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58回国会参議院1968/03/23

予算委員会 第5号

発言数
485
登壇者
29
会派数
3
開催日
1968/03/23

会議録

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  昭和四十三年度一般会計予算、昭和四十三年度特別会計予算、昭和四十三年度政府関係機関予算。  以上三案を一括して議題といたします。  なお、質疑に入ります前に御報告いたしまするが、本日の理事会におきまして、加瀬完君より、昨日の発言中、松野頼三君云々の点は、事実に相違するので遺憾であり、これらの発言は取り消したい旨の申し出がありました。理事会において本日協議いたし、了承を得ましたので、委員長において速記録を調査の上、善処いたします。     —————————————

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) それでは、これより質疑に入ります。鈴木一弘君。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 これは総理もすでに御承知と思いますが、最近の新聞に日通事件というものが大きく取り上げられております。これがうわさによれば、いろいろな方面に波及するんではないか、戦後最大の疑獄になるのではないかといういやなうわさまで聞くわけでありますけれども、こういう事件について、総理としては一体どうお考えなのか、最初にお伺いしておきたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いわゆる日通事件なるものが新聞に報道されております。ただいま検察当局の捜査中のものでございまするから、こういう問題について、私は私なりの所感ございますけれども——感じですね、そういう感じございますが、ただいま捜査中の問題でございまするから、私多くを述べることはいかがかと思っております。私が総理でないなら、こういう問題についてもいろいろ率直な話もできるかと思いますが、しかし、これは差し控えさしていただきます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 まあいろいろ金の延べ棒だとか、あるいは安く買ったところへ高く金を払ったような形でリベートを取ったり、こういうようなことがあって、実際国民のほうとすれば九・六・四といわれておりますように、給料生活者等は九割までは押えられて税金を納めている。十八歳にして選挙権もなくても納税の義務があるということになっている。そういうときにこういうような大きな脱税事件があれば、だれもが納得できないと思いますが、そういう点についての見解をお伺いしたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) もちろんこの種の問題は、ただいま鈴木君が言われるような意味において厳正に捜査が遂行される、そうしてしかる後にそういうものについての適切な措置がとられる、これが望ましいことであります。この点は総理でありましても、さように申して差しつかえないと思いますが、しかし、私ども検察当局の捜査中のものについていろいろ意見を申すことは、捜査の独自性をそこなう心配もある、かように思うから、ただいま申し上げるように捜査中だから、私の意見は差し控えさせていただきたい、いまのはさような意味であります。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 法務大臣に一連の今回の日通事件の概要を聞かせていただきたい。

赤間文三自由民主党法務大臣

○国務大臣(赤間文三君) 日通事件の概要について申し上げます。詳細なことは、ただいま総理から御答弁がございましたように、捜査の途中でございますので申し上げられません。概要だけは私から差しつかえのない程度に申し上げたいと思います。  東京地検は、二月の二十一日に日通の経理部の管財課長を、所得税の違反の容疑で逮捕をして取り調べました。三月十三日に東京地裁に起訴をいたしました。起訴事実の概要は、同課長が自分の所得税を免れるために、他人の名義を用いて預金をしておったというような不正な事件がわかりました。昭和三十九年から同四十一年までの所得税額が四千百二十七万余円の脱税をしたという疑いが起こったのでございます。なお、本件の捜査の過程におきまして、同課長が日通と建設会社等の間における工事代金等の支払いをめぐって、いわゆるリベートとして現金数億円を受領した、そうして横領したのではないかというような容疑が出てまいりましたので、三月の十八日に同人を業務上横領で再び逮捕をして、目下捜査中でございます。  さらに、右に関連をいたしまして、大和造林株式会社関係についても法人税法違反の疑いで、二月の二十一日に同社の役員を逮捕して捜査の上で、三月の十三日、三千二百二十一万余円に及ぶ法人税額の脱税をした事実について会社及び同社の役員二名を起訴をいたした。本件の捜査は目下進行中であります。いままでに線密な捜査を実施して、多数の証拠品を押収いたしますとともに、たくさんの人々を参考人として取り調べておるというような状況でございます。  以上御報告をいたします。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 それは法務大臣、いままでの間では政界との関係というものはどうでしたか、ありましたですか、なかったですか。

赤間文三自由民主党法務大臣

○国務大臣(赤間文三君) お答えをしますが、いま申し上げました以上のことはわかりません。政界とか財界とかの関係などは、一切まだ出ておりません。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 運輸大臣、担当大臣としてどうこれについては考えますか。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 今回の事件は、まことに遺憾な事件でございまして、日本通運は、御存じのように食糧輸送の大半を食糧管理特別会計のもとに請け負っておる会社でもありますし、なお、港湾運送事業法、倉庫業法、道路運送法等の法のもとで、ある程度の公益性と公共性を持って仕事をしておる大企業であります。そのような公共性と公益性を持っておる大企業が、誤解を受けるような経理の状況あるいは関連事業との関係等において不始末を出したということは、まことに異例のことでありまして、運輸省といたしましては、法務当局の処断を待って全面的に特別監査をやる用意をしております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 関連。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 関連はなるべくやっていただきたくないのですが、簡略に一問お願いいたします。

黒柳明公明党

○黒柳明君 いまの総理の御答弁、非常に深い、今回の日通事件の概略というものが、捜査の過程においては秘密は守られなければならないことは、私もそう思います。また、法務大臣のお答えしごくごもっともだと思います。ところが、この十九日、御存じのように昭和建装、さらに亜東実業——トンネル会社が続々とあらわれた。そういう時点においての各種の見方、これは鋭いマスコミの人たちの感覚によって、また相当の調査を経て、そうして、十のうち一つを記事にまとめたと思うのです。朝日はじめ毎日、読売、日経、産経、東京新聞、各種の記事を私ここに持っております。その評価というものはどういう評価を下しているか、非常に今回の日通事件というのは疑惑がある。多額の金がまだどういうふうに使われたかわからない。裏金として、リベートとして使われたのじゃないか。必ずやこの日通事件というものは、たとえば、産経の場合には、「事件は政官界との汚職事件に発展する可能性を持っておる。」、こう書いておる。あるいは、「このやみ資金は政、官界の工作資金になったのではないか」と、こう書いてある。あるいは、「政界に政治資金として流れたのではないか」、こうも書いてある、あるいは云々と、こういうふうに書いてあるわけですね。法務大臣、こういうことを考えますと、この前のLPG汚職とか、あるいはこの前の協和製糖の汚職、相当の当局の調査にもかかわらず、私たちの感ずることは、何か捜査がしりすぼみのような感じがしておる。国民に大きな疑惑も与えたような、すっきりしないような結末が出ておるわけです。まさか今回の日通事件についてはそんな結末で終わろうとは私も思っておりません。また、いま法務大臣のお答えですと、相当の方を参考人として呼び、また調査を進めている。こうおっしゃる、ところが、これからわが公明党としての調査に基づいての質問が始まるわけですが、何かその調査も非常にスローモーション、ある新聞によると、証拠隠滅のおそれがある、その間に、こうも書いておる。こういうことを考えて、今回の場合にはこの日通は、先ほど申しましたように、戦後の一大疑獄事件に発展する可能性がある。この日通の問題に対しては徹底的に調査をする。当然こういうかまえだと思いますが、冒頭にあたって総理大臣のかたい決意のほどをまず披瀝していただきたい、こう思うわけです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 黒柳君にお答えいたします。  ただいま持たれましたようないろいろの疑惑に包まれている。したがいまして、これは検察当局の独自の立場において捜査が遂行されることが望ましいのです。私がくちばしをいれるということになりますと、それはどういうことだ、政治的に関与するのじゃないか、こういう意味で、それこそまた疑惑を深めるゆえんだと思います。私は、冒頭に申しましたように、この種の事柄は検察当局の独自な捜査にまかす、厳正に捜査が進められることを期待する、もうこれより以上の何ものもございません。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 まず、この日通事件の本質に入る前に、これは特に国鉄あるいは運輸との関係でありますけれども、非常にいろいろ新聞等に出ておりますように、国鉄と日通との間において、この日通のほうが不正な収受を行なったりして、国民のほうから国鉄に文句が来ているというような事件があります。その問題についてまず伺ってみたいのですが、運輸大臣に、昭和四十年十二月六日、運輸省から運送業者に対して通達を出しておりますけれども、その中で、運賃料金の収受の適正化についてどういうふうに出ているか言っていただきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) その点は事務当局に答弁さしていただきます。

鈴木珊吉運輸省自動車局長

○政府委員(鈴木珊吉君) お答え申し上げます。  四十年の十二月六日付で運輸省の自動車局長名をもちまして、運賃の収受につきましてルールどおりやるようにというきつい通達を出しておるのでございます。特に「荷主から一方的に不当な料金を収受している例が見受けられるので、いやしくも荷主の疑惑を受けることのないよう、運賃料金の収受については適正を期されたい」ということを言っておるのであります。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 これは国鉄総裁に、その通達に基づいて国鉄からも十二月七日に運輸業者に対してどういうようにまず警告を出しておるか、また、運輸省に対してどういう報告をしたか、言っていただきたい。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○説明員(石田禮助君) 通運業者が規定以上のチャージを荷主から取っておるということの事実をつかみましたので、さっそく運輸省にはそのことを通知いたしました。ということは、この指導監督権というものは運輸省が握っておって、国鉄にはそういうことはできないのであります。しかし、われわれとしては、そういう事実があった以上は、これは無視することはできぬ。さっそく調べました結果、相当な数の不正事件を発見したのです。そこで、運輸省にそういうことを通達するとともに、わかっておる各運送業者に対しては、オーバーチャージしたやつは荷主に返してあげなさいということを申しまして、そして全部返したということに私どもは了解しております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 国鉄総裁に。それに対して日本通運からはどういうふうに返事が来ておりますか、通達に対して。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○説明員(石田禮助君) 日本通運からは十分注意するということで、その後においてはそういうオーバーチャージをしたというようなことは承知しておりません。相当に私どものほうとしては手を回して、そういう事実がまた再びあるんじゃないかということについては監視しておったのでありますが、そういう事実というものは大体においてありません。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 そのとき、日通からは、事実の問題については、これは事実を認めてきたのですか。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○説明員(石田禮助君) それはそのとおりであります。しかも、私のほうがつかまえたのは、これは事実なんです。荷主からちゃんと確かめて日通に通達したのでありますから、その件につきましては、日通としては全く了承したわけなんです。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 その文書を読ませてくれませんか。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○説明員(石田禮助君) 文書は私は手元に持っておりませんが、もしも必要だったら、あとでお届けすることにいたします。これはたぶん文書ではしないで、ただ口で話したのだと思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 総裁、いいかげんなことを言ってはいけないですよ。ちゃんとここに文書がある、国有鉄道の営業局長宛ての。だから、あるなら、私が言うよりそちらで言っていただいたほうがよい。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○説明員(石田禮助君) その文書については、私はその点について確かめますが、もしも、あなたのおっしゃるとおりに文書があるというのでありますれば、お届けいたします。  ちょっとつけ加えますが、これは日通に通知するとともに、ほかの運送業者にも通知しております。これはお届けいたしましょうか、読みますか。——では読みましょう。「昭和四十年十二月九日 日本国有鉄道営業局長中牟田研市殿 日本通運株式会社代表取締役社長福島敏行 通運事業運賃料金の適正収受について 貴書翰営小第二〇二四号の二によりご警告を受けました小口混載運賃の収受状況につきましては、」——これは私のほうに来た手紙です。「誠に申訳なく、荷主の各位に不当なご負担をかけ、小口混載制度の信用を傷つけ、ひいては国鉄ご当局に多大なご迷惑をおかけいたしましたことにつきまして、深くお詫び申し上げる次第でございます。小口混載貨物運賃の適正なる収受方につきましては、各支店に対し、従来から機会ある毎に注意をうながしてきたものでありますが、一部店所において、ご指摘のような結果が見られましたことは、誠に遺憾の極みで、今後は、かかることのないよう一般荷主に対し、所定認可料金による旨の趣旨を徹底し、小口混載貨物輸送に対する社会の信頼にこたえる所存でございます。なお、各支店長に対しては別紙のとおり厳重なる通達をいたしましたので、ご参考までに添付いたしておきます。おって、ご指摘のありました具体例については、早速調査のうえ適切なる処置をいたしまして後刻ご報告申し上げます。」。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 運輸大臣、こういう厳重な通達を出し、また、日本通運からもこういうようなはっきりした返事が来たわけでありますけれども、それ以後の運賃料金等は完全に適正化が守られておるかどうか、状況を知らせていただきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 日通におきまして不正と思われると、指摘された事件は、たとえば引っ越しの際のコンテナの使用、引っ越しするほうは必ずしもコンテナを使用してくれと言わないのにコンテナをかってに使用して高い料金になったり、あるいは契約があいまいなうちにコンテナを使用するとか、あるいは保険料をかけないでくれと言ったのにかけたり、契約があいまいなうちにかけたり、そういうようなケースがありまして、そのつど、わかった分につきましては、陸運局長を通じて日通に対して是正方を命じてあります。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 四十一年の七月十六日に再び日通に対して自動車局長名で警告を出していますが、それはどんな内容ですか。

鈴木珊吉運輸省自動車局長

○政府委員(鈴木珊吉君) お答え申し上げます。  四十一年七月十六日付をもちまして、自動車局長名で、これは全国通運業連盟会長並びに日本通運株式会社社長、両方に出しております。日本通運に出しました内容を申し上げますと、こういうことでございます。「最近、政府の物価抑制策とも関連して、流通部門に対する社会的関心が非常に強くなっており、貴社のごとき流通部門の代表的大企業の一挙手一投足もまた社会の監視の的となっている。従って、いやしくも違法又は不当な営業行為或は社会の疑惑を招くような行為を行なうことのないよう、通運事業の使命及び流通部門における大企業としての社会的責任を自覚して、特に下記諸点に留意の上、業務の改善を図られたい。」、こう言っております。そして記以下に1、2、3としていろいろ書いてございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 先ほど運輸大臣は、その警告以後はだいぶよくなったという話だったのですが、こういうように再度も警告が出されている。違反件数はどういうふうに推移していますか、其体的に言っていただきたい。

鈴木珊吉運輸省自動車局長

○政府委員(鈴木珊吉君) 四十年、四十一年、四十二年と、毎年監査をやっております。これは、日通のみならず、日通並びにその他の通運事業者も合わせまして、大体年間百四、五十件ずつやっております。その中で違反がありました要するに事業者の数を御参考までに申し上げますと、四十二年——これはまだ完了しておりませんけれども、いまわかった数字だけ申し上げますと、日通だけにつきまして、そのうち違反があった店所は十六店所ございます。そこで調査しました件数、これの件数でございますけれども、これは日通関係で十六所、全体で六千八百三十九件の件数でございます。その中で運賃を契約どおり収受しておるというのは六千四百十二件、パーセンテージにいたしますと九四%は契約に収受しております。で、残りの六%でございますけれども、そのうち運賃を要するに割り引きしているものがございまして、これは三百四十件でございます。それから運賃を超過しているものというのが八十七件でございまして、これをパーセンテージで申し上げますと、割り引いているほうが五%、それから超過して取った分が一%、合わせまして六%が違反であるということでございます。それから四十一年につきましては、やはり日通だけ申し上げますと、違反があった店所数が十七件ございまして、調査いたしました件数が十七件の十七所、全体で八千六十一件ございます。その中で契約収受いたしましたのは七千七百五十四件、パーセンテージにいたしまして九六%は契約に収受しておる。で、残りの四%が割引あるいは超過がございまして、割引のほうは二百五十五件で三%、超過のほうは五十二件で〇・六%ということでございます。したがいまして、四十一年の通達以降、収受につきましての違法行為というのはきわめて少ないということになっております。(「四十年はきわめて多いのだよ」と呼ぶ者あり)四十年は、日本通運につきましては、違反いたしました事業所の数が二十五店ございます。それで、調査いたしました契約の件数が二万四百七十一件ございます。そのうち契約収受いたしましたものは六八%ございます。それで一万四千六十四件、あと残りの三一%が違反でございます。そのうち割引が約三〇%、超過が一・四%という率になっております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 いまのことでも、四十年のときにものすごい量だということがわかります。それが警告以後ずっと減ってきた、しかしあらためて四十二年になると再び四十一年に対して倍増してきているというのが実情だと思う。この姿は、はっきり言えば、日通で、警告どおりに、思うとおりにやっていないということじゃないかと思うんです。  それで、話はちょっとこまかくなりますけれども、それについて具体的な問題で私は伺いたいのですが、まずその問題を伺う前に大蔵省に伺いたいのでありますけれども、輸送保険というものの性格はどういう性格なのかまず伺いたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 任意保険の性格で、強制保険ではございません。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 四十年十二月の資料を見まするというと、はっきりと小口混載運賃料金に、これは日通扱いでございますけれども、ちゃんと保険料が含まれている、あるいはそういうようなのを繰り入れているという事実がありますけれども、これがどれもこれもことごとくということになれば違反ということになるだろうと思いますけれども、そういう事例についてはどうお考えですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 大蔵省の管轄の、たとえば保険募集に関する取締法というようなものとの関係を私どもは一応勉強しましたが、いまたとえば日通でやっているようなものは、かってにもう保険料を繰り入れた料金を請求するというので、事実上の募集行為ではないというような例が多いのでして、ではこれはどういうことになるかと申しますというと、たとえばこれが不都合だといって業務停止の処分をするとか、そういうような行政上の処置はできることでございますが、直ちに法律による罰則の対象にはならない。むしろ私文書をかってにつくったとか、一方荷主が知らなくて、もう書いてあって、それだけの料金を請求したというのは、詐欺行為とかいうような刑法上の問題に触れるほうの可能性が多いのじゃないかということが、これは的確に判断できませんが、この点は法の解釈上非常にむずかしい問題だと私は思っております。  もし詳しい解釈の問題でしたら、政府委員から答弁させます。

新保実生大蔵省銀行局保険部長

○説明員(新保実生君) お答え申し上げます。  日通が取り扱う荷物にはいろいろなものがございますけれども、ざっと申しまして、いま保険に関係のある年間の取り扱い件数は二千七百万件か八百万件かあるとのことでございます。そのうち継続的に、常続的に、年間通して包括的な契約をするというような場合は、これはいろいろな他の荷送りの条件とともに、保険条項についてもあらかじめ取りきめがあるのでございますので、これは一応問題はなかろうかと考えております。それ以外の一見荷主と申しますか、そのつどのお客さんでございますが、一見荷主の保険の取り扱いにつきましては、大きく分けまして二つございまして、一つは引っ越し荷物の場合がございます。これは荷主の送り状に保険事項を記載していただく、そのほかに保険申し込みの明細書というものを書いていただくということになっております。それ以外の引っ越し荷物の場合でございますが、これは件数が多うございますので、この荷主の送り状がございますが、その中に保険金額あるいは保険料という欄がございまして、それに荷主が記入するという、そういう扱いになっております。ところが、件数が非常に多いのと、それから日通の窓口の受付がときによりますと、非常に混雑する場合があるわけでございますので、その辺の処理にちょっと遺憾の点があり得ると考えられる。それからもう一つは、電話とか、あるいは代理人が荷物を持って窓口に持ってくる、そういう場合の処理、これについて慎重に見直す必要があるんじゃないだろうかということで、いまその方向で日通あるいはその保険の関係会社等研究を進めているところでございます。それが罰則的にどうなるか、あるいは保険業法上どういうふうな取り扱いになるかということは、一がいには申されませんけれども、これは保険の依頼がないのに保険をつけたということになりますと、まあ状況によりますと、私文書偽造というような問題になり得るかと考えております。しかし、その募集行為そのもの、つまり代理店たる日通とお客さんとの間に、保険についてはどうなる、こうなるという話し合いがあって、その話し合いの過程において重大なる事実を告げなかったというような事実がありますと、それは募集取締法違反ということになり得ると思いますけれども、それはその場の個々の状況によることだと考えております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 じゃ、ここに私は、一つの例でございますが、これは其体的な例であげますけれども、東宝ストアというところから出したやつですが、その中に、輸送については保険加入(保証加入)ですから、受け取りになるときはよく確かめ、異常を認めたときは配達の方にその場で申し出くださいと書いてある。そうして運賃表というのが書いてある。この運賃表は、札幌は五百十円とか鹿児島は三百四十円と書かれておりますけれども、これは初めから保険料を加味したところの運賃表ということになって、運賃表と保険料とは別になっていないわけですね。そうすると、これはいまあなたの言われたところの募集取締法のいわゆる違反であるということになりますね。

新保実生大蔵省銀行局保険部長

○説明員(新保実生君) 仰せのケースにつきましては、なお実情を調査する必要があろうかと思いますけれども、私どもがいままでに聞いておる範囲でお答え申し上げますと、これはある組合が包括的に自分の地方の特産物につきまして全国的に出荷をいたしておるわけでございますが、その出荷荷物について、その生産者出荷組合というものが包括的に、ある保険会社、その代理店たる日通と運送契約をしておるわけでございます。御指摘の、保険料込めの運賃表と申しますか、東京には幾ら、札幌には幾らという表示でございますが、私どもが調べた範囲におきましては、たとえば東京まで送る場合には二十円の保険料が込みになっておる。ところが、その保険料を特定して、抜き出して幾らですと、こういうふうに書いていない、こういうことであろうかと思います。その場合、法律的にどういうことになるのかということは、なお実情を調査しないと、ちょっとはっきりしたことは申し上げられませんけれども、その表示を使っておるのは個々の特産物を売っておる店でございます。その立場においては、保険の代理店というところを離れまして、個々の特産物販売店とお客さんとの関係ということになるので、その限りにおきましては、募集取締法の違反とかあるいはその他法律関係の行政法違反ということにはならないのではないだろうか。問題は、そういう出荷組合と日通とがそういう地方特産物の地方出荷について包括契約を結ぶことが適当かどうかという問題でございますが、これは個々の出荷組合の判断、まあお客さんに対するサービスというような意味でなさったのかどうか、私直接聞いておりませんが、それが適当であったかどうかという問題ではなかろうかと考えております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 それじゃ、はっきりと言って、特定の店とそういう契約を結んだらよろしいというのですか。ここに倉吉の日通の支店が出した「四十二年度進物梨小口混載運賃表」、この運賃表がある。この運賃表の中には、一個一口として運賃、配達料、運送保険料等を合計した運賃表です。そのほかに集荷料として一個幾ら——これは金額が明示してありませんが、何円取りますと、こういうように書いてある。これになると、初めからその運賃表の中に保険料が入っている。その保険料が幾らだということはわからない。その上に、ここに私は伝票を持っていますけれども、この日通の小口混載扱いの伝票を見るというと、同じ倉吉から出していて、進物のナシの小口混載で、この運賃よりも全部五十円高い。静岡へ出す分は、実際はこの保険料込みの小口混載のもので見れば三百十円であるべきものが、三百六十円取られている。東京の二十三区へ出すものは三百六十円であるべきものであります。これは保険料も含んでいる。それが四百十円ということで、こうなると全部ほとんどが五十円ずつ高い。これははっきりした伝票です。その伝票の中に保険料が幾らであるということの明示もなければ何も書いてない、こういうことになると、こういうことはどう考えても日通が不当にやっておるのじゃないかという感じがするし、しかも任意保険を強制的に入れておるようなことになっておるし、そのしりはどこへいくかと思えば、国鉄へ、こういう高い料金を取るのはどういうわけだという文句が出てくる。このこまかい内容について、これは国鉄のほうも御存じかと思いますけれども、これを伺いたい。それから運輸大臣はどう考えるのか、いま一つ大蔵省から答弁、三つをいただきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 御指摘の事実は、これは違法行為でありますので、是正を命ずるつもりであります。過去においても是正させてまいりましたが、将来においてもかたく法を守るように是正させます。

新保実生大蔵省銀行局保険部長

○説明員(新保実生君) 倉吉の件につきましては、実はまだ実情をつまびらかにいたしておりませんので、確定的なことは申し上げられませんけれども、たとえばデパートにおきましては、個々のお客さんが地方に贈り物をするというような場合に、デパートが運賃を請求しますが、郵便料を請求しますが、その場合に、輸送保険といいますか、そういうものが加味されている場合があるわけでございます。倉吉の組合の場合に、どういう理由で、あるいはどういう条件で日通との間にそういう保険契約が結ばれているのか、まだ詳しく聞いておりませんけれども、そういうデパート……。「何を言っているんだ、大臣が違法だと言っているじゃないか」と呼ぶ者あり)

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) お静かに願います。

新保実生大蔵省銀行局保険部長

○説明員(新保実生君) 実情はなお調査をいたしますけれども、その契約の実態というもの、それからどういう事情で、それが個々のお客さんに店頭において表示されている、その辺をなお調査した上で善処をいたしたいと考えております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 それはもう局長の答弁では話にならないよ。はっきり言って、保険料込みだということをちゃんと書いてあるのですから。込みだということの運賃表自体がおかしいじゃないですか。そういう点を考えたら、へんてこだということがすぐわかると思うのです。国鉄のほうは被害者だと思うのでありますけれども、どういうふうに考えるのですか。

長瀬恒雄日本国有鉄道理事

○説明員(長瀬恒雄君) お答えいたします。この問題につきましては、国鉄自体が現実を把握するということはきわめて困難でありまして、運輸省、あるいはその御指導をいただきまして、私どもとしましては、これを荷主の方の苦情があって初めてわかる。取引関係におきましては現実には調査あるいは把握することができない、こういう現状であります。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 法務大臣、いまの事件についてはどういうふうにお考えですか、刑法上の問題はないかどうか。先ほどは、私文書偽造ではないか、あるいは詐欺ではないかというようなことが言日われ、料金詐欺行為ではないかということを言われたわけでありますけれども、どういうふうに考えられますか。

赤間文三自由民主党法務大臣

○国務大臣(赤間文三君) お答えを申し上げます。ただいま承りましたことだけで、どういう結論になるということは、法務大臣としては申し上げにくい。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 任意保険を強制加入させるということ、それを荷主が知らないうちにそうなっているとい問題については、これははっきり先ほどは、大蔵大臣のほうからは、私文書偽造のような行為になるのではないかということを言われたわけであります。同じ大臣で、法務大臣としてはそれについては答えはできぬと、こういうことですか。           一

