P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
58回国会参議院1968/04/08

予算委員会 第16号

発言数
282
登壇者
28
会派数
3
開催日
1968/04/08

会議録

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 予算委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  本日、占部秀男君、鈴木強君、小野明君、小山邦太郎君が辞任されまして、その補欠として、横川正市君、西村関一君、千葉千代世君、内藤誉三郎君が選任されました。     —————————————

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 次に、理事の辞任許可についておはかりいたします。  内田芳郎君から都合により理事を辞任したい旨の申し出がございましたが、これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  つきましては、直ちにその補欠互選を行ないたいと存じまするが、互選の方法は、委員長にその指名の御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないと認め、理事に内藤誉三郎君を指名いたします。     —————————————

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 昭和四十三年度一般会計予算、昭和四十三年度特別会計予算、昭和四十三年度政府関係機関予算。  以上三案を一括して議題といたします。  一般質疑を続行いたします。西村関一君。

西村関一日本社会党

○西村関一君 本日は、外務大臣と大蔵大臣に質疑をいたしたいと思います。外務大臣は海外出張中であられますので、椎名大臣が代行しておいでいただいておるわけであります。  私は、ベトナム和平の問題に関連いたしまして、政府の所信を伺いたいと存じます。去る三十一日のジョンソン大統領のベトナム和平に関する演説、これに呼応いたしまして、三日の深夜、ベトナム民主共和国政府の和平の話し合いに応ずるという柔軟な声明、さらに四日の夜、キング牧師が暗殺せられて、アメリカの社会はかなりの混乱を来たしたという情勢の中にありまして、私はベトナム戦争をめぐるところのジョンソン大統領とホー・チ・ミン大統領の両極に見る苦悩を越えた政治家の理性的決断、あるいは犠牲的決断というものに対して、いろいろ論議はございますけれども、敬意を払うにやぶさかなものではございません。  私は、そこで外務大臣にお伺いいたしたいのでございますが、このような情勢の中にありまして、政府はどのような方針をもってこのベトナム和平に対処をせられるお考えであるか。外交方針は変更する必要はないし、そういう考えもないと、こういうことを言っておられますけれども、この流動しているところの国際情勢の中にあって、アジア中心外交を常に唱道しておられまする政府として、このアジア、また世界の問題の焦点とも言うべきベトナムの和平をどのように促進するかということに対する日本の役割りは大きいと思うのでございます。こういう点につきまして、まず政府の御見解を承りたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) ハノイ声明につきましては、和平に対する誠意の披瀝であるとして、これを高く評価されております。今後の和平への動静は、しかし必ずしも容易なものではない、かように思われるのでありますが、とにかく双方が、とりあえず、接触をして意思の疎通をはかろうとすること自体に非常に大きな意義があると考えるわけであります。日本といたしまして、今後、この双方の接触が機縁となって、両方ともしんぼう強い話し合いが続けられて、そして逐次和平への目標に接近することを心から期待するものであります。

西村関一日本社会党

○西村関一君 いまの椎名さんの御答弁はきわめて抽象的でありまして、政府としてはどういう方途をもってベトナム和平に協力するかという点に対する具体的なお考え、たとえば予備交渉の開催地を、アメリカはジュネーブが適当であると言っているし、ハノイ政府はプノンペンが適当であると言っておるが、まだそれはきまっていない。インド政府もニューデリーその他において、もし要求されるならば、開催地を準備してもいいというような声明を出しておるのであります。日本としては、こういう点に対しては成り行きにまかせるというお考えなのであるか。また、新聞の伝えるところによるというと、わが勝間田社会党委員長に対して協力を求めてこられたということでございます。ハノイに行ってくれないか、そういうことの真意は一体どこにあるのか、そういう点をお伺いいたしたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 新聞で勝間田委員長のハノイ訪問云々の記事を読みましたが、これは政府としては関知しない問題でございます。その点はお断わり申し上げておきます。  さらに、いまの和平の方向に話し合いを進める、その場所についていろいろ当事国からの意見も発表されておりますが、これらの点に関し、もし日本がその場所を提供することが、この話し合いの進捗の上にプラスになるということであれば、もちろん喜んで日本としてはその場所を提供することの用意があることを申しあげておきます。

西村関一日本社会党

○西村関一君 いま政府としては、もし関係者の間において意見が合意するならば、日本は予備交渉の、あるいは和平交渉の場所を提供してもいいということでございますが、進んで積極的にこういう働きかけを両者にしていくというお考えはないかどうか。私が三年前にハノイを訪問いたしましたときに、ホー・チ・ミン大統領は、日本政府が招待するならば日本へ行ってもいいということを言明したのであります。これに対して、日本政府としてはいままでアメリカ一辺倒の外交方針をとっておられたかのごとくわれわれは見受けるのでございますが、この際、アジア中心の外交、アジアを主体とするところの外交を進めようとする日本政府として、もっと積極的な国際情勢に対処するという気がまえが必要ではないか。ただ成り行きにまかせるというのではなくて、積極的な姿勢が必要じゃないかと思うわけでございます。その点いかがでございましょうか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) このベトナムの紛争は、これはもうすでにフランスとの間の紛争、それから続いてアメリカがこれに介入しておりますが、もう二十年を経過しておる問題でございますので、その間にいろいろないきさつがあり、また関係国もいろいろこれに関係をしておる、そういういきさつがございます。そういういきさつを考慮に入れて、ただ当事国だけで話し合うということでは足りないのでございまして、いろいろな過去のいきさつというものも考え、それからまた、これに関係をした諸国の意向というものも無視できないと思うのであります。そういうようなことで、客観的にやはり無理なくきまっていくのが私は順序ではないかと思います。ただ、一、二の国の申し出によってそれが簡単に左右されるものではないような気がいたします。日本としてはアジアの一員として非常な大きな関心は持っておるけれども、さて、和平の場所を提供するという場合に、率先して、積極的に申し出るということは、これはなかなかまとまりそうもない。関係国の思惑というものも十分に考えて、そうして、これはとても問題にならぬというような場合もあるだろうと思います。また、みんな引っ込み思案で、どこも引き受けたくないという場合は、それならひとつ日本でよかったら喜んで提供するということもこれはありましょうが、これに対する非常な関心と熱意を持っておるからといって、その問題を率先して和平会談の場所を提供するというようなことを、いま日本が申し出ることがはたして適当であるかどうかということについては、よほど考慮すべき点があるような気がいたします。

西村関一日本社会党

○西村関一君 最近ベトナムの知識人グループが、去る一月の十日、南ベトナム民族解放戦線の独自性と実力を認めた形のベトナム問題政治解決案というものを発表いたしましたことは御存じのところだと思います。この案では、三木外務大臣が昨年十月六日の演説で述べられました相互保障方式に非常によく似た考え方が入っているのでございまして、日本をも含めた保障国が協定の国際的保障にあたることが想定されておるのであります。新たに保障国を加えて強化された国連の国際監視委員会、これはカナダ、ポーランド、インドという国が担当いたしておりますが、そういうトロイカ方式ではなくて、和平計画の実施を管理するにあたって、もっと強化されたところの国際監視委員会をつくるべきだ、その中には日本も入るべきだということをこのグループは言っておるのであります。ジュネーブ協定——一九五四年七月、ジュネーブ協定に十四カ国が参加しておりますけれども、それをさらに強化したところの形において、このような具体的な和平の方式を打ち出すという考え方が、すでに南ベトナムの知識人グループの中から出ておるのであります。そういう動きに対しまして、いま外務大臣が一、二の国の意見に支配されて日本がどうこうすべきでないということを言われましたけれども、しかし、さっきから申し上げておりますように、アジア中心外交の推進役を自認しているところの日本政府としては、この際もっと積極的な態度で、こういう動きを察知しながら、日本の果たすべき役割りを果たしていくべきときではないかと思うのでございます。こういう点につきまして、さらに御見解を承っておきたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 従来の監視委員会のいろいろな経験からいたしまして、もっと実体のある監視機構を設けるべきである、そしてそれには日本も入るべきであるという意見が出ておることも多少承知しております。しかし、ただいまの日本といたしましては、さような監視機構ができる際にも、アジアの一員といたしまして、アジアの和平のために非常な熱意を持っておる立場からいたしまして、それに加わって、そして平和、和平の目標にできるだけ早く近づく、目標に到達する、こういう意味において日本は積極的に熱意を持つべきであることはおっしゃるとおりで、当然であろうとわれわれもさように考えております。しかし、まだただいまの段階では、その保障機構、監視機構、そういうものを論議するにはかなり早過ぎると思いますので、かような席で、御質問がありましたから申し上げますが、そう具体的に成案を取りまとめておかなければならぬというものでもない。ただ、考え方としてはまことに同感でございます。

西村関一日本社会党

○西村関一君 三木外務大臣の言われます相互保障方式につきまして、政府は外務大臣の演説でありますから一応これを了承しておられると思うのでございますが、そういう方式で和平に臨むという点について、椎名さんも同意見でございますか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 同意見でございます。

西村関一日本社会党

○西村関一君 先ごろ、勝間田社会党委員長に対する要請については、政府は関知してない、聞くところによりますと、自由民主党の福田幹事長からの申し入れであったというふうに私ども承知しておりますけれども、こういう超党派外交への動き、こういうものに対して、われわれとしては意見がございますが、政府としてはどういうふうにお考えでございますか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 政府としては、かねてこの外交等に関しては、時に超党派的でなければいかぬ、こういうことをおりに触れて総理からも申し述べておるとおりでございまして、その点は全く同感でございます。

西村関一日本社会党

○西村関一君 不幸にして超党派外交が現在行なわれていないというのが実態でございます。その実態をつくらせているところの原因がどこにあるかということは、このわずかの予算委員会の質問の時間では私は述べることはできませんけれども、こういう動きが政府の側から強く出てきたということに対して、われわれは関心を持つとともに、問題の究明をはかっていかなければならない。やはり国際的な視野に立って日本の国の立場を推進するという点に対して、政府に協力するにやぶさかなものではございません。しかし、なぜこれが実現できないかということに対して、このたびのベトナムの和平の問題をめぐって、これは双方、政府も反省をしていただかなければならぬ点があると思うのでございます。アメリカに特使を派遣するという点につきましても同様な立場から政府の考え方をただしてまいりたいと思うのでございますけれども、アメリカへ行って何を言おうとなさるのであるか、アメリカに何を求めようとなさるのであるか、こういう点についても政府としてはまだ考えが煮詰まっていないというふうに承知しておりますが、そういう点に対するお考えなり見通しはどうでございますか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 私もこのいきさつについてあまり詳しく存じておりませんが、まあ、いずれにいたしましても、かなり複雑な幅のあるコースを今後たどるであろうということはこれは想像にかたくございません。そういう場合に、日本は日本の立場からいたしまして、当時者じゃございませんけれども、とにかくアジアの和平の問題がこれから大きく進展しようとしているわけでございます。いろいろな寄り道もあるだろうし、三歩進んで一歩退くというようないろいろな複雑なコースがあるだろうと思うわけでございます。そういう場合に処して、大体、当事国の一方であるアメリカが一体どういう考え方でいくつもりであるか、そういったようなことは、すでに当事国としてはいろいろ考えがあるだろうし、日本はそれをただ唯々諾々として追随するわけにいかぬ。日本は日本の立場からして、やはりその考え方に対して、また日本の考え方というものを述べ、適当なコースをたどるように仕向けていかなければならぬということはあるだろうと思います。まあ、そんなようなことで、とにかくかような大問題を前に控えて、どういう腹づもりでおるかというような問題について話し合うということは、これはもう当然あってしかるべきであろうと思うのであります。そんなようなぐあいで、政府としてもいずれはそういう問題について米当局と十分に話し合っていこうという考えを持つのは当然であります。その構想のもとに特使派遣ということが考えられておったものと私は承知しておるわけであります。ただ、しかし、具体的にいつだれを派遣するかというようなことはまだきまっておらない状況でございますので、そういう問題が当然話題として浮かんでくるということは、これはもうかねてわれわれとしても予期しておったところでございます。今日においてはその程度の考え方を一体どういうふうに具体的に運んでいくかというようなことで、ある程度の話し合いがあったことはこれは事実でございます。その程度でございます。

西村関一日本社会党

○西村関一君 ベトナム問題の根底には中国問題があるということが言われております。アメリカのドミノ理論、つまり共産主義の脅威に対してわれわれはこれを守らなければならないという考え方が、アメリカ政府を強く支配しているということは御存じのところでございます。今日また同時に北側の点から申しましても、アメリカ帝国主義の侵略、これはある意味において事実となってあらわれてきておりますけれども、この両極端がお互いに不信感を来たらしておる、これを全部払拭するということはできないにしても、これをお互いが話し合いによって縮めていく、狭めていく、制限していくということが必要ではないかと思うのでございます。私はハノイへ参りまして、ハノイが決して中国の言いなりになっていない、北京政府の言いなりになっていない。むしろ中国に対してはある不信感さえ持っておる。長年中国から侵略されてきた歴史を持っておるベトナムといたしましては、必ずしも中国にたよろうという考え方は持ってない。アメリカの考えているような、アメリカがベトナムから手を引くならば、中国が北から南へ、ラオスもカンボジアも、東南アジア全体に共産主義の脅威が押し及んでくるというようなことに対して、これは一種の杞憂であるということさえも考えられるのであります。そういう、いわば神話のようなものに立てこもってベトナム戦争を遂行してきたということに対して、そこに問題がある。私はこの米中の両者の間に立って日本が話し合いの調停役をするという役割りが、アジア中心外交を推進する日本政府として課せられておるところの、この時点における非常に大事な任務ではないかと思うのでございます。こういう点に対して、双方の、米中間の不信感を払拭する、なかなかたやすいことではございませんが、そういう見地に立って日本がこの問題の根っこを取り除いていくという努力をする必要があると思うのでございますが、外務大臣の言われるところの相互保障方式は、相互信頼の土台の上に立てられなければならぬと思うのでございます。この相互信頼の土台をつくるためには、日本がどちらにも片寄らない立場に立って調停の役をとる、そういう姿勢がこの際望ましいのではないかと思うのでございます。相互保障方式の根底にある相互信頼の土台を築き上げていくということが必要ではないかと思うのでございます。その点に対して外務大臣としての御見解を承っておきたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) まあ、だんだんこの世の中の情勢も変わってまいりまして、自由陣営と共産陣営はこれは相いれない両極の陣営であって、その間にもう何らの妥協を許さないというような考え方、これはもう私は御指摘のとおり今日においては神話化しておる問題だと思います。現にこのソ連の態度というものは非常に緩和された方向に向かっておりまして、今日においては同じ共産陣営ではあるけれども、そう警戒し、これを全く異質の存在というようなふうにどこも考えておらない。そういうようなことでございまして、だんだん情勢は進んでまいるのでありますから、これは一種の過去の考え方、現実の問題としてはやはりあくまで現実を直視いたしまして、そして自由陣営は共産主義というものの存在をもちろん是認し、共産主義は自由陣営の存立というものを是認し、そうして共存共栄でいけるという道を発見するということが、これが現実問題だと思います。そういう時代でございますから、日本がこの相互保障方式というものを認めて、そしてそれに一役買って出る、また出ざるを得ない、アジアの一国として、これはもう自分の利益のために一役買って出ようというのでありますから、そういうもはや神話化したような、そういう観念論にとらわれるということは私は間違いである、かように考えております。

西村関一日本社会党

○西村関一君 椎名さんが外務大臣時代の御答弁とはだいぶ変わってきたことを私は非常に敬意を表するものでございますが、いまのような、共産主義の脅威というものはもう過去の神話だというような御見解を持っておられるという点に対しまして、願わくはそういう考え方が今後の平和共存——共存ということを強調せられましたが、そういう外交の姿勢に立って日本がイニシアチブをとるということが望ましいということを重ねて希望申し上げておきたいと思います。  次にお尋ねいたしたい点は、日本の外交方針のいま一つの柱は、国連中心主義ということでございます。国連を強化する、国連を中心として外交を進めていくということが一つの大事な柱となっておるのでございます。そこで、日米安保条約の第一条には、「締約国は、他の平和愛好国と協同して、国際の平和及び安全を維持する国際連合の任務が一層効果的に遂行されるように国際連合を強化することに努力する。」ということが明記されてありますから、政府はこの国連の強化に向かって具体的にどういう努力をしてこられたか、どういう努力をしていくべきであるとお考えであるか、その点をお伺いいたします。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 国連の強化ということは、国連が今日非常に強化されておるかという問題から考えれば当然のことだと思います。世界の平和機構としては、とにもかくにもこれしかないのでございますから、いろいろ申し分は各国にございましても、これをやめてしまおうという国はいまやどこにもない。九割七、八分まで国連に入っておる。そしてその入った国々は、国連は非常に無力であって、役に立たないということは言いますけれども、では、これはやめてしまえということは言わない。結局、世界の平和機構としてはこれ以外にないのでありますから、あくまで世界の永久平和のためにこの国連というものをもり立てて、これを強化していこうということでもうみんな頭が一ぱいである。でありますから、当然、日本といたしましても国連の強化、こういうことに全面的に熱意を持って、これの一翼をになってまいるという決意でございます。  それからちょっとお断わり申し上げておきますが、もはや自由、共産の両陣営の対立というようなことは過去の神話であるという考え方に今日私が立っているということは、外務大臣時代とまるで意見が変わったというようなお話でございましたので、これは少し御認識を変えていただきたいと思う。私は、日ソ航空協定、それからその他の交渉に、あなたも御存じでしょうが、おととしの正月でしたか、どちらでしたか、かなりこれに対しては国内にいろいろな批判がございましたけれども、この批判を排してやるべきであるということでまいったわけでございまして、すでにもうすべての共産主義に対して全然影も考えなくてよろしいということまではまだ言っていない。ただ、共産主義であるから、自由陣営であるからといって、まるでかたき同士みたいに考えることは、これは現実的ではないということを申し上げたのでありまして、どうぞその点は御了承を願いたいと思います。

西村関一日本社会党

○西村関一君 よく了承いたします。ただ、あなたのいままでの外務大臣時代の体臭というか、あなたのニュアンスというものとはだいぶ変わってこられたという私の印象を率直に申し上げただけのことでございますから、その点御了解をいただきたいと思います。  いまの日米安保条約の第一条の問題と関連をいたしまして、第十条には「この条約は、日本区域における国際の平和及び安全の維持のため十分な定めをする国際連合の措置が効力を生じたと日本国政府及びアメリカ合衆国政府が認める時まで効力を有する。」、こうなっております。第一条と読み合わせますというと、第一条にうたっているような国連の強化をはかる措置をとることをしないならば、いつまででもこの条約は続き、効力を有するということになる。その反対に、急いで国連強化を進めるならば、安保条約の効力はそのとたんに直ちに消えてなくなる、こういうふうにもとれるのでございます。国連を強化するならば、もはや安保条約というものは必要はなくなってくる。現状のままでいつまでもほっておいたならば、もちろん十年という期限がありますけれども、第一条の立場からいいますと問題が残る。国連を強化するということが、日本が完全な独立の立場に立って安保条約を改定する、そういう立場に立つことができるのでございますが、こういう点に対して、ただ国連を強化するということは、だれもが考えることであって、論議のないところであるという抽象的な御答弁でございましたけれども、具体的にどう強化するか、また、その点に対して、アメリカ合衆国政府と話し合いをせられたことがあるかないか、その点もお伺いしておきたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 国連が世界唯一の平和機構であることは申し上げましたが、現実に国際紛争があった場合に、国連がこれを解決するだけの力があるかと言ったら、これはございません。ただ、そういう場合に一つの勧告はもちろんやっております。結局勧告の程度で、国連が独自の力によって国際紛争というものを、これを解決する、解消するというだけの力のないことは、これは言うまでもない。ただ、そういう場合に勧告をする、それからまた、紛争が再び起こらぬように、その原因をなくすることに非常な努力をしておる。結局、個人と国家と同じように、お互いに貧乏で、疾病に悩み、その他とにかく不満足な点があるので、それで個人の間でもけんかが起こる、国際間でもいろんな紛議が起こる、こういうことでございますから、すべてもう人類というものが平和で、そうして満足して生活するという、そういう状況をつくりだすということが、そういう国際紛争を未然に防止するゆえんであるというので、そういう方面には国連は非常な力をいま注いでおることは御承知のとおりでございます。  しかし、これとても十分じゃない。まあ両方で不十分でございますが、なかんずく、現実の国際紛争というものを、国連の力によって解決するということは、これはもうほとんどいまは望み得べくもない。しかし、ほって置けば、今度はいろいろなすきをねらわれて、そうして直接、間接の侵略を受けるというようなのが今日の実態でございますから、そこで日本といたしましても、独立はかちえたが、この独立をいつまで保持することができるか、ほとんど、かいもくどうも見当がつかぬというので、国連が今日の状況である限りにおいては、これは集団安全保障体制というものをつくるということは、これはもうやむを得ない。こういうことで日米安全保障条約というものができておるのでありますから、国連がほんとうに一切の国際間の実力行使による侵略というものに対して、絶対に保障するという時代がこなければ、この安保体制というものは解消するわけにいかないということをうたっておるわけでございまして、じゃあ日本が国連に加盟して、国連強化のためにどういうことをやっているのかと言えば、もう国連における活動のすべてが国連強化のための活動であるということを申し上げても私はよろしいかと思うのであります。  最近は、安保理事会の非常任理事国として二回ほどこれに参加いたしまして、そうしていろいろ国際紛争の現実の問題についても努力をいたしましたし、あるいはまた、その他の点においてもいろいろな作案を提供しておる。まあ結局、しかし、常任理事国という大国が実権を持っておりまして、そうしてここをこうすれば、もう少し国連というものが実力がつくと思っても、なかなか大国の了承を得られないというようなことで、肝心な安全保障理事会の姿をもっと合理化し、正常化するということが非常に困難であるというような現状にあるわけでございます。どこでどう努力したかということにつきまして、もし詳細な点を述べよということでございますれば、国連局長がおりますので、そのほうから答弁を……。

西村関一日本社会党

○西村関一君 個々の御答弁をいま必要といたしておりません。  この問題に関連いたしまして、アメリカ合衆国の上院、下院、両院議員によって組織されておりますところの法による世界平和委員会というのがあることは御存じだと思います。これは国連を進化、発展させて、世界法の秩序を確立しようという努力の結晶でございまして、そういう努力をこの委員会は続けているのでございます。私は、日本政府がこの国連の中においていろいろ活躍をしておられる、努力をしておられる点については、いま国連局の御説明を承るまでもなく、大体は承知しているつもりでございます。こういうアメリカの上院、下院の動きに対しまして、法による世界平和委員会、世界法の秩序を確立して、そのもとで国連の平和維持機構を確立していこう、こういう考え方に立っているのでございます。  アメリカの第九十議会におきましては、上院議員のクラーク氏、マック・ガバーン氏、モース氏等十一名が決議案を提出いたしまして、国連の平和維持機構を強化するために、加盟各国が待機要員をイヤマークしておこう、国連の平和維持部隊の急場の要請を満たし得るようにする一方、国連強化の長期計画としては、個々人が直接に国連に志願し得られるたてまえの常設平和維持部隊を創設するように合衆国政府に奨励し推進すべきである。北欧諸国がすでに実施しておりますような志願制度によるところの、ボランティアによるところの国連に志願するたてまえの常設平和維持部隊、戦闘部隊ではなくて平和維持部隊、そういうものをつくっておこうということを、合衆国政府にこの委員会は決議案を出しているのでございます。これは目下アメリカの上院、下院において委員会に付託されて、公聴会が行なわれているというところまでいっているのでございます。わが国におきましては、まだそこまでの論議がなされてないと思うのでございます。  ただ、昭和四十年の三月十八日に、故清瀬一郎衆議院議員が、国際連合の平和維持強化に関する質問主意書というものを当時の船田中衆議院議長に提出をしておられます。この際、政府は、ベトナムの事態に対応する国連警察隊を早急に組織して、これをすみやかに現地に出動せしめるよう努力すべきであると質問したのに対して、佐藤総理はその答弁書におきまして、わが国を含む三十三カ国よりなる国連平和維持特別委員会が設けられたので、同委員会の審議を通じ、真に有効な平和維持体制を確立するために、種々問題点を解明し、努力したい所存である。こうこの質問主意書に対して答えておられるのでございます。努力をしたい所存であると言っておられるのですが、その後の成果はどうなっているか、お伺いいたしたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 平和維持のための国連軍創設の問題をめぐって清瀬氏から意見書が出まして、総理がこれに答弁をしておることは、御指摘のとおりでありますが、その後の経過につきまして、政府委員から。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) ただいま御質問の清瀬議員の御質問に対する政府答弁、その後の状況はどうかという御質問だと思いますが、御承知のとおり、清瀬議員の質問は、ベトナム問題に関連して、日本の国連協力というものをもっと積極的に推進できないかということが、一言で言いますと内容だと思いますが、その後のベトナム問題の成り行き、ことに国連との関係については、御承知のとおり、この問題を国連で取り上げるということは、数回にわたって試みがなされたのでございますが、残念ながら、いまのところ、正面から国連がこの問題を取り上げて解決しておるという形にはなっていないのでございます。日本も、ちょうど安保理事会の非常任理事国でありましたときに、ちょうどその安保理事国の議長だったときでございますが、このベトナム問題が正式に安保理の議題にのりまして、これをこの安保理のワク内で何らかのこれに寄与する解決ができないかというので、非常に努力いたしたんでありますが、しかし、結局大国間の合意が得られず、結局、当時の議長たる日本代表の議長書簡の発出ということで事をおさめました。現実には安保理事会の議論が行なわれずに済んだ。しかも、それがいままで国連におけるベトナム問題が正式に論議されたほとんど唯一のケースである。そういう状態でいままで来ておるわけでございます。  それから、清瀬先生の研究されました、単にベトナムだけではなくって、国連の平和活動に対する一般的な日本の寄与を強化しろという面におきましては、これは御承知のとおり、国連における平和活動委員会の日本はメンバーになっております。しかし、これは具体的に日本が何をいたしますかということになりますと、憲法の関係、あるいはそのときどきの紛争と、それから国連憲章との関係、そういうことで、御承知のとおり日本は特殊の地位にございますが、しかし、できるだけのことはやっていきたいということで、その時期時期において研究しておる次第でございます。

