予算委員会 第1号
- 発言数
- 17 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1968/02/05
会議録
○委員長(西郷吉之助君) ただいまより予算委員会を開会いたします。 先般、不肖私、予算委員長に選任されまして、まことに微力でございますが、委員各位の御協力のほどをお願い申し上げます。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(西郷吉之助君) まず、理事の補欠互選についておはかりいたします。 委員の異動に伴いまして、理事が六名欠員になっておりますので、その補欠互選を行ないます。 互選は投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないものと認めます。それでは理事に北畠教真君、剱木亨弘君、近藤英一郎君、内藤誉三郎君、加瀬完君、鶴園哲夫君を指名いたします。 ―――――――――――――
○委員長(西郷吉之助君) 次に、調査承認要求に関する件についておはかりいたします。 今期国会におきましても、従前どおり予算の執行状況に関する調査を行なうことといたしまして、この旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(西郷吉之助君) 次に、昭和四十三年度一般会計予算、昭和四十三年度特別会計予算、昭和四十三年度政府関係機関予算。 以上三案を一括して議題といたします。 まず、水田大蔵大臣から提案理由の説明を聴取いたします。水田大蔵大臣。
○国務大臣(水田三喜男君) 昭和四十三年度予算の基本方針及びその大綱につきましては、先日、本会議において申し上げたところでありますが、予算委員会での御審議をお願いするにあたり、あらためてその概要を御説明いたします。 昭和四十三年度予算の編成にあたりましては、先日の財政演説において申し述べました財政金融政策の基本的な考え方にのっとりまして、当面の経済情勢に対処し、財政による景気抑制機能の実効を期すると同時に、硬直化した財政体質の改善の第一歩を踏み出し、将来にわたり財政が本来の機能を十分発揮することのできる基盤を確立することにつとめることといたしております。 第一に、一般会計、財政投融資計画とも、その規模の増大を極力圧縮することといたしました。 第二に、公債依存度の大幅な引き下げをはかり、公債発行額を六千四百億円にとどめることといたしました。なお、政府保証債につきましても、その発行額を三千六百億円に圧縮いたしております。 第三に、予算の組み方につき、新たに総合予算主義をとることといたしました。 すなわち、四十三年度予算におきまして、恒例的な予算補正の慣行を排除することとし、公務員の給与改定等に備えて予備費の充実をはかると同時に、食糧管理特別会計への繰り入れについては、年度の途中において、米価の改定等、事情の変化があっても、これにより補正予算を必要としない方式の確立を期することといたしております。 第四は、財源の適正かつ効率的な配分を行なったことであります。 まず、税制改正等につきましては、最近における国民負担の状況及び経済情勢の推移にかんがみまして、中小所得者の負担の軽減に重点を置いて、平年度千二百五十億円の所得税の減税を行なうほか、当面の経済施策に即応し、輸出の振興、技術開発の促進、中小企業の構造改善等に資する税制上の措置をとることといたしております。また、四十三年度の経済の推移を勘案し、所得及び物価の水準等の状況に応じて、酒税の税率の調整及びたばこ小売り定価の改定を行ない、歳入の充足をはかることといたしました。 歳出面におきましては、財源の効率的な配分につとめ、限られた財源の中において、きめこまかな配慮を行ない、施策の均衡をはかることとしております。同時に、補助金の整理合理化等、既定経費の更新と行政経費の節減及び定員の縮減を行なうことにより、行政能率の向上をはかることに配意いたしました。 以上により編成されました昭和四十三年度一般会計予算の総額は、歳入歳出ともに五兆八千百八十五億円でありまして、四十二年度補正後予算に対し、六千百五十一億円の増加となっております。また、財政投融資計画の総額は、二兆六千九百九十億円でありまして、四十二年度当初計画に対し、三千百六億円の増加となっております。 まず、一般会計について申し上げます。 歳入予算の総額五兆八千百八十五億円の内訳は、租税及び印紙収入四兆六千九百七十八億円、税外収入四千二百九十億円、公債金六千四百億円、及び前年度剰余金受け入れ五百十七億円となっております。 租税及び印紙収入四兆六千九百七十八億円は、昭和四十二年度当初予算に対し、八千九百二十六億円の増加、補正後予算に対し、六千二十六億円の増加となっております。この租税及び印紙収入四兆六千九百七十八億円は、現行税法を前提とする四十三年度の収入見込み額四兆七千五百二十八億円から税制改正による減収五百五十億円を差し引いた額であります。 税外収入四千二百九十億円は、昭和四十二年度当初予算に対し、八百五十五億円の増加となっております。これは、たばこ小売り定価の改定等による専売納付金の増加五百五十億円を含むものであります。 次に、公債金六千四百億円は、財政法第四条の規定により公共事業費、出資金及び貸し付け金の財源に充てるため発行する公債による収入でありまして、民間の資金需要との調和に十分配慮して決定いたしたものであります。 前年度剰余金受け入れ五百十七億円は、四十一年度に新たに生じました剰余金を受け入れるものでありまして、四十二年度予算に計上された額に対し、四百九十六億円の増加となっております。 次に、歳出のおもな経費につきまして、順次、御説明いたします。 社会保障関係費といたしましては、総額八千百五十七億円を計上し、施策の充実をはかっております。