赤間文三自由民主党法務大臣

○国務大臣(赤間文三君) 政府委員から答弁をさせます。

川井英良法務省刑事局長

○政府委員(川井英良君) ただいま、具体的な事情について御説明を承っておりまして、私もあれ一これ思案していたところでございますが、この民事的な運送契約にからみまして、意思の欠缺といいますか、運送契約の成立について意思表示に——両者の間に一致がなかったというような場合に、どういうふうな民事上の責任が生ずるか、またそれが同時に何らかの刑事上の責任を生ずるものではないかと、こういうふうな問題だろうと思います。  そこで、問題は、かりに民事的に違法でありましても、そのことが直ちに刑事上の違法になるとは限らないのでございます。これはまあ御存じのとおりでございます。そこで、先ほど運輸大臣から、違法な行為だから是正させるという御趣旨がございましたので、これは、おそらく民事行政的には違法な行為だと、こういうふうに断定されたのではないかと思うわけでございます。刑事上の問題といたしましては、かりに詐欺だといたしまするならば、欺罔行為を施すと、こういうふうな構成要件を満たし、かつまた、その犯意があったかどうかというふうな点につきましても、詳細な調査が必要でありましょうし、また、それに応じて運送を委託したというふうな側におきましても、暗黙のうちにそういうふうな料金が含まれておるというふうな商慣習に基づいてそういうふうな契約を締結しておったというふうな事情がもしありといたしますならば、そこにおいて欺罔行為におちいった、あるいは錯誤におちいったというふうな要件につきましても、さらに詳しい検討が必要かと、こう思うわけでございまして、ただいま仰せになりましたような事情だけでは、直ちにそのことからいかなる刑罰法規に該当するかということについて的確なお答えはできないと思いまするので、必要がありますれば、具体的なケースについてさらに検討してみた上で正確なお答えを申し上げたい、こう思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 法務省には言ってありませんでしたから無理もないと思うのでありますが、いずれにしても、国民のほうからすれば、ここで定期代が上がるというのに、一方で当然収受すべきものが収受されてなかったり、あるいはそれを扱っている運送業者である日通に不正行為があったというようなことでは、これは納得できないわけです。  そこで、国鉄総裁に伺いたいのですが、四十一年の十月十七日から四回にわたって、荷主からは鉄道小口便ということで運送申し込みを受けて、鉄道運送料金を取ったその日通が、自分のところのトラックで運送してしまって、国鉄と荷主に損害を与えたということがあるということでありますけれども、報告をしていただきたいと思うのです。

長瀬恒雄日本国有鉄道理事

○説明員(長瀬恒雄君) この問題につきましては、現実を把握するということは非常にむずかしいわけでございます。たまたまある荷主が小口で託送するというものにつきまして、到着が三日予定いたしておりましたものを現実には八日になったという事実から調査いたした件が四十一年の十一月にございます。これは隅田川の日通支店から発送されたものでございまして、そういう事実一件だけつかんでおります。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 これは、いまの事件を見ると、隅田川からどこかへ送ったわけですね。それも、鉄道輸送ということでやっておきながら、鉄道小口便という輸送で鉄道運送料金を取っておきながら、日通のトラック便で送っておると、これが前後四回にわたって行なわれている。こういうような事件については、法務大臣、これは鉄道運賃の詐取ということになりませんか。刑法上問題はないかどうか、伺いたいのです。

赤間文三自由民主党法務大臣

○国務大臣(赤間文三君) 政府委員から答弁させます。

川井英良法務省刑事局長

○政府委員(川井英良君) さらに検討させていただきたいと思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 検討する検討するばっかりでありますけれども、国鉄総裁に——ほかに同様事例がたくさんあるのじゃないかと思うのでありますけれども、いま言われたのはたった一つの例だと思うのです。それは被害者として調べるべきだと、こう思うわけでありますが、どのくらい事例があるだろうという予想は立たないのか、あるいはその状況をお調べになる気はあるのかどうか、これを伺いたいのです。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○説明員(石田禮助君) お答えいたします。この問題は、なかなかちょっと込み入った問題だと私は思うのです。つまり、終戦前の事情ですというと、日通へ持ってきたものはすべてこれは国鉄に持っていくということになっておったわけでありますが、終戦後においてはつまり国鉄の独占制というものにひびが入ってしまった。日通といたしましても、国鉄だけにたよっておった日には立っていくことはできぬ。それで、国鉄というものを指定して日通に輸送を託送した場合には、これは当然国鉄に持ってくるべきものでありますが、路線上の発達によりまして、荷主によっては必ずしも国鉄ということを考えないで、ただ日通にまかしてある。その場合には、日通としては自分で路線で運送したほうが得な場合には運送する、残りを国鉄に持ってくるというようなケースはたくさんあった。で、国鉄人から言えば、日通なんというものは全く獅子身中の虫であるということを申しておりましたが、私から申し上げれば、国鉄というものを指定している場合には、これは獅子身中の虫かもしれぬが、国鉄と指定しないで、ただ輸送してくれということで日通に持ってきた場合には、これは日通としては、自分が路線で輸送するほうが得だという場合には、当然これは自分でやって差しつかえないことじゃないかということで、結局それに対しては、国鉄としては、サービスをインープルーブして、できるだけ安い運賃で運ぶということにするよりほか方法はない。つまり、競争力を強める以外に方法はないじゃないかということでやってきたのであります。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 いまのは答弁にならないのですがね。はっきり言ってください。私が聞いたのは、鉄道の運送の料金を取っておいて自分のトラックで運んだという事件、こういう事件がまだあるだろうと思う。それについては調べる気はないのかどうか、またそれについてはどう思うのか、こういうことなんです。あなたのほうが被害者になっているから聞いているのです。それをまるでよそのことに立っているような……、おかしいじゃないですか。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○説明員(石田禮助君) これは、さっき申したような指導監督権というものは運輸省にあるのであります。国鉄が日通の中に入ってそういうことを調べるということは、国鉄の権限内にはないのであります。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 じゃ運輸大臣、運輸大臣は、こういうような事件を見のがしていいのかどうか、あるいはほかに事例があるかどうか、緊急に調べられるのかどうか、その辺について伺いたい。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 従来からも、そういう荷物の振り分けにつきまして不正または不当の事例があるやに聞いております。その点につきましては、陸運局をしてもいろいろ調査させましたが、将来ともにその点につきましてはよく調べてまいりたいと思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 総理に、最後にこの問題で、国鉄と日通の関係の問題で伺っておきたいのですが、こういうふうに何度も通達を出しておるけれども日通は不履行である。しかも、いま言ったように、大蔵大臣の答弁のように、任意保険を強制加入させるというような、場合によれば詐欺行為にも類似するような問題が起きてきている。こういうようなことがある。あるいは、いま言ったように、鉄道運賃を、はっきり言えば、鉄道運賃として取っておきながら、自分のトラックで運んでしまうという、そういうことが行なわれる。一つには、日通が各支店に対してノルマをどんどんかける。そのノルマを達成したところを表彰するというような、非常な過酷な行為があったというようなことが一つの原因じゃないかと思いますけれども、こういう一連のあり方というのは、ほとんど日通といえば国鉄と結びついているし、片一方のほうで見れば、日通へ頼めば国鉄が、あるいは運愉省が絶対保証してくれるということをはっきりと思うわけであります。じゃ、関係がないようなことを言っても、そういうふうに国民の側はみんな思っている、こういう事件については総理としてはどういうふうにお考えですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 日通の業務、これは申し上げるまでもなく、国民の利便、これに役立っ、こういうことでいまのような日通ができ、そうして鉄道輸送の円滑を期しておるというのでございます。したがいまして、その基本的な立場に立ってものごとを考えていかなきゃならぬ、私かように思います。したがいまして、まず鉄道との関係でありますが、鉄道と日通との関係は、これは唇歯輔車の関係にある、それを運輸省が厳重に監督して、そうして法規を守るように指導していく、これが必要だと思います。いま国鉄総裁からも説明がありましたように、最近は路面運送という、自動車輸送がよほど発達しております。その点で国鉄と競合しておる。ときに国鉄にも損害を与えているんじゃないのか、こういうことで、ただいま鈴木君からもそれをつかれました。私は、そういう点では、日通と国鉄は十分もっと連携を緊密にして、そうしてその間に相互不信を招くようなことがあってはならない、かように思いますし、ましてや国民、利用者に不都合を生ずるような、不利益を生ずるようなことがあってはいかないのだから、この点では運輸省が厳重に取り締まる、そうして法令を順守するということだと思います。  また、ただいまお話しになりましたこの運送保険の問題、これはたいへんむずかしい問題だと思います。私は、これは任意保険だとかいうところにその性質がございますが、商慣習上から見まして、こういうものがほとんど保険がつくことが普通の状態になっていやしないか。そういう意味では、荷主さんの不知の状況——知らない状況のもとにおいて、こういうものが負担過重、そういうことをしいたというようなことになってはならないと思いますが、事態そのものをもっと相互に認識を深めていく。その努力を十分しないと、ただいまあげられました送り状、あるいは運賃表等の問題があると思います。私は、この点では法制自身につきましてさらに検討する必要があるんじゃないだろうか、かようにも思います。しかし、今日、何といっても任意保険ですから、任意保険のたてまえから申せば、先ほど来質疑を展開されたさような意味におきまして、国民、荷主にたいへん不都合、予測しない損害を与えておるということでもあるんではないかと思います。しかし、常時のお客さんとしては、この保険のあることによって、よほど安心するだろうと思いますから、一見の客に対し、また臨時の輸送について、こういう点がもっと理解されるようにしなければならぬと思います。ときに非常に窓口が混雑している、こういうような意味で扱い者が親切を欠いておる、そういう点で十分意を尽くしていないというような点は、今後気をつけていかなければならぬ、かように私は思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 関連。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 黒柳君の関連は、進行上御遠慮願いたいと思います、質疑のあとで黒柳君の御質問があるのじゃないかと思いますから。

黒柳明公明党

○黒柳明君 いま大臣あるいは総裁、そして各局長の答弁を聞いておりますと、私は非常に解せない。というのは、もう国鉄、日通含めて、御存じのように、国民生活の中に密接につながっているものです。きょうこの瞬間においても、何万という荷物が日通を通じて、あるいは国鉄で運ばれているかわからない。こういう荷物に対して、いま質疑応答の中にはっきりされたことは、保険金の詐取がある、あるいは料金の不正収受がある、あるいは国鉄運賃の詐取も含まっておる。こういう一連のものがここに明るみに出されておる。それに対して各答弁は、調べなきゃわからない、法的にも、法の専門家が判断できない、このような答弁であっては国民が納得するか。しかも、この日通の事件、こういう不正というものは、いまさら始まったことじゃない。過去からある。それが証拠には、何回も通達が往復されている。それをいまこの場面において、何かきのうかきょうこういう日通の不正が始まったかのようなことであらためて答弁なされているような感覚がする。こういうことであってはならない。しかも、国鉄側というのは被害をこうむっている側じゃないですか。当然、運輸省当局に対してはさらに監督の強化を願わなければならない立場である。あるいは先ほどから言われているように、国民に対しての運賃値上げとともに、またこういう面でもサービスをしていかなければならない。こういうことであるのに、非常に当局の答弁はあいまいであるし勉強が不十分である。ということは、この日通が、これだけの不正事実を過去にやってきたにもかかわらず、千四、五百万トンの小口混載を扱っている。路線にしたって、全国で一億トンぐらいのバスの輸送を行なっている。ものすごい量です。金額にしたらばく大なものです。こういう日通が、いま言われているいわゆるラーメンから観光まで、国民の生活に密着したこういう日通が、過去から今日にわたって運輸省を泣かせ国鉄に迷惑をかけている、一般荷主を欺瞞している。こういう問題に対してはたして政府当局は真剣に取り組んできたのか。いまも取り組む姿勢があるのか、こういうことを大きに私は疑問に思うとともに、先日、運輸大臣だけはこの点について非常に心痛されたようです。衆議院の席上におきましても、業者の立ち入り検査を強化して、いま総理もおっしゃったように、法改正まで含めて検討したい、こうおっしゃっておる。それからすでに……。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 黒柳君に御注意申し上げますが、関連質疑ですから、意見の開陳ではありません。質疑をお願いします。

黒柳明公明党

○黒柳明君 二週間もたっている。この二週間の間に相当運輸大臣としても検討なされたのじゃないかと思いますので、ひとつこの法改正を含めて業者の立ち入り検査を強化したい、こういう面についてどのような、あの衆議院の委員会で発言して以来今日まで、構想を練られたか。いまも総理も、法改正もしようと、こうおっしゃった。期せずして意見が一致したわけです。ひとつ所信のほどをお聞かせいただきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 運輸省はサービス官庁であると心得ておりまして、こういう問題については、常にお客さんの立場に立ってものを考えなければならぬと思っております。そこで、日通の問題につきましても、いささかも、少しでも国民の皆さんやお客さんに誤解や不信を与えるようなことは絶対やってはいけないと私は考えます。まあ、法の判断は、検察当局や法務当局、おのおのお考えはあると思いますが、行政官庁である運輸省といたしましては、そういう心がけに立ちましてこの問題をよくさらに検討いたしまして御趣旨に沿うようにいたしたいと思っております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 法務大臣に。新聞にもある程度発表されておりますけれども、日通事件の一環として捜査線上に現在出ているいわゆるトンネル会社の名前をあげていただきたい。いま一つは、そのトンネル会社と日通の幹部との間のリベートやトンネルの関係について概要を言っていただきたい。

赤間文三自由民主党法務大臣

○国務大臣(赤間文三君) お答えをいたします。リベート問題につきましては目下捜査中でございますので、私からお答えをすることは遠慮したいと考えます。  それから、検察庁が捜査をいたしました場所のおもなるものは、日通本店事務所、辰美産業株式会社、大和造林株式会社、昭和建装株式会社、亜東実業株式会社であります。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 このリベートの関係についても多少新聞に出ているのでありますけれども、捜査に差しつかえのない程度にはここで言ってもらえませんか。

赤間文三自由民主党法務大臣

○国務大臣(赤間文三君) お答えをします。  捜査中の事柄につきましては、私は申し上ぐることを遠慮いたしたいと思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 これは全然差しつかえちゃうんですか。全部差しつかえるのですか。差しつかえのない点があるかどうか。差しつかえのない点があれば言ってもらいたいというのです。その点についての答弁はないのです。

赤間文三自由民主党法務大臣

○国務大臣(赤間文三君) お答えをします。検察庁で捜査中のリベートの問題につきまして申し上げることは差しつかえがあると考えますので遠慮申し上げます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 大蔵大臣に。辰美産業に対する国税庁の今度更正させました二億八百万円、その経緯並びに現在追徴金を取ろうというふうにしているのじゃないかと思いますが、それはどうなったのか、その点についてお答え願います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 御承知のように、この脱税問題は、東京国税局と検察庁が緊密な連絡をとって調査した結果告発をしたという事件から捜査が検察庁の手にもっぱら移っておるという段階でございますので、私のほうは常時連絡は必要なものは受けておりますが、いまほとんど検察庁の調査の結果を待つというようなことになっておりますので、その間どの辺まで大蔵省が知っておるかどうかというようなものは国税長官からお答えいたします。

泉美之松国税庁長官

○政府委員(泉美之松君) お答えいたします。辰美産業に対しましては、その設立の四十年四月六日から四十一年二月末までの事業年度につきまして東京国税局におきまして調査いたしました結果、所得におきまして二億八百万円の申告漏れがありましたので、これを更正決定いたしまして、その結果、増差税額が七千八百三十万円、ほかに加算税がついておるわけであります。なお、これまでに納付されました金額が約一億一千万円余りでありまして、現在残りの一億三千七百万円が滞納になっております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 これはその追徴分は辰美産業が納付したんですか。この前の議事録を読みますというと、国税庁長官は、辰美は開店休業だという答弁をしている。開店休業ということは、これは納める金もないのじゃないかという心配をわれわれ受けるわけでありますけれども、そのいままで取った追徴分はどこが納めておりますか。詳しくひとつ言っていただきたい。

泉美之松国税庁長官

○政府委員(泉美之松君) 辰美産業が納付いたしました税額は、いずれも辰美産業の名前で納付されております。ただ、その納付資金の出所がどこであるかということはわかりかねますが、御承知のように、国税通則法によりますと、税金は第三者が納付することができることになっております。ただ、第三者が納付する場合には、第三者が納付する旨であることを表示して納付することになっておりますが、本件の場合におきましては、辰美産業の名前をもって納付されておるのでありまして、したがって、私どもとしては辰美産業が納付したものと考えております。その出資者がどこであるかということは、別段とっていない次第でございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 四十一年の更正分として四十二年九月十日に二千万、十月十五日に二千万、十一月十五日に二千八十九万四千三百円というものが駿河銀行の伊豆長岡支店を支払い銀行として芝の税務署に払い込まれている。振り出し人はどなたかわかるでしょう。

泉美之松国税庁長官

○政府委員(泉美之松君) その振り出し人は富士見物産になっておりまして、裏書きが辰美産業になっておるわけでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 富士見物産と辰美産業との経理上の関係は明らかになっておりますか。

泉美之松国税庁長官

○政府委員(泉美之松君) 富士見物産は当時別の名称で設立されまして、その後現在の富士見物産という名前に変わっておるわけでございまして、辰美産業との間に資金的な関係があるかどうかということはまだ明確になっておりませんが、ただ、現在の富士見物産の社長が前に辰美産業の専務取締役であったというような関係からいたしますと、両者の間に相当の関係があるのではないかと思っております。こういった点については今後調査しなければならない、このように考えております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 だけれども、当然国税庁として、また大蔵省としても、第二次納税義務者として辰美産業の社長である西出祐一氏を、これを納税義務者としてしなきゃならぬと思うのでありますけれども、その点はどうしてなさらないのか、その理由をひとつ言っていただきたい。

泉美之松国税庁長官

○政府委員(泉美之松君) 辰美産業の滞納額につきまして第二次納税義務者として社長の西田祐一が該当するかどうかということについては、種々調査をいたしております。ただ、まだ的確にその資産を把握するに至っておらない状況でございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 これは国税庁怠慢じゃないですか。大体ずうっともうこの問題は取り上げられているし、このことについては鋭意やりますということは何度も言っている。それで聞くところによると、土地も持っていないから、いないのじゃないか、いるかどうかわからんというような話なんです。ところがですよ、ここに私は一つ申し上げたいのですが、覚え書きがある、ここに。昭和四十二年の四月二十八日の覚え書き。これが辰美の社長の西田祐一、それから富士見物産の社長、当時の前の富士見の専務である鈴木千秋、この二人の間  もう一人入っておりますが——その二人の間で、この辰美産業が支払うべき四十一年二月期の更正分、及び四十二年二月期の申告分の税額約一億五千万円余りの(見込み額)金額の納付については、辰美産業株式会社韮山営業所で買収契約を締結した物件、西出祐一名義及び第三者名義ともをもってこれに充て、不足金は西田祐一において負担する。物件は次のとおりである。と言って、富士宮市あるいは三島市長泉町の下士狩にある畑であるとか宅地であるとかということがずうっと出て、こういう覚え書きをかわしているわけです。しかもこの土地がじゃ税金を富士見で納めたか、貸し出し人として納めたから、この土地ははっきりと鈴木に移っているかというと、土地台帳については全然動いてない。こういう契約は、覚え書きはあるけれどもはっきりした売買契約がされたわけじゃない。そうすると、西田自身がちゃんと土地を持っているじゃないか。どうしてここまで国税庁調べないですか。

泉美之松国税庁長官

○政府委員(泉美之松君) お答えいたします。  私どものほうといたしましては、そのような覚え書きをまだ入手いたしておりませんので、目下西田祐一名義の土地の有無について各種の方面から調査をいたしておるところであります。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 そういうことから見ると、国税庁でも富士見物産の経理ははっきりつかんでないのですか。つかんでいるんですか。

泉美之松国税庁長官

○政府委員(泉美之松君) 富士見物産につきましては、その最初の事業年度が四十二年の六月に参ったのでありまして、まだ第一期の事業年度しか参っておりません。そこで、その点につきましては、まあ法人設立の第一期におきましては、申告指導ということをいたすことになっております。そこで申告指導いたしました結果、富士見物産からは、当初の申告は赤字の申告でございましたが、その後修正申告を出しまして、税額五百三十九万六千円を納付いたしておる状況にあるわけでございます。問題は、先ほど申し上げましたように、辰美産業のほうが滞納いたしておりますので、辰美産業の資産がどういうふうになったか、その一部が富士見物産のほうに行っているのではないか。そういった方面につきまして現在調査をいたしておる段階でございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 その富士見物産から、これは内外通商株式会社の社長沢野裕二という方にえたいの知れない金が支出されている。これについては国税庁のほうでは押さえているのかいないのか。

泉美之松国税庁長官

○政府委員(泉美之松君) 内外通商の社長の沢野氏と富士見物産との関係については承知いたしておりません。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 沢野に対しては、じゃ、現在つかんでいる所得と課税はどうなっているのですか。どのくらいですか。

泉美之松国税庁長官

○政府委員(泉美之松君) 沢野裕二の所得は給与所得ばかりでありまして、ただ、二カ所、あるいは年度によって三カ所から給与所得を得ておりますために、申告をいたしておるのであります。その申告所得額は三十九年分で百五十五万円、四十年分で百五十三万円、四十一年分で二百四十六万八千円、こうなっております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 その沢野というのが、われわれは、まあどういう人間だかよくわからぬけれども、その沢野に対して富士見物産から四十二年の八月二十八日に一千万、九月二十五日に二千二百万、十月二十五日に二千万、同じく八月二十八日に五百万、合わせて五千七百万円というものがあがっている。初めはこれを仮払いにしておけと言って、あとでもって帳簿を貸し付けに直せというふうに、日通事件が騒がれてから言ってきております。こういうのを見ると、何となくこれはすっきりしないのです。しかも、いまありましたように、沢野自身が日本で一台とか二台しかないというジャガーという車を乗り回しているという、こういう事実というものは国税庁ではつかんでないんですか。もしそういう支出があれば、これは贈与なのか貸し付けなのか、何なのか。

泉美之松国税庁長官

○政府委員(泉美之松君) そういう富士見物産から沢野氏にどういう金が渡っておるかということは、まだ調査いたしておりません。その金の性質がリベートであるのかあるいは贈与であるのか、そういった点は調査した上でないとお答え申し上げかねます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 それじゃ、もう一つですがね、辰美産業からの贈与の仕組みで金を取ったのじゃないかということがいわれている。この人物は前の日通の福島社長の社外秘書であるというようなうわささえ立っている男でありますけれども、そういう金の使途については、国税庁では辰美をやったときにもつかんでおりませんか。

泉美之松国税庁長官

○政府委員(泉美之松君) 富士見ランドを建設する際に、内外通商が境界の石を設置する仕事を請け負っております。その金額はごくわずかで、二百万円あまりの金額のものでございますが、その際若干のリベートを取っている疑いがあります。それを端緒にいたしまして、沢野氏と冨士見ランドの関係が相当あるのではないかということから調査をいたす方針を持っておるわけであります。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 とにかく、前回参議院の決算委員会でも出たわけでありますけれども、富士見物産から日通の伊豆観光へ土地が売られて、静岡の田方郡韮山の北八丁、三十八町歩というところでありますけれども、その三十八町歩を買うのに日通から三億六千万という金が出ている。地元に支払われているのは一億八千万、あとの残りの一億八千万が、いま見るというと、富士見からの債権のカタが、いわゆる税金の振りかえといいますか、振り出し人になっておりますけれども、それに六千万円以上入っている。また沢野に五千七百万ということで、だんだんだんだん数字が合ってくる感じがする。非常にこれは、いままで出た大和造林あるいは昭和建装、亜東実業などと非常に類似しているケースだと、こういうふうに考えざるを得ないのでありますけれども、これについてはどういうように見ていますか。

泉美之松国税庁長官

○政府委員(泉美之松君) 先ほど申し上げましたように、リべートを受け取る関係にある人であることが判明いたしておりますので、そういった面から、そういった金はリベートの一部ではないかというふうに考えて調査を進めておるわけであります。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 では、とにかく国税庁はそういう点については何もわからないと、ただ聞くというと、検察庁に書類が行ってしまったからとか、あるいはあとを追っかけてやっているようなことばっかり言っているのですけれども、そういうようなことではこれは田代は納得ができない。そこでもう一つ聞きたいのですが日通本社の使途不明金はどのくらいあってそれはどういうふうになったのですか。どういうふうに使われたというふうに推定されるのですか。

泉美之松国税庁長官

○政府委員(泉美之松君) 日通本社につきましては、過去におきまして、昭和三十七年から四十一年までの間に、約八千二百万円の使途不明支出金があったわけであります。これにつきましては法人税を課税いたしたのでありますが、使途不明支出金でありますから、その行く先は私どものほうでは判明いたしておりません。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 やみの賞与であるとか、あるいは金の延べ棒とか、そういうものと合うとか合わないとかいううわさがあるのですが、その点についてはどうですか。

泉美之松国税庁長官

○政府委員(泉美之松君) 金の延べ棒とか、やみ賞与の点は、検察当局において取り調べ中でありまして、私のほうで申し上げた八千二百万円の使途不明出金とどうなるかということについては、現在わかりかねております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 関連。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 関連が多過ぎます。黒柳君、遠慮してください。

黒柳明公明党

○黒柳明君 まだ三回目ですよ。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 関連関連でやっていると進行しないし、本人がいま一生懸命やっていらっしゃるんですから。

黒柳明公明党

○黒柳明君 本人の了解を得りゃいいんじゃないですか。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) それでは、ごく簡略にお願いします。