西村関一日本社会党

○西村関一君 この問題につきましては、私も意見を申し述べたいのでございますけれども、私の与えられました時間がもうわずかしかございませんから、またの機会に譲りたいと思いますが、政府がこの問題に対して、さらに具体的に努力をするという、しておるということだけで、一応この質問を打ち切りたいと思います。  最後にもう一点お伺いをいたしたいと思いますが、ベトナム和平に伴いまして、その終戦処理の問題として、広大な、インドシナ半島のみならず、東南アジア全体の、戦争によって受けた痛手をどのようにいやしていくか、また、どのように開発していくかということが、残された大きな問題であると思うのでございます。かつてジョンソン大統領は、十億ドルを出してメコンの開発計画をやろうということを提案いたしましたが、これはただ、一方に十億ドルの札束をちらつかせながら、一方においては北爆を強化する、こういうやり方でありましたために、これはベトナムの人たちからも、東南アジアの人たちからも非常な不評を買ったのでありました。しかし、今度のジョンソン演説の中では、そのこともまた触れているのであります。私は、こういう東南アジアの開発に対して、これは南北の問題、開発途上国に対する日本の協力の問題という点と関連をいたしまして、ベトナム戦争が、今後いろいろ紆余曲折を経るであろうと思いますが、とにもかくにも、和平への道をたどるという場合において、いまから日本の果たすべき、その方面の建設計画に対して果たすべき役割りが大きいと思うのでございます。そういう点につきまして、椎名国務大臣としても、また、これには当然予算的な措置が伴うことでございますから、大蔵大臣としても、何らかのこれに対するお考えをお持ちだろうと思います。そういう点に対して御質問申し上げたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) アジアの先進国として、アジアの開発援助は、日本の今後の義務であると私どもは考えておりますが、問題は、いままでのような、ベトナム戦争というような不安な、不確定な要素の上にアジアの経済協力の計画というものを立てるということは、そういうはっきりした計画を持つということが実は不可能でございまして、今回のようなことによって和平が成立するならば、初めてアジアの今後の、特にベトナムを中心とする復興開発の問題を日本がどうするか、そのほかのアジアの諸国に対する開発の援助をどうするか、従来やってきたことと、今後特にこの地域に対して日本が力に応じてやるべきことは何かというほんとうの計画は、これから初めて立つということでございますので、私どもとしましては、戦争の上に立つ計画じゃなくて、これからの計画が初めて、さらに力の入った計画になるだろうというふうに考えておりますので、私は、日本の力の範囲内において、今後の復興需要というようなものに対しては、日本は十分の協力をしたいというふうに考えております。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) 大蔵大臣から大綱について答弁がございましたが、全く同感でございます。従来はアジア開発のための金融機関の設置、あるいはまた東南アジア開発閣僚会議、これに引き続いて農業問題あるいは水産の問題、いろいろ戦争とは直接関連のない問題で、非常におくれておるアジア、なかんずく東南アジアの開発という点に、日本といたしましてもできるだけの力を注いでまいったわけでございますが、今度は、戦争によって荒廃した状況を、これを復興するという問題がこれにまた加わるのでありまして、大蔵大臣の言われたように、実力の範囲内で、できるだけの力をこの方面に尽くすということは、当然のこれは日本の職責であろうと考えております。

西村関一日本社会党

○西村関一君 いま両大臣から大体のお考えについて伺ったんでございますが、私は最後に、いままでの日本の経済開発、技術援助のやり方につきましては、必ずしも根本的な方針に基づいて東南アジアの諸国においてなされてきたとは思わない。いろいろな政治的な配慮や、いろいろな部分的な要求を満たしていくというだけのものである。もっと東南アジア全体に対して確固たる方針のもとに進めていく、また長期的な展望のもとに進めていくということが大事だと思うのでございます。ただ一年限りとかあるいは数年限りとかいうような短期の計画で、あとはどうなっても、その国にまかしていくというのでなしに、もう少し、もちろん自主開発ということが中心でありますけれども、同時に、もっと長期な展望に立って、特にこれだけの大きな戦争のあとでございますから、そういう点についての開発計画に対して、日本がただアメリカの考え方によってやるんじゃなくて、日本独自の立場に立ってアジアの、東南アジアの開発に協力する。しかも、これは、先ほどお話のございましたように、イデオロギーをこえて、社会主義の陣営の側に対しても、自由主義の陣営の側に対しても、そういうイデオロギーの対立をこえた協力が必要であると思うのでございます。その点に対して、最後に椎名大臣の見解を承って、私の質問を終わりたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣・外務大臣臨時代理

○国務大臣(椎名悦三郎君) おっしゃるとおりだと思います。これで東南アジアの開発問題を考える上においても、ちょうどまん中で大戦争をやっている、これが終息いたしまして、戦後の復興から始まって、そうして将来の開発というものを基本的に、長期的に考えるということになると、従来よりも非常に考えやすい。そのかわり、金はずいぶん要ると思います。これはあるところから引っぱり出す、日本はできるだけやりますけれども、相当に基本的、長期的に計画を立てて、従来よりもっと深く思いをいたして、そうして東南アジアの復興計画というものを進めていかなければならぬと思っております。日本といたしましても、東南アジアの基本的なこういう復興によって、日本みずからがまた資するところも非常に大きいので、そういう方面に大いに努力してまいりたいと存じます。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 以上をもちまして、西村君の質疑は終了いたしました。     —————————————

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 次に、小平芳平君。

小平芳平公明党

○小平芳平君 私は、初めに経済問題についてお尋ねをいたしますが、私がおもに質問いたしますことは、住宅、社会保障等でありますので、経済関係についても国民大衆の生活に特にこういう影響がある、こういう関係があるというような点について結論的にお述べ願えれば幸いだと思います。  初めに、宮澤長官から、経済社会発展計画は、去年は盛んにこのことについて言われましたが、ことしはだいぶ統計の上で数字も食い違ってきてもおりますが、また、政府としても積極的にこれをおっしゃらないようですが、これは練り直すおつもりなのか、続けていくおつもりなのか、いかがですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまの経済社会発展計画は、従来の幾たびかの長期計画の経験にかんがみまして、数字よりは政策の考え方、見方を表に打ち出そう、そうして数字は、バック・データとして研究の成果を添えていこう、こういう考え方に立ってでき上がったものでございます。したがって、昭和四十年代の日本経済がどのようにあることが望ましいかという考え方そのものはただいまのところ、あすこに盛られておるいろいろな考え方、物価の安定とか経済の効率化であるとか、あるいは国際化であるとか、都市化の傾向であるとか、そうしてそれにどう対処すべきか、そのこと自身は私はいま改める必要はない、これはおそらく今後も改める必要がない問題意識だと考えているわけでございます。しかし、他方で四十年代には三十年代のような高い成長というものはない。主として民間企業設備投資の伸びについて言っていることでございますが、そういうことはないという想定に立って全体の計算などができておるように思います。たまたま昨年度は、しかしそれを裏切って、非常に大きな企業設備投資がございました。このことが、今後も同様でかりにあるといたしますならば、少なくとも、バックデータに使ったいろいろな計算というものは、これはたいへん違ってくることになると思います。またあるいは、幸いにしてか、不幸にしてか、どちらかでございますが、それは昨年度だけであって、四十三年度は、当初考えたように、それほどの設備投資の盛り上がりはなかったということになりますれば、これは数年間平均してどういうことになりますか、必ずしもすぐわかりませんので、そうであるとすれば、計算のほうもたいした間違いがないのかもしれない。それをきめますのは、結局、そうでございますから、四十三年度にどのような設備投資の動きがあるかということによりまして、もしここでもう一ぺん非常に大きなものがあるといたしますと、全体の計算はくずれることになりますので、そうなれば、少なくともバックデータは、これは改めなければいかぬ。それはこの四十三年度一年の帰趨を待って判断をしたらいいのではないか、こう思っておるわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 企業設備投資の問題は、いま長官が御説明になったことで、四十三年度を見てからということもうなずけますけれども、消費者物価の場合は、すでに四十二年度四・五%、四十三年度は、政府でも四・八%、銀行筋では五・数%、こういうように、もう四十二年から四十三年は全然その経済発展計画の三%に近づいていこうというような趨勢になっていない。しかも、公共料金が四月ずっと上がってくる。これでは、経済社会発展というこの目標がまるきり変わってきてしまっているんじゃないか。この点はいかがでしょう。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 消費者物価安定の対策は、もう御承知のとおり、相当長期にわたって行なわなければならないものでございます。基本的にはやはり生産性の低い部門の構造改善をどうしていくかという問題につながりますので、相当長い期間をかけて対策を講じていかなければならないと思います。で、長期計画が申しております三%というのは、このような計画が——過去にもやってまいりましたつもりですが、これから何年か積み重なっていって、そうして目標年次には三%台にしていきたいということを言っております。また、それに伴う施策を示しておるわけでございます。ですから、最初の一、二年、いきなり三%になるという想定は、あの計画でも立っておりません。四十二年度ともかく四・五%の中にとまったということを私ども長期的にどんな評価をしておりまするかと申しますと、三十年代の後半には六%台という消費者物価の上昇があった年が多いわけでございます。それが四%台になってきたという程度の実は評価を与えております。それも決して満足ではないのでございます。それで、長期政策を積み重ねていって、四十六年ごろには三%台に持っていけるのではないか、こういう考え方をしておりますので、ただいまのところ、四・二とか、四・五とか、あるいは四・八とか、決して満足ではございませんが、そういう結果が出ておっても、だからといって四十六年度三%台は困難であるというふうには断じられないし、またそれができるような施策の積み重ねをこれからも続けていく、こういう考え方でございますので、その点についてそう私ども悲観的な見方を実はしておらないわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それでは、四十二年度に比べて四十三年度のほうが消費者物価が安定するだろうと、こう考えられる要素はございますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 年度内における上昇部分については、私はそういう期待を持ってもそんなに間違いではないのではないかと——例のいつも御議論になりますげたの問題になりますと別でございますけれども、年度内の上昇分については、いわゆる財政の体質改善といったようなものが長期的にはこれは消費者物価の安定に寄与することは確かだと思いますので、年度内における上昇許容部分については、四十三年度は四十二年度に比べて小さい、安定化すると考えてもいいのじゃないかと思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 四十三年度は四十二年より小さいですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆるげたと称せられておりまする部分を除きまして、単年度の間における消費者物価の上昇の要素は、四十三年度そう大きいというふうには考えなくていいのじゃないかと、こういうことでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 この見通しで、四十二年度四・五%、四十三年度は四・八%にとどめたいと言っているわけでしょう。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) さようでございます。それで、その四・八の中で、せんだっても田中委員その他の方からお尋ねがございましたように、三・四ぐらいのものはすでに食われておるので、年度内の上昇を、それを引きましたものに見ておりますと、こう申し上げておるのでございますが、その部分は、かなり押えた部分といいますか、相当小さいわけでございます。そういうことは期待できるのではないかというふうに考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 はたして期待できるかどうか、まあ実際に計画経済でないからむずかしい面はあると思いますが、結局この新しくドル不安、またベトナム戦争の平和への動き、また米国内の黒人問題、こういうような問題が国際収支の赤字に関係して、結局四十三という年は、物価は上がる、しかし不況になる、こういうように多く言われておりますが、この点については宮澤長官と大蔵大臣からいかがでしょう。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまの目まぐるしい国際環境が国内の消費者物価にどのような影響を与えるかということは、むろん関連はあるわけでございますけれども、相当長期の、またこう必ずしも直接的でないものでございますから、ちょっとにわかに何とも判断がいたしかねるわけでございます。まあしいて申せば、たとえば船賃——フレートか弱くなるであろう、あるいは第一次産品の需給がさらに安定するであろうと、そういう要素——麦などについてもそういうことが言えるかと思いますが、そういたしますと、それらのものの輸入価格はまず安定するであろうというふうに考えてよろしいのかと思います。  国際収支につきましてこの国際環境がどのように影響するかという点については、過日当委員会でお答えを申し上げたわけでございますが、私どもとしては、大まかに言って、戦争が幸いにして終わるということであれば、これはわが国の国際収支にはマイナスの要因ではなくて、やはりプラスの要因が強い、こう考えていいのではないかと思っております。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) ちょっと私への質問でないと思って聞き漏らしておりまして……。

小平芳平公明党

○小平芳平君 ドル不安とか、ベトナム戦争の平和への方向とか、米国内の情勢とか、そのほかに第一、金価格が引き上げられるでしょうかどうでしょうか、あるいはそういうふうになった場合に日本の国の経済にどう影響するか、そういう点についていかがでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 金価格は、家庭用の金価格は引き上げられない。それから、金の自由市場ができるのでございますから、そこで自由価格が形成されるということで、すでにそういう方向へ発足しておりますが、ロンドン市場そのほかの市場の様子を見ますというと、そう当初心配されたような暴騰はなくて、金の価格はいま落ちついているというようなことでございますので、この問題から世界の経済に大きい影響を与えるというような問題はいまのところないだろうと考えております。  それからベトナムの終戦ということは、いま企画庁長官も申されましたように、終局的には国際通貨体制をこれは非常に安定させることでございますので、決して日本にとっても不利なことではない、円にとってもこれは安定することであって、この戦争の終結ということは日本経済に大きいプラスだというふうに考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 さしあたって金価格をすぐは、きょうあす引き上げるということはないかもしれませんが、永久に二重価格でいくでしょうか、これはいかがでしょう。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) アメリカの会議——金プール国の会議があって、いろいろのことをきめましたが、これは他の国の別に了承を得ているというわけではございませんで、そこで先般ストックホルムで開かれた十カ国蔵相会議にこの問題か出されて、フランスはああいうことになりましたが、他の諸国はこれを確認して、金の値段は変えないということに全部が合意した以上は、私は、この国際協力というものは相当強いものでございますから、金の価格が変わるという事態は当分はもうあり得ないというふうに考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 その問題は私の質問の主眼でありませんから、要するに、四十三年に約束できることは、景気がよくなるということはない、物価も特に安定に向かうということはまずない、こういうことですね。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 国内景気があまりよくなってもらいましては、どうしても輸出目標の達成が困難になろうかと思いますので、やはり国際環境が御指摘のようにいろいろな不安定要因がございますから、やはり景気は引き締め基調で運営していかざるを得ない、こう考えております。  物価につきましては、先ほど申し上げたようなことでございますが、米の問題が一つ大きな問題として残っておりまして、これを適正に処理することができれば、私は年度間としてはかなり小さな上昇で食いとめられるというふうに考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 非常にそういう、お先まっ暗なといいますか、行き当たりばったりといいますか、そういう経済計画には、われわれとして納得できかねるわけですが、そこで私は次の問題を質問しますが、住宅について質問いたします。  住宅難の解消、一世帯一住宅ということを言ってこられましたが、国民の実感としては全然住宅難は解消しておらないとこう思いますが、いかがでしょう。

保利茂自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(保利茂君) お答えいたします。  現在の状態で住宅難は解消いたしておるとは思っておらないのであります。そこで、当面四十一年度からの五カ年計画——一世帯一住宅を目標とするこの計画だけは何としてもやり遂げたい、こういうことでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それでは、その五カ年計画の進捗率といいましょうか、三年間を合計したものを御報告してください。

保利茂自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(保利茂君) 全体を合わせますと、小平委員御承知のように、五カ年計画で六百七十万戸、うち民間に期待するもの四百万戸、公的施策住宅を二百七十万戸と予定をいたしております。その進捗状況は、民間に期待するほうの民間住宅のほうが幾らか進み方は強うございます。四十三年度、ちょうど今年度が五カ年計画の中間でございますが、五〇%をこえる進捗率を実現できるものでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 三年で五〇%ですから、残りの五〇%は二年でできるという計画でしょうか。

保利茂自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(保利茂君) 残りが五〇%弱でございますが、この種長期計画の達成の従来のあり方からいたしましても、後年度にウエートがかかってくるということは、どの計画でもそうでございます。この住宅のほうは、政府といたしましても、超重点の施策として扱っておりますので、ぜひとも達成をいたしたいという願望も持ち、また達成できるものと確信をいたしております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それが達成できたからといって一世帯一住宅になるかどうか——実際ならぬと思うんですね。また、民間に期待するといいましても、この点はあとで触れたいと思いますが、民間のほうはあとにしまして、初めに政府施策住宅、この政府施策住宅を求める場合に、都営住宅、県営住宅、市営住宅ですね、いわゆる公営住宅、この公営住宅ならば家賃が比較的安いので入りやすいんですが、そのほかの住宅では、公団は高い。これもあとで触れたいと思いますが、それからまた民間の借家はもっと高い。ですから、公営住宅がどんどんできないことには——まず政府の施策としては第一に公営住宅を進めるべきだと、こういうふうに考えるわけです。ところが、建設省から——いまおっしゃってくださらないのですが、私のいただいた資料では、公営住宅の伸びは一番悪いんですね。公営住宅がまるっきり五〇%しかできていない。そのほかの公務員宿舎とか、そういうような項目は六〇%台——六七・五%というように進んでいるけれども、どうして政府は公営に力を入れないのかですね。

保利茂自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(保利茂君) 公営に力を入れてないわけじゃございません。しかし、御案内のように、公営住宅は大体地方公共団体がこれを実施いたしております。したがって、政府といたしましては、この公営住宅の建設に対してできる限りの助成措置をとって、おそらく問題になっております住宅敷地、用地の補助等につきましても、ほかに類例を持たない助成措置を講じております。このことの当否はまた別といたしまして、そういうことでございますから、とにかく現在の状況からは、大体の住宅事情はそうなっておりますから、公営住宅をおろそかに扱っているということではございませんので、おのずから地方公共団体の消化率もあるわけなんでございますから、それをにらみ合わせて公共団体で公営住宅を消化し得る限りこれを実現していきたい。しかし、ほうっておいてはいかぬわけですから、できる限りの助成措置を講じて、しかも公共団体で消化し得る限界までは持っていきたいということをねらいといたしております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それは建設大臣おかしいじゃないですか。地方公共団体が消化し得る限界と言われますけれども、じゃ四十三年度予算は、公営を幾ら要求して、大蔵省に削られて幾らになったか、いかがでしょう。

保利茂自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(保利茂君) 四十三年度の公営住宅の建設戸数は八万八千戸となっております。予算要求の当初におきましては——一万戸ぐらい減っておるのじゃないか、九万八千戸ぐらい要求したのじゃないかと思っております。しかし、四十九万六千五百戸の中の割合からいたしますと、必ずしも公営住宅のほうだけを削減しておるわけじゃございませんので、この削減率のほうもそのほかとにらみ合わして削減をいたしておるわけでございます。公営住宅だけ低く査定を受けておるというわけじゃございません。それは財政当局も公営住宅に対しては重点を置いて査定をいたしておることと私は理解いたしております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 公営と改良で減らされたほうは一一・八%、それからその他公務員住宅等で減らされたのが二・六%、この数字は合っていますか、いかがですか。

三宅俊治建設省住宅局調査官

○説明員(三宅俊治君) お答えいたします。合っております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 合っておりますと言ったわけでしょう。それじゃ、どうして大蔵省は減らしたわけですか。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○政府委員(村上孝太郎君) お答え申し上げます。  公営住宅の中で、いまおっしゃいました改良住宅と二つに分かれておるわけでございますけれども、公営住宅のほうは、われわれも非常に力を注いでいまして、進捗率も非常に高いわけでございます。改良住宅のほうはややおくれておるようでございますけれども、これはいままでのごみごみしておるいわゆるスラム・クリアランスの上に建てるわけでございます。従来、非常に不良住宅のありますところを整理する仕事もおくれておるわけでございます。その関係で、進捗率も従来非常に低いわけですけれども、われわれも、この予算の伸びについては、その実効のないということも考えてある程度の査定をいたしておりますので、その関係で公営、改良を足しますとやや不満足な進捗率になっておりますけれども、実行可能な公営住宅については、五六・二というふうな、平均進捗率に比べますれば相当にわれわれとしては奮発した予算の組み方をいたしておるわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それでは、この公営と改良と分けてどれだけ進捗したかということを四十三年前の合計を発表してください。

三宅俊治建設省住宅局調査官

○説明員(三宅俊治君) 公営住宅につきまして申し上げますと、公営住宅のみで進捗率は四十三年度の計画が達成されるとして約五五%になるわけでございます。公営、改良一緒にいたしますと四九・三%になるわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 そういうふうに説明をしますけれども、実際問題、それじゃまあ、たとえば都営住宅にしましてもたいへんな倍率でしょう。これはいつ解消できますか。

保利茂自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(保利茂君) 公営住宅のみならず、東京周辺におきましては倍率は依然として非常に高い。結局しますところ、住宅難を反映をいたしておるわけでございますから、住宅難の解消というか、ともかくこの住宅の不足感、欠乏感というものから抜け出さない限りにおきましては、これはなかなかこの倍率が切れるということはないと思うわけでございます。したがって、この五カ年計画を一応の策定といたしております。それですべてが解決するわけじゃございませんけれども、この五カ年計画の達成の暁にはおおむね緩和できるのじゃないか、第一段階といたしましてはそういうふうに考えておるわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 四十一年の五カ年計画が始まって以来でもけっこうですから、都営住宅の応募倍率を発表してください。

三宅俊治建設省住宅局調査官

○説明員(三宅俊治君) 四十二年度の建設の東京都営の住宅の倍率を申し上げますと、第一種住宅で平均倍率四四・五倍、第二種都営住宅で平均倍率が一八・七倍となっております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 したがいまして、十八人に一人、あるいは十八世帯に一世帯、四十四世帯に一世帯しか、この都営住宅を特に希望しておりながら、入れないわけでしょう。これが少なくとも、だんだんこの倍率が下がってきて、前は百倍だったのが四十四に下がったとか、五十倍だったのが十八に下がったとかいうのならば、まだ住宅難解消の政府の努力というものが幾らか納得できるわけですが、下がるどころか上がってきているのじゃないですか、いかがでしょう。

三宅俊治建設省住宅局調査官

○説明員(三宅俊治君) 場所によりまして違いますけれども、平均いたしますと大体倍率は横ばいでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 横ばいということは、住宅難解消に近づいていないことでしょう。大臣、どうでしょうか。こうしたものを——住宅難というものが一番切実な問題ですよね。これだけの人が住宅に困っているという事実、これに対する政府の努力、いかがでしょう。

保利茂自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(保利茂君) 特に住宅難の深刻な東京、ここには重点を置いてやっておるわけでございまして、昨年の公営住宅の建設戸数にしましても、東京都の非常な努力によりまして一万二千五百戸というようにやっておりますけれども、全国平均の伸び率が一二・四%、東京はこれでも二五%の伸び率をもって努力をいたしておるわけであります。しかし、現状は、遺憾ながら、小平委員御指摘のとおり、なかなかこの需要に応ずる態勢になっていないということは、率直にこれは認めなければならない。したがって、今年度の予算配分におきましても、東京、大阪、この両都市につきましては、とにかく私といたしましては、東京は東京、大阪は大阪でこなしたい、これだけはこなしたい、これだけはこなし得るというものを全面的にひとつほかのほうに多少ごしんぼう願っても配分をいたしたいというようなことを考えております。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) これは非常にむずかしい問題でございまして、住宅をつくるということが従来からも有効需要の喚起には一番いい仕事ということになっておりまして、建材の種類も多いですし、住宅を多くつくるということが、経済の景気を浮揚させようというときには一番いい仕事とされております。したがって、本来なら私は、昭和三十九年のあの不況のとき、公債まで発行して不況克服をやろうというときでしたから、こういうときに住宅建設に集中するとかいうような政策がとられればよかったのじゃないかと思っておりますが、いまのように、景気を調整する、国際収支のために総需要を押えなければならぬというときに、この住宅建設というものはいろいろ問題がございますので、今度の予算編成でも、私どもはここを非常に心配してこの調整をはかろうとしましたが、何としても現実にはこの住宅需要が多いというときでございますから、こういう財政政策から見たら押えるべき年であるが、住宅だけはこれは別に扱う必要があるということで、他の公共事業は相当押えられましたが、今年度住宅だけは押えないで、予算と財政投融資を入れますと五千百億という予算でございますので、ほかの施策に比べて住宅はあるいは相当力を入れたつもりでございますが、今後経済が調整されて、また不況的な要素が出てきたというようなときに、これはまた強化するいい仕事であると思いますので、こういう経済情勢の推移を考えてやれば、私は、いまの政府が立てた計画程度のものはこれは実行する方法があるというふうに考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 大蔵大臣、三十八年のころは残念だったとおっしゃるその住宅不足というものは、去年、ことしの話じゃないわけですから、もうずっと何十年続いているわけですから、したがって、あとから考えて残念だったじゃなくて、こうして福祉国家と言い、あるいは一世帯一住宅と言いながら、いつまでたっても都営住宅その他公営住宅の倍率が何十倍というようなその現実は、何とか解決する方向へ、思い切った方向へ行ってもらわなくちゃならないと思うのですが、いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) そのためにやはりこの五カ年計画というものができておるのですから、その年々の経済によってこの予算の計上のしかたが違ったにしましても、その五年間にこれだけのものをやるというそのための計画でございますので、全体としてこの計画が実施できるようにされることが一番必要だというふうに思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それはまあ大蔵大臣はぎりぎりですね。計画達成ということを言われますが、建設大臣は達成したからといって住宅難解消にはならないと言っているわけでしょう。住宅政策の上から考えて、一体いま住宅に困っている世帯がどのくらいいるとごらんになっているかあるいは新しく結婚して世帯を持つ世帯が年間どのくらいいると見ておられますか。

三宅俊治建設省住宅局調査官

○説明員(三宅俊治君) 五カ年計画の基礎資料になっておりまする昭和三十八年度をとらえますと、住宅不足数は二百七十八万戸というふうに推定をされております。これに昭和三十九年度から四十五年度までの普通世帯の増加数を見込みますと、二百八十万世帯というものが考えられます。  以上でございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 結婚は。新婚。

三宅俊治建設省住宅局調査官

○説明員(三宅俊治君) 三十九年から四十五年度までに普通世帯の増加数を三百八十万世帯と考えておりますので、これを的確にとらえることはむずかしゅうございますけれども、平均をいたしますれば、これを七で割った数字が単年分というふうに推定されるわけでございます。単年度ごとには的確にはとらえていないわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 これはいつも五カ年計画を立てるときに建設省でいろいろそういう数字を出しますけれども、実際問題、もう終戦後でも二十三年経っている。いまだに住宅難解消になっていない。じゃ、その基礎数字も考えなくちゃいけない。実際問題、五カ年計画を立てる。大蔵大臣はそこまで行けば何とかなると思う。実際、解消に一歩近づいてないということになれば、さっきも発表されたように、応募倍率は横ばいだということになれば、基本的に考え直して計画も立て、財政当局もその気になって取り組まなくちゃならないと思います。いかがでしょう。

