予算委員会 第17号
- 発言数
- 459 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1968/04/09
会議録
○委員長(西郷吉之助君) ただいまより予算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、土屋義彦君、田村賢作君、井川伊平君、西村関一君が辞任され、その補欠として、小山邦太郎君、大森久司君、塩見俊二君、森中守義君が選任されました。 —————————————
○委員長(西郷吉之助君) 昭和四十三年度一般会計予算、昭和四十三年度特別会計予算、昭和四十三年度政府関係機関予算、 以上三案を一括して議題といたします。 一般質疑を続行いたします。中沢伊登子君。
○中沢伊登子君 大臣の御都合で、初めに青少年に有害だと思われる低俗出版物について再度質問をいたします。昨年の十二月の十九日、第五十七回国会の予算委員会では時間が少なくて不十分でしたので、きょうは二、三の例をあげてもう一度質問をさせていただきます。 最近、ますますひどくなってきている一部の出版界の弊風については、田中総務長官は、昭和三十八年と四十年に総理府が中心となって悪書追放に乗り出したが、業界が自主的に規制をしてくれませんとどうにもならないと、このような御答弁でございましたが、四十年以後はどうしようもないと自粛するのを待ってほったらかしにしていらっしゃるのですか、どうですか。
○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。 いまの悪書の追放の問題は、決してそのままにいたしておるわけではございませんので、この自主規制の活動を従来以上に強化いたします必要がございます関係から、その上に立ちましていろいろの措置をいたしておる次第でございます。昨年の十一月にも、総理府の所管の法人でございます青少年育成国民会議におきましても、出版物等と青少年に対しまする懇談会を開催いたしましたが、業界の自主規制活動の強化と相待ちまして、国民一般が良識を持ちましてこの問題の解決へ努力を継続的にやってまいらなくちゃならぬ、かように考えておるわけでございます。総理府といたしましては、本問題解決のためには一そう自主規制を強化いたすことを望みますると同時に、また、国民全般がより健全な出版に対しまして各種の運動を展開いたしまするように協力もし、また努力を払っておる次第でございます。
○中沢伊登子君 この「週刊サンケイ」は、大学受験のために私のうちに預かった高校生が置いていったものでございます。「受験直前必勝のキメ手はこれだ」、「一週間前から当日まで、”12の作戦”をどうぞ」、こういう受験生の読みたいような記事と、「劇団四季が追ったエロの限界」、「素っ裸の演技や、性行為を見せた新劇の美学」というような記事が同居いたしております。これを一ぺん文部大臣に見ていただきたいと思います。 文部大臣にお伺いをいたします。あなたは道徳教育を願い、期待される人間像を描きながら文教行政に力を入れておられる責任者でございますが、それをどうごらんになりますか。こんなものを高校生、中学生がいと簡単に手に入れて見ているのです。関西主婦連が提供してくれたいろいろな資料によりますと、昭和四十二年中に発見した悪書の種類は延べ九千九百七十八でございます。調査を行なった書店数のうちで悪書を置いてあった店が二千二百三十一、なかった店が九百六十八でございます。これはたぶん大阪市だけであろうかと思います。そこで、これらの低俗出版物に影響を受けたおもな青少年の非行の事例を二、三申し上げてみますと、ここにいろいろ事例が書いてあるわけですが、中学校では少年たちがこのような本や雑誌を回覧しているグループがあるようです。十四歳の中学生が女性の下着類を近隣の物干しから二十数点も盗んできたり、十八歳の工員はエロ雑誌を読みふけり、押し入れに婦人の下着を五百点も隠匿をしていたり、強姦、暴行、窃盗、詐欺等々の事件をあげております。もし大臣の、あなた方のお子さんやお孫さんがこんなことをしていたとしたら、どんな気持ちがなさいますか。総務長官と文部大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。 まことにお話を伺うだにわれわれは実に残念なことであると存ずる次第でございますが、かような商業主義に基づきますいろいろな各種の出版に対しまして、これを統制いたすという、出版統制ということもできない今日でございます。まあ、結局、全国各地で自主的な運動といたしまして、この悪書を読まない、見せない、売らないという、このいわゆる三ない運動というものを一生懸命に展開いたしておる次第でございますけれども、なかなかこれはやはり売るほうも、それからまた買うほうも、また父兄も、みんながこの問題につきましては相協力してやらなければならない一つの私は国民運動であろうと存するのでございます。なお一そうの御協力と御支援、御鞭撻のほどをひとえにお願い申し上げる次第でございます。
○国務大臣(灘尾弘吉君) お答えいたします。 ただいま総務長官が答えられましたとおりでございまして、いま見せていただきました写真のごときは、ほんとうに青少年のため有害この上もない写真だと考えております。御指摘のとおり、出版の自由と申しますか、その自由の上に乗っていろいろのものが出ておるわけでございますが、明らかに自由権の乱用と言わざるを得ない出版物も少なからずあるわけでございます。ことに御指摘になっておりますいわゆる悪書というふうなものが横行しておるということは、何と申しましても日本の文化の程度を疑われてもしかたがないような状態でございます。私は日本の社会にとって不名誉この上もないことであると思うのであります。ことに青少年の問題を考えますのに、その悪影響というものは非常に大きいと認めざるを得ないと思います。文部省といたしましては、御承知のように、青少年向けの読書指導をいたしまして、健全適切な読書活動が普及するようにというたてまえのもとに、学校教育等においてもいろいろ配慮をいたしておるところでございます。また、PTAその他の社会教育関係団体、御婦人の団体等がみずから立ち上がられまして、この悪書追放のために有効な運動を展開せられている向きもだんだんふえているということは非常に心強く思っておりますが、一そうその方面の御協力もいただきたいものと念願いたしておる次第でございます。何といたしましても、これが検閲とか何とかということができれば、その限りにおいてはよろしいと思いますけれども、みだりにそのようなことをなすべきことでもございませんし、要は、それぞれの出版社の方が日本国民であるという自覚のもとに、また、りっぱな青少年をつくっていくという自覚のもとに出版をしていくような心がまえになってぜひいただきたいものと思いますし、その自主的な規制という問題をさらに推進していく必要があろうかと思います。いずれにしましても、この種の問題は、結局、日本の文化水準そのものを物語るといってもよろしいので、恥ずかしいことであります。おとなの責任としてこの種の問題は全国民あげて追放するような機運をぜひ醸成したい。そのためにはマスコミの諸君のほんとうの御協力をぜひお願いしたいものと考えているような次第でございます。将来一そう注意してまいりたいと思います。
○中沢伊登子君 男の子の成長の過程にはむずかしいこともいろいろございます。私も二人男の子を育ててまいりましたが、わざわざ刺激させるようなものを放置したり、はんらんさせておくことはどんなものでしょうかと思います。毎週火曜日と金曜日発行の兵庫県の広報にも、ほとんど毎回、有害図書及び有害な映画として指定してないときはないほどでございます。一部ではフーテン族といい、アングラ族、また、他方では全学連の激しいあのやり方、また一方では、われ関せずえんという傍観者もございます。これら若人にどうこれから対処されていかれますか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 先ほど申しましたように、政府として法律をもってこれを事前に取り締まるというようなことはできないことでございます。結局まあ事後措置を徹底することによって将来の災いを防ぐということになろうと思うのでございます。現に各地方におきましても青少年の健全育成を目的とする条例等におきましても、この悪書の追放という問題に触れておるものが少なからずあるわけでございます。そういうことも各地方ごとに考えていただきたいと思いますし、われわれとしましては、いまも申しましたが、PTAの皆さん方の御活動ないしは御婦人の方々の御活動を一そう強力にやっていただきますと同時に、家庭学級でありますとか、婦人学級でありますとか、いわゆる社会教育関係の施設もございますので、そういう点を通じて、とにかくまずおとなが家庭の中に妙なものは持ち込まないというひとつ気持ちを持っていただきたいと思いますし、また、子供さんがそういうものを喜んで見るようなことについては、十分にひとつこれを正しい方向に導くために、家庭においても気をつけていただく、また、学校はもちろんのことであります。学校の各種の課程を通じまして、やはりそういう点についての指導を誤まらないように推進をしてまいりたいと思います。
○中沢伊登子君 せっかくできて間もない総理府の青少年局を、一省一局削減の名のもとに削減をしようとしている総務長官の真意を伺いたいと思います。私どもは非常に残念でならないのでございます。
○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたしますが、一省一局の削減の問題は、これは機械的に行なうべきでないということは、皆様方の御注意もそのとおりでございまするし、また、内閣といたしてもさように考えておる次第でございます。さような次第で、特に佐藤内閣といたしましても、青少年に対しまするビジョンというふうなことから、青少年問題と真剣に取り組むという態勢、姿勢のもとに、この青少年局というものを設置いたしたような次第でございます。さような経過にかんがみまして、われわれは今回の青少年局の改組という問題は、むしろ静態、静的なお役所の局というよりも、対策本部というような能動的な姿にいたすことのほうがより実態的な活動もでき、また、機動的な運営もできると、かような次第で本部にいたした次第でございます。なおまた、本部長は総理大臣みずからがおなりになるというようなこともございまして、さような点におきましては御懸念のような御心配は毛頭ないということを重ねて申し上げておきたいと思います。
○中沢伊登子君 くどいようですが、最後に、この問題について締めくくりの質問をさしていただきますと、要するに、私は自由の名のもとに出版界が刺激的で興味本位の出版を行ない、そうして利益をむさぼろうとすることがよいのか悪いのか。社会的な責任を持ち、正しい自由と民主主義を育成するためにも正しい倫理感を確立し、それに基づいて自由な出版活動をすることがよいか、この二つに対する価値判断を求めていきたいと思うわけです。この場合だれしも後者を選ばれることは明らかでございますが、そうすると、出版界に正しい倫理感を確立させ、社会的に責任ある出版活動をしてもらうためには、政府自身や政界が何をなすべきか、特に政府はどんな手段、どんな方法と構想をもってこれに当たるのか、御意見をまぜてもけっこうですから、もう一度念のために伺っておきたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) この青少年の指導の問題の重要性は、いまさら申し上げるまでもございませんが、かような出版に対しまする協力のお願いなり、あるいはまた国民運動展開にあたりましては、政府といたしましては、このほんとうの理解と認識の上に立ちました倫理観、さらにまた道義の高揚、さらに文部省におきましては、教育を通じましての一つの道徳的な倫理観の確立ということが根本であろうと存ずる次第でございまして、われわれは、これに対しまして業界の協力を願い、あるいはまた国民運動を指導してまいりたい、かように存ずる次第であります。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 文部省としましては、学校教育、社会教育、その領域におきまして、できるだけ青少年の指導につとめますと同時に、おとなの方々がこの問題にほんとうに関心を持って、そのような害毒が家庭にあるいは社会一般に及ばないような注意を常にしていく、そういう方向に向かって努力を進めてまいりたいと存じますと同時に、一面において、優良な図書が普及するような努力もあわせて行なってまいりたいと存じます。
○中沢伊登子君 それでは次に阿波丸の問題について質問をさしていただきます。この阿波丸の問題については、この委員会で去る三月の二十二日に、阿波丸の遺族会の顧問の青木一男先生から外務大臣に質問をされたとおりでございますし、また第五十五国会の大蔵委員会でも詳しく質問をされておりますので、十分御承知のことと存じます。そこで伺いたい点をしぼって質問をいたしますと、まず昭和二十五年八月の五日、外務省の公告で、死亡者一人について七万円の見舞金を支給されたのでございますが、その当時は何人の遺族に支給されましたか。
○政府委員(東郷文彦君) 阿波丸でなくなられた方は二千四十四名、その中には日本籍でない方もいらっしゃいまして、現実に受け取られた方は二千名がちょっと欠けた数字でございます。
○中沢伊登子君 最近この問題について一通の手紙をいただきました。できるだけの調査をしてみましたが、私の調べたところでは、判明した名簿は七百二十六名でございます。しかし遺族会の名簿は千五百名となっていますし、シンガポールから帰るときの乗船者数は二千百三十名と伺っております。いまの御報告では二千四十四名ということでございますが、一般乗客の名簿は確認されておりますか、どうですか。
○政府委員(東郷文彦君) 阿波丸事件の見舞金に関する法律ができましてから、これを支給するために、船客名簿その他によりまして確認いたしました数字が二千四十四名でございます。二千四十五名のうち、一名だけ生存しました方がございましたので、正確に調べましたところが二千四十四名でございます。
○中沢伊登子君 そうすると、一般乗客の名前はわかっていないわけですね。
○政府委員(東郷文彦君) 当時調べまして、名簿は全部わかっておったと思います。
○中沢伊登子君 外務大臣は、この間の青木委員の質問に対して、この補償を引き上げる問題について、再検討はいたしますとは申しかねるし、困難であると御了承を願いたいと答弁されておられますが、その理由はなぜですか。農地報償や引揚者給付金、軍人恩給や遺族扶助料等は次々と手直しがされておりますのに、なぜ阿波丸のみこの補償が是正されないのですか。当時は見舞金という名前だけで七万円をいただいておるわけでございます。
○政府委員(藏内修治君) お答えを申し上げます。 阿波丸の補償と申しまするか、処理につきましては、阿波丸事件の見舞金に関する法律、これに基づいて、一括七万円ずつの見舞金が出されたことは御承知のとおりでございます。その後におきましては、その犠牲者の身分関係に基づきまして、恩給あるいは公務扶助料によって処理されておりまして、これにおいて処理済みであるという見解を政府としてはとっておる次第でございます。
○中沢伊登子君 阿波丸は全く特殊なケースで、被害者遺族の意思を無視して対外請求権を放棄したのですから、この場合国が責任を持つのが私は当然だと思います。それで見舞金として済ませておくのはおかしいのではないかと思います。見舞金という程度のものではないと思うのですが、どうでしょう。
○政府委員(藏内修治君) 見舞金という名前を使いました理由は、これは中沢委員すでに御承知であろうかと存じまするが、国際法に基づきまして、個人が国に対する賠償請求権、こういうものがないという国際法上の定説に基づきまして、見舞金という名称を使ったものと承知をいたしております。したがいまして、この見舞金の支給に関する法律、これの制定の経過から見まして、これをもって一切の処理は済んだ、かように政府としては了解をしておるところでございます。
○中沢伊登子君 一般人四十一名については、七万円のほかは何にも支給されていないわけですね。軍人や何かには扶助料や遺族年金が渡されておるようですけれども。
○政府委員(藏内修治君) 四十一名の一般人に対しましては、七万円の支給以外に支給されておらないことは御指摘のとおりでございます。
○中沢伊登子君 外務大臣、厚生大臣がかわるたびに、遺族は陳情を続けてきております。そして毎年、衆議院、参議院、両院に請願をし、採沢もしておりますが、それらは何の役にも立たないものなのですか、再検討の意思はございませんか。
○政府委員(藏内修治君) 犠牲者の方々に対しては、まことに同情すべきものであることは、政府としても十分考えておるところでございます。しかしながら、これらにつきましては、先ほどから申しましたとおりの法律上の措置がとられてございまして、これ以上の措置をとることは、他との均衡上もいろいろと問題点を生ずることであろうかと存じます。政府としては、いまこの再検討は、はなはだ困難であると申し上げる以外にないと存じます。
○中沢伊登子君 くどいようですけれど、もう一つ伺わせてください。最近、戦後に、機雷にひっかかって沈んだ船の補償について、それは室戸丸以下五、六隻だと聞いておりますが、議員立法でいま法制局までいっていると聞いておりますが、これはほんとうですか、どうですか。そしてこれにも阿波丸が含まれていないと聞くのでございますが、いかがですか。
○政府委員(藏内修治君) 議員立法を検討されておられるという事実は、私ども承知をいたしておりません。
○中沢伊登子君 それでは次に、この間沈みました第八十六大栄丸の問題について伺いたいと思います。 去る三月三十一日の夜八時十四分ごろに、第八十六大栄丸がSOSを発したあと間もなく沈んでしまった遭難事件は、生存者、二十三名中わずかに六名という非常に悲惨なものでございましたが、その原因は何でございますか。
○政府委員(亀山信郎君) 第八十六大栄丸の遭難につきましては、生存者からその状況を海上保安庁において聞いておりますけれども、航海の責任に当たる船長、航海士、幹部の方が行くえ不明でございまして、しっかりしたことはわかりかねますが、遭難した場所、当時の風等から判断いたしまして、シャシコタンという島の東側の岩の多いところに乗り上げをいたしまして、乗り上げの結果、航行の自由を失い、そこへ風と波を受けて転覆をしたと、かように推定をいたしております。
○中沢伊登子君 この船は建造後一年半しかたっていない、しかもトロルー船としてはずいぶん大きいほうの三百十四トンの船であったのに、底をすった、座礁しただけで沈んでしまったと、こういうことは、漁船法による造船上の問題はありませんでしたか。
○政府委員(亀山信郎君) 仰せのとおり、この船舶は建造後一年半、新鋭船と申してよろしいかと思います。しかも、装備その他、検査の結果はたいへん良好であったということでございまして、座礁をいたしました場合に、船舶の転覆するという例は非常に多いわけであります。これは船舶の構造に基づくものではないと、私どもはかように想像いたしております。
○中沢伊登子君 水産庁長官に、本年早々、北洋漁業に荷の積み過ぎの傾向があって、非常に危険だと申し入れをし、注意を喚起しておいたと、海員組合ではこのように申しておりますが、そのときにどう処置をされましたか、はっきりとそのことを注意しておかれましたか。現地の船主間では、あまりにきつ過ぎるとの批判があったと聞きますが、このあたりから無理をしたと、こういうことも考えられるわけでございます。積み過ぎると、むしろ魚の値段は安くなるのに、目先だけの欲でなく、行政指導と、経営者への安全責任を第一にするような指導をしておられましたか、どうですか。
○政府委員(久宗高君) 御指摘のございました北洋の安全の問題につきまして、私どもも、遭難が頻発いたしましたので非常に苦慮しておったわけでございます。本年の一、二月の段階におきまして、海員組合のほうで相当詳細な調査をなさったわけであります。すぐ調査から帰られた方々のお話を聞いてみますと、相当積み過ぎの傾向があるおそれがございました。したがいまして、文書によりますそういう御要請もございましたので、私のほうにおきましては、二月の十二日でございますが、海員組合からのほうの文書がございましたので、早急に御相談いたしまして、二月の二十一日に非常にきびしい通達を出しまして、一般に積み荷の積み過ぎの傾向があるやに聞いているが、非常にこれは危険だから、絶対にそれを避けるようにということで、非常にきびしい通達を出しておった次第でございます。幸いにいたしまして、本年は比較的遭難が少なかったわけでございますが、たまたま大栄丸のような事件が起こりまして、まことに残念に思っております。
○中沢伊登子君 大栄丸のいる位置と、SOSが入ったので、すぐ飛行艇で飛んでいけば発見できたかもしれないのに、保安庁に大型機がないので、いつものことながら救助体制に欠陥があるのではないかと思います。保安庁の飛行機はビーチクラフトしかないので、海上自衛隊に依頼をしたらしいですが、ソ連の領空をかすめるので飛べないとの連絡があったそうですが、これでは見殺しではありませんか。それでいつもソ連に依頼するようですが、飛行機の飛行についても、日ソ間に相互の救助活動の許可協定が必要だと思いますが、どうですか。そういうことができるのですか、いままでに努力をしたことがありますか。
○政府委員(亀山信郎君) 日ソ間には海難救助協定がございまして、相互の通報連絡及び救助活動についての協定ができ上がっております。今回の第八十六大栄丸の事件に際しましては、ソ連側の基地から近いために、ソ連側から艦艇六隻、航空機一機が出動をして捜索に当たっていただきました。また、海上保安庁の航空機の勢力につきましては、仰せのとおり遠距離の海難の捜索に当たるための航空機が現在ございませんので、YS11型をすでに予算化いたしまして、今年内にはこれに特殊の装備を施して、遠距離の海難の捜索ができるような体制が本年中に、一機だけではございますけれども、入手できることになっております。今後とも、新しい飛行艇等も開発されておる現状でございますので、予算の許す限りこの方面を充実していきたい、かように考えております。
○中沢伊登子君 今度の場合は、いままでにも申し入れをしてまいりましたとおりSOSブイ、つまり救難発信機が完全自動式であればもっと的確につかめたのではないかと思います。これは十六万円もするからということで完全自動式にするのを渋っているのはおかしいです。漁船員の人命が社会的に粗末にされ過ぎています。炭鉱で十七、八名もの人が死亡したら大騒ぎでございます。政府が人間尊重をうたうからには、差別もなく、真剣に早急に救助体制を整え、安全操業に力を入れるべきであると思いますが、水産国日本のこれでは名がすたるし、将来漁船に乗る人がいなくなる懸念がございます。すでに人員確保が非常にむずかしくなっている現状でございますが、どうですか。
○政府委員(亀山信郎君) 漁船の海難の救助につきましては、私どももあらゆる機会に全力をあげてこれに立ち向かうようにいたしております。現在特に漁船の海難の全国的に見て多いのは、やはり北海道周辺海域でございます。したがいまして、この方面には新しい船艇を配置をいたしております。さらに、最近の漁船はずいぶん遠方まで出漁をいたします。したがいまして、私どもは、基地で遭難通信を待って出動するという体制ではなく、常時海難の多発するであろう水域、もしくは漁船の出漁水域に前進哨戒ということばで、船艇をカムチャッカ半島まで派遣をいたしまして、そこら辺を巡回をして、遭難を入手次第直ちに発動をするという手配をとっております。さらにまた、遭難通信を早く明確にキャッチするために、北海道には約七カ所の自動無線方位測定局というものを設置いたしまして、ラジオブイによる発信を的確にキャッチして、その発信位置を確かめるというふうな設備も現在整っております。しかしながら、御承知のように北海道周辺は気象海象が非常に荒いところでございます。その反面、日本にとって非常に大事ないい漁場でございます。出漁隻数も多いという意味で、なお一そう救助力、あるいはむしろその以前に海難が起こらないようにする未然の防止策ということについて、あらゆる機会をつかまえて、船舶の装備の向上、あるいは乗り組みの方々が海難にあわないようにするための気象情報を的確にキャッチすること、その他もろもろの海難防止策について指導をいたしておる次第でございます。
○中沢伊登子君 何としても今回の事故は、徹底的に調査を行ない、設備の不足、救助体制の不足、まわりの海難防止の仕組みにメスを入れる必要があると思います。いずれにしても、船主に、漁業の前提が安全であることの認識と社会的責任を持ってもらうことが必要でございます。なお、海上安全審議会は法律をつくるための下打ち合わせのみをやっていると聞きますが、海難のときこそこれを活用して十分原因や問題点を突きとめ、海難防止に役立ててはどうですか。一月中旬から二月にかけてイギリスでもトローラーが三隻沈んだことは御承知のとおりですが、これらのことを教訓として生かすべきだと思いますが、いよいよ四月三十日からサケ・マスの漁期が始まろうとしておりますが、昨年度のように事故が続出しないようにどんな手を打っておりますか。
○政府委員(亀山信郎君) 仰せのとおり、近く例年のとおりサケ・マスのシーズンに入ります。私どもが常に一番サケ・マス漁業で心配いたしますのは、いわゆる以南地区の独航の流し網を主体とする漁船でございます。北方の母船式漁業につきましては、ほとんど遭難の危険がないわけでございまして、いつも問題になりますのは、五月から六月の末にかけて南の海域に出ます独航の流し網漁船でございますので、これらにつきましては、出漁前に船もわかっておりますから、あらゆる機会をつかまえて、遭難にかからないように集団で操業をする、そしてその中の親船が無線機を持って常に気象情報その他を的確にキャッチする、こういう指導をまず第一に考えてやっております。また、この地域には、この機会に、北海道に所在する巡視船だけでは足りませんので、他の管区から応援派遣を得まして巡視船を増強いたしまして、操業区域に常時パトロールをさせて、遭難を発見するや直ちにかけつけるという方式をとっております。何ぶんこの時期は低気圧があの地域にままあらわれる、急速に発達する、低気圧の墓場といわれる地点でございますので、まず第一に気象海象に対して乗り組み員の方々が十分に注意して、そうして早めに操業を切り上げて安全海域へ出る。また、荷物をたくさん積んでおりますと、波に対する、風に対する抵抗力が弱まりますから、荷物を捨ててでも風に向かって船を立てて、風の過ぎ去るのを待つ、こういうふうな具体的なきめのこまかい指導をこれらの漁船に対して今後も一そう強くしていきたい、かように考えております。
○中沢伊登子君 それにつけても、七万トン以下の小さな漁船が二百マイルの沖まで出ていくのに、北海道の知事の許可だけでできるということは、ちょっと無謀ではないかと思われます。ことしは不漁の年ですから、なおそれ以上に沖に出る危険がございます。そこで、いまおっしゃったような、巡視船がパトロールをして安全にするとか、集団操業させるということは、十分に指導をしておいていただきたいと思いますが、北海道知事の許可だけで二百マイルも沖に出られるということをちょっと御答弁をいただきたい。
