すことを恐れている故、これに対する何等かの方策を考えて指示してやつてほしい」ということ、これは土地なり家を買ったそれを担保にしておるわけです。それを抹消するということになれば、銀行の役員自体が今度は銀行内部において背任等になるということをおそれてそれをようやらない、だからそういうことのないような措置をひとつ講じてもらいたいということなんです。「特に大蔵委員会で答弁された三井、三菱、第一、福徳の社長様方に交渉して戴きたい。国会で約束されたことは、国民周知の処であり、この約束を守って戴く為には、これしか他に方法がないのではないかと思う次第です。」こういうように言っております。  そこで大蔵省の銀行局長、この問題は大蔵委員会において導入預金等々の関連において質問があり、いま申し上げたところの三井、三菱、第一、福徳の社長が答弁をしておるのです。その答弁に沿うどういうふうな指導を今日までしてきましたか、お伺いします。

田代一正大蔵大臣官房審議官

○田代説明員 御案内のとおり、京阪神土地の債権債務の係争につきましては、いま神戸地裁で任命されました大白弁護士が御検討中というぐあいに聞いております。またそれに関連いたしまして、三井銀行あるいは福徳銀行が補助というかっこうでもって参加いたしておるというぐあいに聞いております。で、私どもは、現在小口債権者の救済ということが非常に大事だというような感じで会社更生計画を今後立てられると思いますが、そういう場合にも小口の債権者を救済するということを具体的に考えてやってくれということを、内々両行につきまして申し上げているわけです。そういう立場で現在大蔵省は両銀行に対して申し上げているという形であります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 この問題は大蔵省にも大きな原因があるのですよ。大蔵省は金融機関、銀行、相互銀行等に対して監査を行ないます。その監査が十分に行なわれていれば未然に防げておったわけです。それをどういう事情があったのか知りませんが、でたらめなことをやっておるからこういう結果になったのですよ。それに対して大蔵省は強力に各銀行に指導するあるいはものを言う、そういうことはどうです。責任の一端は大蔵省の銀行局にあるのですよ。

田代一正大蔵大臣官房審議官

○田代説明員 ただいま仰せがございましたけれども、国会等々で大蔵委員会を中心にいたしましていろいろ御答弁申し上げていると思いますが、私は、大蔵省といたしましても事の重大性にかんがみまして、小口債権者の救済ということを第一義的に考えてやってくれということで、関係銀行を強力に指導いたしているという状況だと思います。それはまさに先生おっしゃったとおりのことを現在大蔵省はやっておるというぐあいに考えます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 銀行はこれらの人たちが土地建物を購入するにあたってこういうことを言っている。「残金をお払込の際には、必ず担保は抹消します。絶対大丈夫です。」こういうように一流銀行が言っておるのですよ。その責任を銀行にとらしたらどうなんです。したがって、大蔵だけではようやらないということで総理に直訴したのだと思うのです。こういう銀行の責任追及に対して官房副長官は総理にどう進言されますか。

亀岡高夫自由民主党内閣官房副長官

○亀岡説明員 公共性の高い信用機関でありますだけに、数行がこの問題に関係しておったというところから、おそらく土地を買われた方々はそこに大きな信用を置いて、大事な、大切な自分のお金を出されたのだろうと思うわけでございますので、確かに銀行としても責任を感じてもらわなければならない、こういうふうに考えまするし、また大蔵省に対しても、実は私どものほうからも、やはり銀行も相当責任があるのじゃないかということで、そういう立場で処理をしていったらどうかということを申してきておるような次第でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 ここに関係の条文を持っておりませんが、たしか銀行法の二十三条でしたか、大蔵大臣の命令に違反したときには役員の改選まで命ずることができる、そういう規定があったと思うのです。相互銀行法二十一条がそれを準用していますね。ひとつこれに基づく命令でも出したらどうですか。そうして、救済に協力しないような役員は、大臣命令をもって役員改任をさせたらどうですか。

田代一正大蔵大臣官房審議官

○田代説明員 ただいま仰せのように、銀行法二十三条には、「銀行が法令、定款若ハ主務大臣ノ命令ニ違反シ又ハ公益ヲ害スベキ行為ヲ為シタルトキハ主務大臣ハ業務ノ停止若ハ取締役、監査役ノ改任を命ジ又ハ営業ノ免許」…-

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それはわかっておる、読まなくても。そこでいうところの大臣の命令を出したらどうですかということを言っているのです。しかも公の秩序を乱しているのです。

田代一正大蔵大臣官房審議官

○田代説明員 ただいまの御質問でございますが、本件につきましては、銀行がある行為をやったという行為について、それによっていろいろな現象が起こったときに、それに対して、銀行に対して何か特別に命令をしてかくかくしかじかのことをすべし、場合によってはほかの法規に違反してまでかくかくしかじかの行為をすべしというようなことの命令を出して、聞かなければ、これにひっかけていいかどうか、こういう御質問だと思います。そもそも本件については、そういった命令が、大蔵省としてはたして出し得るかどうかという問題があろうかと思います。したがいまして、そういうこととも関連いたしませんと、この条項がすぐにわかに発動できるかどうかということについてやはり考えなければならぬ、かように考えます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 かつて大蔵委員会あるいは予算委員会等で、二十三条について、私は田中角榮さんと当時論議したことを覚えております。だから、いまここでその法律について論議はいたしません。しかしその法律の条文はあなたのように縮小して読むべきでなくて、私は、公の秩序を維持するため、それに反する行為があったときには出し得るのだと読むべきであろうと思います。しかしこの点についてはここで法律論議はやめますが、検討してください。あらためて法制局長官等も入れて、もう一ぺん論議します。しかし、最初からそういうへっぴり腰でなくて、そういうことまでやるのだ、そういうようなことでひとつやってください。いまの話、局長、答弁を……。

田代一正大蔵大臣官房審議官

○田代説明員 ちょっと私から。  ただいまの御質問、田中先生もいろいろ御研究になっておられると思いますが、この解釈については、後ほど法制局長官とも議論されるということをおっしゃいました。私どもはへっぴり腰とか、あるいはまた非常に消極的に解釈しているということをおっしゃられたのですけれども、従来の伝統的なこの二十三条の運用につきましてはかなり慎重に扱っているということもございまして、にわかに先生のおっしゃったところまで、はたして解釈できるかどうかという点につきましては、さらに検討していかなければならぬ問題だと考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 陳情書の第三点に、「関係銀行間(特に三井、福徳、幸福、阪神相互)の利害調整を総理自から、或いは銀行協会長等を介して積極的に推進されたい。大蔵省には、痛い処があるのか積極性が見られず、竜頭蛇尾に成る恐れがある。」こういっておるのです。いまの答弁まさにそうです。積極性がなさ過ぎる。大蔵委員会で、この導入預金等々について、これらの関係の人を参考人として呼んで、いろいろ約束させたこともある。それに対しては今日まで何をしておったのか。同時に、いま申し上げました銀行法二十三条等々によって私は強い態度をとったらいいと思う。それがとれないところには何か大蔵省、弱味でもあるのですか。

田代一正大蔵大臣官房審議官

○田代説明員 ただいま先生からいろいろおしかりをこうむったわけでありますが、私どもは、先ほどから申し上げておりますように、本件の問題の重要性にかんがみまして、銀行等に対しては、小口の債権者については十分に配慮せよということを申し上げておるわけであります。ただ、たまたま二十三条という問題が出ましたので、二十三条の解釈からいくならば、そういうことにもなるのではなかろうかということで、実はこの二十三条の裏にある、この法律を発動する、しないという問題のほかに、やはり銀行の社会的な責任性という問題からいって、強い指導をいたすべきだということで、銀行に対しては行政指導というかっこうでもって指導をしていく、こういうことであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 行政指導というのはきめ手がないんだよ。かつて私は、あなたがまだ事務官当時だと思いますが、田中角榮さんとの間で論議をしたのです。それは歩積み両建てについて、何回通達を出しても聞かなければ、これを発動しなさい、こういうことを言ったのです。初め大蔵大臣は消極論だった。それが二回、三回言っておるうちに積極論に変わってきた。もちろんこの法律の精神は大衆預金者、預金者保護の規定です。規定ではあるが、しかし、一方において銀行それ自体が公の秩序、善良の風俗を乱すようなことをやるならば私はやっていいと思う。もちろん直にそれをやるなら、その前提としてのある程度の通達なりあるいは指導をやって、聞かなければそれという、私はクッションを置いていいと思う。しかし、銀行局、大蔵省が銀行に対するきめ手は二十三条でしょう。最初から二十三条が使えませんという、伝家の宝刀に袋をかぶせておいて強い指導ができますか。どうです。

澄田智大蔵省銀行局長

○澄田説明員 大蔵委員会のほうに参っておりまして、途中から伺っておるわけでありますが、二十三条の解釈の問題は、これは田中先生御専門の領域のことでございますので……(田中(武)委員、「専門はあなたじゃないか」と呼ぶ)私ももちろんそうでございますが、この問題につきましては、やはり十分、今回の事件の法律的な究明を待たないと、今回の事件に対してこの二十三条を適用するかどうかの判断はできないのじゃないかと思っております。導入預金等の問題はこれから裁判の結果による、こういうような面もございます。したがって、二十三条だけの問題としてではなくて、行政的な、金融機関に対する監督というものも含めて、十分、今回の事件については金融機関にただすべきことはただす、こういうことでわれわれも臨んでおりますし、それから小口の債権者の保護等についてはその後随時督促もし、指導もして、そのなるべく早い解決ということで指導をしてきておるわけでございます。現在、いろいろな案が固まりつつあるところで、更生計画というようなものも進捗をして、近くきまれば、その線に従って問題の解決ははかれるのじゃないか、かように考える次第であります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私が言っているのは、審議官が最初からこれは使われないのだぞということだから、そんなへっぴり腰じゃだめだと言っている。伝家の宝刀に袋をかぶせて指導はできませんよ。それとも銀行に対して弱みがあるのですか。いま問題になっているS代議士が、銀行局へ監査に手心を加えてくれと頼みにいったとかいかぬとかいうことで、いま問題になっているのでしょう。等等があるわけで、最初からそういう弱みを持っていてはだめだ、こう言っているのです。さらに、刑法十九条の一項二号で犯罪に供した物品はこれを没収することになっている。それにしても導入預金というものは預金等に係る不当契約の取締に関する法律の違反なんだ。だから犯罪に供せられた金利なり金ということになるのです。S代議士はいま収賄罪になるかならないかということで検察庁で鋭意取り調べ中だから、私はその問題にはいま触れません。しかしそのことが刑法上どうであれ、表へ出ただけでも百二十万という金、話によるとF代議士に三千万円とかいわれているのですよ。そんな金は取り返してこういう人たちに返してやるべきですよ。そのことが第四点に出ておりますね。官房副長官、それについて総理はどのように言われたか。

亀岡高夫自由民主党内閣官房副長官

○亀岡説明員 この問題については総理のお耳には入れておきません。したがってこれは司直の手によって結論が出されるわけでございますので、それに従うということが、これは常識かと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 ぜひ入れてください。「私腹にすべからざる金は即時我々に返金させてほしい。誰が考えても筋の通らぬ金であり、白黒は別として」これはS代議士が収賄罪になるかならぬかは別として「庶民の代表である国会代議士」代議士なども国会議員だな。「のすることでは無く、まるで三百代言のすることである。」こう書いてある。これははっきりしてもらわぬと、一人のためにあとの七百人余の衆参両院議員が迷惑する。その陰でいろいろうわさが出ておる。検察庁というところは公判維持のためにはっきりした証拠がない限りは起訴しないと思う。しかしそういう法律問題でなく、その手前である道徳の問題あるいは政治家の姿勢の問題としてそういうものは返してやって、こういう泣いておる人たちを少しでも救済してやるべきですよ。そのことについて副官房長官は総理にどのような進言をしますか。

亀岡高夫自由民主党内閣官房副長官

○亀岡説明員 田中代議士も御承知のように、われわれ代議士は国民の代表でございます。常にその心がけを肝に銘じながらその職責を遂行していかなければならないということは、もう一人一人かたく心に期しておるはずでございます。したがいまして道義的責任は確かに感じなければいかぬと思いますが、またいろいろな法律上の責任ということにつきましては、先ほど申し上げましたとおり司直の手によって明らかになるということであるわけでございますので、その結果を待つということであろうかと思うのでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 結果を待つのでなくて、こういうことについても庶民はこういう気持ちを持っておりますということを――少なくとも自民党代議士ですよ。自民党総裁としては考えるべきじゃないですか。そのことについてあなたも自民党員なら総理に進言すべきですよ。どうなんです。

亀岡高夫自由民主党内閣官房副長官

○亀岡説明員 先ほど申し上げましたとおり、こういう事実関係をいまはっきりさしておるわけでございます。したがって私どもから総理に対してこうすべきであるというようなことは私自身はやりたくない、こう考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 やりたくないのですか。

亀岡高夫自由民主党内閣官房副長官

○亀岡説明員 はい。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 どうしてです。

亀岡高夫自由民主党内閣官房副長官

○亀岡説明員 これはその事実関係がいま司直の手によってはっきりと究明をされておる段階でございます。したがいましてその結論が出るまでは、私どもとしては具体的にこうしろとかああしろとかいうことは言うべきでないと考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 「白黒は別として」とこれにもうたっておるのですよ。私の言っているのは、検察庁というところは公判を維持しなければいけないから、公判維持に足るだけの証拠、物的、人的証拠等々がなければ、あるいは法律の解釈に自信がなければ、起訴しない場合がある。しかし起訴を受けなかったから正しいとは言い切れないわけです。そういう道義的なというか、国会議員としてあるいは政党として当然考えるべき問題なんです。したがってそのことを総理に進言せようというだけができないのですか。そもそもこれは総理大臣あてなんですよ。郵送せられてきたのかどうか知らぬが、これは官房副長官なりあるいは事務の関係者があけることはいいとしても、総理大臣あての書面なんですよ。それをあけて言わなかったら、親書の秘密を犯したことになるのですよ。そうじゃないですか。それを握りつぶすということは信書の秘密を犯すということですよ。憲法論議にでも入りましょうか。

亀岡高夫自由民主党内閣官房副長官

○亀岡説明員 一番先に申し上げましたように、この陳情書については要点を申し上げております。したがいまして具体的に全部総理のところにこの陳情書の細部のところにわたっては申し上げておらない、こう先ほども答弁申し上げたわけでございますが、当委員会でこれが本日論議をされたわけでございますので、その点について、こういう陳情があって委員会でこういう質疑がなされたということについては、これは長官として本日総理に詳細に御連絡、御報告申し上げる心づもりでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 いま詳細に報告するということですからこれ以上は追及いたしません。とにかくこの陳情書は四つの柱からなっている。いま申し上げているのはその四点目なんです。全部見せたって読むのに三分もかからない、いかに忙しくてもね。そうしてこれに対する十分な対策を総理に進言をし、英断を望むような一つの方向をとってもらいたい。少しも早くその結論が出されるように努力をしてもらいたい。そのことを要望しておきます。もしおそいようだったら、私はこれと同じことを今度は文書質問として国会法に基づいて提出いたします。いかがですか。

亀岡高夫自由民主党内閣官房副長官

○亀岡説明員 田中委員仰せのとおり、小口債権者が夢破れて非常に心配しておられるという気持ちはわれわれも十分理解できますので、先ほどから大蔵当局からも答弁いたしておりますとおり、小口債権者の救済をできるだけすみやかにできるように事務的な業務を推進するように、私どもとしても十分強く大蔵当局に対し申してまいりたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それじゃ関連質問があるそうですから……。

華山親義日本社会党

○華山委員 銀行局長にお伺いいたしますが、この問題につきまして、小口債権者を保護するために関係銀行を指導するとおっしゃいましたが、ただ抽象的にやるべきだということなのか、具体的にこうすべきだというふうなことなのか、その点伺っておきたい。

澄田智大蔵省銀行局長

○澄田説明員 現在の小口債権者の代表といたしましては、神戸の地方裁判所で指名されました弁護士の人が代表者ということでもってその処理案を考えております。その処理案の検討については、一番大口に関係した銀行、三井と福徳相互からは人間を派遣しまして協力をさせるという形で処理案の作成をいたしているわけでございます。担保権の関係とかいろいろ法律問題等もありまして、その処理案――これは会社更生法による更生会社として更生計画を作成してそうしてその処理をする、こういうことでございますが、現在その更生計画の作成の最終段階と申しますか、相当進んだ段階になってきておりますので、その更生計画の内容等もそのつどいろいろわれわれのほうも聴取いたしまして、そうしてもちろん当事者間の話し合いが主でございますが、われわれも側面的にその内容を十分監督をいたしまして、そうして最も公正妥当な解決、妥当な更生計画ができるようにということで現在指導をいたしております。

華山親義日本社会党

○華山委員 更生法の関係その他におきまして、私はある程度の限度があると思うのでございますけれども、その限度を越えたものにつきまして、銀行は自己の負担においてでも小口債権者を保護すべきものではないか、そう思いますが、そういうお考えは持ちませんか。

澄田智大蔵省銀行局長

○澄田説明員 まだ更生計画が最終的にきまっておりません。更生計画の決定というような段階までにその更生計画によって小口債権者がどの程度保護されるかということを十分見きわめまして、今後それに対処する金融機関の指導ということをいたしてまいるつもりでおります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 この総理大臣あての陳情書、「神戸地方裁判所より任命された、大白管理人の手に依つて目下更生会社の書類手続がなされて居る様ですが、これも亦関係各銀行間の利権争いの為に円滑な進行が阻害されている」こういうことです。したがっていま華山委員が関連質問をしたのも、そういう会社更生の更生債権をきめる、そのワク内の問題と違うのですよ。もっと進んでという意味なんです。私もそれが言いたいわけなんです。しかも会社更生法によると、たしか第一次、第二次というように債権者会議が持たれるわけですね。それに関係の役所も参加できることになっているはずですね。したがってこれには建設省も関係だと思う。大蔵省も関係だと思う。そういう線から債権者会議にもしかるべき責任者が出ていって発言すべきじゃないかと思うのです。私はいま手元に会社更生法を持っていませんが、たぶんそうなっているはずですよ。そういうことを含んでひとつ、大蔵委員会において答弁をしたことがあったでしょう、その線においてそれを実行するようにやってもらわなければ困ると思うのです。いかがでしょう。

