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58回国会参議院1968/04/12

予算委員会 第18号

発言数
11
登壇者
5
会派数
3
開催日
1968/04/12

会議録

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) ただいまより予算委員会を開会いたします。  まず、理事の補欠互選についておはかりいたします。  委員の異動に伴いまして、理事が二名欠員になっておりますので、その補欠互選を行ないます。  互選は、投票の方法によらないで、便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないと認め、理事に加瀬完君、小平芳平君を指名いたします。     —————————————

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 昭和四十三年度一般会計予算、昭和四十三年度特別会計予算、昭和四十三年度政府関係機関予算。  以上三案を一括して議題といたします。  本日は、各分科会におきます審査の経過について、主査の方から御報告を承ることになっております。順次報告をお願いいたします。  第一分科会主査内藤誉三郎君。

内藤誉三郎自由民主党

○内藤誉三郎君 第一分科会における審査の経過を御報告申し上げます。  当分科会の担当は、昭和四十三年度予算三案中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府(防衛庁、経済企画庁、科学技術庁を除く)及び法務省所管並びに他分科会所管外事項であり、四月十日、十一日、及び本十二日の三日間にわたり、関係各大臣及び政府委員から説明を聴取した後、慎重に審議を行ないました。  以下、それらの質疑のうちおもなるものについてその要旨を御報告申し上げます。  まず、皇室費につきましては、国庫債務負担行為二十二億円が再度計上されているが、これはどういうわけかとの質疑に対し、瓜生宮内庁次長から、これは昭和四十二年度予算に計上した国庫債務負担行為御料牧場施設取得にかかわる契約を同年度中に結ぶことができなかった場合には、当該国庫債務負担行為の金額を限り、昭和四十四年度に国庫の負担となる契約を本年度において結ぶ必要があるからであるとの答弁がありました。  また、三里塚御料牧場周辺の農民は、御料牧場に対して現在まで深い愛着心を持っている、それにもかかわらず、異常に不利な条件を忍んでまで栃木県方面へ移転するのは納得できないとの質疑に対しては、付近農民の住民感情は十分察するが、新東京国際空港建設という国家の政策に対して、宮内庁としても大所高所の見地から協力しているものであるとの答弁がありました。  次に、国会につきましては、国会職員の給与の改善、級別定数及び衛視増員等に関して具体的な質疑がありましたが、これらに対して関係当局から、すでに実施した実態調査の結果に基づき、それぞれ職員の処遇を改善することに十分努力し、関係方面ともよく協議して、運営面で実現できるものについては早急に実行するよう措置したいとの答弁がありました。  また、国会図書館の拡張計画等に関する質疑に対しては、河野国会図書館長から、完成の時期は昭和四十三年秋であり、蔵書収納能力は約四百五十万冊となるが、十三、四年先には限界をこえるので、さらに六百万冊収蔵の書庫を新設する等の必要がある旨の答弁がありました。  次に、内閣及び総理府につきましては、質疑のほとんどが沖縄に関する諸問題に集中いたしました。まず、最近発足した日米琉諮問委員会に関する質疑としましては、諮問委員会の性格、任務及びその権限等はどのようなものかとの質疑に対して、田中総務長官及び政府委員から、日米琉諮問委員会は、佐藤・ジョンソン共同声明に基づくものであって、沖縄の米高等弁務官に対し助言と勧告をする一種の国際機関である。したがって、高等弁務官に隷属するものではなくて、これと対等の関係にある、また、諮問委員会の対象事項は、沖縄の社会的経済的問題及びこれに関連する問題で、高等弁務官の権限に属するものに限られる。しかしながら、諮問委員会の権限はかなり幅の広いものと解釈しており、現実にもそのように運営されると思うとの答弁がありました。また、同諮問委員会の決定は満場一致が原則とされているが、これでは場合によっては米国に拒否権を与えたように思えるが、どのように考えるかとの質疑に対しては、答申や勧告が尊重されて、それが円滑に実現されるにはやはり日米琉三者の合意が必要と考えるので、満場一致の原則は当然であるとの答弁がありました。