○政府委員(久宗高君) 北海道におきます知事の許可漁業、特に小型の問題につきまして、しばしば問題が出るわけでございます。これはいろいろな経緯がございまして、もともとは沿岸の、ほんとうに沿岸に寄ってくるサケ・マスをとる漁業だったわけでございますが、日ソ交渉によりまして漁場の変化その他等もございまして、いろいろな経緯が、本日御指摘のような操業海域が非常に広がっている問題がございます。そこで、この問題につきましては、これだけを切り離してなかなか処理ができにくいという問題と、漁期の問題がございまして、いつどこでとれるような状況になるかという問題が複雑にからみ合っておりますために、すっきりした解決がなかなかできにくいわけでございます。ただ、御指摘のように、相当小型の船舶といたしましては無理な操業海域になるおそれもございますので、この問題につきましては、幸い当初の経緯もございますので、北海道知事とよく御相談をいたしまして、指導によりまして問題の起こらないように事に当たりたいと考えております。 小型の遭難の問題につきましては、私ども制度的ないろいろ対処の方法があろうかと思いますが、いままでの実情で申しますと、やはり関係者がやや常軌を逸した判断で出漁いたす場合がございまして、その点につきましては、制度以前の問題が実はあるわけでございますが、経営者の組織あるいは労働者の組織を含めまして、役所も一体になりましてこの啓蒙に当たりたいと考えているわけでございます。
○中沢伊登子君 先ほどのお話にございましたように、最近日本で新明和工業でつくられているPX−Sという飛行艇ができております。これはアメリカのものよりも性能がいいので、アメリカからも大量の注文が来ているようでございますが、海上保安庁でも私はこういうものを当然持つべきだと思います。YS11ももちろん必要ですけれども、飛行艇も必要ではないかと思います。せめてこの飛行艇を北と中央と南ぐらいの三カ所に基地を持ってやる考えはございませんか。 同時に、いつも申し上げておりますが、漁船員の健康対策上、あるいは映画等の慰安のためにも、病院船を何としても保安庁と協議して水産庁として持つべきだと思いますけれども、ちょうど大蔵大臣もおられることですから、ひとつお願いの意味もあって、大蔵大臣の前でお考えを伺わしていただきたいと思います。
○政府委員(亀山信郎君) 最近新明和工業が防衛庁の依頼によって開発いたしましたPX−Sといわれるものは、その性能から見まして画期的なものであると私ども考えております。ことに低い速力で低空を飛べること、相当の波のところに着水できること等は、いままで各国で見ない優秀な性能であり、まさに海難の捜索、救難に最も適した性能だと考えております。ただ、現在第一期目の試験中でございまして、この試験の結果を十分検討いたしまして、なおまた、こういう性能の高い飛行機でございますので、実は相当お値段が高いようでございます。これにつきましても、当庁としては、いろいろな面で、船艇につきましてもまだ不足の分もございますし、あるいはその他安全のための電波標識、灯台等の充実もまだまだ進めなければならないというふうな状況でございますので、のどから手の出るほどにほしいわけでございますけれども、海上保安庁全体の予算あるいは国の財政全体の中でこれを実現していくために、私どもも関係の向きの御理解を得てその実現に努力したい、かように考えているわけでございます。 また、病院船の問題でございますが、私どもは、現在、先ほど申し上げましたサケ・マスの時期には、海上に約数万人の方々が出漁いたしております。ここにお医者さんがいない。母船式には母船に大体お医者さんが乗っておりますが、独航船の海域にお医者さんがおりませんので、巡視船に、これは水産庁、北海道庁、道の水産会、こういうところのお力でお医者さんを都合していただきまして、私のほうも、先ほど申し上げました。パトロール・ボートにお医者さんを乗せてこの時期には巡回に当たっている。巡回医師の診療、それからまた巡視船に乗って救急車のようにかけつけて病人を北海道まで連れてくるというふうなことによって病人をお助けする、この実績は相当あがっております。病院船ということになりますと、これもかねてから関係の向きから御要望もございますし、水産庁、私ども相談しておりますが、何分膨大な経費を要することでございますので、今後とも検討を続けてまいりますが、早急な実現は困難ではないか、かように考えております。
○中沢伊登子君 中曽根運輸大臣お急ぎのようですが、お待たせをいたしましたが、最後にいまの、いままで討議をしてまいりました漁船の安全操業あるいは救助体制について、なお、いまお話のありましたようなPX−Sという新明和の日本の飛行艇が非常に優秀である、こういうような見地から、全体の責任者である運輸大臣から一言この問題について御答弁をいただきたい。
○国務大臣(中曽根康弘君) 漁船の安全性の確保につきまして、ただいまいろいろ貴重な御意見を拝聴いたしましたが、私たちも現在の状勢で万全であるとは毛頭感じておりません。特に北方方面に対する問題では、気象関係の予知及びこれをよく漁船に連絡しておくということ。それからもう一つは、故障あるいは遭難が起きた場合の連絡方法をすみやかにして、そして出動態勢を各方面と連絡をして総合的に結集していくということ。そのためには、いまお話がありましたように、飛行艇の用意等も非常に大事なことであると思います。 なお、漁船のほうにおきましても、いままでの遭難の例なんかを見ますと、積み過ぎや何かで横風や大波を受けて沈没するという例もございますので、それらの点については、喫水線を守る、そういう点について水産庁とも協力して万全を期したいと思っております。
○中沢伊登子君 大蔵大臣にお願いをしたいと思います。 いまもいろいろなお話がございましたように、PX−Sという飛行艇も、病院船も、非常に膨大な費用がかかる、こういうことでございますが、大蔵大臣、将来こういうものを備えていただくお考えがおありになりますかどうか。
○国務大臣(水田三喜男君) 結局は、所管官庁の優先度の認識の問題だと思います。私のほうでは、概算要求が出てきましたときに、予算折衝で、やはりどの経費が一番優先するかというようなことで折衝しておりますので、優先度が非常に高いものなら、これは要求によって私どもも考えるということになろうかと思います。
○中沢伊登子君 それでは次に、食品添加物と厚生行政について質問をさしていただきたいと思います。 最近がんが少年や幼児に非常にたくさん発生しているということは、新聞紙上その他の情報でよく御承知のとおりでございましょうし、私どももよく伺っておるところでございますが、その数が二千名を突破したと、こういわれておりますが、ここ数年間の発生状況と、政府が把握している幼児がんの患者の統計を知らせていただきたいと思います。
○政府委員(若松栄一君) 最近の数年間で特に患者が多くなったということではございませんで、多少目立ってまいりましたために非常に関心が高くなってきたということで、大体二千七百名前後でございます。
○中沢伊登子君 がんは成人病といままで考えられておりまして、政府や地方団体等でも今日成人病として対策を講じておりますが、幼児や少年のがん対策も真剣に考慮すべきではないかと思います。小児がんは、いまおっしゃったように、結核やポリオのあとにクローズアップされてきた病気でありますが、発生する原因について体系的な究明を進めておられますか。もし進めているとすれば、中間的なものでもよいですから発表していただきたいと思います。また、予算はどのくらいとっているのか。ベッド数は、東京のがんセンターだけに十二ベッドしかないと伺っておりますが、全くおくれております。早急に対策を立て、幼い生命を救うべきだと思いますが、どうです。
○政府委員(若松栄一君) 小児がんの研究につきましては、がん全体の研究の中の一環としてやっております。がんの研究は、基礎的な問題は文部省、治療診断の問題は厚生省と、分担をいたしまして実施しております。特に小児がんにつきましては、厚生省の研究費の中で小児がん研究班を設けまして、そこで積極的に検討しております。しかし、残念ながら、急速に効果的な診断、治療方法というものがなかなか出てこない現状でございます。 なお、小児のがんの治療のための病棟あるいはベッドにつきましては、これはがんという特殊性もございますので、小児専門のがん病棟とかあるいはがん病院という名称をつけることは適当ではないと思いますので、そういう配慮で、小児病棟という中でやはりやっていきたいというふうに考えます。 なお、小児専門のものとして、がんセンターにおける病棟、それから小児病院における病棟というものを総合的に活用してまいりたいと思います。
○中沢伊登子君 また一方では、最近原因不明の婦人の病気がふえております。たとえば貧血症とか、疲労症とか、目まいなどというものが、慢性化しているものが非常に多いのです。これは農薬の残留とか洗剤、公害及び食品添加物に原因があるのではないかといわれておりますが、その原因等について厚生大臣の見解と対策をお伺いいたします。
○国務大臣(園田直君) 先ほどのがんのことから一応申し上げますが、御指摘のとおり、四十年ごろまでは二千七百名ぐらいで、率からいいますと、肺炎とかその他の死亡率ががくんと落るということであります。その後逐次ふえまして、ただいまでは、交通事故と小児がんが死亡の原因のおもなるものにふえてきております。そこで、一般のがんと小児がんと施設を区別したらいいかどうかという問題は、父兄のほうの考え方もあります。父兄と申しますと、御承知のとおりに、小児がんは早期発見が非常に困難であると同時に、わかった時分には病気の進み方が非常に激しい。そこで死亡率が非常に高いわけでございまして、父兄の方に会いますと、がんだと診断されたら直ちに子供は引き取られて、それをもらうときには死体だということで、一カ所にかためるという施設は困難であるということと、もう一つは病状が非常に特殊でございます。おとなにできない部位にたくさんがんが出てまいりますが、しかしがんの治療そのものについては一般のがんとあまり大差はなくて、一般のがんの先生に特殊な教育をやればそれで済むということでございます。ただし、発生の原因その他についてはいろいろ研究する必要がございまするから、研究助成金二億五千六百万円を今年度出しておりますが、その一部を小児の特殊の研究に回すことにいたしたいと思っております。 それからもう一つは、このがんの薬が高い関係で、小児がん——大体三歳が多うございますが、薬価で非常に困っているようでございます。それは、このがんの薬は、どんどん治療する薬も変わっておりまして、新しいいい薬が出ておりますが、輸入薬が多い。そこで、この輸入薬の認可をするのについては、薬の分析その他をやって、その上で薬価審議会にかけて、その答申を待って私が認定することになっておりますが、その検査をやる費用というものは使用者が担当することになっております。そこで、小児がんの父兄がその薬の分析を頼むことは困難でございまするから、今年度からはこの助成金を出して、政府の金で、検査をすると、逐次認定しておりますが、なお、この保険の薬価基準にも将来は加えて父兄の負担を減らしていきたい、このように考えておりますが、施設については十分研究するつもりでございます。 なお、ただいま御質問の、農薬物とそれから洗剤というものの害で、家庭の婦人——これは婦人ばかりじゃありませんが、近ごろ若いお嬢さん方まであるようでございますが、原因不明の貧血ということが非常にいわれております。ただし、それが農薬が原因であるか洗剤が原因であるかということは、まだその直接の関連性はわかっておりません。しかし、洗剤の害については、いままではあまりいわれておりませんでしたが、私個人は、これは相当害があるのではないか。特に農薬、洗剤の溶剤に使っておりまする界面活性剤というものは相当な被害で、神経あるいは血液循環をそこねる、あるいは皮膚から入っていって肝臓をそこねるということが相当あるという説を立てておる学者もありまするし、これは真剣に検討しなければならぬ問題で、ドイツ等ではいままでの洗剤のつくり方を一切変えてソフト型に切りかえたように聞いておりますので、この点は十分検討いたしたいと考えておりまするが、具体的な事例については局長から答弁をいたします。
○政府委員(松尾正雄君) ただいま大臣からお答えがございましたように、これらの食品添加物等の害、直接的に統計的にはまだ証明されておらないわけでございます。しかしながら、慢性毒性といったようなものについては十分配慮をいたさなければなりませんので、食品衛生の立場では農薬等につきましての残留許容量というものも今回初めて指定いたしまして、今後ともさような角度で研究調査も継続をいたしております。農林省とも十分散布基準等についても打ち合わせながら許容量をきめ、国民の安全をはかるようにいたしておるわけでございます。また、添加物等につきましては、必ずしも有毒なものばかりとは限らない、無毒な、無害なものもございますわけでございますが、それについても、やはりみだりに使うという態度は戒めておるわけでございまして、そういう形で使用基準をきめたとか、また使う場合におきましても、毒性学的に、あるいは有害食物の摂取量、さようなものを全部プールいたしまして、少なくともそれが成規に使われる限りにおいては人体に影響がない、こう考える線で押えるように努力しているわけでございます。
○中沢伊登子君 いまの洗剤の問題でございますが、最近の洗剤は、まあ、洗剤といえば家庭の主婦が毎日使う問題でございますけれども、もうゴムの手袋をはめなければいけない、絶対に素手で洗剤にさわってはいけないといわれているほどでございます。洗剤の、ドイツなんかで進んでいるようでございましたら、早急にそういう技術を導入していただきたい、このように考えます。食品の添加物については、国民自身がきびしい行政指導を要望しております。また、諸外国の例に比べてみて、日本ほど添加物が安易に使用されているところはないとさえいわれております。すでに私たちは一日に七十数種類近くの食品添加物あるいは着色剤を意識するとせざるとにかかわらず食べさせられているということがもう常識になっております。さきに食品衛生調査会が厚生大臣に答申した中でも、リンゴ、トマト、キュウリ、ブドウ等に着色剤や人工熟成剤が使用され、農薬の残留分と合わせて、おそらく純正な天然食品はないと指摘されているやに聞いておりますが、事実、このような商品が店頭に並べられている実情から、必ず障害が起きているものと思われます。厚生省としてはこの問題から消費者を守るためにどのような対策を講ずるのか、その点ももう一度伺わしてください。
○政府委員(松尾正雄君) ただいま御指摘のリンゴ、トマト、キュウリ、ブドウ、これにつきまして残留農薬の許容限度をきめたわけでございますが、これは御承知のとおり、農薬というものが非常に発達をいたしまして、使うと、しかしながらその陰にそういう残留しておる、これも慢性毒性をおそれたわけでございます。また、さような品目を先に選びましたのは、なまで皮ごとに食べるという危険が一番多いというところから、そういう品目を三十九年以来調査をいたしまして決定したわけでございます。私どもは、やはり先ほども申し上げましたように、そういうものにつきましては他の野菜につきましてもただいま調査を続けておりまして、四十六年までに調査を終わり、すべての残留の決定をいたしたい、こういう手順で進めておるわけでございます。ただ、その中に、いま御指摘のような、野菜の中に着色料あるいは人工熟成剤というようなものが使われているという御指摘がございましたが、私どもは、いままでのところ、そういうものが使われたということは発見いたしておらないわけでございます。しかしながら、十分食品衛生監視の体制その他を通じまして万々そういうことがないように努力は続けたいと考えております。
○中沢伊登子君 あとでいろいろまた例が出てまいりますが、魚の鮮度を保つためにストレプトマイシンの散布を行なっているとのことでございます。これは水揚げから貯蔵段階のことではございますから、水産庁の範囲で、厚生省は手が出せないともいわれています。ストレプトマイシン処理されたものを長期間食べた場合には、いざ発病というときに、抗生物質を使っても治療ができない問題が現に発生しつつありますが、国民の健康を守る立場から、これに対する厚生大臣の御所見を伺いたいと思います。
○政府委員(松尾正雄君) やや専門的でございますので、私からお答えさせていただきます。 魚の鮮度を保っためにストレプトマイシンが使われているというふうな御指摘ございました。ただいままでに、食品の中に抗生物質、または保存のために抗生物質を用いるということは、全般的には禁止されております。ただし、テトラサイクリン——ストレプトマイシンではこざいません——テトラサイクリンにつきましては、以西底びきでございますとか遠洋漁業という特定の漁業に関しましてのみ、それからまた、かん詰めの材料、あるいは魚肉の練り製品とか、あるいは塩蔵物、塩乾物、最終的にその魚が加熱されるという条件のもとにとられる魚、これについては保存用の氷の中にテトラサイクリンだけを五PPM以下の許容量をもって認める。しかも、その氷は赤い着色をいたしまして、ほかの氷とは差別をつけるという条件のもとにそれだけを認めているわけでございます。そのほかのストレプトマイシン等を使うということは全く禁止いたしております。現にあまり行なわれていないと私どもは信じているわけでございます。
○中沢伊登子君 クロマイやアクロマイシン等の抗生物質製剤を要指示薬と指定しておりますが、一般消費者にこれは簡単に売られていますが、もしこれを売られてもいいとするならば、なぜ要指示薬という指定をしているのか伺いたいと思います。そして、これは政令なのか省令なのか、政令と省令とどう違うのか、そこをちょっと教えていただきたいのですが、日本ほどこういう薬の野放しになっているところはないと思いますが、どうでございますか。
○政府委員(若松栄一君) 直接の所管は薬務局長でございますので、薬務局長がただいま参りますが、医務局長、使用者側としてお答え申し上げます。 当然、抗生物質はその使用方法がきわめて厳格でございまして、これが誤りますと、弊害が起こり、また、先ほど話が出ましたように、耐性が出てまいるというようなことになりますと、将来、せっかくの薬がきかなくなるというような問題がございます。そういう関係で、この薬は医師の処方に基づいてのみ販売するというたてまえになっております。これがとかくこの指示が守られないという例があるわけでございますが、これらの点につきましては、薬務当局におきましても重々指導を強化するという方針できております。なお、さようなことがあれば、これはまことに遺憾なことでございますので、将来とも気をつけてまいりたい。なお、この要指示薬の指定は、法律に定めるその品目の指定が省令に委任されているということでございます。
○中沢伊登子君 古い牛乳と新しい牛乳と同じ効果をもたらすために、最近乳質安定剤として第二燐酸ソーダを使用していると聞いておりますが、それはほんとうでしょうか。あるいはまた過燐酸化水素や抗生物質を使っているのではないかともいわれておりますが、いかがでしょうか。
○政府委員(松尾正雄君) 牛乳の乳質安定剤といたしまして、ただいま御指摘の第二燐酸ソーダ、これは練乳、粉乳の製造過程についてのみ認めているものでございまして、一般牛乳には認めておらないものでございます。なお、第二燐酸ソーダというものは、衛生上は無害ということになっているわけでございますけれども、むやみにそういうものを使うということをとめる意味におきましても、その使用の量の規制をいたしておるわけでございます。それから過酸化水素や抗生物質というものを牛乳の製造過程で、あるいは牛乳に添加いたしますことは、これは食品衛生法で禁止をしておるわけでございます。
○中沢伊登子君 第二燐酸ソーダというものの中には砒素が入っていると、こういうふうにいわれておりますが、生乳はなるほど乳質安定剤としてこういうものが使われていないかもしれませんが、いま市販されております還元乳といわれるものはみな脱脂粉乳が使われているわけです。そうすると、還元乳の中には多少の砒素が入っている、こういうふうに言ってもいいのではないでしょうか。第二燐酸ソーダを使用しているといわれまして、そしてその中に砒素が入っているといいますと、粉乳の中に——森永のあの粉乳事件を私どもは思い出さざるを得ないのです。もちろん、いまおっしゃったように、第二燐酸ソーダはちっとも害はないとも、こう言われておりますけれども、そういうものが許されているとするならば、あるいは、この前のように、工業用の第二燐酸ソーダなどを使われるおそれはありませんか、どうです。
○政府委員(松尾正雄君) お答えいたします。第二燐酸ソーダの中に砒素が入りまして残念なあの森永牛乳の問題を起こしましたわけでございます。したがいまして、現在ではそういう第二燐酸ソーダの品質というものについても特別の基準を設けまして、絶対にそういう安全量を越すようなものが入らないという特別の基準のもとに認めておるわけでございます。したがいまして、その系統から参りますところの害というものをいまのところ考えなくていいかと考えておるわけでございます。
○中沢伊登子君 私の調べた範囲では、乳質安定剤を使っているのは大乳業メーカーの牛乳に多くて、中小メーカーや生産者直営の工場にはほとんど使っていないように調べたわけでございますけれども、かつて厚生省が乳価を安定させる議論があったおりに、保存期間を長くするためにユーペリゼーションシステムを使ってはどうか、こういうふうに私も意見を申し上げたことがあるのですが、そのときには非常に反対をされました。これほど牛乳に対して厳密な解釈をされるのに、乳質安定剤の使用を認めたり、脱脂粉乳のまじった還元乳を政令として認めたりするのは矛盾ではないかと思います。しかし、還元乳とはいえ、これは店先ではりっぱな牛乳としていま売られております。この問題についてどのように監督をされ、どのように考えられるか、御意見を伺いたいと思います。
○政府委員(松尾正雄君) 還元乳の問題でございますが、脱脂粉乳及びその他の乳製品を用いましてつくったものを一般に還元乳といっておりますが、食品衛生法上では加工乳ということに定義づけておりまして、その点では加工乳という表示を明確に、たしか五号活字以上と存じましたが、それだけの表示をして加工乳という名目で売るということになっております。普通の牛乳とは区別いたしておるわけでございます。なおその際に、その成分規格というものは一般牛乳と同じ品質でなければならないという非常に厳密な加工乳の基準のもとに認めておるわけでございます。ただ、一般に、ただいま御指摘ございましたように、生鮮な牛乳というものが本来食品としては望ましいわけでございまして、これは還元乳等にいまの脱脂粉乳が加工乳として使われますのも、やはり一つには需給のアンバランスというようなものもあって行なわれているかと存じまして、私どももやはり農林省の酪農行政とも十分連絡をとりながら、できるだけそういうものでない生鮮な牛乳が普及いたしますように期待し、また望んでいるわけでございます。
○中沢伊登子君 こまかい話になりますけれども、福神漬にはサルチル酸が入り、みそ、しょうゆには防腐剤、着色剤、そぼろにはタール系の色素、パンには漂白剤、安いアイスクリームにはCMCというのり繊維素が大半の原料であり、そうして製造後一カ月を過ぎたインスタントラーメンを一カ月ぐらい続けて食べれば肝硬変になることは間違いない。お酒にはメチールと水虫の薬、ビールには発泡剤が入っているというように、食べても飲んでもすべて添加物や薬品が入っております。これらの製造販売業者は新たな死の商人とさえいわれております。しかも、これらは許容量の範囲内といった条件つきで認められてはいますけれども、一つ一つは許容量があっても、どれもこれも添加物や色素や薬剤が入っていては、私どもはたまったものではございません。国民の消費生活はさまざまでありますから、許容量といっても、消費の傾向や度合い、人間の体質、いろいろな違いがあるものでございます。したがって、連続に消費しても障害のない状態に戻して許容量問題を根本から再検討すべきであると思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(園田直君) 先ほどの農薬、洗剤及び食品の添加剤等についていろいろ御指摘の点もございまするが、私としても根本的に検討しなければならぬのじゃないか。事務当局としては、ただいままでの法律に基づく政令その他によって基準をきめておりまするものの、薬は、御承知のとおりに蓄積作用というのがあって、飲んで、微量であっても、それが消えていく薬と、だんだん蓄積されて多年の間には致死量になるか、あるいはそれが視覚神経等を悪くしていくか、それから相乗作用というのもございまして、環境や食いものや、ほかの薬等が加わってまいりますると、いままでは無害であったものが相乗作用によって非常な弊害を来たすというおそれもございます。特に農薬の溶剤と洗剤の溶剤は、近年奇形児、不自由児等がふえておりまする原因も、専門家に詳しく検討願えば、あるいはここに原因があるのではないかという気もいたします。それで食品の添加と、農薬、洗剤についてはたびたび御質問も出ておりまするから、この際、特殊な専門家に集まっていただいて、そうしていままでの惰性や習慣によるものではなくて、新しい観点から再検討をしなければならぬのではないか。なおまた、これに対する日々の新聞を見ましても、ほとんど毎日のようにこういう問題が書かれております。食品衛生の監視体制というものが、正直に言って、いまのままでは事件が起こってから追っかけて検査をするというようなことが往々にありまするので、この点も十分検討して御質問の趣旨に沿ってやってみたいと考えております。
○中沢伊登子君 私も実はその奇形児や異常児の問題を取り上げてみたかったのですけれども、時間がございませんが、いま厚生大臣がそのようなことをおっしゃってくださいましたので、どうかその辺十分に調査をしていただきたい、このように考えます。 それから、水田大蔵大臣に、これは最後に申し上げようと思ったのですけれども、いまちょうど監視員や何かが足りないと、こういうお話でございましたので、そのことを大蔵大臣に先に御質問申し上げたいと思いますが、大蔵省は国民の生命や財産を守る国家の至高な使命という憲法の精神から言っても、食品衛生監視員や検査官の人数と予算を増すことを怠ってはならないと思います。いま検査官や監視員というものは保健所でまちまちに人数をきめておりますが、これも人口何万人につき何人というような、ひとつ基準をきめていただいて、予算もちゃんと取っていただいて、きちんとこの監視員や検査官をつくっていただきたい、このように思いますが、大蔵省、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○政府委員(村上孝太郎君) 仰せのとおり、人間の健康は食物を通じて最も密接な関係を持っておるということはおっしゃるとおりだと思います。それが有害な食料品を防止するためには、一つには、やっぱり先生のおっしゃるような生化学的な知識を啓蒙して、生活の知恵を持つということも必要ですけれども、他方に衛生監視員の数もしっかり整備するということだと思うのであります。現在五千九十四人の、兼任も含みます衛生監視員というものがおりまして、うち専任が二千四百人ばかりおりますが、これが全国の八百三十二カ所の保健所に配属されております。こうした監視員の設置費及びその業務に要する経費は、現在国庫補助の対象ではなくて、地方の基準財政需要額の算定の対象になっております。そうして人口百七十万人の標準団体当たり何十人というふうな、そういう計算で出されておりまして、従来もその仕事の重要性にかんがみまして、四十二年にはその数もふやすということ、あるいは業務量もふやすということで、従来逐年充実をいたしておりますけれども、おっしゃるとおり、非常に最近の食品業界の現状にも顧みまして、今後よく自治省と打ち合わせまして、そうした経費の十分なる充実につとめてまいりたい、こう思っております。
○中沢伊登子君 そこで、初めに、先ほどの続きに戻りますが、先ほどのいろいろなお話から、検査基準を引き上げるとか、添加物の検査基準を引き上げて、とにかく材料を問題にすべきだと思います。そうして厳密な原料表示と添加物表示、あるいは製造年月日の表示を義務づけるようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(園田直君) 許容量については検討したいと考えております。なおまた、たとえば脱脂粉乳等は、牛乳に入れた場合は加工乳としてこれを売り出すことになっておりますが、表示その他については、ただいま日付等の問題もあって、事務当局で検討いたしておりますから、十分御趣旨に沿うようにしたいと考えております。