澄田智大蔵省銀行局長

○澄田説明員 責任者が大蔵委員会で答弁していることでございますし、当然そういうような答弁の趣旨を十分貫くように、その更生計画の作成の段階あるいはいま仰せのような更生計画の実施の債権者集会とかそういったその後の段階等についても、十分われわれはそういう点を注意をして努力してまいりたい、かように存じております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 この問題の結論を申しますが、官房副長官も銀行局長も、それから建設省も無関係ではない、みんなでひとつよく相談をし、総理にも進言をし、この陳情書の趣旨が十分生かされ、総理の英断が下されるように要望します。  ここに、私、地元の神戸新聞の記事も持ってきておりますが、相当みな関心をもって、総理に陳情したら一体どういうことになるか――これは直訴という書き方になっておりますが、どういうことになるのか、こういうことで大きな関心と期待をもって見ております。「拝啓総理大臣殿」という見出しででかでかと出ておるわけです。これは建設省も含めてひとつ十分にやってもらうことを要望して、この件は終わります。  官房副長官と銀行局長は結構です。  次に、いろいろ聞く予定だったのですが、これでもう約束の時間も残り少なくなったので、せっかく行政管理庁から見えておりますので、それだけを伺いまして、あと公営住宅法等について少し問題があるのですが、それはまたもう一度機会を与えていただく、そういうことに願いたいと思います。  それでは行監局長見えておりますね。  去る十月――いま十月ですが、建設省に対して土地区画整理の問題に関連をして勧告をしておられますね。「土地区画整理事業に関する行政監察結果」ということで勧告しておられますね。これはたくさん出ておりますので、一々伺うつもりでおったのですが、時間もないので総括してお伺いしますけれども、この勧告をするにあたっての調査及び勧告の要点はどういうことですか。

諸永直行政管理庁行政監察局長

○諸永説明員 この監察の調査期間はことしの一月から三月まで実地調査をいたしまして、その後中央の調査をいたしまして、十月の九日付で建設省に勧告をいたしたわけでございます。  要点は、土地区画整理事業というのが都市づくりのために非常に有効な手段でございますので、土地区画整備事業の振興とその運営改善のためにわれわれが考えました改善事業を勧告したものでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 あまり簡単過ぎたが、私ちょっとこれを見まして二、三点あげますと、まず第一点は、この区画整理事業の計画といいますか、これが五十三都市を調査したが、それを将来の都市のビジョンというものについて十分に検討せずにまちまちにやっておる。したがって建設省はこれに対してひとつ指導すべきである、こういうことであったと思うのです。  もう一つは、この整理計画の基準になるものが、昭和八年のものです。何か見てみますと、内務次官通達というものがあるわけですね。あるいは法律も古い。そういうことで新しい時代に即さない。したがってそれを検討して新しくすべきじゃないか、こういうことであったのです。  それからもう一つは、これもやはり駅前広場等について二十一年七月十三日の内務省と国鉄ですか、鉄道省ですか、何かの省の申し合わせかそういうものがある。これももう二十年以上もたっておる。そういうことで、新しい現在の都市計画あるいは土地区画整備事業にはマッチしないような古くさいものが残っておる。したがって、そういうものは早急に検討し、あるいは駅前広場等については国鉄等とも連絡をとってやるべきである、こういう意味の勧告であったと思うのです。そうですね。これを受けて建設省どうです、どういうようにしますか。これはぼくは時間がありませんので、総括して申し上げるのです。

竹内藤男建設省都市局長

○竹内説明員 今回の行政管理庁から出されました監察結果に基づく勧告は、私どももおおむね妥当な勧告であるというように考えておりまして、総括的に申し上げますと、この勧告の趣旨に沿って検討を急ぎたい、こういうふうに考えております。  先生御質問の三点につきまして申し上げます。  区画整理事業につきまして計画的にやるべきであるという点につきまして、私どもも同様に感じておりまして、新しい都市計画法で、市街化区域、調整区域というものの設定が行なわれた。そういたしますと、市街化区域は、既成市街地と新たに市街化を計画的に行なうべき区域というものにつきまして市街化が行なわれるわけでございますが、市街化区域の整備につきましては、都市計画と同時に市街化区域の整備の方針を都市計画として定めることになっております。したがいまして、その地方におきます財政の問題あるいは民間に対する指導の問題等も彼此考え合わせながら、具体的な市街地の整備のプログラムと申しますか計画と申しますか、そういうものを立てさせるように指導してまいりたい、こういうふうに考えております。  第二点の設定標準の問題でございますが、昭和八年にできましてから改定をしてないじゃないかということでございます。一部確かに矛盾を感ずるような標準がございますけれども、実際の運用にあたっては、実ははなはだ申しわけないのでございますが、事実上、修正をいたして標準を設けているという状況でございます。しかし、これは早急に改定をしなければいけませんので、私どもといたしましては、本年度内に区画整理の標準につきまして改定をしたい、こういうことで従来からも準備は進めてきておりますので、そういうふうにいたしたいと思います。  それから駅前広場につきましての鉄道と建設省の協定の問題でございますが、実は、国鉄につきましては昔から建国協定というのがございまして、これによりまして現在、駅前広場の整備をやっているわけでございます。先生も御承知のように、鉄道側がいろいろな理由で、財政問題が大きな問題になっておりますので、実際問題といたしましてなかなか鉄道の区間が仕切れないというために、駅前広場の整備計画がなかなか立たないというような事態がございます。それから私鉄につきましては実ははっきりした協定がないわけでございます。これらにつきましても運輸省との間において調整を要すると思いますけれども、実はもう一つの大きな問題でございます鉄道の高架化の問題につきましても、先般おおよその話がつきまして、現在、鉄道の高架化事業につきまして、運輸省と建設省の間で基本的な負担割合その他の協定を結ぶべく検討中でございますので、そういうような問題が片づいたあとで、これをどうするかということにつきまして検討いたしてまいりたい、こういうふうに考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 時間の関係があるので、もっと聞きたいのですが、これはこの程度にしておきます。  次に、私は公営住宅と都市計画法についてお伺いする予定だったんですが、時間がないので、まとめて意見だけを申し上げて、政務次官あたりからひとつ御答弁を願っておきたいと思うのです。  まず公営住宅です。公営住宅法第一条の目的に、「健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を建設し、」とあるのですが、現在の一種、二種等々がはたしてそれに適合しておるかどうか、そして「これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とする。」こういうことでまず公営住宅の目的が明確にうたわれておる。その運営がはたしてこの目的に沿うているかどうか、そういう点を取り上げていきたいと思っておる。ことにこの公営住宅の家賃は経済主義をとっておる。投下した資本だとか利子とかあるいは修理代ですとか、ともかく家賃の経済主義をとっておる。そのことが一つ私は問題だと思う。この経済主義をとっておるということは、「家賃及び敷金の変更等」という十三条です。それから収入超過者に対する措置、これは条文によると二十一条の二になりますね。低所得者に対しての住宅供給、収入超過者に対する措置、いわゆる出ていってもらうということ、しかし、これは居住権の問題等あるが、そういう点が問題だろうと思う。そういう点について私は具体的に例をあげて聞きたいと思っておった。今度これに対して収入の限度を上げるとかなんとかいう政令改正もなされているということですが、それに関連して聞きたかったということが一つ。  もう一つは、都市計画法が新たに本年の国会で成立いたしました。公布しておるけれども、実施は来年からですが、新都市計画法、これの運用について新たな問題としてきのうちょっと大臣にも申し上げたが、いわゆる憲法二十九条の一、二、三項及び十二条の関係と、今度新たにできました五十七条あたりの問題、あるいは二十九条で都市計画区域内の土地所有者に対して開発をするときの許可をするとか、それから三十七条で、その土地について許可の公示があるまでは建物は建てられないということになっておる。不許可になったときはどうなるかという補償という問題があると思う。そういう問題を含めて私は少し時間をおいて議論をし、政策の方向について論議をしたかったわけです。しかし、もう時間がきましたので私はおきたいと思いますが、政務次官、私の言わんとするのは、公営住宅が公営住宅法の精神どおりには必ずしも運営できていないのではないかということ、しかも、私はこれは社会政策立法だと思う。したがって、家賃が――いま十三条といいましたが、経済主義をとっている家賃がどうなのかということ、それから低所得者に住宅を供給するという上からいって――東京でも二百万円以上の年収を持っている人がだいぶん入っておるわけですね。その点をどうするのかということです。それから今度の都市計画法によって都市計画の基本的理念だとかいうようなことで相当土地所有者に対する義務づけというか、そういうことをやっている。それは私はいいと思うのです。しかし、それと同時に、いま言ったように二十九条、三十七条等の関係で現実に自分の土地に家が建てられない、建設ができないというような事態が起こってくるおそれがあるわけです。そういうことと補償の問題等々について、何なら具体的にやるのですが、時間がないので総括して申し上げているのですが、十分に運用について留意し、そういう問題を起こさないように、ことに公営住宅についてはもっと厳格に考えてもらいたい、こう思うわけです。

仮谷忠男自由民主党建設政務次官

○仮谷説明員 公営住宅の本来の趣旨が完全に生かされて運用されておるかどうかという問題については、田中先生のおっしゃるとおり十分の運用ができておりません。これはいろいろ問題があります。したがいまして、結論を申し上げますと、公営住宅法を早急に改正をしてそういう矛盾の解決をいたしたい、こういうのが私どもの考え方で、その準備をいたしております。  なお、こまかいことが必要でしたら、局長がおりますから……。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それから新都市計画法の運用。これは改正じゃなく新立法のかっこうをとっているんだな。

仮谷忠男自由民主党建設政務次官

○仮谷説明員 都市計画局長に答弁させます。

竹内藤男建設省都市局長

○竹内説明員 先生御指摘の条文につきましては、特に市街化調整区域でございますけれども、そちらのほうについて補償が要るかどうかという問題が法制局でももちろん問題になりましたし、それから国会でも質問がありまして、いろいろ議論がございましたけれども、私どもといたしましては、市街化調整区域はいわゆる永久禁止、永久に全面的に禁止する区域でない、したがって補償が要らないというたてまえで割り切ってこの法律を出し、それで国会を通過した、こういうかっこうになっておるつもりでございます。  詳しいことは、また詳しく御質問があればお答えいたします。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 その辺にもちょっと議論があるわけなんです。しかし、それはきょうはやらないけれども、きのう時間の関係で、大臣に、憲法二十九条一項で財産権の不可侵の原則を定めておる、しかし二項において公益優先をうたっておる、三項において正当なる補償をうたっておる、そういうことで土地所有者等は、憲法の十二条とも関連して、公のためにそれを提供する義務がある、こういうことを言ったわけなんです。その面からいって、今度の都市計画法はそういう点において相当思い切った点をあげていると私は思うのです。それはいいと思うのです。しかしそれと同時に、第三項の正当なる補償ということはおろそかにしてはならない、こういう観点に立っているわけなんです。具体的に実は質問する予定であったのですが、これで終わります。しかし、そういう問題があるということはあなたも十分御承知なんで、これは二十九条と三十七条の関係ですね、これの補償をやっていると新しい一つの補償議論といいますか、補償論というのが新しく展開せられてくると思うのですね。そういう問題があるということだけを指摘しておきます。  それから委員長、もう一ぺんやらしてもらいます。  以上終わります。

大石武一自由民主党

○大石委員長 吉田賢一君。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 第一点は地価問題とその対策について少し伺いたいのです。  ここ十年余りの、特に市街地の地価の高騰の状況は、これはあらゆる方面の経済建設活動に大きな影響を与えておることは申すまでもありません。ことに日本不動産研究所の発表によりますと、昭和三十年から四十三年三月までの間には、全国の市街地の地価は九・九倍になっております。その間の卸売り物価指数は一・〇九倍にすぎません。こういう次第でありますので、特にこの大都市周辺の地価の顕著な値上がりは、さまざまな問題を生んでおることはもちろんであります。そういうことでございまするので、この趨勢を具体的に是正もしくは食いとめる手はないのだろうか、これについて何か基本的に建設省においては考えておるかどうか、簡単にこの一点をまず聞いておきます。

川島博建設省計画局長

○川島説明員 昭和三十年代以降の地価の趨勢につきましてはただいま先生がお述べになられましたとおりでございます。これに対しましては政府におきましても従来さまざまな政策努力を続けておりますが、特に昭和四十年の十一月には地価対策の基本方針を地価対策閣僚協議会で決定をいたしまして、その線に沿って地価の安定施策を進めておるわけでございます。  土地対策、地価安定対策といたしましていろいろの方策が考えられるわけでございますが、基本的にはやはり大都市への人口、産業の集中ということが土地の需要を増大せしめ、これが需給の逼迫を招いて、ひいては地価騰貴に連なっておるということでありますので、この需給の緩和をはかるという点から、供給の促進とそれから大都市に対する集中を抑制する対策、需給を緩和し供給を増大するということがまず基本的な政策でございます。  それから第二には、やはりスプロールを防止するという観点から、土地の利用を整斉としたものに改めるということが必要でございます。すなわち具体的には土地利用計画の確立ということが必要なわけでございます。  それから現在の地価の騰貴は、実際の実需要に結びつかない投機、すなわち仮需要によるものが相当ございますので、これを抑制することも必要な対策でございます。こういった仮需要を規制し、土地の合理的な利用を促進し、また開発利益の社会還元をはかるというような観点からは、土地税制の果たす役割りも少なくないわけでございます。これにつきましては、御案内のように、去る七月に税制調査会から土地税制の改正に関する意見も出ておるわけでございますが、これらの各種の方策につきましては、建設省といたしましては関係各省の協力を仰ぎまして、逐次実現できるものから取り上げていく。さしあたり答申のありました土地税制の改正に関する意見の実現と、建設省といたしましては地価公示制度の実施、それから公的土地利用の拡大をはかりますための土地基金制度の確立と、二点に重点を置きまして、来年度実現をはかりたい、かように考えておる次第でございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 日本の東京中心及び名古屋中心、大阪中心の過密地帯の人口過密化という傾向は、ここ当分は是正しにくいと思うのであります。根本的にそういった傾向の大きな波が寄せておりますので、これは全く地価騰貴は防ぐことはできないというような基本的な考え方に立っておるのだろうか、それともいま幾つかの地価対策の方針などをお示しになっておりましたが、そういったことによって是正し得るというような考えを持っておるのだろうか。こういうことが、私はいまなお建設省としましては基本的には手さぐりの段階でないかとどうも思われてならぬのであります。  それで順次伺ってみたいと思うのですけれども、第一、建設省は今後国土計画なりあるいはまた地域開発なりあるいは道路の整備等、ずいぶんと土地を要する公共事業をやっていかなければならぬ主たる行政官庁であります。ところが現実におきましては、用地面積の取得は、たとえば四十年度を見ると、三十五年に比較して一・七五倍になっています。しかし、用地費、補償費、これは同年度に五倍余になっております。この傾向を食いとめるためにはやはり抜本的な対策を立てるということにせなければなるまいと思うのですがね。だから、これらにつきまして、いま幾つかの案が指示されましたけれども、これは現象をあとから追っかけていくという結果になるのではないだろうか。公共事業費がどんどんと膨大になっていく、大部分は地価に食われていく、地価に食われていってまた事業がおくれる、おくれると時期が過ぎてまた地価は上がっていくという悪循環をしていくということになるんじゃないだろうか、こういうことさえ実は思うのであります。だから、建設省としましては、これはよほどの腹をきめまして、食いとめ得るのかどうかというところまでお考えにならぬといくまいと思うのです。  これはあとでもっと聞きますが、道路公団が見えておりますので、この地価高騰の影響について伺ってみたいのでありまするが、用地費、補償費の比率が名神高速道路あるいは東名高速、中央高速道路などを見てみましても、中央高速などは非常な割合でこの用地費、補償費の比率を加えておるようであります。三四%であります。だから名神の場合は一八%、東名の場合は二七%、中央の場合は三四%、こういうことになってまいりますると、今後の高速道路の全国的な計画実施の上におきましても、やはり用地取得という価格問題は何としても大きな岩にぶつかったような感じがするのであります。道路公団としまして、この影響をどう認識されておるであろうか、公団のほうからもひとつお答えを願っておきたいと思うのです。

片平信貴日本道路公団理事

○片平参考人 ただいま名神高速道路の場合の事業費に対する用地費の割合が一八%、東名が二七%、中央高速道路三四%、こういうお話がございましたが、確かに名神高速道路と東名高速道路の時間的なズレ等による値上がりは、このパーセンテージの中に入ってございます。それから中央高速道路と東名高速道路、この二七%と三四%の間には、むしろ時間的な差というよりも、中央高速道路が東京周辺において購入した面積の比率がわりあいに大きかったという点が三四%というふうにあらわれていると思います。といいますのは、東名と中央高速道路は大体同じ時期にスタートし、用地取得も同じ時期に取得しておりますので、そういう傾向にあると思います。それから今後の全国の縦貫道の用地につきましては、幸いにしてと申しますか、都市、非常に大都会である大阪、名古屋、東京というところは、大体東名、名神で終了しておりまして、地域的にわりに開発途上にある地域を通ることになります。しかもわりに山手のところを通る面積も相当大きいように考えられますので、現在では、平均いたしますと、正確な数字ちょっと忘れましたけれども、事業費の一六、七%でいくのではないだろうかというふうに計画しております。しかしもちろん御承知のとおり、時期がおくれますと、用地の値段がだんだん上がってくるととは事実でございまして、これに対しては、なるべく早く用地を取得する、そして値上がりによる影響を少なくしたい。われわれの公団といたしましては、そういう以外に方法がない、こういうふうに考えております。  なお、前に改正されました新しい収用法等も活用いたしまして、なるべく事業認定を早くやって土地価格の値上がりを防止する方法、これもあわせて考えていきたい、こういうふうに考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 一般の国道あるいはその他の自動車の高速道路、その他地方道路もございまするが、全国的な道路網の完成ということがもういま日程にのぼっておると思うのであります。それからまた住宅にいたしましても、三次五カ年計画がすでに進行の途上にございまするし、住宅の建設だけを見ましても、この三年の間に政府施策の住宅は五〇%しかできていない。残る二年間に全部建設する必要がある。こういう必要がございましょう。といたしますると、このあげました二、三の事例をとってみましても、まず国が施策として、重要国策として計画を立て、一定の年間にこれだけの建設事業を完成するということを国民に約束することになっておる、この公共事業の遂行の上に、用地取得、したがってこれに当てはめるべき予算の手直し、今後の総経費の増額といったような、結局次第に完成期がずれていくということになるのではないだろうか。だから第一に、まず具体的な計画を持っておるところの公共事業について、一定の年間にこれが完成するということを地価の面から正確な見通しと、そして客観的な資料を持ってこれを執行していくということにしなければ、またしても手直し、またしても改変、こういうことになるということは、これは国民のためにまことに不幸なことです。だから一般論よりも、具体的な各政府の持っておる公共事業について、そういう用意があってしかるべきでないか。これが地価対策の一つの根本施策ではないか、こう思うのです。大臣に聞きたかったのですけれども、これについてはどう考えておられるのですか。