黒柳明公明党

○黒柳明君 国税庁長官、いまいろいろお聞きしました。先ほど、国税庁と地検と、この問題は捜査を進めているとおっしゃったですね。ところが、いま国税庁長官が、ここで新しく内外商事、いわゆる通商、沢野会長と、こう言われている相当偉い人らしい、こういう人物が非常にえたいの知れない金を着服している。いま言われたように、富士見物産というのは、富士見ランドの、この日通不正事件の起こった場所だ。その富士見ランドの入手に対して、土地の用地買収に対して、大和造林と同じように大きな関係があった富士見物産からえたいの知れない金を五千七百万も取ってる。それを知らないと言う。あるいは、さらにその前においては、この沢野のところへいった金が知らないと同時に、いろんなことについてみんな知らない知らないと言う。知らないなら、それなら地検も知らないのか。書類はみんな引き揚げられたと言う。もし地検でこれだけの捜査を進めているならば、当然国税庁も知ってるんじゃないですか。もし国税庁が知らない、地検が知らないとなったら、これは重大なことになりますよ。私たち党が調査しただけでも、まだまだ出てきます。まだまだ出てくる。この、いわば沢野という人物は、この日通事件の核心的な人物福島前社長の秘書の役割りをなしていたと、こういう人物である。もうすでにいままでの過程において手を入れたろうし、逮捕されなければならないと、こちらはこうも見たいような人物なんです。そういう人物を中心にしての、しかも、辰美といえば、すでに私は決算委員会で脱税問題で追及したほど、そういう疑わしい会社です。富士見物産もしかりです。そういうところから金が出し入れされてる。こういう事実までも国税庁は知らない。このことは地検も知らないのか、そうなる。ここでは地検の答弁をいただくわけにはいきません。捜査の秘密でしょう。しかしながら、地検と国税庁とは密接なるタイアップをもって今度の事件を進めている。そういう関係から類推すると、地検もこういう事実を知らないとすると、これは大問題です。わが公明党の調査で、こういうことが次々に暴露されてごらんなさい。何だ、国税庁の査察は何をやってるんだ、地検は何をやってるんだ、こういう大きく国民から疑惑の目を向けられ、先ほどから私が言ったように、日通事件に対して、当局としては本腰を入れて取り組む姿勢があるのかと、こう指摘されてもしょうがないんじゃないですか。ひとつ、知らないことはよく地検が知ってるのか聞いてごらんなさい。あるいは、知らないことに関しては、よくこちらの教えを請うて、それに対しては、通り一ぺんの発言じゃなくて、徹底的に本腰を入れて調べられる、それじゃなかったら、まだこれから総括、一般質問があります。知らぬ存ぜぬのような、そういう怠慢な国税庁の査察、そういう状態であったならば、国民を代表して、声を大にして怒らなきゃならぬ。こういうわけですけれどもね、長官、本腰を入れてやりますと、ひとつ教えを請いたい、こういう答弁をしていただきたい。

泉美之松国税庁長官

○政府委員(泉美之松君) お答えいたします。  国税庁が怠慢ではないかというおしかり、まことにごもっともでございますが、ただ、いまお話のございました富士見物産から沢野裕二氏が受け取った金が、昭和四十二年の八月ないし十月の間の受け取りでありますれば、それは所得税の申告として三月十五日までに申告をされておられるべきもの、また、富士見物産の申告といたしましては、本年の八月末までに申告するものであります。税務調査といたしましては、そういう申告書が出ました上でないと、それを調査するわけにまいりません。そうでないと、脱税であるかどうかということを明確にできませんわけでありますから、そういう意味で、今日まだ調査が進んでおらないということはやむを得ない事態であろうということを御了解いただきたいのであります。資料をいろいろお持ちのようでございますから、後刻その資料をいただきまして、適正な処理をするようにつとめたいと存じます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 大蔵大臣、はっきりわかるように、第二次納税義務者として西田が土地を持っていることは明らかです。それを、なぜそこをやらなかったか。それから、いま言ったように、沢野については国税庁も疑惑を持っているということでありますけれども、その追及というものが非常におそい。私がここで言いたいのですけれども、これは国税庁自身に不明朗があるのではないか。これはある帳簿でありますけれども、辰美産業に、四十一年の十一月十五日、湯河原の竜泉閣という旅館でありますが、三島税務署として十一万六千八百二十円が支払われておる。これを、四人の三島の税務署の職員が泊まって、支払いを辰美産業が十一月十五日にしている。こういうことがあったんじゃ、これははっきり言って、国税庁はわざわざ怠慢をしているのじゃないかというふうに受け取らざるを得ない。以上のことを一貫すると、これは大蔵当局が真剣になって、まだまだ日通問題を取り組んでいないんじゃないか、こういうふうに受け取らざるを得ないのでありまして、こんな調べるべき、査察をするべきところの者が一生懸命旅館代まで払ってもらったんじゃ、話にならぬ。まだほかにもあるといううわさを聞いておる。どうなんですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 御承知のように、国税庁の調査し得る力には限度がありまして、なかなか国税庁の調査では及ばない、やはり検察庁の力をかりなければならぬ、ほんとうの調査にならぬという問題がございますので、今回はいろいろ緊密な連絡のもとに、この問題を取り上げ、現在、検察庁で捜査中でございまして、検察庁からは、捜査中の問題でございますから何も発表できないということでございましたが、さっき私が申しましたように、いろいろ連絡があって、こちらでお答えできる範囲は国税庁からお答えするということでやってきましたが、このいまの検察庁の調査に関連しているいろいろな問題が今後たくさんございますと思いますので、これは十分連絡のもとに、国税庁の調査に抜かりのないようにやるつもりでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 税務署の問題はどうです。

泉美之松国税庁長官

○政府委員(泉美之松君) お答えいたします。  辰美産業の所管税務署は芝税務署であります。三島税務署は富士見物産の所在地でございます。そういった点から、もし鈴木委員のおっしゃるようなことがございますならば、たいへん遺憾なことであります。さっそくその事実を調査いたしまして、処分を適正に実施いたしたいと思います。ただ、しかし、そういうことがあるから、国税庁の本件に対する追及の手がゆるんでいるのではないかという御指摘はいささか酷であるように思います。私どもはそういう事実があるから手控えしておるというようなことは毛頭ございませんから、その点は御了承いただきたいと存じます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 大蔵大臣、いまのやつどうですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) いま国税庁長官が答弁したとおりです。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 それは確かに辰美産業が三島の税務署の管内ではない、芝税務署のあれであるということは、それはわかるのですが、その辰美産業と富士見物産とは同じようなものですよ、そうでしょう。それを、税務署の役人が四人も向こうの辰美の支払いの中のちゃんと帳簿の中に出てくるように、接待交際費の中に支出されておるというのでは、話にならない。これは、大蔵大臣は国税庁長官の答弁のとおりでございますということだけでは、どうなんですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 国税庁長官の言ったとおり、十分調査いたします。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 帳簿を写した写真がある、これを見てどう思いますか、大蔵大臣。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) いま申しましたように、いずれにしろ調査します。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 国民の側から見れば、高い税金をとにかく取られておるという感じを持っておる。ことしも減税になるかと思えば、増税と減税で差し引きゼロというような状態である。非常に不信を持っているところへ、こういうような事件が起こって、使途不明が出てきたり、あるいは三億六千万円の金が日通から出て、実際に地元の地主に支払われたのは一億八千万円であるという事件が出てきたりということになれば、しかも、それがほかにもリベートにいっているとか、国税庁もつかんでないとなったら、われわれは一〇〇%つかまれておるのに、どうして片方はつかめないのだろうという気を起こすじゃないですか。これについては総理はどういうふうに思いますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま課税、これは公平でなければならぬ、そう御指摘でございました。私もそのとおりだと思います。したがいまして、法の命ずるとおりやられるならば、これは国民も納得されるでしょうし、ある者はそれから甘く扱われる、ある者は非常にきびしい、こういうことではならない、さように私、思います。国税庁自身もそういう意味で最初から意図的にどうこうする考えはないと思います。しかし、収税官吏といいますか、国税庁自身の権限の強さというものにも、実は限度がございます。そういう意味で、ある一定のところまでまいりますと、これが検察庁の協力を得なければならない、こういうことになるのでありまして、国税庁の取り調べがまことになまぬるい、こういうようなおしかりを受けましたが、私は、これは国税庁自身の一つの限度に来た、かようにひとつ御理解いただきたい。これが非常な強力な権利を持ってどこまでも収税官吏が踏み込んでくるということはいいか悪いか、これは考えなければならぬ、かように思います。私は、ただいま申し上げるような一定の限度に来ると、やはり検察庁の協力を求めるということであってほしいと思います。ただ、いま御指摘になりましたような、こういう関係のところの交際費で、あるいは宿泊費が払われた、こういうようなことはたいへん残念に思っております。こういうのが、皆さん方からしばしば御指摘になる綱紀のゆるみ、こういう点に該当するのではないかと思います。こういう意味では、私、公務員の最高責任者として、国民から疑惑、不信を受けるような行為がないように、厳に慎むように、また、この事件としても、先ほど国税庁長官がお答えいたしましたように、さっそく厳重に取り調べ、そうして厳正なる処置をとると、かように御理解をいただきたいと思います。私もさような意味で、国民の疑惑、不信を招くようなことがあってはたいへんだと、かように考えております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 国税庁との関係を終わりますが、私はどうも、そのほかの問題についてちょっとまた疑惑の点かある どうもいろいろな結びつきが強いのじゃないかという感じを受けるので、まず通産大臣に伺いたいのですが、天塩川製紙株式会社の役員名と資本額、そのうちの日通の出資額はどのくらいなのかを伺います。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 天塩川製紙と日通との関係は、確かに資本的な結びつきがございます。これは包装材料を非常に多量に使う関係で、もっぱら包装紙の生産に当たっている会社でございます。その内容につきましては、政府委員からお答えいたします。

金井多喜男通商産業省繊維雑貨局長

○政府委員(金井多喜男君) お答えいたします。  天塩川製紙の資本金は六億円でございます。  それから役員につきましては、代表取締役社長徳安實藏さん、専務取締役中村信さん、常務取締役早瀬大介さん、同じく常務取締役竹中五一さん、同じく常務取締役富田次郎さん、取締役非常勤福島敏行さん、取締役香川英史さん、取締役吉村政吉さん、同じく取締役安藤稔さん、監査役星野仁さん、同じく監査役芳泉尚さん。  それから、その次に、この主要株主でございますが、日本通運が六二・五%、こういうことに相なっております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 資本金を十五億円で秋田製紙株式会社をつくって、そうして、いま出た徳安實藏氏が天塩川製紙の出資額六億円を基礎として社長に擬せられた。ところが、その出資も実際は日通からの出資でやることになっていたのが、こういう問題が起きてからとりやめたという話があり、徳安氏が手を引くということを聞いている。ですが、こういう事実は通産省のほうでは御存じですか。御存じだったらば、少し詳しく教えてほしい。

金井多喜男通商産業省繊維雑貨局長

○政府委員(金井多喜男君) 秋田製紙の設立の件につきましては、秋田県の慫慂によりましてそういう話が進んでおるということは聞いております。しかしながら、その株主につきまして、特に日本通運が新しく参加するというふうには聞いておりません。御参考までに、私どもが聞いております主要株主を申し上げますと、先ほどお答え申しました天塩川製紙が大体四割、三井物産が二割、聯合紙器、全購連で二割、あと東北パルプが一割、それから地元で秋田県その他が残余の一〇%、このように聞いております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 天塩川が四割というその出資額が、実際は日通の出資であるというふうに、日通から出ておるのだということを言われておるわけでありますけれども、その点はどうなんですか。

金井多喜男通商産業省繊維雑貨局長

○政府委員(金井多喜男君) 私ども、その辺の、天塩川製紙が四割出資する場合に内訳がどうなるかということまでは実態は存じておりません。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 いまの問題からわかることは、徳安實藏氏が日通の福島前社長と非常に密着しておる。というのは、天塩川製紙の取締役に福島日通前社長が入っておる、こういうことからもわかるのでありますけれども、政治家としては最も密着しておるように感じられる。そこで、これは総理府に伺いたいのですけれども、福島前社長が藍綬褒章や勲二等瑞宝章を受けておりますけれども、その年月日と根拠について言ってもらいたいです、理由について。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(八木徹雄君) きょうはそういう御質問があるとは存じておりませんので、福島前社長のそのことにつきましては、あとで調べて御報告いたすことにいたします。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 これは私は非常におかしいと思うのは、総理に伺いたいのですけれども、福島前日通社長が藍綬褒章をもらったのは三十七年の十月七日です。ところが、そのときは徳安氏が総務長官時代であります。また、勲二等瑞宝章をもらったのは郵政大臣時代。功績があればもらうのはやむを得ないかもしれませんけれども、非常にそういう点で何となく、これはちょっと聞いただけで疑惑を持つのは無理もない。その点はどう思いますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 徳安君が、たまたま最初の褒章をもらったときは総務長官、その次が郵政大臣であった、これはたまたまそういうことであった、かように御理解をいただきまして、ただいまのような褒章、勲章等について、これはもう私情は一切差しはさむというものではございません。誤解のないようにお願いしておきます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 総理の言うことを信じたいのですけれども、その勲二等をもらったとき、つまり、徳安氏が郵政大臣のときには、郵政審議会委員として郵政事業の運営に寄与したというのが理由になっておる。実にふしぎじゃないですか。運輸行政に寄与したというならわかるが、郵政行政に寄与した。だからこれは疑いを持たざるを得ないのです。どうですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 叙勲につきましては、私は責任持って総理がこの問題と取り組んでおります。ただいまのような点もございましょうが、運輸行政に貢献しておる、かように考えております。したがいまして、過去の閲歴等から見ましても、日通の、今日、運輸業界において果たしておる役割りはたいへんに大きいのでありますから、その社長としての功績、これは十分認めてしかるべきだ、かように思っております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 郵政審議会委員としては、どういう功績があったのでしょうか。それが勲二等をあれしたときの一つの理由になっておるわけです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いまのその叙勲の内容について、私も十分いま記憶しておりません。おりませんけれども、過去の経歴等が一応載ってまいりますから、その中に、郵政審議会の委員という、やはりそういう名前も出ているだろう、かように思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 運輸大臣に。福島前社長の辞任の理由はどういう理由ですか。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 正確にはよく知りませんが、社内の刷新、若返りというようなことであると聞いております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 先ほどからずっと指摘してきた、いわゆる運送料金の不正であるとか、国鉄運賃の詐取というような、そういう問題は、ことごとくが、はっきり言えば、福島前社長のノルマ主義から起きておる、そう受け取らざるを得ないわけです。  いま一つには、先ほど申し上げたような、いろんな、いわゆるトンネル会社、リベート問題というものが次から次へ出てきている、こういうことが理由ではないかとわれわれは思うのですけれども、当時には若返り云々というより、なぜやめるのかわからない、突然やめるのであって、非常にふしぎであるという意見が強かったと思う。どこまでも運輸大臣は、それは若返りのためだということです。突然でふしぎである、何の理由かわからないという一般の声には耳を傾けない、こういうことですか。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 会社の内部のことは私はよく知悉しておりませんが、急にやめられたことは、私もちょっと驚きました。しかし、勇断をもって若返りをやったのだと当時は思いました。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 総理大臣に。いままでずっと申し上げてまいりました、また、現在も捜査をやっておるわけでありますが、この一連の日通不祥事件について、これは運輸大臣に命じてもやることも必要でありますし、あるいは国税庁に命じても特別にどんどん調査をさせ査察をさけなければならぬと思いますが、そういう点については、どう対処されますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) この点は、先ほど黒柳君からもお尋ねございましたとおり、行政上の処置としては運輸大臣あるいは国税庁長官でございます。これらをして今後、過去を十分に調査し、また、今後検討を重ねて、この種の間違いの起こらないようにいたしますが、検察当局も、もうすでに行政の問題でなくて、刑事の問題にまで実は発展しておる、かように思います。したがって、こういう際に、私自身が取り締まりの強化自身を口にいたしましても、これはいかがかと思います。というのは、もう取り締まり、捜査を厳格にすることは検察当局の本来の任務でございますから、それを私が言ってもちっともふしぎではございませんが、しかし、何らか検察当局の独自の働きに私が関与するような印象を持たれる、そういうことはまずいと私は感じているんです。したがって、先ほど黒柳君にもお答えいたしましたように、検察当局の捜査をひとつ厳格に、厳正にやってもらいたい、しかる後に結論を出していただく、かように私は考えております。  それで、何かそれ以外にお尋ねございますか。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 この日通事件の一番最後に伺いたいのですが、事件の流れを見てますと、四十二年の十月三十日に、東京地検と東京国税庁が、日通本社そのほか三十五カ所の家宅捜査をやっている。そして一月十一日に突然福島社長が退任をした。それまでずっと事件が起きてこない、突如として二月二十一日から田村の逮捕、あるいは長谷川の逮捕というように、ずっと続いてまいりまして、そうして三月十九日、昭和建装、亜東実業等に対しても手入れがされるというところまで来たわけであります。ところが、そういうように急転直下、福島社長が退任すると同時に、事件がぽかっと起きてきている。そこで、私は、これはここに問題の富士見ホテルでありますけれども、伊豆富士見ホテルにことしの一月二日から一月の六日まで、この間に昭和建装というのが泊まっている。ちょうど社長交代期の直前であります。しかも、そこへ、先ほど私が申し上げました沢野会長というのがずっと泊まっている。五千六百万円のリベートを取ったのではないかと言われている沢野会長が泊まっている。あるいは、これは人は違うかもしれませんけれども、日通病院福島とある。これは福島前社長とは言い切れませんけれども、そういうのが載っている。それから、いわゆる本社の管財の田村課長が、これも同じようにずっと泊まっている。一時は名前を田山と変えてまで泊まっております。これ、ずっと泊まっていて非常におかしい。何となく、そのあとで福島社長退任が行なわれているわけでありますけれども、このときに、稲田幹事長が二日の日から五日にかけて泊まっているわけです、ぶっ通し。そういうので、私は、そこに泊まっていたという事実だけを申し上げるわけでありますけれども、こういうような非常に疑惑の多い問題、そこに何となくそんなふうにいたなんていうことになると、これは私どもとしては、綱紀の粛正であるとか、そういう点から見て、非常な心配をするわけでありますが、その点についてはいかがお考えですか、これは総理に伺います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いまの日通関係者その他この事件に関係している連中の宿泊、これについては、おそらく検察当局の取り調べがそのうち結論を出すだろう、かように思います。  ただいま私のほうの幹事長の名前をあげられました。しかし、本来これに関係のあるものではないと、私はかように確信しております。しかし、本来これはホテルであって、そこへ客が泊まるのは当然であります。もしそこに客が泊まらなかったら、これはホテルの役をなさないのであります。たまたま、それこそ福田幹事長が行って泊まったものだと、私かように思います。そういう点をこういう機会に述べられることは、私たいへん迷惑です。よくお調べになった上で、疑惑があるなら疑惑がある、こういうことでお話しをいただきたい。私がただいま申し上げるように、これはたまたま福田幹事長はそこへ行って泊まったのだと、かように私は思います。したがいまして、関係のないものだ、かように確信しております。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) それでは、午前中の質疑はこの程度にいたし、午後一時二十分に再開することといたし、休憩いたします。    午後零時二十二分休憩      —————・—————    午後一時四十七分開会

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君)午前に引き続きまして、予算委員会を再開いたします。  質疑を続行いたしますが、午前中、鈴木委員の御質疑に答弁を留保されております分がございますから、答弁を許します。八木総務副長官。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(八木徹雄君) 先ほどお尋ねのございました、福島前日通社長の藍綬褒章並びに功績につきまして、取り調べた結果を御報告申し上げます。  藍綬褒章は、三十七年十月二十六日、運輸省推薦によって受賞を与えております。その功績概要は、「早くから通運事業に従事し、常に施設の充実改善に努めて輸送力の増強に尽くし又関係団体の要職にあってよく斯業の発展に寄与した」、これが受賞の要因でございます。  それからまた、叙勲につきましては、昭和四十年四月二十九日、これも運輸省の具申に基づきまして、勲二等瑞宝章を与えております。功績の概要は、「多年通運事業の経営にあたり、その発展に努めるとともに関係団体の要職にあって業界の振興に尽力した。また、郵政審議会委員として郵政事業運営に寄与した。」、ともに運輸省の進達に基づくものでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 日通問題は、また時をあらためて伺いたいと思います。  そこで、総理に中心にお伺いしたいと思いますが、いまの世の中を見ておりますと、非常に遺憾なことは、政治不信がときどき見られることであります。その政治不信の根本というものは、政治家に対しての不信ということがあると思うんでありますが、総理は、いつも有言実行ということを言われていらっしゃる。政治家がうそをつくということが漫画に書かれたり何かするというようなことは、そういうような政治家に対する不信というものがあると思うわけであります。そこで総理は、政治不信になるようなことはなさらないだろうと、私はこう思いたいのでございますが、その点についての総理の所信をお伺いしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 政治家は、国民の信頼をかちうるということはなかなか骨の折れることであります。力以上のことを考えましてもよくありませんが、私は、とにかく誠実であること、同時に、真剣に取り組むこと、この二つを実はモットーにして、ただいま政治の諸問題と取り組んでおるつもりでございます。私は、かくして政治に対する信頼を高めるために大いに努力すべきだと思います。その点では、幸いに民主主義の政治のもとにおきまして、そのつど主権者、国民の意思が選挙を通じてはっきりいたしますから、その不信の払拭、また、党に対する信頼、支持、そういう点で明らかになると、かように思います。その方向で努力します。絶えず真剣に、誠実に問題と取り組む、この姿勢でありたいと思っております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 佐藤内閣の政治の実績というものを振り返って考えてみますと、これについては厳正公平に見ていかなければならない、こう思います。どうも総理が総理になられたときは、池田内閣の高度成長政策の矛盾がはっきりあらわれて、そうして行き詰まりになったあとを受けて成立をしたわけであります。内閣が成立をした。その当時佐藤総理をはじめとして、世の中でいろいろ騒がれておりました経済の矛盾、そういうものについては、これはどういうふうに解決ができてきたか、総理はどうお考えになっているか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 高度成長、これはそれなりに一つの意義があったと思います。また、国民のたいへんな支持を受けたと思います。しかし、同時に、この高度成長のもたらした各般のひずみの是正、これはなさなければならない、かように思っております。しかし、これなかなか一朝一夕にでき上がることではございません。したがいまして、私も、今日までひずみ是正、これに力をいたしてまいっておるわけであります。高度成長そのものが悪いというよりも、安定した成長、これが望ましいことは申すまでもないことであります。そこで、高度成長に対応することばとしては、やや不適当かもわかりませんが、安定成長ということばを使って、それを経済成長の目標にしております。このことは、とりもなおさず、経済が安定して、そうして成長を続けていくという、こういう意味でございます。これが安定成長ということはになっております。このもとにおいてひずみ是正、これもはかっていく。じゃ、どういうところにひずみが起きておるかと、これは各産業別の力の相違でございまして、これをしばしば、生産性の上がらない部門、あるいは取り残された部門だと、かように一つ申しております。そういう意味で中小企業や農業、これらに近代化を促進し、そしてそれが経済発展のおくれをとらないように、また、政府の施策もさような点に重点を置くべきではないか。  もう一つは、地域的な問題で、最近の傾向は、すべてが都市集中の傾向がございます。したがいまして、全国的にまんべんなく、かつ、公平な発展を期することは、なかなか困難な問題であります。過疎、過密対策、こういうことにおきまして、全国総合的な発展を期する、あるいはまたさらに、かもし出される公害その他の社会悪というものに適切なる政策を講じていかなければならない、かように思っております。これらのことはたいへん各般にわたり、また、なかなかその範囲、根ざすところも深いのでありまして、これは一朝一夕にそういう問題が一々解決できる、かように私は思いませんが、しかし、ただいま進行している方向、これこそは、これらの問題を片づけよう、解決しよう、そういう問題でございます。経済、社会開発計画などもその一つの目標であります。こういう問題と取り組んでおるその姿勢だと、かように御理解をいただきたいと思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 総理の言うように、一朝一夕に解決が簡単にできてしまう問題ではないことはよくわかるのでありますが、それならば、一朝一夕にできないけれども、一歩一歩前進をしていくというのでなければならないと思います。総理が総裁に立候補をなさったときのその宣言の中に、経済は社会開発のため計画を総合一本化して展開されなければならない。特に家庭の主婦、中小企業、農民などが期待している愛情のある政治の実現が緊急の問題である。このように述べておられる。そして池田時代の繁栄の中の貧困ということがあります。その繁栄の中の貧困や、人間性の埋没というのは、この社会開発計画で救われるということを述べられております。ところが、国民生活白書の四十二年度版を見ますというと、暮らし向きについての調査では、五〇%の人がいまだに生活に不安を訴えておる。また、一年前に比較した暮らし向きに対する調査では、同じ白書の中で、三十七年当時、よくなったと答えた人は二四%いた。ところが、四十一年度には、一六%に減ってきている。これは国民生活白書の中にはっきり書かれておる。逆に悪くなったと答えた人が、三十七年に一三・七%という率でありましたのが、四十一午には三二・八%と、二倍半も暮らし向きが悪くなったという答えが出ております。このことは、繁栄の中の貧困というのが、総理が期待しているように救済されてこなかったという証拠じゃないかと思うのです。いま一朝一夕には解決はできないと言われる、それは認めます。しかし、それならば、それで漸次向上をしてこなければならないわけでありますけれども、それがこうなったということは、これは、それに対しての責任は、総理、どうお感じになりますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま数字をあげられましたが、私のほうの数字では、三十七年四月の調査、これは、非常に満足、まあ満足と、こういうものが五一・四ということになっております。それが、四十一年十一月の調査によりますと、非常に満足、まあ満足、これを合わせて五一・七、こういう数字になっております。まずこれはあまり変わりがない。わずかにコンマ三ほど上がっておる、こういう数字でございまして、私は、この数字がどうこう言うのではございませんが、ただいま実態調査から数字を披露されましたので、私も一応披露してみたい。そうして、少し不満、非常に不満というものを合わせてみますと四八・二と、これが四十一年十一月の調査では、両方合わせて三九・七、このほうでは不満のほうは減っておる。かように私の統計はなっております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 そうすると、この経済企画庁で四十二年六月に出した国民生活白書、四十一年度版です——さっきは四十二年度版と申し上げましたか——四十一年度版というのは、これは総理の持ってらっしゃるのと違うようです。われわれは、どうしてもこういう国民の前に明らかにされる白書というものを信じるわけですが、白書の数字が誤りですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) これは誤りではございません。同じことでございますが、この白書を書きますときに、やはりだんだん、経済成長もさることながら、生活の内容の向上といいますか、福祉の向上といいますか、そういうことが、先ほど御指摘のように、政策の中心になってきたわけでございますから、なるべくそういう面からこの問題を正直にとらえてみよう、こういう気持ちで四十一年度版を実は出したわけであります。それで私思いますのに、経済成長をするということは、やはりそれだけ変化をすることでございますから、変化というものはやはりどうしても不安を与えやすい。ことに変化のスピードが早ければ早いほど、何か落ちつかないということは、これはだれしもあることであろうと思います。で、この暮らし向きがよくなった悪くなったという、これは一つの実感の問題でございますから、何かせわしなくて、いろいろなことがもう非常に早く変化をしてどうも落ちつかないといったような、そういう気持ちがやはり国民の生活感情にあるのではないかと思うのでございます。実態面としてその生活の内容が低下しているかといえば、それはそうは考えられませんし、社会開発投資も年々行なわれていることでございますから、この実態面としてあと戻りしていることはないように思います。気持ちの上ではやはり激しい変化、早い変化というものは、何か生活の落ちつかない、がたがたしているといったような、そういうものがこういうところに出てくるのではないかと思っているのでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 いまの生活が落ちつかない、何かがたがたしているということが、いわゆる期待を裏切ったということから生活が悪くなったということでいま説明があったのですけれども、まあわれわれも白書をはっきり信じますから、そうすると、これは佐藤内閣は、一体総理大臣は、総裁立候補声明とは反対のことをおやりになっているのではないか、こう思わざるを得なくなってしまう。そのいませわしなくなってがたがたしているということは、一つは過大都市だとか、交通戦争ということなんかが一つ大きい問題だと思うのですが、これについても総理は、所得倍増政策で経済は発展したけれども、過大都市や交通戦争、高年齢層の就職難など、至るところにひずみをつくったと言って社会開発計画と人間尊重を掲げておられます。その佐藤総理が、それによってこれを解消できると主張しておりますけれども、この交通戦争一つあるいは過密都市問題一つをとってみても、激化をしているとしか言えないわけなんです。これについてひとつ交通戦争の、いわゆる交通事故の実態は、一体どういうふうに変化してきたのか、また、過密の影響というものはどういうふうにあらわれてきたのか、その変化というものはどういうように変化をしてきているかを、ひとつここで明らかにして言っていただきたいと思う。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま実行されております全国総合開発計画では、いまの時点になりますと、関東とか近畿とか東海とかいうほうへの人口集中度がやや弱まって、地方へ人口の分散があるということを、実はこれはいまから考えますと、昭和三十七年の予測でございましたので、多少希望的だったと思いますが、そういうことを考えておった。実際はそうなっておりませんで、やはりそういうところへ人口も資本もなお集中の傾向をやめないわけでございます。そこで今年の夏過ぎには、この全国総合開発計画の新しいものをつくろうと思っておりますが、その際には、ただこの趨勢だけでなくて、どのような政策手段を用いればそういうことが防げるかということを、多少数字なども使いまして、問題点として解決策と一緒に打ち出してみたいと、こう思っております。今日までのところ、いわゆる過密状況というものは、まだ改善を見せておりません。むしろその方向が進行しているということだと思います。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 経済が発展し、また文化が進んでまいりますと、やはり世界的に過密個所の問題が起こっておるようでございまして、政府といたしましては、やはり国じゅうがまんべんなく同じ形で繁栄することが最も望ましいわけですから、それぞれの対策を講じておる次第でございます。まあ社会資本の不足に基づく交通公害等に対する問題が諭ぜられておりますけれども、これらは政府もいろいろ努力をいたしまして、その後、調整過程において、速度はおそいけれども、だんだん解消の方向へ向かっておるというふうに私ども見ておるわけでございます。ことにただいま御指摘になりました交通の混雑解消についてでございますが、道路の整備を施策の最重点といたしまして、毎年、国、地方公共団体を通じて膨大な投資を行なっておることは御承知のとおりでございます。また、そのために必要な道路財源の確保につきましては、鋭意努力をいたしております。  そのほか大都市対策が問題になっておりますが、まあ都市再開発また、住宅建設、環境衛生施設の整備などにつきましても、それぞれ意を用いております。しかし、ただいま経企庁長官が指摘いたしましたとおりに、なおこの集中する大都市の人口増大に対する交通量に十分対処できるところまではいっておりませんけれども、現状のまま放置いたすわけにまいりませんので、この方面には特に配慮をいたし、ここへまた資本の投入をいたそうとしておるわけでございます。  地域開発につきましては、これらの緊急を要する対策に対処しながら、基本的な方向としては、それぞれ地域の特性を生かしながら大都市への人口の過度の集中を抑制しつつ、都市、農村を通じていわゆる住みよい社会を建設することを目途として今後一そう努力をいたしたいと考えております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 自治大臣は、速度はおそいけれども解決の方向へ向かっているというのですね。ところが、交通事故の発生件数及び死傷者数というものを調べてみると、三十五年の指数を一〇〇として、四十二年には、件数でもだんだん増加してきまして、確かに三十九年、四十年よりも減っているけれども、一一五というような指数になっている。また同じく死者については一一三とウナギ登りに上がっております。また、同じく四十二年の負傷者の数は二二七と、二倍以上になっている、こういうことになると、解決の方向へ向かっているということは、どう考えても実際の数字としては出てない。この点はどうお考えですか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) この交通問題をどういうふうに将来解決していくかということはたいへん大問題でございまして、私どももやはりこの交通に関する基本法的なものの検討も準備しておりますし、他の政党でもそれぞれいろいろな案をお持ちのようでございます。むしろこういう問題については、まあ超党派でやっぱり最善の策を編み出すということが大事であると思いますので、私どもは委員の諸先生方の御意見も拝聴しております。ただ手当てといたしましては、明年度は地方交付税の中でもその手当てが六百億円をこしております。それにさらに御案内の交通反則金を元としました交付金を加算いたしますので、この手当てといたしましては、かなりの金額になるわけでございます。これを最も有効適切に使って、少しでも交通混雑が緩和され、また事故の対策になればしあわせだと思っておりまするが、もし公明党さんのほうでもいいお知恵でもありましたら、むしろ私のほうで拝借いたしたいと考えております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 建設大臣に。住宅難あるいは家賃とか地代の問題については、どういうふうな趨勢にあるか、ちょっと言っていただきたいと思うのです。住宅難あるいは家賃、地代の問題について。