○中沢伊登子君 大メーカーなら許容量をはかって使うでしょうけれども、急にふくれたいわゆる軒下工場等では、入り過ぎても何も平気なんですね。この間も私はひとつ伺ったのですが、みその中に着色料や添加物を入れるときに、上のほうからこんなポリエチレンの何かこんなものに入れてこう入れるわけです。そうすると、それを入れて、あっ入り過ぎた、まあしょうがないわ、こういうことで済んでしまうわけですね。それで非常に私どもは危険を感じているのです。どうか検査を十分にやっていただきたいし、立ち入り検査もやっていただきたい、このように思います。このようないろいろの問題を考えてみますと、いま私どもは、食物に関しては危険一ぱいの全く不安の状態の中に置かれております。ポリパッケージの煮豆は、製造者は全然もうこわくて食べない、それだのに人には売るわけであります。干しフグを食べて死んだ例もありますし、化粧品には砒素が入っていると、この間発表がございました。一つの目安としてJASマークにたより、あるいはJISマークにたよっておりますと、ここにも汚職がございました。また、キャベツの鮮度を保つためにも、あるいはストマイやペニシリンが使用されているというようなうわさもございます。ミカンには注射をしてうまさをつくり出したり、表面にも着色をしたりワックス処理をしたり、スイカも注射をして色を出したりと、いろいろなことが言われておりますし、あるいはまた、鶏の飼料にも抗生物質が入っているので、ささみのさしみは絶対に食うな、こういうふうなこともございました。これは鶏の飼料には、鎮静剤になるとか、あるいは成長を早くさせるとか言われておりますが、農林大臣はこういうことを御存じでございますか。しかも、最近、トマトの、実例がなかったので、ちょっとへたですがかいてみましたが、こういうような形のトマトが最近売られております。こう、とんがったところが非常にもう山になっております。これを店舗で聞きますと、これは新しい品種でございます、非常においしいですと、こう言われますが、われわれはこういう新しい品種を見ても、これがほんとうに新しいのか、いろいろな薬剤が加えられてこのような奇形を生じたのかということで、やっぱり心配になってくるわけですが、農林大臣がこのようなことを御存じかどうか。そして、しかも、これらは——もう時間がありませんから続けて言いますが、これらは最近、抗生物質や薬剤が生産過剰になっているために、このようなものに、すべていろいろなところに使われるわけでございます。まるで人間の生命なんて、てんで認められないで、生体実験の材料か抗生物質の捨て場にされているような気がいたします。しかも、それは私どもからお金を取られているわけです。何でもかんでも化学物質で処理されるなどとは、厚生行政としてこれでよろしいかどうか。また、農林大臣は、農林行政の立場から農薬の害について御所見を承りたいと思います。健康な労働力を確保するためにも、健康な次の世代の子供を生むためにも、育てるためにも、厚生省、農林省の責任は非常に重大だと思いますが、お二方から御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(西村直己君) ただいま個々の問題についてのお話がございましたが、ストマイ等の抗生物質は、御存じのとおり、食品衛生法等で使うなという原則が立てられておりますから、もちろん、われわれのほうとしては、厚生省の示されたる法令なりあるいは基準に従って、すべてやってはおります。たとえば、ただいま飼料等につきましても、そういうものがありましたにしても、許容限度の中でやっておることは事実であります。ただ、私も厚生大臣と全く意見を同じくするわけでありますのは、私どものは生産増強と申しますか、生産という問題、加工の段階におきましても生産、しかし同時に、今日では国民の立場に立ってすべていかなければいかぬ、いわんや、国民の生命あるいは生活というものを守るために、すべて生産というものはあるべきだ、この観点から、私どもとしても厚生大臣、厚生省と十分連携をとりながら、今後の食品なり口に入るものに対する考え方というものを、十分検討の機会に念には念を入れて検討してまいりたいと考えるわけであります。
○国務大臣(園田直君) 先ほどから基本方針は申し上げましたが、ただいま、あなたのまわりは危険が取り巻いているという雑誌が売られておりますが、これはいま先生がおっしゃったようないろいろな農薬、洗剤あるいは食品その他一切のことを書いた本でございますが、これを見ても、そのとおりでございまして、すでにそれが実際に出てきております。このような害を防ぎ救済することに厚生省はきゅうきゅうとしていてはいけないので、やはり新鮮な食いもの、あるいは健康な食いもの、こういうものからやっていかなければならぬと思いまするが、これはただいま申し上げましたような方針で再検討はいたしまするものの、なお政府としては、企業の指導者である通産省、あるいは生産の主役である農林省、こういう方々の御協力もぜひお願いをして、生産者みずから、あるいは製造者みずからが、やはり国民の生命ということも考えてやっていただきたい。なおまた、私のほうとしては、農政、通産行政に口を入れるつもりはございませんが、公害以上の大きな問題として、こういう問題については、おしかりは受けるかわりに発言も許していただきたい。そうして緊密な連携のもとに、新しい正しい環境をつくるという決意を表明して、答弁にかえておきたと思います。
○中沢伊登子君 ありがとうございました。
○委員長(西郷吉之助君) 以上をもちまして中沢君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(西郷吉之助君) 次に、加瀬完君。
○加瀬完君 私は、地方財政、それから「青年の船」を主として伺います。 地方財政でございますが、四十三年度の地方財政計画の目標はどこにございますか。
○国務大臣(赤澤正道君) 目標といたしましては、やはり国の財政と同一基調をとりませんと、まあ地方財政と国の財政とは立場が違うとは申しましても、やはり今日国が当面しております財政上の基本的な重要な問題につきましては、地方財政もやはりこれを無視することはできませんので、まず、地方といたしましては、行政経費の重点化に徹するということ、節度ある行政運営を行なう、また住民負担の軽減合理化をはかりながら、地方行政水準の向上を促進し、将来にわたる財政の健全性を確保することをその基本の態度といたしまして作成したものでございます。
○加瀬完君 新規事業を押えて、おっしゃるような体質改善をするということですか。新しい事業を押えて、いまおっしゃるような目的を達しようということでございますか。
○国務大臣(赤澤正道君) そういうことではございません。住民の福祉のために急がなきゃならぬものについては、重点的に予算を計上いたしますし、あまり不要不急なものにつきましては抑制しておるということでございます。
○加瀬完君 それでは、地方財源の余裕分は住民本位に使われておりますか。使われる計画でございますか。
○国務大臣(赤澤正道君) もちろん、そうでございます。
○加瀬完君 そうではないでしょう。地方財政計画によりますと、まず、地方債の返還に充てる、それから公営企業の繰り出し分に充てる、それから給与等の義務的経費に充てる、こういうことで新規事業というものを極力押えるという方針ではございませんか。
○国務大臣(赤澤正道君) 決してそういうことはありません。
○加瀬完君 では、財政計画についてそういうことではないことを御説明願います。財政計画は私の申し上げたとおりになっておるんじゃありませんか。
○国務大臣(赤澤正道君) 財政計画を策定いたします上の基本的な筋と申しますか、こういうことを考えてやりました。地方税負担の現況にかんがみまして、これは非常に強い要請もございまするので、先ほど申しましたように、個人の住民税、個人の事業税を中心といたしまして、まず負担の軽減を行ないます。次には、財源の適正かつ効率的な配分につとめる、地方経費の重点化を徹底的に行なうということ。いま一つは、財政運営の効率化を進めるとともに、財政秩序を確立し、地方財政の健全化を促進するということ、それから、いまちょっとお触れになりました地方公営企業の経営の健全化もまた頭に入れまして、以上大体四点で柱を立てているつもりでございます。
○加瀬完君 新規事業を押えて財源のゆとりは地方財政の体質改善に振り向ける、国と地方間の財政秩序の確立をはかる、こういうことが目的ではございませんか。
○国務大臣(赤澤正道君) 目的というわけではありませんけれども、もちろん、それも考慮に入れております。
○加瀬完君 おたくのほうでお出しになった地方財政計画には、いま私が述べたことが基点になっておりますね。 じゃ具体的に伺いますが、いま大都市近郊では過密化が問題になっておりますね。じゃあ、過密対策ということで特別な財源がつくられておりますか。
○国務大臣(赤澤正道君) 先般来いろいろお答えいたしておりまするとおりに、人口の移動が激しいものですから、過密過疎問題が表面化して、いろいろこの問題につきまして、われわれも苦慮して検討いたしておりますが、やはりこの人口の急増いたします都市につきましては、やはり多額の財源を必要とすることは言うまでもないところでございまして、そのためには、自治省としては、地方交付税の算定の充実、また地方債の重点的な配分、これは従来から意を用いておりましたが、特に四十三年度は地方交付税の基準財政需要額の算定の中で、人口急増補正の強化、また都市的経費にかかる態容補正の合理化、これが約二百十二億円でございまするけれども、これをいたしましたこと。さらに二番目は、公共用地の先行取得事業債、まあ約百三十億円でございますが、並びに、政府資金によるいま問題になっておる学校用地の取得債の増額、たいした金額ではありませんけれども、努力したつもりでございます。 さらにその次は、道路目的財源の充実、これは自動車取得税の三百九十五億円が中心になっておりまするけれども、とにかく、年町村にはこの道路目的財源というものが付与されておりませんでしたので、これは最初からぜひこの財源をつくらなければならぬと考えておりましたので、これをいたしました。 それからその次は、交通安全対策特別交付金の交付、これは御承知の反則金でございますが、この百二億円、これは過密対策の一環になるというふうに考えまして、こういうことをあわせて推進しておる次第でございます。
○加瀬完君 地方債はどんなにふくらましても、一ぱいに地方債をもうかかえ込んでいるところは、大蔵省の指示もありまして、結局、予算と地方債の返還分とのパーセントの規定をこえる地方債というものは、これはどんなにワクを広げられたって、押えられておるのですから、どうにもならないわけですね。そこで、たとえば道路、上下水道、病院、環境衛生あるいは消防施設、過密地帯は非常に事業量がふえておりますね。これは全国一律の補助率で、過密地帯だからと言って特別の財源はないじゃありませんか。
○国務大臣(赤澤正道君) 地方財政は御案内のとおりに、借金財政でございまして、借金がどんどんふえるということは、経営の健全を意味するものでは決してないと考えておりますが、明年度はたまたま一般財源が多少ふえぎみと見込まれますので、むしろ、地方債への依存度というものを多少でも低めるという考え方もあるわけでございます。ですから、重点的にということを先ほど繰り返し申し上げましたけれども、地方債のワクをふやすというよりは、やはりそういった意味での地方債というものを有効に利用するためにはどういう道があるのかということをいろいろ検討いたしました。個々の事業に対する割り振り等につきましては、事務当局のほうから説明をいたさせます。
○説明員(皆川迪夫君) 過密地帯というとらえ方をして特別な高率の補助をするという取り扱いをいたしておりませんが、首都圏あるいは近畿圏とか新産都市というような考え方で特別な援助をしておるのでございます。
○加瀬完君 過密地域に対する特別の財源措置は行なわれておらないと了解していいですね、具体的には。
○説明員(皆川迪夫君) 先ほど大臣からお答え申し上げましたように、交付税において特に過密地区を対象にした態容補正を強化するとか、こういう取り扱いはいたしております。一般の事業別には、それぞれの内容にもよりますが、たとえば流域下水道の問題というような問題につきましては、本年度から高率補助その他の取り扱いをいたしておりますが、個別的にはそれぞれ措置しておるものもございます。
○加瀬完君 個別的には措置しておらないということですよ。
○説明員(皆川迪夫君) 措置をしておるわけでございます。全部について、過密対策の事業であれば、特別な公費の補助をするというたてまえはとっておるわけでございます。
○加瀬完君 国と同一基調で行財政の統一をはかるということがどうしても主になりますと、自治法の精神である住民自治とか住民福祉というものは二の次になりますね。たとえば長期計画事業というものをお考えになりましたね。その長期事業がどれだけ住民本位に組まれておりますか、具体的に御説明をいただきます。
○国務大臣(赤澤正道君) 長期計画と申しましても、国の長期計画と遊離した地方の長期計画というものはなかなか立てるわけにまいりませんので、われわれといたしまして、やはり住民本位に地方財政は運用しておるつもりでございますが、特に長期計画というものは策定いたしておりません。
○加瀬完君 たとえば道路港湾等と生活環境費との前年比を比べますと、道路港湾等は一一・五%から一三・五%と若干ふえておりますね。ところが、いま過密化などのところで一番問題になっておる生活環境費は、前年度と比べて八・八%の減ですね。過密対策を考えると言っても、基本的な長期計画の中に八・八%の減ということでは、何もできないということじゃありませんか。計画がないということじゃありませんか。
○説明員(皆川迪夫君) 事業別の計画につきましては、主として国の長期的な事業計画に基づいて、それぞれ事業担当の省において計画を立てるわけでございまして、そういうものを財政計画上集合して見込みを立てるわけでございますが、それに付随する単独計画につきましては、自治省のほうにおきましてこの財政計画の需要を十分に見込んでおるつもりでございます。
○加瀬完君 それでは、対前年度比の単独事業分公債費、公営企業の繰り出し分、生活保護費、これをあげてください、四十二年度と四十三年度。
○説明員(皆川迪夫君) まず、長期計画の事業費の……。
○加瀬完君 いや、単独事業費と公債費。
○説明員(皆川迪夫君) 単独事業費四十二年度、道路につきましては、千八百十億円に対しまして二千億円、一三・八%。
○加瀬完君 いや、単独事業総体のパーセントを言ってください、前年度と比べての伸び率。
○説明員(皆川迪夫君) 長期計画の事業でございますが、道路、治山治水、港湾、生活環境その他全部合計しまして……。
○加瀬完君 いや、単独事業だよ。
○説明員(皆川迪夫君) いまのは単独事業でございます。それが一七・八%の伸びでございます。 先ほどちょっと説明を落としましたけれども、単独事業のうち、特にこういった長期計画に基づいてやっておるものについては、特別にいま了解をいたしておりません。
○加瀬完君 公債費は。
○説明員(皆川迪夫君) 地方債の償還費でございますか。
○加瀬完君 公債費——財政計画の数字の上に出ているものですよ。長期計画分だけじゃなくて、全体の公債費は一体どうふえていますか。
○説明員(皆川迪夫君) 公債費は、これは四十二年度三八・三%の増でございます。
○加瀬完君 おかしいですね。財政計画書にはそうなっていませんよ。
○説明員(皆川迪夫君) いや、公債費でございましょう。
○加瀬完君 そう、公債費。
○説明員(皆川迪夫君) 三八・三%となっております。
○加瀬完君 四十二年は。
○説明員(皆川迪夫君) 四十二年は数字を持ち合わせておりませんが、四十三年が非常に率が伸びておりますのは、繰り上げ償還等をやったためでございます。
○加瀬完君 どうも数字をお示しにならなくて困りますが、公債費は四〇・八、四十三年度。公営企業の繰り出し分が二四・五。生活保護は昨年の一七・一から一二・九、減っていますね。単独事業も一二・七から九・六と減っていますよ。これで住民主体と言えますか、健全化は非常に目的を達しているかもしれませんが。
○国務大臣(赤澤正道君) 住民の福祉と申しましても、何も地域住民の福祉は単に地方団体だけで考えておるわけではありませんので、言うまでもなく、国の施策の全体と関連するわけでございます。われわれのほうといたしましては、やはり国のそういう総体の政策の実行に際しまして、地方持ち出し分がどうしても巨額にのぼりがちでございますので、これをとにかく地方財政面で地方の負担にならないように負担を軽くしていくということに重点をかけておるわけでございまして、先ほど申しましたように、長期計画、また、いま御指摘のような問題につきまして地方団体だけで処理しておるわけではございません。
○加瀬完君 おかしいじゃありませんか。地方団体で自由に使える単独事業費は、四十二年度、一七・七から九・六に減っておる。生活保護のように直接住民に関係の深いものは、一七・一から一二・九に減っておる。これは住民本位という財政計画の立て方ではないと指摘されたってやむを得ないでしょう。減っておるのですよ、いま地方自治体で使えるそのものは。
○国務大臣(赤澤正道君) そういったものはことごとくやはり国の政策に即応してやっておりますので、地方財政でこれを減らすふやすとかいうことではないわけであります。やはり地方団体の単独事業というものは、言うまでもなく住民福祉のために単独で地方団体がそれぞれやる事業を言いますけれども、ただいまの社会福祉費その他全般につきましては、国の財政に即応して進めていくことを申し上げておるわけであります。
○加瀬完君 余裕財源が四十三年度は相当に見込まれますのに、これは地方債の返還や公営企業の繰り出し分に入れてしまって、結局、単独で住民にサービスのできる事業費というものは減らしておる、こういうことなんです。これでは住民本位とは言えないのじゃないか。地方財政が国の財政に寄与しておるということになりますけれども、もっと地方財政の目的は住民に直接サービスすることじゃありませんか。そのサービスの費用を落としておる。これはどうもうなずけませんということです。これはお認めになりますでしょう、事業費の減っておることは。
○国務大臣(赤澤正道君) 地方の持ち出し分であれ、あるいは単独事業分であれ、やはりこういう住民福祉に関することは単に地方団体だけでやっておるわけではありませんので、国の全体の計画に即応してやっておるということを申し上げたわけでございます。
○加瀬完君 それでは、国と一緒にやっております交通安全対策、これを重点施策としておりますね。それでは、安全施設事業費が道路予算額に対してどういうパーセントを占めておりますか、建設省に伺いたかったけれども、建設省まだいらしておりませんので。
○国務大臣(赤澤正道君) こまかい数字は、いま事務当局が一生懸命で検討しておりますから、お答え申し上げると思いますが、交通安全対策全般に関しましては、御案内のとおりに、交付税で措置しておるものでも六百億円以上と思っております。さらに今度、交通反則金の百二億円も加わってくるわけでございまして、大体交通安全対策はやはり国の政策に即応もしておりますが、少なくとも今度の交通反則金百二億円は、それぞれ地方団体が独自の立場でこういう施設をやったらよかろうという方面に全部使っていただく、かように考えてやっておる次第であります。
○加瀬完君 では、現在、安全施設の事業費は、各級道路別にして、道路一キロ当たりどのくらい四十二年度では使われているという御認定ですか。
○国務大臣(赤澤正道君) 一キロ当たりどうという分析まではしておらぬようでございますけれども、いまの御指摘の問題につきましては、十分あとで調査をいたしまして、数字についてはお答えいたしたいと思います。
○加瀬完君 それは、元一級国道は六十六万円、重要地方道は十三万円、一般地方道は三万円、市町村道は二千六百円しかかけられておらないでしょう。で、いまの交通事故は一体国道に多いのですか、地方道に多いのですか。
○国務大臣(赤澤正道君) これまた数字をはっきり出しておるわけじゃございませんが、大体はやはり国道に多いと思います。しかし、最近、地方道が次第にふえてきておるということを私たちは考えております。
○加瀬完君 警察庁の調べでは、交通事故の多発率は地方道に多くなっておる。それも表通りではなくて、裏側の道路に多くなったという統計が出ておるわけです。ところが、その裏側あるいは地方に多くなったのに対して、一キロ当たり二千六百円、これで交通安全対策ができるとお考えですか。
○国務大臣(赤澤正道君) だから地方道の整備に関する財政措置というものに重点をかけていろいろ検討をしておる段階でございます。まあ御指摘のとおりまではなかなかいきませんけれども、それでも明年度はややそういった方面に配意できるような状態になると考えております。
○加瀬完君 それでは、各級道路のこまかいことはわからないにしても、大体国道は一キロ当たり道路費用は、事業費は幾らですか。それから、いまおっしゃる財源を与えられたとして、地方道の一キロ当たりの事業費は幾らになりますか。
○国務大臣(赤澤正道君) 先ほど申しましたとおりに、自治省の事務当局ではまだそこまで分析しておらぬようでございまするので、道路のことにつきましては、そのうち、建設省の事務当局が来ると思いますので、明快にお答えいたしたいと思っております。
○加瀬完君 新財政計画は道路財源を地方に十分与えたと大臣は御説明なさった。十分与えたと言うからには、一体、国道はどのくらいで、地方道はどのくらいという見当がついていなきゃならない。これは建設省にも伺いますけれども、建設省の調べでは、国道の一キロ当たりの事業費それから市町村道の一キロ当たりの事業費をどう押えておりますか。
○国務大臣(赤澤正道君) 自治省といたしましても、私も大ざっぱなことは頭に入れておるわけでございまして、大体道路の新しい五カ年計画は六兆六千億円。それに対しまして、地方の持ち出し分が約二兆一千億円もあるわけであります。この裏づけをどうするかということが実は一つの苦慮でございまして、私どもといたしましては、やはり地方の持ち出し分につきましては、地方公共団体、それぞれ都道府県、また市町村等に意を用いまして、どうにかつじつまが合うという計画を立てております。そのほか、全体の国道等につきましては、せっかく建設省もお見えになりましたので、そのほうで御承知を願いたいと思います。
○加瀬完君 建設省に伺ってから質問します。大臣でなくてもけっこうです。事務当局でもけっこうですから。
○国務大臣(保利茂君) 国道の二車線で平均すれば一億五千万ぐらい、これは御案内のとおりだと思うのです。まあバイパス等になりますと、五億くらいになるのじゃないでしょうか。町村道のほうは、ちょっと事務当局がまだなにしておりませんので、後ほど調べまして申し上げます。
○加瀬完君 大臣のおっしゃるように、国道は平均して一億ですよ、一キロ。新しい財源を入れても市町村道は五万円ですよ。五万円で、国道のようではないにしても、交通安全対策までを含めての道路改修ができますか。これは新財源を入れての計算ですよ。だから、新しい道路財源というものがなければ市町村は困ると言っているわけです。ところが、自治省はこれで十分だとお考えになっている。五万円で、一キロ。どう一体計算しましたか、事業を。
○政府委員(村上孝太郎君) 私どもの統計を見ますというと、交通事故の発生率は、国道と地方道とでは、おおむね四対六ということになっております。
○加瀬完君 このころはふえていますよ。
○政府委員(村上孝太郎君) ある程度ふえているかと思うのでありますが、他方、キロ当りのことをおっしゃいますけれども、キロ当たりの延長から申しますというと、日本における道路の百万キロの中で、約三%にすぎない二万七千キロが国道でございまして、あとの九十七万キロというものが地方道でございますので、そうした比率から申しますというと、キロ当たりの事故発生率は、地方道のほうがこれは非常に低いわけでございます。したがって、キロ当たりで割りました交通安全関係の経費というものも、これは当然少なくなろうかと思うのであります。
○加瀬完君 あまりに少な過ぎるということですよ。国道は六十六万円ですね、交通安全の対策費は。地方道は二千六百円。あまりに違い過ぎるのじゃないかということなんです。大蔵省は出したくない側だから、そういう計算をするかもしれないが、自治省がそういう計算を認めるというのは、これはおかしいですよ。 ちょっと、その前に質問します。交通安全対策費まで含めて、市町村道の道路財源は、現状において確実に事業を遂行するに可能だと、自治大臣はお考えですか。
○国務大臣(赤澤正道君) 不可能でございます。
○加瀬完君 四十三年度の市町村税は府県税に比べて伸びが小さいですね。しかし、その中で固定資産税、都市計画税というのは非常に大きく伸びていますね。この理由は何ですか。
○政府委員(松島五郎君) 固定資産税につきましては、御承知のとおりに、土地、家屋、償却資産、この三つからなっているわけでございますが、そのうち、土地につきましては、昭和三十九年度に行ないました新評価に近づいていきますために、昭和四十一年度から負担調整の措置を講じながら漸次新評価に近づくという措置を講じていることは御承知のとおりでございます。その負担調整率は、三十九年度に行ないました新評価の倍率に応じまして、三倍までのものは毎年一割ずつ、三倍をこえ八倍未満のものは毎年二割ずつ、八倍をこえますものは毎年三割ずつ課税標準を引き上げて課税をしているわけでございます。その線に沿って税額も計算をいたしているものでございます。なお、家屋、償却資産につきましては、それぞれその年に新しい家屋の評価も見込まれますので、あるいは償却資産の増加も見込まれますので、そういったものを基礎にして計算をしております。特に、そういった従来の計算方式によって見込んでおりますほかに、特別の事情もございません。
○加瀬完君 四十一年が一一・二%、四十二年が一一・一%、今度は一四・七%という伸び率ですね。これはまた分科会で触れたいと思いますので、次に進みます。 住民税の最低限は標準世帯で五十三万二千四十円ということですか、四十三年は。
○政府委員(松島五郎君) 四十三年度は、今回課税最低限の引き上げを実施いたしました結果、標準世帯と申しますか、夫婦子三人の給与所得者で五十三万二千余円になっております。
○加瀬完君 かつての大蔵省が出ました標準生計費の基準で四十三年度を推定すると六十六万七千円になりますね。で、まあ応益原則と言っても、所得割り分を生計費に食い込ませることは妥当だと思いますか。
○政府委員(松島五郎君) 住民税は、御承知のとおり、地域社会の費用を広く負担し合うという性格のものでございますので、まあ事情が許されるならば、なるべくたくさんの方に薄く広く納めていただくことが望ましいと考えられるのでございます。しかしながら、薄く広くと申しましても、おのずからそこに限界がなければなりません。したがいまして、私どもといたしましても、ただいま御指摘がありましたような問題も含めましてこの課税最低限引き上げについては努力をいたしてきているわけでございます。ただ、そういう性格から申しまして、標準生計費というような一つの基準それを必ず越えなければならないというものでも必ずしもないのではないかというふうに考えておりますけれども、ただ、それでは現在の課税最低限が十分であるかどうかということになりますと、国民負担の現状から言って、もっと引き上げるべきであるということもございますので、この問題につきましては今後とも努力を重ねていく考えでございます。
○加瀬完君 住民税は人頭割りがあるわけですよね、それで低所得者の者は十分な負担をしておるわけです。その上に、低所得者でありながら、生計費にこと欠く者が所得割りを受けているということは非常に妥当を欠くのじゃないかということなんです。 それでは、これは大蔵省にお答えいただいてもいいのですけれども、住民税の課税最低限と所得税の課税最低限は、三十七年度辺から比べるとどういう比較になっておりますか。