すなわち、生活扶助基準を一三%引き上げるほか、児童保護、老人福祉、身体障害者保護、心身障害児保護等の充実をはかっております。また、国民年金のうち福祉年金につき、年金額の引き上げを行なうことといたしました。さらに、原爆障害対策につきましては、認定疾病患者に対し、新たに月額一万円の手当を支給することとする等、格段の強化をはかることとしております。 また、国立療養所を国立病院特別会計に移行させ、その経理を明確にし、施設、設備の整備を促進することといたしました。 文教及び科学振興費といたしましては、総額七千二十四億円を計上しております。 すなわち、初等中等教育につきまして、引き続き学級編制基準の改善を行なうほか、義務教育教員の給与改善、教材費の計画的拡充、公立文教施設の整備等を進めることとしております。なお、このほか、義務教育教科書無償給与につきましては、その範囲を中学三年まで拡大する措置を講ずることといたしております。また、低所得階層の児童生徒に対する就学援助の内容改善、僻地教育・特殊教育の振興、学校給食の改善等につきましても、所要の措置を講じております。 次に、大学教育につきましては、大学入学志願者の増加に対処して、引き続き学生を増募する措置を講ずることといたしております。私学に対する助成につきましては、新たに、私立大学教育研究費につき補助金を計上する等、その強化をはかることといたしております。 さらに、科学技術の振興につきましては、これが将来にわたるわが国の発展の基盤であることにかんがみ、動力炉の開発、大型工業技術の研究開発、宇宙開発、原子力船の開発等の重要研究を推進いたしますほか、研究費の拡充を行なうことといたしております。また、税制面におきましても、企業の試験研究費の税額控除制度を拡充する等により、技術開発の促進をはかることといたしました。 国債費につきましては、国債の償還及び利子の支払い等に要する財源を国債整理基金特別会計に繰り入れるため、二千十三億円を計上いたしております。 恩給関係費につきましては、恩給年額の引き上げを行なう等、その改善をはかることとし、二千五百四十一億円を計上いたしております。 次に、地方財政について申し上げます。 まず、地方交付税交付金といたしましては、昭和四十二年度当初予算に対し一千九百四十二億円、二一・六%増の一兆九百二十三億円を計上いたしておりますが、この算定にあたりましては、国、地方を通ずる財政運営の円滑化をはかる見地から、地方交付税交付金の法定額から四百五十億円を減額しております。 このほか、地方財政におきましては、地方税等の歳入の大幅な増加が見込まれるのでありますが、現下の経済情勢にかんがみ、国と同一の基調で節度ある運営を行なうことを期待するものであります。 防衛関係費につきましては、四十三年度予算において四千二百二十一億円を計上し、国力に応じた防衛力の充実につとめることといたしております。 公共事業関係費につきましては、最近の内外の経済情勢にかんがみ、その規模を抑制しておりますが、各事業の緊要性を勘案して着実な推進をはかることとし、一兆七百一億円を計上いたしております。 住宅対策につきましては、住宅金融公庫、日本住宅公団等に対する財政投融資と合わせ、住宅建設五カ年計画による建設戸数の確保をはかることとし、政府施策住宅として約五十万戸の建設を行なうことといたしております。 生活環境施設の整備につきましては、下水道、公園緑地などの拡充をはかることといたしております。 次に、治山、治水事業につきましては、最近における局地災害の発生、山地の荒廃、河川流域の状況の変化等に即応して現行の五カ年計画の改定を予定することとし、国土の保全の強化に配意することといたしております。 さらに、道路整備につきましては、交通安全対策事業、万国博覧会関連事業等、当面緊急に整備を要するものに重点的配慮を行なうこととしております。財政投融資計画におきましても、日本道路公団等三公団の有料道路事業に所要の資金を投入することといたしております。 また、港湾の整備につきましては、最近の貨物取り扱い量の増加等の事情の変化に対処して五カ年計画の改定を予定することとし、空港につきましても、新東京国際空港をはじめとして、その整備を推進することといたしております。 なお、日本国有鉄道におきましては、通勤輸送の混雑緩和と過密ダイヤの解消につとめることとし、また、日本電信電話公社におきましても、引き続き施設の整備を推進することといたしております。 貿易の振興と経済協力の推進の面におきましても、重点的に施策の拡充をはかることといたしております。 まず、貿易の振興につきましては、日本輸出入銀行に対し二千六百三十億円の財政資金を投入し、貸し付け規模の拡大をはかることといたしました。 次に、経済協力につきましては、海外経済協力基金の事業規模を拡大するとともに、ケネディ・ラウンドの交渉の結果に基づく食糧援助費及びマレーシア、シンガポールに対する経済協力費を新たに計上することといたしました。 また、税制面でも、重点的に輸出振興税制の充実をはかることといたしております。 なお、昭和四十五年に大阪で開かれる予定の万国博覧会の会場の建設を推進し、政府出展を準備するため、四十二年度に比べ経費を大幅に増額いたしております。 中小企業対策につきましては、その近代化を引き続き推進することとし、財政、税制、金融の各面からの諸施策を総合的に講ずることといたしております。 財政の面におきましては、中小企業振興事業団の資金量を拡充いたしますほか、小規模事業対策、中小企業指導事業につきましても、その内容の充実をはかることといたしました。 次に、税制面におきましては、中小企業近代化促進法の指定業種に属する中小企業者が構造改善計画を作成実施する場合に、その企業の保有機械設備につき割り増し償却制度を設ける等、中小企業の構造改善に資するための措置を講ずることといたしております。 