続いて、沖縄の経済的自立、本土との経済的一体化に関する質疑としましては、沖縄の第二次産業の振興対策を積極的に援助する等の施策を行ない、基地経済に依存している不健全な経済構造から脱却して、本土との経済的一体性を具体的に推進する必要があると思うがどうかとの質疑に対して、経済建設のためには財政援助はもちろん、多くの民間の資金援助が今後必要である、現在、本土と沖縄の民間における各種経済団体同士の研究会等を含めて、各般の調査研究が行なわれているが、本土側が深い同胞愛をもって、きめこまかく計画的に実施する考えであるとの答弁がありました。  次に、法務省につきましては、三派全学連に対する破防法の適用についてどう考えるかとの質疑に対し、赤間法務大臣から、現在、諸般の情勢を勘案して、この適用を目途にして検討を続けているとの答弁がありました。また、最近の年長少年の凶悪犯罪の増加の傾向に対処して、当局はどのように考えるかとの質疑に対し、逐年増加する少年凶悪犯の半数を十八歳、十九歳の年長少年が占めている、法制的には十八歳未満を少年とし、青年層を新設して、年齢に応じた刑事政策を行なうこと等を内容とする青少年法構想に基づいて検討中であるとの答弁がありました。  最後に、裁判所につきましては、訴訟件数の増加傾向等を勘案して、裁判所職員等の適正配置につとめるべきではないかとの質疑に対して、関係事務当局から、裁判官はじめ職員の増員が必要であるが、諸般の状況から、単に増員のみで件数の増加に対処することなく、事務合理化の可能な範囲については極力合理化につとめたいとの答弁がありました。  このほかにも、各所管事項にわたり熱心なる質疑が行なわれたのでありますが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  以上、御報告申し上げます。(拍手)

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 次に、第二分科会主査近藤英一郎君。

近藤英一郎自由民主党

○近藤英一郎君 第二分科会における審査の経過を御報告申し上げます。  当分科会は、総理府のうち防衛庁と経済企画庁並びに外務省、大蔵省及び通商産業省の各所管に属する昭和四十三年度予算を担当いたしました。審査は、四月十日に通商産業省と外務省、十一日に防衛庁と大蔵省、十二日に経済企画庁の各所管について担当大臣より説明を聴取し、各委員より熱心な質疑を行なってまいりました。  以下、質疑及び政府説明中おもなものについてその概要を御報告申し上げます。  まず、通産省の所管につきましては、最近、中小企業の倒産が相次いで起きているが対策はどうか、特に日銀の窓口規制の強化や市中銀行の選別融資などで中小企業は金融引き締めのしわ寄せを強く受けているが、政府はどのように対処するのか、連鎖倒産が多くなる傾向にあるが災害並みに扱う考えがあるかなどの質疑に対し、政府委員より、金融引き締めの浸透により今後中小企業の倒産が増加すると予測されるので、財投による貸し出しをふやし、特に年度の上半期に重点的に使用するよう注意するとともに、市中銀行の対中小企業貸し出し比率を守らせ、また、関係専門金融機関を指導して、中小企業にしわ寄せされないようつとめるが、さらに、中小企業の体質改善については、経営の合理化、契約方法の近代化、新市場の開拓、流通機構の整備など、産地及び業種ぐるみの対策を立て、連鎖倒産が起らぬよう諸般の対策を準備している、また、例産の救済にあたっては保証対象基準を緩和して、親企業の負債額を十億円から五億円に引き下げるほか、さらに、倒産したものには災害と同様の考え方で対処していく旨の答弁がありました。また、インドネシアの焦げつき債権の処理について、日本輸出入銀行法によると、同行の目的はプラント、技術の輸出入の促進をはかることで、消費財取引が融資対象になっていないのに、消費財を含む過去の焦げつき債権を輸銀資金で肩がわりするのは輸銀法違反ではないか。また、債権国会議というが、自由陣営だけで構成し、全部の債権国が入っていないこともまた輸銀法の規定に違反していないか。インフレの激しいインドネシアに経済援助するのは危険ではないかとの質疑に対し、椎名通産大臣は、消費財取引が輸銀の融資対象になったことは前例があることであり、債権国会議には、呼びかけに応じないソ連その他の国が入っていないが、債権額からいうと主要な債権国は網羅されている。インドネシアの経済は、スハルト政権が発足して以来、政治の安定に懸命であり、資源的にも豊富であるから、今後数年のうちには立ち直ると確信している旨の答弁がありました。  このほか、台湾バナナの輸入問題、公害の原因、責任、対策などについて、具体的な問題点について質疑が行なわれ、それぞれ担当政府委員より詳細な説明及び答弁がありました。  