仮谷忠男自由民主党建設政務次官

○仮谷説明員 まことにお説のとおりであります。それがいまの公共事業を推進していくための一つの大きな悩みであることは、おっしゃるとおりであります。年々事業費に対する用地費の割合というのが非常に大きくなっていく、そのことが公共事業の計画を大きく変更させなければならないといった事態が生じてきていることはおっしゃるとおりでありまして、そういう意味から土地対策、価格対策については努力せなければいかぬことは当然であります。先ほど吉田先生、政府も何か手探りではないかといったようなおことばもあったようでありますけれども、あるいはそういうふうに受け取られる面もあるかもしれません。しかし保利建設大臣、この問題には非常に力を入れまして、みずから特に土地問題懇談会等を設けまして、それぞれ各界の権威も集めて、いろいろその御意見等も拝聴いたしております。おそらく出るべき議論は出てしまっておるのではないか。問題はそれをどういう形で今後実行していくかというところに大きな問題があるのじゃないかというふうに考えておるわけでありまして、その具体的な方策を取り上げたのが、先ほど都市局長からもお話があったとおりでありますが、特に私どもは公共事業を推進していくための公的な土地確保という問題については、これは相当真剣に考えなければならぬ。その一つの方法として中央土地基金制度というものを設け、地方にもそれに準じたものを設けてもらって、要するに土地の先行投資等をどんどんやっていくということがいまの場合の一番大きな問題ではないか。それと同時に、やはり開発に関係する区域の県、それぞれの町村の人々、関係者の方々にも積極的にひとつ御協力をいただくというふうなこともわれわれとしては呼びかけていかなければいかぬ、こういうぐあいに考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 これはやはり建設省全体として最高の方針にならねばならぬ一つの問題点は、たとえば都市近郊の農地などの暴騰ぶり、これはあらゆる公共施設が放置されるままという結果さえ生んでおるのであります。したがって、日本におきましては、農業経営の規模の拡大ということ、農地法の制約もさることながら、やはり地価高騰ということが、一つの全くきつい執着を持って財産視するという農民思想さえ生んでおります。こういうわけでありまするから、政府としましてはやはりこれはもっと――大臣が熱心というだけでは足りません。やはり農林大臣とも、それからその他の省の大臣とも、閣僚が一本化して、そして政府の最高の方針を内閣として定める、そしてその最も中枢的な役割りは建設省にありという、こういうふうになるのですから、その辺は私は基本的にはもっと総合施策の方向へ強く打ち出すべき必要がないだろうか。この点は過日西村農林大臣にも、私は農地問題について申したのでありますが、ぜひそういうふうにせなければなりません。その点大臣にお伝え願いたいと思います。また何かの機会にお尋ねします。  そこで、いまの、たとえば道路局にしましても住宅局にいたしましても、道路、住宅は、これは建設省における公共事業の二大根幹です。そうしますと、まっ先にてきめんにこの影響を受けておるのはこの二局の事業であると思うのです。ですから二局といたしましてイニシアをとって、これはやはり相当思い切った対策を立てるというふうな、何かないものだろうかと思うのですが、いまいろいろとお述べになりました、それ以外になければそれでよろしゅうございますけれども、お考え方だけでも、何かあればひとつ聞かしておいてもらいたいと思うのです。   〔委員長退席、鍛冶委員長代理着席〕 まだほかのいろいろの問題がございますので、簡単でよろしゅうございます。

仮谷忠男自由民主党建設政務次官

○仮谷説明員 これは建設省だけの問題でなしに内閣として統一しなければならぬ、総合的にというお話、もうそのとおりでありまして、これについては御承知のように地価対策閣僚協議会というものができまして、この問題と取り組んでおりますことは御承知と思います。まあ、いろいろ議論をしておりまして、先ほど申し上げましたが、議論としては出尽くしておると思うのです。問題はどういう形で実行していくかというところに問題があるわけでして、そういう意味においては私どもは、これは単に政府だけが考えてやるというのでなしに、各界あるいは各政党のそれぞれの御意見等がありますなれば、そういうものはできるだけ取り上げて、そしてほんとうに国民総ぐるみの形でこの問題を解決づけていくということにせなければならぬと思っておるのであります。  なお、具体的なさらに前進した問題があるかというお話のようでありますが、いまのところ、先ほどお答え申し上げた以外のものを直ちにお答えするものはないようでございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 私は、これもやはり次官、あなたが大臣におっしゃっておいていただきたいと思うのですが、しばしば言うことは、総合施策というものは議論をし合って出尽くしてそこでばらばらのものをするというのじゃなしに、やはり一つの方針をおよそ立てたら、内閣が最高の指導性を発揮していくという、そこに総合性の妙味が私はあると思うのです。そういう意味においてばらばら行政というものの弊害もつかねばならぬ、こう考えておったのでありますが、それはまあよしましょう。  そこで局長の皆さんに聞きますが、大規模に公共用地を造成して確保しておくという、こういう新開発の構想は相当具体的なものが何かあるのでございますか。

川島博建設省計画局長

○川島説明員 前に物価問題懇談会が、一昨年の暮れだったと思いますが、特に首都圏などにおきまして一千万坪級の大団地を数カ所やるべきであるという提言をしたことがございますが、現在政府が行なっております大都市近郊の団地開発計画は残念ながらそれほどの規模のものはございません。一応代表的なものをあげますと、多摩ニュータウン、いま造成中でございますが、これが一番大きいわけでございまして、総体の規模は約八百万坪でございます。人口三十万の都市を目標にいたしております。これは住宅公団と東京都が主にやっておりますが、そのほか大きなものといたしましては、御承知だと思いますが大阪府で実施いたしました千里のニュータウン、また泉北のニュータウン、名古屋地区では住宅公団が手がけております高蔵寺のニュータウン、これらがそれぞれいずれも人口十万以上を収容する大規模団地でございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 けれども、たとえばいま御指摘になりました千里のニュータウンなんかに例をとってみましても、地価は安くないですよ。たいへんな値上がりです。言うなれば農家は億万長者になっちゃうのです。そういうことなのです。ですから、それをやっぱり防いで宅地その他の公共用地の供給対策を立てる、そういう意味で大規模の用地獲得をなさってはどうか、こう言うのであります。これには、議論が出尽くしたとおっしゃっておりますけれども、たとえば国民主権の憲法でありまするので、土地の所有権の関係と国民の福祉のためにというこの二者の法的な関係、これは必ずしもやはり明確にはまだ日本ではなっておるまいと思うのですね。公益が優先するとか福祉が優先する、したがってその範囲内においてのみ常に所有権は行使せなければならぬという、その辺が具体的にはまだ適用の問題といたしましては事実は明確にされておるまいと思うのです。そういうこともありまするので、議論するならかなり突っ込んだところまで議論いたしまして、そして収用法にいたしましても、改正したことも存じております。いろんな意味でいろんな手で時期が早くなったということもわかっておりますが、いずれにいたしましても用地獲得なら獲得でばく然と広い土地を買う買うといってどんどん値上がりする。そして交渉に手間どっていく。あれやこれやがある。ニュータウンができるというとしまいにはとんでもないえらい値段にそこいらがなってしまっておるということでは、手としては下の下です。だから新開発というのは私はそういう意味に言っているのじゃないと思うのですね。この点は、事務の御当局といたしまして、何も住宅だけではなしに道路もその他もあるのでありまするから、あなたのほうの建設省といたしまして、具体的に、現在の価格で用地を取得し、用意し、それは大規模に、そしてこれをもって公共事業のそれに引き当てる、こういうことはどうすればいいのかということをやっぱり根本的に御検討になってしかるべきではないかと思うのですね。議論があってもまだそれは抽象論です。だからその辺はさらにまた別の機会にこういう具体案があるのだというふうにひとつお示しをいただいて、いろんないざこざが少なくなるようにしてほしいと思うのです。例をたとえば千葉県の空港問題一つにとってみましても、また関西におきましても空港問題があるのです。しかし、いざ実現という段階になりますと地値問題がひっかかってしまう。おそらくはそうです。これは日本の風潮です。こういうこともございますので、やはりその点抜本的な対策をお立てになるように、事務面からもうんと検討してもらいたい。  再開発の問題でございますが、再開発につきましてはできるだけ市街地の高層利用ということが、これは住宅関係でございますが、根本思想のようでありますけれども、これは、遊ばされておる未利用の土地なんかに対しまして、そういう高層の利用をしなくても、さらに積極的にできるだけそれに接近するかし得るように指導し、資金も用意し、そしてこれの開発に引き当てていく。これは再開発の一種かどうかはっきりいたしませんけれども、市街地利用の方法といたしましてこういう手はどうだろうか。この点は住宅問題との関連が非常にございます。つまり乱設される粗末な木造の建物にまさるところのいいものが相当できるのじゃないだろうか。これも再開発の一つの構想としてあってしかるべきじゃないだろうか。東京をあっちこっち見てまいりますと、まだまだそういう余地が相当あるのですね。ほったらかしておいたらそれは手がなくなってしまう。そういうことを思うのですが、ここらにつきましてどうでしょう、再開発に残されておる一つの問題でないかと思いますが。

川島博建設省計画局長

○川島説明員 大都市の既成市街地の中にも相当高度利用すべき低利用地があるではないかというお話でありますが、事実そのとおりであろうと思います。そこで市街地の再開発を進めます場合にいろいろな手法が考えられるわけでございますが、これは公的機関が買収をしてやるという場合には、強制という一つの方法があるわけでございますが、民間が住民の発意によって再開発しようという場合には、一人が反対すればそれができなくなるということで、つまずいた例が従来もいろいろあったわけでございます。そこで先般提出いたしました都市再開発法では、市街地の再開発を、組合をつくりまして、組合の三分の二が同意をすれば、あとの三分の一が反対いたしましても再開発が実施できるという内容の法律案を提出したわけでございますが、これは残念ながら廃案になりまして、この次の通常国会でまた検討し直しまして提出をすることになっております。しかしこれは公的または準公的な組合というものに強制取得権なりあるいは権利変換を認めるわけでございますけれども、一般的に空閑地の利用促進をはかりますためには何ら法制制度が定められていないわけでございます。そこで私どもは新都市計画法の成立を機会といたしまして、市街化区域内の土地利用を促進するためには、何らかの利用を強制するという方法が講ぜらるべきでないか。これを直接国家権力をもって強制するということは不適当ではないかということで、税によって間接的に利用を強制する、心理的に強制する、こういう方法が適当だろうということで、実は空閑地税という特別の土地税制を創設してほしいという意見を税制調査会に提出をしておったわけでございます。これに対しまして税制調査会では、基本的にはそういうものが必要であろう。しかし新都市計画法に基づく土地利用計画では、そういった土地利用を促進させるための税制の措置としては若干問題がある。もう少しきめのこまかい土地利用計画をつくって、それに基づいて空閑地税という制度をかぶせていく、こういうことが適当ではないかという答申があったわけでございます。そこで現在、この税調の答申の線をいかにして制度化するかという点について私どもも検討を続けておるところでございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 それらの前提になりまする市街地あるいは未利用地あるいは利用可能地、そしてまたその他の入り乱れた民間公共の利用されようという土地、こういう辺は政府といたしましては相当広範囲に精密に調査になって資料としてやはり持っておるのでしょうかどうだろうか。何かあるごとにその地域の調査をするということになっておるのか。そうではなしに、東京にしろあるいは大阪にしろ、あるいは名古屋付近にしろ、ないしは全国的に都市地域と目すべきところはそういった調査も行き渡って一つの資料としてこれは出ておるのですか。それはいかがですか。

川島博建設省計画局長

○川島説明員 御承知のように、現行都市計画法のもとにおきましても、各都市地域におきましては用途地域をきめまして土地の利用を誘導するという政策がとられておりますが、その基礎資料といたしまして、各都市におきましてはやはりみずからの地域の都市計画区域内においては現在の利用現況というものを把握しておりまして、それをもとに将来の十年先、二十年先の都市計画を立てておるわけでございます。しかしながら、この東京の様子をごらんになってもわかりますように、地域の変貌は非常に急激でございますので、常にアップ・ツー・デートの資料を完全に準備しておるというわけにはまいらない場合がございますけれども、一応地域の現況なり、動向なりというものは各都市ごとに把握をしておるわけでございます。しかしながら必ずしも十分でないことは先生御指摘のとおりでございますので、今度新都市計画法ができますと、市街化区域と市街化調整区域が定められますし、市街化区域におきましては少なくとも街路、公園、下水道、それに住居地域でありますと義務教育施設までちゃんと計画をきめなければいかぬというふうに法律で義務づけられておりますので、それと今後は新都市計画法で五年ごとに実態調査をして、常にその計画を洗い直してみることが義務づけられておりますので、これからは土地利用の現況の把握も力が入ることになろうかと思います。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 私は根本的に、あなた方らは法律ができたらそれで事終われるという考えがあるのではないかと心配するのですが、法律を執行するということは、まず調査資料が正確にできておるということが前提ですよ。法律ができたから義務づけられておる、調査する、五年ごとに洗いかえるなんてそれは逆ですよ。そんな法律は多ければ多いほど国民生活は混乱します。法律ばかりふえて法律の渦の中に人間があたふたする、そういう状態になります。逆ですよ。法律というものはなるべく簡素であり、ないことが理想である。なくても人にはおのずから進む道があると思います。どうもいまの官庁の行政の実態というものは逆ですね。法律そのもののワクの中でかけ回っている感じがして、そのうちに客観情勢一変。そうじゃないのですよ。法律をつくるというときには前提として正確な資料がそろっていなければならぬ。私はそれがほんとうだと思うのですね。ですからいま地方のそれぞれの都市計画は地方団体がそれぞれの事情はしっかりとつかんでおる、本名としてはもう一つはっきりしないということでは――建設省というものは国土開発等につきましての国策を立てるもとですよ。そのもとがないというのではどうにもならぬ。一体なぜないのかという、そこですよ。ずいぶんと予算をたくさん使っておられる。これを読んでみましても、何兆億円という計画費もあげておる。何兆億円というけれども、スローガンみたいな感じがほんとうはする。なぜならば物価はどうなるかわからぬ、地価はどうなるかわからぬ。それで一応きめてある。それはスローガンですよ。目標というものですね。スローガンみたいなものでは政策ではない、政治ではない。だから具体的な行政の執行者といたしましては、何としても正確な資料を前提にして、その客観性に基づきまして実際に即して事を行なう、そして計画を立てる、そういうふうにあっていただきたい、こう思います。ことにいまの地価問題がこう重大化してきまして、地価問題が社会の一切の大きな経済の動き等につきましてどれだけ大きな被害を与えているかわかりません。こういうことを思いましたら、ほんとうに皆さんは奮励努力してもらいたいと思いますね。  いわれておりますが、いわゆる地価の公示制度というものですね。これは公共用地を取得するというときに、これに準拠するということにでもなるのかどうか。それからまた、そういう場合にたとえば固定資産税とか都市の計画税などの前提として土地の評価をいたしますね。そういうことの基準ともするということになってまいりますと、取引上非常にりっぱな一つの基準になってまいるのでございましょうが、こういう一般的な税制、取引その他公共用地の取得等につきまして、これを規制するような効果でもある、こういうことになるのでございますか、公示制度は。どうなんです。

川島博建設省計画局長

○川島説明員 地価公示制度につきましては、現在その具体的な内容につきまして、住宅宅地審議会におはかりをしている段階でございます。しかし私ども事務当局の心づもりといたしましては、公示すべき地価は一般の取引の目安として相当供用されるであろうことは間違いないわけでございますが、一般取引で供用される以上は、少なくとも公共用地の取得価格については、この公示価格に準拠させるべきであろうと考えております。   〔鍛冶委員長代理退席、華山委員長代理着席〕  さらにでき得れば課税にあたっての評価額もこれに準拠すべきであろうと思います。しかしながらこれらは政府部内、関係各省もあるわけでございますし、現在最終的に各省の御同意を得られたという段階でもございませんので、現在各省と公示価格を法律制度としてどのように拘束力を持たせ得るかについて御相談をいたしている段階でございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 公共用地の保有を大幅にするという問題ですね。これは例の都市開発資金制度ですか、これは四十一年から行なわれているようですが、まことに貧弱な金らしいですね。こういうことで大幅に用地確保を拡大していくというようなことは可能なんですか、どうでしょうか。もっとも将来にわたることでありますけれども、やるのならこれは一つの手ですから、相当思い切った手段も必要でないかと思うのですね。来年度の予算の要求時にも入っておりますので、何かの案があるのかもしれませんけれども、これは一つの手だろうと思いますが、やるのなら相当思い切ってやるべきでないか、こういう考えを持っているのですが、これはどうです、次官。その点はどちらからでもよろしゅうございます。

川島博建設省計画局長

○川島説明員 私の所管でもございませんけれども、お答え申し上げます。  現在都市開発資金は、ワクといたしましては本年度はたしか四十五億程度であろうと思いますが、来年度からは新都市計画法が施行されますし、買わなければならぬ都市計画用地は、制限と同時に買い取り請求、買い受け権というものが法律上認められますので、相当大幅な用地を取得せざるを得ないということから、この際都市開発資金を中央土地基金という制度に改組いたしまして、一部民間資金も導入できるようにいたしまして、予算規模は大体三百億程度まで、いまの約六、七倍になるわけでございますが、拡大をいたしたい。しかしこれとてももちろん十分ではございませんで、将来はもっともっと資金をふやして公共用地の拡大をいたさなければならぬと考えておりますが、とりあえずは来年度は三百億円程度にいたしたいと思っております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 大蔵省と折衝の段階らしいですね。そこで私はその問題についても、相当思い切った大胆な方策に出られると言われましたけれでも、また反面、つつましく地価高騰を追っかけ合って、何ぼでも商いものを買いますということになって、三百億円、五百億円、一千億円になるというのでは、これはどぶに金を捨てるようなことになってしまいます。したがいましてこれはやはり根本前提に立ち戻りまして、地価が上がることを極力押えていく、そして妥当な価格でこれを取得する、そしてそれに引き充てるべき投資である、こういう線を堅持されることは、これは常につきまとっておるべきだと思います。したがいましてこの過程におきましても、いま折衝あるいは成立以前の段階と思いますけれども、そういう分析とか測定ということは、あなたのほうとしては相当注意深くせられんことを特に要望申し上げておきます。  それからこの開発利益を少数者に帰属せしむるという問題ですね。これはとんでもないことがあちらこちらで起こりつつありまするので、この問題につきましては課税の問題もあろうかと思いますけれども、何かもう少し明朗な手はないものであろうか。明朗といいまするか、課税も筋が通ることになると思いまするけれども、そういうこと以外に何か方法はないものであろうか。こういう少数者の利益に帰属するというような開発利益というものであるならば、これはやはり弊害のもとになります。したがってこれもやはり相当徹底した対策を立てねばなるまい。こういうふうに思っておりますのですが、具体的に何かお考えになっておりますか、どうです。