さらに、金融面におきましては、財政投融資計画におきまして、国民金融公庫、中小企業金融公庫及び商工組合中央金庫の貸し付け規模を拡大するため、三千四百七十八億円を振り向けることとしております。 なお、流通部門の近代化、合理的をはかるため、国民金融公庫及び中小企業金融公庫に特別の融資ワクを設けることといたしております。また、信用補完制度の円滑な運営を行なうため、中小企業信用保険公庫に対し引き続き出資金を計上いたしております。 農林漁業につきましては、その近代化を推進するため、圃場、農道等の生産基盤を整備し、また、農林漁業の構造改善を推進して、需要の変化に即応する生産の選択的拡大をはかることとしております。このほか、農地法の改正など農業構造政策の推進に配慮することとしております。さらに、農林水産物の流通合理化のため、中央・地方の卸売り市場の整備等を推進することといたしております。 次に、金融面におきましては、農林漁業金融公庫、農業近代化資金及び農業改良資金につき、その融資ワクをそれぞれ拡大することとし、また、農業構造政策の一環としての総合施設資金及び生鮮食料品の流通近代化のための卸売市場近代化資金を農林漁業金融公庫に新設することとしております。 食糧管理特別会計につきましては、食糧管理勘定に生ずると見込まれる損失に対処するため、調整勘定に二千四百十五億円を繰り入れ、また、輸入飼料の売買に伴う損失を補てんするため、輸入飼料勘定に四十九億円を繰り入れることとしております。 産業投資特別会計におきましては、日本輸出入銀行に対する出資をはじめとして総額六百八十九億円の出資を行なうこととし、これに要する財源の一部に充てるため、五百九十六億円を一般会計から同特別会計へ繰り入れることといたしております。 交通安全対策につきましては、四十二年度に引き続き歩道橋、信号機等交通安全施設の整備、踏切道の構造の改良、ダンプカーの規制の強化等の施策を推進することといたしておりますほか、新たに、地方公共団体に対し、交通安全施設の整備に要する財源を充実するため、交通安全対策特別交付金を交付することといたしております。 公害対策につきましては、公害の調査、規制、防止に必要な経費を計上いたしますほか、公害防止技術の研究に要する経費を大幅に増額し、また、公害防止事業団の資金量の充実、融資条件の改善のため必要な措置をとることといたしております。 沖繩住民の福祉の向上、沖繩における経済開発の促進のため、沖繩に対する援助を大幅に増強いたしますほか、新たに財政投融資計画において、琉球政府に対する二十億円の融資を計上することといたしております。 予備費につきましては、公務員の給与改定等に備えて増額することとし、千二百億円を計上することといたしております。 以上、主として一般会計予算について申し述べましたが、特別会計及び政府関係機関の予算につきましても、資金の重点的配分と経費の効率的使用につとめ、事業の円滑な遂行を期することといたしております。 財政投融資につきましては、以上それぞれの項目において御説明いたしたところでありますが、その原資といたしましては、出資原資として産業投資特別会計に六百八十九億円、融資原資として資金運用部資金一兆七千九百十八億円及び簡保資金二千六百六十億円を見込むほか、公募債借り入れ金等五千七百二十三億円を予定いたしております。 次に、その運用の内容につきましては、輸出の振興、住宅の建設、生活環境施設の整備、中小企業金融の充実に重点を置くほか、鉄道、道路等の社会資本の強化に特に配意することといたしております。 また、地方財政につきましても、地方債について必要な措置を講ずることといたしております。 以上、昭和四十三年度予算につきまして、その概要を御説明いたしましたが、なお詳細にわたる点につきましては、政府委員をして補足説明いたさせます。 何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛同いただきたいと存じます。
○委員長(西郷吉之助君) ただいまの大蔵大臣の説明に関連いたしまして、政府委員から順次補足説明を聴取いたします。村上主計局長。
○政府委員(村上孝太郎君) 昭和四十三年度予算の概要につきまして、補足して御説明いたします。 まず、一般会計予算の規模等でありますが、 昭和四十三年度予算におきましては、総合予算主義のもとに予算を編成いたしておりますので、補正後予算について伸び率を比較いたしますと、四十三年度予算の四十二年度補正後予算に対する伸び率は一一・八%となっており、四十二年度の一六・二%、四十一年度の一九・六%を下回るのみならず、三十九年度を除けばここ十年来で最も低い伸び率となっております。 また、昭和四十三年度における国民経済計算上の政府の財貨サービス購入の四十二年度実績見込みに対する伸び率は一一・七%となり、国民総生産の伸び率一二・一%を下回ることになりますが、これは経済に対する財政の抑制的態度を示すものであります。 さらに、昭和四十三年度の予算規模に占める公債収入の割合は一〇・九%となっておりますが、これは四十二年度予算の一六・一%を大きく下回っており、政府の当面の経済に対する姿勢を示すとともに、財政体質の健全化に資するものであります。 次に、定員の縮減と機構の簡素化について申し上げます。定員については、既定定員につき三年間五%の計画的削減を行なうことといたしましたが、他方、行政需要の増大に伴うやむを得ない増員を織り込んで、なお総定員を約六百人縮減いたしました。総定員が前年度より減少するのは、昭和二十九年度以来のことであります。また、行政機構の面におきましても、各省庁一局削減を行なうとともに、各省庁の部局、公庫、公団等の新設は行なわないことといたしました。 第二に、歳入でございます。 税外収入四千二百九十億円の内訳は、専売納付金二千三百十八億円、官業益金及び官業収入二十六億円、政府資産整理収入二百十九億円、雑収入千七百二十七億円となっております。 