次に、外務省所管につきましては、新しい国際情勢に即応して、日本の対中国政策は再検討の時期にきているのではないか。現時点では吉田書簡の失効を明確にすべきであり、対中国貿易における輸銀資金の使用につき前向きに検討しているかどうか。日本はココム・リストの撤廃ないし緩和の考えがあるかどうか。また、対中国貿易の拡大も重要だが、情勢の急展開に備え、政府間の接触ができるよう糸口をつくっておくべきではないかとの質疑がありました。これに対して椎名外相臨時代理は、ベトナム和平はまだ端緒が打ち出されたにすぎない段階であって、中国に対する態度についてはっきりした判断を下し得る時期ではないが、対中国政策は決して固定したものではない。対中国貿易で輸銀資金を使うかどうかは、具体的な場合場合によって慎重に処理していく従来の方針に変わりはない。ココム・リストについては、技術の進歩などの情勢を考慮し、できるだけ輸出増進に役立つよう運営したい。中国が固い姿勢をとっているのが現状であるから、日本としては柔軟な姿勢で、あらゆるチャンスに対処し得る用意をしている旨の答弁がありました。また、韓国が、七月に開かれるアジア太平洋閣僚会議で新軍事機構を提案する動きがあるがどうか。また、韓国の金国防部長官が、外務省を通じて防衛庁に、北朝鮮と一朝有事の場合は積極的な軍事援助をしてほしいという書簡を送ってきたそうだが、返事は慎重にすべきであるとの質疑に対し、外相代理より、韓国が新しい対立をもたらすような提案をするとは考えられない。また、金国防部長官から書簡がきているのは事実だが、返事を出すかどうか慎重に検討中であるとの答弁がありました。  そのほか、国連の改組問題、ベトナム解決後のアジアにおける米軍事力、沖縄返還の具体的スケジュール、南ベトナムに対する日本の援助の内容及び医療援助について、在韓国連軍及び国連軍の地位に関する協定など、広範にわたる質疑が行なわれ、それぞれ外相代理及び政府委員より詳細な答弁がありました。  次に、防衛庁所管につきましては、日本の安全保障は軍事力だけにたよらず、外交手段による緊張緩和、国民の意思統一、国民の生活や知的水準の向上など、多方面から考えていかねばならないと思うがどうかとの質疑に対し、増田防衛庁長官は、安全保障の問題で国論が分裂することはふしあわせなことであり、国防については国民とのコンセンサスを深め、与野党とも、国民の平和と安全を願う期待に対し責務を分担すべきであるとの答弁がありました。  また、米軍水戸射爆場の新島への移転問題について、これまでの経緯と影響及び関係各省庁の見解をただしたのに対し、増田防衛庁長官は、日米共同防衛の立場に立つ以上、射爆場は日本の安全のため必要なものであり、水戸の代替地として新島以外には米軍の条件に合う適地がないので一応きめたもので、今後、地元その他関係方面の納得を得られるよう努力する。また、水産庁、厚生省など関係政府委員から、漁業や観光、国立公園行政上から見れば、新島への射爆場移転は必ずしも適当でないが、どの程度の影響があるか、慎重に検討したい旨の答弁がありました。  このほか、核兵器及び核抑止力の問題、防衛庁のシビル・コントロールと予算との関係、防衛庁予算の規模及び予算編成上にPPBS方式採用の適否、自衛隊員の欠員の問題、練習による漁業補償問題、自衛隊法第七十六条と安保条約第五条の関係などについても活発な質疑応答がありました。  次に、大蔵省所管につきましては、補正を組まない総合予算主義というが、予期しない大災害があっても補正を組まないということか、予備費に給与関係費を組み込み、しかも、その金額がわかららぬでは予算審議ができないではないか、給与改善費という一項を立てる考えはないか、巨額な繰り越しを行なう場合は修正予算を国会に提出すべきでないか、予備費や繰り越し明許費の乱用など、財政民主主義の原則が乱れている、財政法改正の考えはないか等の質疑に対し、水田大蔵大臣は、予見し得なかった異常事態が起こり、いろいろやり繰りしても予算執行が不可能なときは補正予算を組むことになる、予備費の中には災害対策費や給与改善費など、過去の実績を見て組み込まれている、人事院勧告が出る前に給与改善費という一項を立てることは適当ではない、予算の繰り延べは国会で承認された支出予算の内容を変えることなく執行段階で時期の調整を行なうものであるから、財政法違反にはならない旨の答弁がありました。  このほか、経済成長と外貨準備の関係、インドネシア援助費問題、これからの海外経済援助のあり方、ケネディ・ラウンドの繰り上げ実施による影響、課徴金問題の行くえ、ベトナム特需の見通し、外国航路乗り組み員の所得税及び携帯品の免税問題、酒、たばこ値上げ及び入場税、マッチにかけられている物品税をめぐる問題点、脱税調査と人権侵害などについてもそれぞれ具体的な質疑及び政府委員による答弁がありました。  