保利茂自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(保利茂君) 住宅問題のとらえ方は、佐藤内閣ができましたおととし、四十年、四十一年から住宅五カ年計画——住宅問題の重要性を把握しまして五カ年計画を打ち立てて、自後非常に苦しい財政の中でございますけれども、ともかく優先的に計上をして五カ年計画の達成を第一の目標にしてやってきていることは、もう御案内のとおりでございます。そこで、最近の家賃の問題でございますが、公営住宅はできるだけ家賃の上昇にならないように、その他の公共、公的住宅につきましても、できる限りの配慮をいたしておりますけれども、御案内のような土地状況からいたしまして、用地費というものがかなり逐年かかってきておりますために、公団住宅等におきまして、ずっと前に建てた住宅と昨今建てております住宅との間には、かなり家賃におきましても開きが出てきておるということは——これはできるだけあまり高くならないように、あとう限りの方法を尽くして努力をいたしておりますけれども——傾向といたしましては、用地その他住宅建設の原材料あるいは労務賃等の値上がりによるある程度の上昇傾向を防ぎ得ないというような状態になっております。とにかく最善を尽くしております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 住宅難についても、住宅需要実態調査というのを建設省でおやりになっておる。これを見ますというと、住宅について困っている点があるががまんしているというのが三十五年には二八・七%であった。四十一年九月には三九・二%と一一%急増しております。同じようにその建設省調べによれば、何とかしなければならないほど困っているというのが三十五年には七・三%が、四十一年九月には四・七%になっておる。合計をいたしまして、住宅不満の世帯の比率はどうかといえば、三十五年に三六%であったものが四十一年九月には四三・九%に上がっておるわけです。また地代、家賃の問題にしても、二十八年を一〇〇としてアメリカが一一九、西ドイツは一五三というふうになっています。イギリスのようなところが一七五です。ところがわが国だけは三〇八というふうに上がっておる。異常な膨大な上がり方です。こういう点はどういうようにお考えですか。

保利茂自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(保利茂君) 私いま手元にその資料を持っておりませんけれども、こういうことは申し上げ得るのじゃないかと思います。今日では、非常に住宅に困っておる、公営住宅なり公団住宅なりに入りたい、そういう方がまあ入られる、入られて、それじゃもうこれでいいというような気持ちになるかというとそうでない。いろいろその後の所得も上がってくる、あるいは生活の水準も上がってくる、家族の構成も違ってくるというような生活内容の向上からすると、住宅の環境というものは非常に悪い。というところで、その当座は満足されても一、二年のうちにはその住宅に対して非常な不満感を抱かれるというようなものもそのお示しの数字の中にはあると思います。で、昭和二十八年当時にまた家賃の問題でございますが、二十八年当時とお比べになりましたら、まさにそのとおりだと思います。と申しますのは、だんだん高度成長で人口、産業の都市集中が著しく、そこへまあまず第一の住まいの問題がなにして、御案内のように今日私ども住宅問題で一生懸命取り組まざるを得ない状態になっておりますのは、結局宅地の、住宅用地の需給のアンバランスが著しいために用地の非常な暴騰を来たしております。そこへもってきて、いろいろ思惑だの投機だのというような油を注ぐようなことで、実質以上の値上がりをしているところもある。これが、すべて最終的には家賃なり地代なりというところにはね返ってきておるというところを見なければいかぬのじゃないかというように考えております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 そのほかにも通勤戦争でも、これは総理に伺いたいのですが、千代田区、中央区、港区の従業員を調査して、通勤に一時間以上を要するものが約四〇%、その往復に要するカロリーが混雑時で四百九カロリーといわれておる。一日の執務に消費されるカロリーが七百五十ないし八百五十カロリーということから考えると、一時間の往復で四百九カロリーも費やしたのでは、これは非能率もはなはだしいし、大きな国家的な大損害になっておる。こういうように過密の問題、あるいは交通の問題にいたしましても、激化はしているけれども解消はしていないわけです。佐藤政権になって、総理は立候補のときに言われたように、所得倍増政策がそういうひずみをつくったということを言っているのですけれども、現在でもその所得倍増政策のひずみの責任とこれはおとりになるのかどうか、この点を伺いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 大都市の通勤輸送というものはたいへんな問題です。ただいまのような時間、またたいへんなカロリーの損失、こういうことでは非能率だと思います。こういう事柄を、過密現象に対して当然対応策をとっておけば、そういうことにはならなくて済むだろう、こういうことは予想できますが、いま高速自動車道路はできましても、なかなか大量な通勤輸送の改善を見ておらない。国鉄自身もこういう問題に真剣に取り組んでおります。でありますから、地下鉄の増設あるいはまた郊外電鉄の乗り入れ等々を計画いたしましても、最近のような発展度、膨張度の高い場合には、これはなかなかついていけないというのが現実の悩みであります。また、私どもがそういう意味でこの過密対策としてこれを分散する計画を立てております。都市には集中しないで、あるいは研究学園の都市をどこかにつくるとか、あるいはまた工業整備地域を指定するとか、東京あるいは大阪、名古屋というような周辺にはベッドタウンをつくる、あるいはまた副都心を設ける等々して、過密現象を緩和する方法はないだろうかと、総合的にあらゆる施策をやっておる。しかしながら、それがなかなか経済の膨張、成長についていけないのがいまの現状だ、かように実は思って、たいへんな悩みを感じておる次第であります。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 私がこれを取り上げたのは、佐藤総理が所得倍増政策を批判していたからなんです。そうしてその責任でこうなったということを言っているから私は取り上げたわけなんです。ところが、実際におとりになっている政策は、所得倍増政策と変わりがないじゃないか。立候補宣言の中では、所得倍増政策はそれなりの意義はあった。先ほどおっしゃったとおりです。そうであったけれども、急速な拡大、国際収支の悪化、引き締めというゴーストップ政策であると、こういうふうに批判をされたわけです。四十一年、四十二年、四十三年、この三年間の佐藤内閣の経済政策の運営は、この池田政権のもとのゴーストップの経済運営と同じじゃないかというふうに思うのです。設備投資、民間投資が進んだから社会資本のおくれが目立ってくる。これが過密都市問題あるいは住宅難あるいは交通戦争を巻き起こすということで、これを何とか安定させたいというねらいはあったようです。ところが、実際にやったことはどうかといえば、まるきり同じじゃないか。その点についてはどうお考えでありますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私は全然同じだとは思いません。しかし、なかなかいまの自由経済のもとにおいて、資本主義経済、これのもとにおいては、かような状態にならざるを得ないのだと、かように思っております。いま言われるゴーストップの政策、これは困ると言われる。確かに経済の成長が非常に山は高く、また深い谷と、こういうのは一番困ることだ、だからこれを安定の方向へもっていく、しかも成長は忘れないように経済は成長していく、これが新しい政策だ。いわゆるゴーストップの政策に一つのブレーキをかけ、一つの目安をつけようというのが私どもの実は考えたところであります。しかし、私どもこの過去の経験をじっと見ておりますと、なかなか思うようにいかない。あるいは不況克服にスタートしたこの経済が、不況は克服した、しかし今度はたいへんなまた設備投資を招来して大きな山をつくり出す。これではいかぬからというので昨年ブレーキをかけて、そうして山をできるだけ適当なところへとめよう、こういう処置をとった、これがいまの現状でございます。そこへもってきて、最近は国際経済の大変動を来たしておりますから、一そう国内経済と取り組む姿勢についても慎重さを必要としている、これがいまの現状であります。私は、過去と現状と比べて一体どういうことかと、とにかくいまの大きな山があり、谷があるという、そういう点をできるだけ均衡——まあ平均のとれるような方向にして、しかも経済を成長さしていこうと、こういうところで、やや見直すものがあるのではないかと、そういう意味の御理解をお願いしたい、かように思っておる次第であります。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 交通問題でちょっと関連して、通産大臣おられますか——伺っておきたいのですが、安全自動車法というのがアメリカにはあります。そういう安全自動車法というような法律をつくって交通事故についての安全を確保する、そういう自動車をつくらせるようにしていこう、こういうようなお考えはないかどうか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 自動車が非常にふえまして、道路が狭くなった、交通事故が頻発する、それからまた、排気ガスが問題になってきております。最近の自動車と社会計画との関係は、二重、三重に問題を起こしておるのでございます。これらの諸問題に強い法を一ぺんに適用するような、自動車生産のほうから何か対策はないか、こういうことを考えたかと、こう言われますが、排気ガスの処理については、目下鋭意研究を進めておる状況でございます。その他の点につきましては、自動車の生産のほうから、これを過密化あるいは公害の軽減をするというような方策は、ただいまのところまだ考えておりません。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 アメリカの安全自動車法は、衝突をしたときにも人命が損害を受けないようにということで、自動車会社に対して、かなりきびしい自動車の保安基準をきめているわけでありますけれども、そういうような自動車自体の構造を変えさせるという保安基準のようなものをつくらせるという、そういう安全自動車法は考えないかということなんです。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) アメリカの状況もしさいに調査しておりまして、日本側でも日本独自の見地に立って規制する必要を認めまして、先般来、専門家にいろいろ諮問いたしまして、約十四項目にわたる改正点に関する意見具申がございました。たとえば、安全ベルトをつけるとか、あるいはヘッドライトをどうするとか、あるいは修理中のサイドの赤いランプをどうするとか、いろんな点について十四項目の勧告がまいりまして、自動車工業会ともいろいろ相談をしまして、完全に賛成も得ましたので、近く省令で告示いたしまして、さらに一そうの安全規制措置を構ずる段取りになっております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 先ほどの総理の御答弁に、ゴーストップにブレーキをかけて、まあ平均のとれる方向にできるだけ持っていっているんだ、こういう話だったのですが、確かに総理は、人の経済政策、経済運営にはかなりきびしかったように思うのです。それが立候補の宣言、そのほかの記者会見等も見ますとよくわかるのでありますが、ところが、どうも御自分のことには寛大じゃないかという感じがする。佐藤内閣の経済社会発展計画は、これによって基本路線はすでにきまっていたわけでありますが、それが現在では崩壊しているのではないか。実績見込みの四十二年度の経済の成長率八%が一一%に変わり、民間設備投資が四十二年度で対前年度二七・五%も伸び、投資額が七億二千、実際は七億五千ぐらいになるのじゃないかという声もあるように非常に上がってきている。四十三年度からおそくも四十四年度には、もう経済社会発展計画の最終年次の投資額の八兆九千億というものを突破するんではないかというような感じになってきているわけです。こういう行き過ぎの経済活動を、やはり安定したものというか、ゴーストップに強くブレーキをかけたというふうにおとりになるのか。そういうような計画に合わない経済の行き過ぎ、経済の活動を、総理はどうして押えなかったか。四十三年度の予算について、調整の年というふうにおっしゃっているようでありますけれども、それでは国民をごまかすのじゃないか。谷もなければ山もないというのが安定成長。ところが、実際にはどうかと言えば、そういうような大きな山があったり谷があったりする感じがある。この点はいかがですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほども申しましたように、一つの目標、それはございます。しかし、私ども計画経済をやっているわけではない。ましてや統制経済でもございません。したがいまして、これが自由経済のもとにおいて、ある程度の狂いはやむを得ない、かように私は考えております。この社会経済開発計画にいたしましても、もういま言われるように、ずいぶん予定したものよりも高い目標になっているのじゃないかと。確かにその批判は当たると思います。しばしばそういう意味から、この計画はもうすでに改定すべきものじゃないかと、こういうような御批判もいただいております。しかし私どもは、ある一定の期間、それについての目標だと、かように思っておりますので、まあことしで直ちにこれを改正すると、こういう考え方ではございません。なお詳細につきましては、宮澤君からお答えをいたしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) ストップゴーだとおっしゃいますが、イギリスの場合は、ストップは非常によくするわけでございますけれどもなかなかゴーをしませんし、わが国はゴーはするのですが、いまならこのストップをかけているはずでございますけれども、やはりどうもゴーをするような、そういう傾向にございます。それでこの社会開発というようなことを政策課題としてその意識にのぼせたということは、やはりこの高度成長に対する一つの反省であったのではないかと思うのでございます。で、政策課題として意識にのぼせましたら、しかしだからといって、すぐに問題は解決するわけではないので、なかなか思うようにまいりませんけれども、ただ成長ばっかりしていれば、それで国民がついてきてくれるんだというのではないという、そういう政策意識があらわれたということを、やはり私は評価すべきではないかと思うのでございます。それで経済社会発展計画も、したがって社会開発投資ということを言い、物価のある程度の上昇の緩慢化、安定ということを言い、また都市化にどうやって対処するかということを論じておるわけであります。ですから、この計画が持っておるところの問題意識というものは、私はそれで正しいのだと思います。ただ現実は、先ほど言われましたように、非常に大きな設備投資が昨年四十二年度に起きてきた。これはもう四十年代にはないはずだと言われておったようなことが、現実にはもうすでにあったわけでありますから、そこで、もし同じようなことがさらに今後続いてあるといたしますと、これは計画の数字が間違っておったというよりは、計画がもとに置いたところの想定が、現実と合っていないということになるのであろうと思います。それだけ成長力があるということは、決して嘆くべきことではないのでございますけれども、もしそうであるとすれば、そういう現実の上に立って、それ以外の施策をどう進めていくかということを、考え直さなければならなくなると思います。でその時期は、四十三年一年見ておって、そして、はたして四十年代にも同じようなことが続いてあるかないかという見きわめをつけて、その上で私は決定したらいいのではないかと思っております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 そうすると、総理の言う安定成長というのは、一体いつごろから期待していいのか。何年ごろから期待するのですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 安定成長というのは、私はその成長率が低いということを考えなくてもいいと思うのでございます。つまり、成長はするが国内の他の分野が、それと均衡して動いていけばいいのであろうと思いますので。それにしても、まあ三〇%というような設備投資がありますと、とてもほかはついてまいれませんから、やはりそれを現在のように押えていって、まあ一割を切ったところということならば、他の部分がほぼ均衡してついていける、こう思うのでございます。その時期がいつごろかということは、これはお答えできればたいしたもんでございますが、どうもお答えができません。現にこの四十二年度たいへんに見間違っておるわけでございますから、お答えできませんが、四十三年もう一年見ておったら、四十年代の日本経済がどういうものであるかということが見当がつくのではなかろうかと、こう思っております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 そうすると、四十四年から期待するというのか、それとも四十四年以降というのか。そうなると、佐藤総理の言われた安定成長ということは、調整の年を通って安定成長に入っていくわけでしょうからね、調整の年がずいぶん長く続くということになる。そうすると、国民のほうの期待は、もっと早く安定成長をということだと思うのです。社会資本の充実がおくれているから交通事故、過密都市問題等が山積してくるわけです。そういう問題の片づけ方がどうにもならないのじゃないか。先ほど一番冒頭に、政治家は誠実をもって真剣にやりたいということを総理は言われたのですが、誠実をもってといっても、こうなると安定成長という有言実行は、いつの時期になるのでしょうか、総理から伺いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私はできることなら、四十四年からそういう方向に持っていきたい、かように思っております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 経企庁長官、四十四年からなりそうですが。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 経済は総理が誠実であられようとしましても、やはり成長するというようなことはどうしてもございますので、それで私はこの四十三年一年見ていたいと思うのでございます。もしこの年の設備投資の動きが正常であれば、そうすればこの経済社会発展計画の線に、ほぼ考え方としては入っていける。もう一年私は判定を待ちたい。できれば、総理の言われるようになってほしいと思います。また、そういうふうに本年の経済運営をやっていきたいと思っておるわけでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 そうすると、これは総理に伺いたいのですが、いまの経企庁長官、それから総理のお考え方を伺っていますと、四十三年は調整の年である。できれば四十四年からそういうような安定成長につなぎたいというような説明でありますけれども、これはどうもいただけないわけです。というのは、政権をお取りになったときに、まず四十年度は、池田内閣の引き継ぎですから、これは調整の年でもやむを得ない。ところが、それから四十一年、四十二年、四十三年とかかってきた。この間はずっと調整の年になって、それからあとは安定成長ということは、いままでやってこられた経済政策が失敗であったということじゃないか、その点については総理はすなおにお認めになりませんか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、すなおに失敗だとは思っておりません。これはひとつすなおに鈴木君も失敗だと、かようにきめられないで、やはり経済の実態というものを十分見ていただきたいと思います。私はこの期間におきましても、日本の経済成長、経済発展はすばらしいものがあったと思います。同時にまた、いわゆるひずみという点について、それぞれ手をかけてまいったように私は思います。私は、先ほど宮澤君も言っておりますように、経済は絶えず前進、発展していかなきゃならないと思います。これが全然ストップした、たいへんな混乱を生じた、こういうことなら私の責任だとは思いますが、私はそうじゃなくて、やはり安定成長は望んだけれども、その状態にはならなかった。しかし、経済は相変わらず発展し、国民は非常に生き生きと希望に燃えて生活している、活動している、かように思っておりますので、これこそ、これは失敗にあらずして、成功の道をたどっていると、かように私は考えております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 あまり失敗だったとはお認めにならないようですから、いま少し申し上げたいと思うのですが、立候補に際して、こういうことを総理はおっしゃった。物価値上がりは経済の拡大のために当然であるとか、中小企業の倒産は放漫経営のせいなどと政府は説明しているが、これはとんでもないことだ、物価が値上がりする前にどうして対策を講じないのか。また倒産しないうちに、どうしてあたたかい気持ちでこれを救おうとしないのか。政府は所得倍増政策のアフターケアなどと言っているが、これらの問題はそんななまぬるいものではなく、本質の問題だ、経済開発計画に欠陥があったとしか言えない、こういうようにおっしゃっている。ところがいまの物価値上がりは、明年度が四・八とか今年度は四・五というふうに見込まれるように、非常に高いものがありますから、また中小企業倒産も古今未曽有の倒産が予想されるし、いままでもやってきておる。そうすると、こういう総理自身の論理から考えると、佐藤内閣の経済政策の経済社会発展計画に欠陥があったからじゃないか。池田総理の経済開発計画に欠陥があったとしか言えないとおっしゃっている。そのことばを裏返せば、物審の経済社会発展計画に欠陥があったということになりませんか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、いわゆる高度成長下にもたらされた物価高、この物価の上昇率はたいへん大きな幅を持っていたと思います。私はこれを鎮静さすという方向で、いろいろ努力し、早く五%以内に持っていきたいということを申した。そして将来は、行く行くさらにそれを下げていくんだ、こういうことを申しておりました。御承知のようにことしは四・五、また来年の計画にいたしましても四・八、これはかつてのような高い成長、物価の値上がりではございません。確かにこの点では、私どもが考えたところから申すと、もっと物価は鎮静すべきだ、かように思いますけれども、しかしその努力の結果は、ただいま申し上げるように五%以下にとどめることができた、かように思います。ことし四十三年度のいわゆる四・八%、これは並みたいていなものではございません。これは総合的に物価抑制の施策をとらない限り、この目標はなかなか達しにくいのじゃないかと思って、実は目標を目標としてこしらえておる。その目標として示す限りにおいては、政府もこれを実現しなければならないと思いまして、いろいろ苦心をし、努力をしておるところでございます。これは四十三年の成績でまた御批判をいただくことになろうかと思います。しかし、いわゆる物価のいままでの上昇過程から見ると、最近は鎮静したんだ、かように御理解をいただきたいと思います。ただ、もう一つの中小企業の倒産の点につきましては、私はたいへん残念に思っております。この数が減らない、いな、むしろ数は増加をしている、かようにすら指摘をされるようであります。私はこの点については、中小企業対策、さらにわれわれにどっか欠くるところのものがあるのではないか。あるいは最近の経済成長から取り残される中小企業、その対策として、さらにただ税制や金融だけでなしに、その構造上の問題として十分指導もし、また協力をしないと、中小企業相変わらず倒産するんじゃないか、この点では心を痛めておるような次第であります。これもしかし、今日非常な構造改革を要望されておる時期でありますから、これらの点がこの中小企業経営者に意外な圧力を加えておる、こういうことも見のがせないと思いますから、こういう点を業界とともどもに政府が取り組んでいくということであって、この不幸なる事態をできるだけないようにしよう、少なくするように、この上とも努力していかなければならぬ、かように思っております。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 鈴木君、時間がまいりました。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 最後に一つ。いままでの質疑でずっと明らかになってきたことでありますけれども、はっきり言えば所得倍増計画のときに、中小企業がその欠陥があったから倒産したと言われた。経済社会発展計画で、総理はいま遺憾の意を表されたようですから、あまり申し上げませんけれども、そういう点で、経済の発展計画と実際の経済の実態とが遊離してきている。そういう場合の経済の運営それ自体を基本路線に戻そうとするのか、あるいはあらためてここでやり直し、そうして流動的に持っていこうというのか、実ははっきり申し上げて、総理がなったときに安定成長になり、そうしていままでの不信感というものがなくなるという予想でいた国民は、裏切られた感じを持つわけであります。最後に総理のほうからほんとうの決意を伺っておきたいと思うのであります。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私が政権を担当したときとただいま、別に変わった考え方は持っておりません。私は一そうこの機会に心を新たにし、あらためてこれらの問題と真剣に取り組んでまいりたいと、かように考えます。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 以上をもちまして、鈴木一弘君の質疑を終了いたしました。     —————————————