保利茂自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(保利茂君) 私の考えておりますのは、なるほど一世帯一住宅がどうやらこうやら達成できるのは五カ年計画が遂行された暁におよそそこへこぎつけ得るのじゃないか。しかしながら、世帯分化といいますか、この趨勢も非常に強うございますから、五カ年計画達成後の住宅事情というものはどう想定すべきであるかということは、ただいまから考えておかなければならぬところであります。おそらくはまだなかなかという状態じゃないかと思うのです。結局、われわれの日常生活の上で三大要素といわれる衣食住、とにかく足りないということになれば、これは非常な欠乏感というか、不足感というものが非常に強く圧迫してくる。ちょっと余るということになりますというと、非常に選択的な余裕が出てくるわけです。まあ、衣食の点がややそこのところへこぎつけている。住宅のほうが全くその域にたどりつき得ないという現状でございますから、私の感じとしましては、まあ、とにかく住宅が足りないという感じが国民の頭から抜けるというところへこぎつければ、ところへ持っていくことが第一じゃないか。五カ年計画達成後の状況は決して楽観はいたしておりませんし、また、五カ年計画達成後にはさらに五カ年計画を要するだろうと思うのでございますけれども、とにかくそういう不足感、欠乏感から抜け出るというための第一段階としては、この五カ年計画を達成いたしますれば、ただいまの状態はよほど改善せられるのじゃないかという期待をいたしておりますだけに、この五カ年計画達成には全力をあげてまいるつもり、こういうことでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 大いにその御努力を期待したいところであります。  次に、公団住宅は家賃が高いということがあって評判がよくないです。これは公団住宅は、したがって、せっかく公団が住宅を建てたけれども、あきができてしまって入り手がない。こういうような現象が起きているようですが、いかがでしょうか。あるいはまた、公団住宅は大体どのくらいの家賃か。それをあわせて御説明願いたい。

保利茂自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(保利茂君) 古い、非常に早く建ちました公団住宅の家賃と最近開発されております団地の家賃とたいへんな違いになってきておるので、実は驚いておるわけなんです。私は、きのうも、実は、近在の多摩方面の団地、この間三月末に入居されたという千数百戸の団地をこそっと見に行って、いろいろ、尾行的に奥さん方に道すがらお会いして様子を聞いてまいりましたが、御不満はあまり聞かれなかった。けっこうですよというような。それはたまたまそこの団地のことで。しかし、極端に申しますというと、古いころに建った家賃と今日と非常な違いがある。これは、いろいろ用地だとか、あるいは物価というものが変わってきておりまして、やむを得ないことであると思います。そこで、まあいろいろ公団でもくふうをしておりまして、幾らか、古いころは五千円とか六千円とかで三DKとかに入っている家賃もある。そういう方があき家になる。そうしますと、今度入られるときには、幾らか家賃修正をして、六千円のものは一万円くらいにする。その分で新たに建ってくる住宅の家賃を幾らか薄める。一つのこの事例を正直に申し上げますと、たとえば昭和三十三年に多摩平団地、そこに八十二戸の住宅が建設された。その家賃が三DK六千四百円。で、最近の家賃の市街団地の、市郊外団地の家賃を見ますというと、足立区の栗原団地というのが一万六千五百円というようになっておるわけです。で、金町に団地がいまできかかって、近く竣工するわけでありますけれども、これも普通の計算で家賃を取っていきますと二万五千九百八十四円というようになるわけでございますけれども、幾らかそういったようにプール的な考えも入れまして二万四千六百円というような家賃をきめているというようなことで、お説のように、家賃の古いものと新しいものと非常にバランスがなくなって、失しているというこの状態、これはあらゆる方途を講じて、徐々に、しかし、直接とにかく住居されている方々に迷惑にならないように、迷惑感を与えないような形で修正をされていかなきゃならぬというように考えておるわけであります。

小平芳平公明党

○小平芳平君 建設大臣、ちょっと、私の質問は、そういう安い家賃を上げろと言っているのじゃないんですよ。私の質問は、最近できている同じ政府施策住宅の中でも、公営ならば家賃の関係で入りやすいけれども、公団住宅は高くて入れないというわけですね。そこが問題だと言っているわけです。いまの御説明の金町がまあ二万四千六百円、大阪の住吉団地三DKで二万六千九百円、これはまだ半分くらい残っているわけですか、そういうような実情を解決する方法がないかということをお尋ねしているわけです。

保利茂自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(保利茂君) この東京の周辺はやっぱり、公団住宅に対しましても、入居希望者の倍率はかなり高うございます。したがって、いいも悪いも言うちゃおれぬというような実際の事情になっておる。御指摘の大阪や名古屋に一つあるようでございますが、いまよくお話に出ます入居希望者が戸数に満たないという現実の事情があるわけです。どうもこれが住宅事情が緩和されて、そうしてもうそんな条件の悪い家賃の高いところには入らぬと、こういうようなことでございますとよろしゅうございますけれども、そうでなしに、住宅事情はかなり逼迫しておるにもかかわらず、せっかくの住宅に入る希望者が少ないということはいろいろ研究してみなければならぬと思うわけです。だんだん調べてみますと、住吉団地は、従来関西の方々が住宅環境としてなれておられないという一つの事情もあります。したがってまた、工事半ばに入居希望者を募るものでございますから、でき上がってみれば、ああこれならということになるわけですけれども、工事中に入居希望者を募りますと、環境もよくない。昨日私見ましたのはりっぱな団地でございますけれども、まだ工事がやっと終わったところでございますから、緑も一つもないというような、環境もはなはだ悪うございます。そういうような非常に環境の悪い中で入居希望を募りますので、でき上がってりっぱになりますというと、これは少し高くてもいいというようなことにもなろう。だんだん住吉団地のほうでも入居希望者がふえてまいっておるようでございますから、おそらくここ二、三カ月のうちには満ぱいになると思います。しかし、これはもう非常に特殊な場合でございまして、東京のほうの近郷にとりましては、かなりの遠距離の所にも依然として入居希望者の率が非常に高いという数字が、具体的に申し上げますけれども、そういう状態にあることをよく見ていかなきゃならぬじゃないか。したがいまして、まだ公団住宅の家賃は高い安いというようないろいろ御批判もございますけれども、その高いという公団住宅の入居希望も東京周辺においては非常に強いということを見ていかなきゃならぬと思っております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 入居希望者が多いといいましても、どうにもこうにもならなくて入るわけですよ、住宅難のために。ですから、遠距離でも東京近郊は通勤に一時間、一時間半かかっても喜んでそこへ入るわけじゃないわけでしょう。やむを得ず一時間半も通勤に時間をかけて通ってこなくちゃならない。やむを得ずそこへ入るわけですよ。したがって、それじゃ建設省では、あるいは住宅公団では、家賃が二万六千円とか二万九千円という、これだけの公団住宅を建てて、一体月収どのくらいの人がそこへゆうゆうと入れると考えられておるんでしょう。

保利茂自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(保利茂君) これはまあ住宅の問題でございますから、その各家族構成から所得の状況、それからまた生活条件というものはみな違うわけですから、一括してどうこうとは言えませんけれども、まあ言えますことは、おおむね三万から五万、五万から七万。三万から五万ぐらいの所得の階層が公営住宅を希望しておられる。五万から七万ぐらいの方が公団の入居希望者には多い。それからまた、民間の融資等をもって自分の家を建てられるというような、民間金融機関等に依存されて自分の家を建てようという方は、やはり十万円以上の所得がある、大かたそういうところで押えていけば間違いないんじゃなかろうかと思っております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それは各家庭によって違いますから、ということは言えますけれども、いま建設大臣が言われるように、五万から七万の人が公団住宅を希望した場合、二万五千円の家賃だと、五万円の収入の人は半分家賃に出さなければなりませんわね。これはたいへんじゃないですか。

保利茂自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(保利茂君) お説のとおり、私も大体同じように感じておりまして、生活費の中に占める住居費というものは、いろいろ見方、考え方がありましょうが、私はおおよそ四分の一ぐらいがぎりぎりじゃないかというふうに思っております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 したがって、もっと安い家賃の住宅を建てるように、これやっていただかなくちゃ困ると思うんですね。それで、いろんな家賃がどのくらいかかっているかということを私も聞いたのがあるのですが、建設省のほうでは、大体家賃の安いところですね、公務員宿舎、社宅とか、そういうようなところもありましょうし、また、民間の借家の場合は、これはもうごく開きが大きいわけですけれども、一体家賃は、家を借りる、部屋を借りた場合、どのくらい払っていると思われるでしょう、現在の時点において。

三宅俊治建設省住宅局調査官

○説明員(三宅俊治君) 住宅公団の住宅の家賃でございますが、ただいまお話にもございましたが、大体、団地住宅で一万五百円くらい——平均でございますが、一万五百円くらいの平均になっております。それから公団住宅で市街地の、面開発による市街地住宅でございますが、これが平均で大体一万八千四百円でございます。  公営住宅でございますが、大都市を例にとりまして、大都市におきまして、第一種公営住宅の中層の耐火構造のものでございますが、大体五千円から九千円ぐらいでございます。  それから一般の民間のアパートの家賃でございますけれども、木造の二部屋のものでございますが、大体一万二千円から一万七千円程度のものであろうというふうに考えられます。したがいまして、木造の二室のものでございますので、公営、公団住宅のように耐火構造のものと比べてどうなるかということになりますと、一万二千円から一万七千円の程度のものが若干アップされて考えなければならないというふうに思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 実際それじゃ、一万二千円から一万七千円で借りられますか、家が。借りた人いますか。

三宅俊治建設省住宅局調査官

○説明員(三宅俊治君) 木造の民間アパートでございますので、現在でもそれはもうその程度で借りられます。で、木造の民間アパートをこの程度で借りるつもりであれば、そう苦労しないで入り得るという状態になっております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それでは、公務員宿舎とか社宅とか、そういうほうはいかがですか。

保利茂自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(保利茂君) ただいまの御質問に対しましては、政府委員からお答えいたします。  私が感じておりますのは、実は私も二、三見て歩きました。また、私の周辺にも弱っておるものがあるのでよくわかっておりますが、民間住宅にお世話になっているものの条件は、公営、公団と比べましてずっと条件が悪うございます。この条件が悪い中に、民間にそういう大きなしわが寄っているということを考えると、やっぱり公的施策住宅をできるだけ供給して、そうして、ある程度の自然作用といいますか、いわゆる住宅の不足感から解放して、幾らか居住者の選択の自由が行なわれるようになりますというと、自然と民間の住宅に悩む弊害から救われていくようになろうかと思うわけであります。それでひとつ、公的施策住宅をもっと、どんな形でも、とにかく、できるだけ量的にふやしていかなければ、ということを基本的にただいま考えておる。はなはだ残念なことでございますけれども、そういうことを考えております。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○政府委員(村上孝太郎君) 公務員住宅の家賃のお尋ねのようでございますが、現在はっきりした資料を持っておりませんけれども、民間の社宅よりやや高い程度、月二千円前後ではないかと思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 民間の社宅よりやや高くて、月二千円という——それじゃ資料はないわけですか。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○政府委員(村上孝太郎君) これは大きさも種々のものがございますし、それから古いものと新しいものと、たしか等差がつけられていると思っておりましたので、全部の平均を正確に計算いたしましたところは、私、現在その所管でもございませんので、記憶はいたしておりませんが、ただ、大体の感覚から二千円程度であろうと、こう思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それは、こういうことは研究しておかなければいけないと思うのです、住宅政策の上から言って。第一、いまおっしゃったのを考えても、二千円から始まって一万八千円。ですから、民間の社宅はまだ安い、千八百円とすれば、十倍の開きがあるわけですね。同じ通勤者がみんなそうしたところから、借りているところから通勤している人の中に、ある人は二千円、ある人は二万円、これも、お金が十分収入があって、自分がより好んで高いところに入るのならけっこうですけれども、これは大臣がおっしゃるとおりですね、現実問題、こういう窮屈な中で、しかも、先ほど一万二千円から一万七千円で二部屋のを、これなら幾らでも借りられると言われましたけれども、そんな簡単にいきませんよ、なかなか。そんなわけのものじゃない。それは大臣が言われるように、やっぱり公営住宅をふやすことが何より先決問題だと、こう思いますね、いかがでしょうか。

保利茂自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(保利茂君) 仰せのとおりだと思っております。したがって、この民間の住居水準といいますか、住宅条件というものを改善してまいるためにも、どうしても公的施策住宅の数をふやすということが先決であると思っております。そういうことで、まあ、みんながどうやらこうやらとにかく住宅に困らないというような状態になってこないと、この悪条件を克服してまいることはできないじゃないか、全くそのとおりに思っております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それでは今度、労働省のほうで、どのくらい働いたら家を一軒持てるか。とにかく大学を卒業して二十年三十年まじめに真剣に働いても、自分の家一軒持てないというような政治じゃ困ると思うのです。ですから、どのくらい働いたら自分の家を持てるようになるか。どういうふうにいま人が実際問題家を持っているか、こういうような調査はありますか。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) 昭和四十一年に労働省で調査した資料がございますが、これは学校を卒業して直ちに入社をしまして、それから後、標準的な昇進経路を経た者について、調査をしたわけでございます。企業の規模で違いがございますけれども、製造業で規模五千人以上の企業、大学卒業の職員、勤続二十年の場合に、退職金が百五十三万円、三十年の場合に四百四十二万円。高校卒の場合、勤続二十年で百万円、勤続三十年で三百三万円。中学卒業の場合、勤続二十年、七十五万円、勤続三十年二百十五万円、こうなっております。  それから、規模の小さい、百人から四百九十九人までの企業では、大学卒が、二十年の場合、九十一万円、三十年の場合、二百六万円。高校卒が、二十年の場合、七十一万円、三十年の場合、百五十八万円。中学卒で、勤続二十年が五十七万円、勤続三十年、百二十八万円と、こういうことになっております。  そこで、もちろん、この退職金だけでは、場所にもよりましょうし、それぞれ個人的事情も異なっておると存じまするけれども、本人の社内預金その他の形による貯蓄、あるいは最近ではまた産業労働者住宅分譲資金とか厚生年金の還元融資でございますとか、そういう公的資金を使いまして、中小企業等では共同で分譲住宅というようなことも始まっておるようでございます。まあ、そういうものをあわせまして、勤労者の持ち家政策というものを、あとう限り進めていきたい、こう考えておるわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 まあ、いまの労働大臣の御説明は、退職金の御説明をしてくださったわけですが、退職金は、これは全部家を買っちゃったら、あと食べていかれなくなっちゃうわけですよね。まるっきり食うのはがまんするとして、大学卒で三十年働いて二百万から四百万、これで家が買えるかどうか、ちょっとあとで建設省で答えてください。百人から四百九十九人の、この辺の労働者数が非常に多いと思うのですが、三十年で百万円から二百万円、これでどんな家が持てますか。

保利茂自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(保利茂君) これはもう数字的には、退職金で土地を買って家を建てるということは、この東京に例をとりますならば、都及びその周辺においては全く不可能だと思うわけであります。しかしながら、ただいま労働大臣がおっしゃいますように、三十年間勤務されておる間に、非常に始末をされ、勤倹貯蓄をされて蓄積をされて、そして、それにできるだけ公的の資金のバックアップをして——私もじかにこの中堅の社員の方々にお会いをしてお話を聞いてみました。結局は、なかなかこれは、どんななんでも、おそらく、東京で例をとれば、二十三区に、今日の地価状態で、新たに土地を買って家を建てるというようなことは、これはもうあり得ないと思うわけでございます。しかし、あるいは社内預金であるとか、あるいは住宅預金であるとかというものを蓄積されておる、それを、できるだけ働いて、退職される前に住宅金融公庫とか、あるいは、いろいろのいまお話しのような方法を講じまして、自分の家を持ちたいという意欲は非常に強うございますから、それにもこたえ得る施策が政府としては必要ではないかと、こういうふうに考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 したがって、この社内預金なり住宅貯金なりに対する、それにこたえる施策を御説明してください。あるいは今後新しく建設省として、あるいは労働省として実現しようというものがあったら、お示ししてください。

保利茂自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(保利茂君) 私は、これはまだなかなか財政当局あたり簡単には賛成してくれるかどうかわかりませんけれども、とにかく、そういったような住宅預金でありますとか、そういう蓄積に対しては、課税上においても特段の配慮を願いたいものだ、そうでなければ、いわゆる勤労を尊重するというようなことの精神が出てこないのじゃないか、しかし、これはまた、いろいろ、その当局からすれば、脱税の方途に使われたりなんかするという懸念もあるでしょうけれども、まっとうに考えてみますと、そういったようにむだな消費というか、むだということはないでしょうけれども、あらゆる消費を切り詰めて、将来へのそういう住宅計画を持たれて蓄積されていくような資金については、これはもう特段の税制上においても考えを持ってもらいたいということを前提に、ぜひ提案もいたしたいし、賛成も願いたいものだと思うのであります。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 小平さん、質疑の途中でございますが、午前中はこの程度にして……。

小平芳平公明党

○小平芳平君 答弁答弁。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 労働大臣の答弁が済みましてから。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) 補足をさせていただきますが、昭和四十一年の調査によりますると、全額自己資金で住宅を建てたものが四一%ございます。一部自己資金、一部借り入れ金というのが四八%ということになっておるわけであります。先ほど退職金について数字を申し上げたわけですが、主として退職金に資金源を求めたものというのは非常に少ないので、七%ということになっております。  それから現に勤労者で自分の家を持っておりますものは、全体で五五・五%という数字になっております。大都市では四六・六%、いなかへ参りますと、町村では六三・一というようなことがございます。全体では五五・五%が自分の家を持っているということになっております。  こういう家を持つための貯蓄等を進めるためには、これから先も税制上の配慮を強めてもらうことが望ましいと考えておりますが、ことしの一月からは、持ち家のための貯蓄をいたします場合に、貯蓄の和の四%相当の金額を所得税額から控除するというようなことが始められておりますし、なおまた、企業から受ける住宅資金の利子補給については、現に非課税になっておる、あるいは企業が住宅を安く分譲いたしましたり、住宅資金を低利で貸し付けた場合に受ける経済的利益に対しても非課税ということになっておりますが、こういう施策はこれからむろん強めていってもらいたいと思っておりまするし、持ち家のための社内預金につきましては、これは金融政策の面その他いろいろ関連する問題がございますので、審議会におはかりをしました結果、勤労者財産づくり懇談会と適当な時期に相談をしろという答申がございました。これにはかりました結果、財産づくりの見地から、まあ、いろいろ問題はあろうけれども、好ましい制度だと思うからということで、これは金利も九%八と高いわけで、いろいろ御論議もあるわけでございますが、当面この制度を続けていこう、こういうことになっておるわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 大蔵大臣にもう一問。いま建設大臣と労働大臣から、税制上の配慮を願いたいという御発言があったわけですけれども、ここで大蔵大臣から一言、よく承知したとか言っていただかないと、しり切れトンボになりますので。労働大臣からも建設大臣からも、数字的に現状それは確かにこれだけのものがあると、配慮はされていると。しかし、もっとこういうふうに引き上げてもらいたいとか、拡大してもらいたいということを言っていただきたいと思うのですね、きょうはよろしいですけれども。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) いま労働大臣が言われましたように、すでにこの種の税制については、もう考慮していろいろやっておるときでございますので、さらにこの持ち家政策を推進するというための必要な税制は十分これから検討したいと思います。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) それでは、小平君の質疑の途中でございますが、午前中はこの程度にいたしまして、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時三十二分休憩      —————・—————    午後一時五十三分開会

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) ただいまより予算委員会を再開いたします。  午前に引き続きまして、質疑を続行いたします。小平芳平君。

小平芳平公明党

○小平芳平君 次に、住宅でありますが、労働省のほうの雇用促進事業団の住宅について御説明願いたい。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) 住宅対策は建設省が一元的に実施なさることになっておるわけでございますが、労働省におきましても、雇用の促進ないし労働者の福祉という観点から住宅対策を進めております。いまおことばにございました雇用促進事業団におきまして、移転就職者用の宿舎、港湾労働者用の宿舎の建設、それから住宅等に関する融資を行なっておるわけでございます。このうち、移転就職者用宿舎は昭和四十二年度までに四万七千百七十戸を建設することといたしまして、四十三年度においては一万戸の建設を予定し、この予算は百二十五億円でございます。  それから雇用促進融資のほうは、移転就職者あるいは中高年齢者、あるいは身体障害者、これを雇用いたします事業主に対して住宅その他の福利施設を建設するための資金でございます。長期低利の融資を行なっております。融資額は、四十三年度におきましては総額百三十億円、そのうち、労働者住宅融資として約百六億円、建設戸数は一万五千六百八十戸を計画いたしておるわけでございます。それから港湾労働者用の宿舎は、港湾における労働力の確保が目的でございます。昭和四十二年度までに七百四十戸が建設されております。これからも港湾労働者の全般的な福祉対策の一環として充実をしていきたい、かように考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それで、労働省のほうでお建てになった住宅も、結局、離職者用あるいは港湾労働者用の住宅を建てておりますが、実際の運営から言えば、公営住宅に入っている人にとっては同じなんですよね家賃を払って入っているわけですから。しかも、一年とか二年とか、そういう限定が結局はないと同じわけですから。そうすると、四万七千戸すでにできている、さらに一万戸ずつ建設をしていく。公営と同じことになりませんか、将来。その点、いかがでしょう。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) これは、一般的な住宅困窮対策ということではなしに、まあ一つは、労働力の流動化の促進あるいは労働力を企業に定着させるための施策としてやっているわけです。当面の人手不足の実情はよく御承知のことと存じますけれども、これから先、ますます広い地域にわたりまして全国的な規模で労働力の流動化を進めていかなければならない必要が強まってくると存じます。そういう観点から、移転就職者用宿舎にいたしましても、雇用促進の広域的な計画と関連をいたしまして、それぞれの地域における移転就職の実績、それから今後の見通しというものを考えまして、さらにまた労働者用の宿舎でございますから、通勤の場所等も考えて建設をしておるわけでございます。これは、むろん、将来社宅とかその他の住宅へ移るまでの過渡的な施設でございますから、二年ということに切っておるわけでございます。家賃等も、そういう観点からきめておるわけでございますが、当面中小企業における人手不足というのはますます深刻になってきておりまするし、移転就職者用宿舎等はもっぱら中小企業のための施策でございますが、ますますこれから必要性は増していくものと考えております。今後住宅の事情が大幅に緩和されるという時期が来ますれば別でございますけれども、当面、やはりこの種の施設を広げていく必要はある、このように考えているわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 では、建設大臣に、四万七千世帯いま住んでいるわけですよ。その四万七千世帯の人は、ことし引っ越す、来年引っ越すなんという予定はしてないわけです。そういう住宅は公営とどこが変わりますか。

保利茂自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(保利茂君) 住宅問題というのはなかなか複雑なようで、たとえば公営住宅一種の入居条件にしましても所得三万五千円以下、二種で二万円以下となっておりますが、数年たちますと、皆さんの所得は向上してまいる。したがって、その所得水準の条件からいきますと、上限の三万五千円以上の所得のある方が、かりにほかに移っていただくということになりますと、公営住宅というものはかなり吸収し得る力というものがあるわけですが、なかなか一たんお入りになりますと、五万円、六万円、七万円になっても、公営住宅を依然として利用されるというのも実際の実情なんでございます。これは、よけい所得があるようになったからといって、出ていかなければならないというように、そういうようにきめるべきものではないと思うわけです。ちょうど、ただいまの雇用促進事業団で施設せられております移転勤労者のための住宅にいたしましても、その本来の目的から離れておるけれども、さればといって、どこに移っていくんだというようなことがあるわけでございますから、やはり全体の住宅対策の上から講じまして、そういう施策で建てられた住宅を、ある特定の用途からはずれたから、それをどこに持っていっていかにするかということは考えてしかるべきことであろうかと思いますけれども、しかし、十分な管理がそのまま続けられておれば、それでもいいじゃないか、要は、どういう形におきましても、とにかく労働省でめんどうを見ておられる労働力の流動性を確保するために、また職場への定着を確保するためにとっておられる政策が、全体のまた住宅政策の上に寄与していくということはけっこうじゃないかと、私はそういうように考えておりまして、したがって、その一部を建設省の所管に移すというようなことは、しいて固くならなくともいいのじゃないか、かように考えます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 建設大臣も、住宅行政は一本化したほうがいいというお考えはありませんか。そうしてまた、現に住んでいる労働力の流動化のためならば、四万七千世帯のうち半分くらいはことし動くとかいえば、そうすれば、その半分の人の分だけ次に入れますけれども、現に住んでいて引っ越す見込みはないわけですよ。そういう場合に、将来、これから五年、十年たったときに、要は、安い公営住宅ができさえすればそういう心配はなくなるわけでしょう。そういうことを考えてみても、こうしたものを、労働省の住宅が四万七千戸……。じゃ、同じように各省でもって何々のための住宅を何万戸、こういうことはおかしいじゃないですか。いかがでしょう。

