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58回国会参議院1968/04/10

予算委員会第二分科会 第1号

発言数
399
登壇者
21
会派数
4
開催日
1968/04/10

会議録

小山邦太郎自由民主党

○小山邦太郎君 それでは、ただいまから予算委員会第二分科会を開会いたします。  本院規則第七十五条によりまして、年長のゆえをもって私が正副主査の選挙を管理いたしたいと思います。  これより正副主査の互選を行ないますが、互選は投票によらずして、選挙管理者によってその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小山邦太郎自由民主党

○小山邦太郎君 御異議ないと認めます。  よって、この際、正副主査の御指名を申し上げます。主査に近藤英一郎君、副主査に千葉千代世さんを御指名申し上げます。どうぞ御同意をちょうだいいたしたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小山邦太郎自由民主党

○小山邦太郎君 満場御同意をちょうだいいたしましたので、直ちに主査に御着席を願いたいと思います。それでは失礼いたします。     —————————————    〔近藤英一郎君主査席に着く〕

近藤英一郎自由民主党

○主査(近藤英一郎君) ただいま皆さま方の御推挙によりまして、主査をつとめることに相なりました。ふなれなものでございますが、どうか御協力のほどを心からお願いをいたします。  速記をとめて。    〔速記中止〕

近藤英一郎自由民主党

○主査(近藤英一郎君) 速記を起こして。  審査に入ります前に、議事の進め方についておはかりいたします。  本分科会は、昭和四十三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、防衛庁、経済企画庁、外務省、大蔵省及び通商産業省所管を審査することになっております。十二日の委員会において主査の報告を行なうことになっておりますので、議事を進める都合上、主査といたしましては、本日午前通商産業省、午後外務省、明日午前防衛庁、午後大蔵省、明後日経済企画庁という順序で進めていきたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

近藤英一郎自由民主党

○主査(近藤英一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

近藤英一郎自由民主党

○主査(近藤英一郎君) 昭和四十三年度総予算中、通商産業省所管を議題といたします。  まず、慣例では、政府側の説明を求める順序でありますが、説明はこれを省略して、お手元に配付いたしてあります資料をごらん願うこととして、直ちに質疑に入ります。  また、その説明の資料は本日の会議録の末尾に記載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

近藤英一郎自由民主党

○主査(近藤英一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  それでは、質疑のある方は順次御発言を願います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 ただいまお話しのように、各委員の質問要求時間が非常に多くて調整しなきゃならないお話でございますから、私も極力御協力いたしたいと思います。したがって、私の質問に対して政府側でも簡潔に、だらだらじゃなく、通告してございますから、要領よくひとつ御答弁願いたいと思います。  まず、私はインドネシアの焦げつき債権の処理の問題について質問いたしたいんです。この問題は、すでに予算委員会で質問いたしましたが、時間がなくて十分にただすことができませんでした。この問題について具体的にひとつ伺っていきたいと思うんです。まず、輸出保険特別会計につきまして、返納金というのがございます。これは昭和四十年から四十三年度までこれはどのぐらいの数字になっているのか、まずこの点からお伺いしたいと思います。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) 四十年度の回収金が三億一千百万円、四十一年度二十七億二千百万円が実績でございます。四十二年度の予算におきましては、百五億九千二百万円でございます。四十三年度の予算が七十六億九千五百万円でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 四十年度は私が計算したのとちょっと違うんですが、私は五億三千三百万円。これは予算書から調べたんですが、さっき三億一千百万円と言われましたが、それは違うんじゃないですか。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) おそらく木村先生御指摘の数字は予算のときの数字でございまして、いま私が申し上げました四十年度と四十一年度の数字は実績でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 実績ですか。わかりました。  いまの御説明でもわかりますように、この返納金が四十二年度に急にふえているわけですね。つまり、四十年度は三億千百万円、四十一年度は二十七億円、四十二年度になると百五億九千二百万円となっている。それから四十三年度も七十六億九千五百万円というお話ですが、なぜ四十二年度に返納金というのが急激にふえたのか、この理由について説明していただきたいと思います。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) 御承知のとおり返納金ないし回収金と申しますのは、保険金を支払いました分が後に回収されましたときに、保険会計といたしまして保険金を払った者から回収するわけでございます。四十二年度に多額の回収金がございましたわけは、同年度特にインドネシア等を中心といたしまして保険事故が大規模に発生をいたしまして、保険金の支払いをいたしました分がその後回収されたという額が計上されているからでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 インドネシアにそんなに保険金を支払う財源ございますか。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) 現在までのところ可能でございますので、そのとおり払ったわけでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 なぜ可能なんですか。具体的に説明してください。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) 保険料収入及びいままで積み立てておりました回収金その他が準備されておりまして、大体そういうものを充てまして、さらに補正予算におきまして、資金繰り上三十億の追加出資をいたした、これによって可能になっておるわけでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そうじゃないですよ。これは私の質問のしかたが悪いかもしれませんが、回収金が四十二年度に急激に百億台にふえたのは、インドネシアから回収したと言うのでしょう。インドネシアはもう御承知のように革命が起こりまして、九・三〇事件を見ましても、中央銀行もつぶれるというぐあいに破産したのです。そういうところで支払いをする能力があるはずがないじゃないですか。それなのになぜ回収ができたのですか。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) インドネシアにつきましては、先生御指摘のとおり外貨事情が非常に悪く、政権も交代をいたしまして、中央銀行が金が払えなくなった。したがいまして、世界各国が集まりまして、この経済の立て直しのために債権国会議というものが数回にわたって持たれました。その結果、各国応分の債権の繰り延べ等をやるべきであるという結論に達したわけでございます。その結論によりまして、日本も昨年度四千四百万ドル見当の通常リファイナンスと呼ばれております債権の繰り延べを行なったわけです。その結果、そのリファイナンスによりまして、インドネシア側が期限の来たもの等につきまして払ってまいりました。したがって、その結果保険をそこから回収するということが可能になったわけでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 なぜ早くそういうふうに説明してくれないのですか。ですから、リファイナンスはどこから来たのですか。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) 輸出入銀行でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そうでしょう。ですから、日本輸出入銀行からインドネシア側にリファイナンスした、いま四千四百万ドルと言われましたが、交換公文では四千五百万ドルになっていますよ。どうして四千四百万ドルなのか、お聞きしたい。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) 定められたいつからいつまでのどういう債権を繰り延べるというものの大まかな目見当が四千五百万ドルというので、実際に去年行なわれましたのは四千三百六十万ドルでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そうしますと、輸出入銀行からインドネシアにリファイナンスして、それが回収金となって、その回収金でいわゆるこげつき債権を支払った、こういうことになっているわけですね。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) 焦げつき債権という定義がなかなかむずかしいわけでございますが、私どもが焦げつき債権と申しておりますときには、貨物を輸出いたしましたその代金の支払い期限がきまして、それにもかかわらず向こうが払ってこないという債権を通常焦げつきと申しております。その意味でまだ期限がこないけれども、債権としてはあるという、いわゆる債権残高と少し違うわけでございます。したがいまして、今回の場合には期限がきたものについてのリファイナンスが行なわれまして、そによって向こうが日本の個々の業者に対して支払いをすることが可能になったわけでございます。したがいまして、個々の輸出業者のほうに代金の支払いが行なわれましたので、保険会計としましては、前に払っていた保険金を個々の輸出業者から回収をした、こういうわけでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それじゃ伺いますが、この輸出保険法の第一条の四ですね。保険料率という規定のところで、それによりますと、「輸出保険の保険契約の保険料率は、この法律による政府の保険事業の収入が支出を償うように、政令で定める。」となっております。ですから、この会計は保険料で収支相償うようになっているわけですね。にもかかわらず、さっきのお話では輸出入銀行のリファイナンスによって、インドネシアに対するリファイナンスによってそれで回収をして、それで払っているわけでしょう。これは本会計の趣旨と違反してないですか。もとるんじゃないですか、この精神に。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) 先生御指摘のとおり輸出保険はいわゆる独立採算制と申しますか、収支償うという原則で貫かれております。しかし、これはある単年度が収支そのまま償うという趣旨ではございませんで、長年にわたりまして収支償うというぐあいに考えております。現在までのところ昭和二十五年に発足いたしまして以来黒字を出した年がたしか十五年ぐらいありました。赤字を出した年はごくわずかでございます。そういう長期にわたる採算におきまして収支償うというふうに考えております。今度の場合も非常に巨額の事故が起こったわけでございますが、輸出保険はこういう輸出者の責めに帰すべからざる非常に大規模な事故が起こるのを見るためにある、民間の保険ではできないということで国がやっている制度でございます。したがいまして、こういう予測すべからざる大きな事故のために、たまたま四十二年度はかなりの損失を出さざるを得なくなったわけでございますが、長い期間にはこれを収支償えるように持っていけるものと私ども考えております。そこへたまたま債権国会議の結論に従いましてリファイナンスということが行なわれましたので、私どもの予想よりは早く、保険会計としてはきわめて早くその損失が回収される状態がきつつあるというふうに理解をいたしております。確かに先生のおっしゃいますとおり、リファイナンスがなければ、このカバーにもうちょっと長くかかったということになろうかと思いますが、しかし、本年度だけで収支償うという趣旨ではないわけでございますので、リファイナンスによりまして若干早くその状態がくるということになっておるわけでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それは一応の表面を糊塗する説明でありまして、それは通産省でもインドネシアのいまの経済状態がどうなっておるかということを知らないわけじゃないと思うんですよ。それから債権国会議といいましても、これは全部の債権国が参加しておるわけじゃないのです。これはまたあとで御質問いたしますよ。したがって、これは輸出入銀行法のリファイナンスの規定によりましても、これは全部または大部分の債権国が承認をした条件に基づいてでなければリファイナンスできないことになっておるのです。ところが、現実は一部の債権国が集まって債権国会議を開いてやっておるのです。だから今後非常に問題が残るわけですよ。これから聞いていきますが、全部のいわゆる焦げつき債権が、期限内に払えない債権がどのくらいあるかはまた伺いますが、大体われわれの調べでは、半分以上はこれは共産圏、あるいは債権国会議に参加していない国の債権なんですよ、半分以上は。そういうところはバイラテラルでやっておるとか言っていますけれども、参加していないんですから、あとでどうなるかわからぬですよ。そうでしょう。その成り行きいかんによっては。それで個々にみな債権を取り立ててしまって、あと返済できないという問題もございますし、それからいまのインドネシアの経済状態は一体どうなっているか、長期見通しに立ってと、いまのお話では。これは国民の税金ですよ。あとで聞いていきますが、そんな長期にわたってこれが収支相償うなんという問題じゃないですよ。私はこういうインドネシアの焦げつき債権をこの保険特別会計で処理するということ自体がこれは非常に不明朗であり、間違いだと思うのです。本来なら、はっきりとインドネシア焦げつき債権処理のそれだけの一つの項目を起こしてやらないと。それと普通の輸出保険とごっちゃにして処理しているところに問題がある。通産大臣その点いかがですか。非常に不明朗じゃないですか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 将来の見込みについて非常にあなたは悲観的なことをおっしゃる。私は終局的にそう悲観すべき状態じゃないと思う。政権が張り切って、そして国の財政の立て直しに非常に熱心にやっております。それからまたインドネシアの資源、そういうものから考えても非常に豊富な資源を擁しておるのでございます。そういうことから考えまして、それからまたその運営等についても国際機関のほうから相当な人々が入って、そうして立て直しに協力しておるというような関係からいいまして、私はこの程度のことは数年の経過によって私はだいじょうぶ立て直り得る、さように考えております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それではいまのインドネシアの経済情勢、最近の情勢を報告してもらいたいと思うのです。いまスハルト政権下のものすごいインフレ状態にありまして、これは通産大臣、数年後に安定するというようななまやさしいものじゃありませんよ。かなりこれからも問題になるでしょう。日本がかなり援助でもしない限り、またほかの債権国がかなり援助しない限りそんな簡単なものではないのです。そればかりでなく、インドネシアの焦げつき債権をこの保険で処理すること自体——この保険料収入で独立採算でこれは収支相償うことになっておるのです。それを通産大臣、いまの保険の精神に反するじゃないですか。保険料上げたのですか。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) 先ほどから何べんも御説明申し上げているところでございますが、保険で焦げつきを処理したのではございません。焦げつき債権に対する繰り延べを行ないましたのはリファイナンスによってやったわけでございます。ただ保険はたまたま向こうが支払いが行なわれませんでしたので、保険の約款に従って保険金を支払っておったのでございます。それがリファイナンスによって向こうに繰り延べが行なわれました結果、向こうが金を払えるようになってきましたので、保険は結果として金が回収されたというだけでございまして、インドネシアの焦げつき債権を処理しておりますのは、繰り延べの面ではリファイナンスでございます。したがいまして、その意味では保険で処理をしておるというのは当たらないのではないかというように私どもは理解をいたしております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 私は形式論を言っているんじゃない、実態論を言っている。わかり切っているじゃないですか、そういうことは。この保険のたてまえは。  それじゃ伺います。いま保険料はどうなっています。保険料はその後どういうふうな推移をたどっているのか、聞かしてください。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) 基本料率は政令で定められております。インドネシアにつきましては、四十年の八月から通常の料率より高い料率、これは保険会計といいますか、保険業務の性質上、どの国にどういう高い料率をやっているということはちょっと公表いたしかねるわけでございますが、保険会計の許す限りの一番高い料率にその当時から上げております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それは幾らなんです。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) 普通の料率の三倍でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それでどのくらいの収入になるんですか。いわゆるインドネシアの焦げつき債権とぼくは言っていますが、これは不良手形を政府が引き受けるようなものですから、焦げつき債権を言っているんですが、これは善良手形じゃありません、不良手形でしょう。したがって焦げつき債権を言っているんですがね。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) 保険は、これは輸出保険特別会計に限りませずどの保険制度でもそうでございますが、非常に多くのつまり輸出全体で、ある特定の国あるいは特定のときに起こった事故をカバーするという趣旨でございます。したがいまして、インドネシアだけの保険料の収入でインドネシアに起こった保険金支払いという事故をカバーするというたてまえではございませんで、また為替とか、内乱、その他輸出保険がカバーいたしますような事故はなかなか予測しがたく、かつ大規模なものが通常でございます。世界各国事故が起こりますときには非常に大きな事故が集中して起こるというのが通常のようでございます。したがいまして、保険会計といたしましても、数年間あまり事故がない時代に積み重ねました保険料収入あるいはその他の利益というものをずっとためておきまして、それによって万一事故が起こった場合をカバーするというたてまえでございます。したがいまして、インドネシアのこの三倍ではございますけれども、その保険料収入だけでインドネシアの事故をカバーするというふうにはとうていいかないという点は御了承いただきたいと思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 ですから、この会計は保険料収入によって収支相償うというたてまえになっているが、保険料収入ではインドネシアのこの期限がきた債権についての保険金支払いができない、そうでしょう。できないのでリファイナンスという形をとったんでしょう。ですからこの保険会計の趣旨に反しているわけなんです。本来なら保険料をもっとうんと上げて収支相償わなければならないわけです。しかし、インドネシアの多額の期限内支払いができない不良債権というんですか、そういうものが出たためにリファイナンスをやらざるを得なくなった。したがって、たてまえとしてはこの保険の会計のたてまえに反しているんでしょう。とにかく事実は事実じゃありませんか。それじゃ独立採算は放棄するんですか。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) リファイナンスは保険を埋めるためにやったわけでございませんで、インドネシアの窮状を救うために債権の繰り延べをやったわけでございます。保険はリファイナンスとは無関係に、保険事故が起こりましたので保険約款に従って払っていたわけでございますが、その規模が大でございましたので、四十二年度だけを取り上げました場合には保険料収入その他だけではまかなえないという状態が資金繰り上起こったわけでございます。したがいまして、独立採算制というたてまえから申しまして、私どもはこれを長年にわたって、そういうインドネシアの事故が起こったというような事故率といったものも考慮いたしまして、これからどの程度の期間で収支償う程度に持っていき、さらに黒字を出してその次の事故に備えるかというようなふうに考えるわけでございまして、リファイナンスがたまたま各国協調して早く行なわれました結果、保険としてはわりに早く回収が行なわれた。保険会計としてはこれは非常に幸運なわけでありますが、そういう結果が生じたというふうに考えております。したがいまして、保険特別会計としまして、収支償うようにという原則を満たしているというふうに考えるわけではございませんで、やはり長期にわたりましてこれを取り返していく、そのために、先生御指摘の料率その他につきましても、事故率その他を入れて考慮するというふうに持っていきたいというふうに考えております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それは何か非常に弁明みたいなことばかり言われておるのですが、私は実態論として伺っているのですが、それは国民の税金をそういう形で使うのですから、きびしく私はこれを明らかにしなければならぬと思うのですが、保険保険と言っていますけれども、たとえば大震災が起こったような場合に保険会社は支払いができませんね。それで政府は特別融資というのをやりますね。特融それと同じことなのです。国際的に見まして、ファイナンスと保険と関係がないと官僚的答弁をしていますが、実際はそうなんですよ。そうじゃなければ回収ができないじゃないですか。そうでしょう。実態はそうなっておるのです。それが何か関係がないと言っておることはこれは非常に国民をごまかすものですよ。実際問題として特融と同じなんですよ。そうじゃないのですか。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) 保険会計では、歴史の上でいままでも中南米の場合でありますとか、いろいろ事故が起こっておるわけでございます。それをそのつど何とか回収してこられたわけです。今回の場合もリファイナンスがもし早く行なわれていたとすれば、保険にはこういう問題が起こらないで済んだ可能性もあったわけです。実際問題としまして、各国の歩調がそろわないとか、いろいろな関係でリファイナンスがおくれましたので、保険を払わざるを得ない。払いましたが、あとでリファイナンスが行なわれましたので、向こうが払ってまいりまして保険金を回収した、こういうことになるわけでございます。したがいまして、インドネシアに対する焦げつきを処理すると申しますか、焦げつきに対して金を融通して繰り延べをするというのはリファイナンスによってやったわけでございまして、保険でやったということではないわけでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そこが理屈であって、リファイナンスがなければ保険金の支払いはできないのです。今度あるいは一般会計から繰り入れるとか何かしなければならぬわけですよ。あとで聞いてみますが、リファイナンスの金もこれは輸銀から出るわけです。輸銀の金は産投特別会計から出るわけです。産投特別会計は一般会計から出ているのです。結局国民の税金なんです。ですから、リファイナンスという形でその保険金支払いの財源を調達するか、あるいは直接に一般会計からすぐに保険特別会計に出資という形で入れて払うか、これはどっちかの問題なんです。結局国民の税金なんですから、それによって商社の焦げつきを処理してやるということになっておるのですね。実態はそうなんです。  そこで、時間がございませんから具体的に伺っていきますが、これは長期にわたって、保険金を支払っても回収はできるのだと言っておりますが、そこで、それじゃインドネシアのいまの経済、財政、貿易、これはどういう状態になっておるかが第一。それから第二に債権国会議ですよ。債権国会議とよくいわれますが、それはどういう構成で、そこでどういう議決になっておるのか。最近スハルト氏が参りましたが、これも債権国会議で三億二千五百万ドルですか援助する、その中で日本とアメリカが三分の一ずつぐらい援助を期待しているなんて言っておりますが、債権国会議の経過、現在どうなっているか、その内容を。それと第三番目は、この保険会計の処理の対象となる期限内に支払うことができない債権、いわゆる私が言う焦げつき債権です、これは金額として幾らなんですか。それで、全体で世界各国の分と、債権国会議で確認したものと、それからその中の日本の分ですね、それについては参議院予算委員会で伺ったときに数字が違うのですよ。三つぐらい違った数字があるのです。その点についてお伺いしたい。まず三点お伺いしたい。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) インドネシアの経済については、先ほど大臣からもお話がございましたが、確かにほかの国に比べまして、きわめて順調に推移していると言うわけにはまいらないかと思いますが、最近、自助努力、経済再建ということにかなり力を入れてまいっております。その結果、昨年におきましては、物価上昇率あたりも以前に比べますとだいぶ少なくなってきて、六五年には七倍に上がりました。それから六六年にも七・四倍上がりました物価が六七年には二・一倍だけ上がっている。これも通常の常識から見ますとかなり高い数字ではございますが、上昇率としてはかなり下がってきている。それから国内におきましても均衡予算の実施をいたしまして、金融引き締め、それから冗費節約、貿易為替制度の正常化、それから外資導入法の設定といったようなことをやっておりまして、これできわめて順調というわけにはまいりませんが、とにかく復興と再建のほうへ歩み始めておるというふうに私どもは考えております。  それから第二の債権国会議の状況でございますが、第一回は一九六六年の九月十九日から二十日まで東京において開かれました。参加国が八カ国とオブザーバー三カ国、合意しました事項は、一九六六年六月末までの支払い遅滞債権、及び六六年七月から六七年十二月末までの支払い期限到来債権を繰り延べるという合意でございます。第二回目は、六六年の十二月にパリで開かれました。参加国は同じく八カ国とオブザーバー二カ国、そのほかにIMF、世銀、OECD並びにインドネシア自体が参加している。第一回のときにもインドネシア自体が参加しております。この会議におきます合意事項は、東京会議の合意に基づく繰り延べ対象債権の一〇〇%を繰り延べるということ、それから返済条件は七〇年末まで据え置き、七一年から八年間不均等分割払いとする、それから繰り延べ利子はできるだけ低く定める云々というような点でございます。第三回目は、六七年二月、アムステルダムにおいて開かれました。参加国九カ国、オブザーバー五カ国、そのほかにIMF、世銀、OECD等と並びにインドネシアが参加しております。合意事項は、対インドネシア援助必要額を約二億ドル程度と見まして六七年の前半でできるだけ早く借款または贈与によりこれを満たすべきである。それから援助方式は品目別に割り当てを行なうことでなくて、輸入をインドネシア市場の需給関係にまかせる、いわゆる輸出ボーナス制度、通常BEと申しておりますが、の制度によるということにする。それから借款条件も期間、金利等きわめてソフトにする。繰り延べ金利につきましては三、四%とするといったような点でございます。第四回目は六七年六月オランダのスケーヴェニンゲンで開かれておりまして、参加国九カ国、オブザーバー四カ国、その他IMF等と並びにインドネシアでございました。六六年から援助の繰り越し分四千万ドルと新規援助をインドネシアに供給する見込みとなったことを確認いたしております。六七年十月に第五回パリ会議が開かれまして、参加国九カ国、オブザーバー四カ国、その他IMF等並びにインドネシアが参加をいたしまして、六八年末までに期限の到来する債権を六七年末までの期限到来分と同様の方式で繰り延べる云々といったようなことをきめております。第六回目はアムステルダムにおきまして六七年十一月に開かれました。参加国九カ国、オブザーバー四カ国IMF等の国際機関とインドネシアが参加をいたしました。一九六八年の援助必要額はおおむね約三億二千五百万ドル程度であると推定をいたしまして、各国政府が援助供与にあたってこの数字に留意するよう勧告をするということで合意を見ております。大体以上であります。たいへん急ぎまして恐縮でございます。  それから、三番目の御質問の焦げつき債権の額でございますが、IMFで通常いわれております数字はインドネシア側が提供した数字といわれているのであります。したがいまして、こまかい点において、まあ国をあげて言うのはどうかと思いますが、少し不正確であると考えます。ただその数字によりますと、世界各国に対する債権残が二十三億ドルございまして、そのうち共産圏が十三億ドル、その大部分がソ連でございます。日本は二億二千三百万ドル、その他フランス一億一千万、西独一億六千六百万、イタリア一億二千三百万、オランダ五千四百万、イギリス二千七百万、アメリカ一億七千八百万ドル等であります。これに対しまして、日本側の私どもが通常使っております債権残高は一億飛び三百万でございます。これは一億三万百に賠償担保借款による債権四千七百万を加えますと、一億五千万になるわけでございます。この一億五千万と、インドネシア側の、ないしIMF側の数字との違いは、大部分が、当方が船積みをしなかった分はまだ債権が発生していないと考えておるのに対しまして、インドネシア側はそれも契約をしておるわけでございますから、という意味でございましょうか、債権残高に入れているという点で違ってきているようでございます。一億三百万の債権残——民間債権につきまして、中長期の債権が七千八百万、短期ないし標準決済と呼ばれるものが二千五百万でございます。  以上がインドネシアの債権残高の数字でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 IMFの数字もあるわけですね、それからいま日本で通産省で調べられたものもある、それからインドネシア側で調べたものもある。数字が違っているんですが、そしてまだほかにいろいろなインドネシア側からの放送によると、もっと非常に多いような大蔵大臣の放送も行なわれているようなんです。そこで問題は、この保険の対象となる債権をどれだけ確認しているとか、それで今後もまたそれがふえてくるのか、ふえてこないのか、その点ですよ。はっきりいまここで伺っておきたい。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) ただいま申し上げました数字は、IMF資料によりますものも私どもの数字も六六年六月末の数字でございます。この債務残高の確定という仕事は通産省がやっているわけではございませんで、私どもがお聞きしている数字でございますが、この一億三百万ドルの数字がその後次第に減少をいたしまして、中長期のほうは二千六百万、標準決済の分は千二百五十万に減ってきております。これは先ほどお話のございました中長期のほうはリファイナンスによって払ってきた分でございます。標準決済のほうはインドネシヤ側が約束によりまして自発的に支払ってきている分でございます。そのかわり円借款及びリファイナンス等によって新たな債権というものが発生しているかっこうになりますので、さらにまた賠償担保が四千七百万から二千万減っておりますので、それを全部加えますと、六七年十二月末で一億七千五百万に債権、こちらの残高というものが減っていると聞いております。  なお、保険に関係がございますのは、債権残高のうち民間債権三千八百九十万に当たる分でございます。中長期の二千六百四十万と標準決済千二百五十万を加えました分でございますが、そのうち二千六百四十万に当たる中長期の分は、先ほどからお話のございますリファイナンスの対象になる分でございます。したがいまして、順調にリファイナンスが行なわれますならば、保険事故にはほとんどならないで済むと考えますので、保険との関係は出ないでこちらに支払われるという結果になると思います。標準決済ないし短期分の千二百五十万分は、その後もインドネシア側が約束に従って弁済をしてきております。したがいまして、ただいまの見通しでは、年内には回収できるものというふうに考えております。以上でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それでこの結果、商社は結局どうなったか、その保険によれば八〇%カバーされますね、それから地方公共団体もこれは一五%ですか、この保険で支払うということだが、九五%ですね、保険でカバーできるということになるわけですか。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) 保険の中には種類が幾つかございまして、普通保険、代金保険、手形保険、金融保険等ございます。そのうち普通保険、代金保険がインドネシアの場合には大部分でございます。これは輸出保険特別会計だけで九〇%補てんをいたしております。それから手形保険と金融保険という種類だけにつきまして、これは保険特別会計のてん補率が八〇%でございますので、特に中小輸出業者や、その他輸出振興に力を入れようとしてもリスクがあってできないというようなところを助成いたしますために、特定の地方公共団体、主として大都市と大府県、貿易に関係のあるようなところだけでございますが、残りの二〇%のうち一五%だけを追加補償をいたしております。したがいまして、この分は銀行に保険金が支払われるということになるわけでございます。したがいまして、大商社に支払われるという分は、九〇%のほうが大部分でございます。以上によりまして、リスクが多くても保険によって輸出振興が可能になるという制度がつくられているわけでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それと、さっき債権国会議のことを伺ったのですが、この債権国というのは全体で何カ国あるのですか。それで債権国会議に参加している国は何カ国で、参加してない国は何カ国になるのですか。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) インドネシアも世界の各国とすべて貿易をやっているわけでございます。したがいましてそのそれぞれの国にやはり少しずつでも債権といいますか、債務をためている可能性がございます。しかし、インドネシアに対しまして大口の輸出国であった国はそう多くはございませんで、先ほど申し上げました日本、アメリカ、英国、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、それとソ連、これだけでほとんど大部分、二十二億にのぼる債権のうち二十億程度でございましょうか、ちょっと計算をしないとあれでございますが、その程度カバーをしてしまいます。このうち債権国会議に参加いたしましたのは、先ほど申し上げました八カ国ないし九カ国、つまり自由陣営に属する主たる債権国だけでございます。その意味では、共産圏が入っておりませんので、債権国会議としてやっても効果がないんじゃないかという御指摘があるわけでございますが、私どもとしましては、共産圏も入って一緒にやっていただければ非常にけっこうなわけでございますけれども、事実問題として、呼びかけその他が行なわれましても入っていただけない。それで入っていただけないからということで、自由陣営だけの債権国会議もやらないでいるということでございますと、いつまでも債権の回収のめどが立たないということになりますので、大半以上を占めます自由陣営の主要国だけが債権国会議の開催をいたしまして、先ほど申し上げましたような債権回収のめどというものについての協議を行なったわけでございます。それによりまして、新たにリファイナンスその他が行なわれるわけでございますが、その分はやった国へ返りますので、やったものはよそへ回ってしまって、自分の国は恩恵は受けないということにはならないわけでございます。やはり全部ではございませんでも、各国歩調をそろえて債権回収のめどを立て、かたがたインドネシアの経済再建に寄与するという方向をとるのが望ましいというふうに判断されたかと解しております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 インドネシア側で発表した資料によりますと、大体二十八カ国くらいにのぼっております。そのうち、あなたは共産圏だけが参加していないと言っておりましたけれども、共産圏以外でも参加していない国は相当ありますね。オーストリアあるいはベルギー、デンマーク、香港、それからインド、北鮮、パキスタン、パナマ、それからスイスと、かなりその他の小さい国、ユーゴスラビアとかありますが、共産圏以外のところでも、やはり参加していないところもある。二十八カ国のうち八カ国くらい。債権からいえばわずかかもしれませんけれども、国からいきましたら、ずいぶんかなり参加していない国がある。その点は確認されますか。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) 確かにおっしゃるとおり、国の数でまいりますと、おっしゃるとおりであると思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そこで、あとでまたちょっと触れたいのですけれども、輸銀ですね、この輸銀関係のリファイナンスというのは一体どういう意味なのか、リファイナンスというのは。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) 私どもは輸銀の直接所管官庁ではございませんので、たいへん恐縮でございますが、出席をいたしておりませんので、私が理解しております範囲におきましてお答えを申し上げて、ごかんべんをいただきたいと思います。  リファイナンスと申しますのは、日本語で訳しますならば再融資借りかえとか通常いわれておりますが、日本の場合でございますと、輸出入銀行がインドネシア国立銀行に資金を貸し付けまして、インドネシアの国立銀行はその資金によりまして、日本の輸出商社に、支払い期限がきて払うべき状態になっている債権を弁済するという方式でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 私は実際、リファイナンス、これは輸出入銀行法に一応規定がございますけれども、リファイナンスというのは、普通外国の銀行に手形を割り引いてもらって、それで輸入金融を受ける方式ですね。ところで現在わが国の輸銀のやっておるリファイナンスは、焦げつき債権のめんどうを見て、それが輸出保険の支払いの財源対策になっている、実際にはですね。そこが非常に問題だと思うのですね。過去の焦げつき債権のめんどうを見ることも、輸入金融を受けることになるかもしれませんけれども、それだけインドネシアは外貨支払いを当面免れるわけですね。しかし正しくはリファイナンスというのは、将来の輸入について外国銀行から輸入金融を受けることじゃないかと思うのです。ですから、焦げつき債権の処理としてリファイナンスをするということは、どうもリファイナンス制度の乱用じゃないかと思うのです。焦げつき債権を処理するためにリファイナンス制度を乱用している、そういうように思われませんか。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) リファイナンスの方式その他は別にきまっているわけではございません。過去におきましても、アルゼンチンやブラジルなどに対しまして、債権がたまりました場合に、同じような方式を実施したことがございます。ある国がなかなか外貨不足、財政困難等々で債権あるいは輸出代金というものを支払えなくなったような場合、これに対してどうするかという手段はいろいろあるわけでございます。前のやつは全然さわらないで、新しい輸入だけに充てるための金だけを貸し付けるという方式ももちろんございます。それをやりませんと、そういう新規の援助をやりませんと、その国は必要な原材料その他を入手できませんので、国民生活にも支障を来たすということもございます。しかし、また輸出国の側から見ますと、過去に輸出をしたものの代金の回収をするめどもつけてもらわないのに新しく金を貸すということはできないというような立場もあるわけでございまして、やはり輸出国の立場などからは、前のやつを返してもらって、その上で新しくやろうじゃないかというような議論も起こるわけでございます。そういたしましても、なかなか財政困難、外貨不足の国は返す手段がございませんのも、それを先方との話し合いの条件によりまして、しからば新しい金を貸してやるから、それで前の分は一応払って債権の借りかえを行なえというようなことがきまるのが通常でございます。こういう現在インドネシアに輸銀が行なっておりますようなリファイナンスの形式というようなものは、世界各国できわめて通常行なわれる最も有効な方法ではないかというふうに考えております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 私は実はおかしいと思うのです。インドネシアの焦げつき債権処理のためのリファイナンスは。しかも私はこれは輸銀法に違反しておると思うのです。これは通産大臣に伺いますが、外務大臣代理でもございますので、外務大臣と通産大臣の両方の立場で御答弁願いたいと思う。それは三木外務大臣がこういう答弁をされたのです、参議院の予算委員会で。この輸銀のリファイナンスですね、これは大臣御承知と思うのですけれども、これはインドネシアとの対日延べ払い債務に対する再融資に関する交換公文というものがあるのですね。これが昭和四十二年六月九日にジャカルタでこれの交換が行なわれたわけです。この交換公文によりますと、四千五百万ドル、リファイナンスするということなんですが、この金額は円にしまして百六十二億円なんですよね。そうすると、これは債権債務の関係が日本とインドネシアとの間に生ずるわけですから、これを交換公文といっても実体は条約であるから、なぜ国会にこれの可決承認を求めないか、こういう質問をしたところが、これは日本の法令に基づいてやっておるのだ、関係法令に従って協議されておる、それから予算もそれに対して出さなくても済むのだ、こう言っおる。ところが、法令というのは輸出入銀行法ですよ。その輸出入銀行法に対して二つの点で違反しておると思うのです。その第一は、輸出入銀行設立の目的が、「設備等の輸入又は技術の受け入れ」、そういうものに対する融資ということが主であって、消費物資、消費財等についてはこれは対象にしないというのが輸銀法の第十八条九号の規定だと思うのです、この設立の趣旨からいいまして。ところが、このリファイナンスの対象には資本財だけじゃなく消費財も入っておる。これはあとで資料をいただくことになっております。そうすると、これが輸銀法の十八条九号の規定に違反しておるのです。それからもう一つの違反は、さきの債権国会議が、輸銀法の十八条の二の第五項によりますと、「主要な債権国の全部または大部分において当該措置がとられることが確実であると認められるときに限り」リファイナンスすることができると、こういう規定になっておる。ところが、さっきの局長の御答弁で明らかになったように二十八ヵ国の債権国のうち八カ国くらいしか参加していない。非常に多くの国が参加していないのですから、やはりそういうところからいっても、この輸銀法の規定に違反しておるのです。二つの点で違反しておる。しかも、これは結局、産投会計から輸銀に資金が繰り入れられ、それが再融資されるのですから、しかも産投会計には一般会計から繰り入れられるのですから、明らかにこれは国の支出が伴うのでありまして、こういうものを私は国会にかけないのはおかしいのじゃないかと思うのです。この点についてですね、これは外務大臣として、あるいはまた通産大臣の両方のお立場があると思うのですが、その点から御答弁を願いたい。これは違反しているのです。憲法にも違反している。財政法にも違反している。輸銀法にも違反している。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 法律上の説明は事務当局から追っていたさせますが、輸銀では、まあ主としてプラント輸出であるとかそういうものでございますけれども、よくこういうことをやっている例はずいぶんございます。いままでも何らこれが違法であるとか何とかいうようなことは問題にしたことはないです。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 政府が問題にしたことがないのであって、国会ではしょっちゅう問題にしているじゃないですか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) いやとんでもないことです、あなたが初めて問題にした。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それは違いますよ。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) でありますから、この交換公文ではございますけれども、これによって新しく国が権利義務、国の権利義務の新しい状態をつくり出すものではない。そういう意味においてこれはかけなくてもよろしい、こういうまあ解釈に賛同しております。それからもう一つ法律上の解釈を……。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) 輸出入銀行は確かに設備、プラントの輸出の促進を主たるねらいにはいたしておりますが、しかし消費財、特に耐久消費財等におきましては、延べ払いでないと売れない、通常の輸出では輸出がなかなか振興しがたいという場合がございますので、「設備等」という「等」のところで消費財が読めるということにずっと前からなっておりまして、インドネシアだけではございませんで、あっちこっちにその輸出が本邦の輸出市場の確保に役立つという場合に限りまして輸出が認められております。債権国の大部分といいますのは、確かに数では先ほどの先生の御指摘のとおりでございますが、債権額の大部分をカバーしておりまするので、その意味で……。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 輸銀法ではそうなっておりませんよ。額なんて書いてありませんよ。債権国となっております、はっきり。主要な債権国の全部または大部分となっております。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) と考えております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そんな金額になっておりませんよ。債権国の全部または大部分となっている。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) 主要な債権国は全部入っていると思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 主要な債権国が入っていないじゃないですか。ソ連は入っていないじゃないですか。十三億のうち大部分はソ連だと言っているじゃありませんか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) これはだいぶ違うのです。ソ連の債権はほとんどまあ武器、国民生活と直接関係のない武器を中心とした借款でございますから、そういうことで調子が合わないのです。債権国会議にそういうわけでこれは入らない。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そんなことは私も承知しております。しかし輸銀法にはそんなことは書いてありませんよ。そんなこと書いてないです。武器の場合であるからどうこうということは書いてないです。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) やはり実情に即応して運用というものを考えていかなければならない。私は、これは輸銀法の運用にあたっては実情に即して運用すべきである、こう考えております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 これはそういう安易に私は考えてはならないと思うのですね。これは大部分、全部が国民の税金なんです。この輸出保険特別会計というのは国営保険です。全部税金なんですから。それがまた、この輸銀のリファイナンスの金によって商社の焦げつき債権を支払ってやっているのです。そうすると、その輸銀の金はこれは産投から行って、産投の会計は一般会計から行って、一般会計の金は税金なんです。ですから、国民の税金が商社の焦げつき債権を処理するのにそういうふうに使われているのですから、これについてはそういう安易に考えてはいけないのであって、輸銀法でも、リファイナンスについては、いまお話ししたように、そのリファイナンスの対象と、それから債権国については、きちんとちゃんと規定がしてあるのですよ。ところが、商社の焦げつき債権を何とかして処理するために、みんな都合のいい解釈をしちゃっているのですよ。そうじゃありませんか。そこで私はどうしてもこの問題を明らかにしなければならぬと思ったのです。それで、もう時間がだいぶ経過しましたから、私は簡明に質問しておきます。  そこで次に伺いたいのは、産投から輸銀へ昭和四十から四十三年までどのぐらい出資されているか。それから産投に対して一般会計から、四十年から四十三年までどのぐらいこれが繰り入れられているか。この二つの点ですね、これは通告してあるのですよ。数字をはっきり言ってください。