川島博建設省計画局長

○川島説明員 開発利益の社会還元はやはり公平の見地からぜひ実現しなければならぬ。また地価対策にも非常に有効な効果を与えるものであろうと思います。しかしこの還元の方法でございますが、一つには税金で取り上げるという方法がございますし、一つには受益者負担金として負担を求めるという考え方、あるいは料金として利用者負担を求める、いろいろあると思います。現実には受益者負担金として徴収をいたしておりますのが下水道でございます。それから各種の高速道路等におきましては料金という形で負担を求めておるわけでございますが、税制におきましては、現在法人税なりあるいは譲渡所得税という形である程度のものが徴収をされておるわけでございますが、私ども建設省の事務当局といたしましてはまだまだ不十分である。したがいまして、税制調査会に対しましても譲渡所得課税についての強化のお願いをいたしたわけでございます。この点は、個人の譲渡所得課税については税制調査会の答申である程度の改善勧告がなされたわけでございますが、法人税については勧告では何も触れることがなかったわけでございます。そういう点におきまして私どもは今後ともにこの開発利益の還元の方法、これは税制ばかりじゃないと思いますけれども、やはりあらゆる方面から検討を進めて制度化すべきじゃないかというふうに考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 次は住宅問題でございますが、住宅対策というものがいまほど深刻になった時代はちょっとないと思います。これは申し上げるまでもなく、一世帯一住宅ですか、そういったスローガンのもとに大きくクローズアップしてきた。これは国策と思います。ところで、やはり問題点は、民間の住宅建設が相当進んでいく、たとえば四十一年から五年までの五カ年計画によりますと、建設が六百七十万戸ですか、そこで、民間は五八・七%できておるようでありますが、政府は五〇%。そういたしますと、残りの二カ年間に残百三十五万戸というものをつくらなければならぬのでございますが、この政府の施策につきまして、たとえば用地確保、これはもう先決だろうと思いますが、これはさきにも若干触れたのでありますけれども、この点は必ず実現する、完成する、こういうふうな見通しがはっきりしておるのでしょうかどうか。私は用地確保の点が非常に安ぜられるのですが、この点はいかがでしょうか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留説明員 先生御指摘のとおり、政府施策住宅残りの二カ年で一〇〇%達成するには相当の努力を要するものとわれわれ覚悟しております。その場合におきまして、御指摘のように土地の手当てがやはり相当困難な条件になろうかと思います。各事業主体でありますところの都道府県なり住宅公団等におきましては、それぞれの計画に示されました住宅建設の戸数をこの五カ年計画どおりに達成しようという目標で、それぞれ用地の事前の手当についてもいろいろくふう努力をしておるようなわけでございます。来年度以降におきましては、そういう意味で、特に住宅を高層化いたしまして、わずかな土地を有効に使って、できるだけ住宅をそこに乗せようということで、来年度の予算要求の重点は都市における住宅の高層化ということで、それに必要な建築費それから用地費の予算要求をしておるようなわけでございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 公営住宅とかあるいは公団住宅につきまして、結局は建設が需要をはるかに下回っているということ、これは大きな現象であり、これから一種の旋風的ないろいろな問題が次から次へ起こってきておるというふうに思うのであります。そこで、この激しい現状の一種の入居競争といいますか、これが巷間に粗悪な狭小な住宅、アパートなどが乱設されるということになるのではないであろうか、こういうふうにも考えておるのであります。  金融公庫にちょっと伺ってみたいのでありますが、このような現象に対しまして、土地の所有者にアパート建設の長期低利の貸し付けをするということ、いまの法制の上では少し条件が困難かと思いますけれども、こういう具体的な必要はお感じになりますまいか。もしこれが可能であるならば、非常にその辺が明るくなるのじゃないかとさえ感じるのですが、これはいかがでございましょう。

浅村廉住宅金融公庫総裁

○浅村説明員 金融公庫でございます。  ただいまの御質問でございますが、私ども住宅五カ年計画の機関を受け持っておりまして、金融公庫が融資いたしましてできました戸数を一戸と勘定いたしまして、全体のうちで幾らという責任を持っておるわけでございます。  いまお尋ねのアパートでございますが、私どもはいろいろな貸し付けをやっております。分譲住宅に対する貸し付けもやっておりますし、賃貸住宅に対する貸し付けもやっております。また個人の方々が自分の持ち家を建てたいという方面にも貸し付けをいたしております。雑多でございまして、さような貸し付けをいろいろとミックスいたしまして、できるだけ住宅政策の正しい方向に沿いたいと考えてやっておるわけでございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 具体的にただいまのような例をあげたのでありますが、木造でもアパートに建設資金を貸し付けするということで、たとえば制度の手直しでもするとか、その需要に応じるということを考えなければ住宅金融公庫の大きな使命がそこで達成されない。しかしてこれは、都市におきましてはまことに重大な課題になっておる最中なんでありますが、そんな方面は金は出せませんというのでは、これは全く逆に聞こえませんということになるのです。その点いかがでしょう。

浅村廉住宅金融公庫総裁

○浅村説明員 ただいま御指摘がございました点でございますが、仰せのごとく、私どもといたしましては、現在のところは耐火構造のアパートに融資をするということになっております。御質問のとおり、木造につきましては、アパートに関係する限り融資をいたしておりません。これはどういうことかと申しますと、私どもの従来からの考え方は、共同住宅というものの性格上その安全度を非常に高く考えております。金融公庫から国の資金を融資するという対象のアパートは、やはり安全度の高い耐火構造であるということがお住みになる皆さん方のためでもあるし、また公庫のほうから見ましても、そのほうが望ましいのじゃなかろうかということで、さような扱いをしてきてまいっておるわけでございます。  それからもう一つは、やはり予算のワクの問題もございまして、いろいろと広げたい点もございますのですが、だんだんと高層住宅というものを特に大都市並びにその周辺において建設をしなければならぬ時代になってまいりまして、そちらのほうに大きな資金がさかれますものですから、どうもそこまでこまかい扱いができないまま今日に至っております。ただ、ごもっともでございまして、私どもも常々貸し付けの方針がこれでいいのかどうかということを内部でも検討いたしております。ただいまの点につきましても、一がいに木造と申しましても良質なものもありましょうし、さような点に今後どういうふうに意を用いていったらいいか十分検討させていただきたいと思っております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 建設の戸数が需要よりはるかに下回っているというところに問題があるのであります。そこにまた混乱があるのです。したがいまして、ほんとうに切実に住宅を求めておる人々の悲鳴をあげる原因がそこにあるのであります。でありますから、これは制度改正が必要ならば改正をするというところまでいくべきでないか、少なくとも検討に値する問題であろうと思うのですが、計画局長あるいは政務次官、その辺について現地の具体的な要請に応じるということは必要ではないだろうか、とう思うのですが、一応意見として申し上げておきまするから、できますれば検討なさってしかるべき解決の糸口にもしてほしい、こう思うのです。

仮谷忠男自由民主党建設政務次官

○仮谷説明員 確かに需要を満たすためにはおっしゃるような御意見もございますし、われわれもそういう問題は十分検討しなければならぬと思っておるわけです。何さま、全体のワクそのものが少ないわけですから、やはり予算ワクを拡大するということが一番重要な問題であると思います。その比較的少ないワクの中でどう貸し付けていくかということになると、やはり耐火構造、安全度というものを中心にして貸していくということが、入る人の将来のためにも必要だということは御承知のとおりだと思います。たとえば公営住宅にしてもあるいは公団住宅にしても、もうすでにその構造をもう少し改良すべきでないかという意見すらも出てきている状態でありますから、ただ需要があるからどんどん貸し付ければいいという問題でもないと思うわけです。しかし、それかといって、今日のような状態ですから、十分先生の御意見等については検討すべき問題だと私どもは思っております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 住宅公庫の貸し付け金の問題でありますが、建設資金の貸し付けにつきまして、貸し付けの単価と実施単価につきましては事実上相当な開きがあるというふうに聞いております。これは何も住宅建設だけではございませんで、教育施設にしてもその他の建築にいたしましても、どうも予算単価と実施単価というのは相当開きがあって、地方におきましては例の超過負担累積、こういう悪循環さえしておる現状でありますので、そういう点につきまして相当再検討する余地があるのではないだろうか、こういうふうに思うのですがこれはいかがでしょうか。

浅村廉住宅金融公庫総裁

○浅村説明員 住宅公団の融資の基礎になります建設の単価というものが低いことはおっしゃるとおりでございます。実は金融公庫が昭和二十五年にできまして以来、毎年物価が上昇いたします。物価上昇という点は考慮をいたしまして予算折衝の際にお話をいたしまして、認めていただきまして、単価を若干ずつ上げてまいっておりますけれども、物価上昇の問題以外に、住宅の質の向上といった問題もございます。昭和二十五年当時の住宅に対する考え方と現在とは、非常に開いております。そういう点からだんだん幅が大きくなってまいりまして、私どもも実はこの点はもう少し上げていきたいという考えは重々持っておりますが、やはりこれも全体の予算のワクというものもおのずから限度がございます。たくさんの仕事をいたさなければなりませんので、予算、融資額を積算いたします基礎になりますそういう単価を、必ずしも私どもがそこまで上げてもらいたいという程度にはなかなか予算折衝の段階でも話がまとまらないわけでございます。来年度の予算折衝におきましては、まだこれからお話し合いをするわけでございますが、本年度の単価をさらに相当上回るものを認めていただきたいということで、これから折衝を続けるつもりでございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 それでは公団と建設省と、ちょっと簡単に同意点だけ答えていただきたいのですが、家賃の実態の問題でございますが、これは現在は建設費、金利等を基準にいたしました計算のしかたになっておるのだが、むしろ居住者、賃借り人などの所得という点に重点を置くという方向に一歩方向がえをする必要はないだろうか、こういうふうに思うのであります。したがいまして居住者側、賃借り人側からいたしますと所得との比率、比較というものは最大頭を痛める問題であります。一方建設費が要ったから、金利が要ったから、償還しなければならぬから、だからこれだけの賃料ということもさることながら、やはりこの制度の発足の目的等から考えまして、所得との比較、比率ということに新しい重点を全部移行しなくても、そこに副次的にそういうふうに持っていくというふうに改善の方向にいくべきではないかと思うのです。これは計画局ですかな、公団のほうもひとつ……。

大津留温建設省住宅局長

○大津留説明員 先生御指摘のように建築費なり用地費が上がりますと、それに伴って家賃が上がっていくという現象は、これは決して好ましいことではないと思います。公営住宅につきましては御承知のように入居対象所得によりまして一種、二種と分かれておりまして、それぞれ二種には三分の二の補助をする、第一種公営住宅には二分の一の補助をするということで、家賃の計算にはそれらの補助金相当分を控除した残りの建設費を基礎にして家賃算定をしておりますので、比較的安い家賃になっておるわけであります。公団の家賃につきましては、やはり建設費を基礎にして家賃をはじくわけでございますが、やはりこういう公共住宅の性格上家賃がしかるべき額以内にとどまるのが好ましいということで、建設資金のコストを五分と押えまして、五分で計算するようにいたしております。通常の金利でございますともっと高いものになるわけでございましょうが、そういうことによりまして公団の家賃をできるだけ低く押えるようにつとめておるのでございますが、それでもだんだん年々高くなってくる。そこで来年度におきましては、先ほど申しましたように特に土地の高度利用という意味から高層のアパートを建てるということによりまして建築費がさらに高くなる、こういうようなことを考えまして、その分の資金コストは四分になるように予算要求をしておるわけでございます。四分といたしまして計算いたしますと、それだけ家賃が安くなりまして、一割五分程度安くなりますので、そういうことによって家賃をできるだけ高くならないような方法をとっていきたい、こういうふうに考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 ちょっと時間がございませんのでほかの方、答弁はよろしゅうございます。そういう重要なことでありますから、一応基本的な問題点を御調査願うという方向に発足してもらいたいと思うのであります。  そこで、私は簡単に聞いておきますから簡単に答えてください。  予算制度につきまして道路公団、住宅公団などの事業別予算制度の勧告は、これは行管の監察の結果から出ておるのであります。したがってまたいま大蔵省も相当乗り気になって進んでおりますPPBSの導入、こういう問題もありますので、この際それにつきましてのお考えがあればひとつ伺っておきたい。  それから市町村道の整備の問題でありますが、これは国の全体の道路延長が約八十五万キロございますが、そのうちの八割七分が市町村道路になっておるのであります。したがいまして、また市町村道路の舗装率にしましても、これも四十二年三月現在で五・二%、改良率が一二・四%、こういうふうになっておりますが、しかし一般国道になりますと舗装が六割七分、改良が七割、こういう状況でございますので、格段の開きがある。したがいまして、地方道のうち、特に市町村道の改良舗装ということが切実な問題としてだんだん世論すら喚起されておる現状でございます。ことに認定の基準も、地方におきましてはたとえば条例もはっきりしておりませんし規則もはっきりしない、こういうのが多い実情でございますし、同時にまた、農村におきましても自動車交通というものが非常に普及してまいりました。にもかかわらず幅員が二・五メートル、こういう自動車の交通不能のものが実際は約半分あるわけでございますので、こういう点につきましても農村方面から切実な要求が出ております。これは四十一年以来建設省もその方面の整備につきましてはある種の進歩はしておるのでありますけれども、幹線国道等と並んで、これは最も大きな日本の道路整備の対象として取り上げるべき問題ではないであろうか。ここ二、三年来の予算経過について見ましても、だんだん予算はふえておりますけれども、なおこれは綿密な調査を前提にして、全国的に、都道府県はもちろんのこと、各市町村におきましても実態を掌握するということが前提にならなければいけません。行管の勧告に対する回答といたしまして、ことしで三カ年目、本年に終わる――四十五年でありましたか、三カ年計画で調査を実行中という回答が出ておったと思うのであります。こういう点にかんがみましても、実態把握がまだできていないらしいと思いますので、実態の把握、それから法制の整備、そしてこれらの整備計画の具体的なものをかなり綿密に立てて、そしてこれは長期的な計画を立てる必要があるのじゃないだろうか。長期的な計画というものは単に延長だけの問題にあらず、やはり予算もそれに伴ってそれを立てる、こういうふうにいたしまして、予算の裏づけのある長期財政計画がどうしても必要である、こういうふうに思いますので、その点。  それから、これは本省の問題でありますけれども、いま瀬戸内の四国と本土との架橋問題というものが――これはこの間岡山に参りましてもずいぶんと激しい陳情があり等々いたしますので、至るところ五本の線をめぐりまして猛烈な陳情運動もできておる現状でございます。最近学会の報告なんかもあったようでございますが、外資導入ということも困難な時代でありますので、この辺についてもどういうふうに調査が進んでおるのであろうか。これは相当こまかくなりますと時間をとりますので、時間がないからきょうはいたしませんけれども、現段階における結論を、調査の結果とかあるいは見通し等ができましたら答弁いただきたい。要点だけでよろしゅうございますから、みな簡単に述べてください。

川島博建設省計画局長

○川島説明員 事業別予算の実施とPPBSについてお尋がございましたので、この点に関してお答えいたします。  数年前に行政管理庁から事業別予算の実施について勧告がございました。しかしながら、これは私見でございますけれども、公団の事業等をめぐりましてプロジェクトごとに予算の編成をやるわけでございますけれども、予算の編成とそれから執行、経理、このすべてについて事業別予算を実施せよということなのかどうか、行官の勧告は必ずしも明らかでございませんけれども、私どもはやはりプロジェクトごとに予算を積み上げ、編成をして、そのプロジェクト間における優先順位をつけるという問題につきましては、まきに事業別予算は大いに意味がある。しかもその場合にPPBS方式を使ってやっていくということは非常に合理的、科学的なことであろうかと思います。したがいまして、現在建設省ばかりではございません。各省、特に大蔵省、経済企画庁等の経済官庁におきましては、せっかくこのアメリカで開発されましたPPBS方式の予算編成の導入についていま検討いたしております。これはおそらく数年内には実用化されることになろうかと思います。しかしながら実際には、今度はできあがったプロジェクトを執行の面で、そのプロジェクトごとに個別に経理をし執行することが、はたして効率から見ていいかどうかということはおのずから別問題でございまして、この点については実は行管勧告は必ずしも明らかではございませんけれども、少なくとも予算の編成段階におけるプロジェクトに着甘いたしますときには、やはり行管の勧告は大いに意味があろう。それの具体的な方法としてはPPBS方式の導入ということは私は時間の問題であろうと思いますので、大いに研究、検討いたしたいと思っております。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪説明員 たただいまの御質問のまず最初の地方道でございますが、地方道は御指摘のように全国で約八十四万キロぐらいございます。この内容はまた実に千差万別でございまして、県道に匹敵するような市町村道もございますし、個人の家の回りの私道に匹敵するようなものもございます。こういうような市町村道のほかに、道路法の道路になっておりませんが、農道、林道というものがさらに六十万キロぐらいございます。こういうものにつきましていまいろいろ調査をしておりますが、やはり先生のおっしゃるような長期的な一つの整備計画というものが必要だと思います。私のほうのいまの市町村道の調査では、大体八十四万キロのうちおもに交通の幹線になるであろうと思われるものが約二十万キロ足らずではないかというような数字になっております。こういうものについてできるだけ国が補助をする、または援助をいたしまして整備を進めていく。さらにそれ以外のものについては市町村道に特別の財源を与えてやっていくというようなことを念頭に置きまして、いま長期的な計画を策定しておる状況でございます。  次に、本州――四国の連絡架橋の問題でございますが、これは御承知のように、ことしの春工費、工期の積算ができまして発表した次第でございます。その後おもに三ルートにつきまして現在経済調査をやっております。それが大体十一月の初めぐらいまでに、道路のほうは単独橋としての経済調査、それから鉄建公団のほうはこれは鉄道を載せました併用橋としての経済調査、これも十一月の初めぐらいまでにはまとまるのではないか。それから、今度はそのあと、国土総合開発的な見地からこれをどう評価するかという問題を、経済企画庁を入れまして相談して、政府の部内の一つの経済効果に対する意見をまとめたいというふうに考えておりまして、ことしじゅうには私たちのほうといたしましてはそういうものをまとめまして、どこから着工するかをきめていきたいというように思っておる次第でございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 終わります。

華山親義日本社会党

○華山委員長代理 午後二時まで休憩いたします。    午後一時二十九分休憩      ――――◇―――――    午後二時八分開議

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。華山親義君。

華山親義日本社会党

○華山委員 時間が予定よりも四十分ほどおくれておりますし、あとの時間も詰まっているようでございますので、時間のある限りにいたしまして、あとはこの次まで延ばしたいと思いますので、委員長御承知おき願います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員長代理 わかりました。

華山親義日本社会党

○華山委員 四十一年度会計検査院の決算報告について伺いたいと思いますが、三十九年から四十一年度まで第四次道路五カ年計画が打ち切られまして、三カ年分の実績について、道路について会計検査院は報告をいたしております。それで建設省に伺いたいのでございますけれども、一般国道について第四次五カ年計画の計画は幾らであったのか、またその実績は幾らであったのか、伺いたい。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪説明員 第四次五カ年計画につきましては、御承知のように三十九年から四十一年までの三カ年で打ち切られたのでございますけれども、いまその間の一般国道に幾ら投資したかという金額につきましてちょっといま手持ち資料がございませんで、いま調べておりますので後刻御報告いたしたいと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 私の承知しているところでは、いまのお答えのありましたあとで伺いますが、会計検査院は一般国道にかかる改築費、こういうことに限ってうたっているわけでございますね。なぜ改築費だけをやるのか。国道全般について一体その中の改築費というものについてうたうんならば別だけれども、相当額の報告としまして改築費だけうたっているのはどういうわけなのか、会計検査院に伺いたい。

増山辰夫会計検査院事務総局第三局長

○増山会計検査院説明員 四十一年度決算検査報告道路特別会計の歳入歳出――そこの決算報告に掲げましたが、いま改築費だけに限ってとおっしゃいましたが、私ども実は道路整備計画と実績をいろいろ見ていきたいという考えを持っておりまして、その線に沿って調べております。ここでは仰せのごとく改築だけを書いております。これは道路整備五カ年計画の中で、特に物量的に数量が示されておるものについて、計画と実績を実は示したわけでございます。まあ、全般について述べてさらにこのように述べる方法もあったかと思いますが、数量の示されておるものについて掲げた次第でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 後ほど建設省からお話しくださると思いますけれども、私は一般国道全般から言うならば、この倍額に近いものが出ているんじゃないかというふうな、間違えているかもしれませんが、そういう記憶もいたします。会計検査院といたしまして、計画と実績がどうだったかということを比較する意味でここに掲げられるんだとすれば、きちんとそのことを言っていただかないとわれわれは戸惑うだけなんです。改築費というのは一体どういう程度のものですか。舗装費とかそういうものは全部入ってない。どういう程度のものを改築費と会計検査院は認めていられるのですか。