保利茂自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(保利茂君) こういうような労働情勢になってまいりますと、労働力の流動化をどうはかってまいるか、しかも、勤労者の方々を職場に定着せしめるという方策がきわめて大事になってきている、私もそう感じております。したがって、そういう面から労働省が労働対策としてお考えいただく、そうしていまの福祉事業団の事業として進めていただくことが適切じゃないか。それは全体の住宅の上においても大きな寄与をしていくものだと感じておりますから、私は、これはこれなりでいいのじゃないかと思います。しかし、国全体の住宅政策を見まする場合に、労働福祉事業団でこういう施策をとられる。あるいは厚生年金の還元住宅はこういうように、あるいは公務員の宿舎はこういうようにとられているというようなことを、全体としてつかんでおくということは大事だと思いますけれども、その所管をどうでもこうでも建設省に一元化しなければならないのじゃないかという考えにとらわれることは私はないのじゃないか、こう思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 何もぼくはそういう考えにとらわれて言っておるわけではないのですがね。それでは、大蔵大臣、どうでしょうか。同じような住宅を、公営住宅ができさえすれば問題はないわけですよ、たくさんできさえすれば。その公営住宅を、さっきも指摘するように、サボるというか、公営住宅が十分にないから……。じゃ、公営住宅では労働力の流動化も定着も考えてないわけですか。公営住宅を建てる場合に、労働力が必要な場所あるいは定着の必要な場所を、公営住宅だって、考えて建てるのじゃないですか。そういう国の政策の欠陥から起きたことを、住宅はむずかしいと言うが、政府がむずかしくしておるのじゃないのですか。いかがですか。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○政府委員(村上孝太郎君) お答え申し上げます。  現在、ただいま建設大臣が申し上げましたように、全体の住宅政策としては、結局、家のない方方にどういうふうに、どういう量の住宅を提供するかということがポイントだと思うのです。ただ、その量を満たします場合に、たとえば公営住宅ならば、非常に所得の低い、社会政策的な意味を持って住宅を提供する、あるいは雇用促進事業団の住宅ならば、その使います原資が失業保険の資金でありますから、したがって、失業者ができるだけ雇用面に浮かび上がってこれるように、労働力の移動ということをまず最初の重点として配置を考える、こういうふうに、いろいろな目的ごとのニュアンスの差があって、しかも、それぞれの資金源の差があるというふうなことで、しかも、それが全体の量として国民のこの住不足に対してどう貢献しているかということは、政府全体として一つの統一ある計画の中でやっていけば私は差しつかえないことじゃないかと、こういうふうに考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 大蔵大臣はどうですか。要するに、同じような住宅を建てて、それから雇用促進のためといっても何年も住んでいるわけですよ。将来どうしたらいいですか。このままでいいですか、将来も。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) これは、住宅建設は一本にまとめるのがいいというふうに思われますが、いま言われましたように資金源が違いますし、また、各省別に住宅の目的も違ってまいりますので、私はやはり、政府が全体計画だけをうまくやってあるなら、実施は別々にやっても別に差しつかえないのじゃ、ないかというふうに考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 まあ、別々が好きなようですから。この雇用促進事業団、たとえば名古屋の——これは三年前に私が指摘したのですが、この雇用促進事業団の住宅を、石炭置き場と、いまから見れば、ごみ捨て場の中に——石炭置き場とごみ捨て場の中間に三棟の住宅を建てた。そうして、非常なほこりで、もうどうしようもない。環境がごく悪いということから指摘したところが、当時、山手労働大臣は、早急に調査をして、このようなぶざまなことがないようにしますとか、注意もするし改善をするように手配しますと、こういうふうに答弁なさったけれども、それから三年たってもやってないのですね。東京から何か視察に行ったというだけで、実際問題として、じゃ何が改善されたかといえば、相変わらず石炭のほこりを吸って、何十世帯や何百世帯の人が毎日の生活をしいられている。こういう住宅政策は下の下だと思うのですね。いかがですか。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) ただいま御指摘のありましたように、四十年十月の参議院社労委員会で御注意をいただいておると、かように聞いておりますが、その後改善のために実施いたしましたことは、宿舎までの道路について一部を舗装し、一部は砂利を敷いて整備しております。もっとも砂利でございますからもちろん十分とは申せないわけですが、一部は舗装し一部は砂利を敷いております。それからほこりあるいは炭塵を防ぐために、敷地の中に約五十本の植樹を行なっております。それから防犯灯、街灯につきましても、従来十灯であったものを六灯新設して十六灯にしております。そのほか子供のためのブランコ、すべり台等の整備についても実施をいたしたわけでございますが、御指摘をいただいた問題のうちで、ごみの問題でございますとか、コークス置き場の問題でありますとか、措置がまだ十分でない点が残っておると聞いております。さらに現地の事情について研究をいたしまして、これからも引き続いて改善をはかっていくつもりでおります。

小平芳平公明党

○小平芳平君 労働大臣、この写真で、木を植えたと言われますが、木があるかどうか、ごらんになって御返事をしてください。要するに現地の住んでいる人たちは、ただその奥さま方を寒い日に総動員して全体の大掃除をさせられただけで、よくなったことは一つもないと言っているんです。まあ確かに電気はふえましたですがね。

有馬元治労働省職業安定局長

○政府委員(有馬元治君) 木は先ほど大臣から御答弁がございましたように五十本ほど植えました。先ほども現地に問い合わしたんですが、芽の出方が悪いというふうな話もありまして、なお足りないところはまだこれから補充したいと思います。それから現地に課長が出張いたしまして、大騒ぎして御迷惑をかけたという御指摘でございますが、あの日は雨の日で宿舎の主婦の方々にいろいろ苦情を聞きまして、一番大きな苦情はごみ処理の問題、それから道路の水たまりの問題こういった点が一番大きかったと思いますが、その点については先ほど大臣から御答弁がありましたように、その後鋭意改善を加えておる状態でございます。なお、ごみの問題については、市当局との間にもう少し突っ込んで、ごみの処理について御迷惑のかからないような改善を加えてまいりたいと、かように考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 そういう現状ですから。——そこで次に私は社会保障について質問をいたします。  社会保障については厚生大臣が非常な熱意を持って取り組んでおられる。それで新聞でよく報道をお聞きしたわけですが、結果としては、この生活保護費の伸びにしても一三%になったと、個人消費支出は経済企画庁でも十四%と見通しているのに、生活保護世帯の人は四十三年はさらに苦しい立場に追いやられる結果になったと、こういう点ですね。あるいはまた老人福祉のことにしましても、厚生大臣としては初めの予算編成当時から見て大きく後退しちゃったということを残念に思っていらっしゃるんじゃないかと思いますが、いかがです。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) ただいま御審議願っております明年度予算の面で、社会保障制度関係の予算は相当大幅にふえると考えたのでございますが、苦しい財源の中からお願いしております予算は、一般の予算の伸びが一一・八%で、防衛庁は九・一%、これから考えますると、社会保障関係の一二・四%程度は財政当局が相当重点的に配慮したものとは考えまするが、御指摘のとおりに社会保障の内容の現実とあまりに隔たっております。ただいま御指摘の心身障害児の問題とか、老人福祉の問題とか、こういう点につきまして、四十三年度の予算は老人福祉の問題が昨年度の予算に比べますと一五・六%、身体障害者の対策が二〇・七%、重症身障害児の対策費は四六%で、数字の上からいえば相当飛躍的に財政当局は苦しい中から配慮をしたと私は考えておるわけであります。しかしながら、身障児にいたしましても老人対策にいたしましても、たとえば身障児はただいま政府並びに民間のもので収容しなければならない人員は一万六千数百名おるわけでありますが、明年度の予算を入れて収容できる者は四千名ぐらいでございまして、いまなお一万名近くの者がそのままほうり出されている。こういう点を考えると、私のほうでも財政当局でも決してこれが十分であるとは考えておりませんが、しかし相当配慮したものと考えております。  なお、生活保護の問題では御指摘のとおりに、審議会等の答申もありまして、西欧諸国の水準と格差を縮める意味におきましても、数字からいいますると、企画庁の見通しの一四%にプラス・アルファを加えたものが生活保護費としては適当であると考えたのでございまするが、過去三カ年平均の国民の消費水準の伸び率は約一〇%、明年度の経済企画庁の賃金の伸び率の推計が九・八%、企画庁で発表しました消費水準の一四%を、人口の増がありまするから、これを人口割りにいたしますと、一二・九%になります。そこでそういうことから勘案をいたしまして財源の問題を考えますると、一三%というものは相当政府が留意したものだと、それでもなおいろんな不安がございまするから、教育手当、住宅手当、こういうものを新たに追加をいたし、その他の方法も講じてなるべく格差が開かないように留意をしてやりたいと考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 まあ厚生大臣、こうして政府予算案が決定してみれば、そういうふうに生活保護費ですね、一三%アップ、あるいは老人対策が大幅に削られたものをですね、それは厚生大臣としては、せめてぎりぎり生活保護費は一四%、あるいはその老人福祉に対して相当の抱負を持って臨んだにもかかわらずそれが実現できなかった、あるいはいまおっしゃった重症心身障害児の問題にしても、七カ年計画として厚生省が立てたときは、これは厚生省のクリーンヒットだというふうに期待されたのに、もう初年度ですでにくずれているんじゃありませんか。そういう点から考えて、いまおっしゃったように、これも考えあれも考え、この辺で相当配慮をしていただいたんだというような結果になってないと思いますが、いかがですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) 先ほどのお答えをさらに詳細に申し上げてみますると、第一に政府で立てております経済社会発展計画の中の社会保障の問題でありますが、これは大体昭和四十年度の五・五%から——国民所得に対する振りかえ所得の比率を五・五%から四十六年度までに七・五%に引き上げるよう計画してございます。この七・五%に引き上げるのに、明年度の四十三年度の推定の比率は五・六%くらいだと考えております。したがいまして、これからしますと、四十六年度までの目標の七・五%は相当困難であるとは考えまするが、しかし、今後児童手当であるとか、あるいは年金の改善とか、こういう新しい制度等が出てまいりますると、一応数字は無理をすれば七・五%にいくかと考えまするが、ただその七・五%というのが社会保障の必然性からきたものではなくて、国家経済の発展の一環から考えたものでありまするから、外ワクに包まれております。したがって、それをなお詳細に委員の御質問に具体的に答えて申し上げますると、たとえば重症心身障害児の問題で答えてみますると、一万九千三百人が大体重症の障害児であると考えておりまするが、これもなかなか精神薄弱であるとかあるいは肢体不自由児というものが、いなかのほうへまいりますと、隠してなかなか外へ出そうとしない。したがって、厚生省が握っている数字よりももっと多いと考えなければならぬと考えておりまするが、それにいたしましても、そのうちに家族ぐるみ入りたいというものも入れて、施設の中に早急に収容しなければならぬ人員は一万六千五百人になるわけでございます。ただいま国立の施設と、それからもう一つは委託の施設と合わせまして、通院施設も含んで大体三千名でございます。ただいま御審議願っている予算で千四百、しますと四千数百になるわけでございますが、なお一万相当のものが施設に収容されないでいる。したがって、六年計画と申しますと、年々大体二千ベッドで六年間でやらなければならぬわけでありまするが、かりに相当飛躍的に努力をいたしましても、このままでは六年間待つという現状にはないわけでございまして、各所に相当悲惨な問題が出ておりまするし、私のところに個人個人から、まいりまする手紙も、いま起こっておりますあの安楽死事件と同様な、子供を殺すか、自分が死ぬか、心中するかというような、一日一日をほんとうに死を見詰めた生活を両親は送っているわけでございます。そこで、このまま——国家財政の現状は別としまして、年々二千ベッド等では六年間も放置するわけにまいりませんので、幸いそういう追い込められた両親がお互いに手を握って親の会をつくっておられます。たとえばそういう子供をなくした人、現に困っている人、そういう親の苦労というものは切実なものでありまするから、その親を中心として、政府と、幸いに各所をかけずり回りまして、民間企業団体等もそれぞれ何億、あるいは創立何十周年記念に、式典の費用をこういう費用に寄付したいというようなお考えもあるようでございまするから、形態は御批判を受けるかもしれませんが、実際に困っている人のことを考えますと、政府の予算が少ないからといって、私ほっとくわけにまいりませんので、親御さん方を中心にして、政府、民間、お隣りの方々、国民全部の力で何とかこれを収容したい。幸いにすでにただいまでき上がりつつありまするのは、親御さん方を中心にした身障児のセンターなども逐次落成も近まっておりまするし、そのほかあるいは自転車、競輪あるいはその他のお金等もございますから、このほうからも無理をお願いしてやりたい。こういうふうに考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 したがって、厚生大臣が社会福祉のために魂をささげますと、新聞で拝見したんですが、あるいは障害者の家庭に笑いを届けますと、こういうふうに大臣が語ったことが新聞に報道されておりましたが、現状においてはまだまだ笑いは届いてないと、これからが大臣の本格的な対策が始まるのだと、このように理解してよろしいですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) そのとおりでございます。ただ、財政当局もそういうことを御了解いただきまして、収容できない在宅の障害者等には、今年度から新しく貸与ベッド等の施設、あるいは指導員等の施設等、新規の事業は他には認めておりませんが、社会保障に関してはいろいろ新規の施設を認めてもらっておりますから、これを第一歩のきっかけとして、ぜひいろんな手段を講じたい、こう考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 厚生大臣のその施策に対しては、また後ほど具体的に質問することにします。  法務大臣に。昨年の八月東京神田のある医師が子供さんを殺して自分も死のうとなさったと、心身障害者の家庭でいわゆる安楽死事件というものがありました。また、けさの新聞でも、福岡では母親が知恵おくれの子供を入学式の翌日に殺したと、こういうような事件が起きているわけです。こういうことに対する法務大臣の御見解を述べていただきたい。

赤間文三自由民主党法務大臣

○国務大臣(赤間文三君) お答えを申し上げます。  お尋ねの森川医師の事件でございますが、これは現在公判が請求せられまして目下裁判中でございます。私はこういうふうな森川さんの自分の三男、二十七歳になる者の心身障害がひどいために非常に気の毒に思って、自分の子供を殺された、そして自分も自殺しようとされたというこの事件につきましては、非常にもう気の毒に考えておるのであります。しかしながら、この事件を調べてみますと、こういうふうに自分のむすこが非常な重症で将来の見込みもなくて気の毒だから、これを殺して自分も自殺しようというようなのは、これは非常な悲劇でございますが、よく調べてみますと、やはりこういう事件は、いま裁判中でありまするから、どういうふうな判決が下るかはまだわかりません。安楽死になるかどうかというようなことも、何ともまだ裁判中で言われぬのでございますが、判例とか学説なんか調べてみますと、なかなか私はむずかしい部面も相当あるのではないか、こういうふうに考えておるのであります。またお述べになりましたような事件等いろいろと考えてみますと、やはりこういう重症患者のためには、私考えまするに、国の収容所というか、そういうものをやはり相当整備することが非常に必要じゃないかということを痛感をいたしておるような次第でございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 法務大臣のお考えと私も全く同様でして、結局国が早く施策をしなければ、待っておれなくてこういう悲劇が次々と起きてくる。  そこで、次にお尋ねしますのは、この全国の殺人事件、いろいろな殺人事件があるわけですが、いまのような心障家庭における重症者を家族の者が殺して無理心中しようとしたができなかったとか、あるいは実際に心中をして両方ともなくなったとか、こういう問題、あるいはまた、自殺にしましても、こうした心障者の中でも自分から自殺される方は比較的まだ軽症のほうじゃないかと思いますが、全然動けない重症者は自殺どころでもないわけですから、したがって、こうした殺人や心中や自殺についての全国的な調査を読売新聞でやってみたところが、各警察で、それは三年間たったから焼いてしまったとかあるいはそれは部外秘だから出せないとか、こういうようなことでなかなか実態がつかめなかったと、しかし、中には非常によく実態を教えてくれたところもあったと、こういうような報告も出ておりますが、今後いかがでしょうか、こういう点について法務省なり国家公安委員会なり警察庁なりがもう少し、こういう問題を徹底的に社会からなくしていくという、そのための施策の一つの方向として、これをお調べになる考えはありませんか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 犯罪により死亡した者が大体一万五千、そのうち三千人ぐらいが交通事故による業務上過失致死以外で死亡した数であります。これははっきりしております。ただ、この原因ということになりますと、よく新聞などに病気を苦にしてとかあるいは家が貧しくて云々というような簡単なことで片づけられているものもありますけれども、実際自殺する人のそれぞれ原因というものは実に複雑でございまして、そう簡単に統計をとるというわけにはまいりません。それで、数年前までは警察庁とか厚生省でもおやりになったというふうに聞いておりましたですけれども、結局統計のとりようがないものですから、現在ではやっておりません。

小平芳平公明党

○小平芳平君 ですから、将来はどうでしょうか。この問題がこれだけ去年の夏から、特に森川医師の問題のときから社会的に取り上げられているときに、国として一体何の施策をしたか、そこが問題だと思うのです。ですから、将来についてはいかがでしょう。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 前には一度やったことでもありますし、将来はよく検討してみたいと思いますが、やりたくても、実際やってみましてなかなかそれぞれ原因を調べて統計として扱うことがむずかしいということを申し上げたわけであります。数ははっきりといたしております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 むずかしい点もよくわかります。しかし、私の言っている方向は先ほど来申し上げているとおりでありますから。  そこで、次に厚生大臣に伺いますが、厚生大臣、さっき重症者、重症心身障害児の場合いなかへ行くと隠すからなかなか実態がつかみにくいと言われましたけれども、実際それじゃ、厚生省は心障者百十四万、精薄五十万というふうに発表しておられますけれども、これはどういうふうにして調査されたのですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) それは各都道府県及び保健所等の協力を得て調査をしたものであります。実態がつかみにくいと言ったわけじゃなくて、ただいま握っておる数字を、それだけでいいと考えずに、草の根を分けてでももっとさがして実態を捕捉しろと、こういうことを言っておるわけでありまして、そうたくさんの差異はないかと思いますが、厚生省の言った数字よりも実際は多いのではないかということを考慮しつつやらなければならない、こう考えるわけであります。

小平芳平公明党

○小平芳平君 ですから、私はまだ草の根を分けろなんと言っておるのじゃなくて、厚生省がつかんだ数字はどういうやり方で出てきたのですかということをお尋ねしたのです。

渥美節夫厚生省児童家庭局長

○政府委員(渥美節夫君) お答えをいたします。  先ほど大臣が御説明いたしました一万六千五百というこの要収容者数の算定は、昭和四十年の八月一日現在で、全国の国勢調査地区というのがございますが、そのうちから百五十分の一の抽出で約三千地区をとりまして、その三千地区の世帯につきまして身体障害者福祉司、それから児童相談所の児童福祉司、それに関係の医師と、三名一組になりましてその世帯並びに子供につきまして調査をした結果そういう数字が出てまいったのでございます。この百五十分の一の抽出地区でございますが、従来厚生省でやっておりました調査地区といたしましては最大の地区を選びまして行なったということになっております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 時間がありませんので、私のほうから申し上げますから。百五十分の一で実態がわかるわけないでしょう。それからまた、厚生省の調査から漏れている人の中には重症者が多い。この重症者、全く何年も動けない重症者が、そうした厚生省のほうへ登録してもらうためには、福祉事務所へ行く、そうしたら今度は指定病院へ行けと言う、指定病院へ行ったらあの写真この写真たくさん写せと言う。こんなことをして重症者に指定してもらっても何の恩典があるかといえば、国鉄運賃の割引とか、松葉づえの支給。重症者が松葉づえもらったって何にもならないじゃないですか。そういうような国の施策の貧困からそれは来ておる。ですから、戸別調査をやりさえすればはっきり出てくると思うのですね、戸別調査を。いかがでしょう。

渥美節夫厚生省児童家庭局長

○政府委員(渥美節夫君) 先ほど申し上げましたように、百五十分の一の地区と申しますのは、国勢調査で選びました、国勢調査で利用いたしました地区のうち、この重症心身障害児の調査のためにその百五十分の一を選びまして、その地区におりまする世帯につきまして面接をいたしまして、面接をいたしましたのは身体障害者の福祉司、それから児童福祉司、それからお医者さん、この三人が一組になりまして世帯に参りまして、そして面接をいたしました調査でございます。  もちろん、その百五十分の一の抽出が問題じゃないかというふうなことも言えますが、いままで厚生省がやっておりましたいろいろな調査がございますが、それも国勢調査地区の全数をやったことはございませんで、百五十分の一の抽出というのは、厚生省といたしましては最大の数字をとりましてやったというような結果になっております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 じゃ、東京都内はどこどこを調べましたか。

渥美節夫厚生省児童家庭局長

○政府委員(渥美節夫君) いまここに資料を持っておりませんけれども、全数で、全国で約三千地区ということに相なっております。したがいまして、東京都の地区でも約その一割くらいの地区を担当したものと、かように考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 東京都内の何区を何世帯歩いたか、それを言ってくれればぴんとくるのですよ。

渥美節夫厚生省児童家庭局長

○政府委員(渥美節夫君) 手元に資料がございませんので、後ほど調べまして報告いたします。

小平芳平公明党

○小平芳平君 じゃ、さっき言ったことは、私が説明したことはどうですか。福祉事務所へ行ったり、指定病院へ行ったりするわけですか、しないのですか。それはどうですか。

渥美節夫厚生省児童家庭局長

○政府委員(渥美節夫君) この四十年の八月一日に行ないました調査は、いま申し上げましたような調査でございまして、それによりまして調査表を、社会福祉事務所でございますとか、あるいは保健所とか、いろいろなところで見まして、そして確認をしたわけでございます。したがいまして、そういった身体障害者の方々が保健所に来たとかいうふうなかっこうの調査には相なっておりません。こちらのほうで実情を、調査員によりました調査を集計したものでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 調査ではないですよ。いま重症者となるにはどういう手続が要るのかと聞いているのです。

渥美節夫厚生省児童家庭局長

○政府委員(渥美節夫君) 重症心身障害児といたしまして、たとえば施設に収容するというふうな場合におきましては、当然、現在のところは御本人の家族が社会福祉事務所とかあるいは児童相談所に御相談に来られる場合もございますし、あるいはまた児童委員等がそういった方々と御相談になりまして措置する機関に連絡をしていただく場合もございます。また、児童相談所のほうから職員がそういった家庭を訪問いたしまして、そういった方々を重症心身障害児施設に措置するというふうな方法を講ずることもございます。いろいろな方法がございますが、いずれにいたしましても、児童相談所が、児童相談所長がそういった重症心身障害児施設に入れるべきものと認めまして施設に収容するというのが、いまやっておりますたてまえでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 身障手帳の交付を受けるにはどうやったらいいですか。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) お答え申し上げます。  いまの実態調査の問題で、大体福祉事務所ごとにどの程度身体障害者あるいは児童がおるかという概数はわかりますが、具体的には家族の申し出、それから担当の民生・児童委員から福祉事務所あるいは児童相談所、あるいはおとなでありますと身体障害者相談所というところに、いろいろ相談がございます。その状況によりまして診断書を出してもらいます。これはまあ診断書はある程度の費用はかかるわけでありますが、それを出してもらいまして、たとえば全盲ならば一級というような級別を決定いたしまして、本人に福祉事務所のほうから手帳を交付するという仕組みでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 要するに、厚生大臣、いま政府委員が説明しておられるように、実数がわかっていない。全体を個別に訪問して調査すれば実数が出ますけれども、実際問題現在は実数つかんでいない、厚生省は。ですから、厚生大臣が笑いを届けますといっても、届け先さえわかっていないのじゃないですか。それほど立ちおくれているのが身障対策だと思いますが、いかがですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) いまの実数調査につきましては、御意見も聞き、さらに十分に検討したいと考えております。  なお、相談所、福祉事務所等で具体的に何があったかわかりませんが、ときどき、取り扱いが不親切であったとか、あっちへ行けこっちへ行けと回されるというようなことが、時たま私の手元へ直接訴えてまいりまするが、こういう問題はそれぞれ処理していきますが、今後とも行政指導上十分に注意をし、なおまた手数等を省いても確認できるような方法を検討させてみたいと思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 よくわかりました。厚生大臣、それじゃ、たとえば重症者でいまだに届けも何もしていないという人が、なぜしていなかったかということを具体的にお聞きになってみると、私がいま何を質問しょうとしているかということがわかっていただけると思うのです。きょうちょっと時間がないから、それをやっておられませんが……。  次に、重症心身障害ということは、法律的あるいは医学的にどういうきまりがあるんですか。

渥美節夫厚生省児童家庭局長

○政府委員(渥美節夫君) 重症心身障害児の定義につきましては、いろいろあろうかと思いますが、昨年の八月一日から児童福祉法が改正になりまして、重症心身障害児施設というのが法律上の施設の一種につけ加えられたわけでございます。そこで、重症心身障害児施設と申しますのは、重度の身体障害と重度の精神薄弱、この二つをあわせ持っているもの、こういう子供のことを重症心身障害児と、かように定義をしておるわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 もう少し具体的に、手足の……。

渥美節夫厚生省児童家庭局長

○政府委員(渥美節夫君) 手足の重度の問題につきましては、身体障害者福祉法に定めておりまするところの別表で、いわゆる一級及び二級、つまり手足が完全に動かない、あるいは体幹が動かない、こういうふうな状態でございます。それから、精神薄弱の重度と申しますのは、おおむね知能指数が二五以下ということでございますが、これもいろいろ生活反応その他によりまして、知能指数が二五以下でなければならないというふうなことではございませんで、相当重篤の精神薄弱の状態をいうと、こういうふうに解釈しているわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 そこで、厚生大臣、この重症心身障害ということばが初めから法律やなんかできまっていたわけではないわけですよね。おのずからそういうことばを一般に使っていたわけですよ。それを厚生省が取り上げて、いま局長が説明するように、いきなりかってに、白痴でしかも両手両足が動かないものが重度だということにかってにきめて、それでこの施設に入れるのを制限しちゃおうという、これはおかしいじゃないですか。たとえば盲ろうあという三重苦の人ならば、これはよほどの重症じゃないですか。だけれども、ああいうふうにきめてしまうと、それが入らなくなるじゃないですか。そういう点、やはりその対策のおくれの一つじゃないかと思いますが、いかがですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) ただいま厚生省では、心身とそれから肢体との重なったものは、これは別の区分といたしております。しかしながら、重度と中度の区別等については、御指摘の点もありまするから、もう一ぺん検討をして、実際にそういう子供さんを持った親御さん方が施設に収容してもらいたいが資格がないというふうなことがあると思いまするから、十分検討してみたいと思っておりますが、問題は、やはり施設なり収容所が少ないというところに問題がありますので、このこととかね合って努力をしたいと考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 まあそのほかにもいろいろ社会保障についてはありますけれども、要は厚生大臣の熱意にかかっている。たとえば老人福祉年金も、厚生省が思ったとおり上がらなかったわけですよ。ですから、こうした年金などは、それは老人福祉年金に限らず厚生年金も国民年金も、これはスライド制をとっていかないというと、どんどん実際の実勢におくれちゃうわけですよね。こういう点も社会保障充実の大きな柱になると思いますが、いかがですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) 老人福祉年金等につきましては、御指摘のこともございますから、これが医療費その他のほうでもなるべく負担を軽減して、実質の年金が上がるようにしたいと考えております。年金の問題については、いろいろ考えておりまして、内容がまだ完全に充実しないうちにスライドにしますると、かえっていろいろな財政上の面から不利ではないか、それよりももう少し基本的な水準というものまで行ってからスライド制を考えたらいいのじゃないか、こういう点で両面から検討しているところでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それでは、厚生大臣、最後に。厚生大臣はさっき、笑いが届くのはこれからだと言われましたけれども、これからいままでとは変わった強力な施策なり、そういうものを進めていくという決意なり、それから順序、段取りがあったら、最後にお聞かせ願いたいと思います。それで、いずれにしても、先ほどの法務大臣のお話のように、そういう事件が現に起きつつあるわけですから、きのうも起きているのですから、きょうも起きないとは限らないわけですから、こうした差し迫った社会問題にしっかり取っ組んでいくべきいまの段階の厚生大臣でありますから、そうした意味の決意をお聞かせ願いたい。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) ただいま裁判になっておりまする森川医師の安楽死事件で、所管大臣から——私に御質問がなかったのは委員のお情けであると思って私は拝聴しておりましたが、心から、森川医師がさばかれておるのではなくて、私がさばかれておるのだと私は痛感をいたしております。した、かいまして、この事件につきましては、ひそかに特別弁護人として出席して、施設が不十分であるということを公開の席上で陳述することは、まことにせつないことではございまするが、やりたいという意向も伝達をしてございまするが、検察庁のほうでもこの点については十分了解するところであるからいまのところ必要ないということで、いろいろなほかの、名前を出すためにやったなどというそしりもございまするから、控えておるところでございます。  しかし、そのように社会保障制度は非常な問題であり、特に身障児を持った両親の方々のお気持ちは、ほとんど毎日のようにお会いしておりまするが、痛切に考えております。今度の予算審議の場合に、身障児を持たれた御さん方が私のところへ来られて、ことしは予算もたくさん取ってもらってという、おしかりはなくて激励のことばがありました。そのことばを聞いてみましても、いままで、残念ながらいかに放任してあったか。あるいは子供の特殊な病気のガンとか、あるいは筋ジストロフィーとか、こういうことについての研究さえもされてなかった。ささいではございますが、こういう点についても今年から研究費等もつきましたし、新規の事業の発足もいたしたわけでございます。なおまた、その根本問題たる身障児の数をどうやって減らすか。これは早期診断、母親と子との。特に母親の健康管理をすることによって相当減るはずでございまするから、今年度からは母子保健の定期健康診断、母子健康管理の推進員等も配置をいたしましたが、御指摘のとおり、いままで、放任とは言いませんが何もなされていなかったことに、しようという意欲を見せただけであって、決して私はこれで満足されるものであるとは考えておりません、御指摘のとおりに、これが第一歩でありまするから。しかしながら、現実は相当深刻でございまするから、国家財政だけではとうてい間に合いませんから、ありとあらゆる手段を講じて、みんなの力で、親さん方の何とか納得できられるような程度には早急に進めていきたい、こう考えております。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 以上をもちまして小平君の質疑は終了いたしました。     —————————————