近藤英一郎自由民主党

○主査(近藤英一郎君) ちょっと速記をやめて。    〔速記中止〕

近藤英一郎自由民主党

○主査(近藤英一郎君) 速記を起こして。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) 輸出入銀行は私の所管でございませんので、たまたま四十二年以前の数字を持ち合わせてきておりませんが、四十二年出資四百八十億、四十三年度も出資四百八十億でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それから産投へ一般会計からどのぐらい行っておるか、これは記録にちゃんと残しておく必要があるので質問しているのですよ。これは通告してあるのですから。私の調べでは、四十年二百九十億、四十一年三百七十億、四十二年四百八十億、四十三年四百八十億、これだけの金が産投から輸銀へ出資されているわけです。その金が輸銀からリファイナンスという形で、インドネシアにこれがリファイナンスされているのです。その金が輸出保険特別会計のほうの回収金となって、日本の輸出商社のインドネシアの焦げつき債権の支払いに充てられているのです。九〇%支払われているでしょう。そういう形になっているのですよ、形は。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) 確かに先生のおっしゃいますように、輸銀の資金には出資が行なわれております。しかし、輸銀の資金源は、出資はごく一部でございまして、残りの大部分は資金運用部からの融資、つまり郵便貯金でございますが、それと自己資金による回収分というものによって行なわれておりまして、四十三年度におきましても、たとえば貸し付け規模三千三百五十億円程度が予定されておるように聞いておりますが、そのうち出資分は四百八十億円でございます。これが全部埋め合わされまして、そのうちから通常の業務の一部としてリファイナンスが行なわれる、かようになりますので、その出資の分だけがインドネシアのリファイナンスに行なわれるということではないわけでございまして、全部合わさった資金源の中から一部がリファイナンスにも使われているということになります。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それは承知しています。承知して質問しているのです。じゃ、これだけの出資が行なわれるのなら、その中からインドネシアのリファイナンスに百六十二億、そういうものがリファイナンスするのはあたりまえですよ。それに役立っているのは当然です。それから、一般会計から産投へは四十年当初百二十五億繰り入れるはずだったのですけれども、四十年の歳入欠陥からこれはできなくなった。四十一年が四百四十五億、四十二年が六百十九億、四十三年が五百九十六億、これだけ一般会計から産投へ繰り入れていますから、産投から輸銀へさっき言ったように出資され、それが焦げつき債権の支払いのためのリファイナンスになったということなんです。  そこで、商社別の数についてはあとでこれは出していただくとしまして、最後に、じゃ、私、時間がありませんから、一つ伺いたいのですが、今度の、さっきの債権国会議によりまして、インドネシアに三億二千五百万ドルですね、これを援助するというふうにきまって、それに基づいてスハルト氏が日本にこの間来て、六千万ドル援助することに日本の予算で措置されておると言っておりますけれども、この日本の予算のどの項目にこれは出ておるわけですか、六千万ドル。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) これも私は直接所管ではございませんので、その意味でお聞き取りいただきたいと思いますが、三億二千五百万ドルという数字は、インドネシア側がこの程度ほしいという要望をして、各国もまあそうかもしれぬなという一応のめどにしただけの数字でございます。これを各国にどういうふうに配分するかというもとにはっきりなった基礎のところまでは合意を見ていないわけでございます。そのうち日本が幾ら出すかということでございますが、私ども聞き及んでおります範囲では、まだ日本は幾ら援助できるかという金額をコミットしておらないというふうに聞いております。ただ、ある程度はやはり援助しなければなるまいということで、今回は基金法が改正されますならば基金でやることが適当ではなかろうかということで、基金の中である程度の金額が考えられているのではなかろうかというふうに考えております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そうすると、六千万ドル援助する場合には、その金額は四十三年度予算には海外経済協力基金ですか、そこの項目に計上されているわけなんですか。そう見ていいのでか。

原田明通商産業省貿易振興局長

○政府委員(原田明君) 経済協力基金は私の所管ではございませんので、はっきりお答え申し上げられないわけでございますが、経済協力基金もある程度の額の資金量を確保されますならば、おそらく基金法改正後は基金でそういうことが行なわれことが可能になるので、そういうことが考えられておるのではないかというふうに考えます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 これは、通産大臣、海外経済協力基金法を改正しなければ援助できないものですか。どうして援助をするために海外経済協力基金法を改正しなければならないのか、その点をお答え願います。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) ちょうど四十二年度は、長期低利のひとつ援助資金を供給してもらいたいという希望がありまして、立ち直るためにはやっぱりこの程度の助力はやらざるを得ないだろうというのでそれに応じたわけでございますが、しかし、輸銀の資金は、御承知のとおりそう安い金利では貸せない。そこで、いろいろ考えた結果、一千万はグラント、五千万は輸銀の五分ですか、あれで出して、そうしてそれをまぜて結局三分見当の金を長期で貸す、こういう変態的なことは繰り返すことはできない。それで、基金法を改正して、別にインドネシアのために改正するわけじゃないが、やはりこういう事例がございますので、そういう必要の事例がございますので、基金法の改正をしようということになったわけであります。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 これは最後にお聞きしますが、そうしますと、金利を安くする必要上改正をするということなんですか。それもあるし、それから同時に、私の解釈によれば、たとえば輸出入銀行ですと、その趣旨が、たえまえが、さっきトーキングで消費物資も融資の対象になると言いましたけれども、主たる対象はやはりプラントとか技術だと思うのですよ。ところが、そこでは、輸出入銀行でまかなうことはいろいろ問題が出てきたので、海外経済協力基金法を改正して、いまインドネシアが非常に求めているのは消費物資なんですよ、実際問題。さっきインドネシアの経済は順調にいっているなんという話ですけれども、とんでもない話ですよ。最近の情勢をお聞きになってごらんなさい、商社の方なんかに。たいへんなインフレですから。長期的に見ればおさまるという、これは水かけ論になるかもしれませんが、それどころの騒ぎじゃないのです。ですから、そういう当面の消費物資に対する援助を行ない得るように、行ないやすいように改正すると、この二つの意味が含まれていると思うのですが、その点、通産大臣、いかがですか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) これは経済企画庁の所管でございますが、所管外の者として私の聞いておることを申し上げますと、やはりプラント輸出をしてそれが完成するためには、ある程度現地通貨の不足を補うために消費物資もやらなければいかぬのじゃないかというようなことが、現にこの間バイバコフ氏が来たときに、シベリアの森林を開発する上においてどうしても必要だということで、ずいぶんすったもんだで話がどうやらついておる。そういったようなことでありまして、ただ消費物資と一がいに言わずに、やはり本体のプラントを完成するためにある程度は考えざるを得ないと、こういう状況が次々と出てきております。そういうほうも十分に考慮して、念頭に置いて今度の改正が出されたのではないかというふうに考えます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 私、これ一問でやめますけれども、とにかく海外経済協力が非常にルーズに行なわれるような傾向になってきております。いろいろな形があって、海外経済協力基金もある、輸出入銀行もある、保険もある。とにかく最近は非常にこれがルーズになってきておりまして、しかも、国内でまだまだ開発しなければならない仕事がたくさんあるのに、佐藤総理が東南アジア等を訪問して、そして日本が何か大国になったような形で、いいわいいわで援助を与えるというような、そういうような態度は改められなければならないのじゃないか。これは海外経済協力基金もまさに再検討する必要があるのじゃないかと思います。その点について最後に通産大臣の、また外務大臣としての御見解を承りたいと思うんです。  それから、それで私質問をやめますが、後ほど商社別の資料を出していただいて、それに基づいて——商社が焦げつき債権を、いま質問して明らかになったように、国民の税金で処理してもらっておるのでありますが、商社が自民党に多額の献金をしている事実が明らかになりました。私もこれを調べております。これは最後の予算の総括質問のときにこの点については私は質問をすることといたしまして、私の質疑はこれで終わりたいと思います。  さっきの点について、通産大臣の御答弁をいただきたい。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) まあ何といっても、インドネシアの九月三十日の、三年ほど前の事件は政治的な大変革でございます。そういう変革が起こったのでございますから、それはやはり経済方面にも非常に大きな影響を与える。そういうことで保険事故が発生した、こういうわけでございまして、これが永久に続くならこれは見限らなくちゃいかぬと思うけれども、何といっても非常に大きな資源を擁し、これを育成すれば非常に私は世界全体のためにも、あるいは極東の平和安定のためにも非常にプラスになる、そういうことを考えて、日本としてもこれはほうっておけない。債権国の一人として、とにかく育成しよう、こういう方向に踏み切ったのでございますから、この方向は私はやはりひとつ十分に御理解をいただいて、したいと思うのでございます。したがって、それの方向に沿うて活用するという意味で基金法の改正も行なわれようとしておるのでありますから、これは所管ぢゃございませんけれども、あわせてひとつ御協力をお願い申し上げたいと思います。

近藤英一郎自由民主党

○主査(近藤英一郎君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

近藤英一郎自由民主党

○主査(近藤英一郎君) 速記を起こして。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 私は当面しておる問題で若干質問するのですが、朝通告しました時間が、だいぶ協力しなければならぬということでございますから……。  問題は当面しておる緊急の問題だけにしぼって若干質問いたしますが、まず最初に、中小企業の倒産問題でございますが、これは昨年来、私ども商工委員会でもしばしばこの点については政府当局にもいろいろと忠告をしてきたわけでございますが、東京商工興信所の調査によりますれば、昨年一カ年間の倒産が八千百九十二件という大きな数字を示しておるわけなんです。このことは過去十数年来最高の記録をつくったということになる。そこで、私どもは四十三年になればさらに倒産の件数というものはふえるのじゃないか、こういう心配をしておりましたが、その心配がぴったりと当たってきたわけなんです。今年一月に入ってからさらに倒産件数というものがふえまして、一月には七百五件、この一月は比較的少ない。これは十二月に年末融資ということで中小企業にてこ入れをしておるから、一月の倒産というものは少ないわけなんです。ところが、二月になりますと、これが九百十四件になった。三月になりますると、今度は一千件の大台に乗りまして、千九百九十六件という大きな倒産を見ておるわけなんであります。こうした今日一千件の大台に乗るというふうな倒産は、いわゆる戦後最高であり、しかもその中には中小企業が比較的多く倒産をしておる。こういう現状を一体通産省としてはどう考えておるか。われわれは今日まで商工委員会でしばしばその点についてはあなたのほうに、やがては多くの倒産がくるであろう、これに対するところの対処はどうだ、こういうことを私どもは質問をしてきたわけなんですが、不幸にしてこういう大きな数字を示すに至った。その問題について、あなた、政府当局としてはどのようにこれを見ておられるのか。また、将来さらにこれがふえるであろう。毎年の例によりますると、三月は最高で、それから若干下がっていくけれども、本年の見通しというものは私はそんなあまいものじゃないと思うですが、この見解はいかがですか。

乙竹虔三中小企業庁長官

○政府委員(乙竹虔三君) 倒産の企業の数字、先生御指摘のとおりでございます。この原因でございますが、経営者の態度に問題のあります場合もございますが、しかし、基本的には同業者の乱立によります過当競争、それから労働力不足、人件費の上昇、こういうふうな構造的な要因に加えまして、最近は金融の引き締めによります影響が出てきておるというふうに考えております。  今後の見通しでございますけれども、三月の危機ということが一時いわれたのでございまするが、これは相当締まってはおりまするけれども、危機的様相はどうにか免れて年度末が越せるというふうに思います。ただ、今後景気調整措置の効果は次第に浸透をしてまいりましょうし、そういたしますると、その結果は金詰まりということのみではなく、企業活動そのものが萎縮してくるということによりまして、中小企業の体力の衰弱が心配されるわけであります。私たち担当の者といたしましては、今後の状況を十分警戒して見守っていく必要があるというふうに考える次第であります。  私たちといたしましては、これに対します措置といたしまして、年末の財投の対策後本年度の財投計画におきましては、その辺を心配をいたしまして、貸し出し規模におきまして一九%増の財政投融資の額を一応現在案としてきめ、御審議賜わっておるわけでございまするが、さらにこの財政投融資は、成立の暁におきましては、年度の上半期に重点的に使用をする用意をいたしております。  次に、財投は全体の比率から申しますと九%弱でありまして、市中金融の動向が一番問題でございまするので、日銀、大蔵当局と密接な連絡のもとに、市中銀行の貸し出し方針が中小企業にしわが寄らないように、すなわち、一般市中銀行に対しては、大企業と中小企業の貸し出し比率、これを守らせる。中小企業から引き上げて大企業に金が流れることがないように警戒をいたす。さらにまた、相互、信用金庫等の専門中小金融機関は、往時の金融引き締め時にございましたようにコール市場で資金を不当に活用するというふうなことがないように、この辺の警戒をいたすというふうな手は、先ほど申しました関係方面と密接な連絡をとって打ってございまするが、しかし、時々刻々様相も変わりまするので、日銀、大蔵省、中小企業庁、通産省、この出先をもちまして、全国九地区にその責任者をもって構成いたしまする金融懇談会を設けまして、事態に対処する措置を講じておるわけであります。  しかし、このような金融上の措置のみでは、先ほど申し上げましたように、倒産原因は構造原因によっておるところも多いと思われるわけでありまするから、中小企業の構造改善、体質改善を急遽進める必要があるということで、それに対しましては諸般の対策を講じておる次第でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 いま長官から答弁のございましたように、金融引き締めによる倒産が主である、そこでそれに対するところの金融措置を講じておる、こう言われまするけれども、やはり日銀は窓口規制をさらに強化しようとしておりますし、それから市中銀行に依存しようと言われますけれども、金融引き締めになって景気が下がってまいりますと、市中銀行は選別融資がさらにきびしくなると思うのですよ。普通でも市中銀行はなかなか中小企業に対する融資問題についてはあまり喜ばない。これが景気が悪くなってまいりますればよけい選別融資ということ、今度はますます融資関係は中小企業に対しては私はきびしいと思うのです。いま長官が市中銀行に云々と言われましたけれども、そういう点はどうも見通しとしては暗い。三月危機でこれで終わったのかということになりますと、私はそうではなくて、やはり四月、五月、六月、夏場になればさらに私はふえるのじゃないか、こういうふうに予想するわけなんでございます。  やはり市中銀行が選別融資でなかなか中小企業に対しての融資を好まないということになってまいりますし、日本銀行は窓口規制を強化するということになりますると、一体中小企業の金融の道をどこに求めなければならぬか、こういうことになろうかと思うのであります。そうなりますると、中小企業は相互銀行だとか商工中金だとか中小企業金融公庫だとか、政府の関係しておる公庫を求めてみな行くわけなんです。ところが、商工中金にいたしましても、中小企業金融公庫にいたしましても、私はおいそれと中小企業者が要望するような融資というものはなかなかやってくれない。ああでもない、こうでもない、すべったころんだで、なかなか時間的にもかかる。こういうふうなことになりますると、やはりますます中小企業の金融の道というものは閉ざされていくと私は思うのですが、その点、あなたのほうはどのように考えておられますか。

乙竹虔三中小企業庁長官

○政府委員(乙竹虔三君) まず日銀の指導によりまする市中銀行の引き締めの影響が御指摘のようにあらわれてまいりまして、これは二面にあらわれると思います。  その第一は、市中銀行が直接中小企業に比較的金融緩慢のときに貸し出しておりました金を引き揚げる、この点がございまして、これに対しましては、先ほどお答え申し上げましたように、日銀を通じまして極力中小企業向けの貸し出し比率が下がりませんように指導をしておるわけでありまするが、現在までのところ、市中銀行の、全国銀行の中小企業向け貸し出し比率は三二、三%でございまするが、これが、一月現在におきまして、一番新しい数字は一月でございますが、依然として三三%程度ということで、現在のところまだ悪化はしておりませんけれども、、今後はやはり相当締まってくる場合は警戒をしなければならないという覚悟はいたして、十分にその点は注意といいますか、指導を強化したいと思います。第一点であります。  それから、第二点は、市中銀行は大企業に対します貸し出しを締めてまいるわけでございまするので、大企業がその結果、経済活動を収縮すればいいわけでありますけれども、経済活動を収縮いたしませんと、下請等の中小企業に企業間信用を増大するということによりましてしわ寄せてまいる危険性があるわけであります。この辺につきましては、すでに下請関係の法規を活用いたしまして調査ないし立ち入り検査の強化を現にやっております。また、年に四半期ずつの調査をしておりましたのを、最近、二月からは、主要産業団体を通じてではございますけれども、毎月調査にいま切りかえているわけでございますが、この辺の手形と現金との比率ないし手形の期間、若干の悪化が目立っておりまするので、この点も十分の警戒を要すると思うわけであります。  次に、政府関係機関でございまするが、この点につきましては、先ほど申し上げましたように、まずワクそのものを、引き締めを予想いたしまして四十三年度は相当大幅に、財政硬直化の時期といたしましては大幅に組んだわけでございまするけれども、これを上半期に重点的に使用する必要があるであろうということで準備をいたしております。  御指摘のように、四月、五月、六月、次第に苦しくなってまいると思いますので、その準備をせねばならないと思いまするし、さらに政府系金融機関、三機関のみならず、信用補完制度等の活用も考えていかねばならないというふうに考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 東京商工興信所の調査によりますると、倒産の種別ということで、他社倒産の余波、いわゆる関連倒産ですね、それから販売の不振、それから設備投資の過大、それから売り掛け回収難と、これがおもな倒産の種別になっておるわけなんです。で、このほかに、特にいまの倒産の様相を見ますると、建設会社が非常に倒産が多い。で、建設会社の倒産ということは、主としてうわさ倒産の問題があるわけなんです。というのは、あの会社があぶないと、こういううわさが立ちますると、それに対するところの発注もストップしてしまう、さらに材料なども現金を出さなければ売りつけないと、こういうことになって、建設関係の倒産が、非常に加速度的に中小企業の建設会社の倒産がふえてきておる。これの件数が一番多い。これに対してはいわゆる金融関係に対しても非常にこれはきびしいと思うんですね。こういううわさで倒産する形態というものがここのところずっと私はふえてきておるんじゃないかというふうに思いますが、あなたのほうでもしこういう種別による倒産件数というものがわかっておったならば、おわかりでございましたならば、おわかりでございましたならば、一ぺんお聞かせ願いたいと思いますけれども。

乙竹虔三中小企業庁長官

○政府委員(乙竹虔三君) 御指摘のように、四十三年以後の倒産は建設業が一番多うございまして、三月に入りましては二百件をこえております。二百四十六件という数字がございます。それから次に商業が四百七十五件、それから製造業が四百四件。で、製造業の中で多いのは、これはちょっとまだ三月はございませんが、二月の数字で申しますと、やはり業種として頭数の多い機械金属が多いのでありますけれども、繊維が八十五件ということで、非常に大きな数字を示しております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 いま御答弁ございましたように、この三月度のあれで建設業は二百四十六件も倒産しておる。このことは私は非常に将来大きな問題になろうかと思うんです。  たとえば万博の工事でいまやっておる。で、万博の工事で一応中小の建設業者はあれに吸収される点があろうかと思いますが、ところが、オリンピックのときにもこれは、オリンピックの工事で相当中小企業の建設業者が動員された。工事が終わったとたんに、これらの小さな建設土建会社は倒産せざるを得ないというふうな状況を見たわけなんです。で、万博をいま目途として建設業界もいろいろと仕事があるであろうという予想はされまするけれども、もしこれが工事が完了すれば、たちまちまた倒産しなきゃならぬというような立場じゃないかと私は思うんです。  さらに機械製造工業におけるところの倒産、これはいま御指摘になりましたように、いわゆる繊維関係が非常に多い。特に繊維の中でメリヤス工場ですね、比較的小さな工場の繊維関係の倒産が多いということ。このことはやはりアメリカの一つの繊維に対するところの輸入規制の問題も将来出てくるでございましょうし、そう考えますると、繊維関係の倒産はさらに今後ふえるというふうな見通しが立つんじゃないかと私は思うんですが、こういうものに対するところのいわゆる対策といいますか、何かあなたのほうは将来こういう業種は危険であるからこれに対してはこうしなきゃならぬというふうな対策を持っておられますか。