専売納付金二千三百十八億円のうち二千三百四億円は日本専売公社納付金でありますが、これにはたばこの小売り定価の改定による増収五百五十億円を含んでおります。 また、官業益金及び官業収入が四十二年度補正後予算に対し百三十七億円の減少となっておりますが、減少のおもな理由は、国立療養所の国立病院特別会計への移行によるものであります。 なお、雑収入のうちおもなものは、日本銀行納付金八百三十二億円、懲罰及び没収金三百三十一億円であります。 公債発行の対象となる経費の金額八千九百七十五億円の内訳は、一般会計予算総則第七条に掲げました公共事業費七千六百三十九億円のほか、出資金千百八十八億円及び貸し付け金百四十八億円であります。なお、公債発行対象経費八千九百七十五億円と公債発行額六千四百億円との差は二千五百七十五億円でありまして、四十二年度当初予算の六百九十六億円に比べて大きく増加しておりますが、これは公債発行対象経費にできるだけ多くの一般財源を充当し公債政策の健全な運用をはかろうとする政府の姿勢を示すものであります。 次に、前年度剰余金受け入れ五百十七億円は、四十一年度決算の結果新たに生じた剰余金であります。このうち、百八十七億円は地方交付税財源に、百二億円は道路整備費の財源にそれぞれ充てられ、これを差し引いた二分の一相当額百十四億円は、財政法第六条の規定により、国債償還の財源として国債整理基金特別会計に繰り入れることとしております。 第三に、歳出について申し上げます。 その一は社会保障関係費であります。社会保障関係費八千百五十七億円は、昭和四十二年度当初予算に対し九百四十二億円の増加、伸び率は一三・一%となっております。 まず、生活扶助基準の改定であります。生活保護費のうち、生活扶助基準の改定は一三%でありますが、東京都の標準四人世帯を例にとりますと、生活扶助のための支給額は二万三千四百五十一円から二万六千五百円に増額されることとなります。 次に、福祉年金につきましては、老令福祉年金を月額千六百円から千七百円に、障害福祉年金を月額二千五百円から二千七百円に、母子福祉年金を月額二千円から二千二百円に、それぞれ引き上げるとともに、本人及び扶養義務者につき所得制限の緩和をはかることといたしております。 また、原爆障害対策といたしましては、認定疾病患者で医療を受けている者に対する医療手当を月額三千四百円から五千円に増額いたしますとともに、認定疾病患者に対し月額一万円の手当を、特別被爆者のうち特定の疾病に罹患している老人、身体障害者、母子世帯の世帯主に対し、月額三千円の健康管理手当を、また、介護を要する者に対し介護手当を、それぞれ、新たに支給することとするなど、格段の配慮を払うことといたしております。 さらに、国立療養所につきましては、その経理の明確化をはかり、施設・設備の整備を促進するため、これを一般会計から国立病院特別会計に移行させることといたしましたが、その内容におきましては、施設費の増額、医療内容の充実、患者の処遇改善等その充実をはかるとともに、重症心身障害児のベッドを八百八十床増設することといたしております。 その二は、文教及び科学の振興であります。文教及び科学振興費七千二十四億円は、昭和四十二年度当初予算に対し七百七十八億円の増加、伸び率は一二・五%となっております。 まず義務教育の充実でありますが、義務教育諸学校の学級編制基準の改善は、計画の最終年次として一学級当たり最高児童生徒数を四十六人から四十五人とすることを内容とするものであります。また、教材費につきましても、四十二年度予算の四十四億円から五十億円に増額することといたしております。 次に、私学の振興につきましては、まず、私立学校振興会の貸し付け規模を三百十億円から三百四十億円に拡大するのに必要な措置をとることといたしております。また、四十二年六月の臨時私立学校振興方策調査会の答申を尊重して、私学の教育研究水準を高めるため、新たに私立大学に対する教育研究費補助制度を創設することといたしました。これらにより、私立学校に対する助成費としては、四十二年度予算に対し、約五割増の九十五億円を計上することといたしております。 次に、科学技術の振興には特に重点を置くこととしており、動力炉の開発については四十二年度の十五億円から五十八億円に、宇宙開発については二十三億円から四十一億円に、大型工業技術の研究については二十七億円から三十九億円に、それぞれ増額計上することとしており、科学技術振興費としては、四十二年度予算に対し百三十億円増の七百三十五億円を計上いたしております。 その三は、国債費であります。国債費二千十三億円の内訳は、国債償還のための経費六百九十三億円、国債利子等千二百七十五億円及び国債事務取り扱い費四十五億円であり、四十二年度当初予算に対し八百六十億円の増加となっております。 その四は、地方財政であります。地方財政関係といたしましては、地方交付税交付金を大幅に増額計上いたしておりますほか、四十一年度に発行いたしました特別事業債の交付団体分の元利償還に充てるため、九十億円を交付することとしております。 その五は、公共事業関係費であります。公共事業関係費といたしましては、四十一億円の特別失業対策事業費を含めて一兆七百一億円を計上しておりますが、これは四十二年度当初予算に対し六百九十六億円、七・〇%の伸びとなります。また、災害関係を除いた公共事業費の四十二年度当初予算に対する伸び率は六・五%と相なっております。 その六は、日本国有鉄道であります。日本国有鉄道につきましては、工事規模を三千七百八十億円とし、財政投融資を四十二年度の当初計画の二千百五十億円から二千六百四十億円に増額しております。また、日本国有鉄道の財政再建に資するため、新たに第三次長期計画の工事資金にかかる支払い利息の一部を工事終了の翌年度から七年間に限り補助することとし、四十三年度においては五十四億円を計上いたしております。 