○説明員(川村博太郎君) 所得税と住民税の課税最低限の食い違い、違いを申し上げます。
○加瀬完君 食い違いじゃありませんでね、所得税の何%くらいが住民税の最低限であったかというその割合を伺っているんです。
○説明員(川村博太郎君) 過去五年間について見ますと、昭和三十九年、夫婦子三人の標準世帯を見ますと、所得税の課税最低限は四十三万八千円でございます。これに対しまして住民税が三十三万九千円でございますので約八割弱でございます。それから、昭和四十年につきましては、所得税が四十七万一千三百円、これに対しまして住民税が三十四万七千円でございますので、約七割五分程度と思います。それから、昭和四十一年につきましては、所得税が六十一万三千円、住民税が四十二万三千円でございますので約七割程度。それから昭和四十二年につきましては、所得税が七十一万一千円、住民税が四十三万三千円でございます。約六割強ということでございます。
○加瀬完君 結局、いまお示しのとおり、三十七年が所得税の一〇〇に対して住民税の課税最低限は八三ですよ。それが今度は三十九年には七〇、四十二年には六一となっており、地方税のほうが非常に負担が重いということにはなりませんか。自治大臣に伺います。
○国務大臣(赤澤正道君) 確かに重いのです。ですから、税務局長が申し上げましたとおりに、やはり国民の公的な負担の状況は、これは生活水準の関係もありますし、また一方、地方団体の財政全般についても非常に関係があるところでございまして、そこをにらみ合わせて逐次負担軽減につとめていかなければならぬと考えておりますけれども、なかなか一挙にというわけにはいきませんので、逐次そういう方向に近づけたいといろいろ努力している最中であります。
○加瀬完君 三十七年は八三であったわけですが、四十二年は六一に落ちたわけですね。低い所得の者に課税がよけいかけられることになったわけですね。全然いままで順次改善をしているわけではないじゃないですか。順次低下しておる。負担が重くなっている。こういう事実を自治省は一体どう御認識があったのですか。
○国務大臣(赤澤正道君) 住民税の性格から、私たちはいろいろな取り扱いを考えておるわけでございますが、負担を軽減することが望ましいのですけれども、無限といわれるに近いくらい行政需要が地方に出てきておるわけであります。住民税は、言うまでもなく、住みよい地域社会をつくり上げますためには、それぞれやはり地域住民がその地域で要る、何と申しますか、費用を応分に負担をするというたてまえでございますので、おのずから所得税とは意味も違いますし、こういった意味で、負担軽減を考えていきます過程で、やはり非常な需要の要求が強いものですから、勢いそういうことになっておるわけでございます。
○加瀬完君 それはおかしいですよ。何も地方税だけで地方財源をまかなうという仕組みにはなっておらないのです。交付税もあれば、国庫支出金もある。したがって、地方税だけを底上げをするということは不合理です。不合理なのは地方税だけではございませんよ。住民の過重負担についての対策が今度の四十三年度の財政計画でございますか。
○国務大臣(赤澤正道君) 過重負担がありますから、やはり住民負担の軽減措置として減税、つまり負担軽減を、不十分でありますけれども、いたしたのでございます。
○加瀬完君 軽減の負担の率が非常に矛盾をしておるということをさっき指摘したのです。三十七年には所得税の一〇〇に対して八三からでなければ税金がかからなかった、住民税がところが、今度は六一からかかってるでしょう。低いところからかかってるでしょう。これで軽減と言われるかということですよ。 そこで、質問を進めて、税外負担というものをどう認識しておりますか。
○国務大臣(赤澤正道君) 負担が重いところへ持っていって、また税外負担があることは事実でございますので、これを解消する努力はしております。
○加瀬完君 三重県の大台町で、駐在所の光熱費、駐在所の燃料代、車の修繕代、防犯協会の分担金、宮川高等学校負担金、警察官住宅建設資金借り入れ年賦償還金、自衛隊父兄会補助金、神社補助金、県護国神社負担金というものが出ておりますね、こういう寄付金をどう思いますか。どう思うかということです。
○国務大臣(赤澤正道君) 税外負担と申しましても、地域住民は地域のいろいろな相談が中心と申しますか、寄付だの負担だのずいぶんしておりまするけれども、それを全部税外負担ということで処理はできないわけでございます。私が処理したと申し上げましたのは、税外負担のうちの警察費、消防費、土木費教育費、これはまあ小中高校関係ですが、こういったもので税外負担と目されるものは全部拾い出していたしたわけでございます。そのほかにもいろんな寄付がありまして、地域住民が困っておることに承知をいたしておりまするけれども、それを全部公的なものに振りかえることはちょっとできかねるものもあるわけでございますので、その点はひとつ御了解を願いたいと思います。
○加瀬完君 その警察と消防と学校だけでも四十年百五億、概算。四十一年に八十八億、これは自治省の資料です。こういう寄付金を取られておるわけですね。これはお認めになりますか。 それから、おっしゃるように、高等学校の敷地を寄付したり警察署の建築の負担をする等は、市町村は負担義務がないと御認定になりますね。
○国務大臣(赤澤正道君) 今回、税外負担として取り上げて処理しなければならぬと考えたものは、項目は先ほど申し上げましたが、その金額を申し上げると、警察費が四十一年度で一億三千七百万円、消防費が六億六千三百万円、土木費が十五億五千二百万円、教育費が四十六億四千七百万円。これは小中高校その内訳がそれぞれありまして、これだけまず手をつけたというわけでありまして、まだ、先ほど申しましたとおりに、地域住民が負担しているものに類するものは非常に多いと思っております。
○加瀬完君 ですから、高等学校の敷地の寄付をさせたり警察署の庁舎の寄付をさせたりすることは、これはお認めになるのですか、おやめになるのですか。やめさせるのですか。
○国務大臣(赤澤正道君) ただいま申されたものにつきましては私どもは認めません。こういったものは地域住民が負担すべきものではないと、かように考えております。
○加瀬完君 地域住民が負担している現状はどうしますか。四十二年でも各府県相当の寄付がありますよ。これはどういたしますか。戻しますか。
○国務大臣(赤澤正道君) 個々のことになりますとなかなかそれぞれ事情がありまして、たとえば警察の関係でありましても、町内にぜひ交番がほしいなどということを地域住民が御期待になります。そういったものを全部公的な費用でやるというわけにいかぬものもある。そういうものは、中には、地域住民が出し合ってそういった寄付をなさるということはやむを得ないわけでして、個々のことを取り上げますといろいろあると思います。それを全部公費でということはちょっと無理があると、こういうことを申し上げたわけです。
○加瀬完君 個々はよろしい、大筋では禁ずると言ったってどうにもならないでしょう。そこで、地方財政法二十八条の二というものを自治省はどう解釈いたしますか。これは松島局長でけっこうですよ、あなたがこれ説明を書いているんだから。
○説明員(皆川迪夫君) これは、これにつきましては特別にどういう御趣旨でございますか、私たちは、なるべくこの法律に書いてあるとおりに負担区分を乱さないように、こういう主張はいたしております。
○加瀬完君 しかし、個々を認めるということは、この趣旨に反するでしょう。
○説明員(皆川迪夫君) いまのは、地域住民が地方団体に対して寄付をするということであったと思いますが、二十八条の二は……。
○加瀬完君 市町村に県のやるべき事業に対する負担がかけられるわけですよ、強制割り当ての形で。
○説明員(皆川迪夫君) いまの御質問はそういう趣旨でございますか。
○加瀬完君 そうです。
○説明員(皆川迪夫君) そのことにつきましては、これを避けるようにしております。そういうことをしないように指導いたしております。
○加瀬完君 この二十八条の二には、「地方公共団体は、法令の規定に基づき経費の負担区分が定められている事務について、他の地方公共団体に対し、当該事務の処理に要する経費の負担を転嫁し、その他地方公共団体相互の間における経費の負担区分をみだすようなことをしてはならない」とありますね。乱すようなことをするときは、自治大臣がこれは総理大臣に申請をすることもできるし、あるいは、その前に勧告なり指導なり助言なりということをするように書かれている。全然行なわれていないじゃないですか。だから、どう解釈しているのかと伺っているわけですよ。
○説明員(皆川迪夫君) この規定につきましては、非常に弊害があったために、新しく推敲したわけでございますが、それ以前に、各地方におきましてなかなか財政の実態に対して住民の要望が多いということからして、学校用地等につきましては、地元市町村のいろいろな形における負担を慣例的に行なっておった例があるわけです。したがって、そういう例をあまり急に改めることがなかなかむずかしい。あるいは従来からそういう前提ですでに寄付を集めておったとか、こういういろいろなケースがございまして、一がいに、ある時期を限って全部これを完全にやめるということがなかなかむずかしい事情もあるようでございます。私たちはなるべくこれが確実に履行されるように強く指導はしておるわけでございますが、個々の団体になりますと、そういういろいろな事情によりましてまだ完全に行なわれてないという実態があるいはあろうかと思います。
○加瀬完君 これは内閣総理大臣に対し自治大臣はその事務の処理または管理または執行について違反の是正または改善のため必要な措置を講ずることを請求することができるということになっておりますね。請求した事実がございますか。
○国務大臣(赤澤正道君) 請求した事実はございませんが、先ほどの御質問で少し私誤解があったと思います。それは、都道府県と市町村との財政秩序の問題ですが……。
○加瀬完君 あるいは国と。
○国務大臣(赤澤正道君) 国と地方団体との。これは法律によってきめられてありますので、乱すべき性質のものではありませんし、そういう事実があったら、私は厳重に指導もいたします。それから、先ほどの御質問は、結局、それが末端で住民の負担になっておるじゃないかといった御質問と私解したものですから、それは地方財政計画、あるいは交付税の算定等にあたりまして、先ほど申し上げたもの等が住民の負担にならぬようにということはいろいろ配慮しておるつもりでございます。
○加瀬完君 昭和三十七年に財政秩序の明確化についての地方制度調査会の答申があったわけですね。三十七年ですよ。それ以来もう県の当然の財政負担でやるべきものを市町村に転嫁をする、あるいは国の機関でやるべきものを地方から寄付を取る、こういうものは枚挙にいとまがない。三十七年に勧告を受けているわけですから、どういうふうにその後処置をされておりますか、この解消のために。
○国務大臣(赤澤正道君) 国と地方団体との関係は、一言で、例の超過負担の解消のことが非常にやかましくいわれておりまして、昨年度からいろいろ調査をいたしまして、御案内のとおりに、そのうちの一番おもな案件六つを取り上げましてこの解消をはかることにいたしました。また、そのほかにもあるわけでございまして、これは昭和四十三年度、つまり今年度に全部解消する計画を進めております。
○委員長(西郷吉之助君) 加瀬さん、途中ですが、いいですか、休憩して。
○加瀬完君 ちょっともう一点。ですから、三十七年度の勧告をどう具体的に法改正について考慮をしたのか、あるいは行政指導したのか、それを聞きたいのですよ。おやりになったのか、おやりにならなかったのか。よく調べていなければ、あした分科会でやります。
○説明員(皆川迪夫君) 高等学校の負担について、それから小中学校の負担について、新しく法律の中に入れたわけでございます。立法措置としてはそういうことでございます。
○委員長(西郷吉之助君) それでは加瀬さんの質問の途中でございますが……。
○加瀬完君 ちょっともう一点。これは地方行政委員会で私は指摘したことがあるのです。そのときには、こういう問題を出しました。一般財源に寄付をして、何々県の高等学校をつくるために高等学校のずばり寄付はできない、一般財源に寄付をして、県はその一般財源をその高等学校の経費に振り向ける、これは明らかな脱法行為じゃないかと言ったら、そのとおりです、そういうことは今後させませんと、いまの次官が財政局長のときに御答弁なさった。ところが、相変らずそういうことが各府県で行なわれておる。だから、何もやっておらないじゃないかということを聞いているわけです。よく調べてください。
○委員長(西郷吉之助君) それでは、途中でございますが、午前の質疑はこの程度にいたし、一時半まで休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 —————・————— 午後一時四十六分開会
○委員長(西郷吉之助君) ただいまより予算委員会を再開いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、横川正市君、北條雋八君が辞任され、その補欠として野上元君、原田立君が選任されました。 —————————————
○委員長(西郷吉之助君) 次に、分科担当委員の選任につきまして御報告いたします。 昨日、委員長に御一任願いました分科担当委員の指名につきましては、お手元に配付いたしました刷りもののとおり決定を見ましたので、御了承をお願いいたします。 —————————————
○委員長(西郷吉之助君) それでは質疑を続行いたします。加瀬完君。
○加瀬完君 官房長官がおいでになりましたので伺いますが、本年度から「青年の船」というものを運営しておりますね。この目的は何でございますか。
○国務大臣(木村俊夫君) 実は、これは総理府総務長官の担当でございますが、便宜私からお答え申し上げます。 大体全国から約三百名の青年を募集いたしまして、「青年の船」に乗船させます。主として、この船内生活を通じての団体規律、その船内における研修、各寄港地に泊まりましてその視察、したがってその寄港地における青年との交歓を通じて国際親善、まあいろいろ目的がありますが、要するに、国際的視野を広げまして、国際協力というものを体得させる、それによって海外から日本をながめ直して、日本の姿というものを青年に正しく理解させるというのが目的でございます。
○加瀬完君 この教育目的をもう少し、事務当局でけっこうですから、詳しくお示しをいただきます。
○政府委員(安嶋彌君) 「青年の船」の目的につきましては、ただいま官房長官からお答えがあったのでございますが、研修の内容につきましては、まず語学でございますが、これは英語の研修を行なっております。それから各国事情、これは訪問国につきまして、その国の地理、歴史、文化、政治、経済、それから青少年問題の現状等についての研修を行なっております。それから一般教養といたしまして、日本の近代史、それから日本と東南アジアの関係、それから特に経済協力、海外技術協力の内容、そういったものを研修の課目といたしておりますが、ほかに青少年団体の選ばれた者が乗船をいたしておりますので、将来青少年団体のリーダーとして必要な資質を養いますために、その関係の課目を用意いたしまして、ほかに体育、レクリエーションでございますとか、船でございますので海洋訓練、そういった内容の研修を行なっております。
○加瀬完君 それでは、船中の生活で特に防衛精神の養成だけを教育する目的ではないと考えてよろしゅうございますね。
○政府委員(安嶋彌君) そのとおりでございます。
○加瀬完君 団員は二百九十一名、このうち百八十一名が公募、百十名が団体推薦ということですか。
○政府委員(安嶋彌君) 都道府県から推薦を受けました者が百七十六名、男子百二十一名、女子五十五名でございます。ほかに青少年団体から推薦を受けました者が——ちょっと集計をしないとわからないのでございますが、大体ただいまおっしゃったような数でございますが、総体といたしまして、一般団員が乗船の際におきましては二百七十四名——これは事故で参加を辞退した者等がございましたので二百七十四名、男子が百九十二名、女子が八十二名でございました。ほかに班長、助手、それから語学要員を中心といたしまする特殊要員が乗船をいたしまして、班長以下の団員は三百二十一名ということに相なっております。
○加瀬完君 推薦方法はどうなっておりますか。
○政府委員(安嶋彌君) 約二百八十名を公募したわけでございますが、そのうち百六十名ないし百八十名を都道府県公募といたしまして、各都道府県に割り当てております。大部分の府県に対しては三名でございますが、人口の多い府県につきましては四名から八名までの幅を持ちまして団員のワクを割り当てておりまして、各都道府県からは割り当て人員の一倍半の公募者を総理府に推薦させております。各都道府県から推薦されました数は、都道府県推薦の場合が二百六十九名でございます。それから団体につきましては百ないし百二十名のワクを割り当てておりまして、一団体の割り当て限度数は十名以内でございます。約三十団体から推薦がございまして、選考の結果、推薦数は、団体からは二百三十七名の者が推薦されております。
○加瀬完君 一般公募で申し出た者は男女合わせて四千四百八十七名、この中で百八十一名が選ばれたわけですね。そのほかに、中央青少年団体連絡協議会というものから推薦を受けておりますね、そのほかに別ワクで推薦を受けておりますね。
○政府委員(安嶋彌君) ただいまおっしゃいました四千四百八十七という数字は、これは都道府県及び団体に対しまして応募があった数でございます。で、その応募のありました数のうちから、都道府県からは二百六十九名、団体からは二百三十七名、計五百六名が総理府に推薦されたわけでございます。で、その内訳は、ただいま申し上げましたとおり、府県が二百六十九、団体が二百三十七でございますが、この二百三十七名が青少年団体推薦。でございますから、これは中央青少年団体連絡協議会の推薦ということではなくて、個々の団体の推薦でございます。
○加瀬完君 その別ワクはないのですか。
○政府委員(安嶋彌君) 一般団員といたしましての別ワクはございません。別ワクとして考えておりますのは、これは語学要員を中心とする特殊技能要員でございます。
○加瀬完君 教官として何名かが選ばれておりますね。で、この中には、文部省から、あるいはその他から何名かが出されておりますね。この選定の基準はどういうことですか。
○政府委員(安嶋彌君) 教官は、主任教官を含めまして十八名乗船をいたしております。教官の現職といたしましては、大学の教官が三人、高校の教官が二人、文部省本省の職員が三人、青年の家の職員が二人、都道府県の指導主事が二人、各省関係二人、その他ということになっておりますが、基準といたしましては、これは先ほど申し上げました研修内容を担当するにふさわしい人ということがいわば基準でございますが、ほかに、青少年を扱うわけでございますから、そういった経験の豊富な方が望ましい、そういう観点から選んでおります。
○加瀬完君 ここに「昭和四十二年度「青年の船」船内研修テキスト」、こういうものがございますね。この中に「太平洋戦争と東南アジア」というものが教材として選ばれておりますね。これを特別選んだ理由は何ですか。
○政府委員(安嶋彌君) 今回の「青年の船」の巡航地は、御承知のとおり、太平洋戦争の戦禍の及んだ地域でございます。そこに青年たちが訪問をするわけでございますが、ある程度の戦争に関する予備知識を持っておりませんと、無用の摩擦あるいは誤解を生ずるおそれがあるわけでございます。そういう意味におきまして、太平洋戦争の経過の概要につきまして予備知識として事実を知らしておきたい、こういう観点から、御指摘のようなテキストが作成されたわけでございます。
○加瀬完君 この教材選択の責任は、「船内研修テキスト」、「総理府青少年局」ということになっておりますから、これは政府が責任をお持ちになるということでしょうね。
○政府委員(安嶋彌君) 教官の選考は、これは総理府が行なったわけでございまして、その点はもちろん責任があるわけでございます。それから教材の中身につきましては、これは原則として教官におまかせをしたわけでございます。しかしながら、教官自体は総理府が選考いたしておりますので内容につきましても、私どもは責任を負う地位にあると考えております。
○加瀬完君 この「日本と東南アジアとの関係史」の中で「太平洋戦争と東南アジア」というものを講義をされたのは佐藤照雄教官でございますね。
○政府委員(安嶋彌君) そのとおりでございます。
○加瀬完君 しかしこのテキストの内容の責任は青少年局でお持ちになるということですので、内容を少し伺ってみたいと思います。 第一に、「東南アジアに戦場が拡大した原因。」として、米・英・蘭・華の政・経・軍事的包囲態勢に対する対応」というものが取り上げられておりますね。間違いございませんね。
○政府委員(安嶋彌君) 当時そういう考え方があったということを、資料として書いておるものであるというふうに考えます。
○加瀬完君 当時そういう考え方があったのか、そういう歴史観でお書きになったか、それはあとで触れてまいります。 そこで次に、「大本営の南方作戦の要旨」として、「作戦目的、東亜における米英蘭の主要な根拠地をおさえ、南方要域を占領確保する。占領を企図する地域はフィリッピン、グアム島、香港、米領マライ、ビルマ、ジャワ、スマトラ、ボルネオ、セレベス、ビスマルク群島、蘭領チモール等である。」、これが1です。2「作戦方針、陸海軍の緊秘な協同の下に、フィリッピンおよび米領マライに、同時に作戦を開始し、勉めて短期間に作戦目的を完遂する。」、こういう内容のものが教材として取り上げられておりますね。
○政府委員(安嶋彌君) そういう記載がございます。
○加瀬完君 こういう教材で何を教えようとなさったのですか。
○政府委員(安嶋彌君) ただいまも申し上げましたように、訪問地が戦火の及んだ地域でございますので、私どもの従来の経験にかんがみましても、この戦争についての予備知識を全く持たないで現地に参りますことは、いろいろな摩擦を起こす可能性がある、そのことを非常に憂慮いたしまして、ごく概要を教えてやりたい、こういうことでこの科目がつくられたわけでございますが、ただいまお読みいただきました内容自体につきましては、これは当時の大本営が南方作戦の要旨としてこういうことを考えていたのだということを客観的に、事実として、講義の筆記の一つのかわりとしてここに書いたわけでございまして、これを特別に評価をしてこういう資料をつくっているわけではございません。
○加瀬完君 これは材料として出して、新しい歴史的な見解というものを加えて講義をしておるわけではございませんね。で、この中に附図タイトルとして、「南方全般攻略作戦経過要図」、「比島攻略作戦経過要図」、「馬来攻略作戦経過要図」というものがありますね。これには日本軍の進攻コースが矢じるしで克明にしるされておりまして、それによって説明されたようでございますね。ここにございますが、こういうものが配られておりますね。これで何を教えたのですか。
○政府委員(安嶋彌君) 資料的にはただいま御指摘のとおりでございますが、太平洋戦争の経過をごく簡単に説明をするという材料として用いたものでございますが、講義自体としてはきわめて客観的な態度でやられたというふうに私は報告を受けております。
○加瀬完君 ごく簡単にとおっしゃいますが、この全体のテキストは一一九ページある。これは二七ページを使っておるのです。あとは一番たくさん使っておるのでも一七ページ、一番多くのページ数を加えて、簡単にと言いますが、日本軍の進攻したところを矢じるしで全部説明して、しかもその説明をこちらのほうで詳しくまた述べておるわけでありますね。簡単に太平洋戦争のあらましを教えたということにはならないと思いますが、いかがでありますか。
○政府委員(安嶋彌君) 研修の資料というのは四冊つくったわけでございます。ただいま御指摘のものは、テキストの(2)に含まれているわけでございますが、(2)のページだけでも一六六ページございまして、この程度のものがほかに三冊あるわけでございます。全体の分量からいたしましても、さほど大部のものではなかったのではないかというふうに考えております。
○加瀬完君 「太平洋戦争の経過概要」として、「第一期 日本の進攻作戦。南方要地の確保」、第二期として、「連合軍の反攻。南方要地の争奪戦」、この内容として「外部要地作戦」という説明がされまして、ポートモレスビー作戦、ミッドウエイ作戦、アリューシャン作戦、ガダルカナル作戦等を教えていますね。これはどういう理由があるわけですか。
○政府委員(安嶋彌君) 先ほど来申し上げておりますように、戦争の経過のごく概要を知らせるという意味におきまして書いたわけでございまして、こういったことの全体についてさかれた講義の時間というのは一時間足らずだと聞いております。
○加瀬完君 インパール作戦、フィリピン作戦というものも詳しく説明されておりますね。概略に概略にとおっしゃいますけれども、この全体のテキストの中のページ数からいえば、概略には当たらないわけですね。最も詳しく太平洋戦争の経緯というものが説明されているわけです。しかもそれは一方的な史観に基づいて説明をされているわけですね。そうでありませんか。
○政府委員(安嶋彌君) 一方的な史観というおことばでございますが、この資料自体はきわめて日誌的に、何月にどういうことが行なわれたかということを書いてあるわけでございまして、これからは特定の見方というものは、私どもは出てこないのではないかというふうに考えております。
○加瀬完君 それは日誌的ですか、どうですかね。「マレー半島、戦斗図」というものが掲げられまして、その説明として、「マレー上陸作戦は、開戦に際しての陸軍の最大関心事であった。(海軍は真珠湾攻撃)上陸作戦に関し、甲案−航空撃滅戦と同時に上陸。乙案−航空撃滅戦後上陸、という二案があったが、甲案採用。マレー作戦を貫く精神は、奇襲と突進であった。」、こういうことを教えていますね。こういう説明を続けなければならない理由は、単に太平洋戦争の概略を知らせるということですが、それがこの東南アジア各国を訪問する青年たちに、どういう最大の必要があるということになりますか。
○政府委員(安嶋彌君) ここに書いてありますことは、当時こういうことがあったという事実を記載しているわけだと私は考えます。シンガポールの攻略にいたしましても、マレーには対日感情等の面につきましていろいろ問題があるわけでございます。そういった対日感情の一体背景が何かということを、やはりあらかじめ知らしておきますことが、青年がマレーシアを訪問し、あるいはシンガポールを訪問した場合において、摩擦を未然に防ぐということになるわけでございます。そういう背景を説明する一つの資料として、こういった事項が掲げられたということであると考えます。
○加瀬完君 これも背景ですか。マレー作戦に対し、「制空・制海権確保、上陸作戦にあたって制空・制海権をにぎることは最大の要件。プリンス・オブ・ウェールズ、レパルスを撃沈」、「この報告を受けたチャーチルは、「戦争の全期間を通じて、私はこれ以上の直接の衝撃を受けたことはなかった」といっている」。こういう説明が加えられておりますね。これは特別の目的があって講義をすることでなければ、客観情勢のふえんのためにこういう条項を入れる必要は考えられないと思いますが、どうですか。
○政府委員(安嶋彌君) チャーチルがこういうことを言っているということは事実でございまして、そのことをこの場所で引用したわけだと思います。この佐藤教官は、こういったふうに、いろんな資料を集めまして、団員の参考に供するというふうな指導方針をとっておったようでございまして、その一つのあらわれがこういうことになったのだと思います。教官自身は、事実を客観的に述べて、これをどう評価するかということは団員の判断に待ちたいということを述べておったやに聞いております。