乙竹虔三中小企業庁長官

○政府委員(乙竹虔三君) 建設業につきまして倒産が非常に多い、この原因でございますが、建設省におきまして鋭意勉強をしておられまするが、資金が比較的長く寝るとか、それから金利負担が多くかかるとか、あるいは原材料が高騰をしてきたということのほかに、特に賃金の上昇が端的にきいておりまして、特に建設業でも、コストの中に占める比率は中小の建設業におきましては賃金が圧倒的に多いわけでありまして、大きなところはつぶれないが小さなところがつぶれると、こういうことの状況であります。  この建設業の倒産を防ぎますためには、どうも建設業のやはり経営なり、または契約の方法なり、この辺の近代化が必要であるというふうに思います。できましたならば、さらに、公共事業費に依存するところが非常に多いわけでございまするけれども、この辺の発注等におきましても適当な考慮が払われればいいのではないかという感じはいたしております。この辺は建設省がただいま鋭意勉強しておられる点でございます。  それから、繊維関係につきましては、現在のところ倒産の多いのは、これは商社と製造業者と両方でございますけれども、商社におきましては、比較的資本規模が小さいのにもかかわらず、顧客、お客のほうが繊維は比較的移り気、と申しましたらことばはあれでございますが、相当需要が大きく変動いたしますために、小さな資本で耐え切れずしてつぶれる繊維商社が相当あると思います。それから、製造業のほうにおきましては、同じように需要の大きな変動のほかに、さらに労働面の状況から、特にいま中堅どころの企業が、メリヤス業者にしわが寄っておりまして、これが相当な負担になっておりまするので、この辺の原因から来る倒産が相当多いというふうにわれわれの調査ではなっております。  したがいまして、この繊維に対しましては、先生御指摘の、さらに今後後進国の追い上げでございますとか、アメリカ市場の狭隘化という心配がございまするので、この繊維に対しましては、産地ぐるみの対策を相当強化していかなければならないという覚悟をしております。これは繊維雑貨局において主として考究しておるわけでありますが、繊維のみならず、輸出に依存いたしております軽工業品業界につきましては、業種ぐるみの構造改善と申しますか、柔軟なる対策——柔軟なる対策と申しますと、商品の高級化でございますとか、新市場の開拓でございますとか、製造方法の変更でございますとか、こういうものを主にいたしますいろいろな柔軟なる転換対策を含めまして対策を講ずる必要があるということで、鋭意勉強しておる次第でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 倒産の原因の一つになっている売り掛け代金の回収ですね、これはおもに下請業者が多いと思うのですね。この下請業に対しましては、下請代金支払遅延等防止法という法律がございまして、この第二条の二によりますれば、「下請代金の支払期日は、親事業者が下請事業者の給付の内容について検査をするかどうかを問わず、親事業者が下請事業者の給付を受領した日から起算して、六十日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において、定められなければならない。」と、こう規定されているにもかかわらず、長期間の手形が交付されているのが現実でございます。で、下請事業者が親事業者の長期の手形の交付によって泣かされておることも、これは事実です。このことにつきましては、しばしば私どもが指摘しましたように、なかなか、六十日こえたからそれに対して利子をつけろといっても、下請事業者自身がなかなかこれはよう言わないということもございまして、泣き寝入りになる場合もあるわけなんでございますが、こうした現状から見て、政府はこの問題についてどういうふうに考えておりますか。

乙竹虔三中小企業庁長官

○政府委員(乙竹虔三君) 考えますといいますか、対策の方向としては二面あると思います。一面は、下請代金の支払い遅延防止法、これを全面的に活用いたしまして、調査をし、調査の結果不適当なものがございますると、行政指導、さらには公正取引委員会と協力いたしまして立ち入り検査、そういうふうなつまり取り締まり的な見地からの対策が一つでございまして、これは先ほど御報告申し上げましたように、いま鋭意強化をいたしておるわけでございます。取り締まりの強化をいたしております。  しかし、第二の考えるべき方向といたしましては、親企業者に下請企業者が泣かされますのは、私たちの調査では、特に弱い下請が泣かされるわけでございまして、この弱い下請を強くしてやる、これは若干時間はかかりますけれども、これがやはり一番根本策であると思います。したがいまして、弱い下請の強化策として、金融上の措置によります近代化でございまするとか、あるいは技術向上によりまして専門生産体制を進めてまいりまするとか、親企業としてその下請に依存せざるを得ないという方向の対策も、これは根本的対策として大事であるということで考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 いろいろと倒産のこの調査等は、いま東京商工興信所だとか帝国興信所、ここで統計をやっておられるわけですね。で、これは一千万円以上の資本を対象にしておるわけなんです。だから、実際に一千万円以下の資本が対象になっていないから、この倒産の数というものはさらに上回っているはずなんだと私は思うんです。私どもは、政府はそういう民間の調査機関に依存するのでなくして、政府みずからもっと調査を強化して、実際にこの倒産の件数というものは一体どれだけあるか、一千万円以上でなくて一千万円以下の倒産もできるだけ多くこれを集計して、そうしてそれに対するところの対策というものを立てなければならぬのではなかろうかと私は思うのですが、その点はどうですか。

乙竹虔三中小企業庁長官

○政府委員(乙竹虔三君) 興信所の調査は二、三種類あるわけでありまするが、これはこれなりに活用すべきであると思います。で、この調査をもし役所でやりますと、相当膨大なる予算と人員が要るわけでありまするので、興信所の調査は調査といたしまして活用する反面、しかし先生御指摘のように、この倒産の勉強は根本的にいたす必要がある。倒産の勉強をいたしますことによりまして、いまの経済の動き方、特に中小企業者の持っております致命的な弱さというものがはっきりするわけでございますので、この倒産の追跡調査と申しますか、これは中小企業庁がやらなければならないということで実はやっておるわけであります。  で、第一回の報告と申しますか、調査もある程度まとまったようでございまするので、それは近く公表をいたしたいと思うわけでございまするが、その場合におきましては、これは単に倒産のみならず、また企業の発生状況につきましても同時にこれは調査をする必要があると思います。と申しますのは、倒産でつぶれていく企業が多い反面に、またそれを上回って発生する企業が多うございまして、先ほど先生御指摘の建設業におきます倒産はどうも新設者が多過ぎての過等競争という原因も多いようでございますので、この両面の調査を始め、これは調査のまとまり次第次々に公表をいたしたいというふうに考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 まあいろいろとございまして、調査の方法もございますが、やはり私は民間のあれを無視せよということじゃない。やはりそれも取り入れてさらに強化する必要があると、こう私は言うのですが、さらにもう一つはその倒産の関連の問題でございますが、関連保証の問題ですね。で、これは先年私どもが商工委員会でいろいろと議論いたしまして、倒産関連保証制度というものが設けられた。で、親企業の倒産に関連して苦境に立つ中小企業に対するところの融資と、こういうことなんですが、これは現在親企業は十億円をこえて下請代金等の借金の場合、これはこの制度というものが適用されるわけなんですが、これを現在の倒産がますます増大してくる今日から考えますると、私は十億円というものは少し高過ぎると、こう思うのです。で、少なくとも五億円ぐらいの借金までこれを引き下げる、こういう考えがあるかどうか。これは大蔵省のほうからも御答弁願いたいと思いますが、いまの加速度的な倒産からいくと、もう昨年あたりは十億円でもよかったんですが、だんだんと下の、中のところまで倒産関係がふえてきたという関係から、これを五億円程度に切り下げるべきだと、私はこう考えるのですが、この点いかがですか。

乙竹虔三中小企業庁長官

○政府委員(乙竹虔三君) 倒産問題に対しまして非常に心を悩ますと申しますか、ほんとうにお気の毒だと思いますのは、倒産でつぶれる方もそうでありまするけれども、特に連鎖でもってつぶれる方はほんとうにお気の毒でありまして、何とかこれはまあ食いとめねばならないということで、先ほど御報告申し上げました大蔵、日銀、通産の三出先機関の懇談会も、とにかく倒産と、それから特に関連倒産については防げということで指示をしておるわけでございます。  で、御指摘の倒産関連保証でございますが、この制度をつくっていただきまして、負債総額十億ということで、一応ものさしにしておりまするけれども、御指摘のように、中小企業の中堅企業の倒産もどんどんふえてまいりまするし、これの波及を防ぐということは非常に大事なことでございまするので、十億円につきましては弾力的にこれは考える必要があるということで、私たちはこの引き下げにつきまして検討をいたしておるわけでございます。  なお、現在におきましても、すでに地方経済に非常に大きな影響を及ぼす倒産におきましては、負債総額十億を五億ということに下げて運用をいたしておる次第でございます。

長岡実大蔵省銀行局中小金融課長

○説明員(長岡実君) 倒産関連保証の制度につきましては、これはまあ制度的にはすべての倒産関連のまあ何といいますか、問題を取り上げておるというよりは、一定規模以上の倒産が起きまして、その影響がかなり広範囲に及んで経済的社会的にもまあ混乱を起こしてはいかぬということから出た制度でございまして、これは先生御承知のように、四十年の暮れにこの制度ができましたときには、倒産をいたしました親企業の負債総額十億円ということを基準にいたしておりましたが、その後、ただいま企業庁長官からもお話がありましたように、四十一年に入りましてから、五億円以上であれば、ある当該地域の経済に非常にまあ集中的に大きな影響を及ぼすようなものについては特に基準緩和をいたしておるわけでございます。いま申し上げましたような制度で、やはり何か基準を設けて、一定規模以上の影響を与えるものについてはこの制度が発動されるべきであると考えておりますが、この基準が現在適当であるかどうかという点につきましては、私どもといたしましては、現在の基準、特に五億円以上、地域経済に与える影響というほうの基準を弾力的に発動することによりまして、ほぼ目的が達成されておると考えておる次第でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 現在のように倒産がふえてまいりますると、これは関連倒産で、大きなのが一つ倒れますと、それに対する下請がずっと倒れてくる。これは誇大的なことばでいえば、将棋倒しになって中小企業が倒産する。そういたしますと、こうした倒産はいわゆる災害並みに扱うというようなことを聞いているわけでございますが、災害並みというのは、台風だとか震災、地震、こういうふうな災害並みにこの倒産を扱っていったらどうか、こういうふうにも思われるわけなんでございますが、この点はどうですか。

乙竹虔三中小企業庁長官

○政府委員(乙竹虔三君) 御指摘のように、災害並みと申しますか、災害におきまする考え方をいま準用いたしまして運用いたしておる次第でございます。したがいまして、金額の点等におきましても、災害は先生御承知のように金額制限はございませんけれども、逆にまたパーセンテージ等で一つのものさしをとっておりますが、災害と同様の考え方で運用していくことがいいことであるというふうに思います。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 もう時間がないから、ぼくは飛ばしていきますが、最後にもう一つお尋ねしたいことは、この倒産が非常に激しくなってくると、だんだんと下に参ります、倒産が。私どもが考えますと、下に来るほど経営者も苦しいが労働者も苦しい。たとえば昨年仙台の川岸工業、それから山梨のダイヤモンド工業、特に山梨なんかは外国資本でやっているんですが、こういうところなどは退職金ももらえない。まだ未払いになっておる。賃金も未払いになっておる、こういう状況なんですよ。  それで、私どもがもう一つ突っ込んで考えたいことは、まだこういう適用法があるところはまだまだ失業保険ででも若干食いつなぎができるわけでございますけれども、現在五人以下の事業所におきましては失業保険もなければ労災保険もない、こういうことになっております。これが二百数十万という対象の人員がいるわけなんです。これらの人は、倒産がますます激しくなってくれば、さらにそこに働く従業員は失業保険ももらえない。けがをしても労災ももらえない。こういう現状でございまするから、これは何とか、健康保険は五人以下も加盟できますけれども、これは法的に何ら措置されていない。私どもはやはり、通産省が考えることは、中小企業でも特に上のほうに対してはいろいろ立法措置が講じられておるが、零細企業に対する措置というものはなかなか進んでいない。いわゆる法律改正によりまして協業組合とかなんとかいうことはありますけれども、実際は五人、十人というところのこういう事業所に対しては、私は実際気の毒な現況だと思うんですが、将来この五人以下に対してやはり労災保険も失業保険も何か加盟できる法的措置というものは一体考えられないのかどうか、この点はどうですか。

増田一郎労働省職業安定局失業保険課長

○説明員(増田一郎君) ただいま先生が御指摘になりましたように、零細企業に対しまする失業保険及び労災保険の適用は、社会保障という観点からも非常に大切なことでございます。したがいまして、私ども昨年の第五十五特別国会に関係法案を提出したわけでございますけれども、その国会におきましては審議未了になりまして、次の五十六国会で廃案になったわけでございます。今国会におきましてはいろいろな事情がございまして再提出を一応見送ることにしたわけでございますが、この問題は非常に大切な問題でございますので、可及的すみやかな機会に再提出をしたいというふうに考えておるわけでございます。  なお、それまでの間におきましては、現行制度を最大限に活用いたしまして、実質的に適用の拡大をはかってまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、第一点といたしましては、労災保険、これは五人未満とは直接関係ございませんけれども、現在五人以上でございましても、商業、サービス業等は任意加入であったわけでございます。それを四十三年度から関係政令を改正いたしまして強制加入にいたしたわけでございます。第二点といたしましては、五人未満の事業所につきましては強制加入ではございませんけれども、現在任意加入制度というのがございます。労働者が希望し事業主が申請をしてまいりましたときには、これを認可をいたしまして適用する、こういう制度があるわけでございます。この任意加入制度を活用いたしまして、事業主の方にも勧奨をいたしまして、実質的に適用の拡大をはかってまいりたい、こういうように考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 時間がないので、これは私この程度にしておきますけれども、いずれまた商工委員会で詳しくもっとお尋ねいたしますが、次に、私がもう一つ当面している問題でお尋ねしておきたいことは、このこともあまり時間がございませんから、ほんの中心だけだと私は思うんですが、台湾バナナの輸入の問題に関連してお尋ねしたい。それはなぜかというと、四月の割り当て期がいま来ておりまして、いろいろと、私の聞くところによるとあなたのほうとしても苦慮しておられるし、またいろいろと策動があるやに私聞いておりまするから、この点お尋ねしておきたいと思うんですが、昨年国会で黒い霧の一つということで、バナナ割り当ての問題について非常に国会で議論なされた。そうしてその結果あなたのほうが考えられたことは、いわゆる企業の合理化ということを考えられて、企業の合理化がなされておる。しかし、私はその企業の合理化だけではこの問題は解決しないと思うんです。根本的には割り当て制度の問題だと私は思うんです。これはあなたのほうは昭和四十年、輸入組合をつくった、これはあなたのほうの指導によってできたわけなんです。私どもはこの台湾バナナを国会で十年ほど前に取り上げた。それは、あの当時は非常に高いバナナが、何とか安く国民需要にこれが応じてやれないかどうかということで、私どもはこの問題を国会で取り上げて、そうして安くするためにどうしたらいいか、こういうことでいろいろ議論されたんです。そうしてせっかく自由化になった、昭和三十八年に。それをまた昭和四十年に、あなたのほうが輸入組合を指導してつくらして、割り当て制度に返ってきた。そうすると、依然としてバナナの値段というものは高いんです。あなた、いま一キロ幾らか御存じですか、バナナの小売り値段ですよ、この点まずお聞きしておきます。

後藤正記通商産業省通商局次長

○説明員(後藤正記君) お答えいたします。  小売り値段でキロ当たり二百三十円程度かと思います。ただ、最近、実は先般、二月に台湾に冷害と暴風が起こりまして、台湾バナナが若干入荷その他日本に入ってくるのが少なくなっておりますので、一時的に部分的に値段が上がってきておるという状態はあるかと思います。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 いまね、次長は二百三十円だと言われたけれども、これは間違っていますよ。私は現実に昨晩買ってきたんです。きのうからちょっと安くなっているが、二百五十円なんです。おとついの晩は私は東京駅で買って、これは三百五十円。それで、一体一キロで何本あるかというと、あなた、それをはかったことありますか。一キロで五本ですよ。一本依然として五十円という値段になるわけなんです。すると、いまから十年前とほとんど変わりないじゃないですか。あなたのほうは一体バナナを安くするために十年間何をやっておったか、こう私は言いたいのですが、依然としてこれは安くなっていない。これはどうですか。

後藤正記通商産業省通商局次長

○説明員(後藤正記君) 御承知のとおりに、バナナの値段は、大体輸入業者がその輸入したところで加工業者に売り渡します浜相場というもの、それから国内の流通組織を通って、小売り商のもとから直接に消費者のほうに入る流通過程を通るわけであります。で、先ほど申し上げましたように、若干最近上がっておるかとは存じますが、私のところで調べましたところによりますと、おおむねこのところ浜相場、それから小売り価格ともに、さほどの高下はなく済んでおるようでございまして、ただいま先生から一本五十円と、こういうお話がございましたが、私どもの直接に購入したりその他調べたりするところによりますと、おおむね平均のもので、台湾バナナは一本二十八、九円かと、かように存じております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 安くならぬという原因は一体どこにあるかということを私はお尋ねしているのですが、それは、あなたのほうが輸入に対するところの割り当て制度を設けて、そして割り当てをしておられるわけなんですよ。その割り当てに私は矛盾があると思うのです。昭和四十年の輸入組合がつくられた当時に、政府としてはこの割り当て基準を一体どこに置くか、これまた非常に議論された、通関実績に置くかどうか。実際は通関実績が割り当ての対象にならなければならぬと私は思うのです。それはなぜかというと、昨年国会で議論になった、あの黒い霧で問題になったのは、ペーパー業者がある。通産省の外割りだけをもらって、その紙ですぐまた右から左商売をする、こういうのをなくしていくということで非常に議論になったわけなんです。こういうことで、不正をやってるんじゃないかということで、昨年国会でいろいろと衆議院でもまた参議院の決算委員会でもこの問題が取り上げられて、いろいろと議論された。昭和四十年にあの割り当て制度をあなたのほうがつくられた、あの基準に私は問題があろうかと思うのですが、その点はどうですか。

後藤正記通商産業省通商局次長

○説明員(後藤正記君) 御指摘のように、昭和四十年七月に、当時三十八年七月以来自由化されておりましたバナナにつきまして、特に台湾産のバナナにつきまして、自動割り当て制度を採用するにあたりましては、その割り当て基準について通関実績によるべきかあるいは割り当て実績によるべきか、やはり当時いろいろ議論があったようであります。結局自動割り当て制度に移行いたしましたのは、昭和四十年の七月でございました。台湾バナナの出回り最盛期はおおむね四月から七月前後でございます。そのとき、その割り当ての基準をすみやかに定め、割り当てを実施せんければ、台湾バナナの市場における空白と同時に、品物の腐敗その他等が起こるというような時間的制約がございました。また一面、台湾政府から日本政府に対して、すみやかに七月の十四、五日までに割り当てを完了してほしいという強い申し入れのありましたことも一つございまして、当時といたしましては、通関実績をとりますると、三十八年から三十九年まで約二カ年間、自由に台湾バナナも、それからその他地域のバナナも輸入されておったわけでありますので、これの実績集計に非常に手間どりまして、時期を失するおそれがあるということで、当時といたしましては割り当て実績をとったわけであります。  その後、この出発時におきまする割り当ての基準のとり方、通関実績でなしに割り当て実績をとったということは、現在までも行政の一貫性を保たせるために続けてきておるわけでございますが、現状におきましては、割り当て実績をとるということと通関実績をとるということ、この二者の間には、むしろ割り当て実績をとったほうが現在の時点におきましてはいいのではないかというような結論に考えております。と申し上げまするのは、現在、割り当ていたしましたものはほとんど全部が輸入されておりまして、これによって実質的に割り当て実績をとるということと通関実績をとるということとの間に現状においては矛盾がないわけであります。ただ、四十年七月のころは、ちょうど自由化から割り当て制に移る過渡期でございまして、いろいろ混乱もございましたが、当時としてはそういう方法をとったわけであります。  次に、第二番目に、割り当て実績をとったほうがむしろいいというのは、現在バナナの輸入を一括してやっておりまする輸入組合では、抽せんによりまして船積み順位の決定を行なっておりまして、この割り当てと通関との時期的なズレが、もし通関実績をとりました場合には、そういう偶発的な事項によりまして若干ズレと食い違いが生じてくるということで、むしろ割り当て実績をとったほうがいいというような結論に立って現状において実施しておるわけであります。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 その割り当て実績は通産省の外割りの割り当て実績なので、これに対して昨年問題になったですね。いわゆる圧力によって割り当てているのじゃないかとかなんとかいって、国会でいろいろ議論されたのです。私は、そういう割り当て実績だけとっていくと、実際に商売をやって、台湾との貿易をやって通関の実績を持っておる人でも、そのときに通産省の外割りがもらえなかったということで、今日なお割り当てがもらえない、こういう業者もあるわけなんですよ。これは非常に私は矛盾しておると思う。なぜかというと、通関実績があるから税金はかかるわけなんですよ。七百万円の税金を支払わなければならぬ。通関実績を持っておっても割り当てがないから、いつまでたっても台湾との取引ができない。まさに倒産寸前という状態にいまあるわけなんです。一方、紙で商売しておる者はどんどんと生かしておいて、実際に商売をしておった業者が倒産せねばならぬと、こういう矛盾したあれはないと私は思うのですよ。あなたはそれをどう考えますか。

後藤正記通商産業省通商局次長

○説明員(後藤正記君) 先ほども申し上げましたとおり、四十年七月に制限的な割り当て制に移行する際は時間的な制約がありまして、いずれの割り当て基準をとるかについて議論はございましたが、結局技術的に不可能でありまして、割り当て実績のほうを採用したわけであります。その後一貫して割り当て実績をとっておりますが、現状におきましては、むしろ割り当て実績をとったほうが通関実績とほとんど変わりがなく、むしろそちらのほうがまさっているのではないか、かように考えておるのであります。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 この割り当て実績も、当時これは緊急措置として講じられたわけなんですよ。緊急措置が今日なお続いておるということは私はおかしいと思うのですよ。やはり現実に商売をやっておる者については、私は割り当てをやるのが当然じゃないかと思うのです。それが緊急措置が今日までなお続いておる。そうしてあのときに政府当局でも、通関実績をとるかどうかということでいろいろ検討をされた。ところが、通関実績ということになると非常に調査の点が手間どるから、とりあえず緊急措置として割り当て実績をとろうということであの割り当て実績というものは生きたわけなんです。  そういたしますると、南米バナナを扱っておる業者は永久に台湾の割り当ては来ないということになるし、台湾の通関実績を持っておる人でも、通産省の四十年の割り当て実績がなかったら今日なおできない、こういうことになるのですね。私は、営業しておる以上、営業の自由というものがある以上、平等に同じ台湾なら台湾の割り当てをすべきじゃないかと思うのですが、この点はどうですか。あなたはその割り当て基準というものを変える意思というものがあるかないか、この点どうですか。

後藤正記通商産業省通商局次長

○説明員(後藤正記君) 現状におきましては、先ほど申し上げましたとおりに、通関実績と割り当て実績との間に差がないということで、行政の一貫性を保たせるために、今後とも割り当て実績をとって割り当てを実施いたしていきたい、かように考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 時間がございませんから、私もあと一つ質問して、あとはもう商工委員会でまたいずれ御質問したいと思うのですが、あなたも御承知のように、いま南米バナナが相当量入ってくるようになりましたが、特にチキータのバナナの、かっこうのいい見てくれのいいやつがどんどん入ってくるようになりました。特にチキータはユナイテッド・フルーツという世界でも一番大きいといわれておるアメリカの会社がやられておるわけでありますから、将来どんどん南米バナナが入ってくるようになりますと、台湾の割り当てとかなんとかいっている時期じゃなくなると私は思うのです。何か業界のほうから南米バナナに対して規制せよという話が出ているとかいうようなことが新聞に載っておりましたが、当初私が申しましたように、いまから十年前の値段と今日の値段と需要者は同じ値段でバナナを食べておる、こういうことでなくして、やはりもっと安くわれわれの口に入るように通産当局としては努力すべきじゃないかと私は思うので、そのために一体どういうふうな方策を考えるべきか。あなたのほうはちゃんといろいろ先を見通して考えておられるかもしれませんが、そういう点はどうですか。

後藤正記通商産業省通商局次長

○説明員(後藤正記君) 結局、先ほど来仰せのとおり、バナナの価格は急激に下がらない、十年間はほとんど下がらない、いつまでたっても国民大衆が一般に安いバナナが食えないということは、結局日本の国民にバナナに対する嗜好性が非常に強いということと、それから数量的に、現在日本に輸入されておりますバナナに対しまして、さらにそれを上回る潜在需要がある点にあるということが第一点かと存じます。  それで、しからば、大量に至るところからバナナを輸入したらいいではないかという議論も起こるかと存じますが、一つには、これは国内果樹生産との関連もありまして、あまり大量に入れると国内の果樹生産を圧迫するという面がございますのと、第二点の点におきましては、従来ずっとそうでございますが、日本のバナナに対する供給源というのは、前述の実績でもわかりますように、八〇%ないし八三、四%が台湾でありまして、従来中南米その他から入っておりましたのは一一、二%という数字であります。しかも、品質、味等の点におきまして、ずっと台湾バナナに劣るという現状であったわけであります。で、ただいま先生が例示なさいましたチキータと申しますのは、中米のホンジュラス産のバナナでございまして、私も試食いたしましたが、台湾バナナに対しましてほぼ遜色ない、特に先ほど申し上げましたように、ことしは台湾バナナが、あるいは、数量はまだ確定いたしておりませんが、昨年の輸入数量よりも相当程度災害のために減少するのではないかというようなことがいわれております。もちろん国内の果樹生産との関係がございますので、農林省とも十分協議をいたさなければなりませんが、私は一番問題は、台湾バナナであろうとも中南米バナナであろうとも、もう少し現在の潜在需要に近づくようなバナナが日本に輸入されることが第一。第二の点におきましては、国内の流通機構が整備されて、消費者の手元に中間コストがかからずに入っていくことが必要ではないかと存じます。  後者の点におきましては、農林省におきまして、バナナの加工商工組合の指導を地区別に指導されておりまして、昨年九地区にこのバナナ加工商工組合が設立されまして、ことしに入りまして全国連合会もできたようでございます。したがいまして、現在輸入商の関係は、日本バナナ輸入組合というものに全部統合されまして、二百六十社を数えておりますが、この輸入業者と、それから加工業者との間に適正な値段で取引がされ、そして適正なマージンによって合理化された流通過程を経て消費者に到達するという状態が早く実現することが望ましい、かように考えるわけでございます。  中南米産のバナナが最近新聞紙上をにぎわしておりますが、ことしは、あるいは昨年の実績一四、五%というのをある程度上回るかと存じます、台湾バナナの不況と関連をいたしまして。しかしながら、しばらく推移を見まして、そしてどの程度までこれが入ってくるかという状況、それがどの程度まで国民大衆になじむかという状況を見まして、そしてバナナの価格引き下げに今後とも農林省とも協力いたしまして努力いたしたい、かように考えておる次第でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 私は、いまの答弁ではどうも納得できませんが、もう時間がございませんから、私やめますけれども、いずれまた商工委員会でお尋ねしたいと思いまするから、保留しておきます。

小山邦太郎自由民主党

○小山邦太郎君 先ほど近藤さんからの質問で、金融問題これに関連して一つだけ御質問いたします。  政府機関の三金融機関に対しては、ことしは相当に政府もこの金融逼迫を予想して御配慮をいただいたので、やや満足。しかし、これで足りないと思うけれども、まあまあいまのお答えで下半期の分を上半期まで上げて、とにかく逼迫した市場の緩和には骨折ろうというお答えで、私はこれは適切なことであると思います。ただ、民間の市中金融ですね、このほうが、先ほど伺っておると、大企業と中小企業と——その大企業の圧迫を受けないように心配されているということでありますが、大企業もさることながら、地方においては自治体の金を建設その他補助事業に対する単価が実施単価より著しく安いため自治体の負担が多くなって、その不足分を地方銀行より借り入れて解決する場合が多い。日本銀行が別扱いとして各地方銀行に指定しているかどうなっているか。その規制の中に、自治体への貸し付けも包含している。銀行自身に金は余っているけれども、貸し出しができないので困る。こういう事情があって、その銀行の実情を明らかに言ってもよろしいが、そういう実情で悩んでいるものがある。現に中小企業の経営が健全なもので、これに貸したいと思うけれども、昨年の貸し出しの何%という規制のため貸し出し不能となる。すなわち、その貸し出しの中に自治体の分も入っているということで、非常な圧迫を受けている。これらの事情を私は訴えたい。先ほど来その影響のないようにという御心配があったのですが、その心配を生かすようにしていただきたい。これに対して、私は、きょうは引き続いて研究をするというだけのおことばでけっこうでございますが、先ほどの近藤さんに対するお答え、あれも満足です。これを生かしていくためにはその内容を検討していただく必要がある。これだけを申し上げます。  それからもう一つ、これは大臣がおれば申し上げたいが、大臣がおらぬから何ですが、この間大矢君も質問されておる問題で、まあ総理は、行政改革の場合であれば何だが、それはいまは考えていないという、その一つの問題でありますが、これは野党も考えてくれておるならば、これは中小企業のために専任の大臣を置くということは非常に必要なことだ、こうも思いますので、これは大臣に政務次官からお話しくださって御研究をわずらわしたい。ああいうことを野党も言っておられるし、われわれ与党のほうにもそういう希望がないわけではありません。中小企業省を置けということは、これはこの場合には無理だろう。それだから一歩を譲って、中小企業の重要なこの問題そうして、先ほどの後進国援助のために、これから海外援助の足りない金をなお融通しなければならぬ、それには輸出振興なりで……こういうこれだけからいっても、通産省は非常に大きな重荷を持っておられるのだから、その中の中小企業庁に専任の大臣を置いて、そうして閣議において中小企業に対する発言をする機会をより多くするということは非常に大事なことで、野党からそういう要望があったということはわれわれも考えるべきじゃないか、こうも考えますので、これも十分研究の余地ありとしてお考えをわずらわしたい。これだけ申し上げます。

乙竹虔三中小企業庁長官

○政府委員(乙竹虔三君) 第一のお話、本来中小企業にしわを寄せないように、地方銀行の大部分、それから信用金庫、相互銀行は金融引き締めの対象からはずしておるわけでありますので、先生御指摘のようなことがもしありといたしますると、至急対策をとる必要があると思いますので、至急勉強いたしたいと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 時間がありませんので、須藤委員にお断わりしまして、簡単に一言だけ。  さっきから倒産の問題が出ておりましたけれども、まあいまの中小企業の人が悩んでおる問題はいろいろたくさんございますが、そのうちの一つに、かなり大会社と仕事をやっておる中で、仕事のほうは順調であるけれども、その支払いの問題がある。特に手形が大企業でも非常にたくさん出ている、それで非常に困っておる人を私はたくさん見受けるわけですけれども、この問題、中小の手形の問題いろいろあるのですけれども、大企業の場合であれば、その点が、中小企業の人に対してもう少し現金の支払いなり、たとえ手形を出すにしても、期間を長くしないとか、そういうような点で何とかなればまだまだ救われる道もかなりあると思うのですが、その点に対して中小企業庁としてはどういう対策をもって臨んでおられるか。これからまた中小企業は非常にきびしくなりますが、その上に立って一言だけお尋ねいたしたい。