増山辰夫会計検査院事務総局第三局長

○増山会計検査院説明員 改築とそこに書きましたものは、閣議決定におきまして数量が示されております改良と舗装でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 改良と舗装が入っているのですか。新しく道をつくったのは入ってない、そういうわけですか。

増山辰夫会計検査院事務総局第三局長

○増山会計検査院説明員 失礼しました。それは入っております。改良といいましても、いろいろバイパスとか新しいものも入っております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員長代理 華山さん、政務次官は三時半ころからちょっと所用で出ますので、政務次官に質問があれば先にしてください。

華山親義日本社会党

○華山委員 報告をされるというならば、もう少しきちんとした報告でやっていただかないと、これを見るのが、私たちなんかは第二流の専門家かもしれないのであって、いわんや一般の人にはわからないわけです。結局そうしますと舗装とかそういうものは入っている、新しい道をつくったのも入っている、こういうことでございますね。

増山辰夫会計検査院事務総局第三局長

○増山会計検査院説明員 さようでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 それじゃ、抜けているものがほかに相当あるわけです。  次に伺いますが、一一六ページの(三二九)のところにありますが、これは国道の舗装の問題でございますけれども、工事費が一千四百五十六万、不当工事費が四百六十七万、この不当工事費の割合が二六%の高率を占めておる。ちょっと珍しい例だと私は思っております。建設省でおわかりだと思いますけれども、なぜこういう事態が生じたのか御説明を願いたいと思います。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪説明員 ただいま御指摘の高知県の百九十五号線におきましての舗装工事についての問題でございますが、これが不当工事費といたしましてここに書いてありますように四百六十七万という巨額な数字になっております。これの原因につきまして、これは御承知のようにアスファルトの舗装工事でございますので、アスファルトの合材を上に敷くのでございますが、その際にさらにその下の路盤の転圧を十分してないと、その上に敷きましたアスファルトが非常に所期の目的を果たせない脆弱なものになってくることもございます。また、いま言いました路盤の転圧の不十分ということもございます。もう一つは施工の時期が冬の厳寒期になりまして、アスファルトの混合物が――アスファルトをあたためまして溶かして骨材の回りにまんべんなく回るようにするわけでございます。それが非常にさびついて回っていないというようなことで、その結果、アスファルト面にこまかい穴ができたり、またクラックができたような事例でございます。こういう事例でございますので、かなり全延長にわたりまして出ておるためにそれを積算いたしますと、このような四百何十万というような大きな結果になったと思います。またいま言いました路盤の転圧が不足しているということ、やはり冬期間の寒い時期に施工したということが原因で全面的にこういうような芳しからぬ舗装ができたということが不当事項として大きくなったものだと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 高知県といえばたいへんあたたかいところなんですけれども、こういうふうな現象が寒暖の差によって起きたという御説明でございますけれども、これは冬施工したのでございますか。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪説明員 この工事につきまして、聞きますと、九月に入札をいたしましてそれから舗装いたします下の路盤の工事を行ないまして、舗装のちょうど上の表層をやる時期が一月になったというふうに聞いておりまして、一月の四国の山の中でございますので、かなり寒かったものと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 いま、山の中とおっしゃいましたが、ここは山の中でございますね、ちょっと念のために聞いておきたい。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪説明員 この百九十五号線というのは、ちょうど高知から徳島へ行く大きな山を越えております、その入り口のところでございます。どっちかというと、山とばかりいえないかもしれませんが……。

華山親義日本社会党

○華山委員 かねがね私は口をすっぱくするほどこの問題は言っているわけです。とにかくこれはいまの予算制度そのものから来るのかもしれませんけれども、契約の時期がおっしゃったとおり一般府県においては八月、九月になる、施工の時期がまたおくれる、そういうふうな事情で高知県のようなところでもこういうふうな現象が起きるわけです。いわんや東北、北海道においては当然こういう現象が起きてくる。それで山の中とおっしゃいましたけれども、現在の山の中というのは非常に屋外労働者を求めることが困難です。おそらく高知県もそういう県だと思いますけれども、もはや十月、十一月ころになれば出かせぎに出る時節なんです。へんぴな山地ではそうしますと労働者が足りない。そういう面もあるわけです。それですから私はたびたび、この契約の時期につきましてはできるだけ早くできるように御配意を願いたいということも言っておるわけなんです。そして場合によっては――これは大蔵省の考え方もあると思いますけれども、無理をして年度内にやらなくてもいいんじゃないか。そういう無理をするくらいだったら繰り延べをしてもいいんじゃないか。そういうふうに思うのでして、大体においていま現在出ているところの不当事項を見ますと、そういうふうな寒冷地、僻地、そういうところに多く出ているわけです。私はこの点について、建設省のみならず国全体として御研究を願いたいと思うのです。この点は農林省にも関係がありますが、いままでもたびたびいろいろ申し上げているのですけれども、四月に予算が終わらなければいろいろな計画もできない。そして計画を持って何べんも何べんも東京に地方から来て、そしてきまる。きまったあとで入札をしてやるということになれば、いまここに見られますとおり九月や十月になるわけです。そうすれば高知県のようなあたたかいところでもこういう現象が起きてくる。それで、私は業者を弁護しようなどとはごうも思いませんけれども、私はそういうふうな問題が、寒いところで、十分な屋外労働者の手当てもできないでやることに大きな問題があるんじゃないかと思いますので、その点ひとつ次官、御検討を願いたいと思います。

仮谷忠男自由民主党建設政務次官

○仮谷説明員 実は、私はたまたま高知県の者でありまして、このような事態になりましてまことに遺憾に思っております。いかなる理由があるにせよ不良工事が行なわれるということは断じて許すべきではありません。これは徹底的にその原因を究明して今後の禍根を断たなければならぬと思います。  この問題については、高知県は直ちに補強工事をやったようであります。一番の問題は施工時期にあると思うのでありまして、おっしゃるとおりであります。この間、地方建設局長会議を開きましたところが、局長会議の中でもこの問題は非常に積極的な意見が出てまいりまして、もう少し真剣に取り組んでいかなければならぬという認識を実はさらに私ども新たにいたしたわけであります。年度が変わりますと、予算が通過してからでないと施行できないという問題があるわけでありますけれども、それも何らかの形で解決する方法はないか、実際にやる場合。直轄の場合はともかくといたしまして、補助工事の場合はなおさらでして、国の予算が通過してさらに地方議会が予算を組んでそれから出発するわけですから、施行時期が非常におくれて、結局冬の時期に集中して着工せなければならぬ事態が起こってくる。これが工事に非常に大きな問題を起こしておる原因であることは申し上げるまでもありません。だからそういった面についても私は全く同感でありますから、さらに今後十分に検討して最善を期さなければならぬと思っております。  なおこの機会に、高知県のようなあたたかいところというお話がありましたけれども、これはいろいろ今後の問題もあると思いますから……。私のところは実は南国土佐で売り出してはおりますが、非常にあったかいところもありますが、山間地帯は東北や北海道と同じように非常にきびしい寒さが続いておるところで、ときには自衛隊に出てもらって除雪をしてもらわなければならぬという想像もつかないような事態が年に何回かあるわけですから、その点は御理解願っておきたいと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 私はこの問題を具体的に取り上げてけしからぬということだけじゃないのです。国のやり方がもう少し、こういうことの起きないように契約のしかた、あるいは大蔵省の関係でありましょうが、予算の繰り延べ、そういう点も考え合わせてやっていただきたいということを申し上げておるわけでございます。お願いいたします。  次にお伺いいたしますが、百十六ページの災害復旧事業費の査定という問題がございます。会計検査院に伺いますが、この復旧事業費の査定というのは、これは着工前にやったものでございますか。

増山辰夫会計検査院事務総局第三局長

○増山会計検査院説明員 先生のおっしゃるとおりであります。

華山親義日本社会党

○華山委員 これは会計検査院法の二十条なり二十五条なりによって事前の検査ができるわけでございますが、私どもふしぎに思うことは一般の工事費につきまして、これはもうでき上がった災害復旧事業も含まれますけれども、大体おっしゃるとおり、書いてありますとおり、総工事量の八%台で実地検査をやるのです。ところが災害復旧事業の査定については、一般は八・三%なんですけれども、この事前査定については三・一%という高い割合――私は低いと思っておるのですけれども、どういうわけで一般工事の実地調査とそれから災害復旧の事前実地調査との間にこんな開きが出てくるのですか。これは何か会計検査院の方針ですか。

増山辰夫会計検査院事務総局第三局長

○増山会計検査院説明員 先生のおっしゃいますように一般の建設省関係の公共事業の一部の検査に際しまして、査定検査の浸透率と申しますか、検査施行しました率が高くなっております。これは特に査定検査に一般の工事の実施以上に重点を置いておるというわけでは毛頭ございませんで、査定検査は御承知のように災害が起きまして建設省でその復旧事業の査定をなされますが、災害の起きましたところは大体地区的に限られておりまして、集中的に災害が起きておる。したがって災害復旧事業も全国的に見ました場合に、わりあいに限られた数県に起こっております。これに対しまして一般の工事は全国にまたがって広く行なわれておりますので、私どもの検査も、一般の工事につきましては全国的に広くいたしておりますし、災害の査定検査につきましてはそういった限られた地区、県、そういうところに行って行ないますので、そこに集中的に災害が起きておりますので、そういった面から、わりかた行った先におきましての浸透がどうしても上がります。これを数字の面から見てみますと、公共事業の建設省関係の工事につきまして、たとえばことし検査をいたしました実情を見ましても、たとえば人日で見ますと災害査定の関係に比べまして――災害のほうが約三百人目になっておりますのに対して、一般の工事のほうは千二百人目以上ですから、そういったウェートから見まして、はるかに大きな力が一般の工事のほうに検査として向けられておりまして、災害のほうにつきましては、いま申し上げますような人日にいたしましても四分の一から五分の一程度になっております。   〔田中(武)委員長代理退席、白浜委員長代理着席〕  それから実施した県の数にいたしましても災害のほうは、たとえばことしは八県について実施いたしておりますし、工事の実施につきましては三十三都府県についていたしております。そういった面から見まして、特に災害のほうを一般の工事の実施より重点を置いておるとかそういうことは毛頭ございません。そういった事情から集約的に検査がされておるということが大きな原因になっておるかと思います。そのほかにさらに災害の査定につきましては書面で検査できるものが相当ございます。一般の工事の検査は実際に工事の現場に行きましてかなりたんねんに時間をかけてやっております。そういった関係からきょうのような率の上では差が出ておるわけであります。

華山親義日本社会党

○華山委員 大蔵省関係で担当の方が出ていらっしゃるならばお聞きしたいのでありますが、会計法の四十六条を見ますと、大蔵省もいろいろな予算の執行について事前的な監査ができるような規定がございますが、現に大蔵省はこういうことをやっていらっしゃいますか。

北田栄作大蔵省主計局司計課長

○北田説明員 会計法四十六条で大蔵大臣が予算執行の監査をやり得ることになっておりますが、現在監査を実施いたしております。ただ、ここに規定してございますような強制的な権限ということを発動してやるというような形ではございませんで、予算執行について事前に指導監督をするというような観点から監査をし、かつ予算編成の参考にするというような意味で監査を実施いたしております。

華山親義日本社会党

○華山委員 災害復旧事業の事前的な監査というものはおやりになりますか。

北田栄作大蔵省主計局司計課長

○北田説明員 災害復旧事業の補助事業につきましては、主務省が査定を行ないます場合、大蔵省の財務局財務部の職員が立会をいたしまして、その事業の適正かどうかということについて、意見を申し述べるということにいたしております。

華山親義日本社会党

○華山委員 私はこのようなことは戦後間もなく何か災害に乗じていろいろな不正が行なわれたというふうなこともありまして、そのための法律もできたようなあの当時のことが尾を引いているのじゃないか、こういうふうにも考えます。いま私はこういうことは減らすべきであるとかやめるべきであるとかというふうなことを言う勇気はございません。とにかくこのことによってこの報告によれば五%は改めさしているというふうに出ておりますので、その勇気もございませんけれども、ただ実態といたしましてわれわれ地方で府県、市町村の災害の実態を見るならば、非常に困るわけですね。とにかく早くしなければいけない。特にいまおっしゃった高知県の山の中とかわれわれの山形県のようなところでは、冬にかからない前にとにかくしなければいけない。その際に建設省が査定をする、会計検査院の査定するまでは待っていなければいけない。こういうふうなことで、そのためにまた第一線におけるところの土木職員というものは限られた数しかないのでございますけれども、そのために非常な苦労をするわけです。羽越災害の場合に県では三カ月間にわたって一カ月に約百五十時間の超過勤務をしている。日曜日も全部出てやっている。そしてこの査定ということに追われているわけであります。こういう実態を考えますと、私は国費のむだづかいはとめるべきだと思うのでありますけれども、よほど考えていただかないと災害復旧の目的を達しなくなるのじゃないかという点も考えられますので、この点は会計検査院は独立の官庁でございますから、独自の御見解もあることと思いますけれども、一方農林省、建設省等と、会計検査院がひとつその点はよく研究していただきたいと思うのです。そういたしませんと非常に地方の仕事がはかどらないのみならず一般職員の苦労が多いということ、特に冬に差しかかった場合には被災者も非常にまた困るという実態をよく考えて善処していただきたいと思います。これは会計検査院が主として問題になると思うのでございますけれども、会計検査院どうでありますか。私はやめろとは決して言っておりませんから……。

増山辰夫会計検査院事務総局第三局長

○増山会計検査院説明員 先生のお話でございますが、建設省で査定をされまして私どもがそのあとで査定の検査に参るわけでございます。しかしながら私どもはすでに着工されておりますものについては、先ほど申し上げましたように私どもの査定の検査はいたしません。それから私どもの検査が済むまで着工されないという御事情は実はいかがかと思うのでありますが、これは工事の時期を考えてなるべく早く着工されてけっこうなんでございます。私どもは検査が済むまで着工していかぬとかいうことはごうも言っておらないはずなんでございます。ですが、いま先生のおっしゃいました実情のお話もとくと承りまして、今後考えさしていただきたいと思います。  それから査定の検査及びその成果につきましてはおっしゃいましたように、最近だんだん指摘の数あるいは割合が減ってきております。そういった事情もありまして、先生のお話を承っておきます。私どもだけではいけませんで、農林省の関係もございますし、検査院全体にも関係するかと思います。先生のお話はよく承っておきます。

北田栄作大蔵省主計局司計課長

○北田説明員 ただいま災害復旧事業の査定に対して大蔵省の職員が立会するので非常におそくなるというようなお話もあったかと思いますが、これは実は主務省のほうで査定されまして、その事業費の結果に基づきまして大蔵省のほうに予備費使用の要求がございます。この予備費使用を決定いたします場合に、主務省のほうから資料をいただきましたのを中央でお話を聞きまして、それで査定をするということになりますとなかなか実情がわからない点もございますし、またいろいろと調査をした上で査定ということになりますと時間もおくれます。したがいまして、できるだけ早く予備費の使用を決定をするというような見地から現地で立会をいたしまして、そこできまりましたものは原則的に事業費をきめるというような趣旨から、昭和二十六年ぐらいだったと思いますがとられておった制度でありまして、これはむしろそういった復旧事業をできるだけ適正にできるだけ早期にできるようにというような趣旨でやっておる、こういうふうに解しております。

華山親義日本社会党

○華山委員 東京におられる官庁の善意はわかりますけれども、それが地方に行きますとそういかないのですね。会計検査院が四、五日で来るというならばもうきまっちゃったから入札しようというわけにもいかぬです。そういうふうなこともありましてい非常に一日、二日を争うような問題の場合にスムーズにいかないというふうなこともありますので、今後ひとつよく相談の上善処していただきたい、こういうふうに思います。  次に伺いますが、住宅の問題。先ほどいろいろお話のありましたとおりいま非常に重要な問題でございます。次官がおいでになりますので伺いますけれども、建設省といたしましては、土地を供給する、自分の持ち家をつくらせる、それから貸す住宅があるというふうに、いろいろなことがあるわけでございますし、それについての、利用する方面の階層的な問題もあろうかと思うのでございますが、現在どういう点に一番重点を置かなければいけないのか、お聞きいたしたい。と申しますことは、何か見ておりますと、現在住宅金融公庫、日本住宅公団、この方面を利用できる人は大体中流階級じゃないか。中流といいますか、ある程度の階層の人じゃないのか。それで公営住宅のほうはまたいろいろの点で高くなっていく、そういうふうなことで、階層的には一体どこに重きを置いて、日本全体の住宅の問題は考えておりますか。

仮谷忠男自由民主党建設政務次官

○仮谷説明員 住宅の問題は特に建設省の重要な問題として取り上げておることは御承知のとおりでありますが、その住宅をどういう階層に重点を置くかということを言われれば、当然低所得者層を中心にして考えなければならぬ。それが公営住宅の最高の目的であることは御承知のとおりであります。ただ持ち家の問題も考えなければなりませんから、持ち家住宅の場合は、いわゆる住宅金融公庫等を通して、特にそういう人々に対する金融を考えていることも、御理解いただいておるとおりであります。ただ、住宅公団の住宅がいささか中層階級と申しますか、そういう人に適当するのじゃないかと言われれば、あるいはそうかもしれませんけれども、重点はやはり低所得者層に置き、さらに低所得者であっても中所得者であっても、住宅がないということになれば、住宅を提供することを考えなければならぬ。これも一つの施策だと思いますから、そういう形になっていると思いますが、基本的には低所得者を対象に重点的に考えなければならぬことは当然でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 事業主体別にいいますと、四十三年ですか、最近の予算を見ますと、投資の源は違っておりましょうけれども、投資が公営住宅には一千二十一億、住宅金融公庫には一千五百九十億、日本住宅公庫には二千百九億になっている。私は次官のおっしゃるような趣旨がこの予算面からはうかがえない。公営住宅につきましてはこれはもちろん地方も負担しているわけでございますけれども、それを合わせてこういうふうな傾向が出ているわけです。私はもっともっとほんとうに困っている低所得階級に対して重点が移されるべきではないのか、こういうふうに思えてならないわけです。  建設省の専門の方に伺いますけれども、現在東京都には、いわゆるスラム街化しておるところの木造民営アパート、大体四畳半単位、共同便所、共同炊事場、隣のもの音がみな聞こえるようなベニヤの境、そういうところの戸数が一体どのくらいあるのですか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留説明員 ちょっと手元に東京都の資料は持ち合わせておりませんが、いま御指摘になりましたように、非常に規模が狭い、それから設備が非常に至らない住宅、一定の水準から見まして、そういう水準に満たない不合格のもの、そういう過密狭小あるいは老朽住宅、こういうのを全部調べあげまして、それでこれらの世帯の増加等もにらみ合わせまして、現在の五カ年計画を立てておるわけでございます。六百七十万戸といいますのは、そういった水準以下の住宅をすべて解消して、最低限一世帯一住宅を提供しよう、こういう目標でやっておるわけであります。   〔白浜委員長代理退席、田中(武)委員長代理着席〕