○加瀬完君 私は、この佐藤君という教官をここで問題にしているわけじゃない。ね、あなた方のほうで責任を持ってつくった「艦内研修テキスト」の多くの部分を占めて太平洋戦争と東南アジアが語られておりまして、その内容を、これでよろしいのか、妥当なのかと指摘をしておるわけです。それで、「日本の近代化とアジア観」という中でこういうふうな説明もありますね「「吾れも日本人なり、何れの時か一度は日本の国威をかがやかして……日章の国旗以て東洋の全面を掩うて、其旗風は遠く西洋諸国にまでも吹き及ぼす如きは、また愉快ならずや」(東洋の政略果して如何せん。)」、この日本の近代化と、ただいま言った東南アジアの反響として、第一にいま言ったようなことばをあげているわけですが、この教育目的は何ですか。「東洋の政略果して如何せん。」ということを教えるのはどういうことですか、これは。
○政府委員(安嶋彌君) ただいまお読みになりましたのは、これは福沢諭吉の文章でございますが、ほかに、この佐藤という——まあ別にこの個人のことを私は申し上げるつもりはございませんが、この佐藤という教官は、岡倉天心のことであるとか、あるいはタゴールのことばでありますとか、あるいはほかにハンス・コーンの著書でありますとか、あるいは孫文の文章でございますとか、あるいはオーエン・ラティモアの文章でございますとか、そういうものをいろいろ素材として集めまして、そして日本、何と申しますか、アジアと日本の関係について、明治以来どういうその考え方の変遷があったかということを紹介したかったわけだと思います。これも佐藤氏の文章自体はここには一言もないわけでございまして、そういった福沢諭吉の例でありますとか、岡倉天心の例でありますとか、あるいは民族運動につきましてはラティモアの抜粋でございますとか、そういうことがいろいろ素材として並べられておるわけであります。ごく短時間にいろいろのことを研修いたします関係上、まあ筆記の労を省くという意味におきまして、こういった材料を各方面からそろえたものだと考えております。
○加瀬完君 あなたも文部省にいらっしたわけですからね、若干教材とか教育のことについてはおわかりだと思いますが、短時間で講義をするならば、誤解をされないような誤られないような教材の選択ということが前提ですよね。時間をたくさんかけられるならば、だれのものを持ってきても、十分説明ができますから、これは誤解をさせることにもならないかもしれませんが。 で、問題は、どういう材料を持ってきたかということになくて、その材料がどういうように使われたかということが問題なんですね。あなたは、孫文のお話もしましたがね、これも、日露戦争で日本が勝ったときに、「日本人は戦争に勝った。われわれも同様に勝たなければならない。これこそ歓喜しなければならないことではないか」と、こういう説明を入れているわけですね。入れている前後は、さっき申し上げましたとおり、太平洋戦争で日本軍はかくのごとく各地を占領したという説明をるるしたあとで、いま言ったような孫文のことばを入れているわけですね。そうすると、一体これを、前の説明と、その結びとして、戦争は勝たなければならないと、戦争に勝つことは歓喜であるということばを入れられて説明を結ばれては、これは戦争を肯定するという誤解を生じないとは限らないでしょう。そういう配慮というものは何にもここにはありませんね。あとでも例をあげますが、ありますか。戦争は避くべきものだという配慮のもとにこれがつづられておりますか。あったら、あった場所を指摘してください。
○政府委員(安嶋彌君) ただいま孫文の文章についてお話があったわけでございますが、これは私は、日本がロシアを破ったそのことにつきまして孫文が、一つの何と申しますか、ナショナリズムの勝利であるといったようなそういう観点から、私はおそらくこの文章を書いているのではないかと思います。ただ単に戦争を謳歌したというようなことではないように思いますが、全体を通じて見まして、前段と後段につきまして、教材の選択、分量、配列、その他におきまして不十分な点がございますれば、将来、東南アジアに再び「青年の船」が巡航いたします際に十分検討を加えてまいりたいというふうに考えます。
○加瀬完君 さらに、「第二次大戦のアジアにおける影響」というところで、「この戦争は歴史を二つの時期に分ける分水嶺である。アジアは幾世紀もの間、十数億の人民の政治的・経済的運命をアジア以外のものによって決定されてきた。しかるに戦後にはアジア自身で形成される世論、アジア自身でなされる決定が世界に影響をおよぼしていくであろう。」、こういう点を力説しておりますね。こういう見方もあります。こういう見方もありますけれどもね。これだけを強調してまいりますると、日本の憲法というものの解釈とは食い違ってくるということが出てまいりますね。なぜそういう危険をおかしてこういう点だけを力説しなければならないのか。これを青少年局認めたわけですから、なぜこういう説明を認めるテキストをあなた方は支持するのか、その理由をお述べをいただきます。
○政府委員(安嶋彌君) 総理府が、ここに述べられておりますようなラティモアの意見でありますとか、さらにその次に述べられておりますところのアジア・アフリカ会議におきまするスカルノ大統領の意見を肯定し、これを青年たちに強調したというようなことではないわけでございまして、こういう見方がいろいろあったということを素材として提供したわけでございます。これを青年たちがどう判断するかということは、これは青年たち自身の研究なり、あるいは判断なりに待つべきものであろうかと思います。参加した青年は十八歳から二十六歳まででございますが、大部分は二十歳以上の成人に達した青年たちでございますので、この程度の材料を提供いたしましても、特に間違うようなことは私はないと考えております。
○加瀬完君 この程度のとおっしゃいますけれどもね、中学校の教科書にも高等学校の教科書にも、こういう筋で太平洋戦史を述べたり、扱ったりしておる教科書は一つもありませんよ。いかに文部省たりとも、ここまで書けば、これはあまりに行き過ぎだということで、おそらくチェックされると思うわけです。これは明らかに一つのもう主観に立って書かれておるわけですね。 そこで次の点について伺いますが、午前六時ですね、朝のつどいというものが毎日行なわれておりましたね。で、マレーのパラワン島の沖合いで、朝のつどいで指導者がどういう呼びかけをいたしましたか、御存じですか。
○政府委員(安嶋彌君) パラワン沖というお話でございましたが、あるいはフィリピンのマニラ沖のことでごさいましょうか——。そこで戦没者に対する慰霊の行事を持ったわけでございますが、そのことでございましょうか。
○加瀬完君 違います。
○政府委員(安嶋彌君) ちょっとあの……。
○加瀬完君 パラワン島の沖合いでこう言っていますね。マレー作戦は戦史に見られない大成功をおさめたものであります。皆さん、それは皆さんと同じ日本の青年たちによって行なわれました。私はこのテープを聞いたんですから間違いがございません。どういう意味ですか、これは、(「そのとおり」と呼ぶ者あり)そのとおりと承ってよろしゅうございますか。
○政府委員(安嶋彌君) ただいま「青年の船」に乗船をいたしました監理官がまいっておりますが、そういう事実は記憶がないと申しております。あるいは青年たちを、別に戦争を謳歌するという意味ではなくて、その青年たちを激励すると申しますか、日本の次代をになうものとしての意気込みをつけるような、そういう意味で、激励するような意味であるいは申したようなことがあるかもしれません。決して戦争を謳歌すると、そういう趣旨ではないと私は信じております。
○加瀬完君 これは乗船の一人があまりのことに、この前後を全部テープにとっておったのを私は聞かせられたわけです。戦争を考えなくてもいいということではありませんが、親善を目的とした船が、その国で行なった戦争だけを語り継ぎながら回り歩くということは一体どういうことですか。これに対しては乗っておった団員にも相当の批判がございます。運営をなさった責任者としてどうお考えになりますか。
○政府委員(安嶋彌君) 戦争だけを語りながら回ったというお話でございますが、ただいま申し上げましたように、そういった戦争の紹介に費やされた時間はわずかでございまして、その他は先ほど最初に申し上げましたようないろんな研修を行なっておるわけでございますし、また、上陸地における活動といたしましては、いろいろな視察見学もあったわけでございます。戦争の説明に費やされた時間は私はわずかであったというふうに考えます。 なお、ただいまのお話に関連をして申し上げますと、これは中国新聞の記事でございますが、マニラ沖で慰霊祭を行ないましたときに、横山団長はこういった話をいたしております。不幸な戦争で散った日本の将兵へのとむらいだけではなく、この戦争で散った関係国の将兵あるいは関係国の国民の霊に対してもこれをとむらおうではないか。そして、あすの平和の誓いを固めようではないかというようなことも申しておるわけでございまして、決しておっしゃいますように、戦争を謳歌するというような精神でこの船が運航されたわけでは決してございません。
○加瀬完君 あなた方がつくったテキストの二十七ページないし三十ページという一番の資料は、この太平洋戦争であります。いまあなたはそうおっしゃいますが、神奈川県の尾花珠樹さんという方は、産経に載っておりますが、慰霊祭の団長のあいさつには平和の一言もなかったということも語っていますね。平和というものはこの艦内研修の内容としてはなかったわけですか。
○政府委員(安嶋彌君) ただいまちょっと申し上げましたが、三月七日付の中国新聞の松浦特派員の報道によりますと、ただいま私が申し上げましたように、「不幸な戦争で散った日本の将兵へのとむらいだけではなく、連合軍将兵や現地で犠牲になった民衆に平和な時代を築く誓いを固めたい」ということを述べたという記事がございます。私も団の幹部からそういう報告を受けております。ただいま尾花さんの発言を御引用になりましたが、私どもが中国新聞の三月七日の記事で承知いたしておるところでは、こういう記事もあるわけでございまして、全体としてそういうことに全く触れなかったということではないと思います。
○加瀬完君 全く触れなかったんではないということを肯定しても、平和というものを主題に教育が行なわれたという事実はどこにもありませんね。この船は沖縄ではどういう待遇をされましたか。
○政府委員(安嶋彌君) 沖縄の待遇ということでございますが、当初三百人ぐらいの青年たちと話し合いをする機会を予定しておったようでございますが、これが三十名足らずしか集まらなかった。フィリピンその他、その前に寄港いたしました国におきまして、熱狂的な歓迎を受けてきたあと、沖縄に参りましたところ、そういったさびしい歓迎しか受けられなかったために、団員はある種のショックを受けたという報告は受けております。しかし、そういった沖縄の実際に触れ得たことも、やはり青年たちの将来の成長には役立つことであるというふうに考えております。
○加瀬完君 沖縄で背中を向けられた原因または理由は何だと思いますか。
○政府委員(安嶋彌君) これは沖縄タイムスという記事に載っておったこと、ないしは関係者から聞いたことでございますが「青年の船」という事業が、明治百年の記念事業の一つで行なわれたということに対する抵抗があったようでございます。
○加瀬完君 団員の中に、「B52って何ですか」と聞いて、だいぶひんしゅくを買った者がおりましたね。で、この船の中では、日本の日々の政治変化といいますか、新聞に出ておるような情勢というものに対しは、何にも教育が行なわれなかったわけですか。沖縄がB52でひっくり返るような騒ぎのときに、船からおりた青年が、「B52って何ですか」と聞いては、背中を向けられざるを得ないでしょう。時事問題に対しての教育というのは全然行なわれなかったですか、船中では。
○政府委員(安嶋彌君) 「青年の船」には沖縄出身者も三名乗り組んでおりまして、彼らは仲間の団員に、沖縄の現状についていろいろ説明もし、訴えもしたようでございます。したがいまして、青年たちが沖縄の現状についての知識が不足であったというふうには、私は考えられません。
○加瀬完君 「B52って何ですか」と聞く状態で教育が行なわれたと思われますか。
○政府委員(安嶋彌君) たしかB52の問題は、「青年の船」が出港したあとに起こった問題かと記憶いたしております。
○加瀬完君 船内で教育はなかったか。
○政府委員(安嶋彌君) あるいはそういう点について特に説明をすることはなかったかもしれませんが、沖縄の置かれている基本的な現在の状況につきましては、これはいろいろディスカッションの機会もあったようでございますし、説明もいたしたわけでございます。
○加瀬完君 沖縄では、これは日本の「青年の船」として受け取らなかったわけですね。これは日本のある一部の人々を代表した船だ、日本の青年そのものの船ではないという受け取り方をしておりますね。ここらに運営の問題が私はあるのではないかと思います。団員の中にも、青年である私たちの自主性というものをどうして信用してくれないのか、こう語っておりますね。あるいは青年自身の相互自主の研修というものに、この運営の方針を置きかえられないものが、こういう点も指摘をしておりますね。で、今後の「青年の船」の運営方針が、相変わらず、一部であろうとも沖縄から背中を向けられるような、そういう受け取られ方をしてよろしいかどうか。これは総務長官なり、官房長官なり、最後に伺いたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) いろいろと第一回の催しのことでございますので御意見や御批判やらあるかとも存じます。今後、回を重ねるに従いまして、いろいろそういうふうな貴重な御意見を参考といたしまして、一そうよいものにいたしてまいりたい、かように考えております。ありがとうございました。
○加瀬完君 これから東南アジアに行くことはないかもしれませんが、この研修テキストというものはもっと厳格に私は選定をしていただかなけりゃ困ると思う。この点はどうですか。
○国務大臣(田中龍夫君) 御注意ありがとうございました。なお一そういいものにいたしたいと思います。
○加瀬完君 質問を終わります。(拍手)
○委員長(西郷吉之助君) 以上をもちまして、加瀬完君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(西郷吉之助君) 次に、須藤五郎君。
○須藤五郎君 私は日本共産党を代表いたしまして、教育問題につきまして、外務大臣並びに文部大臣に質問いたしたいと思うのであります。 まず、最初、外務大臣にお尋ねしますが、(「外務大臣がいない」と呼ぶ者あり)
○委員長(西郷吉之助君) いま、外務政務次官が来ておりますが。
○須藤五郎君 要求してあるのです、外務大臣。外務大臣じゃなくちゃだめなんですよ、政治的な問題ですから。
○委員長(西郷吉之助君) それでは、三時十分過ぎまで暫時休憩いたします。 午後二時四十二分休憩 —————・————— 午後三時二十二分開会
○委員長(西郷吉之助君) ただいまより予算委員会を再開いたします。 須藤五郎君。
○須藤五郎君 私は、日本共産党を代表いたしまして、教育問題につきまして外務大臣、主として文部大臣に質問をいたしたいと存じます。 まず最初に外務大臣にお尋ねしますが、現在の在留外人の国籍別人数とその子弟数を伺いたいと思います。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 政府委員からお答えいたします。
○政府委員(小川平四郎君) ただいま正確な数字を持っておりませんが、概略を申し上げますと、大体在留外国人は六十五万人ぐらいでございます。そのうち、韓国人及び朝鮮人が五十七、八万、次に中国人が五万、あと残りが各国からの在留人だと、大体こういうふうに記憶しております。
○須藤五郎君 私たちの持っておる資料とは少し数において違いますけれども、大体外国人のうち約九〇%は朝鮮の人だということははっきりすると思うんです。そこで、今回政府が国会に提案しております外国人学校法はどこの人たちを対象としてつくろうと考えておるものか、その点を灘尾さんにお伺いしたいと思います。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 外国人、すなわち外国の国籍を持ち、あるいはまた日本の国籍を持っておらない者を対象として考えておるわけであります。
○須藤五郎君 そうすると、あなたの言う外国人の中には、日本にいるアメリカ人も英国人もフランス人もドイツ人も中国人も、あらゆる国籍の人たちを含んでおるということですか。そうなりますと、その人たちの人数割りを、子弟の数を詳しく述べていただきたい。
○国務大臣(灘尾弘吉君) いま御指摘のとおり、すべての外国人ということになるわけでありますが、その人数の詳細につきましては政府委員からお答えいたします。
○政府委員(村山松雄君) 在留外国人の中で、現在学校で教育を受けている者の数はおよそ十五万五千人でございます。で、そのうちで韓国系及び北鮮系の朝鮮人の数は十三万人でありまして、その他の外国人が二万五千人、こういうことになっております。
○須藤五郎君 じゃあ、アメリカ人の子弟にもこの外国人学校法を適用するんですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 外国人学校法の規定に従いまして学校を設けるという場合には、もちろんアメリカ人の子弟についても適用はあるわけでございます。
○須藤五郎君 アメリカンスクールという学校がありますが、それは行政協定によりまして日本の行政権に服さないもの、こういうふうになっておると思うのですが、このアメリカンスクールもこの外国人学校法の規則に従うということになるわけですか。
○政府委員(村山松雄君) まあ日本に在留する外国人の子弟で学校に在学する者が先ほど申し上げましたように十五万五千人おりますが、そのうちの大部分、約十二万人は日本のいわゆる正規の学校で教育を受けております。残りの約三万五千人がまあいわゆる外国人学校、つまり朝鮮人学校とかアメリカンスクール等の外国人学校に在学しておるわけでありますが、今回提案しております外国人学校法案におきましては、まあ現在約三万五千人の日本の一条学校以外に在学する者を一応対象と考えておりますが、これはアメリカ人ももちろん含んでおりますが、ただこの外国人学校制度は、設立あるいは就学を強制するものではございませんので、在留外国人がその子弟を日本の一条学校に通わせるか、それから今回設立しようとしておる外国人学校を建ててこれに通わせるかは自由でございます。
○須藤五郎君 アメリカンスクールのことを聞いているんだよ。
○政府委員(村山松雄君) アメリカンスクールは現在各種学校として認可を受けておりまして、外国人学校法案におきましては、もしアメリカンスクール側が希望すれば法の対象にするつもりでございます。
○須藤五郎君 じゃあ現在各種学校として認可を受けておるものは、希望しなければ各種学校として今後も続けられるのですか。
○政府委員(村山松雄君) 外国人学校法案では経過措置を用意いたしておりまして、もっぱら外国人のための教育を行なう施設は、法律が成立後約二年間のうちに、もし教育を継続するつもりであれば、新しい法律によって認可を受けることになっています。その経過期間の間は従前のままの各種学校として存続することになっております。
○須藤五郎君 そんなことはわかっていますよ。それじゃアメリカンスクールが今後二年たっても各種学校としての形で学校をやっていきたいというならば、そのままできるのですか、許さないのですか。
○政府委員(村山松雄君) この法案が成立いたしますれば、昭和四十五年三月三十一日以降はもっぱら外国人のための教育をやる施設はすべて外国人学校法の適用対象になる。それ以外の方法で学校を設立して教育することはできない、こういうことに相なります。
○須藤五郎君 もっと詰めたいけれども、時間が切れますから次の質問に移りますが、外国人学校法に類する学校法を持った国はどこどこ、あればその内容を示していただきたい。
○政府委員(村山松雄君) 網羅的な十分な調査をしたわけではございませんが、単行法で外国人の教育を規制しておる国はきわめて少なくて、私ども承知しておりますのは、フィンランドでそういう例があるというぐあいに聞いております。その他の国においては単行法ではなくて、何らかの国内法あるいは州の教育法規とかで規制しておる、そういう何らかの規制をしておる国は三十数カ国あるようでございます。
○須藤五郎君 その内容は。
○政府委員(村山松雄君) 内容は非常にさまざまでありまして、たとえば校長は在留国民であることを要するとか、あるいは教育課程におきまして、在留国の国語の授業をある程度義務づけるとか、そういう若干の制限をして認めるものは認める、こういうぐあいにやっておるようでございます。
○須藤五郎君 いま日本の外国人学校法のような、こういう法律をもって規制しているというところは、日本以外にはどこにもないということがはっきりいたしました。 じゃ、在外日本人はどういう教育を受けておるのですか。
○政府委員(村山松雄君) 諸外国に在留いたします日本人の子弟の教育につきましては、必ずしも一様でございませんので、なるべく日本の教育に近い教育を受けたいという御希望がございますので、先年来外務省と文部省と打ち合わせまして日本から教員を派遣して、日本語を中心とした、日本の教育課程に準じた教育ができるように措置しておるものが現在約十二校ほどございます。東南アジアの諸国が中心でありますが、一部ヨーロッパにも進めております。この十二校あります施設は大部分は在留国の黙認のもとに何と申しますか、外交特権の範囲内、たとえば大使館の構内等でその施設を利用してやっておるというのが大部分でございます。中に三校ほどは在留国の認可を受けておるものがございます。たしか香港、シンガポール、マレーシアですか、三カ所につきましては在留国の認可を受けております。その他は黙認のもとに実施いたしております。
○須藤五郎君 この法案の第十条では立ち入り検査権を認め、また第十三条では「六月以下の懲役若しくは禁錮又は一万円以下の罰金に処する。」と、こうなっておりますが、この罰則は一体だれに適用されるのか、その点伺います。
○政府委員(村山松雄君) 違反した者でございます。
○須藤五郎君 違反した者というと学校関係者全部がこの罰則の対象になるわけですか。
○政府委員(村山松雄君) 罰則はたとえば閉鎖命令違反、あるいは立ち入り検査の場合の立ち入り検査に応じなかった義務違反、違反の態様によって異なりますので、個々のケースによって違反について責任ある者ということに相なろうかと思います。
○須藤五郎君 とんでもないことだと思うんです。まさにこれは植民地的立法じゃないでしょうか。国際的にもこういう法案は非常に問題を起こすんです。実際にこういうことが起こった場合は、国際的に非常な問題が起こると思うんですが、外務大臣一ぺん意見を聞かしてください。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 法案ではまだ予定しておりません。
○須藤五郎君 はっきり言ってください。そんな寝ぼけたような声では聞こえませんよ。
○国務大臣(椎名悦三郎君) それぞれの国内法において処罰するのでございますから差しつかえない。
○須藤五郎君 国内法でやるから差しつかえないという意見ですが、その国内法でやったことが国際的にどんな大きな影響があるかということを私は尋ねているんです。全然ないということなんですか。たいへんなことですよ。そんなことやったら。
○国務大臣(椎名悦三郎君) いま予定しているのは、むしろ外国との友好関係を増進するという目的を持っておるものでありまして、たまたまそういう制度、法律というものに違反するというようなことはあまり予想されませんけれども、しかし、もしかりにそういうことが起これば、これは国内法で処罰する。その結果外交問題が起こるとかいったようなことは、これは通常あり得べからざることでございますけれども、必ずしもこういう学校の法律、学校関係の法律にこれは限ったことではない。外国人が日本に来て、そうして日本の公的秩序を紊乱するという場合には、これはその結果はどうなろうとも、国内法によってこれを処罰する、これは当然のことだと思います。
○須藤五郎君 友好を考えた法案が、こんなばかげた植民地的な条項など入れるべきじゃない。何ですか、この……。アメリカン・スクールでもしこういう犯罪が起こったら、それを罰することができるですか。できないでしょう。あなたたちの目的は違うんじゃないですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) それがアメリカであろうとどこの国であろうと、かまいません。
○須藤五郎君 世界にはこんな条項を盛った学校法なんてないですよ。何で日本だけこういう条項が要るんですか、その点説明してくでさい。
○政府委員(村山松雄君) 日本の学校制度をきめております基本的な法律は学校教育法でございまして、学校教育法でも、普通には予想できないことでありますが、認可を受けた学校につきまして、法律違反の事例がある場合には変更命令あるいは閉鎖命令等が課せられることになっておりまして、そういう命令が課された場合には、その義務違反の場合には罰則がございます。外国人学校法案におきましても、この学校教育法におけるような事態とほぼ同様の事態が万が一にもあった場合を想定いたしまして、同様の規定を設け、罰則につきましても同様の量刑の罰則を設けたものでございます。
○須藤五郎君 七日の朝日新聞の社説にも指摘していることですが、自国語で歴史や地理文化を教えることは、これは世界的に認められた基本的人権であるということを言っておりますが、灘尾さんはどういうふうに考えますか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 自国語で教育をし、また自国語で歴史や地理を教えることを認めようとしているのであります。
○須藤五郎君 日本統治時代の朝鮮における日本の文教政策はどうであったか、どういう教育をやられたか、内容を具体的に説明していただきたい。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 日本統治時代の朝鮮における教育は、大体内地の教育に準じた教育だと思いますが、詳細は私もよく存じませんので、よく調べました上で、また他の機会にお答えいたします。
○須藤五郎君 知っている人、答えてください。
○政府委員(村山松雄君) 韓国——朝鮮半島は、日本統治と申しますよりは、併合によって日本国と一体をなしたわけでありますので、教育につきましても、日本内地において行ないました教科書あるいは教育方法を、大体ことばのハンディキャップがございますので、むしろ日本語を習熟させた上で日本の教育を実施するという体制でやったと承知しております。詳細につきましては、大臣以上のことは存じておりませんので、必要であれば後刻調べまして御報告申し上げます。