乙竹虔三中小企業庁長官

○政府委員(乙竹虔三君) 先ほども近藤先生にお答えした点もございますが、下請企業に対しましては、支払遅延等防止法を全面的に活用いたします。手形問題についてはまず手形、現金の比率の問題でございまするが、この現金比率を悪化いたさないように指導をいたしておりまするが、手形期間につきましては標準条件を指定いたしまして、現在、機械金属業については百二十日、繊維については九十日を標準サイトの期間といたしておりまして、なお百五十日以上のものはこれは違反であるということにいたしまして、これが見つかった場合には直ちに立ち入り検査をいたしている。こういうことでございまするが、今後とも、先ほど申し上げましたように、全国銀行が大企業に対して金融を引き締める、大企業はそれを中小企業にしわ寄せるということが心配されまするので、十分その点は注意をして指導ないし監督をしてまいりたいと思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 審議に入る前に、一つだけ意見を言っておきたいのですが、いまこの通商産業省の資料というものが、きょうになってわれわれの手元に配付された。そういうことでは、われわれはもっと詳しい通産省の中身について審議をしなければならないのだが、いまごろ資料がくるようなことではできない。だから、こういう資料はもっと前もってわれわれのところへ提出してやること。それから、この審議時間がこんなわずかな時間で十分な審議ができるかどうかという、この問題があります。だから、この分科会を三日でやって、わずか三、四時間くらいな時間で通商産業省の関係の審議を済まして——こんなおざなりの形式的な審議はいかぬと思う。だから、もっとちゃんと時間をかけて、資料は二、三日前に提出するならするとして、十分な責任のある審議ができるような状態にしてもらいたい。そういうことを通産省は大いに考えるべきだと思うのです。委員長に申し入れておきます。  私の時間が、ほかの委員の飛び入り質問があって、多少食い込まれましたから、その点を委員長もよく頭においてひとつ善処してもらいたい、こういうふうに考えます。  まず最初に私が質問したいのは、通産省は公害に対してどういう責任を感じているか、また公害の原因が何であるかということ、それに対する対策をどういうふうに立てているかという点を具体的に示していただきたい。

熊谷典文通商産業省企業局長

○政府委員(熊谷典文君) 公害問題につきましては、一つの社会問題でございますので、通産省といたしましても、まず国民の健康というものを第一義的に考えまして、生活環境の改善につきましては、これはもちろん産業との調整を考えていかなければいかぬですが、そういう意味合いにおきまして真剣に取り組んでいるつもりでございます。  それから、それがためにどういう施策を考えているかという問題でございますが、御承知のように、公害基本法に基づまして、現在その実施法を厚生省とともに準備中でございます。騒音防止法、大気汚染防止法、それから公害防止事業団法の改正、通産省といたしましては立地適正化法を準備いたしましたが、今国会は時間の都合上見送らざるを得なくなったわけでございます。法制的にはそういうものを準備いたしております。なお、予算措置その他指導行政につきましても、従来よりも対策を進めることにいたしまして、本年度の予算におきましては、従来通産省関係で十五億円の予算を計上してありますが、今回は二十億、三割増しの予算を計上いたしている次第でございます。こまかい指導問題等もございますが、大筋を申し上げると以上のとおりでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 この公害対策を立てる前の心がまえですね、これはやはり被害を受けた人たちの立場に立って、その被害をどうしたらなくすことができるか、被害を受けた人にはどういうふうな弁償といいますか、補償といいますか、そういうことをするかということ。それから被害の原因がどこにあるかということを突き詰めて、そういうことの再び起こらないためにはどうしたらいいかということ、いわゆる人民の側に立って、被害者の側に立って考えるのが私は本筋だと思うのです。通産省はそういう面でそういう立場に立ってやっておりますか、どうですか。

熊谷典文通商産業省企業局長

○政府委員(熊谷典文君) 御指摘のようにやはり公害問題は害を起こさない、事前にそういうものを防止するというのが第一義であろうと思います。それからもう一つは害が現実には起きておりますし、起きた場合においては罹災者をできるだけ早く救済するという点が第二点だと思います。もちろんその場合に、原因を究明いたしまして原因者にはそれ相当の措置をしていただくということが大事であろうと思います。そういう意味合いにおきまして、私どもとしては予防的にたとえば水島地区につきましては公害を起こさないように業界を指導いたしておるわけでございます。これがためには相当多額の金もかかるわけですが、そういう措置をとっております。  なお救済の問題につきましては、今回の法案では間に合いませんでしたが、現在内閣におきまして対策審議会におきまして、いわゆる被害者の救済なり、あるいは紛争の処理といいますか、原因の究明をできるだけ早く、いわゆる苦情処理の機関をつくるべく努力をいたしております。おそらくいま専門家が研究しておりますので、六月ごろまでには大筋の目鼻がつく、かように考えております。それをもとにいたしまして、私どもは来年度予算なりその他の問題について善処してまいりたいと、かように考えております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それでは聞きますが、公害対策基本法のときに、いわゆるあなたたちは「経済の健全な発展との調和」という字句をこの中に入れたのは何ですか。ほんとうに被害を受けた人の補償ということが主眼ならばこういう字句を入れる必要がないんじゃないですか。それからなお大気汚染防止法のときに、許可制から届け出制にしておるのです。これはあなたたちがやはり業者の側に立っている、企業の側に立っているということがこれで明らかなんです。そういう精神でほんとうに被害を受けた人たちの補償というものがやっていけるか。そしてほんとうに被害をなくすような対策がこういう考え方でやっていけるかどうか。

熊谷典文通商産業省企業局長

○政府委員(熊谷典文君) 第一点の基本法のときの問題でございますが、私どもは、公害基本法には健康の保護というのとそれから生活環境の保全という二つの目的があるわけですが、健康の保護というのを第一義的に考えまして、これは御承知のように基本法において定められておりますこれオンリーと、こういう形になっております。生活環境の保全につきましては、これは御承知のように生活環境といいますのは、財産とか動植物と非常に広い概念でございますので、そこはやはり産業間との調整という問題が出てくるということで、その面だけ経済との調和ということを考えた次第でございます。そういうような成り立ちになっております。  それから大気汚染防止法につきまして許可制を届け出制にしたではないかという御指摘でございますが、御承知のように現在の大気汚染防止法の届け出制といいますのは事前の届け出でございまして、施設を届け出てその六十日間はそれが動かせない。その間に知事が所要の措置をとる。それで知事がいいと言ってからでないと動かせない。いわゆる届け出ではございますが、実質的にはむしろ許可的なものになっております。知事は変更命令を出せるという規定になっております。そういう意味で現在の法体系がそういうふうになっておりますので、これは立地規制までやると許可制という問題が出てくるわけでございますが、立地規制まで現在の法体系がいってないので届け出でいいだろうということで、そのままにしたようなわけでございまして、これで後退という意味では私はないと考えております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 こういうことで論争していると時間がないのですが、「経済の健全な発展との調和」ということは、あくまでも資本家の立場に立った考え方で、やはり人民の側に立った、被害者の側に立ったことでない。それじゃこの経済の健全発展ということをもう一ぺん説明してください。資本家の立場に立たない、企業の立場に立たない経済の健全発展ということはどういうふうに理解したらいいのですか、人民の側に立った字句とするならば。

熊谷典文通商産業省企業局長

○政府委員(熊谷典文君) 経済の発展といいますのは、もちろん私どもが考えていますのは、健全なる国民経済の発展との調和、こういうふうに理解いたしております。御承知のごとくやはり日本の経済が伸びないと国民の幸福はないわけでございます。それが一部の資本家のために伸びるというのではなくて、全体として中小企業も伸び、大企業も伸び、国際競争にも勝てるという正しい姿を私どもは考えているわけであります。御承知のように公害というのはある地区に集中的に起こるわけでございますが、どちらかといいますと、御承知のように臨海地区に起こるわけであります。産業といたしましてはどうしても臨海地区に問題がやはり集中的に出てまいるわけであります。そういう意味で私どもとしてはそういう産業間の立地の問題とやはり公害の問題を調整せざるを得ないということで、立地適正化法も準備したわけであります。その場合に産業がいたずらに集中いたしますと、公害の発生がひどくなりますので、それはできるだけ間引きながら、しかも秩序だてて立地さして公害の防止もはかりたいというのがこの経済との調整の問題でございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それじゃ具体的に聞きますが、四日市の大気汚染に関して一体被害者の側に立ってどういう措置をしているのですか。

熊谷典文通商産業省企業局長

○政府委員(熊谷典文君) 四日市につきましては公害が集中的に過去において起こった地域でございます。われわれといたしましても三十九年以降非常にこの問題につきましては苦心をいたしまして、何回も調査団、専門的な調査団も派遣し、その結果に基づきまして改善案をまとめまして、その改善案に基づきまして業界を強力に指導してまいったわけでございます。現在の状況は、三十九年当時におきましては、これは公害の発生状況を示す数字でございますが、〇・五PPM以上の発生時間が相当ございましたが、現在のところ四十一年度になりまして〇・五PPM以上のものはなくなっております。年平均濃度も従来は過去におきましては〇・〇七五PPMのものが現在は〇・〇六を切るという状況になっております。もちろんわれわれといたしましてはこれでこの問題は解決したというようには考えておりません。被害者の立場に立ち、あるいは住民の立場に立てばなお一そうこの措置は進めていかざるを得ない。かように考えております。そういう意味で今後通産省と厚生省共同いたしまして、この地区につきましては一番早く公害基本法に基づく公害防止計画をつくりたい。かようなことで準備を進めている段階でございます。  なお、この四日市につきましては、苦情といたしまして悪臭の問題がございます。石油化学、石油精製から出てまいりますいわゆる石油硫分に関する悪臭でございます。これにつきましても四十一年以降基準をつくりまして、その基準を業界に守っていただきますと同時に、共同の排水処理施設を公害防止事業団を中心にいたしまして設置する、これに地元の大きな六社が参画をいただきまして、その施設に相当な金がかかるわけでございますが、四十四年三月までには完成するということで進めておるわけでございます。したがいまして、まだ必ずしも十分とは言えないと思いますが、これをできるだけ住民の満足のいくように防止するということで努力の最中でございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 四日市の大気汚染では黒川調査団の大気汚染の原因という報告が出ておるわけですね。ここに報告がありますが、その報告をあなたたちは尊重して認めているということですね。  それじゃこの四日市の——四日市のことばかりやっているわけにはいきませんが、この四日市の大気汚染について、具体的に実際どういう対策を立てておるのですか。

熊谷典文通商産業省企業局長

○政府委員(熊谷典文君) 大きな項目といたしまして、いま御指摘のように黒川調査団は十項目を指摘されております。この勧告に基づきまして、業界に対しては高煙突の建設、それから集じん器の設置、それから燃焼炉の改良、それから硫黄の回収装置の設置というようなことをやっていただいておるわけでございます。これがために昨年末までにかかりました各企業の費用は、これは三社だけの合計しか手元にはございませんが、十六億円に及んでおるわけでございます。その他こまかい点等につきましてもいろいろ指導をしておる、こういう現状であります。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 大気汚染をなくすためには、煙突を単に高くしただけではできないことだと思うのですね。だから大企業の負担によって、あらゆる面にわたってこれを解決していかなければならぬと思うのです。それからこの問題の中には、中小企業がたくさんあると思うのですがね。中小企業に対しましては、やはり国が援助するということが必要になってくると思うのです。いわゆる中小企業金融公庫などを通じて長期低利の金を融資していくということ、これが必要になってくると思うのですが、具体的にやっておりますか。

熊谷典文通商産業省企業局長

○政府委員(熊谷典文君) 大企業の面につきまして、高煙突だけで問題は解決しないということは、われわれも十分そういうように考えております。むしろこれは暫定措置、やはり根本的には、できるだけ硫黄分の少ない油を使うような方法を考える。あるいは装置の段階で硫黄を抜くことを考えるようなことが根本的であろうと思います。その意味で通産省も業界も協力いたしまして、そういう技術開発を進めておる段階でございます。これが完成しました暁には相当な効果をあげるように考えております。  それから中小企業の問題ですが、御指摘のとおりでございまして、なかなか最近の公害対策というのは相当金がかかります。しかもこれがすぐ売り上げに響いてこない金であるだけに、非常に中小企業では問題でございます。そういう意味で、われわれとしては公害防止事業団を活用いたしまして、共同的に中小企業の御要望をいれて施設をつくっていくというようなことを考えております。それと同時に政府関係の中小企業金融機関からも、公害ワクをつくりまして融資をしていただく、こういうような措置をとっておるわけでございます。なお、中小企業振興事業団におきましても、共同施設的なもの、いわゆる簡易水道、下水道的なものにつきまして無利子の金を出して、業界と一緒になってこういうものを進め、それによって中小企業が汚水を一カ所に流して、外部への波及といいますか、害を及ぼすことを防ぐというようなことをせっかく努力中でございまして、中小企業の対策としてそういう点は十分考えてまいりたいと、かように考えております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 熊本の水俣病のことですが、熊本大学の内田教授の調査によりますと、原因は水俣湾沿岸にある新日本窒素水俣工場の酢酸アルデヒドと塩化ビニールの生産工場に発生する海水中に含まれている多量のアルキル水銀である、こういう報告がなされておるのですが、通産省はどういうように考えておるのでありますか、簡単に答えてください、時間がないですから。

吉光久通商産業省化学工業局長

○政府委員(吉光久君) お話しのように、原因が有機水銀によるものであるという点につきましては、通産省は全面的に肯定いたしておるわけでございますが、水俣の最後の結論につきましては、経済企画庁におきまして現在最終的な意見を取りまとめておるわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それじゃ通産省はこの内田教授の調査を全面的に承認するのですか、しないのですか。

吉光久通商産業省化学工業局長

○政府委員(吉光久君) 通産省といたしましては、これに異存はございません。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 熊大の調査のときに、熊大の人たちから、工場内のいわゆる汚水のサンプルですね、それを要求したことがあるわけですね。そのときに通産省の許可がなければ出せないと、こういうように工場は拒否しておるわけです。ところが、その許可証を通産省が出さないので、工場のサンプルをとることができない、こういう結果が起こっておるわけです。通産省はそういうことをしたのですか。

吉光久通商産業省化学工業局長

○政府委員(吉光久君) そのような話は伺っておりません。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それじゃ、そういう要求があったら、通産省は許可しますか。

吉光久通商産業省化学工業局長

○政府委員(吉光久君) 積極的に協力申し上げたいと思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 じゃ、熊大の内田教授の調査を通産省は全面的に認める。それから熊大の調査のときには全面的に協力する、こういうお答えですからこの問題はこれで済ませますが、あのときに漁民たちに対して会社側が、患者の見舞い金として一時金約二千万円、年金として約五千三百万円、死亡者一人当たり約十三七万円、生存者一時金として大人四十万円、子供十二万円、年金として昭和三十五年度以降、毎年大人十万円、子供三万円、こういう金を出したわけでありますが、通産省と日本化学工業協会、これが会社に対しまして圧力をかけておる、こういうことがあるのです。第一に、この会社のこういう補償がこれで十分だというふうに通産省は考えるのかどうかという点が一点、それから通産省としては会社が常識はずれの金を出されると今後工業関係の漁業補償をつり上げることになるから、そういう金を出してもらっちゃ困るということを、通産省が言ったということになっておるのですが、そういうことを通産省はやったことがないか。そして会社のこういう賠償が十分進ぎると考えておるのか、これではまだ十分でないと考えておるのか、そこを言ってください。

吉光久通商産業省化学工業局長

○政府委員(吉光久君) 補償の問題につきまして通産省が会社側に圧力をかけたとかあるいは積極的にこうしたらいけないとかいうふうなことを申したことはございません。会社のほうでも、実は伺っておるところによりますと、昨年この年金等につきましての補償額の改定と申しますか、改定を行なっておるというふうに聞いておるわけでございますが、補償金額の額自身につきましては、役所のほうで積極的に幾らというふうな基準は示しておらないわけでございますけれども、こういう問題につきましては、厚生省のほうともよく連絡をいたしまして、厚生省の御意見を伺った上で会社側に対して役所が何らかの形で調停することがあれば、これは厚生省と共同した上でやってまいりたいと、このように考えております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それじゃ続きまして、新潟の水俣病のことに移りますが、この新潟の水俣病、昭和電工ですね、いま鹿瀬電工と名前が変わっておりますが、この新潟の水俣病に対しまして通産省はどのような救済措置をとっておるか、伺いたいと思う。

吉光久通商産業省化学工業局長

○政府委員(吉光久君) 現在阿賀野川における水銀中毒事件につきましては、科学技術庁におきまして政府内部としての最終的な意思統一をやっておる段階でございます。したがいまして、その結論を待ちまして具体的な補償問題等について相談が始まると思うわけでございますけれども、現実の問題といたしまして、私ども科学技術庁に対します意見の中にも触れておいたわけでございますけれども、原因が究明されるまでの間、被害者が悲惨の極におとしいれられるということにつきましては、これは非常に遺憾な現象でございますので、原因究明が終わるまでの間におきましてもやはり被害者救済の手段というものにつきましては具体的な措置を講ずべきではないかということで、こういう意見を申し述べておるわけでございます。したがいまして、いまどういう形でこの被害者救済の手段をとるかという点につきましては、この阿賀野川問題もそうでございますが、その他のいろんな公害問題等を含めまして現在その手段方法等について研究をいたしておる、こういう段階でございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 厚生省のほうでは、この水俣病の原因が鹿瀬電工の汚水の結果だということを厚生省は認めておるわけですね。それから農林省も認めておるわけです。それになぜ通産省はそういうあいまいなことばで、厚生省も認め農林省も認めておることを認めようとしないのですか。

吉光久通商産業省化学工業局長

○政府委員(吉光久君) この事件の原因の最終的取りまとめは科学技術庁でやるということになっておるわけでございまして、最終的には科学技術庁に各省の意見が持ち寄られまして、国として、政府としての最終的な意見がそこで総合されるということになっておるわけでございます。通産省といたしましても、実はこの阿賀野川水銀中毒事件におきます原因が有機水銀中毒であるという点、それから昭和電工鹿瀬工場からメチル水銀が排出されているという点について異論を差しはさんでおるわけではないわけでございますが、阿賀野川が汚染されました汚染源といたしまして、有機水銀のその源でございますが、その源が複数あるという中におきまして、そのいずれか一に確信を持って、これがその原因者であるということを断定する自信がなかったわけでございまして、その旨を科学技術庁に進達いたしたわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 新潟の水俣病の加害者が昭和電工であるということをはっきり言っておるのですね。この汚染源は、阿賀野川水流の鹿瀬地区にある昭和電工鹿瀬工場で生産中に副生されるメチル水銀化合物が阿賀野川に流入し、魚の体内に蓄積し、人体内に移行蓄積し、その結果発症する、こういうふうに言っておるのですね。それに対して、何の根拠によりまして通産省は、この中毒事件の原因を、有機水銀の源についてはいろいろの説があるが、そのいずれについても資料が不十分であると考える、何を根拠としてこういうことをおっしゃるのか。

吉光久通商産業省化学工業局長

○政府委員(吉光久君) 私どもの意見を出したもとでございますけれども、先ほどお話しのございました、厚生省に設けられました調査会のいろいろな御結論と、それからその後食品衛生調査会にこれがはかられたわけでございますけれども、その食品衛生調査会においていかなる議論がされたかという点につきましては、私ども過程を知らなかったわけでございますので、その後厚生省に対しましていろいろと照会いたしまして、そこらから得ましたところの一つの事実というものと総合いたしまして、どうしても最終的な判断が下せませんでしたのは、先ほど申し上げましたように、有機水銀中毒事件であり、また昭和電工の鹿瀬工場からもメチル水銀が排出されておるという事実までにつきましては、異存がないわけでございますけれども、下流六十キロの地帯におきまして、ある一定の時期に集中的に患者が発生したという点につきまして、確信を持って判断をすることができなかったということでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 昭和電工は、こういうふうにこれに反発しておるわけですね。先ほど申しました意見に対しまして、報告書の結論は承服できない、汚染源は水銀含有の農薬であると、こういうふうに昭和電工のほうは言っている。国が鹿瀬工場の廃液が原因であると結論を出しても、絶対承服しないと、こういうことを工場のほうで言っておりますが、もしも科学技術庁との共同調査によって結論が出たならば、通産省としてはちゃんとした措置をとる決意ですか、どうですか。

吉光久通商産業省化学工業局長

○政府委員(吉光久君) 科学技術庁におきまして、政府としての最終結論が取りまとめられるということになっておるわけでございますので、科学技術庁として、政府としての最終結論が出さたました場合には、私どもはこれを尊重してまいりたい、このように考えております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 もう一つ神通川のイタイイタイ病でありますが、四十年六月厚生省は研究班を組織して調査を開始したわけですね。そのときに通産省は積極的な協力を示さなかったじゃないですか。どういう態度をとりましたか。

西家正起通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(西家正起君) 通産省といたしましては、厚生省とも密接に連絡いたしまして、現実問題といたしましては、当該水流に対しての水質調査その他堆積土調査につきまして大体一緒に参りまして調査をしておる次第でございまして、協力をしなかったということはないわけでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 協力をしなかったのは、四十二年の十月にこれが問題になったわけです。それはあなたたちも知っているでしょう。通産省は何もやっていないのではないか、こういう点を国会で追及されて、あわてて急に科学技術庁の予算の特別研究促進調整費を使って、共同調査の実施を厚生省に申し入れた。これは間違いないと思う。通産省の厚生省に対する共同調査の申し入れは、厚生省の委託研究班の調査が進行し、ほぼ三井金属神岡鉱業所が原因者であるというこの結論が出ることが予想されておったときなんです。その結論を延ばさすといいますか、牽制する意味でこういうことを急に申し入れたものと推測されるのでありますが、その点もう一ぺんはっきりと通産省の態度を伺っておきたいと思います。

西家正起通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(西家正起君) 厚生省でやっておりました原因調査でございますが、これはごく近々に出るものというふうに聞いておりますが、われわれといたしましては、原因調査につきましては、こういう点につきまして一応通産省としても考え方を決定をいたしたいと、で、昨年の秋ごろからやっております科学技術庁の特別研究促進調整費を使いました研究につきましては、これは原因調査とは一応切り離しまして今後の——ただいまの水も健康上だいじょうぶでございますけれども、なお今後予防対策を完ぺきにするために、カドミウムの川の中の状態をより一そう明らかにいたしましてさかのぼって予防対策をする、こういうことで厚生省と共同で研究をいたしておるわけでございまして、決して今回の厚生省の原因調査を引き延ばすというようなことは全然しなかったことを明言いたしたいと思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 こういう川の汚水の調査のときには、常に矛盾が起こってくるんですね。それは、流域は厚生省の管轄だということなんです。ところが、その流れてくるもとの工場は、これは通産省の管轄だということで、常に厚生省と通産省の間にうまくいかない面が出てくる。こういうことではほんとうの原因を徹底的に追求することもできない。先ほども、熊本の工場の、工場内の汚水の検査をしたいと熊本大学の教授が申し入れて、これは通産省の許可をもらってこなくちゃ工場の汚水一びんすらも出すことができないと、こういうことなんですね。まあそれはさっきあなたたちが、そういうことになったら大いに協力してやりますと、熊大に協力するということをはっきり言いましたから、これはいいようなものでありますが、常にこういう矛盾が起こってくるんですね。だからそういう矛盾が起こらないように、通産省がもっと協力をして、そうして汚水の原因を徹底的に調査をして、そして再びそういうことがないようにするにはどうしたらいいかという指導をしていかなければいけないと思います。それが十分に今日なされていないということがどの面を見ましてもはっきりそういう面が出てくるのです。それで、通産省の態度というものは、常にそういう面がずっと出てきておるように思うのです。ですから私がいま申しましたように、厚生省と通産省があらゆる場合に、あらゆる問題に関しまして、そういうふうな協力して原因を追求するということに今後努力していってもらいたいし、それから常に被害を受けた人たちの立場に立って、そうしてこの問題を解決していくように努力していただきたい、すべきだと思います。  私たちはこういうように大気汚染をどうしたらなくすことができるかということにつきまして、こういう意見を持っております。いわゆる有毒ガスを正常化する装置をすべての発生源に企業者自身の負担でつけさせるということ、それから取り締まりを厳重にするということ、それから負担力のない中小企業には、先ほども申しましたように、国と自治体が長期低利の融資を保証し、防止設備をつくらせること、それから大気汚染によって生じた病気や被害については、国と資本家の負担で完全に補償をさせるということ、それから水質の汚濁につきましては、工場事業所を調査して、水質汚濁のあるところにはその汚濁に安全浄化設備をつくらせるということ、患者の治療費全額とすべての被害には十分な補償金を会社に出させるということ、犠牲者や遺家族に対しましても十分な弔慰金を会社に支払わせるということ、こういう点が十分に行なわれないとこの問題は解決しないかもしれない。通産省はこの方向で今後やっていくということが言えますか。

熊谷典文通商産業省企業局長

○政府委員(熊谷典文君) 公害基本法の骨組みというのはそういう考え方でできておるとわれわれは了解しております。その線に沿ってわれわれも努力したい、かように考えます。

近藤英一郎自由民主党

○主査(近藤英一郎君) 以上をもちまして、通商産業省所管に関する質疑は終了したものと認めます。  午前の会議は一応この程度といたし、午後の会議は十四時四十分から再開することとし、暫時休憩いたします。    午後一時四十八分休憩      —————・—————    午後二時四十九分開会

近藤英一郎自由民主党

○主査(近藤英一郎君) 午前に引き続き、これより予算委員会第二分科会を再開いたします。  分科担当委員の異動について御報告いたします。  本日、近藤信一君及び須藤五郎君が委員を辞任され、その補欠として前川旦君及び春日正一君が委員に選任せられました。     —————————————

近藤英一郎自由民主党

○主査(近藤英一郎君) 昭和四十三年度総予算中外務省所管を議題といたします。  午前の会議と同様、政府の説明を省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