華山親義日本社会党

○華山委員 私の聞き間違いかもしれませんので伺ったのでございますから、間違えておるならば訂正していただきたいと思うのでございますけれども、そういうふうな不良住宅、アパートが、東京都に四十万戸あるといわれておる。しかもそれが一畳大体千二百円から千五百円内外、まずこういう人から救い上げていかなければならないのじゃないか。しかし現在一体どうなっておるのか。日本住宅金融公庫にいたしましても、いま貸し家のほうにも融資をなさるそうでありますけれども、おおむね個人住宅じゃないのか。日本住宅公団につきましては次官も認められるとおり。私はこういう資金というものは、困っている人たちに集中すべきではないかと思う。私、周囲のことを見ているだけで、統計的には知りませんけれども、大企業の労働者、これは社宅が一応あるようです。何とか会社で世話してくれる。それから一応何か収入のある人は、ほかの公庫なり公団の利用ができる。ところがそういうことのできない中小企業者なり、タクシーの運転手さんなり、中小企業の特に労働者なり、そういう人たちが、四十万戸というところに押し込められているのじゃないか。現在の住宅に使われるところの資金は、まずそういう面から救うために重点的に取り上げられなければいけないと思うのでございます。この問題は大臣にも聞きたいのでありますけれども次官どうでしょう。

大津留温建設省住宅局長

○大津留説明員 先ほど政務次官が御答弁されましたように、またただいま御指摘のとおり、低所得者層に最重点を置いてやっておるわけでございますが、計数的に申し上げますと、五カ年計画を計画いたします場合に、借家を求める年収四十二万円未満の勤労世帯に対しましては、全部公営住宅はじめ公的施策の住宅によって住宅を提供しよう。それから四十二万円から百万円までの方々に対しましては、半分までは政府施策の住宅でお世話をいたしましょう。半分は民間のお力にたよりたい、こういうわけでございます。勤労青年といいますか一人世帯に対しましては、ただいまお話しのように会社の寄宿舎等もございますが、国の施策といたしましてはその需要の五分の一の方々は国の施策でごめんどうを見ましょうというようなことで全体の計画を立てておるようなわけであります。もっと広範に手当ができればいいわけでございますけれども、政府の資金によります分はどうしても限度がございますので、いま申しましたように低所得者の方はできるだけ全部救いましょう、その上の階層の方は半分まででごしんぼう願いたい、こういうような考え方でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 先ほどお話しましたとおり国及び政府機関で使われる金の配分というものは先ほど申し上げたような状態でございます。私はこの点たいへん不満に思っておる。その点日本住宅公団にちょっとお伺いいたしますけれども、日本住宅公団では土地を開発されて、それを需要者に売り渡すということをやっていられるわけでございますけれども、開発された土地、そういうものはここにはうちを建てるか、ここにはひとつみんなに分譲しようか、どこに基準があるのですか。

林敬三日本住宅公団総裁

○林参考人 公団ができましてから宅地の造成をいたしましておもに区画整理の方法でそれをやっておるわけでございます。そうしますと十万坪の宅地を整理いたしますと五万坪ないし六万坪は民間所有のものでございます。四〇%、できれば六〇%ぐらい、三十数%のところもございますが、それだけを公団が買いまして、そして民間の方と一緒の形になって区画整理をそこでやるわけでございます。そうして公団が、最後にでき上ったものを、公団所有になりましたものの中で申しますと、大体絶対の方針というものはございませんが、いままでずっとやってまいっておるのでは五〇%から六〇%ぐらいを集合住宅といいますか公団の住宅を建設するほうに移管を受けまして、そして集合住宅を建てております。  それからお尋ねの一般の分譲用地にはでき上りましたものの三〇%から三十数%くらいを使います。  それから特別分譲といいますか、学校とか交番であるとか市役所の出張所であるとか、水道の事務所であるとか、そういうものにはやはり二、三〇%要る、こういうような分け方をいたしております。特別の方針というわけでございませんが、ずっと十何年来そういう形になっております。  先ほど建設省のほうから御答弁申し上げた中にもありましたのですが、次第に土地が入手困難になるし貴重になってまいります。そこで土地つきの、土地にそれぞれの方々が計画しながらささやかな家を持とうといういわゆる一般分譲用だけでは、土地の高率からいうと、その気持はわからないではないけれども、もったいないといいますか、もっと大都会周辺地というのは効率的に使わなければいけないというようなことで、ここ一両年その要請が強くなってまいりました。したがって今後の方針といたしましては、できるだけ集合住宅にそれを建てていく、ただしそれじゃゼロにするかといいますと、いままで宅地債券を出してささやかなる貯蓄をしながら地面を買って家を建てるということを奨励もいたしております。これまたそういう階層に対してこたえるということも必要であって、宅債を出しております。宅債の分だけは約束をしておりますから、これはどうしてもつくって渡さなければならない。それからそれをつくりますとやはりロット割りのぐわいによりまして、いわゆるきれでいうと端ぎれのようなものが出てまいります。そういうところはやはり一般分譲に回さなければいけないということで、これを全廃するというわけにはいま直ちにはまいらないのでございますが、方針といたしましては集合住宅用地をできるだけ拡大して効率的に使うようにしていこう、そのためには公団が提供いたします土地付きマイホームという面は少し少なくなってまいりますが、これまた忍んでいただいて全体を生かしていくという方向でまいりたいと思っております。

華山親義日本社会党

○華山委員 いま総裁のお話がございましたので、そのとおりにしていただきたいのでございますけれども、私見になるかもしれませんが、現在の状態でマイホーム――自分の土地と庭と住宅とを買って、そうしてそれで一生だんだん建て増しでもやってやっていこうというふうなものの考え方は少し古いし、現在の日本には当たらないのじゃないかと私は思わざるを得ません。そういうふうな人は年をとったら富士山のふもとあたりに別荘でもつくればいいのだ。東京都の近所に自分の土地を持っていたい、そういうふうなことはいまの時勢に合わないのではないか。外国のことを私は何もそんなに尊敬しているわけではございませんけれども、アメリカに参りますと、話を聞いたところでは、とにかく土地というものはもう不動産じゃない。売りながら転々として歩く、一生の間に何べんもうちをかえるというふうな状態。ソ連に行きますれば、ソ連の人に聞きますと自分のうちを持つなどということは、これはもう日本の状態を話しますとびっくりする。そういう観念を持たない。当然国営アパートに入るべきだという人生観ですね、ことばが過ぎるかもしれませんが。私はやはり今日このように大都市に人が集結してくるならば、そういうふうなものの考え方に国民もなってもらわなければいけないと思うし、そういう考え方にするためにはやはり政府施策というものが先行しなければいけないのではないか、こんなふうに考えます。  それでひとつ資料をお願いいたしますけれども、住宅金融公庫と日本住宅公団が現在貸しているあるいはそれを償還をさせているというふうなものにつきましてどういう階層が入っているかわかる一つの表を出していただきたい。職業別にあるいは収入別に――入ったときはわかるかもしれませんが、いまわからないから無理かもしれませんけれども、職業別にでも出していただきたい、こう思うわけであります。  それからそのことにつきまして伺いますけれども、金融公庫なり住宅公団なりが債権をいろいろな面で利用者に持っているわけでありますけれども、これはどういうふうにしてその債権を担保の面で確実にしていらっしゃいますか。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員長代理 ちょっと答弁の前に……。いまの資料要求で住宅金融公庫と公団、いいですね。

林敬三日本住宅公団総裁

○林参考人 よろしゅうございます。  いまおっしゃいました土地の使い方の大きな方向、まことに御同感に存じます。しかしこれは場所によりますし事情によりますわけですが、最近の大都市周辺の地価の高騰の激しいところで非常に虫貴重になっているところは、もっともっとおっしゃる方向で進むべきだと思います。建設省もその気持ちでおります。私どももその気持ちでおりまして、まずこういう公の関係のところが率先していきたいと思っております。ただ、重ねて申しますように、宅債の関係もございますし、また世の中は広いものでございますから、いろいろと、やはりそんなぜいたくということでなく、ささやかながら土地を持ってという希望の面もありましょうし、そこいらもロットのぐあいとか政府のしかたによって出るところはやってまいるのもいいかと思いますが、大きな方向としてはおっしゃるとおりだと思います。  それから、資料については、整えまして差し出します。ただ、全部の入っている人の職業別とか何かになりますと、これはたいへんで、四十万から五十万もございますので、その中の扱き検査をしたようなものがございます。まず初めそれでもって見ていただきました上でと存じます。  それから債権の確保のことでございますが、実は私参りまして三年数九月になるのです。来まして驚きましたのは、実に行き届いて債権確保をやっているわけでございます。公の資金を使うわけでありますし、あるいは会社から借りましても、これを公のために使うわけでしょうが、きわめて確保を確実にやっております。相当がっちりしたものだという感じをよそから入ってきた者としては持ったわけでございます。しかしやはりそれだけその資金は大切であり、確保してまた次に回していかなければならないわけだと存じます。で、家賃などにつきましては、これはそういう点もがっちりやっておりますので、ほとんど一〇〇%近く回収するというか納めてもらっている。それから分譲代金についても、大体目的を達しまして、マイナスになっているということはほとんどないという状態でございます。しかしそのために、これは公団の仕事としては堅実でいいこと、それからそういう公のために使う財政投融資を確保するという面ではいいことでございますが、これがこれを利用する方に過酷になってはいけないと存じます。それで無用な、オーバーなというものは、その時代時代でまたいろいろ観点が違いましょうが、検討いたして、要らない――要らないというか、ここいらはもう省いたほうがいいというものは、過去の努力いかんにかかわらずどんどん省くべきものだ、私はかように考えておるのでありますが、物的担保及び人的担保、両面から押えて、そして債権の確保をはかっております。

華山親義日本社会党

○華山委員 債権の確保につきましては私はやっていただきたいのですが、問題は人的担保ですね。私これは問題があると思うのです。とにかく、私詳しいことは存じませんけれども、分譲住宅でございましたならば、二十年、三十年の長きにわたるものがあるのじゃないか。そして、その契約をする際に連帯保証を立てる。保証人には抗弁権もなければ催告の抗弁権もない。二、三十年のうちにはあちらも事情が変わるであろうし、連帯保証人も事情が変わってくる。事情が変わるどころか、借りた方は子供の代になって、連帯保証の方も子供の代になってくる。なかなかわからぬというような状態。このような非現実的な連帯保証の制度は改めるべきじゃないか、私はそう思います。  大蔵省に伺いますが、大蔵省のほうで国有財産を処分されまして分納させる。そのときに連帯保証人とりますか。

市川広太郎大蔵省理財局国有財産第二課長

○市川説明員 お答えいたします。  国有担保の規定によりまして、財産を処分いたしましたときに、一定の場合に代金の延納を認めるということがございまして、そのような場合にどのような手続でやるかということは訓令できめております。その訓令によりますと、人的担保をとることもございますし、物的担保をとることもございまして、状況に応じどちらをとってもよろしい、重複してとってもよろしいという規定のしかたをして現地財務局を指導しております。  で、こちらに参ります前に、具体的に関東財務局でどのようにやっているかということを調べてまいりました。それによりますと、現在延納債権がある者が八百数十件ございます。そのうち人的担保と物的担保がダブっているもの、それが約三割、二百数十件ございます。それ以外のものにつきましてはすべて物的担保のみをとっているという状態でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 延納というのは、国有財産の処分についての延納ですか。

市川広太郎大蔵省理財局国有財産第二課長

○市川説明員 国有財産の処分についてでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 私は、そういうふうな実態、国でさえも全面的には実施しておらないような関係ですね。いかにも非現実的だと思うのですよ。そういたしまして、実際の場合にどうしても連帯保証人に対してやってもらわなければいけないという場合には、連帯保証人がやりますね。しかし連帯保証で自分が弁債した場合には、今度は物的な権利は連帯保証者に移るわけです。連帯保証者は、借り人に対して執行された場合には、自分の住宅があってその住宅がまた人の手に入るというおかしな問題が起きてくる。私はこの問題は考えていただかなければいけないと思うし、貸し住宅にいたしましても、保証人を立てろというふうなことでは、一般庶民はなかなかそうはまいりません。  それで初めに、連帯保証につきましては連帯保証人になり得るところの資格がありますね。何万円以上の、何十万円以上の収入というような資格がある。その資格を欠いた場合には連帯保証人はかえるのですか。

宮地直邦日本住宅公団理事

○宮地参考人 お答え申し上げます。  公団の普通分譲住宅の場合は、これは一般公募によりましてその契約をいたしましたときに所有権を譲渡いたします。これは公募であって、分割払いを原則といたしております。いま大蔵省のほうでお答えになりましたように、国有財産の場合には即金が原則でございまして、したがって例外的に国有財産法にそのまま書いてございますが、公共団体だとかそれから教育関係、それら特例法に書いてある場合について例外的にその延納を認める。私のほうとはやや事情が異なっている。で、私のほうが担保をとります場合も、抵当権を設定いたします場合も、その土地建物だけであります。抵当権を実行いたしましても、これは一般の社会慣習として債権を確保することは困難な場合が出てくる。それからある場合には、人的担保がない場合に、あってもわずかと申しますか、その債権総額に対してわずかな収入欠陥のために物的抵当権を行使するような場合が起こりますと、むしろこれは逆に分譲住宅を譲り受けた方に行なうような場合が起こり得るわけです。そういうことは実情に応じて措置をいたしたい。もちろん保証人のほうの責任は多うございますが、そこで民法の検索の抗弁があるわけです。また私のほうでも、保証人が職業がおかわりになるその他によって収入の異常な変動があるような場合には、お申し出をいただきますならば、新しい保証人をお立ていただきまして、その契約の更改をすることは当然予期していることでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 もう時間がございませんからこの程度でやめますが、連帯保証人は検索の抗弁権はございません。間違えないでいただきたい。ですけれども、保証人になる場合は非常に気やすいわけだ。なに、うちがあるのだから、物的担保でだいじょうぶなんだからというわけで、友人なんかから頼まれると気やすくやるわけです。ところが、そういうことはみなあまり詳しくないわけですから、いざという場合には検索の抗弁権がないわけですから、自分や自分の子供のところに来て払ってくれと言われたって、これは何もない。そういう実態に合わないことはやめていただきたいと思う。保証人ならまだ意味がある。そうしてまた、いつ何どき境遇が変わるかわからぬのです。そのときには、あなたは別な保証人を立てればよいとおっしゃるけれども、相手のほうは立てられるか立てられないかわからぬのでしょう。一生、孫子の代まで責任を負っていかなければいけない。知らないから、判こを押しているけれども、そういうことがみんなわかったら、おそらく連帯保証人になんかなる人はありません。そういうふうな債権の確保ということは、物的担保で十分であって、人的担保まではとるべきじゃないのじゃないか。あるいは少なくとも保証人という程度にとどめておくべきじゃないのか、こういうふうな気もいたしますので、その点をひとつ御研究願いたい。あなたのほうで分譲されるところのものにつきまして高いものがある。ある程度の年齢なら、保証人は六十七とか八なんという人があるのですよ。十年も生きられないでしょう。そんな人的担保をとったって一体何になる。その点ひとつ御研究を願いたいと思う。世の中の実情に合わしてもらいたいと思う。  それからちょっと伺いますが、最近、先ほどもお話がありましたが、京阪神の問題のように、会社自体がごまかしたのもありますし、きのうあたりでしたが、朝日新聞には、今度は、不動産会社の使用人がお得意さまのお金を持って逃げたという事態がある。私、非常に困ったものだと思うのですけれども、それについて割賦販売のことも昨日からいろいろお話がありましたが、割賦販売の一つの柱といたしましては、これをその業者に対して許可するかどうか、また前払いしているところのものの一部を預託するかどうか、そういうふうなものが、この制度ができる以上はどうしたって問題になり、そうでなければ意味をなさないと思うのでございますけれども、不動産につきまして、立法措置を考えておられるということでございますけれども、そういう点はどうお考えになりますか。

林敬三日本住宅公団総裁

○林参考人 さっき申し上げましたような公団の立場でございまして、債権を確保することに十分配慮しなければいけないという立場に立ちまして、広く資金を活用して、もっと広い公益のために使っていこうという趣旨から出たものでございます。そうしてやはり抵当権だけでは不足の場合があるという心配があってそういうものをつくる。それから逆に今度はわずかのところでならば、むしろ連帯保証人のほうにお願いしたほうが、早く、すっと解決がついて円満につくという事例が相当あるということで、物的、人的両面をいたして現在はその制度でやっておるわけでございます。しかし、だんだんと公団も経験を重ねてまいりました。また、分譲を受けられる方も経験等、いろいろなケースが出てまいります。それらを絶えずよく検討し、反省もいたしまして、そうして世の実情に、お話しのように合わせてものごとをやっていかなければいけないと思うのでありまして、大いに検討はいたします。いまの立場はさようなことであることを御了承願います。

川島博建設省計画局長

○川島説明員 宅地建物の割賦販売の規制につきましては、ただいま先生の述べられました点も含めまして立法作業を検討いたしたいと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 こだわるようですけれども申し上げますけれども、連帯保証というようなものは金融機関の常識だというふうなお考えもあるかもしれませんけれども、連帯保証につきまして、社長なり代表者に連帯保証を求めますね。これは自分の仕事なんだから一生懸命にやれということと、それから法人等については、とにかく自分がそこからある程度の報酬を得たり賞与を得たりしておるわけですね。そういうふうな意味から私は金融機関の連帯保証ということは考えられますけれども、住宅公団につきましての連帯保証というものはどうも私は世の中の実態に合わないと思う。大蔵省の国有財産の分納につきましても、営利会社にも分納は認められる場合があり得る。その際にその会社の重役や社長に対しまして連帯保証を求めておりますか。

市川広太郎大蔵省理財局国有財産第二課長

○市川説明員 営利会社であるから人的保証をとる、そのような基準で実はとっているわけではございませんで、物的担保をまず徴しまして、それで不足する場合にやむを得ず人的担保を徴するという考え方でやっております。

華山親義日本社会党

○華山委員 国でさえもそういう程度なんです。金融機関よりももっとやさしい。物的担保に対することについて国はきわめて寛大なんであって、公団等が非常に厳重だということは私は了解しかねる。総裁がいま御検討をしてみようということでございますから、ひとつ御検討願いたいと思います。