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 次に、田中寿美子君。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 ただいま鈴木委員との質疑がようやく物価の問題に入ってまいりましたが、私のこれからの質疑を物価に焦点を当てまして、国民の暮らし、家計、賃金並びに税金に、そのとめどもなく上がっていきます物価の影響するところ、それからまたそれに対する政府の政策についてお尋ねしたいと思います。で、個々のそういう問題に入ります前に、一言四十三年度予算の性格につきまして、ただいま総理大臣は経済政策は失敗ではなかった、たいへん生き生きと国民は暮らしているというふうにおっしゃいましたが、国際収支は大幅に赤字をたどっているわけなのですね。これは失敗じゃないかと思いますが、で、先ほど鈴木委員も佐藤内閣の政策は高度経済成長政策と少しも変わりがないというふうに言われましたけれども、私どもは、四十三年度予算は景気抑制型予算であると言われましたが、むしろ膨張予算であるというふうに考えておりますが、大蔵大臣いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 御承知のように、昨年の暮れからのポンドの切り下げ、ドル防衛問題から国際環境は非常にきびしくなっておるのでございますから、本年、四十三年度の予算編成におきましては、どうしてもこの国際収支を回復するということを中心とした予算の編成をすべきである。そういたしますと、予算を抑制的な基調で編成しなければならないということは本年度の予算編成に課せられた一つの至上命令であると私どもは考えております。したがって、今年の予算編成はその線で行なったわけでございますが、まず私どもが第一に努力しましたことは、財政規模をできるだけ圧縮するということでございます。この点は過去十年来と比べても、本年度は最も低い伸び率の予算規模でございます。その次は、しかもその規模の中でも、なお内容から見まして、景気調整という点から見ましたら、何としてもやはり公共事業費が大きくなるか少ないかが一番問題でございますので、本年度は公共事業費の伸びは四・幾つという、いままでに比べると非常に少ない率になっておりますが、こういう点においてまず予算の規模を相当圧縮しているということが一つでございます。それと、その次は財政投融資でございますが、これも昨年に比べて、ことしは一三%ということでございますので、過去十年における財政投融資のふえ方、これは最低であるというふうにこれも抑制的な措置をとっております。それからさらにやはり何と言っても景気に関係するものは、政府のいわゆる財貨サービスの購入でございまして、政府支出が経済の伸びとどういう関係にあるかということはきわめて重要でございますので、今年度は一一・七%ということは、これもまた過去十年来の最低であり、しかもこれは経済成長率よりも低いということでございまして、で、さっき公共事業費のことを言いましたが、これに関連して政府関係のいろいろな事業、十九の事業も今年の投資の伸びというものは五・五%、国鉄を初めとして電電、全部その程度の事業の伸びということに押えたということは、いままでにこれはないことでございまして、そういう意味から私は四十三年度の予算だけはこれは膨張予算ではない、相当思い切ったこれは抑制予算であるというふうに考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 四十三年度の総額五兆八千百八十五億というのは、その四十二年度の補正後の予算に比較して伸び率二・八というふうに言われているのですけれども、四十二年度公共事業費の繰り延べがございますが、あれは幾らございますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 四十二年度の繰り延べがございますから、この三千億の公共事業の繰り延べを考えて、本年度の四十三年プロパーの公共事業費というものをこれを切って調整をはかっているということでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 その繰り延べ、中央、地方合わせて三千億というのは四十三年度予算の中に——三月三十一日にこれは解除になるわけですね。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 四十二年度に繰り越した公共事業費は、今年度末、三月末にこれを使用解除しないという場合には、明年、四十三年度にこれが繰り越されることになります。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 関連して。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 簡単に願います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 ただいま大蔵大臣非常に重要なことを述べられたわけです。いま田中委員の質問に対しまして、四十二年度の公共事業費の繰り延べがあるので、それにもかかわらず四十三年度の財政規模の伸び率が大きくないのは、四十三年度の公共事業費は切るから、切るということは、いままで保留するとかいろいろ言われておりましたが、その点が非常に問題ですよ。まだ予算が通らないのに切るとか切らないとか、おかしいですよ。そうでしょう。もし切らないならば、大臣の言われるように、財政規模はそんな政府の言われるように、伸び率は経済成長率の一二・一%以下にならない。それから財貨サービスにいたしましても、これは衆議院でわが党の北山委員の質問に対して経済企画庁から資料が出た。四十二年度の公共事業費を、これを減らして四十三年度に加えて操作をして一一・七%になっておると、操作はちゃんと行なわれておるんだという、そういう資料は出ておりますが、これについては非常に疑問があるわけですね。私はこの点について二、三その疑問点を明らかにしてもらいたいと思うのですが、まず四十三年度の公共事業費を切ると、これは非常に問題のあることだと思うのです。その点を明らかにしてください。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 切ると言ったことばが悪かったかもしれませんが、四十二年度の予算はすでに国会の議決を経た予算でございまして、この内容は変更いたしません。これをまた勝手に政府が削減するというようなことはできませんので、国会の議決を得た内容のままでこれが繰り越される。この事実を考えまして、昭和四十三年度に公共事業費としてどういう財源の配分をするかというときにおいて、いままでなら公共事業費は一〇何%という伸びの予算配分をいたしましたが、今回は四十二年度から繰り越されることを考慮に入れまして四・何%の予算配分を四十三年度の予算にはするという方針で、これをいま国会の御審議を願っておるということでございまして、勝手に切ったとか切らないんじゃなくて、四十三年度はこの繰り越しの事実を頭に入れて、この程度の予算配分をしたいということをいま国会におはかりしておるということでございますので、国会で議決していただくのはこれからの問題であるということでございます。  それからさっきの財貨サービスの問題でございましたが、これは前年度からどう繰り越しがあろうとなかろうと、この四十三年度における政府支出というものがどういうふうになるかと、この関係を国民経済計算上見ているものでございますが、この中には前年度から繰り越された三千億の予算を執行するというようなこともあらかじめ入れた計算でございますので、この計算が今年度の経済の伸び率より上か下かということは、いまの政府の政策としては大きい問題でございまして、予算のワクが経済の伸びより小さいか少ないかという問題じゃなくて、景気対策、景気調整という問題から見ましたら、この政府の支出が経済成長力より上か下かで御判断を願うのが一番正しいのじゃないかと思っております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 委員長、もう一点。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 木村君、出ばなをくじいちゃだめですよ。木村さんは済んだのだから、人のときにそう便乗して。いまやってる初めでしょう。もう少し遠慮してください。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 その点があいまいですから。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) どうも木村さんは多過ぎるからな。ではこれ一つね。簡単に願います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 なるほど大蔵大臣の言われたとおり、単に名目的に財政の規模の大きさ小ささだけではなくて、財貨サービス、この伸び率と経済成長との比較、この点がこの景気にどう影響を及ぼすか、それが抑制型か刺激型かと、こういう判断をしなければならぬということは私も認めます。それを認めた上でこの経済企画庁が出してまいりましたこの資料を見ますと、非常に疑問点があるわけです。たとえばこうなってるのですね。あの三千億ですね。正確には三千百十二億でしょう。これを繰り延べましたね、四十二年度。それがどれだけ四十三年度に繰り延べになるかという計算が出されている。これについては、そのうち大体二千四百億ぐらいが財貨サービスとして繰り延べになるだろう、そういう資料であります。そうして二千四百億が四十二年度に財貨サービスとして繰り延べられている。しかるに例年毎年当然に繰り延べられるものがある、それがこの中には入ってるのです。約半分入ってるだろう。千二百億ぐらい入ってる。そうすると純プラスになる分は、積み上げになる分は千二百億と計算しているのです。ところが、昨年景気対策として出されたあの三千億は、あれは毎年当然繰り延べになるものを除外してあるはずですよ。その上に三千億の景気調整策でしょう。そうでなかったら景気調整策にならぬですよ。毎年当然繰り延べになるもの、それも大体四、五百億ですよ。お調べになればわかります、四、五百億。ところが千二百億見込んでいるのです、これが。つじつまを合わせるためにわざわざ例年四、五百億しか繰り延べにならぬものを千二百億例年繰り延べとして計算して、そして二千四百億の中から引いて半分しか四十三年度に積み上げないと計算しているのです。千二百億しか積み上げにならぬと計算している。だからこれはあとでつけた計算、説明であって、こんなごまかしは許されない。これが第一点ですよ。  それからもう一つ。やはり財貨サービスと景気との関係を調べる場合には、財貨サービスの寄与率を、つまり国民総生産に対しまして財貨サービスがどのくらい寄与するか、その寄与率を見ますと、むしろふえているのですよ。たとえば四十二年は寄与率が一三%、四十三年は一九・四%です。しかも昭和三十三年からずっと見ると、この政府財貨サービスの寄与率というものは、大体最低一四%から一八%ぐらい。特に四十一年は一八・八、四十二年は一九、四十三年は一九・四なんですよ。ですから寄与率がむしろふえている。こういう点からも、やはり景気との関係を考えなければなりませんし、さらに構成比ですね、財貨サービスの構成比、これを見ましても、四十三年は二〇%です。四十二年が二〇%、三十九年は一九%ですよ。三十五年は一六・九%でありませんか。財貨サービスの構成比もほとんど前年度と違っておりません。寄与率はむしろふえております。それから繰り延べのほうも、いまの操作をやり直してみなければなりません。そうでしょう。こういうような点からいって、これは私は単に政府がただ楽観的に、こういうこの数字の魔術ですか、をあとでつけたりして、成長率一二・一%よりは財貨サービスの伸び率が以下である、そういう操作を一生懸命にやって、そうして景気抑制策景気抑制策と言っておりますけれども、私はそれを納得できません。合理的ではないと思うのです。しかもこういう点について、関連質問ですからこれはやめますけれども、先ほど来のいろいろ経済政策の政策意識がどうであるとか、効果がどうである、いろいろ言っておりますけれども、日本の政策が政策目的どおりにいっているかどうか。あるいは効果をおさめているかどうか。あるいは財政と経済との関係についてうまくいっているかどうかを判定し、検証する方法論はないのですよ、日本には。ないでしょう。ですからこの間私申し上げましたように、経済企画庁長官もPPBSは経済研究所で研究していると、やがて日本の景気の見通し、あるいは予算等の編成、あるいは行政等にこれを適用しようとして研究されているということを、言われたのです。ですから最後に、このPPBSというのは御存じだと思うのです。予算計画ですよ。アメリカでやっておりますね。ジョンソンが非常に力を入れていますよ。いわゆるプランニング・プログラミング・バジェッティング・システムというのですよ。これは非常に進んだ、特に防衛庁においてはこういうシステムを適用しなければ、あの膨大な防衛庁予算を効率的に使われているかどうかを判定できないのです。ですから、そういう点最後に総理にこのいわゆるPPBSを政府としては今後採用する意思があるのか、予算あるいは行政と。最後にその点を伺っておきます。関連質問ですからこの程度にしておきます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いま木村君が言われますように、どうも日本でも決算というものはあって、予算の執行の後にいろいろ経過を、それをプレスしてはおりますけれども、今度それが予算の編成の上にどの程度加味されたか十分わからない。政府がその時々の都合のいい説明をしておるという御批判であろうかと思います。だが、まあそういうことのないように、これからもっとその計画的に予算が組まれ、そうして納得のいくような方向でなければならないと思います。ただいまアメリカのシステム、一つの方法ではないかと言われました。アメリカのシステムも一つの方法だと思いますが、各国ともこういう点についてはそれぞれ検討いたしておりますので、日本におきましてもやはりいままでのような予算編成、また予算の執行だけでは十分だとは思いません。さらにそういう点について整備するように検討いたしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 政府の財貨サービス購入の点でございますが、いま木村委員の言われました数字は、それでそのとおりでございます。それで間違いはございません。  で、私ども千二百億円を確かに繰り越すというふうに考えたわけでありまして、この点については別段仰せになりましたような作為はいたしておりません。通常の繰り延べ分は両方のキャリーオーバーを引いておるわけでございます。ただ私はひょっとしてお叱りがあると思いましたのは、幸いにしてそうでなかったのでよろしゅうございますが、何でその年度のうちにその分を翌年へ乗っけたのかと、これをあるいはおっしゃるのではないかと思ったのでございます。それは実は私ども純粋に計算をいたしましたときにもどうもそうなることが、どうもそうなりそうだという別に政策判断、政策決定でなくて、そういう見通しでもって実は四十三年の方へそれを乗っけたわけでございます。これは政策決定するものではなかったわけでございます。しかし、計算としてはそういたしました。  それから、寄与率の点も実は仰せのとおりでございますが、確かに一九が一九・四になるじゃないかと。これは結局、もう御承知のように総体的な問題でございますから、全体を一〇〇といたしますので、たとえば企業設備投資が非常に落ちる、この寄与率が下がって、総体的に財政の寄与率が上がる、こういうふうに私どもは一応考えております。なお、しかし、いろいろむずかしい問題があるかと思います。PPBSにつきましては、先だっても申し上げましたように、何とかしてシステム・アナリシスの方法論をまず開発してまいりたいと思っております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 ただいま木村委員が疑問をお出しになりましたとおり、昭和四十三年度予算の性格がはたして抑制型になるかどうかということは、推移してみないと私はわからないと思っております。その点を最初に申し上げまして、四十三年度予算全体は、私は物価の値上げ予算的な性格があるということを感じております。第一に、物価値上げについての政府の感じ方と、それから国民の感じ方とに大きなズレがあるというふうに思っておりますので、総理大臣、物価値上げ率についての総理の見方と国民の感じ方の間にズレがあるということを御存じでしょうか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) どうも、いまのことばじりをとるわけじゃございませんが、国民の物価値上げについての感じ方、政府の感じ方、感じ方というところに重点を置いて私は言うのではございませんが、確かに、お互いの感じ方でございますから、相当の開きがあるだろう、かように思います。これは申すまでもないことですが、私どもが使っております統計、総理府統計局の統計資料、これは比較的によくできていると思っております。しかし、国民の側から見ると、そういう統計、まあまんべんなく平均したような統計、それでわれわれは生活していない、こういうふうなことも理論的には言えるだろうかと思います。もっと必要なものを抽出して、そうしてその上で正しい正確な統計をつくれ。自分たちの望ましい抽出方法を考える。たとえば、いまの物価の問題ならば、特別に上がっているものだけについてひとつ引っぱり出すような方法はないか、据え置かれているようなものについてはほうっておいてもいいというような議論もあるだろうと思います。ことに感じ方でございますから、心理的な要因がそれぞれございますから、その意味で確かに心理的な要因、いま言うようなまんべんのない一つの統計とそれと結び合わせてみると、そこにやっぱり相違がある、これは当然だと思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 感じ方ということばでお答えになりましたので、ちょっと食い違いましたけれども、たとえば政府の四十一年度四・五%上昇率というのは、実際の家計にあらわれておりますところの物価の値上げとは著しくかけ離れているのです。これは望ましいものを抽出しろとか、それから上がっているものだけ抽出しろなんて、そういうことは私は申しておらないのでございますが、ですから、その四十二年度四・五、四十三年度四・八%の物価の値上がり、こういうことで政府が議論し対策を立てていられると、本物で対策が立てられないという感じがする、そういう点で申し上げているわけなんです。私は非常にたくさんの主婦たちの家計簿を見ましたけれども、大体において九ないし八%四十二年度に上がっているんですね。これは特にわりあいと厳密に特定の品目をとり、一定の分量をとらえて家計簿をちゃんとつけたものから、購入した費目の上昇率をとっております。たとえば生活協同組合の家計簿とか、あるいは栄養改善普及会のメンバーが家計簿運動をしておりますが、こういうところでとったものが大体みんな一〇%程度の値上がりをしているわけです。一体このズレはどこから来るとお思いになりますでしょうか。これは統計のほうですから、総務長官にお聞きしたい。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 田中委員はこの方面の行政にかつては直接御関係になりましたので、くどくは申し上げませんが、幾つかの問題があると思うのでございます。一つは、昭和四十年の標準世帯をとりまして、そのマーケットバスケットに従って三百数十品目の価格を毎月調査いたしておるわけでございます。そこで、まず標準世帯であることが一つ、それから昭和四十年であるということがもう一つの問題であろうかと思います。しかし、それよりもおそらくもう別の要素のほうがあるいは問題じゃないかと思いますのは、一つは、たとえば野菜であるとか魚であるとかというようなものは、家庭の主婦がしょっちゅう買われるものであります。これが比較的よく上がりますので、しょっちゅう買われるものが上がるということから、非常に物価が上がっているという印象を当然受けるわけであります。しかし、御承知のとおり、これらのものは、野菜の場合、ウエートが一万の中の三百でございます。三百何がしでございます。魚の場合もたまたま三百幾つでございます。したがって、このウエートでいうと一万分の三百というものであって、この全体のウエートからいうと、まだまだ大きいものがたくさんあるわけでございます。ですから、生活の実感としては、毎日買うものが上がっていくということは非常に物価が上がるという感じがいたしますけれども、その三百幾十品目のウエートから見れば、それにウエートをかけて減じなければならない。これが一つ実感との違いだと思うのでございます。  しかし、それがおわかりの上でもう一つ言っておられることは、きっと——所得にまあ何分位層という、ずっと上から下までございます。そういたしますと、所得の低いほうはどうしてもエンゲル係数が高うございます。したがって、物価としては一割の上がりであっても、エンゲル係数の高いほうが、それが家計に与える影響は大きいということになると思うのでございます。その点は消費者物価の統計が悪いのではなくて、物の値段はだれにとっても同じでございますが、それが家計に与える影響ということになりますと、それは家計調査のやはり私は問題になるのではなかろうか。五分位でもって別々に家計費の調査をやっていけば、生活の実感に近いものが出てくるのではないかと思うのでございます。それは技術的に非常にむずかしいと思いますけれども、しかし、その場合は、それは物価指数ではなくて、今度は家計費の指数になるのではないか、こう思うのでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 物価指数のとり方、あるいは家計費の調査のしかたについてもう少しあとで触れるつもりだったのですが、宮澤長官が先におっしゃったのですけれども、たとえば食糧費の値上がり、いま長官の言われた中で標準世帯だからとか、あるいは四十年度基準だからとか、あるいはウエートの問題をおっしゃいましたけれども、実は私はそのそれぞれにみんなやり方に疑問があります。  で、たいへんよくできているとさっき総理は言われましたが、システムとしては確かによくりっぱにできております。しかし、それが国民の生活実態をあらわしていないという点で私は議論したいと思います。たとえば食糧費の値上がりを政府の調査では幾らに見ておられますか、四十一年度から四十二年度。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) これは私ども積み上げ計算を実はいたしておりませんので、非常に大まかなことしか申し上げられないわけでございますけれども、たとえば野菜でございますと、四十三年度は四十二年度に比してほぼ一割、くだものが五%、それから住居費などになりますと、過去のトレンドで四%内外、光熱費は〇・五%、被服は五%ぐらい、そういったような達観をいたしておるわけでございます。それから、主食を申し上げるのを忘れましたが、これは一応五・二になります。これは実は消費者米価は全然横ばいで勘定しておるのでございますけれども、昨年の消費者米価の上がりが十月からでございましたから、昨年フルにきいておりませんので、四十三年との比較になりますと五%ぐらいのものが残るという意味でございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 栄養改善普及会というのがあるんです。これは生活の中でできるだけ食事は栄養の基準をとりたいということで努力して、家計簿運動をしているわけです。その中でメンバーの調べによりますと、大体食糧費は四十一年から四十二年にわたって一三%上がっておりますですね。たん白質の中でも肉類なんかは一八%、すべての費目が政府統計とは、ずれてきているので、暮らしをしているものにとっては、こんなずれたところで政府が幾ら四・五だ四・八だと言われても、全くたよりないという感じがしているのです。したがって、四十三年度政府の物価値上げ率四・八%という見通し、これも実態とずれると思うんですが、ずれるだけじゃなしに、政府の立場からでもこれは努力目標ですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) そのずれるずれないということを別にいたしまして、四・八%といいますのは、やはり本年度四十二年度から持ち越しますものがおそらく三・何がしございますので、四十三年度年度内の上昇というものは非常に許容された限度が狭いわけでございます。つまり、四十三年度年度内全く水平であるといたしましても、前年度との対比では三・何%というものが出てまいりますので、したがって、かなり私ども努力をしてよほど施策をうまくやりませんといけないと。決してできないこととは思っておりませんけれども、相当従来にも増して努力が必要である、こういう数字と思っております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 私は四・八%の上昇率というのは政治的目標だと思っておりますけれども、宮澤長官とは先日物価対策委員会で多少議論したんですが、この四十三年度四・八%上昇という数字について、衆議院の予算委員会での横山利秋委員との質疑応答の中で多少明確でないところがありますので、明らかにしたいと思うんです。  第一は、長官は、四十二年度からの物価の上昇の持ち越しを三・四%と考えている。だから、年度内に許容できるのは一・四%と考えていいですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 四十二年度がまだ確定いたしませんために、非常に正確には申し上げられませんが、まあ三・四ぐらいを考えておいたらいいのではないか。したがって、残りは一・四、こう申し上げたわけであります。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 そのあと酒、たばこ、物品税の値上げ、それから国鉄定期代の引き上げ、これは幾らに見積もられますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) おのおのそのもの自身としては、国鉄の定期代の値上げが〇・一ぐらい、たばこが〇・二でございます。そして酒は、最終価格がどうなるかちょっとわかりませんが、まあ普通、税金分が乗せられたと考えまして、その他の物品税の上がり下がり含めまして〇・一ぐらい、こう考えているわけであります。したがいまして、その三つで〇・四になります。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 そうしますと、残るのは一%ということになりますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 計算の上でそうでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 それでは、農林大臣にお尋ねいたしますけれども、四十三年度予算はいわゆる総合予算で、食管会計には二千四百十五億が計上されております。補正しないということですね。で、生産者米価はやはり上がるとお思いになりますか。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 生産者米価は、具体的決定はまだ先のことではございますが、しかし、新生産者米価につきましては、御存じのとおり、上がる要素のものもございます。また、生産者米価の中ではそれの逆の要因が働くものもあるかと思います。しかし、総体からいえば、上がるという方向にゆくんではないか、私はこう考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 生産者米価の上がるのは必至だとして、そうすると、スライド制によって消費者米価も値上げをする。これも確実ですか。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) お答えいたします。  御存じのとおり、生産者米価並びに消費者米価は、現在の食糧管理法に基づきまして具体的決定をいたすわけでございまして、したがって、一つは、御存じのとおり、われわれが具体的決定につきましては、現在の業者の米価というものがそれぞれ、食管法によってやり方が御存じのようにきめられておるわけでございますが、同時に、その関係を正常な状態できめてまいりたいということが一つ。いま一つは、おっしゃるとおり、総合予算というもので、いままでは補正することがあらかじめと申しましょうか、補正してまいりますのを恒常的にやってまいりましたのを、ことしの予算からやめております。それらを念頭に置くということは当然のことでございます。その中で消費者米価というものは食管法の条項に従ってきめてまいりたい、こういうふうな考えでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 上がらざるを得ない……。上がらざるを得ないかということです。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) お答えいたします。  したがいまして、消費者米価は、具体的にきめていく場合には、生産者米価はどの辺できまってくるかということと、いま一つは、生産者米価自体を直ちにそれでは機械的にそのまま——よくスライド制、スライド制と言っておりますが、そう機械的なスライド制という形ではないと思いますが、しかし、消費者米価としては、現在の生産者米価が上がるとすれば、影響を受けることは事実でございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 生産者米価というのは農民の賃金にひとしいものだと思うのですが、それが上がらないというのはおかしいわけですね。上がるでしょう。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 御存じのとおり、食管法に基づきまして、再生産確保、これを基準にしていくわけでございますから、それから出てくるいろいろな労賃あるいは資材費等そういうものを中心にやってまいりますから、生産者米価というものも、それらが上がってまいりますれば……。具体的決定はまだ先のことではございます。そういう説明を申し上げておるわけでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 とぼけられますけれども、物価はみんな上昇していますから、必ず上げざるを得ないだろうと思います。  そこで、経企庁長官にお伺いしますけれども、四・八%の物価の上昇率で米代の——一%しか値上げの幅が残っていない。これで米代の、消費者米価の値上げを予想しているのですが、それでまかない得ますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 消費者米価が上がるかどうかということでございますが、私どもは、先ほど申しましたとおり、一応消費者物価指数の計算では、消費者米価は据え置きと考えておるわけでございます。そこで、これがどうなるかということでございますが、どうもお米の問題はたいへんむずかしい問題になっておりますので、これから先のことでございますが、まあ私自身としてはこれから米価審議会がいろいろこの問題について検討なさるので、その結果たいへんにいい方向が見つかって、何か長年懸案であったこの問題に解決のめどがつくのではないかということを期待していい理由があるのではないか、ということを考えておりますので、したがって、いま消費者米価が上がるということを前提にものを考えなかったわけでございます。他方で、かりにというお尋ねでありますと、たとえば昨年一四・四%消費者米価が十月に上がりましたときに、これが家計に与える影響は、計算の上では〇・三五であったわけでございます。米のウエートがほぼ五〇〇でございまして、実施時期が十月でございましたので、その半年分であったわけであります。これはしかし、まあいろいろ波及効果がございますから、それ自身だけの指数を申し上げるのでございます。ですから、昨年の場合計算上〇・三五ばかりであったわけでございます。一%というのは、対前年比の平均見通しの一%でございますから、幅としてはそうすぐに使ってしまう幅ではございません。油断をしてはいけないほどの狭さではございますけれども、まあそんなに小さなものではないというふうに実は考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 いまおっしゃったことに幾つか問題があるのですけれども、昨年の一四・四%米代が上がったあと、波及効果、つまりそれにつれて上がりましたものは、みそ、しょうゆ、外食、うどん、そば、給食費、サービス料金、ふろ代、理髪代、灯油、ガソリンなどがあるわけですね。今度そういう米だけの上昇率を計算するということはわりあい無意味なんです。米にくっついて上がるものが非常に大きいから重大だと言っているのですが、その波及効果まで考えなきゃいけないということです。  それからさっき消費者米価は据え置きのつもりで計算したとおっしゃいました。もし据え置きする——消費者米価が上がるということは一応みんな常識のようになっておりますが、据え置きにするということになりますと、今度生産者米価のほうにワクをはめて押えてしまう。上げないということになりますが、どうですか、これは農林大臣にもお伺いしたい。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 確かに昨年消費者米価が上がりましたのは十月でございますが、全国の消費者物価の総合指数が九月は一一〇・〇で、十月には一一一・九になっております。ですから、これはいまおあげになりましたようないろいろな意味での波及効果を確かにこのときにくみ上げるということは、いままでの経験でもそのとおりであると思います。先ほど申し上げましたのは、したがって米だけの問題でございます。  そこで後段のお尋ねですが、そこはやはり米価審議会等が各方面の知能を集めて研究されますと、何か、なるほどというような考えが出てくるのではないだろうか。これはいろいろ差しさわりの多いことでございますので、これから研究をされるのに予断をするようなことを私は申すべきではないと思いますけれども、やはりこれは考えていけば方法があるのではないだろうかと、私自身は思っております。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 田中さんにお答えいたします。  確かに生産者米価は——米価の決定は食管法というのが御存じのようにございますから、生産者米価は御存じのように再生産価格、それから片方は消費者の家計安定というのを目的にしながら、その中で物価の状況を勘案してそれぞれきめていく、こういうたてまえの食管法をわれわれとして守ってまいらなければならない。その中でまいりますというと、生産者米価というものを、消費者米価を上げないという前提からわれわれは計算していくわけにはまいりません。したがってどうしてもそれらを基準にしてやってはまいりますが、しかし生産者米価の上がり方というものは、具体的決定の際にはいろいろな要因が入ってまいると思います。上がるべき要因もございますし、それから必ずしも押し上げない要因もあると思います。生産性の向上であるとか、それからそれの総体の数理とか、それから食管の中における損益勘定等も計算してまいらなければならない。しかし同時にまた、総合予算制というたてまえをとっております以上は、私は消費者米価に影響を与えるということは申し上げざるを得ないだろう。ただ先ほど経企庁長官からもお話が出ましたとおり、消費者物価指数の中におきまするウエートから計算した、昨年の一四・四上げました場合に、半年分である場合には、数字の上では〇・三五というのが一応消費者米価そのもののはね返りの計算でございます。確かに波及効果につきましてはこれは経企庁の御所管でございますが、われわれとしては捕捉がなかなか性質的にはしにくい面もあると思うのでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 四・八というふうに上を押えてしまいますと、そのいまの米が波及する効果、つまりほかのものの物価を上げるという点も考慮して、昨年一四・四%の米の値上げが半年で〇・三五の寄与をしている。そうしますと、おのずから米代、消費者米価を上げられる余地の一番上限が出てくるような気がするのですが、いかがでしょう、農林大臣。経企庁長官。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) そのとおりだと思います。そこてしたがって、かりに——これはかりにでございますが、かりに相当大きな生産者米価の引き上げがあり、相当大きな消費者米価の引き上げがあったというときには、物価の見通しをおそらく多少改めなければならない。それはどうしても論理的には、そういう仮定をとればそういう帰結になると思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 農林大臣いかがですか。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 私ども政府は一体でございますから、それらの事情をよく勘案しながら具体的な米価決定に当たりたいと思っております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 きょうの読売新聞ですが、「新米値上げ必至」と、これは前年度からの古米のうち四十万トンだけは基準価格で売れるけれども、あとの——全部で二百三十何万トンですか、それのうちの四十万トンだけを基準価格で売るけれども、あと下げざるを得ないような状況になっているというので、全国食糧事業協同組合連合会というところから申し入れがあったわけですね。これは消費者物価にしわ寄せの条件になると思う。これは農林大臣いかがでしょう。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 四十二年産米が非常に豊作でありまして、おっしゃるように確かに手持ちは端境期におきましては相当な、たしか二百三十数万トンぐらいの手持ちがあるということは事実でございますが、これは別に、扱いにつきましてそういうことをいまのところ考えておるわけではございません。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 農民にとりまして、さっき申しましたように、生産者米価というのは賃金にひとしいもの、これを総合予算で食管の会計で二千四百十五億計上してしまって、そうして消費者米価のほうを上げられるということは、消費者にとって非常に問題だ。そこで、その両者を対立させて両方にワクをはめるという感じがいたします。そうしますと、食管法の精神には反する。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) ただいまはワクをはめてしまうという御質問でございましたが、われわれのほうはワクではなくて、私の立場からは食管法の基準に従って、もちろんその間には米審等の意見も出ますから、そこいらを十分参酌してやってまいりたい、こういう考えでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 食管法の精神とか基準というものはどういうことですか、もう一度。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) ちょっと御質問十分とっておりませんが、あるいは……