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 次に、横川正市君。

横川正市日本社会党

○横川正市君 まず私は最初に、先般、論議をされました中で宮澤企画庁長官が答弁をいたしました、黄色い金属に負けない人間の英知という問題を提起されまして、たいへんその勇気に私ども敬服をいたしたわけでありまして、この黄色い金属に負けない英知ということは、言いますと、今日この人間の考え出した通貨としての最高のもの、それが逐次通貨としての量、あるいは他の方法等がいろいろ考えられまして、まあ今日日本のように、銀行券による通貨としての方法をとっているわけなんですが、しかし、それも最近の状況から考えてみますと、はたしてこれが最善かという点については、宮澤さん自身が座談会の中でも言われておりますように、日本の今日の管理紙幣の通貨価値としての限界がきているようだ。これに対して何らかの処置をとらなければいけないということを、座談会の中で表明されているわけであります。私どもは、一体、この人間の英知としての通貨というものをどういう地位で考えたらいいのか、これをひとつ長官からお聞かせいただきたいと思うのであります。  もちろん通貨が今日の経済情勢に合わせて増発をされていく、それがきわめて均衡がとれている段階では、今日の通貨そのものについて問題は起こらないと思うのであります。ことに、日本の場合の今日の銀行券が紙の紙幣であるというそういうたてまえからすれば、この運営としてはかつてないほどの実績をあげているのだと、こういうことが言われるわけでありますけれども、しかしながら今日の経済状態を見ておりますと、実は私はしろうとなりに、この貨幣と言えない通貨そのものに対して何か不安を感ずるわけであります。ことに一般市場においては、たとえば国債の売れ行きがきわめて悪いというようなことと関連し、まあ株価としてはそれほど大きな期待の持てないようなものであってもこれが買われているというような状態等を勘案してみますと、一体、この黄色い金属に負けない人間の英知としての貨幣ないしは通貨というもののあり方というものは、どういうことが想定できるのか。これをまず最初にお伺いいたしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 非常にむずかしい問題でございますので十分にお答えを申し上げられるかどうかおそれるものでございますが、現在の世界における基軸通貨、いわゆるキーカレンシーが生まれてきました過程を見てみますと、世界経済の中で飛び抜けて力の強い国の通貨を一応お互いの決済に使おうではないかということで、最初はイギリスがそうでございましたからポンドというものが基軸通貨になり、その後アメリカ経済が非常に強くなりまして、ドルというものが同じく基軸通貨になって使われるに至っておる、こういう経緯であったと思います。そこで、これらの国々にとっては、自分の国の、国の通貨つまりナショナルカレンシーを同時にインターナショナルカレンシーにされるということは、ある意味でかなりの重荷になるわけでございますから、それらの国が、ことさら経済政策をやっていく上で、対内的な考慮だけでなく対外的な考慮を余分に必要とされる状態であったと思うわけであります。けれども、それらの国が圧倒的に経済力が強かったときはそれでもいけたわけでございますけれども、だんだんその点が相対的になってまいりますと、よけいそれらの国が、通貨政策についていわゆる自制を強くするようになってきたというふうに思います。それが、現在イギリスやアメリカに対して各国が経済政策上の自制を要望している点であると思うわけであります。  しかし、その第二段について考えますと、第二次大戦後に、EECにいたしましてもわが国にいたしましても、最近経済力が非常に台頭してまいりましたから、ちょうど国際政局と同じように、国際経済においても多元化の傾向がだんだん生まれてきておるのではないかというふうに思うわけであります。そういたしますと、一国の通貨だけを基軸通貨とするということが現実にはだんだんむずかしくなって、そこに各国が協力してその複合的な決済手段を考えなければならなくなっておるというのが私は現状ではないかと思うのでございます。そのような協力関係が生まれ得るかどうかという点でありますが、それは、国際政局が原子兵器の発達によって一ぺんは二元化したわけでありますが、その後非常に多極化しつつあって、そうしてこういう兵器はお互いに使うまいという平和共存がともかく生まれてきた。それと同じような英知が通貨についても私は働かないはずがないというふうに考えるわけであります。つまりそういう形で多元的な複合的な通貨という、決済通貨というものが考えられるのではないか。SDRなども、私はこれは通貨と呼ぶことに問題があるかもしれませんが、複合的な点は間違いないと思いますので、そういうものではなかろうか。そういう考え方を今後とも推し進めることは不可能ではないのではないかというふうに思うわけであります。  で、たまたま金というものが長いこと唯一の決済手段であると考えられてまいりましたけれども、御承知のように、今日新産金はおそらく年に十五億ドルぐらいかと思いますが、それもほとんど通貨に回らずに、装飾用とか工業用とかに行ってしまう。他方で世界貿易は、いま大体世界貿易が二千億ドルぐらいと思いますが、年間に五%成長いたしますと百億ドルの成長であるわけであります。そういたしますと、百億ドルの成長に対してかりに新産金全部充てたといたしましても、七分の一とか、六分の一とかいうことになりますから、どうしても金というものであくまで世界貿易の決済をやっていこうということは、私は物理的に無理でありますし、かわりに複合的なものが生まれてくれば、そっちのほうで問題は相当解決されるのではないかというふうに考えます。また人間はそれを考え得る能力を少なくとも核兵器の管理においては示しつつあるわけでありますから、そういうことができるのではないかというふうに思うわけであります。  さて、そうやってしかし生まれました国内的あるいは国際的な管理通貨というものが信用を失わずに、これは国内でも、国際でも、両方のお尋ねであったと思いますが、失わずにいくためには、やはり国のあるいは世界経済の生産性の向上とある程度見合った通貨の増発、少なくともそれを無視したような通貨の増発をしないという、そういう自制が世界経済にとっても、一国の経済にとっても必要であろう、自制と協力が必要であろうと思いますが、その上にのみ通貨の国内的あるいは国際的な価値、信用というものが維持されるのではないか、こういうふうに考えておるのでございます。はなはだ不十分でありますが。

横川正市日本社会党

○横川正市君 非常に通貨価値といいますか、そういう面からいきますと、何か私は確固として今日の生産性とそれから通貨の増発というものとが見合った形で動いておらない。その動いておらないということをとらえて、一体このままでいわゆる管理貨幣でいいのかどうかということが今日問題になるのじゃないかというふうに思うのですが、その点で生産性と、それから消費、それから通貨の増発、この関係についてお尋ねしたいと思うのですが、まず第一に、日本の予算規模というものを見てみますと、昭和二十八年から三十一年くらいまでは大体一兆円程度の予算規模であったわけです。それが急激に三十五年から今度の五兆八千億というような大型予算に膨張していったわけなんですが、この膨張過程で、一体この生産性と、それから通貨とのいわゆる増発の関係というものは、これは均衡をとれておったかどうかという、その点はどのようにお考えでしょうか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) それは確かにその辺に一つ問題があるのではないかと思います。つまりもう厳格な意味での貨幣数量説のようなものを横川委員も御想定ではないと思うのでありますけれども、経済が成長するというときには、これは誤解を招くといけませんので、あまり現実に即して申し上げているというふうにおとりにならないでお聞きいただきたいと思いますが、ごく軽微な、通貨価値がどう申しますか、ごく軽微ずつ、逆に申しますと、ごく軽微な消費者物価の上昇といったようなものは、経済が成長するときには必要といっては非常にまた語弊があるんでございますけれども、そのほうが成長しやすいということは、私はある意味であろうと思います。それで、いま言われましたような段階において、わが国の経済は成長を続けてきておって、そうして同時に、ただいま言われましたような、それを多少上回る通貨の発行、それから実はごく軽微ではない、問題になる程度の消費者物価の上昇があって、この点は物価が上がり過ぎておるわけでありますけれども、拡大均衡をたどっていく限りにおいて、私はある程度通貨の発行量が成長率を上回るということは、これは程度問題でありますけれども、ある程度あってもしかるべきものではないか。そういたしますと、長年月の間には相当の通貨増発になり、また相当の消費者物価の上昇になっていくわけでありますが、そうでありません場合を想定いたしますと、単純再生産かあるいは縮小再生産ということになってしまうので、そういう意味では管理通貨というものが適当に発行されておれば、労働力等々がある限りは成長を促す要因になる。わが国の場合、そういう経緯であったのではないかと思います。

横川正市日本社会党

○横川正市君 実はその点で、たとえば物価の上昇率で、企画庁から出された資料の中に、たとえば日本の場合の上昇率は、昭和三十五年から全体の上昇率の約五〇%、それから四十年から以降において、その五〇%のうちの八〇%が実際の上昇率になっているわけなんです。これとヨーロッパの物価の上昇率というのを、これを見てみますと、その間においてはわずかにフランスが二百倍、アメリカが二・四倍、イギリスが一・八倍、西ドイツは二・九倍と、物価の上昇率というのはきわめて低位に押えられているわけなんです。そういう点から考えてみますと、これはいま言ったような生産とそれから通貨の関係で、私どもは日本の場合にほんとうに管理通貨というものが見合った形での膨張というものをとってきたのかどうか、この点について非常に疑問を持つわけなんですが、これは一体、諸外国の場合の物価の上昇率というのはきわめて低いのに対して、日本の場合には非常に高い物価の上昇率を示している。それに従って通貨が膨張してきている。その膨張の中で、たとえば個人所得の面から考えた場合に、この膨張率というものは非常に大きな不均衡、アンバランスを来たしているんじゃないか、こういうふうに思われるわけでありますけれども、これは総体的な数字だけで判断をするんではなしに、いまのような生産と通貨の膨張率の過程の中に、個人のいわば受けているアンバランスというような点については実際にどうお考えになっていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 実は御通告がありましたので、一九五〇年というところをとりまして、これはIMFの統計を見たわけでございますが、それから最近までの世界各国をとりましたので、六六年まででありますけれども、消費者物価指数を見てみますと、過去十六年間でございますか、ただいま御指摘もありましたが、日本がちょうど二・一倍ぐらいでございます。フランスがちょっとそれを上回って二・一五倍ぐらい。あとは、西ドイツの一・四、イタリアの一・七、さらに、イギリスの一・八五、アメリカの一・三五といったようなところでございます。それで、わが国の場合、私ども政策的に意識しておりましたのは、戦後相当の失業者をかかえておりました。まあ戦前もそうであったわけですが、それに雇用を与えるということによって国民全体の所得を上げようと、こういう考え方でまいりました。そのためには、確かに、言われますように、管理通貨の管理方法がある程度意識的に積極的であったということは、あるいはそうでない方針をとる国からいえば言えたことかもしれないと思います。これがしばしばイギリスの雑誌の「エコノミスト」などが取り上げておった問題だと思います。大づかみに申しまして、この間にまあ人手不足と言われる程度に雇用問題が解決したということは、ここまでは失敗でなかった。ここまではまずよかったのではないか。もちろん、消費者物価が上昇したことも認めなければなりませんが、平均的に言えば、それは所得の上昇によってカバーされてきたと、大まかにはそういうことを申し上げても大過はないように思います。問題はむしろこれからであって、完全雇用とは申しませんが、人手が不足してきたいまの段階で、従来どおりの通貨管理方針、あるいは管理方針が、いわゆるインフレーションを起こさずに続けていけるかどうかということは、ここへ来て初めてわが国にとって実は問題になってきたと思います。イギリスにとっては実はもうかなり前からそのことが問題になっておったのではないかと思われますし、西ドイツにおいてもそうでございます。ですから、問題は、確かにここへきて管理通貨というものはどうあるべきかという非常にむずかしい問題が、抽象的な問題でなくて、具体的な政治の問題にいまなりつつあるというふうに考えております。  それからこれらの通貨の増発が個人の所得にどのような公平・不公平を与えたかということでありますが、まず、失業をしておった状態と比べますれば、それは所得が生じたということはもうそれだけでいいことだと思いますが、のみならず、最近までは中小企業に働いておる人々の現金所得は少なくとも大企業に働いておる人々に対して非常に格差を縮めてまいって、毎月きまって払われる現金給与に関する限りは、かつては一〇〇対六〇ぐらいでありましたものが、いまむしろ一〇〇対一〇一とか一〇二とかいうふうに中小のほうが現金給与に関する限りは多くなっておる。これは、そのほかの福利施設やなぞは別でございますけれども。そうなりましたから、格差是正ということにはたいへんにここまでは役立ってきたというふうに考えるわけであります。ですから、大づかみに言えば、この点もまず国内の所得の均衡平均——主としてその上での増加でありますが、に貢献してきたというふうに考えるわけであります。  ただ、それと消費者物価との関係で申しますと、これは先般も御議論がございましたように、消費者物価というのは一本でございますけれども、所得をかりに五分位の階層で上から下までに分けてみますと、どうしても所得の低いほうがエンゲル係数が高い。そうして、消費者物資の中で上がるものがどちらかといえば生活必需品の上がりが大きいということから、エンゲル係数の高いほうが消費者物価上昇から受ける影響は大きいと、こういうことは現実の問題としてございました。それは、不均衡といえば不均衡と言えることでございましょうと思います。しかし、全体としては所得格差が非常に縮小したということは、私は大づかみにはここまではこれでよかったという判断をいたしております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 これは「レファレンス」の六六年の八月号なんですが、各国の貨幣価値の下落についての統計が出ているわけですね。それによりますと、日本の場合には、一九五五年、一九六〇年、一九六五年と約十年の計数の中で、全体の貨幣価値の減少率というものが三・七%、各国の順位からいきますと二十二、三番ぐらいの順位で貨幣価値というものが下がっているわけなんです。これはいろいろ統計上の数字でありますから、実際に実務に携わっておられる企画庁ではどういうふうにとっておられるかわかりませんけれども、この数字によりますと、日本の場合のたとえば一九五五年の一万円というものは、現在六千九百円くらいな貨幣価値であるというふうにいわれているわけなんです。もちろん、これは、生産性とそれから通貨の問題、あるいは政策の問題もこれに関連してくるんだろうと思うのですけれども、こういう貨幣価値の実際上使いでがなくなってきている。これを私は資料で言うのではなくて、生活の実態からこれをとらえて言ってみますと、たとえばまあ世にいう家庭の主婦の皆さんの生活がしづらくなったということに通じ、それから実際上消費をする段階に立って収入と消費とがアンバランスになってきて家計が赤字になってくる、その赤字を埋めるということで相当苦労をするという、こういう問題にだんだん置きかわってきておるというふうに思うんですよ。これは、通貨価値といいますか、あるいは生産に見合った貨幣の膨張というものがバランスがとれていないというか、そういう状態というものをこの中から読み取ることができるんじゃないかというふうに思うのですが、実際上の生活その他から影響されている問題をとらえてみて、家計の支出——あるいは教育費だとか、あるいはその他の支出の条項というものを、これはぜいたくか、これは実質かといういろいろな分け方というものはあると思うのですけれども、そういう点から見てみて、一体均衡がとれているとお考えになっておるのか、それとも、今日やはり管理通貨について何らかの形で通貨価値というものを維持する方法をとらなければ通貨に対して信用が落ちるんじゃないか。この間、エピソードが何かわかりませんけれども、日銀総裁が外国を旅行されて、そうして各国のドルとか円とかフランとかいろいろなものを展示してあるのを見て、そうしてあまりにもみすばらしい日本の一円札というものを見て、これは印刷技術とか何とかで、もっと日本にはいいものがあるんだがと言ったら、これはお前の国のいわゆる単位じゃないか、この一円というものは単位じゃないかということを言われたということがちょっと記事に出ておったわけなんですが、こういうお金そのものに対して見ためが悪いということよりか、使いでがなくなってきている。その使いでというものは、増発されていく増発によってカバーしておるんだと、こういうふうにはだんだん言い切れなくなってきているんじゃないかと思うのですけれども、この点はどうお考えになっていらっしゃるか、お聞かせいただきたい。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 確かに、現在ポケットに入っております百円が、いまから十年前の百円と比べて何かそれほどの力がないという生活実感は、私はやはりそのとおりであろうと思います。まことに月並みなようでありますけれども、ただ、十年前にはポケットに二枚入っておったのがいま三枚か四枚入っておるということが所得と通貨価値との関係であると思うのでありますが、先ほど引用されましたものでありますが、おそらくそれは消費者物価と卸売り物価とを複合いたしましてウエートをかけて貨幣価値を逆算したものだと思いますが、おそらく言われたような数字になっておると思います。それで、対外価値に関する限りは、私は、一ドル三百六十円というものは十分円のほうにまだ重みがあるというふうに考えておりますから、対外価値について問題があるとは思っておりません。国内では確かに減価してきたことはもう認めざるを得ませんけれども、平均的には所得の増大によってそれをカバーしている。家計が赤字になっておるということをあるいは言われましたのですかどうですか、平均的には実質的な家計支出というものは毎年五%あるいは七、八%、ことに最近は農村の伸びが大きいわけでございますが、むしろ伸びてきておるので、可処分所得が減っておるとか、あるいは支出のほうがそれをオーバーしているといったようなことは、ここにおいてなかったのではないか。  いずれにしても、しかし、非常に厳密に考えていきますと、簡単にお答えできる問題ではないように思います。今日までともかく所得の上昇によってやってまいりましたけれども、労働力が逼迫してまいりましたので、これからは相当慎重に通貨の管理をやらなければならない段階にかかっておるということは確かに私もそう思います。

横川正市日本社会党

○横川正市君 これはどうしたらよいのかということでないと、いまのままでは、全体のこの数字だけを見ておって、そして通貨の膨張がそれを補っているというだけでは、個々の場合にはどうも納得しかねるわけです。ことに、郵政省の場合に、貯金の伸び率というものは非常に高いわけですね。大体四兆円突破というような状態のようです。その貯蓄をされておる中央貯蓄推進委員会かの調査の結果によりますと、これは、不時の災害とか、あるいは老後の安定とか、あるいは学校の資金だとか、そういうふうに勤勉に貯蓄をしようとする意欲というものをもって貯蓄の額というものはだんだんふえていっておるようです。そして、また、ある県では、一人頭の貯蓄の総額というのは十七万とか十八万とかというふうに個人が貯蓄をしたということになっているわけなんです。ところが、貯蓄をした者にすると、これは入ってくるから貯蓄をするということもあるかもわかりませんけれども、それにも増していま言ったような要素に従って貯蓄をしていくものだと思うのです。しかし、その積み重ねられたものが、たとえば三年たつ、あるいは五年たつ、十年たつということになりますと、金利算計を入れてみても、それほどいわゆる通貨価値というものを維持しておらないというような問題にぶつかるのじゃないかと思うのです。これは国民全部がぶつかっている問題だと思うのですが、こういう点については、いやそうではないという理由があればお聞かせいただきたいし、もしそういう結果ならば、一体どういうことをしたらいいのか、これをひとつお聞かせいただきたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 昭和三十五年から今日までのたとえば経済の成長率を見まして国民総生産がどれだけふえてどうなっておったかということと、今度は日銀券の平均発行高の比率をとってみますと、昭和三十五年、六年に五・何パーセントというときがありましたが、それ以後は全部六%もしくは六・一%で、国民総生産と日銀券を発行しておる発行高の比率が、これはどういうわけですか、ほとんど偶然的に毎年同じ六%ということになっておりまして、したがって、さっき企画庁長官が言われましたように、その関係では特に狂った年はない、均衡がとれておるということが言えようと思います。  それじゃ貯蓄はどうかといいますと、昭和三十五年が十三兆ぐらいの貯蓄残高でございましたが、これがやはり毎年同じようにふえて、今年度になりますというと、四十七兆、四十八兆ぐらいですか、三・五倍というようなことで、これも同じように今日まで増加してきているということになりますというと、いまの物価との関係がなかなかこれは判断することがむずかしい問題でございますが、その間における日本の物価上昇がやはり六%をこえておるということでございますので、今度初めて去年今年へきて五%を切るというところまできましたから、特に日本の円の国内の価値というような問題から考えましたら、問題は物価をいかにして上げないかという施策に努力を集中すれば、いまおっしゃられるようないろいろな問題が解決するのじゃないかというふうな気がいたします。