近藤英一郎自由民主党

○主査(近藤英一郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  それでは質疑に入ります。質疑のある方は、順次御発言を願います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 主として政策的な問題をお伺いするわけですが、外務大臣代理ではあるけれども、前外相であり、政界にも並み並みならぬ意欲をお持ちとお見受けいたしますので、きょうは少し政策的な問題をお伺いいたします。  ちょっとまあこまかいといえばこまかいんですが、最初にきょうの新聞に、B52の沖縄からの撤去交渉を開始すると伝えられておりますが、これは報道のとおりかどうかお伺いします。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 別に新しい動きはないと思います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 しかし、新しい動きはないとのことですけれども、すでにジョンソン声明もあり、新しい動きが起こりかかっている際でもあるので、すみやかに——条約でできぬとかという問題は別として、住民感情からいっても、いまの情勢変化に対応する当面の処置としてもきわめて適当だと思うんですが、積極的にこれをお進めになる意思はございませんか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 臨時代理でもございますし、もう少し情勢の動きを待ってからでもよろしいかと思います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 臨時代理だからということになると、きょう私がそれから質問することはみんなそれで逃げられてしまったら意味のないことになりますから、たとえ臨時でもその期間中は責任者であるので、お含みの上御答弁をお願いし、積極的な姿勢を期待いたします。  これも今朝の新聞によるというと、先般来中曽根運輸大臣が持ち出しておった中国向け船舶輸出の輸銀使用問題——首相は何か非常に消極的だという発言が伝えられておるのでありますが、通産省としてもかなりこの問題については前向きに取り組まれておったようなんですが、この点はいかがでしょうか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 現実の政策としては従来と変わりはないのでありますけれども、具体的に個々の場合場合に臨んで慎重にこれを処理する、こういうのが現在までのやり方でございまして、今日においてもそれに変わりはございません。ただ、どうすればもう一歩進めることになるかというようなものについてはいろいろ考え方はございますけれども、現実の政策ではございません。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 実はこれは私、予算の総括のときに申し上げたけれども、この種のことは私は、実は外務委員会等でもあまり質問をしなかったのです。というのは、たとえば吉田書簡の失効を明確にすることがどうとかいうことは政府がこの問題にはケース・バイ・ケースで取り組んでいくということなのでかなり控え目に私対処してきたのですが、現時点ではむしろ失効を明白にすることに意味がある、そういう段階にきておるわけですね。それがかなり進んだところにいったのに、今度はまた首相がそういう発言をして、先日来から見ると、きょうの椎名さんの御発言もやや停滞をしてしまったような感じがするんですが、これはもう積極的に取り組まれることを特に要望いたしておきます。  それから、この問題とともに私問題にしたいのはココムリストの問題があるのです。これは御承知のように西欧諸国、ことに西独、イギリス、フランス、イタリー等九ヵ国ですね、これの貿易は対前年比四五%ふえているわけです。西独のごときは二・三倍ふえている。これら諸国はほとんど政府間ベースの取引をやっている。日本は業界取引。それらの諸国はほとんどココムリストを無視して、あるいは無視するに近い態度をもって貿易をやっておるわけです。ところが、日本はこれに対して非常に遠慮しがちというか、これに縛られておるので、これを徹底的に緩和する必要があるのではないか、むしろもう撤廃してもかまわぬような情勢ではないかと思うのですが、特に日本としては積極的にこれの緩和を貿易の一つの新しい行き方として打ち出すべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 技術の進歩の日々行なわれておるような状況でございますので、そういう情勢をも十分に考慮して、できるだけ輸出増進に役立つように運営してまいりたいと、こういう考え方は持っております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それはココムリストの緩和を意味すると理解してよろしいですか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) さようでございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 次に、これは全く政策上の問題になるのですが、先日、三月二十九日ですね、マンスフィールド上院議員は、モンタナ州のモンタナ大学で演説をやって、その中で、中国は一つであり、台湾はその一部である、その前提に立って一つの中国方式による中国問題の解決策を提唱しておるわけです。これは評論家ではなしに、民主党の院内総務というこの人の地位にかんがみ、これは相当重要な発言だと思うし、またきわめて示唆に富む発言だと思います。どうお考えになるでしょうか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) いま御指摘のマンスフィールド氏の演説はかなり長い演説のようでございます。それでごく先ほど全文が到達したばかりでございまして、よくそれを熟読玩味いたしましてお答えしたいと思います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 アメリカはベトナム戦争の話し合い解決ということが軌道に乗った場合、中国抜きの話し合いは困難と見ていることは御承知のとおりであります。したがって、中国を含む関係各国の話し合いということになるだろうと思います。そういう見通しのもとで中国との接触を深めるために、一つの中国を前提にして、これも最近のニュースですが、金門、馬祖からの国府軍の撤退を考慮して、これを国府側と話し合いを進めるという報道もあるわけです。こういうアメリカの動きを待つまでもなく、日本としては中国との関係を一そう改善しなければならぬことは当然だと思います。もちろん私は、一晩に百八十度日本の外交方針が変わるというようなことを、変えなければいけないというようなことを言うわけではないのです。これは現実的に考えてそんなことはなかなか急速にできるものではありませんが、しかしアメリカの中に、これは一議員ではなしに、アメリカ当局として考えておるというワシントン電でありますから、アメリカ政府の中にもそういう動きがあるということを示しておるかと思います。  こういう情勢に対処するために、国連における日本の対中国姿勢も本年は相当慎重に考えるべきじゃないかと思う。たとえば重要事項指定方式なども、あらためて考え直すべき時期に来ておるのじゃないかと思うのであります。秋の国連総会までにはまだしばらく時間があるけれども、いずれにしてもそういう全般的な国際情勢の、ある意味での変化に対応する何らかの新しい対中国外交の改善を考慮すべき時期に来ておるというように考えますが、いかがでございましょうか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 世の中は固定したものではないので、情勢というものは絶えず流動するものであり、ことに最近の国際情勢はさようであると思います。そういうわけで、ここへきて特別にそういうことが必要だということはどうかと思いますけれども、とにかく中国問題も、これを中心にして絶えず流動的である。こういうことからいたしまして、対中国の政策というものは決して固定したものではない、あり得ない、そう考えることは、私はむしろ当然だと思いますが、しかし今回のベトナム問題がまだほんの和平に向かって端緒が打ち出されたにすぎない段階においては、対中国の態度というものに対して、はっきりした判断を下し得る時期ではまだないと、私は思います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 もちろんそれはベトナム問題の帰趨の影響は大きくはありますけれども、全般的に見て、その問題は別にしても、もう一度日本がこの辺で新しく問題を掘り下げて考え直すべき時期に到達しておるのじゃないか。これはもちろん代表権の問題がありますから、そう簡単にはいきませんが、十分慎重なる考慮を必要とすると思います。  そこで、そういう問題に関連して、先ほど申し上げた貿易の拡大も重要であるが、いつでも必要に応じて政府間の接触ができるように、何らかの外交接触の考慮を払ってはどうかという問題です。これは米、中はワルシャワで大使級の会談を何百回となくやっておると思うのですが、日本としても、単に政経分離で貿易の拡大というような十年一日のようなことだけでなしに、いつでも変化に対応できるような、何らかの政府間の接触の糸口をどっかにつくっておいてはどうか——こういうことを私前々から考えておったのですが、しかしそんなことを唐突に言ってもと思って控えておったのですが、もうそういうことをお考えになってもいい時期が来ておるのではないかと思うのですが、いかがですか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 日本といたしましては、絶えず客観的な情勢に応じていろいろ対処すべき方針と申しますか、態度と申しますか、姿勢と申しますか、そういうものについては絶えず考えておるわけであります。ただ、それを表面上明らかにすることがまだ適当でないという段階においては、そういうことを絶えず内部には用意しておりますけれども、その姿勢を明らかにしなかったというだけの話でございます。それはまた一面においては、中共の示しておる姿勢なり態度というものにも相当支配されてくる問題でありますから、いろいろな情勢に適応する出方を絶えず研究しおります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 私も中国の文化大革命の評価とか、あるいはああいう外交姿勢がどうかという問題について私は私なりの考え方を持っておりますけれども、それはそれとして、国家間の関係を単に野党の一部——社会党とか、あるいは自民党内の一部の方々の動きに待つというようなことは必ずしも適当なあり方とは思わないわけですね。ですから、いつでも政府間ベースで話せる糸口を、情勢変化に対応していつでも接触ができる、そういうことを用意しておくべきではないか、そういう意味の私は注文なんです。十分御考慮を願いたいと思いますが、いかがですか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) これは結局相手のある問題でありまして、非常に固い姿勢をとっておる間はどうにも手の出しようがない、そういうこともあるわけでありまして、絶えずわがほうとしては柔軟な姿勢でこの情勢の変化に応じて、決してそうかといってとっぴなことはもちろんすべきじゃないと思います。外交は、私は奇想天外の構想でとっぴなことをやるということは、これは一番慎まなければいかぬ。そうじゃない限度において常に柔軟な考え方をして、そうしてあらゆるチャンスに対処すべき用意は必要である、こう考えております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 いまの問題とも関連しますし、それからさきに私総括質問で述べた中国の世界軍縮首脳会議という問題にも関連するし、あるいは今後の中国の国連加盟問題等にも関連するし、そのほかの中国を除外してその他の問題にも実は非常に大きな影響を持つ一つの問題としてここに提起したいのは、今日の国連の改組であります。  というのは、今日の国連は五大国を安保の常任理事国としてこれを中心とする組織であることは言うまでもないことでありますが、これは国連発足当時の機構をそのまま続けておるわけです。ところが、現在は加盟国は百二十カ国の余になった。また五大常任理事国そのものもそれぞれ比重の変化が起こっております。もう発足当時とは違って、五大常任理事国の力関係といいますか、比重も相当変化しておる。したがって、この常任理事国をふやすなり、あるいは機構そのものを再検討するなり、何らかの新しい方策を考えなければ、国連の機構そのものが全く硬直状態になってしまって今日の世界情勢に対応できないのではないか。この問題に日本が積極的に取り組むべきではないかと思うのです。  実はこれは別に中国問題だけに限定して言っておるわけではないので、その他全般の問題についても非常な大きな要素になると思います。たとえば今度の核拡散防止条約の草案もこれからあと国連の場で討議されることになるわけですが、条約草案の本質論はまたの機会といたしますが、この条約草案そのものを見たときに、この核保有国が非保有国に対する安全保障という問題を、条約本文とは別に、国連の安保理の決議という形で取り上げておるわけです。この問題についてはアメリカ自身も、アジアに新しい防衛約束をすることは中国を刺激するということで、そういう配慮もあってこの条約草案とは別個の決議にしたと思うし、またアメリカ自身も、これは新たなる防衛約束を意味するものではないという声明もしておる。したがって、この条約のよしあしは別として、本質論は別として、もしこの核保有国の非保有国に対する安全保障という問題が、たとえ別ワクで何らかの決議が実現されたとしても、五大国のいずれかが拒否権を発動すればこれは全然問題にならぬ。そういう意味でいま私がさきに申し上げた国連の改組という問題。五大常任理事国というような形が、百二十何カ国も加盟国がふえた今日でも適当であるのかどうか。数もふやす必要があるんではないか。あるいは五大常任理事国の比重そのものも大きな変化をしておるのに、今日の国連というものは全く硬直した状態にある。これを打開しなければ実は国連そのものの評価というものも、全く国連そのものの権威というものも保たれないんではないか。そのために、いまは取りやめたけれども、インドネシアはかつて国連から脱退したこともあるし、新たなる国連の組織を中国とともに進めようとしたこともある。でありますから、この問題をまじめに取り組まないと、どんな国際的ないろいろな問題を提起してもほとんど実行に移されないという、そういう意味で私はこれは非常に重大な問題だと思う。この間実は総括の際に申し上げようと思ったけれども、時間のかかる問題なので割愛してしまったんですが、ぜひこれは真剣にひとつ日本外務当局の御検討の材料にしていただきたいと思う。これは大臣からもお聞かせいただき、国連局長からも最近の動き等があればお聞かせをいただきたい。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) まず最近の動きについて局長から申し上げたいと思います。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) 憲章改正の問題、ことに安保理事会における運営の実際を改善する必要があるんではないかということは、前から非常に大きな問題になっております。わが国といたしましても、外交の基本が国連強化というところにあるんで、その具体的強化ということの一番大きい問題は、この安保理事会の運営の問題でございます。そこで、先生も御指摘になりましたビトーの問題その他で運営が円滑にいっていないということでございますが、この問題も実は国連の内部におきまして、憲章改正の問題として非公式に数回にわたって論議が行なわれたことがあるのでございます。ことに国連憲章そのものに、第十回総会までに国連憲章を再審議するという条項がございます。それに基づいて実は会議が行なわれたかと申しますと、十回総会までには会議が持たれないで、十回総会を契機といたしまして特別の委員会をつくりました。そしてこの安保理事会の問題も含めて憲章改正の問題に取り組んだのでございますが、実際を申しますと、この安保理事会の常任理事国の間の、五か国の間の意見の一致が見られないのでございます。そうしますというと、このビトーを含む安保理改正の問題が委員会を何回開いても進捗しないというのが残念ながら現状でございます。それで日本は、その間において主張はいたしてまいりましたが、とにかく大国の意見の一致を招来するような、側面からも努力していきたい、こういう状態になっております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 大臣、いま局長さんの御説明のことは、私もある程度承知しておるわけですけれども、そういう状態でこのままにしておけば、一体いつの日か予測はつかぬわけですね。ですから、日本あたりが同じ考えを持つ国々を誘って、もっと強力に何らかの新しい動きを示すべきではないかと、こう考えるのですが、外相はいかがお考えになりましょうか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) まあこれは正面からぶつかっていったのではどうにもならぬと思いますが、あらゆるチャンスをつかまえて、そしてこういう問題を解決するために必要な機構なり何なりをつくって、それにも誘い込むという手があれば一番いいと思うのですが、ただいまのところ私は何も具体的な問題については研究しておりません。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 先ほど申し上げたマンスフィールド提案にしても、それからいままで問題になっておる中国の国連代表権の問題にしても、その他の問題もそうですが、そういう問題もやはりこの国連のある程度改組ということを進めなければなかなか進まないのではないか、そういう感じがするわけですね。ですから、これ当面の五大常任理事国が賛成しなければ、これ以上一歩も進まないということになるわけで、はなはだ残念ですけれども、何らかの方法というものは、政治的なことは別として、手続的、技術的には何か方法というものあるのでしょうか、どうでしょうか、この辺は。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) 非常にむずかしい御質問でございまして、国連憲章その他関連の規則におきまして可能なことは実はすべて研究し、何も日本だけじゃございませんが、国連の場において検討したわけでございますが、羽生先生のおっしゃるように、何か技術的にうまい手はないかとおっしゃられましても、これ世界各国が集まって具体的にはビトーの問題をどういうふうにするかという場合に、ビトーを行使し得る強国が一致しなければ、まだ一致していないのですから、これはなかなか技術的に申しましても、こうすればいいのだというのは残念ながらないと思うのであります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 総会で何か多数決でというようなことも……。そうすれば永久にこれ国連の改組できぬわけでしょう、何らかの手がなければ。これどういうことになるのですか。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) 総会で過半数とおっしゃいますが、この憲章の改正は、安保理事会から始めていかなければならないことになっておりますから、その安保理事会で引っかかるわけでございます。そこで、総会でいろいろな決議はすることはできますが、これは法的な効果がそういう問題についてはございませんのですから、いわば過半数の意見はこうだということは、現にいままでしたことがございますが、法律的に憲章を改正する問題になりますと、やはり安保理から積み上げてこなければならぬという状況であります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 まあこれは、そんなしろうとが少しぐらい考えてどういうふうになる問題でもないのですけれども、しかしこの問題が解決しない限り重要な国際問題はなかなか一歩も進まない、こう考えるのですから、どうかこの問題については、これは非常にむずかしい問題であるということはわかるけれども、何かそれを打ち破るために十分なる配慮を期待したいと思います。そうでなければ、なかなかいろいろ世界の情勢が変化しても、この問題の壁にぶつかってさっぱり進まないということは、はなはだ残念でありますから、これは外務当局としては十分お考えを願いたいと思います。外相どうですか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 五大常任理事国と、こう言いますけれども、結局は米ソの二大強国の間で、もっと何といいますか、世界の平和をどういうふうにして持っていくかというようなことについて打ち割った相談なり何なりするような空気にならないと、なかなかこれはほかでどうというわけにまいりませんと思います。米ソというもののもう少し接近というか……。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 これは米ソだけじゃない、やっぱり国府の問題じゃないですか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) そうでありますけれども、まずそこから始まる。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 これはまあ要望だけにとどめておきます。  それから、次の問題は、二月の二十二日の新聞報道によりますというと、韓国の金国防部長官が長官名で、北朝鮮と一朝有事の場合には積極的な軍事援助を求めたいと、日本と関係国九カ国に要請の書簡を送ったということでありますが、日本はそういうものを受け取っておるのですか、どうですか。

小川平四郎外務省アジア局長

○政府委員(小川平四郎君) これは当時同文の書簡を相当広い各国に出したようでございまして、日本の防衛庁長官あてにきております。この内容は、新聞に出ておりますよりも実は、もっと韓国の情勢、北鮮の情勢、そういうようなものの説明が大部分でございまして、そういうような状況であるので韓国としても油断はできない そこで、各国の好意的な援助を期待するというふうに結んでございまして、特に武力的な援助、そういうような要請ではございません。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 その武力的であるかないかは別として、それに対して日本政府としては、これは防衛庁長官あてであるにしても、何らかの回答を出しておるでしょうか。

小川平四郎外務省アジア局長

○政府委員(小川平四郎君) 書簡は外務省を通じて防衛庁長官に送られましたが、防衛庁長官からはまだ返書が出ておらないと承知しております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 この返書は十分気をつけていただかなければならない、これは非常に重要なことだと思いまするから。まあ幸いにして、プエブロ号事件以後、あの問題はありましたけれども、一応平静になっておりますから、当面問題はないにしても、情勢いかんによってはきわめて重要な事態も予測される時期がこないという保証はない。その場合に、こういう書簡を出したって、向こうから送られてきて日本がそれに対応する——まあ日本には一定の制約がありますから、むちゃな返事を日本が出すとは私ども考えませんけれども、それにしても、この返書というものは非常に注意をして出すべきものだと思いますので、これは外務省を通じてきたというのですから、十分御考慮願いたいと思う。返書を出す場合には、内容については十分考慮を願いたいということです。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 御指摘のとおりだと思います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それから、続いて、これもちょっと先のことになるのですが、実はASPACの第三回会議が今年七月オーストラリアのキャンベラで開かれることになっております。今度のとはちょっと違う、いま三木さんの行っている会議とは性質を異にするものですが、この会議は七月ですから、もうそのころには選挙が終わったばかりで、国会も開かれない。したがって、こういうお尋ねをする機会は今国会限りないものですから、御注文を少ししておきたいと思います。これについては、第一回会議に当時の椎名外相が出発される際に、私は繰り返し繰り返し御注文申し上げて、当時の椎名外相から十分配慮するという御答弁をいただき、また、事実そのとおり進みました。また、続いて第二回会議に三木外相が出発される際も、くどく何回もいろいろな注文をしたわけです。椎名外相のときには政治問題には触れないということでしたが、三木外相のときには幅広く政治討議に応ずるという態度を示したわけです。しかし、幅広い政治討議はいいけれども、いわゆる反共の新組織ということになることは適当ではないから、十分な配慮が必要であるという注文をして一応第二回会議もたいした問題なしに済んだわけです。ところが、これまた最近の新聞報道によれば、韓国はASPACをSEATOにかわる新たな軍事機構にしようという新しい提案をしようということが伝えられております。この報道は一再にとどまりません。おりおり伝えられております。また、事実そういう動きが起こりかねない情勢があると思います。したがって、これは七月のことでまだ少し先のことでありますが、そのころ国会がたぶん開かれておらないので、この機会に御注文しておくのですが、やはり従来の態度を日本は堅持すべきじゃないか、つまりSEATOにかわるような新たな軍事機構にASPACを改組することは慎むべきじゃないかと思いますが、この従来の基本的態度を変えることはないかどうか、この点について外相の所信を承りたい。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) これは当初からその東南アジアを中心にした対立を拡大強化するとか、あるいは対立をつくり出すとかいうような方向にいくべきものではなくて、むしろ現在存しておれば、その対立を解消する、こういう行き方をすべきであるということを提唱いたしまして、参加各国が双手をあげて賛成をしておる。第二回もそういうことで終わっておるようでございますが、したがって、いま韓国があなたの言われるような新しい対立をつくり出すというようなそういう提言はした形跡はございません。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 いや、近く今度するというのです、新たに。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) そういう意向もわれわれとしてはこれを承知しておりませんけれども、どうもそういうことを新しくやり出すはずはないと思います。かりにそういうことがありましても、これは当初の方針どおり、ASPACというものは、やはり対立をつくり出すものではなくて、対立があるならばこれを解消する、こういう方向に進むべきものである、そういうつもりで努力してまいりたい。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 これはぜひそういうことを期待いたしたいと思います。実は、第一回のときも、出発前に椎名外相は、あくまでもそういう軍事同盟的なものであるならば脱退も辞さないという発言を私に対する答弁でされておるわけですね、外相は。したがって、従来の方針を堅持されることを期待いたしておきます。  次に、これはいますぐの問題ではない、将来の展望にかかわる問題でありますけれども、英国がさきにウィルソン内閣がアジアからの撤退をきめたわけです。いますぐではないが、徐々にそういうアジアからの撤退を進めるわけです。そこで、ベトナム戦後のアジアにおけるアメリカの軍事力がどのようなものとなるか、おそらく関係各国がそれぞれの立場で模索しておると思います。つまりベトナム戦争解決後は、アメリカは引き続いて軍事力をアジアに維持するのかどうか。もし維持するとすれば、どういう地域に、また、その規模はどういう程度のもので維持するのか、これは今後のきわめて重要な問題になると思うわけであります。私がなぜこういう質問をするかというと、実は一昨年でしたか、ジョンソン大統領がアジアドクトリンというものを発表したわけです。これはベトナム戦争が終わってもアジアに軍事力を維持するという、新しいといいますか、一つの方針というものを打ち出したわけです。当時フルブライト上院外交委員長の反対といいますか、異議でこの問題はそのまま動きがとまっております。しかし、これは将来英軍も撤退をする、それからアメリカがアジアから撤退するのかどうか、私たちはそういう外国の軍事力がいつまでもアジアにおることを希望するわけではありませんが、しかし、関係各国の中には、この英米両国の動きを中心にしていろいろな検討が始まることだろうと思います。いますぐのことではない、先のことではありますが、長い展望のもとで、日本としてもこの問題には十分いまから取り組む価値のある問題だ、こう考えるわけでありますので、これは外相が、それはいまの問題じゃないから、そんなものは知らぬと言えばそれまでのことですが、いやしくも一国の外交を進める場合に、そういう意味の長期展望をも含めて、お考えがあれば承りたいと思います。先般の総括質問の際にも、三木外相は、意味はちょっとわからなかったのですが、アジアに引き続きアメリカの軍事力の残ることを欲しないという答弁をしておられます。それはベトナムにおけるような規模の軍事力を維持することを欲しないというのかどうか、その点、答弁が、速記録で見る限りでは不明確でありますが、椎名さんとしてはいかようにお考えでしょうか、お伺いいたします。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) これはベトナム戦争終結のしかたのいかんに多分にかかっておると思います。ただし、それは永久の姿ではないと思います。さしあたりアメリカの軍事力というものはどういう形で残るか、それとも残らないか、それはベトナム戦争終結の態様いかんにかかっていると思います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それはまあそのとおりでしょうが、イギリスのアジアからの撤退について日本が何か求められたことはないか。ロストウが正月に来たときに、何かそういう問題に触れなかったかどうか、その辺はどうですか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) そういうことはないと思います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それから、日本としても、イギリス撤退後の真空状態といいますか、空白状態を日本が埋めるということは考えていないというぐあいに了承してよろしゅうございますか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) それはもう日本としてはそういうことをやろうとしてもできないことだし、当然だと思います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 もう一つ次に承りたいことは、ベトナムがどういう形で解決するかということは時間をしばらくかさなければわからないことですが、ベトナム中立化構想というものが各方面にあるわけです。これについてどういうふうにお考えになるかということ。これは三月十二日のワシントン電報によると、アメリカ上院外交委員会で、これはラスク国務長官ですか、ベトナム戦争解決後は南ベトナムの中立化を認めるということを強調しておったようです。これはラスク国務長官であったと思います。間違いであれば訂正いたしますが、そういう問題があるわけです。もう一つは、ところが、先年私フランスに参った際は、ちょうどそのときはドゴール大統領がプノンぺンを訪問して、いわゆるプノンペン演説をやって、べトナムの全域の中立化構想を打ち出したときで、ところが、その直後にフランス外務当局と会った際にもいろいろ話をしたのですが、北ベトナムの労働党機関紙「ニャンザン」は、その中立化部分だけ抜いて報道しているわけですね。ドゴールの演説の全文を、その部分だけを抜いて報道しているわけです。したがって、この中立化構想というのはいろいろあると思います。たとえば南だけを先に中立化するというのか、あるいは北はどうなるのか、あるいは統一後のベトナムをいうのか、あるいはラオス、カンボジアを含める全地域の中立化か、いろいろの問題があると思いますが、いずれにしても、中立化構想というものが各方面一致した意見だと思うのです。こういう場合、日本政府としてはこういう動きに対しどういうお考えをお持ちなのか、外務省の見解を承りたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) まあどういう政治形態を選ぶかということは、外部からしいられた状態でなしに、ベトナム人民がみずから自由な立場において選ぶところに従うというのがいいのではないかと、外務省としてはそのように考えております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 ベトナム人民自身が自由な形で解決する……。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) そうです。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それはまことにけっこうです。まさにそのとおりなんですけれども、たとえば南ベトナム政府は解放戦線を否定はできない、こう報道していますね、二、三日前の新聞に。ところが、きのうか一昨日の新聞に、同時に、連立政権はこれを拒否する、こう言っているわけです。ですから、なかなか非常にめんどうな問題ですが、日本の外交は、率直に言って、情勢の変化にはついてくる、これは間違いないけれども、進んでそういう問題に何か道を切り開いていくことに協力することに非常に欠けている。三木外相は、率直に言って、表現はなかなかうまい、うまい表現の答弁をしておられますけれども、実際何を考えているのかさっぱりわからないことがあるわけです。そこで、当面アメリカに特使を送って云々ということもあるけれども、そういう思いつきのことは別として、このベトナムの南に向かっても、もっと日本はいまのような問題について言うべきことがあるのではないか、私はそう思うのです。これがハノイとアメリカだけの問題ではない。やはり南ベトナムがそういう問題について、たとえば連立政権にも応ずるとか、解放戦線とも話し合いをするとか、そういう姿勢が出てこなければこれは問題にならぬし、それから、そういうことは向こうの民族の自由だと言っておれば、それは自主性という意味でいえばそのとおりかもしれぬけれども、しかし、望ましき形の解決を指向するという意味でいくならば、もっと意欲的な姿勢があってしかるべきではないか、こう思うわけですが、いかがでしょうか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) まあ何らかの政治的な圧力が外部から加わるということは、これはどうもやっぱり避くべきものだと思います。それじゃ内部でいろいろしようと思っても、白と黒が一緒くたになってお互いに自己を主張するというような状況も、これは好ましくないと思います。しかし、一切外部の圧力というものが排除されればおのずからきまっていくのではないか。外部からいろいろ使嗾するということになると、これはどうもいつまでも紛争が絶えないと思います。そうじゃなくて、全く純粋な自由な立場できめさせるということが一番望ましいのではないか、そういうことできまるならば、その周辺に対する影響も非常にいいのではないかと、こう思います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 ただ、それできまればそんなけっこうなことはないのです。しかし、私は、北の態度もさることながら、南がこの問題についてどういう姿勢を打ち出すかで、これがいま大きなアメリカの北爆の完全停止ということもあるけれども、南のサイゴン現政権がどういう姿勢をとるかということが非常な大きなウエートを持つと思うので、特にこの問題を提起したわけですが、まあしかし、いまの段階でこれ以上いろいろお尋ねしてもいかがかと思いますので、これ以上は申し上げません。  最後に、この一問で時間の関係で終えますが、沖縄返還問題については、何か具体的な一つのプログラムといいますか、スケジュールといいますか、そういうものをお持ちになっているのでしょうか。内容のことは私はきょうこの席でお尋ねするのはいかがと思いますので控えておきますが、どういう順序で話を進めていくのか、その辺のところはいかがでしょう。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) ただいま総理は、二、三年の間に返還のめどをつける、こういうことを繰り返し述べておられます。結局政治的な、あるいは経済的な、その他の万々の問題、事柄について、二、三年のうちに十分に研究してアメリカとも協議して具体的にスケジュールをつくるということだと解釈しております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 最終の決定が二、三年後になるというならわかるのですが、しかし、おそかれ早かれ、一両年中に衆議院の解散ということもあるだろうし、それから、まあこれは沖縄ではないけれども、福田自民党幹事長は、来たるべき参議院選挙は安保決戦の場だとこの間談話を発表しましたね。そういうように、政府自身としても何らかの一つの解決の一応のめど——内容はとにかく、そういうものをつけなければ済まされない情勢にきているのではないか、そういう情勢がある。したがって、総理は、それは二、三年先というのは、それは返還のめどを言うのであって、たとえば来年まあジョンソン大統領がやめるといったら、新しい大統領はだれになるか。それから、その就任式といいますか、そういうこともあるだろうし、向こうの都合もあるだろうから、訪米の時期もいまからきめるわけにいかぬでしょうが、いずれにしても、何らかの形でこれは総理自身がおやりになるのか、あるいは外務大臣、あるいは外務当局も含める広範な協議になるのか。まあもちろんこれは一人できめることでもあるまいと思いますけれども、何らかの一つの一応の手だて、手順というものがなければこれはおかしいことになると思います。突然総理が、おれはこうきめたというような趣旨のものじゃなかろうと思うのですね。そういうようなものは一通りの、何かこういうようにしていくということの手だてというものを、たとえばこれは全くの高度な政治的な判断によるもので、事務レベルできめることではないでしょうが、何か一応の手だてというものは考えられておるのかどうか、それをお聞きするわけです。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) まあ外務当局が向こうの外交ルートと接触をして事務的にいろいろの問題をきめていく、原案をつくる、両国最終の討議をしていずれ決定するわけでございましょうが、そういう手がかりを両外交当局でつくっていくということのようでございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 そうすると、これは総理大臣とアメリカの大統領との間というのか、外務大臣と向こうの国務長官、あるいはまあ向こうの外務事務レベルと日本の外務当局、いろいろあるでしょうが、一体どこら辺が中心でこのことを進めていくのか、その辺は一体どうなのか、少しお考えがあれば聞かしていただきたいと思うのです。最終的な内容は、それは別ですよ、私の言うのは。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) まあ事柄は非常に基調をなすようなものもありましょうし、それから、それに吸収される小さな問題もありましょうが、その事柄いかんによっては、漸次両国の大使あるいは大臣、それから、非常に大きな問題については大統領、そこの総理大臣、そういうようなところと協議をして、そうして逐次かたまっていくものだろうと思いますがね。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 これで終わります。この間予算委員会で社会党の稲葉誠一君が、沖繩で日本自身が核を持つということは憲法違反だと、しかし、日本は持つ意思もないと、それははっきりしておる。ただ、米軍が持つ場合はこれは別の問題だということで政府答弁をしておるわけですね。しかし、米軍が持つ場合でも、沖繩が日本に返る場合に、そこに置くということになれば、これはたとえ米軍であろうが日本軍であろうが同じことじゃないかと、これは憲法上重要な問題だというので提起して、これはさっぱりわけがわからぬことで終わっておるわけですね。これについては、これは防衛庁長官に私は質問して答えを求めるのはむしろ適当でないと思うので、外務当局から、一体それはどういうふうにお考えになるのか。米軍だろうが日本だろうが、施政権下にある沖縄の場合と、返還になった沖縄の場合とじゃ、もう根本的に違うから、たとえそれは戦術兵器か戦略兵器であっても、日本が持つことを認めれば、当然それは憲法上の制約を受けることになると思うのですが、その辺はいかがですか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 総理の言われる白紙ということはそこらのことを言っておるだろうと思いますがね。それから、まあ稲葉誠一君がどういうことを言ったか知りませんけれども、これは日本政府の解釈としては、憲法違反の問題じゃない、ただ、基本的政策の問題として打ち出しておるということになっております。これはまあ御参考までに。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 稲葉君の言うのは、それはわかっているのですが、憲法上持てるのだが、政策上持たないのだということに一貫しておるわけですね、日本は。けれども、政策上だろうが憲法上だろうが、どっちにしても、日本自身が持つことを認めた場合には違反だということを言っておるわけです。私も大体それに似た解釈なんですが、変わりありませんか。白紙と言っても、この問題は白紙ではおかしいと思うのです。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) いずれにしても、持つか持たぬかということについては、そういう点も含めて白紙と、こう言っているのではないでしょうか。私も、どうもどこからどこまでの範囲を白紙と言っておるのかよくわかりませんけれども。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 まあよろしいです。これで終わっておきます。もう少しやりたいのですが、時間がありませんから。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 この間の予算委員会の一般質問で、途中で終わったのですが、四十一年度に外務省から行なわれたところのベトナムの医療援助ですが、七千二百万円出されておる問題で、ああいうふうなシステム、要するに社団法人ベトナム協会に依頼をして予備費の中から出して、そしてそれが品物を買ってそれから向こうに送っているわけですが、その前の三十九年度の予算の中から出た場合には、東南アジア文化友好協会というのがやったわけですが、それについては公明党の二宮議員が相当の不正の疑い、要するに領収書も何もない、また、事務所も小さな事務所で、机が一つだと、そういうふうな国民の疑義を感ずるようなやり方が行なわれて、それについて追及があったわけです。その結果、今回の場合は、四十一年度の場合は領収書だけはきちっとそろっておるけれども、相も変わらずそういう社団法人をわざわざそのためにつくられたような疑いが十分ある。というのは、十月につくられて、十一月に認可があって、そうして三月に閣議決定をし、直ちに品物を送っている。そういうふうなことで、しかも、そのベトナム協会の実績というもの、業績というものは、ほとんどこれといって見られるものはないし。しかも、その事務所はアジア会館の中の一室にあるけれども、アジア会館の表に看板も出ていないし、そこに電話をかけても何もその様子はわからない。実際の事務所というのは衆議院の議員会館の自民党の政策審議室の中にあるわけです。そうして行なわれておる。まあどこにあってもかまわないとは思いますが、何かそういう点が国民から見れば非常に疑いを感ずる。それはそれ一回きりで終わっているようでありますけれども、そういうふうな医療援助のあり方、しかも、その中身というのは、その薬自体も、非常に向こうの人たちがいま困っているのは、どちらかといえば結核やマラリア、そういうのが非常に多いわけです。そういうふうな薬は全然ないし、しかも、富山の売薬なんかも買っているわけです。お医者さんの意見を聞きますと、そういうふうな医療援助では十分なことはできない、こういうふうに言われているわけです。今後ともそういう緊急援助があった場合に、やはり何かそのために特別の協会を何かつくって、そうしてその事務所もいいかげんそういうふうなもので今後やられるとすれば、ますます国民の疑惑はふえるばかりだし、しかも、もう一つ大事なことは、はたしてその医療援助がほんとうに向こうの人たちのためになっているかどうか考えたときに、はなはだ疑問でもあるし、もう一つは、南ベトナムだけしかやっていない。北のほうにはやっていない。それは友好関係がないからだと、こう言われると思いますけれども、日赤を使えば私は両方にできると思うのですけれども、その点について結論的な面での答弁をお願いしたい。