その七は、貿易振興及び経済協力関係でございます。貿易振興及び経済協力費四百八十一億円は、昭和四十二年度当初予算に対し百十六億円の増加となり、伸び率は三一・八%となっております。 まず、日本輸出入銀行におきましては、産業投資特別会計からの出資金四百八十億円を計上すること等により、その貸し付け規模を四十二年度当初計画の三千億円から三千三百五十億円に増額することといたしております。 さらに、海外経済協力基金におきましては、その貸し付け規模を四十二年度当初計画の二百九十億円から四百四十億円へと増額することといたしております。 また、万国博覧会関係百五十八億円を計上しておりますが、その内訳は、万国博覧会事業費二百十一億円に対する補助百二十一億円及び政府出展準備費三十六億円等であります。 その八は、中小企業関係であります。 中小企業対策費三百八十二億円は、昭和四十二年度当初予算に対し、三十四億円の増加となっており、その伸び率は九・八%となっておりますが、当然減となりました商工組合中央金庫出資金を除いてみますと、その伸びは、一五・二%であります。 まず、中小企業振興事業団につきましては、その融資規模を四十二年度当初計画の百七十八億円から二百六十億円に拡充することといたしておりますが、このため、一般会計において織布事業関係として八十二億円、一般高度化資金として七十五億円等合計百五十八億円の出資金を計上いたしますとともに、財政投融資計画において九十億円を予定いたしております。 さらに、政府関係中小金融三機関に対しましては、財政投融資三千四百七十八億円を計上しておりますが、その内訳は、国民金融公庫千五百八十五億円、中小企業金融公庫千七百五億円、商工組合中央金庫百八十八億円となっておりますが、このほか、一般会計において商工組合中央金庫への出資金十億円、国民金融公庫への補給金五億円を計上いたしております。 また、中小企業信用保険公庫への出資金九十五億円の内訳は、保険準備基金二十五億円、融資基金七十億円と相なっております。 その九は、農林漁業関係であります。 まず、構造改善事業の推進につき、農林水産業構造改善対策費として三百七億円を計上いたしておりますが、その内訳は、農業関係二百五十一億円、林業関係四十億円、沿岸漁業関係十六億円と相なっております。なお、農業関係につきましては、六百地域、林業関係につきましては百三十地域の新規着手を予定しております。 さらに、農林金融につきましては、まず、農林漁業金融公庫におきまして四十三年度の貸し付け計画額を千六百億円から千八百億円に拡大することといたしております。 また、農業近代化資金につきましては、その融資ワクを四十二年度の九百億円から一千億円に、農業改良資金につきましては、その資金ワクを四十二年度の八十二億円から百二億円に拡大することといたしております。 最後に、特別会計及び政府関係機関でありますが、一般会計の関連する項目において、それぞれ御説明をいたしましたので省略させていただきます。 なお、特別会計につきましては、経済援助資金特別会計及び余剰農産物資金融通特別会計を昭和四十三年度において廃止することといたしましたので、特別会計の数は四十五から四十三に減ずることと相なります。 以上でございます。
○委員長(西郷吉之助君) 次に、吉國主税局長から説明を聴取いたします。主税局長。
○政府委員(吉國二郎君) 昭和四十三年度租税及び印紙収入予算につきまして提案理由を補足して御説明申し上げます。 昭和四十三年度の一般会計におきまする租税及び印紙収入予算額は四兆六千九百七十八億五千二百万円でございまして、昭和四十二年度の当初予算額三兆八千五十二億二千七百万円に対しまして八千九百二十六億二千五百万円の増加となっております。また、これを昭和四十二年度の補正後予算額四兆九百五十二億九千百万円に比較いたしますと、六千二十五億六千百万円の増加となっております。 この予算額は、昭和四十三年度につきまして現行の税法によって見積もりました場合の租税及び印紙収入見込み額四兆七千五百二十八億六千六百万円を基礎としておりまして、昭和四十三年度の自然増収額を、昭和四十二年度の当初予算額に対しましては九千四百七十六億三千九百万円、補正後予算額に対しましては六千五百七十五億七千五百万円と見込んでいるわけでございます。その収入見込み額から今回の税制改正に伴います所得税減税、租税特別措置の拡充等によります減収見込み額千九十一億六千八百万円を差し引き、これに間接税の負担の適正合理化、租税特別措置の整備等による増収見込み額五百四十一億五千四百万円を加えたものが、昭和四十三年度の一般会計の予算額となるわけでございます。なお、この一般会計における予算額に、交付税及び譲与税配付金特別会計の歳入となりまする地方道路税、石油ガス税のうち地方譲与分、及び特別とん税の予算額と石炭対策特別会計の歳入となります原重油関税の予算額千三百八十一億八千八百万円を合わせますと、昭和四十三年度における国の租税及び印紙収入予算額の総額は四兆八千三百六十億四千万円となっております。 以上が昭和四十三年度の一般会計における租税及び印紙収入予算額の概要でございますが、これを二つに分けて御説明申し上げます。 第一に、現行法に基づきますところの昭和四十三年度の租税及び印紙収入見込み額の見積もりでございます。この見込み額は、昭和四十三年度政府経済見通しを基礎といたしまして、最近までの課税及び収入状況等を考慮して見積もったものでございます。わが国の経済は、昭和四十二年度におきまして予想を上回る拡大を示しました反面、国際収支が赤字基調を続けましたため、再度にわたる公定歩合の引き上げ等の景気調整措置が講じられておりまして、引き続き経済の安定的成長のための調整の年とされている昭和四十三年度におきましては、前年度に比べまして国民総生産の伸びは一二・一%、鉱工業生産の伸びは九%と、かなり低下するものと見込まれております。 