横川正市日本社会党

○横川正市君 私のほうでは、円の通貨としての価値が今日何年たっても均衡がとれたものであることを念願をして、そうでない現状に対して御質問しているわけですから、これからひとつ物価の問題で上げないことをすることだというのじゃなくて、本来ならばこれはやはり物価を上げないということを強力にやってもらわないといかんのじゃないかと思うのですね。  この論議をやっていますと、ほかに時間がありませんから、一つだけ大蔵大臣に金の使い方についてお考えをお聞かせいただきたいと思うのですが、今日まで、たとえば租税特別措置法で使われた六千億、あるいは交際費として支出された六千億に見合う金、そういった金というものが、生産基盤の醸成あるいは確立に役に立っておらなかったというふうには必ずしも言えない面もあろうかと思う。しかし、その面が全面的に血となり肉となっていたかという点になりますと、どうもその点が保証しかねるのではないか。もしも同じ形とするならば、こういうような金というのは、生産あるいは労働力の培養、そういう意味でもっと血となり肉となるような方向へ全体的にこれを向けていくというような方向転換をとられる必要があるのではないか、こう思うのでありますけれども、これは抽象的な言い方でありますけれども、ひとつ意見をお聞かせいただきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 私も全く同感でございます。いま交際費の問題が出ましたが、これはもう御承知のように、交際費というものは、企業の営業的な必要経費として本来なら全部経費と認められて税金をとられない性質のものでございますが、いまおっしゃられるように、このごろの交際費の使い方にはいろいろ問題かございまして、どうしても営業上必要という使い方とは必ずしもきまっておりません。いわゆる社用族といって非難されておりますが、個人のいろいろな費消を全部企業の経費にかぶせるというような傾向が目に見えておって非難の的となりましたので、特別措置によって、この交際費をみんな無税にするんじゃなくて、これを十分調整して税金をとろうという、ような措置で交際費の課税をやっておるということでございますが、よくこの問題で非難されますが、たとえば交際費をいまそれじゃ全部否認するということにしたらどうかというようなことになりますというと、中小企業は四百万という制限がございますので、この範囲で実は助かっている。これをやめたら、大企業は痛くもかゆくもないのですが、中小企業については、当然営業費として組めらるべき経費を全部課税されるというようなことになったらたいへんでございますので、そういう点で交際費をどういうふうな形で制限するかということがむずかしい問題で、昨年ようやくこの改正をいたしましたが、改正したばかりでございますので、この結果をもう少し見て、すぐ期限がきますから、それまでに次の対策を考えたいというのが私どもの考えでございます。こういう問題は、ほんとうに産業のために生きて使われないという経費は民間にも多うございますし、したがって、また、国の財政においても各施策の均衡がとれないそういう非効率な経費というのも多いと思いますので、政府、民間がこの経費をいかに合理化すかということがこれからの財政硬直化の問題でもあり、日本の産業合理化の問題でもあるというふうに考えております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 次に、地方財政問題でお聞きいたしたいと思いますが、四十年度の地方財政の計画を見ますと大体三兆六千億、これは決算の規模では四兆六千億と実際には一億円ぐらい上回っているわけなんです。ことしの予算の組み方は、補正予算を行なわない、こういう予算の組み方なんですが、ことしは、こういう地方財政の面で当然必要経費としてオーバーしたような場合に一体どういう取り扱いをするのかという問題が一つと、それから四十年度に一兆円もの大きな決算が上回ったわけなんでありますが、同じような質で四十三年度上回った場合であっても今度はそれは認めない、そういうものなのか。そうすると、これは四十年度の予算の一兆円というのは全く意味を持たない増額を認めたということにもなるわけですが、ここに増額をしなければならない理由というものが全部あったように思われます。しかし、同種のものが四十三年度に増額した場合であっても補正予算を組まないという、これは一貫していかれることなのかどうか、まずその組み方の問題からお聞かせいただきたいと思います。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 毎年、年度の当初に組みます地財計画と、また決算の結果とは、大幅に食い違っております。しかし、年度途中で、御案内のとおりに、いろいろなものが入り込んでまいりますので、結果的にこういう合わないことになりますけれども、年度当初に計画いたしますときには、大体の方針を伝えるわけでございまするので、途中で変化がございましても、地方団体はそれによって困ることはない。それぞれ地方公共団体の財政運営についての大体の基準を当初に示すわけでございます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 今度の地方財政の予算の組み方で、実際上全体の伸び率その他から見ますと、今度の場合は四十六府県それから約三千二百ある町村、こういったいろいろ千差万別な実情というものがありますのに、それに対して、地方財政というのは何か少し好転をし黒字だから、今回はそれをできるだけ適切な是正をしたんだというような意味での予算の組み立て方をされておるようでありますけれども、じゃ、これは府県と市町村との場合、あるいは市町村であってもそれぞれいろいろな違いというものがあろうと思うのでありますが、その点の自治省としての考え方といいますか、これは一体どういうふうに考えて組まれたか、それをお聞かせいただきたいと思います。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 最近、地方財政の内容が多少健全化したと申しますか、数字的な見当ではよくなっておる、血も確かにございますけれども、それはもうわずかなことでございまして、大体膨大な借金をかかえてやっておる財政でございまするので、決して好転したといったうぬぼれる状態にはなっておりません。やはり苦しいやりくりをやっておるわけでございます。  それから各地方団体に対する財政上の指導といたしましては、国全体もこういう内外の経済環境からきびしい抑制型の予算を組まなければならぬような事態に追い込まれておりますし、地方財政とてこれと全然無縁ではございませんから、われわれは国に協力するという意味で地方財政計画でもかなりきびしい態度で編成をいたしておるわけでございます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 全体として地方財政というものをどういうふうにとらえられたかが問題だと思うんですよ。それにはいろいろ地域の差があると思うんですね。たとえば、東京周辺におけるところの府県ないしは市町村と、それから山間僻地におけるところの市町村というふうに、みんな差があるわけなんですが、その点を地方の財政というものをどういうふうに見られたかということをお聞きしたいのは、たとえば埼玉県に行きますと、これは財政的な非常な困難というものを持っておりますから、社会資本だとかこれに付随するいろいろなものが全部立ちおくれているわけですね。 ことに、東京と比べてみますと、画然とするぐらいに差というものがあるわけなんですよ。そういう差があるのに、幾らか好転したのじゃないか、だから今度は地方の財政支出について一つの規制をやったと、こうとられますと、現実と合わないような気がするわけですが、その点をお聞かせいただきたい。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 御質問の趣旨はわかりました。人口が非常に流動いたしますので、国内的にたいへん困った現象が至るところで起こっております。一つは、過密地帯の対策、逆に過疎地帯の対策、これにつきましてはいろいろと頭を悩ましておるわけでございますが、ただいま御指摘になりました地域も、過密地帯の中でも、俗にドーナッツ現象と申しておりますが、東京都のごとき、中心部にはまるで人がいなくて、ほとんど周辺のかなりの距離のところまで人が住むようになりました。こういったところは、急に過密現象を呈してきまして、また、社会資本の投入が不足のために、交通問題、あるいは文教施設の問題、いろいろなことが起こっております。そこで今度は交付税の配分にいたしましても、また起債にいたしましても、こういったところにできるだけ重点的に措置をする。また逆に過疎地帯のほうも同様な対策をとってまいっております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 どうも時間がありませんので、次の問題に入りたいと思うのですが、農林大臣に答弁いただきたいのですが、国有林野の市町村交付金の問題であります。これはまあ第一には、比較になるものがありまして、戦前の帝室林野当時の交付金、これは租税付加税といいますか、それの町村に対する交付と、それからいまの交付金との間に、算出が問題なのか、基準が問題なのか、非常に大きな差がある。それからもう一つは、同じ交付金でありましても、国鉄の交付金と比べてみますと、これまただいぶ大きな差がある。これは実は時間がありますと、いろいろ現状を説明いたしたいと思うのでありますが、問題は基準のとり方に問題があるのじゃないかというように思うのですが、それぞれ比較をいたしてみますと大きな差があるわけですけれども、この点は一体、交付金の必要を持っております山村市町村においては、唯一の頼みの綱のような財源にも考えられるわけですが、この算出について、一体現状でよいとお考えになっておられるのかどうか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 山村のといいまするか、市町村における国有林野等に対する交付金の問題だと思います。そこで戦前と戦後は制度が御存じのように変わってまいりました。戦前帝室林野局、こういったような形等でやっておりました時代と制度が変わっておる。戦前戦後における国有林野の交付金について制度が変わってきましたから、直接の比較というのがちょっと困難であるのでありますけれども、交付金の考え方といたしまして、現在国有林野所在市町村交付金というものが、これは御存じのとおり法律に従ってやっております。国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律、これに基づいて毎年交付しておりますが、農林省といたしまして、昭和三十八年までは台帳価額でやっておる、交付金を算定しておる。昭和四十一年の地方税法の改正に伴いまして、固定資産税額との均衡をはかる、こういう考えから、固定資産税の評価基準を準用した国有林野の実態調査、それを基準にして、その結果評価額をつくりまして、それを交付金額として算定する。したがって、四十二年度におきましても、漸次ふえてはまいっているわけでございます。したがって、ただいまお話のありました国鉄その他との基準が、うまく調整がとられておるかどうかという点につきましては、ちょっと私にも十分検討の時間をいただきたいのでありますが、現在のところは、固定資産税の評価基準を準用したもので、従来三十八年までは台帳の評価でやっておったのでありますが、現在は固定資産税の評価基準というものをもとにして、それで今度は国有林野の実態調査をして、それの評価額によって交付金を算定していくと、ずっと最近はふえてまいっておる。したがって、固定資産税との見合いで均衡を保っていくようには、私ども今後とも努力してまいりたい、こう思っておるのであります。

横川正市日本社会党

○横川正市君 これは算出の基準に私はやはり問題があると思うのですが、たとえば木材価格などが急激に上昇いたしておっても、それは実は算定の基準の中に入れておらないようであります。ところが、国鉄の場合は非常に高い生産性というものを持っていますから、それに従って算出がされるから高い交付金になる。それならどういう算出をしているのだと聞いたら、実はそれは隣地ですね、たとえば民有地とか町有地、村有地等の土地の価額と見合った評価額によって算出されている、そういうふうに言うわけですが、実際には、ここには一年ものであれ三十年ものであれ、相当な価額のするものが実際上植わっているわけですから、それを一体どの程度のパーセンテージ、計算の中に入れるのかということは、これは実はこのほかにいろいろな意見もあるわけですけれども、当然なんではないだろうかというような意見もあるわけなんですが、この点はどうでしょうか、大臣。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 御了解願えるのは、三十八年までは古い台帳価額でやっておった。それを今度はいわゆる隣接その他の固定資産税額を基準にする。ところが固定資産税につきましても、おそらく山林については上物があるじゃないか、その材木の価額等十分しんしゃくしているか、こういう御意見だと思います。ややそれらの算定の基準等になりますので、林野庁長官からお答え申し上げます。

片山正英林野庁長官

○政府委員(片山正英君) ただいま大臣の御説明に補足いたしまして御説明申し上げます。  国有林の市町村の交付金でございますが、これの算出は、立木は規定上ございません。土地だけでございます。それからもう一つは、土地のほかに国または公共団体以外のものが使用している固定資産、この二つに対してかかっておるわけでございます。公社等につきましては、おそらく固定資産そのもの全部にかかっておるということから違っておるのだと思いますが、林野庁の国有林としましては、重複するようでございますが、土地と、それから国以外が使っておる固定資産、これにかかっておるわけでございます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 現状はわかったわけですが、一体、上物はどうして基準の中に入れないかという問題ですよ。これはずいぶん価額も上昇していますし、これは山間僻地の町村にしてみれば、財源としてはきわめて期待のできるものなんですがね。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) じゃ、さらに林野庁長官からお答えさせます。

片山正英林野庁長官

○政府委員(片山正英君) ただいま申し上げましたのは、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律というのの第二条に規定しているわけでございます。したがいまして、これはいまの立木に対する評価につきましては民有林と同じで、われわれといたしまして、民有林地の価額と同じような方法でやっておるわけでございます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 だから、それは大臣どうですか、いまのやつは。いまの項目だけ読んだだけですよ。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) この点はちょっと私ども研究させていただきたい。よろしゅうございますか。ちょっと具体的になりますというと、かなりいろいろ影響も出てまいりますから、法律解釈、それから将来に向かっての考え方等でございますから、影響するところが大きうございます。いまのところは、そういう林野庁長官からの御答弁で御了解願いたいと思います。

横川正市日本社会党

○横川正市君 これは非常に不満足ですが、ひとつ検討してもらうことにして、また後日に譲りたいと思うのですが、自治大臣に重ねて、四月の七日の日に新聞で報道されました、いわゆる官憲介入によって選挙するという意欲をそこなわせないための、いろいろな形式的な政治活動といいますか、これに対しての条件づきで緩和という記事が出たんですが、この内容をちょっと説明していただきたいと思うのです。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) たしか朝日新聞だったと思いましたが、見出しを見ますと、たいへん誤解を呼びそうなものですから心配いたしましたが、さっそくいろいろな問い合わせがまいっておるような次第でございます。御案内のとおり、選挙制度審議会のほうでも、できるだけ取り締まりを緩和して、自由な選挙をやらせようじゃないかという御議論がたいへん盛んでございまして、今度の答申にもそういう形があらわれておりますし、また、われわれといたしましても、公選法の改正をいたしますとともに、答申の線に沿うて、かなり自由化の方向を打ち出そうとしておりまするけれども、まだこれはまとまったわけではございませんので、ただ現行法のもとにありましては、現に法律があるものを緩和するなどということはあり得ようはずはございません。ですからいまの段階では、もととちっとも変わりはないのでございまして、これがたいへんな誤解をよばなければいいがと思って心配をしておるわけでございます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 もとと全く変わりがないという答弁では、ちょっと納得いかないのは、これはもう改正のための作業が最終段階に入っているとも私ども思うのですよ。ですから、その法律が出てからまた論議をいたしたいと思いますが、私はこれは法律の提出について、資金規正法と同時にこの選挙法を、取り締まり法ではなしに、選挙をやってもらう公民権の行使のたてまえからして、自由濶達に公民権を行使してもらうという法律の改正というものが必要だと思うので、そういう意味合いから、一体これはいつ出されるのでしょうかね。四月に入って、あとこの国会ももう余日がなくなってしまったわけですが、いまもってこの法律を出される気配がない。非常に残念だと思うのですが、その内容は別問題として、出されてから論議いたしますが、いつ出されるか、ひとつはっきりしておいていただきたいと思うのです。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 答申は大筋が示されただけでございまして、個々の問題をどう具体的に規制するかといったようなことにつきましては、何もないわけでございます。そこで、いま同じことを繰り返してたいへん申しわけありませんけれども、目下、自由民主党の選挙制度調査会でいろいろ御検討いただいております。中には、この次の参議院選挙にも間に合わせようというので、早く出せとおっしゃることは全く無理からぬ御要求でございますので、非常に急いでおりますが、いつ幾日ということは、ただいまちょっと申し上げかねる状態でございます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 防衛庁長官にお尋ねをしますが、ちょっと通産大臣にも関連してお聞きいたしたいと思ったので、時間がありませんから、項目で申し上げたいと思うのですけれども、日本の防衛産業の問題で、防衛のための装備等を国産化しようという、そういう考え方があるのでありますけれども、一体これはどの程度までそのことをお考えになっているのか、これをまずひとつお伺いしたいと思うのです。  それからもう一つは、最近問題になりました機密漏洩あるいは汚職事件の問題と関連をしているのでありますけれども、退職自衛官の何といいますか、処遇といいますか、取り扱いといいますか、これについては、前質問者に対しては考慮されるように答弁をされておりますけれども、それをひとつ具体的にお聞かせをいただきたいと思います。私は非常に停年制の関係が、結局肉体的な条件でずいぶん規制をされているようなんでありますけれども、それらの点で考慮する余地というものは持っているのかどうか。  それから四番目としては、小笠原の返還に伴って、この地域におけるところの自衛隊の駐留といいますか、防衛計画、これをどうお考えになっているか。私の考えは、これは北方領土の返還の問題とも関連をして、ここには全くそういう処置をとらないほうが将来賢明なんじゃないかというふうに思うのですが、そういう処置を私はとるべきだというふうに思いますが、具体的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。  で、あとは通産大臣が来ましてから、防衛産業の兵器の輸出問題について今日の状況、それから考え方をお聞きしたいと思っていますから、その四点についてまず質問いたしたいと思います。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) 横川さんが一括して御質問くださいまして、まことにありがとうございました。そこで、私の答える範囲をできるだけ詳細にお答え申し上げます。  まず、装備品の国産をどの程度するか、これは通産大臣に関連いたしますから、また横川さんによって、通産大臣がお見えになった節は重ねてお聞きを願いたいと思います。私どもといたしましては、具体的に申し上げまして、三次防、すなわち、昭和四十六年度末までの武器調達は一兆円と踏んでおります。その一兆円のうち約一千億円をアメリカその他で調達いたします。これは直接の調達でございます。FMSといっておりまして、フォーリン・ミリタリー・セールスという、アメリカ政府からわりあいに安く売ってくれるもの等を一千億と見ております。それから原則として、その他の国産でございますが、日本の防衛産業の事業体にそれぞれ契約をいたしますが、その事業体が、つまり会社が外国から買ってくるというような部品がございまして、火器、車両あるいは通信電気機器あるいは施設機械、船舶、航空機等でございましても、そのうちの部品でどうしても外国から買わなければ間に合わないというものが約五百億円ございます。そこで、千五百億円がアメリカその他から購入するものでございまして、武器の一兆円のうち八千五百億円は国産化をいたしてまいりまして、かねて一般産業技術水準も高めてまいりたい、こう考えておる次第でございます。これは国防会議議員でございます外務大臣も、同じく通常メンバーとして入っております通産大臣とも相談をいたしました結果、五年間の体制はそういうふうになっておりまするから、御了承願いたいと思います。  それから第二の問題、すなわち自衛官の退官の関係でございまするが、まず御了承願いたいのは、自衛官は精強なる部隊として存在し、訓練をしていかなくてはいけませんから、比較的若年で停年になるということでございます。でございまするから、第二の人生を送らんならぬ。そこで、第二の人生において、相当の職を求めてやることが防衛庁自衛隊の職務である、こういうふうに考えております。ただ、在官中直接の任務に関係したところへはなるべく行かないように配慮をいたしておる次第でございます。ほんとうに直接関係があるということで、従来他の委員から御指摘になりまして、本属長官である防衛庁長官が法の規定に従って許認可をいたしましたものが三件ございます。三件きりじゃないじゃないかというお説がございましたが、そうではないのでございまして、三件以外のものは法に触れるおそれのないところへ全部就職しておりまするから、三件だけ許可をいたしたわけでございます。私になりましてから一件許可をいたしただけでございまして、一件以外は公正妥当なる再就職をいたしておる、こういうふうに考えておる次第でございます。将来とも、この精強なる部隊として存在し、発展するということは必要でございまするから、いよいよ有能なる退職者がふえるわけでございまして、在職中得た経験あるいは技能等を生かす方面で、しかも職務にはあまり関係ない方面という、ちょっと条件はむずかしゅうございまするが、われわれ、特に私自身が配慮すべき部面もございまするし、また人事局長その他が配慮すべき分野もございますが、退職後の第二の人生における再就職については配慮をするつもりでございます。  それからその次に、小笠原島のことでございまするが、小笠原島を北方領土との関連においてまだ考慮したことはございませんが、いまアメリカ軍が百三十名ばかりおります。コーストガードを含めておるわけでございまして、そこで、この前ここでも申し上げましたが、コーストガードはアメリカでは軍隊という扱いを受けておるわけでございまして、ロラン局すなわち長距離の電波灯台とでも申すべきものだと思います。電波による灯台でございます。この関係は引き続いてアメリカ軍の施設として使いまするが、あとのものは、いままでアメリカ軍が使用しておりました父島における上陸艇等が上がってきた場合に、これを受け入れをする約三十名、ばかりのアメリカ兵がおります。それから、南鳥島と硫黄島とには飛行場がございまして、硫黄島の飛行場はことに長さ一万フィート、つまり三千メートルでございます。非常にりっぱな飛行場がございまして、これが返ってくるわけでございまして、その管理は主として自衛隊が行ない、また民間のものにも使ってもらう、こういうようなことでございまして、幾ら多くなっても二百名未満で小笠原諸島の領海、領空、領土を守ろう、それ以上のことは考えてございません。

横川正市日本社会党

○横川正市君 私の考え方もちょっと付随いたしたいわけでございますけれども、時間がないのでここで論議することはやめて後日にいたしますが、これは相当長期にわたって返還の問題を、地元からも、また実際その地の周囲からも、危険とみなされて、それぞれ陳情いたしております。それに対して、防衛施設庁では返還についての趣旨について賛同されて、米軍との間にいろいろやりとりしている問題がいまもって残っているわけです。それは群馬県の太田大泉の物資投下演習のための飛行場、これは私は地元へ行ってみますと、何も使っておらない。市の外郭団体か何かに、半分以上はゴルフ場に貸しまして、そうして民間の人たちがゴルフを半分以上の地域でやっているわけです。どういう理由で返還しないのかということを言いますと、これは東海村の射爆場ですね、これと関連して代替地が見つからないからだ、それのおり合いがつかないからだというようなことを言われているわけであります。もうこれは長期にわたっての問題なんですが、私はこれは当然事務的な折衝の段階で解決していいころではないかというように思うのでありますが、ひとつお答えいただきたいと思います。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) 横川さんの御質問に一応お答え申し上げまして、詳細は、施設庁長官がここに出席いたしておりますから、お答えを申し上げます。  ただいま太田の飛行場が物資の投下演習場として使われているわけでございまして、その度数等は、少ない多いということは、御指摘のとおり、ございましょうが、やはり新島の射爆場、それから水戸の射爆場、太田の物資投下の試験飛行場、この三者が相関関係に立っているわけでございまして、われわれはでき得れば、水戸の三百五十万坪という射爆場は、原子力関係の研究所にも臨接いたしておりますし、危険であるということをいわれわれも感じておりますし、地元も感じておられる。そこで、三百五十万坪のものを約六、七十万坪にいたしまして、あとは地元に開放いたしたい。その六、七十万坪のものを太田でやっている物資投下の演習飛行場として使われるようにいたしたい、こう考えている次第でございます。そうなりますというと、群馬県の太田は開放されるわけでございます。そうして水戸も、三百五十万坪が七十万坪ぐらいになりますというと、五分の四は開放されるわけでございます。ところが、最後の受け入れの新島の海域等にも相当影響がございまして、地元の知事あるいは町村長等と連絡をいたしておりますし、また外部といたしましては、駐留軍の司令官とも交渉をいたしておりまするが、でき得る限りそういう範囲の、式根島に関係のない、新島のうちの人の住んでいない南のほう、現在射撃場として使われている分を多少拡張し、それから改築して、水域のほうをある程度がまんしてもらいまして、三者同時に解決いたしたいということで苦心をいたしている次第でございます。

山上信重防衛施設庁長官

○政府委員(山上信重君) ただいまの防衛庁長官の御答弁に補足さしていただきます。  太田飛行場につきましては、お話のように、物量投下をいたしております。その使用度数はそう多くないので、これを返還するようにということは、私どものほうでも米側とかねて折衝いたしておったのでございますが、ただいま大臣の申し上げましたように、水戸の射爆場を将来移転せしめることができますれば、そのあとにこの物量投下をやっております太田の飛行場のかわりの機能を発揮させよう、こういうような趣旨で、ただいま水戸の飛行場の移転の問題を検討いたしている次第でございまして、これにつきましては、ただいま大臣からお話のありましたように、新島の南端というものを中心としたところに移し得れば水戸の射爆場の移転が可能であろうということが、すでに四十一年の六月にそういう合意が日米間でなされておりまするが、具体的にどうやって新島にやるかということにつきまして、いまだにまだ地元との話し合いには至っておりません。技術的な、どういうふうな内容にするかということを、ただいま検討いたしておる状況でございます。なるべくすみやかにやりたいということは私ども念願といたしておりまするが、やはり受け入れ側もございまするので、これにつきましては十分慎重にはかってまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございますので、御了承願いたいと思います。

横川正市日本社会党

○横川正市君 一分残して、あしたあれします。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) それでは、外務大臣に対する横川君の質問を留保して、これにて、終了いたします。     —————————————

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 次に、田村賢作君。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 私は、いま日本の大きな文教上の問題であり、治安上の問題でもありまするところの、一部分の大学生の行動に関する問題等、こうした事態を生むに至りました大学のあり方の問題と申しまするか、大学の管理の問題と申しまするか、これらの問題につきまして、当局の所信をただしたいと思うのであります。  まず最初に、新学制が施行されまして以来、日本には短期大学を含めて大学の数が非常にたくさんふえてまいりました。現在ありまするところの大学の数、あるいはそこに学ぶ学生の数、あるいはそこに勤務する教職員の数等につきまして、これは国立、公立、私立の区分に応じまして明らかにしていただきたいと思います。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 政府委員からお答えをさせていただきたいと思います。

宮地茂文部省大学学術局長

○政府委員(宮地茂君) お答えいたします。  大学の数でございますが、全体で三百六十九、うち国立が七十四、公立が三十九、私立が二百五十六でございます。入学定員につきましては、総数で二十万九千余ですが、うち国立が約六万四千、公立が約九千、私立が約十四万人でございます。在学者の数は、大学全体で百十万余でございますが、国立が二十四万余、公立が四万人余り、私立が八十二万。教員の数でございますが、全体で六万六千余りでございます。うち国立が三万三千余人、公立が五千人余り、私立が二万八千余人。  大体以上のとおりでございます。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 総計いたしますると、八百をこえる大学があるわけでありまするが、まことに大学の育つ風土に適した日本であるかもしれませんが、これが欧米の各国と比べると、日本の大学の数あるいは学生の数というものはどんなことになりまするか、その比較をちょっとお示しを願いたいと思います。

宮地茂文部省大学学術局長

○政府委員(宮地茂君) 詳細な数字をいま手元に持っておりませんが、概要を申し上げますと、アメリカが一応大学の数、学生の数におきましても世界で数的に一位でございます。それに次ぎまして、大学、短大を合わせました高等教育官の数なり学生数は日本が世界で第二位、大体このような状態になっております。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 世界で第二位を誇る教育の普及を来たしたということは、言いかえてみるならば、これはわが国において政府も国民も教育に対して大きな期待と犠牲を払った結果であろうと思いまするし、またそうした大きな犠牲、投資があったからこそ今日の日本の繁栄を来たしたものであるとも考えられます。教育基本法に示されておりまするように、教育が国家の盛衰に及ぼす影響がきわめて大きいことはこの事実の示すとおりでありまするが、しかし反面には、いま冒頭に申し上げましたような、非常に忌まわしい学生間の問題が社会問題として頻発しておるわけでありますが、この点につきましては、先日青木議員から論ぜられたとおりであります。そこで、最近における——ここ一、二年間におけるわが国に起こりました学生騒動と申しまするか、学園紛争と申しまするか、こうした問題につきましてお尋ねをいたします。

宮地茂文部省大学学術局長

○政府委員(宮地茂君) 最近に各大学におきまして一部の学生と大学問で種々トラブルが起こっておる、その原因にはいろいろございますが、これを現実の問題から分析してみますと、私立学校等は、大体入学の場合の授業料とか入学金の値上げ、こういったようなことが具体的な表面にあらわれたまあ原因、私立学校はそうした面が多うございます。国立大学には、授業料、入学金の値上げということが当分ございませんので、そういうものはございませんが、国立大学で行なわれておりますのは、たとえば寄宿舎あるいは学生会館、こういったようなものの管理運営につきまして、学生がその管理——大学の管理権にまあ悪く言えば介入と申しましょうか、要するに大学が行なうべき理管権の行使に対しまして学生がともかく関与したい、できれば学生自身の手によってその管理権を行使したい、こういったようなことでトラブルが起こっております。またその他ごく最近には、医学部の学生の臨床研修につきまして、医師法の改正に関連いたしまして、医学部の学生あるいは卒業生と大学の間においてトラブルが起こっておる。その他いろいろございますが、そういったような問題が共通しての問題だと思います。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 私はもっと詳しく報告をしていただきたいと思うのです。

宮地茂文部省大学学術局長

○政府委員(宮地茂君) それでは、多少数字的にあげて御説明いたします。  自衛官の大学院入学等の問題、これは数字的にはっきり、たとえばこの大学で自衛官を志願した場合に現実の問題として志願をさせなかったと、いままで志願させておったのにそういう問題が起こって志願させなかったといったような具体的の問題でございませんので、問題はございますが、数字的に幾つの大学ということはちょっと申し上げかねる問題でございます。  それから、先ほど申しました寄宿舎、学寮、これの管理運営問題につきまして相当なトラブルを起こしましたのは、国立大学で二校ございます。  それから、大学の移転問題につきまして紛争がございましたのが、国立大学で二校、私立で一校ございます。  それから臨床研修、医師法の改正に伴いましてのトラブルが十校。これは非常に数字としてはとらえにくうございますが、ある程度具体的に紛争としてあらわれた学校が十校ございます。  それから学生の処分問題、これが二枚でございます。  それから私立で、先ほど申し上げました授業料等の学費問題が六校ございます。  学生会館の問題その他で数校ございますが、以上のようなことから、一応約三十校ばかりが、常識的に申しますと、新聞紙上をにぎわすような、新聞の記事になるような程度の紛争を起こしました学校が約三十校、このように思っております。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 いま局長の報告をしたものは、おおむね学園の紛争であります。授業料の問題にせよ、あるいは校舎の移転にせよ、学寮の問題にせよ、学園自体の問題でありますが、そうした問題から離れて、政治活動として学生が違法行為をやるような事件が頻発しておったわけであります。それについても御報告を願います。

宮地茂文部省大学学術局長

○政府委員(宮地茂君) 御質問の趣旨は、昨年十月のいわゆる羽田事件と申しますか、その問題のような御質問と思いますが、十月、十一月の羽田空港周辺での問題、ことしに入りまして佐世保でエンタープライズ号の寄港に関連してのトラブル、それから、ごく最近では成田空港の問題、あるいは王子の陸軍病院設置の問題、こういうことで、それらの事件に参加いたしました学生の数、これはその都度違いますが、大体におきまして、いま申しましたような事件には二、三千人の学生か参加しておるようでございます。また、学生の所属いたします大学、これも全国的にわたっておりますし、国立、公立、私立の多くの大学——数十校の大学の学生がこれに参加しておるようでございます。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 これらの学園の紛争あるいは学外の政治活動等によりまして、逮捕されあるいは検挙されるというような学生も出たはずでありまするが、それらの学生がどのくらいの数字にのぼっているものか。特に大学の当局はこれらの学生に対していかなる指導並びに処分を行なっておりまするか、お尋ねをいたします。