経済企画庁所管におきましては、昭和四十二年度の経済動向について政府の当初見通しと実績とが著しく相違したのは政策として失敗ではないか、この事実から政府はどのような教訓を学びとったか。内外における最近の情勢変化から、長期政策は練り直す必要があるのではないかとの質疑に対し、宮澤企画長官は、四十二年度の実績数字はまだそろっていないが、昨年末の実績見通しとそう大きな差異なくおさまるものと思う。昨年三月ごろ立てた見通しが、結果において、国際収支は輸出の過大評価と輸入の過小評価となり、設備投資は中小企業と非製造業の見通しを誤り、また財政の引き締めがもうひとつできなかったことなど反省している。これから前もってもっと裏づけのある主張をしたいと思うが、たとえば四半期ごとの実証的姿を早くとらえることができるよう努力したい。経済社会発展計画については、今年いっぱいの経済動向を見て対処していくとの答弁がありました。  海外経済協力について、今回なぜ法律を改正をする必要があるのか、インドネシア援助は適切な効果が期待できるか、海外経済援助体制は窓口を一本化する必要がないか等の質疑に対し、宮澤経企庁長官は、海外経済協力基金は、本来、発展途上国の産業の開発を援助することが経済発展の基本であるとの考えであったが、これに合わせて商品援助など多角的に援助の手を差し伸べたほうがより効果があがるとの考えから法改正を行なうものであり、内政干渉にならぬよう注意して先方とも話し合っていけば、援助の効果は期待できると思う。また、海外援助の窓口は輸銀と基金の二つになっているが、金融範囲内のものと条件のゆるいものとは分けていく考え方が世界の大勢であり、一本化はむしろ逆行するものだと思うとの答弁がありました。  このほか、今後の海外経済協力のあり方、基金の性格、インドネシア債権国会議との関係など質疑応答あり、また、ベトナム戦後の特需の見通し、酒、ビール等の便乗値上げ問題、木材価格の値上がり事情、受益者負担の原則と現実問題等につきましても熱心な質疑と詳細な答弁がありました。このほかにも多方面にわたる熱心な質疑が行なわれたのでありますが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  以上をもちまして、第二分科会担当予算の全部を終了した次第であります。  以上御報告申し上げます。(拍手)

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 次に、第三分科会主査鶴園哲夫君。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 第三分科会における審査の経過を御報告申し上げます。  第三分科会の担当は、昭和四十三年度予算三案中、農林、運輸、郵政及び建設の四省所管に属するものでございます。  分科会におきましては、去る十日から本十二日まで、これら四省の所管予算につきまして、順次、関係大臣から提案理由の説明を聴取し、質疑を行こなってまいりました。以下、質疑のおもなるものにつきまして、その要旨を簡単に御報告申し上げます。  まず、建設省所管におきましては、砂利採取の問題について、川砂利がほとんどなくなり、山砂利が主になろうとしている状況なのに、山砂利は採石法の対象として放置されている。特に零細業者が公害を起こしても泣き寝入りになってしまう場合が多いが、これを公営でやることに踏み切る考えはないか。砂利に関する問題は建設省が主体となって盲点のないよう対策を立てるべきではないか。また、住宅対策の問題について、五ヵ年計画では住宅建設だけを考えて、それに伴う水資源対策、道路、学校、下水道等の関連公共施設の整備に対する配慮が欠けているので、団地周辺の地方公共団体は赤字となり、負担にたえかねている。建設省は、これに対し、どのように考えているか等の質疑がありましたが、これに対し、建設省当局から、今回の砂利採取法では登録制がとられ、採取計画の提出も義務付けられているので、相当、規制措置ができることになっている。この法案が成立すれば建設省の発言権も大きくなるので、公営に切りかえなくとも御期待にこたえられると思う。今後は砂利採取法と採石法とを組み合わせて地元の要請に沿うよう遺憾なきを期していきたい。また、住宅団地の建設に伴う公共施設の整備の問題については、地方公共団体の負担加重要因として問題になっていることは事実であるが、これらの費用は、公団の立てかえ、あるいは公庫の融資等により地元の公共団体の負担が軽くなるよう配慮されている。