林敬三日本住宅公団総裁

○林参考人 公団の立場といたしまして債権の確保について十分配慮しなければならないという必要性、それから一面またお話しのように譲り受け人に対してこれが過重な負担になってはむしろ趣旨を殺すことになる、こういう点、この間にどういうような調和をとって線を引いていくかということだと存じます。おっしゃいますこと、とくと吟味いたしながら今後の世の実情に合わせて検討いたしたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員長代理 華山君の質疑はこれをもって終了いたしました。  参考人各位にはお忙しいところ審査に御協力いただき、ありがとうございました。  次に鈴切康雄君。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 時間の制約もありますので、簡単に御質問を申し上げます。  住宅対策費の推移を見ますと、昭和四十一年度は四百三十七億七千二百万円で、三十五年度に比較をすれば約三・七倍となっております。一方、建設戸数は七万七千百十二月で、三十五年度の戸数に比較すれば約一・四倍であります。これは住宅一戸当たりの規模、構造等の改良による一戸当たりの単価増にもよりますけれども、その間の用地の値上がり、労務費の値上がりによる単価増も無視することができない問題であります。また、これらの値上がりは民間住宅建設のネックともなるが、建設省は、住宅行政の上からもこの面の物価安定に対してどのような施策を実行されておるか、その点についてお伺いいたします。

大津留温建設省住宅局長

○大津留説明員 三十五年と四十一年を比較いたしました場合に、戸数は四割程度ふえたのに経費は三倍以上になっておるという点、まさに御指摘のとおりでございます。その理由も、大体お述べになりましたように、住宅の質の向上、改善という点もございますけれども、御指摘のように、建築費及び用地費が、特に用地費がその間相当値上がりしたということが最も大きい原因になっております。建築費の増高の主要な部分はこれまた御指摘のように労務賃金の増加というのが最も大きな要素になっておるわけでございます。  国の施策住宅におきますこういう状況は、民間の住宅建設につきましても同じような影響を持っておりまして、民間におきましても土地の入手難、また建築費の高騰ということが住宅建設の非常な障害になっているということは御指摘のとおりだと考えております。  したがいまして、これに対しましては、一つには土地対策、地価対策というものを進めなければならないと考えます。これにつきましては午前中にも所管の計画局長から答弁がありましたが、必要があればまた重ねて御説明いただきますけれども、建築費の増高に対しましても何らかの措置を講じてこの住宅建設を容易ならしめる必要がある。そのためには、従来の住宅の建築が大工、左官というような職人さんが現場で材料を組み立てていくというやり方でございましたが、それをそういう技能労務者をなるべく使わないような方法に変えていく、言いかえますならば、工場生産住宅といいますか、そういう方面にできるだけ切りかえていくというのが一つの大きな方向であろうと考えております。それでいわゆるプレハブ住宅建設がいろいろできて、研究が進んでおるわけでございますけれども、まだまだ住宅建設の大勢を占めるまでには至っておりません。政府といたしましてもそういうプレハブ工業の工場建設等に開銀融資をあっせんするとかいうようなことで、あるいは研究費を補助するとかいうようなことで、そういう工場生産建築を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 また住宅の対策費の各年度繰り越し額を見ますと、大体毎年二割近いものが繰り越されておるわけであります。そして四十一年度においては四十八億円以上が繰り越されております。このように多額の予算の未消化があるということは、住宅の緊急度の高いことからしても、改善を要するものであると思いますが、当局はその原因、対策についてどのようにお考えになっておるか、その点についてお伺いいたします。

大津留温建設省住宅局長

○大津留説明員 公営住宅の建設費で四十二年度から四十三年度へ繰り越されましたのが四十九億九千万円ございます。これは全体の予算の九%に当たるわけですが、この内訳は、主として大阪、東京という大都市がその大口でございますが、四十二年度の場合は、実は大阪におきます泉北団地の団地造成がおくれました関係で、住宅建築のほうもおくれまして、こういう繰り越し額が出たという状況で、はなはだ申しわけないと思っております。大阪、東京、非常に土地事情の困難な場所でございますので、苦労は多いと思いますけれども、十分督励いたしまして、できるだけ繰り越しのないようにつとめてまいりたいと思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 その繰り越し額については、昭和三十五年は約二〇%、昭和三十六年には三六%、三十七年には二八%、三十八年には一九%、三十九年には一六%、四十年には一〇%と、大体毎年毎年かなりの繰り越し額があるわけでございますが、いま局長からのお話によりますと、用地取得難に基づくものが大部分である、こういうお話でありますけれども、それでは具体的に用地取得制度の改善に対してはどのようにお考えになっておりますか、お伺いいたします。

大津留温建設省住宅局長

○大津留説明員 都道府県なり市町村が公営住宅を建てます場合に、法律上の措置といたしましては、収用法の適用が認められておりますわけでございますが、しかし、住宅用地を取得いたしますのに収用法をそうみだりに使うというのも決して好ましいことではございません。なるだけ事前にそういう地主の方々と折衝いたしまして、円満に譲っていただくという努力を重ねておるわけでございますが、だんだん事業量もふえてまいります。土地も絶対量が乏しくなっていくというような関係で、住宅建設の最大の困難な要素になっておるわけでございますが、特に、大都市におきましては、一つは公有地をなるたけ有効に使うということで、東京におきましては、たとえば都電の車庫のあとを活用するとか、あるいは区役所のいろいろな施設の上に都営住宅を載せるというようなくふう、努力を重ねてまいっております。また、工場あと地等を買収いたしまして、そこに高層の公営住宅を建てるということによりまして、土地をできるだけ有効に活用していくというようなくふうをいたしておるような次第でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 政府の施策住宅について、公有地並びに遊休国有地の利用可能性があるかどうか、そのことについて具体的に調査をしたかどうか。調査したら、どのような調査のしかたをやって、そしてどういう結果が出たか、御説明願いたい。

川島博建設省計画局長

○川島説明員 国有地または公有地の有効利用につきましては、これだけ土地資源が乏しいわけでございますので、大いにやらなければいかぬと思っております。国有地は、これは大蔵省の所管でございますが、私どもが行政管理庁と御相談いたしまして調べていただいた数字がございます。私どもの承知している範囲におきましては、たとえば東京都の区部に所在する国有地につきまして、行政管理庁が、少し古い資料でありますが三十七年にお調べ願ったところによりますと、大蔵省所管の普通財産あるいは各省庁所管の行政財産を含めましてお調べ願ったわけでございます。これによりますと供用可能、検討の余地がある土地が約九十万坪、使ってはおりますけれども高度利用の可能性について検討の余地のあるものが約五十万坪、合わせて百四十万坪という調査資料がございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 この問題については大いにやらなければならないと、そのように言われたわけでありますけれども、実際には私はこれは十二分の資料があってあなたはおっしゃっているのではないと思う。この問題についてはかなり厳格に総点検をするくらいの状態をもって、初めてこれが公営住宅あるいはそういうふうなところに給することができる国有地であるとかいうことがわかるのではないかと思うのですが、その点についてはたして十分な資料があっておやりであるか、具体的に資料があれば提出をしていただきたいわけです。

川島博建設省計画局長

○川島説明員 この資料は行政管理庁からいただいた資料でありますので……。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 それは古いでしょう。

川島博建設省計画局長

○川島説明員 はい。私のほうで調べたものではございません。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 いま住宅が非常に足りないという状態にある。少なくともこれに携わる住宅局において、土地の利用について公共あるいは国有地に対して総点検をして、ここはこうなんだというふうに資料をもってやっていかなければならないのじゃないか。そういう古い行政管理庁の資料をもとにいまそのようなことを言われるということは、あまりにも――大いにやらなければならないという御答弁の中に、私はもう少し具体的にその点を調べていかなくちゃならぬのではないか、その点を思うのですが、どうですか。

川島博建設省計画局長

○川島説明員 従来も国有地につきましては、たとえば日本住宅公団等では相当現物出資という形で御提供いただいているわけでありますが、これは全体から申しますればもちろんその一部にすぎないわけでございます。国有地だけでなく公有地も一緒にやるべきだと私は思いますが、国公有地の未利用あるいは軽利用のものについてこの際再調査する必要があろうと思います。これは建設省だけではできない問題でございますので、所管の省庁の御協力を仰いでやるべきだろうと思います。検討いたしたいと思います。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 大蔵省としては、国有地の払い下げに対して長期的土地利用計画を考えての払い下げをしているかどうか、大蔵省の基本的方針をお伺いいたします。

市川広太郎大蔵省理財局国有財産第二課長

○市川説明員 私ども普通財産の担当でございますが、従来から普通財産の処分につきまして実は二つございます。完全にだれも利用していないような土地と、それから一見そのように見えますけれども、実はこれは旧軍財産であって、旧軍時代に許可を受けてたとえば耕作をしている人があるとか、それから用途廃止引き継ぎ財産でありまして、その前に許可を得てすでに使っている人があるとか、そのような財産がございます。前段の完全な未利用地について申し上げますと、そのような財産の処分につきましては可及的に全体計画といいますか、その土地を最も有効に使う場合に、位置、環境その他から見てどのような目的に供したらよろしいかということを検討いたしまして、その際には地方公共団体の意見その他関係機関の意見なども徴しまして、なるべく妥当な計画を立てまして、その計画に従って処分をすることにいたしております。ただこれは従来ずっとやっておることでございますが、まだその辺で多少不十分なことがあるという反省をいたしまして、かつ先ほどもお話にありましたような行政管理庁の示唆ということもございましたので、本年度からその制度をさらに具体化いたしまして、先ほども申し上げました全国の主要な未利用地につきましては、一件別にカードをつくりまして、早急に具体的な利用計画を立てなさいという指導を現地財務局にいたしまして、本年度一ぱいかかりまして主要な未利用地についてはそのような計画を策定する予定でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 少なくとも国有地の払い下げという問題については、公用あるいは公共的な用途への優先的な転用ということを第一義に考えていかなければならないと思います。将来国において必要であるか、あるいは開発整備に関する諸計画に基づく要請があるかどうかという、そういうすべての点を勘案して、今後国有地の問題というものは考えていかなくちゃならぬと思うのです。この点貸し付け国有地に対して権利金を徴収するというようなことを一部大蔵省のほうでは考えられているというようなお話でありますが、その点についてどうでしょう。

市川広太郎大蔵省理財局国有財産第二課長

○市川説明員 貸し付けの国有財産につきまして、特に土地の場合でございますが、貸し付け料を徴しているわけでございます。この貸し付け料の算定方法は、財政法の趣旨にかんがみまして適正な時価によって貸し付けをする、民間におきます同様な物件においてどのような対価を徴しているかということも調査いたしまして、適正な時価に近づける、できるだけその時価で取るという形で運用をいたしております。したがいまして、先ほど御質問の権利金につきましては現在調査中でございますが、民間におきましてそのような権利金が徴されているという慣習が熟している地域がございますれば、その慣習に従って権利金を徴したいということで現在検討中でございます。ただこの問題は権利金の態様に応じまして非常に権利関係が複雑でございますので、極力実態を調査しなければいけません。それから現在国有財産の貸し付けを受けている人がかなり多数ございますので、急激に実施すると影響が大きくなるということも考えなければいけません。それでどのように具体化するかということにつきまして慎重に検討中でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 その問題も私はかなり問題点があると思うのです。一つ言うならば、国の意思によってたとえば貸し付けをしたところの財産を返還をしてもらおうというときに、その権利金が今度生じたことによって私物化され、そしてじゃまになるという点も十分考えられるのではないか。それからまた権利金を取る慣行もある場所と権利金をさほど必要としない場所との地域差という問題がかなりこの問題にもあるのじゃないか。それから国が営利事業を営んでいるわけではなく、特別の料金を徴収するという考え方にもやはり問題があるのではないか。そうして貸し付け国有地等には相当膨大な権利金を取って又貸しをしているという例を私は一、二聞いているわけでありますけれども、そういう民間貸し付けの実情というものがかなりそういう点について問題があると思うのです。その点について検討されておるわけですか。

市川広太郎大蔵省理財局国有財産第二課長

○市川説明員 民間の権利金その他貸し付け金の徴収の実情につきまして、非常に態様は複雑でございます。その複雑な態様に応じましてどのような対価が払われているかということをこまかく現在検討中でございます。  それから先ほどの御質問の第一点それから第二点につきましては、まことに御説のとおりでございまして、間違いのないように措置いたしたいと考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 既成公営住宅のビル化については、非常に居住者との間に円満を欠く点が多々あるというふうに聞いておるわけですけれども、その経緯、並びに現在の進捗状況はどのようになっているか、これについてお伺いしたい。

大津留温建設省住宅局長

○大津留説明員 古い時代に建てました木造の公営住宅の団地、これが先ほど来お話しのような土地事情でございますから、なるたけこれは建てかえて高層化をし、そこに従来の戸数の三倍以上の住宅を建てるということは今日非常に緊要な措置じゃないかと思っております。現在までの実績をちょっと申し上げますと、全国で四十二年度の実績が三千三百五十七戸になっております。本年度は四千九百三十七戸を実施いたしたいという計画でおります。なお、全国にはこういう建てかえをするに適した場所にある木造住宅というのがなお四万戸ばかりございますので、これは逐次計画を実施していきたいというふうに考えております。ただ、これを実施いたします際に、入居者との間に十分話し合いをいたしまして了解を得た上で円満にやるというのが最も好ましいやり方でございますので、事業主体は居住者の方々に説明をして御協力を得てやっているというわけでございますが、初めのうちはその間にいろいろ、必ずしもそういう協力体制が得られないで何回も話し合いを繰り返すというような過程を経てやっと話し合いがつくというようなケースが多い実情でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 公営住宅法のたてまえからいえば、確かにあなたのおっしゃるとおりに、それは強制的に建てかえるということはできないにしても、やはり入居者との話し合いの場合でも、もっと強力な行政指導が必要ではないか。少しその点について、何かしら行政指導にもう少し私は、公営高層住宅をつくるためにおいても、推進をする上においても、非常にそれが必要ではないかと思うのですが、その点はどうですか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留説明員 そういう御激励の御意見をいただくとたいへん心強く感ずるわけでございますが、この東京の青山の例におきましても、なかなか入居者が承知しないで裁判になったというケースでございます。裁判の結果はやはり立ちのきをせよという判決になっておりますので、そういう裁判の裏づけもございますし、世論もおっしゃるような方向だと思いますので、強力に実施したいとは思いますけれども、やはり実際の場合に当たりましては、入居者の方と十分お話し合いをいたしまして、円満に御協力を得られればこれにこしたことはないわけでございますので、つとめてそういうふうにしたいとは思っていますけれども、ただ事業主体が弱腰のためずるずるはかどらないというようなことはやはりよろしくない。十分積極的に話し合いを進めてやっていくべきだというふうに考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 住宅金融公庫の融資額ですが、実際の建築単価、敷地単価及び利子、対象規模において実情に全く即していない状態でありますが、持ち家制度の施策の支柱として昭和四十四年度予算においてどのように改善して実情に即していかれるか、その点についての御構想をお伺いしたい。

大津留温建設省住宅局長

○大津留説明員 住宅金融公庫の融資につきましては、先ほども公庫総裁から御答弁がありましたが、実際の建築費に対しまして公庫の融資額が非常に少ないということにつきまして、一つは単価の問題、それから一つは貸し付け対象の面積の問題がございます。来年度におきましてはできるだけ実情に沿うように改善をはかっていきたいと考えまして、建築単価につきましては一二%のアップを要求しております。それから貸し付け対象の一戸当たりの面積につきましては、賃貸住宅については二平方メートル、持ち家については四平方メートル引き上げるように予定いたしまして要求しておるような状況でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 そうしますと、工事費としては三一%ですか。用地費としては積み上げ計算がどれくらいと考えておられますか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留説明員 用地費をちょっと落としましたが、用地費が従来非常に低過ぎましたので、実はちょっとこれは多過ぎはせぬかという御意見もあるかもしれませんが、本年度の用地費に対しまして四倍以上のものを要求しております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 公営住宅施行法の一部改正に伴って収入基準の引き上げがあったようですけれども、その内容と基準についてお伺いいたします。

大津留温建設省住宅局長

○大津留説明員 公営住宅法施行令という政令でございますが、これを一部改正いたしまして入居の収入基準を改定いたしました。第一種公営住宅につきましては従来月収二万円をこえ三万六千円以下とありましたのを二万四千円をこえ四万円以下、第二種公営住宅につきましては現行の二万円以下とありますのを二万四千円以下、なお扶養控除一人当たり二千円となっておりましたのを三千円というふうに改定いたしました。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 その改正の理由としてはどういう点を取り上げられて改正をされたか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留説明員 いままでの入居基準は昭和三十七年に改定されたものでございますので、その後の物価の上昇等を考慮いたしまして――この間に消費者物価指数を見ますと四六・九%上がっております。したがいまして、大体この消費者物価指数をもとといたしまして、そのほかに所得の増加の状況を加味いたしましてきめました。ただ、第一種公営住宅につきましては、公団住宅の入居の資格とのつながりを考慮いたしまして、物価の状況からいいますと、もう少し高くなり得るところをこの程度に押えたという関係がございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 あなたのおっしゃるとおり、消費者物価が四六・九%値上がりするということで、第一種住宅については四万五千円に事実なるわけであります。そうしまして、四万五千円になるにもかかわらず四万円に収入基準を引き下げる。引き下げるというと語弊がありますが、四万円に収入基準をされたということなんです。私はむしろ四万五千円に収入基準を持っていって、それに対してすべて物価上昇に見合うところの収入基準というものを考えていかなくてはならぬじゃないか。それに対して四万円にされたということなんですが、その点についてどうも解せないのです。

大津留温建設省住宅局長

○大津留説明員 これはいろいろ考え方があり得るかと思いますが、実は三十七年にいままでの基準をきめて七年間やってまいりました。いま申しましたように、物価に比べましてもあるいは勤労者の収入に比べましても、相対的にだいぶ低くなってきておるというので、これは改定すべきだという意見が相当出てきたわけでございますが、反面現在までの基準によりましてもなお入居希望者の競争が相当激しい。特に東京のような場合は、なお何十倍という競争がございます。したがってこれをそうむやみに引き上げるのも適当でないという御意見も一方にあったわけでございます。ただ国会でも御指摘がありましたように、現在までのままでございますと、公営住宅にも入る資格がないし、といって公団住宅にも入る資格がないというブランクの階層が出るという状況にだんだんなってまいりましたので、それではいかにも不合理だということで、その点は少なくとも解消すべきであるということでいろいろ検討いたしました結果、先ほど申し上げたような結論になったわけでございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 公営住宅の収入基準が上がれば、それに該当する見込み世帯が当然上がってくるわけですが、その見込み世帯は大体何世帯くらいなんでしょうか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留説明員 いわゆる公営住宅の入居階層といいますか入居資格は、都市勤労者の全収入者に対しましてどういう割合をなしておるか。いわゆるカバー率といっていいかと思いますが、今度の改定によりまして、第一種、第二種含めまして公営住宅の入居者が、都市勤労者の全世帯のうち下から四〇%までに相なります。そのうち第二種公営住宅は、下から一七%をカバーするという割合になります。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 そうなってくると、あなたがおっしゃったとおり、確かに現在公営住宅には申し込んでもなかなか当たらないというのは定評であるわけです。収入基準を上げるということは私は非常にいいことだと思うので、そういうことは当然賛成でありますけれども、そうなってくるとさらにまた当たらなくなってくるということになるわけですが、そういうことに対して、政府は少なくとも収入基準をこれだけに上げられたということについては、どのようにして具体的に住宅政策を持って来年度の予算をおとりになるか、そういうことにしぼられてくると思うのですが、その点いかがでしょうか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留説明員 先日の都営住宅の応募の状況を見ましても、六十九・七倍という非常な競争率で、私どもも住宅難が依然として非常に深刻であるということに、実に身の引き締まるような思いで新聞を見たわけでございますが、現在の五カ年計画で予定しております公営住宅四十八万戸、これはぜひとも一〇〇%達成いたしたい。それから、特にそういう住宅難が激しい東京その他の大都市に対しましては、事業主体も、なかなか土地の問題その他で困難でございますけれども、できるだけやっていただいて、東京あたりで公営住宅をやりたいという希望がありましたら、ほかの地域はかりに削っても、東京に全部一〇〇%つけて、その達成を期したいというような考えでやっておる次第でございます。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 あなたがいまおっしゃる五カ年計画において、ただきめられた数的においての建設ということになれば、これは当然さらに六十・何倍のものがまた上回ることは間違いないと思うわけですが、この点について建設省としては、住宅の問題について大きく施策を変更して、もっともっと住宅を建てるような予算措置を要求すべきではないか、このように思うのですが、その点についていかがでしょうか。