宮地茂文部省大学学術局長

○政府委員(宮地茂君) 実はこの検挙とか起訴とか、こういった数字は、私のほうというよりも、むしろ警察なり法務省のほうが的確な数字をお持ちと思いますが、一応私のほうでそういった責任の機関から聞きました数字を申し上げたいと思います。直接文部省のほうではそういった数字は把握いたしかねますので、そういう前提で申し上げます。  十月八日の第一次羽田事件のときに検挙されました学生は、国公私を通じまして七十四名でございます。そのうち起訴されました者が三十四名でございます。  十一月の第二次羽田事件のとき検挙されました学生数は三百四十七で、起訴者は四十五というようなことになっております。  それから佐世保の事件につきましては、検挙者が、学生が六十九名、起訴が二十名。  それから最近の成田空港それから王子の陸軍病院、これらにつきましては、いま手元にはっきりした数字を持っておりませんので、もし必要ございますれば、後ほど、先ほど申し上げました関係府庁から正確な数字を聞いてお答えいたしたいと思います。  それから、それらの学生についての処分関係でございますが、実はこういう事件に対しまして、処分さえすれば問題は解決したということではございませんので、いろいろな大学としては措置があろうかと思います。したがいまして、そういった大学として全般的な学生指導の一つとして処分ということもあるわけでございますので、そういった意味で、今日まで学生の処分、この中にはいわゆる懲戒としての退学あるいは無期停学、有期停学、あるいは説諭、譴責、いろいろございますし、ある程度の大学が、国立、私立にわたって行なっておりますが、特にここでいま起訴検挙者と仕訳をして申しましたような数字は一応控えさしていただきたいと思います。と申しますのは、すべてこれで終わったのだということではなくて、現在大学におきまして非常に苦慮もいたしておりますし、処分を含めて総合的な対策も検討しておりまして、その一環としての処分でございますので、そういう意味で、はっきり数字的に処分だけを取り上げて御報告するということは差し控えさしていただきたいと思います。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 私はどのように処分をしたかということについて重点を置いて聞いているのではないのです。いやしくも大学の学生が、一部分たりといえどもそのような事態になっておりますることが、一面から言いまするならば、大学の自治の崩壊の危機にもつながる問題であるから、一体大学がそれらの学生に対してどのような指導をし、かつ処分をしたかということを聞いたのであって、処分処分と、処分して能事終われりという意味で聞いているのではないのです。大学がどのような指導措置を講じたかということを聞いたのであります。

宮地茂文部省大学学術局長

○政府委員(宮地茂君) たとえばこれは、退学をさせ、あるいは停学をさせるということは、これははっきりいたしておりますが、その他譴責あるいは戒告——まあ公務員にたとえますと、そういったような、いわゆる説諭といったようなことを行なった大学もございますが、しかし、同じ説諭にしましても、説諭してそれで済んだというかっこうではございませんで、何がゆえにそういうことをやったのか、本人の考え方を聞き、あるいは、それが必ずしも正しい行ないではなかったのではないか。いわゆる懲戒の中に、教育的な態度で説諭等もしておる。それから、たとえば何もしないように見えますけれども、今後一年間日記を書いて、指導教官をきめましてその指導教官に一週間の終わりにはその日記を提示して、このように学業に励んでおるといったようなことを見させるとか、多少小学生じみてまいりますけれども、いろいろそういったような補導をしておるところもありますし、また、クラスで担任教官が最近はやりのいわゆる対話、学生との意思の疎通をはかる会合を月に一回くらいは持つとか、あるいは、そういう問題につきまして教授会でももっと深い教育的な配慮について検討するとか、まあ、大学によりましていろいろ異なりますが、そのような問題をいろいろ配慮しておる状況でございます。まあ、口で言いますとたいしたことはないようでございますが、ともかく大学といたしましては最近の事態を心から憂慮しておりまして、ほんとうに心から苦悩をしておるというのが実態でございますので、お尋ねに対しまして、こうやっておる、ああやっておると、あまり明確にお答えできないのが申しわけございませんが、一応そういう状況でございます。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 そこで、文部大臣にお尋ねをします。いま宮地局長の申しているようなことは、言えば、こう薬ばりのことであって、根本的な問題にはならないのじゃないか。私は、いまの大学の問題というものは、言うならば、いま申しましたように、日本の苦悩である。したがって、これをほんとうに健全な姿の大学に立て直し、あるいは国民の期待と信頼にこたえる大学たらしめるためには、文部当局は異常なる決意と努力によって大学の立て直し策を立てなければならない、そう考えておるわけであります。したがって、これは制度の問題にもあるいは関連することもあり得ると思います。そういう広範な、また高い立場に立って、一体大学をいまのままの姿で、悪いことをしたら説得するとか、あるいはけしからんことをやったら譴責するとかいうようなことだけでおさまる問題ではないのですから、この問題について文教の最高責任者である文部大臣のお考えをお聞かせ願います。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 今日の大学、特に一部の学生のあのような常軌を逸した暴力行動、こういうような事態は、いわゆる大学の自治、こういう問題につきましても非常に憂慮しなければならない事態であると、私どもも心から考えておる次第でございます。先ほど来お話もございましたが、最高の学府に勉学をいたしております学生の行動としましては、いかにも不当な行動をいたしておるわけでございます。その原因については、先般来たびたび申し上げたことでございますけれども、いろいろな原因があろうかと思います。ひとり大学だけの問題として解決し得ない原因なり理由も多々あろうかと思います。また、個々の学生について考えましても、いろいろな私は原因が作用いたしておると思うのでございます。それらの問題についても、広くかつ深い省察を加えまして改善に努力しなければならないことは申すまでもないことでございますが、それにいたしましても、現在の大学においてその一部の学生があのような行動に出るということは、学生としてなすべからざる行動をしておるという面もございますし、同時にまた、大学としてその職責を果たす上におきまして反省もし、また努力もしなければならない問題であるということは明らかなことであろうかと思うのであります。私どもとしましては、この問題がなかなかいわゆる快刀乱麻を断つがごとき方法によって解決しにくい問題であるということを痛感いたしておるのでありますが、それにいたしましても、各大学ともに学生の教育指導の任にあるわけでございますので、学生の教育という立場からもっともっと努力もしてもらいたいと存じております。また、大学自身といたしましても、この問題につきましては、学生運動に対処してどういうふうに大学がやるべきか、この点につきましても、国立大学方面におきましても、また、私学の方面におきましても、いろいろと検討を加え、改善のために、あるいは解決のための意見も打ち出されておるような状況であります。私は、これらの関係者がこの問題に真剣に取り組んでおるという事実は認めなければならないと思うのでありますが、それにいたしましても、ただ単に所見をきめて、その所見を発表した、こういうことだけで終わられては困るのであります。私はおおむね、国立大学その他私学方面において打ち出しておられます所見は妥当であると思うのであります。その妥当な所見を現実のものにしなければならない。その点について特に関係者の皆さん方に対しまして、真剣な努力を要請をいたしておるのが現在の状況でございます。いろいろ困難な問題もあろうかと存じますが、私どもは、国立大学であると、私立大学であるとを問わず、その責任は非常に重いのであります。その責任を全うして、もらいたい。そうして、せっかく認められておりますところのいわゆる大学の生命とも言うべき大学の自治というものを守り、また、これを確立していくために懸命な努力をしてもらいたい。そのためには、私どもとしましても、できるだけの協力は惜しまない。まずもって、大学側において適切な対策を立て、それを実行をするという心がまえと現実の努力を必要とする。それに対しまして、われわれは及ばずながらできるだけの御協力をしたいと、こういうような考え方のもとに、いろいろ話し合いをいたしておるような状況でござ

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 大臣の意図するところはよく了解できます。ただ、私は、大学の制度がいまのままでよろしいかどうかという問題にも一つ問題が残るのではないだろうか。たとえば大学四年の課程の中に、教養学部二年を使う、専門的な教育が二年しかできないと、こういうところに、いろいろ社会の要求に合わない結果が出ています。また、そうした学校生活を送る学生自体に、言うならば、すきができたり、あるいは、いろいろ横道にそれるような学生運動がややもすれば生じる。こういうふうにいまの大学の制度自体の問題、それから、いま大臣が言われましたが、大学の自治という問題、大学の運営の問題においても、私は問題があるではないか。この制度の問題と運営の問題について、もう一回お尋ねをいたします。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 現在の大学におきまして、今日国民があげて心配をいたしておりますようないわば暴走事件を起こしております学生たちの多くの部分は、いわゆる教養部と申しますか、大学の前期、比較的若い学生の間に多いようであります。そういう点から考えまして、この教養部門の教育のあり方につきまして、さらに反省の上に検討を加えなければならぬという声は非常に高いように私ども思うのでございます。これらの問題につきましては、大学自身におきましても、また、文部省におきましても、十分研究をした上で、その改善のための検討をしなければならぬと思うのでございます。そのほか、学生それ自身の学生生活の何といいますか、むなしさとでも申しましょうか、そういう点についても十分配慮をしていかなければならぬ点があると思います。その点につきましては、特に文部省といたしまして、大学の施設、設備等の整備についても、一段の努力を必要とするかと思うのでございます。こういう点につきましても、大学側と文部省側と相協力いたしまして事態の改善につとめてまいらなければならないと、かように存じますが、問題はただそれだけの問題じゃない。学生自身のやはり教養を高めていく上におきまして、もっと大学側の努力も必要とするでありましょうし、同時にまた、大学に対する外部からのいろいろな働きかけというふうなものにつきましても、大学側としてしっかりした態度を持って、学生が右に寄らず左に寄らず、まじめに勉強していくような姿において大学の生活を送らしていく、こういう努力を一段としなければならないのではないか。いろいろ問題がたくさんあることでございますけれども、大学それ自身がそういう点について努力をする、また同時に、文部省といたしましても、文部省のなすべきことにつきましては、皆さんの御協力のもとに、もっともっと整備をしていくということを考えなければならぬと思います。  そこで、いまのこの大学の自治が侵害されておる、危うい、こういうような事態に対しまして、大学の管理運営が適切に行なわれておるのかどうかというところに大きな問題があるわけでございます。私は、大学としましては、年来その努力はしておると思いますけれども、いまのような事態を見ます場合に、大学の管理運営の面におきまして、しっかりした、しかも、全大学がこぞってこの管理運営のために努力をするという姿がどうも十分ではないような気持ちもいたしております。それが一体、制度の罪であるのかどうなのかという点もあろうかと思うのでありますが、私は、制度上の問題としましても、まずもって、大学それ自身がいわゆる自治を認められておるわけでございますので、大学の内部において、よきルールをつくり、よき慣行をつくり上げていくという、全学をあげての努力がほしいと思うのであります。また、そのために、もしいわゆる法律その他の制度を改善する必要ありとするならば、私は大学それ自身がそのような考え方になってもらわなければ困ると思うのであります。そういう姿の上に立って、制度の改正を必要とすれば、文部省がこれを取り上げて制度の改正をするということになるのが順当なやり方ではないかと思うのであります。ただいたずらに制度を改正しましても、大学それ自身が学長以下全学をあげて、また、学生もこれに協力してりっぱな大学をつくり上げるという心がまえに欠けておる限りは、なかなか効果はあがりにくい、こういうことでございますので、まずもって、大学の反省と努力を希望すると同時に、私どもはこれに対して協力する体制を組んでまいりたいと思います。

中村喜四郎自由民主党

○中村喜四郎君 関連して。いま大臣から、大学の管理運営の問題について、その問題は大学それ自身の問題だ、大学がみずから対策を立てる、これは私は基本的に了解できるわけでございますけれども、しかし私は、国立大学で、たとえば東京教育大学あるいは東大等で起きた事件の一つ一つを考えてみると、たとえば教育大学で筑波研究学園都市移転反対のストライキをやったときに、私自身現場に行ってまいりました。行きますと、一一門は閉鎖されて、学生が一々身分証明書を要求する、私自身も身分証明書を要求されました。大学の教授の先生方も全部身分証明書を見せなければ大学の構内に入れない、しかも、大学の入り口には机、教壇等をもってバリケードが築かれて、わずか一メーター五十くらいのところをこっそりと入っていかざるを得ないような状況なんです。東大の場合もそうです。御承知のように、学士会館に大河内総長以下かん詰めにされた。私、現場に行ってまいりました。会館のボーイたちが頭突きを食わせられ、け飛ばされてけがをさせられ、そして夜の八時から朝の五時半まで占領されておる、かん詰めにされておる。東大の安田講堂は卒業式の日に、角俸でもってあのドアがぶちこわされております。前には、鉄かぶとをかぶった諸君が火をたいてあたっています。こうした中で私どもは大学の教授の方々とお会いしょうと思っても、会うことを非常に拒むわけです。というのは、だれとどこで会ったかということがすぐわかる。東大の構内ば常に全学連の自動車が巡回しております。無線機が用意されています。どの教授はどこに行ったか、すぐに無線機で報道される。こういうことの姿がいまの東大や教育大学の一例でわかると思うのです。  したがって、私は、この際に大学の自主管理も必要であります。現在の許された法規の中でどうすればいいのか、文部省としてはどうすればいいのか。建造物やあるいは器物の管理についてはどう持っていくことが正しいのか。さらには大学のこのような誤った行き方に対しては、法的規制措置も今日考える必要があるのではなかろうか。私は、大臣の言う大学それ自身の問題として、大学みずからが立ち上がることが、これは最高のものではあるけれども、教育大学などの例を見ますと、立ち上がったことによって回復できたこともあります。たとえば理科、体育、こういう関係の教授は、学園都市に移ることが、将来の日本の教育のために必要なんだということを説得を試みたところが、ストライキに立った教育学部は一日でストライキをやめた。ところが、文学部等は三十何日にわたってやった。しかも、その先頭に立ったのは教授ではありませんか。内部からそういうことは出てきておる。私はこういうことを考えますときには、大学それ自身の問題であると同時に、法的な規制措置が必要であると思うが、大臣の所見を承りたい。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) ただいま各大学における学生の行動に対して、事実を指摘してのお尋ねでございます。まさしくそういう事実があると私も思います。そういう現在の事態をどう改善するかというのが問題でございます。私どもも、そういう事実があり、それは学生として許すべからざる行動であるということは十分認識いたしておるつもりでございますが、そのような事態をどういうふうにして改善するかというところに、方法論としての問題かあろうかと思うのであります。私は、法的規制ということを絶対に悪いとかいうふうな考えをしているわけじゃもちろんございません。また、かつて、大学の運営に関する制度をもっと整え、また、明確にする意味におきまして、大学運営に関する法律案というふうなことを検討した時代もございました。これもその法律案それ自身はそれなりに私は意義のあることとは思うのでございますけれども、いずれにいたしましても、問題は大学の学長以下教官の諸君、あるいはまたその大学に学ぶ学生の諸君の心がまえの問題が非常に大きな要素をなすものと思うのでございます。現在でも、現在の大学のルールを確実にちゃんとやってもらえれば、私はいろいろな問題につきましても、事態はよほど変わっておるのじゃないか。言いかえまするならば、大学それ自身が、みずからのルールをちゃんと実行するというふうなことにおいて欠けるところがあるのじゃなかろうかと思うのであります。それさえきちんと学長以下が責任を持っていくというかまえになってまいりますれば、相当な成果はあげ得るものと思うのでございますが、現実はいま御指摘のとおりに、ある学部によってはこういうやり方をする、ある学部によってはやり方が違う。大学のやり方においても必ずしも一致結束したやり方とも思えないような事態が少なからずあるわけでございます。こういうふうな問題について、大学が学長以下全学の教官が、一つの目標に向かって互いに協力して、そうしてき然たる態度をもって臨むということになれば、必ずしも新しい立法をしなくても、問題の解決というものに相当進むことができるのじゃないか、かように考えますので、先ほど来、まずもって大学がと、こういうふうなことを申し上げておるわけでございます。  問題は、ただ単に法律をつくることによって解決するものではないような気がするので、いまの大学の規則、大学のルールをもってしましても、それぞれが大学の使命ということに対して、責任をもってそれぞれの職責を果たしていくということになれば、事態はよほど改善せられるように思いますので、まずそのほうをひとつやってほしいということを申しておるわけでございます。絶対に将来大学に関する法制を何も考えないとか、考えるとかいうようなことを、ただいま申し上げる段階ではない、このように思います。いたずらに立法をいたしましても、それが功を奏さなければ意味をなさない。現にかれこれ騒いでおる連中というものは、法を無視してかかっておるのです。法を無視してあのようなことをやっておるのであります。そういうことでありますから、法制の整備を決して私は無用なことだとかなんだとかいうような意味で申し上げておるわけではございませんけれども、実効をおさめるためにはどういうやり方がよろしいかということを、まず考えなければならぬと思うのであります。同時に、学生のまあ、いわば傍若無人な乱暴な行為に対しまして、大学がそのなさんとするところを果たし得ない。いわば実力の前に大学が対抗することができなくて、せっかく予定しておる大事な行事なんかにいたしましても、これを遂行することができないというふうな事態は、私は大学の名誉に反し、大学の恥であると思うのであります。  そういうふうな事態が公然として行なわれておるというふうなことについては、大学はよほど真剣に考えてもらわなければならないと思うのでございますけれども、そのような実力の前に実力をもって対抗する手段は大学にはない。したがって、その学生が学生の本分を越え、大学のルールも無視し、めちゃくちゃな行動をなす場合に、これを排除する、これを是正するために、必要があれば、たとえばと申しますか、秩序を維持するために警察の実力の協力を求めるということも、決して私は大学の自治を侵害するものでも何でもない。むしろ大学の自治を守るためにそのような実力を、その協力を求めるということも差しつかえがない。むしろ場合によれば妥当なことであると、このようにも考えておる次第であります。大学がみずからの自治を守り、みずからの自治を確立するためには、あらゆる手段をもって、やっていかなくちゃならない。必要があれば国家の実力を要請いたしまして、これによって排除するということも何らちゅうちょすべきことではない。要は大学の当事者の、良識ある、しかもき然たる態度をもって事態に対処するという心がまえが先決の問題ではないか、かように思っておるのでございます。

中村喜四郎自由民主党

○中村喜四郎君 もう一回。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 簡単に。

中村喜四郎自由民主党

○中村喜四郎君 私は大臣のいまの決意に敬意を表する。文教の責任者としてはそうあるべきだと思います。  ただ、問題は、私は現行法の中でもできる問題があるのではなかろうか。たとえば大学の建造物の保管をどうするか、器物の管理はどこにあるべきか、こういう責任体制の問題も当然考えるべき性質のものである。また、かりに大学の教授が立ち上がることによって、学生は善導することができるはずです。法を無視して、実力の前にはどうにもならないというこの考え方を、私は一応大学側に反省を求める必要がある。たとえば横浜国立大学の秋山委員長が八年間も同じ学校にいる。こういう者に対しては、研修の意図があるかどうか、勉強するような意図があるかどうか、こういう点から、学校として、教授会として、取り計らうべき道があるはずです。また、先ほど申しましたように、逮捕者、検挙者ができた場合に、これは警察からそのリストを文部省なり、あるいは学校なりに知らせることによって、学校自身として、教授会自身として、これらの問題に対してどう取り扱うかという、こういう大学自身の判断も生まれるはずです。こういった点に私は大学の管理の問題、さらには大学相互間の横の連絡と縦の連絡というものを結び合わせる必要が、今日ほど深刻なときはなかろうかと思いますが、それに対して大臣の簡単な御答弁をお願いします。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 大学の側におきましても、今日の事態につきましては、いずつれも深刻に悩み、また、その対策の樹立のために努力をいたしておると私は思うんです。したがって、いまお話しになりましたような事例に対しましても、今日の大学としては、これを何とか解決するということについて検討がなされなければならない段階にきておると思うのでございます。したがって、おそらくどの大学におきましても、そういうふうな問題について具体的にいろいろ調査もし、検討もいたしておると思うのでございます。私どもとしましても、いたずらに、ただ大学に干渉するということでなくて、そういう問題について大学がほんとうに勇気を持って問題の解決に当たっていく、具体的にいろいろ改善の意見は出ておるんであります。そういう改善の意見を実行に移すということについて鼓舞激励して実はまいりたいと思いますし、また、各大学間の横の連絡というふうなことも、この種の問題の解決の面においては大いに意義のあることだと思うのでございます。そういうふうな問題につきましては、大学相互間におきましていろいろくふうもしておると思いますが、文部省としましても、そういうことについて、大学の諸君がお互いに意見の交換をするとか、共通の努力をしていくとか、こういうふうな問題についてはできるだけ協力してまいりたいと、そのように存じております。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 まあ突き詰めるところ、私は、このような結果が生まれてきた根底の一つには、大学が八百幾つもできて、つまり乱造され過ぎておる。同時に、大学の教授の権威が保たれていない、逆に言うならば失墜している。こういうところに大きな指導力の欠陥があるというふうにも思われるんであります。したがって、これを是正するためには、私は、制度上整備しなければならない、あるいは改善しなければならない問題はこれを改善するとともに、大学の管理運営の面においても十分改善をすべき余地がある。こういうようなことをなさない限り、私はいまの大学のこの病根を一てきすることはできないというふうに考えるわけであります。戦前の学生が何のためらいもなく銃をとり、特攻機に乗っていったあのあどけない学生。いま角棒を振るってあばれている学生も同じ学生です。一人一人よく話し合ってみると、まことにあどけない学生なんであります。それが集団であのようなことを仕組むということは、私は、少なくとも大学の教授陣営に学生を抱きかかえる、指導するという力と権威が失われたのではないか、こう思うのであります。  そこで、文部大臣にお尋ねをいたしますが、一体学問の自由と大学の自治というものは、どういうことを意味するものであり、また、どれだけの限界があるものであるか、お尋ねいたします。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) なかなかむずかしい御質問でございますが、私は、この学問の自由ということは憲法の規定をいたしておるところであります。その学問の自由というものを保障するという意味において大学の自治ということが認められておる、そのように思っておるわけでございます。ほんとうに学問の進歩発展をはかりますためには、あくまでも自由が保障せられなければならぬと思います。そういう意味から申しまして、大学の学問研究の自由というものにつきまして、大学の自治というたてまえのもとにこれを保障していこう、こういうことでございます。これは私は、日本の学問研究を進めてまいります上におきまして、この保障というものはどこまでも憲法にのっとって尊重していかなければならぬ。そうしますというと、やはり大学の自治というものにつきましては、これは大学としてはその生命ともいうべき大原則であり、これをあくまでも守り育てていかなければ、日本の学問研究の進歩ということを期待することはむずかしいと思います。そういう意味で、どこまでも守り育てていくということが私の基本の考え方でございまして、ただ御承知のように、今日の大学は、先ほど申し上げましたように、大学の数も多い、また、これに学んでおる学生の数も非常に多いのであります。同時に、大学の使命としましては、ただ単に学問研究の自由ということでなくて、りっぱな教養のある市民をつくり上げていくという大きな使命があるわけでございます。そういうふうな点も、大学としては十分考えていかなければなりませんので、大学の私は社会的な役割りというものが大きい、それだけにまた大学の社会に対する責任も重いと思うのであります。この社会に対する重大な役割り、重大な責任を果たしていくことが現在の大学ではむずかしい、できないということになれば、それは大学それ自身の根底を危うくする問題であります。それだけに私は、大学の当事者がみずから常に大学の自治を要求し、大学の自治を主張しておられるだけに、これを守っていくために責任のある態度をもって対処してもらいたいと思うのであります。現在の事態は非常に困難な事態だとは思いますが、それだけに一そうこの自治を守り抜いていく、あるいはまた育てていくというために懸命の努力をしてもらわなければ、せっかくの学問研究の自由、これによって、これを保障するために認められておりますところの大学の自治が危うくなってくるということになれば、日本の大きな私は不幸と言わざるを得ないのであります。そういう意味で、真剣に考えてほしいということでありまして、限界いかんということでございます。私は、限界いかんということを考えます前に、まずもって、ひとつ大学それ自身が立ち直って国民の期待に沿うような責任ある態度と責任ある行動によりましてその役割りを果たすために努力をしてもらいたい、これをぜひ推進してまいりたいと考えます。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 大学の立て直しのために、人事管理の問題あるいは施設の管理の問題等があると思うのですが、そのうち人事の問題につきましてお尋ねをいたしますが、一体、大学の学長はどのようにしてきめられるものか、あるいは学部長あるいは教授の選任、これらにつきましてひとつお尋ねいたします。