このような工事は、五省協定によりある程度方式が確立されているので、特に大都市近郊の団地建設に対しては、都市計画を立てて、これらの公共投資をやっていくのが筋と思うが、今後とも団地関連の公共施設については、投資順位を再検討し、優先的に確保されるよう努力したいなどの弁答がありました。  次に、運輸省所管におきましては、交通安全対策の問題について、交通事故防止には、道路交通、踏み切り道の整備等も大切であるが、タクシー、ハイヤー等の運転者の労働条件の悪さが事故の原因になっている場合が多い。現状及び改善策についてどう考えているか。また、交通災害全体に通ずる災害補償について最低基準を定むべきではないかとの質疑がありましたが、これに対し、運輸省及び労働省当局から、交通事故防止対策として運転者の労働条件、待遇の改善は大切な問題であるので、運輸省としても十分な検討を加え、業者に対しても適切な指導をしていきたい。特に労働条件については、長時間労働の者が多いので、昨年二月九日に一日の実質作業時間について限度を設ける通達を出しており、当面これを守らせることにつとめるとともに、来年度はタクシー運転者の累進歩合制の排除等の規制を考えている。また、災害補償についても著しい不合理の生じないよう再検討したいなどの答弁がありました。  国鉄の問題につきましては、現在、鉄道建設公団がつくっている新線はほとんど赤字線であり、これを国鉄に移した場合、年々七、八億円の赤字になると言われているが、これでは国鉄の赤字はふえるばかりで減る見込みはない。今後、経営形態を考え直す必要があるのではないか。国鉄をほんとうに合理化するには赤字線に対する抜本策が必要ではないかとの質疑がありましたが、これに対して運輸、国鉄両当局から、国鉄の赤字は緊急の通勤輸送対策を阻外しているけれども、国鉄の赤字線は、地方開発等政治的要請によるもので、経済的合理性だけでは考えられない面を持っている。しかし、これを放置すれば国鉄は迷惑するので、赤字線全部を放置するというのではなく、できるだけバス等に転換できるものはするほうが望ましいと思うが、国鉄自体の合理化は公社をつくった趣旨からも必要と考えている。したがって、今後は国鉄の機能拡充をも含めて、広く社会的面から再検討を行なう等あらゆる努力を必要と考えておる。今回、閣議了解で国鉄財政再建推進会議を設けたのもその趣旨であるとの答弁がありました。  次に、農林省所管におきましては、米価審議会の問題について農林大臣はどう対処しようと考えているのか、米価決定の方法としては、国会で決定する方法などいろいろ考えられるが、農林大臣としてはどの機関で決定するのがよいと考えているのか。また、その場合に生産者、消費者の意見をどういう形で反映していくか。また、農民年金については何年ごろから発足できる見通しか、その性格は農林省としては国民年金と別なものをつくることを考えているのか。さらにまた、生鮮食料品の流通合理化の問題について、昭和三十六年に中央卸売市場法を改正する際に審議会を設けて抜本的に改正を検討することとしていたが、四十三年度中に改正案を提案できる見通しにあるか、本年度から新設される卸売市場近代化資金は、設備だけでなく事業そのものの大型化に要する資金についても融資の対象に含められるかなどの質疑がありましたが、これに対して農林省当局から、米価審議会の問題については各党間の協議の結果が出たら、その結果を見きわめた上で態度をきめたいと考えているが、米価の決定については政府の責任において決定すべきものと考えている。しかし、その過程では、米価審議会に慎重に審議してもらい、その結果を政府が尊重してきめるのがよいと考えている。また、今回の米価審議会の委員の任命に当たっては、生産者、消費者の代表を除外して任命したが、いずれの形にせよ、その意見は十分反映すべきものと考えている。農民年金については、現在、農林省に委員会を設けて研究しているので、その結論を急ぐが、厚生省でも、国民年金審議会で答申が出るはずであり、農林省、厚生省、大蔵省とも相談しなければならないので、厚生年金の再検討期の来たる昭和四十四年をめどに努力したい。農民年金をどういう性格のものにするかは、最終的にその内容なり、仕組みによってきまってくるが、国民年金と分離すべきものか、その中に含めるべきものか、現在まだ結論を出していない。また、中央卸売市場法の抜本改正については、現在、審議会で資料を詰めてもらっているが、最近の事態で、行政的、財政的な面、あるいは業務内容の面からも大事な問題があり、いまの目算では、結論を出せるのは昭和四十五年度になる見込みである。卸売市場近代化資金の融資対象は、法律上の解釈としては無体財産権も含むと考えているので、仲買い人の大型化をはかるための営業権の譲渡も融資の対象になるなどの答弁がありました。  