○須藤五郎君 文部大臣も文部官僚も、その時代のことを全然わかっていない。日本帝国主義はいかなる悪逆なことをやったかどうかということを全然知らないと言う。知らないでこういう法律をつくるというのは、何ごとですか。この法律のねらいは在日朝鮮人をねらっているんでしょう。もっとよく勉強してからこの法律をつくらなきゃ、意味をなさない。知らなければ、時間がかかりますけれども、私が少し教えましょう。 それは、朝鮮歴史、地理の授業を禁止したのです。それから、その当時の先生は腰に刀をさげておったのです。ぶらさげて、威嚇するために。それから、宇垣さんはこういうことを言っていますよ。朝鮮の教育は、頭と口をよく働かす人間より、腹と腕っぷしの強い勤勉な人間を育成しなければならない。これが当時の日本の教育方針なんです。学校内で朝鮮語を使用したときは、罰金、体刑に処せられているのですよ。教育勅語を暗誦させるんです。その教育勅語が暗誦できなければ、日本へ来ようと思っても渡航ができなかった。渡航の条件としてこういうことをやっているんです。ずいぶんひどいことをやっているじゃないですか。こういうことをやられた人たちが、いまどういう考えを持っておるかということです。だから、朝鮮学校で自国語や歴史や地理、文化を教えるのは当然じゃないですか。それをあなたたちは反日教育だという名をつけて、これを禁止していこうというのがあなたたちのねらいなんです。在日朝鮮人の子弟の中には、自国語の話せない子供がたくさんおるのです。立場をかえ、われわれの子弟が日本語の話せないような立場に置かれたら一体どうするつもりなんですか、皆さんは。在日朝鮮人の多くは朝鮮民主主義人民共和国の国民なんです。今日、民族教育を受けるのは当然なんじゃないですか。あなたのように、文部大臣、日韓条約のあと始末というのは、実は外人学校法をつくり、朝鮮人の自主性を認めず、民族教育を規制していこう、これがねらいだということははっきりするわけです。しかし、この反動的文教政策は、外部だけじゃなしに、当然国内の教育行政の面にもあらわれずにはおかないと考えます。 そこで、次に私は教科書検定問題を中心に、政府の教育行政についてお尋ねをいたします。 教科書検定については、先般当委員会におきまして論議され、加瀬委員などから多くの具体的な実例が出されましたので、私はその点はもうあまり繰り返しません。しかし、あの論議からしましても、また、現実に小学校、中学校で使われている教科書内容を見ても、自民党政府が検定に名をかりて不当に教科書内容に介入し、教育の独立と教育の自主性に対する干渉を強め、戦前のような軍国主義教育の方向をますます強めていることはまぎれもない事実だと思います。家永教授の教科書裁判を見ましても、その点は非常にはっきりしていると思います。そこで、きょうは私は現行の教科書検定制度について二、三の中心的な問題について質問いたしたいと思います。 まず、現行の教科書検定制度の仕組みについて説明していただきたいと思います。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 検定制度の御説明を申し上げる前に、先ほどの須藤さんのお話でありますが、私どもはこの外国人学校法を設けることによって、もっぱら外国人の子弟に対して自主的にそれぞれの母国語をもって教育することを認めようと、こういう考えのもとに立案せられておるものであるということは、ひとつ誤解のないようにお願い申し上げたいと思っております。 教科書検定制度の仕組みにつきましては、政府委員からお答え申し上げます。
○政府委員(天城勲君) 現在の教科書の検定制度の趣旨でございますが、特定の図書が教育基本法及び学校教育法の趣旨に合致して教科用に適することを認めるというための措置でございまして、学校教育法二十一条に規定がございまして、これに基づいて文部大臣が行なっているわけでございます。 検定を行なうという意味は、学校教育における教科書の重要な役割りにかんがみまして、適当な教育内容を保障し、また全国の教育水準の一定の水準の維持、向上、あるいは教育の機会の均等を確保するというものでございます。そのためにその検定の公正と慎重を期するために、教科用図書検定調査審議会というものを設けまして、その答申に基づいて検定を行なうという制度になっております。
○須藤五郎君 現行のごとき教科書検定制度が今日の憲法、教育基本法のもとで許されるかどうかという問題がまずありますが、それはともかくとして、教科書検定制度は、その事柄の性質上、憲法が保障する基本的人権に重大なかかわり合いを持つものでありまして、検定が文部省によって恣意的、権力的になされるような余地がいささかなりともあってはならないし、またその点の保障が制度的にも確立されていなければならないと考えますが、これにつきまして文部大臣はどう考えております。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 教科書の検定が文部大臣の恣意によって行なわれるというふうなことはあるべからざることだと思うのであります。この検定につきましては、多数の権威のある専門家の諸君の慎重な審議検討を重ねた上で採否を決定いたしておるわけでございます。御懸念の点は御心配のないようにお願い申し上げます。
○須藤五郎君 現行制度はこの点について、大臣は、全く心配は要らない、検定が恣意的、独断的になされる余地は全くない、こういうふうにお考えになるのですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私は、現行の制度のもとにおいて検定が恣意的に行なわれておるものとは考えておりません。
○須藤五郎君 それじゃ、何かその検定の基準というようなものが必要になってくるでしょう。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 検定につきましては一定の検定基準というものを設けております。これにのっとりまして、多数の人たちがこの検定に従事し、慎重に審査をいたしている問題でございますので、文部大臣の恣意あるいは独断によって結論を得るようなことはございません。
○須藤五郎君 文部省の説明によりますと、検定の実質的な基準は学習指導要領だ、こういうふうにおっしゃいます。この学習指導要領を検定基準とすることが法的に許されるかどうかということもまた、きわめて重大な問題点であります。しかし、その点は別といたしまして、学習指導要領を見ますると、一面きわめて詳細多岐にわたる規定を定めておると同時に、個々の規定なり命題はまことに抽象的でありまして、あいまいであります。見る人の主観によってどうにでも解釈できる。たとえば三十三年十二月十二日、文部省告示第八十六号、教科用図書検定基準によりますと、第一章第三項に、「特定の教党や特定の宗派にかたよった思想・題材をとり、またこれによって、その主義や信条を宣伝したり、あるいは非難したりしているようなところはないか。」、こうありますが、これではとうてい厳格な検定基準とはなり得ないと思いますが、大臣の見解を伺います。
○政府委員(天城勲君) 御指摘のように、教科書の検定には検定基準がございます。いまお読みになったのもその一つの問題でございますが、先ほど申し上げましたような意味から、教育基本法に定める教育の目的、方針に一致しているかということを第一前提に考えているわけでございます。第二番目に、学習指導要領に掲げております各教科の目標と一致しているかどうかということ。それから三番目に、いま御指摘の公正な立場ということを条件にいたしておるわけでございます。なお、これをさらにふえんいたしましていろいろな必要条件が出ておりまして、正確性の問題、内容の選択の問題、内容の程度、それから組織、配列、分量、表現、あるいは使用上の便宜等、十項目にわたりまして検定基準を定めておりまして、これは各著者が十分これにのっとって教科書を書かれるときにもわかるように考慮いたしておりますし、またこれに即して検定をいたしておるわけでございます。 それから、検定の公正を期するために先ほど申し上げましたように審議会を設けてございますが、それにはそれぞれの専門家が大ぜい参加しておりますと同時に、三段階の審査によりましてこの公正を期する、いろいろ制度上のくふうも加えたわけでございます。
○須藤五郎君 そうしますと、大臣は、指導要領の内容というものは調査官等がこれを恣意的に解釈したり適用したりする余地は全然ないと、こういうふうにお考えなんですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) もう一度お願いいたします。よくわからなかったのですが、御趣旨が。
○須藤五郎君 大臣は、いまの答えを聞いておりますと、指導要領の内容というものは、調査官がこれを恣意的に解釈したり適用したりする余地は全然ないものだと、完ぺきなものだと、こういういうにおっしゃるのですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 人間のやることでございますから、完ぺきとかなんとかいうことを申し上げるのもいかがであろうかと存じますけれども、調査官はきわめて公正な立場に立って、そうして指導要領の精神に従って検定をいたしておるものと私は考えております。
○須藤五郎君 それでは具体的に伺いますがこれは家永教授の教科書裁判の中で扱われておる問題なんです。家永教授の高等学校社会科用教科書「新日本史」は、昭和三十八年不合格とされ、三十九年の検定で条件づき合格と、こういうふうに処置をされております。その条件としまして、三百三十項目にわたる修正ないし削除要求がなされておりますが、その中の一つに次の一節があります。すなわち、「戦時体制の強化」という項目の中で、「日華戦争から太平洋戦争へと進むにしたがって(中略)あらゆる文化活動は停止され、戦争を謳歌する軍国調一色に塗りつぶされた。特に新聞、雑誌の検閲が強化され、戦況の報道も大本営発表を取り次ぐだけとなったので、国民は戦争についてその真相を十分知ることができず、無謀な戦争に熱心に協力するよりほかない状態におかれた。」、これが家永教授の原稿の記述なんです。どうですか、全く当然の叙述だと思うのですが、大臣はどういうふうに考えられるか。「あらゆる文化活動は停止され、戦争を謳歌する軍国調一色に塗りつぶされた。」、これは事実なんです。当時私は宝塚歌劇団におりまして、この点は身をもって私は実験したのです。宝塚に情報局から、兵隊さんが書いた脚本が押しつけられ、女の子は軍服を着せられて、そうして戦争謳歌の芝居をさせられたのです。そういうことが事実なんです。これを事実と違うということは一体どういうことか。ところが、文部省はこれに文句をつけておるのです。どういう要求をしたのですか、その要求を聞かしてください。
○政府委員(天城勲君) 具体的に家永教授の教科書の問題でございますが、いまお読みになったのは、その事実を全部否定して検定がされておるわけではないと思います、教科書の中身ではないかと思うのでございますが、ただ、そこでいろいろ事実を述べて、無謀な戦争にというその無謀という意味が、まあ第二次大戦の中に歴史的な評価が必ずしもまだ定まっていないものについて価値判断的に無謀というような評価を下すことについて審議会で意見が出ておるのでございまして、その全文は別にどうということではなかったと思っております。
○須藤五郎君 太平洋戦争が全く無謀な戦争だということですね。日本の侵略戦争であったということは、これはもう世界の常識になっているのです。文部省の教科書にもそうはっきり書いてあるじゃないですか。教科書の一部を読んでごらんなさい。
○政府委員(天城勲君) 教科書とおっしゃいますけれども、文部省の教科書につきましては、これはみんな検定教科書でございますので種類が多いので一々わかりませんが、要するに歴史的な問題につきましてはできるだけ片寄らない立場から客観的に記述するというのが趣旨でございまして、特に第二次大戦のような最近の事実につきましては、歴史的評価も必ずしも定まっておらなかったわけでございますから、あまり断定的な評価をしないように、客観的記述するという慎重な態度をとることが教科書として望ましいわけでございまして、そういう意味で断定的に無謀というような評価を下すことを望ましくないと、こう考えたわけでございます。
○須藤五郎君 文部省の一九四九年八月発行の「民主主義」上巻、二百四十六ページ、持っておったら読んでみてください。
○政府委員(天城勲君) ただいま持ち合わせておりません。
○須藤五郎君 なに、もう一ぺんはっきり言って。
○政府委員(天城勲君) ただいま持ち合わせておりません。
○須藤五郎君 持ってなければ時間がかかるが私がちょっと読んでみましょう。「軍閥は広義国防などという言葉をふりまわして政府の実権を握り国民の権利を踏みにじって無謀な戦争を計画するようになった」、上巻の二百五十六ページには「日本を取り返しのつかない太平洋戦争の暴挙にまでかりたてた」、こういう条項があるのですか。これでも家永さんの無謀という点が間違っていますか。はっきり文部省の「民主主義」という本の中にちゃあんとあるじゃないですか。(「あれはアメリカの翻訳なんだ」と呼ぶ者あり)翻訳なら翻訳とはっきり言いなさい。
○政府委員(天城勲君) いまお読みになった教科書、手元にございませんので正確にわかりませんが、要するに先ほど申し上げたような意味で歴史的な分野は扱っていきたいというのが考え方でございまして、教科書の記述、これは全体の中から前後の文章なども含めて、いま申したような客観的な立場をとるというのが基本方針でございまして、断定的な価値判断をしないという基本を申しておるだけでございます。
○須藤五郎君 アメリカの本の翻訳なら翻訳とはっきり言ったらいいでしょう。(「私語はするな、立ってやったらいいだろう」と呼ぶ者あり)だってあんなつまらぬ答弁しているのに、こっちは時間を食っちゃってかなわぬよ。時間を別にするなら立ってやるよ。ぼくは質問をしているのですよ、そういう質問を。質問をはぐらかして別の答弁をする必要はないじゃないか。質問に対してははっきりした答えをしなさい。その間の事情をはっきりしたらいいでしょう。
○政府委員(天城勲君) 戦争後の教科の扱いにつきまして、率直に申しましていろいろの点がだんだん整ってきておりまして、いま資料の手持ちがないのでございますが、昭和二十七年の教育課程審議会だと思うのですが、歴史の扱いにつきましては、特に客観的な根拠に基づいて学問もだんだん進歩してまいりますので、そういう学問成果の上に立って客観的に記述するようにという扱いになってきております。したがいまして、それ以前の歴史の扱い、まあ歴史と申しますか、第二次大戦の扱いなどにつきましては他の観点からの反省的な要素がいろいろ当時は一緒に入っていたのじゃないかと思うのでございまして、現在は歴史的な扱い方をする、歴史については歴史的な扱い方をするという態度をとっているわけでございます。
○須藤五郎君 当時は「無謀な戦争」だと言って反省した。ところが今度は、その「無謀な」ということばがいかぬと言って削除。まさにその教育に対する考え方、その態度がずっと変わってきているということがこれではっきり証明できる。前の反省はどこやら行ってしまって、今度はかつての間違いをもう一ぺんやらかすような教育をやっていこうというのがいまの教育方針じゃないですか。その点はっきりさしたらいいのですよ。ここで私が特に問題視したのは、無謀であるということばの削除を要求した根底、根拠、すなわち検定基準なんです。学習指導要領では日本史の目標として六つの項目があげられておりますよ。家永さんのさきの記述はその第(6)項に反するというのですか。あなた方考えて適切でないと考えるのはこの第(6)項だけなんですか。どうです。
○政府委員(天城勲君) 検定基準とされております学習指導要領の日本史の目標の(6)でございますが、「史実を実証的、科学的に理解する能力を育て」、という目標から判断されたものでございます。
○須藤五郎君 家永さんのこれが不当だと考えておるのは、この第(6)項目を当てはめて不当だと、こういうふうに言っているかどうかという点。第(6)項目だけなのか。
○政府委員(天城勲君) 日本史の「目標」の(6)、これを、この目標を達成する上で適切でないと、こう判断しただけでございます。
○須藤五郎君 (6)項だけでないのか、ほかにも当てはまるのか、どうやね。そういう答弁をしたらいいんです。ごたごた言わんと、もう一ぺん答弁。
○政府委員(天城勲君) 「目標」の6に該当しているということでございます。
○須藤五郎君 6項目だけだと言うんだね。文部大臣はこの前、加瀬委員の質問に対しまして、「平和教育を徹底させたい」、「戦争を鼓吹するようなことがあってはならぬ」、そして、「戦争の反省ということは教育の基本」だと、こう言っているんです。まことにりっぱなことを言っていらっしゃる。これは間違いありませんか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 加瀬委員にお答えしたとおりでございます。
○須藤五郎君 天城局長もやはり加瀬委員に対しまして、戦争について反省するというのは検定の立場でもあると述べ、小学校社会科の指導要領についてそれを規定した個所を具体的にあげておられます。そこで伺いますが、高等学校の社会科の指導要領ではその点はどこにどういうふうに書かれているのか、ちょっと読んでみてください。
○政府委員(天城勲君) 高等学校の社会科の指導要領の内容といたしまして、「国際社会における日本の地位」、それから「世界の平和と人類の福祉への寄与」というところで日本史、世界史の項に、「戦争のもたらす人類の不幸や損失について深く考えさせる。」という規定がございますし、また、戦争の——これは長いですが、たとえば世界史では「世界恐慌を境として、民主主義と全体主義の対立が深まり、ついに第二次世界大戦に至ったことを理解させる。」と、そして続いて「戦争のもたらす人類の不幸については、特に考えさせる必要がある。」という規定がございます。
○須藤五郎君 社会科の第1款の4項、それから日本史の「目標」の第(5)項です、これを読んでくださいと言ったんですよ。
○政府委員(天城勲君) いま御質問が戦争に対する反省のところを読めというお話でございますので、「戦争のもたらす人類の不幸や損失について深く考えさせる。」という社会科の、いま申し上げましたのは高等学校の日本史の内容の(9)というところを申し上げたわけでございます。そのほかのところも読めとおっしゃるのでございますが、これは特にそういう、たとえば「社会」の「目標」の4でございますね。
○須藤五郎君 社会科の第1款「目標」4です。
○政府委員(天城勲君) はい。それでは、「国際関係と世界におけるわが国の地位を理解させ、国民としての自覚を高め、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする態度を養う。」
○須藤五郎君 それから日本史の第(5)。
○政府委員(天城勲君) これも読むのでございますか。
○須藤五郎君 はい。
○政府委員(天城勲君) 日本史の目標の(5)でございます。「日本史の発展を常に世界史的視野に立って考察させ、世界におけるわが国の地位や、文化の伝統とその特質を理解させることによって、国際社会において日本人の果すべき役割について自覚させる。」。
○須藤五郎君 家永さんの記述は、家永教授は、憲法、教育基本法の平和主義の精神に立ちまして、次代をになう青少年に対する深い教育的配慮を持って書かれておるんです。太平洋戦争に対する反省の記述だということはだれが読んでもわかることだと思うんです。また、いまの局長の説明を聞きますと、日本史の目標(5)は、平和主義と戦争の反省の精神をうたったものだということです。そうすると家永教授のこの叔述は、日本史の目標第(5)の規定からいえば、当然これは問題にならないわけだと私は思うんです。何で問題になったんですか。
○政府委員(天城勲君) 先ほども申しておりましたように、国際理解あるいは国際平和への日本人としての貢献、また戦争に対する反省、これは私たちいま申し上げましたように、学習指導要領にも「目標」として掲げてあるわけでございます。したがいまして、御指摘の教科書もその線で書かれている点について特にどうこう申し上げているのではございません。ただ、これを具体的な教科書として書いていく場合に、歴史的事項については客観的に記述すると、特に第二次大戦について、価値判断がいろいろある新しい事件でございますので、断定的な判断はしないというだけのことでございまして、いま先生が言われたような基本的な趣旨について御指摘の教科書についてその点が検定上不適当であるという指摘がなされたわけではございません。具体的にはいまの価値判断の問題のところだけだということでございます。
○須藤五郎君 そうするとね、家永さんが述べた「無謀な戦争」だという評価に対して、その評価は適切でない、一方的な評価だ、こういうことなんですか。
○政府委員(天城勲君) 検定の過程を通じて検定審議会でそういう判断を下されましたわけでございます。
○須藤五郎君 いま裁判にかかっているわですけが、政府代表は、これは一方的な評価のしかたである、的確でない、まだ何ら歴史的に評価のきまらぬことをこういうふうにやることはよくないと、こういう理由をつけてきておるわけです。これはあんたたちの考えと違いありませんか。
○政府委員(天城勲君) 御指摘のように、いまこの問題は裁判にかかっておるわけでございますが、そこで、被告としての政府の立場から、第二次大戦のような最近の事実については、歴史的評価が定まっていないので、評価を避けて、できるだけ客観的に記述する慎重な態度をとることが教科書として望ましいことである、こういう態度であるわけでございます。
○須藤五郎君 それじゃ自衛隊に関する記事はもう教科書になっていますよ。自衛隊というものはまだ評価はきまっていませんよ、歴史的に。自衛隊は歴史的に評価がきまっていなくても出していい、そしてこういう問題は出してはいかぬ、そういう意見ですか。おかしくはありませんか。
○政府委員(天城勲君) 歴史的な事実に対する取り扱いでございます。それから、自衛隊の問題は、国の制度として、仕組みとしての解説、こういう立場で扱っているわけでございます。
○須藤五郎君 自衛隊に関する記事もだんだんと変わってきているのですよ。自衛隊というものはこういう状態で戦後できた、しかし、これはまだいろいろな意見があってきまっていないということがあって、その次になってきますと、もう自衛隊は決定的なものであるがごとき記事になってきているのですよ。そういう経過を経ている。大体自衛隊に対する評価は、あなたたちかってにそういう評価をしているのですよ。そしてそれを教科書に入れる。家永さんがこういう無謀な戦争だという評価をすると、それは歴史的な面から見てこういう評価をするのは一方的だ、適切でないと、あなたたちはかってじゃないですか、そんなこと。それで、いま私が述べました見解、日本史の目標についての六項目の記述をそのとおりに解釈することができないじゃないですか。そう解釈する余地は全くないというふうに文部大臣はおっしゃるのですか、どうですか。認めるのか認めないのか、明確にしてください。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 御質問の御趣旨がはっきりつかめないのでありますが、大東亜戦争の評価の問題と、それから自衛隊を取り上げての問題と、私は問題が全く違うのじゃないかと思うのでございます。自衛隊は現に国防上存在をいたしておる国の制度であります。その制度について記述をするということは、大東亜戦争の評価の問題とはおよそ次元を異にする問題じゃないかと思います。
○須藤五郎君 それはあなたかってな解釈ですよ。そんな解釈をしても通るものじゃないですよ。大臣は最初に、検定は恣意的、権力的にはなされてはならないし、また、いまの検定基準にはそのような裁量の入り込む余地はない、こういうふうに言明されました。いま私が具体的に指摘しましたように、現実はあなたの答弁とは全く逆になっておるのです。調査官等がこの検定基準を独断的に解釈して権力的な検定を行なう余地は幾らでもあると、こういうことがはっきりわかるのです。あなたはこれを否定なされますか、どうですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私はさようなことはないものと存じております。
○須藤五郎君 あなたがないと思うでは問題は解決しない。事実あるから、ぼくはこれを事実をあげて指摘しているのでしょう。そんなことないと思いますでは答えにならないです。あなたは否定されますが、事実は否定できませんよ。実際この検定基準は、見る人の主観によってどうにでも解釈のできるものです。また、現実にも、これを利用して、調査官等が検定に名をかりて教科書内容に権力的な介入を行なっておるのです。だから家永教授の教科書裁判のような事件が起きるのです。私はいま検定基準の一つである学習指導要領についてだけ問題にしたわけですが、そのほか手続的事項を見ましても、いまの検定制度は全く違法不当なものだと言わなければなりません。文部省設置法第五条によれば、教科書検定は法律に基づいてやらなければならないと、こうありますが、一体その法律というのはどこにあるのですか。
○政府委員(天城勲君) 学校教育法の二十一条に規定がございます。
○須藤五郎君 学校教育法の二十一条は、「文部大臣の検定を経た教科用図書又は文部大臣において著作権を有する教科用図書を使用しなければならない。」と書いてあるのです。検定に対する法律じゃないですよ。使用しなければならぬという条項じゃないですか。何ですか。
○政府委員(天城勲君) 学校教育法二十一条に、文部大臣の検定を経た教科書を使用しなければならぬと、御指摘のとおり、書いてございます。したがいまして、文部大臣が検定をするわけでございますし、文部省設置法の五条に、文部省の権限といたしまして、「教科用図書の検定を行なうこと。」、こう規定されておるわけでございます。
○須藤五郎君 五条の一項の精神は、検定をする場合は法律によってこれをしなければならぬということが書いてあるのです。ところが、その検定をしなければならぬという法律、それはないのです。文部大臣が検定したものを使わなければならぬというのが二十一条でしょう。おかしいです、それは。合わないじゃないですか。
○政府委員(天城勲君) 文部省設置法の五条に、文部省の権限として、「教科用図書の検定を行なうこと。」と、こうございます。そして検定の実施について必要な事項は学校教育法の八十八条、それから百六条、この規定によりまして、学校教育法の施行のために必要な事項の一つとして文部大臣が定めることになっております。この根拠に基づきまして検定規則、あるいは検定基準というものが省令で定められているわけでございます。
○須藤五郎君 ここに言う五条の法律というのは、検定というものはこういう手順を踏んで、こういう内容で、こういう基準で、そうして検定をしなければならぬという法律によらなければならぬということを規定しているのですよ。ところが、その法律はないのです。どうです、ありますか。
○政府委員(天城勲君) ですから、先ほど来申し上げておりますように、権限の行使は法律、これに基づく命令に従ってなされなければならぬということになっておりますので、学校教育法の根拠に従いまして、学校教育法の施行規則、要するに命令がこれに関連して出ているわけでございます。
○須藤五郎君 ぼくの質問に対する的確な答弁がされてないと思うのですよ。検定は法律によらなきゃならぬと書いてあるのですよ。そういうことは、検定をするのはこういうやり方で、こうこうこういう方途でやらなきゃならぬという法律があって初めて検定に対する法律ですよ。大臣の検定を経たものを使わなきゃならぬというようなことは、この第五条の法律なんというのは当てはまらないですよ。それはあなたたちのかってな解釈ですよ。あるならある、もっとわれわれの納得できる法律を示してください。
○政府委員(天城勲君) 御指摘のように、「その権限の行使は、法律(これに基く命令を含む。)に従ってなされなければならない。」ということでございまして、それは先ほど来申しておりますように、学校教育法並びにそれに基づく命令、これに基づいて教科書の検定を行なっておるというのがわれわれの解釈でございます。