大津留温建設省住宅局長

○大津留説明員 現在の五カ年計画でもなお不足ではないかという御意見でございます。私どもも実はできることならもっと公営住宅をはじめ全体の計画戸数もふやしたい考えでおりましたが、いろいろ住宅統計等から見まして、四十五年度までに六百七十万戸建てまして、一応一世帯一住宅という目的が達せられるということで五カ年計画がきめられたわけでございますが、少なくとも現在四十三年度終わったところでやっと五〇%というような状況で、はなはだ心苦しく思っております。残る二カ年間でぜひとも一〇〇%完遂をいたしたい、そして本年の十月一日の住宅統計調査の結果が近く出ますから、そういう新しい資料に基づきまして、また強力な計画を立てて実施に移していきたい、こういうふうに考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 それでは道路のほうについてちょっとお伺いいたしますが、三十九年の東京オリンピックは、各所に非常に建設ブームを巻き起こしましたけれども、現在四十五年の大阪万博に向かって逐年増大の一途をたどってきた道路投資もその有力なファクターとなって、再び建設ブームの到来が起ころう、そういうきざしが見えてきているわけであります。東京オリンピックに際しては、いわゆるオリンピック道路が首都高速道路公団によってつくられ、約七百八十八億円の道路資産を形成しておりますけれども、今日では阪神高速道路公団が大阪万博道路の建設を遂行している形をとっているわけです。オリンピック道路の建設の経過について、オリンピックの年次に事業が集中し過ぎて、いわゆる突貫工事の異常な状態等も見られ、事業の本格的遂行体制の確立がおくれたという難点も多々見受けられたわけであります。重要な点としては、用地の完全買収が停滞して、結果的には建設工事の本格化の時期をおくらした点が問題になっているわけでありますが、阪神高速道路公団はその前車の轍を踏まない上においてもどのような業務体制、そしていかなる考慮を払われているか、その点についてお伺いします。

竹内藤男建設省都市局長

○竹内説明員 オリンピック時点の前後におきまして、首都高速道路事業が事業に波を打ちましたことは先生御指摘のとおりでございます。それはオリンピック関連事業の用地買収に全精力を注いだ結果、それ以外の用地に手がつけられなかった、それが原因で四十年度以降事業がダウンしたということでございます。それも先生御指摘のとおりでございます。そのような首都高速がなめました苦汁をもう一ぺん阪神で起こさないということを私ども注意いたしておりまして、ただいま阪神公団も万博関連事業ということに精力を集中いたしておりますけれども、万博路線が四十四年度に完成しましたあと、四十五年度の事業といたしまして、大阪-堺線の湊町-高津町間、それから東大阪のほうに伸びます法円坂から長田間の事業というものが万博関連路線になっておりませんので、これが下の街路が整備されると、四十五年度以降円滑に着手できるというような事業として残っております。さらに、これだけでは足りませんので、万博の最盛期ではございますけれども、四十四年度に二路線の新しい着手路線を要求いたしておりまして、これにつきまして用地買収に着手いたしたい。この両方合わせますと、大体事業計画で三十四キロくらいになります。お金にいたしまして一千億程度の事業になりますので、さらに四十五年度に新規路線の着手をするということにいたしますれば、オリンピックのときに首都公団で起こりましたような事例を起こさないで済むようになるのではないかというような考え方で、四十四年度の予算要求に当たっておる次第であります。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 それでは、交通安全施設等の整備事業計画における横断歩道橋の年度別架設計画と完成状況はどうなっておりますか。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪説明員 現行の四十一年から始まりました交通安全施設等の整備の三カ年計画について申し上げますと、四十一年で横断歩道橋といたしましてつくりましたのが三百七十カ所、四十二年度が一千六百七十三カ所、四十三年度これを実施の予定の分も入れまして千百二十三カ所、合計で三千百六十六カ所となっております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 横断歩道橋を設置するまでの経緯はどのようにしてきめられるのですか、この点について……。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪説明員 これはまず道路管理者と公安委員会といろいろ協議いたしまして、交通事故の分析、どの地点にどういうものが必要か、こういうものを協議いたしまして、それによりまして設置の計画を作成いたし、それを建設大臣が実施を認可いたしまして、さらにその間でももちろん地元の意向を聞くわけでございますが、大臣の認可以後正式に地元との交渉を始めまして納得のいくところで設置をするという順序になっております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 確かに横断歩道橋をつくったことによって多くの人たちの人命を守ることができたということ、これは大きな成果ではないかと私は思うのですが、しかしその横断歩道橋をつくっても、その横断歩道橋を全然渡っていないというようなところが実はあるわけであります。  私のすぐ近所で馬込銀座の環七にかかっております横断歩道橋は全くそのいい例ではないかと思うのであります。そういうふうなところが見受けられるということは、どのようにして架設する前にこの協議が行なわれているかどうか、その点について私はどうも疑義があるのですが、そういうふうな場所に対しては今後どういうふうにしていくつもりなんでしょうか。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪説明員 ただいま御指摘の横断歩道橋をつくっても渡る者がないということ、これはせっかくつくったものでそういうことがあっては、やはりつくる場所の選定に問題があったということになると思います。いろいろいま言いましたように、横断橋をつくります前に公安委員会、警察署とも相談いたしまして、横断者の多いところについてまずきめるということなんでございます。ただもう一つ、この交通安全の施設の三カ年計画の中には学童、園児の通園路の安全施設も入っております。通園路になりますとやはり朝夕ということだけで、それでも幼稚園があり学校に行く児童の多いようなところにはやはりつくるようにしております。ただ全体から見まして、やはりそういうようなところについては昼間あまり人が通っていないということが言えるかもしれませんが、いまつくりましたところではやはり当初計画したのと違って人があまり通らないところもあるかと思いますが、大体が皆さん利用されておるのじゃないかというように感じております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 私がいま例をあげました環状七号線の馬込銀座にかかっている横断歩道橋でありますが、これは全く人に利用されていない。むしろ商店街とこちらとの間の横断歩道をどんどん渡っている状態なんですね。こういうのを私が見ますと、はたして何のために協議が行なわれたのか。しろうと目で見ても、あれはこちらからこういうようにかけらるべきが当然ではないかと思うのが実は別なところにかけられてしまったということでは、結果からいって実際にはそういう横断歩道橋をつくっても効果がなかったというような、まことに国民の税金をむだに使うような結果になってしまっておる。そういう点について、今後はやはりただつくったというだけでなくして、少なくともそれに対してどういう実情であるかということについて綿密な調査をする必要があるのじゃないか、そしてできるものならば何らかの方法を講じて変えていくべきではないか、このように私は思うのですが、その点はいかがでしょうか。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪説明員 確かにいま先生御指摘のように、いままで横断歩道橋というものが横断者のためには非常にいいんだということで、地元の陳情もございましてやったものもございますが、やはりいま言いました一つの道路投資の中で横断歩道橋というものはどういう効果を持っておるか、どの場所にどういうものが必要なのか、この辺は今後はよく綿密な調査をしまして、単に地元の陳情だけでつくるようなことにならないように、調査をして必ず有効だというところからやっていきたいというように考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 横断歩道橋については、これはいまの交通の非常に繁雑しておるときに人命を守るという意味においては、今後ますます進めていっていただきたい一人ではありますけれども、しかし実際にはそういうふうなむだなところもあるということを考えたときに、やはり検討していかなければならないのじゃないかと思うわけでありますが、いよいよ建設省は来年この交通安全施設のさらに第二次計画というものをお考えになっているというような状態でありますけれども、その点について具体的にひとつお伺いしたいと思います。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪説明員 実は現行の交通安全施設等の三カ年計画は四十三年度で終わります。いろいろ地方の方々、都会の方々の御意見をお伺いしますと、まだもう少しやってくれという声が非常に強いわけでございます。また、交通の実際の事故の現状を見ましても、まだまだ歩行者の交通事故というものが全体のシェアの中のパーセントが減ってないということもございまして、さらに四十四年度から四十六年度までの新しい三カ年計画をつくりたいというように考えております。  それで、ではこれをどういう形で今後の安全施設を進めていくかということが問題になると思います。私たち、先ほど言いましたように、交通事故の分析をいたしてみますと、やはり自転者なり歩行者と車との事故、こういうものが圧倒的に多く、全体の事故の約半分を占めているというような現状でありますので、まず歩道と車道を分離するということを優先的に取り上げていきたい。それとやはり横断個所の横断歩道橋、さらに車の交通の流れをよくするような、流れの阻害になっておるような狭い交差点の改良、これも大規模なものはもちろん改良工事でやるわけですが、小規模なものについてはこういう安全施設でやっていきたい。また交通の流れをよくするためのバスベイ、中央分離帯、こういうものをやっていきたいというふうに考えております。今後の新しい三カ年計画としては、全体の、国が補助しまたはみずからやる分について言うと、大体三分の二くらいが歩道になるのじゃないかというような感覚でございまして、全体の規模といたしましては、これはことしから交通反則金が地方にいきますので、地方の単独事業を入れまして大体千億前後のものを計画してまいりたいというふうに考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 それでは第一次計画と第二次計画の予算の比較はどうなっておりますか。また横断歩道橋の数はどうなりますか。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪説明員 第一次計画は昨年通園通学路の関係でふやしまして、当初の計画が五百六十億でございましたが、昨年の通園通学路の関係をふやしまして、道路管理者が行なう分といたしまして七百二十二億の三カ年計画になっております。これに対しまして四十四年度以降の数字は、先ほど言いました反則金による地方単独をどの程度見込むか、これがいまの計算では大体四百億近いものが見込まれるのじゃないかということもございまして、国が補助またはみずからいたしますもの六百億前後、地方単独が四百億くらいで、合わせて千億前後というのがいまの一つの目安でございます。こまかい数字についてはいま詰めておる状況でございます。  その中で横断歩道橋について言いますと、これはまだ地方の単独についてどういうものをするかの問題がございます。地方の単独事業につきましては、大体区画線とか照明とか、そういういままでの二種事業を当てていきたいというように考えておりますが、横断歩道橋については、地方単独は多少は行なわれると思いますが、そう数が多くないように思います。横断歩道橋について言いますと、現在の計画が、これは地下の横断施設を入れまして三千二百二十二カ所予定しておりますが、新しい五カ年計画についてはそれより少なくなりまして、大体千八百から千九百カ所くらいになろうか、そういう想定をしております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 私はこれは問題があると思うのですね。少なくとも第一次計画においては三千二百二十二カ所の横断歩道橋、これは決して十分な数字ではないわけであります。なおそれに対して今後も、人的の安全を守るという意味においても、さらにさらに強力な推進を必要としなければならない時点において、三千二百二十二カ所から今度は千八百カ所に減ってしまうということは、明らかに建設省自体が、第一次計画に比べると第二次計画は後退をする予算編成である、そのようにいわれてもしかたがない。そういう時点においては、現在の交通安全の一つの国民的世論からいうならばギャップがあるのではないか。もう少しその点について私は再考する必要があるのではないか、そう思うのですが、その点どうでしょうか。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪説明員 横断歩道橋につきましては、どういう場所にやったら一番効果があるかの問題があると思います。実はやはり横断歩道橋でいままで二車線の道路につくった例もございますが、二車線の六メートル、七メートルとかいうことになりますと、つい上を渡らずに下を通るということにもなりまして、これからは四車線以上の道路でないとなかなか横断歩道橋の利用も十分じゃないのではないか。二車線程度の道路の場合はやはり信号によりまして、二車線の道路を渡るのはそう時間もかかりませんから、やはり信号で一回車をとめて渡るというようなことのほうが安全じゃないかということを考えております。またいまの減ったということでございますが、やはりこれは今後新しくつくりますバイパス等につくります横断歩道橋、こういうものは道路の改良と同時にやられるものでございまして、これはすでに改良のときできなかった既存の道路についての横断歩道橋でございますので、私たちいま四車線の道路を考えますと、この辺はこれからの検討事項だと思いますが、あと千八百から二千くらいあれば非常に改善されるのではないかというような感じを持っております。これも先生のおっしゃいましたこともよく頭に入れまして十分検討したいというように考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 道路整備五カ年計画の総予算は約六兆六千億になんなんとしておるわけですが、その他安全施設のための予算というのは第一次、第二次含めましてから約千四、五百億円で大体全予算の二%くらいにすぎないわけであります。わずか二%の予算をもって安全施設のための予算だ、そういうことについては、建設省は案外と安全施設の問題に対しては気乗り薄の状態ではないか。そうとしか思えない予算ではないかと思うのです。その点について私はもっともっといまの世論の動向から考えるならば、安全施設に対する予算を取っていくべきではないか。そういう点についてもう一度お考えをお伺いいたします。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪説明員 道路については、これは先生も御承知のように現在の道路と交通の状況、ことに車の保有台数の伸びからいいますと、道路は交通の状況に比べてまだまだ立ちおくれておると思います。その中でやはりドライバーが非常に混んだ道路を走りまして、それが原因となって事故を起こす場合もございます。またそういうことも考えますと、やはりいま東京都内、大都市はもちろんでございますが、地方においても道路の交通の容量と車の交通量とはだんだん差が大きくなりまして、非常に混んでくるような状況でございます。そういう意味でやはり道路の改良をするということ、新しい道路をつくるということもやはりこれは全体の交通の流れをよくし、円滑な交通に資するものだと思います。実は交通安全施設は先ほど言いましたように、すでに既存の道路について行なわれますものでございまして、今後つくります道路については全部改良費の中でやっておるわけでございます。この前飛騨川のああいう痛ましい事故がございましたが、あの道路をつくりますについてもいろいろあとから数字的な計算をしてみますと、全体の改良費のうちの約一〇%くらいは安全施設といいますか、たとえば交通安全のための土砂の崩落を防止したり、区画線を引いたり標識をつくったりそういうようなものに使われておるのでございまして、たまたまこの安全施設という項目ではそうでございますが、改築の中にかなり大きな安全施設をつくるような計画はしておる次第でございます。やはり新しい道路をつくるときに今後は安全施設が不足しないようにつくっていくということを心がけていきたいというふうに考えております。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 それじゃ建設省にはこういうふうな安全施設を担当する専門官というのは何人くらいいるのですか。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪説明員 現在は、これは一般の道路の改良工事と同じように、直轄につきましては、国道第一課で、これは災害その他を維持修繕とあわせて一つの係でやっております。また補助につきましては企画課の中に係を置きましてやっております。この安全施設について四十三年も安全施設の調査官というものをいろいろ機構的に要求したのでございますが、現実には実現しなかったようなことでございます。私たちやはり安全施設につきましては土木研究所で研究をさせておりますし、直轄の技術研究会その他でもこれの効果その他については十分検討をしておりますし、その点は決して軽視をいたしておる次第ではございません。

鈴切康雄公明党

○鈴切委員 私は、少なくともこれだけの予算を使って交通安全対策のことを取り扱う以上は、交通安全対策専門官をやはり設けて、この点については検討をしていくべきではないか、このように思うわけです。その点は要望しておきますから、ひとつよく検討してください。  最後に、近ごろのわが国の建設投資の伸長は実に著しいものがありますが、公共事業関係費として国費を投入した実績を見ますと、昭和四十一年度決算においては、支出済み歳出額は九千百二億円にのぼり、この額は前年度七千七百三十二億円を約千三百六十九億円以上も上回っております。三十五年の三千三十六億円に比べると約三倍の膨張を示しております。これらの公共投資額の伸長、増大はわが国の道路、港湾、公共住宅等の充実あるいは災害に対する国土保全等に資するものであることはもちろんのことでありますが、それに伴い土地価格、特に市街地の土地価格はウナギ登りに上がりまして、三十九年度から建設省の実施している地価調査の結果によると、東京周辺地域、環状七号線以遠の地価の上昇の平均は、四十年三月から四十一年三月の一年間に九・六三%上がって、不動産研究所の六大都市の市街地価格指数による一・七六%に比べても非常に高い。したがってこれらの投資額のうち用地取得費の中に占める比重は年々大きくなり、たとえば道路投資では、この用地関係費のウェートは逐年大きくなっております。このことは公共投資の名目的伸長と公共的施設の実質的充実整備の伸長とが相伴わなくなるおそれが十分にあるわけであります。そこで政府は、土地価格の安定対策として、従来宅地制度審議会の答申を受け取られておりますが、しかしいまだ実効ある施策を実行するに至っていませんが、この問題に関して各方面からの総合的施策を要すると思うが、具体的にその対策をお示し願いたい。

川島博建設省計画局長

○川島説明員 地価の高騰が大都市周辺を中心に少しも衰えていないことは御指摘のとおりでございます。これに対しまして政府は従来いろいろ政策努力をしてまいりましたが、必ずしも十分の成果をあげていないことについては、まことに遺憾に存じておる次第でございます。御承知のように昭和四十年の十一月九日に地価対策閣僚協議会は地価対策の基本方針を決定をいたしまして、政府はこれに基づいて各種の施策を展開しつつあるわけでございます。昨年の土地収用法の改正さらに本年の五十八国会における新都市計画法の制定、これらはいずれも地価対策の基本方針に沿ったものでございます。しかしながら今後におきましてもさらに幾多の対策を展開をする必要があると思いますが、当面建設省といたしましては、来年度の施策といたしまして、まず第一点としては、これは大蔵省あるいは自治省等の税制当局にお願いをすることになるわけでございますが、去る七月に出されました税制調査会の土地税制の改善に関する意見、これの完全実施をまずお願いしたい、これが第一点。  それから第二に、公的土地保有の拡大をはかりますために、現在の土地開発資金を改組いたしまして、拡大改定をいたしまして、中央土地基金制度をつくる、これは新都市計画法に基づきまして各地方団体が都市計画決定にかかります用地あるいは工場、土地等を買収いたします資金を国から流す機関にいたしたい。  それから第三点といたしましては、かねてから懸案になっております地価公示制度、いよいよこれの実施に踏み切るべきではないかと考えまして、昭和四十五年度から実施をするという前提で、来年度その実施機関でございます土地鑑定委員会を建設省の外局として発足させたいと考えております。当面はこの三施策を推進することによりまして地価の安定に資したいというふうに考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員長代理 以上で鈴切君の質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十七分散会

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