しかしながら、昭和四十二年度の活発な経済活動を反映いたしまして、法人税収入は昭和四十三年度においてもなおある程度の増加が見込まれ、また、雇用、賃金水準、個人消費等は堅調な推移を示すものと予想されますので、所得税や間接諸税につきましても、相応の増収が見込まれる次第でございます。 ちなみに、九千四百七十六億三千九百万円の自然増収額のうちで、所得税が三千九百二十四億三千九百万円、法人税が二千九百七十五億二千百万円となっておりまして、所得税は自然増収額のうち四一・四%、法人税は三一・四%を占めることになっております。 第二に、このような現行法による租税及び印紙収入の見込み額を前提といたしまして行なわれます税制改正の大要と、それに伴いまして生じます増減収額につきまして御説明申し上げます。 今回の税制改正は、昭和四十三年度の予算編成方針に基づきまして、最近における国民負担の現状と経済情勢の推移に顧みまして、中小所得者の負担軽減に重点を置きまして、平年度千二百五十億円程度の所得税の減税を行ないますとともに、輸出の振興など当面の諸要請にこたえる税制上の措置を講ずるほか、酒税の税率の調整等により歳入の充足をはかることとしておるわけでございます。 その大要は次のとおりでございます。 第一は所得税減税でございまして、夫婦子三人の給与所得者の課税最低限を、現行の七十三万九千円から平年分として八十三万三千円に、十万円程度引き上げることを目途といたしまして、基礎控除等の諸控除を引き上げることといたしておるわけでございます。そのほか、障害者控除、寡婦控除等の引き上げにも配慮いたしております。これらの措置を中心といたしまして所得税減税は平年度千二百五十一億三千万円、初年度千五十億七千三百万円となる見込みでございます。 第二は租税特別措置の拡充をはかるとともに、既存の特別措置の整備合理化を行なうことでございます。まず租税特別措置の拡充でございますが、これにつきましては、輸出の振興、技術開発の促進、中小企業の構造改善を重点といたしております。他方、これに対しまして、価格変動準備金制度等の既存の租税特別措置の整備合理化につとめることといたしておりまして、これらによる増減収の差額は生じないこととなる見込みでございます。 第三は間接税の負担の適正合理化であります。これには二つの点がございますが、その一つは、酒税の税率の調整でございます。酒税の税率が所得水準や物価水準の変動にもかかわらず定額に据え置かれておりますために税負担が相対的に低下を来たし、他の諸税の負担との間に均衡を失してきている点を考慮いたしまして、今回その調整合理化をはかる次第でございます。その増収額は平年度五百億八千二百万円、初年度四百五十億三千七百万円となるものと見込まれます。 他の一つは、物品税の暫定措置の整理でございます。昭和四十三年中に期限の到来いたしまする暫定的軽減または非課税の措置につきまして、最近におけるそれら課税物品の生産及び取引の状況等に顧みまして、整理合理化をはかることといたしたわけでございます。これによりまして、平年度七十億五千万円、初年度五十億二千二百万円の増収となる見込みでございます。 以上のような税制改正の結果、先ほど申し上げましたとおり、昭和四十三年度におきましては、千九十一億六千八百万円の減税が行なわれる一方、税制の調整合理化によりまして五百四十一億五千四百万円の増収が生ずることとなり、差し引きいたしまして、一般会計租税及び印紙収入予算では五百五十億一千四百万円の減収が生ずることになるわけでございます。なお、昭和四十三年度におきましては、製造たばこの小売り定価が十数年来据え置かれておりますために消費税に相当する部分が相対的に低下を来たしておりますので、この負担を適正合理化するために、これをねらいといたしまして、たばこ小売り定価の改定を行なうことといたしております。これによる増収額は約五百五十億円にのぼることとなっております。 最後に、国民所得に対する国税、地方税を通ずる租税負担率は、昭和四十三年度には一九・六%になる見込みでございます。これは、昭和四十一年度に不況克服のため多額の国債を発行しながら大幅な減税を行なったため租税負担率が一八・六%に低下しておりましたが、ほぼそれ以前の水準に復しつつあることを示しているものと思います。 また、昭和四十三年度における直接税と間接税の割合は、昭和四十二年度とほとんど変わらず、五九・七%と四〇・三%となるものと見込まれるのでございます。 以上をもちまして昭和四十三年度の租税及び印紙収入予算の補足説明といたします。
○委員長(西郷吉之助君) 次に、鳩山理財局長から説明を聴取いたします。理財局長。
○政府委員(鳩山威一郎君) 昭和四十三年度財政投融資計画及び財政資金の対民間収支見込みにつきまして補足説明を申し上げます。 昭和四十三年度の財政投融資計画の規模は、総額二兆六千九百九十億円でありまして、これを四十二年度当初計画額二兆三千八百八十四億円と比べますと三千百六億円の増加、率にいたしますと一三%の伸びとなっております。これは、ここ十年間の最も低い伸び率でありまして、財政投融資計画の規模を極力圧縮し、財政による景気抑制機能の実効をはかろうとするものでございます。 また、政府保証債の発行につきましては、最近の金融情勢にかんがみまして、総額を極力圧縮することといたし、四十二年度当初計画額に対しまして千五百億円減の三千六百億円となっております。 次に、原資について御説明申し上げますが、「昭和四十三年度予算の説明」の七一ページの右上の「Ⅰ原資見込」の表に掲げてございます。 まず、産投会計出資は、六百八十九億円を計上いたし、四十二年度当初計画額六百十二億円に対しまして七十七億円の増加となっております。 