○須藤五郎君 文部省設置法の五条規定の条文の精神を私はゆがめて解釈しておると思うのです。文部省の都合のいいような解釈をしている、こういうことが言えると思うのですね。教科書の検定のような重大な問題は、検定の定義、手続、基準など、最も重要な事項は法律に明記して、行政官庁の自由裁量の入り込む余地がないように厳格に規定しておくのが私は当然だと思うのです。文部省設置法五条に、法律に基づけとわざわざうたっておる趣旨もそこにあると思うのです。時間の関係で詳しくやれませんが、裁判所もそういう判決を出しておるのですよ。ところが、現行の検定制度は、これらの重要な事項はすべて文部大臣がどうにもできる仕組みにしておるのです。こういう不法不当な検定制度を使って教科書内容を自民党政府の思いどおりの方向に権力的に規制しようとしておるのが私は今日の考え方だと思うのです。最近の検定の著しい傾向は、憲法の平和主義の精神に忠実であったり、積極的な記述や題材は、ほとんど例外なしに削除や訂正を強要されておるのです。ところが、その一方では、日清、日露から太平洋戦争に至る一連の日本の侵略戦争を肯定的に積極的に評価し、子供に向かってあたかも戦争に向かう決意を促すかのごとき扱いが教科書の中にも多くなってきておるのです。灘尾文部大臣みずからも、先般当委員会で、国民が戦争に協力した姿を教科書に取り入れることは必要だと、こういうふうに述べておるのです。そうしてこの政府の方針の裏づけをしておるのです。このような手段によりまして青少年の軍国主義的な思想教育を強めようというのが、私は、灘尾文部大臣の国防教育論の本心であろうと思うのです。これは明らかに憲法、教育基本法を無視して、教育に対する不当な支配を加えるものであり、政府・自民党は、その危険な政治目的のために神聖な教育の独立を奪い、これを私するものと言わなければなりません。したがって、わが党は、かくのごとき現行の教科書検定制度は直ちに撤廃すべきだと主張するのです。少なくとも、調査官等によって検定が恣意的、権力的になされる現行制度は当然改めなければならないものだと考えますが、大臣はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) この検定に関する問題は、先般、加瀬委員からも詳細な御質問がございまして、私もいろいろお答えをいたしておるところでございます。それについて十分御検討もいただきたいと思うのでございます。戦争に協力した事実を記載する必要があるというふうなことは私は申さなかったつもりであります。教科書が、そういうものを入れて教科書の検定を受けにきた、それをしも否定する必要はないのではないかというような趣旨のことを申し上げたと思うのであります。これはともかくといたしまして、現在の検定制度に対する御意見は御意見として承っておきますけれども、私どもはいまの制度を今日変えるというようなつもりはないということを申し上げます。
○須藤五郎君 あなたも人間のことだから、間違いがないとは絶対に言えないと、こうさっきおっしゃった。そのとおりだと思うのです。だから、そういう間違いの起こらないように、検定に対しましてはちゃんと法律の中にきめてかかっていくことは私は必要だと思うのです。それをやらないと、今日と同じような間違いが将来何回でも繰り返されていく。すなわち、検定の定義、検定というものはこうだ、それから、どういう手続を踏んでいくんだ、それから、基準はこうだと、はっきり法律に明記して間違いのないようにしないと、迷惑を受けるのは作者であり、また、そういう一方的な恣意によってそういう反動的な教科書を押しつけられる国民こそたいへんな迷惑だと思うのです。こういうことのないように私はしなければならぬということを申し上げておきます。さきに私が述べましたように、教育行政の反動化の問題は、いま降ってわいたように起こった問題ではないのです。昭和二十八年ごろから急激に日本の教育行政は右寄りになってまいりました。昭和二十八年といえば池田・ロバートソン会談のあった年なんです。あれから日本の教育行政は非常に右傾化しました。昭和二十九年には平和教育を弾圧するための教育二法がつくられました。続いて、昭和三十一年には、教育委員の公選制を任命制にするために地教行政法を制定させました。これらの法案の成立は国会の内外で大きな抵抗にあい、警察力の導入によってかろうじて成立させることができたものであります。教科書検定をてことしまして、あの手この手で日本の教育の反動化を推し進め、あなたたちの希望する人間像、人づくり政策を推し進めているのが今日の実態であります。しかし、これは、憲法の精神でもなく、また、教育基本法の精神でもありません。全くその反対のものだと言わなければなりません。これは、教育基本法第十条の、行政府は教育の内容に立ち入ってはならぬ、支配してはならぬという精神を否定するものであり、神聖なる教育を再び帝国主義、軍国主義復活に奉仕させようとする文部省の文教政策であることを指摘しまして、私の質問を終わります。
○委員長(西郷吉之助君) 以上をもちまして須藤君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(西郷吉之助君) 次に、石本茂君。
○石本茂君 私は、国民の保健衛生及び医療福祉に関しまして若干のことを質問したいのでございますが、まず、初めに文部大臣にお伺いしたいと思います。 学校教育法の第二十八条を見ておりますと、小学校及び中学校には養護教諭を置かなければならないということになっております。ただし、同法律の第百三条を読みますと、そこには当分の措置かなくてもよろしいというようなことが書いてございますが、この法律は昭和二十二年にできた法律でございまして、当分の間が今日なお続いておりますので、多くの小学校で、この養護教諭がおらないために、特に僻地に参りますと、その児童の保健、あるいは医療も含めましたような処置を、校長先生なりあるいは女子教員が、たとえば耳だれの処置をしてみたり、あるいはまた、学校のこの教室のあかりをこうしたらよいと思うというようなことを、他の教員によって行なわれておりますが、これにつきまして大臣はどうお考えでございますか、お伺いいたします。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 公立中学校の養護教諭につきましては、現在、義務教育定数標準法によりまして各都道府県ごとの定数の標準が定められておりますことは、御承知のとおりでございます。したがって、また、具体的な学校への配置基準は、各都道府県のそれぞれの判断によって定められておるのでございます。このため、各都道府県ごとの養護教諭の配置の実態には若干の差異があるところがあると思います。文部省としましては、昭和三十九年度から四十三年度までの五カ年計画で、約五千人の養護教諭の定数の増加をはかってきたところでございますが、四十四年度以降におきましては、小規模学校の養護教諭の充実の問題も含めまして、さらに養護教諭定数の改善をはかるように前向きに検討してみたいというのが現在の状況でございます。
○石本茂君 そういたしますと、もちろん地方自治体との関係もございますが、この職に従事する有資格者がおらないということも原因だと思いますが、やはり学校の経済と申しますか、予算背景、そういうものも原因の一つであろうと思うのですが、大臣、いずれが重きをなしているのでございましょうか。
○政府委員(天城勲君) 養護教諭の養成と配置の問題は、両面から考えなければならぬ問題でございます。先ほど大臣からも申し上げましたように、義務教育学校の教職員の定数の充実を逐次はかっておるのでございますけれども、率直に申しまして、まだ完全に充実させたことになっておりません。これにつきましては、御指摘のように、両面あろうかと思っております。一方は、定数配置上の問題が一つでございます。もう一つは、養成の問題があろうかと思います。実は、養護教諭の養成につきましては、御存じのようにいろいろな種類の機関がございますけれども、資格者そのものは数の上では計画的な設置をまかなうだけ毎年輩出しているのでございますけれども、具体的の需給の場面になりますと、たとえば、僻地でございますとか、あるいは条件の恵まれない地域への実際の赴任ということにおいて、いろいろな支障があるわけでございまして、特に養護教員は御婦人の方でございますので、赴任につきましていろいろな障害が男子の場合と違ってございます。そういう点が現実にはございますので、私たちといたしましては、まず定数の充実と、それから一方、養成につきましても努力いたしますと同時に、現実の需給関係についてさらに努力をしなければならないのじゃないか、このように考えておるのでございます。
○石本茂君 そこで、養護教員のことでございますが、国立養護教員養成所というのが何校かございまして、ここの卒業生につきましては、昭和四十二年、昨年でございますが、省令で、当該大学に編入できるというような省令が出たわけでございますが、当該大学と申されます大学は、現在、何校、どこにございますのか、教えていただきたいと思います。
○政府委員(宮地茂君) お答えいたします。 国立養護教諭養成所が設けられておりますのは、八つございますが、北海道教育大学、弘前大学、茨城、愛知教育、大阪教育、岡山、徳島、熊本、それぞれの大学が当該大学ということになっております。
○石本茂君 私のお聞きしたかったのは、国立養護教員養成所と申しますのは、高等学校を出まして二年あるいは三年の教育を現在受けております。この人方がさらに大学に編入学できるという省令でございましたので、その学校は一体あるのですかと聞いたわけでございます。
○政府委員(宮地茂君) 形式的には、類似の課程を有する大学はすべて編入学させることができますが、実際的には、工業教員養成所の例から考えてみましても、当該養成所を設置している大学が編入させることになるものと思います。
○石本茂君 それでは、しつこいようでございますが、その学校と申しますのは、学校教育法の第一条の学校だというふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(宮地茂君) 学校教育法第一条によります四年制の大学でございます。
○石本茂君 次に、もう一点お伺いいたしたいと思いますのは、文部省の所管の教育機関で、医師以外の医療従事者のために、昭和四十三年度予算案におきましては、一体どのくらいの予算額が計上されておりますのか。あわせまして、その医師以外の養成機関と申しますものの種類別と申しますか、学校教育法の第一条によりますものと、各種学校と称しますいわゆる第八十三条の条項によりますものとがあると思いますので、その数を知りたいと思います。
○政府委員(宮地茂君) 医師以外の医療技術者の養成につきます学校でございますが、いわゆる高等学校、あるいは大学、短期大学、こういった一条学校と、それから学校教育法八十三条によります各種学校等、それぞれございますので、その点を申し上げます。 保健婦関係の学校は、一条学校は四校、各種学校は一校でございます。助産婦学校のほうは、一条学校が二校で、八十三条の各種学校が十八。看護婦学校のほうは、一条学校が十四、八十三条学校が四十。准看護婦学校、これは高等学校の課程でございますが、一条学校が八十二校、それから各種学校が十校でございます。診療エックス線技師学校が、一条学校が二校、八十三条学校が十校でございます。衛生検査技師学校は、一条学校が七校、八十三条学校が十八校でございます。歯科衛生士学校は、一条学校が四校、八十三条学校が三校でございます。それから歯科技工士学校は、一条学校がございませんで、八十三条学校だけが二校ございます。それから最後に、理学療法士学校——リバビリテーション関係でございますが、盲学校の高等部の専攻科に置かれておりますが、一条学校の三校でございます。 合わせまして、一条学校関係が百十八、各種学校が百二校、こういうことになっております。
○石本茂君 そこで、さらにお尋ねしたいと思いますのは、文部省が直接所管されております大学の医学部の中に、看護婦の各種学校である養成所が二十数校ございます。この二十数校のもので、一体、学校教育法の一条に該当するものは何校ございますのか、また、将来、その学校につきまして、このままでいかれる予定なのか、四十四年度以降にはさらに何校かずつ学校教育法の第一条にのっとる学校にしたいというお気持ちなのか、聞いておきたいと思います。
○政府委員(宮地茂君) 看護婦関係の国立学校の大学でございますが、それは二校でございます。各種学校は二十四校ございます。 それからもう一点お尋ねの点は、文部省におきましては、昭和四十二年度に大阪大学に医療技術短期大学をつくりました。それに関する御質問かと思いますが、四十二年度にその学校をつくりました。と申しますのは、いろいろ関係者からの要望もございますし、また、厚生省の所管の調査会等でもいろいろ御検討なさいましたが、一応こうした看護婦その他お医者さん以外の医療技術者につきましても、できる限り一条学校で正規の教育をやるほうがよいのではないか、教員も充実しますし、施設もよくなるし、教育内容、また、学校へ入ります生徒もいろいろ精神的に誇りも持ち得るというようなことで、四十二年度につくりました。四十三年度は、遺憾ながら、九州大学に文部省としては設置を希望いたしましたが、予算の関係等で設置を見るに至らなかった、こういう次第でございます。
○石本茂君 次に、厚生大臣にお尋ねをしたいのでございますが、その一つは、医療対策でございまして、先月の末でございましたか、静岡県の浜松市におきまして、突然、病院が蒸発したということばはおかしいのですが、医師が行方不明になり、そこにいた看護者は、調べてみたら看護婦ではなかった。要するに、有資格者ではなかった。こんなことがめったにあってはなりませんが、そうした事件を含めまして、厚生省自身としまして、どのように医療機関の監督体制をしいておられますのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(若松栄一君) ただいまお話しの、浜松にございました医療機関で無資格の看護婦ばかりを使っていた施設があったということでございます。これは地方において看護婦の不足ということは確かでございますが、診療所でございますので、正規に看護婦の定数を法律に規定しておる対象ではございませんでしたが、残念ながら非常に不十分な看護体制であった。これが、実は、開設者の医師の家庭の事情によりまして、ただいまお話しのように医師が失踪してしまったために、診療所そのものも消えてなくなった。このような不適格な、また、適切でない診療所ができたということは、まことに遺憾なことでございまして、今後も医療監視の面で取り締まりをやってまいりたいと存じます。
○石本茂君 いま申されましたように、医療監視という時点を通して全国の病院あるいは診療所を管理監督していらっしゃるというふうに理解してよろしゅうございますか、この問題は。同時に、私申し上げたいのは、あちこち歩いておりますと、きのう工事していたところを何だと思っていますと、あしたそれは病院だということで、ものすごくいま医療機関がふえておりますけれども、一体、この開業にあたりましての医療監査といいますか、審査といいますか、これはどのようにだれがどこでしているのでございましょうか、お伺いします。
○政府委員(若松栄一君) 医療機関それ自体の監視は、現在、医療監視員で行なっておりますが、医療監視も人員が少ないために主として病院を中心にしてやっておりますために、診療所の監視がなかなか手が出せなかったという点はまことに遺憾でございます。そういう意味で、今度のような例も、診療所に対する監視が至らなかった、網の目を抜けた存在であろうと思います。当然、医療機関のみならず、医療従事者それ自体に対する監督ということも必要でございますが、現実には各医療機関に雇用され、あるいは医療に従事する関係者を、一人一人その資格の適格性等を把握することが困難でございますので、どうしても病院、診療所の開設者の自覚、良心にまたなければならない点が多々あることを残念に思っております。
○石本茂君 そういうことを見きわめることがいまの時点では困難だとおっしゃっておりますけれども、自分の命を預ける国民の側に立ちまして、このような御答弁を聞きますと、非常に心配がさらに重なるわけでございますが、手がないからできないんだというぐらいでよろしいのでございましょうか。自覚を促すとおっしゃいますが、どのようにして医療経営者の自覚を促すのでございましょうか、さらにお聞きします。
○政府委員(若松栄一君) 医療機関の開設者あるいは従事者の自覚の問題、これは医療それ自体が本来非常に拘束の少ない、法律的規制の少ない問題でございまして、どのような薬を使うか、どのような方法で医療をするかということも、すべて医師の自覚と良心にまかされた問題でございます。そういう意味で、この指導監督ということを外側から高圧的あるいは法律的な手段をもってやるということがなかなか困難でございますので、そういう意味で、残念ながら、自覚と良識にまつという点がきわめて大きいということを申し上げざるを得ないのでございまして、他の、できるだけ、監視とか、あるいは手続面、手続等の場において確認をするという以外に、現在十分な手だてを持ち合わしておりません。
○石本茂君 いまのこととの関連になりますが、先般行なわれました医師国家試験の実態でございますが、昨年も多くの卒業生がこの国家試験を拒否いたしまして、本年は、それでも少しは善処されるのかと思って見ておりましたら、やはり昨年以上に受験者が減ってしまったと。もちろんそこには、いろいろな受ける側の思惑、受けてほしいと思う側の思惑、いろいろあったと思うのでございますが、なぜこのような事態を善処することが困難なのでございましょうか、大臣にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(園田直君) ただいま起こっておりまする国家試験の拒否、あるいはその他医療制度に対する批判の若い人たちの熾烈な運動が起こっておりますが、これは一つには、インターン制度に対する不満もありましょうが、もっと大きな観点から考えますると、思想上の、主義上の問題は別にいたしまして、医療技術といもうのが相当進歩をして、若い医師というものは、医術の社会的適用と申しまするか、理想の社会につながる医術の研修の制度を理想としておる。その理想と今日の教育環境がよほど隔たりがあるということに対する不満は、率直に所管大臣としてまじめに検討しなければならぬと考えております。したがいまして、インターン制度を廃止をして、卒業された方が医師としての仕上げのために研修をされる制度に切りかえて、ただいま医師法の一部改正をお願いしておるわけでありますが、この制度についてもいろいろ言われる中に、誤解もありまするが、また、非常に注意をしなければならぬ問題があると考えております。身分の統一であるとか、あるいは教育制度の環境であるとか、いろいろございまして、なお、登録制等の問題もございまするが、登録制については、これは誤解でございまして、これは誤解を避けるように、衆議院のほうで一部修正をされたわけでありますが、しかしながら、現実の問題としてそのようなことにならないように注意すると同時に、やはりここで飛躍的に、医療制度、特に研修生の教育環境を充実することが急務であると考えておりまするので、文部省とも相談をして、医師法の一部改正を契機にして一歩を踏み出して、教育環境の充実につとめたいと考えております。
○石本茂君 ただいまのおことばによりましてやや安心はいたしますけれども、先刻来申しておりますように、人間が生命を預ける人が医師でございます。で、この医師に対しまして、素朴な国民が何となしに心配でうっかり行けないんだと、どうもおかしいと、何だか知らないけどストライキのようなこともしておるというような気持ちを非常に強くみな持っておりますが、これは一日も早く、そういう不信感を回復するための手段を講じていただきたいことを私は心の底からお願いしたいと思うわけでございます。 次にお伺いしたいのは、非常に足りない、足りないと言われております、軒並みにできる医療機関で求めておりますところの、医師もさりながら、有資格の看護者でございます。これは非常に不足でございますが、この需給対策を一体昭和四十三年度予算におかれましてどのように検討され、措置され、実現されようとしておりますのか、お尋ねいたします。
○政府委員(若松栄一君) 看護婦の絶対数が非常に不足しておりまして、このために医療機関が平常の診療業務に事欠くというような事態が起こりましたことを、私どもまことに申しわけないと思っております。特にこの数年来非常に看護婦の養成の拡充に努力をしてまいりまして、最近では、一年に約一万五千名ずつ就業看護婦の実人員が増加するというところまでまいりまして、数年来数万名の不足という状態が、私どもの推定によりましても、おそらく二万名程度現在不足というところまでこぎつけました。ここ数年以内に、理論的にはおよそ医療法等の基準等に満足するだけの看護婦を獲得できるのではないかという予想をいたしております。しかし、なお医療の進歩とともに看護婦の需要それ自体も増加してまいりますと、さらに一そうこの養成計画を拡大し、長期的に需要をはかっていく努力をしてまいるつもりでございます。
○石本茂君 そこで、いま申されております有資格看護者の中には、准看護婦と申しまして、非常に年齢的にお若い人が大ぜいおるわけですが、労働省の御見解を聞きたいのでございますけれども、年少労働者であり、女子労働者であります場合に、医療の現場で働きます准看護婦等の中で十八歳に満たない者が非常に多いのでございますが、この者が深夜勤務を強制されております。この場合に、准看護婦という有資格条件、いわゆる身分が優先するのか、それとも人間としての基本条件でありますところの末成年者——十八歳に満たない年少者であるという労働条件のほうが優先するのでございましょうか。その辺の御見解を明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(村上茂利君) 私からお答えいたしますが、実はいま参りました関係上、質問を十分理解していない場合はお許しを賜わりたいと存じますが、先生の御質問の趣旨を私どもお聞きいたしますと、労働基準法の場で扱っておりますのは、年少者ということが、法のたてまえから見ましてこれは一番基本原則になるわけでございます。したがいまして、准看護婦でいわゆる年少者に該当するものにとりましての労働時間規制は、まず、年少者という立場からの規制が行なわれるわけでございます。いわば先生の、人間としての年少者という立場からの規制でございます。したがいまして、深夜業につきましては、看護婦の場合は認められておりますし、年少者であっても准看護婦の場合は認められておるのでございますが、しかし、労働時間そのものについては、御承知のように一日八時間という点については例外がございません。看護婦ですと九時間なんですが、年少者である准看護婦は八時間でございます。それは一日の時間でございますから、深夜業を認めるとしても、昼間働いてなおかつ深夜業に及ぶという状態は、准看護婦——年少者であります准看護婦については、たてまえとしては考えられないという形になっておるかと私ども考えておる次第でございます。
○石本茂君 そういたしますと、労働時間の問題は度外視しまして、交代制勤務の場合には、年少者であり女子労働者であっても、深夜勤務はしてよろしいというふうに理解してよろしいのでございましょうか。
○政府委員(村上茂利君) 理論的にはそうでございますが、ただいまも申し上げましたように、夜間勤務をいたします際に、その時間前後もう八時間を満たすような状態になりますと、昼間勤務はほとんどなし得ないということになろうかと思います。ただ、実体的に考えますと、准看護婦さんでございますから、その昼間の労働を一般の正規の労働として扱うか、あるいはその教育としての部分をどう扱うかといったようなことで、八時間というたてまえを具体的に割り振りする場合にどうなるかという問題はございますけれども、昼間正規の勤務をして、なおかつ夜間に及ぶというようなたてまえは、常態としては考えられないということでございます。
○石本茂君 そこで、厚生省にお伺いしたいんでございますが、いまの看護婦制度の中では、先ほど来申しております十八歳未満の有資格者がおりまして、しかも最も深夜手不足のときに病人の生命を守るわけでございますが、このことにつきまして、規則はどうありましょうとも、厚生行政のお立場でそれでよいというふうにお考えでございますかどうか、お伺いします。
○政府委員(若松栄一君) 若い准看護婦が深夜業務に従事するということは、肉体的に見ましても、あるいは精神的な面から見ましても、適切ではないと思います。しかし、現実には日本の現在の看護婦が絶対数で非常に不足しております上に、現在准看護婦、看護婦がようやくいま半数半数くらいになっております。したがって、夜勤を全部看護婦に負わせ、准看護婦を昼間勤務だけにつかせるということになりますと、逆に今度は看護婦の夜間勤務がきわめて過重されることになりますので、望ましい姿というものと、現にある実態というものを、ある程度調和してやっていかなければならないというのが現実でございます。
○石本茂君 それでは、好ましくない、しかしながらやむを得ない、そして法的にはよろしい、このようなことに対しまして、厚生当局とされまして、そういう医療業者に対して何らかの指示あるいは指導をされたことございますでしょうか、ほったらかしでございましょうか。
○政府委員(若松栄一君) この問題、直接に指示はしておりませんけれども、看護婦の業務の区分と准看護婦の業務の区分というものを明確にいたしまして、准看護婦は、本来看護婦の指示を受けて業務に従事すべき性質のものでございますので、それらの指導を通じまして准看護婦に過重な負担のないようにというふうに配慮いたしております。
○石本茂君 各地を歩いておりますと、ほんとうに寒心にたえないような実態がたくさんございますので、やはり折ありますならば、いま出ておりますような未成年の准看護婦に、たとえ資格が優先いたしますといたしましても、夜間一人勤務などのことがありませんように、ぜひこれは御指示くださることを要望したいのですが、それはいけませんでしょうか。
○政府委員(若松栄一君) 先ほども申しますように、現在の看護婦総体の需給状況から、急速に改善はなかなか困難であろうと思います。しかし、できるだけ看護婦というもののバランス、構成というものを改善してまいり、また、新しい看護婦にたよらずに経験のある看護婦も職場を離れないで、十分に業務を継続していくようなふうになってまいりますと、若い看護婦だけにたよる比率が減ってまいりますので、そのように准看護婦から看護婦への橋渡し、看護婦の比率の増大というような方向でこの問題の解決をしていきたいと考えております。
○石本茂君 そこで、これも昨年来たびたび質問をし、結論を出していただいた問題ですが、新生児の病院等におきます管理のことでございますが、その当時の坊厚生大臣は、そして現に医務局長さんは、このことに関連いたします規則の改正をすると、病人と同じように四名の新生児に対しまして一人の看護者を置くというふうにするとおっしゃったのでございますが、いまだにこの規則の改変がなされておらぬと思うのですが、これはいかなる理由でございましょうか。
○政府委員(若松栄一君) 新生児看護を充実する問題につきましては、さきの国会等でも、この問題を至急規則の改正によって善処すると申し上げております。したがって、予算におきましても、国立病院におきましては、本年度第一年度分として百十四名の増をはかっておりまして、これに合わせまして 国立病院以外の分につきましても同じような改善をはかるために規則の改正を検討しておりまして、現在、本年二月に全国の産科を持つ病院約二千八百を対象にいたしまして新生児の現実の管理の状態を調査をいたしました。なお、それらの調査の結果が現在まとまりつつありまして、そのまとまったデータをさらに新生児管理連合という専門団体の御意見等も聞いて医療法施行規則の改正を進めたいと考えておりまして、現在ほとんど準備が八割かたまでできておりますので、ごく近い将来に省令改正に踏み切りたいと存じます。