小川平四郎外務省アジア局長

○政府委員(小川平四郎君) 細部につきましては、先般御質問がございましたのでお答えしたとおりでございまして、ベトナム協会というものは、決して援助を予定してできたものではございませんで、先般御説明いたしましたように、友好団体でございますので、ベトナムとの親善、あるいはベトナムの認識を深めるという趣旨でできた協会でございまして、たまたまその後に援助の問題が起こりましたので、これに依頼いたしまして実施したわけでございます。政府が直接やるという方法と、こういう団体に依頼してやるという方法とあるわけでございますけれども、直接私どもがやりますのは、私どもとしましても非常にむずかしいのでこの団体に依頼したわけでございます。御指摘のとおり、日赤というものが使えますれば一番公平な団体で、ただいま御指摘のような疑惑も生じなかったと思いますけれども、その点につきましても、この前御説明したような分裂国家であります関係上、赤十字の中立という意味から、残念ながら遠慮したいという回答があったわけでございまして、私どもといたしましても、できるだけ日赤というものを立てていきたいという気に変わりはございません。この場合にはやむを得ずベトナム協会に依頼したわけでございますけれども、先般来御指摘の御趣旨を体しまして、今後はできるだけ日赤というようなものを通してやるようにいたしたいと考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 その日赤ですが、南の場合だから断わられたんじゃないか、北と両方同時にやったらやってくれたんじゃないかと思うのですが、その点はいかがですか。

小川平四郎外務省アジア局長

○政府委員(小川平四郎君) 公平立中の観点からでございますので、両方同時にやるということであれば、また日赤も別の考えがあると思います。現に日赤自身といたしましては、南北ベトナムの赤十字委員会を通じて救恤を行なっておると称しております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 日赤の名目は東南アジア医療援助という形で、今回の医療援助、そのときの医療援助のような、金額はそういうものであっても、予備金の中から操作はできない。要するに友好関係のない国に対して、いずれ国から日赤を介してでも流れるわけですけれども、そういう点ではできないわけですね。要するに予算の中から日赤に出せない、そして南北両方へすることは不可能なことですか。

小川平四郎外務省アジア局長

○政府委員(小川平四郎君) ただいまの御質問は、政府の予備費を日赤に委託いたしまして、それを南北両方へ分けるという御質問でございますれば、現在の段階といたしましては、日本といたしましては南ベトナム政府を正当なベトナム政府と認めまして、これと外交関係を結んでおるわけでございまして、北ベトナムとは外交関係がないので、現段階といたしまして、政府の資金として、たとえば日赤を通じまして北ベトナムまで援助するという段階ではないと考えております。将来ベトナム問題の進展いかんによりましては事情が異なると思いますけれども、現段階ではその点は考えておりません。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 次に、海外技術協力事業団が行なっておる八カ国への医療援助でありますが、これは毎年かなり予算がふえておるように思いますけれども、四十一年度から始まっておると思いますが、各年度の全体の金額を教えていただきたい。

有田武夫外務省経済協力局参事官

○説明員(有田武夫君) 四十一年度の支出総額は一億二千二百万円余りでございまして、供与の相手国は、ベトナム、カンボジア、ラオス、ビルマ、タイ、ケニア、インド等となっております。四十二年度の支出総額は約三億二千九百万円でございまして、供与相手国はフィリピン、ベトナム、カンボジア、ラオス、ビルマ、インドネシア、タイ、マレーシア、ケニア、インド等となっております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 四十三年度の予算は幾らになっておりますか。

有田武夫外務省経済協力局参事官

○説明員(有田武夫君) 四十三年度の医療協力の予算は九億一千万円となっております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 四十二年から四十三年にかなり、三倍近くもふえておりまして、非常にけっこうだと思いますが、この内容等についての検討はまだ行なわれてないのですか。

有田武夫外務省経済協力局参事官

○説明員(有田武夫君) 四十二年度については、まだ具体的に確定しておりません。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 この国も、四十一年度、四十二年度で変っておるわけですが、どの国に援助をするか、あるいはどういう内容のものをやるか、そういう点はどういう機関で検討されて、そしてどういう人たちの意見を開いて行なわれているか、また、向こうの政府からの要請というふうなものがどういう形で行なわれるか、システムですね、簡単に説明してください。

有田武夫外務省経済協力局参事官

○説明員(有田武夫君) 御指摘のように、相手国からの外交ルートを通じました要請に基づきまして、外務省、厚生省、その他関係官庁と協議をいたします。また、海外技術協力事業団というような機関とも相談して決定しております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 この国に対する配分のしかたですけれども、特に傾向としてどの国に多く、四十一年、二年ですね、四十三年はまだきめておられませんけれども、考えまして、どこにやはり力を入れるか、重点的な面が出てくると思うのですけれども、この点はいかがですか。

有田武夫外務省経済協力局参事官

○説明員(有田武夫君) 四十一年度をとりますと、タイ国が一番多くなっておりまして、約四千五百万円となっております。その次がベトナムでございまして、ベトナムに対する支出実績は約三千七百万円となっております。四十二年度におきましては、ベトナムのほうが一億一千四百万円程度でございまして、タイがその次で、一億四千二、三百万円程度になっております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 時間がありませんので簡単にしますけれども、最後に、先ほど言いました緊急援助が今後も要請がどこかの国からあることも考えられるわけですが、そういった場合、先ほどのような非常に国民に疑惑を持たれるような組織を使うのではなしに、たとえば海外技術協力事業団が一本化してそういうものをやっていく、そういう方向で今後ともいかれるのか、あるいはケース・バイ・ケースでそういう協会を使って今後も続けられるのか、その点の今後の問題について、できれば大臣からお答え願いたい。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 前の場合は予備費から出して急速にやった関係上、いろいろ手順において十分なことができなかったわけでございますが、今度は予算にちゃんと計上してありますので、十分の準備をして、万遺憾ない方法によって実行したいと、こう考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 私の聞いているのは、今後緊急な要請があった場合でもこの事業団を使ってやるのか、それともまた新しく……。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 事業団を使ってやると、こういうことにしています。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 この問題はこの程度にいたしまして、次に、けさの朝日新聞に載っておりました記事ですが、先ほども質問があったかと思いますが、沖縄の硫球立法院におきましては、「九日の本会議で、本土政府と国会あてにB52調査団の派遣を要請する決議を全会一致で行なった。」と、こういうふうに出ておりますが、すでに政府に対してこの決議はもう到着したかどうか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) まだ到着しておりません。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 この問題について、この間沖縄へ参った沖縄問題等懇談会の調査団には立法院自体が満足していない。しかも、これが全会一致であるということは、与党も野党も超党派でこの問題には満足をしていなかった。先日のB52の調査団に不満足だと、こういうことだと思うわけです。これに対して政府として、もう一度私は、もう今度は超党派で調査団を結成して行ったほうがいいのじゃないかと、こういうようにも思うのですが、こういう点についてまだきまっていないと思いますが、将来どうせこの決議がくると思いますので、それに対してどういう態度で臨もうとしておられるか、お伺いしたい。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) まだ到着しておりませんし、十分な手がかりがあるわけでもございませんが、とにかくこの問題は、長くB52のために沖縄の施設を使用するという考えは持っていないというアメリカ当局の話でございまして、まあそれならばということに現在なっておる。ベトナム問題をめぐって大きくいま局面が展開するかもしれぬという状況になっております。この問題については、政府としては一応アメリカの申し入れを了承したという形になっておるので、それ以外のまだこの問題の進展について十分に考究をしておらないという段階でございますので、いずれ向こうから書面でも到着したならば、あらためてまた考究するということにしたいと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 まあ結論的なことは大臣としても言えないと思いますけれども、いまの答弁を伺っていますと、何かこれを無視するような感じを受けるんですけれども、実際まだかなり飛行機もおりますし、爆弾を積んで発進もしておりますし、やはりいずれベトナム戦争がおさまってくるから、アメリカの要請があって、向こうの言うことを信用してこのまま認めておくと、それだけの返答では、向こうの人がやはり全会一致までしてきておるのですから、ちょっとあまりにもそれではそっけないと、このように思うんですけれども、この点いかがですか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) まあ向こうから超党派でそういう申し入れをしておりますから、無視はできないと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 では、次に、三月の十二日に、これは衆議院におきまして、社会党の横山議員が在韓国連軍についての質問をされました。その結果、三月二十二日に、国連決議第三百七十六号の六の解釈に対する答弁書を提出をされましたけれども、再三再四この問題は議論をされてきております。しかしながら、その議論が何かあまり進展をしないように思いますので、まあ何回も重なりますけれども、重大な問題でもあると思いますので、重ねてここで質問をいたしますけれども、この答弁書を読みますと時間がかかりますので省略をしますが、この統一見解では、一九五〇年の六月二十五日、二十七日の決議が三十八度線を越える権限を与えておると、こういうふうになっておると解してよろしいですね。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) お尋ねの政府側の答弁書では、一九五〇年十月七日の国連総会決議は道議的な裏づけの問題であって、法律的には、この答弁書に書いてありますとおり、安保理事会の同年六月二十五日及び二十七日の決議が朝鮮半島における国連軍の活動の法律的根拠になっておるものでございます。その点はこの答弁書に書いてあるとおりでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いま言われたのは、安保理事会の決議では三十八度線を越えてもかまわないと、それに対して国連の総会は道義的な裏づけをしたと、こういうことであって、国連憲章には違反していないと、こういうふうに言われるわけですか。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) この問題は、御説明をいたします場合、ちょっとこまかいことにわたって非常に恐縮でございますが、この関連国連決議についてなるべく簡単に御説明申し上げたいと思います。  元来、国連憲章で国連軍の活動を規定するのは安保理事会の権限でございます。そうして安保理事会が朝鮮事変が始まったときにどうしたかと申しますと、六月二十五日にこの安保理事会が、憲章の規定に基づいて、平和の撹乱行為があったということを事実認定をしたのでございます。そうして、続いて二十七日に、その事実認定のときに、北鮮側に対して、軍隊を三十八度線以北におさめるようにという要請も同時に安保理事会でしておったのでございますが、二日間たってもその要請が聞き入れられないので、二十七日に至りまして安保理事会が各加盟国に勧告をいたしまして、この北鮮軍が三十八度以北に引き上げるような韓国政府の努力に対して援助をするようにという勧告をしたのでございます。すなわち、この勧告に基づいてアメリカ及び十六カ国が国連軍を派遣したわけでございますが、したがって、法律的にはこの勧告、これは国連憲章三十九条に基づく安保理事会の勧告でございますが、これによって北鮮軍を北のほうに追い返すという法律的根拠ができたのでございます。ところが、その後、御承知のとおり、五三年になりまして休戦協定が成立いたしました。そうしてこの休戦協定ができた以上は、これは休戦協定というものは守らなければならないので、この五三年の休戦協定は七月二十七日でございますが、これ以後は北からも南からも、休戦ラインを武力によって動かすことは、これは休戦協定違反だという新しい状態になったわけでございます。そしてこの横山先生の質問書で言及されております、日本が共同提案国になった朝鮮半島に関する決議と申しますのは、この休戦ができたという事態を前提として、そうしてさらに朝鮮半島の事態を平和的手段によって解決していこうという意味の国連決議に一九六六年以降日本が共同提案国になっているわけであります。したがって、この共同提案国になった決議案と、それから休戦協定で若干事態が変わってしまった前の国連総会、あるいは安保理事会の決議とは直接には関係ないわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 で、いまその休戦協定を出されましたが、それじゃその休戦協定前の安保理事会の決議というものは、休戦協定ができた以後というのはもう死んでおる、こういうように言われるのですか、それとも、現在でもまだ生きている、こう言われるのですか、そのどちらですか。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) これはこの休戦の内容の問題と前の決議の内容の関係の問題でございます。したがって、少なくとも、軍隊の力で北のほうに行くとか南のほうに行くとか、そういう戦闘行為に関しては完全に事態が変わっております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 事態が変わっているということですけれども、私が聞いているのは、この決議がやはりそのまま生きているわけでしょう。休戦協定が行なわれて、それ以後はそういう武力行為がない、したがって、それまでの決議というものも、そのときの時点としてはよかったけれども、休戦協定以後というのはもう事態変化をしているから、むしろ空文にひとしい、そういうふうに解してよろしいですか。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) 安保理事会の六月二十五日及び二十七日の決議にはいろいろなことが書いてあるわけでございます。しかし、私の申し上げましたのは、休戦協定で結局軍事行動停止になったわけでありますから、その問題については内容が変わっておる。内容が変わってない部分も残っておると思うのです。しかし、軍事行動については完全に内容が変わっておる、こう申し上げたいのであります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いまの局長の考えだと、一つの決議というものも、そういう事態の推移によって、その後存続するものもあるし、その前の、たとえば軍事行動の場合は変わってしまっている、そういうふうに何か一つの決議というものに対する考えですね、尊重のしかたというものも、そういうふうにこちらの状況によって適当に解釈ができると、そのような印象を受けるのですけれども、その点いかがですか。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) 恣意的な解釈というわけではございませんで、戦争が始まりまして休戦協定ができる、しかし、朝鮮における事態そのものは完全には解決してないわけでございます。したがいまして、休戦協定ができた以後は、戦闘行為については、これは合法的には北も南も行なえなくなる。しかし、朝鮮事変全体が完全に解決してないわけでございますから、その休戦協定に関係のない部分は今日まで生きておる、こういうふうに解釈せざるを得ないわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 だから、休戦協定ができたといっても、完全に平和はできていない、要するに、休戦協定はあくまで平和条約ではない、ただ単に戦争をやめるといっただけの協定であって、しかも、それはその後今日まで完全には両方とも守られていないと私は思うのですけれども、そういった場合は、やはり休戦協定以前の決議も部分的には生きているような言い方ですけれども、やはり全面的にそのまま残っている、したがって、もし何か事件が突発した場合には、やはりその決議というものは効力を発揮してくると、こう考えたほうが私は順当だと思うのですが、その点はいかがですか。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) 休戦協定がでましたあとは、やはり戦闘行為がいずれかの側から起これば、まず休戦協定違反の問題になるわけでございます。そういう事実に基づいてまた国連で新たな措置がとられると思います。しかし、休戦協定ができた以上、戦闘行為はなくなるのだということは今日まで続いております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 この休戦協定によれば、六十条に「これらの国の政府がそれぞれ任命する代表により一層高級な政治会議を開催してすべての外国軍隊の朝鮮からの撤退、朝鮮問題の平和的解決その他の諸問題を交渉により解決するよう勧告する。」と、こういうふうにいっているわけですが、実際これが現実にはいまなお完全には行なわれていない。戦闘行動は局所的にはあるのですけれども、たとえ大きい戦いがなかったとしても、外国軍隊の撤退ということは実際いま行なわれてないわけですから、この点では完全なる解決がなされてない。したがって、やはりその前の三十八度戦突破決議というものはいまなお十分生きておると考えていいのじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) 休戦協定に書いてあることが完全に行なわれていないことは御指摘のとおりでありまして、ですから朝鮮問題はまだ解決していないわけでございます。しかしながら、休戦協定に基づいて戦闘行為は停止されております。ずいぶん前から停止されております。したがって、休戦協定に書かれておる朝鮮の平和的統一というこの問題全体が解決されてないからといって、休戦協定による戦闘停止が無効になるものではないわけでございます。戦闘行為に関してはいまでも停止という状態にあるわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 だから、もし何か始まった場合、先ほど日本が、将来、一九六六年から共同提案国になったこの決議の問題も少し言われましたけれども、これは関係ないと、こう言われますけれども、前の決議もまあ生きていると解釈しますけれども、それから、このあと申し上げますけれども、結局国連軍との地位協定のアチソン交換公文にしても、そういうところからいって、結局私が言いたいことは、戦争に巻き込まれるということになるわけですけれども、その前に、さっきの休戦協定のあとに結ばれておるのが吉田・アチソン交換公文だと思うのですが、その中に、御承知だと思いますが、「千九百五十年六月二十五日、六月二十七日及び七月七日の安全保障理事会決議並びに千九百五十一年二月一日の総会決議に従う行動に今なお引き続き従事しているので、また、  日本国は、朝鮮における国際連合の行動に参加している軍隊に対し施設及び役務の形で重要な援助を従来与えてきており、且つ、現に与えているので、」と、こうなっておりますので、だから休戦協定の前の決議は、それ以後に結ばれたこの協定の中にもちゃんと盛り込まれておるわけですから、やはり引き続き今日まできていると、こういうことは十分言えるわけですか。そう考えていいのですか。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) この朝鮮問題に関する国連の決議その他は、いまでも、御指摘のとおり、初めからの決議を全部引用しております。しかし、休戦協定も引用しております。したがって、休戦協定ができたあとは戦闘行為は合法的にはあり得ないということを前提として休戦協定以後のすべての決議ができておるわけであります。休戦協定によって非常に変わったのは、戦闘行為が合法的に行なえないという事態であります。その点だけ変わっております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 ということは、休戦協定が行なわれたあとは戦闘行為がないから、だから日本が共同提案国になっておるこの決議に入っておることは別に差しつかえないと、こういうことなんですね。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) 合法的にはあり得ないということでございますが、もし休戦協定にもかかわらず、戦闘行為が始まりましたら、これはまず国連といたしましても休戦協定違反の問題が起こるわけでございます。そうした事態に対して、当然国連は新たな措置をとるわけでございます。しかし、いまの段階におきましては、合法的な戦闘行為はないという事態がその後ずっと続いているわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 ずっと続いていますけれども、この二月にもやはり問題が起こり、特に韓国は本件の二月四日には、朝鮮戦争参戦十六カ国に対して兵力の増強を求めておるわけですね。こういうふうなやはり事態が起こってきた場合、いま言われるようなことで日本がこのままの状態ではたしていいかどうかということなんです。この点どうです。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) この問題は、戦闘行為が休戦協定に違反して行なわれるかどうかということであろうと思います。もし休戦協定に違反して戦闘行為が行なわれないものであれば、いままでの状態は続くわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いままでの状態が続くということは、現在の日本のこの地位協定の問題それから、この共同提案国になった決議案もそのままでいいと、こういうことですね、別に差しつかえないと。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) おっしゃるとおりでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 その点が私はよくわからないのですけれども、もう実際その休戦協定違反の戦闘が起こるか起こらないかということでありますけれども、この間からのプエブロ事件にしましても、いまのところおさまっているからいいようなものですけれども、いつまた火を吹くかわからない。これは確かめたニュースではありませんけれども、まあうわさとしての話ですが、ジョンソン声明以後、かなり韓国に米軍の飛行機が集結していると、こういうふうなことも聞きますと、やはり今後とも平穏でいるかどうかは疑問です。特に私は強調したいことは、実際休戦協定だってちゃんと守られているなら、これはまたそれがその後平和条約にも発展をしていく、こういうことも考えられますよ。現在の休戦協定自体だって守られていないわけですから、やはりそこに将来の休戦協定違反である戦闘、そういうようなことよりも、いま自身が違反になっておるわけですから、また戦闘が始まったときどうなるか、これは私はわからない。その場合、日本は絶対無関係にある、こういうふうには言えないと思うのですが、その点はいかがですか。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) 休戦協定についていろいろ問題が起こっていることは御指摘のとおりだと思います。そういうこともあって板門店の会同が十年以上続いておるのだろうと思います。しかし、戦闘を停止しろという休戦協定の大きな違反、ことに国連で問題になるような違反はいままで起こっておりません。もちろん起これば、これは新しい事態に対して国連が新しい措置をすることに当然なると考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 それから、国連軍の地位に関する協定、これは休戦協定のあくる年に結ばれているわけですけれども、しかも、日本がこれにも調印しておる。この決議の中にも、さっきも言ったように、前の決議が盛られている。それでも休戦協定が大きな違反がなければ別に問題ない、そういうことをあくまでも局長はおっしゃられるわけですか。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) 法律的に申しますれば、前に御説明申しましたように、まあいわば国連の決議だけを並べてみますと、あとの法律が前の法律に抵触する部分だけは変えておる、こういうことでございまして、おっしゃるとおりに考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 そういう前の法律があとの法律と抵触すれば変えておる。そういうふうになってきますと、そうするとどうなんですかね、そういう点の解釈といいますか、そういうのはどこかの機関で、じゃあこの決議のこの部分は前と重なるから、また、前と変わっているから、だからこの点は別に関係ないとか、これは意味がないのだとか、そういうようなことをその次の決議とかどこかでそういう話が出てくればいいのですが、そのままずるずるきた場合、それはそういう慣習になっておるのか、そういう国際間の取りきめがあるのか、あるいは国際的な法律的な解釈と言われましたが、そういうことは世界全部に通ずる通念であるのか、その点はいかがですか。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) あとの法規が前の法規に抵触する限り変えておると申しましたが、たとえば、かりに国際間で戦争があります。そうして戦争が平和条約によって終わったとする。平和条約で終わった後に、一方の国が相手の国に対して、おまえは宣戦布告をしたじゃないかと文句をつけるとします。そうすると、それはおかしい。というのは、平和条約ができて戦争の問題が切りがついておるわけでございますから、その問題をこの現在の朝鮮の問題に当てはめれば休戦協定ができておる。したがって、合法的に戦闘行為を行なう余地はその後全くない、こういうことだけは確かである、こういうふうに申し上げたわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 それはちょっと私は違うと思うのですよ。平和条約と休戦協定とは全然性質が違うと思うのですがね。前に例に出されたのは平和条約ですから、これは完全に戦争が終わって、もう今後戦争しないという平和条約がちゃんとかわされた上のことです。朝鮮の場合は休戦協定ですから、この場合は休戦協定が当てはまる。だから、これは平和条約と同じような重みといいますか、そういうものとすりかえられるといいますか、同じように扱われたら困るのじゃないか。というのは、その次に平和条約をそれじゃあどうして結ぶかということもちゃんときめられているわけですから、幾らかでもお互いに平和を求めて平和条約を結ぼうという気があれば、ちゃんといままでも結ばれているはずです。ところが、いまなおいってない。戦争はちょっとやめておこう、そういうだけの話し合いにすぎないわけですから、それをいま例に引かれた開戦のときと平和条約のときの話と一緒に持ってこられたら、ちょっとこの場合は私は当たらない、このように思うのですが、いかがですか。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) 私が前から申し上げておりますことは、休戦協定によって戦闘行為は禁止されている。したがって、休戦協定違反なら別でございますが、違反にならない場合は、とにかく法律的には戦闘行為はあり得ないわけでございます。そういうことを申し上げているので、もちろん先生おっしゃるように、休戦協定と平和条約を同じ性質というふうに申し上げたつもりはございません。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 なかなか話がうまくいかないんですが、要するに、いま休戦協定違反のような大きな問題はない。だから日本がこういう吉田・アチソン交換公文を持っていることも別にさしつかえない、また、共同提案国になった六六年からの決議も別にどうもない、こういうふうにおっしゃいましたけれども、私は、こういうのがあるから、やはりその内容というのが三十八度線を突破して戦争をしようという決議が盛り込まれている問題ですから、いま戦闘がとまっているから、だから心配ない、そんなものじゃなしに、そんなら、そのときの決議はこの条文の中に盛り込まれる必要はないと思うのです。地位協定の場合、戦争がおさまったあとですから。休戦協定の前に結ばれた条約なら、これは言われたようでもしようがないと思うけれども、休戦協定のあとで、そのあくる年に結ばれている地位協定ですから、その中にすでにその休戦協定よりも前のこの決議を盛り込んで結ばれているということは、やはりまだ何かあったときには三十八度線を突破して戦争をやるぞ、そういうことが盛り込まれている。それに日本も協力をしている。こういうものが存在する限り、やはりこの中には一九五一年二月一日の国連総会の決議も入っている。これは中国を侵略者としたそれに対しての国連軍ということですから、やはり中国敵視の考え方になる。そうなると、いま佐藤総理がしばしば中国敵視政策をとってないと言われますけれども、一たん朝鮮において戦争の火が吹かれた場合は、完全に日本は無関係でなくなる。しかも、安保条約ということ、また、事前協議、そういうことを考えて、どうしても私はここで言いたいことは、日本は決議から抜けるべきだ、しかも、この交換公文、この地位協定も破棄をしていくべきだ。この中にそういうものが盛り込まれていなければ破棄をする必要はないかもしれませんが、現状においては、しかし、こういうものをなくしていかなければ、むしろ日本において国際緊張を高める一つの大きな原因になっている、このように考えるのですが、その点いかがですか。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) 地位協定のことを申されましたが、地位協定ができたときには、もちろん休戦協定ができたということを前提として考えているわけでございます。したがって、地位協定をつくりましたときに、休戦協定にかかわらず戦闘行為をしていくのだというような考えは関係国にも毛頭ないわけでございます。それは国連においてもしかり、それから国連軍協定、日本及びその協定の当事国においても同様でございます。休戦協定ということを前提として考えているわけでごございます。したがって、地位協定及び最近日本が共同提案国になりました国連決議というものが、休戦協定にかかわらず朝鮮の事態をあぶなくするものであるという解釈は私どもは全くとれないわけでございます。論理的に言ってもおかしいのではないか、そう考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いまのお話を聞いていると、この地位協定が休戦協定というものがなされたという前提においてつくられておると。それなら、私がさっき言ったように、ここに書いてあるように、安保理事会の「決議」その次の「総会決議に従う行動になお引き続き従事している」と、こうあるのですね。そんな条文は要らないじゃないですか。

佐藤正二外務省条約局長

○政府委員(佐藤正二君) これは条約の問題でごございますから、むしろ私のほうからお答えしたほうがいいと思います。  これは、先生お読みになりましたとおり、国連軍の地位に関する協定の前文に六月二十五、二十七日、七月七日の安保の決議及びその次の二月一日の総会決議を引きまして、「その決議に従う行動に今なお引き続き従事している」と、こういうことをうたってあるわけでございますが、先生御承知のとおり、この一連の決議が、武力行使の問題をきめておりますが、それと同時に、勧告をいたしまして、統一司令部をつくって、それでいわゆる国連軍というものをこの一連の決議でつくったわけでございます。したがって、国連軍の存在というものはこの決議から出てきているわけでございますから、その国連軍の存在というものがなければ、ある意味では国連軍の地位協定というものは日本で必要でないわけで、したがって、国連軍という存在という意味ではこの決議がもとになっているわけでございます。ただ、重光局長からお答えしたとおりに、この間に五三年で休戦協定ができまして、総会でもこれをアプルーブしておるわけでございますから、その限りにおいては、武力行使というものについては、この決議の一部と申しますか、武力行の部分に関する限り変更されているわけでございます。したがって、そういう形における決議というように考えるよりほかちょっとこの前文自体が考えられないわけでございます。と申しますのは、国連総会自体がそういった休戦協定自体をアプルーブしているということは、そこで国連の意思としては武力の行使をやらない。いわゆる休戦協定の二条に双方の武力行使をやめるということを言っておるわけでございますから、それを承認している限りは、この武力行使というものははずれていったというふうに考えざるを得ないと、私はそういうふうに考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 私は、法律にはしろうとであるし、それから頭が悪いのか何かしりませんけれども、いまなおっしゃったように、この決議が引かれておる、この中に。しかし、その中に武力行使というものは取れてしまっておる。そういうふうに解釈すると言われますけれども、そういうことは実際問題として可能なのかどうか。そんなら、ここへそういうのを入れなくたっていいじゃないですか。ほかの国連のいろんな条文とかそういうものを盛り込んで、国連軍というものを日本に置くというようなことに別にできたんじゃないか。何とかそれを都合のいいように解釈をするためにいま言われたととらざるを得ぬような答弁だと私は思うのですが、いかがですか。

佐藤正二外務省条約局長

○政府委員(佐藤正二君) これは、御理解を受けるためには、むしろ逆から御説明したほうがいいかもしれませんが、この決議を引用しないと国連軍というものの存在というものがなくなると申しますか、朝鮮事変に対する国連軍の存在というものはこの決議の一部に入っておったわけでございます。したがって、この決議を引用する。引用しないと、変な話でございますが、逆に国連軍の存在のもとになる決議というものはこれ以外にないわけでございます。したがって、その決議を引いた。しかし、その決議の中にはほかのものが入っておったと、こういう形だと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 じゃ、そのほかのものをそこから除くということをどうして条文にうたえなかったのですか。

佐藤正二外務省条約局長

○政府委員(佐藤正二君) これは、ここで申しております決議は、国連軍の存在に対するもとになるものでございまして、決してこの国連軍の地位協定全体が戦闘行為のことを全然考えておりません。先生御承知のとおり、この地位協定というのは、国連軍に関してはこちらは兵たん基地として考えているよりほか全然考えておらないわけでございますから、武力行使の問題をここでは全然初めから考えていなかったわけでございます。そういうことを申しますのは、何か三百代言とかいうように言われるかもしれませんがほんとうはあるいは休戦協定をアプルーブした総会の決議を入れておくほうがいいというふうに先生はお考えになるんだろうと思いますが、そのときの状態でございますと、日本はもちろん戦闘行為をやりませんし、それから日本を基地としての戦闘行為というのは考えておりませんでしたから、したがって、ここで戦闘行為の関係の決議を引用することは必要ないと考えたと私は考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 そういう解釈がこれはどこでも通りますか。日本とアメリカなら通ると思うんですけれども、たとえばイギリスやフランスの学者がこれをそのまま読んで、その当時の状況を一生懸命分析をして、だから、その中から戦闘行為だけは除くと。休戦協定がその前の年にきめられてあるから、そこでもう戦闘行為はないと。その部分だけを除いた国連軍がつくられるために必要であった決議であると、そういうことが解釈できるかどうかなんです。