最後に、郵政省所管におきましては、NHKの受信料を、米軍や防衛庁関係の基地周辺に限り半額免除の措置をとっているが、軍用関係にだけ限ってこのような措置をとったのはどういう理由か、また、今回、沖縄にNHKから施設の提供を行なおうとしているが、それはどこの指示によるのか、契約者からとる受信料で、このような援助を行なうことは受信料の趣旨に反しないか。また、電話の設備料値上げの問題については、その性格をどのように理解すればよいのか、当初の料金二二%値上げ案と、今回の設備料値上げとの関係はどうなるのかなどの質疑がございましたが、これらに対し、郵政省及びNHK当局から、NHKが免除しているのは放送法三十二条に基づくもので、社会的福祉など厳格な基準によるものであるが、三十九年以降は行政協定等、国の方針に協力する意味で軍事基地周辺にも拡大している。しかし、これを拡大することについては受信料維持の上にも支障を来たすので、これ以上拡大したくないと考えているが、軍用関係だけで民間空港等には認めないということでは筋が通らないので、筋の通った方向で解決するよう努力したい。また、沖縄の放送施設の援助については、昨年、沖縄で放送法が制定され、日本政府に資金援助の申し出があり、予算に計上してある沖縄援助費では都合がつかないので、NHKに負担してもらうことになったものである。受信料でやることについては、金額の上から問題はなくもないが、沖縄が将来返還された場合を考えてむだなことではないと考えている。また、設備料の値上げの性格については、三十六万円かかる工事費の一部を利用者に負担してもらうと説明するよりほかにはない、料金問題との関係については、当初の二二%値上げ案がこれにかわったという性質のものではなく、料金問題はいずれ御審議を願わなければならないときがくると思うなどの答弁がありました。  このほか、本分科会担当の各予算につきまして、あらゆる観点からきわめて熱心な質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録により御承知を願いたいと存じます。  以上をもちまして、第三分科会担当の予算全部の審査を終了した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 次に、第四分科会主査宮崎正義君。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 第四分科会の報告をいたします。  本分科会の担当は、昭和四十三年度予算三案中、科学技術庁、文部省、厚生省、労働省及び自治省の各省庁所管に属するものでありまして、去る十一日、十二日と本日の三日間にわたり、自治省、労働省、厚生省、科学技術庁、文部省の順に、関係各大臣並びに政府委員からそれぞれ説明を求め、慎重審議を行ないました。  以下、質疑のおもなるものについてその概要を御報告いたします。  まず、自治省所管につきまして、四十三年度の地方財政計画の内容を検討すると、たとえば国庫補助のつく各費目の補助率がすべて一律になっておること、また、長期計画事業の対前年度比を見ても、道路費などはふえているが、生活環境関係費やいわゆる単独事業費が減っているなど、過密対策への配慮が足りないと思うが、政府の考えはどうかとの質疑がありました。これに対して、赤澤自治大臣及び政府委員から、過密対策として特に補助率を高くする措置は講じていないが、人口増加の激しい都市に対しては、学校その他の公共施設に要する財源に充てるため、交付税の傾斜配分を行なうとともに、昼間、夜間の人口の異動を調べて補正することも考慮し、さらに、先行投資を必要とする用地の取得について起債のワクをふやす等、弾力的に処理することによって、過密の問題に対処したいと考えているとの答弁がありました。  また、政府の方針であるにもかかわらず、都市再開発が遅々として進んでいないが、この際、大臣の抜本対策を聞きたいとの質疑がありましたが、これに対し赤澤自治大臣は、都市の再開発にはいろいろな問題がからんでいて実にむつかしい。人口の異動がこれほど激しいとは予想以上であったし、そのため政府の施策が立ちおくれていることも認めている、ともあれ、急いで根本的計画を立てる必要があるが、抜本対策ということでは、さしあたり交通混雑の緩和を考えているとの答弁がありました。  このほか、固定資産税の評価の問題、自動車取得税の配分問題、公害による工場の立ちのき後のあと地対策、公有財産の無償譲渡をめぐる地財法違反事件、交通安全対策と反則金制度の問題、選挙自由化の問題等につき、それぞれ質疑応答がかわされました。  次に、労働省所管におきましては、賃金のあり方をめぐって活発な論争がありました。すなわち、ここ数年間の統計で見ても、労働生産性の伸びに対し実質賃金の伸びが低くなっております。