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 食管法の精神。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 食管法は、具体的に申しますと、たしか三条、四条に、一つは、生産者米価は生産費その他物価の状況を勘案する、経済状況を勘案して再生産確保と、これはまあ農民を、米作農家を守っていく姿勢でございます。いま一つは、家計費その他物価、経済状況をしんしゃくしながら消費者の家計の、安定を確保すると、しかし、両者が全然ばらばらにやるわけじゃありません。十分よく関連させながら正常な運営をはかって食管法の精神を守ってまいりたいと、こういう考えでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 それを守るおつもりならば、二重価格制を守るということになりませんか。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) まあ二重価格制ということばはいろいろとられると思いますが、いずれにしましても、再生産の価格、これが政府の売り渡し価格になります。そして、今度は消費者価格というものができまして、したがって、そういう意味で二重とも言えますし、また、厳密に全然ばらばらにこれをきめていくという考えでもない。両者が、たとえば、具体的に言えば、あんまり極端な逆ざやとなっているとか、そういうようなこともよく考えて、正常化していかなきゃならないということも考えてまいりたい。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 関連。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 簡単にお願いします。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 ただいまの田中委員の質問に対する農林大臣の答弁、また経企庁長官の答弁について若干疑問を持ちましたので、お伺いをしたいわけです。  一つは、けさの新聞に関係する質問でありますが、農林大臣は、いわゆる全国食糧事業協同組合連合会の申し出があるけれども、これは考えておらないという答弁をなさいました。しかし、名前は出ておりませんが、食糧庁筋の考え方として、過去に一度そういう例があったので、あるいはやらざるを得ないのじゃないかというような意味のことも出ておるわけでありますから、この際明瞭にひとつしていただきたいと思いますことは、いま、いわゆる古米の値引きについては考えておらないということ、これを再確認してよろしいかどうかというのが一点であります。  二番目の問題といたしましては、経企庁長官は田中委員の質問について、生産者米価には触れてはおらないと思いますが、消費者米価等について、すでに総合予算の中で上限が定まっておるのではないかという質問に対して、これを肯定するような御発言をなさっておるわけであります。また、しかし農相は、この点の考え方はきわめてあいまいではあるけれども、しかし、当初の答弁の中では、いろいろと食管法の精神をも守りながら、審議会の審議の経緯を見るけれども、総合予算主義をとっておるたてまえ上、その範囲できめなければならない、かように御答弁をなさっておるわけでございます。実際どちらがほんとうであるのか。すでにもう総合予算主義の前提に立って、生産者米価あるいは消費者米価の上限というものがほぼ想定できるとお考えになっておるのかどうか、明らかにしていただきたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 端境期におきまして相当な、確かにおっしゃるとおり、持ち越しがあることは事実でございます。ただ、これに対して、いま値段を、たとえば過去において一回ぐらいあったことは私も聞いている。しかし、いまこれを値段を変えるとか、そういうような考え方は、いまのところ考えておらないわけであります。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 農相に再び聞きます。先ほどの答弁では、木村委員のいわゆる古米の払い渡し価格について何ら考えておらないという御答弁を先ほどなさいましたが、いまは、私の質問に対する答弁は、それをぼやかすような再答弁がなされておるわけでありますから、前言は誤りであるということを言っておるのかどうか、その点お聞きしたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) お答えいたします。  最初に申し上げましたのは——御趣旨か十分とれておりませんが、私のただいま申し上げたのが正しいので、もう一ぺん申し上げますと、ただいま御存じのとおり古米にはなっておりません。将来古米になるわけであります。したがって、これを値段をいじっていくという考えはいまのところはございません。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 後段の点でございますが、食管法の三条の二項では、生産者価格について「生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌」してきめると書いてございます。四条の二項では、消費者米価について「家計費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ」定めると書いてございます。  そこで、この問題のむずかしい問題を解くかぎは、やはり両方の条項に共通の部分があるわけでありまして、それは「物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ」という部分であります。これが三条にも四条にも書いてございます。この共通項が、この問題を解くかぎではないかというふうに私は実は考えておるのでございますが、それはいずれにいたしましても米価審議会等でこれから検討していただくことだと、こう思っております。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 村田君簡略に。何回も関連をやっていますと困るのです、進行上。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 機会を見てもいいのですが、問題点が出ておるわけでありますから、その基本に属する事項をいま結論を出しておるとすれば、いわゆる議事進行に大いに役立つと思いますので、続けて関連質問したいと思います。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 議事進行になかなか役に立たぬですよ。時間がかかって困るのだ。簡略に願います。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 だんだんと話を詰めてまいりますると、あいまいになるわけであります。  そこでけさの新聞を例にとるわけでありますが、かりに一俵四十円値下げをしたと仮定をいたしますと、わずか十二億円、こういう金額になるわけであります。そうしますと、いま政府がとっておられるところの態度からするならば、たとえ十二億でも補正は組まないですよということであります。十二億程度のものであれ、あるいは二十億程度のものであれ、補正予算があるのだという答弁があれば、私どもはこのようにしつこく質問をしないと思うのです。十億であろうと二十億であろうと、九千三百億もの税収余剰が見込まれておる中で、たったそれだけの補正予算が組めるのか組めないのか、この点明らかにしていただきたいと思います。大蔵大臣にまた農相にお伺いします。

西村直己自由民主党農林大臣

○国務大臣(西村直己君) 御質問の趣旨は先ほどのことで相当の持ち越しがあると、それに対して多少の値を変えたらどうかという御趣旨だろうと思います。そうすると十二億なら十二億というものを補正で組むかどうか、こういう御趣旨だろうと思いますが、私といたしましては現在のところ、値段についていじる考えはございません。  それから、もう一つは、予算につきましては、これは大蔵大臣の所管でありますが、当然われわれ政府としては補正予算は組まないでいく、その姿勢でおるわけでございます。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 補正予算は組まなくて済むというふうに思っております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 結局、食管法の精神を守るならば、生産者も消費者も両方守らなければならないわけですね。ですから、これまでのような二重価格制をとることが物価安定にもなるというふうに総理はお思いになりませんか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 今回の総合予算主義をとった結果、いろいろなことを考えざるを得ないんだろうと思う。いまいろいろ予想されるからただいまのようなお尋ねが出ていると思う。しかし、生産者米価の決定、これはどういうようにきまりますか、今日ちょっと想像もつかないことでございます。先ほど来いろいろ御議論があって、生産者米価は当然上がるだろう、かようにも言われますが、それかといって、幾ら上がるというものがはっきり出るわけじゃございません。もう少し成り行きを見ないとこの結論は出ないように思います。食管会計は、申すまでもなく、生産者も保護し、消費者もまた幸いするように、そこらの間の調整をとった食管特別会計でございますから、その目的からも、よく情勢の変化、これを見きわめて、しかる後に講じていかなければならない、かように思います。ただ、今回の総合予算主義では、ある程度生産者米価が上がっていけば、それについて対応処置を現在の予算内で考えてみようと、こういうような気持ちでございますから、その点を先ほど来いろいろ企画庁長官や、また、農林大臣がお答えしたと思いますけれども、いずれにいたしましても、正確に生産者米価、その決定を見ないと、いまからとやかく言うわけにいかない、かように思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 ただいまの、予算内で処置するということは、何で使うんですか。大蔵大臣、何を充てるんですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 私どもの財政当局の考えは、米価にどういう変動がございましても補正予算を組まなくて済む方法による解決を期待するというのが私どもの立場でございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 どこから出すんですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) これは主管官庁が米価審議会とも相談するでございましょうし、この生産米価、消費米価の二つの米価の正常化というものについては適当な考慮をされるものと私どもは考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 生産者米価が上がったら消費者米価をスライドして上げて、消費者に高い米を——米の値段を上げるということが一般にいわれ、また、政府の中からもそういう意向が出ているからこれだけ心配して申し上げているわけなんです。いま総理が言われましたように、予算の範囲内で処理していくようにしていただきたい。  それから、次に、消費者の態度について、これは総理にお伺いしたいんですけれども、消費態度について総理が何回かおっしゃっています、景気過熱の責任者は消費者であるというような、たとえば三Cよりも一H、一Hもないんですけれども、それで一体景気過熱の責任は消費者なんでしょうか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) たいへんむずかしいお話ですが、私ども生活が豊かで、また、内容が充実すること、そういう意味では、やはり消費も盛んになるものだと思います。したがって、それだけで消費者生活を向上し、内容を充実させた場合、直ちに物価値上げにつながる、こういう情けないことを言っちゃ相済まないと思います。もちろん供給が消費に順応していけば、それだけのプリミティブな議論からいえば物価は上げなくても済むわけでございますから、いわゆる消費が盛んになれば物価は上がると、こういうような単純な意見ではないのであります。ただ、日本の場合におきましては、消費が盛んな場合に、必ずその大部分は外国のものにたよって輸入ということになるので、この輸入依存で日本の消費をやる、そこに国際収支を改善するという、そういう一つの問題にぶつかるわけであります。そういう意味で間接の——間接というか、そういうような意味で消費の適正であることが望ましい、かように私どもは思っているわけであります。生活が向上し、生活が豊かになること、これは政治の目標といたしまして当然私どもも望むところであります。しかし、ただいま申すように、国際収支の改善をこの際はかろう、そういう際に、輸入依存度の高い消費、そういうものについては私どもやはり気をつけてもらう、国民の協力を得たい、かように考えている次第であります。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 日経連の賃金白書の中に、消費の行き過ぎが安定成長を妨げるというふうなことが書いてありまして、このごろとみに趣味が高級化し、洋風化して食料の輸入が多くなった。これは自由化以来のことです。三十五年から四十一年までにエビが九十二倍も輸入されている、こういうふうな風習が安定成長を妨げるというふうなことが書いてありますが、総理はそれに同意なさいますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 簡単に同意はできない。先ほど申し上げたように、私ども常に生活の向上、これはやはりはかっていかなければならぬ。その消費の性格によりましてどういう影響があるのか、それも考えてみたい。ただいま食料のエビ、これがうんと輸入されている、これをやめて、そうして設備投資でもすれば経済の成長ができる、そう簡単に割り切った話は、どうも私理解しかねます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 総理は、だからエビの輸入が九十二倍にもなっているということは、消費者の責任とか労働者の責任だというふうには考えないということですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、そういう面で生活の内容がよくなっている、さように思いますから、そのほうではたいへんけっこうだと思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 私は、エビだけじゃありませんが、輸入がふえるというのは、貿易の自由化でどんどん企業家が入れているわけですね。消費者の責任というよりは、むしろそれはほとんど強制的に食べさせられているというようなもので、総理などが食べられるクルマエビとは違うんです。タイショウエビでも八十円から百円とかするんです。このごろ冷凍で五匹で百五十円ぐらいのが出てきたから、幾らか食卓にのぼることもあるという程度ですから、消費者についての日経連の考え方、消費者の責任という考え方は、私は否定していただきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 輸入エビは私の食卓にのぼらないとおっしゃるが、私どもてんぷらを食べれば、やはりてんどんのエビはみな輸入エビのようでございます。したがいまして……。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 クルマエビなんです。クルマエビ一匹百五十円の。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) クルマエビも食べますけれども、そういう意味で輸入エビというものも私どもの食卓をにぎわしている、かように思います。私言いたいことは、こういう点で何かしんぼうのできるもの、また、そこまで手を伸ばさなくても済むようなものがあるかどうか、これをやはり考えてみる必要があるんじゃないだろうか、国民全体としてですよ。だから、一がいに消費者がいかぬのだ、消費者の責任で経済の発展をはばんでいるとか、あるいは国際収支を悪化さしているとか、こういう結論に急ぐことはないと思いますが、お互いにやはり自分たちの立場立場において国際収支改善の方向に協力する、そういう一端があってほしいんじゃないかと、かように私は思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 次に、消費者物価指数のとり方について、先ほど多少宮澤長官も触れられましたけれども、消費者物価指数をとる基礎になる家計調査、これにたいへん問題があるわけなんです。その家計調査の平均世帯収入は幾らになっておりますか。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(八木徹雄君) 家計調査の分につきましては、四十一年度で平均七万一千三百四十七円、四十年度は六万五千百四十一円ということになっております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 それは全国ですね。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(八木徹雄君) さようでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 人口五万人以上のところとちょっと違いますね。いま全国のを出されましたが、普通総理府からは人口五万人以上の都市の家計収入の調査でいつも発表されるんですが、それが三十九年、四十年、四十一年と出ておりますのは、四十一年七万五千三百七十二円、月実収入、これは普通の平均より高目だという感じがするのですがいかがですか。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(八木徹雄君) 普通の平均より高目だといわれるのは、その他の調査と比べて高目という意味でございましょうか。家計調査の全国平均というのは、いま申し上げたような数字を発表いたしておるわけでございますけれども。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 実際の。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(八木徹雄君) 実感と比べて高いという意味でございましょうか。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 いや、実際の世帯収入に比べて。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(八木徹雄君) 世帯収入じゃなくて、家計調査でございますから、世帯収入とまた別のことでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 同じ三十九、四十、四十一年ですね、所得税の課税最低限は、大蔵省のほうは幾らになっておりますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 昨年が七十四万円、その前がやはり十万円ぐらい低いところになっております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 いま昨年の所得税の課税最低限度は七十四万円、ところが家計調査で出ておりますところの平均の家計収入は月七万五千三百七十二円ですから、大体年にして九十万円ぐらいですね。ですから、この課税最低限度よりもずっと高い家計の調査によって指数をとっているわけです。この辺をどうお思いになりますか。総理府。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(八木徹雄君) お答え申し上げます。  御存じのとおり、家計調査は無作為抽出方式で八千世帯の全平均で出しておりますから、最低限と比較すればあるいは高くなっている場合もあるかもわかりません。全国平均の全階層平均ということでございますから、矛盾はないと思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 家計調査に出てくる平均が実際の平均だといわれるんですね。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(八木徹雄君) 申し上げましたのは全平均というふうに申し上げたのでございます。だから高いのもあるし、低いのもある、それの全体の平均が先ほど申した金額である、こういうふうに申し上げたわけであります。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 だから、それは全国の普通の家計の平均をあらわしているかどうか。さっきから言っていると思うんですが。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(八木徹雄君) 全平均という意味において全国の家計の平均を出しておる、こういうことでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 だから、それは実際の平均よりは高く出ているんではないかというんです。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(八木徹雄君) 先ほどもちょっとお話がありましたように、階層別の平均を出せということの伏線ではないだろうかと思いますけれども、階層別平均をやっていないのであって、全平均でやっておるから、だから、そのこと自体は間違いではない、こういうのでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 数字に関する限り間違いはないけれども、実態とはかけ離れていると思うんです。で、厚生省の厚生行政基礎調査では平均幾らになっておりますか。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) 厚生省の基礎調査では、常用勤労者世帯の三カ月分の収入が平均で三万九千八百八十六円でございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 この大きな違いはどこにありますか。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) 総理府のほうでいま七万円とおっしゃいましたが、これはどの世帯のとらえ方かわかりませんが、それほどの差はないと思います。しかしながら、御指摘のとおりに、二万円以上差がある。この差は、調査の目的が第一に違います。総理府の家計調査は、現物、臨時の収入、あるいはもらいもの等も含めて現実に家計を精密に調査したものでございます。厚生省の基礎調査の目的は、種類別によって、たとえば老人家庭、あるいは勤労者、あるいは常用勤労者、母子家庭、あるいは身体障害者を持つ家庭等、家庭の構成、構造、格差、こういうものを目的にして調査いたしております。したがって、調査の方法は、私のほうは現金収入のみを聞き取りで聞いております。約十五万を対象にいたしております。総理府のほうは家計簿をもって申告さしておりまして、そこに申告の方法が違いますから、やはり検査員が行って聞きますと、税務署員と間違われて内輪に言うこともございましょうし、それから、私のほうは現金収入だけで、一方のほうは現物、もらいもの等も含んでおります。  それから、もう一つ一番大きな差の出ておる理由は、総理府の調査は四人世帯以上でございます。私のほうは一人世帯も含んでおりますから、ここに相当の差が出てきておると思います。ただし、誤解がないように申し上げておきますが、その他の行政、あるいは給付等の基準にするためには、種類別の所得、各所得の実態を調査をする国民生活実態の調査をやっておりまして、この調査によりますると、総理府の家計調査よりも、私どものほうが、勤労世帯において東京都付近で約五千円くらい上回っております。しかし、いずれにいたしましても、こういう調査は目的の同じものであって、あるいは併用できるものは、費用その他のことからも考えまして、行政の合理性の点からいいましても、もっと綿密に両省の数字が合うように検討しなければならぬと考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 厚生大臣は国民の福祉をはかるのですから、そんなに総理府をかばう必要はないと私は思うのですね。両方とも無作為抽出で乱数表によってとっている。違いは、時間があれですから、詳しくは申しませんけれども、いろいろ出てくるような要因があるのですね。総理府のほうは除外しているものがたくさんありますでしょう。どういうものを除外しているのですか。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(八木徹雄君) お答え申し上げます。  先ほども厚生大臣から申し上げましたように、当方といたしましては、農林統計にかかわる農林水産業関係者が除外されておる、それから独身者が除外されておる、こういうことでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 それから、共かせぎもね。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(八木徹雄君) 独身者を除外しておるということで、共かせぎは入っていません。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 まだたくさん除外しております。たとえば昼間主婦のいない家、つまり共かせぎ世帯なんかも除外している。ですから、ほんとうに実態をあらわしていないわけなんで、実際に収入よりは高目に出てきております。それから、聞き取りと書き入れとの違いがありますので、たとえば家計簿をずっと毎日書き入れる家庭というのは、非常にめんどうなことですから、拒否することがたくさんある。比較的余裕のある家庭がやっているということなんで、結局、総理府の家計調査というのは、ほんとうの実態をあらわしてはいない。少し平均より高目に出ている。厚生省のほうは、平均より少し低目に出ているんじゃないか。つまり、目的によって、やり方によって、統計というものは幾らでも変わるものだということを申し上げたいわけなんです。ですから、実際の家計の中で、家計簿で指数を見ているものは、かりに品目が少なくても、私はこれを軽蔑してはいけないと思う。  で、三百六十四品目のウエートのとり方をちょっと説明してください。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(八木徹雄君) お答え申し上げます。  御案内のとおり、層化三段抽出方式によりまして全国の約三千市町村から百七十市町村をまず選定をいたしまして、それからその市町村の全域から単位区を選び、その単位区から抽出世帯を選ぶと、こういうやり方で対象をまず第一にやっております。  その結果、先ほど厚生大臣は四人以上と申しましたけれども、その平均が世帯人員四・〇四人という結果になりまして、有業人員が一家族の中で一・五三人分、世帯主の年齢が四十一・三歳、こういうぐあいの数字で基礎ができておるということでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 いまはあまり要領を得なかったのですけれども、三百六十四品目の中には耐久消費財も入っておりますね、冷蔵庫のような。そういうものまでも全部入れて、そしてそれの物価数を加重平均して出して、そしてウエートをとっているわけですね。こういうウエートのとり方はたいへん問題ではないかと私は思うんです。たとえば、家賃だとか、教育費だとか、医療費というようなものは、動かすことができない。それから公共料金ですね、これが上がっても縮めるわけにいかないので、それで、こういうものは、ウエートは相当重くとるのがあたりまえです。それから一番たくさん使うものにウエートを置くというふうにしなければ、このウエートのとり方自体が、平均的にとってしまって指数を見ているから、ほんとうの指数が出てこないというふうに思います。こういう点は今後もっと考えてくださらなければ、政府統計の魔術といいますか、数になって出てくるといかにも科学的な顔をしておりますけれども、実はそうではないということを申し上げたいわけなんです。  で、いかにたくさんの対象を無作為抽出でとりましても、その裏づけに使いますものが、対象、それからそのものを同じ買いましても買い方が違うわけですね。ですから、同じものでも値段の違うものがあるし、質のいいのと悪いのがある。消費のやり方がそれぞれ違うわけです。ですから、もし傾向を見るというなら、同じような収入の同じような環境の条件を持った世帯を続けてとるということであれば、つまり標準世帯の指数ということであれば、納得できるんですけれども、その点はどうお考えになりますか。