○石本茂君 たいへんにうれしく思います。というのは、当時質問をしておりましたときに、いまの状態では赤ん坊が盗まれますよと言いましたときに、局長さんは、あり得ないとおっしゃっていた矢先に赤ん坊が盗まれてしまったんですが、とにかくこの問題は非常に大きな人間の生きる権利にまで影響してきておりますので、しかも働きます者同士は非常な苦労と非常な努力の中で日夜わが身を粉にして働いておりまする現実は、知っててくださるとおりでございますので、できますことなら、ほんとうに今月中にでもこれは整備をしてほしいと思います。一日六十円の看護料では、いまの時点で人をふやせとおっしゃってくださいましても、とても医療機関経営者におきましてはできない相談でございますので、そのことも含めまして、どうか合理的な結論が出ますようにお願いします。 なお、あわせまして、この関連ですが、いま分べんをいたしますのに入院いたしますと、病院によると思うのでございますが、大体三万円以上五万円ぐらいの予算を計画しておきませんと子供の出生もできないということを若い世帯の御夫婦が盛んに訴えていらっしゃいます。できますものなら、健康保険はいけないと思いますが、国民健康保険等によりましてこの問題は整備できないでしょうか。入院料の問題を整備できないでしょうかという意見もございますが、これはどういうことでございましょうか、できるものでございましょうか。
○国務大臣(園田直君) 御指摘の出産、分べん及びその前後の問題で、ILO条約の百二号、百三号——三号は百三号に吸収されて百二号と百三号、その中で、日本の分べんの制度で、ILOの条項に合っていないのはいまの分べん費の問題だけでございます。したがいまして、この分べん費の問題は現金支給ではなくて、医療給付の対象になることが妥当ではないかという考えのもとに、次の保険の改正の場合には、検討を進めておるわけでございます。
○石本茂君 次に、その分べん、出産等の関連でございますけれども、この委員会でもあらゆる会議でいつも問題になっております心身障害児を含めた心身障害者の対策でございますが、ただいま重度心身障害児を入れております施設につきまして調べてみますと、ほとんど第一子、一番初めに生まれました子供がこの重症心身障害児あるいは心身障害者の部類に入っております。で、パーセンテージを見ますと、正確のものではございません。実態調査でございますが、約九〇%が第一子であるというこの現実につきまして一体どのように考えていらっしゃいますのか。きのう大臣は、母親の指導、教育に重点を置きたいとおっしゃいましたが、これはどのような時点において重点を置く施策をおとりになりますのか、お伺いします。
○政府委員(渥美節夫君) お答えいたします。 重症心身障害児の施設に入っておりまする子供が第一子が多いというお話でございますが、実は私どもまだそこまでの実態を把握してございません。したがいましてそのように第一子が圧倒的に多いということについてはまだ結論を得ていない、かように考えております。なおこういった子供たちは、重症心身障害児施設に入りまして、いろいろと治療あるいは保護を加えておるわけでございますが、昨年の八月一日から児童福祉法を改正いたしまして、一つの児童福祉施設といたしまして新しく登場したわけでございます。今後こういった施策は拡充をしてまいりたい、かように思っております。
○石本茂君 ただいま局長が、まだ調査しておりませんとおっしゃっておりますが、まあ私どもは琵琶湖学園でございますとか、島田療育園とか、あるいは秋津療育園のようなところへ参りまして、そこに入っている子供の実際についてこれは調べたものでございますので、私は信憑性があるものと考えておるわけです。 そこで現在の家庭の状況を見ますと、ほとんど核家族でございまして、若い夫婦二人の家族が非常に多うございます。そうなりますと、妊娠、分娩、育児の経過におきまして、その経験を語る者がその家族の中に、家庭にはいないというこの現実がございます。で、先ほど申しましたように、だれがそれではこの人方の妊娠、分娩、あるいは育児の経過において指導するのですかということに対しましてお答えがなされておりませんが、一体どこが、だれがそれを指導するようにするのか、その構想だけでもお聞きしたいと思います。
○政府委員(渥美節夫君) お答えいたします。 核家族化の進行によりまして、おとうさん、おかあさんが働きに出てまいりまして、子供がほったらかしになるというふうな傾向は非常に強いわけでございます。私どもの調査でも、そういった要保育児童といいますか、こういった児童はいま現在三十万人近くおると、こういうふうに考えております。したがいまして、こういった子供たちに対しましての保育所の整備計画というものをもちまして、現在年次計画の観点から保育所の整備を非常に強く進めておるところでございます。
○石本茂君 私の考えでございますが、そういう心身障害児がたくさん出生するということは、むしろ妊娠の経過だと思います。飲まぬでもよい害悪な薬を飲んでみたり、あるいはまた分娩時にも、こらえればよいのに鉗子分娩が簡単に行なわれてみたりというようなこの現実は、もちろん当局のお役人でいらっしゃいますから私以上に知っていてくださると思うのでございますが、私はこのような状態におきまして、いまこそ保健、公衆衛生の活動の中心的な役割りをしております助産婦、保健婦をなぜ国家が起用しないのか。保健所、あるいは国保の保健婦さんたちは、市町村役場に駐在いたしまして、一生懸命に足りない人数で多くの住民をかかえながらこのことに懸命の努力を重ねております。この人方にこの指導の、この教育のあり方をなぜまかせられないのでしょうか。お伺いいたします。
○政府委員(渥美節夫君) 御指摘のように、妊娠中から出産、それから子供につきましては新生児、乳幼児、こういった間におきまして、一貫をいたしまして妊産婦の健康管理、あるいは新生児、乳幼児の健康管理、こういったことは非常に重要なことであるということはお説のとおりでございまして、現在母子保健法によりまして、保健所を中心といたしまして、妊産婦の訪問指導、あるいは集団的、個別的の指導、それから新生児の訪問指導、あるいは三歳児検診、まあかようにいろいろとやっておるわけでございますが、特に本年度以降におきましては、地域におきましてそういった母子保健のためのチームワークをつくってみたり、いわゆる母子保健の推進委員制度、こういうものを確立して進めてまいりたい、こういうふうなことによりまして、一番大切な問題につきまして真剣に取り組んでいきたい、かように思っております。
○石本茂君 守っていきたい、よい対策を立てたいとおっしゃっておることはもう万々承知しておりますが、私はもう一歩突き進んだ具体性を聞きたいのです。 保健所、保健婦だけで、いまのような経緯で、いまのような実態ではたして訪問指導ができるでしょうか。あるいはまた国保にいたしましてもそうです。国民健康保険財政が非常に貧しくなっておりますために、いままで三人おりました保健婦が一人やめますと、そのまま補充はしておりません。おった者もいなくなっております。これではだれが一体その家庭訪問をし、個別指導をするのでしょうか。三歳児問題にしてもそのとおりです。保健所に行きなさい、そうしたら診断してあげましょう、それではだれが一体来れますか。来れる家族はわずかでございます。来れない人が多いのです。現在、来れないものをそのままに放置されております。むしろ知能のおくれた子供あるいは身体に障害のある子供ほど親はそこに連れていくことにものすごいちゅうちょをしております。なぜそれらの子供のために家庭に直接行ってその検診なり指導なりができないのでしょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(園田直君) ただいまどんどんふえております心身障害児、こういうものは母親の妊娠中あるいは分娩直後の早期に世話をやき、指導することによって相当減少するものと考えております。そこで、ただいま御審議願っております四十三年度の予算では、全国に母子保健の管理をする推進委員を配置をして、妊娠中の母親から分娩直後の子供さんまで指導して保健の管理をするということを考えておるわけでありまするが、なおまた、助産婦あるいは保健婦の方々の家庭訪問の指導ということは、御指摘のとおりきわめて重要でありまして、それによっていろいろな小児ガンにしましても、あるいは身体不自由児にしましても、早期に発見することができるし、またおかしいと思うことができるわけでありますが、一つは、今年度お願いしまする予算で、私が一番残念でございましたのは、保健婦の方々の処遇の改善ということを特別な名目で一二%考えておるのございますが、これができなかったわけでございます。なおまた助産婦の方々の家庭訪問の指導費というのが、ただいま御審議を願っております予算では、百五十円から百八十円に引き上げ方を考えておりますが、こういう点も非常に現在ある制度が十分に生かされてないという理由にもなっておると思いますので、この処遇の改善については十分配慮したいと考えております。
○石本茂君 まあ大臣のほうから先に御説明ございましたので、もう聞きませんが、どうかそうした指導育成のために、あるいは保健衛生の向上のためにがんばっております保健婦、助産婦等の処遇につきましても、どうか特段の配慮を実際に積極的に私は行なってほしいと思います。お題目だけではだれもその仕事ができないのでございますから、重ねてこのことを要望いたしたいと存じます。 次にお伺いいたしたいと思いますのはガンの予防対策でございますが、これも一般民間の中に入っていろいろな意見を聞きますと、ガン検診者がただで検診してもらえると思って行きましたら、たいへんな高額な検診料を取られた。一体国家はどういうふうな考え方の中でこのガン検診というもの、ガン予防対策というものをなさるのか。特に老人が多いものですから、元気で働いておりましたころは、健康保険その他で十分な診療も受けられたし、いろいろなこともできたのですが、もはやその対象外になってしまいました。そうしてどうも胃のぐあいが悪いので見もてらいに行ったら、これは検診料が必要ですよと。幾らですか、六百円ですと、千何百円ですと言われますと、しょぼしょぼ帰ってくると言っておられますが、このことの対策はどうお考えでございましょうか。お伺いいたします。
○政府委員(村中俊明君) ガン対策についての御質問でございますが、御承知のとおり、幾つかの柱を立てて現在ガン対策をやっておるわけでございます。その中の一つに、ガンの本体的な究明と研究の問題さらにガンの患者の早期治療、根治というふうなことで、医療機関の整備——もっと前進的な面では、ただいま御指摘ございましたガンの早期発見ということのための健康診断、現在私どもが昭和四十一年、二年と実施してまいりましたガンの健康診断につきましては、一応人件費、それから薬価その他経費を含めまして、大体五百円程度の計算をいたしまして、一人についてでございますが、これは胃ガンでございますが、この経費に対して三分の一が国で負担する。残りの三分の二は地方交付税等によって都道府県で処理する、こういう形をとっておりますが、実際問題といたしまして、大体かかる経費は一件九百円前後というふうに計算しております。したがいまして、こういう国費、地方団体の経費でまかないました残りが、ある市町村によっては市町村自身が一部負担する。ある県におきましてはそれをさらに一部負担することになりまして、結局五百円前後が、全く処理されない場合には自己負担という形になっておるわけでございます。この自己負担の解消という問題につきましては、私どもも現在いろいろ検討をいたしておりますけれども、病気の性格と申しますか、端的に申し上げますと、たとえば急性伝染病、あるいは結核というふうな、あるいは精神病患者というふうな、社会的な立場でこれを防衛的に措置をするというふうな性格のものにつきましては、一応現在の法体系の中でこういうふうな制度が出ているわけです。成人病、特にガンという疾病をそういうふうな社会防衛的な仕組みの中で処理するかどうかということについての検討は現在まだまさしく検討中でありまして、今後の推移を見ながらこの点を考えてまいりたい、こう考えております。
○石本茂君 多くの国民の皆さんがいつでも安心して、どこにでもこのガン対策のための診断を受けに行けるように仕向けていただきたいことをお願いいたします。 次は救急医療対策でございますが、あちこち動いておりまして救急指定病院に参りますと、交通事故がものすごくふえました関係上もございますが、毎晩毎晩何件も何件も飛び込んできて、この救急医療のためにさかれる経費は非常に膨大でございます。それに対して国家は一体どの程度の助成をしようとしていらっしゃるか、また、してこられたのか。もう救急指定病院は拒否したいという声がものすごく多く出ておることを聞くのでございますが。
○政府委員(若松栄一君) 救急医療が国民の間に非常に緊迫感を持ってきたことはお話のとおりでございますので、何とかこの救急医療の整備をはかりたいということで、特に一昨年来この施策に努力をいたしております。さしあたり私どもといたしましては第一線の救急医療はいわゆる救急医療告示機関と称します病院、診療所を設けておるわけでございます。これは全国約三千七百カ所がございます。しかし、これらの施設では小さな病院、診療所も相当多うございますので、大きな外傷であるとか、あるいは重度の損傷というようなものにはなかなか手が回りかねる面が多々ございますので、特に本年度からは救急医療センターというべきかなり高度の医療機関を整備するという方針をもちまして、さしあたり百十一カ所の病院を都道府県衛生当局と協議をしながら指定いたしまして、これを三年計画で整備をするという方針を立てております。そのために施設の整備に対する助成を行なうということをいたし、また昨年からは運輸省の自動車損害賠償責任再保険特別会計からの費用をいただきまして、機械等の整備費にも充てるということをいたし、昨年度からは救急医療機関に従事する医師の養成というものも始めておる状態でございます。
○石本茂君 そこで、さらにお伺いしたいのでございますが、これは国立病院、療養所、あるいは文部省経営の病院に関することになりますが、国家の医療機関に働きます看護労働者の労働条件につきまして、昭和四十年の五月の二十四日付だったと思うのでございますが、人事院総裁のほうから、これらの勤務者に対しましてかくあるべしという判定が出されております。たとえば夜間勤務は二人でするように、深夜勤務はできるだけ月間八日以内におさめてほしいというような判定が出されましたが、この判定はそういうことができる可能性において見きわめをおつけになって出されたものか、それともそうあったほうがよいんだと、できるかできないかは別にしても、あったほうがよいんだというのでお出しになりました判定書でございましょうか、お伺いいたします。
○政府委員(佐藤達夫君) お尋ねの御趣旨にたいへんごもっともに存じます。ただ私どもの立場として判定を出します場合においては、率直に申しますと、いまのお尋ねの中間と申し上げたらいいかと思います。全然できないことを空に、理想にのみ走って判定をお出しするといったようなことは、これはございません。といって、現実にはとてもいま急にはむずかしいから、それじゃこれはやめておこうというわけにもまいりません。先ほど中間と申しましたのはそういう意味で、あるいはすぐにはできないかもしれない、しかし努力をされればここ一、二年の間、あるいは三年の間には実施できるだろうというようなところで判定をお出ししておると申し上げてよろしいと思います。この間のいま御指摘の判定の場合においても、たとえば月八日というのはほんとうはいまの、先ほどもお話に出ていましたように、看護婦さんの需給情勢からいっていま急にというのは無理かもしれないけれども、やはり人道問題につながっておりますし、これはどうしても努力をしてそういうふうに持っていっていただきたい、そういう気持ちがこもっておるものだと申し上げてよいかと思います。
○石本茂君 非常に働きます者にとりましてはすばらしい判定でございまして、喜んでおるのでございますが、この点はいかがでしょうか。国立病院、療養所等におきまして、この判定に基づいてどの程度の改善が現実になされましたか、お尋ねいたします。
○政府委員(若松栄一君) 昭和四十年の人事院判定が数項目ございましたけれども、その中の特に夜勤の問題につきましては夜勤の日数を減らせということでございまして、これを現在のままの勤務形態で夜勤を減らすということは直ちに看護婦の増員につながるわけでございますので、先ほど来申しますような看護婦絶対数の著しい不足の中においてこれを全国一律、あるいは国立病院、療養所だけでもこれをやるということは相当数の看護婦の増員になるわけでございます。それを一方的にやりますと、また総体の需給関係というものにもすぐ響いてくるという性質のものでございます。しかし、できるだけこの趣旨に向かって努力しなければなりませんので、看護婦の絶対数の増員ということをまず努力をいたしておりますが、遺憾ながらこれを端的に解消するだけの人員増加を得られませんので、したがって、これを次善的な問題といたしまして看護単位をできるだけ整理し、合理的なものにしていくというたてまえから、看護単位が非常に不ぞろいでばらばらであるものをできるだけ集約的にやっていって、看護単位の数を減らして、そして夜勤者の数を減らすという方向で努力いたしました、また夜間の看護単位を、昼間の看護単位二つを合わせて夜間の看護の一単位にするというような方法でも夜間勤務の日数を減らすという努力をいたしました。また、一人の夜勤等の問題もございますので、夜間の勤務体制を改善し、これを環境をよくし、能率をあげるという意味で、国立病院療養所におきまして、この三カ年で約五千万円の費用を投じまして、勤務環境の改善をはかるという努力をしてまいったわけでございます。なお、産前産後の夜勤を一年間禁止するということでございますが、これはおおむね六カ月ということでございましたので、これも勤務の編成等によりまして、夜間勤務の少ない勤務場所にかえるというような措置を講じて、できるだけ夜間勤務の日数を減らす努力をしてまいった次第でございます。
○石本茂君 いまのおことばの中に、増員のことにつきましては、現下の諸情勢もあるので非常に困難であるというおことばもございましたが、はたして行政当局はこの看護従事者の増員方について、予算時期に大蔵省等に要求されたのでございましょうが、どうでしょうか。私どもが聞きますところでは、一生懸命に増員方について努力をし、大蔵省にも要求をしておるけれども、大蔵省がなかなか通してくれんのだというようなことを聞くのですが、これは一体どういうことでございましょうか、大蔵省のほうの御意見も聞きたいと思います。
○政府委員(村上孝太郎君) お答え申し上げます。 夜間勤務体制の改善問題につきましては、先ほど申し上げましたように、二つの問題があろうかと思います。一つは、物的設備を改善するという問題、これについては、四十一年度から四十三年度までに五千五百万円ばかりの金を投じまして、できるだけの努力をいたしたわけでございます。増員の関係につきましては、四十三年度予算におきまして、病院、療養所を通じまして、看護婦二百七十人の増員と、非常勤あるいは賃金看護婦百八名増員いたしております。これは先ほど申しました新生児関係とか、あるいは重症心身障害児の関係の施設整備のために充てられまして、遺憾ながら深夜勤務の整備のためには配分できないような状態にあるようでございます。ただわれわれといたしましては、人事院の判定書にもありますように、逐次これを整備していくと、こう書いてございまするし、現在病院、療養所を通じまして、約四百五十五人の欠員がおります。したがって、まずこの欠員を充足するということ、さらには職員配置の適正化をはかっていくということで、まず努力をしていただいて、そうして、なおかつ足りないということであれば、さらに増員ということも、現在公務員の増員抑制につきましては、財政硬直化の問題と一緒に大きな問題にはなっておりますけれども、こういう特に人間の生命に関するところにつきましては、今後検討してまいりたい、こういうふうに考えております。厚生省が非常に御熱心に要求をされたことは、私も裏書きをいたしますが、要するに問題はどういう経費からこれを手をつけていくかということで、来年度の増員につきましては心身障害児関係、あるいは筋ディストロフィーの関係ということに、まず増員がとられたという実情でございます。
○石本茂君 いろんな意味で御配慮をいただいておるのでございますが、人間が最もみじめで、最も不幸な状態に置かれているのは、言うまでもなく御病人でございます。で、この病人の生命を守るために国家が国立病院をつくって、しかも地域医療機関の中のモデルになるのだ、指導機関だという役割を言い切っております以上は、人事院がそういう判定を出されましたならば、もちろん徐々にではございまするけれども、なぜ一体増員が成り立たないのか。いま局長申されました四百五十人の欠員云々とおっしゃいましたが、いつでもいつでも年度の末にきてやめて、年度の初めに採用できるという状態ではございませんです。いつ何どきなま身の皆さん方でございますから、結婚をする人もおります、病気になった者もおります。中にはおまえは年をとったからやめろ、といって肩をたたかれてやめる者もおります。そのかわりは、どこにでもその辺にころがっているのではありません。全部有資格者でございますために、これをさがして、これを充足する間が、いつでも一カ月なり三カ月ございます。その期間は常に四百何十名あるいは五百名近い欠員が年百年じゅうぐるぐる回りにあるわけでございまして、ただ、事務的に解釈されますと、非常にこれはつらい問題でございますが、それを含めましての増員を、当局は一生懸命に要求をしていらっしゃると思うのでございますが、いかがなものでございましょう、この考え方。
○政府委員(村上孝太郎君) お答え申し上げます。 仰せのとおり人事管理上のある程度の欠員を利用するということは、必要かと思うのでございますが、先ほど私が申し上げました欠員数というのは約三%ぐらいに当るたわけでございますけれども、人事管理上ということでありますれば、一%から一・五%くらいのところでやれるのではないかとわれわれは判定をいたしたわけでございますが、何ぶん現在のように看護婦さんの絶対数が非常に不足いたしておるというときには、ある程度の考慮をいたさねばならぬかと思うのでございますけれども、その点を特に効率的に職員の採用及びその適正配置、特に病棟に従事するとか、こういうふうないろいろな手段を講じまして、来年のごとく全体の公務員の定数をとにかく削減しようというときに、特に看護婦の定数につきましては、先ほど申し上げましたように、三百七十八人の常勤、非常勤の増員をいたしておるわけでございますので、その最高のプライオリティというわけには、この関係の増員が入り得なかったということは、まことに残念でございますけれども、今後もよく検討いたしてまいりたいと存じます。
○石本茂君 そこで、この足りない看護者をなるべく職場から去らせない、やめていかないような方策の一つとして、盛んに叫んでおりますのは保育所問題でございます。先般も、夜間保育をめぐりまして厚生省当局が二十四時間保育というようなものは、そこに預ける子供のために好ましくないのだという御見解もございましたことに対しまして、そうではないのです、夜、夜中といえども、いつでも連れていって、いつでも連れて帰れるような保育所がほしいのですが、ということに対しまして、検討するというおことばを大臣当時言われたわけでございますが、この夜間保育ということは、厚生省当局のお立場もあると思うのですが、困難なのでございましょうか。もしこれが実現するならば、いま働いております有資格看護婦などはほとんど九〇%はいまの職場を去ることなく、仕事を続けたいと言っている事実がございます。お伺いいたします。
○政府委員(渥美節夫君) 夜間保育なりあるいは二十四時間保育という名で呼ばれております相当長時間の保育でございます。前国会におきましても、石本先生から御質問がございました。私ども従来からそういった、長時間保育、あるいは夜間保育におきまして、子供に与える心理的な影響でございますとか、あるいは情緒的影響でありますとか、あるいは子供の健康管理の問題、いろいろな問題があるということは申し上げたわけでございます。同時にまた、そういった長時間の保育をいたします場合に、その保育所の設備をどうしたらいいか、おそらくベッドなんかをつくらなくちゃいかんと思います。それからまた、そこで働きますところの保母さんの勤務をどうするかというふうな問題もいろいろございます。したがいまして、いろいろと研究はしておるわけでございます。しかしながら、いまお話のように、そういうふうな現実の要求があるということは、これは否定することはできないわけでございます。したがいまして、今週早々から中央児童福祉審議会の福祉施設に働く従事者の部会というのがございます。そういった部会におきまして、この長時間保育の問題につきまして、現在検討をしておるところでございます。この検討を待ちまして、私どもといたしましては、行政的に何をやるかということをきめさせていただきたい、かように思っておるところでございます。
○石本茂君 何とかよい方向づけをしていただきたいことをお願いします。 最後に一つ、人事院総裁にお聞きしてよいのか、厚生省御当局かもわかりませんが、現在国家公務員の給与表をめぐりまして、医療職(一)表、(二)表、(三)表というのがございますが、(三)表というのは、これは看護婦とか准看護婦のためにつくった給与表でございますが、助産婦とか保健婦という職種にある方のためにはこの医療職(三)表に準ずるものであるというようなことばがつけられておるだけでございまして、特にこの職種のための給与基準の設定がございません。で、考えますに医療職(一)表は医師だけでございます。これはよろしゅうございますが、(二)表の中を見ますと、薬剤師、レントゲン技師、栄養士、それから病理検査師というようにことこまかくその職種に入る人々のための名称も出ておりますし、それはどの辺からランクされていくのかということもちゃんときめてございますのに、なぜ保健婦と助産婦だけにつきましては医療職(三)表に準ずるというようなことになっておりますのか。なぜ新しくこの給与表が設定できませんのかお尋ねいたします。
○政府委員(佐藤達夫君) 給与表の問題はいまおあげになりました医療職の(二)などにもやはり、非常にたくさんの職種が混在しておりますけれども、さらに行政職の(一)などというのをごらんになりますと、表のおもてには何も出ておりませんけれども、実に多種多様な、ほんとうに技術をおやりになる方から事務の方まで全部含まれておるわけでございます。私どもはこれを精密に分ければ分けることももちろん不可能ではございませんけれども、それとは反対にやはり、表は一つでございましても、この表の中で、いまおことばにちょっとお触れになりましたように、たとえば(二)表でありますれば、薬剤師の方はここからこの辺まで、あるいはあんまのお方はここからここまでというふうにきめて、それでまかなってまいっておるわけでございます。いまお尋ねの、保健婦それから助産婦の方々についても、初任給はここからというようなことでは、やはり、同じように私どもの規則ではいたしておりますので、したがいまして、表を分けるかそのままにしておくかというようなことは、私は、第二義的な問題だろうと思います。むしろ、その実態をどういうふうにしてよく向上さしてあげることができるかというふうに実は主眼を置いているわけでございます。これにはまだ私どもの努力が足りませんために、いろいろ御不満もございますけれども、私どもとしてはできるだけそのほうに力を注いでまいりますということを申し上げておきたいと思います。
○石本茂君 お願いでございますが、職務の内容も違っておりますし、それから免許基準等もずいぶん違っておりますので、やはり、それはぜひとも一つの人格と認めていただきまして、助産婦、保健婦等の給与基準だけはもっとはっきりしたものをおつくりいただきたいことをお願いしたいと思うわけでございます。 以上をもちまして私の質問を終わります。
○委員長(西郷吉之助君) 以上をもちまして石本君の質疑は終了いたしました。 これにて一般質疑通告者の発言は全部終了いたしました。一般質疑は終了したものと認めます。 明十日から三日間は各分科会で御審議を願うことといたし、次回の委員会は公報をもってお知らせいたします。本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十三分散会