労働分配率も外国に比べてはなはだしく低位にあるが、政府はこれを是正しないのか、また、物価との関連において近ごろ経営者側からコストインフレ論が叫ばれ、日経連の賃金白書では、賃金が生産性をこえて上昇するため、賃金の硬化状態を来たし、それがインフレを引き起こしていると述べているが、政府はこれらの問題につきどのような見解を持っているかとただしたのに対し、小川労働大臣並びに政府委員から、賃金と労働生産性の関係を問題にする場合、通常、名目賃金との比較で見ることにしているが、それによると、生産性の伸びと賃金はほぼ見合っており、賃金が生産性を越えてコストインフレの事態があらわれているとは思わない。労働分配率が外国のそれに比べて低いのは事実だが、それは日本のように急速に経済発展を遂げた過程において免れがたいことで、分配率自体も最近は横ばい強含みの状況になっている。日経連の賃金白書も、賃金が生産性を越えて上昇しているとは必ずしも言っていないと思うが、中小企業の分野における労働力需要の逼迫が消費者物価の上昇を促している点は否定できない。しかし、それとて現時点では物価に決定的な影響を与えているとは考えない、賃金と物価と生産性の関係は非常にむずかしい問題で、各方面にいろいろ意見のあることも承知しているが、労働省はこれに一々論評を加える立場にはない、われわれとしては、賃金は国民経済の成長と調和を保った姿で労使双方においてきめていただくことを望んでいる旨の答弁がありました。さらに、失業対策事業の現状について、就労者の固定化が目立ち、その作業ぶりにも世論の批判がきびしいが、失対制度本来の趣旨に照らして再検討すべきではないか、また、失対労務者の組合による最近の職安闘争には目に余るものがあるが、政府の対策はどうかなどの質疑がありましたが、これに対して、小川労働大臣及び政府委員から、失対事業の就労者が年々高齢化し、固定化しておるのは事実だが、組合の指導者はともかく、失対労務者自身は、民間への再就職の意思は失ってはいない、政府としては、三十六年以来、日雇労働者健康保険法をつくり、雇用奨励法を制定し、また、再就職支度金や転職訓練制度を設けるなどして、正常雇用に復帰させるよう努力しているが、失対事業の中心が、地方の市町村に偏している等の実情から、民間事業への吸収がはかばかしくいかず、失対就労者数も、三十六年の三十五万人から現在の二十二万七千人と、約十三万人程度の減少にとどまっている、所定の八時間労働が守られていない等、運営管理に欠くる点のあったことは御指摘のとおりだが、今後是正していきたい。また、流入闘争の名で呼ばれる職安闘争が各地で行なわれている事態はまことに遺憾であるが、これに対しては組合指導者に再三警告を申し入れるとともに、安定所の職員には、き然たる態度で臨むよう督励している。現行の失対制度には問題もあると思うので、各方面の意見も取り入れ、有効な改善策を考えたいとの答弁がありました。  このほか、当面の雇用対策、婦人労働力の活用及び育児休暇の問題、中小企業退職金制度の問題点、労働力需給対策、レーオフ制度、季節労働者の処遇と炭鉱労務者の離職対策、看護婦、助産婦の夜勤手当廃止及び診療所の労働基準法違反問題等につき質疑がありました。  次に、厚生省所管でありますが、重症心身障害児対策について、かつて政府は社会発展計画の中で、従来の社会保障は不十分で、いまや適切な社会保障の長期計画が不可欠になったと言い、特に心身障害児対策の立ちおくれを指摘しているが、現在ある身障児のための施設や相談員制度等の内容が、PRの足らないままに利用されていない向きがあるのはどうしたことか、各党でも心身障害児(者)対策基本法案を共同で提案しようと検討中の際でもあり、政府としても各省間で総合的な研究機関をつくり、身障児対策の中に、進行性筋萎縮症やサリドマイド症その他交通事故による身障児を加え、また、あと保護に対する施設を拡充するなど、一貫性のある前向きの施策を打ち出すべきだと思うが、大臣の所信のほどを伺いたいとの質疑がありました。これに対し、園田厚生大臣から、自分としては身障児対策を重大政策の第一にあげ、予算の増額についても努力したつもりであるが、十分ではなかった。今後の対策としては、回復の見込みのない重度のものと、診断によっては社会復帰の可能なものとを区別し、毎年ベッド二千床の新設を目標に、六カ年間に一応推定される要収容身障児の入所を満たすようにしたい。幸い身障児を持った親たちの間で、何とか自分たちの力を結集して子供たちを救いたいという機運が盛り上がっているので、民間有志の協力も得て、ともどもこの対策をより実のあるものにしたい。印刷物によるPRは効果が少ないから、いまある相談室を拡充し、また、推進員制度を活用することによって、早期診断等につとめるとともに、文部省を通じて学界に対し、治療及び異常児発生予防の研究を依頼するなど、できる限りの措置を講ずる考えである。