次に、資金運用部資金は、四十二年度当初計画額に対し、三千八百二十四億円増の一兆七千九百十八億円を見込んでおります。このうち郵便貯金につきましては、四十二年度当初計画額に対しまして二千四百億円増の八千億円を見込むことといたし、厚生年金については、七百十三億円増の五千百十七億円、国民年金につきましては、百五十三億円増の九百二十四億円を見込んでおります。 次に、簡保資金につきましては、四十二年度当初計画額に対しまして五百六十億円増の二千六百六十億円を予定いたしております。 また、公募債借り入れ金等につきましては、四十二年度当初計画額に対しまして千三百五十五億円減の五千七百二十三億円となっております。四十二年度より下回りましたのは、さきに申し上げましたとおり、政府保証債の発行を三千六百億円に圧縮いたしましたこと、公募地方債を四十二年度当初計画に対しまして四十億円減の六百二十億円といたしましたこと、世銀借款の既契約分の四十三年度引き出し額が四十二年度の引き出し額よりも減少したこと等によるものでございます。なお、公募債借り入れ金等のうち、住宅公団が生命保険会社及び信託銀行から借り入れます借り入れ金は、一千百三十億円を見込んでおります。 以上の原資を合計いたしますと、二兆六千九百九十億円となっております。 この原資をもちまして四十三年度の財政投融資の運用を行なうわけでありますが、先ほど大臣からも御説明申し上げましたように、輸出の振興、住宅の建設及び生活環境施設の整備並びに中小企業金融の充実に重点を置くとともに、鉄道、道路等の社会資本の強化にも特に配意をいたしております。 各機関に対します運用につきましては、七一ページからの「資金計画」に掲げてございますが、重要な事項につきましては、大臣あるいは主計局長のほうからも御説明をいたしましたので、説明は省略させていただきますが、これらの各機関の運用を目的別に整理いたしました七三ページの「使途別分類表」によりまして御説明申し上げます。 (1)の住宅、(2)の生活環境整備、(3)厚生福祉施設、(4)文教施設、(5)の中小企業、(6)農林漁業、これらの項目は国民生活に最も密接な関係を有する部門でございますが、これらに対します財政投融資は、総額一兆四千四百二十一億円、対前年度伸び率は一四%となっております。 (7)の国土保全・災害復旧、(8)の道路、(9)の運輸通信、(10)の地域開発は、いわゆる社会資本を形成する部門でございますが、七千九百六十億円の財政投融資を行なうこととしており、これは九・四%の増加率となっております。 また、(11)の基幹産業、(12)の輸出振興でございますが、(12)の輸出振興には海外経済協力も含まれておりまして、総額二千八百三十億円で対前年度伸び率は一九・四%と大幅に増加をいたしております。 以上で昭和四十三年度の財政投融資計画の補足説明を終わらしていただきます。 次に、国庫収支見込みについて御説明いたします。 別途昭和四十三年度予算に関する参考資料を提出してございますが、これによりまして御説明申し上げます。 四十三年度の国庫収支の見込みについては、合計欄の数字のとおり二百億円の散布超過と見込んでおります。 まず、一般会計におきまして、前年度剰余金を使用することによりまして、過去の蓄積資金の散布が行なわれますので、五百二十億円の散布超過が見込まれます。また、食管会計におきまして、食糧証券の発行増加によりまして、百億円の散布超過が見込まれ、資金運用部におきましても、繰り越し資金による国債の引き受けにより、五百億円の散布超過が見込まれます。 以上合計して散布超過要因が千百二十億円になります。 他方、国庫と日本銀行との間の納付金、法人税、利子、割引料等のやりとりがありまして、その他の各特別会計等の収支との関係で、二百五十億円の引き揚げ超過要因が見込まれますので、これらの要因を差し引きいたしますと、外為資金以外の国庫収支では、八百七十億円の散布超過が見込まれる次第であります。 最後に、外為資金につきましては、四十三年度の国際収支の動向等から見て、六百七十億円の引き揚げ超過が見込まれますので、これを差し引きいたしまして、四十三年度の国庫収支全体といたしましては、二百億円の散布超過を見込んだ次第であります。 もとより、この見込みは、予算やその基礎となった経済見通しがそのとおり実行され、または推移することを前提としたものであります。 以上で、国庫収支の見込みについての補足説明を終わらせていただきます。
○委員長(西郷吉之助君) 次に、赤澤調整局長から説明を聴取いたします。赤澤調整局長。
○政府委員(赤澤璋一君) 予算の参考といたしまして、昭和四十二年度の経済情勢と昭和四十三年度の経済運営の基本的態度及び経済見通しにつきまして、概要を御説明申し上げます。 お手元にお配りしてあります「昭和四十三年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」をごらんいただきたいと思います。 初めに、四十三年度の出発点となります四十二年度の経済情勢について申し上げますと、御承知のとおり、四十二年度のわが国経済は、個人消費支出の堅調、企業設備投資の増勢を中心といたしまして、予想を上回る拡大を続け、一方、国際収支は海外景気の低迷とも相まちまして、年初来赤字基調を続けてまいりました。このため、四十二年九月には、政府及び日本銀行は、財政支出の繰り延べ、公定歩合の引き上げ等、一連の景気調整措置を実施し、また、四十三年一月には、公定歩合の再引き上げが行なわれました。これら景気調整措置の本格的な影響は、次第に経済全般に浸透していくものと思われますものの、四十二年度の経済は、前年度に引き続き大幅に拡大する見込みであります。 反面、国際経済面でございますが、海外景気の停滞に加えまして、スエズ運河の閉鎖、ポンドの切り下げに引き続く英米等諸国の公定歩合の引き上げ、さらに米国のドル防衛策の強化等、国際環境は急速にきびしさを加え、わが国の国際収支を圧迫することとなりました。 