佐藤正二外務省条約局長

○政府委員(佐藤正二君) これはこの協定自体の解釈ということで私は申し上げたんじゃなくて、先生からそういうお話がございましたから、そういうふうにお答えいたしましたけれども、むしろ国連決議自体の六月二十五日、二十七日、ずっとこの一連の国連決議自体の解釈という問題になるかと存じます。  国連決議自体の解釈ということになりますれば、これはもちろん有権的解釈をやるというところはないと思います。ただ、国連自体で考えられていることは、先ほどから重光国連局長が御答弁しているように、あとから来た決議で前の決議が変わっていくということは当然国連のほうの解釈のようでございますから、そういう意味で、決議の解釈として、ここに出てまいりますこの国連決議がそういった変えられた決議であるということは言えるのじゃないかと私は思います。

春日正一日本共産党

○春日正一君 ちょっと関連。いま聞いていまして、吉田・アチソン交換公文の中にはずっと国連決議が引用されている。その中には、三十八度線を突破していくというような問題も、それから中国や北朝鮮の側を非難するような問題も、みんないろいろ入って積み重ねられてきているわけですわ。そういうものがあって、それで休戦協定が結ばれて、その後、交換公文がきめられて、そこに地位協定の中にもそういうのがずっと引用されているということになると、やはりずっと国連決議は生きている。さっきの説明を聞いても、休戦協定になっているから、武力行使は考えていないと。それは、いまは考えていないでしょうけれども、休戦協定がどちらの側からか破られて、そうして戦争状態というものがまた発生した場合には、この全決議が生きてくるでしょう。つまり、いまは眠っている、眠ってはいるけれども、これが破られたという状態のもとでは息を吹き返してくるんじゃないか、そこが私どもが心配しておることの一つですわ。  それから、もう一つは、たとえば中国や朝鮮の側でも、この決議が地位協定とかそういうものの中に入っているということをやはり非常に警戒して非難している。だから、一緒になってくるんじゃないかというつまり警戒まで持っている。そういう点を考えたら、日本がほんとうに総理が言明しているように中国敵視はやらぬというなら、ここのところは変えなければ筋が立たなくなるんじゃないかと、私聞いておってそこのところの説明がどうもはっきりしない。休戦協定があるからもうそれで消えてしまったというなら、取ってしまえばいいんだけれども、残されておるわけでしょう、休戦協定以後に。そうすると、この休戦協定がもし破られた場合、息を吹き返してくるのではないか、そこが一番問題だと思うんです。そこのところはどうですか。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) 問題は、先ほどお話に出ましたとおり、平和条約ではなくて、休戦協定。したがって、広い意味の戦争状態といいますか法律的には続いておるかもしれません。しかし、問題は、休戦協定違反の戦闘行為が行なわれた場合どうなるだろうかということだと思います。それで、とにかく、休戦協定ができてからもう十数年たっておるわけでございますね。そこで、国連のいままでのやり方からすれば、休戦協定違反のようないわゆる戦闘行為があそこで行なわれた場合、新たな問題として当然措置すべきことだと思うのでございます。何もしなかったらどうなるかという問題は、純法律的には起こり得ますが、しかし、実際にはこの十数年来とにかく休戦協定で平和が保たれてきたのでございます。新たな戦闘行為が起これば当然新たな問題として安保理事会なり総会で措置がとられる、また、とられなければおかしい、そういうふうに考えております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 関連。いまの問題は、矢追委員がいずれ結論のほうで詰められると思うんですが、私の聞きたいことは、いまの一連の決議から見て、もし新たな事態が朝鮮に再び起こった場合に、日本に負荷される任務、義務、責任、それは何か、そこから何が出てくるか、それを承りたいと思います。

佐藤正二外務省条約局長

○政府委員(佐藤正二君) これは、おそらく、重光国連局長から申し上げましたとおり、休戦協定違反が起こりまして組織的な侵略がもう一回行なわれる、そういうときには、国連の武力行使として動きます限りにおいては、もう一度国連が何らかの措置をとらざるを得ないかと思います。そういう場合に、前と同じように勧告なり何なりというものが行なわれて、そういう場合に勧告に応じて日本がどういうふうに動くかという問題は一つあると思います。これは、御承知のとおり、日本は外に兵力を出せませんから、全然日本は武力行使に入るはずはないということだろうと思います。それ以外に、北側に——これは万一の話でございますが、北側に休戦協定違反が行なわれた、それで国連軍が自衛で動いたというような形の場合も考えられると思います。そういうふうなときになりますれば、おそらく、この国連軍協定自体が現在の状態でまだ残っておりますから、法律的には動く形になると思います。ただ、その場合にも、国連軍協定自体に書いておりますとおり、国連軍に関する限りは日本は兵たん基地でしかない。いわゆる合意議事録に書いてございますが、「朝鮮における国際連合の軍隊に対して十分な兵たん上の援助を与えるため必要な最少限度に限る」という日本の中の施設の使用に関する合意議事録があるわけでございます。したがって、戦争の基地としてこちらが使われるということはあり得ない。国連軍協定にのせましてもあり得ないということになりますが、その御心配のような日本が直接にそのまま巻き込まれてしまうというような状態は、いま非常に法律的なことを申し上げまして相すみませんが、その形においてはないと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 きょうはあまり時間がないので残念なんですが、たとえば地位協定の中の一九五一年二月一日の総会決議の中で、休戦協定がその前の年にあった、したがって、戦闘行為はもうないと見て、さっき局長の言われたように問題が変わってくると。要するに、七項目ありますけれども、このうちどれが残ってどれがだめになるか、言っていただきます。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) 休戦協定によって前の総会の決議がどこが変わったかという御質問だと思いますが、御指摘になりました総会決議は十月七日の総会決議でございますね。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いや、二月一日。地位協定は一九五一年二月一日の総会決議に従って行動をとると。その決議の中でどれだけが変わるか。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) ここに御指摘のとおり七項目あがっておりますが、たとえば一でございますね。これは、ここに書いてありますことは、「国際連合軍に対する敵対行動に従事していることにより、自ら朝鮮において侵略行動に従事してきたことを認め」とございますね。しかし、そういう事態はもう過ぎ去ったわけでございます。過去の事実としてはあっても、いまはそうでないということは、休戦協定以降は当然出てくる問題だと思います。したがいまして、こういうふうに、たとえば中共の問題にすれば軍隊を朝鮮に入れておるとか、二項目は撤退を要請しということでございますが、これも実際上撤退しておるので消えておる。こういうふうに、軍隊の行動に関する部分は全部消えている、実際上、そういうふうに考えます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 では、三も消えていますね。では四は。一つずつ全部言っていただきます、どれが残ってどれが消えているというのを。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) 三は、国際連合の決意のことを言っております。これは、「侵略に対抗するため朝鮮における行動を継続しようとする国際連合の決意を確認し、」ということでございますね。それで、平和条約の問題が完全に解決したならば別として、休戦状態である場合はこの部分は残って、将来にも残り得るのではないか、これは条理上当然そう考えられます。  それから四でございますが、これは国際連合の行動に対し援助を与えるように各国に呼びかけております。しかし、かりにいま休戦状態のときに戦闘行為に関するような援助を要請するわけがないでしょうし、また、要請してきても、どこもこたえないと思います。  それから五は、いかなる援助も侵略者に与えてはいけない。これは、戦闘行為に関する直接の援助という意味では消えていると思います。それ以上の問題は抽象的には残り得るかもしれません。  それから六は、調停委員会の作業でございますが、これは、御承知のとおり、実際はあまり進展していないのでございます。  七は、「朝鮮における敵対行為の停止及び平和的手段により朝鮮における国際連合の目的を達成すること」を引き続き国連の仕事としていきたい。これはまさしく休戦後においても残っております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いまの四番ですが、これはあまりはっきり言われませんでしたけれども、さっき私が言った二月四日に参戦十六カ国に兵力の増強を求めるということが現に起こっているわけですから、やはりこれは生きてくるのじゃないですか。そんなことはないと言われますけれども、たとえ出さなかったとしても、やはり一つのこれに当たるのじゃないでしょうか、どうですか。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) これは、これだけの文章でこまかいことを解釈するわけにいきませんが、しかし、書いてあることは、この時点で、すなわち五十一年の二月一日の時点で考えておったのは、戦闘行為が続いているときでございますから、そういう意味の積極的な援助の要請ということを考えておったと思います。そういう意味では、戦闘行為に対する援助ということでは、この時点で考えられておりますような援助は実際上問題になっていないというのが現状だと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 じゃ、この四番は、二月一日においてはこういうことは必要であったけれども、休戦協定以後はこういうことは必要ない、だから、さっき私の言った二月の四日にそういうのを要請したことはこの時点と違うのだから関係ない、こういうわけですね。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) いいえ、そういうふうに申し上げたのではなくて、この文章を書きました五一年二月一日には戦闘行為たけなわであったわけでございます。したがって、そのときにおけるような武力援助ということはいまは問題にならないだろう、こう申し上げたわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 時間がなくなりましたので、もう少しで終わりますけれども、これ一つ取り上げましても、いま聞いておりますと、これは生きておるのか生きていないのか。また、この時点では戦闘行為は盛んであったからこういうことをやったんだと、そういうふうに休戦協定を境として全く変わってしまうようなものが大事なその地位協定に盛り込まれている。しかも、それが盛り込まれておったって、その休戦協定が前とあとでは全然変わってくるのだと。そんなのであれば、さっき言ったように、この条文自体が非常に問題だと思います。その前の安保理事会の決議も一つ一つ聞きたいのですけれども、時間がありませんからやめますけれども、そういうことであれば、この地位協定というもの自体は非常にあいまいなものだと私は言わざるを得ない。特に、休戦協定があって、休戦協定違反のような戦闘行為はいままでなかったとしても、この間のようなこともありましたし、しかも、その休戦協定がまだ絶対全面的に守られていない。それはさっきお認めになったわけです。休戦協定自体が守られてもいないそういう状態にあって、それを一つの基準にして、その前のものとあとのものと情勢が変化していると。こういういいかげんな地位協定であれば、ますます事態によってはどうにでも解釈し、どうにでもなる。安保の事前協議一つ見たって、その基準のきめ方もはっきりしていないし、きめてあると言いますけれども、実際具体的にどうしてきめられたかその文章だってないわけですね。そういうように、非常にあいまいといいますか、どうにでもできるような地位協定というものがここにあるわけであります。こういうようなことであってはならない。もし今後国連軍に協力をするという線でいくとしても、このような地位協定ではいけない。しかも、これは、さっきから言っていますように、論理の飛躍だと言われますけれども、もし一たん事があった場合には日本が戦闘に参加しなければならない。たとえ直接軍隊を出さなくったって、日本が間接的に戦争に参加することは十分火を見るよりも明らかです。そうすれば、もし中共から攻撃を受け、あるいはたとえ北鮮から攻撃を受けたって、何も文句は言えない。それに対して、今度は、自衛権を発動したんだといってまた攻撃をやり返す。自衛のためにはやむを得ないとかなり前に言われておるわけですね。これは椎名外務大臣のときにも相当議論がされまして、そういうことは政府の統一見解で出ているわけですね。これは鳩山首相のときですけれども、船田長官は、委員会でも、ほかに手段が認められない限り誘導弾の基地をたたくことは可能であるというべきものだ、こういう話も出てきているわけですね。そうなると、われわれとしては戦争に巻き込まれる危険を感じなければならない。日本が戦争に巻き込まれないためには、こういう地位協定なんかはやはり今後破棄をしていくべきである、こう私は主張したいのですけれども、この点について外務大臣の御見解だけ伺って、きょうは時間がありませんので、この程度でやめたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 日本の置かれておる基本的な立場というものは、たとい協定の解釈がどうだろうと、これは動かすわけにはいかぬだろうと思います。私も法律のことはあまり得意でなくて、引き続いて研究はしてみますけれども、日本の憲法上の立場というものを動かすだけの力が出てくるものじゃないと私は考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いまそういうふうに言われましたけれども、それはそれといたしまして、これが解釈が違っていますからやむを得ませんけれども、中国を侵略者としている決議、あるいは三十八度線を突破して軍隊を動かすということが盛り込まれておる、こういう解釈に立っての話ですから、食い違うとは思いますけれども、そういう解釈も成り立つような危険性——たとい正しい間違いは別として、そういうのが成り立つような地位協定ですから、それによって日本が戦争に巻き込まれる危惧というものが十分ある以上は、やはり中立という立場を今後考えていくとするならばこういうものはないほうがいい、なくなったっていろいろな面で日本を平和に守ることはできる、こう思うのですが、その辺はいかがですか。地位協定は今後とも永続すべきである、このまま、そうおとりになりますか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) これは、何にもなしに初めて白地に字を書くというようなものでなしに、やはり歴史的な沿革があってそういうものが残っておるのでございますから、潔癖にこれを書き直すということは容易じゃないと思うですね。ほうぼうで引用されて、ずっと歴史的な記録になって残っているんですから。ですから、どうも国連関係のいろいろな決議だとかなんとかいうものは全くわけがわからぬです、現実から見ると。だけれども、やはりずっとやっているんです。だから、私らから見ると全部書き直したほうがいいと思うくらいなんだが、どうもそうはいかないですね。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 書き直せと言っているんじゃないですよ、協定を。この地位協定、吉田・アチソン交換公文というのは、そういうようないろんな解釈の食い違いで、私の言っている解釈ではあぶないし、政府の解釈であれば心配ないかもしれません、その解釈はあまりいいとは思いませんが。そういうふうな非常に危険性をはらむ、言いかえればいいかげんのような協定であるならば、この協定自体をなくしていくという、まああしたなくせということはいかぬかもしれませんが、そういう方向はお考えになっていないか。お考えじゃないと思いますけれども、考えられないものかどうか、その点に対する見解です。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 日本にとって非常に危険な解釈が生まれるようであればこれは何とか考えなくちゃいかぬと思いますが、そうでない限りは、これは大体ありきたりのものですから、まあわかりにくい非常に冗長なものであるということでひとつごかんべんを願います。これでいくよりしようがないじゃないか。そういうようなのばかりです、国連関係のやつは。

春日正一日本共産党

○春日正一君 私はベトナム問題でお聞きしたいのですが、御承知のように、ジョンソン声明を聞いてから世界じゅうでベトナム和平が言われている。特にわが国では非常に大きな国民の関心を呼んで、政府がベトナム問題に対してどういう態度をとるのか、あるいはそれと関連して東南アジア政策をこれからどう進めていくのか、いままでのままでいいのかどうかというようなことが盛んに論議をされているし、国民の関心の的になっている。私はこの前二分間予算の総括で質問したのですけれども、その他の委員の質問をいろいろ聞いても、まだこの点はあいまいなものが多いような気がするので、そういう立場からお聞きするのですけれども、初めに、ジョンソンのある演説ですね、あれを政府としてどういうふうに評価しておいでになるか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) ベトナム問題については何とか打開できないものかというので、世界はこれに対して重大な関心を持って、きっかけが何とかできないものかと思って待ちくたびれた問題であります。そこへもってきてあの声明があり、それがまた北越の反応を引き起こしている、こういうことでございますから、とにかくこれは非常にけっこうなきっかけではないか、こう考えております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 そこで、ジョンソンの演説というものが、アメリカのベトナム政策の重要な変更を打ち出したものか、それとも、アメリカのいままでの基本的な立場には変わりはないものか、そこらの政府の見方ですね。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 結局、武力だけでは問題の終結はつかない。そこで、ここらで今度は話し合いに入るということになったのだろうと思うのですがね。ですから、従来のアメリカの基本的な考え方が全く百八十度変わったというものではないと私は思います。

春日正一日本共産党

○春日正一君 そうすると、基本的な考え方が変わらないというと、結局、手口を変えたということになるわけですね。そこで、アメリカの考え方というのは、御承知のように五四年の七月二十一日にジュネーブ協定ができて、しかしまあアメリカはこの協定には調印はしなかったけれども、協定の尊重ということを当時ベデル・スミス代表は宣言している。ところが、一方、同じ時期に、当時の大統領のアイゼンハワーは、「合衆国は協定の当事者ではないから協定に拘束されない。」というふうにして、片方で自分の代表に尊重すると言わせながら、片方では、「協定に拘束されない。合衆国としては、この地方全体について、将来の直接又は間接の共産主義の侵略を防止するために東南アジアにおける集団防衛を至急に組織する」というようなことを声明し、さらに、ダレス国務長官も、「北ベトナムの失陥がアジアと西南太平洋にわたる共産主義の拡張に導くことを防ぐために、将来の機会をつかみとることである」というふうにして、ジュネーブ協定ができたそのすぐ直後というか同時に、こういう形で共産主義の侵略を防ぐそのための措置をとるというようなことを言う。それからずっとあと、六六年の一月に出た例のハンフリーの十四項目の和平提案というもの、あれでも、最後の結びは、「われわれは平和への一歩として北爆を停止してもよいと述べてきた。言い換えれば、われわれはすでに平和の要件の中へ、南ベトナムを放棄すること以外のすべてのものを入れたのである」というようにして、北爆は停止しても南ベトナムは絶対放棄しないということをはっきり言っている。特にジョンソン声明以後の四月七日のキャンベラ会議のとき、あすこの空港で、ラスク国務長官が、「米軍が南ベトナムから引き揚げるという噂は、馬鹿げたたわごとにすぎない」と言っている。  だから、初めから一貫して、共産主義に対抗するために南ベトナムは放さないのだ、こういうことをずっと言っている。そうすると、こういう基本的な態度が変わらないということになれば、一体、ベトナムの和平といっても、どういう解決が期待されておるのかということですね、その点を政府はどういうふうに考えておりますか。日本の政府として、ベトナムの和平を望んでおる、大いにそれは促進したいと言っておいでになるけれども、アメリカの態度はかくのごときものであるということになれば、ベトナムの和平というものはどういう形のものを望まれておるのか、この点、政府の考え方を聞かしてほしいと思います。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) こっちは当事者ではないですから、ただ、いずれにしても、武力によって政治環境を強制するということは、これはやはりいかぬと思います。全学連の連中みたいなもので、とにかく暴力はやめたほうがいい。武力遂行によってどうするということは両方ともやめて、それからどういうふうに南ベトナムというものを落ちつかせるかということは、これはこれからの協議だと思います。

春日正一日本共産党

○春日正一君 政府としては、どうすれば片がつくというような見通しというようなものは持っていないのですか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) お互いに、力で、こういう政治形態をとれとか、こういう社会形態をとれとかいうようなことじゃなしに、その人民のほんとうの自由な選択にまかせるということが一番いいと思うのですがね。

春日正一日本共産党

○春日正一君 アメリカの基本的態度は変わらないと、あの声明を読んでみればやはりそういうきわめて歯切れの悪い声明だというような批評もされておるし、変わらないけれども、それにもかかわらず、世界の広い世論が、特に日本でも、ジョンソン声明をベトナム問題の平和的解決の糸口ができたというように受け取って歓迎しているのですけれども、これはやはりテトの攻勢によるあの打撃、ベトナム戦費が非常にかさんでこれがドル危機を深化させている、あるいはアメリカのベトナム侵略戦争に反対する世論というものがアメリカの国内でも世界でも高まってどうもぐあいが悪くなってきたということで、結局、ジョンソンのベトナム政策が、軍事的にも、経済的にも、政治的にも破綻して、いままでの方針でやっていこうという意図があっても、実際上そういう環境の中でできなくなったと、だから、ここで何とか和平解決の道が開けるのじゃないかと、日本の総合雑誌その他いろいろで論評しているものでも、ジョンソン声明の背景というものをそういうものと見ている。だから、のっぴきならぬところに追い込まれているのだから後退になるのじゃないかというように判断しているからだと思うのですけれども、その点はどうですか、大臣の見解は。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) これからとにかくこう果てしなく両方で撃ち合いをやったんじゃもう何の足しにもならぬというので、とにかく和平提案というものにまた応じてきた。ここで五分の話し合いをつけるんだろうと思いますが、一体ベトナムの和平というものの形をどういうふうに持っていくかということは、これからの折衝にかかっておるものと思います。

春日正一日本共産党

○春日正一君 それを私聞いているのじゃないですよ。私の言っているのは、これは日本政府にとっても大事なことだと思うんだけれども、ジョンソン声明を出させた背景の事情、何がジョンソンをそうさしたかという、私がさっき言って、またいろいろ世間でも論評されているようなそういう事情というものをしっかり日本政府が見きわめなければ、それではベトナム問題に対してどうしていくのか、あるいは東南アジアに対して将来どうするかという問題の打開の策というものが立たぬはずですよ。だから、当然、日本政府としてもそこらの辺をどのように見ているか、そうしてこういう事態の中でどう対処していくかということにならなきゃならぬ。そこをいままで予算の総括あたりで皆さんお聞きになってもちっとも政府は答えておられないので、そこのところをはっきりお聞きしておきたい。それでなければ、日本の政府の外交判断の材料、中身というものがわからぬわけですからね。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 結局、両方武力行使によって解決はもうつかないと、だから、話し合いを始めて、そうしてどういう一体政治形態をとっていくか、どういう国にしていこうとするのか、これは両方に言い分はあると思うのです。それによっていろいろ双方折衝して、結局結論が出てくると思いますがね。日本はこうじゃなくちゃいかぬという考え方を日本で持ってみたところがしょうがない。結局、和平工作というものができて、そうしていずれにしても平和共存の態勢が確立することを日本としては望む。それ以外に、三角でなくちゃいかぬ、四角でなくちゃいかぬというよけいな注文はつけないほうがいい。

春日正一日本共産党

○春日正一君 その問題にちっとも答えてもらえてないのですが、だれが見たって、いま双方が平和がいいと言ったというけれども、双方じゃないんですよ。ベトナムのほうは、解放戦線でも、北ベトナムでも、徹底的に戦うと、打ちのめしてやると言っておるし、強いと思われておったジョンソンが北爆の限定停止、和平の提案というものをやり、涙を流して自分は選挙に出ないということを言ったということが新聞に報道されているのですね。なぜジョンソンが泣くほど悲しかったか。相当なものだと思うんですよ、一国の大統領が新聞記者の前で泣くということは。そういう変化の背景をつかまんで外交ができるか。そこのところをお聞きしているんですけど、二回も聞いて同じことですから、私、それ以上ここにくどく固執しませんけれども、私ども共産党でも、ジョンソンの声明というものが、アメリカのベトナム侵略政策というものが先ほど言ったような事情で重大な破綻を来たした、そのことの告白だし、一歩やっぱり後退を示しておると見ています。しかし、同時に、基本的な立場というものは変わってない。そして、あの声明自体の中でも、南ベトナムのかいらい軍、政府をもっと強めるとか、一万三千五百人を増派するとか、あるいは五十一億ドルの軍事予算を追加要求するというようなことが書かれておるし、実際にあの声明のあとでも、世間で思ったよりも奥のほうまで北爆をやって北爆が強化されている。そういう事態を見れば、そういう和平の呼びかけはしたものの、いままでも何回も呼びかけて呼びかけてはまたエスカレーションをやったんだけれども、今度の場合でも、時をかせいで侵略態勢を立て直すというようなことをはかる危険は十分含まれておる、基本が変わらないんだから。そうしますと、いま世界で望んでおること、日本の国民の望んでおる、どうしてもこの戦争を何とかおさめにゃならぬということを実現していこうとすれば、時をかせいで侵略態勢を立て直すというような危険というものを押えて和平の軌道にぐっと乗せていく、そのためにみんなが努力しなきゃならぬ、そういうことだと思うんですけれども、その点、政府はどう考えておいでなんですか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) いままで申し上げておるとおり、とにかく武力によって政治的な意図を達成しようとすることは、これはもうやめなきゃいかぬし、そういう意味において和平の提案というものはいままででも北爆停止は何回かありました。片一方は、どうしてもそれに応じない、どこまでも徹底的に武力でアメリカを追い落としちまうというようなことを豪語しながら、いままでは、北爆の停止というものは二回か三回行なわれたんだけど、何ら効果がなかった。むしろその間を利用して南のほうに浸透するというようなことをやったので、それでもうこの方向についてはだめだとまであきらめたかどうか知りませんけれども、しばらくそういう気配はなかったんだが、今度初めてジョンソンの提案というものが北の容れるところになりまして、そして和平のきっかけができた、こういうことなんです。それでとにかく平和な国づくりをして、そしてしかも他の力によって束縛を受けない、拘束をされない自由な政治形態を選んで、そして平和建設に精出してもらいたい。日本の考えることは、もうそれ以上のことはないんじゃないかと思いますがね。

春日正一日本共産党

○春日正一君 そこで、まあ平和にしたい、戦争をやめさしたいということを言われるんだけれども、このジョンソンの声明に対して、ベトナム民主共和国の政府のほうは、さっき私の言ったような限定停止その他いろいろなそういうものがあるということをはっきり指摘しながらも、とにかく北爆をはじめとして北ベトナムに対する一切の戦闘行為をやめること、これが交渉に入る条件だということで、これを確定するためにアメリカと交渉しようという善意ある態度を表明しているんですね。そこで、いま一番大事なことは、やはりアメリカがベトナム民主共和国への一切の戦争行為をやめることが、和平会談へのとびらを開く最大の要件になっておるということですね。そうすると、政府がベトナムでの戦争の終結、和平ということを望まれるならば、やはりこの条件を満たす、つまり、アメリカの北爆その他の攻撃を一切やめさせる、そういうために努力することがいま大臣の言われた、戦争をやめてとにかく平和的に仲よくということを実現していくさしあたってやらなければならぬ問題だ。その点について、政府は、どういうふうにお考えになり、また、何かやろうという考えを持っておいでなんですか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) いままでは、片一方が和平提案しても、応じてこなかった。結局、けんかの相手方が両方がもうやめる気にならないと終結しないわけですから、今度初めてそういう徴候があらわれたので、これは大いにどこまでも平和のテーブルで折衝して、話し合いによって和平の完全収拾を果たすように期待しておるわけです。

春日正一日本共産党

○春日正一君 そのために日本政府が何をおやりになるか、それを私お聞きしているのです。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 日本が何かやらなければ——足りないものがある場合には、それはやったほうがいいと思いますが……。

春日正一日本共産党

○春日正一君 特使を派遣するとかなんとかいうことをこの間ちょっと言われたのですけれども、あれはどうなんですか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 私は聞いておりません。

春日正一日本共産党

○春日正一君 外務省の局長クラスをだれか、総理大臣が言ったというのでしょう、特使を派遣するというのは。勝間田さんに北ベトナムに行ってもらうというのは福田幹事長の話だけれども。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 政府のほうにはああいう話はなかったようですね。

春日正一日本共産党

○春日正一君 おかしいな。あれは、いま、アメリカのほうから、黒人問題が起こってたいへんだから、ちょっと時期が悪いと言われたということまで報道されておるのですから、大使館のほうから。そうすると、政府のほうでなかったという……アドバルーンというものじゃなかったでしょう。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) とにかく、非常に大事なきっかけをつかんだわけですね。北ベトナムのほうもこれに反応を示した。アメリカとしても、何度目かにようやく成功の端緒をつかんだ。そこで、日本としましては、アジアに位する国としてこれは非常な最大の関心を持っておると言っても過言じゃない。これは、話し合いが始まったからといって、すぐ一ぺんに平和というものは招来するものじゃない。両方にいろいろな言い分があって、そしていろいろな曲折を経て終局目標に到達するものだと思うのだが、日本としては、どういうふうな状況でだんだん目標に近づいていくだろうか、それが早いだろうかおそいだろうか、非常な関心を持っております。それによって日本の対外政策というもののいろいろかじをとっていかなければならぬ。そういう点がありますから、アメリカとは御承知のような間柄でもありますから、アメリカに適当な人を派遣して、そうして、当面アメリカはどういう進め方を考えておるのか、それでいいのか、日本としても相当注文をつけなければならぬという場合もあるだろうし、そういったようなことを観測して、日本のとるべき態度、施すべき施策というものが出てくると思うのです。だから、そういうことは当然考えていいことじゃないかと思うのですね。特使だなんて大騒ぎせんでもいいから、絶えず連絡をとって、現在の外交ルートでもし足りなければ、特別の人が行くなり何なり、そういうことをやるのは何も悪いことじゃない。

春日正一日本共産党

○春日正一君 新聞では、民社党の西村委員長の提唱で、北爆停止をアメリカに言いに行くということで特使を出すというような話だったのでお聞きしたのですけれども、そういうはっきりした意味ではないのですか、特使を送るというのは。ただ様子を聞いてくるということなんですか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) ですから、私は、そういう新聞報道というものによって急に考えたわけでもない。こういう場合には、そういう用事というものは出てくるのですから、それを外交ルートでできなければ、適任者を派遣するなり何なりするということは、これは当然考えられることだと、こう思うだけの話であって、今度の特使問題についてはあまり深く聞きません。

春日正一日本共産党

○春日正一君 局長、どうですか、知っている人はいませんか。大臣は臨時代理ですからね。

小川平四郎外務省アジア局長

○政府委員(小川平四郎君) その問題につきましては、和平の機運を促進するために日本にやり得る役割りがあるならば特使を派遣するということも考えられるのではないか、そのためには適当な時期を選んで特使を派遣することも考慮できるというお話があったようでございます。したがって、その時期につきましては、いますぐにというような話ではなかったようでございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 内容もきまってないのですか。新聞が報道しておる。

小川平四郎外務省アジア局長

○政府委員(小川平四郎君) 具体的にどういうことをどういうふうに言うというふうなお話まで進んでいたとは承知しておりません。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 ちょっと関連して。アメリカにもし行くとすれば、北爆完全停止を言う以外にないわけですね。それじゃ、ハノイへ勝間田委員長に行ってもらうとしたら、何を言うのですか。北爆完全停止をすればハノイは話し合いに応ずるのはあたりまえなんで、何を求めようとしたのでしょうか。これは福田さんの発言ですから、外務当局が知らぬと言われればそれまでのものですが、推測し得る限りどういうことが予測されますか。

小川平四郎外務省アジア局長

○政府委員(小川平四郎君) 勝間田委員長の件につきましては、私ども一切承知しておりません。

春日正一日本共産党

○春日正一君 新聞の報道によれば、新聞文化情報局長ですか、あの人が、情勢の推移に応じて、今回の接触、本格交渉にあたって、あらゆる側面的協力を行なう用意があるというふうなことを言われたということになっているのですけれども、これはどういうことを考えておるのですか。局長いますか。