四党提案の基本法案が作成されれば、検討の上で協力したいと思うとの答弁があり、なお、政府委員からは、身障児対策には妊産、分べん、新生児、乳幼児と一貫した施策が必要で、そのため省内の当該所管事項を児童家庭局の一課にまとめるとともに、総理府に連絡協議会を置いて、各省間の調整にあたることとし、助産婦、保健婦の家庭訪問による保健指導を行なう一方、施設内では、生活、学習、作業にわたる指導につとめるなど、身障児対策に遺憾なきを期している旨の答弁がありました。  このほか、公的年金問題、身障児福祉基金制度、母子福祉貸し付け制度、国立病院看護婦等の夜間勤務問題、新生児対策、売春防止対策、国保の標準報酬方式及び児童手当、無認可保育所の問題等々、厚生行政の全般にわたる質疑がありましたが、省略します。  科学技術庁所管におきましては、まず、宇宙開発について、昨年十二月二十日に出された宇宙開発審議会の答申に基づいて現在の施策が進められ、また、答申の趣旨によって、ただいま国会に宇宙開発委員会設置法案が提案されており、法案成立の暁、宇宙開発研究の一元化が行なわれることになっている。しかし、宇宙開発研究については、これまで関係各省庁や大学の研究室において、それぞれの構想による宇宙衛星などの研究が進められており、特に東京大学宇宙研究所のミュー・ロケット打ち上げ計画は、すでに実験の段階に至っているわけであるが、これらの研究成果を今後どう取り入れていくのか、政府の方針を知りたいなどの質疑がありました。これに対して鍋島科学技術庁長官並びに政府委員から、今後は国として総力をあげて宇宙開発を推進するため、総理府に宇宙開発委員会を設置し、一元化された体制のもと、宇宙開発の基本的方策の企画、審議を行なうとともに、来たるべき四十六年度を目途に、実用ロケット打ち上げ計画の達成をはかるなど、従来の研究成果の実験、実施の促進に当たることにしている。この場合、東大宇宙研で進められている固体燃料の研究などの実績を取り入れることを考えており、東大宇宙研との間でその了解もできているとの答弁がありました。  また、原子力の平和利用について、原子力の研究を進めるうちには、平和利用と軍事利用との区別がつかなくなることも考えられるが、その場合、近く締結されるはずの核拡散防止条約の規定による監視を受けることによって、せっかくの平和利用のための研究がゆがめられることをおそれるわけである。また、核防条約第三条に定める査察のほかに、日米、日英二国間協定による立ち入り検査をも受けることもあり得るわけだが、そうなると、国としての機密もさることながら、民間会社の研究上の秘密事項が便乗査察によって抜かれる心配もある、こうした問題について政府はどう対処するつもりか、見解を伺いたいとの質疑がありましたが、これに対して鍋島長官と政府委員から、日本の原子力研究は、法律上からも明確に平和利用に限られており、軍事利用はあり得ないが、査察については非核保有国にきびしいことも予想されるので、よけいな査察を受けることのないよう、国際原子力機構の中で発言力を強める等、外交面における活動を進めることによって、そうした心配の除去につとめたいとの趣旨の答弁がありました。  最後に、文部省所管についてでありますが、日本育英会が、羽田事件に参加した学生のうち起訴された者の奨学金を打ち切った問題、さらに、生活保護家庭の子弟で高等学校に入学志望する者に対し、法の特別恩恵措置によらぬ自由な入学の道が開けるよう生活保護法をするか、ないしは義務教育を高等学校にまで及ぼすことの検討はできないものかという問題、さらには、夜間中学の廃止問題、定員法による大学、高専の教官定数問題、明治百年の称号の問題、幼児教育対策等のほか、日本学校給食用脱脂粉乳の保管契約をめぐる贈収賄事件につき質疑が行なわれ、灘尾文部大臣並びに政府委員からそれぞれ答弁があったのでありますが、詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。  以上をもちまして第四分科会担当予算の全部の審査を終了した次第であります。  右御報告申し上げます。(拍手)

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 以上をもちまして各分科会主査の報告は全部終了いたしました。  本日はこれにて散会いたしますが、次回は明十三日午前十時開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後七時六分散会

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