八木徹雄自由民主党総理府総務副長官

○政府委員(八木徹雄君) お答え申し上げます。  おっしゃるとおり、階層別指数のとり方というものをやるということが一つの方法ではなかろうかと思いますけれども、このことは、たびたび御答弁申し上げておりますように、まだ世界的にそれが完熟したシステムになっていないとも聞いております。また、先ほど宮澤長官からもお話がありましたように、階層別指数を作成するにあたっての階層別指数のマーケットバスケットをつくる必要があるわけでございますが、それらのことにつきましては統計技術的にまだ困難な点もあると思いますので、いまそれが取り上げられるかどうかさらに検討を要する課題ではないかと思いますので、さらに検討をさせていただきたいと思っております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 たとえば、西ドイツなんかは、家族四人、それから一定の収入を持っている者、あるいは被保護世帯、幾つか設定して、同じような消費の。パターンを持っているものをとって指数をとる。そうすると、大体の傾向というものは出てくるわけなんです。いま総理府が毎年出していらっしゃる数字が絶対的に科学性があって客観的なものだというふうに言われること自体が非常に問題で、必死になって自分たちの収入の中で家計をやりながら、しかも基準の栄養をとろうと思って努力しているような主婦たちの運動の中でつけている家計簿のほうがはるかに実態をあらわしているということを私は申し上げて、それは物価対策の考えの中にぜひ入れていただきたいと思いますが、総理はいかがですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまいろいろ質疑応答しておられるのを横から拝聴いたしまして、私もたいへん勉強になりました。ただいま言われるように、統計技術上の問題がしばしば事態の解明をすることができない、こういうこともあるように思います。それらの点を田中君からいろいろ御指摘になったと思います。したがいまして、もちろん人手の問題等もございまして、また、一朝一夕にいままでのやり方を変えるというわけにもいかないかもわかりませんが、しかし、統計を担当するほうにおきましては、絶えず事態の正確な実情把握に便するように統計をつくるということ、そういう心がけのもとにこれから一そう検討してみたいと思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 次に、物価の値上げと賃金の関係について、特に伝えられている所得政策についてお伺いしたいと思います。  労働大臣にお伺いしますが、三十五年、つまり高度成長に入りました年から今日までの実質賃金の伸び、労働生産性の伸びをお知らせください。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) 実質賃金の伸びは、昭和三十五年三・一%、三十六年五・七%、三十七年三・二%、三十八年二・九%、三十九年六%、四十年一・七%、四十一年五・四%、四十二年七・八%となっております。  生産性は、この期間に、三十五年を一〇〇といたしまして、三十六年〇・二、三十七年一一三・三、三十八年一二四・〇、三十九年一四一四、四十年一四八・九、四十一年一六七・三、このようになっております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 この間の物価の上昇率は一五二・一、大体一五二%でございますね。それでは、労働分配率のほうを各国比較で。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) 労働分配率の国際的な比較でございますか。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 そうです。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) これが国によりまして統計の定義がいろいろ違うのでございますが、統計の定義がほぼ似通った国を対比いたしますと、昭和四十年で、日本における労働分配率が三九・一、アメリカが五二・四、イギリスが五六・七、かような数字になっております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 さっきの賃金の伸びですけれども、これは実質賃金の伸びですか。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) そうでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 いま言われましたように、労働の分配率から見ますと、日本は断然低いわけですね。三九・一ですか。ほかの国は、みな、大体五〇くらい、あるいは五〇をこしております。それから生産性の伸びというのは非常に高いですね。これに対して、実質賃金の伸びはずっとおくれてるわけですね。ですから、こういう状態の中で、いま財界や政府にありますところの所得政策、いわゆる賃金に対して一定の抑制を政府が与えてはどうかというような考え方、これは総理はどうお思いになりますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 政府は、いま、別に所得政策というものをとっておりません。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 現在とっていませんけれども、とろうとしているということについてどうですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 問題は、賃金と物価との関係についてのお尋ねだろうと思いますけれども、この賃金、物価、いずれが因であるか果であるか、ずいぶん議論があるようです。この関係はなかなかむずかしいことで、一朝一夕に結論を出すわけにまいりません。ただいまも、そういう意味で、物価と賃金との関係、基本的な問題を検討しようじゃないか、そういうまじめな、ただ学問的ばかりじゃございませんが、そういう意味の研究もどんどん続けられているようでございます。そういうものが出て、はじめてこれについての断が下せるかと思います。物価が上がるから賃金を上げろ、賃金が上がるからまた物価が上がる、はね返りがある、そういうのをいま繰り返しておるようでは困りますから、そこら辺、両者の関係をもっと明確にすることを検討する必要があるのじゃないか、かように私は考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 総理大臣はどう思われるのですか、賃金が上がるから物価が上がるというふうに考えていらっしゃるのですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 賃金が上がるから物価が上がる場合もあるようですし、また、たとえば、ただいま申し上げましたように、生産性が非常に向上している。そこで、分配の意味で賃金を上げますと、やはり賃金の普遍性というものがありますから、そこで中小企業や何かは生産性が上がらなくても賃金を上げざるを得ない。労働力を確保するためにどうしてもそれを上げていく。そのために、中小企業の面においては、生産性が上がらなくても賃金を上げざるを得ない、そういう結果になるものもございます。一がいにそれが不都合というわけではありませんが、これは現実の問題としてそういうこともあるということを申し上げたわけでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 いまイギリスがとろうとしているようなあの所得政策ですね、政府が賃金に対して抑制の指導をする、労働大臣はこれについてどうお思いになりますか。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) 所得政策と申しますのは、今日までの諸外国の経験を見ましても、必ずしも成功いたしておりませんし、わが国においては経済の事情も違っております。また、ただいまお耳に入れました数字からも明らかなとおり、やや長い目で見ますと、わが国においては生産性の伸びと賃金の伸びがほぼ見合っておるわけでございます。全面的に賃金が生産性をこえておるコスト・インフレと申しますような事態があらわれておるわけではございません。そこで、今日、そういう政策をとる必要がないし、また、そういう政策をとりましても、効果を上げ得る条件というのが日本にあるかどうかということも疑わしい、このように考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 それでは、総理大臣にお伺いしますけれども、先ほど鈴木委員に対して安定経済成長政策をとるんだということをおっしゃいましたけれども、これは十九日の毎日新聞で報道されたのを見たんですが、もういまや安定経済成長政策ではだめなんで、新しく新経済計画という方向をとって所得政策の構想を入れ込むんだというのを、総理大臣の諮問機関である経済審議会——木川田さんが会長——が研究していることを報道してありますが、いかがですか、御存じですか。諮問機関です、総理の。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) まだ答申を得ておらないように思います。いろいろなことが議論されておることは事実でございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 答申は得ないけれども、諮問していらっしゃるんでしょう。それはどういう内容ですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) それは、そうではございません。経済社会発展計画が出ましたときに、賃金、物価、生産性等の問題については今回の報告では結論を出すことができなかったので、これはどこにも権威のある資料、研究がないから、したがって、経済審議会から中立的な人々に委嘱をしてその研究をすることにしたいと、こういうことが経済社会発展計画の一番おしまいに書いてございます。それに従って、昨年のたしか七月でございましたが、経済審議会から数人の学者に委嘱をいたしまして、純粋に学問的にこれらの問題、それから諸外国におけるそれらの研究等々を全く客観的な立場から目的なしにまとめてもらいたいということを委嘱したわけでございます。その結果が出ますのはこの夏過ぎごろと思います。  で、一言つけ加えさしていただきますが、鈴木委員との御質問の関連でおっしゃっていらしたことでありますが、先ほど、生産性の昭和三十五年からの上昇についてまず御指摘があって、それから四十年における労働の分配率がわが国ではまだ外国に比べて低いということをおっしゃったわけであります。そこでと言って結論に行かれたのでございますが、そこのところに私は多少異存がございまして、と申しますのは、結局、生産性の上昇は付加価値ではかっておると思うのでございます。それから労働の分配率も付加価値ではかっていると思うのでございます。そういたしますと、わが国の場合、諸外国に比べて労働一単位当たりの付加価値が低い。それはなぜかということになれば、これは資本装備率が低いからでございます。そういうことになりますと、先ほど鈴木委員の言われたことと多少実は違うことになるので、したがって、もっと設備投資があって、そうして労働一単位が生み出す付加価値が大きくならなければならないのではないか、こういうことも私はあると思います。田中委員の言われることが違うと申している意味ではなくて、そういう面もございますということを申し上げておきたいと思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 私は、労働の生産性が非常に高いのに実質賃金がそれに伴っていない状態の中で、政府のほうが指導して経済界に賃金を抑制させるというようなことは好ましくない、まだその時期でないとさっき労働大臣が言われましたが、私はそうでなければならないと思うし、それからまた、いま宮澤長官が言われましたことも考えに入れて、なお労働の分配率をもっと引き上げなければならないということを言いたいのです。つまり、まだ賃金は大幅に引き上げていかなければならない状況にあるということを申し上げたいと思うんですが、いまの新経済計画というのは、前に官澤長官が、公共料金もストップする、税金もストップする、賃金もストップしてはという構想を出されたことがありますね、去年の夏ごろ。それと関連はありませんか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 私は、賃金をストップするということを、いずれにしても私見でございましたが、あの際申したわけではございません。ただ公務員の給与などについては、やはり当初予算から考えておくことがほんとうではないかということを申したのでございます。いずれにいたしましても、私個人はもとよりでございますが、経済審議会等々におきまして所得政策というものを考えるための準備をしておるという事実は全くございません。その点は、労働大臣が先ほど言われましたし、私も従来からたびたび申し上げております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 そうしますと、ここに報道され・ております、今回の国際収支の赤字を改善していかなければならないとか、国際通貨の危機の中にあってどんどん輸出をふやしていかなければならない状況に際して、経済社会発展計画に手直しをしなければならないと考えて、総理大臣の諮問機関の経済審議会が所得政策に踏み切るための準備を始めたという報道は、うそでございますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) その報道は、私も見ましたのでございますけれども、どうも覚えがないように思いました。——もう少しはっきり申し上げるべきなのかもしれませんが、何かの行き違いとか、思い違いとか、そういうことのように思われました。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 諮問されているんではないんですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) そういう事実は全然ございません。諮問は総理大臣から正式に文書でなされるものでございますが、もちろんそういうものはございませんし、口頭でも全然ございません。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 それでは、春闘対策として今回急いで所得政策に踏み切る準備をするというような事実はないというふうに見ていいんですね。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) いずれにしても、所得政策というようなことを真剣にやろうと研究も検討もしたことが実はないのでございまして、それはもう、先ほど労働大臣も言われましたが、労使の関係もそうなっておりませんし、第一、基礎になる資料、共通の基盤、研究と申しますか、そういうものが全然欠けておりますので、そういうことは実際ちょっと考えられないことでございます、いまの段階で。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 それじゃ、日経連なんかにある所得政策の考え方は、政府の中には全然取り入れる考えはないということで、総理大臣そう確認してよろしいですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど来関係大臣のお答えしたとおりでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 それじゃ、労働大臣にお伺いしますけれども、イギリスの所得政策がこれまで失敗してきた原因は何ですか、理由。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) 私が実は、所得政策というものを眼前に差し迫った緊切な問題と考えておりませんために、諸外国の所得政策についても十分なあとづけをやっておりません。恐縮でございますが、政府委員からイギリスの場合について詳細にお耳に入れます。

村上茂利労働省労働基準局長

○政府委員(村上茂利君) 私から御答弁申し上げますのが適切かいなか疑問に存じますけれども、イギリスの場合には、御承知のように、労使間におきましてもある程度の意見の一致というものを前提にいたしまして、御承知のような経済体制のもとに進めたわけであります。しかしながら、この問題は、結局は賃金、所得といったその一面だけの問題でございませんで、経済の基本的なあり方と関連することかと思います。したがいまして、一々の事例を取り上げまして、これによって成功しなかったといったようなことじゃなくて、やはり問題は、イギリス経済の基本に存在する非常に大きな問題と関連しておるのではなかろうかと、かように私ども考えておる次第でございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 イギリスその他欧米諸国の場合の所得政策では、賃金の抑制だけではないと思うのですけれども、ほかにどういうものを抑制しておりますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) そのことならわかりました。つまり、所得政策というものをほんとうに考えようとすれば、その賃金ばかりでなくて、利潤であるとか、配当であるとか、利子であるとか、そういうものをみな一緒に考えないと、ほんとうの意味での所得政策というものは実は成り立たないのではないかと思います。イギリスの場合に、多少それをやりかかったわけでございます。食糧の価格等についても、不足払いのようなことをやっておるわけでございます。イギリスの場合、なかなかうまくいかないというのはどういう事情でございますか。やはり、先ほど労働省の政府委員の言われましたように、経済全体が沈滞ぎみで、そうして食糧がことに下がらない、むしろ価格が上がる、輸入価格が上がっていくといったようなことから、それに経済が沈滞しているもとのもう一つの原因は、どうも労働の、働かないと言っては語弊がありますけれども、そういうこともあるだろうと思いますが、それらの事情ではないかと思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 それじゃ、さしあたっては、言われております、ことに日経連なんかが一生懸命で言っておりますところの、政府によって賃金を抑制するという考え方はないという答弁をいただいておるんですが、それじゃ、公務員給与のことで、大蔵大臣、公務員給与のベースアップのワクはとっていない、予備費で使うと先日お答えでございましたが、そうですが。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 予備費をこれに充てております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 予備費のうち幾らを充てていらっしゃいますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) この間もお答えしましたように、金額を特定しておりません。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 それはうそなんですね。この間もちょっと申しましたように、地方財政計画の中に八百五十億組んでいるというのは、どういうことですか、大蔵大臣。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 地方財政計画のほうは、これは自治大臣から御説明があると思いますが、私のほうは、予備費を充実して、そうして人事院の勧告があったという場合にはこの予備費をもって解決するという考えでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 おかしいんじゃないですか。元がなくて地方のほうが先に組んでしまうという、こんなおかしなことありますか。——それじゃ自治大臣にお尋ねします。八百五十億というのは、どういう中身ですか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 今度は総合予算主義ということをいろいろ議論をいたしまして、毎年災害国ですが、まあ災害は大体普通災害だったらこのくらい予算を見ておけばしのげるという、そういう数値も実はあるわけです。不測の大災害にはとてもではありませんが、普通の予算措置ではしのげぬわけでございますが、地方公務員の給与の場合も、大体経済の大きな、極端な変動がない限りは、毎年毎年のことでございまするから、まあ見当はつくわけでございまして、そのつど大体きまり切ったような金額を補正予算に組まなくてもめどがつくわけでございますので、いろいろそういった点を勘案いたしまして一般行政経費の中に一定の金額を見込んだ、それが災害費などとともに八百五十億円ということを申し上げた。まあ以心伝心ということばは少し悪かったかもわかりませんけれども、大蔵大臣と同じ答弁を繰り返して時間をつぶすのも悪いと思いましたので、申し上げませんでした。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 その八百五十億円のうちに、災害対策費をどのくらいに見積り、そして地方公務員のベースアップの分として幾らを勘定していらっしゃいますか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 災害もどんなことが起こるかわかりませんし、公務員給与のほうも、国の公務員に準ずることになっておりますが、まあ人事院でどういう勧告が出てくるかわかりませんし、しかし長年の経験で大体の見当はつけておりまするけれども、具体的の数字を申し上げることはこの際差し控えたいと思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 それじゃ、四十一年度、四十二年度の地方の公務員のベースアップ分は何%で、そして幾ら計上してありますか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 去年ははっきりいたしております。七百五十億円でございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 何%アップ分ですか。

細郷道一自治省財政局長

○政府委員(細郷道一君) 国の場合に準じておりますが、七・九%でございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 七・九%ですね。昨年七・九%で、八月から実施で七百四十九億円計上してありますね。そうしますと、ことしも大体七百五十億円ぐらいを考えているんではないですか、自治省。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) ぐらいをとおっしゃると、似たようなことになるかもわかりませんけれども、しかし、まだ未確定でございまするので、数字をここであげることは差し控えたいと思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 結局、災害対策費を入れて、そしてベースアップ分を考えますと、大体七百五十億ぐらい、昨年と同額ぐらいを考えているということになります。そして、それより幾らかの幅があるとしましても、昨年七・九%であったのに対し、今年度のワクがやはりここではめられてきているというふうに思うんですが、これは国家公務員の場合も大体五百億が考えられているんですね。で、すでにここで公務員の賃金に関してワクをはめてきているというふうに考えられますが、いかがですか、大蔵大臣、また自治大臣。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 五百億と考えておるわけではございません。全体で千二百億ございまして、もしことし災害がないというようなことでしたら、そういう点のゆとりが出てくるというので、両方とも予見できないことでございますので、できるだけ予備費を充実させたいということでございます。災害分が幾ら、給与分幾ら、全然そういう特定してこれをきめているわけじゃございません。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 むしろこれは人事院の勧告にワクをはめたようなかっこうになっております。こういうあり方を、労働大臣は賃金に関する考え方を持っていらっしゃるはずだと思いますが、好ましいとお思いになりますか。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) しばしば答弁がありましたように、今度のことは年度の途中で補正財源を求めざるを得ないという困難を避けたいということから出てきておるわけで、人事院の勧告を尊重するたてまえを変えようとしておるわけではございません。勧告にワクをはめようとしておるというおことばでございますが、そういうことではないのでございます。ことばをかえて言いますれば、従来どおり民間賃金に追随して公務員の給与の改定がなされるというたてまえをくずしておるわけではございませんから、迷に公務員賃金を何かの目安なり指標たらしめて、これによって民間の賃金を誘導していこうと、これは逆のことでございます。決してそういうことを考えておるものとは存じません。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 関連。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 木村さんの関連は、さっきやってもらったから。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 簡単に大蔵大臣に伺いたいんですよ。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 何回もはっきり御注意申し上げましたが、田中さんにやらしたらどうですか。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 一回しかしないです。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) さっきやったでしょう。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 さっき公明党の人には三回許しているでしょう。私は一回しかやっていない。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) もうあなた、おとといなさったじゃないですか。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 いまの点についてはあいまいな点がありますから明らかにしたいんでね。簡単に。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 加瀬さん、理事会でも申し合わせしてあるのだから、あんまり同じ人にやらせないように。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 今度の財政硬直化については、財政制度審議会の答申の……。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 木村君、簡単に。かってにしゃべってもらっては困る。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 その予備費について、予価費の中に公務員の給与を含めることについて財政制度審議会では意見があったはずであります。財政制度審議会では予備費に公務員の給与を含めることについてどういう意見があったかですね。五百億程度、これは予備費に組んではいけない、給与の調整基金として別に組むのが正当であるという議論があったのじゃありませんか。そういうことを正直に、私はざっくばらんに、これはここで、国会ですから、報告さるべきだと思うのですよ。いままでは当然の既定の事実として五百億くらい組んでいると言われているでしょう。だから、財政制度審議会でもこれは問題になったのですから、その経緯をひとつ、この経過を御報告願いたい。そうすればはっきりしてきます。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) これは審議会でございますので、各委員からいろいろの意見が出たことは事実でございますが、最後の結論として、そういうふうに特定した予備費を組まなくても一般予備費を充実させておけばそれで済むというのが最後の大体答申でございます。私どももこれがやはり適切であるというふうに考えているわけでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そうじゃないですよ。委員長、違いますよ。大蔵大臣間違って報告していますから。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 大蔵大臣の答弁だから、それでいいでしょう。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 まあいいです。明らかにしたくないのならいいです。事実と違ったことを言っている。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 田中君やってください。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 それでは厚生大臣にお伺いいたしますけれども、この賃金だけでは、働く者は、生活をよくするとか豊かにするとかいうこと、あるいは社会福祉、しあわせははかれないわけで、それで社会保障その他で賃金を補っていくということが各国で非常にたくさんされているわけですね。その点を、厚生大臣はいまの現状をどうお思いになりますか。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) 社会保障の水準については、御承知のとおりに、西欧諸国に比して水準がだいぶおくれております。しかも、現実の社会保障あるいは福祉施設についても、病人、身障児等現実には相当問題が残されており、これを完全にすることが必要と思います。しかしながら、御審議を願う予算においてそういうものを満足せしめる予算はできませんでしたが、しかしながら、総予算の一般会計の伸びは、先ほど報告がありましたが、一一・八%、防衛庁の予算の伸びが九・一%、社会保障制度の予算の伸びが一二・四%でございまして、物価の上昇に伴うそれぞれの給付、手当支給の改善等、それぞれ予算でお願いしてございます。なおまた、遺族援護等につきまして法律改正の必要なものは、すでに提案してお願いすることにしてございます。なおまた、社会保障の軸であります生活保護につきましても、経済企画庁の消費支出の伸びの一四%を上回ることができなかったことは十分ではありませんが、しかしながら、明年度の賃金の伸び率企画庁の見通しで九・八%、それから一四%の消費支出といいましても、人口の伸びがございまするから、これを個人当たりにいたしますと一二・九%でございまして、これを一三%に引き上げる。それでもなお不十分かもわからぬと思いまするので、教育手当、住宅手当などをそれぞれ改善し、さらに四月一日から、天災、交通事故等による災害見舞い金、共済保険金等の給付を、ただいままでは生活保護から停止をしたりあるいは減額をしたりしておりましたから、こういう点を控除する等にして、実質上物価の上昇がなるべく社会保障制度に押し寄せないように政府は配慮したものと考えておるのでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 伸び率ではことしの四十三年度予算で社会保障費が比較的ほかのものより伸びた。全体としての伸び率は去年より低いわけですね。ところが、総予算の中に占める社会保障費の割合というものは後退してはいませんか、昨年より。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) ただいまお願いしております予算の総額からいたしますると、総額に対する社会保障費の比率は、昨年の四十二年度が一四・二%で、今年度は一四%でございます。しかしながら、いまお願いしておりまする特別会計の繰り越しがございまするから、これを換算いたしますると、〇・一%は伸びた計算になっております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 当然、社会保障をもっと進める、社会福祉を進めていく意味で、全体の予算の中に占める社会保障費というのはもっともっと伸びていかなければならぬ。これは各国比率にしますと、たいへんまだ低うございます。そういうものがあって賃金がカバーされていくわけです。この点でも、賃金の比率が低い上に、社会保障の比率その他これの振替所得の比率が低いということ、これを申し上げて、今後もっと、ほんとうに佐藤総理が前に言われたように福祉国家をつくるつもりならば、上げていかなければならないはずだと思います。  続いて厚生大臣にお伺いしますけれども、国民の栄養の基準量ですね、これは。カロリーとたん白質。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) 国民の栄養については、国民栄養審議会から三十八年度に中間答申がございまして、四十五年度の目標が示されております。エンゲル係数から申しますと、逐次下がってきておりまして、これは喜ばしいことではございまするが、エンゲル係数のみでは、即栄養の内容を表現するわけにはまいりません。ただいままで努力してまいりまして、四十五年度を目標にいたしますると、穀物の植物たん白から動物たん白に移行しようという、たん白質の向上については飛躍的に伸びておりまして、現に青少年、幼児の体位は毎年向上し、昭和四十一年度には昭和四十五年の目標値を上回っている。しかしながら、ビタミン、カルシウム等の栄養素の摂取についてはまだ低うございます。したがいまして、そういう点から西欧諸国に比べると、いまなお水準が低い。なお特に考えなければならぬことは、職別、地域別の格差が非常に多い。それからもう一つは、消費ブームといいまするか、よく一般家庭で食費を詰めてほかの生活費に回す、こういう点もありまするので、その点を十分考慮しながら、民間諸団体の御協力も得て、食生活の改善、特に僻地の食生活の改善に重点を置いていかなければならぬと考えております。            一