すなわち、輸出の伸び悩みと輸入の大幅な増加によりまして、貿易収支は十二億ドル程度の黒字と、前年度を大幅に下回り、経常収支においては、二億三千万ドル程度の赤字となり、総合収支は、七億ドル程度の大幅な赤字になるものと見込まれます。 物価について見ますと、卸売り物価は、年央以降騰勢に転じ、年度間で前年度比一・五%程度の上昇が予想されます。消費者物価は、年度後半にはかなりの上昇となる見込みでありますが、年度当初、比較的落ちついていたこともあって、年度間の上昇率は、四・五%の範囲内におさまるものと見込まれます。 わが国経済の現況は以上のとおりでありまして、四十二年度の国民総生産は、ほぼ四十二兆六千八百億円の規模となり、経済成長率は実質一一・六%程度となる見込みであります。 次に、昭和四十三年度の経済運営の基本的態度及び経済見通しについて、御説明申し上げます。 四十三年度は、高い成長を遂げた反面、国際収支の大幅な赤字を記録した前年度経済のあとを受けて、それを安定的な成長路線に乗せるためのいわば調整の年とし、国際収支の均衡回復を第一義的目標といたします。 このためには、財政規模及び公債発行額を極力押えるとともに、金融引き締めの効果を一そう浸透させることによりまして、総需要の抑制と輸入の減少をはかり、特に輸出振興については、政府民間一致協力して、あらゆる面にわたり格段の努力を傾注してまいる必要があります。また、貿易外収支の改善についても同様であります。他方、このような国際収支均衡回復のための内需抑制の結果、国内経済が過度に沈滞するようなことは、これを避ける必要があることは申すまでもありません。 以上のような認識のもとに、四十三年度におきましては、さらにきびしさを加える国際環境の中で、特に国際収支の推移と国内経済の動向とを慎重に注視しながら、財政金融政策を中心とする経済政策の弾力的運用をはかることといたします。 これとともに、四十三年度におきましては、消費者物価が昨年秋以降騰勢を強めているおりから、その安定に格別の努力を必要といたします。このため、公共料金対策、低生産性部門の近代化、流通機構の改善、競争条件の整備等、物価安定に関する対策を総合的かつ強力に推進することといたします。 以上、要するに、四十三年度におきましては、国際収支の均衡回復と物価の安定を二つの柱として経済の運営に当たるものとし、あわせて諸施策の重点的実施により、わが国経済の体質を強化して、長期にわたる経済社会発展の基盤を整備し、国民生活の充実をはかることといたす考えであります。 以上のような経済運営のもとにおいて、四十三年度の国際収支は、年度間としては、なお総合収支で三億五千万ドル程度の赤字を残すとしても、年度後半においては、ほぼ収支均衡の状態を達成し、また、経済成長率は実質七・六%程度になる見込みであります。 次に、この場合における経済の主要項目につきまして、簡単に御説明申し上げます。 まず、個人消費支出は、基調的には堅調を続けるものと予想されますが、経済活動の鎮静化に伴って、その伸びは鈍化し、前年度比一四・〇%程度の伸びになるものと見込まれます。企業設備投資につきましては、景気調整措置の効果の浸透によって、伸び率は九・七%程度と、前年度に比べてかなり鈍化し、投資規模は七兆九千億円程度になるものと見込まれます。また、在庫投資は九千億円程度の規模、民間住宅建設は二〇・八%程度の着実な増加を示すものと見込まれます。 次に、政府の財貨サービス購入でございますが、前年度に比べ一一・七%増の九兆五千五百億円程度となるものと思われます。 このような需要面に対する供給面におきましては、まず、鉱工業生産は、国内需要の落ちつきに伴いまして、前年度比九・〇%程度の上昇にとどまるものと見込まれます。農林漁業生産につきましては、全体として高水準であった前年度をやや上回る生産が見込まれます。 以上のほか、国内輸送面では、貨物輸送の伸び率は鈍化、人員輸送の伸び率はほぼ同程度と思われ、また、雇用関係は引き続き不足ぎみに推移するものと思われます。 次に、国際収支でございますが、輸出は、国内経済活動の鎮静化が見込まれ、また、欧米を中心とする海外景気が徐々に立ち直りを示すものと予想されることから、年度間百二十一億五千万ドル程度になるものと期待され、輸入は、国内経済活動の鎮静化に伴いまして、百一億五千万ドル程度にとどまるものと思われます。したがいまして、貿易収支は前年度をかなり上回る二十億ドル程度の黒字になるものと期待されます。また、経常収支は六億ドル程度の黒字へと好転するものと思われます。 他方、長期資本収支でございますが、世界的高金利傾向、また、アメリカのドル防衛策の強化による影響も予想されますので、前年度を若干上回る九億五千万ドル程度の赤字になるものと見込まれます。 この結果、四十三年度の総合収支でございますが、三億五千万ドル程度の赤字になることは避けられないものと思われます。 最後に、物価につきましては、卸売り物価は、経済活動の落ちつきに伴いまして安定的な動きを示すものと予想されますが、前年度の上昇傾向の影響もあり、前年度比一・〇%程度の上昇になるものと思われます。また、消費者物価は、その騰勢はきわめて根強いものがありますが、各般の物価対策を強力に推進することによりまして、前年度比四・八%程度の上昇にとどめるよう、つとめるものといたしております。 以上、四十三年度の経済見通しと経済運営の基本的態度につきまして、御説明申し上げた次第でございます。
○委員長(西郷吉之助君) 以上をもちまして、四十三年度予算三案につき、政府の説明を終了いたしました。 公報をもって次回はお知らせいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十二分散会 ―――――・―――――