宮地茂文部省大学学術局長

○政府委員(宮地茂君) 国立大学の学長以下の人事につきましては、これは国家公務員でございますので、一応国家公務員の人事関係につきましては国家公務員法ができております。ところで、国家公務員法を全面的に大学の学長以下に適用することには非常に問題がございます。たとえば国家公務員の採用につきましては、人事院のほうでいわゆる競争試験を行なうといったようなことになっておりますが、大学につきましては、大学の教授を競争試験でその適格か不適格かをきめるということはこれはまことに時宜に適さない方法でございます。そういったようなことから、国家公務員法に対しまして、部分的に都合の悪い点、大学の先生にとってはむしろ違った方法がよいといったようなことを規定をしておりますのが教育公務員特例法でございます。その特例法の規定によりますと、学長の採用でございますが、これは学長の採用基準につきましては、その大学の協議会で議しまして、その協議会の議に基づいて学長が採用の基準を作成する。協議会と申しますのは、大体大学に評議会がございますが、その評議会のメンバー、評議員、それに一部の部局長等を加えたものでございますが、そこできめる。たとえば学長はその学内で教授をやっておる者、あるいは学外者でもよいとか、あるいは選挙できめる、選挙をする場合は、教授、助教授、助手がその選挙の資格を持つとかいったような、そういう基準を各大学においてきめております。学部長の場合は、学部長はそれぞれ各学部の長でございますので、学部の教授会におきまして、先ほどの学長の採用基準のようないわゆる基準は、学部の教授会の議に基づきまして学長がきめる、こういうことになっております。それから教員でございますが、この採用基準につきましては、先ほど申しました協議会の議に基づいて学長がきめる、こういったことで、大学の自治の中枢的なものは人事の問題でございますので、大幅に大学の自主性を尊重して、各大学できめる、こういうかっこうになっております。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 学長の選任の方法、学部長、教授の選任の方法はそれでわかりましたが、これは任命権者は文部大臣であろうと私は思うのですが、一体文部大臣はこれらの人事について何らかの権限がありますか、ありませんか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) お答えをいたします。現在の制度の上から申しますというと、文部大臣は任命権者ということになっておるわけであります。したがって任命権者という点から申せば何らかの権限があるわけのものでございますけれども、先ほど局長の御説明申し上げましたように、大学の自治というものを尊重する意味におきまして、大学側できめた人を文部大臣が任命するというのが、事実問題として、多年の一つの慣行とでも申しますか、行なわれておる。また、現に教育公務員特例法におきましても、その趣旨をくんで、いま申しましたような特別な特例を開いて、大学から申し出た者を文部大臣が任命するということにいたしておるわけでございます。あらたまっての議論ということになれば、いろいろ議論もあろうかと思いますけれども、私は、現在の制度が正しく運用せられればそれでよろしい、こういう考えのもとに今日きておるわけでございます。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 正しく運営されていればこういう質問は出ないのです。正しく運営されていないからこういう質問が出るのでありまして、文部大臣は任命権者であるが手も足も出ない、協議会が申し出てきた者をうのみにこれを発令するという形になっておるようでありますが、国立大学の設置者はだれで、国立大学の管理機関は何でありますか、お尋ねします。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 国立大学の設置者は申すまでもなく国がこれを設置いたしているわけであります。また、大学につきましても総括的に最終の責任は文部大臣が負っておるわけでございます。いま申し上げましたようなことは、大学の特質にかんがみまして多年のこれが慣行であり、これを法律制度の上に取り入れまして、申し出によってこれを任命するということをいたしておるわけであります。これが正しく行なわれているかいないかということについては、いろいろ御批判もあろうかと思いますけれども、私は、やはり正しく運営せらるべきものである、現在の状態がもし間違っておるとかおかしなことが行なわれているということになれば、まずこれを是正することに努力すべきじゃないか。制度の問題としてこれをいま論ずるということはいかがであろうか、そう思っております。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 私は、非常にそこに理論的に割り切れない問題を感ずるのでありますが、文部大臣は国民に対して文教の責任を負うわけでありまするが、その責任を負う文部大臣が国立の大学に対しまして何らの権限も介入もなし得ないということは、理論上非常に不合理なことではないだろうか、こう思うのであります。それが不合理であっても、長い間のうるわしき慣行によって大学があるべき姿に運営されているならば問題はないのでありますが、その結果が今日のような大学の醜態を来たしておる、そこに問題がありまするので、そこで私はこの問題をお尋ねをするのでありまして、くどいようでございまするが、そこに理論的に矛盾が感じられないか、あるいは矛盾があったとしても、これが長い間の慣行で、大学の自治に期待するのであるということでいこうといたしまするのか、そこのところをもう一回お尋ねいたします。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) この問題は、私は個人的にいろいろ言えばいろいろの意見もないわけじゃございません。ございませんし、また、私なりの法律論の構成もできないわけじゃないと思いますけれども、しかしこの問題は、みだりに文部大臣がかってな意見を申すべきことでは私はないと思います。そういうことでございますので、私としましては、こういうことが、ここで田村さんから御批判を受けるような事態そのものが、いかにも大学にとりましては残念なことで、日本でいえば最高の良識が大学になければならぬはずのものが、それがとかくの批判を受けるというふうなことは、いかにも大学としては残念なことでございます。そういう御批判に対しまして十分たえ得るような大学の管理運営がなされなければならぬのでございます。その意味におきまして大学側に対しまして適切な指導、助言をしていくということは、文部大臣に許されたことであろうと思うのでありますが、そういう方角において私はあくまでも努力をしてまいりたいと思うのであります。かりに文部大臣がかってなことができるということにいたしまして、はたして大学というものがりっぱに運営されるかどうかということも大きな私は問題があろうかと思います。この問題に対する個人的な所見とか個人的な理論というふうなことは、私は慎まなくてはならぬ、やはり大学それ自体を大切にするという意味におきまして、大学それ自体が間違いのないことをやっていく、また、間違いのないことをやっていくように文部大臣としては協力していくのが私の任務じゃなかろうか、このように存じている次第でございます。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 趣旨はよく理解できました。そこで、大学の管理の問題につきまして、いままでにこれは幾たびか問題になって、これを法的にすっきりすべきではないかという議論があったような経過が見られます。昭和二十五年の十二月に新制大学ができた翌年でありますが、大学の管理法案がつくられております。翌年の二十六年の三月に第十国会にこれは提出されましたが不成立になっておるわけであります。それ以来何回も大学の管理問題については成案が出され、あるいは意見が出され、あるいは国大協の中間報告のようなものも出され、幾たびかそういう議が起きておる。いまだかつてこれが成立しておらないのであります。これをこの姿でいくことのほうがいいのか、あるいは将来これは何らかの措置を講ずべきであろうとお考えになられるかどうか、その辺ひとつお尋ねいたします。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 先ほど来申しておりますように、大学は何と申しましても日本における最高の良識を持っておる人たちの組織体であります。しかも、その学問研究を尊重する意味におきまして、大学の自治ということが認められておるわけであります。もし、その最高の良識の集団である、組織体である大学というものが、国民一般からかれこれ批判を受けるというようなことになりましては、もう大学の値打ちはないと言わなくちゃならぬのであります。そういう意味におきまして、私どもとしましては、国民の皆さん方の信頼を得、尊敬を継続することができるような大学であってほしいのであります。その意味におきまして、先ほど来るる申し上げておりますように、大学側の積極的な真剣な反省と努力を期待をする、こういうことを申し上げておるわけでございますが、同時に、まあ私の大学に対する考え方を申し上げますというと、現在の事態は、いかにも目に余るものがあの学生の行動にあるわけであります。その学生の行動というものは、それぞれの処置をしていかなければならない問題でございます。ことにそれか治安に触れるというような行動をいたしてはばからないという場合に、治安当局がその職責を果たすために活動せられることをはばむ理由もないので、しかし、大学側といたしましては、やはりどこまでも教育、指導するという立場において努力はしてもらわなければならない問題でございますが、この大学の管理、運営に関するいろいろ法制手続上の問題も、いまお話になりましたように、幾たびか問題があったと思います。しかし、必ずしもこれが成立しないということは、大学に対してこの種の態度をもって臨むことがはたして適当であるのかどうであるのかというところに大きな問題点がありますために、簡単に考えれば、こうしたらどうだ、こういうふうな気持ちが起こってまいりましても、なかなかそれができにくい、これがやはり大学というものじゃないかというふうにも実は思われるのでございます。私は、今度の場合につきましても、治安上必要な処置はどんどん遠慮なくおとりになってよろしいと思うのでありますが、大学側としましては、どこまでも、学生をお預かりしているものとして、教育、指導のために努力する、また、そのために従来の大学の管理、運営が適切でなければ、これを反省して改善をするための積極的な意欲と努力をぜひ実行してもらいたいと思うのです。と同時に、大学というものの扱いは、なかなかむずかしい問題でございますので、昔の人のことばに、大国を治めるは小鮮を烹るがごとしというふうなことばがあったように思うのであります。私は、大学問題を処理するのにはやはり小鮮を煮る、すなわち小魚を煮るような心持ちでもって、目標は見失っちゃいけませんけれども、また大学それ自体を破壊することがあってはならない、そういう考え方のもとに小魚を煮るような細心の注意をもってしんほう強くこれはやっていかなければ、なかなか目的は達しにくい、こういうふうな気持ちがいたしておるのであります。と同時に、それならばゆっくりやればいいのじゃないかと、こうとられちゃ困るのでありますが、ゆっくりやらなくちゃならぬものもありますし、その間において大学が当面必要とすることを適切に処理していくということは、もちろんわれわれとして要望するところであります。十分緊密な連絡のもとに大学みずからが立ち上がって自分の問題を解決するというために、繰り返して恐縮でございますが、積極的な意欲と努力をやってほしい、それをできるだけやってもらうようにし向けていくのが私どもの任務ではなかろうかと、こういうふうな気持ちで対処いたしておるわけであります。いかにもまどろっこしいというようなあるいはお感じをお持ちじゃないかと思います。思いますが、ただ単に普通の立法の手段によってこの問題が直ちに解決せられるというような性質のものではないということは、お互いによく認識いたしまして、しんぼう強い努力と細心の注意をもってやっていきませんと、せっかくの大学というものがほんとうにとんでもないものになってしまう、それは国家の非常に大きな不幸であるということでございますので、そこらの点は、私どもも十分気をつけてやらなければいかぬだろうと、こんなつもりでやきもきしながらも、大学の善処を要望しつつ今日やっておるようなわけであります。ちょうど入学試験あるいは卒業の時期も過ぎてまいりましたので、これからまたよく大学側とも十分連絡をし、協議をする機会もあろうかと思います。皆さん方のお考えの趣旨を十分伝えてまいりまして、大学側がさらに一段と反省をし、努力するようにし向けてまいりたいと思います。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 宮地局長に質問します。  大学の学生自治会というのは何のためにつくられているのかお答え願います。

宮地茂文部省大学学術局長

○政府委員(宮地茂君) 学生は大学で教育を受けるわけでございますが、その正規のいわゆる授業と申しますか、単位を取るための授業、教育のほかに、いろいろ学園生活を送っていきます場合に、人間として自主性あるいは自律性、こういったようなことを養う必要もありますし、また、友だち相互の間にお互いに啓発し合う、そのほか社会性を養うと申しますか、そういったようなことを行なうためには、いろいろクラブ活動を通して、そういったようないろいろな教養が身につけられる、こういう観点から、大学におきましては、正規の授業以外に教育的な意義があるということで、学生の自治活動を認めておるというのが実態であうと思います。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 自治会というものは、学問の研究あるいは教育の機関として、学生の学園生活における自主的な、自律的な精神を養う一つの教育機関じゃないかというふうに思うのでありますが、御意見どうでしょうか。

宮地茂文部省大学学術局長

○政府委員(宮地茂君) 大学におきましては、先ほど申しましたようなことから、大学でいろいろな学生の自治活動を認めておりますし、その中に、いまおっしゃる自治会もあろうかと思います。これが法律的に教育機関として——機関に値するかどうか、ちょっといろいろ問題があろうかと思いますが、教育的な意義を持つ活動の行なわれるものというふうに解釈しております。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 重ねてお尋ねします。  この自治会の運営がおおむねの大学はよくいっているのであろうと思うのでありますが、しかしながら、なかなかそのようなりっぱな運営でない自治会があるようであります。たとえば、先ほど冒頭にお尋ねいたしました学園紛争の問題等がおおむね自治会が主軸になって問題を起こすというようなことが往々にして起こっているのであります。これは、教育の手段としてあるべきはずの自治会が、学生運動の拠点となっておると言っても過言ではない。そこで自治会が、おそらくこれは自治会費というものを全学生が負担していると思います。これらの自治会の運営が現在どのような実態になっておりまするか、明瞭にはわからぬかと思いますが、ひとつその辺の感触をお尋ねいたします。

宮地茂文部省大学学術局長

○政府委員(宮地茂君) 自治会の運営と申しますか、いま御質問のようなことから考えますと、大体自治会で何か議決をするといったようなことに関連することと思いますので、一応各大学の自治会等で学生大会が成立する、あるいは、よく学生はストライキ権を確立するとか申しまして、学生大会できめるわけですが、そういったような議決をする場合の要件について見ますと、その大会が正式に成立するためには、学生総数の三分の一以上が出席していなければいけない。それからその三分の一以上学生が出席して、議決をするためには過半数でなければいけないといったような規約を持っておる自治会も相当ございますし、また、学生の過半数が集まらなければ、学生大会として認めないといったようなこと。それから大体議決は二分の一の過半数でございますが、そういうもの。それから学生の総数の四分の一出席すればその大会は成立するんだといったようなところ。まあいろいろございまして、一がいにどうと申せませんが、また、その根底に、自治会なるものは先ほど申しましたような性格のものですが、大学として、だから学生にこの自治会をぜひつくれといったような強制的な指導もいたしておりません。そういうことで、自治会ができました場合に、大学が許可をする大学、あるいは届け出でればよい、あるいは自由にまかせているといったようなことで、いろいろございます。それからまた大学によりましては、学部によりまして——その学部自治会が大体単位でございますが、同じ大学でありながら、その学内の学部によりましていろいろな方式が違うというようなことで、いま私が申し上げましたのを数字で示しましてもあまり意味がございませんので、一応、そういうかっこうになっております。  それから先ほどの、自治会がいわゆる学生の紛争の根源になっているということでございますが、ストライキ権を確立するとか、あるいは授業料の値上げを反対するとか、こういったようなことは、いわゆる自治会と申しますか、学生大会なんかでやっているようですが、一般に学外で、羽田事件あるいは佐世保あるいは成田空港、ああいったときによくいわれます全学連、こういうものは、その全学連の三派の社学とか社青とかいうのが、個々の大学の自治会にあるのではございませんので、まあいろいろな点で、自治会自身が学生騒動の巣くつになっているということにつきましては、まあ考え方によりましていろいろあろうかと思いますが、大体以上でございます。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 大学の問題につきまして、まだたくさんお尋ねしたいこともありますが、時間がございませんから以上でやめますが、私は、大学がほんとうに国民の期待するりっぱな大学として運営され、社会、国家に貢献できる大学としてありますることを心から願いますとともに、いたずらに角棒を振るって飛んで歩いた学生だけが悪いということをきめつける前に、まだまだ反省をしなければならないたくさんの問題があるということについて思いをいたしていただきたいと思います。  次に、建設省にお尋ねをいたします。  大臣が出席しておりませんので、まず最初に河川局長にお尋ねをいたしますが、栃木県と群馬県と埼玉県の三つの県にまたがるところに渡良瀬遊水地という広大なる草原がありますが、あの渡良瀬遊水地がどうしてつくられたものか、経過を御説明願います。

坂野重信建設省河川局長

○政府委員(坂野重信君) お答えいたします。  渡良瀬遊水地は、その目的を申し上げますと、ちょうど昭和二十年のキャスリン台風によりまして大出水があったわけでございます。それを契機といたしまして、昭和二十四年に利根川改定改修計画というものが策定されまして、その計画におきまして、渡良瀬川及びその支川の思川、巴波川の洪水調節を渡良瀬遊水地の調節池で人工的に調節いたしまして、利根川の最大流量に影響を与えないように現在計画されておるわけでございます。その前に、先生御承知と思いますが、明治四十三年の洪水がございまして、それに対処して、まあ第一期の利根川の改修といいますか、そういう観点で渡良瀬の遊水地を自然遊水にしようということで、明治四十三年から大正十一年にかけまして遊水地内の用地買収を行ないまして、谷中村の集団移転を行なっております。その後、いろいろな経過がございましたが、現在、先ほども申し上げましたようなことで、利根川の一番新しい改修計画の中で洪水調節を人工的にやろうということで、流量を大体一万トン毎秒近くを調節しようということで、現在計画が行なわれました。昭和三十八年から事業を着工いたしまして、現在に及んでおるわけでございます。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 これは河川局長もよく知っているわけなんですが、キャスリン台風云々でなく、これはもっとさかのぼって明治の初期から例の足尾鉱山の鉱毒問題以来端を発して、非常なあの地域の政治問題となってこの遊水地ができたわけであります。明治三十八年に谷中村という一村を買収して、先祖伝来住まっておった住民を立ちのかせまして、あそこに遊水地をつくったのであります。ところが、その当時といまでは治水の実情が非常に違ってきておるわけであります。したがって、あの遊水地にいろいろな治水工事が行なわれているようでありますが、その概要を御説明願いたい。

坂野重信建設省河川局長

○政府委員(坂野重信君) 先ほどお答えいたしましたように、現在の遊水地の計画は、利根川の最近の改定改修計画に基づく人工調節の計画でございまして、調節池の計画の中身が三つに分かれておりまして、第一調節池、第二調節池及び第三調節池で成っておりまして、全体の事業費が約百七十億円でございます。昭和三十八年度から着工いたしておりまして、昭和四十二年度末で三十四億円、進捗率が約二〇%ぐらいになっておるわけでございます。その中で第一調節池が最もウエートの大きなものでございまして、これをできるだけ早くひとつ進めて、洪水調節の効果をあげようということで、現在努力をいたしておる段階でございます。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 いまの第一、第二、第三の調節池ができておるわけでありますが、これが完成をした場合、あるいは完成しない以前においても、あれだけの土地を遊休施設としてほうっておくということは、私は国家的な不経済なことであろうと思うのでありますが、これについての開発、利用ということについて、何らかのお考えがありますか、お尋ねします。

坂野重信建設省河川局長

○政府委員(坂野重信君) 先生の御指摘のように、この渡良瀬遊水地は非常に広大な面積でございまして……。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 面積は幾ら。

坂野重信建設省河川局長

○政府委員(坂野重信君) 約二十三平方キロございます。そこで非常に広大な面積なので、本来ならば、この遊水地は洪水調節のための役割りを果たすものでございますので、河川の敷地の占用というものは本来的には認めるべきものでございませんが、非常にそういった広い面積をただでそのまま放置するということは、国家的な観点からいいましても問題があると思いますので、できるだけひとつ——工事中は、いろんな土取り場の関係等で問題がございまして、本格的ななかなか利用ということには踏み切れないわけでございますが、工事が完成いたしまして、その敷地が利用できるような段階に至りましたならば、できるだけ治水上支障のない範囲内におきまして、地元関係方面の要望等十分配慮いたしまして、国家的な観点から、効率的な利用をはかっていきたいというふうなぐあいに考えておりますが、現在におきましては、とりあえずヨシとかアシ、あるいはカヤ等の採草等を栃木県で行なっておりまして、あるいは猟区の設定等をいたしておりますが、そういうことで、現在の段階におきましては、あまり大々的な利用というものは考えておりませんが、完成した暁におきましては、できるだけひとつ積極的な活用ということにつきまして検討を加えまして、その活用をはかっていきたいというぐあいに考えております。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 現在利用されている実情は、地元へ行って調べてみますと、ヨシを刈るために占用されている面積が約四百ヘクタール、事業人員が約六百九十名です。それから野木地区になりまするが、耕地として利用している、占用しているところが、畑として占用をしているところが大体五十三ヘクタール、水田として占用しているところが大体六ヘクタールというようなことになっているのでありますが、これは面積からいうと、いま問題になっておりまする成田の空港が三つも入るような広いところである。しかもヨシキリが鳴いてアシが風にそよいでいるというような程度のところなんですが、これを少なくとも地元としては、牧野として利用したいという熱願をしているわけであります。あるいは地方自治体においてはレジャーセンターのようなものをつくったらなおいいじゃないだろうか。ボートの競技場もできるし、野球場もできるし、あらゆるスポーツの施設等も利用できる。そういう意味において、いまのような遊休施設として持っておるということはまことに不経済だから、地元の市町村にこれが十分利用できるような方法にならぬかということで熱望をしておるのでありまするが、建設省として、これに対する見通しはどうでありますか、お尋ねいたします。

坂野重信建設省河川局長

○政府委員(坂野重信君) お答えいたします。  先ほどお答えいたしましたように、河川敷地の占用につきましては、建設省といたしましては、河川敷地の占用準則というものを定めておりまして、できるだけ多数の公共的な自由使用に持っていこうということが基本原則でございまして、その範囲内におきまして公園、緑地の広場あるいは一般公衆の用に供する運動場だとか、あるいは学校教育法に規定する学校が設置し管理するようなもの、あるいは牧草、採草遊牧地のようなもの、その他営利を目的としないようなものであって、占用の方法が河川管理に寄与するというようなものに重点をしぼっておるわけでございまして、その範囲内におきまして、地元のほうからあるいはその他各方面から要求が出てまいりましたら、その要求を十分審査いたしまして、できるだけ積極的な活用をはかっていきたいというぐあいに考えておるわけでございますが、ただ調節池でございますので、三年ないし四年には水をかぶるわけでございまして、そういった物理的な規制があるわけでございます。その範囲内で差しつかえのないものにおきましては、ひとつできるだけ活用をはかっていきたいというぐあいに考えております。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 次に、建設省の道路局長にお尋ねします。  東京から青森に行く国道がございます。国道第四号線と申しますが、私どものところでは四号線と申しません。毎日交通事故で人が死んでいますから「死号線」と言っております。そこでこの幅員六メートル五〇ないし広いところでも十メートルここを場所によっては一日四万台からの自動車が走っております。交通容量から見ると、三倍半も四倍もの自動車が日夜を問わず走っております。そこで、この沿線市町村は非常に憂えまして民家が毎日々々自動車に飛び込まれまするので、何とか早く第二四国道と申しますか、バイパスと申しますか、それをつくってほしいという運動を、長きにわたりて要望しておりまするが、一向これがはかどっていない、いままでの経過から見ると、これに建設省は目をつぶっていたわけではないので、調査費をつけてその実情を調査したようでありますが、その調査した結果について御報告を願います。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○政府委員(蓑輪健二郎君) お答えいたします。  ただいまの国道四号線の交通の非常にふくそうということは、われわれもよく交通調査等で存じております。この一つの打開の方法といたしまして、ただいま東北縦貫自動車道を早急に建設したいというふうに考えております。ただ、東北縦貫道かできましても、やはり現在の四号線の周辺に残る交通量は非常に多いということでございますので、新しく四号のバイパスというものを、昭和四十年から直轄で調査を始めた次第でございまして、現在まだ調査進行中でございますが、このうち特に交通混雑の激しかった埼玉県の草加から越谷にかけましては、これは昨年の十二月に四車線のバイパスを完成いたしまして、ただいま越谷−春日部間につきまして、現在用地の買収を行なっておる状況でございまして、さらに春日部から宇都宮間、この間が非常に交通がふくそういたします。これにつきましては、四十年から四十二年まで調査をいたしましたが、四十年、四十一年はやはり交通量の推測、その他の土地の利用の状況、そういうものを調査いたしまして、四十二年、四十三年で現地のどういうルートにするか、これの最終的な調査を行ないたいというふうに考えております。現在のところ、国道四号から東側のほうでこのバイパスをつくりたいというふうに考えてございますが、現道からどれだけ東側にするかにつきましては、今後の四十三年度の土地利用の状況の調査、こういうことによって、最終の路線をきめたいというふうに考えておる次第でございます。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 この線路には幾つかネックがございまして、いろいろ建設省としても容易ならない道路であろうと思うのでありますが、特に利根川以北において最近急速に工業団地ができたわけであります。御承知のように古河を中心とした工業団地、小山を中心とした工事団地及び石橋を中心とした石橋から上三川の工業団地、大体二百万坪、それから宇都宮の工業団地、こういうふうに非常に最近急激な変貌を来たしておる。それだけに交通量がまた激増をいたしております。したがって、いま申しました東北自動車道かできたからといって、これによって交通量が現在よりも減るなどということは、とうていないわけであります。そこでいま四十三年までに法線を決定したいというのでありますが、地元の市町村あるいは県から申しますと、地価の値上がりが非常に激しいのであります。もう一ヵ月とはいわない、どんどんどんどん値上がりをする。そういたしますると、法線が何年か後にきまったころには、膨大な地代を要求いたします。そこで地元府県及び市町村としては、法線さえ決定するならば、先行投資でどんどん用地だけは買収してしまう。こういうので要望をいたしておるのでありまするが、一体建設省がその要望にこたえられるだけの用意がありますか、ありませんか、お答え願います。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○政府委員(蓑輪健二郎君) ただいま先生のお話しのように、非常にルートがきまりますと、また用地の値が上がります。また用地がきまらなくてもこの辺は工業適地でございますので、非常に用地の暴騰が考えられます。そういう点では早くルートをきめまして、これは道路直轄の事業で直接買収できればもちろんいいのでございます。道路の予算の現状と将来を見きわめまして、あるいはルートをきめまして、地元、県、その他で用地の先行をしていただくというような事態も考えております。できるだけ早く四十三年度にはルートをきめまして、また地元とよく相談いたしまして、最終的なルートをきめて用地の確保に当たっていきたいと、こういうふうに考えております。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 昭和四十二年の統計だけを見ましても、事故の件数が約五千件あります、宇都宮以南。それから負傷者が約四千五百人。まあ生命は落とさないまでも、その中には一生涯廃人同様で暮らさなければならない負傷者がたくさんあるわけです。そのほかに死亡者百二十五人、年々激増するのでありまするから、たいへんな社会問題であります。したがって建設省といたしましては、地元でもそれだけの熱意を持つのでありまするから、少なくとも昭和四十四年度には用地の買収が可能であるように計らっていただきたい。これについてお答え願います。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○政府委員(蓑輪健二郎君) ただいまの御指摘の交通事故が非常に多いということは、私も非常に統計によりまして憂慮いたしておる次第でございます。ただいま先生のお話しのように交通事故をなくすためには、やはり現道につきましては歩道をつける、その他の工事をやっておりますが、なかなかそれだけでは解決いたしませんので、できるだけ早くバイパスのルートをきめまして、用地を先行したいと思います。ただ現在のところ、春日部から宇都宮間七十五キロございまして、これを全線バイパスを通しますと、やはり四百億以上の金がかかるということもございます。そういう点も考えまして、できるだけ交通事故の多い、交通のふくそうしているところから逐次やるような形で進めていきたいというふうに考えております。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 田村君、時間がまいりました。

田村賢作自由民主党

○田村賢作君 時間がまいりましたので、発言通告中の農林問題は省略をいたします。  以上をもって、私の質問を終わります。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 以上をもちまして、田村君の質疑は終了いたしました。     —————————————

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) この際、分科会に関する件についておはかり申し上げます。  委員長及び理事打合会におきまして、分科会に関する件について協議いたしましたので、その要旨について御報告いたします。  分科会の審査期間は、来たる十日、十一、十二の三日間でございます。分科会の数は四個とし、それぞれの所管事項、分科担当委員数等、これが各会派別の割り当ては、お手元に配付いたしております刷りもののどおりでございます。  分科担当委員の選任は、前例によりまして、委員長において指名する方法によること、並びに分科担当委員の変更につきましては、その取り扱いを委員長に一任することといたしました。  また、分科会において参考人の出席要求を決定したときは、その取り扱いを委員長に一任することにいたしました。  以上、御報告いたしましたとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次回は、明九日午前十時より一般質疑を続行いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十七分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