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 厚生大臣、私の言いたいことを一先に言ってくださいました。たいへんけっこうだと思うのですけれども、一番最近の厚生省の発表で二千二百三十カロリーというのは、国際比較で三十六番目ですね、体位の問題もあると思いますが、熱量は。たん白質の摂取量はわりにふえたけれども、七二・四グラムというのは三十番目ぐらい、まだまだ低いですね。ですから、エンゲル係数が三五・二、三七・三とかいうふうに低くなったから生活が向上しているというふうに、よく総理大臣はこれを引き合いにお出しになるようですけれども、しかし、いま厚生大臣も言われましたように、エンゲル係数が低いということは必ずしも生活向上を意味していない。で、私が調べました家計簿なんかでも、同じ収入で、あるいはどちらかと言えば、より低い収入なのに、エンゲル係数が三一というように低いものもある。月収六万円あるいは五万円で三一という四人家族があるかと思いますと、六万円で、あるいは七万円、八万円で四人家族で、エンゲル係数四二というのがあります。これはどういうことかというと、ちゃんとした栄養をとろうと思ったら、まだ日本の段階ではエンゲル係数は上がっていくのです。しかし、先ほど申しましたように、公共料金が上がって、米代が上がる。その他いろいろなものが上がる。それらは縮めることができない出費ですから、食費でもって下げていくので、ほんとうに生活内容が向上したかどうかを見るには、やはり栄養の問題をもっと大事に考えなければならないはずだと思うのですが、どうも厚生行政の中で、栄養の問題、非常に粗末に扱われている。この点、総理大臣のお覚悟を聞かしていただきたいのです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いまの御意見はそのとおりだと思います。エンゲル係数だけで、その充実しているかどうかということを判断するわけにはいかないと思います。それはやはり生活内容、また摂取量、そういうものをこのエンゲル係数で見ないで、実質的にカロリーはどうなっているか、また、そういうものをどういうようにとっているか、そういうことを具体的に見るほうが確かだと思います。また、そういう意味で私は生活の充実をはかっていくと、かように御了承いただきたい。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 厚生大臣、最後にお尋ねしますけれども、社会保障費の割合はほかのものに比べて伸びがよかった、しかし、全体としてまだ日本の国家予算の中に占める比率は私はまだ足りないと思っているのですが、それが最近では受益者負担という考え方で、社会保障の考え方から社会保険の考え方に切りかえつつある。これは後退だとお思いになりませんか。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) 社会保障は、御承知のとおりに、国家が負担をいたしまするが、しかし、国家が負担しますということは、税でこれをちょうだいをするかあるいは保険金でちょうだいをするか、あるいは受益者に一部の費用をお願いするかという方法でやるのでございまして、そこで特に、保険特例法からただいま研究されておりまする医療保険の検討等につきましても、それを保険のほうに——保険金のほうとそれから受益者負担のほうにすりかえて保険財政をやるのではないかという御指摘があることは重々存じております。したがいまして、抜本対策につきましては、そのような給付率、それから本人の受益者の負担、こういうものを実際に適用し、各方面の御意見を聞き、国民の納得のいく点においてやりたいということでせっかく論議を重ねておりまするが、いずれにいたしましても、抜本対策をやる場合に、保険の財政の安定ということを目標にすれば当然そういうことは出てまいりますから、そうではなくて、やはり医療の柱であるという点から考えて、そういう点を国民が納得される線で検討したいと考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 国民所得に占める社会保障の比率がまだ世界的にうんと低い、それから振替所得の、つまり税金が還元されてくる比率が非常に低いのですから、こういうときに受益者負担というような原則を立て、また国民に払わせる。税金からまかなう面が、まだまだ還元される面がまだまだふえなければならないときに、そういうほうに逆行していくことは非常にいけないことだと思います。この点は逆行をさせない方向に向かうべきだと思いますが、その大方針について、総理いかがですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 社会保障制度の拡充あるいは整備、これは近代国家として政治目標でございます。そういう場合に、いま応益者負担、そういう話を簡単に出してもらっちゃ困る、こういうお話でございますが、いわゆる国というものは、国の財政は一体だれが支えているか。これは申すまでもなく国民が支える。社会保障を整備するにいたしましても、これは国民の負担においてやる。したがいまして、その財源は必ず税であり、あるいは料金、その他の一般の公課である。こういうことを考えざるを得ないのであります。その比率だけはまんべんなくさらに充実さすが国民の負担はどこまでも軽く、こういうわけにはいふないということを、先ほど厚生大臣はたいへんうまく、私よりかうまく説明しております。ただいま田中君の御質問も、これから先私どもが計画しなければならない、これは何といっても社会保障の充実整備だと思います。そういう際におきまして、やはり国民の負担、これは税でなければ保険料金、その他適切なる公課、そういう形で国民が応分に負担していく。そこに納得の問題が出てくる、かように私は思います。そういう意味で、とにかく負担も適正であり、またそれぞれの施設も充実していくようにこれからの政治は進めていかなければならぬと思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 国が負担するということは、これは国民が負担していることなんですね、税金ですから。ですから、その税金の配分のしかたが悪いということなんで、それをまたもう一ぺん受益者負担という名前において国民から取り上げるということは逆行だということを申し上げているわけなんです。  そこで、物価と税金の関係に最後に入りたいと思いますが、今度の所得減税一千五十億というのは、酒、たばこ、その他の間接税の増税でプラスマイナス・ゼロになったということは、大蔵大臣たびたび認めていらっしゃいますが、そうですね。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 国民全体の負担から見ましたら、大体増税分と減税分が見合っているということになります。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 けれども、実際には物価が値上がりするから、プラス・マイナス・ゼロどころか増税になるというふうにお思いになりませんか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 物価が上がった分に見合う名目賃金の増加分に対して、これは所得税でございましたら累進課税が行なわれる、それによって増税となるものを避けるというための、いわゆる物価調整減税といわれておりますが、こういう点から見ましても、今年度かりに四・八%上がるということになりましたら三百四十億円前後になると思いますが、これを今度の所得税の減税ははるかに越えておるものでございまするし、また、毎年所得税の減税を行なっておるときに、この物価調整減税を越えた減税がもう積み重ねられておりまするので、それでこの問題はそう大きい問題ではないというふうに考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 いまのはたいへんおかしいことになります。所得税の減税に一千五十億、これは物価が上がるからどうしても調整しなければならない物価調整分を含んだはずなんです。ところが、間接税でこれをすっぽり一千五十億増税するわけですから、それで全体として見ましたときにはプラス・マイナス・ゼロだということをいまお認めになった。その上、また物価調整減税があるわけじゃないわけですね。第一、物価調整減税ということはどういうことですか。どういうふうに計算されているのですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) いま言ったようなことで一つの計算の方式がありまして、物価が一%上がったら七十億円の減税ということが、いま言ったような増税となるものを避けるということでございまして、いろいろいままで計算はされていますが、そのとおりに減税をやったことはございませんで、いつもそれ以上の減税をやっておるというのがいままでの実情でございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 来年度、四十三年度です。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) ですから、四十三年度は、三百四十億円という計算に対して千五十億円の減税をやっておるということを言っておる。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 非常におかしいと思う。第一、物価調整減税——これは減税じゃないですね。いまおっしゃったように、ベースアップがあったり物価が上がっていく分増税になるから、それだけは増税しないという意味であって、減税じゃないわけですね。それで、その上に、さっき言ったように千五十億というのはプラス・マイナス・ゼロになる。そうすると、いまの大蔵大臣の計算では、三百四十億が特価調整減税と呼んでいるのだということですか、あるいは四百三十億という数字も出ていますね、これはどういう違いですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) これは税制調査会のほうの計算でございますが、説明させます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 どちらの。

細見卓大蔵大臣官房財務調査官

○説明員(細見卓君) 大きいほうの数字は、高額所得者も含めた場合にノミナルに累進税率が上がることによって調整するとすれば必要な金というわけでございまして、課税最低限を伴う場合は三百四十億円、大臣がお答えいたしたようなことになっております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 関連。いま大蔵大臣が説明した物価調整減税について……。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 簡単にお願いします。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 これは確かに大臣もおっしゃられましたように、税調答申に基づいてかりに五%程度物価が上がった場合については、総体生計費に三割程度食い込む、そういう意味合いにおいて物価調整減税というものをやりなさい、こういうことで答申がなされておると思うのです。それで私は、四十三年度の租税収入総額四兆六千九百四十八億円のうち自然増収は、この前の回答では九千五百億、こういうことを言っておられましたが、四十二年度の当初予算との比較においては八千九百二十六億円、さらに四十二年度の補正予算との比較におきましては六百二十五億円、こういうことになっていると思うのです。ですから、そこからいろいろと答申の内容によって計算をしてまいりますると、結果的には八百六十二億ないし六百六億、この程度の物価調整減税というものは当然あるべきなんです。先ほどいろいろと田中委員の質問に対しましても、今後の物価値上げの見通しについて企画庁は四・八%でいっている。しかし、それは酒やあるいはまたたばこ、これから上げられようとする運賃の値上げ、こういうものは含んでおらない。それだけを含めてもおおむね——さらに消費者米価が上がることでありましょうし、そういうことになれば、優に五%をこえることはおおむね見通しができるのである、そういう意味合いからいって、一千五十億、間接税引き上げでとんとんだ、しかし、結果的にこういう逃げ道があるのでありますから、国民総体に対しましては明らかに増税になる、こういうことが言えるのではないか。ですから、そういう意味合いにおいて、なぜ一体従来やってきて、なおかつ自然増収は九千五百億円もあるのにかかわらずそういう減税対策をとらなかったのか、この辺について非常に私たちは疑問を持ちますし、一面においてそれは明らかに所得者に対して重税と、こういう角度になるのではないかと思うのでありますが、数字を含めて御回答願います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) そういうようなお考えで言われますというと、また国民全体の負担ということから見ましたら、住民税の減税もやって、七百億円の減税もやっておる。いろいろとそういう要素を全部勘案しなければはっきりした結論は出ないと思いますが、なぜそういう問題があるのに今年度減税をやらなかったかということは、これは前にも申しましたように、私どもはフィスカルポリシーだと思っております。こういう内外の経済情勢に処して、この国際収支を回復させるというのが、今年度の財政の政策の主眼でございます。そういたしますというと、何をおいても今年度は、私どもは公債を削減するということを思い切ってやらなければいけないということは、これははっきりしておりますので、そうするためには、今年度減税の余裕があるか、こういうときに大きい減税をする時期であるかというような、財政政策上の問題が出てくると思います。で、そこの間に処してどういう態度をとったかと申しますと、まだ、イギリス、ドイツのように日本が増税をもって臨む、ここまでの措置をとるような必要は私はないと思います。しかし、大きい減税をやれるときではない、こういう判断から、ほんとうなら減税をやめるという政策くらいを政府がとることは、ことしは必要ではなかったかと私は考えますが、しかし、中小所得者の実情を見ますというと、所得税が非常に高い累進構造を持っておりますので、何にもせずにいてもそのままこれは増税になる。いま言ったようなことから、これはどうしても中小所得者の減税だけはやる。同時に、一方、間接税の方面において、たびたび調査会から指摘されておりますように、物価水準、国民の所得水準、これが上がっていくにつれて、相対的に税の負担が軽くなっていくという部面の調整をやることが必要であろう。そうして直接税と間接税の比率を、常に間接税の相対的に下がっていく傾向を見直して、いま程度の率をささえていくことがいいだろうということが、大体税制調査会の考え方でございますので、その考え方に私どもは従って、一方、そのままほうっておけば増税になる部分を調整すると同時に、自然に相対的に下がっていく部分の調整をやるということを今度の場合はやって、そうして実質的な減税を避けたというのが政策的な意図でございまして、これがいいか悪いかは、政策問題として御批判を願いたいと思うのでございます。普通の場合なら、減税はどんどんすべきでございますが、こういう情勢のときに、私どもは、特にことしは大きい減税を国際的にもできる日本の状態ではないという判断をしたわけでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 関連。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 戸田君、もう一問でやめてください。かってにやってもらってはだめだ、かってに。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 ちょっといまの回答ですが、大蔵大臣のことで、いいならば、一点だけ確認をしておかなければいかぬのですよ。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 進行中だから、かってに発言しちゃだめだよ。許さないですよ。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 だから、いま許可を求めているのです。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) それは君が求めたって許していないじゃないか。許していないのだから。戸田君、進行をするために簡単にお願いをします。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 それじゃ、私は委員長の良識を買って簡単に言います。いまの大蔵大臣の答弁によりまして、結果的に酒やたばこや国鉄運賃、上がったものは増税という結果になりませんか。  それからもう一つは、租税特別措置法でもって二千六百億も減税しているわけでしょう、一方では。そういうものは放任をして、大衆収奪の方向だけ、どんどんやっていく。こういういわば税制の、徴収方法の、そういう政策行為といいますか、そういう問題について、どうしても納得いかないのです。  もう一つは、何としても歳入欠陥に対するメスを政府は入れていない。それはなぜかというと、公債の市中消化の部分を見ましても、四十二年度は総体五千九百億、四十三年度も同額です。確かにそれは六千四百億に公債の発行額は減らしたけれども、市中消化分については同じです。こういったことで、総合予算主義とか硬直打開と言っても、私は納得しないと思う。そういう問題について、大蔵大臣のやっぱり明快な答弁をいただいておかなければいけないと思う。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) いま言いましたように、積極的な増税をする必要は今年度の場合はないという私どもの判断でございます。しかし、質的な減税もしないという方針から、所得税の減税分を何かほかのもので積極的な増税によって財政を充足させるかという問題になりますというと、これはいろいろあるかもしれませんが、いまおっしゃられたような特別措置については、御承知のように、昨年においてもうこの改正を行ないました。利子所得の問題にしましても、税を五割も増すという措置を臨時にとって、これは時限立法でございますから、あと二年期間がございます。その間にこの実績をよく見て、次の改正をしようというのが、去年の方針でございました。現にやったばかりでございますから、こういうものにことしは積極的に手を触れない。ただ、指摘されておる相対的に税負担が下がっている部門の調整をもってことしは済まそうというのが、私どもの方針でございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 要するに、プラスマイナスゼロになっているけれども、当然物価が上がっていく分減税しなければならない政府の言う四百三十億あるいは三百四十億という調整分はそれだけ増税になっているというふうに私は思います。それで、いま言われたことから、実際、税の負担の公平ということが守られていないと思う。で、いま指摘された租税特別措置ですね、一体、昨年度中央地方合計幾ら免除しておりますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) ちょっともう一ぺん、おそれ入ります。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 租税特別措置で、中央地方合計幾ら税金が特別の措置を受けて免除されておりますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 本年度ですか。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 はい、四十二年度。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 四十二年度二千六百四十八億。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 それで地方税を合わせたら。——地方の分もありますでしょう。地方を入れると四千億以上になりますね。

細見卓大蔵大臣官房財務調査官

○説明員(細見卓君) 地方のほうは現在正確な数字を覚えておりませんが、約千億をちょっと上回るというふうになろうかと思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 つまり、先ほど鈴木委員も言われていたように、巨額の脱税がある。それから不公平——税の負担が公平であれば、まだ文句の言いようもあるのです。ところが、非常に不公平です。そういう租税特別措置というようなやり方は、将来整理しなきゃならないのに、それに向かっていない。それから株の配当で暮らす者は、幾らまで無税ですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 租税特別措置の中で、いまの数字のうちで大体千六百億円前後が、これが貯蓄に関した特別の措置でございまして、そのほかは、よく大企業大企業と言われますが、大企業、中小企業に対するいろいろな措置が、最近では中小企業に対する減税のほうが多くなっているというのが実情でございまして、これとの引き合いに出して所得税の不公平というのは当たっていないのじゃないか。やはり所得税としては、給与所得者と他の所得者というものの間の均衡をはかるというようなことがやはり大切だと思いましたので、給与所得控除を大幅に引き上げると、そういうような考慮を今回の所得税にはしておるということでございます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 株の配当で暮らすものは。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 株の配当の問題は、これは有名な、二百三十六万円というふうなことで、いまの法人税というものは配当の先払いである、ですから、配当の控除をする必要があるというので、これはシャウプ税制から来ているもので、この法人税については、法人というものの性格を別に考えなければ、この矛盾はどうしても解決できません。前払いであるという考えがあるわけですから。したがって、これに控除の規定が置かれているということでございますから、この矛盾をどうして解決したらいいかというのがいまやはり税制調査会の問題で、この矛盾方式をとったらどういうことになるのかというのが研究課題でございます。近く、私どもはこの結論を出したいと考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 株の配当では二百二十六万まで五人家族で免除になる、これを給与所得者に直したら幾ら取られるか、企業所得者だったら幾ら取られますか。

細見卓大蔵大臣官房財務調査官

○説明員(細見卓君) お答え申し上げます。約四十万になります。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 企業は。——それは給与所得者でしょう。

細見卓大蔵大臣官房財務調査官

○説明員(細見卓君) 事業所得者で申しますと六十万になります。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 こういう不公平があるわけですね。ですから、税の不公平があるということは、納税意欲も下げてしまうということになる。その上今度は間接税、間接税が逆累進性を持っているということについては大蔵大臣否定されたようですが、そうですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 間接税は、ほとんどすべてが逆進性を持つものだというふうに……。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 持つものだというふうにおっしゃったのですか。逆進性があるとおっしゃったのですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 逆進性を持っておる。しかし、たとえば、日本と外国の税体系を見ますというと、日本のほうが間接税の比率は少ない。外国のほうが多いわけでございます。外国の、たとえば売り上げ税というようなものは国民の必需品にも一様に税をかけますので、したがって、日本と外国と比べたら、外国のほうが税制の上における逆進性というものは強い。日本は、特に高級なぜいたく品というようなものにかけるというような体系をとっておりますから、税の体系から見たら、日本の逆進性、税の逆進性というものは、外国に比べて少ないということは言えると思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 逆進性というのは、つまり大衆のほうにたくさん、所得の低いものほどたくさん税を納めるということなんで、それをお認めになったのはたいへんけっこうだと思います。そういうことは、逆進性がある、高いほうがいいというような立場でいまおっしゃってはいないと思うのですが、今度、酒、たばこ、国鉄定期代の値上げがある。これらは、みないまの逆進性があるものだと思うのですが、いま予定されているたばこの値上げ——そうしますと、大体最低六〇%くらいの税金が一箱のたばこにつくわけなんですが、月収三万円の者と十二万円の者では、たばこの税率は幾らくらいになるか、比べてみていただきたいと思います。

細見卓大蔵大臣官房財務調査官

○説明員(細見卓君) これは、先ほど家計調査のいろいろ議論がございましたように、特にたばこにつきましては、家計に出てくる頻度というのが、実際の間接税のたばこの消費税から考えますと三分の一くらいにしかならないものでありますし、それから、所得金額が変わりましたときに必ずしもたばこの種類が変わる、所得金額が高くなりましたときに必ずしもそれに見合って吸うたばこの種類が変わるというふうなわけにもまいっておりませんので、まして所得が、今回値段が上がりましたときに、それがどういうふうになるかというふうなことは、ますます予測がつきません。したがいまして、何も予測ができないのかとおっしゃれば、予測は、ある程度の仮定を置きまして数字は申し上げることはできますが、ここで正確に幾らだというようなことは、むしろ申し上げないほうがいいのじゃないか。ただ、その数字が計算できないかとおっしゃれば、それはできまして、所得金額の大きさに見合わず、大体同じような負担になっているということは申し上げられます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 いまおっしゃったことからもわかりますように、家計調査というのは非常にいいかげんなことが多い。たばこはいま男の人のポケットから出るので、主婦の財布から出ないものは家計調査にあらわれてこないのですね。専売公社のほうの調査によると、成年人口の八〇%がたばこを吸っているようです。それで、三万円の月収の者の場合、これは大熊一郎さんの試算です、月収三万円の場合には〇・八五の税率、月収十二万円の者は〇・一八の税率、たいへん大衆のほうに負担がかかるということになる。それをお認めになりますか。

細見卓大蔵大臣官房財務調査官

○説明員(細見卓君) 引用なさいましたので申し上げますが、それは実は、私どもが非常に大胆な推計をいたしました数字でございまして、正しいとも申し上げかねますが、間違っているとも申し上げかねます。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 低所得者の、酒、たばこ、その他ですね。間接税が低所得者のほうに重くなるということは先ほど大蔵大臣が認められましたから、けっこうだと思います。  そこで、運輸大臣にお伺いしますが、国鉄の定期代の値上げ分で幾ら増収を見積もっていらっしゃいますか。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 年間三百億円であります。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 赤字の実態は。赤字は。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) ことしの赤字は、大体千百四十七慮円の見込みであります。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 今度の定期代の値上げですけれども、これは五〇%になるまで値上げしていくつもりなんですか。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 必ずしもそうではありません。定期代という問題につきましては、社会政策的要素もございまして、通勤、通学、おのおの区別をしております。また、通勤につきましては、今回は、いろいろな保護世帯や母子家庭、あるいは義務教育、いろいろ区別をしているわけであります。法律では五割まで認められておりますけれども、必ずしもその法律の条文にこだわる必要はないと思っております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 先日、物価安定推進会議が経営再建特別委員会というものの提言をいたしましたけれども、その中で、基本料金は上げるなという、それはその方向で行かれますか。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 今回の国鉄の内部には基本料金に手をつけよという考えが一部にありましたが、それを回避したのであります。私は、基本料金を上げるということは極力回避すべきであると思っております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 私は、通勤者対策というのが一番おくれていると思うのです。実は、山手線でも中央線でも、東京のほう、あふれるような、あの通勤者で黒字になっているじゃないですか。もうけているのじゃないですか。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 必ずしももうけておらない。むしろ損をしておるのであります。と申しますのは、通勤は、ラッシュアワーが約三十分、ぜいぜい一時間、一日二回だけです。そのときのために大量の客車を用意し、また、いろいろな保安設備そのほかの費用が要ります。また、その大量の客車のアパートが要るわけであります。それが、東京近郊の非常に高い土地を買って列車のアパートをつくって、しかも昼間はそれらは動かないで休んでいるわけです。資本の効率から見ますと、非常なロスになっているわけであります。総合的に計算いたしますと、国鉄はそのために非常な赤字をしょっているという結果になっております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 ただいまのおっしゃり方では、定期代のために赤字ができたような……。これはうそだと思うんです。設備投資なんかでたくさん赤字ができている。受益者負担という考え方から定期代を上げるというけれども、むしろ被害者なんです。このラッシュのときの状況ですね、解消のめどは。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 確かに、通勤者にしてみれば、快適な状態で通勤するのが正常でありまして、被害者であると私たちは反省しなきゃ、ならぬと思います。しかし、日本の急激な膨張から、いまこういう摩擦が起きておるのでありまして、われわれといたしましては、極力早期に解消するようにいたしたいと思います。そこで、一番有効なのは、何といたしましても、当面は地下鉄なのであります。バスを考えますと、道路が狭いために非常にふくそういたします。地下鉄に相当力を入れまして、いま都市交通審議会へ諮問をしておりますが、これが出次第、四本ばかりを至急着工さして、渋谷、新宿、池袋方面から都心に向かう路線を至急に掘さくさせる予定であります。それから、やはり何と申しましても、一時に殺到するものでありますから、時差出勤というような問題につきましても、官庁、会社においてそれぞれ御善処を願って御協力願うということも非常に大事であるように思って、この点も大いにお願いいたしたいと思っております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 運輸審議会の答申が出て四月一日から通学の定期の値上げを実施することに決定いたしましたか。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 金曜日にわれわれのところへその上申が参りました。現在、運輸省におきまして慎重に調査しておりまして、来週早々結論を出す予定でおります。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 四月一日から定期は切りかえられますか。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 現在は、大体四月一日から実施する予定でおります。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 法律が通らないでも実施できるんですか。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 国鉄運賃につきましては、国鉄運賃法という特別の法律がありまして、日本国有鉄道にそれは授権されておるのであります。したがいまして、国鉄から申請が運輸省に参りまして運輸省が認可すれば、それで発効するということになっております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 そうすると、四十三年度予算が通らなくてもそれは実施する、通らないうちに。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 大体、もし本予算が通らない場合は暫定予算ということになると思いますが、暫定予算が通過すれば、これは四月一日から実施されるだろうと思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 それはたいへん疑問があると思うんですが、本予算の通過はまだ、四月以降ぐらいです。それから暫定予算も、通るのはこれからのことだと思います。それで、通勤の定期というのは、もうすでに印刷をしていられるものですか。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 国鉄側の動静を聞いてみませんと、その点、私つまびらかにしておりません。ただ、国鉄の運賃につきましては、たばこやその他の専売品と違いまして、国会の議決を必要としないで、日本国有鉄道による運賃法によりまして国有鉄道に委任され授権されておるのです。ですから、その法律に基づいて、国鉄は運輸省の認可があればいつでもできるという情勢にあるのでありまして、国会の動向にかかわらず、それは行なえるものであると解釈されております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 私は、いまの問題はまだ疑問が残っておるのですけれども、いまの国鉄の赤字の中で、国が負担すべきものというのは何と何ですか。審議会でもそのようなことは答申されており、それから大臣もそういうようなことを言われたことがあるのですね。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) いまの御質問の趣旨がよくわからないのでありますが、国の負担に関係するとか、財政法上の問題でございましたら、その点は、運賃につきましては関係ございません。ともかく、国会を通りました法律によって、国鉄がやってよろしいというふうに権利を委任されておるわけであります。したがいまして、国会からもやってよろしいという許可を得て——ただ、やるについては運輸省が認可するという条件がついておるわけであります。したがいまして、予算や国会と関係なしにこれはできるということになっておるのであります。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 いま問題を取り違えていらっしゃるのですが、国鉄の赤字のうち国庫が負担すべきものがあるのではないかということです。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 旧鉄の赤字で国庫が直接負担するというものはないと思います。ただ、政策的に、国鉄が相当公共性のある事業をやっておりますから、国がやるべき仕事も国鉄が負担してやっていてくださる、そういう関係から、ことしは五十三億円の特別のお金を国が出しまして、利子補給として、国鉄が仕事をする上についての利子のめんどうを見ておるのであります。それは必ずしも国がやらなければならないと役務づけられておるものではございません。しかし、国鉄の現況から見て、多いほどそれはいいと私は思っております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 先ほど運輸大臣は、資本の効率からというようなことを言われたのですが、それは、国鉄ですから、公共企業でございますから、やっぱりサービスということを十分考えて、資本の効率ということから考えられてはならないと思います。ですから、国庫の当然負うべきもの、たとえば設備投資なんかに使って出てきた赤字は国が負うべきであると思うのですが、それはどうですか。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 国鉄の現状から見ますと、それは好ましいと思うのであります。国鉄は、現在約一兆七千億円の借金をしょっておりまして、その利子だけでも、昭和四十三年は千三百二十億円も利子を払わなくちゃならない。息を一つ吸っている間に一万二千円ぐらいずつ利子を払うという計算になるのです。そういう情勢ですから、国鉄だけの独立採算制にまかせるということは非常にむずかしい段階になっておるのであります。そこで、物価安定推進会議におきましても、国鉄の財政確立の委員会をつくって検討しろという勧告もございますし、私も運輸大臣に就任しまして、すぐ国鉄の財政確立のための委員会をつくるということを言明いたしまして、これも近く発足いたしまして、総合的に国鉄の機能、社会性等検討しまして、答申を得て来年度予算に間に合うように実施したいと考えております。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 私は、いまの国鉄定期の値上げで、これは先ほど申しましたように、家計の中では、公共料金ですから動かすことのできない部分に属しますので、非常に遺憾だと思います。上げないような方向で考えていただきたいと思います。  最後に、私、総理大臣に伺いたいと思いますのは、ことしの税制のやり方ですね。これは、所得税の減税の千五十億の財源を今度間接税の増税ですっかり当てはめてしまう、こういう方針が出たのですがね。これからも、そういうふうな所得税の減税の財源を間接税に求めるというような方向をとられるのですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) さっき申しましたように、間接税と直接税の比率を一定に保つというためには、さっき申しましたような税の構造を違えた、たとえば所得税とか酒たばこというようなものは、始終調整をとる必要があるだろうと思います。本年度こういう間接税の調整をとりましたから、すぐにはくずさなくても済むのだと思いますが、もう少し先に行ったらまたこの比率がくずれてきますから、そういうときにこれを見直して調整するということは今後もやる必要が出てくるのじゃないかというふうに考えております。当分はございません。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 大蔵大臣は、間接税は、私たちのことはで言えば大衆課税、逆進性を持っていることをお認めになったので、こういう方向は直していかなければ、逆進性のあるものは直さなきゃいかぬ、累進課税にならなきゃならないはずだと思います。それから国民所得に対する税率がいまのところ一八・八%。もっと取ってもいいのではないかというようなことを言われていることがあるのですが、大臣もどこかで言われておりますが、こういう方向でするならば、さっき申し上げました、税負担の不公平である部分から取り上げていくという方向を出すべきだと思います。その点、税のあり方でございますので、大蔵大臣から、並びに総理大臣のおことばを伺いたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 税のあり方は、公平でなければなりませんので、これは一ぺん税制がきまりましても、常にその税制は直すということをやって、これを直さなければ、これは慢性化したり固定化したりすることは一番いけないと思いますので、問題になっている特別措置についても、始終これは改変すべきものだというふうに考えております。で、全体として税の公平によってでき上った体系をつくっていくということは、今後も努力しなければならないと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 田中君にお答えいたします。  ただいま大蔵大臣がお答えいたしましたから、もう私からつけ加えることはないようであります。この租税特別措置、法定によるいわゆる不公平な状態を出現している、したがって、これが恒久化したり、あるいは慢性化したりすることは避けなければならない。したがいまして、租税特別措置については絶えずこれは検討をいたしまして、そうして租税の公平が保たれるように、そういう方向に努力しなければならないものでございます。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 以上をもちまして田中君の質疑は終了いたしました。  次回は明後二十五日午前十時より開会といたしまして、本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十四分散会

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