小川平四郎外務省アジア局長

○政府委員(小川平四郎君) 新関局長はただいまおりませんけれども、そのときに局長が申しました意味は、今回の話し合いを契機として、これから和平の話が進んでいくと思われるので、その際に、日本においてもしできることがあれば、できるだけの援助をしたいという意味であったと思います。先ほど大臣が申されましたとおり、ただいまは、アメリカと北越とが軍事問題についての接触を始めようとしている段階でございますので、ただいまの段階で日本が直ちに何か援助をするという段階ではない。したがって、新関局長の申しましたのは、将来これからの長い問題について触れている、こういうふうに了解しております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 新聞では、その中身として、近藤晋一外務審議官をベトナム周辺国に派遣する、そうして国際監視委員会へ将来参加する、それからベトナム和平会談への出席、解放民族戦線の処遇についてのあっせんというようなことがまあ用意があると、そういうことが側面的協力を行なう用意があるというものの中身として報道されておったと思うんですけれども、そういう点はどうなんですか。そういうことを考えられ、検討はしておられるんですか。

小川平四郎外務省アジア局長

○政府委員(小川平四郎君) ただいま具体的にあげられました点は、新関局長の正式発言の中ではなくて、あるいは個人的な、あるいは観測のあれであったと思われます。  近藤審議官の派遣につきましては、以前からきめておりましたことでございます。これは実現すると思います。  監視委員会その他の問題は、まだこれはだいぶ先のことでございますので、ただいまからどうこうということを言及する段階ではないと考えております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 そこで、側面的協力というんですけれども、日本としてはどういう立場で協力するんですか、そこですね。もう一つ突っ込んで言えば、アメリカを助ける、そういう立場で協力されるのかどうかということですよ。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 和平促進のためだと思います。

春日正一日本共産党

○春日正一君 和平促進というけれども、その促進が、アメリカの望む和平を助ける立場でいくというのか、道理にかなった立場でやるのか。この点は、おととしの特別国会ですかで私は佐藤総理に聞いたら、総理は、どういう立場ということはないんだ、無手勝流でとにかくいくんだというようなことを言われた記憶があるんですけれども、しかし、安保条約、共同声明、それから南ベトナムを反共のとりでとして確保する、まあこういったことがずっと言われており、そういうアメリカの政策を共同声明なんかで支持してきているという立場からすれば、これは当然アメリカと同じ立場で協力するということに論理的にもならざるを得ないんじゃないですか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) まだほんとうの端緒にいま入ったばかりでございますから、とにかく一日も早く全面停止、それをまずやって、そしてあとからその言い分は両方でやったらいいと思うんですがね。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 関連して。いまの全面停止をやったらいいと言ったことは、これは政府の公式な発言とすれば、非常におもしろい、歓迎すべきことだと思う。どうですか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 両側のことですよ。私は両方とも……。

春日正一日本共産党

○春日正一君 椎名外務大臣当時ですね、安保条約があるから日本は中立じゃないんだということを言っておられるんですね。そうすると、やっぱり公平な立場で協力するという形にはならないんじゃないかというふうに思うんですけれども、その点はどうでしょうか。そこのところが非常に大事で、世界が見ている。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) とにかく、自由は獲得いたしましたけれども、その自由が一体持ち切れるかどうかということについては、あの当時の状況からいえばなかんずく心配の種だったろうと思うんです。それが集団保障体制に踏み切ったわけでございます。一方においては、その当時は中ソ軍事同盟というものがあったというようなことで、とにかく日本はひとり立ちはできないが、せっかく獲得した独立というものはやっぱり維持しなければいかぬから、こういうことで何をおいてもとにかく自分の国がどうも安全じゃないと話にならぬ、まあこういうことだろうと思うんです。ただそれだけが意味があるのであって、それ以外には別によけいな理屈はつけないほうがいいんじゃないかと私は思っております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 じゃ、もう少し突っ込んで聞きますけれども、ベトナムの平和的解決といいますけれども、アメリカのほうは、いままで、さっきあげたような各種の声明なり、今度のジョンソンの演説を読んでみても、北に軍隊を引き揚げさせて、南は反共のとりでとして確保しようということだと思いますよ。そうして、佐藤内閣も、この立場を支持して、ずっと協力してこられた。北爆さえ支持してきた。こういう立場で和平に協力するのか、あるいは、こういう立場を変えて、ベトナムに合理的な平和をもたらそう、そういうために努力されるのかということですね。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 私は、アメリカが北のほうを引っ込めて、そして南のほうに特に反共のとりでを強化するというようなところまでは考えていないと思いますが、これはどうも聞いてみたわけじゃないから……。

春日正一日本共産党

○春日正一君 声明を出しているんですよ、ラスクが四月七日に。天下に声明しているんですね。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 私はそう信じませんがね。

春日正一日本共産党

○春日正一君 声明があったことは事実ですよ。  局長に聞きます、大事だから。通産大臣だから知らぬということになると困るから。どうですか、ラスクがキャンベラでそういう声明をしたことについて。

小川平四郎外務省アジア局長

○政府委員(小川平四郎君) 私はその声明は聞き落としておりますけれども、ただ、アメリカの基本的な方針といたしましては、先ほど御指摘の十四項目の中にも、今回のジョンソンの声明の中にも、ベトナムの再統一の問題は、ベトナム人自身の自由な意思によってベトナム人が決定すべきものであるということをはっきり言っておりますので、ベトナムをあくまで自分の好きなようなとりでにするというようなことは公式声明には言っておりません。ラスクの声明等の御指摘の点も、何もすぐ兵隊を引き揚げるというようなことではないというようなことではないかと思います。私は読んでおりませんので、的確にお答えできません。

春日正一日本共産党

○春日正一君 十四項目では、十四ずっと言ってきて、最後にこう言っていますよ。「われわれは平和への一歩として北爆を停止してもよいと述べてきた。言い換えれば、われわれはすでに平和の要件の中へ、南ベトナムを放棄すること以外のすべてのものを入れたのである」というから、南ベトナムを放棄するということは入れてないし、これはつかんでいるんだ。それがラスクのあの声明で出てくるんですね。だから、十四項目の中で自主的に統一するとかなんとかというようなことを言っているというけれども、十四項目の最後の結びで、ただし南ベトナムは放棄しないぞとちゃんと書いているのです。そうすると、そういう立場でものごとが片がつくのかといった問題が出てくるのだが、それはあとに回します。  具体的な問題として、南ベトナムに対する日本政府の援助の内容ですね。賠償、これがどうなっているか。それから円借款、緊急援助、技術協力、医療団、それから奉仕団とかいったようなものに対する委託ですか、そういったものはどれだけやっていますか。

有田武夫外務省経済協力局参事官

○説明員(有田武夫君) ベトナムに対しまする経済協力と申しますか、まず第一に、賠償を昭和三十五年に行ないまして、総額は三千九百万ドル支払いました。これは昭和四十年の一月の十一日に完済いたしております。そのほか、この賠償は主として、ダニム・ダムの建設の資金に充てられましたが、それの送電線工事のために七百五十万ドルの円借款を供与しております。  それから緊急援助といたしまして一九六四年に百五十万ドルの無償供与をいたしております。六六年には二十万ドルの緊急援助をいたしております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 それで、ダニムの発電所がこわされたという話があるけれども、それはあとにして、円借款というのは五九年ですか、最初にやったのは。

有田武夫外務省経済協力局参事官

○説明員(有田武夫君) 円借款は、昭和三十四年でございますから、五九年でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 五九年ですね。それで、あれは、三年据え置き、七年間返済ということですけれども、あれはずっと返されているのですか、そういうふうに。

有田武夫外務省経済協力局参事官

○説明員(有田武夫君) 返されております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 それから緊急援助というのがずっとやられておりますね。

有田武夫外務省経済協力局参事官

○説明員(有田武夫君) 先ほど申しましたように、六四年に百五十万ドルの緊急援助をいたしました。その翌々年、六六年に二十万ドルの緊急援助をいたしております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 それから医療団、奉仕団というようなものを出しておりますけれども、あれは結局アメリカのベトナムの平定政策、まあ日本の戦争のことばでいえば宣撫班という役割りを買って出たということになるのじゃないですか、実質上。これは大臣にお聞きしたほうがいいかもしれませんね。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) そういうようなものではございません。これは全く人道的な立場から、住民が非常にひどい目にあっているというので、医療を中心とした緊急援助をやっております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 青年奉仕協力隊ですか、あるいは技術協力隊ですか、二人ほど行くえ不明になっておるでしょう。あの事情はどうなっておりますか。

小川平四郎外務省アジア局長

○政府委員(小川平四郎君) ただいま御指摘の、二名とおっしゃいましたが、南ベトナムでございますか、南ベトナムにおきましては、青年協力隊ではございませんで、これは北川産業という会社に雇われておりました若い人が二人ベトコン地区に入りまして、長い間行くえ不明でありました。これは、帰ってまいりましてからの話によりますと、単なる興味によって写真機を持って入ったということで、最近無事に帰ってきております。ただいま奉仕団とおっしゃいましたのは、ラオスにおきまして最近二名の協力隊員が行くえ不明になっております。これにつきましては、現在、ラオスにおきまして、こちらの大使からラオス政府並びにパテトラオの代表並びに北越の代表につきまして、至急情報をさがしてもらいまして、無事に釈放になるように交渉中でございます。

春日正一日本共産党

○春日正一君 ことしの予算の中には、こういう援助資金というようなものはどのくらい組まれておりますか。

有田武夫外務省経済協力局参事官

○説明員(有田武夫君) ことしの予算で特にベトナムに幾ら出すかということはまだきまっておりませんが、技術協力関係の予算で、たとえば医療協力事業費とかあるいは農業協力事業費といったようなものはございますが、医療協力につきましてはおそらくことしも出ると思いますけれども、たとえば農業協力事業費からベトナムに対してどのくらい出すかということは、まだ全然見当がついておりません。

春日正一日本共産党

○春日正一君 そうすると、ベトナムの動きがこういうふうになっても、既定方針どおり、やはりいま言ったような援助というものはやっていくということになっているのですか。

有田武夫外務省経済協力局参事官

○説明員(有田武夫君) 医療協力に関する限りは、額はどのくらいになるかわかりませんけれども、おそらく既定方針どおりにやっていくのじゃないかと想像いたします。これもまだ全然計画がきまっておりませんから、ここで確言いたすのは時期尚早じゃないかと考えております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 そうしますと、いま言ったような南ベトナム政府に対するいろいろな援助——助けているということですね、政治的に。同時に、米軍基地、B52、エンタープライズといったようなものの寄港とか、日本の基地を使って、直接ではないと政府は言うけれども、ベトナムヘの戦争に出ていっているし、こういうものに対して、ベトナム民主共和国のほうからこれはけしからぬということで抗議もしてきているというような状態ですと、日本政府の立場としてベトナム和平に対して積極的に動こうといっても、ほとんど動く余地はない、動けばアメリカの手伝いをするだけだという結論にならざるを得ないのじゃないですか。その点はどうですか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 最近の例は私はよく存じませんが、私が外務省におったころの経験から言うと、医療援助を受けるほうはもう非常に喜んで感謝している。アメリカの手先だからどうのこうのなんというような……

春日正一日本共産党

○春日正一君 北ベトナムがですよ。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 北ベトナムですか。

春日正一日本共産党

○春日正一君 北ベトナムが抗議をしている、日本の政府に対して。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 抗議なんか受けたことないですよ。

春日正一日本共産党

○春日正一君 いや、ありますよ。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) ありません。

春日正一日本共産党

○春日正一君 あります。ベトナム民主共和国の政府が、B52が日本から出ていったあと抗議をしている。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 最近の事情は、だから、私は事情を知らぬ。私のおったころは、そういう抗議は受けておらぬ。

春日正一日本共産党

○春日正一君 その点、大臣に教えてやってくださいよ。抗議をしているのですね。そうすると、日本のそういう行為というものが、ベトナムの人民の側から見れば、非常に不愉快なというか、不愉快をもう通りこして腹立たしいことになっておるというような状態の動きをしておいて、いままたこれからも続けていくと言いながら、それでベトナム和平のために両方が平和にいくようにと言う余地があるのかということです。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 最近の現に医療のいろいろな援助を受ける人民——国民の中から非常に非難が出たということはないと思います。政治的に北越のほうでこれに対して非難を浴びせる、これはよくあり得ることなんです。それはまあいいと。現実に日本の医療援助を受けるその人民があべこべにどうも怒って日本国に対して反発するというようなことは私はないと思いますが、そんなことはあったのですか。

春日正一日本共産党

○春日正一君 いや、住民が反発していますよ。それは解放戦線だってそういうことに対しては腹を立てている。人をなぐっておいて、それを手伝っておいて、なぐられたほうが腹を立てないと思っているほうがおかしいですよ。その感覚で外交をやったらたいへんなことになる。  私はもう時間があれですから、最後のところへ飛びますけれども、結局、こういうことじゃないですか。ベトナム問題の解決というものの基準は、ジュネーブ協定ではっきり出ている。つまり、御承知のように、一九四五年に日本が戦争に負けて引き揚げて、あとすぐあそこにベトナム民主共和国というようなものができて、選挙による政府もできて、そこヘフランスが戻ってきて戦争をしかけて、それで八年間戦争が続いた。最初はフランス軍が優勢に見えたけれども、だんだん追い詰められて、そうして最後はディエンビエンフーでああいうような決定的な打撃を受けている。ジュネーブ協定という形で関係国が参加してベトナムからの外国軍隊の撤退、そうしてベトナムの独立と統一、民主主義というものをたてまえにしての解決という約束があそこでできた。そうして、関係国はもう、アメリカは調印はしないけれども、あの休戦協定は尊重するし、それから最終宣言の十二項目ですね、一項を除いてこれは尊重をするというような声明をして、関係国全体がこれでまとめようというところへいった妥当な解決策ですよ。それがさっき私の読んだような形でアメリカから破られていって戦争が始まる。さらに、今度はアメリカが出ていって大規模に軍隊を増強していままでずっとこういう戦争をやってきた。結局、そのアメリカも軍事的にも政治的にも敗北して、ここで和平をしなければならぬということになれば、フランスがやってすでにこの解決しかないといったことをアメリカが同じ道をたどってきた。いま解決しようと思えば、それ以外に解決の道がないだろう。そうだとすれば、日本政府としてもこのベトナムの解決をジュネーブ協定を厳格に尊重するという立場から促進するように努力もし、当面そういう話し合いに乗せるためにベトナム民主共和国に対する一切の戦闘行為を停止するということが話し合いの糸口になるわけですから、それをやらせるようにアメリカに対してものを言う、さらには、南ベトナムでの一切の戦闘行為を停止して、ジュネーブ協定に基づいて南ベトナムが平和的に統一されていくというような方向に向かって日本政府が努力するということがいま一番大事なことだし、こういう立場に立って日本が努力するそのことによって、ベトナムだけでなくて、アジアの諸国民の信頼もかちえられるし、将来の友好親善という関係も強まっていく方向にいく、私はそう思う。だけれども、政府として、こういう方向に努力されるのか、いままでのようにアメリカの戦争努力に協力するという立場を守り続けるのか、そこのところの大臣の見解をはっきり聞かしておいていただきたい。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) ジュネーブのあの協定というのは、読みようによっていろいろになるらしいのですね。しかし、威力によって政治のあり方を押しつけるということを一番あれはきらっておる協定じゃないかと思うのですが、そういうジュネーブ協定の精神に従ってそうして和平収拾をするということについては、日本としては賛成でございます。そうして日本のできる限度においてこれに協力するのは当然だと思っております。

春日正一日本共産党

○春日正一君 じゃ、これで終わります。

近藤英一郎自由民主党

○主査(近藤英一郎君) 以上をもちまして外務省所管に関する質疑は終了したものと認めます。なお、次回の分科会は明十一日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時三分散会      —————・—————額七百四十七億八千八百万円に比較して百二十億七千七百万円の増加、補正後予算額七百七十四億三千二百万円に比較して九十四億三千三百万円の増加でございます。  次に、重点事項別に内容を御説明申しあげます。  第一に、企業体質の強化と産業構造改善の促進につきましては、繊維工業構造改善事業の推進に必要な経費としまして、織布業設備近代化融資のための資金を含め九十三億一千七百万円を計上いたしておりますが、これは、前年度に比べ三十八億八千九百万円の増額となっております。  第二に、中小企業対策の拡充強化を図るため、前年度を三十四億五千八百万円上廻る二百七十三億七千五百万円を計上しております。このうち、二年目を迎えた中小企業振興事業団の事業運営費としましては百六十二億七千五百万円を計上し、共同工場、団地等に対する融資規模を拡充いたしますとともに、織布業設備近代化融資につきましては前年度に倍する資金を確保しております。また、新たに、業界団体が設置する共同研究所の設備費を助成する等中小企業の技術水準の向上を図るための施策を格段と拡充いたしますほか、中小企業に対する指導事業の強化、小規模事業対策の充実等従来の施策を一層推進することといたしております。  第三に、技術開発力の培養と技術的最先端産業の振興を図るため、前年度を二十五億三千三百万円上廻る百七十億一千八百万円を計上しております。このうち、大型工業技術研究開発費につきましては三十九億円、重要技術研究開発費補助につきましては十二億円を計上し、国際競争力の根幹をなす技術の開発を促進することといたしております。さらに、電子工業技術の振興を図るため、新たに電子部品の信頼性技術の開発および情報処理技術者養成対策に取りくみますとともに、四十三年度からYS−11に次ぐ民間ジェット輸送機の開発に着手することといたしております。なお、特許行政につきましては、出願等の迅速な処理を図るため二十二億八千四百万円を計上しております。  第四に、貿易の振興と経済協力の推進につきましては、前年度を七十六億二千七百万円上廻る二百三十九億一千八百万円を計上しております。これにより日本貿易振興会、アジア経済研究所等輸出振興、経済協力機関の拡充、経済協力の実施等を図ることといたしております。また、万国博覧会の開催準備につきましては、昭和四十五年の開催を控え、会場建設、政府出展準備等を早急に進めるため百五十八億二千九百万円を計上しております。  第五に、産業立地の適正化と公害防止対策の推進につきましては、六十五億八千百万円を計上し、産業立地の適正化の推進、工業用水道事業の充実等を図ることとしておりますが、特に公害防止対策につきましては、公害防止計画策定のための調査等の新規施策を含め、産業公害対策費を一億三千四百万円に増額するほか、大型プロジェクトの脱硫技術等公害防止技術開発費として別途十三億八百万円を計上しております。  第六に、総合エネルギー政策の推進と資源開発の促進を図るため、二十六億一千万円を計上しております。この主な内容は、天然ガス基礎調査の拡充、国内地下資源探鉱の促進等でございますが、新規の施策としまして金属鉱産物の安定的かつ低廉な供給に資するための海外鉱物資源開発および金鉱業の探鉱促進のための基礎的鉱床調査を実施することといたしております。  第七に、流通消費者行政の拡充強化につきましては、消費者のための商品テスト網の新設等消費生活改善対策を拡充いたしますほか、液化石油ガス保安確保および生産流通対策、火薬類保安対策等を充実することとし、合計一億二千五百万円を計上しております。  以上の通商産業省所管一般会計のほか、特別会計といたしまして、アルコール専売事業特別会計につきましては、歳入七十八億四千九百万円、歳出六十四億八千九百万円、専売納付金十三億六千万円を計上し、輸出保険特別会計につきましては歳入歳出とも百二十七億九千七百万円を計上しております。機械類賦払信用保険特別会計につきましては、歳入歳出とも十三億円でございますが、歳入のうち一億円は一般会計からの繰入れを予定しております。  また、石炭対策特別会計につきましては、歳入歳出とも五百九十六億八千三百万円を計上し、石炭鉱業の安定策の一層の充実を期することにいたしまして、石炭鉱業の合理化および安定、保安の確保、鉱害の総合的処理、産炭地域の振興等の諸施策の拡充を図ることといたしております。  次に、当省関係の財政投融資計画について御説明いたします。  昭和四十三年度の当省関係の財政投融資計画総額は、八千五百五十五億円でありまして、これを昭和四十二年度当初計画に比べますと一千二百四十億円の増加となっております。  以下機関別にその概要を御説明いたします。  まず、日本輸出入銀行でありますが、船舶等の輸出、経済協力の拡大等を図るため、貸出規模を三千三百五十億円に拡充し、二千六百三十億円の財政投融資を計画しております。  次に、中小企業関係三金融機関につきましては、中小企業金融の円滑化を図るため運用規模を七千五百九十六億円に拡大し、中小企業金融公庫一千七百五億円、商工組合中央金庫百八十八億円、国民金融公庫一千五百八十五億円の財政投融資を確保いたすことにしております。さらに織布業をはじめ中小企業の構造改善を強力に推進するため昨年発足した中小企業振興事業団の事業規模を二百六十億円に拡大いたしました。  日本開発銀行につきましては、従来の施策の拡充強化を図るとともに、新たな施策といたしまして、国産新技術の企業化を強力に助成するため従来から設けられている融資制度を改善し、九十億円の国産技術振興資金枠を設定することにいたしました。また、繊維工業をはじめ乗用車工業、アンモニア工業等を対象に合併、共同投資による大型近代化投資業界全体の過剰設備処理を伴う合理化投資等に重点的に資金を投入するため、昨年度に創設された構造改善金融枠を百二十億円に拡充いたしました。  電源開発株式会社につきましては、石炭火力発電所の建設と水力電源開発の工事を推進するため財政投融資二百七十八億円を予定しております。  石炭関係の機関につきましては、石炭鉱業合理化事業団整備資金に十億円、産炭地域振興事業団に四十二億円、鉱害基金に十九億円の財政投融資を予定しております。  金属鉱物探鉱促進事業団につきましては、従来からの国内探鉱業務を推進するとともに、新たに海外探鉱開発業務を実施することとし、二十三億円の財政投融資を計画しております。  また、昨年海外原油開発体制を抜本的に強化するため設立された石油開発公団の強化を図るため、同公団に対し、財政投融資として六十億円の出資を行なうこととしております。  公害防止事業団につきましては、業務を拡充するため五十五億円の財政投融資を計上するほか、新たに貸付金利の引下げを図る予定であります。  最後に、日本航空機製造株式会社につきましては、中型輸送機YS−11の量産事業の本格化に資するため、六十億円の政府保証付き長短期市中借入れの助成措置をとっております。  以上をもちまして、通商産業省関係の予算案および財政投融資計画の説明を終ります。なにとぞ十分御審議のうえすみやかに可決されますようお願い申しあげます。     —————————————    外務省所管昭和四十三年度予算の説明  外務省所管の昭和四十三年度予算について大要を御説明いたします。  予算総額は三百五十四億五百十万四千円でこれを主要経費別に区分いたしますと、科学技術振興費一億一千七十一万七千円、遺族及び留守家族等援護費百五十八万五千円、貿易振興及び経済協力費八十八億六千四百七十七万六千円、その他の事務経費二百六十四億二千八百二万六千円であります。また「組織別」に大別いたしますと、外務本省百九十三億五千百八十七万八千円、在外公館百六十億五千三百二十二万六千円であります。  只今その内容について御説明いたします。  (組織)外務本省、  第一、外務本省一般行政に必要な経費三十四億二千三百七十六万九千円は、「外務省設置法」に定める本省内部部局及び附属機関である外務省研修所、外務省大阪連絡事務所において所掌する一般事務を処理するため必要な職員一、五〇六名の人件費及び事務費等であります。  第二、外交運営の充実に必要な経費六億二千三百十万円は、諸外国との外交交渉により幾多の懸案の解決をはかり、また、各種の条約協定を締結する必要がありますが、これらの交渉をわが国に有利に展開させるため本省において必要な工作費であります。  第三、アジア諸国に関する外交政策の樹立及び賠償実施業務の処理等に必要な経費三千五百八十二万二千円は、アジア諸国に関する外交政策の企画立案及びその実施の総合調整並びに賠償実施の円滑、かつ統一的な処理を計るため必要な経費であります。  第四、米州諸国に関する外交政策の樹立に必要な経費一億九千五百五十一万二千円は、米州諸国に関する外交政策の企画立案及びその実施の総合調整等を行なうため必要な経費と社団法人ラテン・アメリカ協会補助金三千四百四十一万八千円、ニューヨーク日米協会新館建設費補助金一億三千万円及びサンパウロ日本文化センター大講堂増築費補助金二千万円であります。  第五、欧州諸国に関する外交政策の樹立に必要な経費二千三百八十万九千円は、欧州諸国に関する外交政策の企画立案及びその実施の総合調整等を行なうため必要な経費と社団法人北方領土復帰期成同盟補助金四百六十五万円であります。  第六、中近東、アフリカ諸国に関する外交政策の樹立に必要な経費一千百三十四万六千円は、中近東、アフリカ諸国に関する外交政策の企画立案及びその実施の総合調整等を行なうため必要な経費と社団法人アフリカ協会補助金四百八十三万六千円及び財団法人中東調査会補助金二百二十三万二千円であります。  第七、国際経済情勢の調査及び通商交渉の準備等に必要な経費四千二百五十三万一千円は、国際経済に関する基礎的資料を広範かつ組織的に収集し、これに基づいて国際経済を的確に把握するための調査及び通商交渉を行なう際の準備等に必要な経費であります。  第八、条約締結及び条約集の編集等に必要な経費二千三百四十一万五千円は、国際条約の締結及び加入に関する事務処理並びに条約集の編集及び先例法規等の調査研究に必要な事務費であります。  第九、国際協力に必要な経費四億二千八百二十万三千円は、国際連合等各国際機関との連絡、その活動の調査研究等に必要な経費及び各種の国際会議にわが国の代表を派遣し、また、本邦で国際会議を開催するため必要な経費と財団法人日本国際連合協会補助金四千八百五十七万六千円、社団法人日本エカフェ協会補助金一千二十八万三千円及び財団法人日本ユニセフ協会補助金四百三十八万七千円であります。  第十、情勢啓発事業及び国際文化事業実施に必要な経費十二億九百十九万一千円は、国際情勢に関する国内啓発、海外に対する本邦事情の啓発及び文化交流事業等を通じて国際間の相互理解を深めるため必要な経費並びに財団法人国際学友会補助金七千四百八十二万二千円、財団法人国際文化振興会補助金一億六千八百九十万七千円、財団法人国際教育情報センター補助金一千三百七十五万円、社団法人日本新聞協会国際関係事業補助金一千四百六十八万一千円及び啓発宣伝事業委託費二億九千九百二十五万円であります。  第十一、海外渡航関係事務処理に必要な経費一億三千四百十五万二千円は、旅券法に基づき、旅券の発給等海外渡航事務を処理するため必要な経費及び同法に基づき事務の一部を都道府県に委託するための経費六千三百五十六万八千円であります。  第十二、海外経済技術協力に必要な経費五十七億七千三百二十七万六千円は、海外との経済技術協力に関する企画立案及びその実施の総合調整を行なうため必要な経費とコロンボ計画等に基づく技術者の受入、派遣、日本青年海外協力隊の派遣、各種技術訓練センターの設置並びに医療、農業及び一次産品開発のための技術協力実施に必要な委託費五十億一千九百九十一万五千円、経済開発計画実施設計委託費一億円と海外技術協力事業団交付金六億二千九百三十八万二千円等であります。前年度に比し十三億四千二百五十八万八千円の増加は、主として海外技術協力実施委託費、経済開発計画実施設計委託費及び海外技術協力事業団交付金の増加によるものであります。  第十三、海外技術協力事業団出資に必要な経費三億二千五百万円は、海外技術協力事業団の中央センター増築等に要する資金として同事業団に対し出資するため必要な経費であります。  第十四、国際分担金等の支払に必要な経費二十八億四千百四十五万七千円は、わが国が加盟している国際連合その他各種国際機関に対する分担金及び拠出金を支払うため必要な経費であります。  第十五、国際原子力機関分担金等の支払に必要な経費一億一千七十一万七千円は、わが国が加盟している国際原子力機関に支払うため必要な分担金及び拠出金であります。  第十六、貿易振興及び経済協力に係る国際分担金等の支払に必要な経費二十三億六千百九十六万二千円は、わが国が加盟している貿易振興及び経済協力関係各種国際機関に対する分担金及び拠出金を支払うため必要な経費であります。  第十七、移住振興に必要な経費十七億八千五百万九千円は、移住政策の企画立案及び中南米諸国等に移住する者一、五〇〇名を送出するため必要な事務費並びに移住者渡航費交付金一億三千七百二十三万七千円及び海外移住事業団交付金十五億一千七百三十九万一千円等であります。  第十八、旧外地関係事務処理に必要な経費二百二万二千円は、朝鮮、台湾、樺太及び関東州等旧外地官署所属職員の給与、恩給等に関する事務を処理するため必要な経費であります。第十九、旧外地官署引揚職員等の給与支給に必要な経費百五十八万五千円は、四十三年度中の旧外地官署所属の未引揚職員の留守家族及び引揚職員に対し俸給その他の諸給与を支給するため必要な経費であります。  (組織)在外公館、  第一、在外公館事務運営等に必要な経費百二十七億九千六百十万一千円は、既設公館百二十八館三代表部一、二一一名と四十三年度中に新設予定の在チュニジア大使館設置のため新たに必要となった職員四名並びに既設公館の職員の増加二五名計一、二四〇名の人件費及び事務費等であります。  第二、外交運営の充実に必要な経費十三億九千十万円は、諸外国との外交交渉をわが国に有利な展開を期するため在外公館において必要な工作費であります。  第三、輸入制限対策等に必要な経費三億六千二百万七千円は、諸外国におけるわが国商品の輸入制限運動等に対処して啓蒙宣伝運動を実施する等のため必要な経費であります。  第四、対外宣伝及び国際文化事業実施に必要な経費三億三千九百十七万二千円は、わが国と諸外国との親善に寄与するため、わが国の政治、経済及び文化等の実情を組織的に諸外国に紹介するとともに、国際文化交流を行なうため必要な経費であります。  第五、在外公館営繕に必要な経費十一億六千五百八十四万六千円は、在フランス大使館及び経済協力開発機構日本政府代表部合同事務所ほか五箇所の継続工事その他事務所、公邸の諸工事に必要な経費と在アルジェリア大使館事務所ほか二箇所の公邸並びに在ガーナ大使館他五箇所の各公務員宿舎の不動産購入費等であります。  以上が只今上程されております外務省所管昭和四十三年度予算の大要であります。